今までの不便は何だったんだ…ミドリ「OPPテープカッター」を使いたくなる目からウロコの仕掛けとは?

ここ数年で「ちょっと変わったな?」と感じるのが、梱包用テープの事情である。もう少し具体的に言えば、ダンボールの梱包に透明なOPPテープ(ポリプロピレンのフィルムに粘着剤を塗布したテープ)を使う人がずいぶん増えてきたのではないか、と感じている。もちろん、昔から流通の現場では定番の存在だった。しかし近ごろでは、会社の荷送りだけでなく、我々一般ユーザーもネットフリマなどで荷物を送る際に、OPPテープを使うケースが増えているように思う。

 

クラフトテープからOPPテープへのシフト

一昔前は、家庭からの梱包といえばクラフトテープ(いわゆるガムテープ)か布粘着テープが主流だったはずだ。だが「耐水性やコスト面を考えると、OPPテープが最適解」という認識が広まりつつあるのかもしれない。

 

実際、100円ショップでもOPPテープの取り扱いが確実に増えているし、さらにいくつかの文房具メーカーがコンシューマー向けのOPPテープ専用カッターを発売し始めている。これはOPPテープの普及が広がっている証拠と言えるだろう。

 

OPPテープのコスパの良さと課題

OPPテープの最大のメリットは、なんといってもコストである。たとえば100均で梱包用テープを選ぶ場合、50mm幅のクラフトテープが50m巻、布テープが10m巻、そしてOPPテープはなんと80m巻。どれも110円で売られていることを考えると、この物量差は非常に大きい。しかも粘着力は申し分なく強く、耐水性も抜群。プロの現場で使われている時点で、その性能の高さは折り紙付きだ。

 

ただし、手で切れないうえに粘着力が強すぎて扱いづらいため、専用のテープカッターが必要になる。この点が、コンシューマー市場での普及の壁となっていた。

 

ミドリの「OPPテープカッター」に注目!

ミドリ
OPPテープカッター
1500円(税別)

 

そんな中でミドリから登場したのが、誰にでも扱いやすい工夫が詰まった「OPPテープカッター」だ。ミドリは3年前に「クラフトテープカッター」を発売しており、外観はほぼ同型。しかし、今回のモデルはOPPテープ専用に設計されており、細部のつくりはまったくの別物である。

 

誰でも楽に装着できる、目からウロコの仕組み

OPPテープは粘着力が強いため、一度切った端がロールに戻ってしまうと、再び剥がすのがとても大変。しかもテープ自体の透明度が高く、切り端を探すには爪で表面をカリカリとこすりながら探す必要がある。これがなかなか面倒だ。そのため、OPPテープ用カッターには、切ったテープの端が戻らないようにする「ローラー」や「テープガイド」といったパーツが付いていることが多い。

 

↑透明度が高いOPPテープは、端を見つけるのが一苦労!

 

↑ローラーが切ったテープを浮かせてくれるので、もうカリカリする必要なし。

 

このローラー、無ければ困るレベルで便利なのだが、装着時にはテープ端をこの隙間に通す必要があり、これが慣れないと難しい。筆者のような不器用者だと、無理に通そうとしてテープがよじれたり、粘着面に指紋をベタベタつけて台無しにしてしまうことも。

↑ただし従来のカッターは、ローラーにテープを通す作業がひと苦労。

 

そこで「OPPテープカッター」は、ローラーを開閉式にすることで装着のしやすさを大幅に改善している。

 

まず底部のクリップで紙管を固定し、ローラーのロックを解除してパカッと開く。あとはテープ端を持ち上げた状態でローラーを閉じ、再びロックすれば装着完了だ。

↑装着はバネ付きのクリップアームで紙管を挟んで固定。

 

↑側面のレバーを引けばロック解除。

 

↑ローラーを開いた状態で通せば超簡単。なんで今まで誰もこれを作らなかったのか!

 

↑これでセッティング完了。今までの苦労が嘘のようだ。

 

ベタベタの強粘着テープを細い隙間に通すストレスを思えば、これはもはや画期的。筆者も初めて装着したときは「あれ?もう終わり?」と拍子抜けしたほどだった。

 

サクッと切れ味&安全性もしっかり確保!

装着の手軽さは画期的だが、使い方は従来のOPPテープカッターと同じ。テープ端をダンボールに貼り付け、必要な長さまで引き出し、カッター刃でカットするだけだ。

↑テープカッターとしての使い方は従来通り。必要な分だけテープを引き出して……

 

↑巻き込む方向にカッターを押し当て、少しねじるようにすればサクッとカット。

 

このカッター刃にはセーフティカバーが装備されており、普段は刃が露出しない設計だ。万一触れてもケガを防げるようになっている。

↑カバーがあるので、うっかり触れても刃は露出せず安心。

 

「OPPテープカッター」がユニークなのは、そのセーフティーの解除方法だ。とはいえ使う側でなにか作業を行う必要はなく、ただテープを切ろうとするだけでなぜかサクッと切れてしまう。カバーは指で押しただけではロックがかかっていて動かない。だが、テープがカバーに当たって少し浮いた状態になると、そこから押し込むことで刃が露出し、テープが切れる仕組みなのだ。

↑テープに押されて刃が露出。離れるとカバーが自動で戻ってロックがかかる。特別な操作なしで安全性を確保できるのは嬉しいポイントだ。

 

面倒に聞こえるかもしれないが、実際には“テープを切る”という自然な動作の中でこれが完結しているため、ユーザーが意識することはない。逆に、それ以外はどうしたってカバーが動かないので、安全性はとても高いのだ。

 

↑アップで見ると、従来の刃よりかなり鋭いことがわかる。

 

さらに刃そのものも従来品とは別物。従来のカッター刃は大きなギザギザでテープを破るような切れ味だったが、「OPPテープカッター」は極細のギザ刃で、端からスーッと裂いていくスタイル。切れ味は鋭く、音も「バリッ」ではなく「サクッ」と軽快だ。もちろん、切るときの力も少なくて済む。

 

両刃仕様で交換も簡単

この刃は両面使用可能で、切れ味が落ちたらカバーを外して前後を入れ替え、再利用できる。刃が細かいため消耗は早そうだが、そのぶん2倍使えるのはありがたい仕様。もちろん替え刃も別売で用意されている。

↑刃はネジを外せば交換可能。両面使えるのも嬉しい。

 

↑ストラップ穴付き。紐を通して吊るしておくと管理しやすい。

 

テープカッターとしてはやや高価だが、装着作業の簡単さや梱包作業の快適さを考えれば、十分に導入の価値がある。ネットフリマやオークションなどで荷物を頻繁に送る人には特におすすめ。従来型のOPPテープカッターを使っていた人なら、一度試しただけで、進化した使い勝手に感動するのではないだろうか。

 

アイデアや情報をまとめる「コモンプレイスブック」作りに最適! 1本で3色使える連結ペン「ジョインドッツ」と「コモンプレイスブック用ノート」が新発売

デザインフィルは、同社が展開するプロダクトブランド「ミドリ」から、コモンプレイスブック作りをサポートする3色連結ペン「ジョインドッツ」「ジョインドッツ3本入」と、コモンプレイスブック作りに最適なノート「コモンプレイスブック用ノート」を、8月29日に発売します。

 

ジョインドッツは、3色が1本にまとまった連結式のペンです。コモンプレイスブック作りに不可欠なジャンルごとの色分けを、1本で手軽に行なうことができます。思いついたアイデアや新しい情報などを自由に記録したあと、色分けしてマークすることで、書き込んだ内容が後から振り返りやすくなります。

 

ペン先はオリジナルの形状を独自に開発した、押すだけでドットがきれいに描ける丸型です。筆記の角度によって細・中・太の3種類の太さのラインマーカーとしても使用できます。

 

インクのカラーは、明るい雰囲気のブライト、パステル、ミルキーと、落ち着いた雰囲気のダスティ、モカ、ダークの計6種。価格は594円(税込)です。ジョインドッツ3本入は、ブライト、パステル、ミルキーをセットにしたライトトーン、ダスティ、モカ、ダークをセットにしたグレイッシュトーンの2種類で展開します。価格は1716円(税込)。

 

コモンプレイスブック用ノートは、コモンプレイスブックを始めるのにぴったりな工夫を盛り込んだノートです。サイズはA6サイズで、各ページの端にガイド線があり、ジャンルごとに色分けがしやすくなっています。記入スペースは2.5mmの方眼罫。全ページにページ番号を入れています。

 

巻頭のインデックスページと連動させて、お気に入りのトピックについて書き出したり、日付を書いておいたりすることができます。設定したジャンル(KEY)をメモしておけるしおり付きで、ページを開きながらジャンルと色を確認できます。価格は418円(税込)。

 

ジョインドッツ
■種類:
ブライト…フレッシュグリーン/ターコイズブルー/コーラルレッド
パステル…レモンイエロー/ペールブルー/ラベンダー
ミルキー…ミルキーピンク/ミルキーグリーン/ミルキーベージュ
ダスティ…ダスティイエロー/ダスティブルー/ダスティピンク
モカ…モカブラウン/カフェラテ/グレージュ
ダーク…ダークブルー/ダークパープル/ダークオリーブ
■サイズ:直径13×H158mm

ジョインドッツ3本入
■種類:
ライトトーン…ブライト/パステル/ミルキー
グレイッシュトーン…ダスティ/モカ/ダーク

コモンプレイスブック用ノート
■カラー:グレー、ベージュ
■サイズ H148×W105×D5mm

月の満ち欠け、日の入りの目安もわかる! ミドリの「日の長さを感じるカレンダー」発売

デザインフィルは、同社が展開するプロダクトブランド「ミドリ」から、毎月の日の長さをグラデーションで表現した「日の長さを感じるカレンダー」を、8月3日に新発売します。価格は1870円(税込)。

↑2025年版「日の長さを感じるカレンダー」

 

同ブランドで展開中の「日の長さを感じる手帳」が、壁掛けタイプのカレンダーとして新たに登場。毎月の日の長さをグラデーションで表現したデザインが特徴で、月を追うごとに日の入りを表現したカラーのグラデーションが少しずつ変化します。月の満ち欠けや二十四節気、雑節入りで、月日の移り変わりを丁寧に感じ取ることができます。

↑毎月変化する日の長さをグラデーションで表現

 

クリーム色の紙を使用することで柔らかな風合いに仕上げており、淡いカラーのグラデーションで、インテリアにも馴染むとしています。日付や月の満ち欠けのデザインは、見やすさを重視しながらも主張しすぎないバランスでレイアウトされています。

↑インテリアに馴染む優しい雰囲気

 

■サイズ:H285×W252×D5mm

■素材:紙

手帳に“着せる”という新発想! 収納ポーチ「手帳のはらまき」の包容力に気持ちまで温まる!

例えば社内の会議室でミーティングがあったとして、そこにあれこれ荷物を抱えて移動するのは面倒くさいもの。できるだけ身軽な状態でサッと行けた方が良いのは当然だろう。

 

叶うならば  “手帳ひとつ持っただけ” ぐらいが理想なのだが、ペンケースやスマホはどうしても必要だし、それならアレも、コレも……などと考えてるうちに、バッグをまるごと抱えて移動していたりする。

 

結局のところ「持ち歩く容量はここまで!」ときちんと決めない限り、どうしても荷物は増えてしまう。だから、例えば社内移動用に小さめなミーティングバッグを導入して、ここから溢れるものはもう持ち歩かない、と自分でルール決めしてしまうのが有効だったりする。よりミニマム化を検討するなら、手帳にプラスオンできる収納ポーチが面白そうだ。これならまさに “手帳ひとつ持っただけ” の軽快スタイルが実現できるのではないだろうか。

 

手帳に着せる “腹巻き” みたいな収納ポーチ

デザインフィルから発売された「手帳のはらまき」は、その名の通り、手帳にかぶせるニットの腹巻きみたいな収納ポーチだ。素材としては、ニットの産地として知られる新潟県五泉市の五泉ニットを使用。厚みは春秋用ニット靴下ぐらい、と言えば伝わるだろうか。ぼってりと厚いわけではないが、伸縮性がありつつもしっかり丈夫そうな手触りだ。

デザインフィル
手帳のはらまき
2600円(税別)
4色展開

 

ラインナップは、単色でソフトな雰囲気のケーブル編みと、ツートーンでシンプルなリブ編みの各2色で全4色展開。編みのタイプで機能は変わらなそうなので、ここは単純に好みで選んで良さそう。愛用の手帳(対応サイズはA6〜B6)に着せてあげると、お腹の冷えない暖かそうなルックスになって、めちゃくちゃかわいい。正直、この見た目だけでも欲しくなってる人は多いのではないだろうか。

↑ラインナップは全4色。上段:ケーブル編み(紺/黄色)、下段:リブ編み(ツートーン薄紫/ツートーン水色)

 

使い方はいたってシンプル。手帳のはらまきをスポッとかぶせることによって、手帳が勝手に開かないよう、ブックバンドとして機能する。もちろん、スナップやゴムベルトだけのブックバンドと違って、いちいち脱ぎ着させてやらねばならず、作業としては少々面倒くさい。しかし、バンドより腹巻きのほうが絶対にかわいいので、そこは許してほしい。とはいえ、PVCの透明カバーで角が尖っている手帳だと、脱ぎ着させる際にどうしても引っかかりを感じてしまう。これを何度も繰り返すと、ニットだけに擦り切れる可能性はどうしてもありそうなので、そこは注意したい。

↑B6スリムサイズの手帳に装着中……といっても、単にスポッとかぶせるだけ

 

↑腹巻きを着たMy手帳。ホカホカした見た目がかわいい

 

↑こちらは、A6サイズの手帳に着せてみた図。上から詰めるように丈を調整できる

 

ポーチとしての収納力は意外とたっぷり

さて、この手帳のはらまきは、フタのようになっている折り返し部分をめくり上げると、ポケットが現れる。ここを収納に使うことで、ポーチとして機能するというわけだ。ポケットは、表側が細/広の2分割、裏側が分割無しの全面収納になっている。ペン類なら細いポケットが安定するし、サブ手帳やスマホは広い全面ポケットがちょうどいいサイズだ。

↑広いポケットはiPhoneのPro Maxがジャスト幅

 

↑裏側のポケットは全幅なので、スプレーボトルなど多少厚みがあるものでも飲み込んでくれる

 

ニットなのでかなり伸縮性があり、思った以上に収納力もある印象。完全ワイヤレスイヤホンのケースなど、ころんと厚みのあるものでも余裕で収納できた。フタを被せれば手帳を逆さにしても簡単には中身が落ちないので、そのまま持ち歩く場合もなかなかの安心感があった。

↑どれぐらい入るか試してみた状態。これだけパンパンに膨らんでいても、フタのおかげでこぼれ出るような心配はない(見た目はさすがに目一杯という感じで苦しそうだが)

 

↑ちなみに上写真はこれだけのものが入っていた。ほぼサブバッグ感覚の収納力と言えそう

 

ただし、できれば入れない方が良さそうなのが、ノック式のボールペンとシャープペンシルである。

 

ノック式ボールペンはフタをかぶせた上から圧が掛かることでノックが押されてしまい、気付かぬ間にペン先が出てポケット底がインクまみれ……というトラブルが発生する可能性が高い。シャープペンシルはガイドパイプがニットをあっさり突き破るので、ポケット底にダメージを与えるし、なによりこのケースだとうっかり手に刺さる危険性もある。

 

なので、ノック式のペンを入れる場合は、上から押されにくいサイドノックの多色/多機能ペンの方が相性が良さそうだ。

↑ノック式ボールペンを収納すると、フタをかぶせたときにうっかりノックが押し込まれてしまう危険あり

 

話を聞いていると「使うのちょっと面倒そう……」と、感じてしまう人もいるかもしれない。正直なところ、もろ手を挙げて万全に便利! というタイプの製品でないのは確かなのだが……しかし、手帳に着せたときのかわいさを一度目にしてしまうと、ただ使いにくいというだけでは否定できない魅力もあるのだ。愛用の手帳がニットの腹巻きをしているところを想像してみたら、ほら、やっぱり最高にかわいくない!?

