妄想が妄想をよぶ憧れの8ホイールライフ――『ル・ボラン 2018年5月号』

たとえば、日本上陸したばかりのグルメバーガーか老舗有名店の天丼か。PS4かニンテンドースイッチか。Apple WatchかG-SHOCKの上級モデルか。そして国産車か輸入車か。あるいはイタリア車かフランス車か。

 

お昼のメニューから車まで、人生は大小の選択の連続。迷って迷って、どうしようもない時にどうするか?  特に大きな買い物をする時は “どちらか”ではなく、“どちらも”というチョイスがあったら最高だ。

 

イケナイ妄想ほど楽しいことはない

ル・ボラン 2018年5月号』(ル・ボラン編集部・編/学研プラス・刊)で「いま、クルマ2台持ちならどんなペア!?」というなんとも贅沢なシミュレーションに関する特集記事が組まれている。車を2台持つという暮らし方はなかなか想像できない。でも、それをできるだけリアルに展開してしまおうというのが主旨。10人のクルマ好きによって、それぞれの“8ホイールライフ”が綴られる。

 

クルマってのは不思議なもので、たとえ夢に見た1台を手に入れたとしても、「もう1台買うなら……」とイケナイ妄想をしてしまう。そしてこの浮つきが、何より楽しいことをクルマ好きたちは心得ている。今回は10人の執筆陣が2台持ちを妄想。その超真剣な回答をご覧あれ。

『ル・ボラン 2018年5月号』より引用

 

専門誌の執筆陣が繰り広げる妄想は上質で、説得力があるに違いない。ざっと見ただけでもワクワクし、うなってしまう組み合わせばかり。

 

 

対極のスーパーカーライフ

まずは清水和夫さんのケース。ルノーTWINGO GTとマクラーレン720S。テーマは「対極のスーパーカーライフ 日常と非日常の絶妙な距離感」。その心は、「720Sはサーキットで全開走行、トゥインゴは日々の走りを堪能したい」ということになる。

 

この2台、外見からしてまったく違う。全身筋肉のような720Sと、いかにも接しやすそうなトゥインゴのカップリングは、完全にしっくりくる。トップを飾るだけあって、説得力十分だ。

 

ウィークデーは使い勝手のよいトゥインゴで通勤や買い物、そしてお迎えなんかをてきぱきこなし、ウィークエンドは720Sで遠出してドライブを楽しみ、かつサーキットで攻めの走りを極める。こういう8ホイールライフが楽しくないはずがない。

 

 

贅沢なツートップ

清水さんのテーマが対極なら、石井昌道さんのそれは並列。BMW M5とロータスELISEの組み合わせは、ドイツ・イギリス両国の往年の名フットボーラーでたとえるならクローゼとオーウェンという感じだろうか。

 

背が高くてヘディングが強く足元もうまいクローゼと、石井さんの表現をそのまま借りれば“万能な「羊の皮を被った狼」”であるM5。そして、点を取るために生まれてきたようなオーウェンと走るために作られたELISE。石井さんは語る。「M5を軸に据えておけば、もう1台はプリミティブなスポーツカーという選択肢がとれる」

 

車の原点である走りという機能を考えれば、これ以上贅沢で華麗なツートップはないだろう。

この組み合わせ、憧れちゃいます

特集全体を通して筆者が一番実現したい組み合わせは、島下泰久さんのトヨタALPHARD HYBRIDとホンダNSX。島下さんは語る。「私が思い描くのは10ホイールのオールハイブリッドカーライフ。避けられない電化の波、楽しんだもの勝ち?」

 

10ホイール?  ALPHARDのハイブリッド車に自転車まで積み込んでしまおうというアイデアだ。このクルマ、自転車を積み込めるほどのスペースがあるにも関わらず、走りが大幅に進化しているらしい。海に行って、そこで自転車を降ろし、風を受けながらビーチ沿いを走るなんていうこともできそうだ。

 

NSXに関して言えば、国産スポーツカーの中でもかなり多くのファンを持つことで知られている。純粋に走りを楽しむことが目的なら十分すぎるだろうし、何より車体のフォルムが美しい。子どもの頃に抱いたスーパーカーに対する憧れに近い感情がかき立てられる。

 

そして、どちらもハイブリッド車。電化の波を楽しむためにはまさに絶好の組み合わせとなるのだろう。自転車を車に乗せて運ぶというのも、抜群におしゃれ。

 

 

おしゃれ大賞はこのペアどうでしょう

おしゃれをキーワードにするなら、嶋田智之さんのCITROËN 2CVとASTON MARTIN VANQUISH Sという組み合わせに賛成。独特なフォルムで他の追随を許さない2CV。そして、ボンドカーとして超有名なASTON MARTIN。誰も着ていないようなユニークなデザインのフランス製コートと、英王室御用達テイラーのオーダーメイドのタキシード。そんな趣の組み合わせだろうか。

 

「両極端なクルマを所有できたら乗り換えのたびに新鮮に感じられ、究極に素敵な2台持ちになるだろう」というのが嶋田さんのコメント。こういう2台持ちは、モテるだろうなぁ。

 

という具合に、クルマの達人10人が繰り広げる妄想はどれも思い入れとうんちくに満ち満ちている。残りのペアリングに関しては、本誌でどうぞ。この特集、ひたすら楽しいです。

 

 

【書籍紹介】

ル・ボラン 2018年5月号

著者:ル・ボラン編集部(編)
発行:学研プラス

ドイツ車をはじめとする輸入車を軸に、クルマやクルマ用品、ニュースなどをタイムリーに発信する月刊自動車雑誌。ダイナミックなビジュアルとわかりやすい記事には定評があるほか、欧州車を中心とする独自の現地取材企画は高い人気を誇る。

kindlleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
Bookbeyondで詳しく見る

 

 

 

 

 

『ル・ボラン 2018年4月号』――セールス好調の輸入車に対するアナタに疑問に答えます!

みなさん、今どんな車に乗っていますか? そして、欲しいと思っていてもお持ちではない方々は、どんな車に乗ってみたいですか? 国産車はもちろん魅力的ですが、輸入車購入の可能性も考えてみませんか?

 

この記事では『ル・ボラン 2018年4月号』(ル・ボラン編集部・編/学研プラス・刊)の特集記事「輸入車100のQ&A」の内容に沿って、筆者が気になった項目を見ていきたいと思う。

 

 

迷い、悩む時間を楽しむ方法

筆者のこれまでのクルマ遍歴は5台。どの1台をとっても思い出がある。車を買うときのクライマックスは間違いなく納車の瞬間だろう。でも、それと同じくらい楽しいのがカタログを見てあれこれ悩む時間だ。「買い物は即決」というタイプの人もいるだろうが、車となるとそうはいかない。

 

ディーラーに行って試乗する段になるとかなり気持ちが固まっている。だからこそ、まだ何も決まっていない状態でカタログを読み倒している時間こそが楽しい。実際に輸入車を買おうという気持ちを作ってみて、4月号を手に取る。

 

昨年の輸入車セールスは好調で、前年比3.7%増の30万5043台(JALA調べ)と初めての30万台を突破。セールスのピークは’96年だが、乗用車に限れば新記録だそう。輸入車ブーム再来! というわけだ。昨今は自動運転技術にSUVブーム、EVやディーゼル車の増加など、自動車の世界は目まぐるしく変化し、『?』と疑問に思うことも――。ならば解決いたしましょう。みんなが知りたい輸入車にまつわるQ&Aを!

『ル・ボラン』4月号より引用

 

じゃあ、始めよう。

 

 

なにはともあれベンツ

トップを飾るのは、輸入車の中でも大人気のドイツ車、そのナンバー1のメルセデス・ベンツに関する質問。関心の高さがうかがわれる。

 

Q01 新しいAクラスのハイライトはどこにあるんですか?

A  クラスを超えるハイテクとハイクオリティです。  

 

という具合に始まり、エクステリアの特長やエンジン、ラゲッジスペースなどに関する質問が続く。誰でも気になるはずの外観から荷物の積み込みの実用面、そしてメカに関する面まできっちりカバーしている。次も、ドイツ車に関する疑問。

 

 

ドイツ車驚きの1台

もちろん、ほかのドイツ車に対するQ&Aも多い。BMW、AUDI、フォルクスワーゲンと続くのだが、筆者が注目したのはVW UP! GTIだ。

 

Q10 VW最小モデルのGTIでもスポーツドライビングは味わえる?

A  小ささゆえのキビキビ感もプラスされ、十分味わえます!

 

VW UP! GTIは、エントリーモデルという位置づけで紹介されている。いわゆるビートルからジェッタやゴルフ、そしてシロッコと、フォルクスワーゲンにもさまざまなタイプがあるが、UP! GTIは日本市場を強く意識した作りになっているんじゃないだろうか。写真を見る限り、ドイツ車とは思えないサイズ。そうでありながらスポーツドライビングもキビキビこなすというなら、試乗してみたい気になる。フォルクスワーゲンという枠の中に限って言うなら、エンジン剥き出しの改造が多い「バハバグ」以来の衝撃を受けた。

普段使いの道具としての車

特集の立ち位置は、男目線ばかりではない。

 

Q77 奥さまにオススメするコンパクトカーのポイントは?

A  やはり普段使いの快適さでしょうか!

 

車というのは、趣味の対象であり、一緒になって楽しさを追求するものであると同時に、日常生活で使う身近な道具でもある。ならば、使い勝手に関する疑問も当然だろう。今回の特集では、上に示した通り、女性の目線から見た車選びに関する要素も網羅されている。ちなみに、普段使いの快適さを軸にリストアップされているのはMINI 5 DOOR、AUDI Q2、CITROËN C3、そしてFIAT 500X。第一印象、インテリア、アピールポイントといった軸で比較していく。

 

普段使いの快適さといえば、これも面白かった。

 

Q72 駐車支援システムは付いていると便利ですか?

A  シンプルなシステムの方が完成度は高いです(笑)。

 

片手でハンドルを握ったままもう一方の手を助手席にかけ、リアウィンドー越しに狙いを定める動作。かつては男子のモテ仕草のトップ3に入っていたはずだ。ところがこれは、駐車支援システムによってアピールポイントとしての価値を失ったようだ。「タイムトライアルで争うパーキングアシスト選手権」も必見。

 

 

こんな情報もいかがでしょう

こちらもQ&A仕立てで進む2018年の自動車シーンを占うコラム、そして2018年ニューモデルカレンダーは輸入車のトレンドを把握するのに役立つだろう。ボルボ・オーシャンレース(ヨットレース)やFORMULA E CHAMPIONSHIP(電気自動車のフォーミュラカーレース)についての項目も、ちょっとしたうんちくのネタになるはずだ。

 

輸入車購入をリアルに考えている人たちにとっては実用的であり、そうではない人たちにとっては、輸入車最新情報を仕入れるための絶好の一冊となるだろう。かゆいところにしっかり手が届いた特集。もう一度全項目をよく読んでみます。

 

【書籍紹介】

ル・ボラン 2018年4月号

著者:ル・ボラン編集部(編)
発行:学研プラス

ドイツ車をはじめとする輸入車を軸に、クルマやクルマ用品、ニュースなどをタイムリーに発信する月刊自動車雑誌。ダイナミックなビジュアルとわかりやすい記事には定評があるほか、欧州車を中心とする独自の現地取材企画は高い人気を誇る。

kindlleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
Bookbeyondで詳しく見る

 

 

 

『ル・ボラン2018年3月号』――映画に似合うイタリア車とフランス車の魅力とは

車が大きな役割を果たす映画がある。いや、こう言おう。大道具にすぎないはずの車が、映画そのもののテイストを決めてしまうことがある。『007』シリーズや『ゴッドファーザー』ではイタリアのアルファロメオが圧倒的な存在感を放っていたし、『TAXi』ではフランスのプジョーが超ハイスペックのタクシーとして主役を務めた。

 

 

プラスアルファの“何か”

筆者も含め、ヨーロッパ車と言えばドイツ車を思い浮かべる人が多いと思う。2017年の輸入車のベスト4を占めたのはメルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、アウディという並びで、すべてドイツ車だ。

 

「安全で頼れる車」というドイツ車のイメージが揺らぐことはないだろう。ただ、スタイリッシュネスとなるとどうだろうか。そういう基準なら、筆者がまず思い浮かべるのはイタリア、そしてフランスの車だ。イタリア車にもフランス車にも、遊び心などという簡単な言葉では表現しきれないプラスアルファの何かが宿っているような気がしてならない。

