4人に1人が「カーナビ購入後に後悔」カロッツェリア特設サイトが「購入前のチェックポイント」紹介

カーナビ購入者の4人に1人が「カーナビ購入後に後悔したことがある」――。パイオニアが、カーナビ利用者1000名を対象にした実態調査の結果、複雑な胸の内が明らかになりました。

 

後悔や不満を感じている人のうち、約半数の方が「機能や性能に満足していない」ことを受け、同社はカーナビ選びをサポートするカロッツェリア特設サイト「カーナビも、選ぼう」を公開しました。

↑「カーナビも、選ぼう」特設サイト

 

パイオニアのカーナビ・カーAVブランド「カロッツェリア」の「楽ナビ」シリーズは、「高性能で誰でもカンタンに使えるカーナビ」がコンセプト。ドライブ時間の楽しさと、使いやすさを実現するための機能を搭載しています。「カーナビも、選ぼう」を通じ、自分の車に合ったカーナビ選びをサポートするさまざまなコンテンツを発信することで、カーナビ選びに関わる悩みや不安を解消したいという思いがあります。

 

サイトには、最新カーナビの種類や画面サイズ、ルート案内、さらに「エンタメ」まで含んだ各種機能など、購入前にチェックしておきたいポイントを掲載しています。

 

最初からきちんと選べば、後悔せずに済む?

なお前述の実態調査によると、カーナビ購入者の「後悔・不満を感じた原因」はこのようになっています。

↑後悔・不満を感じた理由は?(「カーナビ利用者の利用実態と心理調査」より)

 

具体的に、不満に感じた「機能・性能」は下記の通りです。

↑現在使っているカーナビで不満を感じていることは?(複数回答/「カーナビ利用者の利用実態と心理調査」より)

 

パイオニアの発表資料によると、次に「購入後により良い商品を見つけた」との回答も多いことから、後悔した人の多くが、しっかりカーナビを選ぶことなく購入している状況がわかるそう。より快適なカーライフを送るためにも、ルート案内をはじめとしたカーナビ本来の機能や性能について、しっかり見極めておきたいですね。

Wi-Fi利用時間が大幅に拡大! 定額で使い放題の車載ルーター「DCT-WR200D」

パイオニアは、ドコモのLTEデータ通信が定額で使い放題になる車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR200D」を発表しました。9月に発売を予定しています。

 

近年、動画や音楽のストリーミングサービス普及にともない、車内でもこれらのオンラインコンテンツを楽しむユーザーが増加しているとのこと。DCT-WR200Dは、こうしたニーズに応え、ドコモユーザーに限らず誰でも手軽に車内でWi-Fiを利用できる製品です。データ通信量を気にすることなく、オンライン動画や音楽、ゲームなどを快適に楽しめます。なお、利用するには車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」のプランに加入する必要があります。プランは1日550円、30日1650円、365日1万3200円(各税込)から選べます。

 

DCT-WR200Dは、前モデルに比べて停車時のWi-Fi利用時間が大幅に拡大。前モデルでは、エンジン始動後最大30分間、走行後最大60分間の利用が可能でしたが、新モデルではこれが最大2時間まで延長されました。

 

利用開始までのステップがわかりやすく記載されたクイックスタートガイドが同梱。スマートフォンを使って簡単に登録やチャージができるため、好きなタイミングですぐに使い始めることができるとのこと。また、車のシガーソケットやUSBポートに接続するだけで設置できます。

 

本体はコンパクトな設計で、縦置き・横置きどちらにも対応しています。これにより、設置場所を選ばず、ほかの車両への乗せ換えも可能です。さらに、USBポートが2系統(Type-A)のUSBシガーチャージャーを採用しており、スマートフォンの同時給電もできます。

車内のオンライン機能が強化! 動画や音楽がもっと楽しめるカロッツェリア「楽ナビ」新機種

パイオニアは、車内オンライン機能に対応したカロッツェリア「楽ナビ」シリーズ13機種を発表しました。発売は6月を予定しています。

 

■製品名

【ネットワークスティック同梱モデル】

・9V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーションネットワークスティックセット

・9V型HD/TV/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーションネットワークスティックセット

・8V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーションネットワークスティックセット

【スタンダードモデル(ネットワークスティック別売り)】

・9V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・9V型HD/TV/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・8V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・8V型HD/TV/Bluetooth/USB/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/TV/Bluetooth/USB/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/TV/Bluetooth/USB/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/Bluetooth/USB/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/Bluetooth/USB/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

 

楽ナビは「高性能で誰でもカンタンに使えるカーナビ」をコンセプトに進化を続けてきた製品。2023年に初のオンライン対応モデルが登場しています。今回のモデルチェンジでは、NTTドコモの車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」による、停車時のWi-Fiスポット利用時間が最大2時間に拡大され、停車中もストレスフリーで、動画や音楽、ゲームといったオンラインコンテンツを楽しむことができます。また、HDMI接続により、カーナビ本体や後席モニターでオンライン動画を大画面で視聴できます。

 

docomo in Car Connectは、3つのプラン(1日550円、30日1650円、365日1万3200円/各税込)が選べます。またネットワークスティック同梱モデルには、1年間の無償使用権が付いており、より手軽に車内Wi-Fiを体験できます。

 

さらに、ドライブをサポートするインターフェース「Doメニュー」を採用。ドライブ中によく使う機能をスムーズに操作できます。「お出かけ検索(オンライン)」では、キーワードや住所、電話番号で最新スポットを検索でき、フリック入力に対応しています。「ダイレクト周辺検索」では駐車場やガソリンスタンドをワンタッチで簡単に検索でき、オンライン接続時には最新のガソリン価格情報も確認できます。

 

ディスプレイは、黒色再現性に優れるNormally Black方式と視野角が広いIPS方式を採用したHDパネルを搭載しています。加えて別売りのHDバックカメラやドライブレコーダーを接続することで、駐車時や走行時の映像を高画質で表示します。

 

ナビゲーション機能も充実しており、「信号機カウント交差点案内」や「ルート探索」機能、リアルタイムの渋滞情報を提供する「スマートループ渋滞情報」なども利用できます。

 

車内のオンライン機能が強化! 動画や音楽がもっと楽しめるカロッツェリア「楽ナビ」新機種

パイオニアは、車内オンライン機能に対応したカロッツェリア「楽ナビ」シリーズ13機種を発表しました。発売は6月を予定しています。

 

■製品名

【ネットワークスティック同梱モデル】

・9V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーションネットワークスティックセット

・9V型HD/TV/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーションネットワークスティックセット

・8V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーションネットワークスティックセット

【スタンダードモデル(ネットワークスティック別売り)】

・9V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・9V型HD/TV/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・8V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・8V型HD/TV/Bluetooth/USB/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/TV/Bluetooth/USB/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/TV/Bluetooth/USB/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/Bluetooth/USB/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

・7V型HD/Bluetooth/USB/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーション

 

楽ナビは「高性能で誰でもカンタンに使えるカーナビ」をコンセプトに進化を続けてきた製品。2023年に初のオンライン対応モデルが登場しています。今回のモデルチェンジでは、NTTドコモの車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」による、停車時のWi-Fiスポット利用時間が最大2時間に拡大され、停車中もストレスフリーで、動画や音楽、ゲームといったオンラインコンテンツを楽しむことができます。また、HDMI接続により、カーナビ本体や後席モニターでオンライン動画を大画面で視聴できます。

 

docomo in Car Connectは、3つのプラン(1日550円、30日1650円、365日1万3200円/各税込)が選べます。またネットワークスティック同梱モデルには、1年間の無償使用権が付いており、より手軽に車内Wi-Fiを体験できます。

 

さらに、ドライブをサポートするインターフェース「Doメニュー」を採用。ドライブ中によく使う機能をスムーズに操作できます。「お出かけ検索(オンライン)」では、キーワードや住所、電話番号で最新スポットを検索でき、フリック入力に対応しています。「ダイレクト周辺検索」では駐車場やガソリンスタンドをワンタッチで簡単に検索でき、オンライン接続時には最新のガソリン価格情報も確認できます。

