「Apple Watch Series 6」を触って分かった、5つの気になるポイント

日本時間9月16日のApple Eventで発表された「Apple Watch Series 6」——。新たに血中の酸素濃度を測定できるなど、ユーザーにとって未知の機能が詰まっています。本稿では、発売前の実機に触れる機会を得ましたので、以下の気になる5つのポイントを検証してみました。

 

1)どんな文字盤が合いそうか?

2)血中酸素濃度の測定はどう使うか?

3)常時表示の画面輝度はどのくらい上がったのか?

4)高度計の常時測定はどう使うのか?

5)ソロループバンドの使い心地はどうか?

 

1)どんな文字盤が合いそうか?

Apple Watch Series 6の外観は、従来モデルのSeries 5と比べてさほど変わっていません。いくつかの新色こそ登場しましたが、新しさをアピールするためには、ウォッチフェイスを工夫したいところです。

↑写真は、ブルーアルミニウムケース(44mm)と、キプロスグリーンソロループの組み合わせ

 

watchOS 7を搭載するApple Watch Series 6で選択できる文字盤は下記の41種類ありました。多くの文字盤ではさらにカスタマイズが可能です。

↑Apple Watch Series 6で選択できる41種類の文字盤。赤字が新規のデザインだ

 

ちなみに、Apple Watch Series 6をセッティングしたところ、最初に「メリディアン」の文字盤が表示されました。その他の文字盤はデフォルトでは表示されず、手動で追加する必要がありました。

 

今回は全種類検証できていませんが、筆者の主観で新登場の文字盤を一通り試したかぎり、「タイポグラフィ」や「ストライプ」をカスタマイズしたものが、使いやすそうに感じました。ただし、好みが分かれるものなので、あくまで一例としてどうぞ。

↑タイポグラフィ文字盤をカスタマイズしたものの、常時表示中の見た目

 

↑ストライプ文字盤をカスタマイズすると、ストライプの数を減らして、斜めにしたりすることで、こんなデザインにも調整できた

 

「GMT」や「カウントアップ」「クロノグラフプロ」などは、情報量が多いので、時計好きの人には良いかもしれませんが、筆者はやや目が疲れてしまいそうになりました。人によって相性はありそうです。

 

2)血中酸素濃度の測定はどう使うか?

Apple Watch Series 6では、「血中酸素ウェルネス」機能が搭載されました。医療機関テスト時点ではアプリ名は「血中酸素濃度」として表示されているが、「血中酸素ウェルネス」に今後名称が変わる予定とのこと。

 

さらに注釈を加えておくと、「血中酸素ウェルネス」アプリの測定値は、自己診断または医師との相談を含む医療での使用を目的とするものではなく、一般的なフィットネスとウェルネスのみを目的としたものだそうです。

 

同機能を利用する方法は2つ。ひとつは、ウォッチ画面に表示される「血中酸素ウェルネス」アプリをタップして起動し、手動で測定する方法。もうひとつはバックグラウンドでの測定です。

 

手動測定の場合には、アプリを起動して、測定をスタートします。測定中には、手首を平らにして時計を上向きにした状態で、キープする必要がありました。この測定が意外と難しく、15秒待った結果「測定がうまくいきませんでした」と表示されることも多々。慣れるまでは、扱いが難しそうでした。

↑「血中酸素ウェルネス」機能の測定中画面。15秒は意外と長く感じた。なお、写真は画面撮影用に腕を持ち上げているだけで、測定時には机や膝に腕を置くのがよい

 

↑「血中酸素ウェルネス」アプリ(左)を起動し、諸注意を読んだあと「開始」をタップ(中)。測定結果の画面(右)

 

平常時に測定してみた結果は、100%や99%が表示されました。これがどう変化するのだろうと、まずは運動してみました。約5分ほどジョギングして息が上がったタイミングで測定したところ99%のままでした。

 

では、息を止めた状態で測定するとどうでしょうか。筆者の場合、1分弱くらい、可能な限り息を止めてから測定を試みたところ値は95%まで下がりました。結構苦しかったです。

