地震に台風…危機管理アドバイザーが教える、女性のための防災講座

防災と聞くと、「災害時のために食品の備蓄をしておく」とイメージする人もいるかもしれません。しかし実は食料のことだけでなく、他にもさまざまな準備が必要です。命を守れるよう準備することはもちろん、実際は命の危険がなくなったあとも、多くの困難が待ち受けることを想定しておく必要があります。

 

特に女性は、避難所での性犯罪被害など二次被害を受けるケースが後を絶たず、災害のたびにニュースで報じられています。また、衛生面が保たれない状態で過ごす日が続くなど、精神的な苦痛も。命の危険に比べたらそのくらい、と思えるかもしれませんが、何週間、何ヶ月と続いたり、終わりが見えなかったりしたらどうでしょうか。備えは万全にしておきたいものです。

 

今回は、女性の防災に詳しい危機管理教育研究所代表の国崎信江さんに、女性がすべき防災準備について教えていただきました。

 

災害が起こる前に考えておきたい4つのこと

災害が起こったとき、冷静な判断をするのはなかなか難しいものです。そこで、ゆとりのある日常を過ごしているときに、自宅や通勤路などに目をやり、災害時のことを想像してみましょう。ここでは日頃から意識しておきたいことを紹介します。

 

1.持って行きたい荷物をリストアップ

非常食をはじめ避難生活で必要となるアイテムが入った非常持ち出し袋を備えている人はいても、衣類や洗面用具、さらにどうしても持って行きたい大切なものまで用意している人は少ないでしょう。災害時は当然、そこまで気がまわりません。そこで、普段から数日分の宿泊セットと、どうしても持って行きたい大切なものを、旅行鞄に詰めて置いておくか、リストアップしておくと慌てずにすみます。

 

「服や下着などは2〜3日分の準備をしておきましょう。動きやすく、そのままでも眠りやすいものがよいと思いますが、どうしても失いたくない大切な服を詰めるのがよいでしょう。お金を出せば買えるものは諦めて、代わりのきかないものを持って行きます。また、契約書などの重要書類はいつもひとまとめにして置いておき、何かあったらすぐ持ち出せるよう準備しておいてください。荷物は、地震で扉が開かなくなってしまう可能性がある場所ではなく、ベッドの下などすぐに取り出せる場所に置いておきましょう」(国崎さん、以下同)

 

2. 自宅や会社の地盤や耐震性は?

自宅や会社など、よくいる場所の地盤や耐震性を確認しておくことも重要です。同じ程度の耐震性のある物件でも、どんな土地に建っているかで被害状況は違いますし、地盤や耐震性を知ることで、会社にいるより自宅の方が安全、あるいはその逆、といったことが判断できるようになります。

 

海や川などに近い土地では、その場所が海抜何メートルなのか、川が氾濫した場合の避難場所なども調べておきます。最近は台風被害も多いので、浸水しやすい場所も知っておきましょう。

 

「土地の安全性や地盤については調べるとすぐにわかりますし、建物の耐震性は、賃貸であれば不動産業者やオーナーに電話一本で確認することができます。自分のいる場所がどのくらい危険なのか、どこに行けば安全なのかは常に周りを見渡して確認しておきましょう」

 

3.外で被災したときに避難できる場所は?

外にいると、家にいる家族やペットのこと、自宅のことが気にかかって、何時間歩いてでも自宅に帰ろうとするものです。しかし、徒歩で帰宅することで命の危険にさらされる場合もあるのです。

 

「歩いている最中に火災や地割れなどに遭遇したり、ガラスが降ってきたり、混乱した人混みの中では怪我や事故が起こる心配もあります。夜な夜な暗くなった道を歩き続けるのも不安です。無理に帰ろうとせずに、近くのホテルやデパートなど、寝食やトイレに困らなさそうな場所に飛び込んで避難させてもらい、事態が落ち着いてから行動しましょう。和室がある公民館や、個室がありプライバシーが守られる漫画喫茶などでも構わないので、日頃から避難できそうな場所をいくつも考えておいてください」

 

4.被災地から出る「震災疎開」の方法は?

