米国は文具だってマッチョだぜ! 100℃の蒸気噴射にも耐えるエクストリームな付箋

【きだてたく文房具レビュー】雨にも風にも負けない付箋

先日、知人がSNSで「これ、欲しいな。誰かアメリカで買ってきて」と、埃まみれで屋外にべったりと貼られたふせんの写真を投稿していた。粘着力の強さとタフな環境でも使えるのが売りの、アメリカ製の付箋らしいのだが、どうもコレ、3Mの「ポスト・イット」シリーズのひとつのようだ。

 

ポスト・イットなら日本でも買えるんじゃないの? と思って製品検索をかけてみたのだが、出てこない。やはり、日本未発売の製品なのか。

 

こちらも探しているうちにどうしても欲しくなってきたので、結局アメリカのAmazon.comから取り寄せてみたのだが、確かにコレ、すごく面白い。日本でも早く発売して欲しい! という要望込みで、こちらで紹介してみよう。

↑3M「Post-it Extreme Notes」(45枚×3色パック)4.99ドル(日本未発売)

 

その製品というのが、3Mの「Post-it Extreme Notes」。

 

3Mが開発した“Dura-Holdペーパー”と耐水性の強力な粘着材を組み合わせたもので、とにかく貼る環境を選ばない超タフな現場系付箋である。

↑パッケージには、タフさを謳う表示が並ぶ

 

そもそもパッケージに「Use Indoor/Outdoor」「WOOD」「BRICK」「HOT/COLD」「WET」と列挙されている通り、まず屋外/屋内どちらでもOK。木材やレンガといった、普通の付箋ではすぐ剥がれてしまう凹凸のある素材にも貼り付けられる。さらに暑さ・寒さに耐え、濡れても問題なし。

 

とにかく「自分、タフさには自信あるッス!」というアピール圧がすごいのだ。

↑手触りは、“ユポ”や“ストーンペーパー”などの耐水紙よりも紙らしい質感がある

 

使用されているDura-Holdペーパー、手触りと見た目は繊維が太く、和紙に近い感じ。3Mのサイトではどういう紙なのかが明記されていなかったが、強く引っ張るとやや伸びる感触があり、樹脂を使った耐水性の紙なのかな、とも思う。

↑どんな筆記具でも、ほぼ違和感なく筆記が可能

 

ちなみにゲルインクや油性、水性、鉛筆でも写真の通りきれいに書ける(少し鉛筆のノリが悪いかな、ぐらい)ので、筆記具を選ぶことはなさそうだ。もちろん、ウェット面に使うなら、油性インクか鉛筆でないと全部流れてしまうだろうが。

↑凹凸磨りガラスへも、指で真下に強く引っ張って剥がれないぐらいの強度で貼れる

 

貼れる面に関して言うと、フラットな面は言うに及ばず、普通の付箋ではすぐに剥がれてしまう畳表や、ザラザラの凹凸磨りガラスにもしっかりとくっつく。

 

これなら、引っ越し作業の際に業者さんに荷物を置く場所の指示を貼っておく、みたいな使い方もできるだろう。

 

逆に粘着力が強すぎて、壁紙などは剥がすときに粘着材に持って行かれないかという怖さはあったが、こちらも普通のふせんのように端からめくるようにすればキレイに剥がれた。雑に勢いよくベリッと引っ張り剥がす、みたいなことをしなければ大丈夫そうだ。(ただし、経年劣化した壁紙などは破れる可能性があるかもしれない)

↑濡れた面に貼って、さらに上から水道を流しても剥がれない

 

もちろん、耐水性を謳っている通り、水濡れも問題なし。貼った上から水をジャバジャバとかけ続けても、剥がれてしまう気配はない。

 

ちょっとすごいなと思ったのが、濡れた面にもそのまま貼れてしまうこと。これはガムテープなどの粘着系でもだいたい禁忌で、建材用の養生テープぐらいしか対応できない機能だ。

 

続いて、耐久テストもしてみたい。

 

自宅マンションで、ベランダの壁面と外手すりに貼って一週間様子を見た。期間中は残念ながら雨こそ降らなかったのだが、都内でも最大風速23.2m/sという台風並みな風が吹いた日に加えて、最低気温6℃から最高気温26℃の寒暖差もあり、テストにはなかなか悪くない気候条件だった。

 

で、結果がこちらだ。

↑通常の付箋(左)と、台風並みの強風や寒暖差にも負けず、1週間そのままだったExtreme Notes (右)。タフすぎる!