↑平常時(左)、6分/km程度のペースで5分程度ジョギングした直後の数値(中)、1分弱息を止めていたときの数値(右)

 

バックグラウンドの測定に関しては、iPhoneの「Watch」アプリからカスタマイズ可能。「血中酸素濃度測定」のスイッチをオンになっていれば、終日測定が行われます。また、設定画面で「睡眠モード」中のスイッチがオンになっていれば、watchOS 7から追加された睡眠モードを有効にしている際にバックグラウンドで血中酸素濃度が測定できます。

 

まだ睡眠モードを検証はできていませんが、おそらく睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックには、使える可能性がありそうだな、と思いました。なお、測定結果は「ヘルスケア」アプリ内で確認可能です。

↑ヘルスケアアプリから「ブラウズ」>「バイタル」>「血中酸素濃度」をタップすると(左)、測定結果のグラフ表示を確認できる(右)

 

3)常時表示の画面輝度はどのくらい上がったのか?

Series 6の常時表示は、Seires 5の最大2.5倍の明るさになったとされています。実際どのくらいのものなのか検証してみました。共通する文字盤として、ここでは「インフォグラフ」を選択。それぞれ比べてみました。

 

まず、通常表示での比較がこちら。

↑Series 6(左)とSeries 5(右)

 

続いて、常時表示での比較がこちら。

↑Series 6(左)とSeries 5(右)

 

確かに、コンプリケーションの部分を比べてみると、見え方が異なります。例えば、日付の17の上にある曜日の「木」の字がSeries 5でははっきり視認できませんが、Series 6では見えますね。

 

4)高度計の常時測定はどう使うのか?

高度測定はSeries 5でも対応していた機能です。これがSeries 6では常時測定可能になりました。例えば、ハイキングなどのワークアウトを測定している分には、これまでも高度の表示を確認できました。しかし、Series 6では文字盤のコンプリケーションにコンパスを配置し、標高の変化を常に確認できるのです。電池の節約をしながら登山をしたり、現在の標高を知りたいような場面で活用できるでしょう。

↑高度が39mだとコンプリケーションでわかる

 

5)ソロループバンドの使い心地はどうか?

新たに追加された「ソロループバンド」も試してみました。ソロループバンドは留め具がない新デザインのバンドです。素材には、ソフトシリコーンが使われており、特殊なUV加工を施すことで、滑らかでシルクのような仕上がりに整えられています。

↑留め具などがない

 

肌触りはよく、従来のスポーツバンドと同じような印象で使えると思います。引っ張るとびよんと伸びるので、大人はもちろん、留め具の扱いに苦戦する子どもや高齢のユーザーなどにもオススメしやすいと感じました。

↑引っ張ったらこんなに伸びた

 

ただし、サイズを間違えるとApple Watchが腕に正しく固定できず、多くの機能を活かせません。オンラインストアの画面には、印刷して確認できるサイズガイドも用意されているので、購入の際には上手く活用してみてください。

↑オンラインのストアでダウンロードできるサイズガイド

 

最後になりましたが、Apple Watch Series 6は、9月18日発売で、4万2800円(税別)〜。最低価格は、Series 5が発表されたときと同じです。価格据え置きで常時表示が進化し、新機能もどんどん追加されたことを思うと、昨年購入を見送った皆さんにとって、良い買い替え時と言えそうです。

 

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Apple WatchとiPadシリーズに何が起きた? 「Apple Events」新作発表で起きたことまとめ!

Appleのオンラインによる新製品発表会「Apple Events」が、日本時間9月16日午前2時から開催されました。Apple Watch Series 6や第8世代のiPadなど、注目の新作が登場した今回の発表会をダイジェストで振り返ります。

 

1.Apple Watch Series 6は血中酸素濃度の測定が可能に

健康志向が強くなっている近年のApple Watchですが、新作ではその傾向がより顕著になりました。運動の激しさで上下するVO2 MAX(最大酸素摂取量)、呼吸器や循環器の状態と関連するSpO2(血中酸素飽和度)を測定する機能を新たに搭載したのです。特に後者はCOVID-19の症状との関連性も指摘されており、大学などと連携した研究にも使われます。

