「NISA」で資産形成はじめよう! プロが教える「コア・サテライト戦略」とオススメ銘柄

NISA制度は2024年に大幅なアップデートが予定されている。新しいNISAは、ほったらかし投資にも適した良い制度だと言われるが、現段階で何を学び実践しておくべきかを、資産運用に精通する経済ジャーナリスト・頼藤太希さんに教えてもらった。

こちらは「GetNavi」2023年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【私が教えます】

経済ジャーナリスト 頼藤太希さん

Money&You代表取締役、中央大学客員講師。19万部超のベストセラー「はじめてのNISA&iDeCo」(成美堂出版)など、投資関連の著書多数。YouTube「Money&You TV」でもお金の情報を発信中。

 

統合NISAを見越して運用の戦略を立てよう

現行のNISAは、2024年に改正を控えています。つみたてNISAと一般NISAを統合したような、使い勝手の良い制度が誕生。ほったらかし投資を始めるには、いまがチャンスと言えます。

 

まだ利用していない人は、23年内からつみたてNISAを利用するのがベスト。統合NISAへのロールオーバー(※1)はできないものの、別枠として20年間非課税で保有できる「長期」運用で、元本割れのリスクを抑えられます。

 

統合NISAはほぼすべての人が有利に始めやすいオススメの制度ですが、実力以上の投資はNG。例えば、半年〜1年ぶんの生活費を賄えるだけの貯蓄がないなら、切り崩して投資に踏み出すべきではありません。また、リスク許容度を大きく超えたハイリスクな商品に安易に手を出すことも控えましょう。そこで提唱したいのが、以下のフローを踏むこと。①リスク許容度を見極めて、②金融資産の特徴を知り、③コア・サテライト戦略に当てはめ、④銘柄を選んだら運用スタートです。③のコア・サテライト戦略は、資産をなるべく減らさず、かつ堅実に増やしていくのに適した投資戦略です。統合NISAとの相性も良好なので、本稿で自分に合った運用方法を学び、資産形成を始めましょう。

 

What is NISA ?

少額投資非課税制度。個人投資家のための税制優遇制度。通常金融商品への投資では、売却益や配当に約20%の税金がかかるが、範囲内で運用した場合は非課税となる。現行では、一般NISA・つみたてNISAのほか、未成年が利用できるジュニアNISAの3種類がある。

 

【現行】

■つみたてNISA
一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できる制度。長期・積立・分散投資に適した投資信託が厳選されている。投資初心者でも比較的安心して商品を選びやすく、金額も決めたらあとは自動で積立購入してくれる。

 

■一般NISA
株式・投資信託などを年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できる制度。つみたてNISAよりも大きい毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式や投資信託の配当・譲渡益などが非課税対象となる。つみたてNISAとの選択制。

 

【統合・改良! 2024年施行】

■統合NISA
24年以降、NISA制度の抜本的拡充・恒久化が図られ、新しいNISAが導入。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の区分があるが、併用も可能だ。現行のNISA制度で保有している金融商品については売却する必要はなく、期間満了までは非課税で保有されるが、統合NISAへのロールオーバーはできない。

 

●目玉1:恒久化・無期限化
制度が恒久化され、非課税保有期間が無制限に。非課税保有期間が終わって課税口座に移す作業もなく、より“ほったらかし”で運用できる。

●目玉2:枠の拡大
年間投資枠が大きく増加。つみたて投資枠で年120万円、成長投資枠で年240万円、併用すれば合計で毎年360万円まで非課税で運用できる。

●目玉3:併用が可能に
つみたてNISAと一般NISAのような選択制ではなく、つみたて投資枠と成長投資枠は併用可能。明快で、投資枠いっぱい大きく運用しやすい。

●目玉4:売却枠の再利用
金融商品を売却して生涯投資枠に空きが出た場合、売却枠を再利用して新しく非課税の投資を始められる。リバランス(※2)もしやすい。

 

※1:一般NISAやジュニアNISAで非課税期間が終了した際に、保有している金融商品を、翌年の新たな非課税投資枠に移管すること
※2:資産配分の変化による偏りを正すこと。配分の変更や、保有する資産を入れ替えるスイッチングを行う

 

【頼藤流運用術1】許容できるリスクを見極める

自分が受け入れられる損失がどのくらいか

リスク許容度とは、“自分が損にどのくらい耐えられるか”の度合い。一般的には「収入・資産が多い」「年齢が低い」「投資経験が豊富」なら高くなる。しかし同様の人でも、リスクに対する考え方が慎重なら、総じるとリスク許容度は低くなる。客観的事実を踏まえたうえで、自分を分析しよう。

 

【頼藤流運用術2】金融資産のリスクとリターンの関係を知る

 

【Tips】ETFは投資信託とは違うもの?

ETFとは証券取引所に上場している投資信託のこと。株式と同様にリアルタイムで価格が変化し、タイミングを見計らった売買ができる。一般的には信託報酬は低い設定だ。

【頼藤流運用術3】コア・サテライト戦略を適用する

 

【Pick up!】銀行預金よりも安全で有利!コア資産には「個人向け国債」もオススメ

個人向け国債は、1万円から購入可能で、最低でも年0.05%の金利を保証。発行元が国なので、民間の銀行預金よりも安全で、金利も多少高い。「変動金利型10年満期 変動10」「固定金利型5年満期 固定5」「固定金利型3年満期 固定3」の3タイプのなかで「変動10年」は、長期金利次第で金利がアップする可能性がある。

 

↑マイナス金利を経て、近年の金利は微増傾向。「変動10 年」の適用利率は基準金利×0.66なので、現在0.33%だ/出典:モーニングスターホームページ「日本国債 10年」(3月7日現在)。なお、3月30日よりウェルスアドバイザー株式会社となり、ホームページも変更

 

【頼藤流運用術4】投資信託を選ぶ

●ポイント1:信託報酬が0.1〜0.3%の商品を選ぶ

投資信託は購入したら、長期間保有することとなる。信託報酬がなるべく安いものを選び、効率良くお金を増やそう。インデックス型・バランス型の信託報酬の目安としては0.1%〜0.3%程度。これ以上高い投資信託を選ぶ必要はない。

 

●ポイント2:リスク許容度に合わせて投資先を決める

リスク許容度が低いならバランス型(4資産均等型)。高いなら、全世界株式や米国株式に投資する投資信託を選び、世界経済の成長の恩恵を享受しよう。広く市場全体の動きを捉える指標に連動する投資信託に、長期・分散投資すること。

 

●ポイント3:純資産総額50億円以上の投資信託がベター

純資産総額とは、投資信託が組み入れている株式や債券など、全資産の時価総額。純資産総額が少ないと、分散投資が実践しにくいため実績に影響が出る、信託報酬が高くなる、途中で運用を停止する繰上償還に陥る、などの懸念がある。

 

【頼藤さんオススメ!! インデックスファンド】

 

【頼藤さんオススメ!! ETF】

 

