作家・坂井希久子に聞く「時代小説」と「酒」のうまい噺——今も昔も変わらない、人情を輝かせるお酒の魅力とは?

「おいでなさいまし」。

作家・坂井希久子さんが描く、時代小説『居酒屋ぜんや』シリーズ(角川春樹事務所・刊)の主人公・お妙は、こんな風に私たちを出迎えてくれます。今回は、神田にある老舗の居酒屋「みますや」で江戸時代に思いを馳せながら、ほろ酔い気分で時代小説と酒のうまい噺に耳を傾けます。

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です。

 

●坂井希久子(さかい・きくこ)/1977年、和歌山県生まれ。 2008年「虫のいどころ」でオール讀物新人賞を受賞。 17年『ほかほか蕗(ふき)ご飯 居酒屋ぜんや』で歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞

 

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美人女将が切り盛りする江戸の酒場『居酒屋ぜんや』シリーズとは?

↑『居酒屋ぜんや』シリーズ。「さくさく」「ふうふう」「ほろほろ」などの擬音語がどれも素敵で、読めばお酒と料理が欲しくなる

 

江戸時代の神田を舞台に、旦那が遺した居酒屋ぜんやを継ぐ美人女将・お妙と、家督を継げない武家の次男坊で鶯(うぐいす)の鳴きつけ(鶯に鳴き方を教えること)を生業にする林只次郎が織りなす時代小説『居酒屋ぜんや』シリーズ。

 

本作は、角川春樹社長から直々に「美人女将が出てくる時代小説を、10作品のシリーズで書いてほしい」と依頼され、2016年6月に『ほかほか蕗ごはん』を発売。2021年4月の『さらさら鮭茶漬け』でシリーズ10作品が完結。 現在は新シリーズ『花暦 居酒屋ぜんや』がスタートしています。

 

シリーズのタイトルは全て料理の名前で統一。表紙にはお妙が作る旬の食材を使った料理の数々が色鮮やかに描かれています。

 

坂井さんはどんな思いで『居酒屋ぜんや』シリーズを執筆されたのでしょうか?

 

「初めての時代小説、初めてのシリーズ本だったので、急いで江戸時代の資料をかき集めて、もう必死でした。1冊書き終えた時には、全身にじん麻疹を発症して3日間寝込んでしまったんです(笑)。江戸後期の風俗誌『守貞漫稿』や江戸時代の料理本を読んだり、深川江戸資料館(2022年7月まで改修工事中)にも足を運んだりしながら、お妙さんならどんな料理を作るのかしら? と、考え書き進めていきました。主人公のお妙さんも、最初は癒し系の美人女将でしたが、癒してばかりの女もなぁ……と少しずつ、我の強さが出てくるようになりましたね」。

 

個性豊かな『居酒屋ぜんや』の登場人物たちは、構想中の坂井さんの頭の中で勝手に動き始めるそうで、物語に誰を出すか迷っていると、キャラクターたちから「私はどうです?」と寄ってきてくれるのだとか。そういうキャラクターだからこそ、坂井さんも「お妙さんならこの食材をこうアレンジするはず」というように、次々と料理のアイデアが湧いてくるそうです。

 

料理はもちろん、恋模様や物語を覆う大きな謎と、いろいろな読み方が楽しめる『居酒屋ぜんや』シリーズ。多くのファンを獲得していますが、ひとくちにファンといってもいろんな方たちがいるようです。

 

↑坂井さんの独特な優しいトーンの関西弁は、わたしたちをほっこりした気持ちにしてくれます

 

「お陰様でたくさんのファンの方に支えられていまして、『もっと料理のシーンを増やして!』『はやく二人の恋愛を進展させて!』『恋愛はいいから、謎を解いてくれ〜』と読む人によっていただく感想が様々で、書いている私としても面白かったです。新しいシリーズでは、若い世代のお花ちゃん、そして熊吉を中心に話が展開されると思うので、登場人物たちがどんな動きを見せてくれるのか私自身も楽しみなんです」。

 

「時代小説」と「酒」の今も昔も変わらぬ、おいしい関係

シリーズ第1作から居酒屋ぜんやでは、「置き徳利」という今でいうところのボトルキープのような制度が登場します。

 

只次郎の頭についに妙案がひらめいた。
「そうだ、お妙さん。置き徳利という制度を作ってみませんか」
「はぁ。なんでしょうか、それは」
酒屋の通い徳利*を元に考えついた案である。客は一升なり五合なりの徳利で、先に酒を買ってしまうのだ。まとめ買いをするぶん、値は少し下げてやるといいだろう。その徳利を、店で預かっておくのである。

(『ほかほか蕗ごはん 「冬の蝶」 』より引用)

*通い徳利:酒屋が貸し出していた陶磁製の小売用容器

 

これは当時「日本初のボトルキープをぜんやでやりませんか?」という編集者の提案から実現されたものだとか。

 

↑「みますや」に来たらぜひ食べてほしい、あつあつの「柳川なべ」(1000円)

 

↑「こんにゃく田楽」(500円)

 

坂井さんは「お酒はそんなに強くない」とおっしゃっていましたが、みますやの料理に促されどんどんお酒が進みます。普段はどんなお酒を楽しんでいるのでしょうか?

 

「好きなのは日本酒。辛口や甘口など何を飲んでも美味しいんですよね。昔は、甘いカクテルとかを飲んでいたんですけど、秋刀魚の肝を食べられるようになったあたりから日本酒が美味しいなぁと感じるようになりました。そこからは、居酒屋でもお家でも、晩酌程度ですがお酒を楽しんでいます」。

 

 

「もうなくなってしまった居酒屋なのですが、 お店で厚揚げを揚げているところがあって。揚げたての厚揚げに、葱と鰹節に生姜、醤油をちょっとかけるだけで絶品でした。和洋中どれがいい、このお酒がないとダメなんて自分の中にルールはなくて、看板メニューじゃなくても。ちょっとした料理を美味しく楽しめるそんな居酒屋が好きですね」。

 

『居酒屋ぜんや』シリーズでお妙さんが作る料理も、坂井さんが好む“ちょっとしたもの”が続々と登場します。

 

冬だからこそ、青菜は欠かしたくないところ。沸騰した湯に小松菜と春菊をサッと放つ。
茹で上がってから、これだけでは口当たりが物足りないと、葱を細く切って軽く湯通ししたものを加えてみた。
少量の醤油で醤油洗いをし、生姜汁と味醂を回しかければーー。
「うん、美味しい」
味見をして、満足げに頷いた。

(『ほかほか蕗ご飯 「六花」』より引用)

 

ご自宅でも晩酌を楽しまれるという坂井さん。どんな肴とお酒を楽しんでいるのでしょうか?

 

「春菊が大好物なので、この時期は生の春菊とカリカリに炒めたベーコンをオリーブオイルと塩胡椒で合わせたものをつまみに、日本酒をいただきます。あとは柿のマリネと合わせたサラダや、白和えもいいですよね。寒い日には、お鍋をつまみに、夫と少量の日本酒を1本空けるくらいの程度ですが、晩酌していますよ」。

 

↑『居酒屋ぜんや』のお妙さんのように、ちろりで燗した日本酒を坂井さんがお酌してくれました

 

お話を伺っていると、和服を着た坂井さんが『居酒屋ぜんや』のお妙に見えてきました。お酌をしてもらって、少しずつ空気も温かく感じられるようになったところで、おすすめの時代小説をご紹介いただきました。

 

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坂井希久子が厳選!
今読みたい、お酒と共に楽しむ時代小説3選

時代小説と聞くと、侍同士の切った張ったや大名家の陰謀を暴くなど、渋いイメージがありました。しかし、最近は女性の書き手も増えて、小説ビギナーや読書好きな若い女性たちが気軽に手に取れる作品も多く出てきています。

 

今回は、坂井さんが厳選した、今読んでおきたい時代小説を3冊と、その時代小説に合うお酒をご紹介いただきました。

 

『かすてぼうろ〜越前台所衆 於くらの覚書〜』武川 佑・著

関ヶ原前夜、田舎育ちの主人公・於(お)くら(13歳)は、越前府中城の台所衆として働くことに。出会いと別れを繰り返し、乱世の中成長していく主人公。おいしそうな料理と真っ直ぐな於くらの思いが心を揺るがす時代グルメ絵巻。

戦国時代が終わって、江戸時代になったくらいのまだまだ料理方法が少ない時代の料理が描かれています。この時代で料理ものが来たか! と驚きましたが、最終的には家康公まで出てきます。江戸時代初期なので、日本酒の「にごり酒」などが合うかなと思いセレクトしました

 

『よろず屋お市 深川事件帖』誉田 龍一・著

幼いころに両親を亡くし、腕利きの岡っ引きだった万七に引き取られた主人公のお市。万七はよろず屋に身を転じるが、ある日、不審な死を遂げ、お市が稼業を継ぐことに。江戸の私立探偵お市が活躍する『よろず屋お市』シリーズだったが、2020年3月、著者の誉田 龍一さんがこの世を去られたため、物語が完結しないまま終了となってしまった。

このシリーズ本当に良くて……もっと続きが読みたかったです。寡黙なお市ちゃんが本当に恰好よくて、ハードボイルドな時代小説になっています。この粋な恰好よさには、辛口の日本酒もいいけれど、ウイスキーやハイボールも似合うと思いますよ

 

『大江戸少女カゲキ団』中島 要・著

江戸・両国を舞台に、身分を隠しながら仲間と共に娘一座「少女カゲキ団」を結成した主人公の芹(せり)。身分制度が厳しい江戸時代に、必死に夢を追いかけ芝居に情熱を注ぐ少女たちを描いた時代小説。夢に向かうひたむきさは、昔も今も変わらないのだと、主人公たちと同世代の女性たちはもちろん、夢を忘れかけた大人も心揺さぶられるシリーズだ。

江戸時代に宝塚のようなカゲキ団があったらという想定で描かれた時代小説です。登場人物の女の子たちがすごく可愛くて楽しい。まだ時代小説を読んだことのない女性が初めて読むのにもおすすめですね。お酒も「澪」のような少し甘めのスパークリングの日本酒でほんのり酔えば、そんな雰囲気を楽しめると思います

 

『居酒屋ぜんや』も時代小説界に明るい光を取り入れ、読者層を広げたシリーズのひとつ。これから時代小説を読んでみたい、新しい読書体験を楽しみたいという方にもおすすめです。小説片手に一杯やれば、『居酒屋ぜんや』の常連客のひとりになった気分を味わえるはず。今も昔も変わらない人情に触れ、心から温まることができるでしょう。

 

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<取材協力>

みますや

住所:東京都千代田区神田司町2-15-2
営業時間:月〜土曜日11:30〜13:30/17:00〜22:30(ラストオーダー22:20)
定休日:祝・日曜日

※価格はすべて税込みです
※営業時間等に関しましては、店舗にご確認ください(取材日:2021年11月30日)

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒

http://shirakabegura-mio.jp/

「澤乃井」のスペシャルな新酒をゲット! 小澤酒造がマンガ『ほろ酔い道草学概論』とコラボを実施

東京の酒造メーカー「小澤酒造」と、GetNavi webで連載中のお酒マンガ『ほろ酔い道草学概論』とのコラボが決定しました! 小澤酒造と言えば、「澤乃井」ブランドで有名な老舗。東京都・青梅市に蔵を持っており、多摩川を眺めながら外呑みを楽しめる「澤乃井園」とともに西東京の観光スポットとしても有名です。

 

『ほろ酔い道草学概論』は、2021年12月27日に単行本を発売した「お酒×街歩き」をテーマにしたマンガ作品。第一回にて小澤酒造、澤乃井を主人公たちが訪れるエピソードを収録しています。

●『ほろ酔い道草学概論』ウェブ版の第一話を読む

 

今回のコラボは、澤乃井の新酒「新しぼり」の作品オリジナルラベル酒を制作するというもの。『ほろ酔い道草学概論』の作者・zinbeiが描き下ろしたイラストラベルが添付されます。

 

↑こちらのラベルが添付されます

 

↑澤乃井の年始めの一本「新しぼり」

 

今回のコラボ酒は非売品となり、現在は『ほろ酔い道草学概論』単行本刊行を記念したキャンペーン「zinbei酒マンガ祭り」でのプレゼントとして手に入れることができます。

※単行本に特設ページへアクセスするQRコードを添付

 

●「zinbei酒マンガ祭り」の詳細を見る

 

「zinbei酒マンガ祭り」キャンペーンは、以下の『ほろ酔い道草学概論』作者のzinbei関連作品を購入すると応募できるキャンペーンです。

 

(キャンペーン対象作品)

●2021年12月27日発売「ほろ酔い道草学概論」
●2022年1月7日発売予定「酒と鬼は二合まで②」
●2022年2月7日発売予定「酒と鬼は二合まで③」

 

マンガ好きな方だけでなく日本酒好きな方も、特別な澤乃井の「新しぼり」を手に入れるチャンスですのでマンガ作品をぜひお買い求めください。

 

また今後「zinbei酒マンガ祭り」キャンペーン以外でも、GetNavi・GetNavi web主導でコラボ酒のプレゼント企画を予定しています! GetNavi・GetNavi web、Twitterアカウント「ゲットナビのマンガ部【公式】」にて随時情報を告知していくのでそちらもチェックしてください。

 

【作品情報】

●ほろ酔い道草学概論 インドアな私が酒と街歩きにハマるまで

漫画:zinbei

刊行:ワン・パブリッシング

うまい酒とエモい散歩は学問だ――。日本全国の足を運ばないとわからない魅力を持った「土地」、その土地でこそ楽しめる「お酒」の楽しみを描いた、今までありそうでなかった「酒×街歩き」コミックがついに単行本に。作中で登場する日本酒やワイン、クラフトビール、健康センターのサワーなど、全て実在のもの。お酒と共に、土地々々の隠れた顔に迫る「エモい街巡り」が描かれます。コロナ禍以降、お出かけの解放感とお酒の楽しみから遠ざかった人、また少しずつでも足を伸ばしてみようと思っている人に寄り添う酒マンガの新境地!

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楽天ブックスで情報を見る

 

●酒と鬼は二合まで②

原作:羽柴実里/作画:zinbei

刊行:スクウェア・エニックス

二人目の”鬼”はクールビューティー…? 種族は違えど、互いにとって大切なもの“酒”を介して、同居人となったナオリとひなた。二人の不思議な共同生活は穏やかに進んでいくかのように思えた。しかし、そこに新たな”鬼”が…。「陽奈多(ひなた)のバーテンダーを辞すると言いなさい」

Amazonで2巻の情報を見る

正月休みにだら呑みしたい! 「常陸野ネストビール」の魅力を国際唎酒師が語る

今年の年末年始は、みなさんゆっくりできそうでしょうか? 一年の疲れを発散するには……なんと言ってもお酒!

 

年末年始は、一年間の中でも日本酒などのお酒が最も飲まれるハイシーズンでもあります。そこで本企画ではこの年末年始におすすめの日本酒やクラフトビールなどさまざまなお酒を、国際唎酒師の髙橋理人さんが解説。

 

さらに2021年12月27日に発売したお酒マンガ『ほろ酔い道草学概論』の、お酒紹介話もお披露めします。おすすめのお酒と、それにちなんだマンガをゆったりとお楽しみください。

 

●解説

髙橋理人さん

全国の酒蔵のサポートおよび情報発信を行っている、酒蔵支援スタートアップ「株式会社蔵楽(クラク)」代表取締役。SSIインターナショナル認定「国際唎酒師」であり、一般社団法人日本ソムリエ協会認定「SakeDiploma」、「ワインエキスパート」とお酒関連の資格を幅広く持つ。大手化学メーカーに就職した最初の赴任地、新潟県糸魚川市にて感動的な日本酒に出会い、その魅力の虜に。日本酒普及に向けた活動を行い、オンラインセミナー「日本史と日本酒」、「日本酒都道府県旅」など日本酒と人を繋げる新たなアプローチを数多く試みている。

 

●年末年始におすすめの一本

常陸野ネストビール だいだいエール/ホワイトエール

↑だいだいエール

 

↑ホワイトエール

 

日本のクラフトビールでも有数の「常陸野ネストビール」は、茨城県那珂市の蔵元・木内酒造が日本酒づくりの英知を活かしてつくられています。クラフトビールの本場である欧米に並ぶ味は、今や世界35か国以上で愛されているものになりました。

 

そんな常陸野ネストビールは、東京では丸の内、エキュート品川、そしてマーチエキュート神田万世橋店で楽しめます。「だいだいエール」は、筑波山の麓、八郷産の福来みかんと、その香りを引き立たせる柑橘系のホップを使用。フルーティーで爽やかな香りと旨味を特徴としています。爽やかな香りとやわらかい味わいが人気の「ホワイトエール」は、世界で知られるフクロウラベルを印象づけた銘柄。

 

そんな日本有数のクラフトビールを髙橋さんが推薦する理由は…

 

常陸野ネストビールは、クラフトビールビギナーにこそ飲んでもらいラインナップばかり。1つ目の「だいだいエール」は、オレンジ香りがするホップにミカンを副原料として使った、柑橘の味わいが際立ち、オレンジジュースカクテルのよう。しっかりとした余韻が楽しめます。一方で「ホワイトエール」は、すっきりタイプで、爽快さが特徴。ほんのり感じられるバナナ風味が美味しさを引き立てます。柑橘漂うジューシータイプかバナナのようなスッキリタイプか。カジュアルに飲めるけども、味わい深いこの2本は少し早めの時間から飲み始める人もいるであろう、年末年始にまったり飲んでほしいと思います。

 

とのこと! 今回紹介した2本は、お酒マンガ『ほろ酔い道草学概論』でも紹介しています。ぜひマンガと合わせて、その魅力を知ってください。マンガは全て12月27日に発売したばかりの単行本に収録されている特別版です!

※マンガ部分が読めるのは、2021年12月30日21時までとなります

 

 

 

 

 

 

 

 

【作品情報】

●ほろ酔い道草学概論 インドアな私が酒と街歩きにハマるまで

漫画:zinbei

刊行:ワン・パブリッシング

うまい酒とエモい散歩は学問だ――。日本全国の足を運ばないとわからない魅力を持った「土地」、その土地でこそ楽しめる「お酒」の楽しみを描いた、今までありそうでなかった「酒×街歩き」コミックがついに単行本に。作中で登場する日本酒やワイン、クラフトビール、健康センターのサワーなど、全て実在のもの。お酒と共に、土地々々の隠れた顔に迫る「エモい街巡り」が描かれます。コロナ禍以降、お出かけの解放感とお酒の楽しみから遠ざかった人、また少しずつでも足を伸ばしてみようと思っている人に寄り添う酒マンガの新境地!

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国際唎酒師が「屋守」を推薦!ーー「年末年始に美味しい日本酒」をマンガと合わせて解説

今年の年末年始は、みなさんゆっくりできそうでしょうか? 一年の疲れを発散するには……なんと言ってもお酒!

 

年末年始は、一年間の中でも日本酒が最も飲まれるハイシーズンでもあります。そこで本企画ではこの年末年始におすすめの日本酒を、国際唎酒師の髙橋理人氏が解説。

 

さらに2021年12月27日に発売したお酒マンガ『ほろ酔い道草学概論』の、日本酒紹介話もお披露めします。おすすめの日本酒と、それにちなんだマンガをゆったりとお楽しみください。

 

●解説

 

髙橋理人さん

全国の酒蔵のサポートおよび情報発信を行っている、酒蔵支援スタートアップ「株式会社蔵楽(クラク)」代表取締役。SSIインターナショナル認定「国際唎酒師」であり、一般社団法人日本ソムリエ協会認定「SakeDiploma」、「ワインエキスパート」とお酒関連の資格を幅広く持つ。大手化学メーカーに就職した最初の赴任地、新潟県糸魚川市にて感動的な日本酒に出会い、その魅力の虜に。日本酒普及に向けた活動を行い、オンラインセミナー「日本史と日本酒」、「日本酒都道府県旅」など日本酒と人を繋げる新たなアプローチを数多く試みている。

 

●年末年始におすすめの一本

屋守 純米中取り 無調整生(豊島屋酒造)

イラストは『ほろ酔い道草学概論』作者zinbeiが執筆

豊島屋酒造を守り続けていく強い気持ちと、日本酒を通じて関わる人たちの役に立ち繁栄を守るような作品を醸し続ける思いから銘名された「屋守」。限りなく手作業重視の小仕込を行い、「香りよく優しい味わい」をコンセプトに醸し、全量無調整(無濾過・無加水)、全量ビン貯蔵を行っており、その深い味わいは手間隙を惜しまないことで作られています。そんな「屋守 純米中取り 無調整生」についての髙橋さんのコメントは以下。

 

「無調整生」は、最も味わいのバランスの良い美味しい部分を、加熱処理や濾過などを一切せずにそのまま瓶詰めした一本で、かつては蔵人しか飲めなかった贅沢なお酒です。洋ナシのようなコクのある甘味と酸味、そして微炭酸が心地よく、ゆったりと楽しめます。一年間頑張った自分へのご褒美に、今年を振り返りながら時間をかけてじっくりと堪能してみて下さい。

 

 

今回紹介した「屋守」の豊島屋酒造は、お酒マンガ『ほろ酔い道草学概論』でも紹介しています。ぜひマンガと合わせて、屋守の魅力を知ってください。マンガは全て12月27日に発売したばかりの単行本に収録されている特別版です!

※マンガ部分が読めるのは、2021年12月29日21時までとなります

 

【作品情報】

●ほろ酔い道草学概論 インドアな私が酒と街歩きにハマるまで

漫画:zinbei

刊行:ワン・パブリッシング

うまい酒とエモい散歩は学問だ――。日本全国の足を運ばないとわからない魅力を持った「土地」、その土地でこそ楽しめる「お酒」の楽しみを描いた、今までありそうでなかった「酒×街歩き」コミックがついに単行本に。作中で登場する日本酒やワイン、クラフトビール、健康センターのサワーなど、全て実在のもの。お酒と共に、土地々々の隠れた顔に迫る「エモい街巡り」が描かれます。コロナ禍以降、お出かけの解放感とお酒の楽しみから遠ざかった人、また少しずつでも足を伸ばしてみようと思っている人に寄り添う酒マンガの新境地!

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世界の超一流が認めた! 一切手加減なし、こだわりのおいしさ。2021年を代表するクラフトビール、キリン「スプリングバレー」

2021年、約200%(※1)の市場急拡大で盛り上がりを見せるクラフトビールの人気を決定づけた今年のヒット商品が、キリンビールの「スプリングバレー 豊潤<496>」だ。発売から約半年で出荷数100万ケース(※2)を達成し、クラフトビール市場の急拡大をけん引。コレを飲まずして、2021年は終われない! 今まさに飲むべき一本の魅力をお伝えしよう。

※1:2021年1-10月国産クラフトビール販売数:出典:インテージSRI+(業務用酒販店含む)2021年11月キリン調べ(クラフトビール市場:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています)
※2:キリンビール出荷実績(大びん換算)202110月キリン調べ


キリン
スプリングバレー 豊潤<496>
税込実売価格272円(350ml)/363円(500ml)
「キリンラガービール」の約1.5倍の麦芽と、厳選した4種類のホップを贅沢に使用。ホップを7日間漬け込む「ディップホップ」製法により、豊潤な味わいとすっきりとした後味、ふわとろの泡を実現させた。

 

【この3人で検証しました】

GetNavi編集長/川内一史(左)
雑誌『GetNavi』を率いる。“酒=ビール”のビール好きだが、定番の味で満足するためクラフトはあまり飲まない。保守的なビール党。

GetNavi編集部 AV担当/松山葉南(中)
ビールは飲み会などの乾杯で嗜む程度。とはいえお酒は好きで、カクテルや果実酒、日本酒をよく注文する。

フードライター/中山秀明さん(右)
クラフトビール大好き人間。ブルワリーに取材することも多く、取材を通じて奥深い魅力に触れてきた。

 

クラフトビールのイメージがガラッと変わる!
誰もが納得するおいしさを実現

川内『スプリングバレー 豊潤<496>』が超売れているとは聞いていたんですが、ビールに関してはあまり冒険しないタイプなので、ついいつもと同じ定番銘柄に手が伸びてしまっていました。ですが、今日飲んで納得。これはマジでウマい! “個性的で気難しそう”というクラフトビールのイメージがガラッと変わりました」

松山「フルーティな香りと柔らかい飲み口が印象的で、リッチな甘味も感じますね。普段あまりビールを飲まない私でも、親しみやすくてすごく好きな味です」

中山「種類が豊富なクラフトビールのなかで、『スプリングバレー 豊潤<496>』は王道のスタイル。華やかな香りや豊かなコク、印象的な苦味が特徴ですが、一方で余韻の爽快感も抜群ですよね。バランスが良く、誰でもおいしく感じる味の設計になっています

川内「僕はゴクゴク飲めるビールが好きなので、クラフトは手が出にくいんです。でもこれはイイ! 味も香りも力強いですが、重たすぎず後味はすっきり。これがバランスの良さですかね」

中山麦芽をたっぷり使ってコクを深め、4種類のホップで香りや苦味を付けていますそこで活用されているのが、キリン独自の『ディップホップ』という製法。これにより、鮮烈でありながら温和な香りを実現しているんです

松山「『ディップホップ』は通常の製法と何が違うんですか?」

中山「一般的にホップを投入するタイミングは2つあり、1つは麦汁煮沸の終了直前。『レイトホップ』といい、穏やかな香りを付けられます。もうひとつは、煮沸した麦汁を発酵、貯蔵するときに入れる『ドライホップ』。貯蔵時に入れることで刺激的な香りを生み出せます。それに対し『ディップホップ』は両者の中間、発酵工程のときにホップを入れて7日間漬け込みます。つまり2つの良いとこどり。簡単そうに聞こえるかもしれませんが、発酵工程は品質管理が難しく、ホップを添加するのは至難の業。多くの醸造家が取り入れたいと夢に見ながらも手を出せなかった製法で、海外の醸造家には“クレイジー”とまで言われたそうです」

川内「なるほど! 良いとこ取りをしているから、味に個性を感じるのにスッと飲めちゃうんですね」

 

ここで、おいしさへのこだわりをチェック

1.世界的にも珍しい「ディップホップ」製法を採用!


発酵工程でホップを投入し7日間漬け込むという、革新的な製法を採用。ビール醸造の常識では考えられない製法であり、この実現を支えたのは、長年のビール造りによって培われた高い技術力と情熱だ。

 

2.厳選ホップと1.5倍量(※3)の麦芽を惜しみなく使用!


世界中から厳選した4種類のホップと、約1.5倍(※3)もの量の麦芽を使用。さらに全体の温度を徐々に上げる「インフュージョン」方式で麦芽を糖化し、濃厚な味わいとすっきりとした後味を両立している。

※3:キリンラガービール比

 

3.ビールづくりへの情熱を感じる「試験醸造250回(※4)以上」!


完成までにかかった歳月は、なんと10年。しかもその間に行われた試験醸造の回数は250回(※4)にものぼった。開発期間や試験回数だけを見てもクレイジーで、醸造家の夢が詰まったビールといえよう。

※4:本品の特徴である製法の開発にかかった試験醸造の回数

 

川内「すっかり1缶空いちゃいましたよ」

松山「早いですね! でも私もいつもより自然と杯が進んでます。あと、注いでから時間が経ちましたが、泡がまだしっかりあります」

中山クリーミーで持ちの良い泡も製法の特徴なんです

川内「泡の良し悪しは、ビールのおいしさだけじゃなく気分にも影響を与えるもの。これだけクリーミーだと気分がアガります!」

松山「注ぎ慣れていない私でも、キレイな泡ができました! 予想以上に簡単で、家でもできそう。缶とグラスで飲み比べてみると、泡の質感や香りのボリュームが違ってビックリ! 五感をフルに使っておいしさを存分に味わえる気がします」

 

ビール通直伝! おいしさをさらに引き出す「2度注ぎ」の極意

1.缶は口が小さく、魅惑的な香りが鼻に届きにくくなるためグラスは必須。アロマをよりしっかりと受け止めるには、口が広いタイプを用意しよう。ワイングラスもオススメ。きれいに洗って冷やしたグラスに、あえて泡が立つようにして注ぐ。グラスの約1/3まで泡で満たしたら、泡の粒が落ち着くまで数十秒待とう

 

2.缶の飲み口がグラスの縁に付くように当て、今度は泡を立てないようにできるだけやさしく注ぐ。グラスの内側に沿わせるように注ぐのがコツだ

 

3.最後はグラスの上部まで、やさしく一気に注ぐ。泡でフタをすることで炭酸ガスが抜けにくく、最後のひと口まで爽快なおいしさを楽しめるようになる

 

松山「今日はおつまみが豊富ですが、どんな料理が合いますか?」

中山「香味バランスが良いので、肉や魚、野菜、炭水化物と何にでも合いますよ。なかでもチーズなどの乳製品、トマト系のうまみや酸味が豊かな料理、甘味のあるソースには特にマッチします

川内「チョコレートなどの甘いものはどうですか?」

中山「いいですねー!『スプリングバレー 豊潤<496>』には甘やかなコクがあるので、スイーツにもよく合うんですよ

川内「これからパーティシーズンですが、前菜からメインにシメ、食後のスイーツまで、これ一本でずっといけますね。僕はこの年末年始、『スプリングバレー 豊潤<496>』で決まりです!」

松山「缶が華やかなデザインで、パーティの差し入れにもピッタリですし、ふわとろの泡でリッチな気分にもなれます。『ビールが飲みたい』ではなく、『“スプリングバレー 豊潤<496>”が飲みたい』と、指名買いしたくなるビールだなと感じました」

中山「山深い僕の実家のコンビニでは今までクラフトビールが手に入りませんでしたが、『スプリングバレー 豊潤<496>』のおかげで一変。身近なお店でこの味が手に入るのはうれしいですね。年末に帰省したらこの一本でお祝いしますよ。では改めて、乾杯!」

 

 

お酒大好き漫画家・zinbeiさんが選ぶ、自宅で「ふなぐち」を楽しむためのおつまみ5品

何かとお酒を飲む機会が増える年末年始、特に暮れや正月に日本酒を飲む機会が増える人は多いはず。そこでオススメなのが、2022年に誕生50周年を迎える生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」です。

 

 

生原酒ならではの濃醇旨口なおいしさに加え、おつまみとの相性のよさや入手のしやすさなどから“コンビニ最強酒”とも呼ばれるこの「ふなぐち」を、日本酒好きの漫画家、zinbeiさんのインタビューとイラストで紹介します。

 

GetNavi webでは、zinbeiさんのほかにも、ミュージシャンの小宮山雄飛さんと、フードアナリストの中山秀明さんにも、それぞれ独自の視点で「ふなぐち」に合うおつまみを選んでもらいました。三者三様のチョイスで、幅広いおつまみを紹介していますので、これさえ読めば、年末年始の「家飲み」のおつまみ生活に困ることはないはずです。

 

 

zinbei/自然、日本酒、映画を愛する漫画家。12月27日にはGetNavi webで連載中の「お酒×街歩き」をテーマにした『ほろ酔い道草学概論』の単行本を上梓

 


菊水酒造
ふなぐち菊水一番しぼり(生原酒)

1972年に誕生した日本初の缶入り生原酒で、累計出荷数は3億本以上。2022年には誕生から50周年を迎えます。新潟県産米を100%使用した精米歩合70%の本醸造で、濃醇旨口のフルーティかつフレッシュな味わいが特徴です。

 

 

フルーティでうまみが強く、とろっとした飲み口でおいしい

お酒のなかでも日本酒が最も好きで、家でも瓶を数本常備しつつローテーションで嗜んでいるというzinbeiさん。一方で、少量タイプのお酒は飲む機会が少なく、「ふなぐち」を飲んだのはここ最近とか。味わいの感想から聞きました。

 

フルーティでうまみが強く、とろっとした飲み口というのが第一印象です。『少量タイプでこんなにおいしい日本酒があるんだ!』と、ビックリしました。アルコール度数が高めで飲みごたえもしっかりしていますね。なので、私はオンザロックで加水しながら飲むのがお気に入りです」(zinbeiさん)

 

ひと口目からしっかりとしたボディを感じる「ふなぐち」は、ちびちびゆっくり飲むのがオススメだとzinbeiさん。おつまみも、甘さやしょっぱさをしっかり感じられるものが合うと言います。

 

『ふなぐち』はコンビニなど身近なお店で手に入るのもいいですよね。ふと飲みたくなったときに買いに行ったり、仕事帰りなどにさっと寄って簡単なおつまみと一緒に買ったりして。あと、缶を開けてそのまま飲める気軽さも魅力だと思います。私の場合は食後から寝る前までの時間、『あともう少し飲みたい』というときに重宝するお酒が『ふなぐち』ですね」(zinbeiさん)

 

仕事が立て込んでいない通常時は、19~20時ごろから飲み始めるのがzinbeiさん流。最初はアルコール度数が15%前後の一般的な日本酒からスタート。途中から「ふなぐち」モードに入り、乾きものやスナック、お菓子、シメといったおつまみとなどを合わせたいと言います。

 

「緊急事態宣言明けは、また友人と飲みに行くようになりました。その帰宅中に『もうちょっと飲みたいな』と思ったときにも、帰路で気軽に買える『ふなぐち』は活躍してくれます。今回セレクトしたおつまみともよく合いますよ」(zinbeiさん)

 

 

最近はVODや動画を観ながら。気持ちの切り替えも楽しく飲むコツ

zinbeiさんはふだん、家ではどのようなスタイルで飲んでいるのでしょうか。漫画を読んだりアニメを観たりしながらなのか、などシチュエ―ションを聞きました。

 

「漫画や書籍は気になったところをメモしながら読むので、食べたり飲んだりしているときじゃないですね。飲んでいるときは、映画やVOD、動画を見ながらというケースが一番多いです。なかでも最近ハマっているのはVODオリジナルの作品で、ドラマやバラエティ、ドキュメンタリーなどをよく観ます。

映画は好きなのですが、視聴時間が長くなるので、1話30~60分程度の作品を1~2話分を観ることが最近は多いですね。ジャンルは幅広く、アニメ以外もよく観ます。特に映像が凝っているものはコマ割り、演出、カメラワークといったクリエイティブが私自身の刺激にもなりますし。その意味では、仕事目線で見ている部分もあるかもしれません」(zinbeiさん)

 

飲みながらの場合は、動画でお笑い芸人のチャンネルやホラー系のチャンネルを観ることも多いそう。zinbeiさんの作風からすると、これは意外な一面かもしれません。

 

「お笑いは仕事とは関係ないですね。ホラーは実は昔から好きなジャンルで、漫画としてはあまり触れてきませんでしたが、心霊系も好きなんです。もともとあまり怖がりじゃないので、普通に興味本位で楽しめるというのもありますし、お酒を飲んでると余計に感覚がポワッとしているので普通に楽しめますね。でも、逆にヒューマンドラマは、酔っているときに観るといっそう気持ちが刺激されて感動できます」(zinbeiさん)

 

より家飲みを充実させる方法を聞くと、気持ちの切り替えが大切だとzinbeiさん。それは部屋の雰囲気やテーブルセッティングなど、多岐にわたるようです。

 

「私の家のメインライトは、明るさや色調を変えられるタイプのLEDにしています。これで仕事のときは明るい白色に、それ以外は暗めの暖色にしているのですが、雰囲気がガラッと変わるのでオススメですね。

おつまみを用意する時は、お気に入りのお皿に盛り付けるのもちょっとしたこだわりです。今回セレクトしたスナックなどのお菓子は、袋のままつまむこともありますけどね。器は集めるのも好きで、特に『○○焼』といった工芸品がお気に入り。百貨店などで買うこともありますよ。お酒も日本酒が好きなので、ひとり暮らしですけど酒器はわりと持ってるほうだと思います」(zinbeiさん)

 

 

zinbeiさんが選ぶ家呑みが楽しくなるおつまみベスト5はこれ!

ここからは、zinbeiさんがセレクトした「ふなぐち」にマッチするおつまみを紹介。商品ごとに、おつまみの解説や選んだ理由、「ふなぐち」と合う理由などをそれぞれ描いてもらいました。

 

1.鉄板セット<その1>
トップバリュ「おでん 7種7品」&ヱスビー食品「本生柚子こしょう」×ふなぐち(冷酒)

「おでん・柚子胡椒鍋に入れて煮るだけのお手軽に美味しい一品。柚子胡椒を具に乗せたりスープに溶かしたりしてもグー。柚子の爽やかな風味と『ふなぐち』の華やかさがよく合います冷酒で合わせるのがオススメですね」(zinbeiさん)

 

↑トップバリュ「おでん 7種7品」(213円・税込) /ヱスビー食品「本生柚子こしょう」(209円・税込)

 

2.鉄板セット<その2>
なとり「一度は食べていただきたい贅沢なチーズ鱈」&ミツヤ「イカリ豆」×ふなぐち(ロック)

「イカリ豆は一度は食べていただきたい! イカリ豆の香ばしさ、チーズ鱈のクリーミーさだけでなく、硬・柔の食感の違いも楽しめるので飽きずにじっくり楽しめる組み合わせ。ロックで『ふなぐち』を合わせると、時がたつのを忘れてしまいます」(zinbeiさん)

 

↑なとり「一度は食べていただきたい贅沢なチーズ鱈」(希望小売価格 200円・税別)/ ミツヤ「イカリ豆」(参考価格 173円・税込)

 

3.甘々セット
「カレ・ド・ショコラ(フレンチミルク)」×ふなぐち(ロック)

「口の中で溶けるチョコレートと、ロックで飲む『ふなぐち』でキリッと締めるのが癖になります。チョコレートは冷やしておくとパリパリ感からまったり感まで甘みの変化を楽しめるのでお得」(zinbeiさん)

 

↑「カレ・ド・ショコラ(フレンチミルク)」(希望小売価格 330円・税別)

 

4.お腹いっぱいに
キンレイ「なべやき屋キンレイ チゲうどん」×ふなぐち(常温)

「あえての辛めのチゲうどんで汗をかきながら、常温で『ふなぐち』を飲むのも乙なもの。食べ終わったころには辛さとほろ酔いで良い感じに気持ちよくなります」(zinbeiさん)

 

↑キンレイ「なべやき屋キンレイ チゲうどん」(オープン価格)

 

5.締め
ロッテ「雪見だいふく」×ふなぐち(常温)

「お酒の甘さとバニラのマリアージュを楽しむとしたら『雪見だいふく』。『ふなぐち』は常温で暖かい部屋でフォークでちまちまつつく時間がたまりません!」(zinbeiさん)

 

↑ロッテ「雪見だいふく」(希望小売価格 151円・税込)※商品パッケージは11月撮影時点

 

家のみのスタイルについて、物理的なシチュエーションだけでなく、精神的な面にも言及してくれたzinbeiさん。気持ちを切り替えて楽しく飲む一番のポイントかもしれないと教えてくれました。

 

「仕事などから解放された状態で飲むのが、一番リラックスして飲む方法だと思います。私の場合はその日のタスクを紙に書き出して、あとでもいいことは翌日に回すなどしてやりくりしています。このスケジューリングは最近気づいたのですが、すでに実践している人もいるかもしれませんね。何はともあれ、まずはぜひ『ふなぐち』を手に取って、思いおもいの飲み方で楽しんでください!」(zinbeiさん)

 

 

菊水酒造 生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」

 

取材・文=中山秀明 写真/湯浅立志(Y2)

年末年始は「センベロ的家飲み」はいかが? 酒のプロが選ぶ日本酒「ふなぐち」とスーパー・コンビニ食材ベスト8

 2020年のステイホームから家飲み需要が高まり、その流れは2021年も続きました。もうすぐ2022年を迎えますが、家飲みシーンにはいっそうの充実感が求められるようになると予想します。

その点で注目すべきお酒が、菊水酒造の生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり。抜群のうまさと入手のしやすさから“コンビニ最強酒”の異名をもつ銘酒ですが、2022年は発売50周年ということで、注目度はより高まるでしょう。

 

そこで本稿では、菊水酒造や「ふなぐち」の歴史などを解説。また、味の特徴やロングセラーの理由を、身近なおつまみとの相性にも触れながら紹介します。

 

 

↑中山秀明(なかやま・ひであき)/フードアナリストの資格をもつ、本稿の執筆者。GetNavi webや本誌GetNaviなどでお酒をはじめとする様々なフードのトレンド、商品、店舗、メーカーを取材・執筆

 

菊水酒造
ふなぐち菊水一番しぼり(生原酒)

1972年に誕生した日本初の缶入り生原酒で、累計出荷数は3億本以上。2022年には誕生から50周年を迎えます。新潟県産米を100%使用した精米歩合70%の本醸造で、濃醇旨口のフルーティかつフレッシュな味わいが特徴です。

 

 

50周年を迎える庶民の味方「ふなぐち」

菊水酒造は1881(明治14)年に新潟県新発田市で創業。当初から、従来の方法を踏襲しつつ先端技術を導入するなど、新しいことを積極的に取り入れる社風でした。

 

革新性は脈々と受け継がれ、1969(昭和44)年には業界の伝統的な制度である杜氏制を廃止。これは、それから数十年後に業界のトレンドといわれるようになった「蔵元杜氏」と同義です。このように、フロンティアスピリッツと鋭い先見性をもった蔵元が菊水酒造なのです。

 

常識にとらわれない哲学のもと、1972(昭和47)年に誕生したのが生原酒 「ふなぐち菊水一番しぼり。酒槽(ふね。発酵を終えたもろみを、清酒と酒粕に分離するところ)の口から流れ出る搾りたての生原酒を同蔵では「ふなぐち」と呼んでおり、それが商品名の由来です。

↑若者を中心にレトロが人気ななか、このクラシカルなデザインもウケそうです

 

火入れをしていないフレッシュな生原酒は品質管理が難しいため、もともとは酒蔵に来た人だけにふるまう幻の酒でしたが、“門外不出のこの味を全国に届けたい”という想いから商品化がスタート。しかし、非加熱酒のため常温流通が難しく、開発には3年もの歳月がかかったとか。

 

決め手となったのは、醸造法の見直しや、パッケージの素材に紫外線を遮るアルミ缶を採用したこと。酸化を抑えるため、180ml規格の缶に200mlなみなみと詰められている点も特徴です。そうして1972年に全国流通が実現。日本初の缶入り生原酒としてデビューし、新しい日本酒カテゴリーを確立したのです。

↑半世紀愛され続ける一番の理由は、やはりおいしさ。その魅力は生原酒ならではの豊かな芳香や、フルボディな米のうまみにあります

 

このプレミアムな味わいが、身近な店で買えることから“コンビニ最強酒”と呼ばれるポジションを築いたわけですが、コンビニやスーパーで気軽に買えるセンベロ的なおつまみと組み合わせたときの“価格以上の贅沢感”も魅力です。

 

では、どんなおつまみとの組み合わせがオススメなのか。実際のフードペアリング例とともに紹介していきます。

 

なお、以下で紹介する組み合わせは特定のブランドやPB商品のものもありますが、特におすすめのものをピックアップしています。幅広く手に入るペアリングなので、近所にあるスーパーやコンビニで類似の商品を選んでもOK。また違った「ふなぐち」体験が満喫できるので、奥が深いお酒です。

 

 

「ふなぐち」にベストマッチの身近なおつまみ8品はこれだ!

筆者がセレクトしたのは10種のおつまみ。身近なコンビニやスーパーで実際に売っている商品から選びました。それぞれのメニューを解説するとともに、ふなぐちと合う理由もお伝えしましょう。

 

1.ローソン 「炭火焼鳥 ももタレ」×ふなぐち(常温)

↑ジャンボではなく、いろいろな種類を楽しみたいニーズに合わせた標準サイズ。炭の香りが、醤油ダレのまろやかなうまみを引き立てます。価格:100円(税込)※一部取扱いのない場合があります

 

「ふなぐち」と合う味付けは甘じょっぱいタイプ。焼鳥や焼肉でいえば、塩よりもタレですね。基本的にコンビニには焼鳥が売られているので、迷ったらタレ味の焼鳥を選べば間違いありません。

 

レンジやオーブンで少し温め、「ふなぐち」は常温で合わせてください。お互いがもつ甘やかなうまみが、口のなかでひとつになって至福を感じられるはずです。

 

2.ローソン「牛すじ煮込み」×ふなぐち(冷酒)

↑上白糖、中双糖、玉ねぎで牛肉のうまみを引き出し、コクのある甘辛いタレで仕上げた煮込み。こんにゃくも好アクセントに

 

センベロといえば大衆酒場。大衆酒場といえば煮込みということでセレクトしました。豚のもつ煮込みや、大阪「どて焼き」、名古屋「どて煮」のように味噌味の煮込みでもOK。これらも甘じょっぱい味付けが、甘やかな「ふなぐち」と好相性です。

 

冬場に合わせるなら「ふなぐち」は常温がオススメ。夏場なら、熱めにチンした煮込みと冷酒の「ふなぐち」でキリッと合わせるのもいいと思います。

 

↑ローソン「牛すじ煮込み」(258円・税込)※一部取扱いのない場合があります

 

3.中村屋「濃厚ビーフシチュー 厚切り牛肉のこだわり仕込み」×ふなぐち(常温)

↑贅沢に厚切りした牛肉を赤ワインで仕込み、マッシュルームとじゃがいもを、深みのあるデミグラスソースで煮込んだ濃厚な味が特徴です

 

コク深く香りのフルーティな「ふなぐち」は、熱を加えたトマトのうまみや酸味ともよく合います。そこでオススメなのがビーフシチュー。特に中村屋のこちらは入手しやすいうえ、具が大きめでおつまみにも最適なのです。

 

合わせる「ふなぐち」は常温がおすすめ。ドロッとしたシチューのテクスチャーを、19%と強めのアルコールがサラッと切りつつ、口当たりはまろやかなので互いが調和する部分も。

 

↑中村屋「濃厚ビーフシチュー 厚切り牛肉のこだわり仕込み」(428円・税込)

 

4.トップバリュ「クリームチーズ」&徳山物産「おいしいタラのチャンジャ 鶴橋」×ふなぐち(冷酒)

↑濃厚でピリ辛なチャンジャと、コク深くマイルドなクリームチーズとの組み合わせ

 

チャンジャはいわゆる韓国風の塩辛で、辛味があるのも特徴。クリームチーズと合わせることで、まろやかさをもった濃厚ピリ辛珍味になるのですが、このハードパンチャーとも対等にわたりあえるお酒こそが「ふなぐち」です。

 

飲み方は、温度帯を合わせて冷酒で。クリームチーズチャンジャは少量でも口の中でダイナミックに広がりますが、そこに「ふなぐち」をキュッと合わせましょう。まろやかなうま辛さに米のフルーティな甘みが混じり、えもいわれぬおいしさです。

 

↑徳山物産「おいしいタラのチャンジャ 鶴橋」(250円・メーカー希望小売価格)/トップバリュ「クリームチーズ」 (321円・税込)

 

 

5.トップバリュ「三温糖使用 豚角煮×ふなぐち(常温)

↑三温糖を加えて味付けした豚ばら肉をコクのあるしょうゆだれで煮込んだ本格仕上げの豚角煮。

 

豚の角煮も甘じょっぱい肉料理の代表格であり、コンビニやスーパーで入手しやすい一品です。脂が多い料理でもありますが、だからこそ「ふなぐち」が大活躍。飲み方は常温がオススメです。

 

こってりした味を、「ふなぐち」のキレの強いアルコールと濃醇なうまみがリセットし、ラストは米の甘みが心地良い余韻をリフレイン。また次のひと口へといざないます。

 

↑トップバリュ「三温糖使用 豚角煮」(321円・税込)

 

6.ファミリーマート「ごろごろ具材の甘酸っぱい酢豚」×ふなぐち(ソーダ割り)

↑豚の肩ロース肉や3種の炒め野菜を、爽やかな酸味が特徴の甘酸っぱいあんで味付け。大きめにカットされた具材の、ゴロッとした食感も特徴です

 

甘じょっぱさに、酸味も加わった酢豚には「ふなぐち」をソーダ割りで合わせてください。米のフルーティな甘みに炭酸の爽快感が加わり、甘酸っぱい酢豚とビッタビタにハマると思います。

 

ソーダ割りは、19%のアルコールが強いと感じる人にもオススメ。タッチがやさしくすっきりしているので、今回紹介したほかの料理にソーダ割りを合わせるのもいいと思います。

 

↑ファミリーマート「ごろごろ具材の甘酸っぱい酢豚」(348円・税込)

 

7.ローソン「ベーコンポテトサラダ」×ふなぐち(ロック)

↑国産のじゃがいもを使ってゴロッとした食感を生かしつつ、味付けでは酸味を控えたポテトサラダ。そこにベーコンを混ぜ込むことで、パンチの効いた風味に仕上げています

 

「ふなぐち」にサラダを合わせるなら、ポテトサラダやコールスローサラダ、キャロットラペのように、葉野菜×ドレッシング系ではないタイプがオススメ。それはやはり、濃醇旨口な「ふなぐち」には濃縮感のある料理のほうが合うからです。

 

ポテトサラダの場合、ベーコンなど味にパンチのある具材が入っているほうがよりオススメ。そして、冷たいサラダに合わせたい飲み方はロックです。濃厚な味のサラダに、キリッと冷たい「ふなぐち」が絶妙にマッチ。冷たいことでシャープなニュアンスも醸し出し、サラッと調和するところもお見事です。

 

↑ローソン「ベーコンポテトサラダ」(148円・税込)※一部取扱いのない場合があります

 

8.トップバリュ「サーモントラウトスモーク ノルウェー産生サーモントラウト使用」×ふなぐち(冷酒)

↑塩だけで素材のうまみを引き立て、ブナのチップでしっとり燻り、香り豊かに仕上げられています

 

「ふなぐち」に合う魚は脂がのったタイプだと前述しましたが、燻ってワイルドに香り付けたスモーク系とも相性抜群。代表格といえばスモークサーモンであり、身近な店でも入手しやすい一品です。

 

飲み方のオススメは冷酒。サーモンの脂やスモークの香りを凝縮感のある「ふなぐち」が受け止め、フレッシュな吟醸香もおいしくマッチ。魚の余計な臭みも、フルーティかつ力強いうまみがカットしてくれます。なお、チャンジャのところで紹介したクリームチーズを、このサーモンに合わせるとまた違ったリッチさが楽しめますよ。

 

トップバリュ「サーモントラウトスモーク ノルウェー産生サーモントラウト使用」(321円・税込)※一部、取扱いのない店舗があります

 

 

シメはご飯もの、乾きものはいか系と米菓がオススメ

今回の8品は前菜~メイン系のおつまみを中心に紹介しましたが、その他にも、魚料理も「ふなぐち」との相性は抜群。焼く場合は、西京焼きやみりん焼きなど甘じょっぱい調理法がオススメ。煮込みなら、大定番のさばの味噌煮はスーパーやコンビニでも入手しやすいので、ぜひ試してみてください。

  

シメや乾きもの系にも「ふなぐち」は幅広く合います。米のうまみが強いお酒なので、シメはご飯ものがオススメ。シンプルに、具が濃い味のおにぎりなどもいいと思います。

 

乾きもののオススメは、いか系全般(いかくん、さきいかなど)のほか、甘じょっぱい系や、ピリ辛味のせんべい全般。同じ新潟つながりで、亀田製菓のハッピーターン、ぽたぽた焼、柿の種などはベストマッチです。

 

8品すべてペアリングも試し、「ふなぐち」は晩酌に贅沢感をもたらしてくれるお酒だと改めて実感しました。年末年始はもちろん、これからの晩酌のお供にぜひ合わせてみてください。

 

菊水酒造 生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」

 

 

文=中山秀明 写真/湯浅立志(Y2)

ホフディラン・小宮山雄飛が提案!年末年始はコンビニ最強酒「ふなぐち」で「センベロ的家呑み」が至福なり

家飲み需要が高まる昨今、この年末年始は実家や自宅でゆっくり飲みながら過ごすという人も多いはず。そこで注目なのが、おいしさに加えおつまみとの相性のよさや入手のしやすさなどから“コンビニ最強酒”の異名をもつ生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」

 

食やお酒に詳しいミュージシャンの小宮山雄飛さんに、家で飲む日本酒としても絶大な人気を誇る、この「ふなぐち」の魅力や家飲みに対するこだわりを語っていただきました。

↑小宮山雄飛(こみやま・ゆうひ)/ホフディランのヴォーカル&キーボード。カレー好き、居酒屋通としても知られ、著書に「簡単!ヘルシー!まいにちカレー」(主婦と生活社)、「今日もひとり酒場」(扶桑社)などがあります

 


菊水酒造
ふなぐち菊水一番しぼり(生原酒)

1972年に誕生した日本初の缶入り生原酒で、累計出荷数は3億本以上。2022年には誕生から50周年を迎えます。新潟県産米を100%使用した精米歩合70%の本醸造で、濃醇旨口のフルーティかつフレッシュな味わいが特徴です。

 

 

米のうまみがふくよかでいて甘すぎない味が「ふなぐち」の魅力

食もお酒も、ジャンルを問わず幅広く嗜んできた小宮山さんですが、日本酒をよく飲むようになったのは40歳を過ぎてから。家でじっくり晩酌を楽しむことが増え、しみじみと感じる日本酒のおいしさを発見したと言います。

 

「お酒が好きなので、家ではあるだけ飲んでしまうんです。ちょうどいい量を楽しむためにも、まとめ買いはしないようにしていますし、日本酒も一升や四合瓶ではあまり買いません。その点、『ふなぐち』のサイズはちょうどいいですね。しかも、コンビニにも置いてあるから、よく買っています。『ふなぐち』は昔から知っていましたけど、家で楽しむ日本酒としては最近特に愛飲している銘柄ですね」(小宮山さん)

 

小宮山さんはお酒単体で飲むより、おつまみをキッチンでサッと作り、そのままダイニングで味わうのがルーティンだと言います。ではそのとき、一緒に映画や音楽を楽しんだりするのでしょうか?

 

「映画やTVをつけると、そちらに気を取られてしまうので、観ながら飲むことはないですね。主役は、あくまでもお酒やおつまみ。BGMは必ずかけるんですが、耳が意識しないように自分が知らない曲をかけるようにしています。なので、インストゥルメンタル(歌のない曲)が多いかもしれないですね。ただ、飲みも終盤に入って酔ってきたら、好きな曲を聴いたりPVを観たりしながら飲んでいます」(小宮山さん)

 

飲み方は、だんだんアルコール度数の強いお酒へと進むことが多いとか。生原酒の「ふなぐち」は、19%と日本酒の中でも度数は高め。この“強さ”が、お酒好きの小宮山さんが気に入っているポイントのひとつなのです。

 

「一般的な日本酒は15%前後が多いですけど、僕はもっと高くてもいいんです。19%の『ふなぐち』は飲みごたえがあって、料理にも合う絶妙なボディ感。これが30~40%となると、料理に合わせるにはちょっと構えてしまいますよね。僕は飲む過程でアルコール度数の低いお酒には戻らないので、中盤~後半の一杯にも『ふなぐち』は最適。シメのお酒にもオススメです」(小宮山さん)

 

ここであらためて、小宮山さんに「ふなぐち」の味わいに関する魅力を聞くと、お米のうまみがふくよかでいて、甘すぎないことだと言います。

 

「甘みはあるけど甘すぎない、フルーティだけど果実感は強すぎない。このバランスのよさがちょうどいいです。香りも日本酒らしい吟醸香で、正統派のおいしさだと思います」(小宮山さん)

 

 

自由気ままにほろ酔い気分になれるのが「センベロ」の魅力

「ふなぐち」が“コンビニ最強酒”と言われる理由のひとつに、コンビニで買える手頃なおつまみと合わせた「センベロ」的な飲み方でも、「ふなぐち」の華やかでリッチな味が、価格以上の贅沢感をもたらしてくれる、という点があります。

 

センベロのシンボルともいえる、大衆酒場に関する著書もある小宮山さんに、ご自身の流儀を聞いてみました。

 

「僕にとって飲むことはライフワーク。毎日贅沢はできないので、外食でも家飲みでもセンベロが基本なんです。まあ、外では1000円では収まらなかったりハシゴしたりしますけど。お店の場合、いい意味で気を遣わない雰囲気も好きです。ドレスコードがあるような高級店も、たまに行くならすごくいいですけどね。自由気ままに飲んでつまんでほろ酔い気分になれる、それがセンベロ最大の魅力だと思います」(小宮山さん)

 

家でもセンベロ的な飲み方をするという小宮山さん。どんなつまみを用意し、どう飲んでいるのでしょうか? そのこだわりを聞くと、なるほど! と思える答えが返ってきました。

 

「家ではもろきゅうとか冷やしトマトとか、できるだけシンプルなおつまみを用意することが多いです。手をかけたとしても、塩味に炒めるとか、目玉焼きを作るといった程度。ちなみに、カレーなどのスパイス料理を作るのは、おつまみとは別の話ですね。

外で飲むときは揚げ物や焼鳥など、家で作りづらいものを注文します。焼鳥も、家だと店のようなおいしさにはなかなか焼けませんから。逆にお店では、もろきゅうや冷やしトマトなど、家ですぐ作れるものはオーダーしませんね」(小宮山さん)

 

おつまみや雰囲気などを、自分が好きなようにコーディネートできるのも家飲みの楽しさだと小宮山さん。そのこだわりも聞きました。

 

「お皿やBGMなどで、その場の雰囲気は大事にしますね。おつまみはシンプルでも、器にこだわるとよりおいしそうに見えるじゃないですか。自分の好きなお皿やグラスであればなおさらです。日本酒であれば、ワイングラスに注いだり。あと僕がBGMでよくかけるのは、ラグタイムというアメリカ生まれの軽快なピアノ楽曲。スコット・ジョプリンの『ジ・エンターテイナー』が有名ですよね。どんな世代やシーンにもハマるジャンルだと思います。もちろん、日本酒を嗜む家飲みにもよく合いますよ。ぜひ試してみてください!」(小宮山さん)

 

 

小宮山雄飛が選ぶ「ふなぐち」と合うおつまみ4選

ここからは、小宮山さんがチョイスした、「ふなぐち」と身近な店で入手しやすいおつまみとのペアリングを紹介。選んだ理由や、「ふなぐち」と合う理由も教えてもらいました。

 

1.日本橋菓房「いぶりがっこチーズ」×ふなぐち(常温)

↑干し大根を燻して作る秋田のご当地漬物「いぶりがっこ」を、チーズたら仕様に。独特のポリポリ食感も楽しめます

 

「最近食べた乾きもののなかで、つまみとしてよくできているな、と感動した一品です。チーズたらの中に、ちょうどいい薄さのいぶりがっこが入ってて、歯ごたえも十分。味も濃いめで、『ふなぐち』の豊かな凝縮感とドンピシャに合いますね。こちらも飲み方は常温です」(小宮山さん)

 

↑日本橋菓房「いぶりがっこチーズ」(378円・税込)

 

2.桃屋「穂先メンマやわらぎ」×ふなぐち(常温)

↑厳選した竹の子の柔らかい穂先を茹でたあとに乳酸発酵。さらに熟成させ、ピリ辛な味に仕上げたメンマです。そのままでも、スープやサラダ、炒め物などに入れてもおいしい

 

「『やわらぎ』は学生時代から大好きなんです。メンマという、いちジャンルを築いてますし、しかも『やわらぎ』はオンリーワン。普通のメンマじゃなくて、この穂先メンマタイプの『やわらぎ』が好きなんです。『やわらぎ』自体が相性のいいおつまみですから、同じく汎用性の高い『ふなぐち』とは相思相愛。間違いのない組み合わせですね。飲み方は常温がオススメです」(小宮山さん)

 

↑桃屋「穂先メンマやわらぎ」(333円・税込)

 

3.ハウス食品「ククレカレー<甘口>」×ふなぐち(冷酒)

↑すりおろしたりんごとマンゴーチャツネの甘み、そこにトマトや炒め玉ねぎなどの野菜のおいしさがとけこんだ、やさしくまろやかな味わいのカレーです

 

「カレーにも様々なタイプがありますが、家で日本酒に合わせるなら、とろみのあるカレーがいいと思います。そして、日本酒の繊細なタッチを邪魔しないよう辛さやスパイスはあえて控えめで。となると、甘口がオススメなんです。『ふなぐち』の甘みにもよく合いますし、近しい料理だとビーフシチューもいいですね。飲み方は、カレーをすっきり洗い流す意味で、冷酒にするのがいいと思います」(小宮山さん)

 

↑ハウス食品「ククレカレー<甘口>」(193円・税込)

 

4.森永乳業「ピノ」×ふなぐち(ソーダ割り)

↑バニラアイスをチョコでコーティングした、1976年から変わらないおなじみの味。チョコとアイスが絶妙にとけ合うバランスが、おいしさの決め手です

 

「洋酒に干しぶどうなどの甘いものを合わせたり、ワインにチーズなどコクのある乳製品を合わせたり。これはそのイメージです。まろやかな『ふなぐち』にはピノのように口どけのいいアイスもよく合うと思います。あと、アイスのように冷たいものには、ソーダ割りで冷たくして飲むのもありですよ」(小宮山さん)

 

↑森永乳業「ピノ」(152円・税込)

 

ふだんの飲み方や、「ふなぐち」の魅力、ペアリングなど様々なことを教えてくれた小宮山さん。ぜひ本稿を参考にして、「ふなぐち」とともに「センベロ的家飲み」を楽しんでください。

 

菊水酒造 生原酒「ふなぐち菊水一番しぼり」

 

取材・文=中山秀明 写真/湯浅立志(Y2)

【東京・大衆酒場の名店】門前仲町「だるま」で、コの字カウンター劇場を堪能する噺

東京にある大衆酒場の名店を巡る企画の第6回。今回は門前仲町の「だるま」を訪れ、その魅力を探っていきます。

大衆酒場は、その安さとウマさ、昔ながらの温かい雰囲気で、酒飲みの心をひきつけてやみません。なかでも東京では下町を中心に、根強い人気を誇る大衆酒場の名店が数多く存在します。そんな名店を巡り、お店の魅力と東京ならではの酒文化を深掘りしていくのが本連載。立石「宇ち多゛(うちだ)」篠崎「大林」京成曳舟「三祐酒場(さんゆうさかば) 八広(やひろ)店」八広「亀屋」四つ木「ゑびす」に続く第6回は、門前仲町の「だるま」にお邪魔します。

 

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

 

チューハイを注文すると「いっぱ〜つ」の掛け声が!

地下鉄東西線・都営大江戸線「門前仲町駅」から徒歩約3分の場所にあるのが、今回訪れる「だるま」です。創業は昭和46(1971)年とのことで、ちょうど50周年を迎えました。同店の魅力のひとつに二代目の美人姉妹が生み出す居心地のよさがあり、その雰囲気作りに一役買っているのがコの字型のカウンターです。

 

そこでナビゲーターにお招きしたのが、前回カウンターの賢人として登場した長谷川和之さん。生徒役にはこれまで同様、お酒好きのタレント・中村 優さんとのコンビで「だるま」とカウンター酒場の魅力を掘り下げていきます。

↑中村 優さん(左)は、タレントおよびマラソンランナーとして活躍。長谷川和之さん(右)の本業は編集者で、酒場のほか旅や温泉、鉄道など様々なジャンルに精通しています

 

長谷川 いやあ中村さん、なかなか一緒に酒場に行けず、お久しぶりですねー。まずは注文しましょう!!

 

中村 はい! 今日も楽しみにしていました。よろしくお願いします! お酒はどうしましょうか?

 

長谷川 やっぱりチューハイです。ここはね、注文すると店員さんがちょっとユニークな受け答えをしてくれるんですよ。試しにオーダーしてみますね。「すみませーん、チューハイひとつお願いします!」

 

店員 「はーい、チューハイいっぱ〜つ!」

 

中村 え? 「いっぱつ」って言いましたよね。面白い!

 

長谷川 この「いっぱつ(一発)」というかけ声は先代のときからの伝統で、「だるま」の名物とも言えるもの。当時ここで働いていたアルバイトの方々は東京商船大学(現在の東京海洋大学)の学生が多かったみたいで、先代がコミュニケーションの一環として「いっぱつ」という呼びかけで、仕事に対する気持ちやお客さんとの一体感を盛り上げたんだそうです。

 

中村 へえー! じゃあ私も、「チューハイいっぱつ!」

 

店員 「ありがとうございまーす! チューハイもういっぱ〜つ!」

 

長谷川 ということでお酒が揃いましたね。

 

中村 はい! 改めて、カンパーイ!

 

 

長谷川 それとね、「だるま」のチューハイは2種類のシロップを好きなだけ入れられる点も特徴なんです。ところどころに置いてあるでしょ?

 

中村 気になってました。これは自由に使っていいんですね! レモンとライムかぁ、じゃあレモンを入れてみまーす。

 

長谷川 では僕はライムを。こうやって自分好みの甘酸っぱさにカスタムできるのは、なかなか珍しいですよ。

 

中村 甘酸っぱい味が好きなら濃いめとか、調整できるのがうれしいですよね。

 

長谷川 味のほうはどうです?

 

中村 うん! ちょっとシロップを多めに入れてみたんですが、焼酎がコク深いからボディもしっかり。私には濃い目のチューハイだけど、爽快感も抜群で、おいしいです!

 

長谷川 よかった! ではおつまみも注文しましょう。超定番の「牛モツ煮込み」と「手作りつくね焼」と……。

 

中村 いいですね! 私は「ニラ玉」と「ハムカツ」も気になります。

 

長谷川 では合わせて4つを注文しましょう。

 

名物店主の美人姉妹、“宝ジェンヌ”が登場!

中村 テーマはカウンターということで、「だるま」の特徴を教えてください。

 

長谷川 お任せください。まず形から説明すると、ここは「コの字型」。カウンターの形は店によって様々で、多いのは「直線型」や「L字型」ですね。で、「コの字型」というのは最も理想的なカウンターの形だと思います。この企画の第2回(篠崎・大林)で、中村さんが藤原さん(藤原法仁さん。大衆酒場にまつわる著書を数多く上梓しているこの道のツウ)と行った「大林」ってあるじゃないですか。あそこはもう、「コの字型」の最高峰ですよ。

 

中村 行きましたねー。確かにコの字型カウンターで、最高のお店でした! でも、「コの字型」だと何がそんなにいいんですか?

↑コの字型のカウンター

 

【酒噺のオススメ記事はコチラ】
【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

 

長谷川 まず、カウンターの良さはお店の人の仕事ぶりを見られること。同時に、ほかのお客さんの姿を眺められることにあります。例えば、僕なんかは孤独に酒と向き合う時間が好きなので、ひとり飲みが多いんですね。でも、カウンターなら様々な人間模様を観察できるので、飽きないんですよ。

 

中村 あっ、そうか。三辺に席があるコの字型は、ほかの形のカウンターよりも視界のなかに様々な風景が飛び込んでくるということですね。

 

長谷川 はい。その点は非常に大きな魅力です。機能的にも優れていて、お店の人は効率的な導線で配膳や調理ができますから、どの席でもオーダーや提供が早いしコミュニケーションも取りやすいんです。

 

中村 勉強になります! では、ほかのカウンターにはどんな形があるんですか?

 

長谷川 「ニの字型」とか、「コの字型」が変形した「舟型」や「馬蹄(ばてい)型」。広めの「吉野家」に見られる、コの字がダブルやトリプルになった「テトリス型」とかね。分類が難しい、パズルのようなカウンターに巡り合うと、どんな名称が合うだろうかと考えるだけでも面白いですよ。

 

中村 改めて「だるま」ならではの、コの字型カウンターの魅力を教えてください。

 

長谷川 前回「酒場のカウンターは劇場と同じ」と言いましたけど、「だるま」の場合は特に内側。つまり、店員さんの立つ厨房が劇場となっているのがこの店なんです。そして主役はやっぱり美人姉妹のおふたり。

↑先代、江家 脩(こうけ おさむ)さんの長女の理(あや)さん(左)、次女の真(まさ)さん(右)。腰に「宝焼酎」の前掛けを巻く姿は、まさに“宝ジェンヌ”!

 

中村 華がありますよね。外観や内装は古典的な大衆酒場なんですけど、店内はどこか艶やかで独自の世界観。それは、おふたりが醸し出す雰囲気がそうさせているのかなって思います。

 

長谷川 そうそう、つい見とれちゃったりしてね。一見ギャップがありますけど、味や設えはもちろん人情的な接客や和やかな雰囲気も正統派の大衆酒場。こんな素敵なお店はなかなかありません。

 

中村 貴重な存在ってことですね。機能面でいうと、「だるま」のカウンターにはどんな特徴がありますか?

 

長谷川 そしたら、ちょっと計ってみましょう。

 

中村 出た! 長谷川さんの秘密兵器、メジャー!

 

長谷川 うん。カウンターテーブルの奥行きは50cm、高さは90cmですね。確か商店建築の教科書的な書籍に、奥行きは45~65cm、高さは90~100cmが適正と書いてあるので、ここはまさにお手本といえるでしょう。

 

中村 やっぱり、基準みたいなものがあるんですね。でも確かに、私が座った感じでは違和感なく肘をつける位置にテーブルがありますし、イスともちょうどいいバランスの高さになっていると思います。

 

長谷川 あと、「だるま」はコの字の形がなかなか特徴的です。ここは三辺それぞれのイスが、1席・9席、4席と配置されていますよね。このフォーメーションを「1・9・4(イチ・キュウ・ヨン)」と呼ぶんですけど、正面にあたる真ん中の座席がほかの辺の2倍以上も多い9席というのは珍しいです。

 

↑奥から1席・9席・4席の横長タイプの「コの字」カウンター

 

中村 横長タイプの「コの字」ってことですよね。

 

長谷川 そうです。店にとっては狭い空間を有効活用できるというのもカウンターの利点ですが、コの字は直線やL字よりも店内に広いスペースが必要になるんですね。それが、コの字のお店が比較的少ない理由でもあるんですが、「だるま」はある程度の広さがあるので、これだけ横長のコの字にできるんです。

 

中村 なるほど。そう言われてみると、広さがありますね。さらに奥にはテーブル席もありますし。

 

昔はさらに横長のコの字カウンターだった

中村 「だるま」は創業50周年ということですが、お店の歴史も気になります。

 

長谷川 僕が初めてここに来たのは25年ぐらい前で、そのときは先代や奥様もいらっしゃいました。詳しい話は、姉妹のおふたりに聞いてみましょう。理(あや)さんと真(まさ)さんは、いつごろからこの店に入られたのですか?

 

 手伝うようになったのは、私が高校生のときです。そのあと真も高校生になってからお店に立つようになりました。私たちに代替わりしたのは、父が亡くなった平成21(2009)年。母は今でこそお店には出てないですけど、うちの人気メニューの多くは母が考案したんですよ。

 

中村 「だるま」という名称の由来は何から来ているんですか?

 

 最初は父が脱サラしてひとりで始めたんですけど、由来は母も私たちも聞いたことがなくてわからないんです。でも、法人名は七八商事なので、七転び八起きとかそういう想いが「だるま」に関係してるのかなって。

↑手前の写真は、在りし日の先代 江家 脩さん(左)と真さん(右)。左奥の写真には理さんも

 

中村 だるまは必勝祈願のシンボルでもありますもんね。門前仲町にあるのは、おうちのご近所だからとか?

 

 家はもともと埼玉の所沢にあったんですけど、私たちがここで働くようになってから江東区に引っ越してきました。なぜ門前仲町を選んだのかも父には聞けずじまいでしたが、所沢に住んでいたときは遠くて大変でしたね。

 

長谷川 カウンターなど、店内は50年前から変わらずですか?

 

 9人席の部分がもっと奥まで伸びた、長いコの字型だったと思います。それを短くして今のカウンターになったのは、もう30年以上前になるかしら。私たちが手伝いに入ったときにはこの設えでした。改装した理由もわからないのですが、テーブル席を増やしたかったのかな~と。

 

新旧の家庭的な手作りつまみにチューハイが進む!

長谷川 中村さん、おつまみもいただきましょう。まずは定番の煮込みから。

↑「牛モツ煮込み」(700円 表記価格はすべて税込・以下同)

 

中村 おいし〜いっ! 脂身も入ったとろとろのプルプルなんですけど、あっさりしていてやさしいお味。素材の甘みが豊かで、チューハイが進みます!

 

 ありがとうございます! モツは父の代から同じ業者さんと取引していたんですけど、その業者さんがやめてしまったので、いまは大元の食肉卸さんから新鮮なものを仕入れてます。使う部位は大腸と小腸。2回湯こぼしをして余分な脂をカットし、味付けは秘伝の米みそとザラメだけですね。

 

長谷川 2回湯こぼしをしているから重くないんですね。具材にはこんにゃくも入っていてヘルシーだし、玉ねぎ入りってのも珍しいんですよ。

 

中村 甘みを感じるのは、この玉ねぎによるところもありますよね。そしたら次はつくねをいただきます!

↑「手作りつくね焼」(600円)

 

 こちらは母直伝のレシピです。具材は鶏もも肉に、刻みしょうがとねぎ。味付けはダシ入りのみそと塩こしょうですね。つなぎとして全卵も入れてます。タレも母のタレを継ぎ足しで、しょうゆとザラメとお酒を煮詰めて作っています。

 

長谷川 このつくねは人気メニューのひとつですよね。ボリュームがあって、こちらもすごくお酒が進みます。

 

中村 ウマーッ! しょうがの風味が豊かで、お肉もねぎもたっぷり。それでいて食感は柔らかく、すごく好きな味です!

 

 よかった! ではニラ玉もどうぞ。こちらも父の時代からあるメニューで、そのレシピに私がアレンジを加えたものです。

↑「ニラ玉」(800円)

 

長谷川 これは僕も食べるのが初めてかな。ニラがたっぷりですね! こちらも素材を生かした味付けで、ごま油とこしょうの香りもイイ!

 

中村 はい! ニラはしっとりしたなかにシャキシャキ感もあって、味には甘みを感じます。それに玉子がふわっとしてて、全体的にはやさしい味。黒こしょうがたっぷりですけど、辛さよりも香り高さが効いていて、やっぱり抜群においしいです!

 

 最後はハムカツです。こちらは私たちの代になってから加えたメニューですね。レシピはシンプルですが、よく出るメニューのひとつです。

↑「ハムカツ」(600円)

 

中村 素朴な味わいのハムと、何よりカリカリの衣がイイ! おつまみにサイコーなやつです。そして見逃せないのが絶品のマカロニサラダ! 上にのってるのはタルタルソースですか?

 

 はい。付け合わせは、日によってマカロニサラダやポテトサラダをお出ししています。具材はゆで卵とにんじんですね。塩こしょうとマヨネーズで味付けするのですが、冷蔵中に味が薄まってしまうので、提供時にタルタルソースをおかけしてるんです。

 

長谷川 このハムカツだけで、ひとり飲みにうれしい3点セットになってる。日替わりのサラダは単品でもあって、こっちをオーダーする人も多いんじゃないかな。

↑「マカロニサラダ」(500円)

 

多様なニーズに応えられるカウンターはいいことずくめ

中村 理さんと真さんは、カウンターのいいところってどんなところだと思います?

 

 私たちにとっては、お客さんとの距離感の近さが一番ですかね。お店のなかに一体感が生まれるようなところもカウンターならではだと思います。

 

 カウンターは導線がいいですよね。目の前がお客さんですから、お酒やおつまみをすぐ提供できてお互いにスムーズだと思います。

 

長谷川 お店側からすると、接客しやすいというメリットもありますかね。ひとりで飲みたい人もいれば、お店の人やほかのお客さんと仲良くなりたい人など、飲みたいスタイルは様々ですから。

 

中村 カウンターなら多様なニーズに応えられると。いいことずくめなんですね。奥が深いです!

 

長谷川 そうだ、ちょうど僕らがいる席のパターン。今、お互いテーブルの角地に座ってるじゃないですか。コの字やL字などは、このように角になる席がありますよね。僕はここで飲むことを「コーナリング」って呼んでいて、サシ(ふたり)飲みのときはこの席がポールポジションなんですよ!

 

中村 コーナリングにポールポジション? まるでレースのようですね!

 

長谷川 サシ飲みのなかでも、特に初めて会う人や、出会って間もない関係のとき。例えば商談相手やカップルなどです。イスとイスとの快適な距離感は、一説によると60cmが適正なんですけど、そこまで親しくなければ隣同士だと緊張しますよね。

 

中村 はい。もし初対面であればなおさらですね。

 

長谷川 そう、緊張するんですけど、角の席ならその距離感をコントロールできるんです。あと、目線を自然と外すこともできますし、食べているところを直視されることもありません。

 

中村 ちょうどいい距離感で楽しく飲めるのがカウンターのコーナーってことですね!

 

長谷川 あと、コーナリングは攻めることもできます。例えば、商談を兼ねた飲み会だとしましょう。心地よく飲んで親睦が深まるなか、イスの間の距離をちょっと縮めて「では当社の○○のご検討はいかがでしょう?」と、クロージングに持ち込めるんです。

 

中村 面白い!

 

大衆酒場を初訪問する際のマナーとは?

常連さん お嬢さん、ここ初めてなんだって? じゃあこれどうぞ。おいしいから食べてみて!

 

中村 え? あ、はい! これってもしや、おすそ分けですか? うれしい!

 

長谷川 ラッキーですね。こういうのも、カウンター酒場のいいところ! テーブル席だと、なかなかこういう展開にはならないですから。

 

中村 それに、これめっちゃおいしそう!

 

 そちらはナス味噌炒めです。濃い目の味付けで、チューハイにもよく合いますよ!

↑「ナス味噌炒め」(800円) ※写真は取り分けたサイズ

 

長谷川 ああ、これは絶対ウマいやつだ。

 

中村 うん、ナスはとろとろ! 味も染みててすごくおいしい!

 

長谷川 ナス以外の野菜もたっぷりで、こういうところもうれしいですね。

 

中村 はい。お客さんとのコミュニケーションも大衆酒場の魅力ですし、おすそ分けなんてカウンターならではですよね。今日の取材で、大衆酒場がますます身近になりました。

 

長谷川 そうか、中村さんはまだビギナーなんですもんね。じゃあ、初めて行く店を訪れる際のちょっとしたマナーも伝えておきますね。

 

中村 ぜひお願いします!

 

長谷川 やっぱり、歴史のある大衆酒場にはそのお店を愛する常連さんがいるので、その方々に気を遣いましょう。常連さんの定位置には座らないとかね。

 

中村 その特等席はどうやって見分けるんですか?

 

長谷川 店によりますけど、カウンターの奥とか、串焼きの台があるならそこから近い席とか。ほら、串って大将が焼くケースが多いでしょ。その間大将としゃべれるから焼き台の前の席は人気だったりするんですよ。

 

中村 座席のことなんて考えたことなかったです。でも、今の話を聞いてよりハードルが下がりました。

 

長谷川 場の空気を読むことが大切なんです。でもすぐに慣れますよ。それこそいろんなカウンターのお店に行けば、それぞれの特徴や個性がよりわかってくるはず。なので、こんどはまた別の形のカウンター酒場に行きましょう!

 

中村 はい! 今日もおいしかったし、たくさん勉強になりました!

 

 

中村さんのカウンター酒場探訪は始まったばかり。次回は「L字」か「直線」か、はたまた「ニの字」か「舟型」か。何はともあれ、長谷川さんのナビゲートでとっておきの一軒をご紹介します。

 

 

撮影/我妻慶一

 

<取材協力>

だるま

住所:東京都江東区門前仲町2-7-3

営業時間:平日16:30~23:00、土日16:30~22:00

定休日:不定休

※価格はすべて税込みです

※営業時間等に関しましては、店舗にご確認ください(取材日:20211122日)

 

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎25度
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

 

 

「東京・大衆酒場の名店」バックナンバーはこちら▼

・第1回 【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

・第2回 【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

・第3回 【東京・大衆酒場の名店】伝説の「三祐酒場」で聞く「元祖焼酎ハイボール」発祥の噺

・第4回 【東京・大衆酒場の名店】酎ハイ街道をゆく。八広・亀屋の“ボール” 受け継がれる秘伝レシピの噺

・第5回 【東京・大衆酒場の名店】四ツ木「ゑびす」で、自家製ロックアイスのお茶割りを味わう噺

・番外編 大衆酒場の酎ハイに欠かせない「下町炭酸」を飲み比べる噺

・番外編 焼酎ハイボールに合う!「東京・大衆酒場の名店」のおつまみを、約5000円の調理家電で再現する噺

俳優・咲妃みゆが、ふるさとの銘酒「一刻者」に向き合った。「最高の飲み方×最高に合う宮崎の食」を体験して改めて思うこと

「私は一刻者なんです」と笑顔で話すのは、俳優・歌手として活躍する咲妃みゆさん。一刻者(いっこもん)とは南九州の話し言葉で頑固者、自分を曲げない人のことを指し、宮崎出身の咲妃さんならではの例えだが、彼女と一刻者にはひとつの共通点がある。宝酒造の全量芋焼酎「一刻者」のふるさと、宮崎県高鍋町出身であるということだ。

 

↑宮崎県高鍋町の黒壁蔵で造られる本格芋焼酎「一刻者」。2021年に20周年をむかえた。芋と芋麹だけの芋以外の原料を使用しない「全量芋焼酎」である

 

 

今回はそんな咲妃さんに、地元が誇る銘酒の魅力や楽しみ方などをナビゲートしてもらう。また、高鍋町で過ごした思い出を振り返りつつ、ふるさとへの想いや自身のこだわりを語ってもらった。

 

宮崎の魅力はあたたかさ

宝塚音楽学校に入学する17歳までを宮崎・高鍋町で過ごし、現在は町のふるさと応援大使も務めている咲妃さん。まずは「唯一無二のふるさとです」という、故郷への想いを語ってもらった。

 

「私にとって一番の魅力は、あたたかさです。それは気候の暖かさであり、何より現地の皆さんが温かくて。優しく、愛にあふれた方々に囲まれて過ごしました。離れて暮らしていると、いっそう心地よさに気付かされますね。とにかく私は宮崎が大好きなんだなって思います」(咲妃さん)

 

咲妃さんお気に入りの場所のひとつが海。特に高鍋駅から徒歩数分の場所にあり、「蚊口浜(かぐちはま)」と呼ばれる有名な浜辺が大好きだとか。家が近いこともあり、春は潮干狩り、夏は海水浴、秋冬は高鍋名物の天然かきを海辺のレストランで食べたりと、季節を問わず訪れていたという。

↑咲妃さんもよく訪れた蚊口浜

 

「特に夏休みは毎日のように妹と一緒に泳いだり、砂浜で遊んだり。両親から『貝殻で足を切っちゃうことがあるから気を付けてね』と言われたのに、無邪気に遊んで結局貝殻でケガをしたこともありました。あさりも持ち帰って食べるとすごくおいしいんです。かきフライやあさりのみそ汁、炊き込みご飯など、ごちそうでしたね」(咲妃さん)

 

料理はなんでも好きだという咲妃さんだが、ジャンルを挙げるなら和食が好み。そのなかには当然宮崎の郷土料理も含まれており、チキン南蛮や冷や汁などはいまでもよく食べるそう。家庭での食事のシーンを振り返ると、夕食の風景には芋焼酎を傾ける父親の姿があり、昔から馴染みがあったという。

 

「宝酒造の『黒壁蔵』(※)といえば、高鍋町民の誇りです。工場の佇まいもカッコイイと思っていました。『一刻者』など宝酒造の焼酎は全国のお店で見かけますけど、私にとっては昔から、身近な存在ですね」(咲妃さん)

 

※黒壁蔵…… 宮崎県高鍋町にある宝酒造の焼酎製造の要となる施設。詳しくはコチラ

 

↑黒壁蔵にある石蔵

 

私にしかできない心を込めたパフォーマンスを。

「一刻者」にはその名の通り、原材料や製法にも造り手の頑固な「こだわり」が凝縮されている。では、俳優やヴォーカリストとして表現する立場の咲妃さんの「こだわり」とは?

 

「第一に、私にしかできない心を込めたパフォーマンスをすること。お芝居でも歌でも、その瞬間に集中して役や曲と向き合っています」(咲妃さん)

 

プライベートでは物事を柔軟に捉えていきたいとは思いつつ、よりよいものを創り表現するプロフェッショナルとしては譲れないことばかり。その部分は自分でもはっきり自覚するほど頑固だとか。それだけに、第三者からも頑固だと言われることが多いそう。

 

「たまに占いや性格診断を受けるんです。すると、必ず『頑固な性格ですよね』と当てられるんです。そう聞くと、『私って頑固なんだな~』って(笑)。だから、やっぱり私は一刻者なんです」(咲妃さん)

 

宮崎料理の名店で「一刻者」のおいしい飲み方とフードペアリングを学ぶ

ここからは、本場宮崎の食材をふんだんに使用し、東京にいながら本場の宮崎料理を堪能できる「宮崎料理 万作 KITTE丸の内店」の名尾樹太郎さんが、咲妃さんに飲み方やフードペアリングをレクチャー。咲妃さんにはその感想を聞かせてもらった。

 

ロックは華やかさが際立ち宮崎牛の力強い個性と調和

↑「宮崎牛肩ロースのステーキ」2980円。「宮崎料理 万作KITTE丸の内店」では「一刻者」のロックを、作りたての氷で提供。しかも氷は、とけにくい大きさに割っている

 

「宮崎牛は、“和牛のオリンピック”と称される『全国和牛能力共進会』で、内閣総理大臣賞を史上初となる3大会連続で受賞したブランド。肩ロースは、赤身の旨みと脂の甘みが好バランスな部位で、塩こしょうの味付けによりその魅力をダイレクトに味わえます。お肉の力強さを邪魔せず、おいしく調和してくれますよ。

合わせるお酒は『一刻者』のロック。大きめの氷と、それが入るグラスを用意しました。家で飲む場合は、できればお店で売っているようなとけにくくて大きい氷がオススメです。なぜなら『とけにくい=加水されにくい』なので、『一刻者』本来の魅力をより楽しめるからです。ぜひ合わせてみてください。ダイナミックな『一刻者』の味わいが、お肉の力強さとおいしく調和してくれますよ」(名尾さん)

 

「ステーキはしっかりした味と、ジューシーな脂の旨みがありますが、重くなくていくらでも食べられそうです。そこに合わせる『一刻者』のロックがまたいいですね! 芋の華やかな香りとキリッとした爽やかさが絶妙で、お肉の個性とよく合います」(咲妃さん)

 

↑「芋らしい香りが華やか。どっしりとした飲み口も魅力ですね」と咲妃さん

 

サラッと飲みやすい水割りが甘み豊かな旨煮の味を引き立てる

↑「万作本店名物 旨煮」700円。水割りは、同店では焼酎3に対して水は7。軽い飲み口がお好みの方には2対8がオススメとのこと

 

「旨煮は、いわゆる筑前煮の宮崎版ともいえる一皿。鶏肉と根菜類を九州の甘醤油で濃いめに炊き上げており、当店では焼酎でまろやかさを加えています。オススメの飲み方は、ロックよりやわらかいタッチの、水割り。当店では焼酎3に対して水は7で提供しておりますが、軽い飲み口がお好みの方には2対8でも。『一刻者』の水割りは、清涼感のなかに芋の甘みも感じられ、甘醤油を使った料理にはよく合いますよ。どうぞお召し上がりください」(名尾さん)

 

「こうして飲み比べると、印象がだいぶ変わりますね。舌触りがやさしくて、すっきりとしています。旨煮は、この甘じょぱっさが私にとっては安心するおいしさ。そうそう!ってうなずける、テンションの上がる味わいです。甘やかなコク、華やかな香りはありつつサラッと飲みやすい水割りも、よく合いますね」(咲妃さん)

↑「『一刻者』は、甘じょっぱい醤油味の料理全般によく合うと思います」と咲妃さん

 

爽快なソーダ割り×ジューシーな炭火焼きのおいしいループ

↑「宮崎の銘柄鶏 霧島鶏のもも焼き」1950円。炭酸の刺激が爽快感を演出するソーダ割りは、一杯目として人気が高い飲み方だとか

 

「鶏の炭火焼きは、当店の定番中の定番です。霧島山のすがすがしい空気と湧き水で育てられた銘柄鶏を使っていて、現地のコリッと力強い弾力ではなく、あえてジューシーさを打ち出した味わいになっています。味付けにもクセがなく、『一刻者』本来の香り高さを邪魔しないのでおいしいペアリングが楽しめますよ。お好みで柚子胡椒をお使いください。

合わせるソーダ割りは、焼酎1に対してソーダ2がオススメです。炭酸の刺激が抜けないよう、グラスの縁に沿ってゆっくり注ぎ、マドラーで軽く1回ステアして完成。氷はロックのとき同様、大きくとけにくいものがベターですね」(名尾さん)

 

「鶏の炭火焼きも大好きなソウルフードです。確かにやわらかめで、肉汁のうまみも豊かでおいしい! そしてソーダ割りも最高ですね。芋焼酎の甘い香りにソーダのキレが加わって、クリアな爽快感。炭火焼きの柚子胡椒の柑橘感ともマッチし、おいしいループが止まりません! あと、私は地元の高鍋餃子も好物なのですが、あのジューシーな味にもソーダ割りが合うと思います」(咲妃さん)

 

↑「飲みやすいソーダ割りは焼酎入門にもオススメの割り方ですね。『一刻者』のフルーティな風味も、いっそう引き立ちます」(咲妃さん)

 

お湯割りのフルーティな香味が豚炭火焼きの甘みとマッチ

↑「ぶどう豚の肩ロース炙り焼き」1580円。焼酎のお湯割りは、お湯を先に入れて割るのがポイント。こうすると、よく混ざるのだとか。割合は焼酎が濃いめで7対3、もしくは6対4がオススメ

 

「ワイン醸造で有名な、宮崎県綾町のぶどうの搾りかすを飼料にして育てた豚の肩ロースを炭火でグリルしています。さっぱりとしたかんずり酢味噌とともにお召し上がりください。

これからの季節に特にオススメなのがお湯割りです。割合は焼酎が濃いめで7対3、もしくは6対4、温度は70度前後がオススメ。水割りより濃いめに作りますが、まろやかで強すぎる感じはないと思います」(名尾さん)

 

「豚肉は外が香ばしくて中はジューシー。素材の味わいが濃く、脂の甘みもダイレクトに感じられます。この、あふれるような肉汁を包み込むように調和するのが『一刻者』のお湯割りです。『一刻者』のフルーティな香味が引き立って、味はホッとするような心地よさ。温かい料理にもすごく合いますね」(咲妃さん)

 

↑「ポカポカしてきます。『一刻者』は冷たくても温かくても、どの温度帯でもおいしいのがまた魅力ですよね」と咲妃さん

 

「一刻者」とともにおいしい時間を

飲み方別に4つの「一刻者」と、そのフードペアリングを堪能した咲妃さん。ボトルとグラスをまじまじと見つめながら、つぶやいた一言が印象的だった。

 

「父を思い出します。こんど帰省したら、一緒に飲みたいなぁ」

 

様々なステージで活躍し、走り続ける咲妃さん。充実感には満たされつつも多忙であり、またコロナ禍にも阻まれてしばらく帰省はできていないと言う。そのさなか、今回堪能した同郷の「一刻者」が、ふるさとに思いを馳せさせ、一時の安らぎを与えたのかもしれない。

 

“日本のひなた”と称される宮崎。晴れて帰省する日には、お父様と「一刻者」を酌み交わしながらあたたかなひとときを過ごすのだろう。咲妃さんのほがらかな表情から、ぬくもりあふれる光景が目に浮かんだ。

 

 

 

【PROFILE】

咲妃みゆ(さきひ・みゆ)

1991年宮崎県生まれ。2010年宝塚歌劇団に入団し、月組に配属。2014年雪組トップ娘役に就任。2017年の「幕末太陽傳」おそめ役を最後に、7月に宝塚歌劇団を退団。その後は俳優として様々な作品に出演するほか歌手としても活躍。アルバムは「First Bloom」「MuuSee」の2枚を発売している。現在放映中の映画「アイの歌声を聴かせて」ではプリンセス・ムーン役を担当し、劇中歌「フィール ザ ムーンライト ~愛の歌声を聴かせて〜」のヴォーカルも担当。2022年は2月〜7月に上演される舞台「千と千尋の神隠し」に、リン役で出演予定。

 

【フォトギャラリーでは記事内で使用されてない画像もご覧頂けます】

 

【SHOP DATA】

宮崎料理 万作KITTE丸の内店

木を基調とした温かみのある空間に、個室、カウンター席、テーブル席と多彩なシートを完備。ランチも営業していて、ディナーにはコースも用意している。東京駅直結でアクセスがよく、会食にも最適だ。咲妃さんの故郷・宮崎のご馳走が多彩に揃い、今回紹介したあらゆる飲み方で、「一刻者」とのフードペアリングを楽しめる。

住所:東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE 5F
アクセス:JRほか「東京駅」より地下にて直結。徒歩1分
営業時間:11:00~15:00(L.O.14:15)、17:00~23:00(L.O.21:45) ※日祝、22時まで(L.O.20:45分)
定休日:KITTEに準ずる

公式HPはコチラ

 

写真/村田 卓(go relax E more)

氷結(R)が大ヒット! コロナ禍のニーズを捉えた「まるで搾りたてのおいしさ」とは

2021年、「キリン 氷結(R)」の売れ行きが絶好調だ。その要因として大きいのが、「コロナ禍の生活者ニーズ」を捉えたことだろう。

 

長引く自粛と先行きの見えない不安。自宅にいる時間が急増し、多くの人が閉塞感を抱いていた中、あらゆるジャンルで人気を博したのが、「リフレッシュ志向」に応えるアイテムだ。

 

特に多くの人が重要視しているのが、毎日の生活の中で欠かせない食事シーンだろう。手軽にリフレッシュできる食品や飲料品へのニーズが非常に高まっている。

 

そういった生活者ニーズと、「キリン 氷結(R)」の爽快なおいしさがマッチし、大ヒットに繋がったというわけだ。

 

21年目の「キリン 氷結(R)」、売上が大きく伸長

どのくらいの好調なのか、各種数値で見てみよう。

 

「キリン 氷結(R)」ブランド群では前年比107.6%(※1)、さらにレモン群においては前年比売上142.7%(※2)と、大きく出荷数を伸ばしている。

 

※1:ブランド全体の販売数量(1~9月、出荷実績)
※2:氷結スタンダード・ストロング・無糖・ZERO・旅する氷結の各レモンフレーバー通年商品計(1~9月)

 

 

発売から21年経つロングセラーブランドで、ここまで記録を伸ばすというのは驚きだ。

 

発売当初からの信念を守りつつも、時代のニーズに合わせておいしさを進化させつづけている証といえるだろう。

 

 

人気をけん引する2つの「レモン」とは

中でも人気をけん引しているのが、ブランドの代表格である「キリン 氷結(R) シチリア産レモン」と、昨年発売した「キリン 氷結(R)無糖 レモン」の2大ブランドだ。

 

まるで搾りたてのおいしさ「シチリア産レモン」

「シチリア産レモン」は、これまで「みずみずしい果実味が感じられるおいしさ」をベースに進化させてきた。

 

「まるで搾りたて」のおいしさと爽快感を実現したことで、コロナ禍のリフレッシュニーズを捉えたかたちだ。発売21年にして、キリンビールお客様嗜好調査にて過去最高のおいしさ評価を獲得したという実績もある。時代によって変化する生活者を満足させるおいしさになっていることが、見てとれる。

 

甘くないから、レモンが引き立つ「無糖 レモン」

そして「キリン 氷結(R)」の人気を加速させているもう一つのブランドが、「無糖 レモン」だ。

 

昨年10月に発売されて以来、過去10年で発売したキリンRTD(※3)内において、最速(※4)で1.5億本(※5) を突破。さらに発売から1年の累計販売本数が最高売上(※6)を達成するなど、驚異的な売上を記録しているのだ。

 

この商品の最大の特長は「スッキリと甘くない、爽快な味わい」だが、こちらも「シチリア産レモン」と同じく、「気持ちをリフレッシュしながら、健やかな生活をおくりたい」という生活者ニーズとおいしさがマッチした結果といえる。

 

※3:Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料
※4:単独フレーバー比較
※5:キリンビール出荷実績 250ml換算(2020年10月~2021年9月)
※6:過去10年に発売したキリンRTD内において発売から1年の累計販売本数が最高売上を達成

 

 

同じ「レモン」でもまったく違う!?実飲レビュー

そんな生活者の「リフレッシュ」というニーズを捉えた「キリン 氷結(R)」のおいしさを、実際に体験してみよう。

 

「シチリア産レモン」はパッケージに「まるで搾りたてのレモン感」と書かれている通り、口に含んだ瞬間にレモンの爽やかな香りが広がる。それでいてのどごしは柔らかく、ほどよい甘みも相まって、爽快な気持ちになれるみずみずしいおいしさだ。

 

一方の「無糖 レモン」は、糖類・甘味料不使用で「甘くない」というのが最大の特長。実際に飲んでみると、「シチリア産レモン」よりもレモンの果実感がよりダイレクトに感じられ、すっきりとした爽快感がスーッとのどを通っていく。同じ「レモン」といってもまったく違うおいしさがたのしめる。

 

筆者の意見としては、「シチリア産レモン」は少し疲れた時の癒やしとしての「リフレッシュ」、「無糖 レモン」は気持ちの切り替えをしたい時の「リフレッシュ」といったシーンにマッチするように感じた。

 

料理との相性◎ 「氷結(R)」に合うおつまみはコレ!

