「生のうまさ」は残したまま爽快な後味「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」数量限定発売

サッポロビールは「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」を3月5日に全国で数量限定発売。

 

洗練さを追求したもう一つの黒ラベル

 

「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」は「サッポロ生ビール黒ラベル」のおいしさの決め手の一つである、独自開発の「旨さ長持ち麦芽」を使用。一口目の麦のうまみや、何杯飲んでも飲み飽きない黒ラベルらしい「生のうまさ」は残したまま、爽快な後味を追求しています。

 

パッケージは、黒ラベルブランドの世界観を保ちながらも、爽快さを表現したブルーシルバーを基調とし、洗練さが際立つデザインとなっています。

 

■メーカー:サッポロビール

■商品名:サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー

■発売日・地域:2024年3月5日・全国

■参考小売価格:オープン価格

“世界初”本物のレモンスライス入り『未来のレモンサワー』 6月11日数量限定発売開始

アサヒビールは、ふたを開栓するとレモンスライスが浮き上がってくる世界初のRTD『未来のレモンサワー』を、首都圏・関信越エリアの1都9県にて6月11日から数量限定で発売。

 

“世界初”本物のレモンスライス入り

 

『未来のレモンサワー』は、レモンの味わいや香りを五感で体験できる新しいレモンサワー。アサヒビール独自のフルオープン缶を使用することで、レモンスライスが浮き上がる様子とともにレモン由来の豊かな香りが楽しめます。

 

レモン由来の果実味たっぷりな風味と適度な酸味と苦みが調和した味わいが特長の「オリジナルレモンサワー」と、サワー液に糖・香料不使用(※)でレモンの自然なおいしさが味わえる「プレーンレモンサワー」の2品種で展開します。

※:糖でコーティングしたレモンスライスを採用しています。

 

そのまま食べることもできる本物のレモンスライスが入っているため、レモンの個体差や飲むタイミングにより1缶ごとに異なる味わいを感じることができます。

 

■メーカー:アサヒビール

■商品名:未来のレモンサワー オリジナルレモンサワー/未来のレモンサワー プレーンレモンサワー

■発売日:6月11日 ※予定数量出荷次第終了

■発売地域:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県

■希望小売価格:298円(税込)

これからの時代のビール「サントリー生ビール」リニューアル新発売

サントリーは、「サントリー生ビール」をリニューアルし、2月製造分から順次全国で新発売。また、飲食店でも“グッとくる飲みごたえと飲みやすさ”を楽しんでもらうために、新たに瓶と樽を3月5日から新発売します。

 

“グッとくる飲みごたえと飲みやすさ”に磨きをかける

 

 

今回は、「サントリー生ビール」の魅力をさらに向上させるべく、中味・パッケージを刷新。中味は、醸造条件を見直し、飲んだ瞬間の刺激感を強化するとともに、全体のバランスを調整することで、“グッとくる飲みごたえと飲みやすさ”にさらに磨きをかけています。

 

パッケージは「生」の訴求を強め、色調を明るく調整することで、より爽快な印象を強化。また、6缶パックや24缶ケースでは、「生」の訴求とともに、缶を中央に堂々と配置することで、パッケージとの連動を強化しています。

 

なお、これまでの「サントリー〈天然水のビール工場〉群馬」「サントリー〈天然水のビール工場〉京都」に加えて、2月からは「サントリー〈天然水のビール工場〉熊本・阿蘇」、9月からは「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野」での製造を開始し、ビール4工場すべてでの生産体制に切り替えるとのこと。

 

■メーカー:サントリー

■商品名:サントリー生ビール

*希望小売価格は設定していません

たかが炭酸と侮るなかれ! 知っておきたいレモンサワーの炭酸のこと【レモンサワーマスターへの道05】

老若男女に愛され、いまや大人気のレモンサワー。そんなレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝える知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本(レモンザムライ・著/Gakken・刊)。

 

今回は本書から抜粋して「レモンサワーの炭酸」について紹介していきます!

【関連記事】
これ一冊で、あなたも”レモンサワーマスター”に!『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』

 

ただの炭酸水と侮るなかれ炭酸は意外と奥が深いのだ

レモンサワーの必須条件である「酒」については簡単に解説したが、ここでは炭酸水について触れていきたい。

 

炭酸水に求められるのは見た目の爽やかさと飲んだときのシュワシュワとした爽快な喉越しだろう。最近
では「強炭酸」が定番になっており、意識せずとも強炭酸のドリンクを飲むことも多いはずだ。

 

ただし、「強炭酸=おいしいレモンサワー」かといえば、そうとも言い切れない。レモンサワーの味わい
によって微炭酸が合うこともある。

 

例えば、店で提供されていたり、市販されていたりするものには、店主や企業のこだわりがあり、炭酸の
刺激や量もきちんと計算されている。

 

微炭酸であれば、刺激が強すぎないことで、レモンやお酒といった素材の味わいをより感じやすくなる。
乙類焼酎や日本酒などをベースにしているレモンサワーは、微炭酸で味わうのもいいものだ。

 

また炭酸水の水質によっても、味や口当たりに違いを感じられるはずだ。水には硬度があり、硬度は水中
に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を表したもの。WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインでは硬度120mg/L未満が「軟水」、硬度120mg/L以上が「硬水」とされている。

 

一般的に軟水は〝まろやか〟で、硬水は〝どっしり・しっかり〟という印象。日本は水道水の約95%が軟
水なので、多くの人にとっては軟水が身近な存在だ。そのため日本で生産されている炭酸水の多くは軟水で、まろやかなものが多い。

 

一方、硬水は外国産のものが多い。ミネラルが豊富に含まれているので、しっかりとした飲みごたえが特徴的。

 

使用する炭酸水によって、同じレモンとお酒でも風味が変わる。これもレモンサワーを楽しむひとつの方
法なので、ぜひ飲み比べてもらいたい。

 

炭酸水もレモンサワーの主役だ

■強炭酸

最近は「強炭酸」や「最強刺激」を謳った商品が主流だ。シュワシュワと爽快に喉を潤してくれるので、さっぱりとしたレモンサワーにもおすすめ。ちなみに「同じ炭酸水でも瓶のものとペットボトルのものでは味が違う」という噂があるが、メーカーの見解は「同じもの」とのことらしい。

 

■微炭酸

レモンやお酒の味わいをダイレクトに感じたいなら微炭酸もおすすめ。炭酸の刺激をあえて抑えることで、素材そのものの風味をしっかりと楽しむことができる。本格焼酎や日本酒などに合わせて使いたい。また、強炭酸の量を少なく調整することで、微炭酸にすることも可能だ。

 

■外国産炭酸水

外国産の炭酸水はミネラルが豊富に含まれていて硬水のものが多い。フランスの「ペリエ」やイタリアの「サンペレグリノ」などが有名だ。炭酸のすっきりとした後味に加え、軟水では味わえないどっしりとした飲みごたえも。日本でも入手は容易なので、一度は試して違いを感じてほしい。

 

【書籍紹介】

知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本

著者:レモンザムライ
発行:Gakken

レモンを使用したアルコール飲料は大人気で、現在では数多くの商品が店頭に並ぶようになっています。ビール飲料に追いつけ追い越せの勢いで増え続けています。本書では、テレビ等で話題のレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、そんな「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝えていきます! 自宅で美味しいレモンサワーをつくるためには? いま飲んでおきたいレモンサワーの名店とは? そもそもレモンって酸っぱいだけじゃないの? これ一冊で、レモンサワーマスターになれる! 大人気YouTuberりおレモンさん、ストロングおじさん、レモンザムライのレモンサワー缶座談会も特別収録!

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日本酒も!? 知っておきたいレモンサワーのお酒のこと【レモンサワーマスターへの道04】

老若男女に愛され、いまや大人気のレモンサワー。そんなレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝える知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本(レモンザムライ・著/Gakken・刊)。

 

今回は本書から抜粋して「レモンサワーのお酒」について紹介していきます!

【関連記事】
これ一冊で、あなたも”レモンサワーマスター”に!『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』

 

甲類焼酎から日本酒まですべて包み込むレモンサワー

レモンサワーには「炭酸水」と「レモン」、そして「酒」が必要だ。ここではお酒の種類について触れていきたい。

 

レモンサワーの相棒としてポピュラーなのが甲類焼酎だ。雑味が少なくすっきりとしたものが多いので、レモンの風味をしっかり感じたい人にはおすすめ。値段も手頃で大容量のものが多いので、家で頻繁にレモンサワーを飲むという方にはぴったりだ。

 

同じ焼酎でも乙類焼酎は本格焼酎とも呼ばれ、原料そのものの風味が生かされやすいという特徴がある。そのため使われる原料も、米、麦、さつまいも、そば、黒糖などさまざま。以前はレモンサワーに用いられることは少なかったが、〝原料の味を生かして、おもしろいレモンサワーを〟という自由で個性的な発想から、乙類焼酎を好んで使う人も増えてきている。

 

ウォッカもレモンサワーにはよく用いられるお酒だ。小麦などの穀類やジャガイモなどの芋類を原料にした蒸留酒で、特徴はなんといってもほぼ無味無臭なこと。甲類焼酎以上にお酒にクセがないので、アレンジがしやすく、レモンやレモン以外に加える素材の味わいを感じやすい。

 

そのほかでは、ジンもレモンサワーのベースに使うとおもしろい。もともとジンの個性を決めるボタニカル(植物)として、柑橘系が使われることも多く相性は抜群。最近は小規模でジンの生産をおこなう「クラフトジン」が世界的なブームだが、個性豊かなクラフトジンとレモンサワーの共演は、今後ますます盛り上がっていくだろう。

 

最後に日本酒だ。これまでレモンサワーにはできるだけお酒にクセがないものがいいとされてきたが、「精米歩合80%のにごり酒」でもきちんとおいしいレモンサワーが登場している。レモンサワーの可能性は、やはり無限なのだ。

精米歩合80%のにごり酒をベースにした レモンサワー(写真手前)

 

レモンサワーのベースになる主なお酒

■甲類焼酎

連続式蒸留によってつくられたアルコール度数36%未満の焼酎。乙類焼酎との大きな違いは「連続式蒸留機」で蒸留をおこなっている点。原料のもろみを蒸留機に連続的に投入して蒸留する方法で、これにより高純度のアルコールを取り出すことが可能になる。これは単式蒸留機で蒸留を繰り返すことと同じ原理で、それにより無色透明でピュアな味わいの焼酎をつくることができるのだ。

 

■乙類焼酎

単式蒸留によってつくられたアルコール度数45%以下の焼酎。単式蒸留は伝統的な製法で、単式蒸留機に入れたもろみは一度の投入で一度だけ蒸留される。蒸留を繰り返さないので、アルコール以外の香味成分も抽出されやすく、原料となる「芋」「米」「麦」「そば」「黒糖」などの風味や味わいが楽しめるのだ。本格焼酎とも呼ばれており、ロックやお湯割りで楽しむ人が多い。

 

■日本酒

日本特有の製法でつくられたお酒で、主に米、米麹、水でできている。焼酎などとは違う「醸造酒」。お酒そのものの味が強いのでレモンサワーなどではあまり使われてこなかったが、最近では個性派として注目されている。

 

■ウォッカ

穀物や芋類を、糖化、発酵、蒸留し、白樺などの活性炭で濾過、雑味成分を取り除いた無味無臭が個性の蒸留酒。果実や香草などで香りづけをしたものもあるが、お酒にクセがなく、アレンジしやすいためカクテルにも最適だ。

 

■ジン

大麦麦芽やトウモロコシなどの穀物を、糖化、発酵、蒸留し、その後「ボタニカル(植物)」を加えて再蒸留した無色透明なお酒。香りがよく、ボタニカル成分として柑橘を使用しているものも多いので、レモンサワーに使うと華やかな香りに仕上がる。

 

【書籍紹介】

知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本

著者:レモンザムライ
発行:Gakken

レモンを使用したアルコール飲料は大人気で、現在では数多くの商品が店頭に並ぶようになっています。ビール飲料に追いつけ追い越せの勢いで増え続けています。本書では、テレビ等で話題のレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、そんな「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝えていきます! 自宅で美味しいレモンサワーをつくるためには? いま飲んでおきたいレモンサワーの名店とは? そもそもレモンって酸っぱいだけじゃないの? これ一冊で、レモンサワーマスターになれる! 大人気YouTuberりおレモンさん、ストロングおじさん、レモンザムライのレモンサワー缶座談会も特別収録!

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「レモンはレモンじゃないの?」じつはいろいろあるレモンの種類について【レモンサワーマスターへの道03】

老若男女に愛され、いまや大人気のレモンサワー。そんなレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝える知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本(レモンザムライ・著/Gakken・刊)。

 

今回は本書から抜粋して「レモンの種類」について紹介していきます!

【関連記事】
これ一冊で、あなたも”レモンサワーマスター”に!『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』

 

レモンはどんな種類があるの?

「レモンは…レモンでしょ」と思われている方も多いと思いますが、レモンにもさまざまな品種があります。

 

日本で育てられているレモンの多くは「リスボン」と「ユーレカ」という2品種。「リスボン」は日本一
のレモンの産地、広島県でも多く作られていますし、愛媛県は「ユーレカ」が多いようです。

 

ほかにも広島県の『たてみち屋』さんでは「ビアフランカ」を、千葉県の『鵜殿シトラスファーム』さんでは「マイヤーレモン」を育てています。

 

最近では宮崎県などで多く栽培される「璃の香(りのか) 」という品種もあります。これは「リスボン」と宮崎県特産の「日向夏」を掛け合わせて生まれたもの。サイズも大きく、果汁が多く取れ、病気にも強いんです。なかなか店頭で見る機会はないと思いますが、もし見かけたら手にとってみてください。ちょっとレモンとは思えない大きさですよ(笑)。

 

主なレモンの種類

[リスボン]

日本では広島県などで広く栽培されており、レモンの中ではもっとも耐寒性がある品種とされています。
海外での主な産地はアメリカ合衆国・カリフォルニア州の内陸部やアルゼンチンなど。果汁が多く、酸
味が強いのが特徴で、元気に育ちやすく、ほかのレモンと比べて大きな実がつきやすい品種です。

 

[ユーレカ]

日本では愛媛県などで広く栽培されている品種。海外での主な産地はアメリカ・カリフォルニア州の太
平洋沿岸地域のほか、オーストラリア、イスラエルなどでも栽培されています。果肉は柔らかくジュー
シー、香りもあり、優れた品種として高い評価を得ています。

 

[ビアフランカ]

日本では1921 年に広島県に導入され、現在でも多く育てられている品種です。形はリスボンによく似
ており、爽やかな香りと強い酸味が特徴。「個人的には、レモンサワーにもっとも適した品種だと思い
ます」とレモンザムライさんは語ります。

 

[マイヤーレモン]

レモンとオレンジの自然交雑によって生まれた品種。オレンジに近い独特の甘みがあり、酸味が少なくま
ろやかな味わいが特徴。少し丸みのあるフォルムで日本のほか、ニュージーランドなどでも栽培されています。

 

【書籍紹介】

知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本

著者:レモンザムライ
発行:Gakken

レモンを使用したアルコール飲料は大人気で、現在では数多くの商品が店頭に並ぶようになっています。ビール飲料に追いつけ追い越せの勢いで増え続けています。本書では、テレビ等で話題のレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、そんな「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝えていきます! 自宅で美味しいレモンサワーをつくるためには? いま飲んでおきたいレモンサワーの名店とは? そもそもレモンって酸っぱいだけじゃないの? これ一冊で、レモンサワーマスターになれる! 大人気YouTuberりおレモンさん、ストロングおじさん、レモンザムライのレモンサワー缶座談会も特別収録!

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「酸っぱい」だけじゃない! レモンの奥深い味わいとは?【レモンサワーマスターへの道02】

老若男女に愛され、いまや大人気のレモンサワー。そんなレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝える知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本(レモンザムライ・著/Gakken・刊)。

 

今回は本書から抜粋して「レモンの味」について紹介していきます!

【関連記事】
これ一冊で、あなたも”レモンサワーマスター”に!『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』

 

レモンの味ってどんな味?

レモンはすっぱいだけと思っていませんか。品種による違いはありますが、実は糖度がスイカ並みのもの
もあるんです。ここでは、レモンの味についてお話しいたします。

 

露地栽培(自然のまま、屋外の畑で育てる)では、レモンは夏に花が咲き、10月下旬〜5月中旬にかけて
収穫することができます。10月〜12月頃は、皮が緑色の「グリーンレモン」。果皮が厚く、まだ果肉や果汁は少ないものの、酸味や香りが強く、グリーンレモンをより好む方もいます(この時点で糖度は7度前後)。

 

そして12月中旬〜4月頃にかけて熟していき、皮が黄色の「イエローレモン」になります。果皮が薄くな
り、果肉や果汁が増え、糖度も上がってきます(10〜11度)。酸味や香りがグリーンレモンに比べてまろやかになりますので、イエローレモンが好きという方も多いでしょう。

 

同じ木になるレモンでも、その味は収穫時期によってさまざま。味の違いを楽しんでください!

 

甘み

「レモンの甘み」といわれてもピンとこない方も多いかもしれませんが、柑橘特有の甘みがレモンにもあります。熟成していくうちに増え、酸味や香りをマイルドにしてくれるのです。

 

酸味

レモンといえば酸味ですね。レモンにはクエン酸が豊富に含まれているため、酸味を強く感じるのです。すっぱいレモンが好き、という方はグリーンレモンがおすすめです。

 

苦み

皮を食べたときに強く感じることのある苦み。その苦み成分は主に皮や白いワタの部分に含まれています。ただし、苦みといってもレモンのおいしさを構成する重要な要素。ネガティブに捉えるのはNG ですよ!

 

香り

香料としても用いられることのあるレモンの香り。誰もがイメージする爽快な香りは、リモネンとい
う成分から感じることができます。

 

【書籍紹介】

知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本

著者:レモンザムライ
発行:Gakken

レモンを使用したアルコール飲料は大人気で、現在では数多くの商品が店頭に並ぶようになっています。ビール飲料に追いつけ追い越せの勢いで増え続けています。本書では、テレビ等で話題のレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、そんな「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝えていきます! 自宅で美味しいレモンサワーをつくるためには? いま飲んでおきたいレモンサワーの名店とは? そもそもレモンって酸っぱいだけじゃないの? これ一冊で、レモンサワーマスターになれる! 大人気YouTuberりおレモンさん、ストロングおじさん、レモンザムライのレモンサワー缶座談会も特別収録!

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“生ホップ”の商品化で世界を驚かせた! 日本ビールの立役者“ホップ博士”が語るビールとホップと遠野の物語

キリンのクラフトビール「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」から、ブランド3本目の柱となる「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」が、10月24日に全国発売されました。特徴のひとつは、同社が品種開発した2種の日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN(ムラカミセブン)」と「IBUKI(イブキ)」を一部使用していること。

 

GetNavi webは今回、この立役者となる重要人物にインタビューする機会に恵まれました。

↑「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」。希望小売価格は、350ml缶が242円、500ml缶が321円(ともに税抜)

 

長年、この2種をはじめとするホップの研究に心血を注ぎ、日本を代表するホップ博士として有名な、同社OBの村上敦司(むらかみあつし)さんです。第一線は退いたものの、村上さんはいまもキリンホールディングス飲料未来研究所の技術アドバイザーとしてホップ業界に携わり、週末はジャズ喫茶「BrewNote遠野」のマスターとして充実した日々を過ごしています。

↑村上敦司さん。手にしているのは、2000年に「ホップの品質改良と品種分化に関する育種学的基礎研究」で農学博士号を取得した際の論文

 

ビールにおけるホップの存在感が年々高まるなか、今回は「BrewNote遠野」を訪れ、村上さんにインタビュー。なぜ近年ホップが注目されているのか、村上さんの名を冠した「ムラカミセブン」や「イブキ」はどのように生まれたのか、日本におけるホップの歴史などについて伺いました。

 

ビールの多様化がホップへの熱狂を生み出した

村上さんは、岩手県紫波郡紫波町出身。岩手大学農学部農学研究科修了後、1988年にキリンビールに入社し、1996年までは植物開発研究所(当時)でホップの品質改良に従事。その後、酒類技術研究所に異動し、ホップに焦点を当てた商品開発にも携わるようになります。

↑2016年に行われた、第1回フレッシュホップフェスト発表会時のプロフィール

 

そんな村上さんにまず聞きたかったのは、なぜホップなのか? ということ。そもそも、ビールには麦も欠かせない主原料です。なぜビールに関しては、ホップがやたらとクローズアップされるのでしょうか?

 

「もちろん麦も大事です。でも、ホップは苦みや香りを大きく左右しますし、味の多様性に関しては麦以上に振り幅が大きいんですよ。そのうえホップは麦より種類が多く、新品種がどんどん生み出されています。種類が多ければ多いほど組み合わせも増え、未知なる味の可能性も広がりますよね。だからホップのほうが注目されやすいのだと思います」(村上さん)

↑ホップ。生の状態はデリケートなため、左上の毬花(まりばな)を乾燥、加工し右上のようなペレット状にするのが一般的な使い方です

 

期待されて入社したと思っていたのに空回り

では、村上さんはどのような経緯でキリンビールに入社したのでしょうか?

 

「のちに私の師匠にあたる方が、残り4年でキリンビールを定年退職することになっていたんですね。同時に後継者候補を探しているということで、私が通っていた岩手大学に声がかかり、その縁で採用してもらったのがきっかけです」(村上さん)

1995年、32歳のときの村上さん(右後方)。「江刺ホップ農協40年史」より

 

大学では植物育種学を専攻していた村上さん。「ホップはまだ誰もやったことがない領域もあるし、これは品種研究の余地があるぞ!」と、ワクワクしながら取り組み始めたものの、入社した1988年は、やっと海の向こうでブルックリン・ブルワリー(米国NYを代表するクラフトブルワリーで、ブームの火付け役に数えられる一社)が産声を上げた時期。

 

35年前の日本におけるホップは、風味付け以前に「苦味の付与に必要なもの」といった認識しかされていなかったそうです。加えて、ホップを取り巻く環境は受難の時代を迎えていました。村上さんは、その歴史を次のように話します。

 

「日本では昭和30(1955)年代から国産ホップが急激に普及していきました。一番の理由は為替ですね。輸入ホップが高額だったため、大手ビール各社が日本産ホップを作り始めたんです。加えて高度経済成長とともにビールの消費量も伸びて好循環だったんですけど、昭和40年代からは為替が変わり始めちゃって。さらに昭和50年代になると、むしろ国産が高価になって減反政策に転じていきました

 

期待されて入社したと思っていたんですが、実はそうでもなかったんです。輸入ホップのほうが安くて品質も変わらなければ、それに越したことはないですから。私も、より香り高くて生産者さんが収穫しやすいホップに、と品種改良を重ねたんですけど、海外からも良質な品種が続々出てくるんですよ。国際競争力ではなかなか勝機が見出せず、シビアでしたね」(村上さん)

↑1953年から1954年にかけて、キリンビールが伝統的な日本原産ホップ「信州早生」から品種改良して生み出したのが「キリン2号」。その後2015年に名称を変え「IBUKI」となりました

 

フレッシュホップがもたらしたパラダイムシフト

1996年には、研究対象を農作物(植物開発研究所)から醸造(酒類技術研究所)へと移した村上さん。転機となったのは1999年、実験で造った“生ホップ”のビールが放つ香りでした

 

「それはまさに、フレッシュなホップの芳醇な香り。生で使う手法は海外のビールマニアが自家栽培で試していたという噂は聞いていましたが、決して美味しいという話ではなかったと思います。また、ビール醸造の最高学府のひとつである、ドイツ・ミュンヘン工科大学の研究でもフレッシュホップビールのレポートがありましたが、美味しくないという結論だったようなんですね。でも、私が造ったビールは手前味噌ながら美味しくて、香りの善し悪しは品種によるんだなと実感しました」(村上さん)

 

一方、社内では「ホップ臭が強すぎるのでは?」「いや、このホップ香は魅力だ!」と賛否両論。それでも「村上が面白いビールを造ったらしい」という噂は賛同者を増やすことに。そして、当社は難しいと思われていた大量生産のハードルも、仲間の協力でどんどん下がっていったとか。

 

「たとえば、原料調達部がホップ収穫用の巨大なカゴを一生懸命探してくれたり、ホップを凍結粉砕してくれるパートナーを見つけてきてくれたり。工場のメンバーもやる気満々でしたね。特に通常のホップ添加は機械で行うのですが、生のホップは水分が多いので、手作業で巨大な煮沸釜の麦汁に投入しなきゃならないんです。そこは手作業の経験が豊富なベテラン勢が『任せろ!』と中心になって、好意的に取り組んでくれました。とにかく関係者が一丸になって、商品化を阻む課題を一つひとつクリアしてくれて。そうして2002年に発売されたのが『キリン 毱花一番搾り』です」(村上さん)

↑「一番搾り とれたてホップ生ビール」の前身にあたる「キリン 毱花一番搾り」

 

「キリン 毱花一番搾り」のときから、フレッシュホップには遠野産が用いられています。その理由は設備的な環境にあります。東北では秋田の横手などもホップの一大産地ですが、一か所に集めて処理できる大型施設があるのは遠野だけ。フレッシュホップは鮮度が命なだけに、収穫や配送の拠点が点在していては非効率なため、遠野が最も適していたのです。

↑大量のホップを扱うことができる、遠野市農協ホップ加工処理センター

 

収穫時の鮮烈な香りを閉じ込めた「キリン 毱花一番搾り」は大ヒット。2004年からは「一番搾り とれたてホップ生ビール」と名称を変えて、毎年期間限定発売されるように。同時に、この成功事例は社内外に日本産ホップの可能性を知らしめていくきっかけとなりました

 

「たとえば、麦芽をたっぷり使った『キリン秋味』とはまた違う価値ですよね。しかも、それまで主役になることがなかった日本産ホップの、さらには生という新奇性。なおかつ遠野という地域性を前面に出すという。いまでは珍しくありませんが、ホップで稀少性とテロワールをうたう、新しい価値の打ち出し方だったんです。また、生のホップを使う手法は海外でも面白がってもらえました」(村上さん)

 

フレッシュホップを使ったビールが商品化された噂は、やがて海外に伝播。あるとき村上さんは、ドイツの醸造家から「少量のホームブリューイングならまだしも、大量に造って販売するなんて、キリンはクレイジーだね!」と言われたとか。

 

「キリンのなかでも『とれたてホップ』の取り組みがひとつの転換点になったと思いますし、ホップ研究が見直されたきっかけともいえるでしょう。そのあと日本でも少しずつクラフトビールが浸透していって、ホップの重要性も徐々に知られるようになりましたよね。一方で、アメリカをはじめとする海外ではホップ栽培がどんどん盛んになって、品種の数も増えていきました。いまや世界に300種以上もありますから」(村上さん)

 

博士の秘蔵っ子「ムラカミセブン」のデビュー秘話

村上さんが「とれたてホップ」の可能性に気付いてから「キリン 毱花一番搾り」が誕生するまでの間には、もうひとつ大きなティッピングポイントがありました。それが2000年、農学博士号を取得した論文「ホップの品質改良と品種分化に関する育種学的基礎研究」です。そしてこの研究成果が、のちの「ムラカミセブン」誕生へとつながっていくことになるのです。

↑「ホップの品質改良と品種分化に関する育種学的基礎研究」の、最重要ページ

 

「1991年から基礎研究の材料として交配させ、保存していた品種があったんですけど、2000年ごろになると、ホップを管理していた方が高齢のため引退すると。危うく廃棄寸前だったんですけど、ならばと約900あった個体から20種類だけ選別しました。学術的におかしくならないようランダムに抜き取って、それを遠野の隣町にある、キリンが管轄する岩手ホップ管理センターの裏庭に移し替えてね。そしたら、1本目の畝(うね)の7番目にすごく個性的な子がいたんです!」(村上さん)

 

村上さんがその個体を見つけたのは2006年のこと。放つ香りはいちじくやみかんのような、和のニュアンスを漂わせる印象的な果実感。ただ、日本産ホップの生産者が年々減ってくなか、新品種を積極的に開発することは難しいと思い、商品化までは考えていませんでした。

↑「ムラカミセブン」の毬花

 

しかし、2011年に起きた東日本大震災を期に、村上さんが考えた故郷への恩返しが、「とれたてホップ」に続く新品種の商品化でした。当時、醸造研究所の副所長であり、現在はマスターブリュワーとして活躍する田山智広さんに相談したところ「ぜひやろう!」と即決。増産が始まりました。

↑田山智広さん

 

「ムラカミセブン」の「ムラカミ」は、村上さんの苗字から。「セブン」は7番目の個体だったことから、スプリングバレーブルワリー初代社長の和田 徹さんが命名しました。村上さんは「恥ずかしいから別の名前にしません?」と言ったそうですが、「みんなリスペクトしてるんだからさ」となだめられてしぶしぶ納得したそうです。ホップの株はすぐに増えないため約5年の歳月がかかりましたが、2016年に実を結び「MURAKAMI SEVEN Fresh Hop 2016」としてデビューとなりました。

↑「MURAKAMI SEVEN Fresh Hop 2016」。第1回フレッシュホップフェストの店舗限定で提供されました

 

独自の香りが魅力の「ムラカミセブン」ですが、優位性はほかにもあります。それは、少しでも生産者さんの負担を減らしたいという想いから村上さんが研究を重ねていた、収穫のしやすさ。「蔓下げ(つるさげ)」の必要がなく、省労力で単位面積当たりの収穫量が多いという利点があり、日本産ホップのスター品種としても期待されています。

↑2019年には「MURAKAMI SEVEN IPA」が製品化。現在は生産終了していますが、このDNAは「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」をはじめ多くの銘柄に受け継がれていくでしょう

 

ホップ、ステップ、スウィンギング!

キリン時代は勤務地だった横浜に長年住んでいた村上さんでしたが、定年退職を機に地元の岩手へ戻りジャズ喫茶を開業。学生時代はジャズ系のサークルではなく岩手大学合唱団で活躍していたそうですが、音楽はジャズに傾倒。じつは、岩手県は知る人ぞ知るジャズ喫茶の聖地。一関の「ベイシー」を知らないジャズファンはいないでしょう。

 

「『ベイシー』はいまちょっとお休み中ですけど、最初に行ったときの感動は忘れられません。やっぱり憧れですね。私自身も若いころからジャズのレコードやCDを少しずつ集めていって、気が付いたら数千枚の量になっていました。アンプやスピーカーも、元々持っていたサウンドシステムをこの店に設置しましたから、自分の部屋が引っ越してきたような感じです」(村上さん)

↑ジャズのなかでも好きなジャンルはビッグバンド。特にカウント・ベイシー・オーケストラがお気に入り

 

昔から、「たくさんのレコードや貴重な機材は、浪費じゃなく投資だから」と周囲によく言っていたと村上さんは振り返ります。

 

「でもこの前後輩から『村上さんはいつかジャズが流れるお店をやりたいって話してましたもんね』って言われました。『ああそうだったっけ? じゃあ夢が叶ったんだなぁ』としみじみ思いましたね」(村上さん)

↑「BrewNote遠野」では、もちろんビールも提供。写真は遠野におけるホップ栽培60周年を記念した限定銘柄、遠野麦酒ZUMONAの「IBUKI HOP IPA」800円

 

ホップ研究者として名を残し、ジャズ喫茶のマスターとしての夢を叶えた村上さんですが、まだまだやりたいことは尽きないと笑います。そのひとつが、ホップの名産地である遠野をいっそう盛り上げていくこと。

 

キリンは2015年から「ホップの里からビールの里へ」をスローガンとした遠野活性化の取り組みをスタートしましたが、村上さんはこの活動に協力しています。また、遠野ではさらなるホップの新品種が誕生しており、その開発にももちろん携わっています。地元のブルワリーでは試験醸造も始まっており、商品化もそう遠い話ではないでしょう。

 

遠野は有名観光地や郷土料理が多彩で旅行も楽しく、ふるさと納税の返礼品もビールを筆頭に充実しています。村上マスターに会いに行くもよし。ぜひ今度、訪れてみませんか?

↑「BrewNote遠野」は2020年6月に開業。文化施設「とおの物語の館」の敷地の一角にあり、蔵を改築した風情ある空間となっています

 

【SHOP DATA】

BREW NOTE 遠野

住所:岩手県遠野市中央通り2-11
営業時間:11:00~18:00
休業日:月~金曜
アクセス:JR「遠野駅」徒歩6分

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

Z世代の乾杯は「レモンサワー」!その人気は本物か?【レモンサワーマスターへの道01】

老若男女に愛され、いまや大人気のレモンサワー。そんなレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝える知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本(レモンザムライ・著/Gakken・刊)。

 

今回は本書から抜粋して「レモンサワーの人気」について紹介していきます!

【関連記事】
これ一冊で、あなたも”レモンサワーマスター”に!『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』

 

レモンサワーって人気なんですか?

2023年現在、レモンサワーブームは「踊り場」にあるのではないでしょうか。コンビニやスーパーでは多くの商品を目にすることができますし、どこの居酒屋でもレモンサワーを置いていない店はないほどですが、印象として〝今は落ちついているな〟と感じています。

 

それは言い換えれば、レモンサワーが当たり前のように日常に溶け込み、ビールに並ぶ〝文化〟になってきたからともいえます。その証拠として、「日本蒸留酒酒造組合」が一般の方を対象にしたアンケートによると「1杯目からレモンサワーを飲む」という人の割合は46・6%とほぼ半数に達しているのです。

 

その他、Z世代への調査でも「居酒屋で乾杯時に頼むもの」は、レモンサワーが1位だという結果が出ています。

 

こうしてみると、〝とりあえずビール〟の時代は終わり、〝とりあえずレモンサワー〟が当たり前になる日も近いかもしれませんね。

 

【書籍紹介】

知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本

著者:レモンザムライ
発行:Gakken

レモンを使用したアルコール飲料は大人気で、現在では数多くの商品が店頭に並ぶようになっています。ビール飲料に追いつけ追い越せの勢いで増え続けています。本書では、テレビ等で話題のレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、そんな「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝えていきます! 自宅で美味しいレモンサワーをつくるためには? いま飲んでおきたいレモンサワーの名店とは? そもそもレモンって酸っぱいだけじゃないの? これ一冊で、レモンサワーマスターになれる! 大人気YouTuberりおレモンさん、ストロングおじさん、レモンザムライのレモンサワー缶座談会も特別収録!

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八海山からHakkaisanへ! 百年企業「八海醸造」の世界戦略とは?

「八海山」で有名な八海醸造が今年、100周年を記念した記者会見を開催し、新商品や今後のビジョンなどを発表しました。その方針を一言でいえば、まさにグローバル戦略。内容をレポートします。

↑八海醸造株式会社の南雲二郎代表取締役(右)と、南雲真仁取締役副社長/HAKKAISAN USA代表(左)

 

記念酒は750mlで13万円2000円!

八海醸造は新潟県南魚沼市で、1922(大正11)年に創業。2023年は101年目の船出の年であり、その取り組みのシンボルとして発表されたのが、アルファベットのコーポレートロゴです。デザインを手がけたのは、日本を代表するデザイナー・原研哉氏。

↑八海醸造の三代目当主・南雲二郎代表。モニターには新コーポレートロゴが映し出された

 

原氏からは「酒は、どんな種類の酒でも何かしらの癖があり、そこに愛着や親しみを覚えるものです。そういう個性の肌触りを、文字のかたちに込めました。」といったメッセージも寄せられました。

↑日本酒の「八海山」はじめ、全商品に「Hakkaisan」のコーポレートロゴが併記されます

 

また、登壇した八海醸造の南雲代表取締役は「日本酒を含め、幅広い領域において展開することを前提として、オリジナルの書体を作成いたしました。伝統的、現代的、洋風、和風など多様な場面に適応できて、印象にも残りやすいデザイン。我々が今後展開していく新商品方針や事業に関しても、このロゴイメージで統一することによって、お客様に八海山グループというブランドを認知していただき、当社のイメージ向上を図っていきたいと考えています」とコメント。

↑会場には同社の日本酒はもちろん、ジン、クラフトビール、スイーツ、化粧品といった多彩なプロダクトも展示

 

100周年を記念した商品も発表され、そちらのスケールもケタ違いでした。名称は「八海山 百」。精米歩合25%の大吟醸酒で、価格は750mlで税込13万2000円(税込)。氷点下3℃で6年間貯蔵されているのも特徴で、全国の百貨店や酒販店で販売されています。

↑「八海山 百」。100周年を記念した限定酒となります

 

NYの蔵元と協業し、
日本酒の生産と文化発信の拠点を新設

会見で印象的だったのは、「永遠に終わらない会社を目指し、挑戦と変化に積極的に取り組んでいく」「日本酒を世界飲料に」というメッセージ。海外展開への準備はすでに整っており、2021年12月に資本業務提携した米国NYのブルックリンクラとの取り組みをさらに強化。今後の具体的な事業内容が明らかにされました。

↑青いジャケットの方が、ブルックリンクラのブライアン・ポーレンCEO。同社は2016年に設立された酒造で、モニターの写真はタップルーム(醸造所に併設されているバースペース)です

 

目玉は、新しい酒蔵のオープン。タップルーム(醸造所に併設されているバースペース)を併設し、来訪者に向けた日本酒の啓発活動を行っていくそうです。しかも具体的には「サケスタディセンター」という教育機関を設け、日本酒の背景にある文化や食、歴史を総合的に学べるようにするとともに、啓発プログラムを活用して魅力を発信していくとのこと。

↑NYに今秋開業。酒造りに関しては、八海醸造の蔵人を派遣して協業するとのことです

 

また、酒蔵を新設することでより多くの量を造れるうえ、良質かつ新たなスタイルの日本酒やチャレンジングなSAKEも生み出されるようになるとブライアン氏は語ります。南雲代表取締役は、かつての日本でビールやウイスキーがそうだったように、自国の人々が現地の米と水を使ってSAKEを造り、そこで暮らす人々が楽しく飲むという文化醸成が大切であるとの考えから、この取り組みを実現させたといいます。

↑こちらはブルックリンクラのSAKE。正式には未上陸の希少酒のため、今回特別に持ってきたとか。テイスティングの感想はのちほど

 

注目集まる八海醸造のウイスキーは来春発売!

八海醸造が手掛ける国内の新たな動きで注目なのは、ウイスキーづくりです。同社では2016年から米を主原料とするライスグレーンウイスキーの生産を魚沼の深沢原蒸溜所でスタートさせていますが、熟成を経た品質基準がついに納得のいくレベルに仕上がったとのこと。満を持して、2024年4月に発売することも発表されました。

↑同社ではグループ会社に北海道のニセコ蒸溜所があり、ここではモルトウイスキーづくりが進行中。魚沼×ニセコのブレンデッドウイスキーも、そう遠くない未来に誕生するでしょう

 

トピックスをもうひとつ。八海醸造といえば、甘酒のヒットメーカーとしても有名。代表作が「麹だけでつくったあまさけ」ですが、本商品はこの度消費者庁への届け出が受理され、麹菌で史上初の機能性表示食品となりました。これを機に、2024年3月から機能性表示食品としてパッケージを一新してリニューアル発売されます。

↑「麹菌HJ1株」という赤いアイコンが新パッケージ。その他は既存商品ですが、来春リニューアルとなります

 

クラフトビールに着想を経たNYのSAKEも試飲

会見後は別会場に移り、特別なペアリング体験へ。個性豊かな4種のお酒を、贅沢な料理に合わせました。

↑それぞれの酒質に最適なグラスで提供。日本酒だけでなく「八海山本格粕取り焼酎 宜有千萬」(写真右端)も

 

スターターは「瓶内二次発酵酒 白麹あわ 八海山」を、赤万願寺唐辛子とフルーツトマトをベースにしたガスパチョとともに。お酒のフルーティーな香りとキレを高める、スパークリングの心地よい爽快感がいいですね。それはさながらスペインの発泡ワイン、カヴァのよう。

↑あしらいのキャビア、焼きはも、加茂なすはリッチなうまみや繊細な滋味深さを演出。みょうがの清涼感もたまりません

 

米どころ・新潟の日本酒が得意とする味わいといえば、淡麗辛口だといえるでしょう。今回その魅力を特に感じたのは「大吟醸 八海山」です。まろやかで上品な甘みを感じさせつつ、総じてクリアで後口はすっきり。ペアリングのビーフコロッケのおいしさを、より際立たせつつ調和し、余韻できれいに昇華する素晴らしい食中酒だと思いました。

↑「大吟醸 八海山」に合わせた料理の正式名称は、「牛頬肉とパルマンティエのクロメスキ トリュフのクーリ」。いわゆる、ビーフコロッケのトリュフソースがけです

 

ペアリング会場では、その他のテイスティングも体験させてもらいました。ブルックリンクラのSAKEも用意されており、そのなかから定番銘柄のひとつ「NUMBER FOURTEEN」と、限定酒の「OCCIDENTAL」を試飲。どちらも実にアメリカらしさを感じる、ユニークな個性をもった味わいです。

↑「NUMBER FOURTEEN」(左)は、華やかな香味とライトな飲み口を調和させた純米吟醸。そして「OCCIDENTAL」(右)は、ビールに欠かせないハーブであるホップを使った柑橘感漂う果実味と赤い色味が印象的

 

ブルックリンクラは、クラフトビールにヒントを得た酒造りがモットーのひとつ。「OCCIDENTAL」は、そのフィロソフィーが遺憾なく発揮された銘柄だといえるでしょう。使っているホップは、昨今のクラフトビールムーブメントを語るに欠かせないビアスタイル「IPA」に頻用されるシトラホップ。このホップによって醸し出されるフルーティーなアロマが、「OCCIDENTAL」の個性を際立たせているのです。

↑ブルックリンクラのブライアン・ポーレンCEO。会見では緊張気味でしたが、テイスティング会場ではにこやかなスマイルが印象的でした

 

NYでの日本酒文化発信やウイスキーなど、酒好きにとって嬉しいニュースが満載だった本会見。ブルックリンクラの各銘柄も、そう遠くない未来に日本でも広まっていくのではないでしょうか。今後の展開から、ますます目が離せません。

 

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【東京・沿線ぶらり酒】「酒とつまみ」初代編集長が三鷹で故郷と酒場を語る噺

提供:宝酒造株式会社

 

街を結ぶ沿線には、その地ならではの名酒場と酒文化がある――。本企画では、首都圏沿線の路線ごとに、奥深いカルチャーを探っていきます。ナビゲーターは『古典酒場』の倉嶋紀和子編集長。各沿線に縁のあるゲストとともに、街と酒場の魅力を語り尽くします。

 

JR中央線の第2回目は三鷹(東京都三鷹市)。文士の街、ジブリ美術館、“住みたい街”吉祥寺(東京都武蔵野市)の隣、東京のベッドタウン……。それなりにトピックスはあるものの、いまいちイメージがつかめない街といえるかもしれません。今回はこの街で育った、雑誌『酒とつまみ』初代編集長でもある酒場通・大竹聡さんをゲストにお迎えして、三鷹とはどんな街なのか、そしてどんな酒場があるのかを伺っていきます。

●大竹聡(右)/1963年、東京三鷹市生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告会社、編集プロダクション勤務を経てライターとして独立。2002年、仲間とともにミニコミ誌『酒とつまみ』を創刊して初代編集長に。『中央線で行く東京横断ホッピーマラソン』や『五〇年酒場へ行こう』など、著書も多い。
●倉嶋紀和子(左)/雑誌『古典酒場』の創刊編集長。大衆酒場を日々飲み歩きつつ、「にっぽん酒処めぐり」(CS旅チャンネル)「二軒目どうする?」(テレビ東京)などにも出演。その他にもお酒をテーマにしたさまざまな活動を展開中。俳号「酔女(すいにょ)」は吉田類さんが命名。令和4年(2022年度)「酒サムライ」の称号を叙任

 

 

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世界一に選ばれた街・「三鷹」の知られざる魅力

 

まずは、三鷹という街の概要から。歴史をたどると、1889年の全国的な市制町村制施行により、上連雀や新川、牟礼といった10か村が合併し三鷹村となったことがルーツ。名の由来は諸説あるものの、かつて徳川将軍家が鷹狩を行なった場所であり、それが当時の世田谷、府中、野方の3領にまたがっていた(=三領の鷹場)からという説が有力です。

 

JR中央・総武線の各駅停車(いわゆる、黄色い総武線と東京メトロ東西線の直通列車)の起点/終点となっており、加えて中央特快が停車し、新宿駅まで最速約14分で到着する好アクセスな立地です。なお、三鷹駅は武蔵野との市境である玉川上水の真上に開設されたため、駅の南側は三鷹市でありながら、北側は武蔵野市という、ある意味ユニークな位置関係も特徴です。

↑三鷹駅の有名スポットといえば、作家・太宰治ゆかりの地として知られる「三鷹跨線(こせん)人道橋」。電車庫の開設時、南北の在来ができるように建設されたものですが、老朽化などを理由に2023年12月10日をもって閉鎖され、今後撤去される予定となっています

 

「住みたい街ランキング」では上位の常連で隣駅の吉祥寺の陰に隠れた存在ですが、2005年にはWTA(米国NYに本部を置く国際機関)主宰の「インテリジェント・コミュニティ・オブ・ザ・イヤー(※)」では三鷹市が世界一に選出されています。

※:世界のITを活用して経済や文化、社会を発展させた優れた地域を表彰する取り組み

 

文化芸術的な特色も濃く、武者小路実篤、三木露風、山本有三、太宰治など、多くの文豪が暮らした文士の街としても有名。また、2001年には井の頭公園(正式名称は都立井の頭恩賜公園。武蔵野市と三鷹市にまたがっている)内に「三鷹の森ジブリ美術館」がオープンし、人気スポットとなっています。

 

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「元祖ハルピン」で大竹聡に「三鷹の青春」を聞く

倉嶋 大竹さん、今日は三鷹でよろしくお願いします! やっぱり素敵な街ですね~。

 

大竹 ようこそ三鷹へ! と言いたいところなんだけど、実はいまは住んでないのよ。でも、ここは生まれ育った街だし、もちろん古典酒場を中心にある程度、店のことも知ってるよ。

↑「元祖ハルピン」。三鷹駅南口より徒歩10分程度

 

倉嶋 頼もしい! ここ「元祖ハルピン」さんはずっと気になっていたお店で、餃子をアテに紹興酒をちびちびやりながら語らいたいなと。

 

大竹 いいね~。

 

二人 では、カンパーイ!

 

倉嶋 さっそくですが、大竹さんの少年時代の話から聞かせてください。

 

大竹 昭和38(1963)年、隣町の武蔵境(東京都武蔵野市)のほうにある武蔵野赤十字病院で生まれたんだけど、笑いながら出てきたそうで、そんな赤ちゃんは初めてだったと言われたよ。

 

倉嶋 出生からして豪快(笑)!

 

大竹 家は三鷹の新川という、調布(東京都調布市)の仙川に近い場所にあってね。小中学校は地元だったけど高校は国立(くにたち)高校(東京都立国立高等学校)に通って、ちょうどここ「元祖ハルピン」がオープンした1982年に卒業したね。

 

倉嶋 どんな高校生だったんですか?

 

大竹 国立高校は手前味噌ながらなかなかの進学校で。でも朝のホームルームがなく、出席も取らない自由な校風だったんだよ。そんなこともあり、単位さえ取ればいいんでしょってことで、けっこう遊んでた。

 

倉嶋 さすが(笑)! でも、部活とかはやってなかったんですか?

 

大竹 中学まではずっと野球をやってたんだけど、高校ではサッカー部で頑張ってたよ。でも3年の夏で終わるでしょ。

 

倉嶋 なるほど。じゃあ引退後に新たな青春が始まったんだ!

 

大竹 そういう感じかな。三鷹の駅前とか街なかで、よくブラブラしてたよ。当時は南口の駅前エリアに「三鷹オスカー」「三鷹文化劇場」と、2つの映画館があってね。あと、いま文化センター(三鷹市芸術文化センター)が建ってる場所に市立図書館があって、朝「行ってきまーす」なんて出かけるんだけど、まずは図書館で本読んで、駅前で昼飯食べたら午後から映画館で3本立てを観て、夜になったら「ただいまー」ってね。

倉嶋 学校行かないんですね!

 

大竹 そのくせ「今日もたくさん勉強したなぁ~」とか言って。で、親から「聡、大学はどこ志望なの?」って聞かれれば「うん、東大東大」って。でもこれは本気で言ってたね。まあ、生意気でやさぐれた高校生だったと思うよ。それに進学は結局、早稲田の第二文学部に行って、さらに水を得ちゃうし。倉嶋さんはどんな子だったの?

 

倉嶋 すごく真面目な女学生ですよ。朝から夜まできっちりと授業があって、課外授業も受けて、「源氏物語」が好きで。部活は中高ずっと吹奏楽部でフルートを吹いてました。

 

大竹 じゃあ、いまはその反動(笑)?

 

倉嶋 (笑)人生、やっぱりちょっとした息抜きが要りますでしょ。あ、おつまみが来ましたね。いただきましょっ!

↑「イカ餃子」(水餃子)630円

 

↑「ニラ餃子」(焼き餃子)580円

 

大竹 うん、こりゃいいね。隠し味に中華の甘やかな香辛料が効いてて、ジューシーな肉汁と調和してる。この味と、紹興酒の甘みや酸味がマッチして、酒が進むな~!

 

倉嶋 はいっ! 私イカが大好きなんですけど、イカ入り餃子は初めて食べました。プリッとしててボリュームもあって、すごく美味しいです!お酒は紹興酒にして大正解ですね。紹興酒のコクが餃子のあんに寄り添いつつ、爽やかなキレはオイル感を絶妙にウォッシュアウト。

↑「紹興酒 5年」中( 360ml)1050円。一人なら小(180ml )650円がオススメ

 

大竹 うん、さすがは百戦錬磨の倉嶋さん。チョイスがイケてるわ~。

 

倉嶋 なんのなんの。でも今日は常温ですけど、夏は冷やして、冬は温めてといった飲み方も美味しいに決まってますね!

 

大竹 この餃子は生地から手作りで、厚皮のもちもち食感がたまらんね。水餃子はチュルッと、焼き餃子は表面だけパリッとしてて、ジューシーな肉汁とのメリハリもイイ!

 

 

つつましい街「三鷹」

倉嶋 「元祖ハルピン」はもう40年以上も営業されていますけど、大竹さんは学生時代、どんなお店に行ってたんですか?

 

大竹 昔の三鷹駅にはあんな立派なデッキなんてなくてさ。駅前とか商店街の、喫茶店や中華屋さんとかによく行ったね。南口ロータリーのところにあった「三鷹飯店」のチャーハンとか、「第九書房」という本屋の2階にあった「第九茶房」でクラシック聴きながら飲むコーヒーとか、懐かしいな~。そういうの、倉嶋さんにもあったでしょ?

 

倉嶋 実家はけっこう厳しかったので、寄り道も買い食いも禁止。私も実直に守ってました。

 

大竹 やっぱり反動だ! 青春時代を取り戻すかのように、いま謳歌するという。

 

倉嶋 生活自体は昔と変わらず規則正しいはずですが、確かに寄り道や買い食いは否めないですね(笑)。ちなみに大竹さん、三鷹で現存するお店だとどちらに行かれてました?

 

大竹 いまの「中華そば みたか」が「中華そば 江ぐち」だったときとかね。あとはドリンクが+170円でモーニングセットになる「リスボン」もオススメ。

 

倉嶋 昔ながらのお店も、けっこう残ってますもんね。

 

大竹 まあまあかな。でも大きな通りの形とかはあまり変わってないし、スーパーやファミレス、100円ショップなどが入っている「三鷹ショッピングセンター第一ビル」みたいに、昔のまま変わってない建物もあったりするね。倉嶋さんにとって、三鷹はどんなイメージ?

 

倉嶋 都下のなかでは高級な印象です。あとは駅前の南北ともに高層マンションがけっこう建っていますし、住宅街のイメージですね。そのぶんお店の数は吉祥寺や西荻(西荻窪)ほど多くないので、私自身も三鷹に飲みに来ることは少なかったです。

 

大竹 まあそうなるよね。よく冗談で「吉祥寺から西は崖だ。なんもないよ」ってよく言ってるから。

 

倉嶋 崖(笑)。でも吉祥寺みたいな人混みがないので、居心地はいいんです。お店も、数が多くないぶん一軒一軒アットホームな気がしますし。

 

大竹 そうだね。それに地元出身の人がやってる店の割合は、吉祥寺より多いかも。

 

倉嶋 そう、土着的な雰囲気がありますよね。吉祥寺のような、文化の発信地だと胸を張る感じもない、そんなつつましいところに共感を覚えるから、私にとっても愛着があるんです。

 

大竹 隣の吉祥寺はいろんな地方から人が来て、自分が憧れる街の姿をそこに反映してさ、好きになって住んだり店を出したりするケースがけっこうあると思うんだ。でも三鷹はそこまでならないから、自然と地元出身者の割合が多くなるんじゃないかな。もっとも、吉祥寺は土地が高いしマンションも少ないから、近年は三鷹がその受け皿になって新しい人が増えている印象もあるね。

 

倉嶋 実は私も、よく来るようになったのは近年で、そのきっかけになったお店があるんですよ。北口にある「万歳パンダ」っていうおばんざいがメインの小料理屋のような酒場なんですけど。

 

大竹 三鷹に来るきっかけとは、気になるねぇ。どの辺にあるの?

 

倉嶋 「武蔵八丁特飲街」って呼ばれてる、昭和の情緒を感じさせる狭い路地にあるんですよ。行ってみません?

 

大竹 なんとなく場所はわかるよ。行ってみようか!

↑「元祖ハルピン」を出た二人は、三鷹跨線橋を渡って駅の北口に向かう

 

↑跨線橋から三鷹駅北口付近の「玉川上水緑道」を歩く二人。目指す「万歳パンダ」は三鷹駅北口から徒歩約10分ほど

 

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ホッピーミーナが語る! 焼酎のベストパートナー「ホッピー」の噺
今回のテーマは「チューハイ」と並んで甲類焼酎の飲み方として定番の「ホッピー割り」。東京で生まれて昔から焼酎の割り材として人気の「ホッピー」の歴史と変遷を“ホッピーミーナ”に伺います。

「チューハイ」ってどんなお酒? その歴史や魅力を深掘りする噺
これまで、焼酎の歴史や、造り方について深掘りしてきた本シリーズですが、ここからはその飲み方などの”実践編”。今回のテーマは「チューハイ」です。

 

「万歳パンダ」で『酒とつまみ』誕生秘話を聞く

 

倉嶋 大竹さん、ここが「万歳パンダ」です!

 

大竹 センスを感じるけど味もある空間で、いいね~。飲み物はチューハイがいいかな。

 

倉嶋 はい! じゃあ2つで。カウンターに出てるのが名物のおばんざいで、今日は8種類ありますね。いい感じに見繕ってもらいます。

 

二人 カンパーイ!

 

倉嶋 あらためて、より大竹さんとお酒の関係について深堀していきたいんですけど、どのようにしてお酒が好きになっていったんですか?

