2016年から「電力自由化」により電気の契約先を自由に選べるようになりました。
とはいえ「電力自由化」と言われてもあまりピンとこない方も多いかと思います。
そこで今回は、電力自由化とは何なのかについて、実施の目的や安くなる理由も交えてわかりやすく解説します。
電力自由化のメリットと注意点は以下のとおりです。
この記事では、「電力自由化」のメリットや注意点を踏まえ、新電力会社に乗り換えるとどれくらいの
電気料金を節約できるかまで解説していきます。また、世帯別でおすすめの電力会社も紹介してますので是非参考にしてみてくださいね。
電力自由化とは
電力自由化は、2016年4月1日以降にスタートした新しい電気事業制度です。
電力小売自由化そのものは2000年3月にはじまっていましたが、これはデパートやオフィスビルなどの「特別高圧」区分に限定されていました。
これを家庭用の電気にも応用する「全面自由化」が、2016年にはじまったのです。
自由化以前は、各地域にある東京電力や関西電力といった電力会社だけが電力の販売を行っていました。
消費者は電力会社を選べず、いわば強制的に電力会社を選ばざるを得ない時代が続いていたのです。
電力自由化以降は、民間の会社が電気の小売業に参入することが許されています。
さまざまな会社がバリエーション豊かなプランの提供を開始して、消費者はライフスタイルに合った電力会社を自由に選ぶことが可能になったんだね。
電気の小売を行うことを認められているのは、政府によって登録された事業者のみなんじゃ
2021年6月31日時点のデータでは、計727の事業者が電力の小売を正式に認められています。
事業者リストは資源エネルギー庁が公表しており、定期的に更新されていますよ。
電力自由化の目的
電力自由化の目的は主に3つです。
電気の安定供給の確保
電気料金の抑制
電気利用の選択肢や企業の事業機会の拡大
いずれも我々消費者にとってメリットに感じられることばかりで、電力自由化が実現する以前と比べて、とてもお得な状況に変化しています。
なぜ電力自由化が推進されることになったのか、この機会にチェックしておきましょう。
電気の安定供給の確保
これまでは地域への電力供給は特定の1社が担っていましたが、電力自由化により、地域とは無関係に電力の供給を受けられるようになりました。
この司令塔として機能する象徴に「電力広域的運営推進機関」があります。
地域を越えて電力を供給しあえるようになることで、災害時等においても停電が発生しにくくなることがメリットじゃよ
仮に今後、東京で大きな地震による被害を受けたとしても、別地域からの電力供給をスムーズに受けることで、電力の供給源を失いにくくなります。
なお、旅行業や通信業など、あらゆる業種が電力の小売りに参入しているため、電気の品質が低下しないか不安を感じている方がいるかもしれません。
結論としては、どの会社が販売する電力も、東京電力や関西電力といった専門会社によって供給される電力と品質が同じです。
電力自由化によって発電や販売はさまざまな企業に認可されているが、送電は大手電力会社のみが請け負っているから、品質が同じなんじゃ
これまでと変わらない電線を通じて電力が供給されるため、電気の品質が劣化したり、供給が不安定になったりするリスクはありません。
電気料金の抑制
電気の販売に民間企業を参入させることにより、価格競争を起こすことに期待できます。
電気料金を引き下げるという狙いも、電力自由化を実現させた理由の一つなのです。
これは、限られた電力会社だけが電気の販売を行っている状況では実現できない変化といえるでしょう。
実際に、電力自由化から5年が経過した現在では、幅広いジャンルの会社による電気販売が行われています。
電気料金の安さを実感できる人が増えたばかりでなく、消費者のニーズに応じたサービスが提供されていることも、電力自由化がもたらした大きなメリットです。
電気利用の選択肢や企業の事業機会の拡大
好きな会社から電力を買える仕組みを作ることも、電力自由化の目的です。
たとえば「出身地の会社から電力を買いたい」「とにかく安い電力会社を選びたい」「地球に優しい再生可能エネルギーを売る電力会社がいい」といった、個々の理想に合った電力会社と契約できます。
電力自由化によって電気料金が安くなると言われている理由