ちなみにこの2つのブランド、実際に飲んでわかったのは、料理との相性も抜群なのだ。MEIDI-YAの「おいしい缶詰」シリーズから、それぞれの特長を引き立たせる、筆者もお気に入りの組み合わせを紹介したい。

 

黒酢のまろやかな甘酸っぱさとマッチ

「シチリア産レモン」には、「豚肉の黒酢角煮(うずら卵入り)」が非常に合う。

 

酢豚のような甘味の強い料理だと、お酒とは喧嘩しがちなイメージがある。しかし「シチリア産レモン」はそれに負けず、口の中でお互いの甘味がうまく融合しており、おいしさが増している。まろやかで濃厚な味わいの黒酢を、ほどよくさっぱりといただける、おすすめの組み合わせだ。

 

魚の繊細なうま味をたのしめる

「無糖 レモン」におすすめなのは、「国産金目鯛のブイヤベース風」。

 

薄味の繊細な出汁をたのしめる一品ではあるが、それゆえうま味がお酒にかき消されてしまったり、逆に魚の臭みが際立ってしまったりすることがある。しかし「無糖 レモン」と合わせた場合は、甘くないから素材の味を邪魔せず、魚料理の奥深さを引き出してくれている。食べ進めるごとにうま味が広がり、こうした繊細な味をたのしめること自体に喜びを感じられるような組み合わせである。

 

あらゆる「リフレッシュ」シーンのお供に

21年間も愛され続けている「キリン 氷結(R)」が、いまなぜここまでの大ヒットとなっているのか。飲んでみると、その理由は「まるで搾りたてのおいしさ」にあることを、あらためて感じられた。

 

平日夜の疲れを癒やしたい時、パートナーや家族と団らんをたのしみたい時、休日に気の置けない仲間と気持ちよく乾杯したい時……。

 

「キリン 氷結(R)」ならば、日常生活のあらゆるシーンで多くの「リフレッシュ」体験をもたらしてくれることだろう。そのまま飲むもよし、食事とあわせて飲むもよし。ぜひ様々なシーンで試してみてほしい。

 

 

■提供/キリンビール

 

和牛・水田信二が回想する、料理人だったあの頃と「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」のエモい関係

かつてアサヒビールが、社の威信をかけて開発したという“伝説のビール”が、この秋、奇跡の復活を遂げた―――。それが「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」だ。実はこのビール、28年前に缶での販売が終売して以来、主に一部のこだわりある飲食店でしか味わうことができなかった“幻の生”なんだとか。

 

今回、そんなマルエフを味わってくれるのは、お笑いコンビ・和牛の水田信二さん。芸人になる前は、神戸の洋食店で料理人の仕事をしていたという水田さんは、どうやらマルエフに馴染みがある様子。マルエフを味わいながら、懐かしいあの頃を回想し始めて―――。

 

アサヒビール
「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」

アサヒビールの業績が低迷していた1986年、「アサヒの不死鳥のような復活を」との願いを込め生まれたのが、この“マルエフ”という開発記号をつけられた生ビール。“コクがあるのに、キレがある”という味わいが特徴的で、まろやかなうまみもあり、発売後ヒット商品に。翌年に発売された「スーパードライ」の大ヒットを受け、生産ラインを確保するために、1993年に缶は終売となったものの、その味わいは多くの飲食店から愛され続け、樽生のみ継続して販売してきた。多くの復活を望む声を受け、本年9月14日から缶(350ml・500ml)のマルエフが復活。一時休売となったが、11月24日より缶350mlが再発売となった。

 

和牛・水田が晩酌タイムに手に取ったのは?

ハァ~~、今日も仕事やりきった~。朝から晩までよ〜く働いたわ……ってことで、一日の終わりには家でゆっくりくつろぎたい。さっそく、晩酌タイムにしよか!

和牛・水田信二

お笑いコンビ・和牛のボケ担当。M1では5年連続決勝進出、3年連続準優勝。コンビで、「ヒルナンデス!」「おはよう朝日です」など地上波レギュラーや出演多数。神戸国際調理師専門学校を卒業し、調理師免許を取得。大阪の和食店・神戸の有名洋食店で、計7年間修行した経験を持つ元料理人だ。

 

今日のお供は、この「マルエフ」。コンビニで見かけて、気になって買ってはみたものの、どんな味なんやろ……「スーパードライ」とは違うみたいやし。レトロでリッチな雰囲気のパッケージに惹かれて、ついついレジまで持っていってしまったなあ(笑)。それに、新商品っぽい感じはするんやけど、この「マルエフ」って名前、どっかで聞いたことあるような……。

 

 

まあ、ともあれ物は試しってことで、さっそく1杯飲んでみよ。(プシュッ……ゴクリ……)

 

 

んん~! これはうまい!! 飲んだ瞬間、フワ~ッと口の中に芳醇な風味が広がってく感じ。ビールのうまみがじんわり舌に馴染んでくなあ。ガツンと爽快というよりは、“優しい味わい”や。コクとキレのバランスが絶妙で、まろやかな美味しさ。喉ごしも、普通のビールとはちょっと違う。ゆっくりまったり喉を伝わっていくような感覚で、めっちゃ飲みやすいなあ。それに、なんだかすごく懐かしい感じもして………ってあれ? 待った、この味、覚えがあるで……。

 

「マルエフ」を贈りたいのは“スーパードライ党”のあの人!

 

あ! もしかして、この「マルエフ」って、飲食店限定の樽生しか売ってなかったビールちゃう? 昔、料理人時代に通ってた行きつけの店にも置いてあったっけ。こだわりのお店にしかない、こだわりの生ビール……懐かしい味や。長いこと、缶では販売してなかったはずやのに、ついに復活したんか。今まで、お店でしか飲めへんかったビールが、これから自宅で楽しめるのはワクワクするなあ。このほっとさせてくれる優しい味は、仕事終わって帰ってきたときの最初の一杯にぴったりやし。癒されるわ~。

 

(本格的にくつろぎ始め、おもむろにジャケットを脱いだ水田さん。)

 

 

後味には、ちゃんとキレがあるところもええな。麦のうまみもコクもしっかりあるのに、飲んだ後すっきりしてるから、めっちゃ気持ちいい……。そうそう、キレがあるビールといえば、いつも飲んでるスーパードライやけど、これは全然別モノやなあ。ドライの後味はキレのある辛口やけど、マルエフはキレの中にもまろやかな余韻がある感じで……。

 

あ、そうや! スーパードライ大好きな親父にも、マルエフを勧めて試してもらおかな。ウチの親父、昔っからスーパードライしか飲まなくて、ドライが置いてない店には絶対入らへんし、ジョッキが冷えてないって分かってる店には、わざわざ保冷バッグでキンキンに冷えたジョッキを持参してたくらいやからな……。あれ、めっちゃ恥ずかしかったわ~(笑)。もうすぐ親父の誕生日やし、マルエフを贈ってみるのもいいかもしれへんなあ。

 

元料理人の腕と舌がうずく!? マルエフとのペアリングをお試し!

↑全国のコンビニで手軽に手に入る居酒屋メシを晩酌のお供に用意

 

さてと、そろそろ少し口寂しくなってきたところ……。ちょっと、おつまみでも合わせてみよかな~。今日は定番のおつまみをいろいろコンビニで買っておいたけど、マルエフって、柔らかい味わいでクセもないから、正直どんな料理でも合うかもしれへんな。焼き鳥の甘いタレとも調和しそうやし、おでんやったら出汁を殺さずにうまみを引き立ててくれそうな感じ。唐揚げとの相性は言うまでもない! 絶対うまいもんな~。

 

 

でも、この中やったら一番はこれやろ……「ポテトサラダ」! 元料理人の俺が言うんやから間違いない……はず! さっそくいただきま~す……(パクッ)。

 

んん~! やっぱり正解や! ポテトサラダって、例えば、キレ重視のスッキリ系のお酒と合わせると、ポテトのまろやかさと馴染みにくかったりする。でも、このマルエフはビール自体にコクがあるから、ポテサラのクリーミーな食感にもうまくマッチしてくれるんやな。これはどんどん箸が進むなあ。

 

 

食事中は、シャープな味わいのお酒やと、いったんそこで切って、口の中をリセットする感覚があるけど、このマルエフのマイルドな味わいは料理にうまく馴染んで、溶け込んでいく感じがする……。

 

そうや! これはおふくろ直伝のミートソースとも合うやろな。子どもの頃からの好物で、一人暮らしするときに唯一教えてもらったのが、おふくろのミートソースのレシピ。野菜をたくさん、ゆっくり炒めて、ゆっくり煮る。毎日食べれるぐらいの優しい味……。あ、それってマルエフと同じやんか。おふくろの料理を思い出す優しい味……まるで抱きしめられてるような、ぬくもりのある味やねんな……。

 

 

マルエフの味から思い巡らす、あの頃のエモい話

ああ~、なんだかほろ酔い気分になってきたわ……。これを飲んでると、どんどん懐かしい気持ちになって、料理人やったあの頃を思い出すなあ。神戸の老舗の洋食屋さんで働いてたあの頃。働き始めてすぐに、店長から「このソースがうちの“命”や」って教えられて。そんなセリフ、漫画以外で初めて聞いたもんやから、かっこいい!って感動したんよな。それに、俺もこのソースを守るためなら、つらくても続ける価値があるなって心に決めて。料理の世界も流行り廃りがあるけど、長年その味を変えずに信じて進んできた人たちを間近で見れて、何があっても“ブレない”ことの大切さを知ったんや。俺にとっては大きな経験やった。

 

 

それに、老舗の洋食屋やったから、長年通ってくれているお客さんもおったし、おじいちゃんから子どもまで家族代々来てくれていた人もおった。もちろん、新しくファンになってくれる人も。その人たちのためにも、毎日淡々と揺らぐことなく続けていく……それが一番大事で。しかもそれは、芸人になってからも全く同じことやった。いつも応援して支えてくれるお客さんのために、“ブレずに”芸を磨いていく。そして、舞台に立ってお客さんの笑ってる姿を見ると、ここまでやってきてよかったなって思って……。

 

そうや! それってマルエフも同じやんか。一度は缶が終売してしもたけど、応援してくれる飲食店に支えられて、こだわりのお店だけで飲めるビールとして生き残ってきた。そして、発売当時のまま“ブレず”にそのままの味で、新たに缶として復活……これは親近感を感じてしまうなあ。そう、俺たちも華々しくデビューしてそのままブレイクって訳やなかったし。でも、お客さんに支えられながら、ちょっとずつ、ちょっとずつやってきて、いまこうやってようやく大きな舞台にも立たせてもらってる。ほんまにいつも応援してくれてる人たちには感謝や……。

 

 

ハッ! 優しい味に浸ってたら、つい時間が過ぎてしまった。ほんま心地良い時間やったなあ。日頃、頑張ってる大人をゆったりと包んでくれるようなマルエフ。これからの生活には、この温もりあるビールが必要なのかもしれへんなあ。ぜひ、読者のみなさんも飲んでみてください。

 

「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」の詳細はコチラから

 

 

●商品に関するお問い合わせ/アサヒビール株式会社 お客様相談室
TEL 0120-011-121
https://www.asahibeer.co.jp/asahinamabeer/

 

取材・文/kitsune 写真/湯浅立志(Y2)
スタイリング/神山トモヒロ ヘアメイク/守屋Kスケ
撮影協力/PROPS NOW、TOP UP

ヨーロッパ主導で始まり新世代によって変貌を遂げる「南アフリカワイン」の歴史と注目ワイナリー

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく当連載は、フランスをはじめとする古くから“ワイン大国”として名を馳せる国から、アメリカなどの“ワイン新興国”まで、さまざまな国と産地を取り上げてきました。最終回となる今回は、南アフリカのワイン。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

 

【関連記事】
第1回 :フランス 第2回:イタリア 第3回:ドイツ 第4回:オーストラリア 第5回:アメリカ
 第6回:ニュージーランド 第7回:日本 第8回:チリ 第9回:スイス 第10回:スペイン&ポルトガル

 

南アフリカワインを旅する

アフリカ大陸の南端に位置する南アフリカ共和国。主要産地であるケープタウン近郊は、雄大な自然に囲まれ、“世界中でもっとも美しいワイン産地”のひとつとして数えられます。

 

この国におけるワイン造りの歴史は、オランダの東インド会社の入植とともに始まりました。初代総督ヤン・ファン・リーベックの1659年2月の日誌には、こう記録されています。「今日、神を賛美します。ケープのブドウから最初のワインが造られました」。

 

19世紀前半、イギリスがケープタウン周辺を支配下に治めてから、酒精強化ワインやブランデーはイギリスに輸出されるようになりました。そして害虫フィロキセラがヨーロッパに蔓延した19世紀半ばに、南アフリカワインはヨーロッパ中で消費され、大きな市場をつかむことになります。現在のヨーロッパ・スタイルの味わいの基礎を形作ったのも、この頃だと考えられます。

 

ところが、フィロキセラ禍から立ち直ったヨーロッパは輸入ワインに頼る必要がなくなり、20世紀に入ると、南アフリカではブドウの余剰問題が深刻化することになります。そして20世紀を通じて南アフリカのワインを統制する役割を担った“KWV”=南アフリカブドウ栽培者協同組合が設立されました。KWVは、現在に通じる豊かな自然環境の保護やワイン法の制定、ブドウ畑の登録制度など、現代南アフリカワインの礎を築いた側面と、厳しい統制によって生産者の創意を長く委縮させたという、功罪を併せ持つ存在でした。

 

大きなターニング・ポイントは、1991年にアパルトヘイト政策が廃止され、1994年にネルソン・マンデラ政権が誕生したことです。国際的な孤立から解放された南アフリカワインは輸出拡大へと舵を切り、ヨーロッパのワインを知った若手世代は、次々に新しい個性的なワインを産み出すようになりました。アパルトヘイト時代に比べると輸出量は20倍以上にもなり、ワイン生産量で世界第8位のワイン大国に変貌を遂げました。つまり、南アフリカのワインの新しい歴史は、ほんの四半世紀前に始まったばかりなのです。

 

これから期待される南アフリカの社会の進化、有色人種の権利拡大は、より一層の変化を南アフリカワインにもたらしてくれるのではないでしょうか。

1. コンスタンシア
2. ケープタウン
3. ステレンボッシュ
4. ケープ地方スワートランド
5. ケープ・サウス・コースト、ウォーカー・ベイ

 

1. ケープタウン郊外 コンスタンシア
− “南アフリカワイン”をヨーロッパに知らしめた伝説の甘口ワイン −

ケープタウンは、南アフリカに3つある首都のひとつ。ポルトガルの航海者、バルトロメウ・ディアスが発見した喜望峰を抱える都市です。東インド会社の入植後、初めてワインが植えられたのもケープタウンでした。そして18世紀後半にケープタウン南郊のコンスタンシアで小粒のマスカット「ミュスカ・ド・フロンティニャン」が主体となった遅摘みの甘口ワイン「ヴァン・ド・コンスタンス」が生まれます。当時、まだ砂糖が上流階級向けの嗜好品だった時代に、「ソーテルヌ」や「トカイ」といった甘口ワインと並んで、ヴァン・ド・コンスタンスはヨーロッパに南アフリカワインを知らしめ、王侯貴族に愛されました。顧客リストにはヨーロッパだけではなく、ジョージ・ワシントンやトーマス・ジェファーソンといった名前が並び、かのナポレオンもセント・ヘレナに幽閉されてなお、ヴァン・ド・コンスタンスを愛飲したと伝えられています。

 

ところが、この伝説の甘口ワインはフィロキセラの被害に遭い、一度は生産が途絶え、ワイナリーは幾度となく所有者が変わります。そして20世紀後半、クライン・コンスタンシアの所有者となったダッジー・ジョースト氏がワイナリーを復活させ、1985年に新しいヴァン・ド・コンスタンスのファースト・ヴィンテージをリリースしました。18世紀から19世紀にかけて、南アフリカワインを代表する名声を獲得したこのワインの再生は、国内外で大きな話題を呼び、現在に至ります。

 

乾燥させた小粒のマスカットから造られ、創出当時のゆがんだボトルを模した500mlのボトルに詰められたワインは、蜂蜜や桃のような豊かな甘みと、複雑さを演出するスパイスのニュアンスに加え、南アフリカワインの長い歴史を含んだ素晴らしい味わいを楽しませてくれます。

 

Klein Constantia(クライン・コンスタンシア)
「Vin de Constance2016(ヴァン・ド・コンスタンス2016)」
1万2000円
輸入元=ラフィネ

2. ケープタウン
− 南アフリカの都市型ワイナリー −

「優れたワインはテーブルマウンテンの見える畑から」という格言があるほどに、南アフリカのワインのほとんどはウエスタン・ケープ州のブドウから造られます。ケープタウンの中心にそびえ立つテーブルマウンテンの広大な敷地は、世界一花の種類が豊富な南アフリカの大自然の象徴であり、自然保護区として豊かな植物多様性を残していることから、世界遺産に登録されています。ケープタウンは南アフリカの初期から発展した都市で、前述の通り、現在は3つある首都のひとつ。規模としては南アフリカ第2の都市ですが、そういった豊かな自然環境に囲まれたワイン産業の中心としても位置付けることができるのです。

 

そんなケープタウンのワインに関する近年のトピックに、“アーバン・ワイナリー”の増加が挙げられます。アーバン・ワイナリーとは、畑と隣接せず都市部に醸造所を構え、持ち込んだブドウからワインを造る都市型ワイナリーのこと。21世紀に入りアメリカで生まれたといわれるこのスタイルは世界中に広がり、日本でも東京や大阪に近年続々と設立されて、話題を集めています。アーバン・ワイナリーは、都市部は交通の便がいいので輸送がしやすい、情報発信が容易である、人が集まりやすいなどのメリットのほか、何より多額の建設費を抑え小規模での開業が可能であるということが挙げられ、意欲ある若手が参入しやすい形態なのです。

 

ダンカン・サヴェージ氏は、ケープ・ポイント・ヴィンヤーズの醸造責任者として評価を高めたのち、ケープタウンの街中の倉庫街に醸造所を設け、自身のワイナリーを立ち上げました。この四半世紀に起きた南アフリカワインの変化の大きな要因は、1994年にアパルトヘイトと孤立主義政策が撤廃された後、若いワイン生産者が世界中のワインを知り、各地の技術を吸収し、自由なワイン造りを始めたことが第一に挙げられます。アーバン・ワイナリーは、そういった意欲ある新進の造り手が自身の思いを表現する手段として、これからも世界中で広まっていくことでしょう。

 

Savege(サヴェージ)
「Savage Red Syrah2017(サヴェージ・レッド・シラー2017)」
4800円
輸入元=ラフィネ

3. ケープ地方ステレンボッシュ
− 南アフリカワインの中心地 −

ケープタウンから東へ50kmの距離に位置するステレンボッシュ。オランダの統治時代の名残もあり、ヨーロッパのような白を基調とした建造物が立ち並ぶステレンボッシュの街には、南アフリカで唯一、ブドウ栽培と醸造学を学べるステレンボッシュ大学があります。ケープの有名ワイナリーがこの地域に集まり、最高級クラスのワインの多くを生み出すだけでなく、教育と研究の中心的役割を担い、国内外で活躍するワインパーソンもこの地域から輩出されているのです。

 

南はフォルス湾、東にはホッテントット・ホランド山脈、北には隣接する産地パールとの境界にシモンズバーグ・マウンテンと、海と山に囲まれた産地ステレンボッシュは、山々の織り成す丘陵地帯と西側の平地にブドウ畑が広がり、ブドウ栽培に適した気候、砂質や花崗岩といったさまざまな土壌に多くの国際品種が植えられています。以前は南アフリカの代表的な白ワイン用ブドウ品種「シュナン・ブラン」が主流でしたが、今ではカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローといった、ボルドー品種やシラーが主流となりつつあります。ナパ・ヴァレーやバロッサ・ヴァレーのように気候や土壌は細かく分析され、ステレンボッシュはシモンズバーグ=ステレンボッシュ、ヨンカースフック・ヴァレー、パパハイバーグ、デヴォン・ヴァレー、ボテレライ、バンフック、ポルカダーイ・ヒルズの7つの小区画に分類されるようになりましたが、今のところエチケットにはほとんど表記されることはありません。それはナパ・ヴァレーに似て、単に「ステレンボッシュ」と表記する方が、完熟したブドウから堅牢な味わいのイメージを消費者に伝えやすいことが理由に挙げられます。

 

南アフリカのワインの特徴として多くの人が挙げるのは、ヨーロッパがワイン造りを主導したため、カリフォルニアほどのパワフルさはなく、ヨーロッパとアメリカの中間に位置するようなエレガントさと力強さの両立です。ステレンボッシュのカベルネ・ソーヴィニヨンもまた、ボルドーとナパ・ヴァレーの優れた側面を併せ持ったワインがこれからより生み出されることが期待されています。もちろん価格は、そのどちらよりもリーズナブルなところも、南アフリカワインの大きな魅力です。

 

Le Riche Wines(ル・リッシュ・ワインズ)
「Cabernet Sauvignon2017(カベルネ・ソーヴィニョン2017)」
3900
輸入元=ラフィネ

4. ケープ地方スワートランド
− 南アフリカの大きな変化を体現する新しい産地 −

ケープタウン北部の一帯は元々、共同組合向けの原料ブドウの供給地でしたが、スパイスルートエステートが1990年代後半に設立されたことは、大きな変化の始まりでした。その初代醸造責任者だったイーベン・サディは自身のワイナリーからシラー主体のブレンド「コルメラ」、シュナン・ブラン主体の「パラディウス」をリリースし、その高い評価からスワートランドを一躍南アフリカワインの有望産地に押し上げました。

 

畑を管理はするが所有せず、古くから植えられている古樹のブドウを低収量で仕上げるスタイルは、それまでの協同組合の造るワインとはまったく別物の大きなスケール感を感じさせるもので、多くの若手生産者のロールモデルを造り出したのです。元々この地域は、1960年代から植えられた古樹が多く残っており、暑く乾燥した夏にも関わらず、水分を保つ深層の保湿性のある土壌のため、灌漑の必要がありませんでした。寒暖差も大きく雨も冬に集中するため、良質なブドウの収穫が可能な地域なのに、21世紀になるまで見向きもされなかったのです。イーベン・サディ氏に続くスワートランドの新進生産者の多くは、ナチュラルなワイン造りを志向し、“SIP”=スワートランド・インディペンデンド・プロデューサーズを結成し、独自の認証を定め始めました。

 

今回紹介するのは、日本人生産者として初めて南アフリカでワイン造りを行った佐藤圭史さんのワイン。学生時代に過ごしたオレゴンでワインの奥深さに魅了され、たどり着いたのは大自然に囲まれた南アフリカ。とくに意欲ある造り手にとって大きな可能性のあるスワートランドでした。

 

南アフリカワインのここ25年の大きな変化のなかで、もっとも劇的な変化を遂げたのはスワートランドです。これからインディペンデント・プロデューサーズの手によってどんな魅力的なワインが産まれるのか、期待の尽きない産地でもあります。

 

Keiji Sato佐藤圭史)
「Cage Chenin Blanc2019(ケイジ・シュナン・ブラン2019)」
3600
輸入元=ラフィネ

5. ケープ・サウス・コースト、ウォーカー・ベイ
− 南アフリカのピノ・ノワールの源流は1970年代に生まれた −

1975年、広告業界を引退したティム・ハミルトン・ラッセルは、ウォーカー・ベイ地区の海辺の街、ヘルマナスの高台ヘメル・アン・アード・ヴァレーで、高品質なピノ・ノワールとシャルドネのワインへの挑戦を始めました。当時、国際的に孤立状況にあった南アフリカでは、満足のいく苗木のクローンさえ手に入らなかったという話を聞いたことがありますが、現在南アフリカ屈指のピノ・ノワールの銘醸地であるウォーカー・ベイでブルゴーニュ品種の栽培に成功したワイナリーは、そんな時代にスタートを切っていました。

 

南アフリカというと温暖なイメージがあるかもしれませんが、アフリカ大陸の最南端であり海に近いブドウ畑は、海風の影響で、涼しい気候に向いた品種の栽培に向いています。1990年代後半になり、さまざまな南アフリカのワインが輸出されるようになると、ブルゴーニュとカリフォルニアの中間的な味わいというスタイルのピノ・ノワールやシャルドネはすぐに日本でも注目され、ハミルトン・ラッセルのワインはブルゴーニュ愛好家の間でもよく知られる存在になりました。それから約20年の時間が経ち、追随する多くの若手生産者が優れたブルゴーニュ・スタイルのワインを世に送り出すようになりました。黎明期を経て、着実に第2世代に引き継がれているのが、現在の南アフリカワインなのです。

 

今回紹介する「テッセラールスダル」は、南アフリカではまだまだ珍しい黒人の血を引く女性醸造家ベリーヌ・サウルスさんが2015年に初リリースを迎えた、新しいワイナリーです。ハミルトン・ラッセルで事務職として働き始めた彼女は、自然とワイン造りの奥深さに魅せられていきました。やがて醸造にも携わるようになり、醸造拠点をハミルトン・ラッセルに置きながら、自身のワインをリリースするに至ったのです。長らく少数の白人が独占してきた南アフリカのワインは世代交代のまっただ中にあり、期待される社会の変化に向けて少しずつ歩みを進めているところなのです。

 

Tesselaarsdal(テッセラールスダル)
「Pinot Noir2020(ピノ・ノワール2020)」
6500
輸入元=ラフィネ

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

ウイスキー好きにぜひ薦めたい!麦焼酎ベースの「いいちこ下町のハイボール」が新しくて美味しかった

コロナ太りが叫ばれる昨今、ヘルシー志向の高まりで糖質ゼロや甘味料ゼロのお酒が人気を集めています。そしてそのさなか、ビッグネーム初の缶チューハイがデビューしていたことをご存知でしょうか。それが「いいちこ下町のハイボール」。潜在ニーズを掘り起こし、新フレーバーも登場した同ブランドの2本を今回はレビューします。

 

↑左から、「いいちこ下町のハイボール」「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」。ともにアルコール度数7%、350mlで税抜175円(希望小売価格)です

 

 

麦焼酎のトップランナーが満を持して新発売

「いいちこ」は、お酒好きの人なら聞いたことがあるでしょう。これは大分を拠点とする三和酒類の看板ブランドで、原材料が大麦であることも大きな特徴。大麦、大麦麹と大分の良質な水からつくられた本格焼酎で、日本はもちろんいまや世界30か国以上で愛され続けています。

 

名実ともに、三和酒類は大麦をベースとした焼酎のトップランナー。その知見を生かした和のスピリッツ「TUMUGI」や、世界的なバーテンダー後閑信吾さんとのコラボ焼酎「The SG Shochu MUGI」なども手掛けています。

 

↑全麹造りの本格麦焼酎に5種類のボタニカルを漬け込んだ、「WAPIRITS TUMUGI」税抜1850円(希望小売価格)

 

↑バーで楽しめる焼酎をコンセプトにした「The SG Shochu」。KOMEとIMOもあり、三和酒類は「The SG Shochu MUGI」3500円(希望小売価格)を後閑さんと共同開発

 

そんな、芋焼酎のスペシャリストである三和酒類の看板ブランドが「いいちこ」。1979(昭和54)年発売のロングセラーでもあります。一方で若い世代からは「知っているけど飲んだことがない」「親世代や祖父母世代が飲んでいるイメージ」などの声があったそう。

 

そこで、どうすれば「いいちこ」をもっと幅広い世代に飲んでもらえるか検討したときに、「気軽さ」「飲み切りサイズ」がポイントになると考え、さらには缶チューハイ市場の盛り上がりも追い風となり、「いいちこ下町のハイボール」が誕生したのです。

 

↑「いいちこ下町のハイボール」は2020年9月に誕生。シンボリックな「い」を中心に「いいちこ」ブランドを主張しつつ、潜在層に親和性のあるポップなデザインに仕上げられています

 

デビューから約半年。味わいを選べる楽しさをプラスしたいという狙いで、2021年2月に発売された第2弾が「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」です。こちらは豊かな香味が魅力の、樽熟成樽貯蔵酒をブレンドしているのが味わいの特徴。デザインは、温かみや力強さを感じさせる世界観となっています。

 

↑2021年2月発売の「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」。歌舞伎をモチーフにしたデザインは、伝統と革新がつくり出した商品であることを表現しているのだとか

 

ヘルシー缶チューハイの新たな選択肢だ!

ここからは、中身の特徴によりフォーカスしていきます。冒頭で触れましたが、アルコール度数は両方とも7%で、スピリッツ(蒸溜酒)ベースならではのヘルシーさもポイント。プリン体、糖質、甘味料はゼロで、香料も使っていない体にやさしい仕様となっています。

 

↑スペックはご覧の通り。100mlあたりのエネルギーは「いいちこ下町のハイボール」が43kcal、「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」は41kcalとなっています

 

次は「いいちこ下町のハイボール」から、液色や香りをチェック。色はほぼ透明で、香りは麦焼酎の甘やかな香ばしさがほんのりと、その奥で柑橘のみずみずしさが少しだけ感じられます。

 

↑商品リリース情報によると、プロが作るハイボールを再現しているのがポイントとか。なお、缶に縦書きされている「BARLEY(バーレー)」とは大麦のことです

 

飲んだ第一印象は、クセはないものの個性はしっかりしているということ。クリアな味が特徴のウォッカや甲類焼酎ベースの缶チューハイよりも芯があり、かといってアルコールのトゲはなくスムース。酸っぱいとまではいかない、かすかなシトラスフレーバーがシュワッとした炭酸にマッチし、すこぶる爽快です。

 

↑柑橘の秘密は、隠し味に使われているかぼす。ちなみに、かぼすは大分がぶっちぎりで全国1位の生産量シェアを誇ります

 

次は「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」を試飲します。こちらは、樽で熟成させた麦焼酎を25%以上使用しているのが差別化ポイント。大麦のスピリッツを樽で熟成させる工程は、モルトウイスキーでも用いられる製法です。そのため、どこかウイスキーを思わせるフレーバーを感じます。

 

↑液色も、樽熟成によってほんのり赤みがかっているような。また、こちらはかぼすではなくレモンのスピリッツが隠し味として採用されています

 

飲んでみると、確かにウイスキーっぽさが出ていてコクが豊か。燻製とは違うのですが、香ばしくて野性味を演出しています。また、ウイスキーのハイボールほど洋酒のニュアンスはないので、独特のウッディさやスモーキーさ、フルーティさが苦手な人にもオススメです。

 

↑余韻の爽快感に、かすかなレモン由来の柑橘がすっきりと。もちろんウイスキー好きにも激推しできる味わいです

 

今回の2本を比較すると、「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」のほうが大人な味わい。また、どちらも甘くなくて料理全般に合いますが、「いいちこ下町のハイボール」のほうがお造りなど繊細な料理にマッチし、「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」は肉、タレ味、みそ味、中華、燻製などによく合うと思います。

 

↑麦焼酎の魅力が凝縮された缶チューハイ。ぜひ飲み比べを

 

チューハイとは酎ハイ。つまり焼酎ハイボールのことですが、ヘルシー缶チューハイの新たな選択肢として登場した2つの「いいちこ下町のハイボール」、本稿を参考に、ぜひお試しあれ。

 

 

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11月11日は「立ち飲みの日」!——達人が語る立ち飲みの魅力の噺

11月11日が「立ち飲みの日」であることをご存知でしょうか。こちらを記念日として発案申請したのが、大衆酒場にまつわる著書を数多く上梓している藤原法仁(のりひと)さんと浜田信郎(しんろう)さん。今回はこのおふたりに雑誌『古典酒場』創刊編集長の倉嶋紀和子さんを交え、それぞれの立ち飲み愛を東京・新橋の名店で語ってもらいました。

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

そもそも「立ち飲みの日」って?

訪れたのは、JR新橋駅に直結している「新橋駅前ビル」の2号館、その地下1階にある「立ち呑 こひなた」です。魅力は1杯250円(表示価格は全て税込・以下同)の「酎ハイ」をはじめとするおいしくて激安なお酒と、同様に破格な一皿200円の絶品おつまみ。味のある縄のれんのエントランスや、女将さんとスタッフの心地いい接客も酒飲みの心をつかみます。

 

↑左から、藤原法仁さん、倉嶋紀和子さん、浜田信郎さん

 

まずは藤原さんと浜田さんに、2010年に登録された「立ち飲みの日」申請の経緯を聞きました。

 

「『立ち飲みの日』を申請した理由は、はっきり言って酒の勢いです(笑)。2009年の末ぐらいだったかなと。でも、その数年前からずっと心のなかではくすぶっていて、浜田さんたちと飲むたびに『記念日があるといいよね』みたいな話はしていたんです」(藤原さん)

 

「そうそう! あのときはいつになく真面目な顔で、藤原さんが『マジで立ち飲みの日を申請しようと思うんだよね』って。前からそんな話は聞いていたんですけど、本当にやるんだ!って驚きましたよ」(浜田さん)

 

「社交辞令のような感じで『やろうやろう』みたいなことってよくありますけど、僕はそういうところが変に真面目なんです。まあ、普通なら冗談半分で『だったらやってよ』みたいになる話を、僕が真に受けたってことなんですけどね」(藤原さん)

 

↑本サイトで連載中の【東京・大衆酒場の名店】ナビゲーターとしてもおなじみの藤原法仁さん(左)。倉嶋紀和子さん(右)は雑誌『古典酒場』の創刊編集長。大衆酒場を日々飲み歩きつつ、「にっぽん酒処めぐり」(CS旅チャンネル)「二軒目どうする?」(テレビ東京)などにも出演。その他にもお酒をテーマにしたさまざまな活動を展開中。俳号「酔女(すいにょ)」は吉田類さんが命名

 

おふたり曰く、当時有名な11月11日といえば「ポッキー&プリッツの日」ぐらいだったそう。そもそも、なぜ記念日として申請しようと思ったのでしょうか?

 

「本当になんとなくの勢いで、使命感とか美談になるような理由ではないです。でも、当時は今みたいに『○○の日』がそこまで多くなかったですし、面白そうだなって思ったんです。ただ、いざ調べてみたら登録に費用がかかることがわかって。年会費みたいのはいらないんですけどね」(藤原さん)

 

日本記念日協会に申請をして、審査に合格すると記念日として登録される

 

「『金は俺が出すから、連名で浜田さんも一緒にお願い』って言ってね」(浜田さん)

 

「さすが藤原さん、男気ありますね!」(倉嶋さん)

 

「誰かが登録しないと記念日はできない訳です。それなりに費用もかかりましたが、使い道としてはかなり効果的で、たまに立ち飲み屋さんから『藤原さんのおかげですよ』みたいに言われて、一杯おごってもらえることもあるんです。結果的に登録費用は生涯残る先行投資みたいなもんで、喜んでくれるお店や人がいるなら本望ですよ」(藤原さん)

 

↑藤原さんと共に「立ち飲みの日」を申請した浜田信郎さん(右)は、ブログ「居酒屋礼賛」の主宰。『酒場百選』(筑摩書房)『ひとり呑み』(WAVE出版)など大衆酒場に関する著作を数多く出されています

 

2009年の末から本格的に動き出し、登録された後2010年の11月11日に初回を迎えた「立ち飲みの日」。翌2011年の11月11日は100年に一度の「111111」が並ぶ日としても盛り上がり、さらにこの日は金曜日だったことでも注目を浴びたとか。1月1日ではなく11月11日にしたのは、元旦は営業していないお店が多いからでしょうか?

 

「いや、1は人が集って立ち飲みをしているイメージで、2つより4つ並んだほうがにぎやかでしょ。だから11月11日にしたんです。でも11月11日はすごく人気で、そのあと『うまい棒の日』や『たくあんの日』でもあることがわかって」(藤原さん)

 

「ポッキー、プリッツ、うまい棒、たくあん。立ち飲みのお店にもありそうなラインナップでいいですね!」(倉嶋さん)

 

ところで、なぜ「チューハイの日」や「大衆酒場の日」などではなく「立ち飲みの日」にしたのでしょうか。その理由は、日付のマッチングとして11月11日が最適だったということと、当時は特に立ち飲みが脚光を浴びていたからだと藤原さんは言います。

 

立って飲めるスペースがあれば、そこは立ち飲みの店

近年の立ち飲みブームは、「酒場詩人」の肩書で知られる吉田類さんが『立ち呑み詩人のすすめ』を出版した2000年が第1次。当時はいわゆる古典的な立ち飲み店がメインだったそう。その後、インターネットの普及とともに勝どきの「かねます」、北千住の「徳多和良(とくだわら)」、新小岩の「しげきん」といった割烹スタイルの高級店やハイコスパ店が話題になり始めたのが2006~2008年ごろ。これが第2次ブームだと3人の達人は言います。

 

次第に、イタリアンやスペインバルスタイルの立ち飲み店も増えていったのだとか。その極めつけとなったのが、「立ち飲みの日」がスタートした翌年の2011年。いまも続く「俺の」シリーズの1号店「俺のイタリアン 新橋本店」がオープンして大行列に。模倣店が出るほど人気になるとともに、「おいしくて安い立ち飲みは最高!」ということが世に知れ渡りました。この頃が第3次ブームといえるでしょう。

 

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こうした第1~3次ブームを経て、立ち飲みは完全に市民権を獲得したのです。では、さらに歴史をさかのぼると、立ち飲みはいつ頃から始まったのでしょうか?

 

「飲食ができるお店、いわゆる居酒屋は江戸時代にはあったそうなので、当時も立って飲めるお店はあったのではないかと考えられますが、立ち飲みの歴史を語るうえでポイントとなるのは角打ちだと思います」(倉嶋さん)

 

角打ちは「かくうち」と読み、これは酒屋の店頭で升酒を直接飲むこと。転じて、店の一角を仕切って立ち飲み用にすること。またはそこで飲むことです。江戸時代には一般的に行われていたことが文献にも残っていて、倉嶋さんが一例を教えてくれました。

 

「『忠臣蔵』の赤穂浪士四十七士のひとりとして知られる、堀部安兵衛のエピソードですね。堀部安兵衛が高田馬場の決闘に行く前に、早稲田に現存する今の『リカーショップ小倉屋』さんで、角打ちをしたという話が有名です」(倉嶋さん)

 

高田馬場の決闘があったのは、江戸時代中頃の元禄7(1694)年。当時すでに立ち食いのそばや寿司の店もあったといいますから、立ち飲みが一般的だったことも想像に難くないといえるでしょう。

 

「江戸となると東京が話題の中心ですけど、今も続く角打ちが多い地域は、実は北九州なんです。時代は近代以降になりますが、北九州市は八幡製鉄所や筑豊炭田をはじめとした工場・炭鉱・港湾の都市として栄えました。そして、そこで働く労働者が安価で楽しむ憩いの場として角打ちがもてはやされたのだと思います」(倉嶋さん)

 

↑北九州の立ち飲みについて熱く語る藤原さんと倉嶋さん

 

「確かに、北九州は各駅で降りてはしごできるぐらい、素敵な角打ちの店がたくさんありますよね。小倉にある旦過(たんが)市場の名店『赤壁(あかかべ)酒店』とか!」(藤原さん)

 

「九州は全体的に『○○酒店』という名称の飲み屋が多いのも特徴です。角打ちができる酒屋として続いているお店もあれば、屋号は『○○酒店』でも飲食店営業許可書をとって居酒屋にしているお店もありますし。でも北九州は特に、角打ち文化が伝統的に愛されているんだと思います。東京近辺にも労働者の街はありますけど、角打ちのほかにも大衆酒場に大衆食堂、町中華など、地方に比べて飲める店が多く、種類も多様ですからね」(浜田さん)

 

浜田さんの「飲食店営業許可書をとって居酒屋に」という話は、営業形態のこと。酒販店はあくまでも小売店なので、お酒の販売はできても調理した料理を提供したり椅子を出して飲食をさせたりしてはいけないことになっています。その意味では「角打ちとは立ち飲みのことである」とは言えません。では、立ち飲みの定義とは?

 

「そうですね。飲みに行く側の立場からしたら、定義などは気になりません。スタンディングのスペースと、テーブル・イス席の両方があるお店ってたまにありますけど、それはそれで利便性がいいですよね。一部に座れる席があるから立ち飲みの店じゃないとは思いませんし」(倉嶋さん)

 

「例えば、名古屋駅って面白いんです。ホームできしめんなどを提供していた立ち食いうどん店が、おでんをつまみに酒も飲めるということでいつのまにか立ち飲み好きの憩いの場になっていて。そういうお店も、立って飲めるなら立ち飲みってことでいいと私は思います」(浜田さん)

 

「ひじをついて、リラックスできるぐらいのカウンターの高さがあることは重要だと思います。でもまあ、おふたりが言うように、立って飲めるスペースがあるなら、そこは立ち飲みのお店ってことでいいんじゃないですかね」(藤原さん)

 

立ち飲みの魅力はウマくて安くて1杯でもOKなところ

立ち飲みといってもさまざま。前述したように「立ち呑 こひなた」は1杯250円の「酎ハイ」と一皿200円の絶品おつまみがメニューの名物です。

 

↑「酎ハイ」(250円)。コクのある宝焼酎がベースで、強めのアルコール度数によるボディとキレ、爽快感も魅力です

 

↑「オムソバ」(200円)。シメだけではなく、1杯目のアテとして注文する人も多い一番人気のおつまみです。注文ごとに卵を焼いてくれるのもうれしい

 

女将さんにお店の話を聞くと、「立ち呑 こひなた」の開業は1986~1987年ごろ。ご主人がオープンした当時はお店に関与していなくて、正確な時期は覚えていないと言います。驚くべきは価格で、おつまみの値段は25年以上ずっとそのまま。お酒は消費税が10%になった2019年に10円値上げしただけとのこと。

 

↑おつまみは左から、「砂肝」「ポテトサラダ」「鳥皮」(各200円)。どれも「オムソバ」に並ぶ人気メニューです

 

↑一部、320円のおつまみも。こちらは玉ねぎ、しょうがなどと一緒に醤油ダレで味付けされた「鯨刺し」(320円)

 

そのうえで、立ち飲みの魅力はどんなところにあるのか。3人に聞きました。

 

「安くておいしいのはもちろんのこと、短時間でもOKなところがありがたいですね。座ってくつろぐタイプのお店だと『何品か注文しないと申し訳ないな』って思うんですけど、立ち飲みなら1杯飲みたいときにサッと寄って帰っても罪悪感がないですから」(藤原さん)

 

「確かに! 私は“隙あらば飲む”が座右の銘なので、用事の合間の10分とかで飲みたいときに寄るのは立ち飲みになりますね。その一方、ゆっくり飲むこともできますし。使い勝手のよさが素晴らしいです」(倉嶋さん)

 

「私は安全な酒場であることも魅力だと思います。というのもスタンディングってことは、立っていられない人は飲めないってことですよね。なので、立ち飲みには酔っぱらって絡んでくる人や、くだを巻いている人がいないんです」(浜田さん)

 

↑大衆酒場の達人が揃えば、酒噺が尽きることはありません

 

「立ち呑 こひなた」の客層については、女将さんもひとこと。

 

「うちはやっぱり、サラリーマンのみなさんに支えられています。多い年代は40~60代ですけど、ここ2~3年で20~30代の若い方や女性にも来ていただけるようになりました。この駅ビルは警備員さんが巡回してくれるから、危なくないんです。もちろん立ち飲みだから変に酔っぱらう方もいないですし、女性でも安心して飲めるお店ですよ」(女将さん)

 

そのほか酒場通の3人は、狭い店内のスペースを譲り合って飲む大人の社交場であること、狭い空間ならではの一体感も魅力だと言います。コロナが終息したらまたにぎやかに乾杯したいという想いは、立ち飲み好き共通の願いだといえるでしょう。

 

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譲り合って気持ちよく飲むことが大切

酒場の初心者には、少々敷居が高い立ち飲み店。そこで、達人3人による立ち飲み店での注意点をうかがいました。

 

「どのお店でも基本ですけど、まずは注文の仕方です。1杯飲んですぐ帰るならいいんですけど、ゆっくりするなら2杯、3杯とオーダーしましょう。もちろんおつまみもご一緒に。あとはさっきの浜田さんの話にありましたけど、足がふらついてきたら帰りましょう」(藤原さん)

 

「これは立ち飲みでも、イスの席がある店でも共通ですが、初めての場合はお邪魔させてもらっているというような気持ちを心掛けるといいと思います。注文に迷ったら、まずは酎ハイやレモンサワーなど、定番のお酒で。おつまみは、ほかのお客さんが食べているメニューを見て、『おいしそう』と思ったら同じものを注文するといいのかなと」(倉嶋さん)

 

「足のふらつきはもちろん、お腹いっぱいになって注文できなくなったら帰るというのも作法です。立ち飲みのお店は、次のお客さんに譲る気持ちが大切ですから。カウンターのスペースも同様で、あまり自分の前を占拠しないよう、お酒1杯とおつまみ1~2品置けるくらいがいいと思います」(浜田さん)

 

↑「立ち呑 こひなた」には、ほかにも立ち飲みの達人に間違いないお客さんが!

 

お店と周囲のお客さんに配慮をして譲り合いの精神で楽しむ。もし混んできてまだ飲みたいと思ったら、サッとお会計をして次の立ち飲み店にはしごする。これが立ち飲みの基本的なマナーです。少しずつにぎわいを取り戻し始めた街と飲食店。奥深い立ち飲みの世界に足を踏み入れて、大人の文化を堪能してみませんか?

 

<取材協力>

立ち呑 こひなた

住所:東京都港区新橋2-21-1 新橋駅前ビル2号館 B1

営業時間:12:00~23:00(L.O.22:45)

定休日:日曜、祝日

※営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(取材日:2021年10月18日)

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎25度

https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/jun/

大豆ミートのレストランメニューが激ウマ!「キリンシティ」と「スプリングバレー」に急げ!

年々注目度を増すプラントベースドフード(植物由来食品。プラントベースフードとも呼ぶ)。特に大豆ミートはメジャーなプラントベースドフードで、レストランで素材からメニュー化をするケースも増えています。今回訪れたのはその一例。まずは全国に32店舗を展開する「キリンシティ」へ。

 

↑名物は1983年の創業当初から続く、ドイツ伝来3回注ぎのご馳走ビール。料理はソーセージを筆頭にビールが進むおつまみがそろいます。写真は「キリンシティ渋谷桜丘」

 

14種の試作から3品に絞り込んだミラクルメニュー

「キリンシティ」が採用したのは、熊本を拠点とする植物肉のスタートアップDAIZ社の「ミラクルミート」という商品。従来の脱脂大豆(工場での搾油後の粕)とは違い、畑からの大豆を丸ごと使用して、大豆そのものからうまみ成分、栄養価を引き出すことに成功した画期的な大豆ミートです。

 

↑「ミラクルミート」。穀物の大豆ではなく、芽を出して植物になった瞬間の大豆を採用することで、うまみは豊かに、香りは違和感なく仕上がるなど、様々な特徴があります

 

そこからメニュー化したのは3品。これまでの背景や開発のポイントなどを、「キリンシティ」の料理長 兼 商品開発部部長の小林知之さんに聞きました。

 

「『ミラクルミート』は素晴らしい食材ですが、とはいえ『ミラクルミート』ありきで開発したわけではありません。私たちが一番大切にしていることは、キリンシティを愛してくださるお客様の気持ちと期待を最優先に考えることです。お客様のライフスタイルが大きく変化するなかで、お客様の選択肢のひとつとして『おいしい!』と実感していただけるメニューを、『ミラクルミート』を使って考案しました」(小林さん)

 

↑小林知之料理長。「キリングループとして拡大を進めている、ヘルスサイエンス領域の一環としても、チャレンジの意義があると考えています」と言います

 

開発は今年4月からスタート。コロナ禍による休業期間があったこともあり、より集中して開発ができたといいます。最終的に試作したメニューは全14種。そのなかから絞り込み、特においしさに自信がある3品が10月からデビューすることになったのです。まずは「自家製さくさくメンチカツ」から特徴をうかがいました。

 

ウマいのはもちろん、三者三様の食感に驚かされた!

↑「自家製さくさくメンチカツ」(900円/テイクアウト980円・ともに税込/以下すべて税込み)

 

「見た目も量的にもボリューム感がありますが、食感はライトで重くはありません。『ミラクルミート』の味を生かしつつ、ひよこ豆のピューレと粗めの玉ねぎでより自然なおいしさに。野菜のうまみと水分で、まるで肉汁のようなジューシーさも楽しめますよ。理想の食感を目指すために10回は試作し、今回一番難しかった料理ですが、それだけに最大の自信作でもあります」(小林さん)

 

↑肉のメンチカツと言われて食べても違和感ないおいしさ。粒の弾力がありジューシーで、ヘテロ感(不均一な要素によって感じる、味わいの重層性やふくよかさ)も絶妙です。

 

「自家製さくさくメンチカツ」は、ソースなしでそのまま食べても絶品でした。これは塩やこしょうのほかにブイヨンも使ってうまみを底上げしているからだと小林料理長。次は「自家製スパイシータコライス」について聞きました。

 

↑「自家製スパイシータコライス」900円/テイクアウト980円

 

「本場沖縄のタコライスよりもスパイシーに仕上げました。タイのチリソース・シラチャ―のほか、クミンやコリアンダーなどのスパイスも使っています。さらに乾燥スパイスを仕上げにかけることで、より香りと食感にアクセントを加えました。サイドにあしらったケールの苦みも、一緒にお楽しみください」(小林さん)

 

↑こちらは大豆ミートの食感がより凝縮されている印象。スパイスの鮮烈な香りや、ニンニクチップ、粉チーズ、シーザードレッシングのコク深さもおいしさに拍車をかけます

 

3品目は「自家製ガパオ」。こちらも本場のタイとは違い、あえて和風テイストに仕上げているとか。

 

↑「自家製ガパオ」900円(テイクアウトは未提供)

 

「玉ねぎ、小松菜、ピーマン、バジルといった野菜のうまみを『ミラクルミート』に吸わせることで、ジューシーな食感と奥深いうまみに仕上げました。タイの魚醤・ナンプラーは使わず、オイスターソースとしょうゆで調味しているので、親しみやすいおいしさになっていると思います」(小林さん)

 

↑クセを抑えたまろやかなテイストに、バジルが上品に香ります。大豆ミートはしっとりとした食感で、ほかの2品とは違う印象に感じました

 

上記3品は想像以上なおいしさで、特に驚いたのが大豆ミートの弾力の違い。三者三様で異なる食感に仕上がっていて、料理技術の高さを思い知らされました。

 

「ベースの『ミラクルミート』は水でふくらませるのですが、その加減はどうするか、さらに味の染み込ませ方や粘りの出し方まで、何度も試作し研究しました。調理工程でも違いが出ます。例えば『自家製スパイシータコライス』は『ミラクルミート』をよく搾ったうえで、水分を飛ばすように炒めることで香ばしい食感に。一方で『自家製ガパオ』は、注文が入ってから炒めて野菜の香りをまとわせ、ソースを加えて炒め煮るような手法です。この工夫により、しっとりとした食感に仕上げることができました」(小林さん)

 

「キリンシティ」は多店舗展開しているにも関わらず、セントラルキッチンではなく各店で仕込みも調理もするほど料理にこだわっています。そのため、仕込みが難しい「自家製さくさくメンチカツ」は上野店、八重洲地下街店、CIAL桜木町店、渋谷桜丘店、池袋WACCA店の5店舗のみで展開。また、今回紹介した3品はランチタイムとテイクアウトでの提供となります。

 

食べ手の想いに寄り添う姿勢がハンパない!

もう一店、キリングループのレストランで「ミラクルミート」のメニューを提供しているのが、代官山にある「スプリングバレーブルワリー東京」。こちらでも料理の特徴を聞きました。

 

↑「スプリングバレーブルワリー東京」。代官山駅から徒歩4分、恵比寿駅から徒歩7分の場所にあります

 

↑「スプリングバレーブルワリー東京」の新メニュー、「ヴィーガンナチョス」700円

 

「ヴィーガンナチョス」は、「ミラクルミート」を使った自家製チリビーンズと、トルティーヤチップスの組み合わせにアボカドをオン。チリビーンズは、ランチで人気の「SVBチリービーンズバーガ―」(1300円)の味付けをヒントに、「ミラクルミート」版で再構成したのだとか。

 

↑「キリンシティ」の「自家製スパイシータコライス」のタコミートより、本場のTEXMEXライクなスパイス感。大豆ミートはむっちりと弾力豊かで、こちらも絶品です

 

聞けば、ビーンズにはうまみの豊かな金時豆、まろやかさを演出するチーズは、よりテーマに沿うようミルク由来ではなくカシューナッツ、塩、レモンによる自家製ビーガンチーズを使っているのだとか。同店もまた、食べ手の想いに寄り添う姿勢がハンパなかったです。

 

↑クラフトビールとの相性は言わずもがな。特に「スプリングバレー 豊潤496」(左)と「スプリングバレー ジャズベリー」(中央)がドンピシャです(ともにレギュラーサイズ780円)

 

乾杯といえばビール。樽から注がれる生の味は、やはり格別です。久しく飲んでいないという人も少なくないでしょう。一方でグルメの秋ですから、おいしい一杯とともに美食の大豆ミートメニューを味わってみませんか?

 

※本稿の「キリンシティ」の3品は、登戸店、E’site高崎店、高槻店、新京極店、青森店、盛岡店では未提供となります。

 

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若い女性の飲用シーンに変化の兆し!「アサヒ ビアリー」が生産増するほど売れている

アルコール0.5%の“微アル”で話題の「アサヒ ビアリー」ですが、第2弾として「アサヒ ビアリー 香るクラフト」が新発売されました。首都圏、関信越で先行発売されていた第1弾との味の違いは? ノンアル・ローアルコール市場のトレンドはどうなのか?といった点をレポートしたいと思います。

 

↑左が「アサヒ ビアリー」で、右が「アサヒ ビアリー 香るクラフト」。ともにアルコールは0.5%で、希望小売価格は350mlで税込195円です

 

ビアリーは既存のノンアルビールより女性若年層が積極購入

改めて、「アサヒ ビアリー」誕生の背景から解説します。世界的なダイバーシティ(多様性)の流れに付随して、日本においても働き方改革などが提唱されるなか、お酒の飲み方にも多様性が問われるようになっていました。

 

加えて、コロナ禍をきっかけにライフスタイルがいっそう多様化し、自分のペースで人生を楽しむ人が増えてきています。そこでアサヒビールが2020年末に提唱したのが「スマドリ(=スマートドリンキング)」という理念。

 

これは、お酒を飲みたい時、飲めない時、そしてあえて飲まない時、飲む人も飲まない人も、ひとりひとりが自分の体質や気分、シーンに合わせて適切なお酒やノンアルコールドリンクをスマートに選べる飲み方のこと。

 

↑アサヒビールはアルコールに関する取り組みも発表

 

この、「スマドリ」の考え方に基づいて販売されたのが「アサヒ ビアリー」です。2021年の3月30日から首都圏、関信越エリアの1都9県で先行発売され、6月29日からは全国発売が開始しました。

 

↑アルコール0.5%は、法律上の区分では炭酸飲料。飲み過ぎはNGですが、法的にはお酒ではありません

 

「アサヒ ビアリー」の先行発売から2週間後にアサヒビールが実施した調査では「飲用後の満足度」「継続飲用意向度」の数値が高く「今までのノンアルとは味が違う」「こういった商品が欲しかった」という評価が多かったとか。

 

また、ビールテイスト飲料全体と比較すると、「アサヒ ビアリー」は20~30代の購入金額が高く、また女性若年層の購入が多いのが特徴。(アサヒビール調べ)。女優の本田翼さんとロックバンド「OKAMOTO’S」のハマ・オカモトさんがTVCMに出演していることも関係していそうですが、少なからず若い女性の飲用シーンに確かな影響を与えているようです。

 

↑「アサヒ ビアリー」のTVCMの一部

 

香るクラフトはジューシーなフレーバーが印象的

ここからは、「アサヒ ビアリー」と「アサヒ ビアリー 香るクラフト」それぞれの特徴や味わいをレビューします。基本的な製法に関してはどちらも、オリジナルのベースビールを醸造したあとに、アルコールだけを抜き取る蒸溜技術を採用。これにより、本来のビールを感じさせるおいしさを実現しています。

 

確かにビールに比べればライトですが、それでも「アサヒ ビアリー」は水っぽさがなく、麦汁由来のうまみとコクがしっかり。0.00%のノンアルコールビールテイスト飲料とは一線を画す、リアルなうまさが体感できます。

 

↑グラスに注ぐと泡立ちもパワフル。心地いいのどごしに加えて、苦味やキレに関しても物足りなさは感じません

 

一方の「アサヒ ビアリー 香るクラフト」は、白いパッケージで上品かつやわらかな印象。リリース情報によると、麦のうまみとコクに加えて、フルーティーで華やかな香りに特徴をもたせたとのことです。

 

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」は、「アサヒ ビアリー」が全国発売された6月29日より、首都圏、関信越エリアの1都9県で発売されています

 

飲んだ第一印象は、「香るクラフト」というネーミングに納得できる、クラフトビール的な香りです。クラフトビールといってもビアスタイルは幅広いのですが、柑橘系からトロピカルフルーツ寄りのジューシーな方向性で、苦味を抑えたセッションIPA(インディアペールエール)や、ペールエールといったところでしょうか。

 

↑こちらも泡立ち良好。華やかな香りに由来するボリュームがありつつ、キレもあってすっきりとした飲み心地です

 

日本で先行していたアルコール度数が小数点以下のビールテイスト飲料に、イケアがスウェーデンの「オムニポロ」とコラボして発売している「Omnipollo Reference Pale Ale オムニポロ レギュラー」(税込290円/アルコール0.3%)がありますが、「アサヒ ビアリー 香るクラフト」はこちらに近い印象です。

 

アサヒビールは「アサヒ ビアリー」の好調を受け、「アサヒ ビアリー 香るクラフト」ともに生産設備を2倍に増強するとのこと。今後、アルコール度数1%以下の商品が他社を含めどんどん出てきたら、ますます市場は面白くなるでしょう。いずにれせよ、“微アル”にはいっそう注目です。

 

 

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11/24販売再開!一時休売のアサヒ「マルエフ」、そして「黒生」をレビュー。

売れすぎて一時休売、という状況で話題をかっさらっているのがアサヒビールの「アサヒ生ビール」(通称マルエフ)と「アサヒ生ビール黒生」(こちらは、正式には発売延期)です。マルエフは11月24日から発売再開されますが、メディア向けに事前入手していた幸運から、それぞれを試飲レビューしたいと思います。

 

↑左から、「アサヒ生ビール」(通称マルエフ)と「アサヒ生ビール黒生」。ともに参考価格は写真の350mlが219円前後、500mlが286円前後です(筆者調べ)

 

 

マルエフは麦の豊かなうまみとライトな爽快感で上品

マルエフと黒生に共通しているのは、復刻商品ということ。前者は1986(昭和61)年のデビュー、後者は1982(昭和57)年に発売された「アサヒ黒生ビール」がルーツとなっています。まずは簡単に、マルエフから生い立ちや通称名の由来などを解説しましょう。

 

マルエフとは社内呼称である開発記号(○のなかにF)がその名の由来です。

↑ラベルにも「通称マルエフ」と表記されています

 

発売後も開発記号で呼ばれるマルエフは、それだけアサヒビールの社内でも愛されているということでしょう。事実、社運を賭けた商品だったそうで、Fというのは不死鳥フェニックスのこと。不死鳥のように復活との願いが、マルエフの名に込められています。

 

↑由来はラベルにも。なお「エフ」はFなのですが、不死鳥の頭文字がPhoenixのPであることにあとから気付き、幸運(Fortune)の不死鳥という由来にひっそり変えたそうです

 

マルエフは1986年に発売されると、期待通りの大ヒットに。しかし1993年に缶は終売します。なぜなら、1987年にデビューした「アサヒスーパードライ」が社会現象級のメガヒットとなり、その生産に集中せざるを得なかったからです。ただしマルエフにも根強いファンが多かったことから業務用の樽生は残り、飲食店で愛されるビールとして定着。そしてこのたび、缶が復刻という形で発売されることとなったのです(実は2018年に限定で復活はしています)。

 

↑マルエフの味のルーツは、アサヒビールの前身「大阪麦酒」が1900年に発売したビールの味。深みのあるコクと爽やかなキレとのことですが、飲んで確かめます

 

味は、ソフトなアタックとスムースな飲み口が印象的です。麦の豊かなうまみがやさしく広がり、あとから苦みがほんのりと。シャープで辛口なスーパードライとは対照的な部分もありますが、上品なキレや爽快さがすっきり感を醸成し、ドライとはまた違った飲みやすさがあります。

 

黒生は香ばしくて苦みは控えめ。黒ビール入門にオススメ

ここからは黒生を解説します。序盤でも軽く触れましたが、1982年に日本初の缶の黒生ビールとして発売された「アサヒ黒生ビール」が今回の黒生のルーツ。1995年にリニューアルされ、黒麦芽、クリスタル麦芽、ミュンヘン麦芽をブレンドして使用することで、麦芽の香りと苦味が少なくやや甘味を感じるまろやかな味わいに進化しました。

 

↑マルエフを踏襲したようなパッケージ。マルエフのシンボル“幸運の不死鳥”をデザインするとともに“復活の黒生”という文言も記載されています

 

その後、2012年に発売された「アサヒスーパードライ ドライブラック」のヒットを経て2015年に終売。しかも樽生が残ったマルエフとは違い、缶、瓶、樽生もなくなりました。しかし復活を望むファンが多かったことから、今回復刻することになったのです。

 

↑裏面には、ミュンヘンタイプであることが書かれています

 

ミュンヘンタイプの黒ビールといえば、「ミュンヒナーデュンケル」という下面発酵(ラガー。上面発酵はエール)のビアスタイル。その特徴は香ばしい甘みや控えめな苦みなので、おそらく黒生は「ミュンヒナーデュンケル」をベンチマークしているはずです。ということで、こちらも試飲。筆者自身、黒生はかなり久々で期待大です。

 

↑液色は黒すぎず、ダークブラウン系。黒ビールらしい泡のきめ細かさも魅力的です

 

第一印象は「そうそう、この飲みやすさ!」。黒ビールならではの麦のロースト香が豊かな一方、苦みはライトでボディもライト。ベースにカラメル的な甘みがあり、飲み口がまろやかかつ泡もクリーミーなので、黒ビールの入門にオススメなテイストだと思います。

 

なお、黒生の発売意図には消費者の選択肢を拡大したいという狙いがあるそう。ハーフ&ハーフなどの飲み方も提案していく予定とのことで、マルエフと一緒に試してみました。

 

↑マルエフを半分、残り半分は黒生を注ぎます

 

↑マルエフと黒生のハーフ&ハーフ。液色はライトブラウンです

 

飲んでみると、黒生の香ばしいモルトのフレーバーに、マルエフの明るく甘やかな麦のうまみが調和。飲み口のまろやかさはさすがで、軽やかなボディのあとにやさしく爽快な苦みが広がります。うん、これもかなりイイ!

 

黒生は発売延期となっていますが、11月24日のマルエフの再発売からしばらく経てば、改めて発売日が発表されるはず。まずはマルエフを楽しんで“完全復活”を待ちましょう。

 

 

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歴史ある2国のワインの最新事情とは? 日本に初上陸したワイン「ポルトガルワイン」と世界一のブドウ栽培国「スペインワイン」

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく当連載は、フランスをはじめとする古くから“ワイン大国”として名を馳せる国から、アメリカなどの“ワイン新興国”まで、さまざまな国と産地を取り上げてきました。今回は「スペインワイン」「ポルトガルワイン」。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
第1回 :フランス 第2回:イタリア 第3回:ドイツ 第4回:オーストラリア 第5回:アメリカ
 第6回:ニュージーランド 第7回:日本 第8回:チリ 第9回:スイス

 

スペイン&ポルトガルワインを旅する

「スペインワイン」や「ポルトガルワイン」というと、日本人にとって馴染みがあるのは、スペイン産では瓶内二次発酵のスパークリングワイン「カヴァ」や、安くて果実味豊かな赤ワイン、ポルトガル産では酒精強化ワイン「ポート」や、輸入ワインが初めてブームを巻き起こした際に注目されたヴィーニョ・ヴェルデの「マテウス・ロゼ」あたりでしょうか。

 

“スペインバル”が流行したこともあり、以前よりもスペインワインに親しむ機会は増えたのかもしれませんが、スペインやポルトガルのワインが好きという人は、まだまだ少数派のように思えます。

 

地理的に言えば、ユーラシア大陸の最東端に位置する日本にとって、イベリア半島は最西と遠いですが、日本に初めてワインが持ち込まれたのは室町時代。珍陀(チンタ)と呼ばれたそれは、ポルトガルワインでした。日本ワイン黎明期に大流行した「赤玉ポートワイン」もまた、ポートのイミテーションとして造り出されたワイン。イベリア半島は距離的には遠いのですが、文化的には日本が大きな影響を受けた地域であり、タバコや金平糖、天ぷらなどポルトガル由来で日本語化したものも多く、特にポルトガルは“遠くて近い国”と言えるでしょう。

 

日本ではほとんど見かけないポルトガルワインと、世界第1位のブドウ栽培国であるスペインワイン(日本の国別輸入では第4位)をひとくくりにして紹介するのも、いささか乱暴な気もするのですが、この二国はどちらも紀元前から続く長いワイン生産の歴史がありながら、20世紀中は1980年代のEU加盟まで、さまざまな社会情勢も相まってヨーロッパワインの主流からは追いやられたという共通点があります。どちらの国も今までにない大きな変化のただ中で、革新的ともいえる進歩を遂げているにもかかわらず、日本のマーケットではなかなか主役になりえていない現状もまた共通しています。また広大なイベリア半島のなかで、この二つの国は伝統的な品種から近代的なワインを産み出し始めているという点も、他の国にない魅力的なポイントです。

1. リベラ・デル・デュエロ(スペイン)
2. アンダルシア(スペイン)
3. ミーニョ地方(ポルトガル)
4. ドウロ地方(ポルトガル)
5. ダン地方(ポルトガル)

 

1. リベラ・デル・デュエロ(スペイン)
− イベリア半島でもっとも重要な河川デュエロ河の河岸 −

かつてカスティーリャ王国の宮廷が置かれていた歴史ある街、バリャドリードの東に位置し、東西に流れるドゥエロ河の両端に120kmに渡って広がるワイン産地が、リベラ・デル・デュエロです。

 

スペインはワイン生産量ではフランス、イタリアに首位を譲るもののブドウの栽培面積では世界1位、ヨーロッパのなかでも屈指のワイン大国に数えられるはずですが、大戦後国際的に孤立する社会情勢から長らくワイン産業は停滞してしまっていました。ワインは生産されていたものの輸出は大幅に落ち込み、他のヨーロッパ諸国がワインの近代化を推し進めるのに遅れをとりましたが、1985年に晴れてEUへの加盟を果たしたことから、スペインワインは新たな歩みを始めました。

 

そんなスペインワインの進化をもっとも体現している産地がリベラ・デル・デュエロです。元々スペインを代表するワイナリーであるベガ・シシリアがこの産地で優れたワインが産まれることを証明したのは1929年のことでした。バルセロナで開催された万国博覧会で金賞を受賞したことにより名声を獲得します。

 

ところが、リベラ・デル・デュエロにDO(スペインの原産地呼称法)が施行された1982年の時点で、ワイナリーはわずか24軒。1990年代にアレハンドロ・フェルナンデスの造るティント・フィノ(リベラ・デル・デュエロで改良されたテンプラニーリョ)、「ペスケラ」が世界中で高評価を獲得したため、国内外からの投資が増え、現代では300軒を超えるほどに急拡大を果たしました。スペインワインの新時代という意味ではリオハやプリオラートといった銘醸地よりもリベラ・デル・デュエロはこれからの可能性豊かな産地といえるのではないでしょうか。

 

Torres(トーレス)
「DO Ribera Del Duero Celeste Crianza2017(DO リベラ・デル・デュエロ セレステ・クリアンサ2017)」
3000
輸入元=エノテカ

2. アンダルシア(スペイン)
− シェリー、ヨーロッパの最南端に見るシャンパーニュとの共通点 −

シェリーは、スペイン南部アンダルシア地方の3つの街、ヘレス・デ・ラ・フロンテラ、サンルカール・デ・バラメダ、エル・プエルト・デ・サンタマリアを結ぶ三角地帯で、アルバリサと呼ばれる石灰質土壌から造られる酒精強化ワインです。

 

シェリーのベースワインは、フロールと呼ばれる産膜酵母下で酸素と遮断されて熟成した薄い色調の「フィノ」と、酸化熟成に由来する琥珀色のコクのあるタイプの「オロロソ」の2種に大別されます。酒精強化されたワインは通常のワインに比べ、劣化しにくく輸送が容易だったため、古くからヨーロッパ諸国に輸出されてきました。特にイギリスでは食前酒としてシャンパーニュと並んで人気が高く、大英帝国の世界制覇時代に世界中に広めた文化のひとつでもあります。現在でも愛好家の間では“スペインの特に高品質な白ワイン”という認識に変わりはありませんが、1970年代から80年代に大量生産が行われ、シェリーの地位は大きく損なわれてしまいました。日本でもあまり知られていないのはこの当時のことが影響していると考えられ、アンダルシア地方におけるシェリー用のブドウ栽培面積は1990年頃に比べ1/4近くまで減少していることも事実です。

 

私はもともと、日本人には多様な食生活やアルコール度数などからもワインが向いていると考えているのですが、シェリーもより楽しまれればいいと思っています。その理由をいくつか挙げると、前述したように通常のワインに比べ、劣化しにくいため少しずつ飲んでも問題がなく、レモンなどの柑橘やソーダやトニックとの相性もよく通常15%程度のアルコール度数を薄めて楽しむこともできるからです。

 

シャンパーニュとシェリーはどちらも通常のワイン生産の道を歩まず、国内でも無類の個性を表現した白ワインであること、どちらも白亜の土壌で育まれ、イギリスが世界に広めたという多くの共通点がありますが、日本での楽しみ方という点では、シェリーは大きな余地があるように思えるのです。

 

下の「マンサニーリャ」は、海沿いのサンルカール・デ・バラメダでは冷たい海風の影響で厚いフロールが一年中保持されるため、フィノのなかでも特に薄い色調でフレッシュな味わいが特徴です。

 

Emilio Lustau(エミリオ・ルスタウ)
「DO Sanlúcal de Barrameda Manzanilla Papirusa(DO サンルカール・デ・バラメダ マンサニーリャ・パピルーサ)」
実勢価格2600円前後
輸入元=ミリオン商事

3. ミーニョ地方(ポルトガル)
− 緑のワイン、ヴィーニョ・ヴェルデ −

ポルトガルワインもまた、スペイン同様にEU加盟後に飛躍的にワインの品質が向上しました。また、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネといった国際品種が隆盛を極めるなか、国内の在来品種を守り続けているという点でも似通っています。国際品種の流行は同時にワインの地域性を薄めるといった指摘がされ、流行の見直しがされているなか、こうしたポルトガルの従来のブドウ品種で現代のワイン造りを行っていることはユニークであり、ひとつのワイン世界の最先端でもあるといえます。ミーニョ地方はポルトガル北西部ミーニョ河流域に広がるワイン産地で、日本でもよく知られる「マテウス・ロゼ」は、この地域のヴィーニョ・ヴェルデのロゼです。

 

直訳すると“緑のワイン”となりますが、ここでいうヴェルデは「若い」という意味でフレッシュな早飲みタイプ、元々はブドウが完熟する前に収穫される酸味の強い、痩せた没個性的なワインが大半を占めていました。ところが新世代の生産者たちはブドウを完熟させ、ワインの果実味や香りをより優れたものにするさまざまな工夫と努力の結果、現代的でみずみずしく、以前よりもアルコール分も高めの高品質なワインが造られるようになってきました。ブドウ品種はロウレイロといった地場品種をブレンドすることが主流でしたが、地続きのスペイン、リアス・バイシャスでも植えられるアルバリーニョが高品質ワインには採用され、大西洋沿岸の銘醸ワインとしての評価を固めつつあります。

 

下のワインは、まだ珍しいアルバリーニョを樽熟成させたレゼルバ・タイプ。オークのニュアンスに負けない柑橘系のリッチな果実感とアロマは地場のブドウを国際的なワインに昇華させた好例のひとつです。よく日本食に合うワインというテーマは、さまざまな議論を呼びますが、実はポルトガルの良質なヴィーニョ・ヴェルデはもっとも合わせやすいワインのひとつではないか、と個人的には考えています。そういった意味では初めて日本に来たワインがポルトガルワインならば、今でも古くて新しい、遠いようで近い存在なのもポルトガルワインなのかもしれません。

 

Soalheiro(ソアリェイロ)
「DOP Vinho Verde Reserva(DOPヴィーニョ・ヴェルデ レゼルバ2018)」
5000
輸入元=木下インターナショナル

4. ドウロ地方(ポルトガル)
− ポートワインの産地ではスティルワインが新しい 

スペインから流れ込むドウロ河は、シェリーと並び、世界最高の酒精強化ワインであるポートワインの生まれ故郷です。シェリー同様にイギリス人によって世界中に広まったポートワインは、日本では早くから普及していた国産の甘味果実酒の影響か、一部の好事家に親しまれるにとどまり、一般には受け入れられなかったように思えます。

 

ですが、20年以上の壜熟成を経て真価を発揮するヴィンテージ・ポートは、ワインの熟成の美しさをもっともよく表現するワインのひとつで、私も贈り物用にバースデー・ヴィンテージを探している方には目的の生産年のヴィンテージ・ポートを見つければ迷わずおすすめする逸品です。通常のワインよりも状態の不安も少なく、その深みのある甘みはもちろん、数十年という変化を想像しながら楽しむという点では最高のワインなのです。

 

ただし、近年のポルトガルワインの飛躍で注目したいのは、ドウロ産の酒精強化をしないスティルワインの品質向上が目ざましいことです。赤ワイン用のブドウ品種は、主にスペインのテンプラニーリョに当たるティンタ・ロリスやトゥーリガ・フランカですが、スペインの凝縮感のある果実が印象的なのに比べ、酸を感じエレガントな赤ワインなどが目立ちます。

 

下のニーポートは、1842年創業の老舗ポートワインメーカーですが、5代目に当たるディルク・ニーポートは、そういったドウロ産スティルワインのパイオニア的な存在。ブルゴーニュに感銘を受けて試行錯誤されたスティルワインは、ポルトガルワイン新世代の代表格といっていいほどの造り手です。ワイン名のヴェルテンテは“新たな視点”というネーミング。新時代のポルトガルワインはまだ一部の好事家のためのワインにとどまっていますが、より広く知られることを願っています。

 

Niepoort(ニーポート)
「DOP Douro2016(DOPドウロ ヴェルテンテ2016)」
3300
輸入元=木下インターナショナル

5. ダン地方(ポルトガル)
− 壇 一雄の愛したポルトガルの銘醸地 

ドウロ地方の南、スペイン国境と大西洋の中間に位置する内陸のワイン産地、ダンは、古くからポルトガルのスティルワインの銘醸地でした。16世紀、マヌエル一世からジョアン三世のポルトガル王国の黄金期にこの地域の保護を命じたといわれることからも、日本に初めて上陸したワインは、ダン産のものだったのかもしれないと想像できます。ですが、20世紀中ごろには栽培農家間での競争意識の低下から、手間のかかる高品質種であるトゥーリガ・ナショナルの栽培が減り、量産種の栽培が主流となる時期があり、ワインの品質は著しく低下しました。

 

そういった傾向に危機感を抱いた優良なワイン生産者は、ブドウ畑を購入し高品質種を独自で栽培したり、契約栽培農家に指示して造らせた良質のブドウに市場よりも高い価格で買い取ったりするようになりました。こうした動向に中小のワイン生産者も追随し、畑の改善や醸造設備の革新が起こったのが、やはりEUに加盟した時期と重なってきます。

 

以前は複数品種のブレンドが主流でしたが、下の「キンタ・ドス・ロケス」は単一品種でのワインを試行錯誤し「トゥーリガ・ナショナル1996年」が2000年版ワイン&スピリッツでポルトガルワインの最高得点を獲得するに至ります。ポルトガルで大作「火宅の人」を書きあげた作家、壇一雄氏は、自分と同じ名前のダン・ワインにほれ込み、愛飲したといわれていますが、その頃のダン・ワインよりも現在のダン・ワインの方が間違いなく美味しいのです。

 

Quinta dos Roques(キンタ・ドス・ロケス)
「DOP Dàn Touriga Nacional2016(DOP ダン トゥリガ・ナショナル2016)」
4000
輸入元=木下インターナショナル

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

誰もが皆『一刻者=がんこ者』である——永瀬正敏が語る宮崎、焼酎、映画への「こだわり」

「皆さんが『一刻者』だと思うんです」。そう語るのは、俳優・写真家として活躍する永瀬正敏さん。宝酒造の全量芋焼酎「一刻者」ブランド初のアンバサダーも務めているが、共通点のひとつに“宮崎生まれ”が挙げられる。

 

今回は、永瀬さんに宮崎での幼少期の思い出や俳優としてのこだわり、そして愛飲している「一刻者」への想いなどについてたっぷり語って貰った。また、インタビューを行ったのは宮崎県高鍋町の宝酒造黒壁蔵工場内にある石蔵。一刻者の貯蔵に使われるこの蔵は、普段は公開されることのない場所だ。そんな特別な場所での特別なインタビューをじっくり堪能してもらいたい。

 

 

↑永瀬さんが手にしているのが、宮崎県高鍋町の「黒壁蔵」で造られる本格芋焼酎「一刻者」。2021年に20周年をむかえた。芋と芋麹だけの芋以外の原料を使用しない「全量芋焼酎」である

 

宮崎県人の気質はゆるいがこだわりは強い

永瀬さんが生まれ育ったのは、全量芋焼酎「一刻者」の故郷である宮崎県高鍋町から南西に車で約1時間強の場所に位置する都城市。少年時代は、家のなかより外で遊ぶことが好きで、竹藪に秘密基地を作ったり、独自の遊びを発明したり、なんでもないものを集めたりしていたそうだ。

 

「両親が共働きだったということもありますかね。家ではおじいちゃん、おばあちゃんによく遊んでもらってました。どちらかというと、わんぱくだったかもしれません。近所のおじさんにすごく怒られたこともありましたし。でもいま振り返ると、家族にも地域の方々にも恵まれた環境だったと思います」(永瀬さん)

 

宮崎で「一刻者」とは頑固者、自分を曲げない人という意味。同様に、全量芋焼酎「一刻者」には、米麹(こうじ)を使わず、造りが難しい芋麹を使用し、頑固なまでの味へのこだわりが込められている。宮崎はこだわりを持った人が多い土地なのだろうか。

 

「気質はあったかく、ゆるい人が多いと思います。『てげてげでよかが(大体でいいよ)』という方言もありますし。でも、こだわるところはこだわる。仕事に関しては特に、真面目に突き詰めて。僕の家族もそうでした」(永瀬さん)

 

↑永瀬さんの後にある石蔵内のタンクで「一刻者」は貯蔵・熟成されていく

 

敬愛する祖父は「素敵な一刻者」だった

上京のため、若くして故郷を離れた永瀬さん。歳を重ねるごとに宮崎への想いが深く募るという。そのぶん帰ってくれば癒されるとともに力をもらえ、また東京で頑張ろうという気持ちになれる場所なのだとか。

 

「僕をつくった原点ですからね。表現者という意味では、おじいちゃんの影響が大きいです。特に写真に関しては“DNAのリベンジ”と言ってるのですが。というのも、おじいちゃんはもともと写真館を営む写真家だったんです。でも戦争になって、家族で生きていくためには写真を撮っている時代じゃないと。大事なカメラも騙されて持ち逃げされてしまい、写真への志を絶たれてしまったんです。世の中が平和だったら写真家を続けていたでしょうし、形見のなかには写真を撮りたかったんだろうなと思わせるものがたくさんありますから。僕はその志を引き継いでいるんです」(永瀬さん)

 

お祖父様は、薩摩琵琶の演奏や絵を描くのも上手だったとか。そのクリエイティビティが永瀬さんにも受け継がれているのだろう。たたずまいは凛としていた一方、チャーミングな一面もあったとか。永瀬さんはそんなお祖父様を「素敵な一刻者」だと語る。

 

「僕が幼稚園から帰る時間になると、決まってほうきを持って道路に出ていました。これ、無事に帰ってきたかを確認するための掃除のふりなんです。僕の姿が見えると家に入って、見えなければ探しに来てくれる。多くは語らないけど、人として大切なことをおじいちゃんからたくさん教わりました」(永瀬さん)

 

↑石蔵は2019年に「一刻者」を貯蔵するためだけに作られた。温度変化が起きにくいため、安定した環境で熟成できる

 

役作りにおける「一刻者」な哲学

1983年のデビュー以来、映画界の第一線で活躍し続ける永瀬さん。国内外から高い評価を受ける所以は、役づくりにおける「一刻者」な哲学が反映されているからだろう。表現者としてのこだわりについて聞いた。

 

「ドキュメンタリーを除けば、映画は作りものの世界。芝居も、作られたキャラクターを演じるという点では、ある意味嘘なんです。だからこそ徹底的に役になり切ることで、100%の嘘を演じたい。嘘に嘘を重ねてしまえば、その違和感が観ている方に伝わってしまい、失礼に当たりますから。これは僕だけじゃなくて、映画人はみな頑固にこだわっている部分です」(永瀬さん)

 

数え切れないほど多くの作品に出演している永瀬さんだが、いまだに新しい仕事が決まると初めてのような気持ちになるのだとか。確かに、続編をつくる場合でも演者やスタッフ、シチュエーションなどがまったく同じということはないだろう。ただ、永瀬さんが初心に立ち返る理由には、原点となった作品の影響が大きいという。

 

「僕のデビュー作『ションベン・ライダー』の監督は相米慎二さんなんですけど、実は現場で一度もOKとは言ってもらえなかったんです。『そんなもんだろう、じゃあ次いくか』みたいな。だから僕が目指したのは、相米監督に思わずOKを言わせる役者だったんです。でも、叶える前に監督は鬼籍に入られ、永遠に“そんなもんだろう”になってしまいました。デビュー作って、どの役者にとっても思い出深いと思いますが、僕の場合は特に強いのかなって。でもだからこそ、ワクワクしたあの時の気持ちに戻れる。そして、ずっと映画人として現場に関わっていたいとも思うんです」(永瀬さん)

 

世の中にはさまざまな一刻者がいる

宮崎を代表する俳優であるとともに、宮崎の銘酒「一刻者」の代弁者ともなった永瀬さん。アンバサダーになる以前からファンだったが、就任によってさらに魅力を知り、愛着がいっそう深まったという。

 

「想像以上に手間がかかっていて、麹がすべて芋の焼酎を造ることの難しさも学びました。おいしさにかける信念、情熱はまさに職人技。さすがに『一刻者』の造り手はこだわっていますよね。僕の飲み方はロックが多く、冬はお湯割りでも楽しんでいますが、どんな飲み方でも豊かな個性を感じられる点も『一刻者』の強みだと思います」(永瀬さん)

 

「皆さんが『一刻者』だと思うんです」と語る永瀬さんは、アンバサダーになって改めて、「世の中にはさまざまな一刻者がいる」と感じたという。焼酎や映画の世界をはじめ、あらゆる場面で人のこだわりが共鳴し合い、ひとつの作品になる。そこにはそれぞれの生き方と、それぞれの「こだわり」が込められているはず。だからこそ、味わい深いのだ――。「各人がそれぞれの想いを巡らせながら、じっくり味わっていただきたいですね」。その温かなまなざしに、「素敵な一刻者」だったというお祖父様のおもかげが見えた気がした。

 

【関連記事】
焼酎のふるさと宮崎「黒壁蔵」へ! 10のキーワードで読み解く全量芋焼酎「一刻者」の”こだわり”

 

【PROFILE】

永瀬正敏(ながせ・まさとし)

1966年宮崎県生まれ。1983年、相米慎二監督の「ションベン・ライダー」で俳優デビュー。1989年、ジム・ジャームッシュ監督 の「MISTERY TRAIN」で注目を浴び、1991年の「息子」で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞と新人俳優賞を受賞。2015~16年には出演作が3年連続でカンヌ国際映画祭に出品される。写真家としてのキャリアは長く、2001年の映画「贅沢な骨」ではイメージ写真の撮影を担当し、オリジナル写真集も出版した。宮崎で開催した「Memorie of M ~Mの記憶~」をはじめ、展覧会も多数開催

 

【フォトギャラリーでは記事内で使用されてない画像もご覧頂けます】

 

取材・文/中山秀明

写真/村田 卓(go relax E more)

HAIRMAKE KATSUHIKO YUHMITHYMON Inc.

スタイリスト/ Yasuhiro WatanabeW)

衣装/ YOHJI YAMAMOTO

レモンサワーも登場。DXなクラフトビール「CRAFTX」が近未来すぎた

クラフトビール人気の高まりとともに多くの専門店やブルワリーが立ち上がるなか、独自のポジションを得ているブランドが「CRAFTX」です。今夏にはリニューアルを遂げるとともに、個性的な新商品もリリース。ブランド解説と味わいレビューで特徴を紹介します。

 

↑定番の「クリスタルIPA」(6缶2970円~)と新作のレモンサワー「PULEMO」(6缶1700円~)。本稿ではこの2商品を中心にレポートします

 

 

CEOは元Facebook Japan代表取締役。日本初の試みも導入された

「CRAFTX」の誕生は2020年。P&GのマーケティングやFacebook Japanの代表取締役などを経た長谷川 晋さんが、2019年に創業したMOON-X社の第1弾ブランドです。同社の理念は「共創を通じてJAPAN BRANDSの発射台となる」。商品はプロフェッショナルな作り手と共同開発する手法で、「CRAFTX」でも国内有数のブルワーとのタッグで革新的なビールを生み出してきました。

 

↑「常陸野ネストビール」の木内酒造と開発した「クリスタルIPA」(冒頭商品の初期モデル)。ほかに宮崎ひでじビールとの「シトラスバケーション」など、柑橘を使用したビールも造っています

 

「お客様との“共創”」に関しては、消費者からのフィードバックをもとにプロダクトの改良を行っていくということ。味わいやサービスなどが、アップデートを繰り返しながら進化していくのも「CRAFTX」の特徴です。

 

そして、この“共創”の一環で誕生した新作がレモンサワー「PULEMO(ピュレモ)」。今春、クラウドファンディングサービスの「CAMPFIRE」でプロジェクトがスタートし、目標金額に対して122%の支援を集めて夏から発売となりました。併せて総合アルコールブランドにリニューアルし、全体のアートディレクションも一新。

 

↑デザインコンセプトは”アートピースのように真心をこめて作られたお酒”。「単に喉を潤すものじゃなく、触れた人の気持ちや心を動かすことができるブランドになりたい」という思いが込められているとか

 

デザイン面で目を引くのが、パッケージの前面にある二次元バーコードです。一過性のキャンペーン用ではなく、二次元バーコードが基調となるデザインはアルコールブランドとしては日本初(CRAFTX調べ)とのこと。

 

↑最新版の「クリスタルIPA」。味は3度目のリニューアルです

 

二次元バーコードのアクセス先は公式サイトかと思いきや、少し違いました。公式のコンテンツではあるのですがスマホ専用となっていて、トップの「Ready to drink CRAFTX?(CRAFTXを飲む準備はできてる?)」というページから「Yes!」で入ると、数十秒の動画がズラリ。

 

↑左がスマホオリジナルコンテンツのトップページ。動画(中央と右の人物写真が一部を切り取ったもの)は、ブルワーなど生産者の短いインタビューが中心で、商品への想いなどを語っています

 

この仕掛けはユニークかつ面白いと思いました。事前に、あるいは実際に飲みながら動画を見ることでストーリーが心に刻まれ、その味わいをより多角的に楽しめることでしょう。

 

こんなにハーバルなレモンサワーは初めて!

