これは気持ちいい! 吸い付くように線が引けて書いた字がにじまない蛍光マーカー

【きだてたく文房具レビュー】上から重ねてマーキングしても書いた文字がにじまないマーカー

今年の春ごろ、中学生の集まる場所で「勉強効率アップ文房具」を紹介させてもらう機会があった。そこでかなり反応があったのが、蛍光ペンで上から線を引いてもにじみにくいゲルボールペン「サラサ マークオン」(ゼブラ)。

 

最近は勉強垢(自分の勉強ノートや文房具類の写真をインスタなどにアップするアカウント)が流行っていることもあるのか、これ欲しい! というリアクションが多かったのだ。

↑中学生にやたら反響があった、にじみにくいボールペンこと「サラサ マークオン」(ゼブラ)
↑中学生にやたら反響があった、にじみにくいボールペンこと「サラサ マークオン」(ゼブラ)

 

とはいえ、「メインの筆記具はお気に入りのペンがあるから、それ以外のはちょっと……」という声もあったのは事実で、もちろんそれはよく分かる。たしかに、メイン使いのペンはそう簡単に変えたくないものだし、できれば“にじまない効果”は蛍光ペンの方でなんとか受け持ってくれないか、という話ではある。

 

「うーん、そのうちそういう蛍光ペンも出るかもしれないね」とその場は締めたのだが、なんとそれから半年と経たないうちに「にじみにくい蛍光ペン」が出てしまった。

 

しかも、これまたゼブラからである。最初からこれ出しといてよー。

↑ゼブラ「ジャストフィット モジニライン」ピンク・黄・オレンジ・緑・青 各108円
↑ゼブラ「ジャストフィット モジニライン」ピンク・黄・オレンジ・緑・青 各108円

 

ゼブラ「ジャストフィット モジニライン」は、まさに文字の上から引いてもにじみにくい、という機能を搭載した蛍光ペンだ。

 

ボールペンで書いた文字に蛍光ペンを引いてにじむ、というのは、基本的に水性またはゲルの染料インクボールペンでおきやすい現象だ(油性インクもしくは顔料水性インクは耐水性があるため、この限りではない)。インクの成分が水性染料なので、書いた上からさらにたっぷり蛍光インクで水分を与えてしまえば、染料が溶け出してにじんでしまうのは当たり前ともいえる。

 

ところがモジニラインは、にじみにくい(インクの量や感想の具合などによっては、にじみゼロとはさすがに言えない)。

↑にじみやすい水性染料ボールペンの上から引いてもにじまない、特殊な蛍光インク
↑にじみやすい水性染料ボールペンの上から引いてもにじまない、特殊な蛍光インク

 

これがどういう仕組みでにじみにくいかというと、説明はややケミカルな話となる。まず、ボールペンのインクはマイナスの電荷を帯びている。そこでモジニラインにはプラスの電荷を帯びた成分を配合し、水性インクとイオン結合させることで紙の上に固着。それによってにじまない、ということだそうだ。

 

ちなみにこの仕組みは、浄水場などで水の中に溶け込んだ汚れを固めて取り除くシステムと同じだという。

↑一般的な蛍光ペンとの比較。にじみやすい水性/ゲルインクのペンで筆記し、30秒後にラインを引いてみた結果がこれ
↑一般的な蛍光ペンとの比較。にじみやすい水性/ゲルインクのペンで筆記し、30秒後にラインを引いてみた結果がこれ

 

仕組みを聞いてもよく分からん、という人も、まぁ使ってみれば効果は体感できるだろう。実際にいくつかの水性/ゲルインクのボールペンで試してみたが、たしかにこれは従来の蛍光ペンと比較するとかなり差が出る。はっきりとにじみにくいのだ。
※ただし、筆記跡が乾いてからでないと、何をどうやってもにじむので、そこだけ注意。

 

とくに「水性で乾燥が速い」を謳っているペン(「サラサドライ」や「エナージェル」など)や万年筆は、耐水性がなくにじみやすいという弱点を持っているのだが、その辺りにもきちんと効力が発揮されている。

↑厚い書籍を開いた曲面にもスムーズにラインが引ける、柔らかめなペン先チップ
↑厚い書籍を開いた曲面にもスムーズにラインが引ける、柔らかめなペン先チップ

 

ひとつうれしいのは、ゼブラがこのにじまない機能を、ペン先チップが柔らかい蛍光ペン「ジャストフィット」に搭載して発売したこと。

 

