「なぜ働くの?」その答えはここにある!−− 『なぜ僕らは働くのか』

小学校高学年になった息子、だんだんとお金のこと、働くということについて興味を持ちはじめたようだ。同時に、「なんで学校の勉強ってしなきゃいけないの? どうして宿題が毎日あるの?」という疑問も抱いている様子。

 

先日、子どもに対して「将来の夢は?」と聞くのはあまり良くない、何者になろうとしなくてもいい、という記事を書いた。

 

【関連記事】
もう「将来の夢は?」なんて聞けない。紀里谷和明が全人類に問いかける一冊『地平線を追いかけて満員電車を降りてみた』

 

だが、だからといって、何の職業にもつかなくていいというわけではない。毎日を暮らしていくためには、何らかの方法でお金を稼がなくてはいけない。このことをいかに息子に伝えるか。親として、またひとつ大きなハードルがやってきた。

 

とまあ、以前の私なら焦っていたところだが、今はどんと構えることができている。テレレレッテッテレー! なぜならば、『なぜ僕らは働くのか』(池上 彰・監修/学研プラス・刊)を手に入れたからだ。

 

「読者満足度97.5%」は本当だった。

『なぜ僕らは働くのか』は、今年3月に発売された児童書。発売4か月で30万部を突破したという、驚異のヒットを遂げている。

 

主人公は、将来に漠然とした不安を抱えている中学生・ハヤト。自分の働く姿など想像できず、すでに夢を見つけている友人に焦りを感じつつも日々悶々と過ごすなかで、フリーデザイナーの叔母が製作していた一冊の本と出会う……というストーリー。

 

仕事とは。働くとは。幸せに働くことの意味。これからの時代の働き方−−とても大切なことだけれど子どもにうまく伝えられない、いや大人も改めて知っておきたいような貴重な情報が満載の一冊だ。

 

たとえば、「仕事」とは「働く」とはどういうことだろうか。簡単そうでいて、かなりの難問である。この問いに対する本書の答えをまとめると、こうだ。

 

私たちが生活をするとき、そこには必ず人と人とのつながり合い、助け合いがある。つまり、自分ではできないこと、労力や時間を割けないことを、他の人がする「仕事」で助けてもらう。なぜ働くかという答えのひとつは、助け合いでつくられるこの社会の一員になるためである。

(『なぜ僕らは働くのか』より抜粋)

 

そしてもうひとつ、誰かに助けてもらったら、「ありがとう」の意思表示としてお金を払う。これが、仕事とお金の関係であるとも述べられている。

 

なんとわかりやすく、本質をついた説明だろうか。そっくりそのまま、息子に伝えよう。

 

「好き」の気持ちを活かせる仕事とは

『なぜ僕らは働くのか』には、ワークライフバランスやAIと仕事の関係、多様性(ダイバーシティ)など、いま知りたいトピックが詰め込まれている。なかでも「むむ……」と唸ってしまったのが「第3章 好きを仕事に? 仕事を好きに?」だった。

 

やりたい仕事が見つからず焦ってしまうのは、小学生だって大学生だって、社会人だって同じだ。私自身も、小学生のころは母親が教師だった影響を受けて「学校の先生になりたい」と言っていたが、その後、なんとなく違うかもと思い直すように。何になりたいか答えが出ないまま学生時代を過ごしていた。

 

余談だが、中学校の卒業文集に書いた将来の夢は「新宿アルタで働く」だ。当時ウッチャンナンチャンが大好きで、2人が「笑っていいとも!」のレギュラーだったから、アルタで働いていれば会えるだろう!という邪な考えから。子どもの発想なんて、そんなものだ。

 

だから、小さいころからオリンピック選手を目指して猛特訓をしていた友人や、電車好きだから絶対に鉄道会社に入ると宣言していた友人を見て、眩しく感じたものだ(結果、2人とも夢を叶えた!)。

 

けれども、「早いうちからやりたいことがあるからすごいわけではない。むしろ、中学生のときになりたい職業が決まっていることが、良いことかはわからない」と本書では言うではないか。

 

なぜならば、小さいうちは、この世の中に存在する仕事のほんの一部しか知らないから。「子どもが好きだから保育士になりたい」という夢は素晴らしいことだが、「子どもが好き」という気持ちを活かせる仕事は、保育士以外にもたくさんある。まったく関係がないように見えるジャンルの職種でも、活かせる。選択肢は限りなく広いのだ。

 

ゆえに、毎日生活するなかで、自分が気になる、おもしろいと思うことがなにか、その裏にはどんな仕事があるのかを調べてみる。そういうアンテナを常に張っておくことで、やりたい仕事が見つけられるのだと教えてくれている。

 

池上さん、ありがとう。これもそのまま息子に伝えることにする。

 

仕事を始めてからも夢は見つかる。夢はどんどん変わっていい。

児童書と思いきや、大人ものめり込んで読んでしまう『なぜ僕らは働くのか』。大人になってもやりたいこと探しは続く、仕事を始めてからも夢は見つかる、夢はどんどん変わっていい。いまやりたい仕事をしている人はもちろん、さまざまな憤りや戸惑いを抱えながら働いている人の心をそっと包んでくれるような言葉が並ぶ。

 

ちなみに、本書の特設サイトにアップされている書籍動画では、今をときめく声優・花江夏樹さんがナレーションを担当されていたこともお伝えしておく。

 