↑持った時のニットの手触りも大きなポイントのひとつ

 

さらに、温もりのある手触りなのも嬉しいところ。手にした時にひんやりしないというのは、寒い季節には特にありがたみが増すというもの。冬本番を迎えて、思わず肩をすくめてしまう寒さが続くなか、見た目も手触りも暖かな手帳のはらまきは、今シーズンイチ推しの手帳オプションと言えそうだ。

 

巻き戻しがスローで怖くない金属製巻き尺「スローコンベックスメジャー」の“だけじゃない”実力とは?

日常生活であまり役立つシーンは多くないが、一つは持っておきたいのがコンベックスメジャーである。あまり耳馴染みのない人もいるかもしれないが、「コンベックス」とは金属製の巻き尺のこと。家具のサイズや部屋の間取りを測るのに使う、金属テープが勢いよくシュルシュル……ガチン! と戻ってきて怖いやつ、といえば思い当たるだろうか。

 

ただし、この  “金属テープが戻る時の勢いが怖い”  問題は看過できないところ。これがあるからコンベックスを使いたくない、という人もいるかもしれない。しかし計測なしでは、せっかく買った家具が部屋に入らず無駄になる可能性もあるわけで。なんとも困ったことである。

 

ゆっくり戻るから子どもでも安心なコンベックス

それではどうすれば良いのか? その解決方法は単純で、 “シュルシュル……ガチン!” とならないコンベックスがあれば、話は済む。それが、ミドリの「スローコンベックスメジャー」である。コンベックスとしてはかなり小ぶりサイズ(H44×W44×D23mm)で重さも約67gと、子どもでも扱いやすいサイズだ。実際に、2022年のキッズデザイン賞も受賞している。

ミドリ
スローコンベックスメジャー(2m)
1380円(税別)

 

↑5mタイプのコンベックス(約330g)と比較すると、とてもコンパクト

 

巻き取る動力となる板バネの力をダンパーで減衰することで、製品名通り、金属テープがスローに戻ってくる仕組みになっている。このおかげで、金属テープで指をケガしてしまうんじゃないか……という恐怖をほぼ感じないで済みそうだ。

 

試しに金属テープを引き出して手を放してみると、巻き戻り始めは普通にスルスルと戻っていくが、途中からじわっと速度が落ちていき、最後はゆーっくり、スルッとケース本体へと収まった。結果、ノーシュルシュル、ノーガチン。これが最初から最後までゆっくり巻き戻るのであれば「なかなか巻き戻らないなー」とイライラするかもしれないが、初速があるので、そういった “待たされ感” も少ない。これはとても良くできた仕組みだと思う。

 

 

また、一般的なコンベックスにはテープ送り口の下にテープロック機構がある。ロック解除するときに、挟まれやすい位置に指が置かれてしまうため、これもガチン! と指を挟まれそうに感じる原因の一つだ。一方、「スローコンベックスメジャー」はケース側面をグッと指で押さえることで、リールの回転をダイレクトに押さえる構造になっている。ロックするためには側面を常に押さえている必要はあるが、安全性はこちらの方が確実である。

↑側面を指で押さえて直接リールの回転を止める、ある意味シンプルなロック機構

 

↑ロックがない方の側面には磁石が内蔵されているので、スチール面に貼って保管することも可能だ

 

テープに備えられた使いやすい工夫

巻き戻る速度のほかに本品が持ち合わせた機能を見てみよう。テープの目盛を見ると、10cmごとに白・黒・白と交互に塗り分けられているのが分かるだろう。これは数値をパッと見ただけで把握しやすくする工夫なのである。

↑10cmごとに白・黒・白…となっているので、直感的に長さを掴みやすい

 

また、テープ裏面は数字表記がタテになっているのもポイント。これは先端のツメを床や天井に押し当てて高さを測るときに、読み取りやすくてありがたい。コンベックス自体も軽いので、持ち上げて天井からの高さを測るのもラクだ。

↑裏面のタテ表記も読み取りやすい工夫だ

 

“シュルシュル……ガチン!” とならず怖くない、というだけでも充分ありがたいのに、コンベックスとしても便利な工夫が盛り盛り。個人的には2mというのが物足りない(間取りの計測には長さ不足)のだけど、収納・携帯しやすいコンパクトさとトレードオフだと思えば仕方ないだろう。

 

例えば、引っ越しに向けて内見いろいろ回るぞー! という人は、ぜひこれを買っておくと良さそうだ。今後しばらくは便利に使えると思う。

 

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】「マルチ定規」と出会って2年…早く使わなかったことを後悔した理由

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

早く使わなかったことを後悔したマルチな多機能定規

2001年に発売されてから20年以上のロングセラー製品であるミドリの「マルチ定規」。私も毎日使っています。

 

愛用者が多いこの「マルチ定規」ですが、ユーザーの中には「マルチ」の由来にもなった多くの機能を知らない人もいるのではないでしょうか? ただの折りたたみ定規ではない「マルチ定規」の魅力を見ていきましょう。

↑写真のペールグリーンはミドリブランド70周年を記念して発売された限定バージョン。通常カラーは透明、ピンク、青、不透明の黒が販売されている

 

ミドリ(デザインフィル)
マルチ定規
16cm:286円(税込)
30cm:330円(税込)
50cm:968円(税込)
アルミ 30cm:1430円(税込)

 

マルチ定規のメイン機能は「定規を折りたたんで半分のサイズで持ち運べる」という折りたたみ機能です。写真の30cmタイプのほか、16cmタイプと50cmタイプの3サイズがラインナップしています。

↑持ち運びはコンパクトでもA5サイズのノートに一度で線を引くことができる

 

多くの方がこの折りたたみ機能をきっかけにマルチ定規を手に取るでしょう。私もそうでした。

 

しかし、折りたたみタイプの定規は様々なメーカーから発売されているので、私はこのマルチ定規を購入する前に安価な折りたたみ定規をいくつか買い、その度に失敗を繰り返していました。

 

繋ぎ目でガタつきがなく、キレイに引ける!

↑継ぎ目のがたつきが少なく線をスムーズに引ける

 

折りたたみ定規のもっとも気になるポイントは、継ぎ目の部分のがたつきがないかどうかですよね。

 

いくつか他社製の折りたたみタイプ定規を購入したものの、その度に継ぎ目の部分のガタつきが原因できれいに線を引くことができず、いらだちを覚えていました。そこで330円のマルチ定規を購入したところ、なんともスムーズに線を引けるではありませんか! 数百円をケチらずに最初からこの定規を買っていればよかった! と後悔しました。

 

長さを測るだけじゃない、機能いろいろのマルチぶり!

さらに定規をよく見てみると、10mmごとに穴が開いています。ノートや手帳などを等間隔に分割したい時に目印をつけられるのです。

↑10mm間隔で開けられている穴

 

また定規の目盛りは、外側の30cmだけでなく内側にもあり、奥行きや高さを測る際に使用できます。商品サンプルや小箱の高さなど意外に使うこの目盛りが便利なんです。

↑左側面だけでなく右側面にも目盛りが。この端部から目盛が刻まれた「グランドポイント」によって、定規の端からサイズを測ることができる

 

長さだけかと思いきや、実は角度も測れます。折りたたんだ定規は結合部で15度ずつ角度を測れるようになっているのです。

↑開く際にカチカチと手応えがあり使いやすい

 

折りたたみ定規はパーツが外れてしまうといったトラブルが多い商品ですが、「マルチ定規」は2021年から使い続けて壊れる気配もありません。結合部はしっかり金具でとめられているので安心ですよ。

 

その名の通り「マルチな1本」!

こんなに機能がついて330円(税込)とは、お得ですよね。普段から30cm定規を持ち歩きたいという人は、これ1本あると何かと便利で活躍する「マルチ定規」。折りたたみ定規でこれまで残念な思いをしてきたなら、こちらを使ってみてください。

 

ちなみにカッターを使う人には、同社のアルミタイプのマルチ定規もおすすめです。

 

ドラクエ度をチェック! スライムを正しく描ける定規などドラクエに浸かれる文房具16点

「ここは文具の店だ。どんなようだい?」

 

2022年にスクウェア・エニックス×デザインフィルの共同開発によって発売されたのが、お馴染みドラゴンクエストがモチーフとなった文房具ブランド「ドラゴンクエスト文具屋」だ。これまでもドラクエをモチーフにした文房具は数多く発売されてきたが、こちらは「日常=冒険」がコンセプト。日々の生活がアレフガルドでの冒険のように感じられるアイテム(全16品)がラインナップしているとのこと。

 

そこで、中学時代にファミコン版「ドラゴンクエスト」をプレイして以来、ナンバリングタイトルは必ず発売日に購入して遊んできた筆者の目から、それらが「どれくらいドラクエか?」を基準に1点ずつチェックしていきたい。

 

「ここでそうびしていくかい?」

 

【手帳の章】日々の経験値を手帳に貯めてレベルアップ!(てれれれってってれー♪)

とにかく一番気になったのが、冒頭でも述べた「経験値ハビットトラッカー」である。

 

habit(習慣)tracker(追跡者)とは文字通り、普段の習慣を毎日記録していくための手帳記入法の一種。習慣化したい目標を立て、それが毎日できたかチェックを入れて管理し、習慣づけていく、というやり方が一般的だ。

 

つまりそれは、RPGでレベルアップのために経験値を積み上げていくのとよく似てるよね? という話だろう。

経験値ハビットトラッカー <スライム><ドットフィールド>
1320円(税込)

 

基本的にはデザインフィルがこれまで出していたハビットトラッカーの紙面を転用しているのだが、日々のチェック項目がスライムになっていたり、月の表示をドット文字で書けるようになっていたり(ドット文字の見本ページもあるので、真似して書けばOK)と、ドラクエテイストの演出もぬかりなし。

↑レベルアップのために日常の経験値を貯めていこう!

 

↑レベルアップ目標のサンプル。ところどころ「それは現実世界での目標? ゲームで?」と突っ込みたくなるテーマが入っているのが楽しい

 

面白かったのが、「レベルアップしたいこと(目標)」のサンプルで、「半身浴をする」「○時間寝る」に並んで、「HPとMPを回復する」があったり、「500ゴールド貯金する」なんてのがあること。このあたりもドラクエっぽくて、つい試してみたくなるはずだ。

 

冒険ダイアリー2023<スライムブルー><プレミアムブラック>
3850円(税込)

 

手帳系ではもうひとつ、「冒険ダイアリー2023」は見た目のかわいさがとんでもないレベル。PUレザー素材のカバーがスライム型になっており、とにかく見た目のインパクトは抜群だ。

 

↑基本構成は週間バーチカル。方眼のメモスペースもしっかり取られて、使いやすそうな印象だ

 

↑密かに紙面のあちこちに隠された「ちいさなメダル」。貯めてもアイテムには変えてもらえないけど、見つけられると嬉しい

 

もちろん誌面の表記はドット文字ベースだし、週間バーチカルの右側にある3mm方眼も単なる方眼メモではなく「ドット絵の練習にも使ってみよう」と、いかにもな8ビット感を出してくれている。また、月間スケジュールページには各月1枚ずつ“ちいさなメダル”が隠されているので探してみよう! という仕掛けも、いかにもドラクエっぽくて楽しい。

 

【筆記具の章】これさえあれば誰でもスライムが描ける!?

筆記具は「真鍮ボールペン」が2本、スライムブルーとメタルスライムグレーの軸色がラインナップ。どちらもクリップ部のスライムがチャームポイントとなっている。

真鍮ボールペン<スライムブルー><メタルスライムグレー>
2970円(税込)

 

ペン自体は真鍮の前軸がかなり長めにとられており、握ると思い切りズッシリとした重量感が感じられる構成だ。ちなみに搭載されたインクは油性で、リフィル形状からするとおそらくぺんてる製だろう。

 

2本差しペンケース<スライムブルー>
1760円(税込)

 

で、これらを装備するのに揃えておきたいのが、スライムブルーの「2本差しペンケース」である。ペンを2本入れてジャストなミニマムサイズで、差し込み口がスライム型に抜いてあるのがグッとくる感じ。先の真鍮ボールペンを差し込むと、スライムが2匹並んでさらにキュートだ。

↑スライム型の差し込み口からスライムが飛び出すのがかわいいので、できればペンとケースはセットで揃えたい

 

万年筆のニブから垂れたインクがスライムになっているメチャかわな意匠もあって、個人的にはこの文房具シリーズでもトップクラスに装備したい逸品と言える。これは絶対にかわいい。

 

スライムも描けるクリップ定規
1210円(税込)

 

作りの細かさでもうひとつグッときたのが、手帳に挟んで持ち歩くのによさそうな薄型・クリップ付きの「スライムも描けるクリップ定規」だ。

 

内部のガイドスリットで等間隔の直線が引きやすいなど、シンプルに使いやすい定規なのだが……それよりなにより、ドラクエらしいテンプレートがギュッと密度高く詰め込まれているのが嬉しいところ。

↑これさえあれば誰でもスライム描き放題だ!

