2018年は「蒸留酒」が面白い! ジン/ラム/コニャック/テキーラの注目株をプロが解説

いまクラフトジンの国内蒸留所が増加していたり、アメリカのセレブの間でプレミアムテキーラが人気沸騰中だったりと、蒸溜酒が注目されてきています。本記事では、バー業界を中心に世界的な盛り上がりを見せている4つのジャンルを紹介します!

 

[解説してくれた人]

フードライター/ 中山秀明さん

食のトレンドをはじめ様々な事情に詳しい。酒もジャンル問わず情報収集している。

 

新生の“サムライスピリッツ”と 海外の“上流”酒を抑えるべし!

最近、蒸留酒の動きとして面白いのは、“サムライスピリッツ”といえる国産ジンとラムです。前者の先駆者は、2016年に設立された日本初のジン専門ディスティラリー・京都蒸溜所。クラフトジンは世界的に最も盛り上がっているバートレンドのひとつで、今年はニッカとサントリーも新商品を発売しました。そして後者は2013年に滋賀で誕生したナインリーヴズ。設立翌年には海外の品評会で賞を獲得し、入手困難になるほど人気です。

 

一方、海外産の蒸溜酒でアツいのはフランスのコニャックと、メキシコのテキーラ。コニャックは食前や食後酒としてのイメージが強いですが、食時中でもおいしく飲める汎用性が評価されるとともに、日本ではソーダで割ったフレンチハイボールとしての需要も高まっています。またテキーラは、ハリウッドセレブがブランドを立ち上げるなどの影響を受けブレイク。今年、クエルボからは最上級タイプが登場、サウザからは買ってすぐに飲めるRTDタイプの「サウザクーラー」が発売されるなど盛り上がりを見せています。

 

これらに共通するのは、どの蒸溜酒も高品質な味わいが受け入れられているということです。つまり、蒸溜酒は上流酒なのです!自分へのご褒美や贈り物にもぜひどうぞ!

 

【TOPIC01】クラフトジン

クラフトビールのように、小規模生産による個性的なジンが増えています。ロンドンやNYなどを中心に人気だったが近年日本でも注目され、ついに国内大手も本格参入! 爆発的にヒットするのも時間の問題かもしれません。

 

9種のボタニカルを使い鹿児島の多様な自然を表現

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本坊酒造/ Japanese GIN 和美人 /4104円

焼酎やウイスキーなどで有名な本坊酒造が、蒸溜酒の伝統技術を生かし日本ならではの味と自然を表現。金柑や柚子など鹿児島各地の約9種のボタニカルで仕込まれています。

【オススメの飲み方】ロック

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柚子や紫蘇などに由来する滋味深い爽やかさが特徴です。一方で飲み口は柔らかいため、焼酎のようにコクリと楽しみたいところ。

 

英国と日本の技が調和して11種のボタニカルが華やぐ

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京都蒸溜所 /季の美 京都ドライジン/ 5400円

日本初のジン専門の蒸留所から誕生。ロンドンのドライスタイルに京都の伝統を融合させた独自の味わいです。米からつくるスピリッツを軸に11種のボタニカルをブレンド

【オススメの飲み方】ソーダorトニック割り

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ドライジンのキレを楽しむなら、炭酸でシュワっと。後味には生姜や山椒のスパイシーさが泡とともに爽快に抜けていきます。

 

 

【コチラもクラフトジンの注目株】

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ニッカウヰスキー /ニッカ カフェジン /4860円

モルトやコーンなどをカフェスチルで蒸溜した原酒がベース。和の柑橘と山椒の香りが特徴です。

 

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サントリー/ ROKU/ 4320円

日本由来のボタニカル6種を、伝統的なジンのボタニカルにプラスしました。味は複層的で繊細です。

 

【TOPIC02】ジャパニーズラム

ラムといえば海外ブランドをイメージしがちですが、いま世界で話題の日本産ラムがあります。それはナインリーヴズ。ラムづくりではあまり使われない黒糖と、日本の軟水から生まれるピュアな味が魅力で、すでに海外では大人気となっています。

 

滋賀で生まれる南国の恵み! 世界が認めた日本のラム

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ナインリーヴズ/ ナインリーヴズ クリア/ 4860円

異業種から転身した竹内義治さんが設立。滋賀県音羽山系の水と沖縄産黒糖、厳選した国産酵母を使い、スコットランド製の蒸溜器でつくる同社の代表作です。海外で賞も受賞しました。

【オススメの飲み方】モヒート

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ソーダで割り、ミントやライムなどを加える清涼感満点の飲み方です。原酒のほのかな甘さや華やかさがフレッシュに広がります。