チップには、A13 Bionicを搭載し、処理速度がSeries 5の1.2倍にアップ。常時ディスプレイ表示にも対応し、画面はさらに明るくなりました。また、文字盤のデザインが進化したほか、金具を全く使わないバンド「ソロループ」の登場など、ビジュアルや使い勝手の面でも新たな提案がなされています。

Apple Watch Series 6について、詳しくはこちら

Apple Watch Series 6とApple Watch SEのスペック比較について、詳しくはこちら

 

2.ついに出た! お手頃価格のApple Watch SE

低価格ながら、ほどよい機能を備えたApple Watch SEが新登場。チップにSeries 3の最大2倍速となるApple Watch Series 5のものを搭載し、加速度センサーやジャイロスコープ、高度計、心拍数測定機能、転倒防止機能はSeries 6と同様のレベルで装備しています。サイズはSeries 6と同様、40mmと44mmの2種類を用意、新たに登場したバンド「ソロループ」にも対応しました。

税込3万2780円からの販売で、Series 6より1万円以上安い価格設定の本機。入門機として最適な1本になりそうです。

Apple Watch SEについて、詳しくはこちら

Apple Watch Series 6とApple Watch SEのスペック比較について、詳しくはこちら

 

3.Appleのサブスクが超お得になる「Apple One」とフィットネスサービス「Fitness+」

Apple Oneは、Appleが展開している、iCloud、Apple Music、Apple TV+、Apple Arcadeといったサブスクサービスをまとめてお得な価格で利用できる、新たなパッケージプランです。個人プランでは、iCloud 50GBとその他3つのサービスをあわせて月額1100円。個別で契約するのに比べて、1210円もお得と、半額以下になっています。また、1850円のファミリープランなら、iCloudの容量が200GBにアップし、最大5人まで利用できます。

ヨガ、サイクリング、ダンス、コアトレーニングなど、様々なトレーニングの動画を毎週配信するサブスクサービス、Fitness+も登場しました。Apple Watchの機能とリンクし、Apple TVやiPhoneの画面上で心拍数などをウォッチしながらトレーニングができます。ただし、現時点で日本は配信の対象外です。

さらに、複数本のApple Watchを1台のiPhoneでペアリングできる、ファミリー共有機能も新登場。これにより、子どもの連絡先を親が管理してメッセージの送信先を制限したり、いまどこにいるのかがGPSで分かるようになったり、家族の安全をApple Watchが守ってくれます。

Apple One、Fitness+、ファミリー共有機能について、詳しくはこちら

 

4.iPadはスペックが大幅進化して、お値段据え置き!

10周年を迎えたiPadシリーズ。その節目を飾る第8世代iPadは、デザインは前世代モデルを踏襲しながらもスペックが大幅に進化。iPhone XSやXRと同じA12 Bionicチップを搭載し、前世代モデルと比較して、CPU性能は約40%向上し、グラフィックス性能は約2倍に高速化しました。

アクセサリーは、フルサイズのSmart Keyboardが使用可能なほか、Apple Pencil(第1世代)にも引き続き対応。最新のiPadOS 14との組み合わせにより、高精度な手書き入力が可能となっています。画面サイズは従来と同じ10.2インチRetinaディスプレイを採用し、カメラは背面に8MP HDカメラ、フロントに1.2MP FaceTime HDカメラを搭載。バッテリーは最大10時間の使用が可能です。

ここまで進化して、価格は従来から据え置き。幅広く使える高コスパモデルの登場です。

第8世代iPadについて、詳しくはこちら

新型iPad/iPad Air、iPad Proのスペック比較について、詳しくはこちら

 

5.新型iPad Airが、iPad Pro並みの性能を獲得!

