入手困難だった伝説の学習マンガがついに復活! ──『できるできないのひみつ』

長いあいだ入手困難だった「学研ひみつシリーズ」の伝説級タイトルが、このたび復刊しました!

ブウドン ヤメレ食っちまうぞシーン

復刻版「できるできないのひみつ」が絶好調! 学習まんがのカリスマ・内山安二を知っているか?

SNSで話題になった「ブウドン」が登場しているシーンを中心に、本書の見どころを紹介します。

 

 

ガラスを溶かす薬品は、何に入れておくのか?

ふつうの薬品はガラスに入れておくけど、このフッ化水素は、ガラスびんには入れられない。

(『できるできないのひみつ』から引用)

 

一般的には、フッ化水素に耐性があるポリエチレン容器に入れて保管します。液体のフッ化水素(フッ酸)は、ガラスを侵すからです。フッ酸の性質を利用して、ガラスをくもらせたり目盛りを刻んだりする用途に使われます。


(出典:『できるできないのひみつ』)

ところで、何でも溶かしてしまう液体をご存じですか? それは「水」です。水は、肉眼では溶けているように見えなくても、地球上のさまざまな物質を溶かす性質があります。

 

 

何千度、何万度という温度をどうやってはかるのか?

色ではかることもできます。(中略)赤い色のときは約千度、黄色なら三千度、白い色は六千度、青白い色は一万八千度、といったぐあいです。

(『できるできないのひみつ』から引用)

 

鉄を溶かすためには約1500℃が必要です。そのために製鉄所では「光高温計」を使います。ちなみに超高温である太陽コロナは100万℃以上なので、光の色だけでなく科学計算によって温度を算出します。

 

(出典:『できるできないのひみつ』)

 

つぎに紹介するのは「人体の神秘」にまつわるお話です。

髪の毛でダンプカーをつり上げられるか?

かみの毛一本で、百グラムのおもりをつり下げられる。同じ太さのアサのせんいでは、二十グラムです。

(『できるできないのひみつ』から引用)

 

ヒトの髪の毛は、銅線に負けないほど強いものです。その性質は昔からよく知られており、京都にある東本願寺の太い柱を持ち上げるために、女性の髪と繊維をより合わせた毛綱を使いました。

(出典:『できるできないのひみつ』)

 

ヒトの頭髪は約8万本。1本あたりの耐荷重100グラム。つまり8トンに耐えられるので、理論値では小型ダンプカー(約8トン)の重さにも耐えられます。驚きの結果です。

 

 

人間は鳥のように飛ぶことができるか?

鳥のむねのきん肉は体重の約二十五パーセントもあります。このすごいきん肉の力で、はねを動かして飛ぶのです。

(『できるできないのひみつ』から引用)

ちなみに人間の「むね肉」は全体重の約1パーセントです。もしもヒトの大胸筋を全体重の25%になるまで鍛えたら ──

(出典:『できるできないのひみつ』)

 

イラストでわかりやすく解説している『学研まんが ひみつシリーズ できるできないのひみつ』は、読み返すたびに新たな発見がある一冊です。お試しください。

 

【書籍紹介】

学研まんがひみつシリーズ できるできないのひみつ

著者:内山安二
発行:学研プラス

1972年に創刊され、今でも根強い人気の「初代ひみつシリーズ」が、40年振りに電子書籍で復活!第一弾は内山安二先生の「できるできないのひみつ」。まんが本文のほか、この話のもととなった「5年の科学」連載のまんがも「特別ふろく」として収録。

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復刻版「できるできないのひみつ」が絶好調! 学習まんがのカリスマ・内山安二を知っているか?

学研の学年誌「科学と学習」に連載されていたまんがや、70〜80年代に多くの小学生を虜にした学習まんが「ひみつシリーズ」。

 

これらを電子復刻するプロジェクト「もう一度見たい! あのころの学研」シリーズが2018年6月から刊行されている。ラインナップの第1弾を飾った「できるできないのひみつ」は、初版が40年以上前の本であるにも関わらず、復刻から2か月経った 2018年8月4日の「Amazon売れ筋ランキング」電子書籍の学習まんが部門において1位を獲得するなど話題を呼んでいる。

 

↑『できるできないのひみつ』の初版は1976年。42年前の本が話題になった!

 

この「できるできないのひみつ」の作者は、60年代から80年代にかけて、とくに学習まんがのジャンルで活躍した漫画家・内山安二氏。

 

その名前にピンとこなくても、内山氏の描く元気いっぱいの少年キャラや、にぎやかな動物キャラたちが、ドタバタと活躍する学習まんがの数々をよく覚えているという方も多いのではないだろうか。

 

それもそのはず、学年誌「科学と学習」が12誌合算で670万部発行という最盛期を迎えた1980年前後、内山氏は「科学」において全学年連載、並行して「学習」でも数々の作品を執筆。また、小学校の図書室などにはたいてい置かれていた「ひみつシリーズ」などにも多くの作品を残している。当時の小学生が日常で内山氏の絵を目にしている機会はたいへん多かったはずだからだ。

 

↑当時、内山キャラたちを目にしたことのある人は多いだろう

 

〝学習まんがの大看板作家〟内山氏ではあるが、週刊や月刊の少年まんが誌ではなく、小学生が読む学習まんがという限られたジャンルで活躍していたため、その略歴については、あまりふれられることはなかった(本人もあまり表には出していない)。そこで、簡単にではあるが、ここで見てみよう。

 

内山氏は1935年、熊本県に生まれた。中学生のころからまんがの楽しさに目覚め、当時のまんが好きの少年たちから作品を公募していた雑誌『漫画少年』に投稿、たびたび入賞を果たす(なお、「漫画少年」公募の入賞常連には、石ノ森章太郎氏ら「トキワ荘」の漫画家たちもいる。つまり内山氏も彼らと同世代の漫画家だ)。

