スマート電球にも価格破壊の波ーーWiz Connected Lightsが照らす「光を選ぶ」暮らし

アプリや音声アシスタントを使って操作ができ、家の外からも照明のオンオフがコントロールできる、時間帯やムードに合わせて照明の色や明るさを変える。そんなスマートな照明デバイスがどんどんとマーケットに登場しています。

 

しかし自宅の普通のライトで満足しているユーザーからすると、「なんでわざわざ新しいデバイスやハブを購入しないといけないのか」とそれほど魅力を感じていない人も多いのではないでしょうか。

 

海外メディアが「たくさんあるスマートライトの中で頭一つ飛び抜けている」と評価するスマート照明システムWiz Connected Lightsは、そんな人にも「ちょっと欲しいかも」と思わせてくれるシンプルかつ多機能、そして何より経済的なスマートライトになっています。

 

ハブやデバイスの購入不要! 自宅の電球を交換するだけでOK

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Wiz Connected Lightsは電球の根本部分にコンピューターを搭載したスマート電球となっています。なので、従来の照明デバイスの電球をWizに交換するだけで、手持ちのランプや電灯がスマートライトに変身してしまうのです。

 

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もちろんLEDなので省エネかつ長持ち。WiFiに接続してアプリで操作できます。もちろんAmazonエコーやGoogleホームにも対応しているので、夜ベッドに入った後に「あー、リビングの電気消すのを忘れてた」と思い出してもベッドから出る必要もありません。「電気を全部消して」と音声でコントロールできるので便利です。

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操作のしやすさもWizの魅力の1つ。アプリを使って各照明の位置(部屋)に名前を付けることができます。リビング、キッチン、寝室、といった具合に名前を付けることで、アプリや音声アシスタントでの操作が一気に楽になりますね。もちろん時間でオンオフや明るさをセットすることも可能です。

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確かに「どの部屋の明かりが何時頃にどれくらい必要なのか」という問題の答えは毎日ほぼ変わらないですよね。不必要な繰り返しを節約することもできますし、逆に「11時には寝室に行く」という習慣を付けるために、リビングのライトを11時に消灯タイマーをセットするなど「身に付けたい習慣」に合わせて照明を設定するのも良さそうです。

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1600万色から自分のお気に入りを設定

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Wizと同じようにスマートフォンを使って色温度や明るさなどを調整することができる最先端のライトは、フィリップスやソニーなどからも既に発売されています。しかし、WizはAmazonエコーやGoogleホームに対応しているほかに2つの強みがあります。それは「価格」と「色温度のバリエーション」です。

 

白色のWiz電球はたった約2800円から米Amazonで購入することが可能。Philips Hue ホワイトグラデーション・スターターセットの実売価格は1万5984円なので、Wizのほうが格段に安いことが分かります。「ただの白色でしょ」と侮ってもいけません。白の明るさや色温度を6万4000種類も演出することができるとのことです。約4000円から購入できるフルカラーの場合、なんと1600万色も生み出すことができるそうなので驚きです。海外メディアも「値段の安さは他のスマートライトよりも飛び抜けている」と評価しています。

ということなので、自分のお気に入りの色合いを作ることができますね。ホラー映画を見る時はちょっと赤くしてみたり、パーティの時はイエローやパープルといったワクワクする色合いを試してみたり、誕生日は暖色で和んだりと色々なバリエーションが楽しめるわけです。

 

さらに他のモーションセンサー、カメラ、GPS、天気アプリといったデバイスと組み合わせることもできるので、煙探知機が発動したら家中の明かりを赤くしたり、曇の日は照明を強くしたりといったことも可能です。

 

複雑な設定を決めるのが面倒という方も安心です。Wizのアプリにはリラックス、集中、ベッドタイム、森林、オーシャン、といったプリセットの照明設定も組み込まれているので、そこから気に入った組み合わせを選ぶだけで簡単に使い始めることができます。

 

フィリップスの上記の製品は、4つのシーンを想定した光がスイッチにプリセットされており、1%刻みでの調光が可能となっています。電球色から昼白色まであらゆる色温度の白色光が楽しめますが、Wizはこの点において劣っていないと考えられるでしょう。

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電球を交換するだけなので、少しずつ試していけるのが有り難いですよね。気に入ったら今度はリビングの電球をこれにしてみて……と段階的にスマートライトを導入できるわけです。Amazonのコメントにも「電球もアプリもアレクサとの連携も大のお気に入り。自分のスマートフォンにIFTTTのウィジェット・ボタンを作ってボタン1つで消灯できるようにもカスタマイズした!」と使い込んでいるユーザーの絶賛の声が書き込まれています。

 

わずか数千円の購入費用で、自宅で現在使っている照明機器を生かしながらスマートスピーカーも使える上に、数百万通りの白色が楽しめるWiz。このコスパの良さは、これまでのスマート電球のなかで最高かもしれません。これからスマート電球は競争が激しくなっていき、価格が落ちていくのか注目です。

見た目ベイマックスか! 「アイロンいら~ず」は1か所を除いて想像以上に便利だった

アイロンがけは面倒です。アイロン台を出す準備も大変ですし、前身ごろ、袖、後ろ身ごろ、襟……と、動かしながら、シワにならないようにプレスしていくのは、本当に面倒くさい。この作業からなんとか解放されたいと思っている人は間違いなく多いでしょう。

 

しかし、まさかこんな方法でシワを伸ばそうとは……(笑)。今回ご紹介するのは、今年8月の発売以来、世間をざわつかせているサンコーの乾燥機、「シワを伸ばす乾燥機 アイロンいら~ず」です。

20171102-s2 (1)↑サンコーの乾燥機「シワを伸ばす乾燥機 アイロンいら~ず」。こんなものが家で稼働していたら、家族は何ごと? と思うはず

 

乾燥バッグを温風で膨らませてシャツのシワを伸ばす

商品名にもあるように、これは基本的には乾燥機。1枚の衣類のシワを伸ばしつつ、短時間で乾かしてくれるというものですが、そのアプローチがとても斬新! というか、むしろ原始的なのです。百聞は一見にしかず、というわけでさっそく使ってみましょう。

↑まずはセット内容をチェック。温風を出す乾燥機本体(左)。ウインドブレーカーのような形の乾燥バッグが大小2枚付属しています(右)↑まずはセット内容をチェック。温風を出す乾燥機本体(左)。ウインドブレーカーのような形の乾燥バッグが大小2枚付属しています(右)

 

この乾燥バッグを乾燥機に取り付け、乾燥バッグの中に自前のハンガーを入れて吊り下げれば準備は完了。タイマー設定のダイヤルを30分~180分以内でセットすると、上の黒い部分から、約70~80℃の温風を吹き出します。

↑乾燥バッグの裾部にある丸い穴に本体の温風吹き出し口を取り付け、ハンガーに吊り下げます↑乾燥バッグの裾部にある丸い穴に本体の温風吹き出し口を取り付け、ハンガーに吊り下げます

 

↑タイマーのダイヤルを「切」から「連続」または180分以内で設定すると、温風が吹き出てきます↑タイマーのダイヤルを「切」から「連続」または180分以内で設定すると、温風が吹き出てきます

 

すると、どうなるのでしょうか。動画で撮影した様子がこちらです。

温風が入り始めてわずが3秒で、乾燥バッグがパンパンになり、まるで人が両手を広げたような姿になったのです。その姿は、大ヒット映画に登場する「ベイマックス」を彷彿とさせます。

 

約15分でほぼ乾く! シワは伸びるが1つだけ惜しい点も…

では実際にシャツを乾燥させてみます。用意するのは、洗濯、脱水まで終えたシャツ。脱水によるシワが残っています。このまま乾かしても、シワが残ってしまうので、アイロン掛けは必須。これを、先ほどの乾燥バッグに着させるようにセットし、タイマーをセットして稼働させます。

↑乾燥バッグに着させて、襟元までしっかりボタンを留めます。袖の中にもきちんと通して装着完了! まずは30分ほど乾燥させてみましょう↑乾燥バッグに着させて、襟元までしっかりボタンを留めます。袖の中にもきちんと通して装着完了! まずは30分ほど乾燥させてみましょう

 

ダイヤルをセットして数秒後に、バッと一気に膨らみます。なんともマッチョ(笑)ダイヤルをセットして数秒後に、バッと一気に膨らみます。なんともマッチョ(笑)

 