 

ディスプレイは、黒色再現性に優れるNormally Black方式と視野角が広いIPS方式を採用したHDパネルを搭載しています。加えて別売りのHDバックカメラやドライブレコーダーを接続することで、駐車時や走行時の映像を高画質で表示します。

 

ナビゲーション機能も充実しており、「信号機カウント交差点案内」や「ルート探索」機能、リアルタイムの渋滞情報を提供する「スマートループ渋滞情報」なども利用できます。

 

正直ガジェット・AVとしての実力はどう? その道のプロが最新「サイバーナビ」を試したら……

先進の機能を満載して多くの人を魅了しているカーナビゲーションが、パイオニアのカロッツェリア「サイバーナビ」です。その最新モデルが発売されたのが2023年10月のこと。

 

従来モデルにも備えられていた使い放題のインターネット接続サービスなど、ネットワーク機能はそのままにカーナビ機能を極め、新たにサイバーナビ史上最高峰と言われる高音質設計までも取り込んだ最新型へと進化したのです。

 

でも、いまやスマホのアプリを使えばカーナビだって簡単に使えてしまう時代。先進機能を満載しているとはいえ、サイバーナビは本当に魅力的なのか、懐疑的になる人も少なくないでしょう。

 

そこで今回は、サイバーナビのカーナビ機能を紹介しつつ、デジタルガジェットとしての良さや、史上最高峰となった高音質再生機能を、“その道に詳しい人たち”にチェックしていただくことにしました。

↑試乗車に搭載された最新のサイバーナビを、“その道のプロたち”がチェック

 

まずは基本性能をおさらい

今回取材したのは、サイバーナビの中で最も画面サイズが大きい9V型で、ネットワーク機能を備えた「AVIC-CQ912Ⅲ-DC」です。ラインナップにはほかに8V型モデルや7V型モデルの計8モデルがあり、7V型ではボディサイズを幅200mm/180mmから選ぶことができます。また、全モデルでネットワーク機能対応機を選択できるのもポイントと言えるでしょう。

 

そして、サイバーナビたるゆえんなのがこのネットワーク機能なのです。

 

ネットワーク機能の最大の特徴は、市販カーナビ初の通信量無制限、使い放題のインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」に対応したことにあります。これはドコモの高速データ通信を使ったネットワークサービスで、地図の自動更新やYouTube動画の再生、車内Wi-Fiスポット化といったサービスが無制限でいつでも楽しめるようになるのです。

↑サイバーナビ本体でネットに接続できるうえに、Wi-Fiスポットとしての利用も可能。もちろん、ネットワーク名やパスワードを任意に設定できる

 

しかも、サイバーナビのネットワークスティックを標準付属しているモデルを選べば、最初の1年間は無料で使い放題となる使用権をゲットできます。この1年間、じっくりとdocomo in Car Connectのサービスを使い倒し、それ以降は自分に合ったプランを用意された3つの中(1日550円、1か月1650円、1年1万3200円/各税込)から選べばいいというわけです。

 

加えてサイバーナビ本体にはYouTubeを直接再生できる機能も備わっているので、スマホのように見たい動画を探して好みのコンテンツを再生できます。もちろん、docomo in Car ConnectによるWi-Fiスポットに接続して、同乗者が自分のスマホで楽しんでも構いません。

↑サイバーナビでYouTubeを表示。9V型だと運転席から見える画面はわりと大きく、コンテンツの視認性がいい

 

また、サイバーナビならエンジンさえ動いていれば停車中であってもこのネットワーク機能を楽しめます。なので、車中泊などで利用するのもOK。いろんな使い方ができるのもメリットなのです。

↑休憩中にちょっと動画を楽しんだり、あるいは運転中に音声コンテンツを再生したりと広い用途が考えられる

 

さらに、サイバーナビには出掛けた先で自宅のレコーダーにアクセスできる機能もサポートしています。録画済みの番組を見られるのはもちろんですが、見逃せないのが自宅で受信中の地デジ以外に、スポーツ中継が多いBSやCS放送までも楽しめるところ。スポーツはリアルタイムで見るからこそ価値があるわけで、サイバーナビなら場所にとらわれず、出掛けた先で見られるわけです。

↑自宅のレコーダーにアクセスできるRecorder Accessの画面。スマホアプリで自宅のレコーダー、スマホアプリとサイバーナビ「DiXiM Play for carrozzeria」アプリとそれぞれペアリングし、docomo in Car Connectの通信回線を使えばレコーダーのコンテンツを再生できる

 

こうした便利な機能を備えたサイバーナビですが、ガジェットとしての実力はどうなのか。日々多くのガジェットをレビューしているヤマダユウス型さんがチェックします。

ヤマダユウス型

楽器、カメラ、ゲームなどを好むフリーライター。平時はガジェットに生かされつつも、休日は登山やキャンプで魂を漂白している。最近は塊根植物にハマっている。

 

ディスプレイは精細で操作性が明快。Wi-Fiはゲームも快適(ヤマダユウス型)

まず印象的だったのは、ディスプレイの発色の良さです。解像度は1280×720ドットのHDサイズですが、パネルの光沢感や色の鮮やかさも相まって、非常に精細に感じました。また、昨今は大画面のディスプレイを見る機会も少なくありませんが、画面サイズに対する物足りなさは感じませんでした。

 

視野角も広く、運転席からも助手席からも画面がクッキリと見えます。カーナビは斜め方向から見るのが基本となるので、そこをキッチリ抑えているのはさすが。本モデルはどこから見ても情報を受け取れます。ガジェットのディスプレイスペックで見るとやや控えめですが、カーナビとして見たときにスペック以上の作り込みがなされていることを感じます。

 

操作性やインターフェースのデザインも明快で、初めて本機に触った筆者が説明を受けずとも、設定画面やブラウザー操作までこなすことができました。特に、地名を入力すると検索候補を表示してくれる「サジェスト入力」は、タッチ操作での入力にとっても便利! 音声入力の精度も高く、音声操作とタッチ操作のどちらからもアプローチできるのは、最新ガジェットにも通じるインターフェースでしょう。

 

スマホなどでは当たり前と言えるかもしれませんが、カーナビでも“その当たり前”を実現しているところは注目すべきところです。

 

またWi-Fiスポットにできるユニークな機能を使えば、たとえば自宅で使っているタブレットや、携帯ゲーム機のオンライン対戦などもじっくり楽しむことが可能です。回線速度を測ると下りで約20Mbps、上りで約11Mbpsとなり、動画視聴はもちろんオンラインゲームも快適に楽しめるでしょう。

↑スマホやタブレット、ゲーム機をネットワークに接続できるので、たとえば渋滞にハマってしまっても退屈はしのげそう

 

Wi-Fiスポットの利用に必要なdocomo in Car Connectも利用期間を選べるため、たとえば旅行や帰省のときに3日間だけ利用する、といった柔軟な使い方もできるのは便利だと感じます。

 

高品質なパーツ、最適な音場でたどり着いた史上最高峰の音質

続いて“サイバーナビ史上最高峰の高音質”について紹介しましょう。これは発表されたリリースで、「原音再生にこだわった高音質を実現する設計思想『マスターサウンド・アーキテクチャー』のもと、新『サウンドマスタークロック』をはじめとした高音質パーツを惜しみなく採用し、サイバーナビ史上最高の音質を実現」したというものです。

 

特に注目なのが、デジタルオーディオの要ともなる基準クロック信号の生成において、最新サイバーナビでは従来よりも高品質かつ高精度なものを採用していることです。これがジッターを低減し、音質劣化を抑えてより高品質なサウンドを提供可能としたのです。

↑新しくなったサウンドマスタークロック

 

さらにハイエンドオーディオ機器・プロ用オーディオ機器用の日清紡マイクロデバイス製「MUSES8820」を採用。これは高級オーディオ製品向けに開発されたもので、車載器でありながら、まさに素材からして高音質を徹底して極めたというわけです。