 

大竹 これは至って普通でさ、最初はちょっと飲んでみたいなっていう好奇心からよ。ハマッてったきっかけは、バイト後の一杯。僕は大学が二部だったから、昼間は印刷工場で働いていたのね。で、大人な気分に浸りたいと思って労働後に飲むんだけど、これがウマいのなんの。

 

倉嶋 ついに出合っちゃうんですね~。

 

大竹 そしたらもう、店でひとり飲みし始めるのも時間の問題でしょ。三鷹、新宿、西荻とかの駅前、または家の近所の仙川に繰り出して飲むようになっちゃったの。やっぱり学生だからチューハイが多いよね。でも例えば西荻の「戎(えびす)」は当時、焼酎はストレートしかなくてさ。ガラスのコップに入った宝焼酎が受け皿にあふれるぐらいに入って、150mlぐらいかな。

 

倉嶋 ええ、25度の。

 

大竹 それを3杯。ちびちびでも、450ml飲んでるから結構回るでしょ。で、つまみはタンの串2本と冷やしトマトとか、もろきゅうで、当時は1000円でもお釣りがくるぐらいだったんだから。最高だったよね。

 

倉嶋 私がそうなるのは上京してもっと大人になってからですから、早熟な学生ですね~。では、私の原点であり、いまでもバイブルにしている名雑誌『酒とつまみ』の誕生秘話も教えてください。

 

大竹 僕の事務所はフリーランス仲間の集まりでね。僕がライターで、もう1人は編集もできるライター。あとはカメラマンとデザイナーがいて、誰かが受注して仕事を分け合ってPR誌を作ったり、雑誌の特集を担当したりってやってたの。でも、一緒にやってるんだったら自分たちでも何か創りたいねとなって、このメンバーなら雑誌だろうと。

 

倉嶋 各々の職種的にはそうなりますよね。

 

大竹 で、テーマどうする? ってなったんだけど、みんなの趣味はバラバラだったの。でも唯一、みんな酒が好きだったから、これで行くしかないなとなったのよ。ただ、ふだんは酒に関する有益な情報を、発注元の方々とやりとりしながら作ってるんだけど、自分たちの好きなようにできるんだったら、むしろ役に立たないけど面白さを追求する誌面でもいいんじゃない? ってなったんだよね。

 

倉嶋 なるほど! そういった経緯で数々の伝説が生まれていったわけですね。

 

大竹 あとは、すでに酒に関する名著なんて世の中にたくさんあったからさ。僕らが目指したのは、日常的な飲みの場でよく出るような、涙流して笑うんだけど内容はしょーもない話。酔ってやらかした恥ずかしいこととかね。そういうバカ話って、飲みの場でゲラゲラ笑って、次の機会に同じメンバーでまた同じ話するんだけど、飽きずに同じだけ笑ってるんだから、これ相当面白いんだな、じゃあこれ形にしたらいいじゃんって。それがきっかけですよ。

 

倉嶋 大拍手(笑)!

 

大竹 あ、おつまみも来たからいただこうか。

 

倉嶋 はい! こちらが、私がいつも最初にオーダーしてる、おばんざいの盛り合わせです。

↑「おばんざい盛合せ」(3点)1300円。この日は「ひじき大葉つくねハンバーグ」「山形県の赤ネギの焼浸し」「カブのそぼろあん」。5点盛りは1800円で、好みの指定もできる

 

「三鷹」らしい酒場とは?

大竹 実際に目で見て、この距離感で「これとこれ」って頼めるのはいいよね。料理も素材の味が生かされててウマい。酒も進むね~。

 

倉嶋 そう。おつまみも美味しくて、お酒も会話も弾むお店なんですよ! 大竹さんが好きな酒場はどんなお店ですか?

 

大竹 好きな条件的なものは考えたことがないんだけど、通ってる店の共通点はぼんやりとあるね。親しいんだけど、ほっといて欲しいときには言わなくてもそうしてくれる。あと、僕はあまり量を食べないんだけど、特別ではない普通のおつまみでも美味しい店。そして、一人でも何人かで行っても、うまく相手をしてくれるご主人のお店に、結果的に通ってる感じかな。

 

倉嶋 私が『古典酒場』を創りたいって、大竹さんに相談したころを思い出します。このお店いいよとか、素敵なお店をたくさん教えていただいたんですけど、振り返ると、いまおっしゃった感じのお店なんですよね。店主さんがさりげない気遣いをしてくれたり、ときには人と人をつないでくれたり。私自身、大竹さんに紹介していただいたお店はいまでも長くお世話になっていて、本当に財産だなって思います。

 

大竹 通えるってのはいいお店の証拠なんだよね。そういうところはお客さんとの距離感というか、お店の方が自分たちのポジションをよく理解している。例えば僕らみたいな物書きが店を紹介すれば本を飾ってくれたり、店主さんがあいさつしてくれたりするんだけど、かといってベタベタしてるわけじゃなくて。それがすごく心地いいんだよね。

 

倉嶋 うんうん、わかります!

 

大竹 だからこっちも、常連さんの邪魔は絶対にしないっていう。そういう暗黙のわきまえをお互いわかってるのが楽しいんだよ。

 

倉嶋 初めて入る酒場の雰囲気に、どうやって溶け込むかっていう作法も大竹さんに教えていただきました。やっぱり場の雰囲気や、お客さんとのコミュニケーションが大切ですよね。特に営業中に取材で伺った場合は、どうしてもお客さんの邪魔になっちゃうじゃないですか。そのなかでも大竹さんはすごく上手で、うまく常連さんに話かけてくださったりして、にこやかな話から笑顔が伝播していくんです。本当に勉強させていただきました。

 

大竹 そう? 倉嶋さんはその辺、天才でしょ。どこ行ってもすぐに打ち解けちゃうんだから(笑)。

 

倉嶋 その基本を大竹さんに教わったんです!

 

大竹 じゃあこの「万歳パンダ」も、いつもの流れでフラッと入って仲良くなった感じ?

 

倉嶋 こちらは私の『古典酒場』の講座帰りに生徒さんに教えてもらって一緒に来て、それ以来大好きなお店です。最初に来たのは開業当時で初代女将のももちゃんのときだから、2015年かな。二代目はすぎちゃんで、いまは三代目のゆきちゃん。あったかくて心地よい雰囲気が、すごく三鷹らしい気がします。三鷹の酒場のひとつの特徴は、やっぱりこの居心地のよさなんですかね?

↑三代目・女将のゆきさん

 

大竹 一理あるかな。地元出身の店主って話をしたけど、お客さんも地元の人が中心になりがちなのね。それに住宅が多いから、お客さんはご近所さんとか、パパ友ママ友というケースもよくあると思う。だから自然と地元トークに花が咲いて、アットホームになるのかな。それこそ、同じ中学の同級生が同窓会の打ち合わせをしてたりね。

 

倉嶋 確かに。ここに来ると、地元トークが多めかも!

 

大竹 倉嶋さんは、ほかの中央線の駅と比べて三鷹の店はどう思う?

 

倉嶋 例えば前回行った西荻窪は、駅前の路地に個人経営の居酒屋や商店が密集していて、小さな村っぽい印象があるんですけど、三鷹の駅前はもっと開けてる感じで、地方都市に近いイメージですかね。でも名酒場には吞兵衛が集まって、いい雰囲気をつくりだしてるという。

 

 

2人がオススメの「三鷹酒場」とは?

 

大竹 倉嶋さんが「万歳パンダ」のほかに、三鷹でよく行くお店ってどこ?

 

倉嶋 ひとつは、このすぐ近くにある「おでん都」さん。「万歳パンダ」が満席だったときに見つけた、素敵なお店です。ダシからして美味しいおでんの盛り合わせと、その日の日本酒でペアリングを楽しんでます。北口だと「PIZZA-ISM(ピザイズム)」も好きですね。こちらは2022年オープンの比較的新しいお店で、1ピースからオーダーできる多彩なニューヨークピザを、ハイボールやワインと合わせています。

 

大竹 さすが、いろいろ開拓してるんだね。南口だとどう?

 

倉嶋 例えば、「おだしのだしお」さんは好きなお店のひとつです。こちらは貝ダシで味わうラムしゃぶが名物ですけど、とにかく羊の料理が種類豊富なことに驚きました。おつまみでも、貝と羊のポテトサラダに、なめろうに、炙りユッケなどなど。お酒はレモンサワーをはじめ、オリジナルのサワーが絶品ですね。では、こんどは大竹さんの番。お気に入りを教えてください!

 

大竹 昔っから行ってて、いまもあるのは「やきとり横堀」。最初は若かったから緊張したよね。バイト代が出た日の週末に恐る恐る入ってさ、チューハイとビールに、串焼き6本とおしんこ、煮込みとかで精一杯だったんだけど、3回目ぐらいで大将が声かけてくれてね。スポーツ新聞の競馬欄とか見てると、ニカッと笑って「いけない子だ~」なんつってさ。

 

倉嶋 なんというセリフ(笑)!

 

大竹 北口だと「婆娑羅(ばさら)」だね。山口瞳先生の『居酒屋兆治』のモデルになった国立・谷保の名店「文蔵」譲りのもつ焼きが名物なんだけど、僕は大将が作るぬか漬けが大好きで。あとは、毎日ちょっとずつ仕入れる魚。刺身のほか、干物だったり煮つけにしてくれたり。カウンターだけだから一人でも入りやすいし、意外に若いお客さんもいるんだよね。そういえば「婆娑羅」も、「元祖ハルピン」と同じ1982年創業だったかな。

 

倉嶋 あら! 奇しくも大竹さんが高校を卒業するタイミングで、名酒場が生まれてるとは。

 

大竹 もう40年以上前のことだけど、当時から故郷にある店はちょっと特別だよね。

 

倉嶋 同感です! 今日は三鷹のことをたくさん教えていただき、ありがとうございましたっ!

 

大竹さんの故郷・三鷹で、この街について学びいっそう好きになった倉嶋さん。次回は、違う沿線の街と魅力的な酒場について倉嶋さんがゲストと語り合います。お楽しみに!

 

 

<取材協力>


元祖ハルピン

住所:東京都三鷹市下連雀3-31-9
営業時間:11:30~14:00、17:00〜22:00
定休日:月曜、火曜

 


万歳パンダ

住所:東京都武蔵野市中町1-19-11
営業時間:水曜~金曜17:00~23:00、土曜、日曜15:00~22:30
定休日:月曜、火曜(祝日の場合は営業)

 

※価格はすべて税込みです

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・紹興酒「塔牌」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/touhai/

・宝焼酎
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

 

撮影/鈴木謙介

これ一冊で、あなたも”レモンサワーマスター”に!『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』

かんぱーい! と一杯目に頼むドリンクが多様になってきましたよね。以前は「とりあえず、ビール」と頼んでいた人が大半でしたが、自由にお酒を楽しむ人が増えてきたように感じます。先日、コンビニでお酒を物色していたところ、レモンサワーだけでもノンアルコールも含めて20種類ほどあってビックリしました!

 

今回は、老若男女に愛されるレモンサワーを堪能できる一冊『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』(レモンザムライ・著/Gakken・刊)をご紹介します。

レモンサワーのはじまりは、中目黒

そもそもレモンサワーとは、お酒(甲類・乙類焼酎、ウォッカやジン、日本酒)+炭酸水+「レモン」の3つが揃ったドリンクのこと。一昔前はおじさんの飲み物なんてイメージがありましたが、最近では国産レモンや自家製シロップなど“こだわり”がプラスされ、映える飲み物になっています。あとはEXILEのメンバーが飲んでいるイメージも強いですよね(笑)。そんなレモンサワー、いつどこで始まった飲み物なのでしょうか?

 

レモンサワーは日本独自の文化である。

レモンサワー発祥の地は東京・中目黒の「もつ焼き ばん」(創業昭和33年)だといわれている。

(『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』より引用)

 

EXILEはここで中目黒と繋がってくるのか! と勝手ながら思ってしまいました(EXILEさんたちの事務所LDHは、中目黒にあるんです)。ちなみにレモンサワーの「サワー」は、「爽やか」からきているとのこと! そんな理由だったの!?

 

どれも同じでしょ? と思っているあなたに見てほしい
「レモンサワー味わいチャート」

『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』には、著者であるレモンザムライさんによるレモンサワーの旨い店や、自宅で楽しむためのレモンサワーレシピなどが紹介されています。

 

レモンザムライさんは、2018年に放送された『マツコの知らない世界』で「レモンサワーの世界」に出演され、2023年にはクラフトレモンサワー専門のレモンサワーバーを自由が丘にオープンしています。まさにレモンサワーの第一人者!

 

そんなレモンザムライさんと、年間1000本以上の缶チューハイを飲んでいるストロングおじさん、レモンサワー大好きYouTuberのりおレモンさんの3人で行われた「レモンサワー缶座談会」は、たくさんの方に読んでいただきたいお話ばかりでした。

 

特に注目なのが、3人が17種類のレモンサワー缶を飲み比べて作成した「レモンサワー味わいチャート」。縦軸がレモン果汁の強さ(強めと低め)、横軸が甘さ(強めと低め)でまとめられているので、「今日はさっぱりとしたレモンサワーがいいな〜」という時には、チャートの左下から選べばOK。こんなにいろんな味わいがあるのか、と飲み比べてみたくなります。

 

読了後は、誰もが「あぁ〜レモンサワー飲みたい」ってなっちゃう!

レモンサワーの基礎知識や歴史、未来についてたっぷりと掲載されている『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』ですが、1点だけ注意があります。それは、読後に無性にレモンサワーが飲みたくなってしまうこと! 私もすぐにコンビニに行ってレモンサワーを買ってしまいました。そして、飲みながらまた読んでしまうんですよね〜。しかも、不思議なことにいつも以上においしく感じられるんです。

 

ちなみに、レモンザムライさんによると、国産レモンの旬は冬とのこと! 旬の時期に自宅で手作りレモンサワーを楽しんでみるのはいかがでしょうか?

 

実は国産の露地栽培レモンの収穫時期は10〜4月くらい。つまり冬がメインなんです。10月以降はグリーンレモン、12月下旬から5月中旬にかけてイエローレモンとして収穫されるんですね。

(『知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本』より引用)

 

糖度でいうとイエローレモンのほうが高く、酸味や香りが強いのがグリーンレモンなのだとか。レモンと聞くと黄色を思い浮かべることが多いですが、冬の時期に旬を迎える国産グリーンレモンのレモンサワーも飲んでみたいですね。年末年始の飲み会や毎日の晩酌、アウトドアを楽しみながらのレモンサワー缶など自由に楽しめるレモンサワーの世界、ぜひ楽しんでみてください。知れば知るほど、おいしく感じられるはずですよ!

 

【書籍紹介】

知れば知るほどおいしい! レモンサワーを楽しむ本

著者:レモンザムライ
発行:Gakken

レモンを使用したアルコール飲料は大人気で、現在では数多くの商品が店頭に並ぶようになっています。ビール飲料に追いつけ追い越せの勢いで増え続けています。本書では、テレビ等で話題のレモンサワーのオーソリティである「レモンザムライ」さんを監修に迎えて、そんな「レモンサワー」のおいしさ・楽しさ・魅力を伝えていきます! 自宅で美味しいレモンサワーをつくるためには? いま飲んでおきたいレモンサワーの名店とは? そもそもレモンって酸っぱいだけじゃないの? これ一冊で、レモンサワーマスターになれる! 大人気YouTuberりおレモンさん、ストロングおじさん、レモンザムライのレモンサワー缶座談会も特別収録!

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ビール好き編集部員が提案! アルコール分3.5%の「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」だからできるビールとの新しい付き合い方

提供:アサヒビール株式会社

2023年10月の発売以来、注目を集めているビールが「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」だ。大きな特長は、日本を代表する「アサヒスーパードライ」ならではの辛口なうまさを、アルコール分3.5%で楽しめること。この絶妙な度数は「ミドルレンジ」とも呼ばれるカテゴリーで、オーストラリアをはじめ海外のビール市場でも台頭しているグローバルトレンドを押さえた一品である。

 

そしてヒットの背景には健康志向のほか、“タイパ志向”の礼賛などがある。流行に敏感なGetNavi webのビール好きスタッフにも好評だが、あらためて魅力を語り合った。

アサヒビール「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」

海外市場で成長中のアルコール分0〜3.5%の飲料に着目し、定番ビール「アサヒスーパードライ」の3.5%版を新開発。冷涼感が特徴のドイツ産ホップ「ポラリス」を一部使用し、「アサヒスーパードライ」よりも発酵度を上げることで、透明感のある味わいと本格的な飲みごたえを実現した。

 

「スーパードライ」直系の爽快感と飲みごたえ。ペアリングも万能

山田 10月の酒税改正以降、ビールカテゴリーがすごく元気だよね。なかでも「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」は、アルコール分3.5%の新奇性とブランドならではのシャープな辛口が俺は好き!

↑左から、GetNavi web編集長の山田佑樹(40代)、スタッフの上原雅代(30代)、編集部員の西牧裕太(30代)

 

上原 私もお気に入りです! 「アサヒスーパードライ」に通じる爽快感やのどごしがあっておいしく、これでアルコール分3.5%というのは画期的。

 

西牧 「アサヒスーパードライ」のアルコール分は5%で、1.5%分の差がありますけど違和感がないですよね。あと、僕はクリーミーな泡立ちも好きです。この飲んだ瞬間の飲みごたえと、透明感あるキレのバランスがうまさの秘訣なんじゃないかなと。

 

山田 うん、確かに! とにかく強弱のバランスがいいんだよね。すっきりしているんだけど、薄い感じは全くなくて。この飲み飽きることのないおいしさが心地いい。

 

上原 あとはデザインがおしゃれですよね。白をベースにしたスタイリッシュな雰囲気と、赤い差し色とプルタブのアクセントカラーがかわいいです。これは女性受けがよさそうだし、ホームパーティーでも映えますよ。

 

西牧 白×赤のルックスはクリスマスやお正月など、この時季の飲み会にもよさそう。何人かで飲むなら、アルコール分3.5%の「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」はより重宝しそうですよね。

 

山田 そうなのよ。ちょうどいいアルコール分だから、ゆっくりくつろぎながら楽しみたい宴会にもうってつけだよね。ビール党には実にうれしい!

 

上原 今日の料理は水炊きの鍋がメインですが、ほかにどんな料理が「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」に合うと思います?

↑鍋のほかには冷やしトマト、焼鳥、豚の角煮、ポテトサラダなどをペアリング

 

西牧 例えば、かき鍋やおでんといった、素材のだし感が豊かな鍋もいいんじゃないですかね。あとは湯豆腐とか。「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」はバランスがよくてクリアな味なので、繊細な料理のよさを活かしてくれると思います。

 

山田 そうだね。アサヒスーパードライならではの辛口だから、濃厚なメニューにももちろん合うんだけど、繊細な味の料理にもマッチするだろうね。年末ならそばとか、正月なら寿司とか、和食にもすごく合いそう。

 

上原 冬の晩酌はもちろん、ちょっとした差し入れにも、おもてなしにも。とにかくこれからのシーズンにぴったりなビールが「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」ですよね。

 

アルコール分3.5%だから自分の好きな時間をもっと楽しめる!

「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」は、自分の好きな時間をもっと楽しみたい人、アクティブなライフスタイルを目指す人にもオススメだと話す山田編集長。そこで3人に趣味のひとときなど、おのおののフェイバリットタイムに「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を取り入れた飲み方を教えてもらった。

 

その1ギターを奏でるクリエイティブな気分転換に

↑軽音部でギターに没頭する娘の影響で、自分も再び弾くようになった山田。楽器+「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」は、趣味の時間にぴったりのビールだとか

 

「オンオフのスイッチに重宝するのがお酒。 適度なアタックが感性を刺激して、アイデアのインスピレーションも湧いてきそう。タイパを意識する層を中心に、ファンがどんどん増えるんじゃないかな。よし、じゃあ次はゲームでもやろっと(笑)」(山田)

 

その2】子どもを寝かしつけたあとの安心タイムに

↑上原は、まだまだ甘え盛りの息子の育児と仕事の両立に奮闘中。寝かしつけたあとは、一息つける安堵の時間だ

 

「(息子の晩ごはんは食べさせるのに精いっぱいなので)ホッ、やっと私の夕食だ~。今日はハンバーグとサラダで、旅動画でも観ながら味わおう。でもこの晩酌が至福の時間……。うん、おいしい! クリアで、どんな食事にもマッチする万能な味もいい! それにアルコール分3.5%でちょうどいいから、子どものお世話に家事や仕事にと、やること盛りだくさんの私にぴったり。ママ友にも教えてあげよう!」(上原)

 

その3 読書に没頭しながらのリラックスタイムに

↑どんなに多忙でも月1冊の読書は欠かさない西牧。むしろこの読書時間が、タスク過多による心身の疲れを癒してくれるそう

 

「現代小説やライトノベルみたく比較的キャッチーな物語は、お酒を飲みながら読むとはかどるんだよな~。その点『アサヒスーパードライ ドライクリスタル』はアルコール分が3.5%だから、ストーリーも普通にスッと入ってくる。すっきりとしたのどごしやクールな苦みもうまくて、読書の没頭にぴったり。こりゃあ冷蔵庫への常備も決まりっしょ!」(西牧)

 

「ドライクリスタル」でより充実した新しいビアライフを!

いつものビールと変わらないおいしさを、アルコール分3.5%で楽しめる。それが「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」。山田編集長をはじめ、それぞれの自分時間に飲んだ3人は皆、新たな価値を実感したのであった。

↑山田編集長は今夜もプシュッと開けて、ジャキーンとギターを鳴らす。すっかりハマッた様子

 

アルコール分3.5%の「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」で、ぜひビールとの新しい付き合い方を実感してほしい。

 

アサヒビール
アサヒスーパードライ ドライクリスタル

●商品に関するお問い合わせ/アサヒビール株式会社 お客様相談室
TEL 0120-011-121
https://www.asahibeer.co.jp/drycrystal/

 

 

取材・文/中山秀明 撮影/ヒゲ企画 シズルコーディネート/関明彦(まわりとしん)

深いコクと贅沢な味わい! ファミリーマート限定のサッポロビール「ビアサプライズ コクの神髄」

※本稿はAIツールの要約を再編集した記事です。

 

ファミリーマートが、サッポロビールと共同開発した「サッポロ ビアサプライズ コクの神髄」を、全国のファミリーマートの酒類取扱店約1万6200店で、数量限定で発売中です。ただし、一部店舗では取扱いがない場合があります。

 

ファミリーマートとサッポロビールの共同ブランド「ビアサプライズシリーズ」は2023年6月に発売7周年を迎え、今回の「サッポロ ビアサプライズ コクの神髄」はその第13弾となります。高価格帯のビール需要が高まる年末に向けて、シリーズ初のプレミアムビールとして発売。深いコクと贅沢な味わいを引き出すために、サッポロビール史上初の「濃密ブレンド製法」を採用。

 

焙煎方法の異なる4種の麦芽を通常のビールの1.5倍使用し、さらに世界でも希少なフレーバーホップと厳選したビターホップをブレンドしました。麦のふくよかなコクと旨みに加えて、芳醇なホップの香りと上品な苦みが感じられます。パッケージは紫紺をベースとしながら、麦やホップのモチーフを明るく上品にあしらっています。

 

価格は350ml缶が241円(税別)、500ml缶は316円(税別)。

冬限定「SPRING VALLEY Afterdark<黒>」、キリンビールから発売中!

※本稿はAIツールの要約を再編集した記事です。

 

キリンビールは、クラフトビールブランド「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」から、ブランド初となる缶商品の黒ビール「SPRING VALLEY Afterdark<黒>」を冬限定で発売中です。

 

本商品は、2015年から「スプリングバレーブルワリー」直営店で販売している「Afterdark」をベースに、缶商品として開発したものです。「Afterdark」は「International Beer Challenge 2021」などの世界5大ビール審査会で金賞をはじめとする数々の賞を受賞し、その品質と美味しさは高い評価を受けています。

 

コーヒーのような香りと柔らかな甘みを感じることができ、黒ビールが苦手な人でも楽しむことができるようです。また、一般的に黒ビールの中で有名な“スタウト”のビアスタイルは華やかでしっかりした味わいの「エール」ですが、本商品はすっきりとした味わいが魅力の「ラガー」です。醸造家が厳選した特別な麦芽を使用し、焙煎することでコーヒーのようなロースト香を味わえます。

 

パッケージは金色×茶色のグラデーションで、黒ビールの「重そう・苦そう」というイメージを覆す、柔らかな味わいを表現しています。また、缶裏面には味覚特徴やクラフトビールならではの楽しみ方のヒントが記載されています。

 

そのまま飲むのはもちろん、グラタンやビーフシチューなどコクやとろみのある食事との相性が良く、また食事の後のチョコレートなどの濃厚なデザートとも好相性です。

 

価格は350ml缶が242円(税別)、500ml缶321円(税別)。

「どストライク」いただきました!“町中華姐さん”高田 秋が紹興酒のハイボール缶を絶賛

飲み歩き大好きモデル・高田 秋が「家飲み」を追求! 今月は、中華料理とのベストマッチを狙って生み出された紹興酒のハイボール缶をテイスティング。“町中華姐さん”の評価は?

※こちらは「GetNavi」 2023年12月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【14杯目】紹興酒のソーダ割でおうちにいながら町中華気分♪

三菱食品
ニイハオハイボール
実売価格196円

5年熟成の紹興酒に一部ウォッカを組み合わせることで、うまみとクリアなキレを両立。飲み口はすっきりしており、中華料理をはじめ多彩な料理とのペアリングが楽しめる。アルコール度数は5%。

 

これは”どストライク”新しいソーダで割るお酒

おいしい! この味めっちゃ好きです。実は普段は、紹興酒もウイスキーのハイボールもそこまで飲まないんですけど、これはどストライク♡

 

スイスイいけるのは、アルコールが5%だからかも。5%ならビールとほぼ同じだし、プレーンな紹興酒より甘いから飲みやすい。お酒の熟成感が加わって、黒糖のような甘味を感じます。紹興酒が苦手という人も、ぜひ先入観なく飲んでみてほしいな。しっかり冷やすとさらにおいしいですよ!

 

合う料理は、ガチ中華や町中華なら甘じょっぱい系やピリ辛系。特にオイスターソースを使ったものがおすすめです。エスニック料理とか、ほかの国のメニューにも合いそう。おつまみなら柿の種やチーズに合わせるのもアリですね。満足度が高いから、単体で飲んでも飲み応えは十分。私は、お風呂を上がってから寝るまでの間で小腹が空いたときに、軽めのおつまみと楽しみたいな。ソーダで割るお酒の新たな選択肢ですね♪

高田 秋●たかだ・しゅう…1991年9月23日生まれ、北海道出身。立ち飲み屋巡りが趣味で、唎酒師などの資格を持つ。「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)をはじめ、飲み歩き番組への出演も多数している。公式HPInstagramYouTube

 

構成/鈴木翔子 文/中山秀明 撮影/千葉タイチ ヘアメイク/榊ひかる スタイリスト/江原優里

年末年始にサイコー! 達人が推す「日本酒×おつまみ」極上マリアージュ4選

食のプロはどんなリッチグルメに注目しているのか。今回は、フードアナリスト・中山秀明さんに特上の日本酒とおつまみのリッチなマリアージュを紹介してもらう。

※こちらは「GetNavi」 2024年1月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【酒とつまみの達人】

フードアナリスト・中山秀明さん

酒と食のトレンドに詳しいライター。「美酒は、美食との組み合わせでより美味になる」との信条を持っている。

 

SAKE HUNDRED 百光 別誂 × うかいグルメデリ 厚揚げと牛しぐれ煮

【日本酒】酒米の王様を極限まで磨いたハイクラスな食中酒

SAKE HUNDRED百光 別誂
2万7500円

ブランドのフラッグシップ「百光」の姉妹品。“酒米の王様”と名高い山田錦を18%まで磨き、米由来のふくよかな旨みを残しながらも、雑味のないクリアで華やぐ酒質を追求。甘味、旨み、酸味が調和した、食中酒に最適な一本だ。

↑精米にかけるのは、なんと200時間以上。中心部まで丁寧に磨くことで、圧倒的な透明感やエレガントな味と香りを生み出している

 

【おつまみ】厚揚げと和牛の旨みのハーモニーこれぞ名門うかいの真骨頂!

うかいグルメデリ
厚揚げと牛しぐれ煮
1500円

「とうふ屋うかい」の大豆の旨みが濃い特製厚揚げと、黒毛和牛のなかでも旨みが強い部位を使用。しょうがや山椒を効かせた牛しぐれ煮の煮汁を厚揚げと合わせ、実山椒や小松菜とともにじっくり炊き上げている。

 

【達人’s eye】優雅な濃淡の邂逅がもたらす儚さすら美しい一夜の夢物語

「煮物は厚揚げと牛肉双方の力強い旨みを生かした濃厚な味付けと、しょうがや山椒の爽やかな後味が印象的。酒は桃のような果実味と艶やかな甘味が明るく輝きを放つ一方で、サッと消えていく儚さが美しい。ともに心地良いメリハリで、まるで夢物語のよう」(中山さん)

 

明利酒類 雨下-uka- × なだ万 西京漬(6袋)

時の流れに任せてピュアな雫を集めた自然の酒

明利酒類

雨下-uka-
3万3000円

重力によって自然と落ちる雫を丁寧に集める「雫落とし製法」が生み出す、雑味のない凝縮された旨みが特徴。名酒米、山田錦の特等米を芯まで磨き、「金賞酵母」と呼ばれる自社酵母で醸した。

 

老舗料亭の伝統技術が生み出した甘味と上品な香りが華やぐ西京漬

なだ万

西京漬(6袋)
6480円

長年にわたり、各界の著名人に愛され続ける老舗料亭伝統の西京漬。銀だら、金目鯛、さわらなど6種の魚が盛り込まれ、白味噌のほのかな甘味と上品な香りが染み込んだ、滋味深い味を楽しめる。

 

【達人’s eye】エレガントな西京漬けと神秘的な酒による愉悦の晩酌

「西京漬のしっとりほっくりした食感と濃厚かつエレガントな味付けに脱帽! このひと皿だけでも食卓が華やかになります。雨下は酒米の魅力が実直に伝わるピュアな飲み口で、神秘的と表現できる味。今年用意した1000本はほぼ完売とのことで、来年に期待ですね」(中山さん)

 

TAKANOME TAKANOME 火入れ × なとり 一度は食べていただきたい 熟成ビーフジャーキー

急速急冷で瓶内火入れを施した南国果実を思わせる甘美な味わい

TAKANOME
TAKANOME 火入れ
1万8700円

フルーティな風味と繊細なテクスチャーが調和した「TAKANOME」の生原酒を瓶詰めしたのち、急速急冷で瓶内1回火入れを施した意欲作。南国フルーツを思わせる、甘美で微細な香りが心地良い。

 

牛肉の希少部位をじっくり熟成し特製ダレで華やか&上品な味わいに

なとり
一度は食べていただきたい 熟成ビーフジャーキー
648円

赤身と脂が好バランスな希少部位、トモサンカクを使用。マンゴー果汁と洋酒が隠し味のしょうゆダレで味付けしたあと、冷蔵で72時間以上じっくり熟成させ、素材のうまみを引き出している。

 

【達人’s eye】肉の甘味が酒の香味と共鳴これは魅惑のペアリング!

「ジャーキーのしっとり感とコク深さがスゴい! また、肉がまとうほのかな甘味によるニュアンスが、お酒の妖艶な果実味と共鳴して至福の味に結実。かつ、酒質のキレが脂の重みをカットするので、次のひと口につい手が伸びる魅惑のペアリングです」(中山さん)

 

MINAKI 極幻 FORMULA.2 × 成城石井4種ドライフルーツのクリームチーズ

山形の恵みを凝縮した好バランスでエレガントな香味

MINAKI
極幻 FORMULA.2
2万1780円

甘く華やかな純米大吟醸を造るために山形県で開発された新酒米「雪女神」を使用。米を29%まで磨き、同じく山形で湧く超軟水の井戸水で仕込んだ。上品な甘さと酸、バランスの良いエレガントな香味が楽しめる。

 

クリームチーズのミルキーさと濃厚な甘酸っぱさがおいしく調和

成城石井
4種ドライフルーツのクリームチーズ
431円

レーズンやあんずなどのドライフルーツを贅沢に、製品配合比率30%以上も使用。味付けははちみつとラム酒で、食感を崩さないよう手作業で行われている。クリームチーズのミルキーなコクと、濃厚な甘酸っぱさが美味。

 

【達人’s eye】スイーツのようなコク甘チーズとライスワインによるモダンな饗宴

「チーズがドライフルーツの味わいに見事に調和。コク深く甘酸っぱいこの味は、もはやスイーツですね! MINAKIのまろやかさやジューシーなタッチがこの甘いコクを包み込み、最後にシャープな余韻が締める。これぞ新時代のライスワインの嗜み方!」(中山さん)

冬に飲みたい“ホット黒ビール”って? カレー鍋と楽しむ都会のキャンプイベント開催中

キリンビールはクラフトビールブランド「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」から、ブランド初となる缶商品の黒ビール「SPRING VALLEY Afterdark<黒>」(以降「Afterdark」)を発売した。発売にあわせて、東京・代官山でアウトドアブランド「鎌倉天幕」とのコラボ企画を開催中。1日3組限定で「Afterdark」のホット黒ビールと欧風カレー鍋をテントのなかで味わえるキャンプ体験を楽しむことができる。

 

11月30日に開催されたメディア向け発表会では、一足先にホット黒ビールと欧風カレー鍋を堪能できた。特別感たっぷりのキャンプ空間で味わった、冬に “ホット” するメニューを紹介しよう。

 

 

最良の品質をお客様へ届ける

↑「SPRING VALLEY BREWERY “Afterdark”×鎌倉天幕」のためにテラス席に用意されたキャンプシート

 

「SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレー・ブルワリー)」は、ノルウェー生まれのアメリカ人によって1870年の横浜に誕生した、日本で初めて商業的に成功したとされるビール醸造所の名前。その名を冠し、キリンビールが2014年にローンチしたクラフトビールブランド「SPRING VALLEY」は、さまざまな香りや味覚の要素が主張し合いながらも均衡した味わいの実現を目指し、「飲み飽きないおいしさ」のビールを生み出し続けて来た。またレストランを併設する醸造所、その名も「スプリングバレー・ブルワリー」を現在、東京・代官山と京都で展開している。

 

同ブランドから12月5日に発売されたのが、ブランド初となる黒ビールの缶商品「SPRING VALLEY Afterdark<黒>」(350ml 242円/500ml 321円、税込、以下同)。

↑12月5日に発売された「SPRING VALLEY Afterdark<黒>」(350ml)

 

代官山のスプリングバレーブルワリー東京では、この発売に合わせて「鎌倉天幕」とのコラボ企画「SPRING VALLEY BREWERY “Afterdark”×鎌倉天幕」を開催中。こだわりのテントの中で「Afterdark」のホット黒ビールと「『Afterdark』を使用した欧風カレー鍋」を楽しむことができる。期間は12月30日まで。コース料金は7000円、1日3組限定(4名~6名が入れるテント席 1組/2名~4名が入れるテント席 2組)のため要予約。

 

発表会に登壇したのは、スプリングバレーブルワリー代表取締役社長の井本亜香氏と、鎌倉天幕を展開するニューテックジャパン代表取締役の白石徳宏氏。

↑スプリングバレーブルワリー 代表取締役社長 井本亜香氏

 

テントやファニチャーを提供する「鎌倉天幕」は、ニューテックジャパンがアウトドアブランドのOEMメーカーとしてものづくりに携わった約30年の集大成ともいえるブランド。「企画・開発から生産までクオリティに妥協せず、持っていることを自慢できるものを」をコンセプトに、スタンダートながらもオリジナリティのあるアイテムを展開している。

 

今回店舗で使用される「鎌倉天幕」のイスやテーブルなどのファーニチャーは「家でも使える」がコンセプト。白石氏は「家の中に置いても恥ずかしくない質感にこだわっています。いろいろなシーズンや気候に対応できる汎用性の高さは、アウトドアをちょっとやられている人になら分かっていただけるはず」と、同ブランドアイテムのクオリティへの自信を覗かせた。

↑ニューテックジャパン 代表取締役 白石徳宏氏

 

今回のコラボ企画が実現した背景について、「私の方から声をかけさせてもらった」と言う井本氏。「ニューテックジャパンさんが掲げる『確かなものづくりと独創的な発想力』、そして『お客様に最良のものを届ける』というこだわりはクラフトビールに通じるものがあります」と語り、「1つの空間としてお客様に感じ取っていただくことができたら面白い」という思いから今回の企画実現に至ったことを説明してくれた。

 

都会のキャンプ空間で冬にぴったりの黒ビールを味わう特別体験

↑ラテのようにクリーミーでまろやかな味わいを、ホットではより深く味わえる

 

「SPRING VALLEY BREWERY “Afterdark”×鎌倉天幕」で提供される「Afterdark」は、一般的な黒ビールが「エール」であるのに対し、すっきりとした味わいが魅力の「ラガー」である。特別な麦芽を使用し、穀皮を取り除いて焙煎することで苦みを抑えながら、コーヒーのような香りと柔らかな甘み、ラテを思わせるふくよかな口当たりと澄んだ飲み口が特徴だ。

 

「ホットにすることで炭酸が抑えられ、より味わいを楽しめる」と、ホット黒ビールの特徴を語った井本氏。保温保冷に優れた炭酸飲料運搬用ボトル・グラウラーで提供されるので、温かい状態で味わいを堪能できる。さらにハチミツやナツメグ、シナモン、ジンジャーなどを加え、自分好みにアレンジしてより “クラフト感” を味わうこともできる。

↑ホット黒ビールは炭酸飲料運搬用ボトル・グラウラーに入れて提供される

 

また、テラスキャンプ席のみの限定メニュー「欧風カレー鍋」は、隠し味に「Afterdark」を使用しているので、ほっと黒ビールとの相性も抜群。具材のキノコやローストした鶏肉なども黒ビールとの相乗効果で、よりうま味を感じられる仕上がりとなっていた。

↑隠し味に使用した「Afterdark」のコクも楽しめる「欧風カレー鍋」。鉄鍋で煮込んで調理する、キャンプ料理らしい一品だ

 

「自然の中で食事をするだけでご馳走。屋内では出せない空間の中で食べるご馳走は、さらに先を行くはずです」と、企画の魅力を改めて熱く語った白石氏。「この体験の楽しみ方は、キャンプ経験者かどうかは関係なく、万人に通じることだと思います。代官山の真ん中でこうした楽しみ方ができる機会は稀ですから、ぜひ楽しんでいただきたいです」とアピール。

 

井本氏も「驚きや発見を体験していただきたいなと思います。お酒が飲めない人やキャンプをしたことがない人にも、ぜひ来ていただきこの空間を楽しんでいただけたら嬉しいです」と、冬の自然の中で非日常を楽しむ体験を提供することへの意気込みを語り、締めくくった。

 

キャンプやクラフトビールの楽しみ方がさらに広がる新しい発見が出来る「SPRING VALLEY BREWERY “Afterdark”×鎌倉天幕」。冬の寒さを、温かい黒ビールとカレー鍋、そして大切な人と交流する温かい空間で楽しんでみてはいかがだろうか。

 

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ジャパニーズウイスキーの殿堂入り9本を飲み比べ! 覚えておくべき銘柄とその味わいは?

2023年は、ジャパニーズウイスキーのアニバーサリーイヤー。世界五大ウイスキーのひとつにも数えられますが、近年になってその評価はいっそう高まり、国際品評会で世界一に輝くことも珍しくありません。本特集記事では全4回にわたってジャパニーズウイスキーの魅力を解説。第3回は、代表的な銘柄とその味わいをお伝えします。

 

【関連記事】
ジャパニーズウイスキーとは。世界からの評価や5大ウイスキーにおける個性、伝説の銘柄などを解説

ブームから暗黒期、そして世界を牽引する時代へ。ジャパニーズウイスキーの100年間と、支えた7人のキーパーソンたち

↑比較的入手しやすい有名銘柄から、シングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーを計9本紹介

 

蒸溜所の個性が表現されたシングルモルト

単一蒸溜所のモルト(大麦麦芽)原酒だけをブレンド(ヴァッテッド)したウイスキーがシングルモルト。土地の気候風土や、そこに湧く(流れる)マザーウォーター(仕込み水)の恵みが生きた、個性的な味わいが特徴です。

 

■ つつましい美麗。ザ・ジャパニーズウイスキー「山崎」

2023年のジャパニーズウイスキー100周年とは、サントリー山崎蒸溜所の建設着手から始まります。以来、山崎蒸溜所はいわばジャパニーズウイスキーのお手本となる味を生み出してきたパイオニアといえます。そんな同蒸溜所の魅力をめいっぱい堪能できる一本が、「シングルモルトウイスキー 山崎」ブランド。

↑熟成年などで様々なラインナップがありますが、基本的に入手困難。ただし左端のノンエイジであれば、モルトバーなどで飲む機会に恵まれることも

 

味の特徴は、甘く華やかで、繊細な余韻がエレガントな飲み心地にさせてくれる奥ゆかしい上品さ。そのつつましい美しさや力強さは、日本料理や日本画に通じるものがあると思います。

 

シングルモルトウイスキー 山崎(ノンエイジ、以下同)

ドライ ■■■■□ スイート

ライトリー ■□□□□ ヘビリー(ピート)

モルティ ■■■□□ フルーティ

ジェントル ■■■■□ ワイルド(ボディ)

香りのイメージ:いちご、さくらんぼ

主な熟成樽:ワイン樽、ミズナラ樽

 

■ 森林の恵みを感じる清々しいフィニッシュ「白州」

山崎蒸溜所の建設着手から半世紀後の1973年、山梨県北杜市に誕生したのが白州蒸溜所です。約82万平方メートル(東京ドームの約17倍)の広さがあり、海抜は約700メートル。敷地の多くが緑に抱かれ、白州の森にはバードサンクチュアリもあるという、世界的にも稀有なこの蒸溜所で生まれるのが「シングルモルトウイスキー 白州」ブランドです。

↑白州も山崎同様のラインナップ。左端のノンエイジは、比較的入手しやすくなっています

 

白州は、味わいにも雄大な森を彷彿とさせるグリーンなニュアンスが魅力。また、ピート(泥炭)を軽く焚いたモルトを一部に使った、軽やかなスモーキーフレーバーも特徴です。個人的には、キャンプ場で焚き火を囲みながら飲むウイスキーに最適な一本だと思います。

 

シングルモルトウイスキー 白州

ドライ ■■■□□ スイート

ライトリー ■■□□□ ヘビリー(ピート)

モルティ ■■■□□ フルーティ

ジェントル ■■■□□ ワイルド(ボディ)

香りのイメージ:すだち、ミント、青りんご

主な熟成樽:バーボン樽、ホッグスヘッド樽(バーボン樽を組みなおして成形するのが一般的。かつ、バーボン樽よりやや大きい)

 

■ スコッチへの憧憬が表現された重厚でスモーキーな「余市」

ジャパニーズウイスキー誕生前夜の1918年にスコットランドへウイスキー留学し、山崎蒸溜所の初代所長として設計や味づくりに携わり、その後ニッカウヰスキーを創業した竹鶴政孝氏。“日本のウイスキーの父”とも称される、氏のスコットランド愛は1934年に開設した北海道の余市蒸溜所で開花しました。

↑右がノンエイジの「シングルモルト余市」。なおニッカウヰスキーは2024年で創業90周年を迎え、左の「シングルモルト余市 アロマティックイースト」はその記念企画の一環として2022年に発売された限定品です

 

スコットランドの風土に最も近いとして選ばれた余市は、厳しくも豊かな大自然が力強い酒質を創出。なおかつ伝統的な石炭直火蒸溜を採用し、スモーキーなヘビリーピーテッドモルトで仕込んだその味は、まさにスコッチへの憧憬を日本の技とテロワールで表現した“アンサーウイスキー”となっています。

 

シングルモルト余市

ドライ ■■■□□ スイート

ライトリー ■■■□□ ヘビリー(ピート)

モルティ ■■□□□ フルーティ

ジェントル ■■■■□ ワイルド(ボディ)

香りのイメージ:オレンジ、オールスパイス、スモーキーなクリーム

主な熟成樽:バーボン樽、シェリー樽、新樽

 

■ 華やかな果実味が軽やかに躍動する「宮城峡」

ニッカウヰスキーが余市に次ぐ蒸溜所として、1969年に開設したのが宮城峡蒸溜所。仙台から北西に約25km離れた郊外の、2つの清流と緑豊かな渓谷がある場所に立地しています。求めたのは、余市とは異なる原酒の味わい。軽やかな香味成分を得られる蒸溜器を導入したり、間接的なスチーム加熱式の蒸溜方法を採用したりすることで、華やかでフルーティな酒質になることが宮城峡の特徴です。

↑左がノンエイジの「シングルモルト宮城峡」。右は余市同様の限定ボトルです

 

樽香をはらんだまろやかな甘やかさに導かれ、ふわりと顔を出すのがフルーティでフラワリーな心地よいフレーバー。かすかなピートが硬派な表情を演出する一方、シャープなキレは明るく爽快な余韻を演出します。

 

シングルモルト宮城峡

ドライ ■■■■□ スイート

ライトリー ■□□□□ ヘビリー(ピート)

モルティ ■■■■□ フルーティ

ジェントル ■■■□□ ワイルド(ボディ)

香りのイメージ:りんご、洋なし、バニラ、はちみつ

主な熟成樽:バーボン樽、シェリー樽、新樽

 

■ 霊峰の雫に甘香ばしい果実味が宿った「富士」

白州蒸溜所と同年の1973年に、アメリカとスコットランドの各企業と日本のキリンビールが3社共同で開設したのが富士御殿場蒸溜所(現在はキリンビールが単独運営)。霧深い富士山麓のなか、霊峰富士の伏流水で仕込むこと、また、熟成年数の長さ以上に原酒本来の持ち味が最もよく現れるピークのタイミングを重視する「マチュレーションピーク」という哲学でつくることも特徴です。

↑「キリン シングルモルト ジャパニーズウイスキー 富士」。生産体制が整い、2023年5月から通年発売となりました

 

味わいは、甘香ばしいクリーミーなタッチと、熟成感あふれるフルーティな香味が印象的。フラワリーな余韻が上品で心地よく、葛飾北斎が富士山をモチーフに描いた代表作「富嶽三十六景」で例えるなら、“赤富士”こと「凱風快晴」のようなパッションが感じられます。

 

キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士

ドライ ■■■□□ スイート

ライトリー ■□□□□ ヘビリー(ピート)

モルティ ■■■■□ フルーティ

ジェントル ■■■■□ ワイルド(ボディ)

香りのイメージ:りんご、パイナップル、オレンジ、はちみつ

主な熟成樽:バーボン樽、ビール樽、ワイン樽

 

調和の芸術がブレンデッドウイスキー

ブレンデッドウイスキーとは、個性の強いモルト原酒に、クセがおだやかなグレーン原酒(※)をブレンドした、好バランスな味のウイスキーのことをいいます。無限にある組み合わせのなかから、ブレンダーが知見と技と感性を駆使して調和させる、芸術品のようなウイスキーといえるでしょう。

※:大麦麦芽のほか、とうもろこしやライ麦などの穀物を原料に、連続式蒸溜器でつくる原酒のこと。

 

■ 花鳥風月が表現された美しきハーモニー「響」

サントリーが創業90周年を迎えた1989年に、それまでのウイスキーづくりの夢の結晶として生み出したのが「響」ブランド(「サントリーウイスキー 響 17年」)です。「人と自然と響きあう。」をコンセプトとし、日本の四季や精神文化を表現した味は海外でも多くの賞賛を集め、名実ともに日本を代表するブレンデッドウイスキーといえるでしょう。

↑100万樽以上から選ばれた多彩な原酒をブレンド。「サントリーウイスキー 響 17年」(休売中)の誕生から四半世紀後の2014年にデビューした「サントリーウイスキー 響 JAPANESE HARMONY」は、比較的に入手しやすい一本です

 

たくましく華やかな香味の先に感じる、繊細な艶やかさ。クリアな甘みの奥に潜む、香木的な複雑味。静と動、柔と剛がオーケストラのように響き合い、まさに美しいハーモニーを奏でます

 

サントリーウイスキー 響 JAPANESE HARMONY

ドライ ■■■■□ スイート

ライトリー ■□□□□ ヘビリー(ピート)

モルティ ■■■■□ フルーティ

ジェントル ■■■□□ ワイルド(ボディ)

香りのイメージ:バラ、ライチ、バニラ、オレンジ、はちみつ

キーモルトの主な熟成樽:ミズナラ樽、バーボン樽、シェリー樽

 

■ ニッカの情熱的な魂が調和したピュアモルト「竹鶴

次に紹介する「竹鶴ピュアモルト」は、ニッカが余市と宮城峡それぞれのモルト原酒のみをヴァッティングし、あえてグレーン原酒を使わずに仕上げたウイスキー。厳密にはブレンデッドウイスキーではないのですが、シングルモルトでもないのでこちらで紹介します。

↑ニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝氏の哲学をヴァッティングに反映した「竹鶴ピュアモルト」。モルトウイスキーでありながら、ブレンデッドウイスキーに匹敵するやわらかな酒質が表現されています

 

なめらかなタッチは実にスムース。口に含めば華やかな果実味と重厚なモルトの甘みが広がり、ピーティなキレのメリハリも絶妙です。かすかに華やぐ塩気を含んだスモーキーフレーバーが、どこかスコッチウイスキーのように端正な表情をみせるところも面白いです。

 

竹鶴ピュアモルト

ドライ ■■■□□ スイート

ライトリー ■■□□□ ヘビリー(ピート)

モルティ ■■■□□ フルーティ

ジェントル ■■□□□ ワイルド(ボディ)

香りのイメージ:りんご、杏、バニラ、バナナ

キーモルトの主な熟成樽:シェリー樽、リメード(新旧組み替え)のオーク樽

 

■ 多彩なグレーンが紡ぎ出す静と動の邂逅「富士」

富士御殿場蒸溜所の設備的な特徴といえば、3つの国の蒸溜機を使い分け多彩なグレーン原酒をつくっていること。ライトな酒質になるマルチカラム蒸溜器(スコットランド製)、ミディアムタイプのケトル蒸溜器(カナダ製)、ヘビータイプでバーボンづくりに頻用されるダブラー蒸溜器(アメリカ製)の3種で、ブレンデッドウイスキーも同蒸溜所ならではの一本となっています。

↑中央が「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」。単一蒸溜所のモルトウイスキーとグレーンウイスキーだけをブレンドしていることも珍しい特徴です

 

やわらかい口当たりのあとに続く、甘くフルーティで香り豊かな味わい。果実たっぷりの焼き菓子を感じさせる、ジューシーな余韻もたまりません。富士のシングルモルトが葛飾北斎の「凱風快晴」なら、こちらは“グレートウェーヴ”と称される「神奈川沖浪裏」のような動と静の調和があります。

 

キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士

ドライ ■■■□□ スイート

ライトリー ■□□□□ ヘビリー(ピート)

モルティ ■■■■□ フルーティ

ジェントル ■■□□□ ワイルド(ボディ)

香りのイメージ:桃、杏、オレンジ、はちみつ、ビスケット

キーモルトの主な熟成樽:バーボン樽、ビール樽、ワイン樽

 

■ 秩父とミズナラの個性が芯で華やぐ「イチローズモルト」

最後は、ジャパニーズウイスキーにおけるクラフト(マイクロ)ディスティラリーの先駆け、ベンチャーウイスキーの「イチローズモルト」。多くの銘柄は入手困難ですが、通称“ホワイトラベル”と称される「イチローズモルト&グレーン ワールドブレンデッドウイスキー」は比較的購入しやすい一本となっています。

 

なお、この商品は日本以外の国の原酒も使っているので厳密にはジャパニーズウイスキーではありませんが、クラフトウイスキーの入門にも非常にオススメであるため、ここで紹介しておきます。

↑中央が、ワールドブレンデッドウイスキーの名称になる前の“ホワイトラベル”。ボトルデザインはその名の通り、白いエチケットが特徴です

 

世界五大ウイスキーを使っていながらも、芯となるのは日本・秩父のモルト。寒暖差がきわめて激しい秩父のなかでも北東部、吉田~大田エリアの小高い丘の上に蒸溜所はあり、ここで生まれる原酒はミズナラの発酵槽や樽による、オリエンタルなニュアンスがひとつの特徴です。甘くどっしりとしたコクとともに華やぐ果実味と、ほんのりスパイシーな余韻はお見事。どんな飲み方でも楽しめます。

 

イチローズモルト&グレーン ワールドブレンデッドウイスキー(ホワイトラベル)

ドライ ■■■■□ スイート

ライトリー ■□□□□ ヘビリー(ピート)

モルティ ■■■□□ フルーティ

ジェントル ■■■□□ ワイルド(ボディ)

香りのイメージ:オレンジ、洋なし、はちみつ、香木、バニラ

キーモルトの主な熟成樽:ミズナラ

 

モルトバーやウイスキーが得意な酒販店へ行こう!

↑ウイスキーファンの聖地といえる酒販店「目白田中屋」。訪れれば、名物店主の栗林幸吉さんに会えるかもしれません

 

比較的入手しやすい有名銘柄を中心に紹介しましたが、身近な場所で飲むならウイスキーをメインに提供するモルトバーに行くのも有効的な方法です。また、昨今はクラフトディスティラリーも年々増加。これらはジャパニーズウイスキーを得意とする酒販店や地方の土産店などに行けば、現地の希少銘柄を入手できることもあるでしょう。次回は全4回のラスト。ジャパニーズウイスキーの飲み方について解説します。

 

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「特松」を新設して今年も登場! サッポロ「HOPPIN’GARAGE ホッピン福袋2024」数量限定発売中

サッポロビールは、「HOPPIN’ GARAGE ホッピン福袋2024」を数量限定で予約販売中です。

 

「HOPPIN’ GARAGE」は、様々な人々の人生ストーリーと、同社の醸造技術を掛け合わせる「ストーリーブルーイング製法」で、多様性のあるビールを生み出すクラフトビールブランドです。今回は新たに「特松」を新設し、「特松」「松」「竹」「梅」の4アイテムを展開します。

 

HOPPIN’ GARAGE ホッピン福袋2024には、全アイテム共通で新発売の「HOPPIN’ GARAGE RIBBONESIA(リボネシア)」やフラッグシップビールの「ホッピンおじさんのビール」を含む6種類のHOPPIN’ GARAGE商品が入っており、特松と松にはクラフトビールブルワリーとの共創プロジェクトで生まれた「ホッピンフレンズ」の商品が3種含まれています。

 

限定グッズには、ブランドロゴをあしらった「HOPPIN’ GARAGE Tシャツ」や「HOPPIN’ GARAGE」の焼印が入った「HOPPIN’ GARAGE 正月枡」をはじめ、最大9種のグッズを用意。

 

価格は、特松が1万6280円(税込)、松が1万4960円(税込)、竹が7920円(税込)、梅が4400円(税込)です。

「特松」を新設して今年も登場! サッポロ「HOPPIN’GARAGE ホッピン福袋2024」数量限定発売中

サッポロビールは、「HOPPIN’ GARAGE ホッピン福袋2024」を数量限定で予約販売中です。

 

「HOPPIN’ GARAGE」は、様々な人々の人生ストーリーと、同社の醸造技術を掛け合わせる「ストーリーブルーイング製法」で、多様性のあるビールを生み出すクラフトビールブランドです。今回は新たに「特松」を新設し、「特松」「松」「竹」「梅」の4アイテムを展開します。

 

HOPPIN’ GARAGE ホッピン福袋2024には、全アイテム共通で新発売の「HOPPIN’ GARAGE RIBBONESIA(リボネシア)」やフラッグシップビールの「ホッピンおじさんのビール」を含む6種類のHOPPIN’ GARAGE商品が入っており、特松と松にはクラフトビールブルワリーとの共創プロジェクトで生まれた「ホッピンフレンズ」の商品が3種含まれています。

 

限定グッズには、ブランドロゴをあしらった「HOPPIN’ GARAGE Tシャツ」や「HOPPIN’ GARAGE」の焼印が入った「HOPPIN’ GARAGE 正月枡」をはじめ、最大9種のグッズを用意。

 

価格は、特松が1万6280円(税込)、松が1万4960円(税込)、竹が7920円(税込)、梅が4400円(税込)です。

世界一売れているノンアルビール「ハイネケン0.0」が上陸! 醸造責任者が“iPhoneのような存在”という訳は?

