「出会い系立ち飲み」の最新トレンド!新宿の夜景を望む衝撃的なVIP感

いま巷で流行中の「スタンディングバー」。仲間同士やカップルで飲みに行くのも良いですが、その醍醐味は何といっても新しい出会いが期待できること。最近では、東京・銀座のコリドー街周辺が“出会える”エリアとして有名になりましたよね。

 

そんなこんなで、いま都心を中心にスタンディングバーが続々と誕生していますが、特に勢いがあるのが「The Public stand」(通称:パブスタ)。なかでも先日オープンした新店「歌舞伎町2号店」は、きわめてアイコニックと話題になっています。いったいどんなお店なのでしょうか? レセプションパーティの様子から、その魅力をお伝えしていきます!

 

 

時間無制限でサイフに優しい!大人の社交場“パブスタ”とは?

「The Public stand」は、「カジュアルの中にも洗練された大人のエレガンスな空間」をコンセプトにしたスタンディングバー。SNS映え確実な店舗デザインもさることながら、何といっても人気の理由は、独自のシステムにあります。

 

まずひとつめは、「時間無制限飲み放題」。オープンからクローズまで最大11時間もの間、ドリンク飲み放題! それでいて、料金は男性3240円(金・土・祝前日は3780円)、女性なら1080円のハイコスパぶり! 時間やお金を気にせず思いっきり楽しめる、というワケです。

↑こちらの端末で受付。他のスタンディングバーによく見られるチケット購入での入場も可能です

 

飲み放題のドリンクメニューは超充実。バーテンダーが目の前で作る本格カクテルだけで100種類以上、もちろんビール、ワイン、ウイスキーなどおいしいお酒が豊富にそろっています。

↑気さくなスタッフさんがドリンクを作ってくれます

 

↑別途チケットを購入すれば、ウイスキーだって注文できます

 

↑パーティシーンで人気のコロナエキストラも、チケットドリンクメニューとして提供

 

↑フードはスナック系と、生ハムやスモークサーモンなど、ライトなおつまみが中心

 

そしてもうひとつの特徴が、お店の出入り自由というPublic(公共)なスタイル。海外でよく見られるカタチです。系列店の間を行き来するのも自由。目当ての人と出会えなければ次の店に行く“ハシゴ”も好きなだけ。新宿には2店舗あるので、そこを往復するもよし、渋谷や六本木などの他エリアに繰り出すもよし。雰囲気が異なる店舗で、また気分を変えて楽しめるのです(男性は、はしごエントランス料金1080円がかかります)。

↑エントランスで押してもらう、ブラックライトで光るスタンプ。これを見せれば、他店舗にも入れます

 

自由に出入りできるので、アポイントの前後に寄ったり、仕事帰りに気軽に寄れたりするなど、さまざまなシーンで便利なんです。お店側も、ハシゴ客のための店舗拡大に注力しているので、系列店もできやすそう。

 

 

開放的なVIP席を備えた新店「歌舞伎町2号店」

「The Public stand」の話題の新店があるのは、新宿歌舞伎町でも特に活気のあるエリア。歌舞伎町一番街のアーチをくぐったら、目と鼻の先に建物が見えてきます。そしてお店はそのビルの最上階に。

↑かなり有名な、この看板が目印です

 

↑こちらのビルにあります。10F・11Fの2フロア構成

 

有名な画家・イラストレーターによる壁画アートを採用するなど、店内の装飾はかなりこだわっていてフォトジェニック。ほぼスタンディング席なうえに、かなりの盛況ぶりで、ゲスト同士の距離感も近づきそう。

↑店内10Fの様子

 

↑ドリンクを注文するバーカウンター

 

「歌舞伎町2号店」の最大の特徴は、セレブ気分に浸れるVIP席。ひとつめが新宿の夜景も楽しめる個室「VVIP ROOM」。スタッフさんが席までドリンクを持ってきてくれるサービスも。

↑VVIP ROOM(3240円/1時間 ※金・土・祝前日は5400円/1時間)

 

↑この通り、きらびやかな夜景を望めます

 

そしてもうひとつが、同ブランド初となる“ルーフトップ”の「ROOFTOP VIP」。もちろん夜景も楽しみつつ、さらに開放的な気分も味わえて、特別感満点です。

↑こちらがROOFTOP VIP(4320円/1時間 ※金・土・祝前日は6480円/1時間)

 

↑VIP席の利用者にはこんなサングラスがもらえます。有料で購入することも可能

 

「時間無制限飲み放題・出入り自由」システムで、人々の交流をカジュアルに演出する「The Public stand」。現在は東京都内に7店舗と、千葉県内に1店舗あり、今後さらに拡大しそうな予感です。もともとコスパは高いですが、お得な割引キャンペーンも頻繁に実施しているので、有効活用するのも手ですよ。

 

 

【SHOP DATA】

The Public stand歌舞伎町2号店

住所:東京都新宿区歌舞伎町1-23-15 SUZUYAビル10F・11F

アクセス:JRほか「新宿駅」東口徒歩5分

営業時間:18:00~翌5:00

定休日:なし

【27日まで】お酒の最新トレンド「クラフトカクテル」を飲もう! 「東京カクテル7デイズ」のプロオススメ店

食の世界で「クラフト」が定着しつつある昨今。お酒では、特にクラフトビールやクラフトジンがトレンドとしてもてはやされています。ただ世界のバーシーンをリードするロンドンやNYでは、クラフトカクテルが沸騰中。流れは東京にも来ていて、このムーブメントを気軽に体験できるイベントが、都内各所で限定開催されています。初日の潜入レポートとともに、オススメのバーも紹介していきましょう!

 

名店の一杯をカジュアルにホッピングできる!

イベント名は「東京カクテル7デイズ 2018」。2017年に第1回が開催され、今回で2回目となります。内容は、カクテルパスポートを片手に、人気店をホッピングして楽しめるというもの。メイン会場は「明治神宮前<原宿>駅」が最寄りのVILLAGE(エコファームカフェ632)です。

 

↑VILLAGEにて。8ブランドのポップアップバーが出店され、大盛況のにぎわい

 

VILLAGEは本日まで。ただ、それ以外では5月27日(日)まで、都内66店舗のバーで計246種類のクラフトカクテルを、特別価格で楽しめます。パスポートは事前にネットで購入する方法がありますが、こちらは5月19日まで。20日以降は当日券ということで、VILLAGEや参加店舗のバーで直接4500円を支払う形となります。

 

↑カクテルパスポート。66店舗のバーで使える、カクテル1杯分の無料クーポンが付いてくるのもうれしい!

 

メイン会場は本日となりますが、ここでは提供される16以上のカクテルから8カクテルが無料で楽しめるのでなるべく足を運びたいところ。参加ブランドは、BACARDI, BEEFEATER, CAMPARI, GLENMORANGIE, GREY GOOSE, HENDRICK’S, HENNESSY, TUMUGIという、そうそうたる顔ぶれです。

 

↑VILLAGEに出店しているCAMPARIのブース。いま世界で一、二位を争う人気の「ネグローニ」のほか、「カンパリシェケラート」「カンパリトニック」を飲むことができます

 

↑VILLAGEでは「カクテルマルシェ」というブースにも注目。有料となりますが、季節のハーブや野菜、フルーツを使ったカクテルからカクテルアイスまで多彩な楽しみ方を目の前で体験できます

 

66ものBARから気鋭の新店をピックアップ!

ここからは、参加店での楽しみ方をご紹介。パスポートを提示することで、期間限定のオリジナルカクテルを特別価格1000円で注文することができます。なお前述しましたが、カクテルパスポートは各店でも直接購入でき、カクテル1杯分の無料クーポン付き。ということで、66のバーのなかから比較的に新しめの3店舗をご紹介しましょう。

 

その1:恵比寿「Bar Triad」(バー トライアド)

恵比寿の人気店「Bar Tram」「Bar Trench」に続く新店として2017年にオープン。2フロア制になっており、まるで隠れ家のようなエントランスをはじめ、遊び心が随所に。期間中は昼、夕方、夜と各時間帯をイメージしたカクテルを提供。

 

その2:銀座「Salt grill & tapas bar」(ソルトグリル アンド タパスバー)

オープンから1年以上経ついまも話題の絶えない「GINZA SIX」の6階にビルトイン。オーストラリアのスターシェフ、ルーク・マンガン氏が手掛ける、ハイセンスなグリル料理とタパスが味わえます。レストランバーである強みを活かしたフォンドヴォーがベースのカクテルなどが強みですが、今回は海外のレストランやホテルのドリンクをイメージしたカクテルを考案。

 

その3:中目黒「PAVILION」(パビリオン)

個性的なショップが軒を連ねる「中目黒高架下」のなかでも異彩を放つ、LOVEとARTがテーマのレストラン。ゲストを五感で刺激する世界観と美食にあふれ、フードの真骨頂は窯焼き料理とお酒とのペアリングとなっています。イベントでは同店ならではのARTなカクテルを4種用意。ヴィジュアルでも楽しめる内容になっています。

 

日本ではまだ珍しいかもしれませんが、冒頭で触れたように海外ではバーホッピングのイベントも日常的。またプロのバーテンダーが作るカクテルは、パフォーマンスやお酒のヴィジュアルはもちろん、圧倒的においしいことが魅力です。これを機に、ぜひ奥深いクラフトカクテルの世界に足を踏み入れてはいかがでしょうか!

 

【SHOP DATA】

Village(メイン会場)「エコファームCafé 632」

住所:東京都渋谷区神宮前6-32-10

開催日時:2018年5月18日(金)~20日(日) 3日間限定 16:00~21:30まで

 

バーホッピング対象都内66店舗
2018年5月18日(金)~27日(日)
渋谷、恵比寿、新宿、六本木、池袋、などを中心としたバー&レストラン ホテルバーなど

 

やっぱり、日本酒は面白い! 「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で出合った「驚きのお酒」5選

いまや和食以外の料理店でもペアリングを推奨され、海外への輸出も盛んな日本酒。ゆえに、日本伝統の酒器ではなく、ワイングラスに注がれるケースも少なくありません。そんな観点から開催されているのが、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」。8回目となる今回は、263蔵から過去最高の901点が出品され、最高金賞46点、金賞236点が選考されました。今回は同アワード2018の入賞酒お披露目会に参加し、その様子をレポートしていきます。

会場には、アワードで金賞・最高金賞を受賞した84の蔵元の日本酒がズラリ。ワイングラスで飲むということから、受賞酒には洗練されたテイストのものが多いというイメージを抱いていましたが、フルーティなタイプから旨みの豊かなどっしり系など、実に多種多様な銘柄が揃っていました。以下では、印象に残った5つの酒造とその銘酒を、造り手のインタビューとともに紹介します!

↑会場となった虎ノ門ヒルズのホールには、多数の日本酒ファンが来場。注目度の高さがうかがえました

 

注目の日本酒その1

アメリカの超高級レストランからのオファーもある希少な純米大吟醸「蔵光」

↑「蔵光」 菊水酒造株式会社(新潟県) 1万800円/750ml

 

大吟醸部門で最高金賞に輝いたのは、285の出品数のなかでわずか15点。なかでも、特にレアだといえるのが、菊水酒造の純米大吟醸「蔵光(くらみつ)」。ふくよかなボディに華やかさが際立つ贅沢な味わいです。数量限定の希少なお酒で、目立った宣伝活動をしていないにもかかわらず、クチコミで支持が広がっているとのこと。聞けば、生産の半分は輸出していて、アメリカの超高級レストランからのオファーも多く、「アメリカでこういうお酒を見かけたけど、本当に菊水さんの商品?」と問い合わせを受けることもあるそうです。国内では、取扱店は限られているものの、都内のある百貨店では、1店で年間数百本ものオーダーが入る例もあるのだとか。

 

造りの大きな特徴は、原料米に魚沼産コシヒカリを100%使っている点。ただ、これは挑戦ともいうべき至難の技だといいます。なぜなら、飯米であるコシヒカリは、日本酒用に作られている酒米よりも小粒で、しかも精米歩合を23%まで磨き上げているため、酒造りに大切な米の中心部「心白」も極小に。さらには水を吸うスピードが速くなるので、吸水の時間には通常以上に神経を研ぎ澄ませなければいけません。

↑23%まで磨いた魚沼産のコシヒカリの見本。ご覧の通り、極めて小さな粒になるまで削られています

 

「蔵光」は「ここまでやるか」という異次元のこだわりを貫いた成果

では、そんな貴重なお酒にはどのような思いが込められているのか、菊水酒造の安達厚子さんに聞いてみました。

↑菊水酒造 営業部の安達厚子さん

 

「『蔵光』というのは創業の地、蔵光村に由来。二度にわたる水害でその地を離れることになったのですが、原点に立ち返る当社の意思と姿勢が酒銘に込められています。それだけに特別な一本になっており、当社が130年以上で培った知見と技をつぎ込んでチャレンジしました。原料に酒米の王者・山田錦を使わず、新潟県が誇るブランド飯米・魚沼産のコシヒカリを使ったことも、当社の進取の精神の現れ。『ここまでやるか』という異次元のこだわりを貫いた結果です。華やかな香りをワイングラスで楽しんでいただくことも想定していたので、今回、名誉な賞をいただけて喜びもひとしおですね。ちなみに、ボトルに映し出された一筋の光は、菊水の酒造りに対する一点の想いが大きな灯りとなり、上昇していくイメージを表しています。人生を照らす光のように、慶事や人生の節目を祝う特別な日に選んでいただけたら」(安達さん)

↑同じく菊水の「無冠帝 吟醸 生詰」は720mlで1190円。心地よい旨みとキレのよさが共存するバランスの取れたお酒で、こちらもワイングラスがよく合うお酒といえます

 

注目の日本酒その2

ひとくちで「旨い」とうなる絶妙な味わい「燦爛 純米大吟醸 原酒」

↑「燦爛 純米大吟醸 原酒」 株式会社外池酒造店(栃木県) 3399円/720ml

 

次に取り上げるのは、「蔵光」と同様、大吟醸部門で最高金賞を受賞した「燦爛(さんらん) 純米大吟醸 原酒」。本品を醸した栃木県の外池(とのいけ)酒造店は、首都圏中心の特約店に卸す「望bo: 」という銘柄で評価が高まりつつあり、国内最大の日本酒コンペ「SAKE COMPETITION 2016」では純米吟醸部門の2位を獲得した実力蔵です。「燦爛 純米大吟醸 原酒」は、「酒米の王様」といえる山田錦を45%まで磨いて使用しており、一見、王道の大吟醸に見えますが、実は、使用米の95%が栃木県産(※)という地元愛のあふれる一本。澄み切ったボディのなかに鮮烈なインパクトが光る絶妙な味の構成で、ひとくちで「旨い」とうなる味わいです。

※山田錦の名産地としては兵庫県が著名

 

これからも「味」で日本酒の付加価値を作っていきたい

受賞作について、今年38歳になるという同社の杜氏、小野 誠さんにお話を聞いてみました。

 

「地元ではこの燦爛という銘柄がメイン。こちらは県内産の山田錦を使った思い入れのある1本で、飲んだ瞬間においしさが伝わる、あえてわかりやすい酒で勝負しました。造りで心がけているのは、『掃除の徹底』です。お酒にあってはならない香り、『オフフレーバー』を防ぐために掃除は重要。酵母が出す純粋な香りを守るため、布を湯釜で殺菌するなどの基本的な作業が重要になってくるんです」

↑左から、外池酒造店の杜氏・小野 誠さんと、醸造課頭の神田晃道さん。小野さんが持っているのはプレミアム純米部門で金賞に輝いた「望bo: 純米吟醸 無濾過生原酒」1769円/720ml

 

なるほど、そういえば入手困難酒の代表格、「而今(じこん)」の杜氏さんも「蔵の清潔さが大切」とおしゃっていました。地味ですが、こうした基本がもっとも大切なのですね。ちなみに、せっかく現役の杜氏さんがいらっしゃっているので、ワインなどに比べて日本酒が「手間がかかる割に利益が少なすぎる」と言われる現状について聞いてみました。

 

「日本酒はお父さんが晩酌に飲むイメージがあり、付加価値をつけるのが難しいのが現状。しかし、並行複発酵を行う日本酒は、明らかに単発酵のワインに比べて手間ひまがかかっています。ですから、日本酒の価値がもう少し認められてもいいという思いはあります。その点、今回の受賞作は1本3000円超と高価。だからこそ、飲んだ人に『失敗した…』とは思わせたくないですし、『この味なら、全然高くないよ!』と言われる味を目指して造りました。もちろん、手が届かない価格のものばかりではいけませんが、これからも『味』で日本酒の付加価値を作っていけたらと思っています」

※並行複発酵……デンプンの糖化と糖のアルコール発酵を同一容器で行う方式。果汁に糖が含まれ、発酵のみを行う(単発酵)ワインと比べて複雑で手間のかかる工程となります

 

注目の日本酒その3

ライチを思わせる個性的なスパークリング「人気一Rice Magicスパークリング純米大吟醸」

次は、スパークリングSAKE部門で最高金賞に輝いた一本を紹介。ちなみにこの部門の最高金賞は、入賞率4.6%と今回最も狭き門でした。紹介する蔵元は、ネーミング的にも個性のある福島県の人気(にんき)酒造です。聞けばこちらは、アワードのスパークリングSAKE部門の常連。今回は、最高金賞受賞の「人気一Rice Magicスパークリング純米大吟醸」と、2014~2017年で4年連続最高金賞に輝いた「Rice Magic人気一スパークリングレッド」を紹介します。

↑左が「Rice Magic人気一スパークリングレッド」、右が「人気一Rice Magicスパークリング純米大吟醸」。人気酒造株式会社(福島県) ともに823円/300ml

 

どちらも、芳醇な甘味がありながら、酸も効いていてバランスの良い仕上がり。「人気一Rice Magicスパークリング純米大吟醸」は、口に含んだ瞬間、「ライチか!?」と錯覚させるような、個性的な風味がありました。シャンパンの製法として知られる「瓶内二次発酵」ならではのきめ細かな泡も秀逸。ボトルのデザインもかわいらしいので、女性にプレゼントしたら喜ばれそうです。

