時計の良さは“顔”に出る!視認性にも関係していた、ダイアル装飾技法【第2回】

時計の第一印象を決めるのはやはり文字盤。最近は腕時計の急速な進化で「文字盤の作りが良くなってきた」といいますが、実際はどのように作られているのか、気になる人も多いはず。そこで、2本以上の時計を見比べて悩んだときに注目しておきたいポイントを、3回に分けてご紹介していきます。第2回は、ダイアルの装飾技法を見てみましょう。

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代表的な装飾技法

 

ギヨシェ…18世紀後半に活躍した天才時計師ブレゲが考えた伝統的な装飾

 

【クルー・ド・パリ】「パリの鋲びょう」を表す言葉で、彫った溝が交差してピラミッド状の格子模様をなしているもの。ベゼルなどの外装に用いられることも多い

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【バーリーコーン】麦の穂のような微細な凹凸の彫り込みパターンからその名が付けられた模様。同義のフランス語で「グランドルジュ」と呼ばれることも

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【ウェーブ】名前の通り、波打つように模様を彫り込んだ装飾のこと。写真の時計は、文字盤を回転させながら彫る「フランケ」技法によって作られます

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【ソレイユ】ある一点から放射状に凹凸の付いた模様のこと。太陽の光を想起させることから、フランス語で「太陽」を意味するソレイユと名付けられています

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サンレイ…文字盤に付けられた放射状の筋目模様から命名された仕上げ。文字盤の他、ギアに施されることも。多くのドレスウオッチに採用されている意匠

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ブラスト…凹凸のサイズに応じて砂や金属、ガラスビースなどを盤面に打ち付ける仕上げ技法の総称。マットに仕上がるため、文字盤の光の反射を防ぐことができます

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懐中時計の時代から、文字盤の装飾には様々な技法が考えられてきました。ご紹介したように、これらの装飾は文字盤を華やかに見せるだけでなく、光の反射を抑えて視認性を高めるためのものでもあるのです。