海に捨てられる「コンタクトレンズ」は年間2万kg以上! 環境汚染の意外な盲点

先日、世界各国で行われているレジ袋規制についてお伝えしたように、最近のプラスチック製品による環境問題というと、スーパーの袋のほか、ストロー、使い捨てのフォーク、ナイフなどが思いつくでしょう。でも、意外な盲点となりそうなのがコンタクトレンズなんです。米アリゾナ大学の研究チームが8月に発表した報告で、使い捨てコンタクトレンズが海のプラスチック汚染の大きな原因になっている可能性が指摘されました。

 

プラスチックから作られているって知ってた?

プラスチックで作られているものは、私たちの身の回りにたくさんありますが、そのなかの一つがコンタクトレンズ。ハードコンタクトレンズは酸素を通しやすい特性を持ったプラスチックが、ソフトコンタクトレンズには水分を含んでやわらかくなる性質のプラスチックなどが原料として使われています。

 

元々プラスチック汚染について調査を行っていたアリゾナ大学研究チームの一員が、あるときコンタクトレンズを捨てた後のことが気になり、プラスチック問題という観点から調査を行うことにしたそうです。

 

海→魚→人間?

この研究チームの調査によると、アメリカでコンタクトレンズを利用している人の15~20%が、使用後のレンズを流しに捨てていることが判明しました。アメリカでコンタクトレンズを利用している人は4500万人と言われているため、この数から計算すると1年間に18億~33億枚のレンズが下水に流されていることになります。これは驚くことに、2万~2万3000kgの量になるとのこと。

 

さらに、研究チームは素材の異なる13種類のコンタクトレンズを使って、下水に流された後どのようになるか追跡してみました。その結果、コンタクトレンズは下水処理によって、マイクロプラスチックと呼ばれる微小サイズになることが判明。でも、このマイクロプラスチックは消えてなくなるようなことはなく、目に見えないほどのサイズでそのまま海を漂ってしまうそうです。そして、魚たちがエサと一緒に食べてしまったり、プラスチックを食べた魚を人間が食べているかもしれないというのです。

日本でも若年層のコンタクトレンズ使用率は高い

2016年に発表されたGfKジャパンのオンライン調査(回答者は約3万6500人)によると、日本でコンタクトレンズを使っている人は26%いました。そのなかでも、16歳~30歳の女性が使用率44%と最も高く、視力矯正だけでなく、ファッション目的で使用する場合が多いと考えられます。おまけに、よく使われるコンタクトレンズは1日使い捨てタイプが一番多いそう。このうち、どのくらいの人が流しに捨てているかは分かりませんが、私たち日本人もコンタクトレンズで、知らない間にプラスチック汚染を引き起こしている可能性は否定できないでしょう。

透明で薄くて小さなコンタクトレンズ。「1回くらい、いいか」などと、つい思ってしまうこともあるかもしれませんが、積もり積もれば相当の量の海洋ゴミになっているということを忘れてはいけないですね。使い終わったコンタクトレンズはゴミ箱へ。そして将来的には、自然界に捨てられても、分解可能で環境を汚染しないコンタクトレンズが当たり前になることが求められています。

日本の規制はいつ? ハワイで「レジ袋のない生活」を体験してみて思うこと

今年7月、スターバックスが使い捨てプラスチック製ストローを2020年までに全世界で廃止することを発表。これをきっかけとするように、8月にはガストやジョナサンなどを運営するすかいらーくホールディングスと、イケア・ジャパンもプラスチック製ストローの利用を中止を発表しました。このように、プラスチックによる環境汚染に対して企業レベルで取り組むムーブメントが起きつつありますが、国としてのプラスチック規制を見ると、日本は世界でも遅れをとっているかもしれません。

 

2018年からプラスチック廃止となった国と地域

2018年だけでも、プラスチック製レジ袋の使用を廃止した国と地域に、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、台湾があります。それより前からレジ袋の使用禁止・規制を行っている国も多く、たとえばヨーロッパではイギリスやフランスなど約20か国が使用禁止や課金などの措置を導入済み。国連環境計画によると、レジ袋の規制法案がある国と地域は67にものぼるそうで、コロンビア、ルワンダ、パプアニューギニア、エチオピアなどの先進国以外でも、レジ袋の規制の動きがあるんです。

 

ハワイのレジ袋全面禁止法で「レジ袋のない生活」を体験

アメリカでは各州ごとにプラスチック袋の禁止法案などが作られていて、ハワイのオアフ島では2015年から小売店でのレジ袋を全面禁止する法案が施行され、現在ハワイ州全域でレジ袋の使用が禁じられています。さらに、2018年7月からは、レジ袋を購入した際には1枚あたり15セントが徴収されることも義務付けられました。

 

ハワイ在住の筆者が、そんなレジ袋を使わない生活を実際に送ってみて感じることは、「レジ袋がなくてもやっていける」ということ。全面禁止が決まったとき、不便を感じずにできるか小さな不安がよぎったものです。でも、実際にレジ袋を使わない生活が始まってみると、少量の買い物ならそのまま手に持って家まで帰るし、マイバッグを忘れずに持参するという習慣も身につき、「全然、問題ないじゃん!」と感じています。