2023年10月の酒税法改正で盛り上がる日本のビール市場ですが、海外からもビッグネームによる新商品が上陸しました。カテゴリーは「ノンアルコール」で、その名も「Heineken 0.0(ハイネケンゼロゼロ)」。ハイネケン醸造最高責任者へのインタビューとともに、味わいの特徴と醸造におけるこだわりについてお伝えします。

↑「Heineken 0.0(ハイネケンゼロゼロ)」。左の瓶は178円で、右の缶は160円(ともに税別、330ml)

 

オランダ生まれのハイネケン。
味の決め手は酵母にあり!

まずは、あらためてハイネケンのブランド概要から解説しましょう。ハイネケン誕生の起点は1864年。オランダ・アムステルダム出身のジェラルド・アドリアン・ハイネケン氏が地元の醸造所「De Hooiberg(干し草の山)」を買い取ったことから始まりました。

↑現在のラインナップは幅広く、なかには5Lの大容量タイプも。なお、印象的な赤い星はインドネシアを代表するビール「ビンタン」のモチーフになったといわれています

 

1873年にはアムステルダム中心部に家族経営の醸造所をオープンし、社名も「ハイネケン」に刷新。同時に、よりよい原材料を求めてヨーロッパ中を巡るなど、ジェラルド氏の品質に対する探究心は強く、1875年には国際海事展覧会でハイネケンが金賞に。やがて1889年のパリ万博でグランプリを受賞。その証は、いまでもラベルに輝き続けています。

↑受賞のエンブレムは「ハイネケンゼロゼロ」にも。「100%モルトラガー」の一文も力強く主張します

 

ハイネケンの味を語るうえで最も重要な原材料が、「A酵母」。その特徴はフルーティーな香味と好バランスかつクリアな味を醸し出すこと。「ハイネケンゼロゼロ」の味づくりにおいても欠かせない酵母となっています。

↑「ハイネケンゼロゼロ」は、実は世界で販売量No.1のノンアルコールビール(2022年1月~12月 GlobalData社調べ 全世界販売量ベース)なのだとか。左下の人物は、日本法人のトニー・ウィーラー代表

 

マーケターが断言。
「日本のノンアル市場は成長路線です」

本家のハイネケンが世界190か国以上で展開されるなか、「ハイネケンゼロゼロ」は2017年に誕生。すでに世界110の市場で販売されており、今回満を持して日本上陸となりました。その理由は、ビール市場が盛り上がっているからだけではありません。具体的には今後もノンアルコールビール市場に継続的な成長を見込んでいるからだと言います。

↑登壇し、今後の戦略を熱く語ったハイネケン・ジャパンのマーケティング部ディレクター、須田伸さん

 

「ハイネケンゼロゼロ」の特徴は、オリジナルのハイネケンと同じ製法で造っていること。一度醸造したうえで、アルコール成分を取り除く技術を採用。そのため、フルーティーかつ適度にモルティなボディが共存する、ハイネケンならではのノンアルコールビールが生まれたのです。

↑缶も瓶も、デザインや形状が違うだけで中身は一緒。なお、醸造はシンガポールで行われています

 

「論より証拠だ!」ということでテイスティングしてみると、これは期待以上! 「いくら歴史が古く世界No.1とはいえ、日本には2017年以前からノンアルビールはたくさん出ているし年々進化もしている。旨い銘柄もたくさんあるぜ」と思っていましたが、「ハイネケンゼロゼロ」もイイじゃないですか!

↑アルコールのボディ感はないものの、十分なコクと苦みがビールのアタックを想起。違和感なく、ゴクゴクいけるおいしさです

 

麦汁の甘みを感じさせるモルティな風味はやわらかく、まろやかな酸味がフルーティーなニュアンスを演出。ミドルからは軽やかな苦みが顔を出し、シャープで大人な爽快感がすっきりまとめ上げます。これは国内ノンアルビールのよきライバルになりそう。

↑モルトのコクとホップの爽やかなビター感が相まって、穀物系のフードともナイスペアリング

 

ハイネケンが“iPhone的”だという理由

発表会終了後は、日本法人代表と世界の醸造統括両人へのインタビューが実現しました。まずは、グローバルマスターブリュワーのウィレム・ヴァン・ウェイズバーグさんに質問。母国や日本をはじめ、世界中でハイネケンが愛されている理由はどんなところにあるのでしょうか?

↑ハイネケン グローバルマスターブリュワーの、ウィレム・ヴァン・ウェイズバーグさん

 

「大前提として、自信をもって言えることはおいしさ。実にバランスが取れたクリアなテイストと爽快感で、飽きない味わいだと思っています。オリジナルのほうは、フルーティーさに特徴があって、なおかつ甘みと苦みの調和が絶妙。そして今回のゼロゼロは、少しの酸味がフックになっており、世界中どんな料理ともマッチしますよ。例えば和食ならお寿司。寿司ダネもなんでも合うと思います」(ウィレムさん)

 

そして、その存在を飲み物以外で例えるなら、iPhoneであるとウィレムさんはいいます。

 

「iPhoneは、製造過程は非常に緻密で複雑な難しいプロダクトだと想像します。しかし、扱う私たちにとってはシンプルで実に使いやすい。そういった意味ではハイネケンも似ているなと。複雑な味わいだけれども何かを邪魔する雑味は一切なく、とても飲みやすい。だから世界中の方々に親しまれているのではないかと思います」(ウィレムさん)

 

世界中で飲まれることを意識するうえで、ウィレムさんが大切にしているのは一貫性だとか。

 

「グローバルブランドですから、世界のどこで飲んでも同じ味でなければなりません。ですから、原材料である大麦とホップに水、そして絶対的な存在である『A酵母』も世界共通です。ただし醸造する各国によって気候などが異なりますから、レシピ調整で味を統一したうえでお届けしています」(ウィレムさん)

↑一貫性のあるおいしさを守るのも、ウィレムさんの責任。そのため、各国のビールを毎月オランダに送ってもらい、誤差が出ていないか官能検査をしているとか

 

次に質問を投げたのは、ハイネケン・ジャパンのトニー代表。日本には大手ビールメーカー4社が切磋琢磨する市場であり、各社の定番はもちろん限定品も次々と新発売されます。ある意味レッドオーシャンであるなか、ハイネケンはどう戦っていこうと考えているのでしょうか?

↑日本のハイネケンはこれまでキリンビールとの合弁会社で展開していましたが、2023年4月の「ハイネケン・ジャパン」社名変更とともに家庭向け商品は自前での販売に(業務用は従来通りキリンが担当)

 

「消費者の方々は冒険心とともに安心感も求めていると思っており、その安心のために大切なのはやはり一貫したおいしさ。そして、最終的には安心して信頼できるブランドに戻ってくると考えています。実際、昨今はクラフトビールのように個性的な味わいもたくさん生まれていますが、そのなかでもハイネケンは成長してきました。今後もオリジナルの味を大切に守りながら、意欲的に展開していきたいです」(トニーさん)

 

ウィレムさんは日本の豊かな食文化が大好きだと力説。加えて、世界的にクラフトビールが盛り上がる中で伝統的なラガービールが根強い人気を誇る日本は、ハイネケンにとって魅力的なマーケットである、とも。また、トニーさんは今後の戦略として、サンプリングを積極的に行ったり1.5Lのマグナムボトルの販売を検討したり、積極的に需要創造をしていきたいと話しました。

 

ノンアルコール市場の成長が見込まれるなかでの「ハイネケンゼロゼロ」の躍進とともに、注目のビールブランドです。

 

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年末年始の家飲みで“沖縄じかん”を堪能! オリオンビールの「沖縄じかんお楽しみ福袋」4種類発売中

オリオンビールは、「沖縄じかんお楽しみ福袋」を、オリオンビール公式通販サイトで注文受付中。

 

今回発売となる福袋は、「2023年の締めくくりと2024年の嘉例を祈願して乾杯!」がテーマ。沖縄では乾杯の掛け声に「嘉例(カリー)」という言葉があり、「めでたい先例。吉例。」という意味で、縁起の良いものとして使われています。

 

福袋は年末年始のそれぞれの過ごし方にあわせて選べる「極松」「松」「竹」「梅」の4種類のラインナップを用意しており、各セットで計8種類のバラエティ豊かなオリオンビールの飲み比べが楽しめます。

 

「梅セット」は、冬の風物詩「オリオン いちばん桜」や海外向けビールなどの限定品4種に加え、沖縄酵母OB-001を使用した「オリオン ザ・プレミアム」など定番品4種のほか、沖縄名護工場で製造したオリオンビール8種・12本入りです。

 

「極松セット」ではビール8種・24本に加えて年越しそば(沖縄そば)やおつまみのほか、手作りのオリジナル琉球ガラスが入った詰め合わせとなっています。

 

また、12月5日に発売予定のビール新商品「オリオン 75BEER BROWN ALE」(数量限定)も、各福袋に入っています。

↑オリオン 75BEER BROWN ALE

 

価格は、極松セットが1万5000円(税込)、松セットが1万円(税込)、竹セットが6940円(税込)、梅セットが4020円(税込)。

年末年始の運試し!? なにが届くかわからないドキドキ感が楽しめる「酒ガチャ福袋 2024」限定発売中

KURANDが運営するオンライン酒屋「クランド」は、「酒ガチャ」企画から、「酒ガチャ福袋 2024」を、2024年1月18日までの期間限定で開催します。

 

酒ガチャは2019年に登場した、「なにが当たるかわからない。だからこそ楽しめる、新たなお酒との出会い。」をコンセプトに、クランドで販売中のお酒がランダムで届くという企画です。

 

酒ガチャ福袋 2024は、年末年始のお祝いの席を彩る金箔付きのお酒や、人気銘柄のお正月ラベルなど、40種類以上の商品が、必ず1本以上入っています。届くお酒はすべてクランドでしか購入できないオリジナル商品です。

 

購入者を対象に、さらにお酒が当たる抽選キャンペーン「クランドジャンボ」を実施。酒ガチャ福袋 2024を購入するだけでエントリー可能で、「特大賞」は2024人に1人の確率で24万円相当のお酒詰め合わせが届きます。

 

先着1万5000名限定で、お正月バージョンの「くにゃんど」が描かれた特別仕様の段ボールが登場します。

 

「限定ARリーフレット」も用意しており、フレームに当てはめて届いたお酒を撮れば、自分だけの酒ガチャ福袋リザルト写真を作成できます。

 

価格は、16本以上のお酒が入った「松 極」が5万5000円(税込)、11本以上のお酒が入った「松」が3万5000円(税込)、8本以上のお酒が入った「竹」が2万5000円(税込)、4本以上のお酒が入った「梅」が1万2000円(税込)です。

「金麦〈糖質75%オフ〉」がエメラルドグリーンのパッケージでリニューアル新発売

サントリーは、「金麦〈糖質75%オフ〉」をリニューアルし、12月製造分から順次全国で新発売。

※「金麦」比

 

おいしさと機能を両立した「金麦〈糖質75%オフ〉」

「金麦〈糖質75%オフ〉」は、“糖質75%オフ”という機能面はもちろんのこと、「金麦」ブランドならではの麦のうまみが感じられる“おいしい機能系ビール類”です。

 

中味は、「金麦〈糖質75%オフ〉」史上最大量の麦芽を使用し、“低温旨味製法”で仕込むことで、ていねいに麦のうまみを引き出し、飲みごたえのある味わいを実現。また、原料の配合比率や醸造条件を見直し、軽やかな後口に仕上がっています。

「シン・家飲み」を探究中の高田 秋が進化形どぶろく3銘柄を飲み比べ!

飲み歩き大好きモデル・高田 秋が「家飲み」を追求! 今月は、気鋭の若手酒蔵が中心となって盛り上げている進化系どぶろくにフォーカス。個性的な3銘柄をテイスティングした。

※こちらは「GetNavi」 2023年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【13杯目】日本の伝統酒が新たなフェーズに突入!進化系どぶろくで乾杯♪

LAGOON BREWERY
翔空 森のSAKE 〜クロモジどぶろく〜
2640円

(写真右)

酒蔵がある新潟県栃尾地区に自生する和ハーブ、「クロモジ」を大胆に使用。クロモジ特有の上品で爽やかな香りが特徴だ。アフターテイストとして、かすかに感じられるスパイシーさも好アクセント。

 

木花之醸造所
ハナグモリ THE酸
2178円

(写真中央)

浅草初のどぶろく醸造所による、鮮烈な酸と切れ味が魅惑的な一本。焼酎造りでよく使われる白麹で醗酵させている。白麹由来のクエン酸の酸味を生かしたドライでシャープな味わいを楽しめる。

 

haccoba
-Craft Sake Brewery-
サニーデイ・
レモネード
3080円

(写真左)

福島県南相馬の蔵元が、CBD(※)のスタートアップ「ワンインチ」とコラボ。米と一緒にレモンとミントを発酵させ、CBDも配合。晴れやかな気分になれる甘酸っぱさが魅力だ。

※:カンナビジオールの略。リラックス効果などがあるといわれ、欧米を中心に注目を集めている

 

進化形どぶろくは日本酒の入門にもピッタリ

飲み比べてみると、三者三様の個性があってすごく面白いです! 「翔空」は粒感豊かなテクスチャーと甘味に、ピリッとした刺激が好アクセント。数年前に醸造所に行ったことがある「ハナグモリ」は、力強い炭酸の泡とキレのある酸味に、クリーミーなタッチが絶妙にマッチしています。一方、「サニーデイ」はサラッとソフトな口当たりで、名前の通りレモネードのような甘酸っぱさ。炭酸で割ってもおいしいと思うし、入門にもオススメです。

 

お米の粒感があってスパイシーな「翔空」は、キャンプでパエリアを食べながら。爽快な酸味が効いた「ハナグモリ」は、ホームパーティーでラムチョップ。「サニーデイ・レモネード」はひとりでまったりしたいときに、レアチーズケーキに合わせると、より楽しめると思います。

 

今回久々にどぶろくを飲み比べてみて、ハーブや果実を使うなど、自由で多彩になっていて驚きました。どぶろくは日本酒の原型ともいわれていますし、こうした進化系どぶろくから日本酒の世界に入るのも素敵だと思いますよ♡

 

 

高田 秋●たかだ・しゅう…1991年9月23日生まれ、北海道出身。立ち飲み屋巡りが趣味で、唎酒師などの資格を持つ。「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)をはじめ、飲み歩き番組への出演も多数している。公式HPInstagramYouTube

 

文/中山秀明  撮影/千葉タイチ  ヘアメイク/Hitomi Haga  スタイリスト/江原優里

【せんべろnet 監修 】“ひとり飲み”初心者がはしご酒を楽しむ噺

提供:宝酒造株式会社

 

「東京・大衆酒場の名店シリーズ」で、一連の酒場知識を習得したお酒好きタレント・中村優さん。本企画は、前回から続く実践編ということで、女性ひとり(初心者)でもできる「酒場」の楽しみ方を、「せんべろnet」管理人のひろみんさんに教えてもらいながら体験していく第2回目。今回は横浜の“聖地”までやってきました!

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

ちょっと時間があいたので……

横浜での仕事が早く終わった中村さん。せっかくだから横浜で「ひとり飲み」にチャレンジしてみようと「せんべろnet」のひろみんさんに連絡。すると、ひろみんさんから「横浜にいるなら、野毛がオススメ。その玄関口にあるぴおシティ(桜木町ぴおシティ)も、いろいろなジャンルの店があるので楽しいですよ」と返信が。そこで、今回の中村優「ひとり飲みチャレンジ」は、「ぴおシティではしご酒」に決定!

 

 

~はしご酒のいいところ~

・お店ごとに違うお酒やお料理、雰囲気を楽しむことができる

・1軒ごとに気分を切り替えられる

 

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【せんべろnet監修】ひとり飲み初心者にオススメなお店の噺

 

ぴおシティって?

桜木町駅(JR・横浜市営地下鉄)の南西エリアにある野毛は、界隈に600軒近くもの飲食店があるといわれる横浜屈指の飲み屋街。現在のように発展した歴史には、この街が戦後に闇市として賑わったことや、海側にあった造船所の労働者などに大衆酒場が重宝されたことが関係しています。

 

そして今回訪れたぴおシティは、横浜市営地下鉄の桜木町駅に直結する建物の通称(正式名称は桜木町ゴールデンセンター)。1968年に開業した歴史のある複合施設で、様々なショップが営業しており、特に地下2階に広がる飲食店街のにぎわいは有名です。

 

この世界観に、中村さんのテンションも一気にアップ。「わーっ! まだ昼なのに、夜のような活気ですね。老若男女、スーツの人もいれば、常連さんっぽい方や観光客らしき方もいて、これぞ多様性。はしご酒には最適なスポットじゃないですか!」と、ノリノリに。

 

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まずは1軒目のお店を……

メインフロアに着いた中村さんは、昼でもにぎわう雰囲気にワクワク。とはいえ、様々な飲み屋が軒を連ねていて、1軒目にはどんなお店が適しているのか、よくわかりません。選び方をひろみんさんにLINEでたずねました。

 

 

 

ひろみんさんのLINEを参考にしつつ、中村さんが入ったのは「立ち呑み処 ふくふく」。お店の外に主要なメニューや料金がわかりやすいよう貼られており、客層が若めで入りやすかったことも理由です。

 

まず、オーダーしたのは「凍結丸ごとキウイサワー」(450円)。同店の名物ドリンク「凍結丸ごとレモンサワー」の季節限定キウイ版ということで、こちらを注文したのでした。そしておつまみに関しては、ひろみんさんに相談。

↑「凍結丸ごとキウイサワー」(450円 ※ナカ=酎ハイのおかわりは220円)

 

名物の凍結丸ごとサワーは、ひろみんさんもお気に入り。「ホッピー」のナカのように酎ハイのおかわりができるので、凍結果実を風味のアクセントにして数杯楽しめるお得さも魅力です。なお、このサワーはシロップの有無を選べ、ひろみんさんは「なし」が好みとのこと。

 

そうこうすると、おつまみも到着。ひろみんさんのアドバイスに従い、選んだおつまみは「生ハムとチーズのカプレーゼ ふくふくふう」。

↑「生ハムとチーズのカプレーゼ ふくふくふう」350円

 

「生ハムと薄切りのモッツァレラチーズが、さっぱりしたドレッシングとベストマッチ。甘酸っぱくてフルーティーなキウイサワーともスゴく合います。これは前菜に最高ですね!」と中村さん。

 

また、同店のひろみんさんの推しポイントは、初来店でもすぐに緊張がほぐれるアットホームな雰囲気にもあり。店内がコンパクトなぶん一体感があるのと、スタッフに女性が多く、気さくであることも女性客にオススメな点なのだとか。

 

さらには、個人店ならではの”手の込んだドリンク”と、”手作りの料理”のおいしさや、たっぷりのボリューム感も魅力。2~3人で訪れるなどして、いろいろなおつまみを楽しむのもオススメです。

 

また、ひろみんさからは「はしご酒を楽しむコツとしては、あらかじめ一軒ごとの滞在時間と予算を決めておくことが第一。あとはマナーとして、混んできたら詰めたり次の店へ移動したりと、ほかのお客さんとの譲り合い精神が大切です」とのアドバイスもありました。

 

〜はしご酒を楽しむポイント・気をつけていること①~

・予算と滞在時間を決めておく

・混んできたら譲り合いで詰めたり、さっと次のお店へ

・グラスが空いたらおかわりorお会計

 

それでは2軒目に……

いろいろはしごするために、中村さんは1杯飲んですぐ2軒目を物色することに。そのなかで選んだのは、「立ち呑み処 ふくふく」の10数メートル先にある「酒蔵 石松」。のれんが出ていないので店内の様子が見渡せるうえ、「吞みねえ! 食いねえ!」と書かれた赤ちょうちんに心をつかまれたのでした。

↑「酒蔵 石松」は開放感満点の立ち飲み店で、「立ち呑み処 ふくふく」同様に入りやすい雰囲気

 

また、以前ひろみんさんから「楽しそうに一人飲みされているおやじさんがいるお店は、味も間違いない傾向にある」という話を聞いており、「酒蔵 石松」はまさにその通りだったこともポイント。同店もキャッシュオンのため、小銭を握りしめてまずはドリンクを注文。

 

ここでオーダーしたのは日本酒。それは、同店のお品書きでは魚料理が目立っていたから。

↑日本酒(松竹梅「豪快」/コップ320円)に挑戦する中村さん。「年々日本酒が好きになってるんです。このお酒はキリッとした辛口でキレがあって、スゴく飲みやすいですね!」(中村さん)

 

そしてこのタイミングでひろみんさんにLINE。まずは2軒目の入店報告から。

 

日本酒とお魚は、ひろみんさんも「鉄板!」と太鼓判のオーダー。「おつまみをこれからオーダーするなら、ほかのお客さんが頼んでいる料理を見て決めてもいいと思いますよ」とのこと。周りをよく観察しつつ、中村さんの1皿目は、特にお店の推しに見える「上まぐろ中とろ」のお刺身に決定!

↑「上まぐろ中とろ」550円。「濃いうまみと、上品な脂のコクがたまりません! きれいな盛り付けにもこだわりを感じます。お酒も進みますね~」と中村さん

 

料理の2皿目は、常連らしき方々の多くが嗜(たしな)んでいた「もつ煮込み」を注文。こちらも到着するなり、大きなもつがゴロッと入ったインパクトに驚かされます。そしてひと口。具がもつとこんにゃくのみというストロングスタイルは、シンプルなぶんパンチも十分。

↑「もつ煮込み」450円。「もつがふわふわプリップリで、こんにゃくも大きめだからスゴい弾力! アツアツで頬張り、日本酒でキュッと合わせると超幸せ~♪ 味付けも、濃すぎず薄すぎずの絶妙な塩梅(あんばい)で美味しいです!」(中村さん)

 

この「もつ煮込み」をはじめ、同店は肉を使ったおつまみも美味。ひろみんさんも、同店の料理は絶品ばかりで迷ってしまうレベルなのだとか。

 

〜はしご酒を楽しむポイント・気をつけていること②~

・お店選びに迷ったら一人飲みのおやじさんが多いお店を選ぶ

・注文に迷ったら周りのお客さんが注文したメニューを真似する

・はしごの合間は、酔い覚ましも兼ねてその街を散策してみる

・水分補給をしっかりする

 

 

野毛の夜とはしご酒はいっそうディープに

横浜は、番組収録やマラソンなどで中村さんとも縁の深い街。打ち上げなどで飲んだことも多々あったそうですが、ひとりではしご酒をするのは初めてだったとか。これを機に、もっと飲み歩きたいと意気込む彼女は、このあとぴおシティを出て野毛の飲み屋街へ向かいました。次回もひろみんさんのアドバイスをもとに、せんべろ系の人気店と、その作法を紹介します。

撮影/鈴木謙介

 

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<取材協力>

立ち呑み処 ふくふく

住所:神奈川県横浜市中区桜木町1-1 ぴおシティ B2
営業時間:13:30〜21:00
定休日:水曜

 

酒蔵 石松

住所:神奈川県横浜市中区桜木町1-1 ぴおシティ B2
営業時間:平日12:00〜21:00、土曜11:00〜21:00、日曜11:00〜20:00
定休日:月曜

※価格はすべて税込みです

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼
・松竹梅「豪快」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/seishu/gokair/

ジャパニーズウイスキー100年目の秋。サントリー山崎蒸溜所の改修でわかった“贅沢だけどお得な新ツアー”と“さらなる挑戦の熱意”

2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキーは、サントリーの山崎蒸溜所が起点。施設改修を経て、この度新たな見学ツアーの受付を始めました。どこがリニューアルされたのかにスポットを当てながら、同蒸溜所の魅力をお伝えします。

↑大阪府のほぼ東端に位置する山崎蒸溜所。最寄りの山崎駅は京都府にあり、蒸溜所に向かう途中で府の境を越えます

 

水と緑の恵み×好アクセスという奇跡的な立地

山崎蒸溜所の特徴として、まず挙げられるのが水と緑に恵まれていること。この地は万葉の歌にも詠まれた水生野(みなせの)といわれる名水の里で、名水百選のひとつ「離宮の水」や、茶人・千利休が秀吉のために茶室「待庵」を構えたことでも知られています。

↑蒸溜所の展示パネルより。山崎は宇治、桂、木津と3つの川の合流地点にあり、ウイスキー熟成に適した霧が発生しやすいこともポイント

 

また、古くから交通の要衝であったことも、ここが蒸溜所の建設地に選ばれた理由のひとつでした。大阪と京都の二大都市から近いため、物資の運搬が便利。加えて個人的には、蒸溜所が多くの人々の目に触れるので、ウイスキーを身近に感じてもらいやすいことも狙いだったと思います。

↑こちらも展示パネル。敷地内の山崎ウイスキー館では、こうした貴重な資料をじっくり閲覧できます

 

100年前は、日本人の誰もが知らなかった本格ウイスキーと蒸溜所。舶来のお酒であるウイスキーを日本で広め、世界に通用するクオリティに高めていくには、飲んでもらえないことには始まりません。できるだけ身近な存在であることがきわめて重要だったのです。

 

それから100年経ちましたが、これほど大規模かつ自然に恵まれていながら、最寄り駅から徒歩10分程度で行ける蒸溜所はいまもないといっていいでしょう。この奇跡的なロケーションが、山崎蒸溜所最大の魅力です。

 

無料でもウイスキーの歴史をじっくり学べる

ここからは改修ポイントを紹介していきましょう。まずはエントランスです。こちらは、敷地内に自然との調和を表現した「杜(もり)」を形成する狙いで、周辺エリアの島本町や大山崎町の山林地に生育する草木などを植栽し緑地化。

↑2023年3月、改修前の取材時。写真右側部が新たなエントランスとして生まれ変わりました

 

象徴的な門はポットスチルの銅素材を再利用しており、どこか神秘性を感じられる雰囲気に。見学の際はここを通り抜け、その先に待つ山崎ウイスキー館で受付する流れとなります。

↑かつて実際に稼働していた、ポットスチル(もろみを蒸留する単式蒸溜器)を再利用して設えられた門。よく見るとロットナンバーの刻印があり、ファンにはたまらない仕様となっています

 

そして、山崎ウイスキー館もリニューアル。こちらは蒸溜所の操業当時から残る建造物であり、創業者・鳥井信治郎氏を軸とした「やってみなはれ」の挑戦者魂がストーリー的に展示されています。

↑山崎ウイスキー館。地下1階と地上1階の2フロアで、展示とボトルライブラリー、テイスティングラウンジ、ギフトショップから構成されています

 

山崎蒸溜所での多彩な原酒のつくり分けと、長期熟成に耐えうる原酒のつくり込みについての展示が充実する形にアップデートされました。

↑ウイスキーがどうやってつくられるのかも展示。エントリー層でも楽しめる内容となっています

 

加えて、館内のテイスティングラウンジも改修されました。こちらはかつて同蒸溜所で稼働していたポットスチルを再利用したバーカウンター、原酒ボトルに向き合うスタンドテーブル、窓の外に広がる「杜」を眺めるローチェアなどを設置。いっそう贅沢な空間にリニューアルされました。

↑2023年3月取材時のテイスティングラウンジを地上1階から撮影。当時はポットスチルや樽を用いたギャラリーが印象的でした

 

↑リニューアル後のテイスティングラウンジ。より開放的な空間へ生まれ変わりました

 

なお、山崎ウイスキー館など一部の蒸溜所見学は無料となりますが、山崎蒸溜所の入場自体に事前予約(先着順)が必要となるので、あらかじめ公式サイトなどから申し込みをしましょう。

 

有料ツアーは製造現場を深掘り見学できる!

もちろん、改修はウイスキーをつくるための設備にも実施されました。こちらの見学は、抽選式の有料ツアーの内容となり、そのコースは80分3000円の「山崎蒸溜所 ものづくりツアー」と、120分1万円で火・木曜限定(祝日の場合非開催)の「山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ」の2種。

↑改修ポイントのひとつ。仕込前室には、ウイスキーの製造工程を事前に映像などで説明するスペースが新設されました

 

↑発酵工程の見学においては、入室して香りを体験できるように刷新。写真は発酵最終日(3日目)の木樽内部の様子。勢いを増す泡が吹きこぼれないよう、ファンが回転しています

 

どちらのツアーでも、仕込み、発酵、蒸溜、貯蔵と順を追って各工程の見学とテイスティングが楽しめますが、「山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ」では、このツアーだけ製造エリアを見学できたり、より希少なウイスキーのテイスティングが楽しめたりと、特別な体験が追加されます。

↑こちらは蒸溜所のシンボル的存在である蒸溜室。写真は2023年3月の取材時

 

↑リニューアル後。室内の奥にロゴが描かれ、さらに蒸溜室入口のパネルに工程の説明が加わりました

 

プレステージでは山崎12年もテイスティングできる!!

「山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ」だけの特別工程のひとつが、貯蔵庫見学のあと、後熟庫に移動して見学できるサンプリング作業です。

↑貯蔵庫には原酒をつくり分けるために種類も大小も様々な樽が置かれ、中には約100年前から眠り続ける超希少なものも

 

後熟庫でのサンプリング作業は、いわば熟成原酒の品質チェック。樽のダボ栓をハンマーとノミで開け、そこから原酒をボトルへ移すまでの工程となります。開けたての原酒を拝見できる、非常に貴重な体験であるといえるでしょう。

↑サンプリング作業は蒸溜所のつくり手が実施。なお、「山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ」では、製造工程を現場のつくり手が直接案内します(ものづくりツアーは、蒸溜所の案内スタッフが担当)

 

↑原酒は樽からサンプル用のミニボトルへ。ノージング(香りをかぐこと)も可能です

 

また、「山崎蒸溜所 ものづくりツアー」は山崎ウイスキー館での映像視聴から見学が始まりますが、「山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ」では新設されたゲストルーム「The YAMAZAKI」での映像視聴からスタート。

↑「The YAMAZAKI」。蒸溜所内で稼働していたポットスチルの銅板や樽材をテーブルや椅子、バーカウンターに再利用しており、部屋の前の回廊には希少な陶器や作品などが展示されています

 

加えて「山崎蒸溜所 ものづくりツアー」のテイスティングは別のゲストルームで行われますが、「山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ」ではテイスティングもこの「The YAMAZAKI」で実施。しかも希少な「サントリーシングルモルトウイスキー 山崎12年」のストレートや水割りが提供されます(通常のツアーではノンエイジ)。ツアー料金は1万円となりますが、決して高くはないといえるのではないでしょうか。

 

ジャパニーズウイスキーの先駆者の挑戦は終わらない

なお今回の取材では、見学ツアーでも公開していない、1968年設立のパイロットディスティラリーのお披露目もありました。パイロットディスティラリーとは品質向上研究や技術開発用の小型蒸溜施設のこと。いわばテストが繰り広げられるラボで、「やってみなはれ」精神が最も熱くたぎっている場所です。

↑パイロットディスティラリー内の蒸留室。小型のポットスチルが、2基(初溜・再溜)鎮座していました

 

ほかに、今回の取材でも見られなかった改修として、フロアモルティングの施設があります。フロアモルティングとは、水に浸し終えた大麦を発芽室の床に広げ、人力で発芽を促すスコットランド伝統の製麦工程のこと。

↑いまもフロアモルティングにこだわる代表的な蒸溜所といえば、「ラフロイグ」と「ボウモア」。どちらも山崎ウイスキー館のテイスティングラウンジで有料試飲できます

 

ただ、熟練の技術や広い設備を要するうえ重労働であるため、現代はスコットランドでも機械で行う精麦専門業者に委託する蒸溜所が主流となっています。サントリーでも、すべてをフロアモルティングの麦芽に切り替えるわけではありませんが、製麦は味を左右する要素であり、ウイスキーファンにとっては非常に興味深い試みであるといえるでしょう。

↑取材会の最後にサントリーのものづくり精神を教えてくれた、五代目チーフブレンダーの福與(ふくよ)伸二氏

 

冒頭で述べたように、2023年はジャパニーズウイスキーにとってのアニバーサリーイヤーですが、2024年は山崎蒸溜所が蒸溜を開始してから100周年を迎え、さらに「シングルモルトウイスキー 山崎」発売から40周年、「シングルモルトウイスキー白州」発売から30年周年の節目でもあり、引き続きアツい年。

 

山崎駅へは京都駅から約15分、大阪駅から約30分と実に気軽に行ける距離なので、関西旅の行程にもぜひ組み込んでみては。運が良ければギフトショップで「シングルモルトウイスキー 山崎」のミニボトルが付いたお土産のセットも購入できます。「そうだ 山崎、行こう。」と思い立ったら、まずは蒸溜所見学のご予約を!

 

【PLACE DATA】

サントリー山崎蒸溜所

住所:大阪府三島郡島本町山崎5-2-1
営業時間:9:30~16:45(最終入場16:30)
休館日:年末年始、工場休業日(臨時休業あり)
アクセス:JR「山崎駅」、阪急「大山崎駅」からそれぞれ徒歩約10分

https://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

撮影協力/松村広行

酒税法改正でビールがお手頃になるって知ってた? 主役級の注目銘柄をチェック!

麦の酒といえば、価格が手頃になったビールもいまアツい! 背景には2023年10月1日に改正となった酒税法が関係している。では、何がどのようになったのか。概要解説とともに、主役的な銘柄を紹介しよう。

※この記事は「GetNavi」 2023年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

海外の成長分野に着目した度数3.5%の冷涼ドライ

アサヒビール
アサヒ スーパードライ ドライクリスタル
実売価格225円

海外市場で成長中のアルコール度数0〜3.5%の飲料に着目し、主力商品「アサヒスーパードライ」の3.5%版を新開発。一部に使用した冷涼感に優れたドイツ産ホップ「ポラリス」が、クリアな味わいを生み出している。

 

糖質とプリン体を70%オフした日本初のWオフビール

サッポロビール
サッポロ生ビール ナナマル
実売価格225円

酒税法改正に加え、コロナ禍を経た健康意識の高まりにも着目して開発。ビールらしい味わいはそのままに、糖質(※1)とプリン体(※2)の70%オフを実現している。糖質とプリン体の2つをオフにした日本初(※3)のビールだ。

※1:日本食品標準成分表2020年版(八訂)による ※2:通年販売している同社缶ビールブランド平均値比(2023年4月時点) ※3:糖質・プリン体2つのオフを訴求する日本初のビール(Mintel GNPDを用いた同社調べ)

 

果実のような香りと豊かに広がる余韻

サントリー
ザ・プレミアム・モルツ〈ジャパニーズエール〉ゴールデンエール
実売価格264円

日本人の嗜好に合う、フルーティな味わいと爽やかな香りが特徴の「ジャパニーズエール」シリーズの新作。「磨きダイヤモンド麦芽」を一部に使うことで、数種類のアロマホップによる果実のようなやわらかな香りが鮮やかに。

 

2つの日本産ホップが香る柑橘感の爽やかなクラフト

キリンビール
スプリングバレーJAPAN ALE<香>
実売価格266円

キリンが注力するクラフトビールブランドの新商品。自社で品種開発した2つの日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」と「IBUKI」を一部に使用し、柑橘を思わせる爽やかな香りが広がるおいしさに仕上げている。

 

初採用のオレンジピールが斬新な酸味と斬新柑橘感を演出

サッポロビール
ヱビス オランジェ
実売価格284円

2023年2月に誕生したヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」の新商品。醸造家が徹底的に吟味したオレンジピールに、柑橘のような香りのホップを一部掛け合わせ、オレンジが香る濃厚な味わいに仕上げている。

 

厳選されたホップを採用! その香りはまるで白ワイン

サントリー
ザ・プレミアム・モルツ
ホップセレクト華やぐハラタウブランホップ
実売価格264円

ホップに着目したザ・プレミアム・モルツの限定品「ホップセレクト」シリーズの第2弾。白ワインのような上品な香りが特徴のハラタウブランホップが、華やかな香りと豊かなコクを生み出している。11月14日発売。

 

小麦麦芽のソフトな甘味と軽やかな後口が心地良い

キリンビール
キリン一番搾りやわらか仕立て(期間限定)
実売価格225円

一番搾り製法はそのままに、一部に小麦麦芽を使用。やわらかな甘味と旨味が感じられ、後口は軽やかで爽やかなのが特徴。バランスに優れた、飲みやすい味わいだ。

 

【PICK UP!】 見逃し厳禁! 毎年恒例の季節限定ビール

■11月7日発売

キリンビール
一番搾り とれたてホップ生ビール(期間限定)
実売価格225円

ホップの名産地・岩手県遠野で、今年収穫した生ホップを急速凍結して使用した旬な一本。ビール通が毎年注目する人気商品で、今年で発売20年目。

 

■11月21日発売

サッポロビール
琥珀ヱビスプレミアムアンバー
実売価格265円

通常は飲食店でしか飲めない味を家庭用商品にした特別なヱビス。今作は、麦芽比率を微調整し、より宝石のような琥珀色に仕上げている。

 

価格差という呪縛から解かれてビールに明るい未来が到来する

このムーブメントを大げさにいえば、ビール類における王政復古である。なぜなら、ビール類の中で高価であるがために買い控えられていたビールと、安価でフレンドリーだった発泡酒や新ジャンル(第3のビール)との価格差が狭まってビールが値ごろになるからだ。このビールの低価格化に合わせ、メーカー各社も続々と新商品を投入している。

 

もともと、ビール類のヒエラルキー誕生は約30年前にさかのぼる。1994年にサントリーが発売した「ホップス〈生〉」は、麦芽使用率の割合によって酒税が変わるという法上区分に注目した発泡酒で、安価にビールテイストを楽しめる革命的飲料だった。そこから次々とビール類の発泡酒がデビュー。ただ、2003年に行われた酒税法改正により、発泡酒の税率が引き上げに。そこで新たに生み出された安価なカテゴリーが、新ジャンルだ。第1号商品は同年発売の「サッポロ ドラフトワン」。同商品は麦芽の代わりにえんどう豆由来の素材を使った独自の味わいで、一世を風靡。その後、開発競争が激化し、麦由来のスピリッツで味を整えたリキュールタイプの新ジャンルも登場し、いまに至る。

 

こうした3大区分で価格差があったビール類だが、社会や消費の変化で税収も変わる。そこで新たに酒税法が改正されることとなり、2017年に、2026年の税率一本化をゴールに、段階的な増減税の施行が公布された。ちなみに今回の酒税法改正は段階的措置の2回目となり、初回は2020年10月に行われている。

 

今回の改正で酒税がどう変化したかは左の表のとおりだが、いくつか例を挙げてみよう。350mlのビールであれば1本あたり7円程度安価に。同量の新ジャンルであれば1本10円前後高価になったので、モノによっては約15円ぶんも価格差が狭まったことになる。なお、今回発泡酒の税率は据え置きだが、2026年には酒税が一本化され実質価格差はなくなる。そのときがビール王政の完全復古といえるだろう。今後も新銘柄が続々デビューすることは必至。引き続きビールには注目だ!

 

 

芳根京子が「バイトしたい!」と興味津々。アサヒ生ビール“マルエフ”の特製キッチンカーが全国巡回へ発進

アサヒビールは11月13日、「アサヒ生ビール(通称:マルエフ)」の飲用体験とブランドコンセプトの「ぬくもり」を全国1000万人に提供する「日本のみなさん、おつかれ生です。プロジェクト~全国 1000万人のまろやか体験~」の発表会を行った。同発表会では、CMキャラクターを務める女優の芳根京子さんと俳優の松下洸平さんが登壇。同プロジェクトで全国を周遊する特別仕様のキッチンカーに直筆メッセージを書き込んだほか、マルエフの魅力について語った。その一部始終をレポート。

 

マルエフのまろやかなうまみとぬくもりある世界観を伝える

↑「日本のみなさん、おつかれ生です。プロジェクト~全国 1000万人のまろやか体験~」で全国を周遊するキッチンカー「出張マルエフ横丁(マルエフカー)」

 

通称「マルエフ」こと「アサヒ生ビール」は1986年に登場し、 “まろやかなうまみのある” 味わいのビールとしてヒット。一般向け販売は1993年に終了となったが、その味わいが根強いファンに支持され、一部飲食店で飲める「幻のアサヒ」として愛され続けてきた。この「アサヒ生ビール」は、コロナ禍でもあった2021年に復活。同社は「厳しい時代だからこそ、ぬくもりのある人と人とのつながりを生み出したい」という思いから、これまで5回にわたり「マルエフ横丁」を各地域に設け、ぬくもりのある空間を提供してきた。

 

今回6回目にあたる「マルエフ横丁」は、2023年10月の酒税法改正でビール(狭義のビール)がより買い求めやすくなったこと、またコロナ禍が落ち着いたタイミングでもあることから、日本全国1000万人に「アサヒ生ビール」のブランド体験を届けるプロジェクト「日本のみなさん、おつかれ生です。プロジェクト~全国 1000万人のまろやか体験~」の一環として開催される。

 

開催場所は、11月19日までが大阪の阪急大阪梅田駅、21日~26日までが福岡の天神地下街イベントスペース。飲食店の賑わいを表現した会場では、「アサヒ生ビール」、「アサヒ生ビール黒生」に加えて、「ハーフ&ハーフ(アサヒ生ビール1:黒生1)」と「ワンサード(アサヒ生ビール2:黒生1)」が、マルエフとよく合うお通し3点とのセットメニュー(税込 500円)で提供される。

↑「アサヒ生ビール マルエフ横丁」各会場のイメージ

 

さらに、キッチンカー「出張マルエフ横丁(マルエフカー)」(以下、マルエフカー)が12月に九州エリアから出発し、全国各地を巡る。周遊中には、マルエフカーに来てほしい場所を募集するキャンペーンをX(旧Twitter)で実施予定。そのほか、街頭サンプリングの配布も行われる。

 

「おつかれ生です」の広がりにニッコリ。芳根京子と松下洸平が「マルエフ」と一緒に食べたいご当地グルメを推薦

↑左から、俳優・松下洸平さん、女優・芳根京子さん

 

同発表会では、CMキャラクターを務める女優・芳根京子さんと俳優・松下洸平さんがCMでおなじみの「日本のみなさん、おつかれ生です」のセリフと共に登壇。早速CM出演後の反響について質問されると「現場や知り合いからも『おつかれ生です』の声をかけてもらえて嬉しい」と二人とも笑顔で語った。

 

マルエフカーがまず九州からスタートすることに、松下さんは「舞台の九州ツアーに行ったとき、福岡のもつ鍋とビールが最高でした。マルエフカーにもついていきたい!」と語った。そのマルエフカーについて、芳根さんは「ぬくもりと優しさを感じるデザインが本当に可愛い! 私も一緒に同行してマルエフカーでバイトしたいです」と絶賛した。

↑「ポスターの写真と一緒に『おつかれ生です』の連絡もよくもらいます。一緒に飲んでいる気持ちになれて嬉しいです」と、反響の大きさを報告してくれた松下さん

 

さらに、「アサヒ生ビール」と一緒に食べたいご当地グルメは? という質問では、芳根さんが「夏に北海道に行ったときにジンギスカンを食べながらマルエフを飲んだんですけど、おにぎりも一緒に食べて。この組み合わせが最高だったので、ジンギスカンにおにぎりも追加で(笑)」と、はにかみながらも熱烈におすすめしてくれた。松下さんは「宮崎の地鶏炭火焼を食べたんですけど、マルエフと合わせたら最高だろうな、ぜひ一緒に食べたいなぁと思ってます」と、お店だけではなく自宅でもこの組み合わせで食べられないか “作戦” を練っていることを明かした。

↑芳根さんは「地方ロケの帰りにマネージャーとスーパー銭湯に行ったときも、お風呂上がりの『マルエフ』が最高でした!」と、明るい時間から「おつかれ生です」を楽しんだことも語ってくれた

 

 

周遊するマルエフカーには、二人の直筆メッセージとサインがあるのでこちらも必見だ。

↑「日本のみなさん、おつかれ生です」の音頭で乾杯をした、松下さん(左)と芳根さん(右)

 

アサヒビール株式会社 ビールマーケティング部 部長 倉田剛士氏は、「ビールがより手に取りやすくなったこのタイミングに、ぜひアサヒ生ビールをきっかけにして優しいつながりを作って欲しいです。出張マルエフ横丁の出張先も全国から募集しますので、地元の町おこしのイベントや親せきの誕生日のお祝いなど、ここぞというところで活用していただけたら」と、意欲を語った。

 

秋の深まりとともに日が短くなって、ふと心さみしさを感じることもあるかもしれない。そんなときには、マルエフ横丁でぬくもりのあるつながりを感じてみてはいかがだろうか。

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

「オールドパー 12年」とアイスキューブをセットにした「オールドパー 12年 オリジナルアイスキューブセット」登場

モエ ヘネシー ディアジオは、「オールドパー 12年」とブランドカラーのゴールドにオリジナルデザインをあしらったアイスキューブをセットにした、「オールドパー 12年 オリジナルアイスキューブセット」を数量限定で発売。

 

今回発売する「オールドパー 12年 オリジナルアイスキューブセット」は、2022年に世界的に権威のあるコンペティション・SFWSC*¹にて最優秀金賞を受賞した「オールドパー 12年」と、ブランドカラーのゴールドをあしらったアイスキューブをセットにした特別な商品。

*1 SFWSC – サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション

 

溶けずに時間がたっても冷たさが持続するアイスキューブを、オールドパー 12年のおすすめの飲み方であるハイボールや水割りに入れることで、オールドパーの調和のとれた柔らかな味わいをゆっくりと愉しめます。

 

贈り物にも最適な、オールドパーの特徴を模したデザイン

オリジナルアイスキューブには、オールドパーのボトルのユニークな特徴を模したデザインが施されています。斜めに傾いて自立するオールドパーのボトルは、「決して倒れない」「右肩上がり」と、縁起のよいウイスキーとして日本でも長きに渡って親しまれてきました。

 

溶けないアイスキューブを使えば、氷の溶けた水分がでることなく、最後までオールドパーのハイボール(ウイスキー1:ソーダ3)、水割り(ウイスキー1:水2)の黄金比率のまま愉しめます。

 

 

・商品名:オールドパー 12年 オリジナルアイスキューブセット
・価格:6380円(税込)
・発売日:2023年10月25日(水)以降順次発売

【内容物】
・オールドパー 12年 容量:750ml
・オリジナルアイスキューブ:4個

 

ブームから暗黒期、そして世界を牽引する時代へ。ジャパニーズウイスキーの100年間と、支えた7人のキーパーソンたち

2023年は、ジャパニーズウイスキーのアニバーサリーイヤー。よく世界五大ウイスキーのひとつに数えられますが、近年になってその評価はいっそう高まり、国際品評会で世界一に輝くことも珍しくありません。この特集記事では全4回にわたってジャパニーズウイスキーの魅力を解説。第2回目は、奥深くドラマチックな歴史について紹介します。

【関連記事】ジャパニーズウイスキーとは。世界における立ち位置や独自の魅力などを解説

 

ウイスキー文化の浸透を夢見た偉人たちの情熱

冒頭で“アニバーサリーイヤー”と述べましたが、起点となったのは1923年10月。サントリーの創業者(当時は寿屋)である鳥井信治郎(とりいしんじろう)氏が、日本初となるモルトウイスキー蒸溜所、山崎蒸溜所の建設に着手したのが始まりです。

↑写真の人物が鳥井信治郎氏。山崎蒸溜所の展示パネルより

 

そして、山崎蒸溜所の初代所長が、のちにニッカウヰスキーの創業者となる竹鶴政孝(たけつるまさたか)氏です。竹鶴氏はさかのぼること7年前の1916年、当時の洋酒業界における大手だった摂津酒造に入社。社長の阿部喜兵衛(あべきへえ)氏と常務の岩井喜一郎(いわいきいちろう)氏の命を受け、1918年にスコットランドへ単身ウイスキー留学します。

↑写真の人物が竹鶴政孝氏。写真は宮城峡蒸溜所にて

 

ちなみに、この岩井氏はのちに本坊酒造の顧問となり、同社のウイスキーづくりに尽力。そのリスペクトはブレンデッドウイスキー「岩井 トラディション」シリーズに込められています。また、摂津酒造は1964年に焼酎業界の雄・宝酒造(現・宝ホールディングス)に吸収合併されています。

 

竹鶴氏は1920年に帰国。ウイスキーの実習報告書(通称「竹鶴ノート」)を岩井氏に提出し、摂津酒造は純国産ウイスキーの製造へ乗り出します。しかし第一次世界大戦後の恐慌によって資金調達ができず、壮大な計画は頓挫してしまいました。竹鶴氏も1922年にやむを得ず退職するのですが、その竹鶴氏を見つけ出し、採用したのが寿屋の鳥井社長だったというわけです。

 

山崎蒸溜所は着工翌年の1924年に竣工し、蒸溜も開始。そして5年後の1929年、ついに日本初の本格ウイスキー「サントリーウイスキー」(通称「白札」。現在の「サントリーウイスキーホワイト」)が誕生します。しかしスコッチへの敬意を表現したまさに本格的なその味は、魅力的なはずのスモーキーフレーバーが「煙くさい」と、当時の日本人には受け入れられませんでした。

左端が「白札」。この受難をもとに、日本人の味覚に合った酒質で1937年に生み出されたのがいまも続く「サントリーウイスキー角瓶」(右から3番目)です。結果、悲願の大ヒット

 

一方、竹鶴氏は1934年に寿屋を退職し、スコットランドと近い風土を探し求めてたどり着いた北海道の余市に蒸溜所建設を決意。大日本果汁(のちのニッカウヰスキー)を創業し、1940年に自社初のウイスキー「ニッカウヰスキー」を発売します。

↑左から2番目のボトルが「ニッカウヰスキー」。なお、熟成を経たウイスキーを発売するまでは、りんごジュースや「ニッカ アップルワイン」(左端)などを積極的に製造販売していました

 

戦乱を乗り越え高度経済成長とともに最高潮に

ところが1941年には太平洋戦争が勃発。1945年の終戦後も本格ウイスキーは統制品となり、市場にはアルコールに様々な香料や着色剤を加えたイミテーションウイスキーが出回るようになります。

 

しかし、1950年からの朝鮮戦争特需などもあり、日本経済は徐々に回復。同時に、寿屋のマーケティング施策によって全国にトリスバーが続々開業。夏はハイボール、冬はホットと飲み方を提案するなどの甲斐あって、ウイスキーが一層親しみやすくなっていきました。

↑寿屋の宣伝部が手掛けた、トリスバー向けのPR誌「洋酒天国」。編集兼発行人は、当時社員だった開高 健氏で、「トリス」の有名なコピー“人間らしくやりたいナ”も開高氏の作品です

 

1955年には伝説の蒸溜所と名高い軽井沢蒸留所(当時の名称は大黒葡萄酒軽井沢蒸留所)が誕生。こちらは2000年いっぱいで生産停止し2011年に閉鎖しましたが、その間日本におけるクラフトウイスキーの第一人者、ベンチャーウイスキー(2004年創業。秩父蒸溜所の「イチローズモルト」で有名)の肥土伊知郎(あくといちろう)氏が実習で使用したり、一部設備は東海クラフトウイスキーの雄、ガイアフロー静岡蒸溜所が買い取ったりと、伝説は引き継がれています。

↑ベンチャーウイスキーの肥土社長。2014年、秩父蒸溜所にて。ちなみに肥土氏は秩父の造り酒屋に生まれますが、洋酒に憧れがあったためサントリーに新卒入社しています

 

余談ですが、この軽井沢蒸留所におけるキーパーソンたちは、2022年末に始動した軽井沢ウイスキー蒸留所の顧問や工場長に招へいされています。そのひとりが、軽井沢蒸留所の最後のモルトマスターであり、軽井沢ウイスキー蒸留所の顧問に就任した内堀修省(うちぼりおさみ)氏。内堀氏は、秩父蒸溜所の黎明期に肥土氏へのウイスキー技術指導も行っています。

 

話を戻すと、高度経済成長とともにウイスキーはさらに躍進していきました。1969年には竹鶴氏が仙台の郊外に宮城峡蒸溜所を開設。同年にはバーボンの輸入自由化、そして1971年にはスコッチを含む酒類の輸入自由化、翌1972年には関税が引き下げられるなどして輸入酒ブームが起こり、国内の酒造企業も続々とウイスキー事業に参入していきます

↑宮城峡蒸溜所。2024年に開設55周年を迎えます

 

山崎蒸溜所の建設着手から半世紀後の1973年には白州蒸溜所が誕生。加えて同年には、米国(当時)のJEシーグラム社とスコットランドのシーバスブラザース社、キリンビールの3社共同出資で設立したキリン・シーグラム社の蒸溜所として富士御殿場蒸溜所も開設され、現在はキリンビールが単独で所有しています。

↑現在の正式名称は、キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所

 

1976年には、前述の軽井沢蒸留所を当時運営していた三楽オーシャン(現在のメルシャン)によって、日本初のシングルモルトウイスキー「軽井沢」が発売。同銘柄はいまや“幻のウイスキー”として、歴史に名を刻んでいます。

 

失われた四半世紀。起爆剤は「ハイボール」と「朝ドラ」

1980年代に入ると、それまで上昇基調だったウイスキー市場は曲がり角を迎えます。1983年には過去最多の消費量を記録しましたが、その後は酒類の多様化が進むとともに、酎ハイ、ワイン、日本酒といったブームのあおりを受けて低迷期に突入。軽井沢蒸留所の閉鎖も、こうしたダウントレンドの影響は否めません。

↑この時代を象徴する銘柄が「サントリーウイスキーオールド」。1980年には1240万ケースに達し、世界一の出荷数量を記録しました

 

この氷河期初期の1984年に産声を上げたブランドがありました。それがジャパニーズウイスキーのシンボル的存在、山崎蒸溜所から生み出された「シングルモルトウイスキー 山崎」(当時の名称は「サントリーピュアモルトウイスキー山崎」で、12年熟成)です。

 

さらに、1989年には「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城峡」(ともに12年熟成)が、1994年には「シングルモルトウイスキー白州」(当時の名称と熟成年数は山崎と同様)がデビュー。

 

ウイスキーの国内消費量は2008年までほぼ一貫して下がり続けますが、2003年には世界的に権威ある酒類コンペティション・ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で、「サントリーシングルモルトウイスキー 山崎12年」が日本で初めて金賞を獲得しました。

↑「サントリーシングルモルトウイスキー 山崎12年」。額に入った写真は2003年の授賞式のもの

 

この快挙は業界関係者、そしてジャパニーズウイスキー復活の原動力になったといっていいでしょう。以降、ジャパニーズウイスキーが世界の品評会で上位に入賞するようになっていきます。

 

また、2005年にはベンチャーウイスキーが最初の商品「イチローズモルト ヴィンテージシングルモルト1988」を発売。2年後の2007年には、国内35年ぶりとなる新規蒸溜所、秩父蒸溜所を設立します。

↑約10年前の秩父蒸溜所。2019年には、ここから約600メートル離れた場所に秩父第2蒸溜所が開設されました

 

2008年。ジャパニーズウイスキー起死回生のきっかけとなる出来事が起きます。それが、サントリー「角ハイボール」復活プロジェクトです。これにより翌2009年には右肩下がりだった消費量が上昇に転じ、日本のウイスキー市場は活気を取り戻していきました。

 

さらに、2014年にはドラマチックなジャパニーズウイスキーの誕生秘話が、竹鶴政孝氏とその妻・リタ氏の生涯をモデルにドラマ化。NHKの連続テレビ小説『マッサン』(竹鶴氏のニックネームがマッサン)が放送され、国内ウイスキーブームは一層過熱します。

↑モノクロ写真が竹鶴氏とリタ氏

 

近年はクラフトディスティラリーの躍進にも注目

ウイスキー人気復活の追い風を受けた2010年代は、クラフトディスティラリーの新設が増えていったことも特徴のひとつ。代表的なのは、前述のガイアフロー静岡蒸溜所(2016年)ほか、本坊酒造の第2拠点にあたるマルス津貫(つぬき)蒸溜所(2016年)、厚岸(あっけし)蒸溜所(2016年)、安積(あさか)蒸留所(2016年より再稼働。設立は1946年)、嘉之助(かのすけ)蒸溜所(2017年)、三郎丸蒸留所(2017年に大規模改修。製造は1952年より)などです。

↑三郎丸蒸留所で有名なのが「ZEMON(ゼモン)」。地元・富山の伝統工芸である高岡銅器の梵鐘(ぼんしょう)をヒントに開発された世界初の鋳造(ちゅうぞう)製ポットスチルで、銅と錫(すず)の2つの効果でよりまろやかな酒質を生み出します

 

2020年代は、新規蒸溜所の誕生がますます活性化。ビッグネームの例を挙げれば、前述の軽井沢ウイスキー蒸留所のほか、薩摩酒造の火の神蒸溜所などがあります。薩摩酒造は本坊酒造グループであり、焼酎メーカーとしては屈指の洋樽設備と技術を所有。その実力は、1988年の発売開始からロングセラーを続ける長期貯蔵麦焼酎の銘酒「神の河」(かんのこ)が証明しているといえるでしょう。

↑2023年2月に蒸溜を開始した、火の神蒸溜所。2024年にはショップやバーを備えた施設のオープンと一般見学を開始する計画で、ウイスキーの発売は2026年を予定しています

 

加えて、近年は「秩父ウイスキー祭」や「ウイスキーフェスティバル」などのイベントが盛んに開催されるようになったり、スコットランドで盛んな原酒交換が日本の蒸溜所同士でも意欲的に行われるようになったりと、その勢いはとどまることを知りません。

↑2021年3月に発売された、富山の三郎丸蒸留所と滋賀の長濱蒸溜所によるコラボレーションウイスキー「FAR EAST OF PEAT」。日本のクラフトディスティラリー同士では、初の商品化となりました

 

ジャパニーズウイスキーの誕生から100年を迎えた2023年。国内蒸溜所の数は80を超えるといわれ、100を超えるのもそう遠い未来ではないでしょう。次回は比較的に入手しやすい銘柄のなかから、覚えておきたいブランドとその特徴などを解説します。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

 

撮影/松村広行(GetNavi編集部)

ジャパニーズウイスキー完全復活により、幻の蒸溜所が再稼働!

