日本伝統のファブリックで部屋を飾る!「風呂敷」と「手ぬぐい」の意外な使い道

2月23日は「風呂敷の日」。日本の伝統的な道具として誰もが知る存在である一方、日常的に使う機会は少ないかもしれません。とはいえ、レジ袋が有料化されエコバッグを持ち歩くことが当たり前になった昨今、風呂敷は代わりに使えるエコなアイテムとしても、注目を集めています。

 

そこで今回は、普段使いはもちろん、インテリアを盛り上げるアイテムにもなる「風呂敷」と、風呂敷同様古くから日本人の暮らしに寄り添ってきた「手ぬぐい」の魅力に迫ります。風呂敷や手ぬぐいを中心に取り扱うショップ「JIKAN STYLE KITTE丸の内店」を訪ね、店長・小寺千春さんに、風呂敷と手ぬぐいの歴史から、生活シーンに寄り添う活用法まで、詳しく教えていただきました。

 

奈良・室町時代から愛される、日本人の生活必需品!
意外と知らない風呂敷・手ぬぐいの話

風呂敷と手ぬぐいの使い方を知る前に、そもそもなぜ「風呂敷」という名前で呼ばれているのか、手ぬぐいはいつ頃から使われていたのかなど、歴史的な背景を小寺さんに伺ってみました。

 

「諸説ありますが、風呂敷が『風呂敷』という名前で呼ばれるようになったのは、室町時代。名前の通り、お風呂場で使われていたことが由来となっています。お風呂道具を公衆浴場に持って行ったり、他人のものと紛れないように着物を包んでおいたり、さらに、風呂上がりにはその布を足元に敷いて身支度をしていたという文化があったそうです」(小寺千春さん、以下同)

 

「手ぬぐいも諸説あるのですが、その起源は奈良時代にさかのぼります。神事の時に装身具として使われていたのが、手ぬぐいの原型なのだとか。江戸時代になると、綿花の栽培が盛んになり、綿織物で仕立てた着物がたくさん作られるようになりました。その仕立ての過程で出た端切れが、『手ぬぐい』として庶民の生活に浸透していったと言われています。当時から手拭きに使ったり、ほこり除けに使ったりと万能だったそうですよ」

 

SDGsや防災の観点からも注目を集める、
風呂敷・手ぬぐいの魅力

日本人の日常生活のなかで、便利な道具として活躍してきた風呂敷と手ぬぐい。その魅力は現・令和の時代になってもけっして失われていません。さらに最近では、SDGsや防災の観点からも注目が。そんな風呂敷と手ぬぐいのメリットや、便利な使い方を教えていただきました。

 

風呂敷の魅力

・包む物の大きさに捉われない

「かばんは容量が決まっているのに対して、風呂敷は包む物の大きさに捉われることなくさまざまな物を包めるというのが、大きな魅力だと思います。また、お弁当を包むのにぴったりな50cm巾(はば)や、エコバックやインテリアファブリックにも使える大判の105cm巾のものなどサイズも豊富なので、包みたいものに応じて使い分けることができます」

 

・使い方も自由にアレンジできる

「包むだけでなく、さまざまな用途で使用できるのも魅力のひとつ。包むのはもちろん、ソファやテーブルに敷くなど、インテリアグッズとしても楽しめます。洗う度に生地が柔らかくなってくるので、スカーフとして首に巻いてもかわいいですよ。
また、最近はレジ袋の有料化やSDGsの高まりから、エコバッグとしての活用法が見直されています。洗濯して繰り返し使えるだけでなく、使わないときは小さく畳めてかさばらないので、かばんにひとつ入れておくだけでも便利です」

 

手ぬぐいの魅力

・緊急時にも活躍する、汎用性の高さ

「手ぬぐいの使い方に決まりはありません。名前の通り、手を拭うハンカチやタオルとして使ってもいいですし、パソコンや姿見鏡のほこり除けとして使ったり、掃除のふきんとして使ったり。さらに、風呂敷と同じくいろんなものを包むこともできます。
また、防災の観点からも注目されています。三角巾としての使用や、ハサミで少し切れ目を入れればすぐに裂くこともできるので、緊急時の包帯として使うことも可能です。日常生活だけでなく、緊急時にも役に立つ汎用性の高さは、手ぬぐいの大きな魅力ですね」

 

