ビールでも日本酒でもなく「サワーに辛口」が誕生?!「麒麟特製」が辿り着いた新境地の全貌に迫る!

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9月14日、革新的な商品がデビューした模様。販売数量がリニューアルからわずか1年強で4億本を突破(※1)した「麒麟特製」ブランドから、レモンサワーに次ぐ中核商品として、満を持して送り出された新商品『麒麟特製辛口こだわりサワー』です。

 

最大の特長は、その名の通り“辛口”であること。ビールや日本酒に“辛口”があっても、“辛口”を前面に打ち出した缶チューハイは珍しいでしょう。しかも、今までのサワーにはない、ただ甘くないだけではないうまみの効いた辛口は、食事にもしっかり合う、一杯目から楽しめる味わいになっているとか。

 

ビール党も一度試してみたくなる、サワーの新境地。百聞は一見にしかずで、まずは試しに一杯。さらに開発者へのインタビューとフードペアリングの感想とともに、新体験サワーの正体を明かしていきます。

 

※1:250ml換算(2020年4月リニューアルより2021年6月末の出荷実績)

麒麟特製辛口こだわりサワー

“うまさの源”となる「米うまみエキス」によって、複層的で深みのある新しいうまさを実現。ただスッキリ甘くないだけでなく、しっかりとしたうまみが感じられる辛口サワーだ。

 

今までにない、キリッと辛口でありながら、しっかりうまみが効いている!

↑甘くないプレーンな爽快感ながら、奥深いうまみを感じるアフターテイスト。ほかの缶チューハイにはないおいしさです

 

これまで仕事とプライベートで、あまたの缶チューハイを試飲してきた筆者。そのどれとも似つかない新しい辛口サワーということで、期待を胸に、まずは飲んでみることに。第一印象で感じたのは、これぞ辛口! というキリッとした味わいと、今までにないふくよかで心地よいうまみ。単に辛口・爽快なだけではなく、このうまみがあることで上質感や満足感を感じます。またアルコール9%でありながらカドがなくてスムース、飲み終わりにお酒が心地よく鼻抜けする余韻があることも印象的です。

 

特にアタックの強さに複層的なボディ感があって、正直感激するほどのうまさ! いつもは一杯目はビールが基本なのですが、この辛口サワーなら単体でももちろん、食事とも一緒に楽しめる定番のお酒になりそうな予感です。

 

サワーに新しい味わいの辛口を実現した3つのうまみ

なぜ、こんなに辛口でうまいのか。その秘密を暴くべく、サワーに新しい辛口を実現した張本人を直撃してみることにしました。答えてくれたのは、キリンビール マーケティング本部 マーケティング部の辻次美祐(つじつぐみゆう)さんです。

↑2019年から「麒麟特製」の商品開発を担当している辻次さん。以前は「キリン一番搾り生ビール」を手掛けていて、幅広いカテゴリーの知見をもっています

 

まずは開発経緯から。なぜ辛口に着目し、「麒麟特製」ブランドから発売したのかを、市場のニーズなどにも触れながら教えてもらいました。

 

「現在、RTDready to drink)市場において急成長しているのはレモンサワー。麒麟特製ブランドにおいても、一番の売れ行きとなっています。その一方で、『フレーバーや甘さがなく、お酒のうまさをじっくりと楽しめて、どんな食事にも合うサワーを飲みたい』というお客様も多くいらっしゃいます。そんなお客様をより深く理解していくなかで、既存のレモンサワーは『甘さがあるし、柑橘の味がお酒のうまさを邪魔してしまう』、ドライ系サワーは『嫌なアルコール感があっておいしくなさそう』などの満たされていないニーズがあることを突き止めました」(辻次さん)

 

そこで思い立ったのが、「“辛口”のサワーをつくろう」という着想だったといいます。

 

「甘くなくすっきり飲めるのに、ビールや日本酒にも似た複層的なうまみが楽しめる、サワーに今までなかった味わいの“辛口”にたどり着きました。ただ味がしないだけではなく、しっかりうまみがあるのが“辛口”である、という発見と、キリンの130年以上のお酒づくりの技術を結集してつくる麒麟特製のつくり方なら、高アルコールでも嫌なアルコール感がなく、お酒のうまさを楽しめる味わいがつくれるはず、という思いで開発を進めました」(辻次さん)

 

↑パッケージでは、ブランドの金色に落ち着いたグレーを配して上質な辛口を表現したとか。稲穂のグラフィックも印象的です

 

すでに、“甘くない”テイストをウリとしたドライサワーもありますが、どのような違いがあるのでしょうか?

 

「新発売の『麒麟特製辛口こだわりサワー』は、『米うまみエキス』や、隠し味の『柑橘うまみエキス』『天日塩』などにより、複層的な味わいに仕上がっている点が大きな違いです。ドライと同じすっきりとした後キレの良さもありながら、この複層的なうまみが、キリッとうまい辛口の味わいを実現しています。あらゆる料理にもマッチする自信作です!」(辻次さん)

 

筆者が感じた味の厚みには、今回新採用となった「米うまみエキス」が関係している気がします。詳しく聞くと、米うまみエキスとは、じっくり時間をかけて米を加熱・熟成させ、手間暇かけてうまみを引き出した“熟成によるうまさの源”だと、辻次さんは言います。

 

「辛口なお酒になじむ、上質なうまみをもつ原料を探したなかでたどり着いたのが、お米です。特に日本人にとっては主食ですし、日本酒や米焼酎など、お米を使ったお酒も古くから親しまれていますよね。そこにヒントを得て、『麒麟特製辛口こだわりサワー』に最適なうまみ成分を、手間暇かけながら熟成させて引き出しました」(辻次さん)

↑日本酒や米焼酎のほか、日本では「キリンラガービール」をはじめとする伝統的なビールにも、米が使われています(写真はイメージです)

 

「『麒麟特製辛口こだわりサワー』では、お米を時間をかけて熟成させることで、うまみを存分に引き出して使用しています。これによってビールや日本酒などの醸造酒が持つような、複層的でまろやかなうまみを感じることができるのです」(辻次さん)

 

つくり方を知るほど、このサワーに込めたこだわりがひしひしと伝わってきます。さらに辻次さんは、麒麟特製サワーすべてで使われている特製の「柑橘うまみエキス」、海水を太陽と風の力で結晶化させたこだわりの「天日塩」といった隠し味も、『麒麟特製辛口こだわりサワー』には欠かせない要素だと力を込めます。

 

「米うまみエキスも含めたこれらによって、複層的なうまみとすっきりした味わいをもった『麒麟特製辛口こだわりサワー』は、一緒に召し上がる食事の味を邪魔することなく、引き立ててくれます」(辻次さん)

筆者の直撃に対し、うまさの秘密を説明してくれる辻次さん。『麒麟特製辛口こだわりサワー』のつくり方には、3つもの特許申請中の技術が使われていると話します

 

まったく新しい辛口のうまさで、食シーンでは名バイプレイヤーに

徹底的にこだわり抜いてつくられたからこそ、この甘くないのにうまみを感じられるという新しい辛口サワーは実現できたのでしょう。しかし、食事の味を邪魔せず、むしろおいしさを引き立てるとは本当なのか———『麒麟特製辛口こだわりサワー』は、料理と合わせることでよりその魅力を実感できることを教えてもらいました。そこで筆者も、フードペアリングを実践することに! 比較的味の繊細な和食から、タイプの異なる3品を用意し、本当に食事のおいしさを引き立てるのか、検証してみました。

↑あえて、一般的なサワーと合わせるイメージの弱い、さっぱりとした和食を3品ペアリング。『麒麟特製辛口こだわりサワー』との相性を検証します

 

● 1品目は「冷奴」

発酵食材素材などをのせ、それぞれの素材との相性をチェックします。

↑薬味のほかに梅、きゅうり、なすの漬物をのせ、おかかをかけた冷奴

 

まずは豆腐単体でペアリング。「麒麟特製辛口こだわりサワー」が甘くないので豆腐の凝縮した大豆のうまみをしっかり感じられ、上品に調和します。これはおかかに関しても同様でした。じんわり広がる繊細なダシの風味を、「麒麟特製辛口こだわりサワー」がやさしくキャッチします。

 

酸っぱい梅や、発酵のうまみが効いた漬け物との相性もお見事。この場合は「麒麟特製辛口こだわりサワー」がもつ酸味や複層的なうまみが前面に出て、それぞれに寄り添います。まるで料理の味付けに合わせて個性をアジャストするような、器用な汎用性。また、酒の味が料理を邪魔せず、脇役に徹する名バイプレイヤーっぷりも素晴らしいですね。

 

● 2品目は「寿司」

生魚も繊細な食材の代表格であり、爽快感の強い高アルコールサワーのペアリングとしては苦手なカテゴリーといえるでしょう。果たして『麒麟特製辛口こだわりサワー』はどうマッチするのでしょうか?

↑まぐろ、酢じめのこはだ、えび、ほたてなど、一般的な握り寿司を合わせます

 

寿司には辛口の日本酒や苦味のあるビールなどがよく合いますが、『麒麟特製辛口こだわりサワー』も非常に好相性。厚みのあるボディが魚のうまみや脂と調和し、一方でクリアな爽快感が臭みをカットします。

 

これは3つの隠し味のなせる技でしょう。「米うまみエキス」「柑橘うまみエキス」「天日塩」が各魚のうまみや酢飯の酸味にフィットしながら、素材のおいしさを底上げするのです。寿司ダネは濃い味の漬けまぐろやツメを塗ったあなごなどのほか、もちろん寿司ではないお造りにも合うと思います。

 

● 3品目は「肉じゃが」

肉と野菜を盛り込んだ家庭的な煮込み料理として、肉じゃがをチョイス。甘じょっぱくてダシも香る、今回のなかでは濃い味付けです。

↑野菜はじゃがいものほか、にんじんやいんげんも

 

ジューシーな肉は『麒麟特製辛口こだわりサワー』のキリッとした爽快感ですっきり、野菜に関しても素材のうまみを残しつつ、まろやかなボディがぴったりなじみます。また、甘じょっぱい料理に合わせると『麒麟特製辛口こだわりサワー』が導かれるように調和。やはりこの、臨機応変に対応する万能性には驚きです。

 

また、温かい料理に対する温度のメリハリも絶妙。ストレートな冷涼感で押し流すのではなく、料理の余韻を残しながらすっきりさせる心地よい後口は、隠し味に奥深いうまみをもつ『麒麟特製辛口こだわりサワー』ならではだと実感しました。

 

新しいうまさの「辛口サワー」。今夜の晩酌に楽しんでみては?

「米うまみエキス」「柑橘うまみエキス」「天日塩」という3つの隠し味で、繊細な料理には静かに、濃厚な料理には能動的に寄り添う『麒麟特製辛口こだわりサワー』。まさにグルメな秋にふさわしい、料理をおいしくする辛口のサワーです。

 

上質感のあるグレーを用いたパッケージデザインは、お店の棚でも目立つこと間違いなし。晩酌のお供にするのはもちろん、休日はブランチから。食事とのペアリングを楽しむもよし、単体で「辛口」の新しいうまさを体感するもよし。「サワーに辛口」という新体験を、ぜひ楽しんでみてください。

 

キリン「麒麟特製辛口こだわりサワー」の詳細はこちらから

 

写真/湯浅立志(Y2)

世界一のブドウ栽培の最適地! 日本人がまだ知らない「チリワイン」の魅力と覚えておくべき5産地

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズは、フランスをはじめとする古くから“ワイン大国”として名を馳せる国から、アメリカなどの“ワイン新興国”まで、さまざまな国と産地を取り上げてきました。今回はコストパフォーマンスの高さで人気の「チリワイン」。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
第1回 :フランス
第2回:イタリア
第3回:ドイツ
第4回:オーストラリア
第5回:アメリカ
第6回:ニュージーランド
第7回:日本

 

チリワインを旅する

2015年に、日本における国別の輸入量で長らく不動だったフランスを抜いて、チリワインが第一位になりました。ワイン業界にとって、ワインの家庭内消費が伸び悩んでいることが問題視されてきましたが、その解決の先鞭となったのは、安価で高品質なチリワイン。今ではスーパーマーケットやコンビニの棚にチリワインがないことは考えられず、多くの家庭で気軽にワインが楽しまれていることは、そのことからもうかがえます。

 

チリワインはそのコストパフォーマンスを武器に、いつのまにか日本人にとってもっとも身近なワインになったのかもしれません。けれども、チリワインとは安くておいしいだけが魅力なのでしょうか?

 

歴史的にはアメリカよりも古く16世紀にはペルーからブドウが持ち込まれ、瞬く間に一大産地となったチリは、19世紀にはフランスから穂木が多く持ち込まれ、高品質ワイン造りの取り組みが始まりました。ヨーロッパのブドウ畑を襲ったフィロキセラ禍も独特の地理的条件(東にアンデス山脈、北にアタカマ砂漠、西と南は太平洋と南極海に囲まれている)によって侵入を許さなかったことからフランス、イタリア、スペインから多くの栽培・醸造家が移住し、19世紀末にはヨーロッパ各地の品評会で入賞するようなワインを産み出していたのです。その後は、保護貿易政策や政治的混乱から長い低迷期を過ごしますが、1990年に軍事独裁政権から民主主義へ移行するとともに海外からの投資が盛んになり、現在のワインの高品質化、輸出志向に至ります。

 

チリワインの魅力は安さだけではありません。南北1400kmに渡り多様な気候風土を兼ね備えていること、その多くの産地で豊かな日照条件に恵まれ、フィロキセラの侵入を許さなかったことにより接ぎ木をしていない、世界的にみると希少なブドウ樹が多く栽培されていることなど、その特性は数え上げたらキリがないほどです。チリほどブドウ栽培に適した産地は世界のなかでも珍しいという専門家も多くなってきました。

 

日本人にとってもっとも身近なワイン産地になりつつあるチリですが、その多様な魅力は、まだあまり知られていないように思えます。今回はそんな一端を紹介していきます。

 

1. セントラル・ヴァレー地域マウレ・ヴァレー
2. セントラル・ヴァレー地域マイポ・ヴァレー
3. アコンカグア地域アコンカグア・ヴァレー
4. エルキ・ヴァレー
5. ビオビオ・ヴァレー

 

1. セントラル・ヴァレー地域マウレ・ヴァレー
− チリ最古かつ最大のワイン産地 −

雨の降らないチリのなかでは比較的降雨量があり、古くからワイン生産が行われてきたのが、チリの中央部に位置するマウレ・ヴァレーです。1990年代後半までもっとも広く植えられていたのはチリの地場品種ともいえるパイス種(アルゼンチンのクリオジャ・チカ、カリフォルニアのミッション)でした。16世紀にスペイン人によって持ち込まれ、長らく大衆酒の原料になっていたパイスは、現在でも国内消費向けの箱入りワイン用に広く栽培されています。ただ国際品種の人気の高まり、ワインの高品質化のなかで徐々に栽培面積は減ってきているのが現状です。

 

写真のワインは、19世紀のフランス移民をルーツに持つブション・ファミリー・ワインズがチリの伝統品種であるパイスを復興させようと造り出したワイン。「Salvaje(サルヴァへ)」はスペイン語で“野生”という意味なのですが、文字通りマウレ・ヴァレーの海岸地域に自生しているパイス種のブドウから造られます。ブドウが野生であることを尊重し、天然酵母、ノンフィルターで仕上げられ、チェリーやベリー系のチャーミングな果実、ローズヒップを思わせる複雑さと軽やかさを兼ね備えた魅力的なワインです。

 

チリは世界的に見てもブドウ栽培の最適地のひとつだと考えられますが、伝統品種から高品質ワインを造る試みにより、本当の意味でのチリワインに触れることのできる貴重なワインです。機会があれば、一度試してみてください。チリワインのイメージがガラリと変わることを保証します。

 

Bouchon(ブション)
「Pais Salvaje2018(パイス・サルヴァへ2018)」
2500円

2. セントラル・ヴァレー地域マイポ・ヴァレー
− チリワインの“約束の地”プエンテ・アルト −

マイポ・ヴァレーは首都サンティアゴの南に広がるワイン産地で、首都に近いことから、古くからブルジョワ階級が広大なブドウ畑を所有していたワイン産地です。チリ最大級のワイナリーであるコンチャ・イ・トロもそうした大規模な自作農がルーツであり、所有する9000ヘクタールという広大なブドウ畑から自然と優れた畑が、時間をかけて選別されるようになりました。そしてカベルネ・ソーヴィニヨンにもっとも適した土地として認められたのが、サンティアゴからほど近いプエンテ・アルトです。1987年に初ヴィンテージがリリースされたコンチャ・イ・トロのプレミアムワインである「ドン・メルチョー」をはじめとしてチリを代表するカベルネ・ソーヴィニヨンはすべて、プエンテ・アルトから生まれているのです。

 

「安くて美味しい」というイメージが日本では先行しているチリワインですが、それはなによりチリが、世界を見渡してもブドウ栽培に最適の国であることの証でもあります。安定した地中海性気候のなか、日々豊かな陽光に恵まれ、唯一の欠点は夏に雨が降らないことくらい。アンデス山脈の雪解け水は、古くから農業に利用されてきました。

 

そんなチリの恵まれた環境に、ヨーロッパの歴史と経験が持ち込まれたワインが、写真の「アルマヴィーヴァ」です。ナパ・ヴァレーのオーパス・ワンが、モンダヴィとシャトー・ムートンのジョイント・ベンチャーとして生まれ、カリフォルニアを代表する銘醸ワインに育ちましたが、チリでは1998年にコンチャ・イ・トロとシャトー・ムートンの協力のもと、このワインが生まれました。そしてやはり、ブドウの供給地として選ばれたのは前述のプエンテ・アルト。世界でブドウ栽培に最も適した産地として注目されているチリのなかでも、選び抜かれた“約束の地”の味わいを想像してみてください。ムートンやオーパス・ワンに劣らない、素晴らしいワインを産み出すポテンシャルがチリにはあることを、多くの人に知ってもらいたいと思います。

 

Concha Y Toro&Baron Philippe de Rothschild(コンチャ・イ・トロ&バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド)
「Almaviva2017(アルマヴィーヴァ2017)」
実勢価格2万5000円前後

3. アコンカグア地域アコンカグア・ヴァレー
− 冷涼な沿岸部で生まれるチリ最高のピノ・ノワール −

南北に長いチリのワイン産地の多くは、東西を流れる河川を軸に“〇〇ヴァレー”といった呼び方をされてきました。そこに東西を区切る概念がラベル表記されるようになったのは、2011年のこと。東のアンデス山脈側(Andes)、アンデスと海の間中央部(Entre Cordilleras)、海側(Costa)と分けて考えられるようになったのです。

 

アコンカグア・ヴァレーは首都サンティアゴの北西、アンデス最高峰のアコンカグア山を背景に、海へ流れ込むアコンカグア河流域に広がるワイン産地。19世紀後半に、多くのワイナリーがサンティアゴ周辺に畑を開拓するなか、チリの大手ワイナリーのひとつであるエラスリスは、ここでブドウ栽培を始めました。当時は交通の便も悪く、荒れた土地だったアコンカグアはブドウ栽培に適した土地とは見なされていませんでしたが、エラスリスの創業者ドン・マキシミアーノは、山から海岸に吹き降ろす風と海の空気を河口から吹き上げてアンデスの斜面を冷やす風に目を付け、この地を選びます。

 

現在、海から10数kmまで広がる畑“アコンカグア・コスタ”は、ニュージーランドのマールボロと比較されるほどの冷涼さを持ったワイン産地として知られるようになりました。写真の「ラス・ピサラ」は、アコンカグア・コスタのなかでもとくにピノ・ノワールやシャルドネに向く区画を選び抜き、2014年に初めてリリースされたプレミアムワインです。世界中のさまざまな産地で、ブルゴーニュに匹敵するピノ・ノワールを生み出そうとする機運は高まるばかりで、チリもその例外ではありません。ブルゴーニュ好きの方にも試してみてもらいたいワインのひとつです。

 

Errazuriz(エラスリス)
「Las Pizarras Pinot Noir2015(ラス・ピサラ・ピノ・ノワール2015)」
実勢価格1万3000前後

4. エルキ・ヴァレー
− 北の高地のワイン産地 

歴史のあるチリでも、近年新たに多くのワイン産地が生まれています。エルキ・ヴァレーはセントラル・ヴァレーのはるか北、海抜1000mから2000mという高地でもブドウ栽培がされている、チリでは新しいワイン産地です。もともとは「ピスコ」という蒸留酒用のブドウが栽培されており、ワイン用ブドウには不向きだと考えられていた地域でした。そういった固定観念を覆したのは、イタリア系チリ人とその従兄弟のイタリア人の、情熱と不退転の決意でした。

 

1995年にエルキ・ヴァレーでピスコ用ブドウ栽培を営んでいたアルド・オリヴィエ・グラモラの従兄弟ジョルジオ・フレサティが、観光でエルキ・ヴァレーを訪れたことがすべての始まり。トレンティーノでワインメーカーとして働いていたジョルジオは、ピスコ用のブドウを食べて感動し、滞在初日にワイン造りを決意したといいます。

 

ふたりの行動は迅速でした。1998年にはビーニャ・ファレルニアを設立、ピスコの蒸留所に発酵用タンクを設置することからワイン造りを開始し、2004年にはワインのみの生産に切り替えます。その間、ジョルジオはトレンティーノでの仕事を続け、イタリアとチリで年2回のワイン造りをしていましたが、2009年に完全にチリに移住し、ビーニャ・ファレルニアの仕事に専念するようになります。現在エルキ・ヴァレーは、追随するワイナリーも現れるなかでも、トップ生産者の地位を確固たるものにしています。さまざまな品種を栽培していますが、とくに興味深いのはフランス北ローヌを思わせる深み、奥行きを感じるシラーではないでしょうか。まだまだ発展途上の産地ですが、フランスワインファンの方にも試していただきたい注目産地です。

 

Vina Falernia(ビーニャ・ファレルニア)
「Syrah Gran Reserva2016(シラー・グラン・レゼルヴァ2016)」
2100円

5. ビオビオ・ヴァレー
− チリの南部は大手も進出する新しい産地 

南半球に位置し、南北に長いチリは北にアタカマ砂漠、南にはパタゴニア氷原と、多様な気候風土を持った国であることはすでにお伝えしたとおりです。首都サンティアゴを中心にワイン生産が始まったことから、南北両端はワイン生産にそれほど積極的な地域ではありませんでした。南のイタタ・ヴァレーは歴史こそ長い地域ですが、主に国内消費向けのパイスやモスカテルが植えられてきました。けれどもチリワインの需要が国際的に高まるなかで、大手生産者を中心に、これまで傍流でしかなかった南の産地でも秀逸なワインが続々と生み出されています。

 

写真の「コノスル」は、日本でもスーパーマーケットに行けば必ずと言っていいほど棚に並んでいるブランド。コンセプトがとてもユニークで、「no family tree, no dusty bottle, just quality wine」を掲げている1993年設立の若いワイナリーですが、チリワインの輸出量ではトップ3に入るビッグブランドでもあります。伝統や歴史はなく、あるのは品質の高いワインのみというコンセプトの通り、コノスルの存在は今まで家庭消費が極端に少なかった日本の消費動向すら変えてしまいました。つまり、チリワインのリーズナブルで美味しいというイメージを日本人に植え付けたのは、コノスルの影響によるところが大きかったと考えられます。

 

とはいえ、コノスルも1000円以下のワインだけを造っているわけではなく、チリのグランクリュ、プエンテ・アルトのカベルネ・ソーヴィニヨンから”シレンシオ“というプレミアムワインまで造っています。そして魅力的なのがチリのさまざまな地域でブドウ栽培を進めるコノスルのシングルヴィンヤード・シリーズ。適地適品種を探る中で、冷涼なビオビオ・ヴァレーでリースリングまで成功させているのです。そしてもちろんリーズナブル。ほんの少しの贅沢というときに、コノスルの安定感はどこまでも安心させられます。

 

Conosur(コノスル)
「Single Vineyard Riesling2019(シングル・ヴィンヤード・リースリング2019)」
実勢価格2000円前後

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

特別醸造“エール”で“エール”を送る!「COEDO MATSURI YELL PROJECT」第3弾は秩父夜祭

クラフトビールメーカー のCOEDO(コエド)は、新型コロナウイルスの感染拡大により延期が続いている「秩父夜祭」を応援し、復活を祈念する、「秩父夜祭エールプロジェクト」を始動します。​

 

「COEDO MATSURI YELL PROJECT」は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府要請を受け、全国のお祭りが延期となっている事を受け、2月15日から「川越まつり」支援を開始し、東北、秩父夜祭と、日本各地のお祭りを応援するプロジェクト。お祭り復活に向けてYELLを送るべく、ビールの売上の一部(1本あたり20円)を、お祭りの主催者に寄付しています。

 

「秩父夜祭エール」は、埼玉県秩父市のブルワリー「秩父麦酒(BEAR MEET BEER)」とのコラボレーション醸造により、両者の知見を合わせて、より磨きのかかった「祭エール-Matsuri Ale-」を予定しています。秩父麦酒が使用する醸造設備は、かつてコエドブルワリーが使用していたもので、現在は秩父麦酒が活用しているほか、両者共通の愛好家の主催で、富士山に登り山頂にて共に乾杯するなど、縁のあるブルワリー同士でもあります。

 

このような縁が収れんする形で実り、今回のコラボレーションが実現。秩父夜祭エールでは、従来の祭エール-Matsuri Ale-の流れを汲んで、埼玉県秩父市産の米をビールの原材料として使用し、すっきりとした飲み口に。明るい淡い黄金色とクリーンな苦味、ヨーロッパ伝統のノーブルホップの柔らかいアロマにより、バランスの取れた仕上がりを目指すとしています。

 

ラベルは「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(あの花)の秩父夜祭をモチーフにしたデザインとなっており、同作公開から10周年という節目の本年を、「秩父夜祭エールプロジェクト」とのコラボレーションで彩ります。

 

価格は税抜398円。10月8日より、秩父市内の酒販店をはじめとする小売店や市内の観光施設、COEDO ONLINE SHOPなどでの販売を予定しています。

 

秩父夜祭は秩父地方の総鎮守「秩父神社」の例大祭ということもあり、秩父夜祭エールは完成後、秩父神社に奉納される予定です。

「氷結」が変えた缶チューハイの歴史とは?20周年で進化した最新作もレポ

レモンサワーブームが根強い昨今、缶チューハイも様々な新作が登場して盛り上がっています。商品の栄枯盛衰も激しい中、ロングセラーのひとつが「キリン氷結」。2001年7月の誕生から今年で20周年ということで、その歩みを実飲レビューとともに紐解いていきます。

↑20周年を迎えた「キリン氷結」(350mlで156円)。今春、5年ぶりに大幅刷新したという進化も飲み比べてレポートします

 

「キリン氷結」の登場が斬新だったのは味だけじゃない

「キリン氷結」が誕⽣した2001年は、まだビールの新ジャンル(第3のビール)がなかった時代。かたや缶チューハイはどうだったかというと、いまほど商品数は多くなく、チューハイは居酒屋を中⼼に⼈気を伸ばしていました。

 

⽸チューハイが盛り上がっていなかった理由のひとつが、「クセがあって飲みにくい」「味が⼈⼯的」というイメージです。そこでキリンは当時の市場になかった、「果実のみずみずしい⾹味が豊かでスッキリ飲みやすい、新しいアルコール飲料」を⽬指したのです。

 

それを実現させるために採用したのが、果汁本来の⾹味を閉じ込める氷点凍結。搾った果汁を凍結することで雑味を抑え、果汁本来のみずみずしいおいしさを閉じ込める製法です。

↑オフィシャルサイトより

 

そして氷点凍結をいっそう生かすために考えられたのが、クリアウオッカの利用。それまでの主流は焼酎ベースでつくるチューハイでしたが、「キリン氷結」では雑味やクセを極限まで取り除いたクリアウオッカを利⽤することで、果汁本来の味が引き立ち、爽快でスッキリとした飲みやすさを実現させました。

↑どちらにも国内産ウオッカが使用されています。スペックも新旧ともに同じ

 

「キリン氷結」が世を驚かせたのは味だけではありませんでした。パッケージデザインです。⼤きな特徴は、開栓⾳とともに表⾯にダイヤ形式の凸凹が現れる「ダイヤカット⽸」。商品名からもイメージされる氷の冷たさを、このダイヤ形式の凹凸と、ブルー×シルバーの直線的デザインで体現しています。

 

その狙いは、調査内で女性の声として挙がっていた「⽸チューハイの購入を⼈に⾒られるのが恥ずかしい」を払拭するというもの。“出張帰りの⼥性が新幹線で飲んでも恥ずかしくないチューハイ”をテーマに、若い⼥性も買いたくなる現代的で爽やかなデザインが考案されました。

↑2019年に「ダイヤカット⽸」は⽴体商標として登録。容器の形状だけでブランドを認識できることが認められました

 

スッキリ飲みやすい味の新提案と、飲み手のすそ野を広げた画期的なデザイン。この価値創出により、発売後約10⽇で100万ケースを突破する⼤ヒットを記録。初年度の⽬標400万ケースを⼤きく突破する611万ケースを売り上げ、「キリン氷結」は缶チューハイを牽引する存在になったのです(ケースは250ml換算)。

 

味の様々な要素が全体的にひと回りアップ

昨年は過去最⾼売上を更新。しかもこの2021年1~4⽉で歴代最⾼売上を更新し、さらなる成⻑を続けています。その中でより高みを目指しリニューアルされた「キリン氷結」、新旧を飲み比べて進化の度合いを明らかにします。

↑写真左がひとつ前のモデル、右が最新版

 

リニューアルのポイントとして着目したのは、持ち味である氷点凍結果汁。この果実感を向上させることで、搾りたての果実特有のみずみずしさと、スッキリした飲みやすいおいしさがいっそう豊かになったとのこと。

↑まずはこちらから

 

飲んでみると、旧作とはいえ抜群においしいです。ブライトな酸味と、心地よく広がるフレッシュな香り。甘みはほのかで、わざとらしい感じがありません。総じてすがすがしく、キリッした印象があります。

↑そして新作を飲んで違いを探ります

 

なるほど! 味の方向性は同じですが、レモンフレーバー、香り、コク深さ、爽快感などが全体的にひとまわりアップしています。香りの華やぎがあるのでファーストタッチのボリュームがあって、アフターの余韻もしっかりめ。それでいてしつこさはなく、キリッとした飲み口も良好。スペックは同じでも、5年ぶりの大幅進化を確かに感じられました。

 

飲みごたえもしっかりしているので、氷をたっぷり入れても味が薄まりづらいはず。これからの季節は、グラスごとキンキンに冷やして暑さを吹き飛ばしましょう。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

「おうちキャンプ」を大充実させる家電&グッズ/お酒/調味料etc.グルメな逸品集めてみました

思うように外出できない昨今、密かにブームなのが、アウトドアの開放感と 自宅の快適性を兼ね備えた「おうちキャンプ」だ。リビングやベランダ、庭で過ごす ひとときを楽しく演出する厳選アイテムを、「食」をテーマに紹介する。

 

【PART.01】家電&グッズ

<その①>魔法びんで培われた保温力で 本格的な燻製を手作り

THERMOS
保温燻製器イージースモーカー(POP-002)
1万6500円

セラミックス鍋と魔法びん構造の保温容器がセットになった燻製ツール。鍋に食材とチップを入れて加熱し、火から下ろしたら鍋ごと保温容器に入れるだけ。加熱時間が短く煙が少ない。

 

<その②>日本の伝統文化を取り入れた 火鉢型のカセットコンロ

Sengoku Aladdin
ポータブル ガス カセットコンロ
ヒバリン
1万7600円

火鉢と七輪を掛け合わせたカセットコンロ。安定感のあるゴトクを備え、鍋やケトルをのせられる。付属の焼き網と輻射プレートをセットすれば、直火だとすぐ焦げてしまう食材にもじっくり火を通せる。

 

<その③>ポップなカラーとデザインが テーブルを華やかに彩る

Sengoku Aladdin
ポータブル ガス ホットプレート
プチパン
1万8700円

食卓に彩りを添える、ポップなカラーリングで人気。バーナーをU字型に配し、高火力で食材をムラなく温める。焼き調理用のプレートのほか、2種類の料理を同時調理できる仕切り付きの鍋用プレートも付属。


↑たこ焼きやベビーカステラ作りを楽しめる「えくぼプレート」は別売り(2750円)。小容量のアヒージョを作るのにも重宝する

 

<その④>透明ポットの中に湧き出る コーヒーに心が躍る

 LOGOS
見える! エスプレッソ メーカー
4950円

屋外用バーナーやガスコンロなど、直火で使えるエスプレッソメーカー。ポットが透明で、コーヒーが湧き出る瞬間を見て楽しめる。抽出できるコーヒーは最大約300・。粉の量を調節すればドリップコーヒーも淹れられる。

 

<その⑤>日常に上質な時間をもたらす英国発のミニマルな茶器セット

Matchaeologist
Matcha Brewing Kit
9570円

抹茶の文化や歴史に魅了された創業者が、英国で立ち上げた抹茶ブランド。京都に拠点を置き、厳選した手摘みの茶葉を使った抹茶を揃える。初心者には手吹きグラスの茶碗と長尺茶筅、茶杓とのセットがオススメ。

 

【PART.02】お酒

黒ラベルとヱビスの 技術を注ぎ込んだ自信作

サッポロビール
GOLD STAR
参考価格141円

発売1か月で100万ケースを出荷した大ヒット商品がリニューアル。黒ラベルの旨さ長持ち麦芽とヱビスの香り高いホップを増量し、理想のうまさを追求した。

※本商品はビールではありません。リキュール(発泡性)②の商品です。
※黒ラベルの麦芽とヱビスのホップは一部使用です。

 

新製法による うまみ麦汁を使った 麦のうまみあふれる逸品

サッポロビール
麦とホップ
参考価格141円

新製法の「うまみ麦汁製法」を採用した新ジャンル。時間をかけてじっくり濾過した麦汁を使い、麦のうまみがあふれる、ビールに近い飲み応えを実現。

※本商品はビールではありません。リキュール(発泡性)②の商品です。

 

PART.03】調味料

 

QuestP’age
バカまぶし
各840円

キャンプ芸人としてブレイク中のバイきんぐ・西村瑞樹さんが、12種以上のスパイスを厳選しブレンドした万能調味料。スパイスを炙ることで、香ばしさとパリパリ食感も楽しめる。

 

アドリアーノ・グロソリ
バルサミコクリーム
1242円

煮詰める手間を省き、最初から濃度を付けているクリームタイプのバルサミコ。濃厚な甘味と酸味が食材の風味に奥行きを与える。アイスクリームやクレープなどスイーツにもよく合う。

 

カルディコーヒーファーム
オリジナル
食べるガラムマサラ
415円

トマトの酸味とたまねぎやカシューナッツの甘味に多彩なスパイスが絡むエスニックソース。肉や魚に合わせるほか、ごはんやパンと一緒に食べても美味。

おうちが和バルと化す衝撃の味!「和がさね酎ハイ」がはんなりスパイシー

缶チューハイ市場が盛り上がる中、個性的な手法で展開しているのがアサヒビールの広口ボトル缶シリーズです。その新作「アサヒ 和がさね酎ハイ」がかなり個性的だったので、特徴などをレポートしていきましょう。

↑左から「アサヒ 和がさね酎ハイ国産ゆず生姜」「アサヒ 和がさね酎ハイ国産田熊すだち和山椒」。400mlボトル缶で税込199円、全国の酒類取扱いのファミリーマートで7月13日から発売されています

 

アサヒの個性派ボトル缶チューハイの第3弾

アサヒビールが展開してきたボトル缶シリーズには、400mlの広口ボトル缶×個性的でプレミアムな味×コンビニで発売(その後一般発売されたブランドも)という共通点があります。第1弾は2020年春にデビューした「アサヒ ザ・レモンクラフト」、第2弾は2021年春限定発売となった「アサヒ月庵(げつあん)緑茶割り」。

↑「アサヒ ザ・レモンクラフト」。写真の極上レモンとグリーンレモンのほか、今年は青い地中海レモンもコンビニ限定発売されています(すべてコンビニ価格は400mlボトル缶で税込199円)

 

こんなに香るチューハイは初めて! 「レモンクラフト」のラグジュアリーな生搾り感に驚いた

 

↑「アサヒ月庵緑茶割り」。こちらも400mlボトル缶で税込199円です

 

“プレミアム茶割り”と言いたいリッチな味。香るボトルの「アサヒ月庵 緑茶割り」がセブン-イレブンから限定発売

 

続く第3弾が今回の「アサヒ 和がさね酎ハイ」。まず、黒をベースとした和風のデザインからして個性的です。しかも和柑橘に加えて日本的なスパイスも使っている、というのもポイント。一つずつ、スペックなどを深掘りしましょう。

↑国産100%のゆずと、生姜がフレーバーの中心となっています。アルコールは5%

 

「アサヒ 和がさね酎ハイ国産ゆず生姜」は、程よい甘みの中にもゆず特有の渋味、苦みが味わえる大人仕立て。生姜ならではの甘くスパイシーな香りが、ゆずの爽やかな香りを引き立てる仕上がりになっています。

↑こちらもアルコールは5%。メインの素材には高知県産の「田熊すだち」が100%、そして和山椒がキーフレーバーです

 

「アサヒ 和がさね酎ハイ国産田熊すだち和山椒」は、“幻の柑橘”とも呼ばれる希少な「田熊すだち」を使用。さらに「田熊すだち」と同じミカン科である、和山椒を漬け込んだスピリッツで個性的な味わいに。

↑ボトルキャップには「目利きの皆さま、お待たせしました。」の文言。黒いベースカラーといい、随所に大人な印象が漂います

 

アサヒビールによると、開発背景にはコロナ禍の外出自粛による「こだわり商品の需要増」「国産品を買って日本を応援したいという機運」「スパイス人気の拡大」に着目したとのこと。味わいに関しては、スパイスがどのように効いているのかが気になるところ。飲んで確かめてみます。

 

 

想像以上にトガッてるけど好きな人はハマる味

アサヒビールの今年最大のヒット商品といえば、売れすぎて4月20日の発売初日に一時出荷停止となった「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」でしょう。あのボリューミーでシルキーな泡は中身ではなく缶内面に設けた凹凸部が関係していますが、つまりパッケージの開発にも優れた技術をもっているということです。その一端が、このボトル缶にも。

↑ボトルに広口タイプを採用しているのには理由があります

 

回りくどい説明となりましたが、何が言いたいかというと、飲み手のことを考えた設計になっているということ。口が広いため、ボトルから直接飲んだ際に、缶内部の香りが鼻孔に多く流れやすいのです。これが飲み手にとって、おいしさとなって伝わるというわけです。

 

本稿では色味を伝えるため、グラスに注いで撮影していますが、グラスに注がなくても豊かな香りを最大限に享受できるのは、広口ボトルならではでしょう。ということで、まずは「アサヒ 和がさね酎ハイ国産ゆず生姜」からひと口。

↑色はナチュラル。香りは確かにボリューミーで、普通のゆずチューハイより個性を感じます

 

飲んでみると、落ち着いたボトルデザインからは想像できない攻めた味に驚かされました。舌先から鼻にまで届く、ピリっとした刺激。これはまさに生姜です。例えるなら、普通のジンジャーエールと、アサヒ飲料「ウィルキンソン ジンジャエール 辛口」の違い。あのエッジの効いた辛みに似たインパクトがあり、甘さは控えめ。そのうえで、ゆずがあたたかみのある柑橘感をプラス。はんなりした側面もありながら実にスパイシーで、飲みごたえがあります。

↑こちらもナチュラルな色味。すだち特有のシャープな香りがいい感じ

 

「アサヒ 和がさね酎ハイ国産田熊すだち和山椒」は、辛さは前述「アサヒ 和がさね酎ハイ国産ゆず生姜」よりおとなしめ。その一方香りは鮮烈で、こちらもはっきりとした個性の強さを感じます。和山椒の滋味深く青々としたフレーバーに、芯のあるすだちの柑橘感。甘さはより控えめな印象で、余韻はすっきりとしたクリアな味わいです。

↑アサヒビールの資料にあったペアリング例。ぜひ参考に、おうち飲みの充実を

 

個人的には、崩し割烹、おしゃれ系焼鳥、和バルなどの技アリ和食店で提供される生搾りサワーのような方向性だと思いました。この意欲作を全国のファミリーマートで発売するとは、その挑戦にもアサヒビールの自信を感じますが、これは好きな人は確実にハマる味。辛口ジンジャーエールやクラフトコーラなど、スパイシーなドリンクが好きな大人はぜひ試してみてください。

 

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5000円のビールに応募殺到!名ウイスキー「山崎」原酒樽で熟成させた「特別プレモル」の裏側

「ザ・プレミアム・モルツ」には「マスターズドリーム」という最高峰ブランドがありますが、そのなかでも特別な限定ビールがあることをご存知でしょうか。それは、名ウイスキー「山崎」の原酒樽で熟成させた希少品。

 

↑「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉2021」。今年は2000本限定、1本5000円で抽選販売されました(応募期間は終了)

 

本稿ではこの希少ビールの特徴を、開発者インタビューを交えながら紹介します。

 

 

今年で5年目。最初は1000本限定だった

「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉」最大の特徴は、世界的に高い評価を受けるサントリーのシングルモルトウイスキー「山崎」に使用した木樽で熟成させること。これによって「山崎」の魅力である、やわらかく華やかな香り、甘くなめらかな味わいをまとったビールに。筆者も以前飲んだことがあります。

 

↑以前飲んだ2018年版。詳細なテイストまでは覚えていませんが、樽香由来の甘やかさを感じる、きわめてリッチな味だったと記憶しています

 

本商品が最初に世に放たれたのは、2016年のこと。樽熟成の工程を経るため、商品化される本数に限りがあり、初年度は限定1000本を応募の形で当選者にプレゼント。翌2017年も1000本が抽選プレゼントとなりました。

 

2018年は「マスターズドリーム」の定期便の申し込み者全員への贈答に加え、限定100本が抽選プレゼント。さらにこの年は、樽生が丸の内にある「MASTER’S DREAM HOUSE」で数量限定販売されました。

 

↑「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉2018」で採用された樽がこちら

 

2019年は醸造されなかったものの、2020年は再開し抽選販売が開始。4500円の販売形式となったにもかかわらず、想定を大きく超える応募が集まりました。背景には、コロナ禍によって家飲みが重視されたこと、外食や旅行で贅沢できないぶんが家飲みに反映されたことなどが関係していると考えられます。

 

そしていまだ続くステイホームな日々。今年は7月6日から8月10日までを応募期間として抽選販売されましたが、昨年を上回る応募が。限定という希少性もさることながら、多くの人が求める理由には「〈山崎原酒樽熟成〉」という魅惑的な味わいがあります。

 

狙った味わいは“満ち溢れる余韻と重厚な香り”

筆者自身、開発背景や製法に関しては大いに気になるところ。そこで、ブランドマネージャーの亀井雅俊さんにアンケート形式でインタビューを行いました。まずは、味わいについて。造る年によって変化はあるのでしょうか?

 

↑サントリービール「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」のブランドマネージャーの亀井雅俊さん

 

「スペックなどに変更はありません。ただし木樽は一つひとつ個性が違いますので、かすかな変化が生じます。この個性を生かしつつ、魅力を最大限引き出した味わいに仕上げています。基本的には樽の状態を確認しながら熟成の温度などを厳密に管理するとともに、ブレンドした際の調和感をイメージ。狙った味わいの実現に向けて中味を設計しています」(亀井さん)

 

↑今年の発売用に使われた「山崎」の原酒樽と、同社醸造家の岡島高穂さん。原木の詳細は答えられないものの、狙いの香味を実現するために最適な樽を選定しているとのこと

 

サントリーのシングルモルトには京都の南西・天王山のふもとで生み出される「山崎」のほか、山梨の南アルプス・甲斐駒ヶ岳のふもとで蒸溜される「白州」があります。本商品の熟成樽には「山崎」が用いられていますが、その理由も聞きました。

 

「開発時に複数の樽で試醸したところ、山崎原酒樽が狙いの“満ち溢れる余韻と重厚な香り”を実現できたことが一番の理由です。なお、熟成期間は開示できないのですが、場所は『マスターズドリーム』などを醸造している武蔵野ビール工場内で熟成を行っています」(亀井さん)

 

↑筆者が以前訪れた武蔵野ビール工場にて

 

今年の応募期間は終了しましたが、ほぼ毎年醸造されているので来年も期待したいところ。最後に、本商品に対する想いや今後の展望も聞きました。

 

「『ザ・プレミアム・モルツ』や『〈香る〉エール〉』は“日常の中で愉しむビール”。『マスターズドリーム』は“特別な時間を愉しむビール”だと思います。そのうえで、『マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉』は年に一度しか造れないビールでもありますので、ゆっくりじっくりと味わっていただけたら。今後について現時点で具体的に決まっていることはありませんが、ブランド価値向上に資する取り組みを幅広く検討してまいります。これからも『マスターズドリーム』にご期待ください!」(亀井さん)

 

本稿で初めて「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉」のことを知った人もいることでしょう。ビール好きはもちろん、ウイスキーファンの人もぜひ公式サイトなどをチェックしてみてください。

 

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ほどよい甘みと酸味、レモン感を味わえる、宝酒造の寶「極上レモンサワー」<とことん沖縄塩レモン>

宝酒造は、寶「極上レモンサワー」<とことん沖縄塩レモン>を、9月21日に全国で発売します。数量限定で、参考小売価格は196円(税込)です。

 

寶「極上レモンサワー」は、名店のレモンサワーの味わいを参考に、焼酎とレモンにこだわったレモンサワーシリーズ。

 

ベースのアルコールは、味わい深い独自の「樽貯蔵熟成焼酎」などの厳選した宝焼酎を、フレーバーごとに最適な種類・比率でブレンドしています。また、さまざまなレモン素材を活用することで、レモンの複雑で本格的な果実感を実現しているとのこと。

 

これに加えて、プリン体ゼロ、甘味料ゼロに仕上がっており、健康意識の高いユーザーニーズにも応えられるとしています。

 

寶「極上レモンサワー」<とことん沖縄塩レモン>は、大阪・梅田で人気のチューハイ専門店「ウメダチューハイ35」が監修した、沖縄素材にこだわったレモンサワーです。同店の看板メニュー「沖縄塩レモンサワー」は、宝焼酎「純」の35度と沖縄の塩で漬け込んだ国産レモンのシロップを使用。この沖縄塩レモンサワーをベースに、沖縄産ヒラミレモン(シークヮーサー)と泡盛を加えることで、ほどよい甘みと酸味、沖縄の塩で引き立つレモン感を楽しめる味わいにしたといいます。

 

アルコール分は6%。また、ラインアップは350ml缶のみとなっています。

「落語」と「酒」の美味しい関係の噺——お酒大好き! 料理も得意! 実力派・橘家文蔵が選ぶお酒が楽しくなる落語4選

落語を語る上で外せない存在である「酒」。長屋住まいの庶民からお殿様まで、古典落語には酒にまつわる人情噺・滑稽噺がたくさんあります。

登場人物描写を丁寧に描くことで落語ファンからも一目を置かれている三代目・橘家文蔵師匠に落語と酒にまつわる歴史から、普段のお酒の飲み方まで幅広くお伺いしました。

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です。

 

●橘家文蔵  1962年、東京都江戸川区小岩の生まれ。86年、二代目橘家文蔵に入門。88年「かな文」の名をもらい前座となる。90年、二つ目に昇進して「文吾」と改名。2001年「橘家文左衛門」として真打昇進。2003年からBS笑点大喜利、笑点Jr.のレギュラーメンバーを務める。2004年、彩の国落語大賞殊勲賞受賞。 2016年9月21日三代目「橘家文蔵」を襲名

 

切っても切れない「落語」と「酒」

江戸時代に生まれ、師匠から弟子へと受け継がれてきた落語。『芝浜』『寿限無(じゅげむ)』『まんじゅうこわい』など一度は耳にしたことのある演目もあるでしょう。

古典落語では、間抜けな登場人物たちが珍道中を繰り広げる滑稽噺から、うるっと泣かせる人情噺まで、個性あふれる数百もの演目が現代に語り継がれています。

撮影:武田洋輔

 

そんな落語にはたびたび「酒」が登場します。酒好きな父と息子が禁酒の約束を交わすもついつい一口と飲み始めてしまう『親子酒』、家臣の飲酒が禁じられている藩で、どうしてもお酒を藩士に届けたい酒屋とそれを阻止する(没収して自分で飲んでしまう)役人の攻防がおもしろおかしく描かれる『禁酒番屋』など、今も昔も変わらぬお酒の楽しさを感じさせてくれます。

 

しかし、江戸時代の酒は高価で贅沢な品物でした。そのため、庶民は濁り酒や日本酒を水で薄めて飲んでいたと言われています。現代の私たちがイメージする日本酒を飲めるのは、お祝いの席やお通夜など特別な時だったのだとか。落語の中ではどんなお酒が飲まれているのでしょうか? 文蔵師匠に伺いました。

 

「古典落語の中で“酒”というと、ほとんどが日本酒でしょうね。今のような日本酒が全てというわけではなく、水で薄めた安酒だったり、濁ったどぶろくのような酒、焼酎なんかが出てくる噺もあります。『長屋の花見』という貧乏長屋連中が花見にきたら酒じゃなく番茶を飲まされてガッカリするなんて噺もあるくらいなので、本当の酒好きが多かった時代なんでしょう。

落語にも酒を飲む仕草がたくさんでてきます。盃で酒を飲む殿様に対して、庶民は湯呑みで飲んでいたり、久々の酒だからとチビチビ飲む人もいれば、水のようにゴクゴクと飲み干したり。一言に“酒”といっても落語家たちも演目に合わせて様々な表現をしているので、登場人物たちが、季節や舞台によってどんな酒の飲み方をしているのか注目するのも面白いですよ」

↑お話をしながらお酒を飲む所作をする文蔵師匠。無いはずの湯飲みが見えてきます!

 

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江戸時代のお酒事情の噺

 

橘家文蔵師匠が選ぶ、お酒を飲むのが楽しくなる落語4選

撮影:武田洋輔

 

落語と酒の関係を伺ったところで、さっそく文蔵師匠にお酒を飲むのが楽しくなる落語を4つ選んでいただきました。

 

「試し酒」

5升飲んでも酔わない酒豪がいると聞かされ、本当に飲めるのか実際に飲み合って確かめようと賭け合いをするお話。飲み交わしていくうちにどんどん酔っ払っていく様子が面白い。

「単調な噺なんですけど、それだけにリズム・押し引き等が難しい噺です。他の登場人物のリアクションを交ぜながら、酒豪の飲みっぷりを演じる噺です。いや~難しい(笑)」(文蔵)

 

「寄合酒」

若い衆が集まって酒を飲もう! 料理を作ろう! と盛り上がるも、失敗続きでなかなか酒に辿り着けないお話。個性豊かな登場人物と酒のつまみが次々と出てきて、どんちゃん騒ぎの賑やかな演目だ。

「この噺は、一文無しの若い連中が色んな工夫で酒の肴を調達して来る、2018年にヒットした映画『万引き家族』みたいな噺です(笑)。伸縮出来る便利な落語なので、よく寄席でも演じています」(文蔵)

 

「青菜」

お屋敷に訪れた植木屋。休憩中にその屋敷の旦那と雑談しているうちに“隠し言葉”を教えてもらう。この言葉に憧れて家でもやってみようとするが……というお話。みりんと焼酎を半々に割った『柳蔭(やなぎかげ)』(上方での呼称、江戸では本直し)というお酒が出てくるのにも注目したい。

「炎天下、屋敷の縁側に腰掛け庭を眺めながら冷酒(柳蔭)を飲んでいる旦那様の優雅な佇まいを職人(植木屋)が『俺もやってみよう』と、女房を巻き込んでのドタバタ劇。静かな始まり→ドタバタコントが演じ甲斐のある噺です」(文蔵)

 

「猫の災難」

お隣に住む猫が病気になりその見舞いにと貰った「鯛」をめぐるお話。鯛の頭と尻尾しか貰っていなかったので、どう言い訳しようかと苦戦する熊さんとそれを責める兄貴とのやりとりが痛快だ。

「『たまの休日なんだから昼間っから酒を飲みたい。ただ飲みたい』ってだけの願望で兄弟分にあれこれ頼み、見事にベロンベロンになっちゃう無責任な野郎の噺。酒飲みのいい加減な所が私に通ずるので大好きな噺です(笑)」(文蔵)

 

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蕎麦屋で粋に一献“蕎麦屋飲み”の噺

 

「落語家」と「酒」の美味しい関係

撮影:武田洋輔

 

ここからは普段からお酒が大好き! という文蔵師匠にお酒のお話を伺っていきます。

文蔵師匠のTwitterを覗いてみると美味しそうな料理とお酒が投稿されています。普段はどんな飲み方をされているのでしょうか?

 

「もう朝起きた時から、『今日は何を飲もうかな? どの肴をあてようか?』ってず〜っと考えているんですよ(笑)。飲むところから逆算して1日のスケジュールを考えていますから。

スーパーに行ってその時安いもの、食べたいものを選んでチャチャチャっと適当に酒の肴を作るのが好きなんです。

お酒は、焼酎が多いかな。普段よく飲んでいるのは、焼酎の蕎麦茶割り。蕎麦屋でよく蕎麦湯割りを頼んでいたんですけど、『蕎麦茶も合うよ、健康にいいし』なんて教えてもらって一気に好きになってしまって。家でも蕎麦の実から自分で蕎麦茶を煎じて飲むほどに。

普段は甲類焼酎だけど、麹まで蕎麦でつくった『十割(とわり)』というそば焼酎があるというので、今度、十割(じゅうわり)蕎麦茶割りも試してみたいなあ」

 

取材時も「今夜は日本酒を冷蔵庫で冷やしているから」とうれしそうに語ってくれました。

毎日の晩酌が楽しみという文蔵師匠に修行時代のお酒との関わり方についても伺いました。

 

「落語家って前座修行中は、お酒が基本NGなんですよ。うちの師匠は下戸だったから酒なんてもってのほか! って人でした。ま、隠れて飲んでいましたけど(笑)。なので、うちの弟子たちには『隠れて飲むくらいなら飲んでもいいよ、でも粗相のないように』と言っています。でもね、あいつらは粗相だらけですね(笑)。旅先なんかで弟子たちと飲み始めると無礼講になっちゃうんですよ。今は時代的にそういうのが難しいですけど、『おいおい! 師匠が弟子の酒つくってるぞ〜』って弟子から指差されて笑われたりね、まあ酒の席って楽しいですよね」

 

お酒の思い出話を笑顔で語ってくれた文蔵師匠。いいお酒を飲むだけでなく、旨い肴と気の合う仲間との空間があってこそ、美味しいお酒になるのだと感じました。そんな文蔵師匠の独断で選ぶ、好きなお酒と美味しい肴のペアリングもお伺いしてみました。

 

「初めて『美味しいな〜』と思ったお酒は日本酒ですね。そこから焼酎とかも飲むようになって、今はコレと決めずに、色々な酒をその日の気分で楽しんでいます。

家に帰ってすぐ飲みたい時には缶ビールを買いますし、暑い時期なんかは、甘くない缶チューハイもいいですよね〜。気がついたら3缶くらい空いてて、そのままゴロンですよ。

甲類焼酎だと昔から「純」とかですかね。 この前はブレンド茶で割って、肴には「カツオの豆板醤和え(写真)」を。ほんとうまかったですね〜。ついつい飲みすぎちゃいました」

↑文蔵師匠お手製の「カツオの豆板醤和え」。サクで買ってきたカツオを食べやすい大きさに切り、だし醤油と豆板醤、好きな薬味で和えたもの。鶯谷の寿司屋の大将から教えてもらったレシピなんだとか

 

 

「あと芋焼酎も結構好きですが、全量芋焼酎の『一刻者』は、水で割るのがもったいない。だからストレートで、チェイサーと一緒にチビチビと。これには豚のブロック肉を買って調理する角煮とかぴったりでしょう」

 

好きなお酒を飲みながら落語に耳を傾ける……。江戸時代へタイムスリップした気分で、現代のうまいお酒を味わえば、心地よく酔えること間違いなしです。早速、涼しい夕暮れ時など、好みのお酒を用意して、落語飲みを試してみませんか?

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎 「純」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/jun/

・全量芋焼酎 「一刻者(いっこもん)」
https://www.ikkomon.jp/

・そば焼酎「 十割(とわり)」
https://www.takarashuzo.co.jp/kodawarigura/towari/

夏の夕涼みに「べランピング×ゴールドスター」の黄金コンビはどう?暑さを吹き飛ばす「おつまみ」を添えて

晩夏から初秋へ。夜は徐々に長くなり、帳(とばり)が下りる時刻になると涼しさを感じる日も。このどこかはかなくムーディーな時間を、まったり過ごすのにオススメなのがベランダ飲み。そして、そんなチルタイムをいっそう上質にしてくれるお酒が「ゴールドスター」です。

 

それはなぜかーー。本稿では試飲やフードペアリングとともに「ゴールドスター」が最適解である理由に触れながら、ベランダでの過ごし方を提案します。

 

 

二大名作ビールのDNAを受け継いだ新ジャンル

まずは改めて「ゴールドスター」を紹介。最大の特徴は、日本のビールが誇る二大名作のDNAを受け継いだ新ジャンルであるということ。ひとつは「黒ラベル」の「旨さ長持ち麦芽」。もうひとつのDNAは、「ヱビス」の「ドイツ産アロマホップ」。「ゴールドスター」の力強く飲み飽きないうまさは、この麦芽とホップによって実現されています(黒ラベルの麦芽とヱビスのホップは一部使用)。

 

↑「ゴールドスター」はシンボルの星や商品名の書体にも、「黒ラベル」と「ヱビス」のデザインが用いられています。詳しくは公式サイトへ。なお本商品はビールではありません。リキュール(発泡性)②の商品となります

 

ベランピングやベランダ飲みを快適にしてくれるアイテムも紹介します。あるとオススメなのは、座面が低いリクライニングタイプのチェアや小型のアウトドアテーブル。暑い日は、チェイサーにもなる水やハンディ扇風機があるといいでしょう。

 

「ゴールドスター」が辛い料理に合う理由を実践解説

ここからはベランダで「ゴールドスター」を晩酌しながら、この時季にオススメなフードペアリングを紹介。今回は“残暑を吹き飛ばす”をテーマに、辛い味にしぼってみました。1品目は、飲みの序盤でもラストでも、オールタイムで重宝するフライド唐辛子。

 

↑花椒(ホアジャオ)の粒が入ったタイプや、ナッツ入りの商品もよく売っています

 

唐辛子をそのまま使ったストレートな辛さと、揚げたことによるパンチのあるコクがヤミツキに。十分な刺激があるものの、「ゴールドスター」の力強い麦の旨みとホップの爽やかな苦み、華やかな香りが包み込みつつさらりとリセット。止まらない組み合わせです。

 

辛さに加えて濃厚さも求めるなら、花椒のシビれが効いた四川麻婆豆腐がオススメ。シビれの辛さが定着したいまは、コンビニやデリバリーでも気軽にゲットできます。

 

↑お好みでラー油や豆板醤、ネギなどを加えてどうぞ

 

ペアリングの方向性はフライド唐辛子と似ていますが、麻婆豆腐の肉汁やとろみによるパワフルなテクスチャーを、「ゴールドスター」の豊かなコクとフレッシュな爽快感がしっかりキャッチ&リリース。ほかに、タンドリーチキンやチョリソーなどの辛い肉料理もよく合うと思います。

 

そしてシメもやはり辛い系で。今回は担担麺をセレクトしました。辛さとともにゴマたっぷりの芝麻醤(チーマージャン)によるコクや甘みがあり、こちらも濃厚なテイストです。

 

↑辛い麺料理としては、すっかり定番の担担麺。冷凍食品などで気軽に買えます

 

辛さや塩味のほか、甘みや酸味といった複層的な要素が絡み合う担担麺。このふくよかなテイストに、「ゴールドスター」のパワフルなコクと華やかな香り、鼻に抜ける上品な余韻が調和。また香辛料の刺激をすっきりカットし、次のひと口へといざないます。アラビアータパスタやカレー、ピビンパなどの辛いシメ全般に合うでしょう。

 

 

つまみを選ばず、晩酌を上質なものにしてくれる

今回は辛い料理とのペアリングでしたが、旨み、香り、苦味、爽快感などのバランスがよく、繊細な料理とも合う汎用性の高さが「ゴールドスター」の魅力です。また、オフホワイト×金色のパッケージはきわめてエレガント。つまみを選ばず、晩酌を上質なものにしてくれる「ゴールドスター」は夕涼みやチルタイムの一本にぴったりなのです。

 

名作ビールのDNAを受け継ぐ「ゴールドスター」ですが、今回GetNaviチームで特集しているもうひとつの新ジャンル「麦とホップ」も、ビール好きからこよなく愛されるロングセラー。凝縮した麦の濃い旨みが最大の特徴で、屋外やベランダ飲みでも抜群の飲みごたえを約束してくれます。

 

どちらの新ジャンルも、在宅勤務を終えた後の一杯もいいですし、休日の夕方から一杯というのもオススメ。なお、より暑さや辛さを吹き飛ばすためにおいしく楽しむコツは、できるだけ冷やすこと。ぜひキンキンな状態で、心地よい“ドンシャリ感”をお楽しみください。

 

 

写真/中田 悟

 

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夏の夜、よく冷やして味わいたい! 超さわやかな「フルーツのお酒」おすすめ3選

お酒が苦手な人のなかには、「アルコールのツンとする香りが嫌だ」ということも多いはず。そんな方におすすめなのが、フルーツを使ったお酒です。爽やかかつ果汁感がたっぷりで、よく冷やして飲めば今の季節の晩酌にぴったりですよ。今回は、まるでもぎたての果実を味わっているかのような、3つの製品を紹介します!

 

目次

 


甘酸っぱいイチゴがとろ~り食感


カネッラ ロッシーニ・カンドンガ

高品質スパークリングワインの生産者として知られる、イタリア・カネッラ社のスパークリングカクテル。イタリア南部・バジリカータ州で作られた高級いちご「カンドンガ」を使用しています。「カンドンガ」はあまりの美味しさ、美しさのため、現地では「エリクサー(万能薬)」と呼ばれているとのこと。これを収穫してすぐにピューレにしているため、鮮度は抜群。フレッシュないちごの香りと甘酸っぱさ、スパークリングワインの果実味がマッチし、口当たりの柔らかなカクテルに仕上がっています。アルコール度が5%と低いため、お酒が苦手な方にもオススメ。

【詳細情報】
内容量:750ml

 


国産みかん100%! 濃厚だけど後味さっぱり


中埜酒造 國盛 みかんのお酒

果汁率は80%で、国産みかんを100%使用。果汁感たっぷりでやわらかな甘みと酸味のバランスが良く、濃厚ながらさっぱりとした後味が特徴です。果実本来の香りと味わいを楽しめるよう、酸味料・香料は不使用。アルコール度は7%で、飲み方は定番のストレート、ロック、ソーダ割りなどがオススメ。購入者からは「おいしすぎて飲み過ぎちゃう」との声が多数。みかん好きの方はぜひお試しあれ!

【詳細情報】
内容量:720ml×2本

 


柚子の香り広がる甘さすっきりワイン


サントネージュ 柚子ワイン

高知県産の柚子を100%使用したフルーツワイン。柚子のみずみずしさと爽やかな香りが感じられ、すっきりした甘さで飲みやすい一品となっています。香料・着色料無添加で作られていて、柚子の豊かで自然な香りを邪魔していないのも魅力。購入者からは「かなりフルーティ」「口に含むとスゥーと柚子の芳醇な香りが広がって実に爽やか」との声が。よく冷やして食前酒として飲むのがオススメですが、ゼリーにしたり、ホットにしたりしても美味しそうですね。

【詳細情報】
内容量:500ml

 

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人気のタカラ「焼酎ハイボール」<大衆酒場の赤しそ割り>が通年で販売へ

宝酒造は、タカラ「焼酎ハイボール」<大衆酒場の赤しそ割り>を通年商品として、9月14日から全国で発売します。ラインアップは350ml缶と500ml缶をそろえ、それぞれ参考小売価格は350ml缶が155円(税込)、500ml缶が210円(税込)です。

 

タカラ「焼酎ハイボール」は、チューハイの語源にもなったと言われる、昭和20年代後半の東京下町の大衆居酒屋で生まれた、焼酎ハイボールの味わいを追求した辛口チューハイ。宝焼酎をベースにしたアルコール分7%の飲みごたえと、キレ味爽快で辛口の味わいに加え、プリン体や甘味料をゼロにしていることで、チューハイユーザーはもちろん、健康意識の高い人にも支持されているそうです。

 

<大衆酒場の赤しそ割り>は、これまで数量限定で販売していましたが、好評のために今回通年商品として発売。東京下町の大衆酒場で人気の「赤しそ割り」をイメージしたチューハイです。糖質80%オフなうえに、赤しその爽やかな酸味と香りを楽しめるとのこと。

 

また、宝酒造は、タカラ「焼酎ハイボール」<ライム>をリニューアル。新たに糖質ゼロにして、9月中旬以降に順次全国で発売します。ラインアップは、350ml缶と500ml缶をそろえ、それぞれ参考小売価格は350ml缶が155円(税込)、500ml缶が210円(税込)です。

 

 

<ライム>は、さわやかな香りとさっぱりした酸味が特徴のチューハイ。今回、ユーザーの健康意識の高まりと要望に応えた形で、従来の糖質80%オフから糖質ゼロにリニューアルし、よりすっきりとした味わいに仕上げたとのこと。

「麦とホップ」が紹介してる「#推しツマ」って知ってる?試してみたら激ウマレシピだらけでした。

長引く自粛生活で、すっかり定着した家飲み。一方で面白い調査結果があります。お酒のオンラインストア「KURAND(クランド)」が自社のメルマガ会員へ今夏行ったアンケートによると、「家飲みの悩みとして当てはまるものとして近いものがあればお選びください。(複数回答可)」に対する回答の1位は「おつまみがマンネリ化」49.3%でした(2位は「一人で飲み切れない」29.4%)。

 

この結果には筆者も激しく同意しますが、であればぜひ多くの家飲み難民に活用していただきたいコンテンツがあります。それが「麦とホップ」が紹介する「#推しツマ」という簡単おつまみレシピ。

 

↑「#推しツマ」のトップページ。「麦とホップ」の公式Twitterアカウントから日々発信される「#推しツマ」から、厳選された40以上のレシピが公式サイトで公開中

 

「#推しツマ」には、簡単に作れる激ウマつまみレシピがザクザク。何を隠そう、筆者もかなり助けられているひとりです。本稿ではそのなかから実際に試し、特にいまの時季にオススメだと思う料理をレポートしていきます。

 

 

濃厚&スパイシーな料理に「麦とホップ」の力強いうまみがマッチ

「#推しツマ」の内容はバラエティに富んでいて、肉、魚、野菜、炭水化物と幅広いのはもちろん、前菜からメインにシメまでしっかりカバーされています。

 

↑「#推しツマ」のレシピはどれも超簡単。写真の「#16 ちゃちゃっとバンバンジー」のように、火を使うことなく仕上げられるものもたくさんあります

 

今回はこの汎用性の高さをお伝えするべく、いくつか試したなかから3つのつまみをご紹介。まずは前菜として、「#16 ちゃちゃっとバンバンジー」をプッシュします。

 

↑「#16 ちゃちゃっとバンバンジー」はサラダチキン缶に、ゴマドレッシング、豆板醤、ラー油、サラダチキン缶の汁少量を混ぜたものをかけるだけ。千切りきゅうりはあってもなくてもOKです

 

もしサラダチキンの缶詰が店に売ってなければ、普通のサラダチキンをほぐせば代用可能。そして、味のほうも抜群。ゴマドレのコク深さと甘酸っぱさに辛みがフィットして、シンプルなサラダチキンがパンチの効いたご馳走に。合わせるのはもちろん「麦とホップ」。新採用の「うまみ麦汁製法」による凝縮した麦のコクが濃厚なタレの味にマッチし、さらにホップの苦味と爽快なキレが、辛さをすっきりリセットします。

 

↑「麦とホップ」は泡もクリーミーで安定のおいしさ! つまみとのおいしいループが止まりません

 

調理手順が単純なので、だれが作っても失敗した味にならないのが「#推しツマ」のいいところ。次の「#08 カレーケチャップソーセージ」はその最たるもので、失敗しようがありません。レシピはアルミホイルを敷いたトースターで、焦げ目がつくまでソーセージを焼き、ケチャップとカレー粉をかけるだけ。唯一ポイントがあるとすれば、焦げ過ぎに注意するだけです。

 

↑「#08 カレーケチャップソーセージ」。ビールとソーセージの本場・ドイツでは、この料理を「カリーブルスト」と言い、大定番のひとつです

 

甘酸っぱいケチャップに、スパイシーなカレー粉はつまみのマンネリ打破にもうってつけで、シンプルなソーセージのおいしさに刺激のフックがプラス。マスタードと違うエスニックな辛さは、いまの季節的にも最高です。そして、ソーセージとビール類の相性のよさは言わずもがな。「麦とホップ」も、もちろんドンピシャのおいしさです。

 

↑「#08 カレーケチャップソーセージ」のジューシーな肉汁や甘酸っぱくピリッとした味付けを、どっしり&スカッとした「麦とホップ」が受け止めます

 

深い飲みごたえと調和する爽快感も「麦とホップ」の魅力

本稿最後の「#推しツマ」は、シメの一品として「#38 鯖缶ポン酢そうめん」を提案。そうめんを茹でて冷やし、水気を切ったら皿に盛り、さば缶、ポン酢、ネギを加えて完成です。麺が細く茹で時間が短くて済むのも、そうめんつまみのナイスなところ。

 

↑「#38 鯖缶ポン酢そうめん」。ガチなシメにするならサバ缶の汁を多めにして、サラッとエンディングへ。少なくすれば、冷菜つまみとしてもいっそう活躍してくれます

 

「麦とホップ」の持ち味は麦のうまみですが、この力強い飲みごたえと調和する爽快感も魅力。繊細なテイストの料理と合わせても、素材本来の味を邪魔せずに寄り添ってくれる懐の広さがあり、「#38 鯖缶ポン酢そうめん」ともナイスなフィーリング。

 

↑のどごし爽やかな「麦とホップ」が、ポン酢そうめんのさっぱりした味をよりおいしく格上げしてくれます

 

シメ向けの「#推しツマ」レシピは、そうめんだけでも「#39 フライパンでぶっかけそうめん」「#41 そうめんパエリア」など、ほかにもウマそうな料理が豊富。残暑にそうめんを使い切るためのレシピとしても活用してはいかがでしょう。

 

↑「#推しツマ」に一番合うのは当然「麦とホップ」。至福のペアリングをお試しあれ

 

なお、より手軽に「#推しツマ」を楽しむなら、同コンテンツ内にある「あの店の#推しツマ」を参考に。身近にあるスーパーマーケットや食料品ストアなどの店の一押し品を紹介した内容になっています。惣菜や乾きものなど、こちらも幅広い内容なので、近所の「あの店の#推しツマ」を要チェック。

 

↑黒ラベルの麦芽とヱビスのホップから生まれた新ジャンル「ゴールドスター」も、「麦とホップ」同様万能なおいしさです。さまざまな「#推しツマ」と合わせて楽しんでみてください

 

今回紹介した「#推しツマ」は、40以上あるレシピのほんの一部。上記「#08 カレーケチャップソーセージ」のようにアウトドアで活躍してくれそうな一品や、秋冬に特にオススメなホット系料理などもあるので、つまみのマンネリ化を感じている人は、Twitterアカウントをフォローしてチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

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「こくまろカレー」と「金麦」のコンボが「夏秋のカレー」に最高でした。

夏こそ余計にウマさを感じる食べ物といえばカレー、そして飲み物といえばビール類でしょう。そんなドンピシャのペアリングを企業コラボで推奨するキャンペーンが開催されました。サントリービールとハウス食品による「絶対もらえる! 夏のあいあいカレー皿キャンペーン」です(キャンペーンはすでに終了)。

 

↑ビール類新ジャンル「金麦」や「こくまろカレー」「ジャワカレー」を対象に、カレー皿をはじめ様々な景品がもらえる、または当たるキャンペーン。8月16日まで開催されていました

 

本稿では「こくまろカレー」で作ったカレーと「金麦」の相性が抜群だったので、そのレポートをお届けしましょう。

 

夏の「金麦」は爽やか仕立て

最初に興味深いデータをひとつ。食卓でのカレーと同時に出てくる飲み物は、アルコールならビール類の同時出現率が最も高いということ。ちなみに、ソフトドリンクを含めるとビール類は3位で、1位は麦茶、2位は緑茶類(煎茶、番茶を含む)だそう。最近はレモンサワーやハイボールも人気ですが、なんだかんだ言って、やはりビール類は国民的なお酒だということでしょう。

 

そのうえで、なぜ「金麦」はカレーに合うのか。この理由は「金麦」ならではの特性にありました。ひとつは長年、食卓をテーマに料理と合うおいしさを追求してきたから。もうひとつは、旬の食材や料理と合わせて楽しんでもらえるよう、季節に合わせて味を変えているからです。

 

↑「夏の味できました」に注目。写真の赤い「金麦〈ザ・ラガー〉」はたまたま書いてないパッケージでしたが、“夏の味”はちゃんと造られています

 

では、夏はどんな味わいの特徴になっているのでしょうか。一言でいうなら、「爽やか」仕立て。カレーをはじめとしたスパイシーな香りの料理、力強い味わいの夏野菜によく合うテイストになっているのです。

 

つまりは、爽やかな夏の「金麦」だからこその今回のキャンペーン。「ぜひ『こくまろカレー』や『ジャワカレー』と合わせてください!」ということなのです。

 

もちろん、ただペアリングを推奨するだけではなく、ハウス食品では「金麦によくあう夏のおいしいカレーレシピ」を公式サイトで公開。数あるなかから筆者は「和香るキーマカレー2021」を参考に作ってみました。

 

↑用意したのはこれらの食材。なすやみょうがといった夏野菜、かつお節のダシを効かせていることなどがポイントです

 

スパイスの複雑な味にビール類の苦味や爽快感がマッチ

味のベースとなる「こくまろカレー」は超が付くほどおなじみのブランドですが、大きな特徴は商品名そのものと言っていいでしょう。「あめ色玉ねぎのコクのルウ」と「生クリームのまろやかルウ」、2つのルウをブレンドしており、甘みやうまみ、スパイス感が口いっぱいに広がる、コク深いカレーが簡単に作れます。

 

↑細かいレシピは割愛。詳細は「金麦によくあう夏のおいしいカレーレシピ」サイトを参照ください

 

↑おいしく作るコツのひとつが、なすは別に炒めておき、最後に合わせること。これによってなすのうまみが際立つとともに、色味もビビッドに仕上がります

 

今回作った「和香るキーマカレー2021」は白米のほか、冷たいそうめんにかけてもおいしいとのことで、ますます夏らしいそうめんで盛り付け。つまみにするにも、飲みのラストにツルッとシメるにももってこいです。

 

↑ひき肉がゴロゴロ、どろどろとしたテクスチャーを演出するキーマ。つまみには最高のカレーだと個人的には思います

 

いざ完成。さっそく「金麦」と合わせてみると、麦のうまみとホップの香りや苦味、シャープなキレなどがバランスよく調和し、確かに爽快感も心地いいです。

 

↑そもそも、夏に飲むビール類は格別!

 

そして「和香るキーマカレー2021」は、ダシが「こくまろカレー」特有のうまみをさらに奥深くし、やさしいニュアンスもプラス。爽快な「金麦」がスパイスと調和しながらも、力強いキレで後味はすっきり。おいしい循環が続くナイスペアリングです。

 

↑食べて飲んでを繰り返し、あっという間にペロり

 

別途行われた説明会では、各社の担当者が「なぜビール類にカレーが合うのか」といった質問にも言及。それはまず、カレーが口の中に入れてから飲み込むまでの間に劇的に変化する料理だから。うまみ、甘み、コク、マイルド感、辛みや香りといった様々な味が駆け巡り、なかでもスパイスの多様的で複雑な味を、ビール類のうまみや苦味、炭酸の刺激が受け止めつつリセットさせてくれる。だからビール類がオススメなのだそうです。

 

 

なお、時季的には秋の金麦も登場しますが、その特徴は「まろやか」な仕立て。そう、まろやかなカレーといえばまさに「こくまろカレー」なので、秋になってもぜひ「金麦」とカレーのペアリングをお試しあれ。

 

 

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バイきんぐ西村&ゲットナビ編集部が「麦とホップ」と「GOLD STAR」で楽しむ「おうちキャンプ」を提案!

サッポロビールの新ジャンル、「麦とホップ」と「GOLD STAR」が、さらにおいしく進化した。これらを存分に楽しみたいなら「おうちキャンプ」で間違いない。キャンプ好き芸人のバイきんぐ・西村瑞樹さんと本誌アウトドア担当の鈴木がそれぞれのスタイルを提案する!

 


バイきんぐ 西村瑞樹さん
「キングオブコント2012」を制したコンビ「バイきんぐ」のボケ担当。無類のキャンプ好きとして知られる。

 

本誌編集部員 鈴木翔子

お酒があれば1週間風呂なしテント生活も平気なアウトドア&フード担当。夫とキャンピングカーでの日本一周が夢。

 

【今回紹介する商品】

飲み比べもあり!「おうちキャンプ」をさらに楽しめる2つのビール

サッポロビール

麦とホップ」「GOLD STAR

 

【「おうちキャンプ」を彩るビール その1】

サッポロビール
麦とホップ

発売から14年目を迎えた新ジャンル界の大定番。愛飲者の約7割が3年以上飲み続けているなど、根強いファンが多いロングセラー商品ながら、絶えず進化を続ける。今春、麦のうまみがより凝縮された麦汁を使う「うまみ麦汁製法」を新採用した。

「麦とホップ」をクロスレビュー!

麦の味わいが強く ビール好きにはたまらない!

「麦の味が強く、昔ながらのビールが好きな僕にドンピシャ! “これで良い”じゃなく“これが良い”と選びたくなるうまさで、新ジャンルのレベルの高さを実感できますよ」(西村さん)

重厚な飲み応えで 一本でも満足感たっぷり!

「麦芽由来の重さと厚みがあり、一本でも十分な満足感が得られます。苦味の余韻も適度で心地良いです。新ジャンルは気が進まないと敬遠している人にこそ試してほしい!」(鈴木)

 

西村さんのおうちキャンプスタイルを紹介!

部屋の湿度やBGMなど空間演出にこだわってます

ガチキャンパーはおうちキャンプなんてしないと思われがちですが、僕は結構やっていますよ。もちろんイスやテーブルはキャンプギアを使いますし、山の中の雰囲気を出すために室温を下げたり、オオカミの遠吠えの音を流したり、空間演出に力を入れるのが西村流です。

食事はキャンプの醍醐味のひとつですが、あまり深く料理について考えることはありません。というのも「麦とホップ」は何にでも合っちゃうから。味の良さだけでなく、そんな懐の深さもイイんです。(西村さん)

【KEYITEM】

LODGE
スキレット
10 1/4インチ

アメリカのナンバーワン鋳鉄調理器具メーカーの鍋。蓄熱性能が高く、食材に熱がムラなく伝わる。工場出荷時に大豆油で慣らし済みのため、購入後に湯で洗うだけですぐ使用可能だ。

<LODGEスキレットでできる お手軽キャンプめし>
海鮮アヒージョ

スキレットにオリーブ油とにんにく、鷹の爪を入れて熱し、火が通ったら海鮮を中心に好みの食材を入れる。食材に火が通ったら塩こしょうで味を整えて完成。簡単に本格的な味に仕上がり、食卓映えするのが魅力だ。

 

【西村さんのおうちキャンプのITEM(画像をタップすると拡大写真と説明が表示)】

 

【「おうちキャンプ」を彩るビール その2】

サッポロビール
GOLD STAR

「黒ラベル」の「旨さ長持ち麦芽」と、「ヱビス」の「ドイツ産アロマホップ」を一部使用した新ジャンル。ビールの伝統製法を用い、飲み応えや飲み飽きない後味を実現した。昨年誕生した新星で、今年、麦芽とホップを増量して味にさらなる磨きをかけた。

「GOLD STAR」をクロスレビュー!

うまみとコクはあっても ビールとは違う独自のうまさ

「二大ブランドを継いだサラブレッドでありながら、良い意味でビールとは違う独自のおいしさで、いわば“新・新ジャンル”。うまみとコクはあっても、クセがなく飲みやすいです!」(鈴木)

ライトな口当たりなのに 飲み応えがあるのが不思議!

「口当たりはライトで飲みやすいのに、ちゃんと飲み応えがあるのが不思議。暑い夏に飲んだり、昼間から楽しんだりするのにピッタリですね。ビールが苦手な人にもオススメ!」(西村さん)

 

編集部・鈴木のおうちキャンプスタイルを紹介!

キャンピングカーのなかで 非日常なひとときを満喫!

キャンピングカーでは、ギアもインテリアのひとつとして並べたままにしておけるので、片付ける手間がないのが魅力。おかげで、思い立ったらすぐにキャンプ気分を味わえます。常備するアイテムも自ずとアウトドアギアばかりになりますね。

おうちキャンプでは、準備しているときからお酒を楽しんで、じっくりと非日常感を高めるのが好き。飲み疲れすることのない「GOLD STAR」はピッタリです。定番のつまみはもちろん、ホットサンドなどの食事にもよく合います!(鈴木)

【KEYITEM】

SOTO
トーストサンドパン

食材を挟んで焼くだけでホットサンドを作れる調理器具。フックを外すと上皿と下皿が分離し、1枚のフライパンとしても使える。キズやサビに強い窒化加工済みで、IHにも対応。

<SOTOトーストサンドパンでできるお手軽キャンプめし>

味玉ホットサンド

味付き玉子と、ほぐしたサラダチキン、千切りにしたキャベツを食パンにのせ、味付き玉子のつゆを少しかけてからサンドして加熱。お好みでのりやマヨネーズ、七味唐辛子を入れても美味! コンビニ食材だけで作れるのがポイントだ。

 

【本誌編集部員 鈴木のおうちキャンプのITEM(画像をタップすると拡大写真と説明が表示)】

 

 

6缶パックの内面に「当たり」マークが出たらプレゼント!

バイきんぐ西村さんオススメの「LODGE スキレット10 1/4インチ」と、本誌編集部員オススメの「SOTO トーストサンドパン」を、合計2000名にプレゼントするキャンペーンを実施中。「麦とホップ」と「GOLD ST AR」の6缶パックの内面に「当たり」マークがあれば当選。ハガキに必要事項を明記のうえ応募しよう。

 

2021年 8月31日(火)数量限定発売
当選ハガキ受付締切 2021年11月1日(月)
●当日消印有効

(撮影/福永仲秋(ANZ) 取材協力/woolsey)

 

提供:サッポロビール

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転

ワインもついに「糖質オフ」の時代へ! 「おいしいワイン。糖質オフ」を試飲したGetNavi web編集長も大絶賛

Sponsored by Suntory Wine International

サントリーから今年大注目の新商品ワインが出た。「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ(※1)」(以下、おいしいワイン。糖質オフ)だ。

 

コロナ禍の健康意識の高まりで注目も集まる糖質オフ商品だが、これがいよいよワインのジャンルにまで波及。しかも、「国内ワイン市場売上容量No.1(※2)」の「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」シリーズから出るのだから、今後、市場が激変する可能性は極めて高い。

 

本記事では、GetNavi web編集長の山田佑樹が糖質オフ系商品のトレンドを紹介したうえで、本商品にガッチリハマる人を分析。自身も緩いロカボ生活を続けており、糖質制限生活者の目線も踏まえながら解説していく。

 

↑8月24日に新発売の「おいしいワイン。糖質オフ」。糖質を30%オフにしたワインで、赤・白をそろえ、アルコール度数は10%となっている。ラインアップは、写真の720mlのほか、1.8Lの紙パックもある

 

サントリー
「酸化防⽌剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ」の詳細はこちら

 

※1 「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。(赤)」「同(白)」の平均値との比較 ※2 インテージSRI+調べ 国内ワイン市場2020年8月~2021年7月販売容量(全国SM/CVS/酒DS/ホームセンター/ドラッグストア/一般酒店/業務用酒店計)

 

“身体を気遣えるワイン”という新たな選択肢

本論に入る前に、機能性アルコール飲料全体をめぐる状況を簡単に説明したい。

 

↑もともと糖質がゼロであるウイスキー/焼酎商品は除いた、機能性を打ち出したサントリーの商品群

 

上の図はサントリーのビール/新ジャンル/チューハイ商品のうち、糖質ゼロや糖質オフ、糖類ゼロのラインナップを一覧にしたものである。ユーザー側は、飲みたいお酒をシーンや身体の状況と相談して、選んで飲める環境が構築されている。

 

ただしワインだけは事情が異なり、他社も含めて糖質オフまで踏み込んだ商品はほとんどない。それだけに、「おいしいワイン。糖質オフ」が今回加わることで、消費者は“身体を気遣えるワイン”という選択肢を手に入れることができるのだ。

 

ワインという新たな選択肢が食の選択肢も増やす

もう少し選択肢の話に触れたい。

 

 

上の表は大まかに、一般的な1杯目と2杯目の選択肢を並べたものである。この表を見て、2杯目の選択肢がマンネリになっていると思った人もいるのではないだろうか。

 

私の場合で言えば、昨年から糖質を適度に制限するロカボ生活を続けていることもあって、糖質の少ないお酒を選ぶようになった。ワインにはある程度の糖質が含まれるので、ビール類やハイボールを1杯目に選択することが多くなったし、食べるものも夕食は豆腐料理が極端に増えた。そうすると、お酒の選択肢もワインというよりは機能性ビールやハイボールに寄りがちになり、2杯目以降も同じものを、という惰性の選択が増えてしまう。

 

ここで、「おいしいワイン。糖質オフ」という選択肢があると、状況はかなり変わる。糖質を気にせず飲めるからワインという選択肢が生まれ、合わせる食事のバラエティも一気に豊富になる。

 

1杯目は機能性ビールやハイボールを飲み、2杯目は「おいしいワイン。糖質オフ」というパターンがオススメだ。いつもは惰性の2杯目が、積極的に選んだ2杯目になる。要は、「おいしいワイン。糖質オフ」という選択肢があることで、糖質制限生活において、食事の選択肢も変わり、食卓に広がりが出るのだ。

 

↑健康意識が高まっているこのご時世、アルコールの選択肢が増える「おいしいワイン。糖質オフ」は非常にうれしい! 糖質を気にしてためらっていたワイン購入が、この商品のおかげで前向きになれる

 

編集長とフードアナリストによるクロスレビュー

ここまで「おいしいワイン。糖質オフ」が持つ独自のポジショニングから話を進めてきたが、最も肝心なのは味である。多くの人は「糖質オフ=味が犠牲になる」という印象があるはずだ。

 

では、「おいしいワイン。糖質オフ」はどうか?