 

1954年、毎日新聞西部本社(福岡県)に入社。毎日小学生新聞編集部でイラストや、ニュースを小学生にもわかりやすく伝える学習まんがの執筆を担当した。ここから氏の漫画家人生、そして学習まんがが始まった。

 

ちなみにこのころ、同新聞で連載をもっていた3歳年下の松本零士氏と出会い、その友情は生涯続く。

 

その後、毎日新聞社を退社すると、プロ漫画家として、「毎日小学生新聞」のほかに、学研の「科学と学習」などの児童書に活躍の場を広げていった。

 

また、1981年には、学習まんがの質の向上をはかる「LAC(Learn Assistance Cartoon)の会」を結成。これは、学習まんがの創始者とされる秋玲二氏の発案で内山氏が中心となった、学習まんがを描く漫画家たちの集まりだ。80年代に学習まんがのシリーズ単行本が各出版社から発行され、名作も多く生まれたが、その背景には「LACの会」の影響もあっただろう。

 

内山氏は〝学習まんがの立役者〟とも呼ばれるのだが、それはこうした活動の実績によるものだ。

 

↑LACの会結成時の会員名簿

 

その後、財団法人経済調査会の「土木工事の積算」など、大人向けの専門性の高い学習まんがの分野でも執筆。また、闘病をきっかけに日本オストミー協会からまんが集「ストーマ人生を歩き出して」を発行するなど、児童向け学習まんが以外でも作品を残した。
もちろん、2002年に亡くなるまで、児童向け学習まんがの執筆も継続。子どもたちの成長に寄り添うあたたかい作風は、生涯を通じて変わることはなかった。

 

↑専門性の高い大人向け学習まんが

 

内山氏は学習誌を主戦場にしていたこともあり、週刊誌と比べればその認知度が低いことを認めていた。「一度くらいは週刊少年誌なんかでメジャーなキャラを世に出したかった」と、息子でありイラストレーターのうちやまだいすけ氏に本音を語ったこともあった。

 

しかし、日のあたりにくい学習まんがにあっても、内山氏の残したキャラたちは、読者の心にまちがいなく残っている。冒頭でも触れた「できるできないのひみつ」の復刻が好調なセールスを記録し、また、学研のアカウントから発信された「デキッコナイス」「ヤメレ食っちまうぞ」などの内山ギャグが、SNS上で飛び交ったことは、その証左ではないだろうか。

 

↑内山ギャグの定番のひとつ、「ヤメレ食っちまうぞ」

 

「もう一度見たい! あのころの学研」シリーズでは、内山氏の作品のうち、「できるできないのひみつ」と「コロ助の科学質問箱」が刊行済みで、9/27に「科学物知り百科」が刊行予定。さらに「ひみつシリーズ」作品だけでなく、「科学と学習」連載作品も「内山安二コレクション」として随時、刊行される予定だ。あのころ出会った作品に、あなたももう一度再会していただきたい。

 

もう一度見たい!あのころの学研シリーズ購入ページ

https://amzn.to/2CM6O0T

 

 

↑既に刊行されている「コロ助の科学質問箱」「内山安二コレクション」1巻と2巻

 

そして内山ファンは、今後の刊行予定に「チューいせよ!」

 

文=こざきゆう 監修=内山大助

【自由研究業界の救世主】「まんがでよくわかる ひみつシリーズ」は無料で読めて使える

学研プラスの「まんがでよくわかる ひみつシリーズ」。食品や工業製品に職業、果ては自治体まで、様々な「ひみつ」についてまんがでわかりやすく解説したこのシリーズ、じつはインターネットがあれば無料で読めることを知っていますか? 2学期開始直前、まだ自由研究に手がついていないという方々のために、いくつか紹介していきましょう。

 

 

トンネルのひみつ

日本のトンネル技術は世界一ィィィ! あなたの知らないトンネルの世界――『トンネルのひみつ』>では「トンネルのひみつ」の中から、世界のトップレベルにある日本のシールド工法について紹介しています。

 

トンネルには大きく分けると、地中に掘るトンネルと、山の中に穴を開けるトンネルがある。日本は、地盤が柔らかいために地中のトンネルを掘るのが難しく、大きな事故も起きている。

しかし、現在の日本のトンネルの技術は世界でもトップレベルと言われている。特に、地中トンネルを掘るための「シールド工法」は、海外でも採用され、世界一の長さを誇る海底トンネル「英仏海峡トンネル」にも、日本のシールド工法およびシールドマシンが用いられている。

 

そのほかにも、いろいろな工法の紹介など「トンネルのひみつ」を読めば、いままで気になっていたトンネルについての疑問が解決するはずです。

 

トンネルのひみつ」 https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405916936/

 

 

お化粧のひみつ

そもそも人間はなぜ化粧をするようになったのでしょうか?