・雑菌が溜まりにくく、衛生的

「手ぬぐいの端が切りっぱなしになっているのにも、きちんと理由があるんです。通常のハンカチなどは、生地がほつれないように端を折り曲げて縫製しているのですが、手ぬぐいはあえて縫製しないことで、生地がフラットな状態になっています。それにより、水はけがよくすぐ乾くので、雑菌が溜まりにくいというメリットがあります。
ほつれて出てきた余分な糸は、はさみで切ってしまいましょう。ある程度のところでほつれが収まるようになっていますので、安心してくださいね」

 

好きな絵柄を選び、視覚的に楽しめる豊富なデザイン

使い道が豊富な風呂敷や手ぬぐいですが、「デザインの豊富さ」も注目のポイントです。今回取材をした「JIKAN STYLE」も、日本の伝統的なモチーフをあしらったものやモダンな幾何学模様、キャラクターのコラボレーション商品など、何百種類ものデザイン商品を取り扱っています。

昨年12月にデビューした新ブランド「kenema+(ケネマプラス)」。より日常生活での使いやすさを追求したシンプルなデザインが魅力。注染手ぬぐいが5種、風呂敷(100cm/50cm)も5種の絵柄がある。

 

「ただ販売するだけでなく、商品から楽しさや感動など、何かを感じ取ってほしいという想いから、オリジナルのデザインを幅広く展開しています。一枚絵のデザインや、日常で使いやすいシンプルなデザインなど、みなさんの好みの一枚がきっと見つかると思います。普段使いもいいですが、飾って視覚的に楽しむことができるのも、風呂敷や手ぬぐいの魅力です」

気(美しい気配)・音(美しい音色)・間(美しい間合い)という意味合いを込めたブランド「kenema」は、一枚絵としても楽しめるデザインが豊富。注染ならではの、色と色が混じり合う独特の柔らかい表現が特徴。

 

さらに、JIKAN STYLEの手ぬぐいには、「染めの技術」に大きなこだわりがある、と小寺さん。「わが社で取り扱っている手ぬぐいは、明治初期から続く『注染(ちゅうせん)』という染め技法で作られています。いわば職人の手作業でひとつひとつ丁寧に作られた、伝統品です。そんな手ぬぐいから、日本文化や伝統技術の面白さを知ってもらえたらうれしいですね」

手ぬぐいを飾るタペストリー素材や額など。季節に合わせて手ぬぐいを変えながら、アートとして楽しめます。

 

楽しみ方は無限大! 風呂敷・手ぬぐいの活用法

いろいろな使い方ができる風呂敷や手ぬぐい。でも、実際の包み方まで知らない方が多いのではないでしょうか? 今回は、インテリアシーンで活用できる包み方を中心に、その手順を小寺さんに教えていただきました。

 

1.花瓶

50cm小風呂敷「ブラインド」
600円(税別)

インテリアを華やかに彩る、花瓶。今回は、高さ20cmほどの花瓶を風呂敷でかわいくアレンジします。風呂敷のデザイン次第で、自分の部屋のイメージや飾る花を変えてみるのも楽しそうです。今回は、50cmの小風呂敷を使用します。包みたい花瓶の高さや幅に合わせて風呂敷のサイズを変えるのがポイントです。

 

【手順】

1.風呂敷の裏面を上にして敷き、包みたいサイズに合わせて天地の布を折り込む。(今回は、花瓶のくびれ部分に合わせています)

 

2.そのまま下部の布を、くびれの部分まで折り上げる。

 

3.左右の余った布を持って、クロスさせながらしっかりと巻き付ける。

 

4.そのまま左右の布を花瓶の背面まで巻き付け、後ろで結んで完成。

「真結びというリボンのような結び方が一般的ですが、今回は少し瓶の幅が太めだったので、結んだ後にくるくるとねじって仕上げてみました。お酒の瓶など包むときにもねじって仕上げることが多いです。一度跡が付いてしまった風呂敷や手ぬぐいは、洗濯してアイロンをかけてもOKですので、いろいろな花瓶でチャレンジしてみてください」

 

2.クッション

90cm大風呂敷「七転八起 黒」
2000円(税別)

お気に入りのデザインの風呂敷を使って、クッションを包んでみましょう。お弁当を包むのと同じ要領で、とっても簡単に仕上げることができますよ。今回は、だるまの絵柄がかわいい90cmの風呂敷で包みます。

