どんな専門書よりも犬と生きることが理解できる――馳星周『ソウルメイト』は犬を飼いたいと思う人の必読書だ

“犬の十戒”をご存じだろうか? インターネット上で広く世界に伝わっている有名な詩で、原文は英語で作者は不明、犬を愛する人々が何度も何度も読み返しては、飼い主のあるべき姿を模索しているのだ。

 

馳星周氏といえばノワール小説の旗手だが、犬のために東京から軽井沢へ引っ越してしまうほどの愛犬家としても知られている。『ソウルメイト』(馳星周・著/集英社・刊)は、犬と生きる意味を私たちに教えてくれる家族小説だ。7つの犬種と7つの家族の心温まる物語が収められているが、そのイントロに出てくるのが“犬の十戒”だ。

 

 

馳星周・訳“犬の十戒”

1 ぼくは10年から15年ぐらいしか生きられないんだよ。だから、ちょっとでも家族と離れているのは辛くてしょうがないんだ。ぼくを飼う前に、そのこと、考えてみてよね。

2 父ちゃんがなにをして欲しがってるのか、ぼくがわかるようになるまでは忍耐が必要だよ。

3 ぼくのこと信頼してよ。ぼくが幸せでいるためには、みんなの信頼が必要なんだから。

4 長い時間怒られたり、罰だっていって閉じ込められたりするのはごめんだよ。みんなには仕事だとか遊びだとか友達がいるでしょ? でも、ぼくには家族しかいないんだよ。

5 いっぱい話しかけてよ。人間の言葉はわからないけど、話しかけられてるんだってことはわかるんだ。

6 ぼくにどんなことをしたか、ぼくはずっと覚えてるからね。

7 ぼくをぶつ前に思い出してよ。ぼくはみんなの骨を簡単に噛み砕けるんだよ。でも、ぼく、絶対にそんなことしないでしょ?

8 言うことを聞かないとか、頑固になったとか、最近怠けてばかりだとか言って叱る前に、ちょっと考えてよ。食事が合ってなかったのかも。暑い中ずっと外にいて体調が悪くなったのかも。年をとって心臓が弱くなってるのかも。ぼくの変化にはなにかしら意味があるんだから。

9 ぼくが年をとってもちゃんと面倒見てね。みんなもいつか年をとるんだからさ。

10 ぼくの嫌なところに行くときは、お願いだから一緒にいてよ。見てるのが辛いとか、見えないところでやってとか、そういうことは言わないでよ。そばにいてくれるだけでいろんなこと、頑張れるようになるんだ。愛してるよ。それを忘れないでね。

(『ソウルメイト』から引用)

 

犬を飼いたいと思ったら、まず、この犬の十戒を守れるのか、家族でよく話し合う必要があるだろう。

 

 

最高のソウルメイトと出会うために

犬の十戒を守ると誓ったら、次は犬種選びだ。本書には、チワワ、ボルゾイ、柴、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ジャック・ラッセル・テリア、バーニーズ・マウンテン・ドッグという7種の犬が登場する。

 

犬を扱った小説を私はこれまで何冊も読んだが、犬種の特徴、性格がそれぞれのストーリーの中で、さりげなく、しかし的確に描かれていると感じたのは、この本がはじめてだった。七種の犬と、彼らと暮らす人間たちが織り成す物語を読んでいると、この犬種を飼ったらこんな生活になるかもと疑似体験ができてしまうのだ。

 

犬種選びはとても重要だと思う。住んでいる環境、家族構成などによってベストな犬は違ってくるからだ。

 

 

ダルメシアンか、ラブラドールか?

わが家の場合はラブラドール・レトリバーを選んだ。が、そもそもは『101匹わんちゃん』が大好きだった当時6歳の娘は、ダルメシアンを飼いたいと言い張っていた。しかし犬にとても詳しい知人が「ダルメシアンは猟犬だから全速力で走るのが好きな犬。映画の中でも走るシーンが多かったでしょ? 都会で飼うのは犬のストレスがたまるし、しかも子どもにひとりで散歩させるのは難しいと思う。妹として犬を飼うならラブラドールの雌にしなさい、きっといい相棒になれるから」とアドバイスしてくれたのだ。

 

それで娘を説得してラブラドールを家族の一員として迎えたが、これは大正解だった。社交的で温厚で、ぼんやりとした妹犬はどんなときも、一人っ子の娘を姉として慕い、寄り添い、支え続けて十数年を共に過ごし、共に成長してこられたのだ。

 

いっぽう、もしも私たち家族が大自然の中で暮らしていて、ノーリードで自由に散歩ができる環境だったならば、ダルメシアンは最高の家族の一員になっていたに違いないとも思うのだ。