辞書や厚い資料などを開いた曲面にもフィットして線を引きやすいことから、すでにジャストフィットの愛用者はかなり多い。そういったファンを迷わせることなく、「こっちに切り替えてもなんの損もないよ」と示してくれたわけで、これはかなりありがたいことだ。

 

というか、そもそもこのにじまない機能だけでもかなり優先度の高い能力なので、他社の蛍光ペンユーザーも、一度ぐらいは試してみてもいいんじゃないだろうか。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

目肩腰の疲れに効く!? やさしく真っ直ぐピシッと引ける蛍光マーカー3選

【きだてたく文房具レビュー】疲れ目にも、ヨロヨロした手にも、あわてんぼうにもぴったりの蛍光マーカー

 

この年末に、インフルエンザに感染してしまった。とはいえ、かかってしまったものはしょうがなく、仕事関係の各方面にメールで詫びを入れたら、あとはベッドに入って薬が効くのを待つだけである。

 

どちらかというと問題は熱が下がってからで、せっかくの正月休みだというのに、体内にウイルスが残った生ける生物テロ兵器状態では、出歩くわけにもいかない。熱も無く咳も治まっているが、外には出られず。とはいえ年末の忙しい時期に寝て過ごした焦燥感だけはあるので、ぼんやり休む気にもなれない。

 

こういうときこそ……ということで今年は元旦から、しばらく溜め込んでいた資料を読み込んで、目に付いたポイントを蛍光マーカーで次々とチェックする、という作業に勤しんでいた。

 

で、せっかくの機会なので、各メーカーの蛍光マーカーをとっかえひっかえしていると、「やっぱりこのマーカーはいいな」「おっ、新製品の、悪くないぞ」などといくつか光るものがあったのである。そこで今回は、新旧取り混ぜて、おすすめの蛍光マーカーをいくつか紹介したい。

 

疲れた目にも優しいソフトカラー

使っていてまず感じたのが、前日まで39℃台の熱が出ていた目には、蛍光マーカーのパキッとした発色はけっこうキツい、ということ。もちろん目立たせるための製品だからそれでもいいのだけど、とりあえずもうちょっと柔らかい色でも問題ないだろう。

 

そこでほど良かったのが、パイロットの「フリクションライト ソフトカラー」だ。

↑パイロット「フリクションライト ソフトカラー」全6色 各108円↑パイロット「フリクションライト ソフトカラー」全6色 各108円

 

お馴染み、こすって消せるフリクションシリーズの蛍光マーカーだが、このソフトカラーシリーズは名前の通り、発色がソフト。従来のシリーズと比べるとぼんやりと淡い色合いで、つまり紙の白とのコントラスト差が小さくなるので、目が疲れにくいということだ。

↑通常の蛍光色(左)とソフトカラー(右)。ひと目見ただけで淡さと柔らかさが分かる↑通常の蛍光色(左)とソフトカラー(右)。ひと目見ただけで淡さと柔らかさが分かる

 

病み上がりの目にも優しい=仕事で疲れた目にも同じく優しいわけで、長時間紙面を見ていても確かに負担が少なく感じた。特にソフトイエロー、ソフトグリーンあたりは穏やかな色調で、目がチカチカせず心地よい。

 

とはいえ色はきちんと付いているので、後から見直しても自分のチェックした部分ははっきりと見分けられるし、使いにくさを感じない。

↑こすって消せるフリクションインクは、ラインの引き間違いをしても安心↑こすって消せるフリクションインクは、ラインの引き間違いをしても安心

 

もちろん他メーカーからも同様のソフトカラーマーカーが発売されてはいるが、フリクションということで「間違ったら消せる」アドバンテージは非常に大きい。

 

どうせ後で消せるから、と思えばこそ、大胆にズバズバとラインを引いていけるのは気分的にもかなりラクなものだ。

 

窓付き&紙を選ばない万能マーカー

蛍光マーカーはチップが大きいため、自分がいま文章のどこまでラインを引いたのかが分かりにくい。そのため、ついついはみ出し・引き足らずが出てしまう。

 

そういうときに便利なのが、先端チップに透明な窓が付いた三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」だ。

↑三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」全10色 各140円↑三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」全10色 各140円

 

この透明窓からチップの下が見えるので、いま自分がどこまでラインを引いたのかがはっきりと視認できる。

 

これは非常に便利な機能で、しばらくプロパス・ウインドウを使ってから別のマーカーに切り替えると「なんでチップの向こう側が見えないんだよ!」と不条理な怒りまで感じてしまう。一度この便利さになれてしまうと、もう戻れないのである。