 

ハワイでは、アパレルショップなどの小売店もこの法案の対象となるため、洋服を買ったときに15セントでの袋の購入を断って、商品をむきだしのまま手で持ち帰るのはちょっぴり違和感がありますが、それにもいずれ慣れるかなと思います。

 

現地の方も、マイバッグや段ボールの空き箱を持ってきて、買った品物をそれに入れて持ち帰るのがごくごく当たり前の生活になっているようです。

賛否両論の日本

レジ袋規制に関しては、近年、日本でも盛んに議論されています。そのなかには、レジ袋は石油(ポリエチレン)を有効に使った製品であり、むしろエコバッグの材料となるポリエステルをできるだけ使わないようにすべきだという反対意見も。最近ではエコバッグ持参を推奨するスーパーが多くなっていますが、その意見が正しいとすると、解決策はほかにあるのかもしれません(例えば、ゴミ捨てのマナーを守ること)。その一方、日本では生分解性プラスチック(グリーンプラ)の研究や製品開発も行われており、イタリアは非分解性の使い捨てプラスチック製レジ袋を禁止しています。

しかし、地球規模で見ると、海はプラスチックで汚れています。使い捨てプラスチックの1人当たりの排出量が世界で2番目に多い日本にレジ袋を規制する動きがまだないのは、世界的に見ると決して進んでいるとは言えないはず。「レジ袋が廃止になっても、それほど困ることはない」ということを日本の方にもっと気付いてもらえるといいな、と異国から願うばかりです。

アメリカで初めて日焼け止めが禁止へ――。陸海空で見るハワイの環境対策

ハワイの州議会で、現在熱く議論されているのが、日焼け止めの販売と流通を禁止するという法案。ハワイ周辺の海にあるサンゴ礁を守るための運動のひとつとして注目されているんです。年間で940万人(2017年実績)も訪れる世界有数のリゾート地ハワイでは、積極的な環境対策を実施しなければ、あの美しい海や山を維持することは難しいのが現実なのかもしれません。

 

「海」から考えるハワイの環境対策

最近、ハワイのニュースで盛んに報道されているのが、ハワイ州議会で討論されている、日焼け止めの禁止法案について。美しいサンゴ礁があり、格好のシュノーケリングスポットとして知られるオアフ島ハナウマ湾で昨年行われた調査で「オキシベンゾン」という化学物質が検出されました。オキシベンゾンは日焼け止めに含まれる物質で、紫外線から肌を守る働きがあるのですが、これがサンゴ礁に有害であると考えられているのです。

 

非営利団体ハエレティクス環境研究所によると、オキシベンゾンのような化学物質は若いサンゴ礁に染みこみ、脱色を促進。するとサンゴ礁のなかに生息する藻類が死んでしまい、サンゴ礁は白化してしまうのだとか。そのため、オキシベンゾンとオクティノクセイトという物質を含む日焼け止めの使用と販売を禁止する法案が提出されたのです。

 

日焼け止めを販売するメーカーなどからは反対意見があるものの、この法案は先日議会を通過。あとはハワイ州知事が署名を行えば、アメリカでこのような日焼け止めを禁止する法案を成立する初めての州となり、法案の施行は2021年1月からとなります。

「陸」ではレジ袋が有料化

また、陸上における環境対策では、ハワイではスーパーのレジ袋の有料化が実施されています。これは2015年から施行されている法案で、スーパーでの全面的な有料化に踏み切ったのは、ハワイがアメリカで初めての州です。

 

ご存知のように、プラスチックのレジ袋は天然資源を枯渇させ、さらに使い終わったレジ袋は自然分解されないため、海や山のゴミとなり動物が誤飲するといった被害が出ています。そこで始まったのが、レジ袋の有料化。店によって異なりますが、レジ袋の値段は1枚あたり$0.1ほど。法案施行前まではスーパーにマイバックを持参するような人はほとんど見かけることがなかったのに、いまではマイバックを持ってくる人やあまった段ボールに商品を入れて持ち帰る人などが多く見られます。日本でも同じようにレジ袋を有料にするスーパーも一部ではありますが、どの店も有料という取り組みは、やはり人々の環境への意識へ大きな変化をもたらしていると感じます。

 

「空」では電気自動車で二酸化炭素を削減

↑ホノルルで販売されている電気自動車

 

最後にご紹介したいのが、大気汚染へのハワイの対策について。日本でも、環境にやさしい電気自動車への注目は高まっていますが、ハワイでもその動きは同じ。特に、アメリカ本土に比べてガソリン価格が高いハワイでは、維持費を安く抑えられる電気自動車の導入が進んでおり、ショッピングセンターの駐車場にはたいてい、充電ステーションが設けられ、充電中の車を頻繁に見かけます。

 

ハワイは2045年までに電力を100%再生可能なエネルギーに変えるという目標を掲げており、電気自動車の導入も積極的に後押ししているんです。

 

ハワイは小さな島であらゆる資源が限られています。そのため、「環境対策をすすんで行わなければいけない」という意識が特に高いのかもしれません。