ジャパニーズウイスキーの完全復活により、受難の時代に閉鎖あるいは止まっていた蒸溜所が再稼働したり、その意志を継ぐ蒸溜所が誕生したりしていることも見逃せない。

※この記事は「GetNavi」 2023年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【2016年再稼働・安積蒸留所】

東北で地ウイスキーブームを牽引した名蒸留所が満を持しての復活

「チェリーウイスキー」で知られる笹の川酒造(旧山桜酒造)のDNAを汲む蒸溜所で、福島県郡山に所在。特異な気候から「風の蒸溜所」と呼ばれる。なお、笹の川酒造とともに80年代ウイスキーブームを牽引した羽生蒸溜所が閉鎖した際、廃棄しなければならなくなった原酒を同社が受け入れ販売したのが、最初の「イチローズモルト」である。

 

【2022年新稼働・軽井沢ウイスキー】

旧蒸溜所の職人がリユニオン世界が称賛した名酒への熱意を継承

元々の軽井沢ウイスキー蒸留所は、メルシャン(三楽オーシャン)前身の大黒葡萄酒が1955年に設立した蒸留所で、日本初のシングルモルトを生み出すなど多大な功績を残したが、2012年に閉鎖。しかし昨年、地元で370年続く「戸塚酒造」がその意志を継ぎ、軽井沢の地で新たに本蒸溜所を新設した。閉鎖時の最後の工場長が新たな蒸留所の工場長を務める。

【ジャパニーズウイスキー最新トレンド】新進気鋭のクラフト蒸溜所から名酒が続々誕生!

昨今のジャパニーズウイスキーを語るうえで欠かせない話題が、新設蒸溜所の台頭だ。シーンをけん引する銘柄を中心に、期待が高まるこのムーブメントを紹介しよう。

※この記事は「GetNavi」 2023年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【私がオススメします!】

フードライター・中山秀明さん

酒好きのフードアナリスト。クラフトウイスキーの聖地・秩父で育ち、全国の蒸溜所やブレンダ—への取材経験も多い。

 

世界唯一の鋳物型蒸溜器が生み出すまろやかで洗練された味わい

1952年製造開始(※)

若鶴酒造/三郎丸蒸留所
シングルモルト
「三郎丸Ⅱ THE HIGH PRIESTESS」

実売価格1万3750円

北陸唯一の蒸留所が、富山の伝統工芸品・高岡銅器の技術を用いて作られた世界初の鋳物製銅錫合金ポットスチル「ZEMON」で蒸溜した原酒を、初めて商品化。銅と錫の2つの効果により、まろやかで洗練された酒質を実現している。

※:2017年に大改修をし、三郎丸蒸留所としてリニューアル。2019年に、「ZEMON」を導入

 

【Nakayama’s Review】伝統のスモーキー香や果敢な冒険心にも注目

同蒸溜所のテーマ「ピートを極める」を実感できる、力強いスモーキー香も魅力。同社は他社との原酒交換にも積極的で、日本のクラフト蒸溜所同士で初のコラボ商品を発売するなど、冒険心も魅力です!

 

3基のポットステルを駆使した待望の定番シングルモルト

2017年製造開始

小正嘉之助蒸溜所
シングルモルト 嘉之助
9900円

日本三大砂丘のひとつ、鹿児島県・吹上浜沿いに設立。最大の特徴は、大中小とサイズの異なる3基のポットスチルを備えていることで、本品は同蒸溜所初の定番商品。ウイスキー本来の風味が楽しめるよう、冷却濾過は行っていない。

 

【Nakayama’s Review】名焼酎のDNAを継ぐ上品で甘くメローな味

日本初の長期樽熟成焼酎として小正醸造が生み出した「メローコヅル」のDNAは、蒸溜所のコンセプト「MELLOW LAND, MELLOW WHISKY」へ。上品で甘くまろやかな味はまさにメロー。多幸感にあふれる一本です。

 

希少な国産ピートが香るスモーキーな味わい

2016年製造開始

厚岸蒸溜所
厚岸ブレンデッドウイスキー 小満

1万3200円

ピーティーなアイラモルトへの憧れと敬意から、潮気を含む霧やピートが取れる地の利を求めて北海道・厚岸の地に誕生。本作は「二十四節気シリーズ」の第11弾となるブレンデッドウイスキーだ。

 

【Nakayama’s Review】厚岸の恵みに育まれた燻香と爽やかな甘味

季節ごとに原酒を作り分けたり、地元産の大麦やピート、ミズナラ樽を使ったり、厚岸のテロワールを生かす姿勢がユニーク。本品は、燻香に柑橘のような爽やかさに甘味が重なる奥行きのある味わいです。

 

寒暖差のある気候が生み出す力強く厚みのある味わい

2016年製造開始

本坊酒造/マルス津貫蒸留所
シングルモルト津貫 2023エディション

8800円

1985年、長野県にマルス信州蒸溜所を設立した同社が、より多彩な原酒を作るべく創業地の鹿児島県津貫に設立。一年の中で寒暖差が激しい盆地という環境が、力強い酒質を生み出す。本品では、国内の品評会で金賞を受賞。

 

【Nakayama’s Review】バーボンの樽香が導くリッチな風味がナイス

本作は、バーボンバレルを主体に様々な樽で熟成した原酒をヴァッティング。モルティな甘味と、温かくフレッシュな果実味が印象的です。樽のウッディな香りは味わいに厚みをプラスし、全体的にリッチ。

 

【これもCheck!】老舗の焼酎蔵がウイスキー製造を開始

本坊酒造のグループには熟成麦焼酎の銘酒「神の河」で有名な薩摩酒造があるが、同社は今年、枕崎に「火の神蒸溜所」を竣工。2026年内のファーストリリースを目指している。麦の名手の新酒に注目だ。

見学可能でメモリアルイヤー! 日本が誇る3つのウイスキー蒸溜所をチェック

ジャパニーズウイスキー生誕の地である山崎をはじめ、今年は日本を代表する3つの蒸溜所がメモリアルイヤー。すべて見学できるので、本稿を参考にぜひ訪れてほしい。

※この記事は「GetNavi」 2023年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【100YEARS】サントリー山崎蒸溜所

鳥井信治郎が、ウイスキー作りの理想郷を求めて全国を踏破し、辿り着いた地が京都郊外の山崎。茶人・千利休も愛した良質な水、霧が立ちやすく熟成に適した湿潤な気候がここにある。駅から徒歩数分という好立地だ。

 

↑国際的な品評会ISCで日本初の快挙(P.35)を成し遂げたのも山崎。右の人物は、3代目マスターブレンダーの鳥井信吾氏

 

2023年秋フルリニューアル! 見学ツアーを刷新

周年を機にエントランスやラウンジなど一部を改修。11月1日からは事前予約制の見学も始まる。ツアーは内容や金額が異なる2つを抽選制で用意。なお白州も同様で、こちらはすでに刷新済みだ。

 

バニラ香と果実味が華やぐ日本を代表する名ブランド

サントリー
サントリー シングルモルトウイスキー山崎12年
サントリーウイスキー100周年記念蒸溜所ラベル

実売価格1万1000円(700ml)

ホワイトオーク樽熟成原酒由来の甘いバニラ香と熟した果実味が華やぎ、シェリー樽原酒とジャパニーズオークのミズナラ樽原酒の余韻も心地良い。繊細で上品なテイストの、日本を代表する一本。

 

【50YEARS】サントリー白州蒸溜所

日本初の蒸溜所誕生から半世紀後の1973年。山崎とは異なる個性的な酒質を求めて辿り着いた名水の地が、南アルプスの麓にある山梨の白州だった。標高約700mで冷涼な、世界でも稀な“森の蒸溜所”としても有名。

 

↑発酵槽に使うのは木桶のみ。また、山崎では使用していないスモーキーなピート麦芽を一部に使い仕込んでいる

 

爽やかな香りと果実味にスモーキーな甘味が漂う

サントリー
サントリーシングルモルトウイスキー白州12年
サントリーウイスキー100周年記念蒸溜所ラベル

実売価格1万1000円(700ml)

新緑を思わせる爽やかな香りと青りんごのような若々しい果実味に、甘くやわらかなスモーキーフレーバーが漂う。フルーティーでふっくらとしたコクがあり、フィニッシュはキレの良い味わい。

 

【50YEARS】キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所

米国(当時)のJEシーグラム社とスコットランドのシーバスブラザーズ社、キリンビールの3社共同出資で誕生したキリン・シーグラム社が、1973年に静岡に創設。3か国の技術や知見と、霊峰・富士の伏流水によるマザーウォーターを生かしたウイスキー作りが特徴だ。

 

↑グレーン原酒用の蒸溜器が3種ある、世界でも稀な蒸溜所。なかでもケトル蒸溜器(右)とダブラー蒸溜器(左)が併設されているのは希少

 

多彩なグレーンが織りなす甘く華やかで複層的な味

キリンディスティラリー
キリン シングルグレーン
ジャパニーズウイスキー 富士

6600円

グレーンの原酒のみをブレンド。優しくほんのりとした甘さ、伽羅などの香木を思わせるアロマ、ウッディでスパイシーな余韻が特徴で、ラストに伸びるマスカットのような果実味も心地良い。

 

【これも注目!】2024年はニッカウヰスキーが90周年

竹鶴政孝が創業したニッカウヰスキーは、2024年に90周年を迎える。2014年の80周年では限定の「竹鶴」が発売されたりイベントが開催されたりしていたため、来年の同社の施策にも注目だ。

↑竹鶴がスコットランドに近い気候を求めて辿り着いたのが、北海道の余市だった。現在も伝統の石炭直火蒸溜を行っている

国産ウイスキー蒸溜開始から100年目!激動と波乱の歴史を振り返る

いまや国際品評会で世界一に輝く銘柄が頻出するようになった、ジャパニーズウイスキー。2023年は、その誕生から100周年を迎えるアニバーサリーイヤーである。ドラマチックな歴史や注目の新顔などに触れながら、現在地へと誘おう。

※この記事は「GetNavi」 2023年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

■ジャパニーズウイスキーの定義

↑2021年に日本洋酒酒造組合が、消費者の利益を保護し、事業者間の公正な競争を確保するとともに品質の向上を目指し、ジャパニーズウイスキーの定義を制定した

 

幾多の受難を経て奇跡の復活!そして世界中から愛される酒に

まさかこんな時代が来るとは! そう断言できるほどジャパニーズウイスキーは奇跡の復活を果たし、絶好調だ。もともと、スコッチやアメリカンなどと並ぶ世界五大ウイスキーのひとつではあったが、近年はファンが急増し入手困難な銘柄も数多。こうした人気の理由は、ひとえに世界をあっと驚かせるほどのうまさにある。

 

高品質な味は、作り手の技術向上や飽くなき探求心がもたらしたものであるが、その誕生は1923年。ちょうど100年前だ。この年、現在のサントリー創業者である鳥井信治郎が、日本のウイスキー作りを志し、山崎蒸溜所の建設に着手。そしてスコットランドから帰国していた、のちのニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝を工場長に招致した。翌年11月11日の11時11分、同蒸溜所のポットスチル(単式蒸溜器)に最初の火が灯り、ジャパニーズウイスキーの夜が明けたのである。

 

↑竹鶴政孝(左)は、摂津酒造の阿部喜兵衛と岩井喜一郎のサポートにより留学したが、帰国時、戦後の経営悪化で同社のウイスキー作りは頓挫。そこで鳥井信治郎(右)が竹鶴を寿屋に招致した。ちなみに岩井は後年、本坊酒造でウイスキー製造を指導している

 

寿屋(現・サントリー)は1929年、ついに日本初の本格ウイスキーを発売。しかし“本格”な味は「煙くさい」として、あまり受け入れられなかったという。このように船出は決して順風満帆ではなかったが、日本人の繊細な味覚に合うウイスキーを追求し続けて開発したのが、いまも続く通称「角瓶」だ。続いて寿屋から独立した竹鶴も、自社初のウイスキー「ニッカウヰスキー」を発売するなど、日本のウイスキー業界は徐々に発展していく。

 

↑サントリーウイスキー白札(左)、ニッカウヰスキー(右)

 

しかし時代は戦争へ。戦後の混乱期にはアルコールに香料や色を加えただけの偽物もウイスキーとして流通。とはいえ世が平穏を取り戻すなか、ウイスキーは原酒混和率による等級制度で区分され、大衆的な銘柄を中心に浸透していく。やがて高度経済成長期にはバーが急増。ボトルキープやハイボール、水割りといった日本独自の文化が花開いたのもこのころだ。

 

1973年には白州蒸溜所と富士御殿場蒸溜所が誕生。そして1983年にウイスキーの消費量は隆盛を極めるが、酎ハイなど他の酒に人気を奪われ次第に低迷。転機となるのは2000年代に入ってから。国際品評会で上位入賞したり、クラフト蒸溜所が誕生したりと新たな潮流が芽生えるなか、ハイボールブームが到来して消費量でも復活を果たす。

 

ジャパニーズウイスキーの歴史は朝ドラ「マッサン」で広く知られるようになり、人気は不動のものに。加えて国際品評会ではすっかりトップの常連となり、ついにジャパニーズウイスキーは世界中の注目を集めるようになった。いまや新たな蒸溜所が全国に続々誕生し、そこで熟成を経たウイスキーの飲みごろをファンは待ち望んでいる。ジャパニーズウイスキーは、ますます面白くなるだろう。

 

ジャパニーズウイスキーの歴史

1853年 アメリカからペリーが来航し、日本に初めてウイスキーが持ち込まれる

1860〜1870年代 1859年の開港とともにウイスキーの輸入が始まる

1899年 鳥井信治郎が鳥井商店(以降、鳥井商店→寿屋洋酒店→寿屋→サントリーと社名を変更)を開業

1918年 竹鶴政孝が本場のウイスキー作りを学ぶため、スコットランドに留学する

↑竹鶴が留学中に書き綴ったノート。かつての英国首相が、「頭の良い日本の青年が、1本の万年筆とノートでウイスキー作りの秘密を盗んでいった」と親愛の情を込めてスピーチしたという逸話がある

 

1923年 竹鶴政孝が寿屋に入社。同社は京都郊外の山崎で蒸溜所の建設に着手し、国内での本格的なウイスキー作りが始まる

1924年 山崎蒸溜所竣工。竹鶴政孝が初代工場長に就任し、ウイスキーの製造を開始

↑山崎蒸溜所

 

1929年 寿屋が、日本初の本格ウイスキー「サントリーウイスキー白札」を発売

1934年 竹鶴政孝がニッカウヰスキーの前身となる大日本果汁を設立し、北海道・余市に蒸溜所を作る

↑余市蒸溜所

 

1937年 寿屋が「サントリーウイスキー角瓶」を発売

1940年 大日本果汁が自社初のウイスキー、「ニッカウヰスキー」を発売

1970年代 ウイスキーの貿易が自由化し、輸入洋酒ブームが起こる。以降、国内酒造会社が続々とウイスキー事業に参入

1976年 三楽オーシャン(現・メルシャン)が、国内初のシングルモルトウイスキー、「軽井沢」を発売

1983年 ウイスキー消費量が過去最多に。しかし、ワイン、日本酒といった酎ハイブームのあおりを受け、以降低迷期に突入

2003年 サントリーの「山崎12年」が国際酒類コンテスト「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)」で、日本で初めてウイスキー部門の金賞を受賞。以降、ジャパニーズウイスキーが世界の品評会で上位に入賞するようになる

2005年 ベンチャーウイスキーが、のちのクラフトウイスキーブームの火付け役となる「イチローズモルト」を笹の川酒造から発売。ベンチャーウイスキーは、2007年に秩父に蒸溜所を創設。

2008年 サントリーの「角ハイボール」をきっかけに、ハイボールブームが起こる

2014年 NHK連続テレビ小説で、竹鶴政孝とその妻・リタの生涯をモデルとした「マッサン」が放送される

2010年代後半 全国各地にクラフト蒸留所が続々と誕生

2021年 日本洋酒酒造組合がジャパニーズウイスキーの定義を確定させる

2023年 日本のウイスキー作りが100周年を迎える

“果汁とお酒だけでできている”「本搾り」ブランドから「キリン 本搾りチューハイ 冬柑(期間限定)」発売!

キリンビールは、“果汁とお酒だけでできている、果実そのままのおいしさを楽しめるチューハイ”がコンセプトの「本搾り」ブランドから、「キリン 本搾りチューハイ 冬柑(期間限定)」を2023年11月14日より全国発売。

 

 

「キリン 本搾りチューハイ 冬柑(期間限定)」は、“果汁とお酒だけ”でできている、ぎゅっと搾った5種の柑橘をブレンドした、冬の食卓にぴったりなチューハイです。

 

「本搾り」ブランドは、果汁感がしっかり味わえるお酒としてのおいしさに加え、2003年2月の発売以来、香料・酸味料・糖類無添加の「果汁とお酒だけ」という製法を守り続けているこだわりや「品質感」が支持され、累計販売本数30億本を突破し、20年以上に渡り愛されるロングセラーブランド。

 

今回発売する「キリン 本搾りチューハイ 冬柑(期間限定)」は、それぞれの果実の特長を生かす「本搾り」ならではのブレンド技術により、香り高いゆず・すだち・かぼすの甘くなくすっきりした果汁感で鍋料理等にぴったりなさっぱりとした味わいに仕上げています。香料・酸味料・糖類無添加、果汁11%で、「果実そのままのおいしさ」が楽しめます。

 

・メーカー:キリンビール

・商品名:キリン本搾り チューハイ 冬柑(期間限定)

・価格:オープン価格

「本麒麟」よりもたっぷりと麦を使用した「本麒麟 味わい濃厚冬仕立て(期間限定)」新発売!

キリンビールは、「本麒麟」ブランドから期間限定品「本麒麟 味わい濃厚冬仕立て(期間限定)」(を11月28日(火)より全国発売。

 

「本麒麟 味わい濃厚冬仕立て(期間限定)」は、「濃厚なもの」「うまみを感じるもの」がより好まれる冬にぴったりの味わい。麦のうまみを感じられるよう、「本麒麟」よりもたっぷりと麦を使用し、濃厚な味わいを実現しました。さらに、「本麒麟」と同じく、通常の1.5倍(※3)の長さで低温熟成し、雑味のない味わいに仕上げました。

※:キリンビール主要新ジャンル(発泡酒②)比

 

本商品の特長である麦をたっぷり使用した濃厚な味わいと、長期低温熟成による雑味のない澄んだ味わいにより、消費者が新ジャンル(発泡酒②)に期待する「うまさと品質」「報酬感」「経済性」といったニーズに応えています。

 

・メーカー:キリンビール

・商品名:本麒麟 味わい濃厚冬仕立て(期間限定)

・価格:オープン価格

 

富士御殿場蒸溜所操業50周年記念「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Edition」を発売!

キリンビールは「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Edition」を11月21日(火)より数量限定で発売。

「富士」は、2020年に発売され、その味わいは世界的にも高く評価されており、2022年の実績は発売から3年間で約10倍(※1)となるなど、大きく伸長しています。特に独自の起源から生まれる多彩な原酒のつくり分けと、世界一(※2)のブレンディング技術で生み出された味わいが国内外から高い評価を得ています。

 

こうした背景を受け、50周年を記念した1973年の操業当時のモルト原酒をはじめ、1970~2010年代の各世代のモルト原酒とグレーン原酒を使用した、長熟原酒由来の甘く複雑な熟成香と、未来を見据えて改良を続けてきた原酒の華やかな香りが見事に調和する美しい味わいが特長の「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Edition」が発売されます。

 

※1 キリンビール出荷実績(金額ベース)において
※2 マスターブレンダー・田中城太がアイコンズ・オブ・ウイスキー(IOW)2017において、「マスターディスティラー/マスターブレンダ―・オブ・ザ・イヤー」を受賞。

 

「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Edition」

蒸溜所操業開始年の1973年蒸留の原酒をはじめ、1970・1980・1990・2000・2010年代の各世代に蒸留された、えりすぐりのモルト・グレーン原酒を使用。50年のウイスキーづくりの歴史と技術を注ぎ込んだ特別なシングルブレンデッドウイスキー。

 

・メーカ:キリンビール
・商品名:キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Edition」
・発売日:2023年11月21日(火)
・発売先: 富士御殿場蒸溜所売店および抽選販売
 ※抽選販売の詳細はキリンオンラインショップDRINX(https://drinx.kirin.co.jp/)にて後日案内予定

・価格:3万6080円(税込み) ※富士御殿場蒸溜所売店、DRINX価格
・販売予定数量: 3000本限定

鰹節にヨーグルト…スコッチウイスキー「デュワーズ」×全国の特産物の新カクテルはどんな味?「Dewar’s Discovery Session 2023」がスタート

バカルディジャパンは、スコッチウイスキーブランド「デュワーズ」からデュワーズ15年をベースに6人のバーテンダーが、全国の食材や生産者、生産地との出会いをヒントに新たなカクテルを生み出す共創プロジェクト「Dewar’s Discovery Session 2023」をスタートさせる。同プロジェクトのスタートに先立ち、10月26日にはプレス向け発表会が開催された。ゲストに、大阪関西万博 催事企画プロデューサーの小橋賢児氏とプロジェクトに参画する6人のバーテンダーを迎え、デュワーズの魅力や全国を旅して出会った食材の魅力について語った。

 

デュワーズ15年とプレミアムラインのダブルダブル21年の試飲会もあったので、その深い味わいのレポートと合わせて紹介しよう。

 

時間と手間をかけた「ダブルエイジ製法」

↑「Dewar’s Discovery Session 2023」オリジナルカクテルのベースに使用されるのは、ブレンデッドスコッチウイスキーの「デュワーズ15年」

 

「デュワーズ」は、数種類のモルトウイスキーやグレーンウイスキーを掛け合わせたブレンデッドスコッチウイスキー。はじめて飲む人でも親しみやすい、なめらかな味わいは「ダブルエイジ製法」によって引き出される。

 

デュワーズのブランドマネージャーを務めるバカルディ ジャパンの李 坤龍(リー・コンヨン)氏は「デュワーズといえばダブルエイジ製法。これにより、どこまでもなめらかな味わいが生み出されます」と語った。

 

この「ダブルエイジ製法」とは樽熟成させた2種類のウイスキーをブレンドした後、さらに樽のなかで熟成させるというもの。手間と時間をかけたからこそ生まれるデュワーズならではの味わいは世界中で愛されており、今日まで1000を超える受賞歴を誇る。

 

「現在の『デュワーズ』は、7代目 マスターブレンダ―のステファニー・マクラウド氏によって味が決められていると言っても過言ではありません。彼女は、2019年から5年連続で、インターナショナル・ウイスキー・コンペティションで『マスターブレンダ―・オブ・ザ・イヤー』を受賞しています」(李氏)

 

そのほか、同ブランドの歴史やウイスキーの種類などにも触れ「5大ウイスキーと呼ばれるのは、スコッチ、アイリッシュ、カナディアン、アメリカン、ジャパニーズで、各産地によって味も見映えも変わってきます。スコッチウイスキーは、スムースながらしっかりとモルト感のあるウイスキーの味を楽しむことができます」と紹介した。

↑バカルディ ジャパンの李坤龍氏

 

「脳に浸らせてゆっくり飲みたい」。小橋賢児氏が語るウイスキーの楽しみ方

ゲストに迎えたのは、大阪関西万博 催事企画プロデューサーを務めるクリエイティブディレクターの小橋賢児氏。トークセッションでは、お酒と「新しい発見の旅」をテーマにトークがくり広げられた。数年間お酒を飲んでいなかった、と言う小橋氏。「お酒が出る交流の場で、人見知りを誤魔化すために飲むことが多かった。再開後は、いいものを味わって飲むようになったので、ウイスキーならロックやストレートで、じっくり脳から全身に浸らせて飲むっていう楽しみ方をしています」と、書斎などでアイデアを練るときなどにもウイスキーを楽しんでいることを教えてくれた。

 

そして、「新しい発見の旅」に対する質問では、「オーガニックにのめり込んだ時期に、デンマークを訪れました。当時日本では、オーガニックといえばストイックな印象がまだあった。それが、オーガニック先進国のデンマークでは、テクノミュージックが流れるレストランでもオーガニック食品が使われている。地球のためにできることを自然体でやっている姿が潔くて、その姿勢から学ぶべきところがあるなと思いました」と、語った。

 

世界に発信したい日本の食材についても質問された小橋氏は、醤油や味噌、納豆などの発酵食品を挙げた。

 

「海外の人が日本にはない意識で発酵食品に触れたとき、例えば納豆とお酒の組み合わせ、なんておもしろいものが出てくるかもしれないですよね」(小橋氏)

↑大阪関西万博 催事企画プロデューサーを務めるクリエイティブディレクター ・小橋賢児氏

 

実力派6人のバーテンダーが語る、「新しい発見の旅」で出会った食材の魅力

↑左から齋藤恵太氏、吉野優美氏、野村空人氏、李坤龍氏、 小橋賢児氏、中村敦氏、高宮裕輔氏、大場文武氏

 

続いて、同プロジェクトに参画するデュワーズとゆかりの深い6人のバーテンダーが登壇。日本各地を旅して発見した食材の魅力と、カクテル開発への思いが語られた。デュワーズについて、「LIQUID FACTORY」齋藤恵太氏は「昔から馴染みのあるブランドですが、日常的に使う機会は少なかった。最近はいいものを使おうという風潮が出て来たので、『15年』はカクテルでも使うようになりました」と語った。「THE BELLWOOD」吉野優美氏は「『21年』はそのまま飲んでひと息つくような飲み方がおすすめ。『15年』は、カクテルにしたときにより一層深みを感じられるのではないかと思います」とカクテルベースとしての可能性について述べた。「Quarter Room」野村空人氏は「『15年』の華やかな味わいをカクテル作りで上手く使っていきたいです。『21年』はゆっくりとロックで飲んで楽しめるウイスキーです」と、おすすめの飲み方についても教えてくれた。

 

6人が全国各地を旅して発見した食材は、はちみつ(東京都)、ヨーグルト(千葉県)、りんご(福島県)、サフラン(佐賀県)、きのこ(広島県)、かつお節(鹿児島県)。かつお節を選択した「TIGRATO」高宮裕輔氏は「間近で職人の技を見て、かつお節に対する考え方が変わった。作り手の魅力もカクテルを通じて届けていきたい」と意気込みを語った。「Unknown」大場文武氏が選んだのはヨーグルト。「アップサイクル系のヨーグルトでミルクがとてもおいしい。ヨーグルトの酸味はウイスキーにはないニュアンスでしたが、このヨーグルトならカクテルにしてもおいしいと思えました」と、新しい組み合わせへの好奇心を覗かせた。「BAR RAGE AOYAMA」中村敦氏は、選んだりんごに対して「りんごはお尻の部分の香りがとても強い。良い香りなんです。この香り高さを、カクテルでも表現していきたい」と、りんごの香り高さを引き出すカクテル作りへの意欲を語ってくれた。

↑「Dewar’s Discovery Session 2023」に参画する6人のバーテンダーが選んだ6つの食材

 

「Dewar’s Discovery Session 2023」のバーイベントは、11月3日(金)に「TIGRATO」からスタート。1週間ごとに各店舗でオリジナルカクテルが期間限定で提供中だ。また、12月15日(金)にはLongrain TOKYOにて、カクテルと同じ食材を使用した料理とともにオリジナルカクテルが提供されるファイナルイベントも開催される。いずれも詳細は特設サイトで確認できる。

↑各店舗のバーイベント開催日は「Dewar’s Discovery Session 2023」特設サイトで確認できる

 

複雑さが調和された深い味わいを試飲

同発表会では、「デュワーズ15年」と「ダブルダブル21年」の試飲会も開催された。まずは15年を、ストレート、ロック、ハイボールでそれぞれ試飲。口元に引き寄せると、まず、ハニーやキャラメルソースのようなこってりとした甘い香りが立ち上る。味わいは、南国フルーツやグリーンアップルのみずみずしさと爽やかさを感じた。この甘く華やかな味わいを存分に楽しみたい、という人にはやはりストレートかロックがおすすめだ。とはいえ、ハイボールでも香りや味わい、余韻が損なわれるわけではないので、強いお酒が苦手な人は、ぜひハイボールで楽しんでみてほしい。

↑左から、「デュワーズ15年」ストレート、ロック、ハイボール

 

21年は、15年以上になめらかな長い余韻と甘さを楽しむことができる。香りは「シナモンと完熟ぶどうの香り」と説明があった通り、スパイシーさも感じられた。甘さと複雑さが調和されたどっしりと深みのある味わいには上品さも。ストレートやロックで、美しい琥珀色のウイスキーを眺めながら、じっくりと味わう贅沢なひと時を過ごすのもよさそうだ。もちろんハイボールでも、上品な風味を楽しむことができる、特別な日に選びたいウイスキーだ。

↑左から、「ダブルダブル21年」ストレート、ロック

 

なめらかで深みのある味わいが魅力のデュワーズ。全国の特産品との組み合わせでは、どのような味覚の “新発見” ができるのか。この秋は、デュワーズオリジナルカクテルと共にいつもよりもちょっと贅沢なひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。

 

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ジャパニーズウイスキーとは。世界からの評価や5大ウイスキーにおける個性、伝説の銘柄などを解説

2023年に誕生から100年のアニバーサリーイヤーを迎えたジャパニーズウイスキー。よく“世界五大ウイスキー”のひとつに数えられますが、近年になってその世界的評価はいっそう高まり、国際品評会で世界一に輝くことも珍しくありません。

 

この特集記事では、全4回にわたってジャパニーズウイスキーにまつわる知っておきたい知識を解説。この第1回では、「ジャパニーズウイスキー」の定義や特徴など、基本的な要点を紹介します。

↑世界五大ウイスキーそれぞれの定義や特徴も解説

 

「ジャパニーズウイスキー」の定義制定は2021年。主な条件は?

ジャパニーズウイスキーとは読んで字の如く「日本のウイスキー」ですが、実は明確な定義があります。しかし、その制定は2021年と比較的最近。日本洋酒酒造組合により、消費者の適正な商品選択や、事業者間の公正な競争、品質の向上を目的に制定されました。主な条件を5つ挙げてみましょう。

 

1:原材料として麦芽は必ず使用し、日本国内で採取された水を使用すること

2:糖化、発酵、蒸溜は国内の蒸溜所で行うこと

3:原酒は700リットル以下の木樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること

4:日本国内で瓶詰めすること

5:充填時のアルコール度数は40%以上であること

 

例えば、海外産の原酒をブレンドまたはボトリングしたウイスキーは、日本で樽貯蔵や瓶詰めをしてもジャパニーズウイスキーとは名乗れないのです。

 

日本のウイスキーはスコッチが手本となった

ジャパニーズウイスキーの誕生は1923年。サントリーの前身にあたる寿屋が、山崎蒸溜所の建設に着手したのが始まりです。歴史については第2回で詳しく解説しますが、製法などに関する大きな特徴はスコッチウイスキーへのリスペクトが強いこと。

↑100周年を迎えた山崎蒸溜所。ロゴの横には「SINCE 1923」の一文も書かれています

 

これは、山崎蒸溜所の設計に携わり初代所長を務めた竹鶴政孝氏(のちのニッカウヰスキー創業者で、連続テレビ小説『マッサン』のモデル)が、スコットランドの蒸溜所でウイスキーの知見や技術を学んだことが強く関係しています。

 

■ 世界のウイスキーの6割を占める王者「スコッチ」

それでは、五大ウイスキーについても、それぞれ主な特徴を解説していきましょう。まずはスコッチウイスキーから。定義としては、水とイースト菌、それにモルト(大麦麦芽)などの穀物を使い、仕込みや蒸溜をスコットランドで行うこと、そして容量700リットル以下のオーク樽に詰め、スコットランドの倉庫で3年以上熟成させることなどが挙げられます。

↑販売数量世界一(「Impact Databank 2020」より※)のスコッチウイスキーブランドが「ジョニーウォーカー」

 

全世界のウイスキー消費量の約6割がスコッチウイスキーであるともいわれる、いわばウイスキーの王者。その魅力的な味は独自の風土に起因しています。原材料の大麦が豊富に収穫でき、熟成に向いた冷涼な気候、そして燻香に欠かせないピート(泥炭)にも恵まれた湿地帯であることなど、ウイスキーづくりに理想的な環境が整っています。

↑ピート。日本の産地としては、北海道が有名です

 

原材料やブレンドの有無などによって、「シングルモルト」「シングルグレーン」「ブレンデッド(ヴァッテド)モルト」「ブレンデッド(ヴァッテド)グレーン」「ブレンデッドウイスキー」の5種に分類されることも特徴です。

 

また、「アイラ」「アイランズ」「キャンベルタウン」「スペイサイド」「ハイランド」「ローランド」と6大産地に分けられ、ピートが効いたアイラ、優雅な香りのスペイサイドなど、地域ごとに風味のキャラクターが異なることもスコッチの魅力です。

↑“アイラモルトの王者”の異名をもつ「ラフロイグ」

 

■ モルティかつクリアな味わいの「アイリッシュ」

ウイスキー発祥地説をスコットランドと二分し、かつて世界一の生産量を誇ったのがアイリッシュウイスキーです。主な定義としては、穀物類を原料とし、麦芽に含まれる酵素によって糖化させて酵母で醗酵。木製樽に詰め、アイルランドまたは北アイルランドの倉庫で3年以上熟成させることです。

↑1608年創業といわれる、アイリッシュウイスキー最古の蒸溜所のひとつがブッシュミルズ蒸溜所。その代表銘柄が「ブッシュミルズ ブラックブッシュ」

 

分類としては、「シングル(ピュア)ポットスチルウイスキー」「モルトウイスキー」「グレーンウイスキー」「ブレンデッドウイスキー」の4種類。

 

なかでも伝統的なアイリッシュウイスキーといえるのが「シングル(ピュア)ポットスチルウイスキー」。モルトに未発芽の大麦やその他の穀物を原料とし、単式蒸溜機(ポットスチル)で3回蒸溜(他産地では2回が一般的)させます。こちらは穀物の風味が豊かかつ、雑味が少なくなめらかでクリアな味になることも特徴です。

 

香りが甘く力強い味わいの「アメリカン」

バーボンでもおなじみのアメリカンウイスキーですが、バーボンウイスキー=アメリカンウイスキーではなく、アメリカでつくられたウイスキーの総称が、字の如くアメリカンウイスキー。

↑スーパープレミアムバーボンとして名高い「ウッドフォードリザーブ」。毎年5月に開催される、権威あるケンタッキーダービーのオフィシャルバーボンとしても有名です

 

主な定義は、穀物類を原料とすること、アルコール度数40%以上で瓶詰めすることなどがありますが、最も特徴的な定義は、内側を焦がしたオーク材の新樽で熟成させること(ただしコーンウイスキーは不要)です。新樽熟成であるため香りが甘く豊かで、味わいが力強いこともアメリカンウイスキーの特徴といえるでしょう。

 

原料などによって種類も様々。「バーボンウイスキー(コーンを51%以上使うなど)」「コーンウイスキー(コーンを80%以上使うなど)」「ライウイスキー(ライ麦を51%以上使うなど)」があり、また、バーボンウイスキーと原料や製法はほぼ一緒でも、テネシー州産かつチャコール・メローイング製法(炭濾過工程)でつくられるものはテネシーウイスキーと呼ばれます(代表的な銘柄は「ジャック ダニエル」)。

↑テネシーウイスキーといえば「ジャック ダニエル」。2023年は缶入りカクテル「ジャックダニエル&コカ・コーラ」の日本発売でも話題になりました

華やぐ香りとライトな酒質の「カナディアン」

香り高く軽やかな味わいを特徴とするのが、カナディアンウイスキー。1776年のアメリカ独立宣言後、それを嫌った一部のイギリス系農民が五大湖周辺で穀物栽培を始めたことがきっかけといわれています。

↑カナディアンウイスキーの代表格が、「C.C.」の愛称で親しまれる「カナディアンクラブ」。写真の「カナディアンクラブ 20年」は良質のオーク樽に20年以上熟成させた、ふくよかなコクが特徴

 

定義は、穀物を原料に麦芽などで糖化し、酵母などによる発酵後に蒸溜すること。そのうえで700リットル以下の木製容器で3年以上熟成させ、糖化、蒸溜、熟成はカナダで行うことなどです。

 

主な種類は3つ。ライ麦、コーン、ライ麦モルト、大麦モルトを原料にアルコール分64〜75%程度で蒸溜した「フレーバリングウイスキー」。主原料にコーンを用い連続式蒸溜機でアルコール度数95%以下で蒸溜した「ベースウイスキー」。そして、この両者を1:9〜3:7の比率でブレンドした「カナディアンブレンデッドウイスキー」です。

 

優雅でたおやかな「ジャパニーズ」

ジャパニーズウイスキーの主な定義は前述した通りですが、スコッチに学びながら独自の進化を遂げ、多彩ではっきりとした四季が生み出す日本ならでの繊細かつ華やかな香り、たおやかな深み、美しい調和を感じられることが味わいの魅力といえます。

↑“日本の四季、日本人の繊細な感性、日本の匠の技を結集したウイスキー”がコンセプトのブレンデッドウイスキー「響」

 

分類は、「モルトウイスキー」「グレーンウイスキー」、その両者をブレンドした「ブレンデッドウイスキー」の3種。また、東アジアの代表的な樹種であるミズナラの樽を他国より積極的に使うことも特徴といえるでしょう。

右端のゴールドラベルがイチローズモルトの「ミズナラウッドリザーブ」。なお、ミズナラ樽は戦中戦後に洋樽の輸入が困難になったため、山崎蒸溜所が起用したことがきっかけといわれています
↑右端のゴールドラベルがイチローズモルトの「ミズナラウッドリザーブ」。なお、ミズナラ樽は戦中戦後に洋樽の輸入が困難になったため、山崎蒸溜所が起用したことがきっかけといわれています

 

躍進の“侍スピリッツ”、その理由は?

ジャパニーズウイスキーの歴史は五大ウイスキーのなかで最も浅いものの、近年、世界的な評価はきわめて高く、注目の的となっています。その最大の理由は、やはりおいしさ。実直に品質向上への飽くなき探求を続けていった結果、味のクオリティが高まっていったといえるでしょう。

 

自国におけるウイスキー文化の醸成とともに、飲み手の嗜好性も高くなったこと、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)が大きな起点と言われる食のグローバル化など、ジャパニーズウイスキーがおいしく進化した背景にはいくつかの事象がありますが、エポックメイキングな出来事のひとつは国産シングルモルトの誕生です。

↑1824年に英国政府公認蒸溜所の第1号となり、“はじまりのシングルモルト”として知られる「グレンリベット」。また、1963年に初めて世界に向けてシングルモルトを発売したブランドは「グレンフィディック」(創業は1887年)です

 

日本初のシングルモルトは、いまはなき軽井沢蒸留所(当時は三楽オーシャン<現・メルシャン>が運営)が1976年に発売した「軽井沢」。その後1983年のピークを境に日本のウイスキー消費量はダウントレンドになっていきますが、この受難の時代に生まれたのが1984年デビューの「サントリーシングルモルト山崎」(当時の名称は「サントリーピュアモルトウイスキー山崎」で、12年熟成)です。

↑「サントリーピュアモルトウイスキー山崎」が発売された当時の広告。“なにも足さない。なにも引かない。”がキャッチコピーでした

 

その後1989年には「シングルモルト余市」と「シングルモルト宮城峡」(ともに12年熟成)が、1994年には「サントリーシングルモルト白州」(当時の名称と熟成年数は山崎と同様)が誕生します。

 

加えて、1990年代後半から世界的にシングルモルトブームが到来。その根幹をたどると、1988年に当時の英国洋酒最大手、ユナイテッド・ディスティラリーズ社がシングルモルトコレクション「クラシック・モルトシリーズ」を発売したことがきっかけといわれています。

 

これによって、ブレンデッドウイスキーより希少なシングルモルトに注目が集まるとともにファンが増加。加えて2000年代以降にはインド、中国、台湾といった新興国が豊かになり始め、飲み手も急増していきます。こうして世界的に盛り上がるなか、日本のシングルモルトも着実にクオリティを高め、2003年にはISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ。世界でも権威ある酒類国際品評会)で「サントリーウイスキー山崎 12年」が日本で初めてウイスキー部門の金賞に。

↑山崎蒸溜所にある、山崎ウイスキー館にて

 

以降、ジャパニーズウイスキーは国際品評会の常連となり、2004年には「響 30年」が日本で初めてISCの最高賞にあたるトロフィーに輝いています(「響 30年」は2023年のISCでもトロフィーを受賞)。

 

具体的な論評例も紹介しましょう。ウイスキー評論の第一人者であるマイケル・ジャクソン氏はジャパニーズウイスキーの躍進をカリフォルニアワインに例え、「フランスにならったカリフォルニアワインのレベルは、本家を凌ぐレベルに達した。ジャパニーズウイスキーもしかりで、手本にしたスコッチを超えるほどの銘柄が生まれている」と賛辞を送っています。

 

先人から後進へと挑戦の大和魂を継承し、ともに成長

近年のムーブメントとしては、クラフトディスティラリーの躍進も見逃せません。そのパイオニアが2004年に創業し、蒸溜所を2007年に開設したベンチャーウイスキー(秩父蒸溜所。イチローズモルトで有名)です。同社が2005年に発売した「キング オブ ダイヤモンズ」は、創業間もない2007年に英国「ウイスキーマガジン」主宰のジャパニーズモルト特集で最高得点を獲得。以来、瞬く間に国際品評会の常連に。あらためて、ジャパニーズウイスキーの高い実力を世界に証明しました。

↑激レアなイチローズモルトのなかでも希少価値が高い、通称カードシリーズ。秩父蒸溜所にて

 

興味深いのは、ベンチャーウイスキーはときに先達に支えられながら成長し、その恩を返すかのように後進のサポートに積極的であること。こうした横のつながりも新興クラフトディスティラリーの励みとなり、高い志をもった蒸溜所が全国に続々誕生しています。

ベンチャーウイスキーの肥土伊知郎代表が公式に技術指導を行った蒸溜所が、北海道東部の厚岸(あっけし)蒸溜所。地元の風土を生かしつつ、アイラモルトのような酒質を目指した味は国内外で高い評価を得ています
↑ベンチャーウイスキーの肥土伊知郎代表が公式に技術指導を行った蒸溜所が、北海道東部の厚岸(あっけし)蒸溜所。地元の風土を生かしつつ、アイラモルトのような酒質を目指した味は国内外で高い評価を得ています

 

クラフトディスティラリー間の親交が深まるなか、日本でも積極的に行われるようになった取り組みのひとつが、蒸溜所同士の原酒交換です。スコッチでは伝統的だった文化ですが、コラボレーションはウイスキーファンにとってもうれしい話題といえるでしょう。また「ウイスキーフェスティバル」をはじめ、近年はイベントも盛んに行われるようになりました。

↑日本のクラフトディスティラリー同士で、初のコラボレーション商品を発売したのが富山の三郎丸蒸留所と、滋賀の長濱蒸溜所(写真。代表銘柄は「AMAHAGAN」)

 

ほかにも、原材料に米を用いたライスウイスキー(ライスグレーンウイスキー)が存在感を示したり、鋳造製ポットスチルを発明する蒸溜所(上記、三郎丸蒸留所)が現れたり、つくり手の増加は個性の多様化や日本独自の進化も促し、ますますジャパニーズウイスキーは面白くなっています。

 

次回は100年前の誕生から最新ムーブメントまで、ドラマチックで奥深い歴史を紹介します。

 

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右端のゴールドラベルがイチローズモルトの「ミズナラウッドリザーブ」。なお、ミズナラ樽は戦中戦後に洋樽の輸入が困難になったため、山崎蒸溜所が起用したことがきっかけといわれています 激レアなイチローズモルトのなかでも希少価値が高い、通称カードシリーズ。秩父蒸溜所にて ベンチャーウイスキーの肥土伊知郎代表が公式に技術指導を行った蒸溜所が、北海道東部の厚岸(あっけし)蒸溜所。地元の風土を生かしつつ、アイラモルトのような酒質を目指した味は国内外で高い評価を得ています

「エール」「ピルスナー」をブレンドした『アサヒ ザ・ダブル』全国のファミマで数量限定発売

アサヒビールはファミリーマートと共同開発したビール『アサヒ ザ・ダブル』を、全国のファミリーマートの酒類取扱店で10月24日から数量限定で発売。

 

 

『アサヒ ザ・ダブル』は、“華やかな香りが際立つエールタイプ”と“コク・キレのバランスが良いピルスナータイプ”の2種類のビールをブレンドした商品。コクと香りが調和したブレンドならではの味わいが楽しめます。

 

『アサヒ ザ・ダブル』は、アサヒビールとファミリーマートの共同開発商品として2018年から数量限定で発売。2023年10月の酒税税率改正で減税となり需要が高まっているビール市場において、“期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造”を目指しています。

 

・メーカー:アサヒビール

・商品名:アサヒ ザ・ダブル

・価格:350ml 204円(税別)/500ml 266円(税別)

 

ポートワイン樽でフィニッシュした革新的なバーボン「エンジェルズ エンヴィ」数量限定発売

サッポロビールは「エンジェルズ エンヴィ」を12月5日に全国で数量限定発売します。

「エンジェルズ エンヴィ」は、アメリカンウイスキーの伝統と歴史を尊重し大切にする一方で、革新的な新しい方法を模索し、限界に挑戦してつくりあげられたプレミアムバーボンウイスキー。世界的に権威のある2023年のサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(注1)で金賞を受賞しています。

 

焦がしたホワイトオークの新樽で4年から6年熟成させ、その後、2度目の熟成をポルトガルのドウロ地方のポートワイン樽で最長6か月間行っています。2度の熟成により、親しみやすい風味を保ちつつ、奥行きのある味わいになっています。

(注1)2000年に創設され、世界で最も権威のあるスピリッツコンペティションの1つ。

 

・メーカー:サッポロビール

・商品名 :エンジェルズ エンヴィ

・参考小売価格:1万880円(税抜)

レモン丸ごと2個分の新「檸檬堂 鬼レモン」。溢れる果汁感と濃厚な味わいで秋の夜長の晩酌にもぴったり

日本コカ・コーラは10月23日、「檸檬堂 鬼レモン」をリニューアルし、全国発売を開始した。同商品は、「こだわりレモンサワー檸檬堂」の人気フレーバーのひとつで、リニューアルした新商品は、レモン丸々2個分を使用した「檸檬堂」史上最高濃度の果汁21%という溢れる果汁感と濃厚な味わいが特徴だ。また、発売を記念して、「鬼・檸檬堂通り」を浅草に10月29日まで期間限定で開催する。

 

10月20日に行われた同商品の記者説明会では、新しくなった味わいのポイントやこだわりが語られたので、早速紹介しよう。

 

レモン丸ごと2個分の果汁を使用! さらに贅沢になってリニューアル

↑10月23日から全国発売中のリニューアル「檸檬堂 鬼レモン」。従来商品のレモン1.5個分から丸ごと2個分へと果汁感がアップした

 

2018年から2019年にかけてRTD市場にはレモンサワーブランドが登場しはじめ、「檸檬堂 鬼レモン」も2019年に登場した。さまざまなレモンサワー商品が増え市場が成熟期を迎えるなか、同社では「新しいおいしさ」「新しい驚き」を提供したいと開発を進めて来た。そうして生まれたのが、今回リニューアルした「檸檬堂 鬼レモン」。

 

リニューアル最大のポイントは、檸檬堂史上最高濃度となる21%レモン果汁を使用していること。これはレモン丸々2個分に相当する果汁量だ。アルコール度数も従来商品の9%から7%に変わった。同社 マーケティング本部 アルコールカテゴリー ブランドマネージャーの岸田卓真氏は「自宅での食事やリラックスしたいシーンをはじめ、さまざまなシーンにおいて楽しんでもらえる “ほど良い度数” として7%を採用しました」と、飲みやすさへのこだわりを語った。

↑日本コカ・コーラ マーケティング本部 アルコールカテゴリー ブランドマネージャーの岸田卓真氏

 

アルコール度数を7%にした狙いには、新たなターゲットとして、まだあまりお酒を試したことのない若年層へのアピールもある。「もちろん、お酒好きの方にも楽しんでいただける、飲みやすさと飲みごたえが両立した7%です」と語った岸田氏。さらに、バランスの良いおいしさにもこだわったという。同商品はこれまで同様、焼酎を飲む方法のひとつ「前割り焼酎」をヒントに、丸ごとすりおろしたレモンとお酒をあらかじめ馴染ませた「前割りレモン製法」を採用。レモン丸ごと2個分のジューシーな甘酸っぱさと、程良い飲みごたえの絶妙なバランスよって実現した濃厚な味わいは「本当においしいです」と岸田氏は自信を覗かせた。

↑リニューアルした「檸檬堂 鬼レモン」3つのポイント

 

「気温が低くなってくるこれからの季節には、さっぱり風味の鍋に濃厚な『鬼レモン』を合わせるなど、料理との組み合わせも楽しんでいただきたいです。レモンサワーファンの方に、これからもおいしさや楽しさを提供し続けていけるよう、今後も新しいアイデアを企画していきたいと思っていますので、ぜひご期待ください」(岸田氏)

 

同日からは、新パッケージ「檸檬堂 すっきりレモン」も発売中。ラインナップはいずれも350ml(160円)と500ml(210円)。

※ 価格はすべて税別

 

10月29日まで、「鬼・檸檬堂通り」in浅草を開催中

↑鬼・檸檬堂通り」in浅草の会場イメージ

 

リニューアルした「檸檬堂 鬼レモン」の発売を記念し、同社は「鬼・檸檬堂通り」in浅草を浅草六区ブロードウェイにて10月29日まで開催中だ。「檸檬堂」カラーの提灯やゲート、櫓が置かれた会場では、ここでしか味わえない「檸檬堂」オリジナルメニューも販売されている。さらに、「檸檬堂 鬼レモン」の大試飲会も開催。開催日時は、10月28日と29日 13時~21時まで。提灯の仄明かりに照らされながら「檸檬堂 鬼レモン」を片手に過ごす、そんな秋の夜長を過ごしてみるのはいかがだろうか。

 

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ヘビロテ確定!? 高田秋が話題の「ポン酢サワー」にハマる!

飲み歩き大好きモデル・高田 秋が「家飲み」を追求! 今月は、近年居酒屋などでメニュー化されるほど人気を博している「ぽん酢サワー」を作ってテイスティング。オススメの飲み方や、ペアリングは?

※こちらは「GetNavi」 2023年10.5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【12杯目】酸っぱさがクセになる! 大衆酒場でウワサのサワー作りに挑戦♪

 

↑焼酎の炭酸割りに、ぽん酢を入れれば完成。ぽん酢、焼酎、炭酸水のオススメの配合比率は、2:3:7だ。柑橘果汁と醸造酢による、爽やかな香りと味を楽しめる

 

秋冬は「鍋」にぴったり! 「ポン酢サワー」と「味ぽん」は相性最高!