 

フリーハンドで描くと意外とうまくバランスがとれないスライムだって、溝に沿ってペンを走らせれば、簡単にあのぷっくりフォルムが再現可能。さらにはちいさなメダルやロトの紋章(ドラクエ好きの小中学生男子なら紋章はテンプレ不要で描けると思うけど)も描き放題だ。

 

【シール・スタンプの章】貼って捺して身の回りをモンスターハウスにしよう

ドラクエモンスターたちのかわいさを楽しみたいなら、紙モノ(貼りモノ)系もおすすめ。

 

「デコレーションシール」は手帳に貼るのにジャストサイズのフレークシールで、透け感のある「ドットデザイン」「スライムデザイン」と、ぷっくりした質感の「ぷっくりスライム」「ぷっくりドットモンスター」の4種類が揃う。

デコレーションシール
「ドットデザイン」「スライムデザイン」:385円(税込)
「ぷっくりスライム」「ぷっくりドットモンスター」:495円(税込)
左から

 

透け感のあるシールはダイアリーの日玉に貼ったり、スケジュールを目立たせるように重ねたり、という使い方が楽しそう。ぷっくりシールはもちろん手触りの楽しさを活かしてカードのアクセントにしたり、小物に貼ってデコるのに最適。小さなスライムやモンスターがわちゃわちゃ集まってる雰囲気で、これもかわいいのである。

↑カラフルなモンスターたちは、紙面のにぎやかしに最適

 

ロールテープの「スライム」は、スライムとキングスライムがずらりと並んだダイカットタイプだ。スライム一匹ずつをカットして貼れるし、もちろん並んだまま貼ってもOK。密度高くみっちりスライムを貼って楽しむことができるので、シールと同様にデコ用途に良さそう。

ロールテープ <スライム><ドットフィールド>
858円(税込)

↑スライム山盛りとフィールド柄のテープ。それぞれカットして貼れるのがポイントだ

 

もうひとつのロールテープ「ドットフィールド」は、ドラクエのマップ画面がそのままテープになったもの。無限につながるフィールドを移動する感じが、とても楽しい。

 

こちらもテープを等幅カットできる仕様なので、横だけでなく縦にも貼ってオリジナルマップを作っちゃうのも楽しそう。画面内でちょいちょいモンスターにエンカウントしちゃうのはご愛敬である。

 

浸透印スタンプ
<スライムがあらわれた!><キングスライム>
各1430円(税込)

 

浸透印スタンプは、正方形の付箋に捺して遊べるサイズになっている。戦闘画面を再現した「スライムがあらわれた!」スタンプは、ウインドウ内に書き込みができるため、伝言やメッセージ用に使いやすい。

 

ただ、平和的なメッセージならいいけど、上司からの呼び出しだったりすると「……戦闘開始か」という緊迫感が出てしまうかもしれない。

↑印面が大きいため、均等に捺すにはちょっとコツが必要かも(捺し方はパッケージ裏に詳しく記載)。油性インクなので、上から彩色もOK

 

「キングスライム」スタンプも、おなかにメッセージを書けばどーんと迫力が出そう。伝言で相手に圧をかけたい場合は、このスタンプが最適解かもしれない。

 

 

「ドラゴンクエスト文具屋」、基本的にはどれもドラクエのテイストをきちんと盛り込んでいるため、使う時のワクワク感がとても高い。少なくとも「柄だけなんとなくドラクエにしました」というレベルではないので、ドラクエ好きなら、どれを買っても確実に満足できる仕上がりではないだろうか。

 

 

発売元:株式会社スクウェア・エニックス
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環境に優しい! バイオマス素材を使ったサステナブルな修正テープ「紙製ケースの修正テープ」

デザインフィルは、同社が展開するプロダクトブランド「ミドリ」から、環境に配慮したサステナブルな修正テープ「紙製ケースの修正テープ」を発売しました。税込価格は396円。

 

同製品は、これまでプラスチックを使用してきたパーツをバイオマス素材(紙51%+ポリプロピレン49%)と紙に置き換えた修正テープ。日本デザイン振興会(JDP)主催の「2022年度グッドデザイン賞」を受賞しています。

 

本体や内部構造のプラスチックパーツを、燃やすごみとして廃棄が可能なバイオマス素材に置き換え、樹脂の使用量を削減。修正テープ自体の構造を見直し、パーツ数を減らすことで無駄な成型・組み立てを省いています。一般的にPET樹脂が使用される剥離フィルム部分も紙に変更し、使用後はすべて可燃ごみとして処分できます。

 

手にフィットするコンパクトなサイズながらも、7.2mの修正テープを内蔵。カラーバリエーションは、紙色に合わせて使い分けができる白色とクリーム色の2色展開で、どちらも、横罫線ノートのA罫に合わせて使いやすい6mm幅と、B罫に合わせやすい5mm幅の2種類を用意しています。無垢でシンプルな、紙の厚みや塊をイメージしたデザインのケースが特徴です。

地味でも実は凄かった! 2022年発売の忘れられない文房具5選

この連載では例年、年末年始に「今年の文房具トレンドは●●で、その流れから来年は■■が流行るかも!?」というような振り返りと予想をしてきたのだが……正直、今回は難しい! なにが難しいかといえば、2022年の文房具シーンは全体的に“凪ぎ”傾向。ドカン! と注目される製品も少なく、結果として、トレンドと呼べるほど大きなムーブメントもほぼなかったと言えるのだ。

 

つまり、全体的な印象としては「地味な1年だった」のだが、けっしてそれが駄目という話ではない。例えば「えっ、ココが進化するの?」という地味ながら堅実なアップデートがあったり、地味なジャンルの製品が改良されていたり。派手ではないもののそれなりに面白い製品もいろいろと発売されていたのである。

 

■もっと目立っていいはず! の注目文房具

とはいえ、やはりインパクトが小さいせいで、ユーザーから忘れ去られがちという傾向がある。そこで今回は、トレンドとして1年をまとめるのは早々に諦め、あらためて筆者レコメンドの「2022年、あの文房具買い忘れてない?」を紹介しようと思う。地味な年だったからこそ、地味に進化した優秀な文房具を見逃さないで褒めておきたいのである。

 

黒インクが濃くなった新世代フリクション「フリクションボールノックゾーン」

その中での最注目案件といえば、発売から15年を経てついに超進化した「フリクションボール」だろう。発売1か月前から「フリクション 3.0」などとメチャクチャ気になるティーザー広告を展開し、我々ファンの期待を大いに高めてくれたパイロット「フリクションボールノックゾーン」は、まさに2022年の筆記具の目玉アイテム!

 

……のはずだったのに、2021年後半のボールペン発売ラッシュに比べると、業界全体の熱気が欠けているせいか、思ったよりも盛り上がり不足のような気が。気のせいかもしれないが。

パイロット
フリクションボールノックゾーン ラバーグリップモデル
500円(税別)

 

↑フローも良好で、書き味もサラサラと気持ちがいい

 

性能自体は、“新世代フリクション”と呼ぶに相応しいハイスペックぶり。ブレ防止や静音ノックといった便利機能ももちろん注目だが、なんといっても、従来よりもはるかにクッキリと発色する「プレミアムフリクションインキ」がスゴい。

 

実際のところ、フリクションは黒が薄いから使いたくない、という勢力も今まで一定数あったはずで、そこへ向けて「もうちゃんと黒いですよ?」と言えるようになったのは、大きいと思う。

↑比較すると、ノックゾーンはあきらかに黒の濃さがアップしているのが分かる

 

↑個人的に最もバランスが良く感じられたウッドグリップモデル

 

ラインアップは軸種によって、ラバーグリップ(500円+税)、ウッドグリップ(2000円+税)、マーブル調グリップ(3000円+税)の3種がある。個人的には、金属化したレフィルの重さを打ち消せる重量感と握りやすさを備えたウッドグリップモデルが、一番のオススメだ。そういえばまだ買ってなかったな、という人はぜひ試してみてほしい。

 

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キャップから見直したハイコスパなテープのり「ドットライナーフリック」

コクヨ
ドットライナーフリック
290円(税別)

 

テープのりの新製品と言えば、基本的にはテープの粘着力やヘッド周りなど、貼るための性能アップを謳うものがほとんど。しかし今年のテープのりの目玉は、テープを埃やゴミから守るためのキャップという、なんとも地味な部分で進化したのが面白かった。

 

コクヨ「ドットライナーフリック」が搭載しているフリックキャップは、ヘッド部分をすっぽり包む形のフルカバーキャップを、片手で簡単に開閉できる機構が最大の特徴だ。

↑横方向に90度倒れて開く、まったく新しいフリックキャップ

 

↑ヘッド周りの視界が開けており、作業もかなりやりやすい

 

親指で弾く(フリック)ことでキャップが本体の裏面に回り込むため、開閉のしやすさだけでなく、ヘッド周りの視界を広く確保する効果もある。まさかキャップひとつでテープのりが使いやすくなるとは想像もしていなかった。これもまた地味な進化ながら、万人に試してほしい傑作だ。

 

ちなみに、コンパクトだが詰め替えタイプなのもポイント。筆者はペンケースに入れて常時携帯するテープのりを、このフリックに切り替えた。それぐらいのお気に入りである。

 

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これまで気にしたことのなかった!? そんなジャンル自体も“地味”な文房具が、意外にも超進化を遂げたことも見逃せない。

■これまで気にしたことのなかった!? 地味ジャンルも超進化

「えっ、こんな地味なやつを進化させたの!?」という案件も、例年より多かったように思う。例えば「プラスチックの下敷きが2022年の日本文具大賞で機能部門グランプリを獲る」なんて、昨年の今頃の自分に告げても、おそらく信じなかったんじゃないだろうか。しかもそれ、5月の時点で文房具総選挙でも地味に入賞を果たしている

 

大人も子どもも使いたくなる「魔法のザラザラ下じき」

レイメイ藤井
魔法のザラザラ下じき 0.3mmドット
A4・B5サイズ 各750円(税別)

 

レイメイ藤井「魔法のザラザラ下じき」は、学童向けに開発された、ノートに敷くだけで字がキレイになるという下敷きだ。表面には細かな凹凸のシボ調加工が一面に施されており、鉛筆などで上から書くとザラザラという手応えがある。

 

このザラザラ感が雑な走り書きを抑制し、さらには鉛筆を運ぶ動作を意識的に行える=丁寧な字が書けるようになる、という仕組み。

↑0.3mmの細かな突起が全面に広がり、ザラザラとした手触りになっている

 

↑凹凸のタッチを意識することで、ペン先の走りすぎを防いで丁寧な筆記ができる

 

正直なところ、プラスチック下敷きなんて小学生が使うもんだろ? そんなイメージが強いが、これは意外と大人が使っても面白い製品ではないだろうか。

 

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目からウロコの機構で“雪崩”を防ぐ「1冊でも倒れないブックスタンド」

LIHIT LAB.(リヒトラブ)
1冊でも倒れないブックスタンド
1000円(税別)

 

ブックスタンドという、普段ほとんど意識することのない地味ジャンルも、着実に進化していた。LIHIT LAB.の「1冊でも倒れないブックスタンド」は、まさに名前の通り、たとえ本1冊を立てても横倒しにならず安定する、稀有な機能を持つスタンドだ。

 

特殊なストッパーが上面に並んでおり、これがスタンドに立てた本を左右から挟んで支えるという仕組みである。

↑並びから本を抜き出しても、空きスペースに隣の本が倒れ込んでこない

 

↑秘密は、本の幅だけ立ち上がる上部のストッパー。これが本を支えている

 

ズラリと並んだ中から本を抜き出すと、その空いた空間に目がけて両隣の本が倒れてくるのはよくある光景。しかしこのストッパー構造なら、本を抜いて空いた空間はずっとキープされるのだ。

 

つまり、本を抜き取った跡がずっと可視化されているため、本を元の位置に戻しやすいというのもメリット。デスク上でよく使う参考資料を立てておくのに用いれば、机上の整理に間違いなく役立つ、地味優秀製品と言えるだろう。個人的にも間違いなく「買って良かった」と断言できる傑作だ。

 

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手でちぎるのは2022年で終わらせたくなる「クラフトテープカッター」

ミドリ(デザインフィル)
クラフトテープカッター
900円(税別)

 

クラフトテープ(ガムテープ)を切るための“ギザギザ刃カッター”すら進化していたのには、驚かされた。正直、今年一番「マジかよ……」という思いが強かったのが、コレだ。

 

ミドリ「クラフトテープカッター」は、テープ芯に取り付けることで、安全かつスパッと軽くテープを切ることができる最新カッターである。

↑テープを切ろうとする動きによってカバーが開き、鋭い金属刃でフラットカット

 

なにより、刃のカバー機構がとても優秀。あえて指で刃に触れようとすると触れられず、テープを当てて切る動作にだけ反応して刃が露出するよう設計されているのだ。この機構を考えた人、すげぇ頭イイなー! と感心してしまうほど。地味ながら、とても良い仕事を見せてもらった気がする。

 

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さて、やはり最後に「来年はどうなる?」という予測も添えておきたい。

 

2022年の文房具シーンが地味になってしまった最大の要因は、身もフタもないことを言えば、戦争+円安による部材価格の高騰だろう。この部材価格がいきなりストンと落ちることはしばらくないはずで、2023年も引き続きやや地味な感じになりそうだ。

 

ただ、近年まれなレベルで地味だった2022年ですら、よく見ればこれほど面白い製品が出ていたわけだ。2023年も隅から隅まで見逃さないよう、文房具をチェックしていきたいところだ。

 

これぞ待っていた進化! ギザ刃が痛いクラフトテープのカッターが安全スマートに生まれ変わった

文房具マニアもこじらせてくると、「地味な文房具の地味な進化にグッとくる」ようになる。何を持って“地味”と呼ぶかは人によるだろうが、例えば「ホワイトボード用イレイザーが汚れたら積層シートを剥がしてリフレッシュ可能」とか「カッティングマットが裏返すと粘土板になる」なんていう進化は、誰しも「わー、地味だなー」と感じるものだろう。

 

こういった例を目にする度に「メーカーは、こんな地味なものまで開発コストをかけて進化させるのか!」という感動に近い感情がこみあげてきて、嬉しくなってしまうのである。

↑例えば、誰もが見たり使ったりしたことのある、このギザギザのテープカッターも進化しているのだ

 

最近では、ガムテープ(クラフトテープ)に装着して切るための金属製のギザギザが、安全かつスムーズにテープが切れるよう進化した、という。

 

わー、すっごい地味! 地味だが、でもシンプルなあのギザギザがどう進化したのかは、気になるところだ。

 

ギザギザが剥き出しだったガムテープ用カッターがどう進化した?

その進化型クラフトテープ用ギザギザというのが、2022年11月にミドリ(デザインフィル)から発売された「クラフトテープカッター」である。名前も地味だ。

 

ただ見た目に関しては、シンプルながらギミックの存在を感じさせるデザインがなかなかに格好いいと思う。

ミドリ(デザインフィル)
クラフトテープカッター
900円(税別)

 

下部にはアームが備わっており、これをテープの巻芯を挟み込むように装着する。アームの根元にはバネが付いているので、テープの消費によって全体の直径が変わるのにしたがってアームも移動し、がっしりとしがみつき続けるという仕組みだ。

 

↑バネ付きのアームをぐいっと開いて、クラフトテープの巻芯に挟み込む

 

↑クラフトテープにテープカッター装着完了

 

そもそも従来のギザギザカッターのなにが良くなかったかといえば、それはもう端的に「危険だった」のである。頑丈なクラフトテープを切り裂くための鋭い金属(だいたいブリキ製)ギザ刃が露出しており、使用中にこれでひっかき傷を作ったり、衣服を鉤裂きにするなんてことがよくあったのだ。

 

↑従来の一般的なテープカッター。尖った刃が剥き出しなので、どうしたって安全とは言い難い。しかもけっこう切りづらい

 

↑新しい「クラフトテープカッター」はスパッとテープが切れるが、よく見ると刃が露出していない!?

 

対して「クラフトテープカッター」の刃部分は安全性が高い。そもそも通常時は、刃がガードパーツに覆われて露出していないのだから、うっかり傷つきようもない。ガードパーツを指でグイグイ押しても、刃が出てこないのである。

 

それがテープを切ろうとすると、軽い力でサクッと切れる……いったいどういうことだ?

 

ギザギザ刃が安全な理由とは?

↑指でガードパーツを後退させると、細かな金属のギザ刃が出てくる

 

このガードパーツ、「少し持ち上げながら押し込むと後退して刃が露出する」という、ちょっと変わった機構になっている。そう聞くと何やら面倒くさそうに感じるが、実はテープをめくり上げつつ刃に押し当てようとすると、ほぼ自動的に「ガードパーツを持ち上げながら押し込む」動作になるのだ。

↑意識してクラフトテープを切るように動かさないと刃が出てこない、ユニークな機構だ

 

↑指で押しただけでは切れないため、安全性は非常に高い

 

だから、ユーザーは何も考えなくても、テープを切ろうとすると勝手に刃が出て切れる。でもそれ以外にはガードパーツが動かないので安全、という仕組み。

 

これはめちゃくちゃ良くできている!