↑プロパス・ウインドウシリーズならでは窓付きチップは一度慣れるともう手放せない↑プロパス・ウインドウシリーズならでは窓付きチップは一度慣れるともう手放せない

 

もうひとつ便利なのが、速乾性の高いクイックドライインク。紙面のあちこちにラインを引いていると、気づかぬ間にまだ乾いていないインクの上をこすってしまい、手にインクが付着することがある。

 

クイックドライインクは、乾燥時間を従来の1/3にまで短縮できるため、そういったトラブルが少ない。

↑上が一般的な蛍光マーカー、下がクイックドライ。書いて数秒後に指でこすってみると、クイックドライインクはしっかり定着している↑上が一般的な蛍光マーカー、下がクイックドライ。書いて数秒後に指でこすってみると、クイックドライインクはしっかり定着している

 

インクがあまり染み込まないコート紙などにラインを引いても、驚くほど早く乾くので、こすってしまったときの「あっ、しまった!」という焦りを感じずに済む。写真の多い企業パンフやカタログなどはコート紙が多いので、これは非常に助かるのだ。

 

蛍光マーカーが下手、という人にも安心

蛍光マーカーでラインを引くのが下手、という人は意外と多い。ヘラのような平たいチップだと、少し手元が狂っただけでガタガタとした線になってしまうのだ。

 

筆ペンタイプの蛍光マーカーならガタガタ線のリスクは減らせるが、今度は筆圧が変わると線の太い細いが変わってしまう。なんにせよ難しいのである。

 

そういう蛍光マーカー下手に優しいのが、ぺんてるから昨年末に発売されたばかりの「フィットライン」だ。

↑ぺんてる「フィットライン」全5色 各108円↑ぺんてる「フィットライン」全5色 各108円

 

↑太字チップの先端。この溝からぐにっと曲がることでクッション効果を発揮する↑太字チップの先端。この溝からぐにっと曲がることでクッション効果を発揮する

 

ツインマーカーの太字(ラインを引く方)チップに爪楊枝の後端のような溝が刻まれており、ここからぐにっと曲がるようになっている。これにより、不要な筆圧をクッションのように吸収し、安定した線が引けるのだ。

↑チップが折れ曲がって不要な筆圧を吸収するので、安定したまっすぐなラインが引きやすい↑チップが折れ曲がって不要な筆圧を吸収するので、安定したまっすぐなラインが引きやすい

 

チップの硬さ自体は従来品と変わらないので、筆圧をかけても筆ペンのように線が太ることはない。一方で、クッション効果によって手元の傾きもある程度吸収するので、線のガタツキも減らせるのである。

 

病み上がりで手元がふらつく状態でも、実際にかなり安定した線を引くことができた。これなら、だいたいどんなシーンで線を引いても、きれいな線が引きやすいはずだ。

↑特殊チップが最も実力を発揮するのが、分厚い書籍への曲面マーキング↑特殊チップが最も実力を発揮するのが、分厚い書籍への曲面マーキング

 

クッションチップのさらに大きなメリットとして、辞書など厚いページ物の曲がった紙面にもきれいに線が引きやすい。曲面を意識して、なぞるように線を引いていくことで、ページののど側のようなマーキングしにくい部分にもスパッとラインを引いていくことができるのだ。

 

不器用な人でも確実に効果が出るという意味で、かなり使いやすい蛍光マーカーと言えるだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

 

油性マーカーでセンスが分かる? 「マッキー」がさりげなくオシャレを演出してくれるとは!

【「毎日、文房具。」が●●な人にすすめたい文房具】何の変哲もないクリアファイルでセンスを主張できる油性マーカー

 

仕事中も、何かと重宝する黒の油性マーカー。時には資料の分類のため、ラベルやクリアファイルに、これで書き込むことも多いのではないでしょうか。

 

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ただ、こうして黒の油性マーカーで書くと、なんだか事務的でおしゃれじゃない……と思ったことはありませんか? そんな時におすすめしたいのが、「マッキーペイントマーカー」です。

 

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油性マーカーの定番「マッキー」シリーズのひとつで、白・銀・黄・金・ピンクの5色展開。中でもおすすめのカラーは金と銀です。ただ書くだけで、マットな輝きが文字をセンス良く見せてくれるのです。

 

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こちらは、金のマッキーペイントマーカーでクリアファイルに書き込んだもの。写真ではわかりづらいかもしれませんが、実際に見ると黒の油性マーカーで書いたものよりずっとシックに、おしゃれに見えるのです。

 

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文字を目立たせすぎずに書きたい時は、銀のマッキーペイントマーカーで。角度によって、文字の表情が変わります。