 

端的に言うと、しっかり飲みごたえを感じられるおいしいワインである。というか、私のように一般的な味覚レベルであれば、糖質がオフになっていることには気づかないはずだ。糖質制限をしている人なら、これが最適解。少なくとも、私にとってのデイリーワインはこれで決まりだ。

 

↑糖質制限生活を続けている編集長の山田。試飲してみると「これはすごい! 物足りなさ、チープさは皆無でしっかりおいしい」とコメント

 

これはオフしている糖質を「30%」に留めている点が大きい。サントリーの担当者によると、それ以上糖質をオフにすると果実感が弱まり、味わいのバランスが悪くなるという。糖質オフだけを目的とするなら、30%以上にすれば良いが、そこはワインに対して並々ならぬこだわりとノウハウがあるサントリー。絶対譲れないポイントとして、30%オフで総合力を高めているという形だ。

 

味に驚いたところで、ここからはいくつかペアリングした感想を述べていこう。いつもGetNavi webでお酒がテーマの記事を執筆するフードアナリスト・中山秀明さんとのダブルインプレッションで、一般人目線とプロ目線での評価をお届けする。

 

↑GetNavi webでお酒から料理、調理家電まで食にまつわるさまざまな記事を執筆するフードアナリストの中山さん。「おいしいワイン。糖質オフ」を試飲したところ、「特に香りの豊かさがしっかりしたコクにつながっている」と言及

 

スッキリとした味わいの白は、料理をおいしくしてくれる一本

・ペアリング1:「白」×前菜

↑前菜には野菜スティックを用意

 

・ペアリング2:「白」×魚

↑メイン料理はサーモンのムニエルをペアリング

 

「おいしいワイン。糖質オフ」の白で私が感じたのは、味わいがスッキリとした辛口であるため料理にすこぶる合うという点だ。スティック野菜では野菜の繊細な甘みを邪魔することなく、おいしさを引き立てる。魚も同様で、サーモンのうまみや香ばしさを感じさせながら、ほどよくリセットし、また次のひと口が食べたくなる。

 

「糖質オフというのも関係しているのか、確かに甘さが少ないドライなおいしさがありますね。しかしながら、香りは十分。また洋梨のようなフルーティさがあって、心地いい余韻です。ペアリングしてみると、野菜スティックは野菜の青々とした苦味までもしっかり引き立て、ムニエルはサーモンの甘みやバターのコクが、ワインの爽快さでより鮮明になる印象です。料理をおいしくしてくれる一本だと思います!」(中山さん)

 

しっかりとした味わいの料理と相性のいい、ミディアムボディの赤

・ペアリング3:「赤」×前菜

↑赤に合わせた前菜は、砂肝をメインにしたアヒージョ

 

・ペアリング4:「赤」×肉

↑メインには、ローストビーフをオージュソース(肉と野菜でだしをとったソース)とともに

 

「おいしいワイン。糖質オフ」の赤も非常によくできている! 甘さが控えめで、ほどよい渋味の効いたミディアムボディに仕上がっているため、料理との相性の幅が広い。アヒージョのようにオイルを効果的に使った、しっかりした味わいの料理や、今回の砂肝をはじめ鶏肉のなかでも食感やうまみが豊かな部位にはドンピシャだ。

 

「果実味がボリューミーで、香りからしていいですね。赤いベリー系や、桃のようなブライトでやわらかなニュアンスを感じます。飲み口はほどよくまろやかでいて、しつこさはなくスムース。今回のような肉料理はもちろん、和食ならソースを使う粉ものや、照りのある煮込みにタレ系の焼き物に合わせるのもいいでしょう。料理全般でおいしさを味わえるはずです」(中山さん)

 

なお、赤白の共通点としては、「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」のシリーズだけあり、酸化防止剤が無添加のナチュラルなおいしさが挙げられる。さらに、スクリューキャップタイプで保管が容易。1.8Lもラインナップしているので、ストックにも重宝するなどと、糖質オフ以外の機能面にも優れた商品なのだ。

 

料理の選択肢拡大⇒食事が楽しい⇒生活に彩りが出る

最後は少し抽象的な内容で締めたい。

 

コロナ禍以降の生活は、外出・外食を控えるなど、制限の時代だ。個人的なことで言えば、コロナ禍で激太りしたこともあって糖質制限をしたので、平日は食べるものや飲むものにも制限がかかった。

 

それを取り戻すために、週末は少し豪勢な食事にしたり、たまにはお取り寄せをしてみたりする。ただ、そうすると平日との落差が大きすぎて、平日の味が余計似たものに感じる状態に陥ることもある。

 

まあ実際は、おうち家電を充実したり、お風呂アイテムを採り入れたり、それなりに工夫はしていたが、この1年半を振り返ると彩りに欠けていたのは変わらないと思う。

 

そんな中で、「おいしいワイン。糖質オフ」は糖質こそ制限(=オフ)しながらも、選択肢は増やしてくれる点が素晴らしい。これまで食卓に並ぶことが少なかったような食材やおつまみが並び、食事の時間が待ち遠しくなる。食事の時間が楽しくなれば、家族との時間も有意義になる。といった形で、単に飲んでおいしいだけでなく、派生効果が大きい。単なるワインというジャンルを超えた価値があると考えている。

 

なので、「おいしいワイン。糖質オフ」は健康に気を遣って糖質をオフにしようとしている人はもちろん、毎日の生活に彩りを求めている人にもぜひ飲んでほしい。

 

↑食事を楽しくさせたい、変化させたいと思っている人にオススメしたい

 

もう少しだけ語らせて欲しい。個人的には、1杯目は機能性ビールを飲んで、2杯目以降に機能性ビールやチューハイを飲む人や家庭には「おいしいワイン。糖質オフ」がピッタリだと考えている。それは、糖質オフといった機能面はもちろんだが、2杯目にワインを持ってくることで、飲むスピードに緩急が生まれるからだ。

 

1杯目が機能性ビールで、2杯目以降も機能性ビールやチューハイだと、そのままの勢いで飲んでしまうことが多い。そこで日常の速度にメリハリを、という意味でも効果的。惰性で毎日のお酒を選んでしまっている人は、本商品に切り替えることで、ちょっと前向きな変化がきっと訪れるはずだ。

 

「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ」の詳細はこちら

◆お客様センター

ストップ! 20歳未満飲酒・飲酒運転

 

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執筆:山田佑樹・中山秀明、写真:湯浅立志(Y2)

どんな食事も引き立てる、キリッとした旨さの「キリン・ザ・ストロング 麒麟特製辛口こだわりサワー」

キリンビールは8月19日、「麒麟特製サワー」ブランドから「キリン・ザ・ストロング 麒麟特製辛口こだわりサワー」を発表。9月14日から発売します。

 

「麒麟が上質に仕立てた、これしかないうまさの特製サワー」がコンセプトの麒麟特製サワーは、販売数量が6月末に4億本を突破し、多くの人に支持を受けているとするブランド。そんなブランドから発売するキリン・ザ・ストロング 麒麟特製辛口こだわりサワーは、どんな食事も引き立てる商品に仕上がっているといいます。

 

キリンビールによると、米のうまみ成分を引き出すために熟成させた「米うまみエキス」で奥行きのある味わいを、複数果実を12時間煮込む「柑橘うまみエキス」ですっきりさと奥行きのある味わいを、「天日塩」で後切れのよさと味のまとまりを実現。これらにより、キリッとした旨さを味わうことができるそうです。

 

ラインアップは350ml缶と500ml缶をそろえるほか、アルコール分は9%となっています。

 

ビール以外で食事に合うお酒の選択肢になりそうな商品です。食材豊富な秋頃に、さまざまな料理に合わせてみるのがいいかもしれません。

総額50万円の「オンライン飲み会装備」でそこまでやるの!? 「麦とホップ」と「ゴールドスター」で夏のオンライン家飲みを楽しみ尽くす

GetNaviチームでは2021年夏、「おうちキャンプ」をキーワードにしたお酒の飲み方を提案しています。雑誌版GetNaviでは「そこまでやるのか!?」をキーワードにバイきんぐ・西村瑞樹さんとコラボ。「サッポロ 麦とホップ」と「サッポロ GOLD STAR(ゴールドスター)」を美味しく飲めるガチ対決を実施。キャンプグッズが当たる6缶キャンペーンパックも8月31日(火)より数量限定発売されます。

 

本稿では少し視点を変えて、いまや定番となった「オンライン飲み会」で「麦とホップ」と「ゴールドスター」を最高に美味しく飲める方法を紹介します。ここでもキーワードは、「そこまでやるのか!?」。編集長・山田佑樹は、この1年半近くオンライン家飲みを追求した結果、おうち時間やオンライン飲み会の関連装備が50万円近くにまで膨れ上がった「オンライン飲み会ラバー」。

 

「そこまでやるのか!?」という装備を自慢しつつも、注目家電を組み合わせて「麦とホップ」と「ゴールドスター」を飲む方法を伝授、蘊蓄も併せて紹介していきましょう。

 

【Part.01:まずはオンライン飲み会のインフラ編】

昨年は、会社・取引先を含めて様々な人とオンライン飲み会をした、という人も多いのではないでしょうか。それが2021年になって、気が知れた仲間や友人と行う「プライベートなもの」に移り変わっています。であれば、かしこまる必要はありませんが、随所にこだわりを入れていくことで、いっそう充実した時間に。リアルで会えないからこそ、お互いに有意義だったと思える環境作りが大切なのです。

 

ここではまず、私ヤマダが普段オンライン飲み会で使用しているアイテムたちを紹介しましょう。

【オンライン飲み会で活躍するアイテムをギャラリーで見る(画像をタップすると拡大写真と説明が表示)】

オンライン飲み会は、ひとつひとつは気にならない些細なストレスが積み重なって、大きなストレスにつながることが多く、「次はもういっか」となりがち。アイテムを上手く使いこなしていくことで、やって良かったと思えるお酒時間になります。

 

【Part.02-1:続いて「麦とホップ」と「ゴールドスター」の味わい解説】

↑パナソニック「うま冷えプレート」。蓄冷剤が搭載されており、「麦とホップ」と「ゴールドスター」それぞれの美味しさを飲み会の間、ずっとキープします

 

では、飲み会の主役となるお酒へ。今回用意したうちのひとつ「麦とホップ」は、新ジャンルビールテイストのなかでも2008年デビューのロングセラーブランド。多くのファンから愛され続ける大きな理由は、商品名にあるように、徹底的な素材へのこだわりから生まれる「ビールらしいうまさ」にあります。

 

そして、その素材の持ち味を最大限に生かすために研究を重ね、進化し続けています。最新作では独自の技術「うまみ麦汁製法」を新採用。うまみが凝縮した濃い麦汁を閉じ込めるとともに圧倒的な飲みごたえを実現しました。

↑麦とホップの製法のイメージ図

 

もうひとつのブランドは、2020年に誕生するやいなや、発売1か月で売り上げが100万ケースを突破した新星「ゴールドスター」。こちらは、サッポロビールの二枚看板である「サッポロ生ビール黒ラベル」と「ヱビスビール」のDNAを生かした、いわば新ジャンルのサラブレッドです。

 

「黒ラベル」からは香味耐久性の高い「旨さ長持ち麦芽」、「ヱビス」からは華やかな香りの「ドイツ産アロマホップ」を一部に使用。さらに両ブランドに採用されている「ダブルデコクション製法」で仕込んでいます。

 

「ダブルデコクション製法」とは、仕込工程における煮沸を2回繰り返すことで、濃厚な麦汁を生む製法。そこから生まれた「ゴールドスター」は、麦芽本来のうまみとコクが引き出され、力強く飲み飽きないおいしさに仕上がっています。

↑ダブルデコクション製法のイメージ図

 

【Part.02-2:まだある!麦とホップとゴールドスターの蘊蓄解説】

オンライン飲み会で鉄板といえるネタのひとつが「何を飲んでるの?」ではないでしょうか。仕事柄、そのお酒のストーリーを語ることも珍しくありません。そこでいえば、「麦とホップ」と「ゴールドスター」にはまだまだ語れる要素は盛りだくさん。

 

例えば、「ビール好きのための新ジャンル。」が「麦とホップ」のキャッチコピー。振り返ってみると、いまや「まるでビールな味わい」をうたう新ジャンルは珍しくありませんが、その元祖と言えるのが「麦とホップ」です。デビュー時、名優・田村正和さんが「私には、ビールです。」と言って紹介したCMは実に革新的でした。ビールファンの心を長年つかみ続けている新ジャンルが「麦とホップ」だと言っていいでしょう。

 

「ゴールドスター」のバックグラウンドに「黒ラベル」と「ヱビス」があることは前述しましたが、双方のDNAはデザインにも宿っています。

 

↑ゴールドスターの缶デザイン

堂々とした大きな星は「黒ラベル」譲りであり、クラシカルな陰影を施した「SAPPORO」のロゴは「ヱビス」に表記されている「YEBISU」がモチーフ。そのうえで、大きな星の色は両ブランドのゴールドを融合させたグラデーションとなっています。

 

【Part03:最後は「麦とホップ」と「ゴールドスター」のペアリング解説

↑今回は前菜的なおつまみに、メインディッシュの肉料理、締めのカレーライスも用意。この5皿はすべて、下記の調理家電を駆使して作りました

 

【写真に写っている料理ができる家電をギャラリーで見る(画像をタップすると拡大写真が表示されます)】

 

オンライン飲み会あるあるのひとつに、「料理を準備する時間がない!」があります。その結果、序盤から2次会のような乾きものだらけということに。おつまみが充実すると飲み会も充実するし、メインディッシュがあれば話のネタになるだけでなく、飲み会が後半に突入したことをやんわり伝える切り替えスイッチにもなります。絵力の強い料理たちを簡単に作れる時短調理家電があるとベストです。

 

また、締めの炭水化物も、あるのとないのとでは達成感や満足感が段違い。オンライン飲み会の場合は、伸びてしまう麺類よりもご飯ものがベター。お茶漬けのようなクイックメニューでもいいですが、せっかくならより映えるものを。白飯にサッとかけてワンプレートになるカレーなど、ご飯に合う料理を作れる自動調理家電があると便利です。次のパートでは今回作った料理と、麦とホップとゴールドスターとのペアリングを紹介していきましょう。

 

【「麦とホップ」「ゴールドスター」×「飲み会おつまみ」】

前菜のおつまみに用意したのは、パナソニックの「ビストロ」で作った3皿。「ピーマンとツナの塩昆布あえ」は和風、「きのこのナムル」は韓国風、「ズッキーニのチーズ添え」は洋風と、それぞれ味の方向性にバラエティ感を出しましたが、「麦とホップ」と「ゴールドスター」は繊細から濃厚までどんなテイストにも寄り添ってくれます。

 

もう少し詳しく説明していきましょう。「麦とホップ」と「ゴールドスター」は、野菜の青々しい苦味にも、昆布やツナのうまみにも、ゴマ油やチーズの濃厚なコクにも、素材本来のおいしさを生かしつつ調和し、爽快な飲み心地で料理の余韻をすっきり。また次のひと口を美味しく食べさせてくれます。

 

なお、山田的にはこれらの前菜を多めに作り、翌日のおつまみに食べて味わいを振り返る「オンライン飲み会便乗作り置き」が定番です。

 

【「ゴールドスター」×「ローストビーフ」&「麦とホップ」×「無水カレー」

次はメインディッシュと締め。前述したように「麦とホップ」と「ゴールドスター」はどちらもオールマイティ型で、どんな料理にも合います。ただここはあえて、ローストビーフには「ゴールドスター」を、カレーライスには「麦とホップ」を合わせてペアリングしてみました。

 

シンプルに塩とこしょうで味付けしたローストビーフは、「BALMUDA The Toaster」で調理。熱をじっくり入れることで、閉じ込められた牛肉のうまみがよりダイレクトに感じられます。このパワフルな肉汁をしっかり受け止めるのが、「ゴールドスター」の力強いコクと華やかな香り。そして鼻に抜ける上品な余韻は、ビーフのリッチな味わいとマッチし、より贅沢な気分へといざないます。

 

カレーは、シャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオ ホットクック」で無水調理。水を使わないことでトマトや玉ねぎといった素材本来の味が凝縮し、コントラストも豊かに。辛さやとろみも自然で、麦のうまみがふくよかな「麦とホップ」が見事に調和します。また、「麦とホップ」は十分な飲みごたえがありつつも、バランスがいいので飲み疲れがありません。スパイスの刺激をすっきりリセットしてくれ、食後の爽快感もひとしおです。

なお、ヤマダがオンライン飲み会用にメインや締めを調理する際には、家族の夕食ぶんまで多めに作ります。これは、いわば飲み会の騒がしさを許してもらう罪滅ぼし。山田家では「オンライン飲み会兼今日の料理係」が定着しています。

 

【まとめ】

「麦とホップ」と「ゴールドスター」は汎用性が高く、オンライン飲み会のレベルを一歩引き上げる

今回は、山田流のオンライン飲み会における本気モードで、多彩な機器と料理を紹介しましたが、改めて感じたのは「麦とホップ」と「ゴールドスター」のクオリティと汎用性の高さ。

 

しっかり作ったご馳走に合うのはもちろん、一方でコンビニ総菜や乾きものだとしても、美味しさの満足度を高めてくれるふところの広さがあります。オンライン飲み会にはもちろん、ふだんの晩酌やアウトドア飲みでもぜひペアリングを試してみてください。お酒の時間がアップデートして、より良いひとときが過ごせますよ。

 

冒頭でも触れましたが、GetNaviチームでは今夏、「おうち飲み」をテーマにしたお酒の飲み方を提案中。様々な記事を公開しています。気になる方は下記からアクセスしてみてください。

画像をクリックすると特集ページに移動します

 

提供:サッポロビール

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転

総額50万円の「オンライン飲み会装備」でそこまでやるの!? 「麦とホップ」と「ゴールドスター」で夏のオンライン家飲みを楽しみ尽くす

GetNaviチームでは2021年夏、「おうちキャンプ」をキーワードにしたお酒の飲み方を提案しています。雑誌版GetNaviでは「そこまでやるのか!?」をキーワードにバイきんぐ・西村瑞樹さんとコラボ。「サッポロ 麦とホップ」と「サッポロ GOLD STAR(ゴールドスター)」を美味しく飲めるガチ対決を実施。キャンプグッズが当たる6缶キャンペーンパックも8月31日(火)より数量限定発売されます。

 

本稿では少し視点を変えて、いまや定番となった「オンライン飲み会」で「麦とホップ」と「ゴールドスター」を最高に美味しく飲める方法を紹介します。ここでもキーワードは、「そこまでやるのか!?」。編集長・山田佑樹は、この1年半近くオンライン家飲みを追求した結果、おうち時間やオンライン飲み会の関連装備が50万円近くにまで膨れ上がった「オンライン飲み会ラバー」。

 

「そこまでやるのか!?」という装備を自慢しつつも、注目家電を組み合わせて「麦とホップ」と「ゴールドスター」を飲む方法を伝授、蘊蓄も併せて紹介していきましょう。

 

【Part.01:まずはオンライン飲み会のインフラ編】

昨年は、会社・取引先を含めて様々な人とオンライン飲み会をした、という人も多いのではないでしょうか。それが2021年になって、気が知れた仲間や友人と行う「プライベートなもの」に移り変わっています。であれば、かしこまる必要はありませんが、随所にこだわりを入れていくことで、いっそう充実した時間に。リアルで会えないからこそ、お互いに有意義だったと思える環境作りが大切なのです。

 

ここではまず、私ヤマダが普段オンライン飲み会で使用しているアイテムたちを紹介しましょう。

【オンライン飲み会で活躍するアイテムをギャラリーで見る(画像をタップすると拡大写真と説明が表示)】

オンライン飲み会は、ひとつひとつは気にならない些細なストレスが積み重なって、大きなストレスにつながることが多く、「次はもういっか」となりがち。アイテムを上手く使いこなしていくことで、やって良かったと思えるお酒時間になります。

 

【Part.02-1:続いて「麦とホップ」と「ゴールドスター」の味わい解説】

↑パナソニック「うま冷えプレート」。蓄冷剤が搭載されており、「麦とホップ」と「ゴールドスター」それぞれの美味しさを飲み会の間、ずっとキープします

 

では、飲み会の主役となるお酒へ。今回用意したうちのひとつ「麦とホップ」は、新ジャンルビールテイストのなかでも2008年デビューのロングセラーブランド。多くのファンから愛され続ける大きな理由は、商品名にあるように、徹底的な素材へのこだわりから生まれる「ビールらしいうまさ」にあります。

 

そして、その素材の持ち味を最大限に生かすために研究を重ね、進化し続けています。最新作では独自の技術「うまみ麦汁製法」を新採用。うまみが凝縮した濃い麦汁を閉じ込めるとともに圧倒的な飲みごたえを実現しました。

↑麦とホップの製法のイメージ図

 

もうひとつのブランドは、2020年に誕生するやいなや、発売1か月で売り上げが100万ケースを突破した新星「ゴールドスター」。こちらは、サッポロビールの二枚看板である「サッポロ生ビール黒ラベル」と「ヱビスビール」のDNAを生かした、いわば新ジャンルのサラブレッドです。

 

「黒ラベル」からは香味耐久性の高い「旨さ長持ち麦芽」、「ヱビス」からは華やかな香りの「ドイツ産アロマホップ」を一部に使用。さらに両ブランドに採用されている「ダブルデコクション製法」で仕込んでいます。

 

「ダブルデコクション製法」とは、仕込工程における煮沸を2回繰り返すことで、濃厚な麦汁を生む製法。そこから生まれた「ゴールドスター」は、麦芽本来のうまみとコクが引き出され、力強く飲み飽きないおいしさに仕上がっています。

↑ダブルデコクション製法のイメージ図

 

【Part.02-2:まだある!麦とホップとゴールドスターの蘊蓄解説】

オンライン飲み会で鉄板といえるネタのひとつが「何を飲んでるの?」ではないでしょうか。仕事柄、そのお酒のストーリーを語ることも珍しくありません。そこでいえば、「麦とホップ」と「ゴールドスター」にはまだまだ語れる要素は盛りだくさん。

 

例えば、「ビール好きのための新ジャンル。」が「麦とホップ」のキャッチコピー。振り返ってみると、いまや「まるでビールな味わい」をうたう新ジャンルは珍しくありませんが、その元祖と言えるのが「麦とホップ」です。デビュー時、名優・田村正和さんが「私には、ビールです。」と言って紹介したCMは実に革新的でした。ビールファンの心を長年つかみ続けている新ジャンルが「麦とホップ」だと言っていいでしょう。

 

「ゴールドスター」のバックグラウンドに「黒ラベル」と「ヱビス」があることは前述しましたが、双方のDNAはデザインにも宿っています。

 

↑ゴールドスターの缶デザイン

堂々とした大きな星は「黒ラベル」譲りであり、クラシカルな陰影を施した「SAPPORO」のロゴは「ヱビス」に表記されている「YEBISU」がモチーフ。そのうえで、大きな星の色は両ブランドのゴールドを融合させたグラデーションとなっています。

 

【Part03:最後は「麦とホップ」と「ゴールドスター」のペアリング解説

↑今回は前菜的なおつまみに、メインディッシュの肉料理、締めのカレーライスも用意。この5皿はすべて、下記の調理家電を駆使して作りました

 

【写真に写っている料理ができる家電をギャラリーで見る(画像をタップすると拡大写真が表示されます)】

 

オンライン飲み会あるあるのひとつに、「料理を準備する時間がない!」があります。その結果、序盤から2次会のような乾きものだらけということに。おつまみが充実すると飲み会も充実するし、メインディッシュがあれば話のネタになるだけでなく、飲み会が後半に突入したことをやんわり伝える切り替えスイッチにもなります。絵力の強い料理たちを簡単に作れる時短調理家電があるとベストです。

 

また、締めの炭水化物も、あるのとないのとでは達成感や満足感が段違い。オンライン飲み会の場合は、伸びてしまう麺類よりもご飯ものがベター。お茶漬けのようなクイックメニューでもいいですが、せっかくならより映えるものを。白飯にサッとかけてワンプレートになるカレーなど、ご飯に合う料理を作れる自動調理家電があると便利です。次のパートでは今回作った料理と、麦とホップとゴールドスターとのペアリングを紹介していきましょう。

 

【「麦とホップ」「ゴールドスター」×「飲み会おつまみ」】

前菜のおつまみに用意したのは、パナソニックの「ビストロ」で作った3皿。「ピーマンとツナの塩昆布あえ」は和風、「きのこのナムル」は韓国風、「ズッキーニのチーズ添え」は洋風と、それぞれ味の方向性にバラエティ感を出しましたが、「麦とホップ」と「ゴールドスター」は繊細から濃厚までどんなテイストにも寄り添ってくれます。

 

もう少し詳しく説明していきましょう。「麦とホップ」と「ゴールドスター」は、野菜の青々しい苦味にも、昆布やツナのうまみにも、ゴマ油やチーズの濃厚なコクにも、素材本来のおいしさを生かしつつ調和し、爽快な飲み心地で料理の余韻をすっきり。また次のひと口を美味しく食べさせてくれます。

 

なお、山田的にはこれらの前菜を多めに作り、翌日のおつまみに食べて味わいを振り返る「オンライン飲み会便乗作り置き」が定番です。

 

【「ゴールドスター」×「ローストビーフ」&「麦とホップ」×「無水カレー」

次はメインディッシュと締め。前述したように「麦とホップ」と「ゴールドスター」はどちらもオールマイティ型で、どんな料理にも合います。ただここはあえて、ローストビーフには「ゴールドスター」を、カレーライスには「麦とホップ」を合わせてペアリングしてみました。

 

シンプルに塩とこしょうで味付けしたローストビーフは、「BALMUDA The Toaster」で調理。熱をじっくり入れることで、閉じ込められた牛肉のうまみがよりダイレクトに感じられます。このパワフルな肉汁をしっかり受け止めるのが、「ゴールドスター」の力強いコクと華やかな香り。そして鼻に抜ける上品な余韻は、ビーフのリッチな味わいとマッチし、より贅沢な気分へといざないます。

 

カレーは、シャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオ ホットクック」で無水調理。水を使わないことでトマトや玉ねぎといった素材本来の味が凝縮し、コントラストも豊かに。辛さやとろみも自然で、麦のうまみがふくよかな「麦とホップ」が見事に調和します。また、「麦とホップ」は十分な飲みごたえがありつつも、バランスがいいので飲み疲れがありません。スパイスの刺激をすっきりリセットしてくれ、食後の爽快感もひとしおです。

なお、ヤマダがオンライン飲み会用にメインや締めを調理する際には、家族の夕食ぶんまで多めに作ります。これは、いわば飲み会の騒がしさを許してもらう罪滅ぼし。山田家では「オンライン飲み会兼今日の料理係」が定着しています。

 

【まとめ】

「麦とホップ」と「ゴールドスター」は汎用性が高く、オンライン飲み会のレベルを一歩引き上げる

今回は、山田流のオンライン飲み会における本気モードで、多彩な機器と料理を紹介しましたが、改めて感じたのは「麦とホップ」と「ゴールドスター」のクオリティと汎用性の高さ。

 

しっかり作ったご馳走に合うのはもちろん、一方でコンビニ総菜や乾きものだとしても、美味しさの満足度を高めてくれるふところの広さがあります。オンライン飲み会にはもちろん、ふだんの晩酌やアウトドア飲みでもぜひペアリングを試してみてください。お酒の時間がアップデートして、より良いひとときが過ごせますよ。

 

冒頭でも触れましたが、GetNaviチームでは今夏、「おうち飲み」をテーマにしたお酒の飲み方を提案中。様々な記事を公開しています。気になる方は下記からアクセスしてみてください。

画像をクリックすると特集ページに移動します

 

提供:サッポロビール

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転

紫芋100%で驚くほどフルーティーな香りと芳醇な味わいを実現、限定出荷の全量芋焼酎「一刻者」<紫>が8月31日発売

 

宝酒造は、原料はもちろんのこと、麹まで芋でつくる全量芋焼酎「一刻者」が発売20周年を迎えることを記念して、“全量芋焼酎「一刻者」<紫>”の720mlおよび1.8Lを、限定出荷で発売します。発売日は8月31日で、参考小売価格は720mlが1674円(税込)、3435円(税込)です。

 

「一刻者」<紫>は、紫芋を使用した独自の「芋麹仕込」と石蔵貯蔵での最適な熟成により、驚くほどフルーティーな甘い香りと芳醇な味わいを実現したとする、紫芋100%の全量芋焼酎です。

 

原料のさつまいもは、芋焼酎の本場である南九州産の希少な紫芋で、これを麹にまで使用した、宝酒造独自の芋麹仕込みを採用。これにより、できあがった焼酎には芋本来のフルーティーな甘い香りを多く含んでいるとのこと。また、温度変化の少ない石蔵で貯蔵・熟成することで、紫芋本来の香りが際立ったとしています。

 

なお、「一刻者」<紫>には、一刻者ブランドが発売20周年を迎えることを記念して、20周年の封緘紙を貼付。封緘紙の裏面には、9月4日からスタートするキャンペーンに参加できる特設サイトのQRコードが記載されています。またキャンペーンでは、一刻者オリジナルの酒器などが総勢500名に当たります。詳細は9月4日オープンの特設サイトをご覧ください。

日本酒が輝く未来を強く願う。フレンチの巨匠と山梨の蔵元がコラボしたスパークリングを飲んで

フランス料理にうとい筆者でも、名前だけは知っているのがアラン・デュカス氏です。33歳でミシュランガイドの三ツ星を獲得し、史上最年少(当時)の三ツ星シェフという栄冠に輝く。その後は世界に活躍の場を広げ、パリ、モナコ、ロンドンと異なる3つの都市でミシュランの三ツ星を獲得した史上初の人物になった――とか。

 

日本酒の発展を応援する企業が、山梨の蔵とフレンチの巨匠をつないだ

そんなとんでもない経歴の持ち主が、山梨県の日本酒ブランド「七賢」(しちけん)とコラボして、スパークリング日本酒を発売したとのこと。今回、試飲の機会を得ることができたので、その味わいをレポートしていきます。……それにしてもなぜ、山梨の七賢が? もしかして、ダイナースクラブが関わっているのかな? と思っていたら、やっぱりそうでした。

↑「七賢」とコラボしたお酒を手にするフレンチの巨匠 アラン・デュカス氏

 

クレジットカード会社のダイナースクラブは、当サイトで何度も紹介した世界一の日本酒を決めるコンペ「SAKE COMPETITION」(サケコンペティション)をバックアップしている企業。同コンペでは次世代の造り手を応援するために「ダイナースクラブ若手奨励賞」を創設し、日本酒の発展に貢献しています。今回のコラボは、そのダイナースクラブが「七賢」とデュカス氏のお店「デュカス・パリ」をつないで実現したそう。確か、ちょっと前(2017年)の受賞者が「七賢」だったはず。そうか、その関係がまだ続いていたのか……。

 

瓶内二次発酵や樽貯蔵など手間をかけた造りに期待が高まる

コラボ製品の正式名称は、「Alain Ducasse Sparkling Sake」(アラン・デュカス スパークリング サケ/税込5500円)。今回、試飲した製品のラベルはダイナースクラブのオリジナルだそうで、淡いピンク地に魚のウロコを思わせるシルバーの紋様が入っています。いい意味で日本酒らしくなく、軽やかで華やかなイメージ。これは食卓に置いたときに映えますね。

↑「Alain Ducasse Sparkling Sake」の容量は720ml、アルコール分は12度。写真はダイナースクラブのオリジナルラベルで、ダイナースクラブのサイト「ごぼうび予約」経由で購入できるそう

 

では、飲む前にネットにあった本品の説明文を読んで気持ちを高めていきましょう。

 

「アラン・デュカス氏の心のテロワール・地中海からインスピレーションを得て、デュカス・パリのシェフソムリエ、ジェラール・マルジョン氏から味のディレクションを受け、山梨銘醸の酒を酒で醸す伝統技術と桜樽での貯蔵、磨き上げた瓶内二次発酵技術のもと造られた米由来の発泡酒です。舌を刺激するりんごやマスカットのような果実の味わいが泡とともに口の中で一気に弾け、樽由来の甘味と苦味がゆっくりと奥底から押し寄せ、穏やかな余韻が心地よく過ぎ去ります」

 

……えっ、「心のテロワール(※)」って何? 「心のふるさと」のようなイメージでしょうか? フランスらしいエスプリが効いた言い回しですね。お酒の味づくりに関しては、デュカス氏がイメージを伝え、彼のお店のシェフソムリエが具体化した、といったところでしょうか。ちなみに、「瓶内二次発酵」とは、シャンパンの産地・シャンパーニュ地方でも使われる伝統的な製法。瓶の中にお酒と酵母、糖を入れて二次的な発酵をさせて炭酸ガスを発生させ、お酒に溶け込ませるというもの。炭酸ガスを注入するのに比べて格段に手間がかかりますが、そのぶん泡に持続性があり、きめ細かく繊細な泡になるとのことです。しかも、桜の樽で貯蔵しているとは……樽の香りもつけているわけですね。

※「テロワール」とはフランスにおけるワインの概念で、気候、水、土などの様々な栽培条件によって、ぶどうに現れる個性のこと

 

さらに、説明文には書いていませんが、水の代わりに日本酒を使って贅沢に醸す「貴醸酒」(きじょうしゅ)の製法も使っているそう。ちなみに、「七賢」は2014年から瓶内二次発酵のスパークリングの開発に着手しており、今回で9銘柄目。すでに2万7500円の高級スパークリングを発売するなど、ノウハウの蓄積も問題なさそう。では、期待が高まったところで、いただきます!

 

繊細さと日本酒らしい香味が同居する

さすがは瓶内二次発酵だけあって、泡立ちはとても細かいですね。さわさわと口内を刺激する感覚が幻想的で、まるで雲を口に含んだかのよう。優しい甘さで柔らかい酸味が感じられ、雑味はなく、なんの引っ掛かりもありません。それでいて、日本酒らしい心が浮き立つような香味が感じられて、パンチ力もあります。ノドへのモタつきもないし、うん、これはいい酒だ。味わいが繊細なので、オードブルとともに食前酒として飲むのがいいですね。乾杯で心地よく酔えて、これからの楽しい時間が想像できる、そんなお酒でした。720mlで5500円という価格は自分で飲むならかなり高いですが、ギフトとしては手ごろな値付けではないでしょうか。特に、アラン・デュカス氏のレストランに通うような、ちょっとハイクラスな方に喜ばれそうですね。

 

コラボ商品は「七賢」の努力が実を結んだ結果

それにしても、さすがは「七賢」。やり手だなぁと感じます。地酒としての評価を高めつつも、近年は販路拡大の努力もしているのか、都内のリカーショップなど多くの売り場で見かけるようになりました。今回のコラボ商品を出したことで、さらに国内と世界の方々に「七賢」の名を知ってもらう機会が増えることでしょう。

↑山梨銘醸の専務取締役で、醸造責任者の北原亮庫さん。「我々は国内で最もバリエーション豊かに瓶内二次発酵スパークリング日本酒を揃える酒蔵であり、今回の商品は今までの集大成となった」と語っています

 

そして、これは想像の話なのですが、今回のコラボ製品が生まれたのはただの棚ぼたではなかったはず。以前の記事でも触れた通り、国内の酒蔵の多くが利益率の低さに苦しみ、1か月に3社が廃業する時代です。日本酒を造れば売れる時代は終わりました。そんななか、「七賢」は醸造技術を磨きつつも、自分の頭で考えて、既存の業界の弱点を埋める‟高価格帯のスパークリング日本酒”を準備していた。ダイナースクラブをはじめ、積極的に外部とコミュニケーションを取って、売り込んだ……そういったあらゆる努力を怠らず続けた結果が、今回のコラボにつながったのだと想像します。

 

そして、日本酒は間違いなく、世界に誇るマスターピース(傑作)であり、失ってはいけない日本人の心のふるさとです。限られたマーケットを奪い合い、個性ある蔵が消えていくのはあまりにも惜しい……。ぜひとも「七賢」を良いヒントとし、その火を絶やすことなく、多くの蔵元がより魅力的に輝きますように。

 

夏季限定味が発売中の「レモン・ザ・リッチ」。全4種を飲み比べてキャラクターの違いをレビュー

家飲み需要が高まるなか、レモンサワーブームを支えているのが缶チューハイ。人気カテゴリーなだけにブランド数が多い中、今回注目するのは「サッポロ レモン・ザ・リッチ」です。この商品の個性を掘り下げた上で、フレーバー4種の飲み比べで特徴をレポートしていきましょう。

↑「サッポロ レモン・ザ・リッチ」。参考価格はどれも165円(税込)で、今夏は「サッポロ レモン・ザ・リッチ 旨塩レモン」(最右)が数量限定発売中です

 

レモンの果皮、オイル、パルプ。良質なレモン成分がたっぷり

「サッポロ レモン・ザ・リッチ」はレモン果汁の質にこだわった「上質系レモンサワー」をメーカーはうたっていますが、個人的に注目しているのは、“多果汁タイプではないが果汁がスゴい”という点。なぜかというと、「一度逆さにしてから飲むこと」が推奨されているからです。

↑缶の側面には逆さにすることを推奨する、イラスト付きの説明書きがあります

 

一般的に、逆さにしてから飲むことを推奨している缶チューハイは、果汁が10%以上のいわゆる“多果汁系“。逆さにする理由は、缶の下部に多くの果汁が沈殿しているからです。

 

一方で「サッポロ レモン・ザ・リッチ」は果汁の多さを売りにはしていませんが、良質なレモン成分がどっさり入っています。これは、レモンフレーバーに特化した缶チューハイでは非常にまれ。ここに筆者は注目しているというわけです。

↑定番の3フレーバーの中で、好バランスな味に特徴をもつ「サッポロ レモン・ザ・リッチ 特製レモン」

 

また、この果汁には、レモン果皮、レモンオイル、レモンパルプが入った混濁果汁を使っているのも差別化ポイント。レモンのほろ苦さやコク、爽やかな香りなど、通常のレモン果汁だけでは表現しきれない“奥行きのある濃い味“を実現しています。

 

同じレモンサワーでも各々のキャラが立っているから楽しめる

そんな「サッポロ レモン・ザ・リッチ」は2019年4月にデビューし、2021年2月に、贅沢な濃さを堪能できる上質系のレモンサワーとしてリニューアル。飲んで1本ずつ味わいレビューしていきます。

↑前述の通り、「サッポロ レモン・ザ・リッチ 特製レモン」はレモンの甘み、酸味、苦みを絶妙なバランスで調和させているのが特徴

 

まずは、「サッポロ レモン・ザ・リッチ 特製レモン」から。飲みごたえとクリアな爽快感がいい感じで両立。アルコール感も含めてちょうど良く、王道のおいしさです。

↑「サッポロ レモン・ザ・リッチ 苦旨レモン」。レモンピール(果皮)の魅力を前面に出した、苦うまい味わいです

 

「サッポロ レモン・ザ・リッチ 苦旨レモン」は、スタンダードな「サッポロ レモン・ザ・リッチ 特製レモン」をベースに、ビターなフックをプラスに、やりすぎない苦味がお見事。大人な味わいを求める人には特にオススメです。

↑2020年4月に数量限定発売し、好評のため定番化したのが「サッポロ レモン・ザ・リッチ 神レモン」。複雑味のあるレモンの濃さが特徴で、アルコール7%(ほかは5%)と飲みごたえも十分です

 

「サッポロ レモン・ザ・リッチ 神レモン」は、アルコール度数を高めたことで、ボディがしっかりした印象。甘み、酸味、苦みも増強され、全体的にグッとくるパンチのある味わいです。がっつりとした濃厚な料理にもよく合いそうと感じました。

↑限定の「サッポロ レモン・ザ・リッチ 旨塩レモン」は、塩こうじのほんのりしょっぱく、まろやかなうまみが効いています

 

限定の「サッポロ レモン・ザ・リッチ 旨塩レモン」。塩加減はやさしめで、それよりも塩こうじが全体の厚みに起因している印象。コクやうまみといったベースにあるふくよかさが底上げされて、奥深い味わいに。ダシを効かせた和食には特に合うと思います。

↑色味はほぼ一緒。バリエーション豊富なので、好みの一本を!

 

4種を飲み比べて、それぞれにリッチなレモン感のほかに一芸をもっていることが分かりました。特に「サッポロ レモン・ザ・リッチ 旨塩レモン」は、この夏だけのおいしさ。シチュエ―ションや料理によって飲むフレーバーを変えるなど、ぜひいろいろ試してみてください。

この夏は「芋のソーダ割り」がアツい!「一刻者」と家飲みおつまみを合わせた至福をレポート

ワクチン接種によって、明るい兆しが見えてきたコロナ禍。とはいえまだ希望者全員に行き渡るには時間がかかるため、おうち時間が続きそうな今夏。暑い夏の晩酌には、シュワッと爽やかに飲めるお酒がいいですよね。とはいえ、たまにはビールやサワー以外のお酒も楽しみたいところ。そんなときにオススメしたいのが、芋焼酎の「一刻者(いっこもん)」です。夏に芋焼酎? と意外に思われる方が多いかもしれませんが、ソーダで割るだけで、夏にぴったりなドリンクになるのをご存じでしょうか?

 

↑宝酒造の本格芋焼酎「一刻者(いっこもん)」。南九州産のさつまいもを100%使用し、独自の芋麹仕込みと石蔵で貯蔵するこだわりの造りが特徴です。参考価格は720mlで税込1498円

 

麹まで芋でつくる「全量芋焼酎」という独自のポジション

「一刻者」は、一度しか蒸溜を行わない「単式蒸溜」を採用した本格焼酎。味も香りもしっかりしていて飲みごたえがあり、ソーダ割りにしても素材本来の風味が楽しめます。

 

↑素材の風味も楽しめて、サッパリと飲めるソーダ割りは、どんな料理とも合わせやすい!

 

もうひとつ、「一刻者」最大の特徴が、麹(こうじ)まで芋でつくる全量芋焼酎だということ。「一刻者」がデビューする前の芋焼酎の多くは、米麹を使用するのが当たり前でした。しかし、「芋の魅力を最大限に楽しめる、芋100%の焼酎を」という想いのもと、芋麹を使った商品づくりがはじまったのです。

 

しかし、芋は米よりも水分量が多いため、麹菌が根付きづらいという課題があり、開発は困難を極めることに。6年もの歳月をかけ、2001年、「一刻者」は生み出されました。その味わいは、芋麹を使ったことで芋焼酎独特のクセが強くなるのでは? と予想されていましたが、出来上がってみると意外や意外、極めて上品で香りの良い芋焼酎に仕上がったそう。麹まで芋にしたことで、芋が本来持つ華やかな香りが際立ち、上品ですっきりとした味わいに仕上がったのです。

 

↑ロックにすると、純粋な芋だけの、ほんのり甘く上品な香りが楽しめます

 

つまり、豊かな風味でありながら、すっきりしていて重すぎないのが「一刻者」。さらにソーダ割りにすることで、炭酸が弾けて香りが際立ち、のどごしもアップ。これが夏に「一刻者」のソーダ割りがオススメという理由です。

 

ちなみに、筆者が美味しいと思うソーダと「一刻者」の比率は2:1。グラスにたっぷり氷を入れて「一刻者」を注ぎ、ステアして(混ぜて)氷となじませたあと、ソーダを注いでマドラーで軽く1回ステアすれば完成! 「一刻者」の華やかな香りとともに、炭酸の爽快感が心地よく感じられますよ。

 

↑ソーダを注ぐときは、炭酸は飛ばないよう、グラスの縁に沿ってゆっくりと注ぎましょう!

 

↑「一刻者」はソーダ割りが絶品!

 

宮崎にちなんだ料理とのペアリングは当然ドンピシャだった

ここからは、炭酸割りに合うつまみをご紹介。「一刻者」は宮崎の高鍋町にある「日向(ひゅうが) 黒壁蔵」でつくられているので、今回は、宮崎にちなんだペアリングを提案します。まずは鶏の炭火焼き。

↑チェーン店などでおなじみの鶏炭火焼き。香ばしく炙られているのが特徴で、コンビニなど身近な店でも売っています

 

鶏の炭火焼きは豊かな弾力、スモーキーなフレーバー、ほどよいジューシー感で絶品。「一刻者」炭酸割りの甘みが肉のうまみと調和し、爽快な味わいは口のなかをリセットする効果も。ご機嫌のループです。もちろん、炭火焼きに限らず、焼鳥全般にもドンピシャですよ!

 

次は餃子。実は高鍋町、「たかなべギョーザ」「餃子の馬渡」というツートップが君臨する餃子の街として有名なのです。

 

↑高鍋餃子の特徴のひとつが、九州でも有数の産地である高鍋のキャベツを使った甘み。合わせるなら野菜餃子のほうがベターです

 

こちらのペアリングも理想的。シュワッとした炭酸の刺激が餃子のオイリー感を流し、それでいて野菜や肉のうまみと、「一刻者」のまろやかさがピンポイントで調和します。

 

最後は、宮崎県が流しそうめん発祥の地と言われているため、そうめんをセレクト。シメにするのもいいですが、一方でめんつゆに浸さず、甘い九州醤油や塩とオイルなどであえそば風に仕立てれば、よりつまみにふさわしい一品となります。

 

↑夏の風物詩でもあるそうめん。この季節にはもってこいです

 

筆者はシンプルに塩と薬味のみで実食。そうめんの繊細な味を「一刻者」の上品な風味が引き立て、これも絶妙なペアリングです。ツルツルしたそうめんののどごしと、スムースな飲み口の「一刻者」は相性バツグン。ツルツル、一刻者→ツルツル、一刻者……と流れるようなローテーションが止まりません!

 

と、このように幅広いおつまみに合う「一刻者」のソーダ割り。芋は飲み慣れてないんだよね……という方。まずはこの夏、ソーダ割りでその魅力を確かめてみてください!

 

家で本格的な味が楽しめる! 宅飲み派にオススメな「カクテルリキュール」5選

ステイホームにより自宅でアルコールを飲む機会が増え、「宅飲み派」が増加中。自宅でも本格的な味が楽しめるカクテルリキュールや缶カクテルも人気です。また、照明やシェイカー、様々なリキュールを揃えて部屋に並べ、お家を自分だけのバーにしてどっぷりお酒を楽しむ人もいるのだとか。自宅だからこそお酒の楽しみ方は十人十色、今回は簡単にお店のような味が再現できる、人気のカクテルリキュールをご紹介します。

 

目次

 


グレープフルーツ割りやオレンジジュース割りにおすすめ


サントリー パライソ ライチ

甘さを抑えて飲みやすく、自然なライチ果実の味わいが楽しめるリキュール。パライソはスペイン語で楽園という意味です。人気のカクテル・チャイナブルーによく合う、飲みやすく果汁感のある味わい。ほかにもグレープフルーツ割りやオレンジジュース割りなどもおすすめです。ラベルはステンドグラスをイメージしたクリアで明るいデザインです。

【詳細情報】
内容量:700ml

 


カシスリキュールの元祖


ルジェ クレーム ド カシス

ルジェカシスは1841年からつくられている、カシスリキュールの元祖。リキュール作りに使われるカシスはすべてフランス産で、数あるカシスの品種の中から選び抜かれた「ノワール・ド・ブルゴーニュ種」と「ブラックドーン種」のみを厳選使用しています。その厳選された良質のカシスを約6週間から8週間もの時間をかけてゆっくりと浸漬して作られます。保存料・添加物を一切加えずにフルーティな香りと味わいを実現したおなじみのリキュールブランドで、カシスオレンジやカシスグレープサワーなどを美味しく楽しめます。

【詳細情報】
内容量:700ml

 


深くまろやかなコクと甘い刺激


サントリー カルーア コーヒー

「カルーア」は、良質なアラビカ種のコーヒー豆を100%使用した、深くまろやかなコクと甘い刺激が特徴的なコーヒーリキュール。厳選した素材を合わせることで、深くまろやかなコクと甘い刺激を持つ「カルーア」の魅惑的な風味が生まれます。定番のカルーアミルクなど、ぴったりのサイズでお気軽にカルーアカクテルを楽しめます。購入者からは「自宅で簡単にカルーアミルクが飲める」「店で飲む味とまったく同じ物が作れてコスパ最高」などの声も。

【詳細情報】
内容量:700ml

 


簡単に本格モヒートが楽しめる


バカルディ クラシックカクテルズ モヒート

世界中で流行している、ラムにミントの葉、ライム、砂糖を使ったトロピカルカクテル「モヒート」。「バカルディ クラシックカクテルズ モヒート」は、世界で一番飲まれているバカルディ・スペリオールラムで作られたモヒートを、たった3つの手順で簡単にサーブできます。グラスに氷を入れて、バカルディクラシックカクテルズ モヒートを注ぎ、炭酸水を注いで完成。カットレモンやミントの葉を添えるとより本格的に味わえます。その他にもジュースで割った「オレンジ モヒート」や「アップル モヒート」などのフルーティなカクテルも簡単に楽しめます。

【詳細情報】
内容量:700ml

 


作るのが面倒な時でもカジュアルに楽しめる!


アサヒ カクテルパートナー カシスオレンジ

気軽にお酒を楽しめる缶カクテル。いろいろなリキュールやスピリッツに、果汁やフレーバーを組み合わせたオリジナルカクテルが、カジュアルに楽しめます。カシスオレンジは、カシスリキュールとオレンジ果汁に果実パルプを加え、芳醇な香りと甘酸っぱい味わいが楽しめる、ジューシーカクテルです。そのほかにもカクテルパートナーはジントニックやソルティードッグ、スクリュードライバーなど各種カクテルが充実しています。

【詳細情報】
内容量:350ml×24本

 

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2021年を代表するヒット商品!「クラフトビール」ブームを象徴する「スプリングバレー」が100万ケース以上も売れている理由

※一部データを更新して再投稿しました

高付加価値への需要が高まるなか、造り手のこだわりが凝縮した「クラフトビール」がヒットしています。市場成長は約200%(※1)といわれますが、なかでもその勢いを牽引しているのが、キリンビールが2021年3月に発売した「スプリングバレー 豊潤<496>(ほうじゅん ヨンキューロク)」。わずか半年後の9月には、年間販売目標に掲げた約160万ケースの約6割にあたる100万ケースを達成(※2)。スプリングバレーが市場拡大に大きく影響していることがうかがえます。

 

では、なぜ今クラフトビールが、そして「スプリングバレー 豊潤<496>」が支持されるのでしょうか? 「スプリングバレー」ブランドを象徴する、東京・代官山にある直営店「スプリングバレーブルワリー東京」を訪ね、マスターブリュワーの田山智広さんに聞きました。造り手ならではのコツが詰まった「おいしい飲み方」も必見です。

 

(※1:2021年1-9月、10月キリン調べ。出典:インテージSRI+(業務用酒販店含む)。クラフトビール市場について:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています。)

(※2:キリンビール出荷実績(大びん換算)2021年10月キリン調べ。)

キリン
スプリングバレー 豊潤<496>

麦芽を「キリンラガービール」の約1.5倍使用しているほか、4種類のホップを使用するなど素材を贅沢に使用。さらにホップを7日間漬け込む独自製法を活用し、豊潤な味わいとすっきりとした後味、ふわとろの泡を実現しています。

 

↑訪れたのは、東京・代官山で2015年にオープンした「スプリングバレーブルワリー東京」。ビール醸造所併設型レストランで、タンクや釜など醸造設備を眺めながら楽しめます

 

常識を覆す製法に挑み、海外醸造家から「クレイジー!」と評された

「スプリングバレー 豊潤<496>」の基盤となるのが、キリンの独自技術「ディップホップ製法」。まずはこの製法について、田山さんに教えてもらいました。

↑キリンビール マスターブリュワーの田山智広さん。1987年キリンビールに入社。工場、R&D、ドイツ留学等を経て、2001年よりマーケティング部商品開発研究所にてビール類の中味開発に携わる。2013年から商品開発研究所所長、2016年4月からキリンビールのビール類・RTDなどの中味の総責任者であるマスターブリュワーに就任

 

「『ディップホップ』は、2012年に当社が開発した製法です。それまでのホップの使用法は基本的に2つが主流でした。1つは、醸造工程における煮沸の後にホップを入れることで穏やかな香りをつける『レイトホップ』。もう1つは、ビール発酵後の貯蔵させるタイミングでホップを添加させ、刺激的な香りを付ける『ドライホップ』です。

 

『ディップホップ』はその2つの中間にあるタイミングで、酵母と一緒にホップを添加し、発酵中に漬け込みます。これによって『レイトホップ』よりも豊かでいて、『ドライホップ』で発生しがちなクセやトゲのない、温和かつ個性的な香り付けが可能に。さらに、泡の安定化や保存性を高めてくれるのが『ディップホップ』です」(田山さん)

 

↑「スプリングバレーブルワリー 東京」では、透明の発酵タンクで「ディップホップ」製法を見ることができます。※写真はイメージ。「スプリングバレー 豊潤<496>」は、キリンビールの工場で製造されています

 

「レイトホップ」と「ドライホップ」のいいとこ取りともいえる「ディップホップ製法」。これを知った海外の醸造家は、「クレイジー」と評したそう。それは、その発想が思い付かない技術だったからでしょうか?

 

「天才じゃないと思い付かないとか、そういう類ではないと思います。例を挙げれば『一番搾り製法』。これは麦汁の過工程で最初に流れ出る、一番搾り麦汁だけを使う製法です。醸造家であれば、一番搾り麦汁で造ればおいしくなるということは想像できるでしょう。ただしコストがかかりますから、大量生産を前提にしたナショナルブランドでの採用は、本来ありえないはずです。

 

『ディップホップ製法』も同様に、考え付くことはあったかもしれません。しかし、発酵させるタイミングでホップを添加することは衛生面でリスキーなんです。クリアするためには設備投資や管理の手間がかかるので、だれもやろうとは思わなかった。一般的なビール醸造では諦めてしまうことにも挑戦したことが、“クレイジー”と思えたんでしょうね」(田山さん)

 

そのクレイジーなこだわりは、原材料の厳選ぶりにも見てとれます。

 

・厳選した4種のホップを使用

「スプリングバレー」で使用するホップは、フルーティーでフローラルなホップを中心に、さまざまな組み合わせを何度も繰り返して4種を厳選。華やかな香りを創出しています。

↑ホップの圃場(ほじょう)。世界には数多くの品種のホップがあり、そのなかから最適な組み合わせを選び抜いて「スプリングバレー 豊潤<496>」に使用しています

 

・「キリンラガー」の1.5倍もの麦芽を使用

麦芽は「キリンラガービール」の約1.5倍もの量。その上ですっきり仕上げることで、「豊潤」と呼ぶにふさわしい濃厚な味わいとすっきりとした後味を両立。さらには見た目にもおいしそうな琥珀の液色に仕上げられています。

↑糖化方法は全体の温度を徐々に上げる「インフュージョン」を採用。これは一般的に、すっきりとしたビールに仕上げたいときに用いる製法です

 

構想10年・試験醸造250回(※3)を費やして味を造り上げた!

「スプリングバレー 豊潤<496>」が完成するまでにかかった歳月は、なんと10年。その間行われた試験醸造の数は250回(※3)と、いち商品の開発に対して行うには、まさに“クレイジー”といえる回数です。やはり、それだけ苦労したということでしょうか?

(※3:この商品の特長である製法の開発にかかった試験醸造の回数)

 

「そうですね。私たちがビール造りに一貫してこだわっているのは、飲み飽きず、また飲みたくなるようなおいしさ。『キリンラガービール』も『キリン一番搾り』も同様です。『スプリングバレー 豊潤<496>』も、クラフトビールならではの1杯で満足できる豊潤な味わいを追求しながら、さらにもう1杯飲みたくなるおいしさを追求しました」(田山さん)

↑究極の味のバランスを目指していることから、完全数である調和のシンボル「496」を商品名にしたといいます

 

「その上で缶で販売することも想定し、500mlを飲み切れて、酔い過ぎない設計にしたことも考慮した点です。また、大量生産できることも条件になりますから、安定してどのホップや麦芽を使えるかも重要でした。そのため、原材料の選定だけでも数え切れないほどの検討を重ねました。これは苦労したことの1つです」(田山さん)

 

250回(※3)の試験醸造では、どのような点をブラッシュアップしていったのでしょうか?

 

「まずは、あまたある完成図のなかから方向性を決めていきます。そこから、どのビアスタイルがふさわしいか。ホップや麦芽のほか、酵母はどう使ってどう組み合わせるのか。製法は何を採用してどう生かすかといったテストですね。原材料と製法の試験では性質が異なりますし、大枠が決まったあとは完成に向けた最終調整もあります。そういったさまざまな試験をカウントしていったら、結果的に250回(※3)になっていました」(田山さん)

(※3:この商品の特長である製法の開発にかかった試験醸造の回数)

 

開発チームは、あらゆるビアスタイルに精通しているビール造りのプロフェッショナル。過去の経験から、ある程度の完成図はイメージできると田山さんは言います。とはいえ、狙った味の基準に達するかどうかは、造ってみないとわかりません。しかも1回の醸造を始めてから完成するまでに、約1か月がかかります。同時に数パターンを試すので250か月かかったわけではありませんが、それはそれは長い道のりだったのです。

「スプリングバレー」のこだわりを動画でチェック

 

マスターブリュワー直伝! おいしさを余すところなく味わう作法とは

田山さんはじめ、ブリュワーたちのこだわりとクレイジーな挑戦がつまった「スプリングバレー 豊潤<496>」を、あますところなく堪能するには、どうしたらいいでしょうか? 田山さんに、よりおいしく飲むためのコツを聞きました。

 

1. グラスに注ぐべし!

「『スプリングバレー 豊潤<496>』の醍醐味である、華やかな香りを楽しんでいただくためには、グラスに注ぐことが大切です。缶は構造上、香りが鼻までダイレクトに届きませんから。ビールの琥珀色、コポコポと注がれて泡がプチプチ弾ける音。ぜひ、五感をフル活用して味わっていただきたいですね」(田山さん)

 

2. 口が広いグラスを選ぶべし!

「このような、口が広いタイプのものであれば基本的にどんなグラスでもOKです。ワイングラスのように口がすぼまったタイプも、凝縮感のある香りを楽しめていいですね。一方、凹凸があるようなグラスは泡が立ちすぎてしまうので、避けたほうがいいです」(田山さん)

 

3. グラスは冷やすべし!

「グラスは内部をしっかり洗ってください。汚れがあると、そこに泡が吸着してしまうんです。また、グラスを冷やしておくこともポイントですね。グラスとビールに温度差があると、これも泡が立つ原因になるからです。理想は氷水で冷やすことですが、冷水でも構いません」(田山さん)

 

4. 泡でおいしさを閉じ込めるべし!

↑最初はあえて泡を立てるように注ぎ、その後はグラスの縁に沿ってできるだけやさしくサーブ。炭酸ガスが抜けないように泡でフタをし、爽快なおいしさをしっかり閉じ込めるのです

 

そのクレイジーなこだわりは100年超えだった!

海外のビール醸造家から「クレイジー」と称賛された、スプリングバレーの製法。その根底には、おいしさへのあくなき探求心があると、田山さんは言います。

 

「目的は、とにかくおいしいビールをお客様にお届けしたい。この一心です。おいしくなるのであれば、いままでになかったおいしさを届けられるなら、どんな困難なハードルも超えますよ。その1つの手段が『ディップホップ』であり、結果的に“クレイジー”なものづくりになっているんでしょうね」(田山さん)

 

脈々と受け継がれる、キリンビールのクラフトマンシップ。その矜持は、商品名である「スプリングバレー」に込められていました。

 

↑「スプリングバレー」は、約150年前に横浜・山手で設立され日本で初めて商業的な成功を収めたビール醸造所「スプリングバレー・ブルワリー」のこと。そしてキリンビールの前身「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」は、その跡地に設立されました。(写真:東京大学史料編纂所古写真研究プロジェクト 提供)

 

「『スプリング』は泉。『バレー』は谷。設立したのはノルウェー生まれのアメリカ人、ウイリアム・コープランドですが、彼は横浜の山手にビール造りに最適な水が湧いていることを発見したんでしょうね。ただ山手は丘陵であり、横浜港から近いわけでもありません。輸入した資材や原材料を運ぶのも大変だったはずです。でもおいしいビールを造るためには、良質な水が欠かせなかったんでしょう。そうした苦労の末、『スプリングバレー・ブルワリー』は日本のビール文化を切り拓きました」(田山さん)

 

そのものづくりへのこだわりや情熱が、キリンビールの源流にあります。おいしいビール造りを目指す“クレイジー”な探求心とともに、「スプリングバレー」の名のもとに受け継がれたキリンビールのクラフトマンシップ。先人が日本にビール文化をもたらしたように、クラフトビールで新たなビールカルチャーを根付かせたい、時代を変えたい。その熱い思いが、「スプリングバレー 豊潤<496>」には込められているのです。

 

田山さんの思いあふれる話を聞いて、あらためて筆者も「スプリングバレー 豊潤<496>」を飲んでみました。個性と飲みやすさが調和した味わいです。香りが華やかでコク深く、味のボリュームがありながらも後味はすっきり。飲み疲れがないフレンドリーなテイストに仕上がっています。田山さんが語るクレイジーなこだわりの数々を聞けば、腑に落ちる旨さです。

 

前年比約200%(※1)超の活況に沸くクラフトビール。でもその道はまだ半ば

クレイジーな情熱、クレイジーな製法から生まれた「スプリングバレー 豊潤<496>」は、発売からわずか半年で100万ケースを突破(※2)。しかも、2021年1〜4月で、クラフトビール市場は前年比約200%(※1)と伸長するなど、家庭でのクラフトビールニーズが大きく飛躍しているとか。

(※1:2021年1-9月、10月キリン調べ。出典:インテージSRI+(業務用酒販店含む)。クラフトビール市場について:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています。)

(※2:キリンビール出荷実績(大びん換算)2021年10月キリン調べ。)

 

とはいえ、田山さんはクラフトビール飲用拡大への挑戦はまだまだ道半ばだと言います。

 

「『クラフトビール』という言葉の一般認知はすでに9割を超えているそうです。ただし、意味の理解までは十分に進んでいないと思いますし、飲用体験もまだまだ。また知ってはいるものの“身近な世界ではない”と思われている傾向もあります。

 

私たちは、クラフトビールには生活スタイルを変えるほどのインパクトがあると思っていますし、誰にとっても身近で日常的な存在になれると確信しています。これからもクラフトビールのおいしさを探求するとともに、魅力を発信し続けていきますよ!」(田山さん)

 

一部のコアなビール好きが飲むものだったクラフトビールが、すべてのビール好き、すべてのお酒好きの手に。広がりつつあるムーブメントの起爆剤がまさに「スプリングバレー 豊潤<496>」であり、事実として全国にファンが増えています。ビギナーからマニアまで、誰が飲んでも感動できる、ど真ん中のおいしさをもったこのクラフトビールこそ、ニーズを確実にとらえた、2021年を代表するヒット作といえるでしょう。

 

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取材・文=中山秀明 人物写真/湯浅立志(Y2)

北海道から九州まで上質で個性的なワインが続々!「日本ワイン」の歴史と産地別の注目ワイン

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズは、フランスをはじめとする古くから“ワイン大国”として名を馳せる国から、アメリカなどの“ワイン新興国”まで、さまざまな国と産地を取り上げてきました。今回はいよいよ、日本。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
第1回 :フランス
第2回:イタリア
第3回:ドイツ
第4回:オーストラリア
第5回:アメリカ
第6回:ニュージーランド

 

日本ワインを旅する

「日本ワインの歴史は浅い」という話をよく聞きますが、他国に比べて、本当に浅いものなのでしょうか? こと歴史という点では、5世代続く家族経営のワイナリーもありますし、サントリーやメルシャンといった大手メーカーの歴史は100年以上続いています。

 

日本人のワインとの初めての出会いは、16世紀にさかのぼります。ポルトガルの宣教師が日本に持ち込んだものだったようです。珍重され流通した時代もありましたが、“国内で生産する”という流れにはならず、江戸時代の鎖国政策でそれも一度途絶えました。

 

そして明治維新が起こり、ヨーロッパを視察した岩倉使節団はワインが産業として重視されていることを知り、新政府の産業振興の一環としてワイン造りを奨励したことが、“日本ワイン”の始まりとなります。日本人として初めてフランスに留学した山梨県の青年2人は、1877年(明治10年)に日本初のワイン会社である大日本山梨葡萄酒会社を設立し、これが現在のメルシャンの起源ともいえる事業に。時を同じくして全国各地にワイン醸造家が生まれ、サントリーも1899年に創業し、ワインの製造販売を始めます。

 

ですが、ワイン産業が奨励された後も、通常のワインは食卓になかなか受け入れられず、神谷伝兵衛の「蜂ブドー」やサントリーの「赤玉ポートワイン」といった人工甘味果実酒だけが成功を収めました。多くのワイン醸造家は苦しい時代を過ごしたことは想像にかたくありません。

 

そして明治維新から約100年。1970年の大阪万博をきっかけに幕を開けた高度経済成長の時代に、第一次ワインブームが起こり、1975年に初めて、ワインの消費量は甘味果実酒を上回ります。

 

ヨーロッパでの現代ワインのスタイルを体系化した原産地呼称制度は1920年代、アメリカやオセアニアが現在のワインのスタイルを確立していったのも戦後の20世紀後半になってからのこと、と考えると、歴史そのものはけっして見劣りするものではないように思えるのです。

 

それよりも生育期の高温多湿、梅雨や夏から秋にかけての台風といった気候条件と、現在世界中で脚光を浴びる「日本酒」という米文化、ヨーロッパの食文化が根付くのに時間が必要だったことが、ワイン文化を育み、ワイン用ブドウを栽培することに積極的になれなかった、大きな要因だったように思えます。

 

現在、日本のワイン消費は第7次ワインブームの真っただ中。チリワインなどの低価格帯ワインの家庭消費やバル、レストランの多様化など複合的な要因がありますが、そのひとつに「日本ワインブーム」もあるとされています。今では北は北海道、南は九州まで、幅広い地域でさまざまなスタイルの日本ワインが造られるようになり、目を見張るような素晴らしい品質のワインにも出会えるようになってきました。

 

100年以上の時間が必要だったとはいえ、日本ほど世界中の多様なワインが消費されている国はなく、また美食という観点からも、日本ほどレストランが高いレベルでしのぎを削る国はありません。そのなかで日本ワインが、国内のみならず海外でも広く知られる日は、もうすぐそこに迫っているように思えます。日本ワインの個性やスタイルといったものが確立されるのは、近い将来のことなのです。

1. 山梨県
2. 長野県
3. 栃木県足利と北海道
4. 山形県
5. 新潟県

 

1. 山梨県
− 日本ワインらしさを期待される甲州種の可能性 −

山梨県は、日本のワイン生産の発祥の地であり、山梨大学と県の産業技術センターに属する“ワインセンター”という研究機関をそなえる、歴史的にも技術的にも日本ワインの中心的な生産地です。メルシャンやサントリー、マンズ、サッポロなど大手メーカーの拠点もありますが、写真の「中央葡萄酒」のような家族経営のワイナリーにも注目が集まっています。

 

日本ワインのオリジナリティという話で、必ず名前が挙がるブドウ品種が「甲州」種です。山梨県勝沼で古くから栽培されてきた甲州種は、DNA研究によって3/4がヴィティス・ヴィニフェラ系であることがわかり、甲州種ワインの成功はすなわち日本固有のワインの成功につながると、これまでさまざまな工夫が重ねられてきた品種なのですが、元来生食用に栽培されてきた甲州種は糖度が上がりづらく、ワイン用のブドウには不適な面もあったのです。ワイン用ブドウは少なくとも20度、ボリュームのある味わいを得るには24度ほどの糖度が必要と言われていますが、甲州は通常だと16~18度ほどの糖度にしか上がりません。そこで中央葡萄酒の三澤茂計氏は、従来の棚仕立てから、海外で主流である枝を縦に這わせる垣根仕立てを採用し、ワイン用ブドウに必要な糖度を持った凝縮した果実を栽培しようと試みます。ところが1992年に初めて採用した際には、樹勢の強い性質から結実すらしなかったといい、挑戦は失敗に終わります。そして現在の醸造長である三澤彩奈氏は垣根仕立てに加え、高畝式というブドウ樹になるべく水分を吸わせない方式を採用、2012年に初めて糖度20度を超え、2013年には25度の果実が生まれるようになりました。

 

この年醸造した「キュベ三澤明野甲州2013」は世界最大のワインコンクールであるデキャンタ・ワールド・ワイン・アワードで、日本ワイン初の金賞を獲得します。当時、日本経済新聞に掲載された金賞獲得の記事を読んだ際、日本ワインの夜明けを感じるような感慨、わがことのようにうれしく思ったことを、昨日のことのように思い起こせます。三澤茂計氏にとっては20年以上、代々続く中央葡萄酒、山梨のワイン、日本ワインにとっては100年に及ぶ挑戦のひとつの結実だったと思えるのです。

 

こと甲州種によるワインは、日本ワインのひとつの方向性を示しました。そしてそれは現在進行形のもので、より深くより明確に日本ワインのオリジナリティを表現していく期待が、甲州種には集まっているのです。

 

中央葡萄酒「グレイス甲州 2019」
オープン価格

2. 長野県
− ワイン特区、信州ワインバレー構想が生んだ新しい日本ワイン −

長野県の日本ワインにおける歴史は古く、塩尻市桔梗が原は明治末期から、甘味果実酒の原料ブドウの大供給地として運営されてきました。五一わいんの創業者である林五一氏が戦後メルローの栽培を始めたことにより、現在に至るまで、海外品種の栽培では山梨県に先んじている産地となっています。

 

元々長野県は、ワイン用ブドウの栽培比率が全国の中でも高く、輸入ブドウに頼らないワイン生産が行われてきました。そして長野県では小規模ワイナリーが開業しやすいよう、従来の1/3の醸造量でも酒造免許が取得できるワイン特区(構造改革特別区)を制定。意欲ある生産者が続々とワイナリーを開業しています。また「信州ワインバレー構想」と銘打って、日本アルプス、桔梗が原、千曲川、天竜川と県内の産地に色付けを行い、長野ワインの個性をより明瞭に打ち出し始めました。

 

サントリーやメルシャンといった大手も拠点を構えていますが、小布施ワイナリーやヴィラデスト、ファンキーシャトーといった小規模なワイナリーは、どこもヨーロッパ品種で成功を収めています。代表的なものには桔梗が原のメルロー、千曲川のシャルドネが産地全体で高品質なワインを産みだし、同時に小規模で植えられているさまざまな品種、そしてコンコードやナイアガラといった生食用ブドウで造られたワインも、長野ワインの多様性を表現しています。

 

写真のワイン、微発砲の“辛口ペティヤン”というスタイルは、ヨーロッパの地ワイン的で価格的にも親しみやすいのではないでしょうか。生産量では山梨には及びませんが、今の日本ワインのさまざまな個性を楽しめる、また将来が楽しみなのが、長野ワインの素晴らしいところです。

 

ドメーヌ・ナカジマ「ペティアン・ナチュール・ロゼ 2020」
1980円(税込)

3. 栃木県足利と北海道
− とあるアメリカ人の、日本ワインへの功績 −

栃木県足利市にあるココ・ファームは、障害者支援施設の一面を持った国内でも珍しいワイナリーで、1958年足利市田島町に、特殊学級の教員だった川田昇氏が3ヘクタールのブドウ畑を開墾したことから始まります。

 

醸造免許を取得し、初めてワインを生産したのは1984年のこと。その5年後に、アメリカでワイナリーのコンサルタントをしていたブルース・ガットラブ氏が来日し、ココ・ファームの醸造指導を行うことになりました。その当時のココ・ファームのワインを飲んだことはないのですが、その他の多くの日本ワインと同様に甘口が主体だったものを、ガットラブ氏が加わり辛口に仕上げられるようになったということです。その頃の日本のワイン消費が食中酒ではなかったことを裏付けるエピソードですが、当初は辛口のワインは顧客に受け入れられず、クレームすらあったといわれています。それをガットラブ氏は変革の手を緩めず、野生酵母の使用や無濾過、亜硫酸に頼らないワイン醸造という、現在では当たり前ともいえる手法を次々に導入し、ココ・ファームのワインを国内でも先進的なものに変えていきました。そして2000年に開催された九州・沖縄サミットの晩餐会では“日本を代表するワイン”として供されるに至ります。

 

現在ガットラブ氏は、ココ・ファームの醸造指導を続けながら北海道岩見沢に10R(とある)ワイナリーを運営し、北海道の栽培農家に醸造の場を提供して、多くの生産者にワイン造りの示唆を与えています。足利という日本ワインの小さな一角から北海道、ひいては日本ワイン全体に変化を与えたブルース・ガットラブ氏は、日本ワインの近代化に大きな影響をもたらしたのです。

 

ココ・ファームでは、毎年秋に“収穫祭”と銘打って収穫を終えたブドウ畑の斜面でつくりたてのワインと料理を楽しむイベントを行っています。1984年のファーストヴィンテージから開催され、県外からも多くの観光客が集まる日本版ワインツーリズムのひとつの成功例となっていますが、残念ながらコロナ禍のなかでは、オンラインイベントに切り替えるなど限定的なものになっています。日本で開催されるワインイベントとしてはワインと自然が結びついていることを感じられる貴重な機会なので、また多くの人が集まれるようになったら再開が心待ちにされているイベントです。

 

ココ・ファーム「こことあるシリーズ・ツヴァイゲルト 2017」
3500円(税込)

4. 山形県
− “果物王国”山形はワインもおいしい 

岩手もドイツ系品種の栽培に成功していますが、東北のワイン生産の中心は、洋ナシやさくらんぼで有名な山形県ではないでしょうか。老舗のタケダワイナリーは大正時代からブドウ栽培を始めていて、東北ワインの歴史と歩みをともにしています。同じく山形の高畠ワイナリーは1990年創業とタケダワイナリーに比較すると歴史は浅いですが、2009年から10年間醸造責任者を勤めた川邉久之氏の活躍は、山形ワインの可能性を引き出すことに成功しました。

 

川邉氏は、カリフォルニアのナパ・ヴァレーで15年にわたりワイン醸造に携わっていたことから、日本人醸造家としては豊富な経験と知識を日本ワインにもたらした方です。以前、ナパ・ヴァレーの恵まれた気象条件と日本のそれとは大きな開きがあるという話を伺ったことがありました。ですがその際に印象的だったのは、世界のワイン産地のなかにも厳しい条件下で優れたワインを産み出す産地もある、という言葉でした。高畠ワイナリーでは、さくらんぼを原料としたフルーツワインやガス注入の廉価なスパークリングワインなど、幅広い層に受け入れられるワインも造りながら、深夜に収穫するナイトハーベストを導入するなど、本格的なヨーロッパワインの消費者層にも受け入れられるワインづくりも模索されていたように私の目には映りました。写真のゾディアックは、土壌造りから始めたという意欲作で、日本では成功例の少ないピノ・ノワールを見事な完成度で仕上げた1本です。

 

現在の日本の市場は、世界の銘醸ワインの消費者層と日本ワインの消費者層があまり重なっていないところが課題だと思うのですが、海外のワインをよく知る川邉氏のようなワイン・パーソンが今後増えていけば、いつか日本ワインはより多くの日本人に親しまれ、世界にも広がっていくように思えます。高畠ワイナリーのピノ・ノワールは、そんな想像をさせてくれる日本ワインでした。

 

高畠ワイナリー「ピノ・ノワール・ゾディアック 2017」
オープン価格

5. 新潟県
− 海と砂のテロワールと訪問客を楽しませるワイン産地 

新潟のワイン生産の歴史は古く、現在日本の赤ワイン用品種の中心を担うマスカット・ベリーAも上越市で産まれました。マスカット・ベリーAをはじめブラック・クイーン、レッド・ミルレンニュームなど数々の優良品種を産み出し、“日本ワインの父”ともいわれる川上善兵衛の創設した岩の原葡萄園は、サントリーの傘下として現在にまで残っています。

 

けれども今、日本ワインの未来を考えた際に注目すべきは、新潟市街地の角田浜、越前浜にある5軒の生産者たちが形成する「新潟ワインコースト」ではないでしょうか。1992年にカーブドッチを創業した掛川史人氏は新潟産ブドウとヨーロッパ品種でのワインづくりにこだわり、2005年に砂質土壌に適した品種としてスペイン、ポルトガル品種のアルバリーニョの可能性を見出して、この地域のオリジナリティを模索し続けています。

 

また掛川氏の主催するワイナリー経営塾の卒業生たちがフェルミエ、ドッメーヌ・ショオ、カンティーナ・ジオセット、ルサンクワイナリーと立て続けにワイナリーを開業し、新潟ワインの新しい一面を表現しています。そして特筆したいのは、レストランやオーベルジュを併設してゲストを楽しませるという、日本では初めてのコンセプトを打ち出したのも、掛川氏だということ。現在では、迎賓館赤坂離宮の正門前にカフェをオープンするなど、多角的に日本ワインを盛り上げています。新潟もまた、日本ワインの新しい潮流を産み出す新しい産地として、変化を続けているのです。

 

カーブドッチ「うみがめ(ソーヴィニヨン・ブラン)2019」
3520円(税込)

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です。

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

日本酒だけど、スパイシーなカレーと合わせたい!「澪」の限定商品「イチゴのような香り」を飲み比べ

宝酒造が手掛ける人気のスパークリング日本酒「澪」(みお)が2021年6月21日で発売10周年を迎え、同時に限定商品も発売されました。

 

記念のイベントには、ブランドアンバサダーを務めるとともに、限定新作のラベルデザインを監修したフィギュアスケーターの浅田真央さんが登壇。その様子と、新作の味わいレビューをお伝えします。

↑左が定番商品で、正式名称は“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒”。右が6月21日から限定発売されている“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒10thAnniversary<イチゴのような香り>”です。ともに300mlで参考小売価格は税込522円

 

浅田真央さんがラベルデザインを監修

「澪」の特徴は、爽やかで心地よい発泡、フルーティな香り、やさしい甘みとほどよい酸味、これらが調和しつつ、アルコール度数5%で気軽に楽しめる点です。その飲みやすさから、日本酒のエントリー層を中心に愛され、累計7000万本の販売数量(300ml換算)を突破する人気ブランドとなっています。

 

発売10周年を迎え、記念の新商品も発売ということですが、さらにもうひとつエポックメイキングなことがありました。「澪」の誕生日である6月21日が、一般社団法人日本記念日協会より「スパークリング清酒の日」に登録認定されたのです。

↑「スパークリング清酒の日」の「記念日登録証」を披露する浅田さん

 

浅田さんはトークショーのなかで、自身が監修した“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒10thAnniversary<イチゴのような香り>”のラベルデザインについて、「最初はデザインなんて大丈夫かな? と思ったのですが、『澪』のスパークリングの華やかさをイメージして描いてみました。家でもよく絵を描いたり塗り絵をしたりするので、とても楽しかったです」と振り返りました。

↑華やかさが際立つ“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒10thAnniversary<イチゴのような香り>”のラベル

 

この日は七夕が近いこともあり、浴衣姿で登場した浅田さん。イベントでは短冊に願い事をしたためました。書いた内容は「過去の自分を超えることができますように」。

 

浅田さんはその思いを、「3年間続けてきたアイスショーが無事に終わって、自分の気持ちもまたゼロからのスタートだと思っています。そんな過去の自分を超えていけるように、これから前に進んでいきたいですね」と明るく語ってくれました。

↑アスリートらしい向上心を短冊にしたためた浅田さん

 

いつもの「澪」と「イチゴのような香り」を飲み比べ

せっかくなので、この機会に筆者は通常の「澪」と期間限定の「イチゴのような香り」を購入して飲み比べてみました。まずは「澪」から試してみると、マスカットやライチなどの爽やかな果実を思わせるフルーティな香味が印象的。口に含むと、やわらかな甘みと発泡によるキリっとして爽やかな余韻が、口のなかで心地よく広がります。

↑フルーティな香味が特徴の「澪」。香りをキャッチしつつ泡の繊細な刺激を楽しむなら、グラスは細めのシャンパングラスがオススメです

 

「イチゴのような香り」は、確かにレッドベリー系の甘酸っぱいアロマが広がりますが、熟した重さではなく上品で繊細なイメージ。軽やかですっきりとした「澪」らしい飲み心地がしっかりあって、食前酒や食後酒としてはもちろん、食中酒としても合うと思います。

↑上品で繊細なイメージの味わい。アルコール度数は定番の「澪」と同じ5%です

 

ちなみに、イベントでは浅田真央さんが「自家製スパイシーカレーを作って『澪』と合わせたところ、驚くほどマッチした」と語っていました。「カレーにはラッシーが合う」といいますが、ラッシーも甘さと酸味をもった発酵ドリンク。同様に、「澪」の甘みや酸味がカレーのスパイスと調和し、後口をすっきりさせてくれたのでしょう。みなさんもぜひ、2つの「澪」の飲み比べを楽しみつつ、夏の定番料理であるカレーと合わせてみてはいかがでしょうか。

「黒ラベル×ヱビス」から生まれた新ジャンル「ゴールドスター」徹底試飲レビュー!

「黒ラベル」と「ヱビス」は言わずと知れたロングセラーのビールですが、両レジェンドのDNAをもつ、いま注目の新ジャンルビールテイストが「サッポロ GOLD STAR(ゴールドスター)」です。本記事では「ゴールドスター」の特徴解説に加え「黒ラベル」「ヱビス」との飲み比べも行い、味わいの魅力にも迫ります。

 

↑左から、ビールの「サッポロ生ビール黒ラベル」(207円)、新ジャンルの「サッポロ GOLD STAR」(141円)、プレミアムビールの「ヱビスビール」(227円/各、編集部調べの参考価格/税込)

 

デザインにも名作のDNAが受け継がれている

まずは「ゴールドスター」のなかに眠る、名作ビールの各DNAを解説します。黒ラベルの要素は「旨さ長持ち麦芽」。これはその名の通りで香味耐久性が高く、泡もちをアップさせる麦芽のことです。

 

「ゴールドスター」は、この「旨さ長持ち麦芽」を一部に採用。これにより、何杯飲んでも飲み飽きない「黒ラベル」らしさを感じられる新ジャンルになっているのです。また、DNAを継いでいることについてはデザイン面でも表現。

 

↑缶を並べると、デザインの要素がよくわかるはず。サッポロビールのシンボルでもある、あのマークです

 

それは「黒ラベル」のアイコンである大きな星。さらによく見ると「ゴールドスター」の星はグラデーションがかかっていて、上部は「黒ラベル」と同一の濃い金色。そして下部は「ヱビス」のエレガントな金色となっているのです。ということで、次は「ヱビス」と並べてみましょう。

 

↑「ゴールドスター」の星の下部は、「ヱビス」の缶と同一色になっています。しかも、さらによく見ると…

 

また、「ヱビス」と「ゴールドスター」がデザインで共通している点はもうひとつ。それはロゴです。「ヱビス」の「YEBISU」に採用されている、陰影がついたクラシカルな字体。このデザインモチーフが、「ゴールドスター」の「SAPPORO」にも受け継がれているのです。

 

なお「ゴールドスター」のなかに眠る「ヱビス」の味的な要素はホップにあり。「ヱビス」の魂「ドイツ産アロマホップ」を一部に採用することで、「ゴールドスター」は華やかな香りを実現しているのです。

 

↑「ゴールドスター」の裏ラベルには、DNAのことが書いてあります。しかも、昨年末にはリニューアルして麦芽とホップをともに増量。よりウマさに磨きがかかりました

 

「旨さ長持ち麦芽」に「ドイツ産アロマホップ」。これら贅沢な原料を一部に使用した「ゴールドスター」ですが、実はそれだけではありません。製法にも特別な技術が用いられています。それが「ダブルデコクション」という煮沸工程。仕込み槽(そう)から麦汁の一部を取り出し、仕込み釜で煮沸し戻す。この工程を2回重ねることで飲みごたえや飲み飽きない後味を引き出しているのです。

 

正統派のウマさを突き詰めた力強さと香り高さ

ここからは、それぞれを飲み比べながら「ゴールドスター」の味の魅力を探っていきます。まずは「黒ラベル」と飲み比べ。「黒ラベル」は麦芽のしっかりした旨みが豊かで、それでいてキレやのど越しがよく、まさに飽きないおいしさ。

 

↑つっかかりがなくスムース。吸い込むかのようにゴクゴク飲めてしまう、非常に好バランスで、おいしいビールのお手本といえる味わいです

 

そして「ゴールドスター」を。ビールと新ジャンルでは原材料の配合などが違うので、コクや贅沢感では「黒ラベル」に軍配が上がります。しかし、かといって「ゴールドスター」に軽さはまったく感じません。十分な飲みごたえがあり、爽快感もしっかり。バランスがよく、飲み飽きないおいしさに、「黒ラベル」のDNAをしっかり感じました。

 

↑泡もちもよく、ビールに負けないクリーミーなタッチ

 

次は「ヱビス」をゴクッと。さすがのボリューミーな旨みと上品な苦み、そして優雅な香りが口いっぱいに広がります。この、わかりやすいリッチなテイストはまさに「ヱビス」ならではのキャラクターといえるでしょう。

 

↑“口福”ということばがよく似合う、思わず笑みがこぼれるおいしさ。結婚披露宴をはじめ、祝祭の場でも何度お世話になったことか

 

では「ゴールドスター」はどうでしょうか。こうして比み飲んでみると、余韻に残る上品な苦みと香りは確かに「ヱビス」の肖像。どうしても新ジャンルなぶん「ヱビス」ほどのリッチな贅沢感はありませんが、「ゴールドスター」は力強さがしっかりあって、デイリーで飲むなら十分なクオリティの高さです。

 

↑どちらも金メダル級のおいしさ!

