久米宏氏の美学を見た! 扱いにくくも書くのが楽しい、懐かしの“赤青鉛筆”

【文房具愛好家・古川耕の 手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す放送作家の古川耕氏。雑誌『GetNavi』で通算101回を数えた長寿連載「文房具でモテるための100の方法」を完走したのち、心機一転、「手書き」をテーマとした新連載をスタートする。デジタル時代の今だからこそ、見直される手書きツール。いったいどんな文房具の数々が披露されるだろうか。

 

第1話

三菱鉛筆
朱・藍鉛筆
792円(1ダース/12本入り)
赤(朱)芯と青(藍)芯を合わせた鉛筆。赤と青の比率は5:5と7:3の2通りある。久米さんが使われたのは、木の端材で作られた「リサイクル」鉛筆シリーズの5:5タイプ(写真下)。赤青鉛筆と呼ばれることも。

 

人によって削られた鉛筆の美しさを再認識

TBSラジオで13年以上続いた「久米宏 ラジオなんですけど」が、この6月に最終回を迎えた。久米さんの相方を務めていたTBSアナウンサーの堀井美香さんがその生放送直前、こんな文章を写真と共にツイッターに投稿していた。「真正面の久米さんはいつもこの風景でした。青エンピツ、チョコレート、紅茶。そしてきっちり揃えられた原稿」

 

久米さんは、番組当初から自分にしか読めないような文字を台本にちょこちょこ書き込んでいたらしい。テレビキャスター時代はテレビ映りを気にして高級ボールペンを使っていたそうだが、ラジオでは素朴な赤青鉛筆を好んで使い続けていたそうだ。

 

スマホでじっと写真を見つめているうち、たまらなくなって近所の店に出かけたら、赤色の比率と青色の比率が7:3の「朱藍鉛筆」があったので買ってみた。早速両端を削って使い始めたら、これが思った以上に……扱いづらい。印刷指定等に使う青鉛筆は、黒芯より筆滑りが悪く色が淡い。おかげで最後まで集中して書くので文字が少しだけ綺麗になった、気がする。結果、青のほうが消費ペースが速いというのは計算違いだったが、楽しみながら使っている。

 

最終回の放送でも久米さんは相変わらず明晰で、優しくて、写真に写った赤青鉛筆そのものだった。ボールペンでもサインペンでもなく、人の手によって削られたその鉛筆は、確かにとても美しかった。

アメリカで大ヒット! 9つの機能をまとめた「9in1マルチツールペン」を使ってみた

ちょっと変わった面白いプロダクトが集まっているクラウドファンディング市場では、多くの注目を集めて一般販売までこぎつけたアイテムが日々登場しています。今回は、アメリカのクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で大ヒットを記録し、ついに日本に上陸した「9in1マルチツールペン」を紹介します。

↑「9in1マルチツールペン」

 

この「9in1マルチツールペン」は、その名の通り9つの機能を1本のペンに凝縮したもの。サンフランシスコのイノベーション・カンパニー「ATECH」が開発し、Kickstarterで支援を募集したところ、最初の1週間で目標金額100%を達成したそうです。

 

見た目はマットブラック仕上げのスタイリッシュなボールペンですが、「ボトルオープナー(栓抜き)」「爪やすり」「ボックスカッター」「定規」「プラス/マイナスドライバー」「スタイラスペン」「水平器」「0.7mmボールペン」の9つの機能を1本の搭載。使いたい機能をすぐにポケットから取り出していつでも使うことができます。

↑1本のペンに9つの機能が凝縮されています。本体中心部の欠けている部分は「ボトルオープナー(栓抜き)」

 

本体は、素材にスチール、アルミニウム、銅、鉄合金を使ったタフなメタル仕様。表面はアルマイト加工されており、耐久性と堅牢性を備えた設計になっています。

 

実際に使ってみたところ、手に持ったときの金属製のしっかりとした質感と、コンパクトなサイズ感がちょうどよく、いつもシャツのポケットに入れて携帯しておきたくなります。本体が六角形になっているので、使うときに握りやすい点もいいですね。

↑本体は六角形で握りやすい

 

それぞれのツールもよく作りこまれており、どの機能もちゃんと使うことができます。個人的に気に入ったのは、テープで閉じられた段ボールをすばやく開けることができる「ボックスカッター」。外出を控えてネットショッピングをする機会が増えたので、荷物が届いたときにいちいちハサミを探す必要がなく、サッと開けられるのが便利。

↑段ボールをサッと開けることができる「ボックスカッター」。なお、側面の銀色の部分は「爪やすり」です

 

また、衛生的な観点から、ちょっと使うのを躊躇してしまいそうなATMや券売機などのタッチパネルも、「スタイラスペン」を使えば、直接手で画面に触れることなく操作できます。

↑本体にタッチパネル対応の「スタイラスペン」が収納されています

 

↑さらに、スタイラスペンの中に「プラス/マイナスドライバー」が収納されています。スパイ道具みたいでワクワクしちゃいますね

 

実用性とデザイン、クオリティを兼ね備えているので、自分用はもちろん、ちょっとしたプレゼントにオススメです。

 

価格は、一般販売予定価格3500円のところ、いまならMakuake限定5%オフの3325円で購入可能。支援期間は9月15日までとなっていますので、気になる方はお早めにチェックしてみて下さい。

 

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【菅未里の自腹買い文房具】ぺんてる「トラディオ・プラマン」はヘタ字のコンプレックスを払拭する買い溜めペン

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

万年筆ような“味”のある字をボールペンの手軽さで書けるペン

私は、字があまり上手ではありません。ところが、請求書などを送るために宛名書きをする機会がとても多いのです。そんな私にとって、手放せないペンがあります。

 

それが、ぺんてるの「トラディオ・プラマン」です。

ぺんてる
トラディオ・プラマン
500円(税別)

 

この、万が一生産停止になったときのために私が買いだめしているこのペンは、字を綺麗にしてくれる機能(?)を持つ、優れたペンなのです。

 

とめ・はらいが綺麗に出る

「プラマン」とは、「プラスチック万年筆」の略です。その名の通り、プラスチックで作られた万年筆のようなペンで、ペン先は万年筆に似ています。

 

そのペン先が、字を綺麗に見せてくれるのです。

↑ほどよくしなるペン先

 

プラスチック製であるペン先はわずかにしなるので、「とめ」「はらい」が綺麗に出ます。すると、それだけで字が一段きれいに見えます。「とめ・はらい」は、どうやら美しい字の重要な要素のようですね。

 

また、プラスチックの芯を、やはりプラスチックのパーツで左右から挟み込んでいるペン先は左右非対称で、筆記の方向によってしなり具合が変わるので、字には味が出るでしょう。

↑ペン先は、チップをパーツで挟み込んでいる(左)。そのパーツは左右非対称で、長いパーツを上にするとしなりは弱く、短い方を上にするとしなりが強く出る。(右)

 

↑機密性を高めたキャップ。キャップ内にインナーキャップもついている

 

ボールペン感覚で書ける

万年筆や筆も、字を綺麗に見せてくれるのですが、多くの人が普段使っているボールペンとは使い勝手が大いに違います。特に筆圧の違いは大きいですね。

 

しかしその点、プラマンはボールペンとまったく同じ筆圧で書けますから、違和感もありません。

 