見た目はシュールですが、中には70~80℃の温風が充満しているため、乾燥バッグも徐々に温かくなってきました。前側はもちろん、背中側にもしっかり空気がまわっているのが分かります。そして15分後に触ってみると、厚みのある襟やボタン回り、カフス部分はしっとりしているものの、そのほかの部分はほぼ乾いていました。

↑袖や身ごろなど、生地の薄い部分はすっかり乾いています↑袖や身ごろなど、生地の薄い部分はすっかり乾いています

 

さらに15分乾燥させたところ、先ほど乾いていない部分もほとんど乾きました。ただし完全に乾かしたい場合は、あと15分ほどの追加が必要です。肝心の仕上がりはというと……。

↑全体的にシワが入り、よれっとしたワイシャツ(左)が乾燥前。乾燥後(右)は、そのまま乾かした場合に比べ、だいぶシワが少ない印象です↑全体的にシワが入り、よれっとしているのが乾燥前(左)。乾燥後(右)は、そのまま乾かした場合に比べ、だいぶシワが少ない印象です

 

結果、満足度は80%! 30分程度で乾いて、アイロン掛けが不要な程度にシワを伸ばしてくれるのは、非常にありがたい! ただ1つだけ惜しいのは、普通に乾かした場合にはつかない、特有のシワがついてしまったことです。

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↑ボタン回りから横に向かって、引っ張ったあとのようなシワができた(上)ほか、背中周りにも微妙なシワが……(下)↑こちらが特有のシワ。ボタン回りから横に向かって、引っ張ったあとのようなシワができた(上)ほか、背中周りにも微妙なシワが……(下)

 

個人的に経験があるのですが、昔に比べて太ったにも関わらず、昔から着ていたシャツを無理して着ると、生地が引っ張り合って、変な場所にシワができてしまいます。この場合もシャツのサイズに比べ、乾燥バッグが膨らみすぎたため、シワになってしまったようです。

 

それを少しでも防ぐためには、乾燥バッグが膨らんだ時点でできたシワを伸ばしたり、大小2種類ある乾燥バッグから小さいものを選んだりするのがよいでしょう。またストレッチ性の高い素材のほうがシワが伸びやすく、特有のシワがつきにくい傾向にあるようです。

 

素材によってはより強く効果が実感できる

次に乾燥させたワイシャツは、脱水後のシワがひどかったぶん、より効果を感じることができました。それが以下の写真の例です。

↑乾燥前(左)は、シワになりやすい素材だったため、全体的にシワが目立っています。乾燥後は、シワは残っているものの細かいシワは少なく、自然なシワの範疇といえる完成度↑乾燥前(左)は、シワになりやすい素材だったため、全体的にシワが目立っています。乾燥後は、シワは残っているものの細かいシワは少なく、自然なシワの範疇といえる完成度

 

↑上写真と同じシャツの裏。乾燥前は、形も崩れるほどにシワがついています(左)。乾燥後(右)との違いは一目瞭然!↑上写真と同じシャツの裏。乾燥前は、形も崩れるほどにシワがついています(左)。乾燥後(右)との違いは一目瞭然!

 

↑いつも洗濯すると、手に負えないほどシワシワになるデニムシャツは、すっきりシワが伸びました。この満足度は100%!↑いつも洗濯すると、手に負えないほどシワシワになるデニムシャツは、すっきりシワが伸びました。この満足度は100%!

 

数日使ってみた結果、最初は「何なのコレ?」と訝しげに見ていた夫も、すっかり気に入った様子。毎朝、洗濯物を干すときに、ワイシャツだけ「アイロンいら~ず」にセットしておけば、出かける前には乾いているので、「アイロンを掛けるより断然ラク」と感じたようです。加えて、これからの季節は、ホカホカの温かいシャツを羽織れるという幸せも楽しめますね(笑)。

 

もうひとつ、個人的に思いついた使い方が、帰宅後のジャケットのお手入れ。ジャケットに全体的にシワがついてしまったら、消臭スプレーを吹きかけて湿らせてから乾燥させると、シワが軽減しました。ただし生地を傷めないため、そして特有のシワをつけないためにも、短時間に留めています。

 

ちなみに、アイロンいら~ずの消費電力は1000W。30分の使用で、計算上の電気代は13.5円(1kWh当たり27円で計算)になりますので、毎日1枚のシャツを乾燥させると1か月の電気代は405円です。シャツ30枚のアイロン掛けをしないで済むと思えば、安いものではないでしょうか。

↑ジャケットに使うやり方もオススメ。消臭スプレーで消臭&湿気をプラス。あとは短時間乾燥させて、シワを軽減させます。アイロンが面倒なら、毎日少しずつやるのがいいかも↑ジャケットに使うやり方もオススメ。消臭スプレーで消臭&湿気をプラス。あとは短時間乾燥させて、シワを軽減させます。アイロンが面倒なら、毎日少しずつやるのがいいかも

 

最初は見た目に引いてしまい、あまり性能は期待していなかった(失礼!)「アイロンいら~ず」ですが、使い慣れるほどに便利さを実感。家事をラクにしてくれるアイテムとして、活躍すること間違いなしです。

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サンコー

アイロンいら~ず

●7980円●本体サイズ/質量:W22×D14 ×H32㎝/1400g●乾燥バッグサイズ(小)※シャツS〜Mサイズ:衿回り46/肩幅50/胸回り112/胴回り110/腰回り109/着丈67/裄丈86(cm)、乾燥バッグサイズ(大)※シャツMサイズ以上(〜3L推奨):衿回り46/肩幅55/胸回り120/胴回り118/腰回り117/着丈84/裄丈95(cm) ※乾燥バッグサイズは膨らんだ状態●消費電力:1000W●タイマー:連続30〜180分●内容:本体、シャツ乾燥バッグ(大/小)、吊り下げ用ベルト、接続・送風口カバー、日本語取扱い説明書

【8項目徹底比較】キャニスター掃除機は「過去の遺物」じゃない! 東芝/シャープ2大モデルが示したコードレスの可能性

2013年ごろから始まったコード式キャニスター掃除機とコードレススティック掃除機のシェア争いは、いまやコードレススティック掃除機が優勢。コードレススティックは、元々コンセントに電源を抜き挿しする必要がなく、使いたいときにさっと取り出せるのが魅力でしたが、弱点だった運転時間と吸引力の強化により、メイン掃除機として十分に使える性能を獲得しました。

 

一方、コードレススティック型に押されて苦しい状況にあったキャニスター掃除機ですが、2017年秋に起死回生を狙った2モデルが相次いで発売されました。それが東芝「VC-NX1」とシャープ「Ractive Air EC-ASシリーズ(サイクロン式)・EC-APシリーズ(紙パック式)」です。

20171005-s3-(00)↑シャープ「Ractive Air EC-AS500」(左)と東芝「VC-NX1」(右)

 

コードレスキャニスター掃除機の注目2モデルの使い勝手を検証!

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「VC-NX1」と「Ractive Air」はともに、キャニスター型ながら「コードレス」を実現したモデル。コードレススティック掃除機で培ったバッテリー技術・モーター技術を応用し、コード式に迫る吸引力と長い連続運転時間を実現したのが特徴。コードがモノに引っかかることもなく、 「コードの抜き挿し」という面倒な作業がなくなったうえ、本体の重さが手首や腕にかかりません。「コードレス」となったことで、キャニスター掃除機は、より快適な操作が期待できるのです。しかし、その使い勝手の良し悪しは、実際に使ってみないとわからない……。

 

ということで今回は、新発売の東芝「VC-NX1」と、シャープのEC-ASシリーズのなかから「Ractive Air EC-AS500」(以下、Ractive Air)を取り上げ、「吸引力(フローリング)」「吸引力(カーペット)」「操作性」「設置性」「ゴミ捨てのしやすさ/メンテナンス性」「汎用性」「独自機能」の8項目で、前・後編の2回に分けて比較検証。前編では、「吸引力(フローリング)」「吸引力(カーペット)」「操作性」「設置性」の4項目を見ていきましょう!

 

【検証する機種はコチラ】

エントリーその1

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コード式に迫る吸引力と約1時間という長時間の連続運転を実現

東芝

VC-NX1

実売価格10万2370円

リチウムイオン電池を同社のコードレススティック掃除機の2倍搭載し、最長約60分の連続運転が可能に。最大毎分約12万回転する高速DCモーターを新採用し、同社のコードレススティックを超えるパワフルな吸引力を実現しました。凹凸の少ない本体デザインで狭いスペースでも動きやすく、本体が上下反転しても体勢を直さずそのまま掃除が続けられます。スイスイ自走する「ラクトルパワーヘッド」やゴミの有無を知らせる「ゴミ残しまセンサー」など、同社の高度な機能を多数装備。●サイズ/本体質量:W261×H185×D234mm/2.8kg

 

エントリーその2

徹底した軽量化によりスティック型を超える使いやすさが魅力!