第4世代となるiPad Airは、デザインを再設計し、フルモデルチェンジを果たしました。最新のチップとなるA14 Bionicを搭載したiPad史上最も先鋭的なこのモデルなら、4K動画の編集や高精細なゲーム映像の表示が可能です。

指紋認証を行うTouch IDをトップボタンに内蔵することで、利便性と高いセキュリティ性能を維持しながら、従来と同じサイズの筐体により大きな10.9インチのLiquid Retinaディスプレイを搭載。前面すべてがディスプレイとなる「オールスクリーンディスプレイ」デザインを実現しています。

アクセサリーは、iPad Proと同様、第2世代のApple Pencil、Magic KeyboardやSmart Keyboard Folioに対応。まさにiPad Pro並みといえるスペックを獲得しました。

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新型iPad/iPad Air、iPad Proのスペック比較について、詳しくはこちら

【スペック徹底比較】Apple Watch Series 6 & Apple Watch SEとおまけにSeries 3の違いを比べてみました

9月16日深夜に発表された、Apple Watch Series 6 とApple Watch SE。本記事では、Appleの発表をもとに両者のスペックを比較していきます。一目でわかるよう、違いを表にしてみました。なお、Series 3も販売が継続されているため、スペック表にはこちらも含めています。

 

 

一目で違いがわかるSE/Series 6/Series 3のスペック表

SE Series 6 Series 3
サイズ 40㎜/44㎜ 40㎜/44㎜ 38mm/42㎜
価格 3万2780円 4万7080円 2万1780円
処理速度 Series 3の最大2倍の速度 SEの1.2倍の速度 S3チップを搭載
文字盤の常時表示 非対応 対応 非対応
血中酸素濃度アプリ 非対応 対応 非対応
心拍数センサー 搭載 搭載 搭載
ジャイロスコープ 搭載 搭載 搭載
加速度センサー 搭載 搭載 搭載
モーションセンサー 搭載 搭載 搭載
コンパス 搭載 搭載 非搭載
高度計 搭載 搭載 搭載
転倒検出機能 搭載 搭載 非搭載
耐水性能 水深50m 水深50m 水深50m
販売モデル GPS/GPS + セルラー GPS/GPS + セルラー GPS

 

SEはApple Watch入門機としておすすめ!

価格が1万4000円以上離れているSEとSeries 6。Appleは、「Apple Watchを初めて使うお客様にとって、Apple Watch SEは最適なモデルです」と発表会で断言しました。

 

SEはSeries 6に比べて処理速度が劣るといえ、致命的なほど大きな差ではありません。また、文字盤の常時表示とApple Watch Series 6で初めて対応した血中酸素濃度の測定機能に非対応ですが、Apple Watchが大きな人気を集める要因となっているそれ以外の機能に関してはSeries 6と同様のものを揃えており、初めて使う1本としては必要十分といえるでしょう。

 

実際、Apple Watchは多機能化が進んでいますから、初めから高性能機を買っても使いこなせない……というケースもあり得ます。すでにApple Watchを使っているユーザーはSeries 6、初めての方はSEを買うのが基本線になりそうです。

「Apple Watch Series 6」で健康管理は新たな局面へ。血中酸素濃度を計測できる新ハイエンドモデル

9月16日深夜2:00から開催されているAppleの発表会。GetNavi Webでは、様々な新作の発表が注目される本発表会の模様を速報でお届けします。

 

呼吸器や循環器の研究にも貢献するApple Watch Series 6

近年、健康への志向が高まっているApple Watch。COVID-19の感染拡大もあって、その傾向はさらに強くなっています。

 

今回のイベントで発表されたApple Watch Series 6では、運動の激しさで上下するVO2 MAX(最大酸素摂取量)、呼吸器や循環器の状態と関連するSpO2(血中酸素飽和度)を測定する機能を追加しました。

 

特に後者はCOVID-19の症状との関連性も指摘されており、Apple Watchの最新作は、この数値をわずか15秒で測定できます。

 

この機能を活かして、大学などと連携し、ぜんそく、心不全、インフルエンザといった病を治療するための研究にも使われるそうです。

 

処理速度は、Series 5の1.2倍に

Apple Watch Series 6に搭載されるApple シリコンは、A13 Bionicをベースにしたデュアルコアプロセッサを採用。Series 5で搭載されたものより処理速度が20%アップしているとのことです。

 

エネルギー効率が高い本製品は、常時ディスプレイ表示を実現しており、手首を下げていても従来の2.5倍の明るさを誇ります。また、高度計を搭載し、前述したとおり酸素の取り込みレベルも常時わかるので、アクティビティにはぴったりといえます。