しかも、安い。1本500円(税別)です。字が綺麗に見える上に書き味も楽しめるペンがこの価格なのは、破格でしょう。

 

↑筆者は茶封筒の宛名書きで愛用。茶封筒の適度な筆記抵抗とペン先のしなりの相性が良い

 

ペン先のしなり具合は茶封筒と相性が良いように感じますから、宛名書きには特におすすめです。あちこちでお勧めしているこのペンですが、やはり素晴らしいものは素晴らしい。ヘタ字にお悩みの方、ぜひ試してみてください。

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

 

木の香りに絶妙な重量バランス…世界のクリエイターを魅了する鉛筆「ブラックウィング」が愛おしい

【ド腐れ文具野郎 古川 耕 の文房具でモテるための100の方法】

番外編

文房具への造詣が深い放送作家の古川耕氏が、「文房具でモテるための100の方法」と銘打って文房具への愛を語る連載が、とうとう100回に達した。『GetNavi』は創刊から20年を超える雑誌だが、その半分近く、およそ8年半に渡って掲載された、長寿連載であった。うれしいことに次の連載はすでに予定されているが、今回は好評にお応えし「番外編」として、アンコール回をお届けしたい。


パロミノ
ブラックウィング
3840円(税別)
世界最高の芯と木材を用い、クラフトマンシップを持つ職人によって作られた鉛筆。いつの時代も親しまれるマットブラックの木軸、本品のシンボルともいえる金色の金具と黒の消しゴム、そして柔らかな書き味が世界中のクリエイターを魅了する。1箱12本入り。芯の硬度は「SOFT」。

 

由緒ある海外製鉛筆で心豊かにモテる

緊急事態宣言明けで久しぶりに訪れた大手雑貨店の文房具コーナーで、パロミノのブラックウィングが大きく陳列されているのに目が留まりました。以前からセレクトショップでよく見かけてはいたものの、なぜかこれまで食指が伸びなかったその鉛筆をふと手に取ってみると、しっくりと馴染んでとても心地良い。その日は手ぶらで帰ったものの、いつまでも指先に残る感触が忘れられず、後日この連載のために取り寄せました。

 

紙箱を開けると木の香りがふわっと漂い、専用のシャープナーで尖らせて書き始めると、思わず小さく声が出ました。どうやらブラックウィングの特徴である、尾尻の平らな消しゴムと金属パーツが絶妙な重心バランスを生み出しているようです。紙の上で芯が削られていく感覚がほど良く感じられ、安い鉛筆によくある、上滑りする感じがまったくありません。このちょうど良い「鉛筆らしさ」が、しかし以前は確かに苦手だったのです。

 

どれだけ鋭く尖らせても、瞬く間に線が丸くぼやけ、一瞬前とはまったく違う線となってしまう。書いていて、これほど「時間」を感じさせる筆記具はほかにありません。それがなぜかいま、愛しく感じられるようになったのは、コロナのせいでしょうか。いまはただ、その懐かしい書き味を楽しんでいます。来月から、この連載も心機一転。「手書き」について考えていきます。

パロミノ
ブラックウィング ワンステップ シャープナー
3400円(税別)
絶妙に歪曲したラインで芯を長く削り、折れにくい完璧な先端を作り出せる鉛筆削り。キャニスターには3回分の削りクズを溜められる。

 

「ド腐れ文具野郎 古川 耕 の文房具でモテるための100の方法」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/koh-furukawa/

アナログで書き取りデジタルで管理! 語学学習を“一本化”したスマートペン「NUBO Rosetta」

個人的な嗜好というか弱点というか、とにかく“スマートペン”“デジタルペン”と呼ばれる物に弱い。ネットなどでそう銘打たれた製品を見つけると、確実に「ほほう」と目が吸い寄せられるし、持っていない物であればほぼ自動的に買ってしまう。もともとデジタルガジェットが大好きで、文房具も大好きなわけだから、好物+好物ということは、つまりスマートペンとはカツカレーとかチーズインハンバーグみたいな感じだな、と思ってもらえばいいだろう。

 

そもそも、スマホに次いで常時携帯性が高く、かつ手元に握る機会の多い筆記具に機能をプラスして便利にしよう、という発想はとても正しいのだ。正しいなら、買っても損はしないはず(!?)。というわけで今回は、クラウドファンディングサイトで見つけて、また自動的(衝動的)に買ってしまったスマートペンを紹介しようと思う。

 

語学学習はデジタルペンにおまかせ!

「NUBO Rosetta」は、クラウドファンディングサイトMakuakeで発売された、語学学習に特化した韓国発のスマートペンだ。(※現在、Makuakeでのプロジェクトは終了しています)

Tesollo inc.
NUBO Rosetta
6395円(予価・税別)

 

軸には小さな表示ディスプレイ(スペック表によると有機EL)を搭載し、それ以外はスイッチ類なども見えない。スマートペンとしてはかなりシンプルな構成と言える。また、外国語は、英語のほか、スペイン語・フランス語・ドイツ語・韓国語に対応、また常用漢字も収録している。

 

ペンに表示された単語をペンで書き取って暗記

キャップを外して握ると自動で電源オンとなり、ディスプレイに「NUBO」の表示が出る。これで準備は完了。

 

あとは人差し指で先端側から後ろに向けてフリックすると、単語がディスプレイに流れて表示される。これを書き取ることで、単語帳を見るだけよりも確実に記憶へ定着させよう、という学習メソッドだ。

↑先端側(Aの辺り)から後ろ側(Bの辺り)に向けてフリックすると、英単語が表示される。Aの辺りを2回タップ、ペン自体を振る操作でも同様に操作できるが、その場合は少し精度が悪いように感じた
↑ディスプレイに次々と英単語と発音記号が表示されるので、それをこのペンですかさず書き取って、記憶に定着させる仕組み

 

初期設定では1分に1ワードが表示されるので、これを次々に覚えていこう(設定は後述のアプリで変更可能)。

 

内蔵する英単語は、英語初級(899語)・中級1(600語)・中級2(550語)・上級1(700語)・上級2(665語)・ビジネス英語(452語)の計3866語。さらに、アプリから自分で単語を入力したり、csvで単語帳データをまとめてインストールしたりすることも可能となっている。

 

もし単語が分からなければ、もう一度先端から後ろへフリック。すると和訳が表示される。逆に、もうこれは知っている・覚えたという単語ならば、後ろ側から先端に向けてフリックすると、「erase a word」と表示されて単語帳データから消去される。消去されなかった単語は「まだ覚えていない」という判断がされ、表示頻度がアップするという仕組みだ。

↑単語が表示されているうちに、再フリックで和訳を表示する

 

↑「もう覚えた」という単語は逆方向フリックで消去すると、もう表示されなくなる

 

これらの操作が、全てペンから手を離すことなく指先だけでできる、というのは、なかなか面白いギミックだ。

 

ところで、面白いのはさておき、この時点で感じたのは「単語が流れるスピードが少し早いんじゃないか」ということ。筆者がそもそも英語が苦手だから、ということもあるだろうが、単語がスーッとディスプレイに流れていくのについていけず、慌てるケースがわりとあったのだ。覚えてない単語は頻度を上げて表示されるので問題ないのかもしれないが、そこはちょっと気になるなと感じた。できれば、プレイバックないしは直前の単語を再表示する機能は欲しかったと思う。

