通知をオフにすると余計にスマホが気になってしまう人は、FOMO(フォーモ)タイプの人かもしれません。FOMOとは「Fear of Missing Out」の略で、自分が周囲から取り残されることに対する恐怖を表し、SNSなどの時代背景から生まれてきました(逆に、周囲から取り残されても平気な心理状態は「Joy of Missing Out(JOMO)」と呼ばれています)。FOMOの傾向が低い人は消音モードにすると、スマホの使用頻度が著しく低くなったのに対して、FOMO傾向が高い人は消音モードにすると、スマホを確認する頻度が高くなったことがわかりました。
Mengqi Liao, S. Shyam Sundar, Sound of silence: Does Muting Notifications Reduce Phone Use?, Computers in Human Behavior, Volume 134, 2022, 107338, ISSN 0747-5632, https://doi.org/10.1016/j.chb.2022.107338.
【出典】O’Neill, D.G., Skipper, A., Packer, R.M.A. et al. English Bulldogs in the UK: a VetCompass study of their disorder predispositions and protections. Canine Med Genet9, 5 (2022). https://doi.org/10.1186/s40575-022-00118-5
【出典】Maigrot, AL., Hillmann, E. & Briefer, E.F. Cross-species discrimination of vocal expression of emotional valence by Equidae and Suidae. BMC Biology 20, 106 (2022). https://doi.org/10.1186/s12915-022-01311-5
【出典】Arciero, P. J., et al. (2022). Morning Exercise Reduces Abdominal Fat and Blood Pressure in Women; Evening Exercise Increases Muscular Performance in Women and Lowers Blood Pressure in Men. Frontiers in Physiology, 13. DOI=10.3389/fphys.2022.893783
「レディース&ジェントルメン(ladies and gentlemen)」は、「皆さん」と人々に呼びかけるときに使われる礼儀正しい(正しかった?)言葉。でも直訳すれば「淑女と紳士の皆さん」となり、ジェンダーへの意識が高まるなか、「女性でも男性でもないと感じている人に疎外感を与えかねない」と、この言葉を敬遠する動きが出てきているのです。
同様に、日本航空は2020年9月に、空港や機内における英語アナウンスでの「レディース&ジェントルメン」の使用をやめ、同年10月から「Attention all passengers(乗客の皆様)」を使っているのです。ちなみに日本語でのアナウンスに使われる言葉は、もともとジェンダーニュートラルであることから、変更していないそう。
【出典】Dimosthenis Stefanidis, Nicos Nicolaou, Sylvia P. Charitonos, George Pallis, Marios Dikaiakos, What’s in a face? Facial appearance associated with emergence but not success in entrepreneurship, The Leadership Quarterly, Volume 33, Issue 2, 2022, 101597, ISSN 1048-9843, https://doi.org/10.1016/j.leaqua.2021.101597.
【出典】Julia Brailovskaia, Jasmin Delveaux, Julia John, Vanessa Wicker, Alina Noveski, Seokyoung Kim, Holger Schillack, Jürgen Margraf: Finding the “sweet spot” of smartphone use: Reduction or abstinence to increase well-being and healthy lifestyle?! An experimental intervention study, in: Journal of Experimental Psychology: Applied, 2022, DOI: 10.1037/xap0000430
【出典】Schluessel, V., Kreuter, N., Gosemann, I.M. et al. Cichlids and stingrays can add and subtract ‘one’ in the number space from one to five. Sci Rep12, 3894 (2022). https://doi.org/10.1038/s41598-022-07552-2
【出典】Coutrot, A., Manley, E., Goodroe, S. et al. Entropy of city street networks linked to future spatial navigation ability. Nature604, 104–110 (2022). https://doi.org/10.1038/s41586-022-04486-7
【出典】Coutrot, A., Manley, E., Goodroe, S. et al. Entropy of city street networks linked to future spatial navigation ability. Nature604, 104–110 (2022). https://doi.org/10.1038/s41586-022-04486-7