↑高音質オペアンプのMUSES8820。これらの高音質パーツを採用し、“サイバーナビ史上最高峰の高音質”を実現したという

 

ただ、カーオーディオの場合、本体で音作りを極めても取り付けた状態によってその能力を活かせないこともあります。そこで役立つのが、サイバーナビが以前から搭載してきた車内の音響を最適な状態に調整する「オートタイムアライメント&オートイコライザー」です。調整に必要なマイクは別売りとなっていますが、これによってわずか4~5分で取り付けたクルマに最適化した音場をもたらしてくれます。

↑各スピーカーから音が出るタイミングを調整するタイムアライメントの設定画面

 

調整を終えた後でこの効果をON/OFFでチェックしてみるとその違いは歴然! まさにこの機能は高音質化されたサイバーナビの実力を引き出すのに欠かせない機能であることを実感させられます。サイバーナビを取り付けたら、高音質を存分に楽しむためにもぜひ調整しておくことをオススメします。

 

では、これらのこだわりを詰め込んだサイバーナビ史上最高の音質は、具体的にどういった音質なのか。オーディオ・ビジュアル専門のライターである山本敦さんがチェックします。

山本 敦

オーディオビジュアル誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。ハイレゾに音楽配信、スマホなどポータブルオーディオの最先端を徹底探求。海外の展示会取材やメーカー開発者へのインタビューなども数多くこなす。

 

原音に忠実。クルマの中が本格的なオーディオルーム&ホームシアターになる(山本敦)

音質はこれまでパイオニアがオーディオで培ってきた傾向に似て、原音に忠実ですごくピュア。車の中が専用のオーディオルーム、ホームシアターに早変わりします。

 

サウンドはとてもフラットなバランスでむやみな味付けがないぶん、再生する音楽や騒音の多いドライブ環境などによっては低音が若干物足りなく感じるかもしれません。そんなときにはイコライザー機能が活躍してくれます。たとえば「Vocal」を選ぶと歌声が前に出てきますし、「Powerful」に変更すればビートが効くなど、ドライブシーンや楽曲に合わせた音の作り込みができてすごく楽しめます。

↑イコライザーの設定画面。真ん中下でプリセットされている設定を選び、右側の数字でイコライザーの効きを選べる

 

また、ハイレゾ音源にも対応しています。試乗車にはハイレゾ対応スピーカー「TS-C1730SⅡ」が搭載されていることもあり、楽曲の情報量がしっかりと出ていて、クラシックや声楽系の曲でも細かいニュアンスを感じ取れました。パイオニアらしい、ハイレゾ高音質に妥協なくこだわり抜いたシステムと言えます。

↑ハイレゾ音源は主にUSBかSDメモリーカード経由で再生。試乗車ではサイバーナビ液晶の裏側にSDカードスロットがありました

 

一方、普段スマホで聞くようなBluetoothオーディオも、ハイレゾ相当に高音質化する「マスターサウンドリバイブ」のおかげで、音楽配信やビデオのオーディオトラックも断然リッチな音質で聴けます。臨場感がとても豊かで、ひとつひとつの音像を明確にとらえることができます。生々しさがケタ違いです。

↑マスターサウンドリバイブの画面。CDなどの圧縮率の低い音源用の「MODE1」と、圧縮率の高い音源用の「MODE2」が用意されて、音源によって選べる

 

これらに加えて、オートタイムアライメント&オートイコライザーで調整すれば、運転席のポジションに合わせて最高の音質が楽しめます。こうしたオーディオファンの琴線に振れる作り込みはさすがパイオニア。オーディオコンポやホームシアター商品の開発により、培ってきたノウハウがしっかりとカーサウンドにも生きています。

 

通信機能でカーナビ検索が便利になり、地図データの自動更新も

ここからは、カーナビ機能について触れていきましょう。はじめにお伝えしたネットワーク機能の搭載はカーナビ機能にもメリットをもたらします。サイバーナビ内にあるデータ以外に通信機能によるオンラインを活用した便利な目的地検索も実現。「フリーワード音声検索」「フリーワード検索」を用意し、サイバーナビのデータに反映されていない、たとえばオープンしたばかりのスポットなども探し出して目的地に設定できます。

↑フリーワード音声検索は、はっきりと発声すればちゃんと聞き取ってくれるので、たとえばドライブの途中で近くのコンビニなどのスポットを検索する際にも便利

 

ルート案内時には、長年にわたって蓄積してきた膨大な渋滞予測データやリアルタイムの走行・交通情報が「スマートループ渋滞情報」として反映され、ドライバーに最適な情報を提供。専用サーバーの情報を活用して膨大なルート候補から、時間と料金まで考慮して導き出す「スーパールート探索」は、その能力をいかんなく発揮したものと言えるでしょう。

 

地図データもこの通信機能を使って自動で更新してくれます。最新の道路や施設情報を自動でダウンロードしてくれるのはもちろん、費用も最大3年分(最大年6回配信で、期間は発売時~2026年10月31日まで)が無料で付いてきます。

 

また、パイオニア製カーナビをより便利にする会員サービスのMapFanスマートメンバーズに加入すれば、この期間を最大3年から4年(2027年10月31日まで)に延長してくれる特典まで用意されているというからうれしいところです。

↑MapFanスマートメンバーズになると、カーナビの地図や各機能を最新状態で利用できるほか、カーナビの周辺機器をお得に購入できたり、渋滞情報やガソリン価格などをリアルタイムで把握できたりします

 

充実の基本性能にネットワークが加わった新時代のナビ

サイバーナビならではの真骨頂とも言えるのが、カーナビとしての高精度な測位能力。ビルが建て込んだ都会はもちろん、長いトンネルが続いてもサイバーナビは常に正しい位置を表示する優れた能力を備えているのです。

 

たとえば高架道路と下の一般道のどちらを走っているのかも自動的に認識するので、仮に案内されているルートを間違えて高速道路を降りてしまってもすぐに新しいルートで案内してくれます。さらに地下駐車場に入って周回しても出口を見失うことはありません。この優れた能力が運転中の安心感や快適さをもたらし、まさにスマホのナビアプリと決定的に違う点なのです。

 

今回、コメントをいただくのに識者の方と駅周辺で待ち合わせしたわけですが、駅前は開発が古く、道路が狭くて一方通行をうまくクリアしてアプローチする必要がありました。そんな場所でもサイバーナビは分岐ポイントを的確に案内してくれました。

↑カーナビの根幹であるルート案内はもちろん的確

 

サイバーナビはそうしたカーナビとしての基本機能をしっかり押さえ、そこに最先端の技術を取り込んで進化し続けてきたと言えます。しかもそこにはネットワークとリンクする新たな時代のサイバーナビの姿があります。カーライフをもっとグレードアップするにも、サイバーナビは大きな手助けとなることは間違いないでしょう。

カロッツェリアのディスプレイオーディオとナビアプリ「COCCHi」の組み合わせが最強だった! 特に相性が良いのは…?