ということで、筆者も「クリスタルIPA」からひと口。こちらは、ユーザーからの声で多かった「よりフルーティー」かつ「落ち着いたシーンにふさわしい味」を目指し、華やかな香りと柑橘のニュアンスを高めたとのこと。

 

↑アルコールは6%。「クリスタルIPA」の作り手は、初回から変わらず木内酒造です

 

IPAとはIndia Pale Ale(インディアペールエール)の略で、ざっくり表現するならば、大量のホップによる豊かなコクと力強い苦み、華やかな香りが特徴。クラフトビールで最も人気が高いカテゴリーで、近年はより柑橘感や苦みを強めたり、アルコール度数を抑えたりした派生形のIPAがブームをけん引しています。

 

↑IPAらしい華やかでどっしりとした濃厚テイストながら、キレもあってクリア。クリスタルという名称にも納得です

 

ジューシーな香りは、グレープフルーツ的な柑橘の奥にマンゴーやココナッツ系の南国フレーバーを感じ、さらにはほのかな甘みも。その一方苦みの刺激は抑え気味で、キレもあるため余韻は非常に爽やかです。IPAのなかでも特に最近人気のヘイジーIPAを思わせるジューシーさ、苦みのやわらかさをもちながら、飲み飽きないスムースさ、バランスのよさを併せ持つ一本だといえるでしょう。

 

次はレモンサワー「PULEMO」を。こちらは最近日本でもジワジワ浸透しているハードセルツァータイプ。直訳するとアルコール入り炭酸水のことで、あえてわかりやすく表現するのであれば、サワーやチューハイがジュースであれば、ハードセルツァーはフレーバーウォーターとすみわけできるかと思います。

 

↑アルコールは5%。多くのハードセルツァーと同じく、無添加であることも魅力です。ちなみに「PULEMO」も木内酒造が共同開発

 

木内酒造はもともと造り酒屋であり、日本のなかでも早くから海外輸出に力を入れていたクラフトブルワリー。ハードセルツァーが人気の米国文化に詳しく、また近年はスピリッツにも力を入れていることから、ハードセルツァーを手掛けるには適任です。

 

↑2019年、秋葉原にオープンした「常陸野ブルーイング 東京蒸溜所」。店内には蒸溜器であるポットスチルなどが併設されています

 

味わいとして印象的なのはハーバルな香り。スペアミントとローズマリーを使っているとのことで、クールかつグラッシーなアロマがただよいます。そこに、レモンのフレッシュな香りと酸味が加わり実に爽快。甘さは控えめな一方、ベースのスピリッツにはコクがあるので、軽やかながら飲みごたえは十分。

 

↑従来のレモンサワーが得意とする揚げ物や居酒屋メニューのほか、エスニックな料理に合わせたい、独特なハーバルスプラッシュ。個性がありながらも、飲みやすい味わいに仕上がっています

 

「CRAFTX」はD2C(Direct to Consumer。いわゆるEC直販のこと)ブランド。販売は公式サイトや楽天市場内の公式ショップなどのオンラインとなり、基本的にリアルショップでは買えませんが、それがかえって飲みたくなるポイントのひとつ。プレゼントにも最適です。お祝いや記念日に選ぶビールとしても、覚えておくといいでしょう。

 

※現在「PULEMO」は在庫切れの状態となっています。今後の入荷については、CRAFTX公式サイトをご確認ください。

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ヱビスの新たな楽しみ方を発見。ビールに特化したジャズや朗読の動画が無料公開中

10月7日に「オンラインヱビスビール記念館 秋の夜長の特別編」が開催。ヱビスビールを準備して飲みながら参加したところ、同ビールの魅力における新たな発見がありました。イベントレポートと合わせて紹介します。

 

↑スペシャル ツアー ナビゲーターとして司会を務めたのはクリス・ペプラーさん。いい声に、終始癒されました

 

動画から“三度注ぎ”を学んで家ビールをもっとおいしく

会場となったのは恵比寿にあるヱビスビール記念館。館内のイントロダクションに続いたのは、お待ちかねの乾杯です。やっぱりこれがなくては始まりません。登壇したのはブランドコミュニケータ―の小松崎さん。おいしいヱビスビールの注ぎ方講座と題して“三度注ぎ”を教えてくれました。

 

 

小松崎さんのレクチャーに従って、筆者も“三度注ぎ”を実践。グラスの五分まで勢いよく注いだら少し待ち、泡が落ち着いたら、九分までゆっくりと注ぎ、最後は慎重に。泡:ヱビスを3:7に仕上げれば完成です。

 

↑筆者はビールと泡の黄金比をARで診断してくれる、専用のマルチタンブラーでトライ。うまく注げました

 

↑いい感じの3:7に。ビールの味が格別なことは言うまでもありません!

 

注いだ後は、クリス・ペプラーさんの号令で乾杯。そして「ブルーノート東京プロデュース “ヱビスと聴きたいJazz”スペシャルLive」と題して、“現代版ジャズ・ロック”をコンセプトとしたピアノトリオ・fox capture planが登場。前半ではフジテレビ「コンフィデンスマンJP」の楽曲としても知られる「We are Confidenceman」など、後半にはヱビスビールのCMソングを絡めた「Yellow Counter×第三の男」などを演奏しました。

 

↑fox capture plan。曲によってはゲストにサックスの中村友里さんを交えて圧巻のパフォーマンスを披露

 

プログラムには、「ヱビスビール記念館ツアー」も組まれていました。ここはふだん、オンラインツアーを担当しているブランドコミュニケーターの方(ほう)さんが案内。施設内に展示されているヱビスの歴史などを教えてくれました。当時は非常に高価な飲み物で、ビール1本がかけそば10杯分。当時は20銭で現在に換算すると3000~4000円だったそうです。

 

↑こちらは日本初のビアホールとして知られる「恵比寿ビール BEER HALL」のミニチュア。現在の銀座8丁目にオープンされたそうです

 

そのほか1900年に開催されたパリ万博では、名だたる海外のビールを抑えて金賞を受賞したこと。戦争で生産中止になったあとに復活したヱビスビールは、国内で初めての麦芽100%ビールの製法に成功したことなど、プレミアムビールたる所以を教えてくれました。

 

↑1971年に復活したヱビスビールは、戦時中の1943年にすべてのブランドが停止されて以来28年ぶりのことでした。赤いポスターは当時のものです

 

なお、ヱビスビール記念館は10月12日より自由見学、ショップ、テイスティングサロンの営業が再開されました! 詳しくは、公式サイトをチェックしてください。

 

ヱビスに合う名著3作をクリス・ペプラーさんが朗読

クリス・ペプラーさんは、司会だけにとどまりませんでした。後半からは「ヱビスと読みたい本 スペシャル朗読会」と題して、あのいい声でヱビスビールを飲みながら読みたい本を朗読しながら紹介してくれました。

 

↑「星の王子さま」の有名な一説を朗読。心に染みます

 

選ばれた作品は、ヱビスビール好きのファンに行った事前アンケートで、特に「読んでみたい」という声が多かった「星の王子さま」「舟を編む」「銀河鉄道の夜」。サッポロビール マーケティング本部の沖井尊子さんと会話しながら、読書とともにヱビスビールを楽しむという贅沢な時間を提案してくれました。

 

↑「銀河鉄道の夜」の一説。ヱビスビールと同様、普遍の名作は色あせることがありません

 

朗読のあとは再びfox capture planのライブ。そしてエンディングへ。予定時間を延長する盛り上がりとなり、約1時間半の充実した時間が幕を閉じました。その間筆者は4種のヱビスビールを飲み比べたので、そのテイスティングレビューもお届けしたいと思います。

 

↑大定番の「ヱビスビール」は、麦芽の豊かな甘味とすがすがしい苦味が印象的。どっしりした後のキレも十分で、きわめてバランスがよく、飲み疲れない王道のおいしさです

 

↑「ヱビス プレミアムブラック」は、炭焼きしたプレミアムロースト麦芽の香ばしい甘味を醸し出しながら、濃密になりすぎないよう上品にまとめられていて飲み口はまろやか。泡持ちもよく、大人の風格を漂わせる仕上がりです

 

↑「ヱビス プレミアムエール」。はエール(上面発酵)特有の甘やかなコクが華やかさを感じさせつつ、苦すぎない上品なホップのビターさが、優雅な爽快感を演出。ひとまわり豊かなボディを感じつつも重くはなく、杯も進みます

 

↑9月7日より期間限定で発売中の「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」。カラメル化した麦芽の重厚かつまろやかなコク、ホップの上品な香りと苦みがマッチし、5%の適度なアルコール感も絶妙です。ワインで例えるなら赤の要素があり、赤身肉やタレ・みそ系の味付けの料理に合うと思います

 

なお、上記の「ヱビスビール」「ヱビス プレミアムエール」「琥珀ヱビス プレミアムアンバー」は、AR診断付きのマルチタンブラー付きの6缶パックで10月5日から数量限定発売中。こちらも見つけたら早めの購入をオススメします。

 

↑ハーフ&ハーフもオススメ。思いおもいの楽しみ方で贅沢な時間を

 

そして今回紹介した「オンライン ヱビスビール記念館ツアー 秋の夜長の特別編」は、実はアーカイブ動画が公開されています。しかも無料で! ぜひ今秋の晩酌はヱビスビールを片手に、プレミアムなひとときを過ごしませんか?

 

 

【オンライン ヱビスビール記念館ツアー 秋の夜長の特別編 URL】

https://www.sapporobeer.jp/yebisu/event/2110/

 

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【東京・大衆酒場の名店】四ツ木「ゑびす」で、自家製ロックアイスのお茶割りを味わう噺

東京にある大衆酒場の名店を巡る企画の第5回。今回は、葛飾区の四ツ木駅近くにある「ゑびす(えびす)」を訪れ、その魅力を探っていきます。

大衆酒場は、その安さとウマさ、昔ながらの温かい雰囲気で、酒飲みの心をひきつけてやみません。なかでも東京では下町を中心に、根強い人気を誇る大衆酒場の名店が数多く存在します。そんな名店を巡り、お店の魅力と東京ならではの酒文化を深掘りしていくのが本連載。立石「宇ち多゛(うちだ)」篠崎「大林」京成曳舟「三祐酒場(さんゆうさかば) 八広(やひろ)店」八広「亀屋」に続く第5回は、四ツ木の「ゑびす」にお邪魔します。

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

歴史ある四ツ木の名店「ゑびす」を2人のナビゲーターがガイド

京成押上線「四ツ木駅」から徒歩約5分の場所にあるのが、今回訪れる「ゑびす」です。創業は昭和26(1951)年。その後平成26(2014)年に、区画整理によって現在の地へ移転しました。歴史ある「ゑびす」を案内するナビゲーターは、下町大衆酒場に詳しい藤原法仁(のりひと)さん。同店には移転前から足しげく通っています。生徒役は、大衆酒場に興味津々のタレント・中村 優さんです。

↑大衆酒場にまつわる著書を数多く上梓している藤原法仁さん(左)。中村 優さん(右)はタレントおよびマラソンランナーとして活躍しています

 

中村 藤原さん、今回もよろしくお願いします!

 

藤原 実は、今日は助っ人というか、私の飲み仲間を呼んでいるんです。私にはない知識を持っているから、今後の「大衆酒場の名店」のナビゲーターとして推薦しようと思って。お、来た来た。

長谷川 藤原さん、お久しぶりです! 中村さん、初めまして!

 

藤原 長谷川さんはすごいよ。旅関連の雑誌を手掛けているから全国の酒場に詳しいし。

 

中村 長谷川さん、よろしくお願いします! 「ゑびす」には何度も来ていらっしゃるんですか?

藤原 来ているどころの話じゃないよね。長谷川さんは一時期、ここが好きすぎて四ツ木に住んでたぐらいですから。

 

中村 え! 「ゑびす」に来るために住んでたんですか。それはスゴイ!

 

藤原 あと、彼は「カウンター」に関してはだれよりも詳しいんじゃないかな。

 

中村 「カウンター」……ですか?

 

長谷川 はい、酒場のカウンター席のことですね。僕は基本的にひとり飲みが好きなので、カウンターの有無は重要なんです。そのうち自然とハマッちゃって、研究するようになったんですよ。それについては、のちほどお話ししますね。

 

自家製ロックアイスをアイスピックで砕いて提供

中村 では、さっそくお二人に伺いたいんですが、この「ゑびす」の魅力って何ですか?

 

長谷川 まず、この品数に驚きますよね。何を頼めばいいか迷うほどで、ワクワクしませんか? それに味の良さも感動的で、僕は特に魚のおいしさに魅了されたんです。もちろん、お酒にもすごくこだわっていらっしゃいますし。

藤原 そう、「おいしいお酒を飲ませたい」という気持ちが伝わってきますよね。僕がまず「ゑびす」で伝えたいのはそこなんです。なんといっても注目は、氷。自家製のロックアイスで提供しているんですよ。

 

中村 え! ロックアイスが自家製? お店で氷を作っているんですか?

 

藤原 そう。製氷機で作った手のひらサイズの氷を、わざわざアイスピックで砕いて使っているんです。

 

中村 ほんとだ! この氷、大きくてゴツゴツしていますね。

 

長谷川 見た目にも特別感があって、おいしそうですよね。

↑大きな氷が作れる製氷機。頻繁に開閉すると温度変化が氷のおいしさに影響するので、ある程度の量を適宜クーラーボックスへ移して使います

 

↑手のひらサイズの大きな氷を、アイスピックで砕いてグラスへ

 

藤原 では、この氷を使ったドリンクで乾杯しましょう。まずは下町定番の焼酎ハイボールで!

 

中村 通称「ボール」ですね。待ってました!

↑「焼酎ハイボール」(400円 ※表記価格はすべて税込・以下同)

 

全員 では……カンパ~イ!

 

中村 あー、このボールもいいキックが入っていて(炭酸がよく効いているという意味)、おいしいですね~!

藤原 お。キックの使い方、慣れてきましたね~。

 

中村 はい、おかげさまで! でも、氷が大きいと何がいいんですか?

 

藤原 ソーダ割りのような爽快感が魅力のお酒は、冷えているのが絶対条件。ぬるい炭酸って、ウマくないでしょ? だから、冷たさをキープするために氷を入れるんですが、氷が大きいと溶けにくいので、味が薄くならないというメリットがあるんです。あ、店主の石田さんが来てくださいましたね。

 

中村 石田さん、今日はよろしくお願いします! 自家製のロックアイスを使っている理由は、やっぱりおいしさのためですか?

↑「ゑびす」の石田健一店主

 

石田店主 そうですね。おいしさのためにはサイズが大事です。市場が豊洲に移転するまでは、築地で氷を買っていて、多いときは数日ぶんを一度に45kgサイズで買い、それを小さく切り出してもらっていました。店に戻ったらそれを割って専用の冷蔵庫に移し、オーダーごとにアイスピックで砕いていたんです。ただ、豊洲移転でひいきにしていた氷店が廃業してしまったんですよ。

 

中村 なるほど、だから氷を自家製にするしかなかったんですね。

 

石田店主 ただ、普通の製氷機では氷が小さいぶん、すぐに溶けてしまうので、その酒の味に納得できなくて。理想的なサイズにするには、大きい氷を作って砕くしかなかったんです。だから、いまの製氷機を買って、以前のようにアイスピックで砕いています。手間はかかりますけど、こうしたほうがおいしいので。

 

長谷川 おいしく飲んでもらいたい一心で、ということですね。これは本当にすごいことです。

 

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名門「ゑびす」のれん会のルーツが明らかに

中村 お酒もおつまみも、ただものじゃないことがわかりました。お店の成り立ちも気になりますね!

 

長谷川 そのあたりも石田店主に聞いてみましょう。確か、ご主人は二代目でしたっけ?

 

石田店主 はい。私は二代目で、父が創業したのが昭和26年。ルーツは父のお兄さんにあります。その(私にとっての)伯父が有名なホテルの元料理人で、独立後に錦糸町北部の太平町で、父と一緒に「錦糸バー」という居酒屋を営んでいました。まだ「ゑびす」ができるより昔、戦前の話です。

 

藤原 わぁ初耳だ! この話は貴重ですよ。

 

石田店主 ほかに蔵前の厩橋(うまやばし)や大塚にも、同じような酒場を出店していたそうで。でも太平洋戦争で父は出征しまして、無事に帰ってきたはいいものの、空襲で店はすべて焼けちゃったんです。やがて父は母と結婚し、なんとか仕事の再起を図ったんですけど、戦後すぐはお酒の取り締まりが厳しかったので、ひとまずは伯父と向島で甘味店を始めたんです。

中村 では、その向島の甘味店が「ゑびす」の1号店ですか?

 

石田店主 いえ、お酒が正規で流通し始めるのを待って、兄弟それぞれが独立して飲み屋を新規出店したんです。昭和26年、父が四ツ木に土地を見つけて開業したのが、移転前の「ゑびす」です。伯父は伯父で「ゑびす」を向島に、僕のいとこにあたる伯父の息子さんは金町で「ゑびす」を開業。ほかに新小岩や大島など、親戚を中心に一時期は8軒の「ゑびす」がありました(※)。

※現在は四ツ木と大島店が営業中

 

長谷川 へえ、これで「ゑびす」のれん会(※)のルーツが明らかになりましたね!

 

藤原 「ゑびす」といえば、下町大衆酒場ののれん会のなかでは五本の指に入るほどの名門。それだけに、貴重なお話ですね。

※のれん会……のれん分けした店のグループのこと。共同組合のような性質を持つこともあります

中村 ちなみに、「ゑびす」という名前の由来はどこから来ているんですか?

 

石田店主 それは父が出征したときに戦友から、いつも笑顔だから「ゑびす」というあだ名をつけられたそうです。それが店名になったと聞いています。

 

中村 へえ、それは面白いです! いまは、おいしいお料理とお酒でお客さんを笑顔にしている、というわけですね(笑)。

 

お茶割りにはコクが豊かな宝焼酎「純」を使用

藤原 そろそろ、おかわりとおつまみも注文しましょうか。2杯目は「玉露お茶ハイ」でどうでしょう。焼酎ハイボールとはベースの焼酎が違っていて、これがまたおいしいんです。

 

中村 焼酎が違う? 何を使っているんですか?

 

石田店主 宝焼酎「純」です。「純」はちょっと高いんですけど、コクが豊かなのに、玉露の風味を邪魔せずマッチするのがいいんですよ。

 

中村 うわあ、色味からしてキレイでおいしそう! いただきます!

↑「玉露お茶ハイ」(550円)

 

長谷川 うん、お茶(玉露)にも焼酎にもこだわる安定の味。癒されるおいしさですね~。

 

中村 緑茶の爽やかさのなかに、焼酎のまろやかさが感じられてすごくおいしいです!

藤原 炭酸とはまた違った魅力がありますよね。あと、お茶割りは、合わせる料理を選ばないのも魅力。例えば、レモンサワーは鶏の唐揚げなど、ジューシーでオイリーなものと相性が抜群ですけど、個人的には、白身魚の刺身や湯豆腐といった繊細な和食にはレモンの酸味が合わない気がします。そこで最適なのが、お茶の滋味深く爽やかな苦みなんです。

 

長谷川 確かに、「ゑびす」みたいに魚料理が充実している店には、お茶割りがあるとうれしいですよね。天ぷらにもお茶割りはすごく合いますし。

 

藤原 お、ちょうどさっき注文した天ぷらが来ましたね。いただきましょう!

 

驚愕のコスパと江戸前の魚が充実しているのが魅力

↑「天ぷら 盛合」(650円)

 

中村 えっ、650円でこんなにたくさん! しかも魚は全部種類が違いますよね。

 

石田店主 ありがとうございます。魚はあじ、穴子、いわし、きす、こち、はぜ。年中仕入れられるようにしてあります。

 

藤原 6種類の魚になす、かぼちゃが入ってこのお値段! この「天ぷら 盛合」は必食ですよ!

 

中村 衣はサクサクで中はふわっふわ! そして「玉露お茶ハイ」がドンピシャだから、すごく進みます。これは幸せ!

 

藤原 ここはお肉も秀逸ですよ。この「カシラ焼」やホルモンも多彩に揃っていてコスパも抜群。串ではなく皿盛りになっているから、数人でつまむにはもってこいです。

↑「カシラ焼」(300円)

 

中村 しっかりした肉質で、弾力があります。塩でうまみが引き立てられていて、「玉露お茶ハイ」ともよく合いますね!

 

長谷川 このボリュームで300円ですからね! 「ゑびす」は安すぎて値段を見るのが逆に怖いというか、本当に頭が下がります。

↑こちらは知る人ぞ知る逸品「新香のふる漬」(350円)。初代から受け継いだ伝統のぬか床で漬け、しょうが、にんにく、醤油などで味付け。持ち帰る常連客も多いとのこと

 

藤原 そして、お待ちかねの刺身。毎朝市場で仕入れているので、全国の新鮮な魚介類が食べられるんです。今日は「ゑびす」で人気が高いかつおを頼んでみました。

↑「宮城産 カツオ刺身」(600円)

 

石田店主 昨日のかつおは勝浦産だったんですけど、今日は宮城産。市場は足立と豊洲の両方を回って仕入れています。築地から移って少し遠くなりましたが、やっぱり豊洲にも行ったほうが、いいネタを仕入れられますから。

 

中村 うん、かつおは脂が乗っていて、身が分厚くカットされているから食べごたえも満点です! これは職人の目利きと包丁の技がなせるおいしさですね。

 

藤原 あと、「ゑびす」では汁物も充実しているんですよ。汁物といえば「シメ」を連想しますが、実は汁物で酒を飲む文化もあるんです。例えば日本の土瓶蒸しや韓国チゲ、ブイヤーベースなどが良い例。今回頼んだ汁物(豚汁、どじょう汁、つみれ汁をチョイス)は、シメにもつまみにもなるんです。中村さんはどれにします?

↑左下から時計回りで「とん汁」(250円)、「つみれ汁」(350円)、「どぜう汁」(450円)

 

中村 じゃあ私は豚汁をいただきます! ……うわぁ、ダシも味噌もしっかりめの味で具だくさん。満足度が高くて、ほっこりする味です。でも、どじょう汁もあるなんて、江戸前らしくて素敵ですね!

 

長谷川 どじょうは意外にあっさりしていておいしいですよ。石田さん、どじょうは生きたまま仕入れていらっしゃるんですよね?

 

石田店主 はい。唐揚げや柳川鍋など、注文が入るたびにザルですくってしめています。

中村 わー! ピチピチしていて、活きがいい!

 

藤原 このどじょうもそうですけど、はぜやこちなど、東京ならではの魚が充実しているのも「ゑびす」の魅力。だから地方の知人を下町酒場に案内するなら、僕は真っ先にここを挙げますね。

 

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大衆酒場のカウンターは劇場である

中村 そうだ、先ほど話が出たカウンターのことを長谷川さんに聞きたかったんです。「ゑびす」はどんな特徴があるんですか?

 

長谷川 お、いい質問来ましたね~。カウンターは店によって形に違いがあって、ここは「L字」。といっても短辺がとても短いL字なのでほぼ「直線」ですね。重要なのが、奥行きです。建築業界では一般的に、縦幅50~65cmが店も客も快適なサイズとされています。(メジャーを取り出して測り始める)……ここは約45cmですけど、奥の段差が10cmぐらい伸びているからちょうどイイですね。

中村 えっ、メジャーを持ち歩いているんですか!

 

藤原 出た! さすがカウンターマニアの長谷川さん!

↑カウンターの内側の段差には、店員さんが下げた皿やドリンクの杯数をカウントしてチョークで記入。会計時に役立ちます

 

長谷川 カウンターの魅力は、長さや形状によって店の人の動きがまったく違うところ。あとは、ひとり飲みに最適というところですね。お品書きや、ほかのお客さんを見ていればひとりでも十分に楽しめます。それぞれの人間模様が垣間見られるから、酒場のカウンターは劇場と同じなんですよ。

 

中村 なるほど! カウンターの魅力、もっと知りたくなってきました。ぜひ今度、おすすめのお店に連れて行ってください!

 

長谷川 もちろんです。では、とっておきのお店を考えておきますね。

 

中村 やったー!

 

おいしいお酒とおつまみで、すっかり“ゑびす顔”になった今回の噺。次回からは、長谷川和之さんをガイドとして、個性的なカウンターがある名店を巡っていきます!

撮影/我妻慶一

 

<取材協力>

ゑびす

住所:東京都葛飾区四ツ木1-28-8

営業時間:16:00~22:30

定休日:火曜

※営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(取材日:2021年7月8日)

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎「純」

https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/jun/

 

「東京・大衆酒場の名店」バックナンバーはこちら▼

・第1回 【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

・第2回 【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

・第3回 【東京・大衆酒場の名店】伝説の「三祐酒場」で聞く「元祖焼酎ハイボール」発祥の噺

・第4回 【東京・大衆酒場の名店】酎ハイ街道をゆく。八広・亀屋の“ボール” 受け継がれる秘伝レシピの噺

・番外編 大衆酒場の酎ハイに欠かせない「下町炭酸」を飲み比べる噺

・番外編 焼酎ハイボールに合う!「東京・大衆酒場の名店」のおつまみを、約5000円の調理家電で再現する噺

マジ旨!ピートの効かせ方を真逆にした「余市」「宮城峡」の限定ウイスキーを試飲

世界的なウイスキーブームをけん引しているのがシングルモルトですが、人気が高いため希少になっているのも事実。そんななか、注目されること間違いなしの新作がニッカウヰスキーから発売されました。「シングルモルト余市 ノンピーテッド」と「シングルモルト宮城峡 ピーテッド」です。

 

↑左が「シングルモルト余市 ノンピーテッド」、右が「シングルモルト宮城峡 ピーテッド」。ともに9月28日発売で価格は各2万2000円、各1万本限定です

 

ユニークな点は、スモーキーな香りに寄与するピート(泥炭)の効かせ方にあります。本来はピートの香りが華やぐ、力強い味の余市はノンピーテッドモルト原酒を本商品では採用。その一方、ピート香を抑えたフルーティな味が特徴の宮城峡はピーテッドモルト原酒でつくられているのです。その意図は? 味わいは? ということで開発者を取材。すると、これは壮大なストーリーの幕開けであることもわかりました。

 

30年前の原酒を使った贅沢なシングルモルト

基本情報として、シングルモルトウイスキーとはひとつの蒸溜所の原酒のみでつくられているウイスキーのこと。多くは蒸溜所の地名が商品名となっていて、余市は北海道の余市、宮城峡は宮城県の仙台で生み出されています。

 

なお、ピートはウイスキーの原材料となる麦芽を乾燥させる手法のひとつとして焚くもので、特にスコッチ、なかでも良質なピートの産地であるアイラ島のウイスキーは、ピート香の豊かさが大きな特徴(ノンピートのアイラウイスキーもあります)。またピートに特徴を持たせた商品にはノンピーテッド、ライトリーピーテッド、ピーテッド、ヘビリーピーテッドなどと併記されることが多いです。

 

↑2015年に限定発売された「シングルモルト余市 ヘビリーピーテッド」。こちらは余市のスモーキーな個性をより深めたタイプです

 

今回取材に応じてくれたのは2人のブレンダー。今回の取り組みは、2024年に創業90周年を迎えるニッカウヰスキーのアニバサリー企画の一環で、その名も「NIKKA DISCOVERYシリーズ」。同社が保有する多様な原酒のほかに原料や発酵など、製造工程によるウイスキーのつくり分けの歴史が生み出す奥深さに焦点を当てたシリーズだと言います。

 

↑左がニッカウヰスキーの主席ブレンダー、綿貫政志さん。右が同社チーフブレンダーの尾崎裕美さん。各人に担当した商品を持ってもらいました

 

第1弾がこの2商品で、翌2022、2023年にも新商品など特別な企画を展開予定とのこと。第2弾以降は今後のお楽しみということで、まずは「シングルモルト余市 ノンピーテッド」を手掛けた綿貫さんに特徴を聞きました。

 

「伝統的な石炭直火蒸溜による力強い余市らしさはそのままに、ピートの奥に隠れていたやわらかな果実味、なめらかでコクのある甘さを引き出しました。香りは華やかでフルーティ。ほのかなミルキーさもあり、はちみつやココナッツを思わせる甘みや香ばしさも感じられると思います」(綿貫さん)

 

↑筆者もひと口。確かに、しっかりしたボディに調和するフルーティな香味があり、従来の余市とは表情の違うリッチさを感じます

 

味わいにはりんごや明るいベリーを思わせる、どこか甘酸っぱい風味も。アフターテイストはまろやかで、キャラメル的なフィニッシュ。通年販売の余市と飲み比べると、キャラクターの違いがよりはっきりとわかります。

 

↑「シングルモルト余市」。どっしりとしたボディに心地よいピート香が加わり、オレンジを思わせるあたたかな果実味も

 

「『シングルモルト余市 ノンピーテッド』の飲み方は、個性を最大限楽しむならストレートで。少量加水するとより華やかな香味が開きます。オンザロックや水割りならモルトのコクやなめらかな甘さが際立ちますし、ハイボールはさらにフルーティな魅力を感じられますよ」(綿貫さん)

 

↑綿貫さん。余市蒸溜所では80年代後半からノンピーテッドモルト原酒をつくっていて、今回のボトルには1989年に蒸溜された現存最古のノンピーテッドモルト原酒も使用しているとか。30年以上前の原酒とは、なんと贅沢な!

 

この宮城峡はエレガントでいてスモーキー

次は尾崎チーフブレンダーに「シングルモルト宮城峡 ピーテッド」の特徴を聞きました。採用したのは、あえてピーテッドモルト原酒のみ。そのうえで宮城峡らしさは生かしつつ、ピートが香るたくましい味わいに仕上げたそうです。

 

「宮城峡のヘビリーピーテッドモルト原酒は、スモーキーな香りをしっかり主張しつつエレガントさも併せ持っています。この個性を生かすため、ブレンドの骨格はライトリーピーテッドモルト原酒で組み立てました。というのも、あまりピートを強調しすぎると、本来の宮城峡らしさが崩れてしまうからです。原酒ごとに異なるピートの強弱を見極め、バランスを取りながら調整を繰り返し、宮城峡ならではの繊細さとピートとの豊かな調和にたどり着きました」(尾崎さん)

 

↑尾崎さん。「シングルモルト宮城峡 ピーテッド」に使った最も古い原酒は80年代後半のものとのことで、こちらも超希少。なお、ヘビリーピーテッドモルト原酒をキーとして、ピーテッドモルト原酒だけで組んだ宮城峡は初めてだそうです

 

香りから嗜むと、はちみつや熟した果実を思わせる甘やかさが立ち、やわらかなピート香とともにウッディなニュアンスも感じます。味わうとスモーキーさがやや前面に出てきて、レーズンやドライチェリーのような熟した甘みとともに調和。余韻にはピートのニュアンスとビターなコクが続き、心地よいフィニッシュです。

 

↑ピートのスモーキーフレーバーには絶妙な立体感があります。香りよりも味わいとして広がる設計で、トップから余韻まで流れるような抑揚がきわめてエレガント

 

「ストレートで味わった後は、加水してぜひトゥワイスアップを。フルーティな華やかさが開き、樽のビター感も楽しめますよ。ドライフルーツのような甘さが際立ち、ピートの余韻が濃く感じられるロックもオススメです」(尾崎さん)

 

↑通年販売の「シングルモルト宮城峡」はフルーティかつフラワリーで、ほのかに樽由来のバニラ香やビター感も感じられる上品な味。飲み比べると、「シングルモルト宮城峡 ピーテッド」のワイルドさがよくわかります

 

今回紹介した、第1弾となる「NIKKA DISCOVERYシリーズ」は数量限定であるものの全国で販売。バーを中心に、百貨店や酒販店などでも展開するそうです。1本2万2000円と高価ですが、バーであれば比較的にフレンドリーな価格で飲めるはず。ウイスキーファンのみなさん、久々にバーでしっぽりと、ニッカのシングルモルトを楽しみませんか!

 

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むしろ製品化を強く希望! 合計1万人に当たる「黒ラベル オリジナルビヤサーバー」のオーバースペックぶりを徹底検証

ビール好きに朗報! 現在、サッポロ生ビール黒ラベル「オリジナルビヤサーバープレゼント」キャンペーンが実施されている。黒ラベルを買ったレシートで応募すると、抽選で1万人に特別なサーバーが当たるというものだ。

サッポロ生ビール黒ラベル「オリジナルビヤサーバー」

 

となると気になるのは、使い心地や注いだ黒ラベルのおいしさである。そこで、あらゆる側面から本機の実力を徹底検証した。

 

[検証1] デザインへのこだわりはどうか?

目を引くのは、漆黒の本体に輝く金色の星。そう、「丸くなるな、星になれ。」の黒ラベルが誇る、ブランドコンセプトそのままのデザインだ。シックなカラーでリビングやキッチンにも馴染み、何より大人っぽくてクール。統一した意匠の台座が用意されている点も上品さを感じさせる。また、適度なサイズ感で持ち運びにも便利だ。

 

電源を入れると天面の星がライトアップされる演出も憎い。オンライン飲み会でも、ついつい自慢したくなるカッコよさに満ちている。

↑電源をオンにすると天面の星がライトアップされる仕掛け

 

【検証結果】シックで大人なデザイン。自慢したくなるカッコよさ!

 

[検証2] スムーズに注げるか?

操作は、本体に黒ラベルの350ml缶か500ml缶をセットして、専用の内蓋やチューブを取り付け、電源をオンにしてボタンを押すだけ。黒ラベルの缶をそのまま使えるシンプルな仕様で、きわめて簡単だ。

↑ボタンを押すとビールが出て、再度押すと止まるという簡単さ

 

なお、よりおいしく楽しむには準備が欠かせない。黒ラベルの缶はしっかり冷やし、グラスはしっかり洗浄し自然乾燥させて、きれいな状態にしてから注ぐべし。

 

【検証結果】シンプルなボタン操作で簡単に注げる

 

[検証3] きめ細かい泡を“黄金比”で後乗せできるか?

ボタンにはビールを注ぐ「ビールボタン」と、超音波の振動できめ細やかな泡を作る「泡ボタン」の2種類があり、好みで量の調整が可能だ。おいしく飲むための黄金比は、ビールが7で泡が3。泡はボタンひとつで後乗せでき、スマートに至福のひとときが楽しめる。

↑まずはグラスを45度に傾け、「ビールボタン」を押してなるべく泡を立てないようにビールを7分目まで注ぐ

 

↑次はグラスを垂直にし、「泡ボタン」を押して泡を乗せる。きめ細やかな泡に驚かされること間違いなし

 

↑見よ、まるで鏡面のような泡を! こうして、お店のような上質な黒ラベルを手軽に再現できるのだ

 

【検証結果】2つの簡単なボタン操作で7対3の黄金比も楽々実現

 

[検証4] 最高においしい温度で飲めるか?

温度はビールのおいしさを左右する大切な要素である。その点も、サッポロ生ビール黒ラベル「オリジナルビヤサーバー」なら問題なし。缶をセットする部分は冷たさをキープする真空断熱構造になっていて、保冷剤を兼ねたスペーサーを入れる仕様になっている点も秀逸だ。理想のおいしい冷たさを叶えてくれる。

↑ステンレス製のボトルは外気をシャットアウトする真空断熱構造で、長時間冷たさをキープ

 

↑本体に缶をフィットさせるスペーサーは、缶の容量に合わせて2種類用意。保冷材の機能も兼ね備えていて、事前に凍らせておけばより冷たいまま注げる仕組みだ

 

【検証結果】真空断熱構造と保冷剤で理想の温度をキープ

 

[検証5] 手入れは簡単か?

長く使うには手入れが欠かせない。その点、サッポロ生ビール黒ラベル「オリジナルビヤサーバー」はパーツを取り外して洗浄できるので衛生的、かつ実用的。乾電池をセットする「電子ユニット」以外は丸洗いでき、もちろんビールが通るチューブや配管パーツもしっかり洗える。また、接続パーツ、配管パーツ、保冷ケースなどはシンプルな構造なので手入れ自体も簡単。毎日でもストレスなく使える。

↑それぞれのパーツは簡単に分解でき、水やお湯でガンガン洗える

 

【検証結果】シンプルな構造で簡単。ストレスなく毎日使える。

 

[検証6] ユーザーの立場にたった工夫が凝らされているか?

サッポロ生ビール黒ラベル「オリジナルビヤサーバー」は至れり尽くせりといえるほど、さまざまなユーザー視点で考えられたプロダクトになっている。例えば「ビールボタン」には「BEER」、「泡ボタン」には「FOAM」と記載されているが、それぞれに「ビール」「泡」と書かれたシールが別添で用意されていて、これらを貼れば英語が苦手な人でも使いやすい。

↑各ボタンにぴったりのサイズで、クールなデザインを邪魔しない。用途に応じて日本語シールを貼ろう

 

また、チューブ先端からビールの液が垂れても周囲が汚れないよう、専用のマイクロファイバーハーフタオルが付いているのも親切だ。素材は吸水性に優れ、ブラックとグレーのツートンカラーもスタイリッシュ。そばに置いておきたくなること請け合いである。

↑専用のマイクロファイバーハーフタオル。黒い生地に浮かび上がるグレーのロゴもかっこいい

 

【検証結果】至れり尽くせりの嬉しい配慮が随所に

 

[検証7] 多彩なシーンで楽しめるか?

電源として使用するのは単3形アルカリ乾電池2本。コンセントにつなぐ必要がないので、庭やベランダはもちろん、キャンプやバーベキューといったアウトドアシーンでも活躍してくれる。

↑電池駆動なのでコードなどが邪魔になることはなく、スマートだ

 

持ち運ぶ際は、本機に付いてくる「専用ケース」を活用したい。マットブラックに、黒ラベルのロゴが黒色で配されたオールブラックのデザインは、非常にクール。内部には専用のスリット入りクッションが配され、本機をしっかりホールド。また、ストラップ付きなので片手でもなんなく取り扱える。もちろん、収納にも大活躍だ。

 

↑マットな質感で、いで立ちも凛々しい

 

↑内部のクッションには本機や電池の形にスリットが入っていて、がっちりとホールドしてくれる

 

【検証結果】電池仕様でケース付き。屋外でも気軽に使える

 

プレゼント品がこんなに豪華だなんて!

クールなデザイン、真空断熱二重構造と保冷剤を兼ねたスペーサーによる高い保冷力、ユーザー目線の親切設計、電池駆動でシーンを問わず持ち運びに便利なケース付きと、「プレゼント品がこんなに豪華でいいの!?」と驚くばかりのオーバースペックぶりであることを実感。もし抽選に漏れてしまったら悔しいほど! 早めに商品化してほしいと願うばかりだ。

 

この贅沢なビヤサーバーが1万人に当たる!

サッポロ生ビール黒ラベルブランドの350ml缶、もしくは500ml缶(限定商品も含む)を購入したレシートで応募すると、抽選で合計1万人に当たる。A賞とB賞があり、A賞は「オリジナルビヤサーバー」と「ビヤサーバー専用ケース」に、「オリジナルビヤグラス」も1点付いてくる。応募締切は2021年12月17日。

応募方法の詳細はコチラから

 

 

ストップ! 20歳未満飲酒・ 飲酒運転。

 

【問い合わせ先】
CLUB黒ラベル事務局
0120-300-116(受付時間:10:00~18:00/土日祝日・年末年始の休業日を除く)

 

取材・文/中山秀明 写真/湯浅立志(Y2)

ジンの最高峰「ボンベイ・サファイア」を知れば自然と身に付く! 最高の「ジントニック」を楽しむ方法

洋酒における「ジン」の勢いが止まりません。なかでも、小規模の蒸留所でつくられる個性的な「クラフトジン」のニューフェイスが増え、作り手と消費者ともに盛り上がっています。こうしてジンが再評価されればされるほどに、孤高の存在感を増すマスターピースが「ボンベイ・サファイア」。その真価を知れば、ジンそのものの魅力をより深く知ることに。カクテルの大定番でもある「ジントニック」を究極的においしく作る方法とともに、知る人ぞ知る一流バ-テンダーに伝授していただきました。

 

ボンベイ・サファイア

世界ナンバーワン(※2020年1~12月販売量・金額において/IWSR社調べ)のプレミアムジン。1761年から続く伝統的なレシピ、世界中から厳選されたボタニカル、そして独自の「ヴェイパー・インフュージョン製法」から作り出される洗練された味と香りが魅力です。

 

「ボンベイ・サファイア」とジンの魅力を再発見する、5つの疑問

訪ねたのは、渋谷にあるバー「LIQUID FACTORY(リキッドファクトリー)」。バーテンダーの日本大会で優勝し、世界大会でも3位に輝いた、齋藤恵太さんのお店です。あらためて「ボンベイ・サファイア」の魅力や味わいの特徴などを聞きました。

↑齋藤恵太さんは、アジア最大のジンの祭典「ジンフェスティバル 東京」に初回の2018年から協力しているジンの伝道師でもあります

 

1.「ボンベイ・サファイア」は、なぜ“世界ナンバーワン”と言われるの?

「ボンベイ・サファイア」のルーツは、1761年にロンドンで誕生した「ウォリントン・ドライ・ジン」。このレシピをベースに、1960年に発売されたのが「ボンベイ・ドライ・ジン」です。しかし当時はウォッカの人気が強く、一方でジンは低迷。この暗黒期に革命をもたらしたのが、1987年にデビューした「ボンベイ・サファイア」でした。

 

アートのように美しい青色のボトル、ボタニカルや蒸留方法の開示等、常識を覆す革新性は「GINNOVATION(ジノベーション)」と称されたほど。芸術性やおいしさともに、今日のジンブームに大きく貢献した傑作と言われ、触発されたクラフトジンブランドも数知れず。齋藤さんも「ジンにはいろいろな種類がありますが、僕が一番よく使っているのは『ボンベイ・サファイア』ですね」と言います。

 

「ジンブランドが増えたのは、この5年ぐらいのことでしょう。僕が飲食業界に入ったのは約15年前ですが、その頃は片手で数える程度しか、どこのバーにも置いていなかったと思います。でもそれらのどのバーにも、当時から『ボンベイ・サファイア』は必ずありました。普遍的な美しさや味わいが、いまも世界中のバーテンダーやジンのファンに愛され続けている理由なのだと思います」(齋藤さん)

 

2.「ボンベイ・サファイア」って、そもそもインドに関係あるの?

「ボンベイ・ドライ・ジン」を発売したのは、ニューヨークで弁護士業を営んでいたアラン・スビン氏。起業家としての一面もあったアラン氏は、新しいジンに商機を見出し、妻の故郷イギリスで「ウォリントン・ドライ・ジン」のレシピに出合い、販売権を取得したのです。

 

「発売に際して意識したのが“イギリスらしさ”。そこで、イギリスが最も繁栄した時代の象徴として、ヴィクトリア女王と、インド統治時代に繁栄した都市・ボンベイ(現ムンバイ)からインスピレーションを受けてブランド名にボンベイ、ロゴにヴィクトリア女王をあしらったのです」(齋藤さん)

↑ヴィクトリア女王(左)が治めた大英帝国時代は、植民地統治が盛ん。インドなどの植民地では、マラリア予防として効果があるキナ(キニーネ)を服用したとか。このキナは非常に苦いそうで、この味を飲みやすくするために水に砂糖とライムを加え、そこからジンを加える手法が確立。やがてジントニックに発展したと言われています

 

3.「ボンベイ・サファイア」は高級感があるけど、実際どういったところがプレミアムなの?

「ボンベイ・サファイア」がプレミアムジンである理由のひとつに、素材を贅沢に使っていることが挙げられます。ベースとなるスピリッツには、土壌の養分を多く含む冬小麦を100%使用。そしてボタニカルもすべて天然の原材料を収穫し、手作業で乾燥させて風味を付けています。

 

蒸留の責任者とは別にボタニカルの責任者がいるのも、メーカーであるボンベイ・スピリッツ社の特徴。これは豊作や不作に関わらず、最高品質のボタニカルを使用するためであり、毎年品質を見極めています。また、蒸留後は加水のみでボトリングするため、ボタニカル本来の香りと味わいが際立っているのも『ボンベイ・サファイア』の魅力ですね」(齋藤さん)

↑ボタニカルを直接スピリッツに浸し煮沸すると、雑味やえぐみまで抽出してしまうもの。ボンベイ・スピリッツ社では、直接浸さず、加熱させて蒸気(ヴェイパー)となったスピリッツを銅製のバスケットに収めたボタニカルを通過させることで、香り高い部分だけを吸収(インフュージョン)。これが「ヴェイパー・インフュージョン製法」であり、並外れた風味のバランスとデリケートなフィニッシュを楽しむことができます

 

4. 実際、飲むとどんな味わい?

世界中から厳選し、手作業で仕込まれた10種のボタニカルが「ボンベイ・サファイア」の味の決め手です。一般的なジンは口内とアフターで味と香りの値が高く、のど越しが強くなりがちな一方、「ボンベイ・サファイア」はその値が全体的に高いためバランスが取れた味わいになるのだそう。

 

香り豊かで甘みや苦みがちょうどいい、ジンのお手本といえる味。まとまりがいいので、カクテルのベースにしても馴染みがよくて使いやすいんです」(齋藤さん)

↑「ボンベイ・サファイア」で使用されるボタニカルは10種。すべての種類とその生産地を開示し、ボトル側面に描いているのも特徴です

 

5. ボトルの色が特徴的だけど、どういう意味が込められている?

「ボンベイ・サファイア」は美しいデザインも印象的。ボトルに用いられているサファイアカラーはイギリス王室との関係性が強く、またサファイアはインドを代表する宝石のひとつ。イギリスのエレガントな格式高さにインドのラグジュアリーな様式美をまとわせたのが「ボンベイ・サファイア」なのです。

↑1990年代に開催された、マティーニのデザイングラスコンテストの取り組み

 

ときにデザインコンテストを開催するなど、1987年の誕生時からアートに根差し、世界中のクリエイターから支持されてきた「ボンベイ・サファイア」。それは、ブランドのコンセプト“かきたてる好奇心”にも通じています。そして今秋、このコンセプトを踏襲して開催されているのが「ジントニック・アートグラス・コンペティション」です。

 

ハイセンスなアートグラスが手に入る!
「ジントニック・アートグラス・コンペティション」をオーディエンスとして楽しむには?

「ジントニック・アートグラス・コンペティション」は、さまざまなクリエイター向けに特製グラスのアートワークを一般公募するもの。特別審査員が、数百ものエントリー作品からTOP9に絞り、その後の一般投票による二次審査で、3作品の“グランプリ”が決定します。

↑特別審査員は、「スープストックトーキョー」や「PASS THE BATON」などを展開する実業家の遠山正道氏をはじめとする3名が務めています

 

そして今回、特別審査員による一次審査を通過した9作品がこちら。

↑一般投票による二次審査を経て、2022年1月に3作品のグランプリが決定。この3作品は、実際にグラスとして製品化されます

 

一般ユーザーによる二次審査は、2021年10月から店頭販売されるボトルに付く投票券で応募が可能(店舗によっては投票券付ネッカーがない場合もあります)。そして、最終的にグランプリに輝いた3作品に投票した人には、もれなく該当のグラスが1投票につき1点プレゼントされるという胸熱ぶり。これは見逃せない!

「ジントニック・アートグラス・コンペティション」の詳細はこちら

 

このアートグラスを手に入れたら……もちろん、アーティスティックなデザインにふさわしい、とっておきのジントニックを飲みたいですよね。齋藤さんに伝授していただきました!

 

予習しておこう! プロが教える、究極の「ジントニック」の作り方

ジンを楽しむには、大定番カクテル「ジントニック」が最適。一般的にはライムを搾りますが、齋藤さんの店「LIQUID FACTORY」では、ジンの魅力をより表現するため、あえて使わないそう。今回は、その究極的にシンプルな一杯の作り方を教えてもらいました。

 

【準備】

↑用意するのは「ボンベイ・サファイア」のほかに、トニックウォーター、メジャーカップ、マドラー、グラス。氷も準備しましょう

 

【作り方】

1

↑まずは氷を入れてグラスを冷却。温度を下げることによって炭酸が抜けるのを防ぐためです。氷からとけた水はグラスから出し、加水による味の薄まりを抑えるのもポイント

 

2

↑ジン1に対し、トニックウォーターの割合は3。例えばジンが30mlであればトニックウォーターは90ml入れ、計120mlのジントニックを作ります

 

3

↑トニックウォーターを注ぐ前にジンを氷で冷やします。ここでも加水されすぎないよう、マドラーを回す回数は最低限に

 

4

↑トニックウォーターは、炭酸があまり抜けないよう静かに。氷には当てず、側面を沿うように注ぐのがコツです

 

5

↑炭酸の対流によって自然と混ざるため、氷を少し動かせばOK。マドラーを回す目安も半周程度とのこと

 

6

↑完成。柑橘の爽快感をより楽しみたい人は、ライムを搾りましょう

 

ジントニックの甘み、苦み、酸味、爽快感をバランスよく上品にまとめてくれるのが「ボンベイ・サファイア」。そこにアーティスティックな専用グラスがあれば、家でもよりおいしさを堪能できるはず。「ジントニック・アートグラス・コンペティション」は9作品に投票すればグランプリの3つすべてを確実にゲットできてしまうという裏技も! ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

 

【店舗情報】

LIQUID FACTORY

日中はコーヒーとミルクシェイク、夜はクリエイティブなカクテルを楽しめるラボ兼バー。アジアのすべてのバーを対象とした「ASIA’S 50 BEST BARS」においてTOP100にランクイン。

住所:東京都渋谷区宇田川町42-12 SALON渋谷 1F
アクセス:JRほか「渋谷駅」ハチ公口徒歩8分
営業時間:火曜~金曜 9:00~翌1:00、土曜 11:00~翌1:00、日曜・祝日 11:00~24:00
定休日:月曜

https://www.liquidworks-jpn.com/liquid-factory

※緊急事態宣言の発令などで営業時間が変更になる可能性がありますので、ホームページを確認してください。

 

写真/湯浅立志(Y2)

焼酎のふるさと宮崎「黒壁蔵」へ! 10のキーワードで読み解く全量芋焼酎「一刻者」の”こだわり”

宝酒造「一刻者」発売20周年の2021年。全国的に見ても貴重な全量芋焼酎「一刻者」は、いったいほかの芋焼酎とは何が違うのか。そして20年にわたって守り続けてきた「こだわり」とは? 宝酒造の焼酎製造の要「黒壁蔵」における製造の全工程を追うとともに、ブランド責任者などへの取材を敢行。一刻者の秘密を10のキーワードで丸裸にする!

 

一刻者について、ここまで掘り下げた記事は宝酒造でも初めてだという。全国の焼酎ラバー、一刻者ファンにとっては保存版といえる内容に仕上がったので、ぜひ最後までご覧いただきたい。

 

 

 

「一刻者」とは?

2001年9月4日にデビューした「一刻者」。この、20年前の市場や時代背景を簡単に解説しよう。“乙類焼酎”ともいわれる本格焼酎は1990年代ごろまで九州を中心に愛される地方の酒だった。それが2003年ごろになると、全国的な焼酎ブームが到来。このムーブメントをけん引したのが芋焼酎である。

 

ブーム前夜に生まれたのが「一刻者」だが、開発の起点はさらに数年さかのぼる。根幹には「芋だけの焼酎をつくったらどのような味わいになるだろう?」という職人たちの想いがあった。当時の芋焼酎の多くは、芋のでんぷんを糖に変える工程で米麹を使用するのが当たり前であった。宝酒造の芋焼酎づくりも麹に米を使っていたため、「芋100%」とは言えなかった。しかし、この米麹を芋麹にしたら、一体どんな味わいが生まれるのか……当時の蔵人たちは、その好奇心に抗えなかったのである。

 

【キーワード01】一刻者:宮崎県高鍋町の「黒壁蔵」でつくられる本格芋焼酎。芋と芋麹だけの芋以外の原料を使用しない「全量芋焼酎」であることが最大の特徴。本来、「一刻者」とは南九州の話し言葉で「頑固者」「自分を曲げない人」のことを指し、これになぞらえて芋100%への頑固なこだわりを表現した。

【キーワード02】2001年:全量芋焼酎「一刻者」が誕生した年。発売日である9月4日は2021年同日に「一刻者の日」と制定された。

 

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「黄金千貫」と「芋麹」――素材への「こだわり」

職人たちが思い描いたのは、芋と芋麹による芋100%の純芋焼酎。つまり全量芋焼酎だ。しかし、芋は米よりも麹にするための扱いが難しく、開発は困難を極めることに。そうした結果、6年もの歳月をかけて世に送り出されたのが2001年なのである。

 

「一刻者」のブランド責任者である、宝酒造の商品第一部蒸留酒課、髙井晋理(たかい・しんり)課長は先達への想いを馳せる。

 

「芋は米よりも水分量が多いため、麹菌が根付きづらいことが最大の課題だったと聞いています。突破口となったのが『焙炒(ばいしょう)処理』による製法。芋を賽(さい)の目状に切りコーヒー焙煎のように熱処理をすることで乾燥させ、最適な水分にし、麹菌が生えやすくする当社の特許技術です」(髙井さん)

 

米と芋、農産物としては同じでも水分量は真逆だ。米粒と芋ではサイズもまったく異なる。もともと乾燥している米は、水を吸わせていくためコントロールがしやすい。一方で芋は水分を多く含んでいるため芋麹づくりでは乾燥させていくわけだが、狙い通りの水分量まで減らして麹を根付かせることはきわめて難しいのだとか。

 

では、芋麹を使った全量芋焼酎の味わいは、米麹とはどう違うのだろうか。

 

「当社にも米麹を使った芋焼酎がありますが、米は芋よりも油分が多いため雑味も生まれやすく、独特の酸化臭につながることもあります。この油分が少ない芋はクリアな酒質となり、芋本来の甘やかで花のような香りをよりダイレクトに感じやすい味わいとなるのです」(髙井さん)

 

「一刻者」の魂ともいえる芋は、「黄金千貫(こがねせんがん)」という品種である。その特徴や選定、管理や収穫時期についても聞いた。

 

「『黄金千貫』は糖となるでんぷんの量が豊富な黄白色の甘藷(かんしょ)で、発酵も旺盛。食感もいいので最近では青果に用いられることもあります。味わいの特徴は、いい意味でシンプルな、ピュアな芋らしさ。粘りが少ないため加工がしやすく、芋焼酎づくりには最適な品種のひとつですね。

一方、繊細で傷みやすい側面をもっているため、『一刻者』では収穫から48時間以内に切って蒸して火を入れてといった工程へ進みます。すべて地元・南九州産の『黄金千貫』を使いますが、これは鮮度のよい採れたての芋にこだわっているからです」(髙井さん)

 

「黄金千貫」の栽培は毎年3月後半から4月にかけて始まる。種芋から苗をつくり5月ごろまでに植え、8月中旬ごろから収穫をして都度すぐに加工へ。こうして年末または年明けごろまでに、「黄金千貫」は「一刻者」へと姿を変えていく。最盛期には1日40~50トンの芋を使用するとか。

↑長年の経験を積んだ人の目によって黄金千貫が選別される(2018年撮影)

 

「芋のサイズも重要で、大きすぎても小さすぎても狙った味わいにはなりません。生産者様との信頼関係のもと、良質かつ適した大きさの芋を納品いただいています。そこから洗浄し、人の目と手で傷や汚れがないかをチェックするとともにカット。その後、潰して蒸してという工程に進みます」(髙井さん)

 

【キーワード03】芋麹:麹とは原料に麹菌を繁殖させたもの。酒づくりでは、でんぷんを糖に変える際に使われる。芋麹は芋に麹菌を根付かせたもので、一般的な米麹に比べて芋麹をつくる作業は難易度が高い。

【キーワード04】全量芋焼酎:芋と芋麹による芋100%の純芋焼酎。芋だけを使用しているため、雑味が少なくすっきりとした味わいになり、芋が本来持つ華やかな香りが際立つ。

【キーワード05】6年:「一刻者」の誕生までにかかった年月。デビューが2001年であるため、開発は1995年から始まっていたことになる。

【キーワード06】黄金千貫:南九州を中心に栽培されている甘藷。でんぷん質が多く、ホクホクとした食感ややさしい甘さが特徴。

 

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※イラストはイメージです

 

仕込みへの「こだわり」

特許である焙炒技術をはじめ、「一刻者」にはハイクオリティな製法が凝縮されている。それは芋と芋麹を発酵させて仕込むもろみづくりや、もろみからアルコールを回収する蒸留工程でももちろんのこと。生産量が多いため製造には機械も用いるが、特にデリケートな部分は職人の五感をフル活用している点もこだわりのひとつである。

 

「『黄金千貫』は繊細な芋ですし、クリアで華やかなおいしさを届けるには、細やかなコントロールや品質管理が欠かせません。例えば仕込む際の水分量や加熱時の温度、異音や異臭はないか、機械が正常に動作しているかなどを職人が直接確認し、メンテナンスを行うことも重要な仕事です。30分や1時間おきにチェックする工程もありますね」(髙井さん)

 

冒頭でも触れたが、本格焼酎とは乙類焼酎とも呼ばれ、単式蒸留機を用いてつくりだす。対となるのは、連続式蒸留機を用いる甲類焼酎だ。それぞれに特徴があり、甲類焼酎は塔のように高い連続式蒸留機で蒸留と冷却を繰り返し行うなかで雑味を取りながら、純度の高いピュアな焼酎を精製する。

 

乙類焼酎の単式蒸留機は玉ねぎのような形をした釜で、1回ぶんのもろみに対する蒸留は通常1回。そのため原料の風味などが原酒に残り、個性的な焼酎ができ上がる。「黒壁蔵」では「一刻者」以外の乙類焼酎も製造しており、様々な蒸留機が稼働しているが、「一刻者」に使われるのは小さめの単式蒸留機だ。

↑単式蒸留機

 

「『黒壁蔵』には複数の単式蒸留機がありますが、『一刻者』に使うのは全量芋ならではの香り、味わいを引き出せる小さいタイプ。大量生産には向かないのですが、複数の蒸留機をを稼働させることで安定的に蒸留しています。蒸留方法は、伝統的な常圧蒸留。こちらも、芋本来の甘みにこだわる『一刻者』に適した製法です」(髙井さん)

 

蒸留には気圧を下げることで、低い温度での蒸留を可能にする減圧蒸留と、大気圧と同じ気圧で行う常圧蒸留がある。減圧蒸留はライトですっきり、常圧蒸留はコク深くうまみ豊かな味を作りやすい特性があり、「一刻者」は後者ということだ。なお、蒸留機から出る留液はすべてが焼酎になるわけではない。これも職人の味覚と経験によって、おいしい部分のみを取り出すのである。

 

「留液は流れ出るタイミングで味が異なり、最初は荒々しく、最後は雑味を多く含むためその中間の液体のみを使用します。この見極めにも高い技術を要し、基準となる目標値はあるが最終判断は職人の鼻や舌で官能検査を行い、採用する部分を判断しています」(髙井さん)

 

【キーワード07】単式蒸留:1回ずつしか蒸留できない単式蒸留機を使い、もろみからアルコールを回収すること。何度も蒸留を繰り返す連続式蒸留機に比べて、原料の風味が残るのが特徴。

【キーワード08】黒壁蔵:宮崎県高鍋町にある、宝酒造の焼酎製造の要。シックな黒いルックスは蔵に根付く黒い微生物をイメージしたもの。実際に日向灘から吹く風のミネラル分を栄養源とするアルコールを好む黒い微生物が外壁に繁殖して工場全体は黒く見える。

 

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「石蔵」における熟成への「こだわり」

蒸留した原酒は、その後冷却ろ過で油分などを取り除いて熟成させる。寝かせることで香りは華やかに、味はまろやかになり、条件を満たすおいしさになったものからボトリング、出荷となるのだ。この熟成工程を、さらなる好環境で行えるようにしたのが「黒壁蔵」の敷地内に建設された「石蔵」である。

 

「『一刻者』の魅力のひとつに繊細で上品な味わいがありますが、このおいしさを安定してお届けするためにこだわったのが熟成環境です。『黒壁蔵』がある高鍋町は、夏はさんさんと降り注ぐ日差しで暑くなりますが、冬は冷え込む日が意外と多い場所ですから、一定の温度帯で熟成することがいっそう重要であるという答えを導き出しました。そうして2019年に完成したのが、温度変化が起きにくい構造を持つ『石蔵』です」(髙井さん)

 

↑2019年完成の石蔵

 

「黒壁蔵」の雰囲気や、頑固者を意味する「一刻者」にふさわしい貯蔵設備が誕生したのだ。幅16メートル、奥行き35メートル、高さ9.75メートルの石蔵内部にタンクが何本も置かれ、その中にはボトリング前の「一刻者」が眠る。そして今日もここから、熟成の時を経た「一刻者」が全国へと出荷されていくのだ。

 

【キーワード09】石蔵:2019年、「一刻者」を貯蔵するためだけに作られた石造りの蔵。温度変化が起きにくいため、安定した環境で熟成できる。

 

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「一刻者」のふるさと高鍋町の名所を探索

「一刻者」のふるさとである高鍋は人口約2万人の町だが、いったいどんな場所なのか。いくつかの名所を紹介したい。

 

●舞鶴公園

まずは敷地内に高鍋町歴史総合資料館を有する「舞鶴公園」。地形が鶴の羽ばたく姿に似ていたことから、舞鶴城と呼ばれた高鍋城の史跡公園だ。

↑高鍋城の石垣なども残る舞鶴公園

 

高鍋城の歴史は古く、平安時代中期に日向の豪族となった土持氏によって築かれたといわれ、その後戦国時代には伊東氏、島津氏といった主を経て、明治の廃藩までは秋月氏が居城とした。現在は秋月種樹の邸宅を復元した「萬歳亭はなれ」などがあり、公園は「桜まつり」や「灯籠まつり」の会場としても町民に親しまれている。

 

●高鍋大師

観光地として有名なのが、町北部の丘陵に位置する「高鍋大師」だ。近隣にある持田古墳群の霊を慰めるため、町内で米穀店を営んでいた岩岡保吉という人物が開山。四国八十八か所を模した仏像をはじめとする大小様々な石像が並び、街のシンボルとなっている。

↑オリジナリティあふれる石像が並ぶ

 

圧巻なのはそのスケールだ。石像は700体以上あり、なかには7メートルを超える巨大なモニュメントも。これらは1932年ごろから1976年にかけて岩岡氏が私財をなげうちつくったというが、その期間は44年。なんたる一刻者だろうか。なお、ここは高台にあるため日向灘などが一望できる絶景スポットにもなっている。拝観や見学は自由だ。

 

●蚊口浜

東に日向灘を臨む高鍋は、海の町としても人気。特にビーチスポットとして知られるのが、高鍋駅からも近い場所にある「蚊口浜(かぐちはま)」だ。南北に長い海岸は海水浴向けとサーフィン向けにエリアがわかれ、さらにキャンプ場を併設しているなど多彩な遊びができる。

また、春は潮干狩りであさりなど、秋冬は高鍋名物の天然かきがとれることで、季節を問わず多くの人が集まる行楽地となっているのだ。

 

●高鍋餃子

高鍋町のグルメといえば、全国的にも知られる「高鍋餃子」である。そもそも宮崎は餃子愛が強い県で、総務省の家計調査によると、2021年上半期の1世帯あたり餃子購入額では宮崎市が2年連続の首位。2位の浜松市に大差をつけたのだ。そんな宮崎県のなかでも有名な「餃子の馬渡」と「たかなべギョーザ」が人口2万の高鍋町にあることで、数年前から「高鍋餃子」が話題となりジャンル形成されたのである。

↑餃子の馬渡

 

「餃子の馬渡」の三代目、馬渡陽一郎店主に歴史を聞くと、創業は1967年。ルーツは、宮崎最古の餃子店といわれる延岡市の「黒兵衛」で初代が修業し、独立後に高鍋に開いたのが「餃子の馬渡」だったとか。餃子の専門店としては高鍋初。皮も具も特徴的で、1日平均1万5000個も売れるという。これは町民の3/4が毎日1個を食べている計算だ!

↑人気の焼き餃子

 

「うちは野菜が多めで、肉との割合は7対3。特に高鍋名産のキャベツは欠かせません。ほかに玉ねぎ、にら、にんにくを使っています。食感はもっちりとした弾力と強いコシにこだわり、何度も足踏みした生地を厚い皮に仕上げています。捏ねる時間は天気や温度、湿度によって変わりますが、平均すると1時間程度ですね。具材も皮も味付けも、創業時からずっと変わっていません。ある意味、うちの餃子も一刻者ですね」(馬渡さん)

 

なお、もうひとつの名店「たかなべギョーザ」はサクッとした薄めの皮で、「餃子の馬渡」とはまた違った魅力が楽しめる。オンラインショップでの販売もしているので、ぜひ「一刻者」との至福のペアリングを試してほしい。

 

【キーワード10】宮崎県高鍋町:日向灘に面した宮崎県のほぼ中央に位置する町。江戸時代には秋月家3万石の城下町として栄え、明治以降は児湯地方の中心地として発展した。「一刻者」のふるさと「黒壁蔵」がある。

 

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素材、製法、年月、環境。これらのこだわりとともに10のキーワードで「一刻者」の魅力を解説したが、どのこだわりが欠けても生まれなかった焼酎だといえるだろう。揺ぎない信念をもった一刻者が集まり、頑固に芋のうまさにこだわった全量芋焼酎。それが全量芋焼酎「一刻者」。その深いこだわりを、ぜひ味わってみてはいかがだろうか。

 

【一刻者についてもっと知りたい方はコチラ

 

取材・文/中山秀明 イラスト/大澄 剛 写真/村田 卓(go relax E more)(風景)

輸出量2%の希少ワインが日本へ!「スイスワイン」の知る人ぞ知る魅力と幻の銘柄とは?

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく当連載は、フランスをはじめとする古くから“ワイン大国”として名を馳せる国から、アメリカなどの“ワイン新興国”まで、さまざまな国と産地を取り上げてきました。今回は、希少でわたしたちにはちょっと馴染みの薄い「スイスワイン」。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

 

【関連記事】
第1回 :フランス 第2回:イタリア 第3回:ドイツ 第4回:オーストラリア 第5回:アメリカ
 第6回:ニュージーランド 第7回:日本 第8回:チリ

 

スイスワインを旅する

人口850万人ほどの小国スイス。他のヨーロッパの国々と同様に、長いワイン生産の歴史がありますが、今でも国外ではほとんど知られていません。なぜなら、その生産量のうち輸出されるのはわずか2%ほど、国内でそのほとんどが消費されてしまうからです。そんな希少なスイスワインの主な輸出先はドイツ、アメリカ、そして日本。世界中のワインを輸入しているわが国は、スイスワインを楽しむことができる数少ない国のひとつなのです。

 

実際に親しんだことのある人はまだまだ少数派かと思いますが、フランス、イタリア、ドイツといったワイン大国に囲まれたスイスは、それぞれの地方ごとに隣接する国の言語、文化に影響を受けており、西側のフランス語圏ではどこかフランス的なスマートな装いのワイン、イタリア語圏のティチーノでは品種こそメルローが主流ですが、イタリアのひとつの州のような趣を感じさせ、東部のドイツ語圏では品種的にもドイツ、オーストリアとの共通点を多く見出すことができます。そうしたさまざまな側面を持った産地に加え、200種以上といわれるワイン用ブドウ品種が、他の国にはない多彩なワインを生み出すことに成功しているのです。

 

そして、スイス人は大のワイン好きでもあり、一人当たりの年間消費量は30リットル以上。これはフランスやイタリアに次ぐ消費量で日本人のおおよそ10倍に当たります。そして国内で生産されたワインだけでは足りず、全消費量の60%をボルドー、ブルゴーニュやバローロといった近隣の銘醸ワインを中心とする輸入ワインにも頼っているのです。ワイン好きのスイス人がなかなか国外に輸出しない希少なスイスワイン、せっかく日本には届いているのですから、楽しまない手はありませんよね。

1. ヴァレー州
2. ヴォー州
3. ジュネーブ州
4. ティチーノ
5. スイス東部

 

1. ヴァレー州 − スイス最大のワイン産地 −

ヴァレー州は、国内生産の1/3を占めるスイス最大のワイン産地であり、ブドウ栽培農家は2万軒を超えるといわれていますが、小規模生産者主流スイスの中では珍しく協同組合を含む大手生産者が多く、ワイナリーそのものは500軒ほどです。

 

ブドウ畑はローヌ河最上流のブリーク近郊から、西はレマン湖の東端に注ぎ込むまでの100km以上に渡って両岸に広がっています。元々は河の北岸、南向き斜面が日照のよい優良な畑だとみなされてきましたが、地球温暖化はこのヴァレー州も例外ではなく、南岸北側斜面も見直され始めています。ローヌ河といえば、フランスの銘醸地を南北に貫くワインとの関わりの深い河川ですが、その最上流ではスイス最大のワイン産地を東西に流れ、スイスのフランス語圏のワイン産地にとっても重要な役割を果たしています。

 

歴史ある品種の宝庫で、黒ブドウではコルナラン、ユマーヌ・ルージュ、白ブドウではプティ・アルヴァンやハイダなど、聞きなれない名前のブドウから洗練された魅力的なワインが造られ、スイスを代表するシャスラはこの地では「ファンダン」と呼ばれ、柔らかなものから凝縮感のある骨太なタイプまで生み出されています。そしてピノ・ノワールとガメイをブレンドする「ドール」と呼ばれる軽やかな赤ワインはヴァレーの名産品、ローヌ河をさかのぼってきたシラーは近年、この地域でも定着するなど、新興品種もその多彩さに拍車をかけています。

 

そして、ヴァレー州のみならずスイスワインの代表的な生産者として、写真のマリー・テレーズ・シャパを紹介しましょう。スイスにおけるビオディナミ生産者の先駆けといえるマリー・テレーズは、ブルゴーニュの著名生産者との親交も深く、もっとも尊敬を集める造り手です。グラン・ナチュールは酸化防止剤を使わず、ヴァレー州のドールという名産ワインをこれ以上なくみずみずしく仕上げた名作ワイン。普段、フランスワインに親しんでいる人に味わっていただきたい、スイスワインのひとつです。

 

Marie Therese Chappaz(マリー・テレーズ・シャパ)
「Grain Nature2018(グラン・ナチュール2018)」
7000円

2. ヴォー州 − 歴史あるスイスワインの中心地 −

ヴォー州は、古くからスイスワインの中心地であり続けてきました。規模と量の面ではヴァレー州には及びませんが、シトー派の修道士がブルゴーニュのブドウ栽培を持ち込んだ歴史は、現代まで残る石垣に囲まれたブドウ畑からも知ることができます。

 

ヴォー州のワイン産地は大きく4つの地域に分けられ、ローザンヌの西、モルジュとニヨンまでのレマン湖北岸のラ・コート地域、ローザンヌの東にはユネスコ世界遺産にも登録されたブドウ畑が広がるラヴォー地域、ローヌ河がレマン湖に注ぎ込むエリアの右岸シャブレー地域、そして州北部のヌーシャテル湖周辺地域が挙げられます。

 

スイスの代表的な白ブドウ「シャスラ」はなんともつかみどころのないブドウです。フランスでは食用とされるこのブドウは、これといった特徴を見出しにくく、安易に造られたワインは軽やかに過ぎて個性に乏しく、おとなしいキャラクターになってしまいがちです。けれども州都であるローザンヌ周辺、レマン湖の北岸に広がるラ・コート地域とラヴォー地域の美しい段々畑に植えられたシャスラは湖面に反射する太陽光を受けてゆっくりと成熟し、芯があり、心地よいテクスチャーとみずみずしく広がりのある芳香豊かなワインになるのです。スイスを代表するブドウ品種シャスラに興味があるなら、まずこのヴォー州産のワインをおすすめしたいと思います。

 

Domaine Henri Cruchon(ドメーヌ・アンリ・クルション)
「Mont de Vaux 2018(モン・ド・ヴォー2018)」
4000円

3. ジュネーブ州 − もっともフランスに近いスイス −

レマン湖の南西端に位置する国際都市ジュネーブは、人口19万人、スイスではチューリッヒに次ぐ第2の都市です。周辺はスイスのフランス語圏ワイン産地の一角としてヴァレー、ヴォーに次いでスイスワインを語るうえで重要な地域です。

 

ジュネーブのワイン産地は、スイスの他のどの産地よりも今、大きく変わろうとしています。元々ヴァレーやヴォーと同じようにシャスラがもっとも重要で多く栽培されるブドウ品種でしたが、ガメイが追い抜き、ピノ・ノワールやシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランといったフランス品種が主流となりつつあって、フランス語圏のワイン産地のなかでも、よりフランス的な色合いの濃い新たなスイスワインらしさを表現しようとしているのです。そういった流れはナポレオンの時代、短いながらもフランスに併合されていた時期もあり、フランスとスイスの文化の融合するジュネーブのワインとしては、自然なことのようにも思えます。

 

今回紹介するジュネーブのワインは、フランス国境沿いに接するダルダニー村のソーヴィニヨン・ブラン。1980年代にフランス、ロワールのサンセールから持ち込まれたブドウで造られたソーヴィニヨン・ブランは、優しい酸がエレガントで品のある果実感を支える、本家と比較するとより柔らかな白ワイン。スイス、ジュネーブの名物料理といえばチーズフォンデュ・ラクレットですが、シャスラ以上に好相性の上質なワインです。そういう意味では、“スイスの白ワイン”というのはチーズとの相性という点で、他のどの産地のワインよりイメージしやすいワインなのかもしれません。

 

Domaine les Hutins(ドメーヌ・レ・ユタン)
「Sauvignon Blanc 2019(ソーヴィニヨン・ブラン2019)」
4500円

4. ティチーノ − スイスのなかのイタリアはメルローが主流 

スイスワインの魅力は、なんといってもその多様性にあります。スイス南部、イタリア国境に接するティチーノ州は、中世にはミラノ公国によって支配されていたこともあり、地理的にも歴史的にもイタリアに近い文化圏の地域です。いうなれば、イタリアの“もうひとつの州”がスイスにあるようなもの。スイス国内では唯一イタリア語を公用語としている州でもあり、ピザやパスタ、ポレンタやオッソブーコなど、ミラノとよく似た料理が現地では親しまれています。

 

ワインは、というと周囲のロンバルディアやピエモンテと比較してもなんとも個性的な州で、栽培されるブドウ品種の80%以上がメルローというのは、ボルドー以外では世界中でこの地域くらいのものでしょう。

 

元々は土着品種(今でも赤ワイン用品種ボンドーラなどがわずかに残る)が栽培されていたということですが、フィロキセラ禍によってブドウ畑が壊滅的な打撃を受けたのちの1906年、ボルドーから持ち込まれたメルローが主流となり、秀逸な造り手の物はポムロールとも比べられるエレガントで奥行きのあるワインが造られています。そして珍しいのは、黒ブドウであるメルローから造られる白ワイン「メルロー・ビアンコ」。白ブドウ品種がほとんど栽培されていないことから、1980年代に造られるようになったこの黒ブドウの白ワインは、今ではティチーノのメルロー種の1/4が白ワインになるほどで、この地域独自の新しい個性として定着しました。

 

ティチーノの穏やかな地中海性気候に育まれるフランス原産、イタリア文化圏のメルロー種は柔らかな酸に黒ブドウらしい豊かな果実味を持った唯一無二のワイン。北イタリアの料理と合わせて楽しむ、なんていうのも、スイスワインの多様な魅力のひとつではないでしょうか?

 

Castello di Morcote(カステロ・ディ・モルコーテ)
「Bianco 2019(ビアンコ2019)」
6800円

5. スイス東部 − 世界でもっとも豊かな街で楽しまれるワイン 

チューリッヒは、「世界でもっとも暮らしやすい都市」として名前のあがる街、世界でもっとも富める国スイス最大の都市であり、経済の中心地でもあります。そんな街で楽しまれているのは、周辺のドイツ語文化圏アールガウやトゥルガウ、シャフハウゼンといった地元のワイン。日本人にとってスイスワインというと、西部フランス語圏のワインのイメージが強く、ドイツ、オーストリア寄りの産地で造られるワインはより目にする機会の少ないものなのかもしれません。

 

主なブドウ品種はシュペート・ブルグンダー=ピノ・ノワールをはじめピノ・グリやピノ・ブラン、シャルドネ、ミュラートゥルガウなど、ドイツやオーストリアでも広く栽培されている品種との共通性を多く見出すことができます。ちなみにドイツやアルトアディジェ、日本でも栽培されるミュラートゥルガウは19世紀にトゥルガウでリースリングとマドレーヌ・ロワイヤルの交配によって産まれました。

 

日照時間に恵まれた畑が多く、17世紀にフランスから伝えられたといわれるピノ・ノワールは、フランスやドイツに比べより完熟感に富んだワインになります。写真の「ニュメロ・トロワ(No3)」も、トゥルガウで造られるピノ・ノワールの赤ワインなのですが、スイスのフランス語圏とはまた違ったキャラクターで、日本に輸入されている数少ない銘柄のひとつ。幻のスイスワインのなかでも特に希少な東部のワイン、ピノ・ノワール好きな方は、ぜひ探してみてください。

 

Schlossgut Bachtobel(シュロスグット・バシュトベル)
「No3, 2016(ニュメロ・トロワ2016)」
7400円

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

「晩酌は最高のリラックス」食の伝道師・ラズウェル細木に聞く——酒と肴と酒場の噺

『酒のほそ道』など数多くのグルメマンガの著作があり「食の伝道師」とも呼ばれる漫画家・ラズウェル細木先生。そんなラズウェル先生に、マンガの制作秘話から思い出の酒場、また、外出自粛が叫ばれる昨今のひと味違った「家飲み」の方法などをお伺いしました。

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です。

 

 

ラズウェル細木 山形県米沢市出身。酒と肴と旅とジャズをこよなく愛する漫画家。料理も得意で家飲みも好き。代表作『酒のほそ道』をはじめ、『美味い話にゃ肴あり』『う』など多数の「のんべえマンガ」を連載し、今夏は『ラズウェル細木の漫画エッセイ グルメ宝島 美味しい食の探検へ』も上梓。

 

酒場や酒を飲むときのウキウキ感を描きたい

ラズウェル先生の代表作であり、酒場マンガの金字塔といえる『酒のほそ道』。『週刊漫画ゴラク』(以下、ゴラク)で1994年から続く長寿マンガとして知られていますが、執筆に至ったきっかけは意外にも先生ご自身の発案ではなかったと言います。

 

「『酒のほそ道』以前から、ゴラクで様々なテーマの短編をよく描かせてもらっていたんです。そんなある日、ゴラクの編集者さんから『酒をテーマにしたマンガを描きませんか?』と提案いただきまして。それが始まりです」

↑『酒のほそ道』以外にも「酒と食」にまつわる数多くの作品がある

 

当時は造り手の目線からだったり、バーを舞台にした作品はありましたが、酒場を訪れたり、晩酌を楽しんだりする“飲み手目線”のマンガはなかったのだとか。そんな背景もあって、面白くなりそうだという予感が先生の創作意欲をかきたてたのです。

 

「もちろん、僕自身が酒好きという点も大きかったです。特に描きたかったのは、酒やつまみの話以上に、酒場へ飲みに行ったときにウキウキする心象風景。あとは実際に飲むまでの楽しいシチュエーションですね。なので酒を飲むシーンにおいては、おいしそうな表情や、思わず飲みたくなる雰囲気を表現できるよう心掛けています。一方でつまみの絵などは描き込み過ぎず、あえてあっさりと。でもそれでいて、料理そのもののよさが出るように意識しています」

 

最優先するのは、酒場や酒が醸し出す雰囲気。そのため、ストーリーにおける起承転結で盛り上げるよりもゆったりとした展開を重視し、伏線にもあまり重要性をもたせないようにしているそうです。では、マンガを制作する上で苦労されていることは?

 

「酒にもつまみにも、旬や季節感を大切にしています。ただし長く続く連載だと、同じ食材が登場することも珍しくありません。”秋ならさんま”とかね。でも以前と似た展開では面白みに欠けるので、新しい切り口を考えます。ときには安心感のあるマンネリも大事なのですが、そのバランスのなかで、新鮮なネタをうまく盛り込むことが苦労といえば苦労かな」

 

連載開始から27年。インターネットの進化やSNSの登場などで、読者の声を聴く機会がより増えてうれしいと先生は言います。

 

「励みになりますし、読者の声を作品に反映することもあります。例えば、よく冒頭で描く最初の一杯を飲むシーン。僕からするとさんざん描いてきたので、ちょっとマンネリかなと思うこともあるんです。でも、それを求めているという声が多いとわかってからはマンネリを恐れなくなりましたし、むしろ気合を入れて描くようになりました」

 

↑グラスをかたむけるシーンが読者の共感を呼ぶ。(c)ラズウェル細木/日本文芸社

 

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静かでリラックスした雰囲気の酒場が好き

酒場を作品にするには、その魅力を知り尽くしていないと描けないはず。公私ともに数多くの酒場へ足を運んだラズウェル先生に、「いい酒場」の条件を教えてもらいました。

 

「文字や言葉で伝えるのは難しいのですが、これも雰囲気ですかね。入店した瞬間に、直感で当たりはずれがわかるようになりました。あと、個人的にはガヤガヤしていない、静かな酒場が好み。BGMはなくてもいいです。通りの雑踏が聞こえてくるような落ち着いた空間で、しっぽり飲むのが好きですね」

↑『酒のほそ道』でも主人公・岩間宗達が「夕方の街のざわめきが最高のBGM」と語る。(c)ラズウェル細木/日本文芸社

 

ここでも先生が重視するのは雰囲気。つまみや酒が種類豊富でおいしいということよりも、ゆったり気持ちよく飲めることが大事なのだとか。では、これまで行ったなかで思い出に残っている酒場は?

 

「好きな場所のひとつが、大阪の天満(てんま)。飲み屋街としても有名で、朝から営業している店も多いですよね。なかでもよく通っていたのが『但馬屋(たじまや)』。大阪はお客さんもお店の人もフレンドリーでリラックスできる雰囲気にあふれています。大阪に行くたびに、そこの飲み仲間に声をかけ合ってよく集まっていました。名物つまみに「キムチの天ぷら」というオリジナル料理があって、それもすごく好きです。抜群にウマいとか、凝っているとかじゃないんですけど、酒が進むツボを押さえた味わいで。こういう看板メニューがある店も、いい酒場の条件でしょうね」

 

酒場ではひとりよりも、2~3人で飲むことの方が多いとか。とはいえ飲むときは、あくまでしっぽりと。では、どんな飲み方で楽しんでいるのでしょうか?

 

「ビールから飲み始めることが多いですが、一番好きなのは日本酒ですね。つまみで真っ先に注文したいのは刺身。白身や貝類が好きです。また一時期マイブームで、まぐろの山かけをよくつまんでいました。今でも家でたまに作りますよ。仲間との会話は、仕事とかその時々の自分たちの共通の話題よりも、目の前の酒やつまみの話をするのが僕は好きです。また楽しく飲みに行けるようになる日が待ち遠しいですね」

↑『酒のほそ道』では山かけについてのこだわりが語られる「山かけ倶楽部」という話も。(c)ラズウェル細木/日本文芸社

 

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晩酌の献立を考えるとラストスパートの意欲が高まる

ラズウェル先生もやはり、今は家飲み一辺倒。午前中から仕事を始め、以前は22時ごろからが晩酌タイムだったそうですが、最近はやや早め。20時や21時からスタートし、24時前には終わりにしているとのこと。家で飲む酒も、日本酒が多いのでしょうか。

 

「はい、日本酒だったり焼酎だったり。糖質とプリン体ゼロの焼酎ハイボールや、ビール系も家では糖質ゼロの発泡酒がメインで、ワインもちょこちょこ。やっぱり一番飲むのは日本酒で、夏以外は50℃ぐらいの燗にします。焼酎も冬はお湯割りでほっこりと、夏はすっきりとした炭酸割りが多いですね。たまに、ウイスキーやラムをロックでチビチビ嗜んでシメることもありますよ」

↑ラズウェル先生の晩酌【その1】。蛸マリネ・鮭・いぶりがっこチーズとタカラ「焼酎ハイボール」

 

合わせるつまみも、外で飲むときと同様に刺身が多いのだとか。ただし売っている魚に左右されるそうで、家飲みで常備しているのは漬け物だと先生は言います。

 

「どんな味でもいいのですが、家飲みでは漬け物が欠かせません。箸休めでつまみたくなるんです。あと最近ハマッてるのはチキンソテー。というのも、ミートプレスという鉄板の調理器具を買ったんですよ。これで鶏肉を押し付けて焼くとパリパリになるんです。味付けは塩胡椒にハーブを効かせることが多いですね。でも、基本的につまみのレシピは思い付きですよ。スーパーの品や冷蔵庫にある食材をヒントにすることもあれば、ミートプレスのように調理器具ありきで考えることもあります。せいろ蒸しとかね」

↑ミートプレス(写真上)で皮をカリカリに焼いたチキンソテー(写真下)

 

先生がスーパーへ買い物に行く時間は夕方。そこで献立を考えるとともに、その日の仕事のラストスパートへ向けてやる気を起こさせるのだとか。

 

「買い出しは気分転換を兼ねて行くんですけど、ワクワクするんです。これでおいしい酒とつまみを楽しめるよう、今日もあとちょっと頑張ろうってね。晩酌は最高のリラックスなので、最近は気軽に作ることを重視しています。調理に凝り過ぎると疲れちゃうので、一品ずつサッと作って飲んでという感じですね」

↑ラズウェル先生の晩酌【その2】山かけ・汐うに・茄子漬と松竹梅「白壁蔵」〈生酛純米〉

 

先生の趣味のひとつがジャズですが、意外にも飲むときは一切聴かないと言います。その理由は?

 

「ジャズは集中しながら聴きたいので。飲んでいるときに流れてくると『この曲はだれが演奏してるんだっけ?』とかが気になって、どっちつかずになっちゃうんです。飲むときはお酒やつまみに集中したいんですよね。でも不思議なもので、仕事をしているときは別の脳が働くのか、音楽がすごく入ってくるんです。

家で飲むときはテレビで、そのとき流れているニュースや録画したグルメ関係の番組がほとんど。食の情報は仕事の参考にもなりますからね。飲み歩き・食べ歩きの番組も面白いですが、よく観るのはレシピ系。料理を作っているシーンを観ながら飲むのが、けっこう好きなんです」

 

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『酒のほそ道』を読んでより楽しい晩酌を

作品では、酒とつまみの描写やうんちく以上に、雰囲気や飲むことの楽しさを伝えたいと語ってくれたラズウェル先生。ご自身が晩酌をより楽しむために料理番組をよく観ているとのことでしたが、先生のマンガにもよりよい“肴”になる要素があふれています。

 

まずは代表作『酒のほそ道』などラズウェル先生のマンガを読んで、酒場への思いを馳せつつ、家飲みを楽しんでみてはいかがでしょうか!

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・タカラ「焼酎ハイボール」
https://shochu-hiball.jp/https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/jun/

・松竹梅「白壁蔵」〈生酛純米〉
https:/shirakabegura.jp/

ビールでも日本酒でもなく「サワーに辛口」が誕生?!「麒麟特製」が辿り着いた新境地の全貌に迫る!

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9月14日、革新的な商品がデビューした模様。販売数量がリニューアルからわずか1年強で4億本を突破(※1)した「麒麟特製」ブランドから、レモンサワーに次ぐ中核商品として、満を持して送り出された新商品『麒麟特製辛口こだわりサワー』です。

 

最大の特長は、その名の通り“辛口”であること。ビールや日本酒に“辛口”があっても、“辛口”を前面に打ち出した缶チューハイは珍しいでしょう。しかも、今までのサワーにはない、ただ甘くないだけではないうまみの効いた辛口は、食事にもしっかり合う、一杯目から楽しめる味わいになっているとか。

 

ビール党も一度試してみたくなる、サワーの新境地。百聞は一見にしかずで、まずは試しに一杯。さらに開発者へのインタビューとフードペアリングの感想とともに、新体験サワーの正体を明かしていきます。

 

※1:250ml換算(2020年4月リニューアルより2021年6月末の出荷実績)

麒麟特製辛口こだわりサワー

“うまさの源”となる「米うまみエキス」によって、複層的で深みのある新しいうまさを実現。ただスッキリ甘くないだけでなく、しっかりとしたうまみが感じられる辛口サワーだ。

 

今までにない、キリッと辛口でありながら、しっかりうまみが効いている!

↑甘くないプレーンな爽快感ながら、奥深いうまみを感じるアフターテイスト。ほかの缶チューハイにはないおいしさです

 

これまで仕事とプライベートで、あまたの缶チューハイを試飲してきた筆者。そのどれとも似つかない新しい辛口サワーということで、期待を胸に、まずは飲んでみることに。第一印象で感じたのは、これぞ辛口! というキリッとした味わいと、今までにないふくよかで心地よいうまみ。単に辛口・爽快なだけではなく、このうまみがあることで上質感や満足感を感じます。またアルコール9%でありながらカドがなくてスムース、飲み終わりにお酒が心地よく鼻抜けする余韻があることも印象的です。

 

特にアタックの強さに複層的なボディ感があって、正直感激するほどのうまさ! いつもは一杯目はビールが基本なのですが、この辛口サワーなら単体でももちろん、食事とも一緒に楽しめる定番のお酒になりそうな予感です。

 

サワーに新しい味わいの辛口を実現した3つのうまみ

なぜ、こんなに辛口でうまいのか。その秘密を暴くべく、サワーに新しい辛口を実現した張本人を直撃してみることにしました。答えてくれたのは、キリンビール マーケティング本部 マーケティング部の辻次美祐(つじつぐみゆう)さんです。

↑2019年から「麒麟特製」の商品開発を担当している辻次さん。以前は「キリン一番搾り生ビール」を手掛けていて、幅広いカテゴリーの知見をもっています

 

まずは開発経緯から。なぜ辛口に着目し、「麒麟特製」ブランドから発売したのかを、市場のニーズなどにも触れながら教えてもらいました。

 

「現在、RTDready to drink)市場において急成長しているのはレモンサワー。麒麟特製ブランドにおいても、一番の売れ行きとなっています。その一方で、『フレーバーや甘さがなく、お酒のうまさをじっくりと楽しめて、どんな食事にも合うサワーを飲みたい』というお客様も多くいらっしゃいます。そんなお客様をより深く理解していくなかで、既存のレモンサワーは『甘さがあるし、柑橘の味がお酒のうまさを邪魔してしまう』、ドライ系サワーは『嫌なアルコール感があっておいしくなさそう』などの満たされていないニーズがあることを突き止めました」(辻次さん)

 

そこで思い立ったのが、「“辛口”のサワーをつくろう」という着想だったといいます。

 

「甘くなくすっきり飲めるのに、ビールや日本酒にも似た複層的なうまみが楽しめる、サワーに今までなかった味わいの“辛口”にたどり着きました。ただ味がしないだけではなく、しっかりうまみがあるのが“辛口”である、という発見と、キリンの130年以上のお酒づくりの技術を結集してつくる麒麟特製のつくり方なら、高アルコールでも嫌なアルコール感がなく、お酒のうまさを楽しめる味わいがつくれるはず、という思いで開発を進めました」(辻次さん)

 

↑パッケージでは、ブランドの金色に落ち着いたグレーを配して上質な辛口を表現したとか。稲穂のグラフィックも印象的です

 

すでに、“甘くない”テイストをウリとしたドライサワーもありますが、どのような違いがあるのでしょうか?