 

 

人間を癒してくれる愛すべき犬たち

本書を読んでいると、言葉を発しない犬が、家族の心情をとてもよく理解し、必要なときにそっと寄り添ってくれることがわかる。

 

「チワワ」は不治の病に冒された妻が、ワンマンな夫に遺していく唯一の家族。大型犬しか犬と思っていなかった夫が、小さなチワワのつぶらな瞳に救われていく。

 

「ボルゾイ」は継父の犬で、息子の言うことはまったく聞かずにときには牙をむいていた。が、ある日、大切な家族を犬が自らの意思で勇敢に救い出すことになる。

 

「柴」は震災で命を落とした母の犬。警戒区域で野犬となったことを知った息子がボランティアに参加して大切な家族の一員を捜しに行く。

 

「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」は前飼い主に虐待を受け、捨てられた犬で人間を恐れていた。新しい家族に迎えられてもなかなかケージから出てくることはできずにいた。

 

「ジャーマン・シェパード・ドッグ」は引退した警察犬。その飼い主が、ある日、登山で犬が怖くてたまらない女性と出会い、恋がはじまる。

 

「ジャック・ラッセル・テリア」のしつけが出来ず、困り果てた都会暮らしの母子が、軽井沢に住む別れた夫に助けを求める。

 

「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」は病に冒され余命がわずかだと宣告された夫婦の愛犬。友人の別荘を借り、残された日々を大自然の中で過ごすことになる。

 

どの物語も、心にじんわりと響き、「ああ、犬と一緒に生きるってなんて素敵なんだろう」と思わせてくれる。愛犬家はもちろん、犬を飼ったことのない人にも、ぜひ読んでほしい一冊だ。

 

【書籍紹介】

ソウルメイト

著者:馳星周
発行:集英社

人間は犬と言葉を交わせない。けれど、人は犬をよく理解し、犬も人をよく理解する。本当の家族以上に心を交わし合うことができるのだ。余命わずかだと知らされ、その最期の時間を大切に過ごす「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」、母の遺した犬を被災地福島まで捜しに行く「柴」など。じんわりと心に響く、犬と人間を巡る7つの物語。愛犬と生きる喜びも、失う哀しさも包み込む著者渾身の家族小説。

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【可愛すぎる動物動画】手を差し伸べるだけが教育じゃない!? 子猫を助ける親猫の姿に学ぶ人間たち

世界中の面白動画が集まるYouTube。ネットサーフィンならぬ“動画サーフィン”をしていたら、いつの間にか何時間も経ってしまったという人も多いだろう。この記事では、記者が“動画サーフィン”をして見つけ出したとっておきの“可愛い動物動画”を紹介。この動画ならば1つ見るだけで満足してしまうかも!?

出典画像:YouTubeより

 

・Mama Kitty’s Rescue

投稿者:TheLilyot

 

「Mama Kitty’s Rescue」という動画には、木に登ったはいいものの降りられなくなってしまった子猫が登場。わが子を懸命に助けようとする親猫の姿を、世界中の視聴者が見守った。

 

動画の冒頭には、木の間で前足と後ろ足を必死に突っ張り「ニャー」と鳴き続ける子猫が登場。今にも落ちそうな体勢で、助けを呼んでいるようにも見える。すると地面から見上げていた親猫が、するすると木を登って子猫のもとへ。首根っこをくわえて、子どもの体勢を立て直した。

出典画像:YouTubeより

 

その後子猫は、地力で木を降りて地面に着地。親猫が救助を完遂したわけではなかったが、視聴者からは「きっと子猫に“木の降り方”を教えたんだよ!」「人間の親も、この親子から学ぶことは多いはずだ」「どっちも助かってよかった… 子猫も木の降り方を覚えたみたいだし次は安心だね」「助けるだけが教育じゃないんだな」と称賛の声が。同動画は世界中で600万回以上再生され注目を集めている。

 

そのほか、「猫ってこんなに木登りが得意なんだな」といった驚きの声が。ひょっとしたら親猫も、このような失敗を経て木登りを覚えたのかもしれない。

表情、行動、鳴き声そして寝姿からねこの気持ちを理解してみる――『ねこ語辞典』

しおちゃんというにゃんこをご存知だろうか。飼い主と完全に会話を成立させる様子を撮影したさまざまな動画が多数上がっている。その会話力は「ご飯」とか「おはよう」に始まり、「お帰り」はもちろん、「お買い物」とか「二人の時間」、そして「むかつく」といった言葉をシチュエーションごとに絶妙のタイミングで、ものすごくかわいらしい声に乗せて繰り出す。

