なぜVW「ID.4」ホンダ「ZR-V」アウディ「Q4 e-tron」が売れているのか?【2023年上半期売れたモノ乗り物編】

『GetNavi』が選ぶ「2023年上半期売れたものSELECTION」。今回は「乗り物編」から、フォルクスワーゲン「ID.4」、ホンダ「ZR-V」、アウディ「Q4 e-tron」をピックアップ!

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです

 

フラットで使いやすく広い室内が魅力!

フォルクスワーゲン
ID.4
514万2000円〜648万8000円

ID.4はEV専用プラットフォームを採用。モーターはリアに搭載し後輪を駆動する。航続距離はモデルによって異なるが、もっとも長いモデルで500㎞以上の走行が可能。ドライブシャフトレスのフラットで使いやすく広い室内も魅力だ。

↑物理的なスイッチが少なく近未来的なデザインのインパネ。シフトセレクターはメーターナセル横にある

 

↑バッテリーハウジングもボディ剛性確保にひと役買っている。これはスポーツカーの発想と同じもの

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>自動車ライター・海野大介さん
専門誌からフリーに転向しウェブを中心に活動。1級小型船舶操縦免許や国内A級ライセンスを持つ。

特別仕様車は完売御礼! 標準グレードも好調

「日本初導入を記念した特別仕様車のローンチエディションは導入直後から完売になるほど。ハード&ソフトの制御を見直して航続距離を伸ばした標準販売グレードの販売を前倒しするほどの人気です」(海野さん)

売れ行き:★★★★
革新性:★★★★
影響力:★★★★

 

ヴェゼルとは一線を画す“大人向け”の質感が好評

ホンダ
ZR-V
293万2600円〜410万3000円

CR-Vの後継モデルで、プラットフォームはシビックと共通。パワーユニットは1.5lのターボと、2lエンジン+2モーター式ハイブリッドのe:HEVの2つ。それぞれにFFと4WDが用意される。上質なインテリアが魅力だ。

↑ZR-Vにはスノーをはじめとする4つのドライブモードを用意。スイッチひとつで切り替え可能だ

 

↑SUVながらもセダンライクな運転席のZR-V。室内空間自体は広く、後席の快適性も確保されている

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>自動車ライター・海野大介さん

事前受注を含め3万2000台以上を受注

「2023年4月の発売が発表されたのは昨年の11月ですが、事前受注を含めすでに3万2000台以上を受注しています。グレードによっては受注をストップしていたものもあるほどの人気ぶり」(海野さん)

売れ行き:★★★★★
革新性:★★★
影響力:★★★★

 

アウディの電動化を強力に牽引する同社初のコンパクトSUV

アウディ
Q4 e-tron
638万円〜728万円

アウディのEV、e-tronシリーズに加わった同社初のコンパクトSUV。ボディはSUVとSUVクーペスタイルのスポーツバックの2種類が用意されている。最大出力204PS、最大トルク31.6kg-mを誇るモーターはリアに搭載。

↑先進的なデザインのインパネ。上下フラットなステアリングやフローティングセンターコンソールなどが並ぶ

 

↑充電口はリアに装備。1充電で最大594㎞走行可能で、100kmぶんの充電は8kWの普通充電で約1時間40分だ

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>自動車ライター・海野大介さん

魅力的な価格になり同社EVの中心モデルに

「それまでアウディのEVと言えばすべて1000万円を超える高額モデルでしたが、Q4 e-tronは600万円台からとリーズナブル。2022年のアウディの販売台数の10%はQ4 e-tronが占めると言われているほどです」(海野さん)

売れ行き:★★★★
革新性:★★★★
影響力:★★★★

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

専門家が厳選! スポーティな走りを楽しめるステーションワゴン6選

セダンの利便性はそのままに、荷室スペースを拡大した2ボックスモデルがステーションワゴン。その魅力は使い勝手の良さがおもにクローズアップされがちだが、美しいデザイン、そして低い重心がもたらすスポーティな走りこそ真骨頂。今回は、自動車ライター・海野大介さんに、低重心のスタイルが生む安定した走りが魅力な6台のステーションワゴンを選んでもらった。

※こちらは「GetNavi」 2023年6月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【私が選びました】

自動車ライター・海野大介さん

ウェブを中心に活動する自動車ライター。国内A級ライセンスと1級小型船舶という、趣味性の高い資格を保持。

 

水平対向エンジンを搭載するスポーティワゴン

SUBARU
レヴォーグ
310万2000円〜414万7000円

レガシィツーリングワゴンに代わるステーションワゴンとして2014年にデビュー。現行モデルは2020年にデビューした2代目になる。低重心を生み出すSUBARU伝統の水平対向エンジンを搭載し、スポーティな走りが魅力だ。

SPEC【GT-H EX】●全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm●車両重量:1570kg●パワーユニット:1795cc水平対向4気筒DOHC直噴ターボ●最高出力:177PS/5200〜5600rpm●最大トルク:30.6kg-m/1600〜3600rpm●WLTCモード燃費:13.6km/l

 

↑運転支援システム「アイサイト」は全モデルに標準装備。グレードによってはより進化した「アイサイトX」を装備するモデルもある

 

↑荷室床下に290㎜の深さを持つ大型のサブトランクを装備。底面からルーフまでは最大1105㎜の高さがあり、大きな荷物も積載可能だ

 

↑主力エンジンは177PS/300Nmを発揮する1.8l直噴ターボ。低回転域から最大トルクを発揮するので扱いやすいのが特徴だ

 

【ココがスポーティな意匠】低重心のエンジンとAWDの安定した走り

なんといっても低重心を生み出す水平対向エンジンとSUBARU独自のシンメトリカルAWD。コーナー進入時もしっかりと路面を捉え続け、立ち上がりの良さも抜群だ。

 