↑左の従来型に比べ、テープの切り口はかなりフラットだ

 

もうひとつ気に入ったのが、テープの切り口に関するところ。ギザギザカッターは文字通り切り口もギザギザとしてしまうが、このギザの尖った部分を足がかりにしてテープが剥がれてしまう、ということがある。

 

切り口がフラットであればもちろんそんなトラブルは起きづらいので、このフラットさだけでも充分に使う価値はあると思う。あと、見た目もスマートだ。

 

刃は交換にも対応している

↑金属刃はひっくり返して再利用できる高コスパな仕様

 

ちなみにこの金属刃は、本体上面のネジを外してやるだけで簡単に交換できる。クラフトテープのネチャネチャした粘着剤が付着すると切れ味がガクンと落ちてしまうので、多用するなら、刃の交換はおそらくマストとなるはず。

 

ただ、刃そのものが左右対称の設計となっているため、一度外した刃をひっくり返して装着すれば再利用が可能。1枚の刃が2回使えるようになっているのは、ありがたいポイントだ。一度刃をひっくり返したタイミングに合わせて替刃を購入すれば、いざという時に慌てずに済む。

 

↑単にテープが切りやすいというだけでも、梱包作業の効率は確実にアップする

 

実際に使ってみると、ユーザーは従来のギザギザよりも格段の切れ味と安全性を享受できているのは間違いない。しかも、そのために何かを意識することはなく、いつも通りサクサク切るだけ。

 

これは確実に便利で、素晴らしい進化と言えるだろう。特に昨今は、フリマアプリのためにダンボール梱包を行うケースが増えていることだし、家庭・職場を問わず1個は備えておくべきアイテムだと思う。

 

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】トラベラーズノートの「クラフトファイル」が領収証管理に便利だった

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

領収証入れにぴったりの紙製ホルダー

少しずつ旅行や出張が増えてきました。新型コロナウイルスの感染対策で、この2〜3年は旅行を控えていたという人も多いはず。そこで、旅行や出張に付き物である大量の領収書やレシートを、楽に楽しく整理できるツールを紹介します。

 

楽しい旅ほど、毎日の食事やお土産のレシートでお財布がいっぱいになってしまいます。お財布からレシートを取り出した後、どこにしまったのかわからなくなって経費の精算期日に間に合わなかった、という経験もあるのではいでしょうか。(そして大抵期日が過ぎてからどこからともなくひょっこり出てきて悔しい思いをする……)

 

そんな思いを何度も経験した私が出張で使っているのは、デザインフィルの縦長ノート「トラベラーズノート」……ではなく、トラベラーズノートに取り付けられる「クラフトファイル」です。

↑新品(左)と、筆者が使用中のクラフトファイル(右)

 

デザインフィル
020 Kraft Paper Folder クラフトファイル
400円(税別)

 

トラベラーズノートと組み合わせて使うことを前提としている商品ですが、単体で使ってもとても便利。適度な厚みと強度があって、領収書管理にぴったりなのです。

 

クラフトファイルは開くと左右にポケットがあるので、それぞれ経費精算する領収書と、しないレシートで分けて収納すると、帰宅後に混乱することもありません。

↑縦長なので長めのレシートも楽に入れられる

 

新幹線の領収書やチケットは、ポケットの前面につけられた切れ込みにぴったり。帰りの新幹線のチケットを入れておくのにもよさそうです。

↑ポケットの前面の切り込みはショップカードや切符など小さな物にちょうどいいサイズ

 

さらに、背の部分に筋が入れられているので、レシートをたくさん入れて厚みが増しても、ファイルが勝手に開いてしまう心配はいりません。

↑中央の折り線の左右に薄く筋が入っているのがわかる

 

そしてカスタマイズ。トラベラーズノートシリーズといえば、さまざまなリフィルから必要なものを選んで組み合わせられる、カスタマイズが特徴ですよね。

 

私は立ち寄った京都のトラベラーズファクトリーでスタンプを押して、購入した「イノダコーヒ」のシールも貼りました。

↑旅先のご当地のスタンプを押してアレンジ

 

スタンプを押せるのは紙製ならでは。無地でシンプルなので出かけるほどに模様が増え、自分だけのクラフトファイルが完成していく様子を楽しめます。

 

領収書管理は旅の付き物。面倒だからこそ、旅を楽しみながら使えるツールで乗り切りましょう!

 

フリマアプリなどの荷物梱包作業に役立ちそう! クラフトテープがスッと切れる「クラフトテープカッター」

デザインフィルは、同社が展開するプロダクトブランド「ミドリ」から、クラフトテープ専用カッター「クラフトテープカッター」を発売しました。税込価格は990円。

 

同製品は、クラフトテープを軽い力できれいにカットできるカッター。軽い力でテープの切り口がまっすぐに切れる特殊加工の刃を使用した、シャープな切れ味が特徴。刃が露出しないように、安全カバーが付いています。カット時は、テープが安全カバーを上方向へ持ち上げてカットするので、刃先が指に当たりにくい設計になっています。本体に付属したクリップでテープを挟みこむシンプルな構造で、簡単にテープの着脱ができます。

 

カッター刃本体が左右対称の形状になっており、刃を反転させることで新しい刃として使用可能。刃を取り外して別売りの専用替刃「クラフトテープカッター替刃」に付け替えることもできます。クラフトテープカッター替刃は税込418円。

 

カラーは、黒、カーキ、ベージュの3色展開。シンプルなデザインで、収納しやすいコンパクトサイズです。ストラップ穴も付いており、紐やチェーンなどを通して、吊り下げて保管することもできます。

「ここは 文具の店だ。どんなようだい?」スクエニ×デザインフィル共同開発「ドラゴンクエスト文具屋」

デザインフィルは、スクウェア・エニックスと、「ドラゴンクエスト」(以下ドラクエ)の文具ブランド「ドラゴンクエスト文具屋」の共同開発を行いました。

 

同製品は、「日常=冒険」をコンセプトにした、「毎日が冒険になる文具。」として、全16アイテムをラインナップ。

 

「冒険ダイアリー2023」は、スライムの形にデザインされたカバーをはじめ、中身のスケジュールやメモページまで、日常生活をドラクエの冒険のように記録できるダイアリー。日々のタスクをクエストに見立てた「週のクエスト」「月のクエスト」を設定したり、「ドット絵も描ける方眼メモ」や、ドラクエの記念日(ゲームタイトル発売日)の記載もあります。スライムのカバーは、スライムをイメージした「スライムブルー(青)」と、高級感のある「プレミアムブラック(黒)」の2色を用意。ダイアリーを使い終わった後は、文庫本ブックカバーとしても使用できます。10月7日発売予定で、税込価格は3850円です。

↑冒険ダイアリー2023(スライムブルー)

 

↑冒険ダイアリー2023(プレミアムブラック)

 

「経験値ハビットトラッカー」は、目標達成の日数を塗りつぶして習慣化する、ゲーム感覚で楽しめる日記。ドラクエ仕様のデザインで、日常生活の中で経験値を獲得して、レベルアップできる気分が味わえます。ラインナップは「スライム」と「ドットフィールド」の2種類で、10月30日発売予定。税込価格は1320円。

↑経験値ハビットトラッカー(スライム)

 

↑経験値ハビットトラッカー(ドットフィールド)

 

「浸透印スタンプ」は、ドラクエの戦闘画面をモチーフにしたスライムのドット絵「スライムがあらわれた!」と「キングスライム」デザインの2種類展開。どちらも正方形のデザインで、スタンプは約1000回押すことができます。メッセージを書いたり、上から色を塗ったりして楽しめます。10月7日発売予定で、税込価格は1430円。

↑浸透印スタンプ(上:キングスライム、下:スライムがあらわれた!)

 

「スライムも描けるクリップ定規」は、スライムやロトの紋章など、ドラクエシリーズでおなじみのキャラクターやシンボルなどを簡単に描くことができるテンプレート定規。薄型でクリップ付きなので、ダイアリーやノートに挟んで持ち運ぶこともできます。10月7日発売予定。税込価格は1210円です。

↑スライムも描けるクリップ定規

 

「デコレーションシール」は、モンスターやドット絵をモチーフにした「ドットデザイン」「スライムデザイン」「ぷっくりスライム」「ぷっくりドットモンスター」の4種類展開。スライムやドラキーなどシリーズ常連モンスターをはじめ、フィールドやコマンドウィンドウのデザインなど様々なラインナップで、前出の冒険ダイアリーにもピッタリのサイズです。10月7日発売予定で、税込価格はドットデザインとスライムデザインが385円、ぷっくりスライムとぷっくりドットモンスターが495円です。

↑デコレーションシール(左からドットデザイン、スライムデザイン、ぷっくりスライム、ぷっくりドットモンスター)

 

「真鍮ボールペン」は、メタリックで高級感のある「スライム」が施されたボールペン。手に馴染むフォルムで、さらさらとした滑らかな書き心地が味わえます。ラインナップはスライムをイメージした「スライムブルー」と、メタルスライムをイメージした「メタルスライムグレー」の2種類。10月30日発売予定で、税込価格は2970円です。

↑真鍮ボールペン(スライムブルー)

 

↑真鍮ボールペン(メタルスライムグレー)

 

「2本差しペンケース」は、スライムのフォルムが目を引く、2本までのペンをさせるコンパクトなペンケースです。スライムをイメージした「スライムブルー」配色と、スライムの形をしたポケット穴、「ドラゴンクエスト文具屋」ブランドロゴのスライムもデザインされています。10月30日発売予定。税込価格は1760円です。

↑2本差しペンケース

 

「ロールテープ」は全2種類。「スライム」は、スライムとキングスライムたちが並んだデザインが特徴的な、ミシン目入りのロールテープです。通常のテープのように、スライムがつながった状態で使うだけでなく、切り離しても楽しむことができ、シール感覚で使えます。「ドットフィールド」 は、ドラクエ世界のドット絵のフィールドがデザインされた、ミシン目入りのロールテープ。スライム同様、そのままつながった状態で使ったり、切り離してパズルのように組み合わせて、自分だけのオリジナルフィールドを作って楽しんだりすることもできます。10月7日発売予定で、税込価格は858円です。

↑ロールテープ(スライム)

 

↑ロールテープ(ドットフィールド)

メッシュ素材の「ペン&ツールポーチ」が進化! 内ポケット付きとマチ有りを両立した価値とは

ペンケースに関する昨今のトレンドといえば、間違いなく“透明化”だろう。全体が透明のPVC(塩ビ)製のものや、一部が透明窓になったものなど、タイプはいろいろあるが、ともかく“中に何が入っているのか、外から視認できる”という部分が共通のギミックだ。

 

中身の視認性が良いということはつまり、ペンケースの中をゴソゴソ探す手間なく、使いたいペンやマーカーなどに素早く手が届く、ということと同義。このアクセス性の高さは、ペンケースを快適に使う上でとても重要な機能と言える。

 

今回はそんな透明ペンケースの中から、さらに使いやすさに一工夫をこらした最新の製品を紹介したい。

 

メッシュ素材で内ポケットの中まで見せるペン&ツールポーチ

透明ペンケースというと、素材にPVCを使ったツヤツヤ・テカテカのものがほとんど。ただ、ナイロンメッシュ素材で透けて見えるタイプも、透明ペンケースにカテゴライズされる。メッシュはもちろん透明度でPVCに劣るが、テカテカしすぎない質感で派手すぎず、使う人を選びにくいというメリットがある。

ミドリ
ペン&ツールポーチ マチ付きタイプ
880円(税別)

 

ミドリ「ペン&ツールポーチ マチ付きタイプ」は、名前の通り、以前にこの連載でも紹介したメッシュ素材の「ペン&ツールポーチ」に大きなマチがついたもの。これによって、文房具の収納によりマッチした形状になった、というのが大きな変更ポイントだ。

内ポケットが色分けされたメッシュポーチ「ペン&ツールポーチ」の考え抜かれた機能とは?

 

↑マチ無しタイプのポーチ(左)との比較。よりペンケースに近いスタイルになっている

 

↑三角柱のような大きなマチで、容量は超たっぷり

 

先代ポーチは筆記具の収納をペンポケット(容量2~3本)で賄っていたのに対して、新しいマチ付きタイプはポーチ全体で筆記具を収納し、ポケットは小物用に割り振っている。全体的な容量で言えば、筆記具で20~25本ぐらい。なかなかの大容量と言えるだろう。マチが大きいため、ACアダプタやメガネケースなど、厚みのあるものも収納しやすくなっている。

↑ACアダプタ+ペン10本でも、まだまだ余裕!

 

↑中が丸見えなので、筆記具がいっぱい入っていても、使いたい1本にすぐ手が届く

 

なにより「ペン&ツールポーチ」シリーズで特徴的なのが、ポーチ自体のメッシュとは別で色分けされた2つのポケットだ。

 

このポケットがポーチと同色だった場合、例えば消しゴムがポーチの底にあるのか、ポケットに入っているのかがとっさに見分けづらい。ところが、ポケットが色分けされていれば、この見分けが瞬時に可能。出し入れのアクセスもしやすくなるという仕組みである。

↑底面に接しない&色分けのメッシュポケットは、高い視認性をキープしつつ、ポーチ全体の中身と混ざらない隔離性も持つ

 

ポケットは、カードサイズ/小物用の2種類。基本的には、筆記具に埋もれると取り出しにくいものが中空に吊り上げておける、と考えると運用しやすい。消しゴムやネーム印、ふせん、USBメモリはもちろん、目薬やリップスティックなどが衛生的(ポーチ底に溜まりやすい埃・汚れに触れない)に収納できるのも嬉しいところだろう。

 

また、カードポケットに自分の名刺を入れておけば、どこかにポーチを置き忘れたとき、善意の取得者から連絡をもらえるかもしれない。メッシュはPVCよりも透明度が低い=名刺の個人情報が“うっすら見える”レベルに止まるため、こういった使い方もしやすいのだ。

↑名刺を入れると、外から名前は見えるけど電話やメルアドなどは見えない、ぐらいの隠れ具合

 

もちろん、見えていることは自覚しておく必要がある。が、うっかり紛失が多い人にとっては、これも意外と重要な要素と言える。

 

↑上から覗き込んでもポケットの色分けははっきり見えて、出し入れが簡単

 

従来の透明ペンケースだと、ポケットが透明なので見分けづらかったり、ポケットの素材が不透明で中が見えなかったり、と整理収納がやりづらいものが多い。むしろポケットがない方が使いやすいほどなのだ。

 

とはいえ小物を入れるならポケットは欲しいところ。このメッシュ色分けポケットは、視認性を保ちつつ整理収納もできる、他の透明ペンケースにはない優れた工夫というわけだ。

 

“1日2ページ”で日々の記録を存分に楽しめる! 手帳「hibino」2023年版、7月27日発売

デザインフィルは、同社が展開するプロダクトブランド「ミドリ」から、2023年版「hibino」を、7月27日に発売します。税込価格は4950円。

 

同製品は、見開き2ページで1日分の内容がたっぷりと書き込める新フォーマット“1日2ページ”の手帳です。

 

左ページには24時間の時間軸や書き分けに便利な仕切り線、右ページには書き込むスペースを均等に分割しやすいドットの目印がそれぞれ付いているほか、月の満ち欠けやその日の天気を記録できるアイコンも付いています。スケジュールとノート、ToDoリストと日記など、左右のページで書き込む内容を分け、自分らしい使い方で1年間を綴ることができます。

 

本文には、筆記特性に優れた薄手で軽量な手帳用紙(トモエリバー)を使用。サイズはA6サイズで、コンパクトに使えます。製本には、開きやすい糸かがり綴じを採用し、ページの端まで書き込むことができます。

 

記入スペースは、文字を書く際のガイドになる2.5mmの方眼罫。イラストや図の書き込みがしやすく、思いのままにページをレイアウトできる自由度の高さも特徴。1か月の予定や記録を俯瞰して振り返ることができるマンスリーページと、毎月の目標や予定を書き出せるフューチャーログも収録しています。

 