 

【手順】

1.風呂敷の裏面を上にして敷き、クッションを対角線上の中央に置く。

 

2.天地の布を、クッションにかぶせるようにして包む。

 

3.左右も同様に、中心に向けて包み込む。

「この時はただ折り込むのではなく、三角形に折ってから中心に向かって包むと、すっきりとした仕上がりになるのでおすすめです」

 

4.上部持ってきた左右の布を、真結びして完成。

「真結びとは、ほどけにくい風呂敷や手ぬぐいの基本の結び方です。立て結びにならないよう注意しながら結び、最後にリボンの形をふんわり整えてあげるとよりかわいく仕上がりますよ」

 

3.消毒液ボトル

50cm小風呂敷「目覚め」
600円(税別)

今や家庭にひとつはかかせない、消毒液のボトル。風呂敷で包めば、インテリアのワンポイントにもなりそうです。50cm角の風呂敷を使って、アレンジしてみましょう。

 

【手順】

1.花瓶を包むのと同じ要領で、ボトルの高さに合わせて天地を折る。

「ボトルは、すこし斜めを向いた状態で中央に置いてください」

 

2.天地の布をそのまま上に持って行き、ボトルにテープなどで固定する。

「滑りやすいので、折り込む際はテープで固定するのをおすすめします」

 

3.左右の余った布を、ボトルに合わせて上に持ち上げる。

 

4.ボトルのくびれ部分に合わせ、後ろで一度クロスさせる。

 

5.クロスさせた布を前に持って行き、真結びで仕上げて完成。

 

4.ティッシュボックス

手ぬぐい「万象の幸福」
1600円(税別)

手ぬぐいを使えば、ティッシュボックスも簡単に包むことができます。お好みのデザインでティッシュボックスまでおしゃれにアレンジ。ぜひお試しあれ。

 

【手順】

1.二つ折りにした手ぬぐいの中心に、ティッシュボックスを置く。

「半分に折って使うのが一番簡単ですが、もし見せたい絵柄があるのであれば、大体手ぬぐい半分サイズになるように、左右の布を折って使うのもいいかもしれません」

 

2.左右の両端を箱に沿って折り上げ、テープなどで固定する。

 

3.残った長辺の布も、同じように箱に沿って折り上げる。

「この時に、一般的なティッシュボックスのサイズであれば、ちょうどティッシュのスリットが見えるくらいになります」

 

4.四隅をそれぞれ真結びして、完成。

「風呂敷も、手ぬぐいのサイズに折り込めば、ティッシュボックスを包むことができますよ」

 

「風呂敷や手ぬぐいと聞くと、和装をする人のためのものだと思う人も多いかもしれません。しかし、生活のあらゆる場面で活用できる、どんな人にとっても便利なアイテムなんです。使ったことがない方も、まずは一枚、ぜひ手に取ってみてください。そこから、使い方の幅広さや伝統的な染めの技術など、風呂敷・手ぬぐいの奥深さに気付いていただけたらうれしいですね」

 

【プロフィール】

JIKAN STYLE KITTE丸の内店 店長 小寺千春(こでら・ちはる)

宮本株式会社のマネージャー兼同店の店長として、手ぬぐい・風呂敷の魅力を発信。お客様の用途や生活スタイルにピッタリのアイテムを提案している。

 

【店舗情報】

JIKAN STYLE KITTE丸の内店

所在地=東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE丸の内4階
TEL=03-6273-4580
営業時間=午前11時~午後8時まで
※2022年2月現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため営業時間短縮中

オンラインショップ https://www.jikan-style.net/
Instagram https://www.instagram.com/jikan_style/

日用品から家まで必要なモノを必要な分だけ!「無印良品 東京有明」でしか体験できない5つのこと

2020年12月3日、「無印良品 東京有明」がショッピングシティ有明ガーデンのモール&スパ1〜3階にオープンしました。1980年のブランド誕生から40年を経た無印良品は、「アンチゴージャス、アンチチープ」をコンセプトにした宿泊施設「MUJI HOTEL」を銀座にオープンするなど、近年、さまざまな新しいサービスを展開しています。

 

