【2021年版手帳14選】渋谷ロフトで選ぶ、まだ買える注目手帳&小物カタログ

今年も残すところ、あと1か月あまり。「そろそろ来年の手帳を買わなきゃ」と思っている人も多いはず。翌年の手帳は、9月始まりも含め、8月頃からいっせいに店頭に並び始めるため、すでにお気に入りを確保している人もいるでしょう。でも多くの人は、年の瀬が迫ってから検討を開始するもの。いまは、人気モデルが売り切れる直前の、ラストチャンスともいえる時期です。

 

2020年は、働き方や時間の使い方が変わり、リモートワークのスケジュールを細かく立てる必要が出てきたり、在宅ワークで区別が難しくなった仕事とプライベートを手帳でしっかり時間管理する必要に迫られたり。2021年版の手帳には、そういった新しい生活様式にも対応するものが、さまざまラインナップしています。そこで、まだ買える注目の手帳を、渋谷ロフトでピックアップしました。

 

2021年版の手帳の傾向は?
「細かく予定管理したい」と「家時間を充実させたい」の二極化

「勤務はリモートに、会議はオンラインがメインになったことで、15~30分単位で細かくスケジュール管理ができる手帳を選ぶ、という方も多いようです。移動がいらないオンライン会議はこまめに予定を切り替えられるので、今まで以上に細かく時間を区切って管理する必要が出てきたためでしょう。

 

また、手帳を持って移動する機会が少なくなった方も多いのか、ペンや書類まで挟めるような大型のタイプや、中身を自分仕様にカスタマイズでき厚みが増しがちなシステム手帳も、人気になってきています。

 

一方、家で過ごす時間やプライベートを充実させたいという方には、フリースペースが多く自由度の高い手帳が売れています。暗くなりがちな日常をハッピーにしたいと、モチベーションが上がるような仕掛けのある手帳も登場しました」(ロフト渋谷 広報 / 高橋祐衣さん、以下同)

 

仕事の予定を詳細に管理できる「1日1ページ」手帳

まず、仕事でのスケジュール管理を重視した手帳をチェックしていきましょう。2021年版は、“1日1ページ”で詳細に書き込めるタイプが人気。さらに予定を管理するだけでなく、この潤沢なスペースを活用して、1日が終わってから日記のように書き綴ったりして、“自分の本”を作っていくのも楽しいですよね。

 

1. ブランドとデザインコラボした新作も毎年人気


マークス「EDiT(エディット)」
2000円+税~
 ※カバーやサイズにより価格が異なる

1日1ページのタイプだけでなく、週間バーチカル(時間軸が縦になっているもの)タイプ、週間ノートタイプなど、好みの書き方に応じて選べるだけでなく、スマートフォンより小さなB7変型からA5正寸までのサイズをラインナップ。2021年版には「PAUL & JOE La Papeterie」の新デザインが加わりました。

 

↑「こちらは、1日に1ページを割り当てたデイリーページ。左端に時間軸はありますが、空いたスペースが大きいので、日記やメモ、イラストなどを自由に書けるようになっています。もっとも小さなタイプは、バックポケットに入れられるので、販売員として売り場にいた頃は重宝していました。表紙は柔らかくて開きやすいのにへたらないんです」

 

↑こちらは、月ごとに目標やデータをまとめられるページ。月々でお金や買い物などをリスト化できるので、あとで見返すのに便利です

 

2. 日付ブランクで書きたい日だけ書けばいい!


ミドリ「MDノートダイアリー 1日1ページ」
2300円+税(文庫)

帯に“余白を愉しむ”とある通り、スペースをたっぷり設けたフリーダイアリーの手帳です。写真の文庫本サイズのほかに、A5サイズ(3500円+税)もあるので、さらにたっぷり書き込みたい人にはそちらがおすすめ。

 

↑「月間カレンダーのほかに、1日(8時から24時まで)のタイムスケジュールを1ページずつ書き込めるようになっています。日付が入っていないので、好きな日から始められ、必要な日にだけ書けるのです。すべてのページがモノクロで、カラーペンを使って彩る楽しみもありますよ」

 

↑さらに罫線にとらわれず自由に書きたいなら、同シリーズのスケジュール罫がないノート「MDノート ジャーナル(フレーム)」を使って、ライフログを書いてみてはどうでしょう? 別売りの月間カレンダーシール「MDダイアリーシール」や付属のインデックスシールを使ってレイアウトも可能。公式サイトからダウンロードできる、スケジュールや買い物リストなど、さまざまなしおりなどを組み合わせて、自分好みの手帳をつくるのも楽しそうです

 

3. 1日1ページタイプのパイオニア! 今年も人気キャラものが充実


ほぼ日刊イトイ新聞「ほぼ日手帳」
1900円+税~
 ※カバーやサイズにより価格が異なります

2021年版で20年目を迎える「ほぼ日」の手帳は、“1日1ページ”という手帳スタイルのはじまりと言えます。毎年たくさん発表される、アーティストやキャラクターなどとコラボレーションしたカバーも人気の秘訣。毎年違うカバーを選んでも、前年と同じカバーでリフィルだけ交換しても楽しめます。

 

↑「渋谷ロフトでは、ほぼ日手帳のみのコーナーを設けています。毎年欠かさずチェックされるファンの方もたくさんいらっしゃるので、人気のカバーはあっという間に売り切れてしまうんです」©️Tezuka Productions ©️Fujiko-Pro ©S.P ©️高橋留美子/小学館

 

↑2021年版は、「ドラえもん」に「鉄腕アトム」「ちびまる子ちゃん」「らんま1/2」と、コミックから飛び出したカバーも

 

↑ほぼ日手帳のガイドブックも毎年発売されるほど、書き方の手本もたくさん公開されています。日々の記録や好きなことなどを書いて残したい人には、参考になりますね

 

↑月間カレンダーでは、日々のファッションを書き留めておく、なんて使い方も。今日はなにをどのように書こうと考えることも、日々を豊かにしてくれる気がしますよね

 

【番外編】PCの傍らで仕事をサポートするプチ手帳

こちらは1日1ページタイプではありませんが、仕事でPC作業が多い人にぴったりの手帳を紹介しましょう。

 

・PCと並べて使える形状が便利!