 

今回3本を飲み比べて改めて感じたのは、「黒ラベル」と「ヱビス」が良質な味の特徴をもちつつ、高いレベルで調和したおいしさになっていること。そして「ゴールドスター」は、ビールテイストの正統派なおいしさをとことん突き詰めたような力強さと香り高さをもっていること。まさに存在も味わいも稀有な新ジャンル、夏本番を迎えたいま、ぜひ飲んでみてください。

 

 

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夏のレサワは「濃いめのレモンサワー」で決まりだと思ったワケ

レモンサワーのブームとともに、缶チューハイ市場でも多くのレモンフレーバーが新発売されています。今回紹介するのは、そのなかでも濃い美味しさに特徴をもつ人気商品「サッポロ 濃いめのレモンサワー」。

 

↑「サッポロ 濃いめのレモンサワー」。参考小売価格は350mlで141円、500mlで191円です(ともに税抜)

 

好評ぶりはすさまじく、年間販売計画を今年3月発売時の280万ケースより100万ケース増やし、380万ケースに上方修正したほど。本稿では特徴である「濃い美味しさ」を中心に、味わいや魅力を深掘りしていきます。

 

味が濃いから氷をたっぷり入れても薄さを感じず美味しい

「サッポロ 濃いめのレモンサワー」のキーとなっているのが酸っぱさです。本商品ではシチリア産手摘みレモン果汁とレモン漬け込み酒を使用し、爽やかな香りと鮮烈な酸味を強化。それでいて後味がすっきりする設計となっており、濃さはあるけど重くなくて飲みやすい、食事に合うという独自のポジションを獲得しています。

 

↑シチリア産手摘みレモン果汁には、レモン果皮由来の成分も含まれています

 

この、濃さと酸っぱさを両立しながら飲みやすさも実現するというのはなかなか難しい技術なはず。それを実現しているのが造り手のノウハウです。製造元のサッポロビールは、ポッカサッポロフード&ビバレッジと同グループであり、長年のレモン研究が様々な商品に活かされています。例えば、酸っぱさで大人気の「キレートレモン」をお酒にした「キレートレモンサワー」もサッポロビールから発売されており、つまりレモン商品は大得意。

 

筆者は今夏、いっそう「サッポロ 濃いめのレモンサワー」が求められると思います。その理由もやはり、味が濃いから。夏は暑いので、缶チューハイは氷をたくさん入れたグラスで飲む人が多いでしょう。ただし氷がとけるのも早いので、味は薄まりがち。その弱点もなんのその、というのが「サッポロ 濃いめのレモンサワー」なのです。

 

↑ぎっしりと氷を入れても、味が濃いので飲みごたえは十分

 

↑圧倒的な濃さで、氷がとけても味がぜんぜんへこたれません

 

食事とともにゆっくり楽しむシーンには、濃い美味しさが大活躍。晩酌のお供や、語らいながら楽しむアウトドア飲みなどにもぴったりです。

レモンのジューシーで鮮烈な酸味がこってり料理とマッチ

ペアリングのオススメとしては、特に濃厚な料理によく合います。なぜなら、ガツンとした味に負けない爽快感や酸っぱさを「サッポロ 濃いめのレモンサワー」がもっているから。そこで、公式サイトで紹介されている2品を参考に作って合わせてみました。

 

↑チキン南蛮。甘酢ダレの唐揚げにタルタルソースが効いた、パンチのある味わいです

 

↑焼き枝豆のピリ辛ダレ漬け。焼いた枝豆に、甘辛酸っぱいタレをかけたスタミナ満点の一皿です

 

夏バテにも効きそうな、こってり系のおつまみ。「サッポロ 濃いめのレモンサワー」を合わせてみると、ジューシーなレモンの果実味と鮮烈な酸味が、料理の濃い味と油をしっかり受け止めます。そして7%の強めのアルコールと、炭酸と余韻の爽快感ですっきりリセット。また次のひと口を美味しくさせてくれます。

 

↑甘酢の酸味とはしっかり調和。唐揚げやタルタルソースのオイリー感はサラッと流します

 

↑ニンニクのパンチは、ボディ感のあるレモンサワーの味がキャッチ。ピリ辛の刺激も、シュワッとした炭酸とレモンの酸っぱさで中和してくれます

 

ほかにも、肉をたっぷり使ったスパイスカレー、チーズたっぷりのピザ、ガーリックバターで味わうステーキなど、濃厚な料理には酸っぱくて爽快な「サッポロ 濃いめのレモンサワー」がオススメです。

 

また、「飲もうと思っていたけどうっかり冷やし忘れた」というシーンでも重宝します。箱買いしたけど冷蔵庫に入れ忘れた、配達サービスに頼んだら常温で届いた、アウトドアやBBQに持っていったら冷えが弱かった、などなど。こういった状況から、急いで氷を大量に使って冷やした場合でも、薄まらずに美味しく飲めるのが「サッポロ 濃いめのレモンサワー」。

 

↑パントリーから冷蔵庫に移し忘れても問題なし。常温から氷入りのグラスに注いで冷やしても美味しいのが「サッポロ 濃いめのレモンサワー」です

 

氷でキンキンに冷やして飲みたい夏、パンチのある料理でスタミナをつけたい夏。そんな季節に選ぶのなら「サッポロ 濃いめのレモンサワー」で決まり。暑気払いに、ぜひお試しあれ!

 

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もはやお店!アサヒビールのサブスクサーバー「THE DRAFTERS」で家飲みに革命が起きちゃった!

売れすぎ品薄で話題となった「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」、アルコール0.5%の“微アル”で注目を集める「アサヒビアリー」など、攻めに攻めているのが今年のアサヒビール。もう一つトガッた新プロダクトを挙げるとすれば、家庭用生ビールサービス「THE DRAFTERS(ドラフターズ)」でしょう。

↑「THE DRAFTERS(ドラフターズ)」。事前のメディア向け発表会では多くの質問が飛び交うなど大盛況

 

果たして、「THE DRAFTERS(ドラフターズ)」の設置は簡単なのか? 簡単においしく注げるのか? などの疑問点を中心に、金額やサービス内容も踏まえてレポートしていきます。

 

毎月約8000円で4Lの樽生ビールが楽しめる

概要から解説すると、「ドラフターズ」とはアサヒビールが開発した「本格泡リッチサーバー」を会員に貸し出し、「アサヒスーパードライ」のミニ樽2L缶を毎月2回定期配送するサービス。つまりは生ビールのサブスクリプションサービスです。

↑申し込みは、公式サイトのプレ会員登録から

 

利用料金は月額税込7980円で、内訳は基本料金2990円(サーバーレンタル料込)+ビール料金4990円。ビールは鮮度を優先して月2回に1本ずつ、サーブするためのミニガスもミニ樽1本につき1本が付いてきて、配送料が含まれた金額になります。ビールの追加は可能で、その場合はミニ樽2Lが1本につき税込1980円とお得な料金に。いざ届いてみると、それはそれは豪華な内容でした。

 

2Lのミニ樽は、おなじみのデザインを踏襲した大きいサイズのボトル缶。上部にはスクリューキャップが付いていて、ここから器具を経由してサーバー本体とつなぎます。また、ミニガスは手のひらサイズで、こちらも本体の器具に取り付けます。

↑ミニ樽(左)とミニガス(右)。ミニガスはその右の白い箱に入っていました

 

「本格泡リッチサーバー」は裏側に電源があり、コードはノートPCのようにアダプターを経由してコンセントに差し込みます。また、ビールを注ぐためのパーツは「ドラフトタップ」「中栓」「ビアチューブ」と数種にわかれ、洗浄しやすいのもポイントです。

↑各種パーツや洗浄用のブラシ。「ドラフトタップ」(左下)にはカバーが付いているほか、受け皿(中央右)もあり、誤動作や液だれへの配慮も十分

 

組み立ては説明書に沿えば簡単で、ガスを送り込む「減圧弁ユニット」にミニガスをセットし、「中栓」に「ドラフトタップ」と「ビアチューブ」を取り付けます。その後、冷やしたミニ樽のスクリューキャップを開けて「中栓」のリングとジョイントします。

↑左上が「中栓」と「ドラフトタップ」、右上が「減圧弁ユニット」にミニガスをセットするところ。左下が「中栓」に「ビアチューブ」を取り付けるところで、右下がミニ樽と「中栓」をジョイントするところ

 

なお、「ドラフトタップ」は分解して洗浄が可能。「ビアチューブ」は6カ月が使用期限の目安で注文すれば送ってもらえるなど、衛生面も万全です。

↑ミニ樽が斜めに入る形で「本格泡リッチサーバー」本体にセットします

 

ここまで行けばセッティングは最終段階。ミニガスが入った「減圧弁ユニット」から延びているガスホース継手を「中栓」のガス供給口にはめれば、お待ちかねの一杯は、もうすぐそこ。

↑ガスホース継手を「中栓」のガス供給口へ。カチッとはまれば完了です

 

 

店でしかなかなか体験できなかった“天使の輪”に大感動!

ちなみに、ミニ樽は事前に冷蔵庫で12時間以上冷やしておくとスムーズに飲めます。ぬるいままだとおいしさが低減するうえ、泡だらけになってしまいます。「本格泡リッチサーバー」は本体のスイッチを入れることで冷却機能が働き、常時キンキンに冷えた生ビールが飲めるように。

↑この電源ボタンを押してスイッチオン。青く光るデザインがクール

 

モードについては後述しますが、ミニ樽セッティング後は「スタンダード・コールドモード」の場合1~2時間冷やしておくのがベター。そして、いよいよビールをサーブ。レバーを手前に引くとビールが、奥側に押すと泡が出ます。使い心地は飲み放題のビアガーデンにあるようなサーバーとほとんど同じで、特に難しさを感じません。

↑うまく注ぐコツは、グラスを45度傾けて、グラスの内側にノズルを密着させること

 

↑泡はきわめてシルキー。※撮影用にグラスから離しています

 

半分ほど注いだら徐々にグラスを起こし、最後に“付け泡”で調整。初めてでも簡単に注げました。しかも手前味噌ながら、完成度は驚くほどハイクオリティ。

↑「ウマいに決まっている!」ビジュアルで、実際飲んでみると至福のおいしさ。中身は350ml缶などの普通の「アサヒスーパードライ」と一緒ですが、サーバーから注ぐとやはり格別

 

前記の電源ボタンのところでチラッと写りましたが、「本格泡リッチサーバー」は温度帯の違う2つのモードがある点も魅力。一つは「スタンダード・コールドモード」で、一般的なビールの飲みごろである約4℃で抽出します。もう一つは「エクストラコールド・モード」。こちらは“氷点下のスーパードライ”でおなじみの、飲食店などで楽しめる「アサヒスーパードライ エクストラコールド」同様、-2~0℃で抽出するモードです。

↑電源ボタンを軽く押すとモードが切り替わります(オン/オフの際は長押し)

 

「エクストラコールド・モード」は切り替えてから3~4時間で氷点下の世界へ。キンキンが大好きな人は常にこのモードでもいいでしょう。ということで、エクストラコールドのグラスを用意して注いでみました。

↑注ぎ方は慣れればあっという間。こちらも感動的な仕上がりです

 

当然ながらこちらも激ウマ。しっかり温度コントロールされた氷点下のビールはお店でしか飲めないので、この体験だけでも貴重な価値があると言えるでしょう。また、意外に知られていないかもしれませんが、「アサヒスーパードライ」は辛口のウマさやシャープなキレだけではなく、クリーミーな泡もおいしさが特徴。缶ビールをそのまま飲むのではなかなか分かりづらい泡の魅力が、「本格泡リッチサーバー」なら存分に体感できるのです。

↑飲み終えた後は、なんと“おいしいビールの証”として知られる泡の「エンジェルリング」が!

 

時代は便利になったもので、昨今大人気のポータブル電源を使えばテラスやキャンプなど屋外でも激ウマの生ビールが楽しめます。また、聞いたところによると「ドラフターズ」の会員には特典があるようで、多くの驚きやおいしさがあるはず。日本一売れているビールが「アサヒスーパードライ」なので、常に箱買いしている人も多いでしょう。あなたも、「ドラフターズ」で、ワンランク上の家飲みライフを始めてみてはいかがでしょうか。

 

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日本で一番ラムに詳しい男に聞いた!「バカルディ クアトロ」で体感できる「エイジドラム」の奥深い話と楽しみ方

世界ナンバーワン(※)のラム酒ブランド「バカルディ」から新発売された「バカルディ クアトロ」が、注目を集めています。理由のひとつが、熟成させた“エイジドラム”を手軽に楽しめるということ。この機会に、そもそもラムという酒の魅力や間違いない飲み方、新作「バカルディ クアトロ」を堪能する方法までを、日本でもっともラムを知り尽くした人物、日本ラム協会の海老沢 忍会長に教えていただきました。「バカルディ クアトロ」の味わいとともにレポートします。

(※) 2020年1~12月販売数量:IWSR社調べ

バカルディ クアトロ

アメリカンオーク樽で4年以上熟成させたバカルディの原酒のみをブレンド。その後、再度オーク樽に詰め直し数か月間寝かせる“ダブルエイジング”を行ってからボトリングしており、豊かなフレーバーとまろやかさが際立つ味が魅力。

 

ラムの魅力は、甘やかな香りとバラエティの豊富さにある!

筆者が訪れたのは、海老沢さんが吉祥寺で営むバー「SCREW DRIVER」。さっそく質問してみましょう。まずは基本的な部分から。

 

あらためて、ラムの定義ってなんですか?

 

「ラムとは、サトウキビでつくられた蒸溜酒のこと。それ以外に定義がない、むしろ自由度の高いお酒といえるでしょう。ちなみに、サトウキビは黒糖のことでもありますから、『黒糖焼酎』も実は世界的に見ればラムなんです。では何をもって黒糖焼酎とするかというと“麹(こうじ)の有無”で、日本では麹を使うと黒糖焼酎、使わなければラムに分類されます。サトウキビ産業を守るために、黒糖焼酎のほうが課税は低くなっています」(海老沢さん)

 

↑日本ラム協会の海老沢 忍会長。吉祥寺「SCREW DRIVER」のオーナー・バーテンダーであり、同店だけでも約600種のラムが並んでいます。活動は洋酒業界だけでなく、野外フェスや、アウトドアブランドとのコラボレーションなど、さまざまな交流を通じてラムの認知拡大につとめています

 

日本では、黒糖焼酎の蔵元がつくり方を変えてラムをリリースしたり、一方でラム専門の蒸溜所があったりと、少しずつ国産ラムも増えているのだそう。では、生産国による味の違いは、どんなところにあるのでしょうか?

 

「ラムはカリブ海の島々が発祥といわれ、大航海時代にヨーロッパの各国が植民地化した際に発展したお酒。酒づくりにおいては母国の蒸溜技術が踏襲され、いくつかのスタイルに分かれました。イギリスの植民地では、ウイスキーのようなラム。フランス領ではブランデーのような製法。そしてスペインでは、スペインブランデーやシェリー酒の製造手法が用いられました。『バカルディ』はこのスペイン系で、まろやかな味わいやスムースな酒質、バランスのよさなどが特徴です」(海老沢さん)

 

↑ラムの製法は、サトウキビから砂糖を取り除いた糖蜜を蒸溜する方法が、全体の9割を占めます。ほかに、サトウキビの搾り汁からつくる製法、搾り汁を加熱してシロップ化したものを原料とする製法も

 

そのなかで、日本産ラムは焼酎づくりのノウハウが生かされていることや、国産黒糖や日本の軟水を使うことによる、ピュアで繊細なニュアンスが特徴のひとつ。そのうえで海老沢さんにラム特有の魅力をたずねると、ひとつは“甘やかな香り”にあると言います。

 

「ラムと聞くと、パウンドケーキやラムレーズンなど、スイーツを思い出す人も多いのではないでしょうか? ラム特有のフレーバーは、スイーツにとても合いますし、味わいに奥行きを与えてくれます。また、夏になると日本でもトロピカルカクテルやTIKIカクテルなどが注目されますが、年中暑い南国のビーチでは一年中、これらのカクテルが現地の人や観光客の人々に親しまれているんです。カクテルに使用される地のフルーツとラムは相性抜群ですね」(海老沢さん)

 

そしてもうひとつのラムの魅力は、風味や熟成度合いの色などによってカテゴリーが細分化されること。

 

「色がクリアなホワイトラム、樽熟成による薄い褐色のゴールドラム、さらに長期間寝かせることで風味やボディが強く濃い褐色のダークラムがあります。また、そのほかに果実やスパイスなどを調合したスパイスドラムやフレーバーラムといったタイプもあり、バラエティに富んでいることも、ラムの魅力ですね」(海老沢さん)

↑ラムの主要な生産国で元スペイン領のキューバ現地での楽しみ方を紹介。首都のハバナでは、紙パック式のラム(左)が一般的。右は、フルーツなどを漬け込んだ「ラムパンチ」といわれるもので、「SCREW DRIVER」でも提供。これを製品化したのがラムリキュールです

 

今トレンディなラムは「エイジドラム」

海老沢さんにラムの最新トレンドを聞くと、熟成されたエイジドラムだと言います。色でいえばゴールドラムやダークラム。その背景には世界的なシングルモルトウイスキーブームがあり、シングルモルトの希少価値が高まるなかで、洋酒ファンが注目し始めているのがエイジドラムなのだとか。

 

「エイジドラムは、ラムらしい甘やかなフレーバーに、樽で熟成されたふくよかな香りが加わります。この豊かな味わいはウイスキーにも匹敵し、一方でシングルモルトのように高騰していないので価格は高くありません。また、シングルモルトが産地の個性を楽しむように、ラムもテロワールの違いを楽しめるお酒です。こういった理由で、エイジドラムが世界中で人気になっているんですよ」(海老沢さん)

 

人はなぜ、熟成の魅力に惹かれるのでしょうか? 海老沢さんは「大自然がもっているふところの広さ、リラックスさせてくれる心地よさが、熟成のフレーバーに隠れているのだと思います」と言います。

 

「木のエッセンスや香り。例えば、温泉に入るとヒノキの香りに癒されますよね。はたまた、森林浴で体感できる緑の香り、キャンプでくべる薪や炭の香り。樽は木でできていて、多くは内側を焦がしてますから、熟成が深くなるとスモーキーフレーバーが増し、野性味や自然のニュアンスをラムがまとうんです。これが熟成の魅力だと思いますね」(海老沢さん)

 

ラムは自由に飲んでいい! プロに学ぶエイジドラムの飲み方3種

数あるラムのなかで、世界に名をとどろかせるのが「バカルディ」。ここからは、同ブランドの特徴とオススメの飲み方を紹介しましょう。「バカルディ」の代名詞といえば、ホワイトラムの「バカルディ スペリオール」。さまざまなカクテルのベースとして、世界中のバーテンダーから絶大な信頼を得ている一本です。

 

「『バカルディ スペリオール』は、とにかく甘味と酸味のバランスが絶妙。ラム特有の魅力をもちながら、カクテルの邪魔をせずにおいしさの底上げをしてくれることが、世界中のバーテンダーから愛される理由です。事実、どんなフルーツカクテルを作っても、最良のパートナーになってくれますね」(海老沢さん)

 

一方、ホワイト以外の「バカルディ」に関しては、豊かな香りを楽しむために、まずはストレートで。グラスに注いで空気に触れさせ、舌の上で転がしながら香りの広がりを感じるのがオススメとか。その次は、オンザロックやソーダで割るハイボールなど、ウイスキーのように楽しむといいそう。

↑エイジドラムの新作「バカルディ クアトロ」を楽しむ海老沢さん。ロックグラスを用意し、まずはストレートで色と香りを楽しむのがオススメとか

 

ではこの飲み方、今回の「バカルディ クアトロ」も同様でしょうか?

 

「はい。特に『バカルディ クアトロ』は、冷たいハイボールに適したエイジドラムだといえるでしょう。というのも、4年という熟成年月が、軽すぎず重すぎないボディ感なんです。もっと熟成させた『バカルディ』もあるのですが、こちらは風味の個性が強いため、ストレートやロックがオススメで、割るのはもったいないかなと。その点『バカルディ クアトロ』はちょうどいいフレーバーで、ハイボールにしても食事とよく合います」(海老沢さん)

 

1. まずは“オンザロック”で味と香りを楽しんで

これはなんとも絶妙なおいしさです。バニラやキャラメルを思わせる甘い香りがあり、口当たりはまろやか。味わいはどっしりしていていながらも、氷で冷たくキリッとしてサラッと流れていく抜け感も。余韻で残るロースト感もたまりません。この香ばしいニュアンスが樽熟成によるものでしょう。つっかかりがなくスムースで、ボリュームのある香りは飲みごたえも十分。こうしてちびちび楽しむ夜も最高だと思います。

 

↑冷やしたグラスに大きな氷を入れ、ラムを氷にかけるように注いでステア(バースプーンやマドラーなどでかき混ぜる)。混ぜたぶんだけ加水されて香りも開きますが、やりすぎると味が薄まるため、お好みで調整を

 

2. イチオシは夏にぴったりの“ハイボール”!

ラム特有の甘やかさと、そのフレーバーに寄り添う樽熟成のふくよかな趣き。ソーダの爽快さと原酒の力強さが調和した、飲みごたえの十分なラムハイボールです。

 

↑キンキンに冷やしたグラスに大きめの氷を2~3個入れ、「バカルディ クアトロ」と炭酸水を1:3の割合で注ぎます。コツはガスが抜けないように、ソーダはグラスのふちに沿ってやさしく注ぐこと。レモンやライムはなくてもOK

 

3. “モヒート”でも!

ラムの甘みにシロップの甘さが調和し、ミントのグリーンなアロマ、ライムのフレッシュな酸味がひとつに。ソーダの爽快感がシュワっと弾けて脳内までキリッと。そしてたっぷり入ったクラッシュドアイスの冷たさも相まって、全身が清涼感で満たされます。

 

↑ミントをパンと叩いて香りを開かせ、冷やしたグラスへ。液体の分量は、ラム45ml、ライムジュース15ml、シロップ15ml。ここで30mlだけソーダを入れて15回ほどペストル(専用の混ぜ棒。すりこぎ棒やスプーンでも代用可)でミックス。クラッシュドアイスを充填し、仕上げに再度ソーダを90ml程度注いで完成です

 

「クアトロ」と「スペリオール」をモヒートで飲み比べたら……

「バカルディ クアトロ」のモヒートは、クールで甘酸っぱいタッチに熟成ラムの深みがプラス。スカッと広がる爽快感にリッチなニュアンスが加わり、少々大人な仕上がりです。「バカルディ スペリオール」は昼の炎天下で、「バカルディ クアトロ」は陽が落ちたあとのチルタイムによく合いそうと思いました。

 

万能性が高く、陽気でワイルド。今夏の家飲みやアウドドアに!

最後に、「バカルディ クアトロ」にオススメのペアリングを聞くと、食事ならジューシーな肉がいいと言います。それは、ラムが油分をリセットさせてくれるからだとか。スイーツは全般に合いますが、オススメは甘香ばしくて、ちびちび楽しめる麦チョコ。また、意外なところで和菓子にも合うそうです。なかでも最近発見したのが、水羊羹との相性のよさ! 「バカルディ クアトロ」の適度な熟成感と、重すぎないサラッとしたタッチが、水羊羹のように清涼感のある和菓子とベストマッチなのだとか。

 

甘やかな香りと味をもち、熟成感もあるので飲みごたえも十分。それでいて重すぎず、価格も値ごろな「バカルディ クアトロ」。炭酸で割るハイボールやモヒートにも最適で、きわめて万能なスピリッツだと実感しました。陽気でワイルドな要素もあり、この夏の家飲みやアウトドア飲みにもオススメな存在感。ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

 

「バカルディ クアトロ」の購入はこちらへ
https://www.amazon.co.jp/dp/B07G4NFPMM

 

【店舗情報】

SCREW DRIVER

1997年にオープンした、吉祥寺駅から徒歩5分の場所にあるラム専門のバー。キューバ革命以前の「バカルディ」など、開栓がためらわれる希少ボトルも多数。現代のラムにつながるストーリーを紐解きながら、至福の一杯を楽しめます。

・所在地:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-15 東永ビル 4F
・営業時間:17:00~翌1:00
・定休日:なし
https://screw-driver.com/

※緊急事態宣言下の営業については、ホームページを確認してください。

 

写真/湯浅立志(Y2)

サントリーから糖質抑えた「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ」が登場

 

サントリーワインインターナショナルは、「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ」を、8月24日に発売すると発表しました。

 

サントリーワインインターナショナルによると、「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」などの酸化防止剤無添加ブランドは、国内で流通しているすべてのワインの中で、売上容量No.1とのこと。人々の食の安全・安心への関心が高まる中、日常的に楽しめるワインとして幅広く飲まれているとしています。

 

今回、人々の健康意識のさらなる高まりを踏まえ、おいしいうえに糖質を抑えられる、酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフを発売したといいます。

 

中味は、複数の原酒をブレンドし、糖質30%オフでもワインの厚みと複雑味のある味わいを実現。また、アルコール度数を10%にすることで、飲みごたえのある味に仕上げたとしています。一方で、パッケージには糖質30%オフの文字を大きく配し、特徴をわかりやすく訴求したといいます。

 

ラインアップは、赤ワインと白ワインを用意。赤ワインはミディアムボディで、容量は720mlと1.8Lをそろえます。白ワインは辛口で、容量は同じく720mlと1.8Lです。

ノンアルバーも出現! 進化する「ノンアルコール」「低アルコール」のお酒と楽しみ方

「ノンアルコール」や、アルコール度数の低い「ローアルコール(低アルコール)」のお酒が昨今、注目を集めています。もともと健康志向の高まりや多様化の流れのなかで、ビールを中心にワインや日本酒などでもノンアルコールの商品はありましたが、2021年はより勢いづいている様子。

 

たとえば、アサヒビールが“スマートドリンキング”の提唱とともに今春発売した、アルコール度数がたった0.5%の「アサヒ ビアリー」が話題に。また、ノンアルコール仕様のスピリッツ(蒸溜酒)をはじめ、国内外からさまざまなブランドが、日本の市場に進出しています。

 

↑日本初のノンアルコールジン「ノンアルコールジン・ネマ 0.00% スタンダード」(左=税込3200円。以下同)と、ロンドン発のノンアルコールブランド「/shrb」の「シュラブ オレンジ&ジンジャー」(右=594円)

 

このトレンドの背景とは? 商品のバリエーションはどこまで広がっている? さらに、“ノンアル”“ローアル”をどのように楽しんだらいい? 専門家へのインタビューとともに解説していきましょう。

 

“まるでお酒な飲み応え”に進化! ノンアル市場はますます拡大

ノンアルコールドリンクの新商品でヒットしている代表格といえば、サントリーの「のんある晩酌 レモンサワー ノンアルコール」。2021年3月の発売から約2か月で、1000万本の出荷数を突破(250ml換算)しており、ノンアルコール飲料としては異例の売れ行きとなっています。

↑「のんある晩酌 レモンサワー ノンアルコール」131円。レモンの香気成分をノンアルコール飲料に封じ込め、焼酎由来の旨味をノンアルコールのエキスとして凝縮させる製法により、リアルなレモンサワーの味を再現しています

 

また前述の「アサヒ ビアリー」も好調で、6月29日からは首都圏・関信越の1都9県で第2弾となる「アサヒ ビアリー 香るクラフト」を新発売。第1弾と同じくアルコール度数は0.5%で、フルーティな香りとコクを感じられる味が特徴です。なお、日本の酒税法では「アルコール度数1%以上」がお酒の定義となるため、0.5%の場合はソフトドリンク扱いに。缶のラベル表記も「炭酸飲料」となります。

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」195円。醸造したビールからアルコールを除去する独自の技術により、ビール特有の飲み応えを感じられるのが同ブランド最大の特徴です

 

このようなコンビニやスーパー向けの小売り商品がヒットする一方、バーでは「モクテル」と呼ばれるノンアルコールカテゴリーが数年前から注目の的に。これは“擬似”を意味する「モック」と「カクテル」を組み合わせた造語で、お酒が苦手な人を中心に親しまれてきました。ただ最近は、お酒が苦手でなくても、あえてモクテルを好んで飲む人も珍しくなくなってきているのです。

 

日本で“ノンアル”が支持されはじめている理由

では、なぜ最近になって、ノンアルコールやローアルコールのお酒が注目されはじめたのでしょうか? 歴史やトレンドに詳しい、日本初のモクテル専門店「Low-Non-Bar」(ローノンバー)の店長、高橋弘晃さんに教えていただきました。

↑東京・日本橋にある「Low-Non-Bar」のバーテンダー兼店長の高橋弘晃さん

 

日本におけるロー/ノンアルコール人気の先には、欧米で生まれたカルチャーが関係していると、高橋さんは言います。それは、「ソバーキュリアス」というスタイル。これは直訳するとソバーが「シラフ」、キュリアスが「〜したがる」というニュアンスをもっており、「積極的にシラフになりたい」といった意味を表します。

 

「欧米人は日本人よりアルコールに強い体質ですが、体に残る人はいて、依存症やアルコールの過剰摂取がひとつの社会問題になっています。そこで生まれたのが、自らの意思で適量を調整し生活を豊かにしようという『ソバーキュリアス』の考え方。モクテルは1920年代のアメリカの禁酒法時代に誕生したといわれています。当時はクラシカルだったレシピも、近年はより洗練され、ハイクオリティな味わいになっています」(「Low-Non-Bar」バーテンダー兼店長・高橋弘晃さん、以下同)

↑欧米ではノンアルコールドリンクもどんどん先進的に。写真は世界一のレストランとして名高い「ノーマ」のDNAを受け継ぐ「NON」(すべて3456円)

 

海外のさまざまなフードが日本で広まるのと同じように、またグローバル化や多様化の流れの中で、少しずつ日本でも「ソバーキュリアス」が浸透。さらに日本の場合は、働き方改革が大きく影響していると高橋さんは言います。

 

「アルコールの好き嫌いにかかわらず、身体的に合わない人が日本には多く、半数近いとも言われています。しかしながら日本には昔ながらの『飲みニケーション』があり、仕事などの付き合い上でお酒を飲まなければならない場面が少なからずありました。ただ、こうした文化が徐々に“パワハラ”もしくは“アルハラ”とも表現されるような文脈でとらえられるようになり、働き方改革とともに薄まりつつあります」

 

たとえば今、アサヒビールが掲げる“スマートドリンキング”は、「お酒を飲む人・飲まない人、飲める人・飲めない人、飲みたい時・飲めない時、あえて飲まない時など、さまざまな人々の状況や場面における“飲み方”の選択肢を拡大し、多様性を受容できる社会を実現するために、商品やサービスの開発、環境づくりを推進していく」というもの。まさにこの考えが今、日本に広がりつつあるといえるでしょう。

↑ベルギーのノンアルコールドリンク「ビアー・デザミ」(330ml 675円)。「アサヒ ビアリー」同様にビールからアルコールのみを除去し、アルコール入りのビールと遜色ない味に仕上げています

 

では、お酒好きがあえてノンアルコールを選ぶ理由には、いったいどういう心理があるのでしょう。欧米と同様に、生活を豊かにしようという考え方によるものでしょうか?

 

「やはり健康志向は関係していますね。たとえば高齢の方のなかには『酒はもう一生分飲んだ』ということで、ノンアルコールを楽しむ方もいらっしゃいます。あとは、お酒は好きだけど酔いたくない、酔っている時間をクリエイティブなことに使いたい、酔いが回って眠くなることを避けたい、といった心理です」

 

その一方、お酒が飲めない人はなぜ一般的なソフトドリンクではなく、あえてお酒をモチーフにしたノンアルコールドリンクを選ぶのでしょうか?

 

「アルコールが苦手でも、バーの雰囲気が好きという方はいらっしゃいます。おいしいカクテルを作るバーテンダーでも、お酒が飲めない、弱いという方は少なくありませんし、実は私自身もお酒に強いわけではありません。また、レストランにおける食前や食後に、コーヒーやお茶のほかに楽しめるドリンクがあるなら飲みたいということで、モクテルを希望される方もいらっしゃいます」

 

「ノンアルコールドリンク」と「ソフトドリンク」はなにが違うの?

「Low-Non-Bar」で提供されているモクテルには、どんなメニューがあり、どんな味わいなのでしょうか? 高橋さんに作っていただきました。

 

1杯目は、店名を冠した「Low-Non-Bar」。4種のベリー、赤パプリカ、グレープフルーツ、シュラブ オレンジ&ジンジャーで構成し、炙ったローズマリーが上品な香りのアクセントになっています。

↑「Low-Non-Bar」1540円。ハーブのエッセンスにはじまり、ジューシーなベリーのあとに広がる複層的な酸味と香り。普通のミックスジュースとは、“味の層”の厚みがまったく違います

 

↑生の果実をミキシングしたり、ローズマリーを炙ったり。それらが美しい所作で作られていきます

 

「バーに馴染みのない方でも飲みやすく、モクテルの魅力が伝わりやすい一杯として考案した、シグネチャーカクテルです。ベリーのフルーティな甘酸っぱさが主体ですが、シュラブの酸味やパプリカの野性味を感じる、大人な味わいが特徴ですね。なおシュラブというは、ヨーロッパで飲まれていたビネガーベースのドリンクで、柑橘類はクエン酸の爽やかな酸味ですが、シュラブは酢酸なのでのどにひっかかる酸味があります」

 

もう一杯は「フレンチ’20」というモクテル。ジンとシャンパンで作るクラシックカクテル「フレンチ75」を、ノンアルコールスタイルで再構築しています。

↑「フレンチ’20」1430円。優美で爽快な果実味があって、余韻にはどこかロースヒップティーのニュアンスを感じる華やかな酸味も

 

↑ノンアルコールジンと氷をシェイクして一気に冷やし、ノンアルコールのスパークリングワインとブレンド。仕上げにレモンピールをひと搾り

 

「『フレンチ75』は、フランスの大砲がモチーフになっていて、アルコール度数の高いカクテルです。この「’20」は度数が低いという意味と、開業の2020年をかけました。ベースのノンアルコールジン『ネマ』は、バラがキーボタニカルのひとつになっているので、フローラルな香りを印象的に感じていただけると思います」

 

どちらのモクテルにも、一般的なジュースやソフトドリンクにはない奥行きや複層性、各素材の相乗効果によって重なり響き合うふくよかな味の厚みを感じました。高橋さんはこの違いを、嗜好性でとらえていると言います。

 

「明確な定義はないのですが、極端に例えるとすれば、のどが乾いてゴクゴク飲むお茶はソフトドリンク。一方で、京都の茶屋でたしなむ抹茶には、のどの渇きとは別の癒しの側面があると思います。前者が生理的欲求を満たすためのものであれば、後者は嗜好性や知的好奇心を楽しむものといえるでしょう。

 

お酒にも、発酵や蒸溜などを経たアルコールの複層的な味わいや酔いという嗜好性があると思います。例えば一般的なジンジャーエールにウォッカを加えるだけで、モスコミュールという嗜好品になるように。ただ、ノンアルコールの場合は、お酒による嗜好性を加味できないので、味や香りを独自に調合し組み立てることで嗜好性を高めているのです」

 

では、嗜好性のあるノンアルコールドリンクは、どこで手に入るのでしょうか? 調べてみると、「nolky/ノルキー」というオンラインショップにプロ御用達の商品群がずらり。トレンドの「クラフトコーラ」や「コンブチャ」なども、多彩にそろっています。

 

身近な果物とシロップで“ノンアルカクテル”が作れる!

高橋さんが作るようなプロの味とまではいかないまでも、モクテルは身近な店で手に入る果物を使って、自宅で気軽に作ることができます。ベースは、カシスリキュールの元祖として有名なフランスの「ルジェ」から今春新発売された商品が、比較的手に入れやすいでしょう。

↑「ラグート カシス」(右)と「ラグート ピーチ」(右)。ともに1450円で、アルコール度数が約0.5%のシロップです

 

「ラグート カシス」と「ラグート ピーチ」は果実由来のフルーティな香り、フレッシュさと心地よい甘さが楽しめる味わい、飲み終わりに広がる長い余韻が特徴。どちらも、原液1に対して炭酸水を5の割合で入れ、1/8にカットしたオレンジを4個加えれば完成。生カシスオレンジテイスト、生ファジーネーブルテイストのモクテルが完成します。

 

日本酒や梅酒にもノンアルコールのトレンドが到来

ノンアルコールドリンクは、おなじみのビールテイスト飲料やレモンサワー風ドリンク以外にも、バリエーションはさまざま。ほかにも「アルコールは飲めないけれど、“お酒”は飲みたい!」に応える、代表的な商品を紹介します。

 

【スパークリングワインテイスト】フルーティですっきりした味のスパークリング

メルシャン
「メルシャンスパークリング アルコールゼロ 白」
「メルシャンスパークリング アルコールゼロ ロゼ」
実勢価格 400円前後

 

果実由来のフルーティ感や酸味、喉ごしが心地よいスパークリング。ぶどうの自然な香りやみずみずしさが感じられ、すっきりとした味わいです。

 

【ジンテイスト】バラのエッセンスを軸にした日本初のノンアルコールジン

ネマ「ノンアルコールジン・ネマ 0.00%」
3200円~

 

無農薬のバラとスパイス、八ヶ岳山麓の源流の湧き水をベースにした、日本初のノンアルコールジン。スタンダードなジンのほか、薬草味のある「アブサン」、甘みに特徴のある「オールドトム」、スモーキーで力強い「ウイスキー」など多彩なバリエーションがあります。

 

【日本酒テイスト】華やかで飲みやすい大吟醸酒をイメージ

月桂冠「月桂冠 スペシャルフリー」
390円

 

華やかで飲みやすく、日本酒のなかでも人気が高い大吟醸酒をイメージ。大吟醸酒に特有のフルーティな香りを感じるフレーバーを活用し、甘みや旨みを与えるアミノ酸を配合することでコクをもたせた味わいが特徴です。

 

【梅酒テイスト】日本一の梅酒をモチーフにした重厚感のある味わい

「ノンアルコールの百年梅酒 “百年零-ZERO-”」
864円

 

世界最大の梅酒イベント「天満天神梅酒大会」で日本一になった「百年梅酒」がモチーフ。持ち味である梅の酸味、蜂蜜の甘み、ブランデーのコクの3つを分析し、アルコールを使わずに組み直すことで、おいしさを再現。アルコールを飲んだときの高揚感や重厚感を出すために苦みにも注目し、梅ジュースとは一線を画す仕上がりになっています。

 

「海外製のノンアルコールスピリッツ素材はいったん出きったと思いますが、日本ではこれから認知されていく状況ですから、もっとラインナップは充実していくと期待しています」と高橋さん。これまで、日本でノンアルコールといえばビールが主流でしたが、ヒット商品も登場してますます身近になりつつあるロー/ノンアルコールドリンク。今後のバリエーション増加にも注目です。

 

※価格はすべて消費税込みです。

 

【店舗情報】

Low-Non-Bar

所在地=東京都中央区日本橋3-2-4 nefi nihombashi 1階
電話番号=03-6665-6022
営業時間=月~土17:00~翌1:00、日祝17:00~23:30
定休日=不定休
アクセス=JRほか「東京駅」八重洲北口徒歩3分、東京メトロほか「日本橋駅」B3出口徒歩2分

http://orchardknight.com/bar/low-non-bar

※緊急事態宣言などにより、営業時間が変動する可能性があります。

 

ソーヴィニョン・ブランで一躍世界から注目!「ニュージーランドワイン」の銘醸地をソムリエが解説

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズは、フランスをはじめとする古くから“ワイン大国”として名を馳せる国から、アメリカなどの“ワイン新興国”まで、さまざまな国と産地を取り上げてきました。今回は、ワイン新興生産国であるニュージーランド。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
第1回 :フランスと5つの産地
第2回:イタリアと5つの産地
第3回:ドイツと5つの産地
第4回:オーストラリアと5つの産地
第5回:アメリカと5つの産地

 

ニュージーランドワインを旅する

ニュージーランドのワインというと、どのようなイメージを持っているでしょうか? ひと時脚光を浴びたのは、フレッシュで活き活きとしたソーヴィニヨン・ブラン。その他の産地では真似のできないような明快な味わいは、世界中のワインファンを驚かせ、現在ではオーストラリアと並んで、オセアニアをワイン地図の重要な一角に位置づけました。

 

それならさぞかし歴史のあるワイン大国だろう、と思えばそうでもなく、ワイン用ブドウのひとつ「ヴィティス・ヴィニフェラ」種がこの地に広く植えられるようになったのも、1970年代になってからとつい最近のこと。国土は日本の70%ほど、人口500万人という規模のニュージーランドは、世界のワイン生産量のシェアで見れば1%にも満たない小さな国なのです。

 

そんな小さな島国が、世界中のワインパーソンに注目されるきっかけとなったのは、何よりその独自の個性を表現したソーヴィニヨン・ブランの存在でした。1980年前後に発表された初期のマールボロ産のソーヴィニヨン・ブランは、すぐに注目と投資を集め、今日に至るまで重要な品種であり続けています。2018年にはブドウ畑の6割、輸出ワインの9割近くを占めるほどにまで成長し、“ニュージーランドワインの歩みはこの国のソーヴィニヨン・ブランの歩みとセミイコール”と言っていいほど、主役であり続けているのです。

 

たったひとつのブドウ品種が、一国のワインの歴史を運命付けたと思うと、とても興味深く思えませんか? もちろん「ニュージーランドワイン」はソーヴィニヨン・ブランだけではありません。脇を固めるワイン産地も、それぞれ独自の魅力を持っていますから、ひとつずつ順に紹介していきたいと思います。

【目次】
1. マールボロ
2. ワイララパ地方マーティンボロー
3. ホークス・ベイ
4. セントラル・オタゴ
5. ノース・カンタベリー

 

1. マールボロ
− 小さな町ブレナムはワインにおいての中心都市 −

南島の北東端に位置するマールボロ地方の中心都市ブレナムは、人口3万人ほどの小さな街。日本でいえば、山梨県甲州市と同程度の人口と考えると、その規模がイメージしやすいかもしれません。今ではニュージーランドのワイン生産の中心となったマールボロに、ソーヴィニヨン・ブランが植えられたのは1975年のこと。それから4年後の1979年に初めて、マールボロ・ソーヴィニヨン・ブランが瓶詰めされました。

 

マールボロで造られたソーヴィニヨン・ブランには、当初から原産地であるフランス・ロワール地方のワインにはない、グレープフルーツやトロピカルフルーツのようなボリュームのある果実味に加え、その特徴であるキレのあるヴィヴィッドな酸も保たれた、特別な風味がありました。その特異性、優位性にいち早く気づいたのが、西オーストラリアの生産地、ケープ・メンテルのデヴィッド・ホーネン。ワイナリー「クラウディー・ベイ」を設立し、マールボロ・ソーヴィニヨン・ブランを代表するブランドとして、世界中で大流行を巻き起こします。

 

現在では、ニュージーランドのブドウ畑の約70%がこの地域に集中しており、そのうちの85%をソーヴィニヨン・ブランが占めています。つまり“ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン”として、日本をはじめ世界中に輸出されるワインのほとんどは、この地域から産出されているのです。ワイン生産が今ほど活発になる前には、牧羊を中心とした畜産や織物が主な産業でしたが、小さな街ブレナムはそれからわずか30年ほどの間に、ニュージーランドのワイン生産とともにワインツーリズムの中心地としての役割を担うようになりました。

 

2018年には、ブレナムの鉄道駅舎だった建物が「ザ・ワインステーション」というテイスティング施設に生まれ変わり、有名ワイナリーからセラードアを持たない小さなワイナリーまで、地元のワインを幅広く紹介するようになりました。

 

マールボロほどその国のワインの入り口にふさわしい産地は世界を見渡しても珍しく、そのフルーティーさとフレッシュな酸、清々しい青さを併せ持った魅力的なニュージーランドワインを、ぜひ一度お楽しみいただければと思います。

 

Totara(トタラ)
「Marlborough Sauvignon Blanc2019(マールボロ・ソーヴィニヨン・ブラン2019)」
2450円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

2. ワイララパ地方マーティンボロー
− ロマネ・コンティのクローンがマーティンボローの主流 −

マールボロで初めてソーヴィニヨン・ブランを植えたモンタナ社による、1973年の政府研究機関に依頼した地質調査では、マーティンボローがもっともブドウ栽培に適した土地だという結果が出ました。けれども、その最適と判断された土地面積は狭く小さいものだったため、モンタナ社が本格的なワイン生産を行うために選んだのは、マールボロの広大な土地でした。

 

マーティンボローは北島の南端、首都ウェリントンから車で1時間ほどの距離にあります。はじめてブドウが植えられたのは1883年という記録がありますが、20世紀初頭の禁酒運動で生産は途絶え、近代ワイン生産の歴史はマールボロより少し遅れて、1980年前後に始まります。先の地質調査では、フランス・ブルゴーニュと似た自然環境によってもっともブドウ栽培に適しているとみなされたマーティンボローでは、現代に至るまでピノ・ノワールが中心に栽培されており、ブルゴーニュ由来の穂木「エイベル・クローン」が主に植えられています。

 

1970年代、ニュージーランドの税関職員だったマルコム・エイベルは、ロマネ・コンティの畑から違法に持ち帰られた穂木を没収します。これを検疫所で検査した後に自身の所有するオークランド近郊のブドウ畑に植えたことで、「エイベル・クローン」は産まれました。このクローンをマーティンボローの主要ワイナリーのひとつである「アタ・ランギ」のオーナー、クライヴ・ペイトンが譲り受けたことで、ロマネ・コンティを起源とするブドウ樹が広がり、マーティンボローのピノ・ノワールの歴史において重要な要素のひとつとなるに至りました。

 

まるで、よくあるワインのネットショップの売り文句のようですが、ニュージーランドのピノ・ノワールは歴史が浅いながら、ソーヴィニヨン・ブラン以上に高品質ワインを生産する可能性を秘めているのも事実です。そして後述するセントラル・オタゴやカンタベリーといった、同国内のピノ・ノワールの成功しているライバル産地との競合も、この国のピノ・ノワールの今後を楽しみにさせてくれる醍醐味でもあるのです。

 

Ata Rangi(アタ・ランギ)
「Crimson Pinot Noir2018(クリムゾン・ピノ・ノワール2018)」
4200円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

3. ホークス・ベイ
− 北島の東海岸ホークス・ベイは歴史あるブドウ産地 −

1851年に、フランス人宣教師がブドウを植えたホークス・ベイは、ニュージーランド国内では歴史のあるワイン産地です。南半球に位置するニュージーランドは、北島の方が温暖で、東海岸ホークス・ベイはボルドー品種やシラーといった赤ワイン品種を完熟させられる産地。とくにヘイスティングズの北西ギムレット街道周辺のやせた砂利、小石の土壌は、ニュージーランドでもっともカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローに向いている地域とされています。その地域は「ギムレット・グラヴェルズ」と呼ばれ、1990年代以降に栽培農家による奪い合いが起こるほどの人気を集めました。「グラヴェル」とは石ころという意味。つまり“ギムレットの砂利土壌”という畑名になっているのです。現在ではニュージーランドの10~12%ほどの生産量があり、マールボロに次いで第2位の規模のワイン産地になっています。

 

ただ、ボルドー品種の赤ワインはあまりにも世界中にライバルが多く、ニュージーランドの長い生育期間と寒暖差を反映した個性的なワインということでは、個人的にシラーに注目しています。オーストラリアのシラーズとはまた違う、酸の強調されたシラーはニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワールに次いで代表的なブドウ品種になる可能性があるように思えるのです。

 

また、ホークス・ベイの二大都市ネイピアとヘイスティングズは、アールデコ様式の建築で統一された都市として知られています。私自身もニュージーランドには訪れたことがないのですが、各地のワインの新鮮な可能性に触れるたびに、また海外旅行ができる状況になったらもっとも訪れたいワイン産地として、思いを巡らせています。

 

Trinity Hill(トリニティ・ヒル)
「Hawkes Bay Syrah2018(ホークスベイ・シラー2018)」
3000円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

4. セントラル・オタゴ
− 世界最南端のワイン産地で完熟するピノ・ノワール 

ニュージーランドの中心都市・クイーンズタウンには、南半球でも最高といわれるスキー場があり、四季折々の雄大な自然は、ニュージーランドを代表するリゾートタウンとして知られています。そして、この地域がワイン生産に向いていることは、19世紀末から知られていました。

 

1881年には、オーストラリア・シドニーで開催されたワイン品評会で、セントラル・オタゴ産の「バーガンディ」が金賞を受賞した記録が残っているほどですが、やはりニュージーランドの他の産地同様、一度ブドウ栽培は途絶え、本格的に再開されるのは1970年代に入ってからのことでした。このように「ブルゴーニュ」の英語読みであるバーガンディというワインが造られていたことからもわかるように、主流はピノ・ノワールですが、再びこの産地に注目が集まるまでには、そこから100年以上の時間がかかりました。

 

1997年に初めてリリースされた「フェルトン・ロード」は、評価誌から高評価を獲得、瞬く間にピノ・ノワールの未来を担う産地としてセントラル・オタゴが注目されるようになりました。短い夏の寒暖差、収穫期の乾燥は、素晴らしいピノ・ノワールに必要な長い生育期間をもたらし、驚くほどピュアな果実味と複雑さ、エレガントさを兼ね備えたワインを産みだします。それでは“マーティンボローとどちらが優れたピノ・ノワール産地なのか?”という議論が起こりますが、全体的にブドウの樹齢はセントラル・オタゴの方が若く、その答えは現在進行形で簡単には決着しそうにありません。

 

ただ、日本の多くのワイン愛好家がブルゴーニュを偏愛している様子を見るにつけ、マーティンボローとセントラル・オタゴのピノ・ノワールに、もっと目を向けてもいいように思えます。それはヴォーヌ・ロマネとジュブレ・シャンベルタンの相違と同じように、魅惑的なテーマでもあるのです。

 

Felton Road(フェルトン・ロード)
「Pinot Noir BannockBurn2015(ピノ・ノワール・バノック・バーン2015)」
7200円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

5. ノース・カンタベリー
− プレミアムワインの冷涼産地カンタベリー 

南島の主要都市であるクライストチャーチを包むように広がるカンタベリーは、ニュージーランド随一のプレミアムワイン産地となりつつあります。素晴らしく優しい口当たりのリースリングや、ブルゴーニュを思わせるピノ・ノワールとシャルドネは、短い歴史を感じさせないほどで、世界の最高峰のワインに肉薄するほどの味わいです。

 

元々、ボルドー品種には涼しすぎることから、ブドウ栽培には不向きとみなされていた地域だったカンタベリーが、わずかな期間で注目される産地になったのには、それを覆したパイオニア的な存在がいます。多くのワインパーソンを送り出しているクライストチャーチのリンカーン大学で、ブドウ栽培を教えていたダニエル・シェスターは、この地域でのピノ・ノワールやリースリングといった冷涼品種の可能性を見出し、1970~80年代に醸造用ブドウ栽培の礎をつくりあげます。そして、今からわずか30年前の1991年に初リリースされた「ペガサス・ベイ」のリースリングが、カンタベリーのプレミアムワインに歴史の一歩を踏み出させました。

 

そう思うと、1997年に設立された「ベルヒル」は、世界的に見れば新しいワイナリーかもしれませんが、この産地のなかで考えれば老舗の部類に入るのかもしれません。リリースからほどなくニュージーランドでも最高峰、ブルゴーニュのムルソーに匹敵するという高い評価を勝ち得たベルヒルは、その生産本数の少なさ(シャルドネの初期は1樽300本ほど)から日本では知る人も少ないワインでした。ブルゴーニュでも最高の土壌とみなされる石灰岩がむき出しになった産地を選び抜き、カンタベリーのテロワールを信じた末の品質と思うと、感慨深さすらあります。

 

ピノ・ノワールももちろん素晴らしく、各産地にこういったプレミアムワインが産まれ愛好家にも広く知られれば、現在のブルゴーニュ偏重の価値観にも変化をもたらすのではないかと期待しています。

 

Bell Hilll(ベルヒル)
「Chardonnay2016(シャルドネ2016)」
1万8000円
輸入元=ワイン・ダイヤモンズ

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です。

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

かつお節と一緒に燻した焼酎「燻枕崎」は、スモーキーなアイラウイスキー好きに捧げたい!

「さつま白波」や「神の河」などで知られる本格焼酎の蔵元・薩摩酒造が、地元の魅力を生かした個性派の新商品を発売しました。その名は「燻枕崎(いぶしまくらざき)」。枕崎で燻す、と聞けば和食好きの人にはピンとくるのではないでしょうか。特徴や味わいを中心に、レビューしていきましょう。

↑6月7日から薩摩酒造公式通販サイト「白波通販ショップ」で限定発売されている「燻枕崎」(2000円/税込)。アルコール分25%、720mL

 

焼酎の匠とかつお節の名手が郷土愛を込めて生み出した

薩摩酒造は1936年から続く老舗で、その拠点が鹿児島県の枕崎市。薩摩半島の南部に位置し、約2万人が暮らす海沿いの港町ですが、潮風とともに流れるのがスモーキーな香りです。それは、枕崎が「かつおのまち」として全国でも有数の名産地だから。

↑枕崎におけるかつお節の製法は、300年以上続く伝統的な職人技となっています

 

1年間で枕崎に揚がるかつお(鮮魚)の数は、人口の約1100倍(年間水揚量:約7万トン)。人よりもかつおのほうが多く、かつお節に関しては全国で鹿児島県がダントツのシェアを誇り、その中心地が枕崎なのです。

 

一方、鹿児島県のお酒といえば芋焼酎であり、この地で長年酒造りを営んできたのが薩摩酒造。そこで「枕崎の空気を詰め込んだ本格焼酎を届けたい」との強い思いから、地元で60年以上の歴史を持つかつお節の造り手「金七商店」と協業。約2年の試行錯誤を経て「燻枕崎」が完成したそうです。

↑さつまいも(左)を、かつお節由来の薫煙にさらしながら約2時間燻します

 

金七商店も屈指の名手で、2016年には4年に1度の鰹節類品評会で「一本釣鰹本節」が農林水産大臣賞の栄誉に。モーツァルトの楽曲を聴かせて作る「クラシック節」も全国的に有名で、その妥協なきクラフトマンシップはNHKで放送されている「プロフェッショナル仕事の流儀」でいっそう広まりました。

↑家族で代々受け継がれる「金七商店」のものづくり。左から2人目の方が四代目の瀬崎祐介さん

 

そんな「燻枕崎」は、どんな味わいなのか。グラスに注いで飲んでみました。

 

 

芋の甘みに燻製の芳香。未体験のウマさがここに!

「燻枕崎」ならではの、うまみとかつお節のスモーキーな香りを最大限に楽しむには、ロックやお湯割りが特にオススメとのこと。そこで、いまの季節に合うロックでひと口。グラスを近づけると、未知なる芳香が鼻孔をくすぐります。

↑ラベルデザインは、枕崎に立ち上る燻煙をイメージ。墨色の背景に、うっすらと煙が浮かんでいます

 

野性味あふれる燻香ながら、シャープではなくまろやか。樽の香りよりもウイスキーのピート(泥炭)による香りに近いですが、とはいえウイスキーのスモーキーフレーバーとは方向性がやや異なる独自のものです。

↑液の色味はクリアで味わいはどっしり。甘やかさを感じるのはさつまいもによるものでしょうか、リッチなうまみにスモーキーフレーバーがのり、絶妙なバランスです

 

ペアリングにはチーズやナッツのほか、和風のおつまみや、いぶりがっこなどクセのあるものがオススメとのことで、こちらも用意しました。

↑スモークチーズにスモークナッツ、いぶりがっこをペアリング

 

これはたまらない組み合わせ! 焼酎の香りと燻製つまみの風味が調和し、杯の手が止まりません。焼酎単体の飲み口もペアリングのテイストも、これまで体感したことのない味わいで、驚きのおいしさです。

↑次はハイボールを試すことに。焼酎1に対して強炭酸水を3の割合で作りました

 

味は、ボリュームのあるスモーキーフレーバーに焼酎の甘やかさと爽やかな炭酸の刺激がひとつになった、ワイルドな清涼感が広がる印象。余韻の香りはしっかりめでありながら、シュッとキレのある余韻で心地よいおいしさです。

↑こちらはかつおとのペアリングを試します。用意したのはかつおのたたきに、かつおの油漬けとかつお節をのせた山芋の千切り

 

焼酎の味にかつおのニュアンスはありませんが、かつおたたきの皮の香ばしさと、焼酎のスモーキーフレーバーがマッチ。山芋のつまみとの相性もよく、やはりかつお節との一体感はドンピシャです。

↑今回は家飲みでしたが、キャンプの炭火焼きにも合うこと間違いなし! 今夏、ぜひお試しあれ

 

ウイスキーでスモーキーフレーバーが豊かなのは、スコットランドのアイラ島で生まれるアイラウイスキー。あのたくましい香りが好きな人に絶対試してほしい焼酎が、この「燻枕崎」です。数量限定なので、気になる人は要チェック!

そこまでやるの!? おいしさで金賞三冠「麒麟特製レモンサワー」の快挙は開発者こだわりのつくり方に理由があった!

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数ある缶チューハイやレモンサワーのなかでも、記録的な快挙を成し遂げている商品が「麒麟特製レモンサワー」だ。国内外の品評会で高く評価され、金賞三冠を獲得(リニューアル前の商品で受賞)。売り上げ実績も、2020年4月のリニューアルからわずか11か月で3億本(※1)を突破し、2020年は前年比約4倍の販売数量(※2)を記録する絶好調ぶりである。

 

さらに2021年は、その実績に甘んじることなく3月に中味とパッケージをさらに進化させている。そこで、品評会の各審査ではどのような点が評価されたのか、最新版はどのような味わいに仕上がっているのかを開発者にインタビュー。味覚のプロをも唸らせる、「麒麟特製レモンサワー」のおいしさに迫った。

キリン・ザ・ストロング
麒麟特製レモンサワー

複数の果実を12時間以上煮込んでうまみを凝縮させた「麒麟特製うまみエキス」に加え、レモンをまるごとすりつぶし、低温熟成してうまみを引き出した「レモンエキス」と、果汁だけではなくほろ苦い果皮のおいしさも詰め込んだ「まるごと搾り果汁」を使用し、風味豊かな味わいがいっそう高まった。

 

世界が認めた!「麒麟特製レモンサワー」の快進撃

↑左から、「ジャパンフードセレクション」「W.P.A国際高品質保証審査会」「モンドセレクション」の各受賞エンブレム

 

「麒麟特製レモンサワー」は2020年度、“金賞三冠”という快挙を成し遂げた。「モンドセレクション」(※3)と「ジャパンフードセレクション」(※4)では金賞、「W.P.A国際高品質保証審査会」(※5)ではGrand Quality Excellentの受賞である。

 

これらを受賞することはどれだけ難しいことなのか? キリンビールのマーケティング部で中味の設計や開発などを担当している岡田真希さんを直撃してみた。

↑「麒麟特製レモンサワー」の開発を担当した、キリンビールの岡田真希さん。マーケティング部、中味開発を担当する商品開発研究所の一員として、商品の研究や開発を行っている

 

「それぞれの賞によって基準や審査方法などは一部異なりますが、味、パッケージ、材料、つくり手のこだわりなどを細かくチェックされ、銀賞や銅賞のほかもちろん落選もある狭き門です。また、例えば国際的な品評機関である『モンドセレクション』は、厳しい研修やテストをクリアした海外の審査員が評価しますが、味に関しては、その審査員たちが一堂に会して同一商品の試飲や採点をすると聞いています」(岡田さん)

 

審査員はどこを評価した? その理由を開発者が答える!

では、審査員は「麒麟特製レモンサワー」の何をどのように評価したのか? 岡田さんは「特に多くの声をいただいたのは、『高アルコール度数であるにも関わらず、嫌なアルコール感がなく飲みやすい』という評価です」と言う。

 

「また、レモンそのもののような風味にも高評価をいただけました。『麒麟特製レモンサワー』は独自の『うまみエキス』によりレモンの味わいが奥深く、果実の凝縮感や複雑味が楽しめます。その香りや味を評価いただけたことは、私たちの狙い通りでうれしかったです」(岡田さん)

 

・複数の果実を12時間以上煮詰める「うまみエキス」

↑「麒麟特製レモンサワー」の特長的なおいしさのカギを握るのが、複数の果実を12時間以上煮詰める「うまみエキス」だ(写真はイメージ)

 

「麒麟特製レモンサワー」の要である「うまみエキス」により、上質感のある複層的なおいしさになるという。“うまみ”とはしばしば五味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)のひとつに数えられ、味の骨格として位置づけられるが「うまみエキス」も同様だろうか?

 

「骨格として下支えするというよりは、味の全方位に厚みをもたらすことで満足感をアップさせるイメージですね。『うまみエキス』は様々な果実類のおいしさを抽出し、融合させたものです。また、五味にはない香りの要素を持っていることも『うまみエキス』の特長です」(岡田さん)

 

製法のイメージを挙げるとすれば、ジャム作りに近いとのこと。この話を聞いて筆者の頭をよぎったのが、加熱によって食材に含まれるアミノ酸と糖が結び付いて起こる「メイラード反応」だ。「メイラード反応」には香ばしさやコク、うまみなどを生む効果があると言われるが、「うまみエキス」も「メイラード反応」の賜物と考えていいのだろうか?

 

「はい。果実に熱を加えることで生の果実そのものにはない、新しいおいしさを生み出しているので、『うまみエキス』も『メイラード反応』による効果を活用していると言えます」(岡田さん)

 

・果皮からすりおろした「レモンエキス」と、多層的なフレーバーを生み出す「追いレモン果汁」

今年3月にさらなる進化を遂げた「麒麟特製レモンサワー」。リニューアル前の味も高評価だったため、より高みを目指すのは難しかったはず。磨きをかけたポイントはどこなのだろうか?

 

「まずは『レモンエキス』。煮詰める『うまみエキス』とは違い、レモンの爽やかさをアップさせるための要素です。果実をまるごとすりおろして長時間低温熟成させることにより、レモン本来の爽やかな要素を凝縮させました」(岡田さん)

↑果実を果皮からまるごとすりおろすことで、レモンの味と風味が多層的に広がる(写真はイメージ)

 

そしてもうひとつの決め手は、澄んだ酸味とほろ苦さを詰め込んだ複数の「追いレモン果汁」。こちらはリニューアル前から採用されていたが、今回は味わいの異なる二つの果汁を抽出し、それぞれの特性が生きるようにブラッシュアップさせたという。

 

「果汁のひとつは、レモンの味をよりすっきりさせるための『磨きレモン果汁』。もうひとつは、レモンのほろ苦い味が楽しめるよう、果皮までしっかり搾った『まるごと搾り果汁』です」(岡田さん)

↑「磨きレモン果汁」は爽やかで澄んだ酸味を引き出す。一方の「まるごと搾り果汁」は、ほろ苦い果皮のおいしさを伝える(写真はイメージ)

 

新採用した「レモンエキス」とブラッシュアップした「追いレモン果汁」が、「麒麟特製レモンサワー」の濃く多層的なレモンの味わいに寄与している。そして、その魅力を生かすために欠かせないのがバランスの良さであり、調和をもたらすために使うのもまた「うまみエキス」なのだとか。

 

「味のふくよかさの演出だけでなく、多層的なレモンの味わいを調和させる点においても『うまみエキス』は大きく貢献しています」(岡田さん)

 

・おいしさの進化を告げる新パッケージ

よりレモンの存在感が増した新「麒麟特製レモンサワー」。リニューアルにおいてはパッケージも一部刷新し、おいしさの進化を分かりやすく訴求しているという。

 

「最もお伝えしたいことは、圧倒的に上質感があるおいしさ。そこで、キリンを代表する『聖獣麒麟』とともに『麒麟特製』の文字を大きく打ち出し、味の自信と上質さを表現しました。そして、おいしさがより直感的に伝わるように、缶中央のグラスのイラストをより大きく。背景カラーには、レモン感を伝えつつ深みのある印象の黄色を採用。そして、製法のこだわりをお伝えするために、前面には『追いレモン潤沢仕立て』を、裏面ではその詳細をイラスト付きでデザインしました」(岡田さん)

↑「麒麟特製レモンサワー」の裏面。おいしさのカギを握る3つの工程「うまみエキス」「レモンエキス」「レモン果汁」が描かれている

 

 “デイリーで楽しめるイイモノ”という無二のポジション

近年、レモンサワーの人気はうなぎ上りで、缶チューハイでも様々なレモンサワーが発売されている。そのなかで最近は特にどういった傾向があり、「麒麟特製レモンサワー」はどの位置にあるのだろうか?

 

「酒類市場全体でレモンサワーが求められている要因としては、爽快感や料理との相性の良さなどが挙げられるでしょう。特に最近は多様化が進み、アルコール度数の低いものや高いストロング系、無糖、濃い味など様々なタイプが出てきました。『麒麟特製レモンサワー』は高アルコールの飲みごたえとともに、複層性のある上質なおいしさも突き詰めた“デイリーで楽しめるイイモノ”という、他にはない特長を持った商品であると自負しています」(岡田さん)

↑審査員や消費者からの声によって、岡田さん自身でも思いがけない発見をすることがあるとか。そういったフィードバックが次の開発に生きるとともに、モチベーションにもなっているという

 

様々な果実を厳選した上、12時間以上煮詰めた素材を活用したり、レモンをまるごとすりおろしたり、複数の果汁を使い分けたり。このこだわりや手間暇が「特製」の所以といえるだろう。それでいて、価格は一般的な缶チューハイ同等のフレンドリーなプライス。絶好調の現状にも頷ける。

 

売れている理由には、コロナ禍により家で過ごす時間が増えたという背景もあるだろう。食事は材料やレシピにこだわり、手間暇かけて調理しゆっくり味わうーー。そんなライフスタイルに寄り添う缶チューハイこそ、まさに上質な「麒麟特製レモンサワー」なのだ。金賞三冠を獲得し、さらなるおいしさを追求してリニューアルしたこの一品が、幸せな時間のお供になる。夏の暑気払いやリフレッシュはもちろん、「麒麟特製レモンサワー」でより充実した食シーンや、チルタイムを過ごしてみてはいかがだろうか。

キリン「麒麟特製レモンサワー」の詳細はこちらから

 

※1:250ml換算(2月上旬出荷実績)
※2:2019年/2020年4~12月比較
※3:モンドセレクション 2020年度 スピリッツ&リキュール部門
※4:第36回(2020年)
※5:2020年度

 

取材・文/中山秀明 撮影/湯浅立志(Y2)[静物]

フレッシュな味わいが魅力! りんごが爽やかに香る「シードル」5選

最近メディアでクラフトビールとともに注目を浴びているのが「シードル」。シードルとは、欧米で長きにわたって飲まれ続けている、リンゴを原料とした醸造酒です。アルコール度数が低いため、お酒があまり強くない方でも抵抗なく飲める点が特徴。フレッシュなリンゴの甘さで、食前・食中酒としてはもちろん、ちょっとしたパーティーなどでも気軽に飲めるフレッシュな味わいが魅力です。今回はネットで人気のシードルを厳選してご紹介します。

 

目次

 


まるでリンゴを丸かじりしたようなフレッシュさ


ニッカ シードル・スイート

糖類・香料・着色料を一切加えていない、国産リンゴ果汁100%で作られた微発泡タイプのシードルです。りんごのみずみずしい甘さが楽しめるので、リラックスしたいときや食前酒として飲むのがオススメ。甘さ控えめが好きな方は、やや辛口なドライタイプもラインナップされています。

【詳細情報】
内容量:720ml

 


フランス産青りんごを100%使用


シードル ヴァル・ド・ランス プレスティージュ ギルヴィック

「JAPAN CIDER AWARDS 2018」テイスティング部門で二ツ星を受賞した微発泡タイプのシードルです。フランスのブルターニュ地方で作られた青りんごギルヴィック種を100%使用。濃縮還元果汁や砂糖を一切加えず、その年に収穫されたリンゴの天然果汁のみを使用し、自然発酵にて醸造されています。一口飲むと、口いっぱいに青りんごが広がり、爽やかな酸味と甘さが楽しめます。

【詳細情報】
内容量:750ml

 


そのまま飲んでも、アレンジして飲んでもおいしい


キリン ハードシードル

果実由来の爽やかな香りとフルーティな酸味が特徴の発泡性のシードルです。甘さを抑えたテイストで、さっぱりとした味わいが楽しめます。そのまま飲んでもよいのですが、ちょい足ししてアレンジするのもオススメ。カシスリキュールを入れてカシスシードル、ラムにミントとライムを足してモヒートシードルなど、工夫次第で様々な楽しみ方ができます。

【詳細情報】
内容量:290ml

 


22種類のリンゴをブレンドした飲み比べセット


サッシー・シードル・ギフト箱 3本セット

サッシーは近年パリで話題となっている、ナチュラル・シードル新潮流の先頭を行くブランド。製造元であるメゾン・サッシー(Maison Sassy)は、「シードルに新しい輝きを」というスローガンの下、シードルに都会的なイメージを打ち出し、今までシードルに縁のなかったミレニアム層を惹きつけたシードル界のスペシャリストです。サッシー・シードルは、完熟して自然に木から落ちたリンゴから作られた、本格ノルマンディー産シードル。酸味の強いリンゴとビタースイート系の品種を中心に、22種類のリンゴをブレンドしています。エレガントな食前酒としてはもちろん、鶏肉やチーズ、リンゴのデザートとの相性が抜群です。

【詳細情報】
内容量:750ml×3本

 


ジュース感覚で飲める酸化防止剤不使用のやさしい味わい


おいしい酸化防止剤無添加ワイン シードル

深いグリーン色のボトルが目を引く、「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」シリーズのシードル。酸化防止剤を添加せずに、りんご果汁100%使用し丁寧につくられています。醸造から瓶詰めまで、ワインと酸素の接触を最小限にして製造時の酸化を抑えるメルシャン独自の「フレッシュ製法」を採用。りんご本来の自然な甘さと酸味、微発泡による心地よい爽快感が楽しめます。キンキンに冷やして飲むのがオススメです。

【詳細情報】
内容量:500ml

 

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焼酎ハイボールに合う!「東京・大衆酒場の名店」のおつまみを、約5000円の調理家電で再現する噺

今回は「東京・大衆酒場の名店」シリーズの番外編。約5000円の調理家電を使って、いままで訪れた名店のおつまみと焼酎ハイボールを再現し、家で酒場の雰囲気や味わいを実際に楽しんでみる企画です。

外で飲む機会が減り、酒場を恋しく思う方も多いのではないでしょうか。そこで、いままで訪れた名酒場のおつまみを再現し、家飲みで大衆酒場の雰囲気を楽しもうというのが今回の企画。とはいえ、そこまで手間もお金もかけたくない……というわけで、今回は約5000円で購入できるリーズナブルで便利な調理家電を用意。お酒好きのタレント・中村 優さんが生徒役となり、調理家電に詳しいフードアナリストの中山秀明さんに使い方を教わりながら、おつまみを調理していきます。なお、合わせるのはもちろん、東京・下町の焼酎ハイボールの味を追求したタカラ「焼酎ハイボール」です!

↑マラソンランナーとしても活躍している中村 優さん(左)。フードアナリストの中山秀明さん(右)は調理家電のレビュー記事を多数執筆する調理家電のエキスパート

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

3つのお手軽な調理家電で酒場のおつまみを作る!

中村 中山さん、今日はよろしくお願いします! これが今回の調理家電ですか。コンパクトなタイプが多いんですね。

 

中山 そうですね。小さいぶん機能もシンプルで価格も手ごろです。今回は煮物、揚げ物、焼き物の3種類を作ろうと思い、3タイプを用意しました! プリズメイト「サラダチキンメーカー」と、ライソン「おひとりフライヤー 0.6L」、サンコー「よくばりホットプレート」です。

 

中村 これを使って、私がこれまでに「東京・大衆酒場の名店」の連載で訪れたお店の料理を作ってみるんですよね。どれもおいしかったので、楽しみです!

 

中山 今回は、あくまで同じ料理を作るだけで、レシピも私のオリジナルですが、お店の雰囲気は味わえると思いますよ。ぜひタカラ「焼酎ハイボール」とともに楽しんでみてください!

 

「サラダチキンメーカー」で上州スタイルの「煮込み」を作る

↑煮込みを調理するプリズメイト「サラダチキンメーカー」(4950円・以下価格はすべて税込)

 

中山 まずはプリズメイト「サラダチキンメーカー」で、もつ煮込みを作っていきましょう。「サラダチキンメーカー」はその名の通り、本来は鶏肉をやわらかく煮る調理家電なのですが、ほったらかしで一定の温度をキープしてくれるので、じっくり煮込む料理にはちょうどいいんです。ところで中村さん、‟上州スタイル”って覚えてます?

 

中村 もちろん! こんにゃくが群馬県=上州の名物ということで、もつとこんにゃくをメインにした「煮込み」のことですよね。確か、篠崎「大林」八広「三祐酒場」がこの上州スタイルだったような。

↑八広「三祐酒場」の「煮込み」はもつとこんにゃくを使った上州スタイル

 

中山 その通り! 素材のうまみがシンプルに楽しめておいしいですよね。まずはこんにゃくを切って、もつと一緒に鍋のなかに入れましょう。具材は鍋の8分目ぐらいまで入れて、浸るぐらい水を入れます。

 

中村 はい! 鍋がコンパクトなので、具材が想像以上にぎっしり入りますね。でもそのぶん、味が染み込みやすそうです。味付けはみそベースですか?

 

中山 そうです! みそは大さじ2杯ぐらい。あとはだしとしょうがを加えます。ただ、今回のように短時間で仕上げる場合は肉のうまみが広がりきらず、コクがでにくいことも。そこで大活躍するのがタカラ本みりんです。

↑今回は、すでに湯通しされた市販のもつを使用。味が染み込みやすいようにこんにゃくは気持ち小さめに切ります

 

中村 なるほど。ちょっと甘めにするんですね。

 

中山 本みりんは甘みを加えるほかにも、コクやうまみをプラスして、塩味のカドをとってまろやかにしてくれる効果もあります。味も染み込みやすくなるし、もつのニオイも消してくれるので、いいことずくめなんですよ。

↑みそを溶かし入れ、顆粒の和風だしとチューブのしょうがを適量入れます。仕上げに大さじ2杯の本みりんをプラス

 

中村 へえ、それはいいですね! 具材と調味料を入れたら、あとはスイッチを押すだけですか? カンタンですねー。設定時間はどうします?

 

中山 20分のスピードモードで煮込み、止まったら少し休ませて、さらに20分の追い炊きをして完成です。短時間でも本みりんを使えば想像以上においしくなりますよ!

 

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「おひとりフライヤー 0.6L」で「串かつ」を作る

中山 では、もつを煮込んでいる間に、「串かつ」を作っていきましょう!

 

中村 豚肉のスライスをミルフィーユ状に重ねて揚げた「三祐酒場」の「串かつ」はおいしかったですね! あれを目指して頑張りましょう!

↑八広「三祐酒場」の「串かつ」

 

中山 使う調理家電は、ライソンの「おひとりフライヤー 0.6L」です。コンパクトな卓上フライヤーで、ひとり暮らしにもぴったりのサイズなんです。

 

中村 本当ですね、小さくてカワイイです!

↑串かつを調理するライソン「おひとりフライヤー 0.6L」(2915円)

 

中山 では、調理していきましょう。具材は、薄切りの豚バラ肉と玉ねぎです。肉は豚バラ肉1枚を端からくるくると巻けばOK。

 

中村 串には玉ねぎと肉を交互に刺せばいいんですね。こうですか?

 

中山 お、上手に串打ちできましたね! ではそれに小麦粉、溶き卵、パン粉の順で衣をつけたら、揚げていきましょう。

↑くるくると巻いた豚バラ肉とくし形に切った玉ねぎを串打ち。そこに小麦粉と溶き卵をつけます

 

↑パン粉もしっかりとつけていきます

 

中村 では揚げていきますよ。あ、コンパクトなサイズでもしっかり揚がるんですね!

 

中山 タテ型なので深さがあるし、「串かつ」なら問題ないですね。キツネ色になったら取り出して、あとは余熱で仕上がります。

 

中村 いい香り~。これも食べるのが楽しみです!

↑フライヤーの温度はMAX(190℃)にして揚げていきます

 

「よくばりホットプレート」で「納豆オムレツ」を調理

↑サンコー「よくばりホットプレート」(5980円)

 

中村 では、次の料理に行きましょう! 使うのはホットプレートですね。

 

中山 はい、サンコーの「よくばりホットプレート」を使います。これは深さが違う2面のプレートがあって、それぞれ別の温度に調節できます。つまり、2つの料理が同時に作れるんですね。これで篠崎「大林」で食べた「やりいかトマトバター」や、八広「亀屋」で食べた「納豆オムレツ」を作っていきますよ。

 

中村 いいですね~。どっちもおいしかったです!

↑八広「亀屋」の「納豆オムレツ」

 

中山 まずは「納豆オムレツ」を作りましょう! 具材は、小さく刻んだ豚バラ肉と玉ねぎとピーマン、あとはもちろん納豆です。

 

中村 最初は油をひいて、深いほうのプレートで具材を炒めればいいんですね。味付けはどうしますか? 「亀屋」は、甘辛くて、お酒が進む味だったですよね。

 

中山 あの甘辛さは、中濃ソースの味じゃないかと。というわけで、具材には塩こしょうを軽く振って、仕上げに中濃ソースをひと回しします。それができたら浅いほうのプレートで、卵2個分の薄焼き卵を作りましょう。

 

中村 わかりました。油をひいて、溶き卵を流し込みますね。

↑深いプレートで具材を炒めて中濃ソースで味付け

 

↑浅いプレートで薄焼き卵を作ります

 

中山 お、均一にうまく焼けましたね! 薄焼きとはいえ、この量なら適度に厚みができるのでうまくかぶせられるはず。

 

中村 かぶせますね。よいしょっ……と。

 

中山 おお、イイ感じですねー! これで完成です!

 

空いたプレートで「やりいかトマトバター」を作る

↑篠崎「大林」の「やりいかトマトバター」

 

中山 ではこの調子で「大林」で食べたメニューの「やりいかトマトバター」を作りましょう。まずはいかを切っていきます。いかは、やりいかじゃなくても大丈夫ですし、すでに処理されている板状のいかや冷凍いかでもOKです。

 

中村 こんな感じで大丈夫ですか?

↑いかは水洗いしてワタと足を抜き、フネというプラスチックに似た部位を引っ張って取り出します。上下で2つに分けたら、ワタや目の周辺を取り除いて2cm程度にカット

 

中山 いいですね! では、さきほど卵を焼いた浅いほうのプレートで焼いていきましょう。バターを溶かしたら、まずはにんにくを少し炒めてうまみをプラスします。

 

中村 ああ……いいですね~、いい香りがしてきました!

 

中山 いかに軽く火が通ったら、カットしたトマトを入れて一緒に炒め、塩こしょうとごまを振って完成です。いかの身が硬くならないように、サッと火を入れるのがポイントですね!

 

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亀屋の「ボール」を再現したタカラ「焼酎ハイボール」で乾杯!

中村 これで4品完成ですね! お待ちかねの乾杯といきますか~!

 

中山 このときのために、あらかじめ冷蔵庫でグラスとタカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>を冷やしておきました。これ、見てください!

中村 うわー! 缶とグラス多すぎ(笑)! でも、グラスも冷やしているところなんて、「亀屋」を思い出しますよね。

 

中山 お、さすがです。今日はこれで「亀屋」の焼酎ハイボール、通称「ボール」を再現しようかと。

 

中村 いいですね。ぜひお願いします!

↑八広「亀屋」名物の焼酎ハイボール

 

中山 グラスに輪切りのレモンを1枚入れて、あとはキンキンに冷やしたタカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>を注ぐだけ。味が薄まらないように、あえて氷は入れません。

中村 そのためにグラスも冷やしたんですよね。そういえば、「亀屋」もグラスと焼酎ハイボールの素(もと)と、炭酸水をしっかり冷やす“3冷(さんれい)”スタイルでしたよね。

 

中山 その通り! 今回は、グラスと焼酎ハイボール缶だから“2冷”ですけど。

 

中村 わあ、見た目は本当に「亀屋」の「ボール」みたいになりました!

中村・中山 では、カンパーイ!

 

中村 ……うん、やっぱり冷えてておいしいっ! ああ、味も「亀屋」の「ボール」みたいにキリっとしていて飲みごたえがあります!

 

中山 ですよね! 料理と合わせるともっとおいしいですよ。というわけで、作ったおつまみと合わせてみましょう!

 

「煮込み」と「串かつ」は感動のおいしさ

中山 まずは「サラダチキンメーカー」で作った「煮込み」からいただきましょう。

 

中村 おいしい! 具材にちゃんと味が染みてます。これは完成度が高い! 「煮込み」がこんなに簡単に作れるってスゴいですね。

 

中山 追い炊きとタカラ本みりんが効きましたね。もつもやわらかく仕上がっていて、これは上出来!

 

中村 処理済のもつを使ったから油っこくないし、全体的にやさしい味わいですね。濃厚なタイプもお酒に合いますけど、このやさしい味も好きです。こんにゃくも入っていてヘルシーですし。

 

中山 そこに、糖質ゼロのタカラ「焼酎ハイボール」は素晴らしい組み合わせですよね。では、次は「おひとりフライヤー 0.6L」で作った「串かつ」を味わいましょう!

中村 わあ! 衣がカリカリに揚がってるし、お肉は薄切りを重ねているからジューシーですごくやわらかい。肉汁がジュワッと出てきて、これも感動的においしいです。大きさは違いますが、「三祐酒場」の「串かつ」を思い出します!

 

中山 ほどよく芯が残った玉ねぎも、ジューシーな肉と相性抜群ですね! 焼酎ハイボールとの相性はどうですか?

 

中村 「串かつ」の濃厚な味をキリッとした焼酎ハイボールがリセットして、また食べたくなるし、飲みたくなる……。やっぱり、揚げ物とタカラ「焼酎ハイボール」の相性は間違いないですね!

 

「やりいかトマトバター」と「納豆オムレツ」は再現度が高い仕上がりに

中山 次は「大林」で食べた「やりいかトマトバター」をどうぞ!

 

中村 これ、すごくいい! 個人的には一番これが再現度が高い気がします!

中山 サッと炒めたのがよかったですね。水分も多すぎず、いかの弾力やトマトのみずみずしさもちょうどいいです。

 

中村 これを食べていると、「大林」さんのコの字型のカウンタ―とか、お店にびっしり貼ってあった短冊のメニューを思い出しますね!

 

中山 では、最後に「亀屋」で食べた「納豆オムレツ」をどうぞ。

 

中村 そうそう、「亀屋」さんは、納豆のほかに豚肉や野菜も入った贅沢なイメージで、こういう甘辛い味でした。やっぱり焼酎ハイボールがスゴく合います!

↑「納豆オムレツ」(手前)は卵の下に甘辛い味付けの具材がぎっしり

 

中山 タカラ「焼酎ハイボール」はどんな料理にも合いますけど、大衆酒場の料理とは相性抜群ですよね。

 

中村 はい、すごく進んでしまいます。それに、こうしてグラスに注いで飲むと、ますますお店で飲んでいるような気分になりますね!

 

中山 今回、調理家電で4つのおつまみを作ってみて、いかがでしたか?

 

中村 どれもおいしくできて、大満足です! さすが、大衆酒場のおつまみだけあって、どれも焼酎ハイボールに合う味でした。おうちで作ると、より自分好みの味にできるのもいいと思います。家電の実力もスゴかったですね!

 

中山 楽しんでいただいたようで、何よりです!

 

中村 ただ、食べて飲んでいるうちに、これまで行った大衆酒場のことを思い出して、恋しくもなりました。

 

中山 和やかな雰囲気や、大将やお客さんとのコミュニケーションも大衆酒場の醍醐味ですからね。

 

中村 はい! 大衆酒場はあの雰囲気もおいしさのひとつですから。いま、飲食店は大変な時期かもしれないですけど、またぜひお店に行きたいですし、これからももっと魅力を伝えるために頑張りたいです。中山さん、今日は酒場の雰囲気を思い出させていただいて、ありがとうございました!

撮影/中田 悟

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・タカラ「焼酎ハイボール」

https://shochu-hiball.jp/

・タカラ本みりん

https://www.takarashuzo.co.jp/cooking/honmirin/

 

「東京・大衆酒場の名店」バックナンバーはこちら▼

・第1回 【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

・第2回 【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

・第3回 【東京・大衆酒場の名店】伝説の「三祐酒場」で聞く「元祖焼酎ハイボール」発祥の噺

・第4回 【東京・大衆酒場の名店】酎ハイ街道をゆく。八広・亀屋の“ボール” 受け継がれる秘伝レシピの噺

・番外編 大衆酒場の酎ハイに欠かせない「下町炭酸」を飲み比べる噺

 

気鋭のブランド「SAKE HUNDRED」からスパークリング日本酒が3万円で限定発売! 泡雪のように溶ける酒を初夏に嗜む贅沢はいかが?

