インクから作り直した「uniball ZENTO(ユニボールゼント)」が水性ボールペンの課題を全解決! その実力を徹底解剖

ボールペンのインクは、「油性・ゲル・水性」の3種類に大別される。文房具好きなら、この区分はお馴染みだろう。発色を司る着色剤(顔料または染料)を、どの溶剤で溶いてインクにするか、による分類だ。油性インクは有機溶剤を、ゲルインクと水性インクは水を溶剤として使用する。ゲルインクにはゲル化剤が添加され、粘度が高められているため、厳密には水性インクの一種に分類される。

 

これら3種のインクには、それぞれメリットとデメリットがあり、一概にどれが最良とは言えない。しかし、文房具業界にはトレンドが存在し、ここ10年はゲルインクが主流だった。

 

その流れが変わりつつある。2024年には進化した油性インクの新製品が相次ぎ登場し、話題を集めた。そして2025年は、水性インクが注目されるかもしれない。

 

新しい水性ボールペン、どのモデルを選ぶ?

水性ボールペンは、サラリとした書き味と鮮やかな発色が特徴。しかし、にじみやすさ、裏抜け、乾燥の遅さ、耐水性の低さといったデメリットから、一般的な人気は伸び悩んでいた。

↑水性ボールペンは、書き味の気持ちよさはあれど、いくつかのデメリットのせいでいまいち人気の出ないジャンルだった。

 

そんななか、2025年2月に三菱鉛筆から発売された「ユニボール ゼント」は、従来の水性インクの課題をほぼ克服し、快適な書き心地を実現。さらに、新型水性インクを搭載するため、3つの価格帯で4タイプのボディが用意されている。

特に筆者が注目しているのは、高価格帯の「シグニチャーモデル」と、普及価格帯の「ベーシックモデル」だ。

三菱鉛筆
uniball ZENTO(ユニボール ゼント) 0.5mm/0.38mm
(左から)シグニチャーモデル 3000円/フローモデル 1000円/スタンダードモデル 250円/ベーシックモデル 3色 各250円(すべて税別)

 

・「シグニチャーモデル」は、高級感と書き味を両立

シグニチャーモデルは、ラインナップ中唯一のキャップ式。一見ショート軸だが、マグネットキャップを外し、万年筆のように軸後端に装着すると、バランスよく持てる設計になっている。

↑高級感あるキャップ式のシグニチャーモデル。ずっしりと手に収まり、所有欲をそそられる。

 

そもそも水性ボールペンは筆圧をほとんど必要とせず、万年筆に近い書き味。キャップ装着によって重心位置を軸中央に置き、力を抜いてペン先をゆったり動かせるように設計しているのも、それをイメージしているのだろう。前側を握ってカリカリッと早書きをするのは向いていない。

↑マグネットキャップを抜き挿しする「カチャ」という感触が心地よい。

 

約22gの重量感があり、毛細管現象でスムーズにインクが流れる。この落ち着いた書き心地は、「水性ボールペンの象徴(signature)」というモデル名にふさわしい。

 

・「ベーシックモデル」はシンプルな使いやすさがメリット

ベーシックモデルは、新開発の「ZENTOインク」の書き味をシンプルに楽しめる仕様。外観は同社のゲルボールペン「ユニボール ワン」に似ているが、細部に違いがあり、リフィルの互換性もある。

↑インク色に合わせた軸色をもつベーシックモデル。

 

コーン(ペン先の三角錐)と前軸の段差がなくフラットなこと、ノックパーツの軸系が約1mmほど太いこと、ワイヤークリップのベースの形状、そしてノックパーツ基部が少し盛り上がっている点が異なる。そのほかはほぼ同じで、実はリフィルすら入れ替えが可能だ。

↑同社の人気のゲルボールペン「uniball one」とベーシックモデルの比較。細部にちょっとした違いはあれど、基本的にはそっくり。

 

つまり、すでに「ユニボール ワン」で評価されている軸には今さら文句の付けどころがなく、あとはシンプルに水性インクの書き味に没頭できるというわけだ。

 

↑3色のインクを使い分けたいなら、軸色が分かりやすいベーシックモデルがおすすめだ。

 

インク色に応じた黒・赤・青の3色の軸が用意されており、複数の色を使い分けたい人には便利。シンプルなデザインと手頃な価格で、水性ボールペンの魅力を気軽に味わえる。

 

水性ボールペンの新たなファンを開拓しそうなZENTOインク

「ユニボール ゼント」に採用された新開発のZENTOインクは、従来の水性インクとは異なるアプローチを取る。

 

なめらかさを成分で解決

従来の水性ボールペンは、なめらかさを確保するためにインクフローを多くし、その結果、にじみやこすれによる汚れ、裏抜けが発生しやすかった。そこでZENTOインクは、なめらかさを“インクフローの量”に頼らない、という方針をとっている。

↑インクの出る量はさほど多くないが、特殊な成分の配合でいかにも水性インクらしいなめらかさが得られているのがポイント。

 

POA界面活性剤(シャンプーや洗剤などの成分に近いもの)を配合し、紙とペン先の間でクッションの役割を果たすことで、摩擦を軽減。また、着色剤を引き寄せる「引き寄せ粒子」により、にじみや裏抜けを抑え、シャープな描線を実現している。

↑ZENTOインクには、従来にない工夫が詰まっている。

 

書いてみると、なるほどたしかに、水性ボールペンのように筆跡が濡れてツヤツヤしていない。書き味は、一般的なゲルボールペンに近いフロー量ながら、水性ボールペン特有の滑らかさを維持。この絶妙なバランスによって、誰でも快適な書き心地を得られるだろう。

 

にじみにくさの進化

さらに、従来の水性インクと比較すると、にじみにくさが格段に向上。そもそも水性インクは、紙に浸透しやすいためににじみやすい。

 

ZENTOインクには“引き寄せ粒子”なるものが配合されており、これがインクの着色剤を互いに引き寄せ合うことで、にじみや裏抜けを抑制しているという。たしかに吸水性の高い紙や紙ナプキンでも、インクが広がりにくく、線が太って見える現象が抑えられているようだ。

↑にじみやすい紙ナプキンでの筆記比較。上の従来水性と比べて、ゼントはにじんだ様子がほとんど見られない。

 

リフィル交換で長く使える

ボール径は、ローンチ時点で0.5mmと0.38mmの2種類がラインナップされており、基本的な書き味の方向性は同じだが、0.5mmの方がフローが多く、よりなめらかな書き味を楽しめる。一方、0.38mmでも十分にサラッとした筆記感を得られる。

 

線幅の好みに応じて選ぶのがベストだが、可能であれば店頭で試し書きをするか、別売のリフィルを購入して自宅でじっくり比較するのもおすすめだ。

↑替えリフィルは120円(税別)。水性ボールペンはインクが早く減るので、どちらにせよ予備を買っておくことをおすすめしたい。

 

まとめ

「ユニボール ゼント」は、従来の水性ボールペンの課題を克服し、書き心地と実用性を両立したモデルだ。シグニチャーモデルは高級感と筆記バランスを求める人向け、ベーシックモデルはシンプルに水性インクを楽しみたい人に最適。

 

ZENTOインクの新たな書き味は、水性ボールペンを敬遠していた人にも響くはず。2025年、水性ボールペントレンドの幕が開くかもしれない。

 

18金をペン先に使用した、なめらかな書き味の万年筆!ファーバーカステル「ギロシェ ローズブラッシュ」

DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンは2月27日、ドイツの筆記具ブランド・ファーバーカステルのプレミアム筆記具ブランド「ファーバーカステル伯爵コレクション」より、ギロシェの新色「ローズブラッシュ」を販売開始しました。

記事のポイント
高級感がありつつ柔らかい雰囲気で、女性にも持ちやすい色の組み合わせをうたっています。エレガントな気分に浸りたい人にオススメ。

 

ギロシェは、胴軸にヨーロッパの伝統的な装飾模様であるギロシェ(波縞模様)加工を施し、トランペットシェイプの天冠トップとスプリング式の蝶番が付いたクリップが特徴の人気シリーズ。今回発表の新色「ローズ」は、同軸の加工部分にローズカラーを採用するほか、メタルパーツにもローズゴールドをコーティング。エレガントで高級感のあるデザインが特徴です。

 

万年筆、ローラーボールペン、ボールペンの3種類を用意します。なお、万年筆のペン先には18金を使用しており、滑らかな書き味が堪能できるとのことです。

 

DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパン
ギロシェ ローズ 万年筆(EF/F/M/B)
市場想定価格:10万4500円(税込)

青で魅せるボールペンと万年筆。筆記具ブランド「ファーバーカステル」より「アンビション」20周年記念モデル

DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパンは、ドイツの老舗筆記具ブランド「ファーバーカステル」より、人気シリーズ「アンビション(Ambition)」の20周年記念モデルを展開しました。

 

記事のポイント

「アンビション」は、ファーバーカステルを代表するコレクションの一つ。細身の円筒形バレルが人気で、シンプルで洗練されたデザインと実用性を兼ね備えていることで知られています。今回発売するモデルはいずれもブルー系でありながら、素材や色味の差によって印象がまるで違います。

 

今回発表された20周年記念モデルでは、以下の2つのカラー、素材の組み合わせが用意されています。イタリックアイスブルーは2月26日より、ファーバーカステル東京ミッドタウン店、公式オンラインストア、全国の百貨店および筆記具専門店で発売。ブルーウッドは4月頃の発売予定です。

 

ブルーウッド

バレル部分に、ブルーに染め上げたシデの木を使用。温かみのある手触りが特徴です。ブルーラッカー仕上げのメタルパーツが、クールなコントラストを演出しています。

 

イタリックアイスブルー

エレガントなデザインが特徴。ライトブルーの高級レジンを採用したバレルに、イタリック書体を彷彿とさせる斜めラインが施されています。

 

20周年記念モデルには、それぞれのペンカラーに合わせた限定のギフトパッケージが付属します。

 

ファーバーカステル
アンビション ブルーウッド 万年筆(EF/F)
価格:3万800円(税込)

アンビション ブルーウッド ボールペン
価格:2万7500円(税込)

アンビション イタリックアイスブルー 万年筆(EF/F/M)
価格:1万9800円(税込)

アンビション イタリックアイスブルー ボールペン
価格:1万7600円(税込)

なつかしの香り付きペン! イチゴやオレンジの香りの「サラサクリップ 香りつきフルーツ」

ゼブラは、ジェルボールペン「サラサクリップ」のインクにフルーツの香りを搭載した「サラサクリップ 香りつきフルーツ」を2025年3月6日(木)に発売します。実売価格は本体が198円、替え芯が110円(いずれも税込)。

「サラサクリップ 香りつきフルーツ」

 

色/香りは、「黒/グレープの香り」「青/マスカットの香り」「赤/ストロベリーの香り」「ライトピンク/ピーチの香り」「レッドオレンジ/オレンジの香り」の全5色。

 

記事のポイント

なつかしさを感じる香り付きボールペンが、多くのユーザーの要望を受けてサラサから登場。5つのフルーツの香りがラインナップされるので、自分の好きな香りを探したり、香りを組み合わせてみたり自由に楽しめます。替え芯も発売されるので、長く使えるのもうれしい。

 

ゼブラ「サラサ」シリーズは、さらさらとした軽い書き心地と、濃くあざやかな発色が特徴のジェルボールペンです。今回発売される「サラサクリップ 香りつきフルーツ」は、勉強に使いやすい5色を揃え、そのインク色とイメージの近いフルーツの香りを厳選して組み合わています。書いた文字から香ることで、リフレッシュした気分で勉強をしたり、香りつきの手紙を送ったりすることができます。

 

同社の香りつきのペンは、香りで癒され、書く楽しさを感じることができる文具として、昔から学生世代に人気のアイテム。同社では1980年から香りつき商品をたびたび発売していますが、直近の8年間でも、再販を願う声などが約120件ほどお客様相談室に寄せられていたそう。

「蛍光香り」(1980年)

 

本体デザインは、キャンディーのような透明感あるカラークリア軸に、ステッカー風のワンポイントデザインを施し、シンプルでかわいいデザインを採用。香りを長く楽しめるよう、替え芯も数量限定で発売されます。

 

替え芯も限定発売されます

 

ゼブラ
「サラサクリップ 香りつきフルーツ」
2025年3月6日発売
実売価格:本体198円、替え芯110円(いずれも税込)

猫好き必見「ねこハラ」文具!学研ステイフルから、じゃれつく猫たちの付箋、ノート、メモなどが登場

飼い主のパソコンに乗る、ビデオ会議に乱入する、卓上の書類を落とす……。「ねこ」が飼い主の仕事や家事の邪魔をする「ハラスメント」、通称「ねこハラ」。

 

その「ねこハラ」をテーマにした思わずクスッとしてしまう文具シリーズが、日本出版販売のグループ会社・学研ステイフルから登場しました。2月13日発売です。

 

記事のポイント

「いつでもねこハラを受けたい!」「リアルなねこハラは困るけど、気分を味わいたい!」という人のニーズを満たしてくれそうな実用性のある文具です。イラストレーターは、「猫のマチカ」というオリジナルキャラクターを中心に、絵本のような温かいイラストを描く霜田有沙さん。どの猫も憎めない表情をしており、見ているだけで癒やされます。

ラインナップは、ダイカットステッカーや付箋、シール、ファイル、ノート、メモ、ブックマーカーなど。いつでも「ねこハラ」気分を味わえます。

↑防水+UV加工を施したダイカットステッカー

 

大小セットになったダイカット付箋は、ちょっとしたメモやメッセージに最適。猫のお茶目ないたずら姿に癒されたい人におすすめです。

 

常に「ねこハラ」を受けているような状態を再現できる特大シールもあります。厚みのあるウレタンシールで、ぷっくりとした触り心地も楽しめます。

2ポケット式のA4ファイルやB6ノートなど、実用的なアイテムも充実しています。

↑1枚目がダイカットになっている、2ポケット式のA4ファイル。猫が書類の上に寝転がったり、座ったり、今にもいたずらを仕掛けてきそうな表情を浮かべていたり……。

 

学研ステイフル
ねこハラ ダイカットステッカー:全6種類、385円
ねこハラ ダイカット付箋:全4種類、528円
ねこハラ 特大シール:全2種類、1078円
ねこハラ A4ポケットファイル:全4種類、660円
ねこハラ B6ノート:全3種類、550円
ねこハラ ダイカットメモ:全4種類、583円
ねこハラ ブックマーカー:全4種類、330円
ねこハラ ブックカバー:全2種類、1540円
※価格は全て税込

ニューレトロなテイストがかわいい! 激細ボールペン「ハイテックC」の80’sシリーズが限定発売

パイロットは、細書きタイプのゲルインキボールペン「ハイテックC」の発売30周年を記念し、「ハイテックC 80’s シリーズ(ハイテックC エイティーズシリーズ)」を2025年2月28日(金)より数量限定で発売します。

商品ラインナップは、ゲルインキボールペン「ハイテックC 04 レトロ」(実売価格275円)、多機能筆記具「ハイテックCコレト 3色 レトロ」(同605円)、およびレフィル「ハイテックCコレト専用レフィル 6色セット レトロ」(同660円)の3種類です。

 

記事のポイント

80年代をイメージしたイラストやカラーラインナップなど、懐かしくも新鮮な印象のアイテムが登場。トレンドのニューレトロテイストで文房具を揃えてたい人は必携です。

 

「ハイテックC」は、1994年の発売当時、世界で最も小さい直径0.3mmのボールを搭載したゲルインキボールペンです。細書きに適した4種類のボール径をラインナップしています(超激細0.25mm、激細0.3mm、超極細0.4mm、極細0.5mm)。

 

今回発売される「ハイテックC 80’sシリーズ」は、「80’sレトロ」をコンセプトに80年代を彷彿とさせる色鮮やかでスタイリッシュな「ニューレトロ」をイメージ。「ハイテックC」のレトロ感あるデザインやゴシック体のロゴを活かしながら、鮮やかな色味のバイカラーデザインに仕上げられています。ボディーカラーのラインナップは、「三日月ブルー」「ダンシングオレンジ」「夢見るライトブルー」「勉強家グリーン」「おてんばイエロー」の5色となっています。

 

ゲルインキボールペン「ハイテックC 04 レトロ」は、透明ボディを活かし、レフィルにも色を付けた鮮やかなデザインを採用。クリップ印刷をバイカラーにすることで、「ハイテックCコレト」と揃えています。インキ色は黒色を採用しています。

「ハイテックC 04 レトロ」

 

「ハイテックCコレト」は、2005年に発売され、“カスタマイズペン”というカテゴリーを創出した多機能筆記具。66種類のレフィル(ゲルインキボールペン0.3・0.4・0.5mm、シャープユニット、消しゴムユニット)のなかから自由に組み合わせ、本体ボディに装填できる“カスタムメイド感覚”の多色・多機能ペンです。今回発売される「ハイテックC コレト 3色 レトロ」は、通常品と異なり、初めて「ハイテックC コレト」を使う人でも手軽に使えるように、あらかじめ黒・赤・青のレフィルを装填した状態で発売されます。また、本企画限定で、「ハイテックC」に合わせたゴシック体のロゴを採用しています。

「ハイテックC コレト 3色 レトロ」

 

「ハイテックCコレト専用レフィル 6色セット レトロ」

 

パイロット
「ハイテックC 80’s シリーズ」
2025年2月28日発売
実売価格:275円~(税込)

デコ系ボールペンのぺんてる「マットホップ」にドリーミーな中間色7色が追加

ぺんてるは、絵の具のような濃く鮮やかな発色のマットカラーボールペン「MATTEHOP(マットホップ)」の新色として、絶妙な色合いの中間色を揃えたドリーミーな7色を、2025年2月20日(木)より全国の文具取扱店にて順次発売します。

「MATTEHOP(マットホップ)」

 

記事のポイント

くっきり色鮮やかな文字で写真やノート、手帳、マスキングテープなどをデコレーションできる“デコ系ペン”の「マットホップ」にドリーミーな新色7色が追加。原色系が揃う既存色とはひと味違う、ニュアンスのある色味で、表現の幅が広がります。クッキー缶のような缶ケース入りのコンプリートセットもカワイイ!

 

「MATTEHOP」は、2023年に発売されたマットカラーのゲルインキボールペン。ボールペンの手軽さと、絵の具のような発色のインキを併せ持ったマットカラーが特徴で、写真や濃い色の紙にも文字やイラストを描くことができるため、自由にデコレーションが楽しめます。「文具屋さん大賞2024」ではノミネートアイテム総数約1600点のなかから、大賞を受賞しています。

 

マットな質感のインキだからくっきり目立つ文字が書けます

 

カラーペーパーにも濃く鮮やかに発色します

 

そんなマットホップから、インキの存在感や発色の良さはそのままに、パステル系・ダーク系の中間色を揃えたドリーミーな新色7色が登場します。カラーは「ライトピンク」「ペールオレンジ」「ターコイズブルー」「ネイビーブルー」「ダークグリーン」「ライトバイオレット」「グレー」の7色。既存の14色と組み合わせて使ることで、より表現の幅を広げることができます。

新色7色

 

また、新色7色は、非日常のわくわく感をイメージした「ドリームセット」として販売されるほか、新色7色と既存色14色を網羅した全21色を缶ケースにセットした「コンプリートセット」も発売されます。「コンプリートセット」のケースの上面には、マットホップのロゴや、吹き出しデザインのエンボス加工を施し、クッキー缶のようなデザインに仕上げられ、マットホップをみんなとシェアしたり、缶ケースを自分好みにデコレーションして楽しめます。

「コンプリートセット」

 

「ドリームセット」

 

実売価格は、マットホップ 1本 220円、マットホップ ドリームセット(7色)1540円、マットホップ コンプリートセット(21色)5500円(いずれも税込)。

 

ぺんてる
マットカラーボールペン「MATTEHOP(マットホップ)」
2025年2月20日発売
実売価格:220円(税込)

「シェーファー」最新作、”高級感”のかたまり! 「シェーファー300 エングレーブド」万年筆・ボールペン

ダイヤモンドは、アメリカの筆記具ブランド「シェーファー(SHEAFFER)」の新商品「シェーファー300 エングレーブド」を2月6日に販売開始しました。

記事のポイント

人気の「シェーファー」シリーズ最新作。特徴的な幾何学模様とゴールドの配色が高級感を演出し、物欲をくすぐります。販売店では数量限定のペンケース付きギフトボックスを提供するキャンペーンも開催するとのことなので、贈り物にいかがでしょう。

 

既存モデル「シェーファー300」をベースに、ボディ部分に特徴的なキューブパターンを彫刻した「エングレーブド」モデル。光沢のあるクロームメッキのキャップや、ゴールドカラーのPVD加工が施されたステンレススチールのペン先など、華やかさや高級感を意識した仕上がりが特徴です。

↑万年筆とボールペンをラインナップします

 

万年筆とボールペンの2種類を用意。万年筆はサイズが軸径13mm×長さ157mm、重量が約47g。ボールペンはサイズが軸径 13mm×長さ141mm、重量が約47g。

 

ダイヤモンド
シェーファー300 エングレーブド 万年筆
市場想定価格:1万6500円(税込)

シェーファー300 エングレーブド ボールペン
市場想定価格:1万4300円(税込)

ジェットストリームの書き味が「LAMY safari」で! 「LAMY safari JETSTREAM INSIDE」

三菱鉛筆は、「LAMY safari(ラミー サファリ)」シリーズに、なめらか油性ボールペン「JETSTREAM(ジェットストリーム)」のインクを搭載した「LAMY safari JETSTREAM INSIDE(ラミー サファリ ジェットストリーム インサイド)」を、1月29日に展開します。

 

また、交換用の替芯として「JETSTREAM替芯 M17」を、一部期間限定で発売します。

『LAMY safari JETSTREAM INSIDE』 左から: ビスタ、ブルー、レッド、アンブラ、イエロー(継続) ダークダスク、サンセット(期間限定)

 

記事のポイント

機能美と実用性を兼ね備え、長時間使っても疲れない「LAMY safari」に、「クセになる、なめらかな書き味」で知られる「JETSTREAM」のインクが合わさりました。文房具ファンにとってはたまらないコラボなのでは。「JETSTREAM替芯 M17」は、今使っているLAMYボールペンに搭載できるので、愛用者は替芯にも注目です。

 

今回展開するカラーは、「LAMY safari」シリーズの定番である「ビスタ」「ブルー」「レッド」「アンブラ」「イエロー」に加えて、期間限定のカラーとして「ダークダスク」「サンセット」を合わせた全7色。

 

新たに発売する「JETSTREAM替芯 M17」は、LAMYのボールペンにおいて既存で展開しているリフィル「M16」と互換性があるので、いま使っているLAMYボールペンに搭載できます。また、ボール径はEF(0.5mm)とF(0.7mm)の2種類を用意。

 

LAMY safari(ラミー サファリ)は、1980年の発売以来、特に若年層から支持を集めているロングセラーシリーズ。機能美と実用性を兼ね備え、さまざまなシーンで使えます。

 

特に、グリップ形状に工夫が凝らされています。三角形の断面を持つデザインで、長時間使っても手が疲れにくい、握りやすさ・快適さを追求した設計。さらにグリップ部分に若干の膨らみと凹凸を持たせることで、指の位置を自然に誘導し、筆記時の安定感と操作性を向上させています。

 

ボディは樹脂製。軽くなめらかな手触りでありながら、耐久性と耐衝撃性に優れます。

 

同シリーズの象徴ともいえる金属クリップは、少し丸みを帯びた形状が特徴。洋服やアクセサリーに引っ掛かりにくいよう配慮され、シンプルでありながら洗練されたデザインです。ポケットやノートなどにしっかりと挟めます。

 

三菱鉛筆
LAMY safari JETSTREAM INSIDE
インク色:黒
軸色  :ビスタ、ブルー、レッド、アンブラ、イエロー(継続)/ダークダスク、サンセット(期間限定)
参考価格: 3630円 (税込)

替芯  :M17EF(0.5mm)/M17F(0.7mm)
参考価格:1100円(税込)

3月始まり「ロルバーンダイアリー」全242種! 直営店舗限定で販売する、ちょっと変わったデザインも

デルフォニックスは、2025年3月始まりのスケジュール帳「ロルバーン ダイアリー」を、1月下旬から全国の取扱店で販売開始します。2026年4月まで使えます。

記事のポイント
毎年変わる表紙デザインが人気のロルバーンダイアリーに、2025年春バージョンが登場です。表紙デザインは全242種と、今回も膨大な数を誇ります。かなり奇抜なものもあるので、気に入るデザインを探してみては?

 

2025年3月始まりのロルバーン ダイアリーは、バラエティ豊かな絵柄やサイズを含む全242種類をラインナップ。

 

ダイナミックな自然の風景をデザインした「モンターニュ」、タイポグラフィが映えるユニークな「Moji」など今季から新たに加わったデザインのほか、昨年人気を集めた俯瞰の風景写真デザイン「ビークル」は、新たな視界を楽しめる構成で登場するとのこと。

↑タイポグラフィをデザインに取り入れた「Moji」はなかなか強烈

 

グラフィックデザイナー・アートディレクターの脇田あすかさんとコラボレーションした「Asuka Wakida×DELFONICS」や、海外の古い広告ポスターやパッケージをイメージした表紙デザインが人気の「フレッシュ」、ヴィンテージの壁紙やラベルのデザインをイメージした「エリーヌ」など、直営店舗のみで販売する限定デザインも用意。

 

なお、DELFONICS Web Shopや「スミス アトレ恵比寿」では、1月24日から先行販売が実施されるとのことです。

 

デルフォニックス
ロルバーン ダイアリー

三菱鉛筆が6年かけて開発した次世代の水性ボールペン「uniball ZENTO」

三菱鉛筆は、すいすい書ける新感覚の水性ボールペン「uniball ZENTO(ユニボール ゼント)」 を、2025年2月3日に発売します。ラインナップは「Signature model」「Flow model」「Standard model」「Basic model」の4モデル展開。

「uniball ZENTO」シリーズ

 

記事のポイント

油性ボールペン「ジェットストリーム」やシャープペンシル「クルトガ」などの革新的な筆記具を開発してきた三菱鉛筆が、約6年の歳月をかけて本気で開発したという次世代の水性ボールペン。海外では先行発売されており、満を持して日本国内で展開されます。その特徴は、とにかくなめらかですいすいと軽い書き心地とのことなので、売り場で見つけたらぜひ試し書きしてみてください。

 

「uniball ZENTO」は、シンプルで上質なデザインと、新感覚のすいすいとした書き心地を特徴とする水性ボールペンです。従来の水性インクの書き心地をそのままに、にじみや速乾性を改良した新開発の水性インクを使用。クッション成分となるPOA界面活性剤を配合する等、筆記時のストレスを大幅に軽減し、新感覚の書き心地を実現しています。

 

製品開発には6年ほどかかっており、日本では売り場で存在感を失いつつある水性ボールペンの復活を目指して開発されたとのこと。また、ストレスや目まぐるしい変化のなかで、「書く」を通じて「気持ちがととのう」時間を大切にしてほしいという思いが込められているそう。

店頭販売ディスプレイのイメージ

 

【ラインナップ】

1.Signature model(シグニチャーモデル)(3300円/税込)

「かく」瞬間に完成するカタチ

マグネット式キャップを採用した最上位モデル。色はシルバー、メタリックブラックの2色。

 

2.Flow model(フローモデル)(1100円/税込)

手のひらに私のこだわり

アルマイト塗装を施したアルミ製のグリップと軸色に合わせた可動式カラークリップを採用。適度な重量感が流れるような書き心地を生み出します。色はフローライト、アガット、ジェード、ヘマタイトの4色。

 

3.Standard model(スタンダードモデル)(275円/税込)

“今”に合う色を選ぶ楽しみ

指や手が当たる場所を広くカバーするロングラバーグリップで、握りやすく安定した書き心地を実現。軸の素材には再生材を使用しています。色はラベンダー、クラウド、アドビ、シー、ミスト、コースタル、アイボリー、カナリアの8色。

 

4.Basic model(ベーシックモデル)(275円/税込)

基本のインク色

さまざまな場面で広く使われる3色のインク色を揃えたベーシックモデル。色の識別性を高めたミニマルな外観でどんな場面にも自然となじみます。色は黒、赤、青の3色。

 

ノック式、キャップ式のどちらにも搭載可能なリフィルは、0.38mmと0.5mmの各々に黒・赤・青インクが用意されます。交換時に品番が確認しやすいように、文字の視認性を高めた表記が施されています。価格は132円(税込)。

リフィル

 

メーカーが行った事前調査では、さらさらとなめらかな書き心地やかすれにくさが評価されており、従来の水性インクの弱点だったインクの乾きの遅さも改善されてストレスなく書けた、という声が集まったそう。

 

新しい筆記体験を多くの人に体感してもらうため、店頭を中心とした筆記体験イベントなどのプロモーションも積極的に行われる予定です。

 

三菱鉛筆
水性ボールペン「uniball ZENTO」
2025年2月3日発売
実売価格:275円~3300円(税込)

ゼブラ「マイルドライナー」に心落ち着く“チルい”色合いの新色5色が追加

ゼブラは、おだやかな色合いのラインマーカー「マイルドライナー」の新色5色を2025年1月20日(月)に発売します。実売価格は各110円(税込)。

ゼブラ「マイルドライナー」

 

記事のポイント

「マイルドライナー」は、手帳やノートで使うと手軽にトーンがまとまることが話題となり、2009年の発売以降シリーズ累計2.5億本以上(2024年3月末時点。ゼブラ出荷実績)を販売する人気シリーズ。2024年に発売15周年を迎え、同7月にはマイルドライナー公式インスタグラムのアカウントを設立。10月にはグローバルでのSNSキャンペーンが実施されるなど、世界的な人気となっています。

 

「マイルドライナー」は、おだやかな色合いが特徴のラインマーカー。これまでに35色のバリエーションが発売されていますが、今回トレンドである心落ち着く“チルい”色合いを5色追加し、全部で40色展開となります。

新色5色追加で全40色に

 

落ち着いたトーンにまとめられるのが特徴(使用しているのは従来色)

 

新色は、「マイルドアイリス」「マイルドスモークレッド」「マイルドミモザイエロー」「マイルドミント」「マイルドモスグリーン」の5色。生活の中でゆっくりとした時間を過ごす時の気持ちをインクの色として表現しており、マイルドライナーが持つおだやかな色合いはそのままに、心落ち着くグレイッシュな色味にこだわっています。

 

ノートや手帳などを落ち着いたトーンにまとめられる

 

ゼブラ
ラインマーカー「マイルドライナー」
2025年1月20日発売
実売価格:110円(税込)

地味ながら傑作と讃えたい!ゼブラの200円シャーペン「ノックペンシル M-1700」の驚くべきコスパの全容

日本筆記具工業会の統計によれば、シャープペンシルの販売本数・売上金額は2020年頃から右肩上がりとなっている。中学生・高校生の少子化傾向が続いているにもかかわらず、このような推移を示しているということは、現役の中高生がシャープペンシルを積極的に購入し、数千円台の高機能シャープも支持されているということを表している。

 

しかし、全ての中高生が高機能シャープペンシルに熱中しているわけではないだろう。「勉強道具として使用しているが、高価な製品を使う意義が見出せない」と考える層も少なからずいるはずだ。そこで今回は、高機能シャープ全盛の今だからこそ注目したい、“安くて性能もいい、これ1本でずっと使える”……いわば「コストパフォーマンスに優れた、長期使用可能なシャープペンシル」を紹介したい。

 

昭和のお買い得シャープは、
新機能搭載を搭載した令和版も超高コスパ

シャープペンシルの歴史を振り返ると、1960年代の最初期のノック式は高額で、一般への普及は限定的だった。

 

転機となったのは1980年、ゼブラが100円の「ノックペンシル」(2001年に廃番)を発売し大ヒットしたことだ。これを機に、他メーカーも低価格化を進め、シャープペンシルは一気に普及したというわけだ。

↑1980年発売の初代「ノックペンシル M-1300」。100円シャープの登場は当時かなりの衝撃だった

 

そして2024年春、そのシンプルさ、コスパの良さを受け継ぎながら現代的な機能を搭載した「ノックペンシル M-1700」が登場した。200円(税別)という価格設定は、現在の500円超が当たり前の市場では「比較的安価」な部類だが、機能面から見ると驚くべきコストパフォーマンスを誇っている。

↑令和に復活したゼブラ「ノックペンシル M-1700」200円(税別)

 

ゼブラ
ノックペンシル M-1700
200円(税別)

 

まず注目したいのが、軸を振ることで芯出しができるフリシャ機能の搭載だ。芯が減った際に軸を握ったまま上下に振ることで、内蔵するオモリがカチャカチャと大きく跳ね戻り、その衝撃がノック代わりとなって芯が出る、という構造である。

 

従来のノック操作が不要なため、筆記の効率が格段に向上するのは大きなメリットだ。

 

もちろん普通にノックして芯を出すこともできるが、一度慣れると「シャープはフレシャ(他社ではフレフレ、フレノックなど)機能付きじゃないと困る」と感じてしまうほど、便利な機能なのだ。

↑軸を大きく振ることで内部のオモリ(銀色のパーツ)が前後に移動する

 

↑フレシャ機構は、オモリが前側に落ちた際にその衝撃を先端バネが受け止めることで芯を出す仕組み

 

ただし、振動で芯が出ると言うことは、筆箱の中に入れて持ち運んでいると勝手に芯が出ている、というトラブルにもつながってしまう。1000円以上の高級モデルで芯振り出し機能付きの場合、ノック部を固定するロック機構を搭載しているものもあるが、残念ながら200円の「ノックペンシル」には使われていない。

 

その代わり、オモリの衝撃を受け止めるノックバネを硬くすることで、軽い振動では芯が出ないようなチューニングを施しているようだ。

↑実際にペンケースに入れて半日持ち歩いたところ。勝手に芯が出て中を汚すようなトラブルは発生しなかった

 

試しに筆箱に入れた状態で半日持ち歩いてみたが、芯の不用意な飛び出しはゼロ。通常の使用では問題はないことが確認できた。

 

ただし、その分、意図的に芯を出す際は少し強めの振動が必要となる。使用のコツは、ペン先を真下に向けて「カチャ!カチャ!」と音がするまでしっかりと振ること。軽い振動や斜めの状態では芯が出にくいため、多少の慣れは必要だろう。

 

たっぷり使える消しゴム付きで
これ1本携行するだけでいい

もうひとつのポイントが、軸後端に備えた消しゴムである。

 

軸後端には約15mmの長いタイプを搭載。側面の突起を使って時計回りに回転させることで繰り出すことができる。替えゴムも3個100円(税別)で販売されているため、気兼ねなく使用できる。このため、場合によってはペンケースなしで本製品1本だけを携行する使い方も可能だ。

↑ロングタイプの繰り出し消しゴム。消字力にも不満はない

 

十分な大きさの消しゴムを備えているため、このノックペンシル1本だけを持ち歩くという使い方も可能だ。手帳との相性も良い。

 

消しゴムは繰り出し式を採用しているため、ノックノブにキャップは不要。筆者のように小物の紛失が気になる人にとっては、この設計も安心感につながる。なお、芯の補充は、ノックノブを引き抜いて行う仕様となっている。

↑ロング消しゴムを収納するため、ノックノブはかなりの長さがある。初めて引き抜く際には、その長さに驚くかもしれない

 

ここまで本製品の特徴的な機能を中心に紹介してきたが、それらの機能を度外視しても、これは非常に書きやすいシャープペンシルだと言える。

 

本体はプラスチックパーツを中心とした軽量設計でありながら、フレシャ機構用の真ちゅう製オモリにより低重心を実現している。この組み合わせが絶妙なバランスを生み出しているのだ。

 

グリップ部分がツルツルしているのがやや気になるものの、軽量かつバランスの良さから、そのグリップ感を特に意識することなく長時間の筆記が可能である。この点も本製品の優れた特徴の一つと言えるだろう。

↑全体的に軽く、かつ重心位置は低め。長時間書き続けても指に疲労感を感じにくいタイプだ

 

↑プラパーツ中心で全体的には超軽量なので、握った際に中のオモリの重さがはっきり感じられる

 

率直に言えば、このシャープペンシルは、その控えめな外観から店頭での指名買いは多くないかもしれない。しかし、価格の手頃さから手に取った使用者が、日々の使用を重ねるうちに「あれ? このシャープ、実はすごくいいじゃない?」と気付くことだろう。

 

高機能シャープのような華やかさはまったくないが、控えめな佇まいの中に確かな実力を秘めた一本として、自信を持ってお勧めしたい製品である。

 

80年代に流行ったシャーペンがアート画材に! ぺんてるのホルダー式色鉛筆「Art Multi8」

ぺんてるは、8色の色芯を内蔵したホルダー式色鉛筆「Art Multi8(アートマルチエイト)」を12月20日から販売開始します。

 

記事のポイント

ロングセラーの人気シャープペンシルが、アート志向の画材に生まれ変わって新登場。両者には芯の互換性もあり、好きな替え芯を取り付けて自分だけの1本を生み出せるのも面白いポイントです。

 

1986年から販売されているロングセラーブランドのシャープペンシル「Multi8」を、アートシーンに特化した描画材としてアレンジした新モデルです。

 

スケッチやイラスト描きに最適なカラーとして、 赤、青、茶、橙、黄、黄緑、スカイブルー、ピンクの8色の芯を用意。内蔵芯が見やすいクリア素材をボディに採用しつつ、ノック・クリップ部パーツのカラーリングはオフホワイトとすることで、アートワークの邪魔にならないカラーリングをうたっています。

 

単品販売(市場想定価格2750円)のほか、Art Multi8本体に12色の替芯(内蔵芯8色+黒、緑、ペールオレンジ、紫の4色)各1本と削り器を付属したセット(市場想定価格4180円)も用意。なお、別売りのMulti8専用替芯はArt Multi8でも利用できます。

 

ぺんてる
Art Multi8
市場想定価格:2750円(税込)

数量限定「ジェットストリーム プライム 3色ボールペン」など! ちょうどいい上質感にリニューアル

三菱鉛筆は、「JETSTREAM PRIME(ジェットストリーム プライム)」シリーズより、「ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式3色ボールペン」、「ジェットストリーム プライム 3色ボールペン」を、一部数量限定で12月18日に発売します。

 

高級感のあるボールペンの質感はそのままにカジュアルさをプラスし、“ちょうどいい上質感”へリニューアルしています。

↑左から「ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式3色ボールペン」 、「ジェットストリーム プライム 3色ボールペン」

 

記事のポイント

2013年にジェットストリームシリーズ初、ビジネスシーンをイメージした高級感のあるボールペンラインアップとしてデビューした「JETSTREAM PRIME」。時代の変化に伴って働き方が多様化した現代、フォーマルな装いをする機会は減っています。ビジネスシーンでも、カジュアルな装いや個性を表現できるものが好まれるようになっていることを踏まえてのリニューアルです。使う場所、服装を選ばないボールペンを一本持っておくだけで、安心感が違いますね。

 

・ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式3色ボールペン

使いやすさと持ち運びやすさに配慮しています。ボディは、回転繰り出し式の採用により、ノック棒のないプレーンですっきりとしています。

↑ボディは従来品より短くなっており、小さな手帳やカバンにも合わせやすい新設計

 

筆記抵抗を減少させた、かろやかな書き心地が特徴の「JETSTREAM Lite touch ink(ジェットストリーム ライトタッチインク)」を搭載しています。

 

カラーは、数量限定の2色を含め6色展開。日常的に使うものに合わせやすく、かつ、さりげなく個性を表現できるラインナップとのこと。

 

・ジェットストリーム プライム 3色ボールペン

ワントーンカラーに統一したボディ、マットな質感のクリップが目を引きます。フォーマルなシーンで使えるデザインを踏襲しつつ、ビジネスカジュアルなどにも合わせやすいボールペンです。

 

片手でも操作しやすいように、ノック棒が落ち込まず流れるような機構になっており、スマートに使えます。

 

カラーは、ベージュ、ローズピンク、ダークネイビー、ブラック、スモーキーグリーン。従来のプライムシリーズからの特徴だという「高級感のあるラインアップ」はそのままに、さらに幅広くパーソナルなシーンも支える色展開です。

 

三菱鉛筆
ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式3色ボールペン
インク色:黒、赤、青
ボール径:0.5mm
軸色  :クラウディーホワイト、アイビーグリーン、コットンピンク、シトロンイエロー(継続)コージーブルー、ブリックオレンジ(数量限定)
参考価格:1本 2750円 (税抜 2500円)

 

ジェットストリーム プライム 3色ボールペン
インク色 :黒、赤、青
ボール径 :0.5mm/0.7mm
軸色0.5mm:ベージュ、ローズピンク、ダークネイビー/0.7mm:ブラック、スモーキーグリーン(全て継続)
参考価格  :1本 3850円 (税抜 3500円)

芯の出し入れがクセになりそう! 高耐久かつ軽量なチタンボールペン「Bastion Slim Pen」

ライフエキスパートは、チタンボールペン「Bastion Slim Pen」を、Amazon、楽天市場にて販売しています。持ちやすいサイズで、高耐久性です。

 

記事のポイント

書き心地が良く、見た目も美しいボールペン。チタンは肌に触れても大丈夫で、サビにくく、傷もつきにくいという特徴があります。重いのでは、と心配になるかもしれませんが、32gと軽量で握りやすいサイズです。持ち運びにも難がありません。

 

全体(ボールペンのバネ・ゴム部分を除く)が非常に硬いチタン・Grade 5。ネジを緩めるまで継ぎ目が見えない、美しくなめらかな表面加工です。書き味もしなやか。

 

インク収納メカニズムに、ボルトアクション方式(ライフル銃で銃弾を装填する方式)を採用。 “ガチッ”という音がクセになるかもしれません。

 

ライフエキスパート
Bastion Slim Pen
価格:1万4800円(税込)

生活に寄り添う「JETSTREAM」はいかが? 一部数量限定で「優しいカラー」のラインナップ発売

三菱鉛筆は、より“かろやか”な書き心地を特徴とした「JETSTREAM Lite touch ink(ジェットストリーム ライトタッチインク)」搭載モデル「JETSTREAM シングル(Lite touch ink搭載)」「JETSTREAM 多機能ペン 4&1(Lite touch ink搭載)」の新軸色を一部数量限定で発売します。

↑左から「JETSTREAM シングル(Lite touch ink搭載)」ライトイエロー、フォレストブルー(継続)ソフトブラウン、ウォームピンク(数量限定)
「JETSTREAM 多機能ペン 4&1(Lite touch ink搭載)」ミッドナイトネイビー、ココアブラウン、ビターオレンジ、クリアピンク(数量限定)

 

記事のポイント

新軸色は、肩の力を抜いて、自分らしく、自由で心地よい日々を過ごしたいという気持ちに寄り添う優しいカラーラインアップ。ナチュラルでやわらかい色合いが自然と日常に溶け込み、リラックスしたひとときを演出するといいます。

 

JETSTREAM Lite touch ink(ジェットストリーム ライトタッチインク) とは?