 

↑充電はマイクロUSBをペン軸後端に接続。満充電までは50分で、約15時間の連続使用が可能
↑ペンリフィルは一般的なD1規格なので、自分の好みの書き味のものに差し替えられる

 

タイマー式勉強法を取り入れられるタイマー機能付き

また、単語表示以外にもうひとつ、基本的なツールとしてタイマー機能がある。先端から後ろへ素早く2回フリックすると、タイマーが起動。分数を設定したら軸の先端側をタップでカウントダウンがスタートし、終了すると振動で知らせてくれる仕組みだ。

 

勉強する時間を区切って集中するには、有効だろう。アラーム音がなく振動だけで知らせるのも、図書館など静かな場所で使うにはもってこいだ。

 

ただ、フリックの感度がちょっと微妙なこともあって、単語表示のために1回フリックしたのに表示されず、再フリックしたらタイマーが起動した、なんてことも。これでは逆に集中力が途切れてしまうので、できればタイマー起動アクションをややこしくないよう変えるなどの改善があると嬉しい。

 

アプリを使って学習の進捗を管理

専用アプリ「NUBO」をスマホにインストールすれば、ペンとはBluetooth接続で単語データを共有できるため、移動中などペンを使えない環境下では、アプリでまだ覚えていない単語を再チェックすることも可能。

↑アプリと連携する事で、単語データや学習時間の可視化など、できることがグッと増える

 

また、トータルの学習時間をグラフで表示したり、単語帳のセッティング(英単語以外に、前述のとおりフランス語・ドイツ語・韓国語・スペイン語・日本語漢字が設定可能)、メモ帳、D-DAY(学習を始めた日など区切りとなる日)設定などもできるようになっている。

 

↑NUBOペン側で憶えられなかった単語はアプリで再確認。電車での移動中などにも勉強が進められる

 

ただ、アプリの機能で気になったのは、メモ機能だ。アラーム付きで、入力した内容を設定した時間にペン側に表示することができる、とサイトの説明にあって、それは便利そうだなと思ったのだが……現状では何を入力しても、アラームが鳴ると同時に「メモを確認してください」と出るだけ。あれ? ToDo管理にも使えそうだと感じていた機能だけに、この不備はちょっともったいない。

↑製品サイトによれば、メモに入力した内容が表示できる、となっていたが……。このあたりはバージョンアップで解決されることを期待したい

 

スマートペンというジャンル自体、まだまだこれからのものなので、機能的に微妙な点がちょこちょこ見受けられるというのも、現時点では“スマートペンあるある”なのかもしれない。正直、今回のNUBO Rosettaも、これまでお読みいただければ分かるとおり、パーフェクトな製品とは言い難い。

 

しかし、アナログに手書きすることによる記憶定着と、デジタルな学習管理の相性の良さは確かにあると思う。つまり、メソッドとしては間違っていないのだ。おそらく、今後も改良され続けていけば、「勉強するならスマートペンがベスト」なんて未来もあるはずだ。そんな未来を感じたくて、人柱上等な新し物好き、スマートペン好きの同志諸君には、ひっそりとオススメしておきたい。

 

 

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万年筆のインクを筆ペン化! インクを充填しマイカラーのペンを作れる呉竹「からっぽペン」

墨や墨汁といった書道用品や水墨画のほか、最近ではドット芯カラーマーカー「ZIG クリーンカラードット」など、“書く”アイテムを長年開発・製造してきた呉竹から、新作が登場。お気に入りのカラーインクを自身で充填し、自分だけのペンを作れるという、「からっぽペン」です。

 

「からっぽペン」とは、文字通り中身の入っていない空っぽのペン。気に入ったインクや、瓶単位で手に入れたものの余ってしまったインクなど、手持ちの万年筆インクを自身で充填し、パーツを組み立て、オリジナルカラーのペンを作れるというものです。

 

2019年12月に開催された「文具女子博2019」で限定販売ののち、2020年3月に0.4mm芯の「ほそ芯」が正式発売、さらに今回、筆ペンタイプの「ほそふで芯」がラインナップに追加されました。

 

呉竹
からっぽペン/ほそふで芯
230円(税別)

 

同 5本セット
920円(税別)

 

ほそふで芯は、硬筆・極細の筆ペンタイプなので、筆圧の強弱で線の太さをほどよくコントロール。サインペンのような書き心地で、トメ・ハネ・ハライを表現できます。文字書きはもちろん、イラストやレタリングにも活躍しそう。

 

先行して「ほそ芯」(0.4mm・税別200円)が発売。水性カラーペンと同様の書き心地です。

 

からっぽペンの作り方を簡単に解説しましょう。

↑キットには、本体軸・綿芯・尾栓を同梱。綿芯をインクに浸し、インクを8割程度吸い上げさせます。綿芯を本体軸に入れ、尾栓をセットしたら、キャップを上部に向けた状態でゆっくりと押し込めば、完成。

 

万年筆のインクは、万年筆や目下注目されているガラスペンなど、使い道が限られているのがネック。そのインクをメモ書きや手帳の書き込みなど、もっと身近なシーンで活用できるのが「からっぽペン」のメリットでしょう。さらに、持っているインクをペンとして、誰かにプレゼントする“おすそ分け”にも便利そうです。

※メーカーによる品質保証は、呉竹製の「ink-cafe」を充填した場合に限ります

 

水性ボールペンにようやく脚光!? 油性やゲルにない書き味がパイロット「Vコーンノック」

ボールペンのインクは、ざっくりと「油性」「水性」「ゲル」の3つに分類される、ということはご存知だろうか?(実は、厳密にはゲルも水性インクに含まれるのだが、ここではあえて別に分類しておく。)

 

ただ現状では、なめらかな低粘度油性インクを擁する「油性」派と、若年層に人気でサラサラとした書き味の「ゲル」派に人気が二分されているのが実情。「水性」は人気がない……というか、一般的には認知している人の方が少ないのではないかというほど落ち込んでいるのである。

 

もちろん、それには理由がある。まず、液体状の水性インクは乾燥に弱いため、キャップ式にならざるをえないというのは大きい。日本人はノック式が大好きなので、キャップ式というだけで避けられてしまうのだ。また、インクがだくだくと出るため、紙によっては染みてにじんだり裏抜けしたり、というのも避けられがちな要因のひとつだろう。

 

しかし、だ。水性ボールペン、そういうことで嫌っちゃうにはもったいないように思うのだ。まず、インク粘度が低いため、筆記中のかすれがほぼゼロなのは魅力だ。ペン先が紙に触れている限り、インクは紙に出続けるため、走り書きなどをする場合は最強の確実性を発揮する。

 

だくだくとインクが出るというのも、欠点になる反面、筆圧をかけなくともサラサラと書ける、気持ちの良い書き味につながっていると言える。この書き味の特殊性は、もはや官能的ともいえるほどで、実のところ、水性ボールペンしか愛せないという熱烈な水性信者も存在するほどだ。

 

そこで今回は、うっとりする書き心地を持つ水性ボールペンの新作を紹介しようと思う。

 