 

筆者もわんことの会話を成立させながら日々を送っているが、しおちゃんの会話力とボキャブラリー、そして「こう言うと相手が喜ぶだろうな」というような読みの能力に驚くばかりだ。

 

 

人語を操るペットさんたち

ほかのにゃんこたちについても調べてみた。すると、ひたすら“Oh, long Johnson”って言い続ける子、飼い主の質問に“Right”や“Yes”とか“No”で返す子、お風呂にいれようとすると人間と同じ形の口で「ノォーッッッ!」と叫ぶ子など、心和む動画がいくつも見つかった。

 

一方、わんこの発言力もなかなかだ。お風呂に入れようとすると(にゃんこもわんこも、お風呂嫌いタイプは必ずいる)「なんでやねん!」とツッコミを入れたり、飼い主に向かって“I love you!”と叫んで見せたりと、にゃんこたちに劣らない。

 

 

愛情ホルモンで身も心も健やかになろう

にゃんこであってもわんこであっても、一緒に暮らしているとオキシトシンというホルモンが分泌されることがわかっている。“愛情ホルモン”という別名がある物質だ。

 

オキシトシンは脳内ホルモンの一種で、ペットに愛情を感じたり、触れ合ったりすることで分泌が促される。免疫力を上げ、血管や皮膚を修復する作用があると言われている。さらにはナチュラルキラー細胞を増やす働きもあり、これがガン細胞の減少につながるらしい。

 

今回紹介したい本は、飼っている人にも飼っていない人にも役立つ超実用系辞典だ。言葉=鳴き声や鳴き方だけではなく、多角的なアプローチによって円滑なコミュニケーションを実現するための強力なツールになってくれるにちがいない。

 

 

お互いについてよりよく知るための一冊

ねこ語辞典』(今泉忠明・監修/学研プラス・刊)は、ねこ好きが情熱や思い込みを推進力に書き切ったタイプの本ではない。監修者の今泉先生はお父様とお兄様も動物学者という家系で、専門は哺乳類を主とする分類学と生態学だ。

 

まえがきに記してある文章を紹介する。

 

人は言葉を持ち、言葉で気持ちを伝えます。猫の伝え方は、当然それとは異なります。しぐさ、表情、鳴き声、ときには寝姿など、いろいろな方法で気持ちを表しているのです。それらのすべてが、猫が発する「ねこ語」になります。

『ねこ語辞典』より引用

 

にゃんことの関係においても、ボディーランゲージとか空気を読む姿勢は大切なのだ。

 

 

言葉だけじゃ、もの足りない

章立ては以下の通り。

 

・はじめの予備知識7か条

・表情を読み取ろう

・姿勢から読み取ろう

・しぐさから読み取ろう

・寝姿からわかる猫の気持ち

・鳴き声からわかる猫の気持ち

・行動をチェックしよう

・飼い主さんへの接し方を観察!

・猫どうしのコミュニケーションを見てみよう

 

筆者が一番気になるのは、「鳴き声からわかる猫の気持ち」だ。この章を読むだけでもかなりの情報を得ることができる。

 

【ニャー/ニャオ】NYA/NYAO

「ニャー」「ニャオ」と、音の長さや高音、低音など、バリエーションの違いはありますが、一番耳にする鳴き声です。これは、もともとは子猫が母親を呼ぶときの鳴き方。「ここに来て」「おなかが減ったよ」など、子猫は母猫の注意を引くために鳴きます。

『ねこ語辞典』より引用

 

野性の猫は、大人になるとそれほど鳴かなくなるという。対して飼い猫はいつまでも子猫気分が抜けず、飼い主を母親のように思うので、要求があると鳴いて合図を送るらしい。「ご飯」とか「おはよう」といった人語に聞こえる鳴き声は、このジャンルに属するもののようだ。

 

行動から読み解く気持ち

本能による行動も、気持ちを読み取るヒントになる。

 

人の目から見ると不思議に思える猫の行動も、猫なりの理由があります。その理由を考えることで、ねこ語を理解することができます。猫の行動から気持ちを理解するためには、まず、その行動が「本能」によるものなのか、「学習」によるものなのかを判断します。

『ねこ語辞典』より引用

 

においを嗅ぐ。毛づくろいをする。飼い主の指や手を舐めたりチュパチュパしたりする。そして、スリスリする。にゃんこたちの行動ひとつひとつにもきちんとした理由がある。8項目にわたって解説されるよくある行動についても、知識を整理し、深めることができる。併せて紹介されているQ&Aにも、「なぜ高いところに乗りたがるのか」「夜中に突然走り出すのはなぜか」「テレビを夢中で見るのはなぜか」など、知っているようで知らないにゃんこの行動を理解していく過程で役立つ情報を楽しく読める。