前述したように「会社間での価格競争が起こる」ことも電気料金が安くなる理由ですが、それ以外にも電気料金が安くなる理由は3つあります。
どのような仕組みで新電力の料金が安くなっているのか、この機会に知っておきましょう。
電力だけで利益を確保する必要がないため
東京電力や関西電力は電力の専門会社で、基本的には電気の売買だけで利益を上げています。
一方、電力自由化によって参入した会社は、電力売買以外の事業を持つことが普通です。
電力の売買以外からも利益を確保できるため、電気料金を引き下げやすくなっています。
大規模な設備投資が不要なため
各地域の電力会社は、地域全体に向けた電力供給を維持するための設備投資を行ってきました。
しかし、新電力会社は多くの設備を保有していないことがほとんどです。
管理費や修繕費といった施設の維持にかかる費用の負担が減るため、電気料金を引き下げやすいという仕組みがあります。
ターゲットを絞って電気を販売しているため
大手電力会社の場合は、日本全国に電気を届けるために、採算度外視で電力供給を行わなければならない場合があります。
一方の新電力サービスは、ごく一部のターゲット層に絞った電力の売買が可能です。
コストの無駄が起こりにくく、利用者に還元しやすいことも低価格化につながっています。
電力自由化のメリット
電力自由化のメリットは、主に以下の4点です。
金銭面以外でのメリットも多いため、詳しくチェックしておきましょう。
それぞれの生活に合った無駄のない料金プランを選択できる
電力自由化によって、電力会社はさまざまな料金プランを用意するようになりました。
基本料金が変わるだけではなく、電力を使う時間帯によって価格差が生じるプランもあり、ライフスタイルに合った電力会社やプランを選べるようになったのです。
【季節や時間帯によって価格差が生じる例:Looopでんき】
たとえば早い時間に就寝する人ならば、夜間の電気料金が高く、日中は割安になるプランを選べばお得です。
反対に、夜間に電気を使うことが多い人の場合は、深夜に割安になるプランを選ぶことで、電気料金を引き下げやすくなります。
地球環境を考えた再生可能エネルギーの利用ができる
各電力会社によって、電力の作り方は異なります。
なかには太陽光発電や風力発電といった、再生可能エネルギーによる発電に特化する電力会社を選ぶことも可能です。
昨今は、地球温暖化の問題や原発事故の影響による原子力発電所の不要論などにより、電気のことを身近に考える機会が増えてきました。
将来の地球や子孫について深く考える人が、それぞれの理想に合った電力会社を選択する下地が、電力自由化によってできあがったのです。
自分の電気の使い方を見られるサービスを選択できる
電力会社によっては、電気の使用量や使い方を確認できる「見える化サービス」を取り入れています。
「見える化サービス」の導入によって、自分自身がどんな時間帯に電力を多く消費しているのかが一目瞭然になるため、節電をしやすくなったり、より安く契約できる電力会社を見つけやすくなったりといったメリットがあるのです。
電力の見える化を実現させるためには、自宅の外に取り付けるスマートメーターが必要なんじゃ
スマートメーターが設置されていない住宅の場合、事前に設置工事が必要です。
しかし、この際にかかる料金は電力会社の負担となる場合が多いため、自腹を切らずに見える化を推進できる可能性が高いでしょう。
さまざまなキャンペーンの恩恵を受けられる
電力会社では、以下のようなキャンペーンを実施することがあります。
電力会社が行っているキャンペーン例
- 電気代数ヶ月分無料
- キャッシュバック
- 提携するガスや光回線とのセット割
- ポイント還元
これらの特典は、東京電力や関西電力といった従来の電力会社では提供していません。
仮に基本料金等が以前と変わらなかったとしても、こういったキャンペーンの恩恵を受けることにより、金銭的なお得を感じられることは間違いありません。
Twitterにも特典をもらっている人がたくさんいたよ!
たとえ月額料金が変わらなくても、乗り換えるだけで26,000円も臨時収入を得られるのは大きいですね。
月額料金が2ヶ月無料になったという方の口コミです。気軽に契約できたことにもメリットを感じているようですね。
今の電力会社を使い続けても新しい特典はもらえないんじゃ。お得な特典をくれる会社に乗り換えると、数万円単位の節約ができるぞ!
