ライカレンズを搭載した8K画質のAIアクションカメラ「Insta360 Ace Pro 2」

Insta360Japanは 8K画質のアクションカメラ「Insta360 Ace Pro 2」を10月22日に発売しました。実売価格は通常版が6万4800円(税込)、バッテリーが2個付属するデュアルバッテリーキットが6万7800円(税込)。

Insta360 Ace Pro 2

 

記事のポイント

初のデュアルAIチップ搭載により、撮影映像の高画質処理やハイライト動画の作成など、アクションカメラとしての機能が大幅に向上。初めてアクションカメラを使う人からプロユースまで、幅広いニーズに答えるハイスペックなカメラです。

 

「Insta360 Ace Pro 2」は、アクションカメラとして初めて「デュアルAIチップ」を搭載。ノイズリダクションと画像処理を行う専用のプロ仕様イメージングチップと、パワフルなパフォーマンスを実現する5nm AIチップが搭載されています。

 

レンズは、世界的なカメラメーカーのライカと共同開発された「ライカ・ズマリットレンズ」を搭載。より多くの光を捉えてノイズを低減するF2.6絞りと157度の広視野を実現し、明るく広々とした画角の映像を撮影できます。

ライカと共同開発された「ライカ・ズマリットレンズ」を搭載

 

また、新搭載の「1/1.3インチ8Kセンサー」は、13.5段のダイナミックレンジ、2.4μm相当のピクセルサイズで、4K60fpsのアクティブHDRと8K30fpsの動画をサポート。低照度専用のモードPureVideoも進化しており、AIノイズ低減により暗いシーンでもディテールを確保し、明るく高精細な映像を撮影できます。

 

手ブレ補正技術FlowStateと、自動で適用される360度水平維持により、手ブレを防いでなめらかな動画を実現。タフネス性能も向上しており、取り外し可能なレンズガードにより過酷な撮影下でもレンズをしっかり保護します。防水性能は単体で12m、潜水ケースに入れると60mに向上し、最低動作温度は-20ºCで、ウィンタースポーツや厳しい気象条件にも耐えられます。

 

着脱式ウインドガードを備え、風切り音とノイズを最小限に抑えます。オーディオアルゴリズムも一新され、プロレベルのクリアな音で録音可能です。フリップ式タッチスクリーンもアップグレードされ、大きさは2.5インチになり、ピクセル密度が70%増え、明るさが6%向上。Vlog撮影や自撮り、厳しいアングルでの撮影における完璧なフレーミングと容易なプレビューを可能にし、明るい直射日光の下でも高い視認性を確保します。

2.5インチのフリップ式タッチスクリーン

 

さらに、磁気マウントシステムでアクセサリーをシームレスに着脱交換できます。 ネジを締めたり緩めたりしてカメラとマウントを固定する時間を節約して、その分を大切な瞬間を捉える時間に費やすことができます。

 

新しい耐久モードは、4K30fps撮影時でInsta360 Ace Proよりも50%長い連続撮影時間を実現します。 急速充電により80%まで18分、100%まで47分で充電できるので、手早く充電してアクション撮影を継続できます。

 

Insta360
「Insta360 Ace Pro 2」
2024年10月22日発売
実売価格:通常版6万4800円(税込)、デュアルバッテリーキット6万7800円(税込)

最新GoPro「HERO12 Black」を撮影〜編集までお試し!アクセとアプリで隙ナシの映像体験にのめり込み

アクションカメラでトップシェアを誇る「GoPro」の最新モデル「HERO12 Black」。今回このモデルを使ってアクティビティを体験&撮影を行うプレスツアー「GoPro Summer Travel」が開催されたので、参加してきました。

会場となったのは、兵庫県三木市にある「ネスタリゾート神戸」。大自然を利用した多くのアトラクションや手ぶらで楽しめるBBQ、宿泊施設「ホテル ザ・ネスタ&スパ」が揃う、約230万㎡にも及ぶ広大なリゾート施設です。

 

1/4インチ三脚穴がついて便利に使える!