カラーバリエーションは、爽やかなブルーグリーンと落ち着きのあるキャメルの2色を用意。表紙に押した金箔のロゴがアクセントになっています。

【文房具総選挙2022】ホームセンターでも扱う本格的な「切る・貼る・綴じる」文房具10点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ“はかどり文房具”の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2022」がスタートしました。ここでは【機能別部門】「切る・貼る・綴じる」部門にノミネートされた10商品を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

 

【「切る・貼る・綴じる」部門】

開梱用カッターや瞬間接着剤など、ホームセンターに並ぶタフな文房具が多数登場。一方で、持ち運びやすいコンパクトな文房具も選出されています。

 

No.40

東亞合成/コニシ
アロンアルフア「タフパワー」
実売価格534円

「アロンアルフア」シリーズから、耐水性と耐熱性に優れたモデルが登場。水回りや熱がかかりやすい部分の補修などに最適だ。液量調節がしやすい容器を採用し、出しすぎを防げる。

 

No.41

ミドリ
XSコンパクトパンチ
1056円

コンパクトに折り畳める世界最小クラスの二穴パンチ。左右のパーツを開くと本体が立ち上がり、一度でコピー用紙5枚まで穴開けできる。底面にはダストトレーが付いている。

 

No.42

オルファ
替刃式カイコーンPRO
実売価格652円

ハードな現場でも使える、頑丈で握りやすい開梱用のカッター。厚手素材を切るのに十分な刃幅ながらも、刃に手指が触れにくい安心設計だ。ワンタッチで刃を交換できる。

 

No.43

ミドリ
クイックテープカッター
968円

マスキングテープを軽い力で切れるディスペンサー。スライダーを引くと、テープが約2㎝送り出される。テープを対象物に貼り本体を引っ張れば、2㎝以上を引き出すことも可能だ。

 

No.44

UHU
瞬間接着剤 超速乾 ピペット
429円

高い速乾性を備えた強力接着剤。独自開発した容器により、液量を1滴ずつ正確に調節できる。細い溝や継ぎ目にしっかり流し込める細型ノズルを採用。吸い戻し機能で液ダレもしにくい。

 

No.45

スリーエム ジャパン
スコッチ 透明梱包用テープ ポータブル
374円(7m巻)、622円(15m巻)

ポケットに入れて携帯しやすい、厚さ約2㎜の芯を使った透明梱包用テープ。手で真っすぐに切れる特殊フィルムのためハサミは不要だ。テープを引き出すときの音も静か。

 

No.46

川上産業
スパスパ
492円〜

四角い形状の粒が、碁盤の目のように並んだ緩衝材。手で切り込みを入れるだけで真っすぐにカットでき、ハサミなしで梱包作業を行える。耐水性、耐薬品性のあるポリエチレン素材だ。

 

No.47

コクヨ
テープのり〈ドットライナー〉
(強力に貼る・本体)
440円

封とじ性能に優れた新開発のパワードットのりを採用。貼った直後から強力に接着でき、反発にも強く、時間が経っても封が開きにくい。厚みのある封筒や重量物の封とじにも安心して使える。

 

No.48

マックス
中とじホッチキス
「Vaimo11 LONG」
1万450円

軽い力で綴じられる中綴じホッチキス。針足の先端が紙側を向き、針先が手や衣服などに引っかかりにくい「先曲げクリンチ」機構を搭載している。綴じ位置がズレにくいのもうれしい。

 

No.49

ビバリー
まほうのペーパーリボン
440円〜

粘着面同士だけがくっつくペーパーリボン。巻いたモノに粘着剤が付かないため、ラッピングはもちろん、コードなどの結束にも活躍する。サイズやカラーのバリエーションも豊富だ。

 

※価格はすべて税込で表示しています。

トレンドと機能で分類した8部門・100商品!

2013年に始まった「文房具総選挙」は今回で記念すべき10回目。ノミネートされた文房具のラインナップに、その年の世相が見える!? 2021年度のはかどり文房具をフィーチャーした「文房具総選挙2022」は最新の傾向を反映した「トレンド部門」3部門と、機能によって分類した5部門の、合計8部門。部門によってボリュームの差があるものの、およそ10数商品ずつが選出され、合計100もの商品がノミネートされました。

 

【トレンド部門】
在宅・ハイブリッドワークがはかどる文房具&環境整備アイテム 部門

在宅ワーク用ツールは、2021年度も引き続きホットなジャンル。今年は机上だけでなく、仕事環境を整備するインテリア寄りのアイテムまで選出しました。 15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/716263/

 

【トレンド部門】
キッズの学習がはかどる文房具 部門

子ども向けの学習情報ポータルサイト「学研キッズネット」とコラボした本部門。新しい教育方針を反映し、PCやタブレットと併用できる文房具も登場し始めています。15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717396/

 

【トレンド部門】
SDGs文房具 部門

文房具の分野でも、脱プラや森林保全、ペーパーレスなどに貢献できる、SDGsに配慮したアイテムが続々と登場。左利きでも使えるといった多様性にも配慮するなど、企業努力が光るアイテムたちに光を当てました。13商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717444/

 

【機能部門】
書く 部門

「サラサ」や「ジェットストリーム」、「ボールサイン」など、人気シリーズの新モデルが多数登場。ノミネート商品が最多の16点という、激戦部門でもあります。16商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717119/

 

【機能部門】
記録する 部門

最新のクリップボードや狭いデスクでも広げやすいノート、メモ帳を中心に選出。ルーズリーフの利便性を高めるアイテムにも注目です。11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717178/

 

【機能部門】
収納する 部門

例年はペンケースのノミネートが目立つ部門ですが、今年はドキュメントファイルが豊富に揃いました。小物を一緒に持ち運べる書類ファイルにも注目です。12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717298/

 

【機能部門】
切る・貼る・綴じる 部門

開梱用カッターや瞬間接着剤など、ホームセンターに並ぶタフな文房具が多数登場。一方で、持ち運びやすいコンパクトな文房具も選出されています。10商品がノミネート。https://getnavi.jp/stationery/717325/

 

【機能部門】
印をつける・捺す 部門

ハンコ関連商品に名品が多数登場し、部門名を「分類する・印をつける」から「印をつける・捺す」に刷新。もちろん、付箋やタグにも良品が揃っています。
https://getnavi.jp/stationery/717346/

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

https://forms.gle/8fX4AHXHcWbvg7h66

【文房具総選挙2022】書類と一緒に小物もインできる便利な「収納する」文房具12点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ“はかどり文房具”の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2022」がスタートしました。ここでは【機能別部門】「収納する」部門にノミネートされた12商品を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

 

【「収納する」部門】

例年はペンケースのノミネートが目立つ部門ですが、今年はドキュメントファイルが豊富に揃いました。小物を一緒に持ち運べる書類ファイルにも注目です。

 

No.28

パイロット
オトバコ
2200円

文房具とスマホをまとめられるペンケース。机の上に広げれば、ペン立て、ペントレイ、スマホスタンドとして活躍する。ワークスペースをすっきり片付けることが可能だ。

 

No.29

キングジム
クリアーファイル チャックタイプ
726円〜

中身を水や汚れから保護し、収納物の落下を防げるチャック付きのファイル。雨の日や屋外での仕事でも安心して活用できる。開口部がサイドにあるため、大きな書類や冊子を収納しやすい。

 

No.30

コクヨ
クリップノート〈BIZRACK〉
605円

穴を開けずにコピー用紙や書類を綴じられる、開閉式クリップが付いたファイル。ノートのように、綴じたままでもページをめくったり書き込んだりできる。薄型で持ち運びしやすい。

 

No.31

キングジム
チアーズ ツインペンケース
1375円

中身を分類しやすい2部屋構造のペンケース。部屋ごとに開口部の形が異なり、小物を入れやすいファスナータイプと、ペンを出し入れしやすいオープンタイプがある。ポップなカラーも人気。

 

No.32

キングジム
ナナメクリ
330円(ホルダー5P アソート)、418円(ファイル)

ホチキス留めした資料のように、書類を斜めにめくりながら閲覧できるファイル。書類を角にあるストッパーに挿し込んで固定するタイプと、クリップで固定するタイプの2種類展開だ。

 

No.33

サンスター文具
ファイルバッグ PAAT
1100円(A5サイズ)、1320円(A4サイズ)

マグネット製のダブルフラップを備え、“パッと”一瞬で開くことができるファイル。収納口が大きく開き、中身の出し入れがしやすい。芯材入りで、紙類を折ることなく持ち歩ける。

 

No.34

コクヨ
2つ折りクリヤーブック〈BIZRACK〉
660円

A4サイズの書類をA5サイズで持ち歩ける、2つ折りタイプのファイル。開くとA4サイズに広がり、書類を閲覧しやすい。書類の入れ口がサイドにあり、口が広いため出し入れがスムーズだ。

 

No.35

コクヨ
2つ折りドキュメントファイル〈BIZRACK〉
770円

A4サイズの書類と小物が入る、2つ折りのファイル。書類を3つに分類できるインデックス付きファイルと、小物を入れられるポケット、名刺などを挿し込めるスリットが付いている。

 

No.36

ミドリ
ペン&ツールポーチ マチ付
968円

色とサイズが異なる2つの内ポケットを備えたマチ付きポーチ。内ポケットの開口部が斜めになっており、中に入れた小物にも指が届きやすい。メッシュ素材で中が見えるのもうれしい。

 

No.37

キングジム
ホルサック クリアーホルダーファイル
550円(6枚収納タイプ)、726円(12枚収納タイプ)

市販のクリアーホルダーを冊子状に綴じられるファイル。綴じるときはホルダーをストッパーに挿し込むだけ。ホルダーの開口部を塞がない設計のため、綴じたままでも中の書類を取り出せる。

 

No.38

LIHIT LAB.
マグネットフレーム
275円

A4サイズの書類や写真をスチール面などに掲示できるマグネット式のフレーム。3辺にマグネットを搭載し、空いている辺から書類を出し入れする。書類を水や汚れから守れる。

 

No.39

キングジム
「ロッツ」フルオープンケース
1870円(A5サイズ)、2585円(A4サイズ)

小物と書類をまとめて持ち運べる薄型の収納ケース。開口部が大きく開き、中身を一覧できる。背面には、面ファスナーで開閉する書類入れも搭載。丈夫で軽いクラフトペーパー製だ。

 

※価格はすべて税込で表示しています。

トレンドと機能で分類した8部門・100商品!

2013年に始まった「文房具総選挙」は今回で記念すべき10回目。ノミネートされた文房具のラインナップに、その年の世相が見える!? 2021年度のはかどり文房具をフィーチャーした「文房具総選挙2022」は最新の傾向を反映した「トレンド部門」3部門と、機能によって分類した5部門の、合計8部門。部門によってボリュームの差があるものの、およそ10数商品ずつが選出され、合計100もの商品がノミネートされました。

 

【トレンド部門】
在宅・ハイブリッドワークがはかどる文房具&環境整備アイテム 部門

在宅ワーク用ツールは、2021年度も引き続きホットなジャンル。今年は机上だけでなく、仕事環境を整備するインテリア寄りのアイテムまで選出しました。 15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/716263/

 

【トレンド部門】
キッズの学習がはかどる文房具 部門

子ども向けの学習情報ポータルサイト「学研キッズネット」とコラボした本部門。新しい教育方針を反映し、PCやタブレットと併用できる文房具も登場し始めています。15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717396/

 

【トレンド部門】
SDGs文房具 部門

文房具の分野でも、脱プラや森林保全、ペーパーレスなどに貢献できる、SDGsに配慮したアイテムが続々と登場。左利きでも使えるといった多様性にも配慮するなど、企業努力が光るアイテムたちに光を当てました。13商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717444/

 

【機能部門】
書く 部門

「サラサ」や「ジェットストリーム」、「ボールサイン」など、人気シリーズの新モデルが多数登場。ノミネート商品が最多の16点という、激戦部門でもあります。16商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717119/

 

【機能部門】
記録する 部門

最新のクリップボードや狭いデスクでも広げやすいノート、メモ帳を中心に選出。ルーズリーフの利便性を高めるアイテムにも注目です。11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717178/

 

【機能部門】
収納する 部門

例年はペンケースのノミネートが目立つ部門ですが、今年はドキュメントファイルが豊富に揃いました。小物を一緒に持ち運べる書類ファイルにも注目です。12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717298/

 

【機能部門】
切る・貼る・綴じる 部門

開梱用カッターや瞬間接着剤など、ホームセンターに並ぶタフな文房具が多数登場。一方で、持ち運びやすいコンパクトな文房具も選出されています。10商品がノミネート。https://getnavi.jp/stationery/717325/

 

【機能部門】
印をつける・捺す 部門

ハンコ関連商品に名品が多数登場し、部門名を「分類する・印をつける」から「印をつける・捺す」に刷新。もちろん、付箋やタグにも良品が揃っています。
https://getnavi.jp/stationery/717346/

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

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ミドリ70周年記念のXSシリーズ限定アイテムや「オジサン」文具セットなどが発売

↑真ん中左の「『ミドリ』70周年限定XS コンパクトハサミ」(税込660円)などをそろえた、グリーンで統一されたXSシリーズの限定文房具

 

デザインフィルは、文房具ブランド「ミドリ」の70周年を記念し、世界最小クラスの機能文具を集めた「XS」シリーズや、ロングセラーの「ダイヤメモ」など、22製品を限定アイテムとして発売しました。

 

ミドリは、1950年に便せんやノート、スケッチブックなどの紙製品の製造・販売から始まったブランド。現在では、紙製品を主力としながらも、紙とともに使うことで楽しくなる機能文具など、「デザインと紙」を領域に定めたうえで、トータルに文房具を展開しています。

 

今回発売した限定アイテムは、“色”をテーマにしたとする製品。ミドリの原点であるグリーンのアイテムや、ミドリのものづくりの姿勢を「芽、花、種」でイメージし、芽(グリーン)/花(ピンク)/種(ベージュ)の3色のやさしいペールカラーで表現したアイテムをそろえています。

↑「『ミドリ』70周年限定連用日記 扉 リサイクルレザー」は本文366ページで、3年連用と5年連用をそろえています。価格はどちらも3300円(税込)

 

↑「『ミドリ』70周年限定ダイヤメモM」。本文は40枚になっています。価格は132円(税込)

 

↑「『ミドリ』70周年限定ミニクリーナー」は616円(税込)

 

↑「『ミドリ』70周年限定マルチ定規30cm」は330円(税込)

 

↑「『ミドリ』70周年限定メッシュペンケース」は396円(税込)で、「『ミドリ』70周年限定メッシュペンポーチ」は506円(税込)

 

70周年記念の限定セットも登場

また、ミドリ70周年を記念して、人気アイテムの限定セットも登場。11月18日から発売します。

 

限定セットは、紙そのものの魅力を活かした日本製のシンプルなプロダクト「MD PAPER PRODUCTS」、世界最小クラスのステーショナリーシリーズであるXS、上から色を塗って自分らしくアレンジすることができる浸透印タイプのスタンプ「ペインタブルスタンプ 浸透印」、ミドリの人気者「オジサン」のセットが用意されています。

↑MD PAPER PRODUCTSからは、透明軸の「MD万年筆」とオリジナルボトルインクのセット「70周年限定 MD万年筆 ボトルインク付」が登場。価格は4950円(税込)。このほか、原稿用紙をイメージした5mm方眼罫を7色でデザインしたMDノートライトのセットや、「MD用紙」のブロックメモ3種セットなども販売されます

 

↑XSの修正テープやコンパクトホッチキスなど、全8アイテムを専用ケースに入れたキット「70周年限定 XSステーショナリーキット 8種入」。価格は5060円(税込)です