いざ実践! 統合NISAの活用戦略

総括として、統合NISAの投資枠をコア・サテライト戦略に当てはめよう。実際にどんな戦略が立てられるのか、頼藤さんが3パターンを紹介する。

 

パターン1:つみたて投資枠のみを利用してコア資産に充てる

「コアの投資先は全世界株式インデックスファンドが◎。低コストで世界中の株式への分散投資が実現します。どれか1本に絞って積み立てても、全世界株式インデックス3万円+バランス2万円のように組み合わせてもOK」

 

パターン2:つみたて投資枠と成長投資枠を併用してコア資産に充てる

「成長投資枠を利用してETFを購入すれば、ETFで得られる利益も非課税に。ETFの投資候補は、世界株式『VT』、全米株式『VTI』、高配当株式『VYM』、増配株式『VIG』などです。暴落相場に強い『VIG』がイチオシ!」

 

パターン3:つみたて投資枠をコア資産に、成長投資枠をサテライト資産に充てる

「生涯投資金額をあらかじめ『つみたて投資枠1200万円/成長投資枠600万円』などと分けて、投資信託と株式を購入。年240万円までの成長投資枠は、タイミングを見て国内株式や米国株式に一括投資するのも良いでしょう」

 

※掲載している情報は、2023年3月13日までに編集部が入手したデータや、監修者および編集部の主観に基づきます。投資行為や資産運用による利益を、監修者および編集部が保証するものではありません。
すべての最終判断は個人の責任で、よく考えて行ってください。

初心者でも意外とカンタン! お金を守って増やす「ほったらかし投資」をプロが伝授

大きな話題を呼んだ“老後2000万円問題”に加え、出口の見えない物価高に辟易する昨今。そんないまこそ本気で考えたいのが、資産形成だ。2024年施行の新しいNISAを活用した“ほったらかし投資”なら、大切なお金を守りながらコツコツと増やせる。資産運用に精通する経済ジャーナリスト・頼藤太希さんとともに、投資へ一歩踏み出そう!

こちらは「GetNavi」2023年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【私が教えます】

経済ジャーナリスト 頼藤太希さん

Money&You代表取締役、中央大学客員講師。19万部超のベストセラー「はじめてのNISA&iDeCo」(成美堂出版)など、投資関連の著書多数。YouTube「Money&You TV」でもお金の情報を発信中。

 

時間を味方にすれば少額からでもラクに資産形成

投資は「難しそう」「損をしそう」と思われがちですが、ルールや戦略を学び実践すれば、お金を守りながら増やすことができます。今回は時間を味方につける“ほったらかし投資”を中心に伝授。無理なく少額から始めても、複利効果が手伝って数十年後には大きな資産となる可能性があります。

 

ほったらかし投資では、投資信託などを積立購入。堅実に増やす王道的な手法である「長期・分散・積立」投資ができるのです。しかも一度資産の分配や購入銘柄を決めてしまえば、あとはほとんど手がかかりません。NISAやiDeCoでも投資信託は対象になっていて、長期間ほったらかす資産の置き場所として最適。これらのおトクな制度も活用しましょう。

 

長期的に見れば、世界経済が成長する限り、投資には必ずリターンが生じます。早めに始めて、長期間の投資を実践しましょう!

↑ほったらかし投資では、短期的な値動きに一喜一憂しないこと。目標額の設定などで売り時もあらかじめ決めおけば、あとは文字通り“ほったらかし”でOKだ

 

投資の種類は

ひと口に投資と言っても、その種類は様々。それぞれリスクの大きさが異なるので、投資する資産にどんな特徴があるのかについても理解を深めよう。ほったらかし投資で初心者が運用しやすいのは、投資信託だ。

 

投資信託の種類は

各投資信託がどんな金融資産に投資するかは、銘柄によって異なる。外国のなかでも、先進国・新興国・全世界などと投資先は多岐にわたっている。複数の資産や複数の地域にまたがって投資するタイプもある。

 

知っておくべき〈複利のチカラ〉

利息を元本に含めて、これを新しい元本として投資に回して計算する方法。利息は雪だるま式に膨れ上がる。統合NISAを例にした下図では、元本を入れなくなると勾配が緩やかになるものの、指数関数的な増大が期待できる。

 

知っておくべき〈72の法則〉

複利の効果があるとはいえ、下記の例①のように、銀行預金並みの利息では元本を2倍にするのに途方もない年月が必要。しかし仮に②の年利3%で運用できれば、現実的な24年で2倍に。目標額や運用計画を決める際は参考にしよう。

 

 

投資の王道[長期]

景気は好況と不況が交互に訪れる。世界全体で見ると、その波を繰り返しながら経済活動は拡大し、株や不動産などの資産価値は上昇していく。長期にわたって投資を続けることで、利益を得られる期待は高くなるのだ。

 

<景気循環>

 

投資の王道[分散]

投資には「すべての卵をひとつのカゴに盛るな」という格言がある。投資資産の価値下落リスクを減らすため、資産を分散させるべきという意味だ。全世界株式などの投資信託を購入すれば、初心者でも簡単に分散投資できる。

 

<主な投資分散の種類>

 

投資の王道[積立]

投資で資産を減らさないコツのひとつは、一気に資金を投入するのではなく、同じ商品を定期的に同額で積立購入すること。価格下落時には同じ投資額で多くの口数を買え、資産価値の上昇時に大きなリターンを期待できる。

 

〈投資信託を購入した場合の例〉

 

※掲載している情報は、2023年3月13日までに編集部が入手したデータや、監修者および編集部の主観に基づきます。投資行為や資産運用による利益を、監修者および編集部が保証するものではありません。
すべての最終判断は個人の責任で、よく考えて行ってください。

スマホ1台でサクッと完結! 簡単&シンプル「スマホ向け証券」の始め方

いざ投資を始めるに際して、運用する証券会社選びでつまずきたくない。それならまずは、手数料水準が低く、必要十分な機能と取扱商品のみが厳選されている「スマホ向け証券」を検討しよう。本記事では、経済ジャーナリストの頼藤太希さんによる、スマホ向け証券の口座開設方法や注目すべきサービスについてご紹介しよう。

※こちらは「GetNavi」 2023年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が教えます

経済ジャーナリスト 頼藤太希さん

Money&You代表取締役、中央大学客員講師。19万部超のベストセラー「はじめてのNISA&iDeCo」(成美堂出版)など、投資関連の著書多数。YouTube「Money&You TV」でもお金の情報を発信中。

 

口座開設無料で手軽なスマホ向け証券が初心者にオススメ!