ラコニック「仕事計画  A5変型 STICKダイアリー」
1400~1600円+税
 ※カバーによって価格が異なる

STICK=スティックタイプの珍しい手帳で、服のポケットやミニバッグにも入れられ、とっさに確認できて便利。見開きで1週間を見渡せます。

 

↑「週ごとにスケジュールを見られるページと充実したページ数のメモがついていて、小さいながらも使い勝手のいい手帳です。詳しいスケジュールをデジタルで管理している方が併用するのにも向いていると思います」

 

↑このようにパソコン脇のスペースに置けるので、オンライン会議をしたりスケジュールをチェックながらPC作業をする際などにはとても便利

 

↑書き方見本がこちら。1日が上下で二分割されているので、仕事とプライベートを分けたり、TODOとスケジュールを分けたりが可能です

 

続いて、日々の感情まで記録できたりペイントを楽しめたり、習慣づけにも役立てられる、プライベートで活躍する手帳を紹介します。

プライベート充実! 気分や習慣づけも管理できる手帳

続いて紹介するのは、おうち時間での過ごし方など、プライベートもしっかり予定管理したい人におすすめしたい手帳です。

 

1. ニコちゃんマークで“ハッピー”を貯められる


アートプリントジャパン「ハッピーストックダイアリー」
1200円+税

気持ちまで明るくなりそうな、今年らしいやわらかな色合いのカバー。名前の通り、“ハッピー”がストックできる仕掛けがされているのが特徴です。

 

↑「月間スケジュールのページには、各日に“ニコちゃんマーク”がついていて、その日自分がどんな気分だったかを塗って記録できるようになっています。マークは、“ニコニコ”と“普通の顔”と“ちょっと悲しそうな顔”の3種類で、ニコニコしているものを月ごとに数えて書き込めるページもあり、年間でどれだけハッピーだったかをあとで集計することができるんですよ」

 

↑習いごとやスキルアップなど、タスクごとに管理できるページもあり、プライベートの予定も書き込みやすくなっています

 

2. 塗り絵のようにペイントを楽しむ


ミドリ「ペイントダイアリー」
1800円+税

こちらは、前出の「MDノート」ブランドを展開するデザインフィルが展開する「ペイントダイアリー」。カバーは、オフィスなどビジネスシーンでも浮かない、大人っぽい色合いも魅力です。

 

↑「開くと、すべてのページで予定やライフスタイルに合わせて、自分らしくページを彩れるデザインになっています。カレンダーの数字にも色がついていないので、土日休みでない方やシフト制で働いている方は、休日を赤く塗ってもいいかもしれません。余白も多めに取られているので、自由に書き込める楽しみもありますよ」

 

↑こちらのページには面白い仕掛けが! 例えば“500円玉を1つ貯金したら花をひとつ塗っていく”と決め、すべての花を塗り終え花束が完成する頃には10万円が溜まっているという仕掛け。貯金管理を楽しんでできるのです

 

↑ほかにも、読んだ本や見た映画、友人の誕生日を書き込んでおけるなど、付録として収録された“ハビットトラッカー”のページが充実。絵を描いたり塗り絵をしたりしながら、簡単に楽しく習慣作りができます

 

3. オタ活にも気合いが入る!?


アートプリントジャパン「オタ活手帳」
1300円+税

こちらはその名の通り、まさにオタ活に役立つよう作られた手帳。カバーにはビニールカバーがかけられており、“推し”の写真を挟めるになっているのも心憎い演出です。

 

↑「月間スケジュールのページでは、平日より土日に大きなスペースを割いているのが特徴です。また、3か月ごとに管理できる写真のページは、数か月先のチケットをいつ取ればいいのか、いつまでに入金すればいいのかなどの見通しが立てられ、オタ活をしている方には必須です。プレゼントリストや、会場の地図やアクセスを書いてまとめられるメモ、レビューリストなどのページも用意されています」

 

4. 1冊で仕事とプライベートを完全に分けて管理できる


ミドリ「ダブルスケジュールダイアリー」
1300円+税(B6)
※ロフトで扱うカラーはブラックのみ

仕事中に手帳を開くと、プライベートな予定まで相手に見えてしまう……と心配したことはありませんか? また、プライベートで楽しいことを計画しているときに、仕事の予定が目に入ってきてしまってとたんに気分が滅入ったり……という人におすすめしたいのが、このダブルスケジュールダイアリーです。

 

↑「一見、普通のスケジュール帳なのですが、月間スケジュールのページが2セットずつ用意されています。この写真は仕事用の3月のページ。次の写真はプライベート用の3月のページで、2種類のスケジュールを分けて書き込めるようになっています」

 

↑さらにこのスケジュール帳には、便利な仕掛けが施されています。手帳の上部(グレーの部分)を手で押さえてパラパラとめくると、仕事用のページだけが開かれ、下部のピンク色の部分を手で押さえると、プライベート用のページのみが開かれるという仕組みなんです。会議中にうっかりプライベートのページを開いて公開してしまう心配がありません

 

5. 3年間かけてじっくり完成させていく


佐々木印刷「四角い手帳 3年ウィークリー」
2400円+税

こちらは3年分をまとめておける、ダイアリーつきの手帳です。去年の自分を振り返りながら予定を立てたり、目標に向かってどれだけ進んでいるか確認したい人にもおすすめです。

 

↑「3年分書けるのに重さがなく、ひらきやすい綴じ方で作られているので書き込みが楽です。家に帰ってからの時間が長くなった方も多いので、じっくり日記をつけていくのもいいかもしれませんね」

 

次のページで紹介するのは、近年人気が再燃しているシステム手帳。リフィルを買い足すことでアレンジでき、自分好みの手帳を作ることができます。

自分仕様に作り上げられる「システム手帳」

次に紹介するのは、近年人気が再燃しているシステム手帳。リフィルを買い足すことでアレンジでき、自分好みの手帳を作ることができます。

 

1. これ1冊持って行けばOK!? ポーチ代わりの手帳


レイメイ藤井「A5システム手帳 decona」
4500円+税

スケジュール帳としての役割以外にも、さまざまなものをしまえる“ポーチ”のような存在のシステム手帳。挟むリフィルによっては厚みにボリュームが出ますが、在宅ワークが増え手帳の重量感は気にしないという人や、会社と家との往復で忘れ物が心配という人には便利なはず。

 

↑「ペンケースは別売りですが、名刺やクリップ、付箋などの文房具や、届いたDMや葉書なども全部これ一冊にまとめられます。リフィルもたくさん出ているので、アレンジを楽しめます」

 

↑こちらはデフォルトで付いている月間スケジュールのページ。手帳に使うシールやマスキングテープなども一緒にしまっておいて、思いっきりデコって楽しみたいですね

 

2. シンプルで軽量小型タイプのシステム手帳


アシュフォード「デザインリフィルパッド ミニ6穴」
2300円+税

スマートフォンよりも小さく、ポケットにもするっと入るサイズの手帳です。あらかじめ付属しているのはメモ帳のみで、必要なリフィルを買い足して使います。

 

↑「表紙とリングは、スケルトンのプラスチック製。軽く、持ち運びに便利です。デジタルでしっかりした予定を管理して、こちらは簡易的に、という使い方もいいと思いますよ」

 

続いて、次のページで取り上げるのは、ロフトオリジナルと、残念ながらロフトで今年は完売してしまった超人気手帳。いったいどんな手帳でしょうか?

ロフトオリジナルは見逃せない!