 

「新発売の『麒麟特製辛口こだわりサワー』は、『米うまみエキス』や、隠し味の『柑橘うまみエキス』『天日塩』などにより、複層的な味わいに仕上がっている点が大きな違いです。ドライと同じすっきりとした後キレの良さもありながら、この複層的なうまみが、キリッとうまい辛口の味わいを実現しています。あらゆる料理にもマッチする自信作です!」(辻次さん)

 

筆者が感じた味の厚みには、今回新採用となった「米うまみエキス」が関係している気がします。詳しく聞くと、米うまみエキスとは、じっくり時間をかけて米を加熱・熟成させ、手間暇かけてうまみを引き出した“熟成によるうまさの源”だと、辻次さんは言います。

 

「辛口なお酒になじむ、上質なうまみをもつ原料を探したなかでたどり着いたのが、お米です。特に日本人にとっては主食ですし、日本酒や米焼酎など、お米を使ったお酒も古くから親しまれていますよね。そこにヒントを得て、『麒麟特製辛口こだわりサワー』に最適なうまみ成分を、手間暇かけながら熟成させて引き出しました」(辻次さん)

↑日本酒や米焼酎のほか、日本では「キリンラガービール」をはじめとする伝統的なビールにも、米が使われています(写真はイメージです)

 

「『麒麟特製辛口こだわりサワー』では、お米を時間をかけて熟成させることで、うまみを存分に引き出して使用しています。これによってビールや日本酒などの醸造酒が持つような、複層的でまろやかなうまみを感じることができるのです」(辻次さん)

 

つくり方を知るほど、このサワーに込めたこだわりがひしひしと伝わってきます。さらに辻次さんは、麒麟特製サワーすべてで使われている特製の「柑橘うまみエキス」、海水を太陽と風の力で結晶化させたこだわりの「天日塩」といった隠し味も、『麒麟特製辛口こだわりサワー』には欠かせない要素だと力を込めます。

 

「米うまみエキスも含めたこれらによって、複層的なうまみとすっきりした味わいをもった『麒麟特製辛口こだわりサワー』は、一緒に召し上がる食事の味を邪魔することなく、引き立ててくれます」(辻次さん)

筆者の直撃に対し、うまさの秘密を説明してくれる辻次さん。『麒麟特製辛口こだわりサワー』のつくり方には、3つもの特許申請中の技術が使われていると話します

 

まったく新しい辛口のうまさで、食シーンでは名バイプレイヤーに

徹底的にこだわり抜いてつくられたからこそ、この甘くないのにうまみを感じられるという新しい辛口サワーは実現できたのでしょう。しかし、食事の味を邪魔せず、むしろおいしさを引き立てるとは本当なのか———『麒麟特製辛口こだわりサワー』は、料理と合わせることでよりその魅力を実感できることを教えてもらいました。そこで筆者も、フードペアリングを実践することに! 比較的味の繊細な和食から、タイプの異なる3品を用意し、本当に食事のおいしさを引き立てるのか、検証してみました。

↑あえて、一般的なサワーと合わせるイメージの弱い、さっぱりとした和食を3品ペアリング。『麒麟特製辛口こだわりサワー』との相性を検証します

 

● 1品目は「冷奴」

発酵食材素材などをのせ、それぞれの素材との相性をチェックします。

↑薬味のほかに梅、きゅうり、なすの漬物をのせ、おかかをかけた冷奴

 

まずは豆腐単体でペアリング。「麒麟特製辛口こだわりサワー」が甘くないので豆腐の凝縮した大豆のうまみをしっかり感じられ、上品に調和します。これはおかかに関しても同様でした。じんわり広がる繊細なダシの風味を、「麒麟特製辛口こだわりサワー」がやさしくキャッチします。

 

酸っぱい梅や、発酵のうまみが効いた漬け物との相性もお見事。この場合は「麒麟特製辛口こだわりサワー」がもつ酸味や複層的なうまみが前面に出て、それぞれに寄り添います。まるで料理の味付けに合わせて個性をアジャストするような、器用な汎用性。また、酒の味が料理を邪魔せず、脇役に徹する名バイプレイヤーっぷりも素晴らしいですね。

 

● 2品目は「寿司」

生魚も繊細な食材の代表格であり、爽快感の強い高アルコールサワーのペアリングとしては苦手なカテゴリーといえるでしょう。果たして『麒麟特製辛口こだわりサワー』はどうマッチするのでしょうか?

↑まぐろ、酢じめのこはだ、えび、ほたてなど、一般的な握り寿司を合わせます

 

寿司には辛口の日本酒や苦味のあるビールなどがよく合いますが、『麒麟特製辛口こだわりサワー』も非常に好相性。厚みのあるボディが魚のうまみや脂と調和し、一方でクリアな爽快感が臭みをカットします。

 

これは3つの隠し味のなせる技でしょう。「米うまみエキス」「柑橘うまみエキス」「天日塩」が各魚のうまみや酢飯の酸味にフィットしながら、素材のおいしさを底上げするのです。寿司ダネは濃い味の漬けまぐろやツメを塗ったあなごなどのほか、もちろん寿司ではないお造りにも合うと思います。

 

● 3品目は「肉じゃが」

肉と野菜を盛り込んだ家庭的な煮込み料理として、肉じゃがをチョイス。甘じょっぱくてダシも香る、今回のなかでは濃い味付けです。

↑野菜はじゃがいものほか、にんじんやいんげんも

 

ジューシーな肉は『麒麟特製辛口こだわりサワー』のキリッとした爽快感ですっきり、野菜に関しても素材のうまみを残しつつ、まろやかなボディがぴったりなじみます。また、甘じょっぱい料理に合わせると『麒麟特製辛口こだわりサワー』が導かれるように調和。やはりこの、臨機応変に対応する万能性には驚きです。

 

また、温かい料理に対する温度のメリハリも絶妙。ストレートな冷涼感で押し流すのではなく、料理の余韻を残しながらすっきりさせる心地よい後口は、隠し味に奥深いうまみをもつ『麒麟特製辛口こだわりサワー』ならではだと実感しました。

 

新しいうまさの「辛口サワー」。今夜の晩酌に楽しんでみては?

「米うまみエキス」「柑橘うまみエキス」「天日塩」という3つの隠し味で、繊細な料理には静かに、濃厚な料理には能動的に寄り添う『麒麟特製辛口こだわりサワー』。まさにグルメな秋にふさわしい、料理をおいしくする辛口のサワーです。

 

上質感のあるグレーを用いたパッケージデザインは、お店の棚でも目立つこと間違いなし。晩酌のお供にするのはもちろん、休日はブランチから。食事とのペアリングを楽しむもよし、単体で「辛口」の新しいうまさを体感するもよし。「サワーに辛口」という新体験を、ぜひ楽しんでみてください。

 

キリン「麒麟特製辛口こだわりサワー」の詳細はこちらから

 

写真/湯浅立志(Y2)

世界一のブドウ栽培の最適地! 日本人がまだ知らない「チリワイン」の魅力と覚えておくべき5産地

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズは、フランスをはじめとする古くから“ワイン大国”として名を馳せる国から、アメリカなどの“ワイン新興国”まで、さまざまな国と産地を取り上げてきました。今回はコストパフォーマンスの高さで人気の「チリワイン」。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
第1回 :フランス
第2回:イタリア
第3回:ドイツ
第4回:オーストラリア
第5回:アメリカ
第6回:ニュージーランド
第7回:日本

 

チリワインを旅する

2015年に、日本における国別の輸入量で長らく不動だったフランスを抜いて、チリワインが第一位になりました。ワイン業界にとって、ワインの家庭内消費が伸び悩んでいることが問題視されてきましたが、その解決の先鞭となったのは、安価で高品質なチリワイン。今ではスーパーマーケットやコンビニの棚にチリワインがないことは考えられず、多くの家庭で気軽にワインが楽しまれていることは、そのことからもうかがえます。

 

チリワインはそのコストパフォーマンスを武器に、いつのまにか日本人にとってもっとも身近なワインになったのかもしれません。けれども、チリワインとは安くておいしいだけが魅力なのでしょうか?

 

歴史的にはアメリカよりも古く16世紀にはペルーからブドウが持ち込まれ、瞬く間に一大産地となったチリは、19世紀にはフランスから穂木が多く持ち込まれ、高品質ワイン造りの取り組みが始まりました。ヨーロッパのブドウ畑を襲ったフィロキセラ禍も独特の地理的条件(東にアンデス山脈、北にアタカマ砂漠、西と南は太平洋と南極海に囲まれている)によって侵入を許さなかったことからフランス、イタリア、スペインから多くの栽培・醸造家が移住し、19世紀末にはヨーロッパ各地の品評会で入賞するようなワインを産み出していたのです。その後は、保護貿易政策や政治的混乱から長い低迷期を過ごしますが、1990年に軍事独裁政権から民主主義へ移行するとともに海外からの投資が盛んになり、現在のワインの高品質化、輸出志向に至ります。

 

チリワインの魅力は安さだけではありません。南北1400kmに渡り多様な気候風土を兼ね備えていること、その多くの産地で豊かな日照条件に恵まれ、フィロキセラの侵入を許さなかったことにより接ぎ木をしていない、世界的にみると希少なブドウ樹が多く栽培されていることなど、その特性は数え上げたらキリがないほどです。チリほどブドウ栽培に適した産地は世界のなかでも珍しいという専門家も多くなってきました。

 

日本人にとってもっとも身近なワイン産地になりつつあるチリですが、その多様な魅力は、まだあまり知られていないように思えます。今回はそんな一端を紹介していきます。

 

1. セントラル・ヴァレー地域マウレ・ヴァレー
2. セントラル・ヴァレー地域マイポ・ヴァレー
3. アコンカグア地域アコンカグア・ヴァレー
4. エルキ・ヴァレー
5. ビオビオ・ヴァレー

 

1. セントラル・ヴァレー地域マウレ・ヴァレー
− チリ最古かつ最大のワイン産地 −

雨の降らないチリのなかでは比較的降雨量があり、古くからワイン生産が行われてきたのが、チリの中央部に位置するマウレ・ヴァレーです。1990年代後半までもっとも広く植えられていたのはチリの地場品種ともいえるパイス種(アルゼンチンのクリオジャ・チカ、カリフォルニアのミッション)でした。16世紀にスペイン人によって持ち込まれ、長らく大衆酒の原料になっていたパイスは、現在でも国内消費向けの箱入りワイン用に広く栽培されています。ただ国際品種の人気の高まり、ワインの高品質化のなかで徐々に栽培面積は減ってきているのが現状です。

 

写真のワインは、19世紀のフランス移民をルーツに持つブション・ファミリー・ワインズがチリの伝統品種であるパイスを復興させようと造り出したワイン。「Salvaje(サルヴァへ)」はスペイン語で“野生”という意味なのですが、文字通りマウレ・ヴァレーの海岸地域に自生しているパイス種のブドウから造られます。ブドウが野生であることを尊重し、天然酵母、ノンフィルターで仕上げられ、チェリーやベリー系のチャーミングな果実、ローズヒップを思わせる複雑さと軽やかさを兼ね備えた魅力的なワインです。

 

チリは世界的に見てもブドウ栽培の最適地のひとつだと考えられますが、伝統品種から高品質ワインを造る試みにより、本当の意味でのチリワインに触れることのできる貴重なワインです。機会があれば、一度試してみてください。チリワインのイメージがガラリと変わることを保証します。

 

Bouchon(ブション)
「Pais Salvaje2018(パイス・サルヴァへ2018)」
2500円

2. セントラル・ヴァレー地域マイポ・ヴァレー
− チリワインの“約束の地”プエンテ・アルト −

マイポ・ヴァレーは首都サンティアゴの南に広がるワイン産地で、首都に近いことから、古くからブルジョワ階級が広大なブドウ畑を所有していたワイン産地です。チリ最大級のワイナリーであるコンチャ・イ・トロもそうした大規模な自作農がルーツであり、所有する9000ヘクタールという広大なブドウ畑から自然と優れた畑が、時間をかけて選別されるようになりました。そしてカベルネ・ソーヴィニヨンにもっとも適した土地として認められたのが、サンティアゴからほど近いプエンテ・アルトです。1987年に初ヴィンテージがリリースされたコンチャ・イ・トロのプレミアムワインである「ドン・メルチョー」をはじめとしてチリを代表するカベルネ・ソーヴィニヨンはすべて、プエンテ・アルトから生まれているのです。

 

「安くて美味しい」というイメージが日本では先行しているチリワインですが、それはなによりチリが、世界を見渡してもブドウ栽培に最適の国であることの証でもあります。安定した地中海性気候のなか、日々豊かな陽光に恵まれ、唯一の欠点は夏に雨が降らないことくらい。アンデス山脈の雪解け水は、古くから農業に利用されてきました。

 

そんなチリの恵まれた環境に、ヨーロッパの歴史と経験が持ち込まれたワインが、写真の「アルマヴィーヴァ」です。ナパ・ヴァレーのオーパス・ワンが、モンダヴィとシャトー・ムートンのジョイント・ベンチャーとして生まれ、カリフォルニアを代表する銘醸ワインに育ちましたが、チリでは1998年にコンチャ・イ・トロとシャトー・ムートンの協力のもと、このワインが生まれました。そしてやはり、ブドウの供給地として選ばれたのは前述のプエンテ・アルト。世界でブドウ栽培に最も適した産地として注目されているチリのなかでも、選び抜かれた“約束の地”の味わいを想像してみてください。ムートンやオーパス・ワンに劣らない、素晴らしいワインを産み出すポテンシャルがチリにはあることを、多くの人に知ってもらいたいと思います。

 

Concha Y Toro&Baron Philippe de Rothschild(コンチャ・イ・トロ&バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド)
「Almaviva2017(アルマヴィーヴァ2017)」
実勢価格2万5000円前後

3. アコンカグア地域アコンカグア・ヴァレー
− 冷涼な沿岸部で生まれるチリ最高のピノ・ノワール −

南北に長いチリのワイン産地の多くは、東西を流れる河川を軸に“〇〇ヴァレー”といった呼び方をされてきました。そこに東西を区切る概念がラベル表記されるようになったのは、2011年のこと。東のアンデス山脈側(Andes)、アンデスと海の間中央部(Entre Cordilleras)、海側(Costa)と分けて考えられるようになったのです。

 

アコンカグア・ヴァレーは首都サンティアゴの北西、アンデス最高峰のアコンカグア山を背景に、海へ流れ込むアコンカグア河流域に広がるワイン産地。19世紀後半に、多くのワイナリーがサンティアゴ周辺に畑を開拓するなか、チリの大手ワイナリーのひとつであるエラスリスは、ここでブドウ栽培を始めました。当時は交通の便も悪く、荒れた土地だったアコンカグアはブドウ栽培に適した土地とは見なされていませんでしたが、エラスリスの創業者ドン・マキシミアーノは、山から海岸に吹き降ろす風と海の空気を河口から吹き上げてアンデスの斜面を冷やす風に目を付け、この地を選びます。

 

現在、海から10数kmまで広がる畑“アコンカグア・コスタ”は、ニュージーランドのマールボロと比較されるほどの冷涼さを持ったワイン産地として知られるようになりました。写真の「ラス・ピサラ」は、アコンカグア・コスタのなかでもとくにピノ・ノワールやシャルドネに向く区画を選び抜き、2014年に初めてリリースされたプレミアムワインです。世界中のさまざまな産地で、ブルゴーニュに匹敵するピノ・ノワールを生み出そうとする機運は高まるばかりで、チリもその例外ではありません。ブルゴーニュ好きの方にも試してみてもらいたいワインのひとつです。

 

Errazuriz(エラスリス)
「Las Pizarras Pinot Noir2015(ラス・ピサラ・ピノ・ノワール2015)」
実勢価格1万3000前後

4. エルキ・ヴァレー
− 北の高地のワイン産地 

歴史のあるチリでも、近年新たに多くのワイン産地が生まれています。エルキ・ヴァレーはセントラル・ヴァレーのはるか北、海抜1000mから2000mという高地でもブドウ栽培がされている、チリでは新しいワイン産地です。もともとは「ピスコ」という蒸留酒用のブドウが栽培されており、ワイン用ブドウには不向きだと考えられていた地域でした。そういった固定観念を覆したのは、イタリア系チリ人とその従兄弟のイタリア人の、情熱と不退転の決意でした。

 

1995年にエルキ・ヴァレーでピスコ用ブドウ栽培を営んでいたアルド・オリヴィエ・グラモラの従兄弟ジョルジオ・フレサティが、観光でエルキ・ヴァレーを訪れたことがすべての始まり。トレンティーノでワインメーカーとして働いていたジョルジオは、ピスコ用のブドウを食べて感動し、滞在初日にワイン造りを決意したといいます。

 

ふたりの行動は迅速でした。1998年にはビーニャ・ファレルニアを設立、ピスコの蒸留所に発酵用タンクを設置することからワイン造りを開始し、2004年にはワインのみの生産に切り替えます。その間、ジョルジオはトレンティーノでの仕事を続け、イタリアとチリで年2回のワイン造りをしていましたが、2009年に完全にチリに移住し、ビーニャ・ファレルニアの仕事に専念するようになります。現在エルキ・ヴァレーは、追随するワイナリーも現れるなかでも、トップ生産者の地位を確固たるものにしています。さまざまな品種を栽培していますが、とくに興味深いのはフランス北ローヌを思わせる深み、奥行きを感じるシラーではないでしょうか。まだまだ発展途上の産地ですが、フランスワインファンの方にも試していただきたい注目産地です。

 

Vina Falernia(ビーニャ・ファレルニア)
「Syrah Gran Reserva2016(シラー・グラン・レゼルヴァ2016)」
2100円

5. ビオビオ・ヴァレー
− チリの南部は大手も進出する新しい産地 

南半球に位置し、南北に長いチリは北にアタカマ砂漠、南にはパタゴニア氷原と、多様な気候風土を持った国であることはすでにお伝えしたとおりです。首都サンティアゴを中心にワイン生産が始まったことから、南北両端はワイン生産にそれほど積極的な地域ではありませんでした。南のイタタ・ヴァレーは歴史こそ長い地域ですが、主に国内消費向けのパイスやモスカテルが植えられてきました。けれどもチリワインの需要が国際的に高まるなかで、大手生産者を中心に、これまで傍流でしかなかった南の産地でも秀逸なワインが続々と生み出されています。

 

写真の「コノスル」は、日本でもスーパーマーケットに行けば必ずと言っていいほど棚に並んでいるブランド。コンセプトがとてもユニークで、「no family tree, no dusty bottle, just quality wine」を掲げている1993年設立の若いワイナリーですが、チリワインの輸出量ではトップ3に入るビッグブランドでもあります。伝統や歴史はなく、あるのは品質の高いワインのみというコンセプトの通り、コノスルの存在は今まで家庭消費が極端に少なかった日本の消費動向すら変えてしまいました。つまり、チリワインのリーズナブルで美味しいというイメージを日本人に植え付けたのは、コノスルの影響によるところが大きかったと考えられます。

 

とはいえ、コノスルも1000円以下のワインだけを造っているわけではなく、チリのグランクリュ、プエンテ・アルトのカベルネ・ソーヴィニヨンから”シレンシオ“というプレミアムワインまで造っています。そして魅力的なのがチリのさまざまな地域でブドウ栽培を進めるコノスルのシングルヴィンヤード・シリーズ。適地適品種を探る中で、冷涼なビオビオ・ヴァレーでリースリングまで成功させているのです。そしてもちろんリーズナブル。ほんの少しの贅沢というときに、コノスルの安定感はどこまでも安心させられます。

 

Conosur(コノスル)
「Single Vineyard Riesling2019(シングル・ヴィンヤード・リースリング2019)」
実勢価格2000円前後

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

特別醸造“エール”で“エール”を送る!「COEDO MATSURI YELL PROJECT」第3弾は秩父夜祭

クラフトビールメーカー のCOEDO(コエド)は、新型コロナウイルスの感染拡大により延期が続いている「秩父夜祭」を応援し、復活を祈念する、「秩父夜祭エールプロジェクト」を始動します。​

 

「COEDO MATSURI YELL PROJECT」は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府要請を受け、全国のお祭りが延期となっている事を受け、2月15日から「川越まつり」支援を開始し、東北、秩父夜祭と、日本各地のお祭りを応援するプロジェクト。お祭り復活に向けてYELLを送るべく、ビールの売上の一部(1本あたり20円)を、お祭りの主催者に寄付しています。

 

「秩父夜祭エール」は、埼玉県秩父市のブルワリー「秩父麦酒(BEAR MEET BEER)」とのコラボレーション醸造により、両者の知見を合わせて、より磨きのかかった「祭エール-Matsuri Ale-」を予定しています。秩父麦酒が使用する醸造設備は、かつてコエドブルワリーが使用していたもので、現在は秩父麦酒が活用しているほか、両者共通の愛好家の主催で、富士山に登り山頂にて共に乾杯するなど、縁のあるブルワリー同士でもあります。

 

このような縁が収れんする形で実り、今回のコラボレーションが実現。秩父夜祭エールでは、従来の祭エール-Matsuri Ale-の流れを汲んで、埼玉県秩父市産の米をビールの原材料として使用し、すっきりとした飲み口に。明るい淡い黄金色とクリーンな苦味、ヨーロッパ伝統のノーブルホップの柔らかいアロマにより、バランスの取れた仕上がりを目指すとしています。

 

ラベルは「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(あの花)の秩父夜祭をモチーフにしたデザインとなっており、同作公開から10周年という節目の本年を、「秩父夜祭エールプロジェクト」とのコラボレーションで彩ります。

 

価格は税抜398円。10月8日より、秩父市内の酒販店をはじめとする小売店や市内の観光施設、COEDO ONLINE SHOPなどでの販売を予定しています。

 

秩父夜祭は秩父地方の総鎮守「秩父神社」の例大祭ということもあり、秩父夜祭エールは完成後、秩父神社に奉納される予定です。

「氷結」が変えた缶チューハイの歴史とは?20周年で進化した最新作もレポ

レモンサワーブームが根強い昨今、缶チューハイも様々な新作が登場して盛り上がっています。商品の栄枯盛衰も激しい中、ロングセラーのひとつが「キリン氷結」。2001年7月の誕生から今年で20周年ということで、その歩みを実飲レビューとともに紐解いていきます。

↑20周年を迎えた「キリン氷結」(350mlで156円)。今春、5年ぶりに大幅刷新したという進化も飲み比べてレポートします

 

「キリン氷結」の登場が斬新だったのは味だけじゃない

「キリン氷結」が誕⽣した2001年は、まだビールの新ジャンル(第3のビール)がなかった時代。かたや缶チューハイはどうだったかというと、いまほど商品数は多くなく、チューハイは居酒屋を中⼼に⼈気を伸ばしていました。

 

⽸チューハイが盛り上がっていなかった理由のひとつが、「クセがあって飲みにくい」「味が⼈⼯的」というイメージです。そこでキリンは当時の市場になかった、「果実のみずみずしい⾹味が豊かでスッキリ飲みやすい、新しいアルコール飲料」を⽬指したのです。

 

それを実現させるために採用したのが、果汁本来の⾹味を閉じ込める氷点凍結。搾った果汁を凍結することで雑味を抑え、果汁本来のみずみずしいおいしさを閉じ込める製法です。

↑オフィシャルサイトより

 

そして氷点凍結をいっそう生かすために考えられたのが、クリアウオッカの利用。それまでの主流は焼酎ベースでつくるチューハイでしたが、「キリン氷結」では雑味やクセを極限まで取り除いたクリアウオッカを利⽤することで、果汁本来の味が引き立ち、爽快でスッキリとした飲みやすさを実現させました。

↑どちらにも国内産ウオッカが使用されています。スペックも新旧ともに同じ

 

「キリン氷結」が世を驚かせたのは味だけではありませんでした。パッケージデザインです。⼤きな特徴は、開栓⾳とともに表⾯にダイヤ形式の凸凹が現れる「ダイヤカット⽸」。商品名からもイメージされる氷の冷たさを、このダイヤ形式の凹凸と、ブルー×シルバーの直線的デザインで体現しています。

 

その狙いは、調査内で女性の声として挙がっていた「⽸チューハイの購入を⼈に⾒られるのが恥ずかしい」を払拭するというもの。“出張帰りの⼥性が新幹線で飲んでも恥ずかしくないチューハイ”をテーマに、若い⼥性も買いたくなる現代的で爽やかなデザインが考案されました。

↑2019年に「ダイヤカット⽸」は⽴体商標として登録。容器の形状だけでブランドを認識できることが認められました

 

スッキリ飲みやすい味の新提案と、飲み手のすそ野を広げた画期的なデザイン。この価値創出により、発売後約10⽇で100万ケースを突破する⼤ヒットを記録。初年度の⽬標400万ケースを⼤きく突破する611万ケースを売り上げ、「キリン氷結」は缶チューハイを牽引する存在になったのです(ケースは250ml換算)。

 

味の様々な要素が全体的にひと回りアップ

昨年は過去最⾼売上を更新。しかもこの2021年1~4⽉で歴代最⾼売上を更新し、さらなる成⻑を続けています。その中でより高みを目指しリニューアルされた「キリン氷結」、新旧を飲み比べて進化の度合いを明らかにします。

↑写真左がひとつ前のモデル、右が最新版

 

リニューアルのポイントとして着目したのは、持ち味である氷点凍結果汁。この果実感を向上させることで、搾りたての果実特有のみずみずしさと、スッキリした飲みやすいおいしさがいっそう豊かになったとのこと。

↑まずはこちらから

 

飲んでみると、旧作とはいえ抜群においしいです。ブライトな酸味と、心地よく広がるフレッシュな香り。甘みはほのかで、わざとらしい感じがありません。総じてすがすがしく、キリッした印象があります。

↑そして新作を飲んで違いを探ります

 

なるほど! 味の方向性は同じですが、レモンフレーバー、香り、コク深さ、爽快感などが全体的にひとまわりアップしています。香りの華やぎがあるのでファーストタッチのボリュームがあって、アフターの余韻もしっかりめ。それでいてしつこさはなく、キリッとした飲み口も良好。スペックは同じでも、5年ぶりの大幅進化を確かに感じられました。

 

飲みごたえもしっかりしているので、氷をたっぷり入れても味が薄まりづらいはず。これからの季節は、グラスごとキンキンに冷やして暑さを吹き飛ばしましょう。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

「おうちキャンプ」を大充実させる家電&グッズ/お酒/調味料etc.グルメな逸品集めてみました

思うように外出できない昨今、密かにブームなのが、アウトドアの開放感と 自宅の快適性を兼ね備えた「おうちキャンプ」だ。リビングやベランダ、庭で過ごす ひとときを楽しく演出する厳選アイテムを、「食」をテーマに紹介する。

 

【PART.01】家電&グッズ

<その①>魔法びんで培われた保温力で 本格的な燻製を手作り

THERMOS
保温燻製器イージースモーカー(POP-002)
1万6500円

セラミックス鍋と魔法びん構造の保温容器がセットになった燻製ツール。鍋に食材とチップを入れて加熱し、火から下ろしたら鍋ごと保温容器に入れるだけ。加熱時間が短く煙が少ない。

 

<その②>日本の伝統文化を取り入れた 火鉢型のカセットコンロ

Sengoku Aladdin
ポータブル ガス カセットコンロ
ヒバリン
1万7600円

火鉢と七輪を掛け合わせたカセットコンロ。安定感のあるゴトクを備え、鍋やケトルをのせられる。付属の焼き網と輻射プレートをセットすれば、直火だとすぐ焦げてしまう食材にもじっくり火を通せる。

 

<その③>ポップなカラーとデザインが テーブルを華やかに彩る

Sengoku Aladdin
ポータブル ガス ホットプレート
プチパン
1万8700円

食卓に彩りを添える、ポップなカラーリングで人気。バーナーをU字型に配し、高火力で食材をムラなく温める。焼き調理用のプレートのほか、2種類の料理を同時調理できる仕切り付きの鍋用プレートも付属。


↑たこ焼きやベビーカステラ作りを楽しめる「えくぼプレート」は別売り(2750円)。小容量のアヒージョを作るのにも重宝する

 

<その④>透明ポットの中に湧き出る コーヒーに心が躍る

 LOGOS
見える! エスプレッソ メーカー
4950円

屋外用バーナーやガスコンロなど、直火で使えるエスプレッソメーカー。ポットが透明で、コーヒーが湧き出る瞬間を見て楽しめる。抽出できるコーヒーは最大約300・。粉の量を調節すればドリップコーヒーも淹れられる。

 

<その⑤>日常に上質な時間をもたらす英国発のミニマルな茶器セット

Matchaeologist
Matcha Brewing Kit
9570円

抹茶の文化や歴史に魅了された創業者が、英国で立ち上げた抹茶ブランド。京都に拠点を置き、厳選した手摘みの茶葉を使った抹茶を揃える。初心者には手吹きグラスの茶碗と長尺茶筅、茶杓とのセットがオススメ。

 

【PART.02】お酒

黒ラベルとヱビスの 技術を注ぎ込んだ自信作

サッポロビール
GOLD STAR
参考価格141円

発売1か月で100万ケースを出荷した大ヒット商品がリニューアル。黒ラベルの旨さ長持ち麦芽とヱビスの香り高いホップを増量し、理想のうまさを追求した。

※本商品はビールではありません。リキュール(発泡性)②の商品です。
※黒ラベルの麦芽とヱビスのホップは一部使用です。

 

新製法による うまみ麦汁を使った 麦のうまみあふれる逸品

サッポロビール
麦とホップ
参考価格141円

新製法の「うまみ麦汁製法」を採用した新ジャンル。時間をかけてじっくり濾過した麦汁を使い、麦のうまみがあふれる、ビールに近い飲み応えを実現。

※本商品はビールではありません。リキュール(発泡性)②の商品です。

 

PART.03】調味料

 

QuestP’age
バカまぶし
各840円

キャンプ芸人としてブレイク中のバイきんぐ・西村瑞樹さんが、12種以上のスパイスを厳選しブレンドした万能調味料。スパイスを炙ることで、香ばしさとパリパリ食感も楽しめる。

 

アドリアーノ・グロソリ
バルサミコクリーム
1242円

煮詰める手間を省き、最初から濃度を付けているクリームタイプのバルサミコ。濃厚な甘味と酸味が食材の風味に奥行きを与える。アイスクリームやクレープなどスイーツにもよく合う。

 

カルディコーヒーファーム
オリジナル
食べるガラムマサラ
415円

トマトの酸味とたまねぎやカシューナッツの甘味に多彩なスパイスが絡むエスニックソース。肉や魚に合わせるほか、ごはんやパンと一緒に食べても美味。

おうちが和バルと化す衝撃の味!「和がさね酎ハイ」がはんなりスパイシー

缶チューハイ市場が盛り上がる中、個性的な手法で展開しているのがアサヒビールの広口ボトル缶シリーズです。その新作「アサヒ 和がさね酎ハイ」がかなり個性的だったので、特徴などをレポートしていきましょう。

↑左から「アサヒ 和がさね酎ハイ国産ゆず生姜」「アサヒ 和がさね酎ハイ国産田熊すだち和山椒」。400mlボトル缶で税込199円、全国の酒類取扱いのファミリーマートで7月13日から発売されています

 

アサヒの個性派ボトル缶チューハイの第3弾

アサヒビールが展開してきたボトル缶シリーズには、400mlの広口ボトル缶×個性的でプレミアムな味×コンビニで発売(その後一般発売されたブランドも)という共通点があります。第1弾は2020年春にデビューした「アサヒ ザ・レモンクラフト」、第2弾は2021年春限定発売となった「アサヒ月庵(げつあん)緑茶割り」。

↑「アサヒ ザ・レモンクラフト」。写真の極上レモンとグリーンレモンのほか、今年は青い地中海レモンもコンビニ限定発売されています(すべてコンビニ価格は400mlボトル缶で税込199円)

 

こんなに香るチューハイは初めて! 「レモンクラフト」のラグジュアリーな生搾り感に驚いた

 

↑「アサヒ月庵緑茶割り」。こちらも400mlボトル缶で税込199円です

 

“プレミアム茶割り”と言いたいリッチな味。香るボトルの「アサヒ月庵 緑茶割り」がセブン-イレブンから限定発売

 

続く第3弾が今回の「アサヒ 和がさね酎ハイ」。まず、黒をベースとした和風のデザインからして個性的です。しかも和柑橘に加えて日本的なスパイスも使っている、というのもポイント。一つずつ、スペックなどを深掘りしましょう。

↑国産100%のゆずと、生姜がフレーバーの中心となっています。アルコールは5%

 

「アサヒ 和がさね酎ハイ国産ゆず生姜」は、程よい甘みの中にもゆず特有の渋味、苦みが味わえる大人仕立て。生姜ならではの甘くスパイシーな香りが、ゆずの爽やかな香りを引き立てる仕上がりになっています。

↑こちらもアルコールは5%。メインの素材には高知県産の「田熊すだち」が100%、そして和山椒がキーフレーバーです

 

「アサヒ 和がさね酎ハイ国産田熊すだち和山椒」は、“幻の柑橘”とも呼ばれる希少な「田熊すだち」を使用。さらに「田熊すだち」と同じミカン科である、和山椒を漬け込んだスピリッツで個性的な味わいに。

↑ボトルキャップには「目利きの皆さま、お待たせしました。」の文言。黒いベースカラーといい、随所に大人な印象が漂います

 

アサヒビールによると、開発背景にはコロナ禍の外出自粛による「こだわり商品の需要増」「国産品を買って日本を応援したいという機運」「スパイス人気の拡大」に着目したとのこと。味わいに関しては、スパイスがどのように効いているのかが気になるところ。飲んで確かめてみます。

 

 

想像以上にトガッてるけど好きな人はハマる味

アサヒビールの今年最大のヒット商品といえば、売れすぎて4月20日の発売初日に一時出荷停止となった「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」でしょう。あのボリューミーでシルキーな泡は中身ではなく缶内面に設けた凹凸部が関係していますが、つまりパッケージの開発にも優れた技術をもっているということです。その一端が、このボトル缶にも。

↑ボトルに広口タイプを採用しているのには理由があります

 

回りくどい説明となりましたが、何が言いたいかというと、飲み手のことを考えた設計になっているということ。口が広いため、ボトルから直接飲んだ際に、缶内部の香りが鼻孔に多く流れやすいのです。これが飲み手にとって、おいしさとなって伝わるというわけです。

 

本稿では色味を伝えるため、グラスに注いで撮影していますが、グラスに注がなくても豊かな香りを最大限に享受できるのは、広口ボトルならではでしょう。ということで、まずは「アサヒ 和がさね酎ハイ国産ゆず生姜」からひと口。

↑色はナチュラル。香りは確かにボリューミーで、普通のゆずチューハイより個性を感じます

 

飲んでみると、落ち着いたボトルデザインからは想像できない攻めた味に驚かされました。舌先から鼻にまで届く、ピリっとした刺激。これはまさに生姜です。例えるなら、普通のジンジャーエールと、アサヒ飲料「ウィルキンソン ジンジャエール 辛口」の違い。あのエッジの効いた辛みに似たインパクトがあり、甘さは控えめ。そのうえで、ゆずがあたたかみのある柑橘感をプラス。はんなりした側面もありながら実にスパイシーで、飲みごたえがあります。

↑こちらもナチュラルな色味。すだち特有のシャープな香りがいい感じ

 

「アサヒ 和がさね酎ハイ国産田熊すだち和山椒」は、辛さは前述「アサヒ 和がさね酎ハイ国産ゆず生姜」よりおとなしめ。その一方香りは鮮烈で、こちらもはっきりとした個性の強さを感じます。和山椒の滋味深く青々としたフレーバーに、芯のあるすだちの柑橘感。甘さはより控えめな印象で、余韻はすっきりとしたクリアな味わいです。

↑アサヒビールの資料にあったペアリング例。ぜひ参考に、おうち飲みの充実を

 

個人的には、崩し割烹、おしゃれ系焼鳥、和バルなどの技アリ和食店で提供される生搾りサワーのような方向性だと思いました。この意欲作を全国のファミリーマートで発売するとは、その挑戦にもアサヒビールの自信を感じますが、これは好きな人は確実にハマる味。辛口ジンジャーエールやクラフトコーラなど、スパイシーなドリンクが好きな大人はぜひ試してみてください。

 

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5000円のビールに応募殺到!名ウイスキー「山崎」原酒樽で熟成させた「特別プレモル」の裏側

「ザ・プレミアム・モルツ」には「マスターズドリーム」という最高峰ブランドがありますが、そのなかでも特別な限定ビールがあることをご存知でしょうか。それは、名ウイスキー「山崎」の原酒樽で熟成させた希少品。

 

↑「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉2021」。今年は2000本限定、1本5000円で抽選販売されました(応募期間は終了)

 

本稿ではこの希少ビールの特徴を、開発者インタビューを交えながら紹介します。

 

 

今年で5年目。最初は1000本限定だった

「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉」最大の特徴は、世界的に高い評価を受けるサントリーのシングルモルトウイスキー「山崎」に使用した木樽で熟成させること。これによって「山崎」の魅力である、やわらかく華やかな香り、甘くなめらかな味わいをまとったビールに。筆者も以前飲んだことがあります。

 

↑以前飲んだ2018年版。詳細なテイストまでは覚えていませんが、樽香由来の甘やかさを感じる、きわめてリッチな味だったと記憶しています

 

本商品が最初に世に放たれたのは、2016年のこと。樽熟成の工程を経るため、商品化される本数に限りがあり、初年度は限定1000本を応募の形で当選者にプレゼント。翌2017年も1000本が抽選プレゼントとなりました。

 

2018年は「マスターズドリーム」の定期便の申し込み者全員への贈答に加え、限定100本が抽選プレゼント。さらにこの年は、樽生が丸の内にある「MASTER’S DREAM HOUSE」で数量限定販売されました。

 

↑「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉2018」で採用された樽がこちら

 

2019年は醸造されなかったものの、2020年は再開し抽選販売が開始。4500円の販売形式となったにもかかわらず、想定を大きく超える応募が集まりました。背景には、コロナ禍によって家飲みが重視されたこと、外食や旅行で贅沢できないぶんが家飲みに反映されたことなどが関係していると考えられます。

 

そしていまだ続くステイホームな日々。今年は7月6日から8月10日までを応募期間として抽選販売されましたが、昨年を上回る応募が。限定という希少性もさることながら、多くの人が求める理由には「〈山崎原酒樽熟成〉」という魅惑的な味わいがあります。

 

狙った味わいは“満ち溢れる余韻と重厚な香り”

筆者自身、開発背景や製法に関しては大いに気になるところ。そこで、ブランドマネージャーの亀井雅俊さんにアンケート形式でインタビューを行いました。まずは、味わいについて。造る年によって変化はあるのでしょうか?

 

↑サントリービール「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」のブランドマネージャーの亀井雅俊さん

 

「スペックなどに変更はありません。ただし木樽は一つひとつ個性が違いますので、かすかな変化が生じます。この個性を生かしつつ、魅力を最大限引き出した味わいに仕上げています。基本的には樽の状態を確認しながら熟成の温度などを厳密に管理するとともに、ブレンドした際の調和感をイメージ。狙った味わいの実現に向けて中味を設計しています」(亀井さん)

 

↑今年の発売用に使われた「山崎」の原酒樽と、同社醸造家の岡島高穂さん。原木の詳細は答えられないものの、狙いの香味を実現するために最適な樽を選定しているとのこと

 

サントリーのシングルモルトには京都の南西・天王山のふもとで生み出される「山崎」のほか、山梨の南アルプス・甲斐駒ヶ岳のふもとで蒸溜される「白州」があります。本商品の熟成樽には「山崎」が用いられていますが、その理由も聞きました。

 

「開発時に複数の樽で試醸したところ、山崎原酒樽が狙いの“満ち溢れる余韻と重厚な香り”を実現できたことが一番の理由です。なお、熟成期間は開示できないのですが、場所は『マスターズドリーム』などを醸造している武蔵野ビール工場内で熟成を行っています」(亀井さん)

 

↑筆者が以前訪れた武蔵野ビール工場にて

 

今年の応募期間は終了しましたが、ほぼ毎年醸造されているので来年も期待したいところ。最後に、本商品に対する想いや今後の展望も聞きました。

 

「『ザ・プレミアム・モルツ』や『〈香る〉エール〉』は“日常の中で愉しむビール”。『マスターズドリーム』は“特別な時間を愉しむビール”だと思います。そのうえで、『マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉』は年に一度しか造れないビールでもありますので、ゆっくりじっくりと味わっていただけたら。今後について現時点で具体的に決まっていることはありませんが、ブランド価値向上に資する取り組みを幅広く検討してまいります。これからも『マスターズドリーム』にご期待ください!」(亀井さん)

 

本稿で初めて「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉」のことを知った人もいることでしょう。ビール好きはもちろん、ウイスキーファンの人もぜひ公式サイトなどをチェックしてみてください。

 

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ほどよい甘みと酸味、レモン感を味わえる、宝酒造の寶「極上レモンサワー」<とことん沖縄塩レモン>

宝酒造は、寶「極上レモンサワー」<とことん沖縄塩レモン>を、9月21日に全国で発売します。数量限定で、参考小売価格は196円(税込)です。

 

寶「極上レモンサワー」は、名店のレモンサワーの味わいを参考に、焼酎とレモンにこだわったレモンサワーシリーズ。

 

ベースのアルコールは、味わい深い独自の「樽貯蔵熟成焼酎」などの厳選した宝焼酎を、フレーバーごとに最適な種類・比率でブレンドしています。また、さまざまなレモン素材を活用することで、レモンの複雑で本格的な果実感を実現しているとのこと。

 

これに加えて、プリン体ゼロ、甘味料ゼロに仕上がっており、健康意識の高いユーザーニーズにも応えられるとしています。

 

寶「極上レモンサワー」<とことん沖縄塩レモン>は、大阪・梅田で人気のチューハイ専門店「ウメダチューハイ35」が監修した、沖縄素材にこだわったレモンサワーです。同店の看板メニュー「沖縄塩レモンサワー」は、宝焼酎「純」の35度と沖縄の塩で漬け込んだ国産レモンのシロップを使用。この沖縄塩レモンサワーをベースに、沖縄産ヒラミレモン(シークヮーサー)と泡盛を加えることで、ほどよい甘みと酸味、沖縄の塩で引き立つレモン感を楽しめる味わいにしたといいます。

 

アルコール分は6%。また、ラインアップは350ml缶のみとなっています。

「落語」と「酒」の美味しい関係の噺——お酒大好き! 料理も得意! 実力派・橘家文蔵が選ぶお酒が楽しくなる落語4選

落語を語る上で外せない存在である「酒」。長屋住まいの庶民からお殿様まで、古典落語には酒にまつわる人情噺・滑稽噺がたくさんあります。

登場人物描写を丁寧に描くことで落語ファンからも一目を置かれている三代目・橘家文蔵師匠に落語と酒にまつわる歴史から、普段のお酒の飲み方まで幅広くお伺いしました。

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です。

 

●橘家文蔵  1962年、東京都江戸川区小岩の生まれ。86年、二代目橘家文蔵に入門。88年「かな文」の名をもらい前座となる。90年、二つ目に昇進して「文吾」と改名。2001年「橘家文左衛門」として真打昇進。2003年からBS笑点大喜利、笑点Jr.のレギュラーメンバーを務める。2004年、彩の国落語大賞殊勲賞受賞。 2016年9月21日三代目「橘家文蔵」を襲名

 

切っても切れない「落語」と「酒」

江戸時代に生まれ、師匠から弟子へと受け継がれてきた落語。『芝浜』『寿限無(じゅげむ)』『まんじゅうこわい』など一度は耳にしたことのある演目もあるでしょう。

古典落語では、間抜けな登場人物たちが珍道中を繰り広げる滑稽噺から、うるっと泣かせる人情噺まで、個性あふれる数百もの演目が現代に語り継がれています。

撮影:武田洋輔

 

そんな落語にはたびたび「酒」が登場します。酒好きな父と息子が禁酒の約束を交わすもついつい一口と飲み始めてしまう『親子酒』、家臣の飲酒が禁じられている藩で、どうしてもお酒を藩士に届けたい酒屋とそれを阻止する(没収して自分で飲んでしまう)役人の攻防がおもしろおかしく描かれる『禁酒番屋』など、今も昔も変わらぬお酒の楽しさを感じさせてくれます。

 

しかし、江戸時代の酒は高価で贅沢な品物でした。そのため、庶民は濁り酒や日本酒を水で薄めて飲んでいたと言われています。現代の私たちがイメージする日本酒を飲めるのは、お祝いの席やお通夜など特別な時だったのだとか。落語の中ではどんなお酒が飲まれているのでしょうか? 文蔵師匠に伺いました。

 

「古典落語の中で“酒”というと、ほとんどが日本酒でしょうね。今のような日本酒が全てというわけではなく、水で薄めた安酒だったり、濁ったどぶろくのような酒、焼酎なんかが出てくる噺もあります。『長屋の花見』という貧乏長屋連中が花見にきたら酒じゃなく番茶を飲まされてガッカリするなんて噺もあるくらいなので、本当の酒好きが多かった時代なんでしょう。

落語にも酒を飲む仕草がたくさんでてきます。盃で酒を飲む殿様に対して、庶民は湯呑みで飲んでいたり、久々の酒だからとチビチビ飲む人もいれば、水のようにゴクゴクと飲み干したり。一言に“酒”といっても落語家たちも演目に合わせて様々な表現をしているので、登場人物たちが、季節や舞台によってどんな酒の飲み方をしているのか注目するのも面白いですよ」

↑お話をしながらお酒を飲む所作をする文蔵師匠。無いはずの湯飲みが見えてきます!

 

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江戸時代のお酒事情の噺

 

橘家文蔵師匠が選ぶ、お酒を飲むのが楽しくなる落語4選

撮影:武田洋輔

 

落語と酒の関係を伺ったところで、さっそく文蔵師匠にお酒を飲むのが楽しくなる落語を4つ選んでいただきました。

 

「試し酒」

5升飲んでも酔わない酒豪がいると聞かされ、本当に飲めるのか実際に飲み合って確かめようと賭け合いをするお話。飲み交わしていくうちにどんどん酔っ払っていく様子が面白い。

「単調な噺なんですけど、それだけにリズム・押し引き等が難しい噺です。他の登場人物のリアクションを交ぜながら、酒豪の飲みっぷりを演じる噺です。いや~難しい(笑)」(文蔵)

 

「寄合酒」

若い衆が集まって酒を飲もう! 料理を作ろう! と盛り上がるも、失敗続きでなかなか酒に辿り着けないお話。個性豊かな登場人物と酒のつまみが次々と出てきて、どんちゃん騒ぎの賑やかな演目だ。

「この噺は、一文無しの若い連中が色んな工夫で酒の肴を調達して来る、2018年にヒットした映画『万引き家族』みたいな噺です(笑)。伸縮出来る便利な落語なので、よく寄席でも演じています」(文蔵)

 

「青菜」

お屋敷に訪れた植木屋。休憩中にその屋敷の旦那と雑談しているうちに“隠し言葉”を教えてもらう。この言葉に憧れて家でもやってみようとするが……というお話。みりんと焼酎を半々に割った『柳蔭(やなぎかげ)』(上方での呼称、江戸では本直し)というお酒が出てくるのにも注目したい。

「炎天下、屋敷の縁側に腰掛け庭を眺めながら冷酒(柳蔭)を飲んでいる旦那様の優雅な佇まいを職人(植木屋)が『俺もやってみよう』と、女房を巻き込んでのドタバタ劇。静かな始まり→ドタバタコントが演じ甲斐のある噺です」(文蔵)

 

「猫の災難」

お隣に住む猫が病気になりその見舞いにと貰った「鯛」をめぐるお話。鯛の頭と尻尾しか貰っていなかったので、どう言い訳しようかと苦戦する熊さんとそれを責める兄貴とのやりとりが痛快だ。

「『たまの休日なんだから昼間っから酒を飲みたい。ただ飲みたい』ってだけの願望で兄弟分にあれこれ頼み、見事にベロンベロンになっちゃう無責任な野郎の噺。酒飲みのいい加減な所が私に通ずるので大好きな噺です(笑)」(文蔵)

 

【酒噺オススメ記事はコチラ】

蕎麦屋で粋に一献“蕎麦屋飲み”の噺

 

「落語家」と「酒」の美味しい関係

撮影:武田洋輔

 

ここからは普段からお酒が大好き! という文蔵師匠にお酒のお話を伺っていきます。

文蔵師匠のTwitterを覗いてみると美味しそうな料理とお酒が投稿されています。普段はどんな飲み方をされているのでしょうか?

 

「もう朝起きた時から、『今日は何を飲もうかな? どの肴をあてようか?』ってず〜っと考えているんですよ(笑)。飲むところから逆算して1日のスケジュールを考えていますから。

スーパーに行ってその時安いもの、食べたいものを選んでチャチャチャっと適当に酒の肴を作るのが好きなんです。

お酒は、焼酎が多いかな。普段よく飲んでいるのは、焼酎の蕎麦茶割り。蕎麦屋でよく蕎麦湯割りを頼んでいたんですけど、『蕎麦茶も合うよ、健康にいいし』なんて教えてもらって一気に好きになってしまって。家でも蕎麦の実から自分で蕎麦茶を煎じて飲むほどに。

普段は甲類焼酎だけど、麹まで蕎麦でつくった『十割(とわり)』というそば焼酎があるというので、今度、十割(じゅうわり)蕎麦茶割りも試してみたいなあ」

 

取材時も「今夜は日本酒を冷蔵庫で冷やしているから」とうれしそうに語ってくれました。

毎日の晩酌が楽しみという文蔵師匠に修行時代のお酒との関わり方についても伺いました。

 

「落語家って前座修行中は、お酒が基本NGなんですよ。うちの師匠は下戸だったから酒なんてもってのほか! って人でした。ま、隠れて飲んでいましたけど(笑)。なので、うちの弟子たちには『隠れて飲むくらいなら飲んでもいいよ、でも粗相のないように』と言っています。でもね、あいつらは粗相だらけですね(笑)。旅先なんかで弟子たちと飲み始めると無礼講になっちゃうんですよ。今は時代的にそういうのが難しいですけど、『おいおい! 師匠が弟子の酒つくってるぞ〜』って弟子から指差されて笑われたりね、まあ酒の席って楽しいですよね」

 

お酒の思い出話を笑顔で語ってくれた文蔵師匠。いいお酒を飲むだけでなく、旨い肴と気の合う仲間との空間があってこそ、美味しいお酒になるのだと感じました。そんな文蔵師匠の独断で選ぶ、好きなお酒と美味しい肴のペアリングもお伺いしてみました。

 

「初めて『美味しいな〜』と思ったお酒は日本酒ですね。そこから焼酎とかも飲むようになって、今はコレと決めずに、色々な酒をその日の気分で楽しんでいます。

家に帰ってすぐ飲みたい時には缶ビールを買いますし、暑い時期なんかは、甘くない缶チューハイもいいですよね〜。気がついたら3缶くらい空いてて、そのままゴロンですよ。

甲類焼酎だと昔から「純」とかですかね。 この前はブレンド茶で割って、肴には「カツオの豆板醤和え(写真)」を。ほんとうまかったですね〜。ついつい飲みすぎちゃいました」

↑文蔵師匠お手製の「カツオの豆板醤和え」。サクで買ってきたカツオを食べやすい大きさに切り、だし醤油と豆板醤、好きな薬味で和えたもの。鶯谷の寿司屋の大将から教えてもらったレシピなんだとか

 

 

「あと芋焼酎も結構好きですが、全量芋焼酎の『一刻者』は、水で割るのがもったいない。だからストレートで、チェイサーと一緒にチビチビと。これには豚のブロック肉を買って調理する角煮とかぴったりでしょう」

 

好きなお酒を飲みながら落語に耳を傾ける……。江戸時代へタイムスリップした気分で、現代のうまいお酒を味わえば、心地よく酔えること間違いなしです。早速、涼しい夕暮れ時など、好みのお酒を用意して、落語飲みを試してみませんか?

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎 「純」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/jun/

・全量芋焼酎 「一刻者(いっこもん)」
https://www.ikkomon.jp/

・そば焼酎「 十割(とわり)」
https://www.takarashuzo.co.jp/kodawarigura/towari/

夏の夕涼みに「べランピング×ゴールドスター」の黄金コンビはどう?暑さを吹き飛ばす「おつまみ」を添えて

晩夏から初秋へ。夜は徐々に長くなり、帳(とばり)が下りる時刻になると涼しさを感じる日も。このどこかはかなくムーディーな時間を、まったり過ごすのにオススメなのがベランダ飲み。そして、そんなチルタイムをいっそう上質にしてくれるお酒が「ゴールドスター」です。

 

それはなぜかーー。本稿では試飲やフードペアリングとともに「ゴールドスター」が最適解である理由に触れながら、ベランダでの過ごし方を提案します。

 

 

二大名作ビールのDNAを受け継いだ新ジャンル

まずは改めて「ゴールドスター」を紹介。最大の特徴は、日本のビールが誇る二大名作のDNAを受け継いだ新ジャンルであるということ。ひとつは「黒ラベル」の「旨さ長持ち麦芽」。もうひとつのDNAは、「ヱビス」の「ドイツ産アロマホップ」。「ゴールドスター」の力強く飲み飽きないうまさは、この麦芽とホップによって実現されています(黒ラベルの麦芽とヱビスのホップは一部使用)。

 

↑「ゴールドスター」はシンボルの星や商品名の書体にも、「黒ラベル」と「ヱビス」のデザインが用いられています。詳しくは公式サイトへ。なお本商品はビールではありません。リキュール(発泡性)②の商品となります

 

ベランピングやベランダ飲みを快適にしてくれるアイテムも紹介します。あるとオススメなのは、座面が低いリクライニングタイプのチェアや小型のアウトドアテーブル。暑い日は、チェイサーにもなる水やハンディ扇風機があるといいでしょう。

 

「ゴールドスター」が辛い料理に合う理由を実践解説

ここからはベランダで「ゴールドスター」を晩酌しながら、この時季にオススメなフードペアリングを紹介。今回は“残暑を吹き飛ばす”をテーマに、辛い味にしぼってみました。1品目は、飲みの序盤でもラストでも、オールタイムで重宝するフライド唐辛子。

 

↑花椒(ホアジャオ)の粒が入ったタイプや、ナッツ入りの商品もよく売っています

 

唐辛子をそのまま使ったストレートな辛さと、揚げたことによるパンチのあるコクがヤミツキに。十分な刺激があるものの、「ゴールドスター」の力強い麦の旨みとホップの爽やかな苦み、華やかな香りが包み込みつつさらりとリセット。止まらない組み合わせです。

 

辛さに加えて濃厚さも求めるなら、花椒のシビれが効いた四川麻婆豆腐がオススメ。シビれの辛さが定着したいまは、コンビニやデリバリーでも気軽にゲットできます。

 

↑お好みでラー油や豆板醤、ネギなどを加えてどうぞ

 

ペアリングの方向性はフライド唐辛子と似ていますが、麻婆豆腐の肉汁やとろみによるパワフルなテクスチャーを、「ゴールドスター」の豊かなコクとフレッシュな爽快感がしっかりキャッチ&リリース。ほかに、タンドリーチキンやチョリソーなどの辛い肉料理もよく合うと思います。

 

そしてシメもやはり辛い系で。今回は担担麺をセレクトしました。辛さとともにゴマたっぷりの芝麻醤(チーマージャン)によるコクや甘みがあり、こちらも濃厚なテイストです。

 

↑辛い麺料理としては、すっかり定番の担担麺。冷凍食品などで気軽に買えます

 

辛さや塩味のほか、甘みや酸味といった複層的な要素が絡み合う担担麺。このふくよかなテイストに、「ゴールドスター」のパワフルなコクと華やかな香り、鼻に抜ける上品な余韻が調和。また香辛料の刺激をすっきりカットし、次のひと口へといざないます。アラビアータパスタやカレー、ピビンパなどの辛いシメ全般に合うでしょう。

 

 

つまみを選ばず、晩酌を上質なものにしてくれる

今回は辛い料理とのペアリングでしたが、旨み、香り、苦味、爽快感などのバランスがよく、繊細な料理とも合う汎用性の高さが「ゴールドスター」の魅力です。また、オフホワイト×金色のパッケージはきわめてエレガント。つまみを選ばず、晩酌を上質なものにしてくれる「ゴールドスター」は夕涼みやチルタイムの一本にぴったりなのです。

 

名作ビールのDNAを受け継ぐ「ゴールドスター」ですが、今回GetNaviチームで特集しているもうひとつの新ジャンル「麦とホップ」も、ビール好きからこよなく愛されるロングセラー。凝縮した麦の濃い旨みが最大の特徴で、屋外やベランダ飲みでも抜群の飲みごたえを約束してくれます。

 

どちらの新ジャンルも、在宅勤務を終えた後の一杯もいいですし、休日の夕方から一杯というのもオススメ。なお、より暑さや辛さを吹き飛ばすためにおいしく楽しむコツは、できるだけ冷やすこと。ぜひキンキンな状態で、心地よい“ドンシャリ感”をお楽しみください。

 

 

写真/中田 悟

 

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夏の夜、よく冷やして味わいたい! 超さわやかな「フルーツのお酒」おすすめ3選

お酒が苦手な人のなかには、「アルコールのツンとする香りが嫌だ」ということも多いはず。そんな方におすすめなのが、フルーツを使ったお酒です。爽やかかつ果汁感がたっぷりで、よく冷やして飲めば今の季節の晩酌にぴったりですよ。今回は、まるでもぎたての果実を味わっているかのような、3つの製品を紹介します!

 

目次

 


甘酸っぱいイチゴがとろ~り食感


カネッラ ロッシーニ・カンドンガ

高品質スパークリングワインの生産者として知られる、イタリア・カネッラ社のスパークリングカクテル。イタリア南部・バジリカータ州で作られた高級いちご「カンドンガ」を使用しています。「カンドンガ」はあまりの美味しさ、美しさのため、現地では「エリクサー(万能薬)」と呼ばれているとのこと。これを収穫してすぐにピューレにしているため、鮮度は抜群。フレッシュないちごの香りと甘酸っぱさ、スパークリングワインの果実味がマッチし、口当たりの柔らかなカクテルに仕上がっています。アルコール度が5%と低いため、お酒が苦手な方にもオススメ。

【詳細情報】
内容量:750ml

 


国産みかん100%! 濃厚だけど後味さっぱり


中埜酒造 國盛 みかんのお酒

果汁率は80%で、国産みかんを100%使用。果汁感たっぷりでやわらかな甘みと酸味のバランスが良く、濃厚ながらさっぱりとした後味が特徴です。果実本来の香りと味わいを楽しめるよう、酸味料・香料は不使用。アルコール度は7%で、飲み方は定番のストレート、ロック、ソーダ割りなどがオススメ。購入者からは「おいしすぎて飲み過ぎちゃう」との声が多数。みかん好きの方はぜひお試しあれ!

【詳細情報】
内容量:720ml×2本

 


柚子の香り広がる甘さすっきりワイン


サントネージュ 柚子ワイン

高知県産の柚子を100%使用したフルーツワイン。柚子のみずみずしさと爽やかな香りが感じられ、すっきりした甘さで飲みやすい一品となっています。香料・着色料無添加で作られていて、柚子の豊かで自然な香りを邪魔していないのも魅力。購入者からは「かなりフルーティ」「口に含むとスゥーと柚子の芳醇な香りが広がって実に爽やか」との声が。よく冷やして食前酒として飲むのがオススメですが、ゼリーにしたり、ホットにしたりしても美味しそうですね。

【詳細情報】
内容量:500ml

 

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人気のタカラ「焼酎ハイボール」<大衆酒場の赤しそ割り>が通年で販売へ

宝酒造は、タカラ「焼酎ハイボール」<大衆酒場の赤しそ割り>を通年商品として、9月14日から全国で発売します。ラインアップは350ml缶と500ml缶をそろえ、それぞれ参考小売価格は350ml缶が155円(税込)、500ml缶が210円(税込)です。

 

タカラ「焼酎ハイボール」は、チューハイの語源にもなったと言われる、昭和20年代後半の東京下町の大衆居酒屋で生まれた、焼酎ハイボールの味わいを追求した辛口チューハイ。宝焼酎をベースにしたアルコール分7%の飲みごたえと、キレ味爽快で辛口の味わいに加え、プリン体や甘味料をゼロにしていることで、チューハイユーザーはもちろん、健康意識の高い人にも支持されているそうです。

 

<大衆酒場の赤しそ割り>は、これまで数量限定で販売していましたが、好評のために今回通年商品として発売。東京下町の大衆酒場で人気の「赤しそ割り」をイメージしたチューハイです。糖質80%オフなうえに、赤しその爽やかな酸味と香りを楽しめるとのこと。

 

また、宝酒造は、タカラ「焼酎ハイボール」<ライム>をリニューアル。新たに糖質ゼロにして、9月中旬以降に順次全国で発売します。ラインアップは、350ml缶と500ml缶をそろえ、それぞれ参考小売価格は350ml缶が155円(税込)、500ml缶が210円(税込)です。

 

 

<ライム>は、さわやかな香りとさっぱりした酸味が特徴のチューハイ。今回、ユーザーの健康意識の高まりと要望に応えた形で、従来の糖質80%オフから糖質ゼロにリニューアルし、よりすっきりとした味わいに仕上げたとのこと。

「麦とホップ」が紹介してる「#推しツマ」って知ってる?試してみたら激ウマレシピだらけでした。

長引く自粛生活で、すっかり定着した家飲み。一方で面白い調査結果があります。お酒のオンラインストア「KURAND(クランド)」が自社のメルマガ会員へ今夏行ったアンケートによると、「家飲みの悩みとして当てはまるものとして近いものがあればお選びください。(複数回答可)」に対する回答の1位は「おつまみがマンネリ化」49.3%でした(2位は「一人で飲み切れない」29.4%)。

 

この結果には筆者も激しく同意しますが、であればぜひ多くの家飲み難民に活用していただきたいコンテンツがあります。それが「麦とホップ」が紹介する「#推しツマ」という簡単おつまみレシピ。

 

↑「#推しツマ」のトップページ。「麦とホップ」の公式Twitterアカウントから日々発信される「#推しツマ」から、厳選された40以上のレシピが公式サイトで公開中

 

「#推しツマ」には、簡単に作れる激ウマつまみレシピがザクザク。何を隠そう、筆者もかなり助けられているひとりです。本稿ではそのなかから実際に試し、特にいまの時季にオススメだと思う料理をレポートしていきます。

 

 

濃厚&スパイシーな料理に「麦とホップ」の力強いうまみがマッチ

「#推しツマ」の内容はバラエティに富んでいて、肉、魚、野菜、炭水化物と幅広いのはもちろん、前菜からメインにシメまでしっかりカバーされています。

 

↑「#推しツマ」のレシピはどれも超簡単。写真の「#16 ちゃちゃっとバンバンジー」のように、火を使うことなく仕上げられるものもたくさんあります

 

今回はこの汎用性の高さをお伝えするべく、いくつか試したなかから3つのつまみをご紹介。まずは前菜として、「#16 ちゃちゃっとバンバンジー」をプッシュします。

 

↑「#16 ちゃちゃっとバンバンジー」はサラダチキン缶に、ゴマドレッシング、豆板醤、ラー油、サラダチキン缶の汁少量を混ぜたものをかけるだけ。千切りきゅうりはあってもなくてもOKです

 

もしサラダチキンの缶詰が店に売ってなければ、普通のサラダチキンをほぐせば代用可能。そして、味のほうも抜群。ゴマドレのコク深さと甘酸っぱさに辛みがフィットして、シンプルなサラダチキンがパンチの効いたご馳走に。合わせるのはもちろん「麦とホップ」。新採用の「うまみ麦汁製法」による凝縮した麦のコクが濃厚なタレの味にマッチし、さらにホップの苦味と爽快なキレが、辛さをすっきりリセットします。

 

↑「麦とホップ」は泡もクリーミーで安定のおいしさ! つまみとのおいしいループが止まりません

 

調理手順が単純なので、だれが作っても失敗した味にならないのが「#推しツマ」のいいところ。次の「#08 カレーケチャップソーセージ」はその最たるもので、失敗しようがありません。レシピはアルミホイルを敷いたトースターで、焦げ目がつくまでソーセージを焼き、ケチャップとカレー粉をかけるだけ。唯一ポイントがあるとすれば、焦げ過ぎに注意するだけです。

 

↑「#08 カレーケチャップソーセージ」。ビールとソーセージの本場・ドイツでは、この料理を「カリーブルスト」と言い、大定番のひとつです

 

甘酸っぱいケチャップに、スパイシーなカレー粉はつまみのマンネリ打破にもうってつけで、シンプルなソーセージのおいしさに刺激のフックがプラス。マスタードと違うエスニックな辛さは、いまの季節的にも最高です。そして、ソーセージとビール類の相性のよさは言わずもがな。「麦とホップ」も、もちろんドンピシャのおいしさです。

 

↑「#08 カレーケチャップソーセージ」のジューシーな肉汁や甘酸っぱくピリッとした味付けを、どっしり&スカッとした「麦とホップ」が受け止めます

 

深い飲みごたえと調和する爽快感も「麦とホップ」の魅力

本稿最後の「#推しツマ」は、シメの一品として「#38 鯖缶ポン酢そうめん」を提案。そうめんを茹でて冷やし、水気を切ったら皿に盛り、さば缶、ポン酢、ネギを加えて完成です。麺が細く茹で時間が短くて済むのも、そうめんつまみのナイスなところ。

 

↑「#38 鯖缶ポン酢そうめん」。ガチなシメにするならサバ缶の汁を多めにして、サラッとエンディングへ。少なくすれば、冷菜つまみとしてもいっそう活躍してくれます

 

「麦とホップ」の持ち味は麦のうまみですが、この力強い飲みごたえと調和する爽快感も魅力。繊細なテイストの料理と合わせても、素材本来の味を邪魔せずに寄り添ってくれる懐の広さがあり、「#38 鯖缶ポン酢そうめん」ともナイスなフィーリング。

 

↑のどごし爽やかな「麦とホップ」が、ポン酢そうめんのさっぱりした味をよりおいしく格上げしてくれます

 

シメ向けの「#推しツマ」レシピは、そうめんだけでも「#39 フライパンでぶっかけそうめん」「#41 そうめんパエリア」など、ほかにもウマそうな料理が豊富。残暑にそうめんを使い切るためのレシピとしても活用してはいかがでしょう。

 

↑「#推しツマ」に一番合うのは当然「麦とホップ」。至福のペアリングをお試しあれ

 

なお、より手軽に「#推しツマ」を楽しむなら、同コンテンツ内にある「あの店の#推しツマ」を参考に。身近にあるスーパーマーケットや食料品ストアなどの店の一押し品を紹介した内容になっています。惣菜や乾きものなど、こちらも幅広い内容なので、近所の「あの店の#推しツマ」を要チェック。

 

↑黒ラベルの麦芽とヱビスのホップから生まれた新ジャンル「ゴールドスター」も、「麦とホップ」同様万能なおいしさです。さまざまな「#推しツマ」と合わせて楽しんでみてください

 

今回紹介した「#推しツマ」は、40以上あるレシピのほんの一部。上記「#08 カレーケチャップソーセージ」のようにアウトドアで活躍してくれそうな一品や、秋冬に特にオススメなホット系料理などもあるので、つまみのマンネリ化を感じている人は、Twitterアカウントをフォローしてチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

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「こくまろカレー」と「金麦」のコンボが「夏秋のカレー」に最高でした。

夏こそ余計にウマさを感じる食べ物といえばカレー、そして飲み物といえばビール類でしょう。そんなドンピシャのペアリングを企業コラボで推奨するキャンペーンが開催されました。サントリービールとハウス食品による「絶対もらえる! 夏のあいあいカレー皿キャンペーン」です(キャンペーンはすでに終了)。

 

↑ビール類新ジャンル「金麦」や「こくまろカレー」「ジャワカレー」を対象に、カレー皿をはじめ様々な景品がもらえる、または当たるキャンペーン。8月16日まで開催されていました

 

本稿では「こくまろカレー」で作ったカレーと「金麦」の相性が抜群だったので、そのレポートをお届けしましょう。

 

夏の「金麦」は爽やか仕立て

最初に興味深いデータをひとつ。食卓でのカレーと同時に出てくる飲み物は、アルコールならビール類の同時出現率が最も高いということ。ちなみに、ソフトドリンクを含めるとビール類は3位で、1位は麦茶、2位は緑茶類(煎茶、番茶を含む)だそう。最近はレモンサワーやハイボールも人気ですが、なんだかんだ言って、やはりビール類は国民的なお酒だということでしょう。

 

そのうえで、なぜ「金麦」はカレーに合うのか。この理由は「金麦」ならではの特性にありました。ひとつは長年、食卓をテーマに料理と合うおいしさを追求してきたから。もうひとつは、旬の食材や料理と合わせて楽しんでもらえるよう、季節に合わせて味を変えているからです。

 

↑「夏の味できました」に注目。写真の赤い「金麦〈ザ・ラガー〉」はたまたま書いてないパッケージでしたが、“夏の味”はちゃんと造られています

 

では、夏はどんな味わいの特徴になっているのでしょうか。一言でいうなら、「爽やか」仕立て。カレーをはじめとしたスパイシーな香りの料理、力強い味わいの夏野菜によく合うテイストになっているのです。

 

つまりは、爽やかな夏の「金麦」だからこその今回のキャンペーン。「ぜひ『こくまろカレー』や『ジャワカレー』と合わせてください!」ということなのです。

 

もちろん、ただペアリングを推奨するだけではなく、ハウス食品では「金麦によくあう夏のおいしいカレーレシピ」を公式サイトで公開。数あるなかから筆者は「和香るキーマカレー2021」を参考に作ってみました。

 

↑用意したのはこれらの食材。なすやみょうがといった夏野菜、かつお節のダシを効かせていることなどがポイントです

 

スパイスの複雑な味にビール類の苦味や爽快感がマッチ

味のベースとなる「こくまろカレー」は超が付くほどおなじみのブランドですが、大きな特徴は商品名そのものと言っていいでしょう。「あめ色玉ねぎのコクのルウ」と「生クリームのまろやかルウ」、2つのルウをブレンドしており、甘みやうまみ、スパイス感が口いっぱいに広がる、コク深いカレーが簡単に作れます。

 

↑細かいレシピは割愛。詳細は「金麦によくあう夏のおいしいカレーレシピ」サイトを参照ください

 

↑おいしく作るコツのひとつが、なすは別に炒めておき、最後に合わせること。これによってなすのうまみが際立つとともに、色味もビビッドに仕上がります

 

今回作った「和香るキーマカレー2021」は白米のほか、冷たいそうめんにかけてもおいしいとのことで、ますます夏らしいそうめんで盛り付け。つまみにするにも、飲みのラストにツルッとシメるにももってこいです。

 

↑ひき肉がゴロゴロ、どろどろとしたテクスチャーを演出するキーマ。つまみには最高のカレーだと個人的には思います

 

いざ完成。さっそく「金麦」と合わせてみると、麦のうまみとホップの香りや苦味、シャープなキレなどがバランスよく調和し、確かに爽快感も心地いいです。

 

↑そもそも、夏に飲むビール類は格別!

 

そして「和香るキーマカレー2021」は、ダシが「こくまろカレー」特有のうまみをさらに奥深くし、やさしいニュアンスもプラス。爽快な「金麦」がスパイスと調和しながらも、力強いキレで後味はすっきり。おいしい循環が続くナイスペアリングです。

 

↑食べて飲んでを繰り返し、あっという間にペロり

 

別途行われた説明会では、各社の担当者が「なぜビール類にカレーが合うのか」といった質問にも言及。それはまず、カレーが口の中に入れてから飲み込むまでの間に劇的に変化する料理だから。うまみ、甘み、コク、マイルド感、辛みや香りといった様々な味が駆け巡り、なかでもスパイスの多様的で複雑な味を、ビール類のうまみや苦味、炭酸の刺激が受け止めつつリセットさせてくれる。だからビール類がオススメなのだそうです。

 

 

なお、時季的には秋の金麦も登場しますが、その特徴は「まろやか」な仕立て。そう、まろやかなカレーといえばまさに「こくまろカレー」なので、秋になってもぜひ「金麦」とカレーのペアリングをお試しあれ。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

バイきんぐ西村&ゲットナビ編集部が「麦とホップ」と「GOLD STAR」で楽しむ「おうちキャンプ」を提案!

サッポロビールの新ジャンル、「麦とホップ」と「GOLD STAR」が、さらにおいしく進化した。これらを存分に楽しみたいなら「おうちキャンプ」で間違いない。キャンプ好き芸人のバイきんぐ・西村瑞樹さんと本誌アウトドア担当の鈴木がそれぞれのスタイルを提案する!

 


バイきんぐ 西村瑞樹さん
「キングオブコント2012」を制したコンビ「バイきんぐ」のボケ担当。無類のキャンプ好きとして知られる。

 

本誌編集部員 鈴木翔子

お酒があれば1週間風呂なしテント生活も平気なアウトドア&フード担当。夫とキャンピングカーでの日本一周が夢。

 

【今回紹介する商品】

飲み比べもあり!「おうちキャンプ」をさらに楽しめる2つのビール

サッポロビール

麦とホップ」「GOLD STAR

 

【「おうちキャンプ」を彩るビール その1】

サッポロビール
麦とホップ

発売から14年目を迎えた新ジャンル界の大定番。愛飲者の約7割が3年以上飲み続けているなど、根強いファンが多いロングセラー商品ながら、絶えず進化を続ける。今春、麦のうまみがより凝縮された麦汁を使う「うまみ麦汁製法」を新採用した。

「麦とホップ」をクロスレビュー!

麦の味わいが強く ビール好きにはたまらない!

「麦の味が強く、昔ながらのビールが好きな僕にドンピシャ! “これで良い”じゃなく“これが良い”と選びたくなるうまさで、新ジャンルのレベルの高さを実感できますよ」(西村さん)

重厚な飲み応えで 一本でも満足感たっぷり!

「麦芽由来の重さと厚みがあり、一本でも十分な満足感が得られます。苦味の余韻も適度で心地良いです。新ジャンルは気が進まないと敬遠している人にこそ試してほしい!」(鈴木)

 

西村さんのおうちキャンプスタイルを紹介!

部屋の湿度やBGMなど空間演出にこだわってます

ガチキャンパーはおうちキャンプなんてしないと思われがちですが、僕は結構やっていますよ。もちろんイスやテーブルはキャンプギアを使いますし、山の中の雰囲気を出すために室温を下げたり、オオカミの遠吠えの音を流したり、空間演出に力を入れるのが西村流です。

食事はキャンプの醍醐味のひとつですが、あまり深く料理について考えることはありません。というのも「麦とホップ」は何にでも合っちゃうから。味の良さだけでなく、そんな懐の深さもイイんです。(西村さん)

【KEYITEM】

LODGE
スキレット
10 1/4インチ

アメリカのナンバーワン鋳鉄調理器具メーカーの鍋。蓄熱性能が高く、食材に熱がムラなく伝わる。工場出荷時に大豆油で慣らし済みのため、購入後に湯で洗うだけですぐ使用可能だ。

<LODGEスキレットでできる お手軽キャンプめし>
海鮮アヒージョ

スキレットにオリーブ油とにんにく、鷹の爪を入れて熱し、火が通ったら海鮮を中心に好みの食材を入れる。食材に火が通ったら塩こしょうで味を整えて完成。簡単に本格的な味に仕上がり、食卓映えするのが魅力だ。

 

【西村さんのおうちキャンプのITEM(画像をタップすると拡大写真と説明が表示)】

 

【「おうちキャンプ」を彩るビール その2】

サッポロビール
GOLD STAR

「黒ラベル」の「旨さ長持ち麦芽」と、「ヱビス」の「ドイツ産アロマホップ」を一部使用した新ジャンル。ビールの伝統製法を用い、飲み応えや飲み飽きない後味を実現した。昨年誕生した新星で、今年、麦芽とホップを増量して味にさらなる磨きをかけた。

「GOLD STAR」をクロスレビュー!

うまみとコクはあっても ビールとは違う独自のうまさ

「二大ブランドを継いだサラブレッドでありながら、良い意味でビールとは違う独自のおいしさで、いわば“新・新ジャンル”。うまみとコクはあっても、クセがなく飲みやすいです!」(鈴木)

ライトな口当たりなのに 飲み応えがあるのが不思議!

「口当たりはライトで飲みやすいのに、ちゃんと飲み応えがあるのが不思議。暑い夏に飲んだり、昼間から楽しんだりするのにピッタリですね。ビールが苦手な人にもオススメ!」(西村さん)

 

編集部・鈴木のおうちキャンプスタイルを紹介!

キャンピングカーのなかで 非日常なひとときを満喫!

キャンピングカーでは、ギアもインテリアのひとつとして並べたままにしておけるので、片付ける手間がないのが魅力。おかげで、思い立ったらすぐにキャンプ気分を味わえます。常備するアイテムも自ずとアウトドアギアばかりになりますね。

おうちキャンプでは、準備しているときからお酒を楽しんで、じっくりと非日常感を高めるのが好き。飲み疲れすることのない「GOLD STAR」はピッタリです。定番のつまみはもちろん、ホットサンドなどの食事にもよく合います!(鈴木)

【KEYITEM】

SOTO
トーストサンドパン

食材を挟んで焼くだけでホットサンドを作れる調理器具。フックを外すと上皿と下皿が分離し、1枚のフライパンとしても使える。キズやサビに強い窒化加工済みで、IHにも対応。

<SOTOトーストサンドパンでできるお手軽キャンプめし>

味玉ホットサンド

味付き玉子と、ほぐしたサラダチキン、千切りにしたキャベツを食パンにのせ、味付き玉子のつゆを少しかけてからサンドして加熱。お好みでのりやマヨネーズ、七味唐辛子を入れても美味! コンビニ食材だけで作れるのがポイントだ。

 

【本誌編集部員 鈴木のおうちキャンプのITEM(画像をタップすると拡大写真と説明が表示)】

 

 

6缶パックの内面に「当たり」マークが出たらプレゼント!

バイきんぐ西村さんオススメの「LODGE スキレット10 1/4インチ」と、本誌編集部員オススメの「SOTO トーストサンドパン」を、合計2000名にプレゼントするキャンペーンを実施中。「麦とホップ」と「GOLD ST AR」の6缶パックの内面に「当たり」マークがあれば当選。ハガキに必要事項を明記のうえ応募しよう。

 

2021年 8月31日(火)数量限定発売
当選ハガキ受付締切 2021年11月1日(月)
●当日消印有効

(撮影/福永仲秋(ANZ) 取材協力/woolsey)

 

提供:サッポロビール

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転

ワインもついに「糖質オフ」の時代へ! 「おいしいワイン。糖質オフ」を試飲したGetNavi web編集長も大絶賛

Sponsored by Suntory Wine International

サントリーから今年大注目の新商品ワインが出た。「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ(※1)」(以下、おいしいワイン。糖質オフ)だ。

 

コロナ禍の健康意識の高まりで注目も集まる糖質オフ商品だが、これがいよいよワインのジャンルにまで波及。しかも、「国内ワイン市場売上容量No.1(※2)」の「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」シリーズから出るのだから、今後、市場が激変する可能性は極めて高い。

 

本記事では、GetNavi web編集長の山田佑樹が糖質オフ系商品のトレンドを紹介したうえで、本商品にガッチリハマる人を分析。自身も緩いロカボ生活を続けており、糖質制限生活者の目線も踏まえながら解説していく。

 

↑8月24日に新発売の「おいしいワイン。糖質オフ」。糖質を30%オフにしたワインで、赤・白をそろえ、アルコール度数は10%となっている。ラインアップは、写真の720mlのほか、1.8Lの紙パックもある

 

サントリー
「酸化防⽌剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ」の詳細はこちら

 

※1 「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。(赤)」「同(白)」の平均値との比較 ※2 インテージSRI+調べ 国内ワイン市場2020年8月~2021年7月販売容量(全国SM/CVS/酒DS/ホームセンター/ドラッグストア/一般酒店/業務用酒店計)

 

“身体を気遣えるワイン”という新たな選択肢

本論に入る前に、機能性アルコール飲料全体をめぐる状況を簡単に説明したい。

 

↑もともと糖質がゼロであるウイスキー/焼酎商品は除いた、機能性を打ち出したサントリーの商品群

 

上の図はサントリーのビール/新ジャンル/チューハイ商品のうち、糖質ゼロや糖質オフ、糖類ゼロのラインナップを一覧にしたものである。ユーザー側は、飲みたいお酒をシーンや身体の状況と相談して、選んで飲める環境が構築されている。

 

ただしワインだけは事情が異なり、他社も含めて糖質オフまで踏み込んだ商品はほとんどない。それだけに、「おいしいワイン。糖質オフ」が今回加わることで、消費者は“身体を気遣えるワイン”という選択肢を手に入れることができるのだ。

 

ワインという新たな選択肢が食の選択肢も増やす

もう少し選択肢の話に触れたい。

 

 

上の表は大まかに、一般的な1杯目と2杯目の選択肢を並べたものである。この表を見て、2杯目の選択肢がマンネリになっていると思った人もいるのではないだろうか。

 

私の場合で言えば、昨年から糖質を適度に制限するロカボ生活を続けていることもあって、糖質の少ないお酒を選ぶようになった。ワインにはある程度の糖質が含まれるので、ビール類やハイボールを1杯目に選択することが多くなったし、食べるものも夕食は豆腐料理が極端に増えた。そうすると、お酒の選択肢もワインというよりは機能性ビールやハイボールに寄りがちになり、2杯目以降も同じものを、という惰性の選択が増えてしまう。

 

ここで、「おいしいワイン。糖質オフ」という選択肢があると、状況はかなり変わる。糖質を気にせず飲めるからワインという選択肢が生まれ、合わせる食事のバラエティも一気に豊富になる。

 

1杯目は機能性ビールやハイボールを飲み、2杯目は「おいしいワイン。糖質オフ」というパターンがオススメだ。いつもは惰性の2杯目が、積極的に選んだ2杯目になる。要は、「おいしいワイン。糖質オフ」という選択肢があることで、糖質制限生活において、食事の選択肢も変わり、食卓に広がりが出るのだ。

 

↑健康意識が高まっているこのご時世、アルコールの選択肢が増える「おいしいワイン。糖質オフ」は非常にうれしい! 糖質を気にしてためらっていたワイン購入が、この商品のおかげで前向きになれる

 

編集長とフードアナリストによるクロスレビュー

ここまで「おいしいワイン。糖質オフ」が持つ独自のポジショニングから話を進めてきたが、最も肝心なのは味である。多くの人は「糖質オフ=味が犠牲になる」という印象があるはずだ。

 

では、「おいしいワイン。糖質オフ」はどうか?