まず撮影に使用する「HERO12 Black」について紹介します。最新モデルとなる本機は、2023年9月に発売されました。GoProならではの耐久性能はそのままに、バッテリーの持ちがグンと良くなり、5.3K、60フレームの撮影では70分、1080p、30フレームでは155分以上の連続撮影が可能になっています。また、多くの人が待ち望んでいた1/4インチの三脚取り付け穴が底面に新たに設けられ、より便利に使えるようになりました。

↑最新モデルとなる「HERO12 Black」。GoProオフィシャルショップ価格は6万2800円

 

↑底面に設けられた三脚取り付け穴。一般的な三脚に対応し、撮影の幅が広がります

 

ハンド+リストストラップを使って「グレートブラスター」を撮影!

まず向かったのは、プールエリアにある「グレートブラスター」。日本でここだけの水のジェットコースターです。10mを超える高さから一気に下ったあと、約6t/分の水の力で急上昇! 上昇&下降を3度も繰り返す絶叫必至のアトラクションです。

 

ここではアクセサリーの「ハンド+リストストラップ」にGoProを取り付け、手首に固定。そのため両手が空いた状態で撮影が可能になります。カメラを取り外すことなく360度回転できるので、通常の撮影と自撮りも簡単に切り替えられます。

↑水の力を利用する「グレートブラスター」。スタート地点までの階段を上がる際は、どこまで上がるのかちょっと不安でした

 

↑「ハンド+リストストラップ」を手首に固定。前方撮影に適した向き(左)や自撮りに便利な向き(右)など、カメラを取り外すことなく360度で調整可能です

 


今回はネスタリゾート神戸より特別に撮影許可を得て撮影しています。

 

想像以上の降下角度でスピードMAX! 思わず絶叫してしまいました。今回はネスタリゾート神戸の撮影許可がありHERO12 Blackを装着して撮影できましたが、スマホなどを手にしていたらまず撮れない映像です。中年オヤジの姿を撮影しても……と思いレンズを前に向けましたが、カメラを回転させて撮ったらそれはそれで面白い映像が撮れたかもしれません。

 

撮影していることを忘れるほどアクティビティに夢中!

次に体験したのが、サバゲーの一種と言える「ガンバトル・ザ・リアル」。発泡スチロールの先端に軟質プラスチックがついた弾をガンに装填し、相手を狙うゲームです。今回は3チームに分かれ対戦。編集部は自陣地のフラッグを相手チームから守る守備側で参戦しました。

↑今回使用したマウントは「バイトマウント」。ゴム部分を口で加えればハンズフリー撮影が可能です。このアクティビティでは、保護用に被るヘルメットの上に粘着テープで固定しました

 

気温30℃を超えるなか、練習と本戦のダブルヘッダーはかなりキツイ! ただゲーム開始のブザーが鳴ると一気に戦闘モードに。どこから現れるかわからない敵チーム員の姿を見つけては弾を発射、装填がなくなれば補充と、迫りくる敵の対応に忙しく撮影していることを忘れるほど。でも頭上のHERO12 Blackがしっかり撮影してくれています。


今回はネスタリゾート神戸より特別に撮影許可を得て撮影しています。

 


今回はネスタリゾート神戸より特別に撮影許可を得て撮影しています。

 

1日の締めくくりはBBQにてプレスツアー参加者全員で乾杯! 皆HERO12 Blackで思い思いに撮影していました。

 

アクセサリーを活用して空中風景を広範囲に撮影!

翌日はネスタリゾート神戸に入った際から存在感たっぷりの「SKY EAGLE」を体験。日本で最長・最速を誇るジップラインアクティビティです。「SKY EAGLE!」の掛け声とともにスタート。ネスタリゾート神戸上空をまさに“飛んでいる”感覚に包まれます。

 

ここで使用したアクセサリーが、より広角で撮影できる「Maxレンズモジュラー2.0」と「3-Way 2.0」。レンズモジュラー2.0は4K60フレームで最大視野角177度の撮影が可能、3-Way 2.0は自身から撮影できる距離を延長できるアーム機能により、広範囲の映像を記録できます。三脚にもなるのが便利!

