お金持ちになるために切り捨てるべき人間関係を見分ける4つのテクニック ──『人生を変える、お金の使い方。』

人生を変える、お金の使い方。』(千田琢哉・著/学研プラス・刊)は、3千人以上の成功者たちによる「お金の使い方」を分析して、51項目にまとめたものです。そのうち4項目を厳選して、金銭トラブルから学べること、時間をムダにしない方法、最高の投資とは何か、ブーメラン理論を紹介します。

 

 

金銭トラブルから学べること

金銭トラブルを起こしたから絶縁するのではない。もともと絶縁すべき相手だから、必然的にその相手と金銭トラブルになったのだ。
(中略)
金銭トラブルを起こした相手とダラダラ付き合っている人たちは、例外なく悲惨な人生を歩んでいる。

(『人生を変える、お金の使い方。』から引用)

 

金銭トラブルが発生したら、回収するよりも「トラブル相手と縁を切る」ことを優先しましょう。貸し倒れコストよりも回収コストのほうが高くつくからです。たとえば、失踪したトラブル相手に貸した10万円を取り戻すためには、興信所に依頼したり回収できるか不安になったりして物心両面で10万円以上のコストを負担することになる、という感覚です。

 

金銭トラブルにおいては因果が逆転します。不誠実な借り手は、利子の支払いを重ねていくうちに、お金を貸してくれた人のことを憎むようになります。やがて返済不能に陥ると、貸してくれた恩人のことを守銭奴呼ばわりします。絶縁するのにふさわしい相手です。

 

 

時間をムダにしない方法

「このラインを超えたら断る」と決めておくと、無駄な時間が削減できる。
(中略)「時間は命の断片であり、その時間を一緒に共有したくない相手とは関わりたくない」

(『人生を変える、お金の使い方。』から引用)

 

「不快」や「気に入らない」という感情を見逃してはいけません。好き嫌いこそが、あなたの人生を左右します。嫌いな相手には、こちらの情報をなるべく与えたくありません。悪用されたくないからです。情報を隠しながらやりとりするのでコミュニケーションに膨大な時間を要します。つまり、嫌いな相手との関係を続けることは、多くの「機会損失」を生み出します。

 

損害をもたらす相手を見分けるために、独自の基準を定めておきましょう。遅刻するときに連絡をしてこない人。ノー・サンキュー。初対面なのにタメぐちの人。グッドバイ。「キライだな」と感じるのは、あなたと価値観が離れているからです。ビジネスでも結婚でも「価値観のすり合わせ」は手間がかかります。価値観が近い人(スキな人)と付き合ったほうが時間はムダになりません。

 

生きていればトラブルや損失はつきもの。ふて腐らずに「勉強代を支払った」と納得するためには、ちょっとした考え方のコツがあります。

最高の投資とは何か

一度も損しなくて済む人生なんて、この世に存在しない。
(中略)
人生には、実際に痛い目に遭って初めて、「なるほど、こういうことだったのか!」と気づかされることも多い。それも含めてすべてが「勉強」だと思うからだ。

(『人生を変える、お金の使い方。』から引用)

 

小さいリスクで大きなリターンを得るための投資方法があります。それは「勉強」です。投資には失敗がつきもの。株や債券の投資信託、仮想通貨、マンション購入などで失敗すれば数百万〜数千万円の損失です。しかし、大量の本を買って読んだり学校に通ったりセミナーに参加したりすることによる失敗なんて、たかが知れています。「恐れるべき失敗」と「恐れるほどではない失敗」。うまく見分けて、上手な失敗ができるようになりましょう。

 

 

ブーメラン理論

お金に限らず「損をした」と悔しい気持ちになった経験は誰でもあるだろう。しかし、「損をした」と何かを恨んでいるだけでは、いつまで経ってもあなたの人生は好転しない。
(中略)
結局、すべての原因は、ブーメランを投げたあなた自身にあるのだ。

(『人生を変える、お金の使い方。』から引用)

 

本書『人生を変える、お金の使い方。』の著者は、お金を使うことはブーメランを投げるのと同じであると述べています。ブーメランを放り投げると、空中で旋回したあと、投げた人間のもとに戻ってきます。つまりブーメラン理論とは、お金を使えばその結果があなたに必ず影響を与えるというものです。

