アップルの新HomePodなど、プロがいま気になるオーディオ製品はどれ?

プロが厳選した最先端を行く“ヒット間違いなし!”豊かなサウンドを満喫できるオーディオ製品を紹介。

 

こちらは「GetNavi」2023年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

手軽にマイホームシアターを体感できる3Dサウンドヘッドホン

ヤマハ
YH-L700A

実売価格6万6000円

<映画や音楽コンテンツを没入感の高い音で楽しめる>

サウンドバーよりも手軽にシアター体験ができるワイヤレスヘッドホン。2ch音源を立体音響に変換する「3D サウンドフィールド」や、7つの「サラウンドモード」といった独自の3次元音場再生機能を備え、あらゆるコンテンツを最適な3D音場で再現する。

 

【プロも注目】

映像に合わせた音場拡張効果を楽しめる『3D サウンドフィールド』を搭載。同社独自のノウハウが詰まったリアルなサラウンド感が堪能できます」(AVライター・野村ケンジさん)

↑「ヘッドトラッキング」機能を搭載。顔の向きと頭の動きを感知して音の鳴る位置を調整し、周囲で音が鳴っている感覚を生む

 

【ヒットアナリティクス】
ハイレベルなサラウンドに加え先進のインテリジェント機能が光る

サラウンド機能が最大の目玉だが、聴覚保護のリスニングケア(アドバンスド)やパーソナライズ可能なリスニングオプティマイザーなどインテリジェントな機能も魅力。ヘッドホンとしては高価だが、本格的なサラウンドシステムを揃えるよりは手ごろだ。

■先進技術:5/顧客ニーズ:4/市場の将来性:4/独自性:4/コスパ:2

 

画期的なサウンドと進化した知能を兼備する新HomePod

Apple
HomePod(第2世代)

実売価格4万4800円

<安全で安心なスマートホーム体験を提供>

音声アシスタントSiriに対応したスマートスピーカー「HomePod」の新作。独自のオーディオテクノロジーにより、豊かで深みのある低音、自然な中音、クリアで繊細な高音を再生する。Siriとの連携機能も強化され、スマートホームのハブとしても活躍。

 

【プロも注目】

HomePod miniと同等の使い勝手でありながら、さらにウーファーによる重低音の体験が可能。Apple TV 4Kを介したTV連携も魅力です」(モバイルライター・井上 晃さん)

↑サウンドをリアルタイムで最適に調整。パワフルかつクリアな音響体験を提供してくれる

 

【ヒットアナリティクス】
価格を超えた特別な音が体感できる

本機のポテンシャルを最大限に発揮するなら、本体を2台と、対応世代のApple TV 4K、ARC/eARC対応の薄型テレビを揃えて特別なホームシアターを構築したい。本機を2台購入すると約9万円の出費となるが、映画館に迫るサウンドは十分な価値アリ。

■先進技術:5/顧客ニーズ:5/市場の将来性:4/独自性:4/コスパ:4

 

 

無線で7.1.4chシステムが実現! 完全ワイヤレスサウンドバー

JBL
BAR 1000

実売価格14万3000円

<オーディオ知識がなくてもリアルサラウンドが完成>

最新の立体音響フォーマット「Dolby Atmos」や「DTS:X」に完全対応した、本格的な7.1.4chのサラウンドシステム。サウンドバーにワイヤレス・サブウーファー、充電式ワイヤレス・サラウンドスピーカーで立体音場を創出する。

 

【プロも注目】

完全ワイヤレスのリアスピーカーを装備し、ギミックではない自然なサラウンド感が得られます。本体に接続すると自動的に充電される仕組みも便利」(AV評論家・藤原陽祐さん)

↑「MultiBeam」テクノロジーを採用。サウンドバーながら、Dolby AtmosとDTS:Xを完全な立体音響として再現できる

 

【ヒットアナリティクス】
ホームシアターシステムに完全ワイヤレスの波が押し寄せる!?