名筆「Vコーン」の流れを汲むノック式水性ボールペン「Vコーンノック」

水性ボールペンのなかでも、特に最高傑作と名高いのが、パイロット「Vコーン」。液体インクがダイレクトに封入された直液式で、たっぷり過ぎるインクフローは、水性ボールペンの魅力を堪能するのにベストな1本と言える。

 

とはいえ、構造的にキャップ式なのはいかんともしがたく、今や知る人ぞ知るボールペン、的な地位に甘んじているのは残念だ。

 

そこで、その現状を覆すべく発売されたのが、なんとノック式構造に生まれ変わった最新作「Vコーンノック」である。

パイロット
Vコーンノック
(0.5・0.7㎜ 黒・青・赤)
各150円(税別)

 

Vコーンの名を冠するからには、当然のようにリフィルは直液式。たっぷりと充填された濃く鮮やかなインクが、ペン先から嬉しいほどにだくだくと紙へと供給される。どれほど早書きしようが、かすれやスキップが起きることが想像できないつゆだくっぷりだ。

 

もちろん、紙によっては当たり前ににじむし、描線もボール径からすれば太くなる。だが、そんなのは水面をすべるが如きサラサラサラァァァァ……という爽快な書き味の前には、「だからなに?」って感じ。にじむのが嫌なら、油性でもゲルでも使ってればいいじゃん、という話なのだ。

↑サラサラとしたインクがたっぷりと紙に染み込んで書ける感じは、ゲルや油性にはない気持ちよさだ
↑サラサラとしたインクがたっぷりと紙に染み込んで書ける感じは、ゲルや油性にはない気持ちよさだ

 

この書き味がワンノックで味わえるというのが、Vコーンノックの最大のポイント。内蔵したバネでボールを押し上げることで、先端にフタをして非筆記時の乾燥を防ぐ構造で、ノック式でもドライアップしない水性ボールペンを実現しているのだ。

 

ちなみに、見た目が同社の「フリクションボールノック」によく似ているため、筆者は最初、うっかりクリップ部を押しそうになってしまった。ノックノブは軸後端にあるので、お間違いなく。

↑こちらが元となった、キャップ式のVコーン。約30年前に発売されて以降、いまだに固定ファンが離れない魅力を持つ水性ボールペンだ
↑こちらが元となった、キャップ式のVコーン。約30年前に発売されて以降、いまだに固定ファンが離れない魅力を持つ水性ボールペンだ

 

インクも、Vコーンとは異なる、ノック式専用に開発されたものとなっている。

 

実はVコーンは、水性染料インクながら、一度乾くと強固な耐水性を持っていた。だが、Vコーンノックは「うーん、水性染料だからこんなもんだよね」レベルで水濡れに弱い。Vコーンの耐水性は大きなポイントだっただけに、そこはちょっと残念なところだ。

↑Vコーンとノックの筆跡に水を垂らした比較。おなじ水性染料インクながら、確実に別ものということは分かる
↑Vコーンとノックの筆跡に水を垂らした比較。おなじ水性染料インクながら、確実に別ものということは分かる

 

……と、ここまで読んで「ノック式のVコーンでインクに耐水性がないペンって、今までになかった?」と気づいた人がいただろうか? いたとしたら、かなりの水性マニアだろう。

 

そう、あったのだ。最初の方で水性ボールペンの最新作なんて書いたけど、実はこのVコーンノック、2008年に発売されたノック式水性ボールペン「VボールRT」のリニューアル版なのである。

↑2008年に発売されていた“ノック式Vコーン”こと、「VボールRT」(写真左)。リフィルは新しいVコーンノックと共通だ
↑2008年に発売されていた“ノック式Vコーン”こと、「VボールRT」(写真左)。リフィルは新しいVコーンノックと共通だ

 

分解してみると、上の写真のようにリフィルも「LVKRF-10」となっており、VボールRTと同型。つまり、見た目と名前を変えただけ、ということになる。

 

VボールRTは、日本初のノック式水性ボールペンとして発売されたのだが、折悪いことにその頃のボールペン業界は、「ジェットストリーム」と「フリクションボール」が大ブームとなっていたのだ。

 

結局のところ、低粘度油性インクと消せるゲルインクの快進撃に巻き込まれるかたちで、VボールRTは認知されないまま存在感を薄くしていった……という感じだろうか。なんともタイミングの悪いことである。

 

ひるがえって2020年。いまや、低粘度油性インクもフリクションインクもすっかり一般化し、それに合わせてユーザーの筆記具リテラシーも大きく上がった。水性ボールペンを改めて再評価する下地もできてきたように思う。そこでパイロットも「今こそVボールRT(改めVコーンノック)にもう一度チャンスを!」と判断をしたのではないか。

 

12年前に発売されたものとはいえ、油性やゲルに慣れきった手には、かなり斬新な書き味が体験できるはずだ。速乾性や耐水性ではかなわないが、水性ならではの早書きへの追随性といったメリットもある。

 

とくに「今まで水性ボールペンって使ったことないわ」という人には、新たな選択肢として試してみてもらいたい。だくだくとインクが染みるあの感じにハマる可能性、それなりにありそうだぞ。

 

↑サラサラとしたインクがたっぷりと紙に染み込んで書ける感じは、ゲルや油性にはない気持ちよさだ ↑こちらが元となった、キャップ式のVコーン。約30年前に発売されて以降、いまだに固定ファンが離れない魅力を持つ水性ボールペンだ ↑Vコーンとノックの筆跡に水を垂らした比較。おなじ水性染料インクながら、確実に別ものということは分かる ↑2008年に発売されていた“ノック式Vコーン”こと、「VボールRT」(写真左)。リフィルは新しいVコーンノックと共通だ

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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これは気持ちいい! 吸い付くように線が引けて書いた字がにじまない蛍光マーカー

【きだてたく文房具レビュー】上から重ねてマーキングしても書いた文字がにじまないマーカー

今年の春ごろ、中学生の集まる場所で「勉強効率アップ文房具」を紹介させてもらう機会があった。そこでかなり反応があったのが、蛍光ペンで上から線を引いてもにじみにくいゲルボールペン「サラサ マークオン」(ゼブラ)。

 

最近は勉強垢(自分の勉強ノートや文房具類の写真をインスタなどにアップするアカウント)が流行っていることもあるのか、これ欲しい! というリアクションが多かったのだ。

↑中学生にやたら反響があった、にじみにくいボールペンこと「サラサ マークオン」(ゼブラ)
↑中学生にやたら反響があった、にじみにくいボールペンこと「サラサ マークオン」(ゼブラ)

 

とはいえ、「メインの筆記具はお気に入りのペンがあるから、それ以外のはちょっと……」という声もあったのは事実で、もちろんそれはよく分かる。たしかに、メイン使いのペンはそう簡単に変えたくないものだし、できれば“にじまない効果”は蛍光ペンの方でなんとか受け持ってくれないか、という話ではある。

 

「うーん、そのうちそういう蛍光ペンも出るかもしれないね」とその場は締めたのだが、なんとそれから半年と経たないうちに「にじみにくい蛍光ペン」が出てしまった。

 

しかも、これまたゼブラからである。最初からこれ出しといてよー。

↑ゼブラ「ジャストフィット モジニライン」ピンク・黄・オレンジ・緑・青 各108円
↑ゼブラ「ジャストフィット モジニライン」ピンク・黄・オレンジ・緑・青 各108円

 