きっと一度読んで本棚に……ではなく、この先何度も取り出して読み返すであろう一冊だ。

 

【書籍紹介】

なぜ僕らは働くのか

著者:池上 彰(監修)
発行:学研プラス

仕事、お金、働きがい、AIの進歩、多様性の尊重、人生100年時代…。働くうえで考えるべき様々なテーマをマンガと図解で多角的に伝えます。これから社会に出る若者たち、仕事に向き合い悩む大人たちが、未来に明るい希望を持てるように。そんな想いが込もった、温かくて前向きになれる一冊です。

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さすが! 知らなかった! 「さ行ほめ言葉」で仕事も恋愛もうまくいく――『愛され女子になるためのポイントアップ会話術』

上手にほめればなにかとトクする、ということはわかっているけれど、どうやってほめたらいいのかわからない。そういう人が大勢いますが、それは、ほめの基本パターンを知らないから。まず「さ行ほめ言葉」をマスターすれば、一気にボキャブラリーが広がります!

 

 

ほめ言葉は、とっさに出てこない

たとえば気になる異性が髪型を変えた時、上司が仕事で素晴らしい成果をあげた時、それから子どもが学校で良い成績を取ってきた時など、日常的に「ここはほめておきたい」というシーンが何度も訪れます。けれど、なかなかうまい言葉が見つからず、ほめそびれてしまった、なんてことは、誰にでも経験があるのではないでしょうか。

 

愛され女子になるためのポイントアップ会話術』(吉田幸弘・著/学研プラス・刊)は女性向けの恋愛本ですが、そこに載っている「さ行ほめ言葉」が秀逸なので、チェックしてみましょう。

 

 

「さ行ほめ言葉」を使いまわそう!

さ・・・「さすが」

誰だって「さすが」と言われればうれしいもの。例えば子どもがテストで100点を取った時に「さすが!」とほめると「頭がいいからやっぱりいい点を取れたね」と、前々から認めてもらっていたかのような晴れがましい気分になるのです。ただし目上の人に使う時は、注意が必要です。

 

し・・・「知らなかった」

相手が知らないことを自分は知っている、という事実も、悦びにつながるのだそうです。知ったかぶりをして話にうなずくよりは「知らなかった」と素直に認め、「よく知ってるね!」と物知りの相手をほめると、さらにいろいろなことを教えてくれる可能性があるのだとか。

 

す・・・「すごい」

この「すごい」は最も万能なほめ言葉でしょう。相手がした好ましいこと、素晴らしいことのほとんどは、たいていは「すごい!」という言葉でカバーできるはず。ほめ言葉初心者さんは、まずこの「すごい」からマスターするといいでしょう。

 

せ・・・「せっかくだから教えて」

相手が自慢話をしてきた時は、スルーしたくなるかもしれません。けれど認めてもらいたくて出してきたネタのはず。ほめちぎり、向こうの自己顕示欲を受け止めてあげる心の広さが必要です。もっと知りたいなと思った時は「せっかくだからもっと教えて」と素直にお願いしてみましょう。

 

そ・・・「そう」

「そうですよね」と相手に同意を示す言葉なので、向こうは「わかってもらえた」と、うれしくなるのです。ひたすら「そう」「そう」と相手の話に相槌を打つだけで、相手は相当な自信につながるはず。「すごい」と同様、万能なほめ言葉なのです。

 

 

ほめると得られるこんな効果

相手をほめるなんて、なんだかわざとらしくてしたくない、と主張する人は、少なくありません。けれど向こうがいい気持ちになり、こちらを好ましく思ってくれるようになるのなら、どんどんほめていいのではないでしょうか。もちろん心にもないことを口走るのは考えものですが、素直にほめ言葉を駆使すれば、人間関係も円滑になるのですから。

 

「さ行ほめ言葉」を全部一気にマスターすると、いざという時に「どの言葉を使おうか」と迷ってしまう可能性があります。なのでまずは「すごい」と「そう」を徹底的に使いこなせるようになってから、他の言葉も覚えていくといいかもしれません。

 

人をほめ続けていると、自然とほめるボキャブラリーも増えていきます。すると「この人はこんな風にほめれば喜びそう」などと、応用ができるようになります。素早くポイントを押さえてさりげなくほめる、そんなほめ達人になれた時、周囲の人のあなたの好感度はかなり高くなっていることでしょう。

 

 

【書籍紹介】

愛され女子になるためのポイントアップ会話術

著者:吉田幸弘
発行:学研プラス

婚活や恋活にすぐ役立つサプリのような電子書籍。「人見知り」「会話下手」だからといって、せっかくの出会いのチャンスを逃していませんか? 合コンや飲み会で初対面の相手と話すとき、緊張して何を言い出せばいいか迷ってしまいませんか? 本書ではコミュニケーションデザイナーの著者が、今すぐ使える「恋のコミュニケーション力UP術」を伝授します!

