トヨタC-HR風のヘッドライトのオーリス後継モデルとは!?

トヨタのコンパクトハッチバック「オーリス」の後継モデル開発車両がスペイン北部で捉えられ、ヘッドライトが「C-HR」風であることが判明した。

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未だ前後バンパーは厳重にカモフラージュされているが、そのほかにも薄くコンパクトになるテールライトの一部が確認できるほか、リアクオーターウィンドウの廃止により、シンプルでスポーティなエクステリアが伺える。

 

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トヨタの新プラットフォーム「TNGA」採用でホイールベースは延長されるとみられる。またパワートレインは「C-HR」からの流用となる1.2リッター直列4気筒ターボエンジン、及び1.8リッター直列4気筒に電気モーターのハイブリッドとされている。

 

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気になる名称はグローバルでの販売強化を図るために「オーリス」から「カローラ・ハッチバック」に変更されると噂される。ワールドプレミアは2018年内となりそうだ。

 

 

 

レンジローバーの次期型「イヴォーク」を初スクープ!

レンジローバーのコンパクト・クロスオーバーSUV「イヴォーク(コードネームL6551)」の次期型がこのたび、初めてスクープされた。

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スクープされた画像を見ると、第二世代のプロトタイプからは初代の特徴的なクーペルーフは継続されている模様。新たなサイドミラーが装着されて、ヘッドライトやテールライトはより薄くスポーティなイメージとなっている。

 

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しかし次期型の目玉はパワートレーンだろう。新開発の1.5リッター直列3気筒インジニウムに電気モーターのハイブリッドで、パワフルさと燃費の良さを両立する。そのほかにも2.0リッターのディーゼルエンジンでは148psから237psへと大幅なパワーアップが図られたり、2.0リッターガソリンエンジンでも237psから296psへと進化したパワートレーンがラインナップするという。

 

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JLRの「D8」アーキテクチャ進化型プラットフォームによってトレッドがワイドになり、よりスポーティなSUVボディとなるといい、また3ドアは廃止され5ドアのみになるという情報もある。

 

気になるワールドプレミアは2018年のパリモーターショーともされ、発売は2019年になるという。

 

 

ラリーでは成功したが、ビジネスでは失敗…数奇な運命をたどったスーパーカー

車両デザインのインパクトの強さ、そして革新性という点では、数あるスーパーカーのなかでも筆頭格といえるモデルが、老舗プレミアムブランドのランチアが1974年に発売した「ストラトス」だろう。“成層圏”を意味する車名を冠した異次元のスポーツカーはラリーの舞台で大活躍するものの、市販モデルとしては親会社のマーケティング戦略に大きく揺り動かされることとなった――。今回はスーパーカー界きってのラリー・ウェポンの話題で一席。

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【Vol.10 ランチア・ストラトス】

1970年開催のトリノ・ショーにおいて、名カロッツェリアのベルトーネは斬新なショーモデルを雛壇に上げる。チーフデザイナーのマルチェロ・ガンディーニが手がけた「ストラトス ゼロ(Stratos Zero)」だ。大胆なラインで構成した楔形のロー&ワイドフォルムに、フロントガラスを跳ね上げて乗降するハッチドアなど、未来からやってきたかのような異次元のスタイリングは、まさに車名の元となった“stratosfera=成層圏”にふさわしいアレンジだった。一方、基本コンポーネントに関してはランチアの協力を仰ぎ、フルビア用のシャシーやパワートレインなどを使用する。エンジンの搭載はミッドシップレイアウトとし、後輪を駆動するMR方式を採用していた。

 

■空力デザイン&MRレイアウトが注目を集める

1970年開催のトリノ・ショーに出展された「ストラトス ゼロ」。後にストラトスへと発展していく1970年開催のトリノ・ショーに出展された「ストラトス ゼロ」。後にストラトスへと発展していく

 

自動車マスコミや識者などのあいだでは、その先進的すぎるスタイリングからショーカーでとどまると思われたストラトス ゼロ。しかし、空力性能に優れる造形やMRレイアウトといった特性に熱い視線を注いだ人物がいた。ラリーにおけるランチアの実質的なワークスチーム、HFスクアドラ・コルセを率いるチェザーレ・フィオリオだ。フィオリオはパワー競争の激化によって戦闘力が下がり始めていたフルビアHFに代わる新ラリーマシンの導入を検討していた。そこに登場したストラトス ゼロは、空力へのアプローチや駆動レイアウトの面で非常に魅力的に映ったのである。これを聞きつけたカロッツェリア・ベルトーネは、ランチアにストラトス ゼロをベースとしたラリーモデルの共同開発およびストラダーレ(量販モデル)としての市販化を提案。最終的にこの案はランチアの首脳陣から了承され、早々に2社による共同プロジェクトがスタートする。フィオリオが掲げた開発要件は、整備性の高さ、高度な運動性能、サファリ・ラリーに耐え得る頑強な機構、といった内容の実現だった。

 

■ラリー競技への参戦を目的に車両を開発

全長3710×全幅1750×全高1114mm/トレッド前1430×後1460mmのショート&ワイドのディメンションを持つ。2418cc・V型6気筒DOHCエンジンをミッドシップに横置き搭載する全長3710×全幅1750×全高1114mm/トレッド前1430×後1460mmのショート&ワイドのディメンションを持つ。2418cc・V型6気筒DOHCエンジンをミッドシップに横置き搭載する

 

ランチアとベルトーネの共同作業は、まず1971年開催のトリノ・ショーの舞台で最初の陽の目を見る。後のストラダーレに近いスタイリングを持つ「ストラトスHFプロトティーポ」が発表されたのだ。基本骨格は鋼板製のセンターモノコックにスチール製スペースフレームを前後に組み付ける構造で、設計にはダラーラが参画する。ホイールベースは2180mmと短くセット。懸架機構には前後ダブルウィッシュボーン/コイル(後にリアサスをストラット/コイルに変更)を採用した。

 

ストラトス ゼロに続いてガンディーニがデザインを主導したエクステリアは、切り詰めた前後オーバーハングに低くスラントしたノーズ、リトラクタブル式のヘッドライト、大きくラウンドさせたフロントウィンドウ、ウエッジを利かせたサイドビュー、スパっと切り落としたリアエンドなどが訴求点となる。また、前後端を支点とする跳ね上げ式のカウルを設定し、整備性を向上させていた。

内装はシンプル。シルバー色のメーターパネルやバケットタイプのシート、ヘルメットが収納できる深いポケットなどを設定していた内装はシンプル。シルバー色のメーターパネルやバケットタイプのシート、ヘルメットが収納できる深いポケットなどを設定していた

 

肝心のパワートレインについては、実は選択がかなり難航した。当初はフルビア用V4ユニットをチューンアップして搭載することを考えていたが、高出力化する余地は限られていた。様々な検討の結果、候補にあがったのが、親会社のフィアットの124スポルトに採用する132系ユニットの1756cc直列4気筒DOHC、さらにランチアと同じく1969年よりロードカー部門がフィアットの傘下に収まっていたフェラーリのディーノ246GTに採用するTipo135CSの2418cc・V型6気筒DOHCなどだった。省察している最中、フィアット自身がアバルト企画のエンジンでラリーに本格参戦することが示される。最終的にランチアの開発陣は、ディーノ用のV6エンジンの採用を決断。セッティングを変更するなどして、ストラトスのシャシーに横置きでミッドシップ搭載した。

 

■親会社のフィアットの方針に即して生産を終了

市販モデル=ストラダーレは1974年に登場。ラリーの戦果と対照的に販売は振るわず、わずか492台で生産は終了となった市販モデル=ストラダーレは1974年に登場。ラリーの戦果と対照的に販売は振るわず、わずか492台で生産は終了となった

 

ディーノ用V6エンジンで武装し、同時に各部をモディファイした進化版プロトティーポのストラトスは、1972年開催のトリノ・ショーに出品される。そして、当時のグループ4規定の「連続する12カ月で400台以上の生産」を目指し、ベルトーネのファクトリーで製造をスタート。1973年には量産試作車が発表され、1974年より市販モデル=ストラダーレを発売した。

 

ストラダーレ版のストラトスのボディサイズは、全長3710×全幅1750×全高1114mm/トレッド前1430×後1460mmと量販車では類を見ないショート&ワイドのディメンションで、車重は1トンを切る980kgに収まる。前ダブルウィッシュボーン/後ストラットのサスペンションには前後スタビライザーとアジャスタブル機構を組み込み、シューズには205/70VR14タイヤ+軽合金ホイールをセット。また、操舵機構にはラック&ピニオン式を、制動機構にはデュプレックスシステムのディスクブレーキを採用した。ミッドシップに横置き搭載する2418cc・V型6気筒DOHCエンジンは、190hp/7000rpmの最高出力と23.0kg・m/4000rpmの最大トルクを発生。ディーノ用と比べると、5hp低い最高出力を600rpm低い回転数で、同レベルの最大トルクを1500rpm低い回転数で絞り出す。組み合わせる5速MTはクロスレシオに設定したうえで、ファイナルレシオをディーノ用の3.625から3.824へとローギアード化。これらのセッティング変更により、加速性能とピックアップを向上させていた。一方、外装に関してはリアスポイラーやリアガラスルーバー、車名およびベルトーネエンブレムなどを装備。シンプルにまとめられた内装には、シルバー色のメーターパネルやバケットタイプのシート、ダイヤルを溝に沿って上下して開閉するサイドウィンドウ、ヘルメットが収納できる深いポケットなどを設定していた。

世界ラリー選手権(WRC)では、1974年から1976年にかけて3年連続メイクスチャンピオンに輝く。無敵のラリーマシンとしてその名を轟かせた世界ラリー選手権(WRC)では、1974年から1976年にかけて3年連続メイクスチャンピオンに輝く。無敵のラリーマシンとしてその名を轟かせた

 

ホモロゲーションは1974年10月に獲得したものの、フェラーリからのV6エンジン供給の滞りもあり、ストラダーレ版ストラトスの生産は遅れがちとなる。また、エミッションコントロールの規制で米国や一部欧州の市場では販売できず、さらにオイルショックの影響などもあって売り上げは伸び悩んだ。一方で、ラリーの舞台ではコンペティション仕様のストラトスが大活躍。世界ラリー選手権(WRC)では、1974年から1976年にかけて前人未到の3年連続メイクスチャンピオンに輝いた。

 

無敵のラリーマシンに発展したストラトス。しかし、1977年からは親会社のフィアットが131アバルト・ラリーを駆ってWRCに本格参戦することが決定し、その影響で傘下のランチアのワークス参戦は取りやめとなる。また、販売不振のストラダーレ版ストラトスの生産も中止された。ラリーでは成功し、商業上では失敗――そんな数奇な運命をたどったスーパーカーは、わずか492台の生産台数をもって車歴を終えたのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

相鉄線、悲願の新駅と新型車を公開! 陸の孤島・羽沢駅はどれぐらい便利になる?

神奈川県内に、相鉄本線といずみ野線の2路線を走らせる相模鉄道(以下、相鉄と略)。横浜市の中心部とベッドタウンを結ぶ路線ということもあって利用者は多く、朝のラッシュ時には、相鉄本線の二俣川駅~横浜駅間では、ほぼ2分間隔で8~10両編成の電車を走らせている。

 

そんな相鉄だが、関東地方の大手私鉄のうち唯一、他社路線と相互乗り入れをしない鉄道会社でもあった。

 

相鉄にとって、神奈川県内を走る路線から、東京都心へ自社の直通電車を走らせることは、長年の悲願でもあった。そんな相鉄が2019年度下期にいよいよ相鉄・JR直通線を完成させ、他社線への乗り入れを開始する。このほど乗り入れにあわせて造られた新型車と、新線に誕生する新しい駅が公開された。

 

鉄道が通るのに駅が無い!そんな“陸の孤島”に光明が

2019年度の下期に開通予定の相鉄・JR直通線の途中に新駅が誕生する。駅の名は羽沢横浜国大駅(はざわよこはまこくだいえき)に決まった。造られるのは横浜市神奈川区羽沢という地区。この羽沢地区だが、地図を見ていただくとわかる通り、元々、JRの東海道貨物線と東海道新幹線が地区を通っている。

sotetu↑新しく誕生する羽沢横浜国大駅付近の周辺図。東海道貨物線と東海道新幹線が通る地区でありながら旅客駅は無く、最寄りの駅は、みな2km以上も離れていた

 

だが、両線とも羽沢に旅客駅が無い。JR横浜羽沢駅はコンテナの積み降しを行う貨物専用駅で、東海道貨物線を湘南ライナーなど一部の旅客列車が通るが、旅客向け施設が無いため停車しない。東海道新幹線の最寄りの新横浜駅は羽沢から4kmほど離れている。付近の住民は目の前を電車や新幹線が通るにも関わらず、まったく縁が無かったのである。

10eki9506↑JR横浜羽沢駅は、東海道本線のバイパス線として造られた東海道貨物線の中間地点に1979(昭和54)年に誕生した。広大な屋根を持つ貨物ホームが駅の中心にある

 

鉄道が走りながら利用できないというのは歯がゆいばかり。しかも、最寄りの旅客駅はいずれも2km以上と遠く、毎日歩くのはつらい。したがって羽沢地区の人たちはバスを利用して横浜駅や保土ケ谷駅へ出ざるをえない。そんな“陸の孤島”エリアでもあった羽沢に新駅が誕生するというわけだ。JR横浜羽沢駅に隣接して新駅の建物が現在、建てられつつある。進捗状況を見てみよう。

09eki6988↑JR横浜羽沢駅に隣接して新しい羽沢横浜国大駅は誕生する。写真左側は新駅の機械棟、右側が貨物専用駅のJR横浜羽沢駅の構内。貨物駅上に架かる歩道橋からの撮影

 

2019年度下期に誕生する新線は全線がほぼ地下路線。そのため新しい羽沢横浜国大駅は駅入口こそ地上にあるが、駅ホームは地下2階部分となる。現在、まだ駅の建物や、エスカレーターやエレベーターなど設置工事中で、公開時は仮の階段で地下2階のホームまで下りた。

11eki6859↑新駅・羽沢横浜国大駅の入口棟。外壁はレンガ色のタイルで落ち着いた装いになりそう

 

12eki6972↑入口棟から2階ほど下りた地下にホームが設置される。現在は、工事用に仮の階段が設置されていた

 

相鉄・JR直通線は相鉄の西谷駅(にしやえき)から分岐して、新駅の羽沢横浜国大駅までは地下トンネルで結ばれる。駅のホームはすでに形を現し、相鉄本線側からの線路も敷かれていた。現在は、内装工事と、新駅から先のJR直通線と東急直通線それぞれのトンネル工事が中心に進められている。

13eki6936↑羽沢横浜国大駅のホーム階の工事の現状。すでに上下ホームはできあがり、線路も敷かれていた。写真はホーム中央部から西谷駅側を見たところ

 

14eki6931↑駅から見た西谷駅側のトンネル入口。円形のトンネルで、すでにトンネル内部は完成、線路も敷かれ、架線工事が進められていた

 

15eki6956↑新横浜駅側の工事の進捗状況。こちら側にJR東海道貨物線との連絡線が設けられる。相鉄・東急連絡線はその先、東急綱島駅の先で東急東横線と接続の予定

 

外観も車内も工夫が満載! 濃紺色に塗られた新型20000系電車

今回、公開されたのは新型20000系電車。「YOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー)」と名付けられた濃紺色塗装に加えて、これまでの電車とはちょっと異なるユニークな顔立ちをしている。

 

この電車、相鉄・JR連絡線とともに工事が進む相鉄・東急連絡線(2022年度開業予定)用の車両で、東急電鉄の車両の規格に合わせられ造られている。

02gaikan6384↑新型20000系の前に立つ滝澤秀之社長と相鉄のキャラクターそうにゃん。滝澤社長は「相鉄の電車に待ってでも乗りたい」と思ってもらえる車両を目指したと語る

 

2017年12月に創立100周年を迎えた相鉄。「デザインブランドアッププロジェクト」に取り組み始めた。その一貫として行われたのが、車体色の変更。従来から走る9000系の車両色をヨコハマネイビーブルーと呼ぶ濃紺色に変更し、さらに新車の20000系も同じ濃紺とした。9000系は2016年度のグッドデザイン賞を受賞するなど、デザインの世界では評価が高い車体カラーともなった。

 

滝澤秀之社長は、「20000系の顔かたちは日本古来の能面を意識しています。相模鉄道は残念ながら知名度が低いのが現状。車体色とともに、特徴のある顔かたちの車両でアピールできれば」と話す。都心まで走る車両ということで、そうした相鉄の思いが込められた車両なのだ。

 

さらに車内も、さまざまなところに新車らしい工夫が取り入れられている。写真で見ていこう。

03syanai6608↑ロングシートは汚れの目立たない生地を使用。LED照明は時間帯で光の色が変化する。乗降ドア側と座席の境に設けられた強化ガラス製の仕切り板の大きさが目立つ

 

04syanai6607↑一部の優先席にはユニーバーサルデザインシートが導入された。立ったり座ったりしやすいように座面はやや高め、背もたれが立ちぎみになっている

 

05syanai6486↑天井の中央部は高め。吊り革はつかむ輪の形が楕円になっている。2016年度のグッドデザイン賞にも輝いた形状だ。新車には空気清浄機も取り付けられる

 

06syanai6517↑貫通路のトビラはあまり力をかけずに開け閉めできる。取っ手の部分に磁石が付き、しっかりと閉まるように工夫された

 

07syanai6451↑それぞれの乗降ドアにドアスイッチが付く。空調効果を高めるため、駅に停車中、乗客自らがドアを開け閉めすることが可能となった

 

20000系電車は2018年2月11日に営業運転を開始の予定だ。いまのところ10両1編成のみだが、2009年以来の新型車ということで注目が集まりそうだ。

 

直通線が開通すれば都心が圧倒的に近くなる!

2019年度下期の開業はJR東海道貨物線との直通線のみだが、2022年度には東急東横線との直通線も開業の予定だ。相鉄・東急直通線は東急・綱島駅の北側で東急東横線の線路と接続するが、この線が開業すると、その1つ先の日吉駅で、東急目黒線との乗り入れも可能になる。

 

まだ相互乗り入れの具体的な運転計画は発表されていないが、相鉄と東急目黒線が直接、乗り入れるようになれば、二俣川駅~目黒駅間の所要時間が、現在54分かかるのに対して予想到達時間は38分と16分も短縮される。また、JRへの直通電車に乗れば、二俣川駅~新宿駅間の現行59分が、44分と15分も短縮される。

 

現在、各鉄道会社は沿線人口の減少という問題に直面しつつある。相鉄もそうした状況は同じだ。JRや東急との直通線が開業することによる所要時間の圧倒的短縮は、やはり沿線の人たちにとっては、ありがたいニュースであり、また住宅地開発をするうえでの格好の材料となるだろう。

 

将来の変化を読んで策を講じてきた相鉄の思いが花開く日が近いのかも知れない。

ガソリンには税金がかかるのに電気にはかからない…これって不公平?

2040年までにエンジンで走る自動車の販売を禁止するというフランスやイギリスの発表がきっかけとなった電動化の流れは、今年も進みそうだ。日本でも新型車の発売やインフラ整備についてのニュースが飛び込んでいる。

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ちなみにこの電動化という言葉には、電気自動車(EV)だけでなくハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)も含まれる。つまり今後もガソリンやディーゼル自動車が使う軽油の消費は続くのだが、モーターとの併用で給油の頻度が減ることは容易に想像できる。この状況に不満を寄せているのが石油業界だ。ガソリンや軽油が売れなくなるという危機感もあるだろうが、不公平に感じる部分もあるという。

 

現在ガソリンには揮発油税とその暫定税率、地方税扱いになる地方揮発油税を含めると、合計1リッターあたり53.8円が税金となっている。この原稿を書いている時点でのレギュラーガソリン価格の約4割に相当する。実燃費リッター10キロの乗用車で年間1万キロ走行した場合には、5万円以上もの税金を支払っている勘定になる。

 

これに対し、EVやPHVを走らせる電気、燃料電池車(FCV)が使う水素には税金が掛からない。これを不公平だと言っているようだ。また当然ながら、EVやPHVが普及すれば税収減が不可避になるわけで、国家財政にとっても一大事になるだろう。ガソリン税は多くが道路の建設のために使われる。自動車重量税や自動車税も同じであるが、自動車税については環境性能の悪い大排気量車が割高になるので、環境効果にも寄与している。

 

日本の自動車関連の税金は高いとよく言われる。たしかに税金の種類は多いものの、ガソリン代は米国よりは高いが欧州よりは安い。軽油になるとその差がさらに広がる。また自動車税についても、米国や西欧諸国よりは高いものの、シンガポールのようにトヨタ・プリウスが税金その他で約1500万円に達する国もある。

 

それはともかく、ガソリン税収が減るとなれば、当然ながら道路を作るための予算も減少することになる。しかし今の日本は、これからも数多くの道路を新しく作らなければならない状況ではないはずだ。おまけに人口減少と少子高齢化が進んでおり、ドライバーの数は減ることが予想される。こうした中で、従来と同じ勢いで道路整備を続けていく必要があるのかという疑問が残る。

 

もちろん高度経済成長期に建設された橋やトンネルをはじめ、補修が必要になる道路は多くなるだろう。しかし補修には用地買収などの費用は掛からないはずで、新設道路並みの予算はいらないと考えるのが自然だろう。だから道路整備のための税金は減らして良いと考えるが、地球環境を考えると安易なガソリン価格引き下げには賛同しかねる。欧州などで実践しているように公共交通や自然エネルギー発電所の整備に税金を転用すべきだろう。

 

そしてもうひとつ、燃料に課税するというのは前時代的という感じもしている。現在の多くの自動車は電子制御化が進んでおり、当然ながら走行距離や燃料消費量もカウントすることが可能だからだ。携帯電話は充電時の電気に課金されるわけではなく、通話時間やパケット使用量などを機械が自動的にカウントし、それに応じて課金している。現在の自動車であればこうしたシステムができるはずだ。

 

いずれにしても、道路が税金によって建設されている以上、それをドライバーが税金によって支払うのは当然のこと。なんらかの形でEVやPHV、FCVなどにもエネルギー供給や消費に応じた課税はあってしかるべきだろう。

 

【著者プロフィール】

モビリティジャーナリスト 森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。

THINK MOBILITY:http://mobility.blog.jp/

【中年名車図鑑】“Be-1の反省”を踏まえた販売戦略で成功。3万台超を売り上げたパイクカー第2弾

1987年にリリースしたBe-1によって“パイクカー”ブームを創出した日産自動車は、その勢いに乗って第2弾の開発を決定する。1987年の東京モーターショーで参考出品車を披露し、1989年に市場デビューさせた新パイクカーは、「PAO(パオ)」の車名を名乗った。今回はモンゴルの遊牧民の家に由来するユニークなネーミングを冠した第2世代のパイクカーで一席。

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【Vol.51 日産PAO(パオ)】

1987年1月に限定1万台で市販されたパイクカー(大量生産を前提としない“とんがった=pike”クルマの意)のBe-1は、当時の日本の自動車市場に大きな混乱をもたらした。受注は2カ月もかからずに終了。予約にもれた人は中古車、または予約を譲ってくれるユーザーを探し求め、これに業者が絡み、結果的にBe-1にはプレミアがつく。販売価格は東京標準で129.3~144.8万円としていたが、市場での取引額は200万円以上がザラだった。

 

「大手メーカーたるものが自動車マーケットの混乱を作り出した」などと自動車マスコミからは苦言を呈されたが、ハイテク一辺倒でクルマを開発していた当時の傾向に日産が一石を投じ、ユーザーの支持を大いに獲得したことは確かである。クルマの魅力は先進技術やスペックだけではない。ファッショナブルで個性的な内外装を持つことも重要だ――そう確信した日産は、パイクカー第2弾の開発を決定する。そして販売時には、市場での混乱を避ける戦略を練った。

 

■パイクカー第2弾はレトロデザインをさらに進化させた

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ボディ同色の鉄板を効果的に用いたインパネ、アイボリー色のステアリングやスイッチ類がレトロムードを盛り上げる。シートは麻感覚の平織りクロスが用いられたボディ同色の鉄板を効果的に用いたインパネ、アイボリー色のステアリングやスイッチ類がレトロムードを盛り上げる。シートは麻感覚の平織りクロスが用いられた

 

待望のパイクカー第2弾は、1987年10月に開催された第27回東京モーターショーにおいて参考出品の形で披露される。車名はモンゴルの遊牧民の家に由来する「PAO(パオ)」を名乗った。

 

パオの基本シャシーは、Be-1と同じくK10型マーチをベースとする。エクステリアパーツに関しては成形の自由度やコスト面を考慮して、外板の一部に樹脂パネルを使った。フロントフェンダーには射出成形の熱可塑性樹脂パネルを採用し、ボンネットにはガラス繊維を含んだSMC(シートモールディングコンパウンド)成形の熱硬化性樹脂パネルを導入する。さらに、耐食が激しいドアやリアゲートなどには両面処理の鋼板を使用した。防錆対策も重視され、パネル面にはフッ素樹脂塗装材、ボディの中空部分には入念な防錆シーラントを施す。ボディサイズは全長3740×全幅1570×全高1475mm、ホイールベース2300mmとコンパクトにまとめた。各部のアレンジにも工夫を凝らし、メッシュ状の大型フロントグリルや鉄パイプ製バンパー、上下2分割式のリアサイドウィンドウ、縦配列3連式の丸型リアコンビネーションランプ、電動開閉の小粋なキャンバストップ、金属製パイプのファッションレールなど専用パーツを豊富に盛り込む。ボディカラーはEarthy Colorと呼ぶ淡い色合いのアクアグレー/オリーブグレー/アイボリー/テラコッタをラインアップした。

遊び心にあふれたキャンバストップは電動式遊び心にあふれたキャンバストップは電動式

 

インテリアに関してはボディ同色の鉄板インパネや象牙をイメージしたスイッチ類、アイボリー色のステアリングなどが特徴で、Be-1よりもいっそうレトロ感を強める。座席には麻感覚の平織りシートクロスを採用。取り外しが可能な専用デザインのオーディオユニットなども話題を呼んだ。

 

■第1弾の混乱の反省から“期間”を限定

ボディカラーは4色、写真は「テラコッタ」。発売から30年経った今でも色あせないこのデザインは、賞味期限の短い日本のプロダクトとしては驚異的。中古市場では未だに高値で取引されているボディカラーは4色、写真は「テラコッタ」。発売から30年経った今でも色あせないこのデザインは、賞味期限の短い日本のプロダクトとしては驚異的。中古市場では未だに高値で取引されている

 

パオはショーデビューから1年3カ月ほどが経過した1989年1月に市販を開始する。型式はPK10。搭載エンジンはMA10S型987cc直列4気筒OHCユニット(52ps/7.6kg・m)で、トランスミッションには5速MTと3速ATを設定する。当初の生産はBe-1に続いて高田工業が担当し、後に愛知機械工業が引き継いだ。

 

パオはBe-1と同じく限定車の形ではあったが、限定したのは台数ではなく、受注期間であった。台数を絞って市場の混乱を招いたBe-1での反省を踏まえたのである。また、日産は販売方法そのものにも力を入れる。当時ベイエリアと呼ばれた東京都中央区の勝どき橋付近に専用スペシャルショップを開設し、パイクカーの情報発信基地として積極的に活用した。ここにはレストランやバーといったおしゃれな飲食スペースも併設。さらにキャラクターグッズも多数用意し、パオのロゴ入りマグカップやクッション、Tシャツ、文房具などを販売した。

 

最終的にパオは、約3カ月のあいだに5万台超(5万1657台)の大量受注を記録する。このなかにはプレミア価格での販売を当て込んだ業者の予約も入っており、販売台数が予想以上に多いと知るとキャンセルする人が続出した。とはいえ3万台以上を売る大ヒット作となったことは事実で、結果的に日産自動車のパイクカー戦略はまたしても成功裡に終わったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

日産「リーフ」の技術を移植した「軽EV」が2019に登場する!?

順調に行けば2019年にも発売されるという、日産初の軽・電気自動車の情報が入ってきた。開発は日産主導のもと行われ、傘下の三菱へOEM供給されることになるという。

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予想CGによれば外観は三菱「i-MiEV」を彷彿とさせる卵型のシルエットで、フロントにはVモーションの流れを持つワイドグリル、ヘッドライトはEVらしさを感じさせるブルーのLEDやホワイトの透過パネルを装着している。立体感を表現するラインが特徴的なサイドは高級感と上質さをアピールし、中央のアンダー部分を削ったデザインはフロント、リアともにタイヤハウスに迫力を増すのに貢献しており、これまでの軽自動車では見られない斬新なデザインになりそうだ。

 

ボディサイズは全長3440mm、全高1600mm程度と予想されており、最高出力は75ps、航続距離は200kmを新型リーフ搭載のEV技術を移植し、目指すという。

次世代ポルシェ「911カブリオレ」でフラップドアノブ復活!

ついに次世代ポルシェ「911カブリオレ」のルーフをオープンにした姿が捉えられた。ポルシェはペイントで偽装せずにダミーパーツやパネルで隠されるために生産型モデルとの識別が困難だが、今回は進化するボディの一端が確認できる。

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確認された「992」はホイールベースは延長されるものの、全長は現行同様のようで、リアでは左右テールライトを結ぶLEDストリップライト、ワイドになったトレッドが見てとれる。ラジエーターグリルのセンターと右の小さなレーダーは新開発の自動運転支援システム用と思われる。また、注目はドアノブで、996(2002年から2004年の5代目911)以来となる「フラップタイプ」となっている。

 

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室内では新型パナメーラから流用される高解像度ディスプレイ、タッチセンシティブコマンドが搭載となり、タコメーター以外はデジタル化さえるインストルメントクラスターとなる。

 

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パワートレインは3.0リッター水平対抗6気筒ターボエンジンで最高出力は390ps程度と予想されている。

 

ワールドプレミアは2018年後半とされる。

 

 

 

世界的ショコラティエによるポルシェ クレスト・ショコラのお味は?

ポルシェ ジャパンは世界トップクラスのショコラティエ、ジャン=ポール・エヴァン氏とのコラボレーションにより、ポルシェ クレストを細部にいたるまで再現した特別なショコラ(チョコレート)を制作。これを記念して、2018年1月12日から1月25日まで「Porsche Valentine Campaign 2018」を開催中だ。

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「Porsche Valentine Campaign 2018」ではポルシェブランドの証として、すべてのポルシェ車に刻まれている「クレスト」を再現したこのオリジナルショコラを、応募者のなかから抽選で選ばれた100名の方にプレゼント(非売品)。応募は下記キャンペーンサイトから申し込める。

 

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ポルシェとジャン=ポール・エヴァン氏との出会いは2016年。“世界のどこにもない、最高のものを創りたい”というお互いの想いへのリスペクトは、2017年にコラボレーションとしてパナメーラをイメージした、まろやかでほのかにキャラメルの香りを持つ「パナメーラ レ」と、ほろ苦さの中にも赤いフルーツのような酸味によって起伏のある味わいに仕上げた「パナメーラ ノワール」の2種類のショコラを生み出した。そして、2018年のコラボレーションのために、エヴァン氏はカカオの名産地トリニダード・トバコ共和国産の最高級のカカオ豆トリニタリオ種グラン クリュを選択。カカオ含有率を74%以上として、ポルシェのパワーにあふれながらも洗練された走りを、燻製を思わせるビターな香りと深い味わいで表現している。

 

「Porsche Valentine Campaign 2018」用オリジナルショコラは、1月16日から1月25日まで「ジャン=ポール・エヴァン チョコレート バー 丸の内店」と「ジャン=ポール・エヴァン 京都店」で実物が確認できる。

 

ジャン=ポール・エヴァン氏は次のようなコメントを発表した。

 

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「今回のショコラは、ポルシェのもつ“洗練さ”と“エレガンス”、そして“テクノロジー”をイメージして創りました。最高級のカカオ豆グラン クリュをチョイスしたのは、ポルシェのエンジンのように力強く強烈な風味を持ちつつも、ポルシェを運転するときに感じる刺激的な心の高ぶりといった側面も併せ持っているからです。ポルシェとのコラボレーションは私がとても大切にしているもののひとつです。なぜなら、それぞれの専門分野で、最上のものをお客様にお届けすることを大切に考えている2つのメゾン(企業)が、共同して作品を生み出しているからです。ぜひ、この至高のテイストを味わってみて下さい」

 

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【Porsche Valentine Campaign 2018 概要】
・応募期間:1月12日(金)〜25日(木)
・お渡し期間:2月13日(火)~18日(日)
・応募方法:キャンペーンサイト内の専用の応募フォームより
・応募条件:応募は1名につき1回まで
※プレゼント当選の対象は日本国内在住者に限る。また、当選した際、応募者本人が上記のお渡し期間内に指定のポルシェ正規販売店までご来店いただける方のみ応募が可能。

 

●キャンペーンサイト

http://www.porsche.co.jp/valentinecampaign2018/

 

 

 

人気投票で選ばれたのは? 写真で振り返る「GOODRIDE 日本レースクイーン大賞2017」

今年度で8回目の開催となる「日本レースクイーン大賞」。その年にサーキットに登場したレースクイーンのなかから、ファンの人気投票によって大賞およびグランプリが決定する。2017年も400人を超えるレースクイーンたちが様々なカテゴリで活躍。1月13日に、幕張メッセで開催された「東京オートサロン」のメインステージで、授賞式が行われた。

 

「日本レースクイーン大賞2017」の受賞者は、阿久津 真央さん、安藤麻貴さん、生田ちむさん、小越しほみさん、藤木由貴さんの5名。そしてそのなかから、Pacific Fairiesの阿久津真央さんが「グランプリ」に輝いた。

20180117_taisyou↑写真左から、安藤麻貴さん、生田ちむさん、阿久津 真央さん、小越しほみさん、藤木由貴さん

 

20180117_akutsu↑グランプリを受賞した阿久津真央さん

 

Pacific Fairiesは、スーパーGTの新人レースクイーンを対象とした「日本レースクイーン大賞2017新人部門」でグランプリを立花はるさんが受賞。そして、人気コスチュームを決定する「モバオク!日本レースクイーン大賞2017コスチューム部門」で、グランプリを受賞するなど、合わせて3冠達成となり大いに盛り上がった。

20180117_haru↑新人部門でグランプリを受賞した立花はるさん

 

ほかに新人賞を受賞したのは、中村比菜さんと、桝本絵美さん

20180117_nakamura↑中村比菜さん

 

20180117_masumoto↑桝本絵美さん

 

20180117_pacific↑コスチューム部門でグランプリを受賞したPacific Fairiesのメンバー

 

20名のファイナリストから選ばれる「特別賞」と「クリッカー賞」の表彰も行われ、「特別賞」には、蒼 怜奈さんと林 紗久羅さんが、「クリッカー賞」には鈴菜さんが選ばれた。

20180117_aoi↑蒼 怜奈さん

 

20180117_sakura↑林 紗久羅さん

 

20180117_suzuna↑鈴菜さん

 

スバル・インプレッサ/XVがユーロNCAPの「ベスト・イン・クラス」に選出!

欧州の自動車安全テストを実施しているユーロNCAPはこのほど、2017年に実施した新型車で最高評価の5つ星を獲得したモデルのなかから、カテゴリー別に「ベスト・イン・クラス」を選出。スモールファミリーカー部門では、スバルの新型インプレッサおよびXVが獲得したことを発表した。

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ユーロNCAPの安全性試験で最高評価となる5つ星を獲得するには、「成人乗員保護性能」で80%以上、「子供乗員保護性能」で75%以上、「歩行者保護性能」で60%以上、「安全補助装置」で50%以上という4項目のパセンテージをすべてクリアしなければならない。

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スバル・インプレッサの評価は、「成人乗員保護性能」で94%、「子供乗員保護性能」で89%、「歩行者保護性能」で82%、「安全補助装置」で68%を獲得。一方、スバルXVは「成人乗員保護性能」で94%、「子供乗員保護性能」で89%、「歩行者保護性能」で84%、「安全補助装置」で68%を獲得し、いずれも見事に5つ星を獲得している。

 

ちなみに、そのほかのカテゴリーのベスト・イン・クラスは、ラージ・オフロード部門でボルボの新型XC60、エグゼクティブ部門ではフォルクスワーゲンのアルテオン、スモールオフロード部門ではフォルクスワーゲンのT-ロック(日本未導入)、スーパーミニ部門ではフォルクスワーゲンの新型ポロ(日本未導入)、スモールMPV部門ではオペル/ヴォグゾールのクロスランドXが選出された。

 

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ちなみに、ボルボの新型XC60は、2017年の日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいて大賞を獲得するなど、安全性能以外の面でも高い評価を受けた。

 

各メーカーが先進安全技術に積極的な姿勢を見せるなか、スバルのインプレッサやXV、そしてボルボのXC60は、クラストップレベルの安全性能が備わっていることが証明されたのである。

 

 

 

新型BMW M5が笑えるギネス記録を達成!

BMWはこのほど、新型BMW M5を使って、あるギネス世界記録を達成した。なんと8時間におよぶ連続ドリフト走行を実現したのである。

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舞台は米国サウスカロライナ州にあるBMWパフォーマンスセンター。新型M5のステアリングを握るのはBMWのドライビングインストラクター、ヨハン・シュヴァルツだ。

 

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連続で8時間のドリフトとなると、懸念されるのが燃料の問題。そこでドリフトしている車両に、別の車両から給油するという大胆な手法を敢行。ドリフト走行車のリアピラーには特別仕立ての給油口を設置し、給油する車両から人間が身を乗り出して、直接その給油口にガソリンを注入するというのだ。ドリフト走行中の車両に給油するためには、給油側の車両もドリフトし、給油作業できる距離を一定時間保たなければならない。

 

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果たしてこの挑戦は見事に成功し、8時間にわたる連続ドリフト走行を実現。距離にして、それまでの記録89.55マイル(約144km)を大きく上回る232.5マイル(約374km)を記録したのである。

 

 

 

 

メルセデス・ベンツがCESで擬装付き新型Aクラスを公開

ダイムラーAGは、米国ラスベガスで1月9日から12日まで開催しているCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)において、新世代のマルチメディアシステム「MBUX」を初公開した。また、このMBUXの披露にあたり、現在開発が進められており、すでにインテリアデザインが公開済みの次期型メルセデス・ベンツAクラスが、ボディに偽装を施す形で披露された。

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ユーザーエクスペリエンス(UX)を強調したネーミングのMBUXは、タッチスクリーン操作による高解像度ワイドスクリーンコックピットや、拡張現実技術を採用したナビゲーションディスプレイ、そして「Hey Mercedes」というキーワードで活性化される音声認識によるインテリジェントな音声制御などで構成される。

 

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乗員はタッチスクリーンのほか、センターコンソールのタッチパッドおよびステアリングホイールに備わるタッチコントロールボタンで直感的な操作が可能。各操作によるドライバーの注意低下を極力減らすことができるという。MBUXは、2018年春に生産が始まる次期Aクラスを皮切りに搭載される予定だ。

 

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ちなみに今回のCESでダイムラーは、「メルセデス・ベンツ・コンセプトEQA」や「スマート・ビジョンEQフォーツー」、「メルセデスAMGプロジェクトワン」、「メルセデス・ベンツGLC F-CELL」といった電気駆動技術を採用したモデルをブースに揃えた。

 

 

 

 

「ワタシのMINI」を実現するプログラムがスタート!