災害が起こると、ライフラインに影響が出るのはもちろんのこと、地震の場合はいつまで続くのかわからない余震や、減っていく食料への不安など、精神的な苦痛がたくさんあります。被災したらまず避難所、ではなく、代替輸送機関を利用する手段も考えながら交通機関が麻痺しないうちに、その場を離れるのもひとつの手。

 

「被災地に留まっていると、不安を感じたまま日々を過ごさなくてはなりませんし、東京など大都市では避難所に人が入りきらない可能性があるとも言われています。仕事のことなど、考えなくてはならないことがいろいろあるとは思いますが、まずは自分の命を守ること、精神的ストレスがなるべくなく過ごせることを第一に、『震災疎開』という考え方をしてみましょう。疎開先にできる親戚や友人の家など、すぐに身を寄せられる場所をリストアップしてみてください。安く泊まれるカプセルホテルやウィークリーマンションなどもありますから、動けるならば早いうちに、通常の生活を送れる土地に疎開しましょう」

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日常的にできる、命の危険がない部屋づくり

災害が起こったとき、考えるべきことは「プライバシーの守られた場所で、いつも通りの生活ができるかどうか」だと国崎さんは言います。

 

「女性は避難所に行くよりも、できれば慣れた自宅で過ごせるよう、日常的に被害の少ない部屋づくりを心がけましょう。ガラスや陶器、重い木でできた家具などは、どんなものも凶器となりますから、日頃から防災に意識を向けて、ものを選ぶときはなるべく“割れないもの”“軽いもの”“柔らかいもの”を意識して購入します。たとえば我が家では、壁掛け時計も紙製のものを使用したり、食器類も割れないセラミックやアルミ製のものを揃えたりしています」

【すぐにできる防災準備】

・食器や部屋の装飾品はガラスや陶器のものを避けて、割れないものにする
・壁に飾る絵は落ちたり飛んできたりするので、ウォールシールにする
・花瓶や雑貨などを飾るときは、滑り止めシートを使う
・食器棚には必ず滑り止めシートを使い、ロックを忘れない
・本棚の本は、地震のとき落ちてこないよう、隙間なくびっしり詰める
・本棚の本は、手前だけに滑り止めシートを貼る(全面に貼ると本が取り出せなくなってしまう)
・大きな家具はすべて固定する
・キャスターつきの家具は、動きにくいよう対角線上にロックをしておく
・トイレや風呂場など閉じ込められやすい場所には、笛やペットボトル飲料を常備しておく
・入浴中の被災に備えて、風呂場にはワンピースなど、すぐに着られる服を備えておく
・生理用品を常に3枚ほどハンドバッグに入れておく
・普段から缶詰の食品やレトルトのものを買い置きし、保存食も2日分くらい準備しておく

横浜岡田屋のおいしく食べられる保存食「HOZONHOZON」

かわいいパッケージとおいしい非常食として人気のあるHOZONHOZONは、鯛めしやトマトごはんなど、種類も豊富。「非常食は、残念ながらおいしいものがとても少ないなと感じます。ストレスフルな環境のときこそ、おいしい食事に救われますし、賞味期限が近くなってきたら食べることを考えると、なおさら、非常食を買うときは味についても吟味したいものです」

 

避難所に行ったら早く仲間をつくり協力体制を

学校の体育館や役所などを開放した避難所は、多くの被災者を受け入れてくれる大切な場所です。しかし一方で、停電した広い体育館で、見ず知らずの大勢の人と隣り合わせでずっと過ごさなくてはならない環境は、女性にとって過酷でつらいもの。

 

「女性の場合は特に、真っ暗闇で誰に何をされるか不安でたまらない時間が続くと思ってください。レイプ被害などの他にも、眠っているとき毛布の中に手が入ってきたとか触られた、ということも大変多く聞きます。そのような状況下では、眠れないばかりか正気を保っていられなくなるので、まずは同じような境遇の方に声をかけ、協力し合える関係をつくりましょう。男性と一緒にいる方が性被害に遭いにくいとも言われていますので、数名の女性が集まったところで、信頼できそうな男性にサポートをお願いすると安心です」

 

ここまで、災害への備え、また災害時に気をつけるべきことをまとめましたが、続いて、外出先でも対応できるよう、いつもバッグに入れておきたい「防災7つ道具」をご紹介します。

バッグにいつも入れておきたい7つ道具

外出先で被災したとき、ちょっとの備えがあるとその場をしのげるものです。いつもバッグに携帯しておきたいものを、国崎さんに伺いました。

 

1.止血パッド
「外出先で怪我をしたとき、『助けて』と周囲に言っても聞いてもらえる余裕はありません。ガラスなどでざっくり切ってしまうことを考えて、持っておくと安心です」


昭和技研「止血パッド」/危機管理教育研究所
8000円(小サイズ・10枚)

 

2.携帯トイレ
「被災すると、トイレはどこも長蛇の列だと思ってください。ハンドバッグにも入るサイズの携帯トイレを持っていれば慌てず我慢しなくてすむでしょう」(国崎信江さん)


マイレット「マイレットmini-1」
170円

 

3.携帯電話の充電器
「ソーラーパネルつきのモバイルバッテリーがオススメです。また、万が一閉じ込められたときにSOSを発信できるアプリをスマホに入れておくと役立ちます」