JBL初の「完全ワイヤレス」のリアスピーカー採用モデル。「常設」から「使うときだけ置く」という発想の転換で、リアルな7.1.4chサラウンドが実現する。サウンドバーとしてはやや高価だが、オールインワンのシステムであることを考えればおトクだ。

■先進技術:4/顧客ニーズ:5/市場の将来性:4/独自性:4/コスパ:3

 

 

iPhone 14の「衛星通報機能」が欧州4か国で利用可能に。日本はいつ?

アップルは米国時間12月13日、「iPhone 14」シリーズの衛星通信による緊急通報機能を欧州の一部地域にも拡大したと発表しました。

↑通信衛星が見守っている(写真は iPhone 14 Pro Max)

 

iPhone 14シリーズに搭載されている緊急通報機能では、iPhoneが上空の通信衛星と通信することで、たとえ携帯の電波がない遠隔地からでもSOSメッセージを送ることが可能。同機能は2022年11月から米国とカナダで提供が開始されていました。

 

今回、サービスの提供地域が拡大されたのは、フランス、ドイツ、アイルランド、英国の4か国。iOS 16.1を搭載した全てのiPhone 14シリーズのユーザーなら、購入後2年間は無料で利用することができます。

 

では、iPhone 14シリーズの衛星緊急通報機能がいつ日本で使えるようになるのでしょうか? アップルは「より多くの国を対象にしたサポートは来年に予定されている」と伝えています。今後はiPhone 14シリーズを持っていたおかげで、緊急時から救われる命が増えるのかもしれません。

 

Source: Apple via Engadget

アップルの「AR/VRヘッドセット」、2023年3月に量産開始!? 業務向けの可能性も

アップルが開発していると噂される「AR/VRヘッドセット」は2023年3月に量産が開始される、と台湾のDigiTimes紙が報じています。

↑ぼんやりだけど、少しずつ見えてきた?

 

投入が長らく噂されているアップルのAR/VRヘッドセットですが、2022年5月には「取締役会で製品のデモが行われた」と報じられたほか、「2023年1月に発表される」との情報も。また、アップルのAR/VRヘッドセットは3000ドル(約43.9万円※)のハイエンド向けデバイスとなり、虹彩認証機能が搭載されるとも言われています。

※1ドル=約146円で換算(2022年11月10日現在)

 

今回のDitiTimesの報道によれば、アップルのVR/ARヘッドセットでは、台湾の電子機器メーカー・ペガトロンが最終組み立ての独占パートナーになるとのこと。2023年3月に量産が開始され、翌4月に製品発表が行われる可能性があると予測しているのです。

 

その他にも、アップルのAR/VRヘッドセットは初期生産数が非常に限られ、高価格帯となるため、主に業務向け製品になる可能性があるとのこと。

 

2022年10月には「メタバース」を推進するメタが、娯楽だけでなくビジネス用途などを想定したVRヘッドセット「Meta Quest Pro」を22万6800円にて発表しました。アップルがこの流れに乗るかどうか、注目です。

 

Source: DigiTimes via MacRumors

Apple MusicやApple One、Apple TV+が日本でも値上げ…

米アップルは「Apple Muisc」や「Apple One」、「Apple TV+」の価格を国内外にて値上げしています。

↑DVKi / Shutterstock.com

 

音楽ストリーミングサービスのApple Musicは日本において、個人プランが980円(以下すべて税込)、ファミリープランが1480円にて提供されていました。またバンドルサービスのApple Oneは個人プランが1100円、ファミリープランが1850円、動画ストリーミングサービスのApple TV+は600円にて提供されていました。

 

しかし今後は、Apple Musicの個人プランが1080円、ファミリープランが1680円、Apple Oneの個人プランが1200円、ファミリープランが1980円、Apple TV+は900円にて提供されることになります。

 

アップルは今回の値上げについて、「Apple Musicの価格変更は、ライセンスコストの増加によるものです。これによりアーティストやソングライターは、音楽ストリーミングからより多くの収入を得ることになります」と説明しています。

 

値上げにより、若干購読のハードルが高まった、アップルの有料サービス。しかし最近のアップル製ハードウェアの値上げに比べれば、まだおとなしいものなのかもしれません。

 

Source: 9to5Mac

macOS VenturaとiPadOS 16が一気に配信、注目の機能はコレ!