電力自由化の注意点
電力自由化によるメリットは前述したようにたくさんありますが、その一方で把握しておくべき注意点もあります。
それぞれの項目を詳しく解説します。
集合住宅では管理会社の関係上契約できない可能性がある
集合住宅の場合、管理会社が電力会社を一括して決定することがあります。
とくにタワーマンションのような世帯数が多い集合住宅の場合、個別に電力会社を変更できない「高圧一括受電」を受けている可能性が高いため注意しましょう。
高圧一括受電の住宅に住んでいる人が新電力会社に申し込みをしても、受け付けそのものが無効になるため、プランを検討する意味がありません。
まずは管理会社等に確認を取り、電力会社を自分で選べるかどうか、事前に確認しておきましょう。
生活スタイルによっては電気料金が高くなるプランがある
口コミなどで「安くなった」といわれることが多い電力会社だとしても、契約者全員が必ずしも以前と比べて電気料金を安くできるわけではありません。
電気料金は電気を使用する時間帯によって変動するため、生活スタイルとプランの特徴が一致していなければ、むしろ電気料金が割高になる場合もあるのです。
たとえば「日中が安く、夜間が高い」という特徴を持つプランの契約をした場合、夜型の人には向いていません。
会社や学校から帰宅したあとにテレビやパソコンを使ったり、料理をしたりする人の場合、電力会社を切り替えたあとのほうが、電気料金が割高になる可能性が高いため、注意しましょう。
解約時に違約金の発生を伴う可能性がある
新電力会社とは、1年単位の契約を結ぶことが一般的です。
この場合、契約期間中に解約すると違約金が発生する可能性があることに注意しましょう。
違約金が発生する場合、その会社を解約したタイミングで所定の料金を一括払いするよう求められます。
お得に契約したはずだったのに、違約金のせいで赤字になっちゃうかもしれないんだね。
違約金の金額は電力会社によって異なり、数千円~数万円が相場です。
契約途中で乗り換える可能性がある場合は、違約金0円の新電力会社を選ぶことをおすすめします。
電力自由化によってどれくらい安くなる?地域別プラン例
電力自由化により、自分に適したプランを選ぶと電気料金を引き下げられます。
それでは、乗り換えによって実際の電気料金はどれくらい安くなるのでしょうか。
東京・大阪・愛知・福岡という4つの地域をピックアップして、年間で節約できる金額の目安をご紹介します。
東京都(東京電力)の場合
まずは東京都(東京電力)の場合です。
価格.comのシミュレーションを用いて、最も安い条件と比較してみましょう。
※価格はすべて税込
東京都の場合は、二人~三人暮らしの場合に大きく節約できることがわかります。
反対に、一人暮らしのケースでは、むしろ割高になる電力会社も目立ちました。
大阪府(関西電力)の場合
続いて大阪府(関西電力)の場合です。
同じく価格.comのシミュレーションを確認してみましょう。
最も安い条件の電力会社と関西電力を比較した場合の、1年間の節約額は以下のとおりです。
※価格はすべて税込
関西電力圏内においては、一人暮らし~三人以上世帯のケースいずれも大幅な節約ができることがわかります。
とくに三人以上世帯の場合は、1年間で約6,000円の節約を実現可能です。
愛知県(中部電力)の場合
次に、愛知県(中部電力)の試算結果をご紹介します。
※価格はすべて税込
東京電力や関西電力ほど大きな節約には期待できませんが、それでも確実に節約につなげることは可能です。
これに加えて、ポイント付与などのキャンペーンを適用できるため、実際にはより強くお得に感じられるでしょう。
福岡県(九州電力)の場合
最後に、福岡県(九州電力)のケースを見てみましょう。
※価格はすべて税込
福岡県の場合は、同居する人数が多ければ多いほど割引額もアップします。
一人暮らしのケースでは節約額そのものは変わりませんが、キャンペーンによる恩恵を受けられることはメリットです。
おすすめの電力会社3社紹介!