ロフトの店頭やオンラインストアでしか買えない、ロフトならではのこだわりが盛り込まれた手帳です。

 

1. システム手帳のように見える柔らかなカバー


いろは出版「view スケジュールブック週間バーチカル ポケットタイプ」
3400円+税

雑貨や文房具のメーカーであり「サニー手帳」でも知られるいろは出版と、ロフトがコラボして作った新作。高級感のあるやわらかな手触りのカバーは、茶や黒などのカラーもラインナップするものの、くすみ系のパステルカラーが人気だそう。カバーの内側には、ペンを刺したり、別売りのノートを挟んだりできます。

 

↑「週間スケジュールのページは、コアタイムとされる8時から19時の予定を、15分単位で詳細に書き込めるようになっています。ただし、土日分のスペースは小さめになっているので、平日の仕事の予定を中心に書く方におすすめです」

 

2. 「能率手帳」からリブランディング! ロフト限定カバーのNOLTY


日本能率協会マネジメントセンター
右・中=「NOLTY キャレル B6」1700円+税
左=「NOLTY リスティ」2100円+税

およそ70年の歴史をもち、時間の目盛りを初めて盛り込んでビジネス手帳の代名詞となった「能率手帳」。2013年に「NOLTY(ノルティ)」と名前を刷新しリブランディングを果たしました。定番モデルに、限定カラーのカバーや別冊の拡充など、ロフト限定モデルだけの趣向を盛り込んでいます。

 

↑「仕事向けのスケジュール帳ですが、硬くならない優しい色合いのカバーもご提案しています。週間タイプや月間タイプなど、中面はさまざまあるのですが、いずれもタスク管理やスケジュール管理が一冊でしっかりできるよう作られています」

 

最後の手帳は、人気殺到のため、ロフトでは残念ながら完売・再入荷なしとなってしまった手帳。ロフト以外のお店ではまだ、出会えるかもしれません。

 

【番外編】

・特許出願中の新機能も搭載! 分冊で持ち歩きやすくなった「ジブン手帳」


コクヨ「ジブン手帳DAYs mini」(イエロー)
3200円+税

1日に1ページが割り当てられ、24時間のバーチカルと、方眼罫によって予定を詳細に書き込める手帳。1年を半年ずつに分けた分冊タイプなので厚みが抑えられ、B6スリムと持ちやすいサイズで、カラーバリエーションも豊富です。

 

↑「24時間で書き込めるタイプの中には、アフター6以降の時間幅が狭くなっているものも。こちらは夜の予定も昼間と同じボリュームで書き込めるので、夕方以降のプライベートの予定や朝活などをしている方にも使いやすい仕様です」。また、2021年版から新登場した「ジブン手帳DAYs mini」には、特許出願中の最新機能が追加。「1日1ページの手帳は、1週間の中での位置がわかりにくいということから、日付と曜日を横軸に配置。“今日”は固定され、その周辺の日程が日が進むごとに左へ移動していく仕組みで、コクヨが特許出願中の機能です」

 

↑マンスリーページには、ブロックタイプのカレンダーの下に、横軸のカレンダーがついています。「横軸のカレンダーには、何人かいる家族の予定や、プロジェクトごとの月間スケジュールを書き込めます。1か月の中で達成したい目標を掲げて、少しずつスキルアップの予定を立ててみると、いつ何をすればいいのか、ひと目でわかるんです」

 

最後に、次のページでは手帳といっしょに使いたい文房具を紹介します。

合わせて揃えたい、手帳を彩る文房具

手帳を確認したときに、よりわかりやすく、さらに楽しい気分にさせてくれるようなアイテムを取り入れてみましょう。引き続き、渋谷ロフトでピックアップしました。

 

1. 精細でくっきり! 1個にバリエーションいろいろなスタンプ


ミドリ「ペインタブルスタンプ 回転印」
1500円+税

油性顔料で滲みにくいスタンプは、1つで10~12種類の絵柄を押すことができます。「文字や柄が細かいので、手帳のわずかな隙間にもポンと押せて、それだけで手帳が賑やかになりますよ。インクは黒1種類なので、上から色を足して塗るのも楽しいですよね」

 

2. 使いたい形・分量をカットして使える大きなマステ


キングジム「マスキングテープブック」
520円+税(はがきサイズ)/720円+税(A5サイズ)

通常マスキングテープというと、テープ状の細長いタイプですが、これは葉書サイズとA5サイズの大きなマスキングシール。ハサミで自分の好きな形やサイズに切り取って使います。「1日1ページの手帳をデコレーションしたり、インデックスに活用したりして使えるマステです。切り取りのガイドも付属しています」

 

3. カット不要! 付箋のように気軽に使えるマステ


キングジム「KITTA」
350円+税~
 ※柄によって価格が異なる

一見付箋のように見えて、実は全面シールになっているマスキングテープ。膨大な色柄が揃い、季節ごとに新柄が登場するので、コレクションする楽しみもあります。「ロールタイプのマスキングテープは、持ち運ぶ際にかさばるのですが、これなら手帳に挟んでおけるので、とても便利ですね。ページの端に折り込んで貼ってインデックスにも活用できます」

 

4. “目かくし色”でタスクをひとめで確認できる2Wayマーカー


コクヨ「2トーンカラーマーカー mark +(マークタス)」
150円+税〜

2色が1本の軸にチップを分けて搭載されたカラーマーカー。薄いグレーと目に優しいマイルドなカラーを組み合わせたタイプと、同系色の濃淡を組み合わせたタイプがあります。「“めかくしグレー”と呼ばれた薄いグレーは、TODOリストの中で終わった項目や意識しなくていい項目をグレーで塗って目立たなくできる、画期的なマーカーです。カラーの濃淡で、リストの優先順位を区別するのにも効果的ですね」

 

↑ペン先が割れているように見えますが、実際は2本の芯が入っており、ペンをくるっと回転させるだけで2色を使い分けられるます。持ち替えたりペンケースの中に何本もペンを入れなくていい手軽さがあります

 

毎日使うものだから、機能もデザインも妥協なしで選びたいですね。不安な日々がまだしばらく続きそうですが、毎日を大事に記録しながら過ごしませんか?

 

【店舗情報】

渋谷ロフト(B1階 文具売り場)

所在地=東京都東京都渋谷区宇田川町21-1
電話番号=03-3462-3807
営業時間=11:00~21:00
定休日=無休

LOFT https://www.loft.co.jp/

 

糸井重里が思う、 デジタル時代にそれでも手帳を使う意味

今年も新しい手帳を選ぶ時期がやってきました。来年、2018年の1年間をともに過ごすパートナーは、もう決まりましたか?

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手帳といえば、自由に自分流のスタイルで書き込める「ほぼ日手帳」が大定番。2001年に2002年版「オリジナル」を発売して以来、「カズン」「weeks(ウィークス)」「weeks MEGA(ウィークスメガ)」と種類を増やし、15年以上にわたってヒットを続けています。こうも愛され続ける理由を、生みの親である「ほぼ日」代表の糸井重里さんに直撃しました。

 

 

いつも使ってくれている彼や彼女にとって
“手帳のある暮らし”が良かったんですよね、きっと。

―「ほぼ日手帳」、相変わらず大ヒットですね。どうしてこんなに愛されているのでしょう?