『JETSTREAM Lite touch ink』は、従来のジェットストリームのインクと比較し、さらに筆記抵抗を減らし、より“かろやか”な書き心地を実現した新インク。またインクのボテ(*1)や紙すべり(*2)をさらに改良し、よりストレスの無い安定した筆記を提供するとのこと。

*1 ボテ:ボールを保持する部品の端に生じるインク溜まりが、紙に付くこと。
*2 紙すべり:紙質などの条件により、ボールがすべり筆記しにくい現象。

 

■自分らしく自然体でリラックスしたシーンを表現したボディカラー

自分らしく自然体で心地よく生活したい気持ちに寄り添う優しいカラーを表現。ナチュラルでやわらかい色合いが生活になじみ、リラックスしたパーソナルなシーンに寄り添う製品だといいます。既存の「JETSTREAM シングル(Lite touch ink 搭載)」 より、ライトイエロー、フォレストブルーを継続品として発売することで、軽やかでプレーンなラインアップの中にさりげない華やかさを加えます。

 

■現代のニーズに合わせたプレーンでシンプルな単色ボールペン

「誰にとっても、普通に使いやすい」設計を突き詰めた3つの特徴を持つとのこと。

ノック機構:筆記時の微細な振動や異音を抑える機構を搭載し、心地よい使用感を提供。
クリップ:折れにくさと手帳やポケットに収まりのよい形状を追求し、パーソナルなシーンに最適。
ボディ:先端までラバーで覆われた先軸は、機能性とシームレスなデザインを両立。

 

■ボールペン4色とシャープ機構を併せ持ち、どこでも持ち運びやすい4&1

1本でマルチに使える「多機能ペン 4&1」も、「使いやすさ」を追求。

ボディ:従来の多機能ペンより軸の全長を短くすることで、現代のパーソナルなシーンになじみ、小さな手帳などに合わせやすくなっている。
ノック部:カラー表示はノック部分全体ではなく、ユーザーから見える位置のみに絞ることで、デザイン性と利便性を両立。
シャープ機構:後端のキャップをノックして芯を繰り出すことができる機構により、感覚的にもノックがしやすく利便性が向上。

 

JETSTREAM シングル(Lite touch ink 搭載)
インク色:黒/ボール径:0.5mm/軸色:全4色

参考価格:1本 220円(税込)

 

JETSTREAM 多機能ペン 4&1(Lite touch ink 搭載)
インク色:黒・赤・青・緑/ボール径:0.5mm/シャープ芯径:0.5mm/軸色:全4色

参考価格:1430円(税込)

 

持ち歩くのが楽しくなる! ポルジョ×フリクションコラボのペンが限定発売

パイロットコーポレーションは、消せるペン「フリクション」シリーズとフランスのファッションブランド「PAUL & JOE」のステーショナリーライン「PAUL & JOE La Papeterie (ポール & ジョー ラ・パペトリー)」とのコラボレーション企画として、「フリクションシナジーノック PAUL & JOE La Papeterieコラボ」とオリジナルノート「ミニノート・B7変型 PAUL & JOE La Papeterie コラボ」を11月29日より数量限定で発売します。実売価格はペンが385円、ノートが1100円(いずれも税込)。

 

記事のポイント

人気ブランド「PAUL & JOE」のステーショナリーラインとのコラボ商品は、ブランド独自の世界観を表現した多幸感のあるデザインに仕上がっています。見て、書いて、持ち歩いて楽しいをテーマにしたペンとノートは、使うたびにちょっと幸せな気分にしてくれそう。数量限定発売なので、気になる方はお早めにチェックしてみてください。

 

今回の「PAUL & JOE La Papeterie」とのコラボレーションでは「見て楽しい、書いて楽しい、持っていることが幸せ」をコンセプトに、「PAUL & JOE」のアイコニックなモチーフである“クリザンテーム(西洋菊の一種)”やパリジェンヌスタイルの猫“ヌネット・イン・パリス”、ふわふわの雲の上で夢見心地な猫“ドリーミング・ジプシー”をボディにデザインしています。

 

「フリクションシナジーノック」は、細書きでありながらペン先の強度が高く、かつ、ペン先への安定したインキ供給が可能なパイロット独自開発のペン先「シナジーチップ」を採用した「フリクション」シリーズの最新モデルです。書き出しが良く、なめらかに書ける特徴を持ち、授業のノートやメモ・手帳など細かい箇所への筆記に適しています。今回のコラボ商品では、「フリクション」シリーズ最細となるボール径0.3mmと、0.4mmの2タイプを展開します。

 

0.3mmでは“クリザンテーム”をデザインしたアイボリー、ピンク、セラドングリーンの計3種のボディを展開します。0.4mmでは、“クリザンテーム”のアイボリー、レモンイエロー、バイオレットの3種と、フランスのトリコロールカラーをイメージしたブルーのボディに“ヌネット・イン・パリス”をデザインしたものと、雲の上をイメージしたスカイブルーに“ドリーミング・ジプシー” をデザインした計5種のボディを展開します。

「フリクションシナジーノック PAUL & JOE La Papeterieコラボ」

 

また同時発売のB7サイズのミニノートは、“クリザンテーム”のアイボリー、セラドングリーンとブルーの“ヌネット・イン・パリス”の3柄で展開します。ノート中面には、なめらかで上質な書き心地と書いた文字が見やすく、インキの色が美しく映える“白さ”を特徴としたデザインステーショナリーメーカー、マークスのオリジナル手帳用紙「NEO AGENDA(ネオ・アジェンダ)」を使用しています。

「ミニノート・B7変型 PAUL & JOE La Papeterie コラボ」

 

パイロット
「フリクションシナジーノック PAUL & JOE La Papeterieコラボ」
2024年11月29日発売
実売価格:ペン385円、ノート1100円(いずれも税込)

これが「未来的」なボールペンか……! 二重構造が目を引く、サクラクレパス「SAKURA craft_lab 009」

サクラクレパスは、回転式単色ゲルインキボールペン「SAKURA craft_lab 009」を2024年12月中旬に発売します。

 

記事のポイント

無駄のないミニマルなシルエットでありつつ、「未来的」なデザインが印象的なボールペンです。3Dフォトエッチングを施したボディは、グリップ感が高いため、書き味も良いそう。標準搭載のインキ色はブラックですが、別売りでブルーブラック、ブラウンブラックなど、さまざまなカラーリングが用意されています。

 

SAKURA craft_lab 009は、「未来的な未来を、描く。」がコンセプト。ステンレスとアルミ、真鍮の二重構造による未来的なデザインが特徴です。外軸に3Dフォトエッチング加工(穴開け)を施すことで細かい穴を開け、内軸のアルマイト色が覗けるようになっています。

 

ボール径は0.5mm。サイズは全長140mm、軸径11mmで、重量は約30g。軸色は2種類。インキ色は標準搭載がブラックで、別売でブラック、ブルーブラック、ブラウンブラック、ボルドーブラック、 グリーンブラック、漆黒を用意します。

 

 

↑頭冠にはサクラマークの印字があります

 

サクラクレパス
SAKURA craft_lab 009
価格:1万6500円(税込)
別売レフィル(替え芯)/ 「漆黒」のみ 275円(税込)、それ以外は 220円(税込)

クリスマスの華やかな雰囲気をイメージしたパイロット「アクロ クリスマスマーケット」

パイロットコーポレーションは、ヨーロッパ各地で愛され続ける伝統的なクリスマスのイベント「クリスマスマーケット」をテーマにした油性ボールペン「アクロ クリスマスマーケット」を11月より順次発売します。実売価格は550円(税込)。

 

記事のポイント

“クリスマスマーケット”と“ビンテージアイテム”をテーマにしており、クリスマスならではの華やかさがありつつもクラシックな雰囲気のデザインに仕上がっています。いずれも数量限定なので、お気に入りの柄を見つけた方はお早めに!

 

クリスマスマーケットは、ドイツやオーストリアを中心にヨーロッパの各地で11月末頃から開催される伝統的なお祭りで、2000年代に入ってからは日本でも各地で開催されるようになりました。街の中心にある広場には、クリスマスグッズや料理を扱う屋台や店舗が多数集まり、その周囲にはクリスマスツリーやイルミネーションも飾られ、華やかな雰囲気が広がります。

 

今回パイロットが発売する「アクロ クリスマスマーケット」では、クリスマスマーケットで売られているビンテージアイテムをイメージし、描き下ろしたオリジナルデザインを展開。デザインは「ドレスの端切れ」、「星のイヤリング」、「マグカップのかけら」、「チェックの靴下」、「忘れ物のハンカチ」、「燕のブローチ」の6柄をラインナップします。

「アクロ クリスマスマーケット」全6柄

 

それぞれのデザインに物語性が付与されており、「忘れ物のハンカチ」は「別れ際に誰かがふったチェック模様のハンカチ」、「ドレスの端切れ」は「遠い昔の誰かが着ていたクリスマスローズの模様のドレスのひとかけ」など、デザインに秘められた物語を想像して楽しむことができます。

 

「アクロ」シリーズは、濃くクリアな筆跡となめらかな書き味、カスレのない書き出しの特徴を持つ油性ボールペンです。一般的な油性インキに比べてインキの粘度を約1/5に抑えた低粘度油性インキを採用。また、潤滑剤の配合によりペン先でのボールの摩擦抵抗を低減することで回転がスムーズになり、なめらかな筆記とカスレのない濃い筆跡を実現するとともに、油性インキならではの優れた耐水性も兼ね備えています。

 

インキ色は黒で、ボール径は手帳やメモ書きなどに最適な極細0.5mmを採用しています。

 

パイロット
「アクロ クリスマスマーケット」
2024年11月発売
実売価格:550円(税込)

数量限定「カリモク家具」と「ジェットストリーム」コラボ第2弾! 「大人の積み木」がテーマの多機能ペン

三菱鉛筆は「ジェットストリーム」シリーズから、多機能ペン「JETSTREAM × karimoku 多機能ペン 4&1」を、11月5日に数量限定発売します。カリモク家具とのコラボレーション第2弾です。

↑「JETSTREAM × karimoku 多機能ペン 4&1」。左から、ピンク、インディゴブルー、グレイグリーン

 

記事のポイント

二社コラボのこだわりが、素材やカラーリング、デザインにまで細かに配されています。遊び心がありつつも、日常使いできる一本です。インク色は黒、赤、青、緑の4種類。「柔らかく上質な触り心地を実現している」とある通り、書き心地だけでなく、使い心地にもこだわっています。

 

テーマは「大人の積み木」。木製家具製造の過程で生まれた端材の中から、「ナラ材」を木製グリップに採用しています。

 

カリモク家具が展開するブランド「Karimoku New Standard」で実際に家具への塗装に使われているカラーチャートから色選定を行っており、木目や質感を生かした、大人向けの積み木イメージの塗装に仕上げています。

 

ボディ部分には、ソフトフィール調の塗装を採用。カラーリングをグレージュに統一することで、木製カラーグリップを引き立てるデザインとなっています。クリップには「JETSTREAM × karimoku」のロゴがさりげなく配され、カリモク家具とのコラボレーションであると示しています。

 

JETSTREAM × karimoku 多機能ペン 4&1
参考価格:3630円/本 (税込)
ボール径:0.5mm
シャープ芯径:0.5mm
ジェットストリーム 替芯 SXR-80-05 参考価格: 110円(税込)

蛍光マーカーへの全不満を解決!パイロット「KIRE-NA(キレーナ)」の革新的な構造・インクを徹底解説

あちこちで話を聞く限り、蛍光マーカーをうまく使えない、という人は本当に多い。そしてもちろん、筆者もド下手である。まっすぐに線を引けない、線を引いているうちに太さが変わってしまう、インクが乾く前にこすって紙面と手が汚れるなどなど……とにかく、蛍光マーカーには失敗する要素が多すぎるのだ。そう考えると、そもそも蛍光マーカーできちんと線が引ける方がレアなんじゃないだろうか?

↑だいたいにおいて、蛍光マーカーの線はまっすぐにならない

 

そこへ、パイロットから「太さが変わらない線をまっすぐ引きやすく、手も紙面も汚れない新しい蛍光マーカー」が登場した、という。話半分にしても興味はあるし、もし事実だとしたら、それは間違いなく蛍光マーカーの歴史を変える製品である。どこまで本当なのかを実際に試してみたい。

 

革新的な新・蛍光マーカー「KIRE-NA」

パイロットから2024年10月に発売された「KIRE-NA」(キレーナ)が、そのウワサの“もしかしたら歴史を変えるかもしれない蛍光マーカー”である。カラーラインナップは、定番の蛍光ベーシックカラー5色と、目に優しい淡いペールトーンカラー5色の全10色。 

 

外見は、最近のパイロット製品に多い、単色軸にカラーパーツをあしらったシンプルな作りで、第一印象もザ・普通という感じ。見た限り、そこまで凄いギミックが仕込まれているようには思えない。

パイロット
KIRE-NA 全10色
各120円(税別

 

↑太・細のツインマーカータイプだが、太側チップに微妙な違和感が?

 

ラインを引く“太”・文字書きもできる“細”のツインチップ仕様ということで、まずは太い側のキャップを開けると、なにやら見慣れない雰囲気だ。その原因は、チップを挟むように両脇から生えている半透明のパーツ。これが、線の太さを変えずまっすぐ引きやすくするための秘密装備「キチントガイド」とのこと。

↑チップを挟むようにして備わった半透明の「キチントガイド」が、まっすぐ線を引くためのポイント

 

↑使う際には、カラーパーツに親指を乗せるとガイドの水平が取れて、線が引きやすい

 

本当に、誰でもまっすぐ引けるのか?

では、実際に線を引いてみよう。 

 

ペン先を紙に当てると、まずソフトなチップがフニャッとしなるようにして紙に触れ、その直後にキチントガイドが突き当たる。ガイドが両側とも紙に当たっている状態でマーカーを水平に動かすと、なるほど、確かに太さが一定の線がスーッと引けている。

 

何度繰り返しても、常に一定の太さでスーッと引けて、まったく失敗しない。……えっ、これ凄いんじゃない!?

 

↑太さが変わらず安定した線が簡単に引ける!

 

蛍光マーカーの線の太さが変わってしまうのは、ほとんどのマーカーで採用されている斧型チップ(先端が斜めにカットされた、硬いペン先)で書き始める際に、斧の刃にあたる部分が紙に傾いて触れているのが原因だ。

 

だから、書き始めは線が細く、書いているうちに刃先の全域が紙に当たるようになって線が太くなってしまう。最初からチップをまっすぐ紙に当てれば問題ないのだが、とはいえ常にベストな角度で書き始めるのは、地味に難度が高い技術なのだ。

↑従来の蛍光マーカーは、チップが偏って紙に当たると線の太さが変わってしまう。“線が上手に引けない問題”最大の要因がこれ

 

従来にも、チップの傾きを解消するために弾力のあるソフトチップを採用した製品は、いくつか発売されている。この場合、紙にむぎゅっと押し当てることでチップ全域が紙に当たるため、傾きは発生しなくなる。しかし、引く際の筆圧を一定化させないと、結局のところ線は太くなったり細くなったりで安定しないのだ。

 

そこで、その筆圧を安定させるのがキチントガイドの仕事である。

↑ソフトチップがまんべんなく紙に密着し、かつ、必要以上に密着しないようにキチントガイドが支えている

 

↑ガイドを意識すればまず失敗しないので、蛍光マーカーが下手な人でも常に安定した線が引ける。これはかなりすごいことだ

 

どれだけソフトチップへ筆圧をかけても、ガイドの高さまでしか紙に押しつけることはできない。逆に、ガイドが当たるところまで押し付ければ、チップの筆圧は常に同じということになる。 その結果、どれだけ線を引いても常に同じ太さになる、という仕組みなのだ。 

 

↑曲面にフィットするソフトチップは、初回特典のやわらか定規と合わせることで、分厚いテキストにもきれいに線が引ける

 

ソフトチップは曲面に強いという性質も持っている。例えば分厚いテキストなどを開くと紙面がカモメの羽のように曲がって広がるが、柔らかく弾力のあるチップなら、その曲がりに沿って動くため、チップが紙面から外れずに安定して線が引き続けられるのだ

 

ちなみに「KIRE-NA」5色セットには初回限定で、曲面にフィットする塩ビ製のやわらか定規が付いてくる。

↑ガイドのおかげでチップが定規に触れないので、フチのインク汚れを拭き取る手間もない

 

もうひとつ。従来の蛍光マーカーは、チップを紙に押し当てるとダクダクとインクが出て紙に染みをつくってしまうため、どうしても焦って線を引きがち。ところが「KIRE-NA」は、不要な筆圧がかからないため、インクの流量もほどよくセーブされる。だから多少ゆっくりと引いても、インク染みができにくいのである。

 

つまり、チップの傾き・筆圧・インク染みという3つのトラブル要素を気にしなくて良くなったことで、線を落ち着いてまっすぐ引くだけの余裕が生まれるのだ。

 

速乾インクで紙面の汚れをセーブ

「KIRE-NA」のもうひとつのポイントが、新しいインク。

 

新開発の速乾顔料インクは、書いて数秒もしないうちにサラッと乾いてしまい、以降は指でこすってもインク汚れが広がらない。乾くまでの所要時間は紙にもよるが、普通のノートやコピー用紙なら1〜2秒、教科書のようなツルツルしたコート紙でも6〜7秒あれば大丈夫だろう。

↑従来インク(上)との比較。書いて1秒後にこすると、擦れ汚れにハッキリと差が出た 

 

パイロットの速乾インクといえば、超速乾筆ペン「瞬筆」を思い出す方もおられるかもしれないが、これは紙への吸収速度を高めて乾燥スピードを上げたタイプ。

 

対して「KIRE-NA」のインクは裏抜けを防ぐため、そこまで激しく紙に吸い込まれるようにはできていない。メーカー曰く、紙に吸わせつつ紙表面での乾燥効率もアップさせた、いわばバランス型の速乾インクなのだそう。そのため正直、乾燥スピードは「瞬筆」よりもやや遅い感じである。それでも従来の蛍光マーカーと比較するとかなり速いのだが。

↑ボールペン筆記にマーキングしてみたところ。従来蛍光マーカー(上)はゲル・水性ともにじんだのに対して、「KIRE-NA」は水性で多少にじんだ程度 

 

乾燥スピードが速いということは、ボールペンの筆跡の上からマーキングした際に、元の筆跡のインクがにじみにくいという効果も得られる。ゲルインクなどは、いったん乾いたとしても、上からさらに水分(この場合は蛍光インク)が乗ると、じわっと浮き出してしまう。ところが浮き出す前にすかさず蛍光インクが乾いてしまえば、にじんでくるヒマもないというわけ。加えて、にじんできたボールペンのインクでチップ先端が汚れる心配も少ないのも、ありがたいところだ。

 

とはいえ、そもそもにじみやすい水性インクの場合はやはりある程度のにじみはあったので、万全に信頼するのは難しいかもしれない。

↑カラーサンプル。画像上ではペールカラー系がかすれて見えるが、実際はわりときれいな発色をしている

 

細チップも速乾インク採用で利便性アップ

太チップがあまりにも革新的すぎてつい存在を忘れそうになるが、細チップも速乾インクを共有しているため、擦れ汚れの心配なく書けるのはメリットだ。実際、蛍光マーカーは「マーキング+コメント書き込み」という使い方でツインタイプを愛用している人も多いので、やはり細チップはついていると嬉しいのである。

↑マーキングと同色でコメントを記入すると、関係性が分かりやすく、あとから読み返しやすい

 

結論

筆者は資料のチェックなどで蛍光マーカーを多用するが、ひとまず3日ほど使った時点で、今まで使っていた蛍光マーカーから「KIRE-NA」へ完全に乗り換えることを決めた。

 

とにかく優秀なのはソフトチップ+キチントガイドのコンビで、筆者ほど不器用を極めた人間でもフリーハンドでまっすぐな線が引けたのは、最高としか言いようがない。特に、インク染みが広がる心配もなくゆっくりとマーキングできるのが、ここまで使いやすいとは思わなかった。

 

個人的にはすでに蛍光マーカーの歴史は変わったということで、以後のマーキングには「KIRE-NA」を使い倒していくつもりだ。みなさんにも早めの乗り換えをおすすめする。

 

見る角度を変えると色彩も変化! セーラー万年筆「CYLINT 万年筆・ボールペン カラードステンレス」

セーラー万年筆は、「CYLINT 万年筆・ボールペン カラードステンレス」を2024年10月26日に発売します。CYLINTは、金属ベースの万年筆、ボールペンに表面加飾を施し、日常使いできる筆記具シリーズです。

↑角度を変えると色調変化する特性を持つステンレス発色技術を使用

 

記事のポイント
「あたたかさ」や「やわらかさ」を感じさせる色味の、ステンレス発色が特徴です。見る角度によって、青から青紫に変わる「LAGOON」、ピンクから赤紫に変わる「LANTANA」、山吹色から緑に変化する「SCARAB」などのカラーバリエーションがあります。書いて、見て楽しめて、手元も華やかになりますね。

 

カラードステンレスの蓋胴に使われている発色技術は、メッキや塗装とは異なります。ステンレス素材の表面に極薄の酸化被膜を成長させ、光の干渉を利用して色を認識させるため、剥がれる心配がないとのこと。

 

彩色と同時に高い耐食性や抗菌抗ウイルス、抗アレルギー効果も付加するステンレス発色処理を施しています。

 

セーラー万年筆
CYLINT 万年筆 カラードステンレス
希望小売価格:7万7000 円(本体価格7万円)

CYLINT ボールペン カラードステンレス
希望小売価格:3万8500 円(本体価格3万5000 円)

 

ジェットストリーム一強に待った!次世代の“超低粘度油性ボールペン”にゼブラ「ブレン」がS油性インクで生み出すシナジーって?

ここ数年のボールペントレンドで中心にあったのは、間違いなく、高発色でサラッと軽い書き味のゲルボールペンだったはずだ。相対的に、それまでの低粘度油性ボールペン人気は、明らかな萎み傾向にあった。実際、最新のボールペン人気投票でも、ベスト10の中で油性は三菱鉛筆「ジェットストリーム」ただ1本(それでも13期連続1位だけど)なのである。

 

ところが、今年になって風向きが変わってきた感がある。

 

三菱鉛筆「ジェットストリーム ライトタッチインク」や、ぺんてる「フローチューン」といった、従来よりもさらになめらかさの強い“超低粘度油性ボールペン”とも言うべき製品が次々と市場に現れ、注目を集めているのだ。さらには「ジェットストリーム」のライバルと目されていたゼブラ「ブレン」までが、新たに超低粘度油性インクを搭載したモデルを発表したのである。

 

あのブレないボールペンが新型油性インクで登場!

2018年、ゼブラ「ブレン」が発売された当時は、油性インクと水性インクの特性を併せ持つ混合型のエマルジョンインクを採用したボールペンとして注目を集めていた。

ゼブラ
ブレンU 0.5mm/0.7mm
各220円(税別)

 

↑ボール径はクリップ基部に印字されている。0を省略して「.5」「.7」という、珍しい表記だ

 

しかし2024年8月に発売(一部店舗では7月末に先行発売)されたゼブラ「ブレンU」は、エマルジョンインクではなく、新たに開発された低粘度のS油性インク搭載ということで、いま話題となっている。

 

さらにルックスも、名前を聞かなければ「ブレン」のシリーズだとは分からないほど大幅に変更されている。

↑従来型「ブレン」(写真上)との比較。言われなければ同じシリーズだと気付かないかもしれない

 

従来型「ブレン」は、工業デザイナーの佐藤オオキ氏率いるnendoの手によるデザインで、だ円を取り入れた軸形状や、クリップ一体型のノックノブなどが特徴だった。

 

対して新しい「ブレンU」は、そういった雰囲気要素をほとんど廃して全体をシンプル化。軸径も従来から1mm以上スリムになっている。デザインからの「ブレン」ファンというユーザーも多かったはずで、これはもしかしたら賛否が分かれるかもしれない。……というか、たぶん分かれる。

↑厚さ6〜7mmぐらいまでは留められて、破損の心配も無いバインダークリップ

 

そんな中でもクリップの金属化は、誰からも支持される変更点と言えるだろう。というのも、従来型「ブレン」の樹脂クリップはかなり板圧が薄く、手帳カバーなどに挟むだけで簡単に折れてしまうトラブルが多発していた。一部では「使うと折れるクリップ」なんて言われていたぐらいだ。

 

しかし、金属クリップ+コイルバネを内蔵したバインダークリップになったことで、多少の厚物ではビクともしない頑丈さを得たわけで、これは確実な使い勝手アップとなっている。

↑相変わらず安定感抜群のブレない書き味。一度ハマると他のペンが使いにくくなるほどだ

 

「ブレン」シリーズのメイン機能ともいえる“筆記時のブレ抑制”は従来通り。口金の出口でリフィルを固定するダイレクトタッチや、押し込まれたノックノブが揺れ動かない機構などのブレンシステムはこれまで通り働いてくれているので、高い筆記時安定性は維持されている。

↑口金内部のダイレクトタッチ機構。これがペン先のガタつきを抑えて安定させる

 

特にペン先のカチャカチャという微細振動を抑制した書き心地は、剛性の高い高級車のフィーリングに近く、快適そのもの。この辺りは、見た目がどれだけ違っても、やはり「ブレン」シリーズのペンといったところだろう。

 

筆圧をかけずに軽く書ける新しいS油性インク

最も大きな差分といえるインクの変更だが、やはりエマルジョンインクからS油性インクになったことで、なめらかさはかなりアップしたように感じられる。従来のエマルジョンインクも決してタッチが重かったわけではないが、しかしやはり低粘度油性のS油性インクの方が確実に軽い。

↑書き味の軽さを最大限に体感できるのが、手持ちのメモなど不安定な紙面への書き込みだ

 

そしてこの軽さが活きるのが、ハンドメモや手帳を手持ちしての筆記だ。

 

油性ボールペンは、紙の上にペン先のボールを押し付けたまま転がすことでインクを引き出すという仕組み。つまり、手持ちのメモだと紙面がふわふわと安定せず、ボールが転がりにくい。結果としてシンプルに書きづらいということになる。

 

対してS油性インクは摩擦係数がとても低いため、紙に軽く当たっているだけでもボールが転がって、インクを出すことができる。不安定な紙面に無理に筆圧をかけようとする必要もなく、本当に軽く書くことができるというわけだ。

↑発色が良いとされてきたエマルジョンインクよりも、さらにクッキリと黒い。油性インクとしてはかなり良好な発色と言える

 

それに加えて、発色の良さも大きなポイントだ。

 

エマルジョンインクと比較してもかなり鮮やかに黒々と発色するため、筆跡の可読性もかなり高い。筆跡が薄いと、どうしても筆圧をさらにかけてゴリゴリと書いてしまいがちだが、しかし逆に、軽く書いても筆跡が濃く出るなら、自然に筆圧も抜けて、さらに軽く書くことができるようになるはず。このあたりは、高発色と低粘度/低摩擦の良いシナジーと言えそうだ。

↑ブレない低粘度油性はペン先を紙に当てたところからズレないので、手帳へ細かな文字を書き込むにもわりと使いやすい

 

また、極端に摩擦係数の低いインクは紙に当たったときにペン先のブレを増幅して手に伝えることがあって、これが何度も繰り返されるとそれなりのストレスになってしまう。

 

であれば、低粘度油性インクとブレないブレンシステムの組み合わせそのものが、元からかなり相性が良いとも言えそうだ。

↑ブレンシリーズのリフィルは共通なので、入れ替えも問題無し

 

ところで、この稿の始めの方で「従来型の「ブレン」ファンからはデザイン面で賛否が分かれそう」と書いたが、ご安心を。従来型「ブレン」用エマルジョンインクのNCリフィルと、S油性のSYリフィルはサイズ・径とも共通で、入れ替えが可能なのだ。

 

なので、「S油性は気に入ったけどデザイン的には前のブレンがいい!」という場合は、リフィルだけ換装しちゃってもなんの問題も無し。自分の気に入るように組み合わせてしまおう(メーカー公認)。

 

普段使いから水彩画の下絵までこなすサインペン「ピグマ」。海外モデルが数量限定で発売!

サクラクレパスから、1982年に世界で初めて開発した水性顔料サインペン「ピグマ」の海外モデル 「Pigma Micron」が、数量限定で9月中旬から発売されます。価格は220円(税込)です。

 

42年前に、同社が世界で初めて開発した水性顔料サインペン「ピグマ」。ペン先の太さがミリ単位で異なる線幅が多くそろい、イラスト、製図、手帳への記入など、用途に合わせて選べるのが魅力のひとつです。

 

水性でありながらも耐水性・耐光性・耐薬品性に優れたペンとして、長年愛されてきたこのモデルは、海外でも多くのファンが存在します。国外では「Pigma Micron」と称して発売されており、日本ではラインナップにないカラーであるブルーブラック/バーガンディ/パープル/クールグレイ/ハンターグリーンなどが今回、数量限定での発売に至りました。カラーだけでなく線幅のラインナップも豊富で、6線幅・最大7色 計12銘柄が用意されます。

↑日本(上)と海外(下)の「Pigma」の違い

 

耐水性に優れていると、水彩画の下絵に使用するにも最適。そして、光にあたっても色褪せしにくい耐光性なので、展示作品の使用にも向いています。ハガキの宛名書きやノートへの書き込み、手帳などの狭いスペースへの記入だけでない、アーティスティックな用途がふんだんにあるサインペンです。

 

ブランド名(メーカー名):サクラクレパス
商品名:Pigma Micron
価格:220円

アイデアや情報をまとめる「コモンプレイスブック」作りに最適! 1本で3色使える連結ペン「ジョインドッツ」と「コモンプレイスブック用ノート」が新発売

デザインフィルは、同社が展開するプロダクトブランド「ミドリ」から、コモンプレイスブック作りをサポートする3色連結ペン「ジョインドッツ」「ジョインドッツ3本入」と、コモンプレイスブック作りに最適なノート「コモンプレイスブック用ノート」を、8月29日に発売します。

 

ジョインドッツは、3色が1本にまとまった連結式のペンです。コモンプレイスブック作りに不可欠なジャンルごとの色分けを、1本で手軽に行なうことができます。思いついたアイデアや新しい情報などを自由に記録したあと、色分けしてマークすることで、書き込んだ内容が後から振り返りやすくなります。

 

ペン先はオリジナルの形状を独自に開発した、押すだけでドットがきれいに描ける丸型です。筆記の角度によって細・中・太の3種類の太さのラインマーカーとしても使用できます。

 

インクのカラーは、明るい雰囲気のブライト、パステル、ミルキーと、落ち着いた雰囲気のダスティ、モカ、ダークの計6種。価格は594円(税込)です。ジョインドッツ3本入は、ブライト、パステル、ミルキーをセットにしたライトトーン、ダスティ、モカ、ダークをセットにしたグレイッシュトーンの2種類で展開します。価格は1716円(税込)。

 

コモンプレイスブック用ノートは、コモンプレイスブックを始めるのにぴったりな工夫を盛り込んだノートです。サイズはA6サイズで、各ページの端にガイド線があり、ジャンルごとに色分けがしやすくなっています。記入スペースは2.5mmの方眼罫。全ページにページ番号を入れています。

 

巻頭のインデックスページと連動させて、お気に入りのトピックについて書き出したり、日付を書いておいたりすることができます。設定したジャンル(KEY)をメモしておけるしおり付きで、ページを開きながらジャンルと色を確認できます。価格は418円(税込)。

 

ジョインドッツ
■種類:
ブライト…フレッシュグリーン/ターコイズブルー/コーラルレッド
パステル…レモンイエロー/ペールブルー/ラベンダー
ミルキー…ミルキーピンク/ミルキーグリーン/ミルキーベージュ
ダスティ…ダスティイエロー/ダスティブルー/ダスティピンク
モカ…モカブラウン/カフェラテ/グレージュ
ダーク…ダークブルー/ダークパープル/ダークオリーブ
■サイズ:直径13×H158mm

ジョインドッツ3本入
■種類:
ライトトーン…ブライト/パステル/ミルキー
グレイッシュトーン…ダスティ/モカ/ダーク

コモンプレイスブック用ノート
■カラー:グレー、ベージュ
■サイズ H148×W105×D5mm

1本で4種の書き心地だと!?プラチナ万年筆のハイスペすぎるシャーペン「PRO-USE241」はまさにプロユースに耐える全部のせ仕様

筆記具メーカーのプラチナ万年筆は、製図用シャープペンの書きやすさと使いやすさを追求し開発した「PRO-USE(プロユース)」シリーズに、付加価値を盛り込んだ「PRO-USE 241(プロユース241)」を新しくラインナップし、8月1日より発売をスタート。

1999年から発売されている「PRO-USE」シリーズは、製図用シャープペンの書きやすさ・使いやすさを追求し開発されており、今回の「PRO-USE 241」は機能をふんだんに盛り込んだ今までにないシャープペンとして完成させたといいます。

 

新モデルの特徴は、筆記中に芯が先端パイプから見えなくなると筆記と共に芯パイプがスライドして筆記できる「ハヤーイ機構」や、筆記中に一定の筆圧をかけると芯がパイプに戻る「シンスイッチ機構」を搭載している点。どちらの機能も、シーンに合わせてON/OFFが調整でき、組み合わせ次第で4種の筆記感を体験できます。

 

「ハヤーイ機構」では、芯パイプ可動ONの場合、筆記中に芯パイプから芯が見えなくても右写真の状態まで芯パイプが下がって、即座に筆記が可能になります。

 

 

もうひとつが「シンスイッチ機構」。芯クッションONでは筆圧をかけすぎると芯がクッションにより芯パイプ内に戻る仕組みです。

 

ほかに「PRO-USE 241」では、外部衝撃から芯を守る「オ・レーヌガード機構」も引き続き搭載されており、 筆記時に起こる芯折れのストレスから守ります。

 

まさに“プロユース”にふさわしいハイスペック仕様。製図作業だけでなく、日常使いとしても使い込めそうです。

 

プラチナ万年筆
製図用シャープペン「PRO-USE 241」
2750円(税込)

クルトガ誕生から16年…フルメタル軸採用の「クルトガメタル」を“クルトガの完成形”と評価する理由

昨今、中高生の間でとにかく人気が高いのが、シャープペンシルだ。彼ら彼女らにとっては日常で最も使用頻度の高いツールだから、こだわりを持つのは当然だが、それにしたって我々大人からすると「えっ、そんなに!?」と驚くほどの注目度合いなのである。

 

実際、シャープペンシルの新製品が発売された直後にちょっと大きめの文房具店へ行くと、中高生(どらちかというと男子が多いが、女子もいる)が、「売り場にあのシャープペンシルが無いが、売り切れか?」「次の入荷日はいつか?」「予約は可能か?」「取り寄せは可能か?」……などと店員に詰め寄っているシーンをほぼ確実に見ることができる。あまりにアツすぎて、製品によっては1人1本制限は普通だし、店頭で抽選販売となっているケースだってザラなのだ。

 

このシャープペンシルブームの火付け役はといえば、それはまず間違いなく2008年に発売された三菱鉛筆「クルトガ」シリーズと言って間違いないだろう。書く度に少しずつ自動で芯先を回転させる「クルトガエンジン」を搭載し、偏減りなく鋭い筆跡が得られるこのシャープペンシルは、今でもとにかく人気が高い。

 

そんなクルトガシリーズに新たに金属軸モデルがラインアップしたということで、今回は(筆者が発売日の朝から店頭に並んでなんとかゲットしてきた)その最新版クルトガを紹介しよう。

 

クルトガにハイグレードなフルメタル軸登場

4月に発売された「クルトガメタル」は、その名の通り、フルメタル軸を採用した高級モデルだ。

 

クルトガの高級モデルといえば、2022年に発売された「クルトガダイブ」を思い出す人も多いだろうが、正直なところ「ダイブ」は本来のクルトガシリーズよりはるかに高度な機構を搭載しており、系統的にちょっと別物では? といった感もある。対してこの「クルトガメタル」は、機構やルックスも含めて“現行クルトガの正統ハイエンド”と言えるものだ。

三菱鉛筆
クルトガメタル 0.5mm
2,500円(税別)

↑雰囲気はKSモデルを踏襲しつつ、ワンポイントでダイブっぽさを取り入れた印象。

 

ルックスは、2023年発売の新しいスタンダード版「クルトガKSモデル」の雰囲気を継承しつつ、金属軸ならではのスリムさがあり、さらにクリップ部は「クルトガダイブ」と同様のシンプルな板バネクリップを採用。このあたりは、端的に「スタンダードに高級感をプラス」という方向性のデザインなのだと思われる。

 

加えて、軸表面には全体に微細な溝の切削とブラスト加工が施されており、これが程よく光を拡散させることでテカテカ感を打ち消し、ドッシリとした重厚感の演出になっているようだ。

↑軸表面は全体に細かな溝が彫り込まれており、光を穏やかに反射している。

 

↑グリップはサラサラしているが、指先に力を入れて握るとジワッと吸い付く感じ。とても不思議なグリップ感だ。

 

グリップは一見するとシンプルに溝を彫っただけのようだが、握るとその見た目以上にがっちりとすべり止めが効いている。これは、先に述べた微細溝加工がグリップにまで入っており、大きな溝と組み合わさることで、まるで指紋に食い込むかのような強いグリップ感を生んでいるのだ。

 

筆者はメタルグリップとはとにかく相性が悪い(手汗でスルスルとすべる)のだが、これは文句の付けようがない安定感で、今まで握った金属軸の中でも間違いなくトップクラスに握りよいグリップだと感じた。

↑後ろ側に搭載されているクルトガエンジンと、重量感のある真ちゅう製口金とでバランスが取れている。

 

握った際の重心位置は、「KSモデル」と比べるとわずかに前重心気味といったところ。バランス的には特に不満はなく(もうちょっと低くてもいいが)、グリップ感の良さと相まって、手の中にしっとりと収まる感じがとても心地よい。

 

「KS モデル」以降はクルトガエンジンが軸後方に配置されているため、やや重心位置が上がるのだが、対抗して口金に真ちゅうを使うなどして重さを調えているようだ。重量は17.6gと重めだが、コントロールも十分に利いて、握り心地の満足度は非常に高いように感じた。

 

「これこそクルトガの完成形では!?」と驚く筆記感

肝心の筆記感はどうかというと、これがまた想像以上に良かった。クルトガは芯を自動回転させる構造上、どうしても書く度に微妙なカチャカチャとしたブレが発生してしまう。正直、筆者はこの芯先のブレが苦手で、クルトガを長らく避けていたぐらいだ。

 

しかし、新スタンダードこと「KSモデル」はこのブレをかなり抑制できており、筆記感は大幅に向上していた。

↑芯先のブレの少なさはKSモデル以上で、これは本当に優秀。

 

↑ツヤのある樹脂パーツがニブダンパー。こんな小さなパーツだがブレ抑制効果はかなり大きい。

 

では「メタル」はというと、ブレの抑制具合は「KSモデル」以上で、体感的にはほぼ普通のシャープペンシルといった感じ。ブレによる不快感もほぼ無く、これはかなり驚かされた。機構的に「KSモデル」と同じクルトガエンジンを積んでいるのは間違いないだろうが、それに加えて、口金とペン先の間に挟まれた樹脂製の“ニブダンパー”というパーツが効果を発揮しているらしい。

 

正直なところ、このパーツがどういう理屈で効いているのかはハッキリ分からないが……おそらくはパーツ間の隙間をほどよく埋めることでカチャつきを伝わりづらくしているのではないだろうか。

↑クルトガに苦手意識を持っていた筆者ですら「これで書きたい!」と思うほどの筆記感。間違いなく“買い”の1本だ。

 

バランス良く、握りやすく、筆記感も文句なし。かつ、クルトガならではの芯先の鋭さのおかげで、整った文字が書きやすいというメリットも確実に享受できるんだから、とても優秀な筆記具であることは間違いない。

 

超人気製品ということでしばらく品薄は続きそうだが、ともあれ見つけたら即確保すべきだろう。

 

トンボ鉛筆「ZOOM」が果たした“知的なリブランディング”。「コインの裏表」と表現される魅力は?

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される “手書きツール” を、1点ずつピックアップしている。第33回となる今回は?

2024

第33話

トンボ鉛筆
ZOOM
7700円(左/C1)、4400円(中央/L1)、3520円(右/L2)

 

今春、「1本の、美学。」をコンセプトにリブランディングされた、1986年誕生の筆記具ブランド。日本の技術と感性が融合した自由で新しいスタイルの筆記具を3種類揃える。C1、L2は油性ボールペンとシャープペン、L1は水性ボールペンをラインナップする。

 

あのデザインペンの名作が知的にリニューアル。

今年2月、トンボ鉛筆の筆記具「ZOOM」シリーズのリブランディグモデルが発売されました。  オリジナルは1986年発売。国産デザイン筆記具の先駆け的存在であり、歴代ラインナップのなかでも、特にキャップ式・太軸の「505」や極細軸の「707」は、今でも現役の人気製品。現在売られているどのボールペンと比べても遜色ないほど、鮮烈でキャッチーなルックスを誇っています。

 

そして2023年。爛熟とも言える現在のボールペン界のなかで、満を持してのこのリブート。その出発にあたり、現状のボールペン界を「ユーザーのリテラシーが高まり、質の高いものを受け入れやすい土壌が整っている」と捉えるか、あるいは「いや、いまは安いボールペンでもそれなりにデザイン化されている。そのなかで差別化を打ち出すのは難しい」と捉えるかで、立てる問いと答えが変わってきます。実際このふたつはコインの裏表。さて、今回のZOOMはどちらに軸足を置くのでしょう?

 

発表された3つの製品のうち、メインは油性ボールペンの「C1」。ボディは表面にアルマイト加工を施したジュラルミン製。サラサラと手触りが良く、高級感は申し分なし。さらにデザインの最大の特徴は、ノック部と胴軸が切り離され、まるでノックパーツが浮いているかのように見えること。手に持って書いているとき、ふと目を落とすと隙間から机がチラ見えする「抜け感」(文字どおり!)は前代未聞。クリップは金属性で剛性が高く、それでいて重さもさほどないため重心バランスも悪くありません。大胆なギミックではあるものの、決して使いやすさは犠牲にしていないのです。

 

続いてゲルインクボールペンの「L1」。こちらはシルバーの本体にDURABIO TMという透明なプラスチック素材をレイヤードしており、太軸・キャップ式という外見はまさに「505」の正統後継者。それだけに安心感と安定感があり、今回のなかでは最も扱いやすく感じました。また、特筆すべきは、C1、L1ともに新しいリフィルが開発されており、これが従来のトンボ鉛筆のボールペンと比べて桁違いの書きやすさであること。実はこのリフィルの誕生こそ、今回のリブランディング最大の功績と言っていいぐらいです。

 

そして個人的に最も気に入ったのがシャープペン/0.5mmボールペンの「L2」。スリムな外見は「707」の遺伝子を感じさせつつ、よりソリッドなフォルム。ネオラバサンという塗料はまるでヌバック革のようなソフトな手触りで、トグルスイッチ風のノックパーツや細身のクリップと合わせ、使い手に繊細な扱いを要求します。この造りは、シャープペンのボディとしてとても理にかなっています。

 

こうして今回のZOOMリブートを見渡してみると、全体的に外見のインパクトは控えめ。初代707のようなエキセントリックさはありません。そのかわり、こだわりの新素材とディテールのアイデア、トータルのまとまりで勝負。また、ハイレベルなリフィルや優れた重心バランスといった実用性、そして油性/ゲル/シャープでそれぞれ適切なデザインを配する合理性など、すべての要素が噛み合った、極めて完成度の高いプロダクトとなっています。何より、 “奇をてらわずともこの良さは伝わるはずだ” 、というユーザーへの信頼感さえ透けて見えます。前述したように、ユーザーのリテラシーと製品レベルはコインの裏表のようなもの。新生ZOOMは、その幸せな相関関係のカーブの頂点にそっと腰を下ろした、知的なリブート製品と言えます。

大人の汚文字に表面のドット加工が効く!レイメイ藤井「大人の魔法のザラザラ下じき」を書類の下に挟むと起きる変化と仕組みを解説

「子どもの頃は、大人になったら自然に字がきれいになると思ってた」とは、いわゆる “汚文字”(おもじ)に悩む大人たちがよく言うこと。当たり前の話だが、 字の練習を重ねないままでは、大人になっても個性的な字のままなのだ。筆者がまさにこのタイプである。文字が雑だと、幼い印象で読みづらい汚文字になりがちで、周囲からの印象があまりよろしくない。これは、社会人として生きていく上でそこそこのハンデと言えるだろう。

 

解決策はもちろん、字を練習すること。だが、そもそも「大人になったら字が上手くなる」と思い込んできた人達は悪筆を矯正しようという気概が薄い。何もしなければ、当然だが字が上達することはないのである。そういうことなら、手はひとつしかない。字が少しでもきれいに書けるツールに頼るのだ。

 

下敷き使用で筆記速度を落とすと字がきれいになる!?