 

古代エジプト人は目のまわりに黒いふちを描いていましたが、これには2つの意味があったといいます。1つ目は太陽の光の反射を少しでも防ぐためで、現在、スポーツ選手が目のしたに“アイブラック”を入れているのと同じ。

 

そして、もうひとつの理由は信仰のため。古代エジプト人は「太陽は神さまのシンボル」と考えていて、その太陽が人の体の中では「目」にあたり、目には神さまが宿っていると信じていたのです。だから目を大切にし、まわりを黒くぬっていたようです。

 

ビジネスシーンでは男性も化粧が不可欠? 歴史からひも解くメイクの意味>で紹介した「お化粧のひみつ」ではこのような歴史から、化粧品はどうやって作られるのか? メイクアップ・アーティストの仕事とは? そして、どうしたらメーキャップアップアーティストになれるのか? まで興味深い内容が満載です。

 

「お化粧のひみつ」https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405914958/

 

 

歯ブラシづくりのひみつ

歯ブラシは決まったものを使っているよ! という方も多いかもしれませんが、選ぶ基準は人それぞれ。では、「やわらかめ」「ふつう」「かため」は、どういう基準で決められているかってご存知ですか? <歯ブラシが一番売れるのは12月! あなたの歯ブラシは、かため? ふつう? やわらかめ?>で紹介した「歯ブラシづくりのひみつ」によると

 

歯ブラシのヘッド部分の穴の大きさは「かため」も「やわらかめ」も同じ。毛のかたさは、穴に植える毛の太さを変えて調節しています。小さな力でも曲がりやすい細い毛を植えるとやわらかめに、曲がりにくい太い毛を植えると「かため」になるとのこと。

 

知っているようで知らない歯ブラシについて「歯ブラシづくりのひみつ」を読んで調べてみてはどうでしょう。

 

「歯ブラシづくりのひみつ」https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405915805/

 

 

いなり寿司のひみつ

なぜ「いなり」が、油揚げのことを指すのでしょうか? いなり寿司の語源は、稲荷信仰に関わりがあると言われています。稲荷神社は、日本全国の神社のうち3割以上を占めており、まつられているのは「五穀豊穣の神さま」です。その使いであるキツネの好きなものが「油揚げ」だと信じられているから……という説があります。

 

いなり寿司がすぐできる! キミは「味付けいなり揚げ」の存在を知っているか?――『いなり寿司のひみつ』>で紹介している「いなり寿司のひみつ」には、いなり寿司の由来から、地方ごとのいなり寿司の形や具材の違いなども解説されています。

 

たとえば、酢飯の味付け。関東は「白い酢飯」ですが、関西は「五目ちらし酢飯」を詰めます。東北地方の青森県では、紅しょうがで味付けした飯を詰める「ピンクいなり寿司」が有名です。地域によっては、米飯を詰めるとは限りません。代わりに「おから」を詰めるところもあれば、お蕎麦やソーメンを詰めるところもあります。

 

歴史や地方ごとの特色を調べつつ、自分で作ってみると幅の広い研究になるかもしれません。

 

「いなり寿司のひみつ」https://bpub.jp/bookbeyond/item/000405916999/

 

 

「学研のまんがでよくわかる! ひみつシリーズ」

日本のトンネル技術は世界一ィィィ! あなたの知らないトンネルの世界――『トンネルのひみつ』

我々の生活のなかに浸透している「トンネル」。高速道路や新幹線などを利用すると、かなり多くのトンネルがあることに気づくだろう。

 

日本は、現在世界でも有数のトンネル技術を有している。日本は地盤が柔らかいところが多いため、なかなか効率よくトンネルが作れなかったようだ。

 

Shutterstock.com

 

日本はシールド工法の先進国

トンネルには大きく分けると、地中に掘るトンネルと、山の中に穴を開けるトンネルがある。日本は、地盤が柔らかいために地中のトンネルを掘るのが難しく、大きな事故も起きている。

 

しかし、現在の日本のトンネルの技術は世界でもトップレベルと言われている。特に、地中トンネルを掘るための「シールド工法」は、海外でも採用され、世界一の長さを誇る海底トンネル「英仏海峡トンネル」にも、日本のシールド工法およびシールドマシンが用いられている。

 

 

シールド工法のヒントはフナクイムシにあり

そんなシールド工法だが、考案をしたのはフランス人のブルネルというトンネル技師。1818年に特許を取得している。ブルネルは、とある二枚貝の生態からシールド工法を思いついたらしい。『トンネルのひみつ』(田川滋・漫画/YHB編集企画・構成/学研プラス・刊)によると、こう書かれている。

 

この方法を考えたのは、フランス人のブルネルという技師で、ブルネルは船の木材を食べて、そのあなにすむフナクイムシを見て、シールド工法を思いついたといわれているんだ。

(『トンネルのひみつ』より引用)

 

フナクイムシとは二枚貝の一種で、木材を食べて穴を掘り進めながら、自らの体液で穴の壁に膜を作り、穴を丈夫に保つ。それを応用したのがシールド工法なのだ。

 

 

世界一長い海底トンネルは4年で完成

ちなみに、日本の青函トンネル(全長53.85km、海底部23.3km)は開通までに調査を含め42年、工事だけでも24年かかっている。4度の異常出水が主な原因だ。

 

一方、海底部の総距離で世界一の長さを持つ英仏海峡トンネル(全長50.49km、海底部37.9km)は、工事期間は4年。海底の地盤が固かったため、かなり効率よく掘り進めることができたようだ。

 

トンネルを作るためには、技術だけではなく、地盤はとても重要であるということがよくわかる事例と言える。

 

 

トンネルの歴史を知ればイライラも減るかも?

現在日本、特に東京では、鉄道や高速道路を地下に建設するという流れになっている。我々は便利になっていいねと感じるだけかもしれないが、日本でスムーズにトンネルを作るというのは、実はかなり困難なことなのだ。長い間かけて、先人が築き上げた技術があってこそ、数々のトンネルが作られている。

 

そう考えると、普段の生活で何気なく使っているトンネルや地下道も、特別なものに感じられる。高速道路では渋滞スポットになっているところもあるが、トンネルの歴史や工法などに思いを馳せれば、イライラも解消されるかもしれない。

 

【書籍紹介】

トンネルのひみつ

著者:田川滋(漫画)、YHB編集企画(構成)
発行:学研プラス

トンネルには、山のトンネルや街のトンネルなど、いろんな種類があることを知ってる? みんなの暮らしを便利にしてくれるトンネルは、どんな機械を使って、どうやってつくるんだろう? この本を読めば、今まで知らなかったトンネルのことがよくわかるよ。

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あなたの1冊もよみがえる? 学研の学習まんが「ひみつシリーズ」などが電子書籍で復刻スタート!