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シャープ

Ractive Air EC-AS500

実売価格6万7320円

本体構造などの軽量化により、パワーブラシタイプのキャニスター型では最軽量クラスの総質量2.9kgを実現。手元パイプ部に航空機などにも使われる軽量素材「ドライカーボン」を採用し、手や腕への負担を大幅に軽減しました。大風量ターボモーターと高効率リチウムイオンバッテリー、自走パワーヘッドで、同社のコード式キャニスター掃除機と同レベルの集じん力を達成。バッテリーは着脱式なので、置き場所を選ばず手軽に充電が行えます。●サイズ/本体質量:W204×H230×D390mm/1.8kg

 

【テストの内容はコチラ】

吸引力テストは、フローリング上とカーペット上の幅20cm×長さ70cmの範囲にドライペットフード50粒、重曹20g、長さ5cm×幅1〜2mmに切った紙ゴミ1gを撒き、それぞれ強モードで1回だけ走行。どれだけ取れたかを視認しました。また、フローリングに関しては、壁際に重曹を撒き、その集じん具合も確認しています。

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操作性は、ヘッドの前後の動かしやすさ、左右の首振りのしやすさを確認。また、テーブルなどの家具の近くを掃除機がけして、本体が障害物を避けてスムーズに走行できるか、方向転換がスムーズか、などもチェックしました。さらに、ソファやベッドなど高さのない場所の掃除のしやすさにつながる、ヘッドをどこまで寝かせて掃除できるかも吟味。掃除機の連続稼働時間と充電時間も合わせて確認します。

 

設置性は、掃除終了後に省スペースに収納できるか否か、また収納する手間はどうか、という点を見ていきます。

 

【検証結果はコチラ】

エントリーその1

東芝

VC-NX1

 

<吸引力(フローリング)>

ヘッドと床のすき間が十分に取られ、かさのあるドライペットフードも完璧に集じん

1回の走行では紙ゴミがある程度残り、ヘッド両端(特に左端)に重曹が残ってしまいました。一方注目なのは、ドライペットフードを完璧に集じんできていたこと。ペットフードは直径6mm×長さ6mmほどの筒型ですが、コードレススティックが苦手にしている“かさのあるゴミ”をしっかり捕集できるのは大きなメリットです。

↑ペットフードは一粒残らず捕集。一方紙ゴミは、ヘッドの下を通過したものの集じんされずに残ったものが前方に溜まっています。一度ブラシでかき込んだものの、吸引されずにヘッドの外に飛び出た紙ゴミもありました。また、ヘッドの両端の通過跡には重曹の取り残しも見られます↑ペットフードは一粒残らず捕集。一方紙ゴミは、ヘッドの下を通過したものの集じんされずに残ったものが前方に溜まっています。一度ブラシでかき込んだものの、吸引されずにヘッドの外に飛び出た紙ゴミもありました。また、ヘッドの両端の通過跡には重曹の取り残しも見られます

 

ヘッドの形状を確認すると、ヘッド前面カバーと床のすき間が約8mm開いていました。通常のコードレス掃除機の場合、バッテリー消費を抑えつつ吸引力を高めるために、ヘッドと床のすき間を小さくしがちなのですが、そうするとかさのあるゴミはすき間を通れません。その点、本機で大きめのゴミも問題なく集じんできるのは、それだけパワフルなモーター出力とバッテリー容量を確保できていることの証拠です。

20171005-s3 (5)↑ヘッド前面のカバーの下が大きく開いています。メジャーで計るとすき間は約8mmありました

 

↑ヘッドには、綿ゴミが絡みにくく、汚れもつきにくいフッ素加工ブラシ(濃緑色)と床面の静電気発生を抑えるAgブラシ(薄緑色)の2種類のブラシを搭載しています↑ヘッドには、綿ゴミが絡みにくく、汚れもつきにくいフッ素加工ブラシ(濃緑色)と床面の静電気発生を抑えるAgブラシ(薄緑色)の2種類のブラシを搭載しています

 

また、壁際に重曹をまいての集じんでは、両端にわずかに粉が残るものの、壁と床の間のゴミは完璧に集じんできていました。

↑壁際に溜まった重曹も、フローリングの目地に溜まった重曹も逃さず捕集できています。ヘッドが壁についたときの両端にわずかに重曹が残っていますが、ヘッド位置をずらしてもう一度掃除機がけすれば、完全に集じんできました↑壁際に溜まった重曹も、フローリングの目地に溜まった重曹も逃さず捕集できています。ヘッドが壁についたときの両端にわずかに重曹が残っていますが、ヘッド位置をずらしてもう一度掃除機がけすれば、完全に集じんできました

 

<吸引力(カーペット)>

重曹とペットフードは完璧に捕集するも、紙ゴミの集じんはやや苦手

カーペットの掃除では、重曹とドライペットフードは完璧に集じんできていた一方、紙ゴミはカーペットの毛に引っかかる形で、半分ほど残っていました。フローリングの掃除でもそうでしたが、細長くてある程度硬さのある紙ゴミは、ヘッドブラシではかき取りにくいようです。

↑紙ゴミのみ、カーペットに埋まるようにして残りましたが、ほかは重曹もペッフードも完璧に集じんしていました↑紙ゴミのみ、カーペットに埋まるようにして残りましたが、ほかは重曹もペッフードも完璧に集じんしていました

 

ちなみに掃除機のなかには、ヘッドがカーペットにぴったり吸い付いて掃除しにくい機種もあるのですが、本機はそれがなく、極めて快適に掃除できたのも印象的でした。

 

<操作性>

本体が上下反転しても掃除できる特殊構造で方向転換が超スムーズ

キャニスター掃除機の長所は、長時間掃除しても疲れにくいこと。本体がハンドル部分と分離しているので、手首や腕にかかるのがハンドルや延長パイプ、ヘッドの重さだけになるので、快適に操作できるのです。

 

本機は、そうしたキャニスター型本来の長所に加え、随所に使いやすさの工夫が見られます。なかでも特徴的なのは、本体が上下反転してもそのまま掃除し続けられる構造(東芝はこれを「ダブルフェイススタイル」と名付けています)であること。本体が円筒型でさらに本体より大きい車輪を採用しているため、本体が真上を向いてもひっくり返っても、問題なく走行し続けられます。また、大型車輪なのに加え、柔らかくしなりのあるホースの採用で、急な方向転換にも柔軟に追随。滑らかなラウンドフォルム採用で、家具の間もスルスルと走行できます。

↑上下に反転できるので、ベッドと壁の間のすき間など、横に方向転換できないスペースでもスームズに向きを変えられます↑上下に反転できるので、手前側にも、奥側にも本体を倒して進むことができます。ベッドと壁の間のすき間など、横に方向転換できないスペースでもスームズに向きを変えられます

 

↑充電台から本体を外す際は、ハンドルを持ったまま本体を手前に引き出すだけ。本体がすぐにフックから外れて掃除を開始できます↑充電台から本体を外す際は、ハンドルを持ったまま本体を手前に引き出すだけ。本体がすぐにフックから外れて掃除を開始できます

 

ヘッドは左右にそれぞれ60°以上首振りし、ハンドル部を床にピタッとつけても、ヘッドが浮かず、高さが約6cm以上あるすき間なら奥までしっかり掃除できます。何より自走式パワーヘッドが強力で、フローリングでもカーペット上でも、手を添えておくだけでどんどん前に進み、掃除がとてもラクでした。ハンドルがラウンド形状で、掃除する場所によって最も操作しやすいハンドル位置を選びながら使えるのが便利です。

↑ヘッド部の高さは約6cm。延長パイプやハンドル部は床にピタッとくっつき、そのまま約6cmの高さがあるすき間に入って、楽々ゴミが取れます↑ヘッド部の高さは約6cm。延長パイプやハンドル部は床にピタッとくっつき、そのまま約6cmの高さがあるすき間に入って、楽々ゴミが取れます

 

↑ハンブル部はやや広めでラウンドしており、手首に負担のかからない場所に持ち替えながら掃除できます↑ハンブル部はやや広めでラウンドしており、手首に負担のかからない場所に持ち替えながら掃除できます