無印良品といえば、シンプルなデザインの文房具や自然素材を使った衣類、化学調味料不使用の食品などのイメージが強いはず。ところが、東京有明店ではこれらの商品が手に入るだけではありません。無印良品が新店舗で行う、まったく新しい取り組みとその魅力を紹介しましょう。

 

雑貨から家まで! 暮らしの全部が買える「百八貨店」

総面積は1400坪。関東最大の売場面積を誇るこの店舗に、無印良品のほぼすべての商品が揃う

 

東京有明店のコンセプトは、「空間を売る」。居室だけでなく街全体を「自分の住まう空間」として捉え、「暮らしのサポート」「家づくり」「街づくり」をテーマにおいた8つの商品・サービスを新たに展開しています。商品の売買を目的とした一般的な店とは異なり、各々が抱える暮らしの悩みに合った商品やサポートの提案が受けられるのが最大の特徴です。

「百八貨店」の名前は伊達ではなく、なんと家まで購入できてしまう

 

「百貨店を超える“百八貨店”として、永く地域の方々の暮らしに役立つ存在になりたい」と語るのは、東京有明店の店長・松橋衆さんです。無印良品の目標は「感じ良い暮らしと社会」の実現。そのために、道の駅型の店舗「里のMUJI みんなみの里」や武蔵野美術大学との共創実験で生まれた「MUJIcom」などを筆頭にそれぞれの店舗がその地域の活性化に取り組む個店経営を推進してきました。そんな「地域密着型」の考えが東京有明店にも見事に受け継がれています。

 

東京有明店は、食とグリーンを展開する食品フロア、住まいに関するあらゆるサービスが受けられる住空間フロア、衣料品などの生活の基本が揃う衣類雑貨フロアといった3つのフロアで構成。コロナ禍でのオープンということで、セルフレジの使用を7割に引き上げる、非接触でも楽しめるキッズスペースを用意するなど、感染症対策も万全です。

 

1. 一人ひとりが抱える“暮らしの悩み”相談に乗ってくれる

「くらしのなんでも相談所」での相談は基本的に無料。提案された商品やサポートを購入する段階になってはじめて料金が発生する

 

東京有明店の一番の魅力は、2階の住居空間フロアに設置されている「くらしのなんでも相談所」。このカウンターでは、忙しい共働き・子育て世帯や、自分だけで生活を充実させるのが難しい高齢者世帯、快適な空間づくりに悩む人など、あらゆる困りごとに対応する商品やサービスが取り揃えられています。これらのサービスはすべて、近隣住民から寄せられた「実際に感じている暮らしの悩み」に基づいて開発されたもの。地域に寄り添い、「お客さんの生活に巻き込まれる」ことを目指す東京有明店らしい取り組みですね。

 

「くらしなんでも相談所」で受けられるサービスの代表が、「お片付けサポート」です。必要以上の物を持たず、暮らしをシンプルに整えるために、専門スタッフが自宅を訪問。暮らしに本当に必要な持ち物を整理し、部屋の収納の改善方法を提案してくれます。その過程で出た不用品を回収して必要としている人に譲ったり、補修やアップサイクル後に再販する「不用品回収」サポートも充実。まさに痒いところに手が届くサービスといえるでしょう。

「掃除」サービスも「お片付けサポート」に付随して受けられる。専門資格を取得したスタッフが掃除の手伝いやアドバイスを行ってくれる

 

そのほか、クラウドストレージサービス「minikura」と連携して、月額275円で段ボール1箱単位から不要なものを一時的に預かってもらえる「預かり」サービスも用意。家の外まで活用できる空間を広げ、現代の生活様式にあった収納方法を提案してくれます。

2階の出入口付近には、購入した商品を預けておける「商品受け取りロッカー」が置かれている

 

「くらしなんでも相談所」では、インテリアに関するサービスも扱われています。ライフスタイルや部屋の間取りに合わせ、家具選びやオーダー家具、照明計画まであらゆる相談を無料で行えます。Zoomを使用したオンラインでの相談もできるので、お店に行く時間が取れない人でも安心。東京有明店限定の家具・インテリアアイテムも提案してもらえます。

 

併設の「MUJI BOOKS」では、「防災」や「地域」など暮らしにまつわる20のキーワードに合わせた本が取り揃えられています。ここで行われている新しい取り組みが、廃棄されて古紙になるはずだった本や、捨てられるはずだったCDの低価格での販売です。もちろん、どちらもまだまだ使用でき、CDは店内で試聴してからの購入が可能。

無印良品は古本の買取を行う「バリューブックス」の「捨てたくない本プロジェクト」に賛同。古典文学やアートブック、クラシック音楽のCDなどが並ぶ

 

2. 末永く満足して暮らせる住空間を、自分の手で!