↑人気酒造株式会社の田畑俊哉さん

 

「両方とも添加物は一切使用せず、米と米こうじのみで発酵させたナチュラルな仕上がりが特徴です。やわらかく、やさしい味で飲みやすいと思いますよ。レッドのほうは、黒米を使っているから色味が赤くなるんです。紅白で縁起もいいということで、贈り物に選んでいただくことも多いですね」(田畑さん)

 

注目の日本酒その4

こだわりの自社栽培米で醸した軽やかなお酒「竹林 かろやか 大瀞」

続いて紹介するのは、プレミアム純米部門で最高金賞を受賞した一本「竹林 かろやか 大瀞(おおとろ)」。こちらも入賞率が5.3%という厳しいジャッジのなかから選ばれた名作です。こちらを醸した蔵は、米作りに並々ならぬこだわりを持つ岡山県の丸本酒造。

↑左から2本目が、最高金賞を受賞した「竹林 かろやか 大瀞(おおとろ)」1836円/720ml。隣は「竹林 ふかまり 純米」1296円/720ml。ともに丸本酒造株式会社(岡山県)

 

受賞作は、「かろやか」の名前の通り、「水か?」と驚くほど口当たりは極めて軽やか。華やかな吟醸香とほのかな甘みを持ち、余韻にはまろやかさが残る絶妙な味わいでした。

↑満面の笑みとアニメ声が印象に残る丸本酒造の高橋芙美さん

 

「とにかく、日本酒で米本来の旨みをダイレクトにお伝えしたいですね。当社では、すべての酒を社員自ら栽培した山田錦で造ります。山田錦は低農薬で稲本来の力を引き出す『三黄造り』という農法で栽培。また、掛米と麹米(※)で田んぼをわけ、それぞれ最適な方法で育てています。掛米は繊維がぎゅっと詰まった米が最適。麹米は菌糸が食い込めるよう、スカスカな米質のほうが良いので、それに応じて作り分けているんですね。ちなみに、ワイングラスはお酒の温度が上がりにくいですし、口元が広くて薄いので、お酒の味がよくわかります。ぜひ、このお酒もワイングラスで楽しんでみてください!」(高橋さん)

※掛米……もろみ(かゆ状のお酒のもと)に投入されるお米のこと。もろみを増量するときに使われます ※麹米……麹菌を繁殖させ、米麹の元になるお米のこと

 

注目の日本酒その5

「思いっきり味を乗せてみよう」と生酒のまま1年寝かせた「御園竹 蔵内生熟成」

最後は、最高金賞ではない金賞ながらも、個人的に印象深かった一本をご紹介。主催者のひとりに「これは本当に変わっている」と教えてもらった長野県・武重本家酒造の「御園竹(みそのたけ) 蔵内生熟成」です。

↑右が「御園竹 蔵内生熟成」1231円/720ml、その隣は熟成させる前の「御園竹 濃醇旨口生酛原酒無濾過生酒」で1188円/720ml。ともに武重本家酒造株式会社(長野県)

 

その特徴は、加水しない原酒ならではのアルコール度数19%というパワフルな飲みごたえと、濃厚な甘味と旨み。そして生酒のまま1年間寝かせたことによる、何ともいえない熟成香とトロリとした口当たり。苦味すら感じるクセのある味わいですが、ワイングラスで飲むと一層ハマりそうです。

↑武重本家酒造株式会社の武重有正さん

 

「濃いでしょう? 通常のお酒と違い、実験的に思いっきり味を乗せてみよう、と造ったのがこれ。生酛造り(※)の酒は本来、熟成がゆっくりなので、熟成が進むよう、蔵のなかで生酒を常温で1年寝かせてみました。味はしっかりしているんですが、実は悪いニオイの『生老香(なまひねか)』も出ていて、ワイングラスだとそれがよくわかります。アルコール度数も高いですし、好き嫌いは分かれるでしょうが、熟成酒マニアの方にはぜひ飲んでいただきたいですね」(武重さん)

※生酛(きもと)造り……伝統的な造りの手法で、酵母を雑菌や微生物から守る乳酸菌を自然界から取り込む方法。濃淳な旨みと酸がある本格的な味わいの酒になります

 

贅を尽くした大吟醸から、唯一無二のスパークリング、クセが強すぎるお酒まで。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」では、個性豊かなお酒との出会いがあり、大いに興奮させていただきました。みなさんも、今後の同アワードに注目するともともに、今回紹介したお酒を見つけたら、ぜひワイングラスで楽しんでみてください!

父の日にも自分用にも。「ブラックニッカの限定品」が酒好きの心をくすぐる

6月17日は父の日。プレゼントをどうしようかとお悩みなら、今年はウイスキーなんていかがでしょうか? 実はロングセラーブランド「ブラックニッカ」から、父の日を“リッチ”に演出してくれる数量限定商品が登場。メーカーの新商品発表会の様子から、その魅力をお伝えします!

 

 

まずは「ブラックニッカ」のおさらいから

1956年の発売以来、時代とともにカタチを変えてウイスキーのおいしさ、面白さを発信し続けている「ブラックニッカ」。トレードマークの“ヒゲのおじさん”でもおなじみですね。現在では、飲みやすくて軽やかな「クリア」、華やかな香りとコクの「リッチブレンド」、深く重厚な味わいの「ディープブレンド」の3タイプの商品が主軸です。

 

2017年は前年比102%と拡大傾向のウイスキー業界にあって、「ブラックニッカ」は前年比112%と特に好調。5年連続で過去最高の売上を更新し続けています。

↑ウイスキー需要はじわじわと拡大中!(アサヒビール新商品発表会の資料より)

 

 

さらに“リッチ”になった限定ブレンド

それでは、ブラックニッカの父の日向け商品たちをご紹介していきましょう。まずは、「リッチブレンド」をベースとした数量限定商品「リッチブレンド エクストラシェリー」。

↑「ブラックニッカ リッチブレンド エクストラシェリー」2000円(参考小売価格/以下同)

 

シリーズの特徴であるシェリー樽原酒による甘く芳醇なコクを、さらに際立たせた味わいにブレンド。なめらかな口当たりと、濃厚なドライフルーツを思わせる甘さ、そしてほのかにビターな余韻が特徴です。

↑発表会では、限定販売の「エクストラシェリー」、従来の「リッチブレンド」、キーモルトの「宮城峡シェリー樽原酒」を飲み比べ

 

↑同社の誇るマスターブレンダーの佐久間正さんが、テイスティングについて説明してくれました

 

↑比べてみると違いがはっきりと。エクストラシェリーはさらに濃密でフルーティ!

 

↑サンプルとして特別に、シェリー樽の一部が会場に。年季を感じさせます

 

このリッチな味わいで、お値段は2000円とリーズナブル。これはウイスキー好きなら“買い”でしょう!

 

楽しいグラス付きセットも登場!

父の日に向けて、通常の「リッチブレンド」に特別なグラスが付いたセットも発売されます。ニッカウヰスキーのロゴが入ったグラスは、ウイスキーの香りを楽しむのに最適な形状を採用。

↑「ブラックニッカ リッチブレンド 香りに出逢うグラスセット」2300円。

 

なお「香りに出逢うグラス」は、アサヒビールの研究所と、ニッカウヰスキーのブレンダーが共同開発したものだそうで、フタが付いた特別なもの。また定番の3商品にも、期間限定でうれしいタンブラー付きのセットが発売されます。

↑定番の「ブラックニッカ」3アイテムにも、父の日向けのタンブラーセットがあり!

 

↑オリジナルミニジョッキが付く「クリア」900円

 

↑こちらは「香りに出逢うグラス」とパターンの違う、くびれのあるタンブラー付きの「リッチブレンド」1330円

 

↑どっしりとしたタンブラーが付く「ディープブレンド」1500円

 

ただお得なだけではなく、それぞれの酒質に合わせてグラスのデザインが違うという芸の細かさは、さすがの一言です。

 

どれも価格的に大げさになりすぎないのが、ちょうどいい。まさにプレゼントにピッタリです。限定品なので、もちろん自分用として買っておいても損はない一品でしょう。贈るもよし、一緒に乾杯するもよし、ブラックニッカでステキな父の日を!

世界一の日本酒を決める「SAKE COMPETITION 2018」去年とはココが違う!

「SAKE COMPETITION(サケ コンペティション)」 実行委員会は、世界最多出品酒数を誇り、日本酒コンペティション「SAKE COMPETITION 2018」の開催を決定しました。「SAKE COMPETITION」は「ブランドによらず消費者が本当においしい日本酒にもっと巡り会えるよう、 新しい基準を示したい」という理念のもと2012年から始まりました。そのため市販酒のみが対象となっており、審査方法は完全に銘柄を隠し、酒の中身のみで競うことに徹底し、どんなブランドでも1位を獲るチャンスがあるコンペティションです。

↑昨年の「SAKE COMPETITION 2017」表彰式

 

「海外出品酒部門」を新設し、授賞パーティが一般参加可能に

昨年の「SAKE COMPETITION 2017」は参加蔵数、約453蔵(海外蔵:7場)、出品酒は1730点を超える世界最大規模。事実上の「世界一の日本酒」を決めるコンペとなっています。市販酒のみを対象に、この規模で審査するコンペはほかにはなく、年々注目度は上がってきています。例年1位を獲得した日本酒は、即日完売し全国から問い合わせが殺到。 地元の人にしか知られていないような地酒でも、全国的な知名度を獲得し、一躍脚光を浴びる大きなチャンスとなっています。

↑2017年の各部門の受賞酒。左からラベルデザイン部門「越後鶴亀 越王 純米大吟醸」(株式会社越後鶴亀/新潟県)、発泡清酒(スパークリング)部門「南部美人 あわさけ スパークリング」(株式会社南部美人/岩手県)、純米酒部門「作 穂乃智」(清水清三郎商店株式会社/三重県)、吟醸部門「来福 大吟醸 雫」(来福酒造株式会社/茨城県)、純米吟醸部門「土佐しらぎく 純米吟醸 山田錦」(有限会社仙頭酒造/高知県)、純米大吟醸部門「開運 純米大吟醸」(株式会社土井酒造場/静岡県)、Super Premium部門「七賢 純米大吟醸 大中屋 斗瓶囲い」

 

今年は海外からの出品酒のみで構成される「海外出品酒部門」を新設。2017年の「純米酒部門」 「純米吟醸部門」「純米大吟醸部門」「吟醸部門」「Super Premium部門」「ラベルデザイン部門」 「(発泡清酒)スパークリング」と合わせて、全8部門での審査を行います。審査は5月16日~5月18日にかけて行われ、 6月11日の表彰式にて受賞作が発表となります。ちなみに、「Super Premium部門」「ラベルデザイン部門」は、元サッカー日本代表の中田英寿氏の発案により、設立されたものです。

 

また、本年より、授賞パーティが一般参加できるようになった点に注目です。 授賞パーティでは、ザ・ペニンシュラ東京の24階レストラン「Peter」を貸切とし、ブッフェスタイルのディナーを実施。SAKECOMPETITION2018の上位入賞酒100種類以上の日本酒を用意し、日本酒との相性を考えたスペシャルディナーとともに楽しめる形になっています。ディナーのチケット価格は2万1600円とかなりのものですが、世界最高峰の日本酒が一度に楽しめるまたとないチャンス。思い切って参加してみてはいかがでしょうか。

↑授賞パーティが行われる「Pater」内観

 

【授賞パーティチケット情報】

◆日時:6月11日(月)授賞パーティ(19:00~21:30予定)
◆会場:ザ・ペニンシュラ東京24階レストラン:「Peter」
◆発売期間:4月27日(金)~ 5月25日(金)まで
◆チケット金額:2万1600円(税込)
◆住所:東京千代田区有楽町1-8-1 24階
◆アクセス:日比谷線・千代田線・三田線
「日比谷駅」地下通路 A6 ・A7出口直結

ハイテク起業家精神を酒で味わう! シリコンバレーで愛される日本酒「セコイヤ酒」とは?

空前のラーメンブームが続くアメリカ。ここサンフランシスコでもラーメンはシリコンバレーの食文化として一大ジャンルを確立しているといっても過言ではありません。以前、著者がTwitterやUber、AirBnBなどで働く友人たちに誘われて行った夕食会の場所もラーメン・ダイニングの人気店でした。しかし、このような席で必ず話題になるのはラーメンではなく、「SAKE(酒)」なのです。

 

地産地消へのこだわり

↑ティスティングできる生酒3種(左からNAMA、GENSHU、NIGORI)

 

酒は酒でも、サンフランシスコの人々に特に愛されているのが「セコイヤ酒(Sequoia Sake)」。これは初のサンフランシスコ産の日本酒なのです。この町では地産地消がクールで、本銘柄もうたうのも「Made Local, Drink Local」。従って、人気を集めるのも極めて自然な流れだといえます。

 

日本酒は主原料となる米と水選びが極めて重要です。地産地消を大切にするセコイヤ酒が使う米は、カリフォルニアの州都であるサクラメント産のカルローズ。その「食用米」はカリフォルニア州で生産量が最も多く、広く出回っているのですが、実は昔「酒米種」のDNAと間違ってかけあわされてしまったという歴史があります。しかし、この偶然が功を奏し、酒米種の味が改良。カルローズは「酒米」としても使えるようになりました。

 

とはいえ、創業当初は米農家や業者との交渉が非常に大変だったそう。「無名酒造のうえに注文ロット数が少なく、さらにお米の味やレベルもバラバラで、いい日本酒の特徴である『安定した味』を作り続けることが非常に困難だった」とセコイヤ酒を夫婦で作るジェイクさんとノリコさんは言います。

水はヨセミテ国立公園の麓からサンフランシスコへ流れてきているものをフィルタリングして使用。この水をカルローズに加え、セコイヤ酒はサンフランシスコ市内で丁寧に醸造されます。

夫婦二人三脚で道を開く

この酒造は夫婦経営です。ジェイクさんはシリコンバレーのテクノロジー企業に勤務。さぞかし投資家などを巻き込んだ大掛かりなビジネス展開計画をしていたのかと思いきや、奥様のノリコさんとの二人三脚で事業を立ち上げ、あえて家族経営を選んだそうです。その理由について尋ねると、「外野から口出しされずに、自分たちの理想とする日本酒づくりを徹底的かつ自由に追求したかったから」とジェイクさんは言います。

 

2年間の試行錯誤を経てついに販売となったとき、アメリカではちょうどラーメンブームがさらに勢いを増していたところでした。そこで積極的に人気ラーメン店や和食レストランに商品を置いてもらうように営業を展開。次第に口コミでアメリカ人のファンが増えていったそうです。

 

「日本ではラーメンにはビールが多いですが、こちらのアメリカ人やサンフランシスコに訪れる観光客が、話題のラーメン屋をくぐるときは『やっぱりSAKEだね』というモードになるのです。日本酒の販売量が減少気味の日本に比べ、世界では和食やラーメンブームの背景を受けて日本酒はアツいんです!」とノリコさんは語気強く語ってくれました。

 

地ビールやバーボン樽とのコラボでイノベーションを起こす!

信念を曲げずに日本酒を作り続けていくことで、アメリカの生酒ファンの心を掴み、ついにはサンフランシスコ界隈やシリコンバレーを代表する日本酒にまで成長していったセコイヤ酒。その成功によって、カリフォルニアの契約農家からお米を安定供給してもらえるようになり、長年課題だった「味のばらつき」も解消されました。

 

その一方、ご夫婦は面白いことにチャレンジし続けています。新鋭の地ビール・クラフトビール醸造所のベアボトルビールとコラボして、酒ビールの「HALF SAMURAI」の開発に協力。つい最近では、アメリカならではの「バーボンウィスキー樽で熟成した酒(Bourbon Barrel-aged sake)」も売り出し始めました。

 

ほしいものがなければ自分で作る。小さく始めつつも夢は大きく。こだわりは貫く。そして、近隣のコミュニティや異業種との交流を通じてイノベーションを生み出す――。セコイヤ酒を作るご夫婦が持つこのようなスピリットからは、アメリカのハイテク起業家が連想されます。セコイヤ酒も「シリコンバレー流のモノづくり」の1つなのかもしれません。

「安すぎる日本酒」で本当にいいのか!? 「1本1万7800円」驚きの値付けに隠されたメッセージ

クラウドファンディングサイト「Makuake」の運営元、(株)マクアケの広報さんからメールが届きました。どうやら日本酒に関するクラウドファンディングのPRのようです。

 

日本酒の!注目プロジェクトがありご連絡させて頂きました」

 

なんで日本酒の! が太字なんだろう……。勢いだけは伝わってきます。いったい、どんなプロジェクトなんでしょう?

