ダイエットによりウエストは細くなったのに、いつまでたっても下腹のぽっこりが無くならない…。そんなお悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。そこで、コンディショニング・トレーナーの桑原弘樹先生に、ぽっこり下腹に効果的なドローインの正しいやり方を教えていただきました。
コツを掴めば無意識でも行える!? ドローイン4選
ドローインとは、簡単に言うと、お腹をへこませた状態。特に、腹横筋(ふくおうきん)を鍛えるのに効果的です。
「お腹のインナーマッスルの一種で、コルセットのような役割をしている腹横筋。
この部分がしっかりしてないと、姿勢がくずれる原因に。
腹横筋は、横隔膜や多裂筋(たれつきん)、骨盤底筋郡(こつばんていきんぐん)とあわせてインナーユニットと呼ばれています。
上部に横隔膜、背面に多裂筋、下部に骨盤底筋郡、そして腹部の周囲を取り囲むように腹横筋があり、これら4つの筋肉が力を合わせて空間をつくり、内臓を包み込んでいます」(桑原先生)
お腹を鍛えるために腹筋を行っている人も多いと思いますが、実は、腹筋で鍛えることができるのは、アウターマッスル(腹直筋と腹斜筋)。
ぽっこりお腹を解消するためには、腹横筋を鍛える必要があったのです。
いくら腹筋を頑張っても、下腹がすっきりしないのはこのため。
ドローインは簡単そうに見えますが、しっかり効かせるには少しコツがいるようです。
一度もやったことがないという人は、感覚をつかむために、まずはこちらの準備運動からお試しください。
【ステップ1】腹式呼吸
思いっきり息を吸いながら、お腹を膨らませます。
そして、息を吐きながら、おなかにたまっている空気を出し切ります。
下腹(おへその少し下)を押さえながら行うと、良いでしょう。ゆっくり10回ほど繰り返してください。
【ステップ2】腹式呼吸とは逆にお腹を動かす
今度は息を吸いながら、お腹をへこませます。
そして息を吐きながら、お腹を膨らませていきます。
こちらも10回ほど繰り返してみましょう。
【ステップ3】短いドローイン
まずは、あお向けになり、ヒザを立てます。
そして、息をすってお腹を膨らませた後、息を吐いてお腹をへこませます。
お腹をへこませたまま、吸ったり吐いたり呼吸を繰り返しましょう。
この状態がドローインです。これを10秒間ずつ、連続で3回行ってみてください。
始めのうちは、呼吸が止まりがちに。息が止まらないように、意識を持つことが大切です。
それでは、いろいろな体勢で行うドローインに挑戦してみましょう!
【1】あお向けの状態で行うドローイン(目安時間:30秒)
あお向けになり、ヒザを立てます。
この状態のまま、息をすってお腹を膨らませた後、息を吐いてお腹をへこませます。
お腹をへこませたまま、吸ったり吐いたり呼吸を繰り返しましょう。
そのまま、30秒間続けます。
【2】起立の状態で行うドローイン(目安時間:30秒)
床に立った状態のまま、息をすってお腹を膨らませた後、息を吐いてお腹をへこませます。
おなかをへこませたまま、吸ったり吐いたり呼吸を繰り返しましょう。
そのまま、30秒間続けます。
【3】フロントブリッジの状態で行うドローイン(目安時間:30秒)
うつ伏せになったら、腕を肩幅に広げ、上体を起こします。
このとき、腕の角度が90度になるようにしましょう。
両脚をそろえつま先を立てたら、床から体を浮かせます。
頭からかかとまでが一直線になるように行うのがポイントです。
この状態をキープしたまま、息をすってお腹を膨らませた後、息を吐いてお腹をへこませます。
お腹をへこませたまま、吸ったり吐いたり呼吸を繰り返しましょう。
そのまま、30秒間続けます。
【4】ハンドスタンドの状態で行うドローイン(目安時間:30秒)
ハンドスタンドは、腕立て伏せを行うような体勢。
この状態をキープしたまま、息をすってお腹を膨らませた後、息を吐いてお腹をへこませます。
お腹をへこませたまま、吸ったり吐いたり呼吸を繰り返しましょう。そのまま、30秒間続けます。
「30秒で余力があれば、1分まで時間を延ばしてみてください。寝る前や、テレビCMの合間、電車での移動中など、日常生活のすきま時間を利用して、積極的にとり入れてみてくださいね」
ぽっこり下腹でお悩みの方は、ぜひドローインに挑戦してみてはいかがでしょう。
桑原 弘樹
〈桑原塾〉主宰。多くのアスリートにコンディショニング指導を行うほか、スポーツ・サプリメントの開発にも携わる。
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撮影/布川 航太 文/FYTTE編集部