 

4.マスク
「できれば粉塵用のマスクがいいですが、普通のものでも構いません。ビルの倒壊などで粉塵を吸い込む可能性もあるのでマスクは必須でしょう」

 

5.ウェット手袋
「手袋の形をしたウエットタオルで、頭皮を揉むように洗うことができます。泡も出ませんし拭き取りも不要なのにすっきりと落ちるのでおすすめです」


四国紙販売「水のいらない泡なしシャンプー「ウェット手袋」
3000円(10枚)

 

6.水電池
「水を入れるだけで発電する道具で、飲料用水だけでなく、雨水や尿でも発電できる優れものです。懐中電灯や携帯電話などの充電ができるよう常備しておきましょう」


ナカバヤシ「NOPOPO」
648円

 

7.レインポンチョ
「雨天だけでなく寒さ対策や粉塵から身を守るなどのときにも使えるので、小さく折りたためるものを持っておくとよいでしょう」(国崎信江さん)

 

今年6月18日には大阪府北部を中心に最大震度6弱の地震が発生しました。そして9月6日には、最大震度7を観測し41名の犠牲者を出した北海道地震が発生。この北海道地震では、一時道内全世帯に停電が及びました。また、南海トラフ地震が起こる確率を政府や研究機関は「30年以内に80%」と発表しており、来るべき震災のための備えが急がれています。

 

災害時、女性は特に二次被害に遭わないためにも、プライバシーが守れる環境を手に入れることが大切です。少しでも安心して過ごせるように日頃から周囲の環境をよく知り、安全を確保することが命を守ることにつながります。

 

【プロフィール】


危機管理アドバイザー / 国崎信江

危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。地震調査研究推進本部政策委員会などの国や自治体の防災関連の委員を務める。
http://www.kunizakinobue.com/

 

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誰でも目にしたことがある避難器具「オリロー」で実際に降りてみた

本日9月1日は「防災の日」。様々なメディアで防災グッズが紹介されていますが、GetNavi webでは少し視点を変えて身近なあるものに注目してみました。それがマンション、ビル、ホテルなどでよく設置されている避難器具メーカー、「オリロー」。わかりやすくかわいい名前と、徹底した安全機能で、避難器具全体での国内シェアはなんと6割オーバーだそうです。

 

誰でも一度は目にしたことがあるこのオリローですが、しかし、実際にこの避難器具を使って降りたことがある人は少ないはず。

 

今回は、そのオリローの知られざる歴史と真実を、同社・家崎典久さん、山越 貢さんにお聞きしながら、実際に避難器具を体験させてもらいました。

 

 

↑オリロー株式会社広報部・家崎典久さん(左)、営業部・山越 貢さん(右)。同社の避難器具、安全基準を熟知されたお2人

 

 

オリローの名のルーツには、箱根駅伝と関係があった!

――マンション、ビル、ホテルなどでオリローの避難器具をよく目にします。ただ、「災害の当事者になっていない」ということで言えば幸いですが、実際にどういった歴史、避難器具の種類があるのかはあまり知りませんでした。

 

家崎典久さん(以下:家崎) もともと弊社は松本製作所という、消火器や農業衛生噴霧器を作る会社が始まりです。やがて松本機工という会社になり、そこから避難器具を作るようになり、今日に至っています。

 

ちょうど、最初の松本製作所から今年で90周年になのですが、これを機に“オリロー株式会社”と、社名変更をしました。

 

――それまで“オリロー”は避難器具の商品名で、企業名ではなかったんですね。

 

山越貢さん(以下:山越) そうです。最初は避難器具以外も作っていましたが、避難器具が会社の主流になっていきました。そこで社名も商品名と同じ“オリロー”にしたんですね。

 

おかげさまで現在では避難器具全体での国内シェアは6割以上となりました。

 

――この名前は「降りる」が語源ですよね?

 

家崎 はい。ただ、これには裏話があります。弊社の松本という顧問が昔、立教大学の応援団をしていたのですが、学生時代、箱根駅伝を応援しに行ったところ、雪が降ってしまい、乗っていたバスが雪で滑ってしまい立ち往生したことがあったそうです。

 

その際、松本顧問が応援団の後輩に「バスを降りろ! 降りてバスを押せ! 降りろ! 降りろ!」と叱咤したらしいのですが、この「降りろ!」を、商品名「オリロー」とし、採用したようです。

 

 

一口に“避難器具”と言えど、8種類ものカテゴリが

――そんなオリローですが、一口に避難器具と言っても、様々な種類がありますね。

 

家崎 国家検定に準じると、8種類あり、避難はしご、固定はしご、救助袋、緩降機、滑り台、滑り棒、避難ロープ、避難橋です。

 