1970年代から1980年代にかけて、子どもたちの定番の読み物として人気を博した「科学と学習」や「ひみつシリーズ」。小学生のころ、読んでいたという方も多いのではないでしょうか?

 

そんな、懐かしの学習まんがの数々が「もう一度見たい! あのころの学研」シリーズとして、電子版で復活しました!

 

最盛期は670万部発行の「学習」と「科学」

「科学と学習」は小学生向けに学年ごとに発刊されていた学年誌で、「学習」は1946年に、「科学」は1963年に創刊。各号にはそれぞれの学年に合わせた学習や実験ができる付録が毎月付いていていました。これが当時の子どもたちの心を捉え、最盛期の1979年には「科学」と「学習」12誌合算で、1か月に670万部発行という記録をうち立て、2010年の休刊まで60年以上にわたり発刊されました。

 

シリーズ累計2300万部! 親子2代で愛される「ひみつシリーズ」

「ひみつシリーズ」は、小学生の関心あるテーマや疑問を、まんがと図解イラストでわかりやすく解説した学習児童書で、1972年に刊行が始まりました。当時の社会はまんが自体に否定的な意見が多かったのですが、学習まんがということから親にも受け入れられ、読者である子供たちからも熱い支持を集めました。「ひみつシリーズ」は全76タイトルが発売、2003年から「新・ひみつシリーズ」に引き継がれ、累計発行部数は2300万部を突破。親子2代で愛されるシリーズとなっています。

 

 

人気作や幻の作品も「もう一度見たい! あのころの学研」で続々復刻!

「もう一度見たい! あのころの学研」は、人気がピークにあった1970年代の「科学と学習」で連載されていた学習まんがを中心に、同時期に刊行されていた「ひみつシリーズ」なども含め、順次復刻を目指す電子書籍シリーズです。

 

第1弾はひみつシリーズから、学級文庫などでも長年愛された「できるできないのひみつ」と、〝学習まんがの立役者〟内山安二先生が1976~1977年の「5年の科学」に連載していた学習まんがを1冊にまとめた「内山安二コレクション1」の2冊。

 

「科学と学習」の学習まんが作品や「ひみつシリーズ」に限らず、作品によっては関連する「おまけコンテンツ」も収録。さらにさらに、まんが以外にも、懐かしのシリーズ単行本や幻の作品なども配信予定とのことなので期待は高まるばかり。「もう一度見たい! あのころの学研」シリーズ、要チェックです!

 

 

 

【書籍紹介】

内山安二 学研まんがコレクション①

著者:内山安二
掲載作品:①『量貫さんと弟子立太とそのなかまたちの物語』/②『不思議な国の元照さん』
掲載期間・媒体:①=「5年の科学」(1976)/②=「5年の科学」(1977)
おまけコンテンツ:5年の科学「編集部日記」(1976)

内容紹介:懐かしの学習まんがの電子復刻シリーズ「もう一度見たい!あのころの学研」シリーズ第一弾。1976年、77年の「5年の科学」に連載された、内山安二先生の「量貫さんと弟子立太」「不思議な国の元照さん」の二本立て!ほか貴重なイラストページも収録しています。

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学研まんが ひみつシリーズ できる・できないのひみつ

監修:佐々木宗雄 漫画:内山安二
初刷発行:1976年3月10日
おまけコンテンツ:『玄海とイドムンコスキー』第1話(著:内山安二「5年の科学」(1974))

内容紹介:懐かしの学習まんがの電子復刻シリーズ「もう一度見たい!あのころの学研」シリーズ第一弾。なにかというと“できっこないす”と言うデキッコナイスも健在です。まんが本文のほか、この話のもととなった「5年の科学」連載のまんが「玄海とイドムンコスキー」も「特別ふろく」として収録しています。

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「ファッションビルのひみつ」――日本で初めてルイ・ヴィトンを買ったのは板垣退助!

今年は明治維新150周年の節目の年です。幕末~明治時代には、現代の私たちの生活に身近なものがたくさん発明されたり、広まったりしています。

 

 

例えば、牛丼やあんパンなどの食べ物は、明治時代に生まれた和洋折衷の食べ物の代表です。そして、明治時代は都市の人々の間では洋服が流行するなど、ファッションの西洋化が大きく進んだ時代でもあるのです。

 

龍馬のファッションセンスは凄い

ファッションビルのひみつ」(まさやようこ他・著/学研プラス・刊)には、ファッションに関する雑学が満載です。なかなかマニアックな豆知識が紹介されていますが、本書や最近の話題の中から、明治維新に関するファッションのお話をいくつか紹介してみたいと思います。

 

幕末に活躍した維新志士と言えば、新しい時代を切り開くため、強い志を持って集まった若者たちです。そんな幕末のヒーローたちは、意外にもおしゃれ好きでした。

 

坂本龍馬はブーツを愛用していました。しかも、ブーツを履き、写真まで撮影しているのです。誰もが知る、有名な龍馬の写真がそれです。よく見ると、はかま姿でブーツを履いているのがわかります。和服にブーツを合わせるなんて、龍馬のファッションへのこだわりもなかなかのものです。

 

 

幕末に日本に伝わったネクタイ

クールビズがどんなに盛んになっても、ビジネスパーソンに必携なファッションアイテムと言えば、ネクタイですよね。初めて日本に伝わったのも、幕末の頃です。日本に持ち帰ったのは、ジョン万次郎といわれています。

 

漁師だった万次郎は、漁をしているときに遭難してしまい、アメリカの船に助けられました。彼はそのままアメリカへと渡り、10年間を異国の地で過ごして、1851年にようやく日本に帰国するのです。

 

その帰国時の所持品のなかに、ネクタイが3個あったと伝わっているのです。万次郎はその後、通訳者として活躍し、海外の文化を日本に紹介する橋渡し役をしたのです。

 

 

ルイ・ヴィトンの日本初の愛用者は?