 

 

また、充電速度も20%速くなりました。地味ですが、充電を忘れたときにはありがたいですね。

 

文字盤のバリエーションもパワーアップ

文字盤は、「時計の歴史に敬意を表す」としたクラシカルモデルのものから、サーフィンや写真といった趣味を楽しむ人向けにカスタマイズしたものまで、多彩なラインナップを用意。文字盤にミー文字を表示することもできます。

 

 

 

金具がないバンド「ソロループ」

金属やバックルがなく、重なる部分がないバンド「ソロループ」も発表されました。

液状シリコーンで作られ、伸縮性にも優れるこのバンドは、フラットなもののほか、極細のシリコーンを編みこんだモデルも用意されています。また、ナイキ、エルメスとのコラボモデルもリニューアルされます。

 

 

 

なお、本作では、Apple Watch史上初めてプロダクトレッドのカラーが登場。ブルー、ゴールドと併せて3色をラインナップします。

 

様々な進化をしたApple Watch Series 6は、4万2800円(税別)から、9月18日の発売です。

 

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ついにお手頃な「Apple Watch SE」登場! ほどよいスペック&ちょうどいい装着感で約3万3000円から

9月16日深夜2:00から開催されているAppleの発表会。GetNavi Webでは、様々な新作の発表が注目される本発表会の模様を速報でお届けします。まずはついにApple Watchでも登場した「SE」モデルをご紹介!

 

ついにApple Watch SEが登場!Series 5のチップを搭載

 

今回の発表では、Apple Watch SEの登場もアナウンスされました。チップはSeries 3の最大2倍速となるApple Watch Series 5のものを搭載し、加速度センサーやジャイロスコープ、高度計、心拍数測定機能、転倒防止機能はSeries 6と同様のレベルで装備。ただし、文字盤の常時表示には対応していません。

 

 

なお、GPSモデルに加え、GPS + セルラーモデルも用意されています。

 

サイズはSeries 6と同様の大型画面

Apple Watch SEのサイズは、44mmまたは40mmと、Series 6と同じ。今回の発表会で登場した金具のないバンド「ソロループ」にも対応しています。

 

 

 

↑丁寧に糸を編み込んだブレイデッドソロループも用意

 

多機能性とほどよいスペック、そして身に着けやすい装着性を兼ね備えたApple Watch SEは、税込3万2780円からの発売。Series 6より1万円以上安い価格設定となっています。

 

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Apple Watchでジム活が捗っちゃうなあ! 日本上陸した「GymKit」でジム通いへの意識がさらに高く

Apple Watchについて、watchOS 4で導入されたテクノロジー「GymKit(ジムキット)」をご存知でしょうか? これは2017年6月のApple 世界開発者会議 (WWDC)で発表されたもので、ジムに設置された対応フィットネスマシンとApple Watchを連携できるようにするためのプラットフォームのこと。実は、オーストラリア、米国、ヨーロッパ、中国、香港に続き、3月15日から日本でも利用できるようになりました。

 

 

Gymkitについては、「テクノジム」「ライフ・フィットネス」「シュウィン」など、世界シェアトップクラスの7メーカーとパートナーシップが結ばれています。今回はまず、ライフ・フィットネス社製のマシンが日本に導入されたということで、筆者も早速体験しにいってきました。なお、同社が提供するマシンでは、「トレッドミル」「エリプティカル」「インドアバイク」「ステッパー」で対応しています。

 

LifeFitness社PresidentのJaime Irickさんは、「LifeFitnessでは、世界中のフィットネス愛好家の方、フィットネスクラブ、そしてパートナーにとって最適なプラットフォームであることを目指している。その3者にとってGymKitのテクノロジーは最高の成果を提供してくれるだろうと考えている」といった旨をコメント。また、「LifeFitness のマシンでは年間約10億のワークアウトが行われている。将来的にこの大部分がApple GymKitで使われるだろう」とも述べています。

 

↑GymKit対応マシンの例。リカベントタイプのインドアバイクで、Apple Watchを連携できる

 