 

 

スタイリッシュなだけじゃない

若い世代の読者の方々には古い話で申し訳ないのだが、こんな話もさせていただきたい。1962年生まれの筆者が中学生の頃、爆発的なスーパーカーブームが訪れた。少年ジャンプで連載されていた池沢さとし先生の『サーキットの狼』という漫画がきっかけになり、ものすごい勢いでイタリア車に関する情報が入ってきた。

 

この漫画の主人公、風吹裕矢の愛車がロータス・ヨーロッパだった。ライバルたちが駆るのはランボルギーニやフェラーリ、そしてマセラティといった名車の数々だ。この漫画によってイタリア車に惹かれるようになった少年たちは決して少なくなかったはずだ。

 

フランス車に関して言えば、シトロエンの2CV――ルパン三世の『カリオストロの城』に出てきたやつだ――のように、おしゃれなのはわかるけど、ちょっとクセがある感じが否めない車が多いと思い込んでいた。

 

でも最近は、純粋に車としての性能に魅力を感じる人たちが増えているようだ。たとえばシトロエン社のハイドロニューマチック・サスペンションというテクノロジーは、エアスプリングと油圧シリンダー、そして油圧ポンプを組み合わせたサスペンションで、モーグルスキー選手の膝の動きのように衝撃を吸収し、スムーズな走行感を実現する。

 

そんなイタリア車とフランス車の魅力をあますところなく伝えるのが、『ル・ボラン 2018年3月号』(ル・ボラン編集部・編/学研プラス・刊)の特集記事だ。

 

フランス車、イタリア車が感じさせるもの

『ル・ボラン2018年3月号』には、フランスとタリアの人気車種を集めた「これがフレンチ&イタリアンの最新レシピ』という特集記事が組まれている。開始ページの見開きにちりばめられた各社のロゴを見るだけでワクワクする。

 

プジョーのライオンもシトロエンのダブルシェブロンも、ランボルギーニの暴れ牛も、そしてマセラティのトライデントも、とても美しい。特集全体を貫くアイデアとして記された次のような文章が、ヨーロッパ車ファンの気持ちを代弁すると思う。

 

高品質で信頼性も高く、いかにも精密機械的なドイツ車は確かに魅力的だけど、走りがメチャクチャ楽しい! とか、デザインがサイコー! などなど、個性派ぞろいのイタリアン&フレンチモデルには、クルマ好きのハートを揺さぶる“何か”がある。

『ル・ボラン 2018年3月号』より引用

 

フロントグリル周りだけを見ても、フランス車とイタリア車はおしゃれで個性的な面がまえをしている。

 

 

フランス車、イタリア車の教科書

20近い車種のスペックやインテリア、そして足回りに関する詳細なレポートは読み応え十分。テイストとしては、教科書に近い感じがする。アルピーヌA110とアルファロメオ・ステルビオは海外試乗で走りの面から徹底分析。

 

筆者目線でそれぞれの国から1台ずつ選んでピックアップするなら、フランスのアルピーヌとイタリアのアバルトだ。

 

アルピーヌA110は、誕生秘話も含め8ページを割いて紹介されている。筆者は決して車に詳しいわけではない。でも、実際にシートに座ってステアリングを握っているような感覚に近いものを受け取った。助手席にわんこを乗せて、神宮外苑あたりを走ってみたい。使い方を具体的に思い浮かべることができるのだ。

 

ランボルギーニやフェラーリといったスーパーイタ車に対しては、正直ちょっとリアリティを感じにくい。でもアバルトは小型車の展開が多く、日本で購入したとしても、日常生活での“乗りこなせる感”を容易に想像できる。それに、ボディカラーも鮮やかで、ちっちゃくてかわいい。

 

オーナーなら愛車に対する思いがひときわ深まるだろうし、いつか手に入れたいと思っている人たちはいやがうえにも気持ちがかき立てられるだろう特集記事だ。イタリア車やフランス車がまとう、具体的な定義が難しい楽しさ。それを理解する助けになってくれると思う。

 

【書籍紹介】

ル・ボラン 2018年3月号

著者:ル・ボラン編集部
発行:学研プラス

輸入車を軸にクルマやクルマ用品、ニュースなどをタイムリーに発信。ダイナミックなビジュアルとわかりやすい記事には定評があり、欧州車を中心とする現地取材企画は高い人気を誇る。

kindlleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
Bookbeyondで詳しく見る

【中年名車図鑑】若者向け上級ハッチバックとして登場した“2BOXカローラ”

FRの駆動方式にこだわっていたトヨタ自動車工業は、80年代に入ると大衆車を次々とFFに変更していく。1983年5月には屋台骨を支えるカローラが、シリーズ史上で初めてFF方式を採用。その約1年5カ月後には、FFの特性を活かした2BOXのカローラが市場デビューを果たした――。今回はニューヨーク国際自動車ショー2018で新型のカローラハッチバックが発表されたのを記念して、“2BOX上級生”を謳って登場した初代「カローラFX」の話題で一席。

【Vol.62 初代トヨタ・カローラFX】

今でこそあらゆる面で臨機応変なクルマ造りを実践するトヨタ自動車だが、80年代初頭まではメカに関してかなり頑固な主張を持ったメーカーだった。その代表例がフロントエンジン・リアドライブ(FR)に対するこだわりだ。優れた走りを実現するためには操舵輪と駆動輪を同一にするべきではない、変速フィールが自然で自動変速機の組み込みも容易、メンテナンスがしやすい――そんなFRのメリットを最大限に重視していたのである。一方、FRには大きなデメリットがあった。フロントエンジン・フロントドライブ(FF)のレイアウトに比べて縦方向に長いエンジンルームを要し、さらにトランスミッションユニットと駆動シャフトがキャビン内に大きく侵入したのである。限られたボディ寸法のなかでキャビン空間をできるだけ広くするには、FFのほうが有利だった。

 

ライバルメーカーがパッケージ効率に優れるFF方式を続々と採用するなか、ついにトヨタも大衆車のカテゴリーにこの方式を導入する方針を打ち出す。まず1978年8月には同社初のFFモデルとなるAL10型系ターセル/コルサを発売。ただし、エンジンの搭載方式はメンテナンスや自動変速機の採用などを鑑みて縦置きとした。80年代に入ると、横置きエンジンのFF車の開発を急ピッチで進めるようになる。そして1983年5月、同社の屋台骨を支えるカローラ、さらに兄弟車のスプリンターがFFに一新された。ちなみにFF方式を採用したのはセダン系や5ドアハッチバック系などの実用モデルで、スポーツ系のカローラ・レビン/スプリンター・トレノはFR方式を継続した。

 

■ターセル/コルサの上を目指した2BOXカローラ

1984年10月に登場した「カローラFX」。Fは未来のフューチャー、Xは未知数の意。ボディサイズは全長3970×全幅1635×全高1385mm/ホイールベース2430mm

 

FF方式に移行して広い室内空間を確保した第5世代のカローラ。しかし開発陣は、これだけでは満足しなかった。せっかく横置きFF方式を新規に開発したのだから、その特性を存分に活かしたモデルも設定したい――。そこで注目したのが、BD型マツダ・ファミリア(1980年6月デビュー)やホンダ“ワンダー”シビック(1983年9月デビュー)などによって当時シェアを高めていた “2BOX車”カテゴリーだった。販売戦略上でも、スターレットやターセル/コルサの上をいく若者向けの上級ハッチバック車が望まれていた。

 

FFカローラのデビューから約1年5カ月後の1984年10月、3/5ドアハッチバックボディの2BOXカローラが市場デビューを果たす。車名は「カローラFX」。Fは未来のフューチャー、Xは未知数を意味していた。ボディサイズは全長3970×全幅1635×全高1385mm/ホイールベース2430mmに設定。プラットフォームはセダンなどと基本的に共通で、リアボディを切り詰めたディメンションとする。搭載エンジンは1.5Lと1.6Lを用意。4輪ストラットの足回りは、ボディのコンパクト化に合わせて専用セッティングを施した。

 

数あるグレードのなかでユーザーが最も注目したのは、3ドアハッチバックに設定された「GT」(AE82)だった。外観はエアロパーツ類で武装。内装も本革巻きステアリングや7ウェイバケットシートなどでスポーティに仕立てる。さらにエンジンは、AE86型カローラ・レビン/スプリター・トレノに採用する4A-GEUユニットを横置きFF用に設計し直した4A-GELU型1587cc直列4気筒DOHC16Vユニット(130ps/15.2kg・m)を搭載していた。

 

■日本での販売は苦戦したものの欧州市場では大好評

3ドアハッチバックに設定された「GT」。本革巻きステアリングや7ウェイバケットシートなどでスポーティな雰囲気を演出

 

FF車らしい2BOXスタイルで、しかもスポーツ仕様のホットハッチもラインアップする――万全の車種展開で勝負したカローラFXだったが、販売成績はデビュー当初を除いて今一歩だった。ライバルが多かった、カローラの名前が若者から敬遠された、スタイリングがやや地味だった、スポーツ仕様のGTのスペックがシビックSiに劣っていた……要因は色々と挙げられた。

 

テコ入れ策として、トヨタはGTのモータースポーツへの参戦や特別仕様車の設定などを実施してユーザーにアピールする。なかでも1986年開催の全日本ツーリングカー選手権Hi-land TOURING CAR 300km CHAMPIONSHIP RACE(仙台ハイランドスポーツウェイ)では、関谷正徳/鈴木利男選手組のミノルタα7000トムスFXが雨中の激戦を制して総合優勝を飾り、走り好きから喝采を浴びた。しかしそれでも販売自体は伸びず、結局同社の2BOXユーザーはスターレットやターセル/コルサ/カローラⅡ兄弟に流れたままだった。

 

一方、2BOXのカローラを大歓迎して受け入れた市場もあった。ハッチバック車の人気が高い欧州マーケットだ。トヨタとしても2BOXカローラは欧州がメイン市場になると予想し、その志向を捉えてクルマを開発していた。

 

結果的にカローラFXは、セダンなどの実用モデルの全面改良に合わせて1987年5月に2代目に移行する。日本での人気はいまひとつだったが、欧州では好評――上級ハッチバック車におけるこの市場動向は、その後のカローラの企画に大きく影響していく。そしてセダンやワゴンは日本メイン、ハッチバックは欧州メインという体制が整えられていったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

自動運転中の事故の責任はメーカーか、所有者か、それとも…?

3月18日、米国アリゾナ州でウーバー・テクノロジーズ社が公道で実験走行中の自動運転車が死亡事故を起こしたことは、日本でも多くのメディアが報じたが、筆者にとっては別の意味で衝撃的だった。同じ3月上旬、ペンシルバニア州ピッツバーグの公道で同社の自動運転車についてプレゼンテーションを受けたあと、2人のオペレーターが乗る車両の後席で体験したばかりだったからだ。

すでにウーバーは遺族との間で和解したというニュースも入ってきており、今後は本格的な事故原因の究明に興味が移る。そんな中、日本政府が自動運転中の事故について、原則として車両の所有者に賠償責任を負わせる方針を決めたという報道を目にした。

 

この文面を見て、これでは自動運転車は売れないのではないかと思った人がいるかもしれない。昨年、新型A8を市販車初の自動運転車という触れ込みで発表したアウディは、自動運転システムが正常に作動しているときに万一事故が起きたら、責任はアウディが負うと明言しているからだ。

 

どちらが正しいのか。多くのクルマ好きはドイツのアウディの主張が正論だと思うかもしれない。しかしじっくり考えると、この2つのメッセージは基本的に同じ内容であることが分かる。

 

記事を読み進めると、今回の内容は運転席に人間が乗った状態で、基本はシステムに運転を任せつつ、システムが要求した際には人間が運転を肩代わりする自動運転レベル3が対象とある。アウディA8と同じだ。運転席に人間が座らないレベル4以上は今後検討するとしている。

 

筆者は昨年「これから始まる自動運転 社会はどうなる!?」という書籍を執筆するにあたり、多くの自動運転関連情報を集め調べた結果、システムが正常でありながら事故を起こした際はメーカー(製造者)、システムが人間に運転を代わるよう要請したのに人間がそれに応えず事故を起こした場合はオーナー(所有者)に責任があると考えている。

 

つまりアウディの主張は前者だけ、今回の報道は後者だけを取り上げているのである。報道では後半に、メーカーの責任は車両のシステムに明確な欠陥がある場合のみとするという文言もあるけれど、ジャーナリストの立場から言えば、両方を並立して書くべきだろう。