 

高付加価値ブランド「SAKE100」の1本を数量限定で先行発売

(画像出典:Makuake公式サイト)

 

「国内最大の日本酒専門メディア『SAKE TIMES』を運営するClear Inc.が手掛ける”100年先にも色褪せることのない日本酒の魅力”を提供する新しい日本酒ブランド『SAKE100』。今回のプロジェクトは、そんな『SAKE100』の第1弾商品となる『百光 -byakko-』を数量限定で先行発売するというプロジェクトです」

 

へえ。壮大なビジョンですね。あ、「SAKE100」の読み方は「サケひゃく」でも「サケワンハンドレッド」じゃなくて、「サケハンドレッド」なんですね。

 

「『百光』が目指したのは、誰もが納得できる上質な味わいの到達点。国内随一の酒造技術をもつ山形県・楯の川酒造とともに、【720ml/1万7800円(※送料込み)】という価格に足る、世界水準の価値をもつ日本酒を完全数量限定で製造します」

↑百光のボトル

 

1万7800円! 高っ! ……しかし、楯の川酒造というのは、渋いセレクトです。こちらは、「楯野川(たてのかわ)」という銘柄を出していて、地酒ファンにとっては名の知られた存在。筆者は以前、「清流」という純米大吟醸を頂きました。アルコール度は14%台で、通常より1~2%抑えたものだったのですが、どこまでも軽快でキレイな酒質。にもかかわらず、味の物足りなさはまったくなく、大変キメ細かな味わいでした。……ああ、また飲みたいです。

 

18%という驚きの精米歩合で酒造好適米を使用

続いて広報さんは、「百光」の精米歩合に言及しました。

 

「味わいを実現するためのキーファクトが「18%」という精米歩合。(小林さんならわかってくださると思います、この価値を!)」

 

確かに、精米歩合18%とはすごい……。ちなみに、精米歩合(せいまいぶあい)とは、米を削った割合のこと。精米歩合が高い(数値が低い)ほど香り高く、すっきりした味わいになります。通常は、精米歩合60%(=米の40%を削ったもの)でも高級酒に入るのですが、それが18%(=82%削る)とは……。いまは「獺祭」の「純米大吟醸 磨き二割三分」(精米歩合23%)が高級酒として有名ですが、さらにその上を行く精米歩合ですね。

↑お米の表面を磨いた状態。心白(しんぱく)という白くやわらかい部分が露出し、小さな球状になります

 

「また、『百光』に使用する原料米は、すべて契約栽培でつくられた山形県産の酒米・出羽燦々。農薬をつかわず、手間暇をかけて育てあげた安心の有機栽培米…」

 

出羽燦々(でわさんさん)は、山形県を代表する酒造好適米。しかも栽培が難しい酒米を有機栽培とは……。さらに、広報さんのメールはプロジェクト誕生の核心へ。

 

高付加価値市場を拡大し、日本酒全体の商品価値を高める

「また、何故こんな高価な日本酒をつくるのか? というSAKE100の裏に隠された想いも必見です。日本酒の商品群を見渡すと、高価格市場が未成熟であることは、日本酒市場が抱えている課題です。嗜好品としての需要が国内外問わず高まっていく状況で、いかに高いレベルのスタンダードをつくっていけるか。それが日本酒市場を”次の時代”へと運ぶキーポイントであり『SAKE100』のミッションです。(新聞でも「日本酒は安すぎる?」という記事がありました)」

 

なるほど、プロジェクトの理念として、日本酒の高付加価値市場を拡大することで、日本酒全体の商品価値を高めたいということですね。…確かに、「日本酒が安すぎる」といわれるのは納得です。あれだけ手間ひまをかけて造っているのに、蔵元の利益が少なすぎるのでは……。そういえば、筆者が和食居酒屋で働いていたころ、先輩が「ワインならボトル1本3000円くらいは普通。だが、日本酒だといくら旨くてもその値段では売れない」と話していたのを聞いたことがあります。「日本人が、日本酒の価値を一番わかっていないのや」とも。たしかに、先述の「楯野川 清流」も、あのクオリティで、しかも純米大吟醸で、1.8ℓ3000円を切っていたしなぁ……。

 

と、ここにきて、いくつかの疑問が湧いてきました。もはや酒造産業が「趣味」や「ボランティア」と呼ばれるほど、多くの蔵元が利益率の低さにあえいでいます。そこに目をつぶって、我々は、おいしい日本酒を「いいとこどり」するだけで良いのでしょうか? 本当に努力をしている人、良いモノが正しく報われない現状……真の日本酒ファンであるならば、身銭を切ってでも抗うべきでは……? この「SAKE100」プロジェクトは、そんな日本酒ファンの問題意識を形にしたプロジェクトなのでしょう。720mℓ1万7800円~という驚きの価格をつけることで、「このままでいいのか?」と訴えているようにも思えます。

 

果たして、価格に見合うだけの価値があるのか? といった点は大いに気になりますが、〝日本酒の価値を高めて正しく報われる時代を作りたい”という願いには強く賛同したいところ。筆者も、本プロジェクトの存在を伝えることで、少しでも多くの方に日本酒の課題を知っていただければ…そして、少しでもユーザーの意識が変わる助けになれば…と願っている次第です。

暑い日はシュワっとしたスパークリングワインで乾杯! 1杯目に飲みたい「日本ワイン」は?

宴席や家で飲むときの1杯目といえば、やっぱりビール。とくに、仕事終わりや休日の昼下がりにゴクゴクと飲むビールは格別です。

 

とはいえ、「今日はなんだかワインが飲みたい」という気分の日もあるはず。キリッと冷えたワインも1杯目には最適ですし、ホームパーティーのときにワインが出てくると、少し華やかな感じもしますよね。

 

ワインといえばフランスやイタリア、チリなど海外で作られているものが多いイメージですが、最近は日本ワインも頭角を現し始めているんです。そこで、今回は「1杯目に飲みたい日本ワイン」をご紹介したいと思います。

 

 

①「日本のあわ」は優しい甘みが決め手

最初にご紹介するシャトー・メルシャンは、日本の本格ワインとして1949年に誕生した山梨の老舗ワイナリーです。「メルシャン」と聞くと、スーパーなどで低価格で売られているワインのイメージが強いかもしれませんが、シャトー・メルシャンはワイン通も満足できる海外にも通用するレベルのワインを作っているんです。

 

かくいう筆者もシャトー・メルシャンの大ファンで、山梨旅行でワイナリー見学に訪れた経験があるほど。「城の平ヴィンヤード」や「椀子(マリコ)ヴィンヤード」をはじめとする自社管理農園でブドウを栽培しており、海外で数々のワインの賞を受賞しています。

 

そんなシャトー・メルシャンで一度飲んでほしいのが、「日本のあわ 穂坂マスカット・ベーリーA」です。辛口のロゼスパークリングワインで、日本固有のベーリーAという黒ブドウを使用しています。

口に含むと、イチゴやチェリーのような果実味に加え、キャンディのようなフレーバーが。これだけだと「甘すぎるのでは?」と思うかもしれませんが、爽やかな酸味も感じられるので、後味はスッキリしています。

 

このワインは野菜のマリネなどに合わせるのがおすすめだそう。ピンク色が見た目にも華やかですし、最初の1杯として文句なしなワインです。

 

 

②小樽生まれのOSA WINERYの微発泡ワインにも注目

OSA WINERYは、2015年に小樽に誕生したばかりの、新興ワイナリー。白ワインに特化したOSA WINERYは、ワインに向くぶどうの一大生産地・余市に近い、新たなスタイルのワイナリーとして注目されています。

 

そんなワイナリーの「tabi sparkring(タビ スパークリング)」は、小樽発祥のブドウ「旅路」を使った辛口の微発泡ワインです。ステンレスタンクで熟成したあと、瓶内二次発酵で自然な泡を溶け込ませているだけあって、泡の口当たりはゆるやか。「スパークリングワイン」と聞くと、シュワシュワ、ぱちぱちとしたものを思い浮かべますが、そういったワインよりももっと穏やかな印象です。

 

最初にふわっ柑橘系の香りと甘さを感じるのですが、魚介料理との相性は良さそう。食中酒として飲むのもいいでしょう。

 

ただし、こちらは小規模ワイナリーのため製造本数がかなり限られています。2017年10月20日に発売された「tabi sparkling」は1000本の製造となっているんです。見つけたらぜひゲットしてみてください。

 

 

③りんごの甘みがぎゅっと詰まった高畠ワインの「高畠シードル」

ワインがあまり得意じゃない人に飲んでいてほしいのが、山形県・高畠ワインの「高畠シードル」です。高畠ワインは東北で最大規模のワイナリーで、地元のぶどうにこだわって醸造しています。

シードルとは、りんごから作ったスパークリングワインのことで、山形といえば、ぶどうだけでなくりんごの産地でもあります。実は筆者も初めてこちらのワイナリーのシードルをいただいたのですが、これがめちゃくちゃフルーティーでみずみずしさに溢れているんです!

 

使用しているりんごの銘柄は「ふじ」で、泡がパチパチとはじけます。甘口に仕上がっており、本当にりんごそのものの果汁が感じられます。ついついお酒であることを忘れて、飲みすぎてしまいそうです。

 

今回紹介したワインは、日本生まれのワイナリーが集合した「日本ワインMATSURI祭」で知ったものばかり。残念ながら4月13〜15日の開催だったのですでにイベントは終了していますが、最近は年間を通してさまざまな日本ワインのイベントが開催されています。

 

なかなか普段接する機会のない日本ワインはですが、こういったイベントに足を運んで、いろんなワインを楽しんでみませんか?

ビールの神髄といえば“泡”!プレモルの「神泡」は店でも自宅でも十分に堪能できる

“ビール離れ”が叫ばれながらも、何かと話題になるこのカテゴリ。特に大手各社を代表する商品は、常に注目の的といえる存在でしょう。サントリーでいえば「ザ・プレミアム・モルツ(プレモル)」です。実は今年、とあるキャンペーンによって絶好調なことをご存知でしょうか。先日、この企画を体験するメディアツアーに参加してきたので、レポートしたいと思います!

 

 

泡はビールの履歴書だ!

会場となったのは、「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野ブルワリー」。昨年も工場見学の記事をアップしましたが、今回のツアーでは特別に“注ぐ”という体験セミナーもセット。しかも、お店にあるようなサーバーと、缶の2種類で注がせてもらいました。

↑まずは泡だけを。非常にきめ細かく、まるでフォームドミルクのような口当たり!

 

でも、なぜ注ぐセミナーが盛り込まれたのでしょうか。これがプレモル好調の要因となっている「神泡」プロモーションの重要ポイントだからです。CMを見た人も多いと思いますが、ビールの水面下で泡が霞のように舞う様は確かに神秘的。この泡のおいしさを、店はもちろん自宅でも楽しめることがウケているのです。

↑神泡のポスター。街で見かけた人もいるのではないでしょうか

 

↑素材の質と製法の優劣で泡の良し悪しが決まることから「泡はビールの履歴書」とのこと。グラスに残る「エンジェルリング」も、泡がハイスペックなことを物語っています

 

セミナーの冒頭では、サーバーで注いだ場合の神泡ビールのプレモルとそうでないプレモルの違いを比較。同じサーバーで注いだ場合でも、まずはできるだけ泡立たないようにグラスの7分目まで注ぎ、その上からのせるように泡を注ぐのが神泡のコツだそうです。

↑注ぎ方自体は難しくありません。ただ、目詰まりしないようにサーバーを毎日洗浄するなど、いくつかの項目をクリアしていないとこうはならないのです

 

↑左が普通の注ぎ方。右が神泡メソッドによるもの。よく見ると、神泡はきめ細かいうえに泡のもちが長いことがわかると思います

 

神泡品質の認定は、「毎日の洗浄」「設置冷却」「適正なガス圧」「キレイなグラスと自然乾燥」「おいしいビールの注ぎ方」が徹底したうえで、オリジナルノズルを採用していることも必須条件。お店側としても一筋縄にはいかない基準ですが、サントリーとしてはこの3月末で全国に2万6000店を認定し、さらに2018年中で3万5000店にまで増やすよう取り組んでいくとのこと。たとえば「Mojo Cafe」は、神泡以前からある制度「プレミアム超達人店」に武蔵野市で初めて認定されたお店。「プレミアム超達人店」は、もちろん神泡の認定店です。

 

神泡ビールのプレモルを飲めるお店には、前記のポスターが貼ってあります。サントリーのホームページでも認定店を知ることはできますが、もしふらっと入った店に神泡のポスターが貼ってあったら、ぜひ生のプレモルを飲んでみましょう!

 

 

プレモルをまとめ買いすればグラスとサーバーが付いてくる

泡のおいしいビールを自宅で飲みたいという人は多いでしょう。そんなこともあって、家電メーカーなどから家庭用サーバーが発売されているほか、これまでサントリーでもメーカーと共同で開発をしています。ただ、購入や応募というハードルがあったのも事実。この敷居をより低くしたのも、今回の神泡キャンペーンの特徴です。

↑左が「電動超音波式神泡サーバー」、右が「手動SS(スクリュースティリング)式神泡サーバー」

 

それは「神泡体感キット」。スーパーや酒専門店などの店頭で、専用グラスと簡易サーバーがプレモルの景品として付けているキャンペーンです。簡易サーバーは電動式と手動式の2種類があり、前者は24缶入りのケース、後者は6缶or3缶パックの購入者にプレゼント。

↑キットには「泡もち1.2倍グラス」が付いているのもうれしい魅力。特殊なガスを噴射してグラス内面に微細な凹凸を作ることで、クリーミーな泡ができやすくなっています

 

筆者もその実力を試してみました。使ったのは、電源を気にすることなく使える手動式。缶のフチにはめ込むだけで簡単に取り付けられる点も手軽です。

↑手動SS(スクリュースティリング)式神泡サーバーを缶にはめます

 

↑使い方も簡単。グラスの7分目までなるべく泡が立たないように注ぎ、そこからはレバーを「シュコン、シュコン」と何度も押しながらクリーミーな泡を発生させて後のせしていきます

 

感想としては非常に優秀。普通に手で注ぐやり方では難しい、きめ細かい泡を作ることができました。プロのサーバーとまではいきませんが、電池不要であのクオリティであれば大満足です。

↑このような形で売っているスーパーもあるはず。なお「ザ・プレミアム・モルツ〈香る〉エール」でも実施されており、その場合はグラスが足付きタイプになっています

 

「神泡体感キット」は3月後半から実施しており、予想以上に好評のため増産体制で続けていくとか。花見のシーズンが終わったとはいえ、これから夏に向けて暑くなり、ビールをおいしく感じる季節です。グラスとサーバーが付いてくるおトクなプレモル、見つけたらぜひ買って、神泡を体験してみましょう!

【4月30日まで】話が違うじゃない! 11日間連続の「激アツ日本酒イベント」に、仕事を放り出して行ってみた

やるべき仕事を眠らせて、ギロッポンのズーヒル(六本木ヒルズ)にやって参りました! その目的は、こちらのアリーナで開催されている日本酒イベント、「CRAFT SAKE WEEK(クラフトサケウィーク) at ROPPONGI HILLS2018」に参加するため。こちらはサッカー元日本代表で、近年は日本文化を積極的に発信している、「ヒデ」こと中田英寿さんがプロデュースしたイベント。会場に出店している蔵元と直接コミュニケーションを取りながら、様々な日本酒を味わえるという内容です。

 

4月20日(金)から4月30日(月)にわたって開催され、日替わりで10蔵、11日間で合計110蔵が出店します(開催時間は12:00~21:00)。この日は、「中国・四国の日」ということで、同地域の蔵元、10蔵が参加するとのこと。

 

購入したコインと引き換えに10蔵の日本酒が楽しめるイベント

↑上から見た会場。約500本の竹の回廊が取り囲んでいます

 

筆者が到着した時間は19時半ごろ。18時ごろに近くを通りかかったという同僚からは、「そんなに人いなかったよ」と聞いていたのですが、話が違う! 会場は人、人、人で埋め尽くされています。スーツを着た男性客が多いですが、女性客も多いですね。女性のみのグループも多く見受けられます。一方で筆者のようなおじさんの一人客もちらほら。六本木という場所柄、外国人の方も多く訪れているようです。

↑コインで料理を購入できるレストランも出店

 

よく見ると、会場の造りも凝っています。会場をぐるりと青竹が囲み、和の雰囲気を演出しています。テーブルも木の温もりが生きていて、こちらも好印象。頭上には「CRAFT SAKE WEEK」と書かれた提灯、でしょうか。

酒器と飲食用コイン11枚がセットになった「CRAFT SAKE スターターセット」(3500円)を手に入れたら、さっそくお酒を求めて日本酒提供カウンターへ。カウンターにはコインの枚数が明示された日本酒の瓶が冷やされており、コインを渡して酒器に注いでもらう仕組み。

↑日本酒を提供するカウンター

 

↑三芳菊の「ラグジュアリー 残骸」。5つの米を使った異なる大吟醸をブレンドしたもの。ラベルは社長の意向とのことですが、ちょっと意味がわかりません

 

カウンターでは蔵元の個性が楽しめる高級酒を提供

提供されているお酒は、基本的に純米吟醸以上の高級酒で、1杯の相場はコイン3枚~6枚程度。1杯の量は1合の3分の1くらいでしょうか。筆者は、山口県の貴(たか)からスタートし、島根県の月山(がっさん)、高知県の文佳人(ぶんかじん)、愛媛県の三芳菊(みよしぎく)、岡山県の竹林(ちくりん)の順で飲ませていただきました。どれもこれも、舌が喜ぶ美味しさ。文佳人は土佐酒らしいさっぱりした味わい、三芳菊はリッチな甘みが際立つなど、それぞれの蔵元の個性も出ていて面白いです。

↑スターターセットでもらえる酒器(右上)は、1819 年創業の歴史をもつ「石塚硝子」の槌目盃(みぞれ仕上げ)を使用。この盃がパスの役目を果たしており、盃を持っていれば期間中は何度でもイベントに参加できます

 

↑テーブルを回る売り子さんのような方もいらっしゃいます。ハリーポッターのような格好で、「月山」を手に回っていたこちらの方は、唎酒師の資格を持っていて知識はバッチリ

 

提供カウンターでは蔵元と交流できるケースも

蔵元と交流できるのもポイント。筆者の場合は、コイン6枚もする「竹林」の純米大吟醸「たおやか」を飲んだ際、ブースにいたおじさまに、「何で高いんですか?」と、だいぶ間抜けな質問をしてしまいました。すると、「こちらは精米歩合が35%。精米歩合が下がると、格段に造りが難しくなるんです。隣にある精米歩合50%の純米吟醸(コイン3枚)と比べると価格は倍以上なので、実はこっちのほうがオトクです」と丁寧にお答えいただきました。お名前は丸本さんとのことでしたので、多分社長さんなのでしょう(「竹林」の製造元は丸本酒造)。また、余談ですが、「貴」のお酒を注いでいたお兄さんがまた男前で、隣の二人組の女子が「ねえ、どう? あの人」「カッコイイー」とザワついていました。

↑自社栽培の山田錦を35%まで磨いて醸した純米大吟醸「竹林 たおやか」。いつまでも飲んでいたい…と思う、やさしくキレイな味わい

 

↑日本酒の提供ブースにて。デブの筆者よりも、真後ろの「貴」のブースのお兄さんに注目してください

 

今後も有名銘柄が出店する激アツな日が続く

イベントに参加して、やっぱり日本酒は楽しいお酒なのだな、と改めて感じました。実際、あるカップルの女性は、「これおいし~、さっきよりも好き!」と輝くような笑顔で彼氏に話し掛けていましたし、隣で飲んでいたOLのグループは「明日も来ようね~」と実に楽しそう。筆者も「竹林」を飲んだときは、おいしすぎて思わず笑ってしまいました。いや~、日本酒って、本当にいいものですね!