もちろん、抜本的にきれいな字が書けるようになりたいのなら、ペン習字などによる練習が正解。しかし、手っ取り早く少しでも丁寧な字が書けるようになりたいのなら、文房具を変えてみる、という手段もある。例えば、自分の手に合った筆記具に変えたり、ノートの紙質を変えるだけでも、ずいぶんと字の印象は変わったりする。そんな中でもオススメなのが、「下敷き」の導入である。

 

レイメイ藤井から2024年2月に発売された「大人の魔法のザラザラ下じき」は、まさに「紙の下に敷くだけで字がいつもより少しきれいになる」という、魔法のような機能をコンセプトとした製品だ。

レイメイ藤井
大人の魔法のザラザラ下じき
A4 1100円(上写真左)/B5 1050円/A5 1000円(上写真右)/B6 950円(税別、以下同)

 

そもそも字が汚くなる最大の理由は「書き方が雑」という、身もフタもないもの。特に、元から字が下手な人は、そのコンプレックスから日常的に雑な走り書きをしがち。「走り書きしているから字が汚いんだ」と、自分に言い訳をしているというわけ。

↑撮影用にわざと雑に書いたわけでなく、筆者の筆記はわりと日常からこんな感じだ

 

それなら、雑な走り書きができないようにすれば、筆記速度が落ちてゆっくり丁寧な筆記になる=丁寧な字が書けるようになるはず。この場合、自分で「ゆっくり丁寧に書こう」と心に決めるだけでも十分に効果は出るのだが、長年ずっと雑に書いてきた手癖はそう簡単には矯正できない可能性もある。そこで効果を発揮するのが、今回紹介する大人の魔法のザラザラ下じき、と言うわけだ。

 

まず、下敷きの表側には、よく見ると0.3mmの細かな粒状の加工が施されているのが分かる。この “ドット” のある面をノートなど紙面の下に敷いてからペンで書くと、ペン先にもハッキリとドットのデコボコが感じられるはずだ。走り書きをする場合、とにかくペン先を滑らせるように動かすことになるのだが、これだけ紙面がデコボコすると、その摩擦で書く速度が抑えられる。つまり、物理的にペン先を走りづらくすることで筆記スピードを落とす、という仕組みである。

↑表面の拡大図。細かな凸ドット(高さ0.3mm)加工が前面に施されている

 

実際に試してみると、やはりゆっくり丁寧に書くことで、字の読みやすさは大きく向上したように感じられた。少なくとも「後から自分で読み返しても字の判別が付かない」なんてことはないはずだ。

↑下敷きを敷くと、ドットにペン先が取られて筆記速度が落ち、結果的に丁寧な書き方になるという仕組み

 

また、下敷き自体にくっきりと縦の罫線が入っているので、横罫の用紙に合わせることで、字間をきれいに揃える目安にもなる。これによって行頭がガタガタせずに整うので、さらに読みやすさをアップさせられる。縦書き用として使うと行の傾きを防ぐこともできるので、これもまた読みやすい文章が書きやすくなるだろう。

↑写真では分かりづらいが、下敷きの縦ラインがうっすらと紙面から透けて見えるので、行頭が揃いやすく見映えがアップする

 

ちなみに、ボールペンで書き比べてみたところ、もともと滑りすぎることで悪筆との相性が悪い低粘度油性系(「ジェットストリーム」や「アクロボール」など)が、グッと書きやすくなったのは印象的だった。ペン先のコントロール性が増したため、殴り書き・走り書きにならず、程よく落ち着いた書き味が楽しめるのである。

 

逆にあまりオススメできないのが、ゲル0.3mmの激細タイプ。こちらはどうしても、ドットにペン先をとられてしまってコントロールが乱れがちだった。一方、軸内にサスペンションを備えたゼブラ「サラサナノ」は、激細でも思ったより書きやすい。サスペンションが効いているんだ! ということが体感できて面白かった。

 

また、ペン先のブレが少ないゼブラ「ブレン」は、その剛性の高さによって逆に細かな凹凸を拾ってしまい、描線にはっきりとビビリが出ていた。バイクのリジッドサス(衝撃吸収機構を持たない棒状のサスペンション)に近い感覚である。

↑各ボールペンでの比較。ゲルの激細0.3mmが書きづらかったり、剛性の高いブレンだと凹凸を拾いすぎて線にわずかな振動が出てしまうなど、ボールペンの特徴によって書き心地も異なるという結果が出た

 

小学生用の人気下敷きを大人向けにリファイン

実はこの下敷きは、文房具総選挙2022で学研キッズネット賞を受賞、また同年7月の日本文具大賞では機能部門グランプリを獲得した「先生おすすめ 魔法のザラザラ下じき」という、学童用下敷きが大人向けにリメイクされたもの。字がうまく書けない小学生向けに作られており、実際に効果を体感している子どもたちも多いというヒット商品なのである。ちなみに悪筆の筆者も効果ありと感じており、発売以降ずっと愛用してきた。

↑こちらは先行モデルの学童向け商品「先生おすすめ 魔法のザラザラ下じき」(0.6mm 650円/0.3mm 800円、上写真は0.3mm)。基本的な仕組みは大人用とまったく同じ

 

今回の大人用と学童用は、いずれもメイン機能となる0.3mmのドットは同じ。ただし、学童用には、幼児~小学生低学年用に0.6mmドットも用意されている。そのほか、表面の印字が方眼(学童用)と縦罫線(大人用)、裏面の加工がツルツル(学童用)とマット加工(大人用)といった辺りが変更点となっている。

↑学童用(右)の裏面はツルツルで走り書きしやすい仕様なのに対して、大人用(左)の裏面は細かいシボのマット加工でゆったり書き用になっている

 

また、学童用のラインナップがA4とB5だったのに対して、大人用はA4・B5・A5・B6と幅広くなっている。特に、A5とB6は手帳で使いたいという人も多いはずで、大人向けとしては納得の変更点だ。筆者もノートはA5で統一しているので、実はこれまでは学童用のザラザラ下じきA4サイズを半分にカットして携帯していた。これからはそんな手間無しで大人用を購入すればいいので、個人的にもこれはありがたいのである。

↑学童用下じきにはA5サイズが無かったので、A4を半分に切って使用していた

 

大人になって下敷きを使う人はおそらくかなり少数派で、改めて導入することに抵抗感を感じる人がいるかもしれない。とはいえ、ただ敷くだけでそれ以外の労力は無しに、読みやすい字が書けるようになるというのは、わりと大きなメリットなのではないだろうか。

 

普段使いのノート・手帳に挟んでおけば持ち運びの手間はないし、ついでにインクの裏抜けを防げたりもするので、便利なことは間違いなし。もし今、「自分の字が嫌い」「人前で字を書きたくない」など、大人の汚字に悩んでいるのなら、落ち着いて丁寧に字を書くクセを付けるべく、ぜひ常用することをオススメしたい。

 

ペン先がブレないだけじゃない!ゼブラ「ブレン4+S」の“隠れ”機能で強化された価格以上の使い心地

2019年に発売されたゼブラ「ブレン」は、ノック式ボールペンでは避けられないとされていた “筆記時の微細なペン先ブレ” を解消した、非常に高機能なボールペンだ。実際に書いてみると、確かにブレない……むしろ、他のボールペンってこんなにブレてたのか!? と、気付かされたほどだ。高い剛性感で長時間の筆記が快適になるということで、発売後すぐに多くのファンを獲得したのも納得である。

 

3色の「ブレン3C」、2色+シャープの「ブレン2+S」と、多機能化によって展開を広げてきた同シリーズだが、ついに多機能のMAXモードとも言える4色+シャープ(S)を搭載した「ブレン4+S」が発売された。シャープユニットと合わせて合計5本ものリフィルを詰め込んでもなお、低重心でブレのない筆記感を生み出す「ブレンシステム」は従来通り機能するのか?

 

今回は、4+Sでブレン独自の “どっしりしつつなめらか” という希有な書き味が感じられるのかどうかを中心に試用してみた。

 

ついに登場、ブレンの4色+シャープ

2024年2月末に発売されたゼブラ「ブレン4+S」は、冒頭でも述べたとおり、お馴染みブレンシリーズの最新ラインナップとなる多機能ペンだ。機能の配置は、まず長楕円になっている軸後端の円周に黒・赤・青・緑のエマルジョンインクのサイドノックが並び、楕円頂点にあるクリップがシャープのノックを兼用している。4+Sの構造として珍しいものではないが、もともと楕円をイメージしているブレンのフォルムからは大きく変えずに、各ノックを配置したデザインはなかなかに上手い。

ゼブラ
ブレン4+S(0.5mm/0.7mm)

1000円(税別)

 

グリップは実測で直径約13.3mmと、かなり太軸。とはいえ、ブレン3Cと比べると、2機能も追加されたほどの太さは感じない(後端のサイズはかなり違うが)。これは、軸の板厚を強度が落ちないギリギリにまで薄くする、というスリム化の工夫の賜物のようだ。また、デザイン的に凹凸が少ないので、すっきりスリムに対する視覚的要素もあるだろう。

↑軸後端から見たノック配置。周囲に4色ノック+シャープ用クリップノック計5機能を備えている

 

↑ブレン3Cとの比較。軸径自体は「確かに4+Sの方が太いかな?」程度の印象。ただし、ノック機構が集中する軸後端にはかなりサイズ差があった

 

↑比べて見ると、4+Sは軸の肉厚がかなり薄くなっている。これで内径を稼いで5本のリフィルを詰め込んでいるのだ

 

握ってみると、筆記時の安定感はかなり高い。これは、前軸全体に金属パーツを取り付けたことで、思い切った低重心化を果たしているからだ。多機能ペンはどうしても機構が後ろに集まってしまうため、重心位置が高くなってフラフラしがち。そこをしっかり抑え込めていることには “ブレンらしさ” を感じられた。

↑多機能ペンとしては画期的なぐらいに重心バランスが取れており、安定していて握りやすい

 

何より、ブレンらしさといえば、ペン先のカチャカチャとしたブレをどこまで抑えられているか、が重要なところ。多色/多機能ペンは、軸の内縁からペン先に向けてリフィルを突き出すという構造上、どうしても飛び出したペン先が傾くし、その分だけ口金の先端でブレが生じやすい……というか、ブレをゼロにするのはかなりの無理筋と言えるだろう。

 

もちろん、ブレン4+Sも、ブレを完全に抑え込めているとは言い難いが、口金先端でリフィルをホールドするダイレクトタッチがきちんと効いているので、他の多機能ペンと比べたら、圧倒的にガッチリと剛性感のある書き味となっている。この差は、誰でもはっきり体感できるはずだ。

↑前軸は口金まで通して金属化されており、重心位置を下げるオモリとして機能している

 

特に、ペン先を紙に当てたときの “逃げ” がないので、手帳などの小さい紙面でも狙った位置からピタッとズレなく書き始められるのはとても快適。この辺りは、3Cや2+Sから変わらず、「さすが多機能でもちゃんとブレン!」といったところだ。

↑先端の白いパーツでリフィルを包んで口金との隙間を無くし、カチャカチャとしたブレを抑制している

 

↑剛性感のあるブレの少ない書き味は、細かい文字をびっしり書いたり、長時間筆記したりする際のストレスを軽減してくれる

 

シャープペンシルの芯出しノックはクリップ部で併用

シャープペンシルを使う際は、クリップ部をグッと押し込んでペン先を出し、さらにそこからもう一段階の押し込みで芯出しノックとなる。ただし、多機能の構造上、どうしてもペン先を出した時点でクリップが少し軸側に引き込まれてしまうため、手がかりが減って、芯出しノックが少々やりにくいようには感じた。正直、これは慣れるか、自分なりに押しやすい方法を模索するしかないだろう。

↑シャープノックは、この状態からノブをもう一段階カチッと押し込んで芯出しを行う。正直、指のサイズが大きい人には押しにくい

 

芯の補充については、一般的な多機能と同じく、前軸を外してからシャープユニット自体を抜き取って行う。ユニット自体が細いので、芯は最大でも2本ぐらい。無理をすると簡単に詰まってしまうので、ほどほどでおさめておいたほうが安心だろう。

 

ブレないだけじゃない、細かな機能も山盛り!

シャープ機能で意外と気付かれていないのが、軸後端のキャップをポコッと引っ張り外すと出てくる消しゴムだ。消しゴム自体はサイズが小さくて超便利! と言うほどではないが、あって嬉しいおまけ要素と言えそう。

↑実は気付いている人が少ない、軸後端の消しゴム。2+Sには無かった嬉しいサービスだ

 

さらにもうひとつ、おまけ要素として嬉しかったのが、クリップが可動式のバインダークリップ仕様なところ。多色/多機能は手帳とセットにするケースが多いので、厚めの表紙でも挟んでおけるバインダークリップがあると地味に助かるのである。

↑実は気付いている人が少ない、軸後端の消しゴム。2+Sには無かった嬉しいサービスだ

 

思い返せば、ゼブラの多機能4+S「クリップ-オン マルチ」「サラサマルチ」「スラリマルチ」には、可動式バインダークリップが搭載されている。どうやらゼブラには「4+Sにはバインダークリップが必須でしょ!」と、いう感覚が共有されているようだ。もちろん、ユーザー的にもありがたいので、ぜひ今後もその線で続けていただきたい。

 

4色+シャープが、低重心かつペン先がブレないブレンシステムで書きやすく、さらに消しゴムとバインダークリップというおまけまで付いている……まさに機能盛り盛りである。これだけ機能が盛り込まれていて、税込1100円はコスパがかなり高い。

 

特に、ペンケース無しで1本だけ筆記具を胸ポケットなどに差して持ち歩きたい派(これは意外と世間的にマジョリティなのだ)には、ドンピシャで刺さること間違いなしだ。本記事を読んでなんとなくピンと来た人は、迷わず購入を決めて損はないだろう。

 

【文房具総選挙2024】集中力がアップする暗記シートや文字が読みやすい下敷きなど大人でも見逃せない「キッズの勉強がはかどる」文房具15点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2024」がスタートしました。ここでは、【トレンド部門】「キッズの勉強がはかどる文房具」部門にノミネートされた文房具15点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

文房具総選挙2024の投票はこちらから

 

【「キッズの勉強がはかどる文房具」部門】

赤シートやでんぷん糊、鉛筆など、ゲットナビ読者世代には懐かしい あの定番商品たちの最新モデルがズラリ。なかでも暗記シートの新作が豊富で、「まだ、進化の余地があったのか!」と驚かされる全15点がノミネートしました。

 

No.59

クツワ
エアピタファスナー
1980円

置くだけで机にピタッとくっつく倒れないペンケースの軽量タイプ

底面に備えた吸盤が机にくっつき、揺らしても倒れない立つペンケースの新型。布製で90gと従来品の約半分に軽量化している。内側上部にポケットがあり、消しゴムや付箋などの小物が取り出しやすい。

 

No.60

クツワ
カクシート
638円(スリム)、748円(A5)

繰り返し書いて覚えるメモスペース付きの赤シート

繰り返し書き消しできるメモスペースを備えた暗記用の赤シート。黄色いメモスペースは、ペンのキャップや指先などで書き込め、シートをめくると文字が消える。A5サイズとスリムサイズの2種。

 

No.61

コクヨ
キャンパス 青色シートで覚える 暗記用ペンセット
308円

集中に効く(※) “青色” を採用した暗記専用ツール

集中力維持が期待できる青色を採用したシートと、オレンジマーカー、水色ペンのセット。マーカーは、重要な箇所を目立たせながらも可読性を下げない明るいオレンジ。シートを重ねるとマークした文字が隠れる。

 

※:青色の効果は心理評価によるものであり、個人差や環境により効果は異なります

 

No.62

KYOKUTO
X-ZONE『付箋』
各550円

学びを深める問いや見出しが書かれた勉強用付箋

「どうして間違えたの?」「間違えない方法は?」などの問いや、「ここは覚える!!」「余談だけど……」といった見出しが書かれた付箋。書き込むことでミスの対策を考えたり、学びを深堀りしたりできる。

 

No.63

パイロット
ザ・ドクターグリップ(0.3mm)
各990円

芯出し機構にロックがかかる静音設計の細書きシャープペン

ボディを振ると芯が出る人気シャープの0.3mmタイプ。芯を繰り出すときの操作音を従来品の約半分に抑える静音設計で、移動中の衝撃などで芯が出るのを防ぐ「フレフレロック」機構も搭載している。

 

No.64

ソニック
速暗! 2色で書いて覚える 暗記用ペン&4枚シートセット
660円

書き込み内容を2段階で隠して暗記効率アップ!

2色のシートとペンのセット。答えをオレンジ、ヒントをピンクのペンで書き、オレンジシート(答えのみが隠れる)を使って問題が解けるようになったら、次に赤シート(答えとヒントが隠れる)を使う。

 

No.65

レイメイ藤井
超観察スコープ
2310円 (3月下旬発売)

シーンに合わせて変形する水陸両用の拡大鏡

レンズフードを拡張できるシリコン製の拡大鏡。観察物に近づけて観察できる「ルーペスコープ」、観察物の上からかぶせて使う「虫かごスコープ」、水中を観察できる「アクアスコープ」の3つに変形する。

 

No.66

クツワ
ノートぴったりに切れる定規
418円

プリントをノートサイズに切れるガイド付き定規

学習プリントをノートサイズに切るためのガイドが付いた定規。目盛り側の側面に45度の傾斜が付いており、定規で押さえた紙を手前に引くときれいにカットできる。折り畳み式で、伸ばすと30cm定規に。

 

No.67

ソニック
ポジットペンシル
各935円

指を入れて書くだけで正しい握り方が身につく

握り方トレーニング用のシャープ。リングに指を入れると、自然と正しいポジションで握れる。シャープペンのため、削るたびに外すという手間がない。芯は0.7mmと1.3mmの2種で、右手用と左手用がある。

 

No.68

サンスター文具
metacil school
各330円

削らずに書き続けられる新感覚の鉛筆が学生仕様に!

芯の摩耗が少ない「特殊黒鉛」を使った鉛筆の学生向けモデル。芯の濃さはF鉛筆相当で、削らずに約5km、漢字練習帳約18冊ぶん書き続けられる。軸には成長が早いサステナブルな竹を使用し、約3gと軽い。

 

No.69

クツワ
モジサシ下じき
286円

文章がスラスラ読めるリーディングマーカーにもなる!

教科書などに書かれた文章の1行分だけ色が異なり、読んでいる行を強調してスラスラ読めるようにするリーディングマーカー付きの下敷き。上と左の側面には目盛りがあり定規としても使える。

 

No.70

ヤマト
ヤマト糊 タピコ
319円

ロングセラー糊が手を汚さずに塗れるチューブタイプに

手を汚さずに容器から直接塗れるチューブタイプのでんぷん糊。小さな穴が開いたキャップと、子どもでも握りやすい柔らかな容器を採用。原料は、ロングセラーの「ヤマト糊」と同じタピオカでんぷん。

 

No.71

三菱鉛筆
uni タブレット授業えんぴつ
924円(1ダース)

新開発の特殊な芯で濃く書けて反射もしにくい

従来品より濃くはっきりとした文字を書ける2B鉛筆。黒鉛筆芯特有の反射を抑え、明るい照明の下でも視認性が高い。書き込んだノートを写真に撮ったときに反射せず、撮影者の影が写っても見やすい。

 

No.72

サンスター文具
ヨコピタ ギガテクト
各2200円

ランドセルの隙間にも入れられる耐衝撃型の筆箱

柔軟性のあるエラストマーフレームとリブ構造で、従来品よりも耐衝撃性や歪み強度を高めた筆箱。コンパクトサイズで、教科書を入れたランドセルの上部に横向きでピッタリ収まる。鉛筆削りも付属。

 

No.73

サクラクレパス
ライトルシャープ
各550円

視認性の高い細いペン先を完全収納できる新機構を搭載

ペン先を完全に収納できる「ダブルノック機構」を搭載。細いパイプ型のペン先は、視認性が高い一方でペン先を収納できないタイプが多く、携行時に折れや曲がりが生じやすい。その点本品なら安心だ。

 

※価格は全て税込みで表示しています。

 

「文房具総選挙2024」投票はこちらから

 

トレンドと機能で分類した9部門・100商品!

「文房具総選挙2024」は、機能によって分類した5部門に加え、時代を象徴するはかどり文房具をピックアップした  “トレンド部門”  には、1年ぶりに復活した「SDGs文房具」など3部門、さらに “特別部門” として、2013年発売以降5年以上売れ続けている学生向け文房具に絞った「キッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具」部門の、計9部門。総数100点もの商品がノミネートされています。

 

【機能別部門】

■ 書く・消す 部門
人気ブランドの多色・多機能ペンを中心にラインナップ。ペン先の線幅を変えることで使い心地を向上させた、アイデア商品にも注目だ。 “くすみカラー” のトレンドは今年も健在で、すっきりとした見た目のアイテムが多い。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949724/

■ 記録する 部門
今年は、「キャンパス」、「ロルバーン」、「ニーモシネ」、 「プロジェクトペーパー」とロングセラーブランドの新作が相次いで登場。 新機構を搭載し多機能化したクリップボード類もアツい! 全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949766/

■ 切る・貼る・綴じる 部門
ダンボールの開梱ツールを筆頭に2Way、3Wayで使えるアイテムから、 袋や封筒を開ける単機能特化型アイテムまでバラエティに富んだアイテムが集合。 教科書や手帳を広げた写真をアップするSNSトレンドの影響も見られる。全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949796/

■ 収納する 部門
昨年は書類入れのノミネートが多かったが、今年は筆記具や PC小物を収納するツールが豊作。広がったりくっついたり立ったりと、 ペンケースが変形するのはもはや当たり前の時代に。全12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949833/

■ 印をつける・分類する部門
「その手があったか!」と膝を打ちたくなる画期的な捺印アイテムを中心にラインナップ。本来の機能を十分に発揮しながらも、 日常に馴染むオシャレなデザインのアイテムが多い。全9商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949864/

 

【トレンド部門】

■ キッズの勉強がはかどる文房具 部門
赤シートやでんぷん糊、鉛筆など、ゲットナビ読者世代には懐かしい あの定番商品たちの最新モデルがズラリ。なかでも暗記シートの新作が豊富で、 「まだ、進化の余地があったのか!」と驚かされる。当部門は「学研キッズネット」からも投票が可能だ。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949948/

■ キッズの勉強がはかどる環境をつくる文房具 部門

子どもたちの集中力ややる気をアップさせる環境整備アイテムがノミネート。なかでも半数を占める「タイマー」は、 “タイパ” を上げ、 ダラダラ勉強を防げるツールとして昨今人気だ。全8商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950024/

■ SDGs文房具 部門

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムが増えている。全12点がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950095/

 

【特別部門】

■ キッズの勉強がはかどる プチロングセラー文房具  部門

文房具総選挙が初開催された2013年以降に発売され、5年以上売れ続けている 文房具のなかで、昨今需要が高まっている学生向け商品に絞った新部門。 エポックメイキングかつ、いまなお現役の全7商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950177/

 

【文房具総選挙2024】常識を覆す構造のボールペンから修正ペンの進化形など「書く&消す」文房具15点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2024」がスタートしました。ここでは、【機能別部門】「書く・消す」部門にノミネートされた文房具15点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

文房具総選挙2024の投票はこちらから

 

【「書く&消す」部門】

人気ブランドの多色・多機能ペンを中心に、15商品がラインナップ。 ペン先の線幅を変えることで使い心地を向上させた、アイデア商品にも注目。 “くすみカラー”のトレンドは今年も健在で、すっきりとした見た目のアイテムが多い結果となりました。

 

No.01

レイメイ藤井
大人の魔法のザラザラ下じき
1045円(B6)〜1210円(A4)

ザラザラとした手触りが美文字をサポート

表面に施した細かいドット加工が、筆記時にザラザラと指に伝わることで、頭の中でイメージした通りの文字が書けるようになる下敷き。流れ文字や雑文字、字形の不揃いなどの改善効果を期待できる。

 

No.02

ゼブラ
クリックブライト
各132円

小さな文字もきれいにマークできる細字蛍光ペン

従来の蛍光ペンの約半分にあたる2mmの線幅のペン先、「ハーフラインチップ」を搭載。小さな文字や注釈もきれいにマーキングできる。ノック式で、キャップなしでも乾かない独自インクを採用している。

 

No.03

エポックケミカル
ゴツ盛りインクの蛍光ペン
各374円

超大容量インクで長く使える高コスパペン

一般的な蛍光ペンの約6倍(同社商品比)ものインクを搭載しながら、価格を3倍程度に押さえた高コスパペン。筆記距離は約570m。インク残量が見えるため、買い替えのタイミングがわかりやすい。

 

No.04

ゼブラ
サラサクリップ3C
各440円

インク量はそのままに軸をスリムにした多色ゲルボールペン

軸径が従来品より8%細い多色ゲルボールペン。従来のスプリングを各インク芯に巻きつける構造ではなく、芯の隣に配置する「サイドスプリング機構」を採用し、インク量はそのままでスリム化を実現。

 

No.05

コクヨ
WPシリーズ
各4400円

「書くこと」が 特別な体験になるペンシリーズ

「キャンパスノート」をはじめ紙にこだわってきた同社が提案する、特別な書き心地のペンシリーズ。表情豊かな線が書ける「ファインライター」と、浮遊感のある書き味の「ローラーボール」の2種展開。

 

No.06

サンスター文具
topull B(トプルB)
各396円

押すのではなく引く! 常識を覆すボールペン

握ったまま2本の指で引いてペン先を出す「トッププル機構」を備えたボールペン。ノック時に持ち替える手間が省ける。ノック機構が先端にあることで、頭部をフラットにしたシンプルなデザインが可能に。

 

No.07

ゼブラ
ピタン
各1320円

ノートにピタッとくっつきサッと書き出せる

ノートに装着できる専用ホルダーと、そこに磁力で固定できるペンのセット。まるでノートの一部のように持ち歩け、書きたいときにサッと外せる。ミニマルなデザインはどんなノートにもマッチ。

 

No.08

パイロット
フリクションシナジーノック03
各275円

滑らかな書き味の激細フリクション

消せるボールペン「フリクション」シリーズで最も細いボール径0.3mmのペン先を搭載。同社独自のペン先「シナジーチップ」が、細書きとは思えない書き出しの良さと滑らかな書き味を実現している。

 

No.09

ゼブラ
ブレン4+S
各1100円

ストレスフリーなペンの5機能搭載モデル

筆記時のペン先のブレをなくしたボールペン、「ブレン」の多機能モデル。4色ボールペンとシャープを搭載しながらもコンパクトで握りやすい。厚手の紙も挟みやすいバインダークリップと消しゴム付き。

 

No.10

サクラクレパス
ボールサインiD 3C
各935円

さりげなく個性を表現できる黒にこだわった3色ペン

6色の黒を揃えたボールペン「ボールサインiD」シリーズの3色ボールペン。基本の黒・赤・青の組み合わせだけでなく、「青味のある黒・黒・赤」や「緑がかった黒・黒・赤」の組み合わせがある。

 

No.11

ぺんてる
ホワイトスピード
440円

幅広ペン先と速乾インクで修正時間を短縮!

ひと塗りで広範囲を修正できる線幅4.5mmのペン先を搭載した修正ペン。同社の従来品に比べ半分の時間で乾く超速乾インクを採用している。修正面が凸凹のないマットな仕上がりで、再筆記しやすい。

 

No.12

ぺんてる
マットホップ
各220円

高発色インクが写真の上でも存在感を発揮!

一般的な顔料ペンよりも大きな顔料をたくさん使った新開発インクが、マットな筆跡を実現。塗りつぶすだけで、シールを貼ったかのような存在感を生み出せる。濃い色の紙や写真の上でも鮮やかに発色。

 

No.13

サンスター文具
mute-on
各264円

カチカチ音を気にせずに堂々とノックできる

ノック音を同社従来品比で33%カットした静音設計のペン。ノック中はクリップが収納されて使えなくなるため、ペン先を出したまま胸ポケットに挿すという失敗が起きにくい。握りやすい三角軸を採用。

 

No.14

トンボ鉛筆
モノグラフ ファイン 0.5/0.3mm
各1210円

快適に書き消しできるハイクラスなシャープペン

ノック部に繰り出し式の消しゴムを備えたモノグラフのハイクラスモデル。ペン先がシェイプアップされており、書くときにペン先が見やすい。消しゴムを使うときは、自動でノックが固定される。

 

No.15

コクヨ
リサーチラボペン
各396円

研究の現場に適したアルコールに強いペン

理化学系の研究所でも使えるよう、アルコールが付着しても消えにくいインクを採用。水と混ざりにくいインクのため、結露した容器や凍結面にも筆記できる。ペン先が細く小さい容器にも書きやすい。

 

※価格は全て税込みで表示しています。

 

「文房具総選挙2024」投票はこちらから

 

トレンドと機能で分類した9部門・100商品!

「文房具総選挙2024」は、機能によって分類した5部門に加え、時代を象徴するはかどり文房具をピックアップした  “トレンド部門”  には、1年ぶりに復活した「SDGs文房具」など3部門、さらに “特別部門” として、2013年発売以降5年以上売れ続けている学生向け文房具に絞った「キッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具」部門の、計9部門。総数100点もの商品がノミネートされています。

 

【機能別部門】

■ 書く・消す 部門
人気ブランドの多色・多機能ペンを中心にラインナップ。ペン先の線幅を変えることで使い心地を向上させた、アイデア商品にも注目だ。 “くすみカラー” のトレンドは今年も健在で、すっきりとした見た目のアイテムが多い。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949724/

■ 記録する 部門
今年は、「キャンパス」、「ロルバーン」、「ニーモシネ」、 「プロジェクトペーパー」とロングセラーブランドの新作が相次いで登場。 新機構を搭載し多機能化したクリップボード類もアツい! 全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949766/

■ 切る・貼る・綴じる 部門
ダンボールの開梱ツールを筆頭に2Way、3Wayで使えるアイテムから、 袋や封筒を開ける単機能特化型アイテムまでバラエティに富んだアイテムが集合。 教科書や手帳を広げた写真をアップするSNSトレンドの影響も見られる。全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949796/

■ 収納する 部門
昨年は書類入れのノミネートが多かったが、今年は筆記具や PC小物を収納するツールが豊作。広がったりくっついたり立ったりと、 ペンケースが変形するのはもはや当たり前の時代に。全12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949833/

■ 印をつける・分類する部門
「その手があったか!」と膝を打ちたくなる画期的な捺印アイテムを中心にラインナップ。本来の機能を十分に発揮しながらも、 日常に馴染むオシャレなデザインのアイテムが多い。全9商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949864/

 

【トレンド部門】

■ キッズの勉強がはかどる文房具 部門
赤シートやでんぷん糊、鉛筆など、ゲットナビ読者世代には懐かしい あの定番商品たちの最新モデルがズラリ。なかでも暗記シートの新作が豊富で、 「まだ、進化の余地があったのか!」と驚かされる。当部門は「学研キッズネット」からも投票が可能だ。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949948/

■ キッズの勉強がはかどる環境をつくる文房具 部門

子どもたちの集中力ややる気をアップさせる環境整備アイテムがノミネート。なかでも半数を占める「タイマー」は、 “タイパ” を上げ、 ダラダラ勉強を防げるツールとして昨今人気だ。全8商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950024/

■ SDGs文房具 部門

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムが増えている。全12点がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950095/

 

【特別部門】

■ キッズの勉強がはかどる プチロングセラー文房具  部門

文房具総選挙が初開催された2013年以降に発売され、5年以上売れ続けている 文房具のなかで、昨今需要が高まっている学生向け商品に絞った新部門。 エポックメイキングかつ、いまなお現役の全7商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950177/

 

フリクション史上最細の0.3mmが登場!「シナジーノック」に新搭載した“シナジーチップ”の正体とは?

“消せるボールペン” の代名詞、パイロット「フリクションボール」シリーズ。2007年の発売以降、世界中でシリーズ累計30億本以上が売れている大人気シリーズなので、もはや知らない人はいない、と言っても過言ではないだろう。

 

フリクションシリーズのスタンダードと言えば、初代がキャップ式「フリクションボール」(2007年〜)、2代目が現在でもお馴染みのノック式「フリクションボールノック」(2010年〜)である。そして、新たに3代目のザ・フリクションボールとなるのが、2024年3月に発売したばかりの「フリクションシナジーノック」だ。

↑2010年の発売以来、長きにわたってシリーズの中心だった「フリクションボールノック」

 

今回は、そんな超メジャーなボールペンのスタンダードモデルがついに代替わりする! ということをお伝えしつつ、その新スタンダードモデルの使い勝手を紹介していこう。

 

新スタンダードはフリクション×シナジーチップ

フリクションシナジーノック(以下、シナジーノック)は、シンプルなグレーの軸が外見的に目立つポイントとなっている。従来のフリクションは基本的に軸色=インク色だったが、今回からはインク色は半透明のクリップノック部で表示されることになるようだ。端的に言えば、共通部品を増やすことで生産コストを下げようという試みだろう。

パイロット
フリクションシナジーノック
各250円(税別)
全8色

 

カラーラインナップは、既存の全8色(ブラック・ブルーブラック・ブルー・ライトブルー・グリーン・オレンジ・ピンク・レッド)。個人的には、2023年発売の「フリクションWaai」から登場したベルベットレッドなどの新色もスタンダード化して欲しかったのだが、それはまた今後に期待したい。

 

何より注目なのが、その名の通り、ペン先に「シナジーチップ」を搭載していること。シナジーチップとは、同社のゲルボールペン「ジュースアップ」にも搭載されている、コーンチップとパイプチップを融合させたような、言わば “いいとこ取り” の高機能チップだ。インクフローが良好で、とにかくサラサラとなめらかな筆記感が特徴。これまでのフリクションシリーズでは、シリーズの傑作として名高い「フリクションポイントノック04」(以下、ポイントノック04)にも搭載されていた。

↑先端視界の良さと、たっぷりしたインクフロー性能を併せ持つ「シナジーチップ」

 

↑シリーズで初めてシナジーチップを搭載した、「フリクションポイントノック04」(写真左)と基本的な性能は近い

 

実際に書き比べて見ても、ポイントノック04とシナジーノックの書き味に違いは感じられない。いずれもたっぷりインクが出て、妙なクセもなく素直に書きやすい、といった印象である。インクがたっぷり吐出されるため、従来のフリクションボールノックより描線がやや濃い色に見える点も、一般的に発色が薄いフリクションインクだからこそありがたい。

↑近年のトレンドでもある “たっぷりめのインクフローでサラサラ書ける” タイプの書き味で、快適性は高い

 

なお、シナジーノックの登場によって、ポイントノック04は終売となるようだが、少なくとも書き味に限って言えばシナジーノックに不安を感じる必要はないだろう。ちなみに、ポイントノック04のデザインが好きという人は、軸だけ残しておけばリフィル交換で対応可能だ。

 

フリクション初の極細0.3mmが登場!

もう一つ大きなポイントとなるのが、ローンチ時点で0.5mm、0.4mm、0.3mmのボール径が揃うということ。なかでも、フリクションシリーズとして初となる激細0.3mmは、大注目株と言えるだろう。

↑画像左から、ボール径0.5mm、0.4mm、0.3mmの3種類がラインナップされる

 

そもそも、フリクションボールペンは、書き消しが可能ということで、手帳と組み合わせているユーザーが多い。加えて、昨今はM5などの小型手帳が人気ということもあり、より細書きできる性能が求められているのは間違いない。つまり「0.3mmは間違いなく売れるよね」という話である。

↑0.3mmは驚きの細さ。これなら手帳の3mm方眼にも書きやすそうだ

 

実のところ、フリクションのインクは粒子が大きいため、これまでは高フローのシナジーチップであってもここまで細いボールには対応できなかったという。そこで、パイロットは快適な書き心地を実現するために、0.3mm専用のシナジーチップを新たに開発した。

 

試しに0.3mmで書いてみると、こんなに細い線がフリクションで書けるのか! と驚愕したほど。シナジーチップらしいインクリッチな書き味……とまでは言いづらいが、それでも一般的な0.3mmゲルインクと書き比べると、明らかになめらかだと感じられるはず。ただし、筆記角度はわりとシビアで、意識して紙に対してほぼ垂直に立てないと、すぐにガリガリとした引っかかりを感じてしまうので、そこは要注意だ。

↑激細0.3mmだが、思ったよりもサラサラと気持ち良く書くことができる

 

ボール径の数値は軸に記載されているが、グレー地に白印刷なので、慣れないうちはパッと視認しづらいかもしれない。それであれば、軸後端のイレイザーが、0.3mm(白)、0.4mm(グレー)、0.5mm(濃いめのグレー)と色分けされているので、これに慣れるほうが良さそうだ。ちなみに、従来のフリクションボールノックでは、0.5mmが白イレイザー、0.7mmがインク色イレイザー、1.0mmはグレーのイレイザー+クリップノックがインク色、と表示パターンがバラバラだったので、シナジーノックのように、最初からパターンを統一してくれるのはありがたい。

↑ボール径は軸の印字か、イレイザーの色で判断する。ひとまず「色が薄いほうが細い」と、覚えておくといいだろう

 

↑リフィルは従来と共通。ボール径の数字の後に記載された「S」(synergy)が、シナジーリフィルの目印となる

 

個人的にも、ボールポイント04やジュースアップなどでシナジーチップの良さを体感していたので、今回のフリクション×シナジーチップのスタンダード化には、「パイロット、よくやった!」という思いが大きい。それに加えて、0.3mmという超極細フリクションは、筆者以外にも待ち望んでいたユーザーが多いはず。

 

とにかく、フリクションでカリカリと小さな字が書けて消せるというだけでもかなりのインパクトがあるので、店頭で見かけたらまずは手にとって試してみて欲しい。

 

1.1ミリが雲泥の差を生んだ!「サラサクリップ」の新3色ボールペンがインク量たっぷりなのに軸細を実現できた“構造改革”って?

筆者は、ボールペンに関してはゲルインク派を自認しているが、多色ボールペンが必要なシーンに限っては油性インクを選ぶことが多い。なぜかと言うと、ゲルの多色ボールペンは軸がぼってり太くなったり、油性よりもインク吐出量が多くなる分、すぐにインク切れになったりするからだ。かと言って、インク持ちを良くしようとリフィルを太くすれば軸が肥大化してしまうし、逆に軸を細くすればリフィルも貧相になってますますインク持ちが悪くなる。つまり、根本的に多色ゲルは難しい、ということなのである。

 

「それじゃ、打つ手なしってこと?」と、思うかもしれないが、そこはご安心を。日本の文房具メーカーの開発力はすばらしいので、このようなネガティブ要素をいつまでも放置しておくことはない。ちゃんと「それなりにインク入ってて、でも軸はそこそこスリム」というゲル多色ボールペンを、ちょっと驚くような機構を組み込むことで完成させたのだ。

 

画期的な機構でゲルインク多色をスリム化

ゼブラ「サラサクリップ3C」は、その名の通り、お馴染み「サラサクリップ」の多色タイプとして新たに発売された製品だ。ポイントは、前述の通り「それなりにインクが入ってて、でも軸はそこそこスリム」というところ。従来のゲル多色は「リフィル激細/軸細」か「リフィル細/軸太」の二択だった。サラサクリップ3Cは、そこに「リフィル細/軸細」という「そんなの、誰だってそれがいいに決まってるじゃん!」という第三の選択肢が提示された形である。

ゼブラ
サラサクリップ3C (0.4mm/0.5mm)
400円(税別)

 

実は、これまでにもサラサの多色タイプとして「サラサ3」が存在したのだが、これは「リフィル細/軸太タイプ」。単色サラサに近い気持ちよい書き味で、インク持ちもそれなりに良いが、軸径は13.5mmとボッテリしたものだった。対して、新型多色のサラサクリップ3Cは、サラサ3と同じリフィル(JK芯)を搭載しておきながら軸径は12.4mmで、8%のスリム化を果たしている。数値上では1.1mm細くなっただけだが、握ってみると全く別物に感じられるはずだ。

↑従来からの多色タイプ「サラサ3」との比較。数値だけでは分かりづらいが、実際に握り比べるとシャープになったことが分かる

 

従来品と同じくリフィルを3本ずつ積んでいるのに、どうやって軸が細くできたのか? その答えは軸内部の構造にある。従来品のサラサ3は、リフィルにノック用のバネを被せたものを3本束ねた構造になっている。これは、基本的にどの多色ボールペンでも似たような構造になっているはずだ。

 

しかし、サラサクリップ3Cの場合は、まずリフィルを3本束ねて、そこに生まれた隙間部分に細いバネを配置したサイドスプリング機構となっている。軸内部の容積を無駄なく使い切ることで軸のスリム化を達成した、というわけだ。

↑軸内でリフィルを固定するパーツの比較。サラサクリップ3Cには内壁がなく、その分だけスリムにできる仕組みだ

 

↑リフィルを束ねた隙間に細いスプリングを配置(上画像左)することで、スペースが効率よく使えている(図/ゼブラ提供)

 

サイド用の細いスプリングではノックフィールが物足りなかったり、ジャムなどの誤動作もあったりするかも? という心配があったが、実際にしばらく使った結果、違和感はまったくなし。少なくともノック部分については、ここに難ありと感じる人はまずいないのではないだろうか。

↑バネの違いは一目見れば分かるが、指で感じるノックフィールには意外と違和感がない

 

↑黒インクはノックノブがバインダークリップと兼用になっている

 

スリムなわりにインクは多めなのが重要なポイント

あらためて、ゲル多色ノックボールペンの定番どころを揃えてみたが、正直なところ、サラサクリップ3Cがビジュアル的に際立って細いという印象はない。軸の細さという点では、パイロット「ジュースアップ3」が最も細く、軸径10.7mm。これは、単色とほぼ同等か、むしろさらに細いぐらいである。書き味もシナジーチップの優秀さが際立っており、とてもスムーズ。筆者も、使いやすいゲルの多色ボールペンを挙げてくれと依頼された場合には、まずジュースアップ3をオススメしてきた。

↑一般的なゲル多色の比較。軸径はジュースアップ3(写真右端)がダントツで細い。次いでサラサクリップ 3C(左端)か

 

しかし、当然ながらジュースアップ3のリフィルは極端に細くなっており、シナジーチップの高いインクフローと合わせると、あっという間にインクを使い切ってしまうのである。

↑ただし、インク量はご覧の通り「サラサクリップ3C」の圧勝だ

 

もちろん書きやすさ・軸の細さとトレードオフの部分なので、そこは諦めて替えリフィルの携行で対応する、という手はある。とは言え、多色ボールペンは手帳と組み合わせて持ち歩く機会も多く、外出のたびに替えリフィルまでセットで携行することが煩わしいと感じる人もいるだろう。

 

それであれば、単色ほどではないがインク量がしっかりあるゼブラJKリフィルと、単色よりちょっと太いけど許容範囲内(…かどうかは個人の感覚だけど)の軸を有するサラサクリップ3Cは、かなり汎用性の高い組み合わせと考えられるのではないか。

↑ワンポイントが飛び抜けて優秀! というより、全体的にじんわりと良くできた多色ボールペンという感じ

 

手に持ったときに「おっ、すごいな!」と、感嘆の声が出るタイプの製品ではないが、地味ながら長く使い続けられる性能の高さと、それを支える画期的な新機構は文房具好きのマニア心にかなりグッとくる。というわけで、筆者もこれはしばらく使い込んでみようと考えているところだ。

 

17年ぶりに進化した修正液が何を今さらと侮れない快適さ! 速乾と幅広ペン先に進化したぺんてる「ホワイトスピード」の実用性を検証

思い返せば、最後に修正液で誤字を直したのはいつだっただろうか……下手すると10年以上は昔かもしれない。自分用ノートの誤字はだいたい二重線で消すし、どうしても書き直したい場合には修正テープを使う。正直な話、訂正する際に「修正液」という選択肢があるのを忘れていたぐらいである。

 

それなのになぜ急に思い出したかと言うと、ぺんてるから17年ぶりに修正液の新製品が出た、という話を耳にしたからだ。果たして、今出る新製品の修正液にどれほど価値があるのか? なんて疑ってしまったのだが……いや、しかし使ってみるとこの新しい修正液、かなり面白いぞ!?

 

最新型修正液は修正テープと液のいいとこどり!?

そもそも修正液には、大きなネガティブ要素がいくつかあるように思う。「塗って乾くまでに時間が掛かる」「塗りむらができやすい」「厚塗りになるとひび割れる」「ペンタイプだと広い面積を修正しづらい」といった部分がそれだ。修正テープを使えば、それらの問題が一発で解決できるのだから、取って代わられるのも当たり前と言えるだろう。何より、仕上がりもきれいだし。

 

それに対して「修正テープと液のいいとこどり」を謳うのが、話題の新製品こと、ぺんてるの新型修正液「ホワイトスピード」である。つまり、乾燥が早くて、塗りむらができず、厚塗りにならずひび割れもせず、ペンタイプなのにテープのような幅を一気に塗ることができて、さらに修正テープには難しいこともこなしてしまう、というわけ。もしこれが本当だとしたら、修正液の復権も充分にあり得るのではないだろうか。

ぺんてる
ホワイトスピード
400円(税別)

 

早速試してみた。まず最初に驚いたのは、これまでにないユニークな幅広ペン先だ。軸をカチャカチャ振って液を攪拌したら、三つ叉になっているペン先の中央を修正したい文字の頭にグッと押し当てる。すると中から修正液がドバッと出てきて、三つ叉の両サイドいっぱいまで一気に広がるのだ。あとは、ペン先を押し当てたままでペン先をスライドさせてやると、まるでテープのように修正液が塗り広げられる、という仕組みだ。

↑「中央の吐出口からドバッと出た修正液を、左右のヘラ状パーツでちょうど良い幅に調える」という面白い方法で塗り広げるペン先

 

このペン先の性能はかなり優秀で、塗り広げられた液は厚塗りになりにくく、ムラがない。薄く均一に伸びるので、一見してテープを引いたように見えるほどである。液体なので、曲線を塗ったり、1文字だけ修正したりすることも簡単にこなせる。この点は、明らかに修正テープよりも優れた要素と言えるだろう。

↑ひと塗りで液幅は約4.5mm。一気に広く塗れるのでムラにもなりにくい

 

↑カーブも自由に描けるので、修正だけでなく画材としても役立つかも

 

液が薄く広がるのに加えて、乾燥に要する時間も従来の半分と大幅に短縮されている。さすがに「塗ってすぐ」というレベルではないが、塗って、キャップを戻して、書き直しのためにボールペンに持ち替えて……ぐらいのタイミングでなら充分に乾いているはず。

 

また、乾いてもある程度の柔軟さが維持されるようで、修正した部分を紙ごと折り曲げても割れたり砕けたりしにくい。これは既存の修正液と比べてかなり驚かされる部分だ。

↑紙を折っても修正箇所がひび割れないのは安心感が高い

 

テープよりこちらを選ぶ価値は充分あり!