 

 

にゃんこ同居の可能性

「なでなでしてたらいきなり嚙みつかれた」「夫婦喧嘩を仲裁する」「飼い主の邪魔をする」といったありがちな行動の理由もわかりやすい言葉で明らかにされる。どの章のどの項目も、にゃんこと人をつなぐノウハウが満載されている。わんこしか飼ったことがない筆者も、すごく前向きに、にゃんこ同居の可能性を考え始めている。にゃんこが加われば、一緒に暮らすみんなのオキシトシン分泌量がさらに増えていくだろう。

 

筆者は日本語と英語、そしてイヌ語のヒアリングができる。この本でネコ語も勉強した。というわけで、ビギナークラスとはいえ、マルチリンガルということでよろしいでしょうか。

 

【書籍紹介】

ねこ語辞典

著者:今泉忠明
発行:学研プラス

しぐさから猫のきもち=「猫語」を読みとって、猫ともっと仲良く、幸せに暮らすための本。飼い主さんも、これから飼いたい人も楽しめる1冊です。写真を多用したビジュアルページでは、SNSで人気の猫も登場します。

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ああ勘違い。ハリネズミは○○○だった!?――『ウソナンデス ~ぼくたち、かんちがいされています!~』

僕は、飲み会などでみんなでワイワイするときに、動物雑学を話すことが多い。元々動物に関する雑学が好きということもあるが、話題としておもしろく誰も嫌な思いをしないので、かなり重宝する。

 

そんな動物小ネタだが、間違ったものが流布していることが多い。『ウソナンデス ~ぼくたち、かんちがいされています!~』(今泉忠明・著/学研プラス・刊)には、「勘違い」されている動物について解説された書籍だ。

 

 

「マンボウはひ弱」はデマ?

たとえば、すぐ死ぬことで一時期話題になった、変な魚「マンボウ」。まっすぐにしか泳げないため水族館では壁にぶつかって死ぬ、寄生虫を除去するために水面をジャンプしたら死ぬ、目に水の泡が入って死ぬなどなど。かなりひ弱なイメージだ。しかし実際は違うようだ。ほとんどがインターネット上のデマらしい。

 

実際に強い魚ではなく、水族館での飼育下ではストレスにより死んでしまうこともあるようだが、自然の環境ではそれほど死なないそう。ただし、一度に3億個の卵を産み、大人になるのはそのうちの数%なので、生き残るための力は弱いのだろう。

 

 

ハリネズミとハリモグラの微妙な関係

本書を読んでおもしろかったのが、「ハリネズミ」だ。硬い針のような毛を持つ、かわいらしい動物。ペットとしても人気が高い。だが、このハリネズミ、ネズミの仲間ではなくモグラの仲間なんだそう。

 

まあ、それはよくあることだ。ただ、ひとつ問題が。実は「ハリモグラ」という動物もいるのだ。こちらも硬い針のような毛を持っている。ハリネズミはモグラの仲間だったら、ハリモグラはなんなのか。

 

実はハリモグラはカモノハシの仲間。ハリモグラはカモノハシ同様、哺乳類だが卵を産むという、ちょっと変わった生き物なのだ。

 

ハリネズミがモグラで、ハリモグラはカモノハシ。なんともややこしい。

 

 

オシドリ夫婦は褒め言葉?

オシドリも勘違いされている鳥だ。よく仲のよい夫婦を「オシドリ夫婦」なんて言ったりするが、実はオシドリ自体はそんなに仲がいいわけではない。オスがメスと仲がいいのは卵を産むまで。

 

いっしょにいるのは、メスが卵を産むまでの話さ。卵を温めたり、子育てしたりはしないからね。しかも、すぐにほかのメスにプロポーズしちゃうのさ

(『ウソナンデス ~ぼくたち、かんちがいされています!~』)より引用)

 

オシドリの実態を知ってしまうと、オシドリ夫婦と呼ばれているご夫婦がいたら、ちょっと疑ってしまうかもしれない。

 

もしかしたら、今頭の中にある動物の知識は、勘違いから生まれているものかも。本書を読んで一度確認したほうがいいだろう。

 

【書籍紹介】

ウソナンデス ~ぼくたち、かんちがいされています!~

著者:今泉忠明
発行:学研プラス

「ピラニアは凶暴」「ハイエナは横取りばかり」など、世間で生き物がされている「勘違い」を通して、彼らの生態などを紹介。勘違いを正したい動物たちとインタビュアーの対談形式。手軽に読めて、生き物の知識が身につく。