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お金持ちになるために切り捨てるべき人間関係を見分ける4つのテクニック ──『人生を変える、お金の使い方。』

人生を変える、お金の使い方。』(千田琢哉・著/学研プラス・刊)は、3千人以上の成功者たちによる「お金の使い方」を分析して、51項目にまとめたものです。そのうち4項目を厳選して、金銭トラブルから学べること、時間をムダにしない方法、最高の投資とは何か、ブーメラン理論を紹介します。

 

 

金銭トラブルから学べること

金銭トラブルを起こしたから絶縁するのではない。もともと絶縁すべき相手だから、必然的にその相手と金銭トラブルになったのだ。
(中略)
金銭トラブルを起こした相手とダラダラ付き合っている人たちは、例外なく悲惨な人生を歩んでいる。

(『人生を変える、お金の使い方。』から引用)

 

金銭トラブルが発生したら、回収するよりも「トラブル相手と縁を切る」ことを優先しましょう。貸し倒れコストよりも回収コストのほうが高くつくからです。たとえば、失踪したトラブル相手に貸した10万円を取り戻すためには、興信所に依頼したり回収できるか不安になったりして物心両面で10万円以上のコストを負担することになる、という感覚です。

 

金銭トラブルにおいては因果が逆転します。不誠実な借り手は、利子の支払いを重ねていくうちに、お金を貸してくれた人のことを憎むようになります。やがて返済不能に陥ると、貸してくれた恩人のことを守銭奴呼ばわりします。絶縁するのにふさわしい相手です。

 

 

時間をムダにしない方法

「このラインを超えたら断る」と決めておくと、無駄な時間が削減できる。
(中略)「時間は命の断片であり、その時間を一緒に共有したくない相手とは関わりたくない」

(『人生を変える、お金の使い方。』から引用)

 

「不快」や「気に入らない」という感情を見逃してはいけません。好き嫌いこそが、あなたの人生を左右します。嫌いな相手には、こちらの情報をなるべく与えたくありません。悪用されたくないからです。情報を隠しながらやりとりするのでコミュニケーションに膨大な時間を要します。つまり、嫌いな相手との関係を続けることは、多くの「機会損失」を生み出します。

 

損害をもたらす相手を見分けるために、独自の基準を定めておきましょう。遅刻するときに連絡をしてこない人。ノー・サンキュー。初対面なのにタメぐちの人。グッドバイ。「キライだな」と感じるのは、あなたと価値観が離れているからです。ビジネスでも結婚でも「価値観のすり合わせ」は手間がかかります。価値観が近い人(スキな人)と付き合ったほうが時間はムダになりません。

 

生きていればトラブルや損失はつきもの。ふて腐らずに「勉強代を支払った」と納得するためには、ちょっとした考え方のコツがあります。

最高の投資とは何か

一度も損しなくて済む人生なんて、この世に存在しない。
(中略)
人生には、実際に痛い目に遭って初めて、「なるほど、こういうことだったのか!」と気づかされることも多い。それも含めてすべてが「勉強」だと思うからだ。

(『人生を変える、お金の使い方。』から引用)

 

小さいリスクで大きなリターンを得るための投資方法があります。それは「勉強」です。投資には失敗がつきもの。株や債券の投資信託、仮想通貨、マンション購入などで失敗すれば数百万〜数千万円の損失です。しかし、大量の本を買って読んだり学校に通ったりセミナーに参加したりすることによる失敗なんて、たかが知れています。「恐れるべき失敗」と「恐れるほどではない失敗」。うまく見分けて、上手な失敗ができるようになりましょう。

 

 

ブーメラン理論

お金に限らず「損をした」と悔しい気持ちになった経験は誰でもあるだろう。しかし、「損をした」と何かを恨んでいるだけでは、いつまで経ってもあなたの人生は好転しない。
(中略)
結局、すべての原因は、ブーメランを投げたあなた自身にあるのだ。

(『人生を変える、お金の使い方。』から引用)

 

本書『人生を変える、お金の使い方。』の著者は、お金を使うことはブーメランを投げるのと同じであると述べています。ブーメランを放り投げると、空中で旋回したあと、投げた人間のもとに戻ってきます。つまりブーメラン理論とは、お金を使えばその結果があなたに必ず影響を与えるというものです。

 

あなたは1日のあいだに何度もブーメランを投げている。その自覚はありますか? 感謝を込めてブーメランを投げれば、当然のように感謝が戻ってきます。見返りを求めずにブーメランをたくさん投げていれば、忘れたころに嬉しいブーメランとして戻ってきます。不幸を呼び寄せるようなブーメランを投げるべきではありません。

 

お金の使い方、発言、行動、すべてがブーメランであることを心がければ、きっと人生はうまくいきます。お試しください。

 

【書籍紹介】

人生を変える、お金の使い方。

著者:千田琢哉
発行:学研プラス

貯蓄よりも投資。これは現代ビジネスパーソンにとっていまや常識である。20代がやっておくべき”投資”について著者・千田琢哉は断言する。「お金は勉強と環境に投資せよ!」使えば使うほど人生が最大化する、本当のお金の使い方を大胆かつ実践的にコーチ!

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仕事がデキる人はもれなく「習慣の奴隷」である ──『天才たちの日課』

天才といえば、破天荒な人生や不規則な生活というイメージがあります。どれだけ才能があるからといって、乱れた生活を送っている人が、はたして偉業を成し遂げることができるのでしょうか?