 

ただし本機の場合、(あくまでシャープ「Ractive Air」と比較してですが)本体の重さがやや気になりました。特に女性や高齢者が片手で本体を持って階段などを掃除する場合に、その重さが辛く感じるかもしれません。

 

充電時間は約5時間で、連続運転時間は標準モードで約60分。約1時間の掃除ができれば、コード式掃除機と同じ感覚で掃除しても、ほぼ問題がないと思われます。また、ゴミの有無を「ゴミ残しまセンサー」が見分けて吸引力を自動調節する「おまかせ」モードでも、約20〜30分の掃除が可能です。

 

<設置性>

セットにコツがいるものの、ほぼA4サイズの充電台にすっきり収納

本機は掃除終了後は付属の充電台に戻して収納することになります。充電台は幅25cm×奥行26.5cmとA4用紙よりやや大きいサイズの設置面積。ホースをハンドルの裏に引っ掛けるフックが付いており、見た目にもすっきりと収納できます。ただし、充電台に本体をセットする際は、最初なかなかうまくセットできませんでした。

↑充電台にセットするとき、本体の向きがどっちにしたらいいのか最初はわかりにくかったです。なにかワンポイントの目印が付いているとよかったのですが……↑充電台にセットするとき、本体の向きがどっちにしたらいいのか最初はわかりにくかったです。なにかワンポイントの目印が付いているとよかったのですが……

 

↑ヘッドの付け根裏側と、ハンドル裏側にホースを留めるためのフックがあり、これを使うとホースが垂れ下がらず、すっきりと収納できます↑ヘッドの付け根裏側と、ハンドル裏側にホースを留めるためのフックがあり、これを使うとホースが垂れ下がらず、すっきりと収納できます

 

また、本機は東芝の製品らしく豊富なアタッチメントを付属していますが、それらは充電台にはセットできず、別の場所に収納する必要があります。もっとも、アタッチメントも充電台に収納できるようにするとコンパクトさが失われますから、本体の設置性向上とトレードオフだと考えれば納得できるでしょう。

 

エントリーその2

シャープ

Ractive Air EC-AS500

 

<吸引力(フローリング)>

微細な重曹はしっかり吸引。ドライペットフードはヘッドを浮かせる必要あり

重曹はほぼ完璧に集じん。ヘッドが走行したあとにはまったくゴミが残りませんでした。一方、ドライペットフードと紙ゴミは通常の掃除のやり方だと取り残しあり。特にドライフードはほぼ集じんできませんでしたが、これは、ヘッドと床面のすき間が3mmしか空いていないため。紙ゴミが残っていたのもペットフードがヘッド前面に溜まってしまい、吸引の障害になったと考えられます。ちなみに、ヘッドを浮かせてペットフードの上にかぶせて掃除すると問題なく集じんできました。

↑ヘッドが走行したあとには何も残らなかったものの、ヘッドと床面のすき間に入り込めないゴミが、前に押し出される状態に↑ヘッドが走行したあとには何も残らなかったものの、ヘッドと床面のすき間に入り込めないゴミが、前に押し出される状態に

 

↑ヘッド前面カバーと床面のすき間は3mm。東芝と比べると、すき間がやや狭くなっています↑ヘッド前面カバーと床面のすき間は3mm。東芝と比べると、すき間がやや狭くなっています

 

↑ノズルブラシには、メガネ拭きなどに使われる東レの極細繊維をループ状に加工した「極細ループから拭きブラシ」を採用。微細な汚れもしっかり絡め取ります↑ノズルブラシには、メガネ拭きなどに使われる東レの極細繊維をループ状に加工した「極細ループから拭きブラシ」を採用。微細な汚れもしっかり絡め取ります

 

なお、壁際に重曹をまいての吸引テストでは、両端にわずかに重曹が残ったものの、壁と床の境界のゴミはしっかり吸引できていました。

↑壁際の重曹はしっかり集じん。ヘッドが壁際にきた際の両端に残る重曹も東芝と比べると少ないです↑壁際の重曹はしっかり集じん。ヘッドが壁際にきた際、両端に残る重曹も東芝と比べると少ないです

 

<吸引力(カーペット)>

カーペットにヘッドが吸い付いて掃除しにくい点が惜しい

カーペットの集じんに関しては問題がありました。ヘッドの吸引力でカーペットとくっついてしまい、かなりヘッドが動かしにくかったのです。これはテストに使ったカーペットが薄型で軽いのも影響したのかもしれません。試しに弱モードで掃除してみましたが、こちらも強モードとあまり差がありませんでした。

 

結局力を入れてなんとか走行してみましたが、ヘッドに押し出されるかたちで、ドライペットフードと紙ゴミがヘッド前面にかなり残ってしまいました。重曹はところどころに取り残しが出たものの、あらかた集じんできている印象です。

↑前方に多くのゴミが溜まっているほか、カーペット上にも紙ゴミが多少残ってます。また、勢いをつけてヘッドを押し出した部分に、重曹の取り残しがありました↑前方に多くのゴミが溜まっているほか、カーペット上にも紙ゴミが多少残ってます。また、勢いをつけてヘッドを押し出した部分に、重曹の取り残しがありました

 

ちなみに、ペットフードの残量がフローリングのときより明らかに少なくなっていますが、これはペットフードがカーペットに沈み込むため、ヘッド前面のすき間を通り抜けられたのだと考えられます。

 

<操作性>

ハンドル部も本体も軽くて様々な場所で軽快に掃除できた!

本機の最大の特徴は本体質量が1.8kg、総質量が2.9kgと極めて軽いこと。ハンドル部からヘッドまでが特に軽く、掃除が驚くほどスムーズです。特に階段の掃除は、同社のコードレススティック掃除機に比べ、腕への負担を最大約20%低減しているとか。これならスティック型以上に快適に使えると実感しました。

 

ホースも柔らかくしなりがあるので、急な方向転換にもスムーズに対応。本体が細身なので狭い場所にもどんどん入っていけますし、走行できない場所なら片手で本体を持ちながら掃除しても、それほど苦になりません。東芝のように狭い場所での方向転換はできませんが、本機の場合は軽量な本体をひょいと持ち上げれば済む問題で、それほどデメリットには感じられませんでした。本体前面に大型の取っ手があり、持ちやすいのもうれしいポイントです。

↑本体は軽量かつ細身で、ホースも柔軟性があるため、人が掃除機がけする動線にうまく追随。重心も安定していて、急な方向転換で倒れることもありませんでした↑本体は軽量かつ細身で、ホースも柔軟性があるため、人が掃除機がけする動線にうまく追随。重心も安定していて、急な方向転換で倒れることもありませんでした

 

↑本体1.8kgなので、片手で持っての掃除もラクラク。モノが多い部屋でピンポイントにゴミを取りたいときも使いやすいです↑本体1.8kgなので、片手で持っての掃除もラクラク。モノが多い部屋でピンポイントにゴミを取りたいときも使いやすいです

 

また、「設置性」の検証でも触れますが、本機はどんな場所でも自立できるのが魅力。モノを動かすときにいちいち腰をかがめて床にハンドルを置いて……という作業が不要です。

 

ヘッドの左右の首振りは各45°程度。ヘッドの首振り角度は東芝より小さめですが、ヘッド自体が軽くスイスイ動かせるので、イスの脚回りなども快適に掃除できます。ハンドルをペタッと床に置けば、高さ約6cmのすき間にも入って掃除が可能。ちなみに、フローリング上では自走式ヘッドが機能しますが、カーペット上ではブラシがカーペットとの摩擦で止まってしまい、うまく機能しませんでした。

↑ヘッド部の高さは6cm弱。ラックの下なども奥までしっかり集じん可能です↑ヘッド部の高さは6cm弱。ラックの下なども奥までしっかり集じん可能です

 

↑ハンドルは持ち手がやや小さめ↑ハンドルは持ち手はやや小さめ

 

充電時間は約80分で、連続運転時間は弱モードで約30分。バッテリーをもう1個用意すれば、差し替えて連続約60分の掃除も可能です。フローリングとカーペットなど、掃除する場所に合わせて吸引力を変える「自動エコモード」では約20分の連続運転ができます。

 

<設置性>

本体のみで自立できるうえバッテリーを外して充電でき、設置場所は自由!