 

記事のほうは「自動運転であっても責任はオーナー」という点だけを最初に取り上げることで、センセーショナルな話題作りを狙った感がある。一方アウディの場合は記事ではないが、オーナーのメリットをアピールするために、あえて片方しか言及しなかった可能性がある。

 

人間のミスかシステムのミスかを判別するには、飛行機のフライトレコーダーのような記録装置が必要となるはずで、レベル3以上の自動運転車には搭載が義務付けられるだろう。また記録装置の解析には時間が掛かるので、事故のもろもろが決着するには、現在よりもむしろ時間を要するかもしれない。

 

解析の結果、メーカーにもオーナーにも責任がない場合も出てくる。外部からのハッカーの侵入だ。筆者は今後の自動運転社会で、これをもっとも危惧している。今年1月の仮想通貨流出事件では、セキュリティ対策が十分でなかったことが原因に挙げられたが、自動運転車では最悪の場合、命を落とす危険性があるだけに、この部分はメーカー側に万全な対策を義務付け、違反した場合には責任を負わせることが必要だろう。

 

ちなみに先月のウーバーの死亡事故の場合は、同じレベル3ではあるが、アウディを含めた一般的な自家用車とは状況が少し異なる。運転席に座るのはオーナーではなく、ウーバーが用意したオペレーターであり、車両の所有者はウーバー自身だからだ。これに限らずシェアリングで自動運転を提供する場合は、運転席に座るオペレーターがオーナーではなく、運行管理者がオーナーとなる。当然ながら運行管理者に責任が及ぶ場合も出てくるだろう。

 

つまり事故当時の状況によって責任問題はいかようにも変わる。ウケ狙いの断定型記事に左右されず、冷静な判断が求められていると言えそうだ。

 

【著者プロフィール】

モビリティジャーナリスト・森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。

【中年名車図鑑】スポーティ性は上々だがファッション性はちょっと…若干地味だった“白い稲妻”

小型スペシャルティカー市場におけるユーザー志向の多様化がより顕著になった1980年代の中盤、日産自動車は4代目となるシルビアを発売する。目指したのは“スポーティ性”と“ファッション性”が高次元で両立した次世代の本格的スペシャルティだった。今回は“白い稲妻”のキャッチを冠して登場したS12型シルビア(1983~1988年)の話題で一席。

【Vol.63 4代目・日産シルビア】

厳しい排出ガス規制と2度の石油危機を克服し、クルマの高性能化に力を入れるようになった1980年代初頭の日本の自動車業界。その最中で日産自動車は、小型スペシャルティカーのシルビア(と兄弟車のガゼール)の全面改良を鋭意、推し進めていた。

 

80年代中盤に向けたスペシャルティカーを企画するに当たり、開発陣は市場のユーザー志向を入念に調査する。そして、「スペシャルティカーを欲するユーザーは流行に敏感で、ライフスタイルもますます多様化している。新型は、そんなユーザー層にアピールできるスペシャルティカーに仕立てなければならない」という結論に達した。これを踏まえて開発陣は、“スポーティ性”のさらなる追求と“ファッション性”に磨きをかけることを目標に掲げる。具体的には、高性能エンジンや先進の足回りを組み込んだハイメカニズムによる“俊敏でスポーティな走り”と機能美を徹底追求した“精悍で斬新なスタイルとインテリア”を高度に調和させるという方針を打ち出した。

 

■ボディラインとともに装備でもスペシャルティ感を演出

2ドアクーペと3ドアハッチバックの2ボディを用意。どちらも走りの性能を重視したディメンションを採用した

 

スペシャルティカーの最大の特徴となるスタイルに関しては、強いウエッジと低いノーズライン、大胆に傾斜したフロントウィンドウ、さらにハイデッキによるシャープなシルエットでスポーティ感を演出する。ボディタイプは2ドアクーペと3ドアハッチバックを設定。2ボディともにフルリトラクタブルヘッドランプの採用と車体全般のフラッシュサーフェス化を実施し、空気抵抗係数はクラストップレベル(ハッチバックでCd値0.34)を実現した。一方、ボディサイズは全長と全幅を従来のS110型系より短縮したうえで、ホイールベースを25mm、トレッドを前35~45mm/後20~60mmほど拡大し、走りの性能を引き上げるディメンションに仕立てた。

 

キャビンスペースについては、上質感を創出したインパネやエキサイティングなイメージを醸し出すメータークラスター(メーターはデジタル表示とアナログ表示の2種類を設定)、ストレートアームを使いやすい高さに設定したステアリング配置、高弾性ウレタンを内蔵したシートなどでスペシャルティ性を強調する。また、上級グレードの前席には8つの部位を自由に調整できるマルチアジャスタブルタイプのバケットシートを装着した。

 

開発陣は内外装の装備面についてもこだわる。先進アイテムとしてはマイコン制御のオートエアコンやダイバシティFM受信システムを組み込んだオーディオ、再生効果を高めたスピーカーシステム、国産車初採用のキーレスエントリーシステム、目的地の方向を指示するドライブガイドシステムなどを装備。さらに、世界初採用となるリアパーセルボード共用タイプのパワーウーハーやワイパー付フルリトラクタブルヘッドランプクリーナー、国産車初のチルトアップ&スライド機能付き電動ガラスサンルーフを設定した。

 

パワートレインについては、旗艦エンジンのFJ20E型1990cc直列4気筒DOHC16V(150ps)と同エンジンのターボチャージャー付き(FJ20E-T型。190ps)を筆頭に、従来のZ型系ユニットに代わる小型・軽量・低燃費のCA18型系1809cc直列4気筒OHCエンジンの3機種(CA18S型100ps、CA18E型115ps、CA18E-T型135ps)を設定する。また、FJ20E型系エンジン搭載車にはギア径200mmのファイナルドライブとリミテッドスリップデフを、CA18E-T型エンジン搭載車には5速MTのほかにOD付き4速ロックアップオートマチックトランスミッションを採用した。

 

走行面の機構では新たにラック・アンド・ピニオン式ステアリングを装備したほか、リアサスペンションに新開発のセミトレーリングアーム式独立懸架(FJ20E型系/CA18E-T型エンジン搭載車。それ以外は4リンク式)を組み込む。さらに、FJ20E型系エンジン搭載車には偏平率60%の195/60R15 86Hのラジアルタイヤを標準装着(CA18E-T型エンジン搭載車にはオプション)した。

 

■キャッチフレーズは“白い稲妻”

スペシャルティカーとして装備にもこだわった。マイコン制御オートエアコン、キーレスエントリーなど先進アイテムを採用した

 

第4世代となるシルビアは、S12の型式と“白い稲妻”のキャッチフレーズを冠して1983年8月に発売される。車種展開はクーペとハッチバックを合わせて計22タイプのワイドバリエーションを誇った。

 

市場に放たれたS12型シルビアのなかで、ユーザーから最も注目を集めたのはFJ20E型系エンジンを搭載するRS-X系グレードだった。カムシャフトの駆動に2ステージのローラーチェーンを採用した赤ヘッドの4バルブエンジンは、1.2トンクラスのボディを力強く加速させる。とくにターボ付きのFJ20E-T型を積むRS-Xのパフォーマンスは強烈で、4000rpm付近を境にしたパワーの急激な盛り上がりや荒い鼓動などが、走り好きを大いに惹きつけた。一方、コーナリングの楽しさや走りのバランス性を重視するユーザーには、新開発のCA18E-T型エンジンを搭載したターボR-X系グレードが支持される。FJ20E型系エンジンよりも前輪荷重が軽く、しかも前軸後方に収まるレイアウトが、コーナリング性能を高める要因だった。

 

ファッション性を重視したマイナーチェンジ

スポーティ性とファッション性を高次元で融合させた本格的小型スペシャルティカーのS12型シルビア。しかし、ユーザーが興味を示したのはスポーティ性がメインで、スペシャルティカーならではの特徴であるファッション性に関しては、2代目ホンダ・プレリュードなどと比較されてあまり高い評価が得られなかった。さらに1985年8月に最大のライバルである4代目トヨタ“流面形”セリカが登場して以降は、ルックスの地味さが目立つようになった。

 

この状況を打破しようと、日産は1986年2月にシルビアのマイナーチェンジを実施する。キャッチフレーズは“きもちまでスペシャルティ”。内外装の細部はより洗練されたイメージに変更され、ボディ長やボディ幅も拡大される。エンジンは高コストのFJ20E型系を廃止すると同時に、CA18DE-T型のツインカムターボ仕様(145ps)をラインアップに加えた。またCA18DE-T型エンジン搭載車には、パワーエコノミー自動切替式の電子制御OD付き4速ロックアップオートマチックの新トランスミッションを設定する。ちなみにこの時、兄弟車のガゼールは車種整理のためにカタログから外された。シルビアにおけるファッション性の追求は、さらに続く。1987年2月にはクーペの「ツインカムターボ フルホワイトRS-X」をリリース。同年7月になると、やはりクーペの「R-Xホワイトセレクト」と「ターボ フルホワイトR-X」を発売した。

 

日本市場での人気ボディカラーの“白”戦略は一部ユーザーには受けたものの、シルビア全体の販売台数の底上げにはつながらなかった。そして1988年5月には、シルビアの全面改良が行われる。5代目となるS13型シルビアは、4代目での反省を生かし、ファッション性を最大限に重視するモデルに仕立てられたのである。

 

■2世代に渡って製作されたシルビアのスーパーシルエットフォーミュラ

最後にトピックをひとつ。シルビアはS110型とS12型の2世代に渡って、当時のモータースポーツの人気カテゴリーであるスーパーシルエットフォーミュラ(FIAのグループ5)の素材車として活用された。1981~1983年には日産のレース部隊が手がけたエアロパーツを纏うS110型風シルビア・ターボ(1981年仕様は市販車の大幅改造版。1982年以降の仕様はパイプフレームシャシーで、異例のサイドラジエター方式)が、星野一義選手のドライブによって大活躍。1981年と1982年開催の富士300キロスピードレースや1983年開催の富士グラン250kmレースなどで優勝する。広告展開でも“烈火の炎”というキャッチコピーとともに、S110型系シルビアと黄色い稲妻ストライプのスーパーシルエットフォーミュラ・シルビア・ターボ、そして“日本一速い男”星野選手が共演した。

 

スーパーシルエットフォーミュラ・シルビア・ターボは、1983年後半になるとS12型風のボディシェルに変更し、9月開催の富士インター200マイルでは2位に、10月開催のスーパーカップレースではSSクラス優勝を果たす。ちなみに、現在日産自動車が保管するゼッケン23のスーパーシルエットフォーミュラ・シルビア・ターボは、このS12型風のボディシェルで演出した1台である。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

『ル・ボラン 2018年2月号』――メルセデス・ベンツ、BMW、アウディの威信をかけた三つ巴バトル

“若者の車離れ現象”が声高に唱えられるようになったのは、いつ頃からだろうか。四元正弘氏(株式会社電通電通総研研究主席)の『「若者のクルマ離れ」に関する現状分析と打開可能性』というレポートによれば、2001~2011年の10年間で、20代男子の「自動車に関心がある」割合は71パーセントから42パーセントに急減している。

 

 

オペルで始まり、ジェミニで実現させたドイツ車へのあこがれ

こうした傾向、1980年代初めに免許を取った筆者は、ただただ信じられない。大学1年の夏までの毎日は、とにかく自分の車を1日も早く手に入れることだけをひたすら考えながら過ごした。

 

車両価格58万円、頭金20万円で手に入れた初めての車はいすゞジェミニクーペLSGだった。この車を選んだことには理由がある。ドイツの自動車メーカー、オペル社のカデットというモデルを基にデザインされていたからだ。筆者はこのカデットのラリータイプの外観が大好きだった。本物を買うには時間がかかりすぎてしまう。だから、とてもよく似たジェミニLSGで我慢することにした。そして、ドイツ車に対する憧れは、はっきりと自覚していた。

 

 

輸入台数ベスト3はドイツ車が独占

ベンツ、ポルシェ、BMW、そしてフォルクスワーゲン。ドイツは名車の生産国として名高い。質実剛健さを第一印象に挙げる人は多いだろうが、決してそれだけではない。たとえばベンツのAMGやBMWi8は、圧倒的なパフォーマンスを誇るスポーツカーだ。

 