 

糸井重里さん(以下、糸井):うーん。わからない(笑)

 

——(笑)

 

糸井:むずかしい質問だなあ。でもたぶん、使っている人が、使っている間に“うれしく”なるからじゃないでしょうか。最近の世の中の流行商品って“短時間の喜び”を提供していて、『使ったけど、もういいや』っていう人が多いから早く姿を消してしまうんだけど、「ほぼ日手帳」は、少なくとも1年間は付き合わなきゃいけないんですよ。人もそうですけど、最初は不満とかがあっても1年も一緒に暮らせば、たいがいのことは慣れてきますよね。例えば旦那さんがイケメンじゃなくても別のいいところを見つけられたり、隣の子の方が我が子よりかわいかったとしても“うちの子には、うちの子なりのかわいさがある!”とかね。

 

―手帳が身内感覚になるんですね。

 

糸井:そう。「ほぼ日手帳」を毎朝開くのは、家族に“おはよう”と挨拶しているようなものでね。手帳だからこそ湧いてくる親近感があると思うんです。手帳が本来もっている親しみやすさや、しょっちゅう会っている身内感覚。それに、僕たちがずっとやってきたことが積み重なって、愛されるものに育ったんじゃないかと思いますね。

 

―「ほぼ日手帳」は、長く続いている人がとても多いようですね。

 

糸井:「続かないんです、どうしましょう」っていう人に対して、どうすれば長く続くか、僕たちも一生懸命に考えるんですけど、案外理由なく続いている人が多いんです。それはきっと、いつも使ってくれている彼や彼女にとって、“手帳のある暮らし”が良かったんですよね、きっと。付き合いが長い分だけ「よかったなぁ」と思う機会が多いんだと思うんです。だから1年でやめないで「来年も『ほぼ日手帳』を使おう」ということになるんじゃないかな。独自の健康法をやっている人が、いつまでもやめられないみたいにね(笑)

 

ほぼ日手帳 オリジナル(カバー&本体セット)3780円〜 weeks 本体1944円〜 weeks MEGA 本体2376円(ほぼ日ストア限定) 2002年版から続く、文庫本サイズの「オリジナル」はほぼ日手帳の定番。2018年版では、「日本全国ローカルごはんリスト」「ほぼ日のTKストレッチ」「世界の人と、ちょっとおしゃべりを。」という新しいおまけページも追加された。選べるカバーも全38種類に。「weeks」は、長財布サイズの週間タイプ。全240ページというページ数ながら、厚みは約10ミリ、重さは約130gと薄くて軽いことも特徴だ。専用カバーも全部で11種類ある。「weeks MEGA」は巻末のメモページを通常版の3倍に増やした「weeks」の増量タイプ。全384ページ、厚みは約13mm、重さは約190グラムと、携帯しやすいサイズはキープされているほぼ日手帳
オリジナル(カバー&本体セット)3780円〜
weeks 本体1944円〜
weeks MEGA 本体2376円(ほぼ日ストア限定)
2002年版から続く、文庫本サイズの「オリジナル」はほぼ日手帳の定番。2018年版では、「日本全国ローカルごはんリスト」「ほぼ日のTKストレッチ」「世界の人と、ちょっとおしゃべりを。」という新しいおまけページも追加された。選べるカバーも全38種類に。「weeks」は、長財布サイズの週間タイプ。全240ページというページ数ながら、厚みは約10ミリ、重さは約130gと薄くて軽いことも特徴だ。専用カバーも全部で11種類ある。「weeks MEGA」は巻末のメモページを通常版の3倍に増やした「weeks」の増量タイプ。全384ページ、厚みは約13mm、重さは約190グラムと、携帯しやすいサイズはキープされている

 

 

僕たちは「今年も絶対いいことがあるよなぁ」っていう言葉を
確信をもって365個探し出すことができるんです

―他社の手帳を研究することはあるんですか?

 

糸井:ありません(笑)。というのも、今世の中にある手帳って、「ほぼ日手帳」が世に出る以前からあったものと、出た後に登場したものの2種類しかないんです。僕は、以前からあるものとは違う手帳が欲しくて「ほぼ日手帳」を作ったわけですし、後から出てきたものはおそらく「ほぼ日手帳」を研究していると思うんですよ。であれば、それを見てもしょうがないかなと。

 

―「ほぼ日手帳」は、たとえ研究されても、なかなか真似できないんじゃないでしょうか。

 

糸井:作ってできないことはないと思うんです。ただ、よそが絶対に真似られないのは、ページの下に書かれた“日々の言葉”ですね。あれはうちでも、「ほぼ日刊イトイ新聞」をやっていなければ、抜き出す元がないですからね。あれがないとそこに“武田信玄の言葉”とかを書くことになっちゃう。それじゃあ、決まりきったサービスに見えちゃうと思うんですよね。でも、僕たちには元があるので、「今年も絶対いいことがあるよなぁ」っていう言葉を、確信をもって365個探し出すことができるんです。

 

―たしかに、あれは真似できないですね……。

 

糸井:もうひとつが、“待っていてくれている人がいる”ということ。そういう人がいてくれるから、手を抜いたらバレるぞって気合いが入るし、頑張れるんだと思います。手帳って1年ごとに変える商品だから、飽きられちゃうこともありますけど、僕らは飽きられちゃうのが当たり前ととらえていて、その上で何ができるんだろうということをいつも考えています。よそではやらないような面倒くさいことも、だからいっぱいやってるんじゃないでしょうかね。

 

―作っている喜びとは、どういったものですか?

 

糸井:僕たちは1種類だけを作っているわけではありません。だから、いろいろな人の顔を思い浮かべながら、待っている人を探したり、待っている人に提案したりできるのが楽しいんです。2018年版でいうと、ビートルズのカバーがそれ。「ビートルズだからなんなんだ」っていう人もいると思いますけど、「ビートルズなのか、ちょっと使ってみようかな」っていう人にとっては、まさに“待っていたもの”だと思うんですよ。1種類だけを押し売りをしなくていい分、使っている人と信頼関係を結びやすいのかもしれないですね。

 

―使っている人の出入りもありますよね。

 

糸井:それも面白くてね。今まで使ってた人がこぼれていくこともあるんだけど、ある程度時間が経って、また戻ってくる人もけっこう多いんです。「ごめんなさい、浮気してました」と告白されることもあります(笑)

 

―とにかくカバーの種類が豊富ですが、今年、これはびっくり! という手帳カバーはありましたか?

