ランニングと食事の関係。食前・食後ランの話、おすすめの料理メニューは?

運動不足の解消やダイエットを考えたとき、まず思い浮かべるのが手軽に始められるランニング。特別な道具を用意する必要がなく、時間や場所も自由に選べるトレーニングですが、基本的に1人で行うアクティビティのため、なおさら自己管理が必要です。

 

例えば食事。食事を摂る前に走るのか、食事を摂ってから走るのか。食べた後すぐに走って良いのか、走った後は何を食べれば良いのか、疑問は尽きません。

 

そこで今回は、アスリート向けの食事や一般の人向けの健康的な食事を提供している管理栄養士を取材。その疑問を解消していただきました。

 

<識者紹介>

東京アスリート食堂 神田錦町本店
管理栄養士:加藤健嗣さん

高校時代サッカーに打ち込むもケガが多く、その要因が食事にあることを知りスポーツ栄養士を目指す。大学卒業後に国家資格である管理栄養士の資格を取得。給食委託会社の病院で食事を提供する部署で約2年間勤務し、2022年3月に「東京アスリート食堂」に入社。自身の経験から、「ケガして好きな競技ができないのは本人も悔しいし、もったいないので、そういった方々を少しでも減らしたい」とアスリートに効果的なメニューを日々提供している。

 

食後すぐに走るのが良くない理由

ランニングを始めるきっかけはさまざまですが、まず注意したいのが走り始めるタイミングでしょう。朝夕を問わず、食後すぐに走るのはNGとされています。

 

食事をした後は胃や腸の働きを邪魔しないよう、激しい運動を控えるのは理解できますが、ではどのタイミングで走り始めれば良いのでしょう。

 

「食後すぐに走ると消化不良を起こしたり、脇腹痛を起こしたりします。ランニングの前に食事を摂るなら、走るまでに一定時間の間隔を空けましょう。軽食なら、摂取後30分~1時間程度空ければ大丈夫ですが、通常の食事の場合は摂ったあと2時間は空ける必要があります。」(加藤さん)

 

食前にランニングを行う場合のメリット&デメリット

■食前ランニングのメリット

早朝にランニングを始める場合、食事を摂る前に軽めのランニングを行えば体も頭もすっきり目覚める感覚があります。

 

「その人の目的や目標によって変わりますが、ダイエットや健康を意識した人であれば食前にランニングを行うのがおすすめです。食事の前は、体内のエネルギーが枯渇している状態です。その状態で走り始めると脂質をエネルギーに変えて、脂肪燃焼という、脂肪を燃やす時間が早まる効果があります。」(加藤さん)

 

しかし、寝起きや仕事からの帰宅後すぐにランニングモードに切り替えるのはやや大変ですが、コーヒー、それもブラックで飲んだり、苦めのチョコレートを摂取することで体の準備ができるとのこと。

 

「ダイエットが目的なら特に、コーヒーはおすすめです。カフェインには興奮作用があり、脂肪燃焼効果を上げ、運動能力の向上も研究結果として出ています。カカオ成分が70%以上のチョコレートでも同じような効果が見込めます。」(加藤さん)

 

■食前ランニングのデメリット

食前のランニングで気を付けないといけないのが、空腹で集中力が低下するというデメリット。その予防のためには、素早くエネルギーを補給できるチョコレートのほか、飴を1つ口に入れるだけでも効果があるそうです。

 

「食事前のランニングは脂肪を燃やしやすくする一方で、空腹で集中力が低下します。集中力が低下している状態で走るとケガをするリスクが高まるので気を付けましょう。

 

めまいや体調不良となり、最悪その場で倒れてしまいます。そういう人の場合、飴を1つ舐めるだけで血糖値は上がるので、走る前に摂っておくと良いでしょう。」(加藤さん)

 

食後にランニングを行う場合のメリット&デメリット

■食後ランニングのメリット

食後は糖分と脂肪の2つのエネルギー源があるため、速く長く走ることができます。 食前に比べると、より高いパフォーマンスを発揮できます。 栄養をすでに補給しているので、めまいや集中力の低下も防ぐことができます。

 

トップアスリートの場合は、練習時間や試合の時間に合わせて食後の間隔を取っています。箱根駅伝などスタート(午前8時)が早い場合は、当日の午前2時、3時に起きて食事を摂っているそうです。

 

「人間の体は最初に炭水化物、脂質をエネルギーに変えて走るので、それらが枯渇しているとパフォーマンスは上がりません。運動の質が上がると消費カロリーや燃焼できる脂肪が増え、タイムアップだけでなく筋力アップにもつながります。」(加藤さん)

 

■食後ランニングのデメリット

前述したように、食後すぐのタイミングで運動をすると脇腹の痛みや吐き気などを引き起こしてしまうことが挙げられます。トップランナーはランニングのパフォーマンスを上げるため、食後にしっかりと間隔を取って練習や大会への準備をします。

 

しかし、ファンランナーとしてランニングを楽しむ人は、学校や仕事などで十分に間隔を取るのが難しいでしょう。そんなときは、軽食を摂ることでパフォーマンスの向上が図れます。

 

「糖質が豊富に含まれている『バナナ』だったら1本。ほかにも、脂質が低くて糖質が多く含まれている『カステラ』、『おにぎり』などの補食を摂り、30分~1時間くらい間隔を空け、走り終わってから普通の食事を摂っていただく方法もあります。」(加藤さん)

 

食前にランニングを行った場合の食事間隔

食前に走り終わったら、早めに疲労回復につながる食事を摂取する必要があります。ランニング後のメニューに関しては、後ほどたっぷり紹介します。

 

「ランニング後はエネルギーや筋肉に含まれるたんぱく質が枯渇している状態なので、なるべく早く食事を摂ったほうが良いでしょう。30分~1時間以内に食事を摂ることで、疲労回復や筋肉の合成につながります。」(加藤さん)

 

食後にランニングを行う場合の食事間隔

食後にランニングを行う場合、メニューよりも重要なのが食後の間隔です。

 

「食事の内容にもよりますが、一般的に定食と言われるような、ご飯と味噌汁が付いて、あとはおかずが何品かあれば600kcal程度。その場合、食後の間隔は2~3時間と言われています。しかし、脂分が多い揚げ物系、唐揚げやポテトフライなどを摂った場合は3~4時間空ける必要があります。」(加藤さん)

 

ランニング後に食べたい食事メニューは?

ランニング後のおすすめメニューは、疲労回復に役立つたんぱく質が中心になります。ここからは『東京アスリート食堂』の加藤さんならではのおすすめメニューを伺いました。

 

■その① 豚の生姜焼き

「豚肉に含まれる“ビタミンB1”と、タマネギに含まれる“アリシン”というのが疲労回復に効果的な栄養素なので。豚肉からはたんぱく質も摂れます。豚肉を摂るアスリートは多いですね。」(加藤さん)

 

■その② 鶏の照り焼き、棒棒鶏(バンバンジー)風のサラダ

「鶏のむね肉もおすすめです。むね肉も低脂質、高たんぱく。鶏のむね肉に含まれる“イミダゾールジペプチド”はアミノ酸の一種で、こちらも疲労回復に効果的です。なので、鶏のむね肉も摂るアスリートは多いですよ。

 

鶏のむね肉のメニューでしたら、シンプルに焼いて、醤油大さじ1、酒大さじ1、みりん大さじ1でできる『鶏の照り焼き』。ちょっとアレンジを加えて野菜も取り入れて『棒棒鶏風のサラダ』。」(加藤さん)

 

■その③ 鶏ハム

「鶏のむね肉を低温でじっくり茹でる『鶏ハム』という食事もあります。低温でじっくり茹でると柔らかく仕上がります。本当にハムのような食感です!」(加藤さん)

 

ランニング後には素早いエネルギーの補充、疲労回復につながる食事を摂ることが重要です。しかし、ランニング後に素早く調理したり、事前に用意するのが難しい人のためにコンビニなどで手軽に用意できる食材も教えていただきました。

 

「コンビニなどでも買える『サラダチキン』は味がすでに付いていますし、片手でいけるスタイルなのですぐに摂取できます。鮭とか鶏肉などたんぱく源が入っているおにぎりもおすすめです。」(加藤さん)

 

ほかにも、疲労回復に効果がある“セサミン”を含んだゴマも効果的で、食事やおにぎりにかけることで摂取できます。

 

「走る前後、そして途中でも水分補給もお忘れなく。走るとナトリウムとカリウムなどの電解質が失われます。そこで効果的なのがスポーツドリンク。足がつったり、筋肉がけいれんしたりといったことに対して、水分とたんぱく質、カリウムを摂取することで予防効果が期待できますよ。」(加藤さん)

 

<取材協力>


東京アスリート食堂 神田錦町本店

住所:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21 10 OVER 9 1F
TEL:03-3233-1555

 

撮影/中田悟 イラスト/奈良裕己 文/マイヒーロー

ミズノ「ウエーブネオ ウインド」。今どきイケメンシューズの素顔!/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022-23「ミズノ」冬の陣③「ウエーブネオ ウインド」の巻

 

シューズ好きも、ランニング好きも、必読! 最新のランニングシューズを、開発担当者に聞いて、実際に履いて走ってレビューする本連載。日本が誇るミズノにフィーチャーする3回目は、ミズノの基幹シューズ「ウエーブライダー」のDNAを継ぐ「WAVE NEO WIND(ウエーブネオ ウインド)」である。

↑「ウエーブネオ ウインド」日本のみならず、グローバルで展開中。カラーは、ホワイト×ブルーのみ。メンズ、ウイメンズともに2万2000円(税込)

 

純白のボディに、ブルーの差し色。ファッションユースと見まごう、今どきのイケメンシューズの素顔や、いかに⁉ 今回も、企画担当の吉村憲彦さんにお話を伺った上で、実走レビューを行おう!

↑3回にわたってお話を伺ったのは、「ウエーブライダー26」企画担当、ミズノのグローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部パフォーマンスランニングの吉村憲彦さん。東京・神田小川町「MIZUNO TOKYO」3階にある、ランニングシューズ売り場にて撮影

 

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ミズノ初の“CO₂オフセット”シューズ!

いつもは、機能を中心にシューズのインプレを行う本連載。しかし、今回の話題の中心は、その製造から流通に至る、全ての工程だ。ミズノが、本気で環境負荷低減に取り組んだ「ウエーブネオ ウインド」。どんなシューズなのだろう?

 

「ウエーブネオ ウインド(以下、ウインド)の原材料には、CO₂排出量を抑制するため、リサイクルポリエステルや植物由来など、環境に配慮した素材を使っています。印象的な白のアッパーはニット(編み物)ですが、環境負荷低減のため、染色工程で水を使用しておりません」(吉村さん)

↑ウインドは、シュータンからシューホールまで一体になったようなシームレス構造

 

さらに、シューズの流通や最終的な廃棄までのライフサイクルを視野に入れ、CO₂を吸収する木々の植林も行われたという。

 

「ウインドに使用されている、クッション性と反発性に優れたミッドソール(ヒールウエッジ)のフォーム材『ミズノエナジー』には、安定感の要となるプレートの『ミズノウエーブ』にも、植物由来の原材料を使用しています。水辺にも繁殖している藻類を回収し、原材料として使っています」(吉村さん)

↑ミッドソール下部に通常のミズノエナジー、上部に軽量なミズノエナジーライトを搭載

 

ミズノ欧米攻略のための、新たな橋頭堡

ウインドの主なターゲットは、ミレニアム世代やZ世代。欧米を中心に、これらの世代はサステナビリティにも高い関心を持っているという。

 

「環境意識の高い欧米のミレニアム世代やZ世代に向けて、ミズノのメッセージをきちんと伝えることで、ブランドの認知度を上げることも視野に入れています。そのため欧米では、かなりの数のウインドを展開しています」(吉村さん)

 

ウインドのイケメンぶりは、ファッションではなく、まさに環境への配慮そのものだ。しかも、そんなイケメンを単なるイケメンで終わらせず、走り心地をしっかりと追求している点もミズノたるところ。開発のコンセプトは、“フルマラソンにも使用可能なパフォーマンスランニングシューズの機能をそのままに、環境への負荷を低減するシューズを生み出すこと”なのだ。

 

「ウインドは、42.195㎞のフルマラソンを3時間30分以内で走る、いわゆる“サブ3.5”のランナーが履くシューズと同等のスペックです。前回取り上げていただいた『ウエーブライダー26』が、サブ4ぐらいのスペックですので、たしかにウインドの方が速い位置づけですね」(吉村さん)

 

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ライダーのDNAを持った韋駄天=ウインド

実は、このシューズのベースとなったのは、2021年度まで展開していた「ウエーブライダーネオ ウインド」だったという。今回紹介するウインドにも、「ウエーブライダー26」に搭載されたウエーブと同じスペックのものを搭載。まさにライダーの系譜を継ぐシューズなのだ(2022のコレクションからはライダーの名称が外されている)。

 

さらに、ウインドのミッドソールには、「ミズノエナジーライト」というエラストマーのフォーム材も採用されている。ミズノエナジーライトは、標準的なミズノエナジーよりも、軽量かつ反発性に優れており、レーシングシューズなどで使用されている。

 

「ウインドは、あくまでランニングシューズです。なので、カジュアルに対応させようとは考えていません。しかし、プロトタイプを見たとき真っ白で“めっちゃいい”って、私も思いました(笑)」(吉村さん)

 

パっと見のウインドは、“今風のイケメンだから、カジュアルでも受けるだろう”という程度の印象だった。しかし、話を聞いてみると、けっこうな韋駄天だ。“イケメンのナイスガイは、けっこうな瞬足”なんて、人間だったら嫉妬するところ。でも、ランニングシューズなら、ズルいほど◎だ!

 

いよいよ、ウエーブネオ ウインドを試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、ウインドの試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。今風のイケメンがどこまで走れるのか、とくとご覧あれ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

ニットのブーティ構造は、履くのが少し面倒。しかし、いったんシューレース(靴ひも)を締めてしまえば鬼に金棒。抜群のフィッティングが得られる!(もちろん、サイズや足型が自分の足に合っている前提だが……)。

 

かかとをシューズに合わせたら、はと目(シューレースを通す穴)ひとつひとつ丁寧に、平ひもが捻じれないように締めていこう。ウインドの特盛のミッドソールは、歩く際に、左右のシューズがこすれるほどだが、走り出せば心配無用だ。

 

立ち上がると、ソールから足に伝わってくるのは、筆者好みの程よい硬さ。2020年に発表された「ミズノエナジー」以前の頃の、往年のライダーの乗り心地を彷彿とさせる。今風のイケメンのくせに、昔気質のハングリーさもありそう。これは侮れない……。

↑アウトソールには軽量性とグリップに富んだG3ソールを全面に搭載。足裏も爽やかさが漂う!

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

ゆっくり走り出す。前回のライダー26と同日にインプレをしたが、着地はライダー26より硬め、前足部で地面をがっちり捉えている印象。もしかして、ウインドの前足部の面積は、ライダー26よりも広い? と思い、ウインドとライダー26を比べるが、全く一緒だ。しかも、安定性の要となるウエーブのスペックは、ライダー26もウインドも同じだという。

 

両者の際立つ違いは、ウインドのミッドソールに「ミズノエナジーライト」を採用している点だ。ミズノエナジーライトは、読んで字の如く、ミズノエナジーよりも軽く、しかも衝撃緩衝性と反発性に優れている。さらに、中足部からかかとにかけては、ミズノエナジーも採用。ミズノエナジーで着地衝撃をソフトに緩衝し、ミズノエナジーライトで大きな推進力に変えている。

 

ウインドは、全体的にはライダー26よりもソールが硬めだが、ミズノのランニングのコンセプトである“スムーズさの追求”を忠実に再現している。ある意味で、ライダー以上に、ライダーらしいシューズなのかもしれない。それを明らかにすべく、スピードを上げてみよう。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

地面をがっちりつかむ感触は、どうやらアウトソールの素材も影響しているようだ。ウインドには、実業団選手レベルのシューズに採用されている「G3」という、軽量でグリップ性が高いパーツが使われている。試しに、石畳の坂道を登るが、驚くほど路面を捉える。そのまま駆け下り、下り直後のコーナーリングでも、スリップの不安がない!

 

ちなみに、ウインドを履いて、何も考えずに心地よく走ってみた際の速度は、1キロ5分45秒ほど。同日インプレをしているライダー26は、6分20秒。同じスペックのウエーブを搭載しているが、なるほどウインドは明らかに速い! 運動不足解消でスタートしたジョギングが、いつしかダイエット目的も加わって体脂肪が落ち、距離を走る楽しさを感じられるようになってきたら、ウインドはピッタリな一足になっているはずだ。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

環境に配慮した無染色のホワイト地に、ブルーの差し色。日本国内での流通が限られたシューズだけに、周囲の目線がチラチラ筆者の足元に集まる。ここは自宅からほど近い、とある10㎞のローカルレース会場。インプレ3日目の本日は、レースでの実戦で試すことに。おしゃれ感覚の今どきイケメンシューズと思いきや、一連のインプレで、実戦投入の腹が定まった。ウインド、期待できそうだ!

 

で、よく晴れた、少し暑いくらいのレース本番。あくまでインプレが目的なので、5分を少し切るペースで走ってみる。しかしながら、ペースダウンを意識しないと、“もっと走らせろ”と加速モードに、スグに入ってしまう。ウインド、なかなかの若武者ぶりだ。

 

ゴール前2㎞、さらに加速してキロ4分巡航。すぐ前を走っていた地元の国会議員をぶち抜くべく、最後はキロ3分を切ってみたが、全ての加速にウインドはきれいに反応してくれる。シーズン初めに無理は禁物なのだが、ウインド、やっぱり侮れない。

 

で、結論。ウインドは、気持ちが前向きになる“スカッと走”に最適だ。今風のイケメンのルックスも、前向きの気持ちを後押ししてくれる。42.195㎞のフルマラソンなら、初参戦や完走を目指すよりも、2回目や3回目の自己ベスト更新のチャレンジに合っている。

 

最後に蛇足ながら、ミズノさんにお願い! こうした環境配慮型のシューズに合った、今どきイケメン風、しかもレースへの実戦投入可能で、かつファッション性に優れたホワイト&ブルーのカラーコーデもバッチリのアパレルを作ってくださいませ。ベースレイヤーやライナーも工夫し、リサイクル+天然素材など機能性を大きく損なわない提案ができるかと。期待しています!

 

撮影/石原敦志

撮影協力/10 over 9「ランキューブ」(東京・神田錦町)

 

 

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カーボン成型技術に長けたYONEXのカーボンプレート入りランシュー内覧会潜入レポ!

テニスやバドミントンのイメージが強いYONEX(ヨネックス)のランニングシューズがあるらしい……。という話は小耳に挟んでいたのですが、元バドミントン部でYONEX愛用者だった私。「どんなシューズなんだろう」と気になっていたところ、YONEXの新作ランニングシューズの試走イベントに参加できることに!

 

より安全に走るためのカーボン搭載シューズ「SAFERUN」シリーズ

カーボンプレート入りランニングシューズが注目され始めたのはここ5年くらいの話ですが、実はYONEXのテニス&バドミントンシューズには、1997年からカーボンプレートが取り入れられていました。

 

ラケットのフレームにカーボンが使われているのは知られていますが 、シューズにも25年も前から取り入れられていたとは! そんなカーボン成型の技術を用いて、40パターン以上の形状でシミュレーション解析、試走を実施し、ランニング専用のフルレングスのカーボンが開発されました。

↑ランニングシューズSAFERUNシリーズについて、YONEX製品開発部の横山さんから製品説明が行われた

 

製品開発部の横山さんからの製品説明を聞いてすぐに納得。テニスやバドミントンのラケットのフレームに使われているのはカーボン。近年ランニング界においても人気が定着したカーボンプレート入りのランニングシューズを、優れたカーボン成型技術を持つYONEXが開発した、となればぜひ履いてみたいですよね!?

 

カーボンプレート入りランニングシューズは、より速く走りたい人のためのもの、というイメージがありますが、YONEXのSAFERUNシリーズは、怪我なく安全に、そして楽に走るためのカーボンプレート入りランニングシューズです。SAFERUNシリーズに使われているカーボンプレートは、“3D-POWER CARBON”という形状で、適度なしなりが筋肉の負担を軽減してくれます。

↑YONEXのランニングシューズ、SAFERUNシリーズ

 

↑高い安定性と推進力で走りが楽になる“3D-POWER CARBON”

 

3D-POWER CARBONが搭載されたシューズは、「SAFERUN AERUS(エアラス)」、「SAFERUN 100X」、「SAFERUN 200X」の3モデル。この3つのモデルはそれぞれ、走行ペースに最適化したカーボンプレートが使われています。プレートの踵周辺を立ち上げる3D形状にすることで、着地時の横振れを軽減して膝への負担を軽減。前足部と中足部の強度に適した合成になるようにカーボン繊維の積層角度を変えて、しなり度合いが調整されています。

↑「SAFERUN AERUS(エアラス)」、「SAFERUN 100X」。そして12月に登場した「SAFERUN 200X」

 

↑AERUSのカーボンは、プレート自体に硬さがありしなりは弱め。スムーズに進むカーブ状になっています。100Xは、適度なしなりで走行時の高い安定性を実現。200Xは、前足部にかけてしなりやすく、脚が自然と前に出やすい設計に

 

最高級のセーフティ機能で長距離もラクラクな「SAFERUN 200X」

ランナーの怪我で最も多い、膝の負担を和らげるSAFERUNシリーズ。中でもSAFERUN 200Xは、YONEX史上最大ボリュームのクッション性に、YONEX史上最大のソール幅。従来品「SAFERUN 200」と比較してクッション性は+11%、ソール幅は+17%と、大幅に進化しています。

↑「SAFERUN 200X」1万8700円(税込)。メンズは3色、ウィメンズは2色展開

 

ミッドソールに使われている“FEATHER LIGHT X”という素材は、従来の素材から12%もの軽量化を実現。そして着地衝撃が最も高くなる踵部に集中して搭載されているのは“POWER CUSHION+”。12mの高さから落とした生卵が割れずに6mも跳ね返るほど、衝撃を吸収して力に変えてくれるという驚きの高反発クッション材です。

↑POWER CUSHION+。クッションが着地時の衝撃を吸収し、膝への負担を和らげてくれます

 

SAFERUN 200Xに使われている“3D-POWER CARBON”は、中足部に高い剛性を持たせつつ、前足部は適度にしなる仕組み。さらに母指球部分を少し浮かせたロッカー形状のソールにより、自然と脚が前に出てより楽に走れます。

↑こんなにもしなる3D-POWER CARBON!

 

SAFERUN 200Xを履いて5km試走

SAFERUN 200Xのアッパー素材に使われているリサイクルポリエステル100%エンジニアードメッシュは、足の部位ごとに編み密度を変えた設計。適度な厚さ、適度な柔らかさで足を包み込んでくれます。ペラペラの薄いアッパー素材より、適度な厚さがあったほうが包まれている安心感があるので、好きな履き心地です。

 

ソールに厚みがあると気になるのは横振れや安定感ですが、ソール中心部が肉抜きしてあり、重心が中央に集中することにより横振れも抑制されます。踵を包み込むような3D-POWER CARBONも相まって、着地に安心感がありました。

↑ミッドソール内側に4本の柱が設けられているので、脚が内側へ倒れ込むのも防いでくれます

 

↑アウトソールの踵部分には、トッププロ向けのテニスシューズに使用されている高耐久のエンデュランスラバーが使用されています。従来品の素材と比較して耐摩耗性が約2倍になっていますね

 

ソールの適度な柔らかさと反発性が足運びを楽にしてくれるのが感じられて、とても気持ちよく走れました。私個人の意見ですが、1km6分半以上のペースで走るのが心地よく感じます。初心者ランナーはもちろん、中級者以上のランナーのLSDにも使えそうですね。YONEXのカーボンプレート入りランニングシューズSAFERUN 200Xは、おしゃべりできるペースで、のんびり走るのが好きな私にピッタリのランニングシューズだなと思いました。

 

 

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ミズノ「ウエーブライダー26」はランシュー界の高級SUV /「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022-23「ミズノ」冬の陣②「ウエーブライダー26」の巻

 

ランニングシューズブランド自慢の逸品を、走って、試して、書き尽くす本企画。今回は、日本で開発され、世界中で支持される、ミズノランニングの基幹シューズ。26代目となる「WAVE RIDER(ウエーブライダー)」である。

↑「ウエーブライダー26」全10ラインナップ(メンズ⦅2E相当⦆3モデル、メンズスーパーワイド⦅4E相当⦆3モデル。ウイメンズ⦅2E相当⦆2モデル、ウイメンズスーパーワイド⦅4E相当⦆2モデル)、いずれも1万4850円(税込)

 

では、前回に引き続き、ウエーブライダー26(以下、ライダー26)の企画担当の吉村憲彦さんにお話を伺った上で、実走レビューを行おう!

↑3回にわたってお話を伺ったのは、「ウエーブライダー26」企画担当、ミズノのグローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部パフォーマンスランニングの吉村憲彦さん。東京・神田小川町「MIZUNO TOKYO」3階にある、ランニングシューズ売り場にて撮影

 

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“ウエーブライダー史上最高のクッション性”とは?

今回注目するのは、最新ウエーブライダー26である。最新ライダーは、昨今のトレンドである、高いクッション性を得られるモデルだ。2020年からミズノが肝入りで展開する衝撃緩衝性と反発性に優れたフォーム材=「ミズノエナジー」の厚みは、前作よりも2㎜アップ(サイズ27cm)。キャッチコピーは、“ウエーブライダー史上最高のクッション性”である。

 

長年ライダーを履き続けてきた筆者にとって、26作目のミッドソール厚の変更は大変興味がある。たかが2mmながら、されど2mmである。なぜなら、ライダーの最大の魅力は、ミッドソールに配された、適度な硬さのプレート材「ミズノウエーブ」による安定性だから。つまり、フォームが厚くなれば、かえってウエーブによる安定性を損なう可能性が高まる。

 

この2つの両立を、届けるべきターゲットに向け、バランスよく仕上げる。書くのは容易だが、実現は簡単ではない。シューズの開発コンセプトと設計、機能性の高い部材の組み合わせという、正解のないジグソーパズルの答えは、無数にあるからだ。

 

「ライダーの良さは、中足部のプレートである『ミズノウエーブ』による安定感と、その反発性です。そこは、今後も変えずにいきたいと思っています」(吉村さん)

 

“ライダーの良さ”は、ウエーブに宿る

担当者・吉村さんの言葉は、“ライダーイズムの継承”の決意と言える。時代のニーズに合わせてクッション性を担保しつつ、それでも変わらぬ“ライダーらしさの答え”もまた、ウエーブによって導き出したという。

 

「ライダー26では、ウエーブの形状を変えています。25では、ウエーブ左右の両端の巻き上げは、内側にだけ施していました。一方の26では、両サイドを巻き上げています。さらに26では、着地の安定性に影響しない範囲で、かかと側のプレート長を短くすることで着地時の柔らかさをより感じられるようにしました。しかも、(軽量化の工夫をしながら)ウエーブの形状を変えて、強度を高めました。これらの変更はすべて、ミッドソールを2mm厚くしたことに対応する、ライダーの安定性の確保のためです」(吉村さん)

↑ミッドソールのフォーム材に挟まれたブルーのプレートが「ミズノウエーブ」

 

ライダー26では、シューズの裏面のアウトソールも変更。前足部と中足部にかけてのラバーを、セパレートでなく一体化させている。ミッドソールへの過度な屈曲を抑え、スムーズな体重移動をサポートするためだ。さらに、アウトソールの前足部と踵内側には、微発泡ラバーを採用。軟らかさと軽量性を追求した。

↑ライダー26のアウトソール。ガイドラインの溝の奥に見えるのもウエーブプレートだ

 

「ライダーのレンジ幅は、ミズノエナジーによって、さらに拡がりました。日常生活を快適に過ごす普段履きはもちろん、運動不足解消のジョギングにも、ダイエットを目指す方にも、初めてのフルマラソンや、マラソンを4時間以内で走り切る目標を持つ方たちまで、ライダー26はさらに幅広く対応できるようなったのです」(吉村さん)

 

いよいよ、ウエーブライダー26を試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、ライダー26の試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行う。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。気になるライダー26のポテンシャルを、引き出してみた!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

走り出すには、心のウォーミングアップも必要だ。まずは、丁寧にシューズを履いてみよう。ライダー26の平ひものシューレースは、たっぷり緩める。シューズの中まで、新鮮な空気で満たそう。ランニング用の薄手のソックスをまとった足を、シューズに通す。つま先を上げて、かかとをシューズに合わせる。大振りのかかとの部材(ヒールカップ)がしっかり足を包むはずだ。

 

シューレースは丁寧に、きっちり締める。頃合いは、きつ過ぎず、ゆる過ぎず。気持ちを“走るモード”に切り替えるべく、左右均等に締めよう。もちろん、結び目の大きさも揃えたい。徐々に、ライダー26で走り始める心のウォーミングアップが整ってくるはずだ。

 

ゆっくり立ち上がる。前作より2㎜厚くなったミッドソールのフォーム材「ミズノエナジー」の優しい厚みを感じよう。続いて、かかとに重心を移す。かかとには、中足部に配されたプレート「ミズノウエーブ」が及んでいない。その分、ミズノエナジーの心地よい沈み込みを堪能できる。

↑前モデル(ウエーブライダー25)からクッション性は約20%、反発性は約30%向上

 

今度は、つま先重心。前傾姿勢になると、すぐに走り出したくなる。その理由は、シューズの設計にある。つま先とかかとの高さを比べた際、かかと側が12mm高い構造だからだ(ランニングシューズ界隈では、この落差をドロップと呼ぶ)。ほどよいドロップによって生まれる前傾姿勢は、カラダを前へ進めることに役立つ。たしかに、過度に高いドロップは膝への負担を高めがちだが、低いドロップのシューズ=快適に走れるとも限らない。

 

話とともに、重心を、ニュートラルに戻そう。アーチ(土踏まず)は、中足部に配されたプレート=ミズノウエーブがしっかりとホールドしている。今、走り出せば、ウエーブによって、さらなる安定感を得られるはずだ。準備完了! あとは、走り出すだけ!

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

1㎞を7分かけて走る。ランナーは、時速ではなく、「キロ〇分」という表現で、自分たちの速度をカウントする。ちなみに、キロ7分は、時速にすると8.75㎞/時。歩きの時速は4㎞/時ほどなので“超速”っぽいが、実際走ってみると、キロ7分なら、運動不足解消のジョギングペース。一緒に走るひととおしゃべりできる、の~んびりランである。

 

キロ7分での、ライダー26。着地の瞬間、「ミズノエナジー」の軟らかさが、かかとから足の裏全体に伝わってくる。ミッドソールが2㎜厚くなって、なるほど今どき流行のソフトな着地感を堪能できる。

 

運動不足の解消が目的、公園まで往復3~5㎞程度のジョギングであれば、ライダー26はもちろん申し分ない。実際、何も考えずに、気持ちいいと感じるペースで走ると、1キロ走るのにライダー26では6分20分秒。あくまで筆者の走力でのインプレなのだが、ライダー26の設計上のポテンシャルとも、まさに噛み合ったペースと言える。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

続いて、1㎞を6分で走るペース。時速に直すと、ジャスト10㎞/時。1時間走り続ければ、10㎞進む計算になる。大雑把な目安だが、ランニングで消費されるエネルギーは、距離×体重で計算できると言われている。体重70㎏の人が、10㎞走ると700キロカロリー。700キロカロリーは、そば一杯分程度なので、ランチを食べなかったくらいのダイエット効果がある。1㎞6分のペースだと、消費カロリーの約半分は、脂肪が使われる。距離を伸ばせば伸ばすほど、つまり、お腹周りは軽くなるのである。

 

ペースを上げても、さすが26代目となるライダー、余裕の安定感だ。試しに、ダラダラ上る坂道に突入。2㎜厚くなったミズノエナジーの反発性がいかんなく発揮される。体力以上に、ぐいぐい登る。乗り物でいうと高級SUVや、クロカンMTBの上級モデルのような、スムーズな登坂力だ。ただのチカラ任せではなく、サスペンションを含めた躯体の構造でガシガシ前に進む、あの感覚が得られる!

 

下りも快適。アウトソールの一体化された広いラバー面、さらにウエーブのおかげで、安定感も抜群だ。昨今ブームの厚底&プレート無しのシューズだと、内側のフォーム材を厚くして安定感を出すタイプもあるため、下りでの安定感に不安を覚えることも。その点、プレートのあるライダー26は、そんな不安とは無縁だ。

 

インプレに要する絶対的な時間が必要なので、断定こそできないが、フルマラソン以上の距離でも、最新ライダー 26はポテンシャルを発揮するはずだ。特に、いっぺんにまとめて70㎞~100㎞走るウルトラマラソンなどの、いわゆるエンデュランス系のイベントにも合うだろう。筆者も、過去のモデルのライダーで、100㎞のウルトラマラソンを何度も走っている。ウルトラマラソンには、コースにアップダウンが組み込まれているため、ウエーブの安定性は後半の救いの綱となるはずだ。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

下り坂でペースアップしたので、そのまま走り続ける。坂道の位置エネルギーによる慣性は、平地に戻ると、あっという間に終わる。その後の立ち上がりは、脚力の勝負。MTBであればギアを落とし、サスペンションをロックして、立ち漕ぎでもがいて加速するシーンだ。

 

ライダー26のミズノエナジーの反応性も、決して悪くはない。時間をかけてペースを上げるなら、十分すぎるスペックだ。しかし、打てば響く、まさにレースで使う加速性能は、持ち合わせていない。ライダー26の反応速度は、レースに勝つためではなく、あくまでランを楽しむためのものと言えよう。

 

実は、ミズノエナジーには、さらに上位スペックの「エナジーライト」、「エナジーコア」がある。これらは、さらなる衝撃緩衝性と高い反発力を持つフォーム材だ。ハイスペックなフォーム材は、使い方を誤ると怪我のリスクにもなる。上位スペックを含めたミズノエナジーの全貌は、いずれまた、この企画で紹介する機会を設けたい。

 

ライダー26の魅力は、“スカッと走”よりも、運動不足解消や脂肪燃焼ランに向く。さらに、ウルトラマラソンなどの過酷な環境でのランニングに適していると言える。ライダーが目指しているのは、安定性に優れ、バランスの良い“誰からも愛されるシューズ”なのだ。

 

次回の予定は、ライダーのDNAを受け継ぎ、ライダー26と同じスペックのウエーブを採用している「ウエーブネオ ウインド」。今どきのイケメン風のシューズ素顔やいかに! 乞うご期待である。

 

撮影/石原敦志

 

 

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ミズノには、ライダーがある。ライダーには、ウエーブがある。/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022-23「ミズノ」冬の陣①商品企画担当インタビューの巻

 

ランニングシーズン、真っただ中! 最新のランニングシューズを、走って、試して、書き尽くす本企画。今回から3回連続でお届けするのは、日本を代表するスポーツカンパニー「ミズノ」だ。

 

1回目は、ミズノのランニングシューズの企画担当者に“履き心地”の秘密を直撃取材。2回目、3回目は最新のランニングシューズをお借りして、走って試した、実走レビューをお届けする!

↑ミズノ「ウエーブライダー26」企画担当、ミズノのグローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部パフォーマンスランニング企画課の吉村憲彦さん(写真、右)。ご覧の通りの体型で、学生時代はトライアスロン、現在はトレイルランの大会でもご活躍とのこと!

 

日本生まれの世界的マスターピース=ライダー

ランニングシューズ開発の最前線をレポートする本連載の3ブランド目は、独自の世界戦略を描く、ミズノ。東京・神保町の東京オフィスにお邪魔して、企画担当の吉村憲彦さんにお話を伺った。話題はもちろん、ミズノの世界戦略の要となる主力商品、ミズノ「WAVE RIDER(ウエーブライダー)」。欧米を中心に多くの熱い支持者を持つ、日本生まれのマスターピースである。26作目となる最新モデルの解説を中心に、張り切ってスタートしよう!