マイルドハイブリッドが高い環境性能を実現

メルセデス・ベンツ
Cクラス ステーションワゴン
622万円〜1202万円

無駄を削ぎ落としたスポーティなデザインが魅力のモデル。現行モデルでは全グレードでマイルドハイブリッドを採用する。モーターによる高効率なエネルギー回生やブースト機能が、高度な環境性能と気持ち良い走りを実現。

SPEC【C 200 Stationwagon AVANTGARDE】●全長×全幅×全高:4755×1820×1455㎜●車両重量:1700kg●パワーユニット:1494cc直列4気筒DOHC●最高出力:204PS/5800〜6100rpm●最大トルク:30.6kg-m/1800〜4000rpm●WLTCモード燃費:14.2km/l

 

↑エンジンは1.5l直4ターボと2l直4ディーゼルターボの2つ。いずれも9速ATが組み合わされ、スムーズな加速を実現している

 

↑ディスプレイを多用したインパネ。正面は12.3インチ、コクピット中央のものは11.9インチだ。後者はドライバー側に傾けて設置される

 

【ココがスポーティな意匠】スポーツカー並みの旋回性能が楽しめる

メルセデスの特徴でもあるボディ剛性の高さは、足回りの安定感をより感じさせる。それはハンドリングの良さにもつながり、ロールの抑えられたコーナリングを楽しむことが可能だ。

 

伸びやかなルーフラインがスポーティさを強調

トヨタ
カローラ ツーリング
207万円〜304万8000円

いまや数少ないトヨタブランドのステーションワゴン。伸びやかなルーフラインがスポーティさを演出している。2021年にマイナーチェンジ。ガソリンエンジンとハイブリッドがあり、ハイブリッドのみE-Fourの4WDが設定される。

SPEC【W×B(ハイブリッド・2WD)】●全長×全幅×全高:4495×1745×1460mm●車両重量:1390kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒DOHC+モーター●最高出力:98[95]PS/5200rpm●最大トルク:14.5[18.9]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:27.3km/l

※[ ]内はモーターの数値

 

↑すべての電動モジュールを刷新したハイブリッドシステム。モーター出力は従来比+16%を実現した。パワーと燃費の高バランスが特徴だ

 

↑後席はワンタッチで格納可能な60:40の分割可倒式を採用。G以上のグレードにはセンターコンソール背面にUSB端子が備わる

 

【ココがスポーティな意匠】アクセル操作に忠実なパワー出力が魅力

アクセルやステアリング操作に対する反応が素直で扱いやすく、低重心パッケージのシャーシ特性と相まって気持ちの良いコーナリングが楽しめる。意外に低いドラポジも魅力。

 

クリーンディーゼルの追加で魅力が増したワゴン

アウディ
A4 アバント
508万円〜693万円

アウディを代表する人気車種、A4のワゴン版がアバントだ。A4としては5代目になり、2015年にデビュー。2020年には大幅なマイナーチェンジを受けた。ディーゼルエンジン搭載車もラインナップに追加され、魅力がいっそう高まった。

SPEC【35 TDI advanced】●全長×全幅×全高:4760×1845×1435mm●車両重量:1610kg●パワーユニット:1968cc直列4気筒DOHCターボ●最高出力:163PS/3250〜4200rpm●最大トルク:38.7kg-m/1500〜2750rpm●WLTCモード燃費:17.1km/l

 

↑デザインは同じだが、アバントの後席はセダンよりも座面から天井までの高さがある。35TFSI以外は3ゾーンのエアコンを標準装備する

 

↑ラゲッジルームは後席を使用した状況で495ℓの容量を確保。40:20:40の可倒式後席を倒せば1495ℓの大容量荷室が出現する

 

【ココがスポーティな意匠】実用域でも楽しめるエンジンとハンドリング

ディーゼル特有の厚いトルクは低回転域での加速に優れ、クルマはステアリング操作に対し正確に反応する。正確だが穏やかなレスポンスなのでリラックスして運転できる。

 

独自の車両制御技術で卓越した操縦性を誇る

マツダ
MAZDA 6 ワゴン
296万2300円〜385万8800円

2019年のマイナーチェンジ時にアテンザから世界共通名のMAZDA 6に名称変更。現行モデルは2012年にデビューした。マツダ独自の車両制御技術により、ステーションワゴンながらスポーツカー並みのハンドリングが魅力だ。

SPEC【XD Sport Appearance】●全長×全幅×全高:4805×1840×1450mm●車両重量:1630kg●パワーユニット:2188cc直列4気筒DOHCディーゼルターボ●最高出力:200PS/4000rpm●最大トルク:45.9㎏-m/2000rpm●WLTCモード燃費:17.8km/l

 

↑ソフトパッドを多用し高いインテリアの質感も定評があるマツダ6。8インチのセンターディスプレイはスマホとの連携も可能だ

 

↑豊かなトルクで力強い走りを実現するディーゼルエンジン。それまでの回らないディーゼルの概念を変えたパワーユニットでもある

 

【ココがスポーティな意匠】ドライバーの意図に忠実で安定した挙動が堪能できる

ホイールベースが短くても安定した直進性を持ち、ドライバーの意図に忠実でリニアなステアリングフィールを誇る。安定した挙動はロードスターに通じる爽快感が感じられる。

 

PHEVが追加されたバカンスの国のワゴン

プジョー
308SW
362万1000円〜576万6000円

コンパクトモデルの308に設定されるワゴンがSW。現行モデルは2022年に発表され308としては3代目になるモデルだ。パワー・オブ・チョイスのコンセプトに基づいてガソリン、ディーゼル、PHEVと合計3つのパワートレインを設定する。

SPEC【GT・ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4655×1850×1485mm●車両重量:1720kg●パワーユニット:1598cc直列4気筒DOHCターボ+モーター●最高出力:180[110]PS/6000rpm●最大トルク:25.4[32.6]kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:17.5km/l