 

天才たちの日課』(メイソン・カリー・著、金原瑞人・翻訳、石田文子・翻訳/フィルムアート社・刊)という本を読むと、じつは天才たちには規則正しいマジメ人間が多いことがわかります。

 

 

大文豪トルストイの金言

「私は毎日書かなければならない。それは成果をあげるためではなく、習慣を失わないためだ」
レフ・トルストイ(小説家)

(『天才たちの日課』から引用)

 

トルストイは、19世紀を代表するロシア文学者です。前述のフレーズは、代表作のひとつ『戦争と平和』を執筆していた当時の日記に書かれていました。

 

1日のスケジュールは……朝9時すぎに朝食をとったあと、トルストイは紅茶をもって書斎にこもってひたすら執筆。夕方には仕事を終えて、深夜一時に眠りにつくまでは、家族との時間を過ごしていたそうです。

 

偉業は一夜にして成らず。成果として認められるかどうかは気にせずに、やめないこと、ひたすら続けることが成功の秘訣です。

 

 

詩人のイェーツは悪魔に○○○を与えた

「人は生きるために おのれの一部を悪魔に与えなければならない」
W・B・イェーツ(詩人)

(『天才たちの日課』から引用)

 

イェーツは、20世紀を代表するアイルランド生まれの詩人です。のちにノーベル文学賞を受賞するほどの偉大な芸術家ですが、詩を書くだけでは生計を立てられませんでした。

 

じつは、前述のフレーズには「私は批評文を与える」という言葉が続きます。イェーツは、詩作のかたわらに文芸批評を寄稿して生活費を稼いでいたからです。

 

詩人といえば夢見がちと思われがちですが、じつは現実主義者が少なくありません。たとえば、ノーベル賞受賞者である詩人のT・S・エリオットは、銀行員としての生活を「退屈だが気楽でいい」と述べていました。おなじく20世紀を代表するアメリカ詩人のウォレス・スティーヴンズは、保険会社の社内弁護士として定年まで勤めました。

 

天才といえば「変人」と思われがちですが、意外なことに「まともな人」が多いです。あえて「変わったところ」を探すならば、それは食生活に見出すことができます。

偉大な映画監督は○○○でハイになる

ここ七年間、食事はビッグボーイでとっている。行くのは二時半ごろ。昼の混雑が一段落したあとだ。チョコレートシェイクを一杯と、コーヒーを四杯か五杯か六杯か七杯──砂糖をたっぷり入れて飲む。チョコレートシェイクにも砂糖がたっぷり入っている。
(中略)
大量の砂糖でハイになると、アイデアが次々に湧いてくるんだ。
デイヴィッド・リンチ(映画監督)

(『天才たちの日課』から引用)

 

リンチ監督に負けないほどの甘党といえば、哲学者のキルケゴールです。コーヒーを飲むときには、カップのなかに砂糖を山盛りに積み上げて、その頂上から濃いコーヒーを注いだものを好みました。キルケゴールの嗜好は、まさに『死に至る病』です。

 

作曲家のベートーヴェンは、仕事をするときに飲むコーヒーをいれるため、1杯につき「60粒のコーヒー豆」を数えていた時期があったそうです。インスピレーションを得るために必要だったのでしょう。

 

 

習慣の奴隷になろう!

私がとくに注目したのは、人々の”ルーティン”すなわち日常的な習慣だ。
“ルーティン”という言葉には、「平凡さ」や「思考の欠如」といったニュアンスがある。習慣に従うことは惰性で動くことだ。しかし個人の毎日の習慣は、ひとつの選択、または一連の選択の結果でもある。

(『天才たちの日課』から引用)

本書『天才たちの日課』には、変人にまつわるエピソードも収録されています。しかし、その変人たちですらルーティン、つまり規則正しい生活を繰り返しています。天才や革新者のイメージに反して、早朝に起きて仕事をはじめる「朝型人間』が過半数を占めています。

 

ほとんどの天才たちは、きちんと仕事を終えてからお酒を飲みます。なるべく愛する人や家族と過ごすようにしていました。推理作家のアガサ・クリスティは、家事をおろそかにせず、スキマ時間をつかって数々の名作ミステリを書き上げています。

 

本書『天才たちの日課』は、100名以上の天才たちの伝記やインタビューにみられる「習慣」をまとめたものです。読み進めるほどに、無秩序や破天荒だと言われていた天才たちが、じつは「習慣の奴隷」であったことを思い知らされます。お試しください。

 

【書籍紹介】

天才たちの日課

著者: メイソン・カリー
発行:フィルムアート社

偉人たちも、いや偉人たちこそ、最高の仕事をするために、毎日どう時間をやりくりし、どう過ごせば創造性や生産性を高められるかを悩んでいました。彼らはどう解決していたのでしょうか。そのヒミツは日常のごく平凡な小さな積み重ねにあったのです! 本書では、古今東西の小説家、詩人、芸術家、哲学者、研究者、作曲家、映画監督など161人の天才たちの、これまで見過ごされてきた「仕事の周辺」に注目。起床時間、就寝時間といった毎日のスケジュール、部屋での様子や生活信条、仕事の際のクセやこだわり、嗜好品をまとめることで見えてきた、知られざる素顔や意外な事実は、驚きとともに、創造的な活動を続けるための秘訣に値する手がかりが満載でした。

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【朝の1冊】クズエピソードばっかりなのになぜか働きたくなってしまう!――掟ポルシェ『男の! ヤバすぎバイト列伝』

みなさんはこれまでの人生、どれくらいのバイトをしてきましたか?