 

「初代のミズノ 『ウエーブライダー(以下、ライダー)』は、1997年に発売されました。ミズノのランニングのコンセプトは“スムーズさの追求”です。そのコンセプトを、一番に感じていただけるシューズが、ライダーです」(吉村さん)

 

筆者も、ライダーを長年履いてきた。ライダーの魅力は、何と言っても安定感の良さ。近所の河川敷での普段のジョギングから、さまざまな距離のランイベント、100㎞を走る過酷なウルトラマラソンまで、何度ライダーに助けられたか、数えようもない。

 

酷評をバネに、ライダーの進化がスタート

「ライダーは、誰からも愛されるシューズを目指しています。何かしらの尖った機能ではなく、バランスの良いシューズであることに、常に気を配っています。ミズノが開発した最新の機能や材料は、真っ先にライダーでその性能が試され、徹底的に分析されます。ライダーは、ミズノにとって一番大事なシューズだからです」(吉村さん)

 

シューズ愛が、今にも伝播しそうな吉村さんの言葉に偽りはない。ライダーは、ミズノランニングのグローバル市場における、まさに主力商品だからだ。

 

「実は、初代のライダーは、酷評されたそうです。最近、初代ライダーを、ライフスタイル向けに復刻したのですが、けっこう“もちっ”としていました(笑)。重量も300g以上あり、現在のライダーよりも、さらに走行安定性を重視した、いわゆるスタビリティモデルとしてスタートしました」(吉村さん)

 

もちろん、翌年の『ライダー2』の開発では、ラスト(靴の足型)からフィッティングまで大きく見直されたことは、改めて書くまでもない。その後、アメリカのランニング専門誌『ランナーズワールド』でも高く評価され、ランニングシューズとしての認知度も高まり、四半世紀以上にわたってライダーは世界中で愛され続けることになる。

↑2018年に発売された、ミズノ「ウエーブライダー1」の復刻モデル。1997年当初は、現行のライダーよりも安定性を重視した、より堅牢ないわゆるスタビリティモデルだった。※現在、販売はされていません

 

欧米市場で、ライダーが支持されるワケ

「ライダーが最も売れているのは、欧米市場です。欧米と日本とは、ランニング文化が異なります。ライダーを選ぶ多くの方が、レースや大会ではなく、日常の暮らしの中で走ることを楽しむ“ファンラン”として愛用していただいています」(吉村さん)

 

日本では、走る=ストイックというイメージが、なるほど強い。“私、走っています”と話すと、“フルマラソンに挑む”とか“自己ベスト更新を目指す”など、挑戦や目標という話に、すぐになってしまう。しかし、取材で何度も訪れた欧米では、挑戦する人や目標に掲げる人もいるが、それ以上の大多数の人々の日常の暮らしの中に、ランニングが力まずに溶け込んでいる。通勤や買い物など、ランニングシューズで日常を過ごすことも当たり前だ。

 

ランニングシューズは、そもそも履きやすい上に、きちんした機能もある。欧米で売れているのも、グレーやブラックなど、日常生活でも使えるカラーだというのも、納得なのである。

 

「あくまで個人的な感想ですが、ミズノブランドの欧米での認知度は、皆さんが感じているほど高くはありません。そうしたポジショニングなので、ライダーは、陸上競技などの運動経験があったり、マラソンのファンだったりなど、何らかの形でミズノを知っている方が手に取ってくれる傾向はあると思います」(吉村さん)

↑左は、ライダーのDNAを受け継ぐ、次世代への戦略モデル、ミズノ「WAVE NEO WIND(ウエーブネオ ウインド)」。右が、26代目となるミズノ ウエーブライダー26。いずれも、次回以降で実走レビューを行う予定だ

 

ライダーの“履き心地”の秘密に迫る

日本でも、ライダーを選ぶ層は“一定程度の走力を持っている人”というイメージがある。実際に、マラソン大会などの現場を観察しても、ライダーを履いている人は、体型や走力的にも、全くの初心者ではない。“自分の足に、もっと馴染むモデルを試したくなった”という層が、ライダーを履き、熱烈な支持者になってゆくのだと思えてならない。

 

「“やっぱり、日本人の足に合うよね”と、足入れの良さを実感して購入される方は多く、その点は私たちも自信を持っています。足入れの良さは、アッパーの工夫でも感じていただけます。アッパーのシュータン(足の甲に当たる部材)は、ガセットタングという一体構造で、しかも表と裏で異なるメッシュを使っています。シュータンがズレないようにしつつ、足を快適な状態に保つことをサポートします」(吉村さん)

 

ランニングシューズは、さまざまな部材が組み合わさって作られる、労働集約型を代表する商品のひとつだ。走行時に最も屈曲する甲の部材(アッパー)、ひもの通し方だけでシューズのフィッティングを自在に操ることができるシューレース、つま先からかかとまで足を包み込むアッパー、着地衝撃を緩衝して推進力に替える靴底のクッション材(ミッドソール)、中足部のアーチをサポートして走行安定性を高めるプレート(シャンクとも呼ぶ)、地面をとらえる着地面のアウトソールなどなど。

 

“小さなことの積み重ね”が、シューズの履き心地を決める

さらに、履き心地に直接大きな影響を与えるのが、シューズの成型時に使用される足型(ラスト)だ。完成品のシューズからは外されているが、こうした一つひとつの部材が、履き心地を形作っているのだ。

 

「フィッティングの要となるライダーのラストは、過去に一度だけ見直されました。さらに甲をしっかりホールドするように削ったり、つま先部分にわずかな余裕を持たせたりなど、工夫を重ねた結晶です」(吉村さん)

 

愛用するシューズのラストが変更になると知ると、何足も買い込むファンもいる(オイラだ!)ほど、履き心地に影響するのである。

 

履き心地に影響する部材と言えば、ヒールカウンターも忘れてはならない。最近は、ヒールカウンターを小さくしたり、モデルによってはヒールカウンターそのものがないランニングシューズもある。

 

「初心者にも履いていただくライダーには、他社と比べて特別大きくはないですが、成型されたしっかりしたヒールカウンターを使用しています。インソール(ソックライナー)はEVA素材の方が安価なのですが、履き心地を優先させ、しっかりしたPU素材(ポリウレタン)を採用しています。これはミズノの品質基準が、非常に厳しいためです」(吉村さん)

 

こうした少しずつの積み重ねが、ライダーの履き心地を支えているのだ。

↑左がPU素材のインソール。シューズからインソールを引き抜くと、そのシューズの特性に合わせた製法が確認できる。ライダーは、ストローベル製法で中底とアッパーを袋状に縫製している

 

ライダーの価値の源は、ウエーブにあり!

ランニングシューズには、さまざまなパーツへの細やかな仕事が結実しているのだ。そうした結実が、履き心地の良さを左右することは、言うまでもない。最後は、ライダーを語る際、絶対に忘れてはならないパーツ=ウエーブについて触れておきたい。

 

「ウエーブの役割は、衝撃緩衝性と安定性の確保です。かかとから中足部にかけて、ミッドソールに内蔵された一枚のプレートが、ウエーブです。ウエーブは、着地時にたわむことで衝撃を緩衝します。また、着地から蹴り出しにかけて、過度なねじれ(オーバープロネーション)も、生じにくくさせています」(吉村さん)

 

ウエーブは、この26代目も含め、過去に10回以上も形状や素材を見直してきたという。以前は、普通のTPU(熱可塑性ポリウレタン)素材だったが、今は樹脂素材の「ぺバックス」を使用しているという。

↑左は、「ライダー25」に使用された、ミッドソールおよびウエーブプレート(灰色のもの)。右が、「ライダー26」に採用された部材だ。ミッドソールの厚みが2㎜アップし、その最適化のためにウエーブプレート(黄色のもの)も仕様変更となった

 

ライダーのポテンシャルの高さは、もっと評価されて然るべきだ

「ライダー25とライダー26のウエーブプレートを比較すると、その形状や厚みを変更しています。その理由は、ミッドソールを2㎜厚くしたため。厚くなったミッドソールによる、着地時の軟らかさを担保しつつ、反発性を高め過ぎず、さらなる安定性を重視した設計です」(吉村さん)

 

ここ数年のランニングシューズ開発のトレンドは、初心者から履けるランニングシューズから、プレートの存在を消すことだった。ミッドソールを厚底化して+ゆりかごのような形状のロッカー構造を持たせることで、転がるように走るシューズは、確かに流行りではある。しかしロッカー構造は、多くの初心者にとって、必ずしも優しい構造は呼べない面もあるのだ。

 

しかしミズノには、ライダーがある。ライダーには、ウエーブという確固たる信念とデータに裏打ちされたプレートがあって、しかもその技術は26年継続して高められてきた。さらに、パーツやフォームのクオリティの高さを、日本のモノづくりの価値として継承してきている。ライダーには、もっともっと高いポテンシャルが秘められている。

 

「ウエーブがあることで、着地のファーストタッチが安定します。そこから蹴り出しにかけての動作が、スムーズに繋がるのです。まさにウエーブは、ミズノのランニングのコンセプト“スムーズさの追求”そのものの機能なのです。ライダーの良さは、ウエーブによる安定感と、その反発性です。それを変えることはありません」(吉村さん)

 

いよいよ次回は、ミズノ「ウエーブライダー26」の実走インプレをお届けしよう!

 

撮影/石原敦志

 

 

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ニューバランス「FuelCell Rebel v3」。期待のアイドル誕生⁉/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022「ニューバランス」秋の陣③「FuelCell Revel v3」の巻

 

日進月歩のランニングシューズ開発。昨今の“厚底ブーム”は、衝撃緩衝性と反発性を持つミッドソールの開発競争によって生まれた。ランニングシューズ界の名門ニューバランスは、2つのミッドソールの素材で臨む。前回は、クッション性に優れ、走る楽しさを引き出す「フレッシュフォーム」のシリーズから、「Fresh Foam X More(フレッシュフォーム エックス モア) v4」を紹介した。

 

そして、今回は「フューエルセル」シリーズから、大幅リニューアルとなった「FuelCell Rebel(フューエルセル レベル) v3」に注目。聞いて、履いて、試して走って、このシューズのレビューをお届けしよう!

↑「FuelCell Rebel(フューエルセル レベル) v3」は1万4800円(税込)。メンズはグリーン、グレー/レッド、ブラック、ネービー/イエローの4カラー、靴の幅(ウイズ)は、D(やや細い)と2E(標準)の2展開(2Eはグリーンのみ)。ウイメンズは、グレー/レッド、パープル、ネービー/ピンク、ブラックの4カラー、ウイズはB(やや細い)。その他メンズ、ウイメンズともに直営店限定カラーホワイト/ゴールド(1万5950円(税込))もあり

 

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名門ニューバランス、新たなランニング文化への本物の“厚底”戦略/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

↑3回に亘ってお話を聞いた、ニューバランスジャパン商品本部、フットウェア企画部ランニング課の間宮 葵さん

 

期待の“万能モデル”、真価やいかに!?

「FuelCell Rebel v3」は軽量にして高反発、クッション性、安定性を高めた「FuelCell Rebel v2」の後継機種である。

 

2021年に登場し、“万能モデル”として高評価を得、話題となったv2。そのv2から、ソッコーの大幅なモデルチェンジが加えられたこともあり、FuelCell Rebel v3のパフォーマンスには大きな注目が集まっている。そんな期待のアイドルに、直に触れる大チャンス到来なのである! シューズ名の由来は、レベルアップなどで使われる「Rebel」だ。

 

「FuelCell Rebel v3は、楽しく走る“フィットネスランシューズ”とカーボンプレート入りの“レースシューズ”の中間に位置付けられます」と、驚きの話を語るのは、ニューバランスジャパンのランニングシューズ企画の間宮葵さん。

 

“モチっと跳ねる”って、何⁉

ターゲットセグメントの細分化が進む現在のランニングシューズ界では、FuelCell Rebel v3が位置付けられる、間口の広さ、そして大胆さは、極めてユニークな存在と言えよう。

 

「フューエルセルシリーズは、いわゆるシリアスランナーと言われるトップ選手たちがトレーニングで履くのと同時に、フルマラソンを4時間以内で走り切る市民ランナーにも履いていただけています」(間宮さん)

 

手に持って、ミッドソールを指で押すと、「あらっ、ソフト!」。“こんなんで、マジで大丈夫?”という感想を得たのだが……。前回の「Fresh Foam X More v4」のインプレの際にも触れたが、ニューバランスの「フレッシュフォーム」も「フューエルセル」も素材特性を示す総称である。

 

材料の配合や発泡の程度などは、全て使用するシューズごとに変えて用いている。当然、FuelCellRebel v3の「フューエルセル」も、このシューズオリジナルの仕様だ。

↑つま先と踵がせり上がったロッカー構造。これによって着地から蹴り出しまでの前へのスムーズな重心移動、ゆりかごのように前に進む感覚が味わえる

 

「良く跳ねるのですが、ポンポンやパンパンというのではなく、モチっと跳ねます(笑)。スローペースのジョグでも楽しめるのですが、テンポアップしてのインターバル走などですと、体感よりも、ずっと速く走れていることに気づくはずです」(間宮さん)

 

ミッドソールのソフト感が、実際に走ると“モチっと跳ねる”⁉ ぜひとも、体感してみたい!

 

日本のプレス向け取材対応は、GetNavi webが初!

「v3への変更として、まず、ソールの着地面を広く取ることで、着地時の足のブレを減らし、安定感を高めています。さらに、アッパーのタン(甲に当たる部分)も、包み込むような形状のガセットタンに変えたので、フィット感も増しています」(間宮さん)

↑前作のv2よりも幅を増したアウトソール。耐久性と着地のグリップ力、横ブレを抑える力が高くなっている

 

↑ガセットタンを採用し、中足部を一体化

 

ミッドソールの厚みも増やしたが、フューエルセルの軽量が寄与したため、驚くことにシューズ全体として軽量化できているという。

 

「フューエルセルシリーズはカーボンプレートが入っていなのによく跳ねるので、レベルの高いランナーのトレーニング用にも起用されたことで、さらに人気になっています」(間宮さん)

↑日本のプレス向けFuelCell Rebel v3の取材対応は、今回が初! 発売前の貴重なサンプル品を預かった

 

聞くほどに、FuelCell Rebel v3への、ニューバランスの期待値がひしひし伝わってくる。

 

「フューエルセルのシューズは、開発コンセプトにもあるように、まずは走力がある方々を中心に広がって欲しいと考えています。生産数も拡大させる予定ですが、爆発的なヒットを期待するのではなく、きちんと育てていくべきシューズと考えています」(間宮さん)

 

いよいよ、FuelCell Rebel v3で試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、FuelCell Rebel v3の試走スタート!まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。FuelCell Rebel v3の実力、試してみたぞ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

ちょっとズルいくらいの、足馴染みの良さ。ヒールカウンターも薄い割に堅牢で、踵をしっかり固定してくれている。何と言っても、ガセットタンである! 足の甲をシッカリ包み込んだ上で、私好みの薄手の平紐のシューレース(靴ひも)によって、シューズと足が心地よく一体になる。

 

立ち上がって歩くと、なるほど“モチっと”な気がしてくる。ミッドソールを手の指で押すと、心細いほど軟らかいのに……。正直に書くと、前回紹介した、いちばん軟らかい「フレッシュフォーム」よりも、Rebel v3の「フューエルセル」の方が軟らかく感じていたのだ……。これって、ありなの?

 

しかしながら、立って歩いている限りでは、深く沈み込み過ぎたりはしない。「履き心地バツグン!」とは書かれているものの、ランニング厳禁のチャチな街履きシューズにあるような悪い感じは、さすがにゼロである。「どう?」と聞かれたら、「いい感じだよ」と、素のまま返したくなる違和感のなさだ。ますます、これってありなの?

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

「1㎞を7分で走る」スピード調整に手間取る。普段は、目をつぶって(あくまで比喩)も、感覚的に思い描いたスピードを出せるのだが、このシューズでは上手くいかない。7分で走っているつもりが、6分35秒……。困ったことに(笑)、速く走れちゃうのだ。

 

なるほど間宮さんが言っていた通り。体感より早いペースで、軽く走れ、面白いほど進む。“万能シューズ”として期待されるのは、すぐに理解できる。これって、ありなのかもしれない……。と、思った矢先に感じたのは、土踏まずへの、わずかな心もとなさ。このペースでは心配ないので、もう少しペースを上げてみよう!

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

「1kmを6分のペース」で走っているつもりが、GPSランニングウォッチでチェックすると、5分45秒……。ほくそ笑みながら、ペースを落とす。ペースが落ち着いたところで、先ほどのアーチ問題。

 

筆者は普段、走力的にもアーチサポートが効いたシューズに履き慣れている。そのため、わずかな心もとなさを感じた。それもそのはず、FuelCell Rebel v3は、アーチサポートを必要としない走力の高いランナー向けの厚底カーボンプレート入りシューズ「FuelCell RC Elite」と同じ製法を採っているから。なるほど、それなら納得(FuelCell Rebel v3には、カーボンプレートは入っていない)。

 

日常的なトレーニングも含め、厚底カーボンプレートシューズでの走りに慣れたエリートランナーにとって、FuelCell Rebel v3がゴキゲンな一足であることは想像に難くない。加えて、普段から意識せずに、足の前部(ミッドフット)や中部(フォアフット)で着地している人は、ほとんど違和感はないはずだ。

 

問題は、“昭和のヒールストライカー”の我らである。踵での着地から、今さら走り方を替えするつもりもなく……。という頑迷な私たちは、どうすべきか? 昭和のヒールストライカーのひとつの答えを、ペースアップしつつ考えてみよう。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

いつの間にか、1kmを4分15秒で走っている。スカッと爽快だが、喜んでいる場合ではない。ペースを調整し、さっそく昭和のヒールストライカー問題である。

 

頑迷ながら執着が薄い筆者の場合、実は、思い切ってペースを上げるのはひとつの答えだ。“ダッシュに近くなったり、上り坂では踵着地をしなくなる”とは、ランニングの教科書の請け売りだ。となると、履くシーンを変えれば良い!

 

まさに「スカッと走」用として、5kmや1okmのミニレースや記録会でならば、FuelCell Rebel v3を履きながら、地脚(走力)作りに繋げられる。速く走れるシューズだけに、速く走らせてあげよう。(もちろん、フォアフットやミドルフット着地の方々なら、複雑に考える理由は何もない)

 

さらに、ここからは勝手な妄想だが、次の2つのいずれかなら、私たち昭和のヒールストライカーも、FuelCell Rebel v3で暴れられるのではなかろうか? ひとつは、ミッドソール内側のアーチ部分の「フューエルセル」を、もう少し硬度の高い仕様にする。もうひとつは、「Data to Design」に基づいたハニカム構造(詳しくは、前回を参照)の採用で、内側のアーチ部分に凸のパターンを刻み込む。

 

「まずは、YOUのレベルの方こそ、バージョンアップをしなよ~♪」と、赤トンボが囁いたように聞こえたのは空耳だろうか……。それを言っちゃあ、おしまいなのに……。

 

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撮影/中田 悟

 

 

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2022「ニューバランス」秋の陣②「Fresh Foam X More v4」の巻

 

ランニングシューズブランド自慢の逸品を、走って、試して、書き尽くす本企画。今回は、ランニングシューズ界の名門ニューバランスへ押しかけました! 「“いちばん厚くて、いちばん快適!”な初心者向けのシューズを、履きたい!」というリクエストに、「Fresh Foam X More(フレッシュフォーム エックス モア) v4」が登場。

 

なるほどのマシマシ感、妖艶ですらあるシルエット、みごとな貫禄。ということで、ニューバランスの担当者に、根掘り葉掘り聞き、実際に履いて走ったレビューをお届けしよう!

↑「Fresh Foam X More(フレッシュフォーム エックス モア)v4」。1万9800円(税込)。メンズはホワイト/グリーン、ブルー、ダークグレイ、ブラックの4カラーで、靴の幅(ウイズ)は、D(やや細い)と2E(標準)の2展開(青はD、グレーは2Eのみ)。ウイメンズはホワイト/グリーン、ブラックの2カラーで、ウイズはB(やや細い)とD(標準)の2展開。ちなみにv4とはバージョン4を意味し、Fresh Foam X Moreの4代目ということである

 

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我ら、“ライフスタイルランナー”のためのシューズ!

「従来のランニングシューズは、走る目的や機能を重視してきました。しかし、このシューズは、ランニングだけではなく、いわゆる“普段履き”もできるデザイン性のニーズにも応えました」(間宮さん)

 

このシューズとは、ニューバランスの「フレッシュフォーム」シリーズで、いちばん厚底、いちばん軟らかいという触れ込みの「Fresh Foam X MORE v4」だ。それを語るのは、ニューバランスのランニングシューズ企画の間宮 葵さんである。

 

間宮さんによると、ニューバランスでは、こうしたファッション性も重視するランナーたちを、“ライフスタイルランナー”と呼ぶ。おー、“ライフスタイルランナー”とは、我が意を得たり! ガチのランナーではない筆者にとっては、“ライフスタイルランナーこそメジャーでしょ”と、遅かろうが、辛かろうが、ギョーカイ最強(⁉)を目指し、胸を張って走ってきた。

↑ニューバランスジャパン商品本部、フットウェア企画部ランニング課の間宮 葵さん

 

走力を含め、陸上選手のようなランパン×ランシャツの次元ではなく、あくまで体型維持、ポジティブに生きるためのランニング。だからこそ、カッコ悪く走りたくない、ならば、ファッションにもお金はかける。“ライフスタイルランナー”は、まさに私たちのことだ(ニューバランスにとっての本来のターゲットは、もちっと若い♪)。

 

「いちばん厚くて、いちばん軟らか!」に弱いのです……。

「そうした、他の人と違うシューズを履きたい、新しいモノを試したい、”もっと楽しく、心地よく”という意味も込めて、英語のmoreが、ネーミングの由来です。Fresh Foam X Moreはフレッシュフォームを冠にしたシューズたちの中で、ミッドソールのフォーム材がいちばん厚くて、いちばん軟らかいシューズ。足入れの良さも、ズバ抜けています!」(間宮さん)

 

いちばん厚くて、いちばん軟らかい! と、ココで素朴な疑問が湧いてくる。厚い=軟らかい、と言い切って良いのだろうか? それって、同じフレッシュフォームシリーズのシューズによって、フォームの軟らかさに違いがある、ってこと?

 

「はい。名前は同じ『フレッシュフォーム』ですが、実は、それぞれのシューズのコンセプトに合わせて、混合する原材料や発泡具合を変えています」(間宮さん)

 

なるほど、ミッドソールの「フレッシュフォーム」や「フューエルセル」は、カテゴリーを示す名称でもある。フレッシュフォームの特徴は、反発性もありつつも、より衝撃緩衝性に富んでいる点。しかし、そのままでは単にブワブワな、見てくれだけの厚底シューズになる可能性もある。なので、「フレッシュフォーム」という名称はそのままに、個別に味付けを変えているのだ。

 

さらなる工夫は、さすがランニングシューズ界の名門ニューバランス。さまざまな工夫を施し、長距離を走るにも耐えるランニングシューズに仕上げている。

 

「Data to Design」という考え方

「着地時、足が内側へ倒れ込みすぎる『オーバープロネーション』対策として、ご覧のようにミッドソールにハニカム(6角形)の凹凸をつけています。凹部で衝撃緩衝し、凸部で反発性を高めるためです。同一のフォーム材にもかかわらず、凸凹を配する位置で、発揮する性能を変化させています」(間宮さん)

 

こうした考え方は、ニューバランスお得意の、デザインにも機能を持たせる「Data to Design」という考え方だ。

↑Fresh Foam Xミッドソール。最大限のクッショニングを提供するためのフォーム配合に、アップデートしている

 

「さらに、厚みのあるミッドソールによって生じるグラつきを防ぐため、アウトソールは横に張り出したような形状を採用し、安定感も確保しました。また、靴底に刻まれたガイドラインとなる溝を刻むことで、足運びの軌跡にも無理を生じさせません」(間宮さん)

 

ミッドソールをギガ盛りした“名門の反逆児”のような風貌ながら、ニューバランスのDNAは失われてはいないのだ。

↑ミッドソールの厚みに負けない安定感を発揮するよう設計されたアウトソール

 

いわゆる「ロッカー」と呼ばれるトゥの反り返りも、大きく取っている。着地後、前方への推進力の低下を防ぐため、ロッカーを大きく取るシューズは多々ある。Fresh Foam X More v4は、ミッドソールの沈み込みが大きいので、履いて走った際、見た目よりも気にならない設計を取ったという。

 

実は、ロッカーの大きさは、走る人にとって一長一短となる。推進力が出るので、転がるように前に進むが、足のスネの筋力が追いつかず、疲労や痛みにつながる可能性もある。筆者も何度も痛い目に合ってきたので、ロッカーには慎重に試したいところだ。

↑爪先の巻き上げが大きいロッカーボトム形状

 

ニューバランスは、矯正靴の製造からスタートした

ところで、「Data to Design」を具現化した、先述のミッドソールへの6角形のハニカム構造は、衝撃緩衝性や、内側への倒れ込み(オーバープロネーション)の予防効果の数値として、どのように表されるのだろうか?

 

という質問をぶつけてみたが、間宮さんからは「現時点ではそのデータは非公開」とシビアな答えが返ってきた。ニューバランス独自の構造だけに、根拠となる数字を知りたいと思うランニング好きは、私ひとりではないはずなのだが……。というのも、ニューバランスは、もともと矯正靴の製造からスタートしているからだ。

 

北米はボストン、アーチサポートのインソールや偏平足対策の矯正靴の製造メーカーとして、ニューバランス社が1906年に誕生したことは有名な話である。そのニューバランスが作るシューズのへの信頼感は、100年以上経つ今も色褪せていない。ピンクリボン(乳がん)への啓蒙活動など、社会課題に対するニューバランスの取り組みも、昨日今日に始まった話ではない。

 

だからこそ、目新しいシューズや、ハイスペックなシューズに独自の認証などを与え、カラダへの配慮をもっと積極的に訴えてくれて良いのだと感じてしまった。何より、そうしたコンサバな部分も含めニューバランスのファンは多いのだから。

 

「そうした要望は、何度もいただいていますが、具体化には至っていません……」(間宮さん)

 

今後に、期待していますぜ!

 

いよいよ、Fresh Foam X More v4で試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、Fresh Foam X More v4の試走スタート!  まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)スカッとラン。Fresh Foam X More v4の実力、試してみたぞ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

ルックスで得するとは、まさにFresh Foam X More v4のための言葉だろう。履いた感じが悪くなる理由は、全く思いつかない(苦笑)。クッションの厚さ、アウトソールに向かってソールが外に張り出す安定感。つま先のロッカーは、今にも笑顔で走り出しそうな快適な角度。踵に重心を持っていくほど、“生”のフレッシュフォームを感じる(ような)こそばゆさ。

 

少し気になったのは、低速で歩き出した際のロードノイズ。立ち止まって、シューズの裏を触ってみると、踵側のライトグリーンのアウトソールの硬さが原因のよう。最近のランニングシューズは、地面と設置するアウトソール部分が、軽量化に寄与する要素だけに、ごく僅かだ。なので、硬めの素材で作られることが多く、雨天時のスリップのリスクをはらむこともある(Fresh Foam X More v4の踵部のアウトソールは、そこまで硬くはなく、フォームが沈み込んでグリップするので、不安な感じはしない)。

 

もう一度履いてシューレース(靴ひも)を締め直し、もう少し速く歩いてみる。今度は、ノイズは気にならない! それにしても、人生初の厚底シューズがこれなら、惚れてしまうだろうな、こりゃぁ。名門ニューバランス、勘どころ冴えきった、さすがの出来栄えだ。

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

初心者向けに開発された厚底シューズの特徴は、何と言っても贅沢なクッション性。各メーカーにとって、自慢のフォームの性能を存分に味わって欲しいので、高価な素材を惜しげもなく使い、その魅力にハマってもらうように設計している(なので、価格も上がりがちだ……)。と、最初は評論家ぶって走ってみたのだが、違和感があるのだ。

 

フツーのレビューには、Fresh Foam X More v4は納まらない気がするのだ。キロ7分の低速でも、なるほどしっかり走れる。クッション性も十分だし、初めての厚底でも、このペースで数km~10㎞程度なら、ケガの心配もない。さすが名門の方、そつない走りに感服するところ。なのだけれど、この企画は、往生際がよろしくない(笑)。今日は遅いので、まずは撮影だけ行い、後日、場所を変えて再チャレンジと相成った。

 

で、とある晴れた秋の日曜の朝。ここは、筆者の自宅に近い横浜市内、昔ながらの風景を保全した丘陵地帯の市民公園である。まずはフラットな道路で、キロ7㎞でラン。そのままスタート地点には戻らず横道へ。10%ほどの勾配の、石畳の細い急坂に、いざ突入!

 

歩くほどにゆっくりのスピードでも、名門の仮面の奥の顔が出してきましたよ。さすが反逆児! お散歩&ランのペースながら、公園の階段や、砂利道、アップダウンのある土の道を進むほどに、フレッシュフォームの“鮮度”が増してくる。反発性の楽しさが、足の裏から立ち上り、心を突き抜け、笑顔となってこみ上がってきた。こりゃ、たまらん! ペースアップさせてくれ~!

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

さてもさてもの悶絶の朝、の続きである。運動不足解消の「散歩&ラン」のペースで走り始めたのだが、あまりの快適さに、ペースアップしたまでが、前章。確実にペースアップし、公園内の梅林の丸太の階段を走り始めたのだが、もう止まらない。ピョコピョコ、善い歳のおっさんが、子どものように跳ね登っている。

 

下りも、もちろんゴキゲン。超人の必殺技のように「フレッシュフォーム!」と(心の中で)叫びながら、下っていた。ふと、我に返って考える。この快適感、なるほど、自転車のグラベルロードの開放感に似ている。

 

グラベルロードとは、基本的にロードバイクの仕様なのだが、未舗装の林道などのオフロードを走れるよう、太~いタイヤを履いたタイプの自転車で、世界的な人気を博している。乗る環境も含め、日本ではMTBとともに今ひとつなのが残念だが、繊細なレーシングカーであるロードバイクにはない、タフさと、路面を選ばない自由さが魅力だ。

 

Fresh Foam X More v4は、最強の「グラベル(砂利道)シューズ」だ。そう勝手に呼ばせていただくが、近所に自然公園がない都会ならば、お城や神社仏閣を探して走ろう! 石畳や階段、急な坂など、今までのランニングでは避けていた(はずの)道が、これからの定番コースになる。Fresh Foam X More v4は、従来のロードシューズでもなく、はたまたトレランシューズでもない、新たな走りに出会える可能性も秘めている

 

イベントで履くとしたら、全角各地で行われている「マラニック(マラソン+ピクニック)」や「フォトロゲイニング(スマホ連動のオリエンテーリング)」、そして毎年夏前後に長野県にて行われる「OSJ王滝ダートマラソン(100㎞)」といったあたりだろう。走り出したら、止まらないぜよ!

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

今度こそ、気を取り直し、丘陵を抜けてフラットな道を走る。ペースを上げても、さすがは名門。フォームの分厚さをものともせず、きれいに加速に応じてくる

 

もちろん、スパーンと反応が速いワケではない。抜きつ抜かれつのデッドヒートには向いてはいないが、ちゃんと加速に応じてくれる。このあたりは、よく履き込んで、自分の走りと靴の相性をよくよく擦り合わせておく必要があるだろう。

 

特に初心者や、(私を含め)しばらくランニングを控え気味にしていた方の場合、足の筋力が長い距離や、速いスピードに慣れていないと、無理は必ずカラダのどこかに影響して表出する。いわゆる「ロッカー(トゥの反り)」が大きいシューズの場合、スネに影響が出ることが多く、痛みが長引くと、取り除くのが厄介この上ない。

 

まずは、フレッシュフォームのコンセプトである「楽しく走る」を堪能しよう。砂利道よりも、速さや、距離が恋しいなら、次回に紹介する「FuelCell REBEL v3」を履いてみるのが、おススメですぜ(笑)。

↑せっかくなので、最後にジャンプ! この気持ち良さの100倍を、グラベル(砂利道)で味わえます(筆者比)

 

いよいよ次回3回目は、前モデルから大幅な仕様変更となった期待の万能シューズ、「FuelCell Rebel v3」の登場。こちらも、私の実走レポート付きでのご紹介です!

 

撮影/中田 悟

 

 

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名門ニューバランス、新たなランニング文化への本物の“厚底”戦略/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異常ナシ

2022「ニューバランス」秋の陣①商品企画担当インタビューの巻

 

スポーツの秋、ド真ん中! ランニングシューズブランド自慢の逸品を、走って、試して、書き尽くす本企画。今回から3回連続でお届けするのは、クラシックラインでも有名な名門「ニューバランス」! スポーツの街、東京・神保町にあるニューバランスジャパンのオフィスにお邪魔し、会議室2つ&エントランスなどを贅沢に撮影に使わせてもらって取材を敢行した。

↑左からニューバランス「Fresh Foam X More(フレッシュフォーム エックス モア) v4」、「FuelCell Rebel(フューエルセル レベル) v3」

 

1回目は、昨今のランニングシューズ事情を背景にした、ニューバランスの戦略を取材。2回目と3回目では、最新のニューバランスのランニングシューズについて、根掘り葉掘り聞いた上で、実際に履いて走るレビューをお届けしよう!

↑ニューバランスジャパン商品本部、フットウェア企画部ランニング課の間宮 葵さん(写真右)。今シーズン、“旅×ラン”というランニングの掛け算として、すでに2つのフルマラソンイベントへの出場を決めているとのこと! 私(写真左)は、ローカルの10㎞やハーフマラソンのイベントにまずは4つエントリー完了!

 

ニューバランスジャパンからお届けしています!

ランニングシューズ界は、今、大きな変革期を迎えている。言わずと知れた“厚底”ブームである。その傾向が、新型コロナ禍以前から始まっていたのだが、まずはその辺りの情報を、ニューバランスジャパンの間宮 葵さんに整理してもらおう!

 

「厚底+カーボンプレート入りのシューズが、国内外の大きなレースを席巻したことで、一気にトレンドになりました」(間宮さん)

 

確かに、その波はエリートランナーと呼ばれる職業ランナーから、アマチュアのトップ層に浸透、数年前からは厚底シューズがファッションの文脈でも語られるようになった。

 

いったんは、厚底=速い人というイメージが出来上がりました。エリート選手や、市民ランナーでもタイムを追い求めるシリアスランナーのためのシューズというイメージですね」(間宮さん)

 

【商品企画に聞く①】“厚底ブーム”の本質とは?

そもそもの話になるが、厚底シューズは、いったい何を変えたのだろうか?

 

「それまでのランニングシューズの常識は、“薄くて軽い=速さ”でした。厚底シューズは、その真逆の“厚底=速い”という発想です。トレンドとして、興味を持った一般の方も出てきたことで、その名前は一気に拡がりました」(間宮さん)

 

すでに5年以上たつ厚底シューズのブームだが、改めてその理由をおさらいしておこう。トラック競技のスパイクよろしく、鍛え上げられた肉体と走力を持つランナーのシューズは、総じて薄い。走りに特化した体型なので、着地の衝撃をサポートする役割をシューズに求める必要がない。一方、過体重の初心者ランナー向けのシューズのソールは、総じて厚い。着地衝撃はもとより、走る機能そのものが脆弱な分、シューズの果たす役割が格段と重いからだ。

 

この常識をひっくり返したのが、まさに厚底シューズブーム。それまでの“厚底=遅い”を覆した。一度気に入ったランニングシューズは、なかなか変えないコンサバなランナーたちでさえも、結果、“厚底=速い”というシューズを履いてみたい! と思うに至ったのだ。

 

「私も、正直、(この現象には)ビックリしました」(間宮さん)

 

しかし、新型コロナ禍により、状況は複雑化する。

 

「より健康に配慮する時流で、ランニング人口は増えました。一方で、マラソン大会などのランニングイベントは壊滅的になり、それまで走っていた人たちはモチベーションを保てなくなってしまいました。今、やっと回復の途上についた感じです」(間宮さん)

 

そんなこんなの状況で、ランニングシューズ各社も混戦状態になっている。さらには、ヨーロッパ発の新たなプレーヤーたちも、日本のみならず世界を賑わせており、名門ニューバランスを含めたランニングシューズメーカーたちも、新たな戦略や戦術の練り直しが迫られていた。そして今、2022年秋には、“厚底=速い”というイメージも薄れてきたという。

 

「各社がさまざまなタイプの厚底シューズを開発したことで、一度厚底を履いてみたかった方々が、自分に合ったシューズを選べるようになりました」(間宮さん)

 

たしかに、選択肢は拡がったと言える。厚底でカーボンプレート入り、厚底だけどカーボンプレートなし、薄底シューズへの原点回帰など、さまざまなシューズがショップの店頭を賑わせている。

 

【商品企画に聞く②】SNSが変えた、リアルに走るひとたち

ランニングをする人たちは、新型コロナ禍に突入してどのように変わったのだろう? 間宮さんに、さらに深堀りして聞いてみた。

 

「従来の『シリアスランナー』と呼ばれる、タイムを追及する市民ランナーにも変化が出てきています。これに加え、新型コロナ禍で、運動不足の方々が“健康”という目的のためにランニングを始めています。この両者をひも解くキーワードは、ファッション、そしてコミュニティです」(間宮さん)

 

間宮さんによると、新型コロナ禍で大会などのイベントが姿を消したため、この傾向がさらに助長されたという。タイムを追及して走る場所(大会などのイベント)を失い、走るモチベーションが薄れたシリアスランナーたち。運動不足解消で走り始めたけれど、ただ単にいつものコースをいつものように走ることに退屈した初心者たち。コロナ禍という事態に、両者ともにアプローチの違いはありながらも、今までとは違うランニングの違う楽しみ方を模索し始めたのだ。

 

「今まで機能を重視してきた方々も、ファッション性に目が向いてきています」(間宮さん)

 

速く走るモチベーションが上がらない分、ファッションや、もっとカジュアルなランニングの楽しみ方に関心が寄せられるようになる……。このファッション文脈こそ、ヨーロッパの新興ランニングシューズメーカーが、一気にギョーカイ地図を塗り替える勢いの査証と言える。

 

「新型コロナ禍でランニングを始めた方は、それまでのランニングの垣根の高さを、自身のSNSなどを通じて下げてくれています。どういうことかというと速く走るのではなく、“街ラン”のように街を発見しながら走る楽しみ方を発信しているのです。こうしたコミュニティも、近年のトレンドです。私たちニューバランスも、“ラン×サウナ”など、ランニングに何かを掛け合わせるイベントなど、現在さまざまな掛け算を提案しています」(間宮さん)

 

なるほど、本来は、いつでも、どこでも、(シューズさえあれば)ひとりで気楽にできるフィットネスであるランニングが、SNSなどを通じて新たな結びつきや楽しみ方を生み出しているのだ。

 

「日本のランニング文化を育ててきた私たちは、今まで42.195㎞のフルマラソンに特化し過ぎたと気づかされました。マラソン大会というお祭りは、ビジネスにも直結しました。それが結果的にランニングのハードルを上げてしまい、それゆえに走ることを止めてしまう人たちを生んだと思います。マラソン大会へのエントリーの伸び悩みを、まさに目の当たりにしている状況です」(間宮さん)

 

一度に数千人から何万人も走るマラソン大会は、プロモーション効率が良いイベントと言える。しかし同時に42.195㎞は、トレーニングをしたことがない人にとって、途方もない距離でもある。それこそフルマラソンの魅力なのだが、敷居を高くしてしまった側面は否めない……。

↑インソールを外してシューズの内側をチェック。シュータン(足の甲に当たる部材)の形状、ラスト(足型)、縫い方などの製法も確認できるため、大田原は怪しまれつつも、お店でも必ずやります!