ゼブラ「ジャストフィット モジニライン」は、まさに文字の上から引いてもにじみにくい、という機能を搭載した蛍光ペンだ。

 

ボールペンで書いた文字に蛍光ペンを引いてにじむ、というのは、基本的に水性またはゲルの染料インクボールペンでおきやすい現象だ(油性インクもしくは顔料水性インクは耐水性があるため、この限りではない)。インクの成分が水性染料なので、書いた上からさらにたっぷり蛍光インクで水分を与えてしまえば、染料が溶け出してにじんでしまうのは当たり前ともいえる。

 

ところがモジニラインは、にじみにくい(インクの量や感想の具合などによっては、にじみゼロとはさすがに言えない)。

↑にじみやすい水性染料ボールペンの上から引いてもにじまない、特殊な蛍光インク
↑にじみやすい水性染料ボールペンの上から引いてもにじまない、特殊な蛍光インク

 

これがどういう仕組みでにじみにくいかというと、説明はややケミカルな話となる。まず、ボールペンのインクはマイナスの電荷を帯びている。そこでモジニラインにはプラスの電荷を帯びた成分を配合し、水性インクとイオン結合させることで紙の上に固着。それによってにじまない、ということだそうだ。

 

ちなみにこの仕組みは、浄水場などで水の中に溶け込んだ汚れを固めて取り除くシステムと同じだという。

↑一般的な蛍光ペンとの比較。にじみやすい水性/ゲルインクのペンで筆記し、30秒後にラインを引いてみた結果がこれ
↑一般的な蛍光ペンとの比較。にじみやすい水性/ゲルインクのペンで筆記し、30秒後にラインを引いてみた結果がこれ

 

仕組みを聞いてもよく分からん、という人も、まぁ使ってみれば効果は体感できるだろう。実際にいくつかの水性/ゲルインクのボールペンで試してみたが、たしかにこれは従来の蛍光ペンと比較するとかなり差が出る。はっきりとにじみにくいのだ。
※ただし、筆記跡が乾いてからでないと、何をどうやってもにじむので、そこだけ注意。

 

とくに「水性で乾燥が速い」を謳っているペン(「サラサドライ」や「エナージェル」など)や万年筆は、耐水性がなくにじみやすいという弱点を持っているのだが、その辺りにもきちんと効力が発揮されている。

↑厚い書籍を開いた曲面にもスムーズにラインが引ける、柔らかめなペン先チップ
↑厚い書籍を開いた曲面にもスムーズにラインが引ける、柔らかめなペン先チップ

 

ひとつうれしいのは、ゼブラがこのにじまない機能を、ペン先チップが柔らかい蛍光ペン「ジャストフィット」に搭載して発売したこと。

 

辞書や厚い資料などを開いた曲面にもフィットして線を引きやすいことから、すでにジャストフィットの愛用者はかなり多い。そういったファンを迷わせることなく、「こっちに切り替えてもなんの損もないよ」と示してくれたわけで、これはかなりありがたいことだ。

 

というか、そもそもこのにじまない機能だけでもかなり優先度の高い能力なので、他社の蛍光ペンユーザーも、一度ぐらいは試してみてもいいんじゃないだろうか。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

「紙」で選ぶ無印良品ノートーー書き心地が良いのは? 裏移りしないのは?

罫の種類や色、サイズ、綴じ方。ノートを選ぶ基準は人それぞれですが、ここでは無印良品の「紙」に注目してみました。紙は書き味を左右する重要な要素だから。無印良品のノートには様々な紙が使われていますが、代表的な3種類を取り上げます。

 

なお、本記事では取り上げる紙の種類を「上質紙」「植林木ペーパー」「再生紙」の3つに分類していますが、無印良品では商品ごとに最適な使い心地を実現するために、さらに細かな分類を設定し、紙を選定しています。そのため、商品名に含まれる紙の名前が同じであっても、まったく同じ紙を使用しているわけではありません。

 

【上質紙編】気持ち良くペンが走るからついたくさん書きたくなる

しっとりとした手触りが特徴の紙。滑らかな書き味を堪能できます。筆記音はほぼしません。

 

【上質紙その1】ページがパタンと開くから紙が浮きにくく筆記しやすい

上質紙 

フラットに開くノート

450円~

どこをめくっても180度に開きやすい。表紙はライトグレーと黒の2色で、前者は横罫縦ドット、後者は横罫。横罫縦ドットは、縦に薄くラインが入っていて、文字が揃いやすく図も簡単に書けます。A6/A5/B6、80ページ、糸かがり綴じ。

 

↑どのページをめくっても180度フラットに開きます。中央に段差ができないため書きやすいです

 

【ラインナップ】

↑横罫縦ドット

 

 

↑6mm横罫

 

 

【上質紙その2】万年筆で書く心地良さを倍増させてくれるノート

上質紙 滑らかな書き味のノート

250円〜

クリーム色の上質紙が使われており、万年筆で書いても裏うつりやひっかかりが起きにくいのが特徴。糸かがり綴じのほかに、ダブルリングタイプもあります。表紙のカラーは黒のみ。A6/A5/B6、72ページ、糸かがり綴じ。

 

【ラインナップ】

6mm横罫

 

ハードカバータイプも用意!

上質紙

滑らかな書き味

ハードカバーノート

700円~

毎日の持ち歩きにも耐えられるハードカバーの表紙を採用。「上質紙滑らかな書き味のノート」と同じ、書き味にこだわった紙を使っています。しおり紐付きです。91×161mm、A6、96ページ、糸かがり綴じ。

 

【コチラの上質紙のノートも注目!】

【上質紙その3】

上質紙 1日1ページノート

590円~

368ページあり、1日1ページ使っても1年以上使え、日記にもオススメ。罫線は7㎜の横罫縦ドットで使いやすいです。文庫本と同じA6サイズ。

 

【上質紙その4】

塩化ビニールカバー

上質紙 フリーマンスリー・ウィークリースケジュール

490円~

日付が書き込み式のスケジュール帳。マンスリー・ウィークリー(週間レフト)・メモページに分かれていて15か月使えます。A6とA5の2種。

 

【植林木ペーパー編】

計画的に育てた樹木で作るオリジナルペーパー

最も商品展開の多い無印良品オリジナルペーパー。アカシアやユーカリなどの広葉樹を中心に、計画的に育てた樹木をメインに使用しています。

 

【植林木ペーパーその1】質と価格のバランスが絶妙なハイコスパノート

植林木ペーパー

裏うつりしにくいノート5冊組

199円~

背に貼られたクロスは5色あり、どれも無印らしい落ち着いた色合い。用途別に使い分けられます。1冊あたり約40円で購入でき、コスパも抜群です。A5とB5の2種。A5/B5、30ページ、糸綴じ。

 

【植林木ペーパーその2】裏うつりしないから左ページも快適に使える

植林木ペーパー

裏うつりしにくいダブルリングノート

80円~

するするとした書き心の紙質が特徴。サインペンなどを使っても裏うつりしにくいです。表紙のカラーはベージュとダークグレーの2種類。A7/A6/A5/B5、48ページ、糸綴じ。

 

【再生紙編】ペン先が適度に引っ掛かり筆記音まで楽しめる

新聞や雑誌などの古紙で作られた。上質紙や植林木ペーパーに比べるとほんの少しザラつきがあり、「書いている」という感触を楽しめます。

 