【TOPIC03】コニャック

果実の蒸溜酒・ブランデーのなかで、ワインにおけるシャンパンのように、定められた地域や製法でつくられるブドウの蒸溜酒がコニャックだ。フルーティな飲み口や上品なアロマ、汎用性の豊かなキャラクターで人気が上昇中。

スミレやバニラの香り漂うエレガントで濃密な味わい

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カミュ /カミュボルドリーVSOP /8964円

6つに区分されたコニャック地方のなかで、5%と最小面積の「ボルドリー地区」でつくられる希少な銘酒です。香り高く濃密で、滑らかなスミレやバニラのニュアンスを楽しめます。

【オススメの飲み方】 冷やしてストレート

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コニャックらしい優雅な甘さや、エレガントな香りを堪能するならこれです。フードはチョコやドライフルーツなどがマッチします。

 

【TOPIC04】プレミアムテキーラ

副原料を使わず、主原料となる植物「アガヴェ」100%のテキーラのことです。クリント・イーストウッドやジョージ・クルーニーなどのハリウッドスターが愛飲していることで人気に火が付き、日本でも注目度が高まっています。

秘伝の技から生み出される甘くスモーキーなテイスト

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クエルボ/ クエルボ・トラディショナル・レポサド/ 3024円

1795年創業の伝統製法による、世界販売量No.1テキーラブランドのプレミアム商品。アメリカンオーク樽で4か月以上熟成させた、まろやかな味と絶妙ななめらかさが特徴です。

【オススメの飲み方】 ロック

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氷が溶けるにつれて、甘くスモーキーな味に香りの広がりもプラス。細かく砕いた氷を使うミストスタイルもおいしいです。

 

糖度の高いアガヴェを使い2種の樽で寝かせた重厚系

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パトロン/ パトロン アネホ 実売価格/1万1108円

糖度の高いブルーアガヴェを使用し、アメリカンオークとフレンチオークの樽で12か月以上熟成させた原酒をブレンド。スムースな飲み口と、熟成に由来するリッチな余韻が特徴です。

【オススメの飲み方】ストレート

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深みのある濃密な味と、はちみつのようなまろやかな口当たりを堪能しましょう。その後、ロックで味の変化を楽しむのも◎。

 

多彩な味と香りが調和新鮮な旨味が凝縮した名作

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サウザ/テキーラ サウザ ブルー /実売価格2052円

新鮮なうま味あふれるブルーアガヴェを使用。ハーブの香るフローラルな風味や柑橘系の爽やかな味、スパイシーな余韻がバランスよく堪能できる名作です。

【オススメの飲み方】テコニック(トニック割り)

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アガヴェ100%の優雅な味を楽しむなら常温のストレートだが、トニック割りも美味です。ライムを加え、クールに乾杯!

 

 

 

クリスマス&年末年始用のお酒は手に入れました? GetNavi webが2017年惚れた「お手ごろ&贅沢な洋酒」ベスト3とレシピ8選

早いものでクリスマスまであと10日、今年もあと2週間ほどになりました。GetNavi webではこの1年、編集部員が色々なアルコールのイベントに行ったり、工場に行ったり、フードアナリストにお酒の記事を寄稿してもらったりと、美味しいお酒との出会いがたくさんありました。

 

今回は数ある商品のなかでも、クリスマスや年末年始などこの時期に飲みたい「お手ごろ&贅沢な洋酒」をピックアップ。ホームパーティで飲むもよし、帰省して家族・親戚で楽しんでもよし。飲み方のレシピも添えて紹介していきます。

 

【お手ごろ&贅沢な洋酒01】カンパリ

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1960円(1000ml)/1550円(750ml)/870円(375ml)/560円(200ml)

カンパリは、さまざまなハーブや果実を配合して作られるイタリア発のリキュール。北イタリアの小都市・ノヴァーラで誕生し、150年を超える歴史を持ち、いまでは世界190か国以上で愛飲されています。日本でも知名度が高いので、一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

アルコール度数は25%で独特のほろ苦い味わいが特徴。鮮やかな赤色はSNS映えしそうですね。食前・食中酒として楽しめるほか、カクテルにしても堪能できます。昨今はハーブ系のお酒がトレンドなので、カンパリのセクシーなハーバルフレーバーをぜひこのクリスマス&年末年始に試してみてください。

 

なお、アサヒショップでは、カンパリ 瓶1000ml ウィルキンソン タンサン(PET500ml)1本付を2116円で販売。クール便(216円)にも対応しているので、冷えたカンパリをすぐに飲むことができますよ!