 

【商品企画に聞く③】ニューヨークのランカルチャーとは?

では、海外ではどうなのだろう? 北米のボストンに本社機能を持つニューバランスは、ランニングカルチャーの先進エリアのひとつでもあるニューヨークとの結びつきが深い。

 

「ニューバランスは、ニューヨークロードランナーズという組織と複数年の契約を結んでいます。この組織は、世界最大規模の『ニューヨークシティマラソン』の運営をしていますが、同時にエリアのさまざまなランニングコンテンツにも協賛しています。そうした草の根的な情報もこまめに得て、日本での応用を検討しています」(間宮さん)

 

そうしたランニングカルチャーの先進的な事例、日本のランニングカルチャーへの翻訳をニューバランスは近年積極的に続けてきた。先ほどのランニングに何かを掛け合わせるイベントだけでなく、「マイルレース」と呼ばれる1600m走への取り組みもそのひとつだという。

 

「ニューヨークのイベントでも、先頭を走っている方たちは確かにガチなランナーたちですが、後ろの方々は、楽しく走るパレードのノリです。日本でも、自治体と一緒に“新しい走る環境作り”にも取り組んでいるところです」(間宮さん)

 

1600mという中距離を走る、大都市型のショートなイベント。従来の中距離のレースが持つコンペティティブな面を残しつつ、エンタメ要素も付加していく……。こうした新たなランニングカルチャーを育てていく動きは、ランニングシューズ界の名門ニューバランスならではの発想だ。

 

【商品企画に聞く④】シューズ開発、2つの軸

では、こうしたランニングカルチャーに応えるシューズとして、ニューバランスは何を重視しているのだろうか?

 

「他社にはないオリジナリティやユニークさは、シューズの開発で重要視しています。さらに、走られる方が、より競技志向なのか、より健康志向なのか。大きくこの2軸のカテゴリーで、ニューバランスはシューズをご用意しています」(間宮さん)

 

続く間宮さんの話を、簡単にまとめると以下となる。

 

【ニューバランスのランニングシューズ開発、2つの軸】

▶ 速く走りたい競技志向の方に向け、反発性をより重視=「フューエルセル」シリーズ

▶ 楽しく走りたい健康志向の方に向け、クッション性を重視=「フレッシュフォーム」シリーズ

 

ランニング向けのシューズを2つに大別し、商品名の冠に「フューエルセル」もしくは「フレッシュフォーム」を打ち出し、分かりやすく提示している。例えば、次回紹介する「Fresh Foam X More v4」、3回目に紹介する「FuelCell Rebel v3」(11月5日発売予定)といった具合で、商品名自体に込めているのだ。

 

「シューズ開発で大切なのは、走るひとのニーズに応えることです。その機能を司るのが、ミッドソールという部材です」(間宮さん)

↑次回紹介する「Fresh Foam X More v4」。早く履いて走りたくてムズムズしている私

 

【商品企画に聞く⑤】“厚底ブーム”の正体は、ミッドソール!

ミッドソールは、足を包むアッパーと、地面に接するアウトソールの中間にある、着地時の衝撃緩衝のためのクッション性、推進力を生みだす反発性のあるフォーム。上記の「フューエルセル」も「フレッシュフォーム」も、まさにニューバランスご自慢のミッドソールのカテゴリーを示す総称なのだ。

 

「大きく言えば、『フューエルセル』も『フレッシュフォーム』も、いずれも素材はEVA(イーブイエー)です」(間宮さん)

 

EVAは、発泡ゴムとも言われる、ミッドソールに使用される一般的な素材名である。しかしEVAは、混ぜ合わせる原料の配合や成型時の発泡の密度を変えることで、さまざまな特性を持たせられるため、各社とも研究開発を一瞬も止めるワケにはいかない素材でもある。

 

ミッドソールをクルマに例えると、エンジンとシャシーを一体にしたモノと言っても過言ではない。まさに、ランニングシューズの心臓部なのだ。ニューバランスが、商品名の冠に打ち出す理由も、まさにココに在る。さらには厚底ブーム”の正体も、ミッドソール開発競争の申し子として生まれたと言える。

↑“Head to Toe”をスローガンに、ニューバランスはランニングアパレルを強化。全てのランナーのニーズに応える高機能の「Impact」シリーズ。いよいよスタートを開始したファッション性重視の「Q Speed」シリーズ。そして、汎用性の高いアパレルを提供する「Accelerate」シリーズ。急ピッチで、各陣容を整えている

 

次回は、厚底ブームへの挑戦状「Fresh Foam X More v4」レビュー

「現在のところ、ランニングシューズに求められるニーズを満たそうとすると、EVAの特性をフルに生かした方が近道だと考えています。もちろん近い将来、全く違った素材が登場するかもしれません」(間宮さん)

 

ミッドソールの素材開発は、ランニングメーカーたちの開発競争の主戦場だ。EVA以外にも、プラスチック系のエラストマーもメジャーになりつつあり、モデルチェンジのたびに、その素材からは目を離すことができない。

 

いよいよ次回からは、クラシックな風貌も持つパフォーマンスライン「Fresh Foam X 860 v13」の大ヒットしているニューバランスが投入する期待の2足を、2回にわたってご紹介しよう!

 

2回目は、ニューバランスとしての“厚底ブーム”への回答となる、「Fresh Foam X More v4」。そして3回目は、大幅な仕様変更となった期待の万能シューズ、「FuelCell Rebel v3」。いずれも、私の実走レポート付きです!

 

撮影/中田 悟

 

 

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サウナ付きランニングステーションを体験。ニューバランスFresh Foam Presents「ととのうRunning Station」期間限定オープン

ニューバランスが2022年10月17日〜10月30日までの期間限定でオープンさせたのは、なんとサウナ付きのランニングステーション「ととのうRunning Station」。マラソンの疲労を抜くためにたまにサウナへGO!している私、中村優がお邪魔してきました!

 

スロージョグとサウナでととのう秋。

ニューバランスFresh Foam Presents「ととのうRunning Station」があるのはHUBHUB 日本橋人形町。「ととのうRunning Station」では、1グループ2〜6名までの貸切制(3時間1万2000円)で、会話ができる程度のゆっくりとしたペースでのスロージョグを60〜90分楽しんでからサウナでととのうプログラムを提案しています。

↑会場はニューバランスのシューズ箱のデザインとなっていました。シャレてますね

 

最新のFresh Foam(フレッシュフォーム)のランニングシューズを試し履きできるということで、「Fresh Foam X(フレッシュフォームエックス) More(モア) v4」を履いて、まずは“ととのう”スロージョグスタート!

↑ニューバランス「Fresh Foam X More v4」。シリーズ史上最も厚く、柔らかいランニングシューズです

 

Fresh Foamはクッション性、安定性が高いのでスロージョグにピッタリです。中でもこのFresh Foam X More v4は、Fresh Foamシリーズ史上最も厚く柔らかいミッドソール「Fresh Foam X」を使っていて、履き心地のふかふか感は感動もの。柔らかさで沈みすぎることなく足を跳ね返してくれるので、軽快に気持ちよく走ることができます。ランニング初心者の方にもぜひ履いていただきたいシューズ。

 

ちなみに「ととのうRunning Station」では、ランニングのガイドスタッフが常駐しており、希望者はサポートしてもらいながら走ることができます。初心者ランナーさんも安心ですね。

↑街の景色やおしゃべりを楽しみながら走ることでリラックス。さらには脂肪を燃焼させ、体力の向上にもつながります

 

私は普段からゆっくりのんびり走ることが多いのですが、会話を楽しめるくらいのゆっくりペースで時間をかけて走ると、疲労感が抜けたり頭の中が整理されたり、心も体もスッキリするんですよね。それがまさにととのうスロージョグ!

↑会場からは約1kmで隅田川に出られるので、隅田川沿いを走るのがおすすめ

 

ととのうスロージョグの後はさらにととのうため、おまちかねのサウナへ

用意されていたのは、フィンランドHARVIA製ストーブにヴィヒタ水でセルフロウリュもできる本格フィンランドサウナ。小さな木のドアを開けて入ると檜のいい香りがして早速心を和らげてくれます。室温は約90度。しっかり熱いけれどすぐに出たくなるような熱さではありません。

↑丸い天窓がいい仕事をしてくれていて、空を見上げながら飽きることなくまずは12分

 

一人用の透明な浴槽の水風呂は、水温13〜15度くらい。熱々の身体が一気にクールダウン。私は1回目の水風呂は控えめに入るようにしているので一瞬で出て、外気浴スペースのゴロンと寝転がれる椅子で一休みしてから2セット目へ。

↑一人用の透明な浴槽の水風呂は、水温13〜15度くらい

 

サウナ2回目は汗の出も早くなっているので7〜8分で出て、水風呂数十秒からの外気浴。全身の血流がギュンギュン巡るのを感じ、体が浮かび上がりそうなほどの浮遊感を味わい、椅子から動けなくなるくらいしっかりがっつりととのいました!

↑ランニングとサウナをセットにした『RUN&SAUNA』を体験できます

 

ランニングもサウナも自律神経を整える効果があるそうで、季節の変わり目で自律神経が乱れがちなこの時期、「ととのうRunning Station」で心身ともにととのう体験、おすすめです!

 

■『ニューバランスFresh Foam Presents「ととのうRunning Station」』概要

・期間:2022年10月17日〜10月30日

・時間:11:00〜21:30 ※要予約

・場所:HUBHUB 日本橋人形町(東京都中央区日本橋堀留町1丁目8­9)

・利用方法:※事前予約・有料貸切制 1枠1万2000円(3時間貸切制)1グループ 2名〜最大6人まで

※現在募集は終了しています。

 

撮影/中田 悟

 

 

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Onが6か月ごとに次のランシューを受け取ることができるサブスクリプションサービスを開始!

スイスのパフォーマンスブランド「On(オン)」および、オン・ジャパン(以下On)は、ランニングシューズのサブスクリプションサービスを2022年10月18日より開始。

 

本サービスは、循環型ランニングシューズのプログラム「Cyclon TM(サイクロン)」によって開発された、100%リサイクル可能なシューズ「Cloudneo(クラウドネオ)」を登録したランナーにお届けするサービスです。

 

古くなったランシューを廃棄するのではなく、Onへ返却するシステム

「Run. Recycle. Repeat.」をテーマとした「Cyclon TM」は、Onの循環型プログラムであり、サブスクリプションによってのみ利用できます。このプログラムは、最初のシューズを受け取ってから、およそ6か月ごとに次の新しいシューズを受け取ることができます。また同時に、これまでのように古くなったランニングシューズを廃棄するのではなく、Onへ返却するシステムとなっています。

↑返却されたシューズは、新しいシューズの原材料として100%リサイクルされます

 

ランニングシューズCloudneoのアッパー部分などはトウゴマから抽出されたヒマシ油を基に作られたバイオベース素材「PA11」から作られ、ミッドソール・アウトソールには「Pebax」を採用しています。これらの素材をリサイクルすることで、バージン素材の使用と廃棄物の大幅削減を可能にします。

↑「Cloudneo(クラウドネオ)」毎月3380円(税込)

 

本サブスクリプションサービスでお届けするCloudneoは、100%リサイクル可能なシューズであることに加え、サスティナビリティとパフォーマンスの両立を実現。Onの特許技術である「CloudTec (R)(クラウドテック)」と足型プレートの「Speedboard(R)(スピードボード)」を搭載し、二層構造のCloudTec(R)ミッドソールによって、高いクッション性とローリングモーションで快適な走りを提供します。

↑パフォーマンスに妥協することなくデザインされた Cloudneo。ロードでのトレーニングや、5kmからマラソンなどのレースで高いパフォーマンスを発揮します

 

また、本サービスの開始と同時に、Onのフラッグシップストア「On Tokyo」でも特別展示が始まります。Cyclon TMプログラムの最初の製品となるCloudneoのサイズ感や履き心地を体感できます。

 

 

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アシックス「GEL-KAYANO 29」。アシックスが誇る“骨太シリーズ”から、骨がなくなった⁉/「大田原 透のランニング戦線異常なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニングシューズ戦線異状なし

2022「アシックス」秋の陣③「GEL-KAYANO 29」の巻

 

ランニングシューズブランド自慢の逸品を、走って、試して、書き尽くす本企画。3回目も、アシックス自慢の「スポーツ工学研究所」(兵庫県神戸市)内のテスト用トラックを拝借してお届けする。いよいよ真打、2022最新「GEL-KAYANO(ゲルカヤノ)29」の登場である。

↑「GEL-KAYANO 29」メンズ6色展開(ウイメンズ3色展開)、いずれも1万7600円(税込)。ラスト(足形)は、スタンダードタイプ

 

【関連記事】
「分からなかったら、作っちゃう!」アシックス若き開発者たちの、あくなき挑戦!

 

試す側こそ試される、“The アシックス”な一足!

“The アシックス”、というべきランニングシューズを、一足だけ挙げよ。私は、躊躇なくGEL-KAYANO(ゲルカヤノ)と答える。

 

「私たちも、GEL-KAYANOを“アシックスの顔”と説明しています。四半世紀以上にわたるロングセラーとして培った信頼が、ロイヤルカスタマーの支持を得てきた結果です」。そう答えるのは、最新鋭GEL-KAYANO 29の開発に携わった、中村浩基さんだ。

 

多くのスポーツシューズメーカーも、アシックスをベンチマークにしてきた。シューズ開発と製造のレベルの高さに加え、グラスルーツの市場までも知り尽くすアシックスは、まさにランニング界の守護神的な存在であるからだ。

 

正直に書くと、アシックスのランニングシューズのインプレは、ちと苦手……。そのレベルの高さのため、他社と比較をすることが難しいと感じる時さえあるからだ。ましてや今回は、The アシックスのGEL-KAYANO。試すこちら側こそ試される、メーカー側も一切の妥協を許さないガチの一足なのだ。

↑今回お話を伺った、「GEL-KAYANO 29」の開発担当、中村浩基さん

 

世界で、GEL-KAYANOが支持されるワケ

「あえてGEL-KAYANOのターゲットを語るとすれば、これからランニングを始めようとしているビギナー層です。安定性とクッション性を兼ね備えているので、全く運動経験のなかった方にも履いていただけます」(中村さん)

 

ランニングの巨大マーケットである北米の人たちに比べ、比較的に体重が軽く、ランニング好きの日本人にGEL-KAYANOが支持されていることは理解しやすい。しかしながら、GEL-KAYANOは北米を含め、世界中で支持されている。

 

「北米では、ランニングシーンはもちろん、ウォーキングなど日常使いでも支持されています」(中村さん)

 

履いた際の足入れの良さ、着地の安定感、踵からつま先への体重移動、蹴り出しまでの滑らかさは、アシックスが特に重要視してきた開発のポイントに他ならない。グローバルでGEL-KAYANOシリーズが支持され続けてきた最大の理由のひとつだ。アシックスは、独自の社内基準を設け、その基準をクリアする製品を作り続けてきた。

 

「GEL-KAYANOは、アシックスが求める全ての基準に対して、まんべんなく最適解を得なければならない一足なのです」(中村さん)

 

トラスティックを排し、ライトトラスを採用

私たちランニング好きにとって、GEL-KAYANO 29への最大の注目は、今まで中足部に入っていた樹脂製のプレートである「トラスティック」を入れなくなった点だ。カーボンソールのシューズが注目を集める一方、現在のような樹脂系のプレートの存在は、ランニングシューズの進化の過程で見直しのタームを迎えている。

 

その理由のひとつは、高反発で衝撃緩衝性の高いミッドソール素材の劇的な進化。GEL-KAYANO 29では、樹脂系の硬いプレートである「トラスティック」の替わりに、適度な硬さを持ったフォーム材「ライトトラス」を採用している。

 

さらに、「ライトトラス」と組み合わせるかたちで、2022年FWに登場した最新の「FF BLAST PLUS(エフエフ ブラスト プラス)」というEVA系素材を搭載。「FF BLAST PLUS」は、高反発で衝撃緩衝に優れたクッション性に加え、驚くべき軽さのため、標準サイズで重量約10gダウンを実現している(「FF BLAST PLUS」の詳しい説明は、前回のNOVABLAST 3(ノヴァブラスト 3)のインプレをご覧あれ!)。

【関連記事】
アシックス「NOVABLAST 3」見た目は派手だが、実は優等生。 “最速”はムリでも、“最強”なら目指せる!

 

↑朱赤の部材が「FF BLAST PLUS」。軽くて、しなやかだ! なお、足馴染みの良さの源となるのが、ラスト(靴型)。ビッグデータ並みの知見を経て改良を重ねてきたGEL-KAYANO 29のラストは、従来型を踏襲

 

GEL-KAYANO 29という、歴史的な瞬間

硬質な樹脂プレートと、可塑性に富むEVAを貼り合わせるよりも、似たような特徴の部材で1枚のミッドソールを形成した方が、走行時のスムースさは容易に得られる。というのは、全くの正論である。中足部にプレートがないランニングシューズは、トレイルランニング界では当たり前になっており、“GEL-KAYANOのプレートがなくなる日は、いつ?”は、長年、業界の大きな関心事とされてきた。

 

「毎回、開発ミーティングでの議論の対象でした。実際に変える際も2年以上の準備期間を設けて臨みました」(中村さん)

↑内側への過度な倒れ込み(オーバープロネーション)を防止し、プレートの役割も果たす「ライトトラス」(白色の部材)。「ライトトラス」の上に、クッション性の高い朱赤の「FF BLAST PLUS」が載っている(中間の赤い部材は、ゲル!)。28でコンパクト化したヒールカウンターは、オーバープロネーションを防ぐ機能を突き詰め、29ではさらにコンパクトになった

 

こうして樹脂系のプレートがなくとも、ミッドソールの素材や構造によって、前モデル同等以上のパフォーマンスの発揮が可能なGEL-KAYANO 29が誕生したのである。

 

「プレートの件は、今まで支持いただいた方々に、きちんとお伝えし続けます。数値的にも、実際の走行実験でも、“29は、28を上回る出来栄え”と胸を張って言えます」(中村さん)

 

ますます、GEL-KAYANO29を履いて走ってみたくなってくる! 数多くのアシックスのシューズの中でも、熱烈なファンを抱える骨太のモデルであるGEL-KAYANOから、樹脂のプレートという骨が消えた歴史的な瞬間に立ち会えるのだ。

↑28まではあった中足部のトラスティックがなくなったシューズ底面。黄色の部材が、アウトソールの「AHAR PLUS」だ

 

カーボンプレートが採用される日

走りたくてウズウズしているが、まだ筆者の仕事は残っている。GEL-KAYANOへのカーボンプレートの可能性は今後あるのだろうか?

 

「カーボンソールのメリットは、高い強度で、変形しにくいところです。素材の特性を考慮した結果、弊社では、トップアスリートのシューズに採用されています」(中村さん)

 

確かにアシックスでは、フルマラソン2時間30分で走るようなランニングシューズ、METASPEED(メタスピード)シリーズなどでカーボンソールが採用されている。

 

「裏返せば、カーボンソールのデメリットは、履く人を選ぶ点です」(中村さん)

 

カーボン素材の特性は、まさに、その硬さにある。剛性が高く、よりクイックな加速が可能なため、高速で走る上級者のレースでその性能を発揮する。しかしながら、足そのものが十分に鍛えられていないと、スピードについていけないどころか、突き上げ感も含め、かえってその硬さが負担になりかねない。ケガのリスクさえ付きまとうのだ。

 

「カーボンプレートの歴史はまだ始まったばかりです。これからもっと最適化が進むはずです」(中村さん)

 

いよいよ、GEL-KAYANO 29で試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、GEL-KAYANO 29の試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にコースを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。GEL-KAYANO 29の実力を試してみたぞ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

最新鋭のGEL-KAYANO 29。樹脂プレートがなくなり、下側のミッドソールに硬めのライトトラスを採用。しかもミッドソールのEVAも軽量の「FF BLAST PLUS」になった。となると、気になるのは足入れ(シューズに足を入れた際の感覚)だ。

 

履いた瞬間に感じたのは、「あらっ、軟らか過ぎ?」。レースでも信頼して履けるGEL-KAYANOシリーズに求められるのは、表面的な足入れの快適さよりも、長距離を走っても疲れにくい本質的な快適さ。軟らかすぎるミッドソールは、むしろ疲労を倍加させる可能性すらある。

 

そこで、いったんシューズを脱いで、中敷き(インソール)をチェック。ちょっとズルいくらいの贅沢なインソールが入っていた。クルマや自転車って、タイヤのグレードを上げるだけで、乗り味が格段にアップする。このインソールだけでも、お店で試せば“ソク買い”だろう

 

でも、はたして、このインソールの贅沢さが意図するところは、何か? ますます、走りたくなってきた!

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

晴れて気持ちの良い土曜日、散歩ノリで軽~く流しながら、の~んびり走るペース。速く走るのも好きだけど、仕事やら何やらで疲れたカラダとココロに効くのは、ダンゼンこのリズム。ノリノリ過ぎないBPMの音楽を聴きながら走れば、週末の過ごし方も優雅になる!

 

で、最新鋭のGEL-KAYANO 29。低速での安定感は、さすが“The アシックス”。半端なく良し! 前回紹介したNOVABLAST 3のようなヤンチャなシューズと異なる、運動不足解消という、大人たしなみのランにぴったり。安定した着地、無理のない足運び、蹴り出しもスムースで、長く走れる気分にさせてくれる。軽自動車のような騒がしい走行感ではなく、高級セダンの大人の風格である。

 

走り初めにわずかに気になったのは、ロードノイズ。アウトソール(AHAR PLUS)が地面をシッカリ掴む音が、わずかに気になる。しかし3㎞ほど走り、シューズが走りに馴染んでくると、徐々にノイズは消えていた。後日も試したが、路面状態や使用頻度によってノイズが出た可能性が高く、その後は気にならなくなっている。

 

勝手な推測だが、足入れで感じたチョイ贅沢なインソールを履かせた理由は、アウトソール(AHAR PLUS)とライトトラスを組み合わせた際に感じる、今までのGEL-KAYANOと“異なる硬さ”の印象を軽くする目的かもしれない。

 

そう感じた理由も含め、スピードを上げて、さらに検討しよう!

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

今の自分の走力と、シューズのポテンシャルが一致する点を探るべく、タイムを気にせず、シューズを履いたままに、フラットなコースを素直に走ってみる。

 

気持ち良いと感じるタイムを確認すると、1㎞をほぼ6分のペース。もちろん体格や走力などの個人差で速度は異なるが、GEL-KAYANOシリーズのターゲットのド真ん中、ランニング愛好者やビギナーにとっても、まさにド直球の速度帯である。

 

1kmを7分で走るペースにも感じた、着地の安定感、無理のない足運び、そしてスムースな蹴り出しに加えて、自分の好きなリズムで走れるココロの快適さもON。履く前までに感じていた、「最新鋭GEL-KAYANO 29から樹脂製のトラスティックが消えた……」喪失感と不安感は、いつの間にか消えていた。

 

樹脂製のトラスティックの存在は、その存在が当たり前だった時代に誰もが感じた、約束手形のようなものだ。中足部にプレートがあることで、雨が降ろうが、激坂の上り下りがあろうが、夜になろうが、“このシューズでなら、走り切れる!”という心の拠り所となる。大げさな書き方かもしれないが、全てが不安要素だらけの100kmを走るウルトラマラソンのようなシーンでは、いかなる冒険も許したくない。その象徴的なシューズの部材が、中足部のプレートなのだ。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

ランニングシューズに関しては、コンサバでありたい。しかし、ことレースに関しては、常にプログレでいたい。GEL-KAYANO 29、加速時のパフォーマンスはどうだろう?

 

正直に書くのだが、良い意味で、変わらなかった! どの速度帯でも、電気自動車のように、高いパフォーマンスを発揮してくれる。4分そこそこに上げても、着地の安定感、無理のない足運び、そしてスムースな蹴り出し。普段のジョギング、気持ちのいい緩~い登り坂でペースを上げたくなっても、気持ちよく加速できる。

 

GEL-KAYANO 29を履いてペースを上げるなら、私なら、次のようなシーンだ。フルマラソンの最後のトラックでのスプリント、ウルトラマラソンのラストの激坂の頂に向けて抜くべき選手と並んだ瞬間、悪天のハーフで意気消沈の選手たちをゴール間際でのごぼう抜き! いずれも、持久戦の最後の最後に勝利するイメージです(あくまで妄想……)。

↑取材と試走のためにトラックをお借りした「アシックス スポーツ工学研究所」(兵庫県神戸市)。シューズのみならず、アシックスの製品づくりの根幹をなす重要施設なので、当然ながら一般公開されていない

 

今回GEL-KAYANO 29を試してみて、中足部のトラスティックがなくても、このシューズでレースを走ってみる気持ちになった。先ほどの贅沢インソール問題は、変化を恐れる私のようなコンサバなランナーたちの不安を、少しでも払拭しようとした開発者たちの努力の結果なのだと思えてならない。

 

今シーズン、10㎞から始めて、ハーフ、そしてフル、さらに来年のウルトラでの活躍を期待して、GEL-KAYANO 29をじっくり吟味することにしよう! シューズは、レースを完走に導く唯一無二のギア。開発者たちの熱意と執念、科学の進化を受け入れよう!

 

撮影/小川朋央

 

 

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アシックス「NOVABLAST 3」見た目は派手だが、実は優等生。 “最速”はムリでも、“最強”なら目指せる!

ギョーカイ“猛者”オータワラトオルが、走って、試して、書き尽くす! ランニングシューズ戦線異状なし

2022「アシックス」秋の陣②「NOVABLAST 3」の巻

 

2回目は、アシックスの2022最新シューズ「NOVABLAST(ノヴァブラスト) 3」を実際にテストランしたインプレをお届けしよう(第1回は「アシックス スポーツ工学研究所」の若き開発者インタビュー。第3回は、2022最新「GEL-KAYANO(ゲルカヤノ) 29」の試し履き走インプレの予定)。

↑「NOVABLAST 3」。メンズ4色展開(ウイメンズ3色展開)、いずれも1万4300円(税込)。ラスト(足形)は2タイプ(スタンダード、ワイド ※ウイメンズはスタンダードのみ)

 

↑今回お話を伺った、「NOVABLAST 3」の開発担当、益本真吾さん

 

【関連記事】
「分からなかったら、作っちゃう!」アシックス若き開発者たちの、あくなき挑戦!

 

初心者が楽しく走れるシューズを作ったら、ガチの評価がついてきた⁉

この秋、発表されたばかりの2022最新NOVABLAST 3。飛び跳ねながらゴールを駆け抜けられる爽快感は、とりわけ海外で高い評価を得ている。

 

「本来は、5km、10㎞のショートのランニングを想定し、初心者に楽しんでもらうシューズとしてNOVABLASTシリーズは開発されました。しかし意外なことに、レースで記録を目指すようなエリートランナーと呼ばれる選手たちからも、NOVABLAST 3への高い支持があったのです」と、満面の笑みで語るのは、NOVABLAST 3の開発に携わった、益本真吾さんだ。

 

「まずは、アシックスの契約選手たちからの好評価です。トップ選手たちは、さまざまなシューズを練習中に履き替え、異なる刺激によって脚力を養います。そんなトレーニング用の一足として、NOVABLAST 3が採用されたようです」(益本さん)

 

現在、エリートランナーたちがレースで使用するハイエンドのシューズは、カーボンプレート入りのタイプが主流となっている。そのため選手たちは、カーボンに頼らずに地脚を作るトレーニングとして、NOVABLAST 3で走るのだという。

 

柔らかいのに、よく跳ねる⁉

「NOVABLAST 3でフルマラソンを走る方もいますが、きちんと鍛えた足でないと、ケガのリスクが否定できません。理由は、設計上、踵や中足部の安定性よりも、前足部の反発性を重要視しているからです。もちろん自由に履いていただいて構わないのですが、天候の急変や気温の変化があるフルマラソンなど“何が起こるかわからない”長距離レースで履くなら、個人的にはGEL-KAYANOをお薦めします(笑)」(益本さん)

 

NOVABLAST 3の最大の特徴は、着地の衝撃を緩衝し、蹴り出しの際に推進力に換える反発性を活かした、ソール全体の構造だ。本来、衝撃緩衝のクッション性と、推進力としての高反発は、矛盾した機能だと言える。極端に書けば、“柔らかいのに、よく跳ねる”のだから! ひとつのシューズで異なる機能を兼ね備えることは、ひと言で表現するほど簡単ではない。

 

「私たち開発者は、こうした矛盾を、走る動作のフェイズで解決できると考えてきました」(益本さん)

 

着地のフェイズで必要なのは、踵や中足部での衝撃緩衝のクッション性だという。

 

「ミッドソールのフォームの厚みや素材、そして形状が重要です。NOVABLAST 3は、踵部の中央に大きな凹みを作り、動きに合わせたスリットを入れ、フォーム全体が変形しやすい形状を採用しています」(益本さん)

↑歴代NOVABLASTの裏の顔は、何と言ってもミッドソールとアウトソール! 着地する踵のミッドソールは凹み、蹴り出すつま先側は膨らんだ設計になっている。この設計により、着地衝撃を構造的にも緩衝し、蹴り出し時に反発力に換えているのだ。低速時だけでなく、加速時にはターボがかったような感覚を体験できる

 

まるでトランポリン! フォーム全体で変形しやすい形状を採用

一方の蹴り出しのフェイズでは、しっかりした反発を得ること。

 

「足の母指球にあたる部分に、踏み込んでから蹴り出せるよう、中央部に『トランポリンポッド』という膨らみを設けています。こうした形状の工夫によって、クッション性と反発性を担保しました」(益本さん)

 

ご存じの通りトランポリンは、脚力だけで跳ぶのではなく、着地による衝撃をカラダ全体で吸収しつつ、台の反発力のアシストを得て、重力に逆らう推進力にしている。全身の筋肉の高度な連携があって、初めてトランポリンで高く宙を舞えるのだ。NOVABLAST 3を履くエリートランナーたちも、そうした機能を自分のトレーニングに活用できることを、履いて走った際に感じたのだろう。外見が派手なNOVABLAST 3だが、中身を聞くほど“なるほどアシックス”だ。

 

「前足部のフォームが変形しないと、きちんと踏み込めません。そのためロッカー(つま先を反らせる形状)も抑えた設計にしています。ドロップ(つま先と踵の高低差)も8㎜と、見た目とは異なりマイルドです。履いてもらうと、奇異ではないことに気付いてもらえるはずです(笑)」(益本さん)

↑黄色のミッドソール素材は、軽量かつ衝撃緩衝性と反発性に優れた最新のEVA系新素材「FF BLAST PLUS」が使用されている。FFはアシックス自慢のミッドソールのEVA系素材「フライトフォーム」の頭文字だ

 

アシックスが、エラストマー系ミッドソールに慎重なワケ!

インパクト大の厚みのあるミッドソールには、新素材も投入されている。

 

「『FF BLAST PLUS(エフエフブラストプラス)』です。NOVABLAST 3だけでなく、2022新作シューズにも採用されています。クッション性と反発性に優れ、しかも軽量というEVA系の素材です」(益本さん)

 

軽量EVA素材のひとつとして、アシックスが誇るFF BLAST PLUS。サンプル部材を持たせてもらったが、“EVA=重い”というひと昔前の発想は、永遠に封じ込めた方が良いと反省させられる、驚きの軽さだ。

 

せっかくの機会なので、ミッドソールのトレンドの素材の話も聞いてみよう。ミッドソールのEVA素材といえば、最近話題になっているのが、厚底シューズへの採用で話題となったエラストマー系のフォームだ。正月の駅伝や、世界最高峰の競技会で目にした、アレである。

 

しかし、アシックスは、エラストマー系のフォーム素材に必ずしも積極的ではない。慎重さのワケは、何なのだろうか?

 

「開発チームは、さまざまな素材の中から、コンセプトにベストマッチするモノを選定しています。フォーム材に求められる高反発性とクッション性、軽さを追い求めた結果、現時点でエラストマー系の素材はベストマッチしなかったのです。

 

今後、開発が進み、高反発性、クッション性、軽量性をバランス良く実現できた場合は、エラストマー系のフォームも採用される可能性はあります。でも、まずランナーたちの要望を満たす目的が先であって、素材ありきではないのです」(益本さん)

 

今後、NOVABLASTは、どのように進化するのだろう?

 

「変えてはいけないコンセプトは、(前足部の反発性によって)走ることを楽しんでもらう点です。これからの課題は、高い機能性を担保したまま、脚の負担を減らすべく、軽量化を図ることです」(益本さん)

↑アシックス スポーツ工学研究所の屋上に設置された、テストラン用のスロープ。トレイルランニングなどのシューズ開発用のフォースプレート(床反力計)が設置されており、サーフェイス(路面)の質を替えての試験も行われる。クッション性の高いNOBABLAST 3のインプレは、屋外のアスファルトのトラックとともに、こちらのスロープでも実施。私は身長175cmながら、雨除けの天井にぶつからんばかりのトランポリン感~!

 

いよいよNOVABLAST 3で試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、いよいよNOVABLAST 3の試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にコースを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)。さてさて、NOVABLAST 3の実力や、いかに?

↑アッパーは、太さや堅さの異なる素材を複雑に編み込んだニット素材。走りをアシストするアシックスのマークも、前モデルのTPU素材から、工学的に計算された編み込みに仕様変更されている

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

今どきのシューズは、とかく解りやすさが重要視される。厚底ブームしかり、柔らかな足入れ感(シューズに足を入れた際の感覚)しかり。で、NOVABLAST 3の足入れ感は、見た目通りの厚みある快適さ。でもって、踵もひっかからない。靴の中での、つま先と踵の足の高低差(ドロップ)も、見た目ほどではない8㎜と、走っても転がり過ぎる怖さもない。見た目はギミックなシューズだが、中身はアシックス。つまり、安心。

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

タイムを気にせず、シューズを履いたままに、素直にフラットなコースを走ってみた。後でタイムを確認すると、1㎞をほぼ7分のペース。もちろん、体格や走力によるが、運動不足が気になる方であれば、今風のシューズで快適に走るには◎。次回で紹介するGEL-KAYANO 29のような、レースにも対応するシューズに履き慣れていると、厚底の分だけ安定感に不安があるが、跳ねる感覚って、純粋に楽しい! 気が向いた方向へデタラメに走っても苦じゃなく、そうした散歩の延長みたいな走り方が楽しいシューズなのだ。クルマで例えるなら、「スポーツセダンより、そこそこのエンジンを積んだワンボックスの方が、いろいろ楽しめて好き~」という方にこそオススメ!

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

走った距離と、燃える脂肪は、正比例する。ザックリの計算だが、体重1㎏当たり1㎞走れば、約1kcalが燃える。つまり、体重約70㎏の筆者が10㎞走れば、約700kcalが消費される目安だ。となると、どうせ走るなら、距離を稼ぎたくなる。で、キロ6分のNOBABLAST 3はどうか? 平地ではキロ7分ペースとは大きな差はないが、お住いの地域が神奈川県・横浜市や川崎市、兵庫県・神戸市や京都など坂が多い場所なら、ダンゼン買いとなる。

 

気分は、登り番長! 「俺ってこんなに走れるっけ?」と錯覚するほど。「坂があるから、たくさんは走れない……」なんて言い訳はできなくなる! 下りは、踵着地で慎重に走るもよし。走り慣れているなら、一気に加速して、アラレちゃんよろしく「キーン」(「?」なら検索しよう~)と走り抜けよう。ここ数年で増えた坂道をひたすら登るレースなら、この性能はいかんなく発揮されるはず!

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

これには、ビックリ! ターボがかかったような加速感。ミッドソールに採用された新素材FF BLAST PLUSの特性と、シューズ設計のジオメトリーのバランスが嚙み合っている。炎天下のテストコースで、フラットだからと調子こいてスピードを出しても、楽しさが勝ってくる。加減速を繰り返すような、仲間とワイワイ走る市民駅伝なら、ドンズバ。NOBABLAST 3を履いて、最新ウェアに身を包んだら、レース会場“最速”は無理でも、会場“最強”は間違いない! そんな一足だ!

 

撮影/小川朋央

 

 

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「分からなかったら、作っちゃう!」アシックス若き開発者たちの、あくなき挑戦!

ギョーカイ“猛者”オータワラトオルが、走って、試して、書き尽くす! ランニングシューズ戦線異状なし

2022「アシックス」秋の陣①開発者インタビューの巻

 

運動不足だし、ランニングでも始めようかなぁ。となると、“おニュー”のランニングシューズが欲しくなる! 厚底やら、モノトーン系やら、いろいろ売られているけど、正直どれが良いのだろう……。そんな悩みをスッキリさせてくれる企画がスタート。

 

長年スポーツ・フィットネス業界に身を置き、カラダを張って取材してきたギョーカイ猛者・編集者オータワラトオルがお送りする、新企画「ギョーカイ“猛者”オータワラトオルが、走って、試して、書き尽くす! ランニングシューズ戦線異状なし」。ランニングシューズの選び方から、開発のトレンドなどなど。直接メーカーに取材し、しかも最新シューズを走りまくって試してしまう企画です。

 

アシックス スポーツ工学研究所からお届けします

今月は、メーカー各社がシューズを開発するにあたり、ひとつの“物差し”となってきた、日本が誇るグローバルスポーツカンパニー「アシックス」にフォーカス! 計3回にわたりお届けする第1回目は、アシックスの開発力の源泉となる研究施設、兵庫県・神戸市の「アシックス スポーツ工学研究所」からである。

 

最前線に立つ若き開発者に、ランニングシューズ選びのキホンと、開発イズムを取材してきた(2回目と3回目は、2022最新のランニングシューズを、オータワラが実際にテストランしたインプレをお届けの予定)。

↑今回お話を伺った、ランニングシューズの若き開発担当たち。右、「NOVABLAST 3」の担当、益本真吾さん。左、「GEL‐KAYANO29」の開発担当、中村浩基さん。研究所内のオープンスペースにて

 

【開発者に訊く①】ランニングシューズの選び方

ネットで検索しても、ピンとこない……。お店に行っても、迷うだけ……。「運動不足解消、痩せるべく走ろう!」という気持ちになったが、カンジンの一足が選べない時は、どうすればいい?