●[ ]内はモーターの数値

 

↑インパネはステアリングの上下がフラットで包まれ感のあるi-Cockpitを採用。308のものはディスプレイを多用した最新進化版だ

 

↑シートの良さに定評ある308。現行モデルで採用されたシートはAGR(ドイツ脊椎健康推進協会)に認められた人間工学に基づくもの

 

【ココがスポーティな意匠】帰ってきた「ネコ足」は剛性感たっぷりで快適

一時はドイツ車的な固い足回りのセッティングだったが、柔らかく深くロールし、粘りのある走りが特徴の「ネコ足」が復活。高い剛性感が特徴だが、都市部でも快適に走行可能だ。

これぞ狙い目の1台! ピュアEVにおけるアウディの”本丸”「Q4 e-tron」をレビュー

今回の「NEW VEHICLE REPORT」はアウディのピュアEV、e-tronシリーズの最新作となる「Q4 e-tron」をピックアップ!

※こちらは「GetNavi」 2023年5月号に掲載された記事を再編集したものです

 

アウディらしさ満載の1台

アウディ Q4 e-tron

SPEC【Sライン】
●全長×全幅×全高:4590×1865×1615㎜●車両重量:2100㎏●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:82kWh●最高出力:204PS●最大トルク:31.6㎏-m●一充電最大航続距離(WLTCモード):594㎞

滑らかで静粛な走りはまさにアウディならでは

アウディのピュアEV、e-tronシリーズの最新作となるQ4 e-tronの発売が開始された。モデル番号の通り、そのサイズ感はSUVのQ3とQ5の中間的ボリュームで、ボディ形状は他のQシリーズにならいクーペ風のスポーツバックも選択できる。日本仕様は、全グレードがシングルモーターの2WD。Q4 e-tronはリアにモーターを搭載するので、アウディでは珍しい純粋な後輪駆動車となる。搭載するリチウムイオンバッテリーの総電力量は82kWhで、一充電当たりの最大航続距離は594km(WLTCモード)。最新のピュアEVらしくロングドライブも可能としている。

 

204PSを発揮する電気モーターがもたらす動力性能は、過不足のないレベル。車重が2100kgに達するとあって驚くほど速いわけではないが、低速域での力強さやアクセル操作に対するリニアな反応はピュアEVならでは。いかにも精度の高そうな滑らかなライド感と静粛性の高さはアウディのキャラクターにも合っていて、特に日常走行域の居心地はすこぶる良い。居住性はリアシートまで十分なヘッドクリアランスとレッグスペースを確保し、すべての乗員が快適に過ごすことができる。e-tronシリーズのなかでは最も身近な価格設定であることを考慮すれば、エンジン搭載の従来型Qモデルを含めても狙い目の1台となりそうだ。

 

【POINT01】荷室の使い勝手はエンジンモデルと同等

通常時でも荷室容量は520Lを確保。バッテリーは床下に搭載されるので、荷室容量はエンジンモデル比でも遜色ない広さとなる。

 

【POINT02】クーペ風ボディも選択可能

エンジンモデルのQシリーズ同様、Q4でもクーペ風のスタイリングを纏ったグレード、スポーツバックが選択可能。日本仕様が2WDモデルのみの展開なのはシリーズ共通だ。

 

【POINT03】フロント部分にそれほどのスペースはナシ

ピュアEVではフロント部分も荷室のモデルが珍しくないが、Q4 e-tronにそうしたスペースはなし。純粋なメンテナンス用となる。

 

【POINT04】アウディらしさはピュアEVでも同様

オプションでARヘッドアップディスプレイも選択できるインテリアは、アウディらしい精緻さと随所にピュアEVらしさを感じさせる仕立て。室内空間はサイズ相応の広さを誇る。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

 

構成・文/小野泰治 撮影/宮越孝政

「このEVに乗りたい!」プロが乗りたいモデル4選

コンパクトモデルから大型SUVまでEVが選べるようになったいま、プロが魅力を感じる珠玉の4モデルを紹介。EVならではの加速力はもちろん、バッテリー性能など、それぞれのモデルが有する特徴はEVならではのものだ。

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【Model.1】清水草一さん(モータージャーナリスト)

モータージャーナリスト

清水草一

自動車ライター。フェラーリを愛し、生涯EVは買わないつもりだったが、家庭用蓄電池も兼ねるならアリな選択と思い始めている。

 

家庭用電源として使えて耐久性も高い!

ホンダ

Honda e

451万円〜495万円

ホンダ初の量産EV。EVの大きなボディや航続距離の短さを改善して「街乗り」に特化した。ラインナップは154PSのアドバンスと136PSの標準モデルの2種。いずれも駆動方式はRRで最大航続距離は250km以上を誇る。

SPEC【Advance】●全長×全幅×全高:3895×1750×1510mm ●車両重量:1540kg ●最高出力:154PS(114kW)/3497〜1万rpm ●最大トルク:315Nm(32.1kg-m)/0〜2000rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):259km

 

都市型コミューター&家庭用蓄電池にはベスト

私の場合、自宅でソーラー発電をしていて、電力の固定価格買取がそろそろ終わる。なので災害対策も兼ねて蓄電池の導入を考えているのだが、実は蓄電池としてはEVが一番コスパが高い! ただし、V2H(ビークル・ツー・ホーム)ができるのは国産EVのみ。つまりリーフとHonda eのみだが、Honda eのバッテリーは水冷式で、おそらくバッテリーの寿命がずっと長い。だから中古価格も下がりづらい(はず)。航続距離は実質せいぜい200㎞だけど、都市型コミューターとしては十分。しかもいま買える世界中のEVの中で一番シンプルでカッコいいと思う。以上の理由で私はHonda eを選択する!