ここからは、一人暮らし・二人世帯・三人以上世帯それぞれにおすすめできる電力会社を、それぞれ1社ずつご紹介します。
いずれも割引額が多くなりやすく、魅力的なプランやキャンペーンが用意されている電力会社なので、対応エリアにお住まいの場合は真っ先に契約を検討しましょう。
一人暮らしにおすすめ:シン・エナジー

一人暮らしにおすすめの電力会社は「シン・エナジー」です。
創業から28年間、エネルギーの総合エンジニアリング企業としての実績を残しており、発電所建設を含めた電力調達・供給を行っています。
シン・エナジーの特徴をリストアップしました。
シン・エナジーの特徴
- 夜間の料金が安い「【夜】生活フィットプラン」がある
- 解約時の違約金がかからない
- JALのマイルが貯まる
- 北海道を除く全国で契約できる
18時以降の電気料金が安くなる【夜】生活フィットプランを提供することが、シン・エナジーの特徴です。
日中は会社に出かけることが多く、夜間に趣味や家事をする機会が多い方に向いています。
東京電力圏内のシミュレーションでは、年間2,000円を節約できるという結果が出ました。
シン・エナジーは、「電気料金の安さランキング」で1~2位に輝くことが多い電力会社です。
初期費用や解約手数料は一切かからず、電気の使用料金200円ごとにJALのマイルが1マイル貯まります。
飛行機を使った旅行が好きな方にとっても、シン・エナジーは魅力的な電力会社といえるでしょう。
関東から契約する場合の、シン・エナジーの料金プランは以下のとおりです。
生活フィットプランは、以下のように区分けされています。
まずは上記の表を参考にして、毎日何時ごろに在宅することが多いのかを考えてみましょう。
ナイトタイムに該当する時間に在宅することが多ければ【夜】生活フィットプランが、平日の日中に在宅する場合が多ければ【昼】生活フィットプランがおすすめです。
シン・エナジーで申し込む
二人世帯におすすめ:Looopでんき

基本料金が0円で、使ったぶんだけの料金を支払うという特徴を持つ電力会社が「Looopでんき」です。
契約者数はすでに30万人を突破しており、顧客満足度調査でも「価格満足度」や「サービス満足度」で第1位を獲得、経産省好評の「電力需要実績」でも第1位に輝いています。
Looopでんきの特徴は、以下にリストアップしたとおりです。
Looopでんきの特徴
- 基本料金0円、使ったぶんだけ電気料金を支払う
- 再生可能エネルギーの普及に力を入れている
- 顧客満足度調査の結果がよく、多くの人に支持されている
- 東京電力エリアでは「Looopでんき」と「ガス」のセットプランを契約できる
東京電力圏内で40Aの契約をしていて、8月の電気料金が8,000円のご家庭の場合、1年間で7,100円の節約ができるというシミュレーション結果が出ました。
再生可能エネルギーを使える電力会社でもあるため、地球温暖化対策をしたいという方にもおすすめです。
Looopでんきの主な料金プランを表にまとめました。
おうちプランは基本料金がかかりません。
使ったぶんだけ電気料金がかかるプランなので、時期によって在宅時間・留守にする時間にばらつきが生じやすい方にはとくにおすすめです。
オール電化向けのプランとしては、以下の「スマートタイムプラン」が提供されています。
こちらも「おうちプラン」と同じく、基本料金はすべて0円です。
また、2021年7月時点では北海道エリアに限定されていますが、契約年数が経過するごとに従量料金が下がる「再エネどんどん割」も利用できます。
こちらは再生可能エネルギーを活用したプランで、基本料金は永年0円です。
20年目以降は、初年度と比較して1kWhあたり10円も電気料金が安くなります。
地球環境に配慮した再生可能エネルギーの利用を希望し、なおかつ料金を安く抑えたいという方にとって理想的なプランといえるでしょう。
Looopでんきで申し込む
三人以上世帯におすすめ:エルピオでんき
三人以上で暮らしているファミリー世帯へのおすすめは「エルピオでんき」です。

東北から九州まで日本全国を広くカバーする電力会社なので、契約しやすいことも魅力でしょう。