 

「シューチューバーやユーチューバーの動画を見て、知識を蓄えている方が多くなりました。知識は増えたのですが、情報をどう自分に取り入れてるか、かえって迷ったり、間違った選択をされる方もいます」と答えるのは、アシックスのランニングシューズ開発者、中村浩基さん。

 

「トレンドに流されて、無理して走ってケガしては意味がありません。必要なことは、まずは自分の足を知ることです」(中村さん)

↑「GEL‐KAYANO29」の開発担当、中村浩基さん

 

シューズ選び4つのキホン。

 

【開発者に訊く②】中古のシューズって、ダメなの?

カッコよく走る自分をイメージし、トレンドや見た目でランニングシューズを選びがちだが、まずは自分の足を知り、目的を明確にするのが先決だという。

 

「ネットの中古マーケットも大きくなっていると思います。コレクターは別として、注意したいのは、3、4年以上前のランニングシューズです。中古のシューズは、クッション性も耐久性も確実に落ちています」(中村さん)

 

走る以上、シューズの機能が活かせなければ、ケガのリスクが高まるだけ。長く安全に走り続けるなら、新しいシューズを選ぶのが賢明なのだ。

 

「検索するだけでなく、アシックスのショップや、ランニング専門店へ行くのが理想ですが、ショッピングモールに入っているようなスポーツ量販店などに行ってみることもおススメです」(中村さん)

 

スポーツ量販店の店員に相談しにくかったら、ランニングシューズが並ぶ棚を見るだけでも、参考になるという。

 

「目的別に分かりやすい陳列を工夫していたり、詳しく説明したポップが並べてあります。これらを参考に、実際にシューズを手にしてみると、いろいろ発見があるはずですよ」(中村さん)

 

【開発者に訊く③】“シューズを履くだけでは痩せない”、ですよね……。

目的は、運動不足解消や、痩せるためのランニング。ズバリ、それに合うシューズは、どんなタイプだろうか?

 

「履いただけで痩せるシューズは、この世にありません(笑)。痩せるためには、運動が続いて習慣化すること、結果はおのずと伴います」(中村さん)

 

今から始めるならば、安定性があり、クッション性が高いタイプを選ぶことだという。

 

「私が開発を担当した『GEL‐KAYANO(ゲルカヤノ) 29』も、もちろんお薦めの一足です!」(中村さん)

 

【開発者に訊く④】“運動が習慣になる”、コツを知りたい。

“今、走らない理由を10コ挙げよ”。と聞かれたら、筆者は残念ながら、スラスラ答えられる自信がある(笑)。

 

「いきなり“習慣化”と言っても、難しいかもしれません。でも、旅行とランニングをつなげる人たちもいます。見知らぬ街を散歩するように走ったり、カフェを探して走ってみたり。そんな楽しみ方から始めるのも、ひとつの方法だと思います」と答えるのは、『NOVABLAST(ノヴァブラスト) 3』の開発担当、益本真吾さんだ。

 

益本さんによると、地方で開催されるマラソン大会などに出場がてら、観光を楽しむスタイルの“旅ラン”もあるとか。

 

「海外では、初心者が気軽に参加できる、ランニングのゆるいコミュニティがたくさんあります」(益本さん)

 

なるほど、走る仲間を作れば、おのずと回数も増えそうだ。日本でも、ネットで参加者を募るスクール形式のコミュニティは増えており、仲間と一緒ならモチベーションも上がりそうだ。

 

「そうしたコミュニティが煩わしければ、休日の午前中、距離は短くても、気持ちよく走ってスカッとすることでも、運動不足解消になりますよね」(益本さん)

 

まずは、ストイックに考えすぎず、気楽に走ってみる方が、長く続けることができそうだ。

↑「NOVABLAST 3」の担当、益本真吾さん

 

【開発者に訊く⑤】シューズの安定性が、大切なワケ!

「シューズ開発者が重要視するのは、ケガのリスクを抑えて長く走り続けるための、シューズの安定性です」。そう語るのは、先ほども紹介したGEL-KAYANO 29の開発を担当した中村さん。

 

29代目となるGEL-KAYANOシリーズは、国内のみならずグローバルでの評価が高く、今や“ザ・アシックス”とも言うべき同社を代表するブランドである。彼らのような若い開発者たちが、“最新のアシックスの伝統”を担っているのは心強い。

 

「シューズの安定性が高まることで、着地時に足が内側に倒れ込む現象(オーバープロネーション)が起きにくくなります。オーバープロネーションはケガのリスクを高めるので、倒れすぎないように抑える必要があります」(中村さん)

 

安定性とともに重要なのが、クッション性だという。

 

「クッション性の高いシューズ設計によって、スムーズな走りが実現されます。このクッション性には、ミッドソールの素材や厚みが大きく関係しています」(中村さん)

 

【開発者に訊く⑥】「FF BLAST PLUS」は、何が凄い?

クッション性を高めるため、最新のGEL-KAYANO 29で採用された素材がある。

 

「新しく開発された、『FF BLAST PLUS(エフエフブラストプラス)』です!」(中村さん)

 

FFは、『フライトフォーム』というアシックスのミッドソール部材の頭文字で、従来の『FF BLAST』の持つ高反発性やクッション性がアップした上で、さらなる軽量化にも成功している。FF BLAST PLUSをはじめとするミッドソール素材は、アシックスのみならず、スポーツシューズメーカーたちが熾烈な研究開発を競う主戦場なのだ。

 

ミッドソールは、一見すると地味な存在だが、クルマに例えると、エンジンとシャシーを一体化したような存在。ミッドソールの衝撃緩衝性によって、走る動作の中でも足は守られ、高い反発力によってランの推進力を引き出す。しかも、ランニングのパフォーマンスを引き出す上で、軽量であることもミッドソールには求められている。

 

【開発者に訊く⑦】プロトタイピング化、って何?

「ランニングシューズをはじめ新製品の開発は、従来のモノより、さらに良いモノを作る必要があります。その際、新しい素材や機能の採用によって、必ず新たな課題が生まれます」(中村さん)

 

アシックスが解決の方法として重要視するのは、プロトタイピング化だ。今回取材で訪れたアシックス スポーツ工学研究所は、プロトタイピング化のためのラボとしての機能も備えている。

 

研究所は、さまざまなデータをもとに設計されたプロダクツを、瞬時に試作品(プロトタイプ)化できる工場としての機能も持つ。このプロトタイプは、そのままテスト走行で試され、さらなるデータを収集・分析することが可能なのだ。これだけの規模の開発体制を日本国内に持つスポーツメーカーは、現時点ではアシックスだけと言っても過言ではないだろう。

 

「もちろん、数値の後押しは必要です。しかし、体感しなければ答えが出ないことがあります。数値だけで分からなくなったら、私たちは(プロトタイプを)作っちゃいます」(中村さん)

 

そうした試みができるのは、研究所を持つアシックスの強みという他ない。アシックスのモノづくりは、試行錯誤の連続の果てに結実しているのだ。

 

この秋からのランニングは、最新のシューズで!

では話を、シューズ選びについてに戻そう! 運動不足解消、痩せランのためには、安定性とクッション性のあるシューズを選ぶ。

 

「こうしたシューズで走れたら、習慣化しやすいし、走ること自体が楽しくなります。体重が落ちるという結果を伴ったら、嬉しいですよね」(中村さん)

 

各社がしのぎを削る開発競争の最前線だけに、2万円弱という価格も理解できる。

 

「値段は確かに安くはありません。安くはありませんが、自分自身の気持ちや目的と、価格が釣り合うかです」(中村さん)

 

たしかに、フィットネスクラブ2か月分ほどの価格と考えれば、1、2年は使えるランニングシューズの価格は高いとは言えない。しかも、朝でも夜でも、たった一つだけのギア=シューズがあれば、ランニングがスタートできるのだ。

 

「最初は、運動不足解消や痩せランという目的でも、走ることで、“レースに出る”や“旅ラン”などに広がる方はたくさんいます」(中村さん)

 

そうした奥の深さも、ランニングの魅力のひとつ。

 

アシックス スポーツ工学研究所・潜入ルポ

今回訪れた兵庫県・神戸市西区にある「アシックス スポーツ工学研究所」。シューズのみならず、アシックスの製品づくりの根幹をなす重要施設。“Human Centric Science”を標榜し、人間の動作解析や、材料や構造、分析評価試験の手法をはじめ、生産技術やサービス開発など幅広い研究を行っている。

↑スポーツ好き、素材やグッズ好きにとって垂涎のおもちゃ箱的存在なので、当然ながら一般公開はされていない

 

テスト用のトラックは、レーンごとに素材が異なる。右端は、オンロード、アスファルトのサーフェイス。左端の青色は、イタリア・モンド社製の陸上競技用舗装材《スーパーX》。中央の赤色は、東京の新国立競技場で使用されている《モンドトラック》である。

 

所内に設置されたトラックには、動作解析ためのカメラが並ぶ(屋外にもつながる350m)。コース上にはフォースプレート(床反力計)が設置され、着地から蹴り出しにかかる力の大きさや向きの計測も同時に行える。

 

モーションキャプチャーのマーカーが装着された、ランニングシューズGEL‐KAYANO 29。7月に発売された最新モデルだが、アシックス社内では現在、来年以降のシューズ開発が進められている(はず)。

 

ウェアを作るための、さまざまな体型のトルソーが並ぶリサーチ施設。この部屋はガラス越しに中の様子が分かるが、秘匿性が高い部屋は摺りガラスになっていて、中の様子は分からない。

 

ランニングシューズのミッドソールなど部材の強度を測定する施設。引っ張りや引き裂き、接着剤の剥離など製品の部材の耐久性をチェックする。

 

入室制限された摺りガラスの部屋のひとつ。中に置かれていたのは、フォーム材などの品質をチェックする、材料の構造を見るための電子顕微鏡。

 

研究所内の体育館のコート。奥には野球のピッチャー用のゲージもある。これらにもフォースプレート(床反力計)が設置可能だ。

 

この秋、最新のランニングシューズで走り出しくなった方へ、ココでお知らせ。次回は、アシックスの最新シューズの実走テストを行い、そのレビューを紹介する。まずは、シリーズ3作目、先日発表されたばかりのNOVABLAST 3。そして、“ザ・アシックス”とも言うべきマスターピースの29代目GEL-KAYANO 29。いずれも、アシックス スポーツ工学研究所内でのロケで、お届けしよう。

 

撮影/小川朋央

 

 

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ランナーに対してまったく新しいランニング体験を提供するアディダス「4Dフォワード」の最新コレクション

長年に渡るアスリートのデータと独自かつ最新の3Dプリント技術を融合させ、ランナーに対してまったく新しいランニング体験を提供する、アディダス ジャパンの「4DFWD (4Dフォワード)」。その最新コレクション「4DFWD2 (4Dフォワード 2)」を、2022年8月22日17時よりadiClub会員先行発売(アディダス オンラインショップ、アディダスアプリ、アディダス直営店舗)。9月1日から同展開店舗限定で一般販売を開始。

 

また、同様の格子状ミッドソール「4DFWD」をヒール部分に配しながらEVAミッドソールと組み合わせることで、スムーズで快適なランニングを実現した「4DFWD PULSE (4Dフォワード パルス)」。その新モデル「4DFWD PULSE 2(4Dフォワード パルス 2)」を、9月1日からアディダス オンラインショップ、アディダスアプリ、アディダス直営店舗、その他全国のアディダス取り扱い店舗にて順次発売します。

 

世界中のランナーが速さを追求するにふさわしい一足

昨年8月に発売され注目を浴びた本コレクションのセカンドシリーズとして、優れたグリップ力を提供する新しいアウトソール。サポート力とフィット感を追求したアッパー、高いクッション性を実現するミッドソールなど、異次元ランをさらに快適に体感してもらえるようにアップデートしています。

↑「4DFWD 2M(4Dフォワード 2M)」2万9700円(税込)

 

↑「4DFWD 2W(4Dフォワード 2W)」2万9700円(税込)

 

↑「4DFWD PULSE 2M(4Dフォワード パルス 2M)」2万2000円(税込)

 

↑「4DFWD PULSE 2W(4Dフォワード パルス 2W)」2万2000円(税込)

 

 

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HOKAの期間限定ショップの全貌とブランドヒストリーをお届け!

ランナーやファッションに感度の高い人たちだけでなく、「歩きやすい」「疲れない」という理由で、ウォーキングシューズや通勤履きとして取り入れる方が増えているランニングシューズブランド「HOKA」。そんなHOKAの期間限定ショップが都内に2店舗オープンということで、渋谷にある「HOKA RAYARD MIYASHITA PARK POP UP STORE(ホカ レイヤード ミヤシタパーク ポップアップストア」のプレオープンイベントに潜入してきました。

 

HOKAの期間限定ショップが渋谷にオープン!

東京・渋谷にオープンした「HOKA RAYARD MIYASHITA PARK POP UP STORE」は、ブランドの世界観やルーツを知ることができるコンセプトストアとなっています。お店入って左側は“THE ROAD”ということで、HOKAのロードランニングの軌跡を辿ることができます。

↑渋谷宮下パーク内にある「HOKA RAYARD MIYASHITA PARK POP UP STORE」は、2022年7月1日〜9月25日までの期間限定オープン

 

ウォールの写真は、2021年アメリカアリゾナ州にて、HOKAの代表アスリートたちが100kmマラソンの世界記録に挑んだ「PROJECT CARBON X」の様子。最新のロードランニングシューズやアパレルもラインナップされています。

↑昨年アメリカで開催された、HOKAのアスリートが100kmマラソンの世界記録に挑んだ「PROJECT CARBON X 2」の様子

 

そしてお店に入って右側にある“THE TRAILS”のウォールは、トレイルの聖地とも言えるフランスのシャモニーの山々をバックに、HOKAのトレイルランニングシューズの歴史が記されています。もちろん最新のトレイルランニングシューズ、ハイクシューズも手に取ることができます。

↑トレイルランニングやハイクシューズの新作をラインナップ

 

岩の什器などが設置され、アウトドア感が満載!

 

HOKAシューズラインナップをヒストリーと一緒に紹介!

創設者ジャン・リュック・ディアードと、トレイルランナーのニコラ・マーモッドが、“山を安全かつ最速で駆け降りることのできるシューズ”の開発を始めたのがHOKAの始まりでした。2009年フランスのアヌシーで誕生したHOKA最初のシューズが、トレイルランニングシューズ「マファテ」。

 

この「マファテ」がランナーからの支持を集め、「山だけでなく舗装路を走れるモデルも欲しい」という要望が増え、誕生したロードランニングシューズ第一号が「ボンダイ」です。ロードランニングシューズの中で最もクッション性の高いボンダイシリーズは、今やランナーだけでなくファッショニスタの間でも人気となっており、スポーツショップだけでなくセレクトショップなどでも見かけるようになりました。

BONDI 8

2万3100円(税込)

 

そして2014年に発表された「クリフトン」でより多くのファンを獲得します。ボンダイなど、それまでのHOKAのプロダクトより若干ソールのボリュームを抑えたことで、一般ランナー層にも急速に認知され、ベストセラーとなります。HOKAのアイコン的存在ともなっているクリフトンシリーズは、現在第8弾の「クリフトン8」が展開されています。

CLIFTON 8

1万7600円(税込)

 

‘’THE ROAD”のウォールでも紹介しているように2019年5月カリフォルニア州で開催された「PROJECT CARBON X」 では、参加ランナー全員がカーボンプレート内蔵の「カーボン エックス」を履き100kmの世界記録に挑戦。世界記録達成はならなかったものの、ジム・ウォームズレーが50マイル通過時の記録をマークしました。

CARBON X 3

2万7500円(税込)

 

結果を出し続け、ますます信頼されるブランドに

HOKAが誕生した翌年2010年、「日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)」(71.5km)でHOKAアスリートのルドック・ポメールが優勝。HOKA創業者の一人であるニコラ・マーモッドも15位に。そして2013年、日本を代表する100マイルレースでもHOKAを着用した日本人選手が優勝しました。

 

さらに2016年、ヨーロッパアルプスのモンブランの周りで開催される世界最高峰の山岳レースUTMB(R)(100マイル)では、男女共にHOKAアスリートが優勝。HOKAは2022年から、UTMB(R)ワールドシリーズのグローバルプレミアムパートナーとなっています。

↑初代「クリフトン」が7月31日まで展示されています

 

楽しく走りたいファンランナーにも

ちなみにHOKAと私の出会いは2014年。100kmのウルトラマラソンを走るためのシューズを探していたところ、当時のウルトラマラソン世界記録保持者であった砂田貴裕さんにおすすめしていただいたのがHOKAのシューズでした。
カラフルで斬新なデザインと、存在感大の分厚いソールが印象的なHOKAのシューズは、他のランニングシューズとは全く違うものに見えました。

 

初めて履いて走った時は、マシュマロのような履き心地や、自然と足が転がるように運ばれていく感覚に衝撃を受けたものです。そして実際100kmウルトラマラソン完走後もまだ脚が残っているほど、HOKAのシューズは絶対的な安心感をくれました。

↑結果を出したいアスリートだけでなく、私のようなスピードよりのんびり楽しく走りたいファンランナーにも選ばれるシューズなのだと思います

 

初めてHOKAのシューズを履いた時の感動はそのままに、現在のHOKAのシューズたちはより軽く高性能になっているので本当に驚かされます。

↑最新のロードランニングシューズ「MACH 5(マッハ 5)」

 

ランニングステーションとしても使える丸の内「HOKA MARUNOUCHI」

もう一店舗は、東京・丸の内に「HOKA MARUNOUCHI」として、2022年7月2日〜2023年6月30日まで約一年間の期間限定オープンです。

 

店内には最新のランニングシューズを試せるトレッドミル完備。3Dスキャンで足型を計測し、おすすめのシューズを提案してもらえます。小型ロッカー9台とミネラルウォーターを完備していて、ランニングステーションとしても利用可能。「HOKA MARUNOUCHI」が位置するのは二重橋前駅すぐなので、皇居ランにも近くて便利です(シャワー無し。着替えは可能)。

↑実際にHOKAの最新シューズを試したい人はぜひ、足を運んでみてください

 

 

■「HOKA RAYARD MIYASHITA PARK POP UP STORE」

【場所】東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK North 1F

【営業時間】11:00~21:00

【定休日】無休

 

■「HOKA MARUNOUCHI」

【場所】東京都千代田区丸の内2-2-3 丸の内ビル1F 102 丸の内仲通りビル

【営業時間】11:00~20:00

【定休日】無休(年末年始除く)

 

 

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より小さく、より軽く、より明るく! 「Ledlenser NEO」新ヘッドランプ4機種の実力を検証

ドイツのポータブルライト専門ブランド「Ledlenser(レッドレンザー)」。2019年に当時の最新作であるNEO10Rを試して記事にしましたが、今年2022年春にNEOシリーズが一新。新たな4機種が登場ということで、今回も走って試してみました。

↑左からNEO1R、NEO3、NEO5R、NEO9R

 

【その1】NEOシリーズ最軽量モデル

まずは「NEO1R」から。驚くべきはNEO1Rの軽さ。約39gしかなく、ヘッドバンドに大きなバッテリーなども付いていないシンプルなデザインなので、頭に付けていることを忘れるほど。NEOシリーズでも1番軽いモデルなので、動きやすさも1番です。

↑「NEO1R」4950円(税込)。本体W48×H21×D23mm(ヘッド部)、質量約39g(電池含む)。カラーは3色から選べます

 

・光束(lm):ブースト250/パワー150/ロー20

・照射距離(m):ブースト80/パワー50/ロー15

・点灯時間(h): パワー3/ロー15

 

ライトの明るさは真っ暗な場所でなければ心配なさそうです。暗めの夜道のランニングで足元をより見えやすくするために使うなど、補助的に使うのが良いかもしれません。NEO1R一つで夜の山に入るには心許ない気がしますが、トレイルランニングの予備ライトとして持っておくと安心です。手が自由に使えるようになるので、アウトドアやキャンプシーンにも役立ちそうですね。点灯時間は光束がローの状態で最長15hです(ブースト状態は10秒持続)。

 

【その2】ランニングやアウトドアを楽しむためのエントリーモデル

続いては「NEO3」。NEO3は単4アルカリ電池3本で使用できるモデル。バンドの後頭部に当たる部分に電池がくるので、何も付いていないNEO1Rと比べると後頭部にほんの少し重さを感じますが、それでも電池込みで約97gと軽く、装着していて違和感はないです。スピードを出して走るのも気になりません。

↑「NEO3」3960円(税込)。本体W41×H25×D21mm(ヘッド部)、質量約97g(電池含む)。カラーは3色から選べます

 

・光束(lm):ブースト400/パワー200/ミドル100/ロー20

・照射距離(m) :ブースト80/パワー60/ミドル40/ロー5

・点灯時間(h):パワー3/ミドル6/ロー20

 

2つの光源を採用。夜の公園で200lmは十分に感じますが、夜の山道にはもう少し明るさが欲しいところですね。予備の電池さえ持っていれば何時間でも使えるのがNEO3の良いところ。充電ができない環境で長時間使いたい場合は、このNEO3が役に立つかもしれません。災害時用に防災リュックに入れておきたいですね。

 

【その3】2つの光で正確な照射を実現したミドルモデル

そして「NEO5R」。同モデルはNEO3と一見似ていますが、こちらのNEO5Rは充電式。NEO3と比べると、光束、照射距離、点灯時間もNEO5Rの方が少しだけ上回ってます。2つの光源を採用。

↑「NEO5R」6930円(税込)。本体W41×H25×D23mm(ヘッド部)、質量約104g(電池含む)。カラーは3色から選べます

 

・光束(lm):ブースト600/パワー300/ミドル100/ロー20

・照射距離(m): ブースト100/パワー70/ミドル40/ロー5

・点灯時間(h): パワー4/ミドル8/ロー35

 

重さは約104g。バッテリー部分の形状や重さの感じ方もNEO3と体感的にはあまり変わらず、フィット感がありとても動きやすいので、夜のランニングやアウトドアに使えそうです。付属のチェストベルトを使用して胸部に装着することも可能です。

 

ちなみに2019年の旧モデルNEO10Rの体験会では、明かりのない夜の山道でも250lmで登っている方がいたので、パワー状態で300lmあるNEO5Rも夜の山に持っていけると思います。より安心を求める方は次に紹介するNEO9Rをチェックしてみてください。数時間の使用であれば、明るさもバッテリーもNEO5Rがあればひとまず安心な気がします。

 

【その4】LEDLENSERのランニングヘッドライト最上位モデル!

最後に紹介するのは圧倒的な明るさを誇る「NEO9R」。LEDLENSERのランニングヘッドライトの最上位モデルです。3つの光源を採用。写真にその違いを収めるのが難しく申し訳ないのですが、実際には一目瞭然、真っ暗闇も怖くない圧倒的安心感があります。旧モデルNEO10Rを付けてナイトトレイルを走った時には、600lmで街灯がついてるのかと勘違いするほど明るいと感じたので、夜の山に入るにはこちらのNEO9Rが安心。

↑「NEO9R」1万2980円(税込)。本体W57×H25×D20mm(ヘッド部)、質量約約199g(電池含む)。カラーは2色から選べます

 

・光束(lm):ブースト1200/パワー600/ミドル200/ロー20

・照射距離(m):ブースト200/パワー120/ミドル60/ロー5

・点灯時間(h): パワー5/ミドル12/ロー120

 

質量は約199gとバッテリー部分に重さを感じますが、ヘアバンドのように装着する他モデルと違い、NEO9Rは頭を覆うように装着するのでフィット感はバッチリ。これは人間工学に基づく取り外し可能なヘッドバンドで、走っていて揺れたりずれることもなくトレイルランニングに持ってこいです。NEO5R同様、チェストベルト付属。600lmで5時間、200lmの状態でも12時間もバッテリーが持つのは心強いですね。どのモデルにしようかと迷う方は、NEO9Rを持っていれば間違いないと思います。

 

試してみたいと思った方はコチラ!

皆さんにはどのモデルが合いそうでしょうか? 4機種それぞれ目的によって使い分けができそうなので、型別で複数持っていても良いですよね。ちなみに、NEOシリーズを実際に使ってみたい!という方にお知らせです。

 

私が毎月開催しているファンランイベント「中村優とはしろう!」ですが、「絶景ナイトトレイル@鎌倉」ということで7月30日に夜の鎌倉の山を走ります。そこでLEDLENSERのNEOシリーズのライトを無料貸し出ししますので、ご参加できそうな方は、ぜひその性能を試していただけたらと思います。夜のトレイルは冒険気分でとても楽しいですよ。鎌倉の山を知り尽くしたトレイルブロガー「trailhasiruaround」さんが案内してくださるので、初心者の方も安心してご参加ください。

 

 

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人気の定番モデルが進化!HOKAの歩みは2022年秋冬シーズンでも止まりません

2009年に彗星の如く現れた気鋭のシューズブランド「ホカ オネオネ(HOKA ONE ONE)」。ボリュームソールのランニングシューズがファッションシーンで浸透していったこともあいまって、人気が加速化しました。そんな同ブランドも昨年10月からロゴをはじめとするブランド表記を「ホカ(HOKA)」に一新。今まで以上にスポーツを楽しむすべての人に向けた上質なパフォーマンスフットウェアを展開するなど、常にその動向は気になる存在となっています。

 

本記事では2022年の後半戦に登場する最新モデルを紹介。定番のアップデートモデルをはじめ、新型や新色の追加、バリエーションに富んだ珠玉のコレクションを最後までお見逃しなく。

 

【その1】HOKAの名作を融合させたハイブリッドモデル

MACH 5(マッハ 5)

1万7600円(税込)

過去にリリースしたモデルの中でも特に人気を集めていた「MACH 4(マッハ 4)」と「MACH SUPERSONIC(マッハ スーパーソニック)」の合体版として新たに誕生したのが「MACH 5(マッハ 5)」。両モデルの柔らかさと反発力、瞬発力を見事に継承した本モデルは走るためのパフォーマンス性がパワーアップ。アッパーは無駄を削ぎ落としたクリールメッシュで仕上げ、流線形のデザインともマッチしています。

 

↑ミッドソールにはHOKA独自のテクノロジーである「プロフライプラス(PROFLY+)」を採用。このミッドソールは2層構造になっており、足に近い上部は高いクッション性と前進する推進力を生み出します

 

↑続いてアウトソールはMACH 4でも安定感を生み出していたラバライズドEVAフォームを使用。このソール組み合わせにより、柔らかな反発力のある走り心地を提供しながら、足が疲れにくい設計に仕上がりました

 

↑気になるカラー展開は6色。本格的なランナーはもちろん、休日に汗を流すフィットネス感覚のランナーまで、幅広くサポートしてくれる1足となっています

 

【その2】ファッションシーンでも人気のオールブラックモデル

BONDI 8(ボンダイ 8)

2万3100円(税込)

HOKAの数あるラインナップの中でも最上級のクッション性を誇る定番モデル「BONDI(ボンダイ)」も、今シーズンにて進化を遂げました。「BONDI 8(ボンダイ 8)」と名付けられた本作はアイコンとなっているボリュームソールの厚みをアップ。アッパーにはふっくらとしたタン、ソックライナーにはリサイクル素材の「オルソライト ハイブリット(Ortholite Hybrid)」も新しく採用しています。

 

↑かかとに設けられた特徴的な波状のクラッシュパッド。このパーツにより、かかとでの着地から蹴り出しまで驚くほどソフトでバランスのいいライド感を提供してくれます

 

↑フルマラソンなどの長距離を想定したアウトソール。しっかりと地面を踏み込むことができるグリップ力は推進力を生み出してくれます

 

↑カラーは5色展開。ランニングシューズらしい鮮やかなモデルに加えて、オールブラックもラインナップに追加。このカラーが展示会の中でも一番人気となっているそうです。※オールブラックのみ8月15日発売

 

【その3】モノトーン展開に続いて、鮮やかなカラーリングも追加

CLIFTON 8(クリフトン 8)

1万7600円(税込)

HOKAのエントリーモデルとしても親しまれ、ソフトな履き心地に加え、アウトソールには効率よく配置されたラバーにより、耐久性も優れたアイコニックなモデルであるクリフトンシリーズ。その最新作として昨年6月にリリースされた「CLIFTON 8(クリフトン 8)」が2022年秋冬シーズンでは6色が追加されます。ホワイトやブラックベース以外にも、ゴブリンブルーやラディアントイエロー、バタフライなどHOKA独自のカラーリングも展開。見た目も気持ちも盛り上げてくれるラインナップとなりました。

 

【その4】清涼感たっぷりのブルーベースモデルが3カラー登場

KAWANA(カワナ)

1万8700円(税込)

2022年春夏シーズンにデビューした「KAWANA(カワナ)」。他のモデルに比べ、硬度の高いミッドソールを使用しており、安定感と反発性を高次元で両立。ランニングはもちろんのこと、トレッドミルやジムなど柔らかい床面でのトレーニングとも相性のいいモデルとなっています。そんなKAWANAも今シーズンでは新色として、マウンテンスプリング、スキューバブルー、アイスフローなどブルーベースのカラーが追加。オーストラリアの有名なビーチブレイクにちなんで名付けられたモデルだけに、鮮やかなカラーリングもマッチしています。

 

【その5】代名詞の1つとなっているリカバリーサンダルの新型をリリース

ORA LUXE(オラ ラックス)

1万1000円(税込)

ジョギングやトレランなどで疲れた足を回復させることを主眼においたサンダルとして、日本においても瞬く間に市民権を得たリカバリーサンダル。HOKAにおいても定番で出している「ORA RECOVERY SLIDE(オラリカバリースライド)」も安定した人気を博しているなかで、ニューモデル「ORA LUXE(オラ ラックス)」がリリースされました。本作はオリジナルモデルの優れたクッション性による軽やかな履き心地は継承し、運動後の足を癒してくれます。超軽量のリカバリーサンダルの新しい一手として、今シーズンに満を持して登場します

 

↑ORA LUXEの最大の特徴となっているのが、クッション素材とメッシュを組み合わせた「Ariaprene(アリアプレーン)」ストラップ。素足とソックス着用時の絶妙なサイズ調節も可能という利便性が魅力

 

話題に事欠かないHOKAの動向は今後もチェックすべき

ここまで紹介してきましたHOKAの2022年秋冬シーズンの新作ラインナップ。ゲットナビウェブ編集部としても、ランからトレーニング、日常使いなど幅広く使えるランシューは気になるところ。その中でもHOKAの高いクッション性はクセになって抜け出せないという人も多いのではないでしょうか。

 

そして、今回紹介したアイテム以外にも様々なラインナップが用意されていますので、ぜひこちらのチェックをしておいても損はしないはずです。

 

撮影/中田 悟

 

 

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‟日本人を速くするため”に生まれた「アディゼロ シリーズ」に最新モデル投入!

アディダス ジャパンが「adidas Running / アディゼロ新商品発表会2022」で、1秒でも速いベストタイムを目指して走るランナー向けのモデル「ADIZERO(アディゼロ)シリーズ」から、さらなる進化を遂げた3モデルの最新コレクションが発表されました。

↑左から「アディゼロ ボストン 11」、「アディゼロ アディオス プロ3」、「アディゼロ ジャパン 7」

 

日本で開発が始まり、世界で数々の記録を打ち立てた

「誇りを持って、今回のアディゼロ第3世代、『アディゼロ アディオス プロ 3』をローンチします」と発表会の開会を告げたアディダス ジャパン 副社長 トーマス・サイラー氏。

↑アディダス ジャパン 副社長 トーマス・サイラー氏

 

「ランニングはもっとも大きなスポーツであり、もっともアクセスしやすいスポーツ。新たな記録を狙いたい人、レースに勝ちたい人、健康のために走っている人と様々です。私たちは様々なニーズにしっかり対応しています。ランニングには記録を破り、レースに勝つことがもっとも目に見えるイノベーションの原動力となっています。だからここで登場するのがアディゼロです」(サイラー氏)

 

すでに世界のランニング界で数多くの金字塔を打ち立てているアディゼロシリーズですが、アディゼロの開発は日本でスタートしました。2008年には初代「アディゼロ ジャパン」を履いたハイレ・ゲブレセラシエ選手がベルリンマラソンで2時間4分の壁を破ったことでアディゼロ ジャパンは世界に名を知らしめたのです。

↑「アディゼロ ジャパン」2008年

 

サイラー氏は最後に忘れてはならないイベントを語りました。

 

「それは弊社の『ロードトゥレコード』というイベントです。今年で2年目となった、ドイツの本社で行われる距離を競うレース。5km、10km、ハーフマラソンといった距離を競うレースの中で、昨年はセンベリ・テファリ選手が5kmの世界記録を塗り替えました。今年はアディゼロで力をつけたアディダスのアスリートが、たった1日で9つの日本国内記録と、1つのヨーロッパ記録を更新したのです」(サイラー氏)

 

「ランニングを愛する方々に勇気と感動が届けられると強く信じている」

続いて登壇したのはランニングカテゴリーのプロダクトを担当する山口智久氏。アディゼロ誕生の経緯から、最新モデルについてのプレゼンテーションが行われました。

 

「『すべてはアスリートのために』アディダスブランドの創始者、アディとダスラーの理念をもって、アスリートたちの足を知り尽くしたシューズクリエーター大森敏明氏とともに、日本人ランナーを早くするために、フィット性と軽量性にとことんこだわり、無駄ゼロ、ストレスゼロ、エネルギーロスゼロを追求しながら2005年に日本で誕生し、時代とともに様々な進化を遂げてきたシリーズ。それがアディゼロです」(山口氏)

↑アディダス ジャパン マーケティング事業本部 シニアマネージャー 山口智久氏

 

「日本人ランナーを速くするというコンセプトのもと生まれたアディゼロの性能、これはもはや日本人のみにとどまらず、世界中の様々なエリートランナーたちのパフォーマンスを支え、これまで数々の輝かしい歴史を築いてまいりました。その勢いをとどめることなく現代のエリートランナーたちの声に基づき、最新の爆速厚底レーシングシューズ、『アディゼロ アディオス プロ 3』がこのたび誕生しました。

 

また、このアディオス プロ 3と同様のニュースーパーライトメッシュアッパー素材を搭載した『アディゼロ ボストン 11』。こちらはエリートランナーのトレーニングモデルとして、また一般の市民ランナーにはレースからトレーニングまで幅広く活用できる兼用モデルとして、こちらもより一層の活躍が見込まれます。

 

加えて厚底最新トレンド要素と従来の薄底要素を両立させた『アディゼロ ジャパン 7』におきましては、幅広いランナーたちの幅広いシーンやニーズに対応できるモデルへと進化を遂げています。

 

シューズに込められた情熱は最新の機能、性能を通じてアスリートたちの力となり、今後さらにたくさんの記録や活躍に貢献し、ランニングやスポーツを愛する一人でも多くの人々にたくさんの勇気と感動をお届けすることが必ずやできると強く信じています」(山口氏)

 

さらなる進化を遂げた最新モデル、それぞれに注がれた飽くなき情熱

ここからは、アディゼロシリーズ新作3モデルをそれぞれ紹介。

 

ADIZERO ADIOS PRO 3(アディゼロ アディオス プロ3)

新記録や自己ベストを目指すランナーに捧げる一足。前モデルの特徴である、反発推進力に加え、ミッドソール材の硬度をやや柔らかくすることで、よりクッション性や疲れにくさを感じられる仕様へとアップデート。さらに、これまでの前足部フォーカス仕様から足全体を網羅するワンピース仕様へと生まれ変わることで、着地から蹴り出しまでをよりスムーズに促しながら反発推進力を得ることが可能になりました。

↑「アディゼロ アディオス プロ3」2万6400円(税込)。重さは215g(27.0cm片足の場合)、ソールの厚みは最大3.95cm

 

↑従来、ばらばらだった5本指カーボンを単一構造に。2層の低密度高反発ミッドソールでサンドすることで軽量性を持ちながら蹴り出し時の爆発的推進力を発揮する

 

↑アウトソールを見てみると、骨状のカーボンバーがわかる

 

↑ヒールの内側外側に搭載されたレイヤーパーツが優れたホールド性を発揮する

 

↑レースに特化したデザインの新アッパーは、薄手かつ軽量な素材を使用し、アスリートの足に合わせた優れたフィット性を実現

 

↑ラバーアウトソールの面積をやや拡大し、蹴り出しの際のより優れたグリップ力を追求した

 

ADIZERO BOSTON 11(アディゼロ ボストン 11)

エリートランナーのジョグから、一般ランナーのレースやデイリートレーニングまで幅広いユーザーやシーンに対応するベストセラー厚底マルチランニングシューズ。アディオス プロ 3同様のミッドソールフォームの組み合わせと、ラバーアウトソールの搭載で、反発性と耐久性を兼ね備えた一足に。

↑「アディゼロ ボストン 11」1万7600円(税込)。重さは270g(27.0cm片足の場合)、ソールの厚みは最大3.95cm

 