「ぽん酢サワー 」を飲むのは今日が初。グッズのグラスを見た瞬間、かわいくてテンションが上がりました♡ 口を近づけたときに感じる香りが爽やかで、何にでも合うおいしさです! 決め手はお酢でしょうね。レモンサワーとはまた違うやさしい口当たりと爽快感が心地良くて、身体にも良さそう。

私は基本的には無糖派なんですが、これはガムシロップなどを入れるのもオススメ! 甘味が加わることでコクが出るので、甘党じゃない人もぜひ、騙されたと思って試してみて。

暑気払いはもちろん、お風呂上りや晩酌、パーティーなど、いろんなシーンに合いますね。爽やかなので夏向けと思われがちですが、オールシーズンイケる味。それこそ寒い日は炭酸割りじゃなく、お湯割りにしてもよさそう〜♪

おつまみは、「味ぽん 」をかけたくなる料理なら全部◎。私は「味ぽん」にごま油を足すのが好きで、お肉から野菜までいろんな料理に使っています。秋冬は「ぽん酢サワー」と鍋を合わせたいな♡ すごくおいしかったので、「ぽん酢」もヘビロテ確定です!

 

 

 

高田 秋●たかだ・しゅう…1991年9月23日生まれ、北海道出身。立ち飲み屋巡りが趣味で、唎酒師などの資格を持つ。「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)をはじめ、飲み歩き番組への出演も多数している。公式HPInstagramYouTube

 

文/中山秀明  撮影/千葉タイチ  ヘアメイク/Hitomi Haga  スタイリスト/江原優里

ジャパニーズウイスキー「白州」蒸溜所が50周年。現地取材でわかった見学ツアーの醍醐味と“森の蒸溜所”と呼ばれる理由

2023年はジャパニーズウイスキーが100周年を迎えて盛り上がっています。着工から100周年を迎えるサントリーの山崎蒸溜所と双璧をなす白州蒸溜所も、実は50>周年のアニバーサリー。施設のリニューアルが行われるとともに新たな見学ツアーの受付が始まりました。その概要や見どころを現地で取材してきたのでレポートしましょう。

↑山梨県北杜市にある白州蒸溜所。約82万平方メートル(東京ドームの約17倍)の広さがあり、その多くが森に囲まれています。写真は蒸溜棟のエントランス

 

白州は世界的にも稀有な蒸溜所

白州蒸溜所最大の特徴が、そのロケーション。海抜約700メートルの高さにあり、雄大な森に囲まれた立地は世界的にも珍しく、なおかつ敷地面積も実に広大。また、隣に「サントリー天然水 南アルプス白州工場」が設えられている(しかも無料で見学可能/事前予約制)という環境はきわめて希少といえるでしょう。

↑今秋新設された、ウイスキーと天然水、両工場のエントランスにあたるビジターセンターより。奥に見える山々は八ヶ岳です。なお「Sanctuary」(=聖域)とあるように、白州の森にはバードサンクチュアリがあることでも有名

 

「白州」とは、この蒸溜所のモルト原酒だけでつくられるシングルモルトウイスキーのこと。そもそもシングルモルトは、ブレンデッドウイスキー(モルトウイスキー原酒とグレーンウイスキー原酒をブレンドする)に比べて個性的な味が特徴で、その個性はいわば、“土地の個性”です。本記事のラストでテイスティングの模様をレポートしますが、この雄大な森をイメージさせる味わいこそ「白州」独自の個性であるといえます

↑ビジターセンターで存在感を発揮するのが、このジオラマ。手前が現在地とバードサンクチュアリ、中央部が蒸溜棟など、上部が樽の貯蔵庫や天然水の工場と、蒸溜所の全体像がわかるようになっています

 

なお、この先にあるのが見学エリアにあたる蒸溜所や天然水工場ですが、入場するには事前予約が必要となります。ただ、このビジターセンターまでは予約不要。旅行途中などにふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

↑ビジターセンターにはグッズなども充実。ウイスキーはありませんが、Tシャツ、グラス、おつまみなどが販売されています

 

ツアーは有料ながら金額以上の価値がある!

ここからは有料見学ツアーを紹介していきましょう。内容には希少な白州のテイスティングやオリジナルグラスの贈呈も含まれており、プライス以上の価値があることは間違いありません。ツアーは所要時間約90分で3000円(税込)の「白州蒸溜所 ものづくりツアー」と、約130分で5000円の「白州蒸溜所 ものづくりツアー プレミアム」を用意。ともにガイドが案内し、質問にも答えてくれます。

↑熟成中、樽からウイスキーが揮散して量が減っていく「天使の分け前(Angel’s share)」を解説するコーナー

 

「白州蒸溜所 ものづくりツアー」は、仕込槽、発酵槽、単式蒸溜器(ポットスチル)、樽の貯蔵庫など、製造の順を追って見学し、新設された「セントラルハウス」内のテイスティングルーム「バー 白州」で「サントリーシングルモルトウイスキー白州」と「白州森香るハイボール」のほか、希少なモルトウイスキー原酒も試飲できるという内容。

↑「セントラルハウス」には、より充実したギフトショップが併設。こちらには、「白州×スノーピーク」のチタンマグや、「響×バカラ」のロックグラスなどが販売されています

 

↑ギフトショップ。運がよければ「シングルモルトウイスキー白州」も購入できます

 
一方「白州蒸溜所 ものづくりツアー プレミアム」は、通常のツアーに加え、貯蔵庫内でのテイスティングや、これまで公開していなかったグレーンウイスキーの施設見学、樽詰め作業の見学などがプラス。また、テイスティングでは「白州12年」が試飲でき、グラスに加えグラスホルダーも持ち帰れます
 

五感で満喫できる見学ツアーの醍醐味

では、見学ツアーの一部を紹介しましょう。冒頭で触れた蒸溜棟に入ると、ウイスキーの原料を展示したコーナーが出迎えてくれます。その先には製造工程をプロジェクションマッピングとともに解説するコーナーとなり、ここだけでもつくり方の概要を学べます。

↑原料の展示では、麦芽は通常のタイプと、スモーキーな風味になるピーテッド麦芽が。そして、その燻香を生み出すピートも展示。このピートで麦芽を焚くと、ピーテッド麦芽になるのです

 

↑プロジェクションマッピングで解説される、仕込、発酵、蒸溜、貯蔵、ブレンドという流れ。その後、検査やボトリング、ラベリングなどを経て出荷されます

 

この発酵における白州蒸溜所の独自性は、すべて木桶を使っていること。木桶はステンレス槽に比べて洗浄や管理が大変ですが、保湿性の高い木を使うことで微生物がより活性化し、土地の個性が酒質にいっそう生かされるというメリットがあります。

↑ズラリと並ぶ木桶の発酵槽。この手前には麦芽と仕込水で麦汁をつくる巨大なマッシュタン(仕込槽。仕込釜や糖化槽とも)があります。室内には麦汁の甘い香りがぷんぷん漂います

 

↑木桶のなかで発酵される麦汁(もろみ)。発酵によりガスが泡立ってふくらむので、泡の勢いが強くなる発酵最終日(3日目)にはファンが回転して泡を打ち消します

 

■蒸留

お次は、蒸溜所のシンボルともいえる蒸溜室へ。ここにドーンと並ぶ巨大な釜がポットスチルと呼ばれる単式蒸溜器で、このなかにもろみを入れて蒸溜を行います。多彩な原酒をつくり分ける狙いがあるため、様々な形のポットスチルを使用することも特徴。

↑ポットスチルは銅製で、8基が対になった計16基が並んでいます。左の初溜釜でアルコール度数を20%程度まで上げ、さらに右の再溜釜で約70%まで濃度を高めていきます

 

■貯蔵(熟成)

そして、これまた見学のハイライトといえる、樽の貯蔵庫へ。見学できるのは巨大なラック式ですが、施設内には木製のラックで組み上げるダンネージ式という伝統的なウェアハウスもあります。

↑貯蔵庫。樽は大きさや材質も様々で、それらの違いがわかるように展示しているコーナーもあります

 

↑こちらは樽のリペアを紹介するコーナー。天面と底になる丸い部分が鏡板で、側面を形成する部分は側板(がわいた)、タガは帯鉄(おびてつ)といいます

 

ツアー参加しなくても場内見学を予約すれば博物館見学や有料試飲はOK

なお、有料ツアーに参加しなくても、前述の「セントラルハウス」やその横にある「ウイスキー博物館」は場内見学を予約(先着順)すれば無料で入館可能。また「セントラルハウス」内にはテイスティングラウンジがあり、ここでは「白州」ブランドをはじめ希少なウイスキーのテイスティングや、「サントリーシングルモルトウイスキー白州」と合わせたフードペアリングなどを楽しめます。

↑テイスティングラウンジは券売機で注文し、セルフサービスで気軽に楽しめます

 

↑ラウンジ内のカウンター。バックには緑生い茂る白州の森が広がります

 

「ウイスキー博物館」も学べる要素が満載。白州の歴史を映像や展示で知れるほか、日本初の本格ウイスキー「サントリーウイスキー(白札)」や、デビュー当時の「角瓶」「サントリーオールド」といった銘酒のボトルがズラリ。また、かつて稼働していたポットスチルやウイスキー樽なども展示されています。

↑「ウイスキー博物館」はサントリーの創業80周年を記念し、1979年に建設。シンボリックな屋根の形は、かつて山崎蒸溜所にあった麦芽乾燥塔「キルン」を模したものです

 

↑「白州」ブランドは、1994年に誕生。2024年で30周年を迎えます

 

バースプレイスで嗜む白州は森の妖精がくれた宝物

最後にあらためて、白州はどんな味わいなのかをテイスティングレビューとともにお伝えしましょう。まずは独自のレシピが存在する「白州 森香るハイボール」から。

↑「白州 森香るハイボール」

 

こちらは、仕上げに軽く叩いたミントの葉を入れることがポイントです。ほのかな甘みや酸味が浮かび上がり、やさしい燻香が調和します。まさにこの森を彩る若葉のような、心地いいフレッシュ感がたまりません。

 

そしてもう一杯は、今回の取材会で特別に提供された25年もの。これは香りからして堂々とした重厚感があり、赤身がかった琥珀色も円熟の極み! 干し柿やドライフルーツを思わせる果実味に、ダークチョコやバタースコッチのような深い甘みも印象的です。

↑「シングルモルトウイスキー白州25年」

 

濃密な甘さをフルーティーなニュアンスがエレガントに昇華。余韻にはスモーキーフレーバーをまとった果実味が長く続き、ひときわ贅沢な気分に。

 

世界的なシングルモルトブーム、ジャパニーズウイスキーブームによって「サントリーシングルモルトウイスキー白州」も人気ですが、それが、お膝元である白州蒸溜所の見学を予約すれば飲むことができます。アクセスはJR「小淵沢駅」から無料のシャトルバスも運行されているので、まずは公式サイトをチェックしてみてください。

↑博物館のすぐ近くには、2024年夏にオープンを控えるレストラン「フォレストテラス」が建設中

 

【PLACE DATA】

サントリー白州蒸溜所

住所:山梨県北杜市白州町鳥原2913-1
営業時間:9:30~16:30(最終入場16:00)
休館日:年末年始、工場
休業日(臨時休業あり)
アクセス:JR「小淵沢駅」から無料シャトルバスで約20分(運行していない時期、日程もあります)

https://www.suntory.co.jp/factory/hakushu/

撮影協力/松村広行

国産ホップを100%使用した「サッポロNIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」 数量限定発売

サッポロビールは、「サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」を11月28日に全国で数量限定発売。

 

 

 

「サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」は、北海道上富良野でホップの試験栽培を開始してから2023年で100周年を迎えることを記念して展開している、国産ホップを100%使用したサッポロNIPPON HOP(ニッポンホップ)シリーズの第4弾。

 

「フラノマジカル」はその名の通り、魔法のような鮮烈なトロピカルな香りが特長で、フルーティーな香りをもたらす成分の一つが世界最高レベル(注1)で含まれており、これまでの国産ホップの中でも極めて特長的な香りを持つ希少ホップ品種です。1990年代に選別の過程で一度落選していましたが、時代の移り変わりとともに、ホップの苦みだけでなく香りも重視されるようになり、その魅力的な香りとともに再発見されたストーリーを持つ奇跡のホップです。

 

「サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」は国産ホップ100%のうち、香りづけに上富良野産フラノマジカルを一部使用しており、魔法のように華やかさあふれる香りを感じられる味わいが特長です。

(注1)文献「Development of a flavor hop (Humulus lupulus L.) cultivar,‘Furano Magical’,with cones rich in 4‐methyl‐4‐sulfunylpentan‐2‐one」において(2023年6月現在)

 

・メーカー:サッポロビール
・商品名:サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル
・参考小売価格:オープン価格

 

アルコール分0.00%のビールテイスト飲料『アサヒ ゼロ』10月24日から近畿エリア先行発売

アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 松山一雄)は、脱アルコール製法で製造したアルコール分0.00%のビールテイスト飲料『アサヒ ゼロ』を10月24日から近畿エリアで先行発売します。

 

 

脱アルコール製法で“革新的なうまさ”を
アルコール分0.00%で実現

『アサヒ ゼロ』は、ビールを醸造した後、アルコール分を取り除く「脱アルコール製法」を採用し、アルコール分0.00%でありながら、本格的なビールの味わいと飲みごたえを楽しめるノンアルコールビールテイスト飲料です。
主力ビール商品より約2倍濃厚なビールを醸造し、脱アルコール工程を2回行いアルコール分を完全に取り除く“ブリューゼロ製法”を採用することで、ビールらしい“革新的なうまさ”をアルコール分0.00%で実現しています。

 

・メーカー:アサヒビール
・商品名:アサヒ ゼロ
・発売日:10月24日
・発売地区:近畿エリア(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県)
・価格:オープン価格

香りを楽しむ大人向けビール『アサヒ ザ・アロマイスト』「ASAHI Happy Project」にて11月20日まで限定発売

アサヒビールは、華やかな香りが特長のビール『アサヒ ザ・アロマイスト』(缶350ml×6本)を新商品のテスト販売サイト「ASAHI Happy Project」において1000セット限定で発売。

 

『アサヒ ザ・アロマイスト』は、上面発酵酵母と欧州産希少ホップ「カリスタ」を使用することで、華やかな香りが特長のビール。コリアンダーシード由来のスパイスを加えることで、すっきりとした爽やかな味わいに仕上げている。

 

「ASAHI Happy Project」は新商品を数量限定でテスト販売し、魅力的に思える商品の開発を目指すためのWEBサイト。購入者が商品の味やパッケージに関するアンケートに答えることで、顧客のニーズを把握し、今後の商品開発に生かしていく。

 

・メーカー:アサヒビール
・商品名:アサヒ ザ・アロマイスト
・発売品種:缶350ml×6本
・販売数量:1000セット(1セットあたり缶350ml×6本)
・販売期間:2023年10月2日(月)10:00〜2023年11月20日(月)17:00
・価格:2310円(税込・送料込)

ビールにおける“ホップ”の重要性は増しているのに…生産量半減の危機に瀕する国産ホップの今と解決への道筋は?

2023年10月に施行された酒税法改正からの値下げで盛り上がるビールの市場。そのビールの味を左右する原材料のひとつが、ホップです。ただ、このホップについてはよく知らない人も多いでしょう。そこで、今回はホップの種類や生産方法、日本の主な産地、国内ビールメーカー各社の取り組み、最新トレンドなどを解説していきます。

↑ホップはアサ科カラハナソウ属の多年草で、ハーブの一種。殺菌効果があるため、日本ではのど飴などにも活用されています。また、ユニークな例では今秋マクドナルドが限定発売した「N.Y.バーガーズ」のバンズにも

 

香りや苦みを生み、腐敗から守るハーブがホップ

ホップの原産地は西アジアだとされますが、ヨーロッパに伝来したのは8世紀半ば。ただ、この時点では栽培だけだったようで、ビールに使用したという正確な記録は残っていません。

↑毬花と、それをむいた根本。黄色い粒状の樹脂が、ビールの苦味や香りの元になる成分を含む「ルプリン」です

 

ビールの誕生は紀元前数千年までさかのぼるといわれ、ホップの登場前からビールには、「グルート」と呼ばれる調合したハーブが香り付けに使われていました。ホップを使ったビールの記録として有名なのは、12世紀初頭の修道院における書物。少なくともこの時代には、ホップがビールに使われるようになっていたといえるでしょう。

↑より有名な文献が、1516年にドイツで制定された『ビール純粋令』。「ビールは、麦芽、ホップ、水、酵母のみを原料とする」という法律で、日本でこの純粋令に則った代表的な銘柄がヱビスビールです

ホップを使う理由は、果実や香草を思わせる芳香や爽快な苦みをまとわせるため。また、泡立ちを良くしたり、菌の繁殖を抑える防腐剤としても重宝されます。

 

後者の“腐敗を防ぐ”目的に起因して生まれた有名なビアスタイルが、苦みの強い「IPA(インディア・ペールエール)」。18世紀にイギリスからインドまでペールエールを運ぶ際、腐らないようホップを大量に使って仕込んだことから生まれたとか。

↑イギリスで生まれた進化型IPAの代表格が、ブリュードッグ「パンクIPA」。日本で紹介された当初は、一般的なIPAで使うホップの40倍以上の量を使うことが謳い文句でした

 

代表的なホップ品種や日本の取り組みを解説

個性的な香りや苦みを放つIPAは、やがてアメリカで大ブレイク。これが近年のクラフトビールムーブメントのきっかけになり、アメリカを中心に世界中でホップの品種開発も盛んになります。

↑米国NY発のカリスマ、ブルックリンブルワリーのIPAといえば「ブルックリンディフェンダーIPA」。ホップには「Cascade(カスケード)」や「Simcoe(シムコー)」「Amarillo(アマリロ)」などが使われています

そのため、クラフトビール界におけるスターホップもアメリカ産が多め。特に有名なのは、「3C」と呼ばれる「Cascade」「Centennial(センテニアル)」「Columbus(コロンブス)」(あるいは「Chinook・チヌーク)」と頭文字に「C」が付く3品種。グレープフルーツを思わせる柑橘系のアロマとビターな刺激が特徴です。

 

一方で、日本におけるホップ生産は後継者不足などによって栽培面積や収穫量が減少しています(2008年→2022年の14年間でおよそ半数以下に)。ただ、ビールメーカーのCSV活動や、近年のクラフトビール人気にともない、造り手が地元産にこだわった「テロワール型ホップ」(筆者による造語)の需要増によって巻き返しがはかられている側面も。

↑キリンビールは2007年から、ホップ名産地である岩手県遠野市を支援。生産者をはじめ、国産ホップを盛り上げる取り組みに力を入れています。加えて、遠野産ホップを使った「一番搾り とれたてホップ生ビール」は2004年から毎年期間限定で販売

また、近年はフレッシュホップ(乾燥させ固めたペレットホップではなく、毬花<きゅうか・まりばな>を生もしくは冷凍させたホップ)を使ったビール造りが年々盛んになっているうえ、「フレッシュホップフェスト」という祭典も開催されています。

↑「フレッシュホップフェスト 2019」のキックオフイベントにて。ホップは8月末~9月が収穫期となるため、イベントはそこから仕込みなどを経て例年秋に開催されます

同イベントは2023年から「クラフトビール ジャパンホップフェスト」に改称され、メインイベントは代官山の「スプリングバレーブルワリー東京」で10月21日、22日に開催されます。

↑「クラフトビール ジャパンホップフェスト 2023」は9月1日~11月30日で開催しており、イベントは代官山で開催(写真は提供されるビールと料理の一例)

 

世界に存在するホップは300品種超

なお、世界中のホップ品種は300を超えるといわれており、日本原産のホップも存在します。伝統的な品種には「信州早生(しんしゅうわせ)」や「かいこがね(甲斐黄金)」があり、遠野では「信州早生」から派生した2種を組み合わせた「IBUKI」や、キリンビールOBのホップ博士・村上敦司さんが育種した「MURAKAMI SEVEN」が多く作られています。そして、世界的にも有名で個性的な日本原産ホップといえば「ソラチエース」。

↑前述のブルックリンブルワリーが惚れ込み商品化した「ブルックリンソラチエース」と、「ソラチエース」の生みの親である、サッポロビールの「SORACHI 1984」

 

日本産ホップに共通する香りの特性は、上品でどこかオリエンタルなニュアンスをもっていること。米国産を代表するホップのような派手さは控えつつも、いぶし銀的な香りを放ち、例えば「MURAKAMI SEVEN」には温州みかんのように和やかな柑橘香が、「ソラチエース」には、ひのきやレモングラスを思わせる個性があります。

 

トレンドは「日本産」や「フレッシュホップ」だが……

ビール大手メーカーでは前述したキリンビールとサッポロビールのほか、アサヒビール、サントリー、オリオンビールもホップ生産や支援を行っており、規模の大小はあるものの北海道から沖縄まで栽培自体は行われています。ホップ栽培は雨の少ない冷涼な気候が適しているといわれますが、沖縄での初収穫は2022年のことであり、多方面での可能性が期待されているといえるでしょう。

 

また、東京では武蔵野市や三鷹市、神奈川では横浜、川崎、湘南など首都圏の都市部でも、小規模ながらホップ栽培は拡大中。これらは主に、マイクロクラフトブルワリーの「テロワール型ホップ」にかける情熱から取り組まれているものですが、ホップは身近な存在になってきているのです。

↑ビアジャーナリスト協会代表であり、現在は京都府与謝野町に移住しホップ栽培にも尽力する藤原ヒロユキさん。西日本でテロワール型ホップ文化を牽引するひとりです

 

日本におけるクラフトブルワリーは年々増えており、その数はこの10年で約3.5倍の700か所以上に。付随してホップ栽培の熱も高まっており、「クラフトビール ジャパンホップフェスト」のイベントにおいても、参加ブルワリーは初回(2015年に開催された「第0回フレッシュホップフェスト」)の12ブルワリーから、2023年は20ブルワリーに増えています。

↑「クラフトビール ジャパンホップフェスト 2023」の代官山会場で提供されるビール一例。ブルワリーもビアスタイルも様々です

 

このように、ホップの主要なトレンドは「日本産」や「フレッシュホップ」であるといえるでしょう。とはいえ、まだまだ国産ホップの未来が明るいとは言い切れません。飲み手である私たちができることのひとつは、日本のホップを知って愛してビールを飲んだり、生産者を応援したりすることだと思います。

↑こちらは2022年版の「一番搾り とれたてホップ生ビール」。2023年版は11月7日から期間限定発売されます

 

何はともあれ、フレッシュホップを使ったビールはいまが旬! 缶ビール以外にも、瓶やクラフトビアバーにおける樽生で味わえる場合もあるので、ぜひこの機会にチェックしてみてください。

 

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サントリー「ほろよい」ブランドから「クリームソーダサワーメロン」「クリームソーダサワーいちご」が期間限定新発売

サントリーは、「ほろよい〈クリームソーダサワーメロン〉」「同〈クリームソーダサワーいちご〉」を12月5日(火)から全国で期間限定新発売。

 

「ほろよい」ブランドは、やさしい味わいで心地よく楽しめるアルコール度数3%のお酒として、2009年の発売以来、幅広い年代から支持されているロングセラーブランド。

 

今回発売する「クリームソーダサワーメロン」は甘く爽やかなメロンソーダに濃厚なクリームの風味を加え、メロンクリームソーダを思わせる懐かしい味わい。一方「クリームソーダサワーいちご」はいちごの甘酸っぱさにクリームの風味がふんわり感じられる、いちごクリームソーダを思わせる味わいに仕上がっています。

 

■メーカー:サントリー
■商品名:ほろよい〈クリームソーダサワーメロン〉・ほろよい〈クリームソーダサワーいちご〉
■希望小売価格:148円(税別)

 

 

非公開部まで潜入! 操業50周年の「富士御殿場蒸溜所」でキリンのウイスキーづくりの真髄を見た

2023年4月に「キリンはウイスキーも凄いって知ってる?」という記事で、操業50周年を迎える富士御殿場蒸溜所について触れましたが、先日、現地取材を敢行。同蒸溜所では要予約の有料見学ツアーも開催されていますが、この記事ではそれ以上の内部情報や、ウイスキーづくりにまつわる裏話などもお届けします。

 

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キリンはウイスキーも凄いって知ってる? 50周年でいよいよ始まる攻めすぎ戦略が明らかに!

 

↑最寄りのJR御殿場駅。今年6月10日には、富士御殿場蒸溜所が寄贈したポットスチル(単式蒸留器)が設置されました。ここから無料シャトルバスも運行されているので、ぜひご利用を

 

富士御殿場蒸溜所の独自性とは? 見学ツアーで体験できること

富士御殿場蒸溜所は操業50周年の長い歴史を持っていますが、注目すべきポイントはその設備にあります。モルト原酒(大麦麦芽が原料)をつくるポットスチルはもちろん、グレーン原酒(原料は大麦麦芽に限らない)をつくる蒸留器も備えています。しかも、富士御殿場蒸溜所にはそのグレーン用蒸留器が3種も設置されており、これはきわめて珍しいことです(基本的には、あっても1種)。

↑一般的な連続式蒸留器(の一部)。「マルチカラム」と呼ばれるタイプで、軽やかな味わいのグレーン原酒を生み出します。他の2種は後述

 

ポットスチルとグレーン用蒸留器の併設だけでも珍しいのですが、さらに、仕込みから熟成、瓶詰めまでも一貫して実施するというのは世界的にも稀。こうした設備で、霊峰・富士の伏流水によるマザーウォーターからつくりだされるのが「富士」ブランドをはじめとする同社のウイスキーで、この味わいが国際的な高評価を受けているのです。

↑エントランスからシアタ―までの通路には様々なコンペで授賞したウイスキーが。例えば「キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士」は、2022年11月にNYの洋酒コンペ(NYISC)でJapan Whiskey of the Yearを受賞しています

 

見学ツアーで体験できること

通常の見学ツアーでは、シアターの動画で概要を学び、ポットスチルを直接見学(グレーン用蒸留器は映像で見られます)。移動途中では、ウイスキーの原料となる麦芽やピート(後述)なども見られます。その後、多彩な原酒をつくり出すため2021年に新採用した木桶の発酵槽を見学し、パッケージングを行うラインへ。

↑ピート(泥炭)。こちらを焚いて麦芽を乾燥させることでスモーキーフレーバーが生まれますが、焚いた麦芽を使うかどうかは国や蒸溜所の考え方、銘柄などによって様々です

 

↑木桶の発酵槽は自生の乳酸菌が働くため、ステンレスタンクを使用して酵母のみで発酵させる製法とは異なった味わいになるのが特徴

 

最後は「キリン シングルグレーンウイスキー 富士」と「キリンウイスキー 陸」をテイスティング。限定ウイスキーや、オリジナルグッズを多数そろえるディスティラリーショップを経て、見学ツアーは終了という流れです。五感をフルに使って体験できる、充実した内容だといえるでしょう。

↑ディスティラリーショップ。こちらはツアーに参加していなくても自由に出入りでき、テイスティングコーナーでは蒸溜所限定販売ウイスキーなどを有料で試飲できます

 

普段は非公開の蒸溜所内部へ!

ここからは改めて、今回取材した内容について紹介していきましょう。まずはその雄大なロケーションから。特別に蒸留塔の5階展望台に案内いただき、ここが確かに富士山麓にある蒸溜所であることを確認。この日は猛暑でしたが、年平均気温は13℃と穏やかであることに加え、年間通して幾度となく霧が発生する、ウイスキー製造には最適な環境となっています。

↑夏は雲が多く、富士山の全景を観ることはなかなか難しいとか。ちなみに、蒸溜所が位置するのは標高600m強

 

一般見学者が入れる事務棟の屋上は634mで、東京スカイツリーと同じ高さです

 

モルト原酒は、前述したようにポットスチルによって生み出されます。ポットスチルとは一般的に初留用と再留用の2基を1セットで導入するもので、富士御殿場蒸溜所では計3セット6基が稼働。それぞれ大きさや形状が異なり、大きいタイプの1セットは操業開始時から稼働していたものを、老朽更新のため2023年に交換したものです。それもあって、稼働してまだ1か月程度のピカピカなポットスチルも目にすることができました。

↑右が新顔のポットスチルで、左はそれに先立ちに導入した小型のポットスチル。どちらも銅製かつ、メイドインジャパンです

 

次はいよいよ、“うまみ3兄弟”と呼称するほど多彩なグレーン原酒をつくりわけられる、世にも珍しい蒸留器が3基設置されているグレーン蒸留室へ。そのうちのひとつマルチカラム蒸留器(前述)は、蒸留室の2階から5階までを縦貫して設置されており、巨大すぎて近くからでは根元の一部しか視界に入りません。

↑グレーン蒸留室2階。マルチカラム蒸留器の根本の部分などが見えます

 

そして蒸留室1階にあるのが、特に珍しい2基。ミディアムタイプのグレーン原酒を生み出す「ケトル蒸留器」と、ヘビータイプのグレーン原酒を生み出す「ダブラー蒸留器」です。前者はカナディアンウイスキーの製造で、後者は主にアメリカのバーボン製造で使われる蒸留器です。

↑グレーン蒸留室1階。右がケトル蒸留器で、左がダブラー蒸留器

 

↑どちらにも「検定年月日 48.11.5」と書かれたパネルが。この48は昭和48年=1973年のことであり、つまり50年前ということです

 

樽熟成に関する設備もじっくり取材

ウイスキーに欠かせない樽熟成。この日はその一連の設備も見せてもらいました。まずは樽詰めの工程から。ここでは原酒の入った樽に栓をし、離れにある熟成庫に運ぶためトラックに乗せていきます。

↑樽の材質はほとんどがアメリカンホワイトオーク。満タンになった樽は1丁約250kgにもなるので、運ぶ際には慎重さが求められます

 

↑最終的な閉栓(樽の開口部に栓を木槌で打ち込んで密閉する作業)は高度な技術がいるため、職人が手作業で行っています

 

熟成を終えた樽は老朽化が激しくない限り再利用されますが、メンテナンスが欠かせません。そこで重要なのが、組み直しなどのリペア。ここでも専門の職人が目を光らせ、手作業で樽を再生させていました。

↑釘などを一切使わず、木とタガのみで密閉させる樽は熟練の技術がないと組めません

 

樽詰めとリペアスペースの先にあったのは、熟成された原酒を樽から出すダンプトローフというセクション。ここで栓を開けて原酒をダンプトローフ(原酒回収槽)に受け、タンクへ。空になった樽は点検と、必要に応じてリペアを行い再び新たな原酒を迎え入れるのです。

↑ダンプトローフにて。右下の方は、富士御殿場蒸溜所 洋酒生産部の長藤健太部長代理。

 

↑上の写真で長藤さんの腕の下に見えていた黒く細かな木片は、樽の内側から剥がれ落ちた炭(樽の内側を焦がすことで、バニラなどの甘香ばしいフレーバーが生まれる)です

 

さて、蒸溜所の取材レポートと聞いてイメージするものといえば、ポットスチルと熟成庫でしょう。もちろん熟成庫も見させてもらいました。しかも、新旧大小3か所も。まずは70年代に建てたという、同蒸溜所で最古のNo.4熟成庫へ。ここでは数万の樽を保管し、熟成を進めているとのこと。

↑No.4熟成庫。さすが外観からも年季が入っていることがうかがえます

 

↑No.4熟成庫は圧巻のスケール! なお、ここに眠る最古の樽は70年代後半モノとのこと

 

次に見せてもらったのは、2021年に建て直して新しく生まれ変わった、自動ラック式のNo.3熟成庫(No.1と2は現存せず)。ここでも数万の樽を熟成させることができます。

↑No.3熟成庫はより巨大。コンピューターを駆使して管理されているのも特徴です

 

もちろん、古典的なダンネージ式(木のレールを介して樽を段積みする方式)の熟成庫もあります。それが最後に入ったNo.7熟成庫。ダンネージ式は高層ラック式ほど多くの樽を保管することはできませんが、形や大きさの異なる樽を保管することができるため、試験的にいろいろな樽を扱えるなどのメリットがあります。

↑こちらがダンネージ式。No.7熟成庫は比較的新しく、貯蔵スペースにもまだ余裕があるとのことでした

 

↑熟成庫の奥には、かつて使っていた試験蒸留用の小さなポットスチルも

 

ここではなんと、運よく原酒の試飲体験も。味わったのは、2013年に樽詰めしたグレーン。加水していない、アルコール度数53%の原酒でしたがカドは一切なく、味わいはスムースで伸びやか。

↑普通は出回らない、ここだけの希少なシングルグレーン。ありがたや~

 

スコッチウイスキーの世界では、グレーン原酒はモルトの個性をやわらげ飲みやすいブレンデッドウイスキーをつくる引き立て役に思われがち(スコッチにおいては、モルトを“ラウドスピリッツ”、グレーンを“サイレントスピリッツ”と表現することも)ですが、この味はもはや主役の存在感。富士御殿場蒸溜所の底力に圧倒されました。

↑異なるライトタイプの樽出しグレーンも嗜む程度にテイスティング。こちらはさらに強いアルコール度数63%でしたが、甘い余韻が長くて心地よく、実にラウドな味わいでした

 

なお、樽熟成に関しては「マチュレーションピーク」という哲学で行っていることも、富士御殿場蒸溜所ならではです。これは、単に“熟成年数が長いこと”を重視するのではなく、“原酒本来の持ち味が最もよく現れるピークのタイミング”を重視してブレンドする考え方。あらかじめ何年後にピークをもってくるのかを計算して仕込みを行い、官能評価も定期的に行っています。

 

50年前の原酒を使った限定ウイスキーの味

蒸溜所内の各現場を取材した最後は、再び事務棟へ。待っていたのは、実際に商品化されている様々なウイスキーのテイスティング体験でした。

↑計5種のウイスキーを飲み比べ

 

まずは、デイリーウイスキーに最適な「キリンウイスキー 陸」。ほのかな甘い香りと澄んだ口当たりが特徴であるほか、同価格帯のグレードでは珍しいノンチルフィルタード製法(冷却ろ過をしないので原酒本来の味が凝縮)を採用し、アルコール度数は50%という個性派です。

↑ストレートやロックはもちろん、ハイボールにも。「キリンウイスキー 陸」1に対し炭酸水5がオススメです

 

次は「キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士」。前述したグレーン原酒のみをヴァッティング(同種類のウイスキー原酒を混ぜ合わせること)した一本で、優しくほんのりとした甘さ、伽羅(きゃら)などの香木を思わせるアロマ、ウッディでスパイシーな余韻が特徴です。

↑「キリン シングルグレーンウイスキー 富士」は、ラストに伸びるマスカットのような果実味が印象的でした

 

続いて、「キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士」、「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」と試飲。前者はりんごや洋なしのような果実味とモルティな香ばしさ、後者はアプリコットやはちみつを思わせる甘やかなフレーバーとバニラのニュアンスを強く感じました。

↑「キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士」は、今年5月に発売となった、待望の通年シングルモルト。とろりとした口当たりや、甘く複雑で熟成感あふれる香味が魅力です

 

最後は、数量限定で瞬く間に完売した「キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Edition」を特別にテイスティング。こちらは操業開始の1973年ものをはじめ、1970年代から2010年代まで各時代の原酒をヴァッティングした希少酒です。味わいは、熟したパイナップル、キャラメル、チョコレートといった多彩でコク深い果実味や甘みが、ほのかなピート香と調和した複雑かつ優美なハーモニー。

↑「キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士 50th Anniversary Edition」は5月23日にディスティラリーショップとキリン公式ECサイト(DRINX)で発売されましたがすぐに完売(DRINXでは抽選販売)。蒸溜所ではディスティラリーショップで同商品を購入しようと、当日早朝から300人ほど行列ができたとか

 

キリンディスティラリー社長が語る、これまでとこれから

テイスティング後は、キリンディスティラリーの押田明成社長も登壇。50周年を迎えた思いや、展望についても語ってくれました。

↑押田明成代表取締役社長。富士御殿場蒸溜所の工場長も兼任しています

 

「日本のウイスキー市場は1983年のピークから徐々に冬の時代を迎え、1990年代から2000年代後期のハイボールブームになるまでほぼ右肩下がりが続きました。私の入社はその最中の1994年。ウイスキーをつくりたくて猛勉強して入社したのですが、当初はずっと清涼飲料や酎ハイをメインにつくっていました。『もう、胸を張ってウイスキーをつくることはないんだな』とも思いましたね。

 

ところが、いまでは風向きが変わり、日本のウイスキーは国内外で高い人気を集めるほど復活を遂げています。私もウイスキーづくりにまい進できるようになりました。私たちの強みは、仕込みから熟成、ボトリングまで“オール富士”であること。世界に誇る富士の大自然と、マスターブレンダーの田中城太をはじめとする一流のクラフトマンが揃っています。ぜひ世界中の方々に知っていただくとともに、クリーンでエステリーな味を堪能いただけたらと思います」(押田社長)

↑いずれもエステリーな味わいをもつ、富士御殿場蒸溜所でつくられる商品の数々。エステリーとは、果実や花を連想させる、華やかで甘い香味のこと

 

富士御殿場蒸溜所が目指すウイスキーは「クリーン&エステリー」と表現されます。それは、世界のウイスキーづくりの技術と日本人の感性をかけ合わせ、スコッチでもバーボンでもない、日本人の嗜好や食文化に合う味わい。ここに来れば、よりその魅力を五感で体験できるでしょう。

 

【施設概要】

キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所

住所:静岡県御殿場市柴怒田970
休館日:月曜(祝日の場合は営業、次の平日が休館)、設備点検日、年末年始
アクセス:JR御殿場駅から無料シャトルバスで約20分

プレモルの”ホップセレクト”第二弾「華やぐハラタウブランホップ」数量限定新発売

サントリーは、「ザ・プレミアム・モルツ ホップセレクト 華やぐハラタウブランホップ」を11月14日から数量限定新発売。

 

「ザ・プレミアム・モルツ」は、高品質で香り高い欧州産ファインアロマホップの使用や天然水醸造など、素材・製法に徹底的にこだわっています。2023年2月には時代に合わせた“新プレミアム創造”を目指し、中味・パッケージを刷新。「磨きダイヤモンド麦芽※」を一部使用することで、“華やかな香り”“深いコク”がより上質に、一層鮮やかに進化しました。

※穀皮を除去し、コクに寄与するたんぱく質を多く含むダイヤモンド麦芽

 

今回の「ザ・プレミアム・モルツ ホップセレクト 華やぐハラタウブランホップ」は、9月に発売した「ザ・プレミアム・モルツ ホップセレクト 清らかダイヤモンドホップ」に続き、香りに注目。白ワインのような香りが特長の“ハラタウブランホップ”を使用することで、気品のある華やかな香りと豊かなコクを楽しめる中味に仕上がっています。

 

■メーカー:サントリー
■商品名:ザ・プレミアム・モルツ ホップセレクト 華やぐハラタウブランホップ
■商品価格:オープン価格

創業155周年の浜田酒造が「うかぜ」で本格麦焼酎へ次なる挑戦! 4原酒をブレンドし“甘芳ばしさ” で新定番を目指す

浜田酒造(※「浜」は異体字)は9月26日に、本格麦焼酎「うかぜ」を発売した。4つの原酒をブレンドした “甘芳ばしさ” で、40~50代前半のミドル世代にアプローチ。新定番を目指していくという。本記事では、9月5日に開催された試飲会で味わってきた麦本来の味わいのレポートとともに、新商品の魅力をたっぷりお伝えしよう。

 

鹿児島の酒造メーカーとして「麦」焼酎市場への挑戦

↑9月26日から発売された本格麦焼酎「うかぜ」

 

浜田酒造(鹿児島県いちき串木野市)は、1868年に創業してから2023年で創業155年を迎えた。創業元年から続く伝統を守り続け、研さんと革新を積み重ねてきた同社は、国内外でも評価の高い老舗酒造メーカーだ。しかし、近年の焼酎業界は、芋焼酎の原料であるサツマイモ基腐病(もとぐされびょう)が広がっていることや少子高齢化、若者の酒離れなどを背景にした国内市場の縮小が影響し、厳しい環境が続く。そこで、同社は改めて「麦焼酎」の魅力を伝えるべく、麦焼酎市場へ更なる挑戦をすることを決めた。

 

これまでにも同社は、主力ブランド「隠し蔵」で2019年に「ロサンゼルス国際スピリッツコンペティション」における焼酎の最高賞である「Best of Shochu」を受賞。明治元年創業の伝統の蔵「伝兵衛蔵」の「甕貯蔵 兼重(麦)」が「令和4酒造年度鹿児島県本格焼酎鑑評会」の麦製部門において、最高賞である「総裁賞代表」を受賞するなど、国内外で高い評価を得てきた。そして、2023年2月には、焼酎エントリー層向けのボタニカル系麦焼酎「CHILL GREEN spicy&citrus」を発売。香辛料「マーガオ」で香り付けをした新感覚の麦焼酎として、20~30代の女性を中心に人気を集めているという。

 

これに続き今回、40~50代前半をターゲットに本格麦焼酎「うかぜ」(アルコール分25度/1.8L 2195円/900ml 1166円、いずれも税込み)を発売。

 

高いブレンド技術で実現した本格麦焼酎で “新定番” を目指す

本格麦焼酎「うかぜ」は、個性豊かな4つの原酒を1%単位の高いブレンド技術で調合。こだわりのブレンド比率を同社では「音楽に例えると四重奏。その名も『カルテットブレンド』です」と紹介。開発期間15か月、試作100パターンという開発過程を経て、スッキリとしていながらビスケットやパンを思わせる “甘芳しさ” と麦本来の味わいを実現した。

 

ブランド名の「うかぜ」は、「おおかぜ(大風)」を意味する鹿児島弁に由来し、 “鹿児島発の定番本格麦焼酎として大きな風を吹かす” という思いを込めているとのこと。

↑パッケージに配された、「うかぜ」の大きな特徴である「4つの原酒」をイメージしたデザイン。黄色は芳薫、茶色は樽熟、橙色は芳醇、青は淡麗。水彩のにじみで、絶妙に混ぜ合わせて調和する原酒を表現したという

 

本格麦焼酎好きが多い50代後半以上の世代はもちろん、1980年代前半に起こった第2次焼酎ブーム未経験の40~50代前半のミドル世代にもアプローチしていく。「自分たちの世代で作られた」という認識を持ってもらい、麦焼酎市場の “新定番” を目指すという。

 

4つの原酒の個性の調和が決め手。飲み方で変化する味わい

「うかぜ」にブレンドされている4つの原酒は「芳薫(ほうくん)原酒」「芳醇原酒」「淡麗原酒」「樽熟原酒」。試飲では、4つの原酒をそれぞれ味わうことができた。

↑「うかぜ」に使用されている個性豊かな4つの原酒

 

「芳薫原酒」は、芳ばしさを生成する独自の「ロースティ酵母」を使用しており、ビスケットやコーヒー、チョコレートのような芳ばしさが特徴だ。飲んでみると、麦らしいすっきりとした口当たりと、あとから鼻を抜ける芳ばしさを感じられた。「芳醇原酒」は、常圧蒸溜を採用することで豊かな香りを引き出した後、氷点下の中で雑味を取り除き滑らかな口当たりを実現。紅茶のような豊かな香りとスムーズな口当たりが特徴だ。雑味を取り除いただけあって、4つの中では最も癖のない味わいに感じられた。普段あまり焼酎を飲まない筆者にとっては、この「芳醇原酒」が一番飲みやすいと思えた。

 

「淡麗原酒」は、減圧蒸留を使って低温で蒸溜し、さらに冷却ろ過で瑞々しいフルーツの香りが表現されている。麦独特の甘みとまろやかさに、さらりとした飲み口が心地よい。馴染みのある味わいだと思ったのだが、それもそのはず。「淡麗原酒」は、一般的に流通している焼酎に最も近いタイプなのだという。そして、「樽熟原酒」は、オーク樽で約3年熟成させることにより、マイルドでコクのある味わいとほのかな甘みを感じられる琥珀色の原酒。バニラやはちみつのような香りも象徴的で、この原酒を使用することで全体のバランスがぐっと引き締まるのだそう。熟成による樽の風味はもちろん、甘みだけでなくコクもしっかりと感じられた。木の香りとバニラっぽい甘く華やかな香りの調和も素晴らしく、香りだけでも十分に楽しめる原酒だった。

↑試飲会で提供された4つの原酒と「うかぜ」。浜田酒造が言う通り、それぞれの個性豊かな味わいを楽しめた

 

もちろん、会場では「うかぜ」の試飲も堪能できた。飲み方は、お湯割り(5:5)と水割り(4:6)。お湯割りは甘く芳ばしい、麦のうま味を全体に感じられた。この甘芳ばしさには、焼き鳥や牛すじの煮込みなど、濃厚な味わいの料理が合うという。対して水割りは、フルーティで華やかな香りを感じやすくなる。すっきりとした甘さが冷たく喉を伝っていく爽快感は、残暑厳しいこれからの時期にもぴったりだろう。こちらは、淡泊な味わいの刺身やカツオのたたきなどとのペアリングがおすすめ。繊細な素材の味を壊すことなく絶妙にマッチするという。

↑「うかぜ」の水割り(左)とお湯割り(右)。さっぱりが好きなら水割り、こっくりが好きならお湯割りという印象だ。季節や料理に合わせて飲み分けるのも楽しそう

 

そのほか、炭酸割りやサワー、アルコ―ルが苦手な人にはお茶割りなど、多様なアレンジも楽しむことができる。

 

ライトユーザーからヘビーユーザーまで多くの人に楽しんでもらいたい、と「焼酎王国 鹿児島」から提案する “新定番麦” の「うかぜ」。麦焼酎業界に新しいムーブメントの風を吹かせるか、今後の「うかぜ」の動向からも目が離せない。

 

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お店の味わいを缶で楽しむ!「トリスハイボール缶〈新橋トリスバー監修 辛口ジンジャー〉」期間限定新発売

サントリーは、11月7日(火)から「トリスハイボール缶〈新橋トリスバー監修 辛口ジンジャー〉」を全国で期間限定新発売。

 

食事との相性の良さや、家庭でもおいしいハイボールが楽しめる手軽さが人気の「トリスハイボール缶」。

 

今回、期間限定発売する「トリスハイボール缶〈新橋トリスバー監修 辛口ジンジャー〉」は、2022年6月にオープンした「トリスバー新橋烏森口店」(以下「新橋トリスバー」)が監修。「新橋トリスバー」の人気メニューのような、ジンジャーエールの香りとライム浸漬酒の爽やかな味わいを缶でも楽しめます。

 

■「トリスバー新橋烏森口店」について

2022年6月、東京・新橋にオープン。1950年代に一世を風靡した「トリスバー」を現代版にアレンジされている。トリスハイボールに加え、同店でしか味わえないオリジナルハイボールも楽しめる。

 

■メーカー:サントリー
■商品名:「トリスハイボール缶〈新橋トリスバー監修 辛口ジンジャー〉」
■希望小売価格:167円(税別)

海が育んだスコッチ「タリスカー」は燻香と潮の香り漂うオンリーワンのウイスキーだ

世界的なウイスキーブームをけん引する、スコッチのシングルモルト。スモーキーな銘柄が多いアイラ島や、華やかな香味の名酒が揃う”スペイサイド”(ハイランド北東部のスペイ川流域)など、魅力的な6大産地のなかから、今回紹介するのは”アイランズ”の至宝「タリスカー」です。

↑1830年、日本では幕末を迎えた時代に誕生した「タリスカー」。定番がこの「タリスカー10年」で、参考小売価格は5850円(税別)

 

この記事では、同ブランドの限定商品発売に伴うテイスティングセミナーの様子とともに、ブランドの特徴や味わいなどをレポートしていきます。

 

アイランズのスカイ島が生んだ“酒の王者”「タリスカー」

スコッチ6大産地のひとつであるアイランズ(Islands)は、アイラ(Islay)島を除くスコットランドの北岸から西岸にかけて点在する6つの島々の総称。各島で環境が異なるため酒質の個性も様々で、アイランズモルトの全体的な特徴を語るのは難しいのですが、この多彩さこそがアイランズらしさだといえるでしょう。

 

そのなかでもミストアイランド(霧の島)と呼ばれ、荒天時には風も海も激しさを増す海洋性気候の島がスカイ島。このスカイはSky(空)ではなくSkyeと書き、ゲール語で「翼の(形をした)島」、あるいはヴァイキングが使っていた古ノルド語の「雲の島」が由来という説もあります。

↑絶えず海からの潮風に吹かれ続けるスカイ島。実にファンタジックでかっこいい名前ですよね

 

そんな同島において最も歴史が長いウイスキーの聖地が、タリスカー蒸溜所。ロッホ・ハーポートと呼ばれる入り江にあり、「TALISKER」と書かれた白亜の壁面と紺碧の屋根のコントラストが特徴です。

↑タリスカー蒸溜所。なお「Talisker(タリスカー)」とは、古ノルド語で「傾いた大岩」を意味する「Thalas Gair」が由来だといわれています

 

荒々しい海と共存し、雄大な自然と対話し続けてきた「タリスカー」のコンセプトは「MADE BY THE SEA」。表現されるテイストも海を感じさせる世界観で、ほんのりただよう潮の香り、ふくよかな甘みと力強いスモーキーさ、そして黒胡椒を思わせるスパイシーな余韻が特徴と評されます。

↑蒸溜所では形状の異なるポットスチルを計5基使用。ラインパイプの形や蒸気の冷却法などに独自の機構が採用されているのも特徴です

 

こうした味わいの魅力は、『宝島』や『ジキル博士とハイド氏』で知られる英国の文豪・スティーブンソンが”KING OF DRINKS(酒の王者)“と称賛したほど。筆者もあらためて、定番の10年からテイスティングさせてもらいました。

 

味わえばわかる、独自の個性と説得力のあるおいしさ

香りは、甘くエレガントなタッチのあとにビターオレンジのような柑橘感、そしてたくましい燻香と潮風のようにブルージーなニュアンスが印象的。口に含むとモルトの力強い味わいとスモーキーな風味が押し寄せ、かすかにスパイシーなフレーバーも。ワイルドな個性がはっきりしていながらもマニアックにはならない、説得力のあるおいしさです。

↑アルコール度数は45.8%と比較的高め。少量の水を加えると、フルーティーな香味が開いていっそう優雅に

 

この独特なエレガンスをより感じるなら、仕上げに粗挽きの黒胡椒をあしらうスパイシーハイボールがオススメ。ピリッとしたキャラクターがくっきりと立ち、甘香ばしい個性を存分に楽しめます。

↑スパイシーハイボールも美味。ペアリングは海の幸なら燻製のカキやサーモン、肉料理なら炭焼きのラムやビーフなどを塩味でいただくとバッチリ合うと思います

 

今回のセミナーの主役は、2023年8月23日から数量限定で発売されている「タリスカー 11年」。こちらは、ただの11年ものというわけではありません。極少量の希少な原酒を採用し、さらにカスクストレングス(加水をせず、樽出しそのままのアルコール度数)でボトリングされているため、アルコール度数55.1%と力強い厚みに仕上がっています。

↑「タリスカー 11年」。1万5000円(税別)で、ボトルにはかつて蒸溜所近くの海が激しく荒れたとき、深海から現れ魅惑的な光で暗闇を照らしたとされる伝説の巨大クラゲが描かれています。じつは、伝説をテーマとした企画は今回が第2弾で、2022年の第1弾では海の聖獣・リヴァイアサンをモチーフにした「タリスカー 8年」が発売されました

 

また、ファーストフィル(初のスコッチ熟成に使う。セカンドフィルやサードフィルよりも樽の影響が強い)のアメリカンオーク樽を主に熟成させた、ボリューミーな香りも特徴となっています。こちらも味わってみました。

 

「タリスカー 11年」はカスクストレングスらしいボディの重厚感があり、それでいてトゲはなくスムース。ドライアップルのような上品な甘みと、心地よいスモーキーフレーバーが調和し、潮や黒胡椒のタッチも感じます。モルティでリッチなニュアンスも長く続き、実に贅沢な気分に。海が見えるロケーションで飲んだら最高ではないでしょうか。

 

「11年って珍しくない?」その理由を訊いた

セミナーでは「ご自由に質問を!」とのことで、聞いてみました。ひとつは、エイジングの期間としてはなかなか珍しい11年熟成にした理由について。なおウイスキーにおけるエイジドは、11年の場合最も若い原酒が11年ものであるという意味です。

↑解説してくれたのは、MHDシングルモルト アンバサダーであり、ウイスキー文化研究所認定のウイスキーエキスパートのロバート・ストックウェル(通称ボブ)さん

 

「11年となった一番の理由は、10年よりもう少し厚みがほしかった、でも12年までいってしまうと過剰熟成になってしまう懸念があったからです。その点ではタリスカーらしさも重視しました。独自の輝きを、樽の個性でマスクしないように調整した最適解が11年だったということですね」(ボブさん)

 

質問はもうひとつ。カスクストレングスにした狙いについても聞きました。

 

「スペシャルリリースでは、以前からカスクストレングスを採用しています。やはりカスクストレングスは原酒の個性をダイレクト表現できますし、価値も高いですから。また、ストレートはもちろん加水したりハイボールにしたりといった多様的な飲み方をより試しやすいとも思うんですよね。好みに合わせた楽しみ方を探っていただきたいと考えています」(ボブさん)

 

なお「タリスカー」はほかにも限定商品をリリースしており、2023年の9月には「タリスカー ワイルダー・シーズ」が登場。こちらは同ブランドの海洋保護パートナーであるPARLEYとコラボレーションしたモデルで、1本購入されるごとに「タリスカー」がPARLEYに3ポンド(約500円)を寄付し、直接的に海洋保護活動が支援できるモデルです。

↑「タリスカー ワイルダー・シーズ」は9900円(税別)で、アルコール度数48.6%。クリーンな第二世代バイオディーゼル燃料で製造した、100%リサイクル可能なボトルを採用していることもポイントです

 

9月22日から3日間、六本木ヒルズで開催された限定イベントで日本初お披露目となった本商品。「タリスカー」で初めてフレンチオークのXOコニャック樽で熟成させていることが特徴です。

↑こちらもテイスティングしてみました

 

香りは、干しぶどうや洋なしを思わせる甘やかなアロマが感じられ、芯のある堂々としたスモーキーフレーバーと調和。はちみつを用いたビスケットのような香ばしい甘みも印象的で、このたくましいエレガンスはさすが「タリスカー」です。

 

あらためて実感するのは、「タリスカー」は唯一無二の存在であるということ。荒々しい環境のスカイ島のなかでも海の影響を直接受けやすい場所に蒸溜所があり、だからこそ潮の香りやスパイシーなニュアンスが個性として光るウイスキー。海を愛するお酒好きの人には、特に知ってほしい名酒です。

“コク深くまろやかな味わい”を実現した「金麦〈円熟の深み〉」数量限定新発売

サントリーは、「金麦〈円熟の深み〉」を11月14日(火)から全国で数量限定新発売。

 

「金麦」は、麦のうまみにこだわった“幸せな家庭の食卓に最もふさわしいビール類”として人気ですが、今回の「金麦〈円熟の深み〉」は、“コク深くまろやかな味わい”を実現しています。

中味は、「金麦」こだわりの素材である「贅沢麦芽(※1)」に加え、「金麦」と比べて1.3倍の「旨味麦芽(※2)」を使用するとともに、ミュンヒナー麦芽(※3)を一部使用することで、“コク深くまろやかな味わい”を実現しています。

※1:二条大麦麦芽の中でもうまみ成分(たんぱく質)を多く含む「旨味麦芽」に加え、こだわりの国産麦芽を一部ブレンドしたもの
※2:二条大麦麦芽の中でも、うまみ成分(たんぱく質)を多く含む麦芽
※3:原材料となる発泡酒の醸造においてミュンヒナー麦芽を一部使用

 

■メーカー:サントリー
■商品名:金麦〈円熟の深み〉
■価格:オープン価格

酒ジャーナリストに聞く!いつまでも楽しく美味しくお酒を飲む噺

自宅でひとりでも、酒場で大勢でも、「お酒」を飲むのはいつでも楽しいことです。ただ、それには元気でなければいけません。そこで、今回は『名医が教える飲酒の科学』や『酒好き医師が教える最高の飲み方』などの著書がある、酒ジャーナリストの葉石(はいし)かおりさんに、「どうすれば、いつまでも楽しく美味しくお酒を飲めるか」についてお話を伺います。

●葉石かおり(はいし・かおり)/酒ジャーナリスト、エッセイスト、一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション理事長。「酒と健康」「酒と食のペアリング」を主軸に各メディアにコラム、コメントを寄せる。現在、京都の大学で心理学を学ぶ現役女子大生でもある。代表作にシリーズ累計18万部を超える『名医が教える飲酒の科学』『酒好き医師が教える最高の飲み方』(ともに日経BP)があり、2023年10月13日には『生涯お酒を楽しむ「操酒」のすすめ』(主婦と生活社)を上梓した。

 

酒ジャーナリストの飲み方や行きつけとは?