――ということは、あらかじめ国が定めた基準に応じて開発をしていくということですね。

 

山越 そうです。国が提示する厳しい基準を受けて、開発をし、検定を受けるという流れです。

 

――そうなると、奇想天外な避難器具、斬新な避難器具は開発しにくそうですね。

 

家崎 そうです。ただ、その基準内であっても、より使いやすく安全性の高い避難器具を日々研究しています。設置する建物自体もどんどん変わっていっていますから、当然避難器具も日々進化させないといけないわけです。

 

■折りたたみ式スライドはしご

↑緊急時、降下地点に万一障害物があっても避難可能な工夫がなされています

 

■固定はしご

↑どの階からも避難が可能。さらに沿岸地域などでは津波対策として上階へと避難することもできます

 

■救助袋

↑袋本体にらせん状に降下する滑降布を縫着。安全に地上へと避難することが可能

 

■緩降機

↑使用者が他人の力を借りずに自重により自動的に連続交互に降下することができる機構を有するもの

 

■滑り台

↑病院、学校、幼稚園、老人ホームなどで採用されている。馴染みのあるカタチなので、誰でも簡単に避難することが可能

 

■避難ロープ

↑その名もオリロープという器具で、取り付けが簡単で軽くて使いやすいもの

 

■避難ハッチ

↑チャイルドロックを付け、日常での安全性を高めながら、万一の際には簡単に開けられます

 

■滑り棒

映画「ゴーストバスターズ」でも登場した、垂直固定の棒をつたって避難します。

 

半年に一度はメンテ会社が避難器具を点検しなければいけない

――国の基準をクリアし、日々進化も続けるオリローですが、ただ、器具自体を実際に使ったことがある人は少なそうです。

 

家崎 たとえばマンションなどでオリローの設置登録をしていれば半年に一度、必ずメンテナンス会社、運営会社が点検し、一定期間内に消防署へ報告するという義務があります。

 

本来、こういった点検の際に合わせて、住民の方や、万一の際に使うであろう方々の避難訓練もやっていただきたいですね。万一の際、せっかくの避難器具の使い方がわからない……となったら意味がありませんので。

 

――ということで、今回はその体験をさせてください。

 

家崎 もちろんです。本当は高さ50メートルの緩降機をはじめ、すべての避難器具を体験していただきたいですが、今回は救助袋型の避難ハッチをやってみましょう。

 

↑これが救助袋型の避難ハッチ。実際の体験動画はさらに下をご参照!

オリローで実際に降りてみた

――ハッチを開けた瞬間、袋がありますね。

 

家崎 この袋の中に入って避難します。まず、ハッチのフチに腰掛けていただき、膝から足を先に入れます。そしてハッチのフチの両脇を掴み、腕力で体を支え、態勢を整えた後、上のベルトに手を移します。その後、手を離し、一気に体を救助袋の中に入れていく……という流れです。

 

――救助袋に入った後、そのまま体が下へストンと落ちていきそうで、すごく恐いんですけど。

 

家崎 大丈夫です。この救助袋はらせん状の構造で、下にそのまま落ちるわけではなく、袋の中で体を緩やかに回しながら、地面に着地し、逃げられる構造になっています。

 

――では恐いですが、実際に手を離してみますね。

 

↑一連の流れを家崎さんに解説していただきながら、筆者も体験。袋の中に身体を入れた後、最後のベルトから手を離すのが恐いですが、見ての通り、体は緩やかに下降していきます。

 

――恐かったですが、確かに救助袋の中で安全に着地することが出来ました。

 

家崎 これは実際に体験したことがあるとないとでは、万一の避難時に大きく影響しますから、本当はもっと多くの人に体験していただきたいんです。

 

――他の避難器具ももちろんそうですね。火災などの際、そうでなくても頭がパニックになっていると思いますから、こういった機会はもっと多くあったほうが良さそうです。

 

山越 ただ、個人的に勝手に使うのはダメです。必ず保安会社の方、メンテナンス会社をされる方など、有資格者や識者と一緒に避難訓練をしてください。そういった避難訓練の場で、避難器具に触れ、構造を知っていただくだけで、万一の避難時のスピードが大きく変わると思いますから、これはぜひお願いしたいです。

 

↑避難はしごの開閉も体験しました。片手で簡単に開閉が行えます

 

↑はしご型の避難ハッチも体験しました。ご覧の通り、短時間で気持ち良いほどにはしごが伸びます

 

 

オリローの実例データは!?

――実際に、なんらかの災害の際、オリローが活躍したという事例はありますか?