電車に乗っていると、見かけないことはないルイ・ヴィトンのバッグ。では、ヴィトンの製品を、日本で初めて所有したのは誰か、ご存じですか?

 

その人物は、板垣退助といわれています。教科書でお馴染みの、白いおひげが立派な人物です。これまでは、土佐藩出身の後藤象二郎とする説が有力でしたが、板垣は後藤よりも3週間早く、ヴィトンのトランクを買ったことが顧客名簿からわかっています。

 

板垣が愛用したヴィトンのトランクは現存しています。当時はまだ、今のようなファッションブランドというよりは、旅行鞄メーカーとして有名だったヴィトンですが、それを選んだ板垣の目は確かなものだったといえるでしょう。

 

 

大久保利通は写真とファッションが大好き

最後に、写真の話題を紹介します。西郷隆盛は写真が大嫌いで、写真がいまだに発見されていません。一方で、大久保利通は大の写真好きで、その数たるや維新志士の中でもトップクラスの量が残っています。

 

大久保の写真は、はかま姿だったり、蝶ネクタイでびしっと決めたものまで、服装だけでもいろいろあります。相当のファッション好きで、新しいもの好きだったといえます。

 

明治維新で活躍した人々の多くは20~30歳の若者でした。「ファッションビルのひみつ」で紹介されている「ルミネ」などのファッションビルに集まる人々と、年齢層が同じといえます。時代は変われど、そしてどんな動乱の時代であっても、やはり若者はファッションが大好きなのです。

 

 

【書籍紹介】

ファッションビルのひみつ

著者:まさやようこ(イラスト)、WILLこども知育研究所(構成/文)
発行:学研プラス

洋服のショップや、カフェ、書店などいろいろなショップがはいっているファッションビル。そこにはお客さまが心地よく買い物ができる工夫や、おもてなしがいっぱい! そんなファッションビルで働く人たちは、どんな仕事をしているのかな? さあ、探ってみよう!

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「富山県のひみつ」――GWの計画にも最適! 13の鉄軌道に乗って富山を味わい尽くせ

富山県といえば、黒部ダム、おわら風の盆、世界遺産の五箇山合掌造り集落などの観光で有名です。ほかにも、富山の薬は全国的に知られている産業ですし、ほたるいか、ますの寿司などで有名な日本有数の美食の宝庫でもあります。

 

富山県は奥深い県ですが、実は、鉄道ファン垂涎の、ローカル線の宝庫でもあるのです。

 

鉄道ファンのお父さんも絶賛!

おなじみの学研“ひみつシリーズ”の「富山県のひみつ」(松本義弘ほか著/学研プラス・刊)は、主人公のタクヤくんのお父さんが鉄道ファンで、写真好きという設定です。

 

マニアックなお父さん曰く、富山県にはなんと“13”もの鉄道や軌道があるので、“鉄軌道王国”と言われているのだそうです。そんなお父さんに乗せられて、タクヤくんは富山の鉄道について調べて、学校で発表しました。

 

その後、富山県に興味がわいてきたタクヤくん。なんと、富山から転校してきたガールフレンドと一緒に(お父さんも同伴で)富山県を旅することになるという、なかなか強引かつ楽しい内容です。本書では、なんと親子で富山のローカル線をほぼ乗りつくしています。その中から、ぜひ乗ってみたいローカル線を紹介しましょう。

 

 

絶景の連続、黒部峡谷鉄道

富山県は北陸新幹線が開業して、首都圏からグッと近くなりました。東京~富山駅間は最速の「かがやき」に乗ると、2時間あまりで行くことができます。

 

富山駅の手前にある黒部宇奈月温泉駅からは、黒部峡谷鉄道の宇奈月駅に乗り換えることができます。黒部峡谷鉄道は、富山を訪れたらぜひ乗りたいローカル線の筆頭でしょう。もともと電力会社が水力発電の電源開発のために建設された鉄道なのですが、日本三大峡谷のひとつである黒部峡谷の絶景を楽しめるとあって、家族連れにも大人気です。

 

宇奈月~欅平駅の全区間が絶景スポットの連続。窓がないトロッコ列車に乗って眺める景色は格別です。特に、宇奈月駅を発って程なく渡る真っ赤な新山彦橋から見えるは、黒部川を跨ぐ景色はインスタ映えすること間違いなし!