 

私は、スーパーの包装作業・お土産販売・コンビニ店員・家庭教師・古着屋・コンタクト販売員と、まあまあ多いかな? と思う数のバイトを経験してきました。どのバイトも私の血となり肉となり、バイト時には大変なことも多々ありましたが、思い返せば「やってよかった」と思うことばかり。そしてこの夏、3か月限定で保育園でプールの用務員さんのバイトを始めました。会社員を10年ほど経て、このバイトを始めたキッカケは大好きな掟ポルシェさんの最新刊『男の! ヤバすぎバイト列伝』(掟ポルシェ・著/リットーミュージック・刊)を読んだから!!!

 

とは言いすぎかもしれませんが(笑)、6月から個人事業主になりまして、今までのお仕事をしながら時間もできたので週3日ほどバイトを始めたのです。今の時代、安定的に会社員として働く方がいいかもしれません。でも人生は一度きり! 『男の! ヤバすぎバイト列伝』から働くことの意義、生きていくことの楽しさを教えてもらいましょう。

 

 

働くことを舐めすぎてる!!

私が岩手でコンビニバイトをしていた時の時給を伝えるとみんなに驚かれるのですが、2004年の時点で580円でした。もちろん、そこから少しずつ時給を上げてもらえましたが、東京にきて当たり前に”時給1000円”と書かれてあるバイト募集の張り紙を見て「やっぱり都会はすげぇ」と思ったのでした。

 

『男の! ヤバすぎバイト列伝』の著者である掟ポルシェさんも、地元・北海道で高校時代に初めて経験したバイトは日給300円だったそう。しかし、寒い日に夕刊を配るのが嫌だなぁ〜という思いから、雪の中に新聞を埋めて「クビ」になってしまったのです。

 

人生初バイトは、クビという形で終わった。だが、そこで反省するような俺ではない。「明日から朝遅くまで寝てられる! ラッキー!」ぐらいにしか思っていなかったので、以降25歳ぐらいまで依然としてナメた勤務態度でバイトに臨んだ。リアルにクズだった。

(『男の! ヤバすぎバイト列伝』より引用)

 

いやいやいや(笑)。

 

今だったら、炎上案件ですよね。Twitterで「バイト面倒だから雪の中に新聞埋めたわww」みたいに写真付きでツイートでもしたもんならテレビニュースになっちゃうくらいのレベル!! そんな、働くことを舐めきっていた掟さんですが、大学進学とともに東京へ上京し、さらに多くのバイトを経験するのでした。

 

 

ペンキ屋さんでのバイトがすごすぎて意味がわからない!

上京後、交通整理のバイトや、ここには書けないような”りんしょう”というボランティア(と言ってもお金をもらえます)をしていきながら、ペンキ屋さんのバイトにたどり着きます。果たしてどんなバイトだったのでしょうか?

 

「もんすごく我慢して朝6時半に出社して、もんすごく我慢して平日昼間にすーすーシンナー吸って、12時間ぐらいじっともんすごく我慢していれば1万4500円もらえるからまあしょうがねえかああそれにしても嫌だ本当に嫌だ」程度のナメた意識のもと、特に仕事も覚えようともせず、言われたことを最小限にこなす以外は職人のオヤジたちとも特に会話せず、故に口数も少なかった。

(『男の! ヤバすぎバイト列伝』より引用)

 

どれだけ我慢してんだ! というような一文ですが、タンクの中のペンキ塗り(どこにも空気の逃げ場がない場所でシンナーやら薬品が充満して倒れちゃうような場所!)をしたり、今では絶対使えないような薬品が入っているもので作業したりと、これまたテレビニュースで報道されて会社が倒産してしまうのではないか? というエピソードが多数。始めた当時は「こなすだけ」だったそうですが、シンナーを舐めて(!?)名前を当てられるおじさんや、全然仕事してくれないおじさんなど、一緒に働くバイト仲間が濃すぎてそのエピソードだけでも楽しめます。

 

 

クビになっても笑顔! 遅刻ばかりのイシグロくん

ペンキ屋さんのバイトにはおじさんばかりではなく、「出たい時に出勤すればOK」という制度だったため、若い人も多く来ていたそうです。今ではそんなフリーダムな職場はなかなか存在しないですし、自分都合でシフトを組むだけでも難しい時代ですが、当時はこんなにゆるいのにクビになっちゃう人もいたそうです。それが、遅刻を繰り返していたイシグロくん。

 

「イシグロ、クビになったって(笑)」

え! なんで!?  いや、心当たりはありすぎるけど!

「今朝遅刻したじゃん。イシグロ、事務所に来たの昼1時(笑)」

(『男の! ヤバすぎバイト列伝』より引用)

 

集合時間は朝6時半! もう午後の作業をちょっとして片付けるくらいしか出来ない時間! (笑)もちろんその場で「もう来なくていい」と言われてしまったそうなのですが、それでも「すいませんでした〜(笑)」と笑顔で反発することなく、辞めていったそうです。すごすぎる!!