↑容量は小さめだが、ラジエター方式(水冷)の温度管理システムを搭載している。バッテリーの劣化は気にしなくていいはずだ

 

↑家庭用の蓄電池としても使えるのは、いまのところ国産EVのリーフかHonda eの2択。前述の水冷バッテリーが選択のキモとなった!

 

【Model.2】会田 肇さん(カーITジャーナリスト)

カーITジャーナリスト

会田 肇

クルマやカーナビ、カーオーディオをはじめ先進交通システムにも造詣が深い。海外モーターショーにも積極的に足を運んでいる。

 

高揚感を呼ぶ先進性とトレーシング性の高さは圧巻

アウディ

e-tron Sportback

1327万円〜1346万円

スタイリッシュなクーペ風のシルエットが印象的な、日本初上陸となるアウディのEV。駆動方式はアウディ伝統のクワトロ(4WD)だが、通常は主にリアのモーターのみを駆動させてエネルギー消費を抑える。2.5tを超える車重ながら、0〜100km/h加速は5.7秒という優れたトルク性能を誇る。

SPEC【55 quattro 1st edition】●全長×全幅×全高:4900×1935×1615mm ●車両重量:2560kg ●最高出力:407PS(300kW)●最大トルク:664Nm(67.7kg-m)●一充電走行距離(WLTCモード):405km

 

先進性が高いメカニズムと高い操挓感が魅力のEV

アウディQ3をベースに先進技術を盛り込んだ、日本初導入となるアウディのEV。象徴的な装備が、ドアミラー代わりの「バーチャルエクステリアミラー」で、カメラで捉えた後方映像をインテリア側の有機ELモニターに表示する。解像度が高く、光学ミラーと比べても遜色がない。

 

コックピットのデザインも近未来的で高揚感を昂らせるのに十分。走ればライントレース性が高く、とても2.5t近くの重量車とは思えないほど楽に操れる。充電効率も極めて高く、航続距離もそれほど心配なさそう。この先進性と走りの良さを見事に両立させるe-tronSportsbackで、EVの真価を試したいのだ。

 

↑高解像度な電子ミラーシステムで昼夜を問わず鮮明に後方を映し出す。左右のカメラをボディ外寸内に収めているのも見事だ

 

↑3つの大型ディスプレイに取り囲まれ、左右には後方確認用OLEDモニターが備わる。この先進性がドライバーを高揚感で包み込む

 

【Model.3】川端由美さん(自動車・環境ジャーナリスト)

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美

自動車専門誌の編集記者を経てフリーに。現在では自動車の環境技術や次世代モビリティについても取材活動を行っている。

 

電動モビリティの牽引役が誇る凛としたスタイルのEVが日本上陸!

プジョー

e-208

389万9000円〜423万円

208が完全EVをラインナップに加えて8年ぶりにモデルチェンジ。FFホットハッチのイメージ通り、フロントにモーターを配して重量物のバッテリーは床面に置くなど低重心化し、走行性能を高めている。立体的な視覚効果が特徴である「3D i-Cockpit」など印象的な内装も特徴だ。

SPEC【GT Line】●全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm ●車両重量:1500kg ●最高出力:136PS(100kW)/5500rpm ●最大トルク:260Nm(26.5kg-m)/300〜3674rpm ●一充電走行距離(JC08モード):403km

 

プジョーらしい凛としたスタイルに目が奪われる

プジョーといえば、“フランス製のおしゃれなクルマ”というイメージが強い。しかしプジョーの親会社であるPSAグループは電動モビリティの牽引役であり、最先端技術を続々と開発している。

 

e-208と出会ったのは、昨年3月のスイス・ジュネーブでのこと。コンパクトなボディサイズながら、凛としたスタイリングに目を奪われた。中身に目を向ければ、新開発の「e-CMP」なる電動プラットフォームを内包する。

 

こんなクルマで郊外に向けてハンドルを切れば、プジョーらしい猫足でひたひたと走り抜けるんだろうなあ、と想像をかき立てられる。早く乗りたい! の一言に尽きるEVである。

 

↑最新世代の車両プラットフォーム CMP(Common Modular Platform)を採用。バッテリー容量は50kWhとこのクラスでは大容量だ

 

↑デジタルヘッドアップインストルメントパネルには「3D i-Cockpit」を採用。ホログラムによる情報投影が行われ、多彩な情報を確認可能

 

【Model.4】岡本幸一郎さん(モータージャーナリスト)

モータージャーナリスト

岡本幸一郎

高級輸入車から軽自動車まで幅広く網羅。続々登場するEVのほとんどの車種をすでに試乗済み。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

最大走行距離560kmと0-100km/h加速3.4秒は驚異的!

テスラ

テスラ モデル3

511万円〜717万3000円

世界中が注視するEVに特化した新興勢力のテスラ。これまでは高価な車種が多かったところ、昨年日本上陸を果たした普及版のモデル3は現実的な価格帯に。日本仕様は標準+αの性能の後輪駆動仕様と、デュアルモーターAWDの高性能版、および走行距離重視仕様の3タイプ。

SPEC【スタンダードレンジ プラス】●全長×全幅×全高:4694×1933×1443mm ●車両重量:1612kg ●最高出力:286PS(211kW)●最大トルク:350Nm(35.6kg-m)●一充電走行距離(WLTPモード):409km

 

現実的な価格帯ながら秘められた実力は驚異的

全幅こそそれなりに大きいものの、テスラに共通する流麗なフォルムを持つボディは、日本でもあまりもて余すことなく使えそうなサイズ感。先進的な装備の数々を搭載した室内は、全面をガラスで覆ったルーフにより極めて開放的なのもうれしい。

 

走りの実力もかなりのもので、最速で0-100km/h加速がわずか3.4秒という瞬発力は、この価格帯のクルマでは類を見ない。最大で約560kmという長い走行距離も強みだ。さらには世界に先駆けて半自動運転を実現したオートパイロットや、定期的にクルマが新しくなるワイヤレスソフトウェアアップデートなど、テスラならではの魅力を凝縮している。