日本酒における最高峰のグローバルブランドを目指す「SAKE HUNDRED」から、初のスパークリング日本酒が限定発売されました。その名も「白奏 | HAKUSO」。価格は1本720mlで約3万円と、今回もセレブリティなプライスです。しかも約2000本の限定生産とのことで希少性もピカイチ。特別に試飲体験と、開発ストーリーなどを教えてもらえるということで、取材に行ってきました。

↑6月28日に新発売する「白奏 | HAKUSO」(720ml/税込3万800円)

 

構想2年。常識を打ち破る泡酒造りの舞台裏

まず、簡単に「SAKE HUNDRED」の説明を。同ブランドは「心を満たし、人生を彩る。」を掲げ、これまでの日本酒とは一線を画す立ち位置を築いています。造り方や味わいも個性あふれるものばかりで、コストも手間も開発時間も完全度外視。一切妥協をせずに生み出されることもあり、価格もそれなりにします。

↑「SAKE HUNDRED」のブランドクリエイティブ。1万円以下の商品はなく、最高額は19万8000円(税込)のヴィンテージ「現外 | GENGAI」

 

そして今回の新作はブランド7番目の商品。聞けば、スパークリング日本酒の発売は約2年前から構想していたとのこと。とはいえ、なかなか理想の味わいにたどり着けず、開発は困難を極めたとか。幾多の生みの苦しみを経て発売となったのが「白奏 | HAKUSO」なのです。

 

味のイメージは甘みが主体で、きめ細やかで柔らかい発泡感が特徴。スパークリング酒はワインでも日本酒でも、ドライでキレがあり、爽快な発泡感のタイプが主流ですが、あえてそうではない酒質を目指したといいます。

 

それでいて甘すぎず、上品でなめらかな味わい。常識を打ち破るような、これまでにないスパークリング日本酒を求めたがゆえに、長い歳月がかかったといいます。「味を知るにはまずご賞味を」とのことで、襟を正しつつまずはひと口。

↑グラスは、爽やかな印象を引き出したい場合はシャンパーニュ型、ふくよかな印象を引き出したい場合はリースリング型(すぼまりが強めの卵型)がおすすめとのこと

 

第一印象は、もぎたてのリンゴやマスカットを思わせるフレッシュな香味。口に含むと米由来の甘みが立ちつつ、爽やかな酸味も。どこか甘酸っぱいベリーのニュアンスやクリーミーなトーンもあり、繊細な泡のタッチが優しく刺激します。絶妙な甘みと心地良い発泡は余裕を感じさせ、総じて上品。

↑「白奏-HAKUSO-」の「白」は、ほんのり白い液色にインスパイアされたもの。泡の粒が口内でスッとたおやかに溶けていく様は、さながら軽くて溶けやすい泡雪のよう

 

「このフルーティさは、米を相当磨いているに違いない!」と思い、実際に聞いてみると、精米歩合はなんと18%と想像以上の答えが返ってきました。元の米から1/5以下にまで磨くことで、ピュアな甘みを醸し出していたのです。有名な高精白酒である「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」でも23%なので、それ以上。やはり「SAKE HUNDRED」、ただものではありません。

 

 

泡酒の名手×大吟醸に適した熊本酵母と山田錦

個々にイメージする味わいを、最も実現してくれる蔵元をパートナーに迎えるのも「SAKE HUNDRED」の特徴です。今回白羽の矢が立ったのは、熊本の河津酒造。同蔵は「シャンパン製法」と呼ばれる瓶内二次発酵の技術を、スパークリング日本酒で早くから取り入れていたことで知られ、当然ながら泡酒は大得意。

 

なおスパークリングタイプにする手法は、ガスを充填するか、瓶内で発酵させるかの大きく2つに分かれますが、後者のほうがナチュラルで繊細な泡を作りやすいのがメリット。ただし、狙った泡の質感にできるかどうかは腕次第というわけです。また、その際に「デゴルジュマン」という澱(おり)抜きの手法によって雑味の元となるもろみを抜くのですが、この工程が最も難しかったといいます。

 

なぜなら、もろみにもうまみが詰まっているから。試験醸造の際にもろみを抜いたところ、味の全体バランスが崩れてしまったそう。そこで酒質の密度を上げたり、日本酒度を下げて甘みを強化したり、また一次から二次発酵の際に3週間の熟成期間を設けてうまみも重ね、もろみを抜いた状態で理想の味になるよう整えていったのです。

↑アルコール分は14.2%。度数としては一般的な日本酒の平均値で、飲みごたえがありながら飲み疲れしないバランスに仕上がっています

 

河津酒造に製造を託したもう一つの大きな理由が、熊本が誇る酵母。「白奏 | HAKUSO」に使われている「熊本酵母(KA4-01)」は秋田・新政酒造が発祥の「きょうかい6号」や長野・宮坂醸造から分離された「きょうかい7号」と並び、現代吟醸酒の基礎を築いた熊本発祥の「きょうかい9号(熊本酵母)」を元に研究されたもの。近代的吟醸酒造りに特化した酵母で、上品で華やかな香りが特徴のため吟醸酒造りに最適なのです。

 

そして、酒米には味がふくよかになりやすく、甘みが主体の酒造りにも適した山田錦を採用。辛口の値を示す日本酒度が-17という、上品な甘口スパークリング酒が生まれたのです。

 

6月発売の限定2000本生産ということからも分かるように、「白奏 | HAKUSO」は初夏を楽しむ想定で造られています。真夏ほど暑くはなくしっとりとしたこの季節には、優しい甘さとなめらかな発泡の「白奏 | HAKUSO」が、よく合いそう。記念日や贈り物、または自分へのご褒美に、この特別な一本を入手してはいかがでしょうか。

気軽にワインを楽しみたい! コスパ抜群な1000円台の白ワイン5選

最近は手頃な価格のワインが増えてきたことから、家飲みでワインを選択する人も増えているのだとか。なかでも、飲みやすく食事にも合わせやすい「白ワイン」は、初心者にもおすすめです。渋みが少なく、スッキリとした味わいのものが多いので、デザートと合わせるのもおすすめ。そこで今回は、毎日の晩酌など、日常のシーンで楽しめる2000円未満(※価格はAmazon調べ)の白ワインをご紹介します。

 

目次

 


国内外のコンクールでの評価が高い国産白ワイン


サントリー ジャパンプレミアム 甲州

ジャパンプレミアム「甲州」は、2015年日本ワインコンクール「甲州辛口タイプ」部門で銀賞を獲得するなど、国内外のコンクールで入賞している評価の高い白ワインです。ブドウは、1000年以上の栽培の歴史を持つとされる日本固有のワイン用品種を使用。そのやさしく繊細な味わいが“日本的な美しさ”のあるワインとして、日本だけでなく世界の市場でも高く評価されています。和柑橘を感じる上品な香りと、旨みを感じるしっとりした味わいが特徴。購入者からは「とてもフルーティーで香りもよく飲みやすかった」「和食や和風味と合わせるとより楽しめそう」との声も。

【詳細情報】
内容量:750ml
発送重量:1.31kg

 


100年の歴史を持つフルーティーなドイツワイン


リープフラウミルヒ マドンナ

ドイツでも由緒ある歴史を持つファルケンベルク社によるフルーティな味わいの「マドンナ」は、「聖母の乳」の名を持つ、ドイツを代表するワインのひとつです。新鮮な果物の酸味、軽やかな甘さ、みずみずしく爽やかな味わいが特徴。和食との相性はもちろんのこと、スパイシーなエスニック料理や中華とも相性抜群です。キリッと冷やしてキャンプやバーベキューなどのアウトドアで楽しむのもおすすめ。絶妙な酸味と甘味のバランスが、料理の味を一層際立たせます。おすすめは、ドライフルーツのクリームチーズ和えをのせたカナッペなど。「やさしくまろやかで飲みやすくワイン初心者に最適」との声も聞かれます。

【詳細情報】
内容量:750ml
発送重量:1.17kg

 


フルーティな香りと爽やかな味わいが特徴のチリワイン


ロス ヴァスコス シャルドネ

ロス ヴァスコスはチリに移住したスペイン人により、1750年に創業。ぶどう畑の所有面積は3600ha、その内作付け面積は580haとコルチャグア・ヴァレー中部で最大。広大な土地ですが、殺虫剤や除草剤などの化学物質に頼らないキャノピーマネジメントなどの手法を採用し、グリーンハーヴェストによる収量制限、樹齢による区画の管理を行い、収穫は手摘みと手間暇をかけて作られています。柑橘やバナナなどを思わせるフルーティな香りとフレッシュで爽やかな味わいが特徴。購入者からは「キリッとした辛口というよりは、芳醇さの中に辛さが潜む感じ」「後味や香りの余韻は強く残らずクールでサッパリした印象」との声も。

【詳細情報】
内容量:750ml
発送重量:1.2kg

 


洗練されたエレガンスを感じさせるチリワイン


ロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン

ロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブランは、フランスの名門バロン・ド・ロートシルト家が手掛けるエレガントなチリ産の白ワインです。柑橘やトロピカルフルーツのようなボリュームある華やかなアロマと、ほどよいコクとすっきりした酸味が特徴。よく熟したソーヴィニヨン・ブラン種の特徴を存分に引き出しました。愛飲者からは「甘さは全くなく、すっきりとした味。だからこそ何にでも合うと思います」「白ワインとしては香りが強く、良い香りが楽しめるのも良い」「同じ味わいでイタリアやスペイン産のワインなら3千円以上はすると思います」と高評価。他にも「スクリューキャップなので気軽にアウトドアにも持って行けるのがうれしい」という声も。

【詳細情報】
内容量:750ml
発送重量:1.1kg

 


世界的評価の高い南仏生まれのフルーティーな辛口ワイン


レゾルム ド カンブラス シャルドネ

レゾルム ド カンブラス シャルドネは、フランスNo.1の販売数量を誇るカステル社が手がける、南仏生まれのフルーティな白ワイン。辛口仕立てでほどよいコクがあり、日本の食卓を意識して特別に作られています。りんごや黄桃を思わせる香りと、やわらかな印象の果実味、酸味のバランスの心地良さが特徴。ぶどう本来の果実味を活かした瑞々しさは、日本人の味覚に合うバランスの良い味わいで、ゴマだれ味のしゃぶしゃぶなど、旨味を感じるメニューにピッタリ。また、世界的評価も高く、シャルドネ・デュ・モンド2017にて金賞を受賞した実力派です。ユーザーからは「白ワイン独特の酸味が苦手な人に最適」「スッキリ飲みやすく日常使いにぴったり」との声がある一方で「白ワインの個性を求める人には、物足りなく感じるかも」との声も。

【詳細情報】
内容量:750ml
発送重量:1.04kg

 

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「COEDO」から夏にピッタリな麹とゆずのIPAが数量限定発売、「UKIYO-E PROJECT」とコラボした新商品

協同商事コエドブルワリーは、浮世絵「時鐘江戸俤(ときのかねえどのおもかげ)」をテーマにしたコラボレーションビールを7月7日に発売します。350ml缶で希望小売価格は438円(税込)です。

 

協同商事コエドブルワリーは、「Beer Beautiful」をコンセプトに掲げるクラフトビールメーカー。パッケージに大きく「COEDO」のロゴが記載されたクラフトビールというと、ピンとくる人も多いのではないでしょうか。

 

今回コラボレーションするのは、浮世絵職人の失われそうな技術の需要を創出し、後世に伝承していくプロジェクト「UKIYO-E PROJECT」。このプロジェクトから、川越市のシンボルである鐘楼「時の鐘」を描いた新作浮世絵「時鐘江戸俤」が販売されます。これにともない、浮世絵にインスピレーションを得たビールを数量限定で醸造するとのこと。

 

コラボレーションビールは、麹とゆずを使って醸造されたJapanese style Brut IPA。5種類のホップとゆずからなる重層的な香りと味わいが口の中で弾けるうえ、米麹を使用することによってドライで軽やかな飲み口に仕上げたとしています。ゆずとホップの苦みや香りと、麹と酵母が醸す後味のキレは、夏にピッタリだそうです。

 

ラベルは「時鐘江戸俤」を用いた風情あるデザインになっています。

 

販売は全国のスーパー、酒販店、百貨店など。なお、6月23日からCOEDO ONLINE SHOP 公式通販サイトで、先行予約受注も開始しています。

 

暑い時期にキンキンに冷やして飲むと、汗がスッと引きそうなビールです。数量限定とのことなので、気になる人はチェックを欠かさないようにしましょう。

“プレミアム茶割り”と言いたいリッチな味。香るボトルの「アサヒ月庵 緑茶割り」がセブン-イレブンから限定発売

RTD(=Ready To Drink、開封してすぐ飲めるドリンク)ではレモンサワーが人気ですが、緑茶割りも一定のファンがいて見逃せないカテゴリーです。この度、1都4県(東京・神奈川・千葉・埼玉・静岡)のセブン-イレブン限定で「アサヒ月庵 緑茶割り」が新発売されました。ルックス的には上品さや渋さを感じますが、中身はどうなのでしょうか。レポートしていきましょう。

↑「アサヒ月庵 緑茶割り」。400ml入りで199円(税込。以下同)、アルコール度数は4%

 

甘くまろやか。上品な渋味が抜けるリッチな味

プレスリリースによると「アサヒ月庵 緑茶割り」の特徴は、煎茶、玉露、かぶせ茶という3種類の国産茶葉を低温で長時間かけてじっくり抽出たことにより、緑茶のまろやかなうまみと滋味深い渋みを楽しめるところ。香料を使わず、茶葉由来の自然な味わいや香りを感じられるのも魅力とのことです。

 

容器には、リキャップ可能な口の広いボトル缶が採用されています。これは、茶葉がもつ華やかで深みのある香りを最大限に感じられるという点と、自分のペースに合わせてゆっくりと味わうことができるというメリットを狙ったもの。

↑アルコールは国内製造の焼酎がベース。また、逆さにしてから飲むことを推奨しているのは、それだけ茶葉のうまみが濃いため、よく混ぜるのがオススメということでしょう

 

なお、アサヒの広口RTDでは、プレミアムレモンサワーと言える「アサヒ ザ・レモンクラフト」シリーズも。これは鮮烈なレモンフレーバーが圧倒的で、贅沢なプロダクトとそれに見合った高めの価格が特徴。「アサヒ月庵 緑茶割り」も同様のブランディングを感じますが、香りや味はどうでしょうか。

↑色味はやや濃いめで、贅沢感は十分。期待が高まります

 

まずは香りを嗅いでみると、緑茶ならではの青々しさや甘みを感じます。そして一口飲んでみると、味わいとしても甘やかさやまろやかなタッチが印象的。酸味は穏やかで、キレがありながら余韻として上品な渋味が抜けていきます。

↑ベースの焼酎はクリアで、茶葉のうまみが全面に出てくる印象。総じてリッチな味わいです

 

また、100mlあたり25kcalあるものの、甘さはなく、食事と相性がいいことは確実。セブン-イレブン限定発売ということで、「セブンプレミアム」の惣菜を数種合わせてみました。

 

あっという間に飲み切れる吸い込みの良さ

選んだのは3つ。あっさり系の「6種具材のお豆腐とひじきの煮物」(213円)、酸味のある「野菜と食べる砂ずりポン酢」(246円)、こってり系の「牛塩ホルモン炒め」(429円)です。

↑緑茶割りと料理の相性の良さを改めて検証!

 

「6種具材のお豆腐とひじきの煮物」は、素朴の素材な味を甘じょっぱく味付けしたザ・家庭料理といえる一品。この繊細さを「アサヒ月庵 緑茶割り」のソフトな味が生かしつつ、しっかり寄り添います。例えばこれが、甘みの濃いベリー系の炭酸サワーや渋味の強い赤ワインだった場合はこうはなりません。

↑無炭酸でやさしい味わいの、緑茶割りならではのグッドフィーリングです

 

次は「野菜と食べる砂ずりポン酢」。うん、これもかなり良いです。爽やかな素材の味に、ポン酢がさらにさっぱり感をプラスした料理ですが、「アサヒ月庵 緑茶割り」を合わせると茶葉のまろやかな甘味が際立ち、全体のまとまりがアップします。

↑「アサヒ月庵 緑茶割り」の風味は、酸っぱい料理とも見事に調和。酸味系全般に合うと思います

 

最後は「牛塩ホルモン炒め」ですが、これもナイス。3種の茶葉の適度な渋味が、牛肉のコク深いうまみや脂の濃厚なオイル感をしっかりリセットしてくれます。

↑辛味は緑茶のまろやかなタッチが包み込むので、これも絶妙

 

気が付いたら400mlでもあっという間に飲み切ってしまう、吸い込みのよさ。これは炭酸がなく、アルコール度数が4%というのも影響しているでしょう。今回は夏のシーンを想定して冷やして飲みましたが、常温でも円熟味が前に出ておいしいと思います。

 

緑茶割りは冒頭で述べたように一定のファンがいるカテゴリーで、筆者の知人の中には「あらゆる酒のなかで緑茶ハイ(緑茶割り)が一番好き」という人もいます。近年では100種類のお茶割りに特化した「茶割」という専門店が登場するなど緑茶割りのポテンシャルは高く、販売地域の拡大も考えられるでしょう。「アサヒ ザ・レモンクラフト」もセブン-イレブンから先行発売したストーリーを持っていますし、「アサヒ月庵 緑茶割り」の展開にも注目です。

販路拡大で爆売れ中! 伝説のホップ「SORACHI1984」担当者が語る日本のビールの可能性

「実は2~3年前、国内クラフトビール市場は勢いを失っていたんです」。そんな話をとある醸造家から聞き、筆者は耳を疑いました。というのもその時期はコロナ前。ビール専門店が地方でも開業する動きが活発化し、造り手も、酒販店も増えていたので、まさかと思いました。しかし、視点を変えれば踊り場に差し掛かっていた市場があるというのです。

 

その醸造家は「サッポロ SORACHI1984」のブリューイングデザイナー、新井健司さん。最新トレンドも含めて業界動向を詳しく聞かせてくれるということで、オンラインでインタビューを行いました。

↑新井さんが手掛ける「サッポロ SORACHI1984」。2019年にデビューして今春リニューアルしました。参考価格は350ml缶で税込267円です

 

「SORACHI1984」はクラフトビールを名乗らない

新井さんが「踊り場に差し掛かっていた」と話す市場は、スーパーやコンビニなどの小売り店のこと。クラフトビールは2015年頃に大きな盛り上がりを見せ、飲食店はもちろん小売り店を販路にもつ大手メーカーもクラフト向けブランドを立ち上げましたが、2019年頃から小売り商品の方は失速していったといいます。

↑サッポロビールの新井健司ブリューイングデザイナー(写真は2019年の取材時。撮影/我妻慶一)

 

筆者も、大手による小売り商品の話であれば納得。サッポロビールは2015年に「Craft Label」というブランドを立ち上げましたが、その後撤退しています。新井さんは「確かに全国各地で新しい醸造所やクラフトビールのレストランが開業していて、造り手も飲み手も増えたと思います。外食も含めた全体の市場で見れば落ち込んではいないでしょう」と言います。

 

いずれにせよ、スーパーやコンビニ向けのクラフトビールは外食シーンほど盛り上がりませんでした。より深掘りすれば、クラフトビールを飲みたい人は飲食店で楽しむので、スーパーやコンビニでは買わなかったということでしょう。

 

ただし、コロナ禍によって状況は一変しました。外で飲むことが憚れるようになり、家飲み需要が拡大したのはご存知の通り。落ち込んでいた小売りのクラフトビール市場は、2020年から息を吹き返したのです。

 

「ビアパブなどが好きだった方は、小売り店でクラフトビールを買う頻度が上がったことでしょう。一方、クラフトビールが特別好きでなかったとしても『せっかくだからちょっといいモノを選びたい』という心理により、いつも飲んでいるビールではなくクラフトビールを選ぶケースは増えたと思います」(新井さん)

 

2019年頃から停滞気味だった小売り向けクラフトビール市場。それも一因となり、「サッポロ SORACHI1984」の造り方や個性豊かな風味はクラフト的でありながらも、2019年のデビュー時からクラフトビールとは謳っていません。

↑最大の特徴は、サッポロビールが1984年に開発し、いまや世界中のブリュワーから人気となっている日本屈指の個性派ホップ「ソラチエース」を100%使用していること

 

「市場動向以上に、一番の理由はクラフトビールだと謳う必要がないからです。目的はビールの面白さや多様性を訴求して飲み手を増やすことなので、クラフトビールとしてカテゴライズすることはあくまで手段の一つに過ぎません。それに、願わくばクラフトビールだからという動機よりも、『サッポロ SORACHI1984だから』『ストーリーに共感するから』『ソラチエースが好きだから』という理由で選ばれるブランドになりたい。そのため、世の中の立ち位置的にはクラフトビールの扱いかもしれませんが、私たちからはクラフトビールだというコミュニケーションはしていないんです」(新井さん)

 

ホップで選ばれるようになれば、ビールはもっと楽しい

冒頭で述べた通り、今春リニューアルした「サッポロ SORACHI1984」。どこが進化したのかを聞くと、国産ホップの使用比率がアップしたことだといいます。

↑「ソラチエース」は北海道空知郡上富良野町産を一部使用。メインはアメリカ産ですが、その理由は日本産の絶対数が足りていないから

 

「国産の『ソラチエース』比率を上げていくのが私たちの使命の一つ。年々上がっているのですが、おかげさまで『サッポロ SORACHI1984』の販売数量も増えています。去年は共同契約の生産者さんの圃場(ほじょう。畑のこと)に植えて、今年から収穫していく活動も。そうやって、いつか日本産100%の仕様で届けることを夢見て今後も増やしていきます」(新井さん)

↑左が一般的なホップで、右が「ソラチエース」。ホップの球花(きゅうか)が大きいのも「ソラチエース」の特徴です

 

改めて、最新版を飲んでみました。やはり「ソラチエース」ならではの個性は健在。ハーバルで華やかな香り、柑橘系のジューシーな苦みの中に、ウッディな爽快感や南国的で陽気なニュアンスも。

↑泡立ちも良好。海外のホップに負けないジューシーな苦みがありながら、繊細なオリエンタルフレーバーがあって非常に好みな味わいです

 

筆者が個人的に気になっていたのは、最近セブン-イレブンでも見かけるようになったこと。聞けば5月から取り扱いがスタートし、「サッポロ SORACHI1984」の売り上げはさらに絶好調とか。そこで、セブン-イレブンのPBとのオススメペアリングを聞いてみました。

 

「繊細系から濃厚系まで様々なおつまみに合うと思いますが、意外性があってぜひ試していただきたいのが、セブンプレミアムのアップルマンゴーや、アップルマンゴーを使ったアイスです。というのも、以前『モザイク』というマンゴーのような香味特性をもつホップを使った限定商品「SORACHI1984 SESSION」を造ったことがあり、非常に互いの魅力を引き立て合う相性の良さだったのです」(新井さん)

↑「まるで完熟マンゴー」(税込138円)を合わせてみました。たしかに、マンゴーのトロピカルな余韻がビールの爽快な苦みと合わさって、双方がよりボリューミーなおいしさに

 

新井さんに今後の取り組みを聞くと、最近では有名な実演販売士・レジェンド松下さんによる商品紹介動画をYouTubeでアップするなど、ブランドの接点を増やしているとか。また、情勢を見ながら外食でもユニークな飲用体験を提案したり、北海道色の強いお店で訴求する活動をしていくそうです。

 

「長期的な夢は、ワインがシャルドネなどの品種で選ばれているように、ビールがホップの種類で選ばれるようになること。これは海外のビール先進国でもそれほど実現されていませんが、いつかホップの代表格に『ソラチエース』があるとうれしいですね。以前、キリンビールさんとコラボイベントを行いましたが、多くの造り手や生産者さんと協力しながら、ホップの魅力や可能性を伝えていきたいです」(新井さん)

↑「サッポロ SORACHI1984」の公式サイト。新たに、ホップに関する詳細なコンテンツが加わりました。2020年に植えた「ソラチエース」が育つ様子も見られます

 

まだまだ続くであろう家飲み需要と、家庭向けクラフトビールの消費拡大。「サッポロ SORACHI1984」を飲んだことがない人は、ぜひ一度お試しを。

【飲み比べ】リニューアルした「ヱビス」はどこが変わった?「4種の違い」を深掘りチェック

様々なお酒がある中、今改めて注目したいのがビール。話題の新作が続々登場するなど、ビール市場は大いに盛り上がっています。一方で既存ブランドの進化も見逃せません。今回紹介するのは、誕生131年目の今年、ブランドのリニューアルを実施したヱビス。プレミアムなビールとして愛され続けるヱビスは、どう変わったのか? リニューアルの詳細を多方面から深掘りします。

↑生まれ変わった通年販売3商品と、期間限定の1商品(右)をご紹介

 

130年以上の歴史を持つ、おいしいビールの代名詞

ヱビスビールの歴史は長く、誕生したのは1890年。ビール大国のドイツから醸造設備を運び、現地の技師も招いて本格的なビール醸造を開始しました。それ以来、130年以上もの間“本物のおいしさ”にこだわった本格派ビールの先駆けとして、市場をけん引してきました。かつてヱビスビールの工場があったことから、東京・恵比寿の地名が名付けられたことでも知られています。

 

ヱビスの特徴でもある”贅沢な味わい”は、こだわりの素材と手間暇を惜しまない製法によって造られます。まず、原料はドイツのビール純粋令に則り、厳選された欧州産麦芽、バイエルン産アロマホップ、そして独自のヱビス酵母のみを使用。副原料は使わず、華やかな香りと深みのあるコクを生み出します。

 

また、製造工程において通常のビールよりも同社比1.5倍の長期間熟成をさせることにより、麦芽100%のコクを引き出しつつ、雑味がなく丸みのある味わいと、爽やかなのど越しを実現しました。クリーミーな白い泡とクリアな黄金色も、長期熟成によるもの。様々なこだわりから生まれたヱビスは、今では上質でおいしいビールの代名詞として、その地位を不動のものにしています。

 

リニューアル後は“多彩な楽しみ方”を提案

そんな「ヱビス」が、2021年にリニューアルしました。ブランドコンセプトをこれまでの「ちょっと贅沢な、自分へのごほうび」から、「Color Your Time! YEBISU ビールの楽しさ、もっと多彩に。」に変更。嗜好が細分化して、より本物を求めるようになった消費者の期待に応えるため、プレミアムビールの多彩な楽しみ方を提案していくとのことです。

 

それでは、新しく生まれ変わったヱビスの、個性豊かなラインナップをチェックしていきましょう。

 

まずは「ヱビスビール」と「ヱビス プレミアムブラック」。通年販売の2品は、パッケージをリニューアルしました。YEBISのブランド名の下には、「BORN IN 1890, TOKYO」の文字。東京をベースに持つヱビスの歴史やストーリー、そして東京という都市の多様性をミックスしたコピーです。大きくあしらわれた伝統の恵比寿様のイラストが、その風格を感じさせる缶デザインになっています。

↑「ヱビスビール」350ml缶。ゴールドのカラーと、おなじみの恵比寿様が上質感を演出

 

↑「ヱビス プレミアムブラック」350ml缶。香ばしくて芳醇な黒ビール

 

続いて紹介するのが、パッケージだけでなく中味も刷新された「ヱビス プレミアムエール」。エールビールは、日本で一般的なラガービールに比べて、やや高めの温度(20~25℃)で発酵させたビール。豊かな香りや、奥深い味わいが特徴です。そこへ今回新たに、ヱビスこだわりのドイツバイエルン産アロマホップの香りを際立つ最適なタイミングで添加することで、ヱビスならではのエールらしい香りに進化している、とのこと。

↑「ヱビス プレミアムエール」350ml缶。濃密な香り、凛とした苦味を楽しめるエールビール

 

期間限定商品もリリースされています。2021年3月30日発売の「ヱビス プレミアムホワイト」は小麦麦芽を一部に使った、春夏の季節に適した爽やかなビールです。

↑「ヱビス プレミアムホワイト」350ml缶。これからの季節にもぴったりの、すっきりとした香りが華やぐ期間限定商品です

 

それぞれが個性的なヱビス。好みに合わせて上質なビール時間を

先ほど紹介した4商品を飲み比べてみます。

↑爽快系からボディの豊かなタイプまで、好バランスなラインナップです

 

1本目は王道の「ヱビスビール」から。副原料を一切使用せず上質な原料だけで造られた、あふれるうまみとふくよかなコクが特徴です。

 

飲んでみて感じられるのは、麦芽の豊かな甘味とすがすがしい苦味。どっしりした後のキレも十分で、きわめてバランスがよく、飲み疲れない王道のおいしさ。まさに定番にふさわしい、絶対的な一本といえるでしょう。

↑うまみとコクがありながらも、飽きさせないバランスはさすがの一言

 

2本目は「ヱビス プレミアムブラック」。炭焼きしたプレミアムロースト麦芽や、うまみを引き出す伝統的なトリプルデコクション(3回煮沸法)などを用いた、香ばしく芳醇なヱビスならではの黒ビールです。

 

ロースト麦芽の香ばしい甘味を醸し出しながら、濃密になりすぎないよう上品にまとめられていて飲み口はまろやか。泡持ちも良く、大人の風格を漂わせる仕上がりです。

↑ただ濃厚なだけじゃなく、まろやかさも感じられる上品な黒ビール

 

3本目は「ヱビス プレミアムエール」。カスケードホップ、バイエルン産アロマホップの2種類を使用して、濃密な香りと余韻、そしてふくよかなコクを実現。日本人の嗜好に合わせたエールビールです。

 

飲んでみると、エール特有の甘やかなコクが華やかさを感じさせつつ、苦すぎない上品なホップのビターさが、優雅な爽快感を演出。ひとまわり豊かなボディを感じつつも、決して重くなくて、杯も進みます。

↑ボディとビター感がしっかりありつつスムースで飲みやすい。絶妙な仕上がりです

 

ラスト4品目は限定醸造の「ヱビス プレミアムホワイト」。小麦麦芽と上面発酵酵母による、白ワインのように華やかな香りと心地いいコクが特徴です。

 

印象としては、小麦ビール特有のバナナフレーバーは抑えつつも、フルーティなアロマが前面に出た、ブライトでやさしい香味のホワイトビール。タッチや泡からはソフトなニュアンスが感じられる、繊細かつエレガントな仕上がりです。

↑のど越しが良くてフルーティ。爽やかでやさしい小麦ビール

 

ブランドのなかに多彩なフレーバーがラインナップされていて、それぞれの個性を楽しめるのもヱビスの魅力のひとつです。

↑自分の好みにマッチしたヱビスで、上質なビール時間を!

 

自分の嗜好や飲用シーンに合わせた1本を選ぶだけでなく、より贅沢な気分に浸りたいときは、ぜひ飲み比べも楽しんでみてください。

【飲み比べ】大ヒット缶チューハイ「99.99」が大刷新で 「冴えた旨さ」に磨きがかかってる!

サッポロを代表する缶チューハイのひとつが「サッポロチューハイ99.99(フォーナイン)」。2018年にデビューし、RTD(=Ready To Drink、開封してすぐ飲める缶やペットボトル入りのドリンク)ブームで様々な新作が乱立するなか頭角を現し、一大ブランドに成長した人気商品です。それが4月6日、大幅なリニューアルを遂げたとのこと。真価を知るべく、4つのフレーバーを新旧で飲み比べました。

↑今回リニューアルした「99.99」シリーズ4商品(参考小売価格は350ml缶で141円、500ml缶の場合191円/ともに税抜)。上段が新パッケージで、下段が旧パッケージ

 

99.99%の高純度ウォッカによるクリアな飲み味が人気

「サッポロチューハイ99.99」シリーズ最大の特徴は、この商品のために開発された純度99.99%のウォッカを使用している点。2段階白樺ろ過によって磨かれた高純度ウォッカは、ブランド名の由来にもなっています。

 

純度が高い=雑味がない、つまりクリアなおいしさを実現できるということ。アルコール度数9%の飲みごたえと、キレのある味わいが楽しめます。

 

リニューアルでは理想の“飲みやすさ”を追求

そんな「99.99」のリニューアルにあたり、改めて同シリーズが提唱する“飲みやすさ”を定義したとのこと。その飲みやすさとは、「満足感ある飲み口」と「雑味を感じないキレのある後味」の2つ。“こだわり”や“味覚”そのものを楽しむという、近年の消費者の志向にマッチした品質を目指しています。

 

4月6日にリニューアル発売されたのは、「クリアドライ」「クリアレモン」「クリアグレープフルーツ」「クリアシークヮーサー」の4つのフレーバー。

↑リニューアル版。果実のイラストや「99.99」の文字が大きくなりました

 

スタイリッシュなデザインが好評だったパッケージも大幅に刷新。サッポロをイメージさせる星マークや、「99.99」の商品名、果実のイラストを大きくあしらった一方で、全体の情報量は抑え、シンプルかつグラフィカルなデザインに進化しています。

↑下段が旧パッケージ。思いっきり「New」と描かれていますが、こちらが「Old」です

 

自然な果実感がアップ、後味はさらにクリアに

「99.99」シリーズの新バージョンと旧バージョンを飲み比べてみました。全体的に飲み口のボリュームや飲みごたえが強化されていながら、クリアなキレでクドさが皆無。想像以上の飲みやすさに驚かされます。透明感が冴えた分、果実感もアップしていて、自然な味わいに磨きがかかりました。

 

ラベルをじっくり比較すると、スペック自体が変わっています。例えば「クリアレモン」はカロリー、炭水化物、糖質などが少しだけアップしていて、これが飲みごたえの強化につながっているのかもしれません。意識しながら飲み比べないと新旧の違いが分かりづらいリニューアルも世の中にはありがちですが、「99.99」はアップデート内容がかなり分かりやすいです。

 

それぞれのフレーバーをチェックしていきましょう。まず、紹介するのは「サッポロチューハイ99.99 クリアドライ」。新バージョンでは無糖になり、よりドライでシャープな味わいになりました。

↑「サッポロチューハイ99.99 クリアドライ」350ml缶。写真左が旧、写真右が新(以下同)

 

↑柑橘系の果実味もわずかにアップし、飲みやすくなりました

 

↑リニューアル後は原材料名から「糖類」と「苦味料」が消えて、ドライさと飲みやすさを両立

 

2商品目は「サッポロチューハイ99.99 クリアレモン」。キレのある飲み味はキープしつつ、果実感をアップさせたことで、これまで以上にレモンの爽やかな酸味を楽しめます。

↑「サッポロチューハイ99.99 クリアレモン」350ml缶

 

↑レモンのフレッシュな果実味を、より感じられるようになりました

 

↑カロリー、炭水化物、糖質がわずかに増えています

 

3商品目は「サッポロチューハイ99.99 クリアグレープフルーツ」。こちらも果実感をプラスして、グレープフルーツが持つ甘味・苦味・酸味のバランスを向上させました。

↑「サッポロチューハイ99.99 クリアグレープフルーツ」350ml缶

 

↑グレープフルーツの爽快な風味を前面に出した味わいに変化

 

↑カロリー、炭水化物、糖質、食塩相当量が上昇

 

ラスト4商品目は「サッポロチューハイ99.99 クリアシークヮーサー」です。今回のリニューアルでは、シークヮーサー特有の晴れやかな甘酸っぱさが強調されています。

↑「サッポロチューハイ99.99 クリアシークヮーサー」350ml缶

 

↑シークヮーサーの自然味あふれるフルーティさがアップ

 

↑カロリー、炭水化物、糖質がアップ。甘味料スクラロースが不使用になっています

 

これらレギュラー4商品のほか、5月11日には数量限定の「サッポロチューハイ99.99 クリアオレンジ」がラインナップに追加。厳選したオレンジのブライトな飲み味を楽しめる1本に仕上がっています。

↑「サッポロチューハイ99.99 クリアオレンジ」350ml缶。こちらもレギュラー同様、参考小売価格は141円、500ml缶の場合191円(ともに税抜)です

 

昨今は低アルコールドリンクの人気が伸長しているものの、「常飲はしていないけど、たまに飲みたくなる」という人も少なくないはず。そこで選ぶポイントのひとつが“飲みやすさ”。従来の「99.99」をよく知っている人もそうでない人も、ぜひ本稿を参考に味わってみてください!

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

「麦とホップ」にはクラフトビール的な面白さがある。飲み比べてわかったその理由

俳優の田村正和さんを偲ぶ声が多いなか、筆者の印象に残っているのは2008年に誕生した「サッポロ 麦とホップ」の「私には、ビールです。」というCM。いまでこそ、「まるでビール」とか「ビール好きも納得」といった新ジャンルは多いものの、「サッポロ 麦とホップ」はその先駆けであり、だからこそいまも人気なのだと強く思います。

↑「サッポロ 麦とホップ」。350ml(参考価格141円)と500ml缶(参考価格200円)があり、多彩な商品群も特徴

 

デビューから10年以上が経つ中で進化し続け、現在のコンセプトも「ビール好きのための新ジャンル」「ビール好きに、どストライク!」と一貫。それは味わいに対するリアルさはもちろん、個人的には深い意味があると思っています。本記事では、味わいとブランドの魅力という2つの面で、「サッポロ 麦とホップ」を紹介していきます。

 

新採用の製法でうまさにいっそう磨きがかかった

「サッポロ 麦とホップ」の特徴として挙げられるのは、やはりビールらしい味わいです。これまでも素材や製法などをブラッシュアップし続け、味に磨きをかけてきましたが、最新版はかなり大胆に進化。その主となる要素が、新採用された「うまみ麦汁製法」です。

↑「サッポロ 麦とホップ」。ビール好きのための新ジャンルであることが、パッケージにも書かれています

 

この新製法は、麦汁のアミノ酸をアップする仕込み条件を適用し、通常のビールよりも長時間かけてろ過することで、いっそうビールに近い飲みごたえを実現するというもの。まずは大定番の「サッポロ 麦とホップ」から飲んでみます。

↑泡立ちもよく、貫禄十分

 

ウリとされる麦汁のうまみもさることながら、アルコール度数が5%で苦みやシャープな爽快感もあり、全体のバランスがしっかりしています。そのため、飲みごたえがありながらもゴクゴクいけるスムーズな仕上がりで、料理にも幅広くマッチするでしょう。

↑今回紹介する4種のなかで、最もスタンダードな味わい。具体的には、万人受けする飲み慣れた味、季節を問わない、料理との相性が幅広い、などが挙げられます

 

冒頭で述べた、「個人的には深い意味」「ブランドの魅力」というのは、平たくいえば多様性。「サッポロ 麦とホップ」には<黒>、<赤>という2種の定番フレーバーがあるほか、現在は限定商品の「サッポロ 麦とホップ 夏の香り」も発売中です。

↑「サッポロ 麦とホップ 夏の香り」。5月11日から限定発売されています

 

限定フレーバーは毎年数回、定期的にリリースされていて、筆者が知るビール好きには「麦とホップの限定は毎回楽しみにしている人」が少なくありません。つまり、ビール好きにとっては“選ぶ楽しさ”があるブランドなのです。もちろん筆者も、常に注目しているファンのひとり。そこで改めて、<黒>、<赤>、<夏の香り>、それぞれの特徴を深掘りしていきます。

 

“クラフトビール”的な面白さの正体

「サッポロ 麦とホップ<黒>」は、シリーズの中で初めて定番のエクステンション商品となったフレーバーです。新採用の「うまみ麦汁製法」を採用しつつ、じっくりと時間をかけて熟成し、黒麦芽による深いロースト香と凝縮されたうまみに仕上げています。

↑「サッポロ 麦とホップ<黒>」。これ1本でも十分においしいですが、「サッポロ 麦とホップ」とハーフ&ハーフにして楽しむのもオススメ

 

味はクリーミーなタッチと、大人なロースト香が絶妙です。コクや甘み、そして苦みや爽快感も調和していて好バランス。料理は黒酢酢豚に味噌煮込みなどの発酵調味料を使った料理や、スモークチキンなどの燻製系、チョコレートを使ったスイーツにも合うと思います。

↑泡もシルキーで持ちがよく、ハイクオリティ

 

「サッポロ 麦とホップ<赤>」は、2012年に限定商品として登場し、その後レギュラーに昇格したフレーバー。限定だった時期にドイツの収穫祭で楽しまれるメルツェンスタイルをモチーフにして登場したこともあり、いまでもそのメルツェン的なコク深さと甘みを感じられます。

↑「サッポロ 麦とホップ<赤>」。中身も赤みがかった褐色で、アルコール度数が6%とやや高めなのも特徴

 

飲みやすい王道の味を踏襲しつつも、ボディはどっしりめ。特にモルトの甘やかなトースト香がカラメル的なニュアンスを放ち、贅沢な飲み口です。タレの焼鳥や焼肉といったタレ系の肉料理、あとは餃子や海老チリといった中華や、トマトを使った料理にも合うと思います。

↑まろやかで、余韻も深め。リッチな気分に浸れる一本です

 

初夏限定の「サッポロ 麦とホップ 夏の香り」は、ドイツ産アロマホップを使った華やかな香りと、エール(上面発酵)酵母を使った爽快感が特徴。個人的にはこの初夏の限定フレーバーが好きで、「今年は水色で来たか!」というのが第一印象です。

↑液色は今回のなかで最もブライト。パッケージは「限定製造」のアイコンと、ホップのイラストが目印です

 

というのも、2019年の初夏はニュージーランド産の希少ホップ「パシフィックジェイド」を使った「サッポロ麦とホップ 爽の香」。2020年の初夏はチェコ・ザーツ産の最高級ファインアロマホップと、ホップの投入回数増加に重きを置いた「サッポロ 麦とホップ THE HOP」で、どちらの缶も緑系のパッケージだったのです。新作の特徴はアロマホップにエール酵母ということで、今回も期待が高まります。

↑やわらかなタッチで、上品さを感じる心地いい味わいです

 

飲んでみると、エールらしさを感じさせる甘やかなコクと、アロマホップのフローラルな香りが印象的。また、エール酵母は同社が誇る個性派新ジャンル「ホワイトベルグ」にも使われているのですが、共通したフルーティなニュアンスも感じました。

 

レギュラーのフレーバーとはっきりキャラクターがわかれていて、限定品では毎年季節に合った個性豊かな味を届けてくれます。新ジャンルビール類は数あれど、多様性の面では「サッポロ 麦とホップ」がピカイチです。それはいわば、“クラフトビール的”といえる面白さ。リーズナブルにビールらしい味を満喫したいとき、またはビールの多様性を気軽に楽しみたいときに、「サッポロ 麦とホップ」がオススメです。

若者=酒離れの定説を覆す! 20代に大人気の「SDGsなワイン」があった

2015年の国連サミットで採択されたSDGs(「Sustainable Development Goals」=持続可能な開発目標)の、認知や共感は年々広がっています。今回ではそのSDGsに関連した、ワインの興味深いトピックをレポートします。

 

↑メルシャンと「産直tabeloop(たべるーぷ)」による、オーガニックワインセミナーに参加しました

 

いずれ国内ワイン市場はオーガニックが中心に?

SDGsには17の目標が掲げられていて、中でもワイン醸造と深く関係しているのが12番目の「つくる責任 つかう責任」。具体的には「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」というもので、ワイン業界ではぶどうの栽培から醸造に至るまで、自然の恵みや営みを生かしたものづくりにいっそう注目が集まっています。

 

この、自然との共生を目指して造られているのがオーガニックワイン。オーガニックカテゴリーの中でもぶどうの農法によって2つに分けられ、化学的な添加物を一切禁止し自然由来の肥料だけで栽培したぶどうを使う「オーガニック」。もう一つは、オーガニックワインの特徴に加え、月の満ち欠けで収穫日を決めるなど、土壌の生命力を活用したぶどうで造る「ビオディナミ」があります。

 

↑メルシャンが輸入・販売している人気の銘柄が、南仏を代表するオーガニック&ビオディナミワインの名手「ドメーヌ・カズ」。この「カノン・デュ・マレシャル ロゼ」は税込1815円(参考価格)で販売されています

 

また、オーガニックワインとまでは言わないものの、無農薬・減農薬のワイン「リュット・レゾネ」というカテゴリーもあります。

 

↑メルシャンの資料より

 

そして、日本のオーガニックワインを取り巻くシーンのなかで興味深いポイントが、特に20代で人気が高まっていること。一般的には“若者の酒離れ”が叫ばれていますが、オーガニックワインに関しては、この定説は当てはまっていません。このことは調査でも明らかになっています。

 

↑オーガニックワインの購入率は、どの年代においても前年より増加。ワイン全体と比較しても成長が確認でき、中でも顕著な層が20代です

 

オーガニックワインの購入層を金額ベースで見れば、50代以上が年代別構成比の7割以上を占めています。とはいえ、このまま若年層の間でオーガニックワインを積極購入する動きが広がり続ければ、やがて日本のワイン市場はオーガニックが中心になると考えられます。

 

↑国内外でオーガニックワインの人気が拡大しています

 

一般的に、オーガニックワインはそうでないワインに比べて高価格な傾向があります。一方、20~50代の収入を年代別で見れば、高年齢層の方がお金持ちというのも周知の事実でしょう。つまり、ある意味20代は上の世代より、無理をしてでもオーガニックワインを選んでいるということです。それはなぜでしょうか?

 

 

エシカルな食は味の満足度も高いことを実感

20代が上の世代よりもオーガニックワインを好む、大きな理由の一つと言われているのが教育。教育をきっかけにSDGsが若年層に浸透し、サステナブルでエシカルなライフスタイルが好まれる傾向にあると言われているのです。

 

エシカルという言葉は、よく「エシカル消費」として用いられ、これは地域の活性化や雇用なども含む、人や社会、環境に配慮した消費行動のこと。冒頭で述べたSDGsの「つくる責任 つかう責任」にも関係しています。

 

↑「カノン・デュ・マレシャル ロゼ」の裏ラベル。オーガニックワインは「ユーロリーフ」など有機認証機関のマークも目印です

 

オーガニックワインは味わいも魅力的。むしろオーガニックワインが支持される最大の理由は、おいしいからだと個人的には思います。味の基準は主観的な要素を含みますが、筆者の聞く限りでは「オーガニックはウマい」「オーガニックはハズレがない」という声ばかり。ということで、「カノン・デュ・マレシャル ロゼ」も飲んでみました。

 

↑ロゼならではの爽やかで華やかな果実味と、キレのある辛口が絶妙!  すっきり軽快な飲み口でも薄っぺらい感じはなく、優雅な気分に浸れます

 

セミナーでは、魚介を使った料理やマリネなどが好マリアージュということだったので、オススメレシピで一品作って合わせてみました。メインに使った食材は「産直tabeloop」で届いた脇口水産の商品「海の生ハム」です。

 

↑脇口水産の「海の生ハム」は、「産直tabeloop」で50g×3パック税込2710円。国内ファーストクラス機内食で採用されているほか、「ミシュランガイド」三ツ星のピエール・ガニェールシェフも大絶賛しているとか

 

「産直tabeloop」は、フードシェアリングプラットフォーム「tabeloop」が2020年にローンチ。おいしくて安全な国産の一次生産品を、家庭の食卓に産地から直送してくれる新サービスです。2030年までに食品ロスを半減し、貧困層における飢餓を撲滅するという「tabeloop」の理念にメルシャンが共感。本稿のセミナーや消費者向けキャンペーン(5月9日に終了)が実施されました。

 

↑クラッカーにクリームチーズを乗せ、その上に「海の生ハム」やディル、ドライフルーツ、ナッツをトッピング。仕上げはオリーブオイルで一体感をアップ

 

「海の生ハム」は、マグロ水揚げ量日本一の和歌山・那智勝浦(なちかつうら)漁港で揚がった天然・活締め・高鮮度・高品質のカジキマグロを選別。完全無添加で塩と昆布のみを使用し、自然の旨味を凝縮させた生ハムです。食べてみるとスモークサーモンより上品な旨味と、引き締まったスモーク香があり、繊細なロゼワインとドンピシャでした。

 

↑「海の生ハム」ではなくてもスモークサーモンや普通の生ハム、ツナ缶なども相性抜群。ぜひお試しを

 

世界的にSDGsへの共感が高まる中、エコやリサイクル、地産地消や生産者応援などに、積極的に取り組むようになった人は多いはず。次にワインや食材を選ぶ際には、オーガニックや「産直tabeloop」のことを思い出して、手に取ってみてはいかがでしょうか。

“映える”華やかさで人気急上昇中!「スパークリング日本酒」おすすめ5選

最近人気急上昇中の「スパークリング日本酒」。日本酒が苦手な人でも飲みやすいことや、シャンパンのような華やかさが人気の理由のようです。食前・食中・食後と、どのタイミングでもおいしく楽しめるのもうれしいですよね。そんなスパークリング日本酒ですが、甘みが強いものからドライですっきりとしたものまで、様々なものが発売されています。そこで今回は、おすすめのスパークリング日本酒5選をご紹介します。

 

目次

 


お酒のスイーツとも呼ばれるスパークリング日本酒


一ノ蔵 発泡清酒 すず音

「すず音」という名前はグラスに注ぐと立ちのぼる繊細な泡が鈴の音を奏でているようであることから名付けられました。プチプチと優しくはじける泡は、シャンパンと同じ瓶内発酵によって生まれる自然の炭酸ガスによるもの。お米の優しい味わいのなかに、柔らかな甘酸っぱさが広がります。乾杯時の1杯目だけでなく、カクテルベースやデザート酒にもおすすめ。実際に飲んだユーザーからは「フルーティーであっさりとした甘味なのに、淡泊過ぎず味わい深く絶妙なバランス」「日本酒特有のツンとしたあと口があまりないので、日本酒の苦手な方こそ飲んでほしい」と高評価。

【詳細情報】
内容量:300ml
アルコール分:5%

 


キレのあるドライなスパークリング


宝酒造 松竹梅白壁蔵「澪」<DRY>スパークリング清酒

宝酒造「澪スパークリング清酒」のおいしさはそのままに、りんごを思わせる風味に加え、すっきりとキレのあるドライな味わいが特徴。乾杯を華やかに盛り上げ、前菜や和食との相性も抜群。デザートやスイーツと一緒に食後のひとときを楽しむのにもぴったりです。ユーザーからは「定番の澪と比較するとずっと日本酒らしい味わい。甘さも控えめなので、食事に合わせやすい」「スパークリングワインより上品で、シャンパンのように繊細」と高評価の声も。

【詳細情報】
内容量:150ml、300ml、750ml
アルコール分:5%

 


フルーティーで甘酸っぱいスパークリング日本酒


白瀧酒造 上善如水スパークリング

「上善如水スパークリング」は、のど越しすっきりなフルーティーで甘酸っぱいスパークリングの日本酒。飲みやすく、高アルコールを感じさせない軽快な味わいです。お米のまろやかさと、やさしい炭酸がプチプチはじける甘美な味わいは、ビーフステーキなどの洋食や、チョコレートなどのスイーツにもぴったり。ユーザーからは「甘口でフルーティなスパークリング酒で女性にはとても喜ばれます」「ボトルのデザインもステキで、飲む前から盛り上がることまちがいなし。最初の1杯に最適」との声も。

【詳細情報】
内容量:360ml
アルコール分:12%

 


お米だけのピュアなスパークリング純米酒


黄桜 ピアノ

お米だけで仕込んだピュアなスパークリング純米酒。アルコール分を5度まで抑えたすっきり甘口タイプ。お酒の発酵から生まれた自然の泡が軽やかにはじけます。お米の甘さを十分に引き出し、リンゴや洋ナシを思わせるフルーティーな香りが特長。その香りを十分に感じるために、ワイングラスで飲む事をおすすめします。バランスの良い酸味と甘みを持っているので、サラダやブルスケッタ等の前菜と相性ばっちり。また、スタイリッシュな黒ビンで食卓に映えるデザインもオシャレ。ユーザーからは「日本酒を感じさせる柔らかな風味が上品」「ワインより飲みやすく日本料理などにも合います」と高評価。

【詳細情報】
内容量:300ml
アルコール分:5%

 


繊細な一筋泡の立つスパークリング日本酒


八海山 瓶内二次発酵酒 あわ 八海山

醸造中の自然発酵による炭酸ガスのみを保有する、透明な日本酒です。グラスに注いだとき繊細な一筋泡が立つのが特徴。フルーティーな香りと上品な甘み、爽やかなスパークリングの口当たりを楽しめます。シャンパンと同じ製法の瓶内発酵による自然できめ細やかな泡立ちは、軽やかですっきりとしたおいしさ。瓶内発酵による、自然できめ細やかな泡立ちと口当たりは、食前酒はもちろんのこと、様々な食事のシーンを華やかに彩ってくれること間違いなし。ユーザーからは「乾杯にはいつもこのお酒と決めています」との声も。

【詳細情報】
内容量:360ml、720ml
アルコール分:13%

 

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発売から2か月で57万ケース突破!キリン「スプリングバレー」が絶好調の要因とは?

今年3月、キリンビールから新発売されたクラフトビール「SPRING VALLEY 豊潤<496>」(以下「スプリングバレー」)の売り上げが絶好調。発売から2か月で、早くも57万ケースを突破する大ヒットを記録しています。その要因について、「キリンビール クラフトビール好調発表会」の内容をもとに、解説していきましょう。

↑「SPRING VALLEY 豊潤<496>」。希望小売価格は350mlが248円、500mlが330円(ともに税抜)

 

「うまい!」と唸らせる「スプリングバレー」の味わい

「スプリングバレー」とは、キリンビールが生んだ渾身のクラフトビール。味の重厚感や、鮮烈な香り、濃厚なコク、程よい苦味といったバランスがよく整えられている商品です。飲んだ瞬間に思わず「うまい」と唸ってしまうほどの味わい。今後、ビール市場全体を活性化させる存在になることが期待されています。

 

トップ水準の高評価。売り上げ好調の要因とは?

「スプリングバレー」の価格は350mlで248円(税抜)と国産ビールとしてはやや高め。それでも売り上げが好調な理由は大きく2つ挙げられます。1つは、前述のように飲んだ瞬間に「うまい」と思わず唸ってしまう味わいです。

↑キリンビール代表取締役社長の布施孝之さん。「スプリングバレーは作り手のこだわり、個性や創造性が楽しめるビール。クラフトビールを通じて、ビールってこんなおいしさがあったんだと感じていただきたい」と語りました

 

キリンビールの調査で評価が非常に高く、過去のビールの中でもトップレベルの水準。スプリングバレーを体験した人からは「普通のビールとは一味違ったおいしさを感じる」「今まで色々なビールを飲んできたが、これが一番おいしいかも」「缶ビールでこの味を出せるなんて本当にすごいと思った」といった、クラフトビールならではのおいしさに感動している声が多数寄せられていました。

 

2つ目は、コロナ禍の環境変化によって市場にも変化が起きていることが挙げられます。約40%の人が「自宅での食事に、普段よりもお金をかけることが多くなった」というキリンの調査結果があるように、消費者の行動スタイルが変わってきており、高付加価値を求める消費者が増加傾向にあります。コロナ禍で自宅時間の充実志向が高まったことで、「どうせ飲むなら、おいしいものを飲みたい」というニーズが高まっていると言えるでしょう。

 

拡大の兆しが顕著なクラフトビール市場

クラフトビール市場全体の2021年1月から4月までの販売量は、「スプリングバレー」の発売をキッカケに、前年比で約2倍に大きく拡大してるといいます。また、クラフトビールの間口も「スプリングバレー」の発売を機に急速に拡大し、今までクラフトビールを飲んでいなかった人で「スプリングバレー」を飲んで好きになったという人も、数多いとか。それは、今後のクラフトビールマーケットがさらに拡大する兆しと言えるでしょう。

↑キリンビール代表取締役社長の布施孝之さんが“クラフトビール拡大宣言“を行った

 

この結果を受け、布施社長は「この商品の発売後、クラフトビールの広がりに手応えを感じています。もっと多くのお客様に手に取ってもらえるように、最盛期に向けて全社力を入れて、拡大していきたいと考えております」と力強く“クラフトビール拡大“を宣言。具体的な目標として、現状のクラフトビール市場の規模を来年までに1.5倍にすることを掲げました。

 

熱い思いが、クラフトビールの未来を明るくする

発表会の第2部では、日本ビアジャーナリスト協会代表 藤原ヒロユキさん、世嬉の一酒造 代表取締役社長 佐藤航さん、コエドブルワリー 代表取締役社長 朝霧重治さん、キリンビールのマスターブリュワー 田山智広さんが登壇し、トークショーが行われました。

↑発表会第2部で行われたビールへのパッション溢れたトークショー

 

醸造しているクラフトビールへの熱量や、クラフトビールへの愛情など様々な話が展開され、最後の締めで田山さんが、クラフトビールの明るい未来への展望を語りました。

↑キリンビール マスターブリュワー 田山智広さん

 

「ここにいる全員の思いは同じです。ビールを愛しているし、感動体験を味わってもらいたいパッションがあります。キリンビールは、こういったパッションや個性に負けることなくクラフトビールの明るい未来を築いていきたいと思っております。本当にクラフトビールはビールで感動できる商品だと思っていますし、一人でも多くの方にクラフトビールを知っていただいて、早くこの世界に入ってきてもらいたいです」(キリンビール・田山さん)

 

キリンビールのスプリングバレーもさらに商品に認知、飲用体験の機会を作るために、テレビを通じた大規模な広告投入や、約130万人にサンプリングを行う実施する計画をするなど、市場活性化へ動き始めているそうです。

 

これから、さらに熱くなるであろうクラフトビール市場から目が離せません。

スパイシーさと爽やかさが加わったボンベイ・サファイアが限定商品として登場!

サッポロホールディングスのグループ企業であるサッポロビールは、プレミアムジンNo.1ブランドであるボンベイ・サファイアの限定商品「ボンベイ・サファイア サンセット」を6月15日に数量限定で発売することを発表しました。

 

この商品は、通常のボンベイ・サファイアの10種類のボタニカルに、マスター・オブ・ボタニカルのイバーノ・トヌッティ氏が厳選した3種のボタニカルを追加。スパイシーなホワイトカルダモンとターメリック、鮮やかで甘いマンダリンオレンジのピールを加えることで、エレガントでバランスのよいジンに仕上がっているとのことです。

 

日本国内のプレミアムジンの市場では2019年までの5年平均成長率が156%と大きく伸長しています。サッポロビールは伸長するプレミアムジンの市場に、「ボンベイ・サファイア」ブランドで多様な味わいと楽しみ方を提案していくとしています。

 

▼標品概要

商品名:ボンベイ・サファイア サンセット
価格:オープン価格
パッケージ:750mlびん
アルコール分:43%
発売日・地域:2021年6月15日・全国

味に自信あり!ブドウの味をしっかり堪能できるノンアルコールワイン5選

ノンアルコール飲料というと、味にちょっと不安が……と思っている人も多いはず。ですが、最近のノンアルコール飲料はおいしいものが多く、特にノンアルコールワインはメーカーが自信を持って作っている一本や、高級ホテルで認められた一本なども存在します。そこで、本格的なブドウの味わいを堪能できるノンアルコールワインをご紹介。お酒を控えている人や明日のことを考えてお酒を飲めない人はぜひ参考にしてみてください。

 

目次

 


独自製法で本物のスパークリングに近づいた一本


スタッセン デュック・ド・モンターニュ ノンアルコール スパークリング 白

スタッセン社は、1895年設立のベルギーの老舗飲料メーカー。ワロン地域、リエージェ近郊の小都市オーベルの果樹園に囲まれた緑豊かな田園地帯の真ん中に、4万m2の敷地を持ち、工場と自社農園を構えています。「本物のスパークリングワイン?」と間違えてしまうほどの味わいの秘密は、いったんブドウから白ワインを醸造し、そこからアルコール分を取り除く独自の製法にあります。発酵時に生まれるワインとしての豊かな香りや味わいを壊さないよう、低温低圧状態でじっくりと蒸留してアルコール分を除去しているのです。甘口ワインが好きな方にぜひおすすめしたいこだわりの一本です。

【詳細情報】
内容量:750ml

 


香り高くエレガントな味わいがクセになる


シャトー勝沼 カツヌマグレープ 赤 ノンアルコール

カツヌマグレープは、アルコールを生成しない特許製法で「アルコール0.00%」を実現したワインテイストの飲料。長年に渡り培ってきたワイン製造技術と緑茶をベースに、飲みごたえのある味わいに仕上がっています。口に含むと、ブドウ本来の香りや味わいを楽しめ、熟成したワインとは一味違ったおいしさを堪能できます。香り高くエレガントな味わいなので、和食、中華はもちろんのことアジアや中南米の料理とも相性抜群です。パーティーやお祝いの席にもぴったり。

【詳細情報】
内容量:720ml

 


フランス産の厳選されたメルロー種でできた本格ノンアルワイン


交洋 カールユング メルロー『ノンアルコールワイン アルコール分0.5%未満』

フランス産の厳選されたメルロー種だけを使って作られた本格的な脱アルコールワインです。紫色のパッケージからも高級感が漂います。ワイン独自の風味が生きてますが、アルコール分は0.5%未満のため、アルコールが苦手な女性やご年配の方にもぴったりです。また、通常のワインよりポリフェノールが豊富に含まれているほか、カロリーは控えめ。愛飲者からは「ノンアルワインの中ではジュース的な甘さが一番ない感じがして気に入っています」という声があがっています。スクリューキャップなので、コルク抜きがなくても手軽に開けることができるのもポイントです。

【詳細情報】
内容量:750ml

 


高級ホテルやレストランにも認められた高級感のある味わい


カプリース ノンアルコールスパークリングワイン

100年の伝統ある名門ワイナリーで造られた2種類の高級ケープワイン(シャルドネ)から、最先端の脱アルコール技術でアルコールだけを除去。 独自に開発したレシピでブレンドされたアルコールフリースパークリングワインの逸品です。高級ホテルやレストランでも選ばれて飲まれているほど本格的な味わいを堪能できます。泡立ちや透明感、香り、泡質、風味、糖度と酸味のバランス……どれをとっても高級シャンパンそのもの。飲みやすいのでアルコールが苦手な方にもおすすめですよ。パッケージにも高級感が溢れており、贈り物としても喜ばれそうな一本です。

【詳細情報】
内容量:750ml

 


丸絞りシャルドネ果汁で爽やかな飲み口


ゼロカクシャルドネスパークリングテイスト

禁酒をしている方に「かけがえのないドリンク」「スパークリングワインを飲んでいる感じになる」などと多くの支持を得ているのがこちらの商品。アルコール0.00%はもちろんのこと、カロリーも糖類もゼロ。それでいて本格的なシャルドネスパークリングの風味を味わうことができます。飲んでみると、シャルドネの華やかな香りと、口あたりの良いさっぱりとした酸味で爽やかな飲み口。また、丸搾りシャルドネ果汁を使用しているので程良い果汁感を楽しめます。缶タイプなので、ちょっと息抜きしたいときなどに気軽に飲むのもおすすめです。

【詳細情報】
内容量:350ml

 

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芋焼酎「一刻者」が20周年。俳優・永瀬正敏が若者に伝えたいこととは?

芋焼酎の一大ブランド「一刻者(いっこもん)」が2021年9月に誕生20周年を迎えるということで、ブランド戦略発表会が開催されました。新たな取り組みの柱となるのはモノづくりへのこだわりと、ローカリゼーションの2つ。改めてブランドの特徴を紹介するとともに、発表会の内容をお伝えします。

↑発表会にはブランド初のアンバサダーに就任した、俳優・写真家の永瀬正敏さんが登壇

 

20年で6700万本を販売するブランドに成長

「一刻者」がデビューしたのは2001年。ネーミングの由来は、製造拠点がある宮崎など南九州の話し言葉で「一刻者=頑固者」だから。この頑固はこだわりということであり、それはおいしさに妥協せずつくり上げたというストーリーが深く関係しています。

↑左から、「一刻者」〈赤〉720ml/1586円、1.8L/3259円、「一刻者」720ml/1498円、1.8L/3083円(すべて税込価格)

 

本格芋焼酎は1990年代頃まで九州を中心に愛される地方のお酒でした。それが2003年ごろに焼酎ブームが起き、芋焼酎はけん引する存在に。人気急増の背景には、各メーカーが品質にこだわった商品開発したこと。飲み方が多彩で、思い思いに楽しめること。糖質やプリン体が含まれていないので健康的であることなどが挙げられます。ただし「一刻者」の開発はブームになる前。

↑歩みなどを語ったのは、製造元である宝酒造の商品第一部蒸留酒課、髙井晋理課長。この20年で累計6700万本を販売するブランドに成長しました

 

当時の開発陣が目指したのは、麹まで芋でつくる全量芋焼酎。というのも、それまでの芋焼酎の多くは米麹を使用するのが当たり前だったのです。そこで、芋100%の焼酎づくりがはじまりました。しかし、芋は米よりも水分量が多いため、麹菌が根付きづらいという課題があり、開発は困難を極めます。そこから6年の歳月をかけ、特許技術も駆使して生み出されたのが2001年。

↑「一刻者」の原料は、南九州産のさつまいも100%。独自の芋麹仕込みと石蔵貯蔵による、芋本来の華やかな香りと上品な味わいが特徴です

 

その後、2013年に赤芋を使った「一刻者〈赤〉」が仲間入り。2016年には新しい飲み方のとして炭酸割りを提案するなど、いっそう裾野が広がります。そして2019年は、宮崎の黒壁蔵工場に専用の石蔵を新設。年間を通じて温度変化が少ない環境となり、蒸留後のピュアな味のまま貯蔵と熟成ができるようになりました。

↑宮崎県の高鍋町にある、宝酒造の黒壁蔵工場。筆者は2018年に取材で訪れました(撮影/我妻慶一)

 

改めて飲んでみました。印象的なのが、あふれんばかりの甘くフルーティな香り。飲み口はクリアで心地よく、上品なキレもあってすっきりしています。

↑味、香りともに豊かできれい。ロックでもつっかかりがなく、クイッと飲めます

 

水割りも、極めてスムーズでブライト。この時季ならソーダ割りもいいでしょう。試してみると、炭酸の爽快感に後押しされる飲みやすさがあり、それでいて焼酎の甘やかなコクがのって飲みごたえも十分。まさに、宮崎の高鍋に降り注ぐ太陽や、日向灘の潮風を感じるようなダイナミックさがあります。

 

父の日のプレゼントにも最適

発表会の後半は、永瀬正敏さんのトークセッションを中心に進行しました。初のブランドアンバサダーに永瀬さんが抜擢された一番の理由は、宮崎出身だから。これもローカリゼーションの一環です。永瀬さんは「縁を感じますね。光栄です。宮崎の方にも喜んでいただけたら」と想いを語りました。飲み方を聞かれると、焼酎はオンザロックが多いとのこと。

 

「いまは自宅でひとりチビチビ飲む感じですけど、僕は若輩者だと思っているので、先輩方から色んな飲み方を学びながら楽しみたいですね。『一刻者』の100%、ピュアということはものすごく強い魅力。若輩から先輩まで楽しめるお酒です。いまの状況に打ち勝ったら、みんなで『一刻者』を開けて乾杯したいですね」(永瀬さん)

↑永瀬さんはブランド20周年にちなみ、今年二十歳を迎える若者に向けて「半歩前へ」とエール

 

「大きな1歩ではなく、半歩でもいいから未来に歩を進めてほしい。怖がらずに勇気を持って。その半歩が1歩になり10歩になりますから。できることなら二十歳の自分にも大いに伝えて、背中を押してあげたいです」(永瀬さん)

 

「『一刻者』は父の日のプレゼントにも最高だと思います」と永瀬さん。そういえば、2021年の父の日は6月20日。20周年の節目を迎える「一刻者」はエピソードとしても最適で、話のきっかけにもなるでしょう。この機会に、贈ってみてはいかがでしょうか。

“じゃないほう新ジャンル”の「キリンのどごし<生>」が突き抜けた! 進化の秘密を担当者に直撃

新ジャンル(第3のビール)のなかでも屈指のロングセラー「キリン のどごし<生>」が、2021年春に大幅リニューアル。そこで筆者はふと思いました。「最近の新ジャンルって、コク系ブランドが多いけど爽快系の『キリン のどごし<生>』の立ち位置ってどうなっているのだろう?」と。

 

そう思ったら矢も盾もたまらず、担当者へのQ&Aと新旧飲み比べを中心に、「キリン のどごし<生>」のいまを明らかにしていくことにしました。

↑「キリン のどごし<生>」は350mlで参考価格149円(税込)。本稿後半では新旧飲み比べレポートも

 

“じゃないほう”にこだわるワケ

まずは、新ジャンルの歴史と「キリン のどごし<生>」の歩みを簡単に解説しましょう。新ジャンルは、ビールや発泡酒(キリン「淡麗」シリーズなど)より酒税が低くて安価なカテゴリーとして、2004年に第1号商品が発売されました。

 

メーカー間による開発競争の中で多くの商品が生まれては消えてを繰り返すなか、勝ち残った銘柄のひとつが、今回取り上げる「キリン のどごし<生>」です。誕生は2005年で、現在の各社主力新ジャンルのなかでは先駆的存在といっていいでしょう。現在にも受け継がれる最大の特徴は、商品名にもなっている圧倒的な“のどごし“の良さ。飲み始めの鮮烈なアタック、からの余韻でスッと消えるシャープなキレ。この“ドンシャリ感“が「のどごし<生>」に代表される爽快系新ジャンルの魅力です。

↑2005年の発売当初と比べ、飲んだ瞬間の「グッとくる飲みごたえ」は約2倍、飲んだ後の「爽快な後キレ」は約3倍にクオリティアップしたとのこと(図はキリン提供)

 

とはいえ、昨今の新ジャンル市場は、爽快感よりもボディ感をウリとするコク系勢力が拡大。コク系大型新ブランドの登場なども影響し、爽快系の王者である「のどごし<生>」にとっては受難の時代となっているのですが、「のどごし<生>」はコク系トレンドに流されることなく独自の強みを磨く戦略を徹底。そのうえで、「今回、16年目のリニューアルとなりました」と「のどごし<生>」ブランドマネージャーの松村孝弘さんは言います。

↑松村孝弘さん。キリンビールのマーケティング部、ビール類カテゴリー戦略担当で「のどごし<生>」のブランドマネージャーを務めています

 

「リニューアルの大きなポイントは、前半の飲みごたえを高めるための仕込み工程の見直しに加え、後半の後キレをよりスッキリさせるために、キリンの特許技術である『新ブラウニング製法』を改良したことです。この前半から後半の落差を強化することで、突き抜けるような爽快な“のどごし”を実現しました」(松村さん)

 

筆者が最も気になっているのは、いまや「のどごし<生>」独自といえる原材料。というのも、「のどごし<生>」は現在の新ジャンルの主流である麦芽などを主とした「リキュール」タイプではなく、大豆たんぱくなどを用いる「その他の醸造酒」タイプです。“じゃないほう”ともいえる、この「その他の醸造酒」タイプの特徴を聞きました。

↑左の「のどごし<生>」は「その他の醸造酒」に。右は「本麒麟」で「リキュール」に分類されます

 

「『その他の醸造酒』の特徴としては、やはり麦を使用していないという部分があります。これによって一般的に、麦由来の複雑な香味に対して、「ゴクゴク飲める」「爽快さ」につながるスッキリとした香味印象となります。『のどごし<生>』では『糖類、ホップ、水、大豆たんぱく及び酵母エキス』の原料を用いてこれを実現し、さらに『新ブラウニング製法』で「飲みごたえ」「味の落差からくるキレ」につながる味の厚みやコクを表現しました」(松村さん)

 

松村さんに「リキュール」が市場の主流になった理由を聞くと「各社がよりおいしい新ジャンルの研究開発やリニューアルを繰り返すことで、結果的に『リキュール』商品が消費者に選ばれ、その一方で『その他醸造酒』の商品は減少していったのではないか」とのこと。逆に言えば「その他醸造酒」でおいしい新ジャンルを作ることは難しい、ということでしょう。

↑ということで、新旧の「のどごし<生>」を飲み比べすることに。左の「新!」がリニューアル版です

 

 

まるでジェットコースターの高低差が大きくなったよう

パッケージデザインはほとんど変わらず、赤く「新!」と書いてあるほうがリニューアル後の「のどごし<生>」。スペックを比較してみたところ、こちらも変化はありませんでした。実際の味がどれだけ進化しているのか、ますます気になります。

↑左がリニューアル版。「栄養成分表示」のスペックはまったく同じ数値となっています

 

まずは、旧をひと口。シャープな刺激が心地よく、ボディがライトなのでゴクッと飲めます。松村さん曰く、この「ゴクゴク飲める爽快なうまさ」から一人当たりの飲用量が多く、酒類ヘビーユーザーに支えられていることが「のどごし<生>」が支持される大きな要因とのこと。確かに、このゴクゴク感を求めるファンは多そうです。

↑エッジのある後キレで、口内をスカッとリセットさせてくれる味。繊細系から濃厚系まで、料理ともよく合いそう

 

そして、リニューアル版。おぉ、これは味わいの方向性は同じながらも輪郭が一回り大きくなったような印象! 前半・後半の“ドンシャリ感”がよりはっきりして、総合的なのどごしもアップしていると思います。

↑例えるなら、ジェットコースターの高低差が大きくなったような感じ。プハァッ!の声も、ついつい大きくなりそう

 

本稿では爽快系とコク系の話になったものの、松村さんは「市場のニーズは『うまいビールを飲みたい』であり、コク系のみを飲用するターゲットは少ないはず。多くのお客様が〇〇系か、ではなく飲用機会に合わせて爽快系・コク系で複数のブランドを飲み分けているかと思います」とのこと。

 

「お客様の飲用体験が多様化するなかで、スッキリ、ゴクゴク爽快なビールが楽しみたいときに選んでもらえるブランドを目指しています。定番ブランドとしてこれからも成長していくため、『ゴクゴク飲める爽快なうまさと元気を届ける』ブランドのゴールをブラさず、強みを磨き上げ、進化を続けることが大切だと考えています」(松村さん)

 

夏を迎え、ビールがいっそうウマくなる季節へ。“じゃないほう”だからこその爽快な“ドンシャリ感”を楽しむなら絶好のタイミングといえるでしょう。まだ飲んだことのない人はもちろん、しばらく飲んでない人もぜひご賞味を!

スピードワゴン・井戸田潤が甘くないレモンサワーを飲んだら「甘くな~~い!」と叫ぶのか? 新発売「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」で実験

提供/サントリースピリッツ

 

「鏡月焼酎ハイ ちょい搾(しぼ)レモン」は、3月にサントリーから発売されたばかりの新商品。ご存じ「鏡月」の炭酸割りに、レモンの風味が香る、スッキリとした味わいの爽やかな焼酎ハイだ。サントリーの商品開発チームがおよそ2年の月日をかけて作った最高の味という、自信作である。

 

一番の自慢は「甘さ、ほぼゼロ」。数あるレモンサワーの中でも“甘くない”ことを強調している。これを端的に、かつ面白く伝えるにはどうしたら良いかと考えた。思い当たったのは、「あま〜い」でお馴染みのあの人物。スピードワゴンの井戸田潤さんだ。

 

そこで、「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」を井戸田さんに飲んでもらったら、伝家の宝刀「あま〜い」ならぬ「あま〜くな〜い!」と言ってくれるんじゃない? という企画をサントリーに提案してみたら快諾、所属事務所に投げかけたら、本人はお酒が大好きだからとマネージャーも即オッケー。「えー、こんなスムーズで大丈夫かよ」と逆に慌てつつ、スピードワゴン・井戸田潤が甘くないレモンサワーを飲んだら「甘くな〜い!」と叫ぶのか?「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」でいざ、実験開始!

 

サントリー
鏡月焼酎ハイ<ちょい搾レモン>

柔らかくまろやかな味わいを特徴とする「鏡月」をベースに、甘くないすっきりとした味で焼酎ユーザーが好む味を追求した。また、独自の「炭酸感キープ製法」によって、炭酸感が持続するのもポイント。「鏡月焼酎ハイ」には、ほかに「すっきりドライ」もラインナップする。

 

“甘さ、ほぼゼロ”のスッキリ感がいい飲み心地
「最初から最後までずっとコレ、もありだね!」

(まずは試しに一口、井戸田さんに「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」を飲んでもらうことにしよう。最初はさりげなく感想から聞いてみるぞ。)

 

――さっそく、一口飲んだ感想をお願いします。

 

スピードワゴン・井戸田潤

お笑いコンビ、スピードワゴンのメンバー。「あま~い」のフレーズで一躍人気に。単独でフジテレビ「ノンストップ!」、メ〜テレ「ドデスカ!」にレギュラー出演するほか、コンビでもレギュラー多数。バイク動画・グルメ動画が中心のYouTube「ハンバーグ師匠チャンネル」も話題。

 

井戸田 んん~~まず、のどごしがいいですね~。

 

――グイッと飲まれましたね。

 

井戸田 これは、いけちゃいますね。僕の場合、飲み始めはのどを潤すためにカーッといくのが鉄則なのでね。最初に、のどの弁をガッと開かせるんですよ!

 

――(笑)。なるほど、それくらいスッキリしている、ということでしょうか?

 

井戸田 そう、このスッキリ感がいいですね。とても飲みやすいです。やっぱり最初の1杯は、のどごし重視なので、普段はビールを選びがちなんですけど、これは炭酸がちょうどいい強さだし、爽やかだし、いい飲み心地。最初から最後までずっとこれもありだね。

 

――それはよかったです。いま、飲んでいただいている「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は“甘さ、ほぼゼロ”の後味のいいおいしさがウリなんですよ。

 

井戸田 あ~たしかに。かなりドライな感じで、しつこくないのがいいね。

 

――そうなんです。ちなみにアルコール度数は7%なんですが、お酒感はいかがでしょう?

 

井戸田 しっかりお酒を飲んでる感があります。決して強いって感じはしないんだけど、後味にいい余韻が残っていますね。僕は、実はレモンサワー系は7%までって決めているので、これはすごくちょうどいいです。

 

――最近は、度数が強いレモンサワーも多いですからね。

 

井戸田 そうなんだよ。若い子がよく飲んでるやつね!(笑)

 

――気持ちよく酔えるアルコール感がいいですよね。

 

井戸田 あ、それにこれ「糖質ゼロ、プリン体ゼロ、甘味料ゼロ」(※)なんだ。すごいね。

 

――そうなんです。焼酎がベースで、炭酸で割っていますから、糖質はゼロ(※)です。お酒を飲まれる方なら、やはり糖質の有り無しは気になる部分だと思うので、うれしいですよね。普段、井戸田さんはそういった点も気にされていますか?

(※)表示基準に基づき、100mlあたり糖質0.5g未満を糖質ゼロと表示。100mlあたりプリン体0.5mg未満。食品添加物としての甘味料(人工甘味料)は使用していません。

 

井戸田 それが、全然気にしていないんですよ(笑)。好きなお酒を飲みたいから、いつも“ダイエット〇〇”とか“糖質オフ”とかは見ずに、おいしいやつを優先して買っちゃう。

 

――お気持ちよくわかります。本当は気にせず選びたいですよね。

 

井戸田 でも、これはおいしいうえに、オプションで「糖質ゼロ」がついてくる。ラッキーですね。今まで、気にしてこなかったんですけど、最近ついにお腹が出てきたので……ちょうどいいタイミングで知ることができましたよ!

 

「鏡月」の正しい割り方はこれだ!「もっと早くあってもよかったかも(笑)」

(ふぅ。サービス精神からいきなり「甘くな〜〜い!」と言われたら初っ端で企画終了でどうしようかと思ったけど、さすがに空気を呼んでくれたのカナ。インタビューを続けていきます)

 

――ちなみに、こちらの「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は、その名の通り焼酎の「鏡月」がベースとなっているんですが、「鏡月」にはどんなイメージをもっていますか?

 

井戸田 実は20代の頃、酒屋さんで3年くらいバイトしていたんですよ。お店でボトルキープとかされるから、鏡月はよく出していてね。その頃から、ずっと馴染みはあります。“割る専門”のお酒ってイメージかな。なんなら、この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」が出る前から同じ飲み方をしてましたよ。いつも炭酸で割って、レモンを少し搾ってね。

 

――おお、そうなんですね! 今回、ついにそれが商品化されたわけですが。

 

井戸田 言われてみれば、今までなかったよね~。もっと早くあってもよかったかも(笑) 。しかも、これってかなり衝撃的な出来事だからね?「あ、このバランスで割るのが正解なんだ」って、みんなが「鏡月焼酎ハイ」を飲んで気づくわけだから。サントリーさん、とうとう正解を叩き出しましたね!?

 

――(笑)。これが一番おいしい割合だってことですもんね。商品開発チームが2年かけてつくり出したそうですから。

 

井戸田 みんなこれを待ってましたよ。自分で割ると酔いも手伝って、どうも入れすぎちゃったりとかね。結局、濃くなってちびちび飲むことに……。

 

――わかります。この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」はどう飲みますか?

 

井戸田 まずはグイッとのどに流し込んじゃうね! あ、でも僕、缶でそのまま飲まない派なんですよ。だから家では、グラスにあけて氷を入れて、冷たくしてカッと飲むと思います。

 

――いいですね。どんなときに飲むのがいいでしょうか?

井戸田 これからの季節は、この缶のデザインの通り、外で月夜を見上げながら飲みたいですよね。例えば、CMに出演されている松本まりかさんなんかと一緒にね……しっぽりと!

 

――(笑)! なるほど~、理想のシチュエーションは、女性と外飲みですかね?

 

井戸田 女性とじゃなくてもね! 夏は縁側なんかで飲めたら最高ですよ。都心だったら、屋上とかベランダで。ゆったりと気持ちよさそうですよね。

 

酒豪・井戸田のお酒ルーティンは?「甘さはお酒に求めてないですね~(笑)」

(完全に普通のインタビューだと思い込んでいるようです。でも、井戸田さん、あなたが選ばれたのは、「甘くな〜〜い」を言うか、言わないか、できれば言って欲しいから。というわけで、少しずつ、匂わせてみます)

 

――井戸田さんの普段のお酒ライフについてお聞きできればと思います。よく飲む好きなお酒はなんですか?

 

井戸田 普段はビールが多いですね。あとは、ハイボールとかレモンサワー……白ワインなんかも飲みますね。いろいろ飲みますよ!

 

――ということは、“甘くな~~い”お酒がお好きなんですかね?

 

↑インタビュアーの質問に一瞬、「ん?」という表情の井戸田さん。まさか気づいた?

 

井戸田 そうね~~甘さはお酒に求めてないですね~(笑)

 

――ふむふむ……甘さはいらないと……お家飲みとかはされますか?

 

井戸田 家では、だいたい夜寝る前に飲みますよ。夕飯中に飲んで、気持ちよくなったら、そのまま寝ちゃうんですよね。

 

――どのくらいの量を飲むんですか?

 

井戸田 缶だと5、6本くらいです。それで気持ちよくなって、ソファで寝ちゃうんですよ。

 

――おお、すごい……! なかなかの酒豪なんですね。

 

井戸田 それでね、僕、家だと服を着ないんですよ。だから状態としては、裸のオジサンが酒をごくごく飲んで、最終的にソファで倒れている。傍らからみたら、ひどい有様ですよ?

 

――(笑)。開放的でいいと思いますよ。

 

ついに、井戸田が気づいたか……!?「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」にぴったりのおつまみは甘くな~〜いアレ!

(やっぱり、この程度ではこちらの狙いには気づかないか……。いよいよ、わざとらしく「甘くな〜〜い」を会話に混ぜ込んでいくことに。するとついに……!?)

 

――お酒を飲むときは、何か一緒に召し上がるんですか?

 

井戸田 つまみはね、現場からお弁当を持ち帰ってきて食べてるんですよ。最近はエコバッグを持ち歩いてるんで、それにササッと入れてね。そのまんま持ってくと恥ずかしいからさ、コートに隠しながらね……。

 

――ちょっと怪しい感じになってるじゃないですか(笑)

 

井戸田 いや~弁当のうまさを再確認しちゃったんだよね。今は外にも行けないからさ。現場では食べないようにしてるから、家でゆっくり飲みながら食べるのが楽しみで。

 

――この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」といっしょに食べたいおつまみって、何か思い浮かびますか?

 

井戸田 弁当以外で? ええ~~合うおつまみかあ……なんだろうな?

 

――どんなおつまみでもいいんですけどね。“甘~~い”ものでも、“甘くな~~い”ものでも……(これだけ誘導すれば、いけるか!?)

 

井戸田 ……あ、わかったわ!

 

――お!? なんでしょう?(キターーーーー!?)

 

井戸田 お刺身なんかはどう? 最近は、スーパーで帰りに買ってよく食べてるんだよね。きっと合うんじゃないかな。 この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は食事のときでも邪魔しない味わいだからね。

 

――ああ、なるほど……。(違うんかい!)そうですね、晩酌でも食事でもOKなドライな味わいが魅力ですからね。そう、“甘くな~~い”ですから……。

 

井戸田 うん、そこがいいのよね。あとは……餃子もいいじゃないかな。パリパリ系の鉄板餃子と食べたいね。他にも、漬物系もありだなあ。

 

――そうですね。(え、そろそろ気づくでしょ……。)和風なおつまみには、わりとなんでも合いそうですよね。あ、じゃあ逆に、洋風なものは何か思いつかないですか? イタリアンでもオードブル的なものでも、なんなら“甘~~い”スイーツでも……。

 

井戸田 洋風?……んん……あ、もしかして……?

 

――もしかして??(きたか!)

 

井戸田 あれね!「ハンバーグ」のことね! それが言いたかったんでしょ????

 

――あ……はい、そうですそうです。ありがとうございます。(き、気づいてほしいのはそっちじゃないんですが……。)

 

井戸田 すいませんね~、気が利かなくてね。

 

――いえ、えっと、では、ハンバーグ師匠的には、ハンバーグとの相性はいかがでしょうか?

 

井戸田 最近ね、ハンバーグ自体のことをよく聞かれるからさ。俺も勉強してるんだけどね。この前、鳥羽周作さんってミシュラン一つ星のシェフのレシピでハンバーグを作ったんだけど、それが“塩だけ”で食べるハンバーグだったのよ。そのハンバーグに「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は絶対合うよ!

 

――おお……塩だけで! それはシンプルでおいしそうですね。

 

井戸田 デミグラス系の濃いハンバーグじゃなくて、肉のうま味を味わえる塩のハンバーグが「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」にはぴったりだと思いますよ。すいませんね、ハンバーグの話だと気づかずに!

 

――あ、いえいえ……わざわざお気遣いいただいて……ありがとうございます。(めちゃくちゃいい人だ……でもそうじゃないんです……。)

 

「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」最大の特徴、“甘くな~い”について追及! はたして井戸田さんは……!?

(もはや最終手段! 超不自然に「甘〜〜い」「甘くな〜〜い」を大声で強調して会話することに。はたして、井戸田さんは気づくことができるのか?)

 

――おお、2本目も空きそうな感じですね。

 

井戸田 おいしくて飲んじゃいますね。いい気分になってきたな~。

 

――この「鏡月 焼酎ハイ」のプレーンは、「すっきりドライ」味として販売されているんですけど、今回は「ちょい搾レモン」というレモン入りバージョンを飲んでいただいています。こちらの“レモン感”ってどうですかね?

 

井戸田 焼酎を炭酸水で割ったあとに、ちょいっとレモンを何滴か搾ったくらいのリアルな味わいがありますね。絶妙な加減です。レモンは鼻にちょっと抜けるくらいで、キリッと爽やかな感じ。

 

――そうなんです。このレモンサワーの最大の特徴が、レモンが強すぎなくて“甘くな~~い”ところなんですよ。

 

井戸田 ほんと、そうですね~。全然甘くないです。そう考えると、こんなにドライな感じのレモンサワーって新しいかもしれませんね。レモン感が濃いものもいいですが、僕はこっちの甘くない方がスッキリしてて好きですよ!

 

――“甘くな~~い”方がお好きなんですね? それはよかったです~。ここ最近、コンビニなどで販売されている商品を見ると“甘~~い”レモンサワーがけっこう多いですから。

 

井戸田 あ~そうなんですかね? たしかに、レモンが強いってウリにしているお酒は、その分甘かったりしますもんね。

 

――そうなんですよ。それに対して、この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は、パッケージでも「甘くないレモンサワー」だと強く推しているんです。一目で“甘くな~~い”とわかるようになっているんですよ?

 

井戸田 あ~ちゃんと表示されてるんですね。普段、俺はサワー系でもカクテル系でも甘いのは飲まないから、「甘くない」って言い切ってもらえると、買うときに安心感があっていいですね。選びたくはなりますね!

 

――それはよかったです。“甘くな~~い”お酒というのは、やっぱり重要なんですね。

 

井戸田 そうですね。選ぶ基準にはなってます。何にでも合いそうなのが、この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」のいいところだと思うので、これからいろんな場面で飲みたいと思いますね。

 

――ありがとうございます。では、最後になりますが“甘くな~~い”「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は、今後も飲んでいただけますでしょうか?

 

井戸田 もちろんですよ。飲みたいお酒の中でも、1軍になってくると思います! これはレギュラー入りっすね!

 

――よかったです。ありがとうございました。

 

【まさかの大逆転】アディショナル・タイムでついにあの一言が!!

(さて、用意していた質問はすべてしっかりと語っていただき、インタビュー開始からも45分。芸能人のインタビューとして十分すぎる時間だ。ここからは写真撮影をメインにしつつ、総括的な話をもう一度だけ振ってみることにした。すると、ようやくあの言葉が……!)