 

↑カードや封筒が付いた、浸透印タイプのスタンプ「70周年限定 ペインタブルスタンプ 浸透印キット」。お祝いや感謝の気持ちを伝えられるキットになっているそうです。価格は2640円(税込)

 

↑レターカッターやピークリップスなど、オジサン柄のさまざまなアイテムをオリジナルのミニバッグに詰め込んだスペシャルなセット「70周年限定 オジサン文具セット」。価格は3520円(税込)

 

なお、70周年限定 オジサン文具セットの発売に合わせて、オジサンのLINEスタンプもリリース。日常のコミュニケーションで使いやすいフレーズをあしらった、40種のスタンプを楽しめるそうです。

記念アイテムが当たるキャンペーンも! 「ミドリ」70周年スペシャルサイトがオープン

デザインフィルは、同社が展開するプロダクトブランド「ミドリ」の70 周年を記念して、70周年記念限定アイテムの発売やプレゼントキャンペーンなどの特別企画を開催します。

 

9月8日には70周年を記念したスペシャルサイトをオープン。同サイトでは、プレゼントが当たる「クイズに答えて記念アイテムを当てよう!「ミドリ」70周年クイズキャンペーン」も開催。ミドリの人気アイテムや歴史にまつわるクイズを、ヒントを参考にしながら回答すると、全問正解者の中から抽選で70名に「オリジナル一筆箋」(非売品)をプレゼントします。また、Instagram「文具のミドリ」公式アカウントでも、限定アイテムの発売に合わせた投稿型キャンペーンを予定しています。

 

70周年限定製品として、ブランドの原点や挑戦を象徴する深みのあるグリーン、ものづくりへの姿勢を「芽、花、種」でイメージしたペールカラーなど、「色」をテーマにした限定アイテムを10月に発売します。11月には、人気アイテムの魅力をたっぷりと楽しめる70周年限定セットも発売予定で、詳細は後日、70周年スペシャルサイトなどで発表される予定となっています。

【菅未里の自腹買い文房具】手帳に必携! ニューノーマルな図柄を効率よく押せるミドリの回転印

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

場所をとらず、効率的な回転印

↑回転印の裏側。押す直前に、自動的にインクが印面につく構造です(写真ではインクパッドが見えるようスライドさせています)

 

私は回転印が好きです。回転印とは、数字や柄などいくつもの印面を回転させることで選べるスタンプですが、印面ユニット自体が“回転”し、インクパッドにタッチしたあとに捺せる(押せる)タイプもあります。

 

通常のスタンプは、押す際にいちいちインクを印面につけなければいけないのですが、つまり後者の回転印なら、自動でインクがつくのです。だから、とても楽です。インクをつけ損なうことも、逆につけすぎて滲むこともないですしね。

 

今回は私が気に入っている、ミドリのデコレーションスタンプ「ペインタブルスタンプ 回転印」(以下、回転印)を紹介しましょう。

 

ミドリ
ペインタブルスタンプ 回転印
1500円(税別)

 

回転印には10種類のモチーフがセットされているので、場所を取らないのも魅力です。これらを通常のスタンプで用意しようと思ったら、10個も必要になってしまいますから。

 

↑たくさんの柄が用意されているのも回転印の魅力です

 

ポンと押すだけで複雑な絵柄が現れる回転印。とても効率的なのがわかります。

 

コロナ時代の“ニューノーマル”を意識した印面

とくに今回ご紹介したいのは、「新しい日常」に対応したバージョンです。

 

これは以前からある回転印に新しく加わった商品。一年ほど前に発売した同シリーズは可愛らしいデザインといい押しやすさといい、「売れそうだな」と感じていたスタンプなのですが、やはり大変な人気で一時は品切れが続いていました。

 

↑たくさんの種類があるミドリの回転印を、いくつも購入してしまいました

 

その人気シリーズから出た「新しい日常」バージョンは、いったい何が「新しい日常」なのかというと、柄ですね。「在宅」「出社」「Takeout」といった、新型コロナウイルス感染拡大以降の社会で、しばしば耳にする単語やモチーフが揃っています。体温測定や、座りっぱなしの生活に欠かせないランニングの柄もありますね。

 

↑コロナ禍の下での生活に必要な柄が、このとおり揃っています

 

ノートや日記、手帳を彩ることができる

これを日記や手帳にポンと押せば、体調管理や日々の記録に便利だというわけです。もちろん手書きでもいいのですが、いちいち書くのは大変ですよね。

 

それから、これは油性インキを採用しているので、押したスタンプの上からマーカーで色を塗り重ねられるのも便利な点です。ノートを彩るのにも向いているでしょう。

 

↑コロナ禍での生活の記録に最適なスタンプです

 

細かいポイントですが、絵柄の線がとても細いのも素晴らしい点です。ここまで精緻な柄のスタンプは貴重です。一般的に精密な柄のスタンプは、インクをつけすぎると紙に印面を押したときに絵柄が潰れてしまうことがありますが、これは内蔵のスタンプパッドで適量がつくので、絵柄が潰れる心配がいりません。不器用な私でも写真のとおり、一度で綺麗に絵柄を押すことができました。

 

ミドリによると、付属のインキパッドで、10種類の柄を約2000回押すことができるそうです。インキがなくなっても補充用も販売されているので、使い捨てずに使い続けることができます。

 

スタンプが得意ではないという不器用さんにもおすすめしたい商品です。

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

マステは収集から次のフェーズへ! スライドか噛み切りか「マスキングテープカッター」はカットする触感で選ぶべし

マスキングテープ(以下、マステ)がコレクタブルな趣味アイテムとして認知されるようになって、もうずいぶん経つ。主な楽しみ方としては「いろいろな柄を集める」派が主流だが、ここ数年はちょっと風向きが変わって、「積極的に貼って楽しむ」派も、それなりに増えてきているようだ。

 

なにしろ、貯め込むことで収納スペースを圧迫する。置いておく場所が飽和したら「そろそろマステを買うのは止めようか」となるのも当然の話。みんながそうなったら、つまりそこでマステブーム終了である。

 

ということもあって、最近は文房具メーカーがかなり積極的に、マステを消費しやすい製品を発売している。例えば、以前紹介したコクヨ「Bobbin(ボビン)」などは、そういったマステ消費促進システムの最たるものだろう。

 

そういった文房具業界内の事情はさておくとして、そもそも集めるだけでは飽きるのも早いし、やっぱり文房具は使ってこそ楽しい、というもの。そこで今回は、マステを積極的に使うための専用ツールを2点、紹介したい。

 

“スライドして切る”が快適な「クイックテープカッター」

ミドリ「クイックテープカッター」は、5月に発売された最新テープカッターである。マステ周辺のツールは、全体的にやや可愛げというかファンシー感を打ち出し気味なところ、こちらはかなりシャープというか、機械感の強いデザインだ。

ミドリ
クイックテープカッター
968円(税込)

 

まず、マステを内部にセットしたら、本体のスライダーを引く。1回引くとテープが20mmほど出るので、必要な回数だけスライダーを引いたら、あとはテープを吐口上部のカッターに当ててひねれば、スパッと切れる。

 

仕組みとしては、ニチバン「プッシュカット」に非常に近いもの。あれの押しボタン式カッターがない版だと思ってもらえれば、だいたい正解と言えるだろう。切る仕組みが簡略化されている分、作りも「クイックテープカッター」の方がコンパクトだ。

【関連記事】
使う分だけ引き金引いてワンハンドでカット! ニチバンの良作を復刻した「プッシュカット」はやっぱり快適だった

 

↑スライダーをグイッと引くと約20mm分のテープが出てくるので、これを欲しい長さが吐き出されるまで繰り返す

 

↑最後にテープをカッターに押し当てつつひねると、スパッとカット。ギザの細かな金属刃なので、切り口は比較的フラットだ

 

ポイントは、スライダーで連続して同じ長さでテープが切れるという点。壁面にポストカードや写真を貼って飾ったり、ラッピングなどの用途には、テープ長が揃っていた方が見栄えも良い。塗装用(つまり、本来のマスキング用途)に使うにも、おなじ長さのテープを手軽に量産できると効率的なのだ。

 

もちろん、スライダーを引いて露出したテープの端をつまみ、そのまま好きなだけ引き出すこともできるし、逆にスライダを途中で止めて、柄の切れ目のところでのカットも可能である。

↑テープをセットする際は、透明カバーの穴に指を入れて、ケース側の突起に指をかけつつ開く

 

↑テープ端をローラーの▲マークの位置に貼り付けてケースを閉じれば、セット完了

 

搭載できるマステは、テープ幅が12~15mm/芯内径25mm以上/外径54mm未満、となっている。ようするに、だいたい普通サイズのマステなら使える、という感じで問題ないだろう(マステコレクターなら体感的に理解できるはず)。

 

セットの仕方も、本体をカパッと開いてテープを入れて、テープ端を本体に刻まれた▲印まで伸ばしてローラーに貼るだけ。最初はちょっと戸惑うかもしれないが、1-2度やればすぐに慣れるはずだ。

↑キッチン周りでのマステ使用も想定したマグネット。あると意外と便利な機能だ

 

本体にマグネットを内蔵しているので、スチール面に貼っておけるという機能もちょっと嬉しい。食品パックの再封などにマステを使っている人もいるので、普段は冷蔵庫ドアに貼っておけると便利なのである。

サクン! とした切れ味が気持ちいい「マスキングテープカッター」

一方、2020年11月に発売され、文房具総選挙2021にもノミネートされたLIHIT LAB.「マスキングテープカッター」は、色合いやデザインともにかなりファンシー寄り。こちらはいかにもマステ用といった雰囲気のツールだ。

LIHIT LAB.(リヒトラブ)
マスキングテープカッター
363円(税込)

 

セットしたテープを引き出したら、本体をグッと握る。すると先端の大きなギザ刃がテープを噛みちぎるようにしてカット……と文章で表現すると、なかなか非ファンシーな野蛮さである。

 

しかし、実はこの“噛みちぎる”カットの手応えが「マスキングテープカッター」最大のポイントと言える。

↑一見するとワニのような、かなり豪快なギザギザのプラ刃

 

刃がプラ製ということもあって、さほど切れ味が鋭いわけではない。ところが、テープに食い込んで切れる際に手に伝わる「サクン」という感触が、とても気持ちいいのだ。

 

このサクン感を「かわいい手応え」と表現する人もいるが、なるほど、なんか納得できるかもしれない。これを味わうために、ついつい意味なく何度もテープを切ってしまうぐらい楽しいのである。

↑必要な分だけテープを手で引っ張り出したら、ステープラーのようにぐっと握って押し込む

 

↑ピンと張ったテープに尖った刃の先端が刺さって、そこから裂き開いて、最後に切れる。この一連の感触が、かわいい「サクン」だ

 

開発時には、金属製のスパッと鋭く切れる刃を搭載する案もあったはず。そこをあえて、切る手応えを強く感じられる、失礼ながらナマクラ(刃物の切れ味が鈍いさま)なプラ刃をチョイスしているわけで、その考え方はなかなかユニークだ。

 

また、切れ味がナマクラなことで、テープの切り口がギザギザと大きく乱れるのも、味わいとしてアリ。マステでデコレーションをする場合、切り口が鋭くフラットなよりも、いかにもテープっぽい風合いのギザギザな方が好まれるケースもあるのだ。

↑最近こういうのなかなか見ないなー、というくらい派手にギザギザとなった切り口

 

↑テープセットは本体下部のカバーを開いて行う。対応テープは テープ幅15mm以下/芯内径25mm以上/外径54mm未満となっている。

 

同じ長さのテープがスパッと切れるシステマチックなカッターと、サクン感が気持ちよくギザギザに切れる感覚派カッター。どちらが優れているというわけではなくて、どちらも好きに選べるのが素晴らしい。マステ消費ツールもいい感じに成熟してきたなぁ、と感じる次第である。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

内ポケットが色分けされたメッシュポーチ「ペン&ツールポーチ」の考え抜かれた機能とは?

「もし、無人島に何か1つだけ持って行けるとしたら?」という、定番の問いかけがある。ナイフだとか火起こしツールだとか、回答からはそれぞれ個人の死生観が見える気がするのだが、ともあれ筆者はこの場合、「カバン」一択だ。

 

何しろ人間には手が2つしかないのだから、持ち歩ける道具の数も限られてしまう。もし原生の食料を見つけたって、カバンなしでは収穫できる量も限られる。人間が生きていくのに必要な荷物は多く、それをひとまとめに収納して持ち歩ける袋(=カバン)というのは、意外と偉大な発明なのだ。

 

少々大げさな前振りから始めてしまったが、荷物を収納して携行するための入れ物……カバン、リュック、ポーチ、トート、袋などは、無人島じゃなくたって重要だろう。

 

異世界転生ものラノベの主人公がだいたい「無限収納」スキルを持っているのだって、つまりはそういうものがないと話がいきなり詰んじゃうからで。そういったチートを持たない我々が、できるだけ収納力があって中身が取り出しやすい袋を探し求めてやまないのも、ある意味、生存本能に基づく事案だからしかたがないのである。

 

ということで今回紹介するのは、文房具や小物をイイ感じに整理収納できるポーチだ。(話が一気にキュッとコンパクトになったな……)

 

中身が丸見えのポーチは、それだけで価値がある!