【出典】Adamatzky Andrew. 2022. Language of fungi derived from their electrical spiking activity. Royal Society Open Science. 9211926211926.http://doi.org/10.1098/rsos.211926
2020年の長期ロックダウン中に誕生したスタートアップ企業の「クレート・トゥ・プレート(CRATE TO PLATE)」は、ロンドン市内で貨物コンテナを使った垂直農園を展開しています。都会の隙間を使ったコンテナ農園を各地に設置することで、限られた土地を有効活用でき、地元産の新鮮な野菜を消費者に提供することができるようになります。
例えば、2021年にドイツの「Spiel des Jahres」というゲーム大賞に輝いた、探偵ものボードゲーム『Micro Macro』は1人でも楽しめるだけでなく、3~4人で一緒に推理をしながら遊ぶこともできます。ポップで可愛いイラストからは想像できないような凶悪犯罪が起きる街で、カードに書かれた問題を推理し事件を解決するというこのゲームは、対戦型とは違って、個人でも集団でも楽しめるという点が現代にぴったりです。
↑個人でも集団でも楽しめる推理系ボードゲーム『Micro Macro』
その一方、2020年に発売された『Corona – mit Eifer ins Geschäft(「コロナ – 熱意をもって店舗へ」という意味)』というボードゲームも注目を集めました。「外へ買い物に行く」という当たり前の日常生活が困難になったパンデミックの時期を再現したこのゲームは、トイレットペーパーや消毒液など、コロナ禍での必需品を誰が集められるかを競います。対象年齢は7歳からで、遊び方はとても簡単。買い物をするためには「コロナウイルス」という障害を乗り越えなくてはならず、「マスク」や「タクシー」のカードを引いた人はしばらくの間感染から保護されます。
【出典】McFarlane SJ, Garcia JE, Verhagen DS, Dyer AG (2020) Alarm tones, music and their elements: Analysis of reported waking sounds to counteract sleep inertia. PLoS ONE 15(1): e0215788. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0215788
【出典】Elinor Amit, Shai Danziger, Pamela K. Smith, Medium is a powerful message: Pictures signal less power than words, Organizational Behavior and Human Decision Processes, Volume 169, 2022, 104132, ISSN 0749-5978, https://doi.org/10.1016/j.obhdp.2022.104132.
環境問題、コロナ禍、ウクライナ情勢と、現代社会は混沌の様相を呈しています。人によって生き方や考え方は異なりますが、「少しでも自分を高めたい」とか「夢や目標を実現したい」と思っている人は、こんな時代にどうすれば良いのでしょうか? ダッソー・システムズの年次イベント「3DEXPERIENCE World 2022」で処世術や自己啓発について語ったハキーム・オルセイ(Hakeem Oluseyi)氏のアドバイスが参考になるかもしれません。
ホテルなどの施設だけでなく、マグカップ、マイボトル、ともにイベントでの利用も積極的に進めていく予定です。また、企業様のSDGsへの関心が高まっているからだと思いますが、文字やデザインを自由に入れられるため、ノベルティグッズとして使いたいなど、予想以上にB to Bでの問い合わせをいただいています。近々、サステナブルファッションブランド「ECOALF」さんとの連携で9色の『森のタンブラー』をお披露目予定。こうした遊び心も大切にしつつ、今後もいろいろな展開をしていきたいと思います」」
殺生石の伝説は、芸術的にも高い価値を持っています。殺生石は日本の芸術や文学に長い影響を与えてきました。例えば、俳句の松尾芭蕉や浮世絵師の葛飾北斎、歌川国芳、文学界では滝沢馬琴らが、それぞれの作品でこの伝説を描いています。また、ニューヨークのメトロポリタン美術館には、江戸時代の浮世絵師・屋島岳亭が1835年に制作した『Tamamo no Mae and the Archer Miura Kuranosuke』が保存されており、欧米諸国の一部の人たちは以前からその価値を知っていたと考えられます。
↑屋島岳亭作『Tamamo no Mae and the Archer Miura Kuranosuke』(画像提供/The MET Collection. Gift of Estate of Samuel Isham, 1914)
「実は、LID Boss やHydrofoilのような案件はとても楽しくて、常にワクワクしているので、仕事とは思っておらず、働いている感覚はないのです。その意味で、私たちがしていることは趣味や遊びに近いかもしれません。私たちはデザインや製品開発が好きなので、時間を費やすことは嫌ではありません。幸いなことに、それが仕事になっているということですね」と語る両氏。
【出典】Colleen Marciel F. Rosales, Jinglin Jian, et al. (2022). Chemistry and human exposure implications of secondary organic aerosol production from indoor terpene ozonolysis. Science Advances, 8(8). DOI: 10.1126/sciadv.abj9156
【出典】Uccheddu, S., Ronconi, L., Albertini, M. et al. Domestic dogs (Canis familiaris) grieve over the loss of a conspecific. Sci Rep12, 1920 (2022). https://doi.org/10.1038/s41598-022-05669-y
ファストフード店などでよくある「Buy One Get One Free(1つ買うと、もう1つは無料)」のサービス。お得感が満載でつい買いたくなるものですが、イギリスでは2022年4月から脂肪分や糖分の高い食品でのそのようなサービスが法律で禁止される予定なのです。なぜそんなルールができるのでしょうか?