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バイクファンは一生に一度行って欲しい! オーストラリアのフィリップ島で繰り広げられるGPと同島の魅力

オーストラリアのビクトリア州にあるフィリップ島。メルボルンから、東へ車で2時間ほど行ったところにあり、本土とは大橋でつながっています。この島はコビトペンギンの生息地として知られると同時にモーターサイクルファンにとっては見逃せないグランプリ会場にもなっています。10月に開催が決まっている2018年のグランプリ。フィリップ島の魅力と併せて、グランプリの詳細をお伝えします。

 

コビトペンギンの生息地

(出典:Visit Victoria / Phillip Island Nature Park)

 

フィリップ島はコビトペンギンの生育地として、観光スポットの一つになっています。コビトペンギンは昼間餌を探して海に出かけるのですが、日が暮れると海から上がり海岸の砂丘に作られた巣に戻ります。群れをなして、よちよち歩く姿――「ペンギンパレード」――を見るために、たくさんの観光客がやって来るのです。

(出典:Visit Victoria / Underground viewing at the penguin parade, Phillip Island)

 

コビトペンギンが見られるのは日没後。冬場は寒いながらも日暮れが早いので、待ち時間も短いですが、夏は夜の10時近くにならないと日が暮れません。そのため、ペンギンも海から上がってこないので、見学の際は時間調整が必要。見学には一般席以外に、地下にあるコビトペンギンと同じ目線で見学できるガラス張りの特別エリアもあります。席のタイプにより、料金は$26.20~$67.50となっています。

 

モーターサイクルファンの聖地

(出典:Visit Victoria / Australian Motorcycle Grand Prix)

 

そんなフィリップ島のもう一つの魅力、それは島内に作られたモーターサイクルのサーキットで行われるレースです。ここでは国内外の大会やイベントが開かれるので、フィリップ島サーキットはモーターサイクルファンの聖地とも言われています。

 

1956年にオープンしたフィリップ島サーキットはバス海峡に面したエリアに位置しており、美しい海を背景に繰り広げられるレースは、フィリップ島ならではのエキサイティングなイベントになっています。

(出典:Visit Victoria / Australian Motorcycle Grand Prix)

 

モーターサイクルファンにとって見逃せないのが、毎年開かれるモーターサイクルのグランプリ。今年の開催日程は10/26~28日となっており、すでにチケット販売も始まっていてます(オンラインで購入可能)。チケットには1日券と3日券の2種類があり、価格は$60~$1695。日数と見学席タイプにより価格が異なります。

 

この大会ではバイクのサイズによって異なる3種類のレースが展開されます。そのなかでも、グランプリは1000cc4ストロークのマシンで競うメインのレースで、出場ライダーは24人。スペインから9人、イタリアから5人、その他イギリスやドイツなどから参加します。日本からは中上貴晶がホンダに乗って出場予定。

 

レースでは、まず練習が4回行われてから予選、そしてさらにウォームアップ後、本レースになります。グランプリの賞金は残念ながら公表されていません。ただ、グランプリより下位レベルのレース「Moto2」の賞金をみると3000ユーロ(約38万円)になっているので、グランプリの賞金はこれを超える額になっていることは確かでしょう。

その他の見どころ

コアラ保護センター

(出典:Visit Victoria / Koala Conservation Centre)

 

コアラ保護センターはフィリップ島の中央付近にあります。センター内には「ボードウォーク(木と木を結ぶ高架歩行帯)」が設置されているので、コアラの生息を高みから観察することができます。

 

エコボートツアー

(出典:Visit Victoria / Seal Rock – Phillip Island)

 

エコボートツアーはボートに乗って、フィリップ島に生息する野生のアザラシを見る90分のツアーです。

 

チャーチヒル島ヘリテッジファーム

(出典:Visit Victoria / Churchhill Island)

 

チャーチヒル島はフィリップ島と陸続きの島ですが、ここには歴史の長い農場があり、羊の毛刈り見学や馬車など、オーストラリアの農場体験を楽しむことができます。

 

このように、たくさんの見どころがあるフィリップ島。モーターサイクルファンのみならず、動物好きの人や家族連れなど、だれにでも楽しめるこの島は、一度は行ってみる価値があると思います。旅行計画のなかに、このフィリップ島も入れてみるのはいかがでしょうか。

【今日の1冊】ニホンジカの「おじさん」がモテる秘密とは?――『いきもの人生相談室』

野生動物の生態は、まさに「生ける哲学」です。

 

いきもの人生相談室 動物たちに学ぶ47の生き方哲学』(小林百合子・著、小幡彩貴・イラスト、今泉忠明・監修/山と溪谷社・刊)では、醜かったり弱かったりしても、生まれもった特長を活かして、たくましく生きるためのコツを学ぶことができます。

 

社会人になってから親友は作れる?