 

あなたは1日のあいだに何度もブーメランを投げている。その自覚はありますか? 感謝を込めてブーメランを投げれば、当然のように感謝が戻ってきます。見返りを求めずにブーメランをたくさん投げていれば、忘れたころに嬉しいブーメランとして戻ってきます。不幸を呼び寄せるようなブーメランを投げるべきではありません。

 

お金の使い方、発言、行動、すべてがブーメランであることを心がければ、きっと人生はうまくいきます。お試しください。

 

【書籍紹介】

人生を変える、お金の使い方。

著者:千田琢哉
発行:学研プラス

貯蓄よりも投資。これは現代ビジネスパーソンにとっていまや常識である。20代がやっておくべき”投資”について著者・千田琢哉は断言する。「お金は勉強と環境に投資せよ!」使えば使うほど人生が最大化する、本当のお金の使い方を大胆かつ実践的にコーチ!

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ATMでは8000円以上おろしてはいけない。――『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』

財布にお金をかける人は多い。一流ブランドの財布、あるいは、金運を招く財布を持っていれば、なんとなくお金が貯まっていくような気がするからだ。

 

しかし! 『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』(山崎俊輔・著/日経BP社・刊)を読むと、それは間違いらしい。むしろビニール製などの安い財布に少ないカードを入れておくだけのほうがお金が貯まるというのだ。

 

 

お金が貯まる人の財布は軽い!

ファイナンシャルプランナーであり、消費生活アドバイザーでもある著者の山崎俊輔さんによると、「お金が貯まらない人は、高い財布でも金運アイテムを入れてもお金の向きを揃えても、やっぱり貯まらない」とズバリ! お金を貯めたいなら、無駄遣いをしない仕組みや貯まる仕掛けをつくることが大切だそうだ。

 

「無駄遣いをあまりしない財布」を探すとしたら、それは「安い財布」だと思います。なぜなら、財布の値段は、あなたがその財布を開いて買うモノの値段に無意識に影響を与えてしまうからです。(中略)あなたがもし背伸びをして高い財布を買うと、背伸びをして高いスーツが欲しくなり、背伸びをして高級な食べ物を食べたくなります。それに伴って仕事意欲も高まり年収も上がると主張する人もいますが、財布を高いものに買い替えたら自動的に年収が上がる、という相関関係はありません。

(『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』から引用)

 

お金を貯めたいなら、むしろ安い財布に少ないカードを入れて、常に”軽く”しておくのがいいそうだ。基本的にはキャッシュカード2枚、クレジットカード2枚で十分とのこと。

 

 

ATMで下ろす現金は8000円がベスト!

財布に入れておく現金も1万円以下のほうがお金が残るという。現金を多く持つと、人は無意識にそれが使っていいお金の範囲と規定してしまうからだそうだ。

 

毎回1万円を下ろして買い物をする生活をやめ、8000円下ろして買い物をしたと仮定します。おそらくATMを利用する回数は増えても、使うお金の総額は少し減ることになるはずです。1万円×5回に対して、8000円×6回(4万8000円)のように、同じ期間で少し節約が実現することになります。もし、お金を下ろす回数が同じなら最大で20%もの節約になります。

(『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』から引用)

 

こんな小さな差こそが、お金を貯める原動力になる、と山崎さんは言う。

 

この本を読んでから、私も財布に万札を入れるのをやめ、ATMでは8000円しか出さないことに決めた。どうか少しでもお金が貯まっていきますようにと願いながら。

 

 

口座が1つだとお金が逃げていく?