 

CRAFT SAKE WEEKでは、以降も魅力的な蔵元が日替わりで登場するとのこと。今後の日程で個人的にアツいと思うのは、4月29日(日)の「SAKE COMPETITIONの日」。こちらは、事実上の世界一の日本酒を決めるコンペ、SAKE COMPETITIONで各部門の1位に輝いた蔵元が集結します。もうひとつ、激アツなのが4月30日(月)の「チーム十四代の日」。入手困難酒の代表、「十四代(じゅうよんだい)」と「而今(じこん)」のほか、「鳳凰美田(ほうおうびでん)」「東洋美人(とうようびじん)」など、評価の高い蔵元も出店します。今回、参加した印象だと19時以降は特に混みそうなので、混雑を避けるなら、それ以前の早めの時間帯を狙って行ったほうがよさそう。ぜひこの機会を逃さず、楽しいお酒との出会いを楽しんでみてください。

「CRAFT SAKE WEEK at ROPPONGI HILLS 2018」開催概要

日時: 2018 年4 月20 日(金)~30 日(月・祝) 11 日間 各日12:00~21:00 L.O. 20:30
場所: 六本木ヒルズアリーナ(東京都港区六本木6 丁目10-1)
参加蔵数: 各日10 蔵 計110 蔵
レストラン数: 延べ15 店
料金: CRAFT SAKE スターターセット 3500 円(酒器グラス+飲食用コイン11 枚)
料金: 追加コイン 1500 円セット(飲食用コイン10 枚)、3000 円セット(飲食用コイン22 枚)、5000 円セット(飲食用コイン38 枚)
※2 回目以降の来場の際は、酒器グラスを持参いただくと、追加コインの購入のみで楽しめます

絶妙な「味の距離感」に、杯が止まらないよ! 菊水の日本酒「無冠帝」を無冠の中年が試した実感

「私は純米酒しか飲まない」という方。…もったいないと思います。なぜ、美酒と出合う機会を自ら限定してしまうのでしょう。一番安い普通酒でも、本醸造でも(もちろん吟醸でも大吟醸でも)美味しいものがたくさんあるのに……。ちなみに、これら「純米」とついていない種類のお酒は、醸造アルコール(サトウキビなどを原料にした蒸留酒)を添加したお酒です。サラリとした酒質になるメリットがあって、それはそれで素晴らしい個性だと思うのです。

 

クリアな飲み口のなか、新潟酒らしい滑らかな旨みが顔を出す

今回紹介する菊水「無冠帝 吟醸 生詰」(新潟県)もそんな個性が出たお酒。酒銘は地位や名誉にこだわらず、高い志を持つ「無冠の帝王」になぞらえての命名だそう。1983 年に誕生したお酒を今年の3月20日にリニューアルしたとのことで、蔵元さんがモニター用として送ってくださいました。そして、41才独身の筆者もまた、地位・名誉とは無縁の“完全な無冠”であり、夜はわびしい部屋の帝王であることに違いなし。己の孤独を重ねつつ、いち日本酒ファンとして、本品を興味深く楽しませて頂きました。

 

ただの「水」にならないよう、「生詰」で絶妙なチューニングを施した

この「無冠帝」、個人的に気に入ったのは、おしゃれな外見とは裏腹に、昔ながらの辛口の良さを持っている点。口に入れた瞬間は水のようなクリアなのですが、一瞬ののち、ふわっと「サケ」らしい滑らかな旨みが立つのです。その感触を確かめたくて、ついつい杯を重ねてしまう……第一印象はそんなイメージでした。

 

ちなみに、酒銘のあとに表記されている「生詰(なまづめ)」というのは、少しでも生の風味を残す目的で、通常、2回の火入れ(加熱処理)を行うところを1回に減らしたお酒のこと。1回目の貯蔵前の火入れは行い、2回目の瓶詰め前の火入れは行いません。こちらは、瓶詰め前に1回だけ火入れを行う「生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)」に比べて、落ち着いた印象になるとのこと。なるほど、「無冠帝」も同様、落ち着いた酒質のなかに一瞬米の旨みが見えるのは、この「生詰」の成果でもあるのでしょう。ギリギリまで旨みと香りを抑えつつ、没個性の「水」にならないよう、絶妙なチューニングが施されていると感じました。価格は300mℓ544円、720mℓで1190円…価格だけを見ると毎日飲むには厳しいか……。ただ、精米歩合55%、手間ひまのかかる吟醸造りということを考えれば、コスパは悪くありません。

 

ビール代わりの一杯めとして使える軽快な味わい

では、本品を料理と合わせてみたらどうでしょうか? いつもの「必殺・一人鶏つくねもやし鍋」で相性を試してみました。普段は「一杯目はビール(正確には発泡酒)」と決まっており、ちょっと試したらすぐ発泡酒に戻ろう…と考えて、今回は「無冠帝」でスタート。こちらのアルコール度数は15度と通常の日本酒と同様ですが、1杯めに飲んでも重く感じることなく、意外にも進みます。淡い米の甘みがつくねともやしの旨みを受け止めて、あと味をスっと流すイメージ。受け止めて、流す……受け止めて、流す……わかってるスナックのママとの会話のような、絶妙な距離感がちょうどいい……。気づけば「無冠帝」だけでつくね鍋を完食しそうになりました。1杯めはビールじゃなくてこっちでもいいかも。これくらい軽快だと、食前酒にもぴったりだと思いました。

 

また後日、ホワイトソースのグラタンと合わせてみたところ、意外にも相性が良かったです。この方向なら、シチューやビーフストロガノフなどにも合いそう。他方、エビチリと合わせてみたところ、その酸味や油っこさにはやや合わないか……。酒質が穏やかで自然なので、このトーンに合った手作り料理が合うのかな~と感じました。なお、刺身や寿司、サラダや軽い前菜などには当たり前のように合うでしょう。

 

これからの季節は常に冷蔵庫で冷えていてほしい

正直、筆者は鮮やかな味が好み。菊水でいえば、生原酒「ふなぐち」のような濃芳なものが好みです。本来は淡麗なお酒は好みではないのですが、この「無冠帝」は悪くないと思いました。日本酒ならではの良さもうまく出しつつ、あざとさや妙なひっかかりは一切ないので、安心して身をゆだねられます。その証拠に、酒の減り方の早いこと早いこと…内緒で小人が飲んでいるのかと思ったほど。ほどよく冷やすと透明感が際立ちますし、淡いブルーのボトルが涼やかなので、暑くなったらよりおいしく感じるのも間違いなし。こんなお酒が冷蔵庫で待っていてくれたなら、わびしい部屋で過ごす夜もちょっぴり楽しくなりそう……本品は、そんな想像をさせてくれる1本でした。

アメリカの「クラフトビール」が超ホット! 現地のビール好きがオススメする銘柄5選

アメリカでは最近、クラフトビールの人気が急上昇していて、味も非常においしいものが多いです。現在この国には4000社を超えるクラフトビールの醸造所があり、小規模メーカーだからこそできる、こだわりのビールやユニークなビールが作られています。

日本におけるクラフトビールの売り上げは、ビール全体の売り上げで約5%と言われていますが、アメリカでは、なんと20%もクラフトビールが占めるほど人気。これはビールを醸造する技術の向上により、小さな醸造所でも効率よくビールを作れるようになったこと、「バー併設」の醸造所ででき立てのビールが気軽に楽しめるようになったこと、さらにはSNSで「美味しいクラフトビール」が多く拡散されたことがその理由とされています。いまや個性あふれるれるクラフトビールがたくさん味わえるようになりましたが、今回はパッケージもかわいらしくて、お土産にもオススメなクラフトビールを5本ご紹介します。

 

[No.1] BIG EASY IPA

こちらはレモンピールの香りが爽やかなビール。シトラスとパイン(松ぼっくり)のアロマが入っているせいか、飲んでいるとキャンプをしているような気分になります。アルコール度数は4.5%で飲みやすさは抜群。パッケージもかわいいので、女性へのお土産にオススメです。

 

[No.2] Golden Monkey

インパクトを求めている方に紹介したいのがこちら。ボトルにはフルーツフレーバーと書かれてあり、ここからは「爽やかさ」が連想されますが、実際には甘みやコク、苦味、すべてがかなり強めなビールです。アルコール度数もなんと9.5%。「見ざる(猿)・言わざる・聞かざる」のパッケージも個性的で、お酒に強くパンチが欲しい方にオススメのビールです。

 

[No.3] Dogfish head 60 minute IPA

シトラスのアロマが香るビールで、ほんのり紅茶のような味もします。「60 minute」というのは、ホップを60分沸騰状態にし、ホップの「コク」を最大限に引き出しているということだそう。アルコール度数は6%で炭酸も強めなので、仕事終わりやお風呂上がりにスカーっと飲む一杯としてオススメ。パッケージのサメとホップが印象的な、おしゃれなボトルです。

[No.4] Goose Island Fulton St. Blend Coffee Ale

コーヒーアロマが入ったビールですが、「コーヒー」というより「スモーキーな香り」がすると言ったほうがいいかもしれせん。コーヒーとビールの組み合わせによって苦味が強めなので、普通のビールでは物足りないと感じる方にはいいかもしれません。「ちょっと甘めのBBQリブ」と飲めばバランスは最高。アルコール度数は5.5%ですが、飲み応えがあります。

 

[No.5] 「not your father’s root beer」

「RootBeer」とはアルコールの入っていない炭酸ドリンクで、バニラと薬のようなツンとした香りが特徴です。このビールはRootBeerにアルコールを加えたもので、普通のビールより強い刺激を求める方にオススメ。アルコール度数は5.5%で、歯医者さんの匂いというか、湿布の匂いというか、とにかくクセが強いので、好き嫌いがはっきり別れる味だと思いますが、好きな人にはたまらないでしょう。日本ではまず味わえないビールです。

アメリカのビールは小さなビンで売られているので、サイズ感やかわいいパッケージがお土産にぴったりです。ただしアメリカでお酒を買うときは、必ず身分証明書で21歳以上であることを証明しなければいけません。たとえ90歳のおじいさんであっても確認されるので、ビールを買うときには必ず年齢確認できるものを持って行ってくださいね。

 

味もパッケージも個性あふれるクラフトビールは、中小企業だからできる小回りの良さが感じられます。アメリカでは「ビール好きの人」のことをビールの「ホップ」と麻薬中毒者を意味する「Hophead」をかけて「ホップヘッド(Hophead)」と呼びます(友人同士の冗談で使うセリフなので、発言はくれぐれも慎重に)。ホップの虜になってしまう人の言葉があるほど、クセになるアメリカのクラフトビール。アメリカへ旅行に訪れた際は、ぜひお気に入りを見つけてみたらいかがでしょうか。

 

 

フランスの若者がこぞって飲む大人気のお酒! 「キューバニスト・モヒート」とは?

いまも昔もフランスの若者が飲み会の席で飲むのは、実は意外にもワインよりビール。なかでもビアカクテルは根強い人気を誇ります。そのフランスのビアカクテル市場で長らく王者として君臨していたのが、テキーラ入りビアカクテル「デスペラード」。 しかし最近になって、この絶対的な王者との世代交代が始まったと噂されているのが、2017年春に登場した「キューバニスト・モヒート」です。キューバニスト・モヒートとは何なのか、なぜ人気となったのか−−。その秘密に迫ります。

 

インパクトが大きいパッケージ

↑「キューバニスト・モヒート」33cl×3本入り 4.59ユーロ

 

パーティーの席でコーラやペリエは盛り上がりません。そして、フランス人にとって普通のビールを飲むより、ずっとおしゃれで特別感を持つのがビアカクテルなのです。

 

そのビアカクテル市場で長らく独走状態だったテキーラ入りの「デスペラード」(蘭ハイネケン社)とウォッカの入った「スコール」(仏クローネンブルグ社)が、つい最近までよく飲まれているビアカクテルの2大ブランドでした。ここにベルギー資本のビール醸造会社「AB InBev社」が手掛ける「キューバニスト」ブランドが参戦したのが約5年前。キューバニスト・モヒートの発売をきっかけに、ブランド全体が王者デスペラードに迫る勢いで着実にシェアを伸ばしてきたのです。キューバニスト・モヒートを手掛けるAB InBev社によると、2016年にはフランスでの売り上げが47%上昇。

 

キューバニスト・モヒートの特徴の1つはアルコール度数。せっかくのパーティーに強いお酒で酔いつぶれてしまってはもったいない。そんなときにピッタリなのがこの「キューバニスト・モヒート」です。アルコール度数は5.9%。通常のモヒートが20%前後なので、その3分の1以下に抑えられています。だから、このお酒は手軽に、ほどよく酔いたいときにちょうどよいアルコール飲料なのですね。また、他のビアカクテル同様、瓶の中に直接ライムを入れて飲むと、よりカクテル気分も味わえます。

そして、なんと言っても「キューバニスト・モヒート」のインパクトあるパッケージが目を引きます。フランスでは近年ラテンアメリカ文化のブームが続いており、このラベルは南米伝統の祭り「死者の日」を彷彿とさせるもの。「mnBevフランス」のディレクターによれば、パッケージや瓶に描かれている「骸骨マスク」は、キューバの伝統的な祭りにインスパイアされたものだそうです。キューバニストのコンセプトに「祭り」という概念を取り入れたく、南米の祭りを象徴する「骸骨」をモチーフにしたとのこと。

AB InBev社は、フランスのビール好きに人気な「レフ(Leffe)」や、日本でも定評ある「ヒューガルデン(Hoegaarden)」を携える企業。ビールの香りを楽しみ、味わうのが好きなフランス人の嗜好や購買動向を知り尽くしている会社でもあります。

モヒート人気に着目し、パーティー好きな若者をターゲットにしたことが功を奏する

キューバニスト・モヒートが、ビアカクテル市場でシェアを伸ばすことができたのはなぜでしょうか? まず、米調査会社ニールセン社によると、同ブランドが設立された2013年時点において「モヒート」はフランス人がバーで注文するカクテルの1位でした。もともとモヒートの人気は高かったのですね。

でも、それだけでは不十分なので、キューバニスト・モヒートはフランスやイギリスの若い人々をターゲットにしたプロモーションを展開。これが功を奏したのです。キューバニストのプロモーションの場は、主にパーティー会場です。学生主催の大規模な「ソワレ」のオフィシャルスポンサーや、毎回テーマや場所など趣向を凝らし、DJを呼んで盛り上げる「ハウス・オブ・マスク」パーティーの主催なども手掛けています。パリでは若者に人気の米テレビドラマ「ストレンジャー・シングス」を模した内装による、シークレット・パーティーへインフルエンサーを招待するなど、若い世代へのブランド浸透に力を入れてきたことが、今日の結果に繋がったと見てよいでしょう。キューバニスト・モヒートは満を持しての登場だったのです。

酒税法改正で注目急上昇! 奥深き「国産和食材ビール」6選、とその魅力

4月の酒税法の改正により、「ビール」の定義における使用可能な副原料が増えました。そこでこの機会に副原料の魅力を知るべく、和食材を使ったクラフトビールをピックアップ。それぞれ特徴の出方が異なり面白い。飲み方や合わせる料理を変えて楽しんでみませんか。※:ここでは定義上発泡酒の商品も紹介しています

 

【試した人】

本誌フード担当 鈴木翔子

ビールをはじめウイスキーなど麦芽を使った酒が好き。マイブームはスタウトビールを常温で飲むこと。

 

【その1】副原料:黒糖(沖縄県産)

サンクトガーレン

黒糖スイートスタウト

463円

モンドセレクションをはじめ国内外で様々な賞を受賞してきた一本。黒糖の力強い甘さとバランスをとるため、ベースのビールの度数が通常より若干高いです。【アルコール度数:6.5%】【原材料:麦芽・ホップ・黒糖】

【ココがオススメ】黒蜜代わりに和菓子に合わせたい

「黒糖の香ばしい香りはビールであることを忘れてしまうほど! 甘く濃厚だけどかすかなほろ苦さが最後に口に残ります。黒蜜に似た風味を感じられるので、わらび餅などの和菓子に合わせたいですね」(鈴木)

 

【その2】副原料:しょうが(高知県産)

常陸野ネストビール

リアルジンジャーエール

485円

高知県産の生のしょうがを加えて醸造した、これぞ本物のジンジャーエール。スパイシーなしょうがの風味と、麦芽の甘味、ホップの苦みが絶妙なバランスです。【アルコール度数:8%】【原材料:麦芽・ホップ・しょうが】

【ココがオススメ】温度による味の変化が楽しい一本

「適度な甘みと爽やかさがあり、ドライタイプのジンジャーエールを想像していたのでビックリ。厚みのある味わいで、温度による風味の変化の振り幅が広く、好みの温度を探すのが面白い!」(鈴木)

 

【その3】副原料:さつまいも(埼玉県産)

コエドビール

紅赤

Beniaka

421円

クラフトビールブームの火付け役ともいわれるコエドビールが最初に造った一本。川越産のさつまいもによる赤みのある琥珀色と香ばしい甘みが特徴です。【アルコール度数:7%】【原材料:麦芽・さつまいも・ホップ】

【ココがオススメ】ビールが苦手な人に一度は飲んでほしい

「さつまいもから想起する重さはなく、意外にもスッキリみずみずしい! ホップの苦味がほとんどないので、ビールが苦手な人にもおすすめしたい。温度が上がると甘みと香ばしさが増して濃厚に」(鈴木)