 

 

あの人気キャラとコラボ! JR氷見線と万葉線

さらに、見逃せないのが高岡駅から伸びているJR氷見線です。越中国分~雨晴間は、線路が浜辺すれすれの場所を通る区間があり、雨晴海岸の絶景を望むことができるのです。ここも、インスタによく投稿される絶景ポイントです。

 

タクヤくんのお父さんも車窓に大興奮。曰く「海越しに立山連峰が見える、有名な撮影スポット」なのだとか。雨晴海岸は、雨晴駅から徒歩で5分ほど。途中下車するにはもってこいですね。

 

富山県といえば、漫画界の巨匠である藤子不二雄A氏と藤子・F・不二雄氏の故郷です。氷見線と城端線には“ハットリくん列車”が、万葉線には“ドラえもんトラム”が走っています。こちらも、親子で乗っても楽しめますね。

 

 

親子で富山県の鉄道に乗ろう

本書はいたるところに鉄道の情報が散りばめられています。例えば、富山地方鉄道には西武鉄道の特急電車「レッドアロー号」で使われていた車両が走っているなど、濃い知識が満載です。

 

本書は、どう考えても鉄道ファンの編集者が作ったとしか思えないほど、誌面の多くが鉄道の紹介に割かれています(笑)。「富山県のひみつ」というより、「富山県の鉄道のひみつ」でもよかった気がしますが、こういう本、ステキです。

 

もうすぐゴールデンウィーク。親子の絆が深まり、お父さんも大満足間違いなしの富山県の鉄道の旅、おすすめですよ!

 

 

【書籍紹介】

富山県のひみつ

著者:松本義弘(構成)、谷豊(漫画)、藤子不二雄A(キャラクター)
発行:学研プラス

富山湾と山々に囲まれて、豊かな自然とおいしい水、お米、お魚がいっぱいの富山県。実は〝鉄軌道王国″といわれるほど鉄道や路面電車があるんだ。富山のすばらしい歴史や文化・産業にも出会いながら、君のお気に入りの〝ひみつ″をこの本から見つけてね。

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ビジネスシーンでは男性も化粧が不可欠? 歴史からひも解くメイクの意味

メイクアップの効果はすごいものだと思う。先日、第90回アカデミー賞で日本人メイクアップ・アーティストの辻一弘氏がメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。

 

かつて『ベンジャミン・バトンの数奇な生涯』では、老人として生まれ新生児として死んでいくベンジャミンを演じたブラッド・ピットのメイクでの変身ぶりにとても驚いたが、これも辻氏の手によるものだった。そして、今回は『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』で、ゲイリー・オールドマンをチャーチル首相そっくりに変身させた。特殊メイクには見えない、自然な仕上がりの特殊メイクをつくり出せる辻氏の技術は本当にすばらしいものだ。

 

 

ビジネスシーンでは化粧が不可欠

さて、世界をリードする政治家や経済界の大物たちが人前に出るときは血色よく、生き生きとして見えるようにメイクアップをしているのをご存じだろうか? もし、彼らが寝不足の青白い顔をして現れたら、まわりに好印象を与えることもできず、また、発言の説得力も半減してしまうだろう。

 

女性は身だしなみとして化粧をする習慣があるが、ビジネスシーンで成功したいなら男性も化粧をすべきかもしれない。顔にアイシャドウや口紅など色物をのせるだけが化粧ではない。肌をきれいに保つこと、眉の形を整えて印象をよりよくするなど、自然に見え、好感度をアップする化粧技をぜひ覚えたいものだ。

 

お化粧のひみつ』(宮原美香・漫画、清水めぐみ・シナリオ/学研プラス・刊)は、なぜ化粧をするのか?からはじまり、化粧の力のすべてを教えてくれる一冊なので、ぜひ読んでみてほしい。

 

 

化粧のはじまりは信仰や魔よけだった

そもそも人間はなぜ化粧をするようになったのだろう? 古代エジプト人は目のまわりに黒いふちを描いていたが、これには2つの意味があったという。1つ目は太陽の光の反射を少しでも防ぐためで、現在、スポーツ選手が目のしたに“アイブラック”を入れているのと同じだ。そして、もうひとつの理由は信仰のため。

 

古代エジプト人は「太陽は神さまのシンボル」と考えていて、その太陽が人の体の中では「目」にあたり、目には神さまが宿っていると信じていたのよ。だから目を大切にし、まわりを黒くぬっていたらしいの。

(『お化粧のひみつ』から引用)

 

また、口紅の色に赤が多いのにも理由があり、赤は魔よけの色としてよく使われていたそうだ。誰かのねたみや恨みのこもった視線が災いを招くという考え方は世界中にあり、その視線は目、鼻、口から入ってくると言われていた。

 

そこで、そんな悪い視線が入らないように、まよけの赤を顔や目のまわりにぬったり、口紅としてぬって…(中略)当時のお化粧は、まよけをして病気や死を防ぐためのものだったんだね。

(『お化粧のひみつ』から引用)

 

昔は黒い歯が美しかった

日本の化粧のはじまりは3世紀後半で、古墳時代の土偶や埴輪には赤い顔料が塗られていたそうだ。日本の昔のお化粧でもっとも有名なのが“お歯黒”。平安時代の貴族からはじまった化粧で男女を問わず、成人した日から死ぬときまで歯を真っ黒に染めていた。武士の時代は主君に仕える忠誠心、あるいは結婚している証としてお歯黒をし、当時はそれが美しいとされていたそうだ。

 

昔は化粧は男女の区別なく行われていて、むしろ男性のほうが熱心だったようだ。

 

戦いなどで死んだときの顔や姿が美しく、家のはじにならないことが武士のお化粧では重要で、うっすらとおしろいと口紅をつけて兜には香をしみこませて戦いに出たのよ。

(『お化粧のひみつ』から引用)

 

美の基準は時代によって移り変わるけれども、いつもお化粧をして清潔に、そして自分を美しく見せる努力を怠ってはいけないということだ。

 

 

お化粧の第一歩は“洗顔”と“洗髪”

素肌が清潔で美しければ、それだけで魅力度はアップする。ところが、テカテカとあぶらが浮いた肌、ニキビや吹き出物ができた肌、あるいはその反対で乾燥してカサカサした肌など、悩みは尽きない。皮膚は真皮と表皮でできているが、さまざまな皮膚トラブルは表皮のターンオーバーが外的刺激でうまくいかなくなってしまうことで起きるのだ。