スマホ向け証券は、スマホでの利用に最適化した明快なUI/UX(※)で、初心者にオススメ。NISAとiDeCoの対応/非対応や、米国株式のラインナップなど、購入したい商品の取り扱い状況も考慮して検討しましょう。口座開設が無料で時間もかからないので、複数使ってみるのも◎。

※ UIとは、アプリのデザインなど、ユーザーの視覚に触れる情報であるユーザーインターフェイスのこと。UXとは、「利用方法がわかりやすいので再度利用したい」など、サービスを通じてユーザーが獲得する経験であるユーザーエクスペリエンスのこと

 

スマホ向け証券の特徴

◎…必要十分な機能で、メニューが見やすく操作も簡単

◯…ほぼすべての機能をスマホで利用できる

△…NISA、iDeCoに非対応の場合や、取扱本数が少ない傾向

 

ネット証券の特徴

◎…NISA、iDeCoはもちろん、人気の米国株式なども潤沢

◯…豊富な機能を備えるが、初心者には難しく感じることも

△…一部の機能はPC版サイトのみ用意

 

スマホ向け証券の始め方

LINE証券を例に投資家デビューまでの流れを解説!

 

【STEP1 口座開設】わずか3ステップで申込が完了し最短翌日に取引可能

口座開設ページを開き、確認事項の入力、携帯電話の認証、本人確認書類の提出の3ステップだけで申込手続きは完了。本人確認書類の提出の際、手元にマイナンバーカードがあれば時短可能だ。

 

↑マイナンバーカードの情報を自動で読み取る機能を提供。本人確認書類の撮影とアップロード、自撮り、住所などの入力をスキップできる

 

【STEP2 入金】インターネットバンキングなど4パターンから選ぶ

アカウントページの「入金」→入金方法の選択→金額の入力と進む。なお、銀行口座から振込の場合、名義は証券口座と同じでなければならない。旧姓の銀行口座からの入金や、家族間の入金も不可だ。

 

【STEP3 商品を探す】キーワード検索やカテゴリ絞り込みで銘柄を探す

口座開設と入金が済んだら、いつでもどこでも取引可能。名称での検索に加え、「つみたてNISA対応」「つみたてオススメ」といったカテゴリの絞り込み機能、1分間の商品紹介動画も活用しよう。

 

【STEP4 購入】購入金額を入力して重要書類に目を通す

購入する銘柄が決まったら、「買う」もしくは「つみたて」へ進む。購入金額を入力し、分配金コースを選択、内容の最終確認をして注文完了。注文状況や取引履歴はマイページで確認できる。

 

【まとめ】初心者が迷う口座開設や取引が簡潔で敷居が低い

本人確認などを手間に感じやすい口座開設フローもスピーディに済み、投資を始めるハードルを下げてくれる。LIアプリから最短6タップで購入できるなど、投資経験がなくても迷わずに取引可能だ。スマホ1台あればどこでもOKで、100円からの少額投資もできる。練習のつもりで触れてみるのも良い。

 

スマホ向け証券・ネット証券サービス早見表

主要な「スマホ向け証券」4社と「ネット証券」3社を紹介。銀行や対面式の証券会社よりも手数料は低い。取扱銘柄や使い勝手も吟味しよう。

 

【LINE証券】日中忙しい人でもリアルタイム取引が容易

つみたてNISA取扱本数 9本●3月7日現在

iDeCo取扱本数 24本●3月7日現在

米国株式取扱本数 取扱なし●CFD取引と投資信託では取り扱いがある。(3月7日現在)

取引最小単位 100円(投資信託)/1株(いちかぶ)

取引手数料 現物取引55円(約定代金5万円の場合)/スプレッド(※1)0.35〜1.0%(いちかぶの場合)

特徴

LINE Financialと野村ホールディングスが共同で設立したスマホ向け証券。一般的には平日17時までのところ、平日21時までの注文が当日中に約定する(ETFは除く)。1500銘柄以上が1株単位で取引できる「いちかぶ」(単元未満株)など、初心者にやさしいサービスが充実。株式が最大7%OFFで注文できる「株のタイムセール」もおトクだ。

 

【PayPay証券】誰もが知る有名企業の銘柄でも手軽に購入

つみたてNISA取扱本数 取扱なし●3月7日現在

iDeCo取扱本数 取扱なし●3月7日現在

米国株式取扱本数 147本

取引最小単位 1000円

取引手数料 現物取引525円(約定代金5万円の場合)/スプレッド(※1)0.5〜1.0%(売買時の単価に対して加減)

特徴

日本初のスマホ証券。3タップで株を売買できるのが特徴的だ。国内株式、米国株式を、株価にかかわらず1000円から購入可能。有名企業を中心に取り扱っており、高額な銘柄でも少額から投資できるのがうれしい。積立投資も1000円からOKだ。同社別アプリでは、「PayPayマネー」で100円から有価証券の買付ができるサービスも展開する。

 

【CONNECT】スマホ専業で唯一一般NISAつみたてNISA、iDeCoに対応

つみたてNISA取扱本数 16本●3月7日現在

iDeCo取扱本数 22本●3月7日現在

米国株式取扱本数 60本●ひな株USA取扱本数。(3月7日現在)

取引最小単位 100円(まいにち投信)/1株(ひな株、ひな株USA)

取引手数料現物取引無料(月10回まで。以後約定代金の0.033%、上限660円)/スプレッド(※1)0.5%(ひな株の場合)

特長

大和証券グループが手掛けるスマホ専業証券。国内株式を100株単位で取引する現物取引のほか、日本企業に1株から投資ができる「ひな株」(単元未満株)や、日本時間で9時〜17時まで米国株式を取引できる「ひな株USA」、IPO(新規公開株)など取扱商品と機能が充実。Pontaポイントとdポイントが使えて貯まるポイント投資にも対応する。

 

【STREAM】手数料無料のみならず通常よりも有利な価格に

つみたてNISA取扱本数 取扱なし●3月7日現在

iDeCo取扱本数 取扱なし●3月7日現在

米国株式取扱本数110本●3月7日現在

取引最小単位1単元100株

取引手数料無料(SMART取引の場合、有利となった差額の半分が手数料)

特徴

NISAやiDeCoには非対応だが、国内株式と米国株式の本格的な取引に最適なスマホ向け証券。取引手数料が無料なうえ、ダークプール(証券取引所に発注せず、ほかの株式注文と付け合わせて取引を成立させる方法)を利用した「SMART取引」では、東証よりも有利な価格で約定する場合がある。SNS機能で情報交換ができるのもユニーク。

 

【楽天証券】口座数首位のネット証券が少額投資のサービスを拡充

つみたてNISA取扱本数 187本●3月7日現在

iDeCo取扱本数 32本●3月7日現在

米国株式取扱本数 4943本●3月7日現在

取引最小単位 100円(投資信託)/1株(かぶミニ)

取引手数料 現物取引55円(約定代金5万円の場合、1約定制。国内株式の単元株取引において)

特徴

口座開設数は800万以上でトップ(2022年12月末時点)を走るネット証券。口座開設とログインをするだけで「日経テレコン(楽天証券版)」が購読できるのもうれしい。23年4月には新たに、国内株式(単元未満株)を1株からリアルタイム取引できる「かぶミニ」(※2)を開始。「かぶミニ」は一般NISAや統合NISAでも利用できる。

 

【SBI証券】投資信託の運用に適した各種サービスで支持を集める

つみたてNISA取扱本数 188本●3月7日現在

iDeCo取扱本数 35本●SBI証券セレクトプラン取扱本数。3月7日現在

米国株式取扱本数 5617本●3月13日現在

取引最小単位 100円(投資信託)/1株(単元未満株)