 

――井戸田さん、最後にもう一度お聞きします。「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」の“推し”は何だったでしょうか?

 

井戸田 え……

 

井戸田 もしや……

 

井戸田 “甘くない”ってとこですかね……?

 

――はい、そうなんです。やっと気づいていただけましたか……!?

 

井戸田 ああ~~~なるほどね。全然気づきませんでしたよ。いや~~でも、ちょっと思ってはいたんです。僕は世の中で一番“甘い”を言ってきた男なんですよ。それが“甘くない”を心の底から認める瞬間……それが今日だったんですね?

 

――そうだったようです(笑)。ありがとうございます。では、最後に「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」を一言で表してもらえますでしょうか?

 

井戸田 「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は……甘~~~~くないッ!!!!!

 

――井戸田さん、ありがとうございました!

 

甘くな〜〜い「鏡月 焼酎ハイ ちょい搾レモン」の詳細はこちら

 

◆お客様センター https://www.suntory.co.jp/customer/

ストップ! 20歳未満飲酒・飲酒運転

 

取材・文=狐塚咲季 写真=丸山剛史[人物]、湯浅立志[商品]

“ナパ・ヴァレー”だけじゃない! ソムリエが解説するアメリカのワイン銘醸地

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズは、フランスから始まりイタリア、ドイツ、そしてオーストラリアと取り上げてきました。今回は、オーストラリアに続くワイン新興生産国であるアメリカ合衆国。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

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アメリカワインを旅する

アメリカのワインをはじめとして、いわゆる“新世界”と呼ばれる新興生産国のワインが世界中で楽しまれるようになったのは、ここ40~50年ほどのことです。日本でもワインに親しむ人が増えていった時期をふり返っても、それほど時間の差はないように思え、世界中の人とモノがそれまで以上に行き来をするようになっていった時代の流れと合わせて、ワインはそれぞれの生産国の文化として息づいてきたのではないでしょうか。

 

ワインの世界で「アメリカワイン」に注目が集まることになったひとつのきっかけとして、1976年に開催されたパリ・テイスティング(パリスの審判)を無視することはできません。

 

これは、パリでワインショップとワインスクールを営んでいたスティーブン・スパリエの呼びかけで、9人のフランス人テイスターがパリのインターコンチネンタルホテルに集まり、カリフォルニアの白赤6銘柄ずつとブルゴーニュ特級と1級の白4本、ボルドー1級2級の赤4本をブラインドで採点するというアメリカ建国200年を記念して企画されたイベントでした。有名三ツ星レストランのオーナーやシェフ、ソムリエ、格付け委員会や原産地呼称の審査官、グルメやワインメディアの重鎮といったワインのプロフェッショナルが審査するなか、白ワイン赤ワインともにカリフォルニアワインが一位になったのは有名な出来事です。

 

現在でもフランスといえばワイン、ワインといえばフランスというイメージは大きいですが、当時の世界のワイン事情を鑑みるに今以上にそのイメージは強かったと考えられます。なによりフランスで催され、フランス人の審査による結果と思うと、アジアのワインがフランスのトップワインに勝利を収めるようなインパクトだったのではないかと想像しています。

 

そして興味深いのは、タイム誌の記者ジョージ・テイバーがワインスクールの受講者であった縁で、このパリ・テイスティングの取材のために現場に居合わせたことです。彼はこの試飲会の様子を記事にしてタイム誌に掲載し、また連載コラムを持っていたニューヨーク・タイムズでも取り上げました。

 

この際にギリシャ神話をモチーフにして付けたタイトルは「パリスの審判」。その優れたネーミングセンスによって以後、世界中でこの出来事はそう呼ばれるようになったのです。そう思うと、こういった情報が海を越えて瞬時に伝わる時代の始まりでもあったのかもしれません。

 

最高のフランスワインに負けない品質のワインが造り出せる、という自信を手にしたカリフォルニアのワイン産業は、これを機に質、量ともに急速な発展を遂げ、1970年時点では全米で440軒のワイナリーしかなかったのが、2018年時点では約1万3500軒まで増えることになります。このパリスの審判の際に赤ワインで2位だったシャトー・ムートン・ロートシルトと、モンダヴィの合弁としてオーパス・ワンが1979年に造り出されたことも、因果がなかったとは考えられません。

 

現在のアメリカワインを取り巻く環境は世界で最も華やかで不足がありません。ロバート・パーカーの創設した『ワインアドヴォケイト』、世界最多の発行部数を誇る専門誌『ワインスペクテイター』といったメディア、ワインに関する学術研究で世界をリードするUCデイヴィス校、そして何より資本と意欲ある人々の流入。スペイン、フランス、イタリアに次いで世界第4位のワイン生産国となったアメリカのワインが、これからどういった立ち位置を示していくのかは、ワインに関わる人にとっても、一般消費者にとってもとても興味深いトピックスなのです。

[目次]
1. カリフォルニア州ナパ・ヴァレー
2. カリフォルニア州ソノマ・カウンティ
3. カリフォルニア州サンタ・バーバラ
4. オレゴン州ウィラメット・ヴァレー
5. ワシントン州

 

1. カリフォルニア州ナパ・ヴァレー
− ディズニーランドに次ぐカリフォルニア第2の観光地 −

ナパの街から北へ向かってセント・ヘレナを経由し、カリストガへ向かう国道29号線は、南北50kmに渡り、両側に有名ワイナリーが軒を連ねるワイン街道です。年間500万人もの観光客は、この国道29号線とワイントレインでナパ・ヴァレーを往来し、“世界最高”といわれるこの産地のワインツーリズムを満喫します。

 

現在ナパ・ヴァレーには、400余りのワイナリーが運営されていますが、ヨーロッパの銘醸地を除くと抜きんでた地価の高さ、ブランディングされた少量生産のワインには高額な値がつくこの産地にワイナリーを所有することは、特別なステイタスでもあるため、異業種で財を成した実業家の新規参入は後を絶たず、ワイナリーは増え続けています。

 

シャンパーニュやブルゴーニュ、ボルドーと比較しても、これほどハイブランドが数多くある産地は珍しく、ナパ・ヴァレーはアメリカのみならず世界のワイン産地のなかでも特別な存在になっています。主役であるカベルネ・ソーヴィニヨンは収穫期に雨が降らないこともあり、生産者の思う完熟度を反映して、色濃く滑らかで芳醇なワインに仕上がり、その安定感とキャラクターは“ナパ・ワイン”としての唯一無二といってよいほどの個性を獲得してます。

 

アメリカの原産地呼称にあたる“AVA”(American Viticultural Areas=政府認定栽培地域)では、ほぼ全体を包括するナパ・ヴァレーAVAの他に、その多様な土壌構成(世界の土壌目の半数を占める)と気候によって16の“サブA.V.A”が区分けされており、「AVAロス・カーネロス」や「AVAワイルド・ホース・ヴァレー」のようにブルゴーニュ品種が中心の地域もありますが、基本的にすべての産地で、カベルネ・ソーヴィニヨンは植えられています。1976年のパリスの審判で白ワインの一位「シャトー・モンテレーナ」はAVAカリストガ、赤ワインの一位「スタッグス・リープ」はAVAスタッグス・リープ・ディストリクトに拠点を構えています。ロバート・モンダヴィのAVAオークヴィルには多くのハイブランドが軒を構えるなど、ナパ・ヴァレー全てのAVAに有名ブランドが散らばるさまは、満点の星空を思わせるほどです。

 

ナパ・ヴァレーを特別にしているのは、その多様な土壌とブドウ栽培に適した気候、高地でのカベルネの成功、ブランディングと枚挙にいとまがありませんが、もっとも核となっているのは、そのひとつひとつのきら星のようなワイナリーなのではないかと思います。恵まれた栽培環境と生産者の意欲と志の集合体が、ナパ・ヴァレーという、フランスワインにも比肩しようという一大産地を造り上げている様に思えるのです。

 

Hendry(ヘンドリー)
「Cabernet Sauvignon2015(カベルネ・ソーヴィニヨン2015)」
1万500円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

2. カリフォルニア州ソノマ・カウンティ
− カリフォルニアの高級ワインはソノマから始まった −

1848年に始まったカリフォルニアのゴールドラッシュは、当時人口200人ほどの開拓地だったサンフランシスコに、数万人の人々を集めたといいます。そのなかの一人だったハンガリーからの移民、アゴストン・ハラジィが、約300品種ものヨーロッパ系ブドウを持ち込んだことから、カリフォルニアワインの歴史が始まりました。彼が1857年に設立したカリフォルニア初めての商業ワイナリー「ブエナビスタ」は、所有者こそ変わりましたが、今もソノマの街東部の渓谷に残っています。

 

マヤカサス山脈を挟んで東に隣り合わせるナパ・ヴァレーと並んで、カリフォルニアを代表する銘醸地であるソノマには、素晴らしいブルゴーニュ品種を産み出すトップワイナリーがひしめき合っています。「マーカッシン」やAVAロシアン・リヴァー・ヴァレーの「Jロキオリ」「キスラー」といった北部のピノ・ノワールは、愛好家にとってブルゴーニュの銘醸ワインと同じか、時としてそれ以上に心を揺り動かされるワインであり、AVAロス・カーネロスのシャルドネは、生産者の個性を表現した芳醇で欠点のない味わいを醸し出しています。そういったソノマの珠玉のワインのそれぞれは、ハイブランドというよりも希少なローカルワインといった雰囲気で、メーリングリストに登録した顧客を中心に流通しています。

 

ただ、そういった高級ピノ・ノワールとシャルドネだけが、ソノマのワインではありません。土壌型はソノマだけで30を超え、フランス全土を上回る土壌多様性を持っているため、ブドウ品種のバラエティ豊かな産地でもあるのです。

 

カリフォルニア独自のブドウとして栽培されている「ジンファンデル」は、イタリアの「プリミティーヴォ」、クロアチアの古代品種「ツールイェナック・カステランスキー」と遺伝子的には同一であり、クロアチア由来でアメリカに渡ったといわれています。この品種がカリフォルニアにもたらされたのも、やはりゴールドラッシュの時代でした。そして独自の名前、歴史、スタイルを持ったアメリカの伝統的なブドウ品種として、現在でも盛んに栽培されています。

 

写真のオールド・ヒル・ランチは、ソノマでももっとも古い畑のひとつで、ジンファンデルを中心にさまざまな品種のフィールド・ブレンド(畑に複数品種の混植)のワインです。カリフォルニアワインのルーツ、オリジナルはソノマ・カウンティに今も残っており、中心都市のひとつ美食の街として知られるヒールスバーグに軒を連ねるレストランのワインリストには、多様なソノマワインがオンリストされています。

 

Bucklin(バックリン)
「Old Hill Ranch Field Blend2018(オールド・ヒル・ランチ・フィールド・ブレンド2018)」
オープン価格
輸入元=布袋ワインズ

 

3. カリフォルニア州サンタ・バーバラ
− カリフォルニアで最も冷涼なワイン産地 −

ロサンゼルスから車で2時間ほどの距離にあるサンタ・バーバラは、スペイン風の街並みと美しい海岸風景が人気のリゾート地です。ワイン産地としてはナパ・ヴァレーやソノマほど一般的に知られていなかったかもしれませんが、日本で2005年に公開されたワインを題材にしたロード・ムービー『サイドウェイ』は、サンタ・バーバラを舞台にしていました。

 

ピノ・ノワール好きの主人公が、親友の結婚前に独身最後の旅としてサンタ・バーバラのワイナリーやレストランを巡る物語の中では、地域のピノ・ノワールの数々がスクリーンに登場し、『ミリオンダラー・ベイビー』を抑えてアカデミー脚色賞を獲得したことからも大ヒット、サンタ・バーバラがピノ・ノワールの銘醸地として広く知られるようになることにひと役買った作品です。ちなみに、日本でも小日向文代さん、生瀬勝久さん主演でリメイクされましたが、こちらはナパ・ヴァレーを舞台にしています。

 

ピノ・ノワールは早熟品種なため、温暖な気候だと早く熟してしまい、本来持っている魅惑的な風味を育むことができませんが、カリフォルニアでもっとも涼しいサンタ・バーバラでは、ピノ・ノワールの生育に適した気候的な優位性をふたつ挙げることができます。

 

ひとつは沿岸部に山がないため海からの冷たい風を直接受け、夜間には霧が畑を覆うことで生育期にはブルゴーニュと変わらない平均気温であることから、ブドウの成熟をゆっくりと進めることができます。もうひとつは、ブルゴーニュやソノマに比較して収穫期の降水量が少なく、急いでブドウを摘む必要性がありません。結果として、非常に長い生育期間のなかで、サンタ・バーバラのピノ・ノワールはブルゴーニュのような酸味、ソノマのような果実味を併せ持った一種独特な芳香のあるワインを産み出します。

 

この記事を読んでいるワイン好きの方で、映画『サイドウェイ』をまだご覧になっていないようでしたら、ぜひ一度鑑賞していただきたいと思います。その際には、ワインショップでサンタ・バーバラのピノ・ノワールをご用意することも忘れずに。

 

Domaine de la Cote(ドメーヌ・ド・ラ・コート)
「Pinot Noir Bloom’s Field2018(ピノ・ノワール・ブルームス・フィールド2018)」
1万2000円
輸入元=中川ワイン

 

4. オレゴン州ウィラメット・ヴァレー
− 一人の情熱がオレゴンを銘醸地に 

映画『スタンド・バイ・ミー』の舞台はオレゴン、架空の町キャッスル・ロックはウィラメット・ヴァレーの南ブラウンズビルで撮影されました。作品で描かれている1950年代は、オレゴンのワイン生産は微々たるもので、おそらくワイナリーそのものは数軒ほど、ヴィティス・ヴィニフェラを栽培している農家は2軒しかなかったということです。海岸山脈と東側に位置するカスケード山脈に囲まれたウィラメット・ヴァレーは、カリフォルニアに比べずっと涼しく雲の多い産地で、ブドウ栽培には不向きだと考えられていました。

 

そんなオレゴンが銘醸地としての歴史を始めるのは、1960年代のこと。ピノ・ノワールを手掛けたいという夢を抱いたデイヴィット・レットは「冷涼な気候で、日当たりのよい丘陵地」というブルゴーニュに似た環境をウィラメット・ヴァレー、ダンディー・ヒルズの南向き斜面に見出しました。1966年に始まったデイヴィット・レットの挑戦では、1979年に仏ゴ・エ・ミヨ誌の主催するブラインド・テイスティング・コンテスト「ワインオリンピック」でジ・アイリー・ヴィンヤーズのサウスブロック・リザーブ・ピノノワール1975が入賞することで、早くもオレゴンのピノ・ノワールの存在が知れ渡ることになりました。ウィラメット・ヴァレーにピノ・ノワールが植えられてからわずか13年で、ブルゴーニュと肩を並べるワインを造り上げてしまったのです。現在では800近くまでワイナリーは増え、栽培面積の60%にピノ・ノワールが植えられています。

 

オレゴンのピノ・ノワールもぜひお試しいただきたいのですが、今回ご紹介するのはオレゴンの代表的白ワインのピノ・グリです。オレゴンでは当初、カリフォルニアで主流であったクローンが多く植えられていましたが、晩熟で生育期間が長いという特徴が適さず、ピノ・ノワールの亜種であるピノ・グリが主役の座を射止めました。芳醇なアルザスなどのピノ・グリに比べ、香りとボディのある辛口に仕上げられるオレゴンの白ワインは、日本でももっと親しまれていいワインだと考えています。

 

The Eyrie Vineyards(ジ・アイリー・ヴィンヤーズ)
「Pinot Gris2018(ピノ・グリ2018)」
4000円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

5. ワシントン州
− コストパフォーマンス抜群、ワシントンワインの未来は明るい 

アメリカ西海岸の最北に位置するワシントン州は、カリフォルニアに次いでアメリカで2番目にワイン生産量の多い州です。それでも、カリフォルニアに比較すると10分の1ほどの生産量でもあり、知名度も日本人にとって広く知られているとはいえず、いかにカリフォルニアワインが質、量ともにアメリカワインの中心地であるかがうかがえます。ワシントンの中心都市であるシアトルは、野球チームやスターバックスと日本でも馴染みのある街なのに、ワインが知られていないのは残念でなりません。

 

ただ、ワシントンのワイン産業のめざましい発展ぶりは近年のことで、ここ20年ほどでワイナリーは10倍ほども増え、1000軒を超えるほどだといいます。大きくはカリフォルニアに比べ地価が安いこと、ブドウ栽培農家からのブドウの購入がオレゴンに比べ盛んなため、畑を持たず醸造設備だけのワイナリー開業もできると、新規参入のハードルが低いのです。

 

主だったブドウ畑はオレゴンとの州境から内陸に広がっており、シアトルからはだいぶ距離がありますが、シアトル都市部から車で30分ほどの距離にあるワイン村ウッディンヒルには、小規模ワイナリーが200軒ほども集まっていることからもわかるように、栽培と醸造の分業が他の産地よりも一般的になされ、造られるワインも複数の農家の生産するブドウを混合することも多く、ワイナリーの立地とブドウ畑は直接結びついていません。

 

ラベル表示も広範囲を網羅するAVAコロンビア・ヴァレーやより柔軟な「ワシントン」といった表記も多い一方、徐々に自家栽培や単一畑表示のワインも増えてきています。

 

赤ワインではボルドー品種に加え、広く栽培されてきているのがシラー。フルーティーでみずみずしい完熟感を楽しめるワインが、リーズナブルな価格帯から高級レンジまで幅広く造られ、ローヌともオーストラリアともまた違った個性を持っています。個人的にもっとも期待しているのは、リースリングをはじめとしたゲヴュルツトラミネールやピノ・グリといった芳香のあるアルザス品種です。

 

今現在でも、驚くほどのお値打ちワインに出会えますが、今後ブドウ樹が古くなり、新しい生産者もヴィンテージを重ねることでより素晴らしいワインを産み出すであろう未来がたやすく想像できるワイン産地が、ワシントンです。アメリカワインに馴染みのない方でも機会がありましたら、ワシントンのリースリングをお試しください。

 

Dunham Cellars(ダンハム・セラーズ)
「Riesling Lewis Estate Vinyard2015(リースリング・ルイス・エステート・ヴィンヤード2015)」
3150円
輸入元=オルカ・インターナショナル

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です。

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

読んで思わずニヤけた。日本酒好きは「新政」を避けて通れないとわかる本

かつて筆者は、編集者・ライターの馬渕信彦さんと(死ぬ思いで)日本酒の本を作ったことがあります。その馬渕さんは、いつもおかっぱ頭の息子の写真を飽きずにSNSに投稿していますが、最近やたらと「新政」(あらまさ)の蔵の写真を上げてくる――。新政といえば、現代の日本酒を代表するスター銘柄です。いったいなんのアピールだろう……と思っていたら、なるほど、合点がいきました。馬渕さん、新政のブランドブックの制作を手掛けていたのですね。本の名は「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」(三才ブックス)。1年がかりで制作し、つい先日発売になったそうです。

↑「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」は、B5変型128ページで税込1540円(表紙撮影:堀 清英)

 

「新政の本を作ろう!」スター蔵元に取材をオファー

秋田県秋田市の新政酒造は、嘉永五年(1852年)の歴史ある蔵元です。筆者が日本酒を飲み始めた2000年ごろは、協会6号酵母の発祥の蔵として有名だよね、昔ながらの味で燗が旨いよね、という至って普通のイメージでした。それがいつの頃からか、ビンのデザインがスタイリッシュになり、味も透明感のある華やかなイメージに。あれよあれよという間にスター蔵元・スター銘柄への階段を駆け上がっていきました。

↑新政の主要銘柄のひとつ、「No.6 S-type 2020」。「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:石上 彰)

 

その原動力となったのが、8代目蔵元の佐藤祐輔さん。何でも東京大学の文学部を卒業後は東京でフリーライターとして働き、30歳を過ぎるまで日本酒のことをほとんど知らなかったそう。秋田に戻って家業を継いでからは、添加物を廃し、全量を伝統的な生酛(きもと)造りに切り替えるといったドラスティックな改革を断行。現在の評価を得るに至りました。

↑木桶の前に立つ佐藤祐輔さん。イケメンです。「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:堀 清英)

 

さて、そんな佐藤さんに、「新政の本を作らないか」と持ち掛けたのが、先述の馬渕さん。馬渕さんは和酒総合研究室「富士虎」の主任研究員としての顔も持っていて、全国の酒蔵巡りをライフワークとしています。2013年に初めて新政を取材して以来、佐藤さんと親交を深めていたそう。取材を重ねるうち、馬渕氏のなかで「新政は文化を醸造している」と感じ、「その美学を伝えたい」との想いが芽生えたといいます。そこで、「一冊全部新政の本を作ろう!」と佐藤さんに提案したところ、「ジャーナリストの中では馬渕さんが新政のことを一番わかっている。馬渕さんならがっちりと書いてくれるだろう。校正なら自分もできるし(元同業)」ということで、取材にOKが出たそうです。

 

ビジュアルを重視して蔵の美しさを伝えたい

この本を制作するにあたって、新政の佐藤さんからは「ビジュアルを重視したい」と要望があったとのこと。というのも、現在の新政は伝統製法の「生酛(きもと)造り」のみを採用し、木桶を導入するなど、伝統技術への回帰を進めています。その結果、自然に蔵の中が美しくなっていったそうで、そのイメージをダイレクトに伝えたかった、その手段がビジュアル=写真なのだ、というわけです。

↑「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:相場慎吾)

 

↑「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:相場慎吾)

 

そんな佐藤さんの要望もあって、撮影を手掛けた写真家さん(3人)も豪華です。人物と蔵の風景をメインに撮影した堀 清英(きよひで)さんは、大手企業の広告写真、ミュージシャンのCDジャケットなどを手掛ける巨匠クラスの人物。ニューヨークでアレン・ギンズバーグという著名な詩人と交流を持ち、そのポートレートを撮ったことでも有名です。

 

造りや風景などを撮影したのは、相場(あいば)慎吾さん。カリスマ的ファッションデザイナー、エディ・スリマン直属のデザインチームに抜擢された経歴を持つ方で、それだけでも美的センスが規格外であることがわかります。現在は衣装デザイン・写真・イラストなど、 様々なアートワークを手掛けているとのこと。

 

もうひと方、新政が酒米を契約栽培している鵜養(うやしない)地区の風景を撮影したのが、松田高明さんです。松田さんは山形在住の民俗写真家で、蔵元の佐藤さんが山形でイベントを行った際、松田さんの作品を気に入って馬渕さんに紹介したそうです。

↑「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:松田高明)

 

一読して、情報量に圧倒される

そんな実力派の3名が撮り下ろした写真とはいかなるものか……? 実際の印刷物で見たら、いったいどれほど美しいのでしょう。ここに蔵元が絶大な信頼を寄せる、馬渕さんの文章が加わるわけで、そのクオリティの高さに疑いの余地はありません。これはもう、買うしかないでしょう!

…というわけで買いました。あ、B5版だから、いつものA4の雑誌サイズよりはちょっと小さいんですね。開いてみると、いくつもの神秘的なビジュアルが目に飛び込んできます。ああ、強いインクの香り。いいですね……などと思いながら、一読して衝撃を受けました。「すっごいな、これ…面白い!」と思わずつぶやき、ニヤけてしまったほど。これは、ただのビジュアルブックじゃない!

 

まず、情報量がハンパないです。普通、酒蔵といえば「造り」に焦点を当てればだいたいOKでは? と思われるところ、本書は6つの章に分かれていて、「造り」はそのうちの一つに過ぎません(とはいえページ数は多いですが)。馬渕さんの文章は、写真に合わせてエモーショナルで詩的な感じになるのかな? …などと予想していたらまったく違いました。隅から隅まで情報が詰め込まれた硬派な文章で、これがモノクロを多用した荘厳な写真に合うんです。

 

2008年からのヴィンテージガイドや、「酒米の作付け分布図2021」なんてのもある。酒米や酵母にも深く突っ込んでいて、そこそこ日本酒を知っている人にとっては、興味が止まらない内容です。最上位ラインの銘柄は、知らない人だと買いづらいネーミングにしているとか、裏話も面白い。あと、新政のラベルに使われているオリジナルの文字フォントが本書にも使われているんだよなぁ~。

 

また、章間にあるスタッフのインタビューの端々から、蔵元・佐藤祐輔氏のぶっ飛んだ気性が見てとれるのが興味深いです。そして、最後の最後には蔵元のインタビュー。ここですべてのピースがハマるような爽快感があって、そんな構成の妙も心憎いです。

 

この本を持って、新政を飲みに行きたい

読み通してみると、馬渕さんが「新政は文化を醸造している」と感じたのが腑に落ちました。詳しくは本書に譲りますが、新政は本当にこれ、全部やってるの……? と、ただ驚くばかり。これは確かに伝えるべきだ。そして、本書の存在も多くの人に知られるべきだと思いました。

 

最後に、個人的には「この本持って、新政飲み行きてえ!」と強く思いました。次に新政と対峙するとき、いままでとまったく違う思いを抱いていることは間違いありません。晴れて口にできる日はまだ先のことかもしれませんが、そのときは家族や仲間と、あるいは酒場の店員さんと、その体験を分かち合えたらいいな……と。本書のおかげでひとつ、大きな楽しみができました。

↑「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:堀 清英)

 

これが夏にピッタリなサングリア!「ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix」数量限定で新発売

メルシャンは、果実のおいしさが楽しめるワインベースのお酒「ギュギュッと搾ったサングリア」シリーズから「ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix」を、6月29日から数量限定で新発売することを発表しました。

 

「ギュギュッと搾ったサングリア」シリーズは、『フルーティ』で『リッチな果実感』が楽しめるサングリア。2020年7月には、20~30代のワインエントリーユーザーだけでなく、同年代のワインライトユーザーにもターゲットを拡大し、リアルな果実感、スタイリッシュでおしゃれなデザインにリニューアルしたことで、2020年12月に累計販売本数1,100万本を突破した商品です。

 

今回発売する「ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix」は、栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料を中心に人気が高まっている「レモンフレーバー」に着目し、リアルな果実感とレモンのしっかりした香り、程よい酸味が感じられる夏にぴったりのサングリアを開発したそう。

 

夏に売り上げのピークを迎える「レモンフレーバー」の「ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix」を発売することで、さらに若年層のお客様の「ワインの新しい選択肢」を増やし、ワイン市場の間口拡大を目指していくとしています。

 

「ギュギュッと搾ったサングリア濃密レモンMix」について

キリンホールディングス
飲料未来研究所
安部杏香さん

「コンポートしたレモンのような濃密な味わいとみずみずしく爽やかな香味をお楽しみいただけるよう工夫しました。暑い夏にぴったりのサングリアをぜひお楽しみください」

 

中味について

・香り豊かなこだわりの「混濁果汁」使用により、果実本来の苦みやピール感を感じられる、みずみずしい果汁感が特長です。

 

・夏の時期に人気の高いレモンフレーバーに着目し、爽やかなレモンにグレフル×オレンジをバランスよく組み合わせ、氷で割ってもおいしいしっかりとした味わいのサングリアとなっています。

 

パッケージについて

・レモン形を多用したデザインと「数量限定」マークをあしらい、レモンフレーバーの限定品であることが伝わるデザインです。

 

【商品概要】
商品名:ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix
価格:オープン価格
容量:400ml
アルコール度数:6%
カテゴリー分類:果実酒
発売日:2021年6月29日(全国)

サッポロ生ビール黒ラベル「埼玉150周年記念缶」を数量限定で発売

サッポロビールは歴史に縁のある埼玉県が県政150周年を迎えることを記念し、サッポロ生ビール黒ラベル「埼玉150周年記念缶」を8月3日に数量およびエリア限定で発売することを発表しました。

 

 

 

埼玉県には、2003 年まで当社のビール工場があり、首都圏エリアへの製品供給の一翼を担っています。また、埼玉県を代表する歴史的偉人の一人である渋沢栄一は、サッポロビールのルーツである「開拓使麦酒醸造所」の発展に深く関わっており、現在のサッポロビールに繋がる「札幌麦酒会社」では委員長を務めていました。

 

本商品は、渋沢栄一の生涯において尽力した社会貢献活動に賛同し、本商品の売り上げ 1 本につき1 円を、次世代の若者を支援することを目的に埼玉県教育環境整備基金へ寄付するそうです。

 

パッケージ中央には「埼玉 150 周年」のロゴとともに渋沢栄一と、黒ラベルのロゴマークを身にまとった埼玉県マスコット「コバトン」をデザインし、埼玉県の魅力発信と、さらなる発展に貢献していくとしています。

 

【商品概要】

商品名:サッポロ生ビール黒ラベル 埼玉150周年記念缶
※中味は通常の黒ラベルと同じです。
価格:オープン価格
パッケージ:350ml 缶・6 缶パック
品目:ビール
アルコール分:5%
発売日・地域:2021 年8月3 日
埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・山梨県・茨城県
栃木県・群馬県・長野県
販売計画:10,000 ケース(350ml×24 本換算)

沖縄クラフト『アサヒ オリオン75BEER IPA』が6月15日から数量限定で新発売

アサヒビールは、オリオンビールが製造するビール『アサヒ オリオン75BEER(ナゴビール)IPA』を、全国(沖縄県および鹿児島県奄美群島を除く)にて6月15日から数量限定で発売することを発表しました。

 

『アサヒ オリオン75BEER IPA』とは名護産の「勝山シークァーサー」を使用したプレミアムクラフトビール。5種類のホップを使用することで、華やかな香りが楽しめるIPAです。ホップ投入の最適なタイミングを見極め、手作業で行うことによりホップの味と香りを最大限に引き出しているそうです。

 

パッケージは、缶体全体にシークァーサーのイラストを描くとともに、缶体中央にブランドロゴを大きくデザイン。「沖縄県産素材」のアイコンと「名護産シークァーサー使用」という文言を記載することで“沖縄クラフト”であることを訴求しています。

 

アサヒビールは、2002年に沖縄県外におけるオリオンブランドの販売を開始し、以降両社の協業が進められてきました。昨年5月には、プレミアムクラフトビールの第1弾となる『アサヒ オリオン75BEER』を数量限定で発売。そして、今回は第2弾として『アサヒ オリオン75BEER IPA』が発売されます。

 

今後も、アサヒビールとオリオンビールの強みを持ち寄り新たな提案を続けていくことで、ビール類市場の活性化を図るとともに“期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造”を目指すとのことです。

 

【商品概要】
商品名:アサヒ オリオン75BEER IPA
品目:ビール
アルコール分:6%
発売日:6月15日※ただし予定数量出荷次第終了
発売地域:全国(沖縄県および鹿児島県奄美群島を除く)
製造工場:オリオンビール㈱名護工場
価格:オープン価格

麦とジャスミンが奏でる意外なハーモニー、炭酸割り専用焼酎「香る大隅〈麦とジャスミン〉」新発売

飲食店限定で提供されていたサントリーの焼酎「大隅 OSUMI〈麦〉」(1320円/税込)が、今春より一般発売を開始。さらに新たなフレーバーとして「香る大隅〈麦とジャスミン〉」(1320円/税込)が登場しました。最大の特徴は、炭酸割り専用であるということです。

↑4月6日に発売となった「香る大隅〈麦とジャスミン〉」。720mlで1320円(税込)、アルコール度数は25%で、炭酸で割る飲み方が推奨されています

 

そこで筆者が参加した、オンライン説明会で聞いた商品特徴や開発の狙いを紹介するとともに、実際に飲んだ味わいのレポートをしていきます。

 

家飲みでは瓶酒を飲む人が増えている

「大隅 OSUMI」は鹿児島・大隅半島で2004年に設立され、2014年にサントリーの子会社となった「大隅酒造」が仕込みや蒸溜を担当。飲食店において焼酎はビールの次に飲まれているカテゴリーであるという市場データを背景に、2019年に誕生しました。

↑最初にデビューしたのは、芋焼酎の「大隅 OSUMI〈芋〉」。その後「大隅 OSUMI〈麦〉」が仲間入り

 

焼酎は製法などによって甲類と乙類(本格焼酎)のほか、双方をブレンドした混和焼酎の3カテゴリーがあり、「大隅 OSUMI」は乙類にあたります。ブランドに共通する味の特徴は、洋酒のリーディングカンパニーであるサントリーとのシナジーから生み出された「香り厳選蒸溜」という独自の製法による、甘くフルーティなアロマ。新作にもしっかりと受け継がれています。(「香り厳選蒸溜」について詳しくはこちら

 

↑説明会の資料より、「香り厳選蒸溜」の特徴

 

新作の発売背景には、家飲みシーンの増加に伴う瓶酒のニーズ拡大と、炭酸割りの需要増があるとか。家で飲む機会が増えたため、より贅沢感のあるものを飲みたい気持ちから瓶酒を手に取る機会も増加。また、コロナ禍によるストレスをリフレッシュさせたいマインドから、炭酸割りのニーズが拡大したという調査結果により、「香る大隅〈麦とジャスミン〉」を開発するに至ったそうです。

 

↑家飲みにおける無糖炭酸水の使用頻度は近年で右肩上がり。焼酎ユーザーの炭酸割りも、まだまだ拡大する可能性があるとのこと

 

なお、「香る大隅〈麦とジャスミン〉」の一般販売に伴い、飲食店限定だった麦焼酎の「大隅 OSUMI〈麦〉」を、720ml瓶の新容量パッケージで家庭向けに発売。飲食店では900ml瓶仕様だったものを、家庭用として手に取りやすいサイズになっています。

↑720mlで一般発売となる「大隅 OSUMI〈麦〉」。「香る大隅〈麦とジャスミン〉」と同じ1320円(税込)で、アルコール度数は25%です

 

ということで、「香る大隅〈麦とジャスミン〉」と「大隅 OSUMI〈麦〉」を、それぞれを飲んでいきましょう。

 

 

麦×ジャスミンがここまで合うとは驚きだ!

↑まずは「香る大隅〈麦とジャスミン〉」から。あえてストレートで

 

そのままグラスに注いで味わってみると、繊細で清らかなテイスト。香りがじんわりと広がりますが、これを炭酸で割ることによって、よりいっそう香りを感じることができるのでしょう。

↑それぞれの裏ラベル。「香る大隅〈麦とジャスミン〉」は焼酎1に対して炭酸水3がオススメとのことで、割って飲むことに

 

炭酸で割ると、上品で爽やかなフレーバーが鼻孔をくすぐります。香りは最初に麦が来て、その後ジャスミンが広がり両者が調和していくニュアンス。麦にジャスミン茶葉という組み合わせは想像できませんでしたが、ここまで合うとは驚きです。

↑麦の穀物感とジャスミン茶葉のふくよかさが好バランス。炭酸の爽やかな刺激も心地よく、スイスイいける飲みやすさです

 

説明会では、なぜいくつもの素材があるなかでジャスミンを選んだのかを聞きました。すると、レモン、梅、緑茶など様々な食材を試した中で一番麦焼酎にマッチしたのがジャスミンだったから。販売前の消費者テストでも、ジャスミンが最も好評だったそうです。

 

次は「大隅 OSUMI〈麦〉」を、まずはひと口。こちらは、バナナを思わせるフルーティな香りとキレのある後口の両立が特徴。ストレートでも、甘く華やかな風味が印象的でした。

↑麦らしさがありながらも、麦チョコのようなどっしり系の香ばしいタイプではなく、ライトで爽やかな方向性。新しさを感じます

 

飲み方のアレンジはロックで試してみました。バナナ香は小麦由来の白ビールでもよく語られるフレーバーですが、「大隅 OSUMI〈麦〉」の感じ方はやや違います。焼酎らしいキリッとしたタッチに麦の甘味が加わり、そのうえでバナナのブライトなフルーティさが寄り添うニュアンス。

↑加水が進むと香りがより広がり、りんごやサイダーのような爽快感あふれるフレーバーも。水割りや炭酸割りも合うでしょう

 

どちらも新時代の焼酎であることを感じさせる、香りが個性的ながらスイスイ飲みやすい味わいだと思いました。飲み方が多彩なうえ、和食を中心に料理とよく合い、常温保存もできる扱いやすさが焼酎の魅力でもあります。焼酎好きの人はもちろん、入門としてもオススメなのでぜひお試しを。

アニメ『ちびまる子ちゃん』コラボ日本酒が登場、「父・ヒロシ」の誕生日と重なる父の日のギフトにぜひ!

Nexusは、静岡県を代表する老舗酒造の一つである初亀醸造と、同県を舞台とした国民的人気アニメ『ちびまる子ちゃん』とのコラボ日本酒を企画、販売することを発表しました。

 

 

この「酒繋プロジェクト」は、日本発の良質なお酒とコンテンツを掛け合わせ新たな商品を開発し、普段触れる機会の少ないコンテンツの魅力を発見する機会を作りたいという思いから立ち上げられました。

 

毎年6 月の第 3 日曜日に祝う父の日。2021年6月20日はまる子の父・ヒロシの誕生日と父の日が重なる年となります。今回、それを記念し、静岡県を代表する老舗酒造の『初亀醸造』との“静岡県”コラボ日本酒『純米吟醸 父ヒロシ』、および限定生産の『純米大吟醸 父ヒロシ』を5月18日より予約販売を開始しました。

 

ちびまる子ちゃんコラボ日本酒「純米吟醸 父ヒロシ」
内容量:730ml
価格:3300

 

『純米吟醸 父ヒロシ』は、原作の舞台である静岡のお水・お米・酵母を用い、丁寧な手仕事で醸されています。爽やかな香りと酒米“誉富士”由来の優しい甘味が口の中で広がるとのこと。

 

オリジナルラベルは「日本酒を片手に微笑むヒロシ」の後ろに、静岡県の代名詞ともいえる「富士山」と「初日の出」、「さくらももこ先生デザインの亀」が初亀醸造らしさを演出しています。

 

なお、ラベル同様のデザインが施された、紙箱付きのセットとなっています。父の日をはじめ、誕生日、特別な日に、特別な人へのプレゼントとしてオススメの商品です。

 

ちびまる子ちゃんコラボ日本酒「純米大吟醸 父ヒロシ」
内容量:720ml
価格:13200

 

“酒米のダイヤモンド”と称される希少米「愛山」を贅沢に磨き、丁寧な手仕事で醸されている商品。南国果実を思わせる香りとリッチな甘味が口の中で広がるとのこと。

 

オリジナルラベルは「和服のヒロシ」を中心に、「富士山」「初日の出」、「さくらももこ先生デザインの亀」と純米吟醸酒のラベル同様の構成。「富士山」は箔押しが施されており、オリジナル木箱と併せて高級感が演出されています。

 

本商品は限定100本での販売。日頃の感謝を込め、ちょっと贅沢な本商品を父の日ギフトとしてプレゼントするのはいかがでしょうか。

家飲みがちょっとリッチに、ワンランク上の甲類焼酎「極上<宝焼酎>」に手に取りやすいサイズが登場

宝酒造は、ひとクラス上の甲類焼酎をうたう「極上<宝焼酎>」のラインアップを強化。360mlボトルと600mlボトルを6月29日に発売します。希望小売価格は360mlボトルが385円、600mlボトルが608円。

 

極上<宝焼酎>は、厳選した樽貯蔵熟成酒を3%ブレンドした甲類焼酎。飲み飽きないまろやかな口当たりと芳醇な味わいがユーザーから高い評価を得ているとしています。

 

パッケージは、極上<宝焼酎>の世界観を踏襲する金を基調としたデザインを採用。また、「極上」「PREMIUM」を記載して品質の高さを伝えるとともに、ラベルの中央には100年の伝統に培われた品質感・本物感を演出する「寶マーク」を大きくあしらっています。

 

宝酒造によると、近年の飲酒シーンにおいて、少し良いお酒を求める傾向が高いとのこと。そこで、極上<宝焼酎>に手に取りやすいサイズのラインアップを加えることにより、贅沢感を求めるユーザーのニーズに応えるとともに、市場における話題を喚起していくとしています。

「ジムビーム ハイボール缶〈ライム&トニックハイボール〉」が7月13日に期間限定新発売

サントリースピリッツ株式会社は、「ジムビーム ハイボール缶〈ライム&トニックハイボール〉」を7月13日から全国で期間限定新発売することを発表しました。

 

 

「ジムビーム」は、世界120カ国以上で愛されている世界No.1バーボンウイスキー。爽快なキレ味で食事と相性の良い“ジムビームハイボール”は多く人から支持されています。また、手軽に楽しめる「ジムビーム ハイボール缶」は、2020年の販売数量が対前年113%と大きく伸長。今回は、新フレーバー「ジムビーム ハイボール缶〈ライム&トニックハイボール〉」を期間限定新発売し、同ブランドのさらなるファン拡大を図るそうです。

 

ジムビーム ハイボール缶
〈ライム&トニックハイボール〉
350ml/160円(税込)
500ml/217円(税込)

 

●中味・パッケージについて

「ジムビーム」と相性の良い、ライムと甘いトニックを組み合わせることで“ジムビームハイボール”ならではの新たなおいしさを実現。飲みやすく爽快感のある中味で、そのままでも食事と一緒でも、おいしく楽しめる味わいに。パッケージは、中央に配した「LIME&TONIC」の文字と、視認性の高い緑の背景で、中味の特長を表現しています。

 

2種のホップが織りなす香りと苦味は、まるでクラフトスタイル!サッポロ×ファミマの新作が良コスパ

発売されるたびに人気を博している、サッポロビールとファミリーマートのコラボレーション商品「ビアサプライズシリーズ」が5周年を迎えました。それもあって、新作はそのサプライズ=驚きをいつもより感じられるはず。ということで、今回は「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」を深掘りレポートしていきます。

↑4月20日から全国のファミリーマートで数量限定発売されている「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」。350mlが219円、500mlが286円(ともに税込)です

 

アメリカ原産の個性派ホップを2種使用

ビールメーカーがコンビニとコラボレーションする限定ビールは数あれど、シリーズ化されてコンスタントに新作が発売されるのはかなり珍しいケース。それだけ「ビアサプライズシリーズ」は好評ということでしょう。

 

しかも今回で第8弾目。個人的にも「そんなに出てたんだ!」と思いました。サッポロビール×ファミリーマートの限定品は年初に発売された「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」もおいしかったので(https://getnavi.jp/cuisine/567730/)、期待をもって試飲に挑みます。

↑2月2日からファミマ限定で発売された「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」。デザインが話題となりましたが、個人的にはそれよりもボディ感の豊かなおいしさに驚かされました

 

新作の「ビアサプライズシリーズ」で気になるポイントのひとつが、「至福の香り」という商品名です。過去をさかのぼると「至福の余韻」や「至福の苦味」など、味わいの特徴をあらわしているのですが、今回は香りにフォーカスしているということでしょう。

↑アルコール度数は5%と一般的。2種のホップが醸し出すフルーティな香りが特徴

 

ホップで注目すべきは、「シトラホップ及びモザイクホップ一部使用」という表記です。どちらもクラフトビールで多用される、アメリカ原産の個性が強いホップ。「一部使用」とのことですが、存在感はどの程度味わえるのか。さっそく飲んでみます。

 

セッションIPAに似た“ツンデレ”な風味とボリューム感

グラスに注いでみると、一般的なビールの黄金色。濃くも淡くもないので、使用する麦芽や熟成法などは一般的な造り方なのかもしれません。まずはプシュッと開けてひと口飲んでみます。

↑泡立ちは良好で、日本のビールらしいクリーミーなタッチです

 

缶開した瞬間に「こりゃ普通のビールと違うぞ!」と確信できる鮮烈な香りが漂ってきました。鼻を近づけると、なんともフルーティかつフレッシュでハーバリー。このハーバル感は、グラッシー(草原的な青々しさ)なニュアンスも。

↑香りを存分に楽しむなら、ぜひグラスで。缶でそのまま飲むのはポテンシャルを最大限に感じられず、もったいないです

 

口にすると、このビールの特異性がいっそうわかりました。「シトラ」に「モザイク」と、柑橘やトロピカルな芳香性のホップでアッパーなフレーバーを立てつつ、ビールの味自体はとっつきやすい立ち位置。コクが深すぎずアルコール度数も5%で、ゴクゴク飲めるすっきりとした顔ももっています。

 

香りはかなりアロマティックでホップの苦みもしっかりめですが、そこまでどっしりとしたビター感ではありません。初夏を迎える季節であることも意識したのでしょうか。重すぎず、爽快さも感じられる味わいです。クラフトビールで例えると「セッションIPA」に近いのかなと思いました。

↑クラフトビール好きもきっと驚く、アメリカン寄りなフレーバー。ぜひお試しあれ

 

「セッションIPA」というのは、米国で特に人気のIPA(インディア ペール エール)のアルコール度数が低いタイプ(例:IPAが6%前後のところ、セッションIPAは4.5前後)のこと。IPAらしい柑橘フレーバーや苦味はありながらも、いい意味でガツンとしていなくて酔いにくいビアスタイルです(ただし「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」は上面発酵のエールではなく下面発酵のラガーかもしれませんが)。

 

なお、これだけ豊かな香り付けをしていると、それだけホップなどの原材料費もかかるはずですが、「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」は350mlで219円と良心的なプライス。期間限定とのことで、ビール好きの人は早めにファミマでゲットしましょう。

自粛生活2年目の家飲み、いままでにないビールが続々登場!(後編)

この春は、家飲みを充実させるビール関連の新商品やサービスが多数登場し、おうちビールの新時代(BEER+New ERA=“New BEERA”)が到来したと言っても過言ではない。ビール好きの3 人が11 のトピックでトレンドを解説する。

 

【前編はこちら

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

07 サブスク定期便

種類が豊富なクラフトビールの世界に、手軽にハマれるのがサブスク定期便だ。スマホアプリと連携し、好みの味を可視化できるサービスが好評を博している。

 

豊富なラインナップから好みに合うビールが届く

meuron
Otomoni
4378円~

クラフトビールの飲み比べセットが定期的に届くサービス。1400銘柄以上を揃え、ユーザーの好みなどに応じた6本が届く。配送頻度は自由に調整できる。

 

↑アプリには届いたビールが自動で記録され、図鑑としてコレクションできる。メモ機能やレビューによって味の好みが次回の配送に反映されるとともに、自分の嗜好を知れるのも魅力

 

【ビール通が解説】
クラフトビールの入り口にピッタリ!

「知らない銘柄に出会えるのが楽しいサービス。クラフトビールに興味はあるけれど、種類が多すぎて何を買えばよいかわからない、いつも似たような味のものを買ってしまう……という人にオススメです。クール便で届くので品質も◎」(Get Naviフード担当 鈴木翔子)

 

08 つまみ付き通販

味が多彩なクラフトビールは、フードペアリングも楽しみのひとつ。組み合わせの妙をお取り寄せのセットで叶えてくれるサービスが、コロナ禍で急増中だ。

 

【注目01】生産地を盛り上げるべくコラボ! 研究家の特別なソーセージが美味

ファーイーストブルーイング
自然派ソーセージ
“hayari”のソーセージと
ビールのペアリングセット
6930円

ブルワリーの拠点がある山梨県を盛り上げるべく、同県の現代ソーセージ研究家とタッグを組んだ試み。化学調味料不使用の自然派ソーセージ4本と、それらに合うビールが4本届く。

 

【注目02】

サンクトガーレン
金賞地ビール+本厚木名物
とん漬け 詰め合わせギフトA
3938円(豚漬け2枚セット)

神奈川県・本厚木の生産者同士が手を組んだギフト。品評会で入賞したクラフトビール3種類を2本ずつと、豚肉のみそ漬けが届く。豚肉は、お茶やビールの麦芽粕、小麦をエサに混ぜて育てた、桃のように甘い桃茶豚を使用。

 

【注目03】

T.Y.HARBOR BREWERY
定番クラフトビール5本セット
+オリジナルナッツkenka4種
6230円

系列に複数の人気レストランをもつブルワリーという強みを生かした、オリジナルナッツとビールのセット。ナッツはトムヤムクン味や抹茶味など個性派揃いで、未知なるペアリングが楽しめる。

 

【ビール通が解説】
ベストペアリングを手軽に試せる!

「気軽に旅行へ行きづらいいまこそ、ご当地のつまみとビールを一緒に楽しむ機会は貴重。初めて飲むクラフトビールでつまみ選びに悩まなくていいのも、セットで買うメリットです。ビール好きの人へのプレゼントにもオススメですよ」(おいしいものナビゲーター今西絢美さん)

 

09 ビール専用水筒

アメリカのポートランドを中心に人気が広まったといわれるグロウラー(ビール専用水筒)のトレンドが日本にも到来。炭酸が抜けにくい構造のため、クラフトビール専門店などで樽生ビールを詰めてテイクアウトできる。

 

【注目01】炭酸の抜けを防いでビールをおいしく持ち運べる

 

スタンレー
クラシック真空グロウラー
7150円(1ℓ)、8800円(1.9ℓ)

創業100年を超える、真空スチールボトルの超名門。掛金付きのスクリューキャップが炭酸ガスの抜けを防ぎ、保冷は10℃以下を24時間キープする。サイズは1ℓと1.9ℓがあり、後者は2色展開。

 

【注目02】

ドリンクタンクス
グラウラー2.0 64onz
オブシディアン
1万8150円

高級食品用ステンレスを重ねた真空断熱構造とロックキャップで、安定した冷たさを約束。サイズは64oz(1.9ℓ)のほか0.95ℓと3.8ℓがあり、カラバリは10種。別売りのキットを付けるとサーバーとして使える。

 

【注目03】

ハイドロフラスク
64オンスグロウラー
9350円(1.9ℓ)

ステンレスが二重になった真空断熱構造で、保冷は最大24時間、保温は最大6時間効果をキープ。炭酸の持ち運びに優れた独自のキャップや、注ぎやすい流線形のハンドルを採用している。全4色展開。

 

【ビール通が解説】
クラフトビールの量り売り店に注目

「コロナ禍で、お酒のテイクアウトが一時規制緩和され、クラフトビールの持ち帰りがファンの間で流行。量り売りOKの酒販店や、クロウラー(缶に詰める)の店も増えているので、今後ますます注目が集まるはず!」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

10 オンラインビール講座

工場見学やビール講座の直接体験が難しくなったコロナ禍に、オンラインでの代替サービスが登場。内容はもちろん価格的にも良心的なコンテンツになっていて、遠方に住むビールファンにも大好評だ。

 

【注目01】360度見渡せるVRならではの圧倒的な没入感

アサヒビール
スーパードライVR工場見学
無料

自宅にいながら、「アサヒスーパードライ」の製造工程を見学できるウェブサービス。VRやCG技術を駆使した3Dビュー映像で、360度見渡せる。市販のVRゴーグル
を装着するとさらなる没入感を楽しめる。

 

↑通常の工場見学では見られない角度から製造工程を見られるのは、オンラインならでは

 

【注目02】RPGのような世界観でプレモル造りを学べる

サントリービール
冒険型ビール工場体験
BEER iLAND
無料

アバターを操作して架空の島を巡り、ビール造りを体験できるRPG型コンテンツ。住人との会話や動画を通して、「ザ・プレミアム・モルツ」の素材のこだわりや製造工程を学べる。

 

↑コンテンツをクリアすると、「体験者限定 特別試飲キット」の抽選に応募できる。毎月100名に当たる

 

【注目03】座学と飲み比べでビールと向き合う良コスパな講座

キリンビール
キリンビールセミナー
3000円~

講座用のビール数種やグラスなどが届くおトクなオンラインセミナー。ペアリング講座に器や温度、注ぎ方と味わいの関係を学べる講座など、複数種類用意。予約は同社のECショップ「DRINX」から。

 

↑自宅に届いたセミナーセットを用意してPCやスマホ、タブレットなどから参加する。「Zoom」を使うため質問などもできる

 

【ビール通が解説】
オンラインならではの楽しみ方が続々誕生!

「通常は入れない場所を見ることができたり、ゲーム感覚でビール造りを学べたり、工場見学の経験がある人でも満足できるコンテンツが続々と登場しています。特に有料のセミナーは試飲セットが自宅に届くのでオススメです!」(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん)

 

11 シン・新ジャンル

2004年に誕生した新ジャンルは、各社が切磋琢磨し合うことで年々進化し、どんどんビールに近いウマさへ。もはや「おいしさを我慢して、ビール代わりに飲む」は過去の話だ。

 

【注目01】売れ続けている新時代の火付け役

キリンビール
本麒麟
実売価格/149円

誕生以来、販売数量を毎年更新し続ける、シン・新ジャンルウォーズの火付け役。今年は大麦と、良質な苦味が特徴のドイツ産ホップを増量したことで、力強いコクと飲み応えを一層楽しめるよう進化した。

 

【注目02】四季の味を届ける新ジャンルの王者

 

サントリービール
金麦
実売価格/159円

新ジャンルのシェアNo.1ブランドの定番銘柄。麦芽のブレンド比率とホップの配合を見直し、麦のうま味を高めつつ、澄んだ後味を実現する。季節に合わせて味を微調
整しているのもポイントだ。

 

【注目03】ビール好きに支持される名作

サッポロビール
サッポロ
麦とホップ
実売価格/157円

今春、ブランド全体でうま味が凝縮された麦汁をつくり出す「うまみ麦汁製法」を新採用。麦のうま味を楽しめる定番に加え、まろやかなコクの<赤>と、深いロースト香の<黒>をラインナップ。

 

【注目04】銘酒のDNAを増量して芳醇に

サッポロビール
サッポロ
GOLD
STAR
実売価格/157円

「黒ラベル」と「ヱビス」という二大看板の魂を受け継ぎ、昨年登場した新星。本年、新製法を採用し、力強く飲み飽きない味に磨きをかけた。「旨さ長持ち麦芽」とドイツ産アロマホップも増量。

 

【ビール通が解説】
活性化した新市場に注目

「2018年に登場した『本麒麟』が大ヒットしたことで、成熟していた市場が活性化。“新”ブランドを立ち上げたり“新”戦略を打ち出したり、新しい動きから目が離せません」(フードアナリスト 中山秀明さん)

家飲みをもっと楽しくする、いままでにないビールが続々登場!(前編)

この春は、家飲みを充実させるビール関連の新商品やサービスが多数登場し、おうちビールの新時代(BEER+New ERA=“New BEERA”)が到来したと言っても過言ではない。ビール好きの3人(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん、本誌フード担当 鈴木翔子、フードアナリスト 中山秀明さん)が11のトピックでトレンドを解説する。

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私たちがビールトレンドを解説します!

フードアナリスト
中山秀明さん

「diBEERsity」(ビールの多様化)を提唱。クラフト酒販店とクラフトビア
酒場にも注目している。

 

Get Naviフード担当
鈴木翔子

元バーテンダー。最近は台湾料理を作るのにハマっており、八角に合うビールを探している。

 

おいしいものナビゲーター
今西絢美さん

最近ようやく量より質に目覚めたところ。ビールと食事のペアリングを考えるのが好き。

 

 01 生ジョッキ缶

日本一売れているビール「アサヒスーパードライ」の新商品。まるで店の生ジョッキのように飲める缶ビールだ。日本初ということもあり、発売後数日で品薄に!

アサヒビール
アサヒスーパードライ
生ジョッキ缶
実売価格/219円

 

口が全開してもこもこ泡が立つ生ジョッキのような缶ビール

口が全開する缶と、開けた瞬間に自然発生する泡で、生ジョッキ気分を楽しめる。泡の秘密は、缶の内側に特別な塗料で焼き付けられた凹凸。中身は通常の「アサヒスーパードライ」と同じで、安定感のあるおいしさだ。

 

↑缶の口とフタは、日本独自技術によるダブルセーフティー構造のため、手や口を切る心配はない

 

【ビール通が解説】
ワクワク感が詰まった 家飲みの革命児

「“家飲み革命”といって間違いない商品。自然発泡した泡が、きめ細かくクリーミーで驚きます。缶の口が広いので、口に流れ込む量が増えゴクゴク飲めるし、香りもしっかり楽しめる。開けるたびにワクワクしますね!」(Get Naviフード担当 鈴木翔子)

 

【開発者メモ】

アサヒビール マーケティング本部
ビールマーケティング部
中島 健さん

「そもそも缶ビールは、開けたときに吹きこぼれないように、あえて泡が出ないように作られています。つまり、“泡立つ缶”を作るというのは、いままでの常識を覆すということ。結果、約4年と時間はかかりましたが、ビールの楽しさを体験できる商品に仕上がりました!」

 

02 微アルコール

アサヒビールが、度数0.5%の「アサヒビアリー」を新発売。低アルコールの酒より度数が低く、とはいえノンアルではない微量なアルコールを含んだ新カテゴリーだ。

 

ビールのおいしさをキープしたままアルコール分だけカット!

アサヒビール
アサヒビアリー
実売価格/195円

香り豊かでコク深いビールを醸造したあと、時間をかけてアルコール分だけをカット。ビール本来の発酵による複雑な香りや、本格的な麦のうま味をキープした、アルコール0.5%の“微4 ール”だ。

 

【ビール通が解説】
「軽やかな味わいながら ノンアルよりコク深い」

「ベースがれっきとしたビールだからか、0.5%のアルコールが効いているからなのか、麦汁の甘味が印象的。ノンアルとは一線を画す飲み応えです! 泡立ちもパワフルで、爽快感やのど越しも十分。ゴクゴク飲める、ライトでやさしいビールという新境地を築いています。他社からも商品が出れば、より面白くなりますね」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【Pick Up!】カラダにやさしいノンアルビール

尿酸値を下げるアンセリン入り

サッポロビール
サッポロ うまみ搾り
実売価格/145円

尿酸値を下げる「アンセリン」を配合。「アンセリン」はうま味成分にも関与し、おいしさを引き上げている。

 

お腹周りの脂肪を減らすホップ由来苦味酸入り

キリンビール
キリン カラダFREE
実売価格/157円

お腹まわりの脂肪を減らす、熟成ホップ由来苦味酸を使用。爽快な味わいが特徴だ。カロリー、糖類もゼロ。

 

03 糖質ゼロ

糖質ゼロビールは、2020年秋発売の「キリン一番搾り 糖質ゼロ」の一強だった。しかし今春、待ったをかけるライバル「パーフェクトサントリービール」が登場! 一騎打ちの行方は!?

 

直球のおいしさと糖質ゼロを“完璧に”両立

サントリービール
パーフェクト
サントリービール
実売価格/217円

「ザ・プレミアム・モルツ」の醸造技術とノウハウを活用。麦芽のうま味と飲み応えを最大限に引き出しながら、糖質の元となるでんぷんを手間暇かけて分解している。糖質ゼロながらも、力強い飲み応えを実現した。

 

一番搾りの製法に新技術を投入した初の糖質ゼロ缶ビール

キリンビール
キリン一番搾り 糖質ゼロ
実売価格/228円

昨年10月に発売した日本初の糖質ゼロ缶ビール。「一番搾り製法」に、新技術の「新・糖質カット製法」を組み合わせている。一番搾り麦汁ならではの、雑味がなく澄んだ麦芽のうまみが魅力だ。

 

【ビール通が解説】
「好みや料理に 合わせて選べるように! 」

「商品開発の難易度が高い糖質ゼロビール市場にサントリービールが加わり、選択肢が増えたのがうれしいですね。爽やかな口当たりのビールが好きなら『キリン一番搾り 糖質ゼロ』、コクのあるビールが好きなら『パーフェクトサントリービール』がオススメ。気分や合わせる料理によって飲み分けたい!」(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん

 

【Check!】さらにおいしくなった! 糖質ゼロの発泡酒&新ジャンル

 

キリンビール
キリン のどごし ZERO
実売価格/149円

独自の「ホップアロマ製法」のホップの配合比率を変更して飲み応えをアップ。仕込み工程も最適化し、ゴクゴク飲めるように、後キレを高めた。

 

 

アサヒビール
アサヒスタイルフリー <生>
実売価格/168円

2007年にビール類初の糖質ゼロとして誕生。この春、仕込み工程の煮沸時間を以前より短くすることで麦の香りを高め、飲み応えを向上させた。

 

04 おうちで樽生

ウォーターサーバーのように、機器を貸し出して中身を直送便で届けるビールサービスが急増。樽から直接注げる「ビールの縁側」のようなタイプもあり、注目度が高まっている。 おしゃれなデザインや多彩なバリエで人気の定額サービスが本格展開中だ。

 

おしゃれなデザインや多彩なバリエで人気の定額サービスが本格展開!

キリンビール
キリン ホームタップ
月額8250円〜

2017年にサービスを開始し、この春専用サーバーの供給体制が整ったことで本格展開スタート。つくりたてのビールが月2回定期配送される。

↑ビールは常時3・4種類から選べ、「一番搾りプレミアム」やクラフトなど希少な味が楽しめる。酸素の透過を防ぐコーティングが施されたペットボトルに入っている。

 

固定費不要でクラフトビールを手軽に楽しめる

原田産業
ビールの縁側
価格は各ブルワリーが設定

全国のクラフトビールを、3〜5ℓの樽生で購入できるECサイト。専用ポンプが(別売り)あり、電源不要で簡単に注げる。固定費はかからず飲みたいときに注文でき、ブルワリーから直送される。

 

100銘柄以上のクラフトビールを順次取り扱い予定!

ドリームビア
DREAMBEER
1本あたり3520円〜 

ダブルタップの家庭用本格ビールサーバーで、日本全国のクラフトビール100銘柄以上(予定)を楽しめるビール配送サービス。定期購入だけでなく都度購入もできる。5月から本会員登録がスタート。

 

【ビール通が解説】
「自分で注ぐ特別感も提供!」

「新鮮でおいしいビールを楽しめるのはもちろん、“自分で注ぐ”というエンタメ性も人気の理由。各社サーバー自体がよくできているので取扱いも簡単です。グラス一杯ぶんだけ飲みたいときにもイイ!」(Get Naviフード担当 鈴木翔子)

 

【News!】「アサヒスーパードライ」の 家庭用サーバーも登場!

アサヒビール
ドラフターズ
月額7980円
申し込み受付中

会員に「本格泡リッチサーバー」を貸し出し、新鮮な「アサヒスーパードライ」の2ℓのミニ樽を月2回配送。ビールは追加注文(2ℓ入りで1980円)も可能だ。サービス開始は5月25日から。

 

【ビール通が解説】
「抽出温度をボタンで選べるのが画期的!」

↑エクストラコールド・モード(-2~0℃)

 

↑スタンダードコールド・モード(4~6℃)

「機器にボタンがあり、温度を氷点下の-2〜0℃と4〜6℃から選べ、お店と同じクオリティを楽しめるのがスゴい! 反響次第では中身の新商品も開発するとのことで、今後も目が離せません」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【Check!】缶ビールで理想の泡を作れる 「神泡サーバー」が一般発売!

ザ・プレミアム・モルツ
神泡サーバー
980円

「ザ・プレミアム・モルツ」の景品として毎年進化し続けてきた「神泡サーバー」が、4月26日よりサントリーグループのECサイト「イエノバ」で購入可能に(980円)。超音波振動数が過去最大に進化している。

 

【ビール通が解説】
「泡も使い心地への配慮もきめ細かい」

「いままで、様々なメーカーのハンディサーバーを試してきましたが、これは泡のきめ細かさがピカイチ!缶ビールのクオリティが一気に上がります。コンパクトサイズで場所を取らず、洗浄する手間がいらないのも魅力です」(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん)

 

05コンビニクラフト

キリンビールがクラフトビールの裾野を広げるべく、全国のコンビニやスーパーなどで手軽に買える新商品を発売。CMも積極展開し、クラフトビールがグッと身近な存在に!

 

贅を尽くした造りと独自の製法で苦味を抑えつつ豊潤な香りを実現

SPRING VALLEY
豊潤<496>
実売価格/273円

「キリンラガービール」の約1.5倍量の麦芽を使い、ホップは4種類をブレンド。発酵中にホップを投入して7日間漬け込むなど、独自の製法で苦味を抑えながら豊潤な香りを実現した。

 

〈開発者メモ〉

キリンビール マスターブリュワー
田山智広さん

「構想10年、試験醸造は250回以上。香味豊かでコク深いというクラフトビールらしい魅力がありつつ、バランスが良くて飲み疲れず、おかわりしたくなる味が完成しました。ふわとろの泡も特徴です。多くの方に、ビールで感動していただけたらうれしいですね」

 

柑橘の香りと苦味に麦の甘味が見え隠れする超定番のクラフト

ヤッホーブルーイング
よなよなエール
273円

国内クラフトビールの旗手「ヤッホーブルーイング」の大定番が、2月からセブンーイレブンでも購入可能に。米国産アロマホップ「カスケード」の柑橘類を思わせる華やかな香りと苦味、やさしいモルトの甘味が特徴だ。

 

【ビール通が解説】
「地方のコンビニにも クラフトが並ぶ時代に!」

「ここ数年クラフトビールが人気とはいえ、僕の実家である埼玉の田舎のコンビニにはまだ並んでいなかったのが実情。それが、大手メーカーの販路拡大とCM露出によって変わるのではと期待が高まります。全国に届け!」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【まだある!】 編集部イチオシのコンビニクラフト

 

ファーイースト
ブルーイング
東京ホワイト
実売価格418円

ホップの爽やかでフルーティな香りが華やぐセゾン。苦味は少なく、心地良い酸味とドライなフレーバーも魅力だ。

 

 

ブリュードッグ
エルビスジュース
実売価格/429円

5種類のホップとグレープフルーツピールを絶妙にブレンド。フローラルな苦味とジューシーな爽快感が楽しめる。

 

オラホビール
キャプテンクロウ
エクストラ
ペールエール
実売価格/328円

通常の倍以上のアロマホップを使用。鮮烈な柑橘の香りと濃厚なビター感を楽しめる。

●全品ナチュラルローソンで販売中

 

【PICK UP!】ピルスナーの元祖も コンビニに登場!

アサヒビール
ピルスナーウルケル
実売価格/297円

1842年にチェコで生まれ、「ピルスナーの元祖」として愛されている銘柄。樽生か小瓶のみの販売だったが、今春、缶が登場し、コンビニやスーパーで購入できるように。

 

【ビール通が解説】

「飲み応えと飲みやすさ のバランスが絶妙!」

「日本のビールの定番スタイル『ピルスナー』は本品がルーツ。香りや苦味が豊かで飲み応えはあるのに、後味が爽やかで、ゴクゴク飲みたくなるおいしさです。アルコール度数が低いのもポイント」(Get Naviフード担当 鈴木翔子

 

 06 ストーリーブリューイング ビールブランド

ビールブランド「ホッピンガレージ」が行なっている取り組みのひとつ。ユーザーの人生ストーリーをヒントにビールをつくり、その味からその人の人生を追体験するという、多様性に満ちた試みだ。

 

共創をコンセプトにユーザーの声を生かしたいままでにないビールづくり

サッポロビール ホッピンガレージ

共創をコンセプトに ユーザーの声を生かした いままでにないビールづくりサッポロビール ホッピンガレージ 「共創」をキーワードに、魅力的な人生ストーリーをラジオやブログで紹介し、リスナーや読者の反応を踏まえて、そのストーリーをビールとして商品化。ビアスタイルによる味わいの違いやビールづくりの工程を学べるカードゲームやLINEスタンプなど、飲む以外の楽しみも届けている。

↑2か月に1回、フラッグシップビール「ホッピンおじさんのビール」と、新作ビールやストーリーブックが届く新作定期便(4389円〜)。限定イベントへの招待特典もある

 

↑ボードゲームカフェの店長の声で生まれた「ボードゲームビール」や、おむすびブロガー発案のおむすびに合う「和musubi」などユニークなビールが揃う

 

【ビール通が解説】
「コミュニティも創出する ビールづくりの新形態」

「ユーザーと一体になってビールをつくるという、“いまらしさ”が面白い。イベントを開催したりラジオを放送したりと、コミュニティとしても機能し、ビールファンを育てようという姿勢を感じます! 手に取りたくなる商品パッケージもイイ!」(本誌フード担当 鈴木翔子)

 

〈商品開発メモ〉

サッポロビール 新規事業開拓室
HOPPIN’GARAGE
ブランドマネージャー
土代裕也さん

「“ただ飲むだけが、ビールじゃない。”をコンセプトに、ビールをもっと楽しむための新体験をお届けする取り組みです。これまで500以上のアイデアから9種類のビールを商品化し、イベントも500回以上開催してきました。今後もビールの楽しさと豊かさをお届けします!」

 

後半は、残り4項目の「サブスク定期便」「つまみ付き通販」「ビール専用水筒」「オンラインビール講座」「シン・新ジャンル」を解説します。

家飲みをもっと楽しくする、いままでにないビールが続々登場!(前編)

この春は、家飲みを充実させるビール関連の新商品やサービスが多数登場し、おうちビールの新時代(BEER+New ERA=“New BEERA”)が到来したと言っても過言ではない。ビール好きの3人(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん、本誌フード担当 鈴木翔子、フードアナリスト 中山秀明さん)が11のトピックでトレンドを解説する。

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私たちがビールトレンドを解説します!

フードアナリスト
中山秀明さん

「diBEERsity」(ビールの多様化)を提唱。クラフト酒販店とクラフトビア
酒場にも注目している。

 

Get Naviフード担当
鈴木翔子

元バーテンダー。最近は台湾料理を作るのにハマっており、八角に合うビールを探している。

 

おいしいものナビゲーター
今西絢美さん

最近ようやく量より質に目覚めたところ。ビールと食事のペアリングを考えるのが好き。

 

 01 生ジョッキ缶

日本一売れているビール「アサヒスーパードライ」の新商品。まるで店の生ジョッキのように飲める缶ビールだ。日本初ということもあり、発売後数日で品薄に!

アサヒビール
アサヒスーパードライ
生ジョッキ缶
実売価格/219円

 

口が全開してもこもこ泡が立つ生ジョッキのような缶ビール

口が全開する缶と、開けた瞬間に自然発生する泡で、生ジョッキ気分を楽しめる。泡の秘密は、缶の内側に特別な塗料で焼き付けられた凹凸。中身は通常の「アサヒスーパードライ」と同じで、安定感のあるおいしさだ。

 

↑缶の口とフタは、日本独自技術によるダブルセーフティー構造のため、手や口を切る心配はない

 

【ビール通が解説】
ワクワク感が詰まった 家飲みの革命児

「“家飲み革命”といって間違いない商品。自然発泡した泡が、きめ細かくクリーミーで驚きます。缶の口が広いので、口に流れ込む量が増えゴクゴク飲めるし、香りもしっかり楽しめる。開けるたびにワクワクしますね!」(Get Naviフード担当 鈴木翔子)

 

【開発者メモ】

アサヒビール マーケティング本部
ビールマーケティング部
中島 健さん

「そもそも缶ビールは、開けたときに吹きこぼれないように、あえて泡が出ないように作られています。つまり、“泡立つ缶”を作るというのは、いままでの常識を覆すということ。結果、約4年と時間はかかりましたが、ビールの楽しさを体験できる商品に仕上がりました!」

 

02 微アルコール

アサヒビールが、度数0.5%の「アサヒビアリー」を新発売。低アルコールの酒より度数が低く、とはいえノンアルではない微量なアルコールを含んだ新カテゴリーだ。

 

ビールのおいしさをキープしたままアルコール分だけカット!

アサヒビール
アサヒビアリー
実売価格/195円

香り豊かでコク深いビールを醸造したあと、時間をかけてアルコール分だけをカット。ビール本来の発酵による複雑な香りや、本格的な麦のうま味をキープした、アルコール0.5%の“微4 ール”だ。

 

【ビール通が解説】
「軽やかな味わいながら ノンアルよりコク深い」

「ベースがれっきとしたビールだからか、0.5%のアルコールが効いているからなのか、麦汁の甘味が印象的。ノンアルとは一線を画す飲み応えです! 泡立ちもパワフルで、爽快感やのど越しも十分。ゴクゴク飲める、ライトでやさしいビールという新境地を築いています。他社からも商品が出れば、より面白くなりますね」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【Pick Up!】カラダにやさしいノンアルビール

尿酸値を下げるアンセリン入り

サッポロビール
サッポロ うまみ搾り
実売価格/145円

尿酸値を下げる「アンセリン」を配合。「アンセリン」はうま味成分にも関与し、おいしさを引き上げている。

 

お腹周りの脂肪を減らすホップ由来苦味酸入り

キリンビール
キリン カラダFREE
実売価格/157円

お腹まわりの脂肪を減らす、熟成ホップ由来苦味酸を使用。爽快な味わいが特徴だ。カロリー、糖類もゼロ。

 

03 糖質ゼロ

糖質ゼロビールは、2020年秋発売の「キリン一番搾り 糖質ゼロ」の一強だった。しかし今春、待ったをかけるライバル「パーフェクトサントリービール」が登場! 一騎打ちの行方は!?

 

直球のおいしさと糖質ゼロを“完璧に”両立

サントリービール
パーフェクト
サントリービール
実売価格/217円

「ザ・プレミアム・モルツ」の醸造技術とノウハウを活用。麦芽のうま味と飲み応えを最大限に引き出しながら、糖質の元となるでんぷんを手間暇かけて分解している。糖質ゼロながらも、力強い飲み応えを実現した。

 

一番搾りの製法に新技術を投入した初の糖質ゼロ缶ビール

キリンビール
キリン一番搾り 糖質ゼロ
実売価格/228円

昨年10月に発売した日本初の糖質ゼロ缶ビール。「一番搾り製法」に、新技術の「新・糖質カット製法」を組み合わせている。一番搾り麦汁ならではの、雑味がなく澄んだ麦芽のうまみが魅力だ。

 

【ビール通が解説】
「好みや料理に 合わせて選べるように! 」

「商品開発の難易度が高い糖質ゼロビール市場にサントリービールが加わり、選択肢が増えたのがうれしいですね。爽やかな口当たりのビールが好きなら『キリン一番搾り 糖質ゼロ』、コクのあるビールが好きなら『パーフェクトサントリービール』がオススメ。気分や合わせる料理によって飲み分けたい!」(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん

 

【Check!】さらにおいしくなった! 糖質ゼロの発泡酒&新ジャンル

 

キリンビール
キリン のどごし ZERO
実売価格/149円

独自の「ホップアロマ製法」のホップの配合比率を変更して飲み応えをアップ。仕込み工程も最適化し、ゴクゴク飲めるように、後キレを高めた。

 

 

アサヒビール
アサヒスタイルフリー <生>
実売価格/168円

2007年にビール類初の糖質ゼロとして誕生。この春、仕込み工程の煮沸時間を以前より短くすることで麦の香りを高め、飲み応えを向上させた。

 

04 おうちで樽生

ウォーターサーバーのように、機器を貸し出して中身を直送便で届けるビールサービスが急増。樽から直接注げる「ビールの縁側」のようなタイプもあり、注目度が高まっている。 おしゃれなデザインや多彩なバリエで人気の定額サービスが本格展開中だ。

 

おしゃれなデザインや多彩なバリエで人気の定額サービスが本格展開!

キリンビール
キリン ホームタップ
月額8250円〜

2017年にサービスを開始し、この春専用サーバーの供給体制が整ったことで本格展開スタート。つくりたてのビールが月2回定期配送される。

↑ビールは常時3・4種類から選べ、「一番搾りプレミアム」やクラフトなど希少な味が楽しめる。酸素の透過を防ぐコーティングが施されたペットボトルに入っている。

 

固定費不要でクラフトビールを手軽に楽しめる

原田産業
ビールの縁側
価格は各ブルワリーが設定

全国のクラフトビールを、3〜5ℓの樽生で購入できるECサイト。専用ポンプが(別売り)あり、電源不要で簡単に注げる。固定費はかからず飲みたいときに注文でき、ブルワリーから直送される。

 

100銘柄以上のクラフトビールを順次取り扱い予定!

ドリームビア
DREAMBEER
1本あたり3520円〜 

ダブルタップの家庭用本格ビールサーバーで、日本全国のクラフトビール100銘柄以上(予定)を楽しめるビール配送サービス。定期購入だけでなく都度購入もできる。5月から本会員登録がスタート。

 

【ビール通が解説】
「自分で注ぐ特別感も提供!」

「新鮮でおいしいビールを楽しめるのはもちろん、“自分で注ぐ”というエンタメ性も人気の理由。各社サーバー自体がよくできているので取扱いも簡単です。グラス一杯ぶんだけ飲みたいときにもイイ!」(Get Naviフード担当 鈴木翔子)

 

【News!】「アサヒスーパードライ」の 家庭用サーバーも登場!

アサヒビール
ドラフターズ
月額7980円
申し込み受付中

会員に「本格泡リッチサーバー」を貸し出し、新鮮な「アサヒスーパードライ」の2ℓのミニ樽を月2回配送。ビールは追加注文(2ℓ入りで1980円)も可能だ。サービス開始は5月25日から。

 

【ビール通が解説】
「抽出温度をボタンで選べるのが画期的!」

↑エクストラコールド・モード(-2~0℃)

 

↑スタンダードコールド・モード(4~6℃)

「機器にボタンがあり、温度を氷点下の-2〜0℃と4〜6℃から選べ、お店と同じクオリティを楽しめるのがスゴい! 反響次第では中身の新商品も開発するとのことで、今後も目が離せません」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【Check!】缶ビールで理想の泡を作れる 「神泡サーバー」が一般発売!

ザ・プレミアム・モルツ
神泡サーバー
980円

「ザ・プレミアム・モルツ」の景品として毎年進化し続けてきた「神泡サーバー」が、4月26日よりサントリーグループのECサイト「イエノバ」で購入可能に(980円)。超音波振動数が過去最大に進化している。

 

【ビール通が解説】
「泡も使い心地への配慮もきめ細かい」

「いままで、様々なメーカーのハンディサーバーを試してきましたが、これは泡のきめ細かさがピカイチ!缶ビールのクオリティが一気に上がります。コンパクトサイズで場所を取らず、洗浄する手間がいらないのも魅力です」(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん)

 

05コンビニクラフト

キリンビールがクラフトビールの裾野を広げるべく、全国のコンビニやスーパーなどで手軽に買える新商品を発売。CMも積極展開し、クラフトビールがグッと身近な存在に!

 

贅を尽くした造りと独自の製法で苦味を抑えつつ豊潤な香りを実現

SPRING VALLEY
豊潤<496>
実売価格/273円

「キリンラガービール」の約1.5倍量の麦芽を使い、ホップは4種類をブレンド。発酵中にホップを投入して7日間漬け込むなど、独自の製法で苦味を抑えながら豊潤な香りを実現した。

 

〈開発者メモ〉

キリンビール マスターブリュワー
田山智広さん

「構想10年、試験醸造は250回以上。香味豊かでコク深いというクラフトビールらしい魅力がありつつ、バランスが良くて飲み疲れず、おかわりしたくなる味が完成しました。ふわとろの泡も特徴です。多くの方に、ビールで感動していただけたらうれしいですね」

 

柑橘の香りと苦味に麦の甘味が見え隠れする超定番のクラフト

ヤッホーブルーイング
よなよなエール
273円

国内クラフトビールの旗手「ヤッホーブルーイング」の大定番が、2月からセブンーイレブンでも購入可能に。米国産アロマホップ「カスケード」の柑橘類を思わせる華やかな香りと苦味、やさしいモルトの甘味が特徴だ。

 

【ビール通が解説】
「地方のコンビニにも クラフトが並ぶ時代に!」

「ここ数年クラフトビールが人気とはいえ、僕の実家である埼玉の田舎のコンビニにはまだ並んでいなかったのが実情。それが、大手メーカーの販路拡大とCM露出によって変わるのではと期待が高まります。全国に届け!」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【まだある!】 編集部イチオシのコンビニクラフト

 

ファーイースト
ブルーイング
東京ホワイト
実売価格418円

ホップの爽やかでフルーティな香りが華やぐセゾン。苦味は少なく、心地良い酸味とドライなフレーバーも魅力だ。

 

 

ブリュードッグ
エルビスジュース
実売価格/429円

5種類のホップとグレープフルーツピールを絶妙にブレンド。フローラルな苦味とジューシーな爽快感が楽しめる。

 

オラホビール
キャプテンクロウ
エクストラ
ペールエール
実売価格/328円

通常の倍以上のアロマホップを使用。鮮烈な柑橘の香りと濃厚なビター感を楽しめる。

●全品ナチュラルローソンで販売中

 

【PICK UP!】ピルスナーの元祖も コンビニに登場!

アサヒビール
ピルスナーウルケル
実売価格/297円

1842年にチェコで生まれ、「ピルスナーの元祖」として愛されている銘柄。樽生か小瓶のみの販売だったが、今春、缶が登場し、コンビニやスーパーで購入できるように。

 

【ビール通が解説】

「飲み応えと飲みやすさ のバランスが絶妙!」

「日本のビールの定番スタイル『ピルスナー』は本品がルーツ。香りや苦味が豊かで飲み応えはあるのに、後味が爽やかで、ゴクゴク飲みたくなるおいしさです。アルコール度数が低いのもポイント」(Get Naviフード担当 鈴木翔子

 

 06 ストーリーブリューイング ビールブランド

ビールブランド「ホッピンガレージ」が行なっている取り組みのひとつ。ユーザーの人生ストーリーをヒントにビールをつくり、その味からその人の人生を追体験するという、多様性に満ちた試みだ。

 

共創をコンセプトにユーザーの声を生かしたいままでにないビールづくり

サッポロビール ホッピンガレージ

共創をコンセプトに ユーザーの声を生かした いままでにないビールづくりサッポロビール ホッピンガレージ 「共創」をキーワードに、魅力的な人生ストーリーをラジオやブログで紹介し、リスナーや読者の反応を踏まえて、そのストーリーをビールとして商品化。ビアスタイルによる味わいの違いやビールづくりの工程を学べるカードゲームやLINEスタンプなど、飲む以外の楽しみも届けている。

↑2か月に1回、フラッグシップビール「ホッピンおじさんのビール」と、新作ビールやストーリーブックが届く新作定期便(4389円〜)。限定イベントへの招待特典もある

 

↑ボードゲームカフェの店長の声で生まれた「ボードゲームビール」や、おむすびブロガー発案のおむすびに合う「和musubi」などユニークなビールが揃う

 

【ビール通が解説】
「コミュニティも創出する ビールづくりの新形態」

「ユーザーと一体になってビールをつくるという、“いまらしさ”が面白い。イベントを開催したりラジオを放送したりと、コミュニティとしても機能し、ビールファンを育てようという姿勢を感じます! 手に取りたくなる商品パッケージもイイ!」(本誌フード担当 鈴木翔子)

 

〈商品開発メモ〉

サッポロビール 新規事業開拓室
HOPPIN’GARAGE
ブランドマネージャー
土代裕也さん

「“ただ飲むだけが、ビールじゃない。”をコンセプトに、ビールをもっと楽しむための新体験をお届けする取り組みです。これまで500以上のアイデアから9種類のビールを商品化し、イベントも500回以上開催してきました。今後もビールの楽しさと豊かさをお届けします!」

 

後半は、残り4項目の「サブスク定期便」「つまみ付き通販」「ビール専用水筒」「オンラインビール講座」「シン・新ジャンル」を解説します。

アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料第2弾『アサヒ ビアリー 香るクラフト』が6月29日発売

アサヒビール株式会社は、アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料「アサヒ ビアリー 香るクラフト」を、6月29日から首都圏・関信越エリアの1都9県で発売します。お酒の飲み方の多様性を提案する「スマートドリンキング」の考え方に基づき展開している“微アルコール”商品の第2弾となります。

 

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」195円/税込(表面)

 

「アサヒ ビアリー 香るクラフト」は、麦のうまみとコクに加えて、フルーティーで華やかな香りが感じられるアルコール度数0.5%のビールテイスト飲料です。独自の脱アルコール技術により、ビール特有の「発酵由来の複雑な香気成分」を残しつつ、華やかな香りを加えることで「フルーティーな香りとコク」が感じられる味わいに仕上がっています。

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」(裏面)

 

パッケージは、白をベースに上質なデザインとなっています。「フルーティーな香りとコク」という商品の特長を記載するとともに「スマートドリンキング」のロゴマークも。缶体裏面には「微アル第二弾誕生!」という文言と、具体的な飲用シーンが記載されています。ビールらしい本格的な味わいが楽しめる第1弾の『アサヒ ビアリー』に続いて、個性豊かな味わいが楽しめる『アサヒ ビアリー 香るクラフト』を第2弾として発売することで“微アルコール”という新しいカテゴリーの認知拡大と飲用喚起を図っていくそうです。

 

アサヒビールが「飲む人も飲まない人もお互いが尊重し合える社会」の実現を目指すために提唱している「スマートドリンキング」。これを具現化する商品の第1弾として、アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料『アサヒ ビアリー』を、3月30日から首都圏・関信越エリアの1都9県で先行発売しました。発売2週間後にアサヒビールが実施した調査では「飲用後の満足度」「継続飲用意向度」の数値が高く「今までのノンアルとは味が違う」「こういった商品が欲しかった」といった評価が多く見られました。

 

そして今回、新たに『アサヒ ビアリー 香るクラフト』を発売し、それぞれ自分のペースで心地よい時間を楽しめる選択肢を提案することで“期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造”を目指していくそうです。

 

【商品概要】

商品名:アサヒ ビアリー 香るクラフト

名称:炭酸飲料

発売品種:缶350ml

アルコール分:0.5%

発売日:6月29日

発売地区:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県の1都9県

製造工場:福島工場

価格:195円(税込)

アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料第2弾『アサヒ ビアリー 香るクラフト』が6月29日発売

アサヒビール株式会社は、アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料「アサヒ ビアリー 香るクラフト」を、6月29日から首都圏・関信越エリアの1都9県で発売します。お酒の飲み方の多様性を提案する「スマートドリンキング」の考え方に基づき展開している“微アルコール”商品の第2弾となります。

 

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」195円/税込(表面)

 

「アサヒ ビアリー 香るクラフト」は、麦のうまみとコクに加えて、フルーティーで華やかな香りが感じられるアルコール度数0.5%のビールテイスト飲料です。独自の脱アルコール技術により、ビール特有の「発酵由来の複雑な香気成分」を残しつつ、華やかな香りを加えることで「フルーティーな香りとコク」が感じられる味わいに仕上がっています。

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」(裏面)

 

パッケージは、白をベースに上質なデザインとなっています。「フルーティーな香りとコク」という商品の特長を記載するとともに「スマートドリンキング」のロゴマークも。缶体裏面には「微アル第二弾誕生!」という文言と、具体的な飲用シーンが記載されています。ビールらしい本格的な味わいが楽しめる第1弾の『アサヒ ビアリー』に続いて、個性豊かな味わいが楽しめる『アサヒ ビアリー 香るクラフト』を第2弾として発売することで“微アルコール”という新しいカテゴリーの認知拡大と飲用喚起を図っていくそうです。

 

アサヒビールが「飲む人も飲まない人もお互いが尊重し合える社会」の実現を目指すために提唱している「スマートドリンキング」。これを具現化する商品の第1弾として、アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料『アサヒ ビアリー』を、3月30日から首都圏・関信越エリアの1都9県で先行発売しました。発売2週間後にアサヒビールが実施した調査では「飲用後の満足度」「継続飲用意向度」の数値が高く「今までのノンアルとは味が違う」「こういった商品が欲しかった」といった評価が多く見られました。

 

そして今回、新たに『アサヒ ビアリー 香るクラフト』を発売し、それぞれ自分のペースで心地よい時間を楽しめる選択肢を提案することで“期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造”を目指していくそうです。

 

【商品概要】

商品名:アサヒ ビアリー 香るクラフト

名称:炭酸飲料

発売品種:缶350ml

アルコール分:0.5%

発売日:6月29日

発売地区:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県の1都9県

製造工場:福島工場

価格:195円(税込)

知っておきたいワインの蘊蓄。ソムリエが解説する「オーストラリアワイン」の5産地にまつわる話

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズのフランス、イタリア、ドイツに続く今回は、ワインの“新世界”オーストラリア。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
ワインの世界を旅する 第1回 ―フランスと5つの産地―
ワインの世界を旅する 第2回―イタリアと5つの産地―
ワインの世界を旅する 第3回―ドイツと5つの産地―

 

オーストラリアワインを旅する

オーストラリアにおけるワインの歴史を紐解くと、入植初期の二人のイギリス人の名前が挙がります。

 

一人目は、イギリスから8か月の航海の末、1788年初頭にシドニー湾にたどり着いたアーサー・フィリップ。ニューサウスウェールズ最初の統治者となる彼が、湾内のファーム・コーブに記念碑的に植えたブドウが、オーストラリア最初のブドウ樹でした。それまで、オーストラリアにはブドウは自生しておらず、一説には南アフリカのケープタウンで積み込んだ挿し木を植樹したと伝えられているため、ボルドー系品種だったのではないかと、私は想像しています。

 

ただ、シドニーは降水量が多くワイン生産に不向きだったため、徐々にブドウ畑は内陸に移り、フィリップ総督の帰国後、1795年にオーストラリアで初めてワインが生産されました。それから、ワイン生産が本格化するまでには、1820年代にイギリスからオーストラリアに渡った“オーストラリアワインの父”ジェームズ・バズビーの登場を待たなければなりません。ハンター・ヴァレーを初めてのワイン産地として確立し、1830年代には650品種をオーストラリア行きの船に積み込み、そのうちの362品種が長旅に耐え現地に持ち込まれたといわれています。

 

その後、ヨーロッパから栽培、醸造の経験のある入植者によって、広大なオーストラリア大陸のブドウ栽培に適した南側沿岸部に、ワイン産地が広がっていきます。東のシドニーから西のパースまでの距離は、モスクワからロンドンまでの距離よりも長いと聞けば、その広大さを理解いただけるかもしれませんね。

 

オーストラリアワインの200年ほどに及ぶ歴史のなかで、20世紀半ばまでは、輸出用の酒精強化ワイン(ポートワインなど)が主流でした。国内の一般消費者にとっても、ワインはそれほど身近ではなかったと聞くと意外に思えますが、日本でもほんの50年ほど前まで“ワインを飲む”という人が少数派だったことを考えると、腑に落ちる気がします。

 

現在では、その広大な土地の多様な気候風土から幅広い高品質ワインが造られ、ワインツーリズムやワインイベントも盛んな環境も、洗練され近代化されたのは、ほんのつい最近のことなのです。

 

[目次]
1. 南オーストラリア州バロッサ・ヴァレー
2. 南オーストラリア州クナワラ
3. 南オーストラリア州クレア・ヴァレー
4. ヴィクトリア州ヤラ・ヴァレー
5. 西オーストラリア州マーガレット・リヴァー

 

1. 南オーストラリア州バロッサ・ヴァレー 〜オーストラリアのナパ・ヴァレー〜

 

アデレードを州都とする南オーストラリア州は、オーストラリア全体のワイン生産の48%を占め、アメリカにとってのカリフォルニアのような“ワイン州”。そのなかでも、バロッサ・ヴァレーは、まるでカリフォルニアにおけるナパ・ヴァレーのような中心的な存在です。

 

それぞれの国で、早くから産地としての評価を高めたこともあり、セラードアでのテイスティングや、現地のワインを楽しめる数々のレストランと併せて、観光客はワインツーリズムを楽しめるという点でも、このふたつの産地には似たところがあります。ただ、カリフォルニアワインと比べた時に、バロッサ・ヴァレーの銘醸ワインとしてのイメージは、日本人にとって見劣りするように私は思っています。

 

実際は、素晴らしい品質のワインを産み出し、大きな可能性をもった産地なのですが、オーストラリアワインの魅力を伝えるレストランやワインショップは日本ではまだまだ数少なく、もったいないと個人的には感じています。2019年の輸入量では、アメリカに次いで6位3.5%ですが、アメリカワインの方が金額ベースでは高価格が多い傾向にあります。

 

ノース・パラ川沿い30kmに渡って広がるブドウ産地、バロッサ・ヴァレーと、東隣のイーデン・ヴァレー(やや標高が高く、バロッサ・ヴァレーが拡張した産地)は兄弟のような産地で、「バロッサ・ゾーン」というふたつの地域を包括する呼称として「バロッサ」が用いられており、エチケットに「バロッサ・シラーズ」と表記されているワインはおおむね、この2地域のブドウをブレンドして造られています。

 

これまで、バロッサ・ヴァレーのシラーズは凝縮度の高いチョコレートのような濃密さとスパイシーさ、アルコール感も含め、主張の多い個性的なスタイルで知られてきましたが、「バロッサ・グラウンズ・プロジェクト」(バロッサ区域の土壌の差異を分析する試み)により、小区画ごとの個性が徐々に明らかになってきており、また意欲ある小規模生産者の手によって、よりエレガントなスタイルでのテロワール表現に挑戦したワインが、続々と産み出されています。

 

これから、そういった区画ごとのラベル表記がされ、それぞれの区画の味わいのスタイルが知られていったなら、シラーズを中心としたバロッサのワインは、より広がりのある世界観を感じさせてくれるのではないでしょうか?

