Windows 95の発売から20年以上が経ち、コンピューターの主役はデスクトップからラップトップ、そしてスマートフォンやタブレットへと移りました。しかし、あらゆるデバイスが高性能になり、人々のワークスタイルも多様になるなかで、どんどんマーケットに出てきている新種のデバイスがあります。それは、タブレットやスマートフォンの利便性を持ちながらも、外付けスクリーンに接続することで従来のデスクトップの快適さも味わえる「ミニPC」です。
そんなガジェットの代表格が昨年オランダの会社Ockelによって開発されたミニPC「Sirius A」です。GetNaviでも「ポケットに入るほど小さいサイズでありながら、6インチのタッチスクリーンを持つWindows 10搭載の立派なコンピューター」として紹介させて頂きました。
移動中やちょっとした隙間時間にはタッチスクリーンで作業をし、オフィスや自宅ではディスプレイとキーボードに接続する。こんなスタイルが新しいスタンダードになるかも、と紹介させて頂きましたが、その後も続々とミニPCが新しく発表されています。特に低価格で話題沸騰中なのがIndiegogoで1億5000万円弱の資金を集めているポケットサイズのミニPC、「Mi Mini PC」です。
128GBの容量、8GBのRAM、Windows 10で2万円以下
基本コンセプトはOckelによるSirius Aと同じです。128GB、8GBのRAM、そしてWindows10搭載、タッチスクリーン付でHDMIやUSB-Cといった各種ポートがついているポケットサイズのミニPC。しかし、驚きなのは破格の約1万7500円で早期予約を受け付けていることです(配送料別)。
最終的に一般販売された時の価格は約3万3000円を予定しているとのことですが、それでもSirius Aが7万円を越えていることを考えるとかなり格安なことが分かります。
CPUは2.56GHz Intel Atom x7、ポートはHDMI、USB、USB-C、イーサネットポートを備えているようです。Bluetooth接続、Wifi(デュアルバンド)はもちろん、折りたたみ式のキーボードまで付いてくるとのこと。ディスプレイに接続して作業もできれば、5インチのタッチスクリーンでそのまま操作もできます。OSはWindows 10の他にもAndroid 5.1 OSを選ぶことも可能。バッテリー持続時間は6時間です。
スピーカーもイヤフォンジャックもついているので移動中の映画やドラマ視聴にも最適。もちろんゲームにも使えます。ゲーム用のコントローラーアドオンは20ドル追加で購入可能。
ビジネスシーンでも、従来ではラップトップやタブレットで行っていたプレゼンのスライドコントロールといった作業もこれでできます。
さらに、50ドルの追加料金を払うだけでストレージを512GBにアップグレードすることも可能。
こんな価格がなぜ実現できるのか?
高スペックに対してあまりに価格が安いので、コメント欄には「本当にこんな価格が実現できるの?」「現状のマーケットで見つけられる最安値の中国性のSSDでも512GBは168ドルはするけど」といった疑問の声が殺到しています。キャンペーン元である香港のチームは、パーツを大量に一度に仕入れることでこの価格を実現すると説明。SSDの製造元はどこなのかという質問に対しては「Kingstonです」と回答し、RAMの製造元(Hynix)やLCD(5ポイントのマルチタッチ)などに関する懐疑的なユーザーたちからの質問にもきちんと答えています。それでも「こんな価格が実現できるなんて信じられない」というコメントはいまでも書き込まれているので、実際にプロダクトがユーザーたちに届き、実際の感想がネットに登場するまでは疑問の声を集め続けるのでしょう。
記事執筆時点でキャンペーン終了まであと3日ほどとなっていますが、すでに目標金額の6700%となる1億5000万円近くの資金を集めています。タブレットでもなく、スマホでもない、汎用性の高いミニPCに対する需要が高いことがよく分かりますね。