12月26日、MINIは「MINI YOURS CUSTOMIZED」というカスタムパッケージプログラムを展開すると発表。2018年より欧州を皮切りにスタートする。

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MINIのカスタマーは、新しくラインナップされたカスタムパーツをオンライン上で選択し、オーダーすることができる。自分流にカスタムできるパーツはサイドスカットルや助手席側デコレーションパネル、LEDドアシルプレート、LEDドアプロジェクターなどに設定した。

 

これらのアイテムに3Dプリントやレーザーレタリング技術を用いてカスタマーの好みの模様や文字などを刻んだり、好みの表面処理を施すことができる。

 

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MINIはすでに多くのカスタムパーツやアクセサリーを展開しているが、このMINI YOURS CUSTOMIZEDを利用すれば、まさに世界に1台の、自分だけのMINIを創り上げることが可能になる。日本市場での展開時期については今後の発表を待つことになるが、MINIファンにとっては、要注目のプログラムとなるだろう。

 

 

 

どのくらい使ってます? クルマとの会話を推進するボッシュの次の手は?

ドイツの大手自動車部品メーカーのボッシュはこのほど、新世代の音声アシスト機能を開発したと発表した。

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ご存知のとおり、音声アシスト機能は「Siri」や「Google」などのように、ユーザーの呼びかけに応じて各種機能が作動。タッチパネルやスイッチの操作をしなくても望んだ機能を働かせることができる便利な機能である。

 

ボッシュが開発した車載用音声アシスト機能は、運転中のドライバーの注意力低下を解消するために開発。音声アシスト機能によって、ナビゲーションシステムの操作やエアコンの設定といった各種操作を省くことで運転により集中できる環境をもたらし、ひいては交通事故の低減に寄与するとボッシュは考えている。ちなみに、このアシスタントには自分の好きな名前が付けられ、相棒のように会話することができる。1980年代に放映されたアメリカのカーアクションTVドラマ「ナイトライダー」ほどの仕事ぶりは望めないものの、かなり近づいたといえそうだ。

ボッシュの開発したこの音声アシスト機能は、世界30カ国での使用に対応している。各言語においてアクセントや方言の違いも認識することができるのは、音声制御の開発に10年の歳月を費やした成果だという。なお、音声アシスタントの声は44人の女性と9人の男性から選ぶことができる。

 

米国デトロイトで1月9日から開催されているコンシューマー・エレクトロニクスショー「CES」では、この新しい音声アシスト機能がボッシュのブースで披露されている。

 

 

 

マツダ「RX-9」が450馬力の次世代ロータリー搭載で2019年発売へ!?

マツダ「RX-8」後継モデルとされる「RX-9」のテストミュールがついにニュルブルクリンク付近捉えられた。2017年10月の東京モーターショーでは見られなかったが、やはり「RX-9」は進行中なのである。

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テストミュールは「RX-8」でフロントエアダクトが拡大されているようだが、ボディの延長や拡大はされておらず、開発は初期段階のようだ。

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昨年からマツダは2個のターボチャージャーに、電動スーパーチャージャーを加えた3つの加給システムを持つ「トリプルチャージャー」や、ドアが5から15度上方に向けて開く「スワンウィングドア」、スポーツカー用格納式リアスポイラーなどの特許を申請しており、「RX-9」に採用される可能性もありそうである。

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しかし、何と言っても次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」が気になるところで、800cc×2の1.6リッターで450psものパワーを発揮するという。FRで全長4440mm、全幅1910mm、全高1180mm、車重は1300kg~1350kgと予想されている。

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ワールドプレミアは2019年内に「RX-VISION」のようなグラマラスな姿で登場することになりそうだ。

欧州での新型日産リーフの受注がハイペース!

日産ヨーロッパは12月21日、新型リーフの欧州市場における受注が2017年10月の発表から約2カ月で1万台に達していることを発表した。

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プロパイロットやe-ペダルに関心高まる

欧州市場では2010年から先代型を発売。競合メーカーがまだEVに対して懐疑的であり、ガソリンやディーゼルエンジン車の改良を重視していた頃だ。先代型は欧州市場において、累計でおよそ8万3000台を販売した。この8万3000人のリーフ・オーナーの声もフィードバックされ新型にスイッチしたリーフは、欧州で高い関心を寄せることとなったのである。

 

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新型リーフのカスタマーは、同一車線自動運転技術である「プロパイロット」や、ドライバーが最大で90%もブレーキペダルの使用を減らすことができる「e-ペダル」を中心とした革新的技術に高い関心を寄せているという。

 

 

日産ヨーロッパのEVディレクター、Gareth Dunsmoreは、新型リーフの好調な受注を受けて、次のようにコメントしている。
「新型リーフによって、日産が電気自動車のリーダーシップを発揮していることを実感しています。新型リーフは、新世代の電気自動車というだけでなく、欧州における日産インテリジェントモビリティのアイコンなのです」。

 

多くの自動車メーカーが電動化技術採用に積極的な姿勢を見せているなか、EVの先駆け的存在である日産リーフは、魅力を大きく高めた新型によって、日本だけでなく欧州でもそのプレゼンスを高めている。

 

なお、欧州仕様の新型リーフは英国にあるサンダーランド工場にて、12月から生産がスタート。カスタマーへは2018年2月からデリバリーがはじまる。動画では、サンダーランド工場で新型リーフが生産される模様が確認できる。

 

(文/細田靖)

インフィニティがデトロイトでコンセプトカーを初披露!

インフィニティは2018年1月に開催される北米国際自動車ショー(通称:デトロイトショー)において、新しいデザインコンセプトモデルを発表すると予告し、12月21日にティザー画像を公開した。

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公開された写真には、新コンセプトモデルのフロントマスクの一部が捉えられており、シャープなラインで構成されるヘッドライトやフロントグリルが確認できる。また、フロントノーズからフェンダーに向かって彫りの深いラインが刻まれ、独特のスタリングの持ち主であることを想像させる。

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インフィニティのエクゼクティブデザインディレクター、カリム・ハビブは次のようにコメントしている。
「インフィニティの新しいコンセプトカーは、伝統的なセダンのアーキテクチャーを進化させ、次の段階へとシフトさせるものです。よりスマートでコンパクトなパワートレインを搭載することを前提に、豊かなキャラクターラインを持ち、長いキャビンをバランスのとれた筋肉質なプロポーションで表現。インフィニティの新しい時代を迎えることにな流でしょう」

 

インフィニティの新しいデザインコンセプトモデルは、現地時間の1月15日午後12時35分にワールドプレミアされる予定だ。

【中年名車図鑑】ユーズドカーになって認められた“あぶデカ・レパード”の実力

“高級スペシャルティ”の先駆車として1980年にデビューした日産レパード。しかし市場での人気や注目度の面では後発のトヨタ・ソアラに凌駕され、販売成績は伸び悩み続けた。忸怩たる状況を打破しようと、日産の開発スタッフはレパードの全面改良を鋭意、推し進める――。今回は「かぎりなく自由だ。かぎりなく豊かだ」のキャッチコピーを冠して1986年に登場した2代目レパードで一席。

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【Vol.48 2代目 日産レパード】

国産初の高級スペシャルティカーとして、1980年9月にデビューしたF30型の初代レパード。しかし、5カ月ほど後に市場に放たれた初代トヨタ・ソアラに市場の注目が集まり、結果的に初代レパードの影は薄くなってしまった。日本の自動車ユーザーの上級志向は1980年代後半に向けてますます高まり、高級スペシャルティカー市場もさらに活気づくはず――そう判断した日産の開発陣は、高級スペシャルティカー分野での覇権を目指して次期型レパードの企画を意欲的に推し進める。時代はバブル景気の助走期。開発資金や人員も豊富に投入された。

 

■高級スペシャルティカー分野でのシェア拡大を目指して――

1986年にデビューした2代目レパード。同じく86年に放送されたドラマ『あぶない刑事』の劇中車として知名度を上げた1986年にデビューした2代目レパード。同じく86年に放送されたドラマ『あぶない刑事』の劇中車として知名度を上げた

 

次期型を企画するに当たり、開発スタッフは「大人のライフスタイルをハイセンスに演出するプレステージ・スペシャルティカー」を創出するという基本テーマを掲げる。エクステリアに関してはCd値(空気抵抗係数)0.32の優れた空力特性を実現したうえで、ダイナミックで優雅なプロポーションやプレステージ性を強調した8連式マルチヘッドランプ、個性的で洒落たイメージの大型リアコンビネーションランプなどを採用する。ボディタイプはソアラと同様に2ドアクーペ(従来モデルは4ドアハードトップも用意)の1本に絞った。一方でインテリアについては、フロント部からドアトリム、リアシートに至るまでのラインを連続させ、乗員を包み込むようなラウンド形状の室内スペースを演出する。また、シートやトリム地にツイード調の上質な素材を多用し、高級スペシャルティらしい落ちつきと高品質感が漂う空間に仕立てた。さらに、助手席専用の“パートナーコンフォートシート”や全面一体カラー液晶表示の“グラフィカルデジタルメーター”、各種機能を組み込んだ“光通信ステアリング”、専用カードの携帯でドアのロック&アンロックおよびトランク解錠ができる“カードエントリーシステム”といった新技術を積極的に盛り込んだ。

 

搭載エンジンは気筒別燃料制御システムやNVCS(日産バルブタイミングコントロールシステム)を採用した新開発のVG30DE型2960cc・V型6気筒DOHC24V(185ps)を筆頭に、VG20ET型1998cc・V型6気筒OHCジェットターボ(155ps)、VG20E型1998cc・V型6気筒OHC(115ps)という計3機種のPLASMAユニットを設定する。組み合わせるトランスミッションはVG30DE型とVG20ET型が4速ATのみで、VG20E型は5速MTと4速ATを用意。ATは全車ともにパワー・エコノミー自動切り換え式スーパートルコンを組み込んだ。足回りはジオメトリーの最適化やロール剛性の強化などを図った改良版の前マクファーソンストラット/後セミトレーリングアームの4輪独立懸架で、最上級仕様には電子制御でダンパーの減衰力をソフト/ミディアム/ハードの3段階に自動的に切り換える“スーパーソニックサスペンション”を採用する。また同仕様では、ラック&ピニオン式のステアリング機構に車速感応油圧反力式パワーステを、4輪ベンチレーテッドディスクブレーキに4WAS(4輪アンチスキッド)を組み合わせた。

 

■キャッチコピーは「かぎりなく自由だ。かぎりなく豊かだ」

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シートやトリム地にツイード調の上質素材をあしらった高級感あふれるインテリア。全面一体カラー液晶表示、光通信ステアリングなど、新技術を惜しげもなく投入したシートやトリム地にツイード調の上質素材をあしらった高級感あふれるインテリア。全面一体カラー液晶表示、光通信ステアリングなど、新技術を惜しげもなく投入した

 

最大のライバルであるトヨタ・ソアラが2代目に移行してから1カ月ほどが経過した1986年2月、F31の型式を付けた第2世代のレパードが満を持して市場デビューを果たす。キャッチコピーは新プレステージ・スペシャルティカーの特徴を表す「かぎりなく自由だ。かぎりなく豊かだ」。グレード展開はVG30DE型エンジンを搭載する最上級仕様のアルティマ(英語で究極を意味する“ultimate”からとった造語)、VG20ET型エンジンを積むXS系、VG20E型エンジンを採用するXJ系で構成した。また、従来型で用意していたチェリー店系列向けのレパードTR-Xは廃止し、レパードの1モデルに統一された。

 

新しいレパードは、“世界初”または“わが国初”の技術の採用をカタログや広告などで声高に謳っていた。世界初は気筒別燃料制御システムやパートナーコンフォートシート、日本初はNVCSやNICS(日産インダクションコントロールシステム)/ツインスロットルチャンバーなど。ほかにもスーパーソニックサスペンションや車速感応油圧反力式パワーステ、4WAS、高品位4コート塗装、デュラスチール(新防錆処理鋼板)といった新機構をユーザーにアピールした。

1988年にマイナーチェンジを実施。バンパー形状、インテリアの刷新を行った1988年にマイナーチェンジを実施。バンパー形状、インテリアの刷新を行った

 

高級スペシャルティカー・カテゴリーでのシェア拡大を目指して、意気揚々とデビューしたF31型系レパード。しかし、2954cc直列6気筒DOHC24Vターボエンジン(7M-GTEU型)仕様をイメージリーダーとする2代目ソアラの牙城は崩せず、さらに本来は格下であるはずの2代目ホンダ・プレリュードにも人気や販売成績の面で大きく遅れをとった。この状況を打開しようと、開発陣はレパードの改良を相次いで実施する。1987年6月にはモケット地シートやAVシステムなどの快適アイテムを備えた“グランドセレクション”を追加。1988年8月には「若いというだけでは、手に負えないクルマがある」というキャッチを冠したマイナーチェンジを敢行し、内外装に新鮮味を与える。同時にVG30DET型2960cc・V型6気筒DOHC24Vターボ(255ps)やVG20DET型1998cc・V型6気筒DOHC24Vターボ(210ps)といった新エンジンの設定も行った。

 

■中古車市場で再評価されたF31レパード

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後期型のキャッチコピーは「若いというだけでは、手に負えないクルマがある」。インテリアはより成熟した大人の雰囲気に進化した後期型のキャッチコピーは「若いというだけでは、手に負えないクルマがある」。インテリアはより成熟した大人の雰囲気に進化した

 

内外装のリファインやエンジンのラインアップ強化でソアラの追撃体制を整えた2代目レパード。しかし、時すでに遅く、販売成績はソアラの後塵を拝し続ける。そのうちにユーザーの興味は大型4ドアハードトップの“ハイソカー”やRV(レクリエーショナルビークル)に移り、高級スペシャルティ市場そのものが衰退してしまった。結果的にF31型系レパードは思うような売り上げを記録できないまま、1992年半ばに販売が中止される。実質的な後継を担ったのは、2ドアクーペではなく、4ドアセダンのボディを纏った高級パーソナルカーのJY32型系レパードJ.フェリーだった。

 

販売成績の面では失敗に終わった第2世代のレパード。しかし、1990年代末に入ると、意外なところで注目を集めるようになる。いわゆる中古車市場だ。VIPカー・ブームの最中、ソアラなどに比べて割安だった2代目レパードは、ユーザーから想定外の人気を博す。価格以外にも、TVドラマの『あぶない刑事』で使用された、過剰品質とまでいわれた高品位4コート塗装やデュラスチールによってボディがいい状態に保たれていた、ハイパワーエンジンのFR車が少なくなっていた、個性的な2ドアクーペのデザインがドレスアップでよく栄えた、といった特徴も人気を集めた要因だった。

 

1980年代後半における日産自動車の技術の推移を結集して造られたF31型系の2代目レパードは、皮肉にもユーズドカーになってから真の実力がユーザーに認められたのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

ポルシェ ジャパンが今年で20周年!

ポルシェ ジャパンは2018年1月、ポルシェ本社100%出資の正規インポーターとして20周年を迎えたことを発表した。当初、911(タイプ996)およびボクスター(タイプ986)という2車種の取り扱いでスタートし、正規販売拠点数は32拠点。この年の登録台数(JAIA調べ)は1487台というものだった。ところが2002年のカイエン導入、2009年のパナメーラ、そして2014年のマカンなど、モデルレンジの充実も図りながら着実にマーケットを拡大してきた。

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2018年はこれまで以上に「Intelligent Performance」コンセプトを推進。パナメーラ ターボS Eハイブリッドなどプラグインハイブリッドモデルの充実を図るとともに、コネクティビティとデジタル化などを含め、近い将来に控えている電気自動車の国内導入に向けて選任プロジェクトチームを組んで準備を進めている。

 

現在、販売店は新車販売店であるポルシェセンターが44店舗にのぼるほか、認定中古車センターは13を数える。2017年度の登録台数はまだ公開されていないが、2016年度の実績6745台(JAIA調べ)と同程度になるとポルシェ ジャパンでは予測。この水準はポルシェ ジャパン設立当初からおよそ4.5倍におよぶ。

 

ポルシェ ジャパン代表取締役社長の七五三木敏幸氏は次のようなコメントを発表している。

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「2018年1月1日をもってポルシェ ジャパンは営業開始から20周年を迎えることができました。皆様からの長年にわたるご支援に心より感謝いたします。営業開始当時には今では伝えきれないほどの苦労があったと初代社長である黒坂 登志明さんからも聞かされています。ポルシェでは販売終了から10年が経った車は原則的に”クラシック”にカテゴライズされます。つまり営業初年度に販売された車は、すでにクラシックとなって久しいことになります。我々はポルシェの歴史を過去から現在、そして未来へ繋ぐように、お客様が長きにわたってポルシェを所有し続けるための施策としてポルシェ クラシックを展開しています。

 

現在、ポルシェが販売する全ての車はスポーツカーとして第一級の性能を持ちますが、我々が誇る高い効率性のアイコンとしてパナメーラおよびカイエンには、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルをラインナップしています。ル・マンで活躍した919ハイブリッドから生まれた多くの技術がこれらPHEVモデルに共有されています。

 

2019年にはポルシェ初の100%電気自動車、ミッションEがスポーツカー新時代の幕開けを告げるモデルとしてデビューする予定です。現在、私どもはミッションEの導入、そして日本における電動化をリードすべく全社一丸で取り組んでいます。そしてポルシェ ジャパンが30周年、40周年を迎えた時も、日本でポルシェならではのスポーツカードライビングを楽しんでいただける環境づくりのため、今後も努力して参ります」

 

タイトル写真:ポルシェAGセールス&マーケティング担当取締役のデトレフ・フォン・プラテン氏と、ポルシェ ジャパン代表取締役社長の七五三木敏幸氏

 

【ポルシェ ジャパンの沿革】

1995年11月 : ドイツ ポルシェAG社の100%出資子会社として、「ポルシェ自動車ジャパン株式会社」を東京都港区に資本金5千万円で設立

1996年12月 : 本社を東京都港区より東京都目黒区に移転

1997年6月 : 社名を「ポルシェ ジャパン株式会社」に変更

1997年10月 : 資本金を8億円に増資、ポルシェAG社によるポルシェ ジャパン株式会社およびニュー911モデルのプレスリリース発行

1998年 1月 : ポルシェ車の総輸入販売元として営業開始

2002年 7月 : 神奈川県横浜市にトレーニングセンターを開設

2016年 7月 : 本社を東京都目黒区より東京都港区の現住所に移転

 

【主要販売モデルの変遷】

1998年1月 : 911(タイプ996)およびボクスター(タイプ986)の販売を開始

2003年9月 : 初代カイエンの発表および受注開始

2004年8月 : 911(タイプ997)のフルモデルチェンジ発表および受注開始

2004年12月: ボクスター(タイプ987)のフルモデルチェンジ発表および受注開始

2006年8月 : 初代ケイマンの発表および受注開始

2009年3月 : 初代パナメーラの発表および受注開始

2010年3月 : カイエンのフルモデルチェンジ発表および受注開始

2010年11月: カイエンS ハイブリッドを発表し受注開始

2011年6月 : パナメーラS ハイブリッドを発表し受注開始

2011年11月: 911(タイプ991)およびのフルモデルチェンジおよび受注開始

2012年6月 : ボクスター(タイプ981)のフルモデルチェンジおよび受注開始

2012年12月: ケイマン(タイプ981)のフルモデルチェンジおよび受注開始

2013年4月 : パナメーラS Eハイブリッドを発表し受注開始

2014年2月 : マカンS、マカン ターボの受注開始

2014年4月 : マカンの受注開始

2014年7月 : カイエンS Eハイブリッドの受注開始

2015年9月 : 911(タイプ991II型)のフルモデルチェンジおよび受注開始

2016年2月 : 718ボクスター(タイプ982型)のフルモデルチェンジおよび受注開始

2016年4月 : 718ケイマン(タイプ982型)のフルモデルチェンジおよび受注開始

2016年7月 : パナメーラのフルモデルチェンジおよび受注開始

2017年12月 : カイエンのフルモデルチェンジ発表および受注開始

次世代型ポルシェ911の最新鋭デジタルコックピットはコレだ!

タコメーター以外が全てデジタル化! という、タイプ992世代へと移行するポルシェ911の次世代型コックピットが今回、初めて鮮明に判明した。

 

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「パナメーラ スポーツツーリスモ」同様の12.3インチディスプレイを備える「アドバンスコックピット」が見られるが、注目は前後するブロック型のシフトレバーだ。中央の列のボタンをでパークモードや手動モードに切り替わる仕組みで、電子パーキングボタンはカップホルダ−の後ろにある。

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次期型プラットフォームには、ランボルギーニ「アベンタドール」後継モデルにも採用が見込まれるポルシェの新世代スポーツカー・モジュラープラットフォームが採用されるようだが、トレッドを広げホイールベースは延長されるという。

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パワートレインは、3.0リッター水平対向6気筒ターボが最高出力390psを発揮するという。またポルシェ会長のオリバー・ブルーメ氏のコメントによって992型へのPHEV投入は確実となっている。

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気になるワールドプレミアは2018年秋、PHEV投入はは2020年以降となりそうだ。

流行色は時代を反映!? 電車の「車体カラー」に注目すれば通勤や旅行がより楽しくなる!

ここ数年、車体色を大幅に変更する鉄道会社、また鮮やかなカラーの新車を投入する鉄道会社が増えている。鮮やか、そして明るいカラーの通勤電車に乗れば、朝のラッシュも少しは気持ちをまぎらすことができそうだ。本稿では、そんな変わりつつある電車の車体カラーについて考えたい。

 

新京成は明るいジェントルピンクに塗り替え

千葉県内を走る新京成電鉄。京成グループの一員ながら、やや地味な印象がぬぐえなかった。この新京成が2014年6月にコーポレートカラーをジェントルピンクに変更すると発表。その後、少しずつ電車の塗り替えを始めた。

 

すでに半分以上の車両の塗り替えが終わっているが、従来の車両に比べると、華やかなイメージだ。一方で、古い塗装を愛する乗客向けにリバイバル塗装車を走らせている。こうした車体カラーにこだわったサービスもなかなか楽しい。

20180112_y-koba2 (2)↑従来の新京成電鉄の車両。下地はベージュで、茶色の太めのラインが引かれていた

 

20180112_y-koba2 (3)↑ジェントルピンクと白という組み合わせの新塗装電車。色の変更で、これほど電車の印象が変わるのかと驚かされた

 

20180112_y-koba2 (4)↑8000形8512編成はあえて伝統の色のまま、リバイバルカーとして走らせている。「くぬぎ山(車両基地がある)のタヌキ」と鉄道ファンに親しまれてきた車体カラーだ

 

伊予鉄“みかん色”塗装は、オレンジすぎて

愛媛県松山市を中心に郊外電車と市内電車(路面電車)を運行する伊予鉄道(以下、伊予鉄)。会社創立は1887(明治20)年という老舗企業だ。夏目漱石が松山に赴任した時にも乗っていただろう、会社の歴史は130年にも及ぶ。

 

そんな歴史を誇る企業が2015年に発表した「IYOTETSUチャレンジプロジェクト」。チャレンジその1として “乗ってみたくなるような電車・バス” というコンセプトが掲げられた。大きな変更点が車体色だ。愛媛県の特産品、みかんにちなみ、みかん色に車両が変更されたのだ。

20180112_y-koba2 (5)↑従来の伊予鉄3000系電車。銀色の車体にオレンジラインが入る

 

20180112_y-koba2 (6)↑ここまで変貌しましたか、とすら思える3000系新塗装車。国内では非常に珍しい、電車と路面電車の線路が平面交差する大手町駅前の踏切を通過する

 

20180112_y-koba2 (7)↑郊外電車に加えて市内電車(路面電車)や伊予鉄バスも、すべてがみかん色一色に変身しつつある

変更されてみかん色一色に塗られた伊予鉄の電車。登場した当時は地元の人たちから「オレンジすぎる!」という声が上がり、否定的な声すらあった。

 

ところが、登場してからすでに3年。沿線では「華やかでいいと思うよ」という住民の声が聞かれた。最初は派手だと思われた車体カラーも、見続け、乗り続けることにより、違和感を感じる人が少なくなっているように思えた。

 

華やかさでは負けない大手私鉄の新型電車!

走る車両の塗装を全面変更して、成果を生み出した新京成や伊予鉄。関東を走る大手私鉄の新型車両にも、華やかな装いの車両が出現している。

 

まずは関東一の路線網を持つ東武鉄道から。これまで東武鉄道の電車といえば、エンジ色、ブルーのラインが車体横に入るか、もしくは前面がオレンジという車両が大半だった。そんな東武鉄道の車両カラーが変化しつつある。

 

まずは東武野田線に投入された60000系。2013年生まれでフューチャーブルーと呼ばれる明るい青色が正面や車体横の天井部に配された。東武アーバンパークラインという新しい路線の愛称が付けられたこともあり、路線のイメージアップにもつながる新車登場となった。

20180112_y-koba2 (8)↑東武アーバンパークライン(野田線)に導入された60000系。正面はフューチャーブルーという明るい青色で目立つ

 

前述の60000系からラインカラーということを意識し始めた東武鉄道だが、2017年に登場した70000系はかなりセンセーショナルな車体カラーだった。東急メトロの日比谷線乗り入れ用に新製された電車で、正面と車体横に鮮やかな赤色と細い黒のラインが入る。東武鉄道ではこの赤を“イノベーションレッド”と呼ぶ。

20180112_y-koba2 (9)↑東武鉄道としては画期的なカラーの70000系。東京メトロ日比谷線への乗り入れ用車両として登場した

 

まさにイノベーションになりそうな色使い。東武鉄道の車体カラー自体のイノベーションでもあり、今後の通勤電車の車体カラーに影響しそうな色使いだ。産業デザインの世界でも、かなり革命的と捉えられたようで、グッドデザイン賞に輝いた。

 

九州の雄も負けじと華やかな電車を走らせる

大手私鉄の中で、最も西側、福岡県内に路線網を持つ西日本鉄道(以下、西鉄)。この西鉄でも鮮やかな色使いの電車が2017年春から走り始めている。

 

これまで西鉄の電車は特急形の8000形(すでに全車が廃車)を除き、薄い緑色の車体に赤ラインの電車や薄い青ラインが入る3000形と、無難な色使いの車両が多かった。ところが9000形では普通や急行として走る車両でありながら、思い切った色使いに変更したのだ。

20180112_y-koba2 (10)↑西鉄の新型9000形。正面と車体横のラインはロイヤルレッドで塗られる。赤い色使いは、写真の印象よりも実際はもっと明るい色に感じられる

 

20180112_y-koba2 (11)↑関西圏の鉄道では、塗装カラーの変更があまり見られない。そんななかで2017年、阪神電気鉄道の5500系リニューアル車は独特の明るいブルー系カラーに塗り替えられた

 

淡い色系の新車も続々と登場!

東武鉄道の70000系と対極を行くようなカラーの新車を登場させようとする鉄道会社もある。東京急行電鉄(以下、東急)と都営地下鉄の例を見てみよう。

 

まずは東急。東急では田園都市線用に2020系、そして大井町線用に6020系をそれぞれ2018年の春に導入の予定だ。東急の電車といえば、銀色の車体に赤ライン。一部の路線に赤とオレンジ、また緑ラインといった原色に近いカラー車両を多く走らせてきた。

 

そんな東急電車のイメージを一新するのが2020系と6020系。白を基調とした外観デザインで、この白は「INCUBATION WHITE」(新しい時代へ孵化していく色)とされる。これまでの電車のように角張ったデザインでなく、やや傾斜したカーブラインが特徴の前面デザイン。ブラックとホワイトの組み合わせに、田園都市線の2020系は淡い緑色のラインを、大井町線用の6020系はオレンジ色のラインが入る。

20180112_y-koba2 (12)↑長津田検車区の奥に留置された新型の田園都市線2020系と大井町線6020系。6020系は、まだ報道陣にも公開されていない未発表の電車でもある(1月11日現在)

 

2017年から2018年にかけては鉄道車両の新車デビューラッシュが続くが、都営浅草線にも新型5500形が導入される。2017年の暮れ、馬込車両検修場で公開された車両はこれまでの浅草線の5300形とは異なり、淡いピンクライン。東急の新車と同じように、正面のやわらかなカーブラインが特徴となっている。

20180112_y-koba2 (13)↑都営浅草線の5300形と新型5500形(左)。既存の5300形は濃い赤ラインに対して、5500形は淡いピンク色のラインと変更された

 

渋めの色使いや伝統へ回帰という鉄道会社も

鮮やかな色使いの電車が登場する一方で、渋めの色で勝負しようというのが相模鉄道(以下、相鉄)だ。2017年12月に創立100周年を迎えた相鉄。「デザインブランドアッププロジェクト」に取り組み始めた。

 

その一貫として行われたのが、車体色の変更。従来から走る9000系をリニューアルするのに合わせて、外装は「YOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー)」と名付けられた紺色塗装に変更された。横浜をイメージしたカラーだとされる。

20180112_y-koba2 (14)↑9000系の従来車は薄いグレー地に水色とオレンジのラインが入る

 

20180112_y-koba2 (15)↑ヨコハマネイビーブルーと名付けられた紺色塗装の9000系リニューアル車。紺色とはいうものの、光にあたるときらきら輝いて美しく見える

 

濃い色使いながら、高級感あふれた印象を受ける。この9000系リニューアル車は2016年度グッドデザイン賞を受賞した。近日、公開予定の新車20000系もこのヨコハマネイビーブルーで登場の予定。 数年後にはJR東海道線と東急東横線との相互乗り入れが行われる予定の相鉄。その意気込みが感じられる車体カラーだ。

 

また、京浜急行電鉄(以下、京急)のように伝統色に回帰する動きも見られる。主力の1000形は2代目から車体のステンレス地の銀色が目立つ仕様だったが、新製車は元々の京急の電車の特徴である赤に窓回りを白く塗る塗装に改められている。この赤地に白というカラーは、京急の創業以来の伝統ということで長年、親しまれてきた。

 

元々、赤という古さを感じさせない色だったということもあり、改めて原点に戻ろうという意図なのだろう。ちなみにステンレス車体は腐食に強いのが特徴。そのため塗装を省くというのが一般的な傾向で、ステンレス車の全面塗装は関東の大手私鉄としては初めてのことになる。

20180112_y-koba2 (16)↑主力車の京急1000形電車。2代めはステンレス車体の銀色部分が目立っていた

 

20180112_y-koba2 (17)↑京急1000形の増備車はステンレス車体ながら、銀色のボディに赤地と白という伝統色が施されている。今後の増備車はさらに銀色部分が伝統色の赤で覆われる予定だ

 

時代を反映する車体カラー

流行色はその時代を反映するとされる。バブル崩壊で、経済状況が悪化した1990年代にはモノトーンが流行したのは、その典型的な例だった。

 

ここ数年の華やかな色使い、淡い色使いが車体カラーに増えているのは、好景気が影響しているのかも知れない。一方でヨコハマネイビーブルーといった渋めの色使いの電車が走り始めていることも面白い。車体のラッピング塗装の技術が向上したことも、車体カラーが多彩にしている1つの要因だろう。

 

電車の車体カラーにはこれが正解というものはない。色というのは、十人十色で好みが異なるもの。とはいえ各鉄道会社が競って、このような車体カラーを生み出す傾向は歓迎すべき現象だろう。今後、どのような車体カラーの電車が登場してくるのか、楽しみにしていきたい。

【中年スーパーカー図鑑】地を這うようなスタイリングで“日本の”スーパーカーブームを席巻

海外の自動車関連の雑誌やサイトではいわゆる“スーパーカー”の括りではなく“ライトウェイトスポーツカー”として定義されることが多いが、日本では間違いなく“スーパーカー”の代表格として位置づけられる稀有なモデルがある。日本のスーパーカー・ブームの中心的な役割を果たした池沢さとし(池沢 早人師)さん作の漫画『サーキットの狼』の主人公が駆る「ロータス・ヨーロッパ(LOTUS EUROPA)」(1966~1975年)だ。今回はロータス・カーズの創業者であるコーリン・チャップマンの商才が存分に発揮された軽量ミッドシップスポーツカーの話題で一席。

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【Vol.9 ロータス・ヨーロッパ】

セブン(1957年デビュー)やエラン(1962年デビュー)というスポーツカーの発売によって、会社の業績を飛躍的に伸ばした英国の自動車メーカーのロータス・カーズ。しかし、創業者のコーリン・チャップマン(Anthony Colin Bruce Chapman)はこの状況に決して満足せず、次なる戦略に打って出る。スポーツカー本来の楽しさを維持しながら市場の志向に合わせて上級化を図り、しかも軽量で安価なミッドシップスポーツを創出しようとしたのだ。また、販売マーケットは欧州市場全体を見据えることとし、自国の英国は後回しにすることを決断。さらに、使用パーツは後々のメンテナンスやアフターサービスなどを踏まえて欧州大陸製を多く組み込む方針を打ち出した。

 

■欧州市場向けの量産スポーツカーを企画

全長4000×全幅1638×全高1080mm、車重は660kg。1594cc直列4気筒DOHCエンジンに5速MTを組み合わせた全長4000×全幅1638×全高1080mm、車重は660kg。1594cc直列4気筒DOHCエンジンに5速MTを組み合わせた

 

セブンを引き継ぐロータス製の新型スポーツカーはコードナンバー46として開発され、1966年12月に「ヨーロッパ(EUROPA)」の車名で市場デビューを果たす。基本骨格には鋼板を溶接したボックス断面で構成するバックボーンフレームを採用。また、フロント部はボックスセクションにクロスメンバーを直角に溶接してT字型を形成し、一方のリア部はパワートレインをなるべく低い位置に搭載するためにY字型としたうえで左右に分かれたフレームを1本のチューブで結び、これにギアボックス後端を支持させた。架装するボディは軽量なFRP製で、強度を持たせるためにフレームへの接着工法を導入する。サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン/コイル、リアにラジアスアーム+ロアトランスバースリンク/コイルをセット。操舵機構にはトライアンフ・ヘラルドから流用したラック&ピニオン式を、制動機構にはガーリング製の前ディスク/後ドラムを装備した。

 

パワートレインに関しては、FF車のルノー16用を180度転置して使用する。Y字フレームに挟まるようにして搭載するエンジンはアルミ合金製のブロックとクランクケースを持つ5メインベアリングの1470cc直列4気筒OHVユニットで、圧縮比の引き上げ(8.5→10.25)やハイリフトカムの組み込み、ツインチョークキャブレター(ソレックス35DIDSA2)の採用などにより、82hp/6000rpmの最高出力を発生した。組み合わせるトランスミッションはアルミダイキャストのケースで覆ったフルシンクロの4速MT。最終減速比は3.56と低めに設定される。また、エミッションコントロールの厳しい地域に向けては、対策を施した1565cc直列4気筒OHVエンジン(80hp/6000rpm)を採用していた。

 

エクステリアに関しては、フォード出身のデザイナーであるジョン・フレイリング(John Frayling)が主導した低くて空力特性に優れる(Cd値0.29)2ドアクーペスタイルが訴求点となる。ボディサイズは全長4000×全幅1638×全高1080mm/ホイールベース2337mmで、車重は660kg。また、ミッドシップレイアウトを強調するリアクォーターパネルが窓なしで、しかも高く設定されていたことから、市場では“特急ブレッドバン(パン屋の配達バン)”というニックネームがついた。内包するインテリアは非常にシンプル。ドアの内張は省略され、シートやサイドウィンドウは固定式。前述のリアクォーターパネルの影響で、後方視界は狭かった。

 

ちなみに、コードナンバー46のヨーロッパのデビューとほぼ時を同じくして、46をベースにグループ4カテゴリーへのエントリーを目的にチューンアップしたコンペティションモデルの「47」が登場する。軽量化を果たしたバックボーンフレームには、ロータス・コスワース13Cの1594cc直列4気筒DOHCエンジン(165hp)+ヒューランド製FT200・5速MTのパワートレインを搭載。また、リアサスのラジアスアームおよびハブキャリア等の変更、リアブレーキのディスク化、軽合金製専用燃料タンクの装備、センターロック式マグネシム合金製ホイールの装着などを実施していた。

 

■シリーズ2→ツインカムへと発展

ヨーロッパ・シリーズ2。ドア内張りと木目調パネル、ラジオなど、GTカーらしい装備をおごるヨーロッパ・シリーズ2。ドア内張りと木目調パネル、ラジオなど、GTカーらしい装備をおごる

 

1968年になると、コードナンバー54のヨーロッパ・シリーズ2がデビューする。このモデルでは従来のウィークポイントが大きく解消されていた。まず、フレームとFRP製ボディの接合方法が接着式からボルト留め式に刷新され、修復およびメンテナンス性が向上。内装では2分割式ドアガラスの内の1枚の電動開閉化、アジャスタブル機構付きのバケットシートの装備、ドア内張りと木目調パネルの設定、ラジオの装着など、GTカーにふさわしいエクイップメントを備えた。また、1969年7月には右ハンドル仕様の英国向けモデルの販売がスタート。さらに、1970年中にはエミッションコントロールなどを施したコードナンバー65のアメリカ市場向けヨーロッパの輸出を開始する。一方で、1969年にはグループ6に準拠するコードナンバー62のプロトタイプ・ヨーロッパを開発。新設計のスペースフレームにマーティン・ウェイド(Martin Wade)がデザインした空力ワイドボディ、1気筒当たり4バルブの1973cc直列4気筒DOHC16Vエンジン(220hp)などで武装した新レーシングマシンは、ブランズハッチなどのレースシーンで大活躍し、ヨーロッパの高性能イメージをいっそう引き上げた。

 

1971年10月にはロータス製ツインカムエンジンの1558 cc直列4気筒DOHCユニット(105hp)を搭載したコードナンバー74のヨーロッパ・ツインカムが登場する。トランスミッションには専用のクラッチハウジングを組み込んだルノー製の4速MTをセット。航続距離の引き上げを目的に燃料タンク容量は7ガロンから12.5ガロンへとアップし、同時にフィーラーキャップをエンジンカバー左右の2カ所設定する。外装では後方視界の改善を狙ってフード両側のフィンを低く設定し、さらにフロントノーズ下にスポイラーを装着して空力特性を向上させた。

 

■日本のスーパーカー・ブームを牽引した「スペシャル」

日本のスーパーカーブームの中心的存在となったヨーロッパ・スペシャル。JPSカラーモデルが人気を博した日本のスーパーカーブームの中心的存在となったヨーロッパ・スペシャル。JPSカラーモデルが人気を博した

 

1972年9月になると、最終進化形となるヨーロッパ・スペシャルが市場に放たれる。搭載エンジンにはインテークバルブ径を大きくした通称“ビッグバルブ”エンジンの1558 cc直列4気筒DOHCユニットを採用。最高出力は126hp/6500rpmにまで引き上げられる。組み合わせるトランスミッションはルノー製の5速MTに換装。足回りも強化され、タイヤにはロープロファイルラジアル(サイズは前175/70R13、後185/70R13)をセットした。また、外装ではフロントフードやボディサイドなどに細いストライプを配して見た目の質感をアップ。とくに黒のボディカラーに金色のストライプを配したJPSカラー(当時のロータス製フォーミュラマシンのスポンサーである煙草ブランドのJohn Player Specialのパッケージカラー)仕様が高い人気を博した。そして、このスペシャルを最終モデルとして1975年には製造を終了。総生産台数は9230台だった。

 

ところで、日本でのロータス車の輸入・販売は、1972年までが東急商事→東急興産が、以後はアトランティック商事が手がける。私事で恐縮だが、東急時代は神奈川県大和市にファクトリーがあり、ここに実家で営むネジ屋がボルトやワッシャーなどを納めていた。配達についていった幼少時代、ファクトリーに収まるヨーロッパを見て、本当に低くてペッタンコなスタイルに驚いたものだった。横にエランやそのレースモデルの26Rなどもあったが、見た目のインパクトはヨーロッパが随一。メカニックのお兄さんがよく乗せてくれたのだが、そのタイトな室内や地を這うような走りはまさに異次元の世界だった(当時のウチの配達車は510ブルーバードのバンと10系ハイラックスだったので、その低さや狭さはなおさら)。多分、これが当方のスーパーカーの原初体験だったのだろう。自動車雑誌の編集に就いてからはシリーズ2やスペシャルを何度か試乗したが、そのインパクトは当時と変わらぬまま。むしろ、操舵角に即して俊敏に反応する運動特性を知って、それが増幅された。やっぱりヨーロッパは、紛うことなき“スーパーカー”だ――と思う(私見)。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

FF最速を目指した4代目シビック タイプRの魅力を1/18サイズに凝縮!