 

家崎 この話はよく聞かれますし、実際どこかで必ず役立っているはずなのですが、こういったデータは国が発表しないので、わからないんです。

 

――しかし、6割以上のシェアということですから、やはり現場レベルでは、なんらかの口コミがありそうですが。

 

家崎 例えば、口コミレベルの話で「オリローが設置されているビルで火災が起き、全員避難出来て無事だった」と聞いても「オリローで避難出来たから」と言い切れません。だから、こういったデータは全く持っていないのが現状ですね。

 

――そうであっても、他社製品よりもオリローが優れていて、多くの支持を受けている理由は何だと思いますか?

 

山越 やはり、常に開発を繰り返し、安全性を高めているところだと自負しています。

 

家崎 本当は火災が絶対に起きないような世の中になれば良いと思います。でも、それは難しいでしょうから、常にそれまでよりも使いやすい器具を開発し、より安心して避難していただける器具をご提供できるよう、これからも研究、開発を重ねていきたいと思っています。

 

 

↑避難器具の素人にもわかりやすく解説してくださった家崎さんと山越さん。どうもありがとうございました!

 

オリローのストイックで実直な避難器具開発は、家崎さん、山越さんのお話からも随所に感じられました。お話の通り、実際に避難器具に触れたことがあるかないかでは、万一の際に大きく変わります。避難訓練などで、器具に触れられることがあれば、ぜひあなたもご参加されてください!

 

【備えの1冊】防災バッグの中に何を入れる? 命を守る5点セットとは――『りすの四季だより』

これまで幾度となく言われてきているが、日本は災害大国である。今や、日本中どこに居ても安全は確保できない。最近では北大阪地震、西日本豪雨。竜巻だって起こる。いまこの瞬間に被災するかもしれない。

 

だからこそ、日頃から備えておくことが大切だ。

 

「そんなこと、何百回何万回と言われてるから、わかってるって!」というそこのあなた。では、いざというときに持って逃げるためのバッグに何を入れたらいいか、ご存知だろうか?

 

 

 

命を守るために、バッグに入れておきたい5アイテム

コラムの冒頭だが、いきなり答えを言ってしまおう。

 

1.スマホや携帯電話

緊急地震速報や情報収集のための必須アイテム。手動タイプの充電器があると、なお良し。

 

2.ホイッスル

軽く吹いても大きな音が出せて、中に玉が入っていない、壊れにくいものがベスト。子どもたちにも、防犯ブザーより電池要らずのホイッスルを持たせたい。

 

3.LEDライト

イマドキ電球タイプの懐中電灯はナンセンス。LEDタイプの、できればヘッドライトが◎。

 

4.ピンセットや小型ナイフなどがついたマルチツール

日常生活の中でも役立つものが多いので、ぜひ携帯を。ただし、銃刀法に触れない刃渡り5.5cm未満のものでも、正当な理由なくしては持ち歩けない。「子どもの爪を切るため」「今からキャンプで使う」などはOKだが、「防災・防犯のため」は正当事由にならないのでご注意を。

 

まずは、この4点。すでにお手元にあるだろうか。

 

実は先日、アウトドア防災ガイド・あんどうりすさんの防災講座に参加したのだが、内容が本当に目からウロコというか、「お~!!!!」と感動することしきりだったため、すぐにりすさんの著書を購入。いまご紹介した4アイテムは、『りすの四季だより』(あんどうりす・著/新建新聞社・刊)からピックアップした。

 

もちろん、自宅に非常用の持ち出し袋を用意、水やレトルト食品などを常備しておくことは大前提だが、それらすべてをバッグに入れたため荷物が重すぎて逃げられないなんて、本末転倒で悲しすぎる。

 

着の身着のまま逃げるとき、また外出先で被災した場合のために、普段から持ち歩ける防災用のバッグも用意しておきたい。

 

アウトドア用の軽いリュックを普段使いしてもいいし、スーツに合わないのであれば、ビジネスバッグの中に折りたたんで入れておいてもいい。毎日の外出時から、軽いバッグと上記4点を入れて持ち歩くことがおすすめだ。

 

 

何より大切なのが「知恵のある自分自身」!