掃除終了後は本体をタテに起き上がらせ、延長パイプ本体底面のフックに掛けて収納。ホースもハンドル裏に引っ掛けてスリムに設置できます。バッテリーが着脱式なのでバッテリーだけ外して別の場所で充電でき、本体の収納場所が自由なのもメリットです。掃除中に本体を立ててパイプをフックに収め、イスやモノを片付けるという作業も快適に行えます。

↑延長パイプの先端裏面にフックがあり、本体を起き上がらせてから裏面のホルダーにフックを挿し込むと(左)、自立して収納できます。また、ホースフックをハンドル裏側にあるホルダーに挿し込めば(右)、ホースをすっきり収納可能↑延長パイプの先端裏面にフックがあり、本体を起き上がらせてから裏面のホルダーにフックを挿し込むと(左)、自立して収納できます。また、ホースフックをハンドル裏側にあるホルダーに挿し込めば、ホースをすっきり収納可能(右)

 

↑本体後方の「バッテリーはずす」と表示されたボタンを押せば、バッテリーが簡単に外れます↑本体後方の「バッテリーはずす」と表示されたボタンを押せば、バッテリーが簡単に外れます

 

↑外したバッテリーは付属の充電器に挿し込んで充電。充電器はコンパクトなので、置き場所の自由度も高いです↑外したバッテリーは付属の充電器に挿し込んで充電。充電器はコンパクトなので、置き場所の自由度も高いです

 

【今回のテストのまとめ】

<吸引力>

大小のゴミなら東芝が有利だが微細ゴミ中心ならシャープも優秀! ただしカーペットの掃除に注意

吸引力に関しては、東芝「VC-NX1」はかなりパワフルで、大小のゴミをしっかり集じんできる一方、ヘッドの両端の吸引力はわずかに落ちるようです。それに対してシャープ「Ractive Air」は、ヘッド前面と床の間が狭いものの、ヘッドの下に潜り込んだゴミは逃さず集じんできていました。ただし、カーペットにヘッドが吸い付く場合があり、その際は掃除が大変になります。

20171005-s3 (10)↑カーペットでも、紙ゴミ以外はパワフルに集じんした東芝VC-NX1

 

総合的に見ると、基本的なモーターパワーが強く、ヘッドと床面の間のすき間が大きくても問題なく掃除できる東芝のほうが、吸引力ではやや優勢だと感じました。ただし、通常のフローリング上の綿ボコリやチリなどをメインに掃除するなら、シャープでもまったく問題ありません。

 

<操作性>

どちらもスムーズに掃除できるが、より快適なのは軽さを極めたシャープ!

まず、コードレスキャニスター掃除機に共通して言えることですが、キャニスター型でコードの抜き挿しがなく、複数の部屋をどんどん掃除できるのはかなり新鮮でした。これまでキャニスター型を使ってきた人なら、この利便性だけで、コードレスキャニスターを導入する価値はあると思います。

 

特に本体もその他のパーツも徹底的に軽量化したシャープ「Ractive Air」は、文句なしの使いやすさ。スティック型よりも手や腕に負担がかからず、片手で本体を持てばスティック型同様の使い方もできる、まさにキャニスター型とスティック型のいいとこどりのハイブリッドモデルだといえます。

20171005-s3 (32)↑シャープRactive Airは片手で持っての移動もラク

 

一方東芝「VC-NX1」は、上下反転機能を採用するなど、これまでにないスタイルを実現しているとはいえ、本体の重さがどうしても気になります。もちろん、従来のキャニスター型掃除機と比べて重いわけではないのですが、コードレススティック型に慣れてしまった人は、本体の存在感に少々違和感を覚えるかもしれません。

 

<設置性>

部屋置きなら東芝、自由に収納するならシャープがオススメ!

設置性に関しては、東芝「VC-NX1」はコードレススティック掃除機とほぼ同様のスタイル(特にエレクトロラックス製品と近いです)。本体を充電台にセットするのに若干の慣れが必要ですが、ホースもスリムにまとめられ、部屋置きしてもそれほどうるさくは感じません。

↑↑東芝VC-NX1はスッキリ収納できます

 

一方のシャープ「Ractive Air」は、バッテリーを外して充電するので、設置場所の自由度が格段に高いのが魅力。収納場所を特に決めず、掃除が終わった場所にとりあえず置いておく、というズボラな使い方もできてしまいます。

↑シャープはバッテリーが着脱式で、充電のためコンセント近くに本体を置く必要がありません。インテリアの関係で設置場所が限られている部屋にも最適です↑シャープはバッテリーが着脱式で、充電のためコンセント近くに本体を置く必要がありません。インテリアの関係で設置場所が限られている部屋にも最適です

 

次回は連載企画の後編。「ゴミ捨てのしやすさ/メンテナンス性」「汎用性」「独自機能」について検証していきたいと思います。

【超濃厚レビュー】高級炊飯器の元祖は「ほぐれ感」がオンリーワン! 三菱電機「本炭釜 KAMADO」8項目詳細テスト

本サイトでは、主要メーカーのハイエンド炊飯器のなかでも人気の高い5機種を集め、徹底的に比較・検証した記事を連載してきました。今回は、高級炊飯器というジャンルを作り出した三菱電機「本炭釜」の最新機種を取り上げます。高級炊飯器の元祖だけに、その炊き上がりは強烈な個性を主張していました。以下で詳細をチェックしてみてください!

 

発熱効率が高い「本炭釜」と連続沸騰技術でかまど炊きの味を再現

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三菱電機

IHジャー炊飯器

本炭釜 KAMADO NJ-AW108

実売価格12万6310円

IHの発熱効率が高い純度99.9%の炭素材を使った「本炭釜」採用モデル。内釜全体の発熱と噴きこぼれのない連続沸騰技術により、粒感のいいふっくらとしたかまど炊きの味を再現する。沸騰力の向上と高断熱構造の強化で火力をさらにアップ。蒸気口に新搭載した密封弁が蒸らし時の蒸気の流出を抑え、潤いたっぷりのごはんに仕上げる。15通りの食感炊き分け機能「炊分け名人」に加え、35銘柄に対応する「銘柄芳潤炊き」機能も持つ。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:162wh●保温1時間あたりの消費電力量:17.2Wh●加熱方式:7重全面加熱+連続沸騰●内釜:本炭釜●サイズ/質量:W285×H249×D320mm/約5.7kg

 

三菱電機

IHジャー炊飯器

本炭釜 KAMADO NJ-AW108

【テストその1 食感・味の傾向は?】

最も上質な炊飯ができるコースで炊き上げ、その香りや味、食感を比較しました。お米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。コシヒカリの強い味わいと、ササニシキのさっぱりした味の中間にあたる、バランスの取れた味のお米です。米は3合で炊飯。今回は機種の味の傾向を知るために、中庸(ふつう)の食感設定を選択しました。

20170810-s1-3-(5)

また、食感と食味は炊きたてに加え、冷やごはんと冷凍・再加熱したものについてもチェックしています。冷やごはんは、炊きたてをラップに包んでおにぎりにし、室温で5時間ほど冷ましたものを試食。冷凍ごはんは、炊きたてをラップに包んで冷凍庫で冷凍し、1日経ったものを電子レンジで温めました。

 

<炊き上がり>

自然な風味があり、口のなかで米粒がほどける絶妙な食感

本機は、高級炊飯器では貴重な圧力炊飯を行わないモデル。お米に負担をかけない1.0気圧で炊くことで、お米の一粒一粒が甘み・弾力・ツヤ・香りといったおいしさの成分を含む「保水膜」に包まれ、ふっくらと炊き上がるのだそうです。

 

今回は、「銘柄芳潤炊き」メニューで「ひとめぼれ」を選び、食感選択で「かたさ:ふつう」「粘り:ふつう」を選んで炊飯。ふたを開けてまず驚いたのは香りのみずみずしさ。他機種とは一線を画す爽やかさです。味わいもその香りと同様、自然なお米の風味が感じられ、甘さも上品。口のなかで米粒がほどけるしゃっきりめの食感ですが、ただ固いのでなく、噛めば十分な弾力も感じられるという絶妙な食感です。

↑見るからに透明感、しゃっきり感のある炊き上がり。香りも味も、単に保水率が高いだけでは感じられないみずみずしさがありました↑見るからに透明感、しゃっきり感のある炊き上がり。香りも味も、単に保水率が高いだけでは感じられないみずみずしさがありました

 