米アップルは新バージョンのMac向けOS「macOS Ventura」とiPad向けOS「iPadOS 16」の配信を開始しました。

↑アップルより

 

macOS Venturaでの注目機能は、iPhoneをMacのウェブカメラにできる「連携カメラ」でしょう。iPhoneをMacの上部に後ろ向きに設置することで、より高画質なテレビ会議を楽しむことができます。

 

「ステージマネージャ」では、アプリとウィンドウを自動で整理することで、ユーザーは作業をしながらひと目でさまざまな情報を確認することができます。

 

さらに「Safari」ブラウザにおける新しいサインイン方法のパスキーを追加し、メールやメッセージ、iCloud、Spotlightの機能強化を実施。10月28日にリリースされる「バイオハザード ヴィレッジ」といった、新たなAAAゲームタイトルが年内に投入される予定です。

 

↑アップルより

 

iPadOS 16でもステージマネージャが導入され、アプリの自動整理やタスク間の切り替えがさらにスムーズに。外部ディスプレイもフルサポートされます。

 

iPadOS 16でもメッセージやメール、iCloudが強化され、共同作業とセキュリティの新機能がSafariに登場。フリーボードでのリアルタイム共同作業スペースも提供され、天気アプリがiPadに登場します。またテキスト認識表示と画像を調べるがアップデートされ、プロ向け機能にてより負荷の高いワークフローが追加されます。

 

アップルはmacOS VenturaとiPadOS 16だけでなく、「iOS 16.1」や「watchOS 9.1」「tvOS 16.1」「HomePod software version 16.1」の配信も開始しています。セキュリティ関連の修正が含まれるものもあるので、時間がある際にアップデートしておくのもよさそうです。

 

Source: アップル 1, 2

太くて頑丈! アップルが「編み込み式USB-Cケーブル」を発売

米アップルは、新型iPad ProiPadApple TVの発表に合わせて、「編み込み式USB-C充電ケーブル(1m)」の販売を開始しました。

↑おしゃれ(画像提供/アップル)

 

アップルがこれまで販売していたのは、表面がツルツルしたストレートな「USB-C充電ケーブル(1m/2m)」。一方で「MagSafe 3ケーブル」や「Thunderbolt 4 Proケーブル」では、すでに編み込み式のケーブルが登場しています。

 

今回販売が開始された編み込み式USB-C充電ケーブルは、前述のものと同じくケーブル表面の素材をメッシュ状に編み込んだもの。従来のUSB-Cケーブルと比べてより太くなり、見た目にも頑丈そうなデザインとなっています。

 

編み込み式USB-C充電ケーブル(1m)の価格は2780円(税込)。従来のストレート式のUSB-C充電ケーブル(2m)と同じ価格なのは若干割高感もありますが、安心して長く使えるケーブルの登場は素直に喜びたいものです。

 

Source: アップル

まとめればスムーズ! Appleサービスの「Windows向けアプリ」が2023年に登場へ

米Microsoftは、「Apple Music」や「Apple TV」のWindows向け専用アプリが2023年に登場することを発表しました。また、2022年後半には「iCloud Photos」も「Windows 11」の写真アプリに統合されます。

↑WindowsでもiCloud Photosがスムーズに見れるようになる(画像提供/MacRumors)

 

現在、WindowsユーザーがApple Musicを利用するにはウェブ版のサービスか、あるいは古い「iTunes for Windows」を使う必要があります。同様にApple TV+を視聴する場合にもウェブ版へとアクセスしなければなりませんが、これが、2023年にリリース予定のWindows向けApple MusicとApple TVで変わり、より円滑な体験ができるようになるとのこと。両アプリのプレビューは2022年後半からMicrosoft Storeで公開される予定です。

 

一方、iCloud PhotosのWindows 11への統合では、写真アプリからiCloud Photosにあるすべての写真にアクセスできるようになります。具体的にはMicrosoft Storeから「iCloud for Windows」アプリをダウンロードし、iCloud Photosの同期を有効にすることで、写真が自動的にアプリに表示されるようになります。