↑三脚の機能も有する「3-Way 2.0」。アームを伸ばせばより広範囲の撮影も可能になります

 

↑HERO12 Black標準付属のレンズから「Maxレンズモジュラー2.0」に交換。取り付けも簡単です

 

※ネスタリゾート神戸より特別に撮影許可を得て撮影しています。

 

今回は恥ずかしながら“自撮り向き”で撮影。ですが広範囲で撮れるMaxレンズモジュラーとマウントの組み合わせで、周囲の風景まで撮影できます。高さには少しビビリましたが、スタートしたあとはもう爽快感ばかり! こちらでも思わず絶叫してしまいました。

 

撮影後はGoPro専用アプリ「Quik」でカンタン編集

撮影が終了したら、GoPro専用アプリ「Quik」を使って編集。「HERO12 Black」とスマホをWi-Fiで接続し、動画を取り込みます。編集もカンタンで、ハイライトビデオをワンタップで自動作成してくれます。GoProのリモートコントローラーとしても使え、撮影開始や停止などが可能。離れた場所での撮影で活躍します。

↑タップするだけでハイライトビデオを自動で作成。「SKY EAGLE」で撮影した19分ほどの動画を、1分30秒にまとめてくれました

 

↑GoProのリモコンとしても利用可能。離れた場所からの撮影や夜間の写真撮影など、手ブレを抑制する際に便利です

 

豊富なアクセサリーを使えば撮影の幅が広がる!

アクションカメラとして知られるGoPro。過酷な撮影環境に耐える性能や、何より映像撮影の環境を広げてくれるカメラとして高いシェアを誇っています。今回の「GoPro Summer Travel」に参加し、撮影してみて感じたことは以下の2点。

 

まずは「HERO12 Black」本体だけでなく、豊富に用意されたアクセサリーを導入することで、撮影の範囲が驚くほど広がるということ。「ハンド+リストストラップ」や「3-Way 2.0」マウントを使って撮影することで、これまで体験したことがない映像撮影が体験できました。

 

2つ目。これは撮影する人の気持ち次第ですが、今回のツアーで「こんな私が自撮り?」という気持ちが、体験を通じるなかで消えて行ったことです。「中年オジサンが映っていても良いでしょ」という感覚になっていました。GoProで撮影しているのに、風景撮影ばかりをしていたらもったいないかな……と。

 

スマホで動画撮影することが当たり前となっていますが、「いままでと違う映像を記録してみたい」「家族(特にお子さん)に喜んでもらえる映像を残す」には、GoProは最適なカメラです。記録的な暑さが続くこの夏ですが、夏休みの思い出作りにぜひオススメしたい1台に、間違いないです!

手ブレ・傾きが意識から消えていく―― 「GoPro HERO9 Black」を使ってわかった“ジンバル要らず”の実力

アクションカムの代名詞とも言うべきGoProシリーズだが、昨今のVlogブームから乗り遅れていた機能がある。自撮り用の前面液晶画面だ。以前から要望が多かった機能ではあるが、HERO8では「ディスプレイモジュラー」という形でアクセサリーでの対応となった。

 

そのディスプレイモジュラーを待ち望んでいたユーザーも多かったと思うが、今年新たに登場したのが「GoPro HERO9 Black」だ。パッと見でわかる最大の特徴は、ライブビューやステータス表示が可能な1.4インチカラー LCDの前面スクリーンが搭載されたこと。これによりGoProで自撮りが容易になるだけでなく、その他にもVlogを意識した新機能が盛り込まれている。

↑GoPro HERO9 Blackでは、ライブビュー表示も可能な1.4インチカラー LCDの前面スクリーンを採用

 

表示をカスタムできる前面スクリーンを搭載

本体寸法は71.8×50.8×33.6mmで重量は158g。HERO8よりも少し大きく重くなった。これはバッテリーの大容量化と前面カラースクリーン搭載によるところが大きいだろう。なので従来のアクセサリー類では使えないものなども出てくるので注意が必要だ。

 

前面スクリーンは画面中央部分をクロップして映し出す「フルスクリーン」と、画面全体を表示してくれる「実際の画面」を選ぶことができる。また非表示にしてバッテリー消費を抑えたり、従来通りのステータス表示も可能だ。個人的にはフレームのバランスを気にしたいので「実際の画面」にして使っていたが、被写体を常に中心に置いておきたい場合や自撮りで表情を気にしたい方はクロップした「フルスクリーン」画面で表示するとよいだろう。

↑前面画面表示はカスタマイズ可能

 