<冷やごはん(おにぎり)>

雑身が少なく、しゃっきりした粒感にモチモチ感が加わった

冷やごはんは、しゃっきりした粒感を残しつつも、モチモチ感が出てきたのが印象的。味は炊き立て同様、やや控えめですが雑味がなく、食べ飽きないおいしさです。ベタつきは少し出てきましたが、それがほどよい粘りになった印象。口の中でほぐれる感じが冷やごはんでもまだ残っているのがうれしいです。

↑写真を見ても、ごはんに粘度が生まれてきたのがわかります。モチッとしつつも口の中でさっぱりほぐれる食感は、ほかの炊飯器で炊いたごはんには感じられないものでした↑写真を見ても、ごはんに粘度が生まれてきたのがわかります。モチッとしつつも口の中でさっぱりほぐれる食感は、ほかの炊飯器で炊いたごはんには感じられないものでした

 

<冷凍・再加熱>

柔らかさが出たが、みずみずしさが残り炊きたての味に近い

冷凍ごはんでは、しゃっきり感はかなり少なくなり、柔らかくもなりましたが、それでもほぐれる食感は強いと感じました。甘さはやはり控えめで、みずみずしさが蘇っており、炊きたての味わいにかなり近づいていると感じました。

↑冷凍・再加熱すると、さすがに炊き立てのハリ感やみずみずしさは減退しました。ただ、雑味のない味はまだまだ維持できていました↑冷凍・再加熱すると、さすがに炊き立てのハリ感やみずみずしさは減退しました。ただ、雑味のない味はまだまだ維持できていました

 

三菱電機

IHジャー炊飯器

本炭釜 KAMADO NJ-AW108

【テストその2 食感炊き分けの幅は?】

その炊飯器で「最もしゃっきり硬めの食感に炊き上げるモード」と、「もっとももちもちに炊き上げるモード」で炊飯。それぞれの食感の違いを見ることで、その機種が実現できる食感の幅を確認しました。

 

もちもちモードでも「粒感の立ったもちもち」になるのが面白い

本機には「炊分け名人」という機能が付いていて、「硬さ5通り」×「粘り3通り」の計15通りに炊き分けできます。今回はそのうち、「最も硬めでしゃっきり」「最も柔らかでもちもち」の2つの食感で炊いてみました。

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まず、「最も硬めでしゃっきり」のほうは、噛んだ途端にほぐれる米の粒立ち感がすごいです。ただ、硬さはそれほどではなく、心地よく食べ進めることができます。甘さは通常モードよりさらに控えめで、すっきりした甘さだと感じました。

↑光の加減か、つやは通常モードより豊かな印象。米粒の膨張はやはりかなり少ないように見えます。食べてみると見た目よりは柔らかい食感でした↑つやは通常モードより豊かな印象。米粒の膨張はやはり少ないように見えます。食べてみると、見た目よりは柔らかい食感でした

 

一方、「最も柔らかでもちもち」のほうは、粘りがかなり強くなりますが、食べるとほぐれる食感も残っています。ごはんの柔らかさはパナソニックの「よりしゃっきり」に近い印象。全体に、三菱電機独特の「粒感の立ったモチモチ感」が楽しいです。甘みは控えめですが、これも噛むごとに甘みを増していきます。

↑「最も硬めでしゃっきり」で炊いたご飯と比べると、「吸水たっぷり」という感じで米がしっかり膨張しています↑「最も硬めでしゃっきり」で炊いたご飯と比べると、「吸水たっぷり」という感じで米がしっかり膨張しています

 

三菱電機

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本炭釜 KAMADO NJ-AW108

【テストその3 少量炊飯の炊き上がりは?】

これまで同様、米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。米1合を標準(ふつう)の食感設定で炊飯し、3合炊きしたときのごはんの味・食感との違いをチェックしました。

 

しゃっきり感は増しながら3合で炊いた味に肉薄!

「銘柄芳潤炊き」メニューで「ひとめぼれ」を選び、食感選択で「かたさ:ふつう」「粘り:ふつう」を選んで炊飯。炊き立てのみずみずしく爽やかな香りが楽しめますが、香りの強さはやや控えめになった印象です。

 

全体のおいしさは、3合で炊いた場合に肉薄していました。食感はしゃっきり硬めで、3合で炊いたときよりさらにほぐれ感がアップ。口に含むとすっきりとした甘みが感じられます。唯一残念だったのは、食感にわずかにばらつきが出たこと。場所によってしゃっきりな部分と、やや粘りのある部分が出てしまっていました。

20170822-s3 (5)_R

↑透明感のあるツヤは、3合炊きの場合とほとんど変わりません。米の形もしっかり残っていて、非圧力式ならではの端正な炊き上がりです↑透明感のあるツヤは、3合炊きの場合とほとんど変わりません。米の形もしっかり残っていて、非圧力式ならではの端正な炊き上がりです

 

三菱電機

IHジャー炊飯器

本炭釜 KAMADO NJ-AW108

【テストその4 保温性能は?】

最もオーソドックスなモードで、3合炊きしたごはんを24時間保温。炊飯6時間後の味と食感とニオイ、24時間後の味と食感とニオイをチェックしました。

 

24時間保温でも口の中でほどける粒感が残っている!

本機が搭載する保温機能は2つ。「たべごろ保温」は、低めの温度で保温し、ごはんの黄ばみや乾燥を抑えるそうです。「一定保温」はより高めの温度で保温します。「たべごろ保温」が12時間を超えると、自動的に「一定保温」に切り替わるようです。今回は「たべごろ保温」で保温し、6時間後のごはんと、「一定保温」に切り替わった24時間後のごはんをチェックしました。

 

保温後6時間経ったごはんは、ハリがしっかり残っていて、口の中でほどける粒感も健在。香りはやや弱くなりましたが、ごはんのみずみずしさはしっかり残っています。ごはんが柔らかくなった印象もそれほど感じず、炊き立ての味と食感を高いレベルで維持していると感じました。

↑ごはんのみずみずしさまでキープできているのは驚き。チェック時には米のつやがややなくなったようにも感じましたが、写真で改めて比べると、ほぼ遜色なく見えます↑ごはんのみずみずしさまでキープできているのは驚き。米のつやもほぼ遜色なく見えます

 

一方24時間保温のごはんは、米粒の形がやや崩れてきたところがあり、釜肌のごはんの量が薄い部分で乾燥して硬くなった部分も出ていました。全体として柔らかくなってはいますが、ニオイに関してはそれほど気にならず、味わいも甘みを保っていておいしいです。口の中でほどける粒感もまだ残っていました。

↑炊き立てと比べるとやや黄色くなった印象。ハリつやもなくなっていますが、食味に関しては、意外においしさを保っていました↑炊き立てと比べるとやや黄色くなった印象。ハリつやもなくなっていますが、食味に関しては、意外においしさを保っていました

 

三菱電機

IHジャー炊飯器

本炭釜 KAMADO NJ-AW108

【テストその5 操作性/メンテナンス性は?】

「操作性」に関しては、炊飯設定する際の液晶パネルの見やすさや、ボタン操作のしやすさをチェック。特に、目的の炊飯設定にするまでの工程に注目し、取扱説明書を見なくても炊飯設定がスムーズにできるかどうかを確かめました。「メンテナンス性」に関しては、炊飯後に洗うパーツの数や洗いやすさ、フレームに付いた汚れや露の拭き取りやすさをチェックしました。

 

<操作性>

銘柄選択はやや大変だが食感炊き分けの設定はスムーズ

本機は「お米」ボタンと「上下」キーで白米や玄米、発芽米など米の種類を選び、「メニュー」ボタンと「上下」キーで炊飯メニューの設定をします。また、「銘柄芳潤」ボタンを搭載していて、米の銘柄炊き分けの選択画面にスムーズに入れるのは便利。ただし、35種類の銘柄を「上下」キーを何度も押して選ぶ必要があるのはやや大変だと感じました。ただ、一度設定するとその銘柄は記憶されるので、毎回違う米を楽しむ人でなければ、そこまで面倒に感じることもないかもしれません。また、各銘柄の特徴が左ボタンを押すと表示されるのも便利です。

↑液晶パネルの左にある「お米」「メニュー」「銘柄芳潤」ボタンとパネル下の十字キーで操作します↑液晶パネルの左にある「お米」「メニュー」「銘柄芳潤」ボタンとパネル下の十字キーで操作します

 

↑米の銘柄が35種類、50音順に並んでいて、銘柄によってはたどり着くまでが大変。ただ、一度設定するとその銘柄は記憶されるので、毎回違う米を楽しむ人でなければ、そこまで面倒に感じることもないかもしれません。また、各銘柄の特徴が左ボタンを押すと表示されるのも便利です↑米の銘柄が35種類、50音順に並んでいて、銘柄によってはたどり着くまでが大変