修正後の隠ぺい力に関しては、事前にきちんと攪拌さえできていれば、なんの不満もないレベルだ。この辺りは、ずっと修正液を出し続けていたぺんてるならでは、というところだろう。

 

さらに、薄くムラなく塗れるため、修正した上から書き込みを行っても、デコボコした感じがないのもポイント。インクのノリも充分で、油性・水性・ゲルインクどれでも問題なく追記することができたし、そこだけ可読性が落ちるようなことも無かった。

↑表面がデコボコしないため、修正後の上書きもサラッと書ける

 

↑キャップは二重キャップになっており、それなりに密閉性が確保されている

 

使用してみた正直な感想は、この性能であれば「修正テープよりこっちがいい」というケースも充分に考えられるかも、ということ。テープよりも塗り方に応用が利く分、むしろこっちのほうが使いやすく感じるぐらいだ。さすが17年ぶりの新製品だけあって、進化の度合いはかなりのものである。

 

ただし、乾燥が速い=ペン先の詰まりは起きやすい。できれば毎使用後にきちんとペン先を拭うか、細い綿棒で掃除することをおすすめしたい。

↑使用後にペン先を拭き取っておかないと、あっという間に目詰まりを起こしてしまう。こればかりは少し手間かも……?

 

繰り返し使用するうちにペン先の手入れを手間に感じてくるか、それとも「この性能だから仕方ないか」と受け入れられるようになるか、しばらく使って試してみたい。

 

シリーズ史上最細のボール径0.3mm。パイロットの消せるボールペン「フリクションシナジーノック」新登場!

パイロットは、世界累計販売本数44億本以上の「フリクション」シリーズの新製品として、消せるボールペン「フリクションシナジーノック」を3月4日(月)から発売します。

 

「フリクションシナジーノック」は、「フリクション」シリーズの中で最も細いボール径となる、0.3mmのペン先を新たにラインアップに加えた新モデル。ペン先の強度が高いうえ、ペン先へのインキの供給がスムーズな、従来の「コーンチップ」「パイプチップ」双方のペン先の美点を併せ持った独自開発のペン先「シナジーチップ」を採用。細書きながら書き出しのよい、滑らかな書き心地を実現しており、手帳やメモ、ノートなどへの細かな文字やデザインの描画に適しています。

 

ボディカラーはグレーで統一され、クリップの色でインキ色を表現。落ち着いたデザインと、先進的かつ都会的なスタイリッシュさを両立しています。後部にある消去用ラバーの色がボール径によって異なるため、複数のボール径のペンを持ち歩いても簡単に見分けられるのもうれしいポイント。インキ色は、ブラック、レッド、ブルー、グリーン、ブルーブラック、オレンジ、ピンク、ライトブルーの全8色を用意。なお、「フリクションシナジーノック」の発売に合わせて、0.3mm、0.4mm、0.5mmそれぞれのボール径の8色セットも発売されます。

 

■日本初の試し書き専用ブース「試書室(ししょしつ)」

日本初(パイロット調べ)の試し書き専用の個室ボックス「試書室」を、3月18日(月)から東京・代官山と大阪・梅田の蔦屋書店に設置。「フリクションシナジーノック」全種類と、さまざまな種類の紙を備え付けた試し書き専用ブースで、内装は、文具好きとしても知られる放送作家の小山薫堂氏と、ラッパーのKREVA氏それぞれの書斎をイメージ。小山氏とKREVA氏のこだわりを詰め込みつつ、「フリクションシナジーノック」の書き味を体感できるブースが展開されます。

 

■製品名:消せるボールペン「フリクションシナジーノック」
■価格:250円(税別)
■主な仕様:
方式……クリップスライドノック式
ボール径……0.3mm(激細)、0.4mm(超極細)、0.5mm(極細)
消去用ラバー……エラストマー
インキ……フリクションインキ(水性ゲルインキ) ※完全消色温度/65℃前後
インキ色……ブラック、レッド、ブルー、グリーン、ブルーブラック、オレンジ、ピンク、ライトブルー
サイズ……全長142mm、最大径10.5mm

2mmとは斬新!ゼブラ「クリックブライト」のワンノックで出るペン先がラインマーカーなのに極細なワケ

筆者はラインを引きながら読書することが多く、ラインマーカーの使用頻度はけっこう高い。電車やバスで移動する際にも本を読むので、本来なら移動中にもラインマーカーを使いたいのだが、これがなかなか手間がかかる。

 

片手で本を開いたまま、もう片方の手でマーカーのキャップを開け、次にマーカーを握ったままキャップを(ペン先が服につかないよう注意しつつ)いったんポケットに入れる。それでいよいよラインを引いたと思ったら、またポケットからキャップを取り出して閉めて……という作業は、揺れ動く車内ではあまりにも難易度が高すぎる。実際、恥ずかしながら今はいているジーンズのポケット周りには、蛍光ピンクのインク染みが何か所も残っていたりするのだ。

 

つまり、普通のラインマーカーを机の上以外の場所で使うのは、それぐらい難しいというわけ。それであれば試してみたいのが、キャップ不要のノック式ラインマーカーである。

 

ラインマーカーはノック式が圧倒的に便利

ゼブラ「クリックブライト」は、片手ノックで簡単にペン先チップを出し入れできるラインマーカー。カラーラインナップは、ピンク・オレンジ・黄・緑・ライトブルー・紫と、普段使いしやすいベーシックな6色展開となっている。

ゼブラ
クリックブライト
各120円(税別)
6色展開

 

一般的にラインマーカーはチップの表面積が大きいため、油断していると簡単にドライアップ(インクが乾いてしまう)しがち。そのため、どうしても気密性の高いキャップが必要となっていた。これまでにも他社製品のノック式ラインマーカーは存在したものの、チップ収納時にペン先を密閉するためには、ノックに連動する複雑なシャッター機構が必要となる。そのため軸が太くなったり、価格が少々お高くなったりするなどのデメリットがあったのだ。

↑ボールペン感覚でノックすればペン先チップが出てくる。キャップ着け外しの手間がないのがクリックブライト最大のメリットだ

 

↑軸のゲージからノックのオン/オフを確認できるので、うっかりペン先を出しっぱなしで携帯してしまうトラブルの予防に役立ちそう

 

それを解決したのが、ゼブラ独自開発の「モイストキープインク」。このインクは、空気中の湿度を吸収することで自ら乾燥を防ぐという、どこか魔法のような特性を持つ。ペン先収納状態なら、なんと52週間はドライアップしない(気温20℃・湿度60%の条件下)ので、これなら、シャッター機構による密閉などがなくてもドライアップ知らずで書き続けることが可能だ。

↑インク自体が空気中の湿度を吸収してチップが乾くのを防ぐ

 

↑従来のノック式マーカーがシャッター(写真右、黒い部分)で気密しているのに対して、クリックブライトは中まで素通し。これも特殊なインクあればこそだ

 

モイストキープインクは、2019年発売のノック式サインペン「クリッカート」から採用されたインクだが、ようやくラインマーカーにも搭載される運びとなった。ラインマーカーを多用する身としては、まさに「待ってました!」という、待望の製品なのである。

 

細かい文字にマーキングしやすいハーフラインチップ

このクリックブライトには、もうひとつ語るべきポイントがある。それが、一般的なラインマーカーチップの約半分幅という、小さなハーフラインチップだ。ペン先の幅は約2mm。実際にノックでペン先を出して見ると、他にあまり見かけないその小ささに「おっ」と軽い驚きがある。

 

例えば、文庫本やカタログなどの小さい文字列をマーキングすると、その左右両隣の行にまで塗りがはみ出してしまうのは、よくあることだろう。一般的に文庫本の文字サイズが2.8mm~3mm角ぐらい。従来のマーカーチップが4mm幅なので、少しズレただけで隣の行にまでかかってしまうこともありうる。後から読み返した際にどこをマーキングしたのかが分かりづらくなってしまっては本末転倒だが、クリックブライトの普通より幅が狭いペン先ならその問題も解消される、というわけ。

↑一般的な4mm幅チップ(写真上)と、クリックブライトの2mm幅ハーフラインチップ(写真下)の比較。細さは一目瞭然だ

 

↑文庫本にマーキングした様子。シャープに強調できて紙面がうるさくならない印象

 

さらに、雑誌の写真キャプション(画像の下に入る説明書き)のような極少文字にもマーキングできるというのは、従来のマーカーではまずできなかったこと。もちろん、手帳への細かい書き込みをマーキングするときにも使いやすそうだ。ラインマーカ―の幅に関しては「大は小を兼ねる」とはいかないだけに、他では代え難い性能と言えるだろう。一方で、文字の下にアンダーラインを引く場合は、目立ちやすい太め(2mm幅)の線が引けるマーカーだと考えれば、使い道が増えそうだ。

↑脚注やキャプションといった極小文字(6pt前後)にマーキングするなら、ハーフラインチップがジャストフィットだ

 

個人的には、暖色系(ピンク/オレンジ)はちょっとインク色が濃すぎて下の文字の視認性が落ちるかな? と、気になる部分もなくはない。とはいえ、ノック式の優れた携行性とハーフラインチップの独自性を考えれば、筆者以外にも「こういうラインマーカー待ってた!」と感じる人はわりと多いのではないだろうか。

 

大人の悪筆も矯正!「ポジットペンシル」を字にコンプレックスを抱える筆者が試してみたらどうなった?

「字が汚い」とか「落ち着きのない子どもっぽい字になってしまう」ことにコンプレックスを抱えている人は、意外に多く存在するのではないだろうか。実は、筆者もその一人。この連載の筆記具レビューでは、いつも落ち着きのない汚文字を読者諸氏にさらすことになるのが、本当に恥ずかしいのである。……などとボヤいていると、知人から「今さらだけど、筆記具の握り方が間違っているんじゃない?」という指摘を受けた。

 

そこで改めてネットで調べた “正しいペンの握り方” と自分の握りを比較してみると……確かにちょっと違っていた。そして正しい握り方だと、ペン先が自由に動かしやすく、ほんのちょっとだけれどマシな字が書けているように思えたのだ。それならば、正しくペンを握るための矯正グリップなどで握り方を矯正すれば、もっときれいな字が身につくのではないか?

↑左が以前までの筆者の握り方。中指以下を強く握り込んでしまっているため、窮屈でペン先が動かしにくかった

 

自然に正しい握り方ができる矯正シャープペンシル

しかし、矯正グリップ導入にはひとつ問題がある。握り方矯正グリップのほとんどは幼児〜小学校低学年向けに作られていて、鉛筆に装着して使う前提のものばかりなのだ。鉛筆を削る度にいちいち矯正グリップを外して、また着け直して、というのはボールペン・シャープペンシルに慣れた身ではどうしても面倒くささが先立ってしまう。では他に何か良いものはないか、と探していたところ、2023年9月に発売されたソニック「ポジットペンシル」に行き当たった。

SONiC
ポジットペンシル(芯径1.3mm/0.7mm)
850円(税別)

 

ポジットペンシルは、太芯(0.7mm/1.3mm)の三角軸シャープペンシルと矯正グリップが一体化した筆記用具だ。当然ながら芯を削る必要がないので、グリップの着け外しもしなくて済む。シリコン製のグリップからは、左右に各1本のリングが飛び出しており、握る際にはそれぞれのリングに親指と人差し指を下から上へ通す形となる。

↑ポジットペンシルを装着した状態。リングのねじれに合わせて指を沿わせると自動的に最適な握りになる仕組み

 

グリップ下部には凹凸があり、軸を握ったときに中指の側面から腹側までがフィットする。左右リングで親指と人差し指を固定しつつ、下部の凹凸に中指をハメ込むように持つことで、自動的に最適な握り方が決まるという仕組みだ。しかも、リング固定のおかげで軸を握るのに指の力はまったく必要なく、ただ軽く指を添えるだけでOK。

↑下部のくぼみに中指をはめることで、さらにペン先が動かしやすくなる

 

この力加減が身につけば、字が汚い人にありがちな「つい無駄に力を込めてグリップを握る」→「力が入りすぎて指が上手く動かせない」→「字が汚くなる」という負のコンボを元から絶つ効果も期待できるのではないだろうか。また、無駄な力を抜くことができるので、長時間筆記がラクになる可能性も高いだろう。

↑指にはほとんど力を入れず、グリップに沿わせるだけ。おかげでペン先がかなりスムーズに動かせるようになった

 

加えて、線を引くための指の動かし方も、このグリップなら理解しやすい。右利きの場合、ペンで縦線を引くには人差し指で軸を下に押すように、横線は親指で右側に押すように、上側に跳ねるには中指で持ち上げるようにコントロールするのが基本。これもリングと下部の凹凸を意識することで、力を使わず効率的にペン先の移動を制御することができるのだ。筆者は特に、横線が極端な右上がりになるクセがあるのだが、しばらく使っているうちに意識ひとつでかなりコントロールできるようになった。

↑指先で操作しやすくなったため、線の上がり癖も少し緩和された気が……

 

シャープペンシルは1ノックで長く書けるセミオートマ機構を搭載

シャープペンシル自体は、“セミオートマチック”とでも言うべき機構を搭載している。これは、筆記によって芯が減ると先端の金属パイプが紙に当たってわずかに後退し、その後退分だけ芯が新たに露出するという仕組みだ。そう聞くと最近人気のオートマチック機構のように思えるが、後退したパイプは自動で元の位置に復帰せず、再びノックし直すまではただ後退し続けるだけ。なので、オートマではなくセミオートマと呼ぶのがしっくり来る感じだ。

↑セミオートマ機構は、金属パイプが後退しきるまでノックせずに書き続けることが可能

 

リングに指を通している都合上、握り変えてのノックにやや手間があるため、この機構を搭載しているのだろう。せっかくならオートマ機構にしてくれたら良かったのに……と思わないこともないが、これでも普通のシャープと比べて1ノックで書ける距離は2.5倍ぐらい長くなるので、そこはまぁ我慢かな、というところ。太芯だけに偏芯も気になるのだが、偏芯対策として軸を回転させることが一切できないのは個人的に残念である。

 

ところで、ボールペンを日常筆記具として使っている我々のような字が汚い大人は、この便利なグリップを普段のボールペンと合わせて使ってみたい、と思うんじゃないだろうか? それなら、偏芯も気にしなくて済むわけだし。

↑個人的には、シャープペンシルよりもボールペンに装着して使いたい。グリップがツルツルしたペンに着けるとより効果的だ

 

結論から言うと、このグリップを軸径の合う別のペンに付け替えることも、可能といえば可能だ。グリップは大パーツと小パーツに分割されているため、外す場合は大パーツを先に動かすのがコツ。装着する場合は、逆に小パーツを先に動かす、と覚えておくと作業がしやすい。

 

ただし、メーカーが認める使い方ではないため、万が一破損などしても自己責任。もし試す場合には、そこは承知のうえでお願いしたい。

↑着け外しをする場合は、分割によってリングが伸びきらないように気をつけるとやりやすい

 

ポジットペンシルは学童用グリップであるため、ややファンシーな外見なのは仕方がない。個人的には、そこを押してでも字がきれいになるなら使うべきだと考えている。ただし、すでに自分の握り方が完成していて自筆に不満がない人が使うと、単に指が固定されて窮屈なだけの拘束具になってしまうので、そこは注意して欲しい。

 

3色ボールペンは黒赤青だと誰が決めた!“黒黒赤”に矜持を感じるサクラクレパス「ボールサインiD3C」の実用性はどうだ?

手帳と一緒にペンを持ち歩く場合、“3色ボールペン”を選ぶ人は多いのではないだろうか。メインの筆記色である黒、プライベートなど書き分けるサブ筆記色の青、訂正や注意喚起色の赤……など、色ごとに用途を定めることで、手帳の狭い紙面においても情報を整理しやすいメリットがあるからだ。

 

日本初の3色ボールペンは、1964年にゼブラが発売した「スリーカラー」。黒・青・赤の3色がスライドノックで1本の軸に収まった、現在の製品とさほど変わらないようなスタイルである。これはつまり、約60年も前から3色ボールペンに採用されるインク色は変わっていないということ。でも、果たしてこの“黒・青・赤”が絶対的な正解なんだろうか?

 

“黒”がメインではない3色ボールペン

考えてみるまでもなく、情報を整理するためにボールペンに必要なのは、書き分けを行うためのインク色の違いだけ。常に黒・青・赤である必要はないはずだが、機能としてはメインとサブの筆記色が2色+訂正用の赤という組み合わせが使いやすいだろう。その点で言えば、サクラクレバスから2023年に発売された「ボールサインiD 3C」はなかなかに興味深い。

サクラクレパス
ボールサインiD 3C
各850円(税別)
全3タイプ

 

「ボールサインiD」といえば、2020年に発売されたゲルインクボールペンのシリーズで、6色すべてがカラーブラックという思い切ったラインナップで人気となったもの。今回取り上げるボールサイン iD 3Cは名前の通り、同シリーズによる多色ボールペンの3色タイプとなる。当然、こちらにもカラーブラックを搭載している。軸色はホワイトとブラックの2タイプだが、0.4mmのボール径や3色の組み合わせに差異はないので、好みの軸色を選べばOKだ。

 

ラインナップは「黒(ピュアブラック)・青・赤」(下図A)、「ナイトブラック・黒・赤」(下図B)、「フォレストブラック・黒・赤」(下図C)の3種類。ナイトブラックはいわゆるブルーブラックのひとつで、知的さを感じさせる大人のブルーといった雰囲気。一方のフォレストブラックはグリーン系の落ち着いたブラックで、ゆったりと書き物をするときに向いていそう。

↑ボールサインiDシリーズだけに、カラーブラック搭載が大きなポイントだ

 

↑サラッとしつつコントロールも効きやすい、バランスの取れた書き味も楽しい

 

ペン先を出すには、スライドノックにくっついた粒のようなノブ(兼カラー表示)に指をかけて押し込んで操作する。このノブがあまりに小さいので少し不安になるかもしれないが、エラストマー製で摩擦力は充分にあり、実用性は問題無し。また、ノブが小さい=インク色が目立ちにくいことで、全体的に単色ボールペンのようなスッキリとしたデザインになっているのもポイントだ。

↑カラー表示も兼ねた粒状のノブは、見た目で思うよりも指掛かりが良く、ノックしやすい

 

ノックの配置から見ても、やはり黒はメインじゃなかった!?

ところで、スライドノックの配置に注目したら面白いことに気づいた。(A)のスライドは、黒がクリップに向かって右側、クリップ裏が青、クリップ左が赤という配置。つまり、クリップ右がメイン筆記色の場所ということだろう。そこであらためて(B)と(C)のスライドを見ると、クリップ右側にはナイトブラック/フォレストブラックがあり、裏が黒、左が赤という配置である。(B)と(C)においてメイン筆記色はあくまでもカラーブラック系で、黒はサブという立ち位置であると言えよう。

↑一般的に金属クリップに向かって右側がメイン筆記色の位置と考えると、ボールサインiD 3Cではカラーブラックがメインかも

 

考えてみれば確かに、わざわざカラーブラックのペンを選んで買うのは、それをメインに使いたいからに他ならない。それにしても、絶対的なメイン筆記色である黒をサブに据えてしまうという割り切りには、「サクラクレパス、思い切ったな……」と驚かされた。

 

ただし、少し残念だったのがグリップの仕上がりだ。実は、初代でツルツルした素材ゆえに握りづらかったグリップが、上位モデルの「ボールサインiDプラス」では摩擦力の高いマットなものに改良されている。ところが、今回のボールサインiD 3C では、なぜか初代と同じようなグリップに戻されていた。筆圧が強かったり手汗をかいたりする人間にとって、現状の素材だとかなり滑りやすいので、戻ってしまったのは正直もったいないなーと感じた。

↑円筒形の一部を削いだような通称 “iD設計” グリップ。指は置きやすいが、ツルツルすべるの点で握りづらく感じた

 

それでも、カラーブラックを選べる3色ボールペンというのは他に無く、それだけでも価値は高い。少なくとも初代ボールサインiDでカラーブラックの楽しみを知った人なら、買って損はないだろう。個人的にはボールサインiDのパープル系ミステリアスブラックが推し色なので、いずれはそれもボールサインiD 3C のラインアップされないかなぁ、と期待している。

 

インクの粒子に秘密あり!ボールペン「マットホップ」に注入されたマットにくっきり発色させる技術

筆者は50代のオジサンなのだが、心の奥には野生の乙女が棲んでいるので、正直なところ「かわいい」とか「夢夢しい」ものに目がないことは、この連載でも何度か語ってきた。かわいい雑貨や文房具を見つけると、テンションと共に血圧も上がり、動悸・息切れを起こすこともあるほど。初老のかわいいもの好きは、地味に命がけである。

 

残念ながら生来の超不器用ゆえにうかうかと手出しはできないが、いわゆる“デコ”にも憧れの気持ちが強い。手帳やペンケース、スマホが派手にかわいくデコられているのを見ると「いいなー、やってみたいなー」と思うし、最近のJK文化である “お菓子パッケージ落書き” (市販のコンビニ菓子パッケージにペンで書き込みして飾る遊び)なんかも、すごく楽しそうだ。そこで今回は、誰でもそういったデコに挑戦できそうな、デコに最適なボールペンを紹介したい。これを使えば、筆者にもできるかしら。

 

マットな質感でくっきり発色するデコ用ボールペン

ぺんてるから発売された「MATTEHOP(マットホップ)」は、とにかくパキッと鮮やかでマットな発色に特化した、顔料ゲルインキボールペンである。ボール径は1.0mmでカラーラインナップは全14色。もちろん単色売りもあるが、原色系の「オリジナル」と、ちょい甘めな「スイート」の各7色セットがおすすめだ。なぜならパッケージがお菓子みたいでかわいいから。

ぺんてる
MATTEHOP(マットホップ)
各200円(税別)
14色展開

 

↑お菓子みたいな紙箱パッケージが楽しい「オリジナル」と「スイート」の7色セットは各1400円(税別)

 

筆記性能としては、マットな発色に加えて高い隠ぺい性を持ち、黒い紙面やポラロイド写真にもクッキリ書けるというところが最大のポイントとなる。それだけを聞くと、1990年代のギャル文化で猛威をふるった、かの「ハイブリッドミルキー」直系の子孫! という印象を受けてしまうが、実はマットホップとハイブリッドミルキーの発色の仕組みはかなり違う。

↑全14色のラインナップ。白地と黒地で雰囲気は変わるが、いずれもマットな発色が楽しめる

 

ハイブリッドミルキーのインクは、中に修正液の成分である酸化チタン(非常に隠ぺい力の強い、白の顔料)を含んだもの。これによって黒い紙でも美しく発色できるが、ラインナップは白っぽいパステル色に限られる。対して、マットホップはインク顔料の粒を巨大化させ、かつ高濃度に配合。大粒の顔料は光を強く乱反射させるので、光沢の少ないマットな発色ができる、という仕組みだ。顔料粒が隙間なく紙に乗るので、隠ぺい性も高い。

↑「マットホップ」の発表会で展示されていたインクの模式図。顔料粒の大きさが高発色の秘密だ

 

実は書いた瞬間は「お、濃いな」ぐらいの印象なのだが、たっぷり出たインクが乾くにつれどんどんマットさが増してくる。インクが乾くことで顔料が紙の上に定着するので、乾いてからが本領発揮ということになるのだ。ちなみに、黒い紙などに書いた場合も、まだ濡れている状態では隠ぺい力がフルに発揮されない。そのため、印象としては乾くにつれじわじわと色が出てくるように見えるのだ。

↑書いた瞬間(左)と筆記後1分経過(右)の様子。時間と共にじわーっと発色していく

 

↑ボールペンと言うよりは不透明インクマーカーに近い発色が面白い

 

乾いた後の発色と塗り跡の雰囲気は、ガッシュ(不透明水彩絵具)のベタ塗りのような感じ。もしくは他社製品ではあるが、三菱鉛筆の「ポスカ」の筆跡が近いかもしれない。ポスカのあの発色がボールペンで書ける……と言うと、興味を惹かれる方はかなり多いのではないだろうか。

 

Z世代に占有されるのはもったいない!  書いて楽しい新世代ペン

ラインナップの中で特に興味深かったのが、白系カラーのアイボリーだ。パッキリと鮮やかな白ではなく、軽く黄みがかったようなオフホワイト系で、マットな発色との相性がとてもいい。コピー用紙などの白でもギリギリ見えるぐらいの色合いなので、黒やカラー紙に使うだけじゃない、面白い使い方も考えられそうだ。

↑「ハイブリッドミルキー」白と「マットホップ」アイボリーホワイトの比較。柔らかなアイボリーの落ち着きがいい

 

それ以外の色も本当にパッキリと力強い発色なので、面を塗るように使うととにかく目立つ。とにかく他に類を見ないタイプの色が出るボールペンなので、ただグリグリと色を塗っているだけでも、非常に楽しいのだ。さらには、紙だけでなくポラロイド写真やフィルムなどのようなツルツルした面にもインクが乗るのは嬉しいところ。何にでも書けるという用途の幅広さも、重要なポイントと言えるだろう。

↑マットカラーならではのインパクトの強さは、こういったカード作りなどにも大活躍しそう

 

例えばJK文化のひとつであるお菓子パッケージへの落書きに使うと、光沢のある面にマットな筆跡がとても目立つため、いっぱい落書きしたぞ! という満足感が強く得られるはずだ。この辺りはさすが、落書き・デコ用ボールペンとして作られただけはある。ただし耐水性がほとんどなく、乾いたあとでも水に濡れると即にじむので、ドリンク類やアイスクリーム系のパッケージには使わない方が良さそう。

とにかくどこに書いても「目立つ!」のひとこと。他のゲルボールではありえない楽しさだ

 

メインターゲットは「JKを中心としたZ世代」とのことだが、この楽しさは全年齢共通で間違いない。塗ってるだけでも充分に遊べるが、やはりせっかくなので、お菓子箱への落書きなんかもやってみたい。だってZ世代ばかりが楽しそうなの、ズルいだろう。

 

その他にも、例えば手帳で記念日や大事な予定の日を目立たせたり、塗り絵などに使ってみるのもオススメ。色鉛筆やマーカーとは全く違った表現になるので、マンネリ解消にも役立ちそうだ。

 

話題沸騰中のオートマチックシャープペンの人気が継続!【NEXTトレンド2024】

“いま”の生活様式にマッチする身近なアイテムのトレンドを予想。今回は文房具ライター・きだてたくさんに2024年の文房具のトレンドについて聞いてみた。

※こちらは「GetNavi」 2024年2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです

 


文房具ライター・きだてたく

最新の機能系からオモシロ雑貨系まで、ひとまずじっくり遊び倒してから語りたい派の文房具ライター。文房具に関する著書も多数。

 

シャープペンシル史上に残る超精密・完全自動機構

三菱鉛筆
クルトガ ダイブ
5500円

先端パイプが紙に当たることで芯を出す従来のオートマに対して、筆記量に連動して芯を出す完全自動化を実現。芯を自動回転させてシャープさを保つ「クルトガ機構」も併せ持ち、集中して「書く」にのめり込める筆記感だ。

↑通常の4倍以上となる45点もの部品で精密な芯の回転・自動繰り出しを制御。芯量も5段階から好みで調整できる

 

迫力のデュアルグリップで筆記の安定感も抜群

ぺんてる
オレンズAT
デュアルグリップタイプ
2200円

フラッグシップである「オレンズネロ」の書き味を踏襲しつつ、自動芯出し機構の心臓部を再設計することで低価格化を実現したモデル。廉価版の枠に収まらない高精度なパイプスライドは、オレンズファンからの評価も高い。

↑ラバー+金属の「デュアルグリップ」は、剛性感の高い握り心地。金属の重みによって低重心化にもひと役買っている

 

オートマをワンコインで!! 高コスパすぎる機能派シャープ

サンスター文具
ノクフリー
495円

しっとり握りやすいラバーグリップと自動芯出し機構の組み合わせで、集中力を切らさず長時間筆記が可能。本体質量は12gと軽量だ。数千円が一般的なオートマチックシャープでは異例の500円切りで高コスパだ。

↑筆記時にペン先が紙に触れて上下動することで芯を繰り出す機構。使い始めにノックすれば、あとは芯1本ぶんをノックレスで書ききれる

 

【ヒットアナリティクス】「オートマ+α」のメガヒットが続くかも

「メインユーザーである中高生からの人気は圧倒的で、『クルトガ ダイブ』などは店頭で抽選販売になるほど。今後はオートマ+αの高機能シャープペンが予想され、怪物級のヒット商品が生まれる可能性もあります」(きだてさん)

先進技術:3 顧客ニーズ:5 市場の将来性:5 独自性:4 コスパ:3

 

話題沸騰中のオートマチックシャープペンはまだまだ新商品ラッシュが継続する

2023年の文具トレンドとしてまず挙げられるのが、高機能シャープペンシル。なかでも特に注目なのが、ノック不要で芯が自動的に繰り出される「オートマチックシャープペン」です。

 

オートマ機構自体は何十年も前からあるものですが、23年になって、精密な完全自動タイプや、高コスパな製品が立て続けに発売されたことから、中高生を中心に爆発的な人気となりました。

 

24年以降は一層の低価格化&高機能化という両軸の進化がほぼ確実視されており、新商品ラッシュが続くのは間違いないところ。

 

さらには「あの人気シャープシリーズもオートマ化するのでは!?」といった噂もチラホラ……。話題のタネはまだ尽きないようです。

 

【このトレンドも見逃せない!】
いつでも推しの姿が拝める“祭壇”型収納ファイル

リヒトラブ
myfa コレクションスタンド L
3960円

アクリルキーホルダーや缶バッジ、カード類がすっきり収納できて、立てた状態で飾れるコレクションスタンド。閉じれば書類ファイルと区別がつかないため、周囲に知られずこっそりと推し活を楽しみたい派から注目が集まりそうだ。

買い忘れてない? プロが選んだ2023年マストバイの文房具5点を発表

実質的にウイルスも感染例もなくなったというわけではないが、人の流れはだいぶ元に戻ってきた感のある2023年だった。文房具業界も、昨年の凪ぎ傾向から比べると勢いもやや上向きな印象で、興味深い製品がいくつも登場している。

 

そこで、あらためて一年のシメとして、「そろそろ年末だけど、あの文房具買い忘れてない!?」という注意喚起の意味も含め、2023年発売のマストバイ文房具5選を紹介しようと思う。今年はいろいろとユニークな製品が発売されていただけに、買い逃しているともったいない物が多かった。本記事を見てまだ持ってないものがあったなら、忘れないうちに早めの購入をオススメしたい。

 

2023年はシャープペンシルの当たり年!

あくまでも個人の感想ではあるけれど、2023年はシャープペンシルの年だったと言っても過言ではないと思う。特に、自動で芯を繰り出すオートマチックシャープが人気の主軸だったが、非自動でもユニークな機能を備えた製品が目白押しだった。全体的にバラエティ豊富でハズレなし! という印象で、なんならシャープペンシルだけで今年の5選枠が全て埋まってしまいそうな勢いなのである。

 

そんな中でも、絶対に外せないものを選ぶとしたら、何と言っても、2023年初頭から話題となった、ぺんてる「オレンズAT デュアルグリップタイプ」だろう。商品名の「AT」とはAutomatic Technologyの略で、ノック不要のオートマ機構搭載を表している。

ぺんてる
オレンズAT(オレンズエーティー) デュアルグリップタイプ
0.5mm径
2000円(税別)

 

書き始めにまず軽くノックして芯を出したら、あとは芯1本を書ききるまで自動的に芯を出し続けてくれる。これによって、書けなくなる度にノックを強いられて集中力を削がれることがなくなり、長時間の筆記が続けやすくなったというわけ。「オレンズAT」の特徴は、このオートマ機構の心臓部を従来のものから再設計し、ローコストでも芯出しの精度を維持しているところだ。

↑軸内で芯を固定するボールチャックを金属の削り出しからプラに替え、オートマ機構を低コスト化した。性能はこれでまったく問題なし

 

合わせて特徴的なのが、金属の外装にゴムの突起を組み合わせたデュアルグリップ。重みを活かした低重心化とゴムによるグリップ性能を併せ持ち、さらに見た目のインパクトも増し増しになった、というなんとも印象に残る製品となっている。

↑12角形の金属グリップからゴム突起が突き出したデュアルグリップ。無骨なルックスがとにかく印象的だ

 

新開発のシャープ芯は滑らか高性能

もうひとつ、「オレンズAT」と同時期に発売された新型のシャープ芯「Pentel Ain(ぺんてるアイン)」も、注目の製品として語っておきたい。ぺんてるのシャープ芯としては13年ぶりのブランド刷新ということになるが、ただ単にパッケージを変えただけ……といったものではなく、芯の製法を新たにし、原材料に特殊なオイルを混ぜ込む新製法を用いるなど、性能も大幅に向上した

ぺんてる
Pentel Ain(ぺんてるアイン)
各220円(税別)
芯径0.2/0.3/0.4/0.5/0.7/0.9/1.3

 

シャープ芯は「黒の濃さ」と「芯の減りにくさ」、「書き味の滑らかさ」と「折れにくさ」などがそれぞれトレードオフの関係にある。例えば、濃い芯はすぐに減りやすいし、滑らかな芯は筆記中に折れやすい。これはもう根本的な部分なので仕方のない話なのだが、「Pentel Ain」は新製法によって、それらの性能をかなり高いところでバランスさせた優れものなのだ。

↑なめらかで粉が出にくく、発色クッキリ。書き比べると「違うな…!」と体感できる

 

特に、書き味の滑らかさは素晴らしく、ただスルスルと芯先を動かしているだけで、もうっとりする気持ち良さ。従来の替え芯と書き比べても、おそらくほとんどの人が違いを体感できるはずだ。この滑らかさは、ノンストップで長時間書き続けることになりがちなオートマ機構ととても相性が良い。ぶっちゃけると、オートマチックシャープを使うならこの芯がマスト、というレベルでオススメしたい高機能芯だ。

 

1100円で買える超高性能シャープペンシル

もう一点シャープペンシルを選ぶとしたら、トンボ鉛筆「モノグラフファイン」を紹介したい。こちらはオートマ機構を搭載していないが、その代わりに “ちょっと驚くレベルの高コスパ” であることがポイントだ。

トンボ鉛筆
モノグラフファイン
各1100円(税別)
2色展開

 

まず、口金を含む前軸全体が真ちゅうを削り出した一体成形なので、口金が緩んでガタつくなどのブレ感がゼロ。加えて、この前軸パーツの重量がかなりすごい。机に落とすと「ゴトン」と重い音がするほどで、かなりの低重心化が図られている。また、グリップ部には特殊なソフトフィール塗装が施されており、金属ながらツルツルと滑ることなく、しっとりとした手触りが得られる工夫も。つまり、徹底的な高剛性・低重心・高グリップ性能によって、筆記時の安定感は抜群。もちろん好き好みはあるだろうが、この筆記性能に不安を感じる人はいないのではないだろうか。

↑剛性の高い前軸には、薄くゴム引きをしたような手触りのソフトフィール塗装が施されている

 

さらに、軸後端のMONOカラーリングからも分かる通り、ノックノブ内にはφ3.6mmの繰り出し式MONO消しゴムを搭載。しかも、この消しゴムは軸を逆さすると、内蔵のスイッチによって自動的にノックノブがロックされる。ゴシゴシと圧をかけて消しゴムをかけてもノブが押し込まれず、スムーズに字を消せるのは地味に嬉しい機構である(ちなみに、ペン先を下に向ければ、ロックは自動解除)。

↑軸を逆さにするとノック周りがロックされる「ファインイレース機構」を搭載

 

これだけ機能が盛り込まれていて、価格が1100円なのだ。前述した通り「コスパ高すぎ!」としか言いようがないアイテムであることが、お分かりいただけたであろう。

 

たっぷりインクで書きやすい静音ボールペン

ボールペンにもいくつか注目したい製品があるが、個人的にハマッたのが、サンスター文具のゲルボールペン「ミュートンである。こちらは、一昨年からのペントレンドである静音機構を搭載し、ノックしてもカチカチと大きな音がしない、というのが最大の特徴となっている。

サンスター文具
mute-on(ミュートン)
240円(税別)
8色展開

 

一般的なノック式ボールペンと比較すると、ノック音が20db以上小さく、普通の環境下ならノックした本人に聞こえるかどうかギリギリ、という静音ぶり。これなら、図書館のような静かな場所でも、なんの気兼ねもなくペン先の出し入れができるだろう。各社から発売されている静音ボールペンの中でも、ミュートンはトップクラスの静音性能と言って間違いはなさそうだ。

↑カチッ! という耳障りな高音域がカットされており、ノック音はほぼ意識できないレベル

 

と、静音性の話をしてきたが、実は筆者がミュートンを気に入ったのは、静音性能ではなく書き味の良さの部分だったりする。とにかくたっぷりとインクが出るつゆだく系のフローで、とても軽く、サラサラと気持ちよく書けるのだ。つまり、筆者のように書き味の良さで選んだとしても、ついでに周囲にノック音で迷惑をかける心配も無くなるわけで。これは、まさに選ぶ価値のあるボールペンだと自信を持っておすすめできる。

↑静音性もありがたいが、個人的には書き味のサラサラ感も素晴らしいと感じた

 

今年も進化が止まらない開梱カッター

さて、筆記具ばかりが続いたが、5つ目に紹介したいのはハサミ兼開梱カッターのコクヨ「2Way携帯ハサミ<ハコアケ>」(以下、携帯ハコアケ)だ。こちらは、開梱用ハサミ「ハコアケ」シリーズから、ペンケースに入れて携帯できるモデルとして発売されたものである。

コクヨ
2Way携帯ハサミ<ハコアケ>
左:チタン刃 1200円(税別)
右:スタンダード刃 850円(税別)

 

フォールディングナイフの柄のような形状で、本体側面にあるスライダーを動かすことで、連動して本体内から刃がニュッとせり出す。このスライダーを中央で止めると開梱カッターモード、最奥まで押し込み刃が飛び出すとハサミになるという仕組みだ。

↑スライダーの押し込みによってモードチェンジ!

 

開梱カッターモードでは、露出した刃を梱包テープに突き刺して引き切ることで開梱作業を行う。このとき、段ボールの上面および側面にカッター刃が最適な角度で入るよう、本体にガイド機構が付いているのがポイント。これがなかなか効果的で、開梱カッターを使い慣れてない人でも手間取ることなく、サクッと素早く作業を行うことができるのだ。ハサミの方も、硬いPPバンドが切れるぐらいの性能があり、これひとつ手元にあれば、家庭レベルの荷開けなら間違いなくかなり効率的になるだろう。というわけで、商品名には “携帯” とあるが、個人的には自宅の玄関脇に備えておくことをぜひオススメしたい。

↑ナナメになった本体底部を梱包テープに当てると、ジャストな角度で刃が入るガイド機構が便利

 

最後に、来年の文房具動向予想も添えておこう。確度が高そうなのは、「来年もシャープペンシルが面白そう」という辺りだ。ぺんてるが「オレンズAT」用に開発したオートマ機構の心臓部(ボールチャック)は、おそらく次に出てくる新製品にも搭載されるはず。より廉価な量産機になるか、オートマ+αの高機能機になるかは定かではないが、どちらにしても興味深いシャープになることは間違いない。

 

また、これだけオートマチックシャープの注目度が高まっているにも関わらず、まだ現時点で参戦していない筆記具メーカーがあるのも気になるところだ。

 

他にどのジャンルが盛り上がるかはまだ分からないが、2024年も引き続き新製品をチェックし続けていきたい。

つゆだくインクで滑らかさ極まる!発売後に即完売、再入荷待ちだったゲルインクボールペン「GS02」の絶品の書き心地って?

この数年、ボールペンの中でも特に「ゲルインク」への注目度が高まっている。その要因となるのは、「濃い黒」と「つゆだく」の2つのキーワードだろう。油性の黒インクはどうしても赤っぽい黒や青っぽい黒になりがちだが、最近のゲルインクはその発色の良さを活かして、くっきりと濃い黒インクを実現している。これは油性に対してかなりの優位性だといえよう。

 

また、油性インクが低粘度化することで滑らかさを演出していたのに対して、ゲルインクはペン先へたっぷりとインクを供給することで書き味を高めている。もちろん低粘度油性インクが性能的に劣るというわけでは全くないが、ここしばらくはゲルインクの進化が著しい状況だ。今回は、まさにそんな「ゲルインクのターン!」に生まれた、個性がトガったボールペンを紹介したい。

 

ずっしりフルメタル軸のボールペン

そのボールペンというのが、OHTOから2023年3月に発売されたゲルボールペン「GS02」。発売直後からすぐに供給が追いつかなくなる人気ぶりで、一時期出荷を停止。ようやく7~8月ごろに供給再開の目処がついたという代物だ。

 

これはおそらく、単にめちゃくちゃ売れた、というよりは、そもそも作るのに非常に手がかかる軸を採用した結果、生産が追いつかなくなったという状況なのだと思われる(というのも、GS02用に開発されたリフィルは継続販売していたので)。

OHTO(オート)
ローラーゲル GS02
1500円(税別)
4色展開

 

塗装されたフルメタル(アルミ軸+真ちゅうパーツ)の軸は、握った瞬間に「おっ」と思わせるほどの重量感がある。加えて塗装の質感も良いので、高級感も充分。ちょっとしたプレゼント用にも使えそうなデザインだ。

↑六角柱から円筒に変わっていくフォルムがおしゃれ

 

先端側の六角軸から後ろに行くに従って丸軸へと変化していく形状は、握りやすさとルックスの美しさが両立しており、かなりユニーク。特に握りやすさに関しては、エッジのある六角軸と軸自体の重量(約23g)によって、手の中での安定感が非常に高い。ただし、重心位置が軸の半ばにあるため、先端側を握るクセがある人だと、より重さを感じてしまうこともあるかもしれない。

 

先端の口金が途中から細くなる形状も、なかなかに面白い。ペン先の視界が良いニードルチップだが、その手前の口金が太いと、ちょっと効果が薄れてしまう。そこで口金の三角錐を一段絞り込むように削ることで、先端視界(筆記時におけるペン先周りの見晴らし)を少しでもスッキリさせようという試みなのかもしれない。実際、書きやすさの点ではしっかり効果が出ているように感じた。

↑口金が途中から一段細くなるデザイン。これが先端視界の確保に一役買っている

 

 

サラサラすぎ!? インク“超だく”の個性的な筆記性能

GS02でなによりすごいのが、筆記時の “つゆだく” っぷりである。OHTO独自のセラミックボールを搭載したペン先を紙に乗せて少し動かすと、もうそれだけで、ジュワーッと大量のインクが広がっていくのが分かるほど。場合によっては裏抜けしかねないほどのインク量だが、デメリットというわけではない。このように、インクが紙に素早く染み込むことで速乾性を担保しているようだ。

↑なめらかすぎて、人によってはコントロールしにくいとすら感じてしまうつゆだくフロー。なめらか好きならハマる可能性は大きい

 

おかげで書き味は非常になめらかで、最近のつゆだく系ゲルの中でもちょっと類を見ないレベルと言えそう。しかもニードルチップの先端をなめらかに削り込んであるから、かなり寝かせ気味に書いても紙への引っかかりが発生しない。どこまでいっても徹底的になめらか、というピーキーさなのである。

↑チップ先端を削りこんであるおかげで、30度(一般的な筆記角度の半分)ぐらいまで寝かせても、カリカリと引っかかることなく書けてしまう

 

もうひとつのキーワードである「濃い黒」に関しては、正直なところ、ゲルインク最黒と言われる「ユニボールワン」「エナージェル」の二大製品と比較すると、わずかにアッサリして感じられるかも。とはいえそれは、あくまでも並べて見てのことであって、普通に単体で書いている限りこの黒さに不満を感じる人はまずいないと思う。

↑「最も黒い」とされるユニボールワンとの比較すると、少々淡いかな? ぐらいの印象。それでも間違いなく、トップレベルの黒さと言えそう

 

何より、繰り返しになるが、この凄まじいほどのなめらかさは、昨今のゲルインクつゆだくムーブメントの延長線上でないと生まれなかっただろうなぁ、という印象だ。正直なことを言えば、軸のバランスや重さなどの要素も含めて、決して万人向けのペンとは言い難い。しかし、これにハマる一部の人には、もう他に替えがたい究極の1本になり得るポテンシャルだってあるように思うのだ。

 

そのトガりっぷりを体感するなら、店頭で見かけた際にまず試筆をおすすめしたい。とはいえOHTOのペンは、なかなか店頭に並ばないので……現状でも入手しやすい専用リフィルの「PG-M05NP」が汎用性の高いパーカータイプ(国際G2規格)なので、これを別のペンに入れて試してみるというのもありかも。

↑リフィルは国際規格であるパーカータイプ。これを別の軸に入れて遊んでみたい…! という誘惑を感じている人も多いのでは

 

お気に入りの筆記具を額装できる!? “見せる収納”を楽しむ、レイメイ藤井「フレームペンケース」

レイメイ藤井は、「フレームペンケース」を、2024年1月中旬に発売します。

 

同製品は、高級筆記具のパッケージのように、お気に入りの筆記具を見せて収納できる、ディスプレイ感覚のペンケース。

 

取り囲むフレームと透明窓は、筆記具を額装しているかのような印象を与えることができます。しっかりとした芯材が入っているので、自立させて机上に飾ることもできます。

 

大切な筆記具を固定できるゴムバンド付きで、2~3本の筆記具を収納できる容量です。フタはマグネット固定で片手でも開閉可能。360度開いて底に敷けば省スペースになります。

 

価格は3300円(税別)。カラーバリエーションはブラック、グレー、ネイビー、レッド、オレンジの5色です。

持ち替え不要! 押さずに引いて芯を出すシャープペンシル「トプルS」の小粋な工夫とは?