↑ミッドソールにサンドされた5本骨状バーはグラスファイバー素材を使用

 

ADIZERO JAPAN 7(アディゼロ ジャパン 7)

前モデルをアップデートしたアディゼロ ジャパン 7は、ランニングからジョグまで、幅広いユーザーやシーンに対応するベストセラーバランスランニングシューズ。アッパーには、軽量性と優れた耐久性を併せ持った素材を採用。補強材や内装材との組み合わせにより前モデル対比約10gに軽量化を実現しました。

↑「アディゼロ ジャパン 7」1万5400円(税込)。重さは215g(27.0cm片足の場合)、ソールの厚みは最大2.7cm

 

「アディゼロ シリーズ」が打ち出してきた記録

会場内ではアディゼロシリーズが打ち出してきた数々の記録とそのランニングシューズが展示されていました。

 

2011年。パトリック・マカウが「アディゼロ ジャパン」初代モデルと共に、ベルリンマラソンで2時間3分38秒を記録し、新たな男子マラソン世界記録を樹立。ハイラ・ゲブレセラシエが持っていた記録を塗り替えたことで、アディゼロ ジャパンシリーズを着用したアスリート同士によって、次世代に歴史が受け継がれた瞬間となりました。

↑「アディゼロ ジャパン」2011年

 

デニス・キプルト・キメットが、「アディゼロ ジャパン ブースト 2.0」と共に2014年ベルリンマラソンで過去最速を記録し勝利。2時間2分57秒という新たな世界記録で、マラソン界に金字塔を打ち立てました。同じく2014年ベルリンマラソンの女子マラソンでは、ティルフィ・ツェガエが、アディゼロ ジャパン ブースト 2.0と共に優勝し自己ベストを更新。

↑「アディゼロ ジャパン ブースト 2.0」2014年

 

メアリー・ケイタニーが「アディゼロ タクミ セン 5」と共に2018年ニューヨークマラソンで4度目となる優勝を果たしました。

↑「アディゼロ タクミ セン 5」2018年

 

2020年。ペレス・ジェプチルチルが、「アディゼロ アディオス プロ」と共にプラハマラソン・ハーフマラソン女子単独レースにて1時間5分35秒の世界記録を樹立。その後、ワールドアスレチックハーフマラソンチャンピオンシップにて、自らが打ち立てた記録を18秒更新しハーフマラソン女子単独レースで新たな世界記録をとなる1時間5分16秒を樹立。

↑「ディゼロ アディオス プロ」2020年

 

2011「ADIZERO:ROAD TO RECORDS」にて10km女子単独レースで故アグネスジェベト・ジェべット・ティロップが「アディゼロ アディオス プロ」と共に、当時世界新記録となる30分01秒で優勝。また、5km女子単独レースではセンベリ・テファリ選手が「アディゼロ タクミ セン 8」と共に、14分29秒で優勝し当時の世界新記録を打ち立てました。

↑「アディゼロ アディオス プロ」2021年

 

一方、期待の若手ランナーによるトークセッションも行われ、男子マラソン日本歴代38位の2時間7分52秒の自己ベストを持つ浦野雄平(富士通陸上競技部所属)、1万m28分8秒83の自己ベストを持つ塩澤稀夕(富士通陸上競技部所属)、女子マラソン日本歴代12位の2時間22分29秒の自己ベストを持つ上杉真穂(スターツ陸上競技部所属)、そしてマラソン2時間8分21秒の自己ベストを持つ林奎介(GMOアスリーツ所属)の4選手が登壇。それぞれお気に入りの最新アディゼロシリーズを履き、印象と今後の目標を語ってくれました。

↑左から塩澤選手、浦野選手、上杉選手、林選手

 

今回の新作を含め、アディダス ランニングの「アディゼロ シリーズ」は7モデルのラインナップとなりました。もちろん最新モデルは現在は販売中。自分の走り方に合わせ最適なモデルを選び、ぜひランニングを楽しんでください。

 

撮影/中田 悟

 

 

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進化した厚底ランニングシューズ「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト% 2」

「ナイキ(NIKE)」が、ズーム エア ポッドを配置した厚底ランニングシューズ「エア ズーム アルファフライ ネクスト%」の後継モデル「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト% 2(以下、アルファフライ 2)」を発表。その「プロトタイプ」カラーが、NIKE APPのメンバー限定で6月22日から発売予定です。

↑「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト% 2」 3万1900円(税込)

 

アルファフライ 2は、マラソンを走るすべてのランナーに、より優れた安定性と体重移動を提供するため、構造の改良にフォーカスを置いて開発されました。原点となったシューズと同様、アルファフライ 2のミッドソールにはフルレングスの(ナイキで最軽量かつもっとも弾力性に優れたフォームである)ズームエックス フォームと、フルレングスの曲線的なカーボンプレートを組み合わせ、前足部に搭載された2つのナイキ エア ズーム ポッドが推進力を提供し、軽さとサポート感のある乗り心地に仕上がっています。

↑フルレングスのズームエックス フォームのミッドソール、曲線的なカーボンプレート、アトムニット 2.0 のアッパー、薄いラバーを採用したアウトソールと、幅を広くしたかかと、などから構成されています。

 

さらに、前足のズーム エアの下にフォームを追加してエネルギーリターンを高めつつ、ランナーが足をすすめる際のかかとからつま先への体重移動を、これまで以上にスムーズにしています。かかとは幾分幅を広くし、ペースを変えた時にも安定感のある体重移動ができるようにしています。アッパーには、足をしっかりと包み込み、つま先部分の通気性を高め、シューレースの下の部分には快適なパッドを加えたアトムニット 2.0 を採用。

 

「プロトタイプ」と名付けたカラーは、ナイキのエリートマラソンランナーが試し履きをしたシューズの色から着想を得ており、アルファフライ 2の開発段階においてもアスリートとテストを進めてきたことを表現しています。

↑このカラーの土踏まず側には試走用の番号を記し、ズーム エア バッグにはアクセントとなる色を加えています

 

 

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トップランナーが「今すぐ走り出したくなる」とアシックス史上最速のシューズを推薦!

アシックスは6月7日、夢の島競技場(東京都江東区)で「アシックス『METASPEED+』シリーズ ローンチイベント」を行い、ピッチ型とストライド型の2つの走法に応じて設計した最強のマラソンシューズを発表。2000年のリオ五輪金メダリストの高橋尚子さん、2024年パリ五輪のMGCを第1号で獲得した細谷恭平選手によるトークセッション、インフルエンサーによるタイムトライヤルなどのイベントとともに、最強シューズの全容が明らかになりました。

 

250を越えるパーソナルベストを生んだ前作からさらに進化!

イベントの最初にアシックスの代表取締役社長、CEO兼COOの廣田康人氏は、「2025年には我々のミッションである『No.1パフォーマンスランニングブランドになる』を実現したいと思っています。先月行われた『ワールドトライアスロンチャンピオンシップ横浜』では、大会出場選手男女合わせてのシューズ着用シェアでアシックスが第1位となりました。でも我々の反転攻勢は始まったばかりです」と頂上奪還を力強く宣言しました。

↑アシックス 代表取締役社長 CEO兼COO 廣田康人氏

 

アシックスはそのミッションを遂行するために2020年に「C-Project」を発足しました。「そこではアシックスの創業者・鬼塚喜八郎氏の『まず頂上を攻めよ』というフィロソフィーにもとづいて行動しました」とはプロジェクトリーダーでもある部長の竹村周平氏。

↑アシックス C-Project 部長 竹村周平氏

 

2021年、アスリートの走り方の違いに着目した2つのモデルを有する「METASPEEDシリーズ」が誕生しました。ストライド型(歩幅を大きくして走る方法)ランナー向けの「METASPEED SKY」とピッチ型(歩幅を小さくして走る方法)ランナー向けの「METASPEED EDGE」です。

 

この「METASPEEDシリーズ」によってこれまでに250ものパーソナルベストが生まれ、この前作からさらに自走速度を上げられるよう、ストライドをより伸ばせる構造に。それぞれのランニングスタイルに適した、最適構造にするために誕生したのが、6月14日から発売する「METASPEED SKY+(メタスピードスカイプラス)【以下SKY+】」と「METASPEED EDGE+(メタスピードエッジプラス)【以下EDGE+】」なのです。

↑「METASPEED SKY+」。クッションフォーム材「FF BLAST TURBO」を前作より約4%増量させている

 

↑「METASPEED EDGE+」。クッションフォーム材「FF BLAST TURBO」を前作より約16%増量させている

 

「METASPEED+シリーズ」のテクノロジーについて、竹村氏が解説をしてくれました。

 

「『SKY+』と『EDGE+』は主に3つのポイントが異なっています。1つ目はソールの厚みです。『SKY+』のほうが『EDGE+』より厚いです。2つ目は踵からつま先までの高さ。ドロップといいますが、『EDGE+』のほうが『SKY+』より高いです。

 

そして3つ目がカーボンプレートの配置です。『SKY+』は接地面に対して平行な形状をしています。それに対して「EDGE+」は前作同様V字の形状となっています。この動きを安定させ、身体を前方向に進めるために設計された軽量プレートが、それぞれのランニングスタイルに合わせ、反発性や前へ進みやすいように工夫されています」(竹村氏)

↑「SKY+」のミッドソールの厚みは最大約33mmで、ドロップ(かかと部分の高さとつま先部分の高さの高低差)は約5mm

 

↑「EDGE+」のミッドソールの厚みは最大約33mmで、ドロップは約8mm

 

「ほかにもアウトソールの形状や、つま先のカーブの設計などをそれぞれの走法に合わせて形状設計を行っています。これら『METASPEED+シリーズ』のお披露目は、4月の下旬、スペイン・マラガで開催されたイノベーションサミットにて先立って発表されました。そのイベントでは、街のメイン大通りを貸し切った世界陸連公認レース『META:Time:Trials』を実施。世界中から73名のアシックスのアスリートが集まり『METASPEED+シリーズ』を履いてパーソナルベストを目指しました。73名のランナーが出場し、29ものパーソナルベストが生まれ、その内4つのナショナルレコードが生まれました」(竹村氏)

↑耐久性に優れ、グリップ力を向上させながらも、軽量化を実現するラバー素材のアウターソールを使用

 

スペインでのイノベーションサミットでは「METASPEED+シリーズ」のパフォーマンスの高さを証明しました。さらにこのサミットで展開したもう一つのコンテンツが「スポーツラボ」です。会場内にコンテナブースを設置し、アシックスが「METASPEED+シリーズ」にとった最新テクノロジーから、カーボン、フォーム材、走法分析をピックアップ。その3分野の研究開発を続けるスタッフからの解説や、魅力的な展示物の撮影が可能なゾーンとなっていました。

 

そんな「スピードラボ」を今回のイベントでも競技場の一室に持ち込み、「METASPEED+シリーズ」の研究開発に臨んだメンバーが本社の神戸から来場して解説を行っていました。

↑ピッチとストライドの2極化する走法を多くのデータを用いて解析。市民ランナーでもネットで手軽に走法が確認できるツールも紹介してくれた

 

↑カーボンプレートの配置やソールのカーブ設計など、「METASPEEDシリーズ」から「METASPEED+シリーズ」への進化がひと目で分かる

 

↑抜群のフィット感を実現したアッパー部分も展開して展示。細谷選手も感動した足首周りの形状もよくわかる

 

↑アシックスの軽量ミッドソールフォーム材の変遷も並べ展示。鉄球を落として、その反発力と衝撃吸収性が確認できる

 

高橋尚子&細谷恭平。新旧トップランナーそれぞれのシューズへの思い

↑2024年のパリ五輪で金メダルを目指す細谷選手に、2000年シドニー五輪金メダリストの高橋はエールを送った

 

2000年シドニー五輪の金メダリスト、高橋尚子さんと2024年パリ五輪代表選考会「グランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を第1号で獲得した細谷恭平選手(黒崎播磨)によるトークセッションでは新旧のトップアスリートが、それぞれのシューズへの思いを語りました。

 

最初に、今回発表された「METASPEED+シリーズ」の第一印象について。

 

高橋「ビックリするくらい軽いんですよ。履いているのか、履いていないのか分からないくらい。厚底なので、どうしても重い感じに見えてしまうんですけど軽い」

 

細谷「前作も履かせていただいていましたが、今作は足首周りのフィット感が増していて、今にも走り出したくなるようなシューズな気がします」

 

また、現役時代は薄底シューズが主流だった高橋さんと、現役でこのシューズを使ってパフォーマンスを見せている細谷選手。

 

高橋「私は薄型が主流の時代だったので、薄ければ軽いのですが、その分、着地で足への負担がかかる。私はスピードを捨てたとしても、最後まで走りきりたかったので、当時の現役選手の中で一番厚底を履いていたと思います。今や厚底でも軽いので、スピードも持って、足も持つ。最高ですね。当時履いてみたかったなという思いはあります」

 

細谷「僕は逆に、普段の練習ではあえて使いません。自分のパフォーマンスを100%引き出してくれるシューズなので秘密兵器的要素で本番に取っておく。そういうシューズ選びをしています」

 

金メダリストから将来の金メダリストへエールを、そして細谷選手は今後の目標を語りました。

 

高橋「身体の一部となるシューズが、さらに細谷選手の背中を押してくれる。ぜひ世界で活躍する選手に、何といってもMGC第1号ですからパリを目指して頑張ってもらいたい」

 

細谷「僕は将来的に世界と戦っていきたいという思いがあるので、まずはその通過点として同級生でもある鈴木健吾選手(富士通)が出した日本記録(2時間4分56秒)を視野に入れて、その先の世界を見据えています」

 

そして最後に2人のトップランナーから市民ランナーへメッセージを送りました。

 

高橋「タイムを縮めたい人、これからマラソンを始めたい人など、皆さんに足を通していただいてフィット感、軽さ、反発力を体現してもらいたい。必ず皆さんの目標を一緒にかなえてくれるパートナーになってくれるので、ぜひ手に取って、一歩踏み出してもらいたい」

 

細谷「僕からはひと言、まずはこのシューズを履いてみてください、履いてみてこの素晴らしさを知って、一緒に自分の目標に向かって頑張っていきましょう」

 

これで走ってみたいという感動を覚えるはず

今回、イベント取材の際に「METASPEED EDGE+シリーズ」を試し履きをしましたが、足首周りのフィット感だけでなく、柔らかなアッパー素材が優しく包み込んでくれるホールド感は抜群。2人のゲストアスリートが「来たー!」と感動したほどけにくい軽量のシューレースも新鮮でした。

 

そして立ち上がると、常に前傾姿勢となり、走りの一歩一歩をサポートしてくれるのがリアルに体感。しかし、トップアスリート向けとあって、まだフォームが完成していないランナーがこれだけに頼るのはオーバープロネーションによるけがや故障の危険性もあるそうです。しかし実際に履いてみると、これで走ってみたいという感動を覚えるはずです。

 

「METASPEED EDGE+シリーズ」は、アシックスオンラインストア、一部店舗を除くアシックス直営店、全国のスポーツ用品店で順次発売されます。メーカー希望小売価格は初代と変わらず、どちらも2万7500円(税込)です。ぜひ、まずはお近くのアシックス直営店かスポーツ用品店で足を入れてみてください。きっと驚きますよ。

↑今回のイベントではペーサーに早稲田大学競争部を迎え、ランニングインフルエンサーによる「METASPEED+シリーズ」を履いた5000mタイムトライルも行われた

 

撮影/中田 悟

 

 

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ニューバランスからトップアスリート向けと、ビギナーランナー向けの新作ランシューがそれぞれ登場!

ニューバランス ジャパンが2022年の新たな試みとして「NB YOYOGI PARK FKT」を4月21日〜5月20日の約1か月間開催。その発表会と合わせて、会場では新たなランニングシューズもお披露目されました。その気になる新作シューズを中心にお届けします。

 

代々木公園で「New Balance YOYOGI PARK FKT」を開催

今回の発表会では、ニューバランス ジャパンの代表取締役社長の久保田氏が登壇。渋谷区、代々木公園、一般社団法人渋谷未来デザインと手を組み、今回開催となった「New Balance YOYOGI PARK FKT」の経緯などを説明しました。

↑ニューバランス ジャパンの代表取締役社長の久保田伸一氏

 

コロナによってランニングイベントの中止や延期が続く中、新しいランニングの形を体験してほしいという願いからNB YOYOGI PARK FKTは発案されました。同イベントは代々木公園の中に設定された1マイルのコースで行われるマイクロレースとなっており、アプリを通してタイムを競います。自己記録に挑戦したり、友人と一緒に楽しんだり、それぞれに合った方法でよりランニングが楽しめる内容となっています。ランニングの聖地と呼ばれる場所が、このアクティビティを通してより盛り上がりをみせることになります。

 

トップアスリートに向けたスピード重視のニューモデル

今回、ニューバランスの新たなモデルとして仲間に加わったのが「Fuelcell SuperComp PACER」。爆発的な推進力を生むスピード重視のレーシングモデルとなっており、10kmからハーフ、駅伝に挑むランナーの走りを進化させるでしょう。

↑「Fuelcell SuperComp PACER」1万9800円(税込)

 

FuelCellとは2017年にアスリートとともにアメリカのニューバランス工場にあるイノベーションラボで開発をスタートしたシリーズのこと。高い反発弾性と軽量性を両立した弾むような走り心地のミッドソールが特徴で、ランナーが求めるスピードに応えられる新時代のシューズを提案し続けています。

↑高反発のFuelCellミッドソールに加え、弓形状のプレートであるENERGY ARCを組み合わせ。薄底ながら、踏み込み時にプレードがしなり、そのリターンとして爆発的なエネルギーを生み出してくれます

 

↑つま先から着地する走り方のフォアフットを意識させたラバー配置を採用したアウトソール。そのラバーの面積もコンパクトにさせたことにより、軽量化も実現させています

 

まだまだ歩みを止めない「フレッシュフォーム1080」がさらに進化!

続いては、ニューバランスお馴染みのソフトなライド感でビギナーランナーからウルトラマラソンまで快適にサポートするランニングシューズ「FRESH FOAM」。そのトップモデルである1080がこの度アップデートされました。

↑「FRESH FOAM X 1080 v12」1万7600円(税込)

 

今回で12代目モデルとなる本作は、ミッドソールにデータに基づいたよりクッション性を感じられる構造の「FRESH FOAM X」を採用。その他にもヒールストライカーにも適した着地から蹴り出しまでスムーズに支えるアウトソール、通気性とフィット性に優れる“HYPOKNITアッパーなど、ニューバランスがこれまで培ってきたテクノロジーをふんだんに使用。その快適性は、これからランニングを始めたいという人にもオススメのモデルとなっています。また、足への快適なフィットのためにワイズは男女ともにやや細いと標準の2種類、さらにブラックカラーには幅広も含めた3種類を用意。自分に合った幅を選ぶことができます。

↑単一素材でありながらヘキサゴンデザインの凹凸でクッション性と安定性を両立させているフレッシュフォームミッドソール。v12モデルでは、マイルドな面持ちのナッツ型デザインにアップデートしています

 

↑アッパー素材は、ニューバランスのグリーンリーフ基準を満たすリサイクル素材を選ぶなど、自然にも配慮する時代背景にもフィットさせています

 

↑アウトソールもアップデートが施されています。中足部にブローンラバーを加え、後足部の巻き上がりを大きくできるように設計。そのおかげで接地時もスムーズかつ、柔軟に屈曲してくれるので安定した走りを提供してくれます

 

ここまで紹介してきましたニューバランスの新作ランニングシューズの「Fuelcell SuperComp PACER」と「FRESH FOAM X 1080 v12」。ともにニューバランスがこれまで培ってきたテクノロジーや、地球環境を考慮した素材選びなど、今の時代にフィットするシューズとなっていました。これからランニングを始める方、さらにストイックに走りたいという方はぜひ手に取って、そのクオリティの高さを体感してみてはいかがでしょうか。その際にはNew Balance YOYOGI PARK FKTもぜひ利用してみてください。

 

撮影/中田 悟

 

 

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代々木公園にてオンラインマイクロレース「New Balance YOYOGI PARK FKT」が開催中!

ニューバランスジャパンは、4月21日~5月20日の約1か月間、代々木公園(東京都渋谷区)にて、オンラインマイクロレース「New Balance YOYOGI PARK FKT」を開催中。

 

代々木公園で新しいランニングの形を体験できる

「New Balance YOYOGI PARK FKT」とは、代々木公園の中に設定された約1.6km=1マイルのコースで行うオンラインマイクロレース。コースを走った記録をアプリ(STRAVA)にアップロードし、公開することでレースに参加します。「FKT」とは、「Fastest Known Time」の略で「知られている限り最も速いタイム」のこと。もちろん、最速を競うことがすべてではなく、自己記録に挑戦したり、友人と一緒に楽しんだりと、それぞれに合った楽しみ方で何度でもチャレンジが可能です。

 

都心のランニングコースとして人気が高い代々木公園内に1マイル(1609m)のコースを設定しています。

↑原宿門を入ったパノラマ広場そばの路面にスタートラインが用意されています。そこから路面や看板のコース案内をたどり、ゴールラインまで、1マイルのコースです

 

参加方法は下記の通り。

①Stravaアプリをダウンロードし、アカウントを作成。

②下記URL及び、「グループ」タグ→「チャレンジ」から『New Balance YOYOGI PARK FKT』を検索し、「チャレンジに参加」をクリック。コースMAPに沿ってランを行い、タイムを計測。
https://www.strava.com/challenges/newbalance-yoyogiparkfkt

③ランが終了したら記録タイムが反映され自分の順位がランキングに表示されたことを確認して終了です。

 

“ランニングの聖地”と呼ばれる代々木公園で、新しいランニングの形をぜひ体験してみてください。

 

アディダスとオールバーズのコラボランシューがさらに進化!

アディダス ジャパンと、オールバーズは、両ブランド史上最もカーボンフットプリント(温室効果ガス)を抑えたランニングシューズ「ADIZERO × ALLBIRDS 2.94 KG CO2E(アディゼロ × オールバーズ 2.94 KG CO2E)」を2022年4月20日から、日本発売を開始します。

 

本モデルは、アディダスとオールバーズがパートナーシップを結び、カーボンフットプリントを 63%(※1)低減したランニングシューズとして、昨年数量限定で発売され話題を呼んだ「FUTURECRAFT.FOOTPRINT(フューチャークラフト・フットプリント)」の本格展開モデルです。今回新たに4種類のカラーラインナップを展開し、アディダスとオールバーズの公式オンラインショップ、アプリ、一部直営店にて発売。また、本モデル発売を記念して、アディダス一部店舗限定にて「FUTURECRAFT.FOOTPRINT」の同時再販もします。

*ランニンクグフットウェア「adizero RC3(アディゼロ RC3)」の測定値(7.86kg CO2e)と比較

↑「ADIZERO × ALLBIRDS 2.94 KG CO2E」1万3500円(税込)

 

↑リサイクルゴムを10%使用したアウトソールは軽量で、ミニマルなデザイン。1〜1.2mm の薄さにすることで、従来のアウトソールに比べてCO2eを削減

 

ライバル関係にあたるスポーツブランドであるアディダスとオールバーズは、CO2e(二酸化炭素換算)低減のために多大な努力を惜しまずそれぞれの専門知識を結集することで、必要最小限の素材とスマートなソリューションで最大のパフォーマンスを引き出し、機能性と環境への配慮を兼ね備えたシューズを全てのランナーに提供します。

↑コアブラック/アシッドレッド、クラウドホワイト/カーボン、コアブラック/ブリス、そしてオールバーズ限定カラー(グレーファイブ/セミターボ)の4色で展開

 

 

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“ナイキ一択”からどう変わった? 2022年「ランニングシューズ」最新事情と、普段使いしたい最新モデル

オリンピックや箱根駅伝など、昨今スポーツイベントがあるたびに注目される最新鋭のランニングシューズ。ナイキの厚底シューズが話題を集めたのが記憶に新しいところですが、その勢力図は刻々と変化しています。そこで、ランニングギアの専門誌『Runners Pulse(ランナーズパルス)』編集長の南井正弘さんに、ランニングシューズの最新事情をヒアリング。加えて、自分に合ったランニングシューズを見つけるポイントなども教えていただきました。

 

さらに記事の後半では、オン/オフ問わず活躍するランニングシューズをピックアップ。スタイリストによる、私服とのコーディネートのコツも紹介していきます。

 

ランニングシューズのトレンドは? “厚底”のメリット・デメリット

まずは、ランニングシューズのトレンドをチェック。どのようなデザイン・形状のモデルが増えているのでしょうか?

 

「ランニングシューズは少し前まで、“走るときにだけ履くもの”という考え方が一般的でした。そのため、普段履くには少しスポーティーすぎたり、そもそもファッショナブルでなかったりするものが多かったんです。ところが最近では、走るときだけでなく、オフシーンでもおしゃれに履けるデザインのランニングシューズが増え、ランナーたちの間でも人気が高まっています。

形状は、ここ5年くらいは“厚底”がトレンドです。そもそも厚底は、それまで主流だった薄底と比べて足の疲労が少ない点がメリット。薄底は蹴る力が地面にダイレクトに伝わりますが、その分足に負担が大きく、トップの選手であってもフルマラソンの終盤などは、足がかなり辛い状態になってしまうんです。それに比べて厚底は、地面への衝撃を吸収しながら、地面から反発する力をもらうことができるため、足へのダメージが軽減されるのです。

でもこれは、あくまでもトップ選手に限った話。一般のランナーの間でも、ある程度は厚底がトレンドになっていますが、トップの選手ほど“厚底偏重”ではありません。理由は、着地したときのバランスが取りづらかったり、シューズによってはペースが上がりすぎてコントロールしづらかったりと、扱いづらい側面もあるためです。それでもトップの選手と同様に、衝撃吸収と反発力を兼ね備えたシューズを選ぶ人が増えていると思います」(南井正弘さん、以下同)

 

トップ選手たちが履いているのは?

一般のランナーたちも常に注目しているという、トップ選手たちのランニングシューズ。2021年に開催された東京オリンピックや2022年1月の箱根駅伝では、選手たちはどのようなシューズを履いていたのでしょうか?

 

「2020年までの大きなレースでは、8~9割の選手がナイキのシューズを履いていました。2021年の東京オリンピックのマラソンでも、男子のトップ3の選手全員が履いていたのは、ナイキのシューズ。しかし女子は、1位の選手がアディダス、2位がナイキ、3位がプーマと見事にバラバラでした。少しずつではありますが、国際的なレースでナイキが独占する市場は変わりつつあるのではないかと感じています。

また、箱根駅伝でも、2021年はなんと約95%の選手がナイキのシューズを履いていたのに対して、2022年は約73%と減少しました。しかしながら箱根駅伝の1区から10区で、それぞれトップ3の選手が履いていたシューズの多くはナイキ。そう考えると、トップクラスの選手たちは、ほとんどがナイキを履いていたという見方もできるんですよね。全体の比率は減少したとはいえ、7割のシェアはすごいこと。箱根駅伝でもナイキが独占する市場は変わりつつあるとはいえ、まだまだナイキがリードしているのが現状だと思います」

 

主なランニングシューズメーカーの最新事情をチェック!

トップランナーの世界でも、少しずつ変化しているランニングシューズ事情。続いては、主なメーカーがここ最近販売しているランニングシューズについて、特徴や進化したところなどを教えていただきました。

 

1.ランニングシューズ業界をリードする「ナイキ」

「スタイリッシュでかっこよく走れるシューズが揃っているナイキ。見た目のおしゃれさはもちろん、アパレルとのコーディネートがしやすいところも大きな魅力で、シューズとカラーリングがマッチしたランニングウェアも販売されています。もともと強みだったファッショナブルさに加え、ここ5年くらいで、厚底シューズを筆頭にレースでの強さもよりプラスされたシューズが増えました。現在、世界的に見ても絶好調なブランドだと言えると思います」

 

2.新たな挑戦をはじめ、トップシーンでの強さを見せる「アシックス」

「アシックスは、レースでの強さが魅力。2021年に販売を開始した『METASPEED』シリーズは、東京オリンピックや箱根駅伝でも履いている選手がいました。そしてここ最近のアシックスは、昔ながらの伝統的なつくりのシューズに加えて、底がゆりかごのように転がるタイプや、トランポリンのように跳ねるタイプなど、新たなシューズもつくるように。ここ数年は“ナイキ一極集中”とも言われていましたが、アシックスにもトップシーンでの強さが戻ってきています」

アシックス「Metaspeed SKY」2万7500円(税込)

 

3.一般ランナー向けのランニングシューズがより洗練された「アディダス」

「アディダスはここ1,2年で、トップシーンはもちろん、一般ランナー向けのシューズもかなり洗練されたという印象があります。もともと一般ランナーの間でポピュラーだった『ADIZERO JAPAN』『ADIZERO BOSTON』は、2021年に発売されたモデルにかなりの人気が集まりました。さらに以前よりもシューズとアパレルのコーディネートがしやすくなったところも、最近の傾向として挙げられると思います」

 

4.衝撃吸収と反発力を兼ね備えたシューズが増加する「ミズノ」

「ミズノの強みの一つは、反発性に優れた素材を自社で開発しているところです。最近では『ミズノエナジー』と呼ばれる高反発素材を開発。ミズノエナジーを採用することによって、今まで以上に着地した衝撃を吸収し、地面からの反発力が強化されたランニングシューズが増えました。またシューズのカラーリングなども、よりスタイリッシュになってきている印象があります」

 

5.普段履きとしても人気! 厚底シューズの元祖「ホカ」

「ホカは、厚底のランニングシューズを初めて販売したブランドと言われています。底がコロンと転がるような形状になっていたり、足にやさしいマシュマロのようなクッションが使用されていたりするところがシューズの特徴です。以前は、山を走るトレイルランニングでよく履かれていましたが、最近ではロードランニングでもメジャーになってきています。シックなカラーリングのシューズもあって、普段履きとしても人気。今、ランニングの世界で旬なブランドの一つです」

 

6.シンプルでスタイリッシュなデザインが魅力の旬ブランド「オン」

「ランニング業界で今が旬のもう一つのブランドが、スイスの『オン』です。独自のクッション構造である『クラウドテック』が用いられたシューズは、着地の衝撃を自然に吸収して爆発的に力を跳ね返してくれます。さらにオンのシューズは、ラインなどがあまり入っていないシンプルでスタイリッシュなデザインも魅力で、オフィスにも履いていけるようなカラーリングのものもあります」

 

およそ1500足のシューズを所有する南井さん。現在愛用している一足に、オンのシューズもあるそう。

 

「今、気に入っているランニングシューズが、オンの『Cloud Waterproof』です。このシューズは防水なのですが、通常の防水シューズのような“ゴツさ”がなく、普通のランニングのときでも履きやすいのが魅力の一つです。もちろん防水の機能も抜群。最近は大雨が降ったり、東京でも雪が降ったりすることがありますが、そうしたときに履いても履き口以外からは全く水が入ってきません。さらにシューレスはゴム紐なので楽に履くことができます。欠点をあげるとすれば、このシューズを玄関に置いておくとこればかりを履いてしまうこと(笑)! そのくらいやみつきになる一足です」

現在は、アップデートされた「Cloud 5 Waterproof」が販売。アップデートにより、フィット感と履き心地がさらにアップしました。オン「Cloud 5 Waterproof」1万7380円 (税込)

 

自分にぴったりのランニングシューズを選ぶには?

たくさんのシューズがある中で、自分のお気に入りの一足を見つけるためにはどうすればいいのでしょうか? アドバイスいただきました。

 

「ランニングシューズを選ぶときには、自分の足とシューズの形が合っているかどうかを確かめることが一番大切です。自分の足に合っていないのに、色やデザインが気に入っているからと言って無理に履き続けてしまうと、足の病気や怪我につながることもあります。

そのためには、まずはお店で試し履きすることが欠かせません。同じサイズでもメーカーによって大きさが微妙に違ったり、同じメーカーでも種類によってサイズ感が変わったりするので、初めて履くモデルのシューズは必ず足を入れてみることをおすすめします。また、メーカーの直営店などでは、足のサイズを計測してくれて、ぴったりな形や合わない形を教えてくれるところもあります。自分の足について今まで知らなかったことも知れるので、プロの方に見ていただくのもいいと思います。

そして選ぶときにもう一つ大切なのが、自身のランニングシューズの使い方を考えること。例えば、ランニングだけでなく普段履きもしたい人は、私服にも合わせやすいカラーやデザインのシューズを選んだほうがいいですよね。また、普段そこまでスピードを出して走ることがない人は、トップランナーが履いているような厚底シューズを選ぶ必要はないはず。このように自分の用途に合うものは何かを考えながら選んでみてください」

 

最後に、今後のランニングシューズの勢力図について、南井さんにお聞きしました。

 

「ランニングシューズの現時点でのリーディングブランドは、やはりナイキ。しかしアシックス、アディダス、ミズノといった他メーカーも続々と新機軸を打ち出していて、少しずつシェアを伸ばしています。そのため今後は、一時のような『ナイキ一極集中』はなくなってくるのではと考えています。さらに、ファッショナブルなランニングシューズは増えていくはず。オンオフ問わずに履けるデザインはこれからも人気が高まっていくと思います」

 

オンスタイルにも合わせたいランニングシューズ 6選

ここからは、現在トレンドになっている、オンオフ問わず履けるランニングシューズを紹介しましょう。スタイリストの大関涼子さんに、コーディネートの際のポイントもあわせて教えていただきました。

 

「普段履きとしても取り入れやすいオンのランニングシューズ。どんな服にも合わせられますが、今回はシューズとジャケットの色を揃え、同じトーンのグリーンをスカートでプラスしました。このように女性らしいきれいめなコーディネートにも相性抜群です! また、カジュアルな格好ができる会社であれば、お仕事にも履いていけると思います。ランニングシューズを履いて通勤し、一駅前で降りて会社まで歩く、なんてこともできそうですね」(スタイリスト・大関涼子さん、以下同)

シューズ=オン「Cloud 5」1万5180円、コーディネート=ジャケット7590円、Tシャツ3190円、プリーツスカート4950円、ショルダーバッグ3190円、スカーフ2090円/すべてグローバルワーク(アダストリア)

 

こういった普段のきれいめカジュアルなコーディネートにも合わせたいランニングシューズを6モデル、ピックアップしていただきました。

 

履き心地はもちろん、ファッショナブルなデザインも魅力
ナイキ「NIKE ZOOM WINFLO 8」

ナイキ「NIKE ZOOM WINFLO 8」1万1000円

軽量で通気性が良く、快適な履き心地。さらにかかとと足首周りをしっかりサポートしてくれるため、足にしっかりフィットします。日頃のトレーニングにぴったり。「ファッショナブルな配色とシューズ紐が透けて見えるデザインがポイント。デザイン性のあるモードカジュアルな服と、特に相性抜群です!」(大関涼子さん、以下同)

 

絶妙なブルーが印象的!カラーバリエーションが豊富なのもうれしい
アシックス「GEL-KAYANO 28」

アシックス「GEL-KAYANO 28」1万7600円

クッション性と反発性に優れたミッドソール素材を使用し、安定感のある快適な走りをサポートしてくれます。着地から走り出しまでのスムーズな足運びを追求した、靴底のフラットな構造もポイント。「オーソドックスなネイビーではない、絶妙なブルーが印象的。全体的にくすんだカラーなので、アースカラーなど、落ち着いたカラーの服と合わせるといいと思います」

 

安定のブラックに、薄めのピンクでかわいらしさもプラス!
アディダス「ウルトラブースト 22」

アディダス「ウルトラブースト 22」2万4000円

距離やペースに関わらず快適な走りをサポートしてくれるシューズ。靴底の多数の突起が、体重移動をよりスムーズにしてくれます。「普段履きできるランニングシューズの“最初の一足”をゲットしたい人が、まず手に取りやすいのはブラックのシューズだと思います。どんなコーディネートにも合わせられるので大活躍するはずです」

 

くすみカラーのワントーンで、きれいめなコーディネートとも合わせやすい
オン「Cloud 5」

オン「Cloud 5」1万5180円

ブランドを象徴するモデルが2022年2月にアップデート。ソールの厚さが増したことで、より着地の安定感が向上しました。ゴムの靴紐を採用しているので、脱ぎ履きも快適!「ポップでカラフルな印象が強いランニングシューズですが、オンのシューズはくすみカラーやワントーンのものが多いのが特徴です。きれいめカジュアルなコーディネートにも合うので、普段使いしやすい一足だと思います」

 

ソールのパープルがインパクト抜群!
ニューバランス「FuelCell PRISM W LV2」

ニューバランス「FuelCell PRISM W LV2」1万3200円

卓越した反発性を持つソールと、安定性の高い構造が魅力。靴底はグリップ性に優れていて、トレーニングからレースまで快適に走ることができます。「何色もカラーが入っているシューズを履くときには、その中の一色を使った服と合わせるとまとまって見えます。また、服とシューズの色のトーンを合わせるのもおすすめ。このシューズだと、鮮やかな緑など、派手な原色と合わせてもかわいいですよ!」

 

他では見かけない、淡いネオンカラーがポイント!
プーマ「ディヴィエイト ニトロ ワイルドウォッシュ ウィメンズ」

プーマ「ディヴィエイト ニトロ ワイルドウォッシュ ウィメンズ」1万9800円

反発性とクッション性に優れた軽量のソールや、あらゆる路面に対応するグリップ力抜群の靴底などが特徴。プーマの最新テクノロジーが詰まった一足です。「淡いネオンオレンジが、他ではあまり見かけない絶妙なカラー。白のワンピースと合わせると爽やかな装いになりそうです。単色の服との相性がいいと思います」

 

ランニングのときはもちろん、オフのときにもおしゃれに履くことができるお気に入りの一足を、ぜひ探してみてください。

 

【プロフィール】

ランナーズパルス編集長 / 南井正弘

スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。「フイナム」「Number Do」「モノマガジン」「OCEANS」「SHOES MASTER」を始めとした雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書は「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」など。ランニングギアの雑誌・ウェブメディア「Runners Pulse」の編集長も務めている。

「Runners Pulse」https://runnerspulse.jp/

 

On初! めちゃ厚底の「クラウド モンスター」が登場!!