【再生紙その1】上下左右自由に使えるルールのないノート

再生紙ノート

70円〜

表紙が無地で本文に上下がないため、左右どちらからでも使え、上下の向きも自由です。表紙の色によって罫線の種類が異なります。A6/A5/A4(7mm横罫のみ)/B6/B5、30ページ、糸綴じ。

 

【再生紙その2】好みの罫線を選べるパスポートサイズのノート

再生紙

パスポートメモ

120円

表紙の紙質と色展開がパスポートのようなメモ。3色展開で、それぞれ罫線の種類が異なります。小さいからA6サイズの手帳に挟んで持ち歩けます。125×88mm、24ページ、糸綴じ。

 

文/やまぐちまきこ 撮影/高原マサキ(TK.c)、我妻慶一

「MUJIペン」はモノトーン派? カラフル派? 無印良品の「良品すぎるペン」10選

無印良品の文房具は「シンプル」という言葉でまとめられがちですが、実は筆記具には2つのタイプがあります。ミニマムなデザインが際立つモノトーンの商品と、ボディにインクの色が透けて見えるカラフルな商品。ここでは、そのなかでも注目のアイテムをガイドします。

 

 

【モノトーンその1】無塗装のアルミの美しさを生かしたスマートデザイン

アルミ

六角ボールペン

490円

ペン先がニードルタイプの油性ボールペン。握りやすい細身の六角軸で、アルミのひんやりした手触りがクセになります。マット加工による素朴な質感と、シンプルを極めた佇まいが美しいです。

 

【ここがポイント】

シャープペンシルもラインナップ!

同シリーズにはシャープペン(アルミ六角シャープペン/490円)も用意。1989年に誕生した歴史ある商品です。0.5㎜芯に対応sます。

 

【モノトーンその2】芯の出る仕組みを眺めて楽しめるスケルトンボディ

低重心・振って出るシャープペン

473円

ペン軸を上下に振ると芯が出るシャープペン。内部構造の見える透明ボディだから、振ったときに軸内で起こる「重りの移動」を目でも楽しめます。重りが低重心を保ち、安定した書き心地です。

 

↑グリップの上部をひねると「振って芯が出る機能」がオフになります。その際は後端をノックして芯を出します

 

 

【モノトーンその3】ローレット加工が施されたプロ仕様の武骨なシャープ

低重心シャープペン

450円

低重心設計で長時間の筆記でも手が疲れにくい。指の滑りを防ぐローレット加工が施され、製図用ペンのような外見です。キャップは6種類の芯の硬度(HB,B,3H,2H,H,F)を設定できます。

 

↑キャップには、入れている芯の硬度を表す窓が付いています。製図用シャープペンとしても活躍します

 

【モノトーンその4】80円とは思えないハイクオリティな優秀ペン

ポリプロピレン六角軸油性ボールペン

80

約6gとポケットに入れていることを忘れてしまうほどに軽く、価格も手ごろでハイコスパな一本。ボディは握りやすく書きやすい六角形で、天冠と一体化したクリップの形がユニークです。

 

↑インクの色がボディの色と連動しています。赤と黒の2色展開で、どちらもボディはマットな質感です

 

【モノトーンその6】使いやすい字幅と軽さだから万年筆入門にオススメ

アルミ丸軸万年筆

1090

軸径約1㎝、重さ約20gの細身で軽い万年筆。ペン先の太さはF(細字)で、細かい字を書きやすく万年筆初心者でも扱いやすい。黒のインクカートリッジが1本付属し、買ってすぐ使えます。

 

↑万年筆に見えないデザイン。クリップ以外にひっかかりのないストレートなボディはモダンな印象です

 

【カラフルその1】

インクが消えるから書き間違いも怖くない

こすって消せるボールペン

150

キャップ先端のラバーで擦ると書いた文字が消え、何度も書き消しができます。0.4㎜はラバー部分がインクと同じ色ですが、0.5㎜は全色ともに白。書くときにキャップをボディ後端に付けると消しやすいです。

 

【カラバリcheck!】

 

↑ペン先はニードルボールペン(左)とボールペン(右)の2種類。前者はボール径が0.4㎜、後者は0.5㎜です

 

 

【カラフルその2】紙の上をペンが滑るストレスフリーの書き心地

さらさら描けるゲルボールペンノック式

100

さらさらと滑らかな書き味がクセになるゲルインクのボールペン。全16色と色が豊富なうえ、インクの出が良く、軽い力でも筆記できます。軸には再生材を使用し、環境にも配慮されています。

 

【カラバリcheck!】

 

↑ゼムクリップのような楕円形のクリップが特徴的。可動式クリップだから、厚みのあるものもしっかり挟めます

 

【カラフルその3】インクのかすれを抑える特別な機構を搭載

ゲルインキボールペン

80

ペン先にインクの逆流防止機構を採用し、インクかすれを軽減。スルスルとした書き味で、鮮やかな発色です。1998年に誕生し、その後2度の改良を加え現在3代目。今年30周年を迎えます。

 

【カラバリcheck!】

 

【カラフルその4】ペン先の窓がラインの引きすぎを防止

窓付き蛍光ペン

100

字幅約5㎜の太字と、約1㎜の細字を備えたツインマーカー。つぶれにくい細字は小さい文字の筆記にオススメです。ほかではあまり見ない乳白色のシンプルなボディが人気。

 

【カラバリcheck!】

 

↑太字側のペン先には、マークしている箇所が見えるように窓が付いています。ラインの引きすぎを防止します

 

 

【カラフルその5】目と手の両方でペン先の太さがわかる

水性六角ツインペン

80

太字と細字を持つ水性カラーペン。太字から細字に向けてボディの幅が細くなった珍しい形で、見た目に加えて触れることでもペン先の太さを把握できます。2008年度グッドデザイン賞を受賞。

 

【カラバリcheck!】

 

↑鉛筆のような六角形のボディ。握りやすいだけでなく、机の上などから転がり落ちるのを防止します

 

文/やまぐちまきこ、 撮影/高原マサキ(TK.c)、我妻慶一

軽いタッチで書けて発色クッキリ。今「ゲルインキボールペン」が熱い!