リフォーム相談を取り扱うコーナーでは、売り場面積の広さを活かして壁材や床材、アクセサリーのサンプルが豊富に用意されている

 

同フロアでは、部分リフォームや全面リノベーションに関するサービスも展開されています。たとえば、「リフォームカウンター」では、リビングやキッチンなど家の部分的なリフォームの相談のほか、ドアノブやタオルかけなど内装を編集できる暮らしのパーツの購入も行えます。細部にまで理想の詰まった住まいを実現できますね。

隣接のコーナーでは、DIYのセミナーやワークショップなどを開催。DIY経験豊富なスタッフが塗装の塗り方や左官の方法をレクチャーしてくれる

 

もうひとつの見どころが、東京有明店でしか見られない「MUJI INFILL 0(インフィル・ゼロ)」の原寸大モデルルーム。MUJI INFILL 0とは、中古マンションの一室空間から内部をすべて撤去し、自分らしく暮らすためのすっぴんの住空間を再構築するフルリノベーションサービス。ライフスタイルの変化や家族の成長に合わせて家具などで空間を仕切り、自由に変化させられます。

リノベーションで見過ごされがちな断熱性能の改善にも力を入れ、部屋の機能性向上を図る

 

リノベーションのモデルルーム自体は青山店にもあるのですが、マンションを想定した部屋まるごとの様子がわかるのは東京有明店だけ。リフォーム後の完成形を具体的にイメージできるだけでなく、ゆるく仕切られた空間での暮らしを疑似体験できます。

 

1階では、植物や花の販売も行われている

 

サボテンの仲間「ユーフォルビア」や吊り植物「コウモリラン」はここでしか買えない限定商品

 

食にも、新しい取り組みがいっぱい。3つ目に紹介するのは、食材が壁一面に並び、必要なものを必要な分だけ購入できる計り売りの売り場です。

3. フードロス減!量り売りコーナーで必要な分だけ買える

食品フロアには、無印で現在販売されているほぼすべての商品が取り揃えられている

 

1階の食品フロアでは、食に関するあらゆるサービスが受けられます。注目すべきは、東京有明店が他店に先駆けて行う「食品量り売り」コーナー。必要なものを必要なぶんだけ買い、フードロスを防ぐという目的で誕生した新しい試みです。コーヒーや雑穀、ナッツ、ドライフルーツなど50種類以上の食品を、20g以上から1g単位で購入できます。コーナー内には、各食品の特徴やおすすめの食べ方を書いたブラックボードが設置されており、おいしく食べるためのヒントをもらえます。

食品を詰めた紙袋をはかりに載せ、各食材に割り振られた番号を入力。出てきたバーコードをセルフレジコーナーで読み取って会計するシステムだ

 

同コーナーではクッキーやおかきなどお菓子の量り売りも。おつまみやおやつなど、自分で好きなものを選んで好きなだけ買えるのはワクワクしますね。

お菓子は1袋にいろいろな種類を入れてOK。1gあたり4円で、合計20gから購入可能

 

併設の「ブレンドティー工房」では、32種類のオリジナルブレンドティーから気に入ったものを好きな量で購入できる

 

東京有明店で行われているフードロス対策は、量り売りだけではありません。江東区と協力して行う「フードドライブ」活動もそのひとつ。賞味期限2ヶ月以上の未開封の食品を店内設置の回収BOXに入れると、江東区やフードバンク団体を通じて福祉団体・施設に届けてもらえます。

民間の店舗として初めて回収BOXが常設される

 

新鮮な野菜や果物がずらりと並ぶ「青果」コーナーも見逃せません。他店舗でも人気のケールや有機ほうれん草、有機小松菜などは地域の生産者から直接仕入れており、その野菜を目当てにわざわざ足を運ぶ飲食店経営者もいるんだとか。隣接するキッチンカウンターでは、専門スタッフが健康をサポートするレシピや農家直伝の食材の保存法などを提案してくれます。

生産者が手づくりした味のあるパッケージが並ぶ

 