↑ファストフードなどの「BOGOF」は禁止!
イギリスで4月から新しくできるルールは、「Buy One Get One Free」の頭文字をとった「BOGOF(ボゴフ)」と呼ばれるサービスの禁止。飲食店からアパレルまで、さまざまなお店でこの種のセールやキャンペーンが展開されていますが、イギリス政府は、脂肪分や糖分の高い食品においてBOGOFを禁止することに決めました。
登録方法は簡単。アルテミスの『Fly your name around the Moon!(あなたの名前が月の周りを飛ぶ)』と書かれたキャンペーンサイトにアクセスしたら、「GET BOARDING PASS(搭乗券を手に入れる)」をクリック。あとは姓・名とPINコードを入力するだけ。PINコードは4~7桁の好きな数字を組み合わせて、自分の暗証番号として設定します。最後に「Submit(登録)」をクリックすると、搭乗券が画面に表示されます。この手続きを踏めば、NASAが正式なデータの一部として私たちの名前を宇宙に運んでくれるのです。
防災科研・林 春男さん(以下敬称略、林):防災という言葉の意味も時代によって変遷していますが、私たち防災科学技術研究所(以下、防災科研)では「SICENCE FOR RESILIENCE(サイエンス・フォー・レジリエンス)」、日本語では「生きる、を支える科学技術」というテーマを掲げています。このレジリエンス(※2)という言葉は、最近いろんなところで聞くようになりましたね。
白坂:そうなんです。その後、ImPACTでの研究成果を社会実装しようというときに、国でやるのは何事も時間がかかるから民間企業の方がよいだろうということで、Synspectiveを作りました。社名は「Synthetic Data for Perspective on Sustainable Development」の略で、持続可能な未来のために合成データを活用する、という意味を込めました。
【出典】Fadnes LT, Økland JM, Haaland ØA, Johansson KA (2022) Estimating impact of food choices on life expectancy: A modeling study. PLOS Medicine 19(2): e1003889.https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1003889
※University of Cambridge. (2016, April 27). Speakers of two dialects may share cognitive advantage with speakers of two languages. ScienceDaily. Retrieved February 22, 2022 from www.sciencedaily.com/releases/2016/04/160427151051.htm
【出典】Roux, A., Duchesne, A., & Baudoin. (2022). Everlasting bubbles and liquid films resisting drainage, evaporation, and nuclei-induced bursting. Physical Review Fluids, 7(1), L011601. https://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevFluids.7.L011601
【出典】Tashjian, S. M., Fedrigo, V., Molapour, T., Mobbs, D., & Camerer, C. F. (2022). Physiological Responses to a Haunted-House Threat Experience: Distinct Tonic and Phasic Effects. Psychological Science, 33(2), 236–248. https://doi.org/10.1177/09567976211032231
近年のオリンピック・パラリンピックは、環境に配慮することはもちろん、大会を通じて持続可能な社会づくりを推進する場となっています。2021年に開催された東京オリンピックは、環境負荷をできるだけ抑えるために既存施設を再利用しました。今回の北京オリンピックは「起向未来(Together for a Shared Future〔ともに未来へ〕)」というスローガンのもと、「低炭素エネルギー・低炭素会場・低炭素交通」の三本柱からなる「グリーン・オリンピック」の実現を目指しています。
【出典】French LA, Midway SR, Evans DH and Burgess GH (2021) Shark Side of the Moon: Are Shark Attacks Related to Lunar Phase? Front. Mar. Sci. 8:745221. doi: 10.3389/fmars.2021.745221