せっかく荷物がたっぷり入る袋があったところで、必要なタイミングで使うものが素早く取り出せないようでは、意味がない。「四次元ポケットがあろうと、パニック状態のドラえもんは役に立たない」なんて、我々日本人なら誰でも知っていることだ。

 

逆に言えば、多少容量が少なくたって、使いたいものがサッと取り出せる収納は優秀なのである。

ミドリ
ペン&ツールポーチ
968円(税込)
グレー、ピンク、黄緑、水色の全4色。写真はグレー。

 

ミドリの「ペン&ツールポーチ」は、その点で優秀だ。何しろ全体がメッシュのスケスケなので、中身が丸見え。何がどこに入っているのかが即座に把握できるわけで、いちいち使いたいものを探ってゴソゴソとかき回す無駄がない。

 

これは以前この連載で紹介した、キングジム「フラッティワークス」(前面が透明窓になったポーチ)も同様で、実際に使ってみると、中身が見えるというのはかなり大きなアドバンテージだと理解できるだろう。

【関連記事】カオスなカバンにはこれ一つあればいい! キングジム「フラッティワークス」は“絶妙”を体現するバッグインバッグ

 

↑収納状態。横幅はB6ノートがちょうど収まるぐらいだ

 

↑筆者は現在、アルコールスプレーや除菌ウェットティッシュなど、衛生用品を携行するために運用中。アルコールの残量が外からでも分かるので重宝する

 

とはいえ、ただメッシュ素材のポーチというだけなら、無印良品をはじめ、すでにいくつも発売されている。何を今さら便利アピールを? と思われるかもしれないが、実はそういった既存製品と大きな差を付けるポイントがあるのだ。

 

それが、ポーチ内部に備え付けた2つの色分けポケットである。

 

2つの色分けされたポケットのメリットを徹底解説

もちろん、内ポケット付きのメッシュポーチだって珍しくはない。ポイントとなるのは、“色分けされている”という部分だ。

↑ポーチ内部にはポケットを2つ備え、異なる色(茶/濃グレー)に色分けされている。ピンク/紫など、もっと見やすく色分けされたモデルもある

 

メッシュ素材は視認性が良いが、ポケットまで同じメッシュだと、見分けが付きにくくなってしまう。例えばボールペンが入っているとして、それがポーチ本体に入っているのか、ポケットに入っているかが、とっさに見分けづらい。対して、ポケットのメッシュが本体と違う色だと、識別のラクさが全く違うのだ。

 

↑他メーカーのメッシュポーチ(左)と「ペン&ツールポーチ」(右)の比較。色分けされたことで、視認しやすさが大きく変わる

 

ポケットは、浅い小物用と、深い長モノ用の2種類。浅い方はカードサイズなので、名刺やふせん、買い物のレシートなどを入れておくのにちょうど良い。ジッパーに近いところに配置されているため、取り出しも簡単だ。

 

ポケット自体がポーチの底と接せず宙に浮いているので、視覚的にもポーチの中と混じりにくくなっている。色分け効果も加わって、見分けやすさは抜群なのだ。

↑ポケットはだいたいペン3本ぐらいが適量。

 

長モノポケットは、主に筆記具などを入れるためのペンポケットとして機能。筆記具は、ポーチにそのまま入れると底に横たわってガチャガチャし、けっこう邪魔になる。ポケットに立てて整理できたほうが、取り出しやすさの点でもありがたいのだ。

 

また、メッシュポーチにシャープペンシルのような先端が細く鋭いものを入れると、メッシュを突き破ってしまう問題がある。

↑ポケットはこれくらいポーチ底から浮いているので、突き破る心配はかなり低い。よく配慮された作りだと思う

 

しかし、この長モノポケットは、小物ポケットと同じく底と接していない(数mmだけ浮いている)ので、もしポケットの底を突き破ったとしても、ポーチの底までは届きにくくなっている。これはなかなかよく考えられている。

 

筆者は以前、他社製のメッシュポーチを使っている際、突き出したシャープペンシルの先端で指を刺して痛い思いをしたので、ここはこだわりたいところである。

↑比較してみると、他メーカーの同サイズポーチと比較して20mmほど天地が高い。これはなぜか、というと……

 

↑筆記具類をきちんと収納できるサイズに設計されているから。さすが文房具メーカーの作ったポーチと言えるだろう

 

ポーチ全体としてはほぼA5サイズ(内寸はB6判が収まるぐらい)ということで、容量はさほど大きくはない。何でもかんでも放り込んでおこう的な使い方だと、すぐに膨れあがってしまうはずだ。

 

そのため、カバンに入れると他と紛れてしまいがちな小物用バッグインバッグとするか、手帳&筆記具+α用の携帯ポーチとして使うのがいいだろう。そもそも、たっぷり入れてしまうと、中身が見えるというアドバンテージも失われてしまう。そのあたりのバランスを考えるのが、うまく使いこなすコツと言える。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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世界最小クラスで一度に5枚も穴を開けられる2穴パンチ「XSコンパクトパンチ」

デザインフィルは6月3日、コンパクトに収納できる世界最小クラスをうたう2穴パンチ「XSコンパクトパンチ」を、7月14日に発売すると発表。希望小売価格は1056円です。

 

XSシリーズは、機能性と携帯性を追求した小さなステーショナリーシリーズ。また、デザイン性が高く評価される製品を多数そろえているのも特徴です。

 

XSコンパクトパンチは、折りたためる2穴パンチです。一見すると四角い箱のようですが、本体のパーツを左右に開くだけで、2穴パンチの姿に様変わりします。さらに、一度にコピー用紙5枚までの穴を開けることが可能。

 

また、本体底面にはダストトレーが付いているなど、使い勝手にも工夫しています。

 

本体の素材は、耐衝撃性に優れたポリカ―ボネートを採用。本体サイズは、収納時が幅68×奥行き22.5×高さ28mm、使用時が幅109×奥行き45×高さ56mmです。また、カラバリは黒/白/ピンク/青をラインアップしています。

狙った所にピタリ! ペン先がカーブしたミドリ「MD万年筆」は入門者に優しく愛好家にも新鮮な書き味

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第7回となる今回は?

 

第7話

ミドリ(デザインフィル)
MD万年筆
2750円(税込)

「書く」ことにこだわった文房具シリーズ、「MDペーパープロダクト」の万年筆。ペン先は使い勝手の良い中字で、「MD PAPER」のロゴが刻印されている。鉛筆のように軽く、首軸に施されたグリップは指が滑るのを防ぐ。

 

高い完成度を持ち、万年筆初心者でも扱いやすい

無垢でシンプルで風合いが良く、それでいてクオリティも押し並べて高水準。しかもリーズナブルな価格で安定した人気を誇る「MDペーパープロダクト」シリーズに、初の万年筆が登場した。

 

クリーム色の胴軸にシルバーのキャップと、見た目がまず合格点。価格のわりに安っぽさがなく雑貨的なかわいさがある。そして何より特筆すべきは、先端が九官鳥のくちばしのように丸くカーブしたペン先だ。握って上から見たときに、ペン先が外側に反り返った万年筆ならたまに見かけるが、それが内側に湾曲しているのは珍しい。

 

外側に反ったペン先は、毛筆のようなトメ・ハネ・ハライを擬似的に再現するためのものだが、こちらはまさにその逆が狙いで、ペン先を寝かせても立てても一定の線が引けるようになっている。これは、「万年筆初心者でも扱いやすいように」という配慮なのだが、それに加えて、個人的には精密作業に使う先曲がりピンセットのような「狙ったところにピタリとペン先を落とせる」感覚がとても快適だった。これは万年筆上級者でも一度は試す価値あり。

 

いまや安価な万年筆シーンは、質・量ともに大変充実し、本格万年筆への入門編にとどまらない独立したジャンルになっている。そのなかでもこのMD万年筆は「安価な万年筆入門」にうってつけ。すでに高い完成度を持ち、しかも本格万年筆ですら持たない確固たる個性を備えているからだ。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第5話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第6話】サクラクラフトラボ「005 ゲルインキボールペン」
https://getnavi.jp/stationery/575709/

通販に必須の傑作オープナーが刷新!「ダンボールカッター」の地味だけどジワジワ効いてくる改善点とは

ライターなどという“自宅引きこもり系”の仕事をしていると、忙しいほど外へ出る機会が失われる。結果、なにが起きるかというと、通販のダンボールがやたらと届くのである。

 

なにしろ買い物にも出られないのだから、欲しいものは通販で手に入れるしかないし、これまで紹介している文房具も、ほぼ通販で買っているし。問題なのは、妻も自宅仕事の自営業者ということ。つまり、届く荷物が単純に2倍になるのだ。

 

そして、荷物が大量に届くことで、筆者宅は「開梱用オープナーのテストフィールド」と化している。とにかく日夜いろいろなツールで片っ端から梱包を切り開いているのだ。

 

そうやって選りすぐられたもののなかで、現時点で一線級として活躍しているのが、オルファの「カイコーン」と、デザインフィルの「ダンボールカッター」の2点。どちらも機能的かつ汎用性があり、家庭用オープナーとしてはとても優秀である。

 

2点とも、すでにこの連載で紹介したものだが、実はその「ダンボールカッター」がこの秋にリニューアルしたという。すでに相当に便利なオープナーではあるが、それがリニューアルしたとなると、どう変わったのか気になるぞ。

【2018年モデル】スッと切れるが中身は無傷! 通販ラヴァー喝采の「カッター」があったー!
https://getnavi.jp/stationery/279206/

 

新「ダンボールカッター」は前モデルの不満点をスパッと解消!

ということで早速入手したのが、デザインフィルがプロダクトブランド、ミドリから発売する「ダンボールカッター」である。リニューアルなので名称は変わらず、今後は店頭でも順次新しい方に切り替わっていくはずだ。

 

本体をカパッと開いて、中にある小さなセラミック刃で梱包テープの合わせ目を切る、という基本的な機能は変わらない(ので、使い方の詳細は前回の記事を参照して欲しい)。まあ、ちょっと大きめのコインみたいな形をしている、というパッと見の印象も一緒だ。

ミドリ(デザインフィル
ダンボールカッター
980円(税別)

 

↑刃をダンボールの合わせ目に挿し込んで切り開くと、簡単に開梱完了。ハサミやカッターより使いやすいし、安全性も高い

 

いや、よく見ると新モデル(2020年版)には「表面のシボ加工が無くなった」「外周全体に凹凸のモールド追加」という変更点はあるようだ。

 

そして実は、この2つの外見変更は、リニューアルされた最大のポイントに端的につながっているのだ。その最大のポイントというのが、ズバリ、開けやすくなった! というところ。

↑リニューアルによる外見の変更点。表面のシボの有無と、側面の凹凸だけで、見た目的にはあまり変わった感は無いが……

 

この「ダンボールカッター」は、コイン型のボディをパカッと割り開くことで、中からセラミック製の開梱刃が露出する……のだが、実は前モデル(2018年版)は、この開閉が少々固くてやりづらいことが、数少ない難点のひとつだったのだ。

 

この固さは、保安上のチャイルドロックとして機能していたようなのだが、グッと指に力を入れて開けるためには、表面のシボ加工(=滑り止め)が必須だったというわけ。

↑内蔵スプリングの弾力で、軽い力でも開くように。これは使いやすさの大幅アップポイントだ

 

対して新モデルでは、開閉機構にスプリングを内蔵。開けていくと最初は少し抵抗があるが、90度近くまで開くと、今度は弾力でスイッと自動で開くようになったのだ。ちょっと開いたぐらいでは、逆にスプリングの弾力で閉じてしまうので、これもある種のチャイルドロックになるのだろう。

 

もちろん前モデルだって、慣れれば別になんてことはなく開閉できるが、それでも軽くスイッと開ける方が、気軽に使えるに決まっている。その際は表面をつまむのではなく、外周に新造された凹凸モールドに指をかけることで、片手で開くことも可能だ。うーん、これはめっちゃラク!

↑少し慣れれば片手でもこの通り。前モデルでは考えられなかったラクさ

 

この簡単オープンだけでもリニューアルとしては充分すぎるぐらいだが、実はまだ改善ポイントはある。

 

「ダンボールカッター」はボディに磁石を内蔵しており、冷蔵庫ドアなど金属面にペタッと貼っておけるのだが、前モデルはコイン型の裏面にしか磁石が効いていなかった。そのため、貼る際はいちいち裏表を確認する必要があり、それがもうひとつ難点に思えていたのである。

 

しかし、新モデルは磁石を大型化して磁力アップ。表裏どちらでも気にせず金属面に貼ることができるようになった。それによって、貼る収納が簡単になった→使用後、元の位置に戻しやすい→紛失の確率が減らせる、ということになる。改善はささやかながら、運用上では確実に扱いやすくなったわけ。

↑裏表を確認せずにホイッと金属面に貼れるのもラク。これだけでも買い替える価値があると思う

 

もうひとつ、セラミック刃も左右対称の形状にリニューアル。もし刃が欠けるなどした場合は、カバーを外して刃を反転させることで、新しい刃として再利用が可能になった。

 

正直、この刃はかなり頑丈かつ小さいので、よほど無茶な使い方をしないかぎり欠けたり割れたりすることなんてないだろうと思っていたのだが、もしかすると実際に刃を欠けさせたユーザーからの要望があったのかもしれない。

 

ただ、万が一のときにすぐ新しい刃が手に入ると思えば損はないが(さらに替え刃も別売り化)、個人的には交換可能な構造にしたことで刃のガタツキが大きくなったのは、いささか惜しい気もする。

↑ネジの固定をひとつ外せば、このように刃が取り出せる。左右対称形なので、裏返してハメなおせば新しい刃として使えるのだ

 

ともあれ、実用性の高いツールにあったわずかな不満点が、リニューアルでスパッとまとめて解消されたのは素晴らしいことだ。デザインフィル、これはお見事!

 

我が家では、開梱する場所に合わせて3個(自室・リビング・玄関前)の「ダンボールカッター」を運用していたのだが、もうすべて新モデルに交換決定である。また、前モデルを悩んでまだ買っていなかった人に対しては、あらためて新モデルを猛プッシュしておきたい。通販を使う機会が多いなら、持っていて絶対に損はしないから。

 

 

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スッと切れるが中身は無傷! 通販ラヴァー喝采の「カッター」があったー!

【きだてたく文房具レビュー】段ボールの梱包テープを安全確実にカットするカッター

我が家はとにかくやたら段ボールが届く。これは夫婦ふたりして、通販およびネットオークションに過剰依存しているのが原因であり、最近では届く段ボール箱が、週に平均して10個を下回ることはない。

 

そういうこともあって、開梱作業用の梱包オープナーで「新製品が出た」という情報には、敏感にならざるを得ない。なにせ毎日1~2個はバリバリと開けてるわけだから、ちょっとでも使いやすい道具が欲しいのだ。

 

そこで今回は、先の4月に発売されたデザインフィルのオープナー「ダンボールカッター」を1か月間使ってみての評価をしてみたいと思う。

↑デザインフィル「ダンボールカッター」928円

 

いきなり結果から言えば、評価は「とても良い」だ。

 

運用においてやや気になる点がないでもないが、それでも今後我が家における開梱作業の柱としてバリバリ働いてもらおう、と考えているぐらい性能の良いオープナーである。

↑使う際は、コインの両端を持ってパカッと開くと刃が露出する

 

まず使い方だが、コイン形のボディを中心からパックマンのように開くと、中からセラミック製の刃が現れる。

 

この開閉するときの動作がやや固い(開けづらい)のが、先に述べたやや気になる部分なのだが、これは家庭内で頻繁に使われる刃物であることから、チャイルドロック的な意味合いでこうなっているのだろう。単にヒンジの締め付けが強すぎるだけで、使ってるうちに開きやすくなるかな……とも思っていたのだが、少なくとも1か月程度の使用では、変化はなかった。やはりこういう仕様らしい。

↑刃を突き立てると、サクッと鋭く食い込む感触がある

 

で、現れた刃を段ボールの口を留めているテープ部に突き刺し、そのまままっすぐ滑らせるとテープがきれいに切れて開梱できるというもの。作業的には、これまでの梱包オープナーとさほど変わることはない。

 

では、このダンボールカッターのどの部分が「とても良い」かと言うと、まずこのセラミック製の刃がとても「ちょうどいい」のだ。

↑三角刃の底辺から頂点までの高さが、約4㎜。これが中身を傷つけず、気持ちよく開梱できるちょうどいい長さだ

 

刃が段ボールに刺さり込む深さは約4㎜。この4㎜というのがちょうどいい。

 

刃先が1~2㎜ではやや物足りない。刃が短すぎると、段ボールの綴じ口の隙間にうまく入り込まず、上滑りをおこすこともある。かといって10㎜以上も刺さるようでは、段ボールの中身を傷つけるかもしれないという怖さもぬぐえない。

 

そもそも段ボールの厚さは規格が決まっており、日常的に宅配用梱包として多用されているのが「Bフルート」と呼ばれる厚さ3㎜のもの。引っ越し用や家電などを梱包する頑丈な「Aフルート」で5㎜厚。つまり刃先が4㎜というのは、中身を傷つける心配がほぼゼロで使えて上滑りもしにくい、ちょうどいい長さというわけだ。

↑海外からの荷物にありがちなミイラ巻き。ビニールテープも頑丈なものを使っているのか、プラ製のオープナーでは手こずることもある

 

さらにこの4㎜の刃は、海外からの荷物にも使いやすい。

 

海外便は途中で箱が開く危険性を考慮してか、ビニールテープでやたらとぐるぐる巻きに梱包されていることが多い(一般的に“ミイラ巻き”などと呼ばれる)。むろんしっかり梱包してくれることはありがたいのだが、厚手のビニールテープが重なった部分には、安全性を考慮したプラスチック刃の梱包カッターでは歯が立たない、なんてこともある。

 

対してこのダンボールカッターの刃は、切れ味もちょうどよく、刃先を指でなぞって皮膚が切れるほど鋭くはないが、テープには気持ちよく刺さるので、金属製のカッターを使うほどおっかなびっくりせずに、グイグイと多重ビニールテープに切り込めるのがとても気持ちいいのだ。

↑使用時のフォルム。刃のついた方の山に人差し指を乗せると力をかけやすい

 

また、使う際のフォルムも“ちょうどいい”感が高い。コイン型を開いて山がふたつ連なったような形で使うのだが、この山の丸みが指をかけるのになかなかしっくりと来るのである。

 

つまり力をかけやすいということで、先の海外から届いたミイラ巻きも切りやすい。さらに刃がセラミック製の頑丈なものということで、多少はねじり込んだりひねったりという無理な動きも、フォルムとの合わせ技で効いてくるという寸法だ。

↑磁石で貼れると収納場所に困らない。意外と重宝する機能である

 

ちなみにボディ裏面には磁石を内蔵しており、冷蔵庫や玄関ドアに貼り付けることもできる。玄関先やキッチンというのは開梱作業をしがちな場所だけに、これも地味にありがたい機能だ。

 

こういう細かく気の利いた感じも含めて「とても良い」ので、開梱ツールに迷っている通販ヘビーユーザーは、一度試してみてほしい。サクサクと効率よく段ボールが開けられるので、ほんとに快適なのだ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

書く・見る・綴じる・持ち歩くがシームレスにつながる。断言、「PLOTTER」はノートの完成形である

大人がもつべきノートとは、いったいどんなものだろう?