本格的RC(ラジオコントロール)モデルや高品質なミニカーといったホビー製品の製造・販売を手掛けるトップメーカー・京商は、新旧の“日本の名車”をモチーフとしたレジン製ミニカーブランド「samurai」シリーズの新商品として、1/18スケールのホンダ・シビック タイプRを発売した。

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「samurai」は、同社が展開するミニカーブランドの中でも、プレミアムな位置づけがなされるハイグレードなシリーズ。実直かつ愚直なまでのこだわりから生まれた“日本の名車”をテーマに、美しいボディラインの再現や高品質な塗装などを追求し、その商品を見た人すべてが「実車と錯覚した……」と感じてしまう、まるで工芸品のような仕上がりが魅力だ。

 

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今回モデル化されたのは、2015年3月、量産FF車での当時のニュルブルクリンク北コース最速タイム、7分50秒63を記録したことで話題となり、日本国内でもそのタイムにちなみ750台が限定販売されたFK2型。タイプRならではのグラマラスでワイドなスタイルが魅力のエクステリアはもちろん、レッドとブラックのカラーが特徴的なコクピット周りまで、細部にわたって精密に再現されている。

 

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カラーはチャンピオンシップホワイトとクリスタルブラックパールの2色をラインナップ。前者が500台、後者が300台の限定生産となる。購入は京商のホームページまたは全国のミニカー販売店で。

 

京商
● Samurai 1/18スケール Civic Type R 1万5000円(税別)

★お問い合わせ

京商株式会社
〒243-0034 神奈川県厚木市船子153
お客様相談室 046-229-4115
月曜〜金曜(祝祭日を除く)13時〜19時
http://dc.kyosho.com/ja/

 

 

 

待っていました! 欧米の自転車愛好家を魅了する、カッコいい折りたたみ式ヘルメット「LID」

財布にも環境にも優しい自転車通勤ですが、交通量の多い大都市では安全面でちょっと不安になりますよね。アメリカやヨーロッパの都市では自転車でのヘルメット着用は一般的ですが、電車やバスなどと組み合わせて通勤している人にとってヘルメットはちょっとした荷物になってしまいます。特にラッシュ時の満員電車でヘルメットが場所をとるのはちょっと申し訳ないですよね。

 

自転車で頻繁に移動する方にしてみると、ヘルメットの場所取り問題はより深刻です。カバンには入らないけれど、自転車と一緒に放置するのは心配……。そんな悩ましい問題を解決してくれるのがIndiegogoで目標金額の154%となる350万円の資金を獲得した折りたたみ式ヘルメット「LID」です。

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日本でも海外でも保管時の場所をとらない折りたたみ式のヘルメットはいくつか販売されていますが、どれも災害時や作業場などを念頭においたもので色のバリエーションはもちろん、見た目は完全に業務ヘルメットというものがほとんど。

 

しかしLIDは折りたたみ式でありながら、都会的でスタイリッシュなデザインになっています。確かに折りたたみと言われなければ、一般的かつ洒落たヘルメットかと思いますよね。折りたたむとバッグのなかにスッキリ納まります。

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LIDはM-L(55~58cm)のワンサイズのみの販売で、重さは410gです。ヘルメットのなかにはマグネット式の固定デザインがちゃんと組み込まれているので、広げると頑丈なヘルメットになります。

 

ヘルメットの大きさは4段階で調整可能。後部にはマジックテープも付いている一方、ストラップには喉付近の擦れを防ぐためにパッドも付いています。さらに、本製品はユーザーの頭の形に自動的に合うように作られているとのこと。なかにはクッションも装着されているので、フィット感は抜群でしょう。

 

また、折りたたみの隙間をうまく活用して空気が流れるように設計されています。そのためヘルメットのなかが暑くて蒸れてしまうこともありません。

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頭の後ろ部分に点滅ライトをクリップできるようになったこのヘルメットは、どれもマットな仕上がりになった黒、白、緑、オレンジ、ピンクの5色から選べます。

 

リサイクル素材を使っており環境にもやさしいとのこと。ペダル式の乗り物、スケートボード、ローラースケート用のヘルメットの欧州安全基準であるEN1078にも合格、同様にアメリカの安全基準であるCPSCにも準拠しているそうです。

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お値段は1つ約1万1000円(発送料別)。発送は来年の5月を予定しているそうです。

自転車通勤は確かに環境にも財布にも優しいけれど、自転車の置き場やヘルメットの持ち運びが問題で、まだ一歩を踏み出せずにいる方は多いのではないでしょうか。LIDは使い心地も良いようでTwitterやブログでは「LIDは最高!」と絶賛する自転車愛用者たちの声が見つかります。

 

すでにヘルメットを使っている人はもちろんのこと、「2018年の目標は自転車通勤!」と決意している方にもぜひ検討していただきたいプロダクトです。

スープラを彷彿とさせるトヨタ「GR ハイブリッドスポーツ」の市販化は2019年!?

トヨタのFRハイブリッドスポーツカーとして、2017年の東京モーターショーでワールドプレミアとなった「GR ハイブリッドスポーツ コンセプト」が2019年にも市販化されるとの情報が入り、このほどその予想CGが制作された。

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注目は「スープラ」を彷彿とさせるコンセプトモデルでも見られた「エアロトップ(タルガトップ)」で、市販化でも採用されるだろう。アンダーグリル全体にインパクトを与えることで前への張り出しを押さえながらも押し出し感をキープ。LEDヘッドライトも個性的なコンセプトモデルのデザインを引き継ぎながら一部デザインを変更し、縦長の下部に3本のフィンを装着してスポーツ感を演出。サイドはフロント部とドア部分に段差をつけ、迫力があるデザインとなっている。

 

2020年には「86」次期型の登場も予想されており、もし2019年に登場となればそのインパクトは絶大だろう。

これ以上カーナビに求める機能はない!? 最新機能がてんこ盛りの“彩速ナビ”最上位モデル 新「TYPE Z」シリーズ

JVCケンウッドは、ケンウッドブランドより、「彩速」シリーズのカーナビゲーション最上位モデル「TYPE Z」シリーズ2018年新モデルを2月中旬より発売します。ラインナップは、大画面7型モニターを搭載した「MDV-Z905」(実売予想価格13万円前後)、「MDV-Z905W(200mmワイドモデル)」(同13万円前後)の2機種(いずれも税抜)。

↑↑MDV-Z905

 

20180112-i02 (2)↑ワイドモデル「MDV-Z905W」

 

Z905/Z905Wの特徴は、従来のDSD 11.2MHzやPCM 192kHz/24bitのハイレゾ音源再生に加え、ワイヤレスでもハイレゾ相当の高音質を実現する「LDAC」コーデックにも対応していること。独自の高音質化技術「K2 TECHNOLOGY」により、CDやMP3などの音源もアップサンプリング処理を行うことで、高品位な音楽再生が楽しめます。

 

また、2017年10月に発売された「TYPE M」シリーズで新たに搭載された機能にも対応。渋滞表示、速度履歴など、ユーザーが必要とする情報をグラフィカルに表示する「新INFOウィンドウモード」や、Apple CarPlay、Android Autoなどのスマートフォンとの連携、スマホ向け定額制音楽配信アプリ「SMART USEN」への対応など、フラッグシップ機にふさわしい最新機能を備えています。

↑必要な情報をグラフィカルに表示する「新INFO」↑必要な情報をグラフィカルに表示する「新INFOウィンドウモード」(画面はTYPE Mシリーズのもの)

 

このほか、ナビ連携型ドライブレコーダー「DRV-N530」(フロント用)と「DRV-R530」(リア用)に対応し、クルマの前後を同時に録画可能。2月上旬発売のリアシート向け9型モニター「LZ-900」(実売予想価格2万円前後)と組み合わせて、後部座席での映像視聴を行えるなど、高い拡張性も実現しています。

20180112-i02 (4)↑LZ-900

 

車内で様々なコンテンツが楽しめるAVシステムも

さらに、スマホ連携に特化した新たなカー用AVシステム「DPV-7000」(実売予想価格8万円前後)も2月中旬に発売。Apple CarPlayとAndroid Autoに対応し、本機と接続したスマホを操作したり、アプリを利用することができます。

↑↑DPV-7000

 

また、ハイレゾ音源の再生や、ワイヤレスでハイレゾ相当の高音質が楽しめる「LDAC」コーデックに対応。テレビ放送をクリアな映像で楽しめる広感度地デジチューナーや、、地デジ番組の録画ディスクも楽しめるDVD再生機能なども備え、様々なコンテンツをこれ1台で楽しむことができます。

 

高い拡張性も有し、連携型ドライブレコーダー「DRV-N530」(フロント用)、「DRV-R530」(リア用)や、リアシート向け9型モニター「LZ-900」なども接続可能です。

 

ハイレゾ再生やスマホ連携といった最新の機能を漏らさず搭載したケンウッドの「彩速ナビ」新フラッグシップモデルは、旧モデルからの買い替えやエントリーモデルからのステップアップにも最適な1台。カーナビの買い替えを検討されている方は、ぜひチェックしてみて下さい。

’77年に登場した記念モデル「ブラックポルシェ」をイメージした電動RCカーが発売!

星のマークでお馴染みの模型メーカー株式会社タミヤ(以下タミヤ)は、電動RC(ラジオコントロール)カー・組み立てキットモデルの新製品「1/10RC ポルシェターボRSR 934 ブラックエディション (TA02SWシャーシ)」を2018年1月13日(土)頃発売する。

 

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実車は水冷水平対向6気筒3000cc+ターボの「930ターボ」をベースに、当時のグループ4規定に合わせてポルシェがチューンしたGTレース用車輌。“930ベースのグループ4マシン”ということで934レーシングの名で呼ばれる。実車は水冷水平対向6気筒3000cc+ターボの「930ターボ」をベースに、当時のグループ4規定に合わせてポルシェがチューンしたGTレース用車輌。“930ベースのグループ4マシン”ということで934レーシングの名で呼ばれる。

 

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タミヤ電動RCカーのファーストモデルとして’76年に発売された「ポルシェターボRSR934レーシング」。プラモデルを転用したスケール感の高いボディと、市販モデルとしてはおそらく世界初である“電池で走るRCカー”という手軽さから、発売後わずか1年で10万台という爆発的なセールスを達成する大ヒット商品となった。

 

その記録的セールスを記念し、’77年に限定モデルとして登場した「ブラックポルシェ」をイメージしたのが、この組み立てキットだ。

 

 このモデルのモチーフとなった’77年発売のブラックポルシェ(左)とそのパッケージ(右)。限定モデルとして当時のファンの羨望を集め、その希少性から発売後40年を経た今なお人気が高い。
このモデルのモチーフとなった’77年発売のブラックポルシェ(左)とそのパッケージ(右)。限定モデルとして当時のファンの羨望を集め、その希少性から発売後40年を経た今なお人気が高い。

 

 

モチーフとなった’77年版では1/12であったスケールサイズを現在のRCカーの主流である1/10サイズへと大型化するとともに、ボディの材質を衝撃に強く割れにくいポリカーボネートへと変更。前後オーバーフェンダーやフロントスポイラーを装備したグラマラスなスタイルが存分に再現され、ドアミラーや大型リヤスポイラー付きのエンジンフードはプラスチック製の別パーツで構成することで、スケール感をさらに高めている。また、こちらも別パーツとなるライトケースには同梱のLEDユニットを組み込むことができ、前後ライトを点灯しながらの走行も楽しめるようになっている。

 

シャシーは、RCカーの世界で現在主流の4WD電動ツーリングカーをベースに、ポルシェのボディスタイルに合わせてワイドトレッド&ショートホイールベース化したTA02SWを採用。オイルダンパー装備のダブルウィッシュボーンサスペンションやフルベアリング仕様の駆動系など、走りの装備も本格的だ。シャシーは、RCカーの世界で現在主流の4WD電動ツーリングカーをベースに、ポルシェのボディスタイルに合わせてワイドトレッド&ショートホイールベース化したTA02SWを採用。オイルダンパー装備のダブルウィッシュボーンサスペンションやフルベアリング仕様の駆動系など、走りの装備も本格的だ。

 

 

足まわりを引き締めるメッシュホイールはリム部分にメッキ加工を施した2ピースタイプ(左)で、リヤには迫力のあるワイドサイズを採用。リヤスポイラーやミラーは別パーツで、シャープな仕上がりを見せる(右)。足まわりを引き締めるメッシュホイールはリム部分にメッキ加工を施した2ピースタイプ(左)で、リヤには迫力のあるワイドサイズを採用。リヤスポイラーやミラーは別パーツで、シャープな仕上がりを見せる(右)。

 

 

さらに’77年版にも付属していた専用の布製キャリングバッグもセット。ブラック地にゴールドのイラストが入ったパッケージデザインも当時を彷彿とさせる。

 

商品パッケージは完成後のRCカーを収納&持ち運びするのに便利なキャリングケースタイプ(左)。’77年当時を思わせる専用布製バッグは、このモデルにのみ同梱される限定品だ(右)。商品パッケージは完成後のRCカーを収納&持ち運びするのに便利なキャリングケースタイプ(左)。’77年当時を思わせる専用布製バッグは、このモデルにのみ同梱される限定品だ(右)。

 

 

組み立てには、別売りの「ファインスペック2.4G電動RCドライブセット」および送信機用の単3形電池4本、工具類、塗料などが必要となる。

 

さらに詳しい情報はタミヤのホームページで。

 

 

■基本スペック

●全長435mm、全幅202mm、全高130mm ●ホイールベース236mm ●トレッド=前162mm/後168mm ●タイヤ幅/径=前26/65mm、後32/65mm ●フレーム=FRP製ダブルデッキ ●駆動方式=横置きモーター・シャフトドライブ4WD ●デフギヤ方式=前3ベベル、後ボールデフ ●ステアリング=3分割タイロッド式 ●サスペンション=ダブルウィッシュボーン4輪独立 ●ダンパー=前後ともCVAオイルダンパー ●ギヤ比=1:8.59 ●スピードコントローラー=ESC仕様(別売) ●モーター=540タイプ

 

★★タミヤ
●電動RCカー(特別企画)
1/10RC ポルシェ ターボ RSR 934 ブラックエディション (TA02SWシャーシ) 32,184円(税込)

●タミヤRCシステム
ファインスペック2.4G 電動RCドライブセット 14,904円(税込)

 

 

 

ライバル勢に対抗すべく、GLC/GLCクーペに「メルセデスAMG 63」を追加

2017年はミドルクラスSUVの当たり年だ。ボルボXC60を筆頭に、アウディQ5/SQ5、BMW X3が相次いで新型にスイッチ。それ以外にもポルシェ・マカン、ジャガーFペイスなど多士済々といったクラスだ。輸入SUVマーケットの中でも人気の高いメルセデス・ベンツGLC/GLCクーペだが、2015年にGLKクラスからバトンを受け取ってから(日本発売は2016年2月)およそ2年が経とうとしているだけにテコ入れが欲しいところ。

 

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そうした中、2018年1月10日に発表されたのが「メルセデスAMG GLC 63 4MATIC+」「メルセデスAMG GLC 63 S 4MATIC+」だ。車両本体価格1247万円〜1485万円という値付けは、GLCクラス全体の販売を大きく押し上げるには至らないかもしれないが、活況を呈するミドルSUV市場、特にアウディSQ5やポルシェ・マカン・ターボあたりをターゲットにする層には気になる存在に違いない。

 

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搭載されるエンジンは、メルセデスAMG GTと基本設計を共通とするAMG 製4リッター V8直噴ツインターボの「M177」ユニット。「63S」モデルは、510ps/700Nm、ノーマルの「63」でも476ps/650Nmを誇り、ミドルサイズSUV初となる「63」シリーズにふさわしい動力性能を確保している。

 

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ほかにも、AMGスピードシフトMCT(9速AT)やスポーツ志向4WDとなる「AMG 4MATIC+」、

 

AMGダイナミックエンジンマウントなどAMGならではの技術を満載し、日本の道路事情でも扱いやすいサイズのSUVにハイパフォーマンスを詰め込んだ、メルセデスAMGファン待望の仕様になっている。

 

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世界初のAMG専売店である「AMG東京世田谷」で開催されたプレス発表会には、メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長とシュテルン世田谷の板東轍行社長が出席。上野社長曰く、「AMG東京世田谷では、同店の限定車や特別オーダーの仕様が好調だった」とオープン1周年を振り返っていた。一方の板東社長は、「AMGというブランド(高級)にも関わらず、AMG東京世田谷のオープン時にはSNSの拡散(反響)が大きかった」とコメント。実際に2017年の同拠点オープン以来、約4500名が来場したという。その効果もあってか日本でのAMGの販売状況は、対前年比21%増の約6800台と好調を維持する。

 

リポート 塚田勝弘 K.Tsukada

 

 

オスカー俳優、マコノヒーを起用したリンカーンの新CMが公開

フォードはこのほど、新型リンカーン・ナビゲーターのキャンペーンとして、イメージキャラクターにオスカー俳優のマシュー・マコノヒーを起用したことを発表。「パーフェクトリズム」というタイトルで60秒のCMをYouTube上で公開した。

 

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太平洋岸北西部で撮影されたこの動画では、ドラマティックなビジュアルと音楽を組み合わせ、新型ナビゲーターによる快適なドライブが表現されるとともに、洗練されたスタイリングや広々としたインテリアがアピールされている。

 

 

なお、米国では2018年1月1日に中継されたカレッジフットボールのプレーオフの中でスポットCMとしてオンエアされている。

 

 

 

 

日産が脳波測定を活用した運転支援技術を発表!

日産自動車は1月3日、ドライバーの脳波を測定し、運転を支援する先駆的な研究を発表した。

 

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ニッサンの脳波測定による運転支援技術(Brain-to-Vehicle=B2V)は、ドライバーの反応時間を早め、ドライビングをよりエキサイティングなものにし、ドライバーとクルマの関係を再定義する。この技術は、人とクルマのコミュニケーション、社会とクルマとの関わり方を変えていくことを目指す「ニッサン インテリジェント モビリティ」における最新の成果だという。

 

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「将来の自動運転社会では、人間はクルマをコントロールしないと考える人が多いかもしれません。しかし、この技術はその反対です。ドライバーの脳波を活用して、ドライビングをさらにエキサイティングで楽しいものにしていくのです」と副社長のダニエレ・スキラッチはコメント。「ニッサン インテリジェント モビリティの取り組みのもと、自動運転や電動化、コネクテッドカーなどの技術により、私たちはよりよい社会を実現していきます」

 

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ニッサンのこのブレークスルーは、脳波測定技術を適用する研究の成果で、ドライバーが行なう次の運転操作のタイミングやドライバーが持つ違和感を把握する。ドライバーがステアリングを回す、アクセルペダルを踏むなどの操作をする直前に、脳の行動準備電位を検出し、ドライバーが操作を開始する前からシステムが操作を開始することで、ドライバーの反応の遅れをカバー。ドライバーが思い通りの運転をできるようサポートするのだ。一方、自動運転時に、脳波からドライバーの違和感を検出し、ドライバーが違和感を持たない自然な制御の自動運転にカスタマイズすることを可能にする。

 

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B2V技術の研究をリードしているニッサンのルチアン・ギョルゲ シニア・イノベーション・リサーチャー(SIR)のコメントはこうだ。
「拡張現実(AR)を活用することでドライバーの視線の先にある車内環境を調整したり、よりリラックスできる環境をつくり出すことも可能になるかもしれません。この技術の適用には大きな可能性があります。この研究が触媒となり、将来、より多くのイノベーションが日産車にもたらされるでしょう」

 

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ニッサンのB2V技術は、世界で初めて、ステアリング操作などの運転操作に関連する行動準備電位のリアルタイム検出。また、ドライバーが思い描いた運転と、実際に行なわれている運転が違うと感じるときのエラー関連電位(Error Related Potential)を計測可能としている。さらに、この技術はドライバーがヘッドセットを着用することで計測された脳波をシステムが解析・判断し、自動運転に適用。そして、マニュアル運転時には脳波によってドライバーの意思を把握すると、ドライバーが操作を開始する0.2~0.5秒前にクルマが運転操作を開始する。このことにより、ドライバーはシステムのサポートを意識することなく、スムーズに走行することができるようになる。

 

なお、ニッサンはこの技術を、米国ラスベガスで1月9日から開催される「CES(インターナショナル・コンシューマー・エレクトロニクスショー)」に出展し、ドライビング・シミュレーターを用いてB2V技術のデモンストレーションを行なう予定だ。

 

 

 

 

どこかで見たような……元英国の名門、MG最新SUVの安全性は?

ユーロNCAPはこのほど、新生MGのコンパクトSUV「ZS」のクラッシュテストを実施し、総合評価が3つ星だったことを発表した。

 

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MG ZSは2017年4月の上海オートショーでデビューしたコンパクトSUV。全長4314×全幅1809×全高1611mm、ホイールベースの2585mmのボディに、106ps/141Nmを発揮する1.5リッター直4エンジンや、111ps/160Nmを発揮する1.0リッター直3ターボエンジンを積む。エクステリアデザインが、マツダのCXシリーズに似ているように見える部分があるのは気のせいか……。

 

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ユーロNCAPの安全性試験で最高評価となる5つ星を獲得するには、「成人乗員保護性能」で80%以上、「子供乗員保護性能」で75%以上、「歩行者保護性能」で60%以上、「安全補助装置」で50%以上という4項目のパセンテージをすべてクリアしなければならない。

 

 

新型MG ZSの結果は「成人乗員保護性能」で71%、「子供乗員保護性能」で51%、「歩行者保護性能」で59%、「安全補助装置」で29%という評価で、総合で3つ星に。最高評価の5つ星を獲得する新型車が多く登場している昨今では、かなり厳しい結果となった。とくに安全補助装置の項では29%と、課題を残すこととなった。

 

 

 

どこかで見たような……元英国の名門、MG最新SUVの安全性は?

ユーロNCAPはこのほど、新生MGのコンパクトSUV「ZS」のクラッシュテストを実施し、総合評価が3つ星だったことを発表した。

 

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MG ZSは2017年4月の上海オートショーでデビューしたコンパクトSUV。全長4314×全幅1809×全高1611mm、ホイールベースの2585mmのボディに、106ps/141Nmを発揮する1.5リッター直4エンジンや、111ps/160Nmを発揮する1.0リッター直3ターボエンジンを積む。エクステリアデザインが、マツダのCXシリーズに似ているように見える部分があるのは気のせいか……。

 

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ユーロNCAPの安全性試験で最高評価となる5つ星を獲得するには、「成人乗員保護性能」で80%以上、「子供乗員保護性能」で75%以上、「歩行者保護性能」で60%以上、「安全補助装置」で50%以上という4項目のパセンテージをすべてクリアしなければならない。

 

 

新型MG ZSの結果は「成人乗員保護性能」で71%、「子供乗員保護性能」で51%、「歩行者保護性能」で59%、「安全補助装置」で29%という評価で、総合で3つ星に。最高評価の5つ星を獲得する新型車が多く登場している昨今では、かなり厳しい結果となった。とくに安全補助装置の項では29%と、課題を残すこととなった。

 

 

 

ZFの電動プラットフォームが老舗カロッツェリアに

ドイツの自動車部品メーカーのZFはこのほど、電気駆動車向けのシャシーシステム「インテリジェント・ダイナミック・ドライブ・シャシ(IDDC)」を開発し、このシャシーシステムをベースとした自動運転プラットフォーム「スケートボード」を発表した。

 

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スケートボードによって、電動パワートレインを含むプラットフォームからキャビンと切り離して扱うことができるようになるわけだが、このスケートボードをベースに、スイスの老舗カロッツェリアであるリンスピードが最新の都市型モビリティコンセプト「Snap」を発表した。

 

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IDDCにはmSTARSモジュラーリアアクスルシステムと呼ぶモジュラーセミトレーリングアームリアサスペンションが採用され、リアアクスルステアリングが統合される。Snapに搭載されたリアアクスルステアリングの最大操舵角は14度を実現している。

 

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一方、フロントアクスルにはEasy Turnというシステムを搭載。ZFの改良型電動パワーステアリングとの相互作用によって、操舵角は最大で75度におよぶ。前述したリアアクスルステアリングとの組み合わせによって、混雑した街中の走行でも大きなメリットを生み出すわけだ。

 

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さらにスケートボードには自動運転を見据えたセンサーが搭載され、カメラシステムと組み合わせて車両の周り360度周囲を監視。走行環境や天候など、実際の走行に即した制御を行なう。

 

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将来は、搭載するすべてのコンポーネントやシステム、センサーなどのデータをスーパーコンピュータ「ZF ProAI」で分析・処理。これを元にした人工知能に活用、完全自動運転に向けて役立てていくという。

 

 

 

「エンジンのBMW」が電動化で着実な成果を残す!

BMWグループは2017年初頭に、次のような目標を掲げた。

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「年内、グローバルで10万台以上の電気駆動車を販売する」。

 

この目標を見事に達成したBMWはこのほど、その記念として、ドイツ・ミュンヘン北部にあるBMWグループ本社ビル「フォー・シリンダー・ビル」に光のインスタレーションでバッテリー風の装いを施し、モビリティの未来に向けた道筋を示した。

 

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BMW AG取締役会会長のハラルド・クルーガーは、次のようなコメントを発表した。

 

「当社はお約束を果しました。この高さ99mの光のインスタレーションは、エレクトロモビリティの時代に向けたサインです。年間10万台の電気駆動モデルを販売したことは記念すべき出来事ですが、これは当社にとっての始まりに過ぎません。2013年にBMW i3を導入して以来、当社は20万台以上の電気駆動モデルを販売しており、2025年までに電気駆動モデル25車種を取り揃える予定です。早い段階でエレクトロモビリティに注力したことが、この成功を呼び込んだのです。そしてエレクトロモビリティは、今後も当社の将来的な成功のための尺度となり続けることでしょう」

 

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デトロイトでアキュラの新作SUVがデビュー!

ホンダの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーターは12月21日、2018年1月20日より一般公開がはじまる北米国際自動車ショー(通称:デトロイト・ショー)において、新型「アキュラRDX」のプロトタイプを世界初公開すると発表。ディザー動画を公開した。

 

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米国にて2006年に登場した初代から数えて3代目となるプレミアムエントリーSUV、新型RDXは、アキュラブランドの中心的価値「Precision Crafted Performance(プレシジョン クラフテッド パフォーマンス)」に基づいて生まれた最初の新世代アキュラであり、アキュラブランドの新たな時代のはじまりを示すモデルとなる。

 

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新開発のプラットフォームと、最新のアキュラデザインコンセプトである「Acura Precision Concept(アキュラ プレシジョン コンセプト)」、「Acura Precision Cockpit(アキュラ プレシジョン コックピット)を採用し、RDXとしては初めて米国で開発された。

 

デトロイト・ショー2018でのアキュラのプレスカンファレンスは、現地時間の1月15日AM11:05〜(日本時間1月16日AM1:05〜)下記ウェブサイトでライブ中継される予定だ。

 

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https://www.youtube.com/acura

 

 

短期間のアウディスポーツCEO交代劇に裏はあるのか?

アウディAGはこのほど、R8やRSモデルの開発を手がける子会社「アウディ スポーツ」の新CEOに、ミハエル-ユリウス レンツ(60)が就任すると発表した。

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アウディAG取締役会会長のルパート シュタートラーは次のようなコメントを発表している。
「ミハエル-ユリウス レンツは、国際的な経験も豊富で、アウディ スポーツをさらに世界規模での成長に導いてくれるでしょう。彼のリーダーシップのもと、アウディ スポーツが、グローバルマーケットにおけるメジャープレーヤーとしての地位を確立することを期待しています」。

 

レンツは経営学の学位を取得しており、アウディAGで20年以上にわたって管理職を経験。2015年からはアウディ中国販売部門の社長として、世界で最も重要なマーケットにおける販売と、ブランド認知の総責任者としての役割を担ってきた。それ以前には、ヨーロッパにおける販売責任者として、アウディブランドのマーケティング活動を統括。レンツは2018年の3月1日から、アウディ スポーツの経営を引き継ぐことになる。

2018年1月からブガッティのCEOに就任するステファン ヴィンケルマン2018年1月からブガッティのCEOに就任するステファン ヴィンケルマン

 

2016年3月からアウディ スポーツのCEOを務めてきた前任者のステファン ヴィンケルマン(53)は、2018年1月1日付でフランスのモールスハイアムに本社を置くブガッティ オートモビルズの社長に就任する。アウディ スポーツ以前のヴィンケルマンは、11年間にわたりアウトモビリ ランボルギーニの社長を務めた。

これまでブガッティの社長を務めてきたヴォルフガング・デュルハイマーは退職することになった。これまでブガッティの社長を務めてきたヴォルフガング・デュルハイマーは退職することになった。

 

わずか1年足らずでの社長交代。今回の人事は経営状態の変化というよりは、ブガッティのCEOを務めていたデュルハイマー(59)の引退に起因していると考えられる。彼はブガッティのCEOとベントレー・モーターズのCEOを兼務していた。彼の退職にともない、2社のCEOの席が空いてしまったことを受けて、VWグループ内で後任者の選出が行われたと思われる。ちなみにベントレー・モーターズの会長兼CEOには、2018年2月から元ジャガー・ランドローバーのグローバルブランドディレクターの、エイドリアン ホールマーク(55)が就任する。

2018年2月からベントレー・モーターズの CEOに就任するエイドリアン ホールマーク2018年2月からベントレー・モーターズの CEOに就任するエイドリアン ホールマーク

 

 

 

アウディ スポーツ、ブガッティ、そしてベントレーは今後、新しいリーダーのもと、どんな展開を見せてくれるのだろうか。

 

 

 

【1分でわかるマツダCX-8】“3列SUV”の至福を堪能せよ!インテリアの質感までこだわったマツダの最新作

これまでもSUVを出してきたマツダが、年末に新型モデルを投入しました。本モデルは「大人がきちんと座れる」をコンセプトに、インテリアにとことんこだわっています。ここでは、そんなこだわりの数々を紹介します。

 

色や素材の一つひとつに吟味を重ねたこだわりモデル!

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マツダ CX-8

319万6800円~419万400円

国内市場向けのSUVでは最上位となる3列シート・クロスオーバーモデル。3列目まで「大人がきちんと座れる」パッケージングを実現。デザインは風格や質感にこだわり、インテリアの色や素材の一つひとつに吟味を重ねています。

SPEC【XD Lパッケージ4WD】●全長×全幅×全高:4900×1840×1730㎜●車両重量1830㎏●パワーユニット:2188㏄水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ●カタログ燃費:17.6㎞/ℓ

 

20171224_bln05_2↑3列シートで6〜7人乗り。空間の広さに加え、質感の高いインテリアによって快適な乗り心地を実現します

 

20171224_bln05_3↑ボーズの音響システムをオプションで用意。ボーズとマツダのエンジニアが共同で丁寧に音作りを行っています

 

 

SUVのイメージを覆す快適かつ上質な空間を実現

17年2月にミドルサイズのCX-5、6月にはコンパクトなCX-3と、継続的にSUVをリリースしてきたマツダが、年末に“本命”の新型CX-8を投入しました。ファミリー向け3列シートといえばミニバンが定番ですが、取り回しの良い“3列SUV”は最近のトレンド。

 

とはいえ、どうしても“3列目”に割けるスペースが限られてしまうのが課題でした。CX-8では「大人がきちんと座れる」パッケージングを標榜し、快適な空間を実現。CX-5より全長は伸びましたが、取り回しの良さも上々。上質なインテリアも含めて、SUVのイメージを覆す意欲作といえます。

【1分でわかる】ポルシェSUVを改めて取材ーーカイエンとマカンに共通する「ポルシェらしさ」とは?

本記事では、ポルシェのSUVであるカイエンとマカンにおける最大の魅力を簡単にお伝え!

 

同2車種は「SUVである以前にポルシェ」と乗り手に実感させる走りのキャラクターです。もちろんSUVに求められる要素、例えば室内や荷室の使い勝手は同クラスのライバルに見劣りするところはないし、いざとなれば背の高い見た目相応の悪路走破性も披露してくれます。しかし、この両車だからこその強みは、やはりオンロードでのスポーツ資質の高さなのです。

 

特に、前後のタイヤサイズを変えてまで操縦性を磨いているマカンは、積極的に振り回すのが楽しいほど。ハンドリングの切れ味がここまで鋭く、なおかつ正確なSUVはほかにないと断言できます。

 

そんなマカンと比較すれば兄貴分のカイエンは多少大人びているが、こちらもスポーツ性はクラス随一。また、カイエンではプラグインハイブリッド仕様が選べることも魅力のひとつです。EVとしても使えるだけに、自然の中に分け入るようなSUV本来の用途でもクリーンに走れるのです。

 

ポルシェの国内販売はいまや4ドアモデルが6割!

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ポルシェといえば911に代表されるスポーツカーのイメージが強いですが、販売の主力はカイエンやマカン、そしてパナメーラといった4ドアモデルです。2016年度はマカンが国内のトップセラーでした。

 

【カイエン】「進撃のポルシェ」を支える立役者

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ドイツ本国では3代目が発表済みですが、日本では来春まで現行モデルが販売されるカイエンは、ポルシェの好業績を支える立役者となっています。6グレード構成で、価格は894〜2273万円。試乗車はプラグインHVのカイエンSEハイブリッド。EU基準で約18〜38㎞のEV走行が可能です。

 

【マカン】昨年度は“一番売れたポルシェ”に

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当初は注文が殺到し、中古車市場ではプレミアム価格で取り引きされていたマカンだが、発売から3年を経てようやく安定した供給体制になりました。日本向けは5グレード構成で、価格は699~1194万円。写真の試乗車は2ℓターボを搭載したベーシック仕様です。

サイバーナビだから実現できる極上の音空間――ミュージシャン・寺岡呼人さんの第3の仕事場はクルマの中だった[寺岡さんが解説編]

前回は音質性能に磨きをかけたサイバーナビの魅力に迫りました。Bluetooth接続時であっても、マスターサウンドリバイブ機能を使うことで伸びやかで自然なトーンを聴かせてくれるパイオニア カロッツェリア サイバーナビは、プロミュージシャンであり音楽プロデューサーである寺岡呼人さんをもってして「信頼を置いている」といわしめるクオリティを備えています。以前からサイバーナビと付き合っている寺岡さんは、スタジオへの移動に使うミニバンに最新型のサイバーナビをインストール。第2回目の今回は、サイバーナビが持つAV機能を、寺岡さんにナビゲートしていただきます。

 

【寺岡呼人さん】

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シンガーソングライター兼音楽プロデューサー。1988年、JUN SKY WALKER(S)に加入。1993年にソロデビューし、1997年にはゆずのプロデュースを手がけるようになる。ライブイベント Golden Circleを主催し、FM COCOLOの番組「CIRCLE OF MUSIC」で、さまざまな音楽とアーティストをナビゲートしている。今回は2018年2月7日にリリース予定のニューアルバム、「LOVE=UNLIMITED」の制作現場にお邪魔した。

 

本格的なサウンド再生を可能にするサイバーナビ

第1回で寺岡さんの自宅地下リスニングルームに置かれたオーディオに圧倒された取材班。そんな我々に寺岡さんはこう語ります――。

 

「サイバーナビ&カロッツェリアスピーカーだって負けていませんよ。車内空間というリスニングルームとするには厳しい環境であっても、本格的なサウンド再生が可能なのですから」

 

ご自宅では再生する曲によってアンプを入れ替えるという、オーディオ再生に強い想いを持つ寺岡さん。サイバーナビ&カロッツェリアスピーカーのサウンドはいかがですか?

 

「抜群に、オーディオとしての音がいいですね。その上で自分好みの音を追求できる機能が気に入っています」

20171218_15↑音には徹底的にこだわる寺岡さん。自宅のリスニングルームでは、大型のフロアスピーカーを駆動力の高いアナログアンプでドライブする

 

20171218_06↑音楽への想いが強いからこそ、高音質設計が魅力のサイバーナビを選んだ。フルタッチパネルで使いやすいのも魅力

 

細部まで調整できるマスターコントロールモードがすごい!