 

糸井:「シュタイフ」ですね。あれは驚きました。最初見た時、正直「これありなの?」と思いましたが、発売したらすぐに売り切れちゃいました。いやぁ、本当にわからないものです。

ほぼ日手帳シュタイフ/1万2960円(カバー)、2700円(Planner[シュタイフ]本体) ※売り切れ・再販売検討中 ドイツのぬいぐるみメーカー「シュタイフ」とのコラボレーションによる、テディベアをモチーフにしたほぼ日手帳カバー。シュタイフ社のテディベアに使われる、美しい光沢と、柔らかな肌触りをもつ、アンゴラ山羊のモヘア生地を使用している。シュタイフ製品のトレードマークである「ボタン・イン・イヤー」(耳ボタン)も取りつけられている。中央のテディベアは、オホトのオリジナルキャラクター「誤解されやすいくま」のシュタイフバージョン(4万6440円)。牙のある歯と鋭い爪がついているほぼ日手帳シュタイフ/1万2960円(カバー)、2700円(Planner[シュタイフ]本体)
※売り切れ・再販売検討中
ドイツのぬいぐるみメーカー「シュタイフ」とのコラボレーションによる、テディベアをモチーフにしたほぼ日手帳カバー。シュタイフ社のテディベアに使われる、美しい光沢と、柔らかな肌触りをもつ、アンゴラ山羊のモヘア生地を使用している。シュタイフ製品のトレードマークである「ボタン・イン・イヤー」(耳ボタン)も取りつけられている。中央のテディベアは、オホトのオリジナルキャラクター「誤解されやすいくま」のシュタイフバージョン(4万6440円)。牙のある歯と鋭い爪がついている

 

スペックですら表せない、まるで「ホンダスーパーカブ」のように
言ってくれたことが、ものすごくうれしかったんです

―そういえば、最近はスペックについてあまり説明されていませんね。

 

糸井:東日本大震災で被災された方々が、後で一番探したのがアルバムと手帳っていうのを聞いて、あらためて、手帳ってすごいなって思ったんです。そういうことがヒントになって『LIFEのBOOK』とか、『This is my LIFE.』という言葉とともに伝えるようになりました。その頃から、スペックについてあまり言わなくなったんですよね。「ほぼ日手帳」を“LIFEのBOOK”って表現できるようになった理由は、お客さんがすでにそう思ってくれているから。すでに信頼してもらって、自分の分身みたいに思ってくれているからなんです。その信用ができたというのは喜びですよね。

 

―でもその根底には、糸かがり製本を採用しているから手で押さえなくても180度フラットに開く、とか、採用している紙「トモエリバー」がインクが乗りやすくて書き心地もいい、とか仕様にも信頼があるからなんでしょうね。

 

糸井:「ほぼ日手帳はなぜ続くんですか?」と、ミーティングイベントでもいつも問いかけるんですが、さっき話した“LIFEのBOOK”ってずっと言っていてそれが慣れっこになった時に、なんと「丈夫だからじゃないですか?」って答えたツワモノがいたんです。これがショックでね! でも「いや、その通りかもしれない」と。いくら大事にしようとしても擦り切れたら使わなくなるわけだし、ただでさえ「ほぼ日手帳」は、とんでもない使い方をしている人が山ほどいるわけですよ。だからそう言われた時に、スペックですら表せない、まるで「ホンダ スーパーカブ」のように言ってくれたことが、ものすごくうれしかったんです。「そういうことを、僕ら忘れててごめんね」と。そんな部分も全部混ぜこぜにしているのも、続いてきた理由なんだと思います。

 

―ブランディングをしてきたわけではないですよね。

 

糸井:そういうことをしなくてもできちゃうのが、“ブランディング”なんじゃないでしょうか。でもブランドの定義はいっぱいあって、例えば「お値段以上のものを提供する」というのもブランドとしての考え方だと思うし、僕たちもそういうことはしようとしてきました。とはいえ、50円値上げしたから怒るとか、50円値下げしたから喜ぶとか、そういうことを真剣にミーティングしなくてよかったのは助かりました。似ているものがある商品は大変ですよね。値段で勝負をしなくてはいけないから。「ほぼ日手帳」も安く売れるならそうしますけど。似ているものがないので、より“健康的”に提供できるんだと思います。

 

―ものづくりで、これはしちゃいけないというルールみたいなものはありますか?

 

糸井:友だちにできないことはしちゃダメですね。車に例えるとわかりやすいんですが、手抜きをしたり、安全よりコストカットを重視した車を、友だちに売れるかどうかですよね。基準はすごく簡単だと思うんです。それは大企業も小さな会社も同じ。街のお弁当屋さんも、友だちに「それ食わないほうがいいよ」っていうものを売っちゃいけない。なぜ友だちかっていうと、人って自分には甘いから。つまり自分が自分のために作るものは、心の中で「ちょっとぐらい手を抜いてもいいよ」って、なっちゃうんですよね。うん、やっぱり基準は友だちがいいかな。

 

重いという声が一番ピークに達した時に
一番重いのを出したんですよ(笑)

―手帳本体であるリフィルに関しては、「オリジナル」を軸として、「weeks」「カズン」「weeks MEGA」など、徐々にラインナップを増やしています。愛用者の声なども、参考にされるんですか?

 

糸井:使っている方の声は、「ほぼ日手帳」を始めた時からずっと聞いています。ただ、それを作るかは、僕らが責任を持って判断しなくてはいけないんですね。例えば、最初の「ほぼ日手帳」が出た時から「ふつうサイズの手帳が欲しい」と言われましたし、「重い」という声も、ずっとありました。ただ、すぐには出さずに、「重い」という声が一番ピークに達した時に、一番重いのを出したんですよ(笑)

 

―(笑)それはあえて期待を裏切ろうと……?

 

糸井:いや、どんなに軽くしても「重い」とは言われるだろうし、軽くした分だけ「不便になりました」とも絶対に言われるから、何も考えずに軽くしたものを出すのなく、“重い”というのはどんな意味なのか、問いかけてもみたかったんです。その発売後に、それまでのものを「重い」と言っていた人たちを一堂に集めて座談会を開いたら、みんな「そんなでもないですね」って言うんですよ(笑)。だからわかんないんですよ。もう一度問いかけ合いをしないとね。

 

―問いかけというのはいいですね。消費者は気まぐれですから。

 

糸井:「weeks」を出した時もそうです。週間手帳である「weeks」の欠点は、「オリジナル」や「カズン」の1日1ページのタイプに比べて、書けるスペースが圧倒的に少ないことなんですが、ふつうの週間スケジュール帳を使っている人にとっては、逆に書ける文量が多すぎるぐらい多い。これを問いかけたらどうなるだろうと思ったわけです。ところが、最初はそっちの人は振り向いてくれなくて、手帳もこれなら使ってもいいかなという新しい人や、すでに「ほぼ日手帳」を使っている人がスケジュール用に買い足すというケースが多かったんです。でも、徐々にふつうの手帳を使っている人もこっちを向いてくれて、「これの方がのびのび書けていいな」と買ってくれるようになりました。だから問いかけても1、2年じゃダメで、5年ぐらいしないとハッキリした川の流れみたいなのが見えてこないんだとは思いましたね。

 

―ひとつの商品が生まれるまでに、どのぐらいかかるものなんですか?