 

↑超シンプルなインパネ。大型ディスプレイにナビや車速等すべての情報が表示され、空調等の機能の操作も行う。運転以外はすべてココで完結

 

↑CHAdeMO(チャデモ)よりもはるかに扱いやすく高速で充電できるテスラ独自規格のスーパーチャージャーが全国の要所に設置されている

“クルマは充電”が新しいドライブ様式になる! EVメーカーの現在地

世界各国でエンジン車への規制が強まるなか、自動車メーカーは近年こぞってEVを開発し世に送り出している。走行可能な距離が短い、充電スポットが少ないという不安は、もはや過去のもの。これからのクルマは“充電”が新たなドライブ様式となる。スポーツカーで有名なポルシェも、誰もが憧れるラグジュアリーカーのロールス・ロイスやアストンマーティンもEVを発表。もはやどのメーカーも避けて通れないクルマの電動化は、いまどうなっているのか。自動車ジャーナリストの川端さんに話を聞くとともに、世界の自動車メーカーの現在地を解説!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美さん

工学修士。エンジニアから自動車専門誌の編集部員に転身し、現在は、フリーランスのジャーナリスト。テクノロジーとエコロジーが専門。

 

排出ガス規制と政府の援助で着々と進むクルマの電動化

英語で“Petro Head”と言えばクルマ好きのこと。Petroとは石油のことだから、ひいてはエンジンとクルマは切っても切り離せない……というのはもう過去の話。多くの自動車メーカーがEVを発表する時代が来ている。その背景にあるのが、欧州委員会による「2050年までにカーボンニュートラル(※)を目指す」という発表だ。さらに、2030年までに自動車からの排出ガスによるCO²排出量を半分まで削減(2020年第3四半期比)し、2040年に新型車はほぼCO²を排出しないクルマだけになるというロードマップを描いている。

※ライフサイクルで見たときに、二酸化炭素の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになる状態のこと。2017年にパリで開かれたワン・プラネット・サミットでカーボンニュートラル宣言が発出された

 

この動きは、中国やアメリカでも加速している。中国では政府が税の優遇などを設けて、電池を含めたEV産業全体を後押ししている。アメリカのカリフォルニア州では、2035年までに州内で販売されるすべてのクルマを排ガスゼロにするという意欲的な目標を打ち出している。世界は電動化に向けて、着々と進んでいるのだ。

 

世界EVメーカーシェアランキング】

テスラが約18%と圧倒的なシェア。これは2016年に発表され手ごろな価格で大人気となったモデル3の影響が大きい。日本メーカーがベスト10に入っていないのは残念。

● ウェブサイト「EV Sales」の2020年1月から8月までの販売台数ランキングデータより引用。

● 販売台数のなかにはPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド車)も含まれる

 

《アメリカ》

EVの世界シェアで断トツのトップを走るテスラが市場を牽引。シボレーのボルトEVは2021年に次期モデルが登場する予定だ。

 

【No.1】世界シェアでトップを走る気鋭のEVメーカー

テスラ

起業家イーロン・マスクを中心に「自分たちが乗りたいカッコいいエコカーを作ろう!」と一念発起。スポーツカー、セダン、SUVに続き手ごろなモデル3と、新車を連発中だ。

 

【No.2】転んでもタダでは起きない⁉ GM渾身のEVで巻き返す

シボレー

リーマンショックで倒産の憂き目にあったGMだが、政府から低利の融資を受けて電池とEVのボルトを開発。高級車ブランドのキャデラックでも、2023年にEVを発売予定だ。

 

《アジア》

政府の援助を受けられるなどEVの開発環境が整えられた中国は、多くのメーカーが参入。元々は電池メーカーなど、異業種企業も多い。

 

【No.1】商用EVのトップメーカーから乗用車へも進出

比亜迪汽車(中国)

電池メーカーとして創業し、EVメーカーを買収。いまEV商用車では世界一だ。アウディからデザイナーを招聘し、王朝シリーズで乗用EVにも進出。トヨタとの合弁も開始した。

 

【No.2】洗練されたデザインを武器に欧米市場への進出を目論む

広州汽車(中国)

2025年までに全車種をEV化すると宣言。心臓部には日本電産製モーターを積むeAxleを搭載し、スタイリングは欧州高級車メーカーから引き抜いてきたデザイナーが担当する。

 

【No.3】年内上場を目指す注目のEVスタートアップ

威馬汽車(中国)

コネクテッド・カーや購入後のアフターサービスなどをウリにした“スマートカー”として話題。「中国版Google Map」を提供する百度と手を組んで、自動運転や車載AIも提供する。

 

【No.4】中国版イーロン・マスクが起こしたEVメーカー

上海蔚来汽車(中国)

中国経済界の若手カリスマであるウィリアム・リー氏が創業。大気汚染を解決しようと、「青空の訪れ」を意味する「蔚来」を社名にした。自社工場を持たず、SUVのES8を委託生産。

 

【No.5】自社生産と提携を使い分け世界への販路拡大を続ける

上海汽車(中国)

第一汽車、東風汽車と並び、中国の三大自動車メーカーのひとつ。自社での生産も手掛ける一方、他国の企業と提携を結び拡大。イギリスの名門ブランドMGのEVをフランスで発売した。

 

【No.6】委託生産の依頼や出資と共に自社EVも発売する多様な戦略

長安汽車(中国)

今後10年で27車種ものEVを発売すると意気込む。自社ブランドを拡大すると同時にEVメーカーの蔚来に生産を委託したり、愛馳に出資したりと、多様なEV戦略を目論む。

 

【No.7】ボルボの親会社はEV専用ブランドも立ち上げた

吉利汽車(中国)