さて、では最後の1アイテムは何だろうか。答えは5.知恵のある自分自身

 

今回りすさんの講座を受け、著書を読み、もっとも大きな気づきだったのが、「マニュアルに頼りすぎていること」を自覚したことだ。

 

たとえば、東日本大震災以降、スーパーのレジ袋でおむつを作る方法が広まった。私も子育て講座で教えてもらったことがある。レジ袋の左右の端を切って広げ、中に布などをあてるというものだ。けれど、自分の子どもたちが大きくなり、おむつが必要なくなったので、この知識はもう自分には不要だと思っていた。頭の片隅に追いやっていた。

 

だが、このおむつの知識から得られることは、スーパーのレジ袋がなければ作れない! ではなく、赤ちゃんがいないから関係ない! でもなく、防水素材と吸収素材の組み合わせが非常時に役立つということだ。

 

おむつの外側はポリエチレンなどの防水素材を探せばいい。それさえ知っておけば、レジ袋だろうがラップやポケットティッシュの外袋だろうが、撥水のガムテープだろうが、すべてOKなのだ。

 

その防水素材の内側に、吸水できる素材のものをあてればいい。この組み合わせは、赤ちゃんのおむつに限らず、生理用品にだって、非常時のトイレにだって活用できる。

 

「○○と○○を使って△△を作る」というマニュアルだけを頭に入れるのではなく、仕組みを理解することで、いくらでも自分で活用していけるというわけなのだ。

 

以前「ツナ缶でろうそくができる」という災害時のアイデアが話題になったが、「ツナ缶とこより」とだけ丸暗記していると、水煮のツナ缶を用意してしまうという事態が起こりうる。「油をティッシュなどのこよりに染み込ませて燃やす」という仕組みを理解していれば、ツナ缶でなくても、オイルサーディンでもいいと気づけるのである。

 

仕組みを知れば、臨機応変に行動できる。今後、様々な防災のアイデアを目にしたときは、ぜひその「仕組み」に着目することをおすすめしたい

 

「防災用」をあえて揃えるのではなく、日常でも使えるものをチョイスしよう

もうひとつ、りすさんの教えで気づいたことは、「防災は日常生活の延長線上にあってこそ、役立つ」ということ。

 

たとえば雨を伴う非常事態の場合、レインウエアがあるとかなり助かる。だが、100均のものでは心もとない。

 

おすすめは、透湿防水素材でできているアウトドア用レインウエア。普段使いにも便利で、そのまま災害用としても使えるからだ。お手入れすれば10年はもつので、確かに初期投資は必要だが、結果的には良いものを長く使うことの方がお得なのではないだろうか。

 

さて、ここで迷うのが、子ども用だ。すぐにサイズアウトしてしまうことを考えると、上下セットで6000円は高すぎないだろうか?と悩む人も多いだろう。

 

そこで、りすさんはこうひらめいた。

 

アウトドア用レインウエアは、世界中どのメーカーでもYKKのファスナーが使われていることが多い。そのため、製造番号が同じであれば、大人用と子ども用をジョイントできるのだ。

 

赤ちゃんを前で抱っこするときは、ママと子どものコートをジョイントして、ママコートに。歩けるようになったら、上だけ着せてレインコートに。もっと背が伸びたら、上下で着せる、といったように、120cmサイズの子ども用レインウエアを0~6歳まで使い倒したとのこと! このアイデアならば、1000円程度のすぐに濡れてしまうようなものを成長にあわせて買い換えるよりも、ずっと経済的だ。

 

災害用をあえて用意するのではなく、普段使いできる自分のお気に入りを揃えておくこと、そしていろいろなアイデアを持って活用することが、何より大切なのである。

 

 

「やらなきゃいけない」が「やってみたい」に。楽しみながら防災対策をしよう

『りすの四季だより』には、子どもでも大人を助け出せる古武道を使った救出術や、川遊びに必須の滑りにくい靴の作り方、寒さ暑さに対応する着こなし術、災害直後のトイレ問題、部屋の中の耐震化と家具固定法などなど、ぜひ家族で一度読んでおいてほしい内容が満載である。実際、私も実家の両親に1冊送ったほどだ。

 

ポイントは、いつ起こるかわからない災害に恐れるが故に「防災対策は嫌なこと」とネガティブに捉えるのではなく、「ちょっと試してみたい、普段から楽しみながら挑戦できるポジティブな防災アイデア」ばかりだということ。

 

もちろん、この本さえ読んでいれば必ず助かる!のではなく、りすさんから学んだ知識を応用できる知恵を身につけることが最大の目標だ。

 

備えあれば憂いなし。楽しみながら備えて防災を日常にし、心にゆとりを持って毎日を送りたい。

 

 

【書籍紹介】

りすの四季だより 家族の笑顔を守る暮らしの知恵

著者:あんどうりす
発行:新建新聞社

「やらなければ」が「やってみたい」に変わる! 口コミで年間100回以上の講演依頼がある伝説の防災講座、初の本格書籍化! 本書では、防災をマニュアル化するのではなく、アウトドアの知恵と技術を使って「読者と生き延びるための『知恵』を分かち合う」ことを目指しています。

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【朝の1冊】予算は数十円。かんたん「緊急用トイレ」の作り方――『東京防災』