【その4】副原料:和栗(宮崎県産)

宮崎ひでじビール

栗黒

972円

ワールド・ビア・アワード2017で世界一に輝いた。輸出用に造られたビールですが、ひでじビール公式サイト限定で国内購入も可能。5か月以上の瓶内熟成(※)がオススメ。【アルコール度数:9%】【原材料:麦芽・ホップ・和栗・糖類・香料】

※暗所で保管したときに起こる、瓶内での熟成のこと。香りやうまみ、アルコール分がなじみ、舌触りが良くまろやかな味わいへと変化します。すべてのビールが瓶内熟成するわけではありません

【ココがオススメ】食後のまったりタイムにふさわしい黒ビール

「何度も鼻を近づけたくなるモンブランのような香りがツボ。度数の高さを感じさせない上品かつ香ばしい甘さで、グビグビ飲むよりもリラックスタイムにゆっくり飲みたい。熟成も楽しみ!」(鈴木)

 

【その5】副原料:わさび・緑茶(静岡県産)

ベアードビール

わびさび ジャパン ペールエール

実売価格486円

クラフトビール界で人気のあるスタイル、ペールエールとIPA、そこに日本の食材を組み合わせたユニークなビール。ハーブ系の個性を持つホップを使っています。【アルコール度数:6%】【原材料:麦芽・大麦・ホップ・糖類・緑茶・わさび】

【ココがオススメ】和ハーブらしい素朴なスパイシーさ

「エキゾチックハーブとは異なる素朴なスパイシーさが感じられて、『わびさび』という名前に納得。わさびのツンとした感じはしないので、わさびが苦手でもおいしい。香りの割にやさしい味わい」(鈴木)

 

【その6】副原料:柚子・山椒高知県産/和歌山県産)

ファーイーストブルーイング

馨和 KAGUA Blanc

実売価格648円

小麦麦芽を使ったやや白濁したホワイトビール。フレッシュな柚子と酵母由来の華やかな香りが特徴です。きめ細かくクリーミーな泡立ちが楽しめます。【アルコール度数:8%】【原材料:大麦麦芽・小麦麦芽・ホップ・柚子・山椒・糖類】

【ココがオススメ】上品な爽やかさがだし料理にピッタリ

「穀物のもったり感はなく、後味がドライで品の良い爽やかさを感じます。意志が強く凛とした女性のようなイメージ。だしの効いた京料理に合いそうですね。食前酒として飲むのもオススメ!」(鈴木)

クラフトビールを飲めるお店が急増中! クラフト専用ディスペンサー「タップ・マルシェ」で飲める話題の銘柄4選

最近話題の「クラフトビール」。かつては専門店で楽しむものというイメージの強いお酒でしたが、いまでは一般的な飲食店でも飲めるようになり始めています。

 

そんなクラフトビール市場を牽引するのが、キリンビールが飲食店向けに展開する「タップ・マルシェ」というクラフトビール専用ディスペンサーの存在です。2017年4月には首都圏で1000店舗以上に導入され、2018年3月には全国展開を開始。4月現在、すでに2500店以上がこのディスペンサーを導入しています。

 

 

これまでのタップ・マルシェで飲めたのは13銘柄。今回新たに4銘柄の追加が発表され、計7ブルワリー、17銘柄のクラフトビールが飲めるようになります。新登場の4銘柄を発表会で試飲してきたので、その詳細をお伝えしましょう。

 

 

世界が認めるクラフトビールが手軽に飲める

1つめのブルワリーは「伊勢角屋麦酒(いせかどやビール)」。1575年創業で、もともとは二軒茶屋餅を販売していた角屋ですが、やがて味噌やたまり醤油の醸造を手がけ、1997年からはクラフトビールの製造を始めました。そんな同社からは「ペールエール」と「ヒメホワイト」が登場します。

 

 

ペールエールは伊勢角屋麦酒のフラッグシップビールともいえる存在で、“ビール界のオスカー賞”とも謳われる「ワールドビアカップ(WBC)」での受賞経歴もある、世界に認められた銘柄です。

 

「イセペ」と呼ばれるこのビール、柑橘系の香りが立ち、かなりフルーティーな味わいなんです。それでいて後口のキレが良く、バランスのいいクラフトビールとなっています。

 

そもそも「エール」とはビールの種類を指す言葉で、大麦麦芽を使用しています。香りとコクがあり、フルーティーな味わいが特徴となっており、まさに伊勢角屋麦酒のペールエールは、王道のペールエールだといえます。

↑左が「ペールエール」、右が「ヒメホワイト」。同じクラフトビールでも色合いがこれだけ異なるのは、原材料や製法によるものだ

 

それに対して「ヒメホワイト」は、ベルギースタイルのホワイトエール。やさしい酸味で口当たりが柔らかく、軽やかな飲み心地となっています。柚子とコリアンダーも使われているので、少し和風なテイストがあるのが面白いところ。

 

ちなみにこの銘柄は、伊勢の神域の木の樹液から採取した「KADOYA 1」という野生の酵母を使っているのだとか。クラフトビールの苦みが苦手な人も、このホワイトビールなら抵抗なく飲めそうです。

 

 

新世代のブルワリーが生み出す「東京」をイメージしたビール

2つめのブルワリーは、2017年5月に山梨県小菅村に醸造所を開いたばかりの「ファーイーストブルーイング」です。2011年に設立され、当初はベルギーで「KAGUA」などのクラフトビールを委託製造していましたが、昨年ようやく国内での醸造を開始しました。

 

 

そんな同社の「東京IPA」は、フルーティーで華やかな香りと、しっかりとした苦みを併せ持ったインディア・ペールエール(IPA)です。日本ではまだまだ少ないベルギースタイルの醸造方法を用いており、”これぞクラフトビール”な味わいはクラフトビール好きなら気に入ること間違いなし。

 

↑左が「東京IPA」、右が「東京ホワイト」

 

それに対し、「東京ホワイト」は、フルーティーさが際立つものの、その香りから想像するような甘さはなく、苦みも少なくなっています。爽やかな口当たりで、こちらもヒメホワイトと同様、クラフトビール初心者におすすめです。

 

「ペールエール」「ヒメホワイト」は5月28日から、「東京ホワイト」「東京IPA」は6月18日から発売されます。とはいえ、タップ・マルシェにセットするビールは飲食店が自由に決めるもの。日本各地のタップ・マルシェ導入店で、さまざまなクラフトビールに出会ってみてください。

 

 

 

 

高級ワイングラスだと味が変わる? カジュアルワイン「アルパカ」で試してみた

みなさん、ワインはお好きですか? ワインと聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、最近はスーパーでも1000円以下でおいしいワインがたくさん売られています。

 

そんな日本で1番売れているのは、アサヒビールが販売する輸入ワイン「サンタ・ヘレナ・アルパカ」です。金色のアルパカが描かれたボトルを見たことがある人も多いはず。手ごろな価格で本格的な味が楽しめるので、“デイリーワイン”として人気を集めています。

 

そんなアルパカがアパレルメーカーの「アーバン・リサーチ・ドアーズ」と、ワイングラスメーカーの「リーデル」とコラボし、プレス向けワークショップを開催しました。ワイナリー見学に趣味で行くくらいワイン大好きな筆者ですが、今回のイベントで大発見があったんです。これは知らなきゃソンですよ!

 

 

アルパカワインは「ソムリエいらず」ってほんと?

会場には、アルパカのワインがずらりと並んでいます。アルパカは「ソムリエいらずのワイン」とも言われるほどの万能なチリワイン。栓抜きを使ってコルク栓を開けるのではなく、スクリューキャップ仕様なことがその理由のひとつです。

 

さらに、ソムリエは料理とのマリアージュを考えてワインを提供するという仕事がありますが、アルパカならどんな料理にも合うので、いちいちマリアージュを考えなくてもいいのだとか。これらの理由から“ソムリエいらず”と言われているそうです。

 

今回テイスティングしたのは、ロゼワインの「サンタ・ヘレナ・アルパカ・ロゼ・サクララベル」、白ワインの「サンタ・ヘレナ・アルパカ・プレミアム・シャルドネ」、赤ワインの「サンタ・ヘレナ・アルパカ・シラー」の3種類。

↑左から順に、サンタ・ヘレナ・アルパカ・ロゼ・サクララベル、サンタ・ヘレナ・アルパカ・プレミアム・シャルドネ、サンタ・ヘレナ・アルパカ・プレミアム・シャルドネが入っている

 

プレミアムシリーズは4月3日に発売されたばかりです。通常のアルパカが700円しないのに対し、プレミアムシリーズはいずれも1080円程度で販売されています。これでも十分お手ごろ価格なので、デイリーユースできそうですね。

 

 

伝統あるリーデル社のワイングラスとプラカップで飲み比べ

リーデルは、世界唯一のワイングラスカンパニー。260年以上の伝統を誇り、ワインをおいしく楽しむために“ぶどうの品種別“にグラスの形を変えるというこだわりのブランドです。

 

そんな同社のワイングラス・エデュケイターである白水 健氏によると、ワインをおいしく飲むには「ワインの温度」と「グラス選び」に気をつけるといいそうです。ワインは赤なのか、白なのか、さらにその味わいによっても適切な温度が異なります。そして、ブドウの品種により香りや味わいが異なるので、それを活かすためのグラスが必要なのです。

↑リーデル社のワイングラス・エデュケイター 白水 健氏が解説してくれた。今回のイベントで使用したのは、ステム(脚)や台座のない「オー シリーズ」。小型で軽量なので、持ち運びにも最適

 

とはいえ、グラス選びって難しそうですし、花見やアウトドアではプラカップでワインを飲みますよね。同じワインを飲むのにそこまでこだわらなくても……と思った人もいると思います。でもそれは大きな間違いなんです!

 

今回のワークショップでは、サンタ・ヘレナ・アルパカ・ロゼ・サクララベルをプラカップとリーデルのワイングラスで飲み比べてみました。すると、プラカップとワイングラスでは、明らかに香りも味わいも異なっていたのです。

 

ワイングラスは飲み口がすぼまっているのに対し、プラカップは上に広がっています。この形状が香りや味の感じ方に違いをもたらしています。

↑ワイングラスの側面に沿わせるようにワインを「スワリング」することで、空気に触れて香りや味が広がる

 

ワイングラスならさくらんぼなどの甘い香りがするのに対し、プラカップでは香りがまったくしないんです。さらに不思議なのがワイングラスにワインがなくてもリーデルのグラスには「サクララベル」の香りがしっかり残っていること。

↑プラカップに移した途端、先ほどの華やかな香りが一気に消え、味わいも酸味や苦みが出てきた

 

↑プラカップのものを再度ワイングラスに戻すと、同じワインのはずなのにまた香りや味わいがもとに戻った

 

味に関していえば、ワイングラスは「上を向いて飲む→舌先をすぼめる→ワインが冷たいまま口に入る」のに対し、プラカップは「下を向いたまま飲む→口の中に広がる→ワインが温かくなって酸味や苦味が出る」そうです。

 

 

カジュアルワインもデキャンタすればワンランク上の味に

ロゼのテイスティングのあとは、サンタ・ヘレナ・アルパカ・プレミアム・シャルドネを、リーデルのワイングラスでいただきます。グラスに鼻を近づけると、ふわっとパッションフルーツのような香りがします。

↑シャルドネのテイスティングに使用したのは、シャルドネ種専用のワイングラス。リーデルのワイングラスはワインの造り手やスペシャリストによるテイスティングを行い、消去法で最適な形のものを決めているそうだ

 

最後は、デキャンタージュしたサンタ・ヘレナ・アルパカ・シラーをテイスティング。デキャンタージュは香りを開くときや、冷えすぎたワインの温度を上げるときに用いる手法ですが、熟成期間の長い高級ワインで用いる機会が多い印象です。

↑ボトルに詰められた状態のワインは香りや味が閉じたままなので、デキャンタージュして空気に触れさせることで、本来の香りや味わいを引き出す

 

しかし、デイリーワインであるアルパカをデキャンタージュすると、本来は少し渋みのあるシラー特有の味わいが、一気に甘みや果実味が感じされるものに大変身! 自宅でワインを飲む際にも積極的に取り入れると良さそうです。

 

 

アルパカ・キャラバンを全国各地で体験しよう

今回、筆者が体験したワークショップは、日本全国のアーバン・リサーチ・ドアーズを巡回して開催されています。また、期間中に対象となる「アルパカ」を購入すると、抽選でオリジナルのリーデルグラスが当たるキャンペーンも開催。「絶対にもらえる!」コースに応募すると、アルパカモチーフが入りのアーバンリサーチ ドアーズオリジナルのバッグが当たるそうです。

 

バリエーション豊かなアルパカワインは、デイリーユースにぴったり。こだわりのグラスを見つけて、ワインを気軽に楽しみましょう。

 

 

 

 

 

糖質ゼロでもコクうま!進化した「アサヒ スタイルフリー」はヘルシー晩酌の決定版

健康管理やダイエットのために、お酒は糖質オフで!という方にBIGニュースです。“糖質ゼロ”発泡酒のパイオニア「アサヒ スタイルフリー」が、この春リニューアル。「アサヒ スタイルフリー<生>」として生まれ変わりました。

 

 

ちょっと名前が変わっただけ? いえいえ、そうではありません! 新しい「スタイルフリー」は、いったいどこが違うのか。新商品発表会の取材から、進化の中身を明らかにしていきます!

 

 

もっとビールらしいうまさに。業界のトップランナーが超進化!

健康志向の高まりもあって、糖質、プリン体、カロリーなどをカットした「機能性ビール類」の市場は年々拡大。この10年で出荷数が1.7倍になるほどの好調ぶりです。そんななか、2007年の発売以来、業界をけん引してきた「スタイルフリー」。常にブラッシュアップを重ねてきた同商品ですが、今回のリニューアルはもう“新発売”に近いくらい劇的に変わったとのこと。

↑右がリニューアル前、左がリニューアル後。新バージョンは、缶中央の<生>と、左肩の「麦1.3倍」の文字が目立ちます

 

機能性ビール類の最大の課題といえば、そう、味です。うまみやコクを出すためには麦芽の存在は不可欠。しかし麦を使えば使うほど、糖質は増えてしまいます。「スタイルフリー<生>」は、「飲みごたえがなく、もの足りない」という、機能性ビール類の宿命ともいえるジレンマを打ち破り、ビールに近い驚きのうまみを実現したのです。

↑左が新しいスタイルフリー<生>。中身の色や泡は大きな変化はないように見えますが、味はどうなのでしょうか

 

それを可能にしたのが、技術イノベーション。“糖質ゼロ”はそのままに、麦の使用量を1.3倍に引き上げることに成功。自然でスッキリとした従来品の特徴を生かしつつ、麦の味わいを高め、“ビールらしさ”や“飲みごたえ”を大幅に向上させました。

↑こちらは旧バージョン。これはこれで、スッキリしていて十分うまいですが…

 

↑飲んでみると、新バージョンは飲みごたえがパワフル。ビール好きなら断然こっちでしょう!

 

↑栄養成分表示はほぼ同じ。新(写真左)のほうが、わずかに食物繊維が多め

 

アサヒビールの調査資料によると、本来ならもっとうまいはずの「糖質〇%オフ」の商品よりも、麦の香りや飲みごたえがあるという高評価を獲得したそうです。“糖質ゼロ”のビール類を飲むことは、もはや“妥協”ではなくなりました。

 

 

つまみを工夫して、さらなるヘルシーのススメ

新しい「スタイルフリー<生>」がうまいのは分かりました。どうせなら、おつまみもヘルシーかつおいしくしたら、もっとハッピーになれそう。というワケで今回の発表会では、料理研究家のコウケンテツさんが考案した、スタイルフリーにピッタリのダイエットレシピも紹介されました。

↑カブのふろふき(写真左)、あさりの和風スープスパゲティ(同右)

 

↑菜の花と豚しゃぶの辛子和え(写真左)、新玉ねぎのまるごとトロトロ煮(同右)

 

↑ニンジンとカッテージチーズのサラダ(写真左)、鰆と3種の春野菜のレモン蒸し(同右)

 

これら3つの「主菜+副菜+スタイルフリー<生>350ml缶」は、どれも合わせて500kcal以下。カロリーや糖質が気になる方でも、これならストレスなく食べたり飲んだりできますね! アサヒビールの公式HPには、これ以外にもさまざまなレシピが載っているので、興味がある方はぜひチェックしてみましょう。

↑「隅田公園桜まつり」の入口の様子。今春は新しいスタイルフリー<生>で、充実したヘルシー酒ライフを!

 

 

3月下旬以降の製造分から、新しいスタイルフリーに順次切り替えとのこと。「麦1.3倍」と書かれた<生>のラベルを見たら、いちど手に取ってみることをオススメします。そして、ふだんの晩酌や春のパーティで、味の進化をお試しあれ!

オランダが羨まっ! 春の訪れとともに彼らが嗜む絶品ビールとおつまみを紹介

代表的なオランダのビールといえばハイネケンやグロールシュ。これらは日本でもすっかりお馴染みですが、オランダのビールメーカーは、日本のビールでも見られるように季節ごとの限定ビールを発売しています。ウキウキと心躍る春は、ホップが香る爽やかなビールが最高。そこで今回は女子ウケ間違いなしの爽やかな香りを堪能できる、春限定販売のビールと春のおつまみをご紹介します。

 

季節にあわせた限定ビールを楽しむのが粋!