中国系大手であり、ボルボの親会社であり、ダイムラーの大株主。EV専用ブランド「ジオメトリ」を設立し、テスラのモデル3をライバルと目論む小型セダン、Aを発表した。

 

【No.8】EVのラインナップを拡充し自動運転技術も磨く

ヒュンダイ(韓国)

コンパクトハッチ・コナのEV版の登場に続き、SUVの45を発売予定。3月にジョイスティックで操作し、自動運転への切り替えも可能なコンセプト「Prophecy」を発表した。

 

《日本》

日産と三菱が日本のEVを牽引してきたが、ホンダとマツダも参入。日産は新型アリアの販売を予定し、やっちゃえシェア獲得となるか。

 

【No.1】ハイブリッド王国ニッポンでピュアEVの道を突っ走る

日産自動車

世界に名だたる“ハイブリッド王国”であるニッポンだが、日産は一貫してEV開発を貫いている。リーフは2017年に2世代目となり、なんと累計50万台(!)を販売している。

 

【No.2】小さいながらもグローバルでEVを展開

三菱自動車

EV開発の歴史は1960年代から。早朝の新聞配達に静かなクルマが欲しいと考えた結果、EVを開発することになったという。コツコツと開発を続け、2009年に世界初の量産EVを発売。

 

【No.3】電気駆動になってもホンダ独自の走りの魅力は健在

本田技研工業

電気の時代においても、ホンダは走って楽しいクルマを作ることを重視している。Honda eでは、走行距離を200㎞と割り切りつつ、コンパクトでキビキビ走るモデルに仕立てている。

 

【No.4】クリーンディーゼルだけじゃない EVにもしっかり着手

マツダ

昨今のマツダはクリーンディーゼルが有名だが、電動化にも着手している。第1弾となるMX-30はヨーロッパで販売開始。日本では2021年にリース形式での販売を開始する予定だ。

 

《ヨーロッパ》

EU各国でCO2排出規制が発出されたことで、続々とEVが登場。目標年度を定めてEVへシフトするメーカーも多く、その動きに注目だ。

 

【No.1】EVでも最善の性能と快適性を提供する

メルセデス・ベンツ(ドイツ)

「最善か無か」を旨とするメルセデス・ベンツだけに、EVでも高性能かつ快適なクルマを開発する姿勢を崩さない。EQCでは、パワフルなモーターと自社製電池を搭載している。

 

【No.2】次世代に向けてイチから刷新したEVを開発

BMW(ドイツ)

バイエルン・エンジン製作所を略した社名のBMW。徹底したエンジン屋のBMWがイチから刷新したEVブランドのiでは、EV特有の気持ち良い走りをBMW流に仕立てている。

 

【No.3】壮大な販売目標を揚げてEV市場の席巻を狙う

フォルクスワーゲン(ドイツ)

2025年までに300万台のEVを販売するという意欲的な目標を掲げるフォルクスワーゲンは、続々とEVモデルを発売している。第1弾となるiD.3に続き、iD.4も発売されている。

 

【No.4】電動化を推し進める国の牽引役となるメーカー

プジョー(フランス)

国を挙げて電動化を推し進めるフランス。プジョーはその牽引役となっている。日本上陸を果たしたe-208では、パワフルなモーターと大容量電池を組み合わせた心臓部を持つ。

 

【No.5】日本にもEVがお目見えしEVの販売比率拡大を目指す

アウディ(ドイツ)

アウディの電動シリーズe-tron Sportbackが待望の日本上陸を果たした。さらにe-tron SUVが続く。2025年までに20車種のEVを発表し、40%のEV販売比率達成を目指している。

 

【No.6】欧州最多のEV販売台数を誇る

ルノー(フランス)

30万台のEV累計販売台数を誇るルノー。一番人気の小型車・ゾエは販売台数を伸ばしており、累計販売台数は10万台を超える。今年はカングーのEV版コンセプトモデルも発表。

 

【No.7】「あのポルシェが!」と世界を驚かせた

ポルシェ(ドイツ)

世界有数のスポーツカーブランドも、量産EVであるタイカンを発売。最高250km/h、0-100km/h加速2.8秒というハイパフォーマンスを誇る。2021年モデルも欧州で発表された。

 

【No.8】レースで鍛えたEVの技術を量産モデルにも投入する

ジャガー(イギリス)

F1のEV版であるフォーミュラーEに参戦しているジャガー。量産EVでもI-PACEを発売した。最大696Nmもの大トルクを発揮するモーターによって、スポーティな走りを実現する。

アウディ x イタルデザイン x エアバスの提案とは?

2018年3月6日、アウディ、イタルデザイン、エアバスの3社は、ジュネーブ・ショーにおいて、道路および空中を移動する完全自動運転の電気自動車コンセプトモデル、「Pop.Up Next(ポップ・アップ・ネクスト)」を展示した。

 

 

 

まだ先の話になるが、このポップ・アップ・ネクストは、人々を乗せて都市の道路と空中をすばやく便利に移動。さまざまな交通問題を解決する可能性を秘めている。

 

インテリアの最大の特徴は49インチのスクリーンで、人と機械のやりとりは、音声および顔認識システム、視線追跡操作システム(アイトラッキング)、タッチ機能によって行なわれる。

 

 

超軽量な2人乗りキャビンは、車両モジュールまたは飛行モジュールのどちらにも取り付けることが可能。アウディは、バッテリーおよび自動運転技術のノウハウで、このプロジェクトを支援している。イタルデザイン社長のDr.ベルント・マルテンスは、次のように述べた。

 

「都市および人々の多様なニーズを考慮した新しいコンセプトを策定する場合には、創造性が必要になります。イタルデザインは、革新的なテクノロジーと先進的なプロトタイプを作成する拠点となっています。ポップ・アップ・ネクストは、将来的に都市における生活を根本的に変える可能性を秘めた野心的なビジョンです」

 

 