まずは葉石さんの“お酒遍歴”から伺いました。好きなお酒や飲み方は? そして行きつけの酒場などはあるのでしょうか?

 

葉石「お酒は若いころから好きで、大学時代から飲んでいました。当時はいまと違って、学生コンパも盛んでしたから。好きなお酒は日本酒や本格焼酎、あとはスパークリングワインもよく嗜んでいます。外で飲むことのほうが多く、お店では週1、2回ぐらいですね。家飲みは週1回ぐらい。その時は『タカラ「焼酎ハイボール」』を飲みますね。辛口なので食事にも合うし気に入っています」

 

葉石さんは東京出身ですが、10年以上東京と京都の二拠点生活をしていることでも有名。京都に関しては『おひとりさまの京都』や『そうだ、裏京都行こう。』などの著書があり、なかでもよく行くお店が京都市左京区下鴨の「炭焼 きむら」です。

 

葉石「『きむら』さんはご家族で営まれている串焼きのお店で、月に1回は行ってますね。素材や火加減へのこだわりはもちろん、お肉の部位ごとに味付けを変える工夫も素晴らしいんです。お酒は1杯目が、宝焼酎『純』35%使用の酎ハイ『純スペシャル』。2杯目からは『松竹梅 「豪快」辛口』を、夏でも熱燗でいただくのが私のお決まりとなっています。でもそういえば、東京には『きむら』さんみたいな行きつけは特にないですね。お友達とだったり、お仕事関連の会食だったりが多く、相手の方に合わせるからかもしれません」

 

葉石さんが週刊誌の記者から酒ジャーナリストへと仕事の幅を広げた経緯は、たまたまだそう。とある健康系のサイトで、お酒に関する記事を執筆する担当となったことがきっかけだと言います。

 

葉石「最初は医学について無知だったので大変でしたが、医師の先生などから学ぶうちにのめり込んでいきました。また、私自身も当時は50歳に差し掛かっていた時期で、健康診断の数値が悪くなっていたんですね。それもあって、体の状態を見直したいと思ったのも大きいです」

 

悪酔いしない飲み方と「お酒」の適量とは?

2023年10月に『生涯お酒を楽しむ「操酒」のすすめ』を上梓した葉石さん。また、これまで数々の名医から飲酒についての話を聞いてきた経験から、まずはお酒(アルコール)を飲むとヒトはどうなるのかを教えてもらいました。

 

葉石「重要なのは血中アルコール濃度です。酔いの状態は爽快期から始まるのですが、飲む量が増すにつれて血中アルコール濃度も深まり、ほろ酔い期、酩酊初期、酩酊期、泥酔期、昏睡期となり、最後は気を失うような状態になってしまいます。知っているつもりでもお酒の飲み方は気を付けないといけませんし、血中アルコール濃度の急激上昇をいかに抑え、悪酔いしないように飲むことが大切です」

 

 

悪酔いを防ぐ方法として一般的に有名なのは、和らぎ水(またはチェイサー)など水を飲みながらお酒を楽しむ手法。また、空腹の状態で飲むことは避けるべきだという説も知られています。この話について、葉石さんが詳しく教えてくれました。

 

葉石「和らぎ水に関しては、水を飲むことで胃腸内のアルコール濃度を薄める効果があるんです。また『空腹の状態で飲むことは避けるべき』というのは、空腹時にいきなりお酒を飲むと、胃腸からのアルコール吸収が早くなり、急激に血中アルコール濃度が高くなるから。そのため、最初に何かを食べておくといいということなんです」

 

そのうえで葉石さんが推奨するのは「オイルファースト」という考え方。

 

葉石「オイルファースト』とはつまり、油分や脂質が含まれている料理を最初に食べるということです。特にオススメなのはチーズ。なぜなら、チーズに含まれるたんぱく質と脂質は消化吸収されにくく、胃に長時間留まるから。そのぶんアルコールの吸収を穏やかにしてくれるんです」

 

 

一方、葉石さんが一部誤解だと感じる悪酔い防止説が、チャンポン(短時間でいくつもの種類の酒を飲むこと)しないという方法。これは数種のお酒を飲むから深酔いするのではなく、結果的に摂取アルコールの総量が増えてしまいがちであることが問題だと言います。

 

葉石「ビールの次は日本酒、ウイスキーなど、アルコール度数が異なるお酒をあれこれと飲んでしまうと、どれだけの量を飲んだかがわからなくなりますよね。ましてや、酔うと記憶がおぼろげになりますから。ですので特にチャンポンで飲む際は、お酒の総量を意識することが大切です」

 

お酒の適量に関しては国から目安が提示されており、厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は、1日の平均純アルコールで約20g程度とされています。具体的には、日本酒の場合1合(180ml)、ビールなら500mlですが、この目安に関しては「1日ではなく1週間の合計で捉えてもいいと思います」と葉石さん。

 

 

葉石「例えば1日おきに40gとか。やっぱり休肝日って大事だと思います。多目的コホート研究という、大勢の人を長期間追跡調査する調査があるのですが、その結果のひとつに、少量を毎日飲むグループと、休肝日を設けたうえで毎日飲むグループよりトータルの量を多く飲んだグループとを比べた場合、後者のほうが病気の罹患率が低いというレポートもありますから」

 

飲酒後にしてはいけないこと

適量で飲酒をしていれば問題ありませんが、ついついお酒が進んでしまい、深酒してしまうことも。飲んだ翌日までお酒が残っていると、入浴したりサウナに入ったりして「汗をかいてアルコールを抜く」という人がよくいます。しかし、これは危険な行為だと葉石さんは言います。

 

葉石「そもそも、飲酒により身体が脱水状態になっていて、そこから汗をかくことは逆効果で、二日酔いを助長してしまいます」

 

また、脱水状態である風呂上がりや、運動直後の飲酒も、血中アルコール濃度が急激に高くなるので、あまり良くないそうです。そして、葉石さんが特に危険だというのが飲酒後の入浴。

 

葉石飲酒後の入浴はとても危険性の高い行為です。アルコールによって一時的に血圧が下がった状態で入浴すると、血圧の変化の幅が大きくなり身体に負担がかかります。さらにアルコールによって意識が朦朧としているため、危機管理能力も低下しており、怪我などの危険度も高めてしまいます。飲酒後すぐの入浴はぜったいにやめましょう」

 

 

「あと、危険ということであれば、お酒と薬を一緒に飲むのは当然ながらNGです」と葉石さん。感覚的にダメだということはわかりますが、具体的になぜNGなのかを伺いました。

 

葉石「アルコールも薬も肝臓で代謝されます。その際、使われるのが代謝酵素。薬とアルコールを併用すると、この酵素を双方で奪い合う形になって、薬が効きすぎてしまう、もしくは薬が効きにくくなってしまうんです」

 

仮に代謝酵素によって、通常は 50%で代謝される薬があったとします。これがアルコールによって、代謝酵素を半分奪われてしまう形になると 25%しか代謝されなくなります。すると薬の成分の 75%が血中に入ってしまうことになります。当初、半分が代謝されるという前提で処方された薬の量なのに、実際には、より多くの量を飲んだのと同じことになってしまうわけです。これによって薬理効果が増える、つまり効きすぎてしまうのです。その一方で、日常的にアルコールを常飲している人は、普段から酵素活性が高いため、薬を代謝し過ぎてしまい、効きにくくなるといった弊害も出てくるのです。

 

 

生涯現役で「お酒」を飲むために

葉石さんの新著のテーマは「生涯お酒を楽しむ」。そのためには、飲酒をポジティブにとらえること、そしてメリハリが大切だと話します。

 

葉石「やっぱり、生涯現役で飲みたいですよね。いまや人生100年時代といわれますが、飲酒寿命というのがあるとして、毎日際限なく飲んでいて60歳でドクターストップですよとなったら、残り40年はもう飲めません。それはすごく悲しいことだと思うんです」

 

もちろん、葉石さんが考える飲酒寿命はあくまで一例。また、健康度合いは人それぞれですから、毎日飲んでいても大丈夫な人はいるかもしれません。とはいえ適度な飲酒量は国からも提示されていますし、やはり飲み過ぎはよくないと言えるでしょう。

 

葉石「であれば長期的な計画を立て、飲む日と休肝日とでメリハリをつけることを意識しようと。私の場合、“お酒は晴れの日の飲み物”という考え方にシフトすることで、自然と休肝日が取れるようになりました。お医者さんなどに言われて制限するのではなく、自らコントロールする。これが、ポジティブなお酒との向き合い方だと思います」

 

お酒は飲み方によっては効能を発揮します。例えばメンタル面。「適量の飲酒はストレスの緩和や、食欲増進につながる」という研究報告もあります。適量を守り、休肝日を設ければ、健康にプラスに働き、「飲酒寿命」を延ばすことが期待されます。

 

そのほか、心臓病をはじめとする血管系の疾患、老人性認知症などの発症や美肌を保つなど、様々な研究結果も報告されており、お酒は決してデメリットばかりではありません。常に「適量飲酒」を心がけて嗜むことが、葉石さんが提唱する「生涯お酒を楽しむ」にもつながるのです。

 

 

自分で自分をコントロールする「操酒」という考え方

葉石さんが新著『生涯お酒を楽しむ「操酒」のすすめ』の執筆に取り組もうと思った動機には、コロナ過における過ごし方も関係していると言います。それはいわば、実生活を経たうえでの成功体験ルポであるとも。

 

葉石「お酒と健康をテーマに執筆するようになってから、私自身も8kg痩せて元気に過ごしていたのですが、コロナ禍になって実は5kgもリバウンドしてしまいました。原因を振り返ると、ストレスや失職不安から来る食べ過ぎ、飲み過ぎだったと思います。当時は世間でも『コロナ太り』が叫ばれていましたが、私自身もそうなってしまい『まさか自分が』とショックを受けましたね」

 

いまはすっかり心身ともにコロナ前の健康状態に戻っていますが、そこで実感したのが意識改革の大切さ。加えて、どのようにすれば意識を変えられるのかをテーマに新著をつくりたいと思ったそうです。

 

葉石「その前に私が改めて取り組んだのが、自らの行動の可視化。アプリを活用して食事や飲酒について記録しました。すると、思っていた以上にカロリーやアルコールを摂取していたことが判明。そこから自分なりの対策を考え、高い目標を設定すると挫折してしまうと思ったので、休肝日をまずは週1回。そして週2、3回へと段階的に見直すようにして取り組んでいきました」

 

これぞ前述した、医師などに言われて制限するのではない自らのコントロール。ポジティブなお酒との向き合い方であり、著書のタイトルにも使われている「操酒」です。

 

葉石「自分自身で気づき、自ら正していくことが大切ですね。特に私の場合は、人から言われると従いたくなくなるという天邪鬼な部分がありましたし、そのぶん自分で決めたルールには負けたくない気持ちもありましたから。私と同じような性格でお酒が好きな方は、ぜひ実践していただきたいです」

 

行動的な部分としては、継続的に記録して可視化することが非常に大切だと葉石さんは力説。思いがけない数値を見ると気持ちが落ち込むことがあるものの、そのショックが意識を変え、行動に移すことから習慣化していくのだとか。

 

葉石「数値は逆もしかり。尿酸値や体重が減ればモチベーションもアップしますから。すると、次は筋トレだとか、ヨガをやってみようかなとか、さらなる行動変化にもつながります。身近なところでは体重計にのったり、血圧を測ったりすることから始めてもいいでしょう。そのうえでできれば、血液検査や健康診断にも行き、定期的に身体の状態を把握していただきたいですね」

 

 

日ごろの飲み方や食べ方は、具体的にどのように変えていけばいいのでしょうか。お酒に関しては、あらかじめその日に楽しむ量を決めておくのがコツだといいます。

 

葉石「お酒好きがよく言う『今日は何杯まで』ですね。早い時間から飲むときは、序盤はノンアルコールにしておくこともオススメです。『タカラ「辛口」ゼロボール』をはじめ、最近のノンアルコールは美味しいですからね。あとは基本的なことですが、前述したように適宜、和らぎ水を飲みましょう。胃腸内のアルコール濃度を薄める効果だけでなく、飲酒後はアルコールの利尿作用で脱水しやすいので、それを防ぐためにも水を飲むことは欠かせません」

↑早い時間から飲む場合は、1杯目をノンアルコール飲料にすることもオススメ。そんなときは、食事を引き立てるタカラ「辛口」ゼロボール

 

もし、お酒の種類で選ぶなら、芋焼酎がいいとのこと。というのも、血栓を溶解する物質が倍増するからだとか。

 

葉石「具体的に、血栓の溶解に関わる酵素『t-PA(組織プラスミノーゲン活性化因子)』や『ウロキナーゼ』といった物質があるのですが、芋焼酎にはこれらの分泌、活性を高める効果があることがわかっています」

↑焼酎はロックやお湯割り、ソーダ割りなど様々な飲み方ができるのでオススメ。全量芋焼酎の「一刻者」は、芋の香りや味わいを堪能できます

 

そして食べ方のコツに関しては前述の「オイルファースト」が挙げられますが、チーズ以外ではどんなおつまみがオススメなのでしょうか?

 

葉石「油を使った料理といっても、低カロリーなもので選ぶならフライ系の揚げ物よりも、ドレッシングをかけたサラダですとか、魚のカルパッチョ。そのほかでも、低カロリーで高タンパクな枝豆やお豆腐類、海藻類やお刺身などがいいですね。お店を選ぶ際は、居酒屋や大衆酒場は和食をベースとしたヘルシーなおつまみが比較的多いので、オススメです」

 

本稿で葉石さんがお話しした内容の詳細については、ぜひ各著書をご参考に。合わせて適正飲酒の知識を活用して、いつまでも美味しくお酒を楽しみましょう。

 

■お酒おつきあい読本
宝酒造の適正飲酒の取り組みをご紹介しています。

撮影/鈴木謙介

 

【書籍紹介】

生涯お酒を楽しむ「操酒」のすすめ

年を重ねることが、楽しくなってくる本! ベストセラー『酒好き名医が教える最高の飲み方』著者で、お酒と健康を軸に活動する酒ジャーナリストでありながら、お酒におぼれかけて体調を崩した著者が編み出した、人生を変える飲酒コントロール術「操酒」を初公開。

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・タカラ「焼酎ハイボール」
https://shochu-hiball.jp/

・宝焼酎「純」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/jun/

・一刻者
https://www.ikkomon.jp/

・松竹梅「豪快」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/seishu/gokair/

・タカラ「辛口」ゼロボール
https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/zeroball/

サントリー山崎蒸溜所リニューアルオープン!2種の新見学ツアーも展開

11月1日(水)から、リニューアルされたサントリー山崎蒸溜所が一般公開されます。

山崎蒸溜所は、1923年に日本初の本格的なモルトウイスキー蒸溜所として建設に着手しました。京都の南西、天王山の麓、四季の移ろい豊かな自然に抱かれ、万葉の歌にも詠まれるほどの名水の里に立地し、桂川・宇治川・木津川が合流する地形によるウイスキーの熟成に適した湿潤な環境で、さまざまな発酵槽・蒸溜釜・熟成樽を使い分けながら、日本のウイスキーならではの多彩な原酒を生み出し続けています。

 

今回のリニューアルでは、山崎蒸溜所ならではの魅力をよりいっそう体感できる新たな施設展示や見学ツアーを展開します。

※山崎蒸溜所の一角にある品質研究・技術開発用の小型蒸溜施設

 

施設のリニューアルについて

■エントランス

100周年を迎える新たな山崎蒸溜所の装いとして、エントランス部分をはじめとした敷地内に自然との調和を表現した“杜”を形成するため、周辺エリアの島本町や大山崎町の山林地に生育する草木などを植栽し緑地化。蒸溜釜の銅素材を再利用した門をくぐり抜け、山崎の“杜”ならではのどこか神秘性も感じられる空気感を味わいながら、見学ツアーや場内見学の新たな受付となる山崎ウイスキー館へのアプローチを楽しめます。

 

■山崎ウイスキー館

《館内展示》

山崎蒸溜所の敷地内に操業当時より残る建造物である山崎ウイスキー館。その歴史ある建物ならではの内観として、創業者・鳥井信治郎から続くサントリーウイスキーのものづくりの継承と革新の訴求をより強化し、山崎蒸溜所での多彩な原酒のつくり分けと、長期熟成に耐えうる原酒のつくり込みについての展示を充実させました。

 

《テイスティングラウンジ》

山崎蒸溜所でつくられた多彩な原酒ボトルに囲まれる空間で、サントリーシングルモルトウイスキー「山崎」ブランドをはじめとしたサントリーウイスキーの各ブランドや、この場所でしか味わえない原酒を堪能できる特別なテイスティングラウンジをリニューアルオープン。山崎蒸溜所で稼働していたポットスチルを再利用したバーカウンター、原酒ボトルに向き合うスタンドテーブル、窓の外に広がる“杜”を眺めるローチェアなどを設置し、ウイスキーに慣れ親しんだ方から初めて飲む方までより多くのお客様に、この山崎蒸溜所でしかできない日本のウイスキーを嗜む贅沢な空間を提供します。

 

山崎蒸溜所ツアーの刷新について

■山崎蒸溜所 ものづくりツアー

所要時間:80分
参加費:3000円(税込)

<主な内容>
「サントリーシングルモルトウイスキー山崎」が生まれるものづくり現場を見て、その場所でしか感じられない香りや温度を五感で体感。テイスティングでは「サントリーシングルモルトウイスキー山崎」や希少な「モルトウイスキー原酒」、「山崎ハイボール」が楽しめる。ツアー後には、「山崎オリジナルテイスティンググラス」を持ち帰ることも。

 

■山崎蒸溜所 ものづくりツアー プレステージ

・所要時間:120分
・参加費:1万円(税込)

<主な内容>

プレステージツアーでしか立ち寄れない製造エリアや実際のつくり手の作業の様子の見学などを通して、山崎蒸溜所ならではのものづくりへのこだわりをじっくりと案内。テイスティングでは「山崎12年」や希少な「モルトウイスキー原酒」などが楽しめる。

 

※20歳未満の方はご参加いただけません

【特集】この秋はビールに大注目! 酒税法改正の解説から各社の新商品をピックアップ

2023年で最も注目度の高いお酒カテゴリーは、断然ビール。なぜなら、10月に酒税法が改正され、ビールが実質安くなるから。では何がどう変わるのか? また、各社最新商品の味わいと飲みごたえにも迫っていきます。

 

【特集】酒税法改正で注目度アップ。今こそ、ビールが飲みたい!

 

酒税法改正でなにが変わるの?

2023年9月30日までは、ビールが70円、発泡酒は46.99円、新ジャンルは37.8円(すべて350mlの場合)の酒税がかかりました。それが2023年10月1日からビールは63.35円と減税、発泡酒は46.99円で据え置き、新ジャンルは46.99円と増税に。発泡酒と新ジャンルは同一の酒税になるとともに、ビールとの価格差が狭まるのです。

 

これによって店頭における各社ビール(プレミアムではないタイプ)の想定価格は、350ml缶が225円前後、500ml缶は293円前後になるとみられています。コンビニでは現状、350ml缶が230円前後、500ml缶が300円前後なので、たしかにビールの減税分(70円→63.35円)程度は安くなるといえるでしょう。

【関連記事】
10月以降のビールは酒税法改正でこうなる! 大手の全新作と戦略を解説

 

新発売6商品を一挙に飲み比べ!

大手ビールメーカー各社が同タイミングで新発売する旬な6銘柄を、フードアナリストが一挙にテイスティング。ぜひ、購入する際の参考にしてください。

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酒税法改正後の新作ビールはここに注目!フードアナリストが6商品をレビュー

 

ここからは、各社が注力する10月以降の新商品を紹介してきます!

 

アサヒ「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」

10月11日、アサヒビールは、「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を発売。価格はオープン。

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キリン「キリン一番搾り やわらか仕立て」

10月10日、キリンビールは「キリン一番搾り生ビール」ブランドから、「キリン一番搾り やわらか仕立て(期間限定)」を期間限定で全国発売。価格はオープン。

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小麦麦芽を使用し「やわらかなうまみとかろやかな後味」が楽しめる「一番搾り」が期間限定発売! 「キリン一番搾り やわらか仕立て」

 

サントリー「パーフェクトサントリービール〈黒〉」

サントリーは、糖質ゼロ黒ビール「パーフェクトサントリービール〈黒〉」を10月3日から数量限定で新発売します。価格はオープン。

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「糖質ゼロの黒ビール」が数量限定で登場! サントリー「パーフェクトサントリービール〈黒〉」

 

サッポロ「サッポロ生ビール ナナマル」

10月17日、サッポロビールは、糖質・プリン体70%オフの生ビール「サッポロ生ビール ナナマル」を発売。価格はオープン。

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糖質・プリン体70%オフの「生ビール」ついに登場! ビールならではの飲みごたえが楽しめる「サッポロ生ビール ナナマル」

 

キリン「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」

10月24日に、クラフトビールブランドである「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」から、「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」缶商品(350ml缶、500ml缶)が新発売。価格は350ml缶が242円(税別)、500ml缶が321円(税別)。

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サッポロビール「サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」

サッポロビールは、「サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」を11月28日に全国で数量限定発売。価格はオープン。

 

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国産ホップを100%使用した「サッポロNIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」 数量限定発売

 

アサヒビール「アサヒ ザ・アロマイスト」

アサヒビールは、華やかな香りが特長のビール『アサヒ ザ・アロマイスト』(缶350ml×6本)を新商品のテスト販売サイト「ASAHI Happy Project」において11月20日まで1000セット限定で発売。価格:2310円(税込・送料込)。

 

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香りを楽しむ大人向けビール『アサヒ ザ・アロマイスト』「ASAHI Happy Project」にて11月20日まで限定発売

 

サントリー「ザ・プレミアム・モルツ ホップセレクト 華やぐハラタウブランホップ」

サントリーは、「ザ・プレミアム・モルツ ホップセレクト 華やぐハラタウブランホップ」を11月14日から数量限定新発売。価格はオープン。

 

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プレモルの”ホップセレクト”第二弾「華やぐハラタウブランホップ」数量限定新発売

 

「ヱビス オランジェ」

10月11日に期間限定で、ヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」第2弾商品である「ヱビス オランジェ」の缶商品を期間限定で、びん・樽商品を同日に数量限定で発売。価格は350ml缶が258円(税抜)、500mlびんが355円(税抜)。

 

サントリー「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ゴールデンエール」

10月17日、サントリーは、「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ゴールデンエール」を数量限定で新発売。価格はオープン。

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酒税法改正後の新作ビールはここに注目!フードアナリストが6商品をレビュー

2023年10月1日、3年ぶりの酒税法改正でビール飲料、「ビール」「発泡酒」「新ジャンル(第三のビール)」の価格差がいっそう小さくなりました。何がどうなったのかという詳細は先日公開した記事を読んでいただきたいところですが、この記事では大手ビールメーカー各社が同タイミングで新発売する旬な6銘柄を、一挙にテイスティング。ぜひ、購入する際の参考にしてください。

 

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10月以降のビールは酒税法改正でこうなる! 大手の全新作と戦略を解説

↑アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーの新作6商品。特徴を解説しながら1本ずつテイスティング、レビューしていきます

 

サントリーの「PSB黒」は香りもコクも十分なウマさ

発売日順に紹介していきましょう。まずは10月3日発売の、サントリー「パーフェクトサントリービール〈黒〉」から。こちらは、2021年4月にデビューした「パーフェクトサントリービール」(しばしばPSBと略されます)の黒ビール版。“日本初の糖質ゼロ黒ビール”をうたう限定品で、黒ビールに期待される飲みごたえを叶えるべく、麦芽とホップの配合や醸造条件にこだわったそうです。

↑サントリー「パーフェクトサントリービール〈黒〉」は10月3日発売。アルコール度数は5%で、コンビニ実勢価格は税込211円(ライター調べ/以下同)

 

香りは糖質ありの黒ビールそのもの。ロースト麦芽の香ばしさとコク、甘みも十分にあって、糖質ゼロの違和感はありません。ライトテイストではありますが、軽快な味はキレや爽快感につながっていて、PSBのファンなら大歓迎なおいしさだと思います。

↑泡のボリュームは糖質ありのビールよりもおとなしめですが、許容範囲でしょう

 

なお、通常のPSBはアルコール度数5.5%で黒は5%ですが、同ブランドらしい飲みごたえは共通。黒ビールが好きな人の、新たな選択肢といえるでしょう。

 

キリン一番搾りの「やわらか仕立て」は麦汁の甘みが豊か

キリンビールの新作は2銘柄あり、まず紹介するのは「キリン一番搾り やわらか仕立て」。おなじみ「キリン一番搾り」のエクステンションとなり、数年前に発売された「一番搾り 小麦のうまみ」を進化させた商品です。

↑「キリン一番搾り やわらか仕立て」は10月10日より限定発売。アルコール度数は5%で、想定価格は225円前後

 

特徴は、原材料の一部に小麦麦芽を使っていること。小麦麦芽は「白ビール」といわれるビアスタイルに頻用されますが、その特徴はやわらかな飲み口や甘み。「キリン一番搾り やわらか仕立て」では一部使用に留まりますが、まろやかさや甘やかなうまみは確かに豊かで、泡もクリーミー。それでいて一番搾りらしさも感じるハイクオリティな仕上がりです。

↑苦味は控えめな印象で、そのぶんいっそう甘みが豊か。ほんのり酸味も感じ、ちょっとユニークな表現をするなら、ファンタジックな味わいです

 

特に小麦の甘みが相まって、「キリン一番搾り」ブランド最大のウリである麦汁のうまみがたっぷり。それでいて後口は軽やかで、好バランスな飲みやすいビールだといえるでしょう。

 

アサヒの「ドライクリスタル」は繊細ながら芯のある爽快感

アサヒもビッグネームのエクステンションで真っ向勝負。海外の酒類市場で伸長しているアルコール度数0~3.5%のカテゴリーに着目した、「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を発売します。

↑「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」は10月11日発売。アルコール度数は3.5%で、想定価格は225円前後

 

その特徴は、アルコール度数3.5%のライトなボディと、冷涼感に優れたドイツ産ホップ「ポラリス」の一部使用。飲んだ第一印象は、「ゴクゴクッ……プハァッ」がよく似合うシャキシャキの爽快感。繊細な味わいながら、麦のうまみや苦みといった味の芯はあり、欧米やアジア圏の低アルライトビールとの違いも、この“大和魂”にあると感じました。

↑パッケージ下部には赤く「MID ALCOHOL」のアイコンが。上部のプルタブが赤いのも特徴です

 

「アサヒスーパードライ」ブランド特有の辛口な味わいやシャープなキレもあり、食事とも幅広く合いそう。ドライ党の人はぜひお試しを。

 

「ヱビスオランジェ」は明るい甘みとソフトな酸味が上品

ヱビスはサッポロビールが手掛けるブランドですが、その新しいラインが「CREATIVE BREW」。2023年2月に発売された第1弾の「ヱビス ニューオリジン」に続く「ヱビス オランジェ」が、今秋デビューします。

↑「ヱビス オランジェ」は10月11日発売。アルコール度数は6%で、参考小売価格は税別258円

 

一番の特徴は、オレンジピールを使っていること。ヱビスはドイツのビール純粋令にある「麦芽、ホップ、水、酵母のみを原料とする」に則るブランドですが、「CREATIVE BREW」では純粋令にとらわれず冒険していくということでしょう。小麦麦芽も使っており、明るい甘みとやわらかな酸味が上品に華やぎます。

↑白ビール系の淡いカラーかと思いきや、やや赤みのあるアンバー。このクリエイティブな独創性、好きです!

 

オレンジピールはベルギーで有名な白ビールに欠かせない素材ですが、「ヱビス オランジェ」は白ビールとはかなり違う方向性。味わいにもどっしりとしたうまみとコクがふくよかに感じられ、ヱビスらしさもしっかり。この個性は、クラフトビールファンにもオススメです。

 

サッポロの「ナナマル」はたくましさがある“細マッチョ”な味

次もサッポロの冒険心あふれる新作、「サッポロ生ビール ナナマル」です。特徴は、糖質とプリン体の70%オフ。こういった機能系は発泡酒や新ジャンルでは珍しくなかったのですが、実はビールでは存在しませんでした。ということで本商品は、糖質とプリン体の2つのオフを訴求する日本初のビールです。

↑「サッポロ生ビール ナナマル」は10月17日発売。アルコール度数は5%で、想定価格は225円前後

 

味を表現するなら細マッチョ、といったところ。すっきりしていながらもたくましく、うまみやコクもガリガリにそぎ落とされてはいません。苦味、キレ、爽快感もしっかり主張し、飲みごたえも十分です。

↑健康も意識しつつ、ビールのおいしさも楽しみたいというオフ系ユーザーのニーズを想定した「サッポロ生ビール ナナマル」。決してニッチではないでしょう

 

ありそうでなかった、オフで提案するビール。選択肢の幅が広がって、消費者にとってはうれしいところです。ぜひ、糖質ゼロのビールとも飲み比べてみてください。

 

キリンのクラフトビールは絶妙なビター感と温かみのある柑橘感

ラストはキリンが手掛けるクラフトビールブランド「スプリングバレー」の新作「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」。自社で品種開発した2つの日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」と「IBUKI」を一部使い、柑橘を思わせる爽やかな香りが広がる味に仕上げています。

↑「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」は10月24日発売。アルコール度数は6%で、参考小売価格は税別242円

 

どっしりとしたコクの先に広がる、甘さを含んだ酸味とやわらかい口当たり。ホップの苦味は爽やかな余韻を生み、柑橘のニュアンスはみかんやオレンジといった温かみのある方向性です。

↑<香>とあるように、ぜひグラスに注いで香りを楽しみましょう

 

ホップの生かし方はさすがにクラフトビール。アロマティックな香りに加え、ビターなエッジがしっかりありつつ、やりすぎない絶妙な苦さもいいですね。クラフトビールとしては価格も値ごろであり、入門にもオススメです。

 

食の秋だからこそ旬なビールを楽しもう

6本の新作ビールを紹介しましたが、どれも似たような味のビールではなく個性がバラバラなのも面白いところです。グルメの秋、ぜひ晩酌やパーティーでご馳走と一緒に、旬のビールを楽しんでください!

 


【特集】酒税法改正で注目度アップ。今こそ、ビールが飲みたい!

高田秋が初体験!蜂蜜のお酒ミードは家飲みの新定番になるか?

飲み歩き大好きモデル・高田 秋が「家飲み」を追求! 今月は、1万年以上前からあった人類最古のお酒といわれる蜂蜜の醸造酒「ミード」を、ストレート、ロック、ソーダ割りで飲み比べた。

※こちらは「GetNavi」 2023年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【11杯目】蜂蜜から造られたミードを3 通りの飲み方でお試し

ディアレット
フィールド醸造所
秩父百花 ミード
3025円

 

初体験! のミードはストレート・ロック・ソーダ割りどれでも楽しめる

奥秩父・小鹿野の様々な花から採れた百花蜂蜜を水で希釈し、酵母で発酵させたピュアなミード。アルコール度数は10%で、冷やして飲むと蜂蜜本来の香りとクリアな喉ごしが楽しめる。ペアリングは、特にチーズがオススメだ。

ミード、初めて飲みましたけどイイですね! もともと蜂蜜は好きで、ヨーグルトにかけたりお湯にとかして飲んだりしてるんです。

「秩父百花」はまず、ぶどうのような果実味あふれる香りが印象的。どこか懐かしさを感じるやさしい口当たりや、フルーティーな甘酸っぱさも好きです。特にこの甘さは蜂蜜ならではのまろやかさがあって、ナチュラル。日本酒の貴醸酒や梅酒の甘さよりも穏やかで、スムースですね。

3通りの飲み方を試しましたが、3者3様で楽しめると思います。チビチビいくならストレートかな。夏は冷やすのがオススメです。ロックはこっくり、キリッとした飲み口で寝る前に良さそう。お風呂上がりにはソーダ割りですね。料理にも合いますが、ミードはどの割り方でもイケると思います。チーズだけのピッツァ、クワトロフォルマッジとか。カタラーナや、クレームブリュレのようなミルキーな濃厚スイーツにも合いますね。高級感があってパーティ映えもしますが、ひとりで飲み方を探りながらじっくり味わうのもいいかも。ぜひお試しを!

 

 

高田 秋●たかだ・しゅう…1991年9月23日生まれ、北海道出身。立ち飲み屋巡りが趣味で、唎酒師などの資格を持つ。「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)をはじめ、飲み歩き番組への出演も多数している。公式HPInstagramYouTube

 

文/中山秀明  撮影/千葉タイチ  ヘアメイク/榊ひかる  スタイリスト/江原優里

「J-CRAFT HOPPING」限定醸造のセッションIPA新発売!白ぶどうのような香りが特徴

三菱食品は、華やかなホップの香りと苦味のバランスが魅力のIPAスタイルを専門に展開する「J-CRAFT HOPPINGシリーズ」より、限定醸造として「J-CRAFT HOPPING セッションIPA」を10月17日(火)から全国発売します。

希少ホップ“ネルソンソーヴィン”を使用した軽やかなビール!

「J-CRAFT HOPPING」は、コーディネーターの田嶋伸浩氏と、ソムリエと利き酒師の資格を持つ三菱食品社員がデザインしプロデュースした、個性的なビールを創るブランドです。クラフトビールのおいしさをもっと身近にしたいと、味のイノベーションが盛んに行われているIPAに注目。ホップの香りを重視し、口から鼻に抜ける、“鼻ごし”の心地よい香りを表現しました。

 

10月17日(火)に発売する「セッションIPA」は、ニュージーランド生まれの希少ホップ、ネルソンソーヴィンを使用し、アルコール度数4.5%に仕上げた軽やかでドリンカブルな限定醸造のIPAです。HOPPINGらしく個性がありながらも、フルーティで飲み続けられる味が魅力です。

 

■IPAスタイル
India Pale Aleの略。18世紀末、インドがイギリスの植民地だったころ、インドにペールエールを送るためにつくられたレシピ。海上輸送中に傷まないよう、防腐剤でもあるホップを大量に投入したため香りと苦みが非常に強いですが、その味と香りが評判になり確立されたスタイルです。現在はさらに進化中。

 

■セッションIPA 
爽やかな香りのホップを使用しアルコール度数を抑えて飲みやすくしたIPAとして近年、セッションIPAがアメリカで着目されています。“drinking session=飲み会”から名付けられたビアスタイルで、飲み会中、飲み飽きることなくずっと飲んでいられるビールが由来とされています。

 

■メーカー:三菱食品
■商品名 :「J-CRAFT HOPPING セッションIPA」
■希望小売価格 :330円(税抜)

日本酒芸人「にほんしゅ」が解説する「酒器」選びのセオリーとおすすめ酒器

毎年10月1日は、日本酒の日。それにちなんで、今回は日本酒の「酒器」にフォーカスを当てます。すぐに思い浮かぶのは「お猪口(おちょこ)」でしょう。素材や形状だけでもさまざまな種類があります。しかも日本酒をおいしく飲ませてくれる酒器は、実はお猪口だけではありません。

 

そこで、きき酒師によるお笑いコンビ「にほんしゅ」の、あさやんさんと北井一彰さんに日本酒の基本から、酒器の選び方を詳しく教えていただきました。

↑きき酒師の漫才師「にほんしゅ」のふたり。あさやんさん(左)と北井一彰さん(右)

 

日本酒の魅力は味が多彩で造り手の顔が見えること

昨今の日本酒を取り巻くトピックスの代表例としては、若い造り手の台頭や、海外における人気が挙げられます。若手による挑戦的な醸造法によって斬新な味わいが生み出されるほか、和食のユネスコ無形文化遺産登録や酒造の海外展開、インバウンドの人気などによって日本酒はいまや “世界酒” に。

 

こうした背景からも注目を集める日本酒ですが、「にほんしゅ」の二人はその魅力をどう考えているのでしょうか? あさやんさんは「顔が見えること」だといいます。

 

「お酒には国内外いろんな種類があり、僕ら自身、日本酒以外もよく飲みます。ただ日本酒は全国に1000蔵以上の造り手がいながら、ほとんどが少数精鋭。ですので、蔵人が身近で顔が浮かびやすいことが日本酒ならではの魅力だと思います」(あさやんさん)

 

日本酒は米と米麹と水を主原料とする、一見シンプルなお酒ですがその味わいは千差万別。北井さんは、この多彩さも日本酒の魅力であり、それは飲み比べるとよくわかるそう。

 

「飲む順番でも、感じ方がガラッと変わるんです。これはお笑いの舞台とも共通していると思いますね。例えばトップバッターがキャラ濃いめの芸風、次が正統派の芸人という順番だと、後者の面白さが伝わりづらいんですよ。日本酒も同じで、まずは定番や正統派の銘柄を楽しみ、後から個性派やインパクトのある酒質を味わったほうが、それぞれの魅力を感じやすいと思います」(北井さん)

 

知っておきたい、基本的な日本酒の種類

・純米酒
日本酒の種類は、まずは「醸造アルコールの有無」と「精米歩合」の2点を抑えましょう。そして米、米麹、水のみで造られ、醸造アルコールを含まない日本酒が純米酒。米本来のうまみや深いコクが豊かなことが特徴です。

 

・本醸造酒
醸造アルコールを添加している日本酒が本醸造酒。産業としての酒造りが盛んになった江戸時代に、品質を安定させ腐敗を防ぐために生み出されたといわれています。醸造アルコールの役割には、味わい的にすっきりと軽快になる、香り的に華やかでフルーティーな吟醸香をより引き立出せるというものがあります。

 

・吟醸酒
よりよく磨いた米を、低温かつ長時間発酵させる吟醸造りで醸造した日本酒のカテゴリー。磨く割合「精米歩合」60%以下が吟醸酒で、50%以下まで磨くと大吟醸酒に。また、同条件で醸造アルコールを添加しないタイプは純米吟醸酒、純米大吟醸酒に分類されます。

 

まずは形と材質と厚さで選ぼう。酒器を選ぶ意味と、酒器の種類・選び方

味わいが多彩な日本酒。その魅力を、様々な形や材質でより高めてくれるのが酒器だと「にほんしゅ」の二人はいいます。ポイントとなるのが、組み合わせ。

 

「例えば、香りが豊かなタイプはワイングラスのように口が広くて湾曲した形の酒器が香りの特徴が分かりやすくておすすめ。それこそ、ワイングラスでもOKです。一方で、香り以上にうまみや味わいのボリュームに特徴がある日本酒でしたら、どっしりとしたお猪口がいいでしょう」(あさやんさん)

 

また、酒器を素材で選ぶ際には、味がシャープな日本酒にはガラス、まろやかなタイプは陶磁器といったふうに、酒質の口当たりとの相性を目安にするといいとのこと。

 

「あとは酒器自体の厚みですね。繊細だったり、軽快だったりする日本酒の場合は薄いほうがわかりやすく、濃厚な日本酒の場合は厚いほうが受け止めやすいでしょう。このように、基本は形と材質と厚さ。まずはこの3つで酒器を選んでみてください。そのうえでもう一つ挙げるなら、見た目です。泡や濁り酒、熟成酒のように見た目に特徴がある日本酒の場合はクリアな酒器がいいでしょうし、正月のおせち料理には平盃(ひらはい)や枡(ます)が合いますよね。もちろん、ルックスの好みで選んでいただいてもいいですよ」(北井さん)

 

なお、お猪口とぐい呑みに形状的な違いはありませんが、一般的には大きさの違いで分類されます。厳密なサイズに決まりはありませんが、小ぶりな酒器がお猪口。それよりひと回り大きいのがぐい呑みです。合わせて覚えておくといいでしょう。

 

にほんしゅのお気に入り! 日本酒×酒器の良好な組み合わせ一例を紹介

では、「にほんしゅ」の二人ならどんな日本酒と酒器を組み合わせるのでしょうか? この日用意した銘柄に合う酒器を教えてもらいました。

 

長野県上諏訪の酒ぬのや本金酒造が、地元の新しい酒米「山恵錦」で醸した生酒。華やかな香りや米の甘みをもちつつ、スッキリ爽快な後口のこちらは冷でも燗でもおいしく、酒器は、幅広い温度帯に対応できる万能タイプの錫(すず)製をチョイス。

 

長野県木曽の名門・湯川酒造店による低アルコール原酒の無ろ過生酒。ライトな飲みごたえと心地よい酸をもち合わせたこちらには、ルックスの涼やかな天満切子のお猪口をセレクト。

 

神戸・灘のビッグネーム「菊正宗酒造」は樽酒の名手としても有名。吉野杉の優美な香り漂うこの「純米樽酒」を、より存分に楽しむならやはり吉野杉でできた枡でしょう。

 

佐賀県唐津にある小松酒造の銘柄「万齢(まんれい)」の、伝統製法である生酛造りで醸したタイプが「万齢 八百万(やおよろず)」。優しい酸とキレが調和し、深みと厚みもあるこの味には、堂々とした厚口のお猪口をレコメンド。

 

それではここからは、にほんしゅのふたりが解説する選び方をもとに、今買える酒器を紹介していきます。

 

■ まずはこれを用意しておこう! オールマイティ型

開いた形状で香りが豊かに味わえ、適度な高さと厚口のバランスがいい万能型。ガラス製なら、泡のビジュアルや色もじっくり楽しめます。まずなにはなくとも、これを1個用意しておけばOK。

 

東洋佐々木ガラス「天開60」
280円(税別)

 

■ 基本の使い分けを楽しめる酒器3種

酒器で変わる味の違いを楽しむなら、手始めにそろえるべきはどんなタイプでしょうか。「にほんしゅ」のふたりによると、この特徴の異なる3種類をそろえるといいそう。

 

1.すぼまった形が香りを閉じ込める「ワイングラス型」

口が広くて湾曲した形のワイングラスは、香りを楽しむのに最適。なかには、陶器製のものもあります。

中川政七商店「エッグシェル」
1万2600円(税別)

ワイングラスの形状をお手本に、光を通すほど薄い有田焼のエッグシェルで制作。丸いボウル部分が香りを閉じ込め、広い口径と薄い縁は舌全体にうまみを広げます。

 

リーデル「<エクストリーム シリーズ>純米」
3500円(税別)

のべ170人の蔵元や専門家の意見を集約。25種ものプロトタイプから開発をスタートし、約8年をかけて完成。大ぶりで横長、飲み口の口径が大きい形状が、純米酒の特徴である米のうまみを引き出し、やわらかくクリーミーな質感を口中に長く留めます。

 

2.やわらかなタッチがまろやかさを演出「陶磁器」

土や石を原材料とする陶磁器は、やわらかいタッチが特徴。厚く作られた酒器は口当たりもしっかりしており、濃厚な日本酒の魅力を受け止めます。なお「にほんしゅ」の二人は「各地の工芸品の酒器をその地酒に合わせると、より土地の個性がマッチする気がします」と話します。

 

「信楽焼 丸十製陶 スモールカップ ターコイズ」(大人の焼き物)
1400円(税別)

滋賀県信楽焼の窯元「丸十製陶」が製作。ぽってりした風合いに色鮮やかなターコイズブルーの組み合わせが現代的。ぐい吞みはもちろん、コーヒー、紅茶、小鉢など使い勝手がよい一品。

 

3.風味やテクスチャーをダイレクトに伝えてくれる「薄吹きグラス」

繊細な技術で作られた薄吹きグラスは、極限までガラスを薄くすることで風味やテクスチャーをダイレクトに伝えます。デリケートかつ高価ですが、繊細な日本酒を味わうためにはぜひ持っておきたい酒器といえるでしょう。

 

Wired Beans「生涯を添い遂げるグラス SAKEタンブラー うす吹き トランスペアレント(透明)杉箱入り」
3800円(税別)

日本酒の香り・味わいを楽しめる小さなタンブラー。軽さと口当たりの心地よさが魅力です。職人の技で美しく均一な厚さに吹いた「うす吹き」タイプのグラスは、極限までガラスを薄くすることで口当たりの良さを実現。

 

■ 日本酒にハマったら手に入れたいネクストステップ

基本を押さえ、さらに繊細な違いを楽しみたくなったら? ネクストステップは次の3種。

 

・熱伝導率に優れた万能な酒器「錫」

錫の特徴といえば、高い熱伝導率。「にほんしゅ」の二人も、「あらゆる温度帯に万能。味がまろやかになるのもイイ!」と絶賛します。

 

能作「ちょい呑 – ぐい呑」
3300円(税別)

職人がハンドメイドで仕上げたもの。やわらかくて手になじみ、温もりをも感じさせてくれます。同ブランドこだわりの錫100パーセントが特徴。

 

・うまみを引き立たせ香りも楽しめる「平盃」

神事や祝祭事などでも使われるケースが多い平盃。皿部分の下に小さな円筒(高台)がついており、味わい的にはうまみを引き立たせ、香りも楽しめるのが特徴です。

 

本間器物製作所「えんもたけなわ 平盃(かがみ)」
6000円(税別)

錆びにくく、輝きも美しい18-8ステンレスを採用。二重構造のため保温と保冷力があり、燗酒も冷酒も温度をキープしてくれます。

 

・アレンジなどカジュアルに楽しむシーンで活躍する「タンブラー」

日本酒を氷と炭酸で割ってハイボールとして飲んだり、ライムとレモンで作る日本酒カクテル「サムライ」を楽しんだり。カジュアルに楽しみたいときにオススメなのがタンブラー。ステンレス製や真空2重構造のものは、アウトドアシーンでも重宝します。

 

KEYUCA「Abysse ステンレスタンブラー 380ml」
各1490円(税別)

グラデーションが美しいステンレス製。真空2重構造により保温保冷効果が高く、結露が起きないので、テーブルなどに水気がつかないことも魅力です。

 

■ アミューズ性のある酒器

材質やデザインに特徴がある酒器は、特別な日本酒を飲む際やパーティーなどに重宝するでしょう。また、贈答用にもオススメで、特に外国の知人にプレゼントすれば喜ばれることうけあいです。

 

・木の香りが芳しい伝統容器「枡」

体積を量るために古くから用いられてきた枡。酒の計量器としても長年使われ、祝祭事でもおなじみですが、木の香りをまとわせてくれることも魅力。日本酒用の材質は、ひのきや杉が一般的です。使用後はカビなどがはえないよう、しっかり洗い乾燥させましょう。

 

吉辰商店「吉野杉の枡」
1000円(税別)

吉野杉を使った一合枡。呑み心地は、ほのかな杉の甘い香りを感じられ、芳醇な香りも楽しめます。

 

・きき酒用に生み出された日本酒のシンボル「蛇の目」

お猪口やぐい吞みでも用いられる青と白の二重丸は、日本に古くから伝わる「蛇の目」という模様。この意匠を用いた酒器はきき酒用に作られたといわれ、いまも実際の品評時に重宝されています。白い部分で日本酒の色合いや濃淡を、青い部分で透明度や輝きをみるのだとか。蔵元がロゴ入りで販売しているケースも多いので、酒蔵見学の際はぜひチェックを。

 

AKOMEYA TOKYO「蛇の目ぐいのみ 3勺」
500円(税別)

岐阜県多治見市産。磁器の中でも白さの高い土を使用しているため、日本酒を入れたときの透明度が高く、さらに口元が薄めであることも特徴です。

 

・日本独自の美しい意匠を愛でられる「切子」

日本が誇るガラスの装飾加工(加工品)が切子。庶民の文化から生まれた江戸切子と、島津藩御用達として作られた薩摩切子が有名ですが、近年になり大阪で生み出された天満切子も高い注目を集めています。

 

天満切子「ぐい吞み杵型24% あさがお」
2万6000円(税別)

天満切子ならではの特徴は、グラスをV字ではなくU字に削る事で生まれる独自のデザイン。天開型の形状にすることで、まるで朝顔が咲いているかのよう。繊細なカッティング面がレンズの役割を果たし、日本酒を注ぐと底面の模様を万華鏡のように映し出します。

 

斬新で面白い! 昨今の日本酒トレンドキーワード 3

最後は「にほんしゅ」のふたりに、日本酒のトレンドについて聞きました。これまでにない味わいに驚かされることもよくあるとのことで、もしお店でこれらの日本酒を見つけたら、ぜひ試してみてください。

 

1.酸の効いた味わい

「スパークリング日本酒だったり、酸の効いた酒質だったり。昔の日本酒業界では酸味ってネガティブなイメージだったそうですが、いまは造り手の技術や感性とともに飲み手の嗜好も変わりました。優雅な風味や心地よい爽快感をもったものが多く、しかもこうした日本酒がスーパーでも買えるようになっています」(あさやんさん)

 

2.ワイン並みの低アルコール

「日本酒は一般的に、17~18度程度のアルコール度数を加水処理して15度程度に抑えるのですが、加水をせずに12~13度程度に飲みやすく仕上げる銘柄が近年増えています。これも造り手の技術向上のたまものですね。お酒としては決して低アルコールなわけではないですが、5度下がると味もかなり違いますよ」(北井さん)

 

3.高精米歩合

「近年のトレンドのひとつは、『獺祭』に代表されるよくお米を磨いた精米歩合の数値の低い大吟醸酒でしたが、最近はあえて米を磨かずに醸すタイプの日本酒も増えています。精米歩合はそれこそ90%とか。これも近年の飲み手のニーズの多様化も含めた既成概念にとらわれない酒造りの一例だといえるでしょう」(あさやんさん)

 

「味わいは、酸がしっかりありながら甘酸っぱい方向性ではなく、キュッと閉まるような。例えるなら、ヨーグルトの上澄みのような酸味、そこに昆布茶のようなうまみが加わったようなおいしさですね。ペアリングとしては、スパイスの効いたおつまみがよく合うと思いますよ」(北井さん)

 

酒器を知れば日本酒がもっとおいしく、面白くなります。ぜひ10月1日はお好みの日本酒を、とっておきの酒器でじっくり味わいましょう。

 

プロフィール

日本酒芸人・唎酒師 / きき酒師の漫才師「にほんしゅ」

2007年10月1日に、あさやんと北井一彰で結成。世界で唯一の日本酒きき酒師によるお笑いコンビであり、イベントでの漫才や司会、セミナー講師、各種メディア出演など多方面で活動している。
HP

クセがなくすっきり爽やかな「キリン 上々 焼酎ソーダ」新発売

キリンビールは、メルシャン八代不知火蔵の本格麦焼酎原酒を一部使用したRTD(※1)の新ブランド「キリン 上々 焼酎ソーダ」(350ml缶・500ml缶)を、10月17日(火)より全国発売します。

※1 Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲めるアルコール飲料

メルシャン八代不知火蔵の本格麦焼酎原酒を一部使用

「キリン 上々 焼酎ソーダ」は、特長豊かな焼酎をつくり出す5種6機の蒸留釜を備えたメルシャン八代不知火蔵にて、経験豊かな蔵人が約80年の歴史で培ってきた技術から製造した本格麦焼酎原酒を一部使用。「米麹抽出物」や「食塩」といった焼酎の特長を引き立てる素材を使用することで、焼酎の本格感や満足感を感じられながら、余計なクセがなくすっきり爽やかな味覚を実現しました。また本商品は、糖類0(※2)、プリン体0(※3)であることも特長です。

 

本商品は食事との相性が良く、和食を中心に実施したAI味覚センサー「レオ」による食相性分析では、多くの料理と高い相性度を獲得(※4)しました。なお、このセンサーによるRTDと食の相性分析において、「キリン 上々 焼酎ソーダ」と「サバの味噌煮」の組み合わせが過去最高の相性度を獲得しています。

※2 食品表示基準による
※3 100ml当たりプリン体0.5mg未満をプリン体0と表示
※4 OISSY(オイシー!)株式会社調べ(基本味を定量的に分析するAI味覚センサー「レオ」に基づく五味の相性分析による)

 

■メーカー:キリン
■商品名:キリン 上々 焼酎ソーダ
■商品価格:オープン価格

世界No.1のノンアルコールビール「Heineken 0.0」が日本上陸!