 

角質は表皮のいちばん下の層で生まれていちばん上の層までだんだんおし上げられたもので、最後はアカやフケとなってはがれ落ちていきます。生まれてからはがれ落ちるまでだいたい6週間くらいです。このターンオーバーといわれるしくみのおかげで肌はいつでも健康な状態が保たれています。(中略)乾燥したりしげきを受けると早くダメージを治そうとして大急ぎでターンオーバーが行われるので、不完全な角質ができてしまいます。不完全な角質は十分に機能しないので、体内の水分がにげてしまったり、細菌の侵入を許したりして肌があれてしまうのです。

(『お化粧のひみつ』から引用)

 

これらを解決のするのがスキンケアで、これは男女を問わず、毎日徹底して行いたいものだ。本書ではスキンケアの基本となる洗顔料を使った正しい洗顔法、さらには、清潔で健やかな髪を保つ洗髪法もイラストつきでわかりやすく解説している。

 

さらに、化粧品はどうやって作られるのか? メイクアップ・アーティストの仕事とは? そして、どうしたらメーキャップアップアーティストになれるのか? など興味深い内容も満載だ。

 

 

【著書紹介】

お化粧のひみつ

著者:宮原美香(漫画)、清水めぐみ(構成)
発行:学研プラス

人を美しくしてくれるお化粧。お化粧は大人がするものだと思っていないかな?実は君たちがしている、顔を洗うことや、リップクリームをぬることもお化粧のひとつなんだよ。清潔にすることは気持ちがいいよね。これを読めば、お化粧のひみつがよく分かるよ。

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もしもの時の食糧は「ローリングストック法」で蓄えるべし!

東日本大震災から7年が経過した。あのときの怖さは、忘れることはない。

 

マンションの10階から、小さなハムスターをゲージに入れて、階段で1階まで降りている途中に、何度も余震が来た。そのとき、同じマンションにいるかなり高齢のおじいちゃんが、普通にゴミ袋を持って階段を降りていくのにも驚いた。

 

我が家の食料備蓄は乏しい

震災直後は、近所のスーパーやコンビニでは、ほとんど物が置いていなかった。幸い我が家は、水が止まったりすることはなかったため、なんとか生活をすることはできた。

 

食べ物もあることはあったが、すぐに底を尽きてしまった。買い物に行くものの、ほとんど何も買うことができない。米だけはあったのでなんとかなったが、このときはさすがに「備蓄」という言葉が頭をよぎった。

 

その後、なんとなく缶詰やレトルト食品、ペットボトルの水などを家に常備するようにはしているが、本格的な備蓄をしているとは言いがたい。

 

 

食料備蓄に適しているフリーズドライ食品

そんなことを考えているとき、『フリーズドライのひみつ』(山口育孝・イラスト/学研プラス・刊)という本に、災害に備えた食料備蓄について記載があった。

 

本書は、お湯をかけるだけで食べられる「フリーズドライ」の食品の秘密に迫るマンガ。手軽に本格的な料理が食べられるため、宇宙食や非常食としてもフリーズドライ食品が使われているということが載っていた。

 

僕はあまりフリーズドライの食品を食べない。カップラーメンに入っているかやくなどはフリーズドライだが、それくらいだろうか。なので、あまりフリーズドライ食品になじみがなかった。しかし、非常食としてはとても素晴らしいものらしい。携帯性に優れ、保存期間が長い。その上、お湯や水をかけるだけで食べられる。日常の食事にもいいかもしれない。そして、フリーズドライ食品を備蓄するのにとてもよい方法があるのだ。

 

 

新しい食料備蓄の方法「ローリングストック法」とは?

食料備蓄の方法として紹介されているのが「ローリングストック法」だ。『フリーズドライのひみつ』に「食べながら災害に備える、ローリングストック法」というコラムがある。これは「食べながら備える」という新しい食料備蓄の考え方。基本的には以下のようなものだ。

 

 

フリーズドライ食品を朝昼晩の3日分(9食事分)、いつも家や会社に備えておいて、1ヶ月に1回「非常食を食べる日」を決め、食べた分を買いたすんだ。

(『フリーズドライのひみつ』より引用)

 

もちろん、食べるのは賞味期限が近いものから。フリーズドライ食品の賞味期限は、だいたい1年くらい。長いものなら3年以上というものもあるようだ。この方法なら、いつも賞味期限内の保存食を手元に置いておけるし、1ヶ月に1回、いざというときの備蓄や水などの災害グッズの点検もできる。なかなか理にかなっている。

 

 

いざというときのためにフリーズドライ食品を買っておこう

フリーズドライ食品は、みそ汁やスープ、雑炊といったものが思い浮かぶが、最近ではそれ以外にもビーフシチューやクリームパスタ、カレー、親子丼やカツ煮などもある。また、フリーズドライビーフというものもある。生の肉に3分の1の重さになり、水に戻すと肉になるという。北極を目指す冒険家が実際に食べていたそうだ。

 

これまで、あまり手にしなかったフリーズドライ食品だが、なんだか興味が沸いてきた。保存食として買っておこうと思う。ただ、買っておくとついつい食べてしまいそうなので、僕のローリングストック法は、ものすごいペースで食品の入れ替えが行われる可能性が高い。

 

【著書紹介】

 

フリーズドライのひみつ

著者:山口育孝(イラスト)、YHB編集企画(イラスト)
発行:学研プラス

食べ物を調理して加工する方法のうちの1つ、フリーズドライは、食べ物を凍らせて乾燥させる方法。食材の色や風味、栄養価の変化が少なく、長期保存もできるから災害のときの非常食にもなるんだって。この本を読めば、フリーズドライのことがよくわかるよ!
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「焼売」はシューマイ。では、新聞社で有名な「読売」の由来は? 意外に知らないことが多い『新聞のひみつ』