まずオススメいただいたのは「マスターコントロールモード」。通常のカーナビと比べて、設定できるバンド数が段違い! なんと31バンドが独立したグラフィックイコライザーになっているのです。

 

クルマの中は凸凹が多く、また使われている素材もファブリック、レザー、ガラス、金属と多岐にわたります。反射や共振によって思いもよらぬ周波数帯の音が伸びたり(ピーク)、聴こえなくなったり(ディップ)と、音楽再生には適さない空間なのです。そこでサイバーナビは多バンドで周波数ごとのダイナミックレンジをコントロールすることで、鼓膜に届くまでに音がフラットになるように調整できるようになっています。

 

「最初はシンプルコントロールでいいかもしれませんね。これでも十二分なバンド数がありますし、パワフルやナチュラルといったイコライザープリセットもあるので、手軽に音の雰囲気を好みの状態に設定できます。より細かく調整したくなったら、マスターコントロールですね。一番すごいなと思ったのは、詳細ベースEQです。僕はメモリー1にクラシック向けのイコライザー設定を記録しています。メモリー2はロック向けのセッティングにしています」

 

【マスターコントロール】

20171218_17_マスターコントロール↑きめ細やかな設定項目があるサイバーナビ。音のエネルギーバランスを細かく調整するには、オーディオ設定から「音響チューニング」の「マスターコントロール」を選択しよう

 

【詳細ベースEQ】

20171218_18_詳細ベースEQ↑業務用グラフィックイコライザーに匹敵する、31ものバンドを自由にコントトールできる詳細ベースEQ。もう少しボーカルを目立たせたいといったような、狙い通りの音場が作れる

 

前回お話を聞いた、マスターサウンドリバイブ機能もオーディオ設定画面から選択します。MODE1はCDや、320kbpsの圧縮音源など、圧縮率の低い(kbpsの値が大きい)音源用。CDを無圧縮でリッピングして作った音楽ファイルをBluetoothで伝送する際も、このモードがオススメです。MODE2は圧縮率の高い(kbpsの値が小さい)音楽ファイル用です。

 

【マスターサウンドリバイブ】

20171218_07_マスターサウンドリバイブ↑再生する音楽ファイルの圧縮率に合わせたモードが用意されるマスターサウンドリバイブ。曲との相性もあるので、圧縮音源やBluetooth再生時はまず1回MODE1で再生してチェックしよう

 

「タイムアライメントも見てみましょうか。細かく、かなりじっくり調整できるというのがいいですね」

 

タイムアライメントというのは、各スピーカーが鳴らした音が、耳までに届く時間を合わせる機能です。運転席の場合、もともと右側のスピーカーが近いので、左右同じスピードで鳴らすと音場のセンター位置が右側に寄ってしまいます。自動設定してから、マニュアルでさらに音場の位置と、楽器音のフォーカスを合わせていくことも可能です。

 

「サブウーファーの設定はカットオフで、トゥイーターの設定はトゥイーターゲインで行います。グラフを動かしていけばいいので、見た目で設定できます。この設定のしやすさもサイバーナビのいいところですね」

 

【タイムアライメント】

20171218_19_タイムアライメント↑各スピーカーが発する音を調整して自由な位置にスイートスポットを設定できるタイムアライメント。基本は運転席に合わせるが、助手席側にしてもいいし、運転席と助手席の両方に合うような調整も可能

 

【カットオフ】

20171218_20_カットオフ↑サブウーファーが受け持つ低域をグラフィカルな画面で設定できるカットオフ。組み合わせるドアスピーカーの低域再生能力に合わせてチューニングしていこう

 

【トゥイーターゲイン】

20171218_21_トゥイーターゲイン↑トゥイーターのボリュームを調整して、高域のエネルギーバランスを整えるトゥイーターゲイン。トゥイーターの設置位置によって調整が必要。高域が目立つときは下げ気味にしよう

 

音楽鑑賞の可能性を広げるミュージッククルーズチャンネル

ところで寺岡さん、プライベートではクルマの中でどのように音楽を楽しんでいますか。

 

「とにかく気持ちがいいことを重視していますね。一番リラックスできる環境なので、聴く音楽も自分が癒やされる方向にもっていきたいというのがあります。ドンドンと大きな音を出すよりは、気持ちいいなと感じる音量で楽しんでいます」

 

そして、Bluetoothやハイレゾなど音源の変化と進化もドライブリスニングに影響を与えているといいます。

 

「特にストリーミングサービスがいいですね。個人的にはすごく素晴らしいなと考えています」

 

音楽産業に従事している寺岡さんとしては、CDが売れなくなってしまうじゃないかという危惧もあるそうです。しかし、それ以上に魅力がある、と。ストリーミングサービスは音楽をより深く探求できるし、音楽と接する時間はより長くなります。最新のヒットチャートも、50年代60年代の名曲も同列に検索できることで、音楽の楽しみ方が大きく変わりました。

 

昔だったら、知らない音楽との接点はラジオが多かったのですが、現在はストリーミングサービスを使って、世界各国の音楽好きが自由にプレイリストを作っています。そして、その選曲にファンやフォロワーがついていくというシーンもあります。

 

「これはすごく大きなことだと思いますね。ジャック・ニコルソンの映画で「恋愛小説家」というのがあるのですが、恋愛小説家なのに恋愛ベタという役柄なんですね。彼がデートのときに、ここは○○用とシチュエーションに合わせたテープを用意しているシーンがあって、ああ男ってそういうところあるなと。僕も若いころはデートに合わせてオリジナルmixのカセットテープを作っていました。クルマってシチュエーションに合わせて演出する場所じゃないですか。映画でいう、音楽監督になれる。ここにドライブするなら絶対この曲がいいとか、そういう選曲ってドライブならではの大事な要素ですよね」

 

サイバーナビにも音楽ストリーミング機能があるとのことですが…

 

「ミュージッククルーズチャンネルですね。以前この機能を使いながら箱根と湘南をぐるっと回ってきたんですけど、これがすごい。場所に合わせた音楽がレコメンドされるんですよ」

 

地域ごとのコミュニティラジオでは、その地域と関係性の強い曲を再生するケースがありますが、より精度を高めて、しかも同時性がなくても楽しめるのがサイバーナビの音楽ストリーミングサービス、ミュージッククルーズチャンネルなんです。

 

【ミュージッククルーズチャンネル】

20171218_22_MCC↑ドライブに特化した音楽ストリーミングサービスと連携。「ヒッツ」(約1000種類)と「特選アーティスト」(約500種類)の2つのメニューを用意する特選チャンネルからセレクトできるだけでなく、自分の好みとマッチする属性を組みあわせた独自チャンネルの作成も可能。カラオケ機能・BGM再生機能を搭載するなど、車内における音楽体験の幅を広げてくれる機能を満載

 

「この場所でこの音楽が聴きたい、というデータが集積されて学習されていくと、いい意味で恐ろしいことになるんじゃないかと思います。あとはやはり、肝心のナビ機能。きめ細やかですよね。先日、大変な忘れ物をしてすぐに戻らなくちゃいけないことがあったんですけど、このサイバーナビとスマホのナビアプリとどっちが速いルートを案内してくれるか、調べたんです。結果は、圧倒的にサイバーナビのほうがよかったですね。迂回路を教えてくれるスピードも早いですし、本当に信頼できます」

 

サイバーナビがあるからこそドライブも楽しくなるし、万が一のときのサポートも万全。これからもサイバーナビが寺岡さん音楽ライフ、カーライフを支えていくのでしょう。

 

それではここで、寺岡さんがサイバーナビのAV機能を解説する特別ムービー「寺岡さんが解説編」をご覧ください。

 

サイバーナビの極上音空間【寺岡さんが解説編】

 

パイオニア

カロッツェリア サイバーナビ

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ハイレゾ対応、圧縮音源もハイレゾクオリティに音質アップできる機能も搭載した、カロッツェリアのフラッグシップモデルがサイバーナビ。各音域のダイナミックレンジバランスを細かく調整することが可能で、さらに音像の定位もコントロールできる機能がつき、車内を一流のリスニングルームに変えてくれます。

 

もちろんナビゲーション能力も充実。正確な自車位置精度や最適なルート案内などの先進のナビ能力を持ち、安全運転支援やセキュリティなどでドライブの安全安心をサポートする「マルチドライブアシストユニット」をセットにしたモデルもあります。画面サイズは8V型、7V型、7V型ワイド、機能や付属品に応じて8モデルがラインアップし、「車種専用大画面10V 型サイバーナビ」も7車種あります。

 

サイバーナビをもっと知りたい方はコチラをチェック!

http://pioneer.jp/carrozzeria/carnavi/cybernavi/?ref=carrozzeria_top_pickup

 

 

撮影/石上 彰

サイバーナビだから実現できる極上の音空間――ミュージシャン・寺岡呼人さんの第3の仕事場はクルマの中だった[サウンドインプレ編]

JUN SKY WALKER(S)のベーシストであり、ソロのシンガーソングライターであり、ゆずをはじめとしたアーティストのプロデューサーでもある寺岡呼人さん。その寺岡さんがドライブ時に愛用しているのは、パイオニアの「サイバーナビ」です。今回は寺岡さんのアルバム制作現場に密着取材を慣行し、音楽制作の話や、サイバーナビの音質面の良さなどについて、大いに語っていただきました。

 

移動中も車内で仕事を!?

日本の音楽シーンを牽引する1人として、オリジナルの楽曲を紡ぎ、他のアーティストが作った楽曲にアレンジを施し――と音楽中心の日々を送る寺岡さん。なんでも、自宅とスタジオを往復するクルマの中でも仕事をしているとのこと。えっ、移動中に、クルマでお仕事ですか?

 

「車内の音がリファレンスになっているんですよ」

 

という寺岡さんは、古くからパイオニア カロッツェリア サイバーナビのユーザーです。「音がいい」と選んだサイバーナビの魅力について、早速アーティスト兼音楽プロデューサーの目線で語っていただきましょう。

 

【寺岡呼人さん】

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シンガーソングライター兼音楽プロデューサー。1988年、JUN SKY WALKER(S)に加入。1993年にソロデビューし、1997年にはゆずのプロデュースを手がけるようになる。ライブイベント Golden Circleを主催し、FM COCOLOの番組「CIRCLE OF MUSIC」で、さまざまな音楽とアーティストをナビゲートしている。今回は2018年2月7日にリリース予定のニューアルバム、「LOVE=UNLIMITED」の制作現場にお邪魔した。

 

レコーディング作業はいつもプライベートスタジオで

まずは都内某所にある寺岡さんの個人スタジオを拝見させていただくと、巨大なミキサーを中心に、数多くの機材がずらっと並んでいます。こちらのスタジオは、他のアーティストの曲をアレンジするときや、打ち込みで作ったデモテープに生音を入れるときに使うそうです。

 

取材に伺った日は、自身のニューアルバムの制作作業をしていました。

 

「曲を作って、レコーディングして、となるとだいたい3か月はかかるんですよ。1年に1枚のアルバムを出せたらいいなと考えているので、1年の1/4は自分の曲に専念していますね」

 

べース、ギターはもちろんのこと、グランドピアノやドラムもあります。防音室も備えていますが、ピアノやドラムの音はこちらのミキシングルームで録ることが多いとか。

 

「環境としては大したことないんですよ。でもドラムの音はすごく良いんです。ジェームス・テイラーとか細野晴臣さんのアルバムとかありますけど、“家で録る音”というのがいい場合もあるんです。僕もこのスタジオで録る生ドラムの音が好きですね。ピアノは最近導入しました。前回までは他のスタジオで録音していましたが、いまはほぼ全部の音が録れるようになっています」

 

ミキシング中の音を聴き、新たな音を重ねたりフレーズを変えていったりと、作業はどんどんと進みます。

20171218_03↑大型ミキサーで、モニタリング時のボリュームをコントロール

 

20171218_04↑PCと繋いだキーボード(鍵盤)から、フレーズを入力していく

 

クルマは第3の仕事場

ところで音楽制作というクリエイティブワークは、1日のうちどれくらいの作業を続けるものなのでしょうか。寺岡さんの答えは、「1日の作業時間はバラバラ」でした。

 

「ちょっとでも悩んだら、その日はもう作業を止めてサウナに行って帰る(笑)。基本は止まらずに作業しますが、悩んだら悩んだで違う作業をしてみたりとか、そういう感じですね」

 

なるほど、自宅とスタジオ、2か所で仕事を進めているのですね。と思いきや実は第3の場所として、クルマの中で仕事を進めることもあるといいます。それでは音楽制作とカーオーディオは、寺岡さんにとってどのような関係なのでしょうか。

 

まず1日の作業を終えたら、DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトに保存されている楽曲データを、音楽ファイルとしてエクスポートします。そしてクラウドストレージのDropBoxに保存。これでスマートフォンでも簡単に再生できるようになります。

 

20171218_05↑作業終了時に制作した曲を音楽ファイルとして書き出し、スマートフォンに保存

 

車内ではカーオーディオのヘッドユニットにもなるサイバーナビとスマートフォンをBluetoothで接続して、ワイヤレスでこれまでに完成した曲を聴いていきます。

 

寺岡さんにとって車内はリスニングルームの1つ。そして多くのリスナーにとっても、クルマの中は音楽を楽しむ場です。一般のリスナーと同じ音響環境だからこそ、車内は最終的なモニタリングを行うのに適しているそうです。

 

「クルマで聴くとどう聴こえるのか、というのは大事ですね。リスナーの目線でチェックすることになりますし、音楽を長く聴く場所でもあるので、手を加えたときの違いを聴き取りやすいんです」

 

とはいえ走行中の車内はロードノイズなどが入ってきやすい空間です。スタジオとは違ったチェックの仕方があるのかと思ったのですが――。

 

「いや、同じです。スタジオで聴いたものと、車内で聴いたときの印象が違うようだと首をひねっちゃうんですよ。録った音が悪いのか、バランスが悪いのかと。だからなるべくスタジオで聴いたときの印象と変わらない、もしくはスタジオで聴いたときよりもいいなと思えるように仕上げています。

 

具体的にはボーカルがより前に出てくるか、ドラムのフィルがちゃんと聴こえるかなど、モニター的な聴き方をしますね。レコーディング中は、特に。付け加えるなら、スタジオはより細かい部分を聴く場所で、車内はライブな雰囲気ででどれだけ音が前に出てくるかを聴いています」

20171218_06↑Bluetoothでスマーフォンとサイバーナビを接続。その日の成果を確かめながら帰宅する

 

クルマの中での音響環境へのこだわり

ご自身も相当オーディオにこだわりがある反面、クルマのオーディオでは別のこだわりがあるといいます。

 

「たとえば、ガチガチにクルマのカーオーディオをカスタマイズする人もいると思うんですけど、もし自分がそれをやると一般のリスナーの環境から離れてしまう。あえてシンプルに、サイバーナビを入れてて、ちょっとだけ自分の好みの音にしてあとはなるべくノーマルの状態で。それでスタジオで作った音と比べています。で、そのときにノーマルな状態の音がよくないと話にならないわけで、そこに最大限の信頼を置いてるんですよね。

 

つまり、いじっていじってようやくスタジオで聴いたレベルになる、というカーオーディオだとこちらも疲れちゃうんですが、ノーマルの状態から簡単なセッティングをするだけでいい音を聴かせてくれるから、サイバーナビに僕は信頼を置いているんです」

 

音質を大幅にグレードアップするマスターサウンドリバイブ

サイバーナビには「マスターサウンドリバイブ」機能があります。最新のサイバーナビはもちろんハイレゾ音源にも対応していますが、「マスターサウンドリバイブ」はCDの音も、圧縮音源も、Bluetoothで伝送した音も、ハイレゾ相当の響きのよさに変えてくれます。量子化ノイズを除去して、約22kHzを超える領域の倍音成分を復元。自然で伸びやかな音質にグレードアップします。

 

取材班も聴かせてもらいましたが、確かに音が素晴らしい! スタジオで聴いていたときのような、エネルギッシュでダイナミックなサウンドが車内に満ちています。

 

「最初にサイバーナビを装着したときの衝撃は大きかった。これは他のナビには戻れないと思ったくらい、音がよかったですね。この最新型のサイバーナビに関しては、マスターサウンドリバイブが特に気に入っていて、だいたいマスターサウンドリバイブをONにしっぱなしです。ONにすることで、制作中の音源のサウンドチェックをより精密に行うことができるんです」

20171218_07_マスターサウンドリバイブ↑通常Bluetoothで聴くと若干音質が落ちるものだが、マスターサウンドリバイブのおかけでハイレゾ並みの音質で再生

 

サイバーナビは第3の仕事場を支えてくれる存在

いちアーティストとして、そして音楽プロデューサーとして、常に真剣に音楽と向き合っている寺岡さんいわく、色々な機材で音楽を聴くことが大事なのだそう。そのうえで良質な音が好きなら、イヤホンやヘッドホン、スピーカーなどにこだわって、様々な環境で音楽を楽しむことが大切だといいます。そして、その1つにクルマという空間があるのでは、と。

 

そんな寺岡さんにとって、サイバーナビとはどういう存在なのでしょうか。

 

「スタジオがモニタリングする場所だとすると、クルマは一般の方々がどんな環境でリスニングしているのかを確かめる、ある意味実験場ですよね。ここだったら、こう聴こえるというのを確認する。リスナーもそう聴いてくれるんだということを意識するときに、僕の第3の仕事場を支えてくれる存在です」

 

音楽プロデューサーである寺岡さんの楽曲制作に対する想いと、一般のリスナーに聴こえる音のイメージ。その両者をより近づける上で、サイバーナビの高音質設計が大きな役割を果たしていることが今回の取材で分かりました。

 

それでは寺岡さんがサイバーナビを語る特別ムービー「サウンドインプレ編」をご覧ください。

 

サイバーナビの極上音空間【サウンドインプレ編】

 

まさに曇りなき音楽好き!

最後に、寺岡さんの自宅地下に作られたリスニングルームを拝見させていただきました。巨大なフロアスピーカーをメインに、ヴィンテージな真空管アンプや半導体アナログアンプ、銘ターンテーブルなどのプレーヤーで構成されたその空間は、音楽鑑賞が趣味な人ならば誰しもが憧れる場でした。まさに曇りなき、音楽好き。

 

次回は寺岡さんがサイバーナビのさらなるエンタテインメント性をひもとく、「サイバーナビをとことん使う編」をお送りします!

20171218_09↑寺岡さんの自宅地下スタジオにあるハイエンドオーディオ。音楽を追求する、徹底したこだわりを物語る

 

20171218_10↑自宅ではアナログレコードを嗜む。懐古主義というわけではなく、「音の良さ」ゆえにアナログを聴くのだという

 

20171218_11↑モニタースピーカーとは違った、熱を感じるほどのリアリティある演奏が眼前に浮かび上がる

 

パイオニア

カロッツェリア サイバーナビ

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カロッツェリアブランドカーナビのフラッグシップモデル。古くから日本のオーディオ業界を牽引してきたパイオニアが手がけたプロダクトだけあって、音楽性能にも磨きをかけています。近年普及しつつあるハイレゾ音源にも対応。さらに圧縮音源にきめ細やかさをトッピングして臨場感を高めるマスターサウンドリバイブなどの機能も搭載しています。

 

もちろんナビゲーション能力も充実。正確な自車位置精度や最適なルート案内などの先進のナビ能力を持ち、安全運転支援やセキュリティなどでドライブの安全安心をサポートする「マルチドライブアシストユニット」をセットにしたモデルもあります。画面サイズは8V型、7V型、7V型ワイド、機能や付属品に応じて8モデルがラインアップし、「車種専用大画面10V 型サイバーナビ」も7車種あります。

 

サイバーナビをもっと知りたい方はコチラをチェック!

http://pioneer.jp/carrozzeria/carnavi/cybernavi/?ref=carrozzeria_top_pickup

 

撮影/石上 彰

懐かしいタミヤ製RCバギーのスペシャルボディが限定通販で登場!

その昔、少年だったオジさんたちの憧れの的であった電動RC(ラジオコントロール)カー。中でも「ホーネット」や「グラスホッパー」、「マイティフロッグ」など数多くの名車を生み出し、人気が高かったのが星のマークでお馴染みのタミヤだ。

 

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現在もなお数々の魅力的なニューモデルをリリースし続けるタミヤだが、ここ数年は、かつての名車をほぼそのままのカタチで販売する“復刻RCモデル”にも力を入れている。

 

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写真はボディをシャーシに取り付けた際のイメージ。商品にはシャーシ本体および、ライトやドライバー人形などの樹脂パーツ、アバンテのアンダーガードは付属しない。写真はボディをシャーシに取り付けた際のイメージ。商品にはシャーシ本体および、ライトやドライバー人形などの樹脂パーツ、アバンテのアンダーガードは付属しない。

 

中での人気なのが、タミヤ初の4WDバギーとして1985年に登場した「ホットショット」と、当時のタミヤが技術の粋を集めて作られた伝説のマシン「アバンテ」の2台。その高価なプライスゆえに子供の頃は手が出なかったハイエンドRCカーも、「大人になった今なら……」というわけだ。

 

写真はボディをシャーシに取り付けた際のイメージ。商品にはシャーシ本体および、ライトやドライバー人形などの樹脂パーツ、アバンテのアンダーガードは付属しない。写真はボディをシャーシに取り付けた際のイメージ。商品にはシャーシ本体および、ライトやドライバー人形などの樹脂パーツ、アバンテのアンダーガードは付属しない。

 

そんな人気の2台に取り付けることができるスペシャル仕様のボディセットが、学研プラス発行のタミヤオフィシャルガイドブック『タミヤRCパーフェクトガイド2018』の誌上限定通販アイテム「ホットショット レッドメタリックボディ&アバンテ ブルーメタリックボディ 2個セット」として登場!

 

ボディ本体は、ホットショットとアバンテそれぞれのイメージカラーであるレッドとブルーのメッキ加工が施され、塗装ではけっして表現することのできないメタリックな輝きを実現!

 

『タミヤRCパーフェクトガイド2018』誌上限定アイテム「ホットショット レッドメタリックボディ&アバンテ ブルーメタリックボディ」の商品セット内容『タミヤRCパーフェクトガイド2018』誌上限定アイテム「ホットショット レッドメタリックボディ&アバンテ ブルーメタリックボディ」の商品セット内容

 

通常は購入したユーザーが行うボディカットや穴開けも作業も施された状態での販売となるため、組み立て時に美しいメッキを傷つける心配がなく、付属のステッカーを貼るだけで簡単に仕上げることができるのもうれしいポイントだ。

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購入の申し込みは『タミヤRCパーフェクトガイド2018』の限定通販ページ内に記載されている特設サイトからのみ。受け付け期間は2018年3月31日までとなっている。

 

 

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●学研プラス

タミヤRCパーフェクトガイド2018 2200円(+税)

ご購入はショップ学研またはタミヤショップオンラインで。

BMWの新作、X7の「一部」が公開!

BMWは12月19日、現在開発を進めており、2018年末に発表を予定している新型「BMW X7」のプリプロダクションモデルの生産を開始したことを発表し、その模様を一部公開した。

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新型X7は、BMWのSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)である「X」シリーズの最上級モデルに位置付けられ、3列7名乗車のキャビンを備えることがすでに判明している。

 

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この新型X7は、X3やX4、X5、X6と同様に、米国サウスカロライナにあるBMWグループのスパルタンバーグ工場で作られる。公開された動画ではプリプロダクションモデルの生産の様子が確認できる。

 

 

ボディにカムフラージュが施されたプリプロダクションモデルは今後、開発部門に引き渡され、砂漠や氷雪地域を始めとする過酷な条件下を含めて厳しいテストが行なわれる。

 

 

 

タミヤから新感覚の走りが楽しめる3輪RCカーが登場!

星のマークでお馴染みの模型メーカー株式会社タミヤ(以下タミヤ)は、電動RC(ラジオコントロール)モデルの新製品「「スターユニット トリプルホイールシリーズ ダンシングライダー(組立キット)(T3-01シャーシ)」を2017年12月23日(土)頃発売する。

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転倒しても起き上がる! 宅配バイクライクなスタイルと走りが魅力!

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「ダンシングライダー」は町中を元気に走り回る宅配バイクを連想させる、フロント1輪、リヤ2輪というスタイルが新鮮な電動RCモデル。コミカルなスタイルに加え、ホンモノのバイクのように車体を傾けてコーナリングするという、いままでのRCカーにはない操縦特性が魅力のマシンだ。

 

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その走りを実現しているのが「ダンシングライダー」のために新たに設計されたT3-01シャーシ。バイクのフレームを思わせるフロントセクションとモータ&ギヤボックス一体型のリヤセクションとで構成されており、前後のセクションは回転するロール軸で連結。フロントセクションに搭載したサーボの動きをリンクで伝達し、リヤセクションを動かす反作用でフロントセクションを左右にバンクさせる構造になっている。

 

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またサーボには、その動きに連動するサポートアームもセット。転倒時にはこのサポートアームが動くことで重心位置が変わり、自力で起き上がることができる。

 

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サスペンションはフロントが市販のバイクと同じテレスコピックタイプ、リヤはカムの回転にスプリングが連動するカムスライドタイプを採用。駆動系にはコーナリング時の旋回性を高めるプラネタリーデフも内蔵し、狭い場所でも軽快な走りを楽しめる。

 

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キュートなデザインのボディは、イラストレーター の有野篤氏が監修。軽量で衝撃に強いポリカーボネート製で、専用スプレー塗料(別売り)での自由なカラーリングが楽しめる。また、ヘルメットをかぶったライダー人形も付属する。

 

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組み立てには別売りの「ファインスペック2.4G プロポセット(TRE-01 付)」や、ドライバーなどの工具類が必要となる。

 

さらに詳しい情報はタミヤのホームページで。

 

■基本スペック

●全長260mm、全幅135mm、全高175mm ●ホイールベース=196mm ●タイヤ幅/径=フロント21/61mm、リヤ25/59mm ●リヤトレッド=91mm●フレーム=モノコックタイプ ●駆動方式=後輪駆動 ●デフギヤ=プラネタリータイプ ●サスペンション=フロント:テレスコピックタイプ、リヤ:カムスライドタイプ ●ギヤ比=10.7:1 ●370 タイプモーター付き

 

 

★★タミヤ

●スターユニット トリプルホイールシリーズ
ダンシングライダー(組立キット)(T3-01シャーシ) 12,744円(税込)

●ファインスペック 2.4G プロポセット (TRE-01付) 9720円(税込)

 

 

 

 

変わり続ける東京の街並み――地下鉄に乗って“幻の駅”を巡る「銀座線タイムスリップ」後編

銀座線の警笛は“トロンボーン笛”と呼ばれる。低音の警笛が地下の線路に響くレトロな音色も銀座線ならでは魅力だ。そんな伝統ある警笛の音を楽しみつつ乗る地下鉄開通90周年イベント「銀座線タイムスリップ」の旅。師走の日曜日、レトロな銀座線の1000系特別仕様車を利用した臨時イベント列車が運行された。予備灯の点灯を中心にお届けした前回に引き続き、今回は、銀座線の幻の駅に迫ってみよう。

20171221-i03 (8)↑黄色の車体が目印の銀座線に乗ってイベントに参加

 

2年のみで消えてしまった萬世橋駅

今回のイベント列車でクローズアップされた2つの幻の駅。それが「萬世橋駅」と「神宮前駅(現・表参道駅)」だ。2駅の旧ホームは銀座線90周年のイベントにあわせライトアップされ(同企画は12月18日に終了)、イベント列車は参加者が確認できるように旧ホームの区間を徐行しつつ走った。

↑イベント列車の運転士も復刻版の制服を着用。旧萬世橋駅など幻の駅付近ではできるだけ速度を落として運転された↑イベント列車の運転士も復刻版の制服を着用。旧萬世橋駅など幻の駅付近ではできるだけ速度を落として運転された

 

まずは萬世橋駅。同駅は東京地下鐡道が1930年(昭和5年)1月1日に開業させた駅。この駅があった期間はわずかに23か月間のみ、という短命な駅だった。イベント列車は上野駅から2つ目の末広町を11時53分に通過。旧萬世橋駅が近づいたことがアナウンスされる。

 

ホーム通過! “うーん、見えた”かな。ほんの一瞬のことで車内からの確認が難しい旧萬世橋駅だった。

↑イベント列車からライトアップされた旧萬世橋駅を望む。旧駅ホームは資材置き場となっている↑イベント列車からライトアップされた旧萬世橋駅を望む。旧駅ホームは資材置き場となっている

 

なぜ萬世橋駅は短命だったのだろう

浅草駅〜上野駅間が1927年(昭和2年)12月30日に開業。のちに、新橋駅へ向けて地下鉄の路線が延ばされていった。まずは1930年(昭和5年)1月1日に上野駅〜萬世橋駅間に線路が開業した。この萬世橋駅の先には神田川が流れる。不慣れな川の下を通る地下鉄工事ということで、作業が慎重に進められた。先の神田駅までの工事終了はまだ先になる、ということで萬世橋まで先行して開業したのだった。

↑大正期の国鉄萬世橋駅の絵葉書。駅舎は東京駅をデザインした辰野金吾の設計。同駅舎は関東大震災で消失し、その後の国鉄駅も1943年に廃止された(絵葉書は筆者所蔵)↑大正期の国鉄萬世橋駅の絵葉書。駅舎は東京駅をデザインした辰野金吾の設計。同駅舎は関東大震災で消失し、その後の国鉄駅も1943年に廃止された(絵葉書は筆者所蔵)

 

翌1931年(昭和6年)11月21日に萬世橋駅〜神田駅間が延長される。開業したその日に萬世橋駅は廃止されてしまった。旧萬世橋駅があった地点の線路は勾配に加え、カーブ区間で駅に向いていないということも、廃止された原因とされている。

 

筆者は短命だった萬世橋駅のことが気にかかり、後日、旧駅付近へ訪れてみた。やや寄り道になるが触れておこう。

 

旧駅は萬世橋というより秋葉原駅すぐそばにあった

銀座線の末広駅から500m、神田駅から500mの両駅の中間地点に旧萬世橋駅があった。そこは現在、JR秋葉原駅の西側を通る中央通りの地下部分。大型電器店が立つ一角だ。改めて銀座線が秋葉原駅すぐそばの地下を南北に走っていたことを知った。地下を通りながら、秋葉原駅そばに駅が造られなかった。萬世橋駅がいまもあったらすごく便利だったろうに、と思った。

↑旧萬世橋駅は秋葉原の中央通りの下にあった(写真の通気孔あたり)。後方に神田川にかかる万世橋とJR中央線の陸橋が見える↑旧萬世橋駅は秋葉原の中央通りの下にあった(写真の通気孔あたり)。後方に神田川にかかる万世橋とJR中央線の陸橋が見える

 

↑中央通りの歩道上に通気孔があり、下に旧萬世橋駅が眠る。通気孔の横には旧営団地下鉄の社章が入った消防用の送水口があった↑中央通りの歩道上に通気孔があり、下に旧萬世橋駅が眠る。通気孔の横には旧営団地下鉄の社章が入った消防用の送水口があった

 

東京にはまだ幻の駅がある

さて新橋駅にも実は幻の駅が残されている。今回は、その旧新橋駅ホームに電車は乗り入れなかったが、以前に一部公開され、また人気テレビ番組でも紹介されたのでご存知の方が多いかも知れない。

 

新橋駅は東京地下鐡道の駅が1934年(昭和9年)に誕生した。その後に、東京高速鐵道の駅が1939年(昭和14年)に造られた。当初、東京高速鐵道の駅は東京地下鐵道の駅とは別に設けられた。

 

現在の駅は東京地下鐵道が設けた新橋駅で、この駅ホームの上に東京高速鐵道の旧ホームがある。開業後、2社間の直通運転が始まったこともあり、東京高速鐵道の旧駅はわずか8か月という短命の駅となった。いまもその跡は残り、銀座線電車の留置線として旧駅の線路が生かされている。

 

神宮前駅の旧駅ホームでは表示やタイル壁がしっかり見えた!

12時過ぎ、イベント列車は溜池山王駅〜赤坂見附駅間へ。この駅間では予備灯が3度にわたり点灯する。

 

そして12時15分過ぎに表参道の駅に入り、いよいよ幻の駅、神宮前駅だ。車内では「表参道駅の遺構」とアナウンスされ、旧ホームにさしかかる。目をこらすと、ライトアップされた旧ホームの壁はピンク色のタイル貼り、千代田線の乗り換え案内と出口という文字がしっかりと見えた。

↑旧神宮前駅(現表参道駅)の旧ホーム。イベント列車からホーム上の乗り換え案内や出口という表示がチェックできた↑旧神宮前駅(現表参道駅)の旧ホーム。イベント列車からホーム上の乗り換え案内や出口という表示がチェックできた

 

表参道駅の歴史に触れておこう。まずは1938年(昭和13年)に東京高速鐡道が青山六丁目という駅を開業させた。当時から明治神宮への参拝客が多かったからだろうか。翌年には神宮前駅と変更された。その後、1972年(昭和47年)に千代田線の駅が開業した時に、駅名が現在の表参道駅となった。ちなみに神宮前という駅名は、この年に開業した千代田線の明治神宮前駅に引き継がれている。

 

さらに1978(昭和53)年には半蔵門線が開業、ホームの位置が青山一丁目側にずらされた。旧ホームが表参道駅と名乗った期間は短かった。34年にわたり神宮前駅だったわけで、当時を知る人には神宮前という駅名の方がなじみ深いかも知れない。

 

大きく変わる渋谷駅周辺

旧神宮前駅を過ぎて、まもなく渋谷駅へ。イベント列車は、同駅での乗り降りは無く、引き込み線へ入る。東急百貨店東横店の下に設けられた渋谷駅。ホームの先、道玄坂方面に引込線があり、ここで運転士と車掌が入れ替わり、浅草方面へ折り返す。

 

銀座線渋谷駅の開業は1938年(昭和13年)のこと。上野駅〜浅草駅間が開業してから10年以上あとのことだった。なお、渋谷駅のシンボルでもある東急百貨店(創業時は東横百貨店)は東館が1934年(昭和9年)の開業で、誕生は銀座線よりも古い。現在、東急百貨店の西館3階に銀座線の改札口が設けられる。

↑渋谷駅の道玄坂側に設けられた屋内にある引込線。ここで乗務員が交代し、浅草駅方面へ電車が折り返す↑渋谷駅の道玄坂側に設けられた屋内にある引込線。ここで乗務員が交代し、浅草駅方面へ電車が折り返す

 

↑浅草〜渋谷間で唯一、外を走る渋谷駅近くで。駅の再開発工事が進み、2021年には現在の渋谷駅よりも130mほど表参道駅側の、明治通りの上にホームがずれる予定だ↑浅草〜渋谷間で唯一、外を走る渋谷駅近くで。駅の再開発工事が進み、2021年には現在の渋谷駅よりも130mほど表参道駅側の、明治通りの上にホームがずれる予定だ

 

現在、渋谷駅は再開発が絶え間なく進む。駅上にあるデパートの老舗でもある東急百貨店東横店。その建物から黄色い銀座線の電車が出てきて陸橋を渡る姿は、渋谷のシンボルでもあった。新駅が誕生する2021年には、表参道駅側にホームがずれる予定で、渋谷を象徴する風景も大きく変わりそうだ。

 

銀座線90周年のイベント列車で変わる東京の地下鉄の姿をいくつか見てきたが、大きく変わりつつある渋谷駅を車内から目にしつつ上野駅へ戻る。

 

クイズ大会や記念撮影タイムなどファン感涙のイベントも

帰りの車内では、駅の発車メロディをテーマにしたクイズ大会が開かれた。銀座線の発車メロディはオリジナルの楽曲が多く、どこの駅か分かりにくかったが、二者択一、さらに銀座線のイベント列車だったこともあり、正解も多かったよう。クイズ正解者には東京メトロのオリジナルグッズがプレゼントされた。

↑クイズ大会の正解者には東京メトロのオリジナルグッズがプレゼントされた↑クイズ大会の正解者には東京メトロのオリジナルグッズがプレゼントされた

 

レトロ制服に身をつつんだ乗務員との記念撮影タイムも用意され、特製の額縁を持ちつつ記念撮影に興じる人も多く見られた。

↑復刻された開業当時の制服を着た乗務員と記念撮影。銀座線タイムスリップというワクも用意され盛り上がった↑復刻された開業当時の制服を着た乗務員と記念撮影

 

 ↑東京・東村山から参加した銀座線大好きのR.Uさん。ネイルは左の小指から路線が生まれた順にラインカラーが施されていた。バックほか地下鉄ファンらしき小物がすごい↑東京・東村山から参加した銀座線大好きのR.Uさん。ネイルは左の小指から路線が生まれた順にラインカラーが施されていた。バックほか地下鉄ファンらしき小物がすごい

 

90周年を迎えた銀座線に乗って

さてイベント列車は、13時過ぎに上野駅に到着した。実は上野駅ホームは12月にリニューアルが完了したばかり。「駅自体が美術館」という発想を元に生まれ変わった。柱は美術館の列柱のイメージ、ホーム内のウインドウは銀座線の歴史を振り返る展示スペースとなっている。

↑リニューアルされた上野駅ホームには歴史的な展示物も。写真は銀座線開業当時から66年間にわたり使われた集電用のサードレール↑リニューアルされた上野駅ホームには歴史的な展示物も。写真は銀座線開業当時から66年間にわたり使われた集電用のサードレール

 

改札口には、90年前の木製回転式改札のレプリカが。こうしたリニューアルは上野駅以外にも行われ、浅草駅、上野広小路駅、神田駅のリニューアルも12月で終了している。

↑上野駅の改札口横には開業時に使われた木製の回転式改札口(レプリカ)が展示されている。木製バーを身体で押しつつ改札機にコインを投下して入場した↑上野駅の改札口横には開業時に使われた木製の回転式改札口(レプリカ)が展示されている。木製バーを身体で押しつつ改札機にコインを投下して入場した

 

開業以来90周年、今日まで徐々に姿を変えつつある銀座線の沿線。イベント列車のような特別な列車に乗らなくとも、上野駅などのレトロな装いの駅で、地下鉄の歴史を触れることができる。年末年始、レトロな銀座線にのんびり乗りつつ、きれいになった駅に降りてみる。そんな地下鉄の旅に出てみてはいかがだろうか。

 

取材協力:東京メトロ/2017年12月17日開催“地下鉄開通90周年記念イベント「TOKYO METRO 90 Days FES!」スペシャル企画『銀座線タイムスリップ』”

 

 

 

 

何かとお騒がせなテスラの近況

コンパクトモデル「テスラ3」のデリバリーが遅れている状況をよそにロードスターの次期型と同社初となるトレーラー牽引用電動トラック「セミ」を11月中旬に発表し、何かと話題に事欠かないテスラ。果敢な商品攻勢は、同社のイーロン・マスクCEOの手腕のなせる技なのだろうが、モデル3の件によって、今後を不安視する声も聞こえてきそうだ。

 

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それはともかく、2020年に正式発表を迎える次期ロードスターは、EVとして大きな進化を果たしているようだ。すでに公表されているのは、10000Nmを引き出すモーターで4輪を駆動し、2.1秒の0-100km/h加速、400km/h以上の最高速を標榜する一方で、1000kmの後続距離を実現するという。

 

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ボディは2ドアオープンながら4名掛けのキャビンを持つ点が特徴。公開された写真では、ガラス製のルーフが開くのは前席部分のみになる。

 

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ちなみに日本の公式ウェブサイトでも、すでに予約を受け付けているようで、ベースモデルの予約価格は568万4000円と明記されている。新型ロードスターが正式に発表されたあかつきには、大きな話題を呼びそうだが、まずはその前にモデル3をオーダーしたカスタマーのもとに一刻も早くクルマが届くことを願いたいところである。

 

 

 

ジャガーFペイスの世界的高評価を記念した動画がアーティスティック!