ハイネケン・ジャパンは、ノンアルコールビール「Heineken 0.0(ハイネケンゼロゼロ)」を2023年10月16日(月)より全国にて販売開始します。

ビールの味わいはそのままに、アルコールゼロを実現した新商品「Heineken 0.0」

通常のビールと同様に醸造し、その後でアルコールだけを除去する「脱アルコール製法」がもたらす、本物のビールと遜色のない本格的な味わいを実現したノンアルコールビール「Heineken 0.0」は、ハイネケンのマスターブリュワー(醸造責任者)たちが、厳選された素材を使用して完成させた、まさにビール愛好家のための新しいノンアルコールビールです。そして、2017年の販売開始以来、世界110の市場にわたり支持されており、ノンアルコールビールとしては世界No.1の売上を誇っています。*1

*1出典元:2022年1月~12月 GlobalData社調べ 全世界販売量ベース

 

ハイネケン グローバルマスターブリュワー
ウィレム・ヴァン・ウェイズバーグ
のコメント

「Heinekenに5%ほど含まれているアルコールを取り除くだけなら簡単です。しかし、それでは最高の味をお届けすることはできません。「Heineken 0.0」はハイネケンの150年以上のビールづくりの経験と技術を駆使して実現した、完璧なバランスの味わい、爽やかなフルーティーな香り、柔らかなモルティなボディが自慢です」。

 

■メーカー:ハイネケン
■商品名:Heineken 0.0
■商品価格
・330ml スリーク缶:160円(税別)
・330ml ロングネック瓶:178円(税別)

サッポロビールがオレンジ香る濃厚な「ヱビス オランジェ」期間限定で発売

サッポロビールは、ヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」第2弾商品である「ヱビス オランジェ」の缶商品を10月11日に期間限定で、びん・樽商品を同日に数量限定で発売します。

 

「CREATIVE BREW」は、「つくろう、驚きを、何度でも。」を合言葉に掲げ、ヱビスで100年培ってきた技術と知見を活かしながらこれまでのビールの概念にとらわれない新たなビールのおいしさや楽しさに挑戦していくヱビスブランドの新ラインです。「CREATIVE BREW」の商品開発を担うのは、2024年4月開業予定の「YEBISU BREWERY TOKYO」で醸造を担当するChief Experience Brewerの有友 亮太(ありとも りょうた)です。若手醸造家ならではの感性や現代の製法や技術を取り入れながら、お客様に驚きを届け、新たな幸せ時間を創造していくことを目指し、ヱビスならではの上質なおいしさ、そして、独創的な商品をご提案していきます。

 

「CREATIVE BREW」の第2弾となる本商品は、ヱビスブランド130年以上の歴史の中で初めて「オレンジピール」に着目しました。徹底的に吟味したオレンジピールに、柑橘のような香りのホップを一部掛け合わせて実現した、これまでにない、オレンジ香る濃厚な味わいのヱビスです。ヱビスの香りとコクをより一層増幅させた、新たなおいしさのヱビスで、幸せなひとときを彩ります。

 

■メーカー:サッポロビール
■商品名:ヱビス オランジェ
■参考小売価格
・350ml缶:258円/本(税抜)
・500mlびん:355円/本(税抜)

 

「いいんですか? こんな昼間から」吉沢亮、ビールの広告キャラクター初就任! “スーパードライ”で乾杯「最高じゃないか」

俳優の吉沢亮さんがビールを片手に喜びを爆発させました。

 

喜びを表したのは、アサヒビールが開催した「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」の広告キャラクター発表会において。同商品は「ビールとの新しい付き合い方、はじまる。」をメッセージにしたアルコール分3.5%のビールで、10月11日(水)から発売されます。

↑「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を片手に、笑みを見せる吉沢さん

 

お酒好きで有名な吉沢さんは、「いつかお酒のCMをやりたいなと思っていたので、ようやく夢が叶ったなと。最高です、ありがとうございます!」と、酒類の広告への初出演にニッコリ。10月下旬ごろから全国放映されるCM撮影については「ものすごくプライベートに近いシチュエーションでしたので、お芝居をしている感覚というより、ただただ楽しみながら撮影させていただきました」と振り返りました。

 

これまでのビールとの付き合い方について「つい飲みすぎて、翌日ちょっと頭痛くなっちゃったり(笑)。でも友達と楽しく飲んだりゲームしながら飲んだり、日常をより楽しくしてくれるモノだと思いながら、お付き合いしていました」としたうえで、アルコール分3.5%の同商品については「良い意味で『酔い心地』が変わったなという気がします」とコメント。

 

「何かをやりながら飲むモノとして、ふさわしいのかなと。酔いすぎると思考も止まりますけど、このビールだったら大丈夫。味わいも、スーパードライを飲んでいるときと変わらず、すごくおいしいです。まろやかさもあるので、普段ビールを飲まない人や、成人して初めてお酒を飲む人にもおすすめの商品なんじゃないかな」と魅力を語りました。

↑フリップで「ドライクリスタルとともに新しくチャレンジしてみたいこと」に回答する吉沢さん

 

さらに、オフの日の過ごし方を「インドアな人間なので。1日中ゲームしていたりマンガ読んでいたりすることが多いです」と明かしつつ、同商品がお供としてあることで「完璧ですね。最高です」と、きっぱり。新しく挑戦したいこととしては「ドライクリスタルに合う料理に挑戦してみたら面白いのかなと。中華料理とかイタリアンとか。しっかりしたごはんのお供として飲むのも合いそうなので、ガツンとした料理を作ってみたいです」と、意気込みます。

 

飲みながらやりたいこととしては「ゲーム」と回答。「今までもお酒を飲みながらやってきましたが、酔っ払ってくると、意外とやれないんですよね。特にオンラインゲームだと、一緒にやっている友達に迷惑をかけちゃう(笑)。楽しく飲みつつ、思考がまわるこのドライクリスタルは最高じゃないか」と、伝えました。

↑なぜかペンを太字に変え、「ドライクリスタルを飲みながらやってみたいこと」に回答する吉沢さん

 

最後に司会者から「喉、乾いてきていませんか?」と問われ、「……いいんですか? こんな昼間から。ありがとうございます!」とうれしそうな様子で、同商品を片手に乾杯した吉沢さん。「ありがたい……最高ですね! 染みますね。画作りですからね。飲みたくて飲んでいるわけではないですから」と、何度もビールを口に運んだのでした。

↑いい飲みっぷり!

 

【商品概要】


商品名:アサヒスーパードライ ドライクリスタル
品目:ビール
容器容量:缶350ml、缶500ml
発売日:10月11日(水)
発売地区:全国
価格:オープン価格

 

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10月以降のビールは酒税法改正でこうなる! 大手の全新作と戦略を解説

2023年で最も注目度の高いお酒カテゴリーは、断然ビール。なぜなら、10月に酒税法が改正され、ビールが実質安くなるから。では何がどう変わるのか? その解説に加え、大手メーカーの新作と各社の動向をレポート。また、話題を呼んだアサヒビールの「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」ほか、大手ビールメーカー4社の新作も紹介します。

 

ビールは安く、新ジャンルは高くなる……その価格差を解説

まずは酒税法改正について。ビール飲料は麦芽比率や原材料などの違いで「ビール」「発泡酒」「新ジャンル(第三のビール)」と分けられているのは周知の通り。

 

おさらいしましょう。麦芽比率に関しては、概要として50%以上ならビール、50%未満であれば発泡酒。新ジャンルには「その他の醸造酒(発泡性)」と「リキュール(発泡性)」があり、前者は麦芽を使わずホップや穀類を発酵させたビールテイスト飲料、後者は発泡酒に麦由来のスピリッツを加えたビールテイスト飲料のことを指します。

 

それぞれに価格差もありますが、その差を生む要因のひとつが酒税です。

↑2023年9月、都内のコンビニにて

 

2023年9月30日までは、ビールが70円、発泡酒は46.99円、新ジャンルは37.8円(すべて350mlの場合)の酒税がかかります。それが2023年10月1日からビールは63.35円と減税、発泡酒は46.99円で据え置き、新ジャンルは46.99円と増税に。発泡酒と新ジャンルは同一の酒税になるとともに、ビールとの価格差が狭まるのです。

 

なお、最終的に2026年10月には全ビール類の税率が54.25円に一本化され、RTD(チューハイなど)は現状28円ですが2026年10月には35円となる予定です。

 

↑アサヒビールの資料より

 

これによって店頭における各社ビール(プレミアムではないタイプ)の想定価格は、350ml缶が225円前後、500ml缶は293円前後になるとみられています。コンビニでは現状、350ml缶が230円前後、500ml缶が300円前後なので、たしかにビールの減税分(70円→63.35円)程度は安くなるといえるでしょう。

 

↑酒税改正は段階的に行われており今回は2回目。前回は2020年10月で、そのタイミングで世に出た斬新なビールが「キリン一番搾り 糖質0」です

 

一方で、逆風にさらされるのが新ジャンル。こちらはコンビニで現状、350ml缶が170円前後、500ml缶は240円前後ですが、10月以降はそれぞれ10円近く値上がるとみられています、この点を踏まえて先手を打ったのがイオングループです。

↑イオングループが3月に新発売した発泡酒「トップバリュベストプライス バーリアルグラン」。製造はキリンビールが継続して手掛けています

 

同社では今春、PB(プライベートブランド)だった新ジャンル(第三のビール)の「トップバリュ バーリアル」を終売し、原材料を大きく変えて、発泡酒の「トップバリュベストプライス バーリアルグラン」を発売しました。この刷新に伴い売価も30円近く上がりましたが、なんと発売3か月で5000万本を突破し、「バーリアル」の2倍近く売れているとか。

↑都内のまいばすけっとにて(2023年9月)

 

刷新にあたって、原材料としては「大麦スピリッツ」を使わなくなったことで新ジャンル(第三のビール)から発泡酒になったのだと推測できます。新ジャンル(第三のビール)のままでは10月に少なからず値上げせざるを得ない状況になりますから、30円値上がりしたとはいえ、イオングループの先手は功を奏したといえるかもしれません。

 

ここからは、ビール大手4社の秋冬動向を、最も早く会見を行ったサントリーから順に紹介していきましょう。

 

■ サントリーからは日本初の“糖質ゼロ黒ビール”がデビュー

サントリーは、10月の酒税に先んじて4月4日新発売の「サントリー生ビール」を積極展開し、スタンダードビールの存在感を高めていました。なお、同商品の販売へ集中するために終売となったのが「ザ・モルツ」です。

↑缶が終売となった「ザ・モルツ」(左)と「サントリー生ビール」(右)。「サントリー生ビール」は発売3か月で200万ケースを突破し、2023年の販売計画を400万ケースに上方修正しています

 

そのうえで注力するのが、限定品によるトライアルの最大化と、業務用での飲用接点強化。特に注目の新商品は、“日本初の糖質ゼロ黒ビール”をうたう限定発売の「パーフェクトサントリービール〈黒〉」です。黒ビールに期待される飲みごたえを叶えるべく、麦芽とホップの配合や醸造条件にこだわったとのこと。

サントリー
パーフェクトサントリービール〈黒〉
10月3日より限定発売

 

なお、業務用の戦略については、来春「サントリー生ビール」を瓶と樽で発売することが発表されました。また、ここまで述べたように10月の酒税改正でビールに追い風が吹きますが、見逃せないのが直前に起こるであろう新ジャンル(第三のビール)の駆け込み需要。

↑サントリーの新ジャンルといえば「金麦」。四季に合わせた味わいに整えている定番(左から2番目)があったり、季節限定のエクステンション(右端)を発売したり、独自のブランディングも特徴です

 

同社では、新ジャンル(第三のビール)のなかでは「金麦」は好調(2023年1~7月で101%)であることから、10月以降も継続して「金麦」の販促をしっかり行っていくとのことです。

 

サッポロは70%オフと大胆なヱビス戦略がアツい!

サッポロビールは、酒税改正に加えてコロナ禍を経た健康意識の高まりにも着目。そこで新たに開発したのが、糖質とプリン体70%オフを実現した「サッポロ生ビール ナナマル」です。これは、日本初の糖質とプリン体、2つのオフを訴求するビール。

サッポロビール
サッポロ生ビール ナナマル
10月17日発売

 

ゼロではなく70%オフで開発した理由は、消費者のニーズに差があるとみているから。ゼロ系ユーザーは、味わいと同等かそれ以上に健康や数値的なものを重視する一方、オフ系ユーザーは健康も意識しつつ、ビールのおいしさも楽しみたいというニーズをもっていると推測。「サッポロ生ビール ナナマル」は、後者のオフ系ユーザーを狙った商品であるとのことです。

 

また同社の注目新作ビールにはもうひとつ、10月11日発売の「ヱビス オランジェ」があります。こちらは2023年2月に発売された「ヱビス ニューオリジン」に続く、ヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」の第2弾となります。

サッポロビール
ヱビス オランジェ
350ml:258円/500ml:355円(税別)
10月11日発売

 

「CREATIVE BREW」は、長年ヱビスで培ってきた技術と知見を活かしながらも、これまでのビールの概念にとらわれない新たなビールのおいしさや楽しさに挑戦していくことがテーマ。「ヱビス オランジェ」では初めてオレンジピールに着目してホップと掛け合わせ、オレンジが香る濃厚な味わいに。ある意味、クラフトビール的なポジションともいえるでしょう。

 

ヱビスなのでプレミアムカテゴリーとなり、こちらは参考小売価格も発表。350ml缶は258円、500ml瓶が355円(ともに税別)です。

今後のブランド展開としては、2024年4月開業となる「ヱビス ブルワリー トウキョウ」にも注目。「ヱビス ブルワリー トウキョウ」では35年ぶりに恵比寿の地でビール造りが再開され、醸造設備やミュージアムの見学に加え、タップルームでここだけのビール「ヱビス インフィニティ」を飲むことも。ヱビスブランドの動向からも目が離せません!

↑2024年4月開業となる「ヱビス ブルワリー トウキョウ」。場所は現在のヱビスビール記念館

 

アサヒはアルコール3.5%の“逆輸入ドライ”でトライ!

アサヒビールが新たに着目したのは、グローバル市場の成長分野であるアルコール度数0~3.5%の飲料。同社ではこれを「ミドルレンジアルコール」とし、10月11日にアルコール度数3.5%の「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を発売します。

アサヒビール
アサヒスーパードライ ドライクリスタル
10月11日発売

 

「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」の味わい特徴は、冷涼感に優れたドイツ産ホップ「ポラリス」を一部使用するとともに、通常の「スーパードライ」よりも発酵度を上げることで実現した、透明感と本格的な飲みごたえ。

 

2020年からアルコール度数4%のビール「アサヒスーパードライ ザ・クール」も発売されており、他社では2018年に「サントリー ザ・モルツ 麦香る3.5%」がコンビニ限定で発売されています。今回の3.5%が消費者にどう響くのか、注目といえるでしょう。

↑「アサヒスーパードライ ザ・クール」は2019年にアルコール度数5%でデビュー(左端)し、2020年に4%でリニューアル。2021年には缶でも発売されました

 

アサヒビールは、数年前からオーストラリア限定で3.5%のビールを販売しており、グローバルのトレンドについては、こういった自社展開を含めた海外事例を参考にしているはず。

↑オセアニア事業を統括するアサヒ・ビバレッジズ社は、オーストラリアで「Asahi Super Dry 3.5%」を昨夏発売しましたし、2015年には同じくオーストラリアで「アサヒ爽快」を発売しています(公式サイトより)

 

加えて、オーストラリアで最も売れているビール「グレートノーザン スーパー クリスプ」はアルコール度数3.5%であり、日本においても3.5%前後のビールに潜在的ニーズがあるのではないかと予想しているとのこと。

↑こちらはグローバルの市場。さすがにコロナ禍においては鈍化したものの、2022年はコロナ前の2019年を上回り過去最高値に

 

また、アサヒビールは2022年6月にノンアル/ローアルコールに特化した「スマドリバー シブヤ」をオープンしています。アルコール度数が低めの「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」は、同社らしい新商品であるともいえるでしょう。

 

キリンは一番搾りとクラフトビールが二大テーマ

キリンビールの戦略は、強固なブランド体系の構築と新たな成長エンジンの育成。前者の主力ブランドが「キリン一番搾り」、後者が「スプリングバレー」です。それぞれの新作と今後の具体的な取り組みが発表されました。

キリンビール
キリン一番搾り やわらか仕立て
10月10日より期間限定発売

 

新作の「キリン一番搾り やわらか仕立て(期間限定)」は、数年前に発売された「一番搾り 小麦のうまみ」を進化させた商品。一部に小麦麦芽を使うことでやわらかな甘みとうまみを感じられ、後口は軽やかな飲みやすいおいしさになっています。

 

開発背景には、肩ひじ張らずに楽しめる飲みやすい味わいへのニーズが高まっていることが挙げられます。この点については「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」に近い考察を感じました。なお「キリン一番搾り」は、11月7日には毎年恒例となっている「一番搾り とれたてホップ生ビール(期間限定)」も発売されます。

↑こちらは2022年版の「一番搾り とれたてホップ生ビール(期間限定)」。同社のホップ施策については、後日詳報します

 

そしてもうひとつの柱「スプリングバレー」は、クラフトビール創造への取り組みの要となるブランド。新作は、第4弾銘柄となる「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」。自社で品種開発した2つの日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」と「IBUKI」を一部使い、柑橘を思わせる爽やかな香りが広がる味に仕上げました。

キリンビール
SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>
350ml:242円/500ml:321円(税別)
10月24日発売

 

同社によると、ビール類市場におけるクラフトビール構成比は2022年時点で約1.6%。爆発的ではないながらも着々とシェアは拡大しており、新たな成長エンジンとして今後もクラフトビールならではの多様なおいしさと新しい楽しみ方を提案していくとのこと。ビール全体に追い風が吹く10月以降の伸長にも注目です。

 

なお、今回取り上げた各社の新作銘柄は、後日あらためてテイスティングのうえレビュー記事を掲載する予定です。ぜひ詳報をお待ちください。

 

取材・文=中山秀明 撮影=鈴木謙介

高田秋が家飲みを満喫! 夏季限定で新発売したビール3種のお味は?

飲み歩き大好きモデル・高田 秋が「家飲み」を追求! 今月は、夏季限定で新発売したビール3種を飲み比べた。共通点は夏向けの上面発酵ビール「サマーエール」であること。その味わいは?

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【10杯目】暑い日においしいビール サマーエールを飲み比べ

キリンビール スプリングバレー
サマークラフトエール<香>

273円
(写真左)

豪州産の希少なホップ「ギャラクシーホップ」を使い、夏らしいトロピカルフルーツのような芳香を実現。アルコール度数が4.5%と低めで、香りや味のボリュームは大きいながらも、ゴクゴク飲める爽やかさに仕上がっている。

 

ブルックリン・ブルワリー
ブルックリンサマーエール
385円
(写真中央)

NY発の人気クラフトビアメーカー「ブルックリン・ブルワリー」が夏に贈る、特別なビールが今年も登場。豊かな味とすっきりとした飲み口が両立し、料理はサラダ、シーフード、肉や野菜のグリルと特に相性抜群だ。

 

サッポロビール
ヱビス サマーエール
231円 数量限定
(写真右)

小麦麦芽を一部に使ってやわらかな口当たりを生むとともに、白ワインやオレンジのような香りのホップをブレンド。コク深く、爽やかで上質な果実味が華やぐテイストに仕上げた。

 

どれもパッケージがカワイイ♡ 飲む前からテンション上がります!

今日は飲む前からテンションが上がりました! だって、どれもパッケージがカワイイから♡ 青空や海をイメージさせるカラーリングやデザインですよね。持ってるだけで暑さも吹き飛んじゃうような。これは確かに、夏に飲みたくなりますよ〜。

クラフトビールは専門店のほか、旅行先で現地の素材を使ったビアスタイルがあると率先して飲みます。また、夏は爽快なのどごしはもちろん、フルーティーだったり、苦みがしっかりしていたりするタイプを飲みたくなるので、今回の3本もうってつけですね。

飲んだ感想は、「ヱビス」は柑橘を思わせる果実味深いコクと相まって、フルーティーなプレミアムビールという印象です。「スプリングバレー」は香りからしてトロピカルで、アルコール度数もやさしめだから20代の若い子にも人気が出そう。「ブルックリン」も香りが華やかですね。そのうえすっきりとしたキレも特徴的で、ゴクゴク飲んでも心地よさそうです。

おつまみも夏っぽいのを合わせたいですね。「ヱビス」は焼きとうきび、「スプリングバレー」はマンゴーとか南国果実のスイーツ、「ブルックリン」は夏野菜のマリネとか。バーベキューなど夏のアウトドアシーンに、今回のサマーエールを合わせるのも最高だと思います。ぜひ試してみてください!

 

高田 秋●たかだ・しゅう…1991年9月23日生まれ、北海道出身。立ち飲み屋巡りが趣味で、唎酒師などの資格を持つ。「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)をはじめ、飲み歩き番組への出演も多数している。公式HPInstagramYouTube

 

文/中山秀明 撮影/千葉タイチ ヘアメイク/榊ひかる スタイリスト/江原優里

高田秋が家飲みを極める! 個性豊かなクラフトジンをから2銘柄を飲み比べ

飲み歩き大好きモデル・高田 秋が「家飲み」を追求! 今月は近年人気が急拡大しているクラフトジンから2銘柄をソーダとトニックで飲み比べた。北海道産と鹿児島産、それぞれ味の特徴は?

※こちらは「GetNavi」 2023年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【9杯目】年々人気が高まるクラフトジンを飲み比べ

REUNION
WELLNESS GIN
6600円
(写真中央)

ウェルネスブランド「REUNION」から今春誕生したジン。鹿児島の名蔵「佐多宗二商店」とタッグを組み、キーボタニカルには北海道を中心に収穫した霊芝という植物生薬を使用。スパイシーなキレのある味わいで、凛とした爽快感が新鮮だ。

 

北海道自由ウヰスキー
9148 #0101
Craft Gin Original
5500円
(写真右)

2018年に創業した北海道初のジン蒸溜所が誇る銘柄「9148」の定番。名称はジョージ・オーウェルの小説「1984」に着想。ラベンダー、ブルーベリー、日高昆布など地元のボタニカルを多用し、甘やかな香りやまろやかな旨みが華やぐ。

 

どちらも個性があって♡ 私もペアリング試してみよ

ジン、イイですね! カクテルはよく飲むんですけど、フレッシュフルーツ系が好きで、ソーダ割りもジントニックもかなり久々。どちらも個性があってスゴくおいしいです♡

「WELLNESS GIN」はジンでは珍しい褐色の液色ですが、これは霊芝によるものとか。真っ白のラベルと相まって、お洒落ですねー。味わいは爽やかなビターテイストの奥に不思議な高揚感があって、余韻はふんわりしたあとスッて消えていく初めての感覚。例えるならやさしいそよ風のようなおいしさで、ソーダ割りでのフードペアリングなら、そうめんなどが合うと思います!

「9148」は故郷の北海道産ということで、親近感が湧きます! 果実味や酸味などのほか、複雑なニュアンスもありますね。どこか森のような風味なんですけど、これは土や冷たい風といった私的な北海道特有の香りがあって、北国ならではの大地の恵みを感じます。ドライな爽快感もあるので、オススメの料理は焼肉かな。特にジンギスカンがイチオシ♡ BBQしながらとか、最高だと思いますよ! 私も試してみよっと。

 

高田 秋●たかだ・しゅう…1991年9月23日生まれ、北海道出身。立ち飲み屋巡りが趣味で、唎酒師などの資格を持つ。「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)をはじめ、飲み歩き番組への出演も多数している。公式HPInstagramYouTube

 

文/中山秀明  撮影/千葉タイチ  ヘアメイク/Hitomi Haga  スタイリスト/江原優里

日本原産ミズナラとフレンチオークを組み合わせた熟成樽でフィニッシュ! 限定発売「シーバスリーガル ユニティカスク 12年」

ペルノ・リカール・ジャパンは、同社が展開するブレンデッドスコッチウイスキー「シーバスリーガル」の「シーバスリーガル ユニティカスク 12年」を、日本限定で数量限定発売しました。市場想定価格は6820円(税込)。

 

同商品は、12年以上熟成したモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドし、その一部を日本原産のミズナラとフレンチオークを組み合わせた「ユニティカスク」でフィニッシュしたシーバスリーガルです。通常、1種類の木材から作られるウイスキーの熟成樽を、ミズナラとフレンチオークを一体化して、特別なひとつの樽にしています。

 

シーバスリーガルでは、日本原産のミズナラ樽を用いた「シーバスリーガル ミズナラ 12年」を2013年、「シーバスリーガル18年 ミズナラ カスク フィニッシュ」を2020年に発売。ミズナラとフレンチオークの2種類の樽材を1つの樽に用いたのは初の試みとのことです。

 

バニラやシナモンを思わせる、バランスの取れた甘くスパイシーな香りが特徴。シーバスリーガルならではのスムースな味わいはそのままに、マンゴーやジンジャー、甘い蜂蜜を思わせる豊かな余韻を楽しめます。

 

パッケージは、それぞれ個性の異なるミズナラとフレンチオークを象徴した鮮やかなツートンカラーで、日本の伝統工芸にインスパイアされた繊細な文様と、ヨーロッパに伝わるバロック様式の文様を施し、クラフトマンシップの融合を表しています。

【東京・沿線ぶらり酒】西荻窪の「戎ストリート」半世紀の歴史の噺

街を結ぶ沿線には、その地ならではの名酒場と酒文化がある――。本企画では、首都圏沿線の路線ごとに、奥深いカルチャーを探っていきます。ナビゲーターは『古典酒場』の倉嶋紀和子編集長。各沿線に縁のあるゲストとともに、街と酒場の魅力を語り尽くします。

 

まずはサブカルチャーの聖地も多いJR中央線から。そして第1回は、呑兵衛からも愛される街・西荻窪(東京都杉並区)にスポットを当てます。お招きしたゲストは、西荻窪(略称「西荻」ニシオギ)住民としても有名であり、倉嶋さんとも親しい作家の角田光代さん。インタビューは、お二人が大好きな名店「やきとり戎(えびす)南口本店」で行いました。

●角田光代(左)/1990年に『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞を受賞してデビュー。2005年に『対岸の彼女』で直木賞受賞。そのほか受賞作や著書は数多あり、夫でミュージシャンの河野丈洋さんとの共著『もう一杯だけ飲んで帰ろう。』など酒や食に関する作品も多数。近著は短篇集『ゆうべの食卓』
●倉嶋紀和子(右)/雑誌『古典酒場』の創刊編集長。大衆酒場を日々飲み歩きつつ、「にっぽん酒処めぐり」(CS旅チャンネル)「二軒目どうする?」(テレビ東京)などにも出演。その他にもお酒をテーマにしたさまざまな活動を展開中。俳号「酔女(すいにょ)」は吉田類さんが命名。令和4年(2022年度)「酒サムライ」の称号を叙任

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

「丁度いい村」西荻窪

二人 カンパーイ!

 

倉嶋 角田さん、今日は私たちが愛する西荻窪について、楽しくじっくり語っていきたいなと。よろしくお願いします!

 

角田 大好きな西荻(ニシオギ)と「戎」、最高の企画じゃないですか。しかも「戎」といえば、『古典酒場』で連載させていただいた『もう一杯だけ呑んで帰ろう。』第1回目の記念すべきお店!

 

倉嶋 懐かしいですよね。こちらこそ、その節はありがとうございました! ではさっそくですが西荻について。お住まいになられてから、結構経ってますよね?

 

角田 ええ。最初こっちに越してきたのが1993(平成5)年だから、ちょうど30年になります。

 

倉嶋 なんと、もう30年ですか! その前も中央線沿線住まいでしたっけ?

 

角田 中央線デビューは中野ですね。学生時代はアクセス的に便利な野方駅(西武新宿線)の近くに住んでいました。でも、卒業後はちょっと不便になったので中野駅方面に引っ越し、そこでディープな中央線の魅力に目覚めたんです。最初から中野駅近くでよかったなと。

 

倉嶋 そして徐々に西側へ引きずられていったと(笑)。

 

角田 まさに(笑)。中野から荻窪へ、あとは高円寺や南阿佐ヶ谷にも住みました。荻窪も好きで、その後また引っ越そうと思ったんですけどなかなか見つからず。それで西に来てみたらすごく気に入って、いまに至ります。

↑西荻窪は一般的に中央線の駅として親しまれていますが、土日祝日は停まらない(各駅停車のJR総武線は停まる)のでご注意を

 

倉嶋 私も杉並区在住ですからこの周辺は特に大好きなんですけど、西荻窪の魅力はどんなところですか?

 

角田 ひとことで言えば静かなところ。隣の吉祥寺や荻窪よりもこぢんまりとしていて、落ち着いた雰囲気があります。お店も、小さくても個性豊かな個人商店が多く、住民同士の距離感も近い。アットホームで、“村”のような街だと思いますね。

↑西荻南口仲通り会のアーケード

 

倉嶋 その感覚、よくわかります! 住んでいる方々が、地元の個人商店をすごく大切にする文化が根付いてますよね。では、ほかの中央線の街はどんな印象ですか?

 

角田 中野や荻窪も似た空気があって大好きですけど、西荻に来てからは、私にとっては賑やかすぎるかなと思うようになりました。高円寺は独特のカオスな空気がありますよね。阿佐ヶ谷は、いい意味でスノッブ。吉祥寺は都会なイメージですね。そういえば、倉嶋さんの中央線愛も強いですよね。杉並区は長いですか?

 

倉嶋 私もまあまあ長いですね。それこそ、中央線で最初に住んだのは西荻窪でした。学生時代は大学に近い護国寺(東京都文京区)に住んでいましたが、社会人となった1999(平成11)年に、当時の会社があった東中野の沿線ということで西荻にやってきたんです。

 

角田 どうしてこの街を選ばれたんですか?

 

倉嶋 特に理由はなく、ふと降り立った西荻窪駅で目の前の不動産屋さんに飛び込んで、紹介された1件目にそのまま住んだら大正解でした。その後も荻窪に引っ越したりと近場を転々としながら、杉並区内で行ったり来たりしています。

 

角田 他路線の選択肢はなかったですか?

 

倉嶋 興味はありましたけど、定住するまでには至らなかったです。角田さんはどうでした?

 

角田 実は、中野から引越すときの選択肢は荻窪か下北沢でした。結局家賃の都合で好物件が見つからず荻窪にしたんですけど、いま考えれば運命だったのかも。

 

倉嶋 私も、なんだかんだずっと中央線沿線で暮らしているのは運命だなって思います!

 

 

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西荻窪飲みのランドマーク「戎」の歴史

↑駅の南側には闇市の残り香が漂う小路がいくつかある。「戎」の存在とインパクト抜群の看板から、ここは通称“戎通り(ストリート)”とも。同店は母屋隣の建物や路地の向かいにある店舗も含めて「やきとり戎 南口本店」となっています(厳密には、母屋以外は通称「別館」)

 

角田 「戎」は駅から近く、しかも南北両方にお店があって、西荻のランドマークといえる存在ですよね。

 

倉嶋 ええまさに! しかも創業が1973(昭和48)年9月で、ちょうど今年2023年は50周年のアニバーサリーイヤーなんですよね。確か、当初は女人禁制だったとか。ちょっと、注文しつつお店の方に聞いてみましょう。

↑「戎」にまつわるお話を聞かせてくれた、西荻南口本店の鈴木店長(右)

 

店長 はい。そうなんです。最初は女人禁制で、カウンター17席のもつ焼きの店だったんですよ。飲み物も創業当時は瓶ビールと日本酒、「宝焼酎」のストレートだけでした。

 

角田 なんと、ストロングスタイル!

 

店長 そのうち焼鳥が加わり、築地の魚と野菜の直接仕入れや、スペイン食材の輸入も行うようになり、海鮮や洋風メニューも提供するようになりました。やがて創業10年後くらいからは隣(別館)もできまして。

 

倉嶋 その後、北口店を開業されるんですよね。

 

鈴木 はい。本店の拡大と同時に「女性も入れる『戎』を作って」と多くの要望があり、それで1985(昭和60)年に西荻北口店を開業しました。もちろん、いまでは全店どなたもご利用いただけます。

 

角田 50年経った今では通りの両側に店舗を広げ、西荻のランドマークと呼ばれる存在になったんですね。ちなみに、ほかの街には書店やビアホールもありますよね。

 

店長 さすが、よくご存じですね! 阿佐ヶ谷にある「書楽 阿佐ヶ谷店」は、うちが経営している書店で、1980(昭和55)年にオープンしました。当時は配本が少なかったなど、苦労話を社長からよく聞いています。吉祥寺の「戎ビアホール吉祥寺」は1989(昭和64/平成元)年にオープンしました。

 

倉嶋 社長は戎井 力(えびすい・ちから)さんですよね。

 

店長 はい。「戎」という店名の由来でもあります。

 

 

「戎」の料理とお酒の魅力

倉嶋 先ほど女性も入れるお店というお話がありましたが、私にとって「戎」は大切なお店で、実は初めてひとり飲みを経験したのが「やきとり戎 西荻北口店」なんです。

 

角田 北口店は私も大好き。確かにあっちは本店みたいに外の店先にテーブルが出ているわけではないから、ひとり飲みもしやすいかも。

↑「やきとり戎 西荻北口店」

 

倉嶋 当時は20代の女性がひとり飲みするのが珍しく、最初は緊張しました。でも、「戎」の常連さんって素敵な方が多くて、何を頼んでいいかわからずキョロキョロしてると、隣のお客さんがスポーツ新聞を見ながらコソッと「ここはもつ焼きだよ」なんて教えてくれるんですよ。しかもそれ以上は深入りして来ずで。

 

角田 粋なエピソードですね!

 

倉嶋 その距離感が心地よくて。だから私はひとり飲みにも抵抗感なくハマれたんだと思います。

 

角田 倉嶋さんの原点といえるかもしれませんね。

 

倉嶋 当時の私は「F1(モータースポーツのフォーミュラ1)」の速報誌を担当していたんですけど、ヨーロッパの時間に合わせて働くので深夜早朝に仕事して昼帰るみたいな。で、職場から西荻窪に着くと、平日の昼間から「戎」で常連の方々がニコニコ飲んでるわけですよ。

 

角田 わかります。えびす顔でね(笑)。

 

倉嶋 それがすごく羨ましかったんですよ。でも、平日の昼間から飲むためにはどうしたらいいんだろうと思ったときに、「そうだ! 私は編集者だから、酒場の雑誌を作れば取材と称して飲めるじゃんっ」て。そんな邪念も、『古典酒場』を作った理由のひとつです。

 

角田 素敵な邪念じゃないですか! ある意味、夢を叶えたってことですよね。

 

倉嶋 はい、おかげさまで(笑)。でもほんと、私にとって「戎」は宝物のようなお店です。角田さんはひとり飲みデビューは遅めなんでしたっけ?

 

角田 そう、昔はひとりで飲むのが怖くて。特に大衆酒場には、男友だちと一緒に行ってました。初めて「戎」に来たのは20代半ばで、そのときも数人でしたね。ひとりで飲むようになったのは、40歳を過ぎてからです。

 

倉嶋 角田さんは「戎」のどんなところに惹かれますか?

 

角田 ひとつは、価格と量がちょうどいいっていうのがありますね。串も1本から注文できるし、いろんな種類のおつまみを食べられるので重宝しています。

↑「戎」の串焼きは1本100円~。「定番5本盛」は480円とお得な価格

 

倉嶋 ポーションのサイズ感は、特にひとり飲みのときは大事ですよね。

 

角田 あとは、お気に入りのメニューが多いんです。「水ギョーザ」に「ラム串」、あと「イワシコロッケ」は絶対頼みますね。

 

倉嶋 角田さん、羊好きですもんね。

↑「ラム串」290円

 

角田 ええ、もう目がなくって! そして「水ギョーザ」に関しては、ここの味が好きなんです。ほかの店ではあまり水餃子は食べません。

 

倉嶋 それって、本場中国の水餃子以上に好きってことですよね。

↑「水ギョーザ(3ケ)」290円

 

角田 そうなんですよ。ポン酢で味わうんですけど、この相性と、ちゅるんとした食感、あと小ぶりなサイズ感がたまらないんです!

 

倉嶋 なるほど、確かに本格中華はポン酢で食べないですもんね。私もこの味、チューハイも進むし大好きです! そして「イワシコロッケ」といえば「戎」の名物ですけど、今日も裏切らないおいしさですね!

 

角田 オンリーワンですよね。最初は北口店にしかなくて、その後、南北共通で食べられるようになって。ハーフで注文できるのも嬉しいんです。

↑「イワシコロッケ(ハーフサイズ)」330円。レギュラーサイズは550円

 

倉嶋 確かに! 私はあと、季節のオススメも好きなんですよ。「戎」は旬の食材も積極的に仕入れていらっしゃって、主役は焼鳥なんですけど、お魚も新鮮でとてもおいしいんです!

 

角田 ええ、今日の「ハモ湯引き」もふわっとやわらかく、包丁技も冴えわたってますね。おいしい!

↑「ハモ湯引き」480円

 

倉嶋 和洋中とメニューが豊富でレベルが高く、それでいて良心的な価格。チューハイも進むし、改めてサイコーなお店ですね。

 

角田 はい! お酒もおいしいですし。

 

倉嶋 特にチューハイは、サーバーから注がれたものではなく、店員さんが一杯ずつ丁寧に作っているところにこだわりを感じます。

 

角田 いわばカクテル。職人技ってことですよね。

 

倉嶋 はい! それも、冷蔵庫ではなく氷水でキンキンに冷やした「宝焼酎」の一升瓶を使っていて。“どぶづけ”を思わせる昔ながらのスタイルに、老舗の心意気を感じます。

↑“どぶづけ”には、瓶ビールや「宝焼酎」の一升瓶が氷水でキンキンに冷やされている

 

↑「酎ハイ」370円。「戎」の「酎ハイ」は焼酎たっぷりなので飲みごたえアリ

 

角田 半世紀変わらないおいしさも、愛される理由のひとつかもしれませんね!

 

《酒噺のオススメ記事はコチラ》


レモンサワー発祥の店「もつ焼き ばん」で語る、焼酎「割り材」の噺
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一子相伝で受け継がれる“幻”の割り材「ホイス」の噺
「ホッピー」、「ハイサワー」に続く焼酎の割り材として、“幻”ともいわれる希少なエキス「ホイス」にスポットを当てます。

 

2人がオススメの「西荻窪」酒場とは?

倉嶋 角田さんが西荻でお気に入りのお店はどちらですか?

 

角田 比較的新しいお店だと、「コノコネコノコ」です。多国籍料理のお店で、和洋中と実に多彩で絶品。羊を使ったメニューもあって、よく注文するのは羊肉の麻婆豆腐。また、すべてのメニューをハーフサイズにしてくれるのもポイントです。

 

倉嶋 お店の名前からして気になりますね。

 

角田 そう! 営んでいるご夫婦が猫を4匹飼っていて、私はもちろんお客さんも猫好きが多いですね。猫に関するお話をしているシーンもよく見かけます。

 

倉嶋 やっぱり猫好きなんですね。それは私にとってもたまらんです!

 

角田 昔ながらのお店だと、おでんの「千鳥」は落ち着いた雰囲気で、すごく好きです。名物のおでんはもちろん、お刺身をよく頼んでいます。それから以前、倉嶋さんに教えてもらった「スタンドキッチン ルポン」。移転して、広くなりました。私はここのレモンサワーが大好きで。

 

倉嶋 「千鳥」は私、まだお邪魔できてないんです。「ルポン」も移転してからはまだですね!

 

角田 そう、倉嶋さんがまだ行ったことのないお店はどこかなと思って。あとは韓国料理の「Onggi(オンギ)」もお気に入りで、ここで食べてから私のなかで韓国料理の概念が変わりました。お一人でやられているので、お任せコースだけのときもありますが、何を食べてもおいしいです。

 

倉嶋 気になります!

 

角田 ぜひ今度行きましょうね。では、倉嶋さんが好きなお店はどちらですか?

 

倉嶋 私もたくさんあるんですけど、やっぱり今日の「」は外せませんね。ちょっと贅沢したいときは「しんぽ」です。特にお魚と旬の食材を使ったお料理がおいしくって、こちらも西荻の有名店ですよね。

 

角田 はい、口開け(開店)からすぐ満席になるような大人気店で、私も大好きです。

↑この日の“沿線ぶらりハシゴ酒”、2軒目は「しんぽ」へ

 

倉嶋 あとは「善知鳥(うとう)」。こちらは燗酒が飲みたいときに行きたくなるお店です。お水を山のほうまで汲みに行くほどこだわっていて、料理は熟成させたクリーム帆立のおつまみが大好きですね。

 

角田 ちびちびやりたいですね。別ジャンルのお店だといかがですか?

 

倉嶋 例えば、アジア系のお店だと「ラヒ パンジャービー・キッチン」はすごくお世話になってます。深酔いしても許していただけるお店で、とにかく気遣いがあってやさしくて。

 

角田 西荻は、お店の方がやさしいですよね。

 

倉嶋 ほんとに。しかも、すごく粋なんですよね。自分からアピールはせず、さりげない自然体なサービスが心地よくて、オススメしたくなるお店が多いです。

 

角田 うんうん。街全体に、信頼感がありますよね。

 

倉嶋 そうなんです。私もこの仕事上、「酒場に連れてって」と、ありがたいお話をいただくこともよくあるんですけど、初めての方なら西荻がいいなって思いますね。

 

角田 ほかに西荻で倉嶋さん行きつけのお店ですと「燻製ビストロ みつ志」とか?

 

倉嶋 はい、たくさんある中でも、「みつ志」は燻製卵のサンドイッチが好物で。毎回いただくんですけど、お土産用もご用意してくださるんです。こういうおもてなしがうれしいんですよ!

 

角田 やさしいお店が多いのは、街がコンパクトで個人商店が多いからですかね。

 

↑西荻窪のカルチャーに深く根付いている個人経営の書店も

 

倉嶋 そうですね。角田さんがおっしゃった、“村”という表現にあらわれているのかなって思います。閉鎖的ではなく、いい意味で繋がりがある。店主さん同士やお客さん同士が顔見知りっていうことも多いですし。

 

角田 仲良くなりやすいんですよね。

 

倉嶋 はい。例えば1軒目で離れた席に座っていて、会話も交わしてないけど、3軒目でまたその方に会うみたいなことがあるんですよね。そこで「さっき会いましたよね!」なんて話が弾んで仲良くなる、みたいな。

 

角田 ええ。「また次も会いましょうね」って健全に言い合える街だと思います。

 

倉嶋 ちなみに、角田さんが初めて西荻で飲む方をお連れするとき、ゴールデンコースみたいなのはあるんですか?

 

角田 初めての方なら、やっぱり有名な「戎」や「しんぽ」は定番ですよね。でも私の場合、お酒は夕方からって決めてるので、「しんぽ」に口開けで行って、そのあと「戎」かな。

 

倉嶋 なるほど。私も初めての方を案内するなら、その2軒は入れたいですね。それで3軒目は「ルポン」でレモンサワーとか、「みつ志」でワインとか

 

角田 まさにそうですね。そんな話をしていたら、「しんぽ」に行きたくなりました!

 

倉嶋 いいですね、では行きましょうか!

 

大好きな西荻窪の街と酒場を語り尽くした倉嶋さんと角田さん。次回もディープな中央線沿線の駅で降り、街と魅力的な酒場について倉嶋さんがゲストと語り合います。お楽しみに!

撮影/鈴木謙介

 

 

<取材協力>

やきとり戎 南口本店

住所:東京都杉並区西荻南3-11-5
営業時間:日曜~木曜12:00〜22:00(L.O.21:30)、金曜土曜12:00〜22:30(L.O.22:00)
定休日:無休

※価格はすべて税込みです

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

ビールの里・遠野の“とれたて生ホップ”のおいしさが楽しめる! キリン「一番搾り とれたてホップ生ビール(期間限定)」

キリンビールは、岩手県遠野市で今年収穫したばかりの生ホップを急速凍結して使用する「一番搾り とれたてホップ生ビール(期間限定)」を、11月7日に発売します。価格はオープン。

 

同社は、遠野市と1963年にホップの契約栽培をスタートさせ、今年で60周年を迎えます。一方で、課題となっている日本産ホップの後継者不足を食い止めるべく、地域外からの新しい人材を受け入れるなど「ビールの里構想」に2007年より参画。持続可能なホップ生産地の確立を目指し、「ホップの里からビールの里へ」を合言葉に取り組みを続けています。

 

今回発売となる同商品は、麦のおいしいところだけを搾る「一番搾り製法」でつくる「一番搾り」ブランドからの限定商品。今年で発売20年目を迎え、累計販売数量は3.5億本以上です。(※350ml缶換算。2022年末時点)

 

今年岩手県遠野市で収穫したばかりの生ホップを収穫後24時間以内に凍結して使用。とれたてのホップの爽やかなおいしさを生かした、調和のとれた飲みやすい味わいに仕上げています。同社の特許技術により、とれたてのホップのフローラルな香りを引き出しています。

 

パッケージは、一番搾りブランドの品質感をベースに、「旬のホップを使ったビールの爽やかなおいしさ」や「今しか飲めない限定感」を伝えるデザインです。裏面には、発売から20年間の生産者の思いを込めたメッセージを入れています。

希少な日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」「IBUKI」を一部使用! キリン「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」

キリンビールは、クラフトビールブランドである「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」から、「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」缶商品(350ml缶、500ml缶)を10月24日より新発売します。価格は350ml缶が242円(税別)、500ml缶が321円(税別)です。

 

同商品は、先行する2品(SPRING VALLEY 豊潤<496>、SPRING VALLEY シルクエール<白>)とは異なる味わいで、爽やかな柑橘のような香りが特徴。

 

海外産ホップに加え、同社が品種開発した2種の日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN(ムラカミセブン)」と「IBUKI(イブキ)」を一部使用。華やかな香りが感じられる海外ホップと、いちじくやみかん、マスカットのようなユニークで爽やかな香りの日本産ホップを組み合わせ、双方の良いところを引き出し調和させることで、心地よい上質な苦みとすっきりとした後味が楽しめます。

 

パッケージは、香り高さと品質感が感じられる青緑とゴールドカラーを基調にしています。缶側面や裏面には、味覚特長やクラフトビールならではの楽しみ方のワンポイントアドバイスを記載しています。

 

缶商品のほか、「Tap Marche(タップ・マルシェ)」では3Lペットボトルを10月2日から受注開始。会員制生ビールサービス「ホームタップ」では1Lペットボトル10月5日から、「スプリングバレーブルワリー」直営店は15L樽を10月2日から、キリンオンラインショップ「DRINX」では330mlびんを10月26日から、それぞれ販売を開始します。

小麦麦芽を使用し「やわらかなうまみとかろやかな後味」が楽しめる「一番搾り」が期間限定発売! 「キリン一番搾り やわらか仕立て」

キリンビールは、「キリン一番搾り生ビール」ブランドから、「キリン一番搾り やわらか仕立て(期間限定)」を、10月10日から期間限定で全国発売します。価格はオープン。

 

同商品は、麦のおいしいところだけを搾る「一番搾り製法」はそのままに、通常使用する大麦麦芽に加えて小麦麦芽を使用することで、小麦のやわらかで繊細な甘みとうまみが感じられる、かろやかで飲みやすい後口が特徴。

 

麦汁ろ過工程で最初に流れ出る一番搾り麦汁を使う一番搾り製法により、小麦のうまみを感じながらも、苦み・雑味のない澄んだ味わいに仕上げています。特徴的な香りのホップを使用することで、爽やかでフルーティーな香りを感じられます。

 

パッケージは、やわらかで飲みやすいおいしさと心地よさを感じる色合いをベースカラーに採用。風になびくようなデザインのKIRIN BEER帯でかろやかな心地よさを表現し、味覚特長が一目で分かるコピーを裏面に記載することで、味わいを訴求しています。

家飲み探求中! 高田秋がバーカクテル風の大ヒットRTD「バー・ポームム」4種類をテイスティング

飲み歩き大好きモデル・高田 秋が「家飲み」を追求! 今月は22年10月にデビューし、発売3か月で計画比175%と大ヒットしている「バー・ポームム」を飲んでみた。各味の特徴は?

※こちらは「GetNavi」 2023年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【8杯目】バーカクテル風の大ヒットRTDを4種類テイスティング!

サントリー
バー・ポームム
〈林檎とジンジャー〉
172円

23年3月に仲間入りした新定番フレーバー。りんごの甘酸っぱさにジンジャーのピリッとしたアクセントを効かせ、隠し味の白ワインで深みのあるテイストに仕上げた。アルコール度数は〈レモンと蜂蜜〉と同じ4%だ。

 

寝る前に1杯飲みたい!

初めて飲んだんですが、どれもすごくおいしい! なかでも香り高さが素晴らしく、完熟フルーツのようなジューシーさがたまりません。フタを開けた瞬間、まるでパッと花火が上がるような香り立ちなので、グラスに注ぐのが良いかも。

黒がベースの缶はインパクトとオシャレさがマッチしていて、これは若者受けしますね。アルコール度数は高すぎず、甘さがある味わいは、お酒が苦手な女子にうれしいポイント。でもこの甘みは上品に仕上げられていて、高級感があるのに1本172円とはサイコーじゃないですか♡

どれもおいしいですが、お酒が大好きな私はアルコール度数が6%とちょっと高い〈カシスと葡萄〉が特にお気に入り。落ち着いたパッケージデザインなので、気持ちも和やかにしてくれそう。なので寝る前に一日を振り返りつつ、ボーッとしながら飲みたいときに、すごくイイなって思いました。

ほかにオススメのシーンとしては、「強くないけどお酒は好き」な友人と飲むときに活躍してくれそう。アルコール度数が低めな商品が多いですが、なかでも〈桃と紅茶〉は2%なのでエントリー層にもピッタリだと思います♪

 

↑(左から)バー・ポームム〈レモンと蜂蜜〉172円、バー・ポームム〈カシスと葡萄〉172円、バー・ポームム〈桃と紅茶〉172円

 

 

高田 秋●たかだ・しゅう…1991年9月23日生まれ、北海道出身。立ち飲み屋巡りが趣味で、唎酒師などの資格を持つ。「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)をはじめ、飲み歩き番組への出演も多数している。公式HPInstagramYouTube

 

文/中山秀明  撮影/千葉タイチ  ヘアメイク/Hitomi Haga  スタイリスト/江原優里
●ALLUMETTEのTシャツ8690円、パンツ6490円

糖質・プリン体70%オフの「生ビール」ついに登場! ビールならではの飲みごたえが楽しめる「サッポロ生ビール ナナマル」

サッポロビールは、糖質・プリン体70%オフの生ビール「サッポロ生ビール ナナマル」を10月17日に発売します。価格はオープン。

 

同商品は、糖質70%オフ、プリン体70%オフの生ビールでありながら、良質な素材が生み出すビールならではの飲みごたえが特徴。複数の厳選麦芽と最高級ファインアロマホップを一部使用しています。アルコール度数は5%。

 

パッケージデザインは、緑と金を基調として、おいしさ感とオフ系商品であることを表現。赤のアイコンで「日本初、2つのオフ」であることを訴求しています。

アルコール分3.5%、透明感を味わう「スーパードライ」登場! アサヒビール「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」

アサヒビールは、「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を10月11日から発売します。価格はオープン。

 

同商品は、アルコール分3.5%の「スーパードライ」です。冷涼感が特徴のドイツ産ホップ「ポラリス」を一部使用し、通常のスーパードライよりも発酵度を上げることで、透明感のある味わいと本格的な飲みごたえに仕上げています。

 

商品名の「クリスタル」は、「透明感のあるクリアな後味」の表現とともに、「お客さまの人生を躍動的で充実した輝かしいものにしたい」という思いが込められています。

 

缶体パッケージは、通常のスーパードライのデザインを踏襲しつつ、白を基調とし、八角枠とプルタブには赤色を採用。缶体中央下部には、商品の特徴である「3.5%」を記載しています。

「糖質ゼロの黒ビール」が数量限定で登場! サントリー「パーフェクトサントリービール〈黒〉」

サントリーは、糖質ゼロ黒ビール「パーフェクトサントリービール〈黒〉」を10月3日から数量限定で新発売します。価格はオープン。

 

中味は、上質で深いコクが特徴の「ダイヤモンド麦芽」を一部使用することで、力強い飲みごたえに。上品な香ばしさの厳選された黒麦芽を一部使用し、ホップの配合比率と発酵条件を調整することで、黒ビールらしい香りと味わいに仕上げています。

 

パッケージは「パーフェクトサントリービール」のデザインを踏襲し、黒と金をベースカラーにすることで、糖質ゼロの黒ビールであることを訴求しています。

アジア最高位に選ばれたメルシャン「椀子ワイナリー」がワイン醸造同様に力を入れていること

近年、国内外で注目を集めており、人気が高まっている日本ワイン。長野県上田市にある「シャトー・メルシャン 椀子(まりこ)ワイナリー」は、その年の世界最高のワイナリーを選出するアワード「ワールド ベスト ヴィンヤード」で、2023年のアジアNo.1に選ばれました。

 

名実ともに日本のワイン文化をけん引する存在となったメルシャンと椀子ワイナリーでは、より革新的なワイン造りを実践・発信するべく、サステナブルに焦点をおいたワイナリーツアーの開催を発表。現地に赴き、その取り組みを取材しました。

↑「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」。2003年に開園した椀子ヴィンヤード内に2019年開業し、2023年7月「ワールド ベスト ヴィンヤード2023」に日本のワイナリーで唯一、2020年から4年連続選出。同時にザ・ベスト・ヴィンヤード・イン・アジアにも選ばれました。ちなみにヴィンヤードとはぶどう畑のこと

 

一部の国のワインばかりが消費される日本を変えたい

なぜ、メルシャンがサステナブルなワイン造りに注力するのか。それはSDGsが世界的な目標であることはもちろん、ワイン造りが農業と密接な関係があり、地域社会や自然との共生が欠かせないと確信しているから。

↑地域や先人、自然への感謝を話す、メルシャンの長林道生社長

 

しかし、日本のワイン業界の現状は、海外と比較すると後れをとっているのだとか。この実情については、日本で唯一の「Master of Wine」(マスター・オブ・ワイン。ワイン業界において最も名声が高いとされる資格)で、名前の後に「MW」を付記することが許されている大橋健一さんが教えてくれました。

 

今夏、世界中のマスター・オブ・ワインが集うシンポジウムがドイツで開催されました。そこで大橋さんが驚いたのは、すべての講演でサステナビリティについて触れられていたこと。つまり、海外のワイン業界ではサステナビリティがきわめて重要視されているのです。

↑大橋健一MW。自らの立場も踏まえたうえで、国内メーカーと一丸になってワイン業界の意識を変えていかないといけない、世界からリスペクトされるための課題はたくさんあると力説します

 

大橋MWの考える、日本人の意識改革のひとつがワインの立ち位置。日本人1人あたりのワイン消費量は1年間で4本にすぎないそうで、ほかのお酒と比べると“日常酒”となっておらず、価格も高め。極端にいえば“ハレの日に飲む高級品”となっており、「ワインはたまにしか飲まない贅沢品だからサステナブルでなくてもいいんじゃないか、サステナブルな見地からは外れてもいいんじゃないかとか。日本ではそういう傾向が見受けられます」と警鐘を鳴らします。

 

つまり、国内におけるワインはラグジュアリーグッズとしての側面ももっており、サステナブルな観点としてはけっして歓迎できるものではないということ。

 

「ラグジュアリーグッズであるがゆえに、日本では圧倒的に偏った国のワインばかり消費される傾向が否めません。加えて公共性の面においては、まったくサステナブルではないのです」と大橋MW。こうした現状を、椀子ワイナリーを中心にシャトー・メルシャンが変えていこうと試みていることを教えてくれました。

 

見学や試飲で楽しむ新設のSDGsツアーを体験

椀子ヴィンヤードの開園は2003年。かつて桑畑であったものの生糸業の衰退とともに放棄され、荒廃農地となっていた土地をぶどう畑に転換して誕生しました。高品質なワインを造るために下草を刈るなどの丁寧な農作業を行い、雄大な草原環境を生み出し、現在では希少種を含む様々な生きものが生息する豊かな自然環境に回復させています。つまり、椀子ヴィンヤードはもともとサステナブルに意欲的なヴィンヤードなのです。

↑椀子ヴィンヤードの広さは約30ヘクタールと、東京ドーム約6個分。標高約600~650mに位置し、メルローやシャルドネ、シラーやソーヴィニヨン・ブランなど、白黒約8種類のブドウを垣根式で栽培しています

 

そんな同ワイナリーによる新たな取り組みが、見学体験や試飲を交えて楽しみながらヴィンヤードの価値を伝えていく「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー SDGsツアー」。2023年は9月2日と11月11日(ともに土曜)の2回開催し、今後も季節ごとに年間5回程度実施予定とのことで、その一部をいち早く体験させてもらいました。

↑この日案内してくれたのは、シャトー・メルシャンの小林弘憲ゼネラルマネジャー。SDGsツアーのスタート地点である一本木公園にて

 