取引手数料 現物取引55円(約定代金5万円の場合、1約定制。国内株式の単元株取引において)

特徴

グループ全体の口座開設総数は950万超を誇るネット証券。つみたてNISA対応のクレカ投資や、投資信託の購入代金の一部にTポイント、Vポイント、Pontaポイントを充てられるなど、サービスの使い勝手は上々。なお、人気の投資信託「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」(※)は、SBI証券限定の取り扱いだ。

※ CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンド

 

【マネックス証券】外国株やIPOを狙うなら口座開設しておきたい

つみたてNISA取扱本数163本●3月9日現在

iDeCo取扱本数 27本●3月9日現在

米国株式取扱本数 4906本●3月9日現在

取引最小単位 100円(投資信託)/1株(ワン株)

取引手数料 現物取引55円(約定代金5万円の場合、1約定制。国内株式の単元株取引において)

特徴

外国株式(米国株式と中国株式)の売買にオススメなネット証券。取扱本数が多く、為替手数料などを加味するとほかの大手ネット証券よりも割安で取引ができる。また、IPO(新規公開株)の取引では、預かり資産や取引実績に応じて当選確率が優遇される証券会社が多いなか、資金に関係なく完全平等抽選を採用している点も特筆だ。

※1 取引価格に取引手数料相当を含む ※2 かぶミニの買付手数料は無料(0円)。手数料と別にスプレッドがある

2000文字で要点解説!「iDeCo」で所得税や住民税を節税しながら強制貯蓄のポイント

老後2000万円問題を不安視するなら、iDeCoを活用して、公的年金に上乗せできる老後資金を用意しましょう。毎月の拠出額次第では、所得税・住民税の節税効果も非常に大きいのもポイントです。本記事では、iDeCoの口座開設ステップと職業別の拠出限度額について経済ジャーナリストの頼藤太希さんに教えていただきました!

※こちらは「GetNavi」 2023年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が教えます

経済ジャーナリスト 頼藤太希さん

Money&You代表取締役、中央大学客員講師。19万部超のベストセラー「はじめてのNISA&iDeCo」(成美堂出版)など、投資関連の著書多数。YouTube「Money&You TV」でもお金の情報を発信中。

 

節税効果にあやかりながら老後資金を作る

What is iDeCo (イデコ)
(個人型確定拠出年金)

年金の不足ぶんを補うための制度。
掛金が全額所得控除になり、所得税や住民税を節税できる。さらに運用益は非課税、受取時には退職所得控除または公的年金等控除、と3つの税制優遇を享受できる。

 

iDeCo最大のメリットは、資産形成をしながら節税ができることです。加入している年金の種類により拠出限度額は細分化しているので、どのくらいの恩恵があるのかチェックが必要です。

 

よく「NISAとiDeCo、どっちが良い?」という質問を受けます。月10万円以上を充てられるなら、併用を推奨。所得が多ければ、節税の効果も一層増します。月1万円ほどなら、自身の年齢や性格も判断材料です。老後資金を作りたいけれど半ばで切り崩すのが心配なら、iDeCoを検討。60歳まで引き出せないこともある種のメリットです。一方、ライフステージに合わせて徐々に切り崩したい場合は、NISA一択です。

 

投資信託のほか、定期預金と保険も投資対象ですが、商品の選び方はNISAと同じで大丈夫。優良な投資信託で、長期・分散・積立を実践しましょう。

 

iDeCoの職業別 拠出限度額

自営業・フリーランスの場合

拠出限度額 6万8000円/月
1年間の節税額 課税所得300万円の場合
最大 16万3200円

国民年金のみの受給の場合、令和5年時点で月約6万8000円(満額の場合)。今後の大幅増の期待も薄いので、iDeCoで老後の資金を確保したい。掛金は年間最大81万6000円で、同じく所得控除となる小規模企業共済を併用すると効果大。

 

年末調整による還付金をプチボーナスとして楽しもう

会社員(企業年金なし)の場合

拠出限度額 2万3000円/月
1年間の節税額 年収600万円の場合
最大 5万5200円

会社員にとって、iDeCoは数少ない節税対策のひとつなのでぜひ活用したい。厚生年金に上乗せする“三階建て部分”のため、多少のリスクを取りながら積極的に増やす商品を選ぶのも良い。最大拠出額は勤務先の企業年金制度によって異なる。

 

節税効果は一部の人のみ投資の一環として活用!

パート・専業主婦(主夫)の場合

拠出限度額 2万3000円/月
1年間の節税額 年収200万円の場合
最大 4万1400円

パートや専業主婦の場合、節税効果は限定的。扶養の範囲で働いた場合、103万円以上(住民税は約100万円以上)の年収の場合に税金が控除される。自分用の年金を確保するための投資を主な目的に、積極運用する商品を選ぶのも良いだろう。

 

物価上昇時の対策としてインフレに強い商品を

公務員の場合

拠出限度額 1万2000円/月
1年間の節税額 年収600万円の場合
最大 2万8800円

共済年金が厚生年金に一本化され、老後の保障が縮小した公務員では、補填策としてiDeCoを利用するのもオススメ。拠出限度額が低いことや、インフレ時の昇給率の遅さなどを考慮し、株式やREITで積極運用する商品を選ぶのも一案だ。

 

iDeCoの口座開設STEP

【STEP1】 申込書の取り寄せ、返送

加入申込は証券会社で行う。
まずは「個人型年金加入申出書」(下図参照)を記入・返送。証券会社によって、運用可能な商品の種類や運営管理手数料が異なるので、資料を確認して証券会社を選ぼう。月々の掛金は5000円以上、1000円単位で決められる。

 

【STEP2】 加入審査

会社員や公務員の場合、勤務先が記入した証明書類とともに、証券会社に申込書を提出。証券会社経由で国民年金基金連合会へと送られる。加入資格の確認・審査が行われ、1~2か月で口座開設が完了。通知書等の書類とともに、IDやパスワードが届く。

 

【STEP3】 初期設定を行う

口座の開設が完了したら、iDeCoの管理画面にログインして、どの商品に拠出するか初期設定を行おう。掛金をどの商品で運用するか、1%単位で配分指定を行う。一定期間指定をしないと、証券会社が指定する商品が自動的に購入されるので注意したい。

投資信託・iDeCo・ロボアド、いまさら聞けない基礎の基礎〜知識ゼロでもトクする投資のハナシ【後編】

前回に続き、投資初心者の疑問や不安を解消し、効率良く資産を運用するコツを解説。今回は、投資信託、iDeCo、ロボアドバイザーの“はじめの一歩”をそれぞれ紹介していく。

 

【前編の記事

【中編の記事

 

【投資信託】はじめの4銘柄

多くのネット証券で100円から購入でき、少額投資をはじめるのに相応しい金融商品が投資信託だ。初心者が購入するのに最適な投資信託の銘柄は何か。プロにレクチャーしてもらった。