筆者を含め、日本のドイツ車ファンはかなり多いようだ。日本自動車輸入組合が今年の1月11日に発表した資料によれば、ブランド別輸入台数1位はメルセデス・ベンツ(7,166台)、2位はBMW(5,482台)、3位はフォルクスワーゲン(4,153台)という並びになっている。2017年1年間だけで、ドイツ産の新車が17,000台も日本に入ってきた。さらに言うなら、4位のアウディ(3,055台)は、前年比10.2パーセント増という数字を記録している。

 

 

日本人はドイツ車が好き

ドイツ車と聞いて、まっさきに思い浮かべるイメージはなんだろう? ネットで検索をかけると、最も多くヒットするキーワードは“安全性”だ。アウトバーン(速度無制限、通行料無料の高速道路)を走る機会が多いドイツ車には、高速運転時での走行安定性やブレーキ性能、そしてもちろんエンジンの頑丈さが求められる。

 

加えて言うなら、ドイツ車の衝突安全基準は世界最高レベルにある。事故に遭った場合でも、車体が丈夫なので、被害を最小限に留められる。頑丈で安全。道具としての車に求めるものとしては十分だろう。これに、ドイツ車ならではの実用的なラグジュアリー感が加わるとなれば、選ばれて当然かもしれない。

ドイツ車プレミアムブランド御三家

メルセデス・ベンツ、BMW、アウディはドイツ車プレミアムブランド御三家と呼ばれている。同じ年齢で同じ時代に活躍したマドンナとプリンス、そしてマイケルみたいな関係に例えたくなる。

 

『ル・ボラン 2018年2月号』(ル・ボラン編集部/学研プラス・刊)の目玉は、“Showdown 2018”というタイトルの下に展開される、ドイツ・プレミアムブランドの威信をかけた三つ巴バトルという主旨の40ページ以上にわたる特集記事だ。三つのメーカーの全80車種が登場する。さすがに、見た目だけでもかなりゴージャス。

 

タイプ別対決も読み応え十分だ。BMW M6カブリオレ、メルセデスAMG GTロードスター、アウディR8スパイダーのオープンカー対決。メルセデス・ベンツGLA、アウディQ2、BMW X1の“アイドルSUV選抜総選挙”。そして、おそらく最も需要が高いと思われるミドルセダン対決はアウディA4、メルセデス・ベンツCクラス、そしてBMW3シリーズで繰り広げられる。

 

 

ドリームカー

どの1台をとっても、筆者にとってはすぐに買えるレベルの車ではない。特集記事を読んでいて、ジャニス・ジョプリンの『Mercedes Benz』というア・カペラの曲を思い出した。神さまに呼びかけて、ベンツやカラーテレビを買ってほしいとひたすら訴える内容だ。一説によれば、ジョプリンがベンツに乗ってドライブしていた時に思い浮かべたことを歌詞にしたという。

 

ベンツもBMWもアウディも、筆者にとっては間違いなくドリームカーだ。手に入れられる日が来るという確証も確信もない。ただ、ジェミニLSGを買った時の純粋な熱量は確実に甦ってきた。わんこを湘南に連れて行ってビーチで思い切り走らせたいし、イケアに行ってちょっと大き目の家具も買いたい。コストコでまとめ買いもしてみたい。

 

とりあえずは、この特集記事をもう一回熟読しながら妄想を膨らませることから始めるか。もちろん、『Mercedes Benz』を聞きながら。

 

 

【書籍紹介】

ル・ボラン 2018年2月号

著者:ル・ボラン編集部
発行:学研プラス

輸入車を軸にクルマやクルマ用品、ニュースなどをタイムリーに発信。ダイナミックなビジュアルとわかりやすい記事には定評があり、欧州車を中心とする現地取材企画は高い人気を誇る。

kindlleストアで詳しく見る
楽天Koboで詳しく見る
Bookbeyondで詳しく見る

 

ズバリ、ポルシェ「ミッションE」市販型のデザインとパワートレインはこれで決まり!?

2019年秋のフランクフルトショーでのワールドプレミアが予想されている、ポルシェ初となるEVサルーン「ミッションE」のレンダリングCGが公開された。

 

 

「911」から継承したというスポーティなルーフラインはそのままに、ヘッドライトやフロントバンパーのデザインを大幅に軌道修正。EV専用「J1」プラットフォームの採用で居住空間にゆとりを持たせたほか、コンセプトモデルでは観音開きであったドアがノーマルタイプの4ドアとなるなど実用性の高さが期待できそうだ。

 

注目のパワートレインは、ベースモデルで最高出力402ps、ミドルレンジは536ps、そしてトップレンジには650psを発揮する3タイプが準備されるという。

 

1回の充電での航続可能距離は500km程度で、充電は15分で80%を完了するようだ。

 

発売開始は2020年で、シュトットガルト・本社キャンパスの新工場において年間2万台が生産される予定だ。

 

 

寺岡呼人×DJ OSSHYが語る「クルマと音楽」――ドライブにMIXテープが欠かせなかった青春時代

CDが売れない時代とは言われますが、音楽配信サービスの利用者は増えつづけていますし、レコードブームも再燃中。リスニングという趣味はメインカルチャーのなかでもど真ん中にあり続けています。

 

では、その音楽の担い手たるアーティストやDJといった立場の方は、プライベートでどのように音楽と接しているのでしょうか。シンガーソングライター兼音楽プロデューサーの寺岡呼人さんがゲストを向かえて「クルマと音楽」について語り合う同シリーズ、第2回は36年も最前線で音楽とかかわり続けてきたDJ OSSHYさんにお話をうかがいました。

 

【DJ OSSHY

20180223_01

ディスコ・クラブDJおよびラジオDJ。1982年、渋谷のCandy Candyでデビューして以来、代官山PARADISE PARTY、横浜サーカス、六本木ヴェルファーレなど、各時代のディスコ・クラブブームを牽引するスペースで音を紡いできたレジェンド。現在はINTER FM「RADIO DISCO」、TOKYO FM「FAMILY DISCO」に出演するほか、東京スカイツリー展望フロアや、グランドハイアット東京、羽田空港などで開催されたディスコイベントにも参加。安全・安心な大人のディスコブームの仕掛け人としても活動。

 

【寺岡呼人】

20180223_02

シンガーソングライター兼音楽プロデューサー。1988年、JUN SKY WALKER(S)に加入。1993年にソロデビューし、1997年にはゆずのプロデュースを手がけるようになる。ライブイベント Golden Circleを主催し、FM COCOLOの番組「CIRCLE OF MUSIC」で、さまざまな音楽とアーティストをナビゲートしている。筋金入りのオーディオマニアであり、カーマニアでもある。http://www.yohito.com/

 

20180223_03
↑2月にリリースした最新アルバム「LOVE=UNLIMITED」 (ラヴアンリミテッド)。デビュー30周年、50歳の節目を迎えて紡ぐ等身大の音楽がここに

 

テクニックだけではない、DJには選曲の幅や知識が要求される

寺岡 ディスコ全盛のころって、僕はまだ中高生だったんですよ。だからディスコって憧れでしたね。DJ OSSHYさんは高校時代にDJとしてデビューしたそうですが、当時のお話からお聞きしたいなと。

 

DJ OSSHY 1981年の高校1年のとき、初めてディスコにいって衝撃を受けたんですよ。ノンストップで音楽が流れている環境にびっくりしまして。それから通うようになって、1982年から見習いをはじめました。当時はお店の専属DJというか、従業員がやってましたね。みんなの共有財産としてレコードがあって、それをみんながつかっていました。各店舗2~3人くらいしかいなくて、狭き門ですよね。

 

寺岡 DJを目指している人はたくさんいたんですか。

 

DJ OSSHY DJは花形的な見方はされていたかもしれませんが、本気でやろうという人はいなかったですね。人気があるのは黒服側でしたね。あとバーテンさん。

 

学校帰り、週4日はディスコに通うようになったDJ OSSHYさん。友達は女の子に夢中だったそうですが、DJ OSSHYさんはDJブースにかじりつきの日々を送っていたそうです。そして1か月ほど経ったとき、お店のDJに声をかけられました。そして、DJとしての人生がはじまりました。

 

寺岡 見習いのときって、どんなことをやっていたのでしょう。

 

DJ OSSHY 先輩のかけている曲の、プレイリストをノートに書いていましたね。あとは照明のコントロールとブース内の掃除。それを1年やっていました。もちろんギャラはないです。

 

寺岡 練習みたいなことはやっていたのですか。

 

DJ OSSHY ないです。

 

寺岡 DJ機材には触らせてもらえなかったと!

 

DJ OSSHY 先輩の仕草を見ていただけでしたね。そして週休1日で半年くらいたったころ。「そろそろ回してみろ」と言われて、お客さんのいない17時から18時までやらせてもらえるようになったのですが、ぜんぜんやり方わからないんですよ。ボロボロです。そこから少しずつ教えてもらえる感じでしたね。

 

怒られながらもDJのイロハを教えてもらいながら次第にスキルアップ。そして高校3年のとき、急遽お客さんの前で回すことになったそうです。

 

DJ OSSHY 1時間でしたがメインの時間帯に、代打としてやったんですね。とにかく盛り上がるメジャー曲をかけまくっていたら、あとからきた先輩にめちゃくちゃ怒られたんですよ。「お前、もうかける曲ないじゃないかよ!」と。DJはテクニックだけではなく、選曲の幅や知識が要求されるんだと思い知りましたね。

 

20180223_04
↑バブル時代のディスコ話をぜひ聞きたい、と今回の対談を楽しみにしていた寺岡さん。当時の面白秘話連発に大いに盛り上がりました

 

合理主義なDJ OSSHYさんは仕事道具として軽ワンボックスに乗り続けていた

寺岡 DJ OSSHYさんにとって、クルマはどんな存在ですか。

 

DJ OSSHY ツール、ですね。軽自動車に16年乗っていました。

 

意外にも! スポーツカーをドライブしているイメージがありました。詳しくお聞きすると、本当にレコードを運ぶための働くクルマとしてワンボックス型の軽自動車を何台も乗り継いで使ってきたとか。

 

DJ OSSHY 路地裏の店も多かったので、コンパクトなモデルがいいだろうと。3年前に普通乗用車に乗り換えたんですが、燃費重視でハイブリット車を。合理主義なところがあるんですよね。

 

寺岡 ではクルマのなかで音楽を聴くというのは、あまりないのですか。

 

DJ OSSHY 一人で乗るときは音楽聴く派なのですが、誰か乗せているときはまったく音楽をかけないんですよ。会話重視ですね。かけたとしても、ボリュームはすごく小さくしていますね。

 

寺岡 お一人のときはどんな聴き方をしていますか。

 

DJ OSSHY CD製作中はラフミックスを車のなかでチェックしていますね。私はラジオDJもやっていますが、ラジオも私が作るCDも、主なターゲットはドライバーなんですよ。

 

寺岡 DJ OSSHYさんが昨年リリースされた「SHONAN AOR」、聴きました。あー、これを流しながら湘南をドライブしたいなー、と思いましたね。

 

AORは都会的なイメージ印象があるというDJ OSSHYさん。AORで湘南をあらわすために、サーファーや船乗り、地元のレストランの方とかに、「AORで好きな曲はなんですか」とリサーチ。その結果、ボズ・スキャッグス「Lowdown」とか、70’s寄りの曲が多かったとのこと。なお前作の「TOKYO AOR」はボズ・スキャッグス「Jojo」など、キラキラした音が入る80’sトラックが中心となったそうです。

 

_I8Q4656_R
↑なんとなくクルマに凝りまくっているというイメージを勝手に抱いていましたが、実は合理的なクルマ選びをしてきたDJ OSSHYさん。若かりしころは硬派かつ体育会系なDJ生活だったとか

 

ドライブデートのためにMIXテープを作るのは万国共通

 DJとは違うのかもしれませんが、昔はドライブ用にMIXテープを作るムーブメントがありました。カセットテープは時間が決まっているので、どの曲をどんな順番で入れていくとピッタリおさまるかを考えつづけていた青春時代。DJ OSSHYさんも僕たちと同じようにMIXテープを作っていたそうです。

 

DJ OSSHY 当時好きだった子と海に行くときはこのテープ、みたいにシチュエーション別の選曲をやって仕込んでいましたね。

 

寺岡 ジャック・ニコルソンが出演している「恋愛小説家」という映画の1シーンで、「ドライブ用」と書かれたカセットテープが出てくるんですよ。ああ、こういうのって万国共通なんだなと。

 

DJ OSSHY 自分の愛情表現をカセットテープに託すみたいな。

 

寺岡 年代もあるのかもしれないですけど、カセットテープに曲を入れていたときはワクワク感がありましたよね。

 

 音楽ストリーミングサービスも積極的に

寺岡 ところで最近の音楽シーンの動向をどう見ていますか。海外だとダフト・パンクが盛り上がっていたりしますが。

 

DJ OSSHY 典型的なのはブルーノ・マーズの作風だと思っていまして。「Finesse (Remix)」という曲が出たばかりですが、あれ、ニュージャックスウィングですからね。びっくりしますよ。ニュージャックスウィングは1988年に誕生したと言われていて今年で30周年になるのですが、ブルーノ・マーズの世代があの時代の音楽に、相当影響されて、作ってきているなと思うんですよね。そういう部分に注目していますね。

 

寺岡 音楽ってリサイクルの文化だと思うのですが、数年前だったらダサいなと思われることが、いまだと「イケてんじゃん!」とかありますよね。

 

DJ OSSHY ありますね。ちょっと前にEDMが流行っていましたが、ヴァン・ヘイレン「Jump」とか80’sなニューウェイブ系の音作りを取り入れられてきていたんですよね。

 

寺岡 音源としてはいかがでしょうか。

 

DJ OSSHY 購入する音源はCDが多いですね。それをパソコンに取り込んでいます。以前はレコードをデジタル化していたのですが、3万5000枚もあるのでさすがに無理だなと。

 

寺岡 僕はApple Musicで聴くことが増えました。Today’s Hitsとか、毎日更新されるプレイリストを聴いてたりしますね。

 

DJ OSSHY 私は「AWA」のオフィシャルプレイリスターなんですよ。ドライブ向きとか、シチュエーション別にプレイリストを作って提供していますね!