これはあくまでも個人的な感覚なのだが、シャープペンシルにオートマチックはいらないかな、と思っている。筆者は極端に集中力が続かないタチなので、書き物をしているとすぐに「一息入れたいなー」と弱音を吐きがち。そういうとき、シャープの芯を出すノックがいい感じに “一瞬の休憩” になるというわけ。対してオートマチックだと、芯が1本なくなるまで休憩タイミングが来ない。これだと集中力を欠いたままダラダラと書き続けることになるので、メリハリが付かなくて、あまりよろしくないのだ。

 

なので、ひとまず「シャープにノックは欲しい派」なのだが……軸後端のノックノブを押すとき、イチイチ軸を握り直す手間が発生するのがどうも釈然としない。もうちょっと効率の良いノック方法があってもいいんじゃない? とも思うのだ。

 

先端引っ張りノックのユニークなシャープペンシル

過去には、軸側面にノックボタンを付けたサイドノック式や、軸を中程から少し折り曲げるボディノック式など、いろいろなノック方式のシャープが存在した。ただ、機構的にトラブルが起きやすかったり、コストが高い割にあまり売れなかったり……などの問題から、現在ではそのほとんどが廃番となっているのである。そんななかで、久々に登場した“変態ノック機構”のシャープとして注目されているのが、サンスター文具の「トプルS」だ。

サンスター文具
トッププルシャープ topull S(トプルS)
各360円(税別)
8色展開

 

トプルSは、見た目からしてなかなかにユニークだ。先端の金属製の口金(?)・プラの細い軸・軸、と三段で構成されたペン先が目に付くが、他にも前軸の不思議な分割や、それ以外にはほとんど凹凸のないデザインなども気になるところ。もちろん、後端にノックノブなんか存在しない。そして、肝心のノック機構に直接関係してくるのが、三段のペン先と前軸分割である。

↑この筆記状態からほとんど握り直さずにノック(芯出し)ができるのがポイントだ

 

↑3段のペン先と、パーツがS字に噛み合ったような分割線がとにかく目立つ

 

ノックする際には、まず先端の細軸・軸の段差に人差し指と中指をかける。指をかけるときは、第一関節に近いあたりをひっかけるようにすると、やりやすいだろう。あとはそのまま手を握り込むようにして引き込むと、前軸の分割線のところから押し込まれて、カチッとノックされるという仕組みだ。これがサンスター文具独自の、先端を引き込んでノックする「トッププル機構」である。

↑ペン先の段差に人差し指と中指をかけてグッと引くと、カチッとノックされて芯が出る

 

 

ノックする際に軸を持ち替える手間はほとんどないため、効率の点ではかなり良さそう。筆記体勢のまま1ノックして、また筆記に戻るまでの所要時間は確実に1秒以下。かなりスピーディーにノックできるし、すぐさま筆記に戻りやすい。

 

ただし、ノック感がかなり重めなので、それを指先で操作するのはちょっとしんどいかな? と感じられた。さらに、段差が小さすぎて指の引っかかりが悪く、それをフォローするために、より指の力が必要になる。結果として、何度かノックしていると指がダルくなってしまうのだ。これに関しては、ある程度は慣れによって気にならなくなる……ような気はするが、できれば購入前にいちどノック感を試したほうが良いと思う。

 

意外な構造でコストダウンを図っている?

実際に試してみて感じたのは、まず先端視界の良さだ。トッププル機構のため、軸先に段差がついて細くなっている分、通常のコーンタイプの口金よりもペン先周辺が見やすい。重心は高めだが、トッププル用の分割線に指が掛からないようにすると、自動的に軸のやや上めを握る姿勢になるので、さほど気にならなかった。

↑先端が細く絞られているので、ペン先周囲の視界は良好だ

 

ちなみに芯の補充は、細軸をつまんでひねって軸から分離し、シャープリフィルを抜き出して行う。リフィル自体がかなり細いので、芯は2〜3本でいっぱい。誤動作防止のためには、入れておく芯は無理せず2本で止めておくのが良さそうだ。

↑芯は軸からリフィルを抜き出して補充する

 

ところでこのリフィル、なにか既視感がある。もしかして、多機能ペンで使われている汎用品のシャープユニットをそのまま転用しているのではないか、と思われる。おそらくは生産コストを下げるための試みなのだろうが、わりと思い切った作りである。

 

他にないユニークなノック機構でありつつ300円台という低価格を実現するには、こういう工夫が必要なのだろう。さまざまな面で非常にチャレンジブルなシャープペンシルといった印象なので、文房具好きならひとまず試しておく価値はあると思う。

 

クラファンで達成率5400%! コクヨのボールペン「WP」が“いい文房具”と断言できる理由

ふと「いい筆記具が欲しいな」と考えることがあるけれど、具体的に「いい筆記具」とは? と問われると、なかなか難しい。要素として、まず挙げられるのが、高級さだろう。金属軸のボールペンや漆塗の万年筆などを見ると、そのルックスだけでも端的に「いい筆記具」としての印象が強い。値段が高ければ所有欲を満たしてくれ、イイモノを持っている(こだわりがある)という周囲へのアピールもできる。

 

もちろん、性能的に優れていることも「いい筆記具」と呼べる。ここで言う「性能の良さ」とは、書き味の機能性であることが多い。書きやすくて、使うだけで少し字が上手くなった気がするようなものも、「いい筆記具」ならではだ。

 

一方で、筆記具においては価格と性能が必ずしも正比例しない、という問題もある。150円程度で買える、ごく普通のボールペンが、書き味では世界的に高評価を受けるトップクラスのボールペンだったりするから一見して判断しづらいのだ。では、「いい筆記具」を欲したときには何を買うのが正解なのだろうか?

 

そこで今回は、見た目の高級さと性能の良さを兼ね備えた、分かりやすく「すっごくいい筆記具」を紹介しようと思う。

 

コクヨから高級筆記具が登場

コクヨの「WP」(Writing Products)シリーズは、クラウドファンディング発の筆記用具だ。この夏、ペンジャンルとしては異例の達成率5400%超えを達成し、その好評を受けて10月から一般販売がスタート。実店舗販売は、東京・神戸各1店舗のみ(2023年10月時点)で、今後は徐々に取扱店舗を拡大していく。

コクヨ
WPシリーズ
WP-F200 ローラーボール(上)
WP-F100 ファインライター(下)

各4000円(税別)
各2色展開

 

同シリーズには「WP-F100 ファインライター」と「WP-F200 ローラーボール」の2種類がラインナップされており、それぞれ軸色が銀/黒の2色展開(インク色はどちらもブルーブラックのみ)となっている。キャップと軸はアルミ削り出しで、さらにブラスト加工を施したアルマイト仕上げ。シンプルながらしっとりとした品の良さがあって、4000円+税という価格以上の高級感と見栄えの良さがあると思う。

 

↑三角錐の角を削り込んだ、矢じりのような口金が特徴的

 

↑筆記時はキャップを後軸に装着したくなるが、重量バランス的にはキャップ無しが正解かも

 

キャップをはずすと、三角錐の口金と、そこから連続する丸みを帯びた三角柱の透明グリップが現れる。グリップ自体はツルツルとすべりやすいが、指の置き場がはっきりしている分だけ安定感があり、ゆったりと落ち着いて筆記をするには悪くない。グリップ下はリフィルが透けており、ファインライター(三角のパターン)、ローラーボール(四角のパターン)が識別できるようになっている。

↑ファインライターとローラーボールは透明グリップから見えるパターンで識別可能

 

細かいところだが、中央の黒いリングは実はグリップと一体の透明パーツ。キャップと後軸に挟まれて光が通らなくなることで、ツヤのある黒に見えるのだ。わざわざ別体のパーツを使わずにデザイン上のアクセントを生む面白い作りは、特に知らなくても問題はないが、気付いているとちょっと嬉しいポイントと言えるだろう。

↑軸に表情を加えていた中央の黒いリングが実は透明パーツだった、と気付いたときは地味に驚いた

 

書き味も上質で、文句なく “いい筆記具”

ファインライターは、細かな溝が刻まれた砲弾型の樹脂チップを使用。毛細管効果により染み通ったインクで筆記するという仕組みだ。筆線の雰囲気はサインペンに近いが、チップがなめらか、かつインクの流量がたっぷりしているため、書き味がとにかく軽い。筆圧をかけることなくサラーッと線が引ける気持ちよさは、他ではなかなか味わえないものだ。それでいて、ゆったり書けば筆先のコントロールも良く利くので、悪筆の人でも落ち着いて書けば、いつもより読みやすい字が書けそう。

↑細かな溝を通ってインクがたっぷり染み出してくるので、書き味はとてもサラサラ

 

また、筆圧の強さによって線幅の細太が自在にコントロールできるので、脳内でイメージしていた通りの線が引きやすい、というのも大きなポイント。書き味の軽さとコントロール性、描線の自由度の高さなど、ハマり要素が多いので、一度手に馴染むと手放せなくなる可能性は高そうだ。

↑個人的にも「今年ナンバーワンかも!?」思うほどに気に入った、気持ちの良い書き味

 

↑軸内部のバネでリフィルを支える構造もあり、筆圧のコントロールがしやすく、文字にしっかりメリハリがつけられる

 

ローラーボールも、粘性の低いシャバシャバとした水性インク+高フローの組み合わせによって、書き味が非常に軽くなっている。加えて、ペン先が紙に触れているだけでインクが出る(インクスキップが発生しない)というローラーボールの特性もあって、こちらは聞き書きメモのようにダーッと書き続けるような使い方にマッチしやすいように感じた。

↑ローラーボールは、長時間書き続けたいと感じさせる、颯爽とした書き味が特徴的

 

試した感じは、とにかくどちらもサラサラ感を重視しており、さらにそれを楽しめるように味付けされているな、という印象を強く受けた。単に書き味がサラッとしているだけでは今さらだが、チップの工夫でコントロールしやすく作るなどの技巧をこらした結果、ずっと書き続けていても飽きにくいペンが生まれたと言えよう。

 

見た目の高級感も見ての通りなので、これは万人にとって間違いなく「いい筆記具」と言って良さそうだ。筆記具に関心の薄い人でも、使えばすぐに「あっ、なんか違うな?」と感じ取れるはずなので、この年末にかけてプレゼントにすれば「イイモノ分かってんじゃん」と、家族や友人からの見る目が変わるかも。

 

話題の静音ボールペン「mute-on(ミュートン)」の音だけじゃない独自ギミックを検証

近年、筆記具業界で注目されている機能のひとつが「静音化」である。大まかに言えば「ノック音をいかに静かにするか」という技術で、ぺんてる「Calm」シリーズやパイロット「フリクションボールノックゾーン」に搭載され、話題となっている。

 

例えば試験で集中しているときなど、周囲で延々と「カチカチ」されたらイライラとしてしまうだろう。自分はそういった “音ハラスメント” をしないよう、ちゃんと気をつけて静音仕様のペンを使いましょう、というのが、昨今の静音ペンの流れのようだ。

 

トップクラスの静音性能をもつボールペン

そんななか、2023年4月、音ハラ対策の静音仕様ペンとして発売されたのがサンスター文具の「mute-on」(ミュートン)である。全8色(インクは黒のみ)の軸色名が、「夜更かしの猫」「浜辺の小瓶」のように、ちょっとした物語を感じさせるネーミングになっているところがポイントだ。個人的には、この手の色名にかなり気恥ずかしさを感じてしまうのだが……これは多分、筆者がメーカーの想定するターゲットユーザー層ではないからだろう。

サンスター文具
mute-on(ミュートン)
240円(税別)
8色展開

 

↑全8色の軸色にはそれぞれポエミーな名前が付けられている

 

さて、肝心の静音性に関してだが、昨今の静音仕様ペンの中ではまずトップクラスの静かさと言って間違いなさそう。ノック音そのものは、生活音の中に紛れてしまうとほぼ聞こえなくなるレベルで、これをうるさいと感じる人はまずいないはず。それぐらいに静かだ。

 

↑一般的なノックと比べて20db以上小さい音なので、静かな場所で耳を澄まさない限り音が気になることはなさそうだ

 

ノックに関してはもうひとつ、静音性に加えて「ノック解除忘れ防止」の機能も搭載されている。三角軸から浮きあがるように配置されていたクリップが、ノックノブを押し込むのに連動して、軸へ沈み込むように動くのである。つまり、この動作によってクリップが効かなくなるので、うっかりペン先を出したままシャツの胸ポケットや手帳に挿そうとしても気付くでしょ? というギミックなのだ。

 

このクリップの動きが妙にかわいいので、ついつい用もないのに繰り返しノックしてしまう人は出てきそうだ。(音ハラの心配が少ないので、その点も安心だ)

↑ノックに連動して動く「ノック解除忘れ防止」クリップ

 

リフィルは専用の0.5mmゲルインクを搭載。最近のサンスター文具ではお馴染みとなりつつある “たっぷりインクフロー” で、サラサラと気持ちの良い書き味が楽しめる。この手のつゆだく系がお好きな方であれば、かなりハマるのではないだろうか。

↑ペン先近くまであるエラストマーグリップ+三角軸のおかげで、どこを握ってもかなり安定感がある

 

↑良好なインクフローでかなり爽快感のある書き味となっている

 

LAMYと似ているようで違う。独自のノック機構に注目

実は筆者がこの「mute-on」を最初に見たときに感じたのが「あれ、これLAMY(ラミー)のnoto(ノト)では?」ということ。LAMYの「noto」といえば、世界的な工業デザイナーである深澤直人氏が手がけたボールペンで、ハートカムと呼ばれる特殊な機構で静音ノックを実現した逸品である。なめらかな三角形の軸と、長楕円のノックノブ、軸に切り込むようなクリップも特徴的だ。これらの要素だけで見ると、やはりこの2つ、近いような気もする。

↑LAMY「noto」(左)との比較。ノックノブや三角軸などの要素を抜き出せば似ているんだけど、並べてみると印象はわりと違う

 

さらに、ノックに連動したクリップの上下動も、同じくLAMYの「swift」に搭載されているギミック。これはさすがに、LAMYを意識していない、ということはないはずだ。ただし、当然ながら「mute-on」のノックはサンスター文具の独自機構(ハートカムではない)だし、デザインも突き詰めていけば別物。なので、捉え方としては「LAMYをリスペクトして進化させた」ということでいいんじゃないだろうか。

↑サンスター文具独自の静音ノック機構。写真中央のオレンジ色パーツが透明カバーに掘られた溝を動くことでノックを行うようだ

 

なにより、静音ノックにノック解除忘れ防止、爽快感のあるリフィル、握りやすいグリップなどなど、これだけあれこれ詰め込んで税別240円という価格はかなり衝撃的。これは買い逃すともったいない級のペンなので、見つけたらまずは即ゲットして、あれこれ試してみるのが正解だと思う。

 

筆者はまず、色名の気恥ずかしさだけは乗り越える必要があるけども。

 

「LAMY」スマートペンが発売2周年を記念したアニバーサリー特別価格に! Amazonブラックフライデーセールで実施

NeoLABは、グローバルローンチしたドイツLAMY社の公式スマートペン「LAMY safari all black ncode」の発売から2周年を迎えることをを記念して、11月24日~12月1日まで、Amazonブラックフライデーセールにてセールを開催します。

 

同製品は、アナログな「ノート」と、「デジタルノートブック」を繋ぐツールとして、ロングセラーモデルLAMY safariから、そのデザインを兼ね備えたままスマート文具として誕生。LAMYブランドのsafariシリーズ、all blackカラーとNeo smartpenの技術Ncodeが名前に刻まれています。

 

ブラックフライデーセールでは、2周年を記念したアニバーサリー特別価格での提供となります。

「ジェットストリーム」にカリモク家具コラボ多機能ペンが新登場! 家具の端材をグリップに再生利用した「JETSTREAM × karimoku 4&1」

三菱鉛筆は、油性ボールペン「ジェットストリーム」シリーズから、カリモク家具とコラボレーションした多機能ペン「JETSTREAM × karimoku 4&1」を11月28日に新発売します。価格は3000円(税別)で、軸色はサンセットオレンジとスチールブルーの全2色。

 

今回発売するのは、国内生産の木製家具メーカーのカリモク家具とコラボレーションし、「暮らしに、木の温もりと彩りを。自分らしさを飾る、道具選びを。」をコンセプトとした、木製家具の製造工程で生まれる木の端材をグリップに再生利用した多機能ペン。

 

木製家具製造の過程で生まれた端材の中から、サンセットオレンジにはナラ材、スチールブルーにはウォールナット材をグリップとして採用。家具と同様のウレタン塗装を施し、手に優しくなじむ仕上がりとなっています。木目や色合いに天然木ならではの違いがあり、それぞれの個性が楽しむことができ、端材と端材との継ぎ目が模様として現れるグリップもあります。グリップの側面には、「karimoku」ロゴを刻印し、カリモク家具とのコラボレーションを象徴しています。

 

カリモク家具のラインナップなどから着想を得た、深みのあるトーンのカラーを取り入れ、トレンドを感じながらも日常的に使えるデザインに仕上げています。カラー塗装部分には、ファブリック家具のように、しっとりと柔らかな手触りが印象的なソフトフィール調の塗装を採用。

 

パッケージには、本体と色を合わせたデザインが印象的な、古紙を再生利用した紙製パッケージを採用しています。

 

ボールペン4色とシャープが1本に搭載されている多機能ペンで、日常的に使いやすく、ノートや手帳、書類、資料への色分けしての書き込みに最適です。ボールペンのインク色は黒、赤、青、緑。

2023年コスパ最強シャープでは? トンボ鉛筆「モノグラフファイン」は4段階で削り出したペン先が生み出すお値段以上の使い心地

まだ1年の振り返りをするには少し早いが、2023年はシャープペンシルの当たり年だったということで間違いなさそうだ。1月にはぺんてるが、高コスパなオートマチックシャープ「オレンズAT」と合わせて新しい機能芯「Ain」を発売。三菱鉛筆からは超ハイスペックシャープ「クルトガダイブ」が継続品となり、加えてペン先ブレを抑制した「クルトガKSモデル」も登場……など、とにかくシャープペンシル周りのトピックが多かった。

 

5000円超えのクルトガダイブは脇に置くとしても、全体的には「高機能かつ低価格」がポイントになっていたようにも思える。つまり、2023年に発売されたシャープペンシルは、どれも総じてお買い得だったということ。

 

コスパ高すぎのハイクラス・シャープペンシル

そんな中でも、発売直後から「これ、2023年コスパ最強シャープでは!?」と話題になっているのが、10月末に発売されたトンボ鉛筆の「モノグラフ ファイン」だ。こちらは、2014年に発売された初代「モノグラフ」以降、常に高い人気を誇る “繰り出し消しゴム付きシャープ” シリーズの、ハイクラスモデルという位置づけ。

トンボ鉛筆
モノグラフ ファイン(芯径0.3mm/0.5mm)
各1100円(税別)
2色展開

 

軸全体の雰囲気がシンプルなだけに、まず目を引くのが先端コーン周りの緻密な形状だろう。こちらはまずΦ10mmのボディをΦ8.8mmに削っている。これを逆アール加工でΦ4.8mmに削り、さらにΦ3.4mmに削り段差をつけてから、再び逆アール加工でΦ1.6mmまで削って先端パイプにつなげる、という4段のテーパー加工になっている。この加工によってシルエットをスリムにし、ペン先周りの見通しを良くしよう、という狙いのようだ。

↑複雑に削られたペン先が特徴的だ

 

しかもこの複雑な先端コーンは、別パーツではなくフルメタルの前軸を削り出したもの。つまりグリップからペン先までが一体化しているので、ガタ付きやブレのようなものはほとんど伝わらない。また、前軸自体に重量があるため、重心が非常に低く、筆記時にどっしりとした安定感が得られるのも大きなポイントだ。おかげで筆記感はとても落ち着いたもので、シャッと走り書くときにも、筆圧をかけてグイグイ書くときにも、安定して応えてくれる。

↑金属製の前軸は、机に置くと「ゴトン」という音がするぐらいに重量感がある

 

↑筆記の安定感はさすがのひとこと。テーパー加工のおかげでペン先の見通しも良好だ

 

また、グリップも9.6mmとボディより一段削られており、指の収まりが良いように設計されている。

 

使用感への配慮は塗装にもある。前軸全体には「ソフトフィール塗料」と呼ばれる、耐加水分解に優れた特殊塗料を塗装。これにより、ほのかにしっとりとした手触りが与えられるだけでなく、長時間の使用でもベタつきが発生しないのだ。「手汗をかいても滑らない!」というほどガッチリとしたものではないが、それでもシンプルな外観を保ちつつグリップ感を高める工夫としては、なかなかに面白いアプローチだと思う。

↑一見するとツルツル滑りやすく見えるが、しっとり感のある特殊な塗料のおかげでグリップ性能は悪くない

 

オートロック機構付き消しゴムだから、力を入れてゴシゴシ消せる

「モノグラフ」シリーズと言えば、消しゴム機能も重要なポイント。当然ながら「モノグラフ ファイン」も、軸後端に回転繰り出し式のロングな消しゴムを搭載している。使う際は、ノックノブを時計回りにひねるようクリクリ回すと、中からΦ3.6mmの細い消しゴムがスーッと出てくる仕組みだ。

↑消しゴムは消字力優先でさほど固くないので、長く繰り出しすぎないことがコツ

 

ひとつ面白いのは、消しゴム使用時に自動でノックノブの押し込みを防ぐロック機構が備わっている点だ。軸を逆さま(ペン先を上)にすると、軸内部のスイッチが重力によって動き、ノックノブが軸に潜り込まないよう固定してくれる。同タイプの消しゴムユニットを持つエントリーモデル「モノグラフライト」では、消しゴムを少し強めにかけるとノックが押されて芯が勝手に出てしまう、なんてこともあったので、このロック機構はシンプルにありがたい。

↑軸を逆さまにすると自動的にノックノブがロック。これなら安心してゴシゴシと強めにこすることができる

 

消しゴムはやや硬めながら、さすがMONOブランドだけあって、消字力は間違いない。スリムさを活かして細かな部分修正も簡単にこなせる。ちなみに、消しゴム自体は消耗部品として別売り(モノグラフライト/ファイン用)されているので、気兼ねなくガンガン使えるのも嬉しい。

↑別売の専用消しゴムは3本入り100円(税別)

 

消しゴムの交換は、ノブを回して消しゴムをいっぱいまで出し切ったら指でつまんで取り出し、新しい消しゴムを装着するだけ。芯の入れ替えをする場合には、消しゴム内蔵のノックノブをそのまま引き抜くと、芯タンクへの穴がオープンになる。最初は少し迷うかもしれないが、一度やれば簡単に分かるはずだ。

↑消しゴムユニット(ノックノブ)をスポッと引き抜くと、芯の補充が可能に

 

そのほかにも、クリップが手に当たらない短くされたショートクリップなど、細部まで気の効いた作りは素晴らしい。

↑ショートクリップは、シャープペンシルを回しながら書く派に嬉しい仕様だ

 

なにより、金属前軸による剛性感の高さと落ち着いた書き味を体験したあとでは、「これで1100円ってさすがにコスパ良すぎじゃない?」という気持ちにもさせられる。要するに、ハイクラスモデルのシャープペンとして十分満足できるアイテムだということ。これを買って損した気分になる人がいるとは考えにくいので、見つけたらまず購入! で間違いないと思う。

 

メタルペンシル「メタシル」が、コンパクト&キャップ付きでさらに使いやすく! 「メタシルポケット」

サンスター文具は、削らず約16km書き続けられるメタルペンシル「metacil(メタシル)」シリーズから、キャップがついたコンパクトサイズの「metacil pocket(メタシルポケット)」を、11月上旬より発売いたします。価格は1100円(税別)。

 

メタシルは、芯が黒鉛と金属を含んだ特殊芯で作られており、筆記時に紙との摩擦で生じる黒鉛と金属の粒子が紙に付着することで筆跡となる、鉛筆のようで鉛筆とは違う新感覚の筆記具。芯は約2H鉛筆相当の濃さです。美大出身である開発担当者が、デッサンやアイデアをスケッチするときなど、鉛筆を使うたびに削る手間がかかることや手が黒く汚れることに不便さを感じ、それを解消するためのアイデアを製品化しています。

 

今回発売となるメタシルポケットは、長さ160mmの従来のメタシルに対し、120mmとコンパクトサイズに。レザー調のキャップが付いて、持ち運びしやすくなりました。

 

芯は特殊芯でできており、摩耗が著しく少ないため、削らずに長時間書き続けることができます。水や水性マーカーなどにも滲みにくいので、水彩画やイラストの下書きにも使いやすく、通常の鉛筆のように一般的な消しゴムで消すことができます。

 

使い込んで丸くなってきたら、芯を交換可能。替芯は芯が擦り減ってきた時の交換用や、筆記線の太さのこだわりなど、使い分け用などにも利用できます。

 

カラーバリエーションは、ブラック、ピンク、ブルー、ホワイト、ベージュ、ネイビーの全6色。

神秘的な輝きを帯びたオーロラカラー! 自動で芯が出るシャープペンシル「KURUTOGA DIVE」に新色「オーロラパープル」登場

三菱鉛筆は、書き始めから書き終わりまでノックすることなく書き続けられる世界初の機能が搭載されたキャップ式シャープペンシル「KURUTOGA DIVE(クルトガ ダイブ)」の新しい軸色オーロラパープルを、11月24日に発売します。芯径は0.5mm。価格は5000円(税別)です。

 

KURUTOGA DIVEは、“芯が回ってトガり続けるシャープ”「クルトガ」シリーズから、“「書く」にのめり込む”をテーマに開発され、「のめり込む」を意味する「DIVE」から名付けられています。没入できるような雄大な景色や情景を想起させる軸色を採用することで、テーマである“「書く」にのめり込む”の世界観をより濃く表しています。

 

今回発売する新軸色オーロラパープルは、クルトガシリーズで初となる偏光塗装を施し、オーロラが浮かぶ神秘的な夜空を表現。見る角度によって鮮やかな表情から深みのある色味まで見え方が変化する仕様です。

 

筆記に合わせオートマチックに芯が繰り出される機構を搭載しているので、筆記中のノックによって思考が途切れるといったことがなくなります。一定の画数で芯が自動的に繰り出されることで、パイプが紙面に当たることがなく、筆感を損なわずにそのままの書き心地で書き続けることができます。

 

筆記時の芯の摩耗量は、使う人の筆圧の強弱や、シャープ芯の硬度の種類、使用シーンによって様々であるため、自分好みの書き心地に合わせて、芯の自動繰り出し量を5段階で調節できます。

 

キャップの中には新開発の初筆芯繰り出し機構を搭載し、キャップを外す所作と同時に一定量の芯が繰り出されるので、筆記前のノックや、芯の長さを調節する煩わしさを軽減しています。キャップ式にすることにより、落下時の衝撃等から繊細なペン先を保護する機能も併せ持っています。キャップは吸着感のあるマグネット式でスムーズに閉めることができ、「カチリ」という音とともにクセになりそうな心地よさも演出。

 

クルトガシリーズの特徴である自動芯回転機構「クルトガエンジン」を搭載し、書くたびに芯が少しずつ回転することで、芯先が“いつもとがった状態をキープ”でき、一定の筆記描線で、精密にくっきりと、滑らかに書き続けることが可能です。

人気文房具ブランド夢のコラボ! トンボ鉛筆「モノ」×パイロット「フリクション」が4色の“グレースケール”で限定登場

トンボ鉛筆の文房具ブランド「モノ(MONO)」と、パイロットコーポレーションの消せる筆記具シリーズ「フリクション」とコラボレーションした、「書く、消す」が楽しめる文房具を「グレースケール(GRAYSCALE)」で展開した「モノ×フリクション グレースケールシリーズ」を、数量限定で11月15日より順次発売します。

 

同シリーズは、モノブランドからシャープペンシル、ボールペンなど5品種、フリクションブランドから消せるボールペンやラインマーカーなど4品種で構成。あらゆるシーンに調和するモノトーンカラーのグレースケールは、「ホワイト」「ライトグレー」「ダークグレー」「ブラック」の4色。単に黒(100%)を淡くしたグレーなどと違い、各色にニュアンスのあるカラーを選定し、シンプルで長く使える上質なデザインに仕上げています。

↑「グレースケール」モノ

 

↑「グレースケール」フリクション

 

トンボ鉛筆(モノ)のラインナップは、シャープペンシル「モノグラフ」0.5mm芯、油性ボールペン「モノグラフライト」0.5ミリボール、消しゴム「モノ」PE-04、シャープ芯「モノグラフMG」0.5mm芯/HB、修正テープ「モノエアーペンタイプ」5mmテープ/6m巻。価格はモノグラフが450円(税別)、モノグラフライトが230円(税別)、モノが150円(税別)、モノグラフMGが240円(税別)、モノエアーペンタイプが330円(税別)。

 

パイロット(フリクション)のラインナップは、消せるボールペン「フリクションボールノックゾーン 05 グレースケール」、消せる3色ボールペン「フリクションボール3スリム 038 グレースケール」、消せるラインマーカー「フリクションライト グレースケール」、フリクションシリーズ専用イレーザー「フリクションイレーザー グレースケール」。価格はフリクションボールノックゾーン 05 グレースケールが600円(税別)、フリクションボール3スリム 038 グレースケールが700円(税別)、フリクションライト グレースケールが150円(税別)、フリクションイレーザー グレースケールが150円(税別)。

ペン先シェイプアップ! 消しゴムにロック機構搭載、しっとりグリップのシャープペンシル「モノグラフ ファイン」

トンボ鉛筆は、ノック式シャープペンシルにくり出し消しゴムを備えた「モノグラフ」シリーズから、「モノグラフ ファイン」を10月31日から順次発売します。価格は1100円(税別)。

 

同製品は、新たな3つのファイン(洗練)を付加したハイクラスモデル。ボディー色はシルバー、ブラックの2種で、芯径は0.5mm、0.3mmの2種。

 

ペン先は4段のテーパー加工を加えてペン先周りを明るくし、筆運びをさらに緻密にしています。加工は、直径10mmの胴軸(ボディー)を8.8mmに削り、これを 4.8mmになだらかな富士型(逆アール)加工で削り、さらに 3.4mmに削り、また富士型に1.6mmに削っています。ペンが紙面を遮ることを極力低減して、紙上の見通しを良くしています。ペン先からグリップまでの約50mmの先軸にメタル軸を採用し、機械加工によって上記のテーパー加工が施されています。ペン先のガタつきやブレを解消し、メタルの自重が低重心となり、安定した筆記感を得られるとしています。

 

モノグラフの基本設計である回転くり出し式モノ消しゴムをノック部に搭載。消しゴムは直径3.6mm長さ30mm(実用23mm)の細字消しに適したスティック形です。消しゴムユニットの外周を回転させて、任意の出量で使用します。芯出しするときは消しゴムユニットをノックします。消しゴムを使用するときは、駆動が自動的にロックしてノックが固定されるので、狙った箇所の字消しがしやすくなっています。仕組みは本体内のオモリの移動により、ノック機構の動きを制御しています。

 

グリップ部は胴軸直径を0.4mm細めて握りを安定させており、表面にソフトフィール塗料(触感塗料)を塗装し、革製品のようなしっとりとした肌触りをメタルボディーの表面に与えています。採用したソフトフィール塗料は耐加水分解に優れ、長期間の使用でもベタつきません。

 

クリップは長さ約30mm×幅5mm(板バネ式)のショートクリップで、手の甲にクリップ先端が当たらないよう配慮しています。

赤インクが一押し! 学生向けと侮れない「フリクション Waai」を社会人も愛用したくなるワケとは?

手帳やメモ書きといった日常筆記にフリクションボールが手放せない、という人は多いだろう。うっかり誤字を書いてしまってもすぐに修正できるし、「間違って書いても消せる」という安心感の下で書けるのは、精神的にもラクなもの。一度この安心感を味わってしまうと、他のボールペンを使って長文を書くのが怖くさえなる。その結果、「フリクションが手放せなくなる」というわけだ。

 

そうした便利さから、高校生や大学生が板書用の筆記具にフリクションを使うことも増えているらしい。たしかに、文字が消せるのならシャープペンである必然性はないわけで、メーカーであるパイロットとしても、そういった層を早くから取り込み “フリクションが手放せないユーザー” を増やしたいと考えるのは、ある意味当然と言えるだろう。

 

ノート筆記に特化したフリクション新色

パイロットから11月に発売される「フリクション Waai(ワーイ)」は、ノート筆記に使いやすいように開発された新しいフリクションシリーズである。ラインナップは0.5mmのボールペン8色とラインマーカー6色。新規造形されたシンプルなオフホワイトの軸が特徴的だ。発売に先駆けて試すことができたので、今回は新色がラインナップされたボールペンをメインに紹介していこう。

パイロット
消せるボールペン「フリクション Waai(ワーイ)」
各230円(税別)
8色展開

 

パイロット
消せるマーカー「フリクション Waai(ワーイ) マーカー」※数量限定
各150円(税別)
6色展開

 

「フリクション Waai」は、ブラックを除いた7色が全てフリクションボールとして新色となる。視認性が良いのはもちろんアクセントカラーにもなるので、重要なポイントを色分けしてノートを作る際に便利だ。フリクションインクは、消せるという特性上、どうしてもやや薄めの発色になってしまいがちだったが、Waaiの新色は白地の紙に書いてもきちんと目立つ色になっている。

↑消せるボールペン「フリクション Waai」は、ブラック以外が全て新色インクとなっている

 

↑フリクションだから、もちろん文字をこすればきれいに消せる

 

実際に書いてみた印象では、筆記色として使いやすいのがブラック・ミニグレー・サンドベージュの3色で、どれもペーパーホワイトの上でもしっかり映えていた。ミニグレーはシャープペンシルのHB~B芯に近いグラファイトっぽさのある色で、シャープペンシルでノートを取るのに慣れた層にもばっちりハマりそうだ。

 

サンドベージュは褐色系ながら優しさのある色味で、これをメインの筆記色にすると、ノート全体がおしゃれな雰囲気になった。黒以外でメイン筆記色を選ぶ場合は、赤黒や青黒など濃いカラーブラックが中心だったが、このサンドベージュはブラック系統じゃない新しい筆記色として今後人気が高まりそうだ。

↑サンドベージュをメイン筆記にしても充分に読みやすい。さらに、紙面がちょっとおしゃれになるので気分も上がりそう

 

もうひとつ注目したい色が、ベルベッドレッド。従来のフリクションの赤はかなりアッサリとした色だが、新色のベルベットレッドはこってりと濃厚で深みのある赤になっており、視認性も上々。筆者は校正などの作業でフリクションの赤を長年愛用し続けていたが、今後はこのベルベットレッドに切り替えてもいいな……と考えているぐらいにはお気に入りの色である。

↑従来の赤(写真上)と比べて、濃く深みのあるベルベットレッドも注目カラーのひとつ

 

筆記色と組み合わせたいアクセントカラーにも、素敵な色が揃っている。特に爽快感のあるターコイズやチリーブルー、温かみのあるドライピーチなどは、確実にこの色を狙って買うファンが出てくるのではないだろうか。

 

色を組み合わせて使いたいけれど、失敗してチグハグしたノートになるのが心配……という人もご安心を。筆記色とアクセントカラーのボールペン各1色+マーカー計3本がセットになった『フリクション Waai マーカー 3本セット』(610円、税別)も数量限定で発売される。この3本はカラーコーディネートされているパックなので、ただ組み合わせて使うだけで見映えがするようになっているのだ。これなら、いちいち組み合わせを考える必要もないので、使ってみたい色があるなら、まずはその色が含まれている3本セットから試してみることをおすすめしたい。

↑限定の3本パックはカラーコーディネートされているため、失敗のない組み合わせとなっている。買うならまずここからがおすすめ

 

軸も優秀だが、使い慣れた「フリクションボール」軸に入れ替えも可!

「フリクション Waai」で注目すべきは、新色だけではない。スリムで握りやすい軸や、細かなところまで消しやすいイレイザーなど、軸もいろいろとブラッシュアップされているところも魅力のひとつだ。

↑軸径は従来のフリクションボールノックより6mmほどスリムになっている

 

↑コーン先端までカバーしたロンググリップで、握る場所を選ばない

 

とはいえ、従来のフリクションがどちらかというと、ビジネスパーソン向けを意識したようなソリッドなデザインが多かったので、オフホワイトの柔らかなデザインは馴染みづらいなぁ……という人もいるかもしれない。そんな場合は、リフィルが従来のフリクションボールと共通サイズなので、好みのデザインの軸に入れ換えて使ってもいいだろう。

↑後端のイレイザーは「フリクションボール ポイントノック04」(写真右)と同じスリムタイプで、細かなところも消しやすい

 

[文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具] 実はビジネスでこそ使うべき!「筆タッチサインペン」を金封の表書き以外に活用する方法

情報番組などメディアやイベントへの出演、新作文房具のプロモーションなど、文房具業界で依頼が引きも切らない“文具ソムリエール”の菅未里(かん・みさと)さん。新商品からロングセラーまで文房具を知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れたお気に入りの文房具とは?

 

ボールペン慣れした現代人にこそおすすめのペン

デジタル化が進んでいる世の中ですが、ご祝儀袋やお礼状など手書きをするシーンはまだまだありますよね。特に、筆で書いたような文字で書くことがよしとされる金封は、自分の字に自信がない人にとってはハードルが高い! そもそも慣れない筆ペンをたった一回のご祝儀袋のためだけに購入し、結局納得がいく文字を書けずに残念な気持ちになったという人も少なくないでしょう。

 

今回おすすめする「筆タッチサインペン」は、私が友人に「筆で書いたような文字を書きたい」と言われた時には必ずおすすめする“名品”です。

 

一見よくあるサインペンのようにも見えるこのペンは、2011年に発売が開始された「筆タッチサインペン」。筆ペンではなく、「筆タッチ」のサインペンなので普段ボールペンを使い慣れた方でも使いやすいんですよ。

↑筆タッチサインペン(左の二本)とサインペン(右の二本)

 

ぺんてる
筆touch サインペン 165円(税込)
筆touch サインペン 6色セットA/B/C 各990円(税込)
筆touch サインペン 24色セット 3960円(税込)

 

↑筆タッチサインペンで書いた文字(左)と、通常のサインペンで書いた文字(右)

 

名前を書き比べてみると、筆タッチサインペンで書いた文字は強弱があり、ハネやハライなどが見えてどっしりとした印象があります。一方、サインペンは安定した筆記線ではありますが強弱は出ないため、ややのっぺりとした印象です。

 

秘密は、ほどよくしなるペン先

強弱がある文字が書ける秘密は、このペン先にあります。筆タッチサインペンはペン先の形が変わっていますよね。

↑筆タッチサインペン(左)とサインペン(右)

 

筆タッチサインペンは、ペン先の黒い部分がほどよくしなるようにできています。

 

金封に名前を書く場合、筆で文字の強弱を出したいところですが、普段ボールペンになれているビジネスパーソンにとって柔らかい穂先をコントロールするのは簡単なことではありません。そこで“ほどよく”しなる筆タッチサインペンの出番です。

↑紙に押し当てると、ペンの先端が曲がっていることがわかる

 

柔らかすぎず硬すぎないペン先なので、力を入れても文字が太くなりすぎてバランスが崩れることがなく、しかしハネやハライなど強弱がある文字を書くことができるのです。

 

文字の太さを調整できるので太い線と細い線どちらも書くことができます。会社の書類の直しや書き込みにも使えますよ。

↑同じペンで太さが異なる文字を書ける

 

ペン先を斜めにすることで塗りつぶしも簡単なので、文字だけでなくノートの隅に色を塗ってページの振り分けをする際にも使用できます。

↑ページの隅を5mmほど色づけすると見やすい

 

付箋を付けるほどでもないけれど、後から見直すことがあるかもしれないというページに、目印として色を付けておきます。「アイデア」「TODO」などテーマごとに色分けした印をつけると、ページをめくった時に目的の場所を開きやすくなってさらに便利です。

 

ビジネスにも趣味にも対応する24色

2022年には新色6色が追加され、充実の全24色展開になりました。実用の黒と赤から使い始めて色を徐々に足していくもよし、セットでまとめ買いするもよし。また、お子さんのプレゼントにもいいですね。

↑筆タッチサインペン24色セット。バラ売りも用意されている

 

↑実用から趣味までカバーできる豊富なカラー展開

 

セットはしまいやすいケースが魅力なので、私は黒と赤のばら売りをあらかじめ購入していましたが、24色セットも購入しました。書き残しておきたい思い出も、手帳にカラフルに残せそうです。

 

自動で芯が出るオートマチックシャープ! ノックの煩わしさから解放されたシャープペンシル「nocfree」

サンスター文具は、オートマチックシャープ「nocfree(ノクフリー)」を、10月下旬から全国の文房具取扱店やオンラインショップなどで発売します。価格は495円(税込)。

 

同製品は、自動で芯が出てくる“自動芯出し機構”を採用。筆記時にペン先が紙面に当たり上下運動することで自動で芯が送り出される仕組みです。

 

本体サイドのノックをするのは使い始めの1回だけで、ノックの煩わしさを気にせずに書き続けることができます。ガイドパイプ付きで、芯折れを防いでくれます。

 

従来のシャープペンと比べて、ノックから解放されることで、タイパ(タイムパフォーマンス)の向上にもつながります。持ち手部分もラバーグリップで滑りにくく、筆記に集中しやすくなり、勉強や仕事の効率化も期待できます。

 

本体のカラーバリエーションは、クールブラック、コーラルレッド、アイスホワイト、ナイトネイビー、オーキッドピンク、ミントブルー、ラテベージュ、セピアバイオレットの全8色。

シンプルボディに7色のトレンドカラーインキ! 「大学生」をターゲットにした消せるボールペン「フリクション Waai」

パイロットコーポレーションは、消せる筆記具「フリクション」シリーズの新製品として、消せるボールペン「フリクション Waai」を、11月2日から発売します。価格は230円(税別)。「フリクション Waai ボールペン8色セット」も同時発売し、価格は1840円(税別)です。

 

同製品は、トレンドを取り入れた新しいインキ色と、丸みのある新形状のシンプルなボディデザインが特徴。コンセプトは“いつもの毎日に ちいさな よろこび をくれる新しいフリクション”で、大学生をメインターゲットとしています。製品名の「Waai」は、喜びを表すときの言葉「わーい」が由来。

 

インキ色は定番の黒と“おしゃれにひとくせ。”をコンセプトにした、日常使いしやすく、アクセントカラーにもなる新色の7色(ベルベットレッド、ターコイズ、サンドベージュ、ドライピーチ、チークピンク、チリーブルー、ミニグレー)を加えた計8色で展開。ノートを書くことが多い中高生の場合には、シャープペンシルの代わりに「フリクション Waai」のミニグレーを使うことで、1本で書き消しが可能です。

 

ボディは新形状の握りやすい細軸で、ペン先や軸後部などに丸みのあるデザインに仕上げています。ボディカラーは、シンプルなオフホワイトをベースとしており、ボール径はノートや講義で配布された資料への書き込みに最適な極細タイプの0.5mmです。

 

また、消せるマーカー「フリクション Waai マーカー」と3本セット「フリクション Waai 3本セット」も、数量限定で同時発売。3本セットには、ブラックまたはサンドベージュのボールペンに、目立たせたい箇所に使う同系色のアクセントカラーのボールペンとマーカーがセットされ、3本で垢抜けた印象のノートに仕上げることができます。フリクション Waai マーカーの価格は150円(税別)で、3本セットが610円(税別)です。

持ち運び時にペン先を傷めない「ダブルノック機構」搭載! ペン先を完全収納できるシャープペンシル「Writoll」

サクラクレパスは、ダブルノック機構のシャープペンシル「Writoll(ライトル)」を、11月中旬から、全国の文具店・書店などで販売開始します。

 

従来の、ペン先が細いタイプのシャープペンシルは、筆記時の文字の視認性は高いものの、ペンケースなどに収納して持ち運んでいるときにペン先の折れや曲がりが生じるという悩みもありました。

 

今回発売となる同製品は、ペン先を完全に収納できるダブルノック機構を搭載。ペン先を収納できるダブルノック機構と、“書く”ことに集中できる視認性の高い細いペン先を併せ持っており、持ち運び時の折れや曲がりの不安をなくしています。

↑ダブルノック機構

 

製品名は、英語のWrite(書く)とドイツ語のtoll(素晴らしい、最高)をかけ合わせた造語で、「“書く”という行為に素晴らしく集中できる」という意味が込められているそうです。

 

ラインナップは、落ち着いた色味の全6色(芯径0.3mm…ホワイト、ダークグレー、ダークグリーン/芯径0.5mm…ブラック、ダークレッド、ダークブルー)。価格は550円(税込)です。

↑左から、ホワイト、ダークグレー、ダークグリーン、ブラック、ダークレッド、ダークブルー

即完売の大人気「オートマチックシャープ」、ヒットの秘密をプロが徹底解説!