 

また、本機には「炊分け名人」機能が付いており、食感を15通りで炊き分けられます(銘柄芳潤炊きの場合は9通り)。炊き分け画面はチャート表示になっていて、上下+左右の十字キーで操作するため、スムーズに好みの食感を設定できます。

↑「炊き分け名人」のメニュー画面。ごはんの硬さ5通り×粘り3通りの合計15通りで炊き分けられます。銘柄芳潤炊きの場合は硬さ3通り×粘り3通りの計9通りです。選択した食感によって、どんなごはんのメニューに合っているかも表示してくれます↑「炊分け名人」のメニュー画面。ごはんの硬さ5通り×粘り3通りの合計15通りで炊き分けられます。銘柄芳潤炊きの場合は硬さ3通り×粘り3通りの計9通りです。選択した食感によって、どんなメニューに合っているかも表示してくれます

 

液晶パネルはバックライト式で見やすいです。画面の小さめですが、表示する文字を小さいと感じることはありません。ただ、そのぶん画面上に表示できる情報が少なく、米の設定やメニュー設定の全種類を一覧表示できないのが、やや残念でした。

↑写真は米の種類を選択しているところ。画面に表示されているほかに「分づき米」「玄米」があります。画面表示はすっきりして見やすい反面、一覧表示でないので、スクロールするまでほかの種類がわからないというデメリットもあります(ある意味、象印の液晶パネルとは真逆のタイプです)↑写真は米の種類を選択しているところ。画面に表示されているほかに「分づき米」「玄米」があります。画面表示はすっきりして見やすい反面、一覧表示でないので、スクロールするまでほかの種類がわからないというデメリットもあります

 

また、本機は音声ナビ付きで、現在選んでいる内容を声で知らせてくれるのがポイント。音量は3段階で選べますし、無音設定にすることも可能です。

 

<メンテナンス性>

内ぶたは洗いやすいが本炭釜の取り扱いには細心の注意を!

洗うパーツは内釜と放熱板セット(放熱板+プレート)の3種類。本機は圧力炊飯タイプではないので調圧ボールなどがなく、放熱板も洗いやすいです。

↑写真左が内釜。写真右下が放熱板で右上が住みコートが施されたプレートです↑写真左が内釜。写真右下が内ぶたで右上が「炭コート遠赤放熱板」です。内ぶたには調圧ボールや調圧弁がありません。プレートを引っ掛けるフック部が凸凹していますが、概ね洗いやすいです

 

内釜は本物の炭を使った本炭釜で、1178gとやや重いです。以前よりコーティング技術などが向上し、割れにくくなったそうですが、それでも割れたり欠けたりしないよう、気をつけて洗わなければいけません。

↑内釜の重さは1178g。炭でできているため、取り扱いは慎重に行う必要があります↑内釜の重さは1178g。炭でできているため、取り扱いは慎重に行う必要があります

 

フレームは他機種と比べると溝が深いので、やや拭き掃除がしにくい印象。ただ、今回3合炊いたときは、フレームにつゆが溜まらなかったので、掃除の頻度はそこまで多くはならないでしょう。

↑フレーム部の溝はやや深めで段差もあるため、サッとひと拭き、というわけにはいかないようです↑フレーム部の溝はやや深めで段差もあるため、サッとひと拭き、というわけにはいかないようです

 

三菱電機

IHジャー炊飯器

本炭釜 KAMADO NJ-AW108

【テストその6 独自機能/設置性は?】

「独自機能」は各炊飯器に搭載されている、ごはんのおいしさにつながる独自の機能や技術、炊飯のバリエーションを広げる機能などをチェックします。また、使い勝手向上やお手入れの省手間につながる便利機能も見ていきます。

 

「設置性」に関しては、横幅と奥行き、重さを確認します。また、炊飯中の蒸気の出方もチェック。さらに、設置性を高める独自の工夫があれば、それもチェックしていきます。

 

<独自機能>

35種類の銘柄炊き分けと玄米の豊富なモードが目を引く

三菱電機KAMADOは、純度99.9%の炭釜と圧力をかけない炊飯にこだわった機種。そのしゃっきりとした食感は、今回検証した5モデルのなかでは極めて独自性が強いです。

 

また、新モデルから蒸気口下に「密封弁」を新採用。これはかまど炊きで使う重い木ぶたの役割をするそうで、沸騰時は弁が開き、蒸気を逃がして高火力沸騰を持続。蒸らし時は弁が閉じて、みずみずしく潤いのあるごはんに仕上げます。

 

炊き分け機能では、硬さ5段階×粘り3段階の15通りの食感を選ぶことができます。ちなみにここで「やわらか・もちもち」に炊飯しても、ふっくらもちもちした食感のなかに粒感を残しているのが、同社のこだわりを感じさせます。

↑白米と無洗米の炊飯時に「炊分け名人」機能を利用可能。ちなみに「かため」より「やわらか」の方が8割前後炊飯時間が長くなります↑白米と無洗米の炊飯時に「炊分け名人」機能を利用可能。ちなみに「かため」より「やわらか」の方が8割前後炊飯時間が長くなります

 

銘柄炊き分け機能の「銘柄芳潤炊き」モードでは35の銘柄に対応。さらにそれぞれの銘柄で、硬さ3段階×粘り3段階の計9通りの炊き分けができるのも、ごはんの味にこだわる人にはうれしいポイントです。

↑「銘柄芳潤炊き」の銘柄選択画面。右ボタンを押すと9通りの炊き分け設定画面に移動。左ボタンを押すと、その銘柄の味と食感の特徴が表示されます↑「銘柄芳潤炊き」の銘柄選択画面。右ボタンを押すと9通りの炊き分け設定画面に移動。左ボタンを押すと、その銘柄の味と食感の特徴が表示されます

 

↑内釜内の水加減の目盛が山型にデザインされていて、正確な水量調節を促しています。「おいしく炊くためにはこの水量をきちっと守ってください!」という無言の圧力を感じます↑内釜内の水加減の目盛が山型にデザインされていて、正確な水量調節をサポート。「おいしく炊くには水量をきっちり守ってください」という無言の圧力を感じます…

 

そのほか独自機能としては、「麦飯」モードよりじっくり吸水させてふっくら柔らかく炊き上げる「麦飯(芳潤炊き)」モードを搭載。麦飯のパサパサ食感が苦手な人も食べやすい炊き上がりになります。玄米の炊飯メニューも豊富で、柔らかく食べやすい食感に炊き上げる「芳潤炊き(玄米)」モード、ビタミンB1の残存量を増やす「美容玄米」のほか、玄米の「炊込み」も搭載しています。使い勝手の面では、「音声ナビ」機能が付いて、初心者でも安心して使えます。

 

<設置性>

流線型デザインがインテリアに映えるが蒸気対策は必要!

本体幅は28.5cmで奥行きは32cm、旬の果実など「実りの形」をイメージしたという流線型デザインが斬新です。重さは約5.7kgと5機種中最も軽量。取っ手が付いておらず、持ち運びには両手で持つ必要がありますが、取っ手を省略してすっきりさせたのはデザイン面では正解でしょう。

↑丸みのあるデザインがかわいい。キッチンまほか、ダイニングテーブルの上に置いてもカジュアルなインテリアになじむと思います↑丸みのあるかわいらしいデザイン。キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上に置いてもなじみます

 

炊飯中は、やはり蒸気がかなり出ます。レンジ棚のなかなどには置かず、上部に十分な高さがある空間やレンジフード(換気扇)付近で炊飯したほうがいいでしょう。

 

三菱電機

IHジャー炊飯器

本炭釜 KAMADO NJ-AW108

【テストのまとめ】

ほろりとほぐれる食感が心地いい

本機は今回検証した5機種のなかでは唯一の“非圧力式”炊飯器。「銘柄芳潤炊き」の「ふつう」モードで炊飯したごはんは、噛むと口のなかでほどけつつ、しっかり弾力もある独特の食感です。また、香りのみずみずしさは特筆もので、米本来の風味が豊かに感じられました。冷やごはんはモチモチ感が強まり、炊き立てとひと味違うおいしさ。一方、冷凍・再加熱したごはんは、強いしゃっきり感がありつつ、かなり柔らかくなりました。ちなみに、同モードで1合を炊くと、ごはんの粒感はそのままですが、香りがやや控えめに。また、ご飯の場所によって食感にばらつきもありました。