 

さすがにあの強烈な風ではダメだろうなー、と思っていたのだが、Post-it Extreme Notesは最初に貼った場所にそのまま残っていた。正直なところ、これはさすがに驚いた。

 

ちなみに比較用に貼った強粘着ふせんの方は、貼った翌日にはもう剥がれ落ちていた。そもそも屋外利用は推奨されていない製品なので、これは当然だし、逆に「無理させてごめんね」といったところだ。

 

ここまでタフさを見せつけられると、こちらとしてもややムキにならざるを得ない。最後にボイラー式スチームクリーナーで高温の蒸気を吹き付けてみた。耐水+耐熱試験である。

↑ケルヒャーのスチーム噴射でも剥がれない付箋って、どうなの。もちろん、手でめくれば普通に剥がせる

 

マジかー。換気扇の油汚れでもスルッときれいに取れてしまう、100℃の蒸気でも剥がれないのか! いくらタフ自慢とは言え、限度ってのがあるだろう。

 

さすが、伊達にエクストリームを名乗ってない、といったところか。ここまでタフなら、屋外の建築現場や厨房の水場などでも何の心配もなく使えるだろう。

 

アメリカに限らず日本でもいくらでもエクストリームな使用環境はあるだろうし、やはりいずれは国内販売もしてもらいたいものだ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

ガンガン消費すべし! 付箋の「正しい使い方」、文房具のプロが教えます

【きだてたく文房具レビュー】惜しみなく使いまくるべきふせん2

 

「付箋はティッシュのように使え」。これは、テレビ東京の番組による「テレビチャンピオン文房具通選手権」3連覇チャンプ、“文具王”こと高畑正幸氏の言葉だ。

 

例えば、本を読んでいた時に何か関連して思いついたら、すかさず付箋にサッと書き込んでサッと貼る。もったいないから……とケチケチしていては、せっかくの浮かんだアイデアも本を読み終わったころには忘れてしまう。どちらかといえば、そっちのほうがもったいないだろう。

 

なので、付箋は常に手に届く範囲に置いておき、使う時は躊躇せずにガンガン消費する、というのが正しい使い方なのである。

 

今回は、そんなティッシュ方式で使うのに便利な付箋2種類を紹介したい。

 

デスクトップのティッシュ付箋

文具王の言葉にならって筆者がデスクに常備しているのが、3Mの「ポストイット 強粘着 ポップアップノート」。

 

75×75㎜の強粘着付箋(ポップアップ専用リフィル)が引っ張るだけで次々と、まさにティッシュのように出てくる付箋ディスペンサーである。

↑現在は、仕事中に思いついたことや、3時間以内に解決すべき急ぎの作業を書いてはPCモニターに貼って、片付いたら即捨てるという方式で使っている↑現在は、仕事中に思いついたことや、3時間以内に解決すべき急ぎの作業を書いてはPCモニターに貼って、片付いたら即捨てるという方式で使っている

 

定位置に置いておけば、電話を受けながらでも片手で付箋が取り出せるので、ほぼ卓上メモのような感覚。あまりに便利なので、自宅のPC前と作業デスク、会社のPC前の3台体制で運用中だ。

 

……なんだけど、ただちょっとしたワードをメモするだけだと、75㎜四方というサイズはちょっと大きく感じる時もあった。それがつい先日、この商品が『ポストイット 強粘着 ポップアップふせん/ノート』にリニューアル。これがまさに「待ってました!」という進化を果たしてくれたのである。