ジャガー・ランドローバーはこのほど、ジャガーFペイスを使った、あるユニークな動画を公開した。

 

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これは、ジャガーFペイスが2017年の「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」と「ワールド・デザイン・オブ・ザ・イヤー」をダブル受賞したことを記念して作られたもの。

 

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公開された動画は、「ブラックライト」と呼ぶ特殊なフィルムをボディ施し、上から塗料の水滴を無数に落とし、Fペイスのボディに飛散する様子を捉えており、Fペイスのスタリングの美しさが際立つ、なんともアーティスティックなものに仕上がっている。

 

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この動画でジャガーは、ボディラインの美しさだけでなく、同時に、0.34というSUVとしては高水準の空気抵抗係数や、汚れが蓄積しにくい塗装面の仕上げの滑らかさを表現する意図が込められたという。

 

 

 

MJブロンディがトヨタ カムリを徹底解剖! 「北米でのライバルは起亜のオプティマだ」

ベテラン自動車ライターのMJブロンディとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載です。今回は、発売されたばかりの新型カムリに試乗しました。「セダンの時代」を再来させるほどの魅力はあるのか!?

 

【登場人物】

MJブロンディ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今月のクルマ】トヨタ カムリ

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SPEC【G“レザーパッケージ”】●全長×全幅×全高:4885×1840×1445㎜●車両重量:1600㎏●パワーユニット:2487㏄直列4気筒DOHC+モーター●最高出力:178PS(131kW)/5700rpm●最大トルク:22.5㎏-m(221Nm)/3600-5200rpm●カタログ燃費:28.4㎞/ℓ●329万4000〜419万5800円

 

「米国でのライバルは起亜のオプティマ」

安ド「殿! オッサンセダンのカムリが生まれ変わりました!」

MJ「うむ」

安ド「赤いボディカラーがいいですね!これがイメージカラーだそうですけど、オッサンもこれ乗ってハッスルしてほしいです!」

MJ「お前ももうすでにオッサンではないか」

安ド「はい!(41歳) ですから次のクルマは赤にしました!」

MJ「赤は人をハッスルさせるからな。速度取締りのパトカーもハッスルさせる」

安ド「その点は気をつけます!スタイルもいいですね!この低くてワイドなスタイリング、若々しいです!家族に媚びないイメージで。そんなに広そうに見えないけれど、実際には広い。そのあたりはさすがです!」

MJ「なにしろこれはアメリカのカローラ。大柄な国を代表するファミリーセダンであるからな」

安ド「それを変身させたトヨタはさすがですね!」

MJ「いや、遅すぎたくらいだ」

安ド「そうなんですか?」

MJ「北米でのカムリの最大のライバルは、ホンダのアコード……でもあるが、実は韓国車である」

安ド「そうなんですか!?」

MJ「新型カムリがターゲットにしたのは、ズバリ、起亜のオプティマと見た!」

安ド「まったく知りません!」

MJ「日本人はまったく知らぬであろう。俺もよく知らぬ」

安ド「ガクー!」

MJ「しかし起亜車をアメリカで見ると、明らかに日本車よりスタイリッシュでイケている。なにせデザイン総括はドイツ人。アウディのデザイナーだったペーター・シュライアーだ。いまや起亜は彼が社長を務めている」

安ド「デザイナーが社長ですか!」

MJ「それほどデザインに力を入れておるのだ。そしてこのクラスの北米向けファミリーセダンを、〝ビューティフルモンスター〟に変えたのだ」

安ド「起亜が先にですか?」

MJ「もう10年くらい前からだ。起亜の謳い文句は“タイガーノーズ”だが」

安ド「じゃ、カムリの“ビューティフルモンスター”は、その二番煎じなんですか!?」

MJ「ビューティフルモンスターという言葉は日本向けだろうが、まあそうだな」

安ド「それはショッキングです! で、走りのほうはどうでしょう?」

MJ「トヨタのハイブリッドとしてはパワフルなセッティングだな。特にパワーモードにすると、文字通りパワフルに走る。エコカーというイメージではないぞ」

安ド「ステアリングがボタンだらけで使いにくそうなのに、実際に乗ってみるとすぐ身体に馴染んで使いやすかったです。さすがトヨタ車という感じでした!」

MJ「まあ、なんだかんだいってオッサンはオッサンだがな。ちょっと若返ったオッサンだ」

安ド「ガクー!」

 

【注目パーツ01】インパネ加飾パネル

宝石をイメージした 雰囲気の良い内装

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国産高級車のインパネにはよく木目パネルが採用されていますが、この加飾パネルはなんとも不思議な風合いの紋様です。なんでも宝石のタイガーアイをイメージしたそうですが、いい雰囲気で高級感を演出しております。

 

【注目パーツ02】ヘッドランプ

刃物を想像させる鋭い形状

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最近トヨタ車で多く採用されているのが“キーンルック”。V字型のグリルとつり上がったヘッドライトの組み合わせで、知的なイメージを演出しています。ライトの形状は触るものを皆傷つけそうな鋭利な刃物のようです。

 

【注目パーツ03】アクセサリーコンセント&ソケット

これもトヨタのおもてなし

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インパネ中央の付け根あたりにこっそりシガーソケットとUSB端子が設置されています。ドライバーからするとかなり使いやすい位置にふたつを並べているあたり、いかにも親切でユーザーフレンドリーな日本車らしさが感じられます。

 

【注目パーツ04】トランク

ターゲットユーザーはゴルフ好き

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セダンといえばトランク。カムリはハイブリッドカーですが、バッテリーをリアシート下に設置しているので、トランクはゴルフバッグが4個入るほど広く設計されています。ゴルフ好きなオッサンたちも満足の一台です。

 

【注目パーツ05】トヨタ・セーフティ・ センスP

最新運転支援システムを総ざらい

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ミリ波レーダーと単眼カメラを用いることで、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報、自動切替式ハイビームなど、様々な運転支援システムを搭載しています。クルーズコントロール用スイッチも整理されていて使いやすいです。

 

【注目パーツ06】ホイール

普通に見えてもかなりデカい

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今回試乗したレザーパッケージには18インチアルミホイールが装着されています。20年前は18インチなんてスーパーカーか改造車しか履いていなかったものですが、いまやフツーのオッサンセダンも履くようになりました。

 

【注目パーツ07】ハイブリッドシステム

同クラスでトップレベルの低燃費

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2.5ℓエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは、かなりの小型軽量設計。そのぶん居住スペースを広くすることに成功しています。もちろん燃費性能もミドルセダンとしてはトップクラスを誇っています。

 

【注目パーツ08】2段グリル

大胆な大型グリルは半分ダミー

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キーンルックによるスリムなアッパーグリルと、大胆過ぎるほど大きなロアグリルが対照的で、かなりインパクトがあるように見えます。しかしこのロアグリル、実は半分くらいしか穴が空いておらず半分はダミーです。

 

【注目パーツ09】おくだけ充電

挿さなくてもいい 簡単充電システム

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オプション設定で、最新装備の「おくだけ充電」を装着できます。これは、その名のとおりこのトレイのうえにスマホをおくだけで勝手に充電されるという代物ですが、ワイヤレス充電規格Qiに対応したアイテムしか使えません。

 

【これぞ感動の細部だ】Cピラー

デザインの真価はピラーにあり

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フロントの大胆なデザインに注目が集まりがちなカムリですが、このリアのCピラー(窓と窓の間の柱部分)にもデザインのポイントが潜んでいます。まず、トランクから続くラインが果敢にもCピラーの中央をぶった切るように突き通っていること。さらに、リアウインドウがピラーに合わせて湾曲しているあたりにも造形美が感じられます。

 

 

【中年名車図鑑】メーカー、ユーザーから惜しまれつつ消えた、未来志向の高級スペシャルティ

バブル景気が絶頂期を迎えた1980年代末、日本の自動車メーカーは豊富な開発資金を背景に、イメージリーダーとなる高級スペシャルティの開発に力を入れるようになる。その最中、富士重工業はフラッグシップモデルであるアルシオーネのフルモデルチェンジを企画した――。今回は“SVX”のサブネームを付けて1991年にデビューした「アルシオーネSVX」の話題で一席。

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【Vol.46 スバル・アルシオーネSVX】

後にバブル景気と呼ばれる未曾有の好況に沸いていた1980年代後半の日本の自動車市場。ユーザーの志向はハイソカーやスペシャルティカーなどの高級モデルに集中し、メーカー側もそれに対応した新型車を、豊富な開発資金をバックに鋭意企画していた。

 

■ジウジアーロの手になるグラマラスで未来的なデザイン

先代アルシオーネで不評だったスタイリングを刷新するため、ジウジアーロにデザインを依頼先代アルシオーネで不評だったスタイリングを刷新するため、ジウジアーロにデザインを依頼

 

そんな状況の中、富士重工業(現SUBARU)はフラッグシップモデルであるアルシオーネのフルモデルチェンジに邁進する。開発陣がまず手がけたのは、先代モデルで不評をかっていたスタイリングの案件だった。ユーザーの志向にマッチした、スポーティで先進性あふれるエクステリアを実現するためには――。最終的に開発陣は、外部の優秀な工業デザイナー、具体的にはイタルデザインを率いるジョルジエット・ジウジアーロ氏にエクステリアのスケッチを依頼する。その際の条件は、新型レガシィ用に開発していたプラットフォームとパワーユニットを使用し、さらにボディサイズは5ナンバー枠に収めることだった。

 

1980年代末になると、ジウジアーロのスケッチを基にした4分の1スケールモデルが完成する。当時の開発スタッフによると、「非常にシャープで未来的。純粋にカッコよかった」そうだ。しかし、ここでSOA(Subaru Of America,Inc.)やマーケット部門から意見が出る。「ボディをワイド化したほうが、北米市場では売れる」「国内でも、3ナンバーのほうが見栄えがいい」。国内の営業部門からは5ナンバーサイズを支持する声もあったが、結果的に首脳陣は“世界に通用するスバル”を目指すために3ナンバーボディを選択した。

グラマラスなデザインと戦闘機のそれを彷彿させるガラスキャノピーが特徴的グラマラスなデザインと戦闘機のそれを彷彿させるガラスキャノピーが特徴的

 

エクステリアは大幅に見直され、フェンダーやボディラインなどはグラマラスな形状に変化する。ボディサイズは全長4625×全幅1770×全高1300mm、ホイールベース2610mmに設定した。一方のキャビン部は、ジウジアーロの提案に即してグラス・トゥ・グラスのラウンドキャノピーで構成する。加工が難しい3次曲面ガラスは、日本板硝子に生産を依頼した。エンジンに関しては、従来のフラット4をベースに新たに6気筒化したEG33型3318cc水平対向6気筒DOHC24V(240ps/31.5kg・m)を搭載。駆動システムには不等&可変トルク配分のVTD-4WDを組み込み、加えて4輪操舵システムの4WSを導入する。懸架機構はフロントにL型ロワアームを組み込んだストラットを、リアにパラレルリンク式のストラットを採用した。

 

■キャッチフレーズは“500miles a day”

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“500miles a day”と称し、500マイルを一気に、しかも快適に走れる性能を標榜した。搭載ユニットは水平対向6気筒、ミッションは4AT“500miles a day”と称し、500マイルを一気に、しかも快適に走れる性能を標榜した。搭載ユニットは水平対向6気筒、ミッションは4AT

 

富士重工業の新しい高級スペシャルティは、1989年開催の第28回東京モーターショーでコンセプトモデルが披露される。その後、開発途中で同社の経営再建プランが実施されて市販計画の見直しを余儀なくされたものの、1991年8月には何とか北米デビューにこぎつけ、その1カ月後には日本でも市販モデルが発表された。

 

新型は「アルシオーネSVX」のネーミングを冠する(北米版はSVXのみ)。SVXはSubaru Vehicle Xの略で、富士重工業の未来に向けた車=ビークルX、具体的には新世代のグランドツーリングカーを意味していた。また、この車名に合わせるようにキャッチフレーズは“500miles a day”と称し、500マイルを一気に、しかも快適に走れる性能を有していることを声高に主張した。

徐々にグレードを増やして売り上げのテコ入れを図ったが、好転せず。1996年に惜しまれながら生産を終了した徐々にグレードを増やして売り上げのテコ入れを図ったが、好転せず。1996年に惜しまれながら生産を終了した

 

デビュー当初は上級仕様のバージョンLと標準モデルのバージョンEという2グレード構成で展開したアルシオーネSVXは、その後、限定車や廉価グレードの販売などで車種ラインアップを拡充していく。1993年11月には富士重工業40周年記念モデルとしてS40を300台限定でリリース。バージョンEをベースに、ピーコックブルーメタリックの専用色、ブルーガラスのウィンドウ、モノトーン基調のインパネなどを採用し、車両価格はバージョンEより50万円近く安い283万6000円(東京標準価格)に抑えた。翌94年7月には、好評だったS40の2世代目となるS40Ⅱを限定300台で販売。さらに同年11月には、BBS製アルミホイールを装着したS3を登場させる。1995年7月には、アルシオーネSVXの最終型となるS4を発売した。

 

限定車や廉価モデルの設定で販売拡大を狙った富士重工業。しかし、バブル景気の崩壊によって高級スペシャルティ市場は急速に冷え込み、アルシオーネSVXの販売成績も伸び悩む。そのうちに日本市場ではレクリエーショナルビークル、いわゆるRVブームが巻き起こり、同社の販売の主力はレガシィへと移っていった。結果的にアルシオーネSVXは1996年末に生産が中止され、同社の新車カタログから落とされることとなる。総生産台数は2万4379台。このうちの国内登録台数は、わずか5884台だった。ちなみにアルシオーネSVXの生産終了時には、富士重工業が把握していたアルシオーネSVXの国内オーナーに向けて社長名の挨拶状が発送された。紙面には、アルシオーネSVXに対する同社のこだわりと愛用への感謝、そして以後のアフターサービスを約束する旨が記載される。個性あふれる高級スペシャルティカーの生産終了に対しては、ユーザーだけではなく富士重工業自身にも惜別の情があったのだ。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

アウディA1の次期型、最終デザインはこれだ!

アウディ最小ハッチバックである「A1」の次期型CGである。そのCGを確認すると、マトリクスLEDヘッドライトに左右を繋ぐ「コ」の字型エアインテーク、ワイドなシングルフレームグリルが特徴的だ。

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「MQB」プラットフォームを次期型より採用することとなり、軽量でしかも剛性が高いだけでなく、ホイールベースの延長からコンパクトながら居住空間の充実も図られ、小さいA1とはいいながらも余裕のあるモデルとなりそうである。

 

サイドミラーはドアからウィンドゥへ移動され、リアドアへキックアップされた力強いキャラクターラインが見られる。また3ドアは廃止され、CGのように5ドアモデルのみの設定となるはずだ。

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パワートレインは新開発の1.0リッター直列3気筒ダウンサイジングターボ及び、2.0リッター直列4気筒エンジンに、6速MT又は7速スピードATが組み合わされるという。さらに200psを発揮する「S1」や300psの「RS1」などが続くはずだ。

 

室内にはスマートフォン・インテグレーションが装備され、12.3インチのTFTバーチャルコックピットディスプレイをオプションでチョイス出来るという。

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待ち遠しいワールドプレミアは、2018年9月とレポートされている。

みたび激変?ホンダ・インサイトのプロトタイプが間もなく登場

ホンダの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーターは12月19日、2018年1月20日から一般公開が始まる北米国際オートショー(通称:デトロイトショー)にて、フルモデルチェンジを受けるハイブリッドセダンの「ホンダ・インサイト」のプロトタイプをワールドプレミアすると発表し、その写真を公開した。

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ホンダ・インサイトは、1999年に米国市場初のハイブリッドモデルとして発売された初代、2009年に登場した2代目に続く3代目に生まれ変わる。ホンダのセダンラインアップにおいては、シビックの上位車種に位置付けられ、スタイリッシュなデザインと革新的な2モーターハイブリッドシステム「スポーツ ハイブリッドi-MMD」を採用する。

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新型インサイトは米国のインディアナ工場で生産され、米国市場では2018年夏から発売が予定されている。

【中年名車図鑑】80年代の軽自動車市場にさまざまな刺激を与えた“羨望”の一台

商用車の“軽ボンバン”が隆盛を誇っていた1980年代中盤の 軽自動車市場。ここにダイハツ工業は第2世代となるL70型系のミラを送り込む。1.3BOXと称する高効率のパッケージングを採用した新型は、ベーシックモデルのほかに高性能バージョンの「TR-XX」や多用途車の「ウォークスルーバン」を設定した。今回は豊富なラインアップで歴代屈指の人気を獲得した2代目(1985~1990年)の“羨望=MIRA”で一席。

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【Vol.45 2代目 ダイハツ・ミラ】

国内販売で32カ月連続して前年同月実績を上回るなど、大成功作に昇華したL55型系の初代ミラ。イタリア語で“羨望”を意味する車名を冠した軽ボンネットバンは、1985年8月になると第2世代のL70型系に移行した。

 

■1.3BOXの新パッケージを採用した第2世代

2代目ミラの最大の特長は、1.3BOXと称する高効率のパッケージングにあった。プラットフォームは新設計で、ホイールベースは従来比で100mm延長(2250mm)。パワーユニットが収まるフロントセクションを可能な限りコンパクトにまとめ、同時にボディ高を高めに設定してクラストップレベルの広さを誇るキャビンスペースを創出する。懸架機構には前マクファーソンストラット/後セミトレーリングアームの4輪独立懸架を採用(FFモデル。4WDモデルは5リンク)。ボディタイプは当初が3ドアハッチバックのみの設定で、1986年1月に5ドアハッチバックを追加した。

 

搭載エンジンは吸排気効率の向上や圧縮比のアップ、機械損失の低減などを図った新開発のEB型547cc直列3気筒OHCユニットで、自然吸気(34ps)と空冷式インタークーラー付きターボ(52ps)の2機種を設定する。組み合わせるトランスミッションにはフロアタイプの4速MT/5速MTのほか、フロアおよびコラムタイプの2速ATを用意。駆動機構はFFと4WDの選択が可能だった。

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クラス初の4面フルフラットシートやダブルハッチバックドアを装備。広くて快適な室内空間が話題にクラス初の4面フルフラットシートやダブルハッチバックドアを装備。広くて快適な室内空間が話題に

 

エクステリアについては、1.3BOXスペーシィシェイプデザインと称する新スタイルを採用したことが訴求点。具体的には、フラッシュサーフェス化した直線基調のボディやスラントした短めのノーズ、ルーフ後端を伸ばしてほぼ直立させたリアセクション、四隅に配したタイヤ、広めにとったグラスエリアなどによって実用的かつスタイリッシュなフォルムを実現した。一方で内包するインテリアは、リビング感覚を謳う広くて快適な室内空間に、低めに設定して有効な前方視界と開放感を演出したインパネを配して、明るく運転のしやすい居住スペースを構築する。また、クラス初の装備として4面フルフラットシートやダブルハッチバックドア(ガラスハッチのみとゲート全体での開閉が可能)、助手席クッショントレイ付きシート、クォーターボックス、ラゲッジボード、テンションレデューサー付ELRシートベルト、グラフィックモニターなどを設定していた。

 

■イメージリーダーは最強版のターボTR-XX

スポーツバージョンの「TR-XX」。フルエアロの外観にスポーティなインテリアを組み合わせるスポーツバージョンの「TR-XX」。フルエアロの外観にスポーティなインテリアを組み合わせる

 

1985年10月になると、スポーツバージョンの「TR-XX」が追加される。搭載エンジンは空冷式インタークーラー付きターボ(グロス52ps。後にネットで50psとなる)で、外装は専用バンパーやサイドステップ、リアハッチスポイラーといったフルエアロパーツで武装。内装には専用の3本スポークステアリングやガングリップタイプのシフトレバー、大型の速度&回転メーターとグラフィックタイプのターボインジケーター、固めのクッションを持つバケットシートなどを装備した。

 

2代目ミラのイメージリーダーに位置づけられたTR-XXは、後にデビューする鈴木自動車工業のアルト・ワークスや三菱自動車工業のミニカ・ターボおよびダンガンZZ、富士重工業のスバル・レックス・コンビVXスーパーチャージャーなどとともに“軽自動車第2次パワー競争”(第1次は1960年代終盤から1970年代初頭)を展開していく。TR-XXに関しては、1987年8月にインタークーラーの水冷化やAT車の追加などを実施。同年10月には燃料供給装置をEFI化したEB25型エンジン(58ps)搭載車を設定する。また、同エンジンを積むフルタイム4WD仕様も追加した。さらに1988年10月になると、最高出力を64psとしたEB26型エンジン搭載車が登場。内外装もよりスタイリッシュに刷新された。

アルト・ワークスやミニカ・ターボ、スバル・レックス・コンビVXスーパーチャージャーなどとともに“軽自動車第2次パワー競争”を展開していくアルト・ワークスやミニカ・ターボ、スバル・レックス・コンビVXスーパーチャージャーなどとともに“軽自動車第2次パワー競争”を展開していく

 

毎年のように進化を図っていった2代目ミラのターボモデル。一方で、燃料供給装置にキャブレターを組み込んだターボ付きEBエンジン搭載車も継続して設定される。スペック上ではEFIを採用する58ps仕様や64ps仕様に劣った50ps仕様。しかし、アクセルレスポンスのよさや吹き上がりの俊敏さなどは、50ps仕様が上回った。当時のECU技術では、このあたりにまだまだ壁があったのだ。絶対的なパワーよりもスポーツミニらしい軽快な特性を重視する走り好きは、あえて50ps仕様を選択する。こうした傾向をメーカー側も把握していたのだろう。地道な人気を誇るキャブターボは、2代目のモデル末期まで新車カタログに掲載された。

 

■隠れた名車「ウォークスルーバン」

L70型系の2代目ミラにはもう1台、隠れた名車が存在した。フロントセクション以降をパネルバンボディに変更した「ウォークスルーバン」だ。運転席から荷室へと歩いて移動できるウォークスルーバンがミラに最初に設定されたのは初代(L55型)のモデル末期の1984年5月で、2代目でも引き続きウォークスルーバンがラインアップされる。製造は優れた車体製造技術を持つ荒川車体工業(1988年よりアラコに変更)が担当。最大の室内容積と軽量化を両立させるために、乗降用ドアは左側のみの折戸式で、リアゲートには上下開き式と3枚折戸式を用意した。乗車定員は1名乗りが基本で、助手席はオプションで用意する。また、フロントガラスおよびAピラーは直立に近い位置にまで立て、サイドミラーには通常のフェンダータイプのほかに縦長タイプを設定。荷台部にはプレスラインやサイドガラスなどを組み込んだ。

 

軽自動車の規格内で成立させた稀有なウォークスルーバンは、そのユニークなルックスや使い勝手の良さから、デリバリーなどの商用としてだけではなく、バイク等のトランスポーターとして個人ユーザーからも高い人気を獲得する。また、ラウンディッシュなフロントガラスおよびAピラーに、上ヒンジ式ウィングドアを荷台部に配した移動販売車の「ミチート」も設定され、市場から好評を博した。

 

ミラ・ウォークスルーバンの人気に刺激を受け、鈴木自動車工業はアルトに、三菱自動車工業はミニカに、ウォークスルーバンを設定する。しかし、ボディ全体の造り込みや機能性の面でミラにはかなわず、販売台数は伸び悩んだ。結果として、1990年の軽自動車規格改定以降でウォークスルーバンをラインアップしたのはミラだけとなり、そのミラも次の規格改定である1998年に生産を中止した。ここで人気が衰えるかに見えたミラ・ウォークスルーバン。だが、コアなファンがその唯一無二のキャラクターを見逃さなかった。ユーズドカー市場では21世紀に入っても活発な取引が展開され、660ccエンジン搭載車のみならず2代目の550ccエンジン搭載車も長く生き残ったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

日本のドライバーは“運転力”が低い!?110km/h制限の高速で事故を減らすには…

1年前のこのコラムで、1963年に名神高速道路が開通して以来100km/hだった日本の高速道路の制限速度を、2017年度に一部区間で110km/hに引き上げるという警察庁の発表について書いた。

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警察庁は2016年春、制限速度を120km/hに引き上げることをアナウンスしており、第一段階として新東名高速道路の新静岡〜森掛川IC(インターチェンジ)間と東北自動車道の花巻南〜盛岡南IC間という、どちらも120km/h走行を想定して設計した区間を試験的に引き上げるという内容だった。

 

それが予定どおり試行された。11月から新東名、12月から東北道の上記区間が110km/h制限になったのだ。新東名のこの区間を管轄する静岡県警察本部高速隊は、引き上げ後1か月間での事故は16件と前年同月比で3件増えたものの、速度引き上げと直接関係する原因はなかったとしている。一方で80km/hのまま据え置かれた大型トラックなどとの速度差が大きくなったことを懸念する声もある。

 

交通事故減少が重要な任務のひとつである警察庁が制限速度引き上げに踏み切ったのは、昨年のコラムにも書いたように、近年多くの国で引き上げを実施しており、その結果事故が減ったという報告が多く寄せられているからだ。

 

具体的には、多くの乗用車が高速道路で出している速度、つまり実勢速度に制限速度を近づけることで速度のバラツキをなくし、追い越しを減らすとともに、ブレーキ性能や操縦安定性が乗用車に大きく劣る大型トラックなどとの速度差を大きくすることで、大型トラックの追い越しによる重大事故を減らすという目的がある。

 

ニュースを見ていて感心したのは、いままで単一だった最高速度の標識を110km/hと80km/hの2枚に分けたことと、片側3車線の区間では大型トラックなどの通行帯をもっとも左側の走行車線に指定する交通規制を実施したことだ。いずれも2種類の速度制限があることを明示しており好ましい。そして上で書いたように、引き上げが原因の事故は1か月間では起きていない。

 

それでも否定的な意見はしばしば目にする。さまざまな理由が考えられるけれど、日本のドライバーが追い越しなどの運転操作に慣れていないことも関係しているのではないかと思っている。日本の道路では、追い越しのための右側はみ出しを禁じた黄色い車線をよく見かける。しかし欧米でここまではみ出し禁止の道路が多い国は記憶にない。事故を減らすにははみ出しを禁止すれば良いという判断が主流だったのかもしれないけれど、その結果、日本の多くのドライバーが追い越しの経験が少ないまま高速道路を走り、追い越しが終わっても走行車線に戻らないなど、さまざまな問題を引き起こしているのではないかと想像している。

 

一見すると危険を遠ざける、好ましいルールに見えるかもしれない。しかし人口10万人あたりの交通事故死者数で、日本は欧州諸国とほとんど変わらない。この数字から懸念するのは、我が国のドライバーの「運転力」が低下しているのではないかということだ。運転力を英語にするとドライビングテクニックとなりそうだが、それでは速く走る能力という意味に取られてしまう。ここでいう運転力とはそうではなく、道路という公共空間のもとで、周囲の環境と協調し、状況に応じて的確な操作ができる能力を示すものだ。

 

先週欧州の道を走ってきたけれど、たとえばフランスでは高速道路の制限速度は130km/hだが雨の日は110km/hとなり、一般道路は郊外では90km/hまで出せるのに市街地では50km/h以下まで落とさなければならない。天候や場所によってひんぱんに速度を調節する必要がある。

 

でもクルマの運転とは、本来そういうものではないだろうか。横断歩道を渡る人がいれば止まり、遅い車両がいれば追い越し、と臨機応変にアクセルやハンドルを操作しながら進んで行くものだと思う。こうした環境で育った欧州のドライバーの運転力は日本よりはるかに高い。我が国も高速道路の110km/h試行を機に、ひとりひとりがこうした能力を育もうという気持ちになってくれるといいのだが。

 

【著者プロフィール】

モビリティジャーナリスト 森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。

新型メルセデス・ベンツGクラスの初公開はデトロイト・ショー

12月13日、ダイムラーは2018年1月13日に開幕する北米国際オートショー(通称デトロイト・ショー)において、新型メルセデス・ベンツGクラスを初公開すると発表。ショーデビューに先駆けて、インテリアの写真を公開した。

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デジタル化が進んだインテリア画像を先行公開

Gクラスは1979の誕生以来、本格オフローダーとして高い支持を保ってきた。公開された新型のインテリアは最新のメルセデスの作にふさわしく、デジタル化の促進が著しい。インスツルメントパネルにはワイドなディスプレイが備わり、最新のインフォテイメントシステムが搭載される。一方で、インパネの助手席側に設置されるハンドグリップや、センターパネル中央部にレイアウトされたデフの切り替えスイッチなど、Gクラスらしいディテールも確認できる。

 

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デザインはメルセデスの次世代モデルを感じさせる、洗練性をさらに高めたテイスト。航空機に積むジェットエンジンのタービンを想起させるエアコンルーバーは、ひと足先に公開された次期型Aクラスのそれに似たものだ。もちろん内装に使うマテリアルは厳選された高級なもので室内空間は拡大されるようだ。公表された情報では、レッグルームがフロントで38mm、リアで150mm広がる他、肘や肩まわりのスペースも前後席で拡大される。

 

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エクステリアデザインがどうのようになるのかは、デトロイト・ショーでのアンベールまで待つことになりそうだが、インテリアの写真からは、かなり期待が持てそうだ。

 

 

 

新型トヨタ「スープラ」は土壇場で、あの名車「2000GT」で本決まり!?

2018年1月のデトロイトショーでお披露目されると黙されていた、世界中で注目が集まるトヨタ「スープラ」の新型が、なんと2017年内にも初公開されるかもしれないという。しかも、その車名は「2000GT」となるやもしれないのだ。

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もちろん「スープラ」という名称が完全に消滅したわけではなく、名車「2000GT」や「スープラ3000」なども予想され、複数の選択肢がありえるという。

 

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仮に「スープラ」と呼ぶが、この新型はトヨタのモータースポーツ直径ブランド「GR」から発売される可能性が高く、「FT-1」から継承されるグラマラスなエクステリア、3連LEDヘッドライト、86風テールライトが確認されている。

 

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パワートレインは2.0リッター直列4気筒ターボで200ps程度、3.0リッター直列6気筒ターボで340ps程度といい、ハイブリッドモデルも1年遅れで登場すると見られているが、MT設定の有無など不確定情報も多数あり、パワーユニットに関しても断言できないところも多い。

 

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販売は2018年内にオーストリアのマグナシュタイアで生産され、逆輸入の形で日本で販売されることになりそうだ。

ポルシェミュージアムが最古の911を初披露

ポルシェAGが運営するポルシェ ミュージアムではこのほど、3年をかけてレストアした最古の911を同ミュージアムのコレクションに追加。2017年12月14日から2018年4月8日までの期間、「911(901 No.57)-レジェンドのテイクオフ」と題した特別展示を開催中だ。

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3年かけてフルレストア

レッドカラーにペイントされたこのクーペは、1964年に初の量産スポーツモデルとして生産された1台。当時は901の名で知られていた。誕生からちょうど50年が経過したタイミングで、ポルシェ ミュージアムは偶然にもこのレアな個体に出会い、レストアを視野に入れて購入に至った。

 

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ひどく錆ついた状態を元に戻すまでには、合計で3年もの年月が費やされた。これは別の個体(このレストアのためにもう1台購入)から取った純正のボディパーツを使用するなどしたため。レストアは原則として、パーツ交換を最小限にとどめ、できるだけ元のパーツを利用する方針だった。

 

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こうしてポルシェ ミュージアムは歴史的に重要なスポーツカーを、見事に蘇らせたのである。

 

地下鉄の車内照明が真っ暗に? 懐かしき日々に思いを馳せる「銀座線タイムスリップ」の旅

駅に入る手前の、ポイントを通過する時に、車内の照明が消えて一瞬、真っ暗に。点いているのは車内の非常灯のみ。古い銀座線では“当たり前”だった光景が、四半世紀ぶり、2017年12月17日に運行された臨時イベント列車で再現された。

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“地下鉄開通90周年記念イベント「TOKYO METRO 90 Days FES!」スペシャル企画『銀座線タイムスリップ』”という、長〜いイベント名。2017年は銀座線が開業してからちょうど90周年にあたる。それに合わせて運行された特別な列車に乗りつつ、銀座線の歴史を振り返ってもらいましょうという催しだった。

↑運転士と車掌はレプリカ制服を着て乗務。臨時列車では当時の乗客の服装を再現した添乗員も同乗してイベントを盛り上げた↑運転士と車掌はレプリカ制服を着て乗務。臨時列車では当時の乗客の服装を再現した添乗員も同乗してイベントを盛り上げた

 

まずは銀座線の歴史をさらりと触れておこう

地下鉄銀座線はまず、1927年(昭和2年)12月30日、上野駅〜浅草駅2.2km間が開業した。これが日本で初めて誕生した地下鉄路線でもあった。

↑開通当時の銀座線浅草駅。東京地下鐵道によりまずは上野駅〜浅草駅間が開業、1000形電車が走った(昭和初期発行の絵葉書/筆者所蔵)↑開通当時の銀座線浅草駅。東京地下鐵道によりまずは上野駅〜浅草駅間が開業、1000形電車が走った(昭和初期発行の絵葉書/筆者所蔵)

 

地下鉄事業に乗り出したのは東京地下鐵道という会社だった。以降、路線を延長していき、1931年(昭和5年)に上野駅から萬世橋駅、さらに神田駅まで開業する。さらに翌年、京橋駅まで、1934年(昭和9年)6月21日に新橋駅までが開業する。

 

新橋駅の先、新橋駅〜渋谷駅間は、東京地下鐵道とは異なる東京高速鐵道という会社が開発を行った。1938年(昭和13年)12月に青山六丁目(現・表参道駅)駅〜虎ノ門駅が開業、1939年に渋谷駅〜新橋駅間が開業、同じ年に東京地下鐵道との直通運転が開始された。その後、1941年(昭和16年)に帝都高速度交通営団が発足、東京地下鐵道と東京高速鐵道は統合された。

 

イベント列車には1000系特別仕様車が使われた

90周年を記念した「銀座線タイムスリップ」の臨時イベント列車。使われたのは1000系特別仕様車だった。現在、銀座線には1000系6両編成40本が走っている。そのうち39編成と40編成の2本のみが、特別な造りとなっている。

↑銀座線1000系特別仕様車。ヘッドライトが一灯のほか、車内外ともレトロなイメージを強調して造られている(写真提供:東京メトロ)↑銀座線1000系特別仕様車。ヘッドライトが一灯のほか、車内外ともレトロなイメージを強調して造られている(写真提供:東京メトロ)

 

1000系特別仕様車は地下鉄90周年に合わせてレトロなイメージを強め造られた車両だ。通常車両と異なり、前照灯を2灯から1灯に、内装は木製色を強調、銀座線を最初に走った1000形をイメージした造りが各所に取り入れられた。また天井灯はLED照明ながら、光の色が変更できるようになっている。さらにほかの1000系には無い予備灯(非常灯)があえて付けられた。今回のイベント列車では、この予備灯が生かされたのである。

↑車内の内装は木製色の化粧板をメインに。座席も通常車両の煉瓦柄に対して緑色のシートモケット、手すりは真鍮色とされている↑車内の内装は木製色の化粧板をメインに。座席も通常車両の煉瓦柄に対して緑色のシートモケット、手すりは真鍮色とされている

 

↑車内の車両番号表示。「日本車両会社」が旧字で、しかも右から記されている。なんともレトロ感満載の車両だった↑車内の車両番号表示。「日本車両会社」が旧字で、しかも右から記されている。なんともレトロ感満載の車両だった

 

↑各車両を隔てるガラス戸にはパンダや雷門など、銀座線に縁が深いイラストシールが貼られていた↑各車両を隔てるガラス戸にはパンダや雷門など、銀座線に縁が深いイラストシールが貼られていた

 

ビルに囲まれた上野検車区を出発、地下鉄唯一の踏切を通過!