 

元々、ジェームズ・バズビーがエルミタージュから持ち込んだブドウ樹が、オーストラリアのシラーズの始祖にあたるといわれているのですが、19世紀当時、シラー(Syrah)はシラース(Scyras)とも呼ばれていたそうで、シラーの名称の起源のひとつであるペルシアの都市シラーズ(Shiraz)に由来。19世紀に持ち込まれたシラーは、当初からイギリス人入植者の間でシラーズと呼ばれ、200年に渡って、ローヌ地方よりも温暖で乾燥したバロッサに適応したブドウ品種になっていきました。

 

エレガントなテロワール表現は、世界中で同時進行するトレンドでもあり、シラーズ(=シラー)の魅力をより広げる可能性がバロッサにはあると思うのです。写真はイーデン・ヴァレーのシラーズも使用した広域バロッサのワイン、入門編的なワインとして紹介させていただきます。

 

Elderton(エルダトン)
「Barossa Shiraz2017(バロッサ・シラーズ2017)」
3500円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

次のページでは、オーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨンを象徴する産地、南オーストラリア州クナワラについて。

2. 南オーストラリア州クナワラ 〜オーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨンを象徴〜

 

カベルネ・ソーヴィニヨンは、赤ワインの代名詞的なブドウ品種で、現在世界中で栽培されています。色調が濃く、カシスやベリーといった果実の味わい豊かで、渋みのあるフルボディ・スタイルのワインを産みますが、本当の意味で適した産地というのは、実はそれほど多くはありません。

 

アデレードの南400km、ヴィクトリア州との境に位置するペノーラ村の北に広がるクナワラは、ワインに興味のない人にとっては、足を踏み入れる可能性の低い辺境の土地なのかもしれませんが、この土地を特別なものにしているのは、ほかならぬカベルネ・ソーヴィニヨンでしょう。「テラ・ロッサ」と呼ばれる赤土の表土の下には石灰岩、その下には良質な地下水を湛える土壌で、晩熟で水はけのよい土地を好むカベルネ・ソーヴィニヨンにとって、世界でも数少ない好適地として、素晴らしいワインを産み出しています。

 

元は主にシラーズが植えられており、20世紀前半には「ヴァイン・プル・スキーム」(政府主導のブドウの抜根政策)の対象にもなりかけましたが、1960年代以降、カベルネ・ソーヴィニヨンにスポットライトが当たり、一躍銘醸地となりました。

 

現在では、9割以上赤ワインが造られ、栽培品種の6割以上はカベルネ・ソーヴィニヨンが植えられています。ブドウ畑は、リドック・ハイウェイ(1890年頃初めてブドウを植えたスコットランド人、ジョン・リドックの名前を残しています)沿いの20kmほどに、約90のブドウ栽培農家、ワイナリーやセラードアは20数軒と、それほど大きな産地ではありません。また、温暖なイメージがありますが、生育期の平均気温ではボルドーよりも1℃ほど冷涼でもあります。

 

クナワラというと、ワインに親しんでいないとなかなか耳にする機会は少ないかもしれませんが、ことカベルネ・ソーヴィニヨンという品種のワインが好きであれば、ぜひ一度手に取って味わっていただきたい産地です。

 

Bowen Estate(ボーエン・エステート)
「Coonawarra Cabernet Sauvignon2018(クナワラ・カベルネ・ソーヴィニヨン2018)」
4000円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

次のページで取り上げる3つめの産地は、南オーストラリア州クレア・ヴァレーです。

3. 南オーストラリア州クレア・ヴァレー 〜オーストラリア最高のリースリング〜

 

バロッサの北に位置するクレア・ヴァレーは、アイルランド人エドワード・グリーンソンによって、1846年に名付けられました。オーストラリアは多くの地域で、開拓者としてイギリス系の人物の名前が残りますが、アデレード近郊はドイツ、ポーランド系の移民が多かった地域でもあり、バロッサのイーデン・ヴァレーとクレア・ヴァレーでは、ドイツ系品種とされるリースリングが、主要品種のひとつとして当時から今に至るまで栽培されています。

 

また、バロッサ・ヴァレーをはじめとして、オーストラリアの各産地では大手資本のワイナリーが土地土地の主要生産者としてワイン産業を牽引していますが、クレア・ヴァレーでは小規模な生産者が多く、品質の追求という点でも、信頼のできる産地です。今ではニュージーランドを中心に世界的に普及したスクリューキャップを、2000年頃から本格的に採用したのもこの産地であり、そういった意味でも先駆者的な存在です。

 

イーデン・ヴァレーに比べ、クレア・ヴァレーのリースリングは“ライムのよう”と形容される、鮮烈な酸と、にじむような奥行きのある味わいが特徴的で、その硬質で繊細ともいえる個性をコルク・ダメージから守るためにいち早く決断したことは、その後のワインの世界に大きな影響を与えました。

 

一度、2000年ヴィンテージの「ポーリッシュヒル・リースリング」を、コルクとスクリューキャップで7年ほど熟成したものを比較試飲する機会があったのですが、そのフレッシュさが失われることなく、ほのかに果実味が熟成している味わいからは、クロージャーを通じて生産者の思いを感じるようで、特別なワイン体験でした。

 

リースリングが好みなら、ドイツ、アルザスだけではなくクレア・ヴァレーのリースリングも一度お試しいただきたいと思います。

 

Grosset(グロセット)
「Polish Hill Riesling2016(ポーリッシュヒル・リースリング2016)」
6500円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

4つめの産地は、ヴィクトリア州ヤラ・ヴァレー。

4. ヴィクトリア州ヤラ・ヴァレー 〜ゴールドラッシュとフィロキセラとブルゴーニュ品種〜

 

19世紀、オーストラリアのワイン生産の中心は、メルボルンを州都とするヴィクトリア州でした。写真の「イエリング・ステーション」は、メルボルンの北東(車で1時間ほどの距離)に位置するヤラ・ヴァレー最古のワイナリーで、その歴史は1838年にまでさかのぼることができます。

 

現在ヤラ・ヴァレーは、ピノ・ノワールとシャルドネで成功を収める産地となっていますが、その道のりは平坦なものではありませんでした。1850年代にイエリング・ステーションを引き継いだスイス人、ポール・ド・カステーラは、シャトー・ラフィットの穂木(ほぎ)を2万本ほど植え、1889年のパリ万国博覧会では“南半球のワイン”として唯一のグランプリを獲得。現在でも、素晴らしいボルドー・スタイルはあるのですが、19世紀の主流はカベルネ・ソーヴィニヨンだったのですね。

 

19世紀半ばのゴールドラッシュでは多くの移民を受け入れた結果、人口の激増と現在につながる多様な文化の礎を形成し、質量ともに、ヴィクトリア州はワイン産業の隆盛の時代を過ごした時期の出来事でした。ところが1870年代に、メルボルンの対岸ジーロングを始まりとしたフィロキセラ(害虫)禍によって壊滅的な被害を受け、生産者の帰国やブドウ畑の牧場への転用といったワイン産業の逆風のなかで、ヤラ・ヴァレーのブドウ畑は1920年代までに多くが失われてしまいました。

 

この地域のワイン生産が復活を遂げるのは1960年代以降のこと。当初は、以前と同じように高品質なボルドー・ブレンドが主流でしたが、1980年代には挑戦的な造り手によって、それまでにはない高品質なピノ・ノワールが、オーストラリアワインの地図に描き出されます。イエリング・ステーションは、この産地の盛衰を表すかのように幾度となくオーナーが変わり、現在のオーナーが購入したのは1996年のことです。

 

現在、世界で一番住みやすい都市のひとつとして名前の挙がるメルボルンは、多様な価値観を許容し、さまざまな困難を乗り越えてきた歴史があります。それは、オーストラリアワインの長くはない歴史のなかでの幾多の困難とも重なり合うように思えるのです。メルボルンからのワインツーリズムといえば、ヤラ・ヴァレーが真っ先に候補に挙がる銘醸地ですが、そう思って手に取ると、ヤラ・ヴァレーのワインにはこれからも変化し続けるという気骨やバイタリティを感じるのは、私だけでしょうか?

 

21世紀になってからも、再度のフィロキセラ禍、地球温暖化と、この地域の試練は枚挙にいとまがありませんが、より冷涼な畑での新しいスタイルのワインなど、これからの可能性にも満ちた魅力的なワイン産地です。

 

Yering Station(イエリング・ステーション)
「Village Pinot Noir2015(ヴィラージュ・ピノ・ノワール2015)」
3200円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

最後に紹介する産地は、プレミアムワインを産む美しいワイン観光地、西オーストラリア州マーガレット・リヴァーです。

5. 西オーストラリア州マーガレット・リヴァー 〜プレミアムワインを産む美しいワイン観光地〜

 

広すぎるオーストラリアの大部分は、ブドウにとっては暑すぎるか乾燥しすぎていて、主要なワイン産地はシドニー(ニューサウスウェールズ州)、メルボルン(ヴィクトリア州)、アデレード(南オーストラリア州)の周囲、南東の海岸沿いとタスマニアに限定されています。

 

西オーストラリア州は、そういった中心的な産地から1000km以上離れ、“陸の孤島”といった趣の産地。生産量はオーストラリア全体の5%ほどと、わずかですが、今回紹介するマーガレット・リヴァーを中心に、ことプレミアムワインに限ると、オーストラリアワインを楽しむうえで外せない重要な産地です。

 

州都パースからも300kmほど離れており、自然の恵みをふんだんに受けるオーストラリアのなかでも、マーガレット・リヴァーほど緑にあふれ、森林に囲まれた美しい景観はそう多くはないと、誰もが口を揃えます。そして、その素晴らしい自然環境のなかで産まれるワインも、オーストラリアのなかでも特に、エレガントでオリジナリティを表現した秀逸なものばかりです。

 

そして特筆すべきは、このワイン産地の歴史は50年そこそこと、日が浅いことではないでしょうか。1970年頃に初めてヴァス・フェリックスがワインを造り、モス・ウッド、カレン、そして写真のルーウィン・エステートといった、今も残る有力生産者が後に続きます。写真のルーウィン・エステートは、そのアートシリーズ・シャルドネが、リリースからほどなくイギリスの評価誌で最高賞を受賞し、ワインの品質を牽引するとともに、エチケットに採用された国内新鋭画家の作品を展示したアート・ギャラリーや、野外ステージで開催されるルーウィン・コンサートなど、文化芸術とワインを融合した企画で、このワイン産地を盛り立てています。オーストラリアの長くないワインの歴史のなかでも特に日が浅いマーガレット・リヴァーは、その雄大な自然と共に高品質のワインと独自のワインツーリズムを提供し、成功を収めています。

 

Leeuwin Estate(ルーウィン・エステート)
「Art Series Chardonnay2015(アートシリーズ・シャルドネ2015)」
1万500円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

ワインを楽しむということは、味わうだけではなく体験するということ、ともに時間を過ごすことだと、マーガレット・リヴァーのワインは伝えていますが、オーストラリアワインの魅力とはそもそも、そういったところにあるように思えるのです。

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

【東京・大衆酒場の名店】酎ハイ街道をゆく。八広・亀屋の“ボール” 受け継がれる秘伝レシピの噺

東京にある大衆酒場の名店を巡る企画の第4回。今回は、墨田区の八広駅近くにある「亀屋(かめや)」を訪れ、その魅力を探っていきます。

大衆酒場は、その安さとウマさ、昔ながらの温かい雰囲気で、酒飲みの心をひきつけてやみません。なかでも東京では下町を中心に、根強い人気を誇る大衆酒場の名店が数多く存在します。そんな名店を巡り、お店の魅力と東京ならではの酒文化を深掘りしていくのが本連載。立石「宇ち多゛(うちだ)」篠崎「大林」八広「三祐酒場」に続く第4回は、八広「亀屋」にお邪魔します。

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

「酎ハイ街道」では幅広い飲食店が同じスタイルの酎ハイを提供

今回訪れる「亀屋」は、京成押上線「八広駅」と東武伊勢崎線「鐘ケ淵駅」の中間、鐘ヶ淵通り沿いに佇む焼酎ハイボール(酎ハイ)の名店です。鐘ヶ淵通りは、下町大衆酒場に欠かせない酎ハイの名店が多いことから「酎ハイ街道」と名付けられたストリート。何を隠そう、その名付け親が本連載のナビゲーターである藤原法仁(のりひと)さんなのです。今回も、お酒好きのタレント・中村 優さんが生徒となり、藤原さんに酎ハイ街道の歴史と亀屋の焼酎ハイボール(通称「ボール」)の魅力を教えてもらいます。

↑「酎ハイ街道」の名付け親であり、大衆酒場にまつわる著書を数多く上梓している藤原法仁さん(左)。中村 優さん(右)はタレントおよびマラソンランナーとして活躍しています

 

中村 藤原さん、前回お約束した「酎ハイ街道」のお店にご案内いただきありがとうございます。今回もよろしくお願いします! 「酎ハイ街道」って藤原さんが名付け親なんですよね。どんな経緯で名付けられたんですか?

藤原 正確には思い出せないんですけど、「酎ハイ街道」と言い始めたのは2000年代のなかごろだったかな。この界隈でエキスを入れて作る琥珀色の焼酎ハイボール、いわゆる下町酎ハイを出す店が多いことに気づいたんです。しかも、居酒屋だけじゃなくて、ラーメン屋やスナックなどでも同じスタイルの酎ハイを提供していたんですよ。そこで、何となく自分のウェブサイト「酔わせて下町」などで「酎ハイ街道」を使い始めたら、自然と広まっていったんです。

 

中村 なぜ、同じスタイルの酎ハイを出す店が集まっているんですか?

 

藤原 かつて京成曳舟駅近くで営業していた名酒場「三祐酒場 本店」が焼酎ハイボールの元祖とされているんですが(諸説あり)、そこから広がっていった名残りだと考えられます。今でも「酎ハイ街道」には、昔ながらの焼酎ハイボールを出す店が30店舗ほど残っていますよ。

 

遊郭「玉の井」が酎ハイ街道の発展に貢献した

中村 以前に「三祐酒場 八広店」にお邪魔したときは、「酎ハイ街道」は鐘ヶ淵通りのことで、鐘淵紡績(かねがふちぼうせき・カネボウの前身)やその関連工場で働く労働者で界隈の酒場がにぎわったとおっしゃっていましたよね。

↑現在の鐘ヶ淵通り。都市開発による道路の拡張工事が進行し、移転や建て替えなどを余儀なくされた名酒場も少なくありません

 

藤原 お、さすがです。その通り! もうひとつ、「酎ハイ街道」の発展に欠かせないのが、「玉の井」(たまのい)と呼ばれていた私娼街。いわゆる遊郭です。場所でいうと、現在の東京都墨田区東向島五・六丁目と墨田三丁目あたり。戦前から昭和33(1958)年頃まで存在していて、都内屈指の花街として栄えたそうです。

 

中村 なるほど。「玉の井」があったから、周辺の酒場もさらに発展したわけですね!

 

藤原 「亀屋」の先代に聞いた話によれば、当時の常連さんのなかには、玉の井に行く前に景気づけに「亀屋」で一杯ひっかけて、玉の井で「亀屋」の出前を頼んで、帰りにまた「亀屋」に寄って余韻を楽しむ……なんて客もいたそうですよ。

 

中村 1日に3回も! それほど酒場にニーズがあったということですね。

 

藤原 ちなみに、「玉の井」を象徴する存在が、更正橋(こうせいばし)です。かつて八広駅から玉の井に行く途中の曳舟川(ひきふねがわ)にかかっていた橋ですね。

 

中村 更正橋? どういう意味でしょうか?

 

藤原 「玉の井で遊んだら、更正して帰りなさいよ」という意味です。ちなみに曳舟川は昭和30(1955)年に都市開発の埋め立てで曳舟川通りとなり、更正橋は交差点の名称へと姿を変えました。ただ、更正橋の親柱(おやばしら・橋の四隅にある柱)は交差点の脇にある隅田区立八広小学校の校庭に保存されているんですよ。

↑八広小学校に移設された更正橋の親柱。同校はかつて更正小学校という名称で、平成15(2003)年に近隣校との統合に伴い八広小学校として新装開校

 

↑現在の曳舟川通り。その向こうの歩道橋には「更正橋」の名が残っています

 

中村 街の歴史を残しているとは、何とも粋ですね!

 

藤原 実際に目にすると、感慨深いものがありますよ。さて、ここまでの話の流れをまとめると、この界隈は鐘淵紡績の企業城下町としてにぎわっていた。加えて近くには人の集まる歓楽街・玉の井があった。このほか、隅田川など物流の要である河川が近く、鉄道も整備されていましたから、自然と大衆酒場が増えていったというわけです。そして、現存する酒場のなかでも歴史が古く、名店といえるのが今回の「亀屋」ですね。

 

中村 なるほど! レジェンド級の名店ということですか。楽しみです!

↑「亀屋」の創業は昭和7(1932)年。もともと「鐘ケ淵駅」の隣の停車場「東向島駅」の近くで立ち飲み酒場として始まったそう

 

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「ボール」の決め手は“3冷”スタイルと秘伝のレシピ

藤原 僕が初めて「亀屋」を訪れたのは2000年ごろ。この街の歴史も文化も面白くて、どんどん「酎ハイ街道」のエリアに魅了されていきました。そのなかでも特に焼酎ハイボール、いやここでは皆「ボール」って言いますね。そのボールがおいしくて、店の雰囲気も素晴らしかったのが「亀屋」なんです。前置きが長くなりましたが、乾杯しましょうか!

中村 楽しみです。では「ボール」をふたつお願いしまーす!

 

藤原 「亀屋」は現在、三代目主人の小俣光司さんとそのお母さん、つまり二代目の奥様にあたる小俣美代子さん(現在は療養中)が切り盛りしていて、ボールもおふたりが作ってくれます。

 

中村 「亀屋」さんのボールってどんな特徴があるんですか?

 

藤原 グラス、オリジナルの焼酎ハイボールの素(もと)、炭酸水をあらかじめしっかり冷やす“3冷(さんれい)”スタイルであること。氷は入れません。これこそ氷が希少だった時代のオールドスタイルで、まさに正統派の下町の焼酎ハイボールなんです。

 

中村 あっ、こちらで使っている炭酸は「下町炭酸を飲み比べる噺」で出てきた「アズマ炭酸」ですね。覚えてます!

 

藤原 お、さすがですね! 中村さんが、確実に大衆酒場の知識を吸収してくれていてうれしいです。

↑焼酎ハイボールの作り方は、まず冷やしたグラスにスライスしたレモンを入れ、ビン入りの炭酸水を1本すべて注ぎます

 

↑さきほどの炭酸水にボトルで冷やした黄金色の液体をなみなみ注げば完成! ボトルには、宝焼酎と独自のエキスをブレンドした亀屋特製「焼酎ハイボールの素」が入っています

 

↑完成した「亀屋」名物の「焼酎ハイボール」(300円 ※表記価格はすべて税込み・以下同)

 

中村・藤原 それでは……カンパ~イ!

 

中村 わー、氷が入っていなくても冷たい! のどごしがスムーズで、スイスイ飲めます!

藤原 でしょう? 「亀屋」のボールは、とにかく味のバランスが最高。ほのかな酸味に、キリっとした爽快感とガツンとした飲みごたえがあるので、ついつい進んでしまいますよね!

 

中村 小俣さん、この味を生んだのは初代の店主さんですか?

 

小俣 いえ、今の味を開発したのは私の父、つまり二代目なんです。「亀屋」を創業したのは父の母親にあたる私の祖母で、焼酎ハイボール自体は創業時からあったらしいんですね。そこから父がさらに研究して、新しい「焼酎ハイボールの素」のレシピを作りました。ベースの焼酎を宝焼酎に変えて、その味に合うエキスを開発したんです。

↑2017年から三代目として店に立っている小俣光司さん(右)

 

中村 新しいレシピになったのはいつごろですか?

 

小俣 昭和から平成に変わるころだと思います。いまから30年以上前ですかね。そのレシピを母が覚え、私が受け継いで今に至ります。

 

藤原 やっぱり、「素」のレシピは秘伝なんですよね?

 

小俣 そうですね、こればっかりは……。でもひとつだけ言えるのは、宝焼酎とエキス以外に、当店独自にブレンドしているものがあるということです。

 

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「亀屋」の焼酎ハイボールはどんな料理にも相性抜群

↑「マグロぶつ切」(400円)

 

中村 では、「亀屋」さんで人気のおつまみも頂きましょう! まずは「マグロぶつ切」から。切り身も大きくて食べごたえ抜群。この豪快さで400円は超おトクですね。人気の高さも納得です!

 

藤原 鮮度も抜群で、何より焼酎ハイボールとの相性が格別。刺身って、意外にお酒を選ぶ料理なんですが、「亀屋」のボールは幅広い料理に合う。刺身にもバッチリ合いますよね。

↑「納豆オムレツ」(450円)。具材は納豆のほかに、豚肉、玉ねぎ、ピーマンなど

 

中村 この「納豆オムレツ」は、具材が甘辛く調理されていて、お酒が進む濃いめの味付けが良いですね。

 

藤原 これもボールが進みますね~。じゃあ僕のお気に入りのおつまみもどうぞ。「たらこ」「にこごり」「お新香」です。特に「たらこ」や「にこごり」は、下町大衆酒場の王道といえるおつまみです。ぜひ召し上がってみてください。

↑「お新香」(左)「たらこ」(右)「にこごり」(奥)(各400円)

 

中村 あ、「たらこ」は軽く火が通っていてミディアムレアになってるんですね。絶妙な食感でうまみがギュッと詰まっている感じ。大根おろしのアクセントも素敵です! 「にこごり」は弾力があるけれど、歯切れがよくてさっぱりとした優しい味。からしをつけると味が引き締まってイイですね!

 

藤原 最後のシメに「すいとん」はいかがですか? 小麦粉を練って平べったくした団子のような生地を、つゆで煮た郷土料理です。

↑「すいとん」(450円)

 

中村 団子とも麺とも違う、ニョッキみたいな形なんですね。つゆを吸った、チュルッともちもち食感がいい! 甘辛いおつゆで、ほっこりした気分になります。

 

藤原 野菜がたっぷりで胃にも優しい。こういう気の利いたシメがあるのも下町大衆酒場の醍醐味ですね。小俣さん、こんな素晴らしいお店を守って頂いて、本当にありがとうございます。

 

小俣 いえいえ。こうして藤原さんが「酎ハイ街道」と名付けて盛り上げてくれたおかげです。遠方からお客様がいらっしゃることも増えて、とても感謝しています。再開発で昔の街の面影が失われていくのは寂しいですけど、これからもこの焼酎ハイボールの味を守りながら頑張っていきたいですね。

 

中村 小俣さん、藤原さん、今日はありがとうございました! やっぱり「酎ハイ街道」と「亀屋」に歴史ありですね。また勉強になりました!

撮影/我妻慶一

 

<取材協力>

亀屋

住所:東京都墨田区東向島5-42-11

営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30)

定休日:日曜、第2・第4月曜

※新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(現在はゴールデンウィーク明けまで休業中)。

※取材日:2021年4月2日

 

記事に登場したお酒の紹介はこちら▼

・宝焼酎

https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

 

「東京・大衆酒場の名店」バックナンバーはこちら▼

・第1回 【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

・第2回 【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

・第3回 【東京・大衆酒場の名店】伝説の「三祐酒場」で聞く「元祖焼酎ハイボール」発祥の噺

・番外編 大衆酒場の酎ハイに欠かせない「下町炭酸」を飲み比べる噺

 

母の日は花束みたいなお酒を贈りませんか?期間限定で母の日限定ギフトボックス「母ノ日 母ノ酒」が登場

リカー・イノベーション株式会社は、お酒のオンラインストア「KURAND(クランド)」にて母の日限定ギフトボックス「母ノ日 母ノ酒」全6種を、4月21日~5月12日まで期間限定で販売することを発表しました。

↑内容量500ml 単品3900円(税込)

 

5月9日は「母の日」。日頃伝えられない感謝の気持ちを伝える日とされています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、年末年始を含めて実家へ帰省できなかった人も多いのではないでしょうか。実際に顔を見せることができなかったからこそ「母の日」の贈り物で、いつもは恥ずかしくて伝えられない感謝の気持ちを、お酒に込めて贈りませんか?

 

まるで花束みたいな花柄ボトル、今年は2種類が新登場!

「母ノ日 母ノ酒」は昨年の母の日に期間限定で登場した人気商品です。母の日限定ギフトボックスの3面には花柄の洋服を着た「昭和・平成・令和の3世代のお母さん」が現れる、母の日にピッタリなギフト商品。服の部分だけ切り抜いているので、化粧箱の中でボトルを回転させることによって、服の花柄の模様が少しずつ変化する仕掛けになっています。どこから見ても楽しい、飲んで美味しいギフトとなっています。

↑おしゃれな化粧箱がギフトにぴったり

 

そして、今年は「母ノ日 母ノ酒」がカーネーション(赤)に加え、ダリア(青)、ガーベラ(オレンジ)の2種類の柄が新登場。3種類の花柄のボトルから選ぶことができます。

 

好みにあわせて日本酒、梅酒の2種類のお酒を用意しています。お酒だけを楽しむのはもちろん、お食事に合う日本酒や食後酒としてじっくり楽しめる梅酒、それぞれのシーンに合わせることのできる、もらってうれしい、飲んでおいしいギフトです。お酒が大好きという方や、普段はあまり嗜まれない方にも、飲みやすいお酒をセレクトしています。

 

全6種の「母ノ日 母ノ酒」をラインナップ

新登場した2種に加えて「母ノ日 母ノ酒」は全6種が用意されています。

↑製造元:梅田酒造場(広島県)

 

【母ノ日 母ノ酒 -カーネーション 日本酒-】

フルーティーで華やかな風味と柔らかでスッキリとした口当たり。丁寧に醸した芳醇な味わいの純米吟醸酒を楽しめます。

↑製造元:明利酒類(茨城県)

 

【母ノ日 母ノ酒 -カーネーション 梅酒-】

厳選した国産青梅で丁寧に仕込んだ、ブランデーのコクと香りが特徴の風味豊かな梅酒。ブランデーとはちみつで仕上げています。

↑製造元:長谷川酒造(新潟県)

 

【母ノ日 母ノ酒 -ダリア 日本酒-】

控えめな香りでお米の旨味と程よい苦味のバランスが取れています。また、口の中で転がすとナッツ系の含み香が口全体に広がります。

↑製造元:中野BC(和歌山県)

 

【母ノ日 母ノ酒 -ダリア 梅酒-】

全量和歌山県産南高梅を使用した本格梅酒。甘みと酸味のバランスが良く、様々な飲み方で楽しむことができます。

↑製造元:一宮酒造(島根県)

 

【母ノ日 母ノ酒 -ガーベラ 日本酒-】

米・水・人すべて地元にこだわって醸されています。透明感のある澄んだ香りと、口の中に広がる瑞々しい甘みに、ついつい杯が進んでしまう飲み心地の良さが魅力です。

↑製造元:麻原酒造(埼玉県)

 

【母ノ日 母ノ酒 -ガーベラ 梅酒-】

程よい甘さと梅酒特有の爽やかな香り、フレッシュ感の中に芳醇な風味が広がります。梅の風味とスッキリとした飲み口を楽しめます。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

母の日のギフトを買いたいけれど、店頭にギフトを買いに行けない方にもおすすめな「母ノ日 母ノ酒」。ご注文・お届けなど全てがオンラインストアで完結する商品なので、外出自粛で母の日のプレゼントにお困りの方にはピッタリです。

 

何を贈ったらいいか分からず、毎年お花ばかり贈ってしまっている方、今年は一味違った母の日ギフトでお母さんを喜ばせてみませんか?価格は内容量500mlで単品3900円(税込)、日本酒&梅酒セットは各7980円(税込)となっています。

 

なお、母の日までのお届けは5月7日の23:59(一部地域5月6日)に注文が締め切られてしまいますので注意してください。ぜひ、この機会に特別なプレゼントを送ってみてはいかがでしょうか。

 

お酒のオンラインストア「KURAND(クランド)」

泡までジューシーなパイナップル風味、「パイナップルエール」4月23日より夏季限定販売

だんだん気温が上がり、いよいよビールをより一層美味しく感じさせる季節がやってきます。そんな季節に合わせて、サンクトガーレン有限会社はゴールデンパイン600kgを使用した爽やかなフルーツビール「パイナップルエール」(506円/税込)を4月23日から9月末まで夏季限定で発売することを発表しました。

↑アルコール:5%、内容量:330ml、希望小売価格:506円(税込)

 

使用しているのはデルモンテの管理農園で栽培され、横浜の工場で手切りされたゴールデンパインです。

 

デルモンテでは果実にストレスを与えないよう手作業で切ったものを使用しており、果汁も香りもロスの無い果実をビールに使うことができます。

 

1回の仕込みに使用しているのは約600kgのゴールデンパイン。果実はビールが発酵する前の麦汁(ばくじゅう)に投入し、果実と麦汁の糖分を一緒に発酵させることで、泡までジューシーなパイナップル風味を感じられるビールになっています。

 

 

 

ベースとなっているビールは、Brut IPA(ブリュットアイピーエー)スタイルを採用。Brut IPAはブリュット(辛口)のシャンパンからインスピレーションを受けた比較的新しいビアスタイルで、強いホップフレーバーをもちながら、非常にドライで苦味が軽やかなのが特徴です。

 

麦芽のコクを敢えて削ぎ落とすことで、華やかなホップの風味とパイナップルのジューシーさを際立たせたビールに仕上がっています。

 

↑麦芽量30%の果物を贅沢に使用しているため、ビールと表記ではなく”発泡酒”となっています

 

なお、ボトルの販売場所はオンラインショップ、横浜髙島屋、そごう横浜店のほか、サンクトガーレン樽生取扱い飲食店で樽生を楽しむことができます。

 

サンクトガーレン オンラインショップ

知っておきたいワインの蘊蓄。ソムリエが解説する「ドイツワイン」の5産地にまつわる話

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズの「フランス」「イタリア」に続く今回は、「ドイツ」。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
ワインの世界を旅する 第1回 ―フランスと5つの産地―
ワインの世界を旅する 第2回―イタリアと5つの産地―

 

ドイツワインを旅する

ドイツワインには、とかく“甘い”というイメージがつきまとっているようです。それは長い歴史のなかでは、20世紀後半のほんの短い時期に多く出回った「リープフラウミルヒ」などの量産ワインによる影響が大きいように思います。“ヨーロッパのワイン大国”といった印象もありますが、生産量でいえばフランス、イタリアの5分の1ほど。そして、そのただ甘いだけのワインのためか、日本のワインショップでは取り扱いも少なく、見かける機会も限られるワイン産地なのかもしれません。

 

ですが、現代、つまり21世紀のドイツワインは明らかに変化し、より良質なワインを多く産出しています。ただ甘いだけのワインが減少傾向なのはもちろん、辛口の比率は増え、他国のワインには見られない個性も見られるようになっています。そして赤ワインは、世界中の産地と比較しても引けを取らない出来栄えです。これを一部の好事家(こうずか)だけのものにしていていいのでしょうか? 愛好家にもワイン初心者にも、間口を広く、奥行きを持って親しめるワイン産地が、21世紀以降の現代ドイツワインなのです。

 

ドイツにおけるワインの歴史は、紀元前、古代ローマ時代にさかのぼると言われ、古代ローマ人が入植した際には、ライン川やモーゼル川にはリースリングの祖先である「ヴィティス・ヴィニフェラ」の野生種「ヴィティス・シルヴェストリス」が自生していたと言われています。リースリングは、ドイツにおける重要なブドウ品種で、現在でも全体の4分の1を占めており、世界中のリースリングはドイツをひとつの規範としています。リースリングに限らずドイツワインの7割ほどは辛口(トロッケン、ハルプトロッケン、ファインヘルプ)(※)に造り上げられていますが、最高級品に位置する極甘口の「トロッケンベーレンアウスレーゼ」もまた、前述のただ甘いワインとは一線を画す、ドイツワインの真骨頂といえる偉大なワインです。

※ドイツでの辛口の呼称
・Trocken(トロッケン)=辛口
・Feinherb(ファインヘルプ)=中辛口より辛口
・Halbtrocken(ハルプトロッケン)=中辛口

 

[目次]
・ラインガウ
モーゼル
フランケン
バーデン
ファルツ

 

ラインガウ 〜父なるラインが東西に流れる銘醸地〜

フランクフルト空港から、電車で約1時間の距離にあるリューデスハイムを中心としたラインガウは、ワインの街。リースリングが生まれた土地であり、ブルゴーニュの「クロ・ド・ヴージョ」のようにシトー派修道僧が植樹したといわれる歴史ある数々の銘醸畑が集まっています。街の南側を流れるライン川は、ヨーロッパの南北を縦断する大動脈であり、急勾配のブドウ畑や自然に囲まれた古城を眺めるクルーズ船が運航されています。その距離、リューデスハイムの対岸マインツからケルンまでおよそ180kmに及び、さまざまなコースが用意され、観光に訪れた際には外せない楽しみのひとつです。

 

ライン川は、基本的には南北を縦断する河川ですが、リューデスハイムからヴィースバーデンまでの約20kmに渡って東西を流れるかっこうになり、そのため、南側斜面の畑への照り返しが、晩熟のリースリングを完熟させるのに大きな役割を担っています。また、もっとも希少なワイン「トロッケンベーレンアウスレーゼ」は、天候に恵まれた年に川から立ち上る霧によってもたらされる貴腐菌によって生み出されます。ラインガウもまた、21世紀になってからより多くの生産者がその恵まれた栽培環境を活かして、今まで以上の高品質なワインが造られるようになった産地です。とくに生産量の大半を占める辛口のリースリングは、フレッシュで冷涼感のある果実、鮮烈と表現される酸、細く強いストラクチャーを持った良質なワインばかりになりました。

 

下写真の「ソヴァージュ=野生」と名付けられたリースリングは、言ってみれば広域ラインガウのワインですが、その味わいの水準の高さは他の銘醸地と比較しても目を見張るほどで、この地域の優れたテロワールを証明しています。ライン川に自生していたといわれる野生ブドウの末裔と思うと、ワインにいっそう奥行きを感じ、楽しめるかもしれません。

 

Georg Breuer(ゲオルグ・ブロイヤー)
「“Sauvage”Riesling2018(ソヴァージュ・リースリング2018)」
2900
輸入元=ヘレンベルガー・ホーフ

 

次のページで取り上げるのは、川の両岸にブドウ畑が広がる、景観の美しいモーゼルです。

モーゼル 〜ベルンカステル・クースから望む雄大な景観〜

フランスのヴォージュ山脈を源にするモーゼル川。古都コブレンツでライン川につながるまでの長い距離(蛇行しながら240kmにも及びます)の両岸急斜面に、ブドウが植えられています。モーゼルでは、素晴らしいワインのほぼすべてがリースリングから造られており、ふたつの支流、ルーヴァー川流域はドイツ最古といわれ、もう一方のザール川流域では、ドイツ最高のワインと誉れ高い「シャルツホフベルガー」が生み出されます。また、モーゼル川の中流域にある街、ベルンカステル・クースは川を挟んだふたつの街並みが一体となって、モーゼルのワイン醸造の中心としての役割を担っています。

 

モーゼル川流域ではおおむね南向き、南西向きの斜面にブドウ畑が広がっているのですが、大きく蛇行する河川は街から8kmに渡って北西に延び、夏に訪れると、川面に南西向きの壮大なブドウ樹の緑が映し出される素晴らしい景観が、見渡す限り続きます。モーゼル川は、その長い流域の多様な個性から“ブルゴーニュのコート・ドール”と比較されることもありますが、訪れるタイミングに恵まれた人にとって、景観の美しさという点では、モーゼルに軍配が上がるのではないでしょうか。

 

モーゼルワインをひと口に表現するのは難しいのですが、下写真のような辛口トロッケン(残糖9g)のほか、爽やかと表現していいフルーティーな「カビネット」や「シュペトレーゼ」といった中辛口、中甘口のワインの質の高さにあると思います。これらのワインは、かつての量産ワインとは一線を画す味わいで、多様なテロワールから繊細な甘みと柑橘のような酸味の奥には火打石のようなニュアンスやスパイスやハーブのニュアンスと、なにしろ一本筋の通った地域ごとの個性を感じ取ることができるのです。モーゼルのワインは、ちょっと玄人向けのイメージもあるのですが、比較的アルコール度数の低いワインも多く、むしろワイン初心者のほうが、素直にその良さを感じ取ることのできるワインだと思うのは私だけでしょうか。

 

Dr. Loosen(ドクター・ローゼン)
「Riesling Trcoken2018(リースリング・トロッケン2018)」
2600
輸入元=ヘレンベルガー・ホーフ

 

次のページで取り上げるのは、瓶の形でも個性を表現したワインの産地、フランケンです。

フランケン 〜ボックスボイテルは高品質の証?〜

下写真のワインのような、ずんぐりと丸いボトルをご覧になったことがあるでしょうか? フランケンの「QbA」(指定栽培地域上質ワイン)という格付けのワインだけが詰めることのできる瓶で、「ボックスボイテル」(山羊のふぐり袋)と呼ばれています。

 

元々は、18世紀に品質の劣悪なワインと区別するため、フランケンワインの品質証明として瓶詰めされるようになって以降現代に至るまで残る、伝統的なボトルデザインです。ドイツワインと言うと、細長いボトルに瓶詰めされることが多いのですが、フランケンワインは味わいにおいても、ほかのドイツのワイン産地とは少し毛色が違っています。主役のブドウ品種はリースリングではなく「ジルヴァーナー」、かねてから産地全体として極辛口に仕上げるワインが主流という点で、ほかの多くのドイツワインとは、見た目だけではなく味わいでも、異なったキャラクターを表現しています。

 

ドイツの文豪・ゲーテは、妻への手紙の中で、「何本かのヴュルツブルガーを送ってくれ。此処のワインは私にとっては美味しくなく、困っている」と綴ったと伝えられています。ここでいう“ヴュルツブルガー”とは、フランケンのワイン生産の中心都市、ヴュルツブルグ産のワインという意味で、このことからも18世紀初頭からフランケンワインは、ドイツワインの中でも独自の個性を持っていたことがうかがえます。

 

一部の希少な甘口も造られており、伝え聞くところでは驚くほど長命なワイン(300年を超える熟成に耐える)のエピソードもあるのですが、現在では極辛口が主流です。リースリングに比べ酸が穏やかである点、柑橘から南国フルーツのような繊細ながら豊かな果実の柔らかさ、そして芯のあるミネラリティがフランケンのジルヴァーナーの特徴となり、好む人にとってはハズレのない、信頼できるワイン産地なのです。残念ながら日本では、ドイツの白ワインは一部の愛好家のためのような雰囲気もあるため、ワインショップでボックスボイテルに巡り会うことは少ないかもしれません。でももし出会えたなら、フランケン産であることを確認してレジに持って行くことをすすめます。他国のワインで似たボトル形状の量産ワインがあることだけご注意ください。

 

Störrlein Krenig(シュテアライン・クレニッヒ)
「Randersacker Sonnenstuhl Silvaner2018(ランダースアッカー・ゾンネンシュトゥール・ジルヴァーナー2018)」
3300
輸入元=ヘレンベルガー・ホーフ

 

次のページで取り上げるのは、ドイツの赤ワイン産地として先駆者的な役割を担う、バーデンです。

バーデン 〜地球温暖化とドイツの赤ワイン〜

地球温暖化と技術革新によって、ブドウの栽培地域は年々広がっています。北半球ではイギリス、そしてロシアが加わり、中央アジアの栽培もこれからより本格的なものになっていくでしょう。従来“北限の産地”として白ワインのイメージの強いドイツでも「シュペートブルグンダー」(≒ピノ・ノワール)の栽培面積は、この20年で倍増したと言われています。

 

そして、ドイツの南端に位置しフランス、スイスと国境を接する、元々比較的温暖な気候であったバーデンにとって、温暖化の影響は晩熟であるシュペートブルグンダーの栽培にいち早く成功する、ひとつの要因になりました。現在では、ドイツのシュペートブルグンダーのおよそ半分を占め、ドイツの赤ワイン産地としては先駆者的な役割を担う産地です。

 

そうはいっても、かつて協同組合の廉価ワインの割合が高かったこの産地が、意欲的な生産者によって素晴らしい赤ワインを産み出すようになったのは、やはりつい最近のことなのです。下写真のベルンハルト・フーバーの設立は1987年、「18世紀から続く~」といったよく耳にするワイナリー紹介と比較すれば、ほんの最近のことのようにも思えますが、7世紀頃にはピノ・ノワールの存在が文献に残されていたことを考えると、この地域の赤ワインの歴史は“古き伝統を踏襲しながら新たな一歩を刻んだところ”と言ってもいいのかもしれません。

 

ブルゴーニュのピノ・ノワールは、世界中の愛好家をその官能性で魅了していますが、ようやくブルゴーニュ以外の産地のピノ・ノワールに、徐々にスポットライトが当たるようになってきました。バーデンには、ドイツのリーディング的なシュペートブルグンダー産地として、期待せずにはいられません。

 

そして、温暖化はもうここまでにしないといけないという思いは、ワインに関わるすべての人が気持ちを同じくしているテーマでもあるのです。

 

Benhard Huber(ベルンハルト・フーバー)
「Malterdinger Spätburgunder2016(マルターディンガー・シュペートブルグンダー2016)」
5000
輸入元=ヘレンベルガー・ホーフ

 

最後に取り上げるのは、ドイツにおける新進の“ワイン産業の街”、ファルツです。

ファルツ 〜ドイツを代表するワイン街道を抱く産地〜

フランスのアルザス地方の北と国境を接するファルツには、南のシュワイゲンから北のボッケンハイムまでの85kmに渡って、ドイツ最大のワイン街道が縦断しています。ファルツでは年間で大小200ほどのワイン関連のイベントが催されており、8月の終わりには、ワイン街道を通行止めにし、街や村では地元の料理やワイン、民芸品に至るまで思い思いのお店が立ち並んで、地元の人や観光客を楽しませます。こうした取り組みは産地全体を盛り上げることに成功し、ファルツはドイツ第2位のワイン産地、ワインショップやレストランも充実した“ワイン産業の街”と言われるようになりました。

 

この地域でも、主役はリースリング。辛口であってもみずみずしい蜜のような味わいをワインにもたらし、比較的温暖なファルツらしさを表現しています。ですが、今回紹介するのはバーデンに続いて赤ワインです。下写真の「フリードリッヒ・ベッカー」は、フランス国境沿いに拠点を置く彼の地のシュペートブルグンダーの先駆者的存在で、“ピノ・ノワール”の名前を冠したクリュ・ワインは、ドイツでも最高の評価を得ています。産地全体としては、バーデンほどシュペートブルグンダーが主流ではないものの、最近のワインガイド誌での上位に、新たな生産者のシュペートブルグンダーが数多く食い込む現象が起きています。

 

ブルゴーニュ同様にピノ・ノワールに向く石灰質を含んだ土壌が多く、これからのドイツの赤ワイン産地として、バーデンに続く銘醸地のポジションが期待されます。ドイツワインは甘い、ドイツは白ワインの産地、というのは過ぎ去った20世紀の過去の話。ドイツのピノ・ノワールはブルゴーニュ、オレゴンやニュージーランドに続いて、世界でも最高の品質水準にあります。よりピノ・ノワールの官能性や滋味深さを表現するワインに出会える機会は、これからどんどん増えていくことでしょう。ドイツの赤ワインのこれからを楽しんでいただけたら何よりです。

 

Friedrich Becker(フリードリッヒ・ベッカー)
「Doppelstück Spätburgunder2016(ドッペルシュトゥック・シュペートブルグンダー2016)」
3300
輸入元=ヘレンベルガー・ホーフ

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

信州・諏訪の酒米を100%使用した口当たり軽やかな夏酒「純米吟醸生酒 よこぶえ」が季節限定発売

長野県諏訪市にある日本酒蔵・伊東酒造株式会社(代表銘柄:横笛)は4月16日から「純米吟醸生酒 よこぶえ」を1800ml 3,564円、720ml 1,760円、300ml  660円(税込)で発売開始しました。使用しているお米は地元で育てられた諏訪産美山錦を100%使用している「夏酒」。夏の暑い日にも日本酒を呑んでいただきたいということで、口当たりは軽く華やかな香りが特徴のお酒になっています。

↑「純米吟醸生酒 よこぶえ」(季節限定品)

 

伊東酒造「横笛」では毎年4月と6月に特徴の異なる夏酒を販売しています。今回、夏酒第一弾として「純米吟醸生酒 よこぶえ」を4月16日から販売することになりました。諏訪の契約農家が作る酒造好適米「美山錦」を100%使用。美山錦の特徴であるスッキリした味わいなどを最大限に引き出し、華やかな香り、優しい飲み口が特徴のお酒です。

 

口当たりの良いお酒なので、暑い日に日本酒を呑みたい方や、冬場の搾りたて生原酒などといった高アルコールに呑み疲れた方にもおすすめです。

 

「純米吟醸生酒 よこぶえ」は、程よく香るフルーティーな純米吟醸で柔らかい飲み口、生ならではの軽快な喉越しが特徴。たこのカルパッチョなど海鮮料理との相性が良く、ワイン感覚で食中酒としても楽しむこともできます。

 

販売サイズは1800ml、720ml、300mlで、横笛を取り扱っている酒販店や横笛店舗、ネット通販にて購入できます。

 

なお、夏酒第二弾として6月に「純米吟醸生酒 夏穂の香」を発売予定。「純米吟醸生酒 よこぶえ」とは異なり、長野県の酒造好適米「しらかば錦」を使用して醸しています。酸が特徴で、この酸がきりっとした飲み口にしてくれます。使用しているお米違いの「夏酒」を呑み比べてみてはいかがでしょうか。

 

日本酒蔵・伊東酒造株式会社(公式HP)

ビール界のレジェンド「ピルスナーウルケル」の缶が全国デビュー!注ぎ手名人の動画でよりウマく飲める

日本のメジャーなビールは「ピルスナー」というビアスタイルであり、世界でも7割を占めると言われています。その元祖である「ピルスナーウルケル」が、缶の仕様で全国発売することになりました。

 

↑「ピルスナーウルケル」は4月6日から首都圏と関信越エリアで通年発売。6月1日から全国で数量限定発売されます。330mlでアルコールは4.4%、参考価格は税込297円

 

本稿ではメディア向け発表会の様子とともに、「ピルスナーウルケル」の特徴を深掘りしていきます。

 

ビールの歴史は「ピルスナーウルケル」の登場前後に分けられる

発表会が開催されたのは、日本橋にあるビアバー「ブルヴァール トーキョー」。“「アサヒスーパードライ」をだれよりもおいしく注ぐ”として有名な「サトウ注ぎ」の佐藤裕介さんが手掛けるお店です。

 

↑同店は佐藤さんの3店舗目。1号店は新橋の「ブラッセリービアブルヴァード」。2号店は銀座にある「ピルゼンアレイ」です

 

「ピルスナーウルケル」は、1842年にチェコのピルゼンで誕生しました。その特徴は、黄金色の輝き、地元醸造にこだわってピルゼンの工場のみで造っていること、そのうえで水はもちろん麦芽やホップなどの原料はチェコ産であることなど。歴史が長く世界50か国以上で発売される有名なビールながら、きわめてクラフトビール的な精神で生み出されています。

 

↑海外へのビール旅に何度も行き、クラフトビールにも精通している佐藤裕介さん。「ピルスナーウルケル」はすべてのビールのなかでも別格であり、レジェンドだと言います

 

いまやピルスナーや黄金色のビールは当たり前ですが、誕生当時は革命的だったとか。濃厚かつクリーミーでしっとりとした泡、ザーツ産ホップによるスパイシーな香り、苦味とバランスが取れたまろやかで甘いフレーバー、そして美しい色合い。ビールを透明なグラスで飲むようになった背景にあるのは産業革命と、「ピルスナーウルケル」の登場によるところが大きいと佐藤さんは言います。

 

↑「ピルスナーウルケル」の専用グラス。こちらはドイツの老舗、Sahm社が製造しています

 

また、自然な炭酸が生み出すキレや、ほのかなカラメルの香味も魅力。これは、麦芽を3回糖化する「トリプルデコクション」と呼ばれる伝統的な醸造法によるもの。手間をかけることで味と香りはいっそう華やぎ、爽やかなホップの苦みをはっきりと感じることができるのです。圧倒的にクリアで飲みやすく、それでいて個性的。やがて世界を席巻するピルスナーの元祖になったという理由も納得できます。

グラスが当たるキャンペーンや注ぎ方の動画も要チェック

発表会の後半は、おいしい注ぎ方レクチャーとフードペアリング体験。佐藤さんは前述したように、「アサヒスーパードライ」の注ぎ手としても有名ですが、「ピルスナーウルケル」を最高の品質で提供し、自らの言葉でその歴史や品質を語り、ブランドの魅力を発信していく役割「タップスター」に認定された日本初の人物でもあります。

 

↑「タップスター」は現在日本では4人のみ。今回は缶で注ぎ方をレクチャー

 

コツは、きれいに洗ったグラスを冷たい水でしっかり濡らすこと。氷水を入れてかき混ぜると、やりやすいそうです。次はグラスを45度に傾けて、ふちに沿わせながら「ピルスナーウルケル」をゆっくり注入。その後は香りを閉じ込めるため、徐々にグラスを起こして上から注ぎます。

 

↑これで完成。泡は指3本ぶんが目安とのことです

 

「ピルスナーウルケル」は、日本のピルスナーがそうであるように、どんな料理とも相性抜群。なかでも特に合うというフードを佐藤さんが用意してくれました。チェコの定番料理セットと、タレ味の焼き鳥です。

 

↑ソーセージの酢漬け「ウトペネツ」、牛肉煮込み「グラーシュ」、カマンベールをオリーブオイルで漬けた「チーズマリネ」、タレ味の焼き鳥

 

「ピルスナーウルケル」は酸味と調和し、スパイスやハーブを使った肉やチーズとも好相性。また、もっと気軽に「ピルスナーウルケル」を楽しんでもらうために甘じょっぱいタレ味の焼き鳥とのペアリングも提案。シャープな「アサヒスーパードライ」はリセットする方向性のペアリングですが、香り豊かな「ピルスナーウルケル」は寄り添う形でマッチするそうです。

 

↑クリアでスムース。アルコール度数もライトなのでぐいぐい進みます

 

なお発売を記念して、専用のビアグラスが合計で200名に当たる各種キャンペーンが実施されるほか、佐藤さんによる缶から上手に注ぐレクチャー動画も公式インスタグラムで公開中。ぜひ合わせてチェックし、おいしい時間を有意義に過ごしてください。

 

【URL】

https://www.pilsnerurquell.jp/

 

 

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春色の焼酎「かのか」が限定発売! 過去最高にイカしてる味の特徴をレポート

焼酎は甲類と乙類(本格焼酎)のほか、両者のいいとこどりをした混和焼酎の3カテゴリーがあり、その混和焼酎で売上No.1(「インテージSRI」焼酎混和2020年1~12月累計販売金額)を誇るのが「かのか」。このブランドから3月16日に、ユニークな期間限定コラボ商品が発売されました。「イカ天瀬戸内れもん味にぴったりの麦焼酎かのか」です。

 

↑「イカ天瀬戸内れもん味にぴったりの麦焼酎かのか」。アルコール度数は25%で1.8リットル、希望小売価格は税抜1450円です

 

最大のウリは、商品名にある通り「イカ天瀬戸内れもん味」に合う味わいになっていること。本稿では「かのか」と「イカ天瀬戸内れもん味」の特徴に触れながら、新作の味わいをレポートしていきます。

 

新作はりんごのようなフルーティーで爽やかな香りと味

1993年から発売されている「かのか」は「佳の香」、つまり“佳(よ)い香り”という意味で、豊かな風味とやわらかい飲み口が特徴です。2020年は、コロナ禍の巣ごもり需要をとらえた家庭内での飲み方提案や販促活動により、前年比107%の販売を記録し、3年連続で前年実績を上回ったそうです。

 

↑公式ホームページより。サイズも豊富で、様々なライナップがあります

 

麦焼酎の「かのか」は、ほどよくふくらみのある飲み口と雑味のないすっきりとした後味に重点が置かれていますが、新作の「イカ天瀬戸内れもん味にぴったりの麦焼酎かのか」は、よりクリアな仕上がりになっているのがポイント。「イカ天瀬戸内れもん味」に合う、りんごのようなフルーティーで爽やかな香りと味が特徴です。

 

↑パッケージの裏にはコンセプトなどが書かれています

 

一方の「イカ天瀬戸内れもん味」は、広島県の尾道を拠点に、イカ天やのり天などを製造販売している「まるか食品」が2013年から発売している大ヒット商品。レモンフレーバーによる独自のさっぱりテイストやキュートなデザインで人気に火が付き、2021年には累計2000万食を突破したそうです。

 

↑「イカ天瀬戸内れもん味」。80gで税抜280円

 

↑「まるか食品」の公式ホームページより。女性に人気というのもポイントです

 

「イカ天瀬戸内れもん味」は、「かわいい」「癒される」という情緒的ベネフィットと、「私だけが知っている」というインサイトを獲得し、女性ファンを獲得したストーリーを持っています。そこで、飲用者の約70%が50代以上となっている「かのか」が“一度飲んでもらえれば若い女性にも気に入ってもらえるはず”という想いで、コラボレーションが実現したのです

 

 

柑橘とフルーティーな香味が水を得た魚のようにユニゾン

まずは「イカ天瀬戸内れもん味にぴったりの麦焼酎かのか」から飲んでみました。飲み方は、水割りかソーダ割、またはロックがオススメとのことで、水割りから試します。

 

↑水で割ると「かのか」の持ち味である香りが開くとともに、やわらかさもアップ。スムーズな飲み口で、どんな料理にも合う万能なおいしさです

 

↑ソーダ割り。炭酸の刺激が加わり、弾ける爽快感がフルーティーな香りとともに立ち上がります。脂っこい料理には特にぴったりかと

 

↑ロック。どっしりとしていながらキレがあって、こちらもこってりした味にマッチする爽やかさです

 

麦焼酎には、麦チョコを思わせるような甘香ばしいタイプも多いのですが、「イカ天瀬戸内れもん味にぴったりの麦焼酎かのか」のアプローチはライトで華やかな方向性。ドンピシャにマッチするという「イカ天瀬戸内れもん味」との相性はどうでしょうか。

 

↑手ごろなフィンガーサイズで食べやすいのも特徴

 

「イカ天瀬戸内れもん味」はカリッとサクッとしたクリスピーな食感で、印象的なのは果実味豊かなレモンの酸味。イカのうまみと揚げ油のパンチも効いていながら、後味さっぱりでクセになるおいしさです。そして、ここぞとばかりに「イカ天瀬戸内れもん味にぴったりの麦焼酎かのか」をひと口。すると、水を得た魚のように両者が口のなかでユニゾンします。

 

↑レモンのフレーバーと焼酎のフルーティーな香味が心地よく、止まらないおいしさです

 

爽やかなレモンとキリッとした「かのか」の組み合わせは、春を思わせるフレッシュなペアリング。なお、「イカ天瀬戸内れもん味にぴったりの麦焼酎かのか」は塩分や脂分に合う味わい設計なので、ほかのスナック菓子天ぷら、魚介系のつまみと相性がいいと思います。ぜひ今春の休日や晩酌に「イカ天瀬戸内れもん味にぴったりの麦焼酎かのか」を取り入れてみましょう。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

泡のワクワクが止まらない!「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」はビール界の発明だ

4月6日に、前代未聞の缶ビールが新発売されます(スーパーなどでは4月20日から発売)。その名は「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」。最大の特徴は缶の構造にあり、開けた瞬間から泡がふんわりと湧き出るのです。

 

↑「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」。340mlで、価格は既存の「アサヒスーパードライ」と同額を想定とのことで、200円前後だと思います(上記写真はサンプル。デザインは一部変更予定)

 

本稿では革命的な缶とフタの構造や、本家「アサヒスーパードライ」との違いはあるかなどを、飲み比べレポートとともにお送りします。

 

缶の天面がフルオープンする画期的なフタの構造

まずは缶をじっくり見てみましょう。本家「アサヒスーパードライ」と並べると、その差は一目瞭然。本家はほかのドリンクと同じく缶天面の一部が開口するタイプのフタとなりますが、「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」のフタは缶の全面が開く仕様となっています。

 

↑左が「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」の天面。指を入れる穴が大きく、缶詰のようにパカッと開けるタイプになっています

 

「アサヒスーパードライ」と成分を比べてみると、これに関しては完全に一緒。つまり、入っているビール自体はまったく同じということです。

 

↑内容量には違いがあり、「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」は「アサヒスーパードライ」より10ml少ない340mlです。これは泡が出るぶんを考慮してのことでしょう

 

「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」の裏面には、泡を楽しむ方法が記載されています。ポイントは温度。飲みごろは4℃~8℃で、12℃以上はふきこぼれ注意とのこと。

 

↑裏面。QRコードからより詳しい専用サイトに飛べるので、こちらもチェックしてみましょう

 

今回はなるべくこぼれないレベルで泡を最大限楽しみたいと思い、冷蔵庫で冷やしたあと5分程度置いてから開栓してみることに!

 

お店の達人が注いだような、超シルキーな泡!

↑おぉ~これはもはや大発明! 開けたそばから泡がふくらみます

 

これはスゴい! よく、缶を振ったビールなどはプシュッ!ドバァッーと吹きこぼれますが、「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」はまったく別物です。ゆっくりモコモコとふくらむうえ、この泡がきわめてシルキー。お店で達人が注いだような、超きめ細やかな泡になるのも魅力的です。

 

↑ホイップ感のある泡なので表面張力も強く、形をしっかりキープします

 

飲んでみると「アサヒスーパードライ」ならではの、シャープな刺激とキレッキレのノド越しは健在。この思わずプハーッとうなりたくなるウマさに、クリーミーな泡のふんわり感が加わって、ひと口目はメリハリも最高です。そして、天面が全開というのは香りの感じ方にも違いが出ると思いました。

 

↑缶と鼻の位置関係に注目

 

通常の缶では天面が香りの上昇をさえぎりますが、「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」はフルオープンなので、その香りをダイレクトに感じられるのです。ビールの味自体や余韻のニュアンスは同じかもしれませんが、ファーストインパクトには差があると思います。

 

↑定番の「アサヒスーパードライ」とも飲み比べ。味は同じでも、体感要素に違いが出ます

 

この違いを音楽で例えるなら、同じ曲をスピーカーで流しても、ボリュームの大小でダイナミクス(強弱)が変わるようなものでしょうか。ぜひ両方買って、違いを実感してみましょう。

 

↑見た目のフォトジェニックなインパクトも抜群です

 

なお、なぜこのような泡が出るのかを聞いたところ、缶の内側に特別な塗料でクレーター状の凹凸を焼き付けているからとのこと。この構造により、通常の缶からビールをグラスに注いだときに発生する泡よりも、きめ細かくなるように仕上げられているのだそうです。また、フタや飲み口の鋭利さは皆無で、安全なのもポイント。

 

↑フタと缶の飲み口は、飲料缶では初採用となる「ダブルセーフティー構造」を採用。手や口を切る恐れはありません

 

缶ビールはグラスに注がず、そのまま飲むという人は多いでしょう。ただしそんなビールファンでも、やはりお店のビールのほうがウマいと思っているはず。それはクリーミーな泡や香りが多少なりとも影響しているので、ぜひ「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」でリアルな生ビール感を確かめてみてください。

 

 

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ここまでやるのか! 手間暇かけた「新・麒麟特製レモンサワー」が格別のおいしさだった

近年、幅広い人から支持を受け、着実に市場を広げてきているレモンサワー。様々な商品が販売されていますが、中でも「せっかくならおいしいお酒を楽しみたい!」という方にとって、必見なのが「麒麟特製レモンサワー」です。

 

手間暇かけてこだわり抜いたおいしさと上質感が支持されている本品。「おいしい上質なお酒でお家時間をより良いものにしたい」という世の中のニーズと相まって、売り上げも年間販売数量が前年比約4倍※と非常に好調なのだとか。

※出荷実績2019年/2020年4-12月比較 販売容量

 

そんな「麒麟特製レモンサワー」が今年から、さらにそのつくり方とおいしさに磨きをかけてリニューアルしました。さらなるおいしさを実現したその背景には、「ここまでやるのか!」と驚いてしまうほどの、手間暇がかかっていました。

 

手間暇かけた“麒麟特製のつくり方”で格別のおいしさを実現

本当においしいレモンサワーを追い求めて、徹底的に研究を重ねた本品。上質なおいしさのために辿り着いた“麒麟特製のつくり方”には、3つのこだわりの製法があります。

 

1.麒麟特製のうまみエキス

複数の果実を12時間以上煮詰めて抽出する麒麟特製「うまみエキス」で、レモン果汁だけでは表現できない、味わい深いうまみを引き出します。

 

2.まるごとすりおろしレモンエキス

そこへレモンを皮ごとすりおろし、さらに低温熟成してうまみを引き出した「まるごとすりおろしレモンエキス」を加え、香りやうまみを引き立たせます。

3.味わいの異なる複数の追いレモン果汁

さらにレモンの風味豊かな味わいでおいしさを引き立てるため、レモンを皮ごと搾ったレモン果汁をはじめ、複数の方法で用意したレモン果汁が使われています。

 

従来の製法にとらわれることなく、徹底的にこだわりぬいた末、格別のおいしさを実現した「麒麟特製レモンサワー」。レモンの酸味・苦み・香りとほのかな甘みが複層的に調和した、風味豊かな味わいを生み出すため、しっかりと手間暇かけて丁寧に仕立てられていることがわかりますね。キリンのお酒づくりにかける熱い想いが強く感じられます。

 

「これはうまい!」深みのある味わいに感動

ここまで工夫を重ねてつくられたレモンサワーは一体どんな味わいなのか……期待が膨らんだところで、実際に編集部で試飲をしてみることに。

 

「こんな風味豊かなレモンサワーは初体験」

 

(編集部コメント)

「レモンサワーって“酸味”が強いイメージだけど、この『麒麟特製レモンサワー』は“苦味”や“うまみ”もあって、丁寧につくられたことがしっかりと感じられる。お家でこのクオリティのお酒が楽しめるのはうれしいなあ」

 

「後味すっきりで嫌なアルコール感がない」

 

(編集部コメント)

「後味に嫌なアルコール感がなくて、しっかりとレモンのうまみが感じられる! おいしいお酒をゆっくりと楽しみたい時にぴったり」

 

「こだわりを感じられる納得のおいしさ」

 

(編集部コメント)

「色々なレモンサワーがあるけど、この『麒麟特製レモンサワー』はしっかりとした深みのあるレモンの味わいを感じられるのがいいね。缶のまま飲むのも良いけど、グラスに注いでじっくりと贅沢感を味わいながら楽しみたいな」

 

 

おいしいお酒で上質なお家時間を

お酒好きの編集部員も「これはレベルが高い!」と口をそろえて絶賛した「麒麟特製レモンサワー」。現在、飲んだ感想をTwitterで投稿した方の中から、抽選で200名に「麒麟特製レモンサワー6本セット」が当たるキャンペーンを実施中とのこと。期間は5月10日(月)まで。購入した際は要チェックですね。

 

キャンペーンの詳細はコチラ

 

一日の終わりに上質なくつろぎの時間を与えてくれる「麒麟特製レモンサワー」。キリンがこだわり抜いた新たなおいしさを、あなたもリニューアルしたこのタイミングで体験してみてはいかがでしょうか。

 

■提供/関連リンク

キリンビール

麒麟特製レモンサワー

ノンアルにはない飲みごたえ!“0.5%の微アル”が決め手の新作「アサヒ ビアリー」は製法も前代未聞

3月30日に首都圏・関信越エリアの1都9県で先行発売された、アサヒビールの新商品「アサヒ ビアリー」。アルコール度数1%未満の“微アル”という、消費者のライフスタイルの変化に合わせた新しい提案です。本稿では、「アサヒ ビアリー」のスペックや開発された背景、そして実際に飲んでみた、味わいをレポートしていきます。

 

↑微アルコールの新カテゴリーを打ち立てた「アサヒ ビアリー」。希望小売価格は税抜181円です

 

「脱アルコール」の新製法で本格的な味わいを実現

2020年12月から、アサヒビールでは「スマートドリンキング」を提唱しています。これは2021年6月までに各商品の純アルコールグラム量を開示するほか、2025年までにアルコール度数3.5%以下の商品構成比20%を目指すという具体的なアクションとともに、お酒の飲み方の多様性を提案する取り組みのこと。

 

同社が目指すのは、お酒を飲める人、飲めない人、あえて飲まない人など、誰もがそれぞれのシーンや気分に合わせて、自分のペースでドリンクを楽しめる世界の実現。その取り組みの背景には、お酒に関しての世界的な潮流も影響しています。

 

↑様々な人々の状況や場面における “飲み方”の選択肢を拡大。多様性を受容できる社会を実現するために商品やサービスの開発、環境づくりを推進していくとか

 

さらに海外では、自らすすんで低アルコール・ノンアルコールを選ぶ「ソバーキュリアス」がトレンド。健康志向をはじめとする多様な考え方を受け入れ、「節度を持って自律的にアルコールと向き合う」というスタイルは、今後日本でも広がっていくことが予想されます。とある統計によると、すでに日本人の成人のうち半分はお酒を飲まないとか。そこには下戸で飲めない人だけでなく、飲めるけど自主的に飲まない人も多く含まれています。

 

↑アジアにおけるアルコール0~0.5%のボリュームは、まだ欧州と比べれば小さいものの、順調な伸長率で今後の成長が期待できるそうです

 

ただ、日本でソバーキュリアスが一般的になるには、課題があります。それは、日本国内で現在発売されているノンアルコール飲料・低アルコール飲料の満足度の低さ。アサヒビールの調査によると、およそ8割もの人が「ノンアルコール飲料」に味や飲みごたえで物足りなさを感じているという結果が出たそうです。そこで、低アルコールを実現しつつも、高い満足度を得られる商品として、「アサヒ ビアリー」が開発されたのです。

 

↑本格的なビールのおいしさと“微アル”を両立させた革新的な商品です

 

「アサヒ ビアリー」の商品コンセプトは、本格的なビールのようなおいしさを、シーンやペースに合わせて自由に楽しめる、ということ。そのために「脱アルコール」という新しい技術が採用されています。ざっくりいうと、普通のビールから、アルコール分だけを取り除くという製法です。

 

↑ビールらしい香味を残したままアルコールを除去するために、温度・圧力を変更しながら蒸溜試験を重ねること約100回。試行錯誤と試験製造を経て、最適な製造方法を見出したとか

 

まずは100%ビール由来原料を使用して、香り豊かでコク深いビールを醸造します。それからじっくりと時間をかけて、アルコール分だけを蒸溜して除去していくのです。そうすることで、ビールが本来持っている発酵による複雑な香りや、本格的な麦のうまみをキープ。きめ細かな泡もそのままで、上質なビールの飲みごたえを楽しめます。

 

ちなみに「アサヒ ビアリー」は法律上の区分では、ビールではなく炭酸飲料。アルコール度数を0.5%にした理由は、試作段階でいろいろと飲み比べた結果、味の評価が最もよかったからだそうです。

 

想像以上の飲みごたえ。料理にもよく合う

そんな、脱アルコールの新技術によって生まれた「アサヒ ビアリー」。第一印象として、黒を基調としたパッケージデザインが上質さを感じさせます。そしていよいよ、缶を開けて飲んでみることに。

 

↑黒ベースに映える金色の文字。パッケージの表面に施されたマットでザラッとした加工も、高級感を演出します

 

ん? 明らかにこれまでのノンアル系のビールよりも飲みごたえがあります。ベースがれっきとしたビールだからか、0.5%のアルコールが効いているからなのか、とにかくノンアルとは一線を画す“ビールの存在感”があります。

 

↑しっかりとした飲みごたえ。一口でノンアルとの違いを実感できます

 

グラスに注いでみると泡立ちもパワフルで、爽快感やのど越しも十分。一般的なビールに比べれば、麦のうまみや苦味といった輪郭はおとなしめですが、水っぽいとか味が薄いという印象はなく、ゴクゴク飲めるライトでやさしいビールといったニュアンスです。

 

↑泡の質感もきめ細かくて本格的です

 

↑これで微アルとは驚き。気軽に飲み進められます

 

せっかくなので、フードとのペアリングも試してみました。今回はビールと相性のいい揚げ物ということで、みそかつを用意しました。

 

「アサヒ ビアリー」の爽快感が肉や油のジューシー感を適度にリセットしてくれるのはもちろん、みそだれの甘じょっぱさと麦のうまみが調和して好相性です。繊細な和食から濃厚な洋・中の料理まで、しっかりマッチすると思いました。

 

↑アマノフーズから限定発売されている、人気の「フリーズドライの匠 みそかつ」(1食税別700円)を用意。様々な勝利と相性がよさそうです

 

「アサヒ ビアリー」は350ml缶で価格は税抜181円。一度ビールを作ってからアルコールを抜いていると考えれば、納得の値段といえるでしょう。まず関東の1都9県で販売されて、6月29日から全国で発売予定です。休肝日を設けたいけどノンアルでは物足りないという人、ビールは好きだけどすぐに酔ってしまうという人などは、ぜひ試してみてください!

 

 

 

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果実系チューハイ「アサヒ贅沢搾り」がリニューアル。飲めばリッチなほろよい気分に

酒類の市場で大きく伸長しているカテゴリーが、缶チューハイなどに代表されるRTD(=Ready To Drink、開封してすぐ飲めるドリンク)です。数ある商品群のなかでも、圧倒的な果実感で人気を博しているのが「アサヒ贅沢搾り」ですが、3月9日からリニューアルされていることをご存知でしょうか。

 

↑アサヒビールの人気RTDがリニューアルしました! 価格は350ml缶が141円、500ml缶が191円(ともに税抜)です

 

 

本稿ではアサヒビールが開催した発表会より、同ブランドの紹介や、トレンドに裏打ちされたリニューアルの背景、進化した商品の中身などについて解説します。

 

豊かな果実感で人気の「アサヒ贅沢搾り」シリーズ

2018年に発売された「アサヒ贅沢搾り」は、“果実感”にこだわった缶チューハイブランド。果実1個分もしくは1/2個分の果汁を使用した、贅沢な味わいが特徴です。他のメーカーからも果実系チューハイはリリースされていますが、そのなかでも果汁の割合が特に多い印象です。

 

2020年に一度リニューアルされたのですが、その際は“まるかじりチューハイ”というコンセプトのもと、果実をまるごとかじったような味わいを実現。シリーズの特徴だった果実感に磨きをかけました。

 

↑あふれる果実感をいっそう楽しむには、開栓前に缶を逆さにしてから飲むのがオススメ。これも「アサヒ贅沢搾り」の特徴です

 

商品リニューアルや期間限定フレーバーの発売などを積極的に仕掛けた結果、2020年のシリーズ販売箱数は計507万箱、前年比121%と過去最高になったそうです。これからもアサヒビールの主力RTD商品として、さらなる商品展開が期待されます。

 

 

「家でプチ贅沢を楽しみたい人」が増えている

そんな「アサヒ贅沢搾り」ブランドが、この春に再びリニューアルを実施。売れ行き好調だった同商品をあえて再リニューアルする背景には、コロナ禍における消費者のライフスタイルの変化がありました。

 

アサヒビールの調査によると、消費者が生活をするうえで「家族との食事や団らんの時間を持つ」「家でゆっくり過ごす」「趣味の時間を持つ」など、家の中での生活を充実させたいという意識が高まっているとのこと。例えばお取り寄せグルメを堪能したり、好きなお酒を自分のペースでゆっくりと楽しんだりといった“ちょっとした贅沢”への志向が見られたのです。

 

2020年に顕在化したもうひとつの傾向が、「酒類エントリー層」の増加です。これはもともと酒類をリピートしている人たちではなく、新しくエントリーする層。つまり、いままでお酒を買わなかったライトなユーザーたちの購入量が、コロナ禍を機に伸びているのです。

 

↑ライトなユーザーによる酒類の購入数が増えています ※アサヒビール社「アサヒ贅沢絞りリニューアル発表会」の資料より抜粋

 

そんな消費者動向を背景に行われた今回の「アサヒ贅沢搾り」のリニューアルでは、「たっぷり果実で、ほんのりよえる。」という新たなブランドメッセージを掲げ、果実の味わいをさらに強化。従来の果実系チューハイのユーザーだけでなく、若年層やちょっといいものを楽しみたいユーザーなど、幅広い層へのリーチを図っています。

 

果汁たっぷりの新商品をご紹介

それでは今回リニューアルされた商品をチェックしていきましょう。全体的な中味の特徴としては、熟した果実を食べた時のような豊潤な味わい。“食べごろ”の果物の、ジューシーな味わいとフルーティな香りがアップしました。アルコール度数は控えめの4%で、贅沢な果実感とほろ酔い気分を楽しめます。パッケージからも果実味と品質のよさを感じさせます。

 

↑グレープフルーツ果実1/2個分の果汁41%を使用した「アサヒ贅沢搾りグレープフルーツ」

 

↑食べごろのグレープフルーツのような、みずみずしい香りと、ジューシーな味わいが特徴

 

↑桃果実1/2個分の果汁31%を使用した「アサヒ贅沢搾り桃」

 

↑食べごろの桃のような、芳醇な香りと、ジューシーな味わいが特徴

 

↑キウイ果実1/2個分の果汁13%を使用した「アサヒ贅沢搾りキウイ」

 

↑食べごろのキウイのような、華やかな香りと、甘酸っぱく爽やかな味わいが特徴

 

↑レモン果実まるごと1個分の果汁14%を使用した「アサヒ贅沢搾りレモン」

 

↑食べごろのレモンのような、みずみずしい香りと、フルーティで好バランスな味わいが特徴

 

↑ぶどう果実1/2房分の果汁37%を使用した「アサヒ贅沢搾りぶどう」

 

↑食べごろのぶどうのような、みずみずしい香りと、ジューシーな味わいが特徴

 

これらの通年商品に加えて、今回の発表会では、期間限定フレーバーのパイナップル味もお披露目されました。こちらは2020年に実施したリニューアル記念キャンペーンの景品として作られたアイテムがベースになっています。飲んだユーザーたちから大好評で、商品化のリクエストが寄せられたことから、全国発売が決定しました。

 

↑パイナップル果実1/12個分の果汁25%を使用した「アサヒ贅沢搾り期間限定パイナップル」

 

↑パイナップルの芳醇な香りと、ジューシーな味わいが特徴

 

各商品を飲んでみると、やはりその果実感は圧倒的。気軽に飲めるRTDで深くジューシーな味わいを楽しめるのは、何だか得した気分になります。家飲みでちょっとリッチな気分を味わいたいときに、新しく生まれ変わった「アサヒ贅沢搾り」をお試しください!

 

 

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キリンの秘蔵っ子「496」の弟分が缶でデビュー! 飲んでみたら「フレンドリーすぎるクラフトビール」だった

大手ビールメーカーのなかで最もクラフトビールに注力しているキリンビールが、3月23日に新商品を発売しました。その名は「SPRING VALLEY 豊潤<496>(スプリングバレー ほうじゅん ヨンキューロク)」。

 

↑「SPRING VALLEY 豊潤<496>」。希望小売価格は350mlが248円、500mlが330円(ともに税抜)。完全数である調和のシンボル「496」が名称の由来となっています

 

クラフトビール好きの人ならキリンの496はご存知でしょう。ただ、従来の496とは味わいもブランディングも違うとのこと。また既存のクラフトビールブランド「グランドキリン」とも異なる戦略で展開していくとか。

 

↑「スプリングバレーブルワリー」直営店では3月1日から生樽で発売(税込780円/360ml~)。従来の496は「オリジナルヨンキューロク」として同価格飲めます

 

「SPRING VALLEY」というのは、約130年前に横浜で設立された「スプリングバレー・ブルワリー」という、日本で初めて商業的な成功を収めたビール醸造所のこと。そしてキリンビールの前身「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」は、その跡地に設立されました。つまりはオマージュ。

 

↑「スプリングバレーブルワリー」のホームページより。日本初のビアガーデンも、ここで生まれたそうです

 

この、原点ともいえるブランドを冠して全国発売するというところに、なみなみならぬ本気度が見えるのです。そこで改めて「クラフトビールとはなんぞや」という基本的なところに触れながら、商品発売の背景、味わいレポートなどをお伝えしていきます。

 

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クラフトビールがCMで流れる時代が来た!

クラフトビールは、小規模な醸造所で職人たちが作ったビールを手工芸品(クラフト)に例えたのが始まりとされていて、アメリカのビール醸造者協会「ブルワーズ・アソシエーション」では、クラフトビールメーカーを「1.小規模であること 2.独立していること 3.伝統的であること」と定義しています。ただし現在では世界的な規模に成長したクラフトブルワリーもあり、小規模とは限りません。キリンとしては「造り手の完成と創造性が楽しめるビール」「パッションが感じられるビール」と考えているのこと。

 

↑オンライン体験会にて。キリンビールの田山智広マスターブリュワー(左)と、同社スプリングバレー マーケティング担当の吉野桜子さん(右)がいろいろ教えてくれました

 

なおクラフトビールは比較的高額であり、同様に高額であるプレミアムビールとの違いはどこにある?と思う人もいるでしょう。こちらに関してはひとついえることは、プレミアムビールは高品質な素材や贅沢な造り方を用いることで、プレミアムでないビールと差別化をはかったもの。ヒエラルキー(階層的構造)のもと階級で分けられ、上位に位置付けられているビールともいえるでしょう。

 

一方のクラフトビールは優劣や階級を位置づけず、多様な味を楽しむビールです。価格がプレミアムビール以上に高いものが多いのですが、それは個性的な味を目指して希少なホップや副原料などを大量に使っているから、乳酸発酵や木樽熟成など特殊な製法を用いているからという理由がほとんどです。

 

↑「SPRING VALLEY 豊潤<496>」も目指す味わいを求めた結果、「キリンラガービール」の1.5倍の麦芽量、希少な4種のホップを組み合わせで造られています

 

クラフトビール大国・アメリカからのトレンド派生や多様化の流れなどで、日本でもクラフトビールの造り手と飲み手が増えています。ではなぜキリンは今回、「SPRING VALLEY 豊潤<496>」を新発売するのでしょうか。そこには「ビール類市場をもっと魅力化・活性化させたい」という想いがあり、そのためにはクラフトビールのさらなる認知拡大と飲用体験の創造が欠かせないから、ということなのです。

 

↑体験会の資料より。キリンはこれまでも、クラフトビールを盛り上げるための施策をいくつも展開しています

 

これは、クラフトビールが盛り上がっているとはいえ、飲んだことがない人はまだまだ多いということなのでしょう。そこで、コンビニやスーパー、ドラッグストアなど身近な店で販売していくのはもちろん、大定番の「一番搾り」「本麒麟」同様にCMなどでプッシュし、商品を認知させていくとのこと。クラフトビール商品がCMで流れるというのは、きわめて画期的。ここにもキリンの本気度がうかがえます。

 

そんな「SPRING VALLEY 豊潤<496>」は、いったいどんな味わいなのでしょうか。いよいよ飲んでみることに。

 

個性的な味ながら飲み疲れなくてフレンドリー

前述したように、「SPRING VALLEY 豊潤<496>」は「キリンラガービール」の約1.5倍となる麦芽を使い、ホップは4品種をブレンド。また、発酵中にホップを投入して7日間じっくり漬け込むなど、キリン独自の「ディップホップ製法」という香り付けで、苦味は抑えながら豊潤な香りを実現しているのが大きな特徴です。

 

↑一般的な金色のビールに比べると、濃いめのアンバーカラー。なお、多くのクラフトビールは香りが魅力なので、グラスに注いだほうがよりおいしく楽しめます

 

飲んで感じるのは、クラフトビールらしいインパクトがありながら、重厚感や鮮烈な香りがいい意味で抑えられていて、バランスよくまとめられているところ。コクは濃厚ながら重すぎず、苦味はあってもキツすぎず、余韻はすっきりしていてキレも十分。香りは柑橘系も感じさせつつフローラルなほうに寄っていて、エレガントな方向性です。

 

↑泡のきめ細やかさやボリュームも印象的。多くのクラフトビールは泡に特徴をもたせないのですが、あえて泡立ちを前面に押し出しているのもポイントです

 

コクが豊かで香りが華やか。味のボリュームがありながら、後口がクリアでのどごし爽快。クラフトビールは個性的な味わいが特徴なので、慣れていれば気になりませんが、何杯も飲めないという人も少なくないでしょう。この「SPRING VALLEY 豊潤<496>」はそういった飲み疲れがないフレンドリーなおいしさになっていて、どんな料理にもよく合う味となっています。

 

↑「缶つま」の「厚切りベーコンのハニーマスタード」とともに。マスターブリュワーの田山さん曰く、「SPRING VALLEY 豊潤<496>」はロースト麦芽を使っているため、スモークやローストした料理とよく合うそうです

 

また、特にチーズを使った料理との相性が抜群で、トマトなどの酸味やスパイス、ハーブなどにもよく合うとのこと。筆者はチーズケーキやピザと合わせてみましたが、確かにお互いの個性を引き立て合うおいしさで、ベストペアリング!

