「家に帰りたくない!」 ロシア最大のテクノロジー企業の「職場環境」が超うらやましい

社員が口を揃えていうのは、快適すぎて「家に帰りたくない」――。

アメリカの大手テクノロジー企業から聞こえてきそうな話ですが、なんとそんな職場がロシアにもあるんです。ロシアの検索エンジン・ポータルサイトの「ヤンデックス」(検索件数では世界第4位)は、ソビエト連邦時代をまったく感じさせない、先進的で快適すぎる職場環境で大きな注目を集めています。

IT業界の精鋭たちが働く、モスクワ中心地にある本社ビル。明るく近代的な社内には通常の会社ではあまり見ない、ハンモック、ソファー、巨大クッションなどがあちこちに配置されています。ヤンデックスでは、必ずしも机に座って仕事をしなくてよいのですね。室内に限らず、バルコニーや屋上など、社員は好きな場所で業務にあたることができます。

 

自由な勤務時間体制も話題になっています。12〜18時の間は、必ず全員が会社にいなければなりませんが、それ以外は出社も退社時間も自由。自分や家庭の都合、仕事の進捗状況などによって、勤務時間を決めることができるのも先進的です(ヤンデックスでは残業の問題もないようです)。

 

「こんなに手厚くて大丈夫?」と思ってしまうほどのサポート体制

ヤンデックスは、 ロシア版Amazonともいうべき「ヤンデックスマーケット」を運営していますが、それを社内で活用した「ヘルプ機能」がとても画期的。この機能には内線を使ってアクセスし、電話1本で業務に必要なもの(例:充電ケーブルやメモリーカード)が即日、もしくは翌日には手元へ届くのです。

 

これにより社員たちはいつでもヤンデックスマーケットから最短で必要なものを手に入れられます。「業務に必要なもの」という条件がありますが、いままで頼んで届かなかったものはないと社員たちが言うのですから、驚くほど便利なサポートですね。

 

社員への手厚いサポートにも注目が集まっています。出張の日はヤンデックス傘下である「ヤンデックスタクシー」が終日無料に。出張中のみ使える特別なアプリも提供され、これにより社員は領収書などの手間が省ける一方、会社としても後処理がラクになります。また、管理職の人にとっては、これで出張中の社員の動きも見えるようになるというメリットもあるそう。

 

従業員の食事に対するサポートにも抜かりはありません。食事カードには毎月一定額のお金が振り込まれ、社内レストランのほか、ヤンデックスと提携のモスクワ市内レストラン、カフェの15店舗で使うことができるのです。

また、10時半前に出勤した従業員には、その都度、食事カードに約500円が追加されるボーナス制度もあります。もちろん、それを朝食代に使ってもお昼や晩御飯に使っても自由。しかも、食事カードと連携したアプリでは残高と次月の振込までに、1日いくら使えるかが表示され、非常に便利だということです。

社長までも横並びのスケジュール

社員はいつでもオンラインで、全員のスケジュールを把握できます。ここまでは他の企業でもありがちですが、なんと社長までがそのスケジュールに登録されているというのは珍しいのではないでしょうか。トップの人々も含めた全社員の動きや進捗状況が即座にわかると、社員間のコミュニケーションに役立つのはもちろん、自分の役割も明確に見えるようになるので、とても有用だそうです。

 

社内はまるでミニチュアの街

充実した社内環境も話題を呼んでいます。社内にレストランはもちろん、郵便局や図書館、ジム、ATMを完備。社員たちは出勤するだけで、個人の用事さえも社内で済ませられるようになっています。本社屋上はオープンテラスになっており通常の作業場所として以外にも、社員の誕生日にはパーティー会場として使われることも多いそう。その際は他部署の人たちも招待できるので、いろいろな意見や情報を交換する場所になります。

 

クリエイティブなロシアの先駆者

ヤンデックスは、いまやロシア最大手のインターネット企業です。検索ポータルだけでなく、ナビゲーションシステム「ヤンデックスナビ」や、ロシア版PayPal「Yandex.Money」、ロシア版Amazon「ヤンデックスマーケット」、ヤンデックス・タクシーを展開し、ロシアとともに成長し続けています。

 

この急成長の背景には、社員のクリエイティブな仕事を全面的にバックアップする体制が整っていることがあり、それによって社員をベストパフォーマンスへと導いているように思えてなりません。

職場づくりの参考に! マイクロソフトが導入したツリーハウスが仕事観を変える

どんな企業もオフィスのデザインを工夫して生産性を上げようと努力していますよね。卓球やバランスボールといった遊び心をオフィスに導入するアイデアは日本でも少しずつ広がりつつあるようです。しかしマイクロソフトほどの大企業になると、土地を大胆に使ったオフィススペース改革ができるよう。

 

先日話題になったのはマイクロソフトのワシントン州の本社キャンパスにオープンされたツリーハウス・スペース。その名の通り、オフィスの敷地の一角に社員がミーティングや仕事のために利用できるツリーハウスが作られたのです。

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確かにこんな所で働けたらストレスも減り、リラックスできて生産性も上がりそうだなと思ってしまいますよね。

 

頭が冴える! オフィスとしての機能も充実

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屋根のついたラウンジスペースもあれば、オープンスペースもあります。もちろん広大なマイクロソフトのキャンパスなので、ツリーハウスの周囲も木に囲まれたリラックスできる環境になっています。これが仕事場だなんてちょっと信じられませんよね。

 

オープンスペースのベンチはちゃんと防水になっており、パソコンのための電源も雨風から守られたデザインになっています。言うまでもなくWi-Fiも完備。太陽の下、木陰で落ち着きながら集中して仕事ができるなんて夢のようです。

 

他のスペースから隔離されたミーティング室もあります。それでも、あくまでもツリーハウスなので、ちょっとした強化合宿のような気分で頭もスッキリして鋭いブレインストーミングができそうじゃないですか。近くにはカフェテリアもあり、バーベキューレストランもあるとのことなので、アウトドアの魅力も堪能できます。

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制作はアメリカの人気番組「ツリーハウス・マスターズ」のPete Nelson氏によるもの。20年は利用できるように設計されたこのツリーハウスですが、驚きは木が今後成長するにつれてツリーハウスも拡大していくということ。少しずつ姿を変えていくので、常に新鮮なスペースとして使いたくなるわけですね。

 

「素晴らしい」と社員からも絶賛の声

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マイクロソフトの公式ブログでは利用している社員たちの感想も紹介しています。「入っていって初めに気付くのは皆が本当に静かなこと。自然と話すのを止めて、その瞬間に集中するんだ。素晴らしいよ。自然を吸収すると、自分の仕事に対する見方が変わるし、やり方も自然と変化しているよ」というコメントにも説得力がありますよね。

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Twitter上にも「マイクロソフトとの案件ってなかったっけ。仕事したい」といった声が上がっています。社員じゃなくてもちょっと使ってみたくなる気持ちは分かります。

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生産性を高めるために、多くの方が色々なアプリやスケジュール帳を利用していますが、デスクや椅子、照明の色などが与える物理的または環境的な影響も大きくあります。ツリーハウスはその究極の形かもしれませんね。きっと愛社精神も上がるのではないでしょうか。