『GetNavi』が選ぶ「2023年上半期売れたものSELECTION」。本記事では「文房具編」から、人気の “ノックなしで芯が出る” オートマチックシャープ「オレンズAT デュアルグリップタイプ」と「クルトガ ダイブ」をピックアップ。ヒットの背景には何があったのか? 筆記用具として今注目したいボールペン「mute-one」の紹介もあわせて、文房具ライターのきだてたくさんと放送作家・ライターの古川耕さんに解説してもらいました!

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自動シャープの選択肢が増え約10年続いたトレンドが変化

文房具業界では10年ほど、芯が折れないシャープペンがトレンドだったが、今年はノックなしで芯が出る “オートマチックシャープ” の波が来ている。その筆頭は、昨年、限定発売され、即完売した三菱鉛筆の「クルトガ ダイブ」。

 

「3月に定番化しましたが、それでも抽選販売を行う店や数分で完売する店が続出しました。1月発売のぺんてるのオートマチックシャープ『オレンズAT デュアルグリップタイプ』も、発売4か月で20万本売れと好調です」(きだてさん)

 

オートマチックシャープというジャンルは、17年に発売されたぺんてるの「オレンズネロ」によって作られたが、「クルトガ ダイブ」登場までの約5年、新商品は出なかった。それがいま2品登場し、加えてどちらも申し分のない完成度。売れない理由がないのだ。

手間要らず・疲れ知らずで長時間筆記にピッタリ!

ぺんてる
オレンズAT デュアルグリップタイプ
2200円
2023年1月発売

ノック1回で書き続けられる「自動芯出し機構」と、ペン先のパイプで芯が折れるのを防ぐ「オレンズシステム」を搭載。ノック操作や芯折れによるタイムロスを防げる。名前のATは、「Automatic Technology」の頭文字。

 

【プロも絶賛!】

文房具ライター きだてたくさん
機能派からイロモノまで文房具全般に精通。ユーザーニーズを捉えたレビュー記事で人気だ。

 

ATシャープペンのニュースタンダード

「オートマ機構を安定量産するための工夫が凝らされ、本品がオートマチックシャープの新基準となるのはほぼ確実。全体のバランスも良く、文房具好きは注目すべし!」

 

芯が尖り続けながら自動で出る世界初のシャーペン

三菱鉛筆
クルトガ ダイブ
5500円
2023年3月発売

書くたびに芯を回し芯先を尖らせる「クルトガエンジン」と、世界初の「自動芯繰り出し量調整機能」を搭載。芯が紙面に当たる力を使い、一定の画数ごとに芯を繰り出す。繰り出し量は5段階で調整できる。

↑クルトガエンジンの内部構造

 

↑キャップを外すと同時に芯が出る「初筆芯繰り出し機構」も備え、持ってから置くまでノック要らず。キャップは、一定の位置まで差し込むと押し込まなくても閉まるマグネット式だ

 

【プロも絶賛!】

放送作家・ライター 古川 耕さん
長年、GetNaviにて文房具コラムを担当。現在は「手書きをめぐる冒険」を連載中だ。

シャープペンの進化を象徴する一本

「実用性もありつつキャップ式というギミックもスゴい。これは言わば “ホビー系高級シャープ” という新ジャンル。近年のシャープペン界の爛熟振りを象徴する一本です」

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>文房具ライター きだてたくさん

 

低価格商品が出始め市場が活性化しそう!

「機構が複雑なぶん、筆記具のなかでは高額商品で、『オレンズAT デュアルグリップタイプ』のように手ごろな商品も出始めています。今後は各メーカーとも低価格帯の商品を投入してくるはず!」

売れ行き:★★★
革新性:★★
影響力:★★★

 

【コレもチェック!】

操作音を33%カット! 周囲への配慮ができるペン

サンスター文具
mute-on
264円

ノック音を従来品比で約33%抑えたボールペン。「静音設計のペンも、周囲への気遣いができる筆記具として人気が高まっています。本品は意識しないと聞き取れないくらい静か!」(きだてさん)

「黒」を選んで使い分けられる3色ボールペン! サクラクレパス「ボールサインiD 3C」

サクラクレパスは、3色ゲルインキボールペン「ボールサインiD 3C(スリーシー)」を10月下旬に販売開始します。価格は935円(税込)。

 

「ボールサインiD」は、“自分の色を選ぶ”=“独自性(identity)”から付けられた名称で、限定色を含めた最大7色の黒インキから自分に合った色味を選ぶことができ、ビジネスシーンなどでさりげなく個性を表現することができるシリーズです。

 

今回発売となる同製品は、シリーズ初となる3色ボールペン。インキ色は基本の黒・青・赤の組合せだけではなく、ナイトブラック、フォレストブラックのような個性的な黒を採用した製品もあり、“いつもの黒”と“自分の黒”を使い分けることもできます。

 

インキの組み合わせは、「使用頻度の高い黒系が2色ほしい」「赤は使用したい」などのユーザーニーズをふまえ、3パターンを用意。

 

ボディは六角形と丸形を組み合わせた特別な形状で、自然と手にフィットするiD設計を継承し、金属製クリップとペン先を採用した、上質感のあるスタイリッシュなデザインです。

 

スライダーは全体のデザインにマッチしたミニマルな形状で、小さくても操作しやすいエラストマー製です。ボディ色はブラックとホワイトの2色、インキ組み合わせは3パターンの、全6種のラインナップで発売します。

ノートにピタンと張り付くペン! デジタル時代だってとっさの筆記セットはゼブラ「ピタン」に決まりだ

文房具好きである筆者からすると、あまり理解できない話なのだが……多くの人は、日常的に筆記具を持ち歩いていないらしい。実際に筆記具を持ち歩いていない、という人に「えっ、じゃあ急に書類に署名が必要だったりしたとき、どうするの?」と訊ねたら、曖昧な反応が返って来た。

 

たしかに、情報の書き写しやスケジュールの管理はだいたいスマホでできてしまうので、手帳・メモ+ペンを持ち運ぶプライオリティは、ここ十数年でガクッと落ちてしまった感は否めない。とは言っても、打ち合わせ中にイメージや図を手書きして説明したり、ざっくりしたアイデアをスケッチしたりと、アナログの紙とペンが役に立つケースも、まだ多く残っているのではないだろうか?

↑ペンを “ノートにはさんで携帯する” ことがよくあるが、落としたりノート表紙が破れたりと、けっこうトラブルの元だったりするのだ

 

ノートにピタッとくっつく携帯ボールペン

ともあれ紙とペンはセットで使うものだし、一緒にして持ち歩いた方がラクなのは当たり前だ。手帳ならペンホルダーを備えていることも多いが、ハンドメモやノートはその限りではない。しかし、何か書きたいときに、まずカバンからノートとペンケースを取り出して、さらにペンケースからペンを出して……というのは非効率な気もする。机のない屋外などでは、さらに面倒くささが増すだろう。

 

そういう場合でも便利に使えそうなのが、ゼブラの携帯用ボールペン「ピタン」である。

ゼブラ
ピタン
1200円(税別
4色展開

 

上の写真だけでは、なにがどう携帯用か分かりづらいかもしれないので、実際に使うようにセットしてみると……。

↑ノートの表紙を付属の保護シートで挟んで、その上からホルダー本体の金属クリップでくわえ込む

 

↑これでセット完了

 

↑ノートとペンが一体化して、違和感無くペン1本を常時携帯できる

 

この通り、「ピタン」はノートなどと一体化させて携帯できるボールペンなのだ。セッティングは簡単で、ノートの裏表紙などにまずホルダーのクリップを挟みこむ。このときノートを傷めたくない人は、付属の保護シートを裏表紙に挟み、その上からクリップを装着すればいい。ホルダーとペンは磁石でくっついているだけなので、書くときはペンを持ち上げるだけで、ポコッと簡単に取り外せる。戻すときも、ペンを近付けるだけで貼り付く。シンプルな構造だ。

↑ペンは板状のホルダーに磁石でくっついているだけなので、つけ外しはかなりお手軽

 

↑筆記時には、軸後端のノブをノックして書き出すだけ

 

ノートに厚みがあると、ちょっとペンを取り外しにくいが、その場合はノックノブについているストラップをつまみ上げればOK。ベルトループに差し込むタイプのペンホルダーと比較すると、ペンのつけ外しは驚くほど簡単、かつ手っ取り早い。加えて、ペンを戻す際のパチンという音と感触が軽快で気持ちいいのもポイントだ。

 

イロモノ系? 運用してみたら実は意外と便利かも

「そこまでつけ外しが簡単ということは、意図せずペンが外れて落ちることもあるのでは?」と思った人もいるだろう。もちろん磁石2つで固定しているだけなので、外れないということはない。実際にカバンに入れて持ち運んだ際、カバンの中にペンが落ちていたこともあった。

 

とはいえ、思ったほどはポロ落ちしないなというのも正直な実感だ。特にページ数の多い厚めノートに装着すると、ペン部分に横方向の荷重がかかりにくいのか、かなり安定するようだ。上下方向に関しても、ホルダーに刻まれたストッパーでペンが必要以上にズリ動かないようになっているなど、よく考えられた仕組みだ。

↑磁石はホルダーのクリップの根元あたり(写真の赤色部分)に埋め込まれている

 

ちなみに、ペン自体は初期状態でゲルの0.5mmリフィルを内蔵している。端的に言えばJK-0.5こと「サラサ」芯である。日本国内で一番普及しているゲルインクリフィルなので、外出中にインクが切れても替えの入手はかなりラク。どんな小さな文房具店にだって、まず間違いなく売っているし、コンビニで「サラサ」を買ってリフィルだけ入れ替える、なんて力技でもOKだ。携帯用ボールペンとしては、これもまた充分すぎる強みと言えるだろう。

↑リフィルはお馴染みのサラサ芯。書き味の良さに加えて、気軽にどこでも入手できるのもありがたい

 

これをノートに装着して携帯すれば、ひとまず必要十分。ペンケースを持ち歩かなくても、手書き環境が手に入るというわけだ。見た目も、ノート表紙にペンクリップを挟むよりはかなりスマートで、違和感もほとんど感じない。

↑個人的には、A6〜B7のミニノート(もしくはハンドメモ)との組み合わせが軽快で良いと感じた

 

ペンの書き味にこだわりがあって、好みのペンだけ使いたい! というタイプの人には向かないが、とりあえず書けるものを手間なく持ち歩けたらいいかな、という場合なら抜群に効果を発揮しそうだ。ただし、表紙に挟んだクリップの厚みでページが少しモコッと盛り上がることがあるので、これが気になる人はいるかもしれない。そこだけは注意で。

 

管楽器のピストンバルブのようなノック部分が特徴! サクラクレパスから“自由を奏でる”ノック式ボールペン「SAKURA craft_lab 008」発売へ

サクラクレパスは、ノック式単色ゲルインキボールペン「SAKURA craft_lab 008」を、11月上旬に発売します。価格は6500円(税別)。

 

「SAKURA craft_lab」は、子どものころの無邪気な気持ちを思い起こさせ、いつまでもペンを走らせていたくなるような「大人の筆記具」を生み出すために生まれた、「かく」喜びを届ける筆記具開発ラボ。

 

今回発売となる同製品は「自由を、奏でよう」をテーマに開発した、シリーズ初のノック式ボールペン。ノック部分は管楽器のピストンバルブのようなデザインを採用し、ボディにはアルマイト染色によるアルミ軸と真鍮製のグリップを取り入れています。また、頭冠にはサクラマークの印刷が施されています。

 

ボディのカラーバリエーションは、「#51 トライトーンゴールド」「#20 アシッドピンク」「#29 グルーヴグリーン」「#36 ビバップブルー」の4色。インキ色はブラックを標準搭載していますが、そのほかに別売でブルーブラック、ボルドーブラック、グリーンブラック、ブラウンブラック、漆黒を用意。別売のレフィル(替え芯)は漆黒が250円(税別)で、それ以外は200円(税別)です。

筆記距離6倍! 大容量「ゴツ盛りインクの蛍光ペン」の力強い使い心地とは?

蛍光マーカーと言えば、文字列の上に半透明カラー(主に蛍光色)のラインを引くことで、文字列を目立たせるための筆記具である。同じ「蛍光色のラインを引く」筆記具でも、メーカーの思想やユーザーニーズによって、製品ごとに機能はさまざまだ。「摩擦でラインが消せる」ものや「ペン先チップが半透明でラインを引く箇所が視認しやすい」もの、さらには「マーカーなのに淡色の地味なインクを搭載している」なんてものまである。

 

よくもまぁ次から次へとユニークな機能を考え出せるなぁ、と感心するのだが……つい先日入手した新しい蛍光マーカーも、「インクがめちゃくちゃたっぷり入ってる」というシンプルながらインパクトのある製品だった。

 

インク容量なんと6倍! 超盛りサイズの蛍光マーカー

正直な話をすれば、やはり蛍光マーカーの機能は「チップが柔らかく紙に密着するので線が引きやすい」などの方が、機能説明されたときに、素直に「へー!」と感心しやすい。それは間違いない。しかし、もっと正直な話、普段から蛍光マーカーを使っていて最も気になるのは、「書いているとインクがすぐになくなる」という部分だったりする。

エポックケミカル
ゴツ盛りインクの蛍光ペン
各340円(税別)
ピンク/オレンジ/イエロー 全3色展開

 

↑「大盛り系カップ焼きそばか!」とツッコミたくなる、インパクトの強い製品名

 

エポックケミカルの「ゴツ盛りインクの蛍光ペン」は、太い透明軸がそのままタンクになっており、インクが超たっぷり詰まった直液式(インクが液体の状態で軸に封入されている)のマーカーだ。「ゴツ盛り」という名前の印象から1mmもズレることのない、まさに大容量の製品である。軸を手に持って揺らすと、中のインクがジャブジャブと揺れて、重心が動くのがハッキリと感触で分かる。今までにも直液式マーカーは何本も触ってきたが、ここまでインクの揺れを感じたのは初めての体験だ。

↑直径約16mmの極太軸にたっぷり詰まった液体インク

 

↑一般的な直液式蛍光マーカー(左)との比較。目に見えてボリュームに差がある

 

ちなみに、インク搭載量は9.5ml。他の直液式マーカーのほとんどはインク搭載量を記載してないので、単純に液量で比較をするのは難しいが、メーカーによると「たっぷり6倍」(同社比)とのこと。筆記距離も従来製品が約80mなのに対して、ドンと桁違いの約570m。書ける距離もマーカーとしては常識外れである。これは、どれだけ書いてもインク減る感じがしない。

↑ISOT(国際文具・紙製品展)のエポックケミカルブースにて。筆記距離を高尾山の標高になぞらえるという、よく分からないけど勢いを感じるパネル

 

超たっぷりインクを贅沢に使う楽しみ

インク供給はバルブ構造。ペン先チップが乾いてきたかな? と思ったら、チップを紙に当てて1~2回グッと押し込む。すると、タンクからドバッとインクが流れて補給される仕組みだ。この吐出量がたっぷりしているため、補給後の書き出しはだいたいビシャビシャ。加減を間違えるとコピー用紙でも簡単に裏抜けするので、手帳や文庫本などの薄い紙には使いづらいかもしれない。ボールペンで書いた文字の上にラインを引くと、字がにじむこともありそうなのが心配なところ。

↑チップはベーシックなチゼル(くさび)型。筆記幅は約4mmだ

 

↑書き味はとにかくインクリッチ。ドバッと出るので、乾くまでは筆跡をこすって汚さないように注意したい

 

その代わり、使う度にチップを押し込んでやれば、線がかすれる心配はほぼ無い。紙の上で乾き気味のチップがかすれる、あの “カッスー……” という残念な感触を味わわずに済むのは、ありがたいと思う。ただし、「裏抜け・にじみ」と「筆記時のカスカス感」はどうしたってトレードオフの関係なので、そこは好みが分かれるところだろう。ちなみに、筆者はどちらかというと、多少裏抜けしようがカスカスしない方が好みだ。

↑ラインの引き始めと引き終わりは特にインクが染みるので、裏抜けしやすい

 

使用感を左右するさりげない配慮も

ところで、一般的にマーカー類は、チップがカスカスに乾かないようキツめにキャップを閉める必要がある。そのため、開けるときに力を込めるので、勢いがつきすぎて手にインクがべったり付着する、なんてトラブルも起こりがち。「ゴツ盛りインクの蛍光ペン」なら、キャップを反時計回りに少しひねるだけで簡単に開けることができる。閉めるときには、キャップを被せるだけでパチッと勘合する。シンプルだが、これはなかなか良くできていて使いやすい構造だ。

↑軽くひねると、内側の斜線状溝を伝うようにしてキャップがスッと浮く。この感触が楽しくて、つい何度も開閉してしまった

 

先述の通り、蛍光マーカーを使っていて不満に感じるのは、結局のところ「書いているとインクがすぐになくなる」ことだったりする。それなら「インクがめちゃくちゃたっぷり入ってる」というのは、実はとてもユーザーフレンドリーな製品のようにも思う。力強い製品名の印象には、思わず「ウホ。オレ、インクタップリ、ツヨイ」と万能感あふれる気持ちになったりもする。実際、使ってみたらかなり強い(主に筆記距離とインク吐出量)ので、ぜひ使い勝手のよさにウホウホ言いながら使ってみて欲しい。

 

芯が尖るお馴染みのシャープペン「クルトガ」唯一の欠点を解消!「クルトガ KS」の完成度を検証

三菱鉛筆の「クルトガ」といえば、書くたびに芯を自動で回転させる機能でお馴染みの、高機能シャープペンシルだ。ペン先が紙に触れることで内部のメカが働き、1画ごとに約9度(「クルトガアドバンス」は18度)ずつ芯を回転させる。この仕組みにより、芯先端の偏減り(接地面が偏って摩耗すること)を防ぎ、常にシャープな美しい字が書けるというのが最大のポイントだ。

↑一時期は「中高生の所持率70%・認知度100%」だったという伝説級のシャープペンシル「クルトガ」シリーズ

 

これが実に素晴らしく効果のある機能で、使用中は常に芯先が気持ちよく尖るため、繊細で美しい字が書きやすくなる。一方で、この機構のせいで芯先がカチャカチャとブレる、という問題もあったりする。このブレが気になる人だと、どうしてもクルトガを使いづらく感じてしまうのだ。

 

芯ブレを抑制した新しいクルトガ・スタンダードモデル

芯が紙に押しつけられる力を利用してギアを動かしているので、ブレに関しては機構的に仕方ない部分ではある。でも、集中してノートを取りたいときほど、書くたびにこの “カチャカチャ” が邪魔に感じられてしまう。クルトガの機能が優秀なだけに、逆にこのささやかな芯ブレというネガティブな部分が目に付くのだ。

三菱鉛筆
クルトガ KS
各550円(税別)
0.3mm/0.8mm 各4種、全8種展開

 

そこで紹介したいのが、2023年2月に登場した、三菱鉛筆「クルトガ KSモデル」こと新スタンダードモデルである。こう名乗っているからには、つまり今後はこれがクルトガシリーズのスタンダードタイプになりますよ、ということなのだろう。初代が2008年に発売されたので、15年めの大リニューアルというわけだ。

↑カチャつきが完全にゼロになったわけではないが、それでもかなり抑えられているのがハッキリ認識できた

 

リニューアルの内容は明確で、冒頭でも述べた、クルトガ独自のカチャカチャとしたブレの軽減である。試しに書いてみると、まだ先端からほんのわずかに “カチャッ” とした振動は感じるけれど、集中して書いていれば気にならなくなるレベル。それでいて、芯先は確実に回転しているので、クルトガらしく鋭い筆跡がきちんと残る。


プレスリリースには「クルトガエンジンを改良し、筆記中のブレを軽減」とだけある。ここから考えると、芯先のカチャカチャという上下動を回転運動に変える機構、つまり「クルトガエンジン」を調整して、少ない上下動でもギアが回るように精度を高めたのだろうか。先端パイプの根元パーツ(パイプと共に上下動する部分)が、従来のプラスチックから金属へと変更されていることからも、その線で合っているような気はする。

↑パイプの根元にあるパーツが変更されているのも、クルトガエンジンの精度向上に関係していそう

 

“見せるクルトガ” を廃して握りやすさをアップ!

もうひとつ、このKSモデルで個人的に評価したいのが、ゴムグリップが搭載されたこと。従来のクルトガ スタンダードモデルは、クルトガエンジンの機構を可視化するため、グリップ周りが透明になっていた。これによって上下動が回転運動に変えられるのが逐一観察できたわけだ。(ちなみに、スタンダードではないが、非透明のゴムグリップやローレットモデルは存在する。)

 

しかし、クルトガ発売から今年でもう15年。正直なところ、今さらそれをアピールされてもなぁ……という気はするわけで。それならいっそ、見えなくてもいいからゴムグリップにしてもらったほうが、指が滑らず握れてありがたいと思っていた。

↑クルトガエンジンの動きが見える透明グリップの従来モデル(下)に対して、ゴムグリップとなったKSモデル(上)。グリップ力は当然ゴムの方が高い

 

クルトガ KSは、表面モールドもないゴムグリップだが、それでもツルツルのプラスチックよりは確実に握りが安定する。また、グリップ自体も先に向かってほんのりと太くなる逆テーパー形状で、筆記中に指の位置がずり落ちていくのを防ぐ効果があるのだ。

↑絶妙な逆テーパーで指の位置が安定。なによりゴムグリップの握りやすさがありがたい

 

カチャつき軽減で書きやすく、さらにグリップ変更で握りの安定感もアップ。実際に書き比べてみると、もう今までのクルトガに戻るのイヤだなー、と思える品質向上を感じられた。そもそもクルトガ独自の価値である “偏減りを防止してシャープな線が書ける” という機能は変わらないので、今回のスタンダードモデル改変は、シンプルに「大成功」以外の評価はなさそう。

 

特に、これまでクルトガのカチャつきでイラッとしたことがある人や、それでクルトガから離れてしまった人には、改めて一度は試してみてほしい。

 

「クーピーペンシル」発売50周年! 数量限定の雑貨シリーズや、大人も楽しめる塗り絵セットも新登場

サクラクレパスは、「クーピーペンシル」発売50周年を記念し、「Re:COUPY(リ・クーピー)」、「COUPY Marker 5(クーピー マーカー 5)」、「COUPY DESIGN Collection」の3種類を、9月下旬に発売します。

↑COUPY DESIGN Collection

 

Re:COUPYは、同社の20~30代女性への調査により明らかになった、「何かしら不安定な気持ちになったときがある」「リフレッシュするために何かに没頭したいと感じている」という多くの意見から着想を得た、塗って・飾って・癒される、“大人のための”クーピーセット。

 

5色のクーピーと花型の塗り絵カードがセットになっており、パッケージには花瓶をデザインしています。

 

ラインナップは、「LOVE」「ORIGINALITY」「POWER」「PURE」「RELAX」の気分に合わせて選べる5種類。

 

5種類と特別塗り絵がセットになったコンプリートボックスも、数量限定で発売します。

 

価格は5色セットが1430円(税込)、コンプリートボックスが7480円(税込)です。

 

COUPY Marker 5は、朝焼け・夕焼けをイメージしたエモーショナルな配色のセット。

 

空をイメージした5色で、発色が良く、グラデーションをきれいに表現できます。

 

「朝焼けカラー」は、1日のはじまりである気持ちの良い朝をイメージし、「夕暮れカラー」は今日もあと少しと、沈んでいく夕日がきれいな夕方をイメージています。

 

価格は748円(税込)で、数量限定での発売です。

 

COUPY DESIGN Collectionは、大人かわいいデザインを施し、毎日の生活に寄り添う雑貨シリーズ。ラインナップと価格は、以下のギャラリーをご覧ください。なお、いずれも数量限定となります。

シャープペンシルの常識を変える!? 2本の指先で“引いて”出す、次世代型シャープペンシル「topull S」

サンスター文具は、次世代型シャープペンシル「topull S(トプルS)」を、8月上旬に発売します。価格は396円(税込)。

 

同製品は、ペン先にノック機構があり、2本の指で引いて芯を出す“トッププル機構”を搭載したシャープペンシル。親指でノックして芯を出さず、先端を引いて芯を出す新しい仕組みが特徴です。「トプル」という名前は、トッププル機構に由来しています。

 

シャープペンシルは通常、手首を大きくひねって本体を持ち替えてノックをするのに対し、同製品はペンの先端にノック機構が搭載されているので、本体を持ち替えずに2本の指で引いて芯を出すことができます。従来のノックと比べて、先端にノック機構を持ってくることで、タイパ(タイムパフォーマンス)の向上にもなるとしています。

 

頭部がフラットなシンプルなデザインで、カラー展開はブラック、ネイビー、レッド、ホワイト、ブルー、ベージュ、ミント、バイオレットの全8色です。

“黒さ”が世界に認められた! 三菱鉛筆「uni-ball one」シリーズが“世界一黒いゲルインクボールペン”としてギネス世界記録に認定される

三菱鉛筆は、ゲルインクボールペン「uni-ball one(ユニボール ワン)」シリーズで、「最も黒いゲルインクボールペン“Blackest gel ink ballpoint pen”」としてギネス世界記録認定を受けました。

↑「uni-ball one」シリーズ(左から「uni-ball one F」、「uni-ball one」、「uni-ball one P」)

 

同製品は、黒は一層濃く、カラーはより鮮やかに発色する“ノート、くっきりキマる。”ゲルインクボールペン。7月3日に、「最も黒いゲルインクボールペン“Blackest gel ink ballpoint pen”」として、ギネス世界記録に認定されています。黒色については、濃くくっきりとした文字は記憶に残りやすいことが、同社と立命館大学の共同研究によって明らかになっています。

↑従来品との濃さ比較

 

ギネス世界記録本文には、「最も黒いゲルインクボールペンは三菱鉛筆株式会社製の「uni-ball one」である。そのY値は5.96であり、2023年6月7日にスガ試験機株式会社(所在地:東京都新宿区)にて測定された。」(日本語訳)と書かれています。

 

8月7日17時より、公式認定証の贈呈式が、同社公式Instagramアカウントのインスタライブにて配信されます。配信では、ギネスワールドレコーズ公式認定員からのギネス世界記録公式認定証の贈呈、研究開発をはじめとする各担当者による、開発秘話や製品情報の紹介などを予定しています。

「海の日」に発売! 海に思いをはせたくなるエコマーク認定ボールペン「ジェットストリーム 海洋プラスチック」

三菱鉛筆は、油性ボールペン「ジェットストリーム」シリーズから、日本国内で回収された海洋プラスチックごみと使い捨てコンタクトレンズの空ケースをリサイクルした「ポストコンシューマープラスチック」を ボールペン軸に採用した「ジェットストリーム 海洋プラスチック」単色タイプを、7月17日の「海の日」に一部数量限定で発売します。価格は220円(税別)。

 

同製品は環境に配慮したノベルティ専用製品として、2022年7月に受注開始。多くの要望が寄せられたことから、継続色1色に限定色2色を追加した全3色の一般販売を、全国の店頭で開始します。

 

本体の軸材は、海洋プラスチックごみからなる再生樹脂とコンタクトレンズの空ケースを用いた再生樹脂からできており、ほぼ100%ポストコンシューマー材で構成しています。ポストコンシューマープラスチックと当社独自配合技術を採用することで、“単一の部材のみで”同社既存の製品と同等の品質を保持することができる仕様となっています。

 

軸色は「変わっていく海の情景」をイメージしたワントーンカラーを採用した全3色。ライトブルーは穏やかな海をイメージしており、新色のコーラルとターコイズは、刻々と少しずつ表情が変わっていく海の情景をイメージ。表面に海洋プラスチックごみの一部が点や模様として表出するものもあり、自然由来の素材が感じられる風合いも特徴です。

 

マットな風合いが日常生活にもなじむミニマルな軸デザインで、「メビウスの輪」をイメージしたクリップ形状は、循環や再生を表現しております。

 

また、ライトブルーはエコマーク商品類型No.164「海洋プラスチックごみを再生利用した製品」の認定を取得。手に取った人が環境配慮に関心を持つきっかけになってほしいという思いも込められています。

台湾発! 天然木材の独特な質感を味わえる木軸ペン「フュージョン カラーウッド」ゲルインクボールペンとシャープペンシルが登場

インターアクトは、台湾の筆記具ブランド「IWI」のフュージョンシリーズ最新作、フュージョン カラーウッド、0.5mmゲルインク ボールペンとシャープペンシルを、7月3日に発売しました。

 

本体は天然木材を使用しており、自然な風合いと温かみが特徴。木の独特な質感で、ペン自体の個性を引き立てています。

 

カラーバリエーションはカラーウッドブラス、カラーウッドブラックの2種類。

 

価格はゲルインク、シャープペンシルともに3000円(税別)です。

落ち着いたニュートラルトーンでキメる! 「MONO消しゴム」などトンボ鉛筆の人気アイテムが全5色の「ASH COLOR」で限定登場

トンボ鉛筆は、ブランドMONOとPiTの6アイテムを、ニュートラルカラー「ASH COLOR(アッシュカラー)」で展開。トープ、セージ、スチール、モーブ、ラベンダーの5色で、6月30日から限定発売します。

 

今回発売となるのは、MONOからシャープペンシル「モノグラフ」、油性ボールペン「モノグラフライト」、修正テープ「モノポケット」、消しゴム「モノPE04」。PiTからスティックのり「消えいろピットXS」、テープのり「ピットエアーミニつめ替えタイプ」。

 

モノグラフは、回転くり出し式の長さ26mmの「MONO消しゴム」を搭載したシャープペンシル。軸を上下に振って芯を出す「フレノック機構」や、ペン先周りが見やすく細字に適した先金パイプの製図用ペン先などを搭載しています。芯径は0.5mm。価格は450円(税別)です。

 

モノグラフライトは、5.2mmロングニードルチップを搭載し、ペン先周りが明るく、精密な筆記が可能です。摩擦抵抗が業界標準より約20%低く、軽く滑らかな筆記感を味わえます。超低粘潤滑油性インク採用。長さ33mmの同系色高密度テクスチャーグリップを採用。ボール径は0.5mmです。価格は220円(税別)。

 

モノポケットは、消しゴム感覚で使用できる小型の修正テープ。机の上で転がりにくく、ペンケースにおさまりよい角型が特徴。フルカバーキャップ付きで、手ブレ補正スケルトンヘッドを採用しています。テープは幅5mm×長さ4m。価格は250円(税別)です。

 

モノPE04は、同社のロングセラー消しゴムの3色ストライプをアッシュカラーで展開し、同時発売のシャープペンシルやスティックのりとコーディネートできます。サイズは幅23×厚さ11×全長55mm/重量19g。価格は120円(税別)です。

 

消えいろピットXSは、淡いブルーののり色で、塗った箇所が見えるので、ムラやムダのないのり付けがしやすくなっています。紙を貼り合わせるなど、のりが乾燥するとのり色が消えます。サイズは直径17×長さ71mm/重量12g。のり容量約5g。価格は120円(税別)です。

 

ピットエアーミニ つめ替えタイプは、最後まで軽く引くことができて、静かな走行の「エアータッチシステム 」搭載の手のひらサイズテープのり。つめ替えタイプです。
テープ幅は6mm×11m巻で、価格は330円(税別)。

コスパ5倍! 大容量インクを充填したボールペン「TANK(タンク)」はお得な上に書き味も良し!

実のところ、20年ほど前は「ボールペンなんて、書ければなんでもいい」ぐらいの認識が一般的だった。書き味がどうの、なめらかさがどうの、というのはかなり最近の話といえる。

 

この意識を大きく変えたのが、2006年発売の三菱鉛筆「ジェットストリーム」。低粘度油性のスルスルとしたなめらかさは、従来の “書ければなんでも” レベルのボールペンとは別次元の書き味だった。これが大ヒットしたことにより、以降、国産ボールペン市場は筆記具メーカーが性能を激しく競い合う激戦場となった……というのがボールペン近代史のお話。

 

キーポイントは超たっぷりのゲルインク!

実際、インクのなめらかさや筆記のブレなさ、重心バランスなど、ペンの性能には様々な争点がある。そんな中で、もうちょいプリミティブというか、ちょっと悪い言い方をすれば “単純な分かりやすさ” を武器に登場してきたのが、サンスター文具の大容量ゲルペン「TANK」だ。

 

サンスター文具
TANK(タンク)
0.5mm径・全6色 
各150円(税別)

 

その武器というのが、軸にこれでもかと詰まった大量のインク。つまりシンプルに「すげぇいっぱい書ける」ということである。

 

なるほど、これは分かりやすいセールスポイントだ。特にサンスター文具は、中高生に認知度の高いメーカーである。低価格(150円+税)で筆記距離が従来比5倍というというコスパの高さは、まさにコスト意識の高い中高生にピタッとはまるのではないか。

↑軸に貼られたシールには、デカデカと「筆記距離5倍」の文字が。「大容量ゲルペン」という耳慣れないジャンルもユニークだ

 

構造としては、若干太めの透明軸がリフィル無しでそのままインクタンクになっているため、それだけたっぷりとインクが入る。表現としてはむしろ、巨大なインクリフィルを直接握って書ける、みたいなところが近いかもしれない。

 

サンスター文具はかつて、シャー芯ケースにシャープペンシル機能をつけた「シンドバット」(芯が40本入るシャープ)なる製品を出していた実績もある。「TANK」は間違いなくその直系の子孫と言えそうだ。

↑他社製のゲルインクリフィルとの比較。誰がどう見たって「TANK」のインク容量は圧倒的だ

 

↑インクはとにかく減らない。学生ならまだしも、社会人がメモに使う程度なら数年は保つのではないか

 

ちなみに筆記距離(インク切れまでに書ける直線の長さ)はメーカー公称値で約2000m。一般的なゲルインクボールペンがだいたい300~500mといったあたりなので、筆記距離5倍というのはなんの誇張もない。破格の性能と言っていいだろう。さすがにそれを試すほどの気力はないが、ひとまず30分ほど書き続けても、インクは毛ほども減った気がしなかった、とだけは言っておく。

 

インク容量だけじゃない、サラッサラの爽快筆記感

ここまでの説明だと、「TANK」は単にインクたっぷりなだけのペンだと思われるかも知れない。いや、実際そういう面が売りではある。ただ、ニードルチップから大量のインクがダクダクと出る書き味が、実はメチャクチャ筆者好みである! ということも伝えておきたい。

↑フローが良く、とてもサラサラと気持ちのいい感触で書けるのも大きなポイント

 

↑チップをよく見ると、パイロットのシナジーチップに近い珍しい形状。これが良フローの秘密だろうか

 

同じ0.5mm径のゲルボールペンで書き比べてみても、インクフローの良さはすさまじい。実際、どちらかというと「Vコーン」などの水性ボールペンに近いレベルを感じたほどだ。そのフローを活かした筆記感はとにかくサラッサラで、とても官能的。これも水性好きの人にはたまらないものがありそう。ちなみにインクは速乾を謳っているが、これに関しては、ここ数年のゲルインクの平均値かな……といったところ。驚くほど速乾でもないが、でもたっぷりインクが出ても困らないぐらいにはちゃんと乾く、という印象だ。

↑カラーラインアップは全6色。外からインクタンクを見ただけだと寒色・暖色以外の見分けが付きづらいので、軸後端と口プラ、キャップのカラーパーツで認識しよう

 

発色に関しては、昨今のトレンド通り、黒がしっかりとマットブラック寄りに仕上がっているのも好みだ。他の色も全体的にクッキリ感が強く、ノートの色分け筆記にも確実に能力を発揮できそう。特にレッドとピンク(マゼンタみ強め)は、普通に筆記色として使えるんじゃないかというほどのクッキリさである。

↑個人的には、黒がキチンと黒いというのが好印象。全体的にも視認性が良く、ノートの清書用などには最適だろう

 

トータルで見ても筆記性能は優秀で、かつ高コスパ。もちろん、低価格化のためにグリップなど色々削っている部分はあるんだけど、そのあたりを差し引いても、この書き味のために買う価値ありのペンだと思う。単にインクたっぷりなだけのペンと侮らず、とにかく一度は試してもらいたい。ハマる可能性あるから。

 

ゲルインクボールペン史上最濃インクの「ユニボールワン」寸胴モデルにつまった工夫が予想外に凄かった

ここ数年のボールペンの進化には目覚ましいものがあるが、ただ、個人的には不満もなくはない。というのも、取り沙汰されているのは基本的に、インクの濃淡や重量バランスといった書き味の部分ばかり。もちろんそこが最重要なことに異論はないが、そればっかりでもなぁ、とも思うのだ。

 

例えばぺんてる「Calm(カルム)」が静音性に着目したのは、なかなかに面白い方向性だった。もはや書き味が良いのは当然の前提であって、そこからさらに機能をプラスしていくのが、これからのボールペンの有り様になるはずだ。

 

ということで、三菱鉛筆から2023年3月に発売された新ボールペンも、書き味+αというものだったのだが……それにしたって「えっ、そういう方向性もありなの?」と驚くような、ユニークな製品だったのである。

 

コロンとかわいい新「ユニボールワン」

その「そういうのもあり?」と驚かされたボールペンというのが、三菱鉛筆の「ユニボール ワン P」だ。ゲルインク史上最濃とも言われるくっきりインクを搭載したボールペン「ユニボールワン」シリーズの最新版ということになる。

三菱鉛筆
ユニボール ワン P
各500円(税別)
芯径0.38mm/0.5mm、軸色は全8色

 

単体で見ても「ん? なんか比率おかしくない?」と感じられるかもしれない。

 

口金周辺やカラー、クリップなどの要素は同シリーズの「ユニボール ワン F」に近いが、とにかく寸詰まりで寸胴。印象としては、ユニボール ワン Fを前後からムギューッと押し潰したような感じなのだ。実際に数値で見ても全長約117mm/軸径約13.9mmということで、ユニボール ワン Fの全長約140mm/軸径約11mmと比べると、やはり「豆タンク」と表現せざるを得ないだろう。

↑ユニボールワンシリーズの比較。ユニボール ワン Pの雰囲気や要素はシリーズ従来のものに近いため、縮尺の“おかしさ”だけが際だって見える

 

↑ユニボール ワン Pの重心位置は、もともと低重心化されているユニボール ワン Fとほぼ同じ

 

興味深いのは、この「重心位置がユニボール ワン Fとほぼ同じ」という部分である。これだけ軸寸が短いと重心位置も違って来そうなものだが、測ってみるとこの通り。成人男性の手で握ってみると、軸後端ギリギリが親指と人差し指の間に乗る、というぐらいのポジションが適正と感じられた。

 

ちなみに、ユニボール ワン Fは重心調整用にスタビライザーと呼ばれる金属製のオモリがグリップ下に埋め込まれているのだが、ユニボール ワン Pにはそういうギミックは無し。口金の金属パーツのみでバランスを取っているように感じられる。短くても違和感はほぼなく、かつ太軸の握りやすさもあるため、むしろ書きやすいと感じる人も多いかもしれない。

↑比較的落ち着いた握り心地。言い方は悪いが「見た目よりかなりマトモ」な印象だ

 

ちなみにリフィルはシリーズ共通である。引き抜いて並べてみると、ユニボール ワン Pのノックノブ後端スレスレまでリフィルが来ているのが分かるだろう。この短さを実現するために、実はノックノブ内に回転子を配置するなど、かなり特殊なことをやっているのも見て取れた。

↑並べてみると、ノックノブ後端までリフィルが詰まっているのが一目瞭然

 

↑覗いてみると、ノックノブ内部にまでリフィルを押し出すための機構(回転子など)が搭載されているのが見えた

 

↑ユニボール ワン Fの軸内とユニボール ワン Pのノックノブはほぼ同径。つまりリフィルを搭載するにはこの太さが必要ということだ

 

軸を短くするためにはリフィルをノックノブ内に引き込まねばならず、そのためにノックノブが太くなり、軸もそれに合わせて太くなった、という流れのようだ。つまりは短くするための工夫としての太軸化、というわけである。

 

機能は特になし!? かわいさだけを追求したぽっちゃりボディ

で、このちっちゃぽっちゃりシルエットがどう機能するのか?と言うと……正直、便利さは特になさそう。おそらくは、ただ可愛いだけ。なにしろオフィシャルのキャッチコピーが「ころんと、可愛い」というぐらいだから、そこは間違っていないはずだ。

 

もちろん短寸化で携帯性はちょっと良くなっているかもだけど、代わりに軸径が太くなっているので、一般的なペンの太さを基準に作られているペンホルダーに入らない、などの不便も出そうな気はする。

↑サイズ的にはシステム手帳のM5サイズにジャストフィット

 

ただあらためて持ってみると、デフォルメの効いたボディが手の中に「ころん」と収まっている様子は、間違いなく可愛い。サイズが縮まったことで全体的な局面の比率が高まり、雰囲気も従来シリーズよりキュートになっているのだ。

 

少なくとも、この可愛さで「握って書いてみたい」と感じる人はいるはず。であれば、それはボールペンの進化における一形態と言っても間違いではないだろう。

↑シルエットの可愛さに加えて、ワンインクの濃くクッキリとした筆跡ももちろん楽しめる

 

これまでのボールペン業界における“可愛さ”というのは、カラーリングや軸のプリント、キャラクターのトッパーなど、パーツ要素によるものがほとんどだった。しかし、いよいよ「シルエットの可愛さ」という全体の構成にまで踏み込んできたわけで……正直、これはなかなかスゴいことになってきたぞ、と震えざるを得ないのである。

 

1本5500円の「キャップ式シャープペン」。継続販売されるほどの人気のポイントは?

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される “手書きツール” を、1点ずつピックアップしている。第32回となる今回は?

 

第32話

三菱鉛筆
KURUTOGA DIVE
5500円(税込)

“芯が回ってトガり続ける” シャープペン「クルトガ」シリーズの新モデル。世界初の「自動繰り出し量調整機能」を搭載し、筆記前も筆記中もノック不要で書き続けられる。筆記中の芯の繰り出し量は、筆圧や芯の硬度に合わせて5段階で調整可能だ。

 

世界的にも珍しい。キャップ式高級シャープ

ボールペンは機能ではなく外見で勝負する「デザインの季節」に入った──とは、この連載で繰り返し書いてきたこと。では、「シャープペンの世界はどうなの?」といえば、例えば学生たちにとってはいまだ「メインの道具」であり続けているように、機能開発競争はいまなお続き、またそれを見た目で分かりやすく打ち出す傾向があるようです。

 

その結果、「見た目を気にしすぎて、どれも似た外見になる」という矛盾に陥らず、オリジナリティの高いペンが生み出され続けているように見えます。 と、そんな現状をまさに体現する一本が、三菱鉛筆の新製品「KURUTOGA DIVE」。昨年2度にわたって数量限定で発売され、そのたびに入手困難となっていましたが、この3月から継続品として発売されることになりました。世界的にも珍しいキャップ式のシャープペンです。

 

ノック不要の「自動繰り出し量調整機能」付きで、キャップを外すと同時に自動で芯が繰り出されるという仕組み。もちろんキャップにはデリケートなペン先を保護する意味もあるでしょう。とはいえこのキャップは実用性以上に、オリジナリティを誇示するためのギミックという側面が強いはず。そして、それが支持を受けているのだから何の問題もありません。

 

プロユースというよりは、オリジナリティを尊ぶ「マニア向け高級シャープペン」というジャンルの誕生です。その第一歩の成功をまずは言祝(ことほ)ぎたいと思います。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第31話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第31話】※※※バックナンバーURLはアタリです※※※

https://getnavi.jp/stationery/551859/

ラインマーカーの裏抜けにもう悩まない! 固形インクマーカー「Cleep」が解決する3つの不満とは

資料をガッツリ読み込んで勉強しなきゃ……というときに頼りになるのが、ラインマーカー。気になったワードや覚えておきたい部分に上から線を引いておけば、二度三度と読み返す際の効率が高くなる。あとから単語を調べるにしても、検索がしやすくなる。だから、特に支障がない(借りた本などには当然NGだ)限り、ラインマーカーはガンガン使うほうが勉強になるのだ。

 

ただ、必須ツールであるラインマーカーには、インクが出過ぎて紙に裏抜けしやすいとか、キャップを外しておくと速攻でドライアップするなど、機能的な欠点がいくつかある。そこで今回は、そういった部分をうまくフォローできる固形タイプのマーカーを紹介してみたい。

 

ラインマーカーは固形インクが便利!

ラインマーカーは一般的に、軸内のインクが幅広の先端チップに伝わって書ける、という仕組み。インクが中綿に染ませてあるか、直液タンク式かの違いはあっても、「液体インクで書く」という点に違いはない。つまりインクが出過ぎるとか、ドライアップするという欠点は、「まぁ、液体インクだからしょうがないよね」という結論で飲み込むしかないのである。

サンスター文具
Cleep(全8色)
各180円(税別)

 

であれば、話は逆に簡単だ。液体インクではなくて固形(ゲル)インクを使えば解決するんじゃないか? 例えばサンスター文具から発売された最新固形マーカー「Cleep」などは、まさにそのあたりを確実にクリアできている。

↑軸後端をひねると、クレヨンのような固形インクが出てくる

 

書き味・使い勝手はどうか?