【解説する人】

ファンドアナリスト

篠田尚子さん

ファンド分析のスペシャリスト。楽天証券経済研究所所属。様々なメディアで投資信託に関するコメントを手掛けるほか、資産形成セミナーの講師を務める。

 

分散して運用し積極的に資産を増やす

プロに運用を一任し、分散投資できるのが投資信託の魅力。大きく4つの型(ページ下段参照)に分けられるが、銘柄は約5000もあり、すべて吟味するのは不可能。初心者はどんな基準で選べば良いか、ファンドのプロ・篠田尚子さんに聞いた。

 

つみたてNISA対応の銘柄から選ぶのがオススメ。長期で積み立てて、資産を増やす前提で設計された商品が多いからです」(篠田さん)

 

つみたてNISAは月100円から積み立てられるネット証券も多く、初心者もはじめやすい。以下では、注目の銘柄も選んでもらった。

 

「長期にわたって安定的に資産を築くため、投資対象が広く分散されている投資信託を選びました。つみたてNISAで購入すればノーロードなので、コスト面でも有利。複数銘柄に投資するのも間違いではありませんが、構成資産の重複が少なくなるように内容を確認しましょう」(篠田さん)

 

つみたてNISA対応&手数料ナシ! いま選びたい投信はコレ!

●出典:チャート画像は楽天証券ホームページより。基準価額・SPECは2021年4月1日更新時点

【1】 アメリカのほぼ全株式に分散投資可能

楽天投信投資顧問

楽天・全米株式インデックス・ファンド

「年によって浮き沈みはありますが、着実に右肩上がりを続けるアメリカの株式市場。そこに上場している銘柄のほぼすべてに当たる約3600銘柄に投資できます。ファンドの実質的な管理費用が0.162%とローコストなのもポイント」(篠田さん)

SPEC●管理費用(信託報酬含む):0.162%●純資産総額:2346.61億円●リターン(年率):6か月65.48 %/1年57.26%/3年17.54%●約定日:申込日の翌営業日の基準価額

 

[2] 全世界の株式に分散投資できる投資信託

楽天投信投資顧問

楽天・全世界株式インデックス・ファンド

「アメリカやEU、日本などの先進国だけでなく、新興国を含む全世界の株式約8000銘柄に実質的に投資ができるインデックス型ファンドです。大型株だけでなく、中型株や小型株も組み入れ、成長性も望めます!」(篠田さん)

SPEC●管理費用(信託報酬含む):0.212%●純資産総額:833.72億円●リターン(年率):6か月62.72%/1年52.87%/3年12.87%●約定日:申込日の翌営業日の基準価額

 

[3] 債券中心で株価下落時にも安定のパフォーマンス

アセットマネジメントOne

たわらノーロード最適化バランス(安定成長型)

「国内外の債券や株式を中心に、バランスの良いポートフォリオで運用するファンドです。債券の比率が70%以上のため、市場の下落局面でも安定したパフォーマンスを発揮。浮き沈みが少なく安心して保有できるのがメリットです」(篠田さん)

SPEC●管理費用(信託報酬含む):0.55%●純資産総額:1.23 億円●リターン(年率):6か月16.47%/1年15.24%/3年5.72%●約定日:申込日の翌営業日の基準価額

 

[4] 株主還元に積極的な日本株を選んで投資

日興アセットマネジメント

年金積立 Jグロース

「日本市場に投資するなら、バブル崩壊以降スムーズに上がらないインデックス連動型よりも、成長企業を選定するアクティブ型がオススメ。本ファンドは、株主還元に積極的な株式を厳選し、長期にわたり安定的なリターンを出しています」(篠田さん)

SPEC●管理費用(信託報酬含む):0.902%●純資産総額:417.50億円●リターン(年率):6か月49.64%/1年51.84%/3年11.06%●約定日:申込日の基準価額

 

押さえておきたい! 投資信託の銘柄のカテゴリ

[インデックス型]

格付会社などが算出する株価指数(インデックス)に連動することを目指すファンド。代表的な指数には、日経平均株価(日経225)やNYダウ工業株30種、S&P500などがある。

[債券型]

国内外の公社債に投資。ローリスク・ローリターンだが、信用格付の低い債券に投資して高いリターンを目指すファンドも。つみたてNISAには債券のみを対象にした商品はない。

[アクティブ型]

市場平均より高いパフォーマンスを上げることを目標に銘柄を選定して投資する。上昇時に高い利益を得るだけでなく、下落時のショック緩和を目指すファンドもある。

[バランス型]

株式や債券、REITなど、複数の資産に分散して投資。アセットアロケーションを分散させることでリスク軽減を期待できるが、インデックス型に比べ、一般的に運用コストが高い。

効果絶大!【iDeCo】で税金対策

運用益が非課税になるだけでなく、掛金が全額所得控除になることで、確実に減税の恩恵を得られるiDeCo。ここでは、制度の概要や職業ごとに異なる節税効果を具体的に見ていこう。

 

運用益が非課税なのに加え拠出額は全額所得控除

iDeCoは、毎月一定額を積み立て、拠出金と運用差益を一括または年金として分割で受け取る仕組みだ。掛金の拠出は60歳(2022年5月以降、国民年金被保険者は65歳)まで。NISAと同様に運用益が非課税で、効率良く老後の資産を形成できる

 

もうひとつのメリットは、拠出金の全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が安くなること。年末調整によって所得税が還付され、翌年の住民税の負担が軽減される。節税額は年間の拠出額の15〜60%にも上り、税金対策として効果は絶大。前出の篠田尚子さんも「最初にはじめるべき制度」であると太鼓判を押す。

 

iDeCoでの運用先の商品は、国内外の株式に投資して積極的に増やす商品から、元本確保型の定期預金まで種類が豊富。自分の方針に合わせて資産を運用できる。

 

↑iDeCoの公式サイトでは、運用のシミュレーションや、節税額を算出可能。職業ごとの拠出限度額は以下を参照

 

【Case 1】会社員の場合

年末調整による還付金をプチボーナスとして楽しもう

会社員にとって、iDeCoは数少ない税金対策のひとつなのでぜひ活用したい。厚生年金に上乗せする“三階建て部分”のため、多少のリスクをとりながら積極的に増やす商品を選ぶのも良い。最大拠出額は勤務先の企業年金制度によって異なる。

拠出限度額:2万3000円/月

1年間の節税額(年収600万円の場合):最大5万5200円

 

【Case 2】自営業・フリーランスの場合

拠出限度額が大きいから絶大な節税効果を得られる!

国民年金のみの受給の場合、令和3年時点で月約6万5000円(満額の場合)。今後の大幅増の期待も薄いので、iDeCoで老後の資金を確保したい。掛金は年間最大81万6000円で、同じく所得控除となる小規模企業共済を併用すると効果大。

拠出限度額:6万8000円/月

1年間の節税額(課税所得600万円の場合):最大24万4800円

 

【Case 3】公務員の場合

物価上昇時の対策としてインフレに強い商品を

共済年金が厚生年金に一本化され、老後の保障が縮小した公務員では、補填策としてiDeCoを利用するのもオススメ。拠出限度額が低いことや、インフレ時の昇給率の遅さなどを考慮し、株式やREITで積極運用する商品を選ぶのも一案だ。

拠出限度額:1万2000円/月

1年間の節税額(年収600万円の場合):最大2万8800円

 

【Case4】 パート・専業主婦(主夫)の場合

節税効果は一部の人のみ投資の一環として活用!