普段は「新聞なんて読まない」という人も、オリンピックや社会的大事件の情報をくわしく知りたいときには、コンビニやキヨスクで買ってしまうものです。

 

ネットニュース全盛の時代にもかかわらず、新聞を求める人は少なくありません。なぜでしょうか? 『新聞のひみつ』(ひろゆうこ・著、青木萌・イラスト/学研プラス・刊)という学習まんがを紹介します。
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新聞の歴史

江戸時代の後期、「かわら版」と呼ばれる世の中の出来事を書いた刷りものが誕生しました。
(中略)
その「かわら版」は、内容の一部を節をつけて読みながら売り歩くことから「読み売り」ともいわれていました。これが日本の新聞のはじまりです。

(『新聞のひみつ』から引用)

 

有名な『讀賣(読売)新聞』は1874(明治7)年に創刊しました。「読みながら売る」という名前のとおり、口語体(はなしことば)と漢字の読み(ふりがな)を使った紙面づくりが、当時は画期的だったそうです。

 

新聞といえば「日刊」が当たりまえですが、はじめの読売新聞は「1日おきの隔日紙」でした。ちなみに、日本初の日刊紙は、1871(明治3)年創刊の『横浜毎日新聞』です。新聞にゆかりがある土地柄なので、神奈川県横浜市には『日本新聞博物館』があります。

 

 

紙面づくりの流れ

新聞記者がおこなった情報収集や取材をもとに、紙面の制作がはじまります。

 

【編集会議】
各部のデスクが集まり、その日の1面にのせる記事や紙面の方向性を決めていきます。

【編成】
コンピューターで記事や写真のレイアウトを決めます。

【校閲】
でき上がった記事の文字や文章の間違いを正し、紙面をチェックしてきます。

(『新聞のひみつ』から引用)

 

「デスク」は役職名です。政治部や社会部など、各部門をまとめる責任者です。掲載するニュース選びや記事の品質に対して大きな責任を負っています。

 

編成部では、新聞コンテンツのレイアウト(位置決め)をおこないます。新聞紙サイズの白紙に向かい、専用の定規をつかって、紙面をデザインする仕事です。

 

突然ですが……新聞クイズ! 新聞紙の「見出し」は、誰が考えているのか知っていますか?

 

 

「見出し」を考えているのは……

じつは、見出し(記事タイトル)を考えているのは記者……ではなくて「編成部」です。実際に、ある日の読売新聞の見出しを、いくつか引用します。

 

【1面】
女子追い抜き「金」

【総合面】
米朝会談 北が断る

【政治面】
民事裁判 ネットで提訴

(『読売新聞 2018年2月22日朝刊』から引用)

 

新聞の見出しは、8文字~11文字以内におさめます。文字数だけでなく、ひと目で理解できなければいけません。「べいちょうかいだん きたがことわる」という見出しは、わかりやすさ、適度な文字数、リズムの良さが三拍子そろっています。

 

この日の会心作は、スポーツ面の「黄金の一心同体」という大きな見出しです。平昌五輪のスピードスケート女子団体において、佐藤綾乃・高木美帆・高木菜那の3選手が成し遂げた快挙を、みごとに表現して伝えています。

 

 

新聞印刷のひみつ

読売新聞における朝刊の発行部数(公称)は、約800万部です。1部につき40ページだとすれば、朝刊だけでも3億面の印刷が必要です。それを毎日おこなっています。どうやって紙を調達して、どのような方法で印刷しているのでしょうか?

 

読売新聞の印刷工場は、2002(平成14)年にいち早く、最新のCTP(コンピューター・トゥ・プレート)というシステムを導入しました。

コンピューターで作られた紙面データを工場へ送信し、0.3ミリのアルミ板に直接レーザーで紙面データを書き込んで「刷版(さっぱん)」を作ります。

(『新聞のひみつ』から引用)

 

新聞印刷の歴史は、木版→活版(銅板)→ネガフィルム→アルミ板、という流れをたどっています。アルミ製のプレートは、仕上がりが美しいだけでなく、溶かして100%リサイクルできるので、良いことばかりです。

 

800万部を印刷するために、日本各地にある29カ所の工場にデータを送ります。1分間で1500部(1時間で9万部)を刷ることができます。印刷機にセットするのは全長1万3千メートルの巻き取り紙ですが、そのうち70%は回収古紙をリサイクルしたものです。

 

 

新聞の存在意義とは

インターネットのおかげで、新聞を定期購読しなくても、最新ニュースを知ることができるようになりました。しかし、地域ごとの「おくやみ」欄は、インターネットを検索しても知ることができません。「おくやみ」を毎日チェックしたいから新聞購読をやめられない、という人は多いです。

 

新聞紙には「情報を知る」こと以外にも、さまざまな使いみちがあります。

 

たとえば、自宅で揚げ物をつくるときの敷き紙。濡れた靴に詰めるための乾燥材。自宅で散髪するときには新聞紙くらいの大きさの敷き物がないと片付けるのが大変です。ダンボールに荷物を詰めるときには緩衝材(クッション)の役割も果たします。ご活用ください。

 

【著書紹介】

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新聞のひみつ

著者:ひろゆうこ(著)、青木萌(イラスト)
出版社:学研プラス

毎日、みんなの家に届く新聞、キミは読んだことがあるかな? 新聞には、どんなことがのっているんだろう? 新聞は、どんな人が作っているんだろう? 新聞は、どんなふうに作られているんだろう? 新聞についてのいろいろなことが、この本でよくわかるよ。
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