静止画/動画ともに基本の画質性能が向上

では基本性能を確認していこう。

 

まずは画質の違いについて。写真の解像度がHERO8の12メガピクセルから20メガピクセル(5184 × 3888px)へとかなり向上した。

↑動画のイメージの強いGoProだが、HERO9 Blackでは静止画の画質も大幅に向上

 

画角は狭角、リニア、広角の三段階で変更可能。広角とリニアではズームもできるので、スマホとはまた違った感じの写真撮影を楽しめる。

↑画角比較

 

動画もより高解像度な5K@30fpsでの撮影が可能となった。動画の画角は狭角、リニア、広角、さらにSuperViewの四段階に変更可能。従来から定評のある手ブレ補正機能もHyperSmooth 3.0となり、よりスムーズで安定した映像を記録できる。HyperSmoothをオフにすればリニアと広角ではズームも可能。

 

カメラ単体で機能する「水平維持」が非常に強力

そして新たに搭載された「リニア+水平維持」モードが非常に強力。従来は撮影後にGoProアプリでの処理が必要だった水平維持が、カメラ単体で撮影できるようになった。これによりカメラが多少斜めになってしまっても記録映像は常に水平を維持してくれるので、ジンバル要らずのスムーズな映像をカメラ単体で撮影できる。

↑水平維持機能を本体内で適用できるのが非常に便利

 

これが思った以上に快適だった。斜面や階段などの足場の悪い場所でも手ブレを気にせずに足元に注意して移動撮影できるし、車載映像もコーナーでの傾きや路面の凹凸に関係なくとてもスムーズに撮影できた。

<レビュー動画01/手ブレ補正や水平維持機能>

※0秒~手持ちでの手ブレ補正、音について
※34秒~自撮り、光線状態の違いによる描写(逆光/順光/日陰)
※1分30秒~画角の違い
※1分48秒~水平維持機能

 

「Max レンズモジュラー」でさらにパワーアップ!

さらに新登場のアクセサリー「Max レンズモジュラー」を使用すると、Max HyperSmoothによるさらに強力な手ブレ補正と水平維持機能で、360度どんな角度でも常に水平を維持してくれる。これは同社の360度カメラ「GoPro MAX」のHEROモード(※360度撮影ではなく、通常のHEROシリーズと同様の画角で撮影できるモード)の水平維持機能がそのまま使えるようなイメージだ。自撮り棒などで上下に動かすだけで、無理なく簡単にクレーンショットも可能となる。

↑新登場のアクセサリー「Max レンズモジュラー」。直販価格は1万1900円

 

<レビュー動画02/Max レンズモジュラー>

※0秒~Max レンズモジュラーの装着・設定
※20秒~強力な水平維持機能
※52秒~クレーンショット
※1分1秒~Max SuperView

 

だったらGoPro MAXでもよいのでは? と思う方もいるかもしれない。しかしGoPro MAXはあくまでも360度撮影の機能を重視しており、HEROモードでは1440p@60fpsまでしか撮影できず、ハイスピード撮影にも対応していない。全天周撮影できる利点は大きいが、アクションカメラとして考えるとちょっと物足りなくなってくるのだ。

 

撮影時間を設定できる新機能も追加

そしてもうひとつ新たに加わったのが「スケジュールキャプチャー/デュレーションキャプチャー」機能。これにより撮影開始時刻や録画を停止するまでの時間を設定できるようになった。

 

撮影開始後に放置しておいても設定した時間に停止してくれるし、朝日が昇るタイムラプスもその時間に起床せずに自動的に撮影できる。これらもまたVlog用途として活用できるのではないだろうか。

 

その他の撮影機能は概ねHERO8から引き継がれており、スローモーションやタイムラプスなどの撮影も可能。単なるアクションカメラとしてではなく、日常の記録や旅の思い出などもより印象的に表現できるだろう。

<レビュー動画03/スローモーション&タイムラプス>

 

【まとめ】自撮り含めたVlog用途でもかなり便利に使えるようになった

実際に使用してみると、やはり前面スクリーンがあるのは自撮り撮影にとても便利だ。従来は「広角で撮影しておけば画角には入っているだろう」といった使い方になってしまい、映像としてはちょっとルーズな感じが否めなかった…。