椀子ヴィンヤードは10年以上前から地元・塩川小学校の学びの場にもなっているそう。3年生になるとじゃがいもを栽培・収穫。4年生になるとぶどう収穫、そして5年生はその植樹を体験する特別授業が盛り込まれるのだとか。これは郷土愛を育む体験として、また食育の観点からも素敵な取り組みだと感じました。

↑ヴィンヤード内の畑。毎年7月下旬が収穫期で、そのじゃがいもは児童の学校給食に使われるとか。その後は地元の委員会が蕎麦を植え、秋冬にかけて収穫するサイクルです

 

SDGsツアーではもちろん、ぶどうの木や果実も見学できます。取材時は夏だったため果実は青々としていましたが、秋には熟して収穫となり、9月のSDGsツアーはやや酸味が強いものの試食できるとのこと(11月は収穫後の時季ですが、残っていれば試食可)。

↑椀子ヴィンヤードの代表品種のひとつ、メルロー。お盆ごろに黒くなり、あえて食べごろがあるとすれば(生食用品種ではなく加工用品種であるため)収穫時期の9月下旬とのこと

 

SDGsの取り組みは、収穫後のぶどうにも。例えば、醸造時にぶどうの実を搾ったあとの皮や種、茎などを活用するための堆肥場が圃場の端にあり、ここで約2年間微生物にゆっくりと発酵させて肥料にします。ぶどうのカスは焼却炉で燃やすようなことはせず、また外部から持ち込む肥料を少なくすることで、運搬時に発生するCO2の排出を最小限に抑えているのです。

↑堆肥場で発酵させた、ぶどうの皮や種など。年間15~18トン出るカスが、約2年でサラサラの状態に。土地が広く、近隣に民家がないからできることと、小林マネジャーは言います

 

良好な草原環境へと整備された椀子ヴィンヤードには在来種や希少種などの多様な植物が生育しており、2014年から実施している生態系調査では、絶命危惧種を含む昆虫168種、植物289種が確認されているそう。その一例が、絶命危惧種の蝶「オオルリシジミ」の幼虫唯一の食草である「クララ」です。

↑オオルリシジミの幼虫が唯一食べる草、クララ。根を食べるとクラクラするほど苦いことが名称の由来とか。オオルリシジミが飛んでくることを願って、クララを増やす活動をしています

 

施設にもサステナブルな取り組みがあまた

また、椀子ワイナリーは施設自体がSDGsに配慮した設計になっています。それは「グラヴィティ・フロー」という、高低差を利用した設備や、動線により自然にかかる重力で果実や果汁を移すシステム。余計な動力が不要であるとともに、ぶどうの繊細な個性が損なわれず、エレガントで特色のあるワインが造れるというメリットがあります

↑ワイナリーは斜面を利用した設計。なお、圃場が近いため収穫後にすぐ運べるというメリットもあります

 

椀子ワイナリーは山の高台にあるため、冷涼であることも特徴。これはワイン樽熟成庫の空調面で大きな効果があり、冷房が必要なのは初夏〜盛夏ぐらいだそう。SDGsツアーでは、そんな熟成庫への入室もできます。木を通して呼吸をするワイン樽はかすかに優美な香りを放ち、心地いい気分に浸れることでしょう。

↑熟成庫では年間を通じて15℃以下、湿度70%以上をキープ。なお樽はフランスの10数社から購入し、材質はほぼフレンチオークです

 

ラストはお待ちかねのテイスティング。椀子の気候風土を表現する定番ワインのほか、オススメの限定品を含む計6種が味わえます。そのなかには高級銘柄の「シャトー・メルシャン 椀子オムニス」も。SDGsツアーの参加費はひとり税込1万円ですが、決して高くないといえるでしょう。

↑写真は一例で、右端が椀子オムニス。発売当初は海外の高級ワインで採用されるような重厚な輸入ボトルでしたが、いまやその価値観は一変。現在は環境に配慮し、国産の軽量なボトルを採用しています

 

残暑はまだまだ続きますが、今年もあっという間に実りと収穫の秋が訪れるでしょう。つまり、ぶどう狩りやワインの季節でもあります。椀子ワイナリーでは今回紹介したSDGsツアー以外にも様々なイベントが開催されているので、行楽シーズンでもある秋に、旅行も兼ねて訪ねてみませんか。

 

【SHOP DATA】

シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー

住所:長野県上田市長瀬146-2
営業時間:10:00~16:30(テイスティングカウンター ※L.O.16:00)

※営業日は公式サイトのカレンダーを要確認

■アクセス

<電車の場合>
しなの鉄道「大屋駅」からタクシーにて約10分、JR北陸新幹線「上田駅」からタクシーで約25分

<車の場合>
上信越自動車道「東部湯の丸」ICより約10分

https://www.chateaumercian.com/winery/mariko/

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

アジア最高位に選ばれたメルシャン「椀子ワイナリー」がワイン醸造同様に力を入れていること

近年、国内外で注目を集めており、人気が高まっている日本ワイン。長野県上田市にある「シャトー・メルシャン 椀子(まりこ)ワイナリー」は、その年の世界最高のワイナリーを選出するアワード「ワールド ベスト ヴィンヤード」で、2023年のアジアNo.1に選ばれました。

 

名実ともに日本のワイン文化をけん引する存在となったメルシャンと椀子ワイナリーでは、より革新的なワイン造りを実践・発信するべく、サステナブルに焦点をおいたワイナリーツアーの開催を発表。現地に赴き、その取り組みを取材しました。

↑「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」。2003年に開園した椀子ヴィンヤード内に2019年開業し、2023年7月「ワールド ベスト ヴィンヤード2023」に日本のワイナリーで唯一、2020年から4年連続選出。同時にザ・ベスト・ヴィンヤード・イン・アジアにも選ばれました。ちなみにヴィンヤードとはぶどう畑のこと

 

一部の国のワインばかりが消費される日本を変えたい

なぜ、メルシャンがサステナブルなワイン造りに注力するのか。それはSDGsが世界的な目標であることはもちろん、ワイン造りが農業と密接な関係があり、地域社会や自然との共生が欠かせないと確信しているから。

↑地域や先人、自然への感謝を話す、メルシャンの長林道生社長

 

しかし、日本のワイン業界の現状は、海外と比較すると後れをとっているのだとか。この実情については、日本で唯一の「Master of Wine」(マスター・オブ・ワイン。ワイン業界において最も名声が高いとされる資格)で、名前の後に「MW」を付記することが許されている大橋健一さんが教えてくれました。

 

今夏、世界中のマスター・オブ・ワインが集うシンポジウムがドイツで開催されました。そこで大橋さんが驚いたのは、すべての講演でサステナビリティについて触れられていたこと。つまり、海外のワイン業界ではサステナビリティがきわめて重要視されているのです。

↑大橋健一MW。自らの立場も踏まえたうえで、国内メーカーと一丸になってワイン業界の意識を変えていかないといけない、世界からリスペクトされるための課題はたくさんあると力説します

 

大橋MWの考える、日本人の意識改革のひとつがワインの立ち位置。日本人1人あたりのワイン消費量は1年間で4本にすぎないそうで、ほかのお酒と比べると“日常酒”となっておらず、価格も高め。極端にいえば“ハレの日に飲む高級品”となっており、「ワインはたまにしか飲まない贅沢品だからサステナブルでなくてもいいんじゃないか、サステナブルな見地からは外れてもいいんじゃないかとか。日本ではそういう傾向が見受けられます」と警鐘を鳴らします。

 

つまり、国内におけるワインはラグジュアリーグッズとしての側面ももっており、サステナブルな観点としてはけっして歓迎できるものではないということ。

 

「ラグジュアリーグッズであるがゆえに、日本では圧倒的に偏った国のワインばかり消費される傾向が否めません。加えて公共性の面においては、まったくサステナブルではないのです」と大橋MW。こうした現状を、椀子ワイナリーを中心にシャトー・メルシャンが変えていこうと試みていることを教えてくれました。

 

見学や試飲で楽しむ新設のSDGsツアーを体験

椀子ヴィンヤードの開園は2003年。かつて桑畑であったものの生糸業の衰退とともに放棄され、荒廃農地となっていた土地をぶどう畑に転換して誕生しました。高品質なワインを造るために下草を刈るなどの丁寧な農作業を行い、雄大な草原環境を生み出し、現在では希少種を含む様々な生きものが生息する豊かな自然環境に回復させています。つまり、椀子ヴィンヤードはもともとサステナブルに意欲的なヴィンヤードなのです。

↑椀子ヴィンヤードの広さは約30ヘクタールと、東京ドーム約6個分。標高約600~650mに位置し、メルローやシャルドネ、シラーやソーヴィニヨン・ブランなど、白黒約8種類のブドウを垣根式で栽培しています

 

そんな同ワイナリーによる新たな取り組みが、見学体験や試飲を交えて楽しみながらヴィンヤードの価値を伝えていく「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー SDGsツアー」。2023年は9月2日と11月11日(ともに土曜)の2回開催し、今後も季節ごとに年間5回程度実施予定とのことで、その一部をいち早く体験させてもらいました。

↑この日案内してくれたのは、シャトー・メルシャンの小林弘憲ゼネラルマネジャー。SDGsツアーのスタート地点である一本木公園にて

 

椀子ヴィンヤードは10年以上前から地元・塩川小学校の学びの場にもなっているそう。3年生になるとじゃがいもを栽培・収穫。4年生になるとぶどう収穫、そして5年生はその植樹を体験する特別授業が盛り込まれるのだとか。これは郷土愛を育む体験として、また食育の観点からも素敵な取り組みだと感じました。

↑ヴィンヤード内の畑。毎年7月下旬が収穫期で、そのじゃがいもは児童の学校給食に使われるとか。その後は地元の委員会が蕎麦を植え、秋冬にかけて収穫するサイクルです

 

SDGsツアーではもちろん、ぶどうの木や果実も見学できます。取材時は夏だったため果実は青々としていましたが、秋には熟して収穫となり、9月のSDGsツアーはやや酸味が強いものの試食できるとのこと(11月は収穫後の時季ですが、残っていれば試食可)。

↑椀子ヴィンヤードの代表品種のひとつ、メルロー。お盆ごろに黒くなり、あえて食べごろがあるとすれば(生食用品種ではなく加工用品種であるため)収穫時期の9月下旬とのこと

 

SDGsの取り組みは、収穫後のぶどうにも。例えば、醸造時にぶどうの実を搾ったあとの皮や種、茎などを活用するための堆肥場が圃場の端にあり、ここで約2年間微生物にゆっくりと発酵させて肥料にします。ぶどうのカスは焼却炉で燃やすようなことはせず、また外部から持ち込む肥料を少なくすることで、運搬時に発生するCO2の排出を最小限に抑えているのです。

↑堆肥場で発酵させた、ぶどうの皮や種など。年間15~18トン出るカスが、約2年でサラサラの状態に。土地が広く、近隣に民家がないからできることと、小林マネジャーは言います

 

良好な草原環境へと整備された椀子ヴィンヤードには在来種や希少種などの多様な植物が生育しており、2014年から実施している生態系調査では、絶命危惧種を含む昆虫168種、植物289種が確認されているそう。その一例が、絶命危惧種の蝶「オオルリシジミ」の幼虫唯一の食草である「クララ」です。

↑オオルリシジミの幼虫が唯一食べる草、クララ。根を食べるとクラクラするほど苦いことが名称の由来とか。オオルリシジミが飛んでくることを願って、クララを増やす活動をしています

 

施設にもサステナブルな取り組みがあまた

また、椀子ワイナリーは施設自体がSDGsに配慮した設計になっています。それは「グラヴィティ・フロー」という、高低差を利用した設備や、動線により自然にかかる重力で果実や果汁を移すシステム。余計な動力が不要であるとともに、ぶどうの繊細な個性が損なわれず、エレガントで特色のあるワインが造れるというメリットがあります

↑ワイナリーは斜面を利用した設計。なお、圃場が近いため収穫後にすぐ運べるというメリットもあります

 

椀子ワイナリーは山の高台にあるため、冷涼であることも特徴。これはワイン樽熟成庫の空調面で大きな効果があり、冷房が必要なのは初夏〜盛夏ぐらいだそう。SDGsツアーでは、そんな熟成庫への入室もできます。木を通して呼吸をするワイン樽はかすかに優美な香りを放ち、心地いい気分に浸れることでしょう。

↑熟成庫では年間を通じて15℃以下、湿度70%以上をキープ。なお樽はフランスの10数社から購入し、材質はほぼフレンチオークです

 

ラストはお待ちかねのテイスティング。椀子の気候風土を表現する定番ワインのほか、オススメの限定品を含む計6種が味わえます。そのなかには高級銘柄の「シャトー・メルシャン 椀子オムニス」も。SDGsツアーの参加費はひとり税込1万円ですが、決して高くないといえるでしょう。

↑写真は一例で、右端が椀子オムニス。発売当初は海外の高級ワインで採用されるような重厚な輸入ボトルでしたが、いまやその価値観は一変。現在は環境に配慮し、国産の軽量なボトルを採用しています

 

残暑はまだまだ続きますが、今年もあっという間に実りと収穫の秋が訪れるでしょう。つまり、ぶどう狩りやワインの季節でもあります。椀子ワイナリーでは今回紹介したSDGsツアー以外にも様々なイベントが開催されているので、行楽シーズンでもある秋に、旅行も兼ねて訪ねてみませんか。

 

【SHOP DATA】

シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー

住所:長野県上田市長瀬146-2
営業時間:10:00~16:30(テイスティングカウンター ※L.O.16:00)

※営業日は公式サイトのカレンダーを要確認

■アクセス

<電車の場合>
しなの鉄道「大屋駅」からタクシーにて約10分、JR北陸新幹線「上田駅」からタクシーで約25分

<車の場合>
上信越自動車道「東部湯の丸」ICより約10分

https://www.chateaumercian.com/winery/mariko/

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

ジャパニーズウイスキーの限定品や新商品を飲み逃すな! ヒット確定のウイスキーアニバーサリーについて解説

今年はジャパニーズウイスキーのメモリアルイヤー。サントリーが山崎に日本初のモルトウイスキー蒸溜所を建設着手してから100周年を迎え、白州蒸溜所も50周年。また、キリンの富士御殿場蒸溜所も操業50周年で、例年以上に業界が盛り上がっています。本記事では、フードアナリスト・中山秀明さんにジャパニーズウイスキーの人気やウイスキーアニバーサリーについて解説してもらいます。

※こちらは「GetNavi」 2023年9月号に掲載された記事を再編集したものです

 

中山秀明
フードのトレンドに詳しいライター。食関連のガジェットでは、2023年内に市販化が予定されている「エレキソルト」に注目している。

 

【ヒットアナリティクス】

ジャパニーズウイスキーは近年人気が過熱!

サントリーは、記念の特別ラベルでシングルモルトを発売。そして6月発売の白州のハイボール缶に続き、8月には山崎の缶が限定販売されますが、こちらも注目です。キリンも5月に記念のウイスキーを発売し、2万円以上の価格で抽選販売でしたが、すぐに受付終了する人気ぶりでした。

そもそもジャパニーズウイスキーは世界的に大人気。昨今のウイスキーブームは朝ドラ『マッサン』の影響も大きかったのですが、実はその主人公・竹鶴政孝氏が創業したニッカウヰスキーも来年90周年。この熱はしばらく冷めないでしょう。

先進技術:1
顧客ニーズ:5
市場の将来性:5
独自性:4
コスパ:5

 

 

サントリー
シングルモルトウイスキー 山崎
サントリーウイスキー100周年記念蒸溜所ラベル
4950円

山崎の伝統であるミズナラ樽貯蔵モルトに、イチゴのような香りのワイン樽貯蔵モルトなど多彩な原酒をブレンド。華やかな香りと、甘く滑らかな味わいが魅力だ。ラベルには天王山を含む山崎蒸溜所の全景が描かれている。

↑大阪府三島郡島本町にある山崎蒸溜所は秋にリニューアルオープン予定。サントリーは今年の事業方針として、蒸溜所の魅力訴求も掲げている

 

キリンビール
キリン シングルモルト
ジャパニーズウイスキー 富士
6600円

富士御殿場蒸溜所のモルト原酒のみをブレンドし、果実味あふれる芳醇な味わいと、クレームブリュレやハチミツのような甘い香りが特徴。口あたりはとろりと柔らかく、複雑な甘さと熟成感のある香味が心地良く続く。

↑1973年に操業を開始した富士御殿場蒸溜所。モルトウイスキー、グレーンウイスキーの製造技術や設備を備え、そこにキリン独自の蒸溜技術などを融合させている

 

【コレも注目!】
山崎モルト原酒のみを使った特別なハイボール缶も登場!

サントリー
サントリープレミアムハイボール〈山崎〉
660円 8月8日発売(数量限定)

サントリーウイスキー100周年を記念し、ハイボールに合う山崎モルト原酒のみをブレンドした特別なハイボール缶。厚みのある味わいと、ミズナラ樽貯蔵モルトがもたらす深い余韻を楽しめる。

欧州エリアで販売拡大! ジャパニーズウイスキー「富士」、ペルノ・リカールと販売契約を締結し、ヨーロッパ13か国で販売開始

キリンビールは、ワイン・スピリッツメーカーのペルノ・リカールと販売契約を締結し、9月より順次欧州エリアでのジャパニーズウイスキー「富士」の販売を開始します。

↑キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士

 

「富士」ブランドは、富士山の麓にある富士御殿場蒸溜所で「富士の伏流水」「自然環境」「つくり手」により作り込みを行なっており、「キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士」、「キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士」、「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」のラインナップがあります。

↑キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士

 

5月に開催された酒類コンペティション「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ 2023(ISC:International Spirits Challenge 2023)のジャパニーズウイスキー部門にて、3品すべてが「ゴールド」を受賞。海外のウイスキーユーザーからは「“富士”のブランド名から、ジャパニーズウイスキーの代表との自信が伺える」「スムーズな口当たりが、スコッチなどにはないスタイルで気に入った」などの感想が寄せられているそうです。

↑キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士

 

今回、ペルノ・リカールの販売網で欧州エリアでの販売拡大によって、新たに欧州の13か国が加わり、同ブランドの海外展開が大きく拡大しました。

キラリと目立つ切子柄が目印! キリン「麒麟百年 極み檸檬サワー」パッケージがリニューアル

キリンビールは、「麒麟百年 極み檸檬サワー」のパッケージを、8月製造品より順次リニューアルします。

 

同商品は、レモンの鮮烈な香りと芳醇な味わいが特徴で、発売からの販売本数は1500万本を突破(2023年7月末時点。250ml換算)。

 

新しいパッケージは、切子柄を強調することで、本格感とおいしさを感じられるデザインへ進化。ベースカラーの紺色を明るい印象に変更し、視認性を高めています。

「サッポロ GOLD STAR」初の限定商品! 上質な秋を味わう「サッポロ GOLD STAR 秋の豊熟」

サッポロビールは、「サッポロ GOLD STAR 秋の豊熟」を、数量限定で発売しました。価格はオープン。

 

同商品は「サッポロ GOLD STAR」ブランド初の限定商品です。同社の主力ブランドである「ヱビスビール」のホップと「サッポロ生ビール黒ラベル」の麦芽を一部使用し、アルコール度数を6%に高め、「ヱビスビール」と同様に長い期間熟成させることで、力強く濃い味わいに仕上げています。

 

パッケージは、限定製造のアイコンをデザインし、「サッポロ GOLD STAR」のロゴの背景にもみじをあしらい、“上質な秋”を表現しています。

ビールサブスクの注目度高まる! 各社のポイントと代表格「ホームタップ」を深掘り!

近年一気に広まった“家飲み”トレンドの一角が、お酒のサブスクリプションサービス。今回は、冷えたビールがおいしい季節到来! ということで、「キリン ホームタップ」を中心に、まるでお店のようなビールを楽しめるサーバータイプについて紹介していきます。

↑「キリン ホームタップ」。2023年春から「夢の1ヶ月お試しプラン」(月額費用5060円(税込)~)がスタート

 

レンタル代不要なタイプなど多種多様

大手メーカーが展開するビールサーバーのサブスクでは、「キリン ホームタップ」のほかに「アサヒ ドラフターズ」も注目。こちらは2021年の夏に「もはやお店!アサヒビールのサブスクサーバー「THE DRAFTERS」で家飲みに革命が起きちゃった!」で紹介しているのでぜひ一読いただきたい。

↑「アサヒ ドラフターズ」。2021年時よりデザインのバリエーションやビアスタイルが増えるなど、進化しています

 

また、大手メーカー以外で注目すべきビアサーバータイプは、2つのタップ(蛇口)が特徴の「ドリームビア」。全国の多彩なクラフトビールを楽しめるのも魅力で、現在72ブルワリー166銘柄(2023年6月21日時点)と種類豊富です。また、海外のメジャー銘柄を中心にラインナップした「ブレイド」もよく知られています。

↑「ドリームビア」。随時取り扱い銘柄が追加、拡大しています

 

他にもビールの生樽(ケグと呼ばれます)からそのまま飲める仕様にして届けるサービスもあります。これらはサーバー自体が不要なためレンタル代が発生せず、また電源がいらないのもポイント。国内クラフトビールを豊富に揃える「ビールの縁側」や、海外の有名ビールを中心に扱うドラフト・ケグ・ジャパンのサービスが有名です。

↑「ドラフト・ケグ・ジャパン」の「ハイネケン樽生5L」。同社はアウトレットのビールも扱っており、お得なプライスも特徴です

 

ホームタップの特徴や実力を知るべく体験会へ

ビアサーバーレンタルタイプのサブスクのなかで、パイオニアといえるのが2015年サービス開始の「キリン ホームタップ」(当時の名称は「キリン ブルワリーオーナーズクラブ」)。あらためてどんなサービスなのかを紹介していきましょう。

↑キリンビールの横浜工場で行われたメディア向け体験会に参加してきました

 

キリン ホームタップ」は、ペットボトルに入ったビールが届き、専用サーバーで注ぐ本格的な生ビール体験が楽しめるサービス。味にもこだわりが凝縮されており、そのひとつが鮮度。

 

ビールは鮮度が命であり、光や酸素、温度などですぐに劣化してしまいます。そのため、ペットボトルは工場造りたてのビールが冷蔵便で届けられ、容量は1Lの飲みきりサイズ。さらに配送も一度にまとめず、原則月2回(スキップなども可能)に分けて届けるシステムとなっています。

↑「キリン ホームタップ」のカバーを開けたところ。ペットボトルに装着するキャップやストローも、利用量に合わせて新しいものが月額料金込みで送ってもらえます

 

選べるビールの銘柄は数種類あり、定番は「⼀番搾りプレミアム」と「スプリングバレー 豊潤<496>」。キリン以外のブランドを飲むことができるのも特徴で「よなよなエール」で知られるヤッホーブルーイングや、山梨県小菅村に自社工場を構える「ファーイーストブルーイング」など、クラフトビールを中心に、毎月3~4種類の期間限定品を取りそろえています。

↑下段のボトルが協力会社による期間限定ビールの一例。配送予定6日前であれば、限定ビールのみを送料費なしで注文することもできます

 

キリンビールの横浜工場で行われたメディア向け体験会では、「⼀番搾りプレミアム」を試飲させてもらいました。さらに、そのビールがどのように造られているかの工場見学も。なお、この工場見学は一般消費者向けにも開放されており、こちらは「噂の“元が取れる”工場見学「キリン一番搾りツアー」へ。やっぱし、ビール好きの聖地でした」で詳報しているのでぜひご覧ください。

↑今回の工場見学にて。「キリン ホームタップ」のビール用に導入されたのが、このライン。「⼀番搾りプレミアム」をはじめ、多くのペットボトルビールができたてで詰められています

 

「一番搾りプレミアム」は、通常の「一番搾り」がもつコク深さや爽やかな苦みに加え、清々しく華やかな香りが印象的。このリッチなアロマは、東北産ホップ「IBUKI」によるものでしょう。なお、この商品はギフト限定のため近所の店などではなかなか入手できません。それが楽しめる「キリン ホームタップ」は、この点でも特別感があります。

↑泡もご覧の通り。シルキーな飲み口は「キリン ホームタップ」ならではの美点

 

記録を更新する暑さが続く2023年の夏。そうとなれば、暑気払いはやっぱりビール! あらためてサーバーから飲んでみると多幸感もあって激ウマです。ここで紹介したサービスは気軽に試せるものも多いので、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

サントリーウイスキー発祥の地・山崎蒸溜所の古樽で貯蔵! スモーキーな梅酒が数量限定で発売

サントリーは、「サントリー梅酒〈山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド〉スモーキー」を、10月17日より数量限定で発売します。価格は1705円(税別)。

 

同商品は、スモーキータイプのウイスキーを熟成させた樽で貯蔵した梅酒をブレンドすることによる、樽由来の個性ある香りと深みのある味わいが特徴。アルコール度数を16%にすることで、ロックでもソーダ割りでもお楽しみいただける味わいに仕上がっています。

 

パッケージは、樽のイラストや「山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド」の表記で商品特徴を訴求し、深緑のラベルで深みのある味わいを、金の「梅酒」の文字で高級感を表現しています。

「磨きダイヤモンド麦芽」を一部使用! 果実のようなやわらかな香りが楽しめるプレモル「ゴールデンエール」

サントリーは、「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ゴールデンエール」を、10月17日から数量限定で新発売します。価格はオープン。

 

同商品は、穀皮を除去し、コクに寄与するたんぱく質を多く含む「磨きダイヤモンド麦芽」を一部使用することで、数種類のアロマホップによる果実のようなやわらかな香りを楽しめます。

 

パッケージは、「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉香るエール 限定デザイン缶」のデザインに合わせ、「ジャパニーズエール」の世界観を、空に浮かぶ雲や木などのコラージュで表現。朱色と金色を組み合わせた、華やかさがありながら温もりを感じられるようなデザインが特徴です。

ハロウィンパーティーにもぴったり!? パッションはじける「ほろよい〈パッションパンチ〉」期間限定発売

サントリーは、「ほろよい〈パッションパンチ〉」を10月10日から期間限定で発売します。価格は148円(税別)。

 

同商品は、中味はパッションフルーツのトロピカルな風味で、甘く爽やかな味わいが特徴。

 

パッケージは、明るいピンク色を基調に、遊び心あるイラストで、パーティーなどにぴったりな、気持ちがはずむデザインに仕上げています。

自社栽培生ホップ×国産麦芽100%醸造! この秋限定の味わい「常陸野ネストビール フレッシュホップス2023」

木内酒造は、自社の額田醸造所に併設のホップ畑で栽培し収穫した生ホップと、国産麦芽100%を使用して醸造した「常陸野ネストビール フレッシュホップス2023」を、9月上旬より数量限定で発売開始します。350ml缶の価格は495円(税込)。

 

同商品は、茨城県那珂市にある自社のホップ畑で栽培し、今年収穫した生ホップを50%以上使用。カスケードやチヌークをメインとした複数品種のホップと、自社の製麦工場で製麦した国産麦芽100%を用いて、季節限定のフレッシュホップスに仕上げています。

 

同社は、麦を発芽させる加工「製麦(モルティング)」を行う製麦工場を、茨城県石岡市にある「木内酒造 石岡の蔵」敷地内に新設し、5月より試験運転を実施、7月下旬より本格稼働を開始しています。今回発売となる同商品は、自社製麦による茨城県那珂市産の「ミカモゴールデン」麦芽を100%用いて醸造が行なわれました。

 

また、同商品の一部は、茨城県那珂市「ふるさと納税」での返礼品として提供を予定しているとのことです。

日本限定の新しい味わい! シングルモルト・スコッチウイスキー「グレンファークラス」から数量限定で登場

ミリオン商事は、同社が展開するシングルモルト・スコッチウイスキー「グレンファークラス」より、日本市場限定の新商品「グレンファークラス マリアージュ・オブ・カスクス 2023 SPRING/SUMMER」を、8月21日より順次出荷。数量限定で発売します。価格は2万円(税別)。

 

同商品は、リフィルシェリー樽熟成に特化し、ノンピートモルト、長時間発酵、直火焚き蒸留によるフルーティーかつ力強い味わいが特徴。穏やかでスパイシーなライトなシェリーのニュアンスが楽しめます。

 

ディスティラリー・マネージャーのカラム・フレイザー氏が、2008年蒸留の3rdフィル4樽をバッティングし、力強くフルーティーな味わいにフォーカス。50.5度でボトリングし、おすすめの飲み方はオンザロックやハイボールです。

 

「マリアージュ・オブ・カスクス」シリーズは、季節に合わせたコンセプトのもと、春夏(SPRING/SUMMER)バージョンと秋冬(AUTUMN/WINTER)バージョンの年2回のリリースを予定。秋冬(AUTUMN/WINTER)バージョンは、1stフィル樽をメインに、オロロソシェリー樽熟成の濃厚な味わいにフォーカス。ストレートやトワイスアップをおすすめの飲み方としています。

パーティに最適! 高田秋が華やかなピンク系ロゼワインとスイーツをペアリング

飲み歩き大好きモデル・高田 秋が「家飲み」を追求! 今月は花見のシーズンに合わせて、華やかなピンク系ロゼワインと、桜の風味が楽しめるスイーツといっしょに。ペアリングの感想は!?

※こちらは「GetNavi」 2023年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【7杯目】春のパーティを彩るロゼとスイーツをペアリング!

エスタンドン
アンソランス
3740円

フランス語で“生意気”という意味を持つ「アンソランス」は、南仏のプロヴァンスロゼワイン。ぶどう品種はグルナッシュとシラーを使い、ハーブやシトラスを感じさせる香りとジューシーな酸味、すっきりした辛口の味わいが特徴だ。

 

“生意気”といったネーミングもデザインもお気に入り♪

桜のスイーツとロゼワイン、春到来♡ といった季節感があって、気分がアガりますね。ロゼはパーティとか特別なイメージがあって、この一本はまさにハレの日にピッタリ。もちろん、お花見とも相性抜群ですよ。

まず、ボトルがオシャレでかわいい! 名称もインパクトがあります。“生意気”って子どもに使うような言葉だと思うんですが、味わいは大人な女性を想起させる上品で繊細な辛口。そのうえ爽やかかつフルーティで、スーといけちゃう。この優秀さが、ワイン通からすると生意気なのかも。

普段、私は食事といっしょにお酒を飲むことが多いのですが、今回、「桜餅」「桜もなか」「桜ムース」と合わせてみたらスイーツもアリだなと思いました。どれも桜の素朴な甘さにワインの果実味がよく合い、特にアンソランスはフローラルな辛口なので、追い桜みたいなニュアンスを演出してくれます。

スタイリッシュなボトルや、あえてごはん系ではなくスイーツをペアリングする外しテクが、ハイセンスですね。ちょっと生意気かもしれませんけど(笑)。また、アンソランスとスイーツでパーティをやりたいと思います♪

 

茂助だんご「桜餅」(上)は、桜の葉の塩味と甘い餡が相まって美味。銀座あけぼの「桜もなか」(右)は、やさしい桜の香りが噛むたびにふんわりと。宗家 源吉兆庵「桜ムース 春薫」(左)は、すっきりとした甘さで食べやすい

 

 

高田 秋●たかだ・しゅう…1991年9月23日生まれ、北海道出身。立ち飲み屋巡りが趣味で、唎酒師などの資格を持つ。「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)をはじめ、飲み歩き番組への出演も多数している。公式HPInstagramYouTube

 

文/中山秀明 撮影/篠田麦也 ヘアメイク/榊ひかる(Lila) スタイリスト/江原優里
●Apaiser lameのブラウス2万7500円、PARIS KIDSのイヤリング550円、そのほかスタイリスト私物

沖縄発、離島8島の黒糖をブレンドしたジャパニーズラム! サステナブルな「ダンダー仕込み」で作られた「THE OKINAWA ISLANDS RUM」

瑞穂酒造が主宰する、泡盛づくりの技術を再構築し、沖縄のさとうきびを主原料としたラムをつくるプロジェクトチーム「ONERUM(ワンラム)」は、新シリーズのBlended Islands Seriesより、「THE OKINAWA ISLANDS RUM」を発売しました。価格は2920円(税込)。

 

プロジェクトでは、2021年7月~2023年3月にかけ、Single Island Series(シングルアイランドシリーズ)として、離島8島(粟国島、伊江島、伊平屋島、西表島、小浜島、多良間島、波照間島、与那国島)で作られている黒糖を使用し、各島の風土や生産方法の違いから生まれる黒糖の個性を引き出したラムを開発し発売してきました。これまで、各島のテロワールに基づいた黒糖を研究し、それぞれの個性を見極め、その魅力を詰め込んだ、8種のラムを発表しています。

 

2023年は沖縄に黒糖の製糖技術が伝来して400年の節目の年で、今回発売された同商品は、ひと島ずつ個性が異なる沖縄県の離島8島で作られた黒糖の風味と島の風土に丁寧に向き合い、各島の黒糖からできる個性豊かなラムの原酒をブレンドして仕上げています。

 

8島の黒糖テイスティングし、風味のタイプ別に「ライト、ミドル、リッチ」のカテゴリーに分類。3タイプの原酒を製造し、ブレンドしています。蒸溜後に、通常は廃液として処分が必要なダンダー(Dunder)を次の発酵工程に再利用する「ダンダー仕込み製法」を行ない、黒糖の風味にダンダーが加わり、自社のさとうきび畑から分離に成功した酵母「ONERUM YEAST」による発酵後、2回の蒸溜工程を経た原酒をブレンドすることで、豊かな風味を生んでいます。

 

味わいは、爽やかで清涼感のある香りに、トロピカルでクリーミーな印象と、甘く香ばしい風味が特徴的。豊かな香味に対して、後味はすっきりとしているとのこと。カクテルやソーダ割りのほか、和洋問わずスイーツ作りにも利用できます。

 

ラベルは、約1年半にわたり発表したSingle Islands Seriesのラベルの色をすべて落とし込み、前シリーズからの物語を紡ぐデザインとなっています。

母の日のカーネーションなど“ロスフラワー”から生まれたエシカルジン! 「LOSS IS MORE GIN」“花の日”から発売開始

エシカル・スピリッツは、アップサイクルコレクティブ「LOSSISMORE」を展開するLOSS IS MOREの第1弾プロダクトとして、毎年5月の「母の日」後に多く廃棄されてしまう「カーネーション」を中心とした生花をボタニカルとして使用したクラフトジン「LOSS IS MORE GIN」(ロスイズモアジン)の蒸留を担当。「花の日」である8月7日より、順次販売を開始します。実売価格は3850円(税込)。

 

フラワーライフ振興協議会によると、日本国内でのロスフラワーによる経済損失は、年間1500億円にのぼるともいわれています。小売店が仕入れた量の約30~40%は廃棄されているとのことです。

 

同商品は、ロスフラワー(廃棄されてしまう花の呼称)の「香り」を生かした、消費期限のない蒸留酒 (クラフトジン)。母の日が終わると大量に捨てられてしまうカーネーションを主役に、恒常的にロスが発生しているバラやユリなどのロスフラワーをブレンドしています。

 

大量に廃棄される生花を有効利用したいという問題意識を持った岩手県内の生花店「田村フローリスト」提供のロスフラワーから複数の香りを織り込んだ、植物園や花屋にいるような香りが特徴。

 

酒粕を再利用した原酒、菊の司の粕取り焼酎のしっかりとした甘さの上に、バラやラベンダー、甘夏の花など、全16種のボタニカルにより協奏される重層的な味わいが楽しめます。おすすめの飲み方はソーダ割です。

ハバネロの仲間「京の黄真珠」を使用! 世界的なジンの品評会でブロンズ賞を受賞した実験的クラフトジンが数量限定発売

エシカル・スピリッツは、クラフトジン「KYOTO PEPPER ETHIQUE」を、数量限定で販売開始しました。実売価格は3000円(税込)。

 

同商品は、「OIDEYASU DESTROYER」として、“素材の可能性を実験する”蒸留酒シリーズ「ENIGMA」より少量生産。ジンの品評会「IWSC 2023」でのブロンズ賞受賞や、ユーザーからの商品化希望の声を受け、今回「KYOTO PEPPER ETHIQUE」として製品化されました。

 

キーボタニカルには、京都市が京都大学や京都先端科学大学などの学術機関や、生産者と連携して開発・導入を進めている「新京野菜」のひとつである「京の黄真珠」を使用。ハバネロの仲間で、非常に辛い唐辛子ですが、豊かな香りを持つ品種でもあり、素材の持つ味わいを最大限に引き出すべく、未成熟の緑色の京の黄真珠と、ジュニパーベリーのみで、シンプルなジンに仕上げています。

 

原酒には、天吹酒造の新鮮な酒粕を絞った吟醸粕取焼酎を使用。吟醸酒特有のメロン、白桃、青リンゴのような華やかな香りが凝縮されています。おすすめの飲み方はトニック割。

 

ETHIQUEの1つ目のEは、アキュートアクセント付きが正式な表記です

「シークレット スペイサイド」コレクション全4蒸留所コンプリート! 日本初登場「ブレイズ・オブ・グレンリベット」や「グレンキース」再発売も

ペルノ・リカール・ジャパンは、「ブレイズ・オブ・グレンリベット」の30年熟成シングルモルトウイスキーを新発売、「グレンキース」の21年・25年の2アイテムを再発売しています。いずれも数量限定での販売です。

 

同社は、ペルノ・リカール・グループが保有するスコットランド・スペイサイド地方のウイスキー蒸留所の中から、熟成年数18年以上のシングルモルトウイスキーを精選した「シークレット スペイサイド」コレクションを2020年より日本国内市場で展開。ブレイズ・オブ・グレンリベットは、コレクションの中で日本未発売となっていましたが、今回の発売により同コレクションを構成する4つの蒸留所のすべてが揃い、合計13アイテムでの展開となります。

↑ブレイズ・オブ・グレンリベット蒸留所

 

今回新たに発売された「ブレイズ・オブ・グレンリベット 30年」は、30年以上熟成したモルトウイスキーをカスクストレングス(加水調整せず、樽からそのまま瓶詰め)でボトリング。丘陵からくる純度の高い水源を使用した、トロピカルフルーツのフレーバーが特徴的なシングルモルトウイスキーです。実売価格は12万5400円(税込)。

 

グレンキースは、継続販売中の28年と、再発売された21年・25年を合わせて3アイテムの展開。銅製蒸留器によって生み出されるエレガントでフルーティーなスペイサイドスタイルの味わいが楽しめます。実売価格は、21年が3万800円(税込)、25年が6万6000円(税込)、28年が8万3600円(税込)です。

メロンソーダとビールの「素」が大ヒット! 2023年上半期で売れたドリンク4選

『GetNavi』が選ぶ「2023年上半期売れたものSELECTION」。今回は「フード編」から、カルディコーヒーファーム「メロンソーダの素」、サントリー「サントリー生ビール」、サントリー「ビアボール」、アサヒビール「ヨルビール」の4商品をピックアップ!

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです

 

炭酸で割るだけで喫茶店の味を楽しめる

カルディコーヒーファーム
オリジナル
メロンソーダの素
522円

炭酸水で割るだけで、メロンソーダが完成。鹿児島県産のアールスメロンの果肉ペーストを贅沢に使い、自宅にいながらリッチなおうち喫茶店気分を味わえる。希釈せずに、バニラアイスやかき氷などにかけても美味。本品1に対して、炭酸水2の割合で希釈するのがオススメだ。

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>フードツーリズムマイスター・今西絢美さん
フードツーリズムマイスターの資格を持つライター。調理家電や食の記事も執筆する。

 

レトロブームが重なり1か月で約4万本販売
「レトロブームのいま、メロンソーダは“エモさ”の象徴。本品は喫茶店のメニューを自宅で作れると好評で、初回入荷ぶんは約2週間で完売。その後増産され、発売から1か月で約4万本も売れています」(今西さん)

売れ行き:★★★
革新性:★★★
影響力:★★

 

飲み応えと飲みやすさを両立した次世代缶ビール

サントリー
サントリー生ビール
実売価格218円(350ml)、286円(500ml)

酒税改正を10月に控えたこのタイミングで、大型新商品が登場。厳選素材とこだわりの製法で、グッとくる飲み応えと、かつてない飲みやすさを両立した。ビール樽がモチーフのスタイリッシュなパッケージも話題。

↑手間と時間がかかる「トリプルデコクション製法」で、素材のうまみを最大限に引き出している

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>フードライター・中山秀明さん
食のトレンドに詳しい。GetNavi webでは連載「サニーデイ・サービス 田中 貴のラーメン狂走曲」を担当。

 

印象的な味とデザインでビール好きの新たな選択肢に
「発売約1週間で販売数量100万ケースを突破し、直近20年における同社の缶ビール新商品で最速を記録。同社の『プレモル』の重厚で華やかな味とは異なるすっきりとした味で、ビールの選択肢が広がった!!」(中山さん)

売れ行き:★★★★
革新性:★★
影響力:★★

 

自分好みの濃さで味わえる炭酸水で割るビール

サントリー
ビアボール
実売価格768円

日本初の炭酸水で割るビール。培った醸造技術を結集し、同社のビールでは過去最高のアルコール度数16%を実現。時間が経っても味と香りのバランスが崩れない。

↑ビールを自分好みの濃さで飲めるのが新しい。メーカーのオススメ比率は、炭酸水3に対し、ビアボール1

 

エスプレッソの香りがくつろぎタイムに寄り添う

アサヒビール
ヨルビール
実売価格272円
●現在は販売終了

エスプレッソと黒麦芽を使った黒ビール。エスプレッソコーヒーの香りと深みのある味わいが特徴で、ゆっくりと時間をかけて自分のペースで楽しめる。セブン−イレブンで数量限定発売された。

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>編集者・鈴木翔子さん
本誌の元フード担当で現在フリーの編集者。バーでも働き幅広い年代のお客さんから情報を収集。

 

いまの時代にマッチした“自分らしく”楽しめるお酒
「『ヨルビール』は、くつろぎ時間に合うことを訴求し、想定の1.5倍売れ。3000万杯(※)突破の『ビアボール』は、他のビールよりも若年層の購買比率が高い。ともに自分らしく楽しめる点が時代にマッチ!」(鈴木さん)

※:家庭用・業務用を合算

売れ行き:★★★★
革新性:★★★★
影響力:★★★

「こだわり酒場のタコハイ」はなぜ販売単月で100万ケースを突破したのか?【2023年上半期売れたモノSELECTION フード編】

『GetNavi』が選ぶ「2023年上半期売れたものSELECTION」。今回は「フード編」からサントリー「こだわり酒場のタコハイ」を紹介。販売単月で100万ケースを突破した人気のヒミツを探る。

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです

 

名門ブランド「こだわり酒場」から新たな味のサワーがまたヒット

サントリー
こだわり酒場のタコハイの素
715円

酒場で愛されるプレーンサワーの味わいを目指した、ソーダ割り用の濃縮リキュール。アルコール度数は25%で、好みの濃さで飲めるのも人気の理由だ。オススメの配合は、タコハイの素1に対し炭酸水が3。6%の濃さに仕上がる。

↑YouTube公式チャンネルには、作り方やアレンジレシピなどの動画がアップされている

 

サントリー
こだわり酒場のタコハイ
163円(350㎖)
220円(500㎖)

プレーンサワーの味を、より手軽に楽しめる缶商品。「タコハイの素」同様、ほのかな柑橘の爽やかなフレーバーと独自技術で、甘香ばしい風味を引き出した焼酎「焙煎麦焼酎」のコクが食事を引き立てる。

↑女優の田中みな実さんが「タコハイって何味?」とつぶやくCMが話題になった

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>フードライター・中山秀明さん
食のトレンドに詳しい。GetNavi webでは連載「サニーデイ・サービス 田中 貴のラーメン狂走曲」を担当。

 

家飲み食中酒の選択肢拡大にも貢献!!
「発売6週間で、同社の昨年のヒット商品『翠ジンソーダ缶』の初動を超える売れ行きを記録。これまで、食事に合うRTDといえばレモンサワーが鉄板でしたが、本品の登場により家飲み食中酒の選択肢が広がりました」(中山さん)

売れ行き:★★★★
革新性:★★★
影響力:★★★★

 

酸味や甘みを抑えコクは豊かポストレモンサワー的な存在に

サントリーが3月7日に発売した「こだわり酒場のタコハイ」は、販売単月で100万ケースを突破。年間計画も、2倍の500万ケースに上方修正するほど売れている。フードライターの中山秀明さんは、本品のヒットには複数の要因が絡んでいるという。

 

「昨今の外食で人気の業態が大衆酒場。昭和から続く老舗酒場と、その魅力を若手経営者が表現したモダンな酒場、どちらも好調です。これらの店の定番酒といえばサワー。レモンサワーも人気ですが、酸味や甘みが控えめなぶん焼酎のコクが豊かなプレーンサワーにもファンが多く、その味を再現しているのが本品です」(中山さん)

 

では、その他の要因とは何か。

 

「『こだわり酒場』シリーズは、2018年にレモンサワーの素、2019年にその缶商品がヒットしていて、ユーザーからの信頼が厚いんです。またここ数年、シティポップや平成レトロなどが流行り、レトロ回帰が世の中全体で続いていますよね。こうしたトレンドも、タコハイ人気を後押ししたのだと思います」(中山さん)

 

【コレもヒット!】
大衆酒場で愛される元祖酎ハイのような辛口をノンアルコールで実現

宝酒造
タカラ「辛口ゼロボール」
実売価格141円

下町の大衆酒場で愛される、元祖「焼酎ハイボール」のようなキレのある辛口の味わいをノンアルコールで実現。糖質、カロリー、プリン体、甘味料の4つがゼロなのもうれしい。

↑CMにはテニスのレジェンド・松岡修造さんを起用。Twitterキャンペーンも好評で、商品単体のアカウントながら5万フォロワーを突破している

【せんべろnet監修】ひとり飲み初心者にオススメなお店の噺

全10回にわたってお届けした「東京・大衆酒場の名店シリーズ」で、一連の酒場知識を習得したお酒好きタレント・中村優さん。今回からは実践編ということで、女性ひとり(初心者)でもできる「酒場」の楽しみ方を、「せんべろnet」管理人のひろみんさんに教えてもらいながら体験していきます。

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

ひとりで飲みに行きたいけれど……

「酒噺」の東京・大衆酒場の名店巡りで一連の知識を習得した中村さん。ここからは自立してひとりで酒場へ出掛けてみようと意気込んでいたところ、同じ「酒噺」で「せんべろnet」に聞く! 1000円で楽しめる「せんべろ」の噺という記事を発見。

 

すぐに「せんべろnet」のTwitterをフォロー。DMを送って「せんべろnet」管理人のひろみんさんと繫がることに。ひとり飲みの師匠として心酔し、LINEも交換してもらい、最初にオススメしてもらったのが、錦糸町(東京都墨田区)にある「立呑み みつぼし村」。今回は同店のひとり飲み体験レポートをお届けします。

 

【関連記事】
「せんべろnet」に聞く! 1000円で楽しめる「せんべろ」の噺

 

初心者でもひとり飲みしやすいお店とは?

↑JR錦糸町駅に到着! ここから「立呑み みつぼし村」までは徒歩約3分

 

ひろみんさんが「立呑み みつぼし村」をオススメした理由は、ひとり飲みに最適なお店だから。「まず、大きな窓から店内の様子がわかりやすく、表の看板にはメニューや価格も書いてあるなど、気軽に入れます。また、キャッシュオン(商品を受け取る際、その場で代金を支払う方式)なので、最初から予算を決められて、好きなタイミングで帰れるのも◎です」。

 

さらに「チューハイ200円、おつまみも110円~と『1000円札を握りしめて気軽に楽しめる安さ』、系列にイタリアンのお店もあり『低価格なのにおつまみが美味しい』こともポイントです!」とのこと。

 

こうして、「せんべろnet」の「立呑み みつぼし村」の記事で予習をしつつお店に向かう中村さん。「行ってきます!」とひろみんさんに伝えたところ、「もしわからないことあったら、気軽にLINEしてくださいね! ではでは~」との頼もしいメッセージが。

 

迷うことなく「立呑み みつぼし村」に到着した中村さん。まず店構えを観察すると、ひろみんさんの言う通り、窓越しに店内の様子がわかり、外の看板にはメニューと価格が書かれています。

 

↑看板に書かれているのは、メニューと価格、キャッシュオン式の会計であること、営業時間などです

 

~外観に見る「ひとり飲みしやすいお店」の条件~

・「大きな窓がある」「フルオープン」など、外から店内の様子が見えて、入りやすい店構え

・カウンターがある

・外の看板などにメニューと価格が書いてあり、おおまかな費用が把握できる

・「ひとり飲み歓迎」などが書いてあればさらに◎

 

いざ入店! テーブルに置かれたお皿はなに?

入店した中村さんはさっそくお酒を注文するも、気になったことをLINEでひろみんさんに質問します。

↑お店に入ると「立呑み みつぼし村6ヶ条」が。ルールがあり、安心して飲める。まずは読んでおこう!

 

 

↑「立呑み みつぼし村」ではこのお皿を会計に活用するとスムーズ

 

ひろみんさん曰く、立ち飲み店はキャッシュオンのお店もよくあるとのこと。その場合、お札は崩しておいたほうがベター。基本的に1000円札であれば問題なし。ただ、閉店時間が近くなるとお店の1000円札も溜まってくるため、その場合はまれに5000円や1万円札がありがたがられることもあるといいます。

 

~キャッシュオンについて~

・キャッシュオンとは商品を受け取る際、その場で代金を支払う方式のこと

・立ち飲み店はキャッシュオンの店も少なくない

・キャッシュオンのいいところは「今日はいくらまで飲む」と金額設定しやすく、明朗会計なこと

・お札は1000円札がベター

・テーブルに小銭入れがある場合はそこに入れておくと会計がスムーズ

 

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【東京・大衆酒場の名店】の番外編として下町の大衆酒場の名物・焼酎ハイボールには欠かせない「炭酸水」について深堀りしていきます。

 

まずは、一杯!

中村さんが一杯目にオーダーしたのは「ゴールデンハイボール」(250円)。同店には通常の「焼酎ハイボール」(200円)もあるものの、壁に貼ってあった「ゴールデンハイボール」のポスターに心を奪われ、注文してみました。

壁には「うまさ、ゴールデン!!」のポスターが

 

↑「ゴールデンハイボール」(250円)

 

香りが甘く爽快感もしっかりとした「ゴールデンハイボール」のおいしさに感動した中村さん。その正体を知るために、ひろみんさんにLINEで質問してみました。

 

ひろみんさん曰く「『ゴールデンハイボール』のベースは宝焼酎『ゴールデン』。炭酸割りがよりおいしくなるようにブレンドされていて、甘い香りと絶妙なコクがポイントです。揚げ物からお刺身まで、大衆酒場の定番メニューとも相性抜群ですよ!」

↑「絶妙なコクがサイコーです!」と、「ゴールデンハイボール」を堪能する中村さん

 

~ひとり飲み(立ち飲み)ドリンクのポイント~

・関東の立ち飲みではプレーンの「チューハイ」が最安値(相場は300円前後)ということが多く、お店によって味の違いが楽しめたりもするのでオススメ

・お得にたっぷり飲みたい時にはホッピーセットがオススメ。「ナカ(焼酎)/ソト(割材)」スタイルで安価にナカをおかわりできる

・瓶ビールを注文して、ちびちびコップに注いで飲むのも楽しい!

 

 

ひとり飲みのおつまみは何品注文すればいい?

 

お酒が届いたところで、おつまみも選ぶ中村さん。気になったメニューをいったん2品注文したものの、分量の正解がいまいちわからない。注文のペースや一度にオーダーする数などはこんな感じで良いのか、ひろみんさんにLINEで確認してみることに。

 

↑「トマトサラダ」210円。「マヨネーズではなく自家製ドレッシングというひねりが素敵。キャベツ付きで箸休めにもイイですね!」と中村さん

 

↑「なめろう」230円。「刻み大葉とゴマが好アクセントで超おいしいです!」と中村さんも大絶賛

 

ひろみんさんの嗜み方は1品ずつ。特に初めてのお店の場合は分量がわからないことも多いため、まずは1品頼んで、そのお店のボリューム感を知るのだとか。

 

おつまみの選び方は、お店の名物があればそちらを優先することが多いそう。「立呑み みつぼし村」の場合、充実した鮮魚は必食で、特に「なめろう」はオススメとのこと。中村さんは野菜と魚をオーダーしたため、次はバランスよくお肉系のメニュ—を注文したいところ。

 

ひろみんさんのオススメは「ハムカツ」。さらに、「『ゴールデンハイボール』とも相性抜群!  別売りで『カットレモン』があるので、そちらを『ゴールデンハイボール』に入れるのもオススメですよ!」とのLINEがきたので、こちらもあわせて注文です。

↑「ハムカツ」230円

 

「ハムカツ」は自家製。揚げたてでサクサクと食感よく、食べ応えもあります。ここで、中村さんはひろみんさんがオススメした「カットレモン」でチューハイの“味変”に挑戦。さらに余ったレモンを「ハムカツ」にかけるというテクニックも披露!「ソースをかけるのもいいけど、そのままでもすごくおいしい! レモンを搾って余韻をすっきりさせるのもアリですね~」と中村さん。

↑「カットレモン」は100円。別皿に4切れで提供されるため、揚げ物に搾るなど自由に使ってOK

 

↑「『ゴールデンハイボール』にカットレモンを入れるとスッキリして、お酒がすごく進みます!」と中村さん

 

ちなみに、ひろみんさんが今回「立呑み みつぼし村」をオススメしたのは、ほかにも理由がありました。それは、ここが酒場の聖地をルーツにもつお店だから。

 

実は同店、赤羽(東京都北区)にあるせんべろの聖地「立ち飲み いこい」で修業した方が営んでいるのです。もちろん「立ち飲み いこい」も最高なのですが、聖地なだけあって、初めて行くなら「立呑み みつぼし村」のほうが緊張しないだろうという理由で選んでくれたのです。

 

 

↑ひろみんさんの最新作『せんべろnetのひとり酒場 家飲み手帖』(ワン・パブリッシング・刊)は2023年7月27日に上梓されたばかり

 

↑今回のお会計。「ゴールデンハイボール」2杯、「トマトサラダ」「なめろう」「ハムカツ」「カットレモン」で合計1210円也

 

~ひとり飲み(立ち飲み)のおつまみについて~

・店員さんが忙しい場合があったり、スペースを占領しないよう、注文は1品、多くても2品がオススメ

・お店の名物があるならぜひ味わってみて&近くの常連さんが注文したメニューを真似するのもアリ

・立ち飲みのお店はチャージ(お通し)がないところも多いので、その場合、おつまみを1品以上注文するのがベター

 

酒場のひとり飲み歩きは始まったばかり

ひろみんさんから、ひとり飲みの入門に最適なお店ということで教えてもらい、錦糸町の「立呑み みつぼし村」を訪れた中村さん。1000円程度の予算で、自分のペースで楽しむことができて、酒場探訪の楽しさを改めて実感したのでした。次回もひろみんさんのアドバイスをもとに、ひとり飲みにぴったりな人気店を訪問する予定ですのでお楽しみに!

 

 

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<取材協力>

立呑み みつぼし村

住所:東京都墨田区錦糸4-7-2
営業時間:平日16:00〜22:00、土曜日曜14:00〜22:00
定休日:水曜

※価格はすべて税込みです

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎「ゴールデン」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/golden/

 

撮影/鈴木謙介