 

ちなみにこのイシグロくん、ご存知の方もいるかもしれませんが、ヒップホップグループ「キミドリ」を立ち上げMCとして大活躍された方。私も大学時代によく聞いていたグループだったので、読んでいて思わず「えっ!」と大きな声を出してしまいました。今改めて聞くと、なんか変な感じです(笑)。

 

 

これだけクズエピソードを読んでいるのに…

ここまで読んだだけでも「なんてすごい人生なんだ」と思う人も多いと思うのですが、この後の掟さんもまだまだすごいです。出版社に就職するもすぐに辞めてしまったり、またペンキ屋さんへ出戻ったり、エロ本の編集をしたり、ビルの窓拭きのお仕事をしたり、どんどんバイトを重ねていきます。この本の帯には『バイトって素晴らしい! って本じゃねえからな!!!』と漫画家・東村アキコさんのコメントも寄せられていますが、最後まで読んでいくと、なぜか私自身も「働きたい」「いろんな業種を経験してみたい」と謎なポジティブパワーが湧いてきてしまったのです。

 

よく「好きを仕事に」なんて言われていますが、そんなことよりも目の前にある仕事を必死になってやっていたらどんな普通のことでも、どんなに当たり前のことでもキラキラ楽しくなるんだということを掟さんに教えてもらったように思います。

 

「これからどう働いていこう」「このままサラリーマンしていていいのかな?」と思っているビジネスマンにこそ、掟さんの生きる力、クズなのにかっこよく見えてしまう生き方を知ってほしいと思いました。ちょっと女性には手に取りにくい表紙かもしれませんが(笑)、勇気を持ってゲットしてください!!

 

 

【書籍紹介】

男の!ヤバすぎバイト列伝

著者:掟 ポルシェ
発行:リットーミュージック

ニューウェイブバンド”ロマンポルシェ。”のボーカル&説教担当、アイドルDJやライターとして(一部で)絶大な支持を誇るサブカル界の兄貴・掟ポルシェ。彼がナメた姿勢で取り組んできた自身のバイト体験を赤裸々に綴った連載(音楽エンタメサイト『耳マン』掲載)をまとめ、特別対談も収録した初の自叙伝的コラム! 掟ポルシェが全裸で書いた破天荒な生き様がここに!

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【朝の1冊】日本一有名なニートが教える「お金」にこだわらない居場所や仲間をつくる10のコツ――『持たない幸福論』

持たない幸福論』(pha・著/幻冬舎・刊)という本があります。日本一有名なニートだった著者が、お金にこだわりすぎなくても得られる幸福感について、実践した結果と考察をまとめたものです。

 

 

居場所の作り方

人間が人生の中でやることって結局、大体七割くらいは「居場所を作るため」の行動じゃないかと思う。(中略)居場所というのは「安心して居られる場所」「自分はここにいてもいいんだと思えるような場所」のことだ。

(『持たない幸福論』から引用)

 

本書『持たない幸福論』では、著者のphaさんが「居場所や仲間をつくる10項目のコツ」を提案しています。

 

【複数の場所に顔を出す】
いちばん身近な「居場所」は、(1)自宅と(2)職場です。さらに、(3)趣味サークルや地域コミュニティに所属すれば、生活にメリハリが生まれます。

 

3つの「メイン居場所」のほかにも、1年に数回だけの集まるような「サブ居場所」があると良いそうです。同窓会、元同僚たちのOB会、同業他社の有志による勉強会&懇親会など。匿名で集まることができるSNS上のグループも、リラックスできる居場所のひとつです。

 

【自分が主催者になる】
両親と同居しているけれど居心地がよくない。ひとり暮らしが寂しい。いまの職場は気に入らないことが多い。参加したい集まりがない。

 

アレがない、アレが足りない……ないものは、自分で作りましょう。

 

(1)新しい家庭をつくる → シェアハウス、シェアルームの管理人になる。
(2)新しい職場をつくる → 副業を始める。
(3)新しいサークルやコミュニティをつくる → SNSのグループ機能を使ってゆるく繋がる。

 

 

「働く」「仕事」を再考する

仕事をするために人生があるのではなくて、より良く生きるための手段の一つとして仕事というものがあるに過ぎない。

(『持たない幸福論』から引用)

 

わたしたちは、時間をムダにしてはいけないと思い込んでいます。なぜなら、時間を活用しない=何もしないことは「損」につながる、という思い込みがあるからです。

 

本書『持たない幸福論』の著者であるphaさんは、「何かやらないと時間がもったいない!」「ぼーっしていると人生がもったいない!」という人は、体力が余っているだけではないかと述べています。

 

気力や体力がない人は、無理に何かをやらなくても良いのです。phaさんは体力が余っていません。働くのが得意ではない。だから、少ない収入で、ぼーっとしながら楽しく暮らすためのコツを知っています。

長続きする「人付き合い」のコツ

僕がお金がなくてもそんなに不満がないのは自分が一番やりたいことは実現できているからだと思う。

(『持たない幸福論』から引用)

 

なぜ収入が少なくても不満がないかといえば、phaさんは自分がやりたいことを実現しているからです。

 

ゆるいつながりの仲間と付き合って、料理をしたり、それを分けあったり、散歩したり、ときどき遠出したり、本やゲームソフトの貸し借り(シェア)をしています。

 

人恋しいのに、「お金がないから」「お金が減るから」という理由で会わない、集まりに出かけないことはありませんか? 人付き合いは、お金をかけないほうが長続きします。孤独に陥らないためのコツです。

 

 