 

そこに追加された「リニア+水平維持」機能で自撮りでも表情をハッキリ撮影できるし、何より余計なことに気を取られることなく移動時の足元や障害物に気を配れるし、ナレーションにも集中できるなど利点は多い。要望の多かったVlog用途でもかなり便利に使えるようになった印象である。

 

GoPro.comでは現在期間限定の価格となっており、HERO9単体で4万8800円、ハンドグリップなどが付属する「HERO9バンドル」パッケージで5万4800円。ただし、クラウドストレージの利用や交換補償などの特典が得られる「GoProサブスクリプション」に登録すると「HERO9バンドル」パッケージは4万3800円で購入できる(※1年間の登録が必要/1年間で6000円)。GoProを頻繁に使用する人にとっては、同時にサブスクリプションに登録して購入することを検討してもよいだろう。

価格はマニア・プロ向けだが……GoProの360°カメラ「Fusion」の切り札機能

各社から相次いで360°を同時に撮影できるカメラが登場し、いまや世の中はまさに“VR全盛時代”。そんななか、昨年9月、アクションカメラで有名なGoProから満を持して360°カメラ「Fusion」が登場した。日本での正式発売がいつなのか関心は日ごとに高まっていたが、家電量販店での発売が4月に決定。その告知を兼ねた体験イベントが東京都内で開催された。

20180220_y-koba3 (1)↑4月より家電量販店での販売が開始されるGoProの360°カメラ「Fusion」。同社のオンラインサイトでの実売価格は8万8000円(税込)

 

まるでジンバルを使っているような安定感はさすが!

Fusionは、全天球のVR動画が撮影できる360°カメラ。動画では5.2K/30fpsと3K/60fpsで、静止画では1800万画素で360°撮影を実現している。高度な手ブレ補正の能力を搭載しており、手持ちであってもまるでジンバルを使っているような安定感のある映像が撮影できるという。Fusionはすでに同社のオンラインサイトでは販売が開始されており、価格は8万8000円(税込)となっている。4月に販売される家電量販店での販売価格は未定。

20180220_y-koba3 (7)↑「Fusion」の主なスペック

 

この日は、第1部でGoProのバイス・プレジデントであるRick Loughery氏がFusionの魅力をプレゼンしたあと、「GoPro Awards」でWinnerとなったCGクリエイターの普光江 新さんが登場。これまでに生み出した作品を披露しながら、Fusionがかき立てる創造力の素晴らしさを語ってくれた。

20180220_y-koba3 (3)↑GoProのバイス・プレジデントであるRick Loughery氏が挨拶

 

20180220_y-koba3_13↑「GoPro Awards」でWinnerとなったCGクリエイターの普光江 新さんがFusionで表現できる楽しさを語った

 

20180220_y-koba3 (11)↑普光江新さんがFusionを使って撮影したオリジナル作品

 

続いてフロアを移動して第2部のFusionの体験会が開催された。

 

4つのマイクで臨場感あふれるサウンドを実現

まずFusionのボディは、同社の「HERO 6 Black」などよりも厚みこそないものの、投影面積は大きく一定のサイズ感はある。前後非対称の位置にカメラを1つずつ備え、この2つのカメラで360°撮影を行うのだ。360°撮影では、気になる三脚や自撮り棒のアームの部分だけをキレイに消すことができる。また、音声は自然な360°動画が作れる4つのマイクを搭載し、全方向から収録した音が臨場感あふれるサウンドを実現。10か国語での音声コントロールにも対応しているという。

20180220_y-koba3 (5)↑前後にオフセットして搭載された2台のカメラが180°ずつの映像を撮影し、継ぎ目のない360°動画を自動生成

 

20180220_y-koba3 (8)↑充電やデータ通信用に使うUSB端子は「typeC」を使用する

 

特にハウジングは用意されていないが、アクションカメラには欠かせない防水機能は本機単体で5mまでに対応する。水中でも360°撮影は可能であるものの、光の屈折の影響もあって映像を合わせる際に継ぎ目が出やすくなってしまうそうだ。そのほか、タイムラプスビデオ&フォト、ナイトプラス、バーストモードなど、GoProでお馴染みの機能も360°撮影に対応して搭載されている。

20180220_y-koba3 (6)↑「Fusion」の同梱されるキット。専用ケースやバッテリー、マウントのほか、三脚兼自撮り棒の「Fusion Grip」が付属

 

20180220_y-koba3 (10)↑カメラモードでは、夜間の低速度撮影モード「ナイトラプス」など多彩な機能が用意された

 

動画から映像を切り出す新機能が手軽&便利!

