昨年発売された1st写真集「未来の作り方」も話題となった乃木坂46の五百城茉央さんが、ついに連ドラ初出演にして初主演を果たしました。演じるキャラクターは、頭脳明晰ゆえに世の中に退屈さを感じている天才女子高生。「撮影現場はすべてが新鮮なことだらけで毎日が楽しい」と笑顔で語る彼女に、作品の見どころ、役への意気込みをうかがいました。

【五百城茉央さん撮り下ろし写真】



間違った考察をされても、“ミスリードを誘ってやったぞ!”ぐらいの強いハートで(笑)
──待望のドラマ初主演です! 出演のお話があったときはどのような心境でしたか?
五百城 以前から演技のお仕事をしてみたいと思っていたので、すごくうれしかったです。ただ同時に、まさかの連ドラで、しかも主演ということにびっくりして。果たして自分に務まるのかと不安にもなりましたが、すぐに“頑張るぞ!”という前向きな気持ちに切り替わりました。
──ひと足早く脚本を拝読しましたが、ミステリー要素が強く、予測できない展開の連続で一気に引き込まれました。
五百城 私もです! 私が演じる仲野茜は全国でも有数の進学校に入試全教科満点という成績で入学してきた女の子で、その登校初日から物語が始まっていくんですね。ですので、最初は学園ミステリーなのかなと思って読み進めていたんです。そしたら、まさかのどんでん返しが怒涛のように押し寄せてきて。途中からは、“え〜〜っ!?”っていう言葉しか出てこなかったです。あの衝撃を多くの方と分かち合いたいのに、ここでお話しできないのが本当に残念です(笑)。
──撮影に入る前はどんな準備をされたのでしょう?
五百城 参考になるドラマや映画の作品をいくつか教えていただき、それを見ることが多かったですね。
──それはやはりミステリー作品ですか?
五百城 多かったのは主人公が天才という設定のものでした。やはり茜は周囲とは少し違う表情を見せたり、醸し出す雰囲気も異なるので、とても参考になりました。それ以外で準備したことといえば、脚本を読みながら、シーンごとに“茜はこのとき、こういう感情になるのかな”と自分なりにプランを組み立ててみたり。実際の本番では共演者と掛け合いをするなかで変わっていくこともあるのですが、そこで新たな解釈が生まれることで作品全体や茜という役に対しても深みが出ると思いますし、その意味でも事前に役について考える時間は決してムダではないなと感じています。
──脚本を読んだ印象では、確かに茜はすごい天才ではあるものの、決して孤高というわけではないと感じました。
五百城 ただただ世の中に対して“つまらない”という感情が強いだけの子なんですよね。心の中ではクラスメートのことを“面白くない人たち”と思っていますが、だからといって小バカにすることもなく、心の中で思っている感情とオモテの顔をうまく使い分けることができる。そうした彼女が持つ両面を、しっかりと視聴者にも届けていければなと思っています。
──ミステリー作品は、普段と異なるちょっとした表情の違いが出るだけで観る側がその意味を深読みすることが多く、演者としてはその差異の表現が難しいところですよね。
五百城 本当にそうなんです! どれだけ私が他意のないお芝居をしたつもりでいても、“今の表情、怪しいな”と考察されると、それがその視聴者さんにとっての正解になってしまう。それを考えるとすごく怖いです。でも、だからこそ自信を持って演じるしかない。もはや、実際のストーリーとは違った考察をされたとしても、“うまくミスリードを誘えたのかな?”と思えるほどのハートの強さをもって挑もうと思っています(笑)。
──そのマインドはすごく大事だと思います(笑)。ちなみに、五百城さんも普段からミステリー作品を観たり、読んだりされるのですか?
五百城 大好きです! 私もよく考察するタイプですね。
──“この人物が犯人なのでは……?”と推理したり?
五百城 します。当たることもあれば、全然見当違いのときもあって(笑)。それに、連続ドラマだと、放送の翌日に友人たちと誰が犯人かで盛り上がれるのも楽しいですよね。
──今回の『MADDER』もまさに同じように盛り上がりそうです。
五百城 そうなるとうれしいですね。一話一話に緻密な伏線が張り巡らされていますので、ぜひ見逃さずに考察していただきたいです。……と言いつつ、絶対にラストの展開は誰も予想できないと思います。それぐらい驚きの連続だと自信を持って言えますので、ご期待ください!