 

糸井:発売前にテストをする期間がけっこうあるので、大抵は2年ぐらいですね。だから、次に出すものはいつも用意しています。ただ、急いで作ったものもありますよ。今後発売する「ほぼ日5年手帳」は、今年の6月ぐらいに考えて12月には売り出されるので、今までの最速記録です。自分が欲しいからがんばっちゃった(笑)

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ほぼ日5年手帳/4104円 左が5年分の日付入りページ、右がフリースペースという、5年分の「今日」を一度に見渡せるデザイン。「1年ごとに見比べたいことってあるんですよね。椿の花を最初に見たのはいつだったとか、セミの声がいつまでしていたとか、翌年見ると面白いじゃないですか。積み重ねることの楽しさを伝えたくて。ただ10年は長いので、5年版の持ち歩けるサイズにしました」(糸井さん)。「ほぼ日ストア」から購入すると、「ほぼ日5年手帳」をしまっておける「すこし秘密ぶくろ」が付いてくるほぼ日5年手帳/4104円
左が5年分の日付入りページ、右がフリースペースという、5年分の「今日」を一度に見渡せるデザイン。「1年ごとに見比べたいことってあるんですよね。椿の花を最初に見たのはいつだったとか、セミの声がいつまでしていたとか、翌年見ると面白いじゃないですか。積み重ねることの楽しさを伝えたくて。ただ10年は長いので、5年版の持ち歩けるサイズにしました」(糸井さん)。「ほぼ日ストア」から購入すると、「ほぼ日5年手帳」をしまっておける「すこし秘密ぶくろ」が付いてくる

 

 

―10年ではなくて5年ですか。

 

糸井:手に取った時に「これならできるかな」って思うものを作りたかったんです。たとえば高級な鹿革の表紙を使って、閉じると“パタン”って音を立てるような、重々しいものじゃなくてね。

 

―重厚すぎると、書く時に尻込みしちゃいますよね。

 

糸井:そう。それと同じような発想で作ったのが「ほぼ日のアースボール」(地球儀)です。世界一精密で、情報量も豊富なんだけど“風船”なんです。子供がビーチボールとして遊んでもいいんですよ。

 

ほぼ日のアースボール/5940円 いま販売されているどの地球儀よりも、精密で情報量が多いビーチボールタイプの地球儀。専用アプリをダウンロードしてスマホを地球儀にかざすと、各国の情報はもちろん、スペシャル動画も楽しめるという隠れた仕掛け付き。地球に親しみながら子どもと有意義な時間を過ごせる。ほぼ日のアースボール/5940円
いま販売されているどの地球儀よりも、精密で情報量が多いビーチボールタイプの地球儀。専用アプリをダウンロードしてスマホを地球儀にかざすと、各国の情報はもちろん、スペシャル動画も楽しめるという隠れた仕掛け付き。地球に親しみながら子どもと有意義な時間を過ごせる。

 

 

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身体から出たものが文字になるわけで
タイピングしたものより親密になるんだと思います。

 

―これだけアイデアがあると、飽きることはなさそうですね。

 

糸井:新たに気づくこともありますから、飽きないですね。最近だと「『ほぼ日手帳』って、かばんとか洋服を作る感覚に似ているのかもしれない」って考えたりとかね。手帳とファッションって国境がないってことも共通点で、海外の人もけっこう買ってくれているんですよ。でも“日々の言葉”なんてPlanner以外は全部日本語なのに、大丈夫かなぁ(笑)

 

―デジタル時代になっても“書く文化”ってまだまだ強いんですね。

 

糸井:デジタルのよさをよくわかっていないぐらい、まだデジタルの歴史は浅いんじゃないかなと思うんです。書くことは太古の昔からずっと人間がやってきたことだから、そこに肉体感みたいなものを感じられますよね。身体から出たものが文字になるわけで。タイピングしたものより親密になるんだと思います。伝達と保存ではタイピングが便利だけど、やはり“自分感”は手書きじゃないとのっかってこないですね。

 

―糸井さんご自身は毎日「ほぼ日手帳」を使っていますか?

 

糸井:使ったり休んだりです(笑)。でもね、使ったほうが楽しいのは明らかなんです。“スケジュール表”って楽しくないでしょ。相手の都合で書くものだから。僕は「ほぼ日手帳」をつけるのは“権利”だと思ってます。「この箸袋をここに貼り付けてやれ」とか、なんでも自分の自由にできる。来年こそは必ず、何でも手帳につけるようにしようと決心したところ(笑)

 

糸井さんが愛用しているのは、「ほぼ日手帳」の定番サイズである、文庫本サイズの「オリジナル」。カバーは、手描きの図案をもとに、織りや染め、刺繍などを施した「minä perhonen(ミナ ペルホネン)」の生地を用いたもの。ペンを挿すことで留められるバタフライストッパーに、気に入ったペン2本を挿しておくことで、手帳に書くことが増えるとか糸井さんが愛用しているのは、「ほぼ日手帳」の定番サイズである、文庫本サイズの「オリジナル」。カバーは、手描きの図案をもとに、織りや染め、刺繍などを施した「minä perhonen(ミナ ペルホネン)」の生地を用いたもの。ペンを挿すことで留められるバタフライストッパーに、気に入ったペン2本を挿しておくことで、手帳に書くことが増えるとか

 

 

Profile

 

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ほぼ日代表 糸井重里

1948年生まれ。群馬県出身。法政大学中退後、1970年代からコピーライターとして活動をはじめ、西武百貨店の「不思議、大好き。」「おいしい生活」など多くの名キャッチコピーを生んだ。作詞やゲーム製作など、活動は多岐にわたり、1998年にはWebサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を開設。2002年版から「ほぼ日手帳」を毎年発売している。2016年12月に「東京糸井重里事務所」から、「株式会社 ほぼ日」と社名を変更。今年の3月には東証ジャスダックに上場も果たした。

 

 

取材・文=安藤政弘 撮影=真名子

 

 

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整形疑惑の“ジョン・レノン”だと!? ほぼ日手帳とビートルズが繰り広げた熱い一夜に潜入

2002年版の誕生以来、手帳のスタンダード・セレクションとして愛用され続けている「ほぼ日手帳」。LOFTの手帳部門の売上では13年連続ナンバーワンに選ばれ、2017年版は約67万部が販売された。手帳としての機能性はもちろん、手帳カバーでのさまざまなブランドやアーティストとのコラボレートも魅力のひとつ。2018年版は79種類ものラインナップとなり、その中でも話題となっているのが、ザ・ビートルズとのコラボレートモデルだ。

 

20171129_wadafumiko_001_IMG_8416↑会場に並べられた、ほぼ日手帳のザ・ビートルズとのコラボモデル

 

アートディレクターの秋山具義、吉田ユニ、イラストレーターの塩川いづみ3氏によるデザインで4種類販売され、それぞれ曲名にちなみ、素材やフォルムも異なっている。秋山は「ラヴ・ミー・ドゥ」と「ヘルプ!」、吉田は「イン・マイ・ライフ」、塩川は「ブラックバード」をイメージしてデザイン。手帳カバー全体はもちろん、内側のポケット、しおりなどにもザ・ビートルズにちなんだ意匠が盛り込まれ、持っているだけでうれしくなる。