オランダは、ビール大国として知られるベルギーやドイツに隣接。オランダ国内の大手ビール会社や街のクラフトビール醸造所でも、たくさんのビールが製造されています。なかでも注目したいのは季節限定のビール。夏には味も色もライトで甘味の強い「ホワイトビール」、秋から冬にはアルコール度数が高くダークな色合いで香り高い「ボックビール」など、気候や季節の食べ物にあわせたビールが店頭を賑わせます。ラベルのデザイン性も高く、思わずジャケ買いしてしまうボトルが並びます。

 

春の限定ビールは「Lente bok(レンテボック。春のボックビール)」と呼ばれ、毎年3月21日から6月21日までの期間に限定販売されます。フルーティーでホップの香り豊かなフレッシュビールで、アルコール度数は6.5%程度。グラスに注いだときの明るい色合いが春の陽差しに映えるというのも特徴の1つです。

 

代表的なLente bok2銘柄を紹介しましょう。まず、オランダが誇る最大手のビールメーカーHeineken(ハイネケン)の傘下にあるビールブランドの1つ「Brand(ブランズ)」は1340年創業の老舗ブランド。深みのある良質なビールを安価で製造し続ける醸造所として知られています。焙煎したモルトとフレッシュでホップの香りは春の魔法のようなフルーティーな味わい。

 

「Grolsch(グロールシュ)」は、栓抜き不要のおしゃれなスイングトップ瓶が日本でも人気のビールメーカーです。開栓時にまるでシャンパンを抜くときのような音がするので、パーティー気分を盛り上げます。こちらのLentebokは、かんきつ系やカモミールの花、はちみつを連想させる柔らかな甘い味に仕上がっています。

陽気な乾杯の席には美味しいおつまみが欠かせません。オランダの定番おつまみは「ビターボーレン」という牛肉コロッケのような揚げ物にマスタードを付けたものと名産のチーズです。

春になると、オランダを含むヨーロッパのマーケットにはホワイトアスパラガスが登場します。それを柔らかく茹でて、焦がしバターと卵のクリーミーなソースをあわせた「オランデーズ」はフルーティーな春のビールにピッタリ! ビールもおつまみも旬なものを楽しむというのは、日本の食文化に通じるものがあるような気がしませんか?

 

日差しの少ない厳しい冬を越え、春の陽ざしの下で飲む喜び

オランダの冬は朝9時頃まで暗く(写真下)、日中もほとんど太陽が出ることがない厳しい季節です。日照時間不足から冬季うつ病になる人も多く、それを防止するためのサプリメント摂取も推奨されているくらい。特にクリスマスと新年が終わり、大きなイベントのない1~2月は気分が落ち込みやすく、会社でも町でも機嫌の悪い人が続出します。そこで、オランダの「リア充」は気分を晴らすために、友人とホームパーティーで音楽とお酒を楽しんで冬を乗り切ります。

そして冷たい風が吹こうとも、春が近くなり、少しでも太陽が出ていれば、オープンカフェで昼間から春のビールを飲むのがオランダの流儀。春限定ビールのケースを抱えて笑顔を浮かべる大人が続出する春はもうすぐです。

【新連載】おんな2人が初めて知る、日本酒と寄り道の魔力「ほろ酔い道草学概論」第1話

日々の楽しみはお酒――! この想いは万国共通ではないでしょうか? ビールに焼酎、サワー、カクテル…さまざまなお酒がありますが、日本人ならやっぱり日本酒! 全国で約2万種もの銘柄が存在すると言われている日本酒の魅力は、作られている土地そのものの魅力と言えるかも。

 

本連載は、そんな日本のお酒と土地について、おんな二人練り歩き知っていく、ほんわかストーリーをお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【今回の一献】

吟醸 新しぼり

↑吟醸 新しぼり。実売価格は1800mlが2700円、720mlが1350円

 

1月下旬に出荷する、低温でゆっくり発酵させる「吟醸造り」で醸した新酒。香り立つ清楚な香りと凝縮された米の旨みのバランスが魅力の生酒です。千穂もそのフレッシュさに驚いていましたが、特に搾りたてはのどごしも爽やかで飲みやすさが特徴です。

 

澤乃井のお酒について補足すると、実は千穂と正宗さんは春の少し手前、2月3日の節分に澤乃井を訪れています。澤乃井では節分に「節分祭」というイベントを開催していて、作中に出てくる「銀印」と「大辛口」の熱燗は、節分祭の特別メニューになります。千穂の日本酒初体験はずいぶんスペシャルなものになったはず。

 

↑通常、澤乃井園では熱燗は「オカンビン」という瓶で出しています

 

(取り扱い酒蔵)

澤乃井(小澤酒造)

●住所:東京都青梅市沢井2-770

●電話番号:0428-78-8215

 

取材協力/青梅市郷土博物館

昼からグイッといっちゃう?爽やかな「一番搾り 匠の冴」で意外な食事との組み合わせを発見!

休日の昼下がりから、プシュッと缶ビールを開けるのって最高の贅沢ですよね。そんな爽快な気分のときに飲みたくなるビールが4月3日(火)に新登場します。その名も「一番搾り 匠の冴(さえ)」。

 

「一番搾り」といえばキリンのフラッグシップブランドですが、「匠の冴」はキリンとセブン&アイ・ホールディングスの共同開発により生まれたビールです。お酒を飲み始めた頃から“ビールといえば一番搾り”派の筆者が、さっそくその味をご紹介したいと思います!

 

 

「スッキリしている=味が薄い」ではないのがスゴイ

↑「一番搾り 匠の冴」は、350ml缶221円(税込・以下同)、500ml缶286円で販売される。これは通常の一番搾りと同じ値段だ

 

缶をひと目見るだけでは、これまでの一番搾りとはデザインが少し異なるものの、あまり大きな差はないような印象を受けます。

 

今回はセブン&アイとの共同開発とはいえ、従来の一番絞りのパッケージを踏襲することで、ちょっと高級な感じが。そう、“共同開発だから安物”というわけではないんです。

 

まずはひと口いただいてみると……かなりスッキリした味わいです。ビールの苦みが苦手な人も、この澄み切った味わいなら抵抗なく飲めると思います。

↑口に含んだ瞬間から軽やかさがわかる。喉ごしもよく、外国産のピルスナービールのような印象を受けた

 

こう書くと、「じゃあもともとビール派の自分には物足りなさそうだな」と思われるかもしれませんが、そんなことはないのでご安心を。一番搾りならではの麦芽の旨みがしっかり感じられるので、飲んだあとの満足感もあります。

 

かく言う筆者も、「スッキリ」と「薄い」は同義だと思っていたのですが、まったくそんなことはありませんでした。むしろ、最近はビールを何杯も続けて飲むのは飽きてしまうと感じていたので、雑味のない味わいの匠の冴なら何杯も続けて飲めそうです。

 

 

おいしさの秘密は「氷点下熟成」にアリ

匠の冴は、これまでの一番搾りが追求していた「麦芽100%」による混じり気のない麦芽だけの旨みと、「一番搾り製法」による一番搾り麦汁だけを使った純度の高い旨みに加え、新たな製法を試みています。

 

新製法は「氷点下熟成」と呼ばれるもので、通常の一番搾りは1~3℃で熟成するのに対し、匠の冴は凍る手前の氷点下の温度帯で熟成させています。こうすることで、すっきりした味わいに仕上げる際の雑味になるタンパク質などが取り除かれるのだとか。

↑左が匠の冴、右が一番搾り。飲み比べてみると、匠の冴はかなりライトな飲み心地で、一番搾りのほうが麦の旨みを強く感じたのは新たな発見だった。

 

アルコール度数は、一番搾りと同じ5%なので、“新たなバリエーションの一番搾り”として捉えると良さそうです。

 

 

スッキリしているから合わせる料理の幅も広い

今回の試飲会では、セブンプレミアムの商品とのペアリングの一例が紹介されました。試食したのは、「サバとトマトのさっぱりマリネ」「ちょっと大人のポテサラ塩辛クラッカー」「クリームチーズスフレ」の3点です。

 

サバとトマトのさっぱりマリネは、「さばの塩焼き」とミニトマトをマリネしてバジルを添えた一品。コンビニ惣菜がこんなにオシャレなメニューに変身するのが意外です。脂ののったサバとスッキリした匠の冴との相性も抜群。マリネには白ワインを合わせるのが一般的ですが、ビールと合わせるのもアリだなと思わされます。

 

ポテサラ塩辛クラッカーは、「ポテトサラダ」と「熟成いか塩辛」を組み合わせたザ・おつまみ。ポテサラとビールが合うのはわかるのですが、塩辛とビールも実はイケる! 匠の冴に雑味がないので、この組み合わせもお酒が進みます。

 

意外だったのが、「クリームチーズスフレ」と匠の冴の組み合わせ。筆者もたまにデザートにビールを合わせていただくことはあったのですが、結局は両者が味を主張しすぎて決しておいしくはなく……。

 

セブンプレミアムのクリームチーズスフレには、ミルクのコクと爽やかな酸味があります。それらの味わいを匠の冴が優しく包んでくれるので、デザートすらスッキリいただけました!

「一番搾り 匠の冴」は4月3日より全国のセブン‐イレブン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート等で購入できます。どんどん暑くなるこれからの季節、匠の冴でスッキリしたビールの良さを知ってみてください。

色も味わいも百花繚乱! ロゼワインのイチオシ銘柄と基礎知識

前編「フランス流 ロゼワインの楽しみ方」では、ミシュランシェフ・松嶋啓介さんに、ロゼワインの本質とその楽しみ方について教えてもらいました。今回は、そんなロゼワインの種類や味の特徴を見てみるとともに、今押さえておきたい人気の銘柄を、いくつか紹介しましょう。

 

「ロゼ=甘い」は大間違い!

ロゼワインとひとくちに言っても、薄めのオレンジ色から濃いピンク色までさまざま。それは原料となる黒ブドウの皮の色素の濃淡にもよりますが、製法の違いによる場合もあります。ただ、色の濃淡と味わいの印象は必ずしもリンクせず、淡い色でも旨みが強くスパイシーで余韻の長いもの、色が濃くても果実味がチャーミングでスイスイと飲めるものもあります。

 

また、その色の可愛らしさから、ロゼワインの大半は甘口だと思っている人も多いかもしれませんが、それは大きな間違い。実はしっかりとした酸がありつつシャープな辛口のものが大半で、幅広く食事に合わせることができます。もちろん、やや甘口のものや本場フランスでも人気のフルーツフレーバーロゼワインなどもあり、それらは本格的な食事の前の食前酒として、また昼下がりのテラスでキンキンに冷やしてなど、味わいの違いによってさまざまなシチュエーションで使い分けられるところが、ロゼワインの魅力です。

 

さらなる魅力は、その手頃な価格帯。1000円台で充分本格的な辛口のロゼワインを、4000円前後ともなれば高級ロゼワインと呼べるものまで楽しめます。赤ワインや白ワインならこの価格では買えない、という有名な造り手のものでも、ロゼワインなら手頃な価格で楽しめる掘り出し物も存在するのです。

 

さまざまな楽しみ方の可能性を秘めたロゼワイン、どれを選ぶかはまさに十人十色。シチュエーションごとに、その日の気分ごとに、使い分けて楽しんでみてください。

 

三大ロゼから日本産まで、おすすめのロゼワイン

フランスの三大産地のロゼワイン

フランスでは白ワインより多く飲まれるロゼワイン(詳細なデータは前編へ)。もちろん生産量も世界一。そんなフランスが誇る三大ロゼワイン産地は、ロワール地方、プロヴァンス地方、ローヌ地方です。

左:ラシュトー・ロゼ・ダンジュ(ロワール地方)
中:ラフラン・ヴェロル・バンドール・ロゼ(プロヴァンス地方)
右:ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ・タヴェル・ロゼ・ラ・ダム・ルス・レ・ヴェスティード(ローヌ地方)

 

別名で称したロゼワイン

ロゼワインを指す別名で、原料であるブドウ、製法の特徴や生産地によって「ヴァン・グリ」や「キアレット」と特定の呼び名がラベルに表記されていることもあります。

左:ドメーヌ・アラン・ヴィニョ・ブルゴーニュ・コート・サンジャック・ピノグリ
右:モンテ・ディ・ロアリ・バルドリーノ・DOC・キアレット

 

より気軽に飲めるフルーツフレーバーロゼワイン

ロゼワイン消費大国フランスで気軽に飲めるロゼワインとして人気なのがフルーツフレーバーロゼワイン。なかでもグレープフルーツ(パンプルムース)風味が主流。

マス・ド・ジャニーニ・ル・タン・デ・フリュイ・ロゼ・パンプルムース

 

メイドインジャパンのロゼワイン

いま注目の日本ワインのなかにも、魅力的なロゼワインがいっぱい。それぞれの土地の食材や郷土料理と、同産地のロゼワインを合わせて楽しめるのは、日本ワインならではの魅力ですね。

セイズ・ファーム・ロゼ(富山県)

 

 

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ミシュランシェフが説く! フランス流 ロゼワインを美味しく飲む方法

日本各地で記録的な寒波に見舞われたこの冬。長い冬を抜け、ようやく太陽の暖かさを感じ始める季節になると、人は本能的に屋外での時間を過ごしたくなるもの。桜が咲いたらお花見、汗ばむ季節のBBQ、そんな季節にぴったりなワインといえば、最近人気が高まってきた「ロゼワイン」です。

 

ロゼワインは今、欧米を中心に大人気。全世界における消費量はワイン(スパークリングを除く)の合計消費量の10%を超え、ワイン全体の消費量が伸び悩む中でも、ロゼワインの消費は拡大しています。なかでもフランスは、全世界のロゼワインの1/3以上を消費する“ロゼワイン大国”。2003年から2013年までの10年間における消費量は50%増となり、フランスの全ワイン消費量の30%以上。赤ワインの次に飲まれているのはロゼワインで、実は白ワインの消費を上回っているのです。(*1)

 

日本のロゼワイン事情は?

一方、日本でもワインショップやレストランで見かける機会は多くなりましたが、それでもワイン全体の消費量のわずか約3.7%(*2)。世界的な消費の加速に比べれば、まだまだ気軽にロゼワインを日常に取り入れている人は少ないのが現状です。

 

ではなぜ、フランスではロゼワインがこれほどまでに人気なのか? 日本ではなぜまだまだ少ないのか? その疑問をフランス、日本双方のロゼワイン事情に詳しいこの方に聞いてみました。

↑レストラン「KEISUKE MATSUSHIMA」を経営する松嶋啓介シェフ

 

ロゼワイン生産地の本場フランス・プロヴァンス地方に4軒、東京・神宮前に1軒のレストランを経営する松嶋啓介シェフ。外国人としては最年少でフランス・ミシュランの星を獲得して以来10年間星を維持、フランスの芸術文化勲章も受賞しています。そんなフランス在住歴20年の松嶋さんが感じる「フランス流ロゼワインの楽しみ方」とは?

※1 Sopexa Japon
http://www.franceshoku.com/mailmagazine/2015/mm0427.html
※2 Sopexa Japon
http://www.franceshoku.com/pdf/2_TRADE_IWSR-Japon_jp.pdf

 

実は「フランス流」なんてどこにもない?

「赤か白か、選ぶのが面倒くさいからロゼワインを飲むんですよ」。

 

昼下がりの東京・神宮前、レストラン「KEISUKE MATSUSHIMA」。大きな窓から見える木々の青さと差し込む太陽の光に囲まれて、ここは都会の真ん中だと一瞬忘れさせられる空間。とはいえ、このシンプルで開放的すぎる松嶋さんのひと言に、インタビュー冒頭からとたんに緊張が緩んでしまいました。

 

「フランスでロゼワインが一番楽しまれるのは、夏のバカンスの時期。家族や友人たちがたくさん集まる機会が多くなる時です。そうするとテーブルに10人くらいついた時に、ひとりひとり赤が好み? 白が好み? と選んでいると面倒くさいんですよ(笑)。じゃあ、冷えたロゼワイン1本でいい? となるわけです」

 

また、松嶋さんはこう続けます。「フランスは年度の始まりが9月。だから6月頃に学校も終わって家族でバカンスだー! っていう時に、ロゼワインが美味しい陽気になる。そんな暑くて開放的な時期に、手の込んだ料理なんて家庭では作らないですよね。そうすると、例えば外でBBQしながらいろんな食材を焼いて食べる時、料理との相性とかあれこれ考えずに開けられるのがロゼワインなんです」

 

“フランス流”と言いながら、実は流儀と呼べるものは何もなく、ただただ気軽だから、気楽だからという理由で、ロゼワインは選ばれているのだと松嶋さんは言います。

 

フランスでのロゼワインのキーワードは「開放感」。日本ではそのピンク色の可愛らしいイメージから、バレンタイン需要などのプロモーション展開も見られますが、冬の寒い時期にロゼワインは似合わないとのこと。長い冬を抜けて桜が咲き、やっと暖かくなった! という開放感、夏休み突入でいざビーチへ! という時の高揚感、そんな時期にロゼワインは楽しむべき飲み物のようです。

 

「人生はバラ色」の本当の意味

伝説のフランス人歌手エディット・ピアフの名曲「La vie en rose=バラ色の人生」という歌があります。ピアフが感情表現たっぷりに歌うその歌詞の最後が「私は幸せ」と締めくくられるように、人が「人生はバラ色」と言う時、それは華やかなピンク色だけに彩られた、幸せいっぱいの人生のことを表しています。でも、「バラ色」って一体何色でしょうか?