 

 昔はカセットテープ、CD-RやMD。いまはスマホの音楽再生アプリのプレイリストや音楽配信サービス。時代は変わり、音源も変わっても、それぞれのシーンで積極的に音楽を楽しむスタイルはみんなが求めているってことですよね!

 

20180223_06
↑音楽ストリーミングサービスも積極的に活用しているという寺岡さん。愛車ではパイオニア・サイバーナビの「ミュージッククルーズチャンネル」をよく聴いている

 

 

 

 

 

 

ルノーの新作SUV、カジャーが正式発売

ルノー・ジャポンは4月5日、新型SUVの「ルノー・ カジャー」を4月12日より発売すると発表した。「インテンス」の1グレード展開で、税込車両価格は347万円である。

 

 

カジャーは欧州Cセグメントに属するコンパクトSUV。街を離れ、自然の中でさまざまなアクティビティを楽しむフランス人のライフスタイルから生まれた、アクティブにバカンスを満喫するためのSUVとして誕生した。ボディサイズは全長4455×全幅1835×全高1610mm。ホイールベースは1645mm、最低地上高は200mmだ。

 

 

パワートレインは131ps/205Nmを発揮する1.2リッター直列4気筒ターボエンジンとデュアルクラッチの7速EDCの組み合わせで、前輪を駆動する。

 

 

スタイリングは、ダイナミックさや力強さに加え、情熱と洗練を感じさせるフレンチスタイルのデザインが大きな特徴。フロントにはデイタイムランプを組み合わせるCシェイプLEDヘッドライトや、フルLEDのリアランプが個性を際立たせている。タイヤサイズは225/45R19が標準だ。ボディカラーはルージュフラム・メタリックやブルーコスモス・メタリックを含む全4色が設定された。

 

 

上質で快適な空間が広がるインテリアでは、ナパレザーを用いたステアリングホイールやシフトノブ、前席にシートヒーターが備わるレザーシート、ダブルステッチのインナーハンドルが上質感を高めている。センターパネルには、マルチメディアや運転支援システム(ADAS)の設定を直感的に操作できる7インチマルチファンクションタッチスクリーンが備わる。

 

 

ラゲッジスペースの使い勝手の良さもカジャーの美点。後席は60:40の分割可倒式で、レバー操作によって荷室側からシートバックを簡単に倒すことができる。容量は通常時で527L確保され、最大時は1478Lに広がる。

 

 

ラゲッジには前後2枚のラゲッジボードが開口部と同じ高さに設置され、通常時はラゲッジが上下2分割されている(イージーフォールディング機能)。この状態でリアシートを倒すと、フルフラットのラゲッジスペースとなる(フラットモード)。

 

 

また、フルフラットの状態から、2枚のラゲッジボードをラゲッジ床面に設置すると、ラゲッジ容量はさらに拡大できる(最大積載モード)。さらにリアシートを起こした状態で、2枚のラゲッジボードのうち奥側1枚をラゲッジ床面に設置し、 手前の1枚をラゲッジ中央に垂直に設置すると、ラゲッジが前後に2分割され、スーパーマーケットの買い物袋などの転がりやすいものを収納するのに便利なスペースを作り出すことができる(垂直モード・2分割)。

 

 

寺岡呼人×KANが語る「クルマと音楽」――カーオーディオで聴く現地の音楽が最高!

ドライブに必要なものってなんでしょうか。きれいな景色、盛り上がる会話も大事ですが、音楽も欠かせないですよね。デートドライブ中の雰囲気を盛り上げてくれるアシストとして必須ですし、ソロドライブなら好きな曲だけを大ボリュームで流し続けての1人カラオケ状態も楽しいものです。昔なつかしの曲で青春時代に思いを馳せながらのドライブもいいですよね。

 

では、その音楽の担い手たるアーティストやプロデューサーは、プライベートではどのように音や音楽と接しているのでしょうか。また、クルマと音楽の相性についてどのように捉えているのでしょうか。オーディオマニアでもあるシンガーソングライター兼音楽プロデューサーの寺岡呼人さんがゲストを向かえて「クルマと音楽」について語り合う同シリーズ、初回は最前線で音を紡ぎ続けているKANさんをゲストにお届けします!

 

【KAN】

20180201_06

1962年9月24日生。1987年にレコードデビュー。2002年春からフランス・パリに移住し、【Ecole Normale de Musique de Paris】に留学。2004年夏の帰国後は、バンド・弾き語り・弦楽四重奏やオーケストラとの共演など、様々なスタイルでの活動を展開中。好きな食べものは生牡蠣。www.kimuraKAN.com

<LIVE>

【弾き語りばったり #23 三歩進んで何故戻る?】

ピアノ1台だけの単身弾き語りツアー。2018年3月より全国23都道府県で30公演開催中。

 

<CD+DVD>

YAMA-KAN

【Take me Follow me/記憶にございません/手をつなぎたいんだ】

KAN×山崎まさよしによる書き下ろし3曲入りのCD+DVD。とっくにやってそうで実は一度もやってなかった初の共同制作楽曲。すべての楽器を二人でレコーディングしています。

2018年3月発売/2000円+税/TRJC-1080/発売元:TOWER RECORDS LABEL

<CD> Take me Follow me/記憶にございません/手をつなぎたいんだ

<DVD> YAMA-KAN Recording Documentary

KANさん1_R

 

<LIVE DVD>

BAND LIVE TOUR 2016【ロックご自由に

東京・豊洲PITでの最終公演を全曲収録したものの、【芸能生活29周年記念 特別感謝活動年】で多忙を極めたため放置状態にあったライブ映像を、新たな気持で丁寧にEdit & Mixして、忘れたころに新発売! Audio Commentaryでは、副音声家・根本要氏とKANによる爆笑ライブ解説【KANと要のDame-Dashiナイト】をお楽しみいただけます。

DVD 2枚組、全21曲、約154分/2018年2月発売/6000円+税/製品番号:EPBE-5563~4/発売元:UP-FRONT WORKS inc. / zetima

KANさん2_R

 

【寺岡呼人】

20180201_08_R

シンガーソングライター兼音楽プロデューサー。1988年、JUN SKY WALKER(S)に加入。1993年にソロデビューし、1997年にはゆずのプロデュースを手がけるようになる。ライブイベント Golden Circleを主催し、FM COCOLOの番組「CIRCLE OF MUSIC」で、さまざまな音楽とアーティストをナビゲートしている。筋金入りのオーディオマニアであり、カーマニアでもある。http://www.yohito.com/

 

20180201_03
↑2月にリリースした最新アルバム「LOVE=UNLIMITED」 (ラヴアンリミテッド)。デビュー30周年、50歳の節目を迎えて紡ぐ等身大の音楽がここに

 

カーオーディオで鳴らす音がひとつの基準に

寺岡 KANさんは1台のクルマ(ボルボ240)にずっと乗り続けているんですよね。今現在の走行距離ってどれくらいですか?

 

KAN 30万5000km台ですね。年数としては25年になります。

 

寺岡 すごいですよねぇ。僕も昔同じクルマに乗っていたのですが、17万kmまではいったけどガタがきちゃいまして。

 

KAN しょっちゅう修理に出しているし、すごくお金かかってますよ。去年なんてドアのヒンジが折れちゃったので、ドアごと交換したから。部品はもうないし中古で探すしかなくて。で、見つかったのはいいけど色が違った。僕としては問題なかったんだけど、ディーラーさんが「それはいくらなんでも!」てことで、塗られました。

 

寺岡 ずっと乗り続けているというのは、やはり愛着があるからですか?

 

KAN ですね。それまでクルマを持つという考えがなかったんだけど、92年頃に会社の勧めでクルマを買うことになって、どんなのがいいか街を走るクルマを見ていたんですが、いいなぁと思うものはどれも古いクルマだったんですよ。維持が大変だよと言われていまのクルマにしたんだけど、うちのクルマはいま、やっとクラシックカーになり始めましたね。だから、ここからです(笑)。本当にどうやっても乗れなくなるまで乗りますよ。

 

寺岡 クルマを買ってからドライブが好きになったとか、変化はありましたか?

 

KAN 基本的には生活の足なんです。ただ、音楽を聴くにはいい場所だよね。遠慮なく大きなボリュームで音楽を聴けるじゃない。

 

寺岡 われわれミュージシャンあるあるというか、レコーディング中はデモテープやミックスダウンのチェックをクルマの中で聴くことってありませんか?

 

KAN ありますね。ずっと25年、聴く環境が変わってない。ここを基準にしていますね。

 

つまり、KANさんにとってのリファレンスがカーオーディオというわけです。クルマではボリュームのレベルを一定にしてどう聴こえるかをチェックするそう特に大好きな中田ヤスタカさんの作品はダイナミックレンジが広く、大きな音に聴こえるトラックも多いとか。寺岡さんもクルマ内で聴くとバランスが確かめられるから、各楽器のボリュームの調整がしやすいといいます。

 

KAN 同じ曲でも、パソコンで聴くときとヘッドホンやイヤホンで聴くときは音のバランスって変わる。スタジオの大きなスピーカーで聴くときも変わっちゃう。だから製作中の曲がどう聴こえるかのチェックには、カーオーディオを使ってますね。信頼しています。

 

20180201_04
↑対談は寺岡さんのプライベートスタジオで。旧知のお二人だけに終始なごやかな雰囲気

 

土地が育むグルーヴ

寺岡 プライベートではどんな曲を聴いていますか?

 

KAN

群馬県のライブ会場までひとりでクルマで行ったんですけど、道中何を聴こうかなと、ドナルド・フェイゲンとかのCDを持っていったんです。けど、結局きゃりーちゃん(きゃりーぱみゅぱみゅ)の「ピカピカふぁんたじん」ばっか聴いていました(笑)

 

寺岡 KANさんはよく海外にも行かれていますが、海外でのドライブ時に何か感じることってありますか?

 

KAN 例えばロサンゼルスに行ったとき――ラジオからウエストコースト・ロックが流れてくると「うおおおお!」って感じになるんですよね。それも昔から聴いていた曲だと。

 

寺岡 わかりますそれ! 音圧も違って聴こえますよね。

 

KAN なんかものすごくカッコイイな! と思いますね。知っている曲が、こんなにもカッコよく聴こえるというのはビックリしました。あれは現地の気候とか関係しているんだろうなぁ。

 

寺岡 その土地が育んだグルーヴってありますよね。ハワイでレンタカーを借りて乗っていたとき、ラジオからハワイアンがかかったときも、「あぁ~、やっぱり合う!」っていうことがありましたね。

 

 あの曲が作られた土地にいまいるんだ! という感動。KANさんいわく、「フランスのワインをフランスで飲んでも、普通に美味しいねと感じるだけなんだけど、音楽は違うんだよね」とのことです。そう考えると、思い出の曲を辿るドライブ旅も楽しそうですね!