そんな魅力いっぱいのFusionで最も注目すべきは、新機能「OverCapture」を搭載したことだ。これは360°で撮影した動画から必要な画角の映像を切り出す編集機能で、切り出せる解像度は5.2Kで撮影した場合はフルHD(1920×1080)が、3Kで撮影した場合はHD(1280×720)が作り出せる。

 

この使い方として最も有効なのは、とりあえずはカメラの向きを気にせず撮影し、あとから任意に切り出す方法だ。つまり、撮影さえしておけば360°をカバーできるので、アングル上で取り逃すという心配は一切ない。しかも素晴らしいのはその使い勝手で、iPhoneやiPadなどのアプリを使い、再生時に切り出したい部分を撮影するように追いかければ自動的にその内容が保存される。その便利さは一度使ってみれば手放せなくなるほど。PCを使って本格的な動画編集もできるが、その場合にはプラグインソフトなどが必須だ。

20180220_y-koba3 (12)↑スマホには「GoProアプリ」を、PCでは「GoPro Fusion Studio」にAdobeのプラグインソフトを組み合わせて使う

 

この機能は様々な利用シーンが想定される。たとえば、アスリートの表情と視点の先を同時にピクチャーinピクチャーする場合、いままでなら2台のカメラが必要だったが、Fusion なら1台で済んでしまう。これはプライベートユースでも十分に有効だろう。注意点としては、前後のカメラ1つずつに専用の記録メディアが必要で、つまりは2枚のマイクロSDカードが欠かせない。どちらか一方がない状態でも撮影はできなくなるのだ。

20180220_y-koba3 (9)↑前後のカメラごとに専用のメディアが必要で2枚のマイクロSDカードは常に欠かせない

 

体験会では「幅広い層に使ってもらいたい」という話だったが、8万円を超えると予想される価格設定と、このマニアックな仕様のため、まずは一般向けというよりもプロの現場での利用が想定されそう。創造力をかきたてるFusionがどのように使われていくのか、今後も注目したい。

これは新たな撮影体験だ! GoPro最新モデル「HERO6 Black」を使ってわかった驚愕の進化

今秋のGoPro新モデル「HERO6 Black」は、より高度な処理を実現する「G1チップ」を搭載して登場した。一見、前モデル「HERO5 Black」との違いはほとんどないように見えるが、中身はまったくの別物。前モデルの2倍を謳うパフォーマンスとシリーズ最高画質を実現しており、その実力の高さは予想をはるかに超えるものだったのだ。

20171107_y-koba2_P1330602_R↑4K/60pや、1080p/240fpsといった高品質な撮影が可能なアクションカメラ「GoPro HERO6 Black」。参考価格は5万9000円

 

4K/60pや1080p・240fpsなどワンランク上の撮影能力を獲得

HERO6 Blackにおける注目ポイントの筆頭が、撮影能力を一段と高めたことだ。HERO5 Blackでは4K/30pだった動画撮影を本機は4K/60pへと進化させ、より滑らかな4K動画を撮影できるようになっている。実際に撮影した動画をPCと組み合わせた4Kモニターで再生してみると、細部まで相当に鮮明に映し出されており、それは4K映像の素晴らしさを改めて実感できるものだった。また、スローモーション効果が出るハイスピード撮影は「1080p・240fps」「1080p・120fps」から選択可能だ。

 

ただし、こうした4K/60pや1080p・240fpsなどはデータサイズがかなり大きくなる点、採用される動画ファイル形式「HEVC/H.265」の再生には、互換性のある対応デバイス(iPhoneであれば7以降のモデル)が必要な点には注意だ。

 

また、暗所での撮影特性も一気に向上。前モデルのHERO5 Blackではノイズが画面全体を覆ってしまうような夜景撮影でも、本機ではそのノイズを大幅に低減。夜景を夜景らしく撮影できるようになったのは、GoProにとってかなり大きなトピックとなるに違いない。