クルマを運転する際に、ほとんどの人はナビゲーションを利用すると思いますが、その選択肢は多様化しています。一昔前なら、カーナビを使う人が主流でしたが、近年ではスマホのナビアプリなどを使用する人も増え、「Apple CarPlay」や「Android Auto」を介して大画面でアプリ画面を表示できるディスプレイオーディオ(以下、DA)や、音声でナビをしてくれるパイオニアの「NP1」のようなデバイスも登場しています。

 

その中でも、ガジェット好きな人たちの間で 話題となっているのがDAです。そして、このジャンルで高い人気を獲得しているのがパイオニアのカロッツェリア。「楽ナビ」や「サイバーナビ」などのカーナビで知られるブランドですが、DAだけでも複数のラインナップを用意しています。今回試用したのは、そのトップモデルである「DMH-SF700」です。

 

そもそもDAとは? DMH-SF700を選ぶメリット

DAとは、車載のディスプレイにスマホを接続することでアプリを表示できるデバイス。といっても、すべてのアプリが表示されるわけではなく、画面に表示されるのはApple CarPlayやAndroid Autoに対応したものだけです。基本的にはナビアプリやミュージックアプリなど、ドライブ中に使うものが表示されると考えておけばいいでしょう。

↑iPhoneを接続すると表示されるApple CarPlayの画面。Android端末を接続すればAndroid Autoの画面が表示される

 

いわゆるカーナビは端末に内蔵された地図データを表示するので、地図の更新が必要になりますが、DAはスマホのナビアプリを使うため、地図は常に最新のものが利用できるのがメリットです。

 

カロッツェリアのDMH-SF700は、画面がフローティングした構造を採用することで9インチという大きなサイズの画面を実現。スマホの画面に比べて圧倒的に大画面なので、視認性も優れていますし、広い範囲の地図を表示させることができます。ディスプレイはHDの高画質に対応しているため、ナビアプリの地図も高解像度で表示することが可能です。

↑ディスプレイをフローティング構造とすることで大きなサイズを実現。本体は1DINサイズに収まるので幅広い車種に取り付け可能だ

 

↑画面サイズは9インチで、スマホの画面とは比べ物にならない視認性の高さ。地図の表示範囲が広いのもメリット

 

DAの自車位置情報はスマホのGPSを活用しているため、カーナビ専用機に比べて自車位置の精度が低いというデメリットもあります。ただ、DMH-SF700ではそれを補うためにGPSアンテナも装備。車体のセンサーとも接続されるため、位置情報を補正することができます(ただしアプリ側が測位された情報をどのように処理するかはわからないため、位置情報が常に補正されるとは限らないとのこと)。長年カーナビを手掛けてきたブランドらしい気遣いと言えるでしょう。また、DAと相性の良い商品として車載用Wi-Fiルーターも用意されています。試乗車にはそれも装着されていました。

↑スマホのGPSを補うためのGPSセンサーも装着されているので、より精度の高い自車位置の表示に貢献

 

↑カロッツェリアの車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」が装着されているので、クルマをWi-Fiスポットとして活用できる

 

↑Wi-Fiでネット接続することによって、DMH-SF700でAmazon Alexaの機能も使用可能。音声認識中は画面の下端が青く光る

 

カーナビアプリ「COCCHi」との組み合わせが最適解

DAはスマホアプリの画面を表示させるものだけに、ナビゲーション機能についてはアプリに依存することになります。利用者が多いアプリというと「Google Maps」や「Yahoo!カーナビ」がありますが、カロッツェリアを展開するパイオニアでも「COCCHi(コッチ)」というカーナビアプリをリリースしています。昨年9月にリリースされ、今年2月までに20万ダウンロードを達成。カーナビ事業で培ってきたノウハウが反映されたアプリです。

 

アプリ自体は無料でダウンロードすることができますが、Apple CarPlayやAndroid AutoでDAに表示するためには基本プラン月額350円(1か月間無料)の有料登録が必要。有料版になると、複数ルートの選択が可能となるほか、VICSとプローブ情報を反映したスマートループ渋滞情報や、オービス情報の利用、車格別のルート検索などが使えるようになります。

↑DMH-SF700などのDAで利用するためには有料登録が必要。複数の候補からルートを選ぶこともできるようになる

 

↑無料版と有料登録した際に利用できる機能の一覧。駐車場の満空情報の表示や、ニューラル音声による案内も利用できるように

 

COCCHiの持つアドバンテージの1つが、ルート精度の高さです。カロッツェリアブランドで数多くのカーナビを手掛けてきたパイオニアには、時期や時間帯によってどこが混むかといった渋滞情報や、信号ごとの通過時間などのデータが膨大に蓄積されています。そうした情報と最新の渋滞情報などを組み合わせて提案されるルートの信頼性は高く、サーバ上でルートを検索するため、同社のフラッグシップモデル「サイバーナビ」に迫るレベルのルートを利用することができます。

 

実際ドライブしていても、いつもと違うルートで案内されるなと思っていたら、それは渋滞を避けるためのルートだったり、1つ手前の出口で高速道路を出るように促されたら、その先で渋滞が発生していたというようなことが何度かありました。また、地図だけではわかりづらい交差点や高速道路の出入り口などでは拡大表示もされるなど、案内もわかりやすく迷うようなことがありません。

↑どこを走るのか判断しづらい交差点などでは、写真のように拡大図が表示される

 

もう1つ、使ってみて便利だと感じたのは、画面の左上をタッチすると高速道路と一般道を切り替えることができること。筆者がよく通るルートには高速道路の高架下を走る道路があるのですが、そこを走っていると一般道を通っているのにナビアプリでは高速道路を走っている表示になることがあります。そんなときに、ここに触れると一般道でのルートにワンタッチで切り替えることができました。

↑画面左上の高速道路と一般道の切り替えは、役立つシーンは限られるかもしれませんが、かなり便利

 

音声案内も、「次の信号を右です」という案内だけでなく、曲がるべき交差点で「この信号を右です」と案内してくれるなど、かなり親切。複数の車線がある道路で「右寄りの車線がおすすめです」などと、走るべき車線を案内してくれるのも便利でした。ちなみに、音声案内が多いと感じる人には、発話頻度を調整する機能も用意されています。

↑曲がるポイントなどだけでなく、走るべき車線も案内してくれるのは知らない道ではかなり便利

 

誰がDA+スマホカーナビアプリが最適なのか考えてみた

ここまでDAとCOCCHiのメリットについて解説してきましたが、今回のコンボはどんな人に最適なのか考えてみました。

 

■カーナビにコストをかけたくないユーザー

カーナビを必要とするのは、1か月に数回程度という人やカーAV機器にコストをかけたくないという人ならばDA。そもそもカーナビよりも安価で財布にも優しい。カロッツェリアにはコストを極力抑えたい方に向けたモデル「FH-8500DVS」から、このDMH700のようにこだわり層も満足できるモデルもあります。スマホと視認性が変わらないので、スマホ操作性に慣れている人にも使いやすいです。また、走行履歴で得たログデータをもとにCO2排出量やガソリン代金を可視化できるため、そのデータをもとに自身の運転を振り返って環境や財布にも優しい運転につなげていくことも可能。ガジェット好きでスマホカーナビアプリとの最先端を味わいたい人にはおすすめでしょう。

 

■輸入車好きのユーザー

輸入車オーナーにとっては、DA+スマホカーナビアプリの連携によって日本の本格的なナビを使えるメリットが大きいと思います。輸入車の純正カーナビは日本に最適化されていないことが多く、例えばフォルクスワーゲンやBMWなどの純正ナビだと高速道路のインターチェンジやパーキングエリアの案内パネルが表示されないといったことがあるからです。

 

■エンタメ好きなユーザー

DAは「Googleアシスタント」や「Siri」など音声アシスタントにも対応しており、聴きたい音楽の再生やカーナビアプリの目的地設定、簡単なメッセージの送信など様々な操作が音声で可能です。ドライバーの余計な画面タッチが減り、「ながら運転」による事故の危険性も減らせます。特にSF700は、9インチの大画面なので見やすさも抜群!