銀行口座が1つだと、少額の引き落とし履歴がたくさん残る。現金もずるずると下ろし、いつの間にかお金が消えていったいう状況に陥りやすいそうだ。

 

給料などが振り込まれる口座がメインバンクなら、それとは別にサブバンクを開設し、日常生活で使うお金、貯めるお金を分けて管理することを山崎さんはすすめている。

 

1カ月の食費や日用品にかかる費用が見えてきたら、メインバンクから月に1度、1カ月分の日常生活費をサブバンクに移します。そこから1カ月かけて生活費を引き出していくことにします。サブバンクは給料振込み日までにぴったり使い切っていい口座ということになります。

(『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』から引用)

 

こうして無駄遣いを防ぐわけだ。ちなみにサブバンクはATM手数料無料のネット専業銀行を選択するのが好ましいとのことだ。

 

 

証券口座でお金を増やす

証券口座はお金を増やすための選択肢としてこれからの時代には欠かせない存在になるという。証券口座は入れたお金は下ろさないと決め、定期的に資金を入金し、運用益を加えて残高を増やしていく口座として利用するのだ。

 

証券口座は銀行口座とリンクさせます。証券会社は特定の銀行口座番号を指定し、そこに入金されると個人の証券口座の残高に反映されます。複数の銀行口座を指示してくることがあるので、メインバンクと同じ銀行口座に入金すれば、同一行内振込ということになり、振り込み手数料が安くなりますし、同一行内手数料無料になる優遇が利用できるなら、無料で振り込みができます。

(『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』から引用)

 

証券会社については実店舗もある証券会社を用いるか、ネット専業証券を選ぶか悩むところだが、証券口座はいくつ開設してもいいので、複数を作って、後でどこで取引するか考えてもいいそうだ。

 

 

「100円」で投資家になろう!

最低でも100万円くらいの資金がなければ投資などできない、と思い込んではいないだろうか? が、これは誤りで、現在の投資の最低購入金額はなんと「100円」にまで下がっているそうだ。

 

ネット証券会社であるSBI証券や楽天証券は、投資信託の積み立て投資について最低購入金額が100円でスタートできる選択肢を用意しています。ちょっと前までは毎月数千円くらいを必要としたのですが、さらに一ケタ下げてきたのです。毎日カフェラテ1杯分(400円。毎月1万2000円)を40年間積み立てて運用し続けたとすると、複利効果により、年利3%なら1126万円までお金は増えるのです。

(『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』から引用)

 

ちなみに普通の人が普通の投資をしている限り、投資に失敗して借金を抱え込むことはないので安心していいそうだ。

 

投資をはじめると毎日のように株価をチェックしたり、夢中になりがちだが、山崎さんによると仕事やプライベートに悪影響を及ぼす投資はダメとのこと。株価を毎日見る必要もなく、むしろ10年間ほったらかしでOKだそうだ。

 

本書にはビジネスマンが投資デビューするための詳しい解説があるので、お金を増やしたい人は必見! さらに、この本には、上手な節約法、効率のいい稼ぎ方、老後マネーとなる退職金や年金の話まであり、これを読まなければ損をしそうだ。

 

【書籍紹介】

 

読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方

著者:山崎 俊輔
発行:日経BP社

知らないと生涯で2億円損する!? 口座は1つだとお金が逃げる! お金が貯まる人の財布は軽い? 「ほったらかし」投資で1000万!・・・ 何歳からでも間に合う! 日々のちょっとした心がけから将来設計まで知れば絶対得する&人生が豊かになるお金の新常識をやさしく解説。

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あなたと私の「1時間」は価値が違う!?「時間主義経済」という新たな潮流――『新しい時代のお金の教科書』

来週、私はとある20代の男性と食事に行くことになった。彼が食事に行くお金がないというから、食事代は私が払う。私は彼に「お金はいらない。あなたの時間がもらえればそれでいいから」と言ったのだけど、実はこれ、これからの時代の価値の概念らしい。

 

 

「時間主義経済」という流れ

新しい時代のお金の教科書』(山口揚平・著/筑摩書房・刊)によると、今後、お金ではなく時間が価値をなす社会に変化していくという。人々は今までモノを求めてきたけれど、今後はモノ(物品)よりもコト(経験)を求めるようになるという。これは多くの人にとって戸惑う現象のようだ。今までは大きくて立派な家、高級外車など、ステイタスは目で見てわかったし、それらはお金があれば手に入っていた。なのに、今後はその人が何をしてきたのか、何ができるのかというコトのほうに価値があると言われても、混乱してしまうだろう。

 

けれど私にはよくわかる。というか、私はどうやら一歩先に本にある「時間主義経済」なるものに足を踏み入れていたようなのだ。もともと私たちは時給で収入を計算することがある。たとえば、東京労働局が定める東京都の最低時給は958円だ。けれど、この本が説く「時間主義経済」とはそういう均質なものではない。「その人でなければできないこと」「その人によるオリジナルな価値」を時間単位で考えるというものなのだ。