 

端的に言うと、しっかり飲みごたえを感じられるおいしいワインである。というか、私のように一般的な味覚レベルであれば、糖質がオフになっていることには気づかないはずだ。糖質制限をしている人なら、これが最適解。少なくとも、私にとってのデイリーワインはこれで決まりだ。

 

↑糖質制限生活を続けている編集長の山田。試飲してみると「これはすごい! 物足りなさ、チープさは皆無でしっかりおいしい」とコメント

 

これはオフしている糖質を「30%」に留めている点が大きい。サントリーの担当者によると、それ以上糖質をオフにすると果実感が弱まり、味わいのバランスが悪くなるという。糖質オフだけを目的とするなら、30%以上にすれば良いが、そこはワインに対して並々ならぬこだわりとノウハウがあるサントリー。絶対譲れないポイントとして、30%オフで総合力を高めているという形だ。

 

味に驚いたところで、ここからはいくつかペアリングした感想を述べていこう。いつもGetNavi webでお酒がテーマの記事を執筆するフードアナリスト・中山秀明さんとのダブルインプレッションで、一般人目線とプロ目線での評価をお届けする。

 

↑GetNavi webでお酒から料理、調理家電まで食にまつわるさまざまな記事を執筆するフードアナリストの中山さん。「おいしいワイン。糖質オフ」を試飲したところ、「特に香りの豊かさがしっかりしたコクにつながっている」と言及

 

スッキリとした味わいの白は、料理をおいしくしてくれる一本

・ペアリング1:「白」×前菜

↑前菜には野菜スティックを用意

 

・ペアリング2:「白」×魚

↑メイン料理はサーモンのムニエルをペアリング

 

「おいしいワイン。糖質オフ」の白で私が感じたのは、味わいがスッキリとした辛口であるため料理にすこぶる合うという点だ。スティック野菜では野菜の繊細な甘みを邪魔することなく、おいしさを引き立てる。魚も同様で、サーモンのうまみや香ばしさを感じさせながら、ほどよくリセットし、また次のひと口が食べたくなる。

 

「糖質オフというのも関係しているのか、確かに甘さが少ないドライなおいしさがありますね。しかしながら、香りは十分。また洋梨のようなフルーティさがあって、心地いい余韻です。ペアリングしてみると、野菜スティックは野菜の青々とした苦味までもしっかり引き立て、ムニエルはサーモンの甘みやバターのコクが、ワインの爽快さでより鮮明になる印象です。料理をおいしくしてくれる一本だと思います!」(中山さん)

 

しっかりとした味わいの料理と相性のいい、ミディアムボディの赤

・ペアリング3:「赤」×前菜

↑赤に合わせた前菜は、砂肝をメインにしたアヒージョ

 

・ペアリング4:「赤」×肉

↑メインには、ローストビーフをオージュソース(肉と野菜でだしをとったソース)とともに

 

「おいしいワイン。糖質オフ」の赤も非常によくできている! 甘さが控えめで、ほどよい渋味の効いたミディアムボディに仕上がっているため、料理との相性の幅が広い。アヒージョのようにオイルを効果的に使った、しっかりした味わいの料理や、今回の砂肝をはじめ鶏肉のなかでも食感やうまみが豊かな部位にはドンピシャだ。

 

「果実味がボリューミーで、香りからしていいですね。赤いベリー系や、桃のようなブライトでやわらかなニュアンスを感じます。飲み口はほどよくまろやかでいて、しつこさはなくスムース。今回のような肉料理はもちろん、和食ならソースを使う粉ものや、照りのある煮込みにタレ系の焼き物に合わせるのもいいでしょう。料理全般でおいしさを味わえるはずです」(中山さん)

 

なお、赤白の共通点としては、「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」のシリーズだけあり、酸化防止剤が無添加のナチュラルなおいしさが挙げられる。さらに、スクリューキャップタイプで保管が容易。1.8Lもラインナップしているので、ストックにも重宝するなどと、糖質オフ以外の機能面にも優れた商品なのだ。

 

料理の選択肢拡大⇒食事が楽しい⇒生活に彩りが出る

最後は少し抽象的な内容で締めたい。

 

コロナ禍以降の生活は、外出・外食を控えるなど、制限の時代だ。個人的なことで言えば、コロナ禍で激太りしたこともあって糖質制限をしたので、平日は食べるものや飲むものにも制限がかかった。

 

それを取り戻すために、週末は少し豪勢な食事にしたり、たまにはお取り寄せをしてみたりする。ただ、そうすると平日との落差が大きすぎて、平日の味が余計似たものに感じる状態に陥ることもある。

 

まあ実際は、おうち家電を充実したり、お風呂アイテムを採り入れたり、それなりに工夫はしていたが、この1年半を振り返ると彩りに欠けていたのは変わらないと思う。

 

そんな中で、「おいしいワイン。糖質オフ」は糖質こそ制限(=オフ)しながらも、選択肢は増やしてくれる点が素晴らしい。これまで食卓に並ぶことが少なかったような食材やおつまみが並び、食事の時間が待ち遠しくなる。食事の時間が楽しくなれば、家族との時間も有意義になる。といった形で、単に飲んでおいしいだけでなく、派生効果が大きい。単なるワインというジャンルを超えた価値があると考えている。

 

なので、「おいしいワイン。糖質オフ」は健康に気を遣って糖質をオフにしようとしている人はもちろん、毎日の生活に彩りを求めている人にもぜひ飲んでほしい。

 

↑食事を楽しくさせたい、変化させたいと思っている人にオススメしたい

 

もう少しだけ語らせて欲しい。個人的には、1杯目は機能性ビールを飲んで、2杯目以降に機能性ビールやチューハイを飲む人や家庭には「おいしいワイン。糖質オフ」がピッタリだと考えている。それは、糖質オフといった機能面はもちろんだが、2杯目にワインを持ってくることで、飲むスピードに緩急が生まれるからだ。

 

1杯目が機能性ビールで、2杯目以降も機能性ビールやチューハイだと、そのままの勢いで飲んでしまうことが多い。そこで日常の速度にメリハリを、という意味でも効果的。惰性で毎日のお酒を選んでしまっている人は、本商品に切り替えることで、ちょっと前向きな変化がきっと訪れるはずだ。

 

「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ」の詳細はこちら

◆お客様センター

ストップ! 20歳未満飲酒・飲酒運転

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。

 

執筆:山田佑樹・中山秀明、写真:湯浅立志(Y2)

どんな食事も引き立てる、キリッとした旨さの「キリン・ザ・ストロング 麒麟特製辛口こだわりサワー」

キリンビールは8月19日、「麒麟特製サワー」ブランドから「キリン・ザ・ストロング 麒麟特製辛口こだわりサワー」を発表。9月14日から発売します。

 

「麒麟が上質に仕立てた、これしかないうまさの特製サワー」がコンセプトの麒麟特製サワーは、販売数量が6月末に4億本を突破し、多くの人に支持を受けているとするブランド。そんなブランドから発売するキリン・ザ・ストロング 麒麟特製辛口こだわりサワーは、どんな食事も引き立てる商品に仕上がっているといいます。

 

キリンビールによると、米のうまみ成分を引き出すために熟成させた「米うまみエキス」で奥行きのある味わいを、複数果実を12時間煮込む「柑橘うまみエキス」ですっきりさと奥行きのある味わいを、「天日塩」で後切れのよさと味のまとまりを実現。これらにより、キリッとした旨さを味わうことができるそうです。

 

ラインアップは350ml缶と500ml缶をそろえるほか、アルコール分は9%となっています。

 

ビール以外で食事に合うお酒の選択肢になりそうな商品です。食材豊富な秋頃に、さまざまな料理に合わせてみるのがいいかもしれません。

総額50万円の「オンライン飲み会装備」でそこまでやるの!? 「麦とホップ」と「ゴールドスター」で夏のオンライン家飲みを楽しみ尽くす

GetNaviチームでは2021年夏、「おうちキャンプ」をキーワードにしたお酒の飲み方を提案しています。雑誌版GetNaviでは「そこまでやるのか!?」をキーワードにバイきんぐ・西村瑞樹さんとコラボ。「サッポロ 麦とホップ」と「サッポロ GOLD STAR(ゴールドスター)」を美味しく飲めるガチ対決を実施。キャンプグッズが当たる6缶キャンペーンパックも8月31日(火)より数量限定発売されます。

 

本稿では少し視点を変えて、いまや定番となった「オンライン飲み会」で「麦とホップ」と「ゴールドスター」を最高に美味しく飲める方法を紹介します。ここでもキーワードは、「そこまでやるのか!?」。編集長・山田佑樹は、この1年半近くオンライン家飲みを追求した結果、おうち時間やオンライン飲み会の関連装備が50万円近くにまで膨れ上がった「オンライン飲み会ラバー」。

 

「そこまでやるのか!?」という装備を自慢しつつも、注目家電を組み合わせて「麦とホップ」と「ゴールドスター」を飲む方法を伝授、蘊蓄も併せて紹介していきましょう。

 

【Part.01:まずはオンライン飲み会のインフラ編】

昨年は、会社・取引先を含めて様々な人とオンライン飲み会をした、という人も多いのではないでしょうか。それが2021年になって、気が知れた仲間や友人と行う「プライベートなもの」に移り変わっています。であれば、かしこまる必要はありませんが、随所にこだわりを入れていくことで、いっそう充実した時間に。リアルで会えないからこそ、お互いに有意義だったと思える環境作りが大切なのです。

 

ここではまず、私ヤマダが普段オンライン飲み会で使用しているアイテムたちを紹介しましょう。

【オンライン飲み会で活躍するアイテムをギャラリーで見る(画像をタップすると拡大写真と説明が表示)】

オンライン飲み会は、ひとつひとつは気にならない些細なストレスが積み重なって、大きなストレスにつながることが多く、「次はもういっか」となりがち。アイテムを上手く使いこなしていくことで、やって良かったと思えるお酒時間になります。

 

【Part.02-1:続いて「麦とホップ」と「ゴールドスター」の味わい解説】

↑パナソニック「うま冷えプレート」。蓄冷剤が搭載されており、「麦とホップ」と「ゴールドスター」それぞれの美味しさを飲み会の間、ずっとキープします

 

では、飲み会の主役となるお酒へ。今回用意したうちのひとつ「麦とホップ」は、新ジャンルビールテイストのなかでも2008年デビューのロングセラーブランド。多くのファンから愛され続ける大きな理由は、商品名にあるように、徹底的な素材へのこだわりから生まれる「ビールらしいうまさ」にあります。

 

そして、その素材の持ち味を最大限に生かすために研究を重ね、進化し続けています。最新作では独自の技術「うまみ麦汁製法」を新採用。うまみが凝縮した濃い麦汁を閉じ込めるとともに圧倒的な飲みごたえを実現しました。

↑麦とホップの製法のイメージ図

 

もうひとつのブランドは、2020年に誕生するやいなや、発売1か月で売り上げが100万ケースを突破した新星「ゴールドスター」。こちらは、サッポロビールの二枚看板である「サッポロ生ビール黒ラベル」と「ヱビスビール」のDNAを生かした、いわば新ジャンルのサラブレッドです。

 

「黒ラベル」からは香味耐久性の高い「旨さ長持ち麦芽」、「ヱビス」からは華やかな香りの「ドイツ産アロマホップ」を一部に使用。さらに両ブランドに採用されている「ダブルデコクション製法」で仕込んでいます。

 

「ダブルデコクション製法」とは、仕込工程における煮沸を2回繰り返すことで、濃厚な麦汁を生む製法。そこから生まれた「ゴールドスター」は、麦芽本来のうまみとコクが引き出され、力強く飲み飽きないおいしさに仕上がっています。

↑ダブルデコクション製法のイメージ図

 

【Part.02-2:まだある!麦とホップとゴールドスターの蘊蓄解説】

オンライン飲み会で鉄板といえるネタのひとつが「何を飲んでるの?」ではないでしょうか。仕事柄、そのお酒のストーリーを語ることも珍しくありません。そこでいえば、「麦とホップ」と「ゴールドスター」にはまだまだ語れる要素は盛りだくさん。

 

例えば、「ビール好きのための新ジャンル。」が「麦とホップ」のキャッチコピー。振り返ってみると、いまや「まるでビールな味わい」をうたう新ジャンルは珍しくありませんが、その元祖と言えるのが「麦とホップ」です。デビュー時、名優・田村正和さんが「私には、ビールです。」と言って紹介したCMは実に革新的でした。ビールファンの心を長年つかみ続けている新ジャンルが「麦とホップ」だと言っていいでしょう。

 

「ゴールドスター」のバックグラウンドに「黒ラベル」と「ヱビス」があることは前述しましたが、双方のDNAはデザインにも宿っています。

 

↑ゴールドスターの缶デザイン

堂々とした大きな星は「黒ラベル」譲りであり、クラシカルな陰影を施した「SAPPORO」のロゴは「ヱビス」に表記されている「YEBISU」がモチーフ。そのうえで、大きな星の色は両ブランドのゴールドを融合させたグラデーションとなっています。

 

【Part03:最後は「麦とホップ」と「ゴールドスター」のペアリング解説

↑今回は前菜的なおつまみに、メインディッシュの肉料理、締めのカレーライスも用意。この5皿はすべて、下記の調理家電を駆使して作りました

 

【写真に写っている料理ができる家電をギャラリーで見る(画像をタップすると拡大写真が表示されます)】

 

オンライン飲み会あるあるのひとつに、「料理を準備する時間がない!」があります。その結果、序盤から2次会のような乾きものだらけということに。おつまみが充実すると飲み会も充実するし、メインディッシュがあれば話のネタになるだけでなく、飲み会が後半に突入したことをやんわり伝える切り替えスイッチにもなります。絵力の強い料理たちを簡単に作れる時短調理家電があるとベストです。

 

また、締めの炭水化物も、あるのとないのとでは達成感や満足感が段違い。オンライン飲み会の場合は、伸びてしまう麺類よりもご飯ものがベター。お茶漬けのようなクイックメニューでもいいですが、せっかくならより映えるものを。白飯にサッとかけてワンプレートになるカレーなど、ご飯に合う料理を作れる自動調理家電があると便利です。次のパートでは今回作った料理と、麦とホップとゴールドスターとのペアリングを紹介していきましょう。

 

【「麦とホップ」「ゴールドスター」×「飲み会おつまみ」】

前菜のおつまみに用意したのは、パナソニックの「ビストロ」で作った3皿。「ピーマンとツナの塩昆布あえ」は和風、「きのこのナムル」は韓国風、「ズッキーニのチーズ添え」は洋風と、それぞれ味の方向性にバラエティ感を出しましたが、「麦とホップ」と「ゴールドスター」は繊細から濃厚までどんなテイストにも寄り添ってくれます。

 

もう少し詳しく説明していきましょう。「麦とホップ」と「ゴールドスター」は、野菜の青々しい苦味にも、昆布やツナのうまみにも、ゴマ油やチーズの濃厚なコクにも、素材本来のおいしさを生かしつつ調和し、爽快な飲み心地で料理の余韻をすっきり。また次のひと口を美味しく食べさせてくれます。

 

なお、山田的にはこれらの前菜を多めに作り、翌日のおつまみに食べて味わいを振り返る「オンライン飲み会便乗作り置き」が定番です。

 

【「ゴールドスター」×「ローストビーフ」&「麦とホップ」×「無水カレー」

次はメインディッシュと締め。前述したように「麦とホップ」と「ゴールドスター」はどちらもオールマイティ型で、どんな料理にも合います。ただここはあえて、ローストビーフには「ゴールドスター」を、カレーライスには「麦とホップ」を合わせてペアリングしてみました。

 

シンプルに塩とこしょうで味付けしたローストビーフは、「BALMUDA The Toaster」で調理。熱をじっくり入れることで、閉じ込められた牛肉のうまみがよりダイレクトに感じられます。このパワフルな肉汁をしっかり受け止めるのが、「ゴールドスター」の力強いコクと華やかな香り。そして鼻に抜ける上品な余韻は、ビーフのリッチな味わいとマッチし、より贅沢な気分へといざないます。

 

カレーは、シャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオ ホットクック」で無水調理。水を使わないことでトマトや玉ねぎといった素材本来の味が凝縮し、コントラストも豊かに。辛さやとろみも自然で、麦のうまみがふくよかな「麦とホップ」が見事に調和します。また、「麦とホップ」は十分な飲みごたえがありつつも、バランスがいいので飲み疲れがありません。スパイスの刺激をすっきりリセットしてくれ、食後の爽快感もひとしおです。

なお、ヤマダがオンライン飲み会用にメインや締めを調理する際には、家族の夕食ぶんまで多めに作ります。これは、いわば飲み会の騒がしさを許してもらう罪滅ぼし。山田家では「オンライン飲み会兼今日の料理係」が定着しています。

 

【まとめ】

「麦とホップ」と「ゴールドスター」は汎用性が高く、オンライン飲み会のレベルを一歩引き上げる

今回は、山田流のオンライン飲み会における本気モードで、多彩な機器と料理を紹介しましたが、改めて感じたのは「麦とホップ」と「ゴールドスター」のクオリティと汎用性の高さ。

 

しっかり作ったご馳走に合うのはもちろん、一方でコンビニ総菜や乾きものだとしても、美味しさの満足度を高めてくれるふところの広さがあります。オンライン飲み会にはもちろん、ふだんの晩酌やアウトドア飲みでもぜひペアリングを試してみてください。お酒の時間がアップデートして、より良いひとときが過ごせますよ。

 

冒頭でも触れましたが、GetNaviチームでは今夏、「おうち飲み」をテーマにしたお酒の飲み方を提案中。様々な記事を公開しています。気になる方は下記からアクセスしてみてください。

画像をクリックすると特集ページに移動します

 

提供:サッポロビール

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転

総額50万円の「オンライン飲み会装備」でそこまでやるの!? 「麦とホップ」と「ゴールドスター」で夏のオンライン家飲みを楽しみ尽くす

GetNaviチームでは2021年夏、「おうちキャンプ」をキーワードにしたお酒の飲み方を提案しています。雑誌版GetNaviでは「そこまでやるのか!?」をキーワードにバイきんぐ・西村瑞樹さんとコラボ。「サッポロ 麦とホップ」と「サッポロ GOLD STAR(ゴールドスター)」を美味しく飲めるガチ対決を実施。キャンプグッズが当たる6缶キャンペーンパックも8月31日(火)より数量限定発売されます。

 

本稿では少し視点を変えて、いまや定番となった「オンライン飲み会」で「麦とホップ」と「ゴールドスター」を最高に美味しく飲める方法を紹介します。ここでもキーワードは、「そこまでやるのか!?」。編集長・山田佑樹は、この1年半近くオンライン家飲みを追求した結果、おうち時間やオンライン飲み会の関連装備が50万円近くにまで膨れ上がった「オンライン飲み会ラバー」。

 

「そこまでやるのか!?」という装備を自慢しつつも、注目家電を組み合わせて「麦とホップ」と「ゴールドスター」を飲む方法を伝授、蘊蓄も併せて紹介していきましょう。

 

【Part.01:まずはオンライン飲み会のインフラ編】

昨年は、会社・取引先を含めて様々な人とオンライン飲み会をした、という人も多いのではないでしょうか。それが2021年になって、気が知れた仲間や友人と行う「プライベートなもの」に移り変わっています。であれば、かしこまる必要はありませんが、随所にこだわりを入れていくことで、いっそう充実した時間に。リアルで会えないからこそ、お互いに有意義だったと思える環境作りが大切なのです。

 

ここではまず、私ヤマダが普段オンライン飲み会で使用しているアイテムたちを紹介しましょう。

【オンライン飲み会で活躍するアイテムをギャラリーで見る(画像をタップすると拡大写真と説明が表示)】

オンライン飲み会は、ひとつひとつは気にならない些細なストレスが積み重なって、大きなストレスにつながることが多く、「次はもういっか」となりがち。アイテムを上手く使いこなしていくことで、やって良かったと思えるお酒時間になります。

 

【Part.02-1:続いて「麦とホップ」と「ゴールドスター」の味わい解説】

↑パナソニック「うま冷えプレート」。蓄冷剤が搭載されており、「麦とホップ」と「ゴールドスター」それぞれの美味しさを飲み会の間、ずっとキープします

 

では、飲み会の主役となるお酒へ。今回用意したうちのひとつ「麦とホップ」は、新ジャンルビールテイストのなかでも2008年デビューのロングセラーブランド。多くのファンから愛され続ける大きな理由は、商品名にあるように、徹底的な素材へのこだわりから生まれる「ビールらしいうまさ」にあります。

 

そして、その素材の持ち味を最大限に生かすために研究を重ね、進化し続けています。最新作では独自の技術「うまみ麦汁製法」を新採用。うまみが凝縮した濃い麦汁を閉じ込めるとともに圧倒的な飲みごたえを実現しました。

↑麦とホップの製法のイメージ図

 

もうひとつのブランドは、2020年に誕生するやいなや、発売1か月で売り上げが100万ケースを突破した新星「ゴールドスター」。こちらは、サッポロビールの二枚看板である「サッポロ生ビール黒ラベル」と「ヱビスビール」のDNAを生かした、いわば新ジャンルのサラブレッドです。

 

「黒ラベル」からは香味耐久性の高い「旨さ長持ち麦芽」、「ヱビス」からは華やかな香りの「ドイツ産アロマホップ」を一部に使用。さらに両ブランドに採用されている「ダブルデコクション製法」で仕込んでいます。

 

「ダブルデコクション製法」とは、仕込工程における煮沸を2回繰り返すことで、濃厚な麦汁を生む製法。そこから生まれた「ゴールドスター」は、麦芽本来のうまみとコクが引き出され、力強く飲み飽きないおいしさに仕上がっています。

↑ダブルデコクション製法のイメージ図

 

【Part.02-2:まだある!麦とホップとゴールドスターの蘊蓄解説】

オンライン飲み会で鉄板といえるネタのひとつが「何を飲んでるの?」ではないでしょうか。仕事柄、そのお酒のストーリーを語ることも珍しくありません。そこでいえば、「麦とホップ」と「ゴールドスター」にはまだまだ語れる要素は盛りだくさん。

 

例えば、「ビール好きのための新ジャンル。」が「麦とホップ」のキャッチコピー。振り返ってみると、いまや「まるでビールな味わい」をうたう新ジャンルは珍しくありませんが、その元祖と言えるのが「麦とホップ」です。デビュー時、名優・田村正和さんが「私には、ビールです。」と言って紹介したCMは実に革新的でした。ビールファンの心を長年つかみ続けている新ジャンルが「麦とホップ」だと言っていいでしょう。

 

「ゴールドスター」のバックグラウンドに「黒ラベル」と「ヱビス」があることは前述しましたが、双方のDNAはデザインにも宿っています。

 

↑ゴールドスターの缶デザイン

堂々とした大きな星は「黒ラベル」譲りであり、クラシカルな陰影を施した「SAPPORO」のロゴは「ヱビス」に表記されている「YEBISU」がモチーフ。そのうえで、大きな星の色は両ブランドのゴールドを融合させたグラデーションとなっています。

 

【Part03:最後は「麦とホップ」と「ゴールドスター」のペアリング解説

↑今回は前菜的なおつまみに、メインディッシュの肉料理、締めのカレーライスも用意。この5皿はすべて、下記の調理家電を駆使して作りました

 

【写真に写っている料理ができる家電をギャラリーで見る(画像をタップすると拡大写真が表示されます)】

 

オンライン飲み会あるあるのひとつに、「料理を準備する時間がない!」があります。その結果、序盤から2次会のような乾きものだらけということに。おつまみが充実すると飲み会も充実するし、メインディッシュがあれば話のネタになるだけでなく、飲み会が後半に突入したことをやんわり伝える切り替えスイッチにもなります。絵力の強い料理たちを簡単に作れる時短調理家電があるとベストです。

 

また、締めの炭水化物も、あるのとないのとでは達成感や満足感が段違い。オンライン飲み会の場合は、伸びてしまう麺類よりもご飯ものがベター。お茶漬けのようなクイックメニューでもいいですが、せっかくならより映えるものを。白飯にサッとかけてワンプレートになるカレーなど、ご飯に合う料理を作れる自動調理家電があると便利です。次のパートでは今回作った料理と、麦とホップとゴールドスターとのペアリングを紹介していきましょう。

 

【「麦とホップ」「ゴールドスター」×「飲み会おつまみ」】

前菜のおつまみに用意したのは、パナソニックの「ビストロ」で作った3皿。「ピーマンとツナの塩昆布あえ」は和風、「きのこのナムル」は韓国風、「ズッキーニのチーズ添え」は洋風と、それぞれ味の方向性にバラエティ感を出しましたが、「麦とホップ」と「ゴールドスター」は繊細から濃厚までどんなテイストにも寄り添ってくれます。

 

もう少し詳しく説明していきましょう。「麦とホップ」と「ゴールドスター」は、野菜の青々しい苦味にも、昆布やツナのうまみにも、ゴマ油やチーズの濃厚なコクにも、素材本来のおいしさを生かしつつ調和し、爽快な飲み心地で料理の余韻をすっきり。また次のひと口を美味しく食べさせてくれます。

 

なお、山田的にはこれらの前菜を多めに作り、翌日のおつまみに食べて味わいを振り返る「オンライン飲み会便乗作り置き」が定番です。

 

【「ゴールドスター」×「ローストビーフ」&「麦とホップ」×「無水カレー」

次はメインディッシュと締め。前述したように「麦とホップ」と「ゴールドスター」はどちらもオールマイティ型で、どんな料理にも合います。ただここはあえて、ローストビーフには「ゴールドスター」を、カレーライスには「麦とホップ」を合わせてペアリングしてみました。

 

シンプルに塩とこしょうで味付けしたローストビーフは、「BALMUDA The Toaster」で調理。熱をじっくり入れることで、閉じ込められた牛肉のうまみがよりダイレクトに感じられます。このパワフルな肉汁をしっかり受け止めるのが、「ゴールドスター」の力強いコクと華やかな香り。そして鼻に抜ける上品な余韻は、ビーフのリッチな味わいとマッチし、より贅沢な気分へといざないます。

 

カレーは、シャープ「水なし自動調理鍋 ヘルシオ ホットクック」で無水調理。水を使わないことでトマトや玉ねぎといった素材本来の味が凝縮し、コントラストも豊かに。辛さやとろみも自然で、麦のうまみがふくよかな「麦とホップ」が見事に調和します。また、「麦とホップ」は十分な飲みごたえがありつつも、バランスがいいので飲み疲れがありません。スパイスの刺激をすっきりリセットしてくれ、食後の爽快感もひとしおです。

なお、ヤマダがオンライン飲み会用にメインや締めを調理する際には、家族の夕食ぶんまで多めに作ります。これは、いわば飲み会の騒がしさを許してもらう罪滅ぼし。山田家では「オンライン飲み会兼今日の料理係」が定着しています。

 

【まとめ】

「麦とホップ」と「ゴールドスター」は汎用性が高く、オンライン飲み会のレベルを一歩引き上げる

今回は、山田流のオンライン飲み会における本気モードで、多彩な機器と料理を紹介しましたが、改めて感じたのは「麦とホップ」と「ゴールドスター」のクオリティと汎用性の高さ。

 

しっかり作ったご馳走に合うのはもちろん、一方でコンビニ総菜や乾きものだとしても、美味しさの満足度を高めてくれるふところの広さがあります。オンライン飲み会にはもちろん、ふだんの晩酌やアウトドア飲みでもぜひペアリングを試してみてください。お酒の時間がアップデートして、より良いひとときが過ごせますよ。

 

冒頭でも触れましたが、GetNaviチームでは今夏、「おうち飲み」をテーマにしたお酒の飲み方を提案中。様々な記事を公開しています。気になる方は下記からアクセスしてみてください。

画像をクリックすると特集ページに移動します

 

提供:サッポロビール

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転

紫芋100%で驚くほどフルーティーな香りと芳醇な味わいを実現、限定出荷の全量芋焼酎「一刻者」<紫>が8月31日発売

 

宝酒造は、原料はもちろんのこと、麹まで芋でつくる全量芋焼酎「一刻者」が発売20周年を迎えることを記念して、“全量芋焼酎「一刻者」<紫>”の720mlおよび1.8Lを、限定出荷で発売します。発売日は8月31日で、参考小売価格は720mlが1674円(税込)、3435円(税込)です。

 

「一刻者」<紫>は、紫芋を使用した独自の「芋麹仕込」と石蔵貯蔵での最適な熟成により、驚くほどフルーティーな甘い香りと芳醇な味わいを実現したとする、紫芋100%の全量芋焼酎です。

 

原料のさつまいもは、芋焼酎の本場である南九州産の希少な紫芋で、これを麹にまで使用した、宝酒造独自の芋麹仕込みを採用。これにより、できあがった焼酎には芋本来のフルーティーな甘い香りを多く含んでいるとのこと。また、温度変化の少ない石蔵で貯蔵・熟成することで、紫芋本来の香りが際立ったとしています。

 

なお、「一刻者」<紫>には、一刻者ブランドが発売20周年を迎えることを記念して、20周年の封緘紙を貼付。封緘紙の裏面には、9月4日からスタートするキャンペーンに参加できる特設サイトのQRコードが記載されています。またキャンペーンでは、一刻者オリジナルの酒器などが総勢500名に当たります。詳細は9月4日オープンの特設サイトをご覧ください。

日本酒が輝く未来を強く願う。フレンチの巨匠と山梨の蔵元がコラボしたスパークリングを飲んで

フランス料理にうとい筆者でも、名前だけは知っているのがアラン・デュカス氏です。33歳でミシュランガイドの三ツ星を獲得し、史上最年少(当時)の三ツ星シェフという栄冠に輝く。その後は世界に活躍の場を広げ、パリ、モナコ、ロンドンと異なる3つの都市でミシュランの三ツ星を獲得した史上初の人物になった――とか。

 

日本酒の発展を応援する企業が、山梨の蔵とフレンチの巨匠をつないだ

そんなとんでもない経歴の持ち主が、山梨県の日本酒ブランド「七賢」(しちけん)とコラボして、スパークリング日本酒を発売したとのこと。今回、試飲の機会を得ることができたので、その味わいをレポートしていきます。……それにしてもなぜ、山梨の七賢が? もしかして、ダイナースクラブが関わっているのかな? と思っていたら、やっぱりそうでした。

↑「七賢」とコラボしたお酒を手にするフレンチの巨匠 アラン・デュカス氏

 

クレジットカード会社のダイナースクラブは、当サイトで何度も紹介した世界一の日本酒を決めるコンペ「SAKE COMPETITION」(サケコンペティション)をバックアップしている企業。同コンペでは次世代の造り手を応援するために「ダイナースクラブ若手奨励賞」を創設し、日本酒の発展に貢献しています。今回のコラボは、そのダイナースクラブが「七賢」とデュカス氏のお店「デュカス・パリ」をつないで実現したそう。確か、ちょっと前(2017年)の受賞者が「七賢」だったはず。そうか、その関係がまだ続いていたのか……。

 

瓶内二次発酵や樽貯蔵など手間をかけた造りに期待が高まる

コラボ製品の正式名称は、「Alain Ducasse Sparkling Sake」(アラン・デュカス スパークリング サケ/税込5500円)。今回、試飲した製品のラベルはダイナースクラブのオリジナルだそうで、淡いピンク地に魚のウロコを思わせるシルバーの紋様が入っています。いい意味で日本酒らしくなく、軽やかで華やかなイメージ。これは食卓に置いたときに映えますね。

↑「Alain Ducasse Sparkling Sake」の容量は720ml、アルコール分は12度。写真はダイナースクラブのオリジナルラベルで、ダイナースクラブのサイト「ごぼうび予約」経由で購入できるそう

 

では、飲む前にネットにあった本品の説明文を読んで気持ちを高めていきましょう。

 

「アラン・デュカス氏の心のテロワール・地中海からインスピレーションを得て、デュカス・パリのシェフソムリエ、ジェラール・マルジョン氏から味のディレクションを受け、山梨銘醸の酒を酒で醸す伝統技術と桜樽での貯蔵、磨き上げた瓶内二次発酵技術のもと造られた米由来の発泡酒です。舌を刺激するりんごやマスカットのような果実の味わいが泡とともに口の中で一気に弾け、樽由来の甘味と苦味がゆっくりと奥底から押し寄せ、穏やかな余韻が心地よく過ぎ去ります」

 

……えっ、「心のテロワール(※)」って何? 「心のふるさと」のようなイメージでしょうか? フランスらしいエスプリが効いた言い回しですね。お酒の味づくりに関しては、デュカス氏がイメージを伝え、彼のお店のシェフソムリエが具体化した、といったところでしょうか。ちなみに、「瓶内二次発酵」とは、シャンパンの産地・シャンパーニュ地方でも使われる伝統的な製法。瓶の中にお酒と酵母、糖を入れて二次的な発酵をさせて炭酸ガスを発生させ、お酒に溶け込ませるというもの。炭酸ガスを注入するのに比べて格段に手間がかかりますが、そのぶん泡に持続性があり、きめ細かく繊細な泡になるとのことです。しかも、桜の樽で貯蔵しているとは……樽の香りもつけているわけですね。

※「テロワール」とはフランスにおけるワインの概念で、気候、水、土などの様々な栽培条件によって、ぶどうに現れる個性のこと

 

さらに、説明文には書いていませんが、水の代わりに日本酒を使って贅沢に醸す「貴醸酒」(きじょうしゅ)の製法も使っているそう。ちなみに、「七賢」は2014年から瓶内二次発酵のスパークリングの開発に着手しており、今回で9銘柄目。すでに2万7500円の高級スパークリングを発売するなど、ノウハウの蓄積も問題なさそう。では、期待が高まったところで、いただきます!

 

繊細さと日本酒らしい香味が同居する

さすがは瓶内二次発酵だけあって、泡立ちはとても細かいですね。さわさわと口内を刺激する感覚が幻想的で、まるで雲を口に含んだかのよう。優しい甘さで柔らかい酸味が感じられ、雑味はなく、なんの引っ掛かりもありません。それでいて、日本酒らしい心が浮き立つような香味が感じられて、パンチ力もあります。ノドへのモタつきもないし、うん、これはいい酒だ。味わいが繊細なので、オードブルとともに食前酒として飲むのがいいですね。乾杯で心地よく酔えて、これからの楽しい時間が想像できる、そんなお酒でした。720mlで5500円という価格は自分で飲むならかなり高いですが、ギフトとしては手ごろな値付けではないでしょうか。特に、アラン・デュカス氏のレストランに通うような、ちょっとハイクラスな方に喜ばれそうですね。

 

コラボ商品は「七賢」の努力が実を結んだ結果

それにしても、さすがは「七賢」。やり手だなぁと感じます。地酒としての評価を高めつつも、近年は販路拡大の努力もしているのか、都内のリカーショップなど多くの売り場で見かけるようになりました。今回のコラボ商品を出したことで、さらに国内と世界の方々に「七賢」の名を知ってもらう機会が増えることでしょう。

↑山梨銘醸の専務取締役で、醸造責任者の北原亮庫さん。「我々は国内で最もバリエーション豊かに瓶内二次発酵スパークリング日本酒を揃える酒蔵であり、今回の商品は今までの集大成となった」と語っています

 

そして、これは想像の話なのですが、今回のコラボ製品が生まれたのはただの棚ぼたではなかったはず。以前の記事でも触れた通り、国内の酒蔵の多くが利益率の低さに苦しみ、1か月に3社が廃業する時代です。日本酒を造れば売れる時代は終わりました。そんななか、「七賢」は醸造技術を磨きつつも、自分の頭で考えて、既存の業界の弱点を埋める‟高価格帯のスパークリング日本酒”を準備していた。ダイナースクラブをはじめ、積極的に外部とコミュニケーションを取って、売り込んだ……そういったあらゆる努力を怠らず続けた結果が、今回のコラボにつながったのだと想像します。

 

そして、日本酒は間違いなく、世界に誇るマスターピース(傑作)であり、失ってはいけない日本人の心のふるさとです。限られたマーケットを奪い合い、個性ある蔵が消えていくのはあまりにも惜しい……。ぜひとも「七賢」を良いヒントとし、その火を絶やすことなく、多くの蔵元がより魅力的に輝きますように。

 

夏季限定味が発売中の「レモン・ザ・リッチ」。全4種を飲み比べてキャラクターの違いをレビュー

家飲み需要が高まるなか、レモンサワーブームを支えているのが缶チューハイ。人気カテゴリーなだけにブランド数が多い中、今回注目するのは「サッポロ レモン・ザ・リッチ」です。この商品の個性を掘り下げた上で、フレーバー4種の飲み比べで特徴をレポートしていきましょう。

↑「サッポロ レモン・ザ・リッチ」。参考価格はどれも165円(税込)で、今夏は「サッポロ レモン・ザ・リッチ 旨塩レモン」(最右)が数量限定発売中です

 

レモンの果皮、オイル、パルプ。良質なレモン成分がたっぷり

「サッポロ レモン・ザ・リッチ」はレモン果汁の質にこだわった「上質系レモンサワー」をメーカーはうたっていますが、個人的に注目しているのは、“多果汁タイプではないが果汁がスゴい”という点。なぜかというと、「一度逆さにしてから飲むこと」が推奨されているからです。

↑缶の側面には逆さにすることを推奨する、イラスト付きの説明書きがあります

 

一般的に、逆さにしてから飲むことを推奨している缶チューハイは、果汁が10%以上のいわゆる“多果汁系“。逆さにする理由は、缶の下部に多くの果汁が沈殿しているからです。

 

一方で「サッポロ レモン・ザ・リッチ」は果汁の多さを売りにはしていませんが、良質なレモン成分がどっさり入っています。これは、レモンフレーバーに特化した缶チューハイでは非常にまれ。ここに筆者は注目しているというわけです。

↑定番の3フレーバーの中で、好バランスな味に特徴をもつ「サッポロ レモン・ザ・リッチ 特製レモン」

 

また、この果汁には、レモン果皮、レモンオイル、レモンパルプが入った混濁果汁を使っているのも差別化ポイント。レモンのほろ苦さやコク、爽やかな香りなど、通常のレモン果汁だけでは表現しきれない“奥行きのある濃い味“を実現しています。

 

同じレモンサワーでも各々のキャラが立っているから楽しめる

そんな「サッポロ レモン・ザ・リッチ」は2019年4月にデビューし、2021年2月に、贅沢な濃さを堪能できる上質系のレモンサワーとしてリニューアル。飲んで1本ずつ味わいレビューしていきます。

↑前述の通り、「サッポロ レモン・ザ・リッチ 特製レモン」はレモンの甘み、酸味、苦みを絶妙なバランスで調和させているのが特徴

 

まずは、「サッポロ レモン・ザ・リッチ 特製レモン」から。飲みごたえとクリアな爽快感がいい感じで両立。アルコール感も含めてちょうど良く、王道のおいしさです。

↑「サッポロ レモン・ザ・リッチ 苦旨レモン」。レモンピール(果皮)の魅力を前面に出した、苦うまい味わいです

 

「サッポロ レモン・ザ・リッチ 苦旨レモン」は、スタンダードな「サッポロ レモン・ザ・リッチ 特製レモン」をベースに、ビターなフックをプラスに、やりすぎない苦味がお見事。大人な味わいを求める人には特にオススメです。

↑2020年4月に数量限定発売し、好評のため定番化したのが「サッポロ レモン・ザ・リッチ 神レモン」。複雑味のあるレモンの濃さが特徴で、アルコール7%(ほかは5%)と飲みごたえも十分です

 

「サッポロ レモン・ザ・リッチ 神レモン」は、アルコール度数を高めたことで、ボディがしっかりした印象。甘み、酸味、苦みも増強され、全体的にグッとくるパンチのある味わいです。がっつりとした濃厚な料理にもよく合いそうと感じました。

↑限定の「サッポロ レモン・ザ・リッチ 旨塩レモン」は、塩こうじのほんのりしょっぱく、まろやかなうまみが効いています

 

限定の「サッポロ レモン・ザ・リッチ 旨塩レモン」。塩加減はやさしめで、それよりも塩こうじが全体の厚みに起因している印象。コクやうまみといったベースにあるふくよかさが底上げされて、奥深い味わいに。ダシを効かせた和食には特に合うと思います。

↑色味はほぼ一緒。バリエーション豊富なので、好みの一本を!

 

4種を飲み比べて、それぞれにリッチなレモン感のほかに一芸をもっていることが分かりました。特に「サッポロ レモン・ザ・リッチ 旨塩レモン」は、この夏だけのおいしさ。シチュエ―ションや料理によって飲むフレーバーを変えるなど、ぜひいろいろ試してみてください。

この夏は「芋のソーダ割り」がアツい!「一刻者」と家飲みおつまみを合わせた至福をレポート

ワクチン接種によって、明るい兆しが見えてきたコロナ禍。とはいえまだ希望者全員に行き渡るには時間がかかるため、おうち時間が続きそうな今夏。暑い夏の晩酌には、シュワッと爽やかに飲めるお酒がいいですよね。とはいえ、たまにはビールやサワー以外のお酒も楽しみたいところ。そんなときにオススメしたいのが、芋焼酎の「一刻者(いっこもん)」です。夏に芋焼酎? と意外に思われる方が多いかもしれませんが、ソーダで割るだけで、夏にぴったりなドリンクになるのをご存じでしょうか?

 

↑宝酒造の本格芋焼酎「一刻者(いっこもん)」。南九州産のさつまいもを100%使用し、独自の芋麹仕込みと石蔵で貯蔵するこだわりの造りが特徴です。参考価格は720mlで税込1498円

 

麹まで芋でつくる「全量芋焼酎」という独自のポジション

「一刻者」は、一度しか蒸溜を行わない「単式蒸溜」を採用した本格焼酎。味も香りもしっかりしていて飲みごたえがあり、ソーダ割りにしても素材本来の風味が楽しめます。

 

↑素材の風味も楽しめて、サッパリと飲めるソーダ割りは、どんな料理とも合わせやすい!

 

もうひとつ、「一刻者」最大の特徴が、麹(こうじ)まで芋でつくる全量芋焼酎だということ。「一刻者」がデビューする前の芋焼酎の多くは、米麹を使用するのが当たり前でした。しかし、「芋の魅力を最大限に楽しめる、芋100%の焼酎を」という想いのもと、芋麹を使った商品づくりがはじまったのです。

 

しかし、芋は米よりも水分量が多いため、麹菌が根付きづらいという課題があり、開発は困難を極めることに。6年もの歳月をかけ、2001年、「一刻者」は生み出されました。その味わいは、芋麹を使ったことで芋焼酎独特のクセが強くなるのでは? と予想されていましたが、出来上がってみると意外や意外、極めて上品で香りの良い芋焼酎に仕上がったそう。麹まで芋にしたことで、芋が本来持つ華やかな香りが際立ち、上品ですっきりとした味わいに仕上がったのです。

 

↑ロックにすると、純粋な芋だけの、ほんのり甘く上品な香りが楽しめます

 

つまり、豊かな風味でありながら、すっきりしていて重すぎないのが「一刻者」。さらにソーダ割りにすることで、炭酸が弾けて香りが際立ち、のどごしもアップ。これが夏に「一刻者」のソーダ割りがオススメという理由です。

 

ちなみに、筆者が美味しいと思うソーダと「一刻者」の比率は2:1。グラスにたっぷり氷を入れて「一刻者」を注ぎ、ステアして(混ぜて)氷となじませたあと、ソーダを注いでマドラーで軽く1回ステアすれば完成! 「一刻者」の華やかな香りとともに、炭酸の爽快感が心地よく感じられますよ。

 

↑ソーダを注ぐときは、炭酸は飛ばないよう、グラスの縁に沿ってゆっくりと注ぎましょう!

 

↑「一刻者」はソーダ割りが絶品!

 

宮崎にちなんだ料理とのペアリングは当然ドンピシャだった

ここからは、炭酸割りに合うつまみをご紹介。「一刻者」は宮崎の高鍋町にある「日向(ひゅうが) 黒壁蔵」でつくられているので、今回は、宮崎にちなんだペアリングを提案します。まずは鶏の炭火焼き。

↑チェーン店などでおなじみの鶏炭火焼き。香ばしく炙られているのが特徴で、コンビニなど身近な店でも売っています

 

鶏の炭火焼きは豊かな弾力、スモーキーなフレーバー、ほどよいジューシー感で絶品。「一刻者」炭酸割りの甘みが肉のうまみと調和し、爽快な味わいは口のなかをリセットする効果も。ご機嫌のループです。もちろん、炭火焼きに限らず、焼鳥全般にもドンピシャですよ!

 

次は餃子。実は高鍋町、「たかなべギョーザ」「餃子の馬渡」というツートップが君臨する餃子の街として有名なのです。

 

↑高鍋餃子の特徴のひとつが、九州でも有数の産地である高鍋のキャベツを使った甘み。合わせるなら野菜餃子のほうがベターです

 

こちらのペアリングも理想的。シュワッとした炭酸の刺激が餃子のオイリー感を流し、それでいて野菜や肉のうまみと、「一刻者」のまろやかさがピンポイントで調和します。

 

最後は、宮崎県が流しそうめん発祥の地と言われているため、そうめんをセレクト。シメにするのもいいですが、一方でめんつゆに浸さず、甘い九州醤油や塩とオイルなどであえそば風に仕立てれば、よりつまみにふさわしい一品となります。

 

↑夏の風物詩でもあるそうめん。この季節にはもってこいです

 

筆者はシンプルに塩と薬味のみで実食。そうめんの繊細な味を「一刻者」の上品な風味が引き立て、これも絶妙なペアリングです。ツルツルしたそうめんののどごしと、スムースな飲み口の「一刻者」は相性バツグン。ツルツル、一刻者→ツルツル、一刻者……と流れるようなローテーションが止まりません!

 

と、このように幅広いおつまみに合う「一刻者」のソーダ割り。芋は飲み慣れてないんだよね……という方。まずはこの夏、ソーダ割りでその魅力を確かめてみてください!

 

家で本格的な味が楽しめる! 宅飲み派にオススメな「カクテルリキュール」5選

ステイホームにより自宅でアルコールを飲む機会が増え、「宅飲み派」が増加中。自宅でも本格的な味が楽しめるカクテルリキュールや缶カクテルも人気です。また、照明やシェイカー、様々なリキュールを揃えて部屋に並べ、お家を自分だけのバーにしてどっぷりお酒を楽しむ人もいるのだとか。自宅だからこそお酒の楽しみ方は十人十色、今回は簡単にお店のような味が再現できる、人気のカクテルリキュールをご紹介します。

 

目次

 


グレープフルーツ割りやオレンジジュース割りにおすすめ


サントリー パライソ ライチ

甘さを抑えて飲みやすく、自然なライチ果実の味わいが楽しめるリキュール。パライソはスペイン語で楽園という意味です。人気のカクテル・チャイナブルーによく合う、飲みやすく果汁感のある味わい。ほかにもグレープフルーツ割りやオレンジジュース割りなどもおすすめです。ラベルはステンドグラスをイメージしたクリアで明るいデザインです。

【詳細情報】
内容量:700ml

 


カシスリキュールの元祖


ルジェ クレーム ド カシス

ルジェカシスは1841年からつくられている、カシスリキュールの元祖。リキュール作りに使われるカシスはすべてフランス産で、数あるカシスの品種の中から選び抜かれた「ノワール・ド・ブルゴーニュ種」と「ブラックドーン種」のみを厳選使用しています。その厳選された良質のカシスを約6週間から8週間もの時間をかけてゆっくりと浸漬して作られます。保存料・添加物を一切加えずにフルーティな香りと味わいを実現したおなじみのリキュールブランドで、カシスオレンジやカシスグレープサワーなどを美味しく楽しめます。

【詳細情報】
内容量:700ml

 


深くまろやかなコクと甘い刺激


サントリー カルーア コーヒー

「カルーア」は、良質なアラビカ種のコーヒー豆を100%使用した、深くまろやかなコクと甘い刺激が特徴的なコーヒーリキュール。厳選した素材を合わせることで、深くまろやかなコクと甘い刺激を持つ「カルーア」の魅惑的な風味が生まれます。定番のカルーアミルクなど、ぴったりのサイズでお気軽にカルーアカクテルを楽しめます。購入者からは「自宅で簡単にカルーアミルクが飲める」「店で飲む味とまったく同じ物が作れてコスパ最高」などの声も。

【詳細情報】
内容量:700ml

 


簡単に本格モヒートが楽しめる


バカルディ クラシックカクテルズ モヒート

世界中で流行している、ラムにミントの葉、ライム、砂糖を使ったトロピカルカクテル「モヒート」。「バカルディ クラシックカクテルズ モヒート」は、世界で一番飲まれているバカルディ・スペリオールラムで作られたモヒートを、たった3つの手順で簡単にサーブできます。グラスに氷を入れて、バカルディクラシックカクテルズ モヒートを注ぎ、炭酸水を注いで完成。カットレモンやミントの葉を添えるとより本格的に味わえます。その他にもジュースで割った「オレンジ モヒート」や「アップル モヒート」などのフルーティなカクテルも簡単に楽しめます。

【詳細情報】
内容量:700ml

 


作るのが面倒な時でもカジュアルに楽しめる!


アサヒ カクテルパートナー カシスオレンジ

気軽にお酒を楽しめる缶カクテル。いろいろなリキュールやスピリッツに、果汁やフレーバーを組み合わせたオリジナルカクテルが、カジュアルに楽しめます。カシスオレンジは、カシスリキュールとオレンジ果汁に果実パルプを加え、芳醇な香りと甘酸っぱい味わいが楽しめる、ジューシーカクテルです。そのほかにもカクテルパートナーはジントニックやソルティードッグ、スクリュードライバーなど各種カクテルが充実しています。

【詳細情報】
内容量:350ml×24本

 

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2021年を代表するヒット商品!「クラフトビール」ブームを象徴する「スプリングバレー」が100万ケース以上も売れている理由

※一部データを更新して再投稿しました

高付加価値への需要が高まるなか、造り手のこだわりが凝縮した「クラフトビール」がヒットしています。市場成長は約200%(※1)といわれますが、なかでもその勢いを牽引しているのが、キリンビールが2021年3月に発売した「スプリングバレー 豊潤<496>(ほうじゅん ヨンキューロク)」。わずか半年後の9月には、年間販売目標に掲げた約160万ケースの約6割にあたる100万ケースを達成(※2)。スプリングバレーが市場拡大に大きく影響していることがうかがえます。

 

では、なぜ今クラフトビールが、そして「スプリングバレー 豊潤<496>」が支持されるのでしょうか? 「スプリングバレー」ブランドを象徴する、東京・代官山にある直営店「スプリングバレーブルワリー東京」を訪ね、マスターブリュワーの田山智広さんに聞きました。造り手ならではのコツが詰まった「おいしい飲み方」も必見です。

 

(※1:2021年1-9月、10月キリン調べ。出典:インテージSRI+(業務用酒販店含む)。クラフトビール市場について:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています。)

(※2:キリンビール出荷実績(大びん換算)2021年10月キリン調べ。)

キリン
スプリングバレー 豊潤<496>

麦芽を「キリンラガービール」の約1.5倍使用しているほか、4種類のホップを使用するなど素材を贅沢に使用。さらにホップを7日間漬け込む独自製法を活用し、豊潤な味わいとすっきりとした後味、ふわとろの泡を実現しています。

 

↑訪れたのは、東京・代官山で2015年にオープンした「スプリングバレーブルワリー東京」。ビール醸造所併設型レストランで、タンクや釜など醸造設備を眺めながら楽しめます

 

常識を覆す製法に挑み、海外醸造家から「クレイジー!」と評された

「スプリングバレー 豊潤<496>」の基盤となるのが、キリンの独自技術「ディップホップ製法」。まずはこの製法について、田山さんに教えてもらいました。

↑キリンビール マスターブリュワーの田山智広さん。1987年キリンビールに入社。工場、R&D、ドイツ留学等を経て、2001年よりマーケティング部商品開発研究所にてビール類の中味開発に携わる。2013年から商品開発研究所所長、2016年4月からキリンビールのビール類・RTDなどの中味の総責任者であるマスターブリュワーに就任

 

「『ディップホップ』は、2012年に当社が開発した製法です。それまでのホップの使用法は基本的に2つが主流でした。1つは、醸造工程における煮沸の後にホップを入れることで穏やかな香りをつける『レイトホップ』。もう1つは、ビール発酵後の貯蔵させるタイミングでホップを添加させ、刺激的な香りを付ける『ドライホップ』です。

 

『ディップホップ』はその2つの中間にあるタイミングで、酵母と一緒にホップを添加し、発酵中に漬け込みます。これによって『レイトホップ』よりも豊かでいて、『ドライホップ』で発生しがちなクセやトゲのない、温和かつ個性的な香り付けが可能に。さらに、泡の安定化や保存性を高めてくれるのが『ディップホップ』です」(田山さん)

 

↑「スプリングバレーブルワリー 東京」では、透明の発酵タンクで「ディップホップ」製法を見ることができます。※写真はイメージ。「スプリングバレー 豊潤<496>」は、キリンビールの工場で製造されています

 

「レイトホップ」と「ドライホップ」のいいとこ取りともいえる「ディップホップ製法」。これを知った海外の醸造家は、「クレイジー」と評したそう。それは、その発想が思い付かない技術だったからでしょうか?

 

「天才じゃないと思い付かないとか、そういう類ではないと思います。例を挙げれば『一番搾り製法』。これは麦汁の過工程で最初に流れ出る、一番搾り麦汁だけを使う製法です。醸造家であれば、一番搾り麦汁で造ればおいしくなるということは想像できるでしょう。ただしコストがかかりますから、大量生産を前提にしたナショナルブランドでの採用は、本来ありえないはずです。

 

『ディップホップ製法』も同様に、考え付くことはあったかもしれません。しかし、発酵させるタイミングでホップを添加することは衛生面でリスキーなんです。クリアするためには設備投資や管理の手間がかかるので、だれもやろうとは思わなかった。一般的なビール醸造では諦めてしまうことにも挑戦したことが、“クレイジー”と思えたんでしょうね」(田山さん)

 

そのクレイジーなこだわりは、原材料の厳選ぶりにも見てとれます。

 

・厳選した4種のホップを使用

「スプリングバレー」で使用するホップは、フルーティーでフローラルなホップを中心に、さまざまな組み合わせを何度も繰り返して4種を厳選。華やかな香りを創出しています。

↑ホップの圃場(ほじょう)。世界には数多くの品種のホップがあり、そのなかから最適な組み合わせを選び抜いて「スプリングバレー 豊潤<496>」に使用しています

 

・「キリンラガー」の1.5倍もの麦芽を使用

麦芽は「キリンラガービール」の約1.5倍もの量。その上ですっきり仕上げることで、「豊潤」と呼ぶにふさわしい濃厚な味わいとすっきりとした後味を両立。さらには見た目にもおいしそうな琥珀の液色に仕上げられています。

↑糖化方法は全体の温度を徐々に上げる「インフュージョン」を採用。これは一般的に、すっきりとしたビールに仕上げたいときに用いる製法です

 

構想10年・試験醸造250回(※3)を費やして味を造り上げた!

「スプリングバレー 豊潤<496>」が完成するまでにかかった歳月は、なんと10年。その間行われた試験醸造の数は250回(※3)と、いち商品の開発に対して行うには、まさに“クレイジー”といえる回数です。やはり、それだけ苦労したということでしょうか?

(※3:この商品の特長である製法の開発にかかった試験醸造の回数)

 

「そうですね。私たちがビール造りに一貫してこだわっているのは、飲み飽きず、また飲みたくなるようなおいしさ。『キリンラガービール』も『キリン一番搾り』も同様です。『スプリングバレー 豊潤<496>』も、クラフトビールならではの1杯で満足できる豊潤な味わいを追求しながら、さらにもう1杯飲みたくなるおいしさを追求しました」(田山さん)

↑究極の味のバランスを目指していることから、完全数である調和のシンボル「496」を商品名にしたといいます

 

「その上で缶で販売することも想定し、500mlを飲み切れて、酔い過ぎない設計にしたことも考慮した点です。また、大量生産できることも条件になりますから、安定してどのホップや麦芽を使えるかも重要でした。そのため、原材料の選定だけでも数え切れないほどの検討を重ねました。これは苦労したことの1つです」(田山さん)

 

250回(※3)の試験醸造では、どのような点をブラッシュアップしていったのでしょうか?

 

「まずは、あまたある完成図のなかから方向性を決めていきます。そこから、どのビアスタイルがふさわしいか。ホップや麦芽のほか、酵母はどう使ってどう組み合わせるのか。製法は何を採用してどう生かすかといったテストですね。原材料と製法の試験では性質が異なりますし、大枠が決まったあとは完成に向けた最終調整もあります。そういったさまざまな試験をカウントしていったら、結果的に250回(※3)になっていました」(田山さん)

(※3:この商品の特長である製法の開発にかかった試験醸造の回数)

 

開発チームは、あらゆるビアスタイルに精通しているビール造りのプロフェッショナル。過去の経験から、ある程度の完成図はイメージできると田山さんは言います。とはいえ、狙った味の基準に達するかどうかは、造ってみないとわかりません。しかも1回の醸造を始めてから完成するまでに、約1か月がかかります。同時に数パターンを試すので250か月かかったわけではありませんが、それはそれは長い道のりだったのです。

「スプリングバレー」のこだわりを動画でチェック

 

マスターブリュワー直伝! おいしさを余すところなく味わう作法とは

田山さんはじめ、ブリュワーたちのこだわりとクレイジーな挑戦がつまった「スプリングバレー 豊潤<496>」を、あますところなく堪能するには、どうしたらいいでしょうか? 田山さんに、よりおいしく飲むためのコツを聞きました。

 

1. グラスに注ぐべし!

「『スプリングバレー 豊潤<496>』の醍醐味である、華やかな香りを楽しんでいただくためには、グラスに注ぐことが大切です。缶は構造上、香りが鼻までダイレクトに届きませんから。ビールの琥珀色、コポコポと注がれて泡がプチプチ弾ける音。ぜひ、五感をフル活用して味わっていただきたいですね」(田山さん)

 

2. 口が広いグラスを選ぶべし!

「このような、口が広いタイプのものであれば基本的にどんなグラスでもOKです。ワイングラスのように口がすぼまったタイプも、凝縮感のある香りを楽しめていいですね。一方、凹凸があるようなグラスは泡が立ちすぎてしまうので、避けたほうがいいです」(田山さん)

 

3. グラスは冷やすべし!

「グラスは内部をしっかり洗ってください。汚れがあると、そこに泡が吸着してしまうんです。また、グラスを冷やしておくこともポイントですね。グラスとビールに温度差があると、これも泡が立つ原因になるからです。理想は氷水で冷やすことですが、冷水でも構いません」(田山さん)

 

4. 泡でおいしさを閉じ込めるべし!

↑最初はあえて泡を立てるように注ぎ、その後はグラスの縁に沿ってできるだけやさしくサーブ。炭酸ガスが抜けないように泡でフタをし、爽快なおいしさをしっかり閉じ込めるのです

 

そのクレイジーなこだわりは100年超えだった!

海外のビール醸造家から「クレイジー」と称賛された、スプリングバレーの製法。その根底には、おいしさへのあくなき探求心があると、田山さんは言います。

 

「目的は、とにかくおいしいビールをお客様にお届けしたい。この一心です。おいしくなるのであれば、いままでになかったおいしさを届けられるなら、どんな困難なハードルも超えますよ。その1つの手段が『ディップホップ』であり、結果的に“クレイジー”なものづくりになっているんでしょうね」(田山さん)

 

脈々と受け継がれる、キリンビールのクラフトマンシップ。その矜持は、商品名である「スプリングバレー」に込められていました。

 

↑「スプリングバレー」は、約150年前に横浜・山手で設立され日本で初めて商業的な成功を収めたビール醸造所「スプリングバレー・ブルワリー」のこと。そしてキリンビールの前身「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」は、その跡地に設立されました。(写真:東京大学史料編纂所古写真研究プロジェクト 提供)

 

「『スプリング』は泉。『バレー』は谷。設立したのはノルウェー生まれのアメリカ人、ウイリアム・コープランドですが、彼は横浜の山手にビール造りに最適な水が湧いていることを発見したんでしょうね。ただ山手は丘陵であり、横浜港から近いわけでもありません。輸入した資材や原材料を運ぶのも大変だったはずです。でもおいしいビールを造るためには、良質な水が欠かせなかったんでしょう。そうした苦労の末、『スプリングバレー・ブルワリー』は日本のビール文化を切り拓きました」(田山さん)

 

そのものづくりへのこだわりや情熱が、キリンビールの源流にあります。おいしいビール造りを目指す“クレイジー”な探求心とともに、「スプリングバレー」の名のもとに受け継がれたキリンビールのクラフトマンシップ。先人が日本にビール文化をもたらしたように、クラフトビールで新たなビールカルチャーを根付かせたい、時代を変えたい。その熱い思いが、「スプリングバレー 豊潤<496>」には込められているのです。

 

田山さんの思いあふれる話を聞いて、あらためて筆者も「スプリングバレー 豊潤<496>」を飲んでみました。個性と飲みやすさが調和した味わいです。香りが華やかでコク深く、味のボリュームがありながらも後味はすっきり。飲み疲れがないフレンドリーなテイストに仕上がっています。田山さんが語るクレイジーなこだわりの数々を聞けば、腑に落ちる旨さです。

 

前年比約200%(※1)超の活況に沸くクラフトビール。でもその道はまだ半ば

クレイジーな情熱、クレイジーな製法から生まれた「スプリングバレー 豊潤<496>」は、発売からわずか半年で100万ケースを突破(※2)。しかも、2021年1〜4月で、クラフトビール市場は前年比約200%(※1)と伸長するなど、家庭でのクラフトビールニーズが大きく飛躍しているとか。

(※1:2021年1-9月、10月キリン調べ。出典:インテージSRI+(業務用酒販店含む)。クラフトビール市場について:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています。)

(※2:キリンビール出荷実績(大びん換算)2021年10月キリン調べ。)

 

とはいえ、田山さんはクラフトビール飲用拡大への挑戦はまだまだ道半ばだと言います。

 

「『クラフトビール』という言葉の一般認知はすでに9割を超えているそうです。ただし、意味の理解までは十分に進んでいないと思いますし、飲用体験もまだまだ。また知ってはいるものの“身近な世界ではない”と思われている傾向もあります。

 

私たちは、クラフトビールには生活スタイルを変えるほどのインパクトがあると思っていますし、誰にとっても身近で日常的な存在になれると確信しています。これからもクラフトビールのおいしさを探求するとともに、魅力を発信し続けていきますよ!」(田山さん)

 

一部のコアなビール好きが飲むものだったクラフトビールが、すべてのビール好き、すべてのお酒好きの手に。広がりつつあるムーブメントの起爆剤がまさに「スプリングバレー 豊潤<496>」であり、事実として全国にファンが増えています。ビギナーからマニアまで、誰が飲んでも感動できる、ど真ん中のおいしさをもったこのクラフトビールこそ、ニーズを確実にとらえた、2021年を代表するヒット作といえるでしょう。

 

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取材・文=中山秀明 人物写真/湯浅立志(Y2)

北海道から九州まで上質で個性的なワインが続々!「日本ワイン」の歴史と産地別の注目ワイン

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズは、フランスをはじめとする古くから“ワイン大国”として名を馳せる国から、アメリカなどの“ワイン新興国”まで、さまざまな国と産地を取り上げてきました。今回はいよいよ、日本。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
第1回 :フランス
第2回:イタリア
第3回:ドイツ
第4回:オーストラリア
第5回:アメリカ
第6回:ニュージーランド

 

日本ワインを旅する

「日本ワインの歴史は浅い」という話をよく聞きますが、他国に比べて、本当に浅いものなのでしょうか? こと歴史という点では、5世代続く家族経営のワイナリーもありますし、サントリーやメルシャンといった大手メーカーの歴史は100年以上続いています。

 

日本人のワインとの初めての出会いは、16世紀にさかのぼります。ポルトガルの宣教師が日本に持ち込んだものだったようです。珍重され流通した時代もありましたが、“国内で生産する”という流れにはならず、江戸時代の鎖国政策でそれも一度途絶えました。

 

そして明治維新が起こり、ヨーロッパを視察した岩倉使節団はワインが産業として重視されていることを知り、新政府の産業振興の一環としてワイン造りを奨励したことが、“日本ワイン”の始まりとなります。日本人として初めてフランスに留学した山梨県の青年2人は、1877年(明治10年)に日本初のワイン会社である大日本山梨葡萄酒会社を設立し、これが現在のメルシャンの起源ともいえる事業に。時を同じくして全国各地にワイン醸造家が生まれ、サントリーも1899年に創業し、ワインの製造販売を始めます。

 

ですが、ワイン産業が奨励された後も、通常のワインは食卓になかなか受け入れられず、神谷伝兵衛の「蜂ブドー」やサントリーの「赤玉ポートワイン」といった人工甘味果実酒だけが成功を収めました。多くのワイン醸造家は苦しい時代を過ごしたことは想像にかたくありません。

 

そして明治維新から約100年。1970年の大阪万博をきっかけに幕を開けた高度経済成長の時代に、第一次ワインブームが起こり、1975年に初めて、ワインの消費量は甘味果実酒を上回ります。

 

ヨーロッパでの現代ワインのスタイルを体系化した原産地呼称制度は1920年代、アメリカやオセアニアが現在のワインのスタイルを確立していったのも戦後の20世紀後半になってからのこと、と考えると、歴史そのものはけっして見劣りするものではないように思えるのです。

 

それよりも生育期の高温多湿、梅雨や夏から秋にかけての台風といった気候条件と、現在世界中で脚光を浴びる「日本酒」という米文化、ヨーロッパの食文化が根付くのに時間が必要だったことが、ワイン文化を育み、ワイン用ブドウを栽培することに積極的になれなかった、大きな要因だったように思えます。

 

現在、日本のワイン消費は第7次ワインブームの真っただ中。チリワインなどの低価格帯ワインの家庭消費やバル、レストランの多様化など複合的な要因がありますが、そのひとつに「日本ワインブーム」もあるとされています。今では北は北海道、南は九州まで、幅広い地域でさまざまなスタイルの日本ワインが造られるようになり、目を見張るような素晴らしい品質のワインにも出会えるようになってきました。

 

100年以上の時間が必要だったとはいえ、日本ほど世界中の多様なワインが消費されている国はなく、また美食という観点からも、日本ほどレストランが高いレベルでしのぎを削る国はありません。そのなかで日本ワインが、国内のみならず海外でも広く知られる日は、もうすぐそこに迫っているように思えます。日本ワインの個性やスタイルといったものが確立されるのは、近い将来のことなのです。

1. 山梨県
2. 長野県
3. 栃木県足利と北海道
4. 山形県
5. 新潟県

 

1. 山梨県
− 日本ワインらしさを期待される甲州種の可能性 −

山梨県は、日本のワイン生産の発祥の地であり、山梨大学と県の産業技術センターに属する“ワインセンター”という研究機関をそなえる、歴史的にも技術的にも日本ワインの中心的な生産地です。メルシャンやサントリー、マンズ、サッポロなど大手メーカーの拠点もありますが、写真の「中央葡萄酒」のような家族経営のワイナリーにも注目が集まっています。

 

日本ワインのオリジナリティという話で、必ず名前が挙がるブドウ品種が「甲州」種です。山梨県勝沼で古くから栽培されてきた甲州種は、DNA研究によって3/4がヴィティス・ヴィニフェラ系であることがわかり、甲州種ワインの成功はすなわち日本固有のワインの成功につながると、これまでさまざまな工夫が重ねられてきた品種なのですが、元来生食用に栽培されてきた甲州種は糖度が上がりづらく、ワイン用のブドウには不適な面もあったのです。ワイン用ブドウは少なくとも20度、ボリュームのある味わいを得るには24度ほどの糖度が必要と言われていますが、甲州は通常だと16~18度ほどの糖度にしか上がりません。そこで中央葡萄酒の三澤茂計氏は、従来の棚仕立てから、海外で主流である枝を縦に這わせる垣根仕立てを採用し、ワイン用ブドウに必要な糖度を持った凝縮した果実を栽培しようと試みます。ところが1992年に初めて採用した際には、樹勢の強い性質から結実すらしなかったといい、挑戦は失敗に終わります。そして現在の醸造長である三澤彩奈氏は垣根仕立てに加え、高畝式というブドウ樹になるべく水分を吸わせない方式を採用、2012年に初めて糖度20度を超え、2013年には25度の果実が生まれるようになりました。

 

この年醸造した「キュベ三澤明野甲州2013」は世界最大のワインコンクールであるデキャンタ・ワールド・ワイン・アワードで、日本ワイン初の金賞を獲得します。当時、日本経済新聞に掲載された金賞獲得の記事を読んだ際、日本ワインの夜明けを感じるような感慨、わがことのようにうれしく思ったことを、昨日のことのように思い起こせます。三澤茂計氏にとっては20年以上、代々続く中央葡萄酒、山梨のワイン、日本ワインにとっては100年に及ぶ挑戦のひとつの結実だったと思えるのです。

 

こと甲州種によるワインは、日本ワインのひとつの方向性を示しました。そしてそれは現在進行形のもので、より深くより明確に日本ワインのオリジナリティを表現していく期待が、甲州種には集まっているのです。

 

中央葡萄酒「グレイス甲州 2019」
オープン価格

2. 長野県
− ワイン特区、信州ワインバレー構想が生んだ新しい日本ワイン −

長野県の日本ワインにおける歴史は古く、塩尻市桔梗が原は明治末期から、甘味果実酒の原料ブドウの大供給地として運営されてきました。五一わいんの創業者である林五一氏が戦後メルローの栽培を始めたことにより、現在に至るまで、海外品種の栽培では山梨県に先んじている産地となっています。

 

元々長野県は、ワイン用ブドウの栽培比率が全国の中でも高く、輸入ブドウに頼らないワイン生産が行われてきました。そして長野県では小規模ワイナリーが開業しやすいよう、従来の1/3の醸造量でも酒造免許が取得できるワイン特区(構造改革特別区)を制定。意欲ある生産者が続々とワイナリーを開業しています。また「信州ワインバレー構想」と銘打って、日本アルプス、桔梗が原、千曲川、天竜川と県内の産地に色付けを行い、長野ワインの個性をより明瞭に打ち出し始めました。

 

サントリーやメルシャンといった大手も拠点を構えていますが、小布施ワイナリーやヴィラデスト、ファンキーシャトーといった小規模なワイナリーは、どこもヨーロッパ品種で成功を収めています。代表的なものには桔梗が原のメルロー、千曲川のシャルドネが産地全体で高品質なワインを産みだし、同時に小規模で植えられているさまざまな品種、そしてコンコードやナイアガラといった生食用ブドウで造られたワインも、長野ワインの多様性を表現しています。

 

写真のワイン、微発砲の“辛口ペティヤン”というスタイルは、ヨーロッパの地ワイン的で価格的にも親しみやすいのではないでしょうか。生産量では山梨には及びませんが、今の日本ワインのさまざまな個性を楽しめる、また将来が楽しみなのが、長野ワインの素晴らしいところです。

 

ドメーヌ・ナカジマ「ペティアン・ナチュール・ロゼ 2020」
1980円(税込)

3. 栃木県足利と北海道
− とあるアメリカ人の、日本ワインへの功績 −

栃木県足利市にあるココ・ファームは、障害者支援施設の一面を持った国内でも珍しいワイナリーで、1958年足利市田島町に、特殊学級の教員だった川田昇氏が3ヘクタールのブドウ畑を開墾したことから始まります。

 

醸造免許を取得し、初めてワインを生産したのは1984年のこと。その5年後に、アメリカでワイナリーのコンサルタントをしていたブルース・ガットラブ氏が来日し、ココ・ファームの醸造指導を行うことになりました。その当時のココ・ファームのワインを飲んだことはないのですが、その他の多くの日本ワインと同様に甘口が主体だったものを、ガットラブ氏が加わり辛口に仕上げられるようになったということです。その頃の日本のワイン消費が食中酒ではなかったことを裏付けるエピソードですが、当初は辛口のワインは顧客に受け入れられず、クレームすらあったといわれています。それをガットラブ氏は変革の手を緩めず、野生酵母の使用や無濾過、亜硫酸に頼らないワイン醸造という、現在では当たり前ともいえる手法を次々に導入し、ココ・ファームのワインを国内でも先進的なものに変えていきました。そして2000年に開催された九州・沖縄サミットの晩餐会では“日本を代表するワイン”として供されるに至ります。

 

現在ガットラブ氏は、ココ・ファームの醸造指導を続けながら北海道岩見沢に10R(とある)ワイナリーを運営し、北海道の栽培農家に醸造の場を提供して、多くの生産者にワイン造りの示唆を与えています。足利という日本ワインの小さな一角から北海道、ひいては日本ワイン全体に変化を与えたブルース・ガットラブ氏は、日本ワインの近代化に大きな影響をもたらしたのです。

 

ココ・ファームでは、毎年秋に“収穫祭”と銘打って収穫を終えたブドウ畑の斜面でつくりたてのワインと料理を楽しむイベントを行っています。1984年のファーストヴィンテージから開催され、県外からも多くの観光客が集まる日本版ワインツーリズムのひとつの成功例となっていますが、残念ながらコロナ禍のなかでは、オンラインイベントに切り替えるなど限定的なものになっています。日本で開催されるワインイベントとしてはワインと自然が結びついていることを感じられる貴重な機会なので、また多くの人が集まれるようになったら再開が心待ちにされているイベントです。

 

ココ・ファーム「こことあるシリーズ・ツヴァイゲルト 2017」
3500円(税込)

4. 山形県
− “果物王国”山形はワインもおいしい 

岩手もドイツ系品種の栽培に成功していますが、東北のワイン生産の中心は、洋ナシやさくらんぼで有名な山形県ではないでしょうか。老舗のタケダワイナリーは大正時代からブドウ栽培を始めていて、東北ワインの歴史と歩みをともにしています。同じく山形の高畠ワイナリーは1990年創業とタケダワイナリーに比較すると歴史は浅いですが、2009年から10年間醸造責任者を勤めた川邉久之氏の活躍は、山形ワインの可能性を引き出すことに成功しました。

 

川邉氏は、カリフォルニアのナパ・ヴァレーで15年にわたりワイン醸造に携わっていたことから、日本人醸造家としては豊富な経験と知識を日本ワインにもたらした方です。以前、ナパ・ヴァレーの恵まれた気象条件と日本のそれとは大きな開きがあるという話を伺ったことがありました。ですがその際に印象的だったのは、世界のワイン産地のなかにも厳しい条件下で優れたワインを産み出す産地もある、という言葉でした。高畠ワイナリーでは、さくらんぼを原料としたフルーツワインやガス注入の廉価なスパークリングワインなど、幅広い層に受け入れられるワインも造りながら、深夜に収穫するナイトハーベストを導入するなど、本格的なヨーロッパワインの消費者層にも受け入れられるワインづくりも模索されていたように私の目には映りました。写真のゾディアックは、土壌造りから始めたという意欲作で、日本では成功例の少ないピノ・ノワールを見事な完成度で仕上げた1本です。

 

現在の日本の市場は、世界の銘醸ワインの消費者層と日本ワインの消費者層があまり重なっていないところが課題だと思うのですが、海外のワインをよく知る川邉氏のようなワイン・パーソンが今後増えていけば、いつか日本ワインはより多くの日本人に親しまれ、世界にも広がっていくように思えます。高畠ワイナリーのピノ・ノワールは、そんな想像をさせてくれる日本ワインでした。

 

高畠ワイナリー「ピノ・ノワール・ゾディアック 2017」
オープン価格

5. 新潟県
− 海と砂のテロワールと訪問客を楽しませるワイン産地 

新潟のワイン生産の歴史は古く、現在日本の赤ワイン用品種の中心を担うマスカット・ベリーAも上越市で産まれました。マスカット・ベリーAをはじめブラック・クイーン、レッド・ミルレンニュームなど数々の優良品種を産み出し、“日本ワインの父”ともいわれる川上善兵衛の創設した岩の原葡萄園は、サントリーの傘下として現在にまで残っています。

 

けれども今、日本ワインの未来を考えた際に注目すべきは、新潟市街地の角田浜、越前浜にある5軒の生産者たちが形成する「新潟ワインコースト」ではないでしょうか。1992年にカーブドッチを創業した掛川史人氏は新潟産ブドウとヨーロッパ品種でのワインづくりにこだわり、2005年に砂質土壌に適した品種としてスペイン、ポルトガル品種のアルバリーニョの可能性を見出して、この地域のオリジナリティを模索し続けています。

 

また掛川氏の主催するワイナリー経営塾の卒業生たちがフェルミエ、ドッメーヌ・ショオ、カンティーナ・ジオセット、ルサンクワイナリーと立て続けにワイナリーを開業し、新潟ワインの新しい一面を表現しています。そして特筆したいのは、レストランやオーベルジュを併設してゲストを楽しませるという、日本では初めてのコンセプトを打ち出したのも、掛川氏だということ。現在では、迎賓館赤坂離宮の正門前にカフェをオープンするなど、多角的に日本ワインを盛り上げています。新潟もまた、日本ワインの新しい潮流を産み出す新しい産地として、変化を続けているのです。

 

カーブドッチ「うみがめ(ソーヴィニヨン・ブラン)2019」
3520円(税込)

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です。

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

日本酒だけど、スパイシーなカレーと合わせたい!「澪」の限定商品「イチゴのような香り」を飲み比べ

宝酒造が手掛ける人気のスパークリング日本酒「澪」(みお)が2021年6月21日で発売10周年を迎え、同時に限定商品も発売されました。

 

記念のイベントには、ブランドアンバサダーを務めるとともに、限定新作のラベルデザインを監修したフィギュアスケーターの浅田真央さんが登壇。その様子と、新作の味わいレビューをお伝えします。

↑左が定番商品で、正式名称は“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒”。右が6月21日から限定発売されている“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒10thAnniversary<イチゴのような香り>”です。ともに300mlで参考小売価格は税込522円

 

浅田真央さんがラベルデザインを監修

「澪」の特徴は、爽やかで心地よい発泡、フルーティな香り、やさしい甘みとほどよい酸味、これらが調和しつつ、アルコール度数5%で気軽に楽しめる点です。その飲みやすさから、日本酒のエントリー層を中心に愛され、累計7000万本の販売数量(300ml換算)を突破する人気ブランドとなっています。

 

発売10周年を迎え、記念の新商品も発売ということですが、さらにもうひとつエポックメイキングなことがありました。「澪」の誕生日である6月21日が、一般社団法人日本記念日協会より「スパークリング清酒の日」に登録認定されたのです。

↑「スパークリング清酒の日」の「記念日登録証」を披露する浅田さん

 

浅田さんはトークショーのなかで、自身が監修した“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒10thAnniversary<イチゴのような香り>”のラベルデザインについて、「最初はデザインなんて大丈夫かな? と思ったのですが、『澪』のスパークリングの華やかさをイメージして描いてみました。家でもよく絵を描いたり塗り絵をしたりするので、とても楽しかったです」と振り返りました。

↑華やかさが際立つ“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒10thAnniversary<イチゴのような香り>”のラベル

 

この日は七夕が近いこともあり、浴衣姿で登場した浅田さん。イベントでは短冊に願い事をしたためました。書いた内容は「過去の自分を超えることができますように」。

 

浅田さんはその思いを、「3年間続けてきたアイスショーが無事に終わって、自分の気持ちもまたゼロからのスタートだと思っています。そんな過去の自分を超えていけるように、これから前に進んでいきたいですね」と明るく語ってくれました。

↑アスリートらしい向上心を短冊にしたためた浅田さん

 

いつもの「澪」と「イチゴのような香り」を飲み比べ

せっかくなので、この機会に筆者は通常の「澪」と期間限定の「イチゴのような香り」を購入して飲み比べてみました。まずは「澪」から試してみると、マスカットやライチなどの爽やかな果実を思わせるフルーティな香味が印象的。口に含むと、やわらかな甘みと発泡によるキリっとして爽やかな余韻が、口のなかで心地よく広がります。

↑フルーティな香味が特徴の「澪」。香りをキャッチしつつ泡の繊細な刺激を楽しむなら、グラスは細めのシャンパングラスがオススメです

 

「イチゴのような香り」は、確かにレッドベリー系の甘酸っぱいアロマが広がりますが、熟した重さではなく上品で繊細なイメージ。軽やかですっきりとした「澪」らしい飲み心地がしっかりあって、食前酒や食後酒としてはもちろん、食中酒としても合うと思います。

↑上品で繊細なイメージの味わい。アルコール度数は定番の「澪」と同じ5%です

 

ちなみに、イベントでは浅田真央さんが「自家製スパイシーカレーを作って『澪』と合わせたところ、驚くほどマッチした」と語っていました。「カレーにはラッシーが合う」といいますが、ラッシーも甘さと酸味をもった発酵ドリンク。同様に、「澪」の甘みや酸味がカレーのスパイスと調和し、後口をすっきりさせてくれたのでしょう。みなさんもぜひ、2つの「澪」の飲み比べを楽しみつつ、夏の定番料理であるカレーと合わせてみてはいかがでしょうか。

「黒ラベル×ヱビス」から生まれた新ジャンル「ゴールドスター」徹底試飲レビュー!

「黒ラベル」と「ヱビス」は言わずと知れたロングセラーのビールですが、両レジェンドのDNAをもつ、いま注目の新ジャンルビールテイストが「サッポロ GOLD STAR(ゴールドスター)」です。本記事では「ゴールドスター」の特徴解説に加え「黒ラベル」「ヱビス」との飲み比べも行い、味わいの魅力にも迫ります。

 

↑左から、ビールの「サッポロ生ビール黒ラベル」(207円)、新ジャンルの「サッポロ GOLD STAR」(141円)、プレミアムビールの「ヱビスビール」(227円/各、編集部調べの参考価格/税込)

 

デザインにも名作のDNAが受け継がれている

まずは「ゴールドスター」のなかに眠る、名作ビールの各DNAを解説します。黒ラベルの要素は「旨さ長持ち麦芽」。これはその名の通りで香味耐久性が高く、泡もちをアップさせる麦芽のことです。

 

「ゴールドスター」は、この「旨さ長持ち麦芽」を一部に採用。これにより、何杯飲んでも飲み飽きない「黒ラベル」らしさを感じられる新ジャンルになっているのです。また、DNAを継いでいることについてはデザイン面でも表現。

 

↑缶を並べると、デザインの要素がよくわかるはず。サッポロビールのシンボルでもある、あのマークです

 

それは「黒ラベル」のアイコンである大きな星。さらによく見ると「ゴールドスター」の星はグラデーションがかかっていて、上部は「黒ラベル」と同一の濃い金色。そして下部は「ヱビス」のエレガントな金色となっているのです。ということで、次は「ヱビス」と並べてみましょう。

 

↑「ゴールドスター」の星の下部は、「ヱビス」の缶と同一色になっています。しかも、さらによく見ると…

 

また、「ヱビス」と「ゴールドスター」がデザインで共通している点はもうひとつ。それはロゴです。「ヱビス」の「YEBISU」に採用されている、陰影がついたクラシカルな字体。このデザインモチーフが、「ゴールドスター」の「SAPPORO」にも受け継がれているのです。

 

なお「ゴールドスター」のなかに眠る「ヱビス」の味的な要素はホップにあり。「ヱビス」の魂「ドイツ産アロマホップ」を一部に採用することで、「ゴールドスター」は華やかな香りを実現しているのです。

 

↑「ゴールドスター」の裏ラベルには、DNAのことが書いてあります。しかも、昨年末にはリニューアルして麦芽とホップをともに増量。よりウマさに磨きがかかりました

 

「旨さ長持ち麦芽」に「ドイツ産アロマホップ」。これら贅沢な原料を一部に使用した「ゴールドスター」ですが、実はそれだけではありません。製法にも特別な技術が用いられています。それが「ダブルデコクション」という煮沸工程。仕込み槽(そう)から麦汁の一部を取り出し、仕込み釜で煮沸し戻す。この工程を2回重ねることで飲みごたえや飲み飽きない後味を引き出しているのです。

 

正統派のウマさを突き詰めた力強さと香り高さ

ここからは、それぞれを飲み比べながら「ゴールドスター」の味の魅力を探っていきます。まずは「黒ラベル」と飲み比べ。「黒ラベル」は麦芽のしっかりした旨みが豊かで、それでいてキレやのど越しがよく、まさに飽きないおいしさ。

 

↑つっかかりがなくスムース。吸い込むかのようにゴクゴク飲めてしまう、非常に好バランスで、おいしいビールのお手本といえる味わいです

 

そして「ゴールドスター」を。ビールと新ジャンルでは原材料の配合などが違うので、コクや贅沢感では「黒ラベル」に軍配が上がります。しかし、かといって「ゴールドスター」に軽さはまったく感じません。十分な飲みごたえがあり、爽快感もしっかり。バランスがよく、飲み飽きないおいしさに、「黒ラベル」のDNAをしっかり感じました。

 

↑泡もちもよく、ビールに負けないクリーミーなタッチ

 

次は「ヱビス」をゴクッと。さすがのボリューミーな旨みと上品な苦み、そして優雅な香りが口いっぱいに広がります。この、わかりやすいリッチなテイストはまさに「ヱビス」ならではのキャラクターといえるでしょう。

 

↑“口福”ということばがよく似合う、思わず笑みがこぼれるおいしさ。結婚披露宴をはじめ、祝祭の場でも何度お世話になったことか

 

では「ゴールドスター」はどうでしょうか。こうして比み飲んでみると、余韻に残る上品な苦みと香りは確かに「ヱビス」の肖像。どうしても新ジャンルなぶん「ヱビス」ほどのリッチな贅沢感はありませんが、「ゴールドスター」は力強さがしっかりあって、デイリーで飲むなら十分なクオリティの高さです。

 

↑どちらも金メダル級のおいしさ!

 

今回3本を飲み比べて改めて感じたのは、「黒ラベル」と「ヱビス」が良質な味の特徴をもちつつ、高いレベルで調和したおいしさになっていること。そして「ゴールドスター」は、ビールテイストの正統派なおいしさをとことん突き詰めたような力強さと香り高さをもっていること。まさに存在も味わいも稀有な新ジャンル、夏本番を迎えたいま、ぜひ飲んでみてください。

 

 

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夏のレサワは「濃いめのレモンサワー」で決まりだと思ったワケ

レモンサワーのブームとともに、缶チューハイ市場でも多くのレモンフレーバーが新発売されています。今回紹介するのは、そのなかでも濃い美味しさに特徴をもつ人気商品「サッポロ 濃いめのレモンサワー」。

 

↑「サッポロ 濃いめのレモンサワー」。参考小売価格は350mlで141円、500mlで191円です(ともに税抜)

 

好評ぶりはすさまじく、年間販売計画を今年3月発売時の280万ケースより100万ケース増やし、380万ケースに上方修正したほど。本稿では特徴である「濃い美味しさ」を中心に、味わいや魅力を深掘りしていきます。

 

味が濃いから氷をたっぷり入れても薄さを感じず美味しい

「サッポロ 濃いめのレモンサワー」のキーとなっているのが酸っぱさです。本商品ではシチリア産手摘みレモン果汁とレモン漬け込み酒を使用し、爽やかな香りと鮮烈な酸味を強化。それでいて後味がすっきりする設計となっており、濃さはあるけど重くなくて飲みやすい、食事に合うという独自のポジションを獲得しています。

 

↑シチリア産手摘みレモン果汁には、レモン果皮由来の成分も含まれています

 

この、濃さと酸っぱさを両立しながら飲みやすさも実現するというのはなかなか難しい技術なはず。それを実現しているのが造り手のノウハウです。製造元のサッポロビールは、ポッカサッポロフード&ビバレッジと同グループであり、長年のレモン研究が様々な商品に活かされています。例えば、酸っぱさで大人気の「キレートレモン」をお酒にした「キレートレモンサワー」もサッポロビールから発売されており、つまりレモン商品は大得意。

 

筆者は今夏、いっそう「サッポロ 濃いめのレモンサワー」が求められると思います。その理由もやはり、味が濃いから。夏は暑いので、缶チューハイは氷をたくさん入れたグラスで飲む人が多いでしょう。ただし氷がとけるのも早いので、味は薄まりがち。その弱点もなんのその、というのが「サッポロ 濃いめのレモンサワー」なのです。

 

↑ぎっしりと氷を入れても、味が濃いので飲みごたえは十分

 

↑圧倒的な濃さで、氷がとけても味がぜんぜんへこたれません

 

食事とともにゆっくり楽しむシーンには、濃い美味しさが大活躍。晩酌のお供や、語らいながら楽しむアウトドア飲みなどにもぴったりです。

レモンのジューシーで鮮烈な酸味がこってり料理とマッチ

ペアリングのオススメとしては、特に濃厚な料理によく合います。なぜなら、ガツンとした味に負けない爽快感や酸っぱさを「サッポロ 濃いめのレモンサワー」がもっているから。そこで、公式サイトで紹介されている2品を参考に作って合わせてみました。

 

↑チキン南蛮。甘酢ダレの唐揚げにタルタルソースが効いた、パンチのある味わいです

 

↑焼き枝豆のピリ辛ダレ漬け。焼いた枝豆に、甘辛酸っぱいタレをかけたスタミナ満点の一皿です

 

夏バテにも効きそうな、こってり系のおつまみ。「サッポロ 濃いめのレモンサワー」を合わせてみると、ジューシーなレモンの果実味と鮮烈な酸味が、料理の濃い味と油をしっかり受け止めます。そして7%の強めのアルコールと、炭酸と余韻の爽快感ですっきりリセット。また次のひと口を美味しくさせてくれます。

 

↑甘酢の酸味とはしっかり調和。唐揚げやタルタルソースのオイリー感はサラッと流します

 

↑ニンニクのパンチは、ボディ感のあるレモンサワーの味がキャッチ。ピリ辛の刺激も、シュワッとした炭酸とレモンの酸っぱさで中和してくれます

 

ほかにも、肉をたっぷり使ったスパイスカレー、チーズたっぷりのピザ、ガーリックバターで味わうステーキなど、濃厚な料理には酸っぱくて爽快な「サッポロ 濃いめのレモンサワー」がオススメです。

 

また、「飲もうと思っていたけどうっかり冷やし忘れた」というシーンでも重宝します。箱買いしたけど冷蔵庫に入れ忘れた、配達サービスに頼んだら常温で届いた、アウトドアやBBQに持っていったら冷えが弱かった、などなど。こういった状況から、急いで氷を大量に使って冷やした場合でも、薄まらずに美味しく飲めるのが「サッポロ 濃いめのレモンサワー」。

 

↑パントリーから冷蔵庫に移し忘れても問題なし。常温から氷入りのグラスに注いで冷やしても美味しいのが「サッポロ 濃いめのレモンサワー」です

 

氷でキンキンに冷やして飲みたい夏、パンチのある料理でスタミナをつけたい夏。そんな季節に選ぶのなら「サッポロ 濃いめのレモンサワー」で決まり。暑気払いに、ぜひお試しあれ!

 

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もはやお店!アサヒビールのサブスクサーバー「THE DRAFTERS」で家飲みに革命が起きちゃった!

売れすぎ品薄で話題となった「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」、アルコール0.5%の“微アル”で注目を集める「アサヒビアリー」など、攻めに攻めているのが今年のアサヒビール。もう一つトガッた新プロダクトを挙げるとすれば、家庭用生ビールサービス「THE DRAFTERS(ドラフターズ)」でしょう。

↑「THE DRAFTERS(ドラフターズ)」。事前のメディア向け発表会では多くの質問が飛び交うなど大盛況

 

果たして、「THE DRAFTERS(ドラフターズ)」の設置は簡単なのか? 簡単においしく注げるのか? などの疑問点を中心に、金額やサービス内容も踏まえてレポートしていきます。

 

毎月約8000円で4Lの樽生ビールが楽しめる

概要から解説すると、「ドラフターズ」とはアサヒビールが開発した「本格泡リッチサーバー」を会員に貸し出し、「アサヒスーパードライ」のミニ樽2L缶を毎月2回定期配送するサービス。つまりは生ビールのサブスクリプションサービスです。

↑申し込みは、公式サイトのプレ会員登録から

 

利用料金は月額税込7980円で、内訳は基本料金2990円(サーバーレンタル料込)+ビール料金4990円。ビールは鮮度を優先して月2回に1本ずつ、サーブするためのミニガスもミニ樽1本につき1本が付いてきて、配送料が含まれた金額になります。ビールの追加は可能で、その場合はミニ樽2Lが1本につき税込1980円とお得な料金に。いざ届いてみると、それはそれは豪華な内容でした。

 

2Lのミニ樽は、おなじみのデザインを踏襲した大きいサイズのボトル缶。上部にはスクリューキャップが付いていて、ここから器具を経由してサーバー本体とつなぎます。また、ミニガスは手のひらサイズで、こちらも本体の器具に取り付けます。

↑ミニ樽(左)とミニガス(右)。ミニガスはその右の白い箱に入っていました

 

「本格泡リッチサーバー」は裏側に電源があり、コードはノートPCのようにアダプターを経由してコンセントに差し込みます。また、ビールを注ぐためのパーツは「ドラフトタップ」「中栓」「ビアチューブ」と数種にわかれ、洗浄しやすいのもポイントです。

↑各種パーツや洗浄用のブラシ。「ドラフトタップ」(左下)にはカバーが付いているほか、受け皿(中央右)もあり、誤動作や液だれへの配慮も十分

 

組み立ては説明書に沿えば簡単で、ガスを送り込む「減圧弁ユニット」にミニガスをセットし、「中栓」に「ドラフトタップ」と「ビアチューブ」を取り付けます。その後、冷やしたミニ樽のスクリューキャップを開けて「中栓」のリングとジョイントします。

↑左上が「中栓」と「ドラフトタップ」、右上が「減圧弁ユニット」にミニガスをセットするところ。左下が「中栓」に「ビアチューブ」を取り付けるところで、右下がミニ樽と「中栓」をジョイントするところ

 

なお、「ドラフトタップ」は分解して洗浄が可能。「ビアチューブ」は6カ月が使用期限の目安で注文すれば送ってもらえるなど、衛生面も万全です。

↑ミニ樽が斜めに入る形で「本格泡リッチサーバー」本体にセットします

 

ここまで行けばセッティングは最終段階。ミニガスが入った「減圧弁ユニット」から延びているガスホース継手を「中栓」のガス供給口にはめれば、お待ちかねの一杯は、もうすぐそこ。

↑ガスホース継手を「中栓」のガス供給口へ。カチッとはまれば完了です

 

 

店でしかなかなか体験できなかった“天使の輪”に大感動!

ちなみに、ミニ樽は事前に冷蔵庫で12時間以上冷やしておくとスムーズに飲めます。ぬるいままだとおいしさが低減するうえ、泡だらけになってしまいます。「本格泡リッチサーバー」は本体のスイッチを入れることで冷却機能が働き、常時キンキンに冷えた生ビールが飲めるように。

↑この電源ボタンを押してスイッチオン。青く光るデザインがクール

 

モードについては後述しますが、ミニ樽セッティング後は「スタンダード・コールドモード」の場合1~2時間冷やしておくのがベター。そして、いよいよビールをサーブ。レバーを手前に引くとビールが、奥側に押すと泡が出ます。使い心地は飲み放題のビアガーデンにあるようなサーバーとほとんど同じで、特に難しさを感じません。

↑うまく注ぐコツは、グラスを45度傾けて、グラスの内側にノズルを密着させること

 

↑泡はきわめてシルキー。※撮影用にグラスから離しています

 

半分ほど注いだら徐々にグラスを起こし、最後に“付け泡”で調整。初めてでも簡単に注げました。しかも手前味噌ながら、完成度は驚くほどハイクオリティ。

↑「ウマいに決まっている!」ビジュアルで、実際飲んでみると至福のおいしさ。中身は350ml缶などの普通の「アサヒスーパードライ」と一緒ですが、サーバーから注ぐとやはり格別

 

前記の電源ボタンのところでチラッと写りましたが、「本格泡リッチサーバー」は温度帯の違う2つのモードがある点も魅力。一つは「スタンダード・コールドモード」で、一般的なビールの飲みごろである約4℃で抽出します。もう一つは「エクストラコールド・モード」。こちらは“氷点下のスーパードライ”でおなじみの、飲食店などで楽しめる「アサヒスーパードライ エクストラコールド」同様、-2~0℃で抽出するモードです。

↑電源ボタンを軽く押すとモードが切り替わります(オン/オフの際は長押し)

 

「エクストラコールド・モード」は切り替えてから3~4時間で氷点下の世界へ。キンキンが大好きな人は常にこのモードでもいいでしょう。ということで、エクストラコールドのグラスを用意して注いでみました。

↑注ぎ方は慣れればあっという間。こちらも感動的な仕上がりです

 

当然ながらこちらも激ウマ。しっかり温度コントロールされた氷点下のビールはお店でしか飲めないので、この体験だけでも貴重な価値があると言えるでしょう。また、意外に知られていないかもしれませんが、「アサヒスーパードライ」は辛口のウマさやシャープなキレだけではなく、クリーミーな泡もおいしさが特徴。缶ビールをそのまま飲むのではなかなか分かりづらい泡の魅力が、「本格泡リッチサーバー」なら存分に体感できるのです。

↑飲み終えた後は、なんと“おいしいビールの証”として知られる泡の「エンジェルリング」が!

 

時代は便利になったもので、昨今大人気のポータブル電源を使えばテラスやキャンプなど屋外でも激ウマの生ビールが楽しめます。また、聞いたところによると「ドラフターズ」の会員には特典があるようで、多くの驚きやおいしさがあるはず。日本一売れているビールが「アサヒスーパードライ」なので、常に箱買いしている人も多いでしょう。あなたも、「ドラフターズ」で、ワンランク上の家飲みライフを始めてみてはいかがでしょうか。

 

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日本で一番ラムに詳しい男に聞いた!「バカルディ クアトロ」で体感できる「エイジドラム」の奥深い話と楽しみ方

世界ナンバーワン(※)のラム酒ブランド「バカルディ」から新発売された「バカルディ クアトロ」が、注目を集めています。理由のひとつが、熟成させた“エイジドラム”を手軽に楽しめるということ。この機会に、そもそもラムという酒の魅力や間違いない飲み方、新作「バカルディ クアトロ」を堪能する方法までを、日本でもっともラムを知り尽くした人物、日本ラム協会の海老沢 忍会長に教えていただきました。「バカルディ クアトロ」の味わいとともにレポートします。

(※) 2020年1~12月販売数量:IWSR社調べ

バカルディ クアトロ

アメリカンオーク樽で4年以上熟成させたバカルディの原酒のみをブレンド。その後、再度オーク樽に詰め直し数か月間寝かせる“ダブルエイジング”を行ってからボトリングしており、豊かなフレーバーとまろやかさが際立つ味が魅力。

 

ラムの魅力は、甘やかな香りとバラエティの豊富さにある!

筆者が訪れたのは、海老沢さんが吉祥寺で営むバー「SCREW DRIVER」。さっそく質問してみましょう。まずは基本的な部分から。

 

あらためて、ラムの定義ってなんですか?

 

「ラムとは、サトウキビでつくられた蒸溜酒のこと。それ以外に定義がない、むしろ自由度の高いお酒といえるでしょう。ちなみに、サトウキビは黒糖のことでもありますから、『黒糖焼酎』も実は世界的に見ればラムなんです。では何をもって黒糖焼酎とするかというと“麹(こうじ)の有無”で、日本では麹を使うと黒糖焼酎、使わなければラムに分類されます。サトウキビ産業を守るために、黒糖焼酎のほうが課税は低くなっています」(海老沢さん)

 

↑日本ラム協会の海老沢 忍会長。吉祥寺「SCREW DRIVER」のオーナー・バーテンダーであり、同店だけでも約600種のラムが並んでいます。活動は洋酒業界だけでなく、野外フェスや、アウトドアブランドとのコラボレーションなど、さまざまな交流を通じてラムの認知拡大につとめています

 

日本では、黒糖焼酎の蔵元がつくり方を変えてラムをリリースしたり、一方でラム専門の蒸溜所があったりと、少しずつ国産ラムも増えているのだそう。では、生産国による味の違いは、どんなところにあるのでしょうか?