 

学生時代、学習帳から罫線の細い綴じノート、あるいはルーズリーフへ移行した私たちは、社会人になってまた綴じノートを使っている。しかし、綴じノートは選択肢が豊富だがページの入れ替えも追加もできないし、とはいえルーズリーフでは、ページの入れ替えは自在でもバラバラに散逸する可能性が高い。

 

「そういった観点から、1985年に日本に上陸した“システム手帳”は90年代を席巻し、バブル期の象徴ともされました。便利なため、今でもそのまま使い続けている方はたくさんいらっしゃいます」と話すのは、システム手帳の代表的なブランド「ノックスブレイン」を手がけてきた斎藤崇之さん。ただし、システム手帳はツールが多く煩雑になりがちで、以降新たなユーザーはそれほど増えていない。

 

そこで、ノート、ルーズリーフ、システム手帳が持つそれぞれのいいとこ取りをすることで、システム手帳の「ノックスブレイン」とは異なる、まったく新しい価値をもつツールとして今秋登場したのが、「PLOTTER(プロッター)」である。「なにかに邪魔をされることなく思考を巡らせ、AIにはできない“ひらめき”を大切にできる。そんなツールを目指しました」(斎藤さん)

 

「PLOTTER」も一見システム手帳のように、バインダーを軸にツールを自由にピックアップし構築していく。ではなにが違うのか? ラインナップから確認してみよう。

シンプルに徹しながら機能を凝縮したツール

まずは、バインダー。2015年、「ノックスブレイン」から「ルフト」というレザーバインダーが登場した。本体の一枚革、リフィルを綴じるリング、それを固定するバックプレートというわずか3パーツからできており、平らに開き綴じると薄く、真鍮製のバックプレートが背表紙にデザイン性を与えた「ルフト」は、従来のシステム手帳にないコンセプトが支持され、大ヒットとなった。今回の「PLOTTER」は、バインダーにこの「ルフト」を継承し、革の種類やサイズを増やして、あらためて軸に据えている。“ナローサイズ”と名付けられた細長い独自サイズも「PLOTTER」のラインナップに加えられた。

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6穴リングレザーバインダー

プエブロ 1万800円〜1万9440円/ホースヘアー 8640円〜1万4040円/シュリンク 7560円〜1万2960

皮革はイタリアンショルダーレザーの「プエブロ」、タンニンレザーに微細なエンボス加工を施した「ホースヘアー」、シボを施した「シュリンク」の3種類。とくに「プエブロ」は秀逸。ハイブランドにも卸しているイタリアの名門タンナーによる革で、ショルダーレザーを微細な針を植えた剣山のような金属タワシで丁寧にこすることで、やや起毛した状態に仕上げてあり、使い込むほどに色濃くつやが増していく。もっともエイジングを楽しめる革だ。それぞれA5、バイブル、ナロー、ミニの4サイズをそろえ、カラーは「プエブロ」が4色、「ホースヘアー」が3色、「シュリンク」が5色をラインナップする。

 

続いて、“ノート”部分となるリフィル。

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リフィルメモパッド

無地 518円〜691円/2mm方眼 518円〜691円/6mm罫線 518円〜691円/ToDoリスト 453円〜648

ドローイングペーパー 604円〜712円(A5・バイブルサイズのみ)

“ルーズリーフ”特有のバラバラになりがちなページを天ノリで固め、必要な分だけ切り離せるパッドタイプで、バインダーに挟むほか、ノートのように単体でも持ち出せるのが特徴だ。「ドローイングペーパー」を除いて、「PLOTTER」のために開発されたオリジナル用紙を採用しており、クリームがかった紙色が目にやさしく、薄いが万年筆で書き込んでも裏抜けしにくい。

 

またリフィルには、スケジュール管理のシリーズも用意されている。

20171030wadafumiko004

リフィル2018年版月間ブロック 561円〜972

リフィル2018年版週間レフト式 1080円〜1944

「2mm方眼」をベースに、見開きでブロックタイプのマンスリー/レフト式のウィークリーをレイアウト。ムーンフェイズや六曜を表示するほか、バイオリズムなどを記入できる欄も盛り込むなど、限られたスペースに日々の情報を最大限効率的にまとめられるよう、綿密に計算されている。こちらもオリジナル用紙を採用。1枚ずつ単ページで構成されているので、必要な期間の分だけ持ち歩ける。

 

20171030wadafumiko005↑「リフィルメモパッド」は角を丸くトリミング。これによってルーズリーフでありながら単体の“ノート”としての顔が現れた

 

書き込まれ、パッドから切り離されたこれらのリフィルをまとめるのが「プロジェクトマネージャー」だ。

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プロジェクトマネージャー 453円〜648

オレンジやマスタードといった鮮やかな色と、ホワイトやグレーなどシックな色をアソートしたペーパーフォルダーのリフィル。表側にはタイトルやメモ、メンバー名を書ける欄が、内側にはプロジェクトの進捗を管理できるガントチャートがプリントされている。

 

さらにこの「プロジェクトマネージャー」やリフィルをストックできるのが、「リフィルストレージ」。

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リフィルストレージ 2160円〜2808

2本の留め具にリフィルの穴を差し込み固定。リフィルなら約300枚が綴じられる収納量をもっている。スナップボタンで留められ、リフィルの出し入れが簡単でありながら、リフィルをしっかりホールドしてくれる。

 

また、リフィルのラインナップとして、便利なアクセサリーツールがある。その一部を紹介する。

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アクセサリーツール

バンドリフター 1188円〜1296円/本革ペンホルダーリフター 1188円〜1296円/スケール下敷 432円〜496

バインダー機能をサポートし、ユーザーのクリエイティビティを刺激するツール。バインダーをホールドするバンドが付いた「バンドリフター」には世界時差表と度量衡表を、ペンを留められる「本革ペンホルダーリフター」にはカリグラフィーの見本と偉人の名言を使った文字級数表を、「スケール下敷」にはスケールや分度器を凝縮してレイアウトした。

 

※価格はすべて税込

 

PLOTTERオフィシャルホームページ
www.plotter-japan.com

PLOTTERオンラインストア
www.plotter-japan.net

 

あらゆる瞬間に“クリエイティビティ”は訪れる

ブランドコンセプトは「創造力で未来を切り拓く人のために」。「PLOTTER」というブランド名自体が、PLOT+ERで“計画する人・主催する人・構想する人”を示している。このツールが、ユーザーのクリエイティブワークをアシストするという意味だ。

 

「この“クリエイティブワーク”とは、いわゆる“クリエーター”だけのものではありません」と前出の斎藤さんは説明する。デザイナーや建築家などはもちろんだが、例えば会社員や主婦の仕事にも、“クリエイティビティ”は必要であり、あくまですべてのひとを対象としたツールであるというのが趣旨だという。

 

そこで一例として、GetNavi webの編集部員ならどんなシーンで活用できるのかを探るべく、早速使ってみた。

 

【オフィスで……】

ミーティング中にタスクをピックアップする

↑参加者が多くてスペースが限られたミーティングルーム。「To Do List」をメモパッドのようにリフィルだけ単体で持ち込み、メモを取ったりタスクを書き出したり。0%〜100%まで進捗を示す記入欄には、報告された進行状況に応じてチェックを入れられる

参加者が多くてスペースが限られたミーティングルーム。「ToDoリスト」をメモパッドのようにリフィルだけ単体で持ち込み、メモを取ったりタスクを書き出したり。0%〜100%まで進捗を示す記入欄には、報告された進行状況に応じてチェックを入れられる。

 

デスクでプロジェクトごとにメモをまとめる

↑今週のタスクを書き出した「To Do List」と企画のラフスケッチを描いた「2mm Grid」などをプロジェクトやジャンルごとにまとめられるのが「プロジェクトマネージャー」。言わば“キュレーションツール”だ。進行中の企画はバインダーに綴じて管理すれば、メモのまとめ、追加、閲覧が自在だ

今週のタスクを書き出した「ToDoリスト」と企画のラフスケッチを描いた「2mm罫線」などをプロジェクトやジャンルごとにまとめられるのが「プロジェクトマネージャー」。言わば“キュレーションツール”だ。進行中の企画はバインダーに綴じて管理すれば、メモのまとめ、追加、閲覧が自在だ。

 

まとめたノートを資料としてファイルする

↑完了したプロジェクトは、「プロジェクトマネージャー」に挟んだままの状態で、まとめて「リフィルストレージ」へ。ただストックするだけでなく、閲覧もしやすいため、次の企画のアイデアソースとしても活用できる

完了したプロジェクトは、「プロジェクトマネージャー」に挟んだままの状態で、まとめて「リフィルストレージ」へ。ただストックするだけでなく、閲覧もしやすいため、次の企画のアイデアソースとしても活用できる。

 

バインダーごと持って外出する

↑素材、デザイン、つくり、どれをとっても上質なバインダー。いつも持ち歩くことで、革が徐々に色や質感を変え、手に馴染んでくるようなエイジングを楽しめるのも贅沢な体験だ

素材、デザイン、つくり、どれをとっても上質なバインダー。いつも持ち歩くことで、革が徐々に色や質感を変え、手に馴染んでくるようなエイジングを楽しめるのも贅沢な体験だ。

 

取引先の会議室でスケジュールを書き込む

↑ウィークリーは横向きの時間軸でスケジュールを管理するので、そのまま右ページのメモ欄に視線を移動しやすい。ちなみに右ページの端には縦に、その週を起点とした40日分の日付が記載されている。このように昨日は凝縮されているものの、一見するとシンプルな印象なので、オフィスのデスクやミーティングの際にさっと開いて誰かの目に入っても、恥ずかしくないのもうれしい

ウィークリーは横向きの時間軸でスケジュールを管理するので、そのまま右ページのメモ欄に視線を移動しやすい。ちなみに右ページの端には縦に、その週を起点とした40日分の日付が記載されている。このように機能は凝縮されているものの、一見するとシンプルな印象なので、オフィスのデスクやミーティングの際にさっと開いて誰かの目に入っても、印象が良いのがうれしい。

 

【休日に……】

家でアイデアのソースを書き留める

↑注目のローカーボメニューについて、レシピの情報を収集したり思いついたアイデアをストックしたり。新しいアイデアは即、リフィルメモパッドを開いて書き込み。特に「2mm Grid」は、薄めの方眼罫が書く時は目安に、見返すときは目立たず、と適度な存在感を保っていて使いやすい。万年筆でも裏抜けしにくいので、気分よく書き進められる

注目のローカーボメニューについて、レシピの情報を収集したり思いついたアイデアをストックしたり。新しいアイデアは即、リフィルメモパッドを開いて書き込み。特に「2mm方眼」は、薄めの方眼罫が書く時は目安に、見返すときは目立たず、と適度な存在感を保っていて使いやすい。万年筆でも裏抜けしにくいので、気分よく書き進められる。

 

レシピやアイデアを閲覧しやすくまとめる

↑仕事と同様、メモは散らばらないよう目的別に「プロジェクトマネージャー」でまとめる。写真やイラストの入ったプライベートのメモも、これで“カバー”することで、ビジネスシーンでバインダーを開いた時に周囲の目に触れることなく携行できる

仕事と同様、メモは散らばらないよう目的別に「プロジェクトマネージャー」でまとめる。写真やイラストの入ったプライベートのメモも、これで“カバー”することで、ビジネスシーンでバインダーを開いた時に周囲の目に触れることなく携行できる。

 

メモがある程度溜まったらストレージへ移動する

↑アイデアは一定量溜まったら“倉庫”へいったん収納。溜めたアイデアはいつでも気になった時に見返すために側に置いておきたいのだが、「リフィルストレージ」なら見た目もシックなので、本棚にさりげなく立てかけておけるのがうれしい

アイデアは一定量溜まったら“倉庫”へいったん収納。溜めたアイデアはいつでも気になった時に見返すために側に置いておきたい。「リフィルストレージ」なら見た目もシックなので、本棚にさりげなく立てかけておけるのがうれしい。

 

家やカフェでくつろぎながらメモをチェックする

↑出かける際に持ち歩いて恥ずかしくない上質さ。シンプルながら、背表紙部分のバックプレートが「プエブロ」ならマットゴールド、「ホースヘアー」ならマットブラック、「シュリンク」は無垢の真鍮で適度な存在感を主張する。手に触れる革のしなやかさが心地よく、所有する喜びももたらしてくれる

出かける際にいつも持ち歩きたくなる上質さ。シンプルながら、背表紙部分のバックプレートが「プエブロ」ならマットゴールド、「ホースヘアー」ならマットブラック、「シュリンク」はアンティークゴールドで適度な存在感を主張する。手に触れる革のしなやかさが心地よく、所有する喜びももたらしてくれる。

 

このようにビジネスシーンで、プライベート空間で、使い道は違っても「PLOTTER」の同じアイテムが、それぞれの思考を巡らすシーンにフィットした。ひらめきをそのまま書き留めたい、情報をすぐに確認したい、しかもスマートに使いこなしたい。これらをシームレスにつなぐことで、さらに新たな創造性が刺激される。そんなモノ発信の好循環が生まれそうだ。

20171030wadafumiko019

 

ちなみに、レザーバインダーに始まりリフィル、プロジェクトマネージャーへとつながっていくラインナップは、あくまで今回のローンチ時のベースとなるもの。レザーバインダーを起点として、あらゆる“PLOTTER”のためのクリエイティブツールが今後、さまざま創られていくというから楽しみだ。

 

昨今、“大人の”とか“プレミアム”とか、そんな耳障りのいい形容詞を冠しただけの“ちょっとオシャレな”文房具があふれている。そんななかで「PLOTTER」は、シンプルだが品質の良さ、使い勝手の良さを随所に感じさせる本質的なデザインと作りをもっている。

 

見ればわかるし、使えば実感できるはずだ。ノートでありルーズリーフでもあり、またシステム手帳でもある。「PLOTTER」とは、いわば究極の“道具”なのだ。

 

撮影/湯浅立志(Y2)