 

食感炊き分けは15通り。最も硬めでしゃっきりな設定だと米の粒感は突出するも「ほどよく硬い」食感で、それほど食べにくさは感じませんでした。一方、最も柔らかでモチモチに炊くと、粘りはかなり強くなりますが、ほぐれる感じもあり、柔らかさもほどほど。この粒感のあるモチモチ加減が本機の特徴といえます。また本機は、銘柄炊き分けが可能。対応銘柄は35銘柄と多く、各銘柄で9通りの食感炊き分けができます。

20170828-s1-2-760x570↑「しゃっきり」モードで炊いたお米。粒感が際立っています

 

パネルの情報量はやや少ないが音声ガイドに安心感あり

保温性能は、温度低めの「たべごろ保温」で検証。6時間後のごはんは、香りは減退したものの、炊き立てごはんのハリや粒感はしっかり維持されていました。

 

操作性は、液晶パネルが象印やパナソニックに比べると小さく、一度に表示できる情報量が少ないのがやや難点。音声ナビが付いているため、特に炊飯器に慣れていない時期は使っていて安心感があると思います。

↑表示はすっきりして見やすいが、一覧性↑表示はすっきりして見やすいですが、一覧性はいまひとつ。ただし、音声ナビ付きなので、現在選択している内容を音声で知らせてくれます

 

内ふたが洗いやすく玄米や麦飯の炊飯メニューが豊富

メンテナンス性は“非圧力”式のため内ぶたが洗いやすいのが特徴。ただ、炭釜を使うため、取扱う際は割れないよう注意が必要です。サイズはそれなりに大きいですが、重さが約5.7kgと5機種中最も軽く、丸みを帯びたデザインも魅力的。設置性はまずまずという印象です。

↑丸みのあるかわいらしいデザイン。キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上に置いてもなじみます↑丸みのあるかわいらしいデザイン。キッチンはもちろん、ダイニングテーブルの上に置いてもなじみます

 

本機は15種類の食感炊き分けや、銘柄炊きでも9通りの食感に炊き分けできるのが特徴。「芳潤炊き(玄米)」「美容玄米」「麦飯(芳潤炊き)」など玄米や麦飯の炊飯メニューも豊富で、ごはんの食感にこだわる人にはオススメです。

 

以上をまとめると、本機にオススメな人は以下の通り。

●とにかくしゃっきりな食感が好きな人。特に米の粒感を重視する人にオススメ

●多彩な機能に慣れていない人。音声ガイドで操作をアシスト

●米の銘柄をいろいろ食べ比べたい人。35種類の銘柄に対応

●冷やご飯、玄米や麦飯を美味しく食べたい人

 

コレで「カレーうどん対策」もバッチリ! はさむだけでシミが落ちる約8000円のハンディ洗濯機

サンコーは、はさんで洗う「温水と吸引で強力汚れ落とし ハンディ洗濯機」を本日10月30日に発売します。価格は7980円です。

 

温水と音波振動で汚れをはがして落とすハンディ洗濯機

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本製品は片手で部分洗浄ができるハンディ洗濯機。これ1本で洗濯の一連の流れ「ひたす」「洗う」「すすぐ」「脱水」が可能で、エリや袖、食べ物のシミなどの部分汚れを手間なく、はさむだけで洗うことができます。

 

使い方はカンタン。本体に水を入れ電源を入れると、内蔵されているヒーターで汚れを落としやすい約60度まで水を温めます。温めた水を汚れ部分に噴射して、汚れた部分を集中的にひたし、すすぎをします。毎秒約5万回の超音波振動板を汚れ部分にあてることで、無数の気泡を発生させ汚れをはがして洗浄。はぎ取った汚れは、本体先端の受け皿に溜まり、バキュームボタンを押すと吸引を開始します。吸いとった汚水は、本体下部の汚水タンクに貯まり、貯まった汚水はキャップを外して捨てることができます。

↑操作手順↑操作手順

 

↑↑吸い取った汚水は本体下のタンクに溜まります

 

長時間放置した汚れやシミはなかなか落とすことできないので、カレーうどんやミートソースなどのシミはすぐ部分洗浄したいですよね。そんなときは服を着たまま使える本機が便利。シャツの袖など、しつこい皮脂汚れを予洗いしたいときにも役立ちます。温水機能を搭載することで、汚れ落ちが良くなっている点もポイント。大切な服を守るため、一家に一台、用意してみてはいかがでしょうか。

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サンコー

温水と吸引で強力汚れ落とし ハンディ洗濯機

●発売:10月30日●価格:7980円●サイズ/質量:W49×H73×D230㎜(開いた状態で82㎜)/293g●電源:ACアダプタ●推奨連続使用時間:2分(2分間使用したあとは、1分ほど間をあけて使用することを推奨)●給水タンク・排水タンク容量:約10ml●振動板振動数:約5万回/秒●洗浄に向いているシミ:しょう油、ケチャップ、ソース、つゆ、ジュース、コーヒー、血液、ミートソース、カレー、ドレッシング、口紅、ファンデーション、絵の具など●洗浄に向いていないシミ:ペンキ、毛染め、マニキュア、朱肉、墨、油性マジックなど

この気遣い、さすがは日本メーカー! 小回り重視のロボット掃除機「minimaru」が新モードを追加して登場

日立アプライアンスは、ロボットクリーナー「minimaru(ミニマル)」RV-EX1を11月25日から発売します。実売予想価格は、10万円前後(税抜)です。本機は、本体幅25cm、高さ9.2cmの小さいボディにより、ダイニングテーブルやイスの脚の間などの狭い場所や、ソファやベッドの下など高さの低い場所、家具の間や部屋の隅などに入りやすく、掃除しにくいところをしっかり掃除します。この「小さい」という機能は、高密度実装技術による独自の車輪構造やサスペンション機構のコンパクト化、および吸込口・ダストケースなどの効率的なレイアウトにより実現したものです。

 

小さいボディが特徴のロボット掃除機に「マナー」「おこのみ」モードを追加

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また、素早い方向転換できびきびと賢く動くことで、こまめに丁寧に掃除するのも特徴。走行制御「minimaru AI」は、複数のセンサーにより周囲状況を素早く判断し、状況に合わせて100以上の行動パターンから選択して運転します。

↑↑コンパクトなボディにより、掃除しにくい場所もしっかり掃除します

 

こうした従来からの特徴に加え、今回、ごみの多い場所を判断し、そのエリアに戻って掃除する新走行制御「ごみハンター走行」を追加。掃除モードについては従来の「自動」「念入り」「スポット」にのほか、在宅中などに運転音を抑え、時間をかけてゆっくり掃除する「マナー」モードや、家具の配置など状況に合わせて走行パターンを選べる「おこのみ」モードを新たに採用しました。「おこのみ」モードでは、「壁ぎわ走行重視」「反射走行重視」「足周り走行重視」が選択可能で、家具などの配置に合わせて選ぶことができます。

↑「おこのみモードで選べる走行パターン↑「おこのみモード」で選べる走行パターン

 

このほか、小型で送風機の効率向上を図った「小型ハイパワーファンモーターR」を新たに搭載し、高い集じん力を実現。吸込口には床面のごみをかき出す「回転ブラシ」、カーペットの綿ぼこりをかき出す「かきとりブラシ」を組み合わせた独自の「ダブルかきとりブラシ」を採用し、さまざまな床面に対応してしっかり集じんします。

 

また、強い気流でダストケース内のごみを圧縮することでごみを捨てやすくする「ごみプレス」運転、回転ブラシを逆回転させブラシについたほこりをクリーニングするお手入れ機能「ブラシ自動おそうじ」も引き続き採用しています。

 

小回りの利くコンパクトボディはそのままに、ごみの多い部分を察して念入りに掃除するほか、生活を邪魔しない静かなモードを搭載し、最適な走行も選べるようになった新「minimaru」。より細やかな運転が可能になったあたり、気遣いを重視する日本人の精神と重なる部分があります。そんな「日本人的」なロボット掃除機を、冬ボーナスで家族として迎えてみてはいかがでしょうか。

 

日立

minimaru RV-EX1

●発売:11月25日●実売予想価格:10万円前後(税抜)●サイズ/質量:W250×H92×D250mm/2.3kg●掃除時間:最長60分(自動モード時)●充電時間:約3時間●稼動面積:最大約32畳●集じん容積:0.25L