4. 洗剤の量り売りや古着回収でお得にエコ活動

3階の目玉はなんといっても東京有明店の限定サービス「洗剤の量り売り」

 

3階では、衣料品を中心に、化粧品や文房具など生活雑貨が広く取り扱われています。なかでも興味深いのが、東京有明店の限定サービス「洗剤の量り売り」。「衣類用洗剤」や「食器用洗剤」などの肌と環境に優しい洗剤4種と、キッチン等の掃除に活躍する「アルカリ電解水クリーナー」を、100ml単位で好きな分だけ量って購入できるんです。使用する容器は、無印良品の使い切った洗剤ボトルのほかに、空のペットボトルでもOK。エコに貢献できるのはもちろん、詰替用の商品を買うより1割程度お得になる場合もあるのがうれしいポイントです。

衣類用洗濯洗剤、バス用、トイレ用洗剤、食器用洗剤、アルカリ電解水クリーナーの5種を取り扱い。スタッフに声をかけて洗剤を詰めてもらおう

 

同フロアの「刺繍工房」コーナーの一角には、東京有明店が江東区と協力して行う古着回収のステーションが置かれています。古着の回収とリサイクルは他店舗でも行われていましたが、持ち込めるのは無印良品の商品に限られていました。ところが東京有明店では、無印良品以外の繊維製品も持ち込みOK。スタッフに声をかけてから回収ボックスに古着を入れると、再生原料を使った軍手がもらえます。

回収された衣類・布製品はリユース・リサイクルルートによって国内外で再利用。軍手や毛布などになる

 

回収ボックスに古着を入れるともらえる軍手。ところどころにカラフルな糸が混じっていて可愛らしい

 

3階で行われている環境への取り組みはほかにも。これまで、靴下やストールの陳列用フックやインナー用パッケージはプラスチック製のものが基本でした。東京有明店では他店に先駆けてこれを見直し、プラスチック原料を中心としたパッケージをなくす、もしくは再生紙などの代替素材に変更。包装容器のプラスチックを20%削減したエイジングケア化粧水を販売するなど、ゴミをへらすための様々な工夫がなされています。

商品のすべてが、あっさりとしたパッケージやタグのみで店頭に並べられている

 

5. 買い物の合間に飲食スペースでひと息つこう

お買い物に疲れたら、焼き立てのパンが味わえる「MUJI Bakery」でひと息つきましょう。
注目はなんといっても、ここでしか味わえない「カレーパン」(240円)。10種のスパイスのキーマカレーをターメリックを練り込んだモチモチ生地で包んだ揚げカレーパンは、東京有明店の名物になること間違いなしです。

カレーパンはそれほど辛くなく、たっぷりのひき肉と香り高いスパイスのハーモニーを楽しめる

 

売場面積は銀座店の「MUJI Bakery」の約2倍。クリームパンやあんクロワッサンなど、ほぼすべてのパンが揃う

 

そのほか、季節の野菜や果物を使用したジュースを販売する「ジューススタンド」や、体に優しいデリとスイーツを味わえる「Cafe&Meal MUJI」も併設。買い物の合間の休憩に、ぜひ立ち寄ってみてください。

旬の果物と野菜を使用したスムージーのほかに、コクのある甘さのラッシーやジャージー牛乳を使ったソフトクリーム、クリームソーダも味わえる
江東区としては初めての「Cafe&Meal MUJI」。提供されるメニューすべてが化学調味料を最小限に抑えており、保存料は一切不使用

 

代表取締役会長の金井政明さんによると、今後全国の政令指定都市に同じようなコンセプトの大型店舗を作っていく予定だそう。東京有明店はそのモデルとして誕生したのだと言います。地域とそこに暮らす人々に寄り添う無印良品の革新的な取り組みを、東京有明でひと足先に体験してみてはいかがでしょうか?

 

【店舗情報】

無印良品 東京有明

所在地=〒135-0063 東京都江東区有明2-1-7 有明ガーデン・モール&スパ 1~3F
電話番号= 03-6380-7818(無印良品 東京有明) 03-6380-7855(Cafe&Meal MUJI 東京有明)
営業時間=10:00~20:00(Cafe&Meal MUJI ラストオーダー 19:30)
定休日=不定休
https://shop.muji.com/jp/tokyo-ariake/