今回のイベント列車への一般の応募者数は4090人。その中の45組90名が晴れて乗車できた。倍率はなんと45倍強! 人気の高さがうかがえた。きっと熱心な鉄道ファンが多いのだろう、と思って乗車してみると、女性の参加者がかなり多かった。やはり銀座線好きな人には男女、また鉄道ファンに関わらず、ということなのかも知れない。

↑イベント列車として使われる1000系特別仕様車が検修庫内に停まる。ふだんは使われない階段と先頭部の非常用トビラから入るという“旅の始まり”も参加者の心をくすぐった↑イベント列車として使われる1000系特別仕様車が検修庫内に停まる。ふだんは使われない階段と先頭部の非常用トビラから入るという“旅の始まり”も参加者の心をくすぐった

 

イベント列車の行程は次の通り。

「上野検車区を出発→上野駅を通過→浅草駅を通過→(折り返し線を利用)→旧萬世橋駅を通過→旧表参道駅を通過→渋谷駅→(引込線をで折り返し)→上野駅ホーム着」

 

今回のイベント列車が注目を浴びたのは、乗客がふだんは乗る事ができない区間を乗車できたこと。出発は上野駅近くにある上野検車区からだった。上野検車区は台東区東上野4丁目にある銀座線の車両基地。ビルが取り囲む車両基地で、本線へ向かう出入り口には国内の地下鉄路線で唯一という踏切があることでも知られている。普段、一般の人たちが立ち入ることができない検修区内と、踏切を車内から見ることができたのだった。

↑イベント列車内から見た上野検車区内の留置線。ビルに囲まれた車両基地であることがよくわかる。1000系には90周年のステッカーが貼られている↑イベント列車内から見た上野検車区内の留置線。ビルに囲まれた車両基地であることがよくわかる。1000系には90周年のステッカーが貼られている

 

↑上野検車区の出入口にある踏切(イベント開催日以前に撮影したもの)。ビルにはさまれた小さな踏切で目立たない。出庫・入庫は朝や夕方に行われることが多い↑上野検車区の出入口にある踏切(イベント開催日以前に撮影したもの)。ビルにはさまれた小さな踏切で目立たない。出庫・入庫は朝や夕方に行われることが多い

 

↑車内から見た踏切の様子。貴重なイベント列車の姿を撮影しようという鉄道ファンの姿も見受けられた↑車内から見た踏切の様子。貴重なイベント列車の姿を撮影しようという鉄道ファンの姿も見受けられた

 

<スケジュール>

○11時9分 上野検修区をゆっくりと発車する。検修区を出庫前にやや停車
○11時21分 地下鉄唯一の踏切を通過。地下路線へと入っていく
○11時29分 本線に入る前やや停車、その後、本線へ入り上野駅を通過する
○11時35分 浅草駅を通過、折り返し線へ

 

懐かしい気持ちを呼び起こすレトロな照明

前述したように1000系特別仕様車は車内に予備灯が付けられている。イベント列車では、この予備灯を生かしての、古い銀座線車両のイメージが再現された。

↑浅草駅〜渋谷駅間は照明がLEDモードから、やや赤みがかったレトロモードとされた↑浅草駅〜渋谷駅間は照明がLEDモードから、やや赤みがかったレトロモードに切り替えられた

 

さて今回のイベント列車内の催しとして注目されたのが「予備灯の点灯」。1984(昭和59)年に走り始めた01系電車が登場するまでは、車内の照明が消え予備灯(非常灯)が一定の箇所で点灯した。銀座線の車両がすべて01系となる1990年代までは銀座線に乗ったならば、いつでもこの一瞬、室内灯が消え、予備灯が付くという現象を体験できたわけだ。なぜ、01系以前の車両は予備灯がついたのだろうか。

↑浅草駅から渋谷駅にかけて予備灯が計14回、点灯された。点灯した場所は、ほぼ古い車両と同じ場所で起こるように“設定”された↑浅草駅から渋谷駅にかけて予備灯が計14回点灯された。点灯した場所は、ほぼ古い車両と同じ場所で起こるように“設定”された

 

東京メトロの路線の中で銀座線と丸ノ内線のみサードレール方式(第三軌条集電方式)を採用している。サードレール方式とは、レールに平行した3本目のレールに電気を流し、そこからコレクターシューによって、集電して電車を動かす方式のこと。このサードレールは、ポイントなどで、途切れる区間が一部にあり、集電ができないところでは、バッテリーの電源を生かして予備灯(非常灯)が点灯する仕組みになっていた。01系以降は、集電できない区間も、室内灯が切れないシステムに変更されている。

↑銀座線1000系の台車に付くコレクターシュー(矢印部分)。この装置でサードレールから集電して電車が走る↑銀座線1000系の台車に付くコレクターシュー(矢印部分)。この装置でサードレールから集電して電車が走る

 

↑レールに平行して設けられるサードレール(矢印のレール)。ここに電気が流されていて、コレクターシューをすって集電する↑レールに平行して設けられるサードレール(矢印のレール)。ここに電気が流されていて、コレクターシューをすって集電する

 

今回のイベント列車では、古いシステムに車両を戻したわけでなく、集電できない箇所で消灯するような仕組みにした “擬似対応”であったとのこと。とはいえ、十分にちょっと昔の感覚を楽しむことができた。

 

そんな感慨に浸っているうちに、イベント列車は銀座線タイムスリップの最大の“お楽しみ”区間へ向かうのであった。

 

後編「銀座線の“幻の駅”だ!の巻」に続く。

 

わずか20分の充電で530kmを走破できる、ポルシェ初EVとなる「ミッションE」とは?

ポルシェ初となる市販EV「ミッションE」の市販型プロトタイプが厳冬のスカンジナビアで寒冷地テストを開始し、その姿が捉えられた。

 

EV専用「J1」プラットフォームが採用された2015年に公開された初のコンセプトモデルの美しいクーペルーフを継承する4ドアサルーンは、ヘッドライトやCピラーなど未だ多くのダミーパーツを装着しているものの、その本来の姿が垣間見える。

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注目は、この「ミッションE」の充電は現在主流である400Vではなく、800Vシステムを採用することであり、フル充電は約20分で完了。530kmの航続距離を実現するというのだ。

 

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パワートレインンには2基のモーターが搭載され、最高出力は600ps。0-100km/h加速は3.5秒、0-200km/h加速は11秒台とフェラーリ「F50」級の加速力を持つとレポートされている。

 

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ポルシェは今後、「パナメーラ」や「カイエン」にもEVモデルを投入する予定だが、この「ミッションE」が市販EV第一号となる模様で、待たれるワールドプレミアは、2019年から2020年と見られている。

バイクメーカーが本気で電動アシスト自転車を開発!? 「e-ANBAI」のクラウドファンディングに支援者殺到!

山口県の電動バイクメーカー「株式会社ツバメ・イータイム」が、折りたたみ式電動アシスト自転車のクラウドファンディングをMakuakeで開始。目標金額を大きく上回る支援が集まった。

出典画像:「山口から世界へ。サドルにバッテリー?折りたたみ式電動アシスト自転車e-ANBAI」Makuakeより出典画像:「山口から世界へ。サドルにバッテリー?折りたたみ式電動アシスト自転車e-ANBAI」Makuakeより

 

街乗りや通勤などに“いい塩梅”な電動アシスト自転車

同プロジェクトは、“電動バイクメーカー”ならではの技術力や発想力を詰め込んだ電動アシスト自転車「e-ANBAI」を開発するというもの。「あー いいあんばい だねと言ってもらいたい」というビジョンのもとに作られているため、「e-ANBAI(いい塩梅)」というネーミングがつけられた。

出典画像:「山口から世界へ。サドルにバッテリー?折りたたみ式電動アシスト自転車e-ANBAI」Makuakeより出典画像:「山口から世界へ。サドルにバッテリー?折りたたみ式電動アシスト自転車e-ANBAI」Makuakeより

 

そんな同自転車には、5段階のアシストモードを搭載。楽に走りたいときはアシストに任せ、運動のために足で漕ぎたい時は補助機能を弱めに調節可能。シーンに応じて“いい塩梅”のアシストを選択出来る。

出典画像:「山口から世界へ。サドルにバッテリー?折りたたみ式電動アシスト自転車e-ANBAI」Makuakeより出典画像:「山口から世界へ。サドルにバッテリー?折りたたみ式電動アシスト自転車e-ANBAI」Makuakeより

 

モーターは長寿命・省エネ・ハイパワーの「高性能ブラシレスモーター」で、ペダル踏み込み時の負荷が変化しても安定した速度制御を供給。さらに“ホールIC”と呼ばれる磁気センサーが搭載されており、ケーブルの接続不良や断線などなんらかの以上が発生した場合、モーターを停止させながらアラーム信号で知らせてくれる。

 

また折りたたみ式自転車なので、当然コンパクトにたたんで持ち運びが可能。しかし注目したいのはその外観で、バッテリーがサドル付近のトップチューブに内蔵されており一見電動自転車のようには見えない。そのためオシャレな街乗りに最適な、シンプルでスタイリッシュなデザインに仕上がっている。

 

機能・ビジュアル共に“いい塩梅”な電動自転車に、SNSなどでは「サドルにバッテリーを収めるのは面白い試みだと思う」「手軽な電動アシスト自転車がちょうど欲しかったからかなりマストなプロジェクト!」「見た目が本当にいい塩梅! 出来上がりがめっちゃ楽しみ」といった声が上がった。

 

電動バイクメーカーが本気で作った自転車に支援者続出!

海外展開も行っている電動バイクメーカーが本気で電動アシスト自転車を作るという試みに、数多くの支援者が殺到。目標金額が200万円なのに対し、12月18日時点で493万5910円の支援金額が集まった。

 

ちなみにリターンは、「赤」「白」「黒」の3つのカラーリングが用意された「e-ANBAI」を割引価格で購入できるというもの。例えば9万7370円コースでは、一般販売予定価格14万9800円の「e-ANBAI」一台を、35%OFFの値段で購入することができる。

 

2018年の4月に支援者への発送が始まる「e-ANBAI」。来年の春からは“いい塩梅”な電動アシスト自転車を、街中で見かけることになりそうだ。

アウディの革新とイノヴェイターを讃える、WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017

日本版『WIRED』とアウディ・ジャパンとのコラボによるプロジェクト、「WIRED Audi INNOVATION AWARD」の表彰式が、去る12月6日(水)に東京港区の海岸スタジオで行なわれた。「未来の日本、未来の世界をつくる」をテーマにとした同イベントは、さまざまな領域で独創的なアイデアとヴィジョンを持って新しい試みを続けるイノヴェイターに光をあて、その存在を広く発信することを目的としたもの。

 

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同アワードの授賞式およびレセプション会場となった東京港区の海岸スタジオには、エントランスにアウディR8とRS 7コンセプトが展示され受賞者やゲストを出迎えた。同アワードの授賞式およびレセプション会場となった東京港区の海岸スタジオには、エントランスにアウディR8とRS 7コンセプトが展示され受賞者やゲストを出迎えた。

 

国内では開催2年目となる今回は、実業家や化学、医療、芸術等の分野で活躍する30組のイノヴェイターを日本版WIREDの若林編集長が表彰。授賞式後のレセプション会場には、受賞者の活動を表現したパネルが展示されたほか、今回の受賞者でもある音楽家の坂本龍一氏と作曲家の藤倉大氏によるライブパフォーマンスも行われ、天板のないグランドピアノを使ったふたりの即興演奏に会場は独特な雰囲気に包まれた。

 

 

授賞式後に行なわれたライブパフォーマンスでは、坂本龍一氏と藤倉大氏が事前打ち合わせのない即興演奏を披露。独特な世界観に緊張感すら漂った。

 

主催者のひとりとして登壇したアウディ・ジャパンのマーケティング本部長ミクシェ・シルケ氏曰く、「アウディが提唱する『技術による先進』や世界観との親和性が高く、前に進む人々を奨励することはブランドを浸透させるためにも意義ある活動」と高く評価していた。

 

 

ランボルギーニ「ウルス」の発表を記念したコラボコレクションが発売

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20171218_hayashi_LV_02ランボルギーニ初となるスーパーSUV、「ランボルギーニ・ウルス」の発表を記念して、コレツィオーネ・アウトモビリ・ランボルギーニと「Enzo Bonafè(エンツォボナフェ)」「Hettabretz(ヘッタブレッツ)」「Tecknomonster(テクノモンスター)」の3ブランドがコラボレーションした特別限定品を発売。

 

20171218_hayashi_LV_03ハンドメイドで仕上げるラグジュアリーシューズブランドのエンツォボナフェからは、抜群の履き心地を誇る モカシンシューズ2種類をそれぞれ3カラーバリエーションで展開。

 

レザーのアウターが有名なボローニャのファッションブランドであるヘッタブレッツからは、ウルスにインスピレーションを得たエレガントなスエードジャケットを30着限定で用意。レザーのアウターが有名なボローニャのファッションブランドであるヘッタブレッツからは、ウルスにインスピレーションを得たエレガントなスエードジャケットを30着限定で用意。

 

そして、カーボンファイバー製キャリーバッグメーカーであるテクノモンスターからは、ウルスのラゲッジルーム専用に作られた、4つのスーツケースからなるトラベルセット2種を発売。そして、カーボンファイバー製キャリーバッグメーカーであるテクノモンスターからは、ウルスのラゲッジルーム専用に作られた、4つのスーツケースからなるトラベルセット2種を発売。

 

 

これらのコレクションはランボルギーニのサンタアガタ・ボロネーゼ本社にある専用のコレツィオーネ・アド・ペルソナムショールームに展示され、エクスクルーシブなテーラーメイド品質でカスタマイズ可能とのこと。3ブランドの 各担当者が「Riva 1920」の家具で仕立てられた専用スペースで対応する。なお、来店に際しては事前連絡による予約が必要とのこと(collezione@lamborghini.com)。ランボルギーニ本社を訪れた際には、ぜひとも立ち寄ってみたいものだ。

 

 

バブル期の定番デートスポット「大黒PA」──いつの間にかサブカル系クルマ文化の聖地となっていた!

大黒PAは神奈川県横浜市鶴見区の首都高速道路神奈川5号大黒線上にある高速道路上の休憩施設である。筆者は大黒PA&横浜ベイブリッジが1989年9月27日にオープンしてからこれまでクルマ雑誌の取材を含め、数えきれないくらい大黒パーキングに通って来た。オープンから28年経過し、大黒PAは今や、日本のサブカル系クルマ文化の発信地となり、多くのクルマ好きが集まる「聖地」となった。英国国営放送BBCの人気車番組「トップギア」が取材に訪れるほど、世界的にもメジャーな場所となっている。

 

■なぜ大黒PAはクルマ好きの聖地になったのか?

そもそも、大黒PAにクルマ好きが集まるようになったのか? それは簡単。以下の地図を見ればわかる通り、東京方面からも神奈川方面からも集合しやすいのである。

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上下線で集合しやすいといえば、東京湾アクアラインの「海ほたる」も人気があるが、こちらは千葉方面からと川崎方面からではパーキングの階が異なるので、千葉方面からの参加者が多い場合は少々面倒かも?また、駐車場はほとんどが建物の中になるため開放感がいまいちだ。その点、大黒PAはどこからでも利用しやすく、広々とした平面駐車場で、コンビニやレストラン、軽食コーナーも利用しやすい位置に配置されているのもイイ感じだ。

 

◇1989年~1999年

今思えばオープンして2年位は週末の大混雑が続いていた。時はまさにバブル真っ盛りな頃。週末の夜はBMWやメルセデス、フェラーリなどのバブリーなデートカーが続々と大黒に集まっていた。開通して2~3年はベイブリッジの路肩に停車して写真を撮る車も多かったのだ(危険極まりない!)。当時は「24時間闘えますか」の時代で、週休二日制が徹底しておらず、混雑は土曜日に集中していた。東京方面からベイブリッジを渡って大黒パーキングに入り、そこから再び首都高に乗って新山下あたりで降りて、山下公園に行く……というのがお決まりのドライブデートコースだったのだ。

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クルマ好きがたくさん集まり始めたのは90年代終わりの頃である。大黒PAが便利な場所という認識が広まったことも理由だが、もっと大きな理由はインターネットの普及にある。パソコン通信利用者には懐かしいニフティサーブには様々なクルマコミュニティができて、いわゆる「オフ会」という催しが盛んに開催されるようになった。その場所として大黒PAはクルマ系オフの会場やツーリングの発着地点として人気となったのである。夜、大黒PAに集まる車が増えてきたのも90年代末頃からである。当時は警察の陣容もこぢんまりとしていたこともあり、無法地帯となり治安がかなり悪かった時期もあった。

 

◇2000~2010年

2000年に入ると週末の大黒PAには多くのクルマ好きが集まるようになった。いわゆる音響系の車やローライダーのクルマたちがどっと増えたのもこの時期。北関東在住の音響系の車に乗る若者が「大黒デビュー」を夢見てクルマを作る(=オーディオ類を組み込む)姿を取材したことも何度かある。あまりお行儀のよくない車も増え、無許可で屋台を出すものや爆音で駐車場内を走り回るクルマ、対立するグループ同士のけんかも週末の夜には頻繁にあった。

 

一般利用者からのクレームも増え、(音がうるさい、威圧感があって怖い、利用しにくいなど)2000年代半ばから週末の夜には大黒PAがたびたび閉鎖されるようになった。閉鎖されるということは、一般利用者も使えなくなるということ。不便極まりない。しかし、この措置のおかげで「音響系」やアブナイ系の車はぐっと減ったのも確かだ。それに代わって?増えてきたのがいわゆる「痛車」である。2000年代後半から大黒PAにも痛車の姿が増えて来た。

 

◇2010年~現在

2010年代に入ると大黒PAに集まるクルマの中心は痛車やスポコン車、ロータリー車(マツダRX7やRX8など)となった。音響系やローライダー、ハイドロなどの車が規制の関係でめっきり減ってしまったことにより、週末の大黒PAに集まる車はおとなしくなってきたように思う。

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駐車場もすみわけができていて、痛車エリア、スポコン(ヴィッツ、シビック、インプレッサなどが中心)、ローライダー、メーカー別、車種別などで分かれており、グループ同士の対立やケンカなどもほとんどなくなり、治安のよい状態が保たれている。大黒PAも大幅にリニューアルして駐車スペースも増え、トイレやコンビニも新設され利用しやすくなった。

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世界で「大黒PA」の名前が知られるようになったのも2010年前後からである。実は先日、クルマ好き高校生息子の車情報ネットワークで「大黒PAでトップギアが撮影している!」という情報を得た。日曜日の夜10時を過ぎていたが、行ってみることに。そしたら本当に撮影をしていた!しかもクルーの数がものすごく、最初はギャラリーが集まっているのかと思ったが近くに行くと全員外国人で、数にして100人近く?いたるところにクルーがいた。取材されている車は、GT-RやRX-7(FD)、シビック(EK)など。スポコン系、チューニング系が中心だったが、実はトップギアの取材はこの日だけではなく、10日以上日本に滞在し、日本各地の「クルマ好きの聖地」で撮影を行っていたようである。

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日本のサブカル系クルマ文化の最前線に触れたい人は、迷わず大黒PAに行くべし!

 

【著者プロフィール】

自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

「あえてモデルチェンジしない」のはなぜ?ハイエースが50年も愛され続ける納得の理由

少し前にこのコラムで取り上げた本田技研工業(ホンダ)の原付バイク、スーパーカブと同じように、日本の街の風景の一部になっている乗り物のひとつがトヨタ自動車のワンボックスカー、ハイエースだ。来年誕生60周年を迎えるスーパーカブに対し、ハイエースは今年50周年と、キャリアの長さでも引けを取らない。

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なぜハイエースはここまで愛され続けているのか。やはり信頼性と耐久性がもっとも大きな理由になりそうだが、それは偶然の産物ではなく、トヨタがその点に注力して開発していることが、今年11月のマイナーチェンジを機に行われた発表会で明らかになった。

 

ちなみに今回の改良は、環境性能と安全性能をさらに向上したことがトピックになる。前者では2年前にランドクルーザープラドに初搭載した新世代のクリーンディーゼルエンジンを採用。燃費が向上し、一部車種でエコカー減税の適用を受けられるようになった。後者では衝突被害軽減ブレーキなどを含めた予防安全装備のトヨタ・セーフティ・センスPを設定した。

 

トヨタ・セーフティ・センスにはCとPがある。Cはカローラ、Pはプリウスなどが搭載している。乗用車以上に価格競争力が重視される商用車のハイエースであれば、Cを導入してもおかしくない。ところが新型ハイエースはあえてPをチョイスしている。実はこれも壊れないクルマを目指した結果だという。商用車は事故などを起こして動かなくなると仕事に支障を及ぼす。使用者だけではなく取引先など多くの人々が影響を受ける。そこでなによりもまず、事故を起こしにくいクルマにしようと考え、CではなくPを導入したのだそうだ。

世界的に信頼性の高いトヨタ車のなかでも、ハイエースの信頼性、耐久性は抜きんでている世界的に信頼性の高いトヨタ車のなかでも、ハイエースの信頼性、耐久性は抜きんでている

 

さらにボディの基本骨格などでは、「ハイエース・クオリティ」と呼ぶ独自の品質基準を設定しているとのこと。たとえばスライドドアの耐久性は、同じトヨタの乗用車とはひと桁違う基準を設定しているそうだ。もともと信頼性では定評のあるトヨタ車の中でも、ハイエースは抜きん出た存在なのである。

 

ハイエースは日本以外でも各地で活躍している。筆者も東南アジアなどでマイクロバスとして使われるハイエースに乗ったことがある。しかし生産工場は数カ所に留めており、日本以外は主要部品を輸入して組み立てを行うノックダウン工場としている。これも群を抜く信頼性や耐久性を維持するためだ。

 

発表会での説明でさらに興味深かったのは、走る・曲がる・止まるという自動車の基本性能については、いきなり壊れて止まることがなく、事前に異音を発生するなどして使用者に不調を伝えるような設計が込められているということ。他国の自動車エンジニアがこんなことを考えるだろうか。日本の商用車ならではのきめ細かい配慮である。

初代ハイエース ワゴン。1967年「日本初の新分野のキャブオーバーバン」をコンセプトに誕生した初代ハイエース ワゴン。1967年「日本初の新分野のキャブオーバーバン」をコンセプトに誕生した

 

そんなハイエース、モデルチェンジの間隔が長いことも特徴のひとつで、50年間で4回しかフルモデルチェンジしていない。5代目となる現行型は2004年デビューだから、13年が経過している。にもかかわらず今回マイナーチェンジに留めたのはどうしてか。実はこれも信頼性・耐久性向上のためだった。

 

フルモデルチェンジをすると多くの部品が切り替わる。そのたびに自動車整備工場などでは多くの部品を確保しなければならない。モデルチェンジがひんぱんに行われれば部品の数が増える。海外の地方などでは新型の部品の供給が行き届かないこともある。しかしマイナーチェンジに留めておけば、多くの部品が旧型と共通なので、部品の確保がしやすい。壊れてもすぐに直せるから、仕事に支障を及ぼす可能性が少ないことを意味する。

 

ハイエースのチーフエンジニアである野村淳氏は発表会で、「商用車はモデルチェンジしないことも商品力のひとつ」と語っていた。モデルチェンジをすることで商品力を高めていく乗用車とはまったく逆の発想に衝撃を受けた。でも部品のことまで考えれば腑に落ちる考えだ。

 

壊れにくさのためなら先進装備も積極的に投入し、壊れるときは事前に教えてくれる。仮に壊れても部品の確保を容易にして、仕事に穴を開けないようにしている。ハイエースの根強い人気は、愚直なまでの信頼性・耐久性追求の気持ちがユーザーにしっかり伝わっているからだと確信した。

 

【著者プロフィール】

モビリティジャーナリスト 森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。

THINK MOBILITY:http://mobility.blog.jp/

大江戸線と浅草線は全然違う乗り物だった

2017年12月9日、好天のなか、「都営フェスタ2017 in 浅草線」が東京都交通局馬込車両検修場で開かれた。普段入ることができない車両基地が公開されるとあって、当日は多くの鉄道ファンや親子連れで賑わった。馬込車両検修場が一般に公開されるのは2年ぶり。発見も数多くあり見ごたえ満点だった本イベントで、特に目を引いたポイントを紹介しよう。

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2018年春から浅草線を走る新型5500形もお披露目

都営フェスタ2017で1番の注目を集めたのが新型の5500形。浅草線としては20年ぶりに導入される新車で、淡いピンク色のラインが車体に入る。新たな浅草線の“顔”となる車両だ。今回は、外観のみの公開で車内を見ることはできなかったが、座席に江戸らしい寄せ小紋の柄が採用されるなど凝った内装となっているそうだ。

20171215_y-koba5 (2)↑浅草線の現役車両5300形と並ぶ5500形。淡いピンクラインがアクセントの車体には、これまでにない機能も数多く搭載されている

 

5500形には東京を訪れる外国人向けに多言語対応の液晶モニターが設置されるなど、現代流の味付けがなされている。さらに高速運転も可能となり、現状の5300形では行われていない成田スカイアクセス線への乗り入れにも対応している。今年度は1編成8両のみだが、平成30年度には7編成が導入の予定とのことで、期待したい。

 

都営大江戸線の車両整備のために使う専用機関車に注目!

都営浅草線の西馬込駅の南側にある馬込車両検修場では、都営浅草線と都営大江戸線の車両整備を行っている。大江戸線と浅草線の線路は汐留連絡線(大江戸線汐留駅〜浅草線新橋駅間)でつながってはいるのだが、大江戸線は鉄輪式リニアモーターカーというシステムを利用しており、浅草線の電車とは仕組みが異なっている。そのため大江戸線の電車は、浅草線の路線を自走することができないのだ。それでどうしているかというと、連絡線から先はE5000形電気機関車が大江戸線の電車を牽引して、馬込車両検修場へ入場する。

20171215_y-koba5 (4)↑大江戸線の電車は浅草線を自走できない。そのため牽引用の電気機関車が必要となる。2車体連結のE5000形は、連絡線の48‰勾配をクリアし、最高時速70kmの能力をもつ

 

都営フェスタでは馬込車両検修場の留置線に、浅草線5300形と大江戸線12-000形、牽引用のE5000形電気機関車が並んだ。見比べると、鉄輪式リニアモーターカー方式を採用した大江戸線の特徴でもある車体の小ささが良くわかる。その横で長いパンタグラフを高々と持ち上げたE5000形の姿が凛々しく見えた。

20171215_y-koba5 (3)↑都営浅草線の5300形に比べて大江戸線12-000形はかなり小さい。その横にE5000形電気機関車が並ぶ

 

20171215_y-koba5 (5)↑車両基地内の一部レールには、鉄輪式リニアモーターカーに対応したリアクションプレートという装置が付けられている

 

車体の小さな大江戸線12-000形はパンタグラフもかなり小さい!

検修庫内には大江戸線の12-000形電車のパンタグラフやリニアモーターなども展示されていた。それにしても、大江戸線のパンタグラフはかなり小さい。それでいて重量は85kg(浅草線用は180kg)と、大きさに対して意外に重いようだ。

20171215_y-koba5 (6)↑検修庫内ではパンタグラフの上げ下げを試すことができた。こちらが通常の電車のパンタグラフの大きさ。目の前で見るとかなり大きい

 

20171215_y-koba5 (7)↑こちらは大江戸線のパンタグラフ。8両編成に4台のパンタグラフが装着される。小さめだが、重量は85kg(浅草線用は180kg)と重め

 

そして心臓部ともいえるリニアモーター。こちらは主要パーツということもあるのだろう、大江戸線の小さい車体に比べて大きい印象。1編成8両に16台も搭載されている。重量は1機あたり1320kgとかなり重い。

20171215_y-koba5 (8)↑大江戸線の電車の車両下に付くリニアモーター(主電動機)。レール側に付くリアクションプレートとの間に生じる反発・吸引力で電車を動かし、また制御している

 

縁の下の力持ち。この基地特有の事業用車にも興味津々

都営フェスタでは多くの事業用車も展示されていた。屋外には保線用の軌道検測車や、点検車両などが並ぶ。特に筆者の目を引いたのは、検修庫内に停まっていた大小の車両移動機。なかでも大型の車両移動機には、3タイプの連結機能が付いていて興味深い。さまざまな連結器を持つ車両を検査する馬込車両検修場独自の装備である。小さめの大江戸線の電車は、連結器もまた一段低い位置になっている。

20171215_y-koba5 (9)↑留置線から車両検修庫に車両を移動させるために使われる車両移動機。自動連結器に密着連結器、さらに大江戸線用の密着連結器まで装備されている

 

20171215_y-koba5 (10)↑こちらは検修庫内の移動用に使われる小型の車両移動機。鉄道ファンには“アント”という通称で親しまれる専門工作機メーカーのアント工業が製作している

 

20171215_y-koba5 (11)↑こちらは台車移動機。道路だけでなく線路上も走れるようにタイヤと鉄輪が付いている。フォークリフトを改良した非常に珍しい車両だ

 

車両基地は、普段は立ち入ることができない世界。公開では車両だけでなく、それぞれの車両基地で使われる特別な装備を見ることができ、それが車両基地公開の1つの魅力となっている。鉄道ファンならずとも楽しめるこうした車両基地の公開イベントが、今後も各社で続けられることを願いたい。

20171215_y-koba5 (12)↑東京都交通局以外にも鉄道各社のブースも設けられた。さまざまな関連グッズが販売され、車両展示とともに大変な賑わいを見せた

 

【中年スーパーカー図鑑】本来のポテンシャルを誇示することなく消えた、悲運のBMW製スーパーカー

BMWモータースポーツは、世界メーカー選手権の制覇という目的を果たすために新しいグループ5マシンの開発を計画する。タッグを組んだのはイタリアのランボルギーニ。シャシー設計はダラーラが主導し、内外装デザインはイタルデザインが担当。パワートレインの開発はBMWモータースポーツ自身が手がけた――。今回はBMW初のスーパースポーツ、「M1」の話題で一席。

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【Vol.8 BMW M1】

1974年シーズンをもってヨーロッパ・ツーリングカー選手権(ETC)のワークス活動を休止していたBMWおよびBMWモータースポーツ(1993年に社名を「BMW M」に改称)。しかし、1976年になると新たなプロジェクトを始動させる。グループ5で行われる世界メーカー選手権(World Championship for Makes)への本格参戦だ。新規の専用マシンの開発コードは、“E26”と名づけられた。

 

■世界メーカー選手権の制覇を目指して――

BMWモータースポーツはニューマシンの車両レイアウトとして、戦闘力の高いミッドシップ方式の採用を決断する。しかし、社内ではこの分野のノウハウを持ち合わせていない。できるだけ早く、しかもスムーズにE26プロジェクトを進めるには――。BMWモータースポーツが選んだのは、ミッドシップスポーツカーの開発において優れた能力をもつイタリアの自動車メーカー、ランボルギーニとの提携だった。当時のランボルギーニは1973年に発生したオイルショックの影響をまともに受け、経営状態は逼迫。設計部門や生産ラインは半ば開店休業の状態にあった。新規のミッドシップスポーツの設計も、グループ4の規定である年間400台以上の生産も(グループ5とともにグループ4でのレース参戦も計画していた)、現状のランボルギーニなら可能だろう――BMWモータースポーツはそう考えたのである。

世界メーカー選手権の制覇のために生まれたM1。戦闘力の高いミッドシップ方式の採用するため、当初、この分野に長けたランボルギーニと提携して開発を進めていった世界メーカー選手権の制覇のために生まれたM1。戦闘力の高いミッドシップ方式の採用するため、当初、この分野に長けたランボルギーニと提携して開発を進めていった

 

BMWモータースポーツとランボルギーニによる共同プロジェクトは、当初順調なスケジュールで進行する。シャシー設計についてはランボルギーニと関係の深いダラーラが担当し、マルケージ製の角型鋼管スペースフレームに前後不等長ダブルウィッシュボーンサスペンションをセットする。ビッグシックスをベースとする専用エンジンを縦置きでミッドシップ搭載するというBMWモータースポーツ側の要件に対応し、ホイールベースはこの種のモデルとしては長めの2560mmに設定した。架装するボディについては、デザインと製作ともにジョルジエット・ジウジアーロ率いるイタルデザインに任される。ジウジアーロは1972年発表のコンセプトカー「BMWターボ」のイメージを取り入れ、ミッドシップカーならではのシャープで流麗なフォルムや空力特性に優れるフラットな面構成などでスタイリングを構築した。ボディパネルの主素材には軽量化や生産性を考慮してFRP材を採用。空気抵抗係数(Cd値)は0.384と優秀な数値を達成した。

 

肝心のパワートレインに関しては、BMWモータースポーツが開発を手がける。搭載エンジンは実績のある3.0CSLと同様、量産型の“ビッグシックス”直列6気筒ユニットのブロックをベースにチェーン駆動の4バルブDOHCヘッドを組み込むという手法を採用する。ボア×ストロークは93.4×84.0mmのオーバースクエアとし、排気量は3453ccに設定した。型式はM88。エンジン高の抑制とレース走行時の極端な重力変化に対処するために、オイル潤滑機構にはドライサンプ方式を導入する。さらに、点火機構にはマレリ製のデジタルイグニッションを、燃料供給装置にはクーゲルフィッシャー製の機械式フューエルインジェクションを組み込んだ。組み合わせるトランスミッションは専用セッティングのZF製5速MTで、ロック率40%のLSDを介して後輪を駆動する。また、操舵機構にはラック&ピニオン式を、制動機構には4輪ベンチレーテッドディスク(前対向4ピストン/後対向2ピストン)を採用した。路面との接点となるタイヤは前205/55VR16、後225/50VR16サイズを装着。トレッドは前1550/後1576mmに仕立てた。

 

■紆余曲折を経て「M1」の車名で市場デビュー

エアコンやパワーウィンドウといった快適アイテムも装備。この種のスポーツカーとしては異例の実用性を備えていたエアコンやパワーウィンドウといった快適アイテムも装備。この種のスポーツカーとしては異例の実用性を備えていた

 

初期段階のE26プロジェクトは順調に推移し、1977年夏には試作車も完成する。この流れを見たBMWモータースポーツは当初の予定通り、1978年春に開催されるジュネーブ・ショーで完成車を披露する計画を立てた。しかし、実際のショーではE26は出品されなかった。ランボルギーニの作業が遅々として進まなかったのである。また、どうにか完成したプロトタイプも、BMWモータースポーツが求める水準には達していなかった。業を煮やしたBMW本体は、プロジェクトを推進するためにランボルギーニの買収を目論むものの、ランボルギーニの下請け企業などがこれに強く反発した。結果としてBMWは、1978年4月にランボルギーニとの提携を解消することとした。

 

暗礁に乗り上げたE26プロジェクト。しかし、ここでBMWモータースポーツは意地のババリアン魂を見せる。生産工程を変えて、何とかE26を完成させようとしたのだ。FRP製ボディはスタイリングを手がけたイタルデザインが製作。一方、シャシーについては2002カブリオレなどの生産で提携の実績がある独シュツットガルトのバウア社に製造を委託する。そして、最終の仕上げを独ミュンヘンのBMWモータースポーツが行うという、複雑だが致し方ない手法をとった。苦労を重ねて完成したE26は、BMW Motorsportの“M”を意味する「M1」の車名を冠して、1978年秋開催のパリ・サロンにてワールドプレミアを果たす。BMW初の本格的なミッドシップスポーツで、しかもイタルデザインとダラーラ、そしてBMWモータースポーツという各分野のスター企業がタッグを組んだモデルだけに、M1はたちまちショーの主役に昇華した。

 

市販版のM1は、この種のスポーツカーとしては異例の実用性を備えていた。ボディサイズは全長4360×全幅1824×全高1140mm/ホイールベース2560mmに設定。また、エアコンやパワーウィンドウといった快適アイテムも装備する。M88エンジンの最高出力はロードバージョンが圧縮比9.0によって277hp/6500rpmを発生。さらに、グループ4仕様は11.5のハイコンプレッションから470hp/9000rpmを絞り出す。グループ5仕様は排気量を3153ccとしたうえでKKKターボチャージャーを組み合わせた結果、最高で850hp/9000rpmを発揮した。最高速度はロードバージョンが262km/h、グループ4仕様が310km/h、グループ5仕様が360km/hと公表された。

F1のサポートレースとしてワンメイクの「プロカーチャンピオンシップ(BMW M1 Procar Championship)」を開催。当時のF1パイロットらが中心となって参戦したF1のサポートレースとしてワンメイクの「プロカーチャンピオンシップ(BMW M1 Procar Championship)」を開催。当時のF1パイロットらが中心となって参戦した

 

意気揚々と市場に送り出されたM1。しかし、販売台数は伸び悩んだ。前述の複雑な生産工程は割高な車両価格(ポルシェ911の倍に近かった)につながり、しかも生産はBMWモータースポーツ本体がF1用エンジンの新規開発と製造に追われていたために月3台ほどがやっと。このままでは、グループ4の規定である連続12カ月に400台の生産をクリアすることは困難だった。打開策としてBMWモータースポーツは、シャシー製造を担っていたバウア社に最終工程の一部も委託する。また、M1がレースに参戦しないままで車歴を終える可能性があることを危惧して、ワンメイクの「プロカーチャンピオンシップ(BMW M1 Procar Championship)」を開催することとした。競技自体はF1のサポートレースとして催され、1979年と1980年にシリーズ戦を敢行。ドライバーは当時のF1パイロットらが中心となって参戦し、1979年シーズンにはニキ・ラウダ選手が、1980年シーズンにはネルソン・ピケ選手が年間チャンピオンに輝いた。プロカーチャンピオンシップに力を入れる一方、BMWモータースポーツはM1を駆って1979年開催のル・マン24時間レースのIMSAクラスに参戦する。使用マシンはポップアート界の巨匠、アンディ・ウォーホルがペイントしたBMWアートカー仕様のM1で、結果は総合6位と健闘した。

 

様々な努力の甲斐もあって、M1の生産台数は1980年暮れにどうにか400台をクリアする。本来は規定を満たすものではなかったが、モータースポーツにおけるプロカーチャンピオンシップでの貢献なども考慮して、FIAは特別に1981年以降のグループ4レギュレーションをM1に与えた。その後のM1は、世界各地のレースやラリーに地道に参戦。日本でもスピードスターホイールレーシングチームがM1を購入して耐久レースなどに出場し、その後オートビューレックモータースポーツに移動してスーパーシルエット・シリーズを制覇するなどの大活躍を果たした。

 

ようやく本格的なレース活動を行えるようになったM1。しかし、時のモータースポーツ界の環境がそれを拒んだ。レースの主役が、グループ5からグループCに移行しようとしていたのだ。また、BMWモータースポーツ本体も軌道に乗ったF1用エンジンの進化と製造に忙殺された。最終的にBMWモータースポーツは、1981年にM1の製造中止を決定する。本来のポテンシャルを誇示することなく、表舞台から姿を消した悲運のBMW製スーパーカー――。短い車歴における生産台数は、わずか453台(一説には447台)だった。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

人気のホンダ「フリード」にコンプリートモデルが登場!