 

↑チーズケーキなら、コク深いベイクドタイプがオススメ。バスクチーズケーキも絶品です

 

↑ピザにビールという組み合わせは鉄板ですが、香りやコクが豊かな「SPRING VALLEY 豊潤<496>」は、よりリッチなおいしさを演出します

 

「苦味が強いクラフトビールはちょっと」「クリーミーな泡がビールの魅力」「爽快感やのどごしが大事」といった、従来のビールファンも満足できるはずの「SPRING VALLEY 豊潤<496>」。価格が比較的手ごろで、身近な店で買える手軽さも嬉しいこの新商品、ビール好きの人はぜひ飲んでみてください。

 

 

 

今キテる「紹興酒」の多彩な飲み方&テイクアウトで楽しむ「家中華」

おうち時間の増加で、中華料理のテイクアウトやデリバリーを自宅で楽しむ方も多いはず。今回は、自宅で中華料理を楽しむシーン=「家中華」に合う紹興酒の飲み方をご提案します。

おかずにもつまみにもなり、バラエティが豊富でコストパフォーマンスも高い中華料理。そんな中華料理に合うお酒といえば、真っ先に思い浮かぶのが紹興酒です。

 

とはいえ、イメージはできるものの、紹興酒は飲み方がよくわからない……という方も多いでしょう。そこで今回は、お酒と中華料理に関わりの深い3人が人気のテイクアウト中華を持ち寄り、紹興酒とのペアリングを提案する試飲&試食会を実施。以前公開した「紹興酒の基本」の記事を参考に、紹興酒の多彩な飲み方に合う料理をご紹介していきます。家で試してみたくなるペアリングばかりなので、ぜひ参考にしてみてください!

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

【今回紹介するペアリングの料理はこちら】

 

3人の酒好きが、紹興酒の多彩な飲み方とペアリングを提案

「家中華」の試飲&試食会に集まったのは3人の酒好きたち。今回は、GetNavi web編集部の小林史於(こばやし・しお)と、フードライターの中山秀明(なかやま・ひであき)さん、中華料理の識者である菊池一弘(きくち・かずひろ)さんが参加します。

↑フードアナリストでもある中山秀明さん(左)は、紹興酒や中華料理関連の取材・執筆も多数。「中華料理もっと向上委員会」で議長を務める菊池一弘さん(中央)は北京への留学経験があるうえ、以降も2019年までは毎年訪中していたそう。紹興酒の故郷・紹興市を訪れたこともあり、紹興酒にも造詣が深いです。小林史於(右)はきき酒師の資格を持ち、紹興酒も大好き

 

試飲&試食会で使うのは、塔のマークと赤いラベルで日本でもおなじみの紹興酒「塔牌(とうはい)」花彫 <陳五年>です。こちらをベースに様々な飲み方を試しつつ、各人が持ち寄ったテイクアウトの中華料理と組み合わせて、自由にディスカッションしていきます。

↑紹興酒「塔牌」花彫 <陳五年>。「塔牌」は伝統製法にこだわり、水質が最も安定する冬季にのみ仕込むため、味わいも香りも豊かなのが特徴です

 

ロックはうまみが凝縮された「腸詰」と合わせて

小林 みなさん、本日はよろしくお願いします! 紹興酒の飲み方といえば、ロックかストレートというイメージですよね。まずはそれに合う料理から知りたいです。中山さん、どんな料理がオススメなんですか?

 

中山 ロックには、羊肉の腸詰なんてどうでしょうか。紹興酒は日本酒よりもアルコール度数がやや高く(16度)、ロックにすることで味がキュッと引き締まるので、うまみを凝縮させた腸詰が合うと思って選びました。冷菜なので温度帯も合うと思いますよ。どうぞ、合わせてみてください!

↑紹興酒のロックには羊肉の腸詰を合わせていきます

 

菊池 うん! 羊独特のコクが紹興酒の旨みとマッチして、いいですね。定番の豚肉の腸詰や、甘めの台湾腸詰も合いそうです。

 

小林 腸詰ってどことなくサラミの味に似ているから、サラミでも合いそうですね! ほかの料理だとどうですか?

 

中山 チャーシューなどの肉系のおつまみが合いますよ。野菜なら千切りじゃがいもの中華サラダ、中華風のたたききゅうりといったラー油を効かせた冷菜にも合うと思います。

 

ストレートは濃厚な「トンポーロー」と相性バツグン

小林 続いて、紹興酒のストレート。「紹興酒の基本」で習った通り、こちらは大ぶりのワイングラスで飲むのがいいんですよね。相性のいい料理として、トンポーロー(豚バラ肉の煮込み)をご用意いただきました。

↑紹興酒のストレートとトンポ―ローを合わせます

 

中山 トンポーローは、紹興酒の故郷、紹興市がある浙江省(せっこうしょう)の郷土料理。沖縄だったら泡盛にラフテー(豚角煮)を合わせるように、同じ地域のものを合わせてみました。あとは、八角を使うのがトンポーローの特徴なんですが、その独特なフレーバーが紹興酒とマッチするはずです。

 

小林 なるほど、いただきます! ……おお、確かにウマイっ! 濃厚な味わいに紹興酒の旨みが絡み合って、まろやかさが増した気がします。ああ、八角の甘い香りがまた、紹興酒と合うんだな……。常温の紹興酒は口当たりがスムーズで、トンポーローとの相性も抜群です!

菊池 そもそもトンポーローは紹興酒を使うレシピが多いので、相性は間違いないですよね。あと、浙江省は醤油や砂糖をよく使う文化圏で、この甘辛い味付けに紹興酒はドンピシャです。

 

中山 その意味では、中華ちまきなども合うと思いますよ。浙江省の嘉興(かこう)市は、ちまきが有名な街ですしね。

 

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ウイスキーの達人が明かす「バーでの敬意ある飲み方」と「バーボンへの思い」の噺

「世界一のバーテンダー」が語る! 初心者に伝えたい「バーのキホンと選び方」の噺

 

燗には「ブロッコリーの塩にんにく炒め」がオススメ

小林 では、続いて菊池さん、「紹興酒の基本」でも紹介した燗にオススメの料理を教えてください!

 

菊池 ブロッコリーの塩にんにく炒めはいかがでしょうか。燗のやさしい口当たりに、野菜本来の甘味と乳化した油のとろみが効いたまろやかな味がすごく合うんです。

↑紹興酒の燗とブロッコリーの塩にんにく炒めのペアリング。紹興酒の温め方は、湯せんでも電子レンジでもOK。40℃ぐらいのぬる燗がオススメ

 

中山 いただきます! おお、すごく合いますよ、これ! いつまでも食べていたくなる……そんな、幸せな組み合わせです。

 

菊池 でしょう? 野菜は豆苗やチンゲンサイのような青菜でもいいですよ。

 

小林 なるほど…それもそうですが、紹興酒の燗ってこんなにウマイんですか!?  前回は「紹興酒は乳酸が多く、乳酸は温めると味わいがふくらむ」と教えてもらいましたが、本当に丸みが出て、香りも立ちますね。激ウマです!

 

菊池 ホントですね! 改めて飲みましたが、こりゃウマイ!

 

中山 確かに。ああ~ウマイ……(一同、しばらく燗の旨さに浸ります)

菊池 ちなみに、中華の甘味と紹興酒の燗を合わせるのもオススメですよ。

 

小林 中華スイーツというと、ごま団子などですか?

 

菊池 はい。ごま団子もそうですが、あんこ系は合いますね。イチオシは月餅(げっぺい)です。月餅はあんにラードを練り込むことが多く、そのこってりした甘さが、燗をした紹興酒とよく合うんですよ。

 

小林 へえ、あんこと紹興酒が合うなんて。今度試してみます!

 

 

紹興酒の炭酸割り「チャイナハイボール」の美味しいレシピとは?

小林 さて、ここからは、紹興酒を割り物で割るライトな飲み方も提案したいと思います。なかでも、これからの季節は爽やかな炭酸割りのニーズが高まるはず。ということで、紹興酒の炭酸割り、通称「チャイナハイボール」のおいしい作り方を事前に中山さんに研究してもらいました。中山さん、お願いします!

 

中山 はい! 色々試したんですが、紹興酒と炭酸水(炭酸)の割合は紹興酒1に対して炭酸2(アルコール度数5%強)というのがベストだとわかりました。1杯の目安は紹興酒が90ml、炭酸が180mlですね。もうひとつのポイントは、甘味を加えること。砂糖はとけにくいので、ガムシロップを入れましょう。冷たくして炭酸で割ると、紹興酒の甘味がおとなしくなるので、そこを補強するイメージですね。

↑紹興酒の量は炭酸の半分が目安

 

↑ガムシロップを投入。量は紹興酒が90mlであれば10~15ml(ポーション1個分)が目安。ガムシロップの代わりにはちみつや黒みつを使ってもOKです

 

小林 なるほど。作り方のポイントはどこですか?

 

中山 氷に紹興酒とガムシロップを注いだら、炭酸を注ぐ前にしっかり混ぜて冷やすことですね。あとは、炭酸を注ぐときも炭酸ガスが飛ばないようにやさしく注ぎ、仕上げのステア(かき混ぜること)もゆっくりと。ちなみに、今回は用意していませんが、レモンスライスを浮かべると、ほど良い酸味が味を引き締めてくれるのでオススメですよ。

↑炭酸を注ぐ前に、しっかり混ぜるのがコツ。マドラーを使って氷を水平方向に動かします

 

↑炭酸は少しずつゆっくり注ぎましょう

 

↑最後に上下の濃さを均一にすることを意識しながら、ゆっくり1~2回混ぜれば完成!

 

小林 では、完成品を単独でいただきます! おっ、グッとのどごしが良くなって、爽やかになりました。飲みやすいし、複雑な旨みと香ばしさも感じられます。うん、絶妙な味加減。さすがは中山さんです!

 

中山 ありがとうございます! ちなみに、僕は紹興酒のトニックウォーター割りもすごく好きです。甘味を足す必要がないですし、トニックウォーターの風味がよく調和しますから。こちらもぜひ試してみてください!

 

酒噺の人気シリーズ「東京・大衆酒場の名店」のバックナンバーはこちら▼

・第1回 【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

・第2回 【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

・第3回 【東京・大衆酒場の名店】伝説の「三祐酒場」で聞く「元祖焼酎ハイボール」発祥の噺

・番外編 大衆酒場の酎ハイに欠かせない「下町炭酸」を飲み比べる噺

 

チャイナハイボールには「焼売」と「餃子」がドンピシャ

小林 ではペアリングに戻りましょう。さきほどレクチャーいただいた「チャイナハイボール」に合わせる料理として、定番の焼売(シウマイ)はいかがでしょうか。爽やかな飲み口が、焼売の油っこさを切ってくれると思います。

↑チャイナハイボールと大ぶりの焼売をペアリング

 

菊池 その着眼点はいいですね!  焼売は肉のうまみや玉ねぎの甘味がよりピュアに感じられるから、それが紹興酒の甘さと引き合うはず。…うん、やっぱり合う!

小林 では、続いて菊池さん、もうひとつ炭酸割りとのペアリングを提案して頂いたんですよね。

 

菊池 はい、炭酸割りにはやっぱり餃子。紹興酒がベースなら、肉のうまみが力強い羊肉の餃子がいいと思います。こちらは羊肉料理が有名な、都内で人気の「味坊」グループでテイクアウトしました!

↑チャイナハイボールと羊肉の餃子をペアリング

 

小林 あぁ、ジューシーで独特の風味がある羊肉、皮のサクサク感があいまってパンチ力がスゴイ! これは爽やかなチャイナハイボールがぴったりです!

 

中山 チャイナハイボールは、ウイスキーのハイボールと違って、オリエンタルな香りが絶妙ですよね。この妖艶なフレーバーは、羊だけでなく、パクチー、セロリ、しそなどパンチのある香りには間違いなく合うと思います。

 

ウーロン茶割りには酸味が際立つ「黒酢の酢豚」がマッチ

小林 紹興酒のウーロン茶割りもさっぱり飲めていいですよね。これに合わせるなら、黒酢の酢豚はどうでしょう。なんとなく、ウーロン茶の独特な酸味が、黒酢の酸味にマッチするかなと。

↑ウーロン茶割りと黒酢の酢豚をペアリング

 

菊池 おお、これはいいですね! ウーロン茶は発酵茶葉で独特の渋味があり、発酵食品との相性がいい紹興酒がマッチしています。黒酢はうまみ成分のアミノ酸が豊富ですから、同じくアミノ酸の多い紹興酒と合うんでしょうね。ウーロン茶割りならホイコーローや麻婆豆腐といった、濃くてピリ辛の料理もよく合うと思いますよ。

中山 ウーロン茶自体が濃厚な料理に合いますからね。前菜の点心系には炭酸割りでさっぱりと、中盤のこってり系にはウーロン茶割りですっきりと楽しむのもありだと思います。

 

ジャスミン茶割りと「発酵白菜と豚肉の炒め物」は相性バツグン

菊池 では、私から最後の提案です。ジャスミン茶割りと「酸菜炒肉」(スァンツァイチャーロー)のペアリングはいかがでしょう。この料理は発酵白菜と豚肉の炒め物。発酵白菜はいわゆる漬け物で、酸味のあるさっぱりした味わいですよ。

↑香り豊かなジャスミン茶割りと酸菜炒肉を合わせます

 

小林 この料理、クセになるウマさですね! 発酵白菜の酸っぱさと塩味がやさしく調和して、豚肉の脂とひとつにまとまっている印象。白菜の酸味が、軽やかなジャスミン茶割りとバッチリ合います!

 

中山 ジャスミン茶割りもフルーティでおいしい! 香りのニュアンスが変わって面白いです。

 

菊池 知らない人が飲んだら、「これは何のカクテル?」ってなりそうですよね。女性にもオススメです。この味わいなら、八宝菜のような塩味の野菜料理もマッチするんじゃないでしょうか。

 

「家中華」で紹興酒を多くの人に楽しんでもらいたい

小林 いやー、本当にすべての組み合わせが美味しかったです。これが家で楽しめるってすごいことですね。お二人は今回の試飲&試食会を振り返ってみて、いかがでしたか?

 

中山 紹興酒のおいしさを再認識しました。王道のストレートや燗も抜群にウマイですし、中華料理に合わせると止まらなくなりますね! 炭酸割りをはじめ、いろいろな割り方も研究できて勉強になりました。

 

菊池 僕も面白かったです。紹興酒って中華料理好きや玄人向けのお酒というイメージがあると思いますが、割ればアルコール度数も下がりますし、ライトに楽しめて可能性が広がりますよね。あと、やっぱり中華料理との相性がピカイチ! 僕自身、これからいっそう声を大にして、紹興酒と中華料理との相性のよさを叫んでいきますよ!

 

小林 確かに、「家中華」で紹興酒は間違いのないスタイルですよね。やろうと思えば手軽にできますから、ぜひ多くの人に試して頂きたいところです。お二方、本日はありがとうございました!

撮影/中田 悟

 

記事に登場したお酒はこちら▼

・紹興酒「塔牌(トウハイ)」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/touhai/

 

・紹興酒「塔牌」花彫 <陳五年> 600ml

https://www.takarashuzo.co.jp/tkr-shohin/cmn_p_detail.php?p_prodid=2275

 

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コロナなんかぶっ飛ばせ! 渋谷のカフェが「エナジービール」を発売!! 飲んでみた

渋谷といえば、東京都内でも最も流行に敏感な街でもある。そんな渋谷の街中のカフェがCBDビールという名前のビールを発売した。CBDとは、「Corona Break Days」の略。「コロナを壊す日々」といった意味だろうか。そんな勇ましい名前が話題となったのか、12月に売り出した初回生産分が完売。増産分を売り出し、好調な売れ行きを示しているとか。どのような理由で、この名前にしたのか、販売するカフェを訪ねた。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

【CBDって何①】CBDの粉を含むことからCBDビールと名付けた

CBDビールを発売したのは株式会社LD&K。渋谷の「宇田川カフェ」などカフェ・レストランを中心にバーやスナック、炭火焼ジビエや火鍋専門店、ライブハウス、ゲストハウスなど全国で33店舗を展開している。

 

コロナ禍で同社も厳しい現状に直面してきた。そうしたなか、何とか明るく元気になればと思って発売したのが、CBDビールだった。

 

昨年の12月17日に発売を始めたところ、またたく間に用意した2100本が売り切れとなってしまう。宇田川カフェの店売り890円、直売価格が700円。また東急百貨店では490円、通販でも3本入り1800円(それぞれ税別)と、ビール(330ml/瓶売りのみ)としては高い印象であるのに関わらずだ。CBDビールには、チル(chill)&リラックス(relax)という、いわばサブタイトルのような名前がプラスされている。チル&リラックスは「落ち着いてリラックスする」という意味だろうか。

 

どのような内容のビールなのか深堀してみた。

↑渋谷の「宇田川カフェ」で飲むことができる「CBDビール」(左)。右は渋谷を元気に、と6年前から販売の「シブヤビール」

 

CBDビールは通常のビールとは異なり、CBDの粉末と、レモンの皮成分が含まれている。CBDとはカンナビジオールのこと。最近は、コーヒーや化粧品、ハチミツなどにもこのCBDを含んだ製品が出されるようになっているので、流行に敏感な人たちの中には、この成分名をご存知の人もいるのではないだろうか。

 

とはいえ、カンナビジオールという成分名を聞いても、なかなかピンとは来ない。このCBDビールを発売する株式会社LD&Kの水野直人さんは次のように話す。

 

「『CBDと言ってもなかなか伝わらない。ならばコロナ・ブレイク・デイズとしてもおもしろいのでは』と言うスタッフがいたんです」。そうした言葉の遊びから商品名は「Corona Break Days(コロナ・ブレイク・デイズ)」となったようだ。

 

では、カンナビジオールとは何なのだろう。実は大麻草に含まれる天然成分だと言う。それって“やばくない”?

 

【CBDって何②】日本でも正式に認可された安全な天然成分

大麻草というと、ついすべてが不法なのではと考えてしまう。実は大麻草の成分の中ですべてが悪者というわけではない。陶酔感を引き起こす成分はテトラヒドロカンナビノール(THC)とされる。対してカンナビジオール(CBD)は、依存性がなく安全でさまざまな薬効成分が含まれ、医薬品にも使われている素材だ。

↑CBDビールのパッケージは脳波が脈打つようなイラストが描かれる。原材料を見ると麦芽などとともにCBDの文字が入る

 

人間の体に悪さを仕掛けるTHCとCBDは全く別物を考えて良い。日本国内でCBDは正式に役所が認可した天然成分である。薬にも活かされている。また適度のリラックス効果などももたらすとされている。

 

振り返って日本の歴史をたどってみれば、大麻を含む麻は着物などにも使われ、暮らしに密着してきた。麻布など「麻」が付く地名もある。しめ縄や、神事で使われるおはらいは、実は大麻(おおぬさ)が使われているのだ。

 

【CBDって何③】少しばかりCBDビールを試飲させていただいた

それでは、ということでCBDビールを少しだが、試飲してみた。口に含むと地ビールに多いエールの味が薄く感じられる。筆者はどちらかといえば、エールがあまり得意ではないので、この味が薄れているのはうれしく感じられた。またレモンの皮成分が入っているそうで、フルーティな印象で軽やかさがあった。さて、CBDの効果は?

 

仕事上に飲んだということもあり、残念ながらリラックスとはいかなかった。渋谷では「宇田川カフェ」ほか、「宇田川カフェ別館」「cafe BOHEMIA」などで楽しむことができる。

 

このCBDビール、皆さんはどのように感じられるだろうか。ぜひ試していただきたい。

 

↑渋谷ロフトに隣接する宇田川カフェ。通常時の営業は11〜翌5時だが緊急事態宣言中は20時までの営業となる。TEL03-6416-9087

 

↑宇田川カフェは鮮やかな青色の外壁とお洒落な内装のカフェ&レストラン。撮影スポットとして使われることも多い

 

↑CBDビールに合うと人気の渋谷キーマカレー(1100円・税別)。エスニックな味とCBDビールが相性ぴったり

 

 

知っておきたいワインの蘊蓄|ソムリエが解説する「イタリアワイン」の5産地にまつわる話

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地について、キーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていくこのシリーズ、「フランス」に続く今回は、「イタリア」。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】ワインの世界を旅する 第1回 ―フランスと5つの産地―

 

イタリアワインを旅する

紀元前にイタリアに入植したギリシャ人は、イタリアの地を“ワインの大地=エノトリーア”と呼んだといわれています。現代でも、イタリアのように国中の全土と言っていいほど、さかんにブドウ栽培が行われている国は珍しく、フランスと肩を並べるほどのワイン生産国。20州それぞれの多様な個性を表現したワインは、その文化と郷土料理と相まって、多くの人を魅了しています。

 

ですが裏を返せば、その多様性はイタリアワインを“難解で選びにくいワイン”にしていることも事実です。その原因のひとつには、現在進行形で議論されていますが、ラベル表示のわかりにくさが挙げられるでしょう。州ごとの個性とはいっても州の名前自体は記載されておらず、「DOCG」や「DOC」、そして「IGT」といった原産地呼称と合わせて消費者目線に立ったラベル表示は、これからイタリアワインがより個性を発露するためにも、課題としてとらえ解決に取り組む必要があるのではないでしょうか。

 

今回は、初心者に向けたイタリアワインの入り口として、代表的な5つの州と5つのワインをご紹介しながら、私が考えるよりわかりやすいイタリアワインの表示と、イタリアワインの選び方をお伝えすることができればと思います。

・ピエモンテ州
トスカーナ
シチリア
ヴェネト
トレンティーノ=アルト・アディジェ

 

ピエモンテ州 ~尾根に連なる美しいブドウ畑と「バローロ」~

ピエモンテの州都トリノは、2006年に冬季五輪が開催されたことでも知られるほか、サッカーチーム「ユヴェントス」のホームタウンといえば、ワインに馴染みのない方でもピンとくるかもしれませんね。

 

19世紀、イタリア王国時代には首都だったということもあり、歴史のあるバロック建築の街並みは荘厳で、往時を想像させる魅力的な都市です。当時からそのままに残る数々の老舗カフェで、原産地呼称指定されているチョコレートドリンク“ビチェリン”を楽しむのも、トリノでの素敵な時間の過ごし方です。

ホットチョコレート、エスプレッソ、生クリームの3層からなる、トリノ伝統の飲料。カフェ・アル・ビチェリンが発祥とされます

 

このピエモンテは、イタリア屈指のワインの銘醸地でもあります。トリノの南東に位置するランゲ&ロエーロ地方では尾根が複雑に絡まりあい、東西南北の斜面にはブドウ樹、平地にはヘーゼルナッツが整然と並び、世界でも類を見ないほどに美しい田園風景が望めます。そんなランゲ&ロエーロのみならず、イタリアを代表するワインのひとつが「バローロ」。バローロ村を中心にカスティリオーネ・ファレット、セッラルンガ・ダルバ、モンフォルテ・ダルバ、そしてラ・モッラの五つの村周辺の畑、バローロの丘に植えられた晩熟のネッビオーロから造られるバローロは、長い熟成を必要とする骨太で重厚な果実とタンニンを持つものから、鮮やかにも感じる芳香を早いうちから楽しめるタイプまで幅広く、ブルゴーニュと比較されるほど、バローロの丘の地質や環境は多様なワインを産み出します。「王のワインにして、ワインの王」ともいわれ、高級イタリアワインの重厚なイメージがあるかもしれませんが、下で紹介する「レヴェルディート」などラ・モッラ村周辺で造られるものは比較的軽やかでリーズナブルなものもあり、初めてバローロに親しまれる方にはおすすめです。

 

バローロの中だけでも、前述したいくつかのエリアでワインのキャラクターは違います。もちろん生産者によって畑を飛び地で所有していることもありますし、ブルゴーニュのように、より地域表示を明確にすることで“テロワール表現”というワインの最大の魅力を表現していくことができるように思います。

 

バローロを飲む機会があったならば、そのワインがどの地域で造られたものなのかを意識してみると、“王のワイン”もより身近なものになるのかもしれません。

 


Reverdito(レヴェルディート)
「Barolo2016(バローロ2016)」
5000
輸入元=ミレニアムマーケティング

 

次のページで取り上げるのは、キャンティ・クラシコで知られる産地、トスカーナです。

トスカーナ ~歴史ある「キャンティ・クラシコ」は、今も進化し続ける~

フィレンツェの南、シエナの北に、「キャンティ・クラシコ」の畑は広がっています。イタリアワインにおいて“クラシコ”とは元来、銘醸畑として認められていたエリアを指しますが、とくに“キャンティ”はラッダ、ガイオーレ、カステッリーナに加えグレーヴェが、18世紀に線引きされた歴史のあるクラシコといえます。これは現在の原産地呼称のオリジナルともいえる、画期的な出来事でもありました。

 

けれどもキャンティ・クラシコとキャンティの“サブ・ゾーン”(キャンティ〇〇とエチケットに記載)、キャンティとだけ表示された広域ワインのエチケットには、どれも「Chianti」の表示が。ワイン初心者にとっては、その品質の差の割に、店頭では区別のつきにくいワインとして長く流通してきたのです。“キャンティ”という響きが銘醸ワインの響きも併せ持っていること、一時期の大量生産の広域ワインが多く流通したことも、日本の消費者にとってはハズレの多いワインのような印象を与えてしまったように思うのです。

 

2014年に、「グラン・セレツィオーネ」という単一畑のキャンティ・クラシコの最上位にあたる新しい呼称が設けられ、キャンティ・クラシコはその品質に見合った高級ワインのイメージを取り戻そうとしています。キャンティ・クラシコの地域ごとの個性、そしてその単一畑の個性が評価されていくのも、これからのことです。例えばボルドーのように、生産者の格付けのようなものが制定されたなら、格付けシャトーとAOCボルドーとの差以上に、優れた生産者と単一畑とキャンティのサブゾーン、広域キャンティがより消費者にとってわかりやすく、また素晴らしいワインを産み出すことにつながらないかと日々夢想しています。

 

長い時間が必要だとは思いますが、イタリアワインを代表する銘醸ワインとして、キャンティ・クラシコがこれからワインを親しむ方にとっても、とっておきの選択肢になることを願っています。

 

そう、フィレンツェの名物料理といえば、赤身のキアーナ牛の「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」。ステーキに合わせるワインとしてキャンティ・クラシコを選べるようになったなら、相当なワイン愛好家といえることでしょう。

 


Rocca di Montegrossi(ロッカ・ディ・モンテグロッシ)
「Chianti Classico2017(キャンティ・クラシコ2017)」
3800
輸入元=ミレニアムマーケティング

 

3つ目に紹介していただくのは、シチリアです。

シチリア ~地中海最大の島にしてイタリア最大の州~

地中海に浮かぶシチリアは、さまざまな文化の影響を受けてきた土地でもあります。ことワインに関しても、アグリジェント市のギリシャ神殿、ピアッツァ・アメリーナのローマ時代のモザイク、パレルモのムーア人の寺院などなど、地中海における宗教の歴史的な遺産を今も多く残しています。

 

ただ、イタリアワインの世界では、ほんの四半世紀前まで輸出用ワインを大量に、それこそイタリア最大規模の生産量を産出する個性のない地域でもありました。それからの10年で、シチリアワインは量から質へ、大きな転換を果たし、ブドウ畑の面積はほとんど変わらないものの、生産量は3割以上減らしました。パレルモ周辺の協同組合も土着品種への関心を高め、さまざまなルーツを持つマスカット品種もまた、成功を収めつつあります。

 

そして、安定して高品質なワインを産み出すようになった産地として、シチリア島の東にあるエトナ山が挙げられると思います。エトナ山は、オリーブやピスタチオ、さまざまな果樹が育つ豊饒な火山灰土壌が特徴で、黒ブドウは「ネレッロ・マスカレーゼ」、白ブドウは「カリカンテ」が、約800mの標高に植えられています。高品質ワインが造られるようになったのはここ最近のはずなのに、品質の安定感はイタリアワイン随一といっても大げさではないほど。徐々に価格も上がってきている銘柄もありますが、ワインショップで見かけたら、ぜひ一度お試しいただきたいとおすすめできる銘柄です。

 

写真の「エトナ・ロッソ」は、スパイスの効いた鮮やかなベリー系の果実に芯のあるストラクチャー、軽やかで、魚介にも肉料理にも幅広く合わせられるワインです。あまりにも幅の広いシチリアのワインも、西と東や南などのイメージがワイン初心者にも伝わるようになったなら、ワイン選びももっと楽になるのかもしれません。

 


Valenti(ヴァレンティ)
「Etna Rosso“Norma”2014(エトナ・ロッソ“ノルマ”2014)」
3200
輸入元=ミレニアムマーケティング

 

4つ目は、中世の街並みを残すヴェローナを擁す、ヴェネトにまつわる話。

ヴェネト ~北イタリア、ヴェローナはロミオとジュリエットの舞台~

中世の街並みを残すヴェローナは、シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の舞台であり、あのジュリエットのバルコニーがある家は観光名所のひとつとして、旧市街の一角に現在も残っています。また、毎年4月にイタリア最大の見本市「ヴィニタリー」が開催されるのも、ヴェローナ郊外。期間中は、街の商店のウインドウには贔屓(ひいき)の「ヴァルポリチェッラ」や「ソアヴェ」のボトルがディスプレイされ、ワイン好きにとってはウインドウ・ショッピングをも楽しめる街でもあります。2020年は残念ながら開催されませんでしたが、イタリア中のワインが一堂に会するビッグイベントですから、春にイタリアに行く機会があれば、ぜひスケジュールに組み込むことを検討してみてください。

 

ヴェネト州の代表的なワイン畑は、ヴェローナの北側、東のソアヴェから西のガルダ湖へ40kmほどに伸びるヴェローナ丘陵に広がっています。白ワインの代表的な産地に「ソアヴェ」、赤ワインの代表的な産地に「ヴァルポリチェッラ」があり、それぞれ辛口の軽やかなものから干しブドウから造る甘口の「レチョート」と、幅広いワインが造られています。

 

ヴェネトは、イタリアのなかでもとくに生産量の多い地域であるため、比較的安価なワインが多いエリアでもあり、やはりこの地域でも“クラシコ”表示を基準に選んだほうが良質なワインに巡り会う可能性は高まります。「ヴァルポリチェッラ・クラシコ」は、チェリーのようなチャーミングな風味にほのかなアーモンドの皮の苦みが特徴で、コストパフォーマンスに優れたワインが多くあります。また、ヴァルポリチェッラの高級レンジには、乾燥させて糖度を高めたブドウから造る甘口の「レチョート」と、辛口で苦みと甘みを併せ持った「アマローネ」があり、アマローネを圧搾した後の果皮の上でワインを発酵させる「ヴァルポリチェッラ・リパッソ」(またはスペリオーレ)も、ヴァルポリチェッラ寄りの価格帯ですので気に入った生産者のワインに出会ったら、それぞれのワインをお試しいただくのもおすすめです。

 


Begali Lorenzo(ベガーリ・ロレンツォ)
「Valpolicella Classico2016(ヴァルポリチェッラ・クラシコ2016)」
2500
輸入元=ミレニアムマーケティング

 

最後は、この産地をすでに知っていたら通な「トレンティーノ=アルト・アディジェ」を紹介していただきます。

トレンティーノ=アルト・アディジェ ~イタリア最北のワイン産地ではドイツ語が話される~

トレンティーノ=アルト・アディジェ州は、南のトレンティーノと北のアルト・アディジェに大別され、イタリア20州の中でも特徴的なのは、フランス品種やドイツ品種が多く栽培されていることでしょう。南のトレンティーノでは、シャルドネの高品質なスパークリングワインやイタリアでも最高のボルドー・ブレンド、地場品種では「テロルデゴ」など、魅力的なワインが造られています。

 

そして今回は北側、イタリア最北のワイン産地、アルト・アディジェのワインを紹介しようと思うのですが、その魅力はなんといってもイタリアでもっともワインが選びやすい点。大半のワインがDOCアルト・アディジェに区分され、表示は基本的に品種名と生産者、加わってもせいぜい畑の名前と、イタリアワインらしからぬわかりやすいエチケットになっています。

 

赤ワイン用品種はカベルネやメルロー、ピノ・ノワールのほか、固有品種である「ラグレイン」や「ヴェルナッチュ」、白ワイン用品種はシャルドネやソーヴィニヨン・ブランといった国際品種に加え、リースリングやシルヴァーナー、ゲヴュルツトラミネール、この地域では主役になりつつあるピノ・グリージョやピノ・ビアンコと多士済々(たしせいせい)といった趣です。

 

とくに色調が濃く、力強さもあるピノ・グリージョと、華やかでフローラル、みずみずしさとキリリとしたミネラル感を併せ持ったピノ・ビアンコは、どちらも本家ブルゴーニュやアルザスのワインと比べてもまったく見劣りせず、同時にアルト・アディジェらしさともいえるオリジナリティある魅力的なワインが数多く産み出されています。イタリア語よりもドイツ語が主流で、街の看板にはドイツ語とイタリア語が併記されており、チロル文化の色濃く残る街並みはワイン同様、イタリアらしからぬ魅力的な地方アルト・アディジェ、イタリアワインに馴染みのない方でも手に取りやすいイタリアワインです。いえ、南チロルワインと呼んだほうがいいのかもしれません。

 


Nals Margreid(ナルス・マルグライド)
「Pinot Bianco”Silmian”2017(ピノ・ビアンコ“シルミアン”2017)」
4000
輸入元=ミレニアムマーケティング

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です

 

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

激レアの「山崎」が飲めて3000円!蒸溜所のオンラインライブがウイスキーを何倍もウマくする

これはウイスキーファンへの朗報。いや、もっとそれ以上の、これからのウイスキーファンをたくさん生み出す吉報といえるでしょう。サントリーが、山崎蒸溜所と白州蒸溜所を自宅などから見学できるリモート蒸溜所ツアーを開始しました。

 

↑ツアーは無料で体験できる「360°フリーツアー」と有料の「オンライン・ライブ」の2タイプ。無料のほうは、各館内の一部をいつでも自由に見学できます

 

このスタートにあたって、有料ツアーのほうを体験してみました。参加したのは「山崎蒸溜所オンライン・ライブ」。参加費は白州ともに3000円(税抜)となり、なんとテイスティングキット(ウイスキーとグラスなど)付きという非常に良心的な価格です。本稿ではそんなツアーの一部を紹介したいと思います。

 

オンラインだけの特別コンテンツも

「オンライン・ライブ」の参加手順は、専用の申し込みサイトから予約と決裁を行って完了します。すると後日、メールとセミナー用のテイスティングキットが到着。当日はメールに届いたURLからZoomで参加する流れです。

 

↑山崎のテイスティングキット。「シングルモルトウイスキー山崎180ml」と「山崎ロゴ入り特別テイスティンググラス」、さらに製造工程が記されたテイスティングシートや、参加方法の説明書が入っています

 

そして当日。筆者はイントロダクションから引き込まれました。というのも、蒸溜所からではなくその前の山崎駅からスタートして蒸溜所へ向かうのです。

↑山崎駅に到着するとすぐ近くに蒸溜所が見えるのですが、ここでまずテンションが上がるのです。これも蒸溜所見学の醍醐味のひとつであり、オンラインとはいえここから体験できるのは嬉しい限り

 

山崎駅は、山崎蒸溜所を語るうえで欠かせません。この地が良質な水と自然環境に恵まれているのはもちろんのこと、駅から徒歩10分という好立地な場所だからこそ多くの人が足を運び、ウイスキーのこだわりや品質を理解する貴重な場所となっています。

 

↑いよいよ館内へ!

 

そうして「オンライン・ライブ」がスタート。リアルの蒸溜所見学と同様にナビゲーターが進行してくれます。まずはスケジュールの説明から。山崎蒸溜所についての解説、製造工程とつくりのこだわり、テイスティング、おいしいハイボールのつくり方、質問タイムという順番で、約1時間。

 

↑この日のナビゲーター。リアルの蒸溜所見学でも案内をしています

 

ライブというだけあって、一方的に解説を受けるだけでなくZoomの投票機能を使ってアンケートやクイズ形式で質問してくれたり、チャット欄でこちらの質問にも答えてくれたり、コミュニケーションがとれるのも魅力です。

 

↑結果ではほかの参加者の答えも見られ、一体感があります

 

なお、筆者は以前山崎蒸溜所のリアル見学会に参加したことがあるのですが、「オンライン・ライブ」で映し出される映像は臨場感満点。ポットスチル(単式蒸溜釜)があるフロアなど見どころも十分で、現地に行っているような気分に浸れます。

 

↑ポットスチル。現在16基があり、フル稼働で生産にあたっています

 

しかも、製造工程の紹介には、通常の工場見学にはないオンラインだけの特別コンテンツも。それがウォッシュバック(発酵槽)内の様子。液体の表面が泡立っているのは発酵の真っ最中で、酵母がしっかり働いている証拠です。

 

↑ウォッシュバックの内部。こちらは重厚で複雑な香味を生み出す木桶のタイプで、山崎蒸溜所ではすっきり系の味わいを生むステンレス製のウォッシュバックも使って個性の違う原酒を生み出します

 

自分史上最高にウマい自家製ハイボールが作れた!

後半はお待ちかねのテイスティング。送られてきたウイスキーとグラスのほか、よりテイスティングを楽しむための常温の水、そしてハイボールのおいしい飲み方を実践しながら観たい人は、ハイボール用の炭酸、氷、マドラーを用意します。

 

↑テイスティングはイラストとともに口頭で解説してくれます

 

まずはウイスキーをグラスのふくらみぐらいまで注ぎ、色を見てどれぐらい熟成させたかをチェック。このとき、白い紙などを背景にすると正確な色がわかります。南橋さんによると、「シングルモルトウイスキー山崎」は赤みがかった明るい琥珀色が特徴とのこと。

 

↑次はグラスを軽く回し、香りを広げてからやさしく鼻に近づけます。感じ方は人ぞれぞれですが、甘やかでバニラのような香りが感じられました

 

このままストレートで味わってもいいのですが、より香りを楽しむには常温の水を一対一で注ぐことがオススメ。アルコールの刺激がやわらぎ、香りが開いてストレートでは隠れていたフレーバーが感じられ、さらに個性を楽しめるのです。

 

そしてひと口。ここはゴクッといくのではなく、舌の上で広げるように楽しむのがコツ。そして飲み込んだあと、口に残る余韻や鼻に抜けるアロマを感じます。甘くなめらかで、果実のようなニュアンスも浮かび上がります。ナビゲーターの方曰く「ブレンダーは、さくらんぼやいちごのようと例えますね」とのこと。

 

↑次はおいしいハイボールのつくり方へ。自宅にいながらレクチャーしてもらえるのは、なかなか新鮮です

 

小さい氷はすぐとけて水っぽくなるため、大きい氷を用意してグラスへ。はみ出るぐらいでOKだそうです。そして配合は、ウイスキー1に対してソーダが3から4。まずはウイスキーだけ注ぎ、マドラーで10回かき混ぜしっかり冷やします。すると氷が目減りするので、そのぶんの氷をおぎない、いよいよソーダを入れます。

 

↑おいしさのポイントのひとつが、炭酸の刺激。強炭酸タイプのソーダを使い、そっと氷の間をぬうようなイメージで、ガスが抜けないように注ぎます

 

最後の仕上げはマドラーでやさしく、なじませるように1回転。これで完成です。味わってみると、爽快ながらまろやかな甘味やリッチで香ばしい果実味があって思わず「ウマッ!」と声が出るおいしさ。家で山崎を飲むのがかなり久しぶりというのもあるのですが、もったいなくてそもそもハイボールで飲んでいなかったような。レクチャーのおかげもあって、これまでで一番おいしい自家製ハイボールが作れたと思いました。

 

↑勉強になっておいしい体験もできて大満足。これで3000円はやっぱり破格です。

 

なお「オンライン・ライブ」は現在土日と平日の一部で開催されています。ただ各回定員100名で人気も高いことから、3月分はほぼ完売。翌月分の予約を第1営業日の10時から行うので、次は3月1日を要チェックです。

 

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大衆酒場の酎ハイに欠かせない「下町炭酸」を飲み比べる噺

今回は、「東京・大衆酒場の名店」シリーズの番外編。下町の大衆酒場の名物・焼酎ハイボールには欠かせない「炭酸水」(以降は略して炭酸)について深堀りしていきます。

東京・下町の大衆酒場で生まれ、いまや全国で愛されている「酎ハイ」(※)こと「焼酎ハイボール」。その味を決めるものとして甲類焼酎や風味づけのエキスなどが注目されますが、ここで焦点を当てるのは、東京でつくられている飲食店用の「びん入り炭酸」。大衆酒場文化と炭酸に詳しい藤原法仁(のりひと)さんを講師に迎え、タレントの中村 優さん、GetNavi web編集部の小林史於(しお)を生徒役として、その魅力をレクチャーしてもらいます。今回は、びん入り炭酸が普及した背景から、炭酸の工場見学、代表的な銘柄を使った酎ハイの試飲会まで、盛りだくさんでお届けします!

※“ハイボール”とは、カクテル用語で「ウイスキーやジンなどをソーダ水などで薄めた飲料」(広辞苑)のこと。焼酎をソーダ水(炭酸)などで割ったものが「焼酎ハイボール」と呼ばれ、その略称が“酎ハイ”になりました

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

↑大衆酒場を紹介する書籍にガイドとして出演することも多い藤原法仁さん(右)は、テレビ番組に「炭酸ソムリエ」(自称)として出演した経験あり。編集部員の小林史於(中)はきき酒師の資格を持ち、飲み比べも大好き。タレント・マラソンランナーとして活躍する中村 優さん(左)は、本サイトの「東京・大衆酒場の名店」連載で藤原さんとともに大衆酒場を勉強中

 

炭酸は名優を陰で支える名脇役

中村 藤原さん、今日もよろしくお願いします! 今回のテーマを聞いて、そうだ、炭酸ってつくってるんだなぁ、と改めて思いました。炭酸について深く考えたことがなかったんですけど、思ったより種類があるんですね。

 

藤原 でしょう? 下町の大衆酒場で見られるびん入り炭酸は、私の周りで確認できる限りだと10種類程度。どれも水道水を使っているから、どこでつくっても同じだろ? と思われるけれど、メーカーによって微妙に味の個性が出るんです。一般的な違いはガス圧。舌に残るピリピリ感が一番わかりやすいです。

↑藤原さんが趣味で収集した炭酸の王冠の一部

 

小林 すみません、そもそもの話なんですが、焼酎を炭酸で割るメリットって何ですか?

 

藤原 味わいを長く持続できることですね。例えば、テキーラのショットグラスだとすぐ飲み終わってしまいますが、それを炭酸で割ると量が増えて長く楽しめます。アルコール度数も低くなるので、料理の味を邪魔することもありません。あと、のどごしが良くなって刺激が加わるから、口の中がリセットされてお酒が進みますよね。

 

小林 確かに、ゴクゴク飲めて、のどにバチバチ来る感じがいいですよね! 水割りだとちょっと物足りないけど、炭酸で割ると華やかさが加わります。

 

藤原 ただし、割った炭酸がおいしくないと、全体が残念な印象になってしまいます。その意味で炭酸は、名優を陰で支える名脇役と言えるでしょう。

 

びん入り炭酸には多くのメリットがあった

中村 こういうびん入りの炭酸って、いつごろから出始めたんですか?

 

藤原 戦後からですね。それまでラムネやサイダーは飲まれていましたが、水と炭酸ガスだけのプレーンな炭酸を飲む文化はありませんでした。戦後、進駐軍がウイスキーをソーダ水(炭酸)で割っていたのをヒントに、焼酎を炭酸で割って飲むようになったんです。

中村 あ、そのエピソードは、前回取材した三祐酒場で聞きましたね! でも、どうしてびん入りの炭酸が下町の酒場で広まったんですか。

 

藤原 実は、前回の三祐酒場のように、昔から自家製の炭酸をつくっている酒場もありました。でも、炭酸をつくるボンベは値段が高くて場所を取る。だったら、びん入りを使ったほうが早い、となったわけです。

 

小林 確かに、「焼酎ハイボールを出すにはボンベが必須」となったら、なかなかハードルが高いですね。

 

藤原 それに、このびんはちょうど酎ハイ一杯分に使うから、この空きびんが並んでいるのを見て、この人は何杯飲んだんだな、ということがわかって都合がいいんです。

 

小林 へえ、回転寿司のお皿みたいな感じですか!

 

藤原 その通りです。あと、酎ハイは冷やすと美味しいんですが、前回の三祐酒場のご主人によると、当時の氷は高価で、今のようにグラスに入れて使えるほど手軽なものではなかったそうです。一方、冷蔵庫も炭酸のボンベと同様、高価でスペースを取るから導入できる店が少なかったんです。そうなると、びんをどぶづけして出すしかなかったわけですね。どぶづけというのは、水を入れた容器で冷やすこと。だから、炭酸もびん入りのほうが使い勝手が良かったんです。

↑今回、撮影にご協力いただいた渋谷の「大衆酒場 酒呑気まるこ」では、カウンターの前にどぶづけするスペースがあり、焼酎を割る炭酸などのドリンクがキンキンに冷えた状態で楽しめます

 

炭酸のびんは再利用されるため、サイズが統一されている

中村 このびんもカワイイですね。ちょっとノスタルジーを感じます。

 

藤原 このびんは、洗浄して再利用されるリターナブルびんで、お店にびんだけを持っていくと換金してくれますよ。

 

中村 びんを捨てずに再利用するなんて、エコですね!

 

藤原 びんのサイズはどのメーカーも200mlで、みな同じ大きさになっています。これは、びんを回収する通い箱が共有できるから。ですから、たまにメーカーが取り違えて、びんのボディと王冠でブランド名が一致しないときもあります(笑)。

 

小林 へえ、それは面白い! そんなびんに出会えたらラッキーじゃないですか(笑)。

藤原 ちなみに、配達する側にとっては、炭酸を扱うお店が同じ通り道にあったほうが配りやすいし、空きびんも回収しやすい。ということで、一軒が炭酸を使い始めると、「あの店で人気ですよ」と、近くのお店に営業をかけるんでしょうね。近辺の飲食店に炭酸が広まっていくんです。

 

中村 なるほど。その話を聞くと、前回に聞いた「酎ハイ街道」みたいに、ストリートができる意味がちょっとわかります。

 

藤原 いいところに気がつきましたね。確かに、酎ハイ街道でも同じようなことがあったかもしれません。人気が伝われば、じゃあウチでもやろう! となりますからね。

 

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炭酸工場を見学し、できたての味に感激!

中村 ちなみに、この炭酸ってどうやってつくられているんですか?

 

小林 あ、それ聞いちゃいます? 実はここに来る前、炭酸を手に入れるついでに、藤原さんと一緒に炭酸メーカーの「東京飲料」さんの工場を見学させてもらったんですよ。

 

中村 えっ、それは面白そう!

 

小林 いやぁ、あれはすごかったですよね! 製造工程を簡単に言うと、リターナブルびんを洗浄→ろ過・殺菌した水に二酸化炭素を混ぜる→びんに詰めて殺菌→検査・箱詰め、という流れです。藤原さん、そうですよね?

↑今回は、中野にある1929年創業の東京飲料さんにお邪魔しました

 

↑同社では「トーイン」で知られる炭酸のほか、ラムネやシャンメリーなどを製造しています

 

藤原 そうそう。工場に大きなタンクがあったのを見たでしょう? 二酸化炭素は水に溶けにくいので、あのタンク内で高い圧力をかけて、なかば無理やり二酸化炭素を溶かすんです。水に溶ける気体の量と圧力には「ヘンリーの法則」と呼ばれる関係があって、高い圧力をかけるほど、気体は水によく溶けますから。

 

小林 あのタンク、上ぶたにでっかい鋲がいくつも打ってあって、いかにも頑丈なつくりでしたね! 中では相当強い圧力がかかっているんだろうなぁと思いました。

↑充てん室の内部。手前にあるこのタンクで圧力をかけながら炭酸ガスを水に溶かし、「ブライン」(不凍液)で水を0℃に冷却します

 

↑充てん室奥の洗びん機で内部を洗浄し、炭酸を入れる工程へ。洗浄中の透明のびんは炭酸用で、手前の緑色のびんは果汁入り炭酸用

 

↑「フィラー」(右手奥のシルバーの機器)と呼ばれる充てん機でびん内に炭酸を注入

 

↑炭酸を詰めたら王冠で打栓(写真)。その後は「パストライザー」と呼ばれる機器に送られ、72℃の熱湯シャワーで30分かけて殺菌されます

 

藤原 打栓前の炭酸を飲ませてもらいましたが、ウマかったですよね! しっかり冷えていて、炭酸ガスもきめ細やかでシュワっと勢いもありました。

 

小林 あれは貴重な体験でしたね~。実際に工場を見学すると、1本の炭酸を見る目も変わってきます。特に、最終工程で東京飲料の寺田社長が通い箱に入れる前、真剣な目で1本1本チェックしているのが印象的でした!

↑特別に、できたての炭酸を試飲させてもらえることに。フレッシュな味と爽快なのどごしに、ふたりとも大感動!

 

↑洗い残しは底部にたまりやすいため、びんを逆さにしたうえで照光し中身をチェック。徹底的に検査します

 

↑東京飲料の三代目・寺田 龍社長。プラスチック製の通い箱、通称「P箱」に詰める前に最終チェックを行います

 

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4種の炭酸で酎ハイをつくって比較試飲

小林 というわけで、できたての炭酸が手に入ったところで試飲してみましょうか。今回は、4種類の炭酸で酎ハイをつくって試飲していきます。では藤原さん、基本的な飲み方から教えてください!

 

藤原 最初に焼酎を入れるか、炭酸を入れるかという問題があります。墨田区あたりだと炭酸は先に入れる店が多いですね。最初に入れるほうが、絶対にあふれないですから、こんなふうに。……って、あふれちゃいましたね(笑)。まあ、これはこれで「炭酸かけ流し」といって縁起物みたいなものです。

中村 おおー、すごい泡! その注ぎ方、知ってますよ! 篠崎の「大林」で教えてもらった「ぶっさし」(※)ですよね。

※びんを真下に向けて一気に入れる注ぎ方。「反転注ぎ」や「隅田式」と呼ばれることもあります

 

藤原 下町酒場では普通、これにエキスが入っているんですが、今回は宝焼酎に炭酸を入れただけのシンプルな酎ハイで飲み比べていきましょう。

↑今回用意した4種類の炭酸は、びんの容量はすべて200ml。左から「ドリンクニッポン」「花月」「アズマ炭酸」「トーイン」

 

小林 ではまず、葛飾区は野中食品工業の「ドリンクニッポン」から。これはどういうブランドでしょうか?

 

藤原 こちらは、葛飾区や江戸川区で最もよく目にする下町炭酸の有力ブランドですね。私は「稀代の暴れん坊」と評価しています。

小林 おお、1杯目にふさわしいブランドですね。それでは、カンパーイ!

 

中村 あっ、美味しい! 私、酎ハイって甘くないと飲みづらいと思っていたんですけど、これはすごく美味しいです!

小林 あ、中村さん、ついにそのトビラを開けてしまいましたか! ようこそコチラ側へ(笑)。炭酸の印象はいかがですか?

 

中村 炭酸は強すぎず、弱すぎず、ほどよい刺激です。

 

藤原 飲み飽きないですよね。どんな料理にも合いますよ。

 

小林 まだ1杯目ですから、これを基準に飲み比べていきましょう! 続いて2杯目は同じ野中食品工業の「花月」です。

藤原 この「花月」はもともと別の会社が手掛けていたブランド。経緯は不明ですが、近年になって野中食品工業が生産するようになりました。

 

中村 (注いだ様子を見て)ああー見るからに泡が!

小林 ええ、炭酸の粒がデカい! では、いただきましょう!

 

中村 あれっ、見た目の割にバチバチこないです。ドライな味わいで、少し苦みが出るような。こっちのほうがオトナな味って気がします。

 

小林 確かに、思ったよりおとなしい印象ですね!

 

藤原 花月は口のなかでうまく炭酸が溶けている。さっきのドリンクニッポンは、のどまで炭酸が伸びてくるんですよ。

 

できたてを調達した「トーイン」の味わいは?

小林 いやー、炭酸が変わると印象も変わりますね! 次は下町でつくられたものではないのですが、中野区・東京飲料の「トーイン」を試しましょう。今日、工場で調達してきたものです!

↑工場でできたての「トーイン」を手に入れた小林

 

中村 泡の見た目は普通。花月ほど大きくはないですね。いただきます!

 

藤原 ああ、明らかに刺激がやわらかいですね! これは油っこい料理に合いそう。

 

小林 泡が滑らかで美味しい! 香りも立っています!

中村 なんでだろう、コレが一番濃く感じる。お酒の濃さ違うかな? っていうくらいです。

 

小林 香りが立って、焼酎の風味が強まるのかもしれませんね。さて、最後は墨田区にある興水舎の「アズマ炭酸」です。

 

藤原 こちらは戦前からラムネをつくっていて、一番歴史が古いメーカーですね。アタックは強めですよ。

中村 うん、泡の見た目は粒が大きいですね! それでは、カンパーイ!

 

小林 飲んでみたら、口のなかでデカい泡が弾けて、舌にビリビリきます!

 

中村 最初は泡が大きく感じるけど、あとで細かい刺激が来ますね。初めの勢いがスーっと消えてお酒の甘味が残ります。

 

試飲では「西の横綱」と「東の横綱」が好評

小林 では、4種類すべてを試したところで、お二方の一番のお気に入りを教えてください。ちなみに、私は工場まで行って手に入れた「トーイン」が好きです!

中村 私が好きなのは「ドリンクニッポン」! やさしい甘味を感じて、とても飲みやすく感じました。

 

藤原 僕も中村さんと一緒で「ドリンクニッポン」(笑)。まあ、小林さんが選んだ「トーイン」はいわば東京の西の横綱で、「ドリンクニッポン」は東の横綱。東と西の両雄が選ばれたという形ですね。

 

小林 最後に中村さん、これまでを振り返ってみていかがですか?

 

中村 飲む前は炭酸の違いなんてわかるのか、自信がなかったんですが……試してみたら、明らかに違いがあって面白かったです。炭酸って大事なんですね!  あと、シンプルな酎ハイも美味しいんだ、とわかったのも良かったです。なんでいままで知らなかったんだ…‥と悔しく思うくらい。これからはもっと試していきたいです!

 

奥深い炭酸の世界に触れ、さらなる酎ハイの魅力に目覚めた中村さん。みなさんもぜひ、「下町炭酸」を見かけたら酎ハイで使ってみてください。きっとハマるはずですよ!

撮影/我妻慶一 撮影協力大衆酒場 酒呑気まるこ(東京都渋谷区道玄坂1-18-4 和田ビル102) 取材協力/東京飲料株式会社

 

記事に登場したお酒の紹介はこちら▼
・宝焼酎
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

 

「東京・大衆酒場の名店」バックナンバーはこちら▼

・第1回 【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

・第2回 【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

・第3回 【東京・大衆酒場の名店】伝説の「三祐酒場」で聞く「元祖焼酎ハイボール」発祥の噺

 

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「麒麟特製レモンサワー」実際に飲んでわかった人気の理由とは?

注目アイテムを本音でインプレ! する連載「使ってみたら、こうだった。」。今回取り上げるのは「麒麟特製レモンサワー」。2020年4月にリニューアル新発売されて以来、ヒットを飛ばしている。驚くべきは、2020年4~9月の累計販売数量が前年比約3.5倍にも達していること。実際に飲んでわかったその人気の理由とは?

※こちらは「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【使った人】

GetNavi編集部 お酒担当

鈴木翔子

酒好きが高じてバーテンダーとしても働く編集部員。ウイスキーなどのハードリカーからカルーアミルクなどの甘いカクテルまで、気分に合わせて何でも飲む。

 

コクと深みのある上質なサワーだから1日の終わりのご褒美にピッタリ(鈴木)

「コレ、本当にレモンサワー? しかもアルコール度数9%?」

 

本品をひと口飲んだときの感想だ。レモンサワーと聞いて思い浮かぶキーワードは、“酸っぱい・さっぱり・爽快感”ではないだろうか。そして高アルチューハイといえば、ガツンとくる刺激。本品は、それらを良い意味で裏切ってくれる。筆者の印象では、レモンの果皮を漬け込んだイタリアの食後酒「リモンチェッロ」に近く、口当たりはまろやかでコク深い味わい。リモンチェッロが食後にゆったり味わう酒であるように、グビグビ飲むよりも、ひと口ひと口丁寧に味わいたくなる。すなわち、1日の終わりのご褒美として嗜むのに最適な味なのだ。

 

この味の秘密は、複数の果物を長時間煮詰めて作った「うまみエキス」にある。ジャムやコンポートを想像するとわかるが、煮詰めることでうまみが凝縮され、味に深みが出る。それによりこの複層的な味が生まれるというわけだ。

 

本品が面白いのは、味わいがリッチでありながら食事にも合うこと。コクはあってもクドさがなく、和洋中どんな料理にもマッチ。飲んでいて贅沢な気分になれるから、年末年始の家飲みにもってこいだろう。

 

[缶チューハイ]

キリンビール

麒麟特製レモンサワー

オープン価格

2020年4月にリニューアル新発売した「特製麒麟サワー」ブランドの人気ナンバーワンフレーバー。独自開発した「うまみエキス」で味に深みを出し、さらにレモン果汁をひと搾り加えることで、風味豊かな味わいに仕上げている。糖類・プリン体ともにゼロ。

●レモンサワーのほか、ホワイトサワー、ドライサワー、コーラサワー、グレープサワー、期間限定フレーバーをラインナップ

 

★使ってみたら、スゴかった。

【その1】果実のうまみを凝縮したエキスが飲み応えと飲みやすさを創出

●イメージです

味わいの要は、複数の果実を12時間以上煮詰めてうまみを凝縮させた「うまみエキス」(特許出願中)。煮詰めることで出てくる果実の複雑な味がコクやまろやかさを生み、飲み応えと飲みやすさの調和をもたらしている。

 

【その2】レモンのおいしさを引き立てる「追いレモン潤沢仕立て」を採用

●イメージです

同ブランドの特徴は、フレーバーに合わせて最適な仕立て方法を採用していること。レモンサワーでは、レモンをひと搾り加える「追いレモン潤沢仕立て」を採用し、フレッシュな果実味と芳醇な香り立ちを楽しめる。

 

【その3】食にまつわるアワードを受賞! 世界に認められたおいしさ

本品はその味わいが評価され、「モンドセレクション2020年度スピリッツ&リキュール部門」の金賞や、「国際味覚審査機構」の優秀味覚賞、「国際高品質保証審査会」の最高位「Grand Quality Excellent」を受賞。世界的にも評価が高い。

 

【結論!】

コク:★★★★★

まろやかさ:★★★★★

爽快感:★★★★☆

 

コクと深みのあるリッチな味で、幸せな気分になれる一本。まろやかで爽快感は控えめだが、氷を入れたグラスでキンキンに冷やせば、さっぱり感も楽しめる。

誤植で販売中止から一転、「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」本日発売 ! 飲んだ感想は「無事発売されてよかった」と心から思うウマさ

サッポロビールとファミリーマートの共同開発による「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」が2月2日に発売されました。各所でニュースとなっていたのでご存知の人も多いはずのこのビール、さっそく購入してきたので味わいをレポートしたいと思います。

↑「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」。350ml缶(左)は税込219円、500ml缶(右)は税込286円で、酒類を扱う全国のファミリーマートから限定販売されています

 

話題になった理由と製法の特徴とは?

まずは改めて、このビールがなぜ話題となったのかに、簡単に触れていきます。当初は2021年1月5日に「1月12日から発売します」とのニュースリリースが出たのですが、3日後の1月8日に発売を中止するとの発表がされました。その理由は、デザインの一部に誤表記があったからです。

↑正しくは「LAGER」とすべきところが「LAGAR」と表記されています。もちろん味や品質、成分などには問題ありません

 

それを受け、「もったいない」「飲んでみたい」など発売を切望する声がネットを中心に駆け巡りました。これらの意見をもとにサッポロビールとファミリーマートでも慎重に検討が重ねられ、1月13日に、改めて2月2日に発売されることが発表されたのです。

 

この一連の流れが大きな話題となったわけですが、ビールの造り方にも注目すべきポイントがあります。それが、仕込釜において煮沸を3回行うことで麦のうまみを引き出す、ビールの伝統的な製法「トリプルデコクション」。

↑パッケージに3回煮沸のことは書いてないですが、明治9(1876)年から続く伝統製法であることが表記されています

 

2回行うダブルデコクションは珍しくありませんが、3回ともなると時間がかかるため現代ではあまり採用されておらず、この点だけでも希少だといえるでしょう。そして、このトリプルデコクションは1876年に日本人による初のビール工場として開業した「開拓使麦酒醸造所」で用いられていた製法であることから、「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」という商品名になっているのです。

 

 

ボディが豊かで濃厚。飲みごたえのある味わいだ

通常より手間暇がかかるトリプルデコクションを採用したビールは、力強く飲みごたえのある味わいになるのが特徴ですが、「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」はどうでしょうか。いよいよ飲んでみます。

↑アルコール度数は6%とやや高め。ビールの色も濃いめに感じます

 

香りからして感じられるのは、麦芽の豊かな甘味。「LAGER」というのはラガー=貯蔵工程で熟成させたビールのことで、「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」は爽快感もありながらボディがふくよかで濃厚な味わいです。

↑近しいカテゴリーの黒ラベルと並べてみました。色味の濃さは一目瞭然です

 

黒ラベルはビールらしいすっきりとした爽快感がありながらもコクが十分にあって、スイスイいける飲み口。ドリンカビリティ(おかわりしたくなるおいしさ)の高さを改めて感じます。一方の「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」は、どっしりとして甘味も苦味も豊か。ファミリーマートで購入する際は、こうして飲み比べるとより特徴がわかりやすいと思います。

↑泡もちもよく、飲みごたえもしっかり。比較的秋冬に合いそうな味の方向性で、いまの時季はまさにぴったりです

 

ペアリングとして合わせるなら、魚よりも肉、塩系よりもタレやソース系の味付けの料理が合うと思います。ファミリーマートのおつまみとしては、個人的には「おつまみメンマチャーシュー」が特にオススメなのでお試しを。

↑「おつまみメンマチャーシュー」(税込398円)や「超厚切りビーフジャーキー」(税込410円)などをチョイス

 

総評としては、「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」は無事発売されてよかった!と心から思うウマさでした。明治時代の製法を用いたビールということで、2月14日から新たに始まる、渋沢栄一が主人公の大河ドラマを観ながら一杯やるには最適なビールです。ちなみに、渋沢栄一はサッポロビールに繋がる「札幌麦酒株式会社」の会長を務めていました。

 

意外なところで話題性が高まった「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」ですが、これまでもサッポロビール×ファミリーマートの限定ビールは「ビアサプライズ」シリーズなど名作が多いカテゴリーです。今後もいっそう注目を!

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

ブルゴーニュ、ボルドーからラングドックまで「フランスワイン」の5産地にまつわる話

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

第3回からは、ワインの種類や製法、産地などを取り上げ解説していただいていますが、ここからは「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地について、キーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていきます。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

 

フランスワインを旅する

ワインのないフランスを考えるのは、フランスのないワインを考えるのと同じくらい難しい────

 

ワイン評論家、ヒュー・ジョンソンの言葉ですが、これほど現代のワインの世界において、フランスワインの占める立ち位置を端的に表現している言葉はないように思えます。

 

そんな世界の“ワイン地図”をいまだ象徴するワイン大国・フランスの、代表的な5つの産地とそこで繰り広げられるストーリーをご紹介しましょう。

 

1. ブルゴーニュ
2. ボルドー
3. ロワール
4. ローヌ
5. ラングドック

 

ブルゴーニュ 〜グランクリュ街道を北から南へ〜

フランス東部の街、ディジョン市を出発点としてグランクリュ街道を南へ下ると、右手に広がるのは小さな村々と丘一面のブドウ畑。“コート・ドール(黄金の丘)”と呼ばれる、世界中のワイン醸造家や愛好家が憧れる、奇跡の銘醸地です。“Route des Grands Cru”と白抜きされたブドウがデザインされた標識に沿って、ジュブレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネといった村々を通り抜け、ニュイ・サンジョルジュの街に至るまでに、ブルゴーニュの特級畑の大半、ピノ・ノワールの特急畑のほぼすべてを眺めることができます。

 

それは、ブルゴーニュワインを愛する人にとっては、小さな村のそれぞれ、南東向きの斜面にびっしりと区画分けされた畑の数々は、住所表示そのままのようにワインのエチケットに印字された原産地呼称と合わせて、各々の味覚体験と重なる特別な風景として映ることでしょう。

 

コート・ド・ニュイを抜けて、ブルゴーニュにおける中心市街、ボーヌ市に至るまでの見どころはコルトンの丘。孤立した大きな丘には、頂上付近までブドウが植えられ、コート・ド・ボーヌ唯一の赤の特級畑コルトンと、シャルドネから造られる白の特級コルトン・シャルルマーニュが産み出されます。

 

シャルドネの特級畑はこのコルトン・シャルルマーニュのほか、ピュリニー・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェにまたがる丘の中腹、ル・モンラッシェ(標高の少し下がったバタール・モンラッシェ、標高の少し高いシュバリエ・モンラッシェを含む)の2か所しか認められていないことと、実際のところシャルドネが主流なのはムルソー、ピュリニー、シャサーニュ(さらに加えるならばシャブリとリュリー、モンタニィ、マコネ)だと考えると、ブルゴーニュの格付けは元来、ピノ・ノワールを中心に考えられてきたように思えます。事実、ル・シャルルマーニュにシャルドネが植えられたのは、19世紀と、比較的近代のことなのです。

 

一般的にブルゴーニュというと、北はシャブリ、南はボジョレとリヨン近郊までを指します。個人的にはクリュ・ボジョレをはじめ、興味深いワインがボジョレにはあるのですが、ブルゴーニュというくくりで見た時に同一視する必要があるかというと、疑問です。コート・ドールのワインが軒並み高価なものになってきているなか、これからワインに親しまれる方に、ボジョレをブルゴーニュとして勧める気にはどうしてもなれないのです。では、「ブルゴーニュの入り口になるのはどこか?」と聞かれたら、私は「コート・シャロネーズではないか」と答えます。

 

コート・シャロネーズはコート・ド・ボーヌと地続きの産地ですが、それまでの均一な稜線の風景から、不連続な丘陵にブドウ畑が広がります。主要な5つの村は、北からアリゴテの銘醸地として知られるブーズロン、シャルドネの多いリュリー、メルキュレ、ジヴリ、白専門のモンタニィ、という個性豊かな小産地で構成されています。メルキュレやジヴリは生産の大半が赤ワインであり、コート・ドールに比べ1級格付けが多いのも特徴です。また以前はコート・ドールに比較すると大味なピノ・ノワールが多い印象でしたが、近年では意欲的な生産者も増え、よりブルゴーニュに期待する魅惑的な優美さを備えたワインが増えてきています。

 


Camille Giroud(カミーユ・ジルー)
「Mercurey 1erCru Clos Voyens 2017(メルキュレ・1級・クロ・ヴォワイアン2017)」
5500
輸入元=ベリー・ブラザーズ&ラッド

 

次のページでは、「ボルドー」について解説します。

 

 

ボルドー 〜石造りの美しい街並み、サンテミリオン〜

ブルゴーニュが、神秘的で宗教的な側面を持ったワインだとすると、ボルドーワインはとても人知的、人が造り上げたワインのように感じます。日本に輸入されるフランスワインの多くはボルドー産のもので、高級ワインのイメージとともに、量の面でも日本人にとって長く親しまれてきたワインであり、その広大な産地それぞれの地域ごとの格付けやセパージュ(ラベルにブドウの品種名を記載したワインのこと)の比率などは、ワイン愛好家の知的好奇心を満たすことに向き、ワインガイドによる100点満点の採点も、ブルゴーニュの官能性を測るよりも適性があるように思えるのです。

 

メドックの格付けを覚えるのは、長くワインを学ぶ行為としての入り口だったように思うのですが、現在では残念ながら、メドック1級シャトーは10万円を超えるような価格でワインショップに並んでいるので、おいそれとは巡り会うことができなくなってしまいました。これはブルゴーニュに関しても同じことが言えるかもしれません。

 

ただ、最近のボルドーは、低価格帯から品質の向上が見られることが特徴だと感じています。2000円前後のワインを(仮に)ブルゴーニュと比較したとすると、好みを別にすれば、おおむねボルドーに軍配があがるのではないでしょうか。そしてトピックとしては、中堅どころの生産者のビオディナミ(自然派ワインを造る際の農法のひとつ)導入が着々と増えてきていることです。これは、メドック5級格付けシャトーであるポンテ・カネの成功の影響が大きいと考えられますが、長くなるのでここでは割愛させていただきます。

 

写真のクロ・フルテも、2011年よりビオディナミを導入、それ以前からサンテミリオンの有名シャトーのひとつであり、格付けも上から2つ目のプルミエ・グランクリュ・クラッセBながら、ヴィンテージによっては値ごろ感のあるワインのひとつです。

 

サンテミリオンのワインは、メドックほどタンニンが強くなく、素直で芳醇な果実味を楽しめるワインが多く、〇〇サンテミリオンといった周囲に広がる衛星産地のワインなら、2000円前後から探すことができます。もしもサンテミリオンのワインが気に入ったなら、ボルドー観光の際には街を訪れてみてください。石を切り出した教会、美しい街並みを一望できる“Tour du Roy”、小さな街ですがちょっと中世にタイムスリップしたような感覚になれる、素敵なところです。

 


Clos Fourtet(クロ・フルテ)
「Clos Fourtet 2011(クロ・フルテ2011)」
1万5800円
輸入元=ベリー・ブラザーズ&ラッド

 

次のページでは、「ロワール」について解説します。

 

ロワール 〜東から西へ、河沿いに広がるブドウ畑〜

ワイン産地としてのロワールを、ひとくくりにすることは難しいかもしれません。東から西へ500kmを超えて流れるロワール河流域にはいくつかのワイン産地があり、総じて白ワインが親しみやすく、赤ワインはやや玄人好みといってもいいように思えます。

 

白ワイン品種の主要な品種はソーヴィニヨン・ブランとシュナン・ブラン。前者は、地域によって硬質で洗練されたものから、柔らかで親しみやすいタイプの幅広い辛口白ワインを、後者は、芳醇な辛口から魅惑的な甘口まで、こちらも幅広い味わいのものが造られています。そのほか、ロワール河下流の街、ナント周辺では、ムロン・ド・ブルゴーニュから造られるミュスカデがあります。ミュスカデは価格もリーズナブル、微かな塩味を感じる辛口は、海老やムール貝など魚介を使った料理には定番の組み合わせです。

 

ロワールのワインのエチケット(ラベル)には、“Loire”と記載されているわけではないので、いくつかの主要な産地、シュナン・ブランならアンジューやサヴニエール、ヴーヴレイ、ソーヴィニヨン・ブランなら今回ご紹介するサンセールと対岸のプイィ・フュメなどの産地を覚える必要があるかもしれません。

 

ソーヴィニヨン・ブランは、今や世界中で栽培されていますが、プイィ・シュル・ロワール周辺(サンセールとプイィ・フュメ)ほど繊細で華やか、シャープに感じるのに長命というソーヴィニヨン・ブランを見つけるのは、簡単ではありません。ワインショップの棚でサンセールを見かけて、もしも手に取ったならば、ぜひともチーズのことを思い出していただきたい。そのお店にチーズは売っていますか? であれば、一緒に買い物かごに入れることをおすすめします。サンセールと白カビや山羊のチーズとの抜群の相性は、一度お試しいただきたい組み合わせなのです。

 

そしてロワールといえば、15世紀には首都だった古都トゥール、中世の赴きを残す美しい街並み、歴史的な建造物と見どころ満載の街です。現地で飲まれているのは、同じソーヴィニヨン・ブランでもトゥーレーヌと表記された、サンセールやプイィ・フュメとはまた違う柔らかでフローラルな白ワイン、価格的にもリーズナブルなものが多いので、こちらもぜひ。もちろん、チーズとも抜群の相性です。


Claude Riffaultクロード・リフォー)
「Sancerre, Monoparcelle 469 2018(サンセール モノ・パーセル469 2018)」
5500
輸入元=ベリー・ブラザーズ&ラッド

 

次のページでは、「ローヌ」について解説します。

 

ローヌ 〜地中海へとつながるローヌ河流域のワイン産地〜

ヨーロッパでは、古くからのブドウ畑の多くは、川沿いに位置してきました。ボルドーにおけるジロンド河、ドイツのライン河、そしてヨーロッパを横断するドナウ。これは流通のほか、水面の照り返しや水はけといったさまざまな面で人々の営み、ブドウの生育をサポートする役割を担ってきたことに起因します。

 

ロワール河とローヌ河というフランスの二大河川は、それぞれ銘醸ワインを育んできましたが、前者の多くは白ワイン、後者のほとんどは赤ワインと、性格のまったく違う兄弟のような存在です。一般的には、ローヌ河流域はエルミタージュを中心とした北ローヌと、シャトーヌフ・デュ・パプを中心とした南ローヌに分けられます。

 

ここでは、生産量の大半を占める南ローヌのワインをご紹介しようと思います。おそらく日本においても、ワインショップやスーパーマーケットに並ぶローヌワインの大半が、“Cote du Rhone”と印字されたボトルではないかと思うのです。これは、南ローヌの幅広いエリアで栽培されるブドウから造られるワインに与えられる原産地呼称ですが、ボルドー全域に匹敵する量が生産されており、高いアルコール度数、渋みよりも濃密な果実感のあるグルナッシュに、シラーやムールヴェードルなどがブレンドされます。著名な生産者のもので群を抜いた高品質なものもありますし、好みによってはしまうのですが個人的には広域アペラシオンということで、低価格帯ワインが多い割にハズレの少ないワインのように感じています。

 

南ローヌの街アヴィニヨンには、教皇庁があった歴史があり、14世紀に建てられた宮殿はユネスコの世界遺産に登録され、その美しいゴシック様式の圧倒的なスケール感を現在に至るまで残しています。そしてアヴィニヨンから北に10数km、ローヌ河の東に位置するのが、この地域のワインの中心部であり、教皇の夏の宮殿のあった丘、シャトーヌフ・デュ・パプです。南ローヌではこのシャトー・ヌフ・デュ・パプを中心に、周囲に衛星的に村の名前を原産地呼称として許された、ジゴンダスやヴァケイラス、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュがあり、前述のコート・デュ・ローヌと上位階層の位置づけでワインが表現されています。ほかの産地よりも、コート・デュ・ローヌ、特にコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュといった比較的手に取りやすいワインにも魅力的なワインがあるのがこの産地の特徴です。

 


Domaine Marie & François Giraudドメーヌ・マリー&フランソワ・ジロー
「Chateauneuf du Pape Tradition 2014(シャトーヌフ・デュ・パプ・トラディション 2014)」
7500
輸入元=ヴァンクロス

 

最後に、「ラングドック」について解説します。

 

ラングドック 〜21世紀が楽しみなワイン産地〜

南フランス、ラングドック(ルーションまでを含む)は、世界最大といえる広大なワインの一大産地であり、長らく安価なテーブルワインの産地でもありました。イギリスとパリとの物理的な距離が、この南の産地の可能性を埋没させていた要因のひとつとして考えられますが、世界中でフランスワインの人気が高まるにつれ、生産者の意欲向上、醸造技術の高まり、資本の流入による近代化を迎えるのは、20世紀の後半のことでした。近年では、グランクリュ的な原産地呼称がナルボンヌの周辺で産まれ、モンペリエ周辺ではさまざまな個性的なラングドックワインが産まれています。

 

もっとも多く栽培されている品種はカリニャンですが、グルナッシュやシラー、ムールヴェードルといった、ローヌと似た品種構成の赤ワインも、またボルドー品種とのブレンド、在来種によって、スパークリング、白、ロゼ、甘口まで幅広く変化に富んだワインが楽しめる産地として注目を集めています。

 

おすすめしたいのは、その幅広いラングドックワインのなかでも、エチケットにAC(原産地呼称)表記のあるワイン。原産地呼称が、品質保証であると同時にワインを難しくしている一因ではありますが、この遅れてきた銘醸地ラングドックでは、今現在もっともACが活きています(その他はIGP=地理的な表記です)。

 

上級ワインとして、グランクリュ的位置づけは、「コルビエール・ブートナック」「ミネルヴォワ・ラ・ヴィニエール」「フォジェール」「サンシニアン・ベルロー」「サンシニアン・ロックブリュンヌ」の6つ。そして、いくつかの地域名ワインとACラングドックと原産地呼称ワインだけで、全生産量の2割に満たないと考えると、裏を返せばハズレの少ない原産地呼称でもあるのです。

 

大半は赤ワインですが、モンペリエ南の沿岸部のACピクプール・ド・ピネは、柑橘の爽やかなすっきり系、魚介料理に合わせやすい地中海白ワインです。そして、もう少し内陸で造られる写真の「クレレット・デュ・ラングドック」も数少ない白ワインのACワイン、フレッシュで優しい甘みをわずかに残す白ワインです。生産者のジェラール・ベルトランによる他のラングドックワインは、日本でも見つけやすいと思いますが(“居酒屋”で見つけたこともあります)、どのワインも価格以上の味わいを提供してくれる優良生産者です。

 

今後、ラングドックのワインは、年を追うごとに良さを増してくると確信していますので、これからワインを楽しもうという方にはうってつけです。いつか、コルビエール・ブートナックやミネルヴォワ・ラ・ヴィニエールも手に取って、味わってみてください。


Gerard Bertrand(ジェラール・ベルトラン)
「Clairette du Languedoc Adissan 2018(クレレット・デュ・ラングドック2018)」
3900
輸入元=ピーロート・ジャパン

 

議論を呼ぶことも、フランスワインの魅力のひとつ

世界中に広まったこれまでのワイン地図の規範、オリジナルを、フランスのワインは現代においても体現しています。もちろん、これからのワイン世界は、それぞれのオリジナルを獲得していく時代に突入していく、過渡期にいると考えられます。それでは、一体何が、フランスワインを特別なものにしているのでしょうか? イギリスという一大消費国との地理的関係、宗教的価値観、地層年代の複雑さ、それらを考えても、これという答えに行きつくことはなかなか困難ですが、そういった難解な思索や議論を呼び起こすことにこそフランスワインの魅力があり、そういった人との、ワインとのコミュニケーションそのものが、ワインの最大の魅力のひとつなのだと思います。

 

今回は、フランスの代表的な産地をいくつかご紹介させていただきました。もちろんワインにこれから興味を持っていただく方向けにご説明していますが、言葉の足りないところや、範囲を限定しているところがあるのは否定できません。ただワインを職業にしている人間にとっても、ワインはやはり世界中で造られ、日進月歩変化している世界でもあります。こうしたささやかなワイン紹介が、どこかの誰かの広いワインの世界へ旅立つきっかけの一助になりましたら幸いです。

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です

 

Profile

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

撮影=真名子 [ワイン、人物]

 

 

【東京・大衆酒場の名店】伝説の「三祐酒場」で聞く「元祖焼酎ハイボール」発祥の噺

東京にある大衆酒場の名店を巡る企画の第3回。今回は、墨田区の「三祐酒場(さんゆうさかば) 八広(やひろ)店」を訪れ、その魅力を探っていきます。

大衆酒場は、その安さとウマさ、昔ながらの温かい雰囲気で、酒飲みの心をひきつけてやみません。なかでも東京では下町を中心に、根強い人気を誇る大衆酒場の名店が数多く存在します。そんな名店を巡り、お店の魅力と東京ならではの酒文化を深掘りしていくのが本連載。立石「宇ち多゛(うちだ)」篠崎「大林」に続く第3回は、八広「三祐酒場」にお邪魔します。

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

名店の歴史を受け継ぐ貴重なお店を訪問

「三祐酒場 八広店」は、京成曳舟(ひきふね)駅から徒歩7分ほどの場所に立地。かつて京成曳舟駅近くで営業していた名酒場「三祐酒場 本店」からのれん分けを許された数少ない一軒です。また、「焼酎ハイボール」の起源と深いかかわりを持つお店としても知られています。

 

今回も大衆酒場にまつわる著書を数多く上梓している藤原法仁(のりひと)さんを講師に招き、大衆酒場に興味津々の中村 優さんとともにお店を訪問。お店の魅力をはじめ、大衆酒場の歴史や楽しみ方、お酒についての知識などを学んでいきます!

↑藤原法仁さん(左)は、ブログ「居酒屋礼賛」主宰の浜田信郎さんとともに11月11日を「立ち飲みの日」として記念日登録するなど、大衆酒場文化の活性化に尽力。中村 優さん(右)はタレントおよびマラソンランナーとして活躍しています

 

中村 藤原さん、今回もよろしくお願いします! こちらの「三祐酒場 八広店」さんは、どんなお店なんですか?

 

藤原 「三祐酒場」は「酎ハイ(チューハイ)」の語源でもある、「焼酎ハイボール」の元祖として知られています(※諸説あり)。そこからのれん分けされたのがこの八広店。本店は区画整理の影響で既に閉店しているため、現存している三祐酒場は八広店だけなんです。

 

中村 名店の歴史を受け継ぐ貴重なお店というわけですね。でも、酎ハイって今では当たり前のものじゃないですか。その元祖というのはすごいですね!

 

藤原 でしょう? そのあたりは、店主の奥野木晋助さんに聞いてみましょう。大将、今日はよろしくお願いします!

 

奥野木 こちらこそ、よろしくお願いします! 「三祐酒場」の本店は、もともと昭和2(1927)年に創業した酒屋だったんですけど、戦時中は物資の配給所になっていて、その配給所に来ていた酒好きの客がその場で飲むようになったみたいです。

↑奥野木晋助店主。和食料理店などでの修行を経て、2001年より同店の二代目を務めています

 

藤原 角打ち(その場で飲める酒販店)ってことですね。

 

奥野木 はい。角打ちの流れから、最初は掘っ立て小屋みたいな形で居酒屋を併設して酒場になったと聞いています。

↑酒販店で使われていた陶磁器の瓶と甕(かめ)。陶器の一升瓶(写真左奥)には、本店が都電の停留所に近かったことから「京成曳舟電停際」と書かれています。甕(写真右)に書かれた住所が「向島区」となっていることから、1947(昭和22)年に向島区が本所区と合併して墨田区になる以前のものということがわかります

 

中村 この八広店はいつ開店されたんですか?

 

奥野木 ここは昭和41(1966)年、三男坊だった私の親父が開業しました。三祐酒場は親族にしかのれん分けをしなかったので、かつて営業していた本店と小岩店を含めると最大で3店舗あったことになりますね。

 

「元祖焼酎ハイボール」は進駐軍のウイスキーハイボールから着想

中村 では、そろそろ焼酎ハイボールについて教えてください! 看板メニューの「元祖焼酎ハイボール」はどうやってできたんですか?

↑店内には「元祖焼酎ハイボール」と書かれた年代ものの木札がかかっています

 

奥野木 「元祖焼酎ハイボール」を考案したのは、私の伯父である本店の奥野木祐治(長男)です。伯父から聞いた話だと、戦後のある日、アメリカ進駐軍の駐屯地に行って、そこで「ウイスキーハイボール」の味に感銘を受け、焼酎も炭酸で割れば飲みやすくなるのでは? と考え、試行錯誤して作ったのが焼酎ハイボールです。

 

藤原 その頃は、焼酎の精製技術もいまみたいに発達していなかったですからね。

 

奥野木 はい。当時の焼酎の強い香りをなじませるために、伯父は独自のエキスを作って混ぜたわけです。

 

中村 あ、エキス(シロップ)は前回に教えてもらったのでわかります。下町の焼酎ハイボールは、お店独自のエキスを使うのが特徴なんですよね!

 

奥野木 うちのはウイスキーのハイボールを思い浮かべてエキスを作ったから、琥珀色なんですよ。ぜひ飲んでみてください!

↑薄く琥珀色に色づいた「元祖焼酎ハイボール」(330円 ※表記価格はすべて税抜き・以下同)

 

中村・藤原 では……カンパ~イ!

 

中村 ああ~、おいしいっ! いいキック(炭酸がよく効いているという意味)が入った爽やかな味で、スイスイいけちゃいます!

藤原 お! 前回教えたキックの使い方覚えましたね(笑)。しかし、この「元祖焼酎ハイボール」、あいかわらず安定感のあるウマさですね!

 

奥野木 「伯父は、すごい飲み物を考えたな」と思いますよ。甘くしようと思えばできたし、酸味を強くしようと思えばできたと思うんですけど、そのバランスが絶妙なんです。

 

藤原 確かに、飽きのこない味わいです。単独で飲んでもおいしいし、料理によく合うところも素晴らしい!

 

奥野木 「同じ味はほかにはないから」って、これしか飲まない常連さんも多いです。

 

藤原 氷がとけても味が変わらない配合になっていて、ずっとおいしく飲めるってのもすごいですよね。

 

中村 この味って、昔から変わっていないんですか?

 

奥野木 変えていないですね。エキスのレシピは当時と同じです。ちなみに、いまエキスのレシピを知ってるのは、僕とお袋と本店の伯母さんだけですね。うちのかみさんも知らないですから。

 

中村 うわぁ、秘伝のレシピなんですね! なんだか感動です!

↑ボトルに入った秘伝のエキスを手にする奥野木さん

 

↑炭酸はサーバーから注入。昭和30年代にはすでにサーバーを導入し、ガス圧を上げて強炭酸で提供していたそう

 

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海外のホテルでも腕を振るっていた店主の料理に舌鼓

中村 焼酎ハイボールを飲んだら、食欲がわいてきました。そろそろおつまみも頼んでみたいです! 定番はどれですか?

 

奥野木 創業当時から変わってないのが、煮込みと串カツですね。

 

中村 いいですね、ではそれをお願いします! 藤原さんは、いつもどんなものを注文するんですか?

 

藤原 三祐酒場さんの場合は、その日の気分で決めるかな。この焼酎ハイボールはどんな料理にも合うし。

 

中村 あ、煮込みが来ましたね。藤原さん、この煮込みは前回の「大林」さんと同じで、もつとこんにゃくが入った「上州スタイル」ですね!