↑3M「ポストイット 強粘着 ポップアップふせん/ノート」1296円。こちらは最初から3色セットの「トリオ」↑3M「ポストイット 強粘着 ポップアップふせん/ノート」1296円。こちらは最初から3色セットの「トリオ」

 

↑2色セットの「コンビ」。もちろん付箋を入れ替えれば25㎜幅×3としても使用できる↑2色セットの「コンビ」。もちろん付箋を入れ替えれば25㎜幅×3としても使用できる

 

進化した箇所は写真でも分かる通り、従来の75×75㎜付箋だけでなく、75×25㎜、75×50㎜サイズにも対応。25㎜幅を3ライン、または50㎜幅を1ライン+25㎜幅2ラインというように、組み合わせて使えるようになったのだ。

↑左が75㎜幅のみの前モデル。右の新モデルは押し出しパーツが3ラインとなった↑左が75㎜幅のみの前モデル。右の新モデルは押し出しパーツが3ラインとなった

 

前モデルは付箋リフィルを押し出すスプリングがひとつだったのに対して、新モデルは3つ横並びに増えた。これで、最大3本の付箋を同時に押し出せるようになったということだ。

 

これなら、ちょっとしたメモは50㎜幅、書類にコメントを追記するときは25㎜幅というように、シーンによって使い分けが可能。もちろん75㎜幅もこれまで通り使える。

↑ポップアップ用の専用付箋リフィル。通常の付箋はセットしても使えない↑ポップアップ用の専用付箋リフィル。通常の付箋はセットしても使えない

 

↑使い始めは、詰め替えリフィルがセットになったお買い得な「スペシャルセット」もおすすめ。1868円↑使い始めは、詰め替えリフィルがセットになったお買い得な「スペシャルセット」もおすすめ。1868円

 

ひとつ、これは前モデルから共通の難点なのだが、このディスペンサーはあまりにも気軽にふせんが使えるため、専用の付箋リフィルの消費がやたらと早い。気がつくと付箋切れ、なんてことがしょっちゅうなのだ。購入時には、できれば詰め替え用にリフィルも揃えてまとめ買いしておくことをオススメする。

 

どこでも持ち運べるティッシュ付箋

デスクトップ用は上記のポップアップディスペンサーで良しとして、じゃあ外出先で付箋を使いたい場合はどうするべきだろうか。

 

そう考えている人はそれなりにいるようで、その解決策として使われている製品ももちろん存在する。

↑カンミ堂「クリップココフセン Mサイズ」予備リフィル1個付き 421円↑カンミ堂「クリップココフセン Mサイズ」予備リフィル1個付き 421円

 

カンミ堂の「クリップココフセン Mサイズ」は、ノートや手帳にクリップオンして持ち歩けるポップアップ型ふせんだ。

 

金属クリップに、ディスペンサーとして使える付箋ケースを貼り付けただけのシンプルなものだが、これが外出先でちょっとしたマーキング用に使うには、ちょうどいいサイズ感なのだ。

↑クリップで表紙に挟むだけなので、とにかく運用がラク↑クリップで表紙に挟むだけなので、とにかく運用がラク

 

例えば電車の中でビジネス本なんかを読んでいて、「あっ、ここメモっておきたい!」となった時にも、本の表紙にクリップココフセンをはさんでおけば話は簡単だ。その場でスパッと付箋を抜いて貼っておいて、あとで落ち着いてから再確認するだけである。

 

というか、単純にしおりの代わりとして使うだけでも充分に役に立つ。

↑外でも付箋が使える安心感というのは、意外と大きい。ユビキタスふせんである↑外でも付箋が使える安心感というのは、意外と大きい。ユビキタスふせんである

 

そもそもフィルム付箋なので、情報を書き込むといった用途にはあまり向いていない。手帳に未解決のToDoを書き込んだ時に目印として貼っておくとか、そういった目印用にザクザクと気軽に使うのがベストのように思う。

 

ところで、今回あえて通常の「クリップココフセン」(細いSサイズのもの)ではなく「クリップココフセン Mサイズ」と銘柄指定したのにはワケがある。

 