今回訪れたのは、24時間年中無休で使えるフィットネスジム「エニタイムフィットネス」の恵比寿店。同ジムでは、ひとつのキーを用いて国内および海外にある3500以上のジムすべてを利用できるのが特徴です。店舗により異なり、利用頻度の高い店舗の価格が適用される仕組み。なお、恵比寿店の場合には、9180円/月となります。

 

そもそも、ジムでトレッドミル(ランニングマシン)などを利用すると、Apple Watchに表示される心拍数や消費カロリーと、マシン側に表示されるデータが異なってしまうという課題がありました。さらにトレーニングが終了した際に、せっかくマシン側で測定したデータを、持ち帰ることができませんでした。GymKit対応のフィットネスマシンが普及すると、こうした状況の改善が期待されます。

 

国内のANYTIME FITNESSのメインフランチャイザーであるFast Fitness Japan 代表取締役社長COOの土屋 敦之さんは 「GymKit導入は、利用者にとっての快適さをさらに高めるサービスであり、ジム・日常生活問わずApple Watchを通じて運動や健康状態をモニタリングできるようになれば多くのお客様に喜んでもらえるのではないかと思う」とコメントしています。

 

フィットネスマシンを実際に使ってみた

まず、Apple Watchを対応マシンに近づけるとNFCが反応して、両者がBluetooth経由で接続されます。NFCとBluetoothの2段階になっているので、不要な自動接続を防げます。

 

初回は確認画面が表示されるので、「続ける」をタップ。トレッドミルの場合、その後「室内ランニング」か「室内ウォーキング」を選択。Apple Watchではワークアウトアプリが起動し、マシン側には集約された情報が表示されます。

 

↑マシンにある「NFC」のマークにApple Watchを近づけてから、ウォッチ画面上で確認操作を行う。するとワークアウトアプリが起動し、マシン画面にデータが共有される

 

Apple Watchからトレッドミルへは身長・体重、心拍数などのデータが送られます。一方、トレッドミルからApple Watchへは、ランニングのペースや傾斜などの情報が送られます。Apple Watch側では、消費カロリーが計算され、それがトレッドミルへと送り返されてモニターに表示される仕組みです。

 

↑ワークアウト中に表示されるマシン側の画面。「時間」「距離」「カロリー」「心拍数」「ペース」「メッツ」「傾斜率」「速度(KPH=km/時)」「経過時間」「アクティブカロリー」「合計カロリー」が確認できる

 

マシンの画面左下にある停止ボタンをタップすると、一時停止状態に。そのまま終了を選択すれば、測定が終わり、サマリー画面が表示されます。この状態で、Apple Watchにもデータが共有されていることがわかりました。

 

接続を解除するとトレッドミルにある個人情報は消去されるようになっています。また、測定データはiPhoneの「ヘルスケア」アプリや「アクティビティ」アプリで管理できます。

 

↑iPhoneの「アクティビティ」アプリからワークアウトの結果が確認できる。LifeFitnessのマシンを使ったことも記録されていた

 

ついに日本上陸を果たしたGymKitですが、連携具合はとても滑らかでした。使い勝手もよく、筆者の通うジムにも早く導入されれば良いのに、と願うばかり(笑)。今後も普及が進めば、多くのジムで見かけるようになると思うので、Apple Watchをお使いの皆さんは、ぜひ試してみてくださいね。

テクノロジーはスキーを救うか? 減少の一途を辿るスキー人口を増やす、3者からの提案

ここ数年、耳にする機会が増えた「IoT」という言葉。これは、「モノ」がインターネットにつながる仕組みや技術のことを表しており、これまで埋もれていたデータを収集・分析することで、新たな価値を生み出すことが期待されています。最近では、企業にかぎらずさまざまな分野でこうしたITのテクノロジーを取り込んでいこうという動きが見られます。そのひとつが、スキー業界です。

 

スキー人口は長期にわたって減少傾向にあり、現在ではピーク時の3分の1まで減ったと言われています。スキー場の閉鎖も相次いでいるようです。こうした現状を打開しようとしているのが、オリンピックでの入賞経験があり、現在はプロスキーヤーとしてだけでなく、全日本スキー連盟の常務理事を務めている皆川賢太郎氏です。

 

ここでは、皆川氏がファシリテーターを務め、ITのテクノロジーを使ってスキー産業をいかに活性化していくかが議論されたイベント「スキー未来会議」の模様をレポートしたいと思います。

 

スキー未来会議とは?