スイスのパフォーマンスブランド「On(オン)」は、かつてないほどのクッションを搭載した新作シューズ、「Cloudmonster(クラウド モンスター)」を3月31日にOnオフィシャルオンラインショップと全国の取り扱い店舗にて発売。

 

クラウドモンスターは、On史上最大のCloudパーツを使用した特許技術CloudTec(R)ソールを搭載。コレクションの中で最大のクッショニングシューズ。さらに、Onの全モデルに採用されている弾力性のあるポリプロピレン製Speedboard(R)プレートと、前足部のロッカー形状の組み合わせにより、高いエネルギーリターンを実現しています。

↑「クラウド モンスター」1万8480円(税込)

 

また、ミッドソールの素材には、On独自の軽量で耐久性・耐熱性に優れたHelion(R)スーパーフォーム使用することで、 より高いレベルのクッション性を生み出しています。環境負荷軽減に向けた商品開発に取り組んでおり、アッパーのポリエステルの80%、シューズ全体の35%にリサイクル素材を使用。

↑アサイ/アロエ

 

↑フロスト/サーフ

 

 

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シューズ、ウェアとバリエーションの拡がりを感じた! On 2022S/S展示会レポート

国内のランニングブームも重なり、流星の如く現れ、瞬く間に市民権を得たパフォーマンスブランド「On(オン)」。“ランニングの世界を変える”という理念のもと、2010年にスイスで生まれ、今では60か国以上で700万人以上のランナーに愛用されています。

 

今回は「雲の上の走り」と呼ばれるほどの快適な履き心地を提供してくれるOnの最新作を紹介。2022年春夏シーズンのバリエーションに富んだラインナップをじっくりとお楽しみください。

 

【その1】クッション性を向上させた新ミッドソール

Cloud 5

1万5180円(税込)

ブランドの代表的なモデルである「Cloud(クラウド)」のアップデートモデルとしてリリースされた「Cloud 5(クラウド ファイブ)」。本モデルは、前作よりもミッドソールに厚みを持たせることでクッション性やサポート性をアップ。また、つま先周りを広げることで、より快適に着脱できるデザインを採用しています。アッパーに使われているポリエステルの92%以上、シューズ全体の44%以上にリサイクル素材を採用したサスティナブル思考な点も時代にマッチします。

 

↑Onを象徴するソールテクノロジー「クラウドテック(CloudTec(R))」も健在。その他にも、アッパーのミニマルなデザインや、着脱をスムーズにするスピードレーシングシステムがしっかりと継承されています

 

【その2】完全防水、防風素材を使用したタフなモデル

Cloud 5 Waterproof

1万7380円(税込)

こちらのモデルは先ほど紹介したCloud 5の機能性をそのままに、アッパーを完全防水と防風素材にアレンジした「Cloud 5 Waterproof(クラウド ファイブ ウォータープルーフ)」。天候に左右されず、快適な履き心地を提供してくれる機能的なモデルへと昇華しました。突然の豪雨などによる浸水はもちろんのこと、防風機能も兼ね備えているので冷気の侵入も防いでくれるというのも嬉しいポイント。

 

↑雨の日の着用を想定して、暗い状況でも周囲から目立つよう、ロゴやサイドの設けられたラインなど、各所で反射材を採用。これにより視認性を高めてくれるので、夜間のランニングにもオススメです

 

【その3】トレイルランを意識した入門モデル

Cloudvista

1万5180円(税込)

続いてピックアップしたのは「Cloudvista(クラウドビスタ)」。こちらはトレイルランでの使用を目的としたモデルで、まず高い反発性を備えながら軽量かつ、耐久性と温度変化耐性に優れたスーパーフォーム「Helion(R) (ヘリオン)スーパーフォーム」を採用。Onの独自の素材で、シューズのレベルを一段階上に引き上げてくれます。その機能性に同調するようにメッシュのアッパーは透湿性に優れ、見た目的にもアウトドア感を演出。Onの持つ機能性を見事にトレイルランに落とし込んでいます。

 

↑アウトソールには「Missiongrip(ミッショングリップ)」。雲の上を走るような感覚は残しつつも、粘着力のある多様なグリップパターンを使い、悪路でもしっかりと踏み込むことができるタフさを実現

 

【その4】シューズだけでなく、豊富なランニングウェアも要注目

Onはシューズのイメージを抱く人が多いかもしれませんが、ここ数年はウェアにも注力しているんです。その中でも、ランニングウェアのRun Lightシリーズはさらに充実したラインナップを展開していました。

Zero Jacket

1万7380円(税込)

こちらのジャケットは春夏シーズンらしい透け感のあるデザインを助長するように、重さも61gという軽量性を誇っています。加えて、撥水コーティングを施した防風仕様かつ、脇の下のベンチレーションが通気性を保ち、汗をかいても内部は常にドライな状態をキープ。コンパクトに畳めるので、シティランはもちろんのこと、トレイルランやジムワークにもオススメしたい1着となっています。

 

Weather  Jacket

2万6400円(税込)

続いて、この「Weather Jacket」も軽量性が魅力の1品。撥水、防風効果と通気性を両立させた日本製の素材を使い、破れにくいのも特徴。また、ポケットのジッパーは防水仕様や、ジャケット全体を折りたたんで胸ポケットに収められるパッカブル構造など、ディテールでも機能性の高さをアピールしています。

 

Perfomance-T

8800円(税込)

もちろんSSシーズンということもあってTシャツなどの機能性カットソーも充実。吸汗速乾性はもちろんのこと、長く愛用できるように耐久性や夏場での着用を想定した通気性や透湿性など、Onが培ってきたテクノロジーを散りばめています。また、シームレスになっているので着ていることさえ忘れてしまいそうなライトな着心地も魅力の1つです。

 

Hybrid Shorts

1万1000円(税込)

最後に紹介するのはインナータイツとアウターのショートパンツが一体化した超軽量ショーツ。こちらは2in1なアイテムで別々での着用も可能で、ショートパンツにはちょうどいいサイズ感の使いやすいポケット、インナータイツにもスマートフォンや貴重品を収納できる隠しポケットなど、利便性を追求。快適な履き心地でランニングをしっかりとサポートしてくれます。

 

世界で2店舗目となるフラッグシップショップもオープン!

ここまでは紹介してきましたOnの2022年春夏シーズンの新作アイテム群。代表的なモデルのアップデートバージョンやトレラン入門モデル、ウェア類などを紹介してきましたが、これはフルラインナップの中のごく一部。話題性十分なコラボアイテムや、シティライクなウェアなど多彩なコレクションが続々とリリースされていきます。

 

そして、Onの世界で2店舗目となるフラッグシップショップが原宿のキャットストリートに4月8日オープン予定。コレクションを手に取り、実際に着用して体感できますので、こちらの動向チェックもお忘れなく。

 

 

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さらに軽〜くなったHOKAのトレラン最新モデル「スピードゴート 5」がドロップ!

HOKAでは、人気のトレイルランニングシューズを軽さとグリップ力をアップグレードした最新モデル「SPEEDGOAT 5(スピードゴート 5)」を、3月15日から発売します。販売はHOKA公式サイトおよび全国の取扱店舗です。

 

さらに軽く、グリップ力も向上!

アウトソールからシューレースに至るまで一新されたトレイルのビースト、スピードゴート 5は、柔らかい土の上でも優れたグリップ力を発揮するトラクションラグを備え、5mmの溝を刻んだLitebase構造のVibram(R) Megagripでアップデートされています。前モデルのスタックハイトとロッカープロファイルを継承したスピードゴート 5は、より軽いミッドソール素材、リサイクル素材でより厚みのあるダブルレイヤーのエンジニアード・ジャカードメッシュを採用しています。メンズ用は2色ラインナップ。

↑Blue Coral/Evening Primrose、2万900円(税込)

 

↑Fiesta/Radiant Yellow、2万900円(税込)

 

また、3月15日〜4月15日の期間、InstagramまたはTwitterに画像や動画を投稿すると、抽選で合計4名に「スピードゴート 5」が当たる『「#スピードゴート5」キャンペーン』を開催します。

 

 

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短距離向きのロードレーシングシューズ「ナイキ ズームエックス ストリークフライ」が登場

ナイキは、5km、10km などの短いロードレーシングや、トレーニングを行うアスリートに向けたシューズ「ナイキ ズームエックス ストリークフライ」を発表。アスリートのフィードバックなどから、フルおよびハーフマラソン向けと、トラックでのレーシング競技向けのシューズの間にギャップがあることを認識し、ロードでの5kmや10kmのレースや、トレーニングに励むアスリートのために、快適で軽く、推進力と接地感を高めたシューズを開発しました。

↑「ナイキ ズームエックス ストリークフライ」1万9250円(税込)

 

ナイキ ズームエックス ストリークフライのミッドソールには、最軽量かつ反発性に優れたズームエックス フォームを全面に使い、中足部のみにPEBAXのプレートを入れることで、適切な硬さを提供し、安定性と推進力のあるライド感を実現します。ほかのロードレーシングモデルと比べて、本製品は少し薄めのソールにすることで、地面との接地感を高めています。

↑アウトソールには、ランナーのデータに基づいて開発したジェネラティブ トラクション デザインを用いています

 

アッパーには、フィット感だけでなく、通気性と軽量性も追求するため、透け感のある軽量なエンジニアードメッシュを採用。これにより、前足部をしっかり包みこみ、快適なフィット感を実現。また踵部分には、ランナーに必要な快適さとサポートを高める立体的なポッドを加えています。

↑ソール内側には、プロトタイプシューズの番号が記されています

 

↑反対側にはアクセントになるカラーと一緒に、このシューズが短距離ロード向けであることを意味する「5K、10K」の文字がデザインされています

 

ナイキ ズームエックス ストリークフライは今後、追加のカラーも発売される予定。本製品は、NIKE.COM で2月に発売予定です。

 

 

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ニューバランスのオンライン・ランニングイベントはひと味、違いました。「NB FuelCell 10K CHARGE」のオープニングランに潜入!!

ニューバランスは、「WHY YOU RUN?」をキーワードに、走り出した人に向けたオンラインイベントやキャンペーンを展開しています。走る理由やきっかけは人それぞれ。走る人の数だけ、それぞれのストーリーがありますよね。

 

昨今、オンラインランイベントは増えておりますが、ニューバランスのオンラインイベント「NB FuelCell 10K CHARGE」はまた一味違うかも!? と嗅ぎつけた私、走るタレント中村優、イベントスタート当日10月8日に開催されたオープニングランイベントに潜入してきました!

 

NB FuelCell 10K CHARGEって何??

まずは簡単にNB FuelCell 10K CHARGEの説明を。10月8日〜11月28日までのイベント開催期間中に10kmを走れば誰でもエントリー可能。スペシャルサイトのエントリーページから、走行距離を計測できるランニングアプリのスクリーンショットなどをアップロードすると、参加者が走った距離がチャージされていきます。

 

事前登録の必要がなく、全国どこからでも好きなタイミングに参加でき、期間中は何度でも参加が可能。参加者が走行距離をどんどんチャージして、みんなで東京からニューバランスの本社があるアメリカのボストンまでの距離(1万810km)を目指そう! という、新しい形のオンラインイベントです。

↑事前登録不要、参加費も無料です。ゲーム感覚で楽しみ、みんなで喜びを共有できます

 

それぞれ目標距離が定められている5つのステージがあり、目標をクリアするたびに各ステージのゲストと、レイザーラモンRGさんによる音声コンテンツを聴けるようになるので、走行距離がチャージされていく達成感をより感じられそうですね。

 

ランステ利用もできるカフェ&ホテル「OUROUR」からスタート!

そんなオンラインイベントNB FuelCell 10K CHARGEの開催初日に、まずは皆で走ってがんがん距離をチャージしましょう! ということで参加したオープニングラン。ランニングステーションとしても利用できる浅草橋のカフェ&ホテル「OUROUR(アゥア)」(※現在は宿泊は休業しております。)を拠点に、個性豊かなランナーたちと、グールプランで10km走って距離をチャージしました。

↑ラン友の山本まさみちゃん&ヤハラリカちゃんも参加

 

OUROURから墨田川の河川敷まで歩き、トレーナーによるウォーミングアップを実施してから、いよいよランニングです。「速い」「ゆっくり」の2チームに分けて走りだします。

↑もちろん私は「ゆっくり」チームへ(笑)。さぁ、スタートです!

 

↑1km7分ペースで、隅田川沿いを浅草へ

 

↑この日は、非常に暑く、走り出した瞬間から汗が噴き出ます

 

少し浅草の雰囲気を楽しんでから、隅田川を渡りスカイツリー方面に行くのかと思いきや…。三ツ目通りを南下して、休憩スポットの木場公園へ。ここまでおよそ6km。

↑暑くて、少しバテ気味でしたが、用意していただいたフローズンジュースで体が生き返りました。やっぱり皆で走るのって楽しい!

 

少し休憩して、木場公園からは残り4km。帰りは両国から隅田川を渡って、スタート地点に戻ります。

↑無事にゴールです。ゴールをしたら、時計の写真でも、スマホのランニングアプリでも、NB FuelCell 10K CHARGEイベントページからアップロードすると、10kmがチャージされる仕組みです!

 

FuelCell PRISM v2 実走レビュー

イベントタイトルにもなっている「FuelCell(フューエルセル)」というのは、ニューバランスが開発したミッドソールプラットフォームのことで、反発性と軽量性を両立したミッドソールです。FuelCellシリーズとして、ランニングの強度や用途別に様々なモデルが展開されています。

↑今回のオープニングランイベントで履いたシューズは、「FuelCell PRISM v2」

 

薄いけど薄すぎない、抜群の通気性を備えたアッパーは、「N」のロゴ部分でサドルサポートの役割も果たしてくれるそう。さらに内側は安定感を増すためのメッシュデザインになっています。

 

ソールは、内側の山型になっている部分が他の部位より硬くなっているメディアルポストと言われるもので、足が着地時に内側へ倒れ込む「オーバープロネーション」を防止してくれます。簡単にいうと安定性が高くなり、故障もしづらくなるということです。

↑走り始めたばかりの人が走ることを続けられるかどうかは、故障をしないということが重要だと思うので、これから走り始めたい、という人にもおすすめです

 

↑イベントで着用したこちらの「Q Speed ロングタイツ」は、腰のサイドにあるポケットにiPhone(XS)がすっぽりと縦に入ります。走っていても重さも感じずタイツもズレないので、身軽に走りたいときに重宝しそうです。

 

前作「FuelCell PRISM v1」も反発性と安定性のバランスが良く、お気に入りのランニングシューズの一つだったのですが、FuelCell PRISM v2は、FuelCellミッドソールがv1よりも厚くなったからか、さらに履き心地が柔らかい印象です。

↑この日は10km、また別の日に18kmほどの長距離を走った時も、柔らかな履き心地が着地衝撃から脚を守ってくれているようで、走行中疲れを感じにくい気がしました

 

2021年、スポーツの秋にFuelCell PRISM v2を履いてNB FuelCell 10K CHARGEイベントに参加してみてはいかがでしょう。「WHY YOU RUN?」きっかけはなんだっていいんです。普段走っていない人も、ぜひ、走り出してみてください。新しい楽しみが見つかるかもしれません。

 

NB FuelCell 10K

https://10kcharge.com/

 

 

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クッション性と反発性が高い! イノヴェイト「FLYULTRA G 300 MAX」が登場

inov-8(イノヴェイト)から、世界で初めてグラフェンをミッドソールに使用した、ウルトラトレイルに最適なシューズ「FLYULTRA G 300 MAX」がデビュー。

 

耐久性に優れたグラフェン強化フォーム「G-FLY」が、イノヴェイト史上最大のクッション性と反発性を生み出し、スタートからゴールまで走り始めのフレッシュな着用感を持続させます。アウトソールにもグラフェンを使用しているため、粘着性のあるトラクションと耐久性向上を実現。また10mmのアダプターフレックスグルーブが様々な起伏・形状の地形に対応。

 

カラーはグリーンとブルーに加え、ブラック×ホワイトボディの特別な「モンブランエディション」も登場。ミッドソールとフットベッドにヨーロッパで最も有名な山であるモンブランの高さ(4810m)が刻まれ、アルプス地域の等高線マップをデザインに取り入れた特別仕様です。

↑グリーン、2万5300円(税込)

 

↑ブルー、2万5300円(税込)

 

↑モンブランエディション、2万5300円(税込)

 

 

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アシックスのフルマラソンでサブ3.5以上を目指すランナー向けシューズ「TARTHEREDGE 3」

アシックスジャパンは、フルマラソンでサブ3.5(3時間30分未満の完走)以上を目指すランナーに向け、スピードをより出しやすくした「TARTHEREDGE 3(ターサーエッジ3)」を、9月17日からアシックスオンラインストア、アシックス直営店、全国のスポーツ用品店などで順次発売。

 

ターサーエッジ3は、靴底前部に3種類の異なる素材を組み合わせることで優れた耐久性、軽量性、クッション性、グリップ性を発揮し、前方へ推進しやすくしたのが特徴です。耐久性により優れた素材を新たに採用し、グリップ力を生み出すトレッドを立体的なテトラ形状にすることで、接地面積を多くとりながら路面をしっかりとらえ、選手が持つキック力を充分に生かすことができるようになっています。

↑「ターサーエッジ3」1万5400円(税込)

 

また、靴底の中部から前部にかけて「プロパルションプレート」を搭載しています。シューズの不要なねじれを抑えながらプレートがしなり、前方への推進力を生みだします。アッパーは、内部にゴムのように伸縮するキックバック性の強いフィルム補強材を搭載しています。蹴り出し時における靴底の追従性が向上し、スピード走行時でも優れたフィット感を維持します。

↑ミッドソールは、独自開発の軽量スポンジ材「FLYTEFOAM(フライトフォーム)」を全面に採用。軽さを維持しながら前作より厚め設計するなど、走行時の足への負担を軽減します

 

 

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語り出せばキリがない蘊蓄だらけ! アシックス「GEL-KAYANO 28」が走りたい人におすすめなワケ

初心者レベルといってもランニングシューズの種類は多く、どれを選べばいいのかは迷ってしまうだろう。そこで紹介したいのがアシックスの「GEL-KAYANO(ゲルカヤノ)28」だ。発売から28年、常に進化を続け、初心者から上級者まで多くのランナーに愛され続けているランニングシューズである。

 

これからランニングを始める人、日常的にランを取り入れている人、フルマラソン完走~サブ5を目指すランナーにおすすめしたいGEL-KAYANOの魅力を、誕生秘話から28年の歴史、最新作GEL-KAYANO 28の特徴、さらにはインプレッションなどで、じっくりと紹介しよう。

 

【アシックス「GEL-KAYANO 28」の写真を先見せ(画像をタップすると拡大表示されます)】

 

 

積み重ねた歴史の重みに反して足が軽やかに進むプロダクト

今回、シリーズ28代目が発売されたGEL-KAYANOは、世界のランナーに愛用されているアシックスの先進的なテクノロジーを贅沢に取り入れている。結果、優れた安定感と、走る前から感じられる信頼感を実現した。

 

数あるランニングシューズのなかでも、28年というのは最も歴史の長いロングセラーモデルのひとつで、毎年、様々なアップデートが施されながら進化を続けているシリーズでもある。

 

初代モデルからランナーの足に優しいシューズを基本に、その時代にマッチした素材を採用し、先進的な機能を搭載。その忠実なコンセプトによる信頼性からリピーターは多く、その歴史を知らないランニング初心者にとっては時代に合った進化による高機能シューズとして新鮮に映っている。

↑「GEL-KAYANO 28」 1万7600円(税込)。時代に合ったカラーリングやデザインだけでなく、常に前モデルを上回る機能を搭載し、1993年から進化し続けているGEL-KAYANO

 

「GEL-KAYANO」の原点から開発にまつわる28代分の蘊蓄

1993年、クロストレーニングが流行中のアメリカで発売された「GEL-KAYANO TRAINER(ゲルカヤノ トレーナー)」。これがGEL-KAYANOシリーズの原点だが、最初はクロストレーニングシューズからスタートした。アメリカ市場でアシックスの名前を知ってもらうため、採算度外視で開発されたが、その開発チームでデザイン開発を担当していたのが1987年にアシックスに入社した若手デザイナーの榧野俊一(かやの としかず)さんだった。

 

そう。「GEL-KAYANO」の“カヤノ”は、開発中のコードネームだった榧野さんの名前が、そのままモデル名となったのだ。榧野さんには相談なくつけられたそうだが、当時の榧野さんはもちろん、名づけた担当者もここまでシリーズが続くとは思わなかっただろう。

 

着地時の衝撃を緩衝するゲルを搭載し、当時では珍しかった「クワガタ」をモチーフにした内外非対称のデザインも先進的で、その基本となる機能とデザインは現在も継承されている。

 

その後、健康ブームによってファンランナーが増加し、6代目からはアシックスのISS(スポーツ工学研究所)とともに科学的に走りを研究したことでより注目されるようになった。当初はアウトソールの改良が中心だったが、10代目前後からはアッパーも大きく進化することに。

 

海外向けに発売された9代目では、タグ部分に榧野さんの名前の漢字スタンプ柄をデザインしたことで、創業者の鬼塚喜八郎さんから「アシックスのブランド名を利用して自分の名前を売り込む気か!」と叱責を受けたそうだが、そのモデルは海外市場では好評だった。

 

10代目が発売された2004年には、その年に開催されたアテネオリンピックで日本代表選手団のオフィシャルウェアとしてGEL-KAYANOも着用された。

 

さらに2008年に発売された「GEL-KAYANO 14」が、アメリカの世界的なランニング専門誌『RUNNER’S WORLDS』において、その年に発売された最優秀シューズに選出されている。

 

以降も進化は止まることなく、「GEL-KAYANO 18」ではアメリカのマサチューセッツ工科大と提携して有害な物質を減らすなど環境問題にも取り組んでいる。革新的な進化を常に続けるGEL-KAYANO。その開発のポイントをパフォーマンスランニング開発チームの中村浩基さんに訊いた。

↑株式会社アシックス パフォーマンスランニング開発チーム 中村浩基(なかむら ひろき)さん

 

「トレンドが常に変化するなかでも、ロイヤルカスタマーからの信頼、KAYANOというブランドのベースからはブレないこと。それは、ランナーの足に優しいシューズづくり、走っているときはもちろん、走る前から信頼感を提供できるシューズづくりを心がけることです。最近のトレンドは、よりソフトなクッション・バウンズ感のあるライド感が求められていますが、KAYANOはトレンドを追いかけるだけでなく、ブランドのベースに加えてトレンドを載せるという形で開発しています」(中村さん)

↑着用カラーのエレクトリックレッド/ブラックを含めて、メンズ用カラーは計6色展開。エレクトリックレッド/ブラックは、シティーランでも十分に映えるカラーだ

 

28年の長きにわたって多くのランナーから支持される「KAYANO」だけに、ブランドを継承し続けるうえでの苦労もあるようだ。

 

「KAYANOにとっての進化の難しさは、すでに多くのお客様から信頼をいただいている弊社を代表するシューズだということです。単に新しい機能を搭載した場合、新規顧客は増えるかもしれませんが、既存顧客との距離が離れてしまう可能性があります。ですので、新規顧客と既存顧客の両方を満足させることがKAYANOには求められています」(中村さん)

 

より速く走るために反発力を強めたり、新機能を搭載するためにこれまでのイメージを一新するのではなく、既存ユーザーからのイメージを保ちながら新規ユーザーに対しては新機能をアピールする。相反する条件をクリアしながらもGEL-KAYANOの進化は続いている。

 

 

どこが進化したの?「GEL-KAYANO 28」のディテール

28代目は、多くのランナーからの信頼を誇るGEL-KAYANOに軽量で反発性に優れたスポンジ材“FLYTEFOAM BLAST(フライトフォームブラスト)”を初採用し、フラット構造のアウトソールでさらに快適な走りを実現した。その進化についても中村さんに解説をお願いした。

 

「GEL-KAYANOでは、いつも開発前にテックストーリーやデザインインスピレーションのテーマを決めますが、『GEL-KAYANO 28』のテックストーリーは、ADAPTIVE STABILITY(寄り添ったSTAVILITY、安心感)です。またデザインインスピレーションは、BIOMIME-TECH(生体の持つ優れた機能の応用)ということで、生き物の骨格やその周りにある筋肉や表皮などの構造から着想を得ています。アッパーメッシュの機能(中足部の紐締め効果が上がるようなメッシュ配置やデザインなど)やツーリングは骨とその周りの関節や筋肉をイメージし、内蔵“トラスティック”(※着地時の足のねじれを防止する素材)のアイデアにつながりました。

 

また、FLYTEFOAM BLASTはクッション性と反発性に優れた素材で、試着に参加した多くの方々からの声(体感)として、前作の“FLYTEFOAM PROPEL(フライトフォームプロペル)”以上にその良さを感じていただいています。FLYTEFOAM BLASTがコンフォートなライド感に貢献しているのです」(中村さん)

↑「GEL-KAYANO 27」(上)、「GEL-KAYANO 28」(下)。バウンス感よりもやわらかさ・快適さを追求するため、軽く、反発性とクッション性に優れたミッドソール素材“FLYTEFOAM BLAST”を採用。足入れ時の柔らかさから走りがより快適になった

 

「STABILITYモデルとして、中足部の剛性はマスト。ただその一方、市場ではコンフォートな履き心地やスムーズなライド感が求められており、ただ硬いもので足を守るだけでは顧客満足を満たすことはできない。そこで、中足部剛性をキープしたままスムーズなライド感を満たすために、アウトソールをフラットソールトラスティック内蔵型に変更しました。この構造は『GEL-KAYANO 27』のプロト段階からトライしていた構造ですが、先代では採用に至ることはできませんでした。試行錯誤した点としては、トラスティックが足側に近くなることで、変な違和感につながってはいけない。その点はサンプルステージごとに様々な方に試着していただき、位置や厚みの確認を丁寧に行いました」(中村さん)

↑「GEL-KAYANO 27」(上)、「GEL-KAYANO 28」(下)。先代からアウトソールはフラットな構造にすることで、着地から蹴り出しまでのスムーズな足運びを追求した

 

「GEL-KAYANO 27までの大きな形状のヒールカウンターを再度見直し、オーバープロネーション(※着地の際に、かかとが大きく内側に倒れ込み過ぎている状態をいう)の抑制につながる形状に変えました」(中村さん)

↑「GEL-KAYANO 27」(上)、「GEL-KAYANO 28」(下)の内側。DYNAMIC DUOMAXと、小さいヒールカウンターによって見た目をスタイリッシュに見せながら、内側のヒールカウンターを高くすることで内側への倒れ込みを抑制し、安定した走りをサポートする

 

「走る」ことは頭の整理にも繋がる

今回、アシックスとORPHEのスマートシューズ「EVORIDE ORPHE(エボライド オルフェ)」を開発するORPHE(オルフェ)CEO/Founderの菊川裕也さんに、GEL-KAYANO 28のインプレッションをお願いした。

↑株式会社ORPHE CEO/Founder 菊川裕也(きくかわ ゆうや)さん。これまで日々の健康づくりとストレス解消に、夜ジョギングをすることはあったが、今年の5月にフルマラソン挑戦を決断

 

最初に「GEL-KAYANO 28」の第一印象について伺った。

 

「普段はアシックスの『EVORIDE』を使用していますが、GEL-KAYANO 28はカジュアルで普段のランニングに使いやすいという印象。実際履いてみると、柔らかくて強いクッション性の豊かさを感じました。僕はオーバープロネーションぎみだったので膝が痛くなりやすい特徴があり、アシックスに以前『GEL-KAYANO 26』を薦めてもらいましたが、それよりも足首のグリップ感とクッション性、ホールド感ははかなり深いと思います。日本人は、オーバープロネーションを気にしている人が多いと思うので、ランニングにはすごく適していると思います」(菊川さん)

 

10月に開催予定の東京マラソン出場を目指してトレーニング中の菊川さんは、トレーニングを始めてマラソンへの印象も変わったという。

 

「僕は最近、マラソンはサウナに似ていると思っています。周りの友人もサウナに通っていて、『ととのう』というワードが流行っているのですが、サウナのあとに水風呂に入るとリラックスできて自律神経が整います。それは走る点でも同じです。ランニングしているときは息苦しかったりするんですけど、それを乗り越えてシャワーを浴びると自律神経が整う。何ならランニングはサウナよりも達成感があり、やりがいもあると感じています」(菊川さん)

↑「このときまでにこれくらい走れるようになりたいという目標に基づいて走っているので、一回一回の走りに意味づけができました」と、菊川さん

 

フルマラソンに向けてトレーニングを始め、その効果は仕事への取り組みにも変化を感じている。

 

「単純に体力的な点で体が動くようになることと、仕事に集中しやすくもなります。机に向かい座って悩み、頭がどんどん煮詰まってくる。そんな悩みを走りながら考えると前向きに捉えられる。結論付けするには走るのがいいと最近思っています」(菊川さん)

 

シューズ選びについては自身の経験から思っていることもある。

 

「ただ流行っているやカッコいいなどで選ぶよりも、自分のプロネーションがどういう形で、どういう走り方の特徴があるかを分かったうえで選んでいただければいいと思います。アシックスは足の形やフォームなどに合わせたシューズのラインナップがあるので、まずお店のアドバイザーに相談して自分に合っているシューズを選ぶことができれば一番結果が出やすい。シューズはギアだと思うんですけど、まさに自分を拡張するものだから、自分の弱点と強みに合わせてギアを選んでいけば良いと思います」(菊川さん)

↑日々のランニングを欠かさない菊川さん

 

オーバープロネーションに対応し、ランナーの足に優しいシューズを基本に新しいフォーム材やトレンドを取り入れることをやめないGEL-KAYANO。このシューズのターゲットはこれからランニングを始める人、日常にランを取り入れている人。フルマラソン完走〜サブ5を目指すランナーにもすすめたい。

 

先進的な機能を“贅沢に取り入れる”ため重さを感じるかもしれないが、それはサポートが充実している信頼感の重さ。ランナーのレベル感によって用途が異なるGEL-KAYANOだが、長く、快適にランを楽しむためのシューズとしてこれからも常に進化を起こし続けることは変わらないだろう。

 

 

撮影/松川 忍 スタイリング/宮崎 司

 

アシックス、2000年代後半のデザインを取り入れたランニングシューズ「GEL-1130」を発売

アシックスジャパンは、2000年代後半のランニングシューズをリミックスしたシューズ「GEL-1130」を発表。9月3日から発売します。希望小売価格は9900円(税込)です。

 

GEL-1130は、足元の安定性に優れ、快適に走れることから人気の「GEL-1000」シリーズの9代目モデルをベースにしたシューズ。アッパーは、2000年代後半に登場した「GEL-KAYANO 14」の構造に基づいた設計を採用し、網目の大きなメッシュなど、当時の特徴が感じられるとしています。

 

また、衝撃緩衝昨日「GEL」テクノロジーや、スムーズな足運びをサポートする靴底の「ガイダンスライン」など、アシックスのランニングシューズにおいて特徴的な機能も備えています。

アディダスから1秒でも速く走るためのテクノロジーを搭載した「ADIZERO」シリーズの最新モデル登場

アディダス・ジャパンは、ランナー向けのシューズ「ADIZERO」シリーズの最新コレクションを、9月2日以降順次発売すると発表しました。

 

ラインアップは、カーボン搭載のレーシングモデル「ADIZERO ADIOS PRO 2」、速さを追求した「ADIZERO PRIME X」、レーシングモデルの特徴を取り入れながら毎日のランニングにも使える「ADIZERO BOSTON 10」、汎用性に優れた「ADIZERO JAPAN 6」など。これらの新モデルは、「ソニックインク」と呼ばれる、ブルーを基調としたカラーリングになっています。

 

ADIZERO ADIOS PRO 2は、新記録や自己ベストを目指すランナーに捧げるとうたうモデル。世界最速クラスのアスリートとともに調整を重ね、5本骨状のカーボンバーやミッドソール、アディゼロシリーズ最薄最軽量のメッシュアッパーなど、1秒でも速く走るためのテクノロジーを搭載したといいます。価格は2万6000円(税込)です。

 

↑ADIZERO ADIOS PRO 2

 

ADIZERO PRIME Xは、従来のランニングシューズの枠を超えたとうたうコンセプトモデル。ADIZERO ADIOS PRO 2をベースにしながら、3層構造のミッドソールや、高さ50cmのヒールなど、さらなるテクノロジーの追求を目指したとしています。価格は3万6300円(税込)です。

 

↑ADIZERO PRIME X

 

ADIZERO BOSTON 10は、日々の走りで全速力を引き出すというモデル。ADIZERO ADIOS PRO 2と同様のミッドソールに、耐久性に優れたミッドソールフォームを組み合わせたうえに、ラバーアウトソールや、グラスファイバー素材の5本骨状のバーを搭載。反発性と耐久性を兼ね備えながら、ソフトなアッパー構造で軽量性を実現しているそうです。価格は1万5400円(税込)です。

 

↑ADIZERO BOSTON 10

 

ADIZERO JAPAN 6は、ADIZEROシリーズのレガシーを受け継ぎながら、快適性と推進力、安定性の向上によって、さらなる万能性を追求したモデル。独自のマイクロフィットがエナジーロスを最小限に抑えつつ、快適性を実現し、足と一体となって、あらゆる場面で自分の走りを引き出すとしています。価格は1万4300円(税込)です。

 

↑ADIZERO JAPAN 6

フワちゃんも来場し、大盛り上がりのニューバランス「FRESH→HOME CAMPAIGN」発表会をレポート

ニューバランス ジャパンはこのほど、クッション性に特化したランニングシューズ「フレッシュ フォーム 1080(FRESH FOAM 1080)」の新色を発売。これに合わせて、「産地直走 FRESH→HOME CAMPAIGN」と題したキャンペーンを8月10日よりスタートしました。今回は同キャンペーンの開始に合わせて行われた発表会へ。タレントのフワちゃんも登場し、大盛り上がりとなった当日の模様をお送りします。

 

究極のクッション性と快適性を追求したランニングシューズ

今回、新色の発表となったFRESH FOAM 1080を改めて紹介。このシューズはランナー目線で考えられており、包み込まれるような履き心地と高いクッション性を備える「FRESH FOAM X」がミッドソールに採用されています。加えて、縫い目を無くしてフィット感を高めた「HYPOKNIT(ハイポニット)」をアッパーに使い、かかとのキープ力を向上し安定感のある走りを実現する「ウルトラヒールサポート」を採用するなど、機能性抜群の仕上がりとなりました。

↑「FRESH FOAM 1080」1万7600円(税込)

 

日頃のランニングだけでなく、フルマラソンまでに対応できる本格派に仕上がった同モデル。ランナーをしっかりとサポートしてくれる心強い相棒になってくれることでしょう。そして今回発表された新色はイエロー、インディゴ、ホワイトなどメンズ5色とウィメンズ3色。ブランド直営店と公式オンラインストア、ゼビオグループ各店で発売されます。

 

全国13の産地から食材が直送! 走って、買って貰えるキャンペーン

続いて、新キャンペーンである「産地直走 FRESH→HOME CAMPAIGN」を紹介します。コロナ禍において、まだまだ規制の多いこの夏でも、前向きに走りつづける人に向けて始まったのが、このキャンペーン。「走って応募」と「買って応募」の 2つのコースが用意されており、それぞれのコースでプレゼントが当たります。

↑今回の賞品では生産者と消費者をつなぐ国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ」協力のもと、北海道から沖縄まで日本全国から産直品をセレクトしています

 

まず走って応募コースは、「STRAVA」などのランニングアプリで100kmや10kmなど全5種類からランニング目標を選択。期間中に目標を達成すると、抽選で全国13の産地から食材が直送されます。

↑食材は、鳥取和牛の特上ロースや北海道の豚しゃぶセットなど、想像するだけでも垂涎してしまうものばかり

 

続いて買って応募コース。ニューバランス公式オンラインストアで、対象のFRESH FOAMシューズ購入時のレシートを特設サイトにアップロードするだけで応募が可能です。

↑抽選で食材だけでなく、体を動かす楽しみギフトや空気清浄機などの贅沢なラインナップとなっています

 

フワちゃんも大絶賛のFRESH FOAM 1080

そして今回の発表会には、タレントのフワちゃんが登場。TVで見ない日はないと言っていいほど、お茶の間に笑顔を届ける存在ですね。そんなフワちゃんがFRESH FOAM 1080を着用して発表会に登場。「さっきから飛んだり跳ねたりしてるけど、クッション性が超すごいの。本当に疲れない」と大満足の様子でした。

↑フワちゃん自身も週2、3回の頻度で走るランナーなのだそう。「タレント仲間でワイナイナっていうランニンググループを作ってて、そこで今日は何時に走る?とか連絡し合ってる。モチベーションが上がるよ!」と話していました

 

そして、今回の発表会ではキャンペーンに参加する和牛農家の鳥飼さんとのオンライントークを披露。フワちゃんらしい軽快なトークで会場をわかしてくれました。

↑実際に気になる産地を聞かれると、「最高なサーモンを送ってくれる青森県深浦町。サーモンが一番大好きだから」と回答していました

 

今回お送りした、ニューバランスのFRESH→HOME CAMPAIGNは現在開催中で応募受付期間は9月12日まで。ニューバランスがランナーのサポートだけでなく、全国の生産者も応援。こんなご時世だからこそ、走るという自分の健康面を考えながら、生産者も助けるという「産地直走」な取り組みにぜひ参加してみてください。

↑いつも元気なフワちゃんでした

 

詳しい情報は特設ホームページにて記載されているので、チェックをお忘れなく。

https://nb-fresh-home-campaign.com

 

 

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THE NORTH FACEから環境に配慮したランニングウェアシリーズ「Free Run」登場

THE NORTH FACEから、環境配慮型のランニングウェアシリーズ「Free Run」が登場。「Free Run Anorak」「S/S Free Run Graphic Crew」など、合計14型が発売されました。商品は全国のTHE NORTH FACE直営店や取り扱い店、オフィシャルオンラインストアなどで販売されています。

 

Free Runシリーズは、走ることを楽しむすべての人に自由なランニングスタイルを提案するとうたうコレクション。また、速乾性、通気性などの機能面を備えたうえに、植物由来のナイロンを使用することで二酸化炭素の排出に配慮するなど、環境配慮型の素材を採用したサスティナブルなシリーズとなっています。

 

Free Run Anorakは、軽量なうえにコンパクトに携行できるランニング用ウインドシェル。撥水性と防風性に優れるほか、肌側にドライタッチ3Dビーズ加工を施し、汗ばんだ肌へのまとわりつきを抑えるとしています。

 

カラバリはライトニングイエロー、ブラック、ダークセージグリーン。ウィメンズはダークセージグリーンの代わりにクリアをそろえています。サイズはS、M、L、XLを用意。価格は1万6500円(税込)です。

 

↑Free Run Anorakのライトニングイエローモデル

 

S/S Free Run Graphic Crewは、吸汗速乾機能を備えたグラフィックTシャツ。シルエットはややゆとりを持たせており、機能性とデザインを両立させたアイテムとなっています。

 

カラバリはホワイト、アローウッドイエロー、ニュートープ、ブラックで、サイズはS、M、L、XLをそろえています。価格は5390円(税込)です。

 

↑S/S Free Run Graphic Crew

 

このほか、フリーランショーツやフリーランキャップなどをラインアップしています。

 

なお、Free Runは、独自の循環型アップサイクルプロジェクト「EXPLORE SOURCE」の取り組みが採用されています。この取り組みは、THE NORTH FACE直営店のリサイクルボックス設置店舗で不要になったアパレル製品を回収し、そこから純度の高いポリエステル素材を再生成して、ハイスペックな製品にアップサイクルして提供するものです。

 

THE NORTH FACEを展開するゴールドウインは、これらの取り組みによって、2030年に環境負荷低減素材を使用した製品比率を90%以上に引き上げることを目指すとしています。

カシオ&アシックスの新ランデバイス「Runmetrix」の実力はどう? パーソナルコーチ機能は使える?