茜の運命を変えていく山村隆太さんとのシーンはいつも緊張します
──今作は学校内で展開していくことも多く、共演者も同年代が多いですね。
五百城 初めて皆さんと顔を合わせたのが本読みのときでした。その日はちょっとだけ人見知りが出たというか、あまりお話もできず、あいさつ程度で終わってしまったんです。でも、いざ制服を着て教室での撮影に入ると、すぐに打ち解けて。撮影の合間はみんなで一緒に現場でご飯を食べたり、他愛もない話をして楽しんでます。それこそ、「最初はみんな、結構人見知りだったよね」って冗談を言い合えるぐらいの仲になってますね(笑)。みんなといると、本当に学生の頃に戻ったような気持ちになるので、学校でのシーンはそうした距離感も画面を通して感じていただけるのではないかと思います。
──また、今作ではflumpoolの山村隆太さんとの共演も話題になっています。山村さんが演じる黒川悠はどのような人物だと捉えていますか?
五百城 茜にとって黒川さんとの出会いは不思議なものだったと思います。最初は、“何だこの人は!?”と狂気に近いものを感じて。でもそれは、怖さというよりも、なぜか惹かれてしまう感覚だったんだと思います。また、彼の存在はその後の茜の運命にも大きな影響を与えていくので、二人のシーンはいつもと違うプレッシャーを感じます。
──現場ではどのようなお話を?
五百城 作品の話というよりも、雑談していることのほうが多いですね。山村さんが以前出演されていたドラマ『突然ですが、明日結婚します』が大好きで観ていたので、そのことをお伝えしたら、「今までで一番うれしいわ!」って喜んでくださって(笑)。同じ関西の出身で、会話も関西弁同士でしたので、打ち解けるのも早かったです。山村さんは黒川と全く印象が異なる方で、逆にそれが撮影に入るといい緊張感を生み出しているように思います。
──では、そのほかで個人的に気になるキャラクターは……?
五百城 利重 剛さん演じる校長先生です! 本当に毎回面白いんです。第1話でも学生たちが校長先生の話を聞くシーンがあり、みんな笑っちゃいけないのに、おかしすぎて頑張って笑いをこらえていました。利重さんが演じていらっしゃるからというのもあると思うのですが、キャラが最高なんです。このドラマはシリアスな要素が多いのですが、緩急の“緩”の重役をすべて校長先生が担ってくれているといっても過言ではないです!(笑)
──放送がより楽しみになりました!
五百城 最初はすごくつまんなさそうにしている茜の表情が少しずつ変化していく様子も見どころだと思いますし、それにサブタイトルにある『その事件、ワタシが犯人です』に込められた意味も想像しながら楽しんでいただければと思います。犯人だと名乗っている“ワタシ”とは誰なのか……今後の展開も含め、ぜひ考察してみてください!
──また、連続ドラマの現場というのは五百城さんにとって初めての経験だと思いますが、最後に現場の必需品を教えていただけますか?
五百城 実は、現場に気軽に持っていける小さなバッグがあると便利だなと、撮影に入る前からずっと考えていたんです。でも、ちょうどいいのが家になくて。どうしようかと思っていたとき、久保史緒里さんのオールナイトニッポンにお邪魔することになり、そこでガチャを回して、最高にちょうどいいトートバッグをいただいたんです。
──おぉ! それはなんという幸運。
五百城 マチも広く、サイズもまさに理想的で。エコバッグの素材で出来ていて、ちょっとした雨なら弾いてくれるので、“うわぁ、めっちゃええやん!”ってテンションが上がるぐらい現場で愛用しています(笑)。デザインとして、思いっきり〈オールナイトニッポン〉っていうロゴが書いてあるんですけどね(笑)。でも、それも目印になって、一目で私のバッグだとわかるし、ほかの人も間違えようがないので、私にとってはもはや手放せないアイテムになってますね。
※こちらは「GetNavi」2025年5月号に掲載された記事を再編集したものです。
MADDER その事件、ワタシが犯人です
4月10日(木)スタート
カンテレ:毎週木曜24時15分から放送
フジテレビ:毎週木曜26時15分から放送
カンテレ1話放送直後からFODにて1週間の先行配信
(STAFF&CAST)
監督:頃安祐良、高橋栄樹、畑山創
脚本:伊達さん
主題歌:「CYM」Billyrrom((SPYGLASS AGENT))
出演:五百城茉央(乃木坂46)/山村隆太(flumpool)/樋口幸平/山下永玖(ONE N’ ONLY)/桑山隆太(WATWING)/利重 剛/濱 正悟/武田梨奈
(STORY)
東大進学率No.1の進学高校・清爛学園に歴代最高の成績で入学してきた仲野茜(五百城)。しかし、彼女は頭が良すぎるがゆえに日々の生活や世の中に退屈し、クラスメートとの会話すら幼稚に感じていた。そんなある日、彼女の住む街の近くで起きた殺人事件に茜は興味を示す。さらに事件の犯人と思われる青年・黒川(山村)との出会いが茜の運命を大きく変えていく……。
公式HP:https://www.ktv.jp/madder/
撮影/中村 功 取材・文/倉田モトキ ヘアメイク/小坂知未 スタイリスト/菅野 悠