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「スキー未来会議」は、スキー用品のメーカーやホテル、販売店などスキー産業に関わる人たちが集まり、いかにスキー産業を盛り上げていくかを討論するシンポジウムです。過去に3回開催されており、第1回目では国内外に向けたスキーの映像コンテンツをどう発信していくか、第2回目では小売店の活動やスキー産業全体についての話し合いが行われました。11月末に開催された第3回目では、スキー産業にテクノロジーを導入することで得られるメリットについて議論されました。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA↑全日本スキー連盟常務理事・皆川賢太郎氏

 

このシンポジウムは2部編成となっており、第1部では皆川氏がスキー産業の現状を語りました。「インターネットの活用やデジタル化を行うことで、スノースポーツの興行化に繋がる」と皆川氏が提唱した背景もあり、今回はITに特化した話し合いが行われました。第2部では、IT関連のパネリストが3名登壇し、テクノロジーの活用方法について語りました。

 

なぜ、テクノロジーがスキー産業の今後の”鍵”となるのか。それは、スキー産業の現状と直面している課題を知ることで見えてきます。

 

スキー産業が抱える課題と取り組み

現在、国内のスキー人口は800万人弱。国内のスキー場数は600か所以上と世界トップクラスを誇る一方で、スノーボードを含めたスキー人口は1998年の約1800万人をピークに年々減少の一途を辿っています。スキー人口を増やすこと、そしてスノースポーツの種目をいかに興行化するかが、大きな課題となっています。

 

↑第1部では、皆川氏がテクノロジーによって解決できるスノー産業の3つの課題を説明した↑第1部では、皆川氏がテクノロジーによって解決できるスノー産業の3つの課題を説明した

 

1つ目の課題は、スキー人口を正しく把握できていないこと。現在のスキー場の仕組みでは、正確な利用者数をカウントできていないと皆川氏は指摘します。それは、”リフト券の販売数”や”駐車場の車の台数”などの曖昧な基準によって、利用者を算出しているためです。

 

2つ目は、チケットレス、キャッシュレスの遅れ。アメリカなどの他国では、財布を持ってスキーをするという概念がほぼないにも関わらず、日本ではいまだに紙のリフト券を使用している所を多く見かけます。また、現金での支払いがメインのスキー場では、滑っている間に現金を落とすというリスクもあります。

 

3つ目が、スキー産業とホテルや小売店などの周辺産業とのつながりが希薄であることです。横のつながりと連携しやすくするため、スキー未来会議や全日本スキー連盟など、全体の情報を集約・管理するプラットフォームをつくる必要性が高まっているとのこと。

 

スキー産業は上記のような課題を抱えていますが、ITのテクノロジーを使った取り組みも行われています。2016年2月13~14日に、新潟県の苗場スキー場でアルペンのワールドカップ「アルペンワールドカップ苗場」を、NTTドコモや富士通、パナソニック、シスコと協力して開催。サッカーや野球と違い、スキーは山のふもとからはるか高いスタート地点を見上げる形になります。

 

そのため、試合全体の様子が見えづらく、選手の情報を詳しく知ることがなかなか難しいのが現状です。この大会では、大会やレースに関する情報や、選手の詳細情報などをインターネットを通じて観客に提供するサービスを実施しました。皆川氏は、「お客さんからも良い反応があり、インターネットの活用は非常によかったと感じる」と当時のことを振り返りました。

 

課題を解決するために、テクノロジーがどう活躍するのか?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA↑楽天 グローバルデータ統括部 データインテリジェンスマネジメントグループ・楽天野球団 事業企画部 杉浦和代氏(左)、ユーフォリア 代表取締役 宮田誠氏(中央)、ITジャーナリスト 井上晃氏(右)