 

「ラムはカリブ海の島々が発祥といわれ、大航海時代にヨーロッパの各国が植民地化した際に発展したお酒。酒づくりにおいては母国の蒸溜技術が踏襲され、いくつかのスタイルに分かれました。イギリスの植民地では、ウイスキーのようなラム。フランス領ではブランデーのような製法。そしてスペインでは、スペインブランデーやシェリー酒の製造手法が用いられました。『バカルディ』はこのスペイン系で、まろやかな味わいやスムースな酒質、バランスのよさなどが特徴です」(海老沢さん)

 

↑ラムの製法は、サトウキビから砂糖を取り除いた糖蜜を蒸溜する方法が、全体の9割を占めます。ほかに、サトウキビの搾り汁からつくる製法、搾り汁を加熱してシロップ化したものを原料とする製法も

 

そのなかで、日本産ラムは焼酎づくりのノウハウが生かされていることや、国産黒糖や日本の軟水を使うことによる、ピュアで繊細なニュアンスが特徴のひとつ。そのうえで海老沢さんにラム特有の魅力をたずねると、ひとつは“甘やかな香り”にあると言います。

 

「ラムと聞くと、パウンドケーキやラムレーズンなど、スイーツを思い出す人も多いのではないでしょうか? ラム特有のフレーバーは、スイーツにとても合いますし、味わいに奥行きを与えてくれます。また、夏になると日本でもトロピカルカクテルやTIKIカクテルなどが注目されますが、年中暑い南国のビーチでは一年中、これらのカクテルが現地の人や観光客の人々に親しまれているんです。カクテルに使用される地のフルーツとラムは相性抜群ですね」(海老沢さん)

 

そしてもうひとつのラムの魅力は、風味や熟成度合いの色などによってカテゴリーが細分化されること。

 

「色がクリアなホワイトラム、樽熟成による薄い褐色のゴールドラム、さらに長期間寝かせることで風味やボディが強く濃い褐色のダークラムがあります。また、そのほかに果実やスパイスなどを調合したスパイスドラムやフレーバーラムといったタイプもあり、バラエティに富んでいることも、ラムの魅力ですね」(海老沢さん)

↑ラムの主要な生産国で元スペイン領のキューバ現地での楽しみ方を紹介。首都のハバナでは、紙パック式のラム(左)が一般的。右は、フルーツなどを漬け込んだ「ラムパンチ」といわれるもので、「SCREW DRIVER」でも提供。これを製品化したのがラムリキュールです

 

今トレンディなラムは「エイジドラム」

海老沢さんにラムの最新トレンドを聞くと、熟成されたエイジドラムだと言います。色でいえばゴールドラムやダークラム。その背景には世界的なシングルモルトウイスキーブームがあり、シングルモルトの希少価値が高まるなかで、洋酒ファンが注目し始めているのがエイジドラムなのだとか。

 

「エイジドラムは、ラムらしい甘やかなフレーバーに、樽で熟成されたふくよかな香りが加わります。この豊かな味わいはウイスキーにも匹敵し、一方でシングルモルトのように高騰していないので価格は高くありません。また、シングルモルトが産地の個性を楽しむように、ラムもテロワールの違いを楽しめるお酒です。こういった理由で、エイジドラムが世界中で人気になっているんですよ」(海老沢さん)

 

人はなぜ、熟成の魅力に惹かれるのでしょうか? 海老沢さんは「大自然がもっているふところの広さ、リラックスさせてくれる心地よさが、熟成のフレーバーに隠れているのだと思います」と言います。

 

「木のエッセンスや香り。例えば、温泉に入るとヒノキの香りに癒されますよね。はたまた、森林浴で体感できる緑の香り、キャンプでくべる薪や炭の香り。樽は木でできていて、多くは内側を焦がしてますから、熟成が深くなるとスモーキーフレーバーが増し、野性味や自然のニュアンスをラムがまとうんです。これが熟成の魅力だと思いますね」(海老沢さん)

 

ラムは自由に飲んでいい! プロに学ぶエイジドラムの飲み方3種

数あるラムのなかで、世界に名をとどろかせるのが「バカルディ」。ここからは、同ブランドの特徴とオススメの飲み方を紹介しましょう。「バカルディ」の代名詞といえば、ホワイトラムの「バカルディ スペリオール」。さまざまなカクテルのベースとして、世界中のバーテンダーから絶大な信頼を得ている一本です。

 

「『バカルディ スペリオール』は、とにかく甘味と酸味のバランスが絶妙。ラム特有の魅力をもちながら、カクテルの邪魔をせずにおいしさの底上げをしてくれることが、世界中のバーテンダーから愛される理由です。事実、どんなフルーツカクテルを作っても、最良のパートナーになってくれますね」(海老沢さん)

 

一方、ホワイト以外の「バカルディ」に関しては、豊かな香りを楽しむために、まずはストレートで。グラスに注いで空気に触れさせ、舌の上で転がしながら香りの広がりを感じるのがオススメとか。その次は、オンザロックやソーダで割るハイボールなど、ウイスキーのように楽しむといいそう。

↑エイジドラムの新作「バカルディ クアトロ」を楽しむ海老沢さん。ロックグラスを用意し、まずはストレートで色と香りを楽しむのがオススメとか

 

ではこの飲み方、今回の「バカルディ クアトロ」も同様でしょうか?

 

「はい。特に『バカルディ クアトロ』は、冷たいハイボールに適したエイジドラムだといえるでしょう。というのも、4年という熟成年月が、軽すぎず重すぎないボディ感なんです。もっと熟成させた『バカルディ』もあるのですが、こちらは風味の個性が強いため、ストレートやロックがオススメで、割るのはもったいないかなと。その点『バカルディ クアトロ』はちょうどいいフレーバーで、ハイボールにしても食事とよく合います」(海老沢さん)

 

1. まずは“オンザロック”で味と香りを楽しんで

これはなんとも絶妙なおいしさです。バニラやキャラメルを思わせる甘い香りがあり、口当たりはまろやか。味わいはどっしりしていていながらも、氷で冷たくキリッとしてサラッと流れていく抜け感も。余韻で残るロースト感もたまりません。この香ばしいニュアンスが樽熟成によるものでしょう。つっかかりがなくスムースで、ボリュームのある香りは飲みごたえも十分。こうしてちびちび楽しむ夜も最高だと思います。

 

↑冷やしたグラスに大きな氷を入れ、ラムを氷にかけるように注いでステア(バースプーンやマドラーなどでかき混ぜる)。混ぜたぶんだけ加水されて香りも開きますが、やりすぎると味が薄まるため、お好みで調整を

 

2. イチオシは夏にぴったりの“ハイボール”!

ラム特有の甘やかさと、そのフレーバーに寄り添う樽熟成のふくよかな趣き。ソーダの爽快さと原酒の力強さが調和した、飲みごたえの十分なラムハイボールです。

 

↑キンキンに冷やしたグラスに大きめの氷を2~3個入れ、「バカルディ クアトロ」と炭酸水を1:3の割合で注ぎます。コツはガスが抜けないように、ソーダはグラスのふちに沿ってやさしく注ぐこと。レモンやライムはなくてもOK

 

3. “モヒート”でも!

ラムの甘みにシロップの甘さが調和し、ミントのグリーンなアロマ、ライムのフレッシュな酸味がひとつに。ソーダの爽快感がシュワっと弾けて脳内までキリッと。そしてたっぷり入ったクラッシュドアイスの冷たさも相まって、全身が清涼感で満たされます。

 

↑ミントをパンと叩いて香りを開かせ、冷やしたグラスへ。液体の分量は、ラム45ml、ライムジュース15ml、シロップ15ml。ここで30mlだけソーダを入れて15回ほどペストル(専用の混ぜ棒。すりこぎ棒やスプーンでも代用可)でミックス。クラッシュドアイスを充填し、仕上げに再度ソーダを90ml程度注いで完成です

 

「クアトロ」と「スペリオール」をモヒートで飲み比べたら……

「バカルディ クアトロ」のモヒートは、クールで甘酸っぱいタッチに熟成ラムの深みがプラス。スカッと広がる爽快感にリッチなニュアンスが加わり、少々大人な仕上がりです。「バカルディ スペリオール」は昼の炎天下で、「バカルディ クアトロ」は陽が落ちたあとのチルタイムによく合いそうと思いました。

 

万能性が高く、陽気でワイルド。今夏の家飲みやアウドドアに!

最後に、「バカルディ クアトロ」にオススメのペアリングを聞くと、食事ならジューシーな肉がいいと言います。それは、ラムが油分をリセットさせてくれるからだとか。スイーツは全般に合いますが、オススメは甘香ばしくて、ちびちび楽しめる麦チョコ。また、意外なところで和菓子にも合うそうです。なかでも最近発見したのが、水羊羹との相性のよさ! 「バカルディ クアトロ」の適度な熟成感と、重すぎないサラッとしたタッチが、水羊羹のように清涼感のある和菓子とベストマッチなのだとか。

 

甘やかな香りと味をもち、熟成感もあるので飲みごたえも十分。それでいて重すぎず、価格も値ごろな「バカルディ クアトロ」。炭酸で割るハイボールやモヒートにも最適で、きわめて万能なスピリッツだと実感しました。陽気でワイルドな要素もあり、この夏の家飲みやアウトドア飲みにもオススメな存在感。ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

 

「バカルディ クアトロ」の購入はこちらへ
https://www.amazon.co.jp/dp/B07G4NFPMM

 

【店舗情報】

SCREW DRIVER

1997年にオープンした、吉祥寺駅から徒歩5分の場所にあるラム専門のバー。キューバ革命以前の「バカルディ」など、開栓がためらわれる希少ボトルも多数。現代のラムにつながるストーリーを紐解きながら、至福の一杯を楽しめます。

・所在地:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-15 東永ビル 4F
・営業時間:17:00~翌1:00
・定休日:なし
https://screw-driver.com/

※緊急事態宣言下の営業については、ホームページを確認してください。

 

写真/湯浅立志(Y2)

サントリーから糖質抑えた「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ」が登場

 

サントリーワインインターナショナルは、「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフ」を、8月24日に発売すると発表しました。

 

サントリーワインインターナショナルによると、「酸化防止剤無添加のおいしいワイン。」などの酸化防止剤無添加ブランドは、国内で流通しているすべてのワインの中で、売上容量No.1とのこと。人々の食の安全・安心への関心が高まる中、日常的に楽しめるワインとして幅広く飲まれているとしています。

 

今回、人々の健康意識のさらなる高まりを踏まえ、おいしいうえに糖質を抑えられる、酸化防止剤無添加のおいしいワイン。糖質30%オフを発売したといいます。

 

中味は、複数の原酒をブレンドし、糖質30%オフでもワインの厚みと複雑味のある味わいを実現。また、アルコール度数を10%にすることで、飲みごたえのある味に仕上げたとしています。一方で、パッケージには糖質30%オフの文字を大きく配し、特徴をわかりやすく訴求したといいます。

 

ラインアップは、赤ワインと白ワインを用意。赤ワインはミディアムボディで、容量は720mlと1.8Lをそろえます。白ワインは辛口で、容量は同じく720mlと1.8Lです。

ノンアルバーも出現! 進化する「ノンアルコール」「低アルコール」のお酒と楽しみ方

「ノンアルコール」や、アルコール度数の低い「ローアルコール(低アルコール)」のお酒が昨今、注目を集めています。もともと健康志向の高まりや多様化の流れのなかで、ビールを中心にワインや日本酒などでもノンアルコールの商品はありましたが、2021年はより勢いづいている様子。

 

たとえば、アサヒビールが“スマートドリンキング”の提唱とともに今春発売した、アルコール度数がたった0.5%の「アサヒ ビアリー」が話題に。また、ノンアルコール仕様のスピリッツ(蒸溜酒)をはじめ、国内外からさまざまなブランドが、日本の市場に進出しています。

 

↑日本初のノンアルコールジン「ノンアルコールジン・ネマ 0.00% スタンダード」(左=税込3200円。以下同)と、ロンドン発のノンアルコールブランド「/shrb」の「シュラブ オレンジ&ジンジャー」(右=594円)

 

このトレンドの背景とは? 商品のバリエーションはどこまで広がっている? さらに、“ノンアル”“ローアル”をどのように楽しんだらいい? 専門家へのインタビューとともに解説していきましょう。

 

“まるでお酒な飲み応え”に進化! ノンアル市場はますます拡大

ノンアルコールドリンクの新商品でヒットしている代表格といえば、サントリーの「のんある晩酌 レモンサワー ノンアルコール」。2021年3月の発売から約2か月で、1000万本の出荷数を突破(250ml換算)しており、ノンアルコール飲料としては異例の売れ行きとなっています。

↑「のんある晩酌 レモンサワー ノンアルコール」131円。レモンの香気成分をノンアルコール飲料に封じ込め、焼酎由来の旨味をノンアルコールのエキスとして凝縮させる製法により、リアルなレモンサワーの味を再現しています

 

また前述の「アサヒ ビアリー」も好調で、6月29日からは首都圏・関信越の1都9県で第2弾となる「アサヒ ビアリー 香るクラフト」を新発売。第1弾と同じくアルコール度数は0.5%で、フルーティな香りとコクを感じられる味が特徴です。なお、日本の酒税法では「アルコール度数1%以上」がお酒の定義となるため、0.5%の場合はソフトドリンク扱いに。缶のラベル表記も「炭酸飲料」となります。

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」195円。醸造したビールからアルコールを除去する独自の技術により、ビール特有の飲み応えを感じられるのが同ブランド最大の特徴です

 

このようなコンビニやスーパー向けの小売り商品がヒットする一方、バーでは「モクテル」と呼ばれるノンアルコールカテゴリーが数年前から注目の的に。これは“擬似”を意味する「モック」と「カクテル」を組み合わせた造語で、お酒が苦手な人を中心に親しまれてきました。ただ最近は、お酒が苦手でなくても、あえてモクテルを好んで飲む人も珍しくなくなってきているのです。

 

日本で“ノンアル”が支持されはじめている理由

では、なぜ最近になって、ノンアルコールやローアルコールのお酒が注目されはじめたのでしょうか? 歴史やトレンドに詳しい、日本初のモクテル専門店「Low-Non-Bar」(ローノンバー)の店長、高橋弘晃さんに教えていただきました。

↑東京・日本橋にある「Low-Non-Bar」のバーテンダー兼店長の高橋弘晃さん

 

日本におけるロー/ノンアルコール人気の先には、欧米で生まれたカルチャーが関係していると、高橋さんは言います。それは、「ソバーキュリアス」というスタイル。これは直訳するとソバーが「シラフ」、キュリアスが「〜したがる」というニュアンスをもっており、「積極的にシラフになりたい」といった意味を表します。

 

「欧米人は日本人よりアルコールに強い体質ですが、体に残る人はいて、依存症やアルコールの過剰摂取がひとつの社会問題になっています。そこで生まれたのが、自らの意思で適量を調整し生活を豊かにしようという『ソバーキュリアス』の考え方。モクテルは1920年代のアメリカの禁酒法時代に誕生したといわれています。当時はクラシカルだったレシピも、近年はより洗練され、ハイクオリティな味わいになっています」(「Low-Non-Bar」バーテンダー兼店長・高橋弘晃さん、以下同)

↑欧米ではノンアルコールドリンクもどんどん先進的に。写真は世界一のレストランとして名高い「ノーマ」のDNAを受け継ぐ「NON」(すべて3456円)

 

海外のさまざまなフードが日本で広まるのと同じように、またグローバル化や多様化の流れの中で、少しずつ日本でも「ソバーキュリアス」が浸透。さらに日本の場合は、働き方改革が大きく影響していると高橋さんは言います。

 

「アルコールの好き嫌いにかかわらず、身体的に合わない人が日本には多く、半数近いとも言われています。しかしながら日本には昔ながらの『飲みニケーション』があり、仕事などの付き合い上でお酒を飲まなければならない場面が少なからずありました。ただ、こうした文化が徐々に“パワハラ”もしくは“アルハラ”とも表現されるような文脈でとらえられるようになり、働き方改革とともに薄まりつつあります」

 

たとえば今、アサヒビールが掲げる“スマートドリンキング”は、「お酒を飲む人・飲まない人、飲める人・飲めない人、飲みたい時・飲めない時、あえて飲まない時など、さまざまな人々の状況や場面における“飲み方”の選択肢を拡大し、多様性を受容できる社会を実現するために、商品やサービスの開発、環境づくりを推進していく」というもの。まさにこの考えが今、日本に広がりつつあるといえるでしょう。

↑ベルギーのノンアルコールドリンク「ビアー・デザミ」(330ml 675円)。「アサヒ ビアリー」同様にビールからアルコールのみを除去し、アルコール入りのビールと遜色ない味に仕上げています

 

では、お酒好きがあえてノンアルコールを選ぶ理由には、いったいどういう心理があるのでしょう。欧米と同様に、生活を豊かにしようという考え方によるものでしょうか?

 

「やはり健康志向は関係していますね。たとえば高齢の方のなかには『酒はもう一生分飲んだ』ということで、ノンアルコールを楽しむ方もいらっしゃいます。あとは、お酒は好きだけど酔いたくない、酔っている時間をクリエイティブなことに使いたい、酔いが回って眠くなることを避けたい、といった心理です」

 

その一方、お酒が飲めない人はなぜ一般的なソフトドリンクではなく、あえてお酒をモチーフにしたノンアルコールドリンクを選ぶのでしょうか?

 

「アルコールが苦手でも、バーの雰囲気が好きという方はいらっしゃいます。おいしいカクテルを作るバーテンダーでも、お酒が飲めない、弱いという方は少なくありませんし、実は私自身もお酒に強いわけではありません。また、レストランにおける食前や食後に、コーヒーやお茶のほかに楽しめるドリンクがあるなら飲みたいということで、モクテルを希望される方もいらっしゃいます」

 

「ノンアルコールドリンク」と「ソフトドリンク」はなにが違うの?

「Low-Non-Bar」で提供されているモクテルには、どんなメニューがあり、どんな味わいなのでしょうか? 高橋さんに作っていただきました。

 

1杯目は、店名を冠した「Low-Non-Bar」。4種のベリー、赤パプリカ、グレープフルーツ、シュラブ オレンジ&ジンジャーで構成し、炙ったローズマリーが上品な香りのアクセントになっています。

↑「Low-Non-Bar」1540円。ハーブのエッセンスにはじまり、ジューシーなベリーのあとに広がる複層的な酸味と香り。普通のミックスジュースとは、“味の層”の厚みがまったく違います

 

↑生の果実をミキシングしたり、ローズマリーを炙ったり。それらが美しい所作で作られていきます

 

「バーに馴染みのない方でも飲みやすく、モクテルの魅力が伝わりやすい一杯として考案した、シグネチャーカクテルです。ベリーのフルーティな甘酸っぱさが主体ですが、シュラブの酸味やパプリカの野性味を感じる、大人な味わいが特徴ですね。なおシュラブというは、ヨーロッパで飲まれていたビネガーベースのドリンクで、柑橘類はクエン酸の爽やかな酸味ですが、シュラブは酢酸なのでのどにひっかかる酸味があります」

 

もう一杯は「フレンチ’20」というモクテル。ジンとシャンパンで作るクラシックカクテル「フレンチ75」を、ノンアルコールスタイルで再構築しています。

↑「フレンチ’20」1430円。優美で爽快な果実味があって、余韻にはどこかロースヒップティーのニュアンスを感じる華やかな酸味も

 

↑ノンアルコールジンと氷をシェイクして一気に冷やし、ノンアルコールのスパークリングワインとブレンド。仕上げにレモンピールをひと搾り

 

「『フレンチ75』は、フランスの大砲がモチーフになっていて、アルコール度数の高いカクテルです。この「’20」は度数が低いという意味と、開業の2020年をかけました。ベースのノンアルコールジン『ネマ』は、バラがキーボタニカルのひとつになっているので、フローラルな香りを印象的に感じていただけると思います」

 

どちらのモクテルにも、一般的なジュースやソフトドリンクにはない奥行きや複層性、各素材の相乗効果によって重なり響き合うふくよかな味の厚みを感じました。高橋さんはこの違いを、嗜好性でとらえていると言います。

 

「明確な定義はないのですが、極端に例えるとすれば、のどが乾いてゴクゴク飲むお茶はソフトドリンク。一方で、京都の茶屋でたしなむ抹茶には、のどの渇きとは別の癒しの側面があると思います。前者が生理的欲求を満たすためのものであれば、後者は嗜好性や知的好奇心を楽しむものといえるでしょう。

 

お酒にも、発酵や蒸溜などを経たアルコールの複層的な味わいや酔いという嗜好性があると思います。例えば一般的なジンジャーエールにウォッカを加えるだけで、モスコミュールという嗜好品になるように。ただ、ノンアルコールの場合は、お酒による嗜好性を加味できないので、味や香りを独自に調合し組み立てることで嗜好性を高めているのです」

 

では、嗜好性のあるノンアルコールドリンクは、どこで手に入るのでしょうか? 調べてみると、「nolky/ノルキー」というオンラインショップにプロ御用達の商品群がずらり。トレンドの「クラフトコーラ」や「コンブチャ」なども、多彩にそろっています。

 

身近な果物とシロップで“ノンアルカクテル”が作れる!

高橋さんが作るようなプロの味とまではいかないまでも、モクテルは身近な店で手に入る果物を使って、自宅で気軽に作ることができます。ベースは、カシスリキュールの元祖として有名なフランスの「ルジェ」から今春新発売された商品が、比較的手に入れやすいでしょう。

↑「ラグート カシス」(右)と「ラグート ピーチ」(右)。ともに1450円で、アルコール度数が約0.5%のシロップです

 

「ラグート カシス」と「ラグート ピーチ」は果実由来のフルーティな香り、フレッシュさと心地よい甘さが楽しめる味わい、飲み終わりに広がる長い余韻が特徴。どちらも、原液1に対して炭酸水を5の割合で入れ、1/8にカットしたオレンジを4個加えれば完成。生カシスオレンジテイスト、生ファジーネーブルテイストのモクテルが完成します。

 

日本酒や梅酒にもノンアルコールのトレンドが到来

ノンアルコールドリンクは、おなじみのビールテイスト飲料やレモンサワー風ドリンク以外にも、バリエーションはさまざま。ほかにも「アルコールは飲めないけれど、“お酒”は飲みたい!」に応える、代表的な商品を紹介します。

 

【スパークリングワインテイスト】フルーティですっきりした味のスパークリング

メルシャン
「メルシャンスパークリング アルコールゼロ 白」
「メルシャンスパークリング アルコールゼロ ロゼ」
実勢価格 400円前後

 

果実由来のフルーティ感や酸味、喉ごしが心地よいスパークリング。ぶどうの自然な香りやみずみずしさが感じられ、すっきりとした味わいです。

 

【ジンテイスト】バラのエッセンスを軸にした日本初のノンアルコールジン

ネマ「ノンアルコールジン・ネマ 0.00%」
3200円~

 

無農薬のバラとスパイス、八ヶ岳山麓の源流の湧き水をベースにした、日本初のノンアルコールジン。スタンダードなジンのほか、薬草味のある「アブサン」、甘みに特徴のある「オールドトム」、スモーキーで力強い「ウイスキー」など多彩なバリエーションがあります。

 

【日本酒テイスト】華やかで飲みやすい大吟醸酒をイメージ

月桂冠「月桂冠 スペシャルフリー」
390円

 

華やかで飲みやすく、日本酒のなかでも人気が高い大吟醸酒をイメージ。大吟醸酒に特有のフルーティな香りを感じるフレーバーを活用し、甘みや旨みを与えるアミノ酸を配合することでコクをもたせた味わいが特徴です。

 

【梅酒テイスト】日本一の梅酒をモチーフにした重厚感のある味わい

「ノンアルコールの百年梅酒 “百年零-ZERO-”」
864円

 

世界最大の梅酒イベント「天満天神梅酒大会」で日本一になった「百年梅酒」がモチーフ。持ち味である梅の酸味、蜂蜜の甘み、ブランデーのコクの3つを分析し、アルコールを使わずに組み直すことで、おいしさを再現。アルコールを飲んだときの高揚感や重厚感を出すために苦みにも注目し、梅ジュースとは一線を画す仕上がりになっています。

 

「海外製のノンアルコールスピリッツ素材はいったん出きったと思いますが、日本ではこれから認知されていく状況ですから、もっとラインナップは充実していくと期待しています」と高橋さん。これまで、日本でノンアルコールといえばビールが主流でしたが、ヒット商品も登場してますます身近になりつつあるロー/ノンアルコールドリンク。今後のバリエーション増加にも注目です。

 

※価格はすべて消費税込みです。

 

【店舗情報】

Low-Non-Bar

所在地=東京都中央区日本橋3-2-4 nefi nihombashi 1階
電話番号=03-6665-6022
営業時間=月~土17:00~翌1:00、日祝17:00~23:30
定休日=不定休
アクセス=JRほか「東京駅」八重洲北口徒歩3分、東京メトロほか「日本橋駅」B3出口徒歩2分

http://orchardknight.com/bar/low-non-bar

※緊急事態宣言などにより、営業時間が変動する可能性があります。

 

ソーヴィニョン・ブランで一躍世界から注目!「ニュージーランドワイン」の銘醸地をソムリエが解説

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズは、フランスをはじめとする古くから“ワイン大国”として名を馳せる国から、アメリカなどの“ワイン新興国”まで、さまざまな国と産地を取り上げてきました。今回は、ワイン新興生産国であるニュージーランド。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
第1回 :フランスと5つの産地
第2回:イタリアと5つの産地
第3回:ドイツと5つの産地
第4回:オーストラリアと5つの産地
第5回:アメリカと5つの産地

 

ニュージーランドワインを旅する

ニュージーランドのワインというと、どのようなイメージを持っているでしょうか? ひと時脚光を浴びたのは、フレッシュで活き活きとしたソーヴィニヨン・ブラン。その他の産地では真似のできないような明快な味わいは、世界中のワインファンを驚かせ、現在ではオーストラリアと並んで、オセアニアをワイン地図の重要な一角に位置づけました。

 

それならさぞかし歴史のあるワイン大国だろう、と思えばそうでもなく、ワイン用ブドウのひとつ「ヴィティス・ヴィニフェラ」種がこの地に広く植えられるようになったのも、1970年代になってからとつい最近のこと。国土は日本の70%ほど、人口500万人という規模のニュージーランドは、世界のワイン生産量のシェアで見れば1%にも満たない小さな国なのです。

 

そんな小さな島国が、世界中のワインパーソンに注目されるきっかけとなったのは、何よりその独自の個性を表現したソーヴィニヨン・ブランの存在でした。1980年前後に発表された初期のマールボロ産のソーヴィニヨン・ブランは、すぐに注目と投資を集め、今日に至るまで重要な品種であり続けています。2018年にはブドウ畑の6割、輸出ワインの9割近くを占めるほどにまで成長し、“ニュージーランドワインの歩みはこの国のソーヴィニヨン・ブランの歩みとセミイコール”と言っていいほど、主役であり続けているのです。

 

たったひとつのブドウ品種が、一国のワインの歴史を運命付けたと思うと、とても興味深く思えませんか? もちろん「ニュージーランドワイン」はソーヴィニヨン・ブランだけではありません。脇を固めるワイン産地も、それぞれ独自の魅力を持っていますから、ひとつずつ順に紹介していきたいと思います。

【目次】
1. マールボロ
2. ワイララパ地方マーティンボロー
3. ホークス・ベイ
4. セントラル・オタゴ
5. ノース・カンタベリー

 

1. マールボロ
− 小さな町ブレナムはワインにおいての中心都市 −

南島の北東端に位置するマールボロ地方の中心都市ブレナムは、人口3万人ほどの小さな街。日本でいえば、山梨県甲州市と同程度の人口と考えると、その規模がイメージしやすいかもしれません。今ではニュージーランドのワイン生産の中心となったマールボロに、ソーヴィニヨン・ブランが植えられたのは1975年のこと。それから4年後の1979年に初めて、マールボロ・ソーヴィニヨン・ブランが瓶詰めされました。

 

マールボロで造られたソーヴィニヨン・ブランには、当初から原産地であるフランス・ロワール地方のワインにはない、グレープフルーツやトロピカルフルーツのようなボリュームのある果実味に加え、その特徴であるキレのあるヴィヴィッドな酸も保たれた、特別な風味がありました。その特異性、優位性にいち早く気づいたのが、西オーストラリアの生産地、ケープ・メンテルのデヴィッド・ホーネン。ワイナリー「クラウディー・ベイ」を設立し、マールボロ・ソーヴィニヨン・ブランを代表するブランドとして、世界中で大流行を巻き起こします。

 

現在では、ニュージーランドのブドウ畑の約70%がこの地域に集中しており、そのうちの85%をソーヴィニヨン・ブランが占めています。つまり“ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン”として、日本をはじめ世界中に輸出されるワインのほとんどは、この地域から産出されているのです。ワイン生産が今ほど活発になる前には、牧羊を中心とした畜産や織物が主な産業でしたが、小さな街ブレナムはそれからわずか30年ほどの間に、ニュージーランドのワイン生産とともにワインツーリズムの中心地としての役割を担うようになりました。

 

2018年には、ブレナムの鉄道駅舎だった建物が「ザ・ワインステーション」というテイスティング施設に生まれ変わり、有名ワイナリーからセラードアを持たない小さなワイナリーまで、地元のワインを幅広く紹介するようになりました。

 

マールボロほどその国のワインの入り口にふさわしい産地は世界を見渡しても珍しく、そのフルーティーさとフレッシュな酸、清々しい青さを併せ持った魅力的なニュージーランドワインを、ぜひ一度お楽しみいただければと思います。

 

Totara(トタラ)
「Marlborough Sauvignon Blanc2019(マールボロ・ソーヴィニヨン・ブラン2019)」
2450円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

2. ワイララパ地方マーティンボロー
− ロマネ・コンティのクローンがマーティンボローの主流 −

マールボロで初めてソーヴィニヨン・ブランを植えたモンタナ社による、1973年の政府研究機関に依頼した地質調査では、マーティンボローがもっともブドウ栽培に適した土地だという結果が出ました。けれども、その最適と判断された土地面積は狭く小さいものだったため、モンタナ社が本格的なワイン生産を行うために選んだのは、マールボロの広大な土地でした。

 

マーティンボローは北島の南端、首都ウェリントンから車で1時間ほどの距離にあります。はじめてブドウが植えられたのは1883年という記録がありますが、20世紀初頭の禁酒運動で生産は途絶え、近代ワイン生産の歴史はマールボロより少し遅れて、1980年前後に始まります。先の地質調査では、フランス・ブルゴーニュと似た自然環境によってもっともブドウ栽培に適しているとみなされたマーティンボローでは、現代に至るまでピノ・ノワールが中心に栽培されており、ブルゴーニュ由来の穂木「エイベル・クローン」が主に植えられています。

 

1970年代、ニュージーランドの税関職員だったマルコム・エイベルは、ロマネ・コンティの畑から違法に持ち帰られた穂木を没収します。これを検疫所で検査した後に自身の所有するオークランド近郊のブドウ畑に植えたことで、「エイベル・クローン」は産まれました。このクローンをマーティンボローの主要ワイナリーのひとつである「アタ・ランギ」のオーナー、クライヴ・ペイトンが譲り受けたことで、ロマネ・コンティを起源とするブドウ樹が広がり、マーティンボローのピノ・ノワールの歴史において重要な要素のひとつとなるに至りました。

 

まるで、よくあるワインのネットショップの売り文句のようですが、ニュージーランドのピノ・ノワールは歴史が浅いながら、ソーヴィニヨン・ブラン以上に高品質ワインを生産する可能性を秘めているのも事実です。そして後述するセントラル・オタゴやカンタベリーといった、同国内のピノ・ノワールの成功しているライバル産地との競合も、この国のピノ・ノワールの今後を楽しみにさせてくれる醍醐味でもあるのです。

 

Ata Rangi(アタ・ランギ)
「Crimson Pinot Noir2018(クリムゾン・ピノ・ノワール2018)」
4200円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

3. ホークス・ベイ
− 北島の東海岸ホークス・ベイは歴史あるブドウ産地 −

1851年に、フランス人宣教師がブドウを植えたホークス・ベイは、ニュージーランド国内では歴史のあるワイン産地です。南半球に位置するニュージーランドは、北島の方が温暖で、東海岸ホークス・ベイはボルドー品種やシラーといった赤ワイン品種を完熟させられる産地。とくにヘイスティングズの北西ギムレット街道周辺のやせた砂利、小石の土壌は、ニュージーランドでもっともカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローに向いている地域とされています。その地域は「ギムレット・グラヴェルズ」と呼ばれ、1990年代以降に栽培農家による奪い合いが起こるほどの人気を集めました。「グラヴェル」とは石ころという意味。つまり“ギムレットの砂利土壌”という畑名になっているのです。現在ではニュージーランドの10~12%ほどの生産量があり、マールボロに次いで第2位の規模のワイン産地になっています。

 

ただ、ボルドー品種の赤ワインはあまりにも世界中にライバルが多く、ニュージーランドの長い生育期間と寒暖差を反映した個性的なワインということでは、個人的にシラーに注目しています。オーストラリアのシラーズとはまた違う、酸の強調されたシラーはニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワールに次いで代表的なブドウ品種になる可能性があるように思えるのです。

 

また、ホークス・ベイの二大都市ネイピアとヘイスティングズは、アールデコ様式の建築で統一された都市として知られています。私自身もニュージーランドには訪れたことがないのですが、各地のワインの新鮮な可能性に触れるたびに、また海外旅行ができる状況になったらもっとも訪れたいワイン産地として、思いを巡らせています。

 

Trinity Hill(トリニティ・ヒル)
「Hawkes Bay Syrah2018(ホークスベイ・シラー2018)」
3000円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

4. セントラル・オタゴ
− 世界最南端のワイン産地で完熟するピノ・ノワール 

ニュージーランドの中心都市・クイーンズタウンには、南半球でも最高といわれるスキー場があり、四季折々の雄大な自然は、ニュージーランドを代表するリゾートタウンとして知られています。そして、この地域がワイン生産に向いていることは、19世紀末から知られていました。

 

1881年には、オーストラリア・シドニーで開催されたワイン品評会で、セントラル・オタゴ産の「バーガンディ」が金賞を受賞した記録が残っているほどですが、やはりニュージーランドの他の産地同様、一度ブドウ栽培は途絶え、本格的に再開されるのは1970年代に入ってからのことでした。このように「ブルゴーニュ」の英語読みであるバーガンディというワインが造られていたことからもわかるように、主流はピノ・ノワールですが、再びこの産地に注目が集まるまでには、そこから100年以上の時間がかかりました。

 

1997年に初めてリリースされた「フェルトン・ロード」は、評価誌から高評価を獲得、瞬く間にピノ・ノワールの未来を担う産地としてセントラル・オタゴが注目されるようになりました。短い夏の寒暖差、収穫期の乾燥は、素晴らしいピノ・ノワールに必要な長い生育期間をもたらし、驚くほどピュアな果実味と複雑さ、エレガントさを兼ね備えたワインを産みだします。それでは“マーティンボローとどちらが優れたピノ・ノワール産地なのか?”という議論が起こりますが、全体的にブドウの樹齢はセントラル・オタゴの方が若く、その答えは現在進行形で簡単には決着しそうにありません。

 

ただ、日本の多くのワイン愛好家がブルゴーニュを偏愛している様子を見るにつけ、マーティンボローとセントラル・オタゴのピノ・ノワールに、もっと目を向けてもいいように思えます。それはヴォーヌ・ロマネとジュブレ・シャンベルタンの相違と同じように、魅惑的なテーマでもあるのです。

 

Felton Road(フェルトン・ロード)
「Pinot Noir BannockBurn2015(ピノ・ノワール・バノック・バーン2015)」
7200円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

5. ノース・カンタベリー
− プレミアムワインの冷涼産地カンタベリー 

南島の主要都市であるクライストチャーチを包むように広がるカンタベリーは、ニュージーランド随一のプレミアムワイン産地となりつつあります。素晴らしく優しい口当たりのリースリングや、ブルゴーニュを思わせるピノ・ノワールとシャルドネは、短い歴史を感じさせないほどで、世界の最高峰のワインに肉薄するほどの味わいです。

 

元々、ボルドー品種には涼しすぎることから、ブドウ栽培には不向きとみなされていた地域だったカンタベリーが、わずかな期間で注目される産地になったのには、それを覆したパイオニア的な存在がいます。多くのワインパーソンを送り出しているクライストチャーチのリンカーン大学で、ブドウ栽培を教えていたダニエル・シェスターは、この地域でのピノ・ノワールやリースリングといった冷涼品種の可能性を見出し、1970~80年代に醸造用ブドウ栽培の礎をつくりあげます。そして、今からわずか30年前の1991年に初リリースされた「ペガサス・ベイ」のリースリングが、カンタベリーのプレミアムワインに歴史の一歩を踏み出させました。

 

そう思うと、1997年に設立された「ベルヒル」は、世界的に見れば新しいワイナリーかもしれませんが、この産地のなかで考えれば老舗の部類に入るのかもしれません。リリースからほどなくニュージーランドでも最高峰、ブルゴーニュのムルソーに匹敵するという高い評価を勝ち得たベルヒルは、その生産本数の少なさ(シャルドネの初期は1樽300本ほど)から日本では知る人も少ないワインでした。ブルゴーニュでも最高の土壌とみなされる石灰岩がむき出しになった産地を選び抜き、カンタベリーのテロワールを信じた末の品質と思うと、感慨深さすらあります。

 

ピノ・ノワールももちろん素晴らしく、各産地にこういったプレミアムワインが産まれ愛好家にも広く知られれば、現在のブルゴーニュ偏重の価値観にも変化をもたらすのではないかと期待しています。

 

Bell Hilll(ベルヒル)
「Chardonnay2016(シャルドネ2016)」
1万8000円
輸入元=ワイン・ダイヤモンズ

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です。

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

かつお節と一緒に燻した焼酎「燻枕崎」は、スモーキーなアイラウイスキー好きに捧げたい!

「さつま白波」や「神の河」などで知られる本格焼酎の蔵元・薩摩酒造が、地元の魅力を生かした個性派の新商品を発売しました。その名は「燻枕崎(いぶしまくらざき)」。枕崎で燻す、と聞けば和食好きの人にはピンとくるのではないでしょうか。特徴や味わいを中心に、レビューしていきましょう。

↑6月7日から薩摩酒造公式通販サイト「白波通販ショップ」で限定発売されている「燻枕崎」(2000円/税込)。アルコール分25%、720mL

 

焼酎の匠とかつお節の名手が郷土愛を込めて生み出した

薩摩酒造は1936年から続く老舗で、その拠点が鹿児島県の枕崎市。薩摩半島の南部に位置し、約2万人が暮らす海沿いの港町ですが、潮風とともに流れるのがスモーキーな香りです。それは、枕崎が「かつおのまち」として全国でも有数の名産地だから。

↑枕崎におけるかつお節の製法は、300年以上続く伝統的な職人技となっています

 

1年間で枕崎に揚がるかつお(鮮魚)の数は、人口の約1100倍(年間水揚量:約7万トン)。人よりもかつおのほうが多く、かつお節に関しては全国で鹿児島県がダントツのシェアを誇り、その中心地が枕崎なのです。

 

一方、鹿児島県のお酒といえば芋焼酎であり、この地で長年酒造りを営んできたのが薩摩酒造。そこで「枕崎の空気を詰め込んだ本格焼酎を届けたい」との強い思いから、地元で60年以上の歴史を持つかつお節の造り手「金七商店」と協業。約2年の試行錯誤を経て「燻枕崎」が完成したそうです。

↑さつまいも(左)を、かつお節由来の薫煙にさらしながら約2時間燻します

 

金七商店も屈指の名手で、2016年には4年に1度の鰹節類品評会で「一本釣鰹本節」が農林水産大臣賞の栄誉に。モーツァルトの楽曲を聴かせて作る「クラシック節」も全国的に有名で、その妥協なきクラフトマンシップはNHKで放送されている「プロフェッショナル仕事の流儀」でいっそう広まりました。

↑家族で代々受け継がれる「金七商店」のものづくり。左から2人目の方が四代目の瀬崎祐介さん

 

そんな「燻枕崎」は、どんな味わいなのか。グラスに注いで飲んでみました。

 

 

芋の甘みに燻製の芳香。未体験のウマさがここに!

「燻枕崎」ならではの、うまみとかつお節のスモーキーな香りを最大限に楽しむには、ロックやお湯割りが特にオススメとのこと。そこで、いまの季節に合うロックでひと口。グラスを近づけると、未知なる芳香が鼻孔をくすぐります。

↑ラベルデザインは、枕崎に立ち上る燻煙をイメージ。墨色の背景に、うっすらと煙が浮かんでいます

 

野性味あふれる燻香ながら、シャープではなくまろやか。樽の香りよりもウイスキーのピート(泥炭)による香りに近いですが、とはいえウイスキーのスモーキーフレーバーとは方向性がやや異なる独自のものです。

↑液の色味はクリアで味わいはどっしり。甘やかさを感じるのはさつまいもによるものでしょうか、リッチなうまみにスモーキーフレーバーがのり、絶妙なバランスです

 

ペアリングにはチーズやナッツのほか、和風のおつまみや、いぶりがっこなどクセのあるものがオススメとのことで、こちらも用意しました。

↑スモークチーズにスモークナッツ、いぶりがっこをペアリング

 

これはたまらない組み合わせ! 焼酎の香りと燻製つまみの風味が調和し、杯の手が止まりません。焼酎単体の飲み口もペアリングのテイストも、これまで体感したことのない味わいで、驚きのおいしさです。

↑次はハイボールを試すことに。焼酎1に対して強炭酸水を3の割合で作りました

 

味は、ボリュームのあるスモーキーフレーバーに焼酎の甘やかさと爽やかな炭酸の刺激がひとつになった、ワイルドな清涼感が広がる印象。余韻の香りはしっかりめでありながら、シュッとキレのある余韻で心地よいおいしさです。

↑こちらはかつおとのペアリングを試します。用意したのはかつおのたたきに、かつおの油漬けとかつお節をのせた山芋の千切り

 

焼酎の味にかつおのニュアンスはありませんが、かつおたたきの皮の香ばしさと、焼酎のスモーキーフレーバーがマッチ。山芋のつまみとの相性もよく、やはりかつお節との一体感はドンピシャです。

↑今回は家飲みでしたが、キャンプの炭火焼きにも合うこと間違いなし! 今夏、ぜひお試しあれ

 

ウイスキーでスモーキーフレーバーが豊かなのは、スコットランドのアイラ島で生まれるアイラウイスキー。あのたくましい香りが好きな人に絶対試してほしい焼酎が、この「燻枕崎」です。数量限定なので、気になる人は要チェック!

そこまでやるの!? おいしさで金賞三冠「麒麟特製レモンサワー」の快挙は開発者こだわりのつくり方に理由があった!

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数ある缶チューハイやレモンサワーのなかでも、記録的な快挙を成し遂げている商品が「麒麟特製レモンサワー」だ。国内外の品評会で高く評価され、金賞三冠を獲得(リニューアル前の商品で受賞)。売り上げ実績も、2020年4月のリニューアルからわずか11か月で3億本(※1)を突破し、2020年は前年比約4倍の販売数量(※2)を記録する絶好調ぶりである。

 

さらに2021年は、その実績に甘んじることなく3月に中味とパッケージをさらに進化させている。そこで、品評会の各審査ではどのような点が評価されたのか、最新版はどのような味わいに仕上がっているのかを開発者にインタビュー。味覚のプロをも唸らせる、「麒麟特製レモンサワー」のおいしさに迫った。

キリン・ザ・ストロング
麒麟特製レモンサワー

複数の果実を12時間以上煮込んでうまみを凝縮させた「麒麟特製うまみエキス」に加え、レモンをまるごとすりつぶし、低温熟成してうまみを引き出した「レモンエキス」と、果汁だけではなくほろ苦い果皮のおいしさも詰め込んだ「まるごと搾り果汁」を使用し、風味豊かな味わいがいっそう高まった。

 

世界が認めた!「麒麟特製レモンサワー」の快進撃

↑左から、「ジャパンフードセレクション」「W.P.A国際高品質保証審査会」「モンドセレクション」の各受賞エンブレム

 

「麒麟特製レモンサワー」は2020年度、“金賞三冠”という快挙を成し遂げた。「モンドセレクション」(※3)と「ジャパンフードセレクション」(※4)では金賞、「W.P.A国際高品質保証審査会」(※5)ではGrand Quality Excellentの受賞である。

 

これらを受賞することはどれだけ難しいことなのか? キリンビールのマーケティング部で中味の設計や開発などを担当している岡田真希さんを直撃してみた。

↑「麒麟特製レモンサワー」の開発を担当した、キリンビールの岡田真希さん。マーケティング部、中味開発を担当する商品開発研究所の一員として、商品の研究や開発を行っている

 

「それぞれの賞によって基準や審査方法などは一部異なりますが、味、パッケージ、材料、つくり手のこだわりなどを細かくチェックされ、銀賞や銅賞のほかもちろん落選もある狭き門です。また、例えば国際的な品評機関である『モンドセレクション』は、厳しい研修やテストをクリアした海外の審査員が評価しますが、味に関しては、その審査員たちが一堂に会して同一商品の試飲や採点をすると聞いています」(岡田さん)

 

審査員はどこを評価した? その理由を開発者が答える!

では、審査員は「麒麟特製レモンサワー」の何をどのように評価したのか? 岡田さんは「特に多くの声をいただいたのは、『高アルコール度数であるにも関わらず、嫌なアルコール感がなく飲みやすい』という評価です」と言う。

 

「また、レモンそのもののような風味にも高評価をいただけました。『麒麟特製レモンサワー』は独自の『うまみエキス』によりレモンの味わいが奥深く、果実の凝縮感や複雑味が楽しめます。その香りや味を評価いただけたことは、私たちの狙い通りでうれしかったです」(岡田さん)

 

・複数の果実を12時間以上煮詰める「うまみエキス」

↑「麒麟特製レモンサワー」の特長的なおいしさのカギを握るのが、複数の果実を12時間以上煮詰める「うまみエキス」だ(写真はイメージ)

 

「麒麟特製レモンサワー」の要である「うまみエキス」により、上質感のある複層的なおいしさになるという。“うまみ”とはしばしば五味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)のひとつに数えられ、味の骨格として位置づけられるが「うまみエキス」も同様だろうか?

 

「骨格として下支えするというよりは、味の全方位に厚みをもたらすことで満足感をアップさせるイメージですね。『うまみエキス』は様々な果実類のおいしさを抽出し、融合させたものです。また、五味にはない香りの要素を持っていることも『うまみエキス』の特長です」(岡田さん)

 

製法のイメージを挙げるとすれば、ジャム作りに近いとのこと。この話を聞いて筆者の頭をよぎったのが、加熱によって食材に含まれるアミノ酸と糖が結び付いて起こる「メイラード反応」だ。「メイラード反応」には香ばしさやコク、うまみなどを生む効果があると言われるが、「うまみエキス」も「メイラード反応」の賜物と考えていいのだろうか?

 

「はい。果実に熱を加えることで生の果実そのものにはない、新しいおいしさを生み出しているので、『うまみエキス』も『メイラード反応』による効果を活用していると言えます」(岡田さん)

 

・果皮からすりおろした「レモンエキス」と、多層的なフレーバーを生み出す「追いレモン果汁」

今年3月にさらなる進化を遂げた「麒麟特製レモンサワー」。リニューアル前の味も高評価だったため、より高みを目指すのは難しかったはず。磨きをかけたポイントはどこなのだろうか?

 

「まずは『レモンエキス』。煮詰める『うまみエキス』とは違い、レモンの爽やかさをアップさせるための要素です。果実をまるごとすりおろして長時間低温熟成させることにより、レモン本来の爽やかな要素を凝縮させました」(岡田さん)

↑果実を果皮からまるごとすりおろすことで、レモンの味と風味が多層的に広がる(写真はイメージ)

 

そしてもうひとつの決め手は、澄んだ酸味とほろ苦さを詰め込んだ複数の「追いレモン果汁」。こちらはリニューアル前から採用されていたが、今回は味わいの異なる二つの果汁を抽出し、それぞれの特性が生きるようにブラッシュアップさせたという。

 

「果汁のひとつは、レモンの味をよりすっきりさせるための『磨きレモン果汁』。もうひとつは、レモンのほろ苦い味が楽しめるよう、果皮までしっかり搾った『まるごと搾り果汁』です」(岡田さん)

↑「磨きレモン果汁」は爽やかで澄んだ酸味を引き出す。一方の「まるごと搾り果汁」は、ほろ苦い果皮のおいしさを伝える(写真はイメージ)

 

新採用した「レモンエキス」とブラッシュアップした「追いレモン果汁」が、「麒麟特製レモンサワー」の濃く多層的なレモンの味わいに寄与している。そして、その魅力を生かすために欠かせないのがバランスの良さであり、調和をもたらすために使うのもまた「うまみエキス」なのだとか。

 

「味のふくよかさの演出だけでなく、多層的なレモンの味わいを調和させる点においても『うまみエキス』は大きく貢献しています」(岡田さん)

 

・おいしさの進化を告げる新パッケージ

よりレモンの存在感が増した新「麒麟特製レモンサワー」。リニューアルにおいてはパッケージも一部刷新し、おいしさの進化を分かりやすく訴求しているという。

 

「最もお伝えしたいことは、圧倒的に上質感があるおいしさ。そこで、キリンを代表する『聖獣麒麟』とともに『麒麟特製』の文字を大きく打ち出し、味の自信と上質さを表現しました。そして、おいしさがより直感的に伝わるように、缶中央のグラスのイラストをより大きく。背景カラーには、レモン感を伝えつつ深みのある印象の黄色を採用。そして、製法のこだわりをお伝えするために、前面には『追いレモン潤沢仕立て』を、裏面ではその詳細をイラスト付きでデザインしました」(岡田さん)

↑「麒麟特製レモンサワー」の裏面。おいしさのカギを握る3つの工程「うまみエキス」「レモンエキス」「レモン果汁」が描かれている

 

 “デイリーで楽しめるイイモノ”という無二のポジション

近年、レモンサワーの人気はうなぎ上りで、缶チューハイでも様々なレモンサワーが発売されている。そのなかで最近は特にどういった傾向があり、「麒麟特製レモンサワー」はどの位置にあるのだろうか?

 

「酒類市場全体でレモンサワーが求められている要因としては、爽快感や料理との相性の良さなどが挙げられるでしょう。特に最近は多様化が進み、アルコール度数の低いものや高いストロング系、無糖、濃い味など様々なタイプが出てきました。『麒麟特製レモンサワー』は高アルコールの飲みごたえとともに、複層性のある上質なおいしさも突き詰めた“デイリーで楽しめるイイモノ”という、他にはない特長を持った商品であると自負しています」(岡田さん)

↑審査員や消費者からの声によって、岡田さん自身でも思いがけない発見をすることがあるとか。そういったフィードバックが次の開発に生きるとともに、モチベーションにもなっているという

 

様々な果実を厳選した上、12時間以上煮詰めた素材を活用したり、レモンをまるごとすりおろしたり、複数の果汁を使い分けたり。このこだわりや手間暇が「特製」の所以といえるだろう。それでいて、価格は一般的な缶チューハイ同等のフレンドリーなプライス。絶好調の現状にも頷ける。

 

売れている理由には、コロナ禍により家で過ごす時間が増えたという背景もあるだろう。食事は材料やレシピにこだわり、手間暇かけて調理しゆっくり味わうーー。そんなライフスタイルに寄り添う缶チューハイこそ、まさに上質な「麒麟特製レモンサワー」なのだ。金賞三冠を獲得し、さらなるおいしさを追求してリニューアルしたこの一品が、幸せな時間のお供になる。夏の暑気払いやリフレッシュはもちろん、「麒麟特製レモンサワー」でより充実した食シーンや、チルタイムを過ごしてみてはいかがだろうか。

キリン「麒麟特製レモンサワー」の詳細はこちらから

 

※1:250ml換算(2月上旬出荷実績)
※2:2019年/2020年4~12月比較
※3:モンドセレクション 2020年度 スピリッツ&リキュール部門
※4:第36回(2020年)
※5:2020年度

 

取材・文/中山秀明 撮影/湯浅立志(Y2)[静物]

フレッシュな味わいが魅力! りんごが爽やかに香る「シードル」5選

最近メディアでクラフトビールとともに注目を浴びているのが「シードル」。シードルとは、欧米で長きにわたって飲まれ続けている、リンゴを原料とした醸造酒です。アルコール度数が低いため、お酒があまり強くない方でも抵抗なく飲める点が特徴。フレッシュなリンゴの甘さで、食前・食中酒としてはもちろん、ちょっとしたパーティーなどでも気軽に飲めるフレッシュな味わいが魅力です。今回はネットで人気のシードルを厳選してご紹介します。

 

目次

 


まるでリンゴを丸かじりしたようなフレッシュさ


ニッカ シードル・スイート

糖類・香料・着色料を一切加えていない、国産リンゴ果汁100%で作られた微発泡タイプのシードルです。りんごのみずみずしい甘さが楽しめるので、リラックスしたいときや食前酒として飲むのがオススメ。甘さ控えめが好きな方は、やや辛口なドライタイプもラインナップされています。

【詳細情報】
内容量:720ml

 


フランス産青りんごを100%使用


シードル ヴァル・ド・ランス プレスティージュ ギルヴィック

「JAPAN CIDER AWARDS 2018」テイスティング部門で二ツ星を受賞した微発泡タイプのシードルです。フランスのブルターニュ地方で作られた青りんごギルヴィック種を100%使用。濃縮還元果汁や砂糖を一切加えず、その年に収穫されたリンゴの天然果汁のみを使用し、自然発酵にて醸造されています。一口飲むと、口いっぱいに青りんごが広がり、爽やかな酸味と甘さが楽しめます。

【詳細情報】
内容量:750ml

 


そのまま飲んでも、アレンジして飲んでもおいしい


キリン ハードシードル

果実由来の爽やかな香りとフルーティな酸味が特徴の発泡性のシードルです。甘さを抑えたテイストで、さっぱりとした味わいが楽しめます。そのまま飲んでもよいのですが、ちょい足ししてアレンジするのもオススメ。カシスリキュールを入れてカシスシードル、ラムにミントとライムを足してモヒートシードルなど、工夫次第で様々な楽しみ方ができます。

【詳細情報】
内容量:290ml

 


22種類のリンゴをブレンドした飲み比べセット


サッシー・シードル・ギフト箱 3本セット

サッシーは近年パリで話題となっている、ナチュラル・シードル新潮流の先頭を行くブランド。製造元であるメゾン・サッシー(Maison Sassy)は、「シードルに新しい輝きを」というスローガンの下、シードルに都会的なイメージを打ち出し、今までシードルに縁のなかったミレニアム層を惹きつけたシードル界のスペシャリストです。サッシー・シードルは、完熟して自然に木から落ちたリンゴから作られた、本格ノルマンディー産シードル。酸味の強いリンゴとビタースイート系の品種を中心に、22種類のリンゴをブレンドしています。エレガントな食前酒としてはもちろん、鶏肉やチーズ、リンゴのデザートとの相性が抜群です。

【詳細情報】
内容量:750ml×3本

 


ジュース感覚で飲める酸化防止剤不使用のやさしい味わい


おいしい酸化防止剤無添加ワイン シードル

深いグリーン色のボトルが目を引く、「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」シリーズのシードル。酸化防止剤を添加せずに、りんご果汁100%使用し丁寧につくられています。醸造から瓶詰めまで、ワインと酸素の接触を最小限にして製造時の酸化を抑えるメルシャン独自の「フレッシュ製法」を採用。りんご本来の自然な甘さと酸味、微発泡による心地よい爽快感が楽しめます。キンキンに冷やして飲むのがオススメです。

【詳細情報】
内容量:500ml

 

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焼酎ハイボールに合う!「東京・大衆酒場の名店」のおつまみを、約5000円の調理家電で再現する噺

今回は「東京・大衆酒場の名店」シリーズの番外編。約5000円の調理家電を使って、いままで訪れた名店のおつまみと焼酎ハイボールを再現し、家で酒場の雰囲気や味わいを実際に楽しんでみる企画です。

外で飲む機会が減り、酒場を恋しく思う方も多いのではないでしょうか。そこで、いままで訪れた名酒場のおつまみを再現し、家飲みで大衆酒場の雰囲気を楽しもうというのが今回の企画。とはいえ、そこまで手間もお金もかけたくない……というわけで、今回は約5000円で購入できるリーズナブルで便利な調理家電を用意。お酒好きのタレント・中村 優さんが生徒役となり、調理家電に詳しいフードアナリストの中山秀明さんに使い方を教わりながら、おつまみを調理していきます。なお、合わせるのはもちろん、東京・下町の焼酎ハイボールの味を追求したタカラ「焼酎ハイボール」です!

↑マラソンランナーとしても活躍している中村 優さん(左)。フードアナリストの中山秀明さん(右)は調理家電のレビュー記事を多数執筆する調理家電のエキスパート

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

3つのお手軽な調理家電で酒場のおつまみを作る!

中村 中山さん、今日はよろしくお願いします! これが今回の調理家電ですか。コンパクトなタイプが多いんですね。

 

中山 そうですね。小さいぶん機能もシンプルで価格も手ごろです。今回は煮物、揚げ物、焼き物の3種類を作ろうと思い、3タイプを用意しました! プリズメイト「サラダチキンメーカー」と、ライソン「おひとりフライヤー 0.6L」、サンコー「よくばりホットプレート」です。

 

中村 これを使って、私がこれまでに「東京・大衆酒場の名店」の連載で訪れたお店の料理を作ってみるんですよね。どれもおいしかったので、楽しみです!

 

中山 今回は、あくまで同じ料理を作るだけで、レシピも私のオリジナルですが、お店の雰囲気は味わえると思いますよ。ぜひタカラ「焼酎ハイボール」とともに楽しんでみてください!

 

「サラダチキンメーカー」で上州スタイルの「煮込み」を作る

↑煮込みを調理するプリズメイト「サラダチキンメーカー」(4950円・以下価格はすべて税込)

 

中山 まずはプリズメイト「サラダチキンメーカー」で、もつ煮込みを作っていきましょう。「サラダチキンメーカー」はその名の通り、本来は鶏肉をやわらかく煮る調理家電なのですが、ほったらかしで一定の温度をキープしてくれるので、じっくり煮込む料理にはちょうどいいんです。ところで中村さん、‟上州スタイル”って覚えてます?

 

中村 もちろん! こんにゃくが群馬県=上州の名物ということで、もつとこんにゃくをメインにした「煮込み」のことですよね。確か、篠崎「大林」八広「三祐酒場」がこの上州スタイルだったような。

↑八広「三祐酒場」の「煮込み」はもつとこんにゃくを使った上州スタイル

 

中山 その通り! 素材のうまみがシンプルに楽しめておいしいですよね。まずはこんにゃくを切って、もつと一緒に鍋のなかに入れましょう。具材は鍋の8分目ぐらいまで入れて、浸るぐらい水を入れます。

 

中村 はい! 鍋がコンパクトなので、具材が想像以上にぎっしり入りますね。でもそのぶん、味が染み込みやすそうです。味付けはみそベースですか?

 

中山 そうです! みそは大さじ2杯ぐらい。あとはだしとしょうがを加えます。ただ、今回のように短時間で仕上げる場合は肉のうまみが広がりきらず、コクがでにくいことも。そこで大活躍するのがタカラ本みりんです。

↑今回は、すでに湯通しされた市販のもつを使用。味が染み込みやすいようにこんにゃくは気持ち小さめに切ります

 

中村 なるほど。ちょっと甘めにするんですね。

 

中山 本みりんは甘みを加えるほかにも、コクやうまみをプラスして、塩味のカドをとってまろやかにしてくれる効果もあります。味も染み込みやすくなるし、もつのニオイも消してくれるので、いいことずくめなんですよ。

↑みそを溶かし入れ、顆粒の和風だしとチューブのしょうがを適量入れます。仕上げに大さじ2杯の本みりんをプラス

 

中村 へえ、それはいいですね! 具材と調味料を入れたら、あとはスイッチを押すだけですか? カンタンですねー。設定時間はどうします?

 

中山 20分のスピードモードで煮込み、止まったら少し休ませて、さらに20分の追い炊きをして完成です。短時間でも本みりんを使えば想像以上においしくなりますよ!

 

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「おひとりフライヤー 0.6L」で「串かつ」を作る

中山 では、もつを煮込んでいる間に、「串かつ」を作っていきましょう!

 

中村 豚肉のスライスをミルフィーユ状に重ねて揚げた「三祐酒場」の「串かつ」はおいしかったですね! あれを目指して頑張りましょう!

↑八広「三祐酒場」の「串かつ」

 

中山 使う調理家電は、ライソンの「おひとりフライヤー 0.6L」です。コンパクトな卓上フライヤーで、ひとり暮らしにもぴったりのサイズなんです。

 

中村 本当ですね、小さくてカワイイです!

↑串かつを調理するライソン「おひとりフライヤー 0.6L」(2915円)

 

中山 では、調理していきましょう。具材は、薄切りの豚バラ肉と玉ねぎです。肉は豚バラ肉1枚を端からくるくると巻けばOK。

 

中村 串には玉ねぎと肉を交互に刺せばいいんですね。こうですか?

 

中山 お、上手に串打ちできましたね! ではそれに小麦粉、溶き卵、パン粉の順で衣をつけたら、揚げていきましょう。

↑くるくると巻いた豚バラ肉とくし形に切った玉ねぎを串打ち。そこに小麦粉と溶き卵をつけます

 

↑パン粉もしっかりとつけていきます

 

中村 では揚げていきますよ。あ、コンパクトなサイズでもしっかり揚がるんですね!

 

中山 タテ型なので深さがあるし、「串かつ」なら問題ないですね。キツネ色になったら取り出して、あとは余熱で仕上がります。

 

中村 いい香り~。これも食べるのが楽しみです!

↑フライヤーの温度はMAX(190℃)にして揚げていきます

 

「よくばりホットプレート」で「納豆オムレツ」を調理

↑サンコー「よくばりホットプレート」(5980円)

 

中村 では、次の料理に行きましょう! 使うのはホットプレートですね。

 

中山 はい、サンコーの「よくばりホットプレート」を使います。これは深さが違う2面のプレートがあって、それぞれ別の温度に調節できます。つまり、2つの料理が同時に作れるんですね。これで篠崎「大林」で食べた「やりいかトマトバター」や、八広「亀屋」で食べた「納豆オムレツ」を作っていきますよ。

 

中村 いいですね~。どっちもおいしかったです!

↑八広「亀屋」の「納豆オムレツ」

 

中山 まずは「納豆オムレツ」を作りましょう! 具材は、小さく刻んだ豚バラ肉と玉ねぎとピーマン、あとはもちろん納豆です。

 

中村 最初は油をひいて、深いほうのプレートで具材を炒めればいいんですね。味付けはどうしますか? 「亀屋」は、甘辛くて、お酒が進む味だったですよね。

 

中山 あの甘辛さは、中濃ソースの味じゃないかと。というわけで、具材には塩こしょうを軽く振って、仕上げに中濃ソースをひと回しします。それができたら浅いほうのプレートで、卵2個分の薄焼き卵を作りましょう。

 

中村 わかりました。油をひいて、溶き卵を流し込みますね。

↑深いプレートで具材を炒めて中濃ソースで味付け

 

↑浅いプレートで薄焼き卵を作ります

 

中山 お、均一にうまく焼けましたね! 薄焼きとはいえ、この量なら適度に厚みができるのでうまくかぶせられるはず。

 

中村 かぶせますね。よいしょっ……と。

 

中山 おお、イイ感じですねー! これで完成です!

 

空いたプレートで「やりいかトマトバター」を作る

↑篠崎「大林」の「やりいかトマトバター」

 

中山 ではこの調子で「大林」で食べたメニューの「やりいかトマトバター」を作りましょう。まずはいかを切っていきます。いかは、やりいかじゃなくても大丈夫ですし、すでに処理されている板状のいかや冷凍いかでもOKです。

 

中村 こんな感じで大丈夫ですか?

↑いかは水洗いしてワタと足を抜き、フネというプラスチックに似た部位を引っ張って取り出します。上下で2つに分けたら、ワタや目の周辺を取り除いて2cm程度にカット

 

中山 いいですね! では、さきほど卵を焼いた浅いほうのプレートで焼いていきましょう。バターを溶かしたら、まずはにんにくを少し炒めてうまみをプラスします。

 

中村 ああ……いいですね~、いい香りがしてきました!

 

中山 いかに軽く火が通ったら、カットしたトマトを入れて一緒に炒め、塩こしょうとごまを振って完成です。いかの身が硬くならないように、サッと火を入れるのがポイントですね!

 

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亀屋の「ボール」を再現したタカラ「焼酎ハイボール」で乾杯!

中村 これで4品完成ですね! お待ちかねの乾杯といきますか~!

 

中山 このときのために、あらかじめ冷蔵庫でグラスとタカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>を冷やしておきました。これ、見てください!

中村 うわー! 缶とグラス多すぎ(笑)! でも、グラスも冷やしているところなんて、「亀屋」を思い出しますよね。

 

中山 お、さすがです。今日はこれで「亀屋」の焼酎ハイボール、通称「ボール」を再現しようかと。

 

中村 いいですね。ぜひお願いします!

↑八広「亀屋」名物の焼酎ハイボール

 

中山 グラスに輪切りのレモンを1枚入れて、あとはキンキンに冷やしたタカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>を注ぐだけ。味が薄まらないように、あえて氷は入れません。

中村 そのためにグラスも冷やしたんですよね。そういえば、「亀屋」もグラスと焼酎ハイボールの素(もと)と、炭酸水をしっかり冷やす“3冷(さんれい)”スタイルでしたよね。

 

中山 その通り! 今回は、グラスと焼酎ハイボール缶だから“2冷”ですけど。

 

中村 わあ、見た目は本当に「亀屋」の「ボール」みたいになりました!

中村・中山 では、カンパーイ!

 

中村 ……うん、やっぱり冷えてておいしいっ! ああ、味も「亀屋」の「ボール」みたいにキリっとしていて飲みごたえがあります!

 

中山 ですよね! 料理と合わせるともっとおいしいですよ。というわけで、作ったおつまみと合わせてみましょう!

 

「煮込み」と「串かつ」は感動のおいしさ

中山 まずは「サラダチキンメーカー」で作った「煮込み」からいただきましょう。

 

中村 おいしい! 具材にちゃんと味が染みてます。これは完成度が高い! 「煮込み」がこんなに簡単に作れるってスゴいですね。

 

中山 追い炊きとタカラ本みりんが効きましたね。もつもやわらかく仕上がっていて、これは上出来!

 

中村 処理済のもつを使ったから油っこくないし、全体的にやさしい味わいですね。濃厚なタイプもお酒に合いますけど、このやさしい味も好きです。こんにゃくも入っていてヘルシーですし。

 

中山 そこに、糖質ゼロのタカラ「焼酎ハイボール」は素晴らしい組み合わせですよね。では、次は「おひとりフライヤー 0.6L」で作った「串かつ」を味わいましょう!

中村 わあ! 衣がカリカリに揚がってるし、お肉は薄切りを重ねているからジューシーですごくやわらかい。肉汁がジュワッと出てきて、これも感動的においしいです。大きさは違いますが、「三祐酒場」の「串かつ」を思い出します!

 

中山 ほどよく芯が残った玉ねぎも、ジューシーな肉と相性抜群ですね! 焼酎ハイボールとの相性はどうですか?

 

中村 「串かつ」の濃厚な味をキリッとした焼酎ハイボールがリセットして、また食べたくなるし、飲みたくなる……。やっぱり、揚げ物とタカラ「焼酎ハイボール」の相性は間違いないですね!

 

「やりいかトマトバター」と「納豆オムレツ」は再現度が高い仕上がりに

中山 次は「大林」で食べた「やりいかトマトバター」をどうぞ!

 

中村 これ、すごくいい! 個人的には一番これが再現度が高い気がします!

中山 サッと炒めたのがよかったですね。水分も多すぎず、いかの弾力やトマトのみずみずしさもちょうどいいです。

 

中村 これを食べていると、「大林」さんのコの字型のカウンタ―とか、お店にびっしり貼ってあった短冊のメニューを思い出しますね!

 

中山 では、最後に「亀屋」で食べた「納豆オムレツ」をどうぞ。

 

中村 そうそう、「亀屋」さんは、納豆のほかに豚肉や野菜も入った贅沢なイメージで、こういう甘辛い味でした。やっぱり焼酎ハイボールがスゴく合います!

↑「納豆オムレツ」(手前)は卵の下に甘辛い味付けの具材がぎっしり

 

中山 タカラ「焼酎ハイボール」はどんな料理にも合いますけど、大衆酒場の料理とは相性抜群ですよね。

 

中村 はい、すごく進んでしまいます。それに、こうしてグラスに注いで飲むと、ますますお店で飲んでいるような気分になりますね!

 

中山 今回、調理家電で4つのおつまみを作ってみて、いかがでしたか?

 

中村 どれもおいしくできて、大満足です! さすが、大衆酒場のおつまみだけあって、どれも焼酎ハイボールに合う味でした。おうちで作ると、より自分好みの味にできるのもいいと思います。家電の実力もスゴかったですね!

 

中山 楽しんでいただいたようで、何よりです!

 

中村 ただ、食べて飲んでいるうちに、これまで行った大衆酒場のことを思い出して、恋しくもなりました。

 

中山 和やかな雰囲気や、大将やお客さんとのコミュニケーションも大衆酒場の醍醐味ですからね。

 

中村 はい! 大衆酒場はあの雰囲気もおいしさのひとつですから。いま、飲食店は大変な時期かもしれないですけど、またぜひお店に行きたいですし、これからももっと魅力を伝えるために頑張りたいです。中山さん、今日は酒場の雰囲気を思い出させていただいて、ありがとうございました!

撮影/中田 悟

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・タカラ「焼酎ハイボール」

https://shochu-hiball.jp/

・タカラ本みりん

https://www.takarashuzo.co.jp/cooking/honmirin/

 

「東京・大衆酒場の名店」バックナンバーはこちら▼

・第1回 【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

・第2回 【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

・第3回 【東京・大衆酒場の名店】伝説の「三祐酒場」で聞く「元祖焼酎ハイボール」発祥の噺

・第4回 【東京・大衆酒場の名店】酎ハイ街道をゆく。八広・亀屋の“ボール” 受け継がれる秘伝レシピの噺

・番外編 大衆酒場の酎ハイに欠かせない「下町炭酸」を飲み比べる噺

 

気鋭のブランド「SAKE HUNDRED」からスパークリング日本酒が3万円で限定発売! 泡雪のように溶ける酒を初夏に嗜む贅沢はいかが?

日本酒における最高峰のグローバルブランドを目指す「SAKE HUNDRED」から、初のスパークリング日本酒が限定発売されました。その名も「白奏 | HAKUSO」。価格は1本720mlで約3万円と、今回もセレブリティなプライスです。しかも約2000本の限定生産とのことで希少性もピカイチ。特別に試飲体験と、開発ストーリーなどを教えてもらえるということで、取材に行ってきました。

↑6月28日に新発売する「白奏 | HAKUSO」(720ml/税込3万800円)

 

構想2年。常識を打ち破る泡酒造りの舞台裏

まず、簡単に「SAKE HUNDRED」の説明を。同ブランドは「心を満たし、人生を彩る。」を掲げ、これまでの日本酒とは一線を画す立ち位置を築いています。造り方や味わいも個性あふれるものばかりで、コストも手間も開発時間も完全度外視。一切妥協をせずに生み出されることもあり、価格もそれなりにします。

↑「SAKE HUNDRED」のブランドクリエイティブ。1万円以下の商品はなく、最高額は19万8000円(税込)のヴィンテージ「現外 | GENGAI」

 

そして今回の新作はブランド7番目の商品。聞けば、スパークリング日本酒の発売は約2年前から構想していたとのこと。とはいえ、なかなか理想の味わいにたどり着けず、開発は困難を極めたとか。幾多の生みの苦しみを経て発売となったのが「白奏 | HAKUSO」なのです。

 

味のイメージは甘みが主体で、きめ細やかで柔らかい発泡感が特徴。スパークリング酒はワインでも日本酒でも、ドライでキレがあり、爽快な発泡感のタイプが主流ですが、あえてそうではない酒質を目指したといいます。

 

それでいて甘すぎず、上品でなめらかな味わい。常識を打ち破るような、これまでにないスパークリング日本酒を求めたがゆえに、長い歳月がかかったといいます。「味を知るにはまずご賞味を」とのことで、襟を正しつつまずはひと口。

↑グラスは、爽やかな印象を引き出したい場合はシャンパーニュ型、ふくよかな印象を引き出したい場合はリースリング型(すぼまりが強めの卵型)がおすすめとのこと

 

第一印象は、もぎたてのリンゴやマスカットを思わせるフレッシュな香味。口に含むと米由来の甘みが立ちつつ、爽やかな酸味も。どこか甘酸っぱいベリーのニュアンスやクリーミーなトーンもあり、繊細な泡のタッチが優しく刺激します。絶妙な甘みと心地良い発泡は余裕を感じさせ、総じて上品。

↑「白奏-HAKUSO-」の「白」は、ほんのり白い液色にインスパイアされたもの。泡の粒が口内でスッとたおやかに溶けていく様は、さながら軽くて溶けやすい泡雪のよう

 

「このフルーティさは、米を相当磨いているに違いない!」と思い、実際に聞いてみると、精米歩合はなんと18%と想像以上の答えが返ってきました。元の米から1/5以下にまで磨くことで、ピュアな甘みを醸し出していたのです。有名な高精白酒である「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」でも23%なので、それ以上。やはり「SAKE HUNDRED」、ただものではありません。

 

 

泡酒の名手×大吟醸に適した熊本酵母と山田錦

個々にイメージする味わいを、最も実現してくれる蔵元をパートナーに迎えるのも「SAKE HUNDRED」の特徴です。今回白羽の矢が立ったのは、熊本の河津酒造。同蔵は「シャンパン製法」と呼ばれる瓶内二次発酵の技術を、スパークリング日本酒で早くから取り入れていたことで知られ、当然ながら泡酒は大得意。

 

なおスパークリングタイプにする手法は、ガスを充填するか、瓶内で発酵させるかの大きく2つに分かれますが、後者のほうがナチュラルで繊細な泡を作りやすいのがメリット。ただし、狙った泡の質感にできるかどうかは腕次第というわけです。また、その際に「デゴルジュマン」という澱(おり)抜きの手法によって雑味の元となるもろみを抜くのですが、この工程が最も難しかったといいます。

 

なぜなら、もろみにもうまみが詰まっているから。試験醸造の際にもろみを抜いたところ、味の全体バランスが崩れてしまったそう。そこで酒質の密度を上げたり、日本酒度を下げて甘みを強化したり、また一次から二次発酵の際に3週間の熟成期間を設けてうまみも重ね、もろみを抜いた状態で理想の味になるよう整えていったのです。

↑アルコール分は14.2%。度数としては一般的な日本酒の平均値で、飲みごたえがありながら飲み疲れしないバランスに仕上がっています

 

河津酒造に製造を託したもう一つの大きな理由が、熊本が誇る酵母。「白奏 | HAKUSO」に使われている「熊本酵母(KA4-01)」は秋田・新政酒造が発祥の「きょうかい6号」や長野・宮坂醸造から分離された「きょうかい7号」と並び、現代吟醸酒の基礎を築いた熊本発祥の「きょうかい9号(熊本酵母)」を元に研究されたもの。近代的吟醸酒造りに特化した酵母で、上品で華やかな香りが特徴のため吟醸酒造りに最適なのです。

 

そして、酒米には味がふくよかになりやすく、甘みが主体の酒造りにも適した山田錦を採用。辛口の値を示す日本酒度が-17という、上品な甘口スパークリング酒が生まれたのです。

 

6月発売の限定2000本生産ということからも分かるように、「白奏 | HAKUSO」は初夏を楽しむ想定で造られています。真夏ほど暑くはなくしっとりとしたこの季節には、優しい甘さとなめらかな発泡の「白奏 | HAKUSO」が、よく合いそう。記念日や贈り物、または自分へのご褒美に、この特別な一本を入手してはいかがでしょうか。

気軽にワインを楽しみたい! コスパ抜群な1000円台の白ワイン5選

最近は手頃な価格のワインが増えてきたことから、家飲みでワインを選択する人も増えているのだとか。なかでも、飲みやすく食事にも合わせやすい「白ワイン」は、初心者にもおすすめです。渋みが少なく、スッキリとした味わいのものが多いので、デザートと合わせるのもおすすめ。そこで今回は、毎日の晩酌など、日常のシーンで楽しめる2000円未満(※価格はAmazon調べ)の白ワインをご紹介します。

 

目次

 


国内外のコンクールでの評価が高い国産白ワイン


サントリー ジャパンプレミアム 甲州

ジャパンプレミアム「甲州」は、2015年日本ワインコンクール「甲州辛口タイプ」部門で銀賞を獲得するなど、国内外のコンクールで入賞している評価の高い白ワインです。ブドウは、1000年以上の栽培の歴史を持つとされる日本固有のワイン用品種を使用。そのやさしく繊細な味わいが“日本的な美しさ”のあるワインとして、日本だけでなく世界の市場でも高く評価されています。和柑橘を感じる上品な香りと、旨みを感じるしっとりした味わいが特徴。購入者からは「とてもフルーティーで香りもよく飲みやすかった」「和食や和風味と合わせるとより楽しめそう」との声も。

【詳細情報】
内容量:750ml
発送重量:1.31kg

 


100年の歴史を持つフルーティーなドイツワイン


リープフラウミルヒ マドンナ

ドイツでも由緒ある歴史を持つファルケンベルク社によるフルーティな味わいの「マドンナ」は、「聖母の乳」の名を持つ、ドイツを代表するワインのひとつです。新鮮な果物の酸味、軽やかな甘さ、みずみずしく爽やかな味わいが特徴。和食との相性はもちろんのこと、スパイシーなエスニック料理や中華とも相性抜群です。キリッと冷やしてキャンプやバーベキューなどのアウトドアで楽しむのもおすすめ。絶妙な酸味と甘味のバランスが、料理の味を一層際立たせます。おすすめは、ドライフルーツのクリームチーズ和えをのせたカナッペなど。「やさしくまろやかで飲みやすくワイン初心者に最適」との声も聞かれます。

【詳細情報】
内容量:750ml
発送重量:1.17kg

 


フルーティな香りと爽やかな味わいが特徴のチリワイン


ロス ヴァスコス シャルドネ

ロス ヴァスコスはチリに移住したスペイン人により、1750年に創業。ぶどう畑の所有面積は3600ha、その内作付け面積は580haとコルチャグア・ヴァレー中部で最大。広大な土地ですが、殺虫剤や除草剤などの化学物質に頼らないキャノピーマネジメントなどの手法を採用し、グリーンハーヴェストによる収量制限、樹齢による区画の管理を行い、収穫は手摘みと手間暇をかけて作られています。柑橘やバナナなどを思わせるフルーティな香りとフレッシュで爽やかな味わいが特徴。購入者からは「キリッとした辛口というよりは、芳醇さの中に辛さが潜む感じ」「後味や香りの余韻は強く残らずクールでサッパリした印象」との声も。

【詳細情報】
内容量:750ml
発送重量:1.2kg

 


洗練されたエレガンスを感じさせるチリワイン


ロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン

ロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブランは、フランスの名門バロン・ド・ロートシルト家が手掛けるエレガントなチリ産の白ワインです。柑橘やトロピカルフルーツのようなボリュームある華やかなアロマと、ほどよいコクとすっきりした酸味が特徴。よく熟したソーヴィニヨン・ブラン種の特徴を存分に引き出しました。愛飲者からは「甘さは全くなく、すっきりとした味。だからこそ何にでも合うと思います」「白ワインとしては香りが強く、良い香りが楽しめるのも良い」「同じ味わいでイタリアやスペイン産のワインなら3千円以上はすると思います」と高評価。他にも「スクリューキャップなので気軽にアウトドアにも持って行けるのがうれしい」という声も。

【詳細情報】
内容量:750ml
発送重量:1.1kg

 


世界的評価の高い南仏生まれのフルーティーな辛口ワイン


レゾルム ド カンブラス シャルドネ

レゾルム ド カンブラス シャルドネは、フランスNo.1の販売数量を誇るカステル社が手がける、南仏生まれのフルーティな白ワイン。辛口仕立てでほどよいコクがあり、日本の食卓を意識して特別に作られています。りんごや黄桃を思わせる香りと、やわらかな印象の果実味、酸味のバランスの心地良さが特徴。ぶどう本来の果実味を活かした瑞々しさは、日本人の味覚に合うバランスの良い味わいで、ゴマだれ味のしゃぶしゃぶなど、旨味を感じるメニューにピッタリ。また、世界的評価も高く、シャルドネ・デュ・モンド2017にて金賞を受賞した実力派です。ユーザーからは「白ワイン独特の酸味が苦手な人に最適」「スッキリ飲みやすく日常使いにぴったり」との声がある一方で「白ワインの個性を求める人には、物足りなく感じるかも」との声も。

【詳細情報】
内容量:750ml
発送重量:1.04kg

 

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「COEDO」から夏にピッタリな麹とゆずのIPAが数量限定発売、「UKIYO-E PROJECT」とコラボした新商品

協同商事コエドブルワリーは、浮世絵「時鐘江戸俤(ときのかねえどのおもかげ)」をテーマにしたコラボレーションビールを7月7日に発売します。350ml缶で希望小売価格は438円(税込)です。

 

協同商事コエドブルワリーは、「Beer Beautiful」をコンセプトに掲げるクラフトビールメーカー。パッケージに大きく「COEDO」のロゴが記載されたクラフトビールというと、ピンとくる人も多いのではないでしょうか。

 

今回コラボレーションするのは、浮世絵職人の失われそうな技術の需要を創出し、後世に伝承していくプロジェクト「UKIYO-E PROJECT」。このプロジェクトから、川越市のシンボルである鐘楼「時の鐘」を描いた新作浮世絵「時鐘江戸俤」が販売されます。これにともない、浮世絵にインスピレーションを得たビールを数量限定で醸造するとのこと。

 

コラボレーションビールは、麹とゆずを使って醸造されたJapanese style Brut IPA。5種類のホップとゆずからなる重層的な香りと味わいが口の中で弾けるうえ、米麹を使用することによってドライで軽やかな飲み口に仕上げたとしています。ゆずとホップの苦みや香りと、麹と酵母が醸す後味のキレは、夏にピッタリだそうです。

 

ラベルは「時鐘江戸俤」を用いた風情あるデザインになっています。

 

販売は全国のスーパー、酒販店、百貨店など。なお、6月23日からCOEDO ONLINE SHOP 公式通販サイトで、先行予約受注も開始しています。

 

暑い時期にキンキンに冷やして飲むと、汗がスッと引きそうなビールです。数量限定とのことなので、気になる人はチェックを欠かさないようにしましょう。

“プレミアム茶割り”と言いたいリッチな味。香るボトルの「アサヒ月庵 緑茶割り」がセブン-イレブンから限定発売

RTD(=Ready To Drink、開封してすぐ飲めるドリンク)ではレモンサワーが人気ですが、緑茶割りも一定のファンがいて見逃せないカテゴリーです。この度、1都4県(東京・神奈川・千葉・埼玉・静岡)のセブン-イレブン限定で「アサヒ月庵 緑茶割り」が新発売されました。ルックス的には上品さや渋さを感じますが、中身はどうなのでしょうか。レポートしていきましょう。

↑「アサヒ月庵 緑茶割り」。400ml入りで199円(税込。以下同)、アルコール度数は4%

 

甘くまろやか。上品な渋味が抜けるリッチな味

プレスリリースによると「アサヒ月庵 緑茶割り」の特徴は、煎茶、玉露、かぶせ茶という3種類の国産茶葉を低温で長時間かけてじっくり抽出たことにより、緑茶のまろやかなうまみと滋味深い渋みを楽しめるところ。香料を使わず、茶葉由来の自然な味わいや香りを感じられるのも魅力とのことです。

 

容器には、リキャップ可能な口の広いボトル缶が採用されています。これは、茶葉がもつ華やかで深みのある香りを最大限に感じられるという点と、自分のペースに合わせてゆっくりと味わうことができるというメリットを狙ったもの。

↑アルコールは国内製造の焼酎がベース。また、逆さにしてから飲むことを推奨しているのは、それだけ茶葉のうまみが濃いため、よく混ぜるのがオススメということでしょう

 

なお、アサヒの広口RTDでは、プレミアムレモンサワーと言える「アサヒ ザ・レモンクラフト」シリーズも。これは鮮烈なレモンフレーバーが圧倒的で、贅沢なプロダクトとそれに見合った高めの価格が特徴。「アサヒ月庵 緑茶割り」も同様のブランディングを感じますが、香りや味はどうでしょうか。

↑色味はやや濃いめで、贅沢感は十分。期待が高まります

 

まずは香りを嗅いでみると、緑茶ならではの青々しさや甘みを感じます。そして一口飲んでみると、味わいとしても甘やかさやまろやかなタッチが印象的。酸味は穏やかで、キレがありながら余韻として上品な渋味が抜けていきます。

↑ベースの焼酎はクリアで、茶葉のうまみが全面に出てくる印象。総じてリッチな味わいです

 

また、100mlあたり25kcalあるものの、甘さはなく、食事と相性がいいことは確実。セブン-イレブン限定発売ということで、「セブンプレミアム」の惣菜を数種合わせてみました。

 

あっという間に飲み切れる吸い込みの良さ

選んだのは3つ。あっさり系の「6種具材のお豆腐とひじきの煮物」(213円)、酸味のある「野菜と食べる砂ずりポン酢」(246円)、こってり系の「牛塩ホルモン炒め」(429円)です。

↑緑茶割りと料理の相性の良さを改めて検証!

