11月20日、アニメーション監督・天衝が自身のTwitterで、アニメーションスタジオの“スタッフ募集”を呼びかけた。その待遇にSNSなどでは「すごい業界だ…」と驚く人が相次いでいる。
出典画像:「バイブリーアニメーションスタジオ」公式サイトより
“きんモザ”天衝監督のスタジオが破格の待遇!?
天衝はアニメ「きんいろモザイク」などでお馴染みの監督で、今年5月に新スタジオ「バイブリーアニメーションスタジオ」を設立。今回スタッフを募集したのはこのスタジオで、「動画 月18万~ 社員のみ。社保有り。土日祝休み。あと若干名経験者も引き続き募集中です!」と待遇を公開した。
注目を集めたのは“月18万~”の部分。天衝は続けて投稿したツイートで「うちで出している新人動画マンの月給18万は一般的には決して高くはありません」と認めている。しかしその後「アニメ業界でこれを出しているところはほとんど聞きません。おそらく歩合で平均6万~稼いでも12万くらいなのかな?」と続け、アニメ業界の収入事情を告白。
月給18万円が動画マンにとって“厚待遇”であるという事実に、SNSなどでは「フリーターの方が稼げるレベルなのが切ない…」「どうやったらアニメーターにお金が入るようになるの?」「“平均6万”から考えると18万円ってすごいけど… やっぱり壮絶なんだな」との声が相次いだ。
一方で「新人動画マンに18万円は破格の待遇! 業界の常識が変わるレベル」「天衝監督素晴らしすぎるでしょ」「“社保あり”で動画マンに18万円って… そんなことが可能だったのか」と称賛する声も続出。天衝がTwitterで示した待遇はかなり恵まれているようだ。
シビアすぎる新人アニメーターの現実
今回募集されていた“動画”とは主にアニメーションの中割りを担当する人のことで、固定給ではなく歩合制がほとんどとされている。新人アニメーターが最初に担当するセクションとしても有名で、SNSなどには「初任給が2万円くらいだった」「6万円もらえたときに飛び上がって喜んだな」といった声が。動画マンの“初任給ツイート”は定期的に話題になってきた。
こういった事情を知っている人たちからすると、やはり「バイブリーアニメーションスタジオ」はアニメ業界の期待の星となっている模様。天衝もTwitterで「こんな過酷な労働環境ではアニメーターが育つどころかますます狭き門になってしまいます」「アニメーターを使い捨てる気持ちがなければ、もう少し何とかしてあげられるはず」と訴えている。
さらに天衝は「よいクリエイターが集まり、良いアニメを作っていって信用を得て、今後制作費も少しだけ多く貰えるようになっていけば、皆んな幸せになっていけるので、是非ともご協力ください」ともツイート。破格の待遇を提示した同スタジオが業界をどのように変えていくのか、今後の展開にも注目していきたい。