みなさん、ランニングを楽しんでいますか? まだまだコロナ禍の影響が大きく仲間たちと集まって走るのは難しいですが、今はパーソナルな練習時間と割り切って頑張りましょう。でも、個人練習となるとアドバイスをしてくれる先輩や友人がいないので、フォームのチェックやラップタイムを計測するのが難しい……というランナーに朗報です。

 

G-SHOCKでお馴染のカシオとアシックスが共同開発した「Runmetrix(ランメトリックス)」は、モーションセンサーとアプリを使って自分のランニングフォームやペースを自動的に分析してくれます。今回はランナーをサポートしてくれるアイテムを、タレントでファンランナーでもある中村 優さんにレポートしてもらいます。

 

モーションセンサーでフォーム&ペースを分析

この3月にカシオからリリースされたランメトリックス「CMT-S20R-AS」は、コンパクトなモーションセンサーを体に取り付けるだけで走りや動きを感知。GPS機能とセンシング技術でランニング計測を行ってくれます。汗や雨などで濡れても安心して使えるIPX7相当の防水機能を実現。

 

1回の充電で約20時間の連続使用が可能となりフルマラソンでも問題ありません。カシオの製品ということもあり、センサーと同期することでランニング指標をリアルタイムで確認できる専用のG-SHOCKも用意されています。

↑G-SHOCKとモーションセンサーのセット「GSR-H1000AS-SET」5万7200円(税込)。モーションセンサー単体(写真右)の場合は、「CMT-S20R-AS」1万4080円(税込)

 

スマホのアプリを利用して距離や時間、ルートをチェックしているランナーも多いはず。ランメトリックスは、スマホやパソコンとの連動はもちろんですが、特に注目したいのが「パーソナルコーチング」。実業団やクラブに所属するランナーならコーチや監督がランニングフォームや体の動かし方を指導してくれますが、一般のランナーが専属のコーチやトレーナーを使うことは難しいはず。

↑G-SHOCKのケース裏には心拍を計測する機能も装備

 

しかし、このアイテムにはランニングフォームを自動的に分析し、改善するためのトレーニングメニューやストレッチを動画付きで解説してくれるので、自分専用のコーチそのもの。装着した本体(モーションセンサー)には加速度3軸、ジャイロ3軸、磁気3軸の合計9つのセンサーに加えてGPS機能を搭載し、ピッチ、スライド、接地時間、蹴りだし加速度、減速量、上下動、腰の沈み込み、左右方向衝撃、体幹の後傾。骨盤の回転、骨盤の左右傾きなど20種類の項目を基にランニング中の動きを解析してくれるのです。

↑スマートフォンに専用の無料アプリをダウンロードし、本体となるモーションセンサーとBluetoothで同期させればセッティングは完了。自動的に収集したデータが送られ、解析された状態で表示してくれます

 

↑スマートフォンを持ちながらランニングはしたくないけど、走っている時の情報をリアルタイムで知りたい……という人には専用のG-SHCOKがおすすめ。同期させることで本体の操作をはじめ、時計の文字盤に情報を表示してくれます。モーションセンサーを使わない時でもランニングウォッチとしても機能

 

↑本体一体型のクリップでランニングパンツに挟むだけ。モーションセンサーを正確に作動させるため、体の中心に取り付けるのがお約束。腰に触れる部分に滑らかな手触りの素材を使用しているので痛さや不快感はなく、装着していることを忘れてしまうほど

 

敏腕なパーソナルコーチが本格的なアドバイスをしてくれて驚き!

ここからは、中村 優さんに使用した感想を聞いてみました。「今回、試してみたランメトリックス。正直な話、最初は『距離やペースを把握するならスマホのアプリだけで十分なのでは?』と思っていたのですが、実際に使ってみると細やかなデータも出るうえに本格的なアドバイスがもらえて驚きました」(中村)

↑ランメトリックスと専用のG-SHOCKを装着しての試走。モーションセンサーは約37gと軽くランニングパンツが落ちてくることもありませんでした。ちなみに本体の大きさは幅39.9×高さ62.1×奥行き18.2mmとコンパクト

 

「モーションセンサーで得た情報を、分析データとして分かりやすく表示してくれるのはもちろんですが、下の写真のように『体重が乗り込むフェイズでは骨盤を起こし、頭、腰、足が一直線になるようなイメージを持つとぐんとよくなるでしょう』と表示され、具体的な改善点としてフォームの修正に役立てることができそうです。

↑9軸のセンサーを使ってランニング中の動きを正確にデータ化し、その分析結果やアドバイスをスコア化して表示してくれます

 

また、グラフを見ると、『左右対称性』は高いのですが、『骨盤を軸とした全身の連動性』と『動きの力強さ』が不足しているのが一目瞭然。自分の走りを客観的に見ることは難しいですが、ランメトリックスを使えばコーチにフォームチェックをしてもらっているかのように自分の走りが確認でき、今後の課題として参考になりました。敏腕のパーソナルコーチを手に入れることで、ランニングがより質の高いものになるはず!」(中村)

↑自分のランニングフォームを徹底的にデータ化し、的確なアドバイスを提供してくれるランメトリックス。フォームの改善と共にタイムの短縮やケガの防止にも役立てることができそうです

 

やっぱり「走りたい!」という人にはぜひおすすめ

昨年から“おうち時間”が増えたことで自宅でのエクササイズが流行し、それに伴うアプリや器具が人気なのに加えて、パーソナルなトレーニングを提供するサービスも増加していますが、ランニングも負けてはいません。

 

ランメトリックスは最近注目されている「ミラーデバイス」のように、鏡に映った自分の映像を見て、現実のトレーナーがアドバイスをしてくれるというデバイスではありません。しかし、先述したように20種類の項目を数値化してデータに基づいたアドバイスを表示してくれます。リアルなトレーナーだと、「続けていくと予算感が合わないなぁ」「緊張しちゃうなぁ」という人にはピッタリ。おうちでトレーニングするのもいいけど、やっぱり外を(リスクを低減したうえで)思いっきり走り抜けたいという人も多いと思うんです。

 

その点、ランメトリックスは「速く走りたい人」「長く走りたい人」「楽しく走りたい人」とそれぞれの目的に応じて“パーソナルコーチ”からアドバイスが受けられます。また、アドバイスだけでなく練習プランや解析結果を基に提示されるストレッチ、筋トレメニューのプログラムも作成し、走る楽しさ、成長する喜びを与えてくれます。

↑モーションセンサーが1万4080円、G-SHOCKとのセットで5万7200円(共に税込価格)と決して手の届かない価格ではないはず

 

パーソナルコーチとして頼れる存在になるランニング用のガジェットを手に入れれば、サブ3やサブ4など、高い意識を持ってランニングを楽しみたい人なら走る楽しさや充実感が倍増するはず。

 

桜の季節が訪れて、走るのが気持ちいい季節になってきました。ニューノーマルが2年目になるこの春に、こうした新しいデバイスを駆使して、身体作りにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

 

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ミズノ史上最高の高反発ソール素材「MIZUNO ENERZY」、使った印象は?

ミズノ史上最高の高反発ソール素材といわれる「MIZUNO ENERZY」をご存知でしょうか? 私、中村 優もすでに同素材を搭載したシューズを何足か試しており、その素晴らしさを体感済みの逸品です。本記事では、10月中旬に開催されたメディア向け勉強会をベースにMIZUNO ENERZYの詳細と、実際の履き心地を深掘りレポートしていきます。

 

MIZUNO ENERZYには3タイプがある

まず、MIZUNO ENERZYの概要について紹介していきましょう。MIZUNO ENERZYは、柔らかさによってためた接地時のエネルギーを、ロスを少なく反発させるミズノ独自の新素材。使用シーンなどに合わせて、最も柔らかさと反発性を高めた「MIZUNO ENERZY CORE」、軽量性を追求した「MIZUNO ENERZY LITE」、標準的な「MIZUNO ENERZY」の3タイプで構成されています。例えば、MIZUNO ENERZY搭載シューズのフラッグシップモデルである「WAVE RIDER 24(ウエーブライダー 24)」には、MIZUNO ENERZYが採用されています。

↑ウエーブライダー 24(1万4190円/税込)

 

↑MIZUNO ENERZYを搭載しているウエーブライダー 24と、MIZUNO ENERZY LITEを搭載しているウエーブデュエル ネオ。カラーラインナップも豊富

 

ここで、ウエーブライダーについて触れておきましょう。ミズノのランニングシューズといえば「WAVE RIDER」と言っても過言ではないほど、アイコニックなシリーズ。実際、1997年のデビュー以来、累計販売数は1000万足超! 私も今までで一番多くの種類を履いてきたのが、同シリーズです。もう7年前になるので記憶が曖昧ですが、たしか初めて履いたのは2013年の「WAVE RIDER 17(ウエーブライダー 17)」あたりだったかな……。

 

そこから今年9月に発売されたウエーブライダー 24まで、同シリーズはずっと安心感を持って履けるランニングシューズとして信頼を置いています。特にフルマラソンを走る時、最後まで脚をサポートしてくれるクッション性、ブレない走りを実現する安定感のあるシューズ、というイメージです。

↑フラッグシップモデルのウエーブライダーがパワーアップした、ウエーブライダー 24

 

ウエーブライダーシリーズに従来から搭載しているウェーブテクノロジーは、ソール部に波型形状を取り入れることで、縦方向の衝撃を吸収し横方向のズレには安定性を発揮する、というもの。ウエーブライダー 24には、そのウェーブテクノロジーに加え、従来のソール素材と比較し柔らかさが約17%、反発性が約15%向上した新素材MIZUNO ENERZYを踵部に搭載しているということで、よりスムーズで滑らかな走り心地を追求しています。

 

軽量性を追求した「MIZUNO ENERZY LITE」はファンランナーにも合う

MIZUNO ENERZY搭載シューズで飛び抜けて軽量なのが、MIZUNO ENERZY LITEを採用している「WAVE DUEL NEO(ウエーブデュエル ネオ)」です。ウエーブライダー 24が約257g(27.0cm片方)なのに比べ、ウエーブデュエル ネオは約195g (27.0cm片方)という驚きの軽さ。創価大学の嶋津雄大選手が2020年の箱根駅伝で区間新記録(10区)を出したときに、このシューズのプロトタイプモデルを着用していたことでも話題になりました。

↑「ウエーブデュエル ネオ」(2万5300円/税込)。ローカットモデルの「ウエーブデュエル ネオ ロー」(2万900円/税込)もあります

 

箱根駅伝出場選手が履くくらいなので、フルマラソンでいうとサブ3を目指すようなランナー向け、ということなのでしょうが、ゆるゆるファンランナー代表の私もウエーブデュエル ネオを所有。驚きの反発性で、1km6分以上かけて走る私でも気持ちよく走れます。私のレベルだとウエーブデュエル ネオで長距離を走るのは向かないかもしれないけど、地面をしっかり掴んで蹴る気持ち良さが感じられて好きな履き心地で、気分転換にスピード出して走りたい時なんかに履こうと思っています。

 

勉強会の最後には、ランニング雑誌 & WEBマガジン「Runners Pulse」および、ミズノランニングマガジン「AHEAD」編集長の南井さんがユーザーを代表して、ミズノ シューズ企画担当に鷲見さんへ質問。その内容を抜粋してお届けしましょう。

↑スニーカー界のご意見番、南井さん(右)と、今回レクチャーしてくれたミズノ シューズ企画担当 鷲見さん(左)。本勉強会は神保町のMIZUNO TOKYOで行われました

 

「ウエーブライダーを初めて履いた時の印象が、安定性と衝撃吸収性と反発性の3つのバランスが良いなということでした。しかし、『MIZUNO ENERZY』を搭載して柔軟性がアップしたことによって、安定性が損なわれることにユーザーからは不安が出るのでは!? と思いますがどうでしょう?」(南井)

 

「ソールが柔らかくて反発性が良いというのに越したことはないです。ウエーブライダーシリーズの1番のポイントは安定性! ブレない! ということなので、そこはかなり注意しました。安定性に関しても絶対的な自信を持っていますし、従来のライダーに比べても匹敵するくらい安定性を維持できていると思います」(鷲見)

 

南井さんも、実際ウエーブライダー 24を履いて計100kmくらい走ってみたそうですが、柔軟性もありつつバランスの良さは損なわれていないな、と感じられたそうです。

 

では、実際に「ウエーブライダー 24」で走ってみましょう

最後に、MIZUNO TOKYOから徒歩約5分のところにあるランニングステーション「RUNCUBE」へ移動して、ウエーブライダー 24を履いて皇居ラン1周してきました。

 

ウエーブライダー 24を履いて感じることは、足入れした時の履き心地の柔らかさに加えて、スムーズな足運びができることです。ランニング時の“スムーズさ”が、ミズノがブランドとして最も大事にしている要素。まさにその通りですね。

 

また、ウエーブライダー 24は、私が履いてきたウエーブライダーシリーズで最もスムーズさを感じられた気がします。踵で衝撃吸収されてそのまま滑らかに前足部へと流れていく感じ。縦方向に配置された溝が、体重移動をスムーズにしてくれるようです。

 

また、アッパーにステッチを使わないことで履き心地の良さも叶えています。しっかり固めて安定感を出していたような感覚だったのが、優しく柔らかくホールドされるイメージに変わりました。いつものように1km7分前後でのんびり走るのも安定感抜群で気持ちいいですが、1km5分台までペースを上げるのも簡単でストレスがなかったです。

 

ランニング初心者はもちろん、スピードを求めるランナーのジョグ用にも使えるみたいですね。ランニングが気持ち良い季節になったので、大活躍してくれそうです。ミズノランニングマガジンAHEADでもウエーブライダー 24について語っていますので、良ければチェックしてみてください。

 

【INFOMATION】

●中村優イベント

ランニングイベント「中村優とはしろう!」が半年ぶりに復活。12月5日、荒川で10km計測会を開催致します! 計測会なので、ランニング初心者からご参加できます。お気軽にお申込みください。https://crossx.tokyo/event201205-2/

●中村優 YOUTUBE

https://www.youtube.com/channel/UCh4kNcPSiOs76I8pXa8N15Q

●中村優 Instagram

https://www.instagram.com/nkmr_yu/?hl=ja

●中村優 Twitter

https://twitter.com/nkmr_yu_2020

 

 

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スマートシューズ「ORPHE TRACK」新バージョン! 履き心地がよくなって耐久性もアップ!

スマートシューズ「ORPHE(オルフェ)」シリーズを開発するno new folk studioは、スマートシューズ「ORPHE TRACK(オルフェ トラック)」の対応シューズ・対応センサーの最新版を発売します。専用センサーで走りを分析して、リアルタイムでコーチングしてくれることで怪我なく効果的な走りを生むそうです。未来感あるシューズの詳細を見ていきましょう。

 

↑ORPHE TRACK センサーキット(SHIBUYA 2.0 + ORPHE CORE 1.2)。価格は2万2780円(税込)

 

ORPHE TRACKはランナーを進化させるスマートシューズ。専用シューズに専用センサーをセットし、履いて走るだけでランニングフォームを分析します。ペースや着地をリアルタイムに音声でコーチングし、フォームの課題や改善点もアドバイス。怪我のリスクを軽減し、理想の走り方を身につけるサポートをしてくれるシューズです。

 

今回のアップデートでアッパーの通気性を改善し、軽量化されています。

↑シュータンも、薄く通気性に富んだメッシュ生地に変更

 

通気の必要な箇所のパターンを改善して通気性を確保。また従来の2層構造から1層構造に変更し、風通しが良くなりました。 構造の変更の結果、最大30gの軽量化に成功しました。

 

↑ミッドソールも再設計して、素材変更にともないソフト感が向上

 

ORPHE COREの収納部には剛性のある樹脂パーツを配置し、ねじれ耐性が加わったことで安定感も担保しています。また、アウトソールのラバー配置も見直されています。グリップが向上するようパターンを変更。耐久性も改善し、前バージョン「SHIBUYA 1.1」では60km時点でソール体積の減少が起きていたところ、「SHIBUYA 2.0」では100km以上走行しても顕著な減りが起きにくくなったとのこと。

↑ソール底面にはno new folk studioオフィスの所在地、渋谷の地図が刻印されている

 

専用シューズ内にセットして使用するORPHE TRACKの専用センサーは、足の動きを精密に解析し、アプリと連携して走り方を分析します。着脱式のため、専用シューズを交換しても継続して使用可能。

 

↑充電はUSB対応。今回からアプリがAndroidにも対応した

 

ランニングシューズとしての質を高めた、新感覚のスマートシューズに注目です!

いよいよアシックスがスマートシューズ「EVORIDE ORPHE」の予約販売開始!その詳細は?

アシックスが、足の動きをデータ化するセンシングソリューション「ORPHE TRACK(オルフェトラック)」などを開発するno new folk studio(ノーニューフォークスタジオ)と共同開発した、スマートシューズ「EVORIDE ORPHE(エボライド オルフェ)」。その予約販売をMakuakeで開始することが発表されました。フットウェア好き編集部員・野田も注目していたスマートシューズが、いよいよ発売になるのです。

【関連記事】
アシックスが「スマート・ランニングシューズ」を日本初披露。 このイノベーションにワクワクが止まらない

 

まるでランニングコーチが側にいるかのよう…

エボライド オルフェは、履いて走るだけでランニング中の足の動きをデータ化し、一人一人の走り方の特徴を可視化。目標達成をサポートするシューズです。CES2020で初めてプロトタイプを発表し話題となり、今年の1月24日には日本でも初披露されました。その後、実用化に向けて改良を重ね、ついに予約販売を7月21日から開始するに至ったのです。ランナーの特徴に合わせたフィードバックをリアルタイムに音声コーチングで受けられる、スマートシューズです。すごくない?

↑「目標タイムを達成したい」「自己流では限界を感じるけど、なんとかしたい」と思っているランナーも多いはず

 

当日は、アシックススポーツ工学研究所の原野氏・猪股氏と、no new folk studio代表取締役 菊川氏よりエボライド オルフェの性能、開発秘話、実用化に至るまでの改良の経緯などについて説明がありました。

 

↑シューズ内のセンサー「ORPHE CORE 2.0」が右足・左足それぞれで計測し、分析結果はレーダーチャートで確認できます。実はこのセンサーORPHE CORE2.0も、先代の「ORPHE CORE 1.0」から50%小型されているとのこと

 

↑ORPHE CORE 2.0のサイズは幅約29mm×奥行き約45mm×厚さ約14mm。重量が約20g(片足あたり)。通信はBluetooth LEで行い、連続稼働時間は約7時間(本体設定により変動)、充電時間は約1時間

 

走りの動きや振動、衝撃を検知する加速度センサーと、足の向きや回転を検知するジャイロセンサーにより、シューズを「履いて走る」だけで距離やラップタイムに加え、ペース/ストライド/ピッチ/着地パターン/接地時間/接地の角度/着地衝撃/プロネーションなどの時系列データと足左右の平均値など、ランナー個人のランニングのデータを計測することが可能。何度も言いますが、プロトレーナーから受けているようなアドバイスを、いちユーザーが個人で取得・体験できるわけですよ。

↑アプリ画面。データの取得方法は分かりやすく、「簡単な設定をして走るだけ」で専用アプリにすべて記録されます

 

ウイズコロナによって健康への意識が高まり、ランニング人口が増えるなか、ランナーの悩みも多様化しています。これまで膨大なランナーのデータを分析してきたアシックスは、「シューズが、コーチになる。」というコンセプトのもと、エボライド オルフェの技術で、ー人一人の走りにさらに向き合っていきたいと考えているとのこと。

↑ブラック×ピュアゴールド

 

↑ホワイト×ピュアゴールド

 

Makuakeにて特別特価センサキット付きで3万4650円(税込)、センサキットなしで1万2650円(税込)で販売中です。クラウドファンディング期間は7月21日から10月8日までを予定していて、製品は11月以降に順次届く予定。また、12月からは、アシックスの一部直営店およびアシックスオンラインストアでの販売を計画中とのこと。

 

 

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ランニング初心者のギア選びで重要なのは実は「統一感」――ランコーデに使えるアイテム5選

茹だる猛暑から解放され、秋風の心地よいシーズンが到来。ということで、「ランニングでも始めてみようかな」なんて考えている方も多いはず。そこで、もしあなたがまだランニングアイテムを揃えていないビギナーであるなら、ひとつアドバイスを。機能重視でギアを揃えるのもいいけれど、まだ始めたばかりの初心者が機能にこだわったとしても、そのパフォーマンスを100%発揮することはできないだろう。せっかくなら、見た目も重視しつつランニングそのものを楽しみながら、ステップアップしてみてはどうだろうか?

 

今回は、これからランニングを始めたい人のために、ビギナーがひと通り揃えたいアイテムを厳選してみた。まず、お勧めのランニングの入り口として注目したいのが、ファッションだ。初心者の場合、カッコイイとか機能に優れているというだけでバラバラにアイテムを揃え、統一感のないコーディネートになりがちだ。そこでオススメしたいのが、ちょっぴり機能も意識しつつ、モノトーンをベースにカラフルな小物をアクセントにしたスタイル。ワンポイントでカラーを配置し、スタイリッシュで快適なワークアウトを楽しもう!

 

【01】

反発力をエネルギーにスムーズな走りを実現

ナイキ

ナイキ エア ズーム ペガサス 35

実売価格:1万106円

初心者からベテランランナーまで対応する軽量設計のシューズ。クッショニングにフルレングスのZoom Airを搭載し、着地時の衝撃を吸収して弾むような履き心地を実現。その反発力が、次の一歩を踏み出すエネルギーへと変換してくれるのが魅力だ。足全体を包み込むデザインが、スムーズな体重移動を可能にし、自然なストライドをもたらしてくれる。

 

<注目ポイント>

・Zoom Airクッショニングで優れた衝撃吸収とスムーズな体重移動を実現

・メッシュ素材のアッパーと、Flywireケーブルで足にしっかりフィット

・エリートアスリートからのフィードバックを反映

イギリス長距離王者のモー・ファラーなど、エリートアスリートからの意見もフィードバック。伸縮性とサポート力を発揮するメッシュアッパーが、動きやすさや快適さに加え、高い安定性をキープする。アッパーのFlywireケーブルがシューレースと連動し、足をしっかり固定してくれる点も安心だ。ヒール履き口部分はアキレス腱に当たらないよう角度をつけ、快適性を向上させている。反発力を武器に、軽やかに走り抜けてみよう!

 

【02】

ブルーとピンクを差し色に、洗練された本格レーサーモデル

アディダス

adidas adizero takumi sen 3

実売価格:1万4256円

小指の付根から前足部のみに、クッション性と反発性を両立したBOOSTフォームを搭載し、大きな推進力をもたらす構造が魅力。フィッティング性の高いマイクロフィットテクノロジーで、足元もしっかりサポートしてくれる。さらに、アウトソールにはタイヤメーカーの「コンチネンタル」による、Continentalラバーアウトソールを搭載。あらゆるコンディションでグリップ力を発揮してくれるので、濡れた路面でも安心だ。

 

<注目ポイント>

・BOOSTフォームによる強い反発力で、大きな推進力を発揮

・フィット感を追求し、スピードを最大限に引き出す

・タイヤメーカーによるアウトソールが強力なグリップ力を発揮

サブスリーランナーと呼ばれる、フルマラソンを3時間以内で走るランナーに向け開発されたこのシューズは、青山学院大学 陸上競技部と、明治大学 体育会競走部着用モデルでもある。初心者が上級者向けシューズを履くと故障しやすいとも言われるが、同モデルはサポート機能もしっかりしており、なによりクールなデザインがカッコいい。トップアスリートと同じモデルを履いて気分を高揚させよう!

 

【03】

軽量で自然な動きを可能にしたJKT

ナイキ

ナイキ チーム ウーブン メンズ ランニングジャケット

実売価格:4406円

軽量素材が快適な着用感をもたらし、人間工学に基づいた縫い目設計で、トレーニング中の自然な動きを可能にしてくれる。長めの後ろ身ごろで、ランニング中に風の侵入もしっかりカバー。自然な感覚で着用できるからランニングに集中できる一着。

 

<注目ポイント>

・軽い着用感で自由な動き

・人間工学に基づく縫い目で走りやすい

・シンプルでスタイリッシュなデザイン

あごまでジッパーを上げられるモックネックが快適性と万能性を発揮。着用感だけでなく、細身のシルエットでスタイリッシュな着こなしも楽しめる。これからの季節、ナイトランや肌寒い日にぜひ着用したい、オススメのジャケットだ。

 

【04】

豊富なポケットで収納バッチリ

ティートンブロス

ELV1000 5in Short

実売価格:9504円

ティートンブロスのトレイルラン用パンツ。iPhoneがぴったり収納できるフロントポケットのほか、バックには3つにセパレートされたポケットが装備されている。鍵やウォレットなどを個別に収納できるので、ランニング中の散らかりやバタつきも気にならない、収納力の高さが魅力。街中のランニングでも活躍すること間違いなしの一着だ。

 

<注目ポイント>

・豊富なポケットで収納力バツグン!

・伸縮性に優れ動きやすい

・「Pertex Microlight」で透湿&防風性を確保

メカニカルストレッチで伸縮性にも優れたパンツは、軽量で履き心地もバツグン。アウトドア製品に使用される「Pertex Microlight」を素材に採用し、高い透湿性を備え、風や雨を防いでくれる。コンプレッションパンツと合わせて履きこなしたい。

 

【05】

身体にフィットするベルト型ポーチ

フリップベルト

FlipBelt(フリップベルト)

実売価格:3888円

腰にピッタリとフィットするチューブベルト型のポーチ。ポーチを広げて、パンツを履くように装着するユニークなスタイルが特徴的だ。また、カラーバリエーションも豊富なので、モノトーンコーデのアクセントにもピッタリ。バックルもなく、装着しているのを忘れる付け心地は一度味わったらやめられないかも!?

 

<注目ポイント>

・ストレッチ素材でバツグンの安定感

・密着して収納するので荷物が邪魔にならない

・カラバリが豊富でオシャレ

伸縮性に富んだ素材のため、大型のスマホもラクラク収納。密着するのでランニング中に動くことがなく、ストレスを感じさせないのがうれしいところ。ベルトを裏返すことで収納口が塞がり、うっかり落とす心配もない。収納力のないアームバンドや、動く度に揺れるかさばるのランニングポーチの代わりに、ぜひ利用したいアイテムだ。

「サイパンマラソン2019」エントリー受付開始! マリアナブルーの海を眺めながら爽快に走ろう!!

マリアナ政府観光局は、来年3月9日に北マリアナ諸島のサイパン島で開催する「サイパンマラソン2019」のエントリー受付を開始しました。締め切りは2019年2月11日まで

 

サイパンマラソンは北マリアナ諸島最大規模のスポーツイベントで、今大会で14回目を迎えます。地元サイパンからだけでなく、日本、アメリカ、韓国、ロシア、中国、台湾など世界各国からの参加者が年を追うごとに増えています。

 

出典画像:プレスリリースより

 

 

大会は、国際マラソン・ロードレース協会(AIMS)&国際陸上競技連盟(IAAF)認定コースで行われます。種目は、フルマラソン(42.195km)、ハーフマラソン(21.097km)、10kmファンラン&ウォーキングの3つ。参加料は、フルが9,900円、ハーフと10km が6,600円です。

 

参加資格は、フルマラソンが大会当日に満16歳以上である人です。ハーフマラソンと10kmについては年齢制限がありません。走行コースの90%が平坦なので、自己最高記録を狙いたい人や、海外フルマラソンでの初完走を目指している人にもおすすめの大会です。

出典画像:プレスリリースより

日本からサイパンへは、主要都市発着のグアム経由便か仁川経由便の利用などが可能です。年間平均気温が27℃という温暖な気候のなか、マリアナブルーの海を眺めながらの爽快なランニングにチャレンジしてみてはいかがですかしょう。

【2018夏保存版】ランナーの聖地・皇居周辺の「ランニングステーション」をまわってみた

「中村 優の走って試して優言実行」第10回:皇居周辺のランニングステーション

 

「ランステ」という言葉をご存知でしょうか? これは「ランニングステーション」の略語で、シャワーやロッカーなどの設備があり、着替えたり汗を流したりできる、ランナーのための施設です。主に、皇居や大きな公園のランニングコース周辺にあります。私含めランナーには今さら感があるかもしれませんが、意外と「家の近所を走るだけだから使ったことない」or「にわかランナーだからビビって入れない」という人が多いのでは?  ということで、今回の優言実行では、ランステ未経験者の方に皇居周辺のランステを紹介したいと思います。

ちなみに、なぜ皇居がランナーからの支持が高いかというと、

・1周5kmでキリがいいうえに信号なしのノンストップで走れる
・景色が良い&空気が良い
・適度にアップダウンがあり良い練習になる

という特徴があり、私も友人と走る時に皇居周辺のランステに集合して一緒に皇居ランをしています。

 

【その1】半蔵門駅より徒歩3分、TOKYO FMの地下にある「JOGLIS」

JOGLISは、数ある皇居周辺のランステのなかでも、皇居までの距離が非常に近いのがオススメポイント。この階段を上がって目の前の内堀通りを渡れば、すぐに走り出せます。ちなみに私のランステデビューはJOGLISです。

 

大体のランステは、シューズやウエア、タオルなどレンタル可能(有料)なので手ぶらで来てもOK。JOGLISは、ミズノのシューズが無料で借りられます。ちなみに、JOGLISは同じビルのTOKYO FMが運営しているので、ロッカールームではTFMのラジオが♪

 


走り終わった後にはカフェスペースで生ビールも飲めちゃいます。走った後のビールは最高ですよ。なお、JOGLISからスタートする場合、すぐに三宅坂の下りなので、一気に下って爽快に走れます。

 

【施設情報】


料金:ビジター750円/1回、メンバー(月会員)2056円/月
営業時間:平日7:00~22:30、土曜7:00~19:00、日祝7:00~18:00(7/15~9/17は日祝7:00~19:00まで)、最終受付は閉館の1時間前
シャワー:女性7基・男性6基、ロッカー:女性90個・男性90個

 

【その2】永田町駅から徒歩1分の「adidas RUNBASE」

永田町駅徒歩1分、皇居まで3分に位置するアディダス公式のランステ。adidas Runners of Tokyoのセッションの実施や、最新のadidasランニングシューズ&ウェアの貸し出し、ランニング専門スタッフによるアドバイスを通じて、ランナーをサポートしてくれます。

ロッカーは女性88個、男性87個を用意。黒のロッカーでシックでクールな印象になっています。

 

シャワーは女性8基、男性8基を用意。清潔感にあふれ、好印象です。

 


adidas直営なのでショップが併設されており、最新のシューズやウェアの販売が可能。高反発クッションBOOST™フォームを使ったシューズが人気です。

 


USBのような小さな「ランジーニー」を靴紐につけて30秒ほど走るだけで、ランニングフォームを分析し、オススメのシューズを提案してくれるそうです。

 


コミュニティスペースでは、コールドプレスジュースで人気のサンシャインジュースを飲むことができます。営業時間は平日16:30~21:30、土日祝9:00~13:00 。1番人気はグリーンスムージー(ケール+バナナ+カカオ)500円で、ランナーには大豆由来のプロテインブースト(+150円)を追加するのがおすすめだそう。ランナーや女性だけでなく、近所のサラリーマンの方達にも人気だとか。

 


また、コミュニティスペースは窓が全面ガラスなので開放感があってとても心地よい空間です。スムージー飲みながら優雅に過ごせそう! ランニングコミュニティ「adidas Runners of Tokyo」によるランニングセッションは、adidas RUNBASE拠点でも多数開催されているようです。走る仲間が欲しい方にもいいですね。

 

なんと、参加費は無料でadidas Runners of Tokyo HP(https://shop.adidas.jp/running/community/)、またはランニングアプリ「Runtastic」から参加申し込みできます。私の大好きな「食べラン」などもやってるみたいですよ!

 

【施設情報】


料金:ビジター利用800円/1回、回数券5500円/10枚(※有効期限6か月)
営業時間:平日7:00~22:30 、土日祝7:00~20:00、最終受付は閉館の1時間前

 

【その3】3月にオープンした日比谷ミッドタウン内にある「Raffine Running Style neo」

続きまして、3月29日にオープンした日比谷ミッドタウン内にある「Raffine Running Style neo」。日比谷駅より徒歩2分で、ミッドタウン内でも少しわかりにくい場所にありますが、日比谷ステップ広場のエスカレーターでMB1階に降りるとすぐ到着します。

 


シューズレンタル(有料)はナイキのズームフライとエアズームペガサス35。ズームフライは、設楽悠太選手や大迫 傑選手が履いて記録を更新したナイキ ズームヴェイパーフライ4%を一般向けに調整したものとのこと。

 

低酸素トレーニングルームがあるのもRaffine Running Style neoの魅力の一つ。短時間で高負荷なトレーニングが可能です(25分1080円、50分2160円/要予約)。私も低酸素トレーニングをしていた時期がありますが、外で走るのがとても楽に感じました。低酸素だからといっても息苦しくなるほどではないので、ご安心を。

 

オープンからまだ間もないのでどこもかしこもピカピカできれい。

 

指導経験豊富な人気ランニングアドバイザーによるランイベントも充実しています。レベルはやや高めですが、目標がある方はとても良い練習ができるかと!

 

【施設情報】


料金:700円(お得な回数券もあり)
営業時間:平日7:00~23:00、土日祝7:00~20:00、最終受付は閉館の1時間前
シャワー:女性8基・男性10基、ロッカー:女性62個・男性68個

 

【その4】最後は竹橋駅から徒歩3分の「RUN CUBE」


運動と食の両面から人々の美と健康を支える複合施設「10 OVER 9(テンオーバーナイン)」の中にランニングステーション「RUN CUBE」(2~4階)があります。1階は「鹿屋アスリート食堂」、屋上にはパーティにも使えるラウンジも! 夜大勢で走った後にパーティしたことがありますが、とても雰囲気がよく素敵な空間でした。

 

窓があるランニングサポートルーム(上写真)は、自然光がやさしく差し込むので明るくて快適です。

 


RUN CUBEでもミズノのシューズが無料で借りられます!

 


私も人気のライダーシリーズ「WAVE RIDER21」を借りて皇居ランすることに。ライダーシリーズは、以前も取り上げたことがある人気シューズです。私はファンランナーなので、履き心地の良く、クッション性の高いWAVERIDERも愛用しているランニングシューズのひとつです。これからランニングを始める方や、ゆっくり観光ランなどを楽しむ方におすすめです。興味がある方は、RUN CUBEに来て履いてみてはいかがでしょうか?

 

RUN CUBEから走ると、竹橋から緩く長い坂がなかなかハードですが、千鳥ヶ淵公園まで頑張れば、公園の緑と半蔵門からの大きな下り坂が助けになってくれます!