 

「6種具材のお豆腐とひじきの煮物」は、素朴の素材な味を甘じょっぱく味付けしたザ・家庭料理といえる一品。この繊細さを「アサヒ月庵 緑茶割り」のソフトな味が生かしつつ、しっかり寄り添います。例えばこれが、甘みの濃いベリー系の炭酸サワーや渋味の強い赤ワインだった場合はこうはなりません。

↑無炭酸でやさしい味わいの、緑茶割りならではのグッドフィーリングです

 

次は「野菜と食べる砂ずりポン酢」。うん、これもかなり良いです。爽やかな素材の味に、ポン酢がさらにさっぱり感をプラスした料理ですが、「アサヒ月庵 緑茶割り」を合わせると茶葉のまろやかな甘味が際立ち、全体のまとまりがアップします。

↑「アサヒ月庵 緑茶割り」の風味は、酸っぱい料理とも見事に調和。酸味系全般に合うと思います

 

最後は「牛塩ホルモン炒め」ですが、これもナイス。3種の茶葉の適度な渋味が、牛肉のコク深いうまみや脂の濃厚なオイル感をしっかりリセットしてくれます。

↑辛味は緑茶のまろやかなタッチが包み込むので、これも絶妙

 

気が付いたら400mlでもあっという間に飲み切ってしまう、吸い込みのよさ。これは炭酸がなく、アルコール度数が4%というのも影響しているでしょう。今回は夏のシーンを想定して冷やして飲みましたが、常温でも円熟味が前に出ておいしいと思います。

 

緑茶割りは冒頭で述べたように一定のファンがいるカテゴリーで、筆者の知人の中には「あらゆる酒のなかで緑茶ハイ(緑茶割り)が一番好き」という人もいます。近年では100種類のお茶割りに特化した「茶割」という専門店が登場するなど緑茶割りのポテンシャルは高く、販売地域の拡大も考えられるでしょう。「アサヒ ザ・レモンクラフト」もセブン-イレブンから先行発売したストーリーを持っていますし、「アサヒ月庵 緑茶割り」の展開にも注目です。

販路拡大で爆売れ中! 伝説のホップ「SORACHI1984」担当者が語る日本のビールの可能性

「実は2~3年前、国内クラフトビール市場は勢いを失っていたんです」。そんな話をとある醸造家から聞き、筆者は耳を疑いました。というのもその時期はコロナ前。ビール専門店が地方でも開業する動きが活発化し、造り手も、酒販店も増えていたので、まさかと思いました。しかし、視点を変えれば踊り場に差し掛かっていた市場があるというのです。

 

その醸造家は「サッポロ SORACHI1984」のブリューイングデザイナー、新井健司さん。最新トレンドも含めて業界動向を詳しく聞かせてくれるということで、オンラインでインタビューを行いました。

↑新井さんが手掛ける「サッポロ SORACHI1984」。2019年にデビューして今春リニューアルしました。参考価格は350ml缶で税込267円です

 

「SORACHI1984」はクラフトビールを名乗らない

新井さんが「踊り場に差し掛かっていた」と話す市場は、スーパーやコンビニなどの小売り店のこと。クラフトビールは2015年頃に大きな盛り上がりを見せ、飲食店はもちろん小売り店を販路にもつ大手メーカーもクラフト向けブランドを立ち上げましたが、2019年頃から小売り商品の方は失速していったといいます。

↑サッポロビールの新井健司ブリューイングデザイナー(写真は2019年の取材時。撮影/我妻慶一)

 

筆者も、大手による小売り商品の話であれば納得。サッポロビールは2015年に「Craft Label」というブランドを立ち上げましたが、その後撤退しています。新井さんは「確かに全国各地で新しい醸造所やクラフトビールのレストランが開業していて、造り手も飲み手も増えたと思います。外食も含めた全体の市場で見れば落ち込んではいないでしょう」と言います。

 

いずれにせよ、スーパーやコンビニ向けのクラフトビールは外食シーンほど盛り上がりませんでした。より深掘りすれば、クラフトビールを飲みたい人は飲食店で楽しむので、スーパーやコンビニでは買わなかったということでしょう。

 

ただし、コロナ禍によって状況は一変しました。外で飲むことが憚れるようになり、家飲み需要が拡大したのはご存知の通り。落ち込んでいた小売りのクラフトビール市場は、2020年から息を吹き返したのです。

 

「ビアパブなどが好きだった方は、小売り店でクラフトビールを買う頻度が上がったことでしょう。一方、クラフトビールが特別好きでなかったとしても『せっかくだからちょっといいモノを選びたい』という心理により、いつも飲んでいるビールではなくクラフトビールを選ぶケースは増えたと思います」(新井さん)

 

2019年頃から停滞気味だった小売り向けクラフトビール市場。それも一因となり、「サッポロ SORACHI1984」の造り方や個性豊かな風味はクラフト的でありながらも、2019年のデビュー時からクラフトビールとは謳っていません。

↑最大の特徴は、サッポロビールが1984年に開発し、いまや世界中のブリュワーから人気となっている日本屈指の個性派ホップ「ソラチエース」を100%使用していること

 

「市場動向以上に、一番の理由はクラフトビールだと謳う必要がないからです。目的はビールの面白さや多様性を訴求して飲み手を増やすことなので、クラフトビールとしてカテゴライズすることはあくまで手段の一つに過ぎません。それに、願わくばクラフトビールだからという動機よりも、『サッポロ SORACHI1984だから』『ストーリーに共感するから』『ソラチエースが好きだから』という理由で選ばれるブランドになりたい。そのため、世の中の立ち位置的にはクラフトビールの扱いかもしれませんが、私たちからはクラフトビールだというコミュニケーションはしていないんです」(新井さん)

 

ホップで選ばれるようになれば、ビールはもっと楽しい

冒頭で述べた通り、今春リニューアルした「サッポロ SORACHI1984」。どこが進化したのかを聞くと、国産ホップの使用比率がアップしたことだといいます。

↑「ソラチエース」は北海道空知郡上富良野町産を一部使用。メインはアメリカ産ですが、その理由は日本産の絶対数が足りていないから

 

「国産の『ソラチエース』比率を上げていくのが私たちの使命の一つ。年々上がっているのですが、おかげさまで『サッポロ SORACHI1984』の販売数量も増えています。去年は共同契約の生産者さんの圃場(ほじょう。畑のこと)に植えて、今年から収穫していく活動も。そうやって、いつか日本産100%の仕様で届けることを夢見て今後も増やしていきます」(新井さん)

↑左が一般的なホップで、右が「ソラチエース」。ホップの球花(きゅうか)が大きいのも「ソラチエース」の特徴です

 

改めて、最新版を飲んでみました。やはり「ソラチエース」ならではの個性は健在。ハーバルで華やかな香り、柑橘系のジューシーな苦みの中に、ウッディな爽快感や南国的で陽気なニュアンスも。

↑泡立ちも良好。海外のホップに負けないジューシーな苦みがありながら、繊細なオリエンタルフレーバーがあって非常に好みな味わいです

 

筆者が個人的に気になっていたのは、最近セブン-イレブンでも見かけるようになったこと。聞けば5月から取り扱いがスタートし、「サッポロ SORACHI1984」の売り上げはさらに絶好調とか。そこで、セブン-イレブンのPBとのオススメペアリングを聞いてみました。

 

「繊細系から濃厚系まで様々なおつまみに合うと思いますが、意外性があってぜひ試していただきたいのが、セブンプレミアムのアップルマンゴーや、アップルマンゴーを使ったアイスです。というのも、以前『モザイク』というマンゴーのような香味特性をもつホップを使った限定商品「SORACHI1984 SESSION」を造ったことがあり、非常に互いの魅力を引き立て合う相性の良さだったのです」(新井さん)

↑「まるで完熟マンゴー」(税込138円)を合わせてみました。たしかに、マンゴーのトロピカルな余韻がビールの爽快な苦みと合わさって、双方がよりボリューミーなおいしさに

 

新井さんに今後の取り組みを聞くと、最近では有名な実演販売士・レジェンド松下さんによる商品紹介動画をYouTubeでアップするなど、ブランドの接点を増やしているとか。また、情勢を見ながら外食でもユニークな飲用体験を提案したり、北海道色の強いお店で訴求する活動をしていくそうです。

 

「長期的な夢は、ワインがシャルドネなどの品種で選ばれているように、ビールがホップの種類で選ばれるようになること。これは海外のビール先進国でもそれほど実現されていませんが、いつかホップの代表格に『ソラチエース』があるとうれしいですね。以前、キリンビールさんとコラボイベントを行いましたが、多くの造り手や生産者さんと協力しながら、ホップの魅力や可能性を伝えていきたいです」(新井さん)

↑「サッポロ SORACHI1984」の公式サイト。新たに、ホップに関する詳細なコンテンツが加わりました。2020年に植えた「ソラチエース」が育つ様子も見られます

 

まだまだ続くであろう家飲み需要と、家庭向けクラフトビールの消費拡大。「サッポロ SORACHI1984」を飲んだことがない人は、ぜひ一度お試しを。

【飲み比べ】リニューアルした「ヱビス」はどこが変わった?「4種の違い」を深掘りチェック

様々なお酒がある中、今改めて注目したいのがビール。話題の新作が続々登場するなど、ビール市場は大いに盛り上がっています。一方で既存ブランドの進化も見逃せません。今回紹介するのは、誕生131年目の今年、ブランドのリニューアルを実施したヱビス。プレミアムなビールとして愛され続けるヱビスは、どう変わったのか? リニューアルの詳細を多方面から深掘りします。

↑生まれ変わった通年販売3商品と、期間限定の1商品(右)をご紹介

 

130年以上の歴史を持つ、おいしいビールの代名詞

ヱビスビールの歴史は長く、誕生したのは1890年。ビール大国のドイツから醸造設備を運び、現地の技師も招いて本格的なビール醸造を開始しました。それ以来、130年以上もの間“本物のおいしさ”にこだわった本格派ビールの先駆けとして、市場をけん引してきました。かつてヱビスビールの工場があったことから、東京・恵比寿の地名が名付けられたことでも知られています。

 

ヱビスの特徴でもある”贅沢な味わい”は、こだわりの素材と手間暇を惜しまない製法によって造られます。まず、原料はドイツのビール純粋令に則り、厳選された欧州産麦芽、バイエルン産アロマホップ、そして独自のヱビス酵母のみを使用。副原料は使わず、華やかな香りと深みのあるコクを生み出します。

 

また、製造工程において通常のビールよりも同社比1.5倍の長期間熟成をさせることにより、麦芽100%のコクを引き出しつつ、雑味がなく丸みのある味わいと、爽やかなのど越しを実現しました。クリーミーな白い泡とクリアな黄金色も、長期熟成によるもの。様々なこだわりから生まれたヱビスは、今では上質でおいしいビールの代名詞として、その地位を不動のものにしています。

 

リニューアル後は“多彩な楽しみ方”を提案

そんな「ヱビス」が、2021年にリニューアルしました。ブランドコンセプトをこれまでの「ちょっと贅沢な、自分へのごほうび」から、「Color Your Time! YEBISU ビールの楽しさ、もっと多彩に。」に変更。嗜好が細分化して、より本物を求めるようになった消費者の期待に応えるため、プレミアムビールの多彩な楽しみ方を提案していくとのことです。

 

それでは、新しく生まれ変わったヱビスの、個性豊かなラインナップをチェックしていきましょう。

 

まずは「ヱビスビール」と「ヱビス プレミアムブラック」。通年販売の2品は、パッケージをリニューアルしました。YEBISのブランド名の下には、「BORN IN 1890, TOKYO」の文字。東京をベースに持つヱビスの歴史やストーリー、そして東京という都市の多様性をミックスしたコピーです。大きくあしらわれた伝統の恵比寿様のイラストが、その風格を感じさせる缶デザインになっています。

↑「ヱビスビール」350ml缶。ゴールドのカラーと、おなじみの恵比寿様が上質感を演出

 

↑「ヱビス プレミアムブラック」350ml缶。香ばしくて芳醇な黒ビール

 

続いて紹介するのが、パッケージだけでなく中味も刷新された「ヱビス プレミアムエール」。エールビールは、日本で一般的なラガービールに比べて、やや高めの温度(20~25℃)で発酵させたビール。豊かな香りや、奥深い味わいが特徴です。そこへ今回新たに、ヱビスこだわりのドイツバイエルン産アロマホップの香りを際立つ最適なタイミングで添加することで、ヱビスならではのエールらしい香りに進化している、とのこと。

↑「ヱビス プレミアムエール」350ml缶。濃密な香り、凛とした苦味を楽しめるエールビール

 

期間限定商品もリリースされています。2021年3月30日発売の「ヱビス プレミアムホワイト」は小麦麦芽を一部に使った、春夏の季節に適した爽やかなビールです。

↑「ヱビス プレミアムホワイト」350ml缶。これからの季節にもぴったりの、すっきりとした香りが華やぐ期間限定商品です

 

それぞれが個性的なヱビス。好みに合わせて上質なビール時間を

先ほど紹介した4商品を飲み比べてみます。

↑爽快系からボディの豊かなタイプまで、好バランスなラインナップです

 

1本目は王道の「ヱビスビール」から。副原料を一切使用せず上質な原料だけで造られた、あふれるうまみとふくよかなコクが特徴です。

 

飲んでみて感じられるのは、麦芽の豊かな甘味とすがすがしい苦味。どっしりした後のキレも十分で、きわめてバランスがよく、飲み疲れない王道のおいしさ。まさに定番にふさわしい、絶対的な一本といえるでしょう。

↑うまみとコクがありながらも、飽きさせないバランスはさすがの一言

 

2本目は「ヱビス プレミアムブラック」。炭焼きしたプレミアムロースト麦芽や、うまみを引き出す伝統的なトリプルデコクション(3回煮沸法)などを用いた、香ばしく芳醇なヱビスならではの黒ビールです。

 

ロースト麦芽の香ばしい甘味を醸し出しながら、濃密になりすぎないよう上品にまとめられていて飲み口はまろやか。泡持ちも良く、大人の風格を漂わせる仕上がりです。

↑ただ濃厚なだけじゃなく、まろやかさも感じられる上品な黒ビール

 

3本目は「ヱビス プレミアムエール」。カスケードホップ、バイエルン産アロマホップの2種類を使用して、濃密な香りと余韻、そしてふくよかなコクを実現。日本人の嗜好に合わせたエールビールです。

 

飲んでみると、エール特有の甘やかなコクが華やかさを感じさせつつ、苦すぎない上品なホップのビターさが、優雅な爽快感を演出。ひとまわり豊かなボディを感じつつも、決して重くなくて、杯も進みます。

↑ボディとビター感がしっかりありつつスムースで飲みやすい。絶妙な仕上がりです

 

ラスト4品目は限定醸造の「ヱビス プレミアムホワイト」。小麦麦芽と上面発酵酵母による、白ワインのように華やかな香りと心地いいコクが特徴です。

 

印象としては、小麦ビール特有のバナナフレーバーは抑えつつも、フルーティなアロマが前面に出た、ブライトでやさしい香味のホワイトビール。タッチや泡からはソフトなニュアンスが感じられる、繊細かつエレガントな仕上がりです。

↑のど越しが良くてフルーティ。爽やかでやさしい小麦ビール

 

ブランドのなかに多彩なフレーバーがラインナップされていて、それぞれの個性を楽しめるのもヱビスの魅力のひとつです。

↑自分の好みにマッチしたヱビスで、上質なビール時間を!

 

自分の嗜好や飲用シーンに合わせた1本を選ぶだけでなく、より贅沢な気分に浸りたいときは、ぜひ飲み比べも楽しんでみてください。

【飲み比べ】大ヒット缶チューハイ「99.99」が大刷新で 「冴えた旨さ」に磨きがかかってる!

サッポロを代表する缶チューハイのひとつが「サッポロチューハイ99.99(フォーナイン)」。2018年にデビューし、RTD(=Ready To Drink、開封してすぐ飲める缶やペットボトル入りのドリンク)ブームで様々な新作が乱立するなか頭角を現し、一大ブランドに成長した人気商品です。それが4月6日、大幅なリニューアルを遂げたとのこと。真価を知るべく、4つのフレーバーを新旧で飲み比べました。

↑今回リニューアルした「99.99」シリーズ4商品(参考小売価格は350ml缶で141円、500ml缶の場合191円/ともに税抜)。上段が新パッケージで、下段が旧パッケージ

 

99.99%の高純度ウォッカによるクリアな飲み味が人気

「サッポロチューハイ99.99」シリーズ最大の特徴は、この商品のために開発された純度99.99%のウォッカを使用している点。2段階白樺ろ過によって磨かれた高純度ウォッカは、ブランド名の由来にもなっています。

 

純度が高い=雑味がない、つまりクリアなおいしさを実現できるということ。アルコール度数9%の飲みごたえと、キレのある味わいが楽しめます。

 

リニューアルでは理想の“飲みやすさ”を追求

そんな「99.99」のリニューアルにあたり、改めて同シリーズが提唱する“飲みやすさ”を定義したとのこと。その飲みやすさとは、「満足感ある飲み口」と「雑味を感じないキレのある後味」の2つ。“こだわり”や“味覚”そのものを楽しむという、近年の消費者の志向にマッチした品質を目指しています。

 

4月6日にリニューアル発売されたのは、「クリアドライ」「クリアレモン」「クリアグレープフルーツ」「クリアシークヮーサー」の4つのフレーバー。

↑リニューアル版。果実のイラストや「99.99」の文字が大きくなりました

 

スタイリッシュなデザインが好評だったパッケージも大幅に刷新。サッポロをイメージさせる星マークや、「99.99」の商品名、果実のイラストを大きくあしらった一方で、全体の情報量は抑え、シンプルかつグラフィカルなデザインに進化しています。

↑下段が旧パッケージ。思いっきり「New」と描かれていますが、こちらが「Old」です

 

自然な果実感がアップ、後味はさらにクリアに

「99.99」シリーズの新バージョンと旧バージョンを飲み比べてみました。全体的に飲み口のボリュームや飲みごたえが強化されていながら、クリアなキレでクドさが皆無。想像以上の飲みやすさに驚かされます。透明感が冴えた分、果実感もアップしていて、自然な味わいに磨きがかかりました。

 

ラベルをじっくり比較すると、スペック自体が変わっています。例えば「クリアレモン」はカロリー、炭水化物、糖質などが少しだけアップしていて、これが飲みごたえの強化につながっているのかもしれません。意識しながら飲み比べないと新旧の違いが分かりづらいリニューアルも世の中にはありがちですが、「99.99」はアップデート内容がかなり分かりやすいです。

 

それぞれのフレーバーをチェックしていきましょう。まず、紹介するのは「サッポロチューハイ99.99 クリアドライ」。新バージョンでは無糖になり、よりドライでシャープな味わいになりました。

↑「サッポロチューハイ99.99 クリアドライ」350ml缶。写真左が旧、写真右が新(以下同)

 

↑柑橘系の果実味もわずかにアップし、飲みやすくなりました

 

↑リニューアル後は原材料名から「糖類」と「苦味料」が消えて、ドライさと飲みやすさを両立

 

2商品目は「サッポロチューハイ99.99 クリアレモン」。キレのある飲み味はキープしつつ、果実感をアップさせたことで、これまで以上にレモンの爽やかな酸味を楽しめます。

↑「サッポロチューハイ99.99 クリアレモン」350ml缶

 

↑レモンのフレッシュな果実味を、より感じられるようになりました

 

↑カロリー、炭水化物、糖質がわずかに増えています

 

3商品目は「サッポロチューハイ99.99 クリアグレープフルーツ」。こちらも果実感をプラスして、グレープフルーツが持つ甘味・苦味・酸味のバランスを向上させました。

↑「サッポロチューハイ99.99 クリアグレープフルーツ」350ml缶

 

↑グレープフルーツの爽快な風味を前面に出した味わいに変化

 

↑カロリー、炭水化物、糖質、食塩相当量が上昇

 

ラスト4商品目は「サッポロチューハイ99.99 クリアシークヮーサー」です。今回のリニューアルでは、シークヮーサー特有の晴れやかな甘酸っぱさが強調されています。

↑「サッポロチューハイ99.99 クリアシークヮーサー」350ml缶

 

↑シークヮーサーの自然味あふれるフルーティさがアップ

 

↑カロリー、炭水化物、糖質がアップ。甘味料スクラロースが不使用になっています

 

これらレギュラー4商品のほか、5月11日には数量限定の「サッポロチューハイ99.99 クリアオレンジ」がラインナップに追加。厳選したオレンジのブライトな飲み味を楽しめる1本に仕上がっています。

↑「サッポロチューハイ99.99 クリアオレンジ」350ml缶。こちらもレギュラー同様、参考小売価格は141円、500ml缶の場合191円(ともに税抜)です

 

昨今は低アルコールドリンクの人気が伸長しているものの、「常飲はしていないけど、たまに飲みたくなる」という人も少なくないはず。そこで選ぶポイントのひとつが“飲みやすさ”。従来の「99.99」をよく知っている人もそうでない人も、ぜひ本稿を参考に味わってみてください!

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

「麦とホップ」にはクラフトビール的な面白さがある。飲み比べてわかったその理由

俳優の田村正和さんを偲ぶ声が多いなか、筆者の印象に残っているのは2008年に誕生した「サッポロ 麦とホップ」の「私には、ビールです。」というCM。いまでこそ、「まるでビール」とか「ビール好きも納得」といった新ジャンルは多いものの、「サッポロ 麦とホップ」はその先駆けであり、だからこそいまも人気なのだと強く思います。

↑「サッポロ 麦とホップ」。350ml(参考価格141円)と500ml缶(参考価格200円)があり、多彩な商品群も特徴

 

デビューから10年以上が経つ中で進化し続け、現在のコンセプトも「ビール好きのための新ジャンル」「ビール好きに、どストライク!」と一貫。それは味わいに対するリアルさはもちろん、個人的には深い意味があると思っています。本記事では、味わいとブランドの魅力という2つの面で、「サッポロ 麦とホップ」を紹介していきます。

 

新採用の製法でうまさにいっそう磨きがかかった

「サッポロ 麦とホップ」の特徴として挙げられるのは、やはりビールらしい味わいです。これまでも素材や製法などをブラッシュアップし続け、味に磨きをかけてきましたが、最新版はかなり大胆に進化。その主となる要素が、新採用された「うまみ麦汁製法」です。

↑「サッポロ 麦とホップ」。ビール好きのための新ジャンルであることが、パッケージにも書かれています

 

この新製法は、麦汁のアミノ酸をアップする仕込み条件を適用し、通常のビールよりも長時間かけてろ過することで、いっそうビールに近い飲みごたえを実現するというもの。まずは大定番の「サッポロ 麦とホップ」から飲んでみます。

↑泡立ちもよく、貫禄十分

 

ウリとされる麦汁のうまみもさることながら、アルコール度数が5%で苦みやシャープな爽快感もあり、全体のバランスがしっかりしています。そのため、飲みごたえがありながらもゴクゴクいけるスムーズな仕上がりで、料理にも幅広くマッチするでしょう。

↑今回紹介する4種のなかで、最もスタンダードな味わい。具体的には、万人受けする飲み慣れた味、季節を問わない、料理との相性が幅広い、などが挙げられます

 

冒頭で述べた、「個人的には深い意味」「ブランドの魅力」というのは、平たくいえば多様性。「サッポロ 麦とホップ」には<黒>、<赤>という2種の定番フレーバーがあるほか、現在は限定商品の「サッポロ 麦とホップ 夏の香り」も発売中です。

↑「サッポロ 麦とホップ 夏の香り」。5月11日から限定発売されています

 

限定フレーバーは毎年数回、定期的にリリースされていて、筆者が知るビール好きには「麦とホップの限定は毎回楽しみにしている人」が少なくありません。つまり、ビール好きにとっては“選ぶ楽しさ”があるブランドなのです。もちろん筆者も、常に注目しているファンのひとり。そこで改めて、<黒>、<赤>、<夏の香り>、それぞれの特徴を深掘りしていきます。

 

“クラフトビール”的な面白さの正体

「サッポロ 麦とホップ<黒>」は、シリーズの中で初めて定番のエクステンション商品となったフレーバーです。新採用の「うまみ麦汁製法」を採用しつつ、じっくりと時間をかけて熟成し、黒麦芽による深いロースト香と凝縮されたうまみに仕上げています。

↑「サッポロ 麦とホップ<黒>」。これ1本でも十分においしいですが、「サッポロ 麦とホップ」とハーフ&ハーフにして楽しむのもオススメ

 

味はクリーミーなタッチと、大人なロースト香が絶妙です。コクや甘み、そして苦みや爽快感も調和していて好バランス。料理は黒酢酢豚に味噌煮込みなどの発酵調味料を使った料理や、スモークチキンなどの燻製系、チョコレートを使ったスイーツにも合うと思います。

↑泡もシルキーで持ちがよく、ハイクオリティ

 

「サッポロ 麦とホップ<赤>」は、2012年に限定商品として登場し、その後レギュラーに昇格したフレーバー。限定だった時期にドイツの収穫祭で楽しまれるメルツェンスタイルをモチーフにして登場したこともあり、いまでもそのメルツェン的なコク深さと甘みを感じられます。

↑「サッポロ 麦とホップ<赤>」。中身も赤みがかった褐色で、アルコール度数が6%とやや高めなのも特徴

 

飲みやすい王道の味を踏襲しつつも、ボディはどっしりめ。特にモルトの甘やかなトースト香がカラメル的なニュアンスを放ち、贅沢な飲み口です。タレの焼鳥や焼肉といったタレ系の肉料理、あとは餃子や海老チリといった中華や、トマトを使った料理にも合うと思います。

↑まろやかで、余韻も深め。リッチな気分に浸れる一本です

 

初夏限定の「サッポロ 麦とホップ 夏の香り」は、ドイツ産アロマホップを使った華やかな香りと、エール(上面発酵)酵母を使った爽快感が特徴。個人的にはこの初夏の限定フレーバーが好きで、「今年は水色で来たか!」というのが第一印象です。

↑液色は今回のなかで最もブライト。パッケージは「限定製造」のアイコンと、ホップのイラストが目印です

 

というのも、2019年の初夏はニュージーランド産の希少ホップ「パシフィックジェイド」を使った「サッポロ麦とホップ 爽の香」。2020年の初夏はチェコ・ザーツ産の最高級ファインアロマホップと、ホップの投入回数増加に重きを置いた「サッポロ 麦とホップ THE HOP」で、どちらの缶も緑系のパッケージだったのです。新作の特徴はアロマホップにエール酵母ということで、今回も期待が高まります。

↑やわらかなタッチで、上品さを感じる心地いい味わいです

 

飲んでみると、エールらしさを感じさせる甘やかなコクと、アロマホップのフローラルな香りが印象的。また、エール酵母は同社が誇る個性派新ジャンル「ホワイトベルグ」にも使われているのですが、共通したフルーティなニュアンスも感じました。

 

レギュラーのフレーバーとはっきりキャラクターがわかれていて、限定品では毎年季節に合った個性豊かな味を届けてくれます。新ジャンルビール類は数あれど、多様性の面では「サッポロ 麦とホップ」がピカイチです。それはいわば、“クラフトビール的”といえる面白さ。リーズナブルにビールらしい味を満喫したいとき、またはビールの多様性を気軽に楽しみたいときに、「サッポロ 麦とホップ」がオススメです。

若者=酒離れの定説を覆す! 20代に大人気の「SDGsなワイン」があった

2015年の国連サミットで採択されたSDGs(「Sustainable Development Goals」=持続可能な開発目標)の、認知や共感は年々広がっています。今回ではそのSDGsに関連した、ワインの興味深いトピックをレポートします。

 

↑メルシャンと「産直tabeloop(たべるーぷ)」による、オーガニックワインセミナーに参加しました

 

いずれ国内ワイン市場はオーガニックが中心に?

SDGsには17の目標が掲げられていて、中でもワイン醸造と深く関係しているのが12番目の「つくる責任 つかう責任」。具体的には「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」というもので、ワイン業界ではぶどうの栽培から醸造に至るまで、自然の恵みや営みを生かしたものづくりにいっそう注目が集まっています。

 

この、自然との共生を目指して造られているのがオーガニックワイン。オーガニックカテゴリーの中でもぶどうの農法によって2つに分けられ、化学的な添加物を一切禁止し自然由来の肥料だけで栽培したぶどうを使う「オーガニック」。もう一つは、オーガニックワインの特徴に加え、月の満ち欠けで収穫日を決めるなど、土壌の生命力を活用したぶどうで造る「ビオディナミ」があります。

 

↑メルシャンが輸入・販売している人気の銘柄が、南仏を代表するオーガニック&ビオディナミワインの名手「ドメーヌ・カズ」。この「カノン・デュ・マレシャル ロゼ」は税込1815円(参考価格)で販売されています

 

また、オーガニックワインとまでは言わないものの、無農薬・減農薬のワイン「リュット・レゾネ」というカテゴリーもあります。

 

↑メルシャンの資料より

 

そして、日本のオーガニックワインを取り巻くシーンのなかで興味深いポイントが、特に20代で人気が高まっていること。一般的には“若者の酒離れ”が叫ばれていますが、オーガニックワインに関しては、この定説は当てはまっていません。このことは調査でも明らかになっています。

 

↑オーガニックワインの購入率は、どの年代においても前年より増加。ワイン全体と比較しても成長が確認でき、中でも顕著な層が20代です

 

オーガニックワインの購入層を金額ベースで見れば、50代以上が年代別構成比の7割以上を占めています。とはいえ、このまま若年層の間でオーガニックワインを積極購入する動きが広がり続ければ、やがて日本のワイン市場はオーガニックが中心になると考えられます。

 

↑国内外でオーガニックワインの人気が拡大しています

 

一般的に、オーガニックワインはそうでないワインに比べて高価格な傾向があります。一方、20~50代の収入を年代別で見れば、高年齢層の方がお金持ちというのも周知の事実でしょう。つまり、ある意味20代は上の世代より、無理をしてでもオーガニックワインを選んでいるということです。それはなぜでしょうか?

 

 

エシカルな食は味の満足度も高いことを実感

20代が上の世代よりもオーガニックワインを好む、大きな理由の一つと言われているのが教育。教育をきっかけにSDGsが若年層に浸透し、サステナブルでエシカルなライフスタイルが好まれる傾向にあると言われているのです。

 

エシカルという言葉は、よく「エシカル消費」として用いられ、これは地域の活性化や雇用なども含む、人や社会、環境に配慮した消費行動のこと。冒頭で述べたSDGsの「つくる責任 つかう責任」にも関係しています。

 

↑「カノン・デュ・マレシャル ロゼ」の裏ラベル。オーガニックワインは「ユーロリーフ」など有機認証機関のマークも目印です

 

オーガニックワインは味わいも魅力的。むしろオーガニックワインが支持される最大の理由は、おいしいからだと個人的には思います。味の基準は主観的な要素を含みますが、筆者の聞く限りでは「オーガニックはウマい」「オーガニックはハズレがない」という声ばかり。ということで、「カノン・デュ・マレシャル ロゼ」も飲んでみました。

 

↑ロゼならではの爽やかで華やかな果実味と、キレのある辛口が絶妙!  すっきり軽快な飲み口でも薄っぺらい感じはなく、優雅な気分に浸れます

 

セミナーでは、魚介を使った料理やマリネなどが好マリアージュということだったので、オススメレシピで一品作って合わせてみました。メインに使った食材は「産直tabeloop」で届いた脇口水産の商品「海の生ハム」です。

 

↑脇口水産の「海の生ハム」は、「産直tabeloop」で50g×3パック税込2710円。国内ファーストクラス機内食で採用されているほか、「ミシュランガイド」三ツ星のピエール・ガニェールシェフも大絶賛しているとか

 

「産直tabeloop」は、フードシェアリングプラットフォーム「tabeloop」が2020年にローンチ。おいしくて安全な国産の一次生産品を、家庭の食卓に産地から直送してくれる新サービスです。2030年までに食品ロスを半減し、貧困層における飢餓を撲滅するという「tabeloop」の理念にメルシャンが共感。本稿のセミナーや消費者向けキャンペーン(5月9日に終了)が実施されました。

 

↑クラッカーにクリームチーズを乗せ、その上に「海の生ハム」やディル、ドライフルーツ、ナッツをトッピング。仕上げはオリーブオイルで一体感をアップ

 

「海の生ハム」は、マグロ水揚げ量日本一の和歌山・那智勝浦(なちかつうら)漁港で揚がった天然・活締め・高鮮度・高品質のカジキマグロを選別。完全無添加で塩と昆布のみを使用し、自然の旨味を凝縮させた生ハムです。食べてみるとスモークサーモンより上品な旨味と、引き締まったスモーク香があり、繊細なロゼワインとドンピシャでした。

 

↑「海の生ハム」ではなくてもスモークサーモンや普通の生ハム、ツナ缶なども相性抜群。ぜひお試しを

 

世界的にSDGsへの共感が高まる中、エコやリサイクル、地産地消や生産者応援などに、積極的に取り組むようになった人は多いはず。次にワインや食材を選ぶ際には、オーガニックや「産直tabeloop」のことを思い出して、手に取ってみてはいかがでしょうか。

“映える”華やかさで人気急上昇中!「スパークリング日本酒」おすすめ5選

最近人気急上昇中の「スパークリング日本酒」。日本酒が苦手な人でも飲みやすいことや、シャンパンのような華やかさが人気の理由のようです。食前・食中・食後と、どのタイミングでもおいしく楽しめるのもうれしいですよね。そんなスパークリング日本酒ですが、甘みが強いものからドライですっきりとしたものまで、様々なものが発売されています。そこで今回は、おすすめのスパークリング日本酒5選をご紹介します。

 

目次

 


お酒のスイーツとも呼ばれるスパークリング日本酒


一ノ蔵 発泡清酒 すず音

「すず音」という名前はグラスに注ぐと立ちのぼる繊細な泡が鈴の音を奏でているようであることから名付けられました。プチプチと優しくはじける泡は、シャンパンと同じ瓶内発酵によって生まれる自然の炭酸ガスによるもの。お米の優しい味わいのなかに、柔らかな甘酸っぱさが広がります。乾杯時の1杯目だけでなく、カクテルベースやデザート酒にもおすすめ。実際に飲んだユーザーからは「フルーティーであっさりとした甘味なのに、淡泊過ぎず味わい深く絶妙なバランス」「日本酒特有のツンとしたあと口があまりないので、日本酒の苦手な方こそ飲んでほしい」と高評価。

【詳細情報】
内容量:300ml
アルコール分:5%

 


キレのあるドライなスパークリング


宝酒造 松竹梅白壁蔵「澪」<DRY>スパークリング清酒

宝酒造「澪スパークリング清酒」のおいしさはそのままに、りんごを思わせる風味に加え、すっきりとキレのあるドライな味わいが特徴。乾杯を華やかに盛り上げ、前菜や和食との相性も抜群。デザートやスイーツと一緒に食後のひとときを楽しむのにもぴったりです。ユーザーからは「定番の澪と比較するとずっと日本酒らしい味わい。甘さも控えめなので、食事に合わせやすい」「スパークリングワインより上品で、シャンパンのように繊細」と高評価の声も。

【詳細情報】
内容量:150ml、300ml、750ml
アルコール分:5%

 


フルーティーで甘酸っぱいスパークリング日本酒


白瀧酒造 上善如水スパークリング

「上善如水スパークリング」は、のど越しすっきりなフルーティーで甘酸っぱいスパークリングの日本酒。飲みやすく、高アルコールを感じさせない軽快な味わいです。お米のまろやかさと、やさしい炭酸がプチプチはじける甘美な味わいは、ビーフステーキなどの洋食や、チョコレートなどのスイーツにもぴったり。ユーザーからは「甘口でフルーティなスパークリング酒で女性にはとても喜ばれます」「ボトルのデザインもステキで、飲む前から盛り上がることまちがいなし。最初の1杯に最適」との声も。

【詳細情報】
内容量:360ml
アルコール分:12%

 


お米だけのピュアなスパークリング純米酒


黄桜 ピアノ

お米だけで仕込んだピュアなスパークリング純米酒。アルコール分を5度まで抑えたすっきり甘口タイプ。お酒の発酵から生まれた自然の泡が軽やかにはじけます。お米の甘さを十分に引き出し、リンゴや洋ナシを思わせるフルーティーな香りが特長。その香りを十分に感じるために、ワイングラスで飲む事をおすすめします。バランスの良い酸味と甘みを持っているので、サラダやブルスケッタ等の前菜と相性ばっちり。また、スタイリッシュな黒ビンで食卓に映えるデザインもオシャレ。ユーザーからは「日本酒を感じさせる柔らかな風味が上品」「ワインより飲みやすく日本料理などにも合います」と高評価。

【詳細情報】
内容量:300ml
アルコール分:5%

 


繊細な一筋泡の立つスパークリング日本酒


八海山 瓶内二次発酵酒 あわ 八海山

醸造中の自然発酵による炭酸ガスのみを保有する、透明な日本酒です。グラスに注いだとき繊細な一筋泡が立つのが特徴。フルーティーな香りと上品な甘み、爽やかなスパークリングの口当たりを楽しめます。シャンパンと同じ製法の瓶内発酵による自然できめ細やかな泡立ちは、軽やかですっきりとしたおいしさ。瓶内発酵による、自然できめ細やかな泡立ちと口当たりは、食前酒はもちろんのこと、様々な食事のシーンを華やかに彩ってくれること間違いなし。ユーザーからは「乾杯にはいつもこのお酒と決めています」との声も。

【詳細情報】
内容量:360ml、720ml
アルコール分:13%

 

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発売から2か月で57万ケース突破!キリン「スプリングバレー」が絶好調の要因とは?

今年3月、キリンビールから新発売されたクラフトビール「SPRING VALLEY 豊潤<496>」(以下「スプリングバレー」)の売り上げが絶好調。発売から2か月で、早くも57万ケースを突破する大ヒットを記録しています。その要因について、「キリンビール クラフトビール好調発表会」の内容をもとに、解説していきましょう。

↑「SPRING VALLEY 豊潤<496>」。希望小売価格は350mlが248円、500mlが330円(ともに税抜)

 

「うまい!」と唸らせる「スプリングバレー」の味わい

「スプリングバレー」とは、キリンビールが生んだ渾身のクラフトビール。味の重厚感や、鮮烈な香り、濃厚なコク、程よい苦味といったバランスがよく整えられている商品です。飲んだ瞬間に思わず「うまい」と唸ってしまうほどの味わい。今後、ビール市場全体を活性化させる存在になることが期待されています。

 

トップ水準の高評価。売り上げ好調の要因とは?

「スプリングバレー」の価格は350mlで248円(税抜)と国産ビールとしてはやや高め。それでも売り上げが好調な理由は大きく2つ挙げられます。1つは、前述のように飲んだ瞬間に「うまい」と思わず唸ってしまう味わいです。

↑キリンビール代表取締役社長の布施孝之さん。「スプリングバレーは作り手のこだわり、個性や創造性が楽しめるビール。クラフトビールを通じて、ビールってこんなおいしさがあったんだと感じていただきたい」と語りました

 

キリンビールの調査で評価が非常に高く、過去のビールの中でもトップレベルの水準。スプリングバレーを体験した人からは「普通のビールとは一味違ったおいしさを感じる」「今まで色々なビールを飲んできたが、これが一番おいしいかも」「缶ビールでこの味を出せるなんて本当にすごいと思った」といった、クラフトビールならではのおいしさに感動している声が多数寄せられていました。

 

2つ目は、コロナ禍の環境変化によって市場にも変化が起きていることが挙げられます。約40%の人が「自宅での食事に、普段よりもお金をかけることが多くなった」というキリンの調査結果があるように、消費者の行動スタイルが変わってきており、高付加価値を求める消費者が増加傾向にあります。コロナ禍で自宅時間の充実志向が高まったことで、「どうせ飲むなら、おいしいものを飲みたい」というニーズが高まっていると言えるでしょう。

 

拡大の兆しが顕著なクラフトビール市場

クラフトビール市場全体の2021年1月から4月までの販売量は、「スプリングバレー」の発売をキッカケに、前年比で約2倍に大きく拡大してるといいます。また、クラフトビールの間口も「スプリングバレー」の発売を機に急速に拡大し、今までクラフトビールを飲んでいなかった人で「スプリングバレー」を飲んで好きになったという人も、数多いとか。それは、今後のクラフトビールマーケットがさらに拡大する兆しと言えるでしょう。

↑キリンビール代表取締役社長の布施孝之さんが“クラフトビール拡大宣言“を行った

 

この結果を受け、布施社長は「この商品の発売後、クラフトビールの広がりに手応えを感じています。もっと多くのお客様に手に取ってもらえるように、最盛期に向けて全社力を入れて、拡大していきたいと考えております」と力強く“クラフトビール拡大“を宣言。具体的な目標として、現状のクラフトビール市場の規模を来年までに1.5倍にすることを掲げました。

 

熱い思いが、クラフトビールの未来を明るくする

発表会の第2部では、日本ビアジャーナリスト協会代表 藤原ヒロユキさん、世嬉の一酒造 代表取締役社長 佐藤航さん、コエドブルワリー 代表取締役社長 朝霧重治さん、キリンビールのマスターブリュワー 田山智広さんが登壇し、トークショーが行われました。

↑発表会第2部で行われたビールへのパッション溢れたトークショー

 

醸造しているクラフトビールへの熱量や、クラフトビールへの愛情など様々な話が展開され、最後の締めで田山さんが、クラフトビールの明るい未来への展望を語りました。

↑キリンビール マスターブリュワー 田山智広さん

 

「ここにいる全員の思いは同じです。ビールを愛しているし、感動体験を味わってもらいたいパッションがあります。キリンビールは、こういったパッションや個性に負けることなくクラフトビールの明るい未来を築いていきたいと思っております。本当にクラフトビールはビールで感動できる商品だと思っていますし、一人でも多くの方にクラフトビールを知っていただいて、早くこの世界に入ってきてもらいたいです」(キリンビール・田山さん)

 

キリンビールのスプリングバレーもさらに商品に認知、飲用体験の機会を作るために、テレビを通じた大規模な広告投入や、約130万人にサンプリングを行う実施する計画をするなど、市場活性化へ動き始めているそうです。

 

これから、さらに熱くなるであろうクラフトビール市場から目が離せません。

スパイシーさと爽やかさが加わったボンベイ・サファイアが限定商品として登場!

サッポロホールディングスのグループ企業であるサッポロビールは、プレミアムジンNo.1ブランドであるボンベイ・サファイアの限定商品「ボンベイ・サファイア サンセット」を6月15日に数量限定で発売することを発表しました。

 

この商品は、通常のボンベイ・サファイアの10種類のボタニカルに、マスター・オブ・ボタニカルのイバーノ・トヌッティ氏が厳選した3種のボタニカルを追加。スパイシーなホワイトカルダモンとターメリック、鮮やかで甘いマンダリンオレンジのピールを加えることで、エレガントでバランスのよいジンに仕上がっているとのことです。

 

日本国内のプレミアムジンの市場では2019年までの5年平均成長率が156%と大きく伸長しています。サッポロビールは伸長するプレミアムジンの市場に、「ボンベイ・サファイア」ブランドで多様な味わいと楽しみ方を提案していくとしています。

 

▼標品概要

商品名:ボンベイ・サファイア サンセット
価格:オープン価格
パッケージ:750mlびん
アルコール分:43%
発売日・地域:2021年6月15日・全国

味に自信あり!ブドウの味をしっかり堪能できるノンアルコールワイン5選

ノンアルコール飲料というと、味にちょっと不安が……と思っている人も多いはず。ですが、最近のノンアルコール飲料はおいしいものが多く、特にノンアルコールワインはメーカーが自信を持って作っている一本や、高級ホテルで認められた一本なども存在します。そこで、本格的なブドウの味わいを堪能できるノンアルコールワインをご紹介。お酒を控えている人や明日のことを考えてお酒を飲めない人はぜひ参考にしてみてください。

 

目次

 


独自製法で本物のスパークリングに近づいた一本


スタッセン デュック・ド・モンターニュ ノンアルコール スパークリング 白

スタッセン社は、1895年設立のベルギーの老舗飲料メーカー。ワロン地域、リエージェ近郊の小都市オーベルの果樹園に囲まれた緑豊かな田園地帯の真ん中に、4万m2の敷地を持ち、工場と自社農園を構えています。「本物のスパークリングワイン?」と間違えてしまうほどの味わいの秘密は、いったんブドウから白ワインを醸造し、そこからアルコール分を取り除く独自の製法にあります。発酵時に生まれるワインとしての豊かな香りや味わいを壊さないよう、低温低圧状態でじっくりと蒸留してアルコール分を除去しているのです。甘口ワインが好きな方にぜひおすすめしたいこだわりの一本です。

【詳細情報】
内容量:750ml

 


香り高くエレガントな味わいがクセになる


シャトー勝沼 カツヌマグレープ 赤 ノンアルコール

カツヌマグレープは、アルコールを生成しない特許製法で「アルコール0.00%」を実現したワインテイストの飲料。長年に渡り培ってきたワイン製造技術と緑茶をベースに、飲みごたえのある味わいに仕上がっています。口に含むと、ブドウ本来の香りや味わいを楽しめ、熟成したワインとは一味違ったおいしさを堪能できます。香り高くエレガントな味わいなので、和食、中華はもちろんのことアジアや中南米の料理とも相性抜群です。パーティーやお祝いの席にもぴったり。

【詳細情報】
内容量:720ml

 


フランス産の厳選されたメルロー種でできた本格ノンアルワイン


交洋 カールユング メルロー『ノンアルコールワイン アルコール分0.5%未満』

フランス産の厳選されたメルロー種だけを使って作られた本格的な脱アルコールワインです。紫色のパッケージからも高級感が漂います。ワイン独自の風味が生きてますが、アルコール分は0.5%未満のため、アルコールが苦手な女性やご年配の方にもぴったりです。また、通常のワインよりポリフェノールが豊富に含まれているほか、カロリーは控えめ。愛飲者からは「ノンアルワインの中ではジュース的な甘さが一番ない感じがして気に入っています」という声があがっています。スクリューキャップなので、コルク抜きがなくても手軽に開けることができるのもポイントです。

【詳細情報】
内容量:750ml

 


高級ホテルやレストランにも認められた高級感のある味わい


カプリース ノンアルコールスパークリングワイン

100年の伝統ある名門ワイナリーで造られた2種類の高級ケープワイン(シャルドネ)から、最先端の脱アルコール技術でアルコールだけを除去。 独自に開発したレシピでブレンドされたアルコールフリースパークリングワインの逸品です。高級ホテルやレストランでも選ばれて飲まれているほど本格的な味わいを堪能できます。泡立ちや透明感、香り、泡質、風味、糖度と酸味のバランス……どれをとっても高級シャンパンそのもの。飲みやすいのでアルコールが苦手な方にもおすすめですよ。パッケージにも高級感が溢れており、贈り物としても喜ばれそうな一本です。

【詳細情報】
内容量:750ml

 


丸絞りシャルドネ果汁で爽やかな飲み口


ゼロカクシャルドネスパークリングテイスト

禁酒をしている方に「かけがえのないドリンク」「スパークリングワインを飲んでいる感じになる」などと多くの支持を得ているのがこちらの商品。アルコール0.00%はもちろんのこと、カロリーも糖類もゼロ。それでいて本格的なシャルドネスパークリングの風味を味わうことができます。飲んでみると、シャルドネの華やかな香りと、口あたりの良いさっぱりとした酸味で爽やかな飲み口。また、丸搾りシャルドネ果汁を使用しているので程良い果汁感を楽しめます。缶タイプなので、ちょっと息抜きしたいときなどに気軽に飲むのもおすすめです。

【詳細情報】
内容量:350ml

 

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芋焼酎「一刻者」が20周年。俳優・永瀬正敏が若者に伝えたいこととは?

芋焼酎の一大ブランド「一刻者(いっこもん)」が2021年9月に誕生20周年を迎えるということで、ブランド戦略発表会が開催されました。新たな取り組みの柱となるのはモノづくりへのこだわりと、ローカリゼーションの2つ。改めてブランドの特徴を紹介するとともに、発表会の内容をお伝えします。

↑発表会にはブランド初のアンバサダーに就任した、俳優・写真家の永瀬正敏さんが登壇

 

20年で6700万本を販売するブランドに成長

「一刻者」がデビューしたのは2001年。ネーミングの由来は、製造拠点がある宮崎など南九州の話し言葉で「一刻者=頑固者」だから。この頑固はこだわりということであり、それはおいしさに妥協せずつくり上げたというストーリーが深く関係しています。

↑左から、「一刻者」〈赤〉720ml/1586円、1.8L/3259円、「一刻者」720ml/1498円、1.8L/3083円(すべて税込価格)

 

本格芋焼酎は1990年代頃まで九州を中心に愛される地方のお酒でした。それが2003年ごろに焼酎ブームが起き、芋焼酎はけん引する存在に。人気急増の背景には、各メーカーが品質にこだわった商品開発したこと。飲み方が多彩で、思い思いに楽しめること。糖質やプリン体が含まれていないので健康的であることなどが挙げられます。ただし「一刻者」の開発はブームになる前。

↑歩みなどを語ったのは、製造元である宝酒造の商品第一部蒸留酒課、髙井晋理課長。この20年で累計6700万本を販売するブランドに成長しました

 

当時の開発陣が目指したのは、麹まで芋でつくる全量芋焼酎。というのも、それまでの芋焼酎の多くは米麹を使用するのが当たり前だったのです。そこで、芋100%の焼酎づくりがはじまりました。しかし、芋は米よりも水分量が多いため、麹菌が根付きづらいという課題があり、開発は困難を極めます。そこから6年の歳月をかけ、特許技術も駆使して生み出されたのが2001年。

↑「一刻者」の原料は、南九州産のさつまいも100%。独自の芋麹仕込みと石蔵貯蔵による、芋本来の華やかな香りと上品な味わいが特徴です

 

その後、2013年に赤芋を使った「一刻者〈赤〉」が仲間入り。2016年には新しい飲み方のとして炭酸割りを提案するなど、いっそう裾野が広がります。そして2019年は、宮崎の黒壁蔵工場に専用の石蔵を新設。年間を通じて温度変化が少ない環境となり、蒸留後のピュアな味のまま貯蔵と熟成ができるようになりました。

↑宮崎県の高鍋町にある、宝酒造の黒壁蔵工場。筆者は2018年に取材で訪れました(撮影/我妻慶一)

 

改めて飲んでみました。印象的なのが、あふれんばかりの甘くフルーティな香り。飲み口はクリアで心地よく、上品なキレもあってすっきりしています。

↑味、香りともに豊かできれい。ロックでもつっかかりがなく、クイッと飲めます

 

水割りも、極めてスムーズでブライト。この時季ならソーダ割りもいいでしょう。試してみると、炭酸の爽快感に後押しされる飲みやすさがあり、それでいて焼酎の甘やかなコクがのって飲みごたえも十分。まさに、宮崎の高鍋に降り注ぐ太陽や、日向灘の潮風を感じるようなダイナミックさがあります。

 

父の日のプレゼントにも最適

発表会の後半は、永瀬正敏さんのトークセッションを中心に進行しました。初のブランドアンバサダーに永瀬さんが抜擢された一番の理由は、宮崎出身だから。これもローカリゼーションの一環です。永瀬さんは「縁を感じますね。光栄です。宮崎の方にも喜んでいただけたら」と想いを語りました。飲み方を聞かれると、焼酎はオンザロックが多いとのこと。

 

「いまは自宅でひとりチビチビ飲む感じですけど、僕は若輩者だと思っているので、先輩方から色んな飲み方を学びながら楽しみたいですね。『一刻者』の100%、ピュアということはものすごく強い魅力。若輩から先輩まで楽しめるお酒です。いまの状況に打ち勝ったら、みんなで『一刻者』を開けて乾杯したいですね」(永瀬さん)

↑永瀬さんはブランド20周年にちなみ、今年二十歳を迎える若者に向けて「半歩前へ」とエール

 

「大きな1歩ではなく、半歩でもいいから未来に歩を進めてほしい。怖がらずに勇気を持って。その半歩が1歩になり10歩になりますから。できることなら二十歳の自分にも大いに伝えて、背中を押してあげたいです」(永瀬さん)

 

「『一刻者』は父の日のプレゼントにも最高だと思います」と永瀬さん。そういえば、2021年の父の日は6月20日。20周年の節目を迎える「一刻者」はエピソードとしても最適で、話のきっかけにもなるでしょう。この機会に、贈ってみてはいかがでしょうか。

“じゃないほう新ジャンル”の「キリンのどごし<生>」が突き抜けた! 進化の秘密を担当者に直撃

新ジャンル(第3のビール)のなかでも屈指のロングセラー「キリン のどごし<生>」が、2021年春に大幅リニューアル。そこで筆者はふと思いました。「最近の新ジャンルって、コク系ブランドが多いけど爽快系の『キリン のどごし<生>』の立ち位置ってどうなっているのだろう?」と。

 

そう思ったら矢も盾もたまらず、担当者へのQ&Aと新旧飲み比べを中心に、「キリン のどごし<生>」のいまを明らかにしていくことにしました。

↑「キリン のどごし<生>」は350mlで参考価格149円(税込)。本稿後半では新旧飲み比べレポートも

 

“じゃないほう”にこだわるワケ

まずは、新ジャンルの歴史と「キリン のどごし<生>」の歩みを簡単に解説しましょう。新ジャンルは、ビールや発泡酒(キリン「淡麗」シリーズなど)より酒税が低くて安価なカテゴリーとして、2004年に第1号商品が発売されました。

 

メーカー間による開発競争の中で多くの商品が生まれては消えてを繰り返すなか、勝ち残った銘柄のひとつが、今回取り上げる「キリン のどごし<生>」です。誕生は2005年で、現在の各社主力新ジャンルのなかでは先駆的存在といっていいでしょう。現在にも受け継がれる最大の特徴は、商品名にもなっている圧倒的な“のどごし“の良さ。飲み始めの鮮烈なアタック、からの余韻でスッと消えるシャープなキレ。この“ドンシャリ感“が「のどごし<生>」に代表される爽快系新ジャンルの魅力です。

↑2005年の発売当初と比べ、飲んだ瞬間の「グッとくる飲みごたえ」は約2倍、飲んだ後の「爽快な後キレ」は約3倍にクオリティアップしたとのこと(図はキリン提供)

 

とはいえ、昨今の新ジャンル市場は、爽快感よりもボディ感をウリとするコク系勢力が拡大。コク系大型新ブランドの登場なども影響し、爽快系の王者である「のどごし<生>」にとっては受難の時代となっているのですが、「のどごし<生>」はコク系トレンドに流されることなく独自の強みを磨く戦略を徹底。そのうえで、「今回、16年目のリニューアルとなりました」と「のどごし<生>」ブランドマネージャーの松村孝弘さんは言います。

↑松村孝弘さん。キリンビールのマーケティング部、ビール類カテゴリー戦略担当で「のどごし<生>」のブランドマネージャーを務めています

 

「リニューアルの大きなポイントは、前半の飲みごたえを高めるための仕込み工程の見直しに加え、後半の後キレをよりスッキリさせるために、キリンの特許技術である『新ブラウニング製法』を改良したことです。この前半から後半の落差を強化することで、突き抜けるような爽快な“のどごし”を実現しました」(松村さん)

 

筆者が最も気になっているのは、いまや「のどごし<生>」独自といえる原材料。というのも、「のどごし<生>」は現在の新ジャンルの主流である麦芽などを主とした「リキュール」タイプではなく、大豆たんぱくなどを用いる「その他の醸造酒」タイプです。“じゃないほう”ともいえる、この「その他の醸造酒」タイプの特徴を聞きました。

↑左の「のどごし<生>」は「その他の醸造酒」に。右は「本麒麟」で「リキュール」に分類されます

 

「『その他の醸造酒』の特徴としては、やはり麦を使用していないという部分があります。これによって一般的に、麦由来の複雑な香味に対して、「ゴクゴク飲める」「爽快さ」につながるスッキリとした香味印象となります。『のどごし<生>』では『糖類、ホップ、水、大豆たんぱく及び酵母エキス』の原料を用いてこれを実現し、さらに『新ブラウニング製法』で「飲みごたえ」「味の落差からくるキレ」につながる味の厚みやコクを表現しました」(松村さん)

 

松村さんに「リキュール」が市場の主流になった理由を聞くと「各社がよりおいしい新ジャンルの研究開発やリニューアルを繰り返すことで、結果的に『リキュール』商品が消費者に選ばれ、その一方で『その他醸造酒』の商品は減少していったのではないか」とのこと。逆に言えば「その他醸造酒」でおいしい新ジャンルを作ることは難しい、ということでしょう。

↑ということで、新旧の「のどごし<生>」を飲み比べすることに。左の「新!」がリニューアル版です

 

 

まるでジェットコースターの高低差が大きくなったよう

パッケージデザインはほとんど変わらず、赤く「新!」と書いてあるほうがリニューアル後の「のどごし<生>」。スペックを比較してみたところ、こちらも変化はありませんでした。実際の味がどれだけ進化しているのか、ますます気になります。

↑左がリニューアル版。「栄養成分表示」のスペックはまったく同じ数値となっています

 

まずは、旧をひと口。シャープな刺激が心地よく、ボディがライトなのでゴクッと飲めます。松村さん曰く、この「ゴクゴク飲める爽快なうまさ」から一人当たりの飲用量が多く、酒類ヘビーユーザーに支えられていることが「のどごし<生>」が支持される大きな要因とのこと。確かに、このゴクゴク感を求めるファンは多そうです。

↑エッジのある後キレで、口内をスカッとリセットさせてくれる味。繊細系から濃厚系まで、料理ともよく合いそう

 

そして、リニューアル版。おぉ、これは味わいの方向性は同じながらも輪郭が一回り大きくなったような印象! 前半・後半の“ドンシャリ感”がよりはっきりして、総合的なのどごしもアップしていると思います。

↑例えるなら、ジェットコースターの高低差が大きくなったような感じ。プハァッ!の声も、ついつい大きくなりそう

 

本稿では爽快系とコク系の話になったものの、松村さんは「市場のニーズは『うまいビールを飲みたい』であり、コク系のみを飲用するターゲットは少ないはず。多くのお客様が〇〇系か、ではなく飲用機会に合わせて爽快系・コク系で複数のブランドを飲み分けているかと思います」とのこと。

 

「お客様の飲用体験が多様化するなかで、スッキリ、ゴクゴク爽快なビールが楽しみたいときに選んでもらえるブランドを目指しています。定番ブランドとしてこれからも成長していくため、『ゴクゴク飲める爽快なうまさと元気を届ける』ブランドのゴールをブラさず、強みを磨き上げ、進化を続けることが大切だと考えています」(松村さん)

 

夏を迎え、ビールがいっそうウマくなる季節へ。“じゃないほう”だからこその爽快な“ドンシャリ感”を楽しむなら絶好のタイミングといえるでしょう。まだ飲んだことのない人はもちろん、しばらく飲んでない人もぜひご賞味を!

スピードワゴン・井戸田潤が甘くないレモンサワーを飲んだら「甘くな~~い!」と叫ぶのか? 新発売「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」で実験

提供/サントリースピリッツ

 

「鏡月焼酎ハイ ちょい搾(しぼ)レモン」は、3月にサントリーから発売されたばかりの新商品。ご存じ「鏡月」の炭酸割りに、レモンの風味が香る、スッキリとした味わいの爽やかな焼酎ハイだ。サントリーの商品開発チームがおよそ2年の月日をかけて作った最高の味という、自信作である。

 

一番の自慢は「甘さ、ほぼゼロ」。数あるレモンサワーの中でも“甘くない”ことを強調している。これを端的に、かつ面白く伝えるにはどうしたら良いかと考えた。思い当たったのは、「あま〜い」でお馴染みのあの人物。スピードワゴンの井戸田潤さんだ。

 

そこで、「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」を井戸田さんに飲んでもらったら、伝家の宝刀「あま〜い」ならぬ「あま〜くな〜い!」と言ってくれるんじゃない? という企画をサントリーに提案してみたら快諾、所属事務所に投げかけたら、本人はお酒が大好きだからとマネージャーも即オッケー。「えー、こんなスムーズで大丈夫かよ」と逆に慌てつつ、スピードワゴン・井戸田潤が甘くないレモンサワーを飲んだら「甘くな〜い!」と叫ぶのか?「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」でいざ、実験開始!

 

サントリー
鏡月焼酎ハイ<ちょい搾レモン>

柔らかくまろやかな味わいを特徴とする「鏡月」をベースに、甘くないすっきりとした味で焼酎ユーザーが好む味を追求した。また、独自の「炭酸感キープ製法」によって、炭酸感が持続するのもポイント。「鏡月焼酎ハイ」には、ほかに「すっきりドライ」もラインナップする。

 

“甘さ、ほぼゼロ”のスッキリ感がいい飲み心地
「最初から最後までずっとコレ、もありだね!」

(まずは試しに一口、井戸田さんに「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」を飲んでもらうことにしよう。最初はさりげなく感想から聞いてみるぞ。)

 

――さっそく、一口飲んだ感想をお願いします。

 

スピードワゴン・井戸田潤

お笑いコンビ、スピードワゴンのメンバー。「あま~い」のフレーズで一躍人気に。単独でフジテレビ「ノンストップ!」、メ〜テレ「ドデスカ!」にレギュラー出演するほか、コンビでもレギュラー多数。バイク動画・グルメ動画が中心のYouTube「ハンバーグ師匠チャンネル」も話題。

 

井戸田 んん~~まず、のどごしがいいですね~。

 

――グイッと飲まれましたね。

 

井戸田 これは、いけちゃいますね。僕の場合、飲み始めはのどを潤すためにカーッといくのが鉄則なのでね。最初に、のどの弁をガッと開かせるんですよ!

 

――(笑)。なるほど、それくらいスッキリしている、ということでしょうか?

 

井戸田 そう、このスッキリ感がいいですね。とても飲みやすいです。やっぱり最初の1杯は、のどごし重視なので、普段はビールを選びがちなんですけど、これは炭酸がちょうどいい強さだし、爽やかだし、いい飲み心地。最初から最後までずっとこれもありだね。

 

――それはよかったです。いま、飲んでいただいている「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は“甘さ、ほぼゼロ”の後味のいいおいしさがウリなんですよ。

 

井戸田 あ~たしかに。かなりドライな感じで、しつこくないのがいいね。

 

――そうなんです。ちなみにアルコール度数は7%なんですが、お酒感はいかがでしょう?

 

井戸田 しっかりお酒を飲んでる感があります。決して強いって感じはしないんだけど、後味にいい余韻が残っていますね。僕は、実はレモンサワー系は7%までって決めているので、これはすごくちょうどいいです。

 

――最近は、度数が強いレモンサワーも多いですからね。

 

井戸田 そうなんだよ。若い子がよく飲んでるやつね!(笑)

 

――気持ちよく酔えるアルコール感がいいですよね。

 

井戸田 あ、それにこれ「糖質ゼロ、プリン体ゼロ、甘味料ゼロ」(※)なんだ。すごいね。

 

――そうなんです。焼酎がベースで、炭酸で割っていますから、糖質はゼロ(※)です。お酒を飲まれる方なら、やはり糖質の有り無しは気になる部分だと思うので、うれしいですよね。普段、井戸田さんはそういった点も気にされていますか?

(※)表示基準に基づき、100mlあたり糖質0.5g未満を糖質ゼロと表示。100mlあたりプリン体0.5mg未満。食品添加物としての甘味料(人工甘味料)は使用していません。

 

井戸田 それが、全然気にしていないんですよ(笑)。好きなお酒を飲みたいから、いつも“ダイエット〇〇”とか“糖質オフ”とかは見ずに、おいしいやつを優先して買っちゃう。

 

――お気持ちよくわかります。本当は気にせず選びたいですよね。

 

井戸田 でも、これはおいしいうえに、オプションで「糖質ゼロ」がついてくる。ラッキーですね。今まで、気にしてこなかったんですけど、最近ついにお腹が出てきたので……ちょうどいいタイミングで知ることができましたよ!

 

「鏡月」の正しい割り方はこれだ!「もっと早くあってもよかったかも(笑)」

(ふぅ。サービス精神からいきなり「甘くな〜〜い!」と言われたら初っ端で企画終了でどうしようかと思ったけど、さすがに空気を呼んでくれたのカナ。インタビューを続けていきます)

 

――ちなみに、こちらの「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は、その名の通り焼酎の「鏡月」がベースとなっているんですが、「鏡月」にはどんなイメージをもっていますか?

 

井戸田 実は20代の頃、酒屋さんで3年くらいバイトしていたんですよ。お店でボトルキープとかされるから、鏡月はよく出していてね。その頃から、ずっと馴染みはあります。“割る専門”のお酒ってイメージかな。なんなら、この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」が出る前から同じ飲み方をしてましたよ。いつも炭酸で割って、レモンを少し搾ってね。

 

――おお、そうなんですね! 今回、ついにそれが商品化されたわけですが。

 

井戸田 言われてみれば、今までなかったよね~。もっと早くあってもよかったかも(笑) 。しかも、これってかなり衝撃的な出来事だからね?「あ、このバランスで割るのが正解なんだ」って、みんなが「鏡月焼酎ハイ」を飲んで気づくわけだから。サントリーさん、とうとう正解を叩き出しましたね!?

 

――(笑)。これが一番おいしい割合だってことですもんね。商品開発チームが2年かけてつくり出したそうですから。

 

井戸田 みんなこれを待ってましたよ。自分で割ると酔いも手伝って、どうも入れすぎちゃったりとかね。結局、濃くなってちびちび飲むことに……。

 

――わかります。この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」はどう飲みますか?

 

井戸田 まずはグイッとのどに流し込んじゃうね! あ、でも僕、缶でそのまま飲まない派なんですよ。だから家では、グラスにあけて氷を入れて、冷たくしてカッと飲むと思います。

 

――いいですね。どんなときに飲むのがいいでしょうか?

井戸田 これからの季節は、この缶のデザインの通り、外で月夜を見上げながら飲みたいですよね。例えば、CMに出演されている松本まりかさんなんかと一緒にね……しっぽりと!

 

――(笑)! なるほど~、理想のシチュエーションは、女性と外飲みですかね?

 

井戸田 女性とじゃなくてもね! 夏は縁側なんかで飲めたら最高ですよ。都心だったら、屋上とかベランダで。ゆったりと気持ちよさそうですよね。

 

酒豪・井戸田のお酒ルーティンは?「甘さはお酒に求めてないですね~(笑)」

(完全に普通のインタビューだと思い込んでいるようです。でも、井戸田さん、あなたが選ばれたのは、「甘くな〜〜い」を言うか、言わないか、できれば言って欲しいから。というわけで、少しずつ、匂わせてみます)

 

――井戸田さんの普段のお酒ライフについてお聞きできればと思います。よく飲む好きなお酒はなんですか?

 

井戸田 普段はビールが多いですね。あとは、ハイボールとかレモンサワー……白ワインなんかも飲みますね。いろいろ飲みますよ!

 

――ということは、“甘くな~~い”お酒がお好きなんですかね?

 

↑インタビュアーの質問に一瞬、「ん?」という表情の井戸田さん。まさか気づいた?

 

井戸田 そうね~~甘さはお酒に求めてないですね~(笑)

 

――ふむふむ……甘さはいらないと……お家飲みとかはされますか?

 

井戸田 家では、だいたい夜寝る前に飲みますよ。夕飯中に飲んで、気持ちよくなったら、そのまま寝ちゃうんですよね。

 

――どのくらいの量を飲むんですか?

 

井戸田 缶だと5、6本くらいです。それで気持ちよくなって、ソファで寝ちゃうんですよ。

 

――おお、すごい……! なかなかの酒豪なんですね。

 

井戸田 それでね、僕、家だと服を着ないんですよ。だから状態としては、裸のオジサンが酒をごくごく飲んで、最終的にソファで倒れている。傍らからみたら、ひどい有様ですよ?

 

――(笑)。開放的でいいと思いますよ。

 

ついに、井戸田が気づいたか……!?「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」にぴったりのおつまみは甘くな~〜いアレ!

(やっぱり、この程度ではこちらの狙いには気づかないか……。いよいよ、わざとらしく「甘くな〜〜い」を会話に混ぜ込んでいくことに。するとついに……!?)

 

――お酒を飲むときは、何か一緒に召し上がるんですか?

 

井戸田 つまみはね、現場からお弁当を持ち帰ってきて食べてるんですよ。最近はエコバッグを持ち歩いてるんで、それにササッと入れてね。そのまんま持ってくと恥ずかしいからさ、コートに隠しながらね……。

 

――ちょっと怪しい感じになってるじゃないですか(笑)

 

井戸田 いや~弁当のうまさを再確認しちゃったんだよね。今は外にも行けないからさ。現場では食べないようにしてるから、家でゆっくり飲みながら食べるのが楽しみで。

 

――この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」といっしょに食べたいおつまみって、何か思い浮かびますか?

 

井戸田 弁当以外で? ええ~~合うおつまみかあ……なんだろうな?

 

――どんなおつまみでもいいんですけどね。“甘~~い”ものでも、“甘くな~~い”ものでも……(これだけ誘導すれば、いけるか!?)

 

井戸田 ……あ、わかったわ!

 

――お!? なんでしょう?(キターーーーー!?)

 

井戸田 お刺身なんかはどう? 最近は、スーパーで帰りに買ってよく食べてるんだよね。きっと合うんじゃないかな。 この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は食事のときでも邪魔しない味わいだからね。

 

――ああ、なるほど……。(違うんかい!)そうですね、晩酌でも食事でもOKなドライな味わいが魅力ですからね。そう、“甘くな~~い”ですから……。

 

井戸田 うん、そこがいいのよね。あとは……餃子もいいじゃないかな。パリパリ系の鉄板餃子と食べたいね。他にも、漬物系もありだなあ。

 

――そうですね。(え、そろそろ気づくでしょ……。)和風なおつまみには、わりとなんでも合いそうですよね。あ、じゃあ逆に、洋風なものは何か思いつかないですか? イタリアンでもオードブル的なものでも、なんなら“甘~~い”スイーツでも……。

 

井戸田 洋風?……んん……あ、もしかして……?

 

――もしかして??(きたか!)

 

井戸田 あれね!「ハンバーグ」のことね! それが言いたかったんでしょ????

 

――あ……はい、そうですそうです。ありがとうございます。(き、気づいてほしいのはそっちじゃないんですが……。)

 

井戸田 すいませんね~、気が利かなくてね。

 

――いえ、えっと、では、ハンバーグ師匠的には、ハンバーグとの相性はいかがでしょうか?

 

井戸田 最近ね、ハンバーグ自体のことをよく聞かれるからさ。俺も勉強してるんだけどね。この前、鳥羽周作さんってミシュラン一つ星のシェフのレシピでハンバーグを作ったんだけど、それが“塩だけ”で食べるハンバーグだったのよ。そのハンバーグに「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は絶対合うよ!

 

――おお……塩だけで! それはシンプルでおいしそうですね。

 

井戸田 デミグラス系の濃いハンバーグじゃなくて、肉のうま味を味わえる塩のハンバーグが「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」にはぴったりだと思いますよ。すいませんね、ハンバーグの話だと気づかずに!

 

――あ、いえいえ……わざわざお気遣いいただいて……ありがとうございます。(めちゃくちゃいい人だ……でもそうじゃないんです……。)

 

「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」最大の特徴、“甘くな~い”について追及! はたして井戸田さんは……!?

(もはや最終手段! 超不自然に「甘〜〜い」「甘くな〜〜い」を大声で強調して会話することに。はたして、井戸田さんは気づくことができるのか?)

 

――おお、2本目も空きそうな感じですね。

 

井戸田 おいしくて飲んじゃいますね。いい気分になってきたな~。

 

――この「鏡月 焼酎ハイ」のプレーンは、「すっきりドライ」味として販売されているんですけど、今回は「ちょい搾レモン」というレモン入りバージョンを飲んでいただいています。こちらの“レモン感”ってどうですかね?

 

井戸田 焼酎を炭酸水で割ったあとに、ちょいっとレモンを何滴か搾ったくらいのリアルな味わいがありますね。絶妙な加減です。レモンは鼻にちょっと抜けるくらいで、キリッと爽やかな感じ。

 

――そうなんです。このレモンサワーの最大の特徴が、レモンが強すぎなくて“甘くな~~い”ところなんですよ。

 

井戸田 ほんと、そうですね~。全然甘くないです。そう考えると、こんなにドライな感じのレモンサワーって新しいかもしれませんね。レモン感が濃いものもいいですが、僕はこっちの甘くない方がスッキリしてて好きですよ!

 

――“甘くな~~い”方がお好きなんですね? それはよかったです~。ここ最近、コンビニなどで販売されている商品を見ると“甘~~い”レモンサワーがけっこう多いですから。

 

井戸田 あ~そうなんですかね? たしかに、レモンが強いってウリにしているお酒は、その分甘かったりしますもんね。

 

――そうなんですよ。それに対して、この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は、パッケージでも「甘くないレモンサワー」だと強く推しているんです。一目で“甘くな~~い”とわかるようになっているんですよ?

 

井戸田 あ~ちゃんと表示されてるんですね。普段、俺はサワー系でもカクテル系でも甘いのは飲まないから、「甘くない」って言い切ってもらえると、買うときに安心感があっていいですね。選びたくはなりますね!

 

――それはよかったです。“甘くな~~い”お酒というのは、やっぱり重要なんですね。

 

井戸田 そうですね。選ぶ基準にはなってます。何にでも合いそうなのが、この「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」のいいところだと思うので、これからいろんな場面で飲みたいと思いますね。

 

――ありがとうございます。では、最後になりますが“甘くな~~い”「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は、今後も飲んでいただけますでしょうか?

 

井戸田 もちろんですよ。飲みたいお酒の中でも、1軍になってくると思います! これはレギュラー入りっすね!

 

――よかったです。ありがとうございました。

 

【まさかの大逆転】アディショナル・タイムでついにあの一言が!!

(さて、用意していた質問はすべてしっかりと語っていただき、インタビュー開始からも45分。芸能人のインタビューとして十分すぎる時間だ。ここからは写真撮影をメインにしつつ、総括的な話をもう一度だけ振ってみることにした。すると、ようやくあの言葉が……!)

 

――井戸田さん、最後にもう一度お聞きします。「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」の“推し”は何だったでしょうか?

 

井戸田 え……

 

井戸田 もしや……

 

井戸田 “甘くない”ってとこですかね……?

 

――はい、そうなんです。やっと気づいていただけましたか……!?

 

井戸田 ああ~~~なるほどね。全然気づきませんでしたよ。いや~~でも、ちょっと思ってはいたんです。僕は世の中で一番“甘い”を言ってきた男なんですよ。それが“甘くない”を心の底から認める瞬間……それが今日だったんですね?

 

――そうだったようです(笑)。ありがとうございます。では、最後に「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」を一言で表してもらえますでしょうか?

 

井戸田 「鏡月焼酎ハイ ちょい搾レモン」は……甘~~~~くないッ!!!!!

 

――井戸田さん、ありがとうございました!

 

甘くな〜〜い「鏡月 焼酎ハイ ちょい搾レモン」の詳細はこちら

 

◆お客様センター https://www.suntory.co.jp/customer/

ストップ! 20歳未満飲酒・飲酒運転

 

取材・文=狐塚咲季 写真=丸山剛史[人物]、湯浅立志[商品]

“ナパ・ヴァレー”だけじゃない! ソムリエが解説するアメリカのワイン銘醸地

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

 

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズは、フランスから始まりイタリア、ドイツ、そしてオーストラリアと取り上げてきました。今回は、オーストラリアに続くワイン新興生産国であるアメリカ合衆国。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
ワインの世界を旅する 第1回 ―フランスと5つの産地―
ワインの世界を旅する 第2回―イタリアと5つの産地―
ワインの世界を旅する 第3回―ドイツと5つの産地―
ワインの世界を旅する 第4回―オーストラリアと5つの産地―

 

アメリカワインを旅する

アメリカのワインをはじめとして、いわゆる“新世界”と呼ばれる新興生産国のワインが世界中で楽しまれるようになったのは、ここ40~50年ほどのことです。日本でもワインに親しむ人が増えていった時期をふり返っても、それほど時間の差はないように思え、世界中の人とモノがそれまで以上に行き来をするようになっていった時代の流れと合わせて、ワインはそれぞれの生産国の文化として息づいてきたのではないでしょうか。

 

ワインの世界で「アメリカワイン」に注目が集まることになったひとつのきっかけとして、1976年に開催されたパリ・テイスティング(パリスの審判)を無視することはできません。

 

これは、パリでワインショップとワインスクールを営んでいたスティーブン・スパリエの呼びかけで、9人のフランス人テイスターがパリのインターコンチネンタルホテルに集まり、カリフォルニアの白赤6銘柄ずつとブルゴーニュ特級と1級の白4本、ボルドー1級2級の赤4本をブラインドで採点するというアメリカ建国200年を記念して企画されたイベントでした。有名三ツ星レストランのオーナーやシェフ、ソムリエ、格付け委員会や原産地呼称の審査官、グルメやワインメディアの重鎮といったワインのプロフェッショナルが審査するなか、白ワイン赤ワインともにカリフォルニアワインが一位になったのは有名な出来事です。

 

現在でもフランスといえばワイン、ワインといえばフランスというイメージは大きいですが、当時の世界のワイン事情を鑑みるに今以上にそのイメージは強かったと考えられます。なによりフランスで催され、フランス人の審査による結果と思うと、アジアのワインがフランスのトップワインに勝利を収めるようなインパクトだったのではないかと想像しています。

 

そして興味深いのは、タイム誌の記者ジョージ・テイバーがワインスクールの受講者であった縁で、このパリ・テイスティングの取材のために現場に居合わせたことです。彼はこの試飲会の様子を記事にしてタイム誌に掲載し、また連載コラムを持っていたニューヨーク・タイムズでも取り上げました。

 

この際にギリシャ神話をモチーフにして付けたタイトルは「パリスの審判」。その優れたネーミングセンスによって以後、世界中でこの出来事はそう呼ばれるようになったのです。そう思うと、こういった情報が海を越えて瞬時に伝わる時代の始まりでもあったのかもしれません。

 

最高のフランスワインに負けない品質のワインが造り出せる、という自信を手にしたカリフォルニアのワイン産業は、これを機に質、量ともに急速な発展を遂げ、1970年時点では全米で440軒のワイナリーしかなかったのが、2018年時点では約1万3500軒まで増えることになります。このパリスの審判の際に赤ワインで2位だったシャトー・ムートン・ロートシルトと、モンダヴィの合弁としてオーパス・ワンが1979年に造り出されたことも、因果がなかったとは考えられません。

 

現在のアメリカワインを取り巻く環境は世界で最も華やかで不足がありません。ロバート・パーカーの創設した『ワインアドヴォケイト』、世界最多の発行部数を誇る専門誌『ワインスペクテイター』といったメディア、ワインに関する学術研究で世界をリードするUCデイヴィス校、そして何より資本と意欲ある人々の流入。スペイン、フランス、イタリアに次いで世界第4位のワイン生産国となったアメリカのワインが、これからどういった立ち位置を示していくのかは、ワインに関わる人にとっても、一般消費者にとってもとても興味深いトピックスなのです。

[目次]
1. カリフォルニア州ナパ・ヴァレー
2. カリフォルニア州ソノマ・カウンティ
3. カリフォルニア州サンタ・バーバラ
4. オレゴン州ウィラメット・ヴァレー
5. ワシントン州

 

1. カリフォルニア州ナパ・ヴァレー
− ディズニーランドに次ぐカリフォルニア第2の観光地 −

ナパの街から北へ向かってセント・ヘレナを経由し、カリストガへ向かう国道29号線は、南北50kmに渡り、両側に有名ワイナリーが軒を連ねるワイン街道です。年間500万人もの観光客は、この国道29号線とワイントレインでナパ・ヴァレーを往来し、“世界最高”といわれるこの産地のワインツーリズムを満喫します。

 

現在ナパ・ヴァレーには、400余りのワイナリーが運営されていますが、ヨーロッパの銘醸地を除くと抜きんでた地価の高さ、ブランディングされた少量生産のワインには高額な値がつくこの産地にワイナリーを所有することは、特別なステイタスでもあるため、異業種で財を成した実業家の新規参入は後を絶たず、ワイナリーは増え続けています。

 

シャンパーニュやブルゴーニュ、ボルドーと比較しても、これほどハイブランドが数多くある産地は珍しく、ナパ・ヴァレーはアメリカのみならず世界のワイン産地のなかでも特別な存在になっています。主役であるカベルネ・ソーヴィニヨンは収穫期に雨が降らないこともあり、生産者の思う完熟度を反映して、色濃く滑らかで芳醇なワインに仕上がり、その安定感とキャラクターは“ナパ・ワイン”としての唯一無二といってよいほどの個性を獲得してます。

 

アメリカの原産地呼称にあたる“AVA”(American Viticultural Areas=政府認定栽培地域)では、ほぼ全体を包括するナパ・ヴァレーAVAの他に、その多様な土壌構成(世界の土壌目の半数を占める)と気候によって16の“サブA.V.A”が区分けされており、「AVAロス・カーネロス」や「AVAワイルド・ホース・ヴァレー」のようにブルゴーニュ品種が中心の地域もありますが、基本的にすべての産地で、カベルネ・ソーヴィニヨンは植えられています。1976年のパリスの審判で白ワインの一位「シャトー・モンテレーナ」はAVAカリストガ、赤ワインの一位「スタッグス・リープ」はAVAスタッグス・リープ・ディストリクトに拠点を構えています。ロバート・モンダヴィのAVAオークヴィルには多くのハイブランドが軒を構えるなど、ナパ・ヴァレー全てのAVAに有名ブランドが散らばるさまは、満点の星空を思わせるほどです。

 

ナパ・ヴァレーを特別にしているのは、その多様な土壌とブドウ栽培に適した気候、高地でのカベルネの成功、ブランディングと枚挙にいとまがありませんが、もっとも核となっているのは、そのひとつひとつのきら星のようなワイナリーなのではないかと思います。恵まれた栽培環境と生産者の意欲と志の集合体が、ナパ・ヴァレーという、フランスワインにも比肩しようという一大産地を造り上げている様に思えるのです。

 

Hendry(ヘンドリー)
「Cabernet Sauvignon2015(カベルネ・ソーヴィニヨン2015)」
1万500円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

2. カリフォルニア州ソノマ・カウンティ
− カリフォルニアの高級ワインはソノマから始まった −

1848年に始まったカリフォルニアのゴールドラッシュは、当時人口200人ほどの開拓地だったサンフランシスコに、数万人の人々を集めたといいます。そのなかの一人だったハンガリーからの移民、アゴストン・ハラジィが、約300品種ものヨーロッパ系ブドウを持ち込んだことから、カリフォルニアワインの歴史が始まりました。彼が1857年に設立したカリフォルニア初めての商業ワイナリー「ブエナビスタ」は、所有者こそ変わりましたが、今もソノマの街東部の渓谷に残っています。

 

マヤカサス山脈を挟んで東に隣り合わせるナパ・ヴァレーと並んで、カリフォルニアを代表する銘醸地であるソノマには、素晴らしいブルゴーニュ品種を産み出すトップワイナリーがひしめき合っています。「マーカッシン」やAVAロシアン・リヴァー・ヴァレーの「Jロキオリ」「キスラー」といった北部のピノ・ノワールは、愛好家にとってブルゴーニュの銘醸ワインと同じか、時としてそれ以上に心を揺り動かされるワインであり、AVAロス・カーネロスのシャルドネは、生産者の個性を表現した芳醇で欠点のない味わいを醸し出しています。そういったソノマの珠玉のワインのそれぞれは、ハイブランドというよりも希少なローカルワインといった雰囲気で、メーリングリストに登録した顧客を中心に流通しています。

 

ただ、そういった高級ピノ・ノワールとシャルドネだけが、ソノマのワインではありません。土壌型はソノマだけで30を超え、フランス全土を上回る土壌多様性を持っているため、ブドウ品種のバラエティ豊かな産地でもあるのです。

 

カリフォルニア独自のブドウとして栽培されている「ジンファンデル」は、イタリアの「プリミティーヴォ」、クロアチアの古代品種「ツールイェナック・カステランスキー」と遺伝子的には同一であり、クロアチア由来でアメリカに渡ったといわれています。この品種がカリフォルニアにもたらされたのも、やはりゴールドラッシュの時代でした。そして独自の名前、歴史、スタイルを持ったアメリカの伝統的なブドウ品種として、現在でも盛んに栽培されています。

 

写真のオールド・ヒル・ランチは、ソノマでももっとも古い畑のひとつで、ジンファンデルを中心にさまざまな品種のフィールド・ブレンド(畑に複数品種の混植)のワインです。カリフォルニアワインのルーツ、オリジナルはソノマ・カウンティに今も残っており、中心都市のひとつ美食の街として知られるヒールスバーグに軒を連ねるレストランのワインリストには、多様なソノマワインがオンリストされています。

 

Bucklin(バックリン)
「Old Hill Ranch Field Blend2018(オールド・ヒル・ランチ・フィールド・ブレンド2018)」
オープン価格
輸入元=布袋ワインズ

 

3. カリフォルニア州サンタ・バーバラ
− カリフォルニアで最も冷涼なワイン産地 −

ロサンゼルスから車で2時間ほどの距離にあるサンタ・バーバラは、スペイン風の街並みと美しい海岸風景が人気のリゾート地です。ワイン産地としてはナパ・ヴァレーやソノマほど一般的に知られていなかったかもしれませんが、日本で2005年に公開されたワインを題材にしたロード・ムービー『サイドウェイ』は、サンタ・バーバラを舞台にしていました。

 

ピノ・ノワール好きの主人公が、親友の結婚前に独身最後の旅としてサンタ・バーバラのワイナリーやレストランを巡る物語の中では、地域のピノ・ノワールの数々がスクリーンに登場し、『ミリオンダラー・ベイビー』を抑えてアカデミー脚色賞を獲得したことからも大ヒット、サンタ・バーバラがピノ・ノワールの銘醸地として広く知られるようになることにひと役買った作品です。ちなみに、日本でも小日向文代さん、生瀬勝久さん主演でリメイクされましたが、こちらはナパ・ヴァレーを舞台にしています。

 

ピノ・ノワールは早熟品種なため、温暖な気候だと早く熟してしまい、本来持っている魅惑的な風味を育むことができませんが、カリフォルニアでもっとも涼しいサンタ・バーバラでは、ピノ・ノワールの生育に適した気候的な優位性をふたつ挙げることができます。

 

ひとつは沿岸部に山がないため海からの冷たい風を直接受け、夜間には霧が畑を覆うことで生育期にはブルゴーニュと変わらない平均気温であることから、ブドウの成熟をゆっくりと進めることができます。もうひとつは、ブルゴーニュやソノマに比較して収穫期の降水量が少なく、急いでブドウを摘む必要性がありません。結果として、非常に長い生育期間のなかで、サンタ・バーバラのピノ・ノワールはブルゴーニュのような酸味、ソノマのような果実味を併せ持った一種独特な芳香のあるワインを産み出します。

 

この記事を読んでいるワイン好きの方で、映画『サイドウェイ』をまだご覧になっていないようでしたら、ぜひ一度鑑賞していただきたいと思います。その際には、ワインショップでサンタ・バーバラのピノ・ノワールをご用意することも忘れずに。

 

Domaine de la Cote(ドメーヌ・ド・ラ・コート)
「Pinot Noir Bloom’s Field2018(ピノ・ノワール・ブルームス・フィールド2018)」
1万2000円
輸入元=中川ワイン

 

4. オレゴン州ウィラメット・ヴァレー
− 一人の情熱がオレゴンを銘醸地に 

映画『スタンド・バイ・ミー』の舞台はオレゴン、架空の町キャッスル・ロックはウィラメット・ヴァレーの南ブラウンズビルで撮影されました。作品で描かれている1950年代は、オレゴンのワイン生産は微々たるもので、おそらくワイナリーそのものは数軒ほど、ヴィティス・ヴィニフェラを栽培している農家は2軒しかなかったということです。海岸山脈と東側に位置するカスケード山脈に囲まれたウィラメット・ヴァレーは、カリフォルニアに比べずっと涼しく雲の多い産地で、ブドウ栽培には不向きだと考えられていました。

 

そんなオレゴンが銘醸地としての歴史を始めるのは、1960年代のこと。ピノ・ノワールを手掛けたいという夢を抱いたデイヴィット・レットは「冷涼な気候で、日当たりのよい丘陵地」というブルゴーニュに似た環境をウィラメット・ヴァレー、ダンディー・ヒルズの南向き斜面に見出しました。1966年に始まったデイヴィット・レットの挑戦では、1979年に仏ゴ・エ・ミヨ誌の主催するブラインド・テイスティング・コンテスト「ワインオリンピック」でジ・アイリー・ヴィンヤーズのサウスブロック・リザーブ・ピノノワール1975が入賞することで、早くもオレゴンのピノ・ノワールの存在が知れ渡ることになりました。ウィラメット・ヴァレーにピノ・ノワールが植えられてからわずか13年で、ブルゴーニュと肩を並べるワインを造り上げてしまったのです。現在では800近くまでワイナリーは増え、栽培面積の60%にピノ・ノワールが植えられています。

 

オレゴンのピノ・ノワールもぜひお試しいただきたいのですが、今回ご紹介するのはオレゴンの代表的白ワインのピノ・グリです。オレゴンでは当初、カリフォルニアで主流であったクローンが多く植えられていましたが、晩熟で生育期間が長いという特徴が適さず、ピノ・ノワールの亜種であるピノ・グリが主役の座を射止めました。芳醇なアルザスなどのピノ・グリに比べ、香りとボディのある辛口に仕上げられるオレゴンの白ワインは、日本でももっと親しまれていいワインだと考えています。

 

The Eyrie Vineyards(ジ・アイリー・ヴィンヤーズ)
「Pinot Gris2018(ピノ・グリ2018)」
4000円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

5. ワシントン州
− コストパフォーマンス抜群、ワシントンワインの未来は明るい 

アメリカ西海岸の最北に位置するワシントン州は、カリフォルニアに次いでアメリカで2番目にワイン生産量の多い州です。それでも、カリフォルニアに比較すると10分の1ほどの生産量でもあり、知名度も日本人にとって広く知られているとはいえず、いかにカリフォルニアワインが質、量ともにアメリカワインの中心地であるかがうかがえます。ワシントンの中心都市であるシアトルは、野球チームやスターバックスと日本でも馴染みのある街なのに、ワインが知られていないのは残念でなりません。

 

ただ、ワシントンのワイン産業のめざましい発展ぶりは近年のことで、ここ20年ほどでワイナリーは10倍ほども増え、1000軒を超えるほどだといいます。大きくはカリフォルニアに比べ地価が安いこと、ブドウ栽培農家からのブドウの購入がオレゴンに比べ盛んなため、畑を持たず醸造設備だけのワイナリー開業もできると、新規参入のハードルが低いのです。

 

主だったブドウ畑はオレゴンとの州境から内陸に広がっており、シアトルからはだいぶ距離がありますが、シアトル都市部から車で30分ほどの距離にあるワイン村ウッディンヒルには、小規模ワイナリーが200軒ほども集まっていることからもわかるように、栽培と醸造の分業が他の産地よりも一般的になされ、造られるワインも複数の農家の生産するブドウを混合することも多く、ワイナリーの立地とブドウ畑は直接結びついていません。

 

ラベル表示も広範囲を網羅するAVAコロンビア・ヴァレーやより柔軟な「ワシントン」といった表記も多い一方、徐々に自家栽培や単一畑表示のワインも増えてきています。

 

赤ワインではボルドー品種に加え、広く栽培されてきているのがシラー。フルーティーでみずみずしい完熟感を楽しめるワインが、リーズナブルな価格帯から高級レンジまで幅広く造られ、ローヌともオーストラリアともまた違った個性を持っています。個人的にもっとも期待しているのは、リースリングをはじめとしたゲヴュルツトラミネールやピノ・グリといった芳香のあるアルザス品種です。

 

今現在でも、驚くほどのお値打ちワインに出会えますが、今後ブドウ樹が古くなり、新しい生産者もヴィンテージを重ねることでより素晴らしいワインを産み出すであろう未来がたやすく想像できるワイン産地が、ワシントンです。アメリカワインに馴染みのない方でも機会がありましたら、ワシントンのリースリングをお試しください。

 

Dunham Cellars(ダンハム・セラーズ)
「Riesling Lewis Estate Vinyard2015(リースリング・ルイス・エステート・ヴィンヤード2015)」
3150円
輸入元=オルカ・インターナショナル

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です。

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

読んで思わずニヤけた。日本酒好きは「新政」を避けて通れないとわかる本

かつて筆者は、編集者・ライターの馬渕信彦さんと(死ぬ思いで)日本酒の本を作ったことがあります。その馬渕さんは、いつもおかっぱ頭の息子の写真を飽きずにSNSに投稿していますが、最近やたらと「新政」(あらまさ)の蔵の写真を上げてくる――。新政といえば、現代の日本酒を代表するスター銘柄です。いったいなんのアピールだろう……と思っていたら、なるほど、合点がいきました。馬渕さん、新政のブランドブックの制作を手掛けていたのですね。本の名は「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」(三才ブックス)。1年がかりで制作し、つい先日発売になったそうです。

↑「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」は、B5変型128ページで税込1540円(表紙撮影:堀 清英)

 

「新政の本を作ろう!」スター蔵元に取材をオファー

秋田県秋田市の新政酒造は、嘉永五年(1852年)の歴史ある蔵元です。筆者が日本酒を飲み始めた2000年ごろは、協会6号酵母の発祥の蔵として有名だよね、昔ながらの味で燗が旨いよね、という至って普通のイメージでした。それがいつの頃からか、ビンのデザインがスタイリッシュになり、味も透明感のある華やかなイメージに。あれよあれよという間にスター蔵元・スター銘柄への階段を駆け上がっていきました。

↑新政の主要銘柄のひとつ、「No.6 S-type 2020」。「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:石上 彰)

 

その原動力となったのが、8代目蔵元の佐藤祐輔さん。何でも東京大学の文学部を卒業後は東京でフリーライターとして働き、30歳を過ぎるまで日本酒のことをほとんど知らなかったそう。秋田に戻って家業を継いでからは、添加物を廃し、全量を伝統的な生酛(きもと)造りに切り替えるといったドラスティックな改革を断行。現在の評価を得るに至りました。

↑木桶の前に立つ佐藤祐輔さん。イケメンです。「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:堀 清英)

 

さて、そんな佐藤さんに、「新政の本を作らないか」と持ち掛けたのが、先述の馬渕さん。馬渕さんは和酒総合研究室「富士虎」の主任研究員としての顔も持っていて、全国の酒蔵巡りをライフワークとしています。2013年に初めて新政を取材して以来、佐藤さんと親交を深めていたそう。取材を重ねるうち、馬渕氏のなかで「新政は文化を醸造している」と感じ、「その美学を伝えたい」との想いが芽生えたといいます。そこで、「一冊全部新政の本を作ろう!」と佐藤さんに提案したところ、「ジャーナリストの中では馬渕さんが新政のことを一番わかっている。馬渕さんならがっちりと書いてくれるだろう。校正なら自分もできるし(元同業)」ということで、取材にOKが出たそうです。

 

ビジュアルを重視して蔵の美しさを伝えたい

この本を制作するにあたって、新政の佐藤さんからは「ビジュアルを重視したい」と要望があったとのこと。というのも、現在の新政は伝統製法の「生酛(きもと)造り」のみを採用し、木桶を導入するなど、伝統技術への回帰を進めています。その結果、自然に蔵の中が美しくなっていったそうで、そのイメージをダイレクトに伝えたかった、その手段がビジュアル=写真なのだ、というわけです。

↑「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:相場慎吾)

 

↑「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:相場慎吾)

 

そんな佐藤さんの要望もあって、撮影を手掛けた写真家さん(3人)も豪華です。人物と蔵の風景をメインに撮影した堀 清英(きよひで)さんは、大手企業の広告写真、ミュージシャンのCDジャケットなどを手掛ける巨匠クラスの人物。ニューヨークでアレン・ギンズバーグという著名な詩人と交流を持ち、そのポートレートを撮ったことでも有名です。

 

造りや風景などを撮影したのは、相場(あいば)慎吾さん。カリスマ的ファッションデザイナー、エディ・スリマン直属のデザインチームに抜擢された経歴を持つ方で、それだけでも美的センスが規格外であることがわかります。現在は衣装デザイン・写真・イラストなど、 様々なアートワークを手掛けているとのこと。

 

もうひと方、新政が酒米を契約栽培している鵜養(うやしない)地区の風景を撮影したのが、松田高明さんです。松田さんは山形在住の民俗写真家で、蔵元の佐藤さんが山形でイベントを行った際、松田さんの作品を気に入って馬渕さんに紹介したそうです。

↑「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:松田高明)

 

一読して、情報量に圧倒される

そんな実力派の3名が撮り下ろした写真とはいかなるものか……? 実際の印刷物で見たら、いったいどれほど美しいのでしょう。ここに蔵元が絶大な信頼を寄せる、馬渕さんの文章が加わるわけで、そのクオリティの高さに疑いの余地はありません。これはもう、買うしかないでしょう!

…というわけで買いました。あ、B5版だから、いつものA4の雑誌サイズよりはちょっと小さいんですね。開いてみると、いくつもの神秘的なビジュアルが目に飛び込んできます。ああ、強いインクの香り。いいですね……などと思いながら、一読して衝撃を受けました。「すっごいな、これ…面白い!」と思わずつぶやき、ニヤけてしまったほど。これは、ただのビジュアルブックじゃない!