 

その発売を記念して10月5日に六本木のライヴハウス「ABBEY ROAD」でトーク&ライヴイベント“ほぼ日のビートルズ・ナイト!”が開催され、糸井重里とムーンライダーズの鈴木慶一によるトークと、ザ・ビートルズのトリビュート・バンドのザ・パロッツのライヴが行われた。

↑手に手にほぼ日手帳を持つ本日の出演者、ザ・パロッツとマブジョン↑手に手にほぼ日手帳を持つ本日の出演者、ザ・パロッツとマブジョン

 

ビートルマニアからも一目置かれる“本物”のバンド

まず、登場したのはザ・パロッツ。1990年に結成された彼らは、毎年イギリスはリヴァプールで開催されている世界最大のビートルズ・フェスティバル「ビートルズ・コンベンション」にアジアのバンドとして初めて出演を果たしたほか、2007年には英国を代表するロック・バンドのひとつ、アークティック・モンキーズのサポート・アクトも務めた。さらに2013年、日本ツアー中のポール・マッカートニーのプライベートパーティに招待されて、本人の前で演奏、さらに共演も果たすなど、世界各国のビートルマニアからも一目置かれている“本物”のバンドだ。

しかし、残念ながらジョン・レノン役のチャッピー吉井が9月12日に急逝。ポールのパーティでも“Hi, John!”と呼ばれたほどのジョンそっくりの演奏や立ち居振る舞いを観ることは叶わなくなったが、この夜は急遽、ザ・ファブラッズのジョン役である“マブジョン”こと馬渕英将が代役を務めた。

↑ザ・パロッツによるザ・ビートルズの楽曲が、会場を引き込む↑ザ・パロッツによるザ・ビートルズの楽曲が、会場を引き込む

 

イベントに参加した人たちが食事やドリンクを楽しみながらスタートを待ちかねていたところに、ザ・パロッツが登場。1曲目の「ア・ハード・デイズ・ナイト」でいきなり会場内の温度をぐんぐんと上げていく。続いて「オール・マイ・ラヴィング」「ロール・オーバー・ベートーヴェン」「レット・イット・ビー」が演奏されていったが、目をつむるとまるでCDを聴いているかのような再現性で、日本のバンドながら海外でも通用し、高く評価されている理由がよくわかるものだった。

その後は「イエロー・サブマリン」「ひとりぼっちのあいつ」「抱きしめたい」を熱演。“マブジョン”との息もピッタリのパフォーマンスで、大きな拍手と歓声が湧き起こった。

 

はちみつぱいはビートルズがいなかったら存在していなかった

ザ・パロッツのファースト・ステージが終わると、糸井と鈴木が、「涙の乗車券」のB面曲「イエス・イット・イズ」をバックにステージ上に登場。司会から、どうしてこの曲を選んだのか? と問われて、鈴木が「“イエス・イトイ・イズ”と、“イット”と“イトイ”の発音が近いから」と説明して笑いを呼んだ。リアルタイムでザ・ビートルズを体験しているふたりだけあって、並々ならぬ思い入れがあり、トークはいきなりマニアックな内容に。

↑ほぼ日の代表、糸井重里氏と、ムーンライダーズの鈴木慶一氏↑ムーンライダーズの鈴木慶一氏と、ほぼ日の代表、糸井重里氏

 

ザ・パロッツの演奏中に話していたという「ア・ハード・デイズ・ナイト」のイントロについて、あの“ジャーン!”という鳴りはどのようにして形成されているのかを喧々諤々と話し始める。また糸井が、鈴木がムーンライダーズの前に組んでいた、はちみつぱいはザ・ビートルズがいなかったら存在していなかったのか? と鈴木に問いかけると、音楽家としての鈴木慶一は存在しなかったと思うと答えて、かけがえのない存在であり、自らのルーツであることを明言した。さらにザ・ビートルズから過剰なまでの好奇心と集団でものを作ることのおもしろさを学んだと続け、夢中になっていた当時を糸井と思い出しながらも話は思わぬ方向に行ったり来たり。プロデューサーであるジョージ・マーティンがザ・ビートルズと出会った頃の説や、デビュー前の心情や環境、カバーの選曲の妙、バンドの編成論、マーケティングなき時代の活動形態、あまりにジョンに似ている“マブジョン”の整形疑惑、解散直前のポールの心情などをおもしろおかしく語り合った。

ザ・ビートルズの約10年間の活動に対して、ムーンライダーズの長さについて聞かれると鈴木は「集団でうまくやっていこうという気持ちがみんなにあるのと、みんなで何かを作っていくことに対しての愛情があるから。ひとりじゃだめだから、助けてよと言えるメンバーがいるから続くんです」と長寿の秘密を明らかにした。さらに糸井が「メンバーみんなが俺が一番という気持ちはないの?」と突っ込むと、鈴木は「全然ない。ムーンライダーズは全員ジョージ・ハリスンだと思う。でも、ジョージも時々カッとなるからね」と答えて、会場は爆笑に包まれた。

 

ザ・ビートルズの魅力と奥深さをあらためて知らされた2時間

20分の予定があっという間に過ぎ去り、30分に近づいたところで司会から声がかかって、ザ・パロッツのセカンド・ステージへ。糸井からのリクエストである「ノー・リプライ」からスタートし、「サムシング」を演奏したところで、メンバーが手帳のデザインの良さや感想を話してから「ラヴ・ミー・ドゥ」「ヘルプ!」「ブラックバード」「イン・マイ・ライフ」をパフォーマンス。生のサウンドを耳にして、手帳のデザインから生まれるイマジネーションがより深くなっていくような体験をさせてくれた。そして鈴木がリクエストした「ゴールデン・スランバー」へ。『アビイ・ロード』B面のハイライトである組曲で、続く「キャリー・ザット・ウェイト」〜「ジ・エンド」〜「ハー・マジェスティー」までを完全再現してくれた。その完璧なパフォーマンスを目の当たりにして、アンコールの拍手が鳴り止まず、再度ザ・パロッツが登場。“マブジョン”の存在感が光る「ツイスト・アンド・シャウト」で大団円を迎えた。演奏中も糸井と鈴木からの話しかけに答えて、ポールの前で演奏した時の裏話や演奏法などを、笑いを交えて披露。あっという間の2時間が終わった。

↑ザ・ビートルズ愛にあふれた面々↑ザ・ビートルズ愛にあふれた面々

 

糸井と鈴木の愛情たっぷりのトークのおもしろさはもちろんだったが、何よりも驚かされたのはザ・パロッツのリアリティ。トリビュート・バンドに関して、正直なところカバー・バンドくらいの認識しか持ち合わせていなかったが、その重箱の隅をつつくほどのこだわりに感服させられっぱなしだった。楽器や奏法、歌い方はもちろんのこと、ちょっとした仕草やファッションまでとことん研究していることがわかり、認識を改めた次第。ポールも思わずステージに飛び入りしたのもよくわかるほどの魅力で、この日集まったザ・ビートルズとほぼ日手帳のファンもきっと同じ思いを抱いたことだろう。