パートや専業主婦の場合、節税効果は限定的。扶養の範囲で働いた場合、103万円以上(住民税は約100万円以上)の年収の場合に税金が控除される。自分用の年金を確保するための投資を主な目的に、積極運用する商品を選ぶのも良いだろう。

拠出限度額:2万3000円/月

1年間の節税額(年収129万円の場合):最大3万9000円

 

iDeCoの口座開設STEP

[STEP1] 申込書の取り寄せ・返送

加入申込は証券会社に行う。証券会社によって、運用可能な商品の種類や運営管理手数料が異なるので、資料を確認して証券会社を選ぼう。月々の掛金は5000円以上、1000円単位で決める。

 

[STEP2] 加入審査

会社員や公務員の場合、勤務先が記入した証明書類とともに、証券会社に申込書を提出。証券会社経由で国民年金基金連合会へと送られる。加入資格の確認・審査が行われ、1〜2か月で開設が完了する。

 

[STEP3] 初期設定を行う

口座の開設が完了したら、iDeCoの管理画面にログインして、どの商品に拠出するか初期設定を行おう。一定期間指定をしないと、証券会社が指定する商品が自動的に購入されるので注意したい。

おまかせ運用なら【ロボアドバイザー】

投資初心者に人気のロボアドバイザーは、簡単な質問に答えて口座に入金するだけで、一人ひとりのライフスタイルにあった“ほったらかし”投資が可能。その特徴と魅力を詳しく紹介する。

 

最適なポートフォリオをローコストで運用できる

投資をはじめる際、最初のハードルが商品選びだ。ハイリターンを目指して成長株式を多く含む投資信託を購入するのか、安定した運用益を期待して債券を多く含む金融商品を購入するのか……。検討することは多岐にわたる。その選択に迷い、実際に投資をはじめられないことも多い。

 

ロボアドバイザーは、そのような悩みを解決してくれる。運用期間や投資資金の性質などの質問に答えると、リスクに対する許容度を自動で判定し、最適なポートフォリオを作成。あとは、ほったらかしておけば、資産バランスの調整も全自動で行ってくれる。

 

運用手数料は、預け入れ資産に対して年間1%程度とローコストなのも大きなメリット。ロボアドバイザーは、投資を気軽にはじめられるサービスとしてオススメだ。

 

↑資産の運用成績によって、ポートフォリオの割合が変化すると自動でリバランスされるのもロボアドバイザーのメリット。画像はWealthNaviのイメージ

 

ロボアドバイザーのはじめ方と運用方法

[STEP1] 質問に答えて運用プランを決定

年齢や年収、金融資産の総額、運用の目的など、簡単な5つの質問に答えていこう。運用プランが提案され、毎月積立投資をした場合の予想される資産額が計算される。

 

[STEP2] ポートフォリオを自動構成後入金して運用開始

●画像はイメージ

ポートフォリオが自動で構成される。内容を確認し、問題がなければ口座開設を申し込もう。申請後、最短2営業日で開設完了。10万円以上を入金すると運用がはじまる。

 

初心者にオススメのロボアドバイザー

【1】ロボアドで初めてNISAに対応!効率的に資産を運用できる

●画像はイメージ

ウェルスナビ

WealthNavi

10万円〜運用可能

預かり資産が4000億円を突破した、日本最大のロボアドバイザー。ノーベル賞受賞者が提唱する理論に基づき、世界50か国1万1000銘柄に分散投資できる。ロボアドでは初の一般NISAに対応。年間120万円の非課税運用枠の運用益に対して、5年間非課税となる。手数料は年率1.1%(※)。

※預かり資産3000万円を超える部分に対しては0.55% 

【2】下落時のリスクを軽減する「AIアシスト」機能を搭載

●画像はイメージ

お金のデザイン

THEO

10万円〜運用可能

231パターンから最適なポートフォリオを構成。AIが市場データなどを分析する「AIアシスト」機能を搭載し、下落を予測してリスクを軽減するのが頼もしい。THEO+[テオプラス]なら、1万円の少額から運用可能(※)。

※銀行や携帯電話会社などと協業して提供するロボアドバイザー

 

【3】1万円から投資可能!投資方針は性格から決める

楽天証券

楽ラップ

1万円〜運用可能

1万円の少額から運用をはじめられる。心理テストのような設問で性格を分析し、リスクの許容度を測るのがユニーク。管理費用は固定報酬型と、基本手数料を抑えて利益の発生時に上乗せする成功報酬併用型を選択可能だ。

 

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです

※表のデータは2021年4月1日時点の情報です

文/星 政明 イラスト/勝間田しげる 監修/篠田尚子

少額投資にオススメの「証券会社」6選〜知識ゼロでもトクする投資のハナシ【中編】

前回に続き、投資初心者の疑問や不安を解消し、効率良く資産を運用するコツを解説。今回は、少額から投資をはじめる初心者でも使いやすい、オススメのネット証券を紹介する。

 

【第1回の記事

 

【1】ユーザー数ナンバーワン!手数料はネット証券最安級

「かんたん積立」アプリ画面

SBI証券

口座数600万を突破し、ネット証券のなかでナンバーワン。投資信託を100円から購入でき、原則すべてノーロード。国内ETF119銘柄の売買手数料が無料なのもうれしい。ポイントサービスとの連携を強化し、Tポイントでの投信購入や、積立投資でのVポイント獲得が可能だ。

 

スマホ対応状況 ブラウザ、アプリ
対応ポイント Tポイント、Vポイント(Vポイントは6月30日以降)
投信本数(つみたてNISA対応) 2692(174)
iDeCo銘柄数 34(セレクトプラン)
自動スイープ 対応(住信SBIネット銀行)
ロボアドバイザー あり(WealthNaviと提携)

 

<ココが使いやすい!>

①Tポイントをおトクに使う&貯めるチャンスも!

期間固定ポイントを含むTポイントで投資信託を購入可能。さらに、投資信託の月間平均保有額に対して年率0.1%(※)がTポイントで付与される。

※月間平均保有額が1000万円未満の場合。1000万円以上は年率0.2%相当

 

②三井住友カードの決済でVポイント獲得!