 

まず、情報量がハンパないです。普通、酒蔵といえば「造り」に焦点を当てればだいたいOKでは? と思われるところ、本書は6つの章に分かれていて、「造り」はそのうちの一つに過ぎません(とはいえページ数は多いですが)。馬渕さんの文章は、写真に合わせてエモーショナルで詩的な感じになるのかな? …などと予想していたらまったく違いました。隅から隅まで情報が詰め込まれた硬派な文章で、これがモノクロを多用した荘厳な写真に合うんです。

 

2008年からのヴィンテージガイドや、「酒米の作付け分布図2021」なんてのもある。酒米や酵母にも深く突っ込んでいて、そこそこ日本酒を知っている人にとっては、興味が止まらない内容です。最上位ラインの銘柄は、知らない人だと買いづらいネーミングにしているとか、裏話も面白い。あと、新政のラベルに使われているオリジナルの文字フォントが本書にも使われているんだよなぁ~。

 

また、章間にあるスタッフのインタビューの端々から、蔵元・佐藤祐輔氏のぶっ飛んだ気性が見てとれるのが興味深いです。そして、最後の最後には蔵元のインタビュー。ここですべてのピースがハマるような爽快感があって、そんな構成の妙も心憎いです。

 

この本を持って、新政を飲みに行きたい

読み通してみると、馬渕さんが「新政は文化を醸造している」と感じたのが腑に落ちました。詳しくは本書に譲りますが、新政は本当にこれ、全部やってるの……? と、ただ驚くばかり。これは確かに伝えるべきだ。そして、本書の存在も多くの人に知られるべきだと思いました。

 

最後に、個人的には「この本持って、新政飲み行きてえ!」と強く思いました。次に新政と対峙するとき、いままでとまったく違う思いを抱いていることは間違いありません。晴れて口にできる日はまだ先のことかもしれませんが、そのときは家族や仲間と、あるいは酒場の店員さんと、その体験を分かち合えたらいいな……と。本書のおかげでひとつ、大きな楽しみができました。

↑「The World of Aramasa 新政酒造の流儀」より(撮影:堀 清英)

 

これが夏にピッタリなサングリア!「ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix」数量限定で新発売

メルシャンは、果実のおいしさが楽しめるワインベースのお酒「ギュギュッと搾ったサングリア」シリーズから「ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix」を、6月29日から数量限定で新発売することを発表しました。

 

「ギュギュッと搾ったサングリア」シリーズは、『フルーティ』で『リッチな果実感』が楽しめるサングリア。2020年7月には、20~30代のワインエントリーユーザーだけでなく、同年代のワインライトユーザーにもターゲットを拡大し、リアルな果実感、スタイリッシュでおしゃれなデザインにリニューアルしたことで、2020年12月に累計販売本数1,100万本を突破した商品です。

 

今回発売する「ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix」は、栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料を中心に人気が高まっている「レモンフレーバー」に着目し、リアルな果実感とレモンのしっかりした香り、程よい酸味が感じられる夏にぴったりのサングリアを開発したそう。

 

夏に売り上げのピークを迎える「レモンフレーバー」の「ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix」を発売することで、さらに若年層のお客様の「ワインの新しい選択肢」を増やし、ワイン市場の間口拡大を目指していくとしています。

 

「ギュギュッと搾ったサングリア濃密レモンMix」について

キリンホールディングス
飲料未来研究所
安部杏香さん

「コンポートしたレモンのような濃密な味わいとみずみずしく爽やかな香味をお楽しみいただけるよう工夫しました。暑い夏にぴったりのサングリアをぜひお楽しみください」

 

中味について

・香り豊かなこだわりの「混濁果汁」使用により、果実本来の苦みやピール感を感じられる、みずみずしい果汁感が特長です。

 

・夏の時期に人気の高いレモンフレーバーに着目し、爽やかなレモンにグレフル×オレンジをバランスよく組み合わせ、氷で割ってもおいしいしっかりとした味わいのサングリアとなっています。

 

パッケージについて

・レモン形を多用したデザインと「数量限定」マークをあしらい、レモンフレーバーの限定品であることが伝わるデザインです。

 

【商品概要】
商品名:ギュギュッと搾ったサングリア 濃密レモンMix
価格:オープン価格
容量:400ml
アルコール度数:6%
カテゴリー分類:果実酒
発売日:2021年6月29日(全国)

サッポロ生ビール黒ラベル「埼玉150周年記念缶」を数量限定で発売

サッポロビールは歴史に縁のある埼玉県が県政150周年を迎えることを記念し、サッポロ生ビール黒ラベル「埼玉150周年記念缶」を8月3日に数量およびエリア限定で発売することを発表しました。

 

 

 

埼玉県には、2003 年まで当社のビール工場があり、首都圏エリアへの製品供給の一翼を担っています。また、埼玉県を代表する歴史的偉人の一人である渋沢栄一は、サッポロビールのルーツである「開拓使麦酒醸造所」の発展に深く関わっており、現在のサッポロビールに繋がる「札幌麦酒会社」では委員長を務めていました。

 

本商品は、渋沢栄一の生涯において尽力した社会貢献活動に賛同し、本商品の売り上げ 1 本につき1 円を、次世代の若者を支援することを目的に埼玉県教育環境整備基金へ寄付するそうです。

 

パッケージ中央には「埼玉 150 周年」のロゴとともに渋沢栄一と、黒ラベルのロゴマークを身にまとった埼玉県マスコット「コバトン」をデザインし、埼玉県の魅力発信と、さらなる発展に貢献していくとしています。

 

【商品概要】

商品名:サッポロ生ビール黒ラベル 埼玉150周年記念缶
※中味は通常の黒ラベルと同じです。
価格:オープン価格
パッケージ:350ml 缶・6 缶パック
品目:ビール
アルコール分:5%
発売日・地域:2021 年8月3 日
埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・山梨県・茨城県
栃木県・群馬県・長野県
販売計画:10,000 ケース(350ml×24 本換算)

沖縄クラフト『アサヒ オリオン75BEER IPA』が6月15日から数量限定で新発売

アサヒビールは、オリオンビールが製造するビール『アサヒ オリオン75BEER(ナゴビール)IPA』を、全国(沖縄県および鹿児島県奄美群島を除く)にて6月15日から数量限定で発売することを発表しました。

 

『アサヒ オリオン75BEER IPA』とは名護産の「勝山シークァーサー」を使用したプレミアムクラフトビール。5種類のホップを使用することで、華やかな香りが楽しめるIPAです。ホップ投入の最適なタイミングを見極め、手作業で行うことによりホップの味と香りを最大限に引き出しているそうです。

 

パッケージは、缶体全体にシークァーサーのイラストを描くとともに、缶体中央にブランドロゴを大きくデザイン。「沖縄県産素材」のアイコンと「名護産シークァーサー使用」という文言を記載することで“沖縄クラフト”であることを訴求しています。

 

アサヒビールは、2002年に沖縄県外におけるオリオンブランドの販売を開始し、以降両社の協業が進められてきました。昨年5月には、プレミアムクラフトビールの第1弾となる『アサヒ オリオン75BEER』を数量限定で発売。そして、今回は第2弾として『アサヒ オリオン75BEER IPA』が発売されます。

 

今後も、アサヒビールとオリオンビールの強みを持ち寄り新たな提案を続けていくことで、ビール類市場の活性化を図るとともに“期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造”を目指すとのことです。

 

【商品概要】
商品名:アサヒ オリオン75BEER IPA
品目:ビール
アルコール分:6%
発売日:6月15日※ただし予定数量出荷次第終了
発売地域:全国(沖縄県および鹿児島県奄美群島を除く)
製造工場:オリオンビール㈱名護工場
価格:オープン価格

麦とジャスミンが奏でる意外なハーモニー、炭酸割り専用焼酎「香る大隅〈麦とジャスミン〉」新発売

飲食店限定で提供されていたサントリーの焼酎「大隅 OSUMI〈麦〉」(1320円/税込)が、今春より一般発売を開始。さらに新たなフレーバーとして「香る大隅〈麦とジャスミン〉」(1320円/税込)が登場しました。最大の特徴は、炭酸割り専用であるということです。

↑4月6日に発売となった「香る大隅〈麦とジャスミン〉」。720mlで1320円(税込)、アルコール度数は25%で、炭酸で割る飲み方が推奨されています

 

そこで筆者が参加した、オンライン説明会で聞いた商品特徴や開発の狙いを紹介するとともに、実際に飲んだ味わいのレポートをしていきます。

 

家飲みでは瓶酒を飲む人が増えている

「大隅 OSUMI」は鹿児島・大隅半島で2004年に設立され、2014年にサントリーの子会社となった「大隅酒造」が仕込みや蒸溜を担当。飲食店において焼酎はビールの次に飲まれているカテゴリーであるという市場データを背景に、2019年に誕生しました。

↑最初にデビューしたのは、芋焼酎の「大隅 OSUMI〈芋〉」。その後「大隅 OSUMI〈麦〉」が仲間入り

 

焼酎は製法などによって甲類と乙類(本格焼酎)のほか、双方をブレンドした混和焼酎の3カテゴリーがあり、「大隅 OSUMI」は乙類にあたります。ブランドに共通する味の特徴は、洋酒のリーディングカンパニーであるサントリーとのシナジーから生み出された「香り厳選蒸溜」という独自の製法による、甘くフルーティなアロマ。新作にもしっかりと受け継がれています。(「香り厳選蒸溜」について詳しくはこちら

 

↑説明会の資料より、「香り厳選蒸溜」の特徴

 

新作の発売背景には、家飲みシーンの増加に伴う瓶酒のニーズ拡大と、炭酸割りの需要増があるとか。家で飲む機会が増えたため、より贅沢感のあるものを飲みたい気持ちから瓶酒を手に取る機会も増加。また、コロナ禍によるストレスをリフレッシュさせたいマインドから、炭酸割りのニーズが拡大したという調査結果により、「香る大隅〈麦とジャスミン〉」を開発するに至ったそうです。

 

↑家飲みにおける無糖炭酸水の使用頻度は近年で右肩上がり。焼酎ユーザーの炭酸割りも、まだまだ拡大する可能性があるとのこと

 

なお、「香る大隅〈麦とジャスミン〉」の一般販売に伴い、飲食店限定だった麦焼酎の「大隅 OSUMI〈麦〉」を、720ml瓶の新容量パッケージで家庭向けに発売。飲食店では900ml瓶仕様だったものを、家庭用として手に取りやすいサイズになっています。

↑720mlで一般発売となる「大隅 OSUMI〈麦〉」。「香る大隅〈麦とジャスミン〉」と同じ1320円(税込)で、アルコール度数は25%です

 

ということで、「香る大隅〈麦とジャスミン〉」と「大隅 OSUMI〈麦〉」を、それぞれを飲んでいきましょう。

 

 

麦×ジャスミンがここまで合うとは驚きだ!

↑まずは「香る大隅〈麦とジャスミン〉」から。あえてストレートで

 

そのままグラスに注いで味わってみると、繊細で清らかなテイスト。香りがじんわりと広がりますが、これを炭酸で割ることによって、よりいっそう香りを感じることができるのでしょう。

↑それぞれの裏ラベル。「香る大隅〈麦とジャスミン〉」は焼酎1に対して炭酸水3がオススメとのことで、割って飲むことに

 

炭酸で割ると、上品で爽やかなフレーバーが鼻孔をくすぐります。香りは最初に麦が来て、その後ジャスミンが広がり両者が調和していくニュアンス。麦にジャスミン茶葉という組み合わせは想像できませんでしたが、ここまで合うとは驚きです。

↑麦の穀物感とジャスミン茶葉のふくよかさが好バランス。炭酸の爽やかな刺激も心地よく、スイスイいける飲みやすさです

 

説明会では、なぜいくつもの素材があるなかでジャスミンを選んだのかを聞きました。すると、レモン、梅、緑茶など様々な食材を試した中で一番麦焼酎にマッチしたのがジャスミンだったから。販売前の消費者テストでも、ジャスミンが最も好評だったそうです。

 

次は「大隅 OSUMI〈麦〉」を、まずはひと口。こちらは、バナナを思わせるフルーティな香りとキレのある後口の両立が特徴。ストレートでも、甘く華やかな風味が印象的でした。

↑麦らしさがありながらも、麦チョコのようなどっしり系の香ばしいタイプではなく、ライトで爽やかな方向性。新しさを感じます

 

飲み方のアレンジはロックで試してみました。バナナ香は小麦由来の白ビールでもよく語られるフレーバーですが、「大隅 OSUMI〈麦〉」の感じ方はやや違います。焼酎らしいキリッとしたタッチに麦の甘味が加わり、そのうえでバナナのブライトなフルーティさが寄り添うニュアンス。

↑加水が進むと香りがより広がり、りんごやサイダーのような爽快感あふれるフレーバーも。水割りや炭酸割りも合うでしょう

 

どちらも新時代の焼酎であることを感じさせる、香りが個性的ながらスイスイ飲みやすい味わいだと思いました。飲み方が多彩なうえ、和食を中心に料理とよく合い、常温保存もできる扱いやすさが焼酎の魅力でもあります。焼酎好きの人はもちろん、入門としてもオススメなのでぜひお試しを。

アニメ『ちびまる子ちゃん』コラボ日本酒が登場、「父・ヒロシ」の誕生日と重なる父の日のギフトにぜひ!

Nexusは、静岡県を代表する老舗酒造の一つである初亀醸造と、同県を舞台とした国民的人気アニメ『ちびまる子ちゃん』とのコラボ日本酒を企画、販売することを発表しました。

 

 

この「酒繋プロジェクト」は、日本発の良質なお酒とコンテンツを掛け合わせ新たな商品を開発し、普段触れる機会の少ないコンテンツの魅力を発見する機会を作りたいという思いから立ち上げられました。

 

毎年6 月の第 3 日曜日に祝う父の日。2021年6月20日はまる子の父・ヒロシの誕生日と父の日が重なる年となります。今回、それを記念し、静岡県を代表する老舗酒造の『初亀醸造』との“静岡県”コラボ日本酒『純米吟醸 父ヒロシ』、および限定生産の『純米大吟醸 父ヒロシ』を5月18日より予約販売を開始しました。

 

ちびまる子ちゃんコラボ日本酒「純米吟醸 父ヒロシ」
内容量:730ml
価格:3300

 

『純米吟醸 父ヒロシ』は、原作の舞台である静岡のお水・お米・酵母を用い、丁寧な手仕事で醸されています。爽やかな香りと酒米“誉富士”由来の優しい甘味が口の中で広がるとのこと。

 

オリジナルラベルは「日本酒を片手に微笑むヒロシ」の後ろに、静岡県の代名詞ともいえる「富士山」と「初日の出」、「さくらももこ先生デザインの亀」が初亀醸造らしさを演出しています。

 

なお、ラベル同様のデザインが施された、紙箱付きのセットとなっています。父の日をはじめ、誕生日、特別な日に、特別な人へのプレゼントとしてオススメの商品です。

 

ちびまる子ちゃんコラボ日本酒「純米大吟醸 父ヒロシ」
内容量:720ml
価格:13200

 

“酒米のダイヤモンド”と称される希少米「愛山」を贅沢に磨き、丁寧な手仕事で醸されている商品。南国果実を思わせる香りとリッチな甘味が口の中で広がるとのこと。

 

オリジナルラベルは「和服のヒロシ」を中心に、「富士山」「初日の出」、「さくらももこ先生デザインの亀」と純米吟醸酒のラベル同様の構成。「富士山」は箔押しが施されており、オリジナル木箱と併せて高級感が演出されています。

 

本商品は限定100本での販売。日頃の感謝を込め、ちょっと贅沢な本商品を父の日ギフトとしてプレゼントするのはいかがでしょうか。

家飲みがちょっとリッチに、ワンランク上の甲類焼酎「極上<宝焼酎>」に手に取りやすいサイズが登場

宝酒造は、ひとクラス上の甲類焼酎をうたう「極上<宝焼酎>」のラインアップを強化。360mlボトルと600mlボトルを6月29日に発売します。希望小売価格は360mlボトルが385円、600mlボトルが608円。

 

極上<宝焼酎>は、厳選した樽貯蔵熟成酒を3%ブレンドした甲類焼酎。飲み飽きないまろやかな口当たりと芳醇な味わいがユーザーから高い評価を得ているとしています。

 

パッケージは、極上<宝焼酎>の世界観を踏襲する金を基調としたデザインを採用。また、「極上」「PREMIUM」を記載して品質の高さを伝えるとともに、ラベルの中央には100年の伝統に培われた品質感・本物感を演出する「寶マーク」を大きくあしらっています。

 

宝酒造によると、近年の飲酒シーンにおいて、少し良いお酒を求める傾向が高いとのこと。そこで、極上<宝焼酎>に手に取りやすいサイズのラインアップを加えることにより、贅沢感を求めるユーザーのニーズに応えるとともに、市場における話題を喚起していくとしています。

「ジムビーム ハイボール缶〈ライム&トニックハイボール〉」が7月13日に期間限定新発売

サントリースピリッツ株式会社は、「ジムビーム ハイボール缶〈ライム&トニックハイボール〉」を7月13日から全国で期間限定新発売することを発表しました。

 

 

「ジムビーム」は、世界120カ国以上で愛されている世界No.1バーボンウイスキー。爽快なキレ味で食事と相性の良い“ジムビームハイボール”は多く人から支持されています。また、手軽に楽しめる「ジムビーム ハイボール缶」は、2020年の販売数量が対前年113%と大きく伸長。今回は、新フレーバー「ジムビーム ハイボール缶〈ライム&トニックハイボール〉」を期間限定新発売し、同ブランドのさらなるファン拡大を図るそうです。

 

ジムビーム ハイボール缶
〈ライム&トニックハイボール〉
350ml/160円(税込)
500ml/217円(税込)

 

●中味・パッケージについて

「ジムビーム」と相性の良い、ライムと甘いトニックを組み合わせることで“ジムビームハイボール”ならではの新たなおいしさを実現。飲みやすく爽快感のある中味で、そのままでも食事と一緒でも、おいしく楽しめる味わいに。パッケージは、中央に配した「LIME&TONIC」の文字と、視認性の高い緑の背景で、中味の特長を表現しています。

 

2種のホップが織りなす香りと苦味は、まるでクラフトスタイル!サッポロ×ファミマの新作が良コスパ

発売されるたびに人気を博している、サッポロビールとファミリーマートのコラボレーション商品「ビアサプライズシリーズ」が5周年を迎えました。それもあって、新作はそのサプライズ=驚きをいつもより感じられるはず。ということで、今回は「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」を深掘りレポートしていきます。

↑4月20日から全国のファミリーマートで数量限定発売されている「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」。350mlが219円、500mlが286円(ともに税込)です

 

アメリカ原産の個性派ホップを2種使用

ビールメーカーがコンビニとコラボレーションする限定ビールは数あれど、シリーズ化されてコンスタントに新作が発売されるのはかなり珍しいケース。それだけ「ビアサプライズシリーズ」は好評ということでしょう。

 

しかも今回で第8弾目。個人的にも「そんなに出てたんだ!」と思いました。サッポロビール×ファミリーマートの限定品は年初に発売された「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」もおいしかったので(https://getnavi.jp/cuisine/567730/)、期待をもって試飲に挑みます。

↑2月2日からファミマ限定で発売された「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」。デザインが話題となりましたが、個人的にはそれよりもボディ感の豊かなおいしさに驚かされました

 

新作の「ビアサプライズシリーズ」で気になるポイントのひとつが、「至福の香り」という商品名です。過去をさかのぼると「至福の余韻」や「至福の苦味」など、味わいの特徴をあらわしているのですが、今回は香りにフォーカスしているということでしょう。

↑アルコール度数は5%と一般的。2種のホップが醸し出すフルーティな香りが特徴

 

ホップで注目すべきは、「シトラホップ及びモザイクホップ一部使用」という表記です。どちらもクラフトビールで多用される、アメリカ原産の個性が強いホップ。「一部使用」とのことですが、存在感はどの程度味わえるのか。さっそく飲んでみます。

 

セッションIPAに似た“ツンデレ”な風味とボリューム感

グラスに注いでみると、一般的なビールの黄金色。濃くも淡くもないので、使用する麦芽や熟成法などは一般的な造り方なのかもしれません。まずはプシュッと開けてひと口飲んでみます。

↑泡立ちは良好で、日本のビールらしいクリーミーなタッチです

 

缶開した瞬間に「こりゃ普通のビールと違うぞ!」と確信できる鮮烈な香りが漂ってきました。鼻を近づけると、なんともフルーティかつフレッシュでハーバリー。このハーバル感は、グラッシー(草原的な青々しさ)なニュアンスも。

↑香りを存分に楽しむなら、ぜひグラスで。缶でそのまま飲むのはポテンシャルを最大限に感じられず、もったいないです

 

口にすると、このビールの特異性がいっそうわかりました。「シトラ」に「モザイク」と、柑橘やトロピカルな芳香性のホップでアッパーなフレーバーを立てつつ、ビールの味自体はとっつきやすい立ち位置。コクが深すぎずアルコール度数も5%で、ゴクゴク飲めるすっきりとした顔ももっています。

 

香りはかなりアロマティックでホップの苦みもしっかりめですが、そこまでどっしりとしたビター感ではありません。初夏を迎える季節であることも意識したのでしょうか。重すぎず、爽快さも感じられる味わいです。クラフトビールで例えると「セッションIPA」に近いのかなと思いました。

↑クラフトビール好きもきっと驚く、アメリカン寄りなフレーバー。ぜひお試しあれ

 

「セッションIPA」というのは、米国で特に人気のIPA(インディア ペール エール)のアルコール度数が低いタイプ(例:IPAが6%前後のところ、セッションIPAは4.5前後)のこと。IPAらしい柑橘フレーバーや苦味はありながらも、いい意味でガツンとしていなくて酔いにくいビアスタイルです(ただし「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」は上面発酵のエールではなく下面発酵のラガーかもしれませんが)。

 

なお、これだけ豊かな香り付けをしていると、それだけホップなどの原材料費もかかるはずですが、「サッポロ ビアサプライズ至福の香り」は350mlで219円と良心的なプライス。期間限定とのことで、ビール好きの人は早めにファミマでゲットしましょう。

自粛生活2年目の家飲み、いままでにないビールが続々登場!(後編)

この春は、家飲みを充実させるビール関連の新商品やサービスが多数登場し、おうちビールの新時代(BEER+New ERA=“New BEERA”)が到来したと言っても過言ではない。ビール好きの3 人が11 のトピックでトレンドを解説する。

 

【前編はこちら

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

07 サブスク定期便

種類が豊富なクラフトビールの世界に、手軽にハマれるのがサブスク定期便だ。スマホアプリと連携し、好みの味を可視化できるサービスが好評を博している。

 

豊富なラインナップから好みに合うビールが届く

meuron
Otomoni
4378円~

クラフトビールの飲み比べセットが定期的に届くサービス。1400銘柄以上を揃え、ユーザーの好みなどに応じた6本が届く。配送頻度は自由に調整できる。

 

↑アプリには届いたビールが自動で記録され、図鑑としてコレクションできる。メモ機能やレビューによって味の好みが次回の配送に反映されるとともに、自分の嗜好を知れるのも魅力

 

【ビール通が解説】
クラフトビールの入り口にピッタリ!

「知らない銘柄に出会えるのが楽しいサービス。クラフトビールに興味はあるけれど、種類が多すぎて何を買えばよいかわからない、いつも似たような味のものを買ってしまう……という人にオススメです。クール便で届くので品質も◎」(Get Naviフード担当 鈴木翔子)

 

08 つまみ付き通販

味が多彩なクラフトビールは、フードペアリングも楽しみのひとつ。組み合わせの妙をお取り寄せのセットで叶えてくれるサービスが、コロナ禍で急増中だ。

 

【注目01】生産地を盛り上げるべくコラボ! 研究家の特別なソーセージが美味

ファーイーストブルーイング
自然派ソーセージ
“hayari”のソーセージと
ビールのペアリングセット
6930円

ブルワリーの拠点がある山梨県を盛り上げるべく、同県の現代ソーセージ研究家とタッグを組んだ試み。化学調味料不使用の自然派ソーセージ4本と、それらに合うビールが4本届く。

 

【注目02】

サンクトガーレン
金賞地ビール+本厚木名物
とん漬け 詰め合わせギフトA
3938円(豚漬け2枚セット)

神奈川県・本厚木の生産者同士が手を組んだギフト。品評会で入賞したクラフトビール3種類を2本ずつと、豚肉のみそ漬けが届く。豚肉は、お茶やビールの麦芽粕、小麦をエサに混ぜて育てた、桃のように甘い桃茶豚を使用。

 

【注目03】

T.Y.HARBOR BREWERY
定番クラフトビール5本セット
+オリジナルナッツkenka4種
6230円

系列に複数の人気レストランをもつブルワリーという強みを生かした、オリジナルナッツとビールのセット。ナッツはトムヤムクン味や抹茶味など個性派揃いで、未知なるペアリングが楽しめる。

 

【ビール通が解説】
ベストペアリングを手軽に試せる!

「気軽に旅行へ行きづらいいまこそ、ご当地のつまみとビールを一緒に楽しむ機会は貴重。初めて飲むクラフトビールでつまみ選びに悩まなくていいのも、セットで買うメリットです。ビール好きの人へのプレゼントにもオススメですよ」(おいしいものナビゲーター今西絢美さん)

 

09 ビール専用水筒

アメリカのポートランドを中心に人気が広まったといわれるグロウラー(ビール専用水筒)のトレンドが日本にも到来。炭酸が抜けにくい構造のため、クラフトビール専門店などで樽生ビールを詰めてテイクアウトできる。

 

【注目01】炭酸の抜けを防いでビールをおいしく持ち運べる

 

スタンレー
クラシック真空グロウラー
7150円(1ℓ)、8800円(1.9ℓ)

創業100年を超える、真空スチールボトルの超名門。掛金付きのスクリューキャップが炭酸ガスの抜けを防ぎ、保冷は10℃以下を24時間キープする。サイズは1ℓと1.9ℓがあり、後者は2色展開。

 

【注目02】

ドリンクタンクス
グラウラー2.0 64onz
オブシディアン
1万8150円

高級食品用ステンレスを重ねた真空断熱構造とロックキャップで、安定した冷たさを約束。サイズは64oz(1.9ℓ)のほか0.95ℓと3.8ℓがあり、カラバリは10種。別売りのキットを付けるとサーバーとして使える。

 

【注目03】

ハイドロフラスク
64オンスグロウラー
9350円(1.9ℓ)

ステンレスが二重になった真空断熱構造で、保冷は最大24時間、保温は最大6時間効果をキープ。炭酸の持ち運びに優れた独自のキャップや、注ぎやすい流線形のハンドルを採用している。全4色展開。

 

【ビール通が解説】
クラフトビールの量り売り店に注目

「コロナ禍で、お酒のテイクアウトが一時規制緩和され、クラフトビールの持ち帰りがファンの間で流行。量り売りOKの酒販店や、クロウラー(缶に詰める)の店も増えているので、今後ますます注目が集まるはず!」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

10 オンラインビール講座

工場見学やビール講座の直接体験が難しくなったコロナ禍に、オンラインでの代替サービスが登場。内容はもちろん価格的にも良心的なコンテンツになっていて、遠方に住むビールファンにも大好評だ。

 

【注目01】360度見渡せるVRならではの圧倒的な没入感

アサヒビール
スーパードライVR工場見学
無料

自宅にいながら、「アサヒスーパードライ」の製造工程を見学できるウェブサービス。VRやCG技術を駆使した3Dビュー映像で、360度見渡せる。市販のVRゴーグル
を装着するとさらなる没入感を楽しめる。

 

↑通常の工場見学では見られない角度から製造工程を見られるのは、オンラインならでは

 

【注目02】RPGのような世界観でプレモル造りを学べる

サントリービール
冒険型ビール工場体験
BEER iLAND
無料

アバターを操作して架空の島を巡り、ビール造りを体験できるRPG型コンテンツ。住人との会話や動画を通して、「ザ・プレミアム・モルツ」の素材のこだわりや製造工程を学べる。

 

↑コンテンツをクリアすると、「体験者限定 特別試飲キット」の抽選に応募できる。毎月100名に当たる

 

【注目03】座学と飲み比べでビールと向き合う良コスパな講座

キリンビール
キリンビールセミナー
3000円~

講座用のビール数種やグラスなどが届くおトクなオンラインセミナー。ペアリング講座に器や温度、注ぎ方と味わいの関係を学べる講座など、複数種類用意。予約は同社のECショップ「DRINX」から。

 

↑自宅に届いたセミナーセットを用意してPCやスマホ、タブレットなどから参加する。「Zoom」を使うため質問などもできる

 

【ビール通が解説】
オンラインならではの楽しみ方が続々誕生!

「通常は入れない場所を見ることができたり、ゲーム感覚でビール造りを学べたり、工場見学の経験がある人でも満足できるコンテンツが続々と登場しています。特に有料のセミナーは試飲セットが自宅に届くのでオススメです!」(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん)

 

11 シン・新ジャンル

2004年に誕生した新ジャンルは、各社が切磋琢磨し合うことで年々進化し、どんどんビールに近いウマさへ。もはや「おいしさを我慢して、ビール代わりに飲む」は過去の話だ。

 

【注目01】売れ続けている新時代の火付け役

キリンビール
本麒麟
実売価格/149円

誕生以来、販売数量を毎年更新し続ける、シン・新ジャンルウォーズの火付け役。今年は大麦と、良質な苦味が特徴のドイツ産ホップを増量したことで、力強いコクと飲み応えを一層楽しめるよう進化した。

 

【注目02】四季の味を届ける新ジャンルの王者

 

サントリービール
金麦
実売価格/159円

新ジャンルのシェアNo.1ブランドの定番銘柄。麦芽のブレンド比率とホップの配合を見直し、麦のうま味を高めつつ、澄んだ後味を実現する。季節に合わせて味を微調
整しているのもポイントだ。

 

【注目03】ビール好きに支持される名作

サッポロビール
サッポロ
麦とホップ
実売価格/157円

今春、ブランド全体でうま味が凝縮された麦汁をつくり出す「うまみ麦汁製法」を新採用。麦のうま味を楽しめる定番に加え、まろやかなコクの<赤>と、深いロースト香の<黒>をラインナップ。

 

【注目04】銘酒のDNAを増量して芳醇に

サッポロビール
サッポロ
GOLD
STAR
実売価格/157円

「黒ラベル」と「ヱビス」という二大看板の魂を受け継ぎ、昨年登場した新星。本年、新製法を採用し、力強く飲み飽きない味に磨きをかけた。「旨さ長持ち麦芽」とドイツ産アロマホップも増量。

 

【ビール通が解説】
活性化した新市場に注目

「2018年に登場した『本麒麟』が大ヒットしたことで、成熟していた市場が活性化。“新”ブランドを立ち上げたり“新”戦略を打ち出したり、新しい動きから目が離せません」(フードアナリスト 中山秀明さん)

家飲みをもっと楽しくする、いままでにないビールが続々登場!(前編)

この春は、家飲みを充実させるビール関連の新商品やサービスが多数登場し、おうちビールの新時代(BEER+New ERA=“New BEERA”)が到来したと言っても過言ではない。ビール好きの3人(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん、本誌フード担当 鈴木翔子、フードアナリスト 中山秀明さん)が11のトピックでトレンドを解説する。

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私たちがビールトレンドを解説します!

フードアナリスト
中山秀明さん

「diBEERsity」(ビールの多様化)を提唱。クラフト酒販店とクラフトビア
酒場にも注目している。

 

Get Naviフード担当
鈴木翔子

元バーテンダー。最近は台湾料理を作るのにハマっており、八角に合うビールを探している。

 

おいしいものナビゲーター
今西絢美さん

最近ようやく量より質に目覚めたところ。ビールと食事のペアリングを考えるのが好き。

 

 01 生ジョッキ缶

日本一売れているビール「アサヒスーパードライ」の新商品。まるで店の生ジョッキのように飲める缶ビールだ。日本初ということもあり、発売後数日で品薄に!

アサヒビール
アサヒスーパードライ
生ジョッキ缶
実売価格/219円

 

口が全開してもこもこ泡が立つ生ジョッキのような缶ビール

口が全開する缶と、開けた瞬間に自然発生する泡で、生ジョッキ気分を楽しめる。泡の秘密は、缶の内側に特別な塗料で焼き付けられた凹凸。中身は通常の「アサヒスーパードライ」と同じで、安定感のあるおいしさだ。

 

↑缶の口とフタは、日本独自技術によるダブルセーフティー構造のため、手や口を切る心配はない

 

【ビール通が解説】
ワクワク感が詰まった 家飲みの革命児

「“家飲み革命”といって間違いない商品。自然発泡した泡が、きめ細かくクリーミーで驚きます。缶の口が広いので、口に流れ込む量が増えゴクゴク飲めるし、香りもしっかり楽しめる。開けるたびにワクワクしますね!」(Get Naviフード担当 鈴木翔子)

 

【開発者メモ】

アサヒビール マーケティング本部
ビールマーケティング部
中島 健さん

「そもそも缶ビールは、開けたときに吹きこぼれないように、あえて泡が出ないように作られています。つまり、“泡立つ缶”を作るというのは、いままでの常識を覆すということ。結果、約4年と時間はかかりましたが、ビールの楽しさを体験できる商品に仕上がりました!」

 

02 微アルコール

アサヒビールが、度数0.5%の「アサヒビアリー」を新発売。低アルコールの酒より度数が低く、とはいえノンアルではない微量なアルコールを含んだ新カテゴリーだ。

 

ビールのおいしさをキープしたままアルコール分だけカット!

アサヒビール
アサヒビアリー
実売価格/195円

香り豊かでコク深いビールを醸造したあと、時間をかけてアルコール分だけをカット。ビール本来の発酵による複雑な香りや、本格的な麦のうま味をキープした、アルコール0.5%の“微4 ール”だ。

 

【ビール通が解説】
「軽やかな味わいながら ノンアルよりコク深い」

「ベースがれっきとしたビールだからか、0.5%のアルコールが効いているからなのか、麦汁の甘味が印象的。ノンアルとは一線を画す飲み応えです! 泡立ちもパワフルで、爽快感やのど越しも十分。ゴクゴク飲める、ライトでやさしいビールという新境地を築いています。他社からも商品が出れば、より面白くなりますね」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【Pick Up!】カラダにやさしいノンアルビール

尿酸値を下げるアンセリン入り

サッポロビール
サッポロ うまみ搾り
実売価格/145円

尿酸値を下げる「アンセリン」を配合。「アンセリン」はうま味成分にも関与し、おいしさを引き上げている。

 

お腹周りの脂肪を減らすホップ由来苦味酸入り

キリンビール
キリン カラダFREE
実売価格/157円

お腹まわりの脂肪を減らす、熟成ホップ由来苦味酸を使用。爽快な味わいが特徴だ。カロリー、糖類もゼロ。

 

03 糖質ゼロ

糖質ゼロビールは、2020年秋発売の「キリン一番搾り 糖質ゼロ」の一強だった。しかし今春、待ったをかけるライバル「パーフェクトサントリービール」が登場! 一騎打ちの行方は!?

 

直球のおいしさと糖質ゼロを“完璧に”両立

サントリービール
パーフェクト
サントリービール
実売価格/217円

「ザ・プレミアム・モルツ」の醸造技術とノウハウを活用。麦芽のうま味と飲み応えを最大限に引き出しながら、糖質の元となるでんぷんを手間暇かけて分解している。糖質ゼロながらも、力強い飲み応えを実現した。

 

一番搾りの製法に新技術を投入した初の糖質ゼロ缶ビール

キリンビール
キリン一番搾り 糖質ゼロ
実売価格/228円

昨年10月に発売した日本初の糖質ゼロ缶ビール。「一番搾り製法」に、新技術の「新・糖質カット製法」を組み合わせている。一番搾り麦汁ならではの、雑味がなく澄んだ麦芽のうまみが魅力だ。

 

【ビール通が解説】
「好みや料理に 合わせて選べるように! 」

「商品開発の難易度が高い糖質ゼロビール市場にサントリービールが加わり、選択肢が増えたのがうれしいですね。爽やかな口当たりのビールが好きなら『キリン一番搾り 糖質ゼロ』、コクのあるビールが好きなら『パーフェクトサントリービール』がオススメ。気分や合わせる料理によって飲み分けたい!」(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん

 

【Check!】さらにおいしくなった! 糖質ゼロの発泡酒&新ジャンル

 

キリンビール
キリン のどごし ZERO
実売価格/149円

独自の「ホップアロマ製法」のホップの配合比率を変更して飲み応えをアップ。仕込み工程も最適化し、ゴクゴク飲めるように、後キレを高めた。

 

 

アサヒビール
アサヒスタイルフリー <生>
実売価格/168円

2007年にビール類初の糖質ゼロとして誕生。この春、仕込み工程の煮沸時間を以前より短くすることで麦の香りを高め、飲み応えを向上させた。

 

04 おうちで樽生

ウォーターサーバーのように、機器を貸し出して中身を直送便で届けるビールサービスが急増。樽から直接注げる「ビールの縁側」のようなタイプもあり、注目度が高まっている。 おしゃれなデザインや多彩なバリエで人気の定額サービスが本格展開中だ。

 

おしゃれなデザインや多彩なバリエで人気の定額サービスが本格展開!

キリンビール
キリン ホームタップ
月額8250円〜

2017年にサービスを開始し、この春専用サーバーの供給体制が整ったことで本格展開スタート。つくりたてのビールが月2回定期配送される。

↑ビールは常時3・4種類から選べ、「一番搾りプレミアム」やクラフトなど希少な味が楽しめる。酸素の透過を防ぐコーティングが施されたペットボトルに入っている。

 

固定費不要でクラフトビールを手軽に楽しめる

原田産業
ビールの縁側
価格は各ブルワリーが設定

全国のクラフトビールを、3〜5ℓの樽生で購入できるECサイト。専用ポンプが(別売り)あり、電源不要で簡単に注げる。固定費はかからず飲みたいときに注文でき、ブルワリーから直送される。

 

100銘柄以上のクラフトビールを順次取り扱い予定!

ドリームビア
DREAMBEER
1本あたり3520円〜 

ダブルタップの家庭用本格ビールサーバーで、日本全国のクラフトビール100銘柄以上(予定)を楽しめるビール配送サービス。定期購入だけでなく都度購入もできる。5月から本会員登録がスタート。

 

【ビール通が解説】
「自分で注ぐ特別感も提供!」

「新鮮でおいしいビールを楽しめるのはもちろん、“自分で注ぐ”というエンタメ性も人気の理由。各社サーバー自体がよくできているので取扱いも簡単です。グラス一杯ぶんだけ飲みたいときにもイイ!」(Get Naviフード担当 鈴木翔子)

 

【News!】「アサヒスーパードライ」の 家庭用サーバーも登場!

アサヒビール
ドラフターズ
月額7980円
申し込み受付中

会員に「本格泡リッチサーバー」を貸し出し、新鮮な「アサヒスーパードライ」の2ℓのミニ樽を月2回配送。ビールは追加注文(2ℓ入りで1980円)も可能だ。サービス開始は5月25日から。

 

【ビール通が解説】
「抽出温度をボタンで選べるのが画期的!」

↑エクストラコールド・モード(-2~0℃)

 

↑スタンダードコールド・モード(4~6℃)

「機器にボタンがあり、温度を氷点下の-2〜0℃と4〜6℃から選べ、お店と同じクオリティを楽しめるのがスゴい! 反響次第では中身の新商品も開発するとのことで、今後も目が離せません」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【Check!】缶ビールで理想の泡を作れる 「神泡サーバー」が一般発売!

ザ・プレミアム・モルツ
神泡サーバー
980円

「ザ・プレミアム・モルツ」の景品として毎年進化し続けてきた「神泡サーバー」が、4月26日よりサントリーグループのECサイト「イエノバ」で購入可能に(980円)。超音波振動数が過去最大に進化している。

 

【ビール通が解説】
「泡も使い心地への配慮もきめ細かい」

「いままで、様々なメーカーのハンディサーバーを試してきましたが、これは泡のきめ細かさがピカイチ!缶ビールのクオリティが一気に上がります。コンパクトサイズで場所を取らず、洗浄する手間がいらないのも魅力です」(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん)

 

05コンビニクラフト

キリンビールがクラフトビールの裾野を広げるべく、全国のコンビニやスーパーなどで手軽に買える新商品を発売。CMも積極展開し、クラフトビールがグッと身近な存在に!

 

贅を尽くした造りと独自の製法で苦味を抑えつつ豊潤な香りを実現

SPRING VALLEY
豊潤<496>
実売価格/273円

「キリンラガービール」の約1.5倍量の麦芽を使い、ホップは4種類をブレンド。発酵中にホップを投入して7日間漬け込むなど、独自の製法で苦味を抑えながら豊潤な香りを実現した。

 

〈開発者メモ〉

キリンビール マスターブリュワー
田山智広さん

「構想10年、試験醸造は250回以上。香味豊かでコク深いというクラフトビールらしい魅力がありつつ、バランスが良くて飲み疲れず、おかわりしたくなる味が完成しました。ふわとろの泡も特徴です。多くの方に、ビールで感動していただけたらうれしいですね」

 

柑橘の香りと苦味に麦の甘味が見え隠れする超定番のクラフト

ヤッホーブルーイング
よなよなエール
273円

国内クラフトビールの旗手「ヤッホーブルーイング」の大定番が、2月からセブンーイレブンでも購入可能に。米国産アロマホップ「カスケード」の柑橘類を思わせる華やかな香りと苦味、やさしいモルトの甘味が特徴だ。

 

【ビール通が解説】
「地方のコンビニにも クラフトが並ぶ時代に!」

「ここ数年クラフトビールが人気とはいえ、僕の実家である埼玉の田舎のコンビニにはまだ並んでいなかったのが実情。それが、大手メーカーの販路拡大とCM露出によって変わるのではと期待が高まります。全国に届け!」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【まだある!】 編集部イチオシのコンビニクラフト

 

ファーイースト
ブルーイング
東京ホワイト
実売価格418円

ホップの爽やかでフルーティな香りが華やぐセゾン。苦味は少なく、心地良い酸味とドライなフレーバーも魅力だ。

 

 

ブリュードッグ
エルビスジュース
実売価格/429円

5種類のホップとグレープフルーツピールを絶妙にブレンド。フローラルな苦味とジューシーな爽快感が楽しめる。

 

オラホビール
キャプテンクロウ
エクストラ
ペールエール
実売価格/328円

通常の倍以上のアロマホップを使用。鮮烈な柑橘の香りと濃厚なビター感を楽しめる。

●全品ナチュラルローソンで販売中

 

【PICK UP!】ピルスナーの元祖も コンビニに登場!

アサヒビール
ピルスナーウルケル
実売価格/297円

1842年にチェコで生まれ、「ピルスナーの元祖」として愛されている銘柄。樽生か小瓶のみの販売だったが、今春、缶が登場し、コンビニやスーパーで購入できるように。

 

【ビール通が解説】

「飲み応えと飲みやすさ のバランスが絶妙!」

「日本のビールの定番スタイル『ピルスナー』は本品がルーツ。香りや苦味が豊かで飲み応えはあるのに、後味が爽やかで、ゴクゴク飲みたくなるおいしさです。アルコール度数が低いのもポイント」(Get Naviフード担当 鈴木翔子

 

 06 ストーリーブリューイング ビールブランド

ビールブランド「ホッピンガレージ」が行なっている取り組みのひとつ。ユーザーの人生ストーリーをヒントにビールをつくり、その味からその人の人生を追体験するという、多様性に満ちた試みだ。

 

共創をコンセプトにユーザーの声を生かしたいままでにないビールづくり

サッポロビール ホッピンガレージ

共創をコンセプトに ユーザーの声を生かした いままでにないビールづくりサッポロビール ホッピンガレージ 「共創」をキーワードに、魅力的な人生ストーリーをラジオやブログで紹介し、リスナーや読者の反応を踏まえて、そのストーリーをビールとして商品化。ビアスタイルによる味わいの違いやビールづくりの工程を学べるカードゲームやLINEスタンプなど、飲む以外の楽しみも届けている。

↑2か月に1回、フラッグシップビール「ホッピンおじさんのビール」と、新作ビールやストーリーブックが届く新作定期便(4389円〜)。限定イベントへの招待特典もある

 

↑ボードゲームカフェの店長の声で生まれた「ボードゲームビール」や、おむすびブロガー発案のおむすびに合う「和musubi」などユニークなビールが揃う

 

【ビール通が解説】
「コミュニティも創出する ビールづくりの新形態」

「ユーザーと一体になってビールをつくるという、“いまらしさ”が面白い。イベントを開催したりラジオを放送したりと、コミュニティとしても機能し、ビールファンを育てようという姿勢を感じます! 手に取りたくなる商品パッケージもイイ!」(本誌フード担当 鈴木翔子)

 

〈商品開発メモ〉

サッポロビール 新規事業開拓室
HOPPIN’GARAGE
ブランドマネージャー
土代裕也さん

「“ただ飲むだけが、ビールじゃない。”をコンセプトに、ビールをもっと楽しむための新体験をお届けする取り組みです。これまで500以上のアイデアから9種類のビールを商品化し、イベントも500回以上開催してきました。今後もビールの楽しさと豊かさをお届けします!」

 

後半は、残り4項目の「サブスク定期便」「つまみ付き通販」「ビール専用水筒」「オンラインビール講座」「シン・新ジャンル」を解説します。

家飲みをもっと楽しくする、いままでにないビールが続々登場!(前編)

この春は、家飲みを充実させるビール関連の新商品やサービスが多数登場し、おうちビールの新時代(BEER+New ERA=“New BEERA”)が到来したと言っても過言ではない。ビール好きの3人(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん、本誌フード担当 鈴木翔子、フードアナリスト 中山秀明さん)が11のトピックでトレンドを解説する。

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私たちがビールトレンドを解説します!

フードアナリスト
中山秀明さん

「diBEERsity」(ビールの多様化)を提唱。クラフト酒販店とクラフトビア
酒場にも注目している。

 

Get Naviフード担当
鈴木翔子

元バーテンダー。最近は台湾料理を作るのにハマっており、八角に合うビールを探している。

 

おいしいものナビゲーター
今西絢美さん

最近ようやく量より質に目覚めたところ。ビールと食事のペアリングを考えるのが好き。

 

 01 生ジョッキ缶

日本一売れているビール「アサヒスーパードライ」の新商品。まるで店の生ジョッキのように飲める缶ビールだ。日本初ということもあり、発売後数日で品薄に!

アサヒビール
アサヒスーパードライ
生ジョッキ缶
実売価格/219円

 

口が全開してもこもこ泡が立つ生ジョッキのような缶ビール

口が全開する缶と、開けた瞬間に自然発生する泡で、生ジョッキ気分を楽しめる。泡の秘密は、缶の内側に特別な塗料で焼き付けられた凹凸。中身は通常の「アサヒスーパードライ」と同じで、安定感のあるおいしさだ。

 

↑缶の口とフタは、日本独自技術によるダブルセーフティー構造のため、手や口を切る心配はない

 

【ビール通が解説】
ワクワク感が詰まった 家飲みの革命児

「“家飲み革命”といって間違いない商品。自然発泡した泡が、きめ細かくクリーミーで驚きます。缶の口が広いので、口に流れ込む量が増えゴクゴク飲めるし、香りもしっかり楽しめる。開けるたびにワクワクしますね!」(Get Naviフード担当 鈴木翔子)

 

【開発者メモ】

アサヒビール マーケティング本部
ビールマーケティング部
中島 健さん

「そもそも缶ビールは、開けたときに吹きこぼれないように、あえて泡が出ないように作られています。つまり、“泡立つ缶”を作るというのは、いままでの常識を覆すということ。結果、約4年と時間はかかりましたが、ビールの楽しさを体験できる商品に仕上がりました!」

 

02 微アルコール

アサヒビールが、度数0.5%の「アサヒビアリー」を新発売。低アルコールの酒より度数が低く、とはいえノンアルではない微量なアルコールを含んだ新カテゴリーだ。

 

ビールのおいしさをキープしたままアルコール分だけカット!

アサヒビール
アサヒビアリー
実売価格/195円

香り豊かでコク深いビールを醸造したあと、時間をかけてアルコール分だけをカット。ビール本来の発酵による複雑な香りや、本格的な麦のうま味をキープした、アルコール0.5%の“微4 ール”だ。

 

【ビール通が解説】
「軽やかな味わいながら ノンアルよりコク深い」

「ベースがれっきとしたビールだからか、0.5%のアルコールが効いているからなのか、麦汁の甘味が印象的。ノンアルとは一線を画す飲み応えです! 泡立ちもパワフルで、爽快感やのど越しも十分。ゴクゴク飲める、ライトでやさしいビールという新境地を築いています。他社からも商品が出れば、より面白くなりますね」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【Pick Up!】カラダにやさしいノンアルビール

尿酸値を下げるアンセリン入り

サッポロビール
サッポロ うまみ搾り
実売価格/145円

尿酸値を下げる「アンセリン」を配合。「アンセリン」はうま味成分にも関与し、おいしさを引き上げている。

 

お腹周りの脂肪を減らすホップ由来苦味酸入り

キリンビール
キリン カラダFREE
実売価格/157円

お腹まわりの脂肪を減らす、熟成ホップ由来苦味酸を使用。爽快な味わいが特徴だ。カロリー、糖類もゼロ。

 

03 糖質ゼロ

糖質ゼロビールは、2020年秋発売の「キリン一番搾り 糖質ゼロ」の一強だった。しかし今春、待ったをかけるライバル「パーフェクトサントリービール」が登場! 一騎打ちの行方は!?

 

直球のおいしさと糖質ゼロを“完璧に”両立

サントリービール
パーフェクト
サントリービール
実売価格/217円

「ザ・プレミアム・モルツ」の醸造技術とノウハウを活用。麦芽のうま味と飲み応えを最大限に引き出しながら、糖質の元となるでんぷんを手間暇かけて分解している。糖質ゼロながらも、力強い飲み応えを実現した。

 

一番搾りの製法に新技術を投入した初の糖質ゼロ缶ビール

キリンビール
キリン一番搾り 糖質ゼロ
実売価格/228円

昨年10月に発売した日本初の糖質ゼロ缶ビール。「一番搾り製法」に、新技術の「新・糖質カット製法」を組み合わせている。一番搾り麦汁ならではの、雑味がなく澄んだ麦芽のうまみが魅力だ。

 

【ビール通が解説】
「好みや料理に 合わせて選べるように! 」

「商品開発の難易度が高い糖質ゼロビール市場にサントリービールが加わり、選択肢が増えたのがうれしいですね。爽やかな口当たりのビールが好きなら『キリン一番搾り 糖質ゼロ』、コクのあるビールが好きなら『パーフェクトサントリービール』がオススメ。気分や合わせる料理によって飲み分けたい!」(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん

 

【Check!】さらにおいしくなった! 糖質ゼロの発泡酒&新ジャンル

 

キリンビール
キリン のどごし ZERO
実売価格/149円

独自の「ホップアロマ製法」のホップの配合比率を変更して飲み応えをアップ。仕込み工程も最適化し、ゴクゴク飲めるように、後キレを高めた。

 

 

アサヒビール
アサヒスタイルフリー <生>
実売価格/168円

2007年にビール類初の糖質ゼロとして誕生。この春、仕込み工程の煮沸時間を以前より短くすることで麦の香りを高め、飲み応えを向上させた。

 

04 おうちで樽生

ウォーターサーバーのように、機器を貸し出して中身を直送便で届けるビールサービスが急増。樽から直接注げる「ビールの縁側」のようなタイプもあり、注目度が高まっている。 おしゃれなデザインや多彩なバリエで人気の定額サービスが本格展開中だ。

 

おしゃれなデザインや多彩なバリエで人気の定額サービスが本格展開!

キリンビール
キリン ホームタップ
月額8250円〜

2017年にサービスを開始し、この春専用サーバーの供給体制が整ったことで本格展開スタート。つくりたてのビールが月2回定期配送される。

↑ビールは常時3・4種類から選べ、「一番搾りプレミアム」やクラフトなど希少な味が楽しめる。酸素の透過を防ぐコーティングが施されたペットボトルに入っている。

 

固定費不要でクラフトビールを手軽に楽しめる

原田産業
ビールの縁側
価格は各ブルワリーが設定

全国のクラフトビールを、3〜5ℓの樽生で購入できるECサイト。専用ポンプが(別売り)あり、電源不要で簡単に注げる。固定費はかからず飲みたいときに注文でき、ブルワリーから直送される。

 

100銘柄以上のクラフトビールを順次取り扱い予定!

ドリームビア
DREAMBEER
1本あたり3520円〜 

ダブルタップの家庭用本格ビールサーバーで、日本全国のクラフトビール100銘柄以上(予定)を楽しめるビール配送サービス。定期購入だけでなく都度購入もできる。5月から本会員登録がスタート。

 

【ビール通が解説】
「自分で注ぐ特別感も提供!」

「新鮮でおいしいビールを楽しめるのはもちろん、“自分で注ぐ”というエンタメ性も人気の理由。各社サーバー自体がよくできているので取扱いも簡単です。グラス一杯ぶんだけ飲みたいときにもイイ!」(Get Naviフード担当 鈴木翔子)

 

【News!】「アサヒスーパードライ」の 家庭用サーバーも登場!

アサヒビール
ドラフターズ
月額7980円
申し込み受付中

会員に「本格泡リッチサーバー」を貸し出し、新鮮な「アサヒスーパードライ」の2ℓのミニ樽を月2回配送。ビールは追加注文(2ℓ入りで1980円)も可能だ。サービス開始は5月25日から。

 

【ビール通が解説】
「抽出温度をボタンで選べるのが画期的!」

↑エクストラコールド・モード(-2~0℃)

 

↑スタンダードコールド・モード(4~6℃)

「機器にボタンがあり、温度を氷点下の-2〜0℃と4〜6℃から選べ、お店と同じクオリティを楽しめるのがスゴい! 反響次第では中身の新商品も開発するとのことで、今後も目が離せません」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【Check!】缶ビールで理想の泡を作れる 「神泡サーバー」が一般発売!

ザ・プレミアム・モルツ
神泡サーバー
980円

「ザ・プレミアム・モルツ」の景品として毎年進化し続けてきた「神泡サーバー」が、4月26日よりサントリーグループのECサイト「イエノバ」で購入可能に(980円)。超音波振動数が過去最大に進化している。

 

【ビール通が解説】
「泡も使い心地への配慮もきめ細かい」

「いままで、様々なメーカーのハンディサーバーを試してきましたが、これは泡のきめ細かさがピカイチ!缶ビールのクオリティが一気に上がります。コンパクトサイズで場所を取らず、洗浄する手間がいらないのも魅力です」(おいしいものナビゲーター 今西絢美さん)

 

05コンビニクラフト

キリンビールがクラフトビールの裾野を広げるべく、全国のコンビニやスーパーなどで手軽に買える新商品を発売。CMも積極展開し、クラフトビールがグッと身近な存在に!

 

贅を尽くした造りと独自の製法で苦味を抑えつつ豊潤な香りを実現

SPRING VALLEY
豊潤<496>
実売価格/273円

「キリンラガービール」の約1.5倍量の麦芽を使い、ホップは4種類をブレンド。発酵中にホップを投入して7日間漬け込むなど、独自の製法で苦味を抑えながら豊潤な香りを実現した。

 

〈開発者メモ〉

キリンビール マスターブリュワー
田山智広さん

「構想10年、試験醸造は250回以上。香味豊かでコク深いというクラフトビールらしい魅力がありつつ、バランスが良くて飲み疲れず、おかわりしたくなる味が完成しました。ふわとろの泡も特徴です。多くの方に、ビールで感動していただけたらうれしいですね」

 

柑橘の香りと苦味に麦の甘味が見え隠れする超定番のクラフト

ヤッホーブルーイング
よなよなエール
273円

国内クラフトビールの旗手「ヤッホーブルーイング」の大定番が、2月からセブンーイレブンでも購入可能に。米国産アロマホップ「カスケード」の柑橘類を思わせる華やかな香りと苦味、やさしいモルトの甘味が特徴だ。

 

【ビール通が解説】
「地方のコンビニにも クラフトが並ぶ時代に!」

「ここ数年クラフトビールが人気とはいえ、僕の実家である埼玉の田舎のコンビニにはまだ並んでいなかったのが実情。それが、大手メーカーの販路拡大とCM露出によって変わるのではと期待が高まります。全国に届け!」(フードアナリスト 中山秀明さん)

 

【まだある!】 編集部イチオシのコンビニクラフト

 

ファーイースト
ブルーイング
東京ホワイト
実売価格418円

ホップの爽やかでフルーティな香りが華やぐセゾン。苦味は少なく、心地良い酸味とドライなフレーバーも魅力だ。

 

 

ブリュードッグ
エルビスジュース
実売価格/429円

5種類のホップとグレープフルーツピールを絶妙にブレンド。フローラルな苦味とジューシーな爽快感が楽しめる。

 

オラホビール
キャプテンクロウ
エクストラ
ペールエール
実売価格/328円

通常の倍以上のアロマホップを使用。鮮烈な柑橘の香りと濃厚なビター感を楽しめる。

●全品ナチュラルローソンで販売中

 

【PICK UP!】ピルスナーの元祖も コンビニに登場!

アサヒビール
ピルスナーウルケル
実売価格/297円

1842年にチェコで生まれ、「ピルスナーの元祖」として愛されている銘柄。樽生か小瓶のみの販売だったが、今春、缶が登場し、コンビニやスーパーで購入できるように。

 

【ビール通が解説】

「飲み応えと飲みやすさ のバランスが絶妙!」

「日本のビールの定番スタイル『ピルスナー』は本品がルーツ。香りや苦味が豊かで飲み応えはあるのに、後味が爽やかで、ゴクゴク飲みたくなるおいしさです。アルコール度数が低いのもポイント」(Get Naviフード担当 鈴木翔子

 

 06 ストーリーブリューイング ビールブランド

ビールブランド「ホッピンガレージ」が行なっている取り組みのひとつ。ユーザーの人生ストーリーをヒントにビールをつくり、その味からその人の人生を追体験するという、多様性に満ちた試みだ。

 

共創をコンセプトにユーザーの声を生かしたいままでにないビールづくり

サッポロビール ホッピンガレージ

共創をコンセプトに ユーザーの声を生かした いままでにないビールづくりサッポロビール ホッピンガレージ 「共創」をキーワードに、魅力的な人生ストーリーをラジオやブログで紹介し、リスナーや読者の反応を踏まえて、そのストーリーをビールとして商品化。ビアスタイルによる味わいの違いやビールづくりの工程を学べるカードゲームやLINEスタンプなど、飲む以外の楽しみも届けている。

↑2か月に1回、フラッグシップビール「ホッピンおじさんのビール」と、新作ビールやストーリーブックが届く新作定期便(4389円〜)。限定イベントへの招待特典もある

 

↑ボードゲームカフェの店長の声で生まれた「ボードゲームビール」や、おむすびブロガー発案のおむすびに合う「和musubi」などユニークなビールが揃う

 

【ビール通が解説】
「コミュニティも創出する ビールづくりの新形態」

「ユーザーと一体になってビールをつくるという、“いまらしさ”が面白い。イベントを開催したりラジオを放送したりと、コミュニティとしても機能し、ビールファンを育てようという姿勢を感じます! 手に取りたくなる商品パッケージもイイ!」(本誌フード担当 鈴木翔子)

 

〈商品開発メモ〉

サッポロビール 新規事業開拓室
HOPPIN’GARAGE
ブランドマネージャー
土代裕也さん

「“ただ飲むだけが、ビールじゃない。”をコンセプトに、ビールをもっと楽しむための新体験をお届けする取り組みです。これまで500以上のアイデアから9種類のビールを商品化し、イベントも500回以上開催してきました。今後もビールの楽しさと豊かさをお届けします!」

 

後半は、残り4項目の「サブスク定期便」「つまみ付き通販」「ビール専用水筒」「オンラインビール講座」「シン・新ジャンル」を解説します。

アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料第2弾『アサヒ ビアリー 香るクラフト』が6月29日発売

アサヒビール株式会社は、アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料「アサヒ ビアリー 香るクラフト」を、6月29日から首都圏・関信越エリアの1都9県で発売します。お酒の飲み方の多様性を提案する「スマートドリンキング」の考え方に基づき展開している“微アルコール”商品の第2弾となります。

 

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」195円/税込(表面)

 

「アサヒ ビアリー 香るクラフト」は、麦のうまみとコクに加えて、フルーティーで華やかな香りが感じられるアルコール度数0.5%のビールテイスト飲料です。独自の脱アルコール技術により、ビール特有の「発酵由来の複雑な香気成分」を残しつつ、華やかな香りを加えることで「フルーティーな香りとコク」が感じられる味わいに仕上がっています。

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」(裏面)

 

パッケージは、白をベースに上質なデザインとなっています。「フルーティーな香りとコク」という商品の特長を記載するとともに「スマートドリンキング」のロゴマークも。缶体裏面には「微アル第二弾誕生!」という文言と、具体的な飲用シーンが記載されています。ビールらしい本格的な味わいが楽しめる第1弾の『アサヒ ビアリー』に続いて、個性豊かな味わいが楽しめる『アサヒ ビアリー 香るクラフト』を第2弾として発売することで“微アルコール”という新しいカテゴリーの認知拡大と飲用喚起を図っていくそうです。

 

アサヒビールが「飲む人も飲まない人もお互いが尊重し合える社会」の実現を目指すために提唱している「スマートドリンキング」。これを具現化する商品の第1弾として、アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料『アサヒ ビアリー』を、3月30日から首都圏・関信越エリアの1都9県で先行発売しました。発売2週間後にアサヒビールが実施した調査では「飲用後の満足度」「継続飲用意向度」の数値が高く「今までのノンアルとは味が違う」「こういった商品が欲しかった」といった評価が多く見られました。

 

そして今回、新たに『アサヒ ビアリー 香るクラフト』を発売し、それぞれ自分のペースで心地よい時間を楽しめる選択肢を提案することで“期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造”を目指していくそうです。

 

【商品概要】

商品名:アサヒ ビアリー 香るクラフト

名称:炭酸飲料

発売品種:缶350ml

アルコール分:0.5%

発売日:6月29日

発売地区:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県の1都9県

製造工場:福島工場

価格:195円(税込)

アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料第2弾『アサヒ ビアリー 香るクラフト』が6月29日発売

アサヒビール株式会社は、アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料「アサヒ ビアリー 香るクラフト」を、6月29日から首都圏・関信越エリアの1都9県で発売します。お酒の飲み方の多様性を提案する「スマートドリンキング」の考え方に基づき展開している“微アルコール”商品の第2弾となります。

 

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」195円/税込(表面)

 

「アサヒ ビアリー 香るクラフト」は、麦のうまみとコクに加えて、フルーティーで華やかな香りが感じられるアルコール度数0.5%のビールテイスト飲料です。独自の脱アルコール技術により、ビール特有の「発酵由来の複雑な香気成分」を残しつつ、華やかな香りを加えることで「フルーティーな香りとコク」が感じられる味わいに仕上がっています。

↑「アサヒ ビアリー 香るクラフト」(裏面)

 

パッケージは、白をベースに上質なデザインとなっています。「フルーティーな香りとコク」という商品の特長を記載するとともに「スマートドリンキング」のロゴマークも。缶体裏面には「微アル第二弾誕生!」という文言と、具体的な飲用シーンが記載されています。ビールらしい本格的な味わいが楽しめる第1弾の『アサヒ ビアリー』に続いて、個性豊かな味わいが楽しめる『アサヒ ビアリー 香るクラフト』を第2弾として発売することで“微アルコール”という新しいカテゴリーの認知拡大と飲用喚起を図っていくそうです。

 

アサヒビールが「飲む人も飲まない人もお互いが尊重し合える社会」の実現を目指すために提唱している「スマートドリンキング」。これを具現化する商品の第1弾として、アルコール度数0.5%の“微アルコール”ビールテイスト飲料『アサヒ ビアリー』を、3月30日から首都圏・関信越エリアの1都9県で先行発売しました。発売2週間後にアサヒビールが実施した調査では「飲用後の満足度」「継続飲用意向度」の数値が高く「今までのノンアルとは味が違う」「こういった商品が欲しかった」といった評価が多く見られました。

 

そして今回、新たに『アサヒ ビアリー 香るクラフト』を発売し、それぞれ自分のペースで心地よい時間を楽しめる選択肢を提案することで“期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造”を目指していくそうです。

 

【商品概要】

商品名:アサヒ ビアリー 香るクラフト

名称:炭酸飲料

発売品種:缶350ml

アルコール分:0.5%

発売日:6月29日

発売地区:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県の1都9県

製造工場:福島工場

価格:195円(税込)

知っておきたいワインの蘊蓄。ソムリエが解説する「オーストラリアワイン」の5産地にまつわる話

自宅でワインを楽しみたい、できれば産地や銘柄にもこだわりたい、ワインを開けて注ぎ、グラスを傾ける仕草もスマートにしたい……。そう思っても、基本はなかなか他人には聞きにくいもの。この連載では、そういったノウハウや、知っておくとグラスを交わす誰かと話が弾むかもしれない知識を、ソムリエを招いて教えていただきます。

「ワインの世界を旅する」と題し、世界各国の産地についてキーワード盛りだくさんで詳しく掘り下げていく、このシリーズのフランス、イタリア、ドイツに続く今回は、ワインの“新世界”オーストラリア。寄稿していただくのは引き続き、渋谷にワインレストランを構えるソムリエ、宮地英典さんです。

【関連記事】
ワインの世界を旅する 第1回 ―フランスと5つの産地―
ワインの世界を旅する 第2回―イタリアと5つの産地―
ワインの世界を旅する 第3回―ドイツと5つの産地―

 

オーストラリアワインを旅する

オーストラリアにおけるワインの歴史を紐解くと、入植初期の二人のイギリス人の名前が挙がります。

 

一人目は、イギリスから8か月の航海の末、1788年初頭にシドニー湾にたどり着いたアーサー・フィリップ。ニューサウスウェールズ最初の統治者となる彼が、湾内のファーム・コーブに記念碑的に植えたブドウが、オーストラリア最初のブドウ樹でした。それまで、オーストラリアにはブドウは自生しておらず、一説には南アフリカのケープタウンで積み込んだ挿し木を植樹したと伝えられているため、ボルドー系品種だったのではないかと、私は想像しています。

 

ただ、シドニーは降水量が多くワイン生産に不向きだったため、徐々にブドウ畑は内陸に移り、フィリップ総督の帰国後、1795年にオーストラリアで初めてワインが生産されました。それから、ワイン生産が本格化するまでには、1820年代にイギリスからオーストラリアに渡った“オーストラリアワインの父”ジェームズ・バズビーの登場を待たなければなりません。ハンター・ヴァレーを初めてのワイン産地として確立し、1830年代には650品種をオーストラリア行きの船に積み込み、そのうちの362品種が長旅に耐え現地に持ち込まれたといわれています。

 

その後、ヨーロッパから栽培、醸造の経験のある入植者によって、広大なオーストラリア大陸のブドウ栽培に適した南側沿岸部に、ワイン産地が広がっていきます。東のシドニーから西のパースまでの距離は、モスクワからロンドンまでの距離よりも長いと聞けば、その広大さを理解いただけるかもしれませんね。

 

オーストラリアワインの200年ほどに及ぶ歴史のなかで、20世紀半ばまでは、輸出用の酒精強化ワイン(ポートワインなど)が主流でした。国内の一般消費者にとっても、ワインはそれほど身近ではなかったと聞くと意外に思えますが、日本でもほんの50年ほど前まで“ワインを飲む”という人が少数派だったことを考えると、腑に落ちる気がします。

 

現在では、その広大な土地の多様な気候風土から幅広い高品質ワインが造られ、ワインツーリズムやワインイベントも盛んな環境も、洗練され近代化されたのは、ほんのつい最近のことなのです。

 

[目次]
1. 南オーストラリア州バロッサ・ヴァレー
2. 南オーストラリア州クナワラ
3. 南オーストラリア州クレア・ヴァレー
4. ヴィクトリア州ヤラ・ヴァレー
5. 西オーストラリア州マーガレット・リヴァー

 

1. 南オーストラリア州バロッサ・ヴァレー 〜オーストラリアのナパ・ヴァレー〜

 

アデレードを州都とする南オーストラリア州は、オーストラリア全体のワイン生産の48%を占め、アメリカにとってのカリフォルニアのような“ワイン州”。そのなかでも、バロッサ・ヴァレーは、まるでカリフォルニアにおけるナパ・ヴァレーのような中心的な存在です。

 

それぞれの国で、早くから産地としての評価を高めたこともあり、セラードアでのテイスティングや、現地のワインを楽しめる数々のレストランと併せて、観光客はワインツーリズムを楽しめるという点でも、このふたつの産地には似たところがあります。ただ、カリフォルニアワインと比べた時に、バロッサ・ヴァレーの銘醸ワインとしてのイメージは、日本人にとって見劣りするように私は思っています。

 

実際は、素晴らしい品質のワインを産み出し、大きな可能性をもった産地なのですが、オーストラリアワインの魅力を伝えるレストランやワインショップは日本ではまだまだ数少なく、もったいないと個人的には感じています。2019年の輸入量では、アメリカに次いで6位3.5%ですが、アメリカワインの方が金額ベースでは高価格が多い傾向にあります。

 

ノース・パラ川沿い30kmに渡って広がるブドウ産地、バロッサ・ヴァレーと、東隣のイーデン・ヴァレー(やや標高が高く、バロッサ・ヴァレーが拡張した産地)は兄弟のような産地で、「バロッサ・ゾーン」というふたつの地域を包括する呼称として「バロッサ」が用いられており、エチケットに「バロッサ・シラーズ」と表記されているワインはおおむね、この2地域のブドウをブレンドして造られています。

 

これまで、バロッサ・ヴァレーのシラーズは凝縮度の高いチョコレートのような濃密さとスパイシーさ、アルコール感も含め、主張の多い個性的なスタイルで知られてきましたが、「バロッサ・グラウンズ・プロジェクト」(バロッサ区域の土壌の差異を分析する試み)により、小区画ごとの個性が徐々に明らかになってきており、また意欲ある小規模生産者の手によって、よりエレガントなスタイルでのテロワール表現に挑戦したワインが、続々と産み出されています。

 

これから、そういった区画ごとのラベル表記がされ、それぞれの区画の味わいのスタイルが知られていったなら、シラーズを中心としたバロッサのワインは、より広がりのある世界観を感じさせてくれるのではないでしょうか?

 

元々、ジェームズ・バズビーがエルミタージュから持ち込んだブドウ樹が、オーストラリアのシラーズの始祖にあたるといわれているのですが、19世紀当時、シラー(Syrah)はシラース(Scyras)とも呼ばれていたそうで、シラーの名称の起源のひとつであるペルシアの都市シラーズ(Shiraz)に由来。19世紀に持ち込まれたシラーは、当初からイギリス人入植者の間でシラーズと呼ばれ、200年に渡って、ローヌ地方よりも温暖で乾燥したバロッサに適応したブドウ品種になっていきました。

 

エレガントなテロワール表現は、世界中で同時進行するトレンドでもあり、シラーズ(=シラー)の魅力をより広げる可能性がバロッサにはあると思うのです。写真はイーデン・ヴァレーのシラーズも使用した広域バロッサのワイン、入門編的なワインとして紹介させていただきます。

 

Elderton(エルダトン)
「Barossa Shiraz2017(バロッサ・シラーズ2017)」
3500円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

次のページでは、オーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨンを象徴する産地、南オーストラリア州クナワラについて。

2. 南オーストラリア州クナワラ 〜オーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨンを象徴〜

 

カベルネ・ソーヴィニヨンは、赤ワインの代名詞的なブドウ品種で、現在世界中で栽培されています。色調が濃く、カシスやベリーといった果実の味わい豊かで、渋みのあるフルボディ・スタイルのワインを産みますが、本当の意味で適した産地というのは、実はそれほど多くはありません。

 

アデレードの南400km、ヴィクトリア州との境に位置するペノーラ村の北に広がるクナワラは、ワインに興味のない人にとっては、足を踏み入れる可能性の低い辺境の土地なのかもしれませんが、この土地を特別なものにしているのは、ほかならぬカベルネ・ソーヴィニヨンでしょう。「テラ・ロッサ」と呼ばれる赤土の表土の下には石灰岩、その下には良質な地下水を湛える土壌で、晩熟で水はけのよい土地を好むカベルネ・ソーヴィニヨンにとって、世界でも数少ない好適地として、素晴らしいワインを産み出しています。

 

元は主にシラーズが植えられており、20世紀前半には「ヴァイン・プル・スキーム」(政府主導のブドウの抜根政策)の対象にもなりかけましたが、1960年代以降、カベルネ・ソーヴィニヨンにスポットライトが当たり、一躍銘醸地となりました。

 

現在では、9割以上赤ワインが造られ、栽培品種の6割以上はカベルネ・ソーヴィニヨンが植えられています。ブドウ畑は、リドック・ハイウェイ(1890年頃初めてブドウを植えたスコットランド人、ジョン・リドックの名前を残しています)沿いの20kmほどに、約90のブドウ栽培農家、ワイナリーやセラードアは20数軒と、それほど大きな産地ではありません。また、温暖なイメージがありますが、生育期の平均気温ではボルドーよりも1℃ほど冷涼でもあります。

 

クナワラというと、ワインに親しんでいないとなかなか耳にする機会は少ないかもしれませんが、ことカベルネ・ソーヴィニヨンという品種のワインが好きであれば、ぜひ一度手に取って味わっていただきたい産地です。

 

Bowen Estate(ボーエン・エステート)
「Coonawarra Cabernet Sauvignon2018(クナワラ・カベルネ・ソーヴィニヨン2018)」
4000円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

次のページで取り上げる3つめの産地は、南オーストラリア州クレア・ヴァレーです。

3. 南オーストラリア州クレア・ヴァレー 〜オーストラリア最高のリースリング〜

 

バロッサの北に位置するクレア・ヴァレーは、アイルランド人エドワード・グリーンソンによって、1846年に名付けられました。オーストラリアは多くの地域で、開拓者としてイギリス系の人物の名前が残りますが、アデレード近郊はドイツ、ポーランド系の移民が多かった地域でもあり、バロッサのイーデン・ヴァレーとクレア・ヴァレーでは、ドイツ系品種とされるリースリングが、主要品種のひとつとして当時から今に至るまで栽培されています。

 

また、バロッサ・ヴァレーをはじめとして、オーストラリアの各産地では大手資本のワイナリーが土地土地の主要生産者としてワイン産業を牽引していますが、クレア・ヴァレーでは小規模な生産者が多く、品質の追求という点でも、信頼のできる産地です。今ではニュージーランドを中心に世界的に普及したスクリューキャップを、2000年頃から本格的に採用したのもこの産地であり、そういった意味でも先駆者的な存在です。

 

イーデン・ヴァレーに比べ、クレア・ヴァレーのリースリングは“ライムのよう”と形容される、鮮烈な酸と、にじむような奥行きのある味わいが特徴的で、その硬質で繊細ともいえる個性をコルク・ダメージから守るためにいち早く決断したことは、その後のワインの世界に大きな影響を与えました。

 

一度、2000年ヴィンテージの「ポーリッシュヒル・リースリング」を、コルクとスクリューキャップで7年ほど熟成したものを比較試飲する機会があったのですが、そのフレッシュさが失われることなく、ほのかに果実味が熟成している味わいからは、クロージャーを通じて生産者の思いを感じるようで、特別なワイン体験でした。

 

リースリングが好みなら、ドイツ、アルザスだけではなくクレア・ヴァレーのリースリングも一度お試しいただきたいと思います。

 

Grosset(グロセット)
「Polish Hill Riesling2016(ポーリッシュヒル・リースリング2016)」
6500円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

4つめの産地は、ヴィクトリア州ヤラ・ヴァレー。

4. ヴィクトリア州ヤラ・ヴァレー 〜ゴールドラッシュとフィロキセラとブルゴーニュ品種〜

 

19世紀、オーストラリアのワイン生産の中心は、メルボルンを州都とするヴィクトリア州でした。写真の「イエリング・ステーション」は、メルボルンの北東(車で1時間ほどの距離)に位置するヤラ・ヴァレー最古のワイナリーで、その歴史は1838年にまでさかのぼることができます。

 

現在ヤラ・ヴァレーは、ピノ・ノワールとシャルドネで成功を収める産地となっていますが、その道のりは平坦なものではありませんでした。1850年代にイエリング・ステーションを引き継いだスイス人、ポール・ド・カステーラは、シャトー・ラフィットの穂木(ほぎ)を2万本ほど植え、1889年のパリ万国博覧会では“南半球のワイン”として唯一のグランプリを獲得。現在でも、素晴らしいボルドー・スタイルはあるのですが、19世紀の主流はカベルネ・ソーヴィニヨンだったのですね。

 

19世紀半ばのゴールドラッシュでは多くの移民を受け入れた結果、人口の激増と現在につながる多様な文化の礎を形成し、質量ともに、ヴィクトリア州はワイン産業の隆盛の時代を過ごした時期の出来事でした。ところが1870年代に、メルボルンの対岸ジーロングを始まりとしたフィロキセラ(害虫)禍によって壊滅的な被害を受け、生産者の帰国やブドウ畑の牧場への転用といったワイン産業の逆風のなかで、ヤラ・ヴァレーのブドウ畑は1920年代までに多くが失われてしまいました。

 

この地域のワイン生産が復活を遂げるのは1960年代以降のこと。当初は、以前と同じように高品質なボルドー・ブレンドが主流でしたが、1980年代には挑戦的な造り手によって、それまでにはない高品質なピノ・ノワールが、オーストラリアワインの地図に描き出されます。イエリング・ステーションは、この産地の盛衰を表すかのように幾度となくオーナーが変わり、現在のオーナーが購入したのは1996年のことです。

 

現在、世界で一番住みやすい都市のひとつとして名前の挙がるメルボルンは、多様な価値観を許容し、さまざまな困難を乗り越えてきた歴史があります。それは、オーストラリアワインの長くはない歴史のなかでの幾多の困難とも重なり合うように思えるのです。メルボルンからのワインツーリズムといえば、ヤラ・ヴァレーが真っ先に候補に挙がる銘醸地ですが、そう思って手に取ると、ヤラ・ヴァレーのワインにはこれからも変化し続けるという気骨やバイタリティを感じるのは、私だけでしょうか?

 

21世紀になってからも、再度のフィロキセラ禍、地球温暖化と、この地域の試練は枚挙にいとまがありませんが、より冷涼な畑での新しいスタイルのワインなど、これからの可能性にも満ちた魅力的なワイン産地です。

 

Yering Station(イエリング・ステーション)
「Village Pinot Noir2015(ヴィラージュ・ピノ・ノワール2015)」
3200円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

最後に紹介する産地は、プレミアムワインを産む美しいワイン観光地、西オーストラリア州マーガレット・リヴァーです。

5. 西オーストラリア州マーガレット・リヴァー 〜プレミアムワインを産む美しいワイン観光地〜

 

広すぎるオーストラリアの大部分は、ブドウにとっては暑すぎるか乾燥しすぎていて、主要なワイン産地はシドニー(ニューサウスウェールズ州)、メルボルン(ヴィクトリア州)、アデレード(南オーストラリア州)の周囲、南東の海岸沿いとタスマニアに限定されています。

 

西オーストラリア州は、そういった中心的な産地から1000km以上離れ、“陸の孤島”といった趣の産地。生産量はオーストラリア全体の5%ほどと、わずかですが、今回紹介するマーガレット・リヴァーを中心に、ことプレミアムワインに限ると、オーストラリアワインを楽しむうえで外せない重要な産地です。

 

州都パースからも300kmほど離れており、自然の恵みをふんだんに受けるオーストラリアのなかでも、マーガレット・リヴァーほど緑にあふれ、森林に囲まれた美しい景観はそう多くはないと、誰もが口を揃えます。そして、その素晴らしい自然環境のなかで産まれるワインも、オーストラリアのなかでも特に、エレガントでオリジナリティを表現した秀逸なものばかりです。

 

そして特筆すべきは、このワイン産地の歴史は50年そこそこと、日が浅いことではないでしょうか。1970年頃に初めてヴァス・フェリックスがワインを造り、モス・ウッド、カレン、そして写真のルーウィン・エステートといった、今も残る有力生産者が後に続きます。写真のルーウィン・エステートは、そのアートシリーズ・シャルドネが、リリースからほどなくイギリスの評価誌で最高賞を受賞し、ワインの品質を牽引するとともに、エチケットに採用された国内新鋭画家の作品を展示したアート・ギャラリーや、野外ステージで開催されるルーウィン・コンサートなど、文化芸術とワインを融合した企画で、このワイン産地を盛り立てています。オーストラリアの長くないワインの歴史のなかでも特に日が浅いマーガレット・リヴァーは、その雄大な自然と共に高品質のワインと独自のワインツーリズムを提供し、成功を収めています。

 

Leeuwin Estate(ルーウィン・エステート)
「Art Series Chardonnay2015(アートシリーズ・シャルドネ2015)」
1万500円
輸入元=ヴィレッジ・セラーズ

 

ワインを楽しむということは、味わうだけではなく体験するということ、ともに時間を過ごすことだと、マーガレット・リヴァーのワインは伝えていますが、オーストラリアワインの魅力とはそもそも、そういったところにあるように思えるのです。

 

※ワインの価格はすべて希望小売価格です

 

【プロフィール】

ソムリエ / 宮地英典(みやじえいすけ)

カウンターイタリアンの名店shibuya-bedの立ち上げからシェフソムリエを務め、退職後にワイン専門の販売会社、ワインコミュニケイトを設立。2019年にイタリアンレストランenoteca miyajiを開店。
https://enoteca.wine-communicate.com/
https://www.facebook.com/enotecamiyaji/

 

【東京・大衆酒場の名店】酎ハイ街道をゆく。八広・亀屋の“ボール” 受け継がれる秘伝レシピの噺

東京にある大衆酒場の名店を巡る企画の第4回。今回は、墨田区の八広駅近くにある「亀屋(かめや)」を訪れ、その魅力を探っていきます。

大衆酒場は、その安さとウマさ、昔ながらの温かい雰囲気で、酒飲みの心をひきつけてやみません。なかでも東京では下町を中心に、根強い人気を誇る大衆酒場の名店が数多く存在します。そんな名店を巡り、お店の魅力と東京ならではの酒文化を深掘りしていくのが本連載。立石「宇ち多゛(うちだ)」篠崎「大林」八広「三祐酒場」に続く第4回は、八広「亀屋」にお邪魔します。

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

「酎ハイ街道」では幅広い飲食店が同じスタイルの酎ハイを提供

今回訪れる「亀屋」は、京成押上線「八広駅」と東武伊勢崎線「鐘ケ淵駅」の中間、鐘ヶ淵通り沿いに佇む焼酎ハイボール(酎ハイ)の名店です。鐘ヶ淵通りは、下町大衆酒場に欠かせない酎ハイの名店が多いことから「酎ハイ街道」と名付けられたストリート。何を隠そう、その名付け親が本連載のナビゲーターである藤原法仁(のりひと)さんなのです。今回も、お酒好きのタレント・中村 優さんが生徒となり、藤原さんに酎ハイ街道の歴史と亀屋の焼酎ハイボール(通称「ボール」)の魅力を教えてもらいます。

↑「酎ハイ街道」の名付け親であり、大衆酒場にまつわる著書を数多く上梓している藤原法仁さん(左)。中村 優さん(右)はタレントおよびマラソンランナーとして活躍しています

 

中村 藤原さん、前回お約束した「酎ハイ街道」のお店にご案内いただきありがとうございます。今回もよろしくお願いします! 「酎ハイ街道」って藤原さんが名付け親なんですよね。どんな経緯で名付けられたんですか?

藤原 正確には思い出せないんですけど、「酎ハイ街道」と言い始めたのは2000年代のなかごろだったかな。この界隈でエキスを入れて作る琥珀色の焼酎ハイボール、いわゆる下町酎ハイを出す店が多いことに気づいたんです。しかも、居酒屋だけじゃなくて、ラーメン屋やスナックなどでも同じスタイルの酎ハイを提供していたんですよ。そこで、何となく自分のウェブサイト「酔わせて下町」などで「酎ハイ街道」を使い始めたら、自然と広まっていったんです。

 

中村 なぜ、同じスタイルの酎ハイを出す店が集まっているんですか?

 

藤原 かつて京成曳舟駅近くで営業していた名酒場「三祐酒場 本店」が焼酎ハイボールの元祖とされているんですが(諸説あり)、そこから広がっていった名残りだと考えられます。今でも「酎ハイ街道」には、昔ながらの焼酎ハイボールを出す店が30店舗ほど残っていますよ。

 

遊郭「玉の井」が酎ハイ街道の発展に貢献した

中村 以前に「三祐酒場 八広店」にお邪魔したときは、「酎ハイ街道」は鐘ヶ淵通りのことで、鐘淵紡績(かねがふちぼうせき・カネボウの前身)やその関連工場で働く労働者で界隈の酒場がにぎわったとおっしゃっていましたよね。

↑現在の鐘ヶ淵通り。都市開発による道路の拡張工事が進行し、移転や建て替えなどを余儀なくされた名酒場も少なくありません

 

藤原 お、さすがです。その通り! もうひとつ、「酎ハイ街道」の発展に欠かせないのが、「玉の井」(たまのい)と呼ばれていた私娼街。いわゆる遊郭です。場所でいうと、現在の東京都墨田区東向島五・六丁目と墨田三丁目あたり。戦前から昭和33(1958)年頃まで存在していて、都内屈指の花街として栄えたそうです。

 

中村 なるほど。「玉の井」があったから、周辺の酒場もさらに発展したわけですね!

 

藤原 「亀屋」の先代に聞いた話によれば、当時の常連さんのなかには、玉の井に行く前に景気づけに「亀屋」で一杯ひっかけて、玉の井で「亀屋」の出前を頼んで、帰りにまた「亀屋」に寄って余韻を楽しむ……なんて客もいたそうですよ。

 

中村 1日に3回も! それほど酒場にニーズがあったということですね。

 

藤原 ちなみに、「玉の井」を象徴する存在が、更正橋(こうせいばし)です。かつて八広駅から玉の井に行く途中の曳舟川(ひきふねがわ)にかかっていた橋ですね。

 

中村 更正橋? どういう意味でしょうか?

 

藤原 「玉の井で遊んだら、更正して帰りなさいよ」という意味です。ちなみに曳舟川は昭和30(1955)年に都市開発の埋め立てで曳舟川通りとなり、更正橋は交差点の名称へと姿を変えました。ただ、更正橋の親柱(おやばしら・橋の四隅にある柱)は交差点の脇にある隅田区立八広小学校の校庭に保存されているんですよ。

↑八広小学校に移設された更正橋の親柱。同校はかつて更正小学校という名称で、平成15(2003)年に近隣校との統合に伴い八広小学校として新装開校

 

↑現在の曳舟川通り。その向こうの歩道橋には「更正橋」の名が残っています

 

中村 街の歴史を残しているとは、何とも粋ですね!

 

藤原 実際に目にすると、感慨深いものがありますよ。さて、ここまでの話の流れをまとめると、この界隈は鐘淵紡績の企業城下町としてにぎわっていた。加えて近くには人の集まる歓楽街・玉の井があった。このほか、隅田川など物流の要である河川が近く、鉄道も整備されていましたから、自然と大衆酒場が増えていったというわけです。そして、現存する酒場のなかでも歴史が古く、名店といえるのが今回の「亀屋」ですね。

 

中村 なるほど! レジェンド級の名店ということですか。楽しみです!

↑「亀屋」の創業は昭和7(1932)年。もともと「鐘ケ淵駅」の隣の停車場「東向島駅」の近くで立ち飲み酒場として始まったそう

 

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「ボール」の決め手は“3冷”スタイルと秘伝のレシピ

藤原 僕が初めて「亀屋」を訪れたのは2000年ごろ。この街の歴史も文化も面白くて、どんどん「酎ハイ街道」のエリアに魅了されていきました。そのなかでも特に焼酎ハイボール、いやここでは皆「ボール」って言いますね。そのボールがおいしくて、店の雰囲気も素晴らしかったのが「亀屋」なんです。前置きが長くなりましたが、乾杯しましょうか!

中村 楽しみです。では「ボール」をふたつお願いしまーす!

 

藤原 「亀屋」は現在、三代目主人の小俣光司さんとそのお母さん、つまり二代目の奥様にあたる小俣美代子さん(現在は療養中)が切り盛りしていて、ボールもおふたりが作ってくれます。

 

中村 「亀屋」さんのボールってどんな特徴があるんですか?

 

藤原 グラス、オリジナルの焼酎ハイボールの素(もと)、炭酸水をあらかじめしっかり冷やす“3冷(さんれい)”スタイルであること。氷は入れません。これこそ氷が希少だった時代のオールドスタイルで、まさに正統派の下町の焼酎ハイボールなんです。

 

中村 あっ、こちらで使っている炭酸は「下町炭酸を飲み比べる噺」で出てきた「アズマ炭酸」ですね。覚えてます!

 

藤原 お、さすがですね! 中村さんが、確実に大衆酒場の知識を吸収してくれていてうれしいです。

↑焼酎ハイボールの作り方は、まず冷やしたグラスにスライスしたレモンを入れ、ビン入りの炭酸水を1本すべて注ぎます

 

↑さきほどの炭酸水にボトルで冷やした黄金色の液体をなみなみ注げば完成! ボトルには、宝焼酎と独自のエキスをブレンドした亀屋特製「焼酎ハイボールの素」が入っています

 

↑完成した「亀屋」名物の「焼酎ハイボール」(300円 ※表記価格はすべて税込み・以下同)

 

中村・藤原 それでは……カンパ~イ!

 

中村 わー、氷が入っていなくても冷たい! のどごしがスムーズで、スイスイ飲めます!

藤原 でしょう? 「亀屋」のボールは、とにかく味のバランスが最高。ほのかな酸味に、キリっとした爽快感とガツンとした飲みごたえがあるので、ついつい進んでしまいますよね!

 

中村 小俣さん、この味を生んだのは初代の店主さんですか?

 

小俣 いえ、今の味を開発したのは私の父、つまり二代目なんです。「亀屋」を創業したのは父の母親にあたる私の祖母で、焼酎ハイボール自体は創業時からあったらしいんですね。そこから父がさらに研究して、新しい「焼酎ハイボールの素」のレシピを作りました。ベースの焼酎を宝焼酎に変えて、その味に合うエキスを開発したんです。

↑2017年から三代目として店に立っている小俣光司さん(右)

 

中村 新しいレシピになったのはいつごろですか?

 

小俣 昭和から平成に変わるころだと思います。いまから30年以上前ですかね。そのレシピを母が覚え、私が受け継いで今に至ります。

 

藤原 やっぱり、「素」のレシピは秘伝なんですよね?

 

小俣 そうですね、こればっかりは……。でもひとつだけ言えるのは、宝焼酎とエキス以外に、当店独自にブレンドしているものがあるということです。

 

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「亀屋」の焼酎ハイボールはどんな料理にも相性抜群

↑「マグロぶつ切」(400円)

 

中村 では、「亀屋」さんで人気のおつまみも頂きましょう! まずは「マグロぶつ切」から。切り身も大きくて食べごたえ抜群。この豪快さで400円は超おトクですね。人気の高さも納得です!

 

藤原 鮮度も抜群で、何より焼酎ハイボールとの相性が格別。刺身って、意外にお酒を選ぶ料理なんですが、「亀屋」のボールは幅広い料理に合う。刺身にもバッチリ合いますよね。

↑「納豆オムレツ」(450円)。具材は納豆のほかに、豚肉、玉ねぎ、ピーマンなど

 

中村 この「納豆オムレツ」は、具材が甘辛く調理されていて、お酒が進む濃いめの味付けが良いですね。

 

藤原 これもボールが進みますね~。じゃあ僕のお気に入りのおつまみもどうぞ。「たらこ」「にこごり」「お新香」です。特に「たらこ」や「にこごり」は、下町大衆酒場の王道といえるおつまみです。ぜひ召し上がってみてください。

↑「お新香」(左)「たらこ」(右)「にこごり」(奥)(各400円)

 

中村 あ、「たらこ」は軽く火が通っていてミディアムレアになってるんですね。絶妙な食感でうまみがギュッと詰まっている感じ。大根おろしのアクセントも素敵です! 「にこごり」は弾力があるけれど、歯切れがよくてさっぱりとした優しい味。からしをつけると味が引き締まってイイですね!

 

藤原 最後のシメに「すいとん」はいかがですか? 小麦粉を練って平べったくした団子のような生地を、つゆで煮た郷土料理です。

↑「すいとん」(450円)

 

中村 団子とも麺とも違う、ニョッキみたいな形なんですね。つゆを吸った、チュルッともちもち食感がいい! 甘辛いおつゆで、ほっこりした気分になります。

 

藤原 野菜がたっぷりで胃にも優しい。こういう気の利いたシメがあるのも下町大衆酒場の醍醐味ですね。小俣さん、こんな素晴らしいお店を守って頂いて、本当にありがとうございます。

 

小俣 いえいえ。こうして藤原さんが「酎ハイ街道」と名付けて盛り上げてくれたおかげです。遠方からお客様がいらっしゃることも増えて、とても感謝しています。再開発で昔の街の面影が失われていくのは寂しいですけど、これからもこの焼酎ハイボールの味を守りながら頑張っていきたいですね。

 

中村 小俣さん、藤原さん、今日はありがとうございました! やっぱり「酎ハイ街道」と「亀屋」に歴史ありですね。また勉強になりました!

撮影/我妻慶一

 

<取材協力>

亀屋

住所:東京都墨田区東向島5-42-11

営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30)

定休日:日曜、第2・第4月曜

※新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(現在はゴールデンウィーク明けまで休業中)。

※取材日:2021年4月2日

 

記事に登場したお酒の紹介はこちら▼

・宝焼酎

https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

 

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・第1回 【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

・第2回 【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

・第3回 【東京・大衆酒場の名店】伝説の「三祐酒場」で聞く「元祖焼酎ハイボール」発祥の噺

・番外編 大衆酒場の酎ハイに欠かせない「下町炭酸」を飲み比べる噺