そもそも固形マーカーというのは、文字通りインクをゲル状の固形にして軸に搭載したもの。この固形インクを紙にこすりつけることで、筆跡が残るという仕組みである。ピンとこない場合は、クレヨンをちょっと柔らかくしたみたいなのを想像してもらうと、だいたい合ってるはずだ。

↑すべりのよいなめらかタッチでラインを引くことができる

 

書き味も、クレヨンのヌルヌルした感触をより強めた感じ。ヌルヌルというより、ニュルニュルに近いかも。つまり、ハチャメチャになめらか。感触が極端なので、これが気持ちよいと感じる人がいる反面、苦手に思う人もいるだろう(筆者は正直、苦手なほう)。で、これでマーキングするべく文字の上から塗ってみると、こんな感じ。

↑最近のラインマーカーでは必須カラーのグレーも入っていて、間違いないラインナップだ

 

マーカーの色としては全体的に白っぽく、かなりマイルド系な印象だ。目に優しく、それでいて、ちゃんと目立たせる機能はあるレベル。なにより、ゲルインクが紙の表面に乗っているだけなので、染み込んでの裏抜けが絶対に発生しない。これは固形マーカーを使う最大のメリットと言える。ちなみに固形マーカーといえば、ステッドラーの「テキストサーファーゲル」という逸品がすでにあるが、色味のソフトさや色数などである程度は棲み分けが可能だと思う。

↑従来のマーカー(上)は引き始めに多くインクが染み出して、裏抜けしやすい。固形の「Cleep」(下)ならその心配も無し

 

↑固形マーカーの先達「テキストサーファーゲル」(ステッドラー)との比較。「Cleep」のほうがやや透明度が低く、ソフトカラー系だ

 

従来のラインマーカーで「あっ、ちょっと線が引き足りなかったから追加で引こう」となると、どうしても線が重なった部分に塗りムラがでてしまう。ラインマーカー下手くそ勢にとってはそれもイライラする部分だったけど、固形マーカーなら大丈夫。どれだけ塗り重ねてもムラが出ないので、ラインがきれいに引きやすいのである。

↑ムラになりやすい従来のラインマーカーに対して、「Cleep」は塗りが重なってもムラにならない

 

もちろん、もともと固形だから乾燥の心配が無いのも大きい。しかも、ちょっとの間はキャップを閉め忘れても大丈夫……程度の話ではなく、そもそもキャップなんか最初から捨てちゃっても平気! ぐらい。とはいえ固形インク自体はかなり柔らかくて潰れやすいので、キャップは乾燥予防ではなく、インク保護用と捉えておくといいだろう。

 

逆に固形のデメリットとして挙げられるのが、塗り面の端に発生する、ポロポロのインクカス。これが紙を重ねたときに移って汚れの元になったりするので、見つけたらティッシュなどで押さえて取り除いてやってほしい。

↑紙の上に落ちたインクカスは余分な汚れを発生させるので、見つけたらすぐに取り除くべし

 

インク染み・裏抜け・ドライアップといった不満が一気に片付く

実のところ、使ってみてハッキリと良くないなと感じたのは、このインクカス問題のみ。(ニュルニュル書き味もちょっと気にはなるけど)それ以外は「やっぱり固形インクのマーカー、便利だな」という点の方が多いほどで、特に、インク染み・裏抜け・ドライアップといった不満が一気に片付くのはデカい。普段からラインマーカーを多用している人であれば、まず試してみる価値はあると思う。

 

コピーしても消えない! 下線を同時に引けるマーカー「ミックスライン」で仕事も勉強もはかどるワケ

マーカーをスーッと引くだけで生まれる、異なる2色のハーモニー。アンダーラインが同時に引ける「ミックスライン」なら、ノートや手帳が格段に見返しやすくなる。「文房具総選挙2023」にもノミネート中の同アイテムが持つ「ラインマーカー×アンダーライン」が生み出す “答え” をさっそく紐解いていこう。

↑ペン先が2本生えている!?

 

日本初の水性顔料インキを生んだ筆記具メーカーの技術が光る!

サクラクレパス
ミックスライン
各242円

 

教科書や資料の重要な箇所にはラインマーカー。さらに重要な語句は、別色でアンダーラインを引いて目立たせる。そんな学生たちの勉強テクニックから着想を得たのが、サクラクレパスの「ミックスライン」だ。

 

目にやさしいソフトカラーの太字マーカーと、文字をしっかり目立たせる細字ペンを、ひとつのペン先にギュッと集約した新構造。太字マーカーと密着していながらもくっきり鮮やかな発色を保つ細字ペンには、同社ならではの耐水性・耐光性に優れた水性顔料インキを使用している。

 

ワンアクションで色も太さも異なる2本の線を同時に書ける心地良さは、色鮮やかでにじみにくいインキの性能による部分も大きいだろう。勉強や仕事などの資料作りにはもちろん、裏写りしにくいので手帳のマーキングにもちょうどいい。

 

「ミックスライン」の “異色” の掛け算が出した答えは?

【答え1】アンダーラインが同時に引ける!

↑マーカーを紙にしっかり当ててまっすぐ線を引くだけで、アンダーラインも自動的に引ける

 

ひとつのペン先に、オーバーライン(マーカー)とアンダーライン(サインペン)の2種類のペンが付いた新構造が画期的。それもコントラストが効いた2色を同時に、スーッとスムーズに引ける感覚は、今までにない気持ち良さがある。

 

【答え2】独自開発の水性顔料インキで色鮮やか!

↑有彩色のラインマーカーは色や濃度によっては白黒コピーすると見えにくくなってしまうが、アンダーラインがあればマーキングをはっきり判別できる

 

細字のペン部分には、サクラクレパスが誇る耐水性・耐光性に優れた水性顔料インキを採用。水性でありながら水に流れにくく、色褪せもしにくい顔料インキは、ノートなどにも裏抜けしにくく、長期間美しい発色をキープする。

 

【答え3】ツインタイプだから細字で文字書きもできる!

↑オレンジの細字は赤シートで消すことができるので、テスト前などの暗記用にも活躍。レッドは採点や添削などにも応用できる

 

「ミックスライン」はただのマーカーではなく、アンダーラインと同色の細字も付いたツインタイプになっているのが特徴。筆記幅約0.4mm、かすれずくっきりと書ける水性顔料インキの細字付きだから、1本を幅広い用途に使える。

 

【答え4】用途や好みに応じた6種が揃う!

組み合わせは全6種。マーカーにはソフト蛍光ピンクやブルーグリーン、グレーなど個性的な色もラインナップ。

 

引き立つラインマーカーと際立つアンダーラインの、異色の掛け算をぜひ体験してみてほしい。

 

サクラクレパス「ミックスライン」の詳細はこちらから

 


「分類する・印をつける部門」にノミネート中!

【文房具総選挙2023】ハイコスパな大容量ペンなど「書く&消す」文房具13点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2023」がスタートしました。ここでは、【機能別部門】「書く・消す」部門にノミネートされた文房具13点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

【「書く・消す」部門】

インク容量が増えたり替芯式になったり、長く使えるペンの存在が目立つ。またペンが豊作で部門を「書く」に限定した昨年と打って変わって、「消す」文房具も加わった全13アイテムに注目!

 

No.01

コスモテック
wemoペン
450円

スパイ道具!? 「wemo」に装着する専用ペン

ボールペンで書いて消せるウエアラブルメモ「wemo(ウェモ)」の、リストバンドタイプ専用小型油性ボールペン。装着時には自動的にペン先が収納され、袖を汚してしまう心配がない。替え芯1本入り。

 

No.02

ミドリ
紙製ケースの修正テープ
396円

環境にやさしい紙製ケース入り

ケースや剥離フィルムなど、全プラスチックパーツをバイオマス素材(紙パウダー入りの合成樹脂)に置き換え。テープの色は紙に合わせて白とクリーム、テープ幅は横罫ノートの罫に合わせた5mmと6mm。

 

No.03

ビック
クリスタル Re’New 1.0mm
715円

世界的定番ボールペンが替芯式に!

「ビック・クリスタル」で初となるリフィラブルモデル。本体とセットの替芯は、取り外し装置をスライドさせワンタッチで交換可能。キャップ部分には96%リサイクルのプラスチックを使用している。

 

No.04

ゼブラ
サラサナノ スモークカラー
各220円

主張しすぎない淡くてやさしい色

極細ペンながらサラサラとした書き心地を実現した「サラサナノ」に、スモークカラーが数量限定で登場。淡い色合いで、人目を気にせず手帳などにプライベートな内容を書き込める。全4色。

 

No.05

サンスター文具
タンク
各165円

大容量インクを充填し筆記距離は約5倍に

本体すべてをインクタンクにし大容量のゲルインクを搭載。筆記距離は同社従来のゲルインクペンの約5倍に達する。ゲルインクは油性インクに比べて速乾性に優れ、指を汚さないメリットも。全6色。

 

No.06

ペノン
タッチミー! アートペン
1500円

世界の名画を指先でグリップ!

昨年SDGs部門にノミネートした「ペノン」に登場した、世界の名画をデザインしたシリーズ。特殊印刷により軸に立体的に再現しており精緻さに驚かされる。見た目の美しさに加え、滑り止めという副次的効果も。

 

No.07

サンスター文具
デコット
各220円

白抜きデコが簡単に楽しめるマーカーペン

マーカーで下地を塗り、その上から逆側の細字消しペンで書き込むと、書いた部分が白抜き文字になるデコレーションペン。イラストのほか、To Doなどチェックボックスにも活用できる。パステルカラー8色。

 

No.08

サンスター文具
ドット・エ・ペン
各220円

レトロなドット絵がスタンプ感覚で描ける

四角形のペン芯が備えられ、スタンプのように捺すと “8bit” を思わせるレトロなドット絵を描けるマーカーペン。逆側には細字を搭載するツインペンで、文字や細かい線を書くことも可能だ。全16色。

 

No.09

トンボ鉛筆
ノック式超低粘油性ボールペン ZOOM C1
7700円

安定したインク吐出量と線幅を保つ

ノック部がボディから3.5mm浮遊してみえるコンテンポラリー・デザインペン。リフィルはチップ内部のボール座を102%拡大したことで、安定した筆記線幅となめらかな書き心地を実現した。ボール径は0.5と0.7mm。

 

No.10

コクヨ
キャンパス
ノートのための修正テープ(つめ替えタイプ)
275円

つめ替えでプラの廃棄量を大幅カット

「キャンパスノート」の用紙の色とテープの色、罫線の幅とテープの幅を揃えることで修正部分を目立たせない同商品に、つめ替えタイプが登場。業界最小クラスのコンパクトさで、場所をとらない。

 

No.11

パイロット
フリクションボール ノックゾーン
550~3300円

濃く長く。ニーズに応えた最上のフリクション

消せるボールペンの代名詞「フリクション」の最新モデル。インク色の濃度をブラックで30%、レッドとブルーで15%も高めた新インクを搭載、インク容量も70%増量。濃く長く書ける待望のフリクションだ。

 

No.12

プラス
ホワイパーPL
253円

ペンのように握って修正できる

握りやすく引きやすいスリムなペン型修正テープ。テープを引く力を制御することで軽く引ける機構と、紙面への密着性を高める機構の、2種の独自機構を搭載し、快適な使い心地を追求している。

 

No.13

サンスター文具
メタシル
990円

削る手間いらずの “無限鉛筆”

削らずに16kmも書き続けられると話題をさらったメタルペンシル。黒鉛と金属を含んだ特殊芯で、2H鉛筆相当の濃さを実現し、実用性は高い。12月にはノック式の「メタシル ライト ノック」(H相当)も仲間入り。

 

※価格はすべて税込で表示しています。

洗練された上質なミニマルデザイン! 操作感にもこだわったフルメタル製ケースのシャープ替芯「uni メタルケース」

三菱鉛筆は、シャープ替芯「uni(ユニ)」から、スタイリッシュな外観とスライド開閉の操作感にこだわった、「uni(ユニ) メタルケース」を発売しました。税別価格は1500円で、硬度はHBのみ。芯径は0.3mm(25本入)と、0.5mm(40本入)の2種類です。

 

同製品は、既存の「uni(ユニ)」のスライド式を踏襲しながら、ステンレス素材のメタルパーツだけで組み上げたフルメタル製ケースを採用。ケースにスプリングを内蔵し、スライド開閉時の動きをアシストする、心地良い操作感が特徴です。

 

デザインは、スクエアな形状やアイコンとなっているケース正面の円形のくぼみなど、既存製品のデザインコンセプトを維持しながら、あらゆる要素をそぎ落として、よりミニマルに。ケースから芯径・硬度表示をなくし、uniロゴのみをレーザー印字することで、メタルの素材感を生かした、スタイリッシュな外観に仕上げています。

↑シャープ替芯「uni(ユニ)」

使いやすさとデザイン性が向上! 改良「クルトガエンジン」を搭載した「クルトガ 新スタンダードモデル」

三菱鉛筆は、「クルトガ」から、「クルトガ KSモデル(新スタンダードモデル)」全8種を発売しました。

 

実売価格は550円(税別)で、芯径は0.3mmと0.5mmの2種類。カラーバリエーションは、0.3mmがブルー、ブラック、アイスブルー、ライトグレー、0.5mmがブルー、ネイビー、アイスブルー、ライトグレーの各4種類です。

 

「クルトガ」は2008年3月発売。シャープペンシルの芯先に着目し、新開発した機構「クルトガエンジン」を搭載した、“芯が回ってトガり続けるシャープ”。今回発売されたクルトガ 新スタンダードモデルは、従来のスタンダードモデルでは先端側にあったエンジンを軸中央部に配置することで、デザイン性や機能面も向上しています。

 

芯を回転させ、芯先をトガらせるクルトガエンジンを改良。筆記中に起こるブレをさらに軽減することで、筆記中のストレスが減り、より仕事や勉強に集中できるようサポートします。

 

ユーザーから要望が多かったという、長時間の筆記に適したグリップを新搭載。エンジンを軸の後端にずらしたことでグリップを搭載しても太くなり過ぎず、握りやすく最適な形状と太さに仕上げています。グリップ部分は先端に向かって少しずつ太くなることで、長時間使用しても指の位置が下がることなく、持ちやすい位置をキープすることができます。

↑グリップの形状

 

シームレスですっきりとしたシンプルなデザインが特徴。クルトガブランドイメージカラー「ブルー」を中心とした、ワントーンで日常になじむ配色や、クルトガエンジンの回転が確認できる小窓、緩やかに先端が細くなることでペン先が見やすく書きやすい設計など、従来モデルの良さを残しつつ、デザイン性も向上させています。

ラインマーカーにも!話題のドット絵が描ける四角マーカー「ドットエペン」を使い倒す方法

自分には絵心がない……と自覚している人は多いだろう。誰しも、思ったように絵が描ければ楽しいだろうなと思っているだろうが、ペンや絵筆を握った手は、イメージしたようには動いてくれないのだ。手本となる絵を模写することさえ、不思議と線が歪んでパーツのサイズが狂い、最終的にはどうやったってパチモンにしか見えないひどい仕上がりになってしまうのである……。

 

でも、安心してほしい。世の中には「見本通りに描けば、誰でも絶対に見本通りに描ける絵」というものが存在する。ファミコンめいたレトロ感のある、「ドット絵」というやつだ。

 

自分で図柄を考えるとなると難易度が高いが、ただ見本を再現するだけなら、座標を間違わない限り失敗する要素がない。しかも専用ツールを使えば、サクサクと簡単に描けるので、とても楽しいのである。

 

かわいいドット絵が描ける専用マーカー

その“専用ツール”というのが、サンスター文具から2022年11月に発売された四角マーカー「dot e pen」(ドット・エ・ペン)だ。四角い軸に四角いキャップという、8bitなドット感を強調するカクカクしたデザインが、とてもキュートである。

サンスター文具
dot e pen(ドット・エ・ペン)

全16色
各200円(税別)

 

このペンは細芯カラーペンと太芯マーカーのツインタイプなのだが、太芯のチップが四角柱型となっている。で、チップを紙へ垂直に捺すことで四角いドットが量産できる仕組みなのだ。

 

ちなみにスタンプ式の太芯マーカーというのは、これまでにも「プレイカラードット」(トンボ鉛筆)や、「ZIG クリーンカラードット」(呉竹)などいくつか存在したが、基本的にはどれも丸い水玉ドットを描くためのもの。四角いドットはかなりレアだ。

↑四角い軸に、3mm角のマーカー芯と0.5mm径のカラーペン芯を搭載

 

↑太芯をスタンプのように捺すと、3mm平方のドットが描ける

 

四角柱の太芯チップは、意外と密度感のある硬質な感触となっている。これはおそらく、グッと押しつけた際に型崩れせず、きれいに四角い跡を残すように作られているのだろう。

 

きれいに四角いドットを捺したいなら、軽くポンと捺すのはNG。面全体に均等に圧をかけるよう、少し強めにグリグリと捺してやると良い。で、これをいくつも捺していくことで、かわいいドット絵が作れるのである。

↑ドットをなんとなく積み重ねていくだけでも、充分に絵になるのが楽しい

 

↑ラインアップは16色。できれば人間のキャラを描くためのペールオレンジ(肌色)系の色が何色か欲しかった気もする

 

しかし、我々のような絵心レス族にとって、解像度の低いドット絵とはいえオリジナルの絵を生み出すのはハードルが高い。そこでオススメなのが、冒頭でも述べたように「見本通りに描く」というやり方だ。実はドット絵、ネットを探すと無料で利用できる見本がかなり豊富に揃っているのである。

↑3mm方眼用紙を使うとラクだ。ダウンロードしてきた見本を見ながら……

 

↑どんなに絵が下手でも、XY座標さえ把握できればドット絵は描ける!

 

それが、刺繍のひとつである「クロスステッチ」の図案集である。クロスステッチとは布にドットを描くように刺繍する技法なので、図案はそのままドット絵。図案から座標を確認しつつスタンプしていけば、まさに見本通りのかわいい絵が完成するのである。

 

とにかく根気さえあれば絵心あまり関係なく絵が描けちゃうので、これは非常に楽しいし、テンションも上がるはずだ。(ただし無料図案とはいえ、サイトによってそれぞれ利用条件はあるので、要確認のこと)

 

よくできた構造で描画以外の実用性もバッチリ!

太芯チップは3mm幅のラインも引けるため、0.5mm径のカラーペン+ラインマーカーという使い方もできる。カラーラインアップには蛍光カラーも含まれているため、ノート作りツールとしても充分に役立つはずだ。

↑3mm芯は、文庫本にラインを引くのにジャストサイズ

 

余談だが、キャップの構造が個性的

さて、「dot e pen」を使う上では無用な情報だが知っておくとちょっと「へぇ」と思えるポイントが、キャップの構造である。

 

よく見ると、四角柱型の透明キャップの内側に、チップを包むようにもうひとつ円筒形のキャップがあるのが分かるだろう。四角いキャップは円筒キャップと比べると、どうしても歪みやすい。するとフチに隙間ができてしまうため、気密が保てずインクが乾燥してしまうのだ。

↑キャップの中に、もうひとつキャップが。この二重キャップで芯を乾燥から守る仕組みだ

 

そこで四角柱と円筒の二重キャップにすることで、四角いルックスながら内部の気密を保ってドライアップを防ぐ、という仕組みをとっているというわけ。

 

ただ、そのためかキャップの嵌合(かんごう)が渋めになっており、開けるのがかなり固く感じられる。無理してグイッとキャップを引き抜くとインクが手にベッタリつくこともあるので、そこは要注意かもしれない。

 

ノック1回だけで書き続けられるシャープペン「オレンズ」の新作ATがフラッグシップより優れているポイントは?

高性能なシャープペンシルには、自動芯出し機能を搭載している製品がある。自動芯出し機能とは、「いちいちノックをしなくとも、芯を常に最適な長さで露出させる」という機能で、“オートノック”なんて呼ばれ方もしている。

 

特に試験などで1秒のロスも減らしたい! といったシーンだと、もしかしたらわずか数回のノック時間を省くことで、合否が分かれる可能性だってあるだろう。大げさと思われるかもしれないが、少なくとも神社で学業御守りを買うよりは、自動芯出しシャープを買う方が現実的な合格ルートへの道かもしれない。

 

オートマ仕様の新「オレンズ」登場!

筆記具メーカーのぺんてるから、2023年1月24日に発売された「オレンズAT デュアルグリップタイプ」(以下、オレンズAT)は、自動芯出し機能を搭載した新型シャープペンシルだ。「AT」とは「Automatic Technology」の頭文字である。

ぺんてる
オレンズAT(オレンズエーティー) デュアルグリップタイプ
0.5mm径
2000円(税別)

 

ぺんてるの自動芯出しシャープといえば、同シリーズのフラッグシップとして2017年に発売された「オレンズ ネロ」を思い出す人も多いだろう。ただ、こちらは金属の削り出しチャック(芯を固定するための、シャープペンシルの心臓部)を搭載するなど、ハイスペックながら量産には向かない構造の、いわばスポーツカーのようなものだった。

↑オレンズネロ(下)との比較。外見上の大きな違いはグリップだけだが、内部構造はパーツ数なども含めて別物となっている

 

対して新しいオレンズATは、チャックを樹脂化し、より普及モデルらしい造りになっているのがポイントだ。

 

そう聞くと、オレンズネロの単なる廉価モデルかと思えるが、さにあらず。メーカー曰く「樹脂チャックでも精度を落とさないよう、かなりの開発期間をかけて製品化した」とのことで、むしろ普及モデルとはいえ非常に手のかかった1本と言えそう。

↑書き出しで一度ノックをすれば、あとは芯切れまで延々と書き続けることが可能

 

オレンズシリーズの自動芯出しは“パイプスライド式”と呼ばれる方式だ。まず書き出す際にノックを1回。するとコーンに収納されていたガイドパイプと芯がスルッと出てきて、筆記可能となる。

 

あとは筆記によって芯が減るにつれてパイプも一緒に軸内に後退し、芯先が紙から離れると、バネの力でパイプと芯が元の位置まで引き出される……という仕組み。

 

つまり、最初にワンノックだけしたら、以降は書き続ける限り芯が1本なくなるまでノック不要、ということになる。

↑ずっと書き続けると、芯の減り具合に合わせて先端パイプがどんどん後退し……

 

↑ペン先を紙から離すと、パイプと芯は元の長さに復帰。ペン先が紙に触れると芯先が露出して、また書き始めることができる

 

パイプスライド式は、ものによっては紙にパイプが引っかかる感覚が出てしまい、それを不快に感じることもある。(パイプスライドが苦手、という人は意外と一定数存在する。)

 

ただ、個人的な感覚ではあるが、オレンズATのパイプスライドはノイズが少なく使いやすい印象。少なくとも、普通に文字を書き続けるぐらいであれば、ほぼパイプスライドを意識せずに済むのではないだろうか。

 

低重心、かつグリップ感抜群のグリップもメリット

このシャープでもうひとつ特徴的なのが、金属とラバーを組み合わせたぺんてる独自の「デュアルグリップ」だ。

↑低重心ですわりが良く、さらにグリップ力も強いデュアルグリップ

 

↑よく見ると、グリップ(十二角形)のカドに合わせて、ラバーの頭も山型になっている。細かな部分だが、カッコイイ作り込みだ

 

十二角形の金属グリップに開けられた穴からラバーの突起が付き出しており、さながら鬼の金棒もしくは釘バットといった、やたらと強そうな風貌である。

 

もちろん見た目のインパクトだけでなく、金属の重みで低重心化を狙いつつ、ラバーでグリップ感を出す。このコンビは強度の“指スベラー”(手汗などで指が滑りやすい人)の筆者も納得の握りやすさだ。

自動芯出し機能+なめらか純正芯が好相性!

もうひとつ、オレンズATの発売とタイミングを合わせて、ぺんてるのシャー芯ブランドが13年ぶりのリニューアルを果たしたのも、見逃せないところ。

ぺんてる
Pentel Ain(ぺんてるアイン)
200円(税別)
0.5mm芯 40本入り。芯径0.2〜1.3mmがラインアップ。

 

↑開閉は縦→横の2段階スライドで、勝手に開かないよう安全性を確保。大きく開くので、芯も1本ずつつまみ出しやすい

 

シャープペンの替え芯はそもそも「濃さ」と「減りにくさ」、「なめらかさ」と「折れにくさ」、「消しやすさ」と「汚れにくさ」のように、それぞれ性能にトレードオフ関係がある。例えば濃い芯は減りやすいし、折れにくい芯はなめらかさに欠ける、といったような感じ。

↑従来のAin シュタイン芯(左)と書き比べると、新Ain芯(右)のスルスルと走る感覚に驚かされる

 

新しい「Pentel Ain」は、新製法によってそのすべてを高い次元でバランス良く達成しているのがポイント。特になめらかさが大きく向上しており、芯のエッジが筆記によって崩れてきたあたりからのスルスル感がとても気持ちいい。

 

このなめらかさは、ぺんてるの従来芯や他メーカー品と書き比べてはっきり認識できるレベルで違いが感じられるはずだ。

↑芯詰まりなどのトラブルも減らせるはずなので、特にこだわりがない限りは純正の組み合わせが良さそうだ

 

このスルスル軽く書けるなめらかなAin芯と、止まらず書き続けられる自動芯出しのオレンズATは、かなりの好相性。なにより、メーカーもシャープペンシルの動作確認や耐久チェックは自社の芯で行っているわけで、製品本来の性能をフルに味わいたいのであれば、やはりメーカー純正芯を使うのが正解だろう。

 

この組み合わせで損をすることはまずないはずなので、できればオレンズATとAin芯、セットでの購入をオススメしたい。

 

コスパ最強! ダイソーで入手したキッチン用ラベルマーカーに意外な使い道があった

筆者の家庭では夫婦ともに仕事の緩急が激しいため、揃って忙しいときは、作り置きの総菜&炊いて冷凍しておいたごはんが生命線になりがち。つまり、うっかり総菜を傷ませてしまうと“詰み”かねないという話でもある。だから、調理した日付の管理はとても重要なのだ。

↑今のところ、日付管理は「ワザアリテープ」+油性マーカーで行っている。便利な反面、テープの消耗が気になる

 

ちなみに現在は、キッチン用の養生テープ「ディアキチ ワザアリテープ」(ニチバン)をフードコンテナに貼って、油性マーカーで調理した日付を書き込む、という方法を採っている。

 

ただ、ワザアリテープは他にも食材を再封するなどの用途があるので、減りがやたらと早くなりコストがかかってしまう点は気になる。もう少しローコストで食材の日付管理ができるとありがたいのだけど……。

 

100円ショップで大ヒットした食材管理用マーカー

そういう要望にドンピシャなのが、エポックケミカルの「キッチンラベルマーカー」だ。こちらはダイソーで2022年6月に発売された商品だが、昨年から早々に品切れが続出した大人気アイテムである。

 

取り扱いのない店舗もあるようで、筆者もゲットするまでに大型のダイソーを7店舗も探さねばならなかった。

エポックケミカル/ダイソー
キッチンラベルマーカー
100円(税別)

 

どうしてそれほどまでに人気なのかというと、それはもちろん、超低コストで食材の日付管理ができるから。マーカー1本と専用ラベル5枚(1シート)がセットになっていて、ダイソーだから当然100円+税。しかもこれが、何度でも書き消し可能というから、お得なこと間違いなしだ。

 

まず使用する際は、フードコンテナやタッパーにラベルを貼り、キッチンラベルマーカーで中身や日付などを自由に書き込む。

↑とくに目新しいことはなく、使う際はただコンテナにラベルを貼って、マーカーで書き込むだけ

 

このマーカーがかなり高度な速乾性をもち、書いてすぐに指でこすろうが、水をかけようが、筆跡はしっかり残っている。これなら、冷凍庫内で霜がつこうが、冷蔵庫で結露しようが、書いた日付が消える心配はなさそうだ。

↑かなり強めにこすっても、水をかけても筆跡は消える気配すらなし。これが本当に書き消し可能なのだろうか?

 

↑冷蔵庫で常備菜の日付管理も、ひとまず従来の「ワザアリテープ+油性マーカー」と変わりなく行えそうだ

 

↑ラベルは強粘着で、冷凍庫で使用しても剥がれる心配はなさそう。ちなみにこのままで電子レンジも使用できる

 

書いた文字はきれいに消せるのか?

なによりユニークなのは、この筆跡の消去方法だ。こすっても水をかけても、マーカーの筆跡は消えないのだが、ぬるま湯+中性洗剤でこすると、なんとスルリと消えてくれるのである。

 

つまり、使い終わったフードコンテナやタッパーを洗うときに、ついでにラベルの筆跡を洗い落とせば、また書き直しができるようになるわけだ。これはとても合理的!

 

ちなみにラベル自体にもかなりの強粘着かつ耐水性があり、今のところ連続10回以上の書き消しをしても、フードコンテナから剥がれることなく使えている。

↑40℃以上のお湯+食器洗い用の中性洗剤でこすると……

 

↑この通り、完全に消去完了だ

 

なぜそんなことができるかというと、どうもこのマーカー、書くとほぼ同時に、かなり強固な塗膜を作るようなのだ。印象としては、ホワイトボードマーカーの超強い版、みたいな感じ。

 

だから、ツルツルのラベルの上に書いても落ちないし、水がかかっても平気。それがお湯と界面活性剤(中性洗剤)によって塗膜が溶けると、スルリとオフできるという仕組みのようだ。試しに筆跡をツメで引っ掻いてみると塗膜が剥がせるし、さらにはアルコールで拭き取ることもできたので、たぶんそんなに的外れではないだろう。

 

↑食洗機でも筆跡はきれいに消去できたが、耐久性に関しては判断しかねるところ

 

ちなみに、食洗機に投入してもラベルはクリア可能。ただ、粘着部がどれほど耐えられるか分からない。コンテナから剥がれる様子はなかったが、基本的には手洗いしておくのが安全な気はする。(仕様書には、食洗機使用の可否についての記述はない)

 

ならばクリアホルダーの表書きにも流用できる?

実は試用中に、「これ、クリアホルダーに直書きするのに最適じゃない?」というところにも気がついた。例えば回覧書類をクリアホルダーにまとめて、いつまでに誰に戻してください、などという指示をつける場合、これまでなら付箋を貼っていたはず。しかし、付箋が剥がれ落ちる可能性を考えたら、表面に直書きできたほうが確実だろう。

 

ちなみに筆跡は、アルコールスプレーをシュッと吹くか、アルコール配合のウェットティッシュで拭ってやれば簡単に消すことができた。

↑ラベルマーカーは、クリアホルダーにも直接書き込めるうえ、速乾だからこすってもスレ汚れしない

 

↑消去はアルコールスプレーで一発。跡形なくきれいに消せる

 

100円でラベル5枚がついてきて、繰り返し書き込みが可能ということで、おそらく現時点で食品の日付管理ツールとしてはコスパ最強だと思う。さらにクリアホルダーにも書き消しできるとなると、仕事用ツールとしてもかなり使えそうだ。

 

先にも述べた通りの爆売れアイテム(ダイソーの通販サイトでも品切れ中のことが多い)なので、もし店頭で見つけたら、何をおいてもゲット推奨である。

 

メタルペンが5世紀ぶりに復活! 開発者が語る「無限鉛筆」の “無限” の可能性

かつてルネサンス期に芸術家たちが使っていたのが、金属製チップですり減らずに無限に書けるメタルペン。その最新進化版がなんと令和の世に登場し、世間を騒がせている。今回は話題の文房具「メタシル」の開発者にインタビューし、誕生秘話を聞いた。

※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです

 

トレンドキーワード

無限鉛筆

鉛筆と言えば、書くほどに芯がすり減るのが当たり前。そんな常識を覆し、鉛筆削りで削らずにどこまでも書き続けられる「無限鉛筆」が話題を呼んでいる。

 

プレミアム感を演出した “大人でも欲しくなる鉛筆”

サンスター文具

metacil

990円

黒鉛と金属を含む特殊な芯を、先端チップの金属軸に搭載。芯の硬度が高く摩耗しにくいため、約16kmの距離を書き続けられる。筆跡は2H鉛筆相当の濃さで、消しゴムで消すことも可能。黒鉛の粉が出ないので手を汚さず筆記できる。

※写真の「metacil(Blue)」は限定カラーのため完売の可能性あり

 

GetNavi編集部・金子が使ってみました!

“無限” ということで円周率を1時間ひたすら書き続けました。削る作業が必要ないので筆記に全集中。心地良い時間でした!

 

この人に聞きました!

サンスター文具
クリエイティブ本部 イノベーション部

大杉祐太さん

日本大学芸術学部卒業。玩具メーカーを経てサンスター文具に入社。人々を “楽しませる” “驚かせる” 商品作りに日々奮闘する。「『メタシル』の新たな展開も考え中です! 乞うご期待!!」

 

ダ・ヴィンチが使ったペンが令和の世にアップデート!

現在の鉛筆が発明される以前、ダ・ヴィンチやミケランジェロらがスケッチに用いていたのが、鉛や銀の合金でできた「メタルペン」と呼ばれる筆記具だ。先端がすり減ることなく半永久的に書けるのがメリットだが、筆跡が薄く見えづらいため、次第に黒鉛を使った鉛筆に取って代わられていった。

 

そのメタルペンを現代版としてアップデートさせたのが、サンスター文具の「メタシル」だ。だが、なぜそんなレガシーな筆記具をあえて令和の世に蘇らせたのか。開発者であるサンスター文具の大杉祐太さんは「私はデザイン科出身なのですが、デッサンなどで鉛筆をすごく消費し、毎回削るのも大変でした。就職した際、それを解決する何かを作れないかと思ったんです」と語る。

 

着想する際、かつて雑貨店で見かけたメタルペンを思い出し、改良できないかと考えたそう。

 

「黒鉛に金属を配合することで、長く筆記できるチップは早いうちに完成しました。ただ、黒鉛が多いと筆跡は濃くなりますが、すり減るのは早い。金属が多いとその逆になり……。黒鉛と金属のバランス決めに半年かかりました」(大杉さん)

 

鉛筆でもメタルペンでもない新世代の筆記具が誕生

芯の濃さについては社内でも様々な意見が出たが、最終的に鉛筆芯2H相当の濃さで約16kmが書けるというチップに仕上がった。

 

また、チップだけでなく軸のデザインやカラーリングにも大杉さんのこだわりが含まれている。

 

「一般的な鉛筆の六角軸に対して『メタシル』は八角軸。鉛筆っぽさを残しつつ、∞(無限)を想起させる8を取り入れました」(大杉さん)

 

鉛筆のようで、削らず長距離筆記が可能。メタルペンのようで、濃い筆跡。復刻に見えて、これはこれまでなかった筆記具なのである。

 

“無限鉛筆” は言い過ぎとして “削らず16km” はホントなのか!?

[Point 1]チップ構造のひと工夫で! 芯が完全になくなるまで書ける

先端チップは黒鉛+金属のかたまりをネジ台座で支える構造で、チップ自体がすり減ってなくなるまで書き続けられる。ただ強い衝撃で折れることはあるので丁寧に扱おう。

 

[Point 2] 一定の濃さでひたすら線を描く手作業でも “16km筆記” を確認

筆記可能距離は専用の機械にて計測されているが、手作業でも16km以上の筆記が可能かを検証した(ホワイトの鉛筆は1km筆記後の状態)。使用したコピー用紙はA4サイズ500枚以上!

 

筆記具の進化を感じられるこだわりポイントはココだ!

【Point 1】芯の “減りにくさ” を追求した黒鉛+金属の新チップ

チップは合金の化学反応が筆跡となる従来のメタルペンとは別物。黒鉛と金属を混ぜて硬度を高めた、 “究極に減りにくい” 鉛筆なのだ。

 

【Point 2】黒鉛の粒子だけが残るため筆跡は消しゴムで消去可能

筆跡として紙に残るのは黒鉛の粒子なので、消しゴムでこすって消せる。ここもレガシーなメタルペンとは大きく違うポイントだ。

 

【Point 3】絵の具を塗ってもにじまず画材としても重宝される

ボールペンなどと違い、上から水性マーカーや絵の具を重ねてもにじまない。削り不要という利点を合わせ、屋外写生の画材にも便利そうだ。

 

まだある! 注目の “無限鉛筆”

【その1】2種類のチップが使えるオールインワンタイプ

stilform

stilform AEON

1万2100円〜

スタイリッシュな軸に内蔵したネオジム磁石によって、半永久に筆記できる「エターナルチップ」と、濃い筆跡が残せる黒鉛配合の「グラファイトチップ」を切り替えられる。書き味の好みに合わせて使い分けられるのが魅力だ。

 

↑筆跡は薄いが手が汚れない酸化メタルのエターナルチップ(左)と、鉛筆感のあるグラファイトチップ(右)を切り替え可

 

【その2】お手ごろ価格で入手しやすいベーシックなメタルペン

axel weinbrecht design

ベータペン

3500円~

メタルペンの中では、お手ごろ価格のベーシックモデル。ドイツ製の滑らかなチップでシュルシュルと紙をこする感触は非常に心地良い。筆記具の歴史を知る意味でも、文房具マニアなら1本は持っておきたいかも?

 

↑先端チップは特殊合金製。紙との摩擦により、紙の繊維の間に金属粉が移ることで筆跡になる

Twitterでバズった「無限鉛筆」。芯を削らず16km書けるってどういうこと!?

近頃は物価高を背景に、手ごろな価格で高性能・高品質・高見えのハイコスパな生活用品にニーズが集中。そんな数あるハイコスパ日用品の中から、プチプラマニアが選んだ要チェックアイテムを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2023年1月号に掲載された記事を再編集したものです

 

私が選びました!

本誌日用品担当

金矢麻佳

プチプラからファッション、雑貨、文房具まで幅広くトレンドをキャッチ。寝る前にInstagramでバズりアイテムを探すのが楽しくてハマり中だ。

 

【無限鉛筆】発売前に約9万の「いいね」が付いて18万本出荷

発売前にもかかわらずTwitterの紹介ツイートが約9万いいねを獲得。新奇性と高級感のあるデザインで幅広い世代に受け入れられ、累計出荷本数は18万本に達した。

 

芯を削らずに約16km書ける新世代のメタルペンシル

【鉛筆】

2022年6]月発売

サンスター文具

メタシル

990円

黒鉛と金属を含んだ特殊芯を採用。芯の摩耗が著しく少ないため削る手間なく約16kmも書けるため、筆記に集中できる。適度な重みがある8角軸は、マットな質感で洗練された高級感を演出した。

 

↑紙との摩擦で芯から出た黒鉛と金属の粒子が紙に付着することで筆記できる。濃さは2H鉛筆相当。筆跡は消しゴムで消せる

 

大人の心をくすぐった現代版の金属鉛筆

「ルネサンス期に芸術家が使っていたメタルペンが5世紀ぶりに復活&無限に書けるというユニークさでSNSを中心に拡散されました。この性能で990円という手ごろさもヒットの理由」(金矢)

ジェットストリームにフリクション…2022年にリピート買いしたボールペンを文具ソムリエールが厳選

文房具に関するイベントやメディアへの出演、新商品のプロデュースなど、年を追うごとに活躍の幅を広げる文具ソムリエールの菅未里(かんみさと)さん。新作からロングセラーまで文房具を知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具を1点ずつ紹介する連載「文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具」を、毎月お届けしています。

 

2022年最後の回では、この1年で自腹買いしたボールペンの中から、リピート買いするほど気に入ったものをピックアップ。

 

2022年にリピート買いしたボールペン5選

日常的に最もよく使う文房具といえば筆記具でしょう。なかでも、社会人にとってボールペンは必須アイテム。筆者が2022年にリピート買いした、間違いないお気に入りボールペンを紹介します。

 

1.グロッシーなブラックが魅力「ジュースアップ クラシックグロッシーカラー」

「ジュースアップ」とは、細書きでも滑らかで心地よい書き味を実現したゲルインキボールペン。“シナジーチップ”という、一般的な三角錐形のコーンチップとも細長いパイプチップとも違う、特殊なペン先を搭載していることが特徴です。

 

自宅に専用の引出しを作り絶対に切らさないようにしているほどの愛用ボールペンで、過去にブラックやレッドなどの通常カラーについて記事にしたことがあります

 

その「クラシックグロッシーカラー」は、書き心地のよさはそのままに、ツヤ感のあるちょっと大人なダークカラーなインク色のシリーズです。

↑ボール径は0.4mmと0.5mmがある

 

ただの黒に飽きた大人がビジネスでも使える“黒っぽいカラー”は、筆記具業界のトレンドですが、ジュースアップのダークカラーも見逃せません。

↑黒っぽいカラー展開は手帳にも使いやすい

 

↑ブラックと比較するとやや濃く見えるグロッシーブラック

 

ツヤ感があるためリッチな気分にもなるこのシリーズは、セットでダークカラー好きの知人にプレゼントしたこともあり、いつでも使えるように自宅には2セット用意しています。普段の色に飽きたけれどカラフルすぎる色は使いづらい、という人におすすめです。

 

パイロット
ジュースアップ04/05 クラシックグロッシーカラー
200円(税別)

 

2.押し間違いを防ぐ多色ペン「ジェットストリーム新3色ボールペン」

2021年12月に発売された「ジェットストリーム」の多色バージョンに登場した新シリーズで、一時は完売するお店も出るほど注目されました。

↑ベーシックな黒からベリー色、アイスブルーなど絶妙なカラー展開が人気

 

見た目のよさで複数買いをする方もいますが、多色ボールペンを使う際に、誰もが一度は経験したことがある“押し間違い”を防いでくれる機能に魅了されるユーザーが後を絶ちません。

 

一般的なボールペンは、黒・赤・青の3色すべて、ボールペンの側面についたスライドバーを下ろすようにしてペン先を出しますが、このボールペンは黒のみノック、赤と青は側面のスライドバーを下ろすように設計されています。

↑黒のみ後端部をノックする仕組みになっている

 

黒は“押す”、赤と青は“スライドさせる”という動作が違うため、「黒だと思って出したインクが青だった」という事故が起こりにくいのです。

 

リピート買いのきっかけは使い勝手が格段にいいこと、さらにボディーカラーの展開が絶妙でどれも欲しくなってしまったことです。機能と見た目、どちらもパーフェクトなボールペンと言っていいでしょう。

 

uni/三菱鉛筆
ジェットストリーム 新3色ボールペン SXE3-507 0.5/0.7
500円(税別)

 

【文房具総選挙2022】結果発表! 筆記具の頂点はジェットストリームの最新多色ペンが奪取

 

3.「フリクション」にも書き味のよさを求めたい!

最近、台本への書き込みに欠かせないのが「フリクションポイントノック04」。書き消しができるボールペン「フリクション」シリーズの0.4mmタイプです。

↑ブラック・ブルーブラック・レッドの3色を愛用

 

先に紹介した「ジュースアップ」でも使われているシナジーチップを搭載したフリクションペンで、0.4mmの細書きでもひっかかりなく滑らかに文字を書けます。

 

もともと「フリクションボールペンはあまり筆記感がよくない」というイメージを持っている人も少なくないのですが、そんなイメージは吹き飛ぶほどの書き心地のよさです。

↑一般的なコーンチップとは違う特殊なペン先になっていることがわかる

 

私はフリクションボールペンの書き心地があまり得意ではなかったのですが、シナジーチップペン先バージョンのフリクションが出たと購入してみると、あまりの書き心地のよさに、フリクションといえばこれしか使えなくなりました。

↑インクの供給量の影響か、見やすい筆記線もポイント

 

フリクションに苦手意識があるなら、店頭で試し書きしてみてください。そのままレジへ直行すること間違いなしです。

 

パイロット
フリクションポイントノック04
250円(税別)

 

4.細書きと言えばこれ!「ハイテックC」

1994年に発売され、一世を風靡した「ハイテックC」。2000年代には俳優の相武紗季さんが白衣を着て出演していたテレビCMを記憶している人もいるかもしれません。

 

激細ボールペンといえば「ハイテックC」ですが、私は実は、これを長らく使っていませんでした。

↑0.25mmのハイテックC025。現在はブラック・レッド・ブルー・ブルーブラックの4色展開

 

再びリピート買いするようになったきっかけは、「ジブン手帳」という約3mmの方眼罫が印刷された手帳でした。

 

あまりに細かいので、書き込むには細書きのボールペンでなければ文字が潰れてしまいます。そこであれこれボールペンを試した結果、最も文字が潰れにくく綺麗に書くことができたペンが「ハイテックC025」だったのです。

↑約3mmの方眼罫でも文字をしっかり書き込める

 

学生時代に流行った「ハイテックC」を大人になってこんなにもヘビーユースすることになるとは思いもしませんでしたが、今ではこれなしには生活できません。

 

パイロット
ハイテックC025
200円(税別)

 

5.36色を贅沢使い「サラサナノ」

2021年11月に発売されたゼブラの人気ボールペン「サラサ」シリーズの新ライン。0.3mmという細書きですが、ペン内部にスプリングを入れることで、筆記時のガリガリした感触を緩和したゲルインキボールペンです。

↑インキカラーとボディーカラーがリンクしていてカラフル

 

私はGetNavi web以外にもいくつか連載をもっているため、毎月連載のネタ出しをしたり構成を考えたりする必要があります。黒ではなんだか飽きてしまうので黒以外のカラフルなペンを使うのですが、そこで活躍するのが「サラサナノ」です。

↑筆者のネタ・スケジュール帳。毎月テーマカラーを選んでマンスリーページに書き込む

 

企画ごとに色を変えて書き込むため、カラフルで賑やかなネタ帳になり、仕事のノートに飽きません。

 

色展開の多さだけではなく、水性顔料インキで水がかかってもインクが滲んで読めなくなることがないため、キッチンや洗面所、お風呂などどこにネタ帳を持ち込んでも心配いらないところも魅力です。

 

読者の皆さんは、さすがにお風呂に持ち込むことはないかもしれませんが、雨天の屋外や川の近くなど、水濡れの心配がある場所でも文字が流れる心配をせずに使えるカラフルなボールペンだと聞いたら、使ってみたくなりませんか?