【ド腐れ文具野郎・古川 耕の文房具でモテるための100の方法】

No.074

ぺんてる「エナージェルインフリー」
216円

表現するための道具としてデザインされた「エナージェル」の限定モデル。黒/青/ブルーブラック/オレンジ/ターコイズブルーの全5色。「店頭ではターコイズが売れていたようですが、一推しはオレンジです。すごく鮮やか!」(古川さん)

 

ゲルインクの定番ボールペン、その新製品で新鮮にモテる

私が毎年主催しているボールペン人気投票「OKB(お気に入りボールペン) 総選挙」。その第7回の投票結果が先日、発表されました。

 

1位は大会7連覇となるジェットストリーム。2位は今回最高位となったサラサクリップ。続く3位は前回2位のジェットストリーム・プライム、そして4位には去年と同じくノック式エナージェルが入りました。この結果からわかるのは、油性ボールペンは依然としてジェットストリームが強いものの、ボールペン全体としてはゲルインクの人気が高まっているということです。なかでもゲルの二大巨頭はサラサとエナージェル。この2本は基本性能の高さはもちろんのこと、常に新しいキャンペーンや新モデルを打ち出し、「生きた製品」であり続けているのも強さの理由と思われます。

 

つい先月も限定発売の新製品「エナージェルインフリー」が文具ファンの間で話題となりました。今年トレンドになりそうなクリスタルボディにオレンジやターコイズのカラーインクを搭載。爽やかな外見になり、これで新規客を獲得しそうです。かたやサラサはシリーズ初となるカスタム多色タイプを発売し、ただでさえ多いファンを囲い込む堅実路線。両方ともいまのボールペンの牽引者らしい勢いがあって頼もしいのです。

 

ゼブラ「サラサセレクト」
162円(3色ホルダー)、270円(5色ホルダー)、108円(ジェルインクリフィル)、194円(シャープリフィル)

軽い書き味と鮮やかな発色で人気のジェルボールペン「サラサクリップ」を好きなボディカラー、インク色、ボール径で組み合わせてカスタマイズできる。リフィルのバリエーションは、カスタマイズボールペン最多の23色。

 

【プロフィール】
古川 耕
放送作家/ライター。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」「ジェーン・スー 生活は踊る」などを担当。

 

雑誌「GetNavi」で連載中!

サイクロン掃除機派も納得!? 成果や機能を美しく可視化する「鉛筆削り」から目が離せない!

【きだてたく文房具レビュー】機構や削る様子が見える鉛筆削り

今回は、美しい「鉛筆削り器」っていいよね、という話である。

 

ここでいう鉛筆削り器とは、いわゆるハンドル手回し式ではなく、電動でもなく、穴に挿し込んだ鉛筆を手で回して削る、あの小さな鉛筆削りのことだ。

 

まぁ、大抵の人は「鉛筆削り器が美しいんですよ」と言われても、なんとなくあいまいに「はぁ」と頷くだけだろう。たとえ「ほほう、美しいんですか」と興味深げに返してきたとしても、油断してはいけない。脳内では、昼に食ったラーメンの味を反芻しているだけに決まっている。

 

それぐらい、一般的な社会人というのは鉛筆削り器に興味がない。もとより彼らは鉛筆を使うことがないのだから、それを削るためにしか使えない道具に気を払う道理がないのは当然のことと言える。そんなことは分かったうえで、でも、とても美しい鉛筆削り器が出たので紹介したいのだ。

↑オブジェのような見栄えも十分な透明鉛筆削り器

 

学童文具メーカーのクツワから6月に発売されたのが、「透明鉛筆削りトガール」(上写真の中央)、「透明鉛筆削りケズール」(同右)、「透明2枚刃鉛筆削り」(同左)の3点。それぞれ、クツワが従来からラインナップしていた「トガール」「ケズール」「2枚刃鉛筆削り」の透明タイプである。

 

実はこの3点とも、特殊な機構を備えたかなり高機能鉛筆削り器なのだが、なにせ小学生がメインユーザーの文房具ということで、もったいないことに大人の認知度が極端に低い。そこでクツワは「HI-LINE」という大人向けのブランドで、大人が見ても格好良くて美しい透明タイプの鉛筆削り器として限定販売に踏み切った。

↑左が従来品。学童向けのファンシーなカラーで、大人はやや使いづらいかも

 

実際、刃以外ほとんどの部分が透明化されたことで、特殊な削り機構が丸見えになり、大人が見てもとても楽しめる。眺めて良し、削って興味深い、さらに削る機能も高いということで、しばらく鉛筆に触れていなかった大人にも充分にオススメできるクオリティなのだ。

 

ちなみにこのクツワは在阪のメーカーであり、かつて漫才師ますだおかだの岡田圭右(閉店ガラガラ、ワオ!)が営業として勤務していたこともあるそうだ。そう言われてみれば、ケズールやトガールといったダイレクトすぎる商品名の付け方と、岡田の芸風になんとなく相似を感じてしまう。

 

先端の角度が変えられるトガール

トガールは、鉛筆先端の削り角度を調整できる機能を持つ鉛筆削り器である。

↑クツワ「透明鉛筆削り トガール」464円

 

筆圧をグイッとかけたい色鉛筆や,芯の折れやすい2B〜などの柔らかい鉛筆は削り角を鈍角に。HB以上の硬い芯は先端を鋭角に尖らせることで、より書きやすくすることができる。

 

ナイフでの手削りなら尖らせ具合は好みに合わせて自在なのだが、鉛筆削り器で多段階に調整ができる機構は非常に珍しい。(鋭角・鈍角2つの削り器を備えた2穴式は他にも存在する)

↑芯の硬さや使い方に合わせて、削り角が5段階に変えられるギミック

 

“CLOSE”表記から一段階回すとシャッターが開くので、あとは好きな角度にダイヤルを設定して鉛筆を挿し削る。

 

1が最も鈍角で、5まで進むにつれて鋭角になるのだが、これを覚えておかないと、使うたびに「あれ、どっちが尖るんだっけ?」とやや迷うことになるので要注意だ。

↑写真上の矢印で刃が右側に刃が動くと鋭角に、左側なら鈍角に削り上がる

 

ダイヤルを1から回していくと、板バネで固定されている鉛筆削り自体の角度が少しずつ変わっていく。これによって鉛筆に当たる刃の角度も変わるので、先端の削り角が違ってくるのだ。

 

文字で説明すると少しわかりにくいかもしれないが、透明ボディで角度を変えて削ってみると一目瞭然。こんなちょっと削り器の角度が変わるだけでこんなに削り上がりが変わるのか! と驚かされるだろう。

 

芯の長さが調整できるケズール

一方、ケズールは、自分の筆圧や好みに合わせて鉛筆の芯先を5段階に長さ調整して削る機構を備えている。

↑クツワ「透明鉛筆削り ケズール」388円

 

使い方は、まず底部のシャッターをスライドさせて、露出した穴に鉛筆を挿し込む。次にダイヤルを回して削り上がりの芯の長さを設定したら、あとは普通に鉛筆を回転させて削るだけ。

 

芯の長さ設定は、ダイヤル回転に合わせてアイコンで表示されるので、分かりやすい。

↑写真のハイライト部のカバーが動くことで、芯の長さが決まる

 

↑芯の長さ調製はアイコンで表示。直感的でわかりやすい

 

芯の長さ調整は、ダイヤル操作に連動して刃の上を移動するカバーによって行われる。芯を短くしたい場合はカバーが前まで移動して刃を短く、長い場合はカバーが後退して刃の全域が使えるので、芯が長く削れる。シンプルながらよくできた仕組みだ。

 

ボディが透明なおかげでこの仕組みがよく見えるようになっており、「ほほう、なるほどこうなっていたのか!」と納得できて面白いのである。

↑芯が折れて刃に詰まっても、ワンプッシュでポコっと取れる。密閉型の削り器だけにこれは便利だ

 

ちなみに、ダイヤル上部のボタンは、削る途中で折れてしまった芯を排出するためのイジェクト機構となっている。ボタンを押し込むと刃の長さ調整カバーがぐいっと伸びて、隙間に詰まった芯を押し出す。この芯を押し出す動作がまた可愛くて、ついつい芯が詰まることを期待してしまうぐらいなのだ。

 