目印として使うにはSサイズで充分なのだが、Mサイズは幅広なだけでなく、フィルム素材自体が少し硬めに設定されているのだ。実際、本に貼ってカバンに放り込んでおくと、薄くて柔らかいSサイズのココフセンはクシャクシャになってしまうこともままあった。やはり、雑にザクザク使うなら、ちょっと硬めぐらいのコシがあったほうが使いやすい。

↑替えリフィルでも硬めが欲しい場合は、パッケージの「ふせん硬め」を目印に↑替えリフィルでも硬めが欲しい場合は、パッケージの「ふせん硬め」を目印に

 

使い切ってしまった場合は、クリップからケースを剥がし、クリップタイプではないノーマルの「ココフセン」(裏が貼って剥がせる粘着材タイプのもの)を貼り直せばOK。

 

ただし、硬めフィルムの使い勝手が気に入ったなら、補充の際も「ふせん硬め」とパッケージに書かれたものにすること。そこまでじゃなくていいや、という場合はノーマルのものでも充分だし、そっちのほうが少し割安だ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

アレやったっけ……記憶力に自信をなくした世代に捧ぐ、タスク管理文房具

【きだてたく文房具レビュー】To Doを完全管理できる意外な組み合わせ文房具

 

いよいよ2017年も、残りあと1ヶ月。おおかたの人はもう、来年の手帳の準備が終わった頃合いだろう。

 

スケジュール管理の方法は百人百様で、営業仕事のために30分刻みのバーチカルでがっつりスケジューリングする人もいれば、内勤だからマンスリーだけで充分という人もいる。筆者は、残念ながら秒分に追われるほどの仕事もなく、マンスリーに日々の作業と〆切を書き込むだけで、だいたい事足りる派だ。ただ、わざわざマンスリーのブロックに書き込むほどじゃないけど忘れたらマズい、という日々の雑事はそこそこあるので、毎朝、その日1日分のToDoリストはまじめに作るように心がけている。

 

その関連で最近ちょっと面白かったのが、あるToDo管理系の文房具と、ToDoまったく関係ない文房具の組み合わせ。自分の環境では、このコンビネーションがなかなかイイ感じに効果を発揮してくれたのだ。せっかくなので、皆さんにもオススメしておきたいと思う。

 

To Do管理はスタンド式付箋で行う

まずTo Do管理系は、「スタンド式 TODOふせん」。サンスター文具から「ちょっとした不便を解決してくれるライトな事務文具」というコンセプトで発売されたLightia(ライティア)シリーズのひとつだ。

↑サンスター文具「Lightia スタンド式 TODOふせん」全6柄 各486円↑サンスター文具「Lightia スタンド式 TODOふせん」全6柄 各486円

 

商品名からだいたい見当がつくだろうが、「自立する付箋台紙に8本の付箋が並んでいて、ここに今日1日のタスクを書き込む」という、非常にシンプルなもの。台紙を立てた状態で机の目に付くところに設置して、トイレなどちょっと離席するタイミングでつねにチラッと見るように習慣づけると、作業の漏れが減らせるだろう。

↑置きっぱなしだと視線が滑りがちなので、できるだけ見るように意識したい↑置きっぱなしだと視線が滑りがちなので、できるだけ見るように意識したい

 

で、終わった時点でピッと剥がせば、残っているタスクが一目瞭然。剥がした下には空白の付箋が出てくるので、新しいTo Doはその空いた箇所に書き込む。これなら、台紙のリストは常に更新された状態になるわけだ。

 

これが意外と便利で、とにかく見えている部分が今現在のすべてのTo Doという仕組みである。作業をひとつし漏れたけど、日にちが変わっちゃったから改めて次のページに書き写す……なんて必要はない。

↑めくったところに、新しいTo Doを書き込む↑めくったところに、新しいTo Doを書き込む

 

さらに、これが付箋というのがポイントで、外出するときは、剥がしたタスクを手帳に貼って持ち出すことができるのである。

 