ぼーっと楽しく幸福に生きる

「そんな生き方は間違っている」「世の中はそんなものは認めないぞ」とか言ってくる人がいるけど、そういうのはよく分からない宗教の人が「あなたの生き方は我が教の教義に反しているので死後十億年間地獄に堕ちます」とか言ってくるのと同じなので、「ああ、別の宗教の人だな」と思ってほっとけばいい。

(『持たない幸福論』から引用)

 

働きたい人は、好きなだけ働けばいい。ただし、「働くのが当たり前」という考え方を、他者に押しつけるべきではない。体力がない人、収入が少なくても幸せな暮らしができる人は、あまり働きたくないからです。

 

本書『持たない幸福論』の著者であるphaさんは、「絶対にやらなければいけないことは、それほどない」と述べています。生きることですら、権利であっても義務ではありません。あなたは幸福に生きる権利があります。お試しください。

 

 

【書籍紹介】

持たない幸福論

著者: pha
発行:幻冬舎

「正社員にならねば」「結婚しなければ」「子どもを作らねば」「老後に備えなければ」……「こうあらねば」が人を追いつめている。生きるのが苦しいときは、世間の価値観や周りの意見にとらわれずに、自分が好きなものに立ち返るといい。仕事や家族やお金に頼らず、社会の中に自分の居場所を見つけ、そこそこ幸せに生きる方法を、京大卒の元ニートが提唱。

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「消える仕事」にしがみつかず、「生まれる仕事」に順応する

ここ最近、技術の進歩による機械化、自動化、IT化によって、思いがけない仕事が消えると予測され、そのことを心配したり悲観したりする話をよく聞くようになりました。自分がたずさわってきた仕事、苦労して資格を取った仕事、たくさんの経験を積んできた仕事がなくなると言われれば、そういう気持ちになるのは当然のことと思います。

 

そんな中、最近見たコラム記事に「今後10年で生まれる“未来の仕事”」というものがありました。

 

21の職業が挙げられていて、一部を紹介すると、今後5年で生まれる可能性があるものとして、

・人工知能(AI)事業開発責任者

・エッジコンピューティング専門家

・散歩・会話の相手

・フィットネス・コミットメント・カウンセラー

・AI支援医療技師

・人間と機械の協働責任者

など。

 

さらに今後10年で生まれる可能性のある職業として、

・仮想店舗シェルパ(案内役)

・個人情報ブローカー

・個人記憶キュレーター

などが挙げられていました。

 

これらが具体的にどんなことをするのか、名前だけでは今一つわかりませんが、これらの共通点として

人々を支援することが重視される。

健康と福祉の重要性が増す。

人と機械、現実と仮想など、複数の世界の橋渡しが重要になる。

とありました。

 

どんなに技術が進歩しても、人間が人間的な関わりを欲することに変わりはないとのことでした。

 

実はこの話は電車に乗りながら見ていたのですが、例えば鉄道の世界で「消えた仕事」を考えると、ずいぶんたくさんのことがあります。

 

乗車券を手売りする人や、改札で切符を切る人はもうずいぶん前からいなくなりましたし、車内検札もなくなりました。券売機すら台数が減り、どの駅でもほとんどが機械による自動改札です。今はホームドアを設置する駅が増えているので、ホーム監視の仕事も減っていくのでしょう。

 

では、それで駅員さんがやることがなくなったかといえば、決してそうばかりではありません。新たな機器の不具合には対応しなければなりませんし、案内や救護、問い合わせなど、様々な乗客対応は相変わらずしなければなりません。駅の掃除なども技術的には機械でできそうですが、今でも結構な範囲を手作業でしています。今のところはたぶんそれが一番効率的なのでしょう。

 

「消えた仕事」は確かにありますが、その一方で新たに「生まれた仕事」や、別の内容に「入れ替わった仕事」がたくさんあります。少ない人数で回せるようにはなっているのでしょうが、日本の場合は人口も減っていくので、多くの人がどんどん仕事を失っていくような状況にはならないでしょう。

 

こうやって考えると、「消える仕事」を心配したり、いかにしがみつくかを考えたりせず、「生まれてくる仕事」にはどんなものがあるのか、それにどうやって順応するかを考えた方が得策だと思います。

 

さらに言えば、そんなに根を詰めて考えなくても、自分ができる仕事は必ず何かあり、そこへ自然と移り変わっていく人が大半なのではないでしょうか。

 

「消える仕事」と同じくらい「生まれる仕事」「入れ替わる仕事」があります。「消える仕事」にしがみつかずに、「生まれる仕事」に順応することを考え、さらにそのことはそれほど心配しなくても良いと思っていますが、ちょっと楽観的すぎるでしょうか……。

 

 

【著者プロフィール】

ユニティ・サポート 小笠原隆夫

IT業界出身で現場のシステムエンジニアの経験も持つ人事コンサルタント。 人事課題を抱え、社内ノウハウだけでは不足してその解決が難しい企業、100名以下から1000名超の企業まで幅広く、人事制度構築、新卒中途の採用活動、組織作りのための人事施策、各種研修などで企業を支援しています。自律、自発、自責をキーワードに、モチベーションやコミュニケーションといった切り口で、現場の実情に即したサービスを提供しています。 特にIT関連業界では、SE経験、企業での人事業務実務、人事企画、各種コンサルティングなど、通算で20年以上の経験があります。