日本は、災害の多い国です。どこに住んでいても、地震、台風、豪雨などによって被災するおそれがあります。

 

心の準備をしておきましょう。とりあえず「緊急用トイレの作り方」と「日常備蓄リスト」を知っておくことをオススメします。食べなければ生きられず、清潔でなければ耐えられないからです。

 

参考にしたのは、『東京防災』(東京都総務局総合防災部防災管理課・編/東京都・刊)という、無料配布のハンドブックです。

 

緊急用トイレの作り方

【排水できない既存トイレ】
便座を上げ、ポリ袋ですっぽり覆います。2枚目のポリ袋を便座の上からかぶせ、細かく砕いた新聞紙を重ねます。

(『東京防災』から引用)

 

使うのは「45Lサイズのゴミ袋」です。中身を見たくないので、なるべく不透明度の高いものを備えましょう。「新聞紙」を使うのは、水分を吸収したり悪臭を抑えるためです。定期購読をしなくても、せめて社会的な大事件やスポーツ大会で盛り上がったときに買って、取っておけば、あとで役立ちます。

 

「汚物凝固剤」や「尿とりシート」があれば万全ですが、「ペット用の砂(吸水力が高いもの)」を代用できます。ネコやイヌを室内飼いしている家庭ならば、多めに備えておいても損はないでしょう。予備の「消臭スプレー」もお忘れなく。

 

災害に備えるコツは、「普段づかいしているモノ」を流用することです。お気に入りの日用品ならば、けっして買い忘れることがなく、被災したときの「困った!」を防ぐことができます。

 

 

小さな備えが、大きな助けに

もしものとき、自分や家族の身を守るのは、たったひとつの知識、たったひとつの道具、たったひと言のコミュニケーションかもしれません。小さな備えが、大きな助けになるのです。

(『東京防災』から引用)

いちばんの備えは、本書『東京防災』のようなハンドブックを手元に置いて、ときどき読んでおくことです。

 

さらに、知識だけではなく「避難訓練」をおこないます。ものごとは、反復練習しなければ身につかないからです。絶望的な災害に遭ったとき、頭よりもカラダが先に動いてくれたら、九死に一生を得られる可能性が高くなります。

 

災害のすぐあとに、五体満足で助かったとしても……。食べ物や飲み物が尽きてしまったら、やがて命を失います。電気・ガス・水道が止まっても、せめて「1週間」を生き抜くための備えが必要です。

 

無理なく続けやすい「日常備蓄」を紹介します。

1週間を生き抜くための「日常備蓄」

大きな災害が起こり、インフラが寸断された場合(中略)、支援が届くまでの少なくとも1週間は、誰にも頼らず暮らせるように備えることが「備蓄」です。なくなったら困る物を買い置きして、古い順から使うようにすればいいだけ。

(『東京防災』から引用)

飲料水のペットボトル、レトルト食品、缶詰、チョコレートなどは、誰でも想像がつきます。本書『東京防災』では、野菜ジュース、かまぼこ、チーズ、調味料(しょうゆ、塩)なども「最小限備えたいアイテム」としてリストアップしています。

 

開封前のパッケージを「常温保管」できるものが備蓄しやすいです。レトルト食品、ペットボトルや缶入りの野菜ジュース、魚肉ソーセージ、おつまみ用のチーズ、お弁当用の使いきりミニ醤油。賞味期限にあわせて、1〜2ヶ月ごとに新旧を入れ替えます。日常備蓄の一例です。

 

平和は、永遠に続かない

ご紹介している『東京防災』ハンドブックには、お手本があります。ヨーロッパのスイス連邦が作成した『民間防衛』(原書房編集部・翻訳/原書房・刊)という冊子です。

平和と自由は、一度それが確保されたからといって、永遠に続くものではない。(中略)計画を立てるというのは、明日のことを考えることである。

(『民間防衛』から引用)

 

スイス連邦は「永世中立国」です。災害はもちろんのこと、他国からの脅しや侵略に屈することなく、自分たちの「自由」や「生命」を堅守するという信念があります。

 

『民間防衛』ハンドブックは、侵略や災害に備えるために、スイス国内の全世帯に配られたものです。それを参考にした『東京防災』ハンドブックにも、大地震や台風豪雨だけではなく、火山噴火、テロ・武力攻撃、パンデミック(感染症)などの対処法を解説しています。生き残りたいのなら、目を通しておいて損はありません。

 

 

ダウンロード・購入方法

本書『東京防災』は、2015年に東京都が製作して、都下の全世帯に向けて750万部を配布しました。冊子版が欲しければ、全国の一部書店で取り扱いがあります。

「東京防災」冊子版の販売店リスト(1冊・税込140円)
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/1002147/1002317/index.html