 

「バラと言っても1種類の色じゃなくて、白もあれば黄色や地味な薄い茶色もあって、ピンクや赤がありますよね。ロゼワインも全く同じで、薄めのオレンジから濃いピンクまで色々あります。フランス人は“La vie en rose!(人生バラ色だからね)”って言いながらロゼワインを飲む人も多いけど、その本当の意味は“いろんな人生があっていいよね”ということ。だから、いろんな色があってこそロゼワインなんです」(松嶋さん)

 

フランスにおけるロゼワインの、もうひとつのキーワードは「多様性」。これだけたくさんの色のグラデーションがはっきり見られるのは、白ワインにも赤ワインにもないロゼワインだけの特徴。ゆえに、どんなお料理に合わせるのがいいの? 白ワイン寄りの食材? 赤ワイン寄りの味付け? と、あれこれ悩んでしまう結果、ロゼワインは使いづらい、選ばないと購入を諦めてしまうことはありませんか? でも、「多様性があるならそれを楽しめばいいだけ」と松嶋さんは言います。

 

「バラ色=幸せなピンク色」だけでは決してない、つまり、“このロゼワインにはこのお料理を”というひとつの正解なんてないのです。だからこそ、自分の感性で楽しめばよく、自分の人生を自分らしく生き多様性を許容するというフランス人の人生観にも似ていることが、ロゼワインがフランスで愛される理由なのかもしれませんね。

↑いろんな人生があるからこそ、「人生はバラ色」なのだそうです

 

そしてもう1つ、人生観にも通じるフランス人らしいロゼワインの楽しみ方を、松嶋さんは教えてくれました。

 

「フランス人がロゼワインを飲むとき、それは夏のバカンスで飲んだ楽しい思い出とリンクするんです。ロゼワインを飲むと、いつでもどこでもあの楽しい思い出が心によみがえる。家族との会話、友人たちとの時間、楽しかったなーって。だからロゼワインが好きなんです。お酒の用語のスピリッツ(Spirits)はつまり精霊、精神ですね。精神世界や過去の記憶とつながるのがお酒だとすれば、フランス人はロゼだけでなく、ワインをそうやって楽しんでいる人が多いんです」

 

ロゼワインに限らず、知識でワインを楽しむことが多いのは真面目な私たち日本人の特徴ですが、多くのフランス人にとってのワインは、頭でなく心で感じるもの。ワインというものの日常の位置付けを見直すことで、もっと人生は心豊かなものになるのかもしれません。

 

では、私たち消費者がロゼワインを日常にもっと取り入れるために、お料理とのペアリングはどのように楽しんだらいいのか、レストラン「KEISUKE MATSUSHIMA」の料理をご用意いただきながら、ポイントを教えていただきました。

 

ロゼワインに合わせたい食材とは?

「気軽に」「なんでもいい」とはいえ、せっかくミシュランシェフの松嶋さんにお話を伺うことが叶った今回のインタビュー。私たち消費者がロゼワインを日常にもっと取り入れるため、お料理とのペアリングポイントを伺いました。でもその回答も、やはりシンプル!

 

「ニンニクを使うこと」。

 

レストラン「KEISUKE MATAUSHIMA」で、今回ロゼワインと合わせるお料理としてご用意いただいたのは2皿。「ちょっとお洒落なニース風サラダ」と、「タラのローストピストゥースープ添え」。そのどちらのお料理にも、ニンニクが非常に良い味わいのアクセントとなっていました。

↑「ちょっとお洒落なニース風サラダ」(左)と、「タラのローストピストゥースープ添え」(右)

 

一緒にいただいたのはもちろん、プロヴァンスのロゼワイン。プロヴァンスロゼの特徴は淡いオレンジ色ですが、色の淡さとは対照的に、南フランスの太陽をたっぷり浴びた完熟ブドウのスパイシーさと果実味の余韻があります。その余韻がニンニクと合わさるとさらに長く広がり、他の食材の旨味とバランスよく調和する役割を見事にロゼワインが担っていました。

 

「あとは、コンディマン」。

 

コンディマンとは、フランス語で自家製調味料、薬味という意味。自家製ですから決まったレシピはなく、数種類のスパイスやハーブをお好みで合わせた調味料のこと。じんわりと身体に染み入るお出汁系の料理より、コンディマンを味わいのアクセントにちょっと使った料理の方が、ロゼワインには合わせやすいとのこと。

 

「人生はバラ色だし、少しのコンディマンも必要でしょ?(笑)」と、松嶋さんは楽しそうにアドバイスしてくださいました。

↑スパイシーなコンディマンはロゼワインと相性抜群

 

↑ニンニクの風味がロゼワインの余韻を引き出す

 

ロゼワインを許容するという暮らし方

フランスから学ぶロゼワインのキーワードは、「開放感」と「多様性」。日本でもロゼワインをもっと楽しむためには、暮らし方の意識改革が必要なのかもしれません。ロゼワインが好きな人は自分らしく人生を楽しんでいる人。人生の振れ幅を許容し、開放的で自分なりの暮らしのスタイルを持っている人。すでにロゼワインが好きな皆さんは、胸に手を当てると思い当たる節があるのではないでしょうか?

 

これからの季節、あんな色やこんな色があっても「とりあえずロゼ!」と手を伸ばしてみたら、もっと日常が開放的で彩り豊かなものになるかもしれません。

 

【レストラン情報】

KEISUKE MATSUSHIMA à Tokyo

東京都渋谷区神宮前1-4-20 パークコート神宮前1F
TEL:03-5772-2091

 

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戦国時代を迎えた「果実系チューハイ」の違いはどこにある? アサヒ/キリン/サントリーの3社を飲み比べした

お酒の市場で絶好調なのがRTD(Ready To Drink=開栓してすぐ飲める缶やボトル入りのチューハイやカクテルなど)。このカテゴリーから、3月20日に「アサヒ贅沢搾り」が新発売となります。最大のウリは“圧倒的な果実感”とのことですが、RTDにはすでに高い果汁量が特徴の「果実系チューハイ」が存在。ただ、後発だからこそ独自性を磨いた設計になっているはず。そこで各メーカーの商品を集め、それぞれの魅力を解明していきたいと思います!

 

そもそも「果実系チューハイ」って何?

個人的には贅沢搾りの登場で、果実系チューハイの役者がそろったと思います。でも、そもそもこのジャンル自体を知らないという人もいるはず。まずは特徴を解説するとともに、各社の商品を紹介します。

 

↑左から、アサヒの贅沢搾り、キリンの本搾り、サントリーのこくしぼり。ほかの缶チューハイに比べて高い果汁量になっている点が特徴です

 

缶チューハイ自体の歴史を簡潔に解説すると、1984年に登場した「タカラcanチューハイ」が元祖。これはいまも人気のロングセラーで、長年ほぼ一強といえる状況でしたが、2001年にキリンから「氷結」が誕生して市場を盛り上げます。

 

↑果汁が多く、沈殿しがち。でも炭酸入りなので振れないため、開栓前に逆さにするのがベター。これも果実系チューハイの特徴です

 

その後嗜好の多様化などで、缶チューハイにも“高アルコール”“低アルコール”“ビター系”“ゼロ”“プレミアム”などが続々登場。その途上で、メルシャンが2003年に発売した「本搾りチューハイ」が、果実系チューハイのパイオニアです。やがて2007年にメルシャンはキリンの傘下となり、改めて2008年に「キリン 本搾りチューハイ」が発売されました。その後、2015年にサントリーから「こくしぼり」が。そして今回「アサヒ贅沢搾り」の新発売で、いよいよ果実系チューハイは戦国時代を迎えたのです。

↑贅沢搾りの裏側。1/2個以上の果実を使っていることが表記されています

 

イメージとしては、果実系チューハイは居酒屋などで生の果物と一緒に提供される生搾りサワーのような立ち位置。ということで、いよいよ各商品を飲み比べて魅力をチェックしていきます。

 

 

【比較01】レモン編

まずは缶チューハイの定番フレーバーであるレモン。サントリーのこくしぼりにはレモン単体がなくレモン&ライムとなりますが、同商品の特徴である「果実浸漬酒」に使われている果実はレモンのみです(上位ラインの「こくしぼりプレミアム」には「贅沢レモン」というフレーバーがあり)。

↑色のにごり方は、本搾りが最も濃い印象

 

 

次に味の感想を。贅沢搾りは、アルコール度数が4%と最も低いこともあって酔いやすい人向け。ほんのりと甘みもあって、グイグイと飲みやすい印象です。

 

本搾りは最も甘さが控えめ。また、レモンの皮っぽい苦みが本格的なニュアンスを醸し出しています。ドライでキレもあり、辛口なお酒が好きな人向けですね。

 

こくしぼりは、青々しい余韻があってやさしい酸味も。ライムエキスによるものかもしれません。また、すっきりした清涼感があるので、スパイシーな料理に合いそうです。

 

 

【比較02】グレープフルーツ編

レモンと双璧をなすチューハイの王道といえば、グレープフルーツ。次はこのフレーバーを飲み比べてみました。

↑贅沢搾りは、赤みがかった色が特徴。これは、パッケージからもわかるようにピンクグレープフルーツを使っているからでしょう

 

贅沢搾りは、41%という抜群の果汁量。それもあってか、香りが豊かで味わいもジューシー。“贅沢”というブランド名にも納得です。レモン同様に自然な甘みがあって、低めのアルコールなのでこれも飲みやすい印象ですね。

 

本搾りも前述のレモンと同じく、すっきりとした甘さやビターなニュアンスが印象的。同社の「ビターズ」という苦みに特化したシリーズほどではないですが、辛口でキリっとした味わいです。6%という高めのアルコール度数で、お酒としての飲みごたえも十分。

 

こくしぼりは前者2つの中間の甘さで、アルコールも中間の5%。炭酸の強さは最もやわらかい感じで、特に食事に合いそうな気がします。嗜好によっては、3本のなかでこれが一番飲みやすいという人もいるのではないでしょうか。

 

 

【比較03】桃編

次の比較は桃。とはいえ、比較対象となる商品が贅沢搾りとこくしぼりプレミアムしか現行ではなかったので、価格差も加味した形で飲み比べてみました。

↑果汁は贅沢搾りの方がやや多い31%。ただ、にごりはこくしぼりプレミアムのほうが強く出ています

 

贅沢搾りは、開栓した瞬間にあふれる桃のフレッシュな香りに驚きました。飲み口も爽やかで、みずみずしい印象です。ライトなタッチで、パッケージのデザインもそうですが若い女性にウケそうな味わいです。

 

たとえば贅沢搾りが20~30代なら、こくしぼりプレミアムは30代以上の人にオススメしたい大人感。時間帯でも前者は昼~夕~夜で、後者は夜~深夜。甘さは控えめですが、フルーティで濃醇ですね。にごりに由来しているのか、またはブランデー仕立てによるものなのか、テクスチャーにも少しだけとろみがあってリッチです。

 

 

【まとめ】

今回、3社の各商品を飲み比べてわかったこと。それは同じ果実系チューハイであっても、それぞれ個性が違うということです。

 

あくまでも個人的な感想ですが、アサヒの贅沢搾りは低アルコールで自然な甘さ。高果汁タイプが好きだけど、もっと低アルコールで飲みたかったという人には待望といえるでしょう。そしてキリンの本搾りは、高果汁が好きな一方で甘さよりも苦みやキレを重視する人。そしてサントリーのこくしぼりは、甘さや苦みは適度でいいというバランス重視型の人向け。プレミアムに関しては、深夜にまったりと缶チューハイを楽しみたい人向けといえるかもしれません。3月20日の贅沢搾りが発売されるタイミングで、実際に飲み比べをしてみてはいかがでしょうか!

「カミュ」でブランデーの常識を覆す! 7名の実力派バーテンダーが集結したコンテストに潜入

熟成された深くて柔らかい味わいと豊かな香り。「カミュ」は、150年以上にわたって世界中で愛されてきた「ハイエンドブランデー」というべき世界最高峰のコニャックの1つです。ストレートもよし、ロックもよし。そしてカクテルベースにもよし。どのような飲み方にも寄り添ってくれる、懐の深いお酒です。

 

カミュのラインナップはいくつかありますが、近年注目度が上がってきているのがコニャック地方最西端のレ島でつくられているカミュ「イル・ド・レ」シリーズです。ストレートで飲むと引き締まった味わいで、ロックや水割りにすると甘みが引き立ってくる、シチュエーションによってさまざまな表情を見せてくれる1本です。

 

そして神戸では現在、イル・ド・レをベースとした「神戸フレンチハイボール」が大人気! 2017年の神戸開港150年を記念して開発された1杯で、華やかな風合いのなかにもぴりっとくる酸味と塩味がきいており、夏のリゾート地を思わせる味わいが魅力です。神戸全域約100店舗のバーやホテル、レストランで提供されており、イル・ド・レと強炭酸であるウィルキンソンの組み合わせが生んだ爽やかさが、カミュの新しいトレンドとなっています。

 

兵庫県内のバーテンダーが競いあう「カミュ神戸フレンチハイボール杯 カクテルコンペティション」

 

2018年3月11日、神戸メリケンパークオリエンタルホテルにおいて、カミュ 神戸フレンチハイボール杯 カクテルコンペティションが開催されました。次世代の神戸フレンチハイボールを見つけ出すコンペティションで、兵庫県内のバーテンダー7人がファイナル大会に参加。オリジナルの1杯を披露しあいました。

 

 

神戸フレンチハイボール・ツイストの基本ルールは2つ。イル・ド・レをベースとすること。そしてウィルキンソンタンサンを使うこと。評価ポイントは見ため、作りやすさ、香り・味わい、ブランドとコンセプトとなっており、ファイナリストに選ばれたバーテンダーがイメージする神戸らしさ、カミュらしさ、バースペースで楽しむハイボールらしさをどうアピールするかが重要視されました。

 

↑「カミュ イル ド・レ ダブルマチュアード」。実売価格は8046円

 

また神戸の美しい夜景を眺めながら楽しめる食後酒として、カミュボルドリーを用いた神戸アフターディナーカクテルの審査も同時に行われました。

 

↑「カミュ ボルドリーVSOP」。実売価格は8964円

 

落ち着きがありリラクゼーションともなる1杯は、神戸フレンチハイボールとはまた違った魅力を醸すもの。いったいどのようなカクテルが考案されたのでしょうか。ファイナリストごとの作品をご覧ください。

 

[BAR SLOPPY JOE] 生田理実:SLOPPY French Highball&le pont blanc

 

↑写真右がSLOPPY French Highball、左がle pont blanc

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]SLOPPY French Highball

イル・ド・レ ファインアイランド 70ml
ウィルキンソンタンサン 1本
オレンジピール

神戸フレンチハイボール・ツイストに出品されたSLOPPY French Highballは、190mlのウィルキンソンタンサンを1本まるごと使ったもの。オレンジピールで柑橘系の香りをトッピングして、ゴールドが煌めく海となりました。水面に立ち上がっていく炭酸の泡と、星型のオレンジピールが、夏の夜空を感じさせます。

 

[アフターディナーカクテル名]le pont blanc
カミュボルドリーVSOP 25ml
フランジェリコ 10ml
生クリーム 10ml
パインジュース 15ml
蜂蜜 2tsp
コーヒーパウダー・南天の葉

le pont blancは力強い印象があるコニャックのイメージを一変させ、うっとりとするような深みがある甘さを蜂蜜で演出。またコーヒーパウダーをスノー・スタイルであしらい、ビターなトーンも味わえます。飲んでいると次第に眠りへといざなってくれそう。

 

[KOBE GARAGE] 田中美也子:Jolie Highball&Cache cache

 

↑写真右がJolie Highball、左がCache cache

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]Jolie Highball
イル・ド・レ ファインアイランド 40ml
ボルスラズベリー 10ml
ウィルキンソンソーダ 100ml
レモンピール

フルーティなカミュ イル・ド・レの個性を、レモンピール&ラズベリーリキュールで印象力UP。氷を使わないために、グラスの中で温度が変わるごとに風味が変化していきます。多めの炭酸を使っていますが、ゆっくりと楽しみたくなる1杯といえるでしょう。

 

[アフターディナーカクテル名]Cache cache
カミュボルドリーVSOP 45ml
ボルスドライオレンジ 15ml
オレンジスライス 1枚
スターアニス 1/2個
シナモンパウダー 1振り
ウィルキンソンソーダ 15ml
シナモンスティック

ポートタワーに見立てたシナモンスティックと、三日月を思わせるオレンジスライスで、神戸の夜景をグラスにで表現したCache cache。フレッシュだけどスパイシー。1口、1口とすすめるたびに、新しい香りに気づかせてくれます。

 

[SAVOY hommage] 森崎和哉:Vent de mer&Belle soiree

 

↑写真右がVent de mer、左がBelle soiree

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]Vent de mer
イル・ド・レ ファインアイランド 45ml
神戸紅茶アールグレイ茶葉 2g
みょうが 1/4cut
フレッシュライム 1/8cut
砂糖 1tsp
ウィルキンソンタンサン 90ml

ミョウガのカクテルですか? と驚きましたが、これが合うんです。茶葉を使ったことでさらに重層的となった香り、ライムの効果でタイトに引き締まりつつも甘みが表にでてきている味わいに、ミョウガのエッセンスが爽快感ある炭酸とともに味わえます。

 

[アフターディナーカクテル名]Belle soiree
カミュボルドリーXO 30ml
グラハム・シックス・グレープス 10ml
シャンボールリキュール 10ml
グリオッティン 10ml
グリオッティン・チェリー

カミュボルドリーXOのエレガントさはそのまま、チェリーやピーチ、ベリーのリキュールというドレスであしらった1杯です。まろやかさのなかに果実味からくる甘さが身体の中に溶け込んでいくかのよう。リキュールに漬け込まれていたチェリーのアクセントも効いています。

 

[神戸メリケンパークオリエンタルホテル VIEW BAR] タバリヤ ロビン ラジュ:Port Tower Cocktail&Green Rose

 

↑右がPort Tower Cocktail、左がGreen Rose

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]Port Tower Cocktail
イル・ド・レ ファインアイランド 40ml
アペロール 15ml
ボルスマラスキーノ 10ml
フレッシュレモンジュース 1tsp
ウィルキンソンソーダUP
レモンスライス

氷でまろやかさが出たカミュイル・ド・レの味わいに、リキュール&レモンスライスで柑橘類のシャープな味をMIX。ビター寄りのグラデーションが感じ取れます。またグラスの上には華やかな花壇のような香りが常に漂い、風味を味わい続けたくなりますね。

 

[アフターディナーカクテル名]Green Rose
カミュボルドリーVSOP 35ml
ボルスグリーンバナナ 15ml
ボルストリプルセック 10ml
フレッシュライムジュース 1stp
ライムピール

グリーンに彩られたショートグラスは、逆に見立てればまるで自然味あふれる山。実際に六甲山や摩耶山をイメージしたそうです。こちらもバラの香りを軸としたフローラルさが魅力。またオレンジリキュールの甘みとライムジュースの酸味のフレーバーが心を落ち着かせてくれるよう。

 