【出典】Sicilia, A., Lapi, A., et al. (2022). The Black Hole Mass Function Across Cosmic Times. I. Stellar Black Holes and Light Seed Distribution. The Astrophysical Journal, 924(2). https://doi.org/10.3847/1538-4357/ac34fb
【出典】Wallis CJD, Jerath A, Coburn N, et al. Association of Surgeon-Patient Sex Concordance With Postoperative Outcomes. JAMA Surg. Published online December 08, 2021. doi:10.1001/jamasurg.2021.6339
【主な出典】Rashid, T., Bennett, J. E., et al. (2021). Life expectancy and risk of death in 6791 communities in England from 2002 to 2019: high-resolution spatiotemporal analysis of civil registration data. The Lancet Public Health, 6(11), E805-E816. https://doi.org/10.1016/S2468-2667(21)00205-X
【出典】Reeve, C., & Sophie Jacques, S. (2022). Responses to spoken words by domestic dogs: A new instrument for use with dog owners, Applied Animal Behaviour Science, 246.(105513), https://doi.org/10.1016/j.applanim.2021.105513.
【出典】Shahram Nikbakhtian, Angus B Reed, Bernard Dillon Obika, Davide Morelli, Adam C Cunningham, Mert Aral, David Plans, Accelerometer-derived sleep onset timing and cardiovascular disease incidence: a UK Biobank cohort study, European Heart Journal – Digital Health, Volume 2, Issue 4, December 2021, Pages 658–666, https://doi.org/10.1093/ehjdh/ztab088
エクスペディアでは今回の調査結果をまとめて、「後悔しない旅」を計画していると分析。これを「Greatest of All Trips(GOAT)=人生最高の旅」と名付けています。決まりきった観光地をめぐるスタンダードな旅から、より個々の好みに沿った旅にシフトしているのは、アメリカだけでなく日本でも共通する傾向と見られています。私たちも「2022年に旅に出るなら、どこに行ってどんなことをしたいか?」を、そろそろ検討してもいいかもしれませんね。
2021年の国際ボランティア・デー(12月5日)のテーマは「私たちの共通の未来のために今こそボランティアをしよう(Volunteer now for our common future)」でした。これからの社会を担う若い世代はボランティア活動や社会問題についてどのような意識を持っているのでしょうか? 最近、アメリカで発表されたチャリティーに関する調査結果などから探ってみましょう。
パリ政治学院主席卒業。2016年に米NGO「InternetBar.org」ディレクターに就任し、途上国における身分証明インフラを整備するデジタル・アイデンティティ事業を新設。2019年からは、並行して、マイクロソフト・コーポレーションIdentityアーキテクトとして分散型IDを含むIdentity規格の国際標準化に取り組む。2019年Forbes Japan 30Under30 に選出。2021年MIT Technology Review Innovators Under 35に選出。MyData Globalの理事や政府が主催する協議会の委員も複数務める。
赤井:先ほどご紹介したように、これまでJICAは、現地生まれのスタートアップ事業が多数生まれるように、Fab-LabやK-Labといったイノベーション・スペースを作り、またインキュベーション・プログラムにより彼らが自主的に事業拡大・成長することを目指したエコシステムを作ってきました。そして今、現在政府と議論しているのが、政府の行政サービス電子化をさらにどんどん推進するようなプラットフォームを構築できないかというアイデアです。省庁が持っているデータベースをオープンソース化し、そのデータを基としたビジネスアイデアを現地のスタートアップなどの民間企業から募集して、よさそうなものに予算を付けてPoC(Proof of Concept/概念実証)をどんどん進めようというイメージです。