 

 

時給より高額な専門時給

最低賃金を上回る職種というものは前からいくつもある。例えば弁護士に相談する場合は30分で5000円というのが相場だった(最近は初回無料で相談できるところも増えているけれど)。時給にしたら1万円とかなりの高時給だ。カウンセリングも人気がある先生だと1時間1万円以上の料金がかかることも多い。専門知識がある人の時給は跳ね上がる。今後はマッチングサイトの普及で、高時給を得る個人は増えると私は予測している。

 

たとえば私は取材も兼ねてレンタル彼氏を利用することがあるけれど、新人だと時給は2000円程度で、人気があると5000円以上にもなる。また、マッチングサイトで家事代行の依頼を検討しているけれど、そこは新人は1500円程度で、人気の人は1時間3000円近くかかる。調理師などの資格を持っている人や、経験を積んでいる人は料金が高いようだ。1時間に高いお金を払うほど、より満足できる結果が期待できるのだろう。

 

 

さまざまな形の時間の価値

これからはお金よりも時間が重視されるということは、私は理解できる。すでに私は食事をするときに、食事代よりも誰と食事するかのほうを重視しているからだ。貨幣経済的に考えれば「おごってもらえる誰かと食事をして食事代を浮かせる」ほうがオトクだけれど、時間主義経済的に考えれば「ぜひお話してみたい人と食事ができ、時間を共有できるのなら、食事代は自分が出しても構わない」のである。

 

今まで少なくない女性から「男に貢いでまで食事したいなんてミジメだとは思わないの? 女はおごってもらってナンボでしょ? おごってもらえる女になりなさいよ」などと叱られてきたけれど、そろそろ彼女たちの考え方こそが前時代的なのだと言われる日が来るのかもしれない。

 

 

時間の積み重ねの大切さ

本では、積み重ねた時間が価値を高めるということも書かれていた。たとえば裕福な家庭の子どもを正しく育てるためには、お金ではなく時間がかかる、といったように。確かに富裕層のお子さんが行儀の良さを身につけるためにはかなりの時間が必要だ。そうして得た身のこなしは一生の財産となる。

 

このように、一朝一夕では得られないこと、お金では買えない「時間の積み重ねによる成果」に価値が見出される時代になっていくのだろう。だとすると、私がもう何年もさまざまな若い男性と食事を続けていることも、ひとつの時間の積み重ねだ。私は物書きなので、この経験がいつか素敵な物語に熟されれば、それで大満足である。

 

 

【書籍紹介】

新しい時代のお金の教科書

著者:山口揚平
発行:筑摩書房

お金はこれからどうなるのか? お金の歴史とその仕組み、そして変化、未来まで、スッキリ解説します! ▲お金の起源は、物々交換ではなく動かせない石だった?/▲通貨の価値は信用×汎用というシンプルな方程式で測れる/▲国家、技術、経済、社会の変化が、お金を変化させる/▲新しい時代、お金についての10の習慣を意識する。

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【朝の1冊】王子様より大富豪?『世界名作劇場』に見るいまどき女子の人生のゴールとは?

高校3年生の私の娘は『シンデレラ』のストーリーが好きだ。継母らにいじめられたシンデレラは、魔女の助けで舞踏会に行き、王子様と運命的出会いをして結ばれる。結果、継母らよりもお金持ちになった。この「自分を虐げた人よりも上のランクに行った」状態に快感を覚えるのだという。

 

お金持ちこそがゴールの象徴!?