社内だけで作業が完結する人には不要だろうが、「基本は内勤だけどあちこち外に出ることもあるかな」というタイプの人にとっては、社内用のTo Doリストをいちいち手帳に書き写す手間がいらないのは非常にラクだ。

↑台紙から剥がした付箋は、手帳やノートに貼って持ち出しが可能↑台紙から剥がした付箋は、手帳やノートに貼って持ち出しが可能

 

何より、社内用と外出用でリストが2系統あると、書き写しのミスや二重作業などトラブルの元となる。スケジュール管理は、できるだけ1系統に統合する方がいい。

 

そういう意味でも、「スタンド式TODOふせん」はかなり実用性の高いスケジューラーと言える。

 

“付箋のゴミ箱”が終わったことリストになる

この付箋と組み合わせて便利だったのが、カミテリアの「ふせんのゴミ箱」。こちらは商品名だけではどんなものなのか、ちょっと想像しにくい。

↑カミテリア「ふせんのゴミ箱」3枚入り 全4柄セット Lサイズ 486円/Sサイズ 378円↑カミテリア「ふせんのゴミ箱」3枚入り 全4柄セット Lサイズ 486円/Sサイズ 378円

 

スリーブから覗いているつまみを引き上げると、ふたつ折りの台紙が出てくるので、ここに剥がした付箋を挟んだり貼り付けたりして収納するものだ。

 

要するに、使用済みの付箋を一時的に捨てることのできる増設ポケット、という説明が一番分かりやすいだろうか。

↑スリーブから台紙を抜くと……↑スリーブから台紙を抜くと……

↑使い終わった付箋は台紙にポイ!↑使い終わった付箋は台紙にポイ!

 

客先に付箋付きの資料を持ち込んだ際に、その場で剥がした付箋のやり場に困ったことはないだろうか? だいたい相手に「コレ、捨てておいてください」とも言いにくいし、ひとまず筆箱の中に突っ込んでおくぐらいが解決策だろう。

 

そういう場合には、手帳やノートにこの「ふせんのゴミ箱」を貼っておき(スリーブの背面に貼り剥がし可能なシールが付いている)、ゴミになる付箋をひとまずポイポイと突っ込んでおく。あとは帰社してから、本当のゴミ箱に改めて捨て直せばOKだ。

↑手帳やノートの表紙裏あたりに貼っておくと、外で使う時に便利↑手帳やノートの表紙裏あたりに貼っておくと、外で使う時に便利

 

そしてこの「ふせんのゴミ箱」が、先ほど手帳に貼って持ち出した「TODOふせん」の捨て場に、ちょうどイイ感じなのである。

 

出先でタスクを片付けたとして、自分のやった作業内容が書かれた付箋をその場でポイ捨てするのは、プライバシー的にも仕事的にも、やはり不用心に過ぎる。何より、未解決のタスクと混ざらないよう、「ここに入っているのは確実に終わったもの」として分かる集積場が必要なのだ。

↑ゴミ箱の中がやり終わった「Doneリスト」に。記憶力に自信がなくなる世代には、驚くほどありがたい↑ゴミ箱の中がやり終わった「Doneリスト」に。記憶力に自信がなくなる世代には、驚くほどありがたい

 

あと、これは若い人には伝わりづらいかも知れないが、ある年齢を過ぎてくると、自分の記憶能力に一切の責任がもてなくなる。

 

正直なところ、「TODOふせん」にない項目が、終わったから剥がしたのか、そもそも書き忘れているのかの区別がつかないのである。かなり危なっかしい話だが、これがまた40代以降の熟年層には結構な“あるある”なのだ。

 

しかし、そういう時にも「ふせんのゴミ箱」があればひと安心。中を見れば、そこにあるのがTo Do(やること)リストではなく、Done(やったこと)リストになっているのである。

 

もちろん、台紙にも手帳にも貼ってなくて、ゴミ箱にすらなければ、それは単なるリストの書き忘れ。そこまでは文房具でフォローできないので、自分のぼんやりっぷりを呪いながら、改めてタスクを組み直そう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。