 

まとめ

筆者は、過去に様々なカーナビを使ってきましたが、近年はスマホのナビアプリを主に使用しています。いわば、カーナビ派からスマホ派に乗り換えた者で、ナビアプリもいくつかの種類を試してきました。そんな目から見ても、DMH-SF700とCOCCHiの組み合わせは、かなり”最強”に近いと感じます。ルートの信頼性や案内のきめ細かさ、そして長年のカーナビ開発で培ってきたドライバーへの配慮はかなり高いレベル。カーナビを使っていて、地図更新などにわずらわしさを感じている人や、スマホのナビアプリでは案内が今ひとつ物足りないと感じている人には、一度試して欲しいと思える完成度です。

 

↑COCCHiはドライバーアシストと呼ばれる機能も用意。駐車場やガソリンスタンド、トイレなどドライブ中に探したくなることが多いスポットを素早く検索できる

 

ただ、この組み合わせにも欠点がないわけではありません。それは、目的地検索の使い勝手。住所などまでわかっている場合は問題ありませんが、あまり有名ではないスポットを名称で検索しても、見つけ出せない場合がありました。Googleなどスマホでのスポット検索を使い慣れていると、この辺りは不満に感じるかもしれません。

 

検索機能が劣っていることはパイオニアでも把握しているようで、Googleで検索した結果をCOCCHiに転送できる機能が用意されています。検索と、ルート設定や案内など、それぞれの得意分野を活用することができます。

 

最後に1つ触れておきたいのが、DMH-SF700で音楽再生した際の音質の良さです。ドライブ中はスマホに保存してある音楽を聴くことが多いのですが、同じ音源のはずなのにDMH-SF700で聴くと解像度がかなり高くなっていることが感じられました。実はDAのフラッグシップモデルだけあって、ノイズを処理するDSPやパワーアンプ部のコンデンサなどにはかなり高品質のパーツを採用しているとのこと。

 

また、圧縮音源をハイレゾ音源相当で再生する「マスターサウンドリバイブ」機能も搭載しているので、いつもの音源でも高音質で楽しむことができます。ドライブ中の音楽は気分を高めるためにも重要と考える人は、一度味わってもらいたい音質です。

 

現在COCCHiは、パイオニア製ディスプレイオーディオ購入者対象の6か月無料キャンペーンを行っています。

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撮影/松川 忍

 

 

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90年代から「音声入力」を提案していた。「楽ナビ」25周年をデジタルの歴史に重ねると面白いことだらけだった

提供:パイオニア株式会社

今から26年前の1998年にローンチし、2023年で25周年目を迎えたカロッツェリア「楽ナビ」。実はモノ・コト情報誌「GetNavi」も2024年で創刊25周年を迎えました。ほぼ同じ時代をくぐり抜け、共通しているのは互いにデジタルが進化する課程の中で育ってきていること。そこで楽ナビの誕生から現在までを5モデルに絞り、デジタル関連の時代背景と共に振り返ってみることにしました。

 

 

1990年代はデジタルがクルマにも広く浸透し始めた時代

楽ナビが登場した1990年代は、デジタルの波が車載器にも押し寄せた時代。そうした中でGPS衛星からの電波を受信し測位する、いわゆる“GPSカーナビ”が誕生します。それが1990年にパイオニアが市販モデル初のGPSカーナビとして発売した、カロッツェリア「AVIC-1」でした。

 

それまでのカーナビは、使う前に必ず現在地を地図上に設定する必要がありましたが、このGPSカーナビの登場により、現在地はいつでも正しい位置に表示できるように進化。ここからGPSカーナビの歴史はスタートしたのです。ただ、AVIC-1は目的地検索ができないため、“カーナビ”というよりも正確な現在地を地図上に表示する“電子マップ”としての性格が強かったとも言えるでしょう。

 

その後、1990年後半から91年にかけて、ルートガイドを搭載したカーナビが自動車メーカーから登場します。これをきっかけとして、ルートガイドを伴った本当の意味でのカーナビの機能競争が始まることとなったのです。

 

【1998年】タクシーに乗るように目的地を音声で告げるだけ。楽ナビ「AVIC-500」

ただ、ルート案内を備えてカーナビ機能は向上したものの、その機能をうまく使いこなせない人が少なからず存在していました。カーナビでルート案内をするには目的地設定は欠かせませんが、当時はメニューを開いてカテゴリーで絞り込んでいく必要があり、この操作が“壁”となってカーナビを使いこなせない人が一定数いたのです。

 

「そんな状況を放っておいてたら真のカーナビ普及にはつながらない」。そう考えたパイオニアの開発チームは、使いやすさを徹底追求したカーナビの開発をスタートさせます。試行錯誤を繰り返した結果、目的地の検索に音声認識機能を組み合わせることが最良と判断。ここに楽ナビの初代「AVIC-500」が誕生することとなったのです。

 

AVIC-500のポイントは「タクシーに乗る時のように行き先を音声で伝えるカーナビ」にありました。それまで難しいと感じていた目的地設定は、付属するリモコンの発話ボタン「お出かけボタン」を押して行き先を告げるだけで済むようになったのです。スマホが普及した今でこそ、音声で目的地を探すのは当たり前となっていますが、ガラケーしかないこの時代にこれを実現したのはまさに画期的なことだったと言えるでしょう。

 

その認識精度や検索能力は現在のスマホとは比べものにならないほど低かったのは確かです。しかし、「カーナビを誰でも使えるようにする」との楽ナビのコンセプトはこの時に確立し、それは多くの人に受け入れられて大ヒットへとつながります。以来、楽ナビはそのコンセプトを継承しながら、時代に合わせた最適なモデルへと発展しつつも、その精神は今もなお連綿と受け継がれているというわけです。

 

GetNaviの誌面と振り返る1998年デジタルトピックス

1998年をGetNaviの誌面からも振り返ってみます。この年は、Google検索がスタート。大量の情報を「検索して探す」が一般的になっていった時期でもありますが、楽ナビは2010年代以降につながる「ボイスコントロール」を先立って提案していました。

 

また、Apple iMacの「初代」モデルが登場。普通の人でも使える「わかりやすさ」にこだわった点で楽ナビとの共通点を見出すことができます。また、PDAの拡大も見逃せないところ。PDAには地図ビューアー機能を搭載していることも多く、外部のGPSレシーバーを追加することでナビゲーション的な役割を果たしていました。懐かしいですね。

 

■iMac。Appleのディスプレイ一体型デスクトップ「iMac」が登場したのが1998年。Appleに復帰したスティーブ・ジョブズが最初に発表した製品で、これまでのパソコンのイメージを一新するポップなデザインにより大ヒット。Apple復活を印象づけました。

2018年VOL.7

 

■Palm III。イケショップなど秋葉原の店舗で「Palm(パーム) III」と日本語化キット「J-OS」が販売開始。GUI、ペン操作に対応した「PDA(パーソナルデジタルアシスタント)」が注目を集めました。

2018年VOL.4

 

■Google検索。今では当たり前の「Google検索」もこの年にスタート。検索エンジンとしては後発でしたが、特許取得の特殊アルゴリズムを使用した独自のロボット型検索エンジンにより一気に普及しました。

 

【2005年】楽ナビ「AVIC-HRZ09」はHDDを初搭載

カーナビは今も昔も、いかに多くの地図データを活用できるかがポイントです。楽ナビもデビュー当初こそデータをCD-ROMに収録していましたが、より詳細なデータを収録するために容量が7倍以上もあるDVD-ROMを採用するように進化。これによって、全国主要都市の市街地データを収録可能になり、ピンポイントでの目的地設定が可能になりました。

 

一方で、時代はカーナビにエンタテイメント性を求めるのが常識となっていました。そこで楽ナビは2005年、「AVIC-HRZ09」でデータ収録メディアをHDD(ハードディスク)とした新モデルを登場させます。

 

AVIC-HRZ09は、HDDに地図データだけでなく、再生したCDの音楽データまでも収録できるミュージックサーバーを実現。それ以外にも、当時流行っていたMD(ミニディスク)ドライブも搭載する一方、人気を集め始めていたiPodへの対応も果たすマルチメディア対応としました。

 

映像面でもディスクドライブをCDとDVDが両方楽しめるコンパチブル化を果たし、2003年からスタートした地デジにもオプションで対応。これにより幅広い映像メディアも楽しめるように進化させました。これだけ多彩なエンタテイメント機能を2DINというサイズに凝縮したわけで、このモデルで楽ナビは音楽や映像までも一括で楽しめるカーナビへと進化していったのです。

 

GetNaviの誌面と振り返る2005年デジタルトピックス

Googleマップは2005年生まれでしたが、楽ナビはすでにAVIC-HRZ09で美しさと実用性にこだわった「ターゲットマップ」を採用するなど、マップ表示からカーナビの性能を高めてました。人気を集めたiPod nanoが登場する頃には、楽ナビもiPod接続に対応。最新かつトレンドのAV機器との連携を実現していたことも見逃せません。

 

■Googleマップ。単なる地図に留まらず、衛星写真、航空写真、ストリートマップ、ストリートビュー、ナビゲーション機能を搭載。ウェブ版、Android版だけでなく、iOS版もリリースされ、世界で最も多くのユーザーに利用される地図アプリとなっています。

 

■iPod nano。iPodの1シリーズとして登場した「iPod nano」。iPod miniの後継モデルとして位置づけられ、画面を搭載するiPodの最小モデルとして人気を集めました。

2005年11月号

 

■YouTube。動画共有サイトの先駆けとして創業され、同年に正式サービスを開始。著作権などさまざまな問題をはらみつつも、巨大メディアプラットフォームとして成長を遂げました。

2007年10月号

 

 

【2008年】地図ストレージにフラッシュメモリーを採用した「楽ナビLite」の初号機「AVIC-MRZ088」!