 

音源は基本的にCD、それもお店で購入しますね(KAN)

寺岡 KANさんのなかで聴いていてベストなアルバムってありますか。リファレンスにしている1枚とか。

 

KAN それはいろいろありますよねー。ビートルズの初期のやつは無条件で楽しいし。でもいわゆるリファレンス的なものはないですね。例えばコンサートのとき、PAの方がセッティング時に必ず同じ曲をかける、ってあるじゃないですか。この曲、この歌が会場でどう聴こえるのかというチェックのためなんだけど、そういうのは僕にはないですね。

 

子どものころはレコードをカセットに落として、自分の部屋で聴いていたというKANさん。音質やオーディオに関してはあまり気にせず育ってきたそうです。好きな曲を、好きなように聴くという自由さがKANさん流なのでしょう。

 

寺岡 いまはCDもあれば、ハイレゾ音源、ストリーミングなどもありますが、よく聴く音源としてはCDが多いんですか?

 

KAN CDを、パッケージのやつを、お店で買います。どうしてもお店で手に入らないものはネットで買うこともあるけど。

 

寺岡 ハイレゾとかアナログとかに興味はありますか?

 

KAN 黙っていても時代は変わっていくだろうと考えているけど……。例えばビートルズのハイレゾリマスターが出たとして。いくら音質が良くなって、いままで聴き取れなかった音がわかるようになって、それはそれで面白いとは思うんだけど、ぼくは、当時彼らが作ったものが正しいと思いますね。まあファンとしてハイレゾも買うんだけれども。そういう考え方ですね。

 

寺岡 僕はハイレゾってけっこう好きで。わりとアナログに近い聴こえ方なんですよね。だからすごく受け入れてます。ところでストリーミングのサービスは使ったことないんですか?

 

KAN ラジオで、かけたい曲のCDがどうしても手に入らない時には使います、仕方なくね。

 

寺岡 僕はストリーミングの便利さに毒されているというか(笑)。新譜も含めてだいたい聴けちゃうんですよね。で、AmazonとかでCDを見ると「3000円って結構高いな」と感じちゃってきてるんです。近ごろはそういう価値観の人が増えてきているんでしょうけど、音楽を提供する側でありながらも、そう考えちゃうんですよね。

 

KAN 音楽に限らずだよね。それは時代の流れとして仕方ないよね。

 

寺岡 そのぶん、いままで聴いてこなかったジャンルの曲に接したりとか、誰かがオススメするプレイリストを流したらいいセンスだったりとか、驚きや発見もあるし、ライブラリー的な側面もあるし、そこは一長一短だなと思ってます。

 

201780201_05
↑寺岡さんは愛車にパイオニア・サイバーナビのフラッグシップモデルを装着し、ハイレゾ音源を聴いたり、音楽ストリーミング機能「ミュージッククルーズチャンネル」を楽しんだり。クルマは音楽活動になくてはならない環境なのだとか

 

オーケストラを本格的にやりたい!(KAN)

寺岡 これからのKANさんのビジョンってありますか。

 

KAN 僕はいま55歳だけど、音楽家として、あと何年やれるかというのがありますね。肉体的に、あと10年やれているかどうかとか考えると……。ある日突然、大きい病気だと宣告されたらアウトじゃない。いまコンサートを3タイプやっていて。10年前だったら期間を空けてじっくり面白いものを作ろうという考え方だったけど、いまはただただ楽しいんだよね。だからコンサートを面白いを思っているうちにどんどんやっていかないと。それでやったことがないことにもどんどんチャレンジしていこうと。あとはフルオーケストラをちゃんとやりたいですよね。

 

寺岡 山本直純かKANさんか(笑)

 

KAN 過去に何度か、自分の曲をアレンジしてやらせてもらったこともあるんだけど、あの数の楽器で演奏しないとわからないものってあるんですよね。あとは……指揮者にもなりたい。あとはそうだな、オーケストラコントもやりたい(笑)

 

音楽ありコントありで楽しさいっぱいのKANさんのライブ。もしオーケストラの規模でKANさんが目指す“面白さ”を追求したとしたらどうなるのでしょうか。ぜひ見てみたいですね!

 

20180201_06
↑55歳を迎え「あと何年音楽ができるだろうか」と考えることはあるものの、KANさんの音楽的探究心はまったく尽きることがありません!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイヤ整備不良率、2017年は増加傾向に

タイヤメーカーの団体である日本自動車タイヤ協会(JATMA)が2017年に行った路上タイヤ点検の結果をまとめた。高速道路会社や警察、運輸支局などの協力を得て12カ月間で36回の点検調査を行い、1600台の車両からデータを得ている。内訳は乗用車が1399台、貨物車が184台、特種車が17台で、点検場所別では高速道路405台、一般道1195台となっている。

その結果、1600台のうちタイヤ整備不良と判断されたのは314台となり、不良率は19.6%と2割に迫っている。’16年の調査では1669台のうち264台で不良率は15.4パーセントだったので、4パーセント以上も増えてしまったわけだ。

 

不良項目別では空気圧不足が233台(14.6パーセント)と最も多く、次いで偏摩耗が36台、溝不足が19台の順で、偏摩耗と溝不足は減少しているものの、空気圧不足が4パーセントほど増加しており、これが不良率悪化の要因となっている。空気圧チェックさえマメにやっていれば防げる空気圧不足だが、高速道路でも76台と少なくない。バーストや事故にもつながる空気圧不足だけに、その危険性をもっと知らせていく必要がありそうだ。

景気が悪いと溝不足が増えると言われるが、空気圧チェックも忙しかったりすると後回しになりがちだ。わずかな時間で済むことなので、危険な状況となる前にマメにチェックするように心がけたい。

最強のマセラティ・レヴァンテがデビュー!

マセラティは4月9日まで開催しているニューヨーク・ショーにおいて、レヴァンテのトップパフォーマンスモデルとなる「レヴァンテ・トロフェオ」を初公開した。

レヴァンテ・トロフェオには、590ps/730Nmを発揮するフェラーリ製の3.8リッターV8ツインターボエンジンを搭載。インテリジェント4WDシステム「Q4」によって全輪を駆動し、0-100km/h加速を3.9秒でこなす性能が与えられた。最高速は300km/hを超えるという。

走行モードは、標準のレヴァンテにも備わる「ノーマル」、「アイス」、「スポーツ」、「オフロード」に加えて、ローンチコントロール機能が備わる「コルサ」モードを設定。サーキットトラックなどにおいて、このハイスペックエンジンの魅力を引き出すことが可能となっている。

外観では前後バンパーやサイドスカートなどにカーボンを用いているほか、ボンネットにはエアアウトレットが設けられた。ホイールはマセラティ車で最大サイズとなる22インチの鍛造アルミを採用。マトリクスLEDライトの装備も特徴だ。

インテリアでもインパネを中心にカーボントリムを採用。メータークラスターやセンターパネルの時計、フロアマットなどはトロフェオ専用のアイテムとなる。

スバルの新型フォレスターが発表

スバルはニューヨーク・ショー2018で新型「フォレスター」を初公開した。米国仕様は2018年秋に販売がスタート、グローバル最量産車種として今後、各国に順次導入されていく予定だ。

スバルの新世代プラットフォーム「スバル・グローバル・プラットフォーム」を採用した新型のボディサイズは、全長4625×全幅1815×全高1730(ルーフレール込み)mmで、ホイールベースは2670mm。従来型の2リッターモデルと比べると15mm長く、20mm幅広くなった。ホイールベースは30mm拡大されたが、最小回転半径は従来型比+0.1mの5.4mにとどめている。

エクステリアはスバル共通のデザインフィロソフィーである「ダイナミック×ソリッド」に基づき、SUVらしい存在感や力強、機能性が表現された。インテリアは機能的かつ操作性に優れたレイアウトを実現し、インパネとコンソールを連続させることにより、SUVらしい力強さに加えてゆとりと開放感が表現された。

エンジンは182ps/239Nmを発揮する2.5リッター水平対向4気筒。従来の2.5リッターエンジンに対して約90%の部品を刷新するとともに直噴化を実施。力強く軽快なドライビングフィールを実現している。トランスミッションはリニアトロニックと呼ぶCVTで、駆動方式はスバル独自の4輪駆動システム「シンメトリカルAWD」だ。

滑りやすい路面などでエンジンやトランスミッション、ブレーキなどを最適に制御する「X-MODE」の搭載や、220mm確保された最低地上高、十分に確保されたアプローチ/ディパーチャーアングルなど、高い走破性が与えられている。

スバルで初採用されたのが「ドライバーモニタリングシステム」。これは乗員認識技術で、ドライバーの居眠りやわき見運転を検知する機能に加え、シートポジションやドアミラー角度、空調設定をドライバーごとに自動調整してくれる。全車に標準装備される運転支援システム「アイサイト」と合わせて、安全運転をサポートする。

ジャガーFペイスに最強バージョンが追加!

ジャガー・ランドローバーは3月27日、ジャガーFペイスのトップパフォーマンスモデルとなる「ジャガーFペイスSVR」を発表した。2018年夏に英国を皮切りに注文受付を開始する予定で、英国市場での価格は7万4835ポンド(約1118万円)となっている。

 

FタイプSVRクーペや同コンバーチブルなどと同様に、このモデルも同社のSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)によって開発。エンジンは550ps/680Nmを引き出す5リッターV8スーパーチャージャーで、8速ATを介して4輪を駆動。リアには電子制御式のディファレンシャルを搭載している。0-100km/h加速は4.3秒、最高速は283km/hを実現した。

エクステリアはSVRエアロダイナミックパッケージが採用され、優れた走りのパフォーマンスが表現されている。ホイールサイズは21インチが標準で、22インチをオプション設定する。

インテリアではサイドサポートを強化したパフォーマンスフロントシートや、スポーツステリアングホイールなどが特別なモデルであることを主張。10インチタッチスクリーンと12.3インチのメーターを組み合わせるインフォテイメントシステム「Touch Pro」は標準装備される。

ついにアウディA5のスポーツバックにもRSが

アウディは4月9日まで開催中のニューヨーク・ショーにおいて、新型「アウディRS5スポーツバック」を初公開。2018年後半より、米国とカナダを皮切りに発売される予定だ。

 

 

 

 

A5スポーツバック・シリーズにRS仕様が設定されるのは初となるが、この最新のRSモデルには、444ps/600Nmを発揮する2.9リッターV6ツインターボエンジンが搭載。0-60マイル(約97km/h)を3.9秒でこなす加速性能が与えられた。最高速は174マイル(約280km/h)だ。

 

 

トランスミッションは8速AT(ティプトロニック)で、クワトロシステムを介して4輪を駆動。前後駆動力配分は40:60が基本で、最大時はフロントに85%、リアに70%まで配分される。

 

 

サスペンションはS5スポーツバック用より0.3インチ(約7.6mm)ローダウン。RSモデルならではのダイナミックステアリングを組み合わせたRSスポーツサスペンションが搭載され、高水準のパフォーマンスに寄与している。ちなみにブレーキはセラミック製が標準だ。

 

 

内外装はすでに日本でも発売されている新型RS5クーぺに準じており、トップパフォーマンスモデルを実感させるスポーティで洗練された仕立てが特徴。エクステリアでは前後のバンパーや拡幅されたフェンダー、インテリアではナッパレザーのシートやRSステアリングホイールなどが目を引く。RS5クーペと同様に、アウディバーチャルコックピットが標準のメーターには、タイヤの空気圧やトルク、重力加速度なども表示可能となっている。

 

 

A5スポーツバックと変わらない実用性を備えているのもこのモデルの美点だ。3名乗車が可能な後席に加え、トランク容量は通常時で480Lを確保。40:20:40の分割

 

 

ベントレー・ベンテイガが「戦場」に?