本田技研工業は、人気のコンパクトミニバン「FREED(フリード)」をベースに、その走行性能とデザインにさらに磨きをかけたコンプリートモデル「FREED Modulo X(フリード・モデューロ・エックス)」を12月15日(金)に発売する。このフリード Modulo Xは、専用開発のサスペンションや空力特性を活かしたパーツなど、Moduloブランドが培ってきた「上質でしなやかな走り」を実現するチューニングを施し、ミニバンとしての使い勝手の良さや室内の快適性を損なうことなく、ドライバーには「意のままに操る」走りを追求した運転の楽しさを、同乗者には上質で快適な乗り心地をそれぞれ提供。存在感のある専用エクステリアや質感を追求した専用インテリアに加え、「9インチプレミアムインターナビ」が選択可能となる。

 

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このModulo Xとは、ホンダ車を知り尽くした熟練のエンジニアが、ベース車両の走行性能、居住性、デザインに「匠の技」を注いで完成させるコンプリートカーブランド。フリード Modulo Xの開発では、「エモーショナル ツアラー」をコンセプトに、所有する喜びを体現した存在感のあるデザインとともに、アルミホイールやサスペンション、空力パーツなど数々の専用装備により、意のままに操れる操縦性と、上質かつしなやかな乗り味を追求している。

 

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圧倒的な存在感を放ち、所有する満足を高めたスポーティーな専用エクステリアは、空力デザインに基づき、専用エアロバンパーやフロントグリルによる押し出し感の強いフロントデザインを採用。インテリアはドライバーが見て触れて感じる上質さを追求。ピアノブラック調のインテリアパネルやシート表皮にモカブラウンを採用することで、ブラックとブラウンを基調とした上質な室内空間を提案している。

 

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見やすい大画面の9インチプレミアムインターナビに加え、ドライブレコーダー(ナビ連動タイプ)、USBジャックといった人気装備を標準装着した仕様と、ナビゲーションを自由に選択可能な仕様を用意。全国メーカー希望小売価格は、1.5リッター直噴エンジン+CVTモデルが2,830,680円(6名乗車)と2,852,280円(7名乗車)。ハイブリッド+7速DCTモデルは、3,130,920円(6名乗車)と3,152,520円(7名乗車)となる。

 

 

 

スズキの軽ハイトワゴン新型「スペーシア」「スペーシア・カスタム」が発売

 

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スズキ株式会社は、ハイトワゴンタイプの軽乗用車、「スペーシア」、「スペーシア・カスタム」を全面改良し12月14日より発売する。フルモデルチェンジを果たした新型「スペーシア」、「スペーシア・カスタム」は、安心・安全な運転を支援するスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を採用し、安全装備を充実。衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」に加え、軽自動車初となる後退時の衝突被害軽減ブレーキ「後退時ブレーキサポート」を採用するなど、前後の衝突被害軽減ブレーキが全車標準装備に。さらに、フロントガラスに進入禁止の道路標識や車両情報などをカラー表示するヘッドアップディスプレイ、周囲を立体的に360°確認できる「3Dビュー」を軽自動車に初採用するなど、安全運転を支援する機能が充実。

 

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ふたつの個性的なデザインは「スペーシア」が「ワクワク」を、「スペーシア・カスタム」では「圧倒的な迫力と存在感」を表現。より広い室内空間に、低床で開口が広く乗り降りがしやすい後席両側スライドドアや、荷室高を拡大して大きな荷物も入れやすくなったラゲッジルームなど、利便性をさらに向上させたパッケージングを採用。ドライバーだけでなく後席のパッセンジャーにも快適な機能や装備を充実させた。

 

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低燃費性能に加え、軽量で高剛性を両立した新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用し、ISG(モーター機能付発電機)の高出力化とリチウムイオンバッテリーを大容量化したマイルドハイブリッドを全車に搭載。発進時にモーターのみで走行でき、約100㎞/hまでの加速時に、ISGがモーターアシストを行いエンジンの負担を軽減することで、30㎞/ L(JC08モード)の低燃費を達成している。メーカー希望小売価格は、スペーシアが1,333,800~1,589,760円。スペーシア・カスタムが1,576,800~1,908,360円となる。

 

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アルファロメオから新たにSUVが2モデル登場か! フラッグシップSUVには550ps以上モデルも!?

アルファロメオ初のSUVとなった2016年登場の「ステルビオ」が2018年にも日本導入されるが、ここに来てさらなるSUVが2モデルも開発されているという。「ステルビオ」よりコンパクトなエントリーモデルとなる「カマル(仮称)」と、最上位に位置する「カステロ(仮称)」だ。

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「カマル」も「カステロ」もステルビオから流用されるジョウジオプラットフォームを採用するというが、「カステロ」は3列7人乗りレイアウトのフルサイズSUVになるという。

 

パワートレインは直列4気筒エンジン、及び、V型6気筒エンジンを搭載し、ベースモデルの最高出力は330ps程度となるが、ハイパフォーマンスモデル「クアドリフォリオ」は最高出力550ps以上が予想される。

 

ワールドプレミアは「カマル」が2019年、「カステロ」は2020年と見られている。

 

 

 

ホンダ「S2000」の後継モデルが2019年市販化に向けて加速中!

欧州からホンダ「S2000」の後継モデルに関する最新情報が入った。予想CGによると。最新の「NSX」や「ビジョングランツーリスモ」の流れを汲んだボディシルエットが特徴的だ。

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フロントにはグリルから左右吸気口までつながる、ホンダ得意のウイングバーを大胆にデザイン、その中にコの字型LEDを配置。またエアロダイナミクスを向上させる大型フロントスプリッターが装着されている。

 

注目のパワートレインは、8速DCTと組み合わされる2リッター直列4気筒ターボエンジン+VTECで、最高出力は400ps程度が目安とされる。ボディはカーボンファイバーを多用した軽量ボディは100kg以下が想定されている。

 

2017年7月にモックアップ画像が流失した同時期にホンダは「ZSX」の名称を商標登録しており、それは数年前から「ベイビーNSX」とも噂されているモデルとリンクしている。そしてそれを追うようにホンダは11月9日、「グランツーリスモ」と開発したミッドシップスポーツ、「スポーツ ビジョングランツーリスモ」を発表している。

ホンダ・スポーツ・ビジョン・グランツーリスモホンダ・スポーツ・ビジョン・グランツーリスモ

 

つまり「S2000」の後継車は「スポーツ ビジョングランツーリスモ」市販版として、「ZSX」という車名で登場する可能性が高く、2019年市販化へ向け、開発が加速してきているのは間違いなさそうだ。

 

 

 

レクサスRXに3列シート仕様が追加!

レクサスは12月10日まで開催されたロサンゼルス・オートショーにおいてワールドプレミアしたRXの3列シートのロングバージョン「レクサスRX450hL」を、12月7日に発売した。税込車両価格は769万である。

 

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RXの流麗かつ堂々とした力強いエクステリアの印象はそのままに、全長を拡大したほか、電動格納式のサードシートを採用し、7人乗り仕様のロングバージョンを実現。居住性・快適性を両立し、新しい選択肢を提案。具体的には、1列目から3列目にかけて視点を高くするシアタースタイルの空間構成としたほか、左右に配置した3列目専用のエアコンを採用。分割可倒式のセカンド・サードシートにより、段差感の少ないフラットなフルラゲッジモードなどの幅広いシートアレンジを可能とした。また、ワンタッチで前に倒れるセカンドシートの採用により、乗降性の良さに配慮するなど、優れた利便性を確保している。

 

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なお、従来からラインナップされているRXは一部改良を実施。18インチアルミホイールをよりメタリックな塗装としたほか、セキュリティ機能を強化。また、レクサスのターボエンジン搭載ラインアップ充実に鑑み、RX200tの名称がRX300に変更された。税込車両価格は以下のとおり。

 

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RX300

・RX300=497.2万円(FF)/523.2万円(AWD)

・RX300“F SPORT”=580.1万円(FF)/606.1万円(AWD)

・RX300“バージョンL”=596.1万円(FF)/622.1(AWD)

 

RX450h

・RX450h=604.7万円(FF)/630.7万円(AWD)

・RX450h“F SPORT”=717.6万円(FF)/743.6万円(AWD)

・RX450h“バージョンL”=703.6(FF)、729.6万円(AWD)

 

 

 

伝説のF1パイロット、セナの名を持つマクラーレンのニューモデルが登場!

マクラーレン・オートモーティブは12月10日、新型車「マクラーレン・セナ」を発表した。

 

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車名は、伝説のF1ドライバー「アイルトン・セナ」にちなんだもの。マクラーレンP1の後継を担う同社のアルティメット・シリーズに属するモデルとして誕生した。

 

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カーボンファイバーによるモノコック「モノケージⅢ」や、ボディパネルのすべてにカーボンファイバーを用いることで、車重はかつての名車マクラーレンF1以来、最も軽量な1198kgを実現。エンジンは800ps/800Nmを引き出す4リッターV8ツインターボの「M840TR」を搭載。7速のデュアルクラッチトランスミッションを介して後輪を駆動する。

 

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ボディのフロントとリアにはアクティブエアロダイナミクスが導入され、ダウンフォースとエアロコントロール性能を極限まで高めている。カーボン製のドアは上下に2分割されたウィンドウが特徴的だ。

 

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インテリアにはカーボンファイバーが多用され、アルカンターラやレザーが組み合わされている。

 

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このマクラーレン・セナは世界500台の限定で発売。英国市場での車両価格は75万ポンド(1億1380万円)からと発表された。車両の正式お披露目は、2018年3月に開催されるジュネーブ・ショーを予定している。

 

 

 

JAFが重税を訴える動画を公開

かつては選挙の争点となったこともある自動車諸税のあり方だが、その重税感は改善されることなく今に至っている。ガソリン税と消費税の二重課税、9種類・8兆円にもおよぶ税金は車体課税だけでもアメリカの約34倍、欧州諸国の約2倍と負担は大きく、若者のクルマ離れの要因とも指摘されている。

 

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その不条理ともいえる税金の高さを以前から訴えてきたJAF(日本自動車連盟)が、インターネット上に動画を公開(http://www.jaf.or.jp/profile/report/youbou/)。1分足らずのイメージ動画だが「日本の自動車の税金は悲しいほどに高い」、「近い将来、クルマがなくなるかもしれない」と切迫感が伝わってくるシュールな仕上がりとなっている。

 

20171212_hayashi_LV_02クルマの税金①「税金の種類としくみ編」とクルマの税金②「JAFの提言編」が公開され、複雑なクルマの税金をアニメーションでわかりやすく紹介する

 

JAFは今年10〜11月には自動車税制改革フォーラム(自動車関連21団体で構成)と協力し、過重な税負担の軽減や、複雑な自動車関連諸税の簡素化を駅前など街頭で訴える運動も行なってきた。JAFのアンケートでも98%のユーザーが、税負担が過重と感じており、改善を願う声は少なくない。

 

一方で政治の動きは鈍く、安定税収である自動車関連諸税を見直そうという声は聞こえてこない。もし重税を嫌ってクルマの所有が減っていくようであれば、肝心の税収も減ってしまう。そのあたりも考えて、政府も野党も税の軽減策を検討するなど、将来を見据えた政策を考えるだけの度量を見せて欲しいものだ。

 

 

 

スバル・インプレッサ/XVがユーロNCAPでファイブスターに

スバルはこのほど、新型インプレッサおよびXVが、欧州の安全性能評価基準である「ユーロNCAP」において、最高評価となるファイブスター(5つ星)を獲得したことを発表した。

 

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ユーロNCAPの安全性試験でファイブスターを獲得するには、「成人乗員保護性能」で80%以上、「子供乗員保護性能」で75%以上、「歩行者保護性能」で60%以上、「安全補助装置」で50%以上という4項目のパーセンテージをすべてクリアしなければならない。

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新型インプレッサのテストモデルは2.0i-Sアイサイトだったのだが、「成人乗員保護性能」で94%、「子供乗員保護性能」で89%、「歩行者保護性能」で82%、「安全補助装置」で68%という評価を得て、4項目すべての条件をクリア。

 

一方、新型XVのテストモデルも2.0i-Sアイサイトで、「成人乗員保護性能」で94%、「子供乗員保護性能」で89%、「歩行者保護性能」で84%、「安全補助装置」で68%という評価で全4項目をクリアした。

 

2016年評価以来、歩行者への衝突回避または衝突被害軽減性能を評価する自動緊急ブレーキ試験が追加され、スバル独自の運転支援システム「アイサイト」を標準装備したインプレッサとXVはいずれも高い評価を獲得した。

 

スバル車のユーロNCAPでの最高評価の獲得は2009年のレガシィ、2011年のXV、2012年のフォレスター、2014年のアウトバック、2016年のレヴォーグに続き、6回目となった。

 

 

 

ジャガーXEがセダンのニュルブルクリンク最速に

ジャガー・ランドローバーはこのほど、「ジャガーXE SVプロジェクト8」が、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェのラップタイムで7分21秒23を記録し、量産型4ドアサルーンにおける史上最速の称号を獲得したと発表した。

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ジャガーXE SVプロジェクト8は、2017年6月末に英国で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで発表された世界300台限定発売のスペシャルモデルである。
 

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600psを発揮する5リッターV8スーパーチャージャーを搭載し、8速ATを介して4輪を駆動。0-60マイル(約97km/h)加速を3.3秒でこなし、最高速は200マイル(約322km/h)に届く実力の持ち主。専用デザインのバンパーやボンネットにはCFRPが使用され、可変式の大型リアウイングが装着。そのアピアランスは、標準のXEとは大きく異なる。

 

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ジャガー・ランドローバーのスペシャル・オペレーションズ マネージング・ディレクターであるジョン・エドワーズは次のように述べている。

 

「SVOは最良のパフォーマンス、最上のラグジャリー、比類なき走破性能のすべてを追及し限界に挑戦する部門です。手作業で組み立てられるXE SV プロジェクト8はその限界に挑み、ジャガーの最もコンパクトな4ドアスポーツサルーンから、スーパーカーを超える性能を引き出しました。ニュルブルクリンク北コースでの記録は、お客様に対して、究極のジャガー車を提供したいという当社の思いを強く示すもので、近い将来、この刺激的なスポーツ・サルーンを存分に体感していただけるでしょう」

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ちなみにこのモデルの車両価格は2181万円。世界限定300台のうち日本市場への割り当てとなる8台はすでに完売しているとこのことだが、ジャガー・ランドローバー・ジャパンの公式WEBサイトでは追加での取り寄せに対応するとアナウンスされている。

 

 

 

日常の“足”として四半世紀! ヤマハの最新電動アシスト自転車「PAS With」は坂道だって楽々

日本の電動アシスト自転車界を牽引してきた製品といえば、やはりヤマハ発動機の「PAS」シリーズではないでしょうか。1993年に世界初の電動ハイブリッド自転車として初代PASが登場してから25年が経過。そして25周年となる2018年、6年ぶりにPASシリーズがフルモデルチェンジをします。そこで、先日開催されたPAS新製品発表会の模様をリポート。新型PASの乗り心地も体験してきました。

↑初代PASも展示されていた。↑1993年に登場した初代PAS

 

PASの新シリーズは「PAS With」

電動アシスト自転車は年々市場拡大の傾向にあります。発売当初は年間5万台にも満たない販売台数でしたが、2015年には45万台を超える市場規模となっています。

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PASシリーズは、時代にニーズに合わせてそのコンセプトを広げています。2014年には高齢者の利用を想定して、“簡単・安心・便利”なSIONシリーズ、2015年にはスポーティで快適な走りを提供するスポーツ電動アシスト自転車YPJシリーズなどを投入。2018年に発売される新シリーズはその名も「PAS With」。6年振りのフルモデルチェンジとなる本製品は、デザイン性と実用性を兼ね備えたモデルとなっています。

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もっともスタンダードな「PAS With」は、12.3Ahのバッテリーを搭載。満充電で最長76kmまで走ることが可能です。やわらかな曲線のデザインと、乗るのが楽しくなりそうなポップなカラーをラインナップした軽快車(いわゆるママチャリ)です。

↑スタンダードモデル「PAS With」↑スタンダードモデル「PAS With」

 

ハンドル部の液晶ディスプレイは大型で見やすく、スイッチも大きめのサイズ。また、時計表示にも対応しています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA↑大型の液晶画面を装備。時計機能を備えているのはヤマハだけ

 

「PAS With DX」は、ベーシックな性能は「PAS With」と同様ながら、よりディテールのデザインにこだわったモデル。

 

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グリップやサドルがレザー仕様になり、バスケットには籐風の編み込みデザインを採用。よりエレガントで高級感のある印象となっています。

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最上位機種となる「PAS With SP」は、バッテリー容量が15.4Ahとなり、より長い距離の走行が可能。満充電で最長100kmまで走行することが可能です。また、アシストレベルは前出の2モデルよりも高いため、坂道などもより軽快に走ることができるということ。

 

PAS Withシリーズの発売は、すべて2018年2月9日の予定。メーカー希望小売価格は、Pas Withが11万8800円、PAS With DXが12万2040円、PAS With SPが15万120円(すべて税込)となっております。

 

PASユーザーの藤本美貴さんも納得の乗り心地

発表会には、PASユーザーであるタレントの藤本美貴さんが登場。藤本さんは、数年前からPASに乗っているそうで、2児の母である藤本さんにとってはなくてはならないツールになっているとのこと。現在は1台しか所有していないため、家族で近所の公園などに出かける際は、美貴さんの乗るPASの前後に2人のお子さんを乗せ、夫である庄司智春さんは走って移動しているので、ご主人のためにもぜひもう1台購入したいと話していました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA↑藤本美貴さん

 

発表会の後は試乗会タイムです。まずは藤本美貴さんが試乗。やはり普段からPASを運転しているだけに、新しい「PAS With」もスムーズに乗りこなしていました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA↑PAS Withに試乗する藤本さん

 

そしていよいよ試乗です。まずはデザインにこだわった「PAS With DX」から。

↑PAS with DX↑編集部・一條がPAS With DXに試乗

 

普通の自転車ならば、ひと漕ぎ目が「よいしょ」という感じですが、PAS Withならば「スーッ」という感じで発進。これなら重たい荷物をかごに入れている状態でも、軽くこぎ出せます。

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また、もっとも電動アシストの力が発揮されたのが上りの坂道。通常、坂道ならば、後ろに体重がかかる感じがしますが、PAS Withならばぐいぐい前に進んでいく感覚があります。とくにアシストモードをもっとも強力な「強モード」にすると、坂道でも平坦な道を走っているくらい楽々に走ることができました。

 

この後、アシストレベルが高い上位機種「PAS With SP」も運転してみましたが、こちらのほうが坂道をさらに軽快に登ることができました。PAS WithやPAS With DXでも十分なアシスト力を感じることはできましたが、PAS With SPはよりハイパワーなアシスト力で、高齢の方や、重い荷物を運ぶことが多い方、坂道の多い地域にお住まいの方などにオススメです。

↑PAS with SPは↑PAS With SPは15.4Ahの大容量バッテリーを搭載

 

この「PAS With」シリーズは、フレームから新設計ということで、いかにも“電動アシスト自転車”といった重々しさがなく、「街」に自然に溶け込むデザイン。カラーも豊富にラインアップされているので、きっとお気に入りの1台が見つかることでしょう。これから電動アシスト自転車の購入を検討されている方は、PAS Withシリーズをぜひチェックしてみて下さい。

 

10年ぶりの新ロマンスカー「GSE」はディテールと新サービスこそ要チェックだ!

2017年12月5日、小田急電鉄の大野総合車両所内で最新ロマンスカー70000形がお披露目された。2018年の3月中旬から走り出す予定の新型ロマンスカー。すでにその概略はいろいろな媒体で紹介されているので、本サイトでは写真を中心に次世代ロマンスカーのこだわりの細部を見ていくことにしよう。

20171207_y-koba8 (2)↑2008年登場の60000形MSE以来ほぼ10年ぶりに、新ロマンスカー70000形GSEが誕生した

 

愛称はGSE! 当日、星野社長からその名が始めて明かされた

小田急ロマンスカーには、これまでLSE、VSE、MSEなどの愛称が付けられてきた。ところが、新車をお披露目する会場で報道陣に配布された資料類にその愛称が書かれていない。さて……。

 

記者発表のため登壇した小田急電鉄の星野晃司社長の口から、初めてその愛称が伝えられた。

 

愛称は「GSE(Graceful Super Expressの略)」。発表されたあとに初めてGSEに関してのニュースリリースが配られた。ちょっとしたことながら、小田急の意気込みが伝わってくるような記者発表の進め方だった。

 

新車70000形GSEのデザインはアーキテクチャーネットワーク代表の岡部憲明氏。50000形VSE、60000形MSEなどの車両をデザインしてきた岡部氏が、新車両では前面展望をいかに迫力あるように見せるか苦心したと言う。

20171207_y-koba8 (7)↑先頭部の支柱にはGSE70000と刻印されたパーツがさりげなく組み込まれている

 

20171207_y-koba8 (4)↑新ロマンスカーの登場とともに、乗務員用の制服、そしてアテンダントの新制服の導入も行われる。デザインはユマコシノ アソシエイツの小篠ゆま氏が担当

 

見るべきポイントが多い車体ディテール

新ロマンスカー70000形GSEは7両編成。これまでの50000形VSEに比べて42席ほど席数を増やした。車体は「ローズバーミリオン」を基調にし、屋根部分は深い赤い色「ルージュボルドー」を配色、帯にロマンスカーの伝統色である「バーミリオンオレンジ」をあしらった。基調となるカラーは、オレンジと赤のちょうど中間色といった印象。鮮やかな色で、沿線ではかなり目立つ存在となりそうだ。

20171207_y-koba8 (3)↑車体色はローズバーミリオン。自然のなかに咲くバラの色を元に選ばれた。車体先頭部に展望席があり、その上に運転席が設けられる

 

台車は電動油圧式フルアクティブサスペンションを搭載。乗り心地を重視した。フルアクティブサスペンションは東北新幹線のE5系にも使われる機能で、在来線用の特急車両7両すべての台車に搭載される。これはかなり贅沢な仕様と言うことができるだろう。

20171207_y-koba8 (5)↑70000形GSEの車体長は20m超と長いため、VSEなどに使われた連接台車は使われていない。すべての台車に電動油圧式フルアクティブサスペンションを搭載

 

20171207_y-koba8 (6)↑眺望を良くするため、50000形VSEの窓に比べて30cmタテ幅を広げ、タテの寸法を1mとした。先頭部はVSEに比べてやや立った形状とされた

 

運転開始後にぜひ使ってみたい車内専用Wi-Fiサービス

新型70000形GSEは次世代ロマンスカーらしいサービスも行われる予定だ。その代表が車内専用Wi-Fiサービス。8言語で使えるというシステムは外国人観光客の利用が多いロマンスカーらしい対応。さらにWi-Fiでは沿線情報、エンターテイメント、車内の案内以外に、鉄道好きにはたまらない展望ライブ映像も見ることができる。

 

先頭車、特に展望席の人気は、運行開始後は倍率も非常に高いと思われるが、車内専用Wi-Fiを使えば、展望席でなくとも車内のどの席でも展望ライブ映像が楽しめるわけだ。 さらにカメラは運転席に設けられている。運転士がいつも見ている映像が楽しめるのだ。これはぜひとも見てみたい。

20171207_y-koba8 (8)↑前照灯の上にカメラが設置された。このカメラが写し出す映像をWi-Fiを使えばリアルタイムで楽しむことができる。展望席よりもさらに迫力の展望ライブ映像が楽しめそうだ

 

席の下が荷物の置き場に利用できる

ロマンスカーは外国人観光客も多く利用する。箱根の温泉宿への宿泊を考えて乗車する利用者も多い。新車両には、大きな荷物を持つそんな観光客向けにありがたい仕組みが取り入れられている。なんと、全座席下に国内線機内持ち込みサイズの荷物が収納できるのだ。逆に荷棚は無く、視界が遮られない工夫が取り入れられている。

 

またトイレはすべて洋式で、温水洗浄機能付きの便座が付く。電動式椅子でも利用できるゆったりサイズのトイレも用意された。

20171207_y-koba8 (9)↑椅子に張られた生地は造形作家の岡崎乾二郎氏がデザイン。明るい印象の2列+2列のシートが並ぶ

 

20171207_y-koba8 (10)↑肘掛け部分に納まる折畳みテーブルを出した状態。その下に電源コンセント(全席に装備)が備えられる

 

20171207_y-koba8 (11)↑席の下に旅行バックの収納が可能(55cm×40cm×25cm以内)。これは旅行者にとって便利な仕掛けだ。ほかにも大型バック用のスペースも別に設けられている

 

最後に先頭車の展望席部分をチェック

70000形GSEの最大の魅力は前後の先頭部に設けられた展望席。計16席(後部の車両を含めると計32席)のみの至福の空間だ。新車では先頭座席を50000形VSEよりも先頭に35cmほど近づけ、より迫力の展望風景が楽しめる構造とした。16席以降の先頭車両の席も、広々した前面と側面の窓から展望を楽しめる構造。中間車両も側面の窓もタテ寸法を広くしたことで、沿線の風景を十分に楽しめることになりそうだ。

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↑1号車、7号車の先頭部に設けられた展望席スペース。計16席のみの“特等席”となる。従来通り特別料金が必要なわけではなく、先着順での指定席の販売となる

 

20171207_y-koba8 (13)↑最前部の席は車体の形状に合せてやや内側を向いての配置となった。50000形VSEよりも前に座席が配置され、迫力ある展望風景が楽しめそうだ

 

20171207_y-koba8 (14)↑展望席の後ろにあるのは運転席への入口。ここから梯子で運転席へ入る。今回の新車発表会では混乱を避けるため、運転席の公開は行われなかった

 

2018年3月中旬以降の運転予定は?

最後に70000形GSEの運転予定を見ておこう。小田急線は代々木上原〜梅ヶ丘間の複々線工事の完了に合わせて2018年3月中旬にダイヤ改正を行う。この改正に合せて走り始めるのが70000形GSEだ。

 

まずは新宿駅発、土休日の午前、9時、10時、11時発。平日の10時、11時発のスーパーはこね号に展望車両のある特急ロマンスカーが使用される。これらの列車に70000形GSEが組み込まれる予定。さらに複々線工事の完了で、現行よりも新宿〜小田原間が4分短縮、また新宿〜箱根湯本間が9分短縮され、それぞれの所要時間が短縮される。

 

なお、70000形の運行はその日で変わる。通勤時にも利用される予定。運行時刻はネットで事前に発表されるというから、楽しみに待ちたい。

累計生産台数1億台! ホンダ「スーパーカブ」が売れ続けているのには理由があった

毎日当たり前のように目にしているために、凄さに気づかないモノがある。モビリティの世界では本田技研工業(ホンダ)の原付バイク「スーパーカブ」が代表格だろう。

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デビューはなんと60年近く前の1958年。それ以来、基本設計を変えずに作り続けられ、今年10月には累計生産台数1億台という金字塔を達成した。4輪車の単一車種最多生産台数が、カブト虫の愛称で知られるフォルクスワーゲン「ビートル」の2152万台だから5倍近い。いかに偉大な記録かということが分かる。

 

そんなスーパーカブが記録達成と同時にモデルチェンジを実施。平成28年排出ガス規制への適合でエンジンが日本専用になったことに合わせデザインをリファインし、生産拠点も中国から日本に戻った。これを機に試乗会が行われたので参加してきた。

 

学生時代にアルバイトで乗って以来かもしれないスーパーカブ。あのときは仕事の道具という認識しかなかったけれど、今回は取材対象。いろいろ観察していくうちに、1億台の理由がおぼろげながら伝わってきた。

 

まずは壊れにくい設計。エレクトロニクスを駆使した複雑な機構は用いず、可能な限り簡単な構造を用いている。たとえばトランスミッションはクラッチ操作なしでイージーライドを実現しているが、そこに使われているのは遠心クラッチと言って、スロットルを開けると遠心力の原理でクラッチがつながり、閉じるとクラッチが切れて変速できるという仕組みなのだ。

ボディのあちこちに60年間の知恵、ノウハウが詰まっているボディのあちこちに60年間の知恵、ノウハウが詰まっている

 

燃料タンクはシートの下にあるので、給油時はシートを跳ね上げて行う。シートはどうやって固定しているのかチェックしたら、裏に付いているゴムの吸盤を、タンク側の出っ張りに引っかけていた。昔からこの方法だという。車体のあちこちに創意工夫が散りばめてある。

 

スーパーカブは最新型でもセルモーターだけでなくキックスターターを装備している。たとえ出先でバッテリーが弱っても、エンジンを掛けて帰ってくることができる。これもまた壊れにくさ重視の証だ。

 

もうひとつ感心したのは乗りやすさだ。エンジンを低い位置に水平に置き、上にタンク、シートというレイアウトなので重心が低く、ガソリンの量が変わっても走りに影響しにくい。加えてシートと前輪を結ぶフレームはスクーター並みに低いので乗り降りがしやすい。

 

しかしそれは、つまらない乗り物であることを意味しているわけではない。50ccと110cc、2種類の排気量を試して確信した。エンジンは50は静かかつ滑らかだが、110はモーターサイクルらしい鼓動を伝えてくる。前述した遠心クラッチとシフトペダルを使った変速は、スムーズに走らせるにはマニュアル・トランスミッション(MT)並みのコツが必要となる。つまり乗りこなす面白さを備えている。大径タイヤで支えられた車体をリーンして曲がる走りもまたモーターサイクルそのものだ。

 

単に壊れにくくて使いやすいだけだったら、1億台は達成できなかったのではないか。実用車でありながら操る楽しさをしっかり備えているから多くの人に愛されているのではないかと思った。

 

そしてデザイン。レッグシールドからリアフェンダーにかけてのS字カーブに丸型ヘッドランプを組み合わせたカタチは、ひと目見てスーパーカブと分かる個性をものにしている。しかもこのカタチ、今回のモデルチェンジで復活したものだ。海外向けには角形ヘッドランプにスマートなスタイリングの従来型が国外で作られる。日本のモビリティとしては珍しい、伝統を受け継いでいこうという動きも見せているのだ。

 

来年でデビュー60年なのに現役の実用品として立派に通用し、趣味的な面で見ても満足できるデザインと走りを備えている。このバイクの生みの親でもある本田宗一郎氏は、やはり偉大な人物なんだと改めて思った。

 

【著者プロフィール】

モビリティジャーナリスト 森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。

THINK MOBILITY:http://mobility.blog.jp/

トヨタがSUVの新コンセプト、FT-ACをLAショーに出展

トヨタは現在開催中(12月10日まで)のロサンゼルス・オートショーにて、小型SUVのコンセプトカー「FT-AC(Future Toyota Adventure Concept)」を公開した。

FT-ACは、山岳地帯でのキャンプや川下り、マウンテンバイク走行など、本格アウトドア活動を楽しむユーザーをターゲットに、アクティブな休日の過ごし方を提案するデザインコンセプトとして企画。具体的には、「ランドクルーザー」などトヨタSUVの伝統を踏襲した力強く大胆なデザインとSUVならではの悪路走破性に加えて、取り外し可能なフォグランプやサイドミラー付属のカメラのほか、撮影映像をクラウドにアップロードする車載Wi-Fiなどを装備することで、アウトドアをいっそう楽しくするようなクルマを目指したという。

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エクステリアデザインでは、拡幅したフロントグリルと側面まで回り込んだLEDヘッドライトが特長となるフロントスタイルのほか、ロングホイールベースとワイドフェンダーに20インチホイールを装着し、SUVらしい力強く大胆なスタイリングを強調しているのが特色となっている。

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また、最低地上高の高さに加えフロントとリアにアンダーガードを装備することで、多彩な「冒険」を可能にする悪路走破性を表現。ボディカラーには、鮮やかなグリーンとグレーの2色のコントラストを出すことで、アウトドアにおけるアクティブさが表現されている。

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アウトドアに必要なアイテムを搭載するルーフラックには、モバイル端末で調光可能なLEDライトを装着。ライトは夜間や悪天候時の走行をサポートするだけではなく、サイドミラー付属の赤外線カメラのフラッシュとしても使用可能。また、マウンテンバイク搭載用に、格納可能なラックをリアに装備。フォグランプは取り外し可能とし、懐中電灯やマウンテンバイク用ライトとしても活用できるようになっている。

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サイドミラーには取り外し可能な小型カメラを装着し、悪路走行の記録などに活用可能。撮影データは、車載Wi-Fiからクラウド上のストレージに自動でアップロードし、スマートフォンなどのモバイル端末からリアルタイムでの写真・動画の編集やSNSへの投稿を可能としている。また、車両の位置情報を発信することで、FT-ACをベースキャンプとした周辺探索が安心して楽しめるようになっている。

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コンセプトモデルとしては、パワートレインにガソリンエンジンを想定。ドライブトレインには、左右後輪に駆動トルクを適切に配分するトルクベクトル式4WDシステムを設定し、最適なトラクションコントロールにより路面に応じたセッティング切替機能やディファレンシャルロック機能を可能とする。これにより四輪の最適なグリップ制御を行ない、優れた操縦安定性とダイナミックな走行性能を実現。さらに、低燃費と4WDシステムの走破性を両立した次世代ハイブリッドパワートレインの搭載も想定しているとのことだ。

【中年名車図鑑】今はなき「プリンス自工」が手掛けた国産初の御料車

日本屈指の高い技術力を持ち、数々の名車を生み出してきたプリンス自動車工業。その究極形といえるモデルが、国産初の御料車として採用されたプリンス・ロイヤルだろう。しかし、このモデルが宮内庁に納入されるまでには、さまざまなドラマがあった――。今回は昭和から平成にかけて40年あまりも活躍した国産御料車第1号の話で一席。

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【Vol.44 プリンス・ロイヤル】

高度経済成長の最中、右肩上がりの発展を遂げていた1960年代初頭の日本の自動車産業。自動車メーカーの開発・生産技術も急速に進化し、完成度を高めた純国産の新型車が相次いで市場に放たれていた。

 

■国産御料車の開発に向けて――

そんな状況下、ときの宮内庁はひとつのプランを画策する。「皇室用の御料車を国産車にしたい」。それまでの御料車は、メルセデス・ベンツ770やキャデラック・75リムジンなど、欧米製リムジンを使用していた。1950年代までの国産車はまだまだ信頼性が低く、まして要人を乗せるリムジンの開発などは無理難題であった。しかし、1960年代に入って日本の自動車技術は飛躍的に向上し、大型リムジンの開発も夢ではなくなってきていた。天皇は日本の象徴、よって天皇がお乗りになる御料車も日本国内で造ったものにするべきだ――。この計画に政府も同意。さっそく宮内庁は自動車工業会へ御料車の開発を諮問した。

 

■プリンス自動車工業の技術を結集

ディメンションは全長6155×全幅2100×全高1770mm。パレードなどの長時間低速走行に対処するため、冷却系統にも万全を期していた。ドアは電磁ロック式、ガラスは最新鋭の防弾タイプを採用ディメンションは全長6155×全幅2100×全高1770mm。パレードなどの長時間低速走行に対処するため、冷却系統にも万全を期していた。ドアは電磁ロック式、ガラスは最新鋭の防弾タイプを採用

 

国産御料車の開発に対し、ひとつのメーカーが名乗りをあげる。日本の数ある自動車会社の中でも高い開発能力と生産技術を誇っていたプリンス自動車工業だ。実はプリンス自工は、以前から宮内庁との接点があった。当時の皇太子(今上天皇)に向けて同社のセダンやスカイライン、グランドグロリアなどを納入していたのだ。しかもグランドグロリアには、皇太子がご愛用するための特別な改造、通称“カスタムビルト”が施されていた。最大の特徴はホイールベースの延長で、後席の足元スペースを拡大しながらルーフを少しだけ高くしている。これは皇太子とご成婚された美智子妃が、お好きな帽子を被ったまま乗車してもルーフやリアガラスに頭がつかえずに済むという配慮から実施された改造だった。きめ細かく完成度が高いクルマ造り――宮内庁の側も、プリンス自工に対して大きな信頼を寄せていた。

 

プリンス自工は早速、専属チームを組織して御料車の開発に取り掛かる。さらに、メーカー系列の枠を超えた協力体制も取りつけた。基本骨格はセパレートフレームで構成し、補強メンバーを入れるなどして高い剛性と耐久性を確保。ホイールベースは3880mmにまでストレッチした。懸架機構はフロントがダブルウィッシュボーン式で、リアがリーフリジット式。ブレーキは前後ともドラムだが、ツインマスターシリンダー+ツインサーボの2重制動を採用した。エンジンは新開発の6373cc・V型8気筒OHVを搭載し、トランスミッションには信頼性の高いGMの3速ATを組み合わせる。最高速度は8名乗車で160km/hに達した。

 

エクステリアにも御料車ならではの入念な工夫が凝らされる。使用材料には一品ずつ電磁探傷検査のマグナフラックスを実施。フレームには亜鉛メッキを施し、バッテリーも100AHを2基搭載した。万が一のために燃料ポンプの予備も積み込まれる。ドアは電磁ロック式で、ガラスには最新鋭の防弾タイプを採用。パレードなどの長時間低速走行に対処するため、冷却系統にも万全を期す。ボディサイズは全長6155×全幅2100×全高1770mmで、車重は3200kgとなった。一方でインテリアについては、前席に3名、後席に3名、補助席に2名が乗車できる8名乗りのシートレイアウトを構築する。シート地は前席がレザー、貴賓席となる後席には最高級のウールが張られた。後席足元にはオットマンも装着する。室内の温度管理にも入念な配慮がなされ、サイドガラスは乾燥空気を封じ込めた二重式を採用。リア専用の空調も導入された。

 

■正式発表時にはニッサンのブランド名が――

エンジンは6373cc・V型8気筒OHVを搭載、トランスミッションにはGMの3速ATを組み合わせる。最高速度は8名乗車で160km/hエンジンは6373cc・V型8気筒OHVを搭載、トランスミッションにはGMの3速ATを組み合わせる。最高速度は8名乗車で160km/h

 

プリンス自工が威信をかけて製作した国産初の御料車は、1965年にまずボディスタイルと車名の「プリンス・ロイヤル」が発表される。そして翌66年10月には完成モデルのS390P-1型が披露された。ただし、完成車は当初発表の車名とは違っていた。頭にニッサンが入り、「ニッサン・プリンス・ロイヤル」と命名されていたのである。

 

プリンス自工は高コストの開発体制や施設の整備増強などが災いして、経営状態が年々悪化していた。このままでは1965年4月に実施予定の乗用車の輸入自由化(実際は1965年10月に実施)に対処できない……。そこで1965年5月、日産自動車がプリンス自工を吸収合併する形での契約が成立し、1966年8月から新体制に移行する。プリンス・ロイヤルは、そのわずか2カ月後に発表されたため、ニッサンのブランド名が冠せられていたのだ。この状況に対し、マスコミ界からは「日産は天皇御料車の威信を得るために経営不振のプリンスを吸収合併した」とする声もあがった。

 

■ニッサン・プリンス・ロイヤルの老朽化

前席に3名、後席に3名、補助席に2名が乗車できる8名乗りのシートレイアウト。貴賓席となる後席には最高級のウールが張られ、足元にはオットマンも装着する。サイドガラスは乾燥空気を封じ込めた二重式、リア専用の空調も導入された前席に3名、後席に3名、補助席に2名が乗車できる8名乗りのシートレイアウト。貴賓席となる後席には最高級のウールが張られ、足元にはオットマンも装着する。サイドガラスは乾燥空気を封じ込めた二重式、リア専用の空調も導入された

 

ニッサン・プリンス・ロイヤルは1966年を皮切りに7台が製作され、宮内庁や外務省(国賓送迎用)に納入される。天皇の御料車としては1967年から使われ始めた。

 

宮内庁管理部“車馬課”の自動車班が管理し、定期的に整備を受けながら、昭和と平成の2世代をまたいで皇室に愛用され続けたニッサン・プリンス・ロイヤル。しかし、納入から37年ほどが経過した2004年の2月から3月にかけて、御料車に関する内容がマスコミ界で話題となる。宮内庁に対して、日産自動車がニッサン・プリンス・ロイヤルの行事での使用中止を要請したというのだ。入念な整備を施し続けた同車も経年劣化には勝てず、一部では補修不能な部分も出始める。また、専用部品のストックも底をつきかけ、調達も困難な状況になっていた。もし、重要な行事で故障するようなことがあったら、大変な事態になる――そんな心配をした日産は、ついに同車の使用中止を申し出たのである。

 

後を担うリムジンタイプの御料車は、21世紀に入ってから更新が計画されていた。順当にいけば後継車も日産製になるはずだったが、残念ながら当時の日産には御料車を製造する最適のベース車両がなかった。さらにルノーと合併して経営の再建を図っていたため、新御料車の開発に当てる予算も十分にとれない。結果的に日産は、御料車の納入を辞退する。代わって手を挙げたのが、日本最大の自動車メーカーであり、セダンタイプの御料車(センチュリー)を納入した経験を持つトヨタ自動車だった。リムジンタイプのトヨタ製御料車は、通称センチュリー・ロイヤルの名で2006年7月より宮内庁に納入される。そして、現役を退いたニッサン・プリンス・ロイヤルは、宮内庁内で保存管理されることとなったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

セダンに続きメルセデス・ベンツSクラスのクーペ系がアップデート!