三井住友カードが発行するクレジットカードで投資信託を積立購入すると、0.5%相当のVポイントが還元されておトク。サービス開始は6月30日。

 

【2】楽天カードでの投信積立で1%ポイント獲得可能

●スマホ版投信取引画面

楽天証券

投資信託は100円から購入でき、国内ETF113銘柄の手数料が無料に。株式取引などの手数料の1%ぶんの楽天ポイントが還元されるのも大きな魅力。さらに、投信を楽天ポイントで購入でき、積立では楽天カードでの決済でポイント還元があるなど、楽天グループのサービスと相性抜群だ。

スマホ対応状況 ブラウザ、アプリ
対応ポイント 楽天ポイント
投信本数(つみたてNISA対応) 2699(172)
iDeCo銘柄数 32
自動スイープ 対応(楽天銀行)
ロボアドバイザー あり(楽ラップ)

 

<ココが使いやすい!>

①楽天カードでの決済で楽天ポイント1%還元!

毎月5万円を上限として、投資信託の積立注文の決済方法に楽天カードを利用できる。購入金額に対して1%ぶんの楽天ポイントを付与。積み立てるだけで1%の利益を確保できるのがおトクだ。

 

②楽天ポイントを使えてSPUの対象にもなる!

楽天ポイントで投資信託を購入可能。1P以上のポイントを利用して、500円以上の投資信託取引をすることでSPU+1倍の対象になる(※)。楽天経済圏の利用者なら見逃せないサービスだ。

※: SPUは、楽天グループの利用状況により、楽天市場の利用によるポイント還元が最大15倍になるプログラム。楽天証券のポイントコースを「楽天ポイントコース」に設定する必要がある

 

【3】ロボアドも100円からOK! 分散投資を気軽に

●松井証券「投信アプリ」画面

松井証券

100年の歴史を持ち、日本で業界初となるネット取引をはじめた証券会社。取り扱っている投資信託はすべてノーロード。ロボアドバイザー「投信工房」は100円からはじめられ、電話サポートがあるのも安心。現物個別株の場合、1日の売買代金が50万円までは手数料無料で取引できる。

スマホ対応状況 ブラウザ、アプリ
対応ポイント なし
投信本数(つみたてNISA対応) 1436(168)
iDeCo銘柄数 40
自動スイープ 非対応
ロボアドバイザー あり(投信工房など)

 

<ココが使いやすい!>

①ロボアドでの投資を100円からスタート可能!

「投信工房」は、簡単な8つの質問に答えるだけで、最適な投資資産の組み合わせを提案するロボアドバイザー。最低投資金額は100円で、少額でも気軽に分散投資できるのがうれしい。

 

②ロボアドの手数料が無料で少額でも有利な取引が可能

取り扱い投資信託がすべてノーロードで、少額からはじめやすい。「投信工房」が提案するモデルポートフォリオの信託報酬は年率最大0.38%と、ローコストな運用で効率的に資産を増やせる。

 

小さい単位で購入可能! 株取引入門ならココ!

個別株の取引は、銘柄によって数万円〜数百万円の資金を用意する必要があり、ハードルが高い。気軽に体験してみたいなら、主にスマホでサービスを提供する証券会社を利用しよう。100円からの金額指定や1株単位で売買可能だ。

 

【4】「LINE」アプリで気軽に投資をはじめる!

LINE証券

「LINE」アプリやスマホサイトで取引可能。1株単位で株式やETFを売買できるのが手軽だ。購入時には手数料がかからず、売却時の手数料は、代金が5万円以下の場合99円と、少額投資に有利な手数料体系になっている。LINEポイントを1P=1円で入金できるのも便利だ。

 

【5】手数料は格安で、Tポイントでの投資に対応!

SBIネオモバイル証券

1株から国内株式やETFを売買できる。Tポイントを利用して個別株を購入できるのは、本証券会社だけ。月額サービス利用料は、月間の売買金額50万円まで220円だが、毎月期間固定Tポイント200Pと前月の利用料に応じたTポイントが付与されるため、実質的にほぼ無料だ。

 

【6】株を100円から購入できてdポイントも使える!

日興フロッギー

100円から100円単位で金額を指定して購入できる。100万円以下の場合、手数料は購入時無料、売却時に代金の0.5%の手数料が発生する(※)。dポイントでの投資が可能で、期間・用途限定ポイントも使える。投資に関する読み物が豊富で、記事から株を買える機能がユニークだ。

※:注文金額が100万円を超える場合、売買ともに1%の手数料が発生

 

次回は、投資信託(つみたてNISA含む)、iDeCo、ロボアドバイザーのはじめ方を解説!

 

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです

※表のデータは2021年4月1日時点の情報です

文/星 政明 イラスト/勝間田しげる 監修/篠田尚子

知識ゼロでもホントに「トクする最新投資」【前編】

先行き不安なコロナ禍において、投資に興味を持つ人が急増中。しかしながら、投資初心者には「何からはじめれば良いかわからない」「損をしそうで怖い」などと二の足を踏む人も。今回は、そんな初心者の疑問や不安を解消し、効率良く資産を運用するコツを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです

 

生活費のための資産運用は投信積立からはじめよう

楽天証券によると、2020年は年間133万、2021年は3月までに25万を超える口座開設があり、口座数は500万を突破。コロナ禍において経済的な不安を感じている人、外出自粛によって支出が減少し資産や時間に余裕ができた人……理由は様々だが、新型コロナウイルスがきっかけで投資をはじめる人が増えている。

 

いまはスマホで口座開設が可能なネット証券会社が増え、投資デビューのハードルは低い。しかし、投資初心者は、間違っても個別株やFXで短期での大勝ちを狙わないようにしよう。生活のための資産運用なら、ハイリスク・ハイリターンの投資は避けるのが得策だ。

 

本記事では、主に「投信積立」をオススメしたい。毎月一定額を継続購入する投信積立は、少額からローリスクで運用可能。この積立方式の投資は「ドルコスト平均法」とも呼ばれ、商品の市場価値が高いときは少なく、安いときは多く購入する。これにより平均購入単価が下がり、運用益が上がりやすくなるのだ。

 

昨年のコロナショックを経て徐々に景気は回復しつつあるが、今後の金融マーケットの動向は誰にも予測できない。思い立ったそのときにスタートし、長期投資の恩恵を享受しよう!

 

【楽天証券口座を開設した人の属性変化(年代)】

↑楽天証券が2021年4月に公表した資料によると、2021年に口座を開設した人のうち20〜30代が7割近くに上る。若年層のマネーリテラシーが高まり、「早くから長期で」資産運用を考える人が増えている

 

資産運用中の編集部員が語る投資のメリットはココ!

GetNavi編集部員のなかにもすでに資産運用をスタートしているメンバーがいる。実際に投資をはじめてみてわかったのが、資産が増える以外にも様々なメリットがあることだ。最初は知識ゼロでも運用するうちに理解が深まっていくので、まずは第一歩を踏み出してみるのが吉!

 

様々なライフイベントに向けた安心材料になる!

「結婚前にマイホームを購入し、今後結婚式や子育てなども予定しているので、先取り貯金の代わりとして毎月一定額を投資に回しています。長期ならほぼ確実にプラスになるので、銀行口座に寝かせておくのはもったいない!」(編集部マネー担当)

 

【つみたてNISAで月3.3万円×20年間積み立てた場合】

↑月3.3万円(※)を20年間運用すると、利回りが年率3%の場合、資産は1.3倍以上に。メガバンクの定期預金金利は多くが0.002%なので、銀行預金より断然メリットが大きい

※つみたてNISAの月の限度額は3万3000円(証券会社によっては3万3333円)

 

資産の増減に関わるため世界情勢に詳しくなる!