【Q】会社に親友と呼べる友達がいません。社会人ってみんなそんなもの?

【A】大人になってからの交友は友情だけでは続きません。

(『いきもの人生相談室』から引用)

 

回答者は、カクレクマノミです。「ファインディング・ニモ」に似ているオレンジ色の熱帯魚。

 

カクレクマノミは、イソギンチャクと共生関係にあります。ふたりは助けあって生きています。南の海では、よく知られた親友同士です。

 

外敵に襲われそうになったカクレクマノミは、決まってイソギンチャクの触手のあいだに逃げ込みます。イソギンチャクは身を守るための刺胞(毒針)を持っているので、それが抑止力になります。カクレクマノミには耐性があるので、毒の影響を受けません。

 

イソギンチャクは岩肌に定着しています。外敵から素早く逃げることができません。カクレクマノミの出番です。イソギンチャク毒にひるまない外敵が近づいてきたら、決死の覚悟によって追い払ってくれます。

 

損得抜きで助け合えるのは、ぜいぜい学生時代の友人まで。就職したあとは、たとえ同期入社であっても、助けてもらうためには「メリット(利得)」を求められます。相手に貢献できる「強み」を準備しておきましょう。

 

 

目立ったとき、叩かれるのがつらい


【Q】クラスで目立つことをすると悪口を言われそうで怖いです。

【A】将来、自分の個性を開花させたいなら勇気を出してやりたいことをやろう。

(『いきもの人生相談室』から引用)

 

回答者は、インドクジャクです。漢字では「孔雀」と書きます。

 

孔雀の羽は、オスのほうがゴージャスです。ご存じでしたか? 理由は、メスにアピールするため。自分の子孫を残すためです。

 

その反面、目立つので外敵に襲われやすいデメリットがあります。しかし、インドクジャクの遺伝子は、サイケデリックな羽模様によって目立ち続けることを選びました。差し引きでは「目立ったほうが種の存続につながる」という生存戦略が成功しています。「打たれても出る杭」になったもの勝ちです。

 

競争を勝ち抜くためにはメンタルケアが欠かせません。万人向けのストレス解消法を紹介します。

仕事のストレスを溜め込みたくない


【Q】生まれてこのかた無趣味です。仕事のストレスが発散できません。

【A】仕事とかけ離れたことをやればだいたいストレス発散になります。

(『いきもの人生相談室』から引用)

回答者は、イエネコです。日本には、約1千万匹の飼い猫がいます。

 

イエネコ(飼い猫)は、食事や寝床を与えられているので気楽です。しかし、猫の立場になってみると、「外に出られない」「不意にナデられる」というストレスを負っています。飼い主が遊んでくれないとき、猫はどうやってストレスを発散しているのでしょうか?

 

思いついたように突然、爪をといだり、体毛をペロペロなめたり、あくびをしたり。猫は「転位行動」によって、不安やストレスを忘れようとします。あえて「脈絡のない」「無関係」なことをおこなって、脳(こころ)への負担を減らすと考えられています。

 

ヒトの場合。ストレスを発散したいけれど得意なスポーツや趣味がない……かえって好都合です。いままでに経験が無ければ、慣れるために必死になります。没頭しているあいだはイヤなことを忘れるはずです。ニャンコの転位行動は、理にかなっています。

 

 

ニホンジカ(オス)のモテる秘密


【Q】20歳年上の男性に恋をしました。これってヘンでしょうか?

【A】経験豊富な男性に惹かれるのはいたってまっとうなことです。

(『いきもの人生相談室』から引用)

 

回答者は、ニホンジカです。その名のとおり、北海道から九州まで、日本列島のほとんどに生息しています。

 

ニホンジカは、オスだけに角(ツノ)が生えます。年齢を重ねるごとに、ツノは大きくなっていきます。ニホンジカのオスは、1才で立派なツノが生えたあと、3才までは枝が増えます。4才以降には太くなって、ますます「男らしい」容貌へと成長します。立派なツノを持っているほど、若いメスにモテるそうです。

 

長寿のニホンジカ(オス)は「10才〜12才」なので、人間になぞらえることができます。アラサー(20代後半〜30代)からが「モテ期」の始まりです。アラフォー(30代後半〜40代)、アラフィフ(40代後半〜50代)になっても、女性にモテることをあきらめないでください。