【出典】Kamiloğlu Roza G., Tanaka Akihiro, Scott Sophie K. and Sauter Disa A. 2022. Perception of group membership from spontaneous and volitional laughter. Philosophical Transactions of the Royal Society. http://doi.org/10.1098/rstb.2020.0404
【出典】Mozaffarian, D., El-Abbadi, N.H., O’Hearn, M. et al. Food Compass is a nutrient profiling system using expanded characteristics for assessing healthfulness of foods. Nat Food 2, 809–818 (2021). https://doi.org/10.1038/s43016-021-00381-y
さらに、ドイツの大手家電販売店では「Black November」として11月いっぱいのセールも開催するなど、ブラックフライデーに便乗したショッピングイベントが増えています。また「Take Black Friday」という名称をつけ、ブラックフライデー当日を除いた11月中にセールを実施し、客が当日に殺到することを避けた化粧品会社もありました。このように、今年はそれぞれの企業が独自の方法でブラックフライデーに挑みました。
ブラックフライデーのCMコピーは「You know the Drill(やることは分かっているね)」。スポーツコーチがアスリートたちに「セール開始はいつか」「割引率は」「サイズ選びのコツは」「ウィッシュリストの新機能は」など、「勝つ」ための情報をチームに叩き込むという内容で、視聴者もセールにまつわるQ&Aが頭に入るという構成になっています。また、昨年のロックダウン中にはセール開催の24時間前にウェブサイトを故意にダウンさせ、サスペンス感を生み出す戦略でも話題を呼びました。
Digital 2020によると、ロシアのインターネット普及率は81%。ヤンデックス社のプログラマーによれば、ロシアは通信回線の速度、質、金額において世界で最もコストパフォーマンスが良い国の1つであるそう。ロシアはインターネットを普及させる際、アメリカから最新技術を輸入しました。しかし、価格はロシアの生活水準に合わせたので、質が最新であるにもかかわらず、価格はユーザーにとって「ありがたいほど安かった」とのこと。これにより需要は増え、上で述べたように供給側で競争が起こり、価格が低いままであるそうです。
斉藤ノヴ(さいとう・のぶ)さん
パーカッショニスト。1967年に京都から上京し、浜口庫之助「リズム・ミュージック・カレッジ」でリズム・レッスンを受ける。1970年に下田逸郎氏と「シモンサイ」を結成し『霧が深いよ』でレコードデビューを果たした。スタジオミュージシャンとしても大きな活躍を見せ、サディスティックス、松任谷由実氏、サザンオールスターズなど日本を代表するミュージシャンの作品に参加する。2011年、夏木マリ氏との結婚を発表した。現在、音楽活動と並行して、夏木氏と共に、途上国への支援活動「One of Loveプロジェクト」の運営を務める。
坂口:JICAでも、アートを媒介した国際協力ができると考えています。それはアートには「伝える力」「共感を呼び起こす力」があるからです。たとえば、いろいろなアーティストを開発現場にお招きして、技術移転の方法や、広報の仕方にアーティスト独自の視点・思考でアドバイスをしていただく。さらに、アーティストの皆さんが現地の情報や体験を日本に持ち帰り、発信することでより多くの人が国際協力に関心を持つ。そんな循環が生み出せればと。2019年に横浜で開催されたTICAD7(第7回アフリカ開発会議)の際に立ち上げたBon for Africaというイベントはまさにその好事例でした。そして次のTICAD8 (2022年8月チュニジアで開催予定)においてもこのような共感を呼び起こせるイベントができないかと考えているところです。
夏木:おもしろいアイデアですね! 「One of Loveプロジェクト」は、2年前に千駄ヶ谷小学校とエチオピアの小学校で生徒同士の絵の交換をしてもらうという取り組みをしました。絵のテーマは「お友達」。エチオピアの子ども達は色鉛筆を持っていないから、私たちが寄付した鉛筆で真っ黒な絵を描くんです。「お友達」というテーマに対して、牛を描いてくる子もいました。千駄ヶ谷小学校の校長先生は、生徒達が絵の交換を通して、その国の環境や習慣、価値観の違いを知る機会になったと喜んでくださいました。
↑右側下段がエチオピアの小学生の作品。「One of Loveプロジェクト」は、絵を通じた子どもたちの国際交流をサポート↑絵に描かれたモチーフから、お互いの国の文化や生活の様子をうかがい知ることができます↑夏木さんが千駄ヶ谷小学校を訪問。「今後も日本の子ども達が途上国の様子を知る機会になるような活動を続けていきたい」と話してくれました