 

【カンパリのレシピ01】カンパリソーダ

↑日本でもおなじみの「カンパリソーダ」(カンパリ/ソーダ/オレンジスライス1片)。カンパリのほろ苦さやハーブの香りを、爽やかかつストレートに楽しめる飲み方です

カンパリソーダは最も手軽にできるレシピで、日本でもおなじみの飲み方です。カンパリのほろ苦さやハーブの香りを、爽やかかつストレートに楽しめます。

【カンパリソーダの作り方】

①冷やしたカンパリをグラスに60ml注ぐ

②ソーダを180ml注ぐ(グラスのトップまで注ぐイメージ)

③オレンジスライス1片を入れて完成

 

【カンパリのレシピ02】アメリカーノ

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ジェームズ・ボンドお気に入りのカクテルとして知られるのがアメリカーノ。カンパリの苦みとヴェルモットのボディ感のある甘みが絶妙にマッチしており、国際バーテンダー協会の公式カクテルリストにも登録されています。

【アメリカーノの作り方】
①ロックグラスにカンパリ 30ml、 ベルモット・ロッソ 30mlを直接注ぎます
② グラスを氷で満たします
③ ソーダを適量加えます
④ オレンジスライス1片を飾って完成

 

【カンパリのレシピ03】ネグローニ

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イタリアで最も有名なカクテルのひとつとして知られるメニュー。1919年にネグローニ伯爵がロンドンへの最後の旅の記念として、アメリカーノにソーダではなく少量のジンを入れるようにオーダーしたことが始まりだといわれています。味わいはビターで、特徴的な香りを持つカンパリとジンがお互いを高め合い、ヴェルモットでまとまりが出ている印象です。

【ネグローニの作り方】

① カンパリ30ml、ジン30ml、ヴェルモット・ロッソ30mlを氷を入れたグラスに直接注ぎます
② オレンジスライスを一片を飾ったら完成

 

【手ごろ&贅沢な洋酒02】アペロール

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1500円(700ml)

アペロールもイタリア生まれのリキュール。1919年に登場して100年近い歴史を持ちますが、誕生秘話はびっくり! 「その昔に青空市で売れ残ったオレンジを袋に入れておいたところ果汁が自然発酵して、それを飲んでみたらウマかった」というエピソードを持っています。

 

地元イタリアではアペリティーヴォ(=食前酒)として欠かせない存在。オレンジの軽やかな甘さとスッキリした後味が、ヨーロッパを中心に大人気なんです。アルコール度数11%で飲みやすく、割り方によっては強いお酒が苦手な方でもチャレンジできます。

 

なお、アサヒショップでは、アペロール 瓶700ml ウィルキンソン タンサン(PET500ml)1本付きを1620円で販売中。ギフト対応も可能なので、年末帰省前に実家に送っておくというプレゼントもできますね。

 

【アペロールのレシピ】アペロール スプリッツ

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アペロールのサッパリとした甘みが、白ワインとソーダでさらに爽やかになった逸品。シンプルかつカジュアルな飲み味で若者に大人気で、世界的に注目されているカクテルです。

【アペロール スプリッツの作り方】

①ワイングラスいっぱいに氷を入れる

②プロセッコ60ml(イタリア・ヴェネト州産のスパークリングワイン)を入れたあとにアペロール40mlを注ぐ

③オレンジスライスを一片添えて完成

 

カンパリとアペロールは、果実やハーブ由来のフレーバーを楽しめるのに、口のなかにイヤな味が残らず、食事のジャマもしない。両者の万能ぶりと、日本人の味覚との好相性は実感済みです。ぜひみなさんもクリスマスや年末年始にお試しください!

 

【お手ごろ&贅沢な洋酒03】カミュ

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カミュ ボルドリーVSOP(8300円/消費税別)
カミュはブランデーの一種でコニャックに分類されるお酒。コニャックは、フランスのコニャック地方で作れられ、定められた製法に則って作られたものしか名乗れません。カミュにはVSOPエレガンス、XOエレガンス、XOなど様々な種類がありますが、GetNavi webがオススメしたいのはボルドリーVSOP。

 

同銘柄はカミュのなかでも、他の地区の原酒とブレンドをせずにボルドリー地区の原酒のみでつくられた商品で、スミレや紅茶のような上品な香味が特徴。コニャックのなかで最も受賞数が多い名作です。

 

アサヒショップでは、カミュ ボルドリーVSOPにロゴ入りグラスをセットにしたものを、8964円で販売中。前2商品よりも高額ですが、それを裏切らない上質な体験ができますよ。