2018年現在では、公式ウェブサイト(会員登録なし)からPDFファイルを無料ダウンロードできます。

「東京防災」PDFファイル(無料)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2015/08/20p8l300.htm

電子書籍を利用している人は、KindleストアやiBookstoreなどの主要な電子書店において、0円で購入できます。お試しください。

 

【書籍紹介】

東京防災

著者:東京都総務局総合防災部防災管理課
発行:東京都

東京には、さまざまな災害リスクが潜んでいます。東京の多様な地域特性、都市構造、都民のライフスタイルなどを考慮してつくられた、完全東京仕様の防災ブック。それが「東京防災」です。本書には、知識をつけるだけではなく、今すぐできる具体的な“防災アクション”を多く掲載しています。もしものときに備えて、身を守る力をつけましょう。

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3.11を前に再確認を! 非常食はストックしたくなる美味しさで選ぶ

災害はいつ起こるかわからないから、家族4人分の防災グッズは、押入れの中に準備万端。でもその中の非常食は、あくまで緊急用だから味も見た目もイマイチなのよね……。災害時に必要だから必ずストックしておいて、賞味期限が来たら買い換えるようにしているけれど、乾パンや缶詰は家族みんな、あまり好きじゃなくていつも余っちゃう。賞味期限切れで捨てるのはもったいないし……。長期保管ができて、しかも食卓の一品にもなるような“おいしい非常食”はない?

 

参ったなぁ……と、いつも困っている「参田家(まいたけ)」の面々。きょうはお母さんがなにやら困っているようです。

参田家の人々
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ちょっと気弱なお父さん、元気でしっかり者のお母さん、もうすぐ小学生の娘、甘えん坊の赤ちゃん、家族を見守るオスの柴犬の4人と1匹家族。年中困ったことが発生しては、宅配便で届いた便利グッズや、ご近所の専門家からの回覧板に書かれたハウツー、知り合いの著名なお客さんに頼って解決策を伝授してもらい、日々を乗り切っている。
https://maita-ke.com/about/

 

そんなお母さんには「IZAMESHI CARRY BOX Deli(イザメシ キャリーボックス デリ)」をおすすめします。消費しながら備蓄することをコンセプトとした、長期保存食です。

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肩にも掛けられる紐付きボックスに入っているので、いざというときの持ち運びもラクラク。さらに、ボックスは簡易テーブルとしても活用でき、紙皿とスプーンが同梱されているのがうれしいポイント。

 

内容は「濃厚トマトのスープリゾット」「きのこと鶏の玄米スープごはん」などのご飯ものから「梅と生姜のサバ味噌煮」や「名古屋コーチン入りつくねと野菜の和風煮」などのおかずまで、バリエーション豊かなラインナップ。化学調味料不使用で、栄養バランスを考えられているので、大人から子どもまで安心しておいしく食べられます。

 

災害時だからこそ、美味しい食事をいただこう

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ミシン目に沿って紙皿とスプーンを取り外す

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↑箱から、同梱された厚紙から皿とスプーンを取り出す。ミシン目は簡単に外せるようになっているから、間違って破ってしまう心配もなし!

 

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紙皿もスプーンも折れ線に合わせて組み立てるだけ!

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↑台紙から外したお皿とスプーンを、折れ線に合わせて組み立てていきます。「IZAMESHI CARRY BOX Deli(イザメシ キャリーボックス デリ)」にはスプーン4つとお皿2枚が同梱されているので、家族で食べるときも安心

 

step.3
ボックスは小さなテーブルに早変わり!

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↑高さ6センチほどの箱は、蓋を閉じれば即席の簡易テーブルとして使うことができるんです! 紙皿は深さがあるため、リゾットやスープなどの料理でも余裕を持って入れることが可能です

 

食材本来の味を楽しめ、3年間の保存がきく「IZAMESHI(イザメシ)」」。たとえ被災時でも、おいしい食事を楽しんでいる時間は、心に平安をもたらしてくれそう。また保存食としてはもちろん、家族でピクニックやキャンプに行くときや、夕食に1品足したいときなど、活用できるシーンはさまざま。オンラインショップでは、1パックから販売しているので、賞味期限に合わせて消費して、中身だけ新しいストックに買い換えることもできます。

 

緊急時にも、普段使いにも重宝。キッチンや押入れの隙間に常備しておけば、何かと役に立つはずです。

 

【商品情報】

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杉田エース「IZAMESHI CARRY BOX Deli(イザメシ キャリーボックス デリ)」
価格5000円
http://izameshi.com/carry-box/

 

日々の「参った!」というお悩みを5分で解決!「参田家(まいたけ)のおうち手帖」

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