倍速で削れる2枚刃削り

最後に紹介する2枚刃鉛筆削りは、その名前の通り2枚の削り刃を搭載し、通常の2倍のスピードで鉛筆が削れる鉛筆削り器である。

↑クツワ「透明2枚刃鉛筆削り」464円

 

トガール・ケズールと比べて、ギミックは非常に単純。

 

内蔵している削り器の表と裏の2面に刃を備えているので、鉛筆を半回転させるだけで表裏の両面が同時に削れて1回転分、1回転させれば2回転分と倍速で削れる、というだけのものである。

↑新品の鉛筆も、電動鉛筆削りとも勝負できるほどの早さで尖らせる

 

とはいえ、仕組みは単純だが効果は歴然で、本当に削り上がりが驚くほど早い。

 

芯が折れた鉛筆でも3~4回転させればピンピンに削り上がるし、削っていない新品の鉛筆でも8回転ほどで芯先が尖る(普通の鉛筆削り器なら20回転ほどかかる)。倍速というのも全く大げさではないのだ。

↑削り器の裏・表刃で同時に削るので、もちろん削りカスも2面同時排出

 

透明度の高いボディの中で,削り器の表裏からスルスルスル……となめらかに削りカスが排出されるのは、なかなかの見応えがある。

 

しかも刃は、高品質の国産削り刃メーカーである中島重久堂製ということで、切れ味も抜群(もちろんケズール、トガールとも中島重久堂の刃だ)。削るのが気持ちいいな、と感じさせるシャープな刃が2枚も同時に使える贅沢さは、なかなか良いものである。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

“普通”が一番幸せ!? 自然体で使えて高性能とはデキるスマートペンだ!

【きだてたく文房具レビュー】気負わずに使えるスマートペン

以前、この連載でNeoLAB「Neo smartpen N2」というスマートペンをご紹介させてもらった。“スマートペン”とは、ノートに書いた文字をそのままデジタルデータとして、スマホやクラウドに取り込めるという、デジタル筆記具のジャンルだ。

 

なかでもこのNeo smartpen N2は、筆記内容と同期して音声を録音・リプレイしてくれる機能や、手書き文字をテキストに変換するOCR機能、手描きのイラストをベジェデータに変換する機能、さらには手帳のスケジュール欄への書き込みをGoogleカレンダーに同期する機能などを備えた高性能モデル。

↑Neo smartpen N2で、リアルタイムに書き込みをデジタル化

 

ライターや編集者にも愛用者が多い、いわばスマートペンの名機と呼べる存在である。もちろん筆者も入手から現在に至るまで、ずっと愛用し続けている。

 

そのNeo smartpenに2年ぶりのニューモデル「Neo smartpen M1」が登場したということで、早速入手してみた次第である。「N2」から「M1」へ、なにがどう進化したのかをここでご紹介したい。

 

より“普通”になったニューモデル

「Neo smartpen M1」(以下、M1)は、前モデルであるN2の正当後継モデルであり、専用ノート「N Notebook」もそのまま受け継ぐことが可能である。

↑NeoLAB「Neo smartpen M1」税込1万4800円。紙筒のパッケージがかわいい

 

特殊なドットパターンが印刷されたN Notebookへ筆記すると、ペン先のカメラでパターンを認識し、リアルタイムで筆記内容を専用アプリ「Neo Notes」に取り込む、という部分も変わらない。もちろん、従来の音声同期やOCRといった機能もそのまま使える。

↑N2(写真上)とM1(写真下)

 

↑N2は三角軸なので手に持った感覚はさほど太く感じないが、それでもM1の方が圧倒的にスリムで普通のペンに近い

 

では、N2とM1の違いはなにか? というと、最も顕著なのは「雰囲気が普通のペンに近づいた」というところだろう。

 

上写真で比較した通り、まず見た目が違う。N2は金属製の三角柱ボディで、M1はFRP(繊維強化プラスチック)軸で円柱ボディ。N2はいかにも“未来ペン”というルックスだが、M1はともすれば普通のペンに見えてしまう“普通っぷり”だ。

↑言われなければ、デジタルガジェットだとも思えないような握り心地

 

重量は、N2の27gに対してM1は21g。数字としてはわずか6gの差(そもそもN2がスマートペンとしてかなり軽量だった)だが、実際に持ち比べてみると、明らかに軽くなったと感じられるだろう。

↑N2とM1の重量比較。約78%の軽量化を果たした

 

ただ、ボディが軽くなった分だけ、バッテリー部の重量感が強調された感もあり、筆記姿勢ではややリアヘビーになった印象もある。紛失の危険性を考えれば、使用時はキャップを後軸に挿したい気もするが、バランスの面で言えば、外しておいた方が書きやすいだろう。

 

↑キャップを外した瞬間に電源オン。これもガジェットっぽさを感じさせない演出として優れている

 

もうひとつ、使い心地で普通のペンに近づいた部分が、キャップによる電源のオンオフ機能だ。

 

M1は、キャップを外せば自動で電源がオンになり、キャップを閉めるとオフになる。つまり、普通に使う限りは電源ボタンを意識する必要がないのである。(使い始めのBluetoothリンクなどには使用する)

↑後軸の裏側に配置されたM1の電源ボタン。一度ペアリングしてしまえば、まず触ることもない

 

N2も筆圧を関知して自動で電源がオンになる機能があったが、電源オフは基本的に電源ボタンを押さなければならなかった。放置しておけばオートオフが効くとはいえ、うっかり電源が入ったまま筆箱にN2を放り込んで、バッテリーを消耗させたことも二度三度ではない。

 

それを思えば、キャップと電源オンオフが連動しているのは、とてもナチュラルで良いと思う。

 

↑左がゼブラの4Cリフィル、右はジェットストリームのD1リフィル。見た目はほぼ同じで、M1はどちらでも使用可能

 

ところで、Neo smartpenシリーズでありがたいのが、リフィルが国際規格のD1リフィル(一般的な多色ペンに使用されているもの)ということで、自分の好きな筆記感のものに替えられる、というところ。

 

ただ、M1、N2とも最初に入っていたのは、D1よりも軸径がわずかに太いゼブラの4Cタイプリフィル(0.7㎜の油性)だった。もちろん、D1リフィルに差し替えても問題なく使えるが、ペン先が紙面に触れた時にややカシャカシャとしたブレを感じることもあるので、できれば交換するなら、ゼブラの4Cリフィルから選んだ方が良いかもしれない。

 

油性が苦手な筆者は、ゼブラの「4Cサラサ0.5㎜リフィル」に交換して快適に使用している。

 

↑N2とM1を併用する場合は、アプリの設定から「ペンの情報」→「ペンマネージャ」→「ペンの登録」でOK。切り替えは画面右上のペンアイコンから行える

 

全体的な感想で言えば、スリムになった軸と、キャップによる電源オンオフはとても使いやすい。

 

N2を使い込んでいるユーザーが、あえてM1に買い替える必要があるか? と言われると微妙(スペック上ではCPUの変更などが見られるが、試用中に性能的な差は感じられなかった)だが、今から新たに購入するならM1を選んで間違いないだろう。

 

なによりこの普通のペンっぽさは、スマートペン初心者にも違和感が少ないはずだ。いかにもデジタルガジェット……という雰囲気が苦手な人でも受け入れやすい、新時代のスマートペンとしてオススメしたい。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。