同様の理由で娘は、昭和の少女漫画が好きだ。原ちえこさんの『フォスティーヌ』ではロマの娘が実はウィーン大公の娘だったというお金持ちフラグが立っていたし、いがらしゆみこさんが描いた『キャンディ・キャンディ』では孤児の女の子が大金持ちの養女となる。ヒロインのフォスティーヌもキャンディも、今まで意地悪をしてきた人よりも上位クラスの身分となる。娘から言わせると「大勝利」なのだそうだ。

 

娘に言わせると、王子様はいらないという。ただ、お金や身分は必要なのだそうだ。普通の女の子なら「いつか王子様が私を迎えに来てくれる」と夢見るものではないのだろうか。少なくとも私が娘の歳の頃はそんな妄想に浸っていたものだ。しかし現代っ子の娘は「いつか王子様は浮気するかもしれないけれど、身分やお金は裏切らない」と断言するのだった。

 

 

世界名作劇場に見るお金持ちゴール

そんな娘は懐かしの『アニメ世界名作劇場』も好みだ。『「フランダースの犬」「小公女セーラ」ほか アニメ「世界名作劇場」から語り継ぎたい名作 全7話』(アニメ別冊編集部・編/学研プラス・刊)をめくると、確かに娘が特に好きな『小公女』と『ペリーヌ物語』には、「いつかはお金持ち」設定がある。

 

個人的には世界名作劇場は、いろいろつらいことがあっても真っ直ぐに生きる子ども、という設定で統一されていると思う。『フランダースの犬』のネロは気の毒な最期を迎えたけれど、正しく生きることの大切さを視聴者に教えてくれた。『アルプスの少女ハイジ』も大好きな場所(アルプス)で大好きな人(おじいさん)と暮らすことがどれほど幸せなことかということを示してくれた。しかし娘は、あくまでもお金持ちになるラストにこだわるのだ。

 

 

セーラとペリーヌのお金持ち度

『小公女』のセーラは、もともと大金持ちのお嬢さんだったけれど、父親が破産した末に死亡してしまい、小間使いの身分に落ちぶれてしまう。しかし、遺産のダイヤモンドが見つかり、セーラは大金持ちに返り咲き、かつてこき使った人々のことを冷たくあしらうのだった。

 

『ペリーヌ物語』のペリーヌは、両親を失った女の子が大金持ちのおじいさんのところに向かうという物語だ。けれど、おじいさんは息子と駆け落ちした女(ペリーヌの母親)をいまだに激しく憎んでいるため、ペリーヌは自分が孫娘だと言えない。とはいえ最終的には身分がバレ、めでたくおじいさんに孫娘だと認めてもらえた、娘に言わせれば「おじいさんが死んだ時の遺産相続人」となったのだった。

 

 

なぜ王子様よりもお金持ちなのか

これらのお金持ちシンデレラストーリーには、共通点がある。彼女らの住まいがかなりみすぼらしいのだ。シンデレラは屋根裏で寝泊まりしていたし、キャンディとセーラは馬小屋で寝泊まりしなくてはならなかったし、ペリーヌは誰も使っていない小屋に住み着いた。フォスティーヌは放浪暮らしなので、定住場所すらない。眠ることが大好きな娘は、彼女らがお金持ちになり、ふかふかのベッドで休むようになった時に、強い満足感を得たようだ。

 

結局、お金持ちになると、衣食住という人間の生活の基本は保証される。保証されるどころか、素敵なドレスを着て、ご馳走を食べ、ふかふかのベッドで寝るという最上級の暮らしにグレードアップする。おそらく娘の関心は生活の安定にあるのだろう。まずは暮らし、男はその次の関心事なのだ。そういえば、現代の未婚女性の恋人がいない率が半数近くにも上がっているというけれど、もしかしたら彼女達も不安定な社会での生活における心配が先に立ち、恋愛が二の次になっているのかもしれない。

 

 

【書籍紹介】

「フランダースの犬」「小公女セーラ」ほか アニメ「世界名作劇場」から語り継ぎたい名作 全7話

著者:アニメ別冊編集部(編)
発行:学研プラス

フジテレビの「世界名作劇場」シリーズから語り継ぎたい名作を厳選した読み聞かせ絵本。『フランダースの犬』『少公女セーラ』『ペリーヌ物語』『ピーターパンの冒険』『ポルフィの長い旅』ほか計7作品を1冊に収録した低年齢児童向けの読み物。

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アメックスカードが4月からサイン廃止!?セキュリティ面は大丈夫なのか

クレジットカード会社のAmerican Express(アメリカン・エキスプレス)は2017年11月11日、クレジットカード決済時のサイン記入を18年4月に全世界で廃止すると発表しました。発表をうけ、他のカードブランドが追随する姿勢を見せています。ここで改めて、クレジットカードサインの歴史を学び直してみましょう。