会社と社員を円満につなげる人事の話:http://unity-support.blogspot.jp/

女性が見ている男性のパーツはココ!手入れしていないと「仕事も恋愛もダメそう」と思われるかも

男は見かけより中身。その通りだと思いますが……男性の皆さん、ほんの少しの手抜きが職場の女性たちに残念な印象を与えていることにお気づきでしょうか。

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■女性は男性のココが気になっている

女性が職場男性の身だしなみで、どこを気にしているのかという調査によると、気になる一位は「口臭(93.6%)」。次いで「体臭(92.7%)」「フケ(91.5%)」。実に9割以上の人がこれらの項目を重視しています(株式会社インテージ・インタラクティブ調べ[2009年])。ところが、男性が何らかの対策をしている身だしなみの第一位は「鼻毛(61.8%)」。他社の調査では、「ヒゲ(57%)」が一位でした(パナソニック調べ)。惜しい!鼻毛もヒゲも大事ですが、実に惜しい!!

 

■印象の悪い人は4760万円損をしている!?

容姿や印象が様々な部分に影響するのは皆さん体感しているところだと思いますが、生涯年収に影響を与えるという研究もあります。一説によると印象がよい人とそうでない人の差は実に4760万円にものぼるのだとか。

 

女性が見ている「口臭」「体臭」「フケ」といった最低限な身だしなみは、迷惑防止条例で定めてほしいくらいですが、男性の皆さん、そこにプラスして少しだけお手入れをしてみてはいかがでしょう。鼻毛やヒゲのケアも大事ですが、努力するべきはそこじゃない!? 女性陣のアンケートから考察した、男性のお手入れポイントをご紹介します。

 

■手入れしないと仕事ができない印象になってしまう3つのパーツ

【1】 肌

女性社員に行った調査によると、仕事ができる印象を持つ第一位は「清潔感のある男性(94.7%)」で、二位は「肌がキレイな男性(74%)」だそうです。ところが肌の保湿をしている男性はたった3割(ロート製薬調べ2017年)。これは保湿するだけで、その他大勢と差をつけられるチャンスでは?脂ぎった肌が嫌われるのは皆さん薄々気づいてらっしゃるようですが、冬のカサカサお肌も見ていてしんどいものです。

 

【2】 眉

第一印象を決める外見ポイントの1位は「顔」で74.7%。顔の中でも目立つ黒いかたまりである眉は、印象形成に大きな影響を与える要素の一つです。眉が印象に与える研究では、八の字の眉は「温和」「穏やか」、太い眉は「意思が強い」「頼りがいがある」、細い眉は「軽薄」「貧弱」といった説もあります。

 

自分のキャラに合わせて形を整えるのがベストですが、ボサボサの眉をカットして揃えるだけでも清潔感はアップ。特に歳をとると、男性の眉って某元首相のように伸びていきますよね。伸ばしっぱなしの人はぜひカットしてください。

 

【3】 歯

口元のしまりがなく歯並びが悪いと、知性に欠ける印象を与えてしまう。口元がひきしまっていると、知的的に見える。口元が緩んでいると、おしゃべり、ルーズに見えるといったように、口元は印象に影響を与えるパーツの一つです。女性の唇はセックスシンボルの一つですから、つい目がいってしまうという男性陣も少なくないと思いますが。男性の皆さん、女性も口元は見ていますよ!

 

そこでぜひ試してほしいのは歯のクリーニングです。日々のブラッシングが適当になってしまう男性でも、定期的なメンテをすれば大丈夫。半年に一度、なんなら一年に一度でもいいので歯科でクリーニングを受けてください。口臭の原因である歯周病も改善。見た目の清潔感という意味でもお勧めです。

 

【番外編】 爪

「この人、彼女いないんだろうな」「もう現役じゃないのかも」と思われるパーツは爪! 爪が長いと、愛し合っているとき、女性に痛がられるからというのがその理由。

 

「男性の手が好き」という女性は多いですが、爪が長いとげんなりするという人も多いはず。個人的には、男性にはいくつになっても“寄らば斬る”的な雰囲気を漂わせてほしいと思っています。現役を引退しても、彼女がいなくても爪は短く清潔に保って欲しいものです。

 

「手入れなんてわざわざする必要はない」という気持ちはよくわかります。しかし第一印象は性格特徴を推測させ、その後、正確な情報が提示されても修復されにくい傾向があります。中味で勝負というのはもっともです。でも印象管理や女性社員との良好な人間関係の維持に役立つ自分のお手入れに時間を割けないというのは、やはり残念な気がします。一日数分で印象アップは可能。素敵な男性が増えたら、女性はとっても嬉しいですよ!

 

【著者プロフィール】

コミュニケーション研究家 藤田尚弓

All About 話し方・伝え方ガイド。企業と顧客のコミュニケーション媒体を制作する株式会社アップウェブを経営。言語・視覚の両面から「伝わる」ホームページやパンフレットなどの制作を通し、日々コミュニケーションについて考察している。 趣味は「悪女の研究」。歴史上の悪女たちの言動や人を動かすアプローチに興味を持つ。 著者に「悪女の仕事術」「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」「悪女の恋愛メソッド」がある。企業や大学などでの講演・研修実績多数。コメンテーターとしてバラエティ番組などにも多数出演している。

藤田尚弓オフィシャルサイト:http://www.naomi-fujita.com/