HDDを採用したカーナビゲーションが主流になる一方で、価格を抑えられるフラッシュメモリーを採用したPND(ポータブルナビゲーション)が伸長していきます。そういった市場の変化を捉えて2008年に導入されたのがこの「楽ナビLite」になります。楽ナビLiteは登場時こそ低価格の1モデルだけでしたが、メモリーナビが主流となる市場変化に合わせてモデルを拡充させていき、多くのヒットモデルを生み出すことになります。

 

初号機になるのがこの「AVIC-MRZ088」です。低価格を売りにしながらもDVDやCDはもちろん、iPodやUSB、SDなどのメモリーオーディオとの接続を可能にするなど、日頃のドライブを楽しく快適にするモデルとなっていました。さらにカーナビとしての機能も進化させます。その立役者がパイオニアが2006年からスタートさせたプローブ型渋滞情報「スマートループ」です。

 

これはパイオニア製カーナビのユーザーが走行実績を収集して交通情報に反映させたもの。これにより、VICSの10倍近い(当時)交通情報をカーナビに反映できるようになり、より高精度に渋滞を避けたルートが案内できるようになりました。オプションの通信ユニットを必要としたものの、その採用でルート案内能力は劇的な進化を遂げたのです。

 

また、楽ナビ用PCソフト「ナビスタジオ」に対応することで、それまで何かと複雑な手続きを必要だった収録データのアップデートで大きな進化が図られました。AVIC-MRZ088で使うSDカードに、全国の天気予報を反映させるウェザーライブをはじめ、PCから音楽ファイルを転送するマイミュージックチャージなどを保存可能としたのです。また、スマートループへの走行実績のアップロードや渋滞情報をダウンロードするほか、地図データの更新もこのソフトを経由して可能になったことも見逃せないポイントとなりました。

 

GetNaviの誌面と振り返る2008年デジタルトピックス

iPhoneやAndroidのスマートフォンの登場で、人々のライフスタイルが変わりました。それらのスマートフォンを楽ナビに接続して、動画や音楽のストリーミング再生など車内空間が楽しめるようになるのは、また後の時代。

 

■iPhone。日本初上陸のiPhoneである「iPhone 3G」がソフトバンクから発売。ソフトバックショップや家電量販店に長蛇の列ができました。PCを使ってインターネットするよりも、スマホを使ってインターネットする時代が始まりました。

2008年9月号

 

■Android。Androidスマートフォン1号機「T-MobileG1」が米国T-Mobileより発売。この端末はキーボードを搭載しており、当初は実験的なコンセプトの製品も多かったです。現在でもAndroidは、さまざまな新技術がいち早く搭載されています。日本初のAndroidスマートフォン「HT-03A」は2009年に発売。

2009年8月号

 

■Google Chrome。Windows、macOS、Android、iOS、Linux用が提供されているウェブブラウザー。Googleのウェブサービスとの親和性の高さ、豊富な拡張機能などの利便性により、ウェブブラウザーのトップシェアを獲得しました。

 

【2014年】使い勝手を進化させた楽ナビ「AVIC-RL09」!

車内エンタテイメントの進化に伴い、時代はインフォテイメント系のサイズアップが重要なテーマとなりました。それを反映して楽ナビは2014年に登場した「AVIC-RL09」で、画面サイズを従来の7型から8型へと大型化。これによって地図の見やすさと、迫力映像の再生を実現させました。

 

また、見逃せないのが「スマートコマンダー」の採用です。もちろん、画面上のタッチパネルは装備していましたが、画面上に手を伸ばす必要があり、操作していると意外に疲れるものです。このコマンダーを手元に置くことで、よく使う7つの機能をショートカット的に使えるようになり、その使い勝手は飛躍的に高まりました。

 

さらに使い勝手を向上させたのは通信を介した音声認識への対応です。たとえば「近くのコンビニ」「軽井沢の観光スポット」などと音声で入力すると、AVIC-RL09はその候補を画面上にリストアップ。ここから行きたい場所を選べばすぐに目的地設定が可能となりました。コマンド入力の起動はスマートコマンダーでも行え、その使い勝手はも良好。まさに初代からの楽ナビならではの思想を感じさせてくれた採用と言えるでしょう。

 

AVIC-RL09はオーディオ機能の強化も見逃せません。きめ細かいサウンド調整が可能なデジタルプロセッサーの搭載し、タイムアライメントやイコライザーといったサウンド調整機能が楽ナビでも行えるようになったのです。自動調整ではないのが残念でしたが、それでも最適な音場設定により音楽をベストな環境で楽しめるのは嬉しい装備となりました。

 

GetNaviの誌面と振り返る2014年デジタルトピックス

スマホを使ってできた操作を手首からできるApple Watchの新しい操作感が新鮮でした。AVIC-RL09はカーナビでの新しい操作性とインターフェイスを搭載。楽ナビブランドの長い歴史が経過しようとした、この時代でも使い勝手にこだわり続けていました。

 

■PlayStation 4。北米で2013年11月15日、日本で2014年2月22日に発売。ネットワークを介したゲーム体験ができるのはPS3から存在していましたが、PS4になりそれが大衆化につながりました。普及価格帯で最新のゲーム体験ができるのがPlayStationだとすれば、普及価格帯で最新のナビ体験ができるのは楽ナビといったところに共通点を見出せるでしょうか。

2015年4月号

 

■Apple Watch。iPhone専用のスマートウォッチ。多くのiPhone用アプリがApple Watchに対応して利便性が高く、アルミニウム、ステンレス、チタニウムを使用したボディも上質。日本ではいち早くFeliCaに対応したことから普及に拍車がかかりました。

2015年5月号

 

■Uber Eats。自動車配車サービスを手がけるUberが、米国で2014年にスタート。日本上陸は2016年。当初は東京で開始したが、2021年9月に47都道府県への進出が完了しました。ロゴが描かれた大型リュックサックを日常的に見かけるようになっています。

 

【2023年】オンライン化への本格対応した最新楽ナビ「AVIC-RQ920-DC」

楽ナビの最新モデルは2023年1月に発表されました。そのラインナップは7型/8型/9型と3タイプを用意し、9型には最近のトレンドとなっているフローティング型もラインナップ。その数は15モデルにも及び、「AVIC-RQ920-DC」は通信ユニットまでも標準装備としたその最上位モデルとなります。

 

新型楽ナビのポイントは初代の楽ナビから引き継いだ「高性能×使いやすさ」にあります。時代に合った誰もが使いこなせる“使いやすさ”と、ドライブ時間の“楽しさ”を追求してきた楽ナビならではのコンセプトを具現化したものとなっているのです。

 

中でももっとも大きなトピックと言えるのが、オンライン化への本格対応です。これまでも楽ナビは音声認識による目的地検索や、オンデマンドVICS、駐車場の満空情報などでオンライン化を実現していましたが、最新モデルではサイバーナビに続いて車載用Wi-Fiが楽ナビとして初対応。さらにネットワークスティックと呼ばれる通信ユニットを同梱したモデルを用意することによって、車載用Wi-Fiをはじめとした様々なオンライン機能を手軽に活用できるようになりました。そして、よく使う機能にスムーズにアクセスできる「Doメニュー」を採用しています。

 