↑「にこみ」(450円)。具材は数種のもつとこんにゃくに、あしらいの青ねぎのみ

 

藤原 そう、しっかり覚えていて素晴らしい! しかも三祐酒場さんはこんにゃくが白と黒の2種類入っていて手が込んでいますね。

 

中村 もつとこんにゃくの食感が楽しい! 味付けも濃すぎず薄すぎず、バランスが絶妙。焼酎ハイボールとの相性もバッチリですね。

 

奥野木 次はもうひとつの定番、串カツをどうぞ。

↑「串かつ」(500円)

 

中村 えっ、これが串カツ? すごい大きさ! ……あ! 豚バラ肉のスライスをミルフィーユ状に重ねて揚げているんですね。ジューシーだけど重くなくて、玉ねぎの甘味とお肉の脂がマッチしていてすごくおいしい!

藤原 こちらも手が込んでますよね。肉が噛み切りやすくて、ちょっとずつ食べたいおつまみとしても最適。味が濃厚なぶん、すっきりとした焼酎ハイボールがよく合う!

 

中村 お品書きを見ると、旬の料理もありますし、本格的な和食があったり、洋風や中華風もあったりとバラエティ豊富ですよね。こういった料理はどこで覚えられたんですか?

↑「お祭り納豆」(650円)は一般的に「ばくだん」と呼ばれる一品。仕入れによって変わる数種の刺身に納豆と卵黄を混ぜて、のりで巻いて味わいます

 

奥野木 実は以前、板前の修業で外資系のホテルにいたこともあって、そのときに東南アジアとタヒチにも行きましたね。厨房では洋食や中華のコックも一緒だったので、いろんな料理を覚えました。自分がこの店に戻ってからは、魚河岸から仕入れた素材を使った正統派の和食も増やしましたし、食べごたえのある料理は充実したと思います。

 

中村 この焼酎ハイボールはどんな料理にも合うから、これだけメニューがバラエティ豊富だとうれしいですよね!

↑「しめ鯖」(650円)をはじめ、活きのいい魚も魅力です

 

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かつてこの界隈は「日本一の会社」の労働者でにぎわった

中村 ところで藤原さん、前回は「下町に大衆酒場が多いのは、川沿いの工場で働く労働者のニーズを満たすため」とおっしゃってましたけど、この辺りもそうなんですか?

 

藤原 お、いいところに気がつきましたね。その通りです! ここは墨田川と荒川に挟まれていますし、昔この辺には曳舟川も流れていて船による物流に便利だったため、工業が発展したんです。なかでも有名なのは、鐘淵紡績(かねがふちぼうせき)で、関連の工場もたくさんあったはずですよ。この鐘淵紡績は現在のカネボウ化粧品の前身でもあります。

↑古地図を取り出して解説する藤原さんと、興味津々の中村さん

 

中村 あ、 鐘淵紡績の「鐘」と「紡」をとってカネボウになったんですね!

 

藤原 そう。自動車が一般的になる前は紡績が産業の花形で、鐘淵紡績は日本一の会社と呼ばれたぐらい栄えていたんですよ。

 

中村 なるほど~。それで街と酒場もにぎわっていたというわけですね。

奥野木 ええ、小さな町工場も多かったです。昔は路地裏に入ると、工場から機械油のにおいがプンプンしていましたからね。土間がある長屋で夫婦が営む手工業もたくさんありました。小規模だから、その日の仕事が午後2時とか3時とか、早く終わる日もあるんですよね。そうなると、奥さんは自分の時間がほしいから、旦那にお小遣いを渡して外へ追い出すんです。

 

藤原 わかります! 私も町工場が多い立石の出身なので。

 

奥野木 うちも高度経済成長期は特に、仕事終わりの職人さんでにぎわっていたと聞いてます。当時は14時ぐらいから開けて、15時にもなれば満席で。でも、晩酌は家で楽しむから、あくまでひっかけるだけ。銭湯に行って、うちで軽く飲んで帰るみたいな形ですね。

 

中村 銭湯帰りに一杯なんて、それも楽しそう!

 

奥野木 ちなみに、この辺りの銭湯や居酒屋は、いろんな情報が集まる地域の社交場だったんです。隣の人と仲良くなって仕事を紹介してもらう、といったことがよくあったようですよ。そういう文化って、人がたくさん住んでたからこそなんでしょうね。……でも80年代に入って、バブルを境に産業や業界の構造が変わって、街の様子や人の流れも変わっていきました。

 

藤原 寂しいですけど、時代の流れですよね。でも、だからこそ、昔の面影を残す大衆酒場が恋しくなるんです。

 

中村 確かに、懐かしい雰囲気に包まれるとほっとしますよね。それに、「戦後にみんなが飲んでいた焼酎ハイボールを、今自分が飲んでいる」なんて思うと、何だかしみじみしちゃいます。

 

藤原 この近くには、僕が「酎ハイ街道」と名付けた鐘ヶ淵通りがあって、その辺りのお店もまた雰囲気がいいんですよ。

 

中村 「酎ハイ街道」って、酎ハイ(焼酎ハイボール)のおいしいお店がたくさん並んでるってことですよね。今度、行ってみたいです!

 

藤原 いいですね! じゃあ次は「酎ハイ街道」沿いの名店で飲みましょう。

 

中村 やったー! ぜひお願いします!

 

大衆酒場と酎ハイの魅力にどっぷりハマったご様子の中村さん。次回はどんなお店を訪れるのか、ご期待ください!

撮影/我妻慶一

 

<取材協力>

三祐酒場 八広店

住所:東京都墨田区八広2-2-12

営業時間:17:30~翌2:00

定休日:日曜

※新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(取材日:2020年12月23日)

 

「東京・大衆酒場の名店」バックナンバーはこちら▼

・第1回 【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

・第2回 【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

 

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若者×ビールをあきらめない! 20~30代が殺到した「キリンビールサロン」の舞台裏

若者の酒離れ、さらにいえばビール離れというニュースを見たり聞いたりしたことがある人は少なくないでしょう。背景には嗜好の多様化など様々な要因がありますが、斬新な手法で若者の心を射止めているケースがあるのも事実。そのひとつが今回紹介する「KIRIN BEER SALON(キリンビールサロン)」です。

↑「初めて知る」から、「自分でつくる」まで。ビールの面白さを体感する「キリンビールサロン」。現在はオンラインで第2期が開催中です

 

そこで、運営の中心メンバーにインタビュー。スタートのきっかけ、注力ポイント、サロンの内容、今後の展望など、舞台裏を明らかにしていきます。

 

サロン化とnote発信で20~30代の応募が9割。600万リーチを達成

話を伺ったのは3人。サロンで講師を務めている、キリンアンドコミュニケーションズ・工場広報事業部企画担当の草野裕美さん、企画や運営に携わっている、キリンホールディングス・コーポレートコミュニケーション部の齋木万起子さん、同じくコーポレートコミュニケーション部でオウンドメディア・SNSを担当している平山高敏さんです。

↑左から齋木さん、草野さん、平山さん

 

「キリンビールサロン」がスタートしたのは2019年。第1期は11月~翌年3月までの全5回、月に1度キリンビールの横浜工場内のレストランに集まり、ビールの魅力を深めていくという内容でした(3月に予定されていた最終回は延期)。

 

このサロン、もともとは同工場で約20年前から開催されているビールセミナーから派生したもの。セミナーも世の中の流れとともに、より個人に向けた内容にシフトしているとのことですが、そこには課題もありました。たとえば、新規の参加者が年々減っていたこと。言い換えれば、リピーターが増える一方で新たに興味を持って参加する人が少なくなっていたということです。

 

同様に20~30代の参加率も減少していたそうで、どうすれば若年層にセミナーの魅力をアプローチできるのかを、齋木さんや草野さんは考えるようになりました。そこで齋木さんは、同じチームでキリンビールのnote公式アカウントやデジタルコミュニケーション戦略を担当していた平山さんに相談。

↑2019年4月に開設されたキリンビールのnote公式アカウント。1万フォロワーを超えている企業アカウントは滅多になく、成功事例としても非常に有名です。この仕掛け人が平山さん

 

平山さんは受講者のひとりとしてセミナーに参加したことがあり、想像以上に楽しく勉強になるセミナーが行われていること、参加者に喜ばれていることを実感していました。その体験を思い出しながら、伝え方を工夫して若年層向けに強く届けるアイデアを発案。それが「キリンビールサロン」なのです。

 

「note自体がもっている、コミュニティの観点を取り込もうと考えました。リアルな場であるセミナーは1回だけのもので、つまりは点です。これを連続参加型のサロンという線にすることでコミュニティにし、サロンのメンバーで一緒に考えることを可視化することで、同心円状に新たな価値が生まれるのではないかと思いました」(平山さん)

 

また、noteは自分の暮らしや選ぶモノにストーリーがあり、他者と共鳴しながら消費したいという読者が多いメディア。コアユーザーが20~30代というのも特徴です。そこで「キリンビールサロン」のスタート時に、講師の草野さんとビアジャーナリストとの対談記事を掲載し、よりダイレクトに熱量を伝えました。

↑草野さんと、ビアジャーナリストの富江弘幸さんとの対談記事より。2019年9月、サロン第1期の応募と同時にnoteでアップされました

 

「また、参加者と同じ年代のなかから特にテーマへの共感度が高く、サロンに積極的に関与いただける方をスカウトしてオブザーバーとして参加してもらいました。そのうえで『これからのビールの楽しみ方を、わたしたちと一緒に考えてみませんか?』と同記事で呼びかけました。すると、広告は一切打っていないにもかかわらず、公開したその日に34名の枠に100人近い応募をいただける結果に。その約9割が20~30代でした。ビールセミナーの20~30代は約25%でしたから、差は歴然です。そして第1期は最終の第5回を延期していますが、メンバー発信で広がった『#キリンビールサロン』のTwitter投稿は約600万リーチを突破(Sprinklr調べ)し、多くの若い方にビールの魅力を感じていただく機会となりました」(平山さん)

 

サロンの内容には自信があったものの、募集が始まる2週間ほど前からは、熟睡できず胃が痛い毎日が続いたと草野さんは当時を振り返ります。

 

「参加料金は全5回で1万9000円。横浜・生麦までの交通費もありますし。でも若い方々にとって決して安くはない参加費でも応募をしてくださったことに、本当に感謝の気持ちで一杯になると同時に、身が引き締まる思いでした」(草野さん)

 

 

サロンの仲間がオンライングループでビール愛を広げていく

第1期では草野さんによる講習、飲み比べ、ビールづくりのほか、キリン社内外の醸造家やビールのメディアに携わるクリエイターを招き、様々な角度からビールの面白さをメンバー全員で共有。現在は第2期が開催されており、オンラインならではの手法でゆるやかな交流が生まれています。

↑キリンビールサロン 第2期の様子

 

「第2期では多様なビールやビールを楽しむためのキットを毎回事前にメンバー宅へお届けし、教材のような形で楽しみながら開催しています。前回同様に外部の醸造家を招いているほか、ホップを軸にしていたり、ビール注ぎのスペシャリストに家でおいしく飲むためのレクチャーを用意していたりするのが今回の特徴ですね」(草野さん)

↑原材料セットなど、ビールのほかにも様々なツールや教材が送られます

 

カリキュラムのほか、「キリンビールサロン」に共通している大きな特徴が、サロンメンバー同士が回を重ねるごとに仲良くなってコミュニティの熱がどんどん高まることだそう。

 

「メンバー限定のFacebookグループで交流ができるようにしており、毎日のように皆さんが盛んにビールを紹介し合うということが自然に起きていますね。交流はいまでも続いています。また、サロンはビールのことを学ぶ場なので、キリンの宣伝は一切しません。でもキリンの新商品が出ると、メンバーがいち早く試して感想を投稿してくれたり、SNSにアップしてくれたり、思いがけないうれしい事例も出ています」(齋木さん)

↑第1期のとある講義のあと、会場の片付けをしていた草野さんにメンバーから送られてきた写真。「今でも見返すと泣きそうになる、私にとっての大切な宝物です」と草野さん

 

↑メンバー限定のFacebookグループ。「○○で飲んでます」「○○を飲みました」といった報告や感想を中心に様々なやりとりがされています

 

参加するメンバーはビールのビギナーからマニアまで多種多様。とはいえ知識の差による上下関係は一切なく、フラットで純粋、リベラルに互いをリスペクトし合える輪が生まれているそう。サロンのつながりから一緒に飲みに行ったり、サロンメンバーとして参加していた醸造家がオープンしたお店に、ほかのメンバーが開店祝いに訪れたり。

 

「第1期のメンバーからは卒業が延びてうれしいという声も聞いていますが、今年はコロナの影響で延期したり、第2期をオンラインにしたりといろいろありました。ただ、リアルとオンラインそれぞれのよさや知見を加味し、状況をみながら第3期以降も絶対やっていきたいです」(齋木さん)

 

若者のビール離れは確かに否めないかもしれません。ただしその一方で、あふれる情報のなかから自らが好きなモノを探し、好きな人同士でつながりたいという欲求が強いのも事実。それが昨今のオンラインサロン人気や、noteの拡大にもつながっているのでしょう。あらゆるやり方を模索しながら若者×ビールをあきらめないキリンの取り組みに、今後も注目です。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

「淡麗グリーンラベル」の“カラダ、気持ちいいおいしさ”にビール党だった食のプロが納得した理由

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年末年始は、普段よりも“ごちそう”を食べる機会が多くなりますよね。そんなとき、やっぱりお酒は欠かせません。筆者も毎年、年末年始は思う存分楽しみ、お供はもっぱらビールやワイン。でも、おいしかったごちそうも、正月を過ぎればもう“お腹いっぱい”で、カラダも気になる……。とはいえ、やっぱり飲むならおいしいビールがいい……。

 

今回、「淡麗グリーンラベル」を飲む機会をもらいました。「淡麗グリーンラベル」は、2002年の発売以来、ロングセラー商品として愛され続ける発泡酒。糖質70%オフだし、ビールのようにおいしければ、もしかしてこの正月明けに飲むお酒にドンピシャかも!? ということで、あらためて飲んでみることにしました。

 

グルメを知り尽くした“おいしいものナビゲーター”が「淡麗グリーンラベル」を飲んでみた結果

筆者は「おいしいものナビゲーター」として活動しています。肩書きに恥じることなく“おいしいもの”を片っ端から試し、満足すれば記事で読者に感動を共有。気が付けば、おいしい食事とお酒を求めて国内外を旅行することがライフワークになりつつあります。

 

そして、家でも外でも1杯目はビールを選ぶ、いわゆる“ビール党”。ワインや日本酒も大好きですが、やっぱりなにはなくとも「ビール」なんです。ところが、これまでビール類の1カテゴリーでもある「発泡酒」を選択肢に加えることは、ほぼありませんでした。それは、「ビールのほうがおいしいにきまってる」という思い込みがあったから。私のような人はビール党に多いんじゃないでしょうか?

 

飲んでみたのはこれ。

キリンビール
淡麗グリーンラベル(350ml/500ml)
https://www.kirin.co.jp/products/beer/greenlabel/

原材料は麦芽、ホップ、大麦、コーン、糖類で、アルコール分は4.5%。糖質70%オフ(※)。(※日本食品標準成分表2015年版(七訂)による。)

 

まずはひと口、飲んでみて驚きました。正直、「え、いまの淡麗グリーンラベルってこんなにおいしいの!?」と。ビールよりちょっと安いのにおいしいからお得、という印象だったのですが、この「淡麗グリーンラベル」はそれだけではなかったんです!

 

最初に驚いたのは、香りです。

グラスに注ぐと華やかな香りが立ち上り、それだけで気持ちが高まります。普段、発泡酒を飲むときに香りを気にしたことがなかったのですが、「淡麗グリーンラベル」は特筆すべき香り高さ。ビールのなかでもクラフトビールは香りに特徴があるものも多く、それに近い印象を受けます。

 

そして飲み口は、非常に爽やかで、苦味は抑えめ。

ビールの苦味ももちろん好きなのですが、これはかなりライトな口当たり。とはいえ物足りなさを感じることはなく、むしろ「淡麗グリーンラベル」ならではのこのスッキリ感は、オンリーワンの味わいだと言えます。これからの季節なら鍋にも合いますし、ビールのお供としてお馴染みの揚げ物も、煮物のような家庭料理にも、さらに意外に刺身など生魚にも合いそうだと感じました。

 

↑全体的にクセがなく万人受けする飲み口。普段ビールを飲む人のなかでも、スッキリした口当たりや炭酸感がしっかり感じられるものが好きな人ほど、試す価値アリ

 

これまで「ビールが一番おいしい」と思い込んでいましたが、「淡麗グリーンラベル」を飲むと、ビールのような飲みごたえもありつつ、「淡麗グリーンラベル」にしかない爽やかさも感じられることに驚きました。また、数年前に飲んだときより確実においしくなっているのも確かです。

 

私がこれまで抱いていた発泡酒のイメージを大きく覆してくれた「淡麗グリーンラベル」。このおいしさは、どのようにして作られているのかが気になります。そこで、その秘密を知る人を、直接訪ねてみることにしました。

 

淡麗グリーンラベルの“カラダ、気持ちいいおいしさ”の理由を開発者に直撃してみた

その秘密を詳しく知る人は、横浜・生麦にあるキリンビール横浜工場にいるとのこと。どうしても話が聞いてみたいと思い、工場まで足を運びました。

↑おいしさの秘密を知るのは、キリンビール マーケティング本部 マーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループの高橋康紘さん。もともと「淡麗グリーンラベル」の大ファンで、開発担当に抜擢。今も、帰宅すると家でおいしさを噛み締めているのだとか

 

早速、質問。

 

「淡麗グリーンラベル」のおいしさを引き出すために、何か特別な製法でも使っているんですか?

「実は、ビールと同じ醸造方法なんですよ」との返事が。え、発泡酒なのに、ビールと同じなんですか!? よくよく聞いてみると、ビールに必ずある「仕込」と「発酵」の工程で、「淡麗グリーンラベル」ならではの工夫をしているのだと言います。

 

「『淡麗グリーンラベル』に使われているのは、主原料は麦芽と水とホップですが、これらはすべてビールでも使われる原料です。違うのは、麦芽の使用比率ですね。発泡酒の場合、使える麦芽の量が決められているんです。使っている原料や製造工程はビールと同じなので、大きく違うのはこの麦芽の比率だけ、と言ってもいいぐらいなんです」(高橋さん)

 

麦芽の比率が低い、と聞くと本当にそれでおいしくなるの? と思ってしまいますが、「淡麗グリーンラベル」はそこでひと工夫。麦汁の比率が低いからこそのスッキリした飲みやすさを活かすことに力を注いでいるんだそう。

 

さらに、ビール特有の飲みごたえや爽快感を加えるために、もうひとつ、並々ならぬこだわりが込められていることがわかりました。

「『淡麗グリーンラベル』で一番こだわっているのは、ホップの使い方なんです。世界中から集めてきた複数のホップを、まるでカレーのスパイスのように配合率を考えながら組み合わせ、弊社の特許技術である“ホップアロマ”製法で爽やかな香りと味わいを生み出しています」(高橋さん)

 

通常のビール造りの工程では、麦汁を100℃の高温で煮ているところへホップを入れるもの。しかし、キリンの“ホップアロマ”製法では、もう少し温度が低い段階でホップを投入します。こうすることで、ホップのフルーティーな香りが引き出しやすいだけでなく苦味も抑えられるのだとか。

 

↑「このパッケージデザインも好きなんですよね」と高橋さん。リニューアルのたびにパッケージも進化しており、緑のキーカラーは維持しつつも、聖獣麒麟の大きさや、グリーンのリボンへグラデーションを追加するなどの変化を加えている

 

もうひとつ、筆者が気になっていたことが。

 

どのようにして糖質を70%もオフしているのでしょうか?

何か別の原材料を使っているわけでもなく、ビールと同じ工程でもあるのに、糖質をオフできるとは、何とも不思議な話ですよね。

 

「最初の麦汁には糖質が含まれています。酵母が発酵の工程で糖質を食べることで糖質が消え、アルコールと炭酸ガスが発生します。糖質オフは、そこで酵母に糖質をよりたくさん食べてもらうことで実現します。ただし、アルコール度数を上げすぎないためにも、もともとの糖質の量をうまく調整することで、適量を全部食べてもらうという感じですね。そのあたりも、我々の腕の見せ所です」(高橋さん)

 

ちなみにこの“70%”は、飲みごたえや味わいなど、最適なバランスを突き詰めたところ、この割合に落ち着いたのだとか。ビールとは違い、発泡酒は使える麦芽の量が決まっているので、ただ単に糖質を少なくするだけでは、おいしさが損なわれる可能性があるのです。おいしさを追求した結果の、糖質70%オフだったんですね。

 

「淡麗グリーンラベル」は誕生以来、リニューアルを重ね、“過去最高のおいしさ”を更新!

「淡麗グリーンラベル」は2020年春に、8度目のリニューアルを果たしました。今回のリニューアルでは、ホップの配合比と炭酸感を強化し、雑味のないすっきりした味わいと、満足感を目指したといいます。実際、筆者が飲んだ際も、キリッとした炭酸とたしかな飲みごたえを体感しました。

 

「開発に携わるようになって4年半経ちますが、リニューアルに関わったのは、2019年と2020年の2回です。もともと好きだった商品に手を入れるのは、緊張感がありますが、常に次の進化を考えて“どうすればおいしくなるか“を追求しています。ただし、あくまでもおいしくすることが目標であって、“ビールに近づけたい”わけではありません。爽快で飲みやすい”『淡麗グリーンラベル』らしさ“を追い求め、いまどの技術が必要なのかを見極めながら、これからも進化した『淡麗グリーンラベル』を作っていきたいと思っています」(高橋さん)

↑2008年入社。工場や研究開発などの業務を経て、2016年から現職。淡麗グリーンラベル好きが高じ、中味開発がしたいと自ら名乗り出たそう

 

そもそもは、年末年始を過ぎてカラダが気になる時期でもおいしいビールが飲みたい、と手に取った淡麗グリーンラベルですが、高橋さんにお話を聞いたことで、この1本に込められた、さまざまな技術に思いを馳せることになりました。

 

筆者のように、これまで“ビール党”だった人も、一度「淡麗グリーンラベル」を飲んでみれば、新鮮な驚きがあるはず。ビールの日もあるけれど、爽やかな味わいを楽しみたい、カラダを気遣いながらも楽しみたいという日は「淡麗グリーンラベル」というように、その日の気分に合わせたお酒の選び方をしてみませんか?

 

「淡麗グリーンラベル」の詳細はコチラから!

 

【プロフィール】

おいしいものナビゲーター / 今西絢美

編集プロダクション「TEKIKAKU」取締役。“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事の執筆多数。唎酒師やフードツーリズムマイスターの資格も持つ。食品やお酒などの商品レビューのほか、自身で調理した食のレポートやレシピ考案も行う。仕事柄、日々カロリー過多になりがちなので、最近は月曜断食を試みるなど健康に気を遣い始めた。

 

撮影/湯浅立志(Y2)

 

ズボラつまみの決定版!バカルディが提唱する背徳のご馳走「Z級グルメ」の罪な味

家飲み需要が拡大した2020年。この流れはしばらく続きそうですが、つまみのレパートリーの少なさに悩んでいる人は少なくないはず。ただ、そんなお酒好きを救うユニークな企画があることをご存知でしょうか。その名も「Z級グルメ」。多彩な洋酒を展開するバカルディジャパンが考案・提唱している、秀逸なズボラつまみのことです。

↑2020年秋にはレシピの募集と審査会が開催。筆者は審査員として参加させてもらいました

 

そこで「Z級グルメ」のより詳しい解説と、ファイナリストに残った料理の数々をレシピや感想とともに改めて紹介したいと思います。

 

【ギルティすぎる「Z級グルメ」を写真で先見せ(画像をタップすると拡大画像が表示されます)】

 

サッと作れてクセになるほどウマいつまみが「Z級グルメ」

「Z級グルメ」とは、定番ともB級グルメともどこか違う、でもサッと作れてクセになるほどウマいつまみのこと。たとえばコチュジャンとマヨネーズとさきいかを混ぜた「さきいかコチュマヨ」や、大根おろしとめんつゆを混ぜてファミチキにかけた「ファミチキかあさん煮」など。

↑集まったレシピのなかから優秀作を決める審査会にて。左はお酒やカレー好きとしても知られるモデルの村田倫子さん。右は審査委員長を務めたバカルディ ジャパンの奥村龍太郎さん

 

応募された「Z級グルメ」は写真をもとに、一次審査で厳選。絞り込まれた6品をファイナリストとして、「フォトジェニック」「やみつき具合」「ガサツさ」「ラムとの相性」などの観点でジャッジしました。ということで、それらの料理を筆者の感想とともに紹介しましょう。

 

その1:とんがりコーン ポテサラ詰め

↑レシピはハウス食品の「とんがりコーン あっさり塩味」に、ポテトサラダを詰めるだけ

 

これは花束のようなビジュアルが映える、パーティシーンにもぴったりな斬新フィンガーフードです。味は、生地のサクサクとポテサラのほくほくクリーミー感が秀逸。ほかの「とんがりコーン」でも試してみたいと思いました。コーン入りのポテサラだとより花束感がアップして、またコーンとコーンの組み合わせでより一体感も向上。個人的にはバカルディのラムコークが最高でしたが、コーンが原材料のバーボンハイボールも合うと思います。

 

その2:厚揚げ 食べラーポン

↑フライパンで油を引かずに、厚揚げが両面こんがりなるまで焼き、食べるラー油、ポン酢、粉チーズをかける

 

カリッとふわっとした厚揚げに、食べるラー油のピリ辛感とチーズのコクがエッジィなアクセント。そしてポン酢がさっぱりと中和。なかなかのギルティな味わいながら、だからこそ爽快なお酒が進みます。特にラムハイボールがマッチすると思いました。

 

その3:フランスパン チーズ焼き

↑ひと口大に切ったフランスパンにピザ用チーズをのせ、ケチャップをかけて3~5分焼くだけ

 

コツは、カリカリに焼くこと。そうしないとピザトーストとあまり変わりません。なので、食パンではなくフランスパンのほうがベター。ぜひコツをつかんでカリカリに焼いて食べてください。つまみとしての実力が爆アガリになっていて、杯が止まりません。ワインのお供としてもいいのですが、ややジャンキーな味なのでラムコークがよく合います。

 

 

その4:ちくわのポテロングぶっ刺し

↑ちくわの中に少しケチャップを入れてから、森永製菓の「ポテロング しお味」を差し込む。お好みで刻みパセリやコショウを振れば完成

 

これはちくわチーズ、ちくわきゅうりに並ぶ新発明です。ケチャップとポテトが合うのは言わずもがな。その周りをちくわというクッションが包むことで、ムチサクッとしたメリハリが生まれてえもいわれぬおいしさに。ラムコークが合いますが、ケチャップがマヨネーズであればラムハイボールも合うと思います。

 

その5:コロッケ ツナ食べラー乗せ

↑シンプルなコロッケの上に、ツナと食べるラー油をのせるだけ

 

要素が油、油、油という似たもの同士の組み合わせながら、コロッケ、ツナ、食べラーはそれぞれ味も食感も違うので、多彩なニュアンスが口のなかで広がります。このジャンキーな味を、爽快なお酒で流し込むのが至福。ベストはラムハイボールでしょう。ビールやレモンサワーも合うと思います。

 

その6:粉なしお好み焼き

↑耐熱容器に卵を入れて溶き、レンジで1分程度加熱。固まったらソースやマヨネーズなどをかけて完成

 

肉なしとん平焼きともいえるシンプルな料理ですが、意外なほどこれもウマい! 卵のマイルドな味にソースやマヨが合わさって、イメージできる味わいながらお酒と抜群にマッチ。イチオシはラムコークですが、ラムハイボールもよく合います。

↑ラムハイボールには、「バカルディ ゴールド」が、ラムコークには「バカルディ スペリオール シルバー (ホワイト)」がオススメ。ぜひお試しを

 

この会は5人のメンバーで審査しましたが、「中山さん早いですね」と言われるほど、ついつい一番おかわりをしたのは、何を隠そうこの私。とにかくお酒が進みまくるんです。公式サイトにはファイナリストレシピのちょっとアレンジバージョンなども載っているので、ぜひ参考に。

スパークリング日本酒「澪」はカレーに合う!? 新アンバサダー浅田真央さんの意外な飲み方

スパークリング日本酒の一大ブランド「澪」(みお)が2021年で発売10周年を迎えるということで、その戦略発表会が開催されました。新たに浅田真央さんをアンバサダーに迎えるなど今後の展開を紹介するとともに、これまでの歩みや「澪」の特徴などにも触れていきます。

↑発表会には浅田真央さんも登壇

 

次世代に向けた飲みやすい日本酒を目指して開発

まずは「澪」の概要から見ていきましょう。蔵元は宝酒造で、正式な商品名は同社のブランド「松竹梅」を冠した“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒”です。誕生の背景には、嗜好の多様化などに伴って日本酒市場全体が落ち込んでいた状況がありました。そこで考えられたのが、次世代に向けた飲みやすい日本酒です。

↑日本酒市場の推移。たとえば1994年にはビール類に発泡酒が誕生するなど、日本酒以外の様々なお酒が登場したことが日本酒市場が縮小した一因といえます

 

こうして新たな日本酒の開発がスタートしてから約6年後、2011年にデビューしたのが「澪」。その名称には、「浅瀬の水の流れ」や「船が通ったあとにできる泡の跡」という意味がある「澪」を採用。浅さを低アルコール、泡の跡を発泡性にたとえており、清酒の新しい流れを作るという思いが込められています。さらに、イタリア語でMIOが「私の」という意味を持つことから、日本酒にあまりなじみがなかった人にも「私のお酒」として楽しんでほしいという願いもあるとのこと。そんな「澪」は、ほんのりした甘さとほのかな酸味、低アルコールとやさしい泡が相まって飲みやすく、若者や女性を中心に、日本酒の入口として人気に火が付きました。

↑発売当時の澪。300mlボトルの手ごろなサイズ(現在は150mlと750mlもあります)

 

当初は通販と全国の百貨店や飲食店限定で発売されましたが、スーパーなどの小売店でも販売してほしいという要望が多く、2013年にはコンビニを含む全ルートで販売されることに。2015年には甘さ控えめの「松竹梅白壁蔵『澪』<DRY>スパークリング清酒」が加わるなどラインナップも拡充し、2020年には累計販売本数が7000万本を突破。いまやスパークリング清酒カテゴリーの82%(出所:インテージSRI 2019CY)を占める一大ブランドとなりました。

↑フルーティな香りと辛口な味わいの「澪」<BRUT辛口>や、凍らせて楽しむ「澪」<FROZEN>などもあります

 

プロスケーターの浅田真央さんがアンバサダーに就任

発表会の後半からは、アンバサダーに就任したプロスケーターの浅田真央さんが登壇しました。お酒のなかで日本酒が一番好きだと言う浅田さん。なかでも「澪」は初めて飲んだスパークリングタイプで、「お米からできていると思えないほど、フルーティな香りで驚きました」と、そのときの感想を教えてくれました。

↑日本酒を飲むシーンのひとつがお風呂上り。汗をかいたあとにググッと飲むのがお気に入りだそう

 

浅田さんは「澪」と料理のペアリングにも言及。たとえば冬は鍋や正月のおせちといった和食、そのほかイタリアンやスパイシーな料理にも合い、「特にカレーのスパイスと『澪』のフルーティな味が口のなかで混ざるのが好みの組み合わせ」とのこと。また、自身の得意料理である唐揚げにも合うかもと、「澪」の多彩な魅力を教えてくれました。

↑発表会当日からYouTubeの「MIO×MAOチャンネル」がスタート。今後、「澪」関連商品の紹介や新しい飲み方、レシピ、料理との相性などを浅田さんが発信していくそうです

 

やさしい甘さと爽やかな余韻が印象的

今回、筆者も改めて「澪」を飲んでみました。こうして味わってみると、まず香りからして印象的。例えるならマスカットやライチでしょうか。日本酒のことを「ライスワイン」とはよく言いますが、ワインのように果実味豊かなアロマが鼻孔をくすぐります。

↑やはり冷やして飲むのがオススメ。アルコール度数5%の、ほろ酔いに適した心地よいアタック感が口のなかでやさしく広がります

 

口に含めば、フルーティでやさしい甘さと発泡によるキリっとした爽やかな余韻が印象的。確かに、氷上を妖精のように舞う浅田さんのイメージとリンクします。年末年始のお祝いにもぴったりだといえるでしょう。

 

国内だけでなく、アメリカ、香港、イギリスを筆頭に欧米とアジアなど約25か国にも輸出されている「澪」。世界中にファンがいる浅田さんとの相乗効果で、今後いっそう日本を代表するスパークリング日本酒としての存在感を高めていくでしょう。「澪」の発売からちょうど10周年となる2021年6月21日にはファンイベントの開催も予定しているとのこと。今後いっそう目が離せません。

 

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ビール好きに寄り添う“甘くない”缶チューハイ登場!開発経緯や味の特徴を徹底レポート

10月の酒税改定でビールは値下げ、新ジャンル(第3のビール)は値上げとなりました。この価格差の狭まりでビールの伸長が話題となっていますが、同じく注目されているのがRTD(Ready To Drinkの略)です。なぜなら、RTDは今回の税改訂の対象ではないため、価格は据え置きだから。

 

ここぞとばかりに各社も目玉となる新商品を投入していますが、そのひとつが10月20日から発売されている「キリン 氷結 無糖 レモン」。ウェブで開催された発表会の情報を踏まえつつ、実際に飲んでみた感想を交えてレポートしたいと思います。

↑「キリン 氷結 無糖 レモン」。アルコール度数7%(左)と4%(右)があり、価格はともに350ml缶で141円(税抜/コンビニ参考価格)。500ml缶もあります

 

ニーズに対する課題から生まれた「無糖」という新提案

RTDは缶チューハイを最大勢力に、ボトルカクテルなど様々なカテゴリーがありますが、その缶チューハイでも特に有名なブランドが「氷結」でしょう。2001年にデビューし、2020年に20周年を迎えたロングセラーで、独特な「ダイヤカット缶」も「氷結」のアイコンとなっています。

↑誕生時のコンセプト「みずみずしい果実のおいしさがいきた“氷結果汁”を使って作った、スッキリと飲みやすい、冷涼感あふれる現代的なチューハイ」を表現したのが「ダイヤカット缶」

 

↑「ダイヤカット缶」は昨年、立体的な形状の独自性を保護できる制度「立体商標」に登録。酒類・食品業界で認定された、数少ない事例です

 

そんな缶チューハイの名門といえる「氷結」ですが、常に進化を続け、2020年9月のリニューアル効果もあって定番フレーバーのシチリア産レモンは年間最高シェアを獲得。

↑なお、氷結を含むRTD全体でみると、市場は12年連続で拡大中。この傾向は2026年まで継続する見込みとか

 

そしてこの上り調子のなか、さらなる飛躍を!と期待されて登場したのが「キリン 氷結 無糖 レモン」なのです。その開発には、多様化する消費者ニーズに対する課題がありました。それはずばり、甘さです。

 

冒頭で触れたように、ビール類で最も安価だった新ジャンルが値上げされたことによって、据え置き価格のRTDを手にする人は増えています。しかし、そこでハードルとなるのがRTDの甘さ。基本的にビール類は甘くないため、「缶チューハイは自分向けじゃない」「食事に合わせづらい」と感じる消費者も一定数いるのです。

↑ビール類を好む人がRTDを選ばない理由には、甘さが大部分を占めています

 

こういった期待に応えてデビューしたのが「キリン 氷結 無糖 レモン」。ブランドならではのみずみずしい果実のおいしさを生かしつつ、甘くない味わいを両立させているのが最大の魅力。実際に飲んでチェックしてみました。

 

 

ウマいのはもちろん飽きずに飲み続けられる

まずはアルコール度数の低い4%から。キュッと締まったレモンの酸味が華やぐ、軽やかな飲み心地が特徴。度数の設定は、おいしさに最適な濃度などを探るなかで、4%にたどり着いたとのこと。

↑果汁は2.7%、エネルギーは100mlあたり26kcal

 

↑スカッとしていて、きわめてSo Cool! 甘さがないぶんベースのウォッカとレモンのフレーバーをストレートに感じられます

 

次は7%。4%よりもしっかりとした飲み応えを訴求しつつ、キリッと冴えるレモンの果実味も打ち出しています。こちらの度数も、甘さを出さずに自然な果実感を実現しつつ、力強さを訴求した結果7%になったとのことです。

↑果汁は3.4%。100mlあたり43kcalと、4%よりひとまわり強くなっています

 

↑確かにボディは4%より豊かで、パワフルな飲みごたえ。一方で、ムワッとしたアルコールの違和感はなく、レモンの酸味とも好バランスです

 

4%と7%、ともに感じたのは無糖なだけにドリンクビリティ(飽きずに飲んでいられるおいしさ)が抜群なこと。また、甘さがないので料理を邪魔しないとも思いました。特にシンプルな塩味系、酸味の効いた料理、スパイシーなテイストと合うのでは、と。発表会では「フライドチキンと好相性」と言っていたので、このペアリングも試してみることに。

↑コンビニでおなじみのフライドチキンと、唐揚げを合わせてみました

 

これはまさにドンピシャ! 唐揚げなどにレモンをかけてすっきり味わう食べ方はおなじみですが、やはりレモンと揚げ物との相性は抜群です。また開発担当者によると、揚げ物のほかにチーズ系の料理も好相性。意外なところでは漬物や、おにぎりなどのご飯類も、米の味を邪魔しないのでよく合うそうです。

 

トータルの感想は「さすが氷結!」といえる完成度の高さを感じましたが、無糖という提案自体がヒットするのではと思います。なぜなら、今夏キリンビバレッジから「キリンレモン スパークリング 無糖」が新フレーバーとして登場し、大ヒットを記録したからです。

 

しかも担当者に聞くと、「キリン 氷結 無糖 レモン」の開発には飲料市場における無糖炭酸の動向などに関してキリンビバレッジの知見を活用したとのことで、まさにガチ。このレモン味のヒット次第で、ほかのフレーバーに無糖が登場することも期待大だといえるでしょう。

 

 

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2020年を語る上で絶対外せないレモンサワー「アサヒ ザ・レモンクラフト」。年末年始最強の組み合わせ7選を公開!

2020年のお酒のトレンドを振り返ると、家飲み需要が拡大するとともに、例年以上にRTD(開封してすぐ飲めるドリンク)の話題が多い1年でした。具体的には継続人気のレモンサワー、手作り感など高付加価値のクラフト系、コロナ太りで注目された糖質カット系などが挙げられます。

 

様々な新作がデビューしたなか、クオリティの高さで真っ先に思い浮かぶのが、クラフトカテゴリーのヒット商品「アサヒ ザ・レモンクラフト(以下「レモンクラフト」)」。先行して4月にセブン-イレブンから発売され、その後10月からは満を持してすべてのコンビニで発売されています。

 

↑「レモンクラフト」の「極上レモン」(左)と「グリーンレモン」(右)。ともにアルコール度数は7%で400ml、税抜181円

 

そして、筆者と編集部の間で話題にのぼる回数が多かったRTDも、実は「レモンクラフト」。本稿ではその理由とともに、フードジャンルのトレンド商品を中心に、年末年始の宅飲みやホムパで絶対使える、7つのオススメペアリングも紹介していきます。

【ペアリングを先見せ(画像をタップすると拡大画像が表示されます)】

 

「レモンクラフト」がもっている5つの優位性

まずは改めて、レモンクラフトの実力について。これはクオリティの高さが第一ですが、総評として5つの優位性が挙げられます。

 

①圧倒的な香りの豊かさ

レモン/グリーンレモンオイル、旬果レモンスピリッツ、凍結レモンピールエキス、瀬戸内産レモンエキス、シチリア産レモン果汁の5種類のレモン素材を使い、芳醇な香りが実現されています。そして、この香り高さが全体的なおいしさをゆるぎないものにしています。

 

↑「レモンクラフト 極上レモン」。「グリーンレモン」ともに、パッケージの裏面にはレモンからどのように味わいを引き出しているかの説明書きがあります

 

②広口キャップ

レモンクラフトは広口キャップを採用し、缶のまま飲むことを推奨しています。立ちのぼるレモンの鮮烈なフレーバーが、ダイレクトに鼻孔へ届く設計がこのボトル缶なのです。

 

③リキャップできる利便性

レモンクラフトは内容量が400mlと、一般的な350mlよりはやや多いのですが、リキャップできるので休日のお昼と夜とで分けて200mlずつ飲むといった楽しみ方もできます。

 

↑「レモンクラフト グリーンレモン」。レモンの缶チューハイはRTD市場のなかでも最大級のアイテム数ですが、この400mlボトルを採用している商品はほぼ皆無です

 

④希少性

当初はセブン-イレブン限定ということで希少性があったこと。現在は全国のコンビニで購入できようになっており、購入のハードルも下がっています。

 

⑤やや高価格帯なプレミアム感

2020年は自宅で過ごす時間が増えて、家事も増えて、また在宅勤務をする人はオンとオフが付けづらいという事象が起こりました。「おうち時間を楽しむプチ贅沢」というトレンドにマッチしたということです。

 

7つの絶品つまみを提案。有意義な年末年始を

ここからは、例年より在宅時間が多い今冬の年末年始の家飲みを、一層楽しむ方法として「レモンクラフト」の様々な組み合わせを提案。1年の疲れを癒しつつ、新しい年に良いスタートを切ってもらえれば。トレンドフードのほか、「レモンクラフト」がコンビニで発売されている商品ということで、コンビニグルメを中心にピックアップしました。

 

【その1】「レモンクラフト」同様のヒットストーリーをもつ新食感スナック

湖池屋「ハッシュドポテト」シリーズ

↑「うすしお味」(左)と「コンソメ」(右)があり、ともにオープン価格。来春「ハッシュドポテト コクうま塩」と「ハッシュドポテト クリスピーベーコン」にリニューアルが予定されています

 

「レモンクラフト」のように、セブン-イレブンで人気に火が付いた有名なフードが、湖池屋の「ハッシュドポテト」シリーズ。細切りした生のじゃがいもをひと口サイズのキューブ型にしたスナックで、ザクザクほろほろとした斬新な食感が特徴です。味付けはリッチなテイストで、贅沢な「レモンクラフト」にもマッチ。

 

【こちらもオススメ!】

上記同様、2020年にポテトスナックでヒットしたのが、味付けがなく素材本来のおいしさを楽しめるポテトチップス。湖池屋からは「湖池屋プライドポテト 芋まるごと 食塩不使用」、カルビーからは「CHIPS NEXT (Original)」が話題に。素材のピュアな味や香りを生かした「レモンクラフト」が合うことは間違いありません。また、新感覚スナックという点では湖池屋の「罪なきからあげ」もオススメです。

 

【その2】発売2日で100万個売れたローソンの新生ホットスナック

ローソン「GU-BO(グーボ)」シリーズ

↑「グーボ ベーコンポテト味」と「グーボ 明太チーズ味」。ともに税抜120円

 

今春デビューするやいなや、2日間で累計販売数100万個を突破し、あの大ヒットスイーツ「バスチー -バスク風チーズケーキ-」の3日間で100万個突破の記録を抜いた「グーボ」。濃厚かつ具だくさんで食べ応えがあり、生地はカリカリ、中身はホクホクでおつまみにも最適です。さっぱりとした「レモンクラフト」の酸味が「グーボ」のパンチをリセットし、また食べたくなり飲みたくなる好循環ペアリングがここにあり!

↑「グーボ 明太チーズ味」のフィリング(具材)はこのような感じ。とろけるチーズと明太子の辛味が合わさって、クセになるおいしさです

 

【こちらもオススメ!】

ミニストップならコリアンスナック「ソトクソトク」や、ガーリックバターが入ったカツ「チキンキエフ」。ファミリーマートなら「ポケチキ」シリーズがコンビニの注目ホットスナックです。「レモンクラフト」と合わせ買いして、濃厚なフードと爽快なお酒とのメリハリを楽しみましょう。

 

【その3】ニューノーマル仕様で“香る”コンビニおでん

コンビニ各社のパック型おでん

↑セブン-イレブンをはじめ、どのコンビニでもおなじみのおでん。パック型はチルドコーナーなどに置いてあり、店によっては袋のままレンチンできるタイプと、湯煎などで温める2種類があります

 

秋冬のコンビニグルメとして外せないのがおでん。“ニューノーマル”が叫ばれた今年はレジ横ではないパック型のおでんが話題となりましたが、実は非接触以外の魅力もあります。それが、香り高さ。レジ横で温め続けるおでんは時間経過とともに香りが飛びますが、パック型はできたてを密封するので香りが新鮮なのです。その芳醇な香りを、ぜひ香り高い缶チューハイ「レモンクラフト」でキュッと!

 

【こちらもオススメ!】

コンビニの秋冬を彩る、もうひとつの風物詩が中華まん。こちらはレジ横の需要も多く、変わらない人気を博しています。肉、ピザ、カレーなど具材は多種多様ですが、汎用性の高い「レモンクラフト」はどの味にもよく合います。

 

【その4】クリスマスのチキンは“ロースト”が本場風

ローソン「ローストチキン(骨なし)」

↑ローソンの「ローストチキン(骨なし)」。税抜204円(1ピ―ス)

 

クリスマスにチキンを食べるのはおなじみですが、よりクリスマスに密接な文化圏である欧米では七面鳥や鶏をローストするのが一般的。それにならって、ぜひ今年はローストチキンを味わってみませんか? 代表的なコンビニでは、ローソンから「ローストチキン(骨なし)」や、「黄金チキン ローストレッグ」(税抜276円)が発売されています。ジューシーで甘やかな香ばしさがあるローストチキンには、ほのかな甘みと柑橘の果実味が好バランスな「レモンクラフト 極上レモン」がマッチ。

 

【こちらもオススメ!】

例年クリスマスの時季に登場することがよくある、ミニストップの「スモークチキンレッグ(骨付き)」は、燻製好きなら要チェック。また、ファミリーマートの「照焼チキンステーキ」も肉厚ジューシーで絶品です。

 

【その5】巣ごもり派にも外メシ派にも。缶詰つまみの金字塔

国分グループ本社「缶つま」シリーズ

↑「缶つま コンビーフ ユッケ風」。税抜450円

 

家飲み需要が高まる一方、開放的なベランダ飲みやキャンプも今年は大ヒット。その両シーンで活躍してくれるのが缶詰です。なかでも、お酒に合う味わいにこだわって作られた「缶つま」シリーズは、どの商品も間違いないおいしさ。たとえば、ごま油と豆板醤が効いた「缶つま コンビーフ ユッケ風」は、牛肉と油のガツンとしたうまみが「レモンクラフト」の爽快な酸味と絶妙にマッチします。

 

【こちらもオススメ!】

ラインナップの多彩さも「缶つま」シリーズの魅力。炭火焼きのワイルドな香ばしさが美味な「缶つま 鹿児島県産赤鶏さつま炭火焼」、魚で挙げるなら「缶つま 九州産 ぶりあら炊き」、燻製好きなら「缶つまSmoke うずら卵」などがオススメです。コンビニにもよく置いてあるので、年末年始の巣ごもり用つまみとしてもぜひ「レモンクラフト」と一緒に。

 

【その6】2021年も拡大に注目! カラダにも環境にもやさしい大豆ミート

ファミリーマート「四川風旨辛そぼろ丼」

↑ファミリーマートの「四川風旨辛そぼろ丼」。税抜462円

 

大豆ミートはその名の通り、大豆をお肉のように加工した、現在注目のフード。ファミリーマートの「四川風旨辛そぼろ丼」は、ピリ辛でコク深い豆板醤や、シビれのある花椒(ホアジャオ)で味付けした大豆ミートのそぼろをはじめ、もやし、にんじん、きくらげのナムル、味付けメンマ炒めなどがたっぷり。甘辛くインパクトのある味わいに、「レモンクラフト グリーンレモン」のみずみずしい爽快感やフレッシュなビターテイストがよく合います。

 

【アザーチョイス】

上記「四川風旨辛そぼろ丼」はつまみになるメシとして、夕飯晩酌やシメに最適。また、ローソンには地域限定でレトルトの「大豆のミートハンバーグ」、セブン-イレブンには「野菜と大豆ミートのタコスミート」があります。

 

SDGsの面でも注目されている大豆ミートは、肉に比べて比較的カロリーが低くコレステロールフリー。圧倒的な低脂質ながら、肉と変わらない高たんぱく質と良いことずくめ。コロナ太りに、正月太りがのっからない組み合わせです。

 

【その7】未体験のおいしさでヒットに! シメにはコンビニ新食感スイーツを

ファミリーマート「プリン!?なチーズケーキ」

↑ファミリーマートの「プリン!?なチーズケーキ」。税抜276円

 

ここ数年のコンビニスイーツトレンドは、ローソンの「バスチー -バスク風チーズケーキ-」を筆頭に未体験のおいしさがキーワード。2020年を振り返るとファミリーマートの「スフレ・プリン」が頭角を現し、続いて秋には“新感覚チーズケーキ”として「ショコラチーズケーキ」と「プリン!?なチーズケーキ」が登場。発売10日間で合計200万食を突破した勢いが印象的でした。どのスイーツにも、甘さ控えめですっきりした味わいの「レモンクラフト 極上レモン」がよく合います。

 

【アザーチョイス】

プリン×コンビニといえば、セブン-イレブンが人気に火をつけた硬め食感の「イタリアンプリン」が有名。そのほか、スリーエフなら「もちぽにょ」ミニストップなら「フローズンヨーグルト」ローソンなら「プレミアムロールケーキ」と、各社を代表するロングセラーも安定のおいしさです。

 

2021年も「レモンクラフト」でワンランク上の家飲みを

2021年も、家での豊かな過ごし方を提案する商品がトレンドの中心となるでしょう。ビジネス面では自宅/仕事場/カフェなどの第三の場所と働く環境が日々変わっていくため、1日の切り替えや週末のリセットが心のよりどころとなります。

 

↑一言で表現するなら「レモンクラフト 極上レモン」はブライト&エネルギッシュ。「レモンクラフト グリーンレモン」はフレッシュ&ドライ。どちらもリッチで絶品です

 

プライベート面では時短に継続的なニーズがあり、家事を楽にする家電や手間のかからない料理が注目を集めるはず。そして5G時代の到来とともにライブ配信などもより一般的となり、充実した時間を楽しむためのプチ贅沢な食品やお酒が求められるでしょう。これらのニーズに合致しているのが「レモンクラフト」です。ちょっと優雅な気分に浸りたい日の晩酌や、仕事などを頑張ったあとのご褒美に、「レモンクラフト」でワンランク上の乾杯を!

 

各商品は、一部の地域および一部の店舗では取り扱いされていない場合があります。
飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。

撮影/我妻慶一

2020年の「酒トレンド」をプロが解説。5つのキーワードと「17の銘柄」で振り返る

激動だった2020年。例年よりあっという間だったと感じた人は少なくないでしょう。トレンドを語る背景にはステイホームが強く関わってきますが、本稿ではお酒のトピックスを5つのキーワードと17の銘柄で振り返ります。

 

↑酒×コトの分野における今年の一大トレンドといえば、オンライン飲み会です。写真は「樽ハイ倶楽部」。右がレモンとウォッカがベースの「樽ハイ倶楽部レモンサワー」、左がほのかな柑橘の風味が感じられるプレーン味の「樽ハイ倶楽部大人のサワー」

 

【2020年を彩ったお酒たちを先見せ(画像をタップすると拡大画像が表示されます)】

 

【その1】上質系レモンサワー

昨今の缶チューハイブームをけん引するレモンサワーは、今年も安定の盛り上がりを見せました。そのなかで台頭してきたのが“上質系”といえるカテゴリー。これは、既存のレモンサワー商品以上に素材や製法にこだわってつくられた、高付加価値なおいしさが特徴です。

 

特に注目だったのが、春にセブン-イレブンから先行発売されて人気に火が付き、秋からは全コンビニへと販路が拡大した「アサヒ ザ・レモンクラフト」

↑【注目お酒その1】「アサヒ ザ・レモンクラフト」の「極上レモン」(左)と「グリーンレモン」(右)。ともに400mlでアルコールは7%。リキャップできる珍しい仕様となっています

 

最大の特徴は、レモン/グリーンレモンオイル、旬果レモンスピリッツ、凍結レモンピールエキス、瀬戸内産レモンエキス、シチリア産レモン果汁の5種類のレモン素材を使い、芳醇な香りを実現していること。そしてその魅力を最大限に楽しむためにボトルの形状にもこだわり、飲み方まで推奨(グラスに注がずボトルから飲むことを推奨)しているのもポイントです。

 

また、リニューアルによって商品価値が高まったものも。そのひとつが、2018年にデビューした「キリン・ザ・ストロング」の進化版「麒麟特製サワー」です。

↑【注目お酒その2】「麒麟特製レモンサワー」。複数の果実を12時間以上煮詰め、うまみを凝縮させた独自の「うまみエキス」により、アルコール9%の飲みごたえと飲みやすさを高いレベルで両立

 

そして2019年に誕生し、今年のリニューアルによって上質な味にさらなる磨きをかけたのが「サッポロ レモン・ザ・リッチ」です。今春にはブランド史上最も濃く贅沢な味に仕上げた「サッポロ レモン・ザ・リッチ 神レモン」を限定発売し、話題となりました。同商品は、レモンの果皮、オイル、パルプが入った混濁果汁による奥行きのある味が魅力。そのおいしさを最大限楽しむために、一度逆さまにしてから飲むというのも特徴です。

↑【注目お酒その3】こちらは定番の「サッポロ レモン・ザ・リッチ 濃い味レモン」。通年商品には「ドライレモン」と「ビターレモン」もラインナップされています

 

2020年の元日から発売され、1か月で約100万本を超える売り上げを記録したローソン限定品の「LEMON SOUR SQUAD from NAKAMEGURO」も上質系サワーの一大ブランドです。手がけているのは、缶チューハイのパイオニアである宝酒造。レモンの香り成分を含むハーブを原料に加えた焼酎と、深み豊かな樽貯蔵熟成焼酎のブレンド、濃厚レモンペーストと強炭酸の爽快な味が特徴です。

↑【注目お酒その4】「LEMON SOUR SQUAD from NAKAMEGURO」。自他ともに認めるレモンサワー好きのEXILEが監修していることも話題に

 

上質系レモンサワーを語るうえでは、初めてアルコール商品を手がけたことでも話題となった日本コカ・コーラの「檸檬堂」も外せません。九州でのテストを経て2019年10月に全国発売されましたが、今年1月にはあまりの人気に一時出荷停止となったヒット商品です。

↑【注目お酒その5】「檸檬堂 定番レモン」。まるごとすりおろしたレモンを、あらかじめお酒に漬け込む「前割り製法」を採用しているのが特徴で、フレーバーは「鬼レモン」「塩レモン」「はちみつレモン」を含む全4種

 

【その2】おうちスピリッツ

家で過ごす時間が増えたぶん、RTD以外のお酒をじっくり楽しみたいという需要が増えたのも今年の傾向です。そこで重宝されたのが、ジンやウイスキーをはじめとするスピリッツ(蒸溜酒)。新商品としてヒットしたアイテムの代表には、サントリーが手がけたジャパニーズジン「翠(SUI)」があります。

↑【注目お酒その6】「翠(SUI)」。ジュニパーベリーなどジンの定番ボタニカルに加え、柚子、緑茶、生姜といった和素材を使用。柚子の華やかな香り、緑茶のうまみ、生姜のすっきりとした辛味が華やぐ日本人好みの味わいに仕上がっています

 

ウイスキーの新作には、ニッカウヰスキーの6年ぶりの新ブランドとして話題をさらった「ニッカ セッション」があります。特徴は音楽をイメージしていること。スコットランドのモルトと日本のモルトをセッションのように組み合わせ、華やかな香り、なめらかな口当たり、オーク樽の甘さが調和した軽やかな味わいを実現しています。

↑【注目お酒その7】「ニッカ セッション」。新たな創造や潮流をイメージした、モダンアートを彷彿とさせる躍動感のあるラベルデザインもアイコニック

 

ほかにウイスキーの新作には、今春デビューした「キリンウイスキー 陸」が本格的な味と良心価格でおうちスピリッツの人気者に。一方で新作以外の定番スピリッツも人気を博し、特にコンビニでも買えるような超王道は例年以上に売り上げを伸ばしました。たとえば、世界No.1ラムとして有名な「バカルディ」、同じく世界No.1プレミアムジン「ボンベイ・サファイア」、そして“ハイボールの起源”とも言われるスコッチウイスキーの銘酒「デュワーズ」などがあります。

↑【注目お酒その8〜10】左から「デュワーズ 12年」、「ボンベイ・サファイア」、「バカルディ ゴールド」。スパイスがボタニカルのキーであるジンは、スパイスカレーとのペアリングでも人気が上昇中

 

【その3】カジュアル系スパークリング果実酒

炭酸の効いた爽快なお酒は、夏場に重宝されるほか、1杯目としても人気。そんなスパークリングカテゴリーにおける今年のトレンドといえば、果実酒を中心にカジュアルなラインが増えたことです。代表的なアイテムといえば、メルシャンが“カジュアルスパークリング”として新提案した「ビストロ スパークリング」と「メーカーズレシピ スパークリング ウィズ ホップ」です。

↑【注目お酒その11】左の3つが「ビストロ スパークリング」で、最右が「メーカーズレシピ スパークリング ウィズ ホップ」

 

これらの特徴はアルコールが低め(一般的に12%前後のところ7~9%)かつ量も少なめ(主流は750ml のところ500ml)で、価格も400~600円で安めということ。お酒が得意ではなくても飲みやすく、なおかつ気軽に買いやすい価格なので敷居の高さを感じにくくなっています。

 

もう一品、カジュアル系スパークリング果実酒として紹介したいのが「ニッカ JAPAN CIDRE」。こちらは、量や価格は一般的なシードルと相応ながらもアルコール度数が3%とフレンドリーな仕様に。また、果肉まで赤い希少なりんご「ジェネバ」を一部に使った赤い液色が鮮やかで、カジュアルなルックスも特徴です。

↑【注目お酒その12】今夏Amazonから先行発売された「ニッカ JAPAN CIDRE」。同サイトのシードルカテゴリーで屈指の人気を誇っています

 

これまで低アルコールのスパークリングとしては、14種もの豊富な通年商品がありそのすべてがアルコール度数3%のRTD、サントリー「ほろよい」が大きな存在感を示していました。このボリュームゾーンが、カジュアル系スパークリング果実酒の登場で拡大していくことでしょう。

 

【その4】やさしいアルコール

コロナ禍で健康への意識が例年以上に高まるなか、その需要に応えるかのように立て続けに登場したのが「キリン一番搾り 糖質ゼロ」「キリン ベジバル」「キリン 麹レモンサワー」のキリン3部作です。これらに共通しているのは、“やさしい”ということ。

↑【注目お酒その13】「一番搾り製法」に、「新・糖質カット製法」という新たな独自技術を投入しておいしさと糖質ゼロを両立。試験醸造は350回を超え、開発には5年もかかったそう。発売1か月で100万箱を突破するヒットを記録

 

「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は、コロナ太りが気になっている人にやさしい設計。野菜を使ってスムージー感覚に仕上げた「キリン ベジバル」は、食生活の偏りが気になっている人にやさしい商品。そして「キリン 麹レモンサワー」は、日本の伝統的な健康フードとしてなじみの深い発酵食「麹(こうじ)」に着目した、やさしいおいしさが特徴です。

 

↑【注目お酒その14】左から「キリン ベジバル」(「グリーンmix」「レッドmix」「オレンジmix」)と、「キリン 麹レモンサワー」

 

【その5】専門店から生まれた対コロナのお酒

最後に紹介するのも、コロナ禍によって生まれたお酒のトレンドです。ステイホームにより飲食店にとっては苦しい状況が続いていますが、この逆境だからこそ生まれた革新的なお酒があります。ひとつは、バー業態による「ボトルカクテル」。グラスに注ぐだけで、プロのカクテルの味が楽しめるスペシャルボトルです。

↑【注目お酒その15】有名女性バーテンダーの小栗絵里加さんによる「Mother’s Blossom」。味はフローラルかつフルーティでクリーミーと、市販のお酒にはないプロの芸術が詰まっています

 

また、国が飲食店の救済策として打ち出した「料飲店等期限付酒類小売業免許」も話題に。これは、酒販免許がない飲食店でもお酒のテイクアウト販売を期限付きで許可したもので、バーによるカクテルキットや、クラフトビール専門店の樽生クラフト持ち帰りなどが注目を集めました。

↑【注目お酒その16】クラフトビールレストランの人気店「クラフトビアマーケット」グループの「クラフトロック ブリューパブ&ライブ」では、1リットル缶を1280円でテイクアウト販売。同店は醸造所併設型店舗のため、今回の期限関係なく購入できます

 

クラフトビールに関しては、米国の多くのビール好きが持っている「グロウラー」という持ち帰り専用ボトルを、日本でも買う人が増えるというトレンドも生まれています。

↑【注目お酒その17】グロウラーの人気ブランド「ドリンクタンクス」。専用アタッチメントを付けると、ビアサーバーになるのも特徴です

 

こうして2020年を振り返ってみると、ステイホームで外食がしづらくなったぶん、家飲みを贅沢にしようというマインドから「上質系レモンサワー」や「おうちスピリッツ」などに人気が集中。また、運動不足や免疫力への意識の高まりから「やさしいアルコール」が注目され、集客が厳しくなった飲食の専門店からは「VSコロナ酒」が生まれるなど、改めてコロナ禍の影響は大きいと実感しました。2021年はより楽しく乾杯できる日が早くくるよう、年始から祈願していきたいと思います。

トラックの荷台に本格バー出現!? 移動型バー「BAR TRUCK MEDIA TLUX」で飲むカクテルは美味しいか

適度に暗いバー店内で黙々とカクテルを作るバーテンダー。カウンターに注がれたのはいろとりどりのカクテル。そのカクテルグラスを揺らし物思いにふける男。仕事、金、生活、異性……様々な問題をこれからどう解決していくべきか。男はこのバーのカウンターで、一杯のカクテルを飲みながら考えているーー。

……が、しかし! このバーを引いて見ると、なんとトラックの荷台だったのでした。

 

今回は“移動型バー”として10月から営業をスタートし、メディアでも話題となったBAR TRUCK MEDIA TLUXの紹介です。「トラックの荷台部分に設置されたバー」というインパクトもさることながら、利用するにあたって重要なのはやはりバーとしての機能。営業形態やメニューなど、チェックしてみたいところがいくつかあります。というわけで、ここではBAR TRUCK MEDIA TLUXを運営するクリエイターボックス代表/プロデューサーの篠﨑友徳さんにアレコレ質問してみます。

↑BAR TRUCK MEDIA TLUXのイケメンバーテンダー、久保貴史さん(左)と並ぶ、クリエイターボックス 代表取締役/TLUXプロデューサーの篠﨑友徳さん。トラックのバーとはいえ、本格的な店を心掛けているとのことです

 

5月開店のはずが、5月に閉店を決めた幻のバー

ーーそもそもなぜトラックをバーにしようと考えられたのですか?

 

篠﨑友徳さん(以下、篠﨑) もともとは渋谷の神泉にバーを出そうとしていて物件を借り、内装デザインもでき上がり、スタッフも雇っていました。そのバーは「秘密基地」のような雰囲気を売りにしていて、「いざ開店!」と計画していました。今年の5月開店の予定でしたが狭く、三密になってしまうような店で、新型コロナウイルス感染リスクを避けるため、その5月に閉店を決めました。赤字はすごく出てしまったんですけど、そこでヤメておかないともっと赤字が嵩みますから。しかし、これは本当に悔しかったですね。

その幻の店でバーテンダーとして起用したのが、今のBAR TRUCK MEDIA TLUXの店長兼バーテンダーの久保なのですが、彼と2人で「コロナ禍でも、営業できるような形態は何かないかな」と話をしていました。営業できる条件の第一は換気ですよね。「換気が良くて、皆が罪悪感なく飲める場所があると良いよね」という話をしていて、そこから「移動型の店舗が良いんじゃないか」という結論に至りました。トラックの荷台部分を横にすれば、ある程度の間口が取れますし運搬などで使われるトラックのような開閉の仕組みを応用すれば、すぐできるだろうと。それで、急ピッチでトラックを買って製作し、今年の10月より営業を始めたんです。

↑閉店時の様子。一見普通のトラックにも見えますが……

 

↑開けてみるとこの通り。わずか15分程度でオシャレなバーに早変わりします。車両サイズは全長6020×全幅1950×全高2910mm

 

BAR TRUCK MEDIA TLUXの営業場所は?

ーー相当な費用がかかったのではないかと思います。

 

篠﨑 数百万円はかかりましたけど、前述の本来営業する予定だった固定店舗に用意していたランニング費がありましたので。その費用をそのままトラックにかけました。

 

ーートラックのバーを作っても、常に考えなければいけないのが営業場所ですね。現在は、渋谷のヨシモト∞ホールの敷地で営業されていますが。

 

篠﨑 借りられる場所はいくつかあります。わかりやすい例だと、キッチンカーが営業している場所。お酒を出しても良ければそういう場所でも良いです。例えば夜間、閑静な住宅街にポツンとトラックを置いて、仕事帰りで疲れたサラリーマンの方に一杯やっていただくのも良い。あるいは夕暮れ時に海岸沿いにトラックを置き、海で遊んでいた人にお酒を飲んでいただくのも良い。場所を借りるのは、個別に交渉しないといけませんが、このようにシチュエーションを変えて営業できるのがBAR TRUCK MEDIA TLUXの一番の利点です。

 

ーー電気や水道はどうされるのですか?

 

篠﨑 どちらもトラック車内に完備されていますが、現在営業している場所では、電気は施設からお借りすることができます。トイレだけがないので、そこは利用される方にご判断いただいた上で営業しています。前述のような「営業する場所」を考えた場合は、こういった点も考慮しなければいけないですが、それさえクリアすればどこへでも行くことができます。

また、「1日貸し切りプラン」「1か月貸し切りプラン」なども用意してまして、個人のパーティーからイベントなどにも使用できます。こういったことから、トラックを使った移動型バーではあるものの、例えば企業プロモーションの場、キャンペーンを行う場などでは「メディア」としても使用できると思っています。そういったことからBAR TRUCK MEDIA TLUXという名称にしました。

↑現在は渋谷にあるヨシモト∞ホールの敷地内で営業しているBAR TRUCK MEDIA TLUX。チャージはなく、ドリンク代のみで利用することができます

 

移動型バーでいただく本格的モクテル

ーーオープンから1か月以上が経ちましたが、利用された方の反響はいかがですか?

 

篠﨑 渋谷という立地もあり、若いお客さんはもちろん多いですが、ご年配の方もいらっしゃいます。幅広い年齢層の方にご利用いただいていますが、バーとしての機能はチャラチャラした感じにはしていません。例えばグラス一つにしても簡易的なものではなく、良質のものばかりを採用しています。

 

ーーまた、気になるのがメニュー構成です。価格を見ると、数百円からと安めですが、どんな飲み物を出されているのですか?

 

篠﨑 普通のお酒とカクテル、モクテル(ノンアルコールカクテル)などですね。1杯数百円から用意していますが、もちろんすごく高いメニューもあります。そこは利用される方のニーズに幅広くお答えしたいと思っています。前述の神泉に出すはずだったお店のコンセプトを引き継いでいるのですが、「安くても本格的な飲み物を出す」ということには、すごくこだわっています。

例えばジントニック。皆さんが普段飲まれるジントニックって、ジンにトニックウォーターを割ったものだと思いますが、うちのモクテルでは、ジンの原料となるジュニパーベリーという実や、カルダモンなど複数のスパイスを、お客さんの目の前で鉢ですり潰して入れています。目の前でジュニパーベリーの実がはじけた香りはかなりフレッシュです。アルコールは入っていないのに、ジントニックの味がするモクテルです。

 

ジントニック(モクテル)の制作行程をチェック!

 

ーーたしかに「ただ注いだ」というわけではなく結構な手間がかかっていますね。

 

篠﨑 ありがとうございます。この他にも本格バー同様のメニューを取り揃えています。

 

ーーそれではそのこだわりのカクテルを何杯か実際に飲ませていただきたいと思います。

 

篠﨑 ぜひお試しください。

 

というわけで、実際にBAR TRUCK MEDIA TLUXで飲んでみた!

【その1】ジントニック(モクテル)600円(税込)

まずは先ほど作っていただいたジントニックのモクテルをいただきます。篠﨑さんが言う通り、一口だけでジュニパーベリーの芳醇さがまず口の中に広がり、後から炭酸のシュワシュワがアタックしてくる感じ。初めて飲む味わいでした。

 

【その2】フルーツレモネード(モクテル)600円(税込)


レモンジュースとシュガーシロップに加え、木苺とブルーベリーとエルダーシロップという花のシロップを加えたもの。ベリーはその日の入荷によって変更されることもあるそうですが、甘さと酸味が複雑に絡み合うフレッシュな風合い。女性に喜ばれそうな一杯でした。

 

【その3】モヒート(モクテル)600円(税込)


ハーブを丁寧に洗い、軽く叩いて氷に風味を移した後、シロップを入れライムを絞り炭酸を注いだもの。ハーブの青臭さもなく、とにかくスッキリの味。夏場に飲むのはもちろん、ちょっとお酒を飲み過ぎたとき、リセットする一杯にも良さそうに思いました。

 

【その4】モスコミュール(モクテル)600円(税込)


モスコミュールは本来、銅製のマグカップでいただくもののようで、BAR TRUCK MEDIA TLUXでも同様のものを採用。ドライなジンジャーエールの刺激に加え、さらに細かくカットした生姜、ローズマリーを添えたもの。スパイシーで刺激的な一杯です。

 

【その5】ほうじ茶のカクテル(裏メニュー)800円(税込)


篠﨑さんの知人のお茶屋さんが作ったほうじ茶のシロップを採用したカクテル(裏メニュー)。ウォッカとイタリアのリキュール・ガリアーノをシェイクしたもので、口の中に広がる複雑な甘味により、つい何度も口をつけたくなる病みつき感がありました。

 

気になる冬場の営業は?

ーーモクテルを中心にいただきましたが、どれも本格的で手間がかかっているのに、たった600円〜(税込)。喫茶店でコーヒーを飲むよりも、こちらのほうが変わったメニューを楽しめて良いと思いました。

 

篠﨑 ありがとうございます。モクテルはもちろん、アルコールが入ったカクテルも全て本格的なものをご提供していますので、ぜひご利用いただきたいですね。

 

ーーただ、心配なのがこれからの時期「寒い」ということです。お客さんへの対策はありますか?

 

篠﨑 トラックの中にエアコンが備わっており、暖房はあります。また、ブランケットなども用意しています。ただオープンな環境ではありますので、お客様自身で防寒対策はきちんとしてご利用いただければと思っています。

 

ーー最後に、今後の展望をお聞かせください。

 

篠﨑 カウンターと客席が完備された移動型のバーとしては、私たちの試みが日本初です。一方で、各地ではキッチンカーが増えていますよね。そういったキッチンカーと我々のような移動型バーが連携して、いろいろな地域、スペースに「場」を作っていけたら面白いなと思っています。固定の店舗ですと、初期投資がかかる上、その場所の問題で店が流行らなければすぐに退去するというリスクがあります。

しかし、移動型バーやキッチンカーでしたら、最初にクルマを作らないといけないものの、固定の店舗よりは遥かにリスクが少ない。こういった移動型のお店が集まり、様々なところに「場」を作っていくことができれば、これまでとはまた違う街の構造ができていくようにも思っています。まだ未知数ではありますが、他の仲間とのコラボレーションにも挑戦していきたいと思っています。

↑移動型店舗だからこその利点は十分ありそうです

 

BAR TRUCK MEDIA TLUXは、コロナ禍での苦境をきっかけに、斬新なアイディアへと転じ実現させた好例だと思いました。本格的なドリンクメニューも本当におすすめですので、渋谷界隈に行かれる方はぜひ利用してみてください!

 

<SHOP DATA>

BAR TRUCK MEDIA TLUX

現住所:東京都渋谷区宇田川町31-2 ヨシモト∞ホール前
営業時間:18:00~25:00(月曜定休)

■1日貸切プラン

車両レンタル費10時間まで+運転手/バーテンダー同行:10万円(税込)

※飲食費別途/東京都以外は運搬費別途

■1か月貸切プラン

メディア費1か月〜:180万円(税込)〜

 

撮影/黒飛光樹

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

世界一のバーテンダーが「伝説を作るまで」と「最先端のバーの作り方」を語る噺

大人の社交場である「バー」に焦点を当てる連載。第3弾となる今回も、東京・渋谷にあるバー「The SG Club(エスジー クラブ)」の設立者であり、バーテンダーの世界大会で優勝経験を持つ後閑信吾(ごかん・しんご)さんに、世界一に至る道のりと世界のバーで印象に残ったことをうかがっていきます。

元バーテンダーであるGetNavi編集部の鈴木翔子がバーに詳しい人のもとを訪れて、バーの魅力やバーにまつわるエピソードを聞いていく本企画。第1回は、日本と海外のバーの違い、第2回はバーの楽しみ方を後閑さんに語って頂きましたが、最終回となる第3回は後閑さんご自身のことについて語っていただくのがメイン。なぜバーテンダーの道を志したのか、どうやって世界一になったのか、世界で印象に残ったできごとなどを、たっぷりと語ってもらいました!

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

↑今回お話をうかがう後閑信吾さん。後閑さんは2001年より地元・川崎でバーテンダーとしてのキャリアをスタート。2006年に渡米し、ニューヨークの名門「Angel’s Share」でヘッドバーテンダー兼バーマネージャーとして10年間勤務し、同店在籍中の2012年には「バカルディ レガシー グローバル カクテル コンペティション」の世界大会で総合優勝を果たします。2017年にはバーテンダーの頂点と言われる「テイルズ オブ ザ カクテル」で「インターナショナル バーテンダー オブ ザ イヤー」を受賞し、名実ともに世界最高のバーテンダーとしての地位を確立しました

 

「なんとなく」でバーテンダーを始め、本格的なバーの世界にのめり込む

鈴木 今回はまず、後閑さんがバーテンダーになるきっかけから教えてください。

 

後閑 2001年、18歳のときにアルバイトで始めました。動機は「なんとなく」でしたが、何かを作って技術を得られる仕事がいいと思ったんです。パティシエや料理人も考えていたので、最初はケーキ屋さんに行ったんですよ。でも面接で落ちてしまって、次に受かったのがバーテンダーだったんです。当時は2年ぐらいやったら、また違う仕事をしてみようかなんて考えていました。

 

鈴木 最初に働いたバーはどんなお店だったんですか?

 

後閑 場所は地元の川崎で、居酒屋チェーンが運営するバー業態でした。店で働くのは楽しかったですね。そのうち本格的なバーに連れて行ってもらって、大人な世界観に魅了されていったんです。

 

鈴木 そうしてバーの世界にいっそうのめり込んでいったわけですね。

 

後閑 はい。そして、19歳のときに職場を変えたんですが、すぐにそのバーで店長を任せてもらえることになりました。これを機にバーテンダーの技術をしっかり教わろうと思い、働きながらバーテンダーのスク―ルにも通いました。アメリカに行ったのは2006年、22歳のときです。常連のお客さんから「ニューヨーク(以下NY)に行ったら成功すると思うよ」と背中を押していただいたのがきっかけでした。

 

NY屈指の有名店に入り、半年でマネージャーに

鈴木 そして、アメリカに渡った後閑さんは、NY屈指の有名店「Angel’s Share」で働くことになるわけですよね。そんな有名店にいったいどうやって入ったんですか?

 

後閑 NYに来て最初に働いていた日本食レストランに、「Angel’s Share」のマネージャーがよく来ていて、声をかけてもらったんです。実は、それ以前にも人に「Angel’s Share」を紹介されたんですが、そのときは雇ってもらえませんでした。当時はアメリカでのバー経験はもちろんないし、英語もしゃべれなかったので。

 

鈴木 最初は英語が話せなかったんですね。

後閑 行けば何とかなると思っていまして、まったく勉強しませんでした(笑)。

 

鈴木 まったく勉強しないというのも、すごい話です(笑)。「Angel’s Share」に入ってからはいかがでしたか?

 

後閑 店に入った当時、マネージャーが後任を探しているタイミングで、入って半年でマネージャーを引き継ぐことになったんです。

 

鈴木 すぐに実力が認められたんですね。それはそれで大変だったんじゃないですか?

 

後閑 そのときは、さすがに英語も少しは話せるようになっていましたけど、商談や取材対応などがままならず大変でした。英語の堪能な日本人スタッフに通訳してもらうこともありましたね。前任の売り上げを超える、結果を残す、といったプレッシャーもありました。僕自身がストイックだったからなんですけど、とにかく毎日がハードでした。NYのバーは体力勝負。ましてや「Angel’s Share」は忙しかったですから、一日中体を動かして300杯、400杯くらいのカクテルを作るんですよ。「バーテンダーは一生できる仕事ではないだろうな」と思うぐらい。

 

鈴木 体力が維持できないとやっていけない仕事だったんですね! まるでアスリートみたいです。バーテンダーとして一生やっていく決意も揺らぐほどだったと……?

 

後閑 いえ、当時はバーテンダーとしてやっていこうと決めていたわけではありません。もちろん、NYで結果を残すつもりではいましたし、いつか何かの道で独立したいとは思っていましたが、それがバーテンダーとは決め切れていませんでした。

 

世界大会での優勝で「バーテンダーとして生きていく」と決意を固めた

鈴木 その後、後閑さんは「Angel’s Share」に在籍中の2012年、「バカルディ レガシー グローバル カクテル コンペティション」に出場して総合優勝されました。後閑さんにとって、これはどんな意義がありましたか?

後閑 バーテンダーにおいて、賞を獲っていないといけないわけではありません。ただ、僕としてはこれで人生が変わりました。この優勝がなければ、いまの自分はありえないと思っています。

 

鈴木 バーテンダーとして生きていく決意につながったということですよね。

 

後閑 そうですね。僕の中で「バーテンダーとして生きていく」と決意が固まったのは、この大会からです。

 

鈴木 世界一になって、何が変わりましたか?

 

後閑 多方面から仕事のオファーをいただくなど、チャンスが広がりますよね。僕やお店のことを知っていただくきっかけにもなり、お客さんも増えて非常にありがたかったです。ただ、賞を獲ったといって安心していてはダメで、そこからが本当の勝負。賞に値するパフォーマンスを発揮し続けることが大事になってきます。僕個人としては、世界一のバーテンダーとして見られるわけですから。

 

鈴木 なるほど。受賞後もそれに恥じないための努力が必要ということですね。

 

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「バーテンダーの聖地」で、歴史上唯一のゲストバーテンダーになる

鈴木 その後、世界一のバーテンダーとして、後閑さんは様々な国でゲストバーテンディング(※)やセミナー講師をされたとうかがいました。特に海外で印象的だったエピソードはありますか?

※バーテンディング……バーテンダーを務めること。「ゲストバーテンディング」は、自分が所属していない店に招かれてバーテンダーを務めること

 

後閑 強く印象に残っているのは、やっぱりロンドンのサヴォイ・ホテルでのゲストバーテンディングですね。

 

鈴木 サヴォイ・ホテルのバーといえば、「バーテンダーの聖地」といわれるお店ですよね。130年以上の歴史のなかで唯一、ゲストバーテンダーとしてカウンターに入ったのが後閑さんだけだったという、あの伝説の……。

 

後閑 すごく感慨深いものがありました。当時は29歳で、実はこれが初めてのゲストバーテンディングだったんです。いま考えれば、もっと噛みしめてやればよかったなぁ……とも思います。

 

鈴木 この先、サヴォイ・ホテルにゲストとして入るバーテンダーはいないということなんですよね。

 

後閑 はい。歴史上で僕だけで、この先もゲストバーテンダーが入ることはありえないと聞いています。

 

鈴木 そのときに印象に残ったことはありますか?

 

後閑 バーテンディング前日の昼にカウンターで仕込みをしていたとき、バーテンダーが僕しかいないという時間があったんですね。そしたら、たまたまお客さんが入って来られて。自分の事情は説明したんですけど、「君もバーテンダーでしょ。何か飲ませてよ」とオーダーされて、作ったら「おいしいね!」とすごく喜んでくれたんです。そのあと彼が「ちょっと席を外すよ」と言ってしばらくしたら、サヴォイ・ホテルのギフトショップでロゴ入りの銀のシェイカーを買って戻ってきて、これを僕にプレゼントしてくれたんです。

 

鈴木 うわぁ、粋ですねー!

 

後閑 うれしかったし感動しました。そのシェイカーは、いまでも上海の店に飾っています。

 

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第1回 「世界一のバーテンダー」が語る「日本と海外のバーの違い」の噺

第2回 「世界一のバーテンダー」が語る! 初心者に伝えたい「バーのキホンと選び方」の噺

 

日本人の感性を活かし、バーの魅力をグローバルに伝えていきたい

鈴木 後閑さんのバーテンダー人生を振り返ってみて、日本というバックグラウンドが役立ったと感じたことはありますか?

 

後閑 それは常々感じています。まずは舌の感覚。よく、世界でも日本人の舌は優れているといわれますけど、これは確かでしょう。あとは日本独自の四季の感覚がありますね。色彩や温度感など、これも武器だと思います。

鈴木 繊細な味覚や四季の感覚は、日本人が世界に誇っていいものなんですね。

 

後閑 ただ、日本人の感覚や文化をそのまま海外に持っていっただけでは難しいでしょう。バーに関しては、その土地に合わせてアジャストすることも必要だと思います。

 

鈴木 この「The SG Club」も、和と洋の感性がうまく調和していると思いますが、改めてお店の特徴を教えてください。

 

後閑 これは「The SG Club」だけでなく、ほかの店舗にも共通していることですが、芯となるコンセプトをしっかり固めていることです。メニュー、ロゴ、音楽、ユニフォーム、サービス、内装、ライティングなど……挙げるとキリがないのですが、コンセプトをしっかりと固めることで、その方向性がまとまっていきますから。

 

鈴木 確かに、後閑さんは現在、東京で2店舗、中国の上海で3店舗プロデュースされていて、どの店もそれぞれ明確なコンセプトが打ち出されていますよね。しかも、店舗ごとにまったく違うコンセプトになっています。

 

後閑 「ほかにあるような店を作りたくない」という思いもありますし、それ以上に誰もやってないことにチャレンジしたくなるんです。効率を考えると、同じような店を作ったほうが楽なのでしょうけど。

 

鈴木 なかでも、2018年にオープンしたこの「The SG Club」は、母国への凱旋ともいえる出店でしたが、日本に出店する店ならではの特徴はありますか?

 

後閑 行燈をモチーフにした照明や格子戸など、日本の伝統的な意匠を様々な部分に落とし込んでいます。この手法は、上海の店には使っていません。というのも、その地で生まれ育ったからこそわかる文化やデザイン、合致するストーリーってあるじゃないですか。

 

鈴木 確かに。「The SG Club」の「江戸時代にアメリカへ渡った侍たちが、帰国してバーを開いたら?」というコンセプトも、世界を見てきた後閑さんによる、日本のお店だから成立するということですね。

 

後閑 はい。デザインの面でもストーリーの面でも、ネイティブならではの要素をうまくちりばめることができて、内容もいっそう濃くなったと思います。

 

鈴木 「The SG Club」は国内のバーシーンをけん引する一軒だと思いますが、これからはどういう存在でありたいと思いますか?

 

後閑 欧米のバーのように開放的な空間でありたいです。バーに慣れていない人でも注文しやすいようメニューリストも用意しているので、気軽に利用してほしいですね。

 

鈴木 1階の「Guzzle」は昼からオープンしていて(※)、テーブルチャージもないのがいいですよね。外から店内の様子が見える造りですし、すごく入りやすいと思います。

※2020年12月11日現在は17:00~翌1:00で短縮営業中

 

後閑 うちみたいに自由な店が増えていけば、バーが日本人にとってもっと日常的になるのかな、と。「The SG Club」にはそういった思いも込めています。

 

鈴木 では、最後に今後の目標を聞かせてください!

 

後閑 自分の店づくりはもちろんですが、商品開発やプロデュースなどにも力を入れていきます。また、日本の文化を世界に発信する一方、海外の面白いバーカルチャーをもっと日本に広めて、バーの魅力をグローバルに伝えていきたいです。

 

鈴木 ありがとうございました! 今後のご活躍も楽しみにしています!

 

「The SG Club」は今年の11月、世界最高のバーアワード「THE WORLD’S 50 BEST BARS」で日本最高位の第10位を受賞。「バーの魅力をグローバルに伝えていきたい」という後閑さんの思いは、確実に実を結びつつあるようです。さらに同店では、自由に海外旅行ができない今、食を通じて旅の気分を味わってもらおうと、世界の様々な街をテーマにしたカクテルペアリングコース「SG Airways」を提供中。みなさんもぜひ「The SG Club」を訪れて、バーの魅力と後閑さんの世界観を堪能してみてはいかがでしょうか。

撮影/我妻慶一

 

<取材協力>

The SG Club

上海に「Speak Low」「Sober Company」をオープンしてきた後閑信吾さんが、世界3店舗目として渋谷にオープンしたのが「The SG Club」です。“1860年、幕府の命でアメリカに派遣された侍たちが、その文化を持ち帰って日本にバーを開いたら?”というのがコンセプト。店内は異なるテイストの3フロアで構成。1階はカジュアルなスタイルでカクテルが楽しめる「Guzzle」(ガズル=英語で“ごくごく飲む”という意味)、地下1階はクラシックな雰囲気の「Sip」(シップ=“ちびちび飲む”という意味)となっており、この頭文字をとって店名を「The SG Club」と命名したそう。2階は会員制のシガーバー「Savor」(セイバー=英語で“味わう”という意味)で、和とキューバの粋が溶けあう空間となっています。

住所:東京都渋谷区神南1-7-8 B1~2F

アクセス:JRほか「渋谷駅」徒歩8分

営業時間:日~木11:30~翌2:00、金土11:30~翌3:00(B1「Sip」は18:00~)

※2020年12月11日現在は17:00~翌1:00で短縮営業中

定休日:不定休

※上記は2020年12月11日時点の情報です。新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、以降の営業時間等に関しましては、店舗にお問合せください

↑1階の「Guzzle」

 

↑地下1階の「Sip」

 

↑2階の「Savor」

 

記事に登場したお酒の紹介はこちら▼

・ブラントン

https://www.takarashuzo.co.jp/products/blanton/blantons/

 

後閑信吾さんインタビュー記事のバックナンバーはこちら▼

・第1回 「世界一のバーテンダー」が語る「日本と海外のバーの違い」の噺

・第2回 「世界一のバーテンダー」が語る! 初心者に伝えたい「バーのキホンと選び方」の噺

 

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