 

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黒いものや色の濃いものに書いてもはっきりとした線が書けるので、黒の油性マーカーでは見づらくなるものに書き込むときにも便利。

 

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ノートに名前やタイトルを書き込むときに使っても、ぐっと見栄えがよくなりますよ。

 

また、ガラスや金属面にも書き込み可能なので、アイデア次第で使い方が広がりそうです。普通の油性マーカーよりもインクが乾くのに時間がかかりますので、そこは注意してくださいね。

 

もともと工作や園芸、工場や工事現場向けに開発された商品ですが、オフィスワークでも活躍するマッキーペイントマーカー。黒の油性マーカーでは味気ないとき、少しだけカッコよく見せたいときに、1本持っているとなにかと便利なアイテムです。

 

こんなあなたにおすすめ!

・黒い油性マーカーに飽きた方
・タイトルやラベリング、分類をおしゃれに見せたい方

 

【商品情報】

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ゼブラ「マッキーペイントマーカー 極細」価格248円(税込)

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。

インクが出ない! そんなプレゼンやミーティングでの“ちょい恥”をなくすホワイトボードマーカー3種をレビュー

【きだてたく文房具レビュー】カスれ対策に効くホワイトボードマーカー

 

例えば、初めて訪ねた会社でブレスト的な会議をすることになったとしよう。

 

挙がった内容を、片っ端からホワイトボードにマーカーで書いていこうとするのだが、すっごいカスれてまともに書けない。先方の会社の人が「あっ」みたいな表情になったので、こちらも慌てて「大丈夫ですよー」と笑いながら次々に別のマーカーを取って書く……が、なんとすべて書けない。先方の人が「あっ、あっ」みたいな顔をしている。

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困ったことに、ほとんどのビジネスマンは自社内のホワイトボードマーカーに対しては寛容だ。多少インクがカスれた程度なら、「まぁ、なんとか書けるし」ぐらいで済ませてしまう。しかしそれだと、今のように社外の人間が混じっての作業時に恥ずかしいことになる。

 

身内(のマーカー)に対して甘いのは、この際しょうがない。しかし、せめてカスれ対策が施された優秀なホワイトボードマーカーを導入しておいた方が、何かあった時に困らなくていいと思うのだ。

 

カスれ対策その1……ノック式マーカーにする

まず、インクかすれの要因として大きいのが、キャップの閉め忘れだ。

 

会議の最中にいちいちキャップを開け閉めするのは面倒だし、そもそも忘れがち。結局、会議が終わってからもうっかりキャップを閉め忘れて放置されたマーカーは、次に使うまでに先端がカスカスに乾いてしまう。

↑ぺんてる「ノック式ハンディ ホワイトボードマーカー」丸芯中字 赤・青・黒 各183円↑ぺんてる「ノック式ハンディ ホワイトボードマーカー」丸芯中字 赤・青・黒 各183円

 

そんなキャップの閉め忘れ対策として有効なのが、ノック式マーカー。ぺんてる「ノック式ハンディ ホワイトボードマーカー」は、以前この連載でも紹介したノック式油性マーカー ハンディのホワイトボードマーカー版だ。

↑ノック式は、片手でペン先チップの出し入れができる簡便さが大きなメリット↑ノック式は、片手でペン先チップの出し入れができる簡便さが大きなメリット

 

軸後端のノックボタンを押すと、ペン先チップがシャッターを開けてジャキッ! と現れ、もう一度押すとスルッと軸内に収納される。少しボタンは重いが、感覚としては普通のノック式ボールペンと同じである。

↑少し柔らかめで、なめらかな筆記感↑少し柔らかめで、なめらかな筆記感

 

キャップを閉め忘れる理由のひとつに、いちいち両手を使わないと閉められないから面倒くさい、というのがある。しかしノック式なら片手で操作できるので、閉め忘れにくい。さらにうれしいのが、キャップの開閉をするときにうっかりインクが手に付いてしまう、お馴染みの汚れダメージがゼロにできること。あの不快な手の汚れがなくなるだけでも、充分に使う価値はあるだろう。

 

カスれ対策その2……そもそも乾かないマーカーを使う

ノック式ですら閉め忘れてしまう、というぐらい無精でぼんやりした人間が社内にいる可能性も、もしかしたらあるかもしれない。

 

その場合、とれる対策はひとつ。そもそも先端が乾かないマーカーを使うしかない。

↑シヤチハタ「潤芯ホワイトボードマーカー」丸芯 赤・青・緑・黒 各162円↑シヤチハタ「潤芯ホワイトボードマーカー」丸芯 赤・青・緑・黒 各162円

 