目的地検索は、インターネットでの検索と同じように思いついたキーワードを入力するだけ。これだけで最新スポットまでも目的地検索できる「お出かけ検索(オンライン)」を実現したのです。このメニューでは他にも「ダイレクト周辺検索」、「ショートカットキー」などを備え、まさに時代を反映した楽ナビならではの使いやすさを実現したのです。

 

オンライン化は、オンデマンドVICSやスマートループによる渋滞情報を加味したルートを示すことで抜きんでた高品質なルート案内をもたらしました。加えて、ルート案内中は「信号機カウント交差点案内」で分岐する交差点を特定し、見やすさを高めた交差点案内でその状況を詳細にガイドします。

 

大画面化によって車内での存在感も高く、しかもオンラインによって使い勝手を大幅にアップ。まさに楽ナビ史上、最強の楽ナビがここに誕生したのです。

 

GetNaviの誌面と振り返る2023年デジタルトピックス

生成AIのおかげで検索や調べるといった行為に変化が出て、Copilotでビジネスに変化が出そうと期待がかかるなか、車内Wi-Fi搭載の楽ナビAVIC-RQ920-DCによって、ただ運転するだけの車内空間から、リモートワークや動画鑑賞など車内で過ごすのも快適になりました。

 

■生成AI。OpenAIの「ChatGPT」の有料サービスが2023年2月にスタート。「Windows 11」やGoogleの検索エンジンにすでに生成AIが組み込まれており、多くの人が意識しないうちに利用を始めています。

2023年9・10月合併特大号

 

■Copilot。Microsoftが提供するAIアシスタント。OS、ブラウザーから利用するだけでなく、「Microsoft365」のアプリからもCopilotにアクセス可能。導線の多さから、AIアシスタントのなかで大きなアドバンテージを獲得していています。

 

■X。イーロン・マスク氏は旧Twitter社買収後、2023年7月23日にロゴを青い鳥からXに変更。賛否入り交じる氏の施策を象徴する出来事として、ネット上での大きな話題となりました。

 

 

デジタルトピックス監修/ジャイアン鈴木

 

 

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1万8000円相当もあり! 楽ナビがアウトドア体験などできるギフトプレゼントキャンペーン開始

パイオニアは1月26日、「楽ナビ」ユーザーに向けて感謝の意を込めて、お出かけ先での「楽しい体験」をプレゼントする「知ってもっと楽ドライブキャンペーン」を開始しました。

 

キャンペーンは楽ナビ25周年を記念したもの。パイオニアのWebサイトにあるキャンペーンページ内の「楽ドライバー検定」に回答し、応募した人の中から抽選で合計25人に、お出かけ先での楽しい体験を選べる「アソビュー!デジタルギフト」をプレゼントする、太っ腹な企画です。

 

なお、楽ドライバー検定はチャレンジの前に予習することもできます。プレゼントに応募したいのであれば予習はぜひしたいところですね。

 

アソビュー!デジタルギフトは3つのコースを用意しています。

 

【Aコース】(楽ナビユーザー限定)

アソビュー!ギフト「総合版体験ギフト Colorful」(1万8260円相当)

アウトドア体験からインドア体験まで幅広い体験を収録したギフト。

抽選で15名にプレゼント。

 

【Bコース】(誰でも応募可能)

アソビュー!ギフト「ONSEN TICKET(ペアチケット)」(6160円相当)

日本全国の人気温泉施設を収録したギフト。

抽選で5名にプレゼント。

 

【Cコース】(誰でも応募可能)

アソビュー!ギフト「Aquarium TICKET(ペアチケット)」(6160円相当)

日本全国の人気水族館を収録したペアギフトチケット。

抽選で5名にプレゼント。

 

応募期間は1月26日(金)~2月29日(木)です。お出かけしたい人はぜひキャンペーンページから応募してみてください。

楽ナビ使って空前ブームの「城巡り」をしてきた。楽すぎて泣けるのです。

提供:パイオニア(カロッツェリア)

JTBが2023年12月に発表したデータによると、年末年始の国内旅行の人数は2019年比で95.7%。ほぼコロナ禍前の水準まで回復するという。コロナが5類指定になって旅したいが、海外は円安もあり国内旅行を、という家庭も多いはずだ。となればクルマ&カーナビの出番である。

 

というわけで、カロッツェリアの「楽ナビ」に乗って国内の歴史名所、特に“城”を巡ってみようというのが本記事である。「いや、城って唐突じゃない?」と思うかもしれないが、これには意図があるのと、楽ナビの性能をお伝えするのに適したステージだからだ。それらは次のパートで触れていくとして、まずは商品の紹介から。

↑今回は小田原周辺を巡りながら楽ナビをレポート。後半ではおすすめのお城スポットを紹介。

 

【今回紹介する製品】

パイオニア カロッツェリア

楽ナビ AVIC-RQ920-DC

カロッツェリアはカーナビ、カーオーディオ、ディスプレイオーディオ、ドライブレコーダーなどカーライフ全般をサポートしてくれる、パイオニアのカーエレクトロニクスブランド。楽ナビはフラッグシップカーナビ「サイバーナビ」とともに、カロッツェリアを牽引するカーナビシリーズだ。

 

本機は、9V型ラージサイズのHDディスプレイにHDMI出入力、DVDやCD、SD、USBの端子やドライブを搭載した全部入りモデル。カロッツェリアではもはやお馴染みとなった「docomo in Car Connect」に対応し、楽ナビをWi-Fiスポット化することもできる。

 

↑UIでの注目は「Doメニュー」。これはよく使う機能を集約したインターフェースで、画面下部には自分で好きなコマンドを割り当てられて、必要な操作をすぐに行える

 

 

なぜ、城とカーナビ?

世は空前のお城ブームである。2023年12月中旬に開催された「お城EXPO2023」は過去最大数の105団体が参加。「日本100名城公式ガイドブック」は累計90万部を突破し、世代性別問わず歴史スポットへの関心が集まっている。

 

お城は歴史的、地理的要因によって事情は異なるが、代表的なものとして「山城」と「平城」がある。前者は文字通り山の上にあり、敵から攻められにくい場所にあるため何かしらの交通機関がないと行けない。後者は都市の中心地に位置するためアクセス自体は良いのだが、昔ながらの街並みで道が狭いことも。カーナビの出番である。

 

あとは、2023年が楽ナビ25周年ということもあり、時代を切り拓き長く続くブランドという点も本企画に適していると思った次第だ。ちなみに楽ナビのシリーズ累計販売台数は650万台を突破。お城の石垣のように積み上げてきた数字が段違いである。

 

石垣山一夜城を目的地にセットした瞬間、楽ナビの実力が…

最初の目的地は、石垣山一夜城。豊臣秀吉が小田原合戦の本営とした城の跡地である。クルマ好きの聖地とも言える箱根ターンパイクそばに位置しており、訪れた人もいるのではないだろうか。

 

立派な石垣が残っており、物見台や展望台からは小田原城や相模湾を見渡せる。国立公園区域および国指定史跡に指定される、風光明媚なスポットである。

 

もともと自動車雑誌を担当していたこともあって、箱根は通い慣れた道。自宅からは70-80分で到着すると踏んで楽ナビをセットしたところ、所要時間が120分近くに。「平日の早朝の下りですよ、楽ナビさん」と思って走らせたところ、やはり楽ナビの渋滞予測は優秀だった。

 

というのも、東名リニューアル工事の一環で、2023年夏から東京IC〜東京料金所間で車線規制があり、その渋滞のあおりをくらってしまった…。楽ナビはスマートループ渋滞情報全道路対応(※1)で、のっけからその性能を再確認した次第だ。

※1:VICS渋滞情報と合わせ約70万kmにおよぶ道路に対応して最新の交通状況を更新、ルート反映してくれる技術

 

小田原城に向かう最中、「そこまでやる?」という機能が…

師走の石垣山一夜城を散策して身体も温まったところで続いては小田原市街へ。石垣山一夜城から小田原城まではクルマで15-20分の距離にあり、併せて巡りたいスポットだ。

 