イタルデザインは、アウディおよび世界中のユーザーのために未来志向の車両コンセプトを開発している。イタルデザインCEOのヨルグ・アスタロッシュは、次のように述べている。

 

「未来におけるアーバンモビリティのルールは、さまざまなプレーヤーによって定義されていくでしょう。私たちは、航空宇宙産業において世界有数の企業であるエアバスと協力して、未来のモビリティへ向けたソリューションを研究できることを誇りに思っています」

 

 

さらに、アスタロッシュは、ポップ・アップ・ネクストを都市に住む人々に3次元のモビリティへの道を拓く、柔軟性の高いオンデマンド コンセプトであると見なしている。イタルデザインは、都市におけるモビリティの未来をより良く予測するために、都市、大学、様々な関係者のネットワークを活用している。

 

なお、ポップ・アップの最初のバージョンは1年前のジュネーブ・ショーで発表されているが、今回のポップ・アップ・ネクストは、それよりも大幅に軽量化。インテリアのデザインも見直されている。

 

“Pop.Up Next”ウェブサイト
https://www.italdesign.it/geneva2018

 

 

 

アウディ・ツイン・カップの日本代表が決定!

アウディ・ジャパンは2018年2月14日(水)、大阪のリーガロイヤルにて「アウディ・ツインカップ2017ジャパン ファイナル」を開催。審査の結果、テクノロジー部門ではアウディ高松が1位を獲得、サービス部門ではアウディ熊本が2年連続の1位に輝いた。

 

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アウディ・ツイン・カップは、アウディ正規ディーラーのサービス品質向上を目的とした技能コンテスト。本国のアウディAGならびにアウディ・ジャパンが、目標のひとつとして掲げる顧客満足度向上に繋がる重要なイベントとなっている。

 

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対象となるのは、全国で125店舗あるアウディ正規ディーラーのすべてのメカニックとサービスアドバイザー。テクノロジーとサービスという2つの部門別に行なわれることから、名称もツインカップとされているわけだ。

 

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今回開催された「アウディ・ツインカップ2017ジャパン」には、2回に渡るオンラインでの筆記試験での予選を経てテクノロジー部門12チーム(36名)、サービス部門12チーム(12名)が出場。テクノロジー部門では実車を使った故障診断や修理、サービス部門では入庫受付を想定し、顧客の指摘から不具合箇所を特定するなどの実技試験に加え、それぞれの部門の学科試験を加えた総合成績で争われた。

 

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その結果、テクノロジー部門の1位チームであるアウディ高松の3名、そしてサービス部門の1~3位の3名が2018年7月に欧州で開催予定の「第14回アウディ・ツインカップ・ワールドチャンピオンシップ」に日本代表として出場。世界一の座を競うこととなった。

 

ちなみに2014年7月にドイツで開催された「第10回アウディ・ツインカップ・ワールドチャンピオンシップ」では、サービス部門において世界38カ国、75チームの中から日本代表が見事に優勝。昨年の第13回も日本代表がテクノロジー、サービス両部門にて、ともに3位入賞を果たしている。

 

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アウディ・ツインカップ2017 ジャパンファイナル審査結果

(テクノロジー部門)
1位アウディ高松
2位アウディ熊本
3位アウディ調布A

(サービス部門)
1位アウディ熊本
2位アウディ箕面
3位アウディ足立B

 

 

アウディスポーツが2020年までにラインナップ拡充

アウディAGの100%子会社であるアウディスポーツGmbHのトップが3月1日に交代する。新CEOのミハエル・ユリウス・レンツ氏はアウディのマーケティング部門を経て、’15年から中国のセールス部門のトップを務めてきた実績を持つ60歳。一方で旧CEOのステファン・ヴィンケルマン氏は53歳の若さながらフランスに本拠を置くブガッティ・オートモビルズのトップに就く。ちなみにヴィンケルマン氏はアウディスポーツの前はアウトモビリ・ランボルギーニのトップを務めていた経験も持つ。

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国際経験も豊富なレンツ氏がトップに立つことで、さらなる世界規模での成長に期待が高まるアウディスポーツ国際経験も豊富なレンツ氏がトップに立つことで、さらなる世界規模での成長に期待が高まるアウディスポーツ

 

モータースポーツ参戦に加えてRSモデルやR8の開発製造と販売、パーツやアクセサリー類の販売などを行なうアウディスポーツのブランド認知は世界的に高まっており、富裕層を中心にセールスも伸びている。アウディAGの業績アップにも貢献し、日本においても正規ディーラーにおけるサブブランド展開が積極的に進められているのはご存じのとおり。

 

今回のトップ交代もその路線を強化するのが狙いで、’20年までにアウディスポーツのラインナップを現在の11モデルから16モデルへと拡充する考えも明らかにしている。グローバルマーケティングを得意とするレンツ氏の就任で、スポーツモデルの展開がどういった方向へと進むのか。高性能コンパクトモデルの設定や電動化への対応など、その手腕がどう発揮されるのか興味深いところだ。

次期型アウディ「Q3」は新ボディでライバルBMW「X1」に差をつける!

アウディのクロスオーバーSUV「Q3」の次期型プロトタイプが捉えられた。カモフラージュされているものの、ワイドな新グリル、外側へ段差を付けた新デザインのLEDヘッドライト、「A8」を彷彿とさせるテールライトなどが確認できた。

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次期型アウディ「Q3」では、プラットフォームにはフォルクスワーゲングループの「雪日タスMQB」を採用。傾斜が強められたリアウィンドゥによりスポーティなエクステリアを持ちつつ、より広いヘッドルームを確保。さらにホイールベースを50mm延長して広いフットスペースを持たせるなど、快適さをUPさせているようだ。

 

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パワートレインは1.0リッター直列3気筒TFSIターボエンジン、1.4リッター直列4気筒TDIエンジン、2.0リッター直列4.0気筒TFSIエンジンのほか、1.4リッター直列4気筒TFSIエンジンに電気モーターを組み合わせたPHEV「e-tron」もラインナップされるという。さらに、2.5リッター直列5気筒エンジン搭載の「RS Q3」もあるはずで、最高出力394psを発揮する模様だ。

 

ワールドプレミアは2018年前半、後半には発売が開始されるという予想だ。

 

 

 

アウディA1の次期型、最終デザインはこれだ!