シヤチハタ「潤芯ホワイトボードマーカー」は、なんとキャップを72時間(3日間)閉めなくても大丈夫! という、極度の乾きに強いマーカーだ。その秘密は特殊インクにある。

↑キャップ開け放しで24時間放置したペン先チップ。分かりにくいが、薄い皮膜が張っている状態↑キャップ開け放しで24時間放置したペン先チップ。分かりにくいが、薄い皮膜が張っている状態

 

潤芯のキャップを閉めずに放置すると、乾いたインクがペン先チップの表面に薄い皮膜を作る。この皮膜が、それ以上のインクの蒸発を防ぐという仕組み。次に使用するときは、何も考えずにそのまま書けば皮膜が破れて、その下からフレッシュなインクによる黒々とした筆記が可能となるわけだ。

↑特殊インクの性質か、乾燥するとグレーに近い色合いになる。視認性はあまり良くない↑特殊インクの性質か、乾燥するとグレーに近い色合いになる。視認性はあまり良くない

 

3日もあれば、無精でぼんやりした人がキャップを閉め忘れたとしても、次の人が気づいてくれるはず……。

 

カスれ対策その3……直液式マーカー+プッシュリフレッシュを取り入れる

一般的なマーカーペンで、ペン先チップにインクを供給する方式として多用されているのが、軸内に綿を詰めてそこにインクを染みこませた“中綿式”という方法。

 

安価で作りやすく気圧の変化に安定、というメリットがあるのだが、どうしてもインク容量が綿の分だけ少なくなってしまう。つまり、インク切れが早い。

↑ぺんてる「ノックル ボードにフィット ホワイトボードマーカー」中〜太字 赤・青・黒 各216円↑ぺんてる「ノックル ボードにフィット ホワイトボードマーカー」中〜太字 赤・青・黒 各216円

 

それなら軸にインクを直接ドボドボと入れちゃえば、たっぷり使えるじゃん? というのが“直液式”のマーカー。現在、複数の製品が発売されているが、オススメなのは、ぺんてる「ノックル ボードにフィット ホワイトボードマーカー」だ。

↑開封時はチップにインクが浸透していないので、ボタンプッシュで中綿にインクを押し出す必要がある↑開封時はチップにインクが浸透していないので、ボタンプッシュで中綿にインクを押し出す必要がある

 

ノックルは、正確には“半直液式”と言うべきもので、ペン先チップから軸先端にかけてちょっとだけ中綿が入っていて、その後ろのタンク内にインクがちゃぷちゃぷと入っている。

 

この先端中綿にインクを染みこませるためには、軸後端のボタンにキャップをはめて、グッグッと数回プッシュ。すると、タンクから押し出されたインクが中綿に浸透して、書けるようになるのである(開封時はインクが染みてないので、使う前にまずプッシュが必要)。

↑未使用品のラベルを剥いた状態。インクと中綿が分かれているのが見える↑未使用品のラベルを剥いた状態。インクと中綿が分かれているのが見える

 

もちろん、書いているうちに中綿のインクは切れてカスれてくるが、そんな時はボタンをまた数回プッシュすれば、インクは再充填されて復活。またしっかりと書けるようになる。

 

インク量は軸の側面窓から確認できるので、中綿式マーカーによくある「本当にインク切れなのか分からないので、捨てにくい」ということもない。

↑根本がジャバラ状になったペン先チップ。曲がるストローのように、自由に折れ曲がる↑根本がジャバラ状になったペン先チップ。曲がるストローのように、自由に折れ曲がる

 

実はこの半直液式のノックル、もう20年以上も前から売れ続けているロングセラーなのだが、「ボードにフィット ホワイトボードマーカー」は一昨年に登場した新バージョン。

 

「ボードにフィット」の名の通り、柔らかなナイロン製チップの根元にジャバラ状のスリットが刻まれており、筆圧をかけるとまるで筆ペンのようにしなって、ボードに密着してくれるのだ。

↑チップをしならせることで、筆ペンのような筆記感を味わえる。ボードにフィットするので非常に書きやすい↑チップをしならせることで、筆ペンのような筆記感を味わえる。ボードにフィットするので非常に書きやすい

 

筆者はマーカー類のチップの硬さが苦手で、いつも書きにくさを感じていたのだが、これはかなり快適。ペン先の角度など気にせずグイグイと書いていける。また、筆圧の強弱によって中字~太字を書き分けられるので、ボードの大小に関わらずこれ1本で済む、というのもなかなか便利だ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。