2020年11月からは、エルピオ都市ガスとのセットプランも登場しました。
特徴は以下にリストアップするとおりです。
エルピオでんきの特徴
- 個人向けから商店向けまで幅白いプランが用意されている
- ガスとセットのプランの契約でさらに割安になる
- 24時間365日対応の「安心駆けつけサービス」を利用できる
- 4人家族の場合、1年間で14,500円の節約を見込める
エルピオでんきには派手な割引やキャンペーンはありませんが、そのぶん料金の割引率が高い電力会社です。
従量電灯Bを40Aで契約していて、毎月400kWhを消費する家庭でシミュレーションした結果、年間で14,500円を節約できるとのシミュレーション結果も公式ホームページ上で公開されています。
エルピオでんきを関東から利用した場合の料金表をご用意しました。
※価格はすべて税込
従量料金制の一般家庭向けプランです。
60Aの~120kWhまでのみ従量料金が異なりますが、そのほかの料金はすべて同一です。
※価格はすべて税込
こちらは30A専用のライトプランです。
従量料金はスタンダードプランSと比べて若干割高ですが、基本料金が割安に設定されているため、あまり電気を使わない一人暮らしの人におすすめです。
※価格はすべて税込
プレミアムプランは、すべて基本料金+定額料金というシステムです。
使用するkWh数の上限に応じて定額料金が変動します。
毎月の電気料金をできる限り安定させて、安心感を得たいという方にぴったりなプランといえるでしょう。
※価格はすべて税込
23時以降に電気を使う機会が多いという場合は、こちらのプランがおすすめです。
従来の電気料金と比較して最大31%もの節約が可能になるため、夜型の方は大きなメリットを感じられます。
基本料金もスタンダードプランと変わりません。
エルピオでんきで申し込む
電力自由化による電力会社乗り換えの流れ
続いて、電力自由化による電力会社乗り換えの際の流れをご紹介します。
乗り換えのフローは比較的シンプルで、4つのステップのみです。
現在契約中の電力会社へは、新しく契約する電力会社から解約の通告・手続きを行うため手間もかかりません。
4つのステップを順番に確認してみましょう。
①新規電力会社を検討する
まずは、新しく契約する電力会社をどこにするか検討します。
各社が用意するプランを確認して、本当に料金が安くなるかどうかを詳しくチェックしましょう。
多くの電力会社では、いくつかの項目を入力するだけで、毎月の電気料金の目安をシミュレーションできます。
毎月の割引額が大きく変わらなかったとしても、キャンペーンや特別割引を適用することで実質的な料金を引き下げることが可能です。
新規電力会社同士を比較する際も、月々の料金だけを比較するのではなく、キャンペーンを加味したうえでお得な電力会社を選ぶことをおすすめします。
②新規電力会社に連絡し、手続きを行う
契約したい会社が決まったら、新規電力会社と連絡を取りましょう。
冒頭でもお伝えしたとおり、この際に現在契約している電力会社に解約の申し出をする必要は原則としてありません。
ただし、一部例外があるため、念のため新規電力会社に確認することをおすすめします。
万が一解約できていなかったら、電気料金を二重で請求されてしまうから要注意じゃ
加入の申し込みは、基本的にWeb上で完結させることが可能です。
住所や契約したいプランを入力して、会員登録を行うだけで、自動的に手続きが進みます。
手続きが完了すると、登録したメールアドレスに開通予定日や開通のお知らせが届きます。
その際、迷惑メールに分類されないようにドメインを確認しましょう。
③スマートメーターがない場合は設置工事が発生する
いま住んでいる家や引っ越しを予定している家にスマートメーターがついていない場合、これを設置する工事が必要です。
スマートメーターは、毎月の検針作業等を自動化するために不可欠な電子機器であり、新電力サービスを受けるためには設置しなければなりません。
スマートメーターは、ほとんどのケースで電力会社が料金を負担して取り付けてくれるぞ!