20171107_y-koba2_月夜_R↑ほぼ月明かりのみの夜景、といった光量の少ないシーンでも、問題なく撮影可能だ

 

見比べると一目瞭然! 強力な手ブレ補正がさらに進化

手ブレ補正能力の大幅な進化も見逃せない。その効果は軽く走りながら撮影してもしっかりとブレを補正するほど絶大だ。手ブレ補正をオン/オフで撮影した次の動画を見比べてもらえば、その違いは一目瞭然だろう。

【手ブレ補正機能オフ】

【手ブレ補正機能オン】

映像の周辺部は5%ほどケラれるが、それを知ったうえでなお積極的に使いたくなるほど十分な効果が得られると言っていい。ただし、4K60pなど一部の撮影モードでは手ブレ補正が効かない点には要注意。また、GoProでは手ブレ補正機能を「安定化機能」と表示している点にも留意したい。

 

手軽に作成できるハイライト動画も楽しい

GoProだけに、特殊撮影機能も充実している。ぜひ報告しておきたいのが、撮影した映像を自動でGoProアプリに転送してハイライト動画を作る「QuikStories」が進化したことだ。発表によれば、G1チップの搭載により視覚情報処理能力と機械学習能力が進化し、動画作成時にもより的確に最高の瞬間を選び出せるようになったという。試しにiPhoneに保存した映像を使って「Quik」で編集を試みたが、その扱いやすさには誰もが驚くはず。使いたい映像をタップして選ぶだけで簡単に動画編集ができ、テーマや音楽、テロップなども指先の操作で自在に入れ替えられる。使うほどにどんどん楽しくなってくるはずだ。

 

好評だったタッチパネル&音声操作を踏襲

外観はほとんど前モデルと違いを感じない。操作系もHERO5 Blackで採用されたタッチパネル方式を踏襲し、画角を変えるデジタルズームも指先での操作が可能だ。デジタルズームであるため画質劣化は否めないが、映像に変化を持たせられるという意味では価値ある装備となるだろう。

20171107_y-koba2_Digital_Zoom_R↑デジタルズームもタッチパネルで感覚的に操作できる

 

音声での操作にも対応し、「GoPro」に続けて具体的なコマンドを入れることで、たとえば「GoPro、ビデオ撮影を開始」とか、「GoPro 、電源OFF」と発することでコマンドを実行できる。認識率も高く、手を放せないときなどの操作に使うとかなり便利そうだ。

20171108_y-koba1↑何か行動しながら撮影することの多いアクションカメラにおいて、ボイスコントロールは画期的だ

 

本体のタフネス性能もHERO5 BLACKから踏襲されたもの。防水機能も備え、ハウジングなしで水深10mまで対応できる。一方で、バッテリー容量は1220mAhとあまり大きくはないままで、動画を撮影しているとアッという間に残量が減ってくる。予備バッテリーは必須だろう。本体に備えた端子はUSB Type-CポートとmicroHDMI出力の2つで、USB Type-Cケーブルは標準添付されている。

 

豊富なアクセサリーで撮影領域が広がる

HERO6 Blackの発売に合わせ、新たなオプションも追加された。

 

「Shorty」(参考価格/4860円)は三脚としても使えるミニ延長ポールで、ポケットにも収まるコンパクトさがポイント。最大22.7cmまで伸ばすことができ、自撮りやハイアングル撮影にも効果的だ。「The Handler」(参考価格/3780円)は、水に浮くハンドグリップの最新版で、新たにクイックリリースマウントを採用した。汎用性の高いバイトマウントに簡単装着を可能にしたフロート「Bite Mount + Floaty」(参考価格/3780円)も発売された。

20171107_y-koba2_Shorty_R↑三脚付きミニ延長ポール「Shorty」。ポケットに収まる大きさで、ちょっとしたアクティビティのおともに最適だ。参考価格は4860円

 

こうした30種類以上のアクセサリーに対応する拡張性も、GoProの大きな魅力。工夫しだいでさまざまなシーンで活躍するだろう。今回大きく進化した「HERO6 Black」を手にすれば、いままでにない撮影体験が得られるに違いない。