 

走った後は1階の「鹿屋アスリート食堂」で栄養補給がおすすめ。ここの食事は、管理栄養士さんによって栄養バランスがしっかりと考えられているうえに、すっごく美味しいんですよ。ランナーはもちろん、健康に気遣う人にうれしい食堂です。

 

【施設情報】


料金:700円/1回(ロッカー大は800円/1回)、 シャワー&ロッカー使い放題定額プラン2900円/月
営業時間:平日7:00~22:00 、土日祝8:00~20:00、最終受付は閉館の1時間前
シャワー:女性5基・男性4基、ロッカー:女性52個・男性60個

 

ほかにも皇居周辺にはまだまだランステがありますが、今回は個性豊かな4つのランステを紹介しました。走る仲間が集うランステを使えば、いつもよりやる気も出て気分良く走れると思います! 気負わず利用してみてはいかがでしょう。都内住まいでない方達は、観光ついでに皇居ランしてみるのも良いかもしれませんよ。

 

リーボック「フレックスウィーブ」がランニングに革命を起こす!! 最新3モデルをチェック!

革新的シューズを次々と生み出してきたリーボックから、新しいアッパー技術「フレックスウィーブ」を装備した新作ランニング/トレーニングシューズが到着。高いパフォーマンスを生み出す「8の字織り」の新構造で、ランナーの快適な走りをアシストする最新モデルだ!

 

新アッパー技術「フレックスウィーブ」とは?

リーボックの「フレックスウィーブ」とは、繊維を8の字型に「織り上げた」アッパー構造で、ニットに代表される「編み」構造よりも強いシューズを作ることのできる最新テクノロジー。たとえばニットの「編み」構造では1種類の糸から成るのに対し、「フレックスウィーブ」は複数の繊維を組み合わせて「織り上げる」ことができるため、柔軟性や耐久性のある繊維を同時に使用することが可能に。より多機能なアッパー生地となっている。

 

これにより、いままで課題とされてきた激しい動きに求められる“サポート力”が格段にアップ! 瞬発系の動き、左右の動きに対応するサポート力がありながらも、軽さ・耐久性・柔軟性をあわせ持つ万能型ラン&トレーニングシューズを作ることが可能になったというわけだ。

 

それでは、このほど発表された「フレックスウィーブ」採用の3モデルを紹介しよう。

 

【その1】

トレーニング全般から5kmまでのランニングに対応する、汎用性の高い1足

リーボック
ファスト フレックスウィーブ
9900円

※7月27日(金)発売予定

走行時に最も負荷のかかる中央カカト部分から前足部にかけてはクッション性に優れた柔らかなフォーム材を、その周りには安定性と耐摩耗性に優れた反発力のあるフォーム材を採用。ソールに2種類のフォーム材を構築したことで、ランニング時に抜群の安定感をもたらしてくれる。5km程度のランニングはもちろん、フィットネスシューズとしても活躍する、汎用性の高い1足だ。

↑スピードトレーニング、アジリティトレーニングに適したランニングシューズ。カラーはオレンジやネイビーなどを含めたバリエーション豊富な全7色展開

 

 

【その2】

20kmまでのランやラダートレーニングならコレ!

リーボック
フュージョン フレックスウィーブ
1万4000円

※7月27日(金)発売予定

高いクッション性と心地よい反発力が自慢の「フュージョン フレックスウィーブ」は、20km程度までの中距離ランニングを想定したミドルレンジモデル。足にかかる負担を軽減するフロートライドフォームを搭載するほか、アウトソールに縦の溝を加えることで横方向への動きに対しても的確に地面を捉えられるよう考え抜かれた革新的デザインを採用している。

↑軽量性・クッション性・反発性に優れた中距離ランナー向け。カラーは合わせやすいモノトーンをベースとした全3色展開

 

 

【その3】

織り×ケージで中足部のサポート性が飛躍的にアップ!

リーボック
フュージョン フレックスウィーブ ケージ
1万4000円

※7月27日(金)発売予定

前足部にはウルトラニット素材、中足部からカカトにかけてを「フレックス ウィーブ」、という2種類の織り構造にすることで通気性と耐久性をあわわせ持つ。ニットのコンビネーションが柔らかで、ゆったりとした履き心地を提供してくれる。さらに中足部に設けたシューレースと連動するケージにより、足をしっかりとサポートしつつ左右の動きにも抜群の安定感をもたらしてくれる。

↑ウルトラニット素材との融合でこれまでにないフィット感を実現。人気の黒白コンビを筆頭に、グレーとホワイトを加えた全3色展開

 

近年人気の高いニットアッパーのランニングシューズには柔軟性、ストレッチ性、快適さに優れる反面、激しい動きに対してのサポート力がいまひとつというアスリートからの声もあった。

 

それだけにサポート力の強化で進化した今回の「フレックスウィーブ」モデルの登場は、ランニングライフをさらに充実したものへと導いてくれることだろう。

 

■公式サイトもチェック!
https://reebok.jp/flexweave/

中村優がフリーダム過ぎるランニングイベントを主催! Runtrip via》はやっぱり突き抜けて楽しい!

第6回の「中村優の走って試して優言実行」で取材したRuntrip via》ですが、さっそく中村優さんが、コラボして開催。取材してきました。その名も、「Runtrip via》鎌倉!presents by 中村優」 です。

 

RunTrip via》とは、ゴール時間が決められていて、それに間に合えばどこからスタートしても、どのコースを走ってもOKなイベント。ゴール後にはパーティーが待っていて、走った情報を共有しながらお酒を飲むというまったく新しいランニング系イベントです。

 

今回のゴール地点は、【Webase KAMAKURA】 鎌倉の由比ガ浜近くにあるホステルで、非常にお洒落! 参加者は、15時までにこちらを目掛けて走ってきます。

 

 

今回は中村 優さんと一緒に走りたい参加者も多く、希望者は13時に【Webase KAMAKURA】に集合して鎌倉観光ランするイレギュラーな形に。ゴール地点から出発するとのことで、ゴール地点からアプリを立ち上げ、鎌倉の裏道を通ってのんびり8km程度を走ってきました。

 

 

最長で60km以上を走った猛者も!

ランニング終了後は、美味しいご飯を食べながら、どんなコースを走ってここまで来たかをみんなで共有します。ランニングという同じ趣味を持った人たちが集まると、やはり盛り上がりますね。一番長距離の方は、なんと調布から60km以上も走ってたどり着いたとのこと。

↑今回は、シェフが特別にランナーのためのメニューを用意してくださいました。優ちゃんも大満足!

 

 

 

中村 優さんによると、「私のランイベントで、走った後にパーティーをするというのは初めての試みでした。皆で同じコースを走るという事も楽しいけれど、それぞれ好きなように走って来て、それを飲んだり食べたりしながら共有することで、人それぞれのランニングの楽しみ方を知ることが出来ました。走ることで人と繫がれる喜びを感じる素晴らしいイベントです。私もまた開催したいと思っています!」とコメント。

 

本イベントが面白いのはランニングのレベル関係なく参加できるうえ、それぞれが違ったルートを引けるので自分だけのランニング体験を満喫できる点でしょう。次回は、Runtrip via》小田原!が5月25日に開催。中村 優さんもゲストランナーとして参加が決定したので、興味がある人は参加してみてはい如何でしょうか。

 

出張や旅行中の朝は黄金時間! ランニングでリアルなローカル体験を

初めて目にする絶景に心を揺さぶられたり、新しい味覚やカルチャー、そして価値観と出会ったり……。旅は、私たちにたくさんの刺激と活力を与えてくれます。そんな日常を離れた極上の旅体験を重ねていくと、やがて「暮らすように旅をする」という旅スタイルに憧れを抱くようになる方も多いのではないでしょうか。長期滞在したり、ホテルではなくコンドミニアムなどに宿泊して自炊したりすることはひとつの方法ですが、もっと手軽に「暮らすように旅をする」方法があります。

それが、旅した先でランを楽しむこと。ローカルな風景を間近に見ることで、現地の生活者の一員になったような気分を味わうことができます。とりわけ、地元の人たちの生活スポットである街なかを走る“街ラン”には、ガイドブックには載っていない意外な発見や楽しみがいっぱい。街ランをきっかけに、地元の人のみぞ知る穴場スポットや名店を知ることは難しいことではありません。

 

街ランや、旅先での街ラン=“旅ラン”の魅力を探るべく、ランニングを軸にさまざまな活動を行う「RunGirl」のメンバー、入江由起さんに話を聞きました。

 

旅先でランするメリットとは?

旅行や帰省には必ずランニングシューズを持っていき、滞在先でもランニングを楽しむという入江さん。メインの写真と下の写真は、入江さんが2016年に訪れたバリ島はウブドのホテルの敷地内をランしているときの様子です。

↑「バリ島へはヨガ・リトリートのために行きました。体を動かしたいというマインドで行ったので、ヨガだけでなく、ホテルの広い庭でランニングを楽しみました」(入江さん)

 

旅先でのランニングはトレーニングと違って、あくまで楽しく体を動かす感覚で行うのがベターだと話す入江さん。

 

「それほど速いスピードではなく、時間を決めて、次の予定までの空いた時間に楽しむのがいいと思います。おすすめは、起きてから朝食までの時間。海外旅行の場合は、太陽の光を浴びることで体内時計が正常になり、時差ボケを治す効果もあります。また、単純にランニングするとおなかがすくので、食事がおいしくなります。さらに、朝早くから活動をスタートできるので、その後の時間を有効に使えるという大きなメリットもあるんです」(入江さん)

 

“旅ラン”するなら朝!

旅先で街ランする場合も、入江さんは朝の時間がおすすめだと言います。

 

「人びとが活動し始める朝の時間帯は、街全体がとてもエネルギッシュ。1日をスタートする地元の方たちの暮らしが垣間見えるので、楽しく走れます。私はよく、朝食をとるカフェを決めてそこまでランします。以前ハワイへ行ったときには、ハウツリーラナイというお店のエッグベネティクトがおいしいということで、旅仲間と、そこで朝食を食べようという話になったんです。ただ、お店はホテルから少し離れているうえに早朝なので交通機関もない。そこでランニングが移動手段となり、みんなで楽しく走りながら目的地まで行けたのはうれしかったですね」(入江さん)

 

ほかにも、ファーマーズマーケットまでランして、そこでフレッシュなジュースや焼きたてのスコーンを調達したり、国内旅行であれば港の朝市までランして、新鮮なお魚を食べたり……。入江さんの旅ランエピソードは、聞いているだけでワクワクするものばかりです。

 

「海外でも朝走る人は多く、そんなローカルランナーたちに混じって走ることもあります。どこの街にもランナーが数多く集まる場所があるんです。例えばニューヨークならセントラルパーク、シカゴならミシガン湖の湖畔など。地元のランナーたちは、走ると気持ちのいい場所を知っているので、彼らが向かって行く場所を目がけて走ると、まちがいないですね」(入江さん)

 

地元のランナーとは、「どこから来たの?」という会話が生まれたり、彼らがおすすめのお店を教えてくれたりすることもあるそう。

 

「ランニングを楽しんでいるという共通点があるだけでお互いに親近感が生まれますし、ランナーにはヘルシー志向の方が多いので、食べ物の好みが似通っているなど、心地よいと思える場所が重なるんです。彼らが教えてくれたローカルなおすすめスポットへ行き、その場所で出会ったまた別の地元の方から新たな情報を得て、『次はそこへ行ってみよう』と、滞在先での行動範囲がどんどん広がっていく経験は、一度や二度ではありません」(入江さん)

 

旅が豊かになる、現地での“街ラン”

入江さんに旅先での街ラン、つまり旅ランの魅力を尋ねたところ、開口一番に「旅が豊かになることです」という答えが返ってきました。

 

「普段は音楽を聴きながら走ることが多いのですが、旅先での街ランでは、イヤホンを外します。現地の風の音、街の音、人の声に耳を傾け、景色を楽しみながら走りたいからです。走りながら目に留まったショップを覚えておいて、『ランチはここにしよう』『明日はこの雑貨屋さんに行ってみよう』と計画することもあります。車では見逃してしまうような場所にたどり着くことができるのは、街ランの大きな魅力。それが、旅が豊かになるゆえんだと感じています」(入江さん)

 

気分の上がるランニングウエアで走る

旅先で楽しくランニングするために欠かせないのが、ランニングウエア。入江さんは、機能的でシンプルなウエアに、アクセントでカラーを入れるコーディネートが気に入っているのだとか。

 

「普段のファッションはベーシックな色味が多いのですが、ランニングシューズは別。走っていて元気が出るような明るいカラーを足もとに持ってきて、そのほかのアイテムはシックな色味のものを選ぶというスタイルをよくします。ファッションも走るモチベーションになるので、好みのスタイルを見つけて楽しむといいですね。私は海外ランナーのインスタを見て流行りをチェックしています。また、ブランドだとビクトリアズシークレットのスポーツラインに注目しています」(入江さん)

 

旅というほど遠出しなくても、ちょっと足を伸ばすだけで街ランを味わうことはできます。ぴったりの街とは……。

清澄白河で知る“街ラン”の醍醐味

美術館やギャラリー、カフェが多く点在し、近隣に大きな公園もある東京・清澄白河は、都内でも有数の街ランスポットです。入江さんも何度か走ったことがあるのだとか。

 

「清澄白河へは、気になっていたロースタリーカフェの日本上陸のタイミングにランして行ったのが始まりでした。銀座からスタートして、清澄白河に当時できたてほやほやだった『ブルーボトルコーヒー』に行ったり、ニュージーランド発の『オールプレス エスプレッソ』を覗いてみたり……。清澄白河は、コーヒー好きのランナーにとっても魅力的な街ですよね。

 

おすすめのビュースポットは、清洲橋。眼下を流れる隅田川には船が通り、スカイツリーも見えます。清洲橋にほど近い隅田川沿いのリノベーションホテル『LYURO 東京清澄』にあるKAWATERRACE(かわてらす)も、とても気持ちのいい場所です。そこから木場公園まで足を延ばしてもいいですね」(入江さん)

 

気候が暖かくなり、走りやすくなるこれからの季節。次の旅の予定までの期間は、電車に乗って出かけた先で街ランするのもよさそうです。

 

「めざすは、ランニングウエアのまま電車に乗ったり、街を歩いたりできる時代。街じゅうにランニングウエアを着たアクティブガールが溢れたら素敵だな、と思います」(入江さん)

 

【店舗情報】

KAWATERRACE(かわてらす)

所在地:東京都江東区清澄1丁目1-7(LYURO 東京清澄内)
電話番号:03-6458-5540
営業時間:7:00〜24:00
アクセス:半蔵門線「水天宮前」駅4番出口より徒歩10分、半蔵門線・大江戸線「清澄白河」駅A3出口より徒歩10分

「LYURO 東京清澄」内にあるKAWATERRACE(かわてらす)は、誰もが水辺での時間を楽しめるオープンな多目的スペース。宿泊者やレストラン利用客のみならず、近隣にお住まいの方や清澄白河を訪れる方にも開放しており、ランニング後のクールダウンや“街ラン”の際の立ち寄りスポットにおすすめです。

 

PITMANS

所在地・アクセス:同上
電話番号:050-3188-8919
営業時間:7:00〜22:30(不定休)
ブレックファスト/7:00〜10:00 ランチ/11:00〜14:30(Lo 14:00) カフェ(土日祝のみ)/14:30〜17:00  ディナー/17:00〜22:30(Lo 22:00)※3/31(土)までは17:00〜21:30(Lo 21:00)

LYURO2Fに位置し、KAWATERRACE(かわてらす)に併設したスロースモークバーベキューを楽しめる「PITMANS」では、7:00-10:00の間、ブレックファスト「清洲橋モーニング」を提供。各種ドリンクをご注文のお客様にトーストとゆで卵をサービスしてくれます。休日朝の“街ラン”立ち寄りスポットのリストに加えてはいかがでしょう。

 

【プロフィール】

RunGirlメンバー / 入江由起さん

看護師。「走る女性のパワーで毎日を豊かに」をキーワードに、ラン+アフターパーティというスタイルの女性だけのランニング大会「RunGirl★Night」の開催など、ランニングを軸にしたさまざまな活動を行うRunGirl(一般社団法人ランガール)メンバー。2008年から仕事仲間とマラソンを始める。ホノルルマラソン、東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソンに出場。ベストタイムは4時間27分。RunGirl http://rungirl.jp

 

何気ない日常を、大切な毎日に変えるウェブメディア「@Living(アットリビング)」

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【中村優がお試し!】プロのランニング指導はスマホで受けても効果はある? ソフトバンクの「スマートコーチ」を試してみた

先日(といっても少し前ですが)、24回目のフルマラソンにチャレンジしました。初の東京マラソン、憧れの東京マラソンです。トップアスリートたちと同じ大会を走れるというのもすごい体験でしたが、早々に折り返してきたトップ選手たちを、コースの反対側から応援しながら走るのはとても興奮しました。

 

「スタートからゴールまでずっと楽しく走る!」という目標を決めて走ったのですが、宣言通り、本当にずっと楽しくてゴールするのが惜しいくらいでした。23回フルマラソンを走っていても、スタートからゴールまでずっと楽しく走れたのなんて、記憶のなかでも1~2回程度。

 

どこか痛めてしまったり、ペースメイクが上手くいかなかったり理由は様々ですが、やはりフルマラソンは苦しい瞬間が必ずあります。初めての東京マラソンでテンションが上がっていたこともありますが、安定した走りをキープしてずっと楽しい42.195kmを走ることができました。

 

それは心強いコーチに指導のおかげかもしれません。そのコーチの名はズバリ……ソフトバンクの「スマートコーチ」です。

 

「スマートコーチ」という単語でなんとなく想像できるかもしれませんが、まずは概要を説明していきましょう。

スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォームです。プロのコーチが続々と参加予定。(スマートコーチ 公式サイトより)

そう、時代はプロコーチにネット上で指導してもらえるところまできているのです。

 

ランニングの専門コーチはなんと、私が公私ともにお世話になっている金 哲彦さん。金さんと言えば、「ラン×スマ」(NHK BS1)でご一緒していた縁もあり、ゲストランナーとしていろんな大会に呼んでくださり、いまでも交流があります。でも、私が金さんの指導を受ける機会は意外とありませんでした。

動画を送ってフォームをチェックしてもらえたり、チャットでアドバイスをもらえたり

まずはネットで「スマートコーチ」と検索して、新規登録します。金さんのランニングのコースは3つ。

 

・課題にあった練習方法を3つの動画で提供してくれる「完全オリジナル練習メニューbest3」3000円/回
・練習風景の動画を元にフォーム指導をしてもらえる「1回限定!ランニングフォームチェック」6000円/回
・ランニングフォームチェックと、その後3回分の練習メニュー提供、その他チャットを通じてアドバイスを提供してもらえる「完全マンツーマンRun&Training」1万円/回

 

私は安定したフォームでフルマラソンを走りきれるかどうかを見てほしかったので、「1回限定!ランニングフォームチェック」を申し込みました。まずはプロフィールに目標や課題などを記入してコーチに現状を知ってもらいます。

 

するとすぐに、金さんから動画でコメントが届きました。

 

フォームチェックをするために【①走っている正面と後ろ姿②横の姿③足もと】が分かるよう走っている動画を送ってください、ということで早速撮影しに公園へ。私は100均で売っている簡易三脚を使って撮影しました。

 

スマートコーチのマイページを開くと、簡単に動画添付できるようになっているので、とてもスムーズに送信ができます。実は、動画を3つ添付して送る作業って「面倒だなぁ」と思っていた私も拍子抜けするくらい簡単、かつスピーディーに送れました(笑)。素晴らしいサービスだ! 面倒くさがりさんにもおすすめできます。

送った動画にコーチの音声が入ってくる

動画を送るとまたしばらくして金さんからコメントが。

 

自分が送った動画に金さんの解説の音声がプラスされたものが返って来ました。まず正面と後ろ姿の動画はこんな感じ。

スロー再生でリプレイしたり拡大したりしながら、良い点・良くない点を細かく指摘してくれています。ラン歴10年になる私ですが、ランニング中の骨盤の傾きは気にしたことがなかったので、知れてよかったです。

 

横からの動画でさらにわかりやすくフォームの問題点が見えました。

まさか着地の仕方に左右差があるとは思っていなかったですが、この動画で一目瞭然ですね。

足もとの動画では、着地の問題点が指摘されています。原因や改善方法までお話しして下さっているので、自分のやるべきことが明確になります。

 

あとこれは前々から思っていたことですが、金さんは、とても優しい声で説得力のある話し方をされるので、この音声付きの動画はすごく励みになりますよね。金さんありがとうございました!!

課題を意識してフルマラソンも楽しく完走

というわけで私の課題は、骨盤や肩甲骨の左右差を整えることが最優先事項だとわかりました。マラソン本番まであまり日がなかったので、まず、お世話になっている治療院で骨盤のズレなどを矯正。走る前などは股関節や肩甲骨の動きの悪いほうを念入りにストレッチ。そして走る時には重心の真下着地を心がけました。おかげでどこも痛めることもなく、笑顔で沿道の応援の方とハイタッチしながらずっと楽しい42.195kmを走ることができました! ありがとうスマートコーチ!

ちなみにスマートコーチは、ランニング以外にもバレーボール(山本隆弘コーチ)やボクシングダイエット(渡嘉敷勝男コーチ)、トライアスロン(西内洋行コーチ)etc.さまざまなスポーツに対応しています。

スマートコーチだと、自分のテリトリーにいながらプロのコーチに指導してもらえるので、忙しい方や人見知りの方でも気軽に挑戦できるはずです。それぞれの目標にむかって心強いコーチがサポートしてくれるので、思い切り頼ってみましょう!

 

中村優オフィシャルブログ https://lineblog.me/nakamura_yu/

【神業】これ早送りでしょ!? “世界最速の足技”ד新時代のランシュー”の驚愕コラボ

インスタポンプフューリーやフロートライドなど、常に革新的なシューズを生み出してきたリーボック。そんな同社が2018年3月、満を持して発売を開始したのが、ランニング/トレーニングシューズ「FAST FLEXWEAVE(ファスト フレックスウィーブ)」です。その特徴について語るべきポイントは多いですが、まずは次の動画をご覧ください(動画のフル版も記事後半で視聴できます)。

早送りでは!? と見まがうこちらの動画は、「FAST FLEXWEAVE」の発表会にて披露された、世界最速のフットワークを持つ男と呼ばれるルイス・バディージョ氏のパフォーマンスです。ここからは、この神業ともいうべきパフォーマンスを引き出すシューズとそのテクノロジーについて、詳しくご紹介していきましょう!

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↑今回発表された「FAST FLEXWEAVE」。男性用モデルに4種、女性用モデルに3種のカラバリを用意。実売価格は9990円(税別)

 

無限の可能性を秘めた“8の字構造”のアッパー

今回のシューズの核となるのは、8の字構造の織りに着目した独自の新アッパーテクノロジー「Flexweave(フレックスウィーブ)」。1枚布構造でありながら、シューズの部位によって自由自在に柔軟性や通気性、強度、サポート性を変えることに成功したと言います。

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↑8の字構造の拡大イメージ。1枚布でありながら、部位によって繊維(横糸)の種類や織り目の密度を調整することが可能/メーカー提供画像

 

この技術を採用した最初のシューズである「FAST FLEXWEAVE」では具体的に、柔軟性が必要とされる前足部には横糸に柔らかい繊維を用い、織り目の密度を大きくすることで足指を動かしやすいよう工夫。一方、中足部やヒール部分にかけては横糸を丈夫な繊維に変えつつ、織り目も高密度にすることで、サポート性や耐久性を高めています。

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↑見て、触って、履いてはっきりわかるほど、各部位で質感が異なります。会場で実際に履いてみましたが、部位ごとに最適化されているためか、フィット感が抜群。特に、中足部~踵部分の高いホールド力に対し、指部分が極めて軽快で窮屈感がない点に驚きました

 

発表会でこの「Flexweave」について解説してくれたリーボック グローバル ゼネラルマネージャー ランニング担当のScott Daley氏は、使用する繊維を変えることでさまざまなカスタマイズが可能な点を指し、「『Flexweave』の可能性は無限大だ」と胸を張って語っていました。

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↑Scott Daley氏のプレゼンは、靴底に釘を打ち付けて作られた世界初のスパイクシューズをはじめ、同社のこれまでの歴史をたどりながらスタート。そこには、今回の「Flexweave」も歴史に名を残す技術・シューズであるという自負が感じられました

こんな「ランイベント」あっていいの? フリーダム過ぎる「Runtripvia 鎌倉」が3/25に開催

以前、GetNavi webで中村 優さんが取材した「フリーダムすぎるランニングイベント Runtrip via》」が、優さん企画で2018年3月25日に鎌倉で開催されます。

Runtrip via》は、Runtripが開催しているランニングイベント。何が斬新かというと、「コースは自由。ゴールで乾杯。」なのです。専用アプリをダウンロードし、決められた時間までにゴールに設定されているパーティー会場に到着するよう走るだけ。コースが自由ということは、走る距離も人それぞれ。つまり、自分に合ったペースと距離で参加できるのが醍醐味です。

 

その証拠に、道中で走りながら見つけたものや良い景色などは#runtripviaのハッシュタグを付けてSNSに投稿することがオススメされています。単に走るだけでなく、いかに楽しんで走れるかが重要。会場に着いたらゴールしたランナーたちと乾杯&交流できるので、走った後も楽しい時間が過ごせます。

 

今回は、当日15時半に鎌倉のWeBase KAMAKURAに到着していればOK。観光地で日ごろの運動不足を解消してみてはいかでしょう? ゴール地点で優さんとぜひ乾杯を!

 

【イベント概要】

●パーティー:2018年3月25日(日)16:00~18:00(スタートはAM0:00以降/自由解散/受付開始は15:30)

●参加費:6000円(軽食+1drink付/※オカワリドリンクは1杯500円)

●目的地:WeBase KAMAKURA(神奈川県鎌倉市由比ガ浜4丁目10-7)

●エントリー期間:2018年3月24日(土)18時まで

●申込み:https://via.runtrip.jp/kamakura

仕事ばかりで休みの日にゴロゴロしているのは「おバカさん」? 今すぐ始められる「趣味」を見つけよう!

昔から初対面の方との挨拶で、「趣味はなんですか?」と聞かれると困ってしまうタイプなのですが、みなさんには「これが趣味よ!」と、自信をもって言えるものはありますか?

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先日閉幕した平昌オリンピックを見ていても、ウィンタースポーツ楽しそうだな〜止まりで、実際に実行するまで至りません。東京マラソンで楽しそうに走っている人を見ても、藤井聡太くんが昇段しても、「仕事が忙しいし」「結局、続かないしな」と新しく趣味を始めたい気持ちより、心の中からイイワケ大臣が現れて現状維持を提案してきます…。

 

そこで今回は、『人生を変える大人趣味50』(ゲットナビ編集部・編/学研プラス・刊)から趣味のトレンドをお伝えします。この春から始められる趣味、見つけたいな〜。

 

 

「仕事が忙しくて…」という人にほど、趣味が必要?

趣味を始めたいけど続けられない理由に「結局、仕事だったり家のことで本格的にハマる時間がなくなる」ということがあるんですよね。あとお金もかかるし、人付き合いもめんどくさいし…。ってほらほら、面倒になってきた(笑)。

 

それに週5日間たっぷり働いて、平日の帰宅後も食べて寝るだけ…やっと辿り着いた休日ですから、「休みの日くらいゆっくりさせてよ〜」なんて思ってしまいますよね。でも様々なメディアでご活躍の精神科医・名越康文さんによると、仕事ばかりで休みの日にゴロゴロしているのは、あえて乱暴な言い方をすると「おバカさん」なんだとか!

 

目の前のことしか考えていない”おバカさん”ですね。無為に休日を過ごすなら、趣味仲間と一緒に過ごした方が仕事の役に立ちます。性別も、年齢も、職業も異なる”利害関係のない人たち”と同じ師の下で学び、交流を持てば、いままで気がつかなかった自分の長所や短所を知ることができます。

(『人生を変える大人趣味50』より引用)

 

「家族の時間」「仕事の時間」だけで人生を消費するのではなく、そこに「自分の時間」を追加できる人の方が、視野も広がり新しい自分と出会えるキッカケになるそうなのです。

 

確かに、「家族」と「仕事」の時間だけで自分を構成してしまうと、仕事でうまくいかなくなった時、家族にしか発散させる場がないですもんね。家族とも仕事とも関係のない「趣味の仲間」がいることで、家族も仕事も円滑に進められるということか! なるほど。

 

 

仲間とともに楽しむ趣味は、世の中にいっぱいある!

じゃあ何かやってみよう! と思った方は、趣味人口が多いものから始めてみるのがいいかもしれませんね。

 

「レジャー白書2017」によると、「余暇活動の参加人口」1位は国内旅行で5330万人、2位が外食で4090万人、3位がドライブと読書が同率で3880万人とのこと。でもこれらって、趣味っていうよりも、家族ですることのような気が…(笑)。

 

ということで、『人生を変える大人趣味50』に掲載されている仲間と一緒に楽しめる趣味をご紹介しましょう! まずはこれからの時期、始める人も多くなるであろう「ランニング」。

 

趣味人口は1000万人を超えると言われており、初期投資もシューズとウェア代の約1.5万円から始められるので、手軽さは抜群。ランニングというと、孤独な趣味と思うかもしれませんが、“ラン仲間”を集っている人も多いそうです。

 

仲間と一緒に走ると、トレーニング面でモチベーションを高く保つ効果がありますが、シューズやウェア、大会のことなど、情報面においても得られるものが多いでしょうね。最近では近くに走る仲間がいなくても、SNSを利用して仲間を集うこともできます。オンライン上で仲間と走行距離を競うなんてこともできますよ

(『人生を変える大人趣味50』より引用)

 

ちょっと初めてで…という方は、ジムなどでイベントを開催しているところもあるそうなので、初心者歓迎なイベントを探してみるといいかもしれません!

 

運動が苦手という方は、趣味人口は80万人と少なめですが、「楽器演奏」はいかがでしょうか?

 

どんな楽器をやりたいかわからない人でも、多くの教室で無料体験ができるため、体験してから始めることも可能。また好きな音楽ジャンルが一緒の人も多いため、「あのアーティストいいよね」「この新曲聴いた?」などと親しくなるのも早いんだとか。楽器によって費用は異なりますが、昔憧れていたあのバンドをコピーしたい、習っていたピアノを再開しようなどなど大人だからできる贅沢な時間を楽しめそうですよね!

 

 

自分と向き合い、ひとつのことを極める趣味でも人生は充実する!

人付き合いが苦手でも、始められる趣味もいくつかご紹介します。

 

まずご紹介するのは、「ソロキャンプ」。

 

これは最低限の荷物を揃え、人里離れた場所でじっくりと自分だけの場所を過ごす趣味なんだとか。キャンプ場などにも最近では女性のソロキャンパーも増えているんだとか。初期投資は7万円〜で、趣味人口は約100万人もいるみたいですよ! 最近ではキャンピングカーもブームなので、ひとり旅をしながらのソロキャンプもなかなかいいかもしれませんね。自分と向き合う時間を楽しみたい方にオススメです。

 

とは言っても、お金はだいぶかかってしまいますので、初期投資を抑えたいという方には、300円から始められる「模型製作」はいかがでしょうか?

 

趣味人口は260万人いると言われており、定番のガンプラからスポーツカーや戦闘機などなど模型の種類は様々あり、初心者でも簡単で安い模型から始められます。また組み立てて終わりではなく、飾る楽しさ、写真を撮る楽しさ、色をアレンジしていくことで自分らしさも表現できるというのです! 新宿には購入だけでなくその場でプラモデル製作ができる「模型ファクトリー」というお店もあるので、一度足を運んでみるのがいいかもしれません。

 

模型ファクトリー(http://mokei-factory.com/shop/)

 

『人生を変える大人趣味50』にはこの他にも、家庭菜園や狩猟、写真撮影、パン作りなど50種類の趣味がたっぷりと掲載されています。少しずつ暖かくなってきて、何か始めたくなるこの時期、家でゴロゴロから卒業するきっかけに新しい趣味をはじめてみるのはいかがですか?

 

【著書紹介】

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人生を変える大人趣味50

著者:ゲットナビ編集部(編)
出版社:学研プラス

クルマ、バイク、キャンプ、スキー、マウンテンバイク、スキューバダイビング、天体観測、ゴルフ、ランニング、カメラ、音楽鑑賞、料理を始めとした趣味の「現代版」を紹介。大人の男性がいまからでも熱中して始められる趣味を紹介していきます。

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歩いてポイントや賞品をGet!自治体が実施する健康マイレージ

健康のために運動に取り組んでいても、自分できっちりと管理するのは至難の業。「ランニングしたけど何km走ったのかわからない」「1万歩が目標だけどだいたいでいいか」といった経験がある人も多いですよね。そんな人におすすめなのが”健康マイレージ”。今回は、”健康マイレージ”とは何なのか、その実態を見ていきましょう。

 

歩くだけでポイントがたまる?

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“健康マイレージ”とは、自治体が住民に健康づくりを促す新しい取り組みのこと。ウォーキングや健康診断の受診など、自治体が指定した活動を行うことでポイントがたまり、たまった分は賞品や商品券などと交換できるシステムです。

 

さまざまな自治体が健康マイレージの導入を始める中、埼玉県は4月から“コバトン健康マイレージ”のサービスを開始しました。同県内の25市町村が実施しており、年齢などの条件を満たせば誰でも気軽に参加できるとのこと。申し込み後、専用アプリをダウンロードしたスマートフォン、または送付される専用歩数計によって歩数を測定し、1日の歩数によってポイントを獲得できる画期的な仕組みとなっています。

 

協賛店舗などに設置されているタブレット端末に歩数計をかざすと歩数が送信され、会員マイページやアプリで歩数データの確認がその場で可能に。3万ポイントがたまると3カ月ごとに行われる抽選に自動的に応募され、同県の特産品などが当たるといった嬉しい特典もついています。

 

この取り組みに興味を抱く人は多いようで、ネット上では「これならちゃんと運動してやせられるかな」「ポイントためるのが楽しくなりそう」といった声が。賞品を楽しみに参加している人も多く、中には「健康マイレージで歩くようになったから会社の人にも勧めてるよ」と、実際に参加して効果を実感している人も見られました。

 

 

楽しく運動して医療費抑制!

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一人では中々続かない運動ですが、歩数のランキングが発表されて仲間と競い合えるのも“コバトン健康マイレージ”のよいところ。

 

毎週の平均歩数で競う個人ランキングの他に、年代ランキングや性別ランキング、市町村で競うチームランキングなどが存在します。ネット上では「この前よりランキングが上がった!」「今月もランキング上位キープできて安心」といった声がちらほら。ゲーム感覚で楽しみながら運動に取り組んでいる人も見られました。

 

埼玉県は“コバトン健康マイレージ”を通して健康寿命の延伸につながり、医療費の抑制や介護費用の抑制などを目指しているとのこと。同県が“コバトン健康マイレージ”を始める先駆けとなった“毎日1万歩運動”と“筋力アップトレーニング”では、実際に身体状況の改善や医療費の抑制効果も実証されています。今後“コバトン健康マイレージ”が広まることによって、より大きな効果が期待できるかもしれません。

 

歩くことは健康への第一歩。
“健康マイレージ”を利用して、楽しくポイントをためながら健康管理を始めてみては?

 

 

ランニングのあるあるを全解決!!「揺れない、ズレない、臭わない」の三拍子がそろった「Fitly」

誰でも気軽に始められるエクササイズとしてランニングは人気ですよね。スピードや距離を自分に合わせて無理せず続けられるのが魅力です。特別な道具もいらず……と言いたいところですが、いざ始めてみると水筒やスマートフォン、自宅の鍵、お金、と持っていきたいけれども運動の邪魔になるアイテムの対応に困るもの。大きなカバンを背負って走るわけにもいきません。

 

そんなランニング愛好家たちの地味だけれど大きな悩みを解決するためのプロダクトが、Kickstarterで予約受付中の「Fitly」です。

 

細部に魂が宿り、身体にピッタリくっつく

1つ約8000円のFitlyは、開発目的が一目見ただけで理解できるデザインになっています。本稿執筆時点でまだ20日ほどキャンペーンが残っていますが、開発資金は既に目標の半分以上の約189万円を集めています(日本への配送料は約680円)。

 

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「ランナーによって作られたランナーのためのバックパック」とのことですが、やはり一番の魅力はコンパクトかつ身体にフィットするデザイン。背負ったまま走っても上下左右に揺れることがありません。

 

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身体1つでランニング・・・といきたいところですが、実際には財布や携帯、鍵といった小物を持てると助かりますよね。それもすべてFitlyで解決です。さらにバンド部分の小さなポケットにはウォーターボトルも入れられるようになっています。

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かゆい所に手が届く、細かい機能

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細かい機能を知ると、プロダクト開発者自身がランナーだということがよく伝わってきます。例えば、ジッパー部分はパタッと倒れてマグネットで固定されるので、走っている時に「チャリッ、チャリッ」と音が鳴ることがありません。うーん、細かいけれど有り難い。こういった細部にプロダクトの使い心地が宿るのですよね。

 

生地は耐久性が高く、耐水性も優れているとのこと。しかも防臭機能もついているので毎日ランニングをする人でも安心です。X字型のデザインで様々な体形の人にもフィットするようになっています。このデザインのおかげで荷物の重みも全体に広がるので、肩だけが痛くなることもないとのこと。

ちょっとした特殊部隊のスーツみたいなカッコよさもある…と思うのは私だけでしょうか? 走りたくなるバックパックというのは新しい気もします。ウォーキングやサイクリング、山登りなど他のスポーツにも使えるので便利ですよね。

 

一般には売られていない、ユーザーの視点で作られたプロダクトはKickstarterの強み。それを生かしながら、ランナーが丁寧に作ったFitlyは世界中でニーズがありそうです。