米国コロラド州で開催される「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」レースに参戦するベントレーは、このほど出場するベンテイガとそのドライバーを明らかにした。

 

 

 

6月24日に開催される今年のパイクスピーク。ベントレーがヒルクライムレースに参戦するのはこれが初めてだ。ベンテイガのステアリングを握るのは、2012年と2015年に同レースで2度の栄冠に輝き、「キング・オブ・ザ・マウンテン」の異名を持つリース・ミレン選手(45)だ。

 

 

ミレン選手は英国の本社クルー工場を訪れ、参戦するベンテイガと対面。ベントレーの車両製作技術のレベルの高さに驚きながら「ベンテイガでのレースを本当に楽しみにしています。(ベンテイガなら)うまくいけばSUVの新記録が出せるかもしれない」とコメントしている。

 

 

パイクスピークに持ち込まれるベンテイガは、ラジウム・サテンと呼ぶ独特のボディカラーをまとう。600ps/900Nmを発揮するW型12気筒ツインターボエンジンやサスペンション、そしてピレリ製のタイヤは、レース規定により手を加えていないが、キャビンはフルロールケージやレーシングシート、消火器といったレース用エクイップメントで武装されている。さらにエキゾーストシステムは「コンチネンタルGT3-R」のそれを手がけた実績を持つアクラボビッチによって専用にカスタマイズされている。

 

 

 

トヨタ、工場内に水素ステーションを開設

トヨタは、愛知県豊田市の元町工場に、豊田自動織機製の燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)を20台導入するとともに、元町工場内にFCフォークリフト専用の水素ステーションを新設した。

これで2017年1月31日に元町工場へトヨタとして初めて導入した2台のFCフォークリフトと合わせ、元町工場のFCフォークリフトは合計22台となる。

トヨタは、「トヨタ環境チャレンジ2050」の「工場CO2ゼロチャレンジ」の達成に向け低CO2生産技術の開発・導入や日常のカイゼン活動だけでなく工場での再生可能エネルギーや水素利用にも取り組んでいる。昨年からのFCフォークリフト導入は、その一環となるものだ。

トヨタでは今後も「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向け、現在使用しているエンジン式フォークリフトをFCフォークリフトに置き換えていく予定。2020年頃までには、元町工場に170~180台のFCフォークリフトを導入する予定という。また、元町工場以外の工場においてもFCフォークリフトの導入・利用を推進する。

なお、今回追加導入したFCフォークリフト20台は、環境省・経済産業省連携事業である「水素社会実現に向けた産業車両の燃料電池化促進事業」を活用して導入したものとなる。

FCフォークリフトとは?

水素を燃料として発電して稼働するFCフォークリフトは、CO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能と、3分程度で燃料充填が完了する高い利便性を備えている。また、外部給電機能により災害時などの電源としても活用可能だ。

「あのクルマ」が蘇る? マクラーレンの「ハイパーGT」とは

マクラーレンは3月9日、ジュネーブ・ショー2018において2019年に市販する予定の次世代ハイパーカーの一部情報と車両のイラストを公開した。

このモデルはコードネーム「BP23」という名称で開発が進められているもの。マクラーレンでは今のところ「ハイパーGT」と呼んでいるが、市販時のネーミングは今後発表されることになっている。

このハイパーGTはマクラーレンP1やマクラーレン・セナと同様、同社のアルティメットシリーズに属するモデル。鬼才、ゴードン・マレーが開発を手掛け1990年代に生産された3人乗りのスーパースポーツ「マクラーレンF1」にインスピレーションを得て、ドライバーがボディ中央に座る3名乗車のキャビンが与えられる模様だ。

【中年名車図鑑】レガシィへとつながる「水平対向ターボ4WD・ツーリングワゴン」の歴史はここからはじまった

富士重工業(現SUBARU)ならではの高性能なクルマといえば、“ツーリングワゴン”“水平対向ターボエンジン”“4WD”というのが欠かせない要素だろう。これらの特徴を確立したのは、1979年にデビューして進化を遂げていった第2世代のレオーネだった。今回は歌手の岩崎宏美さんや野球選手の原辰徳さんをイメージキャラクターに据えて人気を博した「ザ・ニューレオーネ」の話で一席。

【Vol.60 2代目スバル・レオーネ】

段階的に厳しさを増していく排出ガス規制に対し、低公害技術のSEEC(Subaru Exhaust Emission Control)やSEEC-T(TはThermal&Thermodynamic systemの意)、さらにはEGRなどを組み込んで克服していった富士重工業は、1970年代終盤になると滞っていた新型車の開発を鋭意加速させる。屋台骨を支えるレオーネに関しては、多様化するユーザー志向を満足させるためのワイドバリエーション化を画策。同時に、車両デザインやメカニズムなどの面でもスバルならではの独自性を表現する方策に打って出た。

 

■80年代に向けた新世代レオーネのデビュー

80年代を見据えて登場した2代目レオーネ。デビュー当初は、写真の4ドアと2ドアハードトップの2ボディ構成

 

1979年6月、レオーネが約8年ぶりにフルモデルチェンジを実施し、2代目となる「ザ・ニューレオーネ」(AB型系)に移行する。搭載エンジンには新設定のEA81型1781cc水平対向4気筒OHV(100ps)と改良版のEA71型1595cc水平対向4気筒OHV(87ps)を用意。シャシーにはゼロスクラブ&フルフローティングの4輪独立懸架(前マクファーソンストラット/後セミトレーリングアーム)を採用する。

 

ボディは従来よりもひと回り大きくなり、そのうえで個性的な6ライトウィンドウを組み込む4ドアセダンとオペラウィンドウを取り入れた2ドアハードトップをラインアップした。注目の4WDシリーズ(FF⇔4WDのパートタイム式)は同年10月に発売。EA81エンジン車には高低2レンジを有したデュアルレンジ機構を内蔵する。また、リアボディを伸ばして広い荷室空間を創出したエステートバンとホイールベースを80mm短縮したうえでリアにハッチゲートを組み込んだスイングバックを追加。

 

さらに、ベーシックエンジンとしてEA65型1298cc水平対向4気筒OHVユニット(72ps)を設定した。ちなみに、スイングバックの北米仕様は1981年公開の『キャノンボール(The Cannonball Run)』に登場。乗員はジャッキー・チェンとマイケル・ホイが務めた。

セダンのインテリア。デビュー当初のセダン、ハードトップの2ボディタイプに加え、エステートバン、スイングバック、そしてツーリングワゴンを追加していく

 

後にスバル車のアイコンとなる“ツーリングワゴン”の登場

1981年6月になると、内外装の一部変更や装備の充実化などをメインメニューとしたマイナーチェンジが実施される。そして同年7月には、その後のスバル車の方向性を決定づける最初の“ツーリングワゴン”、レオーネ4WDツーリングワゴンがデビューした。エステートバンのBピラー付近からルーフを30mmほど高めた2段ルーフ(カタログなどではツーリングルーフと呼称)にフルトリムのカーゴスペース、2分割スプリットタイプのピロー付リアシート、専用セッティングの4輪独立懸架サス、カナリーイエローと称する鮮やかな黄色のボディカラーなどを採用してバンとの差異化を図ったツーリングワゴンは、アウトドア派ユーザーを中心に高い人気を獲得した。

81年のマイナーチェンジでツーリングワゴンが登場する。Bピラー付近から30ミリほど盛り上がる2段ルーフが特徴

 

同年11月には、国産車初の4WD+ATモデルがレオーネに設定される。パートタイム式4WD機構には新たに油圧多板クラッチが組み込まれ、走行中に、しかもボタン操作ひとつでFFと4WDの切り替えができる仕組みだった。

 

■4WDモデルで“TURBO”ブームに対応

矢継ぎ早に車種ラインアップの増強や中身の進化を果たしていったザ・ニューレオーネ。一方で1980年代初頭の自動車マーケットでは、ひとつの先進技術が脚光を浴びる。排気エネルギーを活用する“TURBO(ターボ)”機構だ。日本で先陣を切ったのは日産自動車で、1979年12月に430型系セドリック/グロリアのターボモデルを発売する。既存のエンジン排気量で、約1.5倍の排気量に匹敵するパワーが得られる――。こうしたターボの特性に、ユーザーは大いに惹かれる。メーカー側もターボ車を積極的にリリースし、やがて市場ではTURBOブームが巻き起こった。この流れに乗り遅れまいと、富士重工業の開発現場ではターボエンジンの企画を鋭意推し進める。そして、ターボ車の第1弾をレオーネに設定する旨を決定した。

 

1982年10月、スバル初のターボ車となるレオーネ4WDセダン/ツーリングワゴン ターボATが市場デビューを果たす。キャッチフレーズに“劇的な回答”を謳ったレオーネのターボモデルは、他社とはひと味違う凝ったメカニズムを採用していた。水平対向ターボエンジン+AT+4WDという独自の機構を組み込んでいたのだ。

 

まずエンジンについては、既存のEA81をベースに直径約50mmの小径タービンを組み込んだ小型軽量ターボチャージャーユニットをセット。同時に、燃料供給装置には同社初のEGI(電子制御燃料噴射装置)を採用する。

 

さらに、コンピュータが点火時期を自動的に制御するノックコントロールシステムやセルフコントロール機能のオンボード・ダイアグノーシスシステム、動弁系統のメンテナンスフリー化を図るハイドロリックバルブリフターといった先進機構を装備した。

 

圧縮比は自然吸気仕様より1.0低い7.7に設定。最高出力は120psを発生した。ターボエンジンに組み合わせるトランスミッションには、新開発のオールポジションロックアップ3速ATを導入する。最終減速比を自然吸気版用のATよりもハイギアードに設定し、燃費と高速性能を一段と向上させるとともに、低速域からロックアップの効いたレスポンスのいい走りが楽しめるようにセッティングした。

 

駆動機構は油圧多板クラッチを組み込んだ改良版のパートタイム式4WDを採用する。独自のパワートレインを支えるシャシーには、専用チューニングの4輪独立懸架サスをセット。フロントのマクファーソンストラットはスプリングレートの強化やスタビライザー径の拡大などを実施し、リアのセミトレーリングアームではダンパー減衰力のアップやスプリングの非線形化などを行った。また、制動機構には7インチの大径マスターバック付フロントディスクブレーキを採用。装備面では、過給圧が+50mmHg以上になると点灯するターボチャージインジケーターランプや全面ファブリック地のシート、ゴールド色のバンパー&サイドプロテクトモール、幅広ブラックのウィンドウモール、専用のボディストライプなどを盛り込んでいた。

ボディ後端に穿たれたオペラウィンドウが特徴的な2ドアハードトップ

 

一方、ターボATには未設定だったハードトップモデルでは、RXというスポーツバージョンが用意される。ツインキャブレターと組み合わせたEA81型エンジン(110ps)に専用セッティングの4速MTと副変速機付きの4WD、強化タイプのサスペンション、HRレンジのタイヤなどを装備したRXは、とくに走り好きからの熱い支持を集めた。

 

1983年10月になると、ターボATに油圧式車高調整機能を持たせたハイトコントロール車を設定する。これにより、ターボATの高速オールラウンドツアラーとしての実力がいっそう高まった。

 

“ツーリングワゴン”“水平対向ターボエンジン”“4WD”というオリジナリティあふれる機構を満載し、市場で独自のポジションを築いた2代目レオーネ。そのアイデンティティは、以後のレオーネ→レガシィにもしっかりと受け継がれていったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

アルピーヌA110が、最も美しいクルマに選ばれた!!