[Bar el CAMINO] 村本恭一:柚桜&Hedene(エデーヌ~エデンの園の宴~)

 

↑写真右が柚桜、左がHedene(エデーヌ~エデンの園の宴~)

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]柚桜
イル・ド・レ ファインアイランド 40ml
ユズ・フルーツミックス 10ml
サクラ・シロップ 10ml
卵白 10ml
ウィルキンソンソーダ 適量
桜の花びら 数枚

香りゆたかで味の輪郭がしっかりとしているユズと、チェリーに、華やかさの象徴たるサクラ。さらにカミュイル・ド・レが持つ余韻の長さが、なめらかで、口のなかでゆっくりとひろがっていく卵白がまとめ上げてます。1つのスイーツとなった?と思わせてくれます。

 

[アフターディナーカクテル名]Hedene(エデーヌ~エデンの園の宴~)
カミュボルドリーVSOP 40ml
エスプレッソコーヒー 60ml
ブルーベリージャム(カシス、ブルーベリー、ブラックベリー、ドライブベリー、はちみつ) 2tsp
ペイショーズビターズ 1dash
金粉

複数のベリーを用いたジャムで色付けしたダークな水面に浮かぶのは、神戸の夜景をイメージした金粉。そのコントラストに目を奪われますね。コニャック同様にテロワール(土地)が味わいの要となるエスプレッソの苦味が、ジャムとカミュボルドリーの甘みとのコントラストを作り上げています。

 

[Bar rug] 高橋卓志:glass no.078&Lover’s time

 

↑写真右がglass no.078、左がLover’s time

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]glass no.078
イル・ド・レ ファインアイランド 30ml
みりん 3ml
レモン果汁 5ml
ウィルキンソンタンサン 80ml
ローズマリー
生姜スライス

柔らかみをもたせつつもタンサンでキリっとさせる。筆圧の高いアウトラインがハイボールらしさを演出し、その上でカミュイル・ド・レの豊かな風味を活かしていることに気が付きます。それにしてもみりんを入れるというアイディアには脱帽です。

 

[アフターディナーカクテル名]Lover’s time
カミュボルドリーVSOP 30ml
ボルスドライオレンジ 10ml
ボルスピーチ 10ml
ボルスカカオブラウン 10ml
ボルスチェリーブランデー 5ml
レモン果汁 10ml
シロップ 5ml
卵白 1つぶん
くこの実
ローズマリー
炙ったオレンジ
シナモンスティック

熟成された桃とチェリーのトーンに、カカオに苦味が乗せられて、年季の入った地層を思わせます。また提供されるプレートはオレンジや砂門スティック、くこの実で彩られており、まるで深夜のパーティ会場のよう。カクテルは自由なんだ、というメッセージがこめられているように感じました。

 

[BAR 151] 森広貴:voyageur&mystique tea

 

 

[フレンチハイボール・ツイスト名]voyageur
イル・ド・レ ダブルマチュアード 50ml
オーガニックブルーベリージャム 1stp
ウィルキンソンソーダ Full
レモンピール

カミュイル・ド・レのバリエーションの1つ、ダブルマチュアードを使ったハイボールです。ベリーの酸味とダブルマチュアードの塩気が生き生きとしたフレッシュさが気持ちいい。炭酸が弾ける都度、独特のスモーキーフレーバーが周囲に広がっていく様子も見事です。

 

[アフターディナーカクテル名]mystique tea
カミュボルドリーVSOP 45ml
ブルスブラウンカカオ 10ml
生クリーム 5ml
アッサム 15ml
シナモンスティック

ウイスキーボンボンならず、コニャックチョコといいましょうか! カミュボルドリーの甘さのポテンシャルもフルに活かした、1杯のチョコレートの完成です。炙ったシナモンスティックの香りがまた見事。しっかりとしたボディで飲みごたえもあります。

 

 

全ファイナリストのプレゼンテーションが終了し、審査の間は会場を変えてのパーティに。ここではファイナリストが作り上げた作品の数々をいただくことができました。

 

 

GetNavi web取材班も酔っ払わないように気をつけながら、少しずつ試飲にチャレンジ。バーやホテルのラウンジで飲めるハイボール、ということもあるのでしょう。そしてカミュの繊細な味わいを活かしたものであるからでしょう。その多くは香りと味わいの豊かさの地平を広げていくものでした。

 

そのなかでも取材班全員一致で「これは旨い!」と票が集まったのは、生田さんのSLOPPY French Highball。強炭酸を活かしたハイボールらしさがあり、ゴクゴクと飲んでみたくなる魅力が強烈でした。

 

カミュ神戸フレンチハイボール杯 カクテルコンペティション、No.1バーテンダーは森崎さん!

↑トップ3発表を控えて一堂に会すファイナリストたち

 

カミュ神戸フレンチハイボール杯カクテルコンペティションも終りが近づいてきました。結果発表の時間がやってまいりました。栄えある1位となったのは、どなたでしょうか? ダカダカダカダカ(ドラムロール)…ダン!

 

 

SAVOY hommageの森崎さんです! 彼には「カミュを巡るコニャックの旅」がプレゼントされました! おめでとうございます!

 

「コニャックは勉強してきたのですが、改めて素晴らしさに気づかせてくれたことは本当に幸せなことだなと思います。カミュの畑や蒸留所に行かせていただけるので、現地の空気感を自分の中にしっかりととりこんで、それを神戸に持って帰ってきて、 カミュの魅力をお客様に精一杯伝えていきたいとおもいます」(森崎さん)

 

 

神戸にいったらぜひとも神戸フレンチハイボールを頼んでみたいもの。また自宅でも、こちらで紹介したレシピにチャレンジしてみるのもいいでしょう。みょうがやみりんなど、驚きの食材が1杯のカクテルの中で味と香りを花開かせていく様子も味わってみてくださいね。

これが自宅で飲めるのか!新作缶チューハイ「アサヒ贅沢搾り」は果汁感がハンパない

ビール、ワイン、ウイスキーなどお酒のジャンルはいくつかありますが、特に伸びているのがRTD(Ready To Drink=開栓してすぐ飲める缶やボトル入りのチューハイやカクテルなど)。これをけん引しているのが缶チューハイです。ほかのお酒に比べて割安、お酒が苦手の人でも親しみやすい味、種類が豊富、サワーブームなどが背景にあり、各メーカーも従来品のリニューアルや新商品の開発に余念がありません。そのなかから、今回はアサヒビールが3月20日に発売する新作「アサヒ贅沢搾り」をひと足早く紹介したいと思います。

 

 

圧倒的な果実感を目指したことで果汁の量もたっぷり

最大の特徴は圧倒的な果実感。同時に3つのフレーバーが登場しますが、それぞれが果実を大量に使用しており、それが「贅沢搾り」というネーミングの由来でもあります。

↑パッケージの裏側。グレープフルーツ(左)と桃(右)は1本に果実を1/2個、レモン(中央)はまるごと1個ぶんを使っています

 

そのため、果汁のパーセンテージも圧倒的。たとえばグレープフルーツは41%、桃は31%、レモンは14%となっています。一般的な缶チューハイの果汁は数%なので、確かに圧倒的といえるでしょう。

↑この果汁感を最大限に楽しむためには、開栓前に缶を逆さまにするのがポイント。家ではレモンや桃(写真奥)のようにして冷蔵庫に保存するといいでしょう

 

ただ、この高果汁缶チューハイのカテゴリは、すでに市場には存在しています。いわば本商品は後発といえるのですが、そのぶん時間をかけたことでこれまでにない味わいに仕上がっているとのこと。

↑味に関する設計資料。特に果汁の香りを引き立てて人工的な酒臭さを抑える技術は、特許を申請するほどの独自な手法になっている

 

聞けば、アンケートを通じて人気のRTDのトレンドを細分化。特に果汁量が求められていることをリサーチして「みずみずしい果汁感」「豊潤な香り」「気軽に飲める」「ゴクっと飲める」、この4つが消費者のニーズであることに気付き、商品開発に取り組んだそう。

 

 

ジューシーなにごりとフルーティな香りに驚いた!

いよいよ次は、実際飲んでみることに。グラスに注ぐだけで商品特徴がはっきりわかりました。最も果汁パーセンテージが多いグレープフルーツは特にでしたが、にごりが濃いのです。

↑アサヒ贅沢搾り グレープフルーツ

 

味の方向性も、きわめてジューシー。ソフトドリンクでたとえるなら100%ジュースのような深みがあります。それでいて渋みや苦みは一切なく、炭酸の爽快感とキレのあるのどごし、アルコールによる心地よい余韻はしっかり。

↑アサヒ贅沢搾り レモン

 

↑アサヒ贅沢搾り 桃

 

レモンはまるごと1個分ということですが、酸っぱすぎるということはなくゴクっと飲めるちょうどよさ。この3本のなかでは最も食事と好相性だと思いました。そして桃はフルーティな香りが印象的で、やわらかさややさしいニュアンスも。酸味のあるチューハイが苦手な人にはぜひ試してほしいおいしさです。

 

↑希望小売価格(税別)は350mlで141円。500mlも用意されていて、そちらは191円

 

全体的な印象としては、果実感が豊かな一方でツンとしたアルコール臭がないこと。ちょっといい居酒屋で提供される、生搾りサワーのようなリッチなテイストで言い得て妙。まさに「贅沢搾り」だと思いました。発売は花見シーズン前の3月20日ということで、缶チューハイが活躍する絶好のタイミング。桜を眺めながら、贅沢なチューハイタイムを楽しんでみてはいかがでしょう!

 

ショットで一気飲みはもう古い!イマドキの「テキーラ事情」って?

「テキーラ」といえば、バーやクラブでショットで飲んでみんなで盛り上がるためのお酒というイメージが強いはず。なかなか日常的に飲む習慣が少ないお酒なのではないでしょうか。

 

実は、日本は消費量世界5位を誇るほどテキーラがよく飲まれている国のひとつ。また、消費量自体も急増しており、2017年は200万リットルも消費されています。

 

そんなテキーラを使ったカクテル「マルガリータ」を楽しむ日として、日本でも今年から2月22日が「マルガリータの日」に制定されました。このマルガリータの日制定を記念するパーティーが2月21日に赤坂・CROSS TOKYOで開催されると聞きつけ、“お酒ならなんでも大好き”な筆者も大喜びで参加してきました!

 

 

「マンハッタン・マルガリータ」でみんなでサルー!(乾杯!)

テキーラは「ブルーアガヴェ」という竜舌蘭(リュウゼツラン)の一種が原料です。テキーラは、認定機関の規則によりメキシコ国内の限られた地域で生育したアガヴェを51%以上使用しなければないという厳しいルールのもとに作られています。

 

テキーラといえばアルコール度数が高いお酒だと思われがちですが、認定機関の規則で35度~55度。これはウイスキーなどと同じくらいのアルコール度数なんです。

20180228tequila002↑写真は「123スピリッツ」のテキーラ。「1」と書かれたラベルの「ブランコ・ウノ」は、フレッシュなアガヴェの香りと、甘い余韻が特徴。「2」は「レポサヂ・ドス」、「3」は「アネホ・トレ」というテキーラで、それぞれ6か月、18か月間アメリカンホワイトオーク樽で熟成されたものだ

 

そんなテキーラを使ったカクテルであるマルガリータの起源は、1936年にメキシコで始まったという説や、1949年にロサンゼルスで始まったという説など、諸説あります。2月22日はアメリカを中心に「National Tequila Day」として世界中でマルガリータを楽しむ日としてお祝いされており、その流れがついに2018年から日本にも上陸しました。

 

会場について最初に振る舞われたのは、「マンハッタン・マルガリータ」。その名の通りマンハッタンビーチ発祥のレシピで、よく冷やしたボトルからグラスに注ぐだけでそのまま楽しめるのが特徴のブランドです。

20180228tequila003↑「マンハッタン・マルガリータ」は、ボトルから注ぐだけで本格的なカクテルが楽しめる

 

筆者は普段カクテルを飲む機会がほとんどないのですが、そんな筆者でもこのマルガリータのおいしさにはびっくり! マルガリータの基本のレシピは、テキーラ、オレンジ風味のリキュールのコアントロー、レモンジュースもしくはライム・ジュースなのですが、マンハッタン・マルガリータはフルーツ感が強くて飲みやすいんです。

20180228tequila004↑シルバーテキーラにレモン、ライム、オレンジ、クランベリー、パイナップルなど天然素材ジュースのみをブレンドしている

 

 

食事に合わせたくなる「クエルボ・マルガリータ」

大盛況の会場内では、各社のテキーラやマルガリータが振る舞われており、何から飲むか目移りしてしまいます。そんななかで筆者が何度もおかわりしてしまったのが、昨年発売された「クエルボ・マルガリータ」。

20180228tequila005↑「クエルボ・マルガリータ」は、ライムの風味とオレンジリキュール甘さのバランスが絶妙

 

このお酒は世界販売数量No.1のテキーラブランド「クエルボ」を使用したプレミックスリキュールで、ホセ・クエルボ社とアサヒビールが共同開発したもの。氷を入れたグラスに注いだり、ソーダと割ったりするだけで気軽にマルガリータが楽しめます。

 

マルガリータを飲むにはバーに行くしかないと思っていたので、こうやって手軽にカクテルが楽しめるのはいいですね。また、カクテルといえば単体で楽しむもののイメージでしたが、ほどよい爽やかさがあるので食事と一緒にいただくのもおすすめ。ホームパーティーでも大活躍しそうです。

20180228tequila006↑この日提供された有機野菜やオーガニック食材を使った料理との相性も抜群。多少パンチにある料理と楽しみたくなるカクテルだ

 

 

赤いテキーラから紅芋を使ったマルガリータまで

試飲したなかでインパクトが強かったのは「ストーレンキッス」と「紅芋マルガリータ」。どちらも味わいが印象的なだけでなく、なんと言ってもビジュアルでも目を引きます。

20180228tequila007↑「ストーレンキッス」はHacienda MaravatioのBlancoをベースに作られたテキーラ。ワイン樽で熟成することで、ワイン色が移ってピンク色をしている

 

20180228tequila008↑ 「パトロン」のテキーラを使用した「紅芋マルガリータ」。紅芋の甘みとオレンジの爽やかさ、さらにチョコレートのアクセントが加わったデザート系のカクテルだ

 

ほかにも、ドリンクインターナショナル2018の“マルガリータに合う”テキーラブランド第1位として選出された「ドン・フリオ」の「トミーズマルガリータ」や、ワンカップサイズの「テキーラ13(トレッセ)」なども振る舞われ、思わず取材で来ていたことを忘れそうになりました。

20180228tequila009↑「ドン・フリオ」を使った「トミーズマルガリータ」は、サンフランシスコのメキシコ料理店「トミーズ」のフリオ・ベルメオ氏が開発したカクテル。アガベシロップを使用する

 

 

20180228tequila010↑「テキーラ13(トレッセ)」は、業界初となるTEQUILA13の50mlワンカップサイズ。日本のカップ酒がヒントとなっている

 

2015年のメキシカンファストフード「タコベル」の日本上陸以来、じわじわとブームになりつつあるメキシコ料理。そんなメキシコ料理と一緒にテキーラを飲んで、メキシコ人さながらの陽気な宴席を楽しみましょう!

居酒屋に制服姿の高校生が増加中!!「面白い現象」「儲かればいいのか?」と賛否の声

仕事帰りのサラリーマンや大学生に人気の居酒屋。女子会が居酒屋で開かれるなど利用する客層が幅広くなっているが、現在は制服姿の学生利用客も増えているという。この事実にネットからは「面白い現象だね」「酔っぱらいに絡まれたらどうすんの?」といった反響の声が上がっている。

出典画像:Jessica Spengler / Pub(from Flickr, CC BY 2.0)出典画像:Jessica Spengler / Pub(from Flickr, CC BY 2.0)※画像はイメージです

 

居酒屋に制服姿の学生が増加中!?

このニュースを伝えたのは、テレビ朝日系のニュース番組。VTRには、渋谷にある居酒屋で料理を楽しむ制服姿の高校生の姿など、未成年客が溢れる店内の様子が収められていた。同番組が制服姿の女子高生にインタビューを行ったところ、「(学校で)めっちゃはやってます」との返答が。また、利用する理由を「普通の飲食店より騒いでいても怒られない」と語り、「(酔った大人が)盛り上がってるのを見てるとこっちもテンションが上がる」と答えてた。

 

もちろんお酒は提供されておらず、お店側は未成年客の利用を22時までと制限。お店の人はインタビューに対して「(店の)キャパを考えると回転率が命」「高校生のお客様は学校が終わった時間から早く動かれることが多いので、ぶっちゃけもうかりますね」と笑顔で答えている。

 

このニュースがネットで拡散されると、「その発想は無かったな」「確かにファミレスで騒げば迷惑になるし、マッチはするかも」「居酒屋が取り込むべき客層はここだったのか…」「酒無しで居酒屋を楽しむのか。好きなものを少しずつ食べられるし、確かに良いかもしれないね」「酒さえ出さなければ問題ないわけだし、経営サイドからみれば想像してなかったニーズってやつだと思う」といった好意的な声が上がっている。

 

今後は居酒屋の在り方が変わる!?

今回のニュースに対してはもちろん好意的な声だけでなく、「なんか色々誤解を招きそう」「これは嫌だなぁ。安い居酒屋に居場所なくなるわ」「そのうち酒を提供する不祥事が起きそう」「儲かればいいのか?」など、否定的な声が上がっているのも事実。

 

しかし、「店さえしっかりしてればいいだけだと思う」「“居酒屋=大人のお店”っていうのは固定概念かもね」「居酒屋は大きく舵を切る時がきたんじゃないかな」といった声や、「全面禁煙にすれば子連れ客も取り込むことができるかも」「お酒を飲まない人向けのメニューがもっと増えるといい」「下戸だからいつも居酒屋でお酒のまないけど、これを機に居酒屋のご飯がもっとおいしくなることに期待」といった声も上がっている。

 

今後ますます居酒屋の在り方やスタイル、利用客に変化がみられるかもしれない。