 

【カミュのレシピ01】フレンチハイボール

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カミュ ボルドリーVSOPを炭酸で割ったものがフレンチハイボール。ハイボールといえばウイスキーですが、コニャックのハイボールも昨今、一般的になりつつあります。炭酸を入れるとフレーバーが花開き、コニャック特有のフルーティな甘味をより一層感じられます。

【フレンチハイボールの作り方】

①冷凍庫で冷やしたボルドリーVSOP30mlをフルートグラスに注ぐ(または別のグラスで氷とともにステアして冷やしフルートグラスに注ぐ)

②冷えた炭酸を注ぐ(ウィルキンソンタンサンがオススメ)

③オレンジピールで香り付けして完成

 

【カミュのレシピ02】コニャックサミット

食前酒のアペリティフとして用いられるカクテル。生姜とライム、レモンのハーモニーが素晴らしく、爽やかですっきりとした味わいが特徴です。
【コニャックサミットの作り方】
①ロックグラスに、薄くスライスした生姜、ライムまたはレモンの皮とボルドリーVSOP20mlを注ぐ
②生姜を軽く潰して風味を出す
③氷を入れ、残りのボルドリーVSOP20mlと、レモンジュースを注ぐ
④トニックを注ぎ、軽く一回ステアする
⑤薄くスライスしたキュウリを飾って完成

 

【カミュのレシピ03】クリスマスグロッグ

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コニャック地方で伝統的に飲まれているコニャックの飲み方。クリスマスのサンタクロースを歓迎するためのドリンクで、教会の礼拝に出る前に用意します。生姜やシナモンがバッチリ効いており、これならサンタさんの身体も温まりそうですね。このグロッグはクリスマスシーズン以外も愛飲されており、体調が悪いと思ったら飲んですぐ寝ると、翌朝にはすっかり治っているそうです。

 

【クリスマスグロッグのレシピ】
①カップに、薄くスライスしたオレンジピールを1片と、同じく薄くスライスした生姜4片、スプーン1杯のハチミツ、ボルドリーVSOP40mlを入れる
②温かい紅茶(ストレート)を注ぎ、シナモンスティックを差す

 

【カミュのレシピ04】ボルドリーショコラ

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コニャック地方では、上で挙げたクリスマスグロッグ以外に、ホットチョコレートをクリスマスに用意しておくのが風習。このホットチョコレートにカミュボルドリーVSOPを入れると、一気に大人な飲み物に変身します。礼拝のあとにクリスマスグロッグやホットチョコレート(ボルドリーショコラ)を飲むと、1年間ラッキーに過ごせるとも言われているそうです。
【ボルドリーショコラのレシピ】
①温かいココアを濃いめに作り(お湯ではなく牛乳がオススメ。ホットチョコレートでもOK)
②カップにボルドリーVSOPを適量注ぎ、ココアと軽く混ぜる

 

今回紹介した、カンパリやアペロール、カミュは味わいはもちろんですが、色やボトルのデザインなども美しいのが特徴。食卓を華やかに彩ってくれるので、パーティシーンにはピッタリ。これまで洋酒は「ちょっとハードルが高いなぁ」と思っていた人こそ、ぜひ試してみてください。

 

それでは、メリークリスマス&ハッピーニューイヤー。

 

クリパを盛り上げる「フランス式カクテル」はいかが? 「カミュ」を使った“通”なレシピ集

「カミュ」はフランスが誇る最高峰コニャック。コニャックとは、ブランデーのなかでも定められた基準をクリアしたもののみが呼ばれるカテゴリで、ワインでいうところのシャンパン、お米で例えれば魚沼産コシヒカリといえばイメージがつきやすいでしょうか。

 

そのコニャックの一大ブランドが「カミュ」なのですが、特徴のひとつが広い汎用性。今回は、クリスマスや今冬にオススメのレシピや飲み方を紹介しながら、汎用性にあふれる実力をお届けしたいと思います。

 

スミレや紅茶のような香味の「ボルドリーVSOP」はどんな飲み方でもおいしい!