 

本書『いきもの人生相談室』では、オスよりも大きい「チョウチンアンコウのメス」、流されるままに生涯を終える「ラッコ」など、ハンディキャップに負けない生き方も学べます。お試しください。

 

【書籍紹介】

 

いきもの人生相談室 動物たちに学ぶ47の生き方哲学

著者: 小林 百合子 (著), 今泉 忠明 (監修)
発行:山と渓谷社

あなたの人生の悩みに動物が答えるおもしろまじめ本。動物好きだけではなく、どなたにもお愉しみ頂けるだけでなく、読むと心がすーっと軽くなります! 「老後が不安」「家に帰っても妻が口をきいてくれない」「個性がないと言われてしまう」「クラスで目立つといじめられそうで怖いです」「子どもが勉強しない」など、あなたの人生の悩みにいきものたちが答えます!

 

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ストレスで胃を壊す、ケンカの和解に子どもを連れてくる……進化したけどなんだかなー……な動物ベスト5

生物は、長い年月をかけて環境に適応して進化をしてきた。きりんの長い首、ぞうの長い鼻。人間が今のようになっているのも、この地球上で生き残るためだ。

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しかし、この地球には「なんでそんな風になったの?」と思ってしまう進化をした動物も多数いる。そんな動物を集めた書籍が『ざんねんないきもの事典』(今泉忠明・監修、下間文恵、徳永明子、かわむらふゆみ・絵/高橋書店・刊)だ。

 

そのなかから、僕が「これは残念だ!」と思った生き物ベスト5をピックアップしてみた。

 

 

第5位 チンパンジー

人間と同じ祖先を持つと言われているチンパンジー。その知能は高く、手話などで人間と会話ができるほどだ。

 

しかし、しゃべることができない。なぜなら口呼吸ができないから。口呼吸ができるのは人間のみ。なので、人間だけがしゃべることができるのだ。

 

声は出るものの、口から出る息を調節できないため、言葉を話すことができないという。うーん、残念!

 

 

第4位 チーター

時速100km以上で走ることができる、韋駄天チーター。いかにも速そうな体型で、動物界でもかっこよさはトップクラス。

 

しかし、速さに特化したためか、攻撃力や防御力が低く、肉食動物最弱なんだとか。そのため、せっかく狩りをしてもほかの動物に横取りされることも多いんだそう。

 

かっこよさや速さだけじゃだめなんだな。強くなければ生きていけない、強さだけでも生きていけない。

 

 

第3位 チンアナゴ

砂から体を出してゆらゆらしている姿がユーモラスなチンアナゴ。その状態でプランクトンを食べているそうだが、口の位置が高いほどプランクトンを食べられる確率が上がる。

 

そのため、顔出しの位置をめぐってケンカになることがあるようだ。

 

ただし、けんか相手は隣の穴のチンアナゴのみ。そして、ただ口を開けて威嚇するだけ。お互いに穴から出る気はないので、たいしたケンカにならない。

 

見た目同様、平和な生き物のようだ。

 

 

第2位 チベットモンキー

気性の荒いチベットモンキーは、オス同士でよくケンカをする。負けたほうは勝ったほうに謝るが、なかなか許してくれないこともある。

 

そこで、負けたほうは群れの中からかわいい小ザルを連れてくるそう。チベットモンキーは大の子ども好きなので、それで気持ちが和らぐんだとか。

 

そしてお互いの気分がよくなったら、2匹で小ザルを高く掲げる「ブリッジング」(橋渡し)という行為を行って、ケンカは終了。

 

ケンカのたびに呼ばれる小ザルはどんな気持ちなんだろう。
 

第1位 ゴリラ

見た目はゴツいが、実は繊細なゴリラ。知能が高く、無用な争いを避けたりすることも多いということ。

 

しかしストレスもためやすく、ストレスが原因でわきがや下痢になることも。なんかその気持ち、わかります。

 

しかも、下痢をすると自分でその便を食べることもあるそう。普段はそのような行いはしないので、ストレスによる行動のようだ。

 

ときどき、よくわからない行動をしている人間を見かけるが、やはりストレスが原因のことも多い。ゴリラも人間も、たいへんなんだな……。

 

 

正月明けは動物博士になってるかも?

『ざんねんないきもの事典』には、このほかにも残念な生き物が多数掲載されている。ダチョウやカバ、ミジンコ、コアラなど知っている動物や、あまり聞いたことがない動物まで、残念な生き物が目白押しだ。

お正月、おせちにもテレビにも飽きたら、この本を読んでみてはどうだろうか。暇つぶしになるだけでなく、ちょっとした動物トリビアも仕入れられる。正月休みが終わったら、動物博士になっているかも?