 

第2部では、ITのエキスパートである3名のパネリストが、スポーツにおけるITの活用事例を紹介しました。

 

楽天からの提案-アプリを使ってファンも団体も盛り上げる

 

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楽天の杉浦氏は、スポーツを興行化するうえでのキャッシュレス決済の普及の重要さなどを述べました。東北楽天ゴールデンイーグルス専用球場の「Koboパーク宮城」では、グッズやスタジアム内でのドリンク購入の際に、売店での決済方法としてクレジットカードやEdy、楽天ポイントなどが利用できます。キャッシュレス化により、現金でのやりとりが減り効率的になっています。

 

また、ファンクラブと楽天IDのデータベースを連携することで、利用者はアプリで球場にチェックインをしたり、楽天市場で応援グッズを買ったり、映画やアニメなどが視聴できる動画配信サービス「Rakuten TV」で試合のハイライトを観たりと、さまざまなコンテンツにアクセスしやすくなります。

 

そのほか、試合の映像や試合予想ゲーム、選手の情報、スタジアムでの出前サービスなどを利用できるアプリ提供なども、スポーツを興行化するための大事なツールだと杉浦氏は述べました。

 

ユーフォリアからの提案―スポーツをデータ化する

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スポーツ領域におけるITソリューションを提供するユーフォリアの代表取締役である宮田氏は、選手育成の観点からスノースポーツの盛り上げを提案しました。

 

ユーフォリアでは、アスリート向けの体調管理システム「ONE TAP SPORTS」を提供しており、ラグビー日本代表を筆頭にバレーボール、テニスなどさまざまなスポーツで250以上のチームに導入されています。このシステムは、スマホやパソコンなどから利用できるクラウド上のソフトウェアで、選手のコンディションやトレーニング、食事データの管理などを行います。

 

選手のアクティビティやコンディション、結果をデータ化することで、良い結果を生み出すフローができあがるとのこと。「客観的なデータだけでなく、体調や睡眠の質などアスリートの主観的なデータも収集することが大事」(宮田氏)とスポーツをデータ化する重要性を解説しました。

 

ITジャーナリストからの提案―Apple Watchでキャッシュレス化に貢献

 

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最近では、ウェアラブル製品に対する関心が高まり、スポーツへのウェアラブル製品の導入が盛り上がっています。特に、スマートウォッチはランニングや水泳時に身に付けながら運動量の把握や目標の設定ができ、スポーツと相性が良好。なかでも、連絡手段としても使えるApple Watchは、一石二鳥なITデバイスです。井上氏は、このApple Watchを活かすことで得られるメリットを3つ提案しました。

 

まずは連絡手段としての活用。最新のApple Watch series 3には、通話・通信モバイル機能が搭載されているため、スマホを持たずにApple Watchだけで通話やメッセージの送受信ができます。スキーやスノボで滑っている間に家族や友人とはぐれてしまったというときにも、慌てず連絡が取れます。スマホを取り出して操作する必要もなくなるため、リフトからスマホを落とす心配もありません。

 

また、ウィンタースポーツに特化したアプリでモチベーションをアップすることもできます。滑走時の移動距離や最高速度、消費カロリーなどを記録したり、その数値を友人と競いあったりと楽しみ方はさまざまです。

 

Apple Watchは皆川氏が最も期待する”キャッシュレス化”にも貢献します。スマホをかざすだけで支払いができるサービス「Apple Pay」を使えば利用者は現金を持ち歩く手間が省け、スマートに支払いができます。一方、店舗側は売り上げ状況の確認や分析が簡単にできるPOSレジアプリの「Airレジ」を使うことで、顧客や売上の管理がしやすくなるメリットがあります。

 

現在、紙のリフト券を販売しているスキー場は数多くあります。そこで、決済と同じようにApple Watchをかざすだけでゲートを通るシステムが開発されれば、将来的にはリフト券のチケットレス化を実現できる可能性もあります。

 

一見、テクノロジーとは無縁と思えるスキー産業。しかし、今後生き残っていくためには、スキーに限らずどの分野でもITの力は必要になることでしょう。