訪れたのは、表参道にある一軒家レストラン「bamboo」。ここでカミュのスペシャルイベントが開催され、グローバルアンバサダーのフレデリック・ドゥゾジエさんが登場。フレデリックさんの手ほどきを受けながら、カミュの歴史や飲み方のいろはを学びました。

↑カミュ社のグローバル・ブランド・アンバサダー、フレデリック・ドゥゾジエさん。フランスのコニャック出身で、カミュ社のハイエンドな商品の開発にも参画しています

 

会のスタートは、フランス人には欠かせない食前酒のアペリティフから。まずはじめに、カミュを使った「フレンチハイボール」とカクテルである「コニャックサミット」をいただきました。特にコニャックサミットは、爽やかさが段違い! 「コニャックってこんなお酒だったの!?」とイメージが変わる味わいです。

 

ベースとなったのは「カミュボルドリーVSOP」(8300円/消費税別)。スミレや紅茶のような上品な香味が特徴で、コニャックのなかで最も受賞数が多い名作です。

20171206DSC_8372↑【フレンチハイボールのレシピ】1.冷凍庫で冷やしたボルドリーVSOP30mlをフルートグラスに注ぐ(または別のグラスで氷とともにステアして冷やしフルートグラスに注ぐ) 2.冷えたウィルキンソン炭酸を注ぐ 3.仕上げにオレンジピールで香り付け

 

↑【コニャックサミットのレシピ】1.ロックグラスに、薄くスライスした生姜、ライムまたはレモンの皮とボルドリーVSOP20mlを注ぐ 2.生姜を軽く潰して風味を出す 3.氷を入れ、残りのボルドリーVSOP20mlと、レモンジュースを注ぐ 4.トニックを注ぎ、軽く一回ステアする  5.薄くスライスしたキュウリを飾る

 

カミュの歴史にも触れましょう。ブランドの誕生は1863年。そこから5世代にわたって家族経営で独立のエスプリを貫き、2015年現在で世界第5位に位置する最大手のコニャックメーカーです。大手酒類資本の傘下に入ることなく稀有な味を生み出し続けているのは、優れたテロワールと独自のノウハウがなせる技でしょう。

20171206DSC_8396↑カミュ家の歴代当主

なお、先ほど紹介した「カミュボルドリーVSOP」のボルドリーとは地区のこと。「ボルドリー地区」は6つに区分されたコニャック地方のなかで5%と最小面積ながら、保水性が高いうえに水はけがよいという良質な土壌となっています。そして、この地区の畑を多く所有しているのがカミュなのです。

 

コニャック地方伝統のホットカクテルがおしゃれな聖夜を演出

フレデリックさんの話は、フランス・コニャック地方におけるクリスマスイヴの過ごし方に。やはり多くの家族がクリスマスイヴは教会の礼拝に行くようです。日が暮れるとまずはアペリティフで乾杯、そしてディナー。教会はそのあとに行くのですが、子どものお楽しみといえばサンタクロースです。

20171206DSC_8403↑カミュはチーズとの相性も抜群。特にフランス原産の「ミモレット」というオレンジ色のチーズがオススメです

 

冬空の寒さで大変なサンタさんを歓迎するために、ここで「クリスマスグロッグ」または「ボルドリーショコラ」というコニャックのホットカクテルを用意しておくのが風習なのだとか。そして礼拝から帰るとふたつのグラスは空になっており、プレゼントが置いてある、というのがこの地伝統の習わしなのです。

20171206DSC_8398↑コニャック地方では、サンタクロースは家族が礼拝に出かけている間にやってきます

 

ということで、「カミュボルドリーVSOP」を使った「クリスマスグロッグ」と、「ボルドリーショコラ」を教えてもらいました。

20171206DSC_8409↑【クリスマスグロッグのレシピ】1.カップに、薄くスライスしたオレンジピールを1片と、同じく薄くスライスした生姜4片、スプーン1杯のハチミツ、ボルドリーVSOP40mlを入れる 2.温かい紅茶(ストレート)を注ぎ、シナモンスティックを差す

 

20171206DSC_8406↑ 【ボルドリーショコラのレシピ】1.温かいココアを濃いめに作り(お湯ではなく牛乳がオススメ。ホットチョコレートでもOK) 2.カップにボルドリーVSOPを適量注ぎ、ココアと軽く混ぜる

 

礼拝のあとにクリスマスグロッグやボルドリーショコラを飲むと、1年間ラッキーに過ごせるとも言われているそうです。また、ショウガやシナモンの効いたクリスマスグロッグは体にもいいと言われ、体調が悪いと思ったらこれを飲んですぐ寝る、というのがコニャック地方の人の知恵だとか。日本でいう甘酒のような存在なのかもしれませんね。もうすぐクリスマスで冬も本番。ぜひ今シーズンはカミュで素敵な夜を過ごしてください。

 

 

【URL】
カミュ公式サイト http://www.asahibeer.co.jp/enjoy/liquorworld/brand/camus/