自動車専門誌でも試乗記が展開され、日本においてもますます注目度が高まってる感のある新生アルピーヌA110。日本への導入はおそらくこの2018年の後半、おそらく秋が深まるか冬かといったあたりという予想。待ち遠しいですね。

 

 

そのA110なのですが、生産がようやく立ち上がったばかりでまだ街をそれほど走り回ってるわけでもないのに、フランスで開催されたオンライン投票で“最も美しいクルマ”に選ばれました。先ごろパリ開催された第33回国際自動車フェスティバルにおいて、“Most Beautiful Car of 2017”を受賞したのです。一般からのオンライン投票の結果ですから、“民意”みたいなもの。まぁ実車はホントに美しいので当然っちゃ当然の結果ですけどね。

 

だけど、これにはルノー・グループを司るカルロス・ゴーン会長兼CEOも喜ばれたようで、「この賞の受賞は、過去5年間にわたって誠意と熱意を込めてこのクルマに関わってきた全てのメンバーにとっての素晴らしい御褒美です。フレンチ・スタイルのエレガンスをカタチにすることができて誇らしいです」とコメントしたほど。

 

 

そんなA110のスタートを記念した1955台の特別仕様“プルミエール・エディシオン”は完売し、今、ディエップの工場で次々と生産が進められています。正式なグレードとなる“ピュア”と“レジャンド”がスタートするのは、その後です。A110はしばらくの間は好調な受注が続くことでしょう。けれど、スポーツカーはそんなに販売台数が稼げる類のクルマじゃないし、基本、そう儲かるものでもありません。だからって簡単にはヤメたりしないでくださいね、ゴーンさん! とお願いしたい気分です。

 

 

 

“オチ”もお見事? シトロエンC4カクタスのCM

シトロエンはこのほど、新型「C4カクタス」の広告キャンペーンをスタートさせ、欧州を中心に30カ国で放映されるTVCMを公開した。

 

 

 

公開されたCMでは、新型C4カクタスに採用されたプログレッシブ・ハイドローリック・クッションというサスペンションの特徴がコミカルに表現されている。

 

 

ある朝、父親はC4カクタスで子供達を学校まで送り、その後、仕事場へと向かうのだが、彼はクルマに乗り込む前に、何かを忘れてしまい……。ストーリーは是非、動画でお確かめを。

 

 

 

年末年始の海外旅行で活用すべし! 今さら聞けない配車サービス「Uber」と「Lyft」の基本

この年末年始を海外で過ごすみなさんへ。海外へ渡航した際には、街中でのちょっとした移動にタクシーを使いたい、そんなシーンは多いもの。スマホで手軽に使える“配車サービス”を覚えておくと、何かと役に立ちます。登録から実際の利用手順まで、予め確認しておくと安心ですよ。

 

ニューヨークで、サービスの使い勝手を検証してみました。一般的な「Uber(ウーバー)」と「Lyft(リフト)」の2サービスを、iOSアプリで実際に使用し、比較。「●●の方が良い」なんて評判はよく耳にしますが、実際のところどうなのでしょうか。

 

配車サービスを使う大まかな流れを確認

「Uber」「Lyft」ともに、スマホのアプリで利用できる配車サービスです。まずは、利用の流れをざっと確認しておきましょう。どちらのサービスも大まかな手順は同じです。

 

最初にアプリをインストールします。初回利用時には、電話番号(SMS)を使った承認コードの認証が必要となる点に注意してください。認証が終了したら、支払い用にクレジットカードを登録しましょう。これで準備は完了です。

 

↑乗る場所、降りる場所、車のグレードを選ぶ↑乗る場所、降りる場所、車のグレードを選ぶ

 

使用する際には、地図上にピンを設置するなどして、乗る場所と降りる場所を指定します。また、車のグレードがいくつか用意されているので、好みのものを選択しましょう。すると、近くにいるドライバーへ連絡が届き、乗車できる車が指定したポイントにやってきます。この際、アプリの画面でドライバーの現在地が分かります。

↑車が到着したら、名前を告げて乗る↑車が到着したら、名前を告げて乗る

 

車が到着したら、ドライバーに声をかけ、自身の名前を告げて車内に乗りましょう。この際に目的地を告げる必要がないのが通常のタクシーと異なる点です。気さくなおじさんが来るか、それとも無口なお兄さんに当たるか。こればっかりは運次第!

 

目的地に到着したら、車を降ります。でも、この際に現金の支払い、チップの支払いは必要ありません。下車後、アプリに通知が来るので、ドライバーの評価とチップの支払いを済ませて完了となります。あまり低評価を付けるとドライバーさんがクビになってしまうので、とくに問題がなければ基本的には★5を付けてあげてください。

↑下車後、ドライバーを評価して、チップを支払う↑下車後、ドライバーを評価して、チップを支払う

 

それでは実際のアプリ画面で確認していきましょう。

 

「Lyft」はアメリカで使えるサービスなので英語表示となる

「Lyft」の手順について。まずはアプリをインストールして起動。支払い方法など、初期設定を済ませましょう。画面表示は英語です。

↑アプリを起動し、「Get Started」をタップ↑アプリを起動し、「Get Started」をタップ

 

↑「日本」を選択し、電話番号を入力して「Next」をタップ。090は+8190となる。入力した電話番号宛てにSMSで6桁の認証コードが送信されるので、続けてこれを入力しよう↑「日本」を選択し、電話番号を入力して「Next」をタップ。090は+8190となる。入力した電話番号宛てにSMSで6桁の認証コードが送信されるので、続けてこれを入力しよう

 

↑姓名とメールアドレスを入力。「Terms of Service」を確認し、問題なければチェックを付けて「Next」をタップ↑姓名とメールアドレスを入力。「Terms of Service」を確認し、問題なければチェックを付けて「Next」をタップ

 

↑地図の画面が起動したら、左上の人型アイコンをタップし、メニューを表示↑地図の画面が起動したら、左上の人型アイコンをタップし、メニューを表示

 

↑一覧から「Add Payment」を選択↑一覧から「Add Payment」を選択

 

↑支払いに使うクレジットカード情報を入力して「Save」をタップ。ちなみに「PayPal」を選択することもできる↑支払いに使うクレジットカード情報を入力して「Save」をタップ。ちなみに「PayPal」を選択することもできる

 

支払い情報の登録が完了したら、いよいよ車の手配へ。乗る場所、降りる場所、車の種類を選択します。地図情報は日本語で表示されるので、英語が苦手な人も安心ですね。

 

↑メニュー一覧で「Home」を選択すると地図の画面に戻る。車に乗りたい地点(Pickup location)をマップ上のピンで指定しよう。画面には近くにいるドライバーの位置が、ピンには待ち時間の目安がリアルタイムに表示されています。設定地点に問題なければ「Set pickup」をタップ↑メニュー一覧で「Home」を選択すると地図の画面に戻る。車に乗りたい地点(Pickup location)をマップ上のピンで指定しよう。画面には近くにいるドライバーの位置が、ピンには待ち時間の目安がリアルタイムに表示されています。設定地点に問題なければ「Set pickup」をタップ

 

ちなみに下部の住所欄をタップして、目的地の名前や住所を入力してもOKです。

 

↑同様の感覚で目的地をセット。ピンの位置を調整して「Set destination」をタップ↑同様の感覚で目的地をセット。ピンの位置を調整して「Set destination」をタップ

 

↑続いて車のグレードを選択して、「Request Lyft」をタップすると配車依頼が確定する。この段階で料金を確認しておこう。車の種類は、基本的には「Lyft(4 seats)」を選べばOK。「Line(1-2 seats, shared)」は安いが乗り合いになるため、同乗者をピックアップしに遠回りされることがあるので注意↑続いて車のグレードを選択して、「Request Lyft」をタップすると配車依頼が確定する。この段階で料金を確認しておこう。車の種類は、基本的には「Lyft(4 seats)」を選べばOK。「Line(1-2 seats, shared)」は安いが乗り合いになるため、同乗者をピックアップしに遠回りされることがあるので注意

 

↑ドライバーの現在地、あと何分で到着するか、どの経路でやってくるかが表示されるので、気長に待とう↑ドライバーの現在地、あと何分で到着するか、どの経路でやってくるかが表示されるので、気長に待とう

 

それっぽい車が到着したら、ドライバーに話しかけます。名前を確認されたら答えましょう。そのまま自分でドアを開けて車に乗ります。

 

↑移動中は現在地を確認できる↑移動中は現在地を確認できる

 

↑「どこからきたの?」など、ドライバーさんが世間話をしてくることもあるが、無口な人も多い↑「どこからきたの?」など、ドライバーさんが世間話をしてくることもあるが、無口な人も多い

 

目的地に到着したら下車するだけ。下車後にチップの支払いとドライバーの評価を忘れずに。

↑チップの値段を選択して、「Next」をタップ。10ドル前後の距離なら2ドルくらいのチップを支払っておけば問題ないだろう↑チップの値段を選択して、「Next」をタップ。10ドル前後の距離なら2ドルくらいのチップを支払っておけば問題ないだろう

 

↑最後にドライバーを評価する。星を選択して、「Submit」をタップすれば完了。もちろん、「Good Navigation」などの項目を付けてあげてもいい↑最後にドライバーを評価する。星を選択して、「Submit」をタップすれば完了。もちろん、「Good Navigation」などの項目を付けてあげてもいい

 

Uberは日本語表示で利用できるのがメリットか

続いて、「Uber」の手順について。こちらも利用方法は基本的に同様ですが、アプリ内のテキスト表記も日本語になっています。英語が苦手な人でも安心して使えるでしょう。また、アプリのデザインは全体的にブラックで統一されており、Lyftよりもシックな印象。

↑アプリをインストールし、起動。電話番号を入力する。続いてSMSで送られてくる4桁の認証コードを入力↑アプリをインストールし、起動。電話番号を入力する。続いてSMSで送られてくる4桁の認証コードを入力

 

↑続いて、「メールアドレス」「パスワード」「姓名」を入力↑続いて、「メールアドレス」「パスワード」「姓名」を入力

 

↑「クレジットカードまたはデビットカード」をタップし、支払い情報を入力して「保存する」をタップ↑「クレジットカードまたはデビットカード」をタップし、支払い情報を入力して「保存する」をタップ

 

これで支払い情報の登録が完了。これで車を手配できます。「Lyft」とは設定の順番が異なり、「行き先」→「車のグレード」→「乗車位置」の順となります。

↑「Uber」では先に行き先を問われる。「行き先は?」をタップ↑「Uber」では先に行き先を問われる。「行き先は?」をタップ

 

↑ピンを調整して目的地を設定し、「完了」をタップ。名前や住所を入力してもよい↑ピンを調整して目的地を設定し、「完了」をタップ。名前や住所を入力してもよい

 

↑目的の車種を選択し、下部の「●●を確認」をタップ。車のグレードは基本的には「uberX」を選んでおけばOKだ。この時点で料金が確認できる↑目的の車種を選択し、下部の「●●を確認」をタップ。車のグレードは基本的には「uberX」を選んでおけばOKだ。この時点で料金が確認できる

 

↑最後に乗車位置を設定。「配車を確定」をタップで手配が完了する↑最後に乗車位置を設定。「配車を確定」をタップで手配が完了する

 

↑ドライバーの現在地と待ち時間の目安が表示される↑ドライバーの現在地と待ち時間の目安が表示される

 

↑ドライバーが到着したら名前を告げて乗車しよう↑ドライバーが到着したら名前を告げて乗車しよう

 

↑目的地についたら下車し、その後ドライバーの評価とチップ額を指定して完了↑目的地についたら下車し、その後ドライバーの評価とチップ額を指定して完了

 

諸々の注意点について

どちらのサービスも、初回登録時にはSMSでの認証コードを受け取る必要があります。機内モードに設定して利用する場合(渡航時Wi-Fiルーターのみで通信する想定の人)や、渡航先で購入したプリペイドSIMで通信したい場合などには、注意が必要です。使用予定の端末で、出国前に予めアプリをインストールし、支払い情報まで登録し終えておくといいでしょう。

↑うっかり指定したポイントが進入禁止なんてことも↑うっかり指定したポイントが進入禁止なんてことも

 

また、今回の検証であったトラブルとしては、「Uberでうっかりピックアップポイントに指定した道路が通行止めで車が入れなかった」というケースがありました。この場合、運転手から「どうするのさ?」と電話が入ります。

 

今回は、相手が外国人ということで「面倒な案件」と判断されたのでしょうか、目的地などを聴かれたあと、ガチャっと冷たく電話を切られて、そのまま運転手側からのキャンセル通知が届きました。この場合には、再度手配が必要になります。また、不要な請求がされていないかも確認しておきましょう。強いメンタルも必要かもしれません。

 

結論:日本人にとってはUberの方がわかりやすそうだ!

いろいろと評価が分かれてきたUberとLyftですが、アップデートを繰り返した結果、サービス内容についてはほぼ同様になっている印象を受けました。同距離で価格を比較したところ、Lyftの方が数セント安い程度だったので、どちらを選んでも大差はなさそうです。

 

強いて言えば、日本語表記に対応しているUberの方が初心者にはわかりやすい印象。アメリカだけでなく、東京を含めた世界中の都市で利用できる点も大きなメリットだと言えます。

 

もちろん、マンハッタンなどの都市部ならともかく、地域によっては希望の安い車種がすぐに手配できるとは限りません。両アプリを使用可能にしておくことで、2つのサービスで配車可能な車種を確認できることに繋がります。アメリカ旅行をより快適にするために、両アプリをインストールしておいて損はないでしょう。

 

ちなみに今回は利用しませんでしたが、初回に利用できる招待コードを使えば、無料乗車のクーポンをゲットできるシステムもあります。知人に配車サービスのユーザーがいる場合には、是非活用してみてください。

 

※スマホの画面写真は、2017年8月27日時点でキャプチャしたものです。