 

ゼブラ
サラサナノ
200円(税別)

 

ボールペンを1本に絞らない

多くの人が、使うボールペンは1本、または1種類と決めているでしょう。私はノートや手帳、資料など書くものによってボールペンを使い分けるため、普段使いするボールペンがいくつもあります。1本使いの人からすると面倒くさそうに見えるかもしれませんが、日常生活で出会う紙やメモ、ノートはそれぞれに特徴があり、ペンとの相性も違います。

 

毎日使うボールペンだからこそ書くものにあったものに変えるだけで気分良く書き物ができるのです。ボールペン数百円で快適な仕事環境に近づくと考えれば、とてもお得ですよね。

 

今使っているボールペンで満足していても、新しいシリーズが出ていたり、インクがバージョンアップしていることもありますから、2023年はぜひたくさんのボールペンを試してみてください。

 

年賀状書きだけじゃない! 筆ペン「ふではじめ」が意外なシーンで役に立つ理由

筆ペンを最後に使ったのが、いつのことだったかを覚えている人は少ないはずだ。最大にしてほぼ唯一の機会だったのが、年賀状だろう。それも宛先がプリントラベルになったり、そもそも年賀状そのものを出さなくなったり。筆ペンを使うことなんかもうないよ、と放り出してしまう気持ちも分かる。

 

ただ、筆者の個人的な好みで言えば、筆ペンはけっこう面白い筆記具だと思う。もちろん、手帳を書いたり納品書にサインしたりするには適さないが、勢いのいいグワッとした文字が大きく書けるという性質は、実はアイデア出しなど思考のアウトプットをするのにも、意外と適しているのである。

 

そういったノートに文章を書くのに使いやすい、最新の筆ペンを紹介したい。コレ、筆ペンを放り出しちゃった人でも気軽に使えて難しくない、かなり特異な筆ペンなのだ。

 

毛筆が苦手でも書きやすくなった、新しい毛筆タイプ筆ペン「ふではじめ」

筆ペンには大別して「毛筆タイプ」と、ウレタンなど樹脂チップの「硬筆/軟筆タイプ」がある。

 

後者の硬筆/軟筆タイプは、ざっくり言えばサインペンの亜種みたいなもので、誰でも簡単に“筆文字っぽい字”が書けて使いやすい。圧倒的に初心者向けだ。

 

対して毛筆タイプは、表現の幅が広いが、筆先をコントロールするのが難しくて熟練者向け……だったはずが、2022年7月に発売された「ふではじめ」は、毛筆タイプにして初心者にも書きやすい工夫がされているのである。

ぺんてる
ぺんてる筆 ふではじめ
400円(税別)

 

↑スッキリした和柄の軸デザインもポイント

 

その最大のポイントは、新開発の穂先(ほさき)にある。お馴染みの中字筆ペンと比較すると、サイズは長さ・太さともに1/2程度。かなり小さく、つまり文字を書く際の小回りが利くということになる。

 

さらに樹脂毛自体も従来から3倍ほど硬い(メーカー公称値)とのことで、実際に書いてみるとかなりの弾力が感じられる。いわゆる“コシが強い”というやつだ。

↑ふではじめ(左)と従来のぺんてる筆中字(右)の穂先比較。当然ながら穂先が小さい方が、筆記時の小回りが利く

 

筆ペン初心者が毛筆タイプで苦労する原因は、穂先が長くてコントロールしづらく、弾力がなくてやわらかすぎるから安定感がない、というのが大半である。ならばその逆で、短くてコントロールしやすく、コシがあって安定した穂先ならば、書きやすくなって当然、という話なのだ。(筆者の個人的な好みからすると、もうちょっとコシ強めでもいいんだけど。)

↑力を入れずにポンと穂先を落としてみた図。ふではじめの方が、明らかに弾力が強い

 

ただ、そうなってくると「硬筆/軟筆タイプとなにが違うの?」と思われるかもしれない。しかし「ふではじめ」はあくまでも毛筆タイプ。樹脂毛を束ねた穂先なので、ウレタンチップと比べると弾力は少ない。その代わり、毛筆タイプのメリットである抑揚のつけやすさは充分にあるのだ。

 

並べてみると、

・書きやすさ……硬筆 > 軟筆 >「ふではじめ」> 毛筆
・抑揚のつけやすさ……毛筆 >「ふではじめ」> 軟筆 > 硬筆

という順なので、つまりはこれまでの毛筆と硬筆/軟筆の間をイイ感じに埋める存在、という形になるわけだ。

 

↑毛筆なのに、筆の弾力に任せてグイッと書き進められる。かなりユニークな書き味だ

 

さらに、速乾インクで扱いやすい

書き心地に加えて、特筆すべき点がある。これは最近の筆ペン全体のトレンドでもあるのだが、染料系の速乾インクを搭載しているのだ。

↑個人的には「もはや速乾じゃない筆ペンは使いたくない」と感じるほど

 

書いてから1秒ほどで乾いてしまう速乾インクは、インクだくだくの筆ペンとの相性が非常に良い。筆跡をうっかりこすって汚れが発生する確率が低くなるだけでも、使いやすさは大幅アップとなる。

 

特にアイデア出しなどでノートに文章をつらつらと書き連ねる場合は、手でこすっても問題ない速乾インクのありがたみを感じるはずだ。

 

↑キャップは一時的な筆置き(転がり止め)に使える。筆ペンは机から転がり落ちると床に大きな汚れを残す率が高いので、これはメリットがありそうだ

 

最後に、個人的に「へぇー」と感心したのが、購入してキャップを外したらすぐ書き始められたこと。ほとんどの毛筆タイプは、初期状態ではインクカートリッジと穂先が接していないため、ユーザーが使い始めにインクを浸透させる作業が必要となる。そういった手間なく、開封して即使える仕組みはユーザーフレンドリーだろう。これも筆ペン初心者には嬉しい仕組みだ。

 

少なくとも現行品の毛筆タイプの中では、この「ふではじめ」が最もカンタンに書ける筆ペンだと思う。

 

触れば驚く!世界の名画を立体プリントした「アートペン」が今までにない感覚!

美術館に併設されたミュージアムショップが人気を集めている。近年は気の利いたグッズ展開に工夫を凝らす展覧会も増え、ユニークなオリジナル文房具がゲットできることも多いのだ。

 

例えば、いまミュージアムショップで買える大注目のボールペンとして「タッチミー! アートペン」の存在を知っているだろうか。これはペン軸に立体的な特殊印刷を施したもので、まさに名前の通り、“触れるアート”という感じ。その印刷精度の高さと美しさは、チェックしておいて絶対に損のないレベルなのである。

 

ミュージアムショップで人気の「触れる名画」ボールペン

ペノンの「タッチミー! アートペン ゴッホ」シリーズは、お馴染みの「ひまわり」や「星月夜」といったゴッホの名画を、六角の木軸にプリントしたボールペン。

ペノン
タッチミー! アートペン ゴッホ(全10本)
各1500円(税込)

 

↑ダンボールを重ねて組んだ、プラスチックや接着剤不使用のサステナブルなパッケージ

 

所沢の角川武蔵野ミュージアムで11月まで開催されていた「ファン・ゴッホ ー僕には世界がこう見えるー」展でお目見え。現在も同ブランドのECサイトなどで販売されている。

 

そもそもミュージアムショップの売り上げ1位といえば、どの展覧会でもポストカードと相場は決まっている。そんななか、このゴッホ展において「タッチミー! アートペン」は、ポストカードに次ぐ売り上げを、それ以下を引き離して記録したという。

 

やや言い方は悪いが、1500円もするボールペンがそこまで売れるとは、ちょっとした事件に近い。

↑筆者がチェックしたタイミングでは、人気の絵柄がすでに複数売り切れていた

 

なぜそこまで人気を集めたのか、これは実際に見てもらうほうが話が早いだろう。

 

ペノンのアートペンはいったいどこが凄いのか?

木軸に施された立体印刷は、ゴッホのあの鮮烈なタッチを再現したかのようで、印刷や写真ではなく、本物の油彩の質感そのものだ。正直、ペン軸に名画が印刷されたものは従来、ミュージアムグッズとしてさまざま発売されてきたが、この立体印刷は迫力のケタが違う。

↑ゴッホ「自画像」も、本物の油彩を間近で見るようなリアル感

 

↑ペンを握ると、ゴッホの力強いタッチが指先から感じられる

 

↑「星月夜」と、ペン軸(右)の比較

 

このアートペンにいったいどのように印刷を施しているかというと、六角形の木軸の1面ずつにまず立体感のある特殊印刷を施し、次いで上からまた1面ずつ彩色印刷を施していく。つまり計12回の印刷によって、ようやくペン1本ができあがるという、壮絶に大変な作業だ。

 

その上、面と面の境での印刷ズレの誤差は0.2mm以下という驚異的な精度である。当然ながら木軸は1本ごとに微妙な差があるし、湿度で歪みも発生する。それを0.2mmの精度で12回印刷するのがどれほどのものか、想像できるだろうか。(しかも次の印刷面を出すために軸を回転させるのは、手作業!)

↑立体印刷ができる特殊なインクジェットプリンターで、1面ずつ印刷を重ねていく

 

もはや、ペンの製造行程自体がアートなのでは? という気分である。

 

ボールペンとしての機能性も特筆もの

このペノン、そもそもペンとしての性能が優秀なのもポイントのひとつ。ゲルインクを搭載したニードルポイントのペン先は、たっぷりとしてフローがあり、書き味なめらか。正直、サラサラした気持ちよい書き味だけでも、このペンを選ぶ価値があると思うほどだ。

【関連記事】欲張りすぎでは…書き味滑らかでオシャレでエコなボールペン「Penon(ぺノン)」は時代が求める条件を全クリア

 

↑馴染むとクセになる、サラサラ感強めな書き味

 

ラインナップは、このゴッホシリーズに加えて、印象派シリーズ(モネ「睡蓮」、ルノアール「春のブーケ」など10本)もそろう。さらには浮世絵(北斎・国芳など)シリーズなども展開予定とのこと。今後は全国で開催される美術展・展覧会にあわせるように増えていくようだ。

 

↑アートペン第2弾となる印象派シリーズの10種

 

展覧会を見た後にポストカードや図録を買って帰るのもいいが、これからは「触れるペン型名画」も選択肢のひとつに入ってくるかもしれない。お気に入りのアートに直接触れながら書く楽しみ、ぜひ体験してみて欲しい。

 

パイロット「ジュース」発売10周年! 限定「クラシックカラー」第1弾は「ナチュラルスムージー」をイメージした6色

パイロットコーポレーションは、 ゲルインキボールペン「Juice(ジュース)」の発売10周年を記念したゲルインキボールペン「ジュース クラシックカラー」を、12月22日から数量限定で発売します。税別価格は100円。

 

今回発売される同製品は、おしゃれなカフェのメニューをイメージさせる「Juice10周年 ANNIVERSARY MENU」がコンセプト。第1弾は「ナチュラルスムージー」をテーマに、果物をイメージした落ち着いた色味のストロベリー、オレンジ、バナナ、キウイ、ミント、ブルーベリーの6色をラインナップしています。ボディカラーにアイボリーを採用した、シンプルで温かみのあるデザインが特徴です。ペン先はノートや手帳に最適な0.5mm(極細)です。

 

同時に6色セットの「ナチュラルスムージーセット」、3色セットの2種「グッドモーニング!セット」、「グッドアフターヌーン!セット」も発売します。グッドモーニング!セットは、平日の朝に飲みたいスムージーをイメージした、キウイ、バナナ、ブルーベリーの3色がセットになっており、グッドアフターヌーン!セットは、平日の放課後に飲みたくなるようなスムージーをイメージした、オレンジ、ストロベリー、ミントの3色がセットになっています。税別価格は、ナチュラルスムージーセットが600円、グッドモーニング!セットとグッドアフターヌーン!セットが、それぞれ300円です。

振動で芯が出るのを防ぐ「フレフレロック」搭載! 静音設計シャープペンシル「THE Dr.Grip」

パイロットコーポレーションは、「ドクターグリップ」シリーズの新モデルとして、12月16日に「THE Dr.GRIP(ザ・ドクターグリップ)」を発売します。税別価格は900円。

 

「ドクターグリップ」は、人間工学に基づいた、握りやすさを追求した太い軸径と弾力性のあるラバーグリップにより“疲れにくい”のが特徴の筆記具シリーズ。シャープペンシルには、ペンを振るだけで簡単に芯を送り出せる、同社独自のフレフレ機構を搭載しています。

↑左から、ネイビー、ダークグレー、オリーブ、ボルドー、シルバー

 

今回発売する同製品は、移動中の衝撃などで、フレフレ機構により芯が出てしまうことを防止する「フレフレロック」機構を搭載。フレフレロックをオンにすると、フレフレ機構が作動せず、ペンを振っても芯が出ることがありません。ロックをオンにしたままでも、ノックすることでの芯の繰り出しは可能です。フレフレロックは、グリップ部分を回すことでオン・オフを切り替え可能。同機構により、携帯時の振動により誤って芯が出てしまい、ペンケース内やバッグの中を汚してしまうことを防げます。

 

従来品と比べ、芯の繰り出しにおけるノック音とフレフレ機構の操作音をそれぞれ約50%低減した静音設計を採用。ノック音は部品の形状を見直し、フレフレ機構の音はボディ内部のスプリングの強度を調整して、部品同士の接触を抑えることで、操作音を低減させています。

 

デザインは、マット調のメタリック塗装のボディに合わせて、金属パーツには光沢を抑えたパールブライトメッキを採用し、ドクターグリップシリーズ上位モデルとしての上質な質感を表現。芯径は0.5mmです。

MONO×Campus×Dr.Grip/FRIXION……文房具4ブランドがコラボ! ゆるかわ大人カラーの「シアーストーン」リンクコーデを提案

コクヨは、2023年春の「限定キャンパスノート」にて、トンボ鉛筆「MONO(モノ)」、パイロットコーポレーション「Dr. Grip(ドクターグリップ)」「FRIXION(フリクション)」と、学びアイテムを通じたコラボレーションを実施。コラボ製品を含めた3種の限定デザインのパックノート5冊を12月8日に、限定ソフトリングノートを12月26日に、それぞれ数量限定で発売します。

 

“書くもの(筆記具)”、“書かれるもの(ノート)”、“消すもの(消しゴムなど)”を通じて、学生の学びの時間を総合的に応援したいという思いから、2022年に初めて実施された、キャンパスノート、MONO、Dr. Gripのコラボ。第2弾ではFRIXIONを加えた4ブランドでの実施となります。それぞれのアイテムで、淡いカラーの洗練されたストーン柄「シアーストーン」のおそろいデザインを採用し、色や柄を組み合わせることができるので、さらに幅の広がるリンクコーデを楽しめます。

↑「限定スマートキャンパスノート <シアーストーン> 5色パック(ドット入り罫線)」パウダーブルー、ピンクベージュ、アッシュグレー、ミストグリーン、ペールパープル

 

今回のコラボでは、ドット入り罫線のキャンパスノートから、「スマートキャンパス」と、やわらかいソフトリングを採用した「キャンパス ソフトリングノート」の2種類が登場。

↑「限定キャンパス ソフトリングノート <シアーストーン> (ドット入り罫線)」パウダーブルー、ピンクベージュ、アッシュグレー、ミストグリーン、ペールパープル

 

コラボ限定柄のほか、こんがりと焼いたような色の「ベイクドカラー」と、グミやガム、ポテトチップなどの菓子をモチーフにした「スナックモチーフ」の2種類も用意。それぞれ教科別に使いやすい5色パックで、ドット入り罫線の仕様となっています。

↑「限定キャンパスノート <ベイクドカラー> 5色パック(ドット入り罫線)」

 

税別価格は、スマートキャンパス(限定パックノート)がオープン価格、限定キャンパス ソフトリングノートが300円です。

↑「限定キャンパスノート <スナックモチーフ> 5色パック(ドット入り罫線)」

 

MONOの6アイテムは2023年2月中旬に、ドクターグリップとフリクションは2023年2月16日に発売を予定しています。製品画像は、以下のギャラリーをご覧ください(画像をタップすると閲覧できます)。

製品情報がわかりやすくなった! 紙製パッケージで環境に配慮した「ジェットストリーム 多色多機能用リフィル」

三菱鉛筆は、「ジェットストリーム」シリーズから、「ジェットストリーム 多色多機能用リフィル」の「1本入」「5本入」を、リニューアル発売しました。

 

税別価格は、1本入りが100円、5本入りが500円です。また、数量限定で5本入と同価格の「6本入」も同時発売。インク色は、1本入が黒、赤、青、緑の4種類で、5本入と6本入は黒のみです。

 

同製品は、パッケージを環境面に配慮した紙製にすることで、年間約25tのプラスチック使用量を削減(同社概算による)。購入時に製品を見つけやすくするため、パッケージ表面のデザインを変更しています。ボール径やインク色など購入時に重要視する情報を中心部に大きく表示し、表面のQRコードを読み取ることで、ボールペン本体との互換性を確認することもできます。

 

リフィルを購入時に、使用済みのリフィルと見比べながら探すユーザーが多いことから、リフィル本体の印字の視認性を改良。印字はインクの入った状態、インクがない状態のどちらでも、はっきりと確認できます。リフィルは従来と比較し、インク量を10%増量。1本のリフィルを、より長く使用できます。

人気の機能を全部のせ!? 新「フリクション」が2022年の最注目ボールペンと断言する理由

2022年10月、文房具界隈にちょっとしたザワつきが起きた。というのも、YouTubeのパイロット公式チャンネルで「FRIXION 3.0 デビュー!」という旨のティザームービーが公開され、そこで新型の「フリクションボールノック」を11月に発売する、と発表されたのである。

 

2007年に発売された初代フリクションボールが“FRIXION 1.0”だとして、ノック式のフリクションボールノックが2.0になるのか、あるいは画期的なシナジーチップ搭載の「フリクションポイントノック04」を2.0とするのか、そこは分からない。

 

ただ、なににせよそれぐらいのインパクトがないと、ステージを一段上げた3.0などという表現はしないはず。つまり、とにかくすごい新フリクションが登場するに違いないのである!

 

新型フリクションボールは注目機能を全部のせ!?

……と、そこまで発売前にハードルをガン上げしてきた3.0こと「フリクションボールノックゾーン」(以下、ノックゾーン)が、いよいよ11月18日に発売となった。

 

昨年に比べてボールペンの話題がやや盛り上がりに欠けた2022年だが、このタイミングでいよいよビッグタイトル来たか! という感じである。

パイロット
フリクションボールノックゾーン ラバーグリップモデル
ボール径0.5mm(左)・0.7mm径(右)
各500円(税別)

 

ラインナップは、税別3000円のマーブル調樹脂グリップモデル税別2000円の木製グリップモデルと、写真のラバーグリップモデル(税別500円)があるが、今回は上位2モデルの用意が間に合わず、ラバーグリップモデルのみのレビューとなる。

 

とはいっても、主な違いはグリップと口金の素材だけであり、基本機能は共通だ。

↑全体的な雰囲気は従来のフリクションボールノックに近いが、細部にはあれこれ違いも見える

 

まずビジュアルだが、従来のフリクションボールノックと比較して分かりやすいのが、全長の違いと金属リングだろう。

 

長さはノックゾーンが4mmほど長くなっており、その分だけスマートに感じられる。加えて、最近のパイロットが「アクロ1000」「ILMILY油性ボールペン」など1000円前後のやや高額なシリーズに導入している軸中央の金属リングが、落ち着いた高級感を演出している。

 

つまり、パイロットとしては「ノックゾーンは高級フリクションですよ」とアピールしているようだ。最も安いモデルですら従来の2倍以上の価格なので、実際高級フリクションと言って、間違いはないだろう。

↑ノックゾーン(上)と従来のボールノック(下)の比較。ロゴも薄く落ち着いた雰囲気だ

 

↑後端の消去ラバーも、ノックゾーン(左)は先端から丸みが無くなり台形に

 

↑新型ラバーは先端カドを使って消せるので、コントロールしやすい

 

1.新インキ「プレミアムフリクションインキ」を充填した金属製レフィル

ノックゾーンに搭載された目玉機能は3つ。まず「プレミアムフリクションインキ」なる新インキを搭載した、金属製の「Ver.2レフィル」。これまでフリクションのインクは、「黒が灰色に見える」と言われてきたほどアッサリしたものだったが、プレミアムフリクションインキは従来よりもくっきり濃い発色に。

 

なるほど、黒で書き比べてみると、かなり濃くくっきりとした黒さが見て取れる。インクの薄さが苦手でフリクションを嫌うユーザーというのは意外と多かったようだが、これなら納得してもらえるのではないか。

 

シナジーチップの潤沢なインクフローによって、クッキリとした濃さを表現していたポイントノック04と比較しても、確実に黒くて濃い。

↑比べてみると、確実に濃いプレミアムフリクションインキ。メーカー公称で黒の濃度は30%アップしているという

 

しかも、その濃いインクを搭載したリフィルは、金属化によってパイプの肉厚を薄くすることで、インク容量を従来比70%増量。筆記継続距離も40%アップとなっている。

 

ただ、このリフィルはかなりずっしりとした重量があり、結果としてペン全体の重心がやや後ろ気味に来ているのは気になるところだ。

 

ちなみにこれは、ラバーグリップモデルの場合。サンプルを試してみた感じでは、木製グリップとマーブル調グリップなら、グリップ重量と相殺されて、ほどよいバランスとなっているように感じた。重心が気になるタイプの人は、高級グリップモデルの方を試してみると良いだろう。

↑金属製の Ver.2レフィルはインクたっぷり。ただし単体で500円(税別)ということで、単純なコスパは落ちている

 

↑従来の樹脂リフィルと比べると、重量はほぼ倍

 

ノック時の衝撃を吸収する「ノイズカットノック」

ノックノブを押し下げると、その手応えが柔らかいことに気付くかも知れない。それが静音性を高めた「ノイズカットノック」機能である。ノックパーツ内部にバネを追加することでノック時の衝撃を吸収。ノック音を従来比78%カットしたとのこと。

 

個人的な体感として、78%カットという数値的な部分はピンと来ないが、とはいえノックの高音域がバッサリとカットされて響きにくくなっているのは、聞けばすぐに分かると思う。

 

また、押し込んだ状態のノックノブを内蔵バネのテンションで固定することで、ペン自体を振ったときにノブがカチャカチャ鳴らないようになっている。これも地味に嬉しい効果だ。

 

 

↑ノック機構の中にバネを内蔵することで、衝撃を吸収してノック音を低減 ※画像はイメージ

 

3.ペン先のブレを抑える「チップホールドシステム」

3つめの機能が、ノック式特有のペン先のブレを抑制する「チップホールドシステム」。口金の中に三又形状の「チップホルダー」という新パーツを搭載し、これがノックON時のリフィル先端を、ギュッとホールドする仕組みである。

 

書いてみると、確かに先端ブレはほぼ完全に抑えられているようで、筆記感はスムーズ。特に細かな文字を密度高く書こうとすると、ブレはない方がありがたい。

↑特に30分以上の長時間筆記になると、ブレ抑制の安定感が手の疲労低減に効いてくる

 

↑透明口金の中に透けて見えるのが、新パーツの「チップホルダー」。これによってペン先がカチャカチャせず快適だ

 

2022年の最強ボールペンかもしれない

ところでこの3つの機能、なにか聞き覚えがある人もいるのではないだろうか? 例えば「Ver.2レフィル」のインク容量70%アップは、三菱鉛筆「ジェットストリーム 新3色ボールペン」に搭載された「長持ちリフィル」を思い出すし、「ノイズカットノック」もノックの静音性を高めるという方向性はぺんてる「Calm」と同じ(機構は別物だが)。もちろんペン先がブレない「チップホールドシステム」だって、ペン先がブレないゼブラ「ブレン」とよく似ているような……。

↑近年話題の機能を全盛り+フリクションインキは、まさに最強!?

 

つまり「ノックゾーン」は、ここ数年で注目された“強いボールペン”の機能を取り込んで合成した、いわば、特撮番組の最終回に登場する合体ラスボス怪獣のようなものなのだ。そこへ加えて、消せるフリクションインクという他の追随を許さない必殺ワザまで持ち合わせているわけで……これはシンプルに「ぼくがかんがえた最強ボールペン」そのものなんじゃないか?

 

文房具好きなら、なにはさておき入手しておくべき1本だと思うし、そうでなくとも「すごいフリクション」というだけで、ひとまず試す価値は充分にあるだろう。

 

「NOLTY 能率手帳ゴールド」60周年記念アイテム第二弾は万年筆! パイロットの特別協力で誕生した「能率手帳ゴールド 60th キャップレス万年筆」

日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)は、「NOLTY 能率手帳ゴールド」が2023年版で誕生から60周年を迎えることを記念した限定製品第二弾として、総合筆記具メーカーのパイロットコーポレーション特別協力のもと、「キャップレス」シリーズの能率手帳ゴールドオリジナルバージョンの万年筆「能率手帳ゴールド 60th キャップレス万年筆」を、本数限定で12月1日から順次発売します。税込価格は3万6300円。

 

「キャップレス」シリーズは、パイロット社が1963年から販売を開始した、キャップの無い万年筆シリーズ。1962年に誕生した能率手帳ゴールドと同世代であり、ともに約60年間「書く」という普遍的な価値を提供してきたブランドということから、今回の限定製品が誕生。能率手帳ゴールドとあわせて使うことで、一人ひとりが内面に持つ柔らかさと強さが引き出されるような包容力のある「黒」を表現した万年筆です。

 

ボディ部分は「エンジンターン」という技法で幾何学模様が刻み込まれたマットブラック、ペン先やグリップペン、クリップなどの部分パーツは無地のマットブラックで立体感を演出。ペン先とボディの中央にあるリングにはアクセントとなるゴールドを配置し、リング部分には、「NOLTY GOLD 60th Limited Edition」のスミ入り刻印を施し、シリアルナンバーが入ります。ノック式ボールペンのようにワンノックで素早く書くことができます。

 

能率手帳ゴールドを模したオリジナルボックスに入っており、1段目には万年筆とカートリッジインク、2段目にはノートがセットされた特別パッケージを用意。付属の羊革(ヤンピー)ノートは、万年筆と相性が良いと評判のオリジナル手帳専用紙・ゴールド用紙を採用した、全174ページの無地ノートです。

美文字はビジネスマナー! 書道家が教える美文字の三原則とは?

デジタルガジェットの普及によって、手書きの機会が減った人は多いでしょう。仕事のやりとりはメールやSNS、チャットで済ませる人が大半のはず。ところがコロナ禍をきっかけに、再び「手書き」が見直されているといいます。「美文字」の書き方を著書やメディア出演で伝えている書道家の涼風花さんに、その第一歩となる基本的なコツを教えていただきました。

 

コロナ禍で手書きの需要が増した理由

書道家で、美文字の書き方を教えることもある涼風花さん。コロナ禍以降、「上手な字を書きたい」という声が増えていることを感じるといいます。

 

「理由の一つは、人と会う機会が減ったせいで、手紙のやりとりをすることが増えたことです。年賀状の需要も増えていますよね」(書道家・涼 風花さん、以下同)

書道家の涼 風花さん。

 

ところが、ビジネスパーソンが手書きを学ぶべき理由はそれだけではありません。ビジネスシーンでも手書きのメリットは少なくないとか。

 

「付箋やメモを使って、手書きで連絡をすることがありますよね。手書きの文字は頭に入りやすく、強い印象を与えるんです。PCで打った資料でも、一言だけ『がんばりましょう』と手書きのメッセージがあると、受ける印象がずいぶん変わります」

 

会えない人とのつながりを保つだけではなく、頭にすっと入り、相手に強い印象を与えられる。そんな手書き文字ですが、苦手意識がある人も多いはず。いったいどうすれば字は上達するのでしょうか?

 

まずは自分に合ったペン選びから! 涼風花さん愛用のペン4選

まずはペン選び。とくに「文字が綺麗に書ける」ペンがあるわけではないといいます。でもやっぱり、ペンにこだわることは大事です。

 

「好きなペン、気に入ったペンを使うことが大切です。というのも、ペンが合っていないと、字が上手に書けないことをペンのせいにしがちだからです。それでは上達しません」

その上であえて付け加えると、にじみにくい油性ボールペンかゲルインクボールペンで、太さは0.5mm~0.8mm程度がおすすめだそう。

 

「あまり細いとペン先がカリカリしてしまいますが、太すぎると字が真っ黒になり、読みづらい。ほどほどの太さがいいと思います」

 

肘を支点にすれば美しい線が引ける

続いてペンの持ち方。綺麗な線を引くコツは、「肘(ひじ)を支点にする」ことだといいます。

 

「手首を支点にしてペンを動かすと、まっすぐな線が引けません。肘を支点にして、腕を大胆に動かしてみてください」

↑ペンを自然な姿勢で握ります。親指と人差し指でペンを挟み、中指でしっかりと支えます。右は指が巻き込まれ不安定な状態。

 

↑手首ではなく肘を支点に前後に動かすイメージで筆記を。右のように手首を細かく動かしてしまうのはNGで、線が安定せず、綺麗な字にはならないのだそう。

 

コツは3つだけ!「美文字」の基本構造

実は、美文字のコツは大きく分けると3つだけ! それが、「線を等間隔に引くこと」と、「全体として右上がるにすること」そして「右下に重心を置くこと」です。

 

1.並ぶ線は“等間隔”にする

「複数の線がある字なら、字の間の間隔を等しくするだけで美しく見えます」。たしかに、等間隔で線が並んでいると、ぱっと見でも綺麗に見えます。「山」のように横線が並ぶ字も、「間」のように多くの横線がある字でも同じです。

↑縦線が3本並んだ「川」の字。線の間にある2つのスペースを等間隔にするだけで綺麗に見えます。

 

2.横線も横に並ぶ縦線も“右上がり”に

二つ目のコツは、文字を全体として右上がりにすること。横線はもちろん、「川」の字のように縦線が並ぶ字でも、右に位置する線ほど、始点の位置を少しずつ上げていきます。

↑水平な線は、右上がりが基本。これだけで美しい印象になります。

 

↑縦線が並ぶ「川」ですが、始点の位置が右に行くほど高くなっています。

 

3.字は右下に「重み」を加える

「等間隔」と「右上がり」に加え、右下に重心を置くことが美文字のポイント。たとえば水平の線なら、右上がりに引いた後、最後を少しだけ水平に「伏せる」ことで右下に重みが加わり、落ち着きが出ます。

↑線は基本通り右上がりになっているが、右下に行くほど、線を強く伏せていることがわかります。また、右下の払いも長め。すると、字の右下に重さが加わり字全体のバランスがとれるのです。

 

+αのコツ 文字の中に余白を作る

「等間隔」と「右上がり」「右下に重心」が美文字の三原則ですが、細かいコツは他にも。たとえば、文字を一つのボックスとして見たときに、一部にあえて余白を作ると、すっきりと美しく見えるのだそう。

↑等間隔・右上がりの原則を守っているのはもちろんですが、真ん中の横線が微妙に途切れている点に注目。ここに余白を設けることで、字が重ったるくならないのです。

 

↑線を右上がりにしつつ、二か所に余白を作ることで、全体として右下に重心が来るようにしています。

 

個性こそが手書き文字の魅力!

細かい技法は無数にありますが、紹介した3つのコツを抑えるだけで、字は驚くほど綺麗になると涼さんは話します。

 

「手書きの文字の魅力は、個性でもあります。活字のように皆が同じ字を書いても面白くありません。それよりは、お伝えした3つのコツを抑えた上で、好きな筆記具で、好きなように字を書いてみてください」

 

【プロフィール】

書道家 / 涼 風花(りょう・ふうか)

栃木県日光市生まれ。7歳から書道を始め、14歳で書道師範、硬筆資格も取得。2017年のNHK大河ドラマ『直虎』や翌年の『西郷どん』で書道指導を行う。著書に『手紙・はがき美文字練習帖』(マイナビ出版)がある。大王製紙「elis」や日本ゲートウェイ「レヴール」、栃木県参議院選挙など自身もCM出演多数。

HP

 

新色「ペンシルブラック」を追加した7色展開! ホワイトボディの「ボールサインiDプラス」限定モデル

サクラクレパスは、ノック式単色ゲルインキボールペン「ボールサインiDプラス」の数量限定モデルを、12月中旬より販売開始します。税込価格は385円。

 

ボールサインiDプラスは、「ボールサインiD」に「上質さ」「握りやすさ」「書きやすさ」をプラスしたシリーズで、文房具総選挙では「GetNavi賞」と「書く部門 第4位」を受賞しています。

 

ボールサインiDプラスでは、既存のボールサインiDの6色の黒インキから、人気色である「ピュアブラック(ブラック)」、「ナイトブラック(ブルーブラック)」、「フォレストブラック(グリーンブラック)」の3色展開でしたが、今回の限定モデルでは、ボールサインiDと同じ「モカブラック(ブラウンブラック)」、「カシスブラック(レッドブラック)」、「ミステリアスブラック(パープルブラック)」だけでなく、限定色「ペンシルブラック(グレーブラック)」を加えた、7色の黒インキでのラインナップを用意。黒よりも柔らかい色味で、下書きや自分の書いた文字をあまり目立たせたくないときにもおすすめです。

 

ボディの色もこれまでのiDシリーズにはないホワイトを採用しており、明るい印象のデザインに仕上がっています。

↑ボール径は0.5mmのみでの展開

重要ポイントを手軽に強調! オーバーラインとアンダーラインが同時にひける「Mixline」

サクラクレパスは、「Mixline(ミックスライン)」の販売を、11月下旬から開始します。

↑左から、蛍光イエロー×グリーン、コーラルレッド×レッド、ソフト蛍光ピンク×ローズ、ブルーグリーン×レッド、ブルー×オレンジ、グレー×オレンジ

 

同製品は、学生が勉強時に、教科書やノートの語句をオーバーラインで色分けしつつ、さらに重要な語句をアンダーラインと組み合わせて目立たせるという使用方法から着想を得て開発されたラインマーカー。

 

目に優しいソフトカラーのオーバーラインと、文字をしっかりと強調するアンダーラインを同時にひくことができます。

 

アンダーラインが同時にひける太字(筆記幅約4.0mm)と、文字書きにも使える細字(筆記幅約0.4mm)のツインタイプで、1本でマーキングと文字書きの2通りの使い方ができます。

 

インキは耐水性・耐光性のある水性顔料インキを採用しており、蛍光イエロー×グリーン、コーラルレッド×レッド、ソフト蛍光ピンク×ローズ、ブルーグリーン×レッド、ブルー×オレンジ、グレー×オレンジの全6種。3色セットのジューシーカラー(蛍光イエロー×グリーン、コーラルレッド×レッド、ブルー×オレンジ)と、ナチュラルカラー(ブルーグリーン×レッド、ソフト蛍光ピンク×ローズ、グレー×オレンジ)も用意しています。

 

税込価格は242円、3色セットは726円です。

ようやく実用に耐えうる金属鉛筆が登場! 話題の「メタシル」の使い道とは?

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第25回となる今回は?

 

第25話

サンスター文具
メタシル
900円(税抜)

黒鉛を含んだ特殊合金の芯と、アルミボディを組み合わせた八角形のメタルペンシル。黒鉛と合金の粒子が摩擦で紙に付着することで筆跡になる。削らずに16km書き続けられ、水や水性マーカーなどで筆跡がにじまないのも魅力。

 

使い道に悩むのも楽しい“難しいペン”

このペンは難しい。

 

筆記具にこんな感想を持ったのは初めてですが、手にしてから日毎に募る気持ちはそうとしか言えず。今日も漫然と筆先を滑らせながら、このペンの理想の居場所を考え続けています。

 

サンスター文具が今年6月に発売した新製品メタシル。いわゆる金属鉛筆と言われるもので、合金製の粒子を紙に擦り付けて書く筆記具。摩耗が少なく、とても長い距離を書けるのが特徴ですが、黒鉛を混ぜていないぶん発色が薄く、そのためこれまで実用に耐えうる製品はほぼありませんでした。

 

しかし今回のメタシルは、黒鉛の量を調整して鉛筆2H相当の濃さを実現(しかも消しゴムで消せる!)。見た目も込みで完全に実用品としての雰囲気を纏っており、その物珍しさも手伝ってか、ネットで発表されるやいなや注文が殺到。発売を2か月遅らせるほどの注目を集めました。

 

書いてみると、金属軸の固いペン先から紙の上にいつもの鉛筆の線が浮き上がってきます。いつまで経っても芯が太らず、なのにペン先が紙を擦る音は、紛れもなく鉛筆のそれ。脳がバグる。

 

とは言えやはり、薄いっちゃ薄い。罫線すら邪魔になる薄さで、これは小さな手帳やノートには不向きでしょう。逆に、無地の白紙ならほかにない無類の心地良さが楽しめます。これはスケッチ用、それともアイデア帳向け? なんていろいろ悩むのが楽しい、“難しいペン”なのです。

↑芯に含まれる黒鉛の量を調節。鉛筆2H相当の濃さの筆記を実現した

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第23話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第24話】ドイツ発の「ラミー サファリ」が漢字に特化! ペン先をチューニングした話題の限定モデルの書き味は?

https://getnavi.jp/stationery/775853/

90年代を風靡した「ハイブリッドミルキー」が筆ペン化…そこに注入された技術にぺんてるのプライドを見た!

あなたがアラフォー以上なら、1996年に発売されたぺんてるのゲルインクボールペン「ハイブリッドミルキー」を覚えているかもしれない。売り上げは年間1億本オーバー、店頭在庫が追いつかずメーカーがお詫び広告を出す、など数々の伝説を持ち、まさに20世紀末のレジェンド文房具と言っても過言ではないだろう。

↑20世紀末の超大ヒットボールペン「ハイブリッドミルキー」(写真は2019年の復刻版)

 

ペン型修正液の技術をもとに作られた特殊なパステルカラーインクは、黒い紙や写真印画紙に書き込みしてもくっきり発色するのが特徴。ほぼ同時代に登場した「プリント倶楽部」(プリクラ)やポラロイドカメラ「チェキ」などとの相性が良く、“コギャル”の必須アイテムとも呼ばれていたほどで、実際、筆者の体感として、当時の女子中高生の認知度は100%に近かったように思う。

 

残念ながら現在は廃番(2019年に数量限定で復刻したが、そちらも今やほぼ入手不可能)となっているが、あのミルキーなパステルカラーインクを楽しみたいのであれば、オススメの製品がある。なんと「ハイブリッドミルキー」の筆ペンバージョンが、新たに発売されたのだ。

 

伝説のミルキーインクで筆塗りできる「カラーブラッシュ」登場

実は昨今、画材として「筆ペン」が注目されているのをご存知だろうか? 多くのアーティストがカラーインクの筆ペン=カラーブラッシュを作品作りに使うなど、世界的に人気が高まっているのだ。

 

そんなカラーブラッシュブームの中、再びぺんてるから投入されたのが、あのミルキーインクと同様の不透明パステルインクを搭載した筆ペン「ミルキーブラッシュ」である。

ぺんてる
ミルキーブラッシュ
各500円(税別)

 

↑カラーは全8色。黒地の上からでも全色がくっきり見えるのは、さすが「ハイブリッドミルキー」の直系だ

 

試しに書いてみると、間違いなく“ハイブリッドミルキーのあのインクっぽさ”を感じられるはずだ。黒い画用紙などの上に書いても下地をしっかり隠ぺいして、くっきりとミルキーな発色が楽しめるようになっている。

 

さらに、コシの強い筆先からグイグイと塗り広げていく楽しさもあって、かなり遊べそうな印象だ。

↑筆ならではの書き味とミルキーインクの組み合わせは、思った以上にインパクトがあって楽しめる

 

ただ、かつて実際に「ハイブリッドミルキー」を使っていたなら、塗ってみて「ちょっと色が薄い?」と感じるかも知れない。

 

というのも当然で、「ミルキーブラッシュ」用のインクは、当時の発色よりもかなりあっさりめにチューニングされているのだ。筆ペンはボールペンよりもインクの流量が大きいため、ミルキーインクをそのまま使うと濃すぎて大変なことになる。そのため、筆ペンで面塗りしやすい濃度、派手になりすぎない色味、最適な隠ぺい力といった最適化を施してあるというわけだ。

↑「ミルキーブラッシュ」と「ハイブリッドミルキー」の比較。同じピンクでも色の濃さはだいぶ異なる

 

とはいっても、くっきりした強い発色が醍醐味ではあるので、筆塗りする前にはまず軸をしっかりシャカシャカと振っておきたい。インクの攪拌を入念に行うことで顔料を均質化し、ムラのない発色が発揮されるのだ。あとは、軸後端のノックボタンを何度か押して、しっかりインクを押し出すこと。特に黒など濃い色の紙に書く場合は、筆先にインクが溜まるぐらいノックした方が、隠ぺい力を発揮しやすい。

 

とにかくインクをリッチにドバッと使うのが、「ミルキーブラッシュ」を堪能するコツと言えそうだ。

↑書く際は何度かノックして、筆先にインクが溜まるぐらいまで押し出した方が楽しい

 

↑軸のドット柄は透明で、タンク内のインクが透けて見えている。インク残量や顔料の沈殿具合も分かりやすい

 

筆ペンとしての書き心地は、さすがぺんてるといったところ。コシのある筆先は、細書きから大胆な広塗りまで自由に使い分けられる。ミルキーインクも粘りすぎず程よく塗り広げられるので、画材としても充分に実用的だ。

 

紙工作の彩色や、メッセージカード作りを派手に目立つよう仕上げたいのであれば、強くオススメできる。

↑筆のなめらかでコシのある書き味は「さすがぺんてる!」という印象だ

 

ぺんてるといえば、修正液と筆ペンに関して高い技術を持つメーカー。つまり、修正液を元にしたミルキーインクと筆ペンの組み合わせは、まさに「作って当然」レベルの話なのである。

 

それでも、筆ペン用にインクを最適化するなど、完成までには5年の歳月がかかったという。「レジェンドボールペン直系の子孫」にぎゅっと詰まったぺんてるの技術を、ぜひ体験してみてほしい。

 

ニードルチップの書き味も超優秀! 最強のSDGsボールペン「ペノン」が背負うメッセージとは?

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第23回となる今回は?

 

第23話

ペノン
PENON フラッグペン S ウクライナ
1400円(税込)

フラッグペンはロングとショートの2タイプあり、パッケージを組み立てると専用のペン立てが完成する。6月には「フラッグペン L アニマル」シリーズにシマエナガ・キツネ・クマの新柄が登場。8月より名入れサービスも開始予定だ。

 

アクチュアルなメッセージ性を持つボールペンに平和を祈念

クラウドファンディングで話題となったゲルインクボールペン「ペノン」は、2021年9月から一般販売が始まりました。

 

ノックパーツに小さな刺繍の旗が付いた「フラッグ」シリーズや、ネクタイやメガネをモチーフにしたモデルなど、どれもまず雑貨としてかわいい。それでいてニードルチップの書き味も優秀で実用性も十分(某国内メーカーの協力を受けているそう)。さらに本体には森林認証された木材を用い、パッケージも脱プラ仕様。また、替え芯のリサイクルシステムを独自に構築するなど、SDGs的な配慮とその実践が素晴らしく、まさにいまの時代に相応しい優等生的なプロダクトと言えるでしょう。

 

加えて今回、どうしても皆さんに知ってほしいことがあります。それは、全34か国ある「国旗」シリーズを買うと、売上の一部が国連の難民支援機関に寄付される仕組みになっていること。この試みは2021年暮れに始めたものだそうですが、最近になってウクライナ国旗の注文が増えたため、公式サイトでも目立つ位置に置くようにしたそうです。

 

私も長年文房具について書いてきましたが、このようなアクチュアルなメッセージ性を背負ったボールペンってちょっと記憶にありません。「Tシャツはメディアである」なんて言い方がありますが、ボールペンもまた然り。実はこの原稿もウクライナ国旗のペノンで書きました。しばらく使い続けようと思います。平和を祈って。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第21話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第22話】緩急自在! ペンの気軽さで万年筆の情感を込められるぺんてる「プラマン」で、美文字の窮屈さから逃避せよ https://getnavi.jp/stationery/752272/