 

【セットリスト】

1部

「A Hard Day’s Night」

「All My Loving」

「Roll Over Beethoven」

「Let it Be」

「Yellow Submarine」

「Nowhere Man」

「抱きしめたい」

 

2部

「No Replay」(糸井重里リクエスト)

「Something」

「Love Me Do」

「Help!」

「Blackbird」

「In My Life」

「Golden Slumbers」(鈴木慶一リクエスト)

 

アンコール

「Twist And Shout」

 

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写真提供:ほぼ日刊イトイ新聞

マンガ「宇宙兄弟」のやりすぎな特典を一挙振り返りーー最新刊ではついに超有名手帳とコラボ

『宇宙兄弟』とは言わずと知れた、小山宙哉さんが描く大ベストセラーコミック。講談社のマンガ雑誌『モーニング』で2007年から連載されている。

 

主人公であるムッタとヒビトの兄弟が、小さい頃に交わした「兄弟で宇宙飛行士になる!」という夢を実現するため、周囲に支えられながら、数々の困難を必死に乗り越えていく姿が共感を呼んでいる。累計発行部数1900万部を超えるコミックだけではなく、映画やTVアニメでも人気を広げ、幅広い層から支持されている作品だ。

 

11月22日には、ファン待望の最新刊、第32巻が発売されるが、それに合わせて、いまや“手帳の大定番”となった「ほぼ日手帳」のウィークリーフォーマット版「ウィークス」がセットになった限定版が登場。期間限定で予約を受け付けている。

↑特製「ほぼ日手帳 ウィークス」。ハードカバータイプで、立ちながらの筆記もしやすい↑特製「ほぼ日手帳 ウィークス」。ハードカバータイプで、立ちながらの筆記もしやすい

 

「ほぼ日手帳」は薄くて軽く、持ち運びにも便利な長財布サイズ。表紙には『宇宙兄弟』のアイコンを使ったオリジナルデザインが施され、中には「宇宙の出来事カレンダー」や「天体観測カレンダー」、 さらに『宇宙兄弟』の舞台となる世界各地の美味しい料理を一覧できるページ、さらに「カール君のQ&A」など、『宇宙兄弟』ファンにはたまらない、おまけページがたっぷり収録されている。

↑手帳の表紙は、ビジネスでも使えそうなシルバーをベースに、ホワイトで『宇宙兄弟』『宇宙兄弟』の印象的なエピソードとリンクするイラストが散りばめられている↑手帳の表紙は、ビジネスでも使えそうなシルバーをベースに、ホワイトで『宇宙兄弟』『宇宙兄弟』の印象的なエピソードとリンクするイラストが散りばめられている

 

↑手帳の中には「2018年天体観測カレンダー」や「宇宙開発年表」など宇宙に関する鉄板情報を網羅。『宇宙兄弟』のキャラクターにあしらった「世界の美味しい料理」、「カール君のQ&A集」も収録している↑手帳の中には「2018年天体観測カレンダー」や「宇宙開発年表」など宇宙に関する鉄板情報を網羅。『宇宙兄弟』のキャラクターにあしらった「世界の美味しい料理」、「カール君のQ&A集」も収録している

 

でも実は、「32巻限定版」の特典はこれだけではない。『宇宙兄弟』の公式ストアで、この「限定版」を購入すると、公式ストア特典として、ムッタとヒビトが月面に立つデザインの「A5サイズクリアファイル」や、ヒビトの愛犬である「アポが可愛いコースター」、さらに小山宙哉さんのメッセージが入った、第32巻の表紙イラストを使ったポストカードも付いてくる。

 

この超スペースシャトルな、いやスペシャルな「限定版」は、一般の書店やAmazonでは手に入らない、公式サイトだけの企画。特典の単品販売の予定もないので、このチャンスは見逃せない。しかも、値段(3112円)は「限定版」と同じだから超オトクだ。

 

歴代の新作に付いてきた豪華でレアなスペシャルグッズの数々

ところでこの特典は、今回に限ったことではない。というより、『宇宙兄弟』の新刊が発売されるたびに、ファンが唸る、凝りに凝った特典がセットになっている。今ではすでに購入できないが、歴代のユニークな特典の一部を紹介しよう。

 

第11巻=ホワイトパズル

↑実際に宇宙飛行士選抜試験でも使われた絵柄のない真っ白なジグソーパズルの48ピース版だ。第4巻では。宇宙飛行士選抜試験でムッタたちも挑んでいた↑実際に宇宙飛行士選抜試験でも使われた絵柄のない真っ白なジグソーパズルの48ピース版だ。第4巻では。宇宙飛行士選抜試験でムッタたちも挑んでいた

 

第14巻=「HⅡB」フィギュアと本物のフェアリング

↑2009年に種子島宇宙センターから打ち上げられ地球に帰還した「H-ⅡBロケット」のパーツ“フェアリング”のなんと実物を封入! H-ⅡBロケットフィギュアのディスプレイの土台部分に収納できる↑2009年に種子島宇宙センターから打ち上げられ地球に帰還した「H-ⅡBロケット」のパーツ“フェアリング”のなんと実物を封入! H-ⅡBロケットフィギュアの土台部分に収納できる

 

第23巻=写真集『宇宙紀信』

↑写真家の篠山紀信がロケットの製造現場から打ち上げシーンまでを撮影。稀代のカメラマンがとらえた迫力ある写真約70点を収録している↑写真家の篠山紀信がロケットの製造現場から打ち上げシーンまでを撮影。稀代のカメラマンがとらえた迫力ある写真約70点を収録している

 

第24巻=ペットボトルロケット

↑少年時代のムッタとヒビトが打ち上げた「ペットボトルロケット」のキットだ。実際に使用が可能で、最長で60cmぐらい飛ぶらしい↑少年時代のムッタとヒビトが打ち上げた「ペットボトルロケット」のキットだ。実際に使用が可能で、最長で60cmぐらい飛ぶらしい

 

第27巻=「絵名の惑星」ヘアピン

↑宇宙飛行士・北村絵名が作品内でつけているヘアピンを再現した。シトリン、タイガーアイ、アマゾンナイトなどの天然石が使用。色にもこだわっている↑宇宙飛行士・北村絵名が作品内でつけているヘアピンを再現した。シトリン、タイガーアイ、アマゾンナイトなどの天然石が使用。色にもこだわっている

 

第31巻=「ムッタの月面レジャーマット」

↑ムッタが初めて月面に降り立ったシーンを再現した月面のクレーターや手形のイラストがプリントされている。畳むとコンパクトになり、持ち運びに便利な持ち手付き↑ムッタが初めて月面に降り立ったシーンを再現した月面のクレーターや手形のイラストがプリントされている。畳むとコンパクトになり、持ち運びに便利な持ち手付き

 

と、どれも復刻して欲しくなるものばかり。さて、第33巻ではどんなスペシャルセットが登場するのか……。楽しみに待ちたい!