 

フランスはどのようにカード不正をなくしたか

American Expressによると、サイン廃止の主な理由は、不正防止技術の向上でサインの必要性が低くなったこと。海外だと、表面に四角い金属チップを埋め込んだ「接触ICカード」がクレジットカードの主流になりつつあります。これなら、決済時に入力するのは本人のみ知りうるPIN(暗証番号)だけなので、不正使用が少なくなります。

 

たとえば、1990年代初頭のフランスではカード不正が多発していましたが、接触ICカードの普及で実店舗での不正は少なくなりました。接触ICカード決済がスタンダードとなり、なおかつPINで本人認証が行われれば、不正はさらに減るでしょう。また、フランスやイギリス、カナダ、オーストラリアといった国々ではSuicaやnanaco、WAON、楽天Edyのような、端末にかざすだけで決済できる「非接触ICカード」も広がっています。取引額は少ないものの、端末にカードをかざすだけ(PINレス)でスピーディーに支払い可能です。

 

翻って日本を見ると、会計時にサインが求められる「磁気カード」がまだまだ使われています。磁気カードの場合、本人認証をするには利用者のサインとカード裏面の署名を目視で見比べるしかありません。店員がそれを判断するのはなかなか難しいという課題もあります。

 

そんな日本でも、2020年に向けて磁気カードから接触ICカードへのシフトが進んでいます。“クレジットカードの100%ICカード化”も、遠くない未来に実現しそうです。

 

American Expressとサインの歴史

次に、サインの歴史を振り返ってみましょう。1891年、American Expressがトラベラーズチェック(旅行小切手) を旅行者に発行し、サインによる本人認証を開始。これがサインの嚆矢となりました。トラベラーズチェック発行時、旅行者は2か所あるサイン欄のうち1か所にサインし、振り出す際、もう1か所にサインします。小切手を受け取るお店等は2つのサインを照合して本人認証。これが1960年代になり、サインパネルに記入されたサインと、売上票に記入されたサインを照合するクレジットカードのシステムに受け継がれました。

 

1970年代に磁気ストライプのないカードから磁気ストライプのあるカードに移行し、2000年代から本格的にICカード決済が浸透していきました。日本はオーストラリアやカナダ、欧州よりICカードの浸透が遅れていますが、今後は日本でも間違いなくICカード決済が主流となるでしょう。

 

それでもサインは残る?

今回のリリースについてAmerican Expressに聞いたところ、サイン廃止は「あくまでもオプション」とのこと。犯罪者は換金しやすい商品を狙うため、高級ブランド品や家電といった高額商品を取引する際は加盟店のニーズに応じて(磁気カードの利用者についても)利用者にサインを求めるそうです。

 

日本でも、スピーディーにレジ処理しなければならない加盟店はサインレスを喜び、不正取引に悩まされている加盟店は引き続きサインを重視するかもしれません。

 

国内だと、スーパーマーケットやファストファッションチェーン、コンビニエンスストア、カフェの一部店舗はすでにサインレスを採用しています。今回の発表を受け、そのような業態はサインレスをさらに進めるでしょう。一方、家電量販店や高級ブランドショップ、百貨店はセキュリティ対策で当面サイン記入を残すと思われます。

 

【著者プロフィール】

クレジットカード評論家 池谷貴

コピーライター、編集などの仕事を経て、カード業界誌の版元に入社。ディレクターとして雑誌編集、プランニング、セミナー、展示会などの運営に携わっている。雑誌編集については、電子決済、PCI DSS/カードセキュリティ、ICカード、ICタグなどのガイドブック制作を統括した。
2009年11月にマーケティング、カード・電子決済、IT・通信サービスなどのコンサルティング、調査レポート・書籍の発行、セミナー運営、ポータルサイト運営などのサービスを手掛ける株式会社TIプランニングを設立。現在は、ポータルサイトとして「payment navi(ペイメントナビ)」を運営している。 また、書籍として、「NFCビジネス完全ガイド」や「O2Oビジネスガイド」、「パーフェクト・カードセキュリティガイド」「ポイントカードマーケティング市場要覧」などを発行するとともに、執筆や講演も幅広く行っている。