12月3日、ダイムラーはフェイスリフトを受けた新型「メルセデス・ベンツSクラス クーペ&カブリオレ」を本国で発表した。モデルラインナップは以下のとおり。

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メルセデス・ベンツSクラス クーペ

・S450 4MATICクーペ

・S560 クーペ

・S560 4MATICクーペ

・AMG S63 4MATIC+クーペ

・AMG S65クーペ

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メルセデス・ベンツSクラス カブリオレ

・S560カブリオレ

・AMG S63 4MATIC+カブリオレ

・AMG S65カブリオレ

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パワートレインにおけるニュースは、セダンにも搭載された新しい4リッターV8ツインターボエンジンの採用だ。「S560」に搭載されるこのユニットは、469 ps/700Nmを発揮する。

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そのほか、S450には367ps/500Nmを発する3リッターV6ツインターボを、AMG S63には612ps/900Nmの4リッターV8ツインターボを、AMG S65には630ps/1000Nmを引き出す6リッターV12ツインターボを搭載している。

 

エクステリアでは、クロームメッキがあしらわれたフロントスプリッターと大型のエアインテークを備えたフロントエプロンを装着。テールライトには合計で66のOLEDが用いられ、独特の表情を作り出している。

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インテリアではデジタルコックピットを採用。高解像度ディスプレイによるワイドスクリーンが新世代モデルであることを主張する。

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運転支援システムでは、アクティブステアリングアシストをはじめ、さらにドライバーを快適にサポートする機能が盛り込まれた。

ランボルギーニ・ウルスが正式デビュー!

アウトモビリ・ランボルギーニは12月4日、同社第3のモデルとなる新型SUV「ランボルギーニ・ウルス」を本国で発表した。日本市場における税込車両価格は2779万9200円で、デリバリーは2018年春からを予定している。

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発表に際して、アウトモビリ・ランボルギーニCEOのステファノ・ドメニカリは次のようなコメントを発表した。

 

「ウルスは、ランボルギーニのDNAを最も汎用性ある車両、SUVに吹き込むという明確なビジョンを持ったアプローチを行ない、これまで不可能だったスーパーSUVというレベルに到達しました。デザイン、パフォーマンス、ドライビング、エモーションの点で真のランボルギーニであると同時に、さまざまな環境に適したクルマです。ウルスはハイパフォーマンスカーとして、ランボルギーニ・ファミリーにフィットします。新しいタイプのファイティングブルを生み出すための研究開発の集大成であり、お客様と当社にとって、新たな可能性の扉を開く スーパーSUVです。」

 

 

ボディサイズは全長5112×全幅2016×全高1638mmで、ホイールベースは3003mm。搭載されるパワーユニットは、650ps/850Nmを引き出す4リッターV8ツインターボ。8速ATを組み合わせ、4ホイールステアリングを装備した4輪で駆動する。そのパフォーマンスは乾燥重量2200kg以下のボディを停止から3.6秒で100km/hに到達させる高水準のもの。最高速は305km/hと発表された。

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走行モードは、「ストラーダ」「スポーツ」「コルサ」のオンロードモードに加えて、「ネーヴェ(雪上)」を設定、さらにオプションで「テッラ(オフロード)」と「サビア(砂漠)」の2モードが追加設定可能だ。

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エクステリアデザインは、LM002やランボルギーニの伝統の基本となるスーパースポーツカーからヒントを得たもの。全体の2/3がボディ、残りの1/3がウインドーという、ランボルギーニ・スーパースポーツカーの比率を採用。ダイナミックなクーペスタイルが特徴的だ。

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キャビンは最大5人が乗車できるスペースを確保。短いオーバハングが、強さやたくましさ、 ダイナミックで自信に溢れたキャラクター、そして路面を遠くまで見渡せるポジションを感じさせるものとなっている。インテリアのデザインはラグジャリーSUVでありながらスーパースポーツカーのダイナミズムを備えたもので、ランボルギーニらしさを実感させる。

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そのほか、最新のインフォテイメントシステムや先進運転支援システムが惜しみなく採用されているのが新世代モデルらしい。

 

 

 

最強のシボレー・コルベット、ZR1のコンバーチブルが登場!

11月28日、ゼネラルモーターズは2019年モデルとなる新型「シボレー・コルベットZR1」をロサンゼルスで発表。12月1日に一般公開がスタートするロサンゼルス・オートショーで初公開した。新型にはコルベットZR1としては初となるコンバーチブルが設定された点がニュースだ。

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2019年モデルは、2018年春に米国を皮切りに発売される。予定価格はクーペが11万9995ドル(約1349万円)、コンバーチブルが12万3995ドル(約1394万円)。

 

 パワーユニットは755ps/969Nmを発揮する6.2リッターV8スーパーチャージャー(LT5)。パドルシフト付きの8速ATを介して後輪を駆動する。0-60マイル(約97km/h)加速は3.0秒未満、クーペの最高速は212マイル(約341km/h)をマーク。コルベット史上最強・最速のモデルとなった。

 

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コンバーチブルは30マイル(約48km/h)以下であれば走行中でもトップの開閉が可能だ。トップの開閉機構を備えるため、当然車重はクーペより重くなるが、27kg増にとどめたとシボレーは発表している。

 

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クーペとコンバーチブルのサスペンションセッティングに違いはなく、コンバーチブルでも最高速は200マイル(約322km/h)を超えるという。

 

 

 

BMW i8ロードスターはLAで正式デビュー!

BMWはロサンゼルス・オートショー2017において、プラグインハイブリッドスーパースポーツの新型「BMW i8ロードスター」をワールドプレミアするとともに、フェイスリフトを受けた「BMW i8」を発表した。市場導入は2018年5月からを予定している。

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プラグインハイブリッドシステムは、1.5リッター直3ターボエンジン(231ps/320Nm)とモーター(143ps/250Nm)の組み合わせにより、システム出力374psを引き出す。

 

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0-100km/h加速4.6秒をマークするi8ロードスターは、15秒でルーフの開閉が完了するほか、50km/h以下であればルーフ開閉操作が可能だ。EV後続距離は53kmで、ハイブリッド燃費は47.6km/L。なおEV時の最高速は120km/hをマークする。

 

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オープン時はソフトトップをキャビン後部に収納するものの、シートの背後には約100Lの収納スペースが設けられている点も、ロードスターの特徴だ。

 

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フェイスリフトを受けて、フロントマスクのデザインやボンネット中央のエアシャッターがi8ロードスターと共通のデザインとなったi8クーぺは、0-100km/h加速が4.4秒で、EV後続距離が55km。ハイブリッド燃費は52.6km/Lだ。

 

 

 

 

「ザ・ジープ」ことラングラーの新型が正式デビュー

FCAは11月29日に開幕(一般公開は12月1日から)したロサンゼルス・オートショーにおいて、フルモデルチェンジを受けて4代目となった本格クロスカントリー車の新型「ジープ・ラングラー」を初公開した。

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エンジンは3リッターV6ディーゼル(260ps/600Nm)と3.6リッターV6ガソリン(285ps/353Nm)に加えて、ラングラー初となる新開発の2リッター直4ターボ(270ps/400Nmm)を設定。この直4エンジンは、「eトルク」と呼ぶマイルドハイブリッドシステムを組み合わせているのが特徴で、ハイアウトプットと低燃費を両立しており、最大トルクは3.6リッターV6エンジンを凌ぐ。トランスミッションは、いずれのエンジンにも6速MTまたは8速ATを組み合わせる。

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トリムレベルは、2ドアモデルが「スポーツ」「スポーツS」「ルビコン」の3種。4ドアモデルは「スポーツ」「スポーツS」「サハラ」「ルビコン」の4種がラインアップされた。

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エクステリアはラングラーのアイデンティティを受け継ぎながら、モダンで洗練性が高められた。前後のライトにはLEDが採用され、機能性とルックスの両立に貢献している。

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ボディサイズは、全長4237(2ドア)/4785(4ドア)×全幅1875×全高1868mm。ホイールベースは2ドアが2460mmで、4ドアが3008mm。フロントフードやドア、リアゲートにアルミを使用したことでボディの軽量化を図り、燃費性能の向上にも注力している。

 

インパネには5インチのタッチスクリーンを含む最新のインフォテイメントシステムやコネクティングデバイスが備わり、ユーザビリティが高められた点が特徴的。USBポートや12V電源も備わる。

 

 

「86」風テールライトを点灯した次期型「スープラ」はニュルにいた!

東京モーターショーでのワールドプレミアが期待されていた次期型スープラの世界公開。それは早くても2018年1月のデトロイトモーターショーに持ち越しとなったようだ。

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そんな中、ドイツ・ニュルブルクリンクサーキット付近をテストドライブする「スープラ」が目撃された。

 

捉えた最新プロトタイプには「86」風のテールライトに3連LEDヘッドライトがついに点灯。あとはフロントバンパーのエアダクト形状が露出すればほぼ最終デザインが確定する。

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MT設定の有無など多数の情報が錯綜しているが、200ps程度を発揮する2.0リッター直列4気筒ターボエンジン、及び340ps程度を発揮する3.0リッター直列6気筒ターボがラインナップされ、さらにハイブリッドモデルも1年遅れて登場の可能性も高いといわれている。

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ボディサイズは、全長4380mm×全幅1860mm×全高1290mm、ホイールベースは2485mmで車重は1440kg程度。価格は、2.0リッターモデルが日本円で500万円~600万円、3.0リッターモデルが700万円~800万円程度とされ、2018年内にオーストリアのマグナシュタイアで生産され、逆輸入の形で日本で販売されるともいわれている。

 

 

 

【中年スーパーカー図鑑】事故で大破した幻のスーパーカー。“認定レプリカ”もわずか9台という希少性で伝説となった

前回で紹介したランボルギーニ・ミウラは、その車両レイアウトからモータースポーツ参戦が期待されたモデルだったが、フェルッチオ・ランボルギーニはこれを頑なに拒み、結果的にミウラがレースシーンに登場することはなかった。しかし、開発現場ではFIAが定めた競技規定付則J項に則ったミウラ・ベースの実験車両「J」が製作されていた――。今回は幻のランボルギーニ製スーパーカーと称される、Jこと「イオタ」の話題で一席。

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【Vol.7 ランボルギーニ・イオタ】

ミウラのベアシャシーであるTP400が1965年開催のトリノ・ショーで公開されたとき、自動車マスコミはこう予想した。ランボルギーニがついにレースに参戦する――。V12エンジンを横置きでミッドシップ配置し、ギアボックスとデフはその後方に設定し、このパワーユニットを鋼板を溶接したファブリケート構造のシャシーフレームに載せるという、一見すると運動性能に優れるプロトタイプスポーツに発展すると思われた構成だったのだ。設計を担当したダラーラのスタッフも、さらに煮詰めていけばGTクラスで覇権を握れるという自信があった。しかし、TP400をベースとするランボルギーニのプロジェクト、すなわち「ミウラ」の市販化に際し、ランボルギーニを主宰するフェルッチオはレース参戦を拒否。結果的にミウラがモータースポーツの舞台に立つことはなかった。

 

■ミウラをベースにした実験車両の製造

イオタはミウラのレーシングバージョンとして生まれたが、レース参戦に至ることなく顧客に売却。その後、事故により大破するという数奇な運命をたどるイオタはミウラのレーシングバージョンとして生まれたが、レース参戦に至ることなく顧客に売却。その後、事故により大破するという数奇な運命をたどる

 

一方、ミウラのシャシーに可能性を見出し、より速くて完成度の高いスーパースポーツを創出しようとする人物がいた。ランボルギーニの開発およびテストに参画していたニュージーランド生まれの技術者、ボブ・ウォレスである。ウォレスはミウラ改良のための先行開発の名目のもと、1969年末よりFIA(国際自動車連盟)が定めた競技規定付則J項に則った実験車両を製作。ペットネームを「J」と名づける。後にJは、ギリシャ文字のιにちなんでIOTA=イオタ(少量、稀少の意)と呼ばれるようになった。ちなみに、この実験車両の製作に対してフェルッチオは、会社としてのレース不参戦を前提に、「ウォレスがやりたいなら、好きにやらせてやれ」と黙認していたそうだ。

 

実験車両のJは、1970年にひとつの完成形に達する。シャシーはミウラと同様の鋼板溶接構造を踏襲したうえで、ツインチューブの断面拡大や箱断面バルクヘッドおよびリアサブフレームの強化などを実施。懸架機構には丸断面鋼管製の前後ダブルウィッシュボーンサスペンションを組み込み、とくにリアサスは大幅に設計変更してスタビリティ性能を高める。ルーフには生産型ミウラと同様のスチールパネルを採用するが、マウント位置は低められた。基本スタイルもミウラに準じたが、装飾類は一切省かれ、代わってエアインテークおよびアウトレットを各所に配置。前後カウルやドアはアルミ材で仕立て、ヘッドランプはプレクシグラスでカバーする固定式に切り替わった。マウントポストにダイレクトに搭載した3929cc・V型12気筒DOHCエンジンは、圧縮比の引き上げ(11.5:1)やカムプロフィールの変更などにより最高出力が440hp/8500rpmへとアップ。オイル潤滑はエンジンとトランスミッションを別系統としたドライサンプ式に刷新する。車両重量は当時のミウラP400S比で150kgあまり軽い約900kgに仕上がっていた。

 

■ランボルギーニ認定のイオタは9台?

市場の声に応え、ランボルギーニはイオタのレプリカを製作する。写真はミウラSV改Jを意味するミウラP400SVJ市場の声に応え、ランボルギーニはイオタのレプリカを製作する。写真はミウラSV改Jを意味するミウラP400SVJ

 

改良の域を超えた、まさにミウラのレーシングバージョンのキャラクターを有したJは、完成後にテスト走行を繰り返し、そのポテンシャルを確かめていく。しかし、レース参戦に至ることはなく、1972年にはミウラに連なるシャシーナンバー4683をつけて所有を熱望する顧客に売却された。後にこのモデルは事故により大破。これを回収したランボルギーニは、どうにか使用可能なエンジンなどをミウラに移植し、さらに改造を施すなどして再利用している。

 

一方でJの評判を聞きつけた熱心なファンが、ランボルギーニにミウラのJ化を要望する。これに応えたランボルギーニは、特別仕様のミウラ、いわゆる“レプリカ”版のJを少数製造することにした。

イオタのレプリカはSVJとSVRの2種類。写真はSVJ。70年代のスーパーカーブーム当時、日本に存在したイオタは76年に輸入されたSVRと77年に輸入されたSVJの2台だったイオタのレプリカはSVJとSVRの2種類。写真はSVJ。70年代のスーパーカーブーム当時、日本に存在したイオタは76年に輸入されたSVRと77年に輸入されたSVJの2台だった

 

現状で明確に認定されているランボルギーニ製作のJ=イオタのレプリカは、9台といわれている(今後の研究および発掘で増える可能性あり)。レプリカの1号車はシャシーナンバー4860。ドイツでランボルギーニのディーラーを営むヘルベルト・ハーネが注文した1台で、呼称にはミウラSV改Jを意味するSVJの名を冠した。また、シャシーナンバー3781はミウラP400をファクトリーに入れてJに仕立て直したもので、このモデルのみSVRを名乗った。

 

ちなみに、スーパーカー・ブームの当時、ショーの舞台や自動車雑誌の誌面などを飾って少年たちの心をときめかせたイオタは、前述のシャシーナンバー3781のSVR(1976年に日本に輸入)、そしてトミタ・オートが1977年に日本に輸入した同4892のSVJだった。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

トヨタが第二世代版の予防安全パッケージを発表!

11月29日、トヨタは予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」の第2世代版を2018年より導入すると発表した。

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第2世代版の「トヨタセーフティセンス」では、従来の「トヨタセーフティセンスP」で採用している単眼カメラ+ミリ波レーダーの構成はそのままに、カメラやレーダーの性能向上などによって検知対象を拡大して機能を向上させたほか、高度運転支援機能・レーントレーシングアシスト(LTA)を採用。さらにユニットの小型化を図り、搭載性を高めている。

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先行車または歩行者との衝突回避支援または被害軽減を図る「プリクラッシュセーフティ(PCS)」には、夜間歩行者、自転車運転者を新たに検知対象として追加した。

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また、カメラが主要な道路標識を読み取り、インスツルメントパネル内に表示する「ロードサインアシスト(RSA)」が導入され、制限速度や一時停止、進入禁止、はみ出し禁止などの交通規制の見落とし軽減を促し、安全運転をサポートする。

 

LTAは、レーダークルーズコントロール使用時に、同一車線内中央を走行できるようドライバーのステアリング操作をアシストする。レーダークルーズコントロールの機能と相まって、自動車専用道路等でのドライバーの負担を軽減し、より余裕を持った運転に寄与する。同時に、LTAは「レーンディパーチャーアラート(LDA)」の機能も有し、白線の無い直線道路でも道路端を認識することにより、路外逸脱の警報と、回避操舵のアシストを実施する。

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第2世代の「トヨタセーフティセンス」は、2018年初に発売を開始する新型車から日本、北米、欧州を中心に順次導入していく見通し。その他の地域については、地域の使用環境等の確認を通じ、順次導入を検討していくとのこと。なお、レクサス版の「レクサスセーフティシステム+」も同様の内容で第2世代版に進化し、こちらも2018年より順次導入していく。

 

トヨタはこれまで、運転支援機能に関しては他社と比べると慎重なスタンスを取ってきていたが、第2世代の「トヨタセーフティセンス」では、自動運転技術を用いた機能を盛り込んだ。昨今、発生している交通事故、そして他社メーカーの導入状況を踏まえ、トヨタの予防安全に対する取り組みがさらに加速したといえる。

これが現代のベントレー流シューティングブレーク?

ベントレーは11月2日、SUVのベンテイガに新たなアクセサリー・シリーズを設定した。その名も「ベンテイガ・フィールド・スポーツ」だ。

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ベンテイガに設定されるアクセサリー・シリーズはこれが初めてではなく、以前には「フライフィッシング仕様」と「鷹狩り仕様」が発表済み。いずれも同社のビスポーク部門「マリナー」による匠の技による高水準の仕立てが特徴となっている。

 

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このたび設定された「フィールド・スポーツ仕様」も、もちろんマリナーの手がけたものだが、製作にあたりベントレーは世界最高級ショットガンメーカー「パーディー」と提携。写真をご覧のとおり、ハンティングに使われる道具一式はラゲッジルームの専用コンパートメントに整然と収めることが可能。そして、ショットガンには革張りの専用ケースが用意されている。これぞまさに、ベントレー流のシューティングブレークといえるだろう。

 

 

 

 

煽り運転摘発の新兵器にご注意!煽る側も煽られる側も知っておきたい「車間距離」問題

煽り運転には様々な種類があるが、その最たるものが「前の車にパッシングして煽ったり」「前の車にピタッとついて無言のプレッシャーを与えたり」して車間距離を詰めて煽る……いわゆる「車間距離不保持」という行為である。実際、高速道路における摘発内容の第3位はこの「車間距離不保持」違反だ。平成28年度、高速道路において「車間距離不保持」で摘発された件数は速度違反(39万8345件)、車両通行帯違反(6万7890件)に続く第3位で6690件もあった。もちろん、速度違反に比べればわずかな件数ではあるが、煽り運転によるトラブルや衝突事故も増えている昨今、取り締まりが強化されることも十分考えられる。なお、車間距離不保持の違反は、反則点数1点で大・中型車は7000円、普通・二輪車は6000円の反則金が科せられる。

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■ 煽られる側に非がある場合も? 追い越し車線を走り続けるのは「通行帯違反」!

もちろん「煽られる側」の車に非がある場合も少なくない。それは、80-90km/h程度のノロノロとしたスピードで追い越し車線を走り続け、渋滞発生の原因を作ってしまっているようなケースだ。煽り行為は良くないけれども、実際、追い越し車線を周りの交通のことなど一切考えず、ノロノロ走る車はホント迷惑だ。走行車線側に車が詰まっていて車線変更できない場合は仕方ないが、追越し車線は追越しのための車線である。実際、追い越し車線ノロノロの車は、自分の車が後続車や周囲に交通に迷惑をかけているという認識がない。その認識があれば当然、走行車線に戻っているだろう。

 

以前もこちらのコラムで書いたことがあるが、追い越しが終わっても走行車線に戻らず、おおむね1.5~2キロ程度、追い越し車線を走り続けると「車両通行帯違反」という違反を取られる場合もある。(筆者が2017年1月に新東名でやられた。ノロノロ走って後続車に迷惑をかけていたわけではないが)注意されたし。

 

■車間距離不保持のためのスゴイ新兵器があった!

ところで、車間距離を詰めて煽る車はどのように摘発されるのだろうか?煽られている車に乗っている人が警察に通報して警察が来る?なんてことも考えたのだが、実は取り締まりをやっているらしい。かつては、覆面パトカーによる「目視」が主流だったようだが(現在も目視で摘発されるケースもある)、車間距離不保持のための「ホークアイ」なる凄い新兵器がなんと2002年に登場していた。

 

この装置は栃木県警が開発したもので、車間距離を瞬時に測定できる「レーザー距離計」と違反状況を撮影する「CCDカメラ」、違反場所の特定が可能な「GPS機器」などで構成されており、車間距離をつめて走る違反車両の斜め後方(パトカーの助手席)から、違反車両の前を走る「煽られている車」の後部にレーザー光線を照射して距離を測定し、走行状態の写真も同時に撮影する。警察官による「目視」と違って、日時、場所、車間距離が記された写真が瞬時にプリントアウトされるため、違反の動かぬ「証拠」となる。

 

■適切な車間距離とは?

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それでは適切な車間距離とはどれくらいなのか?一般的には、「前の車が急ブレーキを踏んでも安全に回避できる距離」とされている。高速道路では時速100キロでの走行なら100m、時速80キロなら80mという車間距離をとるようNEXCOや警察では指導している。高速道路には車間距離の目安となる看板がところどころに設置されているが、それがない場所では道路の白線を目安にするのが良い。

 

東名や名神などの高速道路では、8mの白線と12mの空白区間の計20mで構成されている。100mの車間距離なら白線と空白区間が5セットでok。車間距離不保持で摘発されるのはおおむね30m以下と言われている(●m以下という明確な距離が定まっていない)それにしても車間距離100mとは、かなりの距離だ。それだけ開けていたら、絶対間に入られそうだが。

 

ちなみに車間距離不保持や、通行帯区分違反は、速度違反の代わり?の理由で摘発されることも実際は少なくない。速度違反で測定を始めたが違反車が気づいて減速をするなどして、速度違反での検挙が難しくなった場合など、高速道路でありがちな別の違反にすり替わって違反を取られる場合もある。

 

【著者プロフィール】

自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

【中年名車図鑑】日本人のための高級車──センチュリーが30年以上愛され続けた理由

第45回東京モーターショー2017において、トヨタ自動車は3代目となる新型センチュリーのプロトタイプを公開した。今や日本を代表するショーファー(chauffeur=お抱え運転手)ドリブンカーに君臨するセンチュリーが初めて登場したのは、いざなぎ景気の好況で沸いていた1967年のこと。神社仏閣を連想させる荘厳な外装に、贅を尽くした内装部品の数々は、まさに日本ならではの高級車の仕立てだった――。今回は30年あまりに渡って生産され、多くのVIPを運んだ初代センチュリーの話題で一席。

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【Vol.43 初代トヨタ・センチュリー】

1967年9月4日、“白いクラウン”と呼ばれた3代目クラウン(MS50/RS50)がデビューする。社用車やハイヤーとして使われるパターンが多かった2代目に対し、3代目はオーナードライバーに的を絞ったクルマ作りを実践していた。一方、2代目には3代目にない大きな特徴があった。V8エンジン搭載車のクラウン・エイトの設定である。エイトはクラウンの最上級モデルとして、主に運転手付きのVIPカー、つまりショーファードリブン車として活躍していた。それが3代目にはない……。そんな懸念は、3代目がデビューした21日後の新型車発表会で払拭される。新しいボディを身にまとったショーファードリブン専用車が姿を現したからだ。車名は“トヨタ自動車の父”豊田佐吉の生誕100年を記念して、「センチュリー(VG20型)」と名づけられていた。

日本におけるショーファードリブンの需要に応え誕生。“トヨタ自動車の父”豊田佐吉の生誕100年を記念して「センチュリー」と名付けられた日本におけるショーファードリブンの需要に応え誕生。“トヨタ自動車の父”豊田佐吉の生誕100年を記念して「センチュリー」と名付けられた

 

■日本でしかできないアレンジの数々

センチュリーの外装には既存のクルマにはなかった荘重な雰囲気、それも日本の伝統文化を随所に感じさせるアレンジが施されていた。鳳凰を模したエンブレムに神社仏閣の建物を連想させる趣あるスタイリング、贅を尽くした内装など、どこをとってもジャパンオリジナルの高級車の風格を備えていた。また、6タイプのボディカラーも訴求点で、いずれもが日本の誇る名所の色合いを規範にして塗料を配合した専用色で仕立てる。ノーブル・ホワイトは富士、エターナル・ブラックは神居(カムイ)、グレーシアス・マルーンは平安、ルーシド・グリーンは蓬莱、カーム・ブルーは摩周、ミスティ・グレーは雲仙をイメージした。さらに、宇治平等院の鳳凰を元にデザインしたエンブレムは、フロントが金色、リアはグレード別にバイオレット(Dタイプ)、アクアマリン(AとCタイプ)、クリムソン(Bタイプ)と色分けしていた。

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シートは本革とクロス地を用意。生地、縫製ともに通常のモデルとは一線を画していた。エアコン、パワーウィンドウ、空気清浄機まで装備シートは本革とクロス地を用意。生地、縫製ともに通常のモデルとは一線を画していた。エアコン、パワーウィンドウ、空気清浄機まで装備

 

機構面も非常に凝っていた。3V型2981cc・V型8気筒OHVエンジン(150ps)はブロックとヘッドともにアルミ合金を使用。バルブをV字型に配置したクロスフロー方式も採用する。さらにパレードなどでの使用も考慮し、低速走行を数時間続けてもオーバーヒートにならないようにチューニングした。サスペンションも注目点だ。フロントは国産乗用車初のローリングダイヤフラム型エアばねを使ったストラットを採用。リアはトレーリングアームにコイルスプリングを組み合わせた形式だが、ラテラルロッドの代わりにロアアームとデフキャリアのあいだに左右ストラットバーを入れている。横方向の動きをロアアームで抑える仕組みだ。このあたりは後席の乗員の快適性を重視した結果だろう。

 

エクイップメントの充実度は、当時の最上レベルだった。エアコンやオートドアロックに加え、パワーウィンドウ、自動点滅機構付きヘッドライト、空気清浄装置などを装備する。シートは上級グレードに本革を採用。それ以外のグレードはクロス地だが、生地は専用の高級素材で、縫製も通常のクルマとは別ラインで入念に仕上げていた。

 

■長い間モデルチェンジしなかった理由

マイナーチェンジ後の1973年モデル。搭載ユニットが変更されたが、エクステリアに大きな変化はないマイナーチェンジ後の1973年モデル。搭載ユニットが変更されたが、エクステリアに大きな変化はない

 

では、走りはどんな印象だったのか。1960年代から30年あまり、政治家を後ろに乗せていたベテラン運転手に話を聞くと、「とにかく静かで快適だった。運転もしやすいし、故障も少ない。当時の欧米の高級車と比べても、決して引けをとらなかったと思います。後席の先生(政治家)たちにも好評でした」という。さらに、こうも付け加えた。「欧米車よりも、なぜか馴染みやすかったですね。塗装色や内装の素材が、日本人の感覚に合っていたんだと思います」。

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 1973年モデルのインテリア。日本の風土、日本人の感覚にあわせた素材を採用したことも、長く愛された理由のひとつ1973年モデルのインテリア。日本の風土、日本人の感覚にあわせた素材を採用したことも、長く愛された理由のひとつ

 

国産VIPカーの旗艦に成長したセンチュリーは、1973年4月になると搭載エンジンを3V型から4V型3376cc・V型8気筒OHVユニット(170ps)に変更(車両型式はVG21)。70年代後半の排出ガス対策を経て(同VG30)、1982年10月にはマイナーチェンジによって内外装のリファインと5V-EU型3994cc・V型8気筒OHVエンジン(190ps)への換装を実施する(同VG40)。そして1990年9月には、ホイールベースを150mmほど延長したロングボディのLタイプ(同VG45)を追加設定した。

 

ところで、初代センチュリーは「なかなかフルモデルチェンジしないクルマ」としても業界で有名だった。対外的には「いずれは……」とか「機会があれば……」と説明していたトヨタのスタッフ。一方で開発現場では、1990年代に入ると全面改良の企画が本格的に推し進められるようになった。なぜ、センチュリーの全面改良が決断されたのか? 背景には、日本の高級車に対する志向の変化があった。1980年代後半から本格化したハイソカー(ハイソサエティカー)の隆盛によって、高級車はユーザーにとってより身近な存在に発展する。メーカー側もこの傾向を重視し、いっそう質の高い高級車を企画していった。その代表格が、トヨタが1989年10月にリリースした「セルシオ」(UCF11/UCF10型)だ。“いつかはクラウン”の上をいく新世代高級車のセルシオは、高品質で豪華な内外装の仕立てや1UZ-FE型3968cc・V型8気筒DOHCエンジンをはじめとする先進メカニズムの採用などで注目を集め、たちまち多くのバックオーダーを抱える大ヒットモデルに昇華した。市場はより豪華で高性能な高級車を求めている。フォーマルサルーンであり、ショーファードリブン車でもあるセンチュリーも例外ではない――そう判断したトヨタの上層部は、ついにセンチュリーの全面改良にゴーサインを出したのである。

1982年に内外装の大きな変更を実施。ヘッドライト、グリル、バンパーの形状をリファインしている。同時に搭載ユニットも変更1982年に内外装の大きな変更を実施。ヘッドライト、グリル、バンパーの形状をリファインしている。同時に搭載ユニットも変更

 

精緻な改良を施しながら、1997年までフルモデルチェンジすることなく造り続けられた初代センチュリー。30年もの超ロングセラーを達成した理由は、メカニズムや生産工程が優れていただけではなく、日本の風土にマッチした性格を併せ持っていたからなのかもしれない。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

インフィニティ入魂の新型QX50がLAショーで正式デビュー!

11月28日、インフィニティは世界初の量産型可変圧縮比エンジン「VCターボ」を搭載した新型SUV、「インフィニティQX50」をロサンゼルス・オートショー(12月1日から一般公開)にてワールドプレミアすると発表した。

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そのボディサイズは全長4693×全幅1903×全高1679mmで、ホイールベースは2800mm。新開発プラットフォームを採用、広々としたキャビンを洗練されたデザインで包んだミドルサイズSUVに仕上げられている。

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注目の「VCターボ」エンジンは、世界初の量産型可変圧縮比エンジン。ピストンの上死点位置をシームレスに変化させることができるマルチリンクシステムを活用し、最適な圧縮比に素早く変化する。

ガソリンエンジンは2リッター直列4気筒ターボで、268ps/380Nmを発揮する。このユニットのボア×ストロークは84.0×90.1mm〜84.0×88.9mmで、圧縮比は8:1〜14:1となる。

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組み合わせるトランスミッションはCVTのエクストロニックで、駆動方式はFFとAWDを設定。車両重量はそれぞれ1736kg、1795kgだ。ちなみに0-100km/h加速はAWD車で6.3秒、FF車で6.7秒をマークし、最高速は230km/hに届く。

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エクステリアは、細部にまでこだわり抜いたデザインが特徴。インテリアは高品質素材を採用したほか、アシンメトリーなレイアウトが特色で、快適な移動空間が追求されている。

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セレナやエクストレイルでおなじみの高速道路同一車線自動運転技術「プロパイロット」をはじめとする先進装備の搭載も新世代モデルらしい。

3年ぶりの国内復活となるか、トヨタRAV4の次期型情報!

トヨタのコンパクト・クロスオーバーSUV「RAV4」が国内で復活するという。現在、欧州、北米、南米などワールドワイドに人気モデルとなっている「RAV4」だが、満を持して日本市場に投入されるのは次期型の発表、2019年になるという。

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「RAV4」は1994年に登場し、その後ホンダ「CR-V」や日産「エクストレイル」の誕生のきっかけになったとも言われているが、2005年に登場した3代目を最後に国内販売は終了となり、バトンは「C-HR」へと繋げられた。

 

次期型「RAV4」の予想CGによると、クロスオーバー的ボクシーなシルエットが印象的。タイヤハウスに膨らみを持たせて迫力とハードさをアピール。フロントは現行型からやや押し出し感を強調、左右には大型吸気口、クラウンにも採用されたV型のウイングバーが配置されている。ライトは3連プラスLEDとした。次期型では、プリウスから流用される「TNGA」プラットフォームを採用すると見られる。

 

パワートレインは、新型カムリにも搭載されたA25A型、直列4気筒ガソリンエンジン「Dynamic Force Engine」やハイブリッドモデルが有力だという。

 

 

 

 

発表直前! ランボルギーニ・ウルスの最新動画が公開

12月4日にイタリアのサンタアガタ・ボロネーゼ本社での発表が予告されているランボルギーニの新型車「ウルス」。正式発表に向けて、同社からティザー動画が公開された。

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ランボルギーニが「SSUV(スーパースポーツユーティリティヴィークル)」と紹介するウルスには、アヴェンタドールやウラカンと同様に、走行モード「ANIMA(アニマ)」が採用される。

 

公開されたティザー動画では、このANIMAの切り替えスイッチが、ウラカンなどに装備されるステアリングホイールではなく、センターパネルに備わるレバーとなっていることが確認できる。

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さらにANIMAのモードには、「ストラーダ」「スポーツ」「コルサ」に加えて、「サビア(サンド=砂)」「テッラ(土)」「ネーヴェ(雪)」の3モードが加えられており、SSUVとしての悪路走破性の高さもうかがわせる。

 

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公開されたティザー動画は、砂漠やラフロード、雪上での走行シーン、そしてサーキットトラックにいたるまで、あらゆる路面で高いパフォーマンスを発揮するであろうことがアピールされたもの。
ティザー動画に登場するウルスのエクステリアには偽装が施されているものの、なだらかなルーフラインを描くクーペフォルムであることが確認できる。
果たしてウルスはどんなデザインで登場するのか、そしてどんなスペックを掲げることになるのか。12月4日の発表が待ち遠しい。

 

 

 

 

まずはインテリアから! 新型メルセデス・ベンツAクラスの写真が公開

11月23日、ダイムラーはメルセデス・ベンツの次期型Aクラスのインテリアの写真を公開した。

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次期Aクラスのインパネは、ワイドスクリーンディスプレイの搭載をはじめ、デジタル化を推進。一方で、エアコンのルーバーには航空機エンジンのタービンをモチーフにしたユニークなデザインを採用しているほか、現行のEクラスやSクラスなどにも用いられているアンビエントライトを装備。質感も従来型から引き上げられており、モダンラグジュアリーを再定義すると、ダイムラーは主張している。

 

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変更されたのはデザインや機能だけではない。従来型と比べて居住性も高められており、ショルダールームやエルボールームは、前席でそれぞれ+9mm、+35mm、後席でそれぞれ+22mm、+36mm拡大。ヘッドルームは前席+7mm、後席で+8mmを実現している。ラゲッジルームの容量は29L拡大した370Lを確保している。

 

 

 

【動画】ル・ボラン本誌連動 河口まなぶが「マクラーレン720S」を試乗!

新開発のカーボンモノコックに新エンジン、さらには空力性能を極限まで追求したボディと、すべてが新しく生まれ変わったマクラーレンのスーパーシリーズ、「720S」。
これまでの卓越した走行性能にいっそうの磨きを掛け、新たな領域のドライビングプレジャーを与えてくれるマシンへと進化していた!(LE VOLANT 2018年1月号掲載)

 

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エミレーツ航空のファーストクラスはベンツSクラスのテイスト?

ダイムラーはこのほど、エミレーツ航空のボーイング777機で刷新されたファーストクラスのインテリアが、メルセデス・ベンツSクラスにインスパイアされたデザインであることを発表した。

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新型Sクラスを送迎車両に起用

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ダイムラーとエミレーツ航空のコラボレーションが始まったのは2014年。新型メルセデス・ベンツSクラスのインテリアに感銘を受けた航空機のインテリアデザイナーは、エミレーツの航空機のファーストクラスのインテリアを刷新する際に、このクルマのデザインからインスピレーションを得た。

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3年におよぶ開発期間を経て完成した新しいファーストクラスは、ホテルのスイートルームを思わせる、乗客のプライバシーを完全に守る空間となった。インテリアに用いられた素材や高水準のクラフトマンシップ、各操作系の仕立て、そして魅力的な採光システムなど、Sクラスのそれを彷彿とさせるものに。

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この新しいファーストクラスを備える777型機は、2107年12月1日から導入され、ドバイ空港ではファーストクラスの乗客送迎用に新型Sクラスの利用が可能になるという。

フォードが警察&政府専用のPHV車両を発表

フォードは11月20日、同社の「フォード・フュージョン・エナジー」が、フォードのプラグインハイブリッド車として初めて米国の警察や政府の関係車両に採用されたことを発表した。

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バッテリー容量強化で航続距離は800km超に

市販車のフォード・フュージョン(欧州名モンデオ)・エナジーは、141ps/175Nmを発揮する2リッター直4エンジンとモーターを組み合わせるハイブリッドパワートレインが搭載され、システム総合で188psを発揮。モーターのみによる走行距離は21マイル(約33.8km)、ハイブリッド車としての後続距離は160マイル(約257km)を実現する。ちなみにEV走行時の最高速度は85マイル(約137km/h)だ。

 

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警察車両には、レッドとブルーのインジケーターをはじめとする専用装備に加えて、リチウムイオン電池の容量を7.6kWhに増やし、航続距離を500マイル(約805km)としている。