アウディ最小ハッチバックである「A1」の次期型CGである。そのCGを確認すると、マトリクスLEDヘッドライトに左右を繋ぐ「コ」の字型エアインテーク、ワイドなシングルフレームグリルが特徴的だ。

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「MQB」プラットフォームを次期型より採用することとなり、軽量でしかも剛性が高いだけでなく、ホイールベースの延長からコンパクトながら居住空間の充実も図られ、小さいA1とはいいながらも余裕のあるモデルとなりそうである。

 

サイドミラーはドアからウィンドゥへ移動され、リアドアへキックアップされた力強いキャラクターラインが見られる。また3ドアは廃止され、CGのように5ドアモデルのみの設定となるはずだ。

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パワートレインは新開発の1.0リッター直列3気筒ダウンサイジングターボ及び、2.0リッター直列4気筒エンジンに、6速MT又は7速スピードATが組み合わされるという。さらに200psを発揮する「S1」や300psの「RS1」などが続くはずだ。

 

室内にはスマートフォン・インテグレーションが装備され、12.3インチのTFTバーチャルコックピットディスプレイをオプションでチョイス出来るという。

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待ち遠しいワールドプレミアは、2018年9月とレポートされている。

アウディの革新とイノヴェイターを讃える、WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017

日本版『WIRED』とアウディ・ジャパンとのコラボによるプロジェクト、「WIRED Audi INNOVATION AWARD」の表彰式が、去る12月6日(水)に東京港区の海岸スタジオで行なわれた。「未来の日本、未来の世界をつくる」をテーマにとした同イベントは、さまざまな領域で独創的なアイデアとヴィジョンを持って新しい試みを続けるイノヴェイターに光をあて、その存在を広く発信することを目的としたもの。

 

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同アワードの授賞式およびレセプション会場となった東京港区の海岸スタジオには、エントランスにアウディR8とRS 7コンセプトが展示され受賞者やゲストを出迎えた。同アワードの授賞式およびレセプション会場となった東京港区の海岸スタジオには、エントランスにアウディR8とRS 7コンセプトが展示され受賞者やゲストを出迎えた。

 

国内では開催2年目となる今回は、実業家や化学、医療、芸術等の分野で活躍する30組のイノヴェイターを日本版WIREDの若林編集長が表彰。授賞式後のレセプション会場には、受賞者の活動を表現したパネルが展示されたほか、今回の受賞者でもある音楽家の坂本龍一氏と作曲家の藤倉大氏によるライブパフォーマンスも行われ、天板のないグランドピアノを使ったふたりの即興演奏に会場は独特な雰囲気に包まれた。

 

 

授賞式後に行なわれたライブパフォーマンスでは、坂本龍一氏と藤倉大氏が事前打ち合わせのない即興演奏を披露。独特な世界観に緊張感すら漂った。

 

主催者のひとりとして登壇したアウディ・ジャパンのマーケティング本部長ミクシェ・シルケ氏曰く、「アウディが提唱する『技術による先進』や世界観との親和性が高く、前に進む人々を奨励することはブランドを浸透させるためにも意義ある活動」と高く評価していた。

 

 

【東京モーターショー2017】最新の自動運転技術に加え、ドライビングプレジャーが際立つ「アウディスポーツ」モデルも充実!

すでにフォトデビューしているA7スポーツバックのワールドプレミア……といったサプライズこそなかったものの、アウディのブースは先進性を売りにするプレミアムブランドらしいコンテンツが魅力的。目玉はやはり、2018年の導入が予定されている新型A8。レベル3の自動運転をいち早くアピール、全モデルにマイルドハイブリッド機構を組み合わせることでEV化への流れも予感させる出来栄えだ。そんな新型A8の先進性を補強するのがエレーヌとQ8スポーツコンセプトだが、特に後者は過去に魅力的なSUVのコンセプトカーを輩出しているアウディらしい完成度を誇る。

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また、スポーツ性が高いモデルの展示が手厚い点も今回のアウディブースは特長的といえるだろう。日本初公開のRS4アバントやRS5に加え、上陸間もないS Q5やR8スパイダーなど、ショーに相応しい華のある布陣となっている。

 

A8

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20171030_hayashi_LV_11↑市販車最先端の自動運転機能に加え、今後主流になるであろう48V電源システムを採用していることでも話題を呼んだアウディの旗艦。新しさと高級感を両立するインテリアの出来栄えも要注目のポイント

 

エレーヌ・コンセプト

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20171030_hayashi_LV_13↑’17年5月に公開されたeトロン・スポーツバックをベースとして、アウディAIハイウェイパイロットを筆頭とする自動運転技術を盛り込んだコンセプトカー。パワートレインは3つのモーターを駆使したフルEVのクワトロだ

 

Q8スポーツ・コンセプト

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20171030_hayashi_LV_15↑アウディの新型SUVを予感させるコンセプトモデルで、そのパワートレインにはマイルドハイブリッドシステムと電動コンプレッサー(ターボ)を搭載。275㎞/hの最高速度と1200㎞を超える航続距離を実現している

 

Q7 eトロン・クワトロ

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20171030_hayashi_LV_17↑日本や中国など、アジア市場向けに専用開発されたQ7のプラグインHV。約50㎞のEV走行を可能としつつ、100㎞走行当たりの燃料消費が2.5リットルという低燃費を実現。その一方、0〜100㎞/h加速は5.9秒という俊足ぶりも自慢のモデルだ