自己負担を求められることはまずありませんが、ごくまれに例外があります。
スマートメーターがついていないときは、念のために新しく契約する電力会社に相談して、工事費がかかるかどうかを確認しておきましょう。
④1~2週間後に新電力会社に切り替わる
申し込み完了から新電力への切り替えにかかる期間は、1~2週間と考えておきましょう。
切り替え作業は原則として、すべて新電力会社が行います。
スマートメーターの取り替えも含めて、基本的にすべて新電力会社に任せておけば問題ありません。
契約者側で注意すべきなのは請求です。
締め日などが契約する会社によって異なるため、切り替えの前後は料金の請求が複雑になることに注意しましょう。
まれに初期費用の支払いが必要な電力会社や、解約の際に違約金が発生する電力会社もあるため、この点も加味して費用を計算する必要があります。
電力自由化に関するQ&A
電力自由化についてもっと詳しく知りたい、あるいはわからないことがあって心配だという方も多いはずです。
そこで、電力自由化に関するよくある質問6つにお答えしました。
まずは以下の6項目をチェックして、現在抱えている疑問や不安を取り除けるかどうか確認してみましょう。
このQ&Aだけではまだ疑問を解消できないというときは、ぜひ当サイトの関連記事もチェックしてみてくださいね。
また、電力会社でも質問に回答している場合があります。
チャットや電話などで問い合わせを行い、疑問を残さずに申し込むことが、電力切り替えで失敗しないためのコツです。
電力会社を変えると電気料金が絶対安くなる?
絶対に安くなるとは言い切れません。
各電力会社が特色あるプランの提供を行っており、条件次第では以前契約していた電力会社と料金が変わらないこともあれば、割高になることもあります。
せっかく乗り換えの手続きをしたのに、割高になったら最悪だね・・・
まずは自分自身や家族がどんな時間帯に電気を使うことが多いか考えるのじゃ。電気をよく使う時間帯に安くなるプランならお得になるぞ。
たとえば「深夜に使う電力が安いプラン」の場合、日中に使う電気料金は割高な可能性が高まります。
このプランの場合、日中は仕事で外出していて、電気は夜間に使うことが多いという方に最適です。
とくに一人暮らしをしている人の場合は、こういった夜間の料金が安いプランを選ぶとよいでしょう。
仮に基本料金などが前の電気会社と変わらなかったとしても、キャンペーンや特典を合わせるとお得になることは間違いありません。
電力会社のホームページでは、家族構成や電気の使用量、住んでいる地域などを入力するだけで、電気料金のシミュレーションも行えます。
電力会社を乗り換える際の注意点は?
電力会社を乗り換える際に注意しておきたいポイントをリストアップします。
電力自由化によって、個人で好きな電力会社を選択できるようになりました。
しかし、集合住宅の場合はすでに全戸の一括契約を結んでいる場合があります。
こういったケースでは、自由に電力会社を選ぶことはできません。
乗り換えたいと思っても実現できないことがあるんだね。
どうしてもマンションが契約している会社以外の電力を使いたい場合は、引っ越しする以外に道がないでしょう。
前述したように、選ぶプランによっては料金が割高になる可能性があることや、解約時に違約金の支払いを求められる可能性があることにも注意が必要です。
大半の電力会社は違約金0円ですが、まれに数千円~数万円の違約金を請求される場合があり、気軽に電力を切り替えにくくなってしまいます。
違約金がかかることはまれじゃ。でもあとで後悔しないように、契約条件はよく確認しよう!
そしてもう1点、新電力会社が倒産するリスクについても知っておくべきです。
こういったシチュエーションでは、契約した新電力会社の電力を継続して使えなくなるため、別の電力会社に乗り換えるための契約を交わさなければなりません。
少々手間になることはたしかですが、仮に一定期間内に新しい電力会社と契約できなかった場合は、一般送配電事業者(東京電力、関西電力など)からの電力供給を受けられます。
万が一、契約先の電力会社が倒産したとしても、電気が使えなくなることはありません。
一人暮らしの集合住宅では電力自由化のメリットは受けられない?
集合住宅によっては電力会社を自分で選べないこともありますが、総戸数が50戸以下の小・中規模の集合住宅であれば、電力会社を自分で選べる可能性が高いです。
一人暮らし向けのプランを用意する電力会社を選べば、十分に電力自由化によるメリットを得られます。
たとえば、この記事でご紹介した「シン・エナジー」の特徴は以下のとおりです。
シン・エナジーの特徴
- 夜間の料金が安い「【夜】生活フィットプラン」がある
- 解約時の違約金がかからない
- JALのマイルが貯まる
- 北海道を除く全国で契約できる
北海道以外の日本全国で契約できるシン・エナジーでは、単身世帯に優しい【夜】生活フィットプランを用意しています。
これは18時以降に使う電気料金が安くなるプランなので、日中は職場や学校に出かけている人が恩恵を受けやすく、一人暮らしでも年間で2,000円前後の節約を見込めます。
オール電化の場合は電力会社を選べない?