 
【著書紹介】

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ざんねんないきもの事典

著者:今泉忠明(監修)下間文恵、徳永明子、かわむらふゆみ(絵)
出版社:高橋書店

地球には、すごい能力をもつ生き物がたくさんいます。でも一方で、思わず 「どうしてそうなった! ?」 とつっこみたくなる「ざんねん」 な生き物も存在するのです。この本では、進化の結果、なぜかちょっとざんねんな感じになってしまった122種の生き物たちをご紹介します。

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運動神経抜群のテナガザル、実は骨折しまくっている!

私は動物園に行くのが好きです。上野動物園から旭山動物園、あちこち出かけています。そして、愛らしく、たくましい動物たちの姿に感動しています。

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ところが、動物たちが自然界で生きていくのは大変です。

 

泣けるいきもの図鑑』(今泉忠明・著/学研プラス・刊)を読むと、動物たちの辛く、涙するエピソードが満載です。さっそくページをめくってみましょう。

 

 

サルも木から落ちる!?

テナガザルといえば、腕の長さが胴の2倍以上もあるサルの仲間です。主に木の上で暮らし、移動するときは腕を巧みにつかって、すごいスピードで木から木へと移動するイメージです。

 

これをうでわたりといい、特に、東南アジアを中心に生息するシロテテナガザルは名人として知られます。

 

ところが、筆者が衝撃的な事実を紹介しています。

 

めすの28%、おすの37%が、うでわたりに失敗して骨折し、自然に治っていたことがわかりました。

(『泣けるいきもの図鑑』より引用)

 

なんとも気の毒です。原因は、熱帯の森では木の枝が枯れていることがよくあるそうで、掴んだ瞬間に折れてしまうためなのだそうです。

 

 

ヤマネの冬眠は命がけ

日本の本州、四国、九州などに生息するニホンヤマネは、体長6.1~8.4cmほどの愛らしい姿が特徴です。主に野山で生活していますが、秋から春にかけて冬眠します。

 

ところが、冬眠中は体温が0℃近くまで低下。しかも、30分に1回程度しか息ができません。これはなるべく、エネルギーを使わないで眠るための工夫なのだそうです。しかし、冬眠中にはこんなアクシデントも…!

 

木のうろの中やえだの上などに作った丸い巣で冬眠するものがいるのですが、みきやえだがおれて雪の上に落ちてしまうこともあります。目を覚ませば移動しますが、ねむったままのことも! その場合、もちろん死んでしまいます。

(『泣けるいきもの図鑑』より引用)

 

キツネなどの天敵に襲われることもあり、冬眠もなかなか命がけなのです。

 

 

ニシキヘビの後悔

巨大で強いヘビといえばニシキヘビ。自分の体よりも大きな動物をそのままのみこんでしまいます。ところが、丸のみは意外に危険なようです。

 

丸のみが原因で死んでしまったヘビもいます。たとえば、ヤマアラシをのみこんだニシキヘビは、そのはりのせいで死んだそうです。

(『泣けるいきもの図鑑』より引用)

 

ヤマアラシのトゲトゲの針が体内に刺さったら… 痛そう! これはニシキヘビ、気の毒です。のまれたヤマアラシの最後の抵抗、といえるかもしれませんね。

 

また、ある動物園ではニシキヘビにヤギ(!)を与えたところ、角で腹が裂けて死んでしまったのだとか。これは間違いなく、動物園の人が悪いのですね(汗)。

 

 

動物たちは生きるのに必死だ!

いかがでしたでしょうか。間抜けな動物から、気の毒な動物まで、動物たちの奥深い世界を垣間見れたと思います。

 

他にも、モグラはなんと3~4時間なにも食べないだけで、飢え死にしてしまうのだそうです。理由は、土の中にトンネルを掘るのに、すごくエネルギーを使うからだとか。1日に自分の体重と同じくらいの量のミミズなどを食べなければいけません。めちゃくちゃ燃費が悪いんですね…(汗)

 

厳しい自然界のなかで必死に生きている動物たち。愛らしい姿の陰には、数々の大変なドラマがあるのです。

 

【著書紹介】

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泣けるいきもの図鑑

著者:今泉忠明(監修)
出版社:学研プラス

「脂肪のせいで上手くもぐることができない」アザラシや「毎日10分しか眠ることができない」キリンなど、生き物77種のかわいそうでいじらしい生態を紹介!さらに、「忠犬ハチ公」など感動の実話も11話収録。感動泣きから笑い泣きまで、この一冊!

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