目的地を小田原城とクルマが一緒に撮影できる「青橋」にセットして走り出すと、今度は音声案内&画面表示で力を見せつけてくれる。「信号機カウント交差点案内」という楽ナビならではの機能で、曲がる交差点を信号の数でガイドしてくれるのだ。そこまでやってくれるのか、楽ナビ

↑「信号機カウント交差点案内」。画面右に「2個目の信号」という表示が出る。同時に音声でも案内してくれる

 

城下町は、城や駅周辺が入り組んでいたり狭い道が多かったりと、信号を見逃すと迂回できないケースが多い。タイムロスになるぐらいならまだいいだろうが、「そこ右だったよ!なんで曲がらないの?」と同乗者とケンカになったら旅も台無しだ

 

小田原駅周辺の場合、道が複雑で初見では無理!というほどではないが、一方通行の道が一定数あり、それなりに気を遣う。これが京都だったり、東京の日本橋だったりしたら涙目だが、楽ナビの正確な位置情報捕捉と信号機カウント交差点案内のおかげで迷うことなく目的地に着くことができるだろう。

↑小田原駅周辺の様子

 

快晴ということもあり、小田原城は城壁の白が青空をバックに映えて、天守閣の佇まいも美しいばかり。と、ここまで楽ナビの説明ばかりだったので、このパートの締めとして小田原城の歴史と見どころを触れておこう。

小田原城が初めて築かれたのは、大森氏が小田原地方に進出した15世紀中ごろのことと考えられています。1500年ごろに戦国大名小田原北条氏の居城となってから、関東支配の中心拠点として次第に拡張整備され、豊臣秀吉の来攻に備えて城下を囲む総構を完成させると城の規模は最大に達し、日本最大の中世城郭に発展しました。

(小田原城 公式ホームページよりより)

 

このあと、豊臣秀吉の来攻により、北条氏は滅亡。その後、徳川家康に従って小田原攻めに参陣した大久保氏が城主となり、城は近世城郭の姿に改修される。少し時を進めて現代につながる部分も引用する。

小田原城は明治3年に廃城となり、ほとんどの建物は解体され、残っていた石垣も大正12年(1923)の関東大震災によりことごとく崩れ落ちてしまいました。

現在の小田原城跡は、本丸・二の丸の大部分と総構の一部が、国の史跡に指定されています。また、本丸を中心に「城址公園」として整備され、昭和35年(1960)に天守閣が復興(以下省略)。

(小田原城 公式ホームページよりより)

 

クルマ旅に適した機能まである

クルマで旅をしていてご飯どきになった際、こんな行動を取らないだろうか?

 

  • 下調べをしてピンポイントで行くパターン
  • 近場で良さげなお店を探してパターン

 

特に②の場合に役立つのが楽ナビの目的地検索「お出かけ検索(オンライン)」である。「小田原 ランチ」などのある程度のキーワードでお店の候補をオンライン検索してくれるので、リストに出てきた中から気になる店に行ってもいいし、そこからは普通に手持ちのスマホでより詳細なお店データを調べてもいい。

↑「お出かけ検索(オンライン)」で「小田原 ランチ」で検索した画面

 

検索アルゴリズムの詳細は公表されていないが、通常のウェブ検索とは違った店に出会える可能性が高いと感じた。食事だけでなく、観光スポットでも同様だ。オンライン検索なのでナビ更新不要で最新のスポットが検索できる点がかなりうれしい。少し時間が余って近場で何か見学できるところがないかを調べる最初のステップとして活用するのが良いだろう。

 

小田原は歴史都市であると同時にコンパクトな街なので、この2つの城を軸に様々なスポットを巡ることができる。ここでは紹介できなかったが、歴史スポットでいえば、明治時代に活躍した黒田長成の別邸である清閑亭。グルメスポットといえば、小田原かまぼこ通りや、鈴廣かまぼこ博物館というのものも。

 

 

少し違った視点で語りたい車内Wi-Fiスポット

このあとのパートで石垣山一夜城と小田原城以外を紹介していくが、その前にどうしても触れたい機能がある。通信容量無制限の車内Wi-Fiスポット機能だ。楽ナビでは2023年モデルから対応した機能で、専用ネットワークスティックを使い、docomo in Car Connectに申し込むことで使用可能となる(※2)。

 

本撮影をしたのが師走のど平日で、カーナビの取材だというのに動画の確認作業や会議が入れられており、通信どうしたものか、場所どうしたものか、朝から悩ましい状態だった。が、この車内Wi-Fiスポット機能で難なく乗り越えられた(正確な到着時刻で余裕を持って駐車場に入って確認作業や会議ができた点も大きい)。

 

何が言いたいかというと「ビジネスで使える!」ではなく、“自宅にいる感覚”で通信が使えちゃう点だ。docomo in Car Connectには少し細かい使用条件(※2)があるのだが、基本的にそれは停車が絡む場面であり、走行中の制限は特にない。

 

車内Wi-Fiスポット機能は5台まで同時にデバイスを接続できるので、同乗者が車内で動画を見たり、ゲームをしたりと車内エンタメ性を格段に引き上げてくれる機能であり、クルマ旅には欠かせない存在だろう。

 

※2:docomo in Car Connectの使用条件、料金は以下の通り。

↑図の赤紫の箇所が使用ができない場面。それ以外は使用できるので活用の幅が広い

 

↑料金プランは3つ。通信量無制限でこの価格帯はいずれもリーズナブル。クルマでの外出頻度に合わせて選べる点がうれしい

 

 

カーナビの力を頼りつつ行きたい日本の名城(&城跡)3選

さて、「日本100名城公式ガイドブック」担当編集者にカーナビを使って行くべき名城・城跡をピックアップしてもらった3つの城を記事の締めにお届けしたい。城跡もあれば立派な天守閣があるものもある。

 

【福島県】鶴ヶ城(会津若松城)

提供:会津若松観光ビューロー

1593年に蒲生氏郷が東日本で初の本格的な天守閣を建てて「鶴ヶ城」と命名される。1868年の戊辰戦争では新政府軍の猛攻に耐え、難攻不落の名城として知られるように。1874年に全ての建築物が解体されるも、1965年に外観が再建され、天守閣も作り直された。2023年に館内を全面リニューアルして体験型の博物館に。

 

層塔型の五層天守が実に堂々していてカッコいい! 鶴ヶ城を選んだ理由が天守を一番近くで望める「西出丸駐車場」が意外とわかりづらい点。高齢の親と一緒に歴史旅に出るときは歩く距離を減らしてあげたいことを考えると、カーナビを使って訪れたい。

住所:福島県会津若松市追手町1-1

 

【愛知県】犬山城

提供:犬山城

織田信長の叔父である織田信康によって創建された現存十二天守の城。特徴的な天守は、当時のままの姿を今に伝えている。1952年に国宝に指定され、その歴史的価値と優れた建築様式で多くの観光客で賑わう。

 

その美しさたるや見惚れてしまうお城。本城を選んだのは城下町グルメが充実している点に加えて、博物館明治村やかがみはら航空宇宙博物館といった知的好奇心をくすぐる施設が近隣にあること。どちらも10km圏内にあるため、30分程度で移動でき、濃度の高い旅ができる。

住所:愛知県犬山市犬山北古券65-2

 

【東京都】品川台場(第3台場跡)

写真提供:東京港埠頭株式会社

江戸時代末期に築かれた6つの台場(砲台)のひとつで、幕府が外国船の侵攻に備えて東京湾に設けた防衛施設。このうち第3台場は第6台場とともに、1915年東京市に払い下げられ、1926年に国指定史跡となる。現在、第3台場は遺構を公園として整備され、人々の憩いの場となっている。

 

城は軍事施設ということで、品川台場が「続日本100名城」に選ばれておりピックアップ。東京観光、お台場観光の際に少しだけ足を伸ばすだけで歴史を感じられる。レインボーブリッジも近くで見ると壮観で、過去と現在を同時に楽しめる場所だ。

住所:東京都港区台場1-10-1

 

撮影(提供写真以外):茂呂幸正