オール電化とは、調理や給湯、暖房などに電気を使用する住宅です。
夜間に余った電気を貯蓄して水を沸かす「エコキュート」とのコンビネーションにより、光熱費を大幅に浮かせられることがメリットで、日本全国の多くの住宅で採用されました。
新電力会社のなかには、オール電化対応のプランを用意している会社もあるよ!
一般的なプランと比べると契約できる電力会社の数は限定されますが、現在契約している電力会社から新電力会社へと乗り換えることは可能です。
ただし、この場合はいくつかの注意点があります。
オール電化がスタートした当時は東日本大震災以前で、主に原子力発電所による電力が供給されていました。
これが電気代を抑えられる理由だったのですが、現在は原子力発電所による発電の大半がストップしており、オール電化への供給も火力発電等に頼らざるを得ません。
原発が稼働していた時代は料金が安かったんじゃ。原発停止後は発電コストが高くなったせいで、我々が支払う電気料金も割高になっておるぞ。
結論としては、以下のような契約状況に応じて、新電力への移行を検討するか、あるいは今の契約状況を維持するか検討してください。
- 東日本大震災以前の電化プランの場合:現在の契約の維持がおすすめ
- 東日本大震災発生後の電化プランの場合:乗り換えを検討することがおすすめ
原子力発電所による電力供給が不安定になってからは、オール電化の料金が依然と比べて割高になっています。
新電力のオール電化プランに移行することで、今よりも料金を安くできる可能性が高いため、この場合は乗り換えを検討しましょう。
都会しか電力会社を自由に選べない?
この記事でも、東京・大阪・愛知・福岡という大都市での料金比較を行っています。
「電力自由化の恩恵を受けられるのは都会に住んでいる人だけ」というイメージを持った方がいるかもしれません。
しかし、電力自由化は東京都などの都会だけでなく、日本全国の各地で認められています。
北海道から沖縄まで幅広い範囲に対応する電力会社も存在することに加え、特定の地域に根付いたサービスを提供する電力会社も存在します。
都会に住んでいなかったとしても、豊富な選択肢の中から電力会社を自由に選べるため、諦めずに新しい電力会社を探しましょう。
ただし、多くの地域をカバーする電力会社だとしても、北海道や沖縄県には対応していないというケースもあり得ます。
詳しく調べた後にがっかりしないように、最初に対応地域をチェックしておくと良いぞ。
また、新電力会社に乗り換えられたとしても、料金はむしろ値上がりする可能性があることにも要注意です。
乗り換えありきではなく、本当に安くなるかどうかを冷静に判断しましょう。
まとめ
電力自由化は2016年4月にスタートしました。
それまでは、各地域を管轄する「東京電力」「関西電力」といった電力会社が独占的に電力を供給していました。
ただ、現在では民間企業の電力小売事業への参戦が認められており、さまざまな会社の中から好きなプランを消費者が自由に選べます。
電力自由化の目的は、大きくわけて以下の3つです。
我々にとってとくに大きなメリットといえるのが「電気料金の抑制」でしょう。
民間企業は電力の売買事業だけに固執する必要がなく、大きな設備投資も不要なため、料金を割安に設定できます。
また、電力会社間での競争が激化することにより、低価格化が実現されているのです。
電力自由化のメリットとデメリット(注意点)をまとめました。
電力会社の乗り換えは、以下4つの手順で実現できます。
この記事では、一人暮らし~三人以上の世帯でおすすめの新電力会社を3つご紹介しました。
それぞれの会社の特徴もこの記事の中で簡単にまとめているので、どんな特徴を持つ会社なのか確認してみましょう。
簡単な手続きで電力会社の切り替えが完了し、世帯によっては年間数万円の節約につなげられるので、この機会にぜひ新しい電力会社の契約を検討してみてくださいね。