 

その他にも、「Xbox Series X」「Xbox Series S」「Xbox One」ではApple Musicアプリの配信が始まり、ユーザーはゲームプレー中にバックグラウンドで音楽を聴くことができるようになりました。ますます進むAppleサービスの他社プラットフォームへの拡張により、ユーザーの利便性は高まりそうです。

 

Source: Microsoft via MacRumors

Apple「AirTag」のアラーム音が大きくできるようになった深刻な使われ方

米アップルの紛失防止タグ「AirTag」が最新のファームウェアアップデートにより、意図しない追跡に関するアラーム音がチューニングされ、より見つけやすくなりました。

 

スマートフォンとBluetoothなどにより通信し、その居場所を教えてくれる紛失防止タグ。アップルのAirTagでは自分の通信範囲における紛失防止機能だけでなく、多数のアップル製品と連携することで、すでに遠くに離れてしまったアイテムを見つけることも可能です。

 

一方でAirTagでは、以前から「ストーカー的な目的で使われた」「クルマの内部に勝手に入れられ、盗難に使われた」などの報告が寄せられていました。アップルはこの状況を深刻に受け止め、AirTagの安全性の向上を発表していたのです。

 

今回配布が開始された新ファームウェア「バージョン1.0.301」では、不要な追跡に関するアラーム音がチューニングされ、より大きな音を含むようになりました。これによりバッグの中、あるいは車のバンパーの内側などに隠されたAirTagを、見つけやすくなることが期待されます。

 

AirTagの悪用防止策としては、昨年12月にはAndroidスマートフォン向けに紛失防止タグの検出アプリ「Tracker Detect」をリリースしています。また紛失防止タグ大手の米Tileも、自社のアプリに不要な紛失防止タグのスキャン機能を追加しています。

 

なお、現時点ではユーザーが手動でAirTagをアップデートする方法はなく、新ファームウェアが段階的にロールアウトされるのを待つ必要があります。アップルによれば5月13日までには新ファームウェアのロールアウトが完了する予定だとされているので、それまではAirTagの悪意のある使い方には十分気をつけたいものです。

 

Source: MacRumors

アップル、世界開発者会議を6月6日~開催。今年はオンライン形式+小規模な対面イベント

アップルは4月5日(米現地時間)、毎年恒例の世界開発者会議(WWDC)を6月6日から10日まで開催することを発表しました。今年の形式も3年連続でバーチャル(オンライン)となる予定です。

↑6月6日から開催されることが発表されたWWDC(出典:アップル)

 

参加費は無料。次期iOSやiPadOS、watchOSやtvOSにおける最新のイノベーションが披露されることが予告されています。

 

アップルのワールドワイドデベロッパリレーションズ、エンタープライズおよびエデュケーションマーケティング担当VPのスーザン·プレスコット氏は、「本質的にWWDCはずっと、つながりを築きコミュニティを構築するためのフォーラムでした。このような考えのもと、WWDC22では世界中の開発者の皆さんを招待して、最高のアイデアを形にしたり、可能性の限界を押し広げたりする方法を探ります」と、開発者の人々との交流を楽しみにしていると述べています。

 

ただし昨年と違うのは、6日当日には小規模な対面式(会場を人に入れた)イベントも行われること。Apple Park(アップル本社屋)で開発者と学生のためのSpecial dayを開催し、オンラインで視聴する人たちと一緒に基調講演とState of the Unionのビデオを視聴することができるそうです。こちらはスペースに限りがあり、Apple DeveloperサイトおよびApple Developerアプリケーションで近日中に告知される予定。

 

また、WWDC22では3年目となるSwift Student Challengeも開催し、コーディング好きの学生らも支援するとのこと。iPadやMac用の「Swift Playgrounds」で作ったアプリケーションのプロジェクトの応募期限は4月25日です(詳しくはこちら)。

 

WWDC22では、iOS 16、iPadOS 16、watchOS 9、macOS 13、およびtvOS 16(以上、すべて仮称)の発表が確実視されています。また、開発者向けの