「基本は毎月一定額を積み立てるだけのほったらかし投資ですが、資産が増減した理由は何なのかを知るために、経済ニュースをよくチェックするようになりました。経済の動きを知ることで世界情勢にも詳しくなれます!」(編集部クルマ担当)

 

【よく利用するサービス】

モーニングスター

My 投資信託

投信や株式の情報、資産管理ができるアプリ。複数のチャートや情報でファンドの内容が総合的にわかる。「気になるカテゴリーの銘柄を調べるのに活用。損益管理しやすいポートフォリオも便利です!」(編集部クルマ担当)

 

次のページでは、投資はじめるうえで押さえておきたいポイントをまとめた。

投資ビギナーの心得

「投資は怖い」という先入観を持つ人もいるかもしれない。しかし、短期で大きな利益を得ようとせず、長期的な目線で運用すればリスクを大きく減らせる。投資初心者が持つべき心構えを解説しよう。

 

【Point 1】長期・分散・積立でリスクを抑える!

将来に向けて資産を形成するためには「長期」「分散」「積立」を意識しよう。金融資産はその時々で価値が上下する。その価格が適正なのかをピンポイントで見極め、売買して利益を上げるのはプロの投資家でも難しい。個人が安定的に資産を運用するためには、長期にわたって資産を分散させ、定期的に積み立てる戦略を取ることが重要となる。

 

[長期]

景気は、好況と不況が交互に訪れる。世界全体で見ると、その波を繰り返しながら経済活動は拡大し、株や不動産などの資産価値は上昇していく。長期にわたって投資を続けることで、利益を得られる期待は高くなるのだ。

 

[分散]

投資には「すべての卵をひとつのカゴに盛るな」という格言がある。投資資産の価値下落リスクを減らすため、資産を分散させるべきという意味だ。投資信託やロボアドバイザーを活用すれば、初心者でも簡単に分散投資できる。

 

[積立]

投資で資産を減らさないコツのひとつは、一気に資金を投入するのではなく、同じ商品を定期的に同額で積立購入すること。価格下落時には同じ投資額で多くの口数を買え、資産価値の上昇時に大きなリターンを期待できる。

 

【Point 2】資産がマイナスになっても焦らない

2020年3月、新型コロナへの不安拡大で、各国の株式市場が暴落。しかし、現在では各国の株価指数は暴落前の高値を続々と更新している。つまり、そこで焦って資産を売った人は損をしたことになる。短期的な値動きに一喜一憂しないことが、成功のポイントだ。

 

【Point 3】100円からでもはじめられるネット証券が使いやすい

大手ネット証券では、投資信託を100円から購入可能。一般NISAやつみたてNISAの口座での購入においても同様だ。また、個別株でも通常は100株単位のところ、1株から購入できるサービスを提供している場合もある。少額から投資をするなら、ネット証券を活用しよう。

<代表的なネット証券>

【Point 4】非課税制度のNISA・iDeCoを最大限活用する

株式・投資信託の売買や配当金で得た利益には、20.315%の税金(所得税+住民税)がかかる。その税金が非課税になる制度が、NISAとiDeCoだ。いずれも売却益や配当、分配金に税金がかからないため、うまく活用することで資産の運用効率が上がる。各制度の概要を理解して、非課税で投資できる恩恵を享受しよう。

 

NISA(ニーサ/少額投資非課税制度)の場合

積極的な投資で資産を増やすならNISAを活用!

NISAには、「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類がある。どちらを利用するのかは申し込み時に選択する必要があり、その年内は変更不可なので、自分に適したタイプを選ぼう。NISAはいつでも売却でき、生活の変化に合わせて現金化可能だ。

[NISAのメリット]

  • 一般NISAの場合、個別株や投資信託、REITなど多彩な商品を選べる
  • 一般NISAの場合5年間、つみたてNISAの場合20年間の配当も含めた運用益が非課税になる

[NISAのデメリット]

  • 未使用枠を翌年以降に繰り越せない

 

iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)の場合

支払い税額を抑えながら老後に備えた資産を形成する

運用益が非課税になるだけでなく、掛金の全額が課税所得から控除されるのが最大のメリット。所得税と住民税の負担が軽くなる。掛金は基本的に毎月5000円以上の一定額を拠出し、自営業は月6万8000円、公務員は月1万2000円など、職業や勤務先の年金制度によって上限額は異なるので、申し込み前に確認しよう。

[iDeCoのメリット]

  • 運用益に税金がかからない
  • 掛金が全額所得控除となり、所得税と住民税が安くなる

[iDeCoのデメリット]

  • 基本的に60歳になるまで積立金を引き出せない
  • 加入時や運用時、受取時に手数料が発生する

 

さらに運用したい人向けに、ロボアドバイザー、投資信託、個別株取引という選択肢も簡単ではあるが、解説しておこう。

ロボアドバイザー】

年収や金融資産、運用スタイルなどに合わせて、自動でポートフォリオを組んで運用してくれる全自動投資サービス。ほったらかしておくだけで、資産の組み替えをしてくれる。自分で下調べする手間を省きたい人にオススメだ。

[ロボアドバイザーのメリット]

  • 資産を簡単に分散できる
  • ほったらかしていても、 リバランスを自動で行う

[ロボアドバイザーのデメリット]

  • インデックス型の投資信託よりも運用コストが高い
  • 最低投資金額が10万円以上のロボアドバイザーも少なくない

 

【投資信託】

投資家から集めた資金を運用して、利益を還元する金融商品。投資対象は株式やREIT、債券など多岐にわたる。ひとつの投資信託内でも複数の商品に投資をしているため、買うだけで広く分散投資をできるのが魅力だ。

[投資信託メリット]

  • 投資のプロに運用を任せられる
  • 資産を簡単に分散できる
  • 100円〜の少額で資産運用をはじめられる

[投資信託のデメリット]

  • 売却の指示から売却価格の決定(約定)までにタイムラグがある
  • 種類が多く、銘柄選びに悩むことがある
  • 運用時にコストがかかる

 

【個別株取引】

上場企業の株式を売買する。ハイリスク・ハイリターンで、株価は1日で10%以上の上下をすることもある。投資単位は100株からだが、証券会社によっては1株単位の売買も可能。自分で銘柄を分析する必要があるため難易度は高い。

[個別株取引のメリット]

  • 高い値上がり益や配当金を目指せる
  • 自分の好きなタイミングで銘柄を売買できる
  • 銘柄によっては、株主優待をもらえる

[個別株取引のデメリット]

  • 銘柄選びが難しい
  • 大きな売却損が発生する恐れがある
  • 株価の値動きが気になって、本業から気が逸れてしまう可能性がある

 

次回は、少額投資にオススメの証券会社を紹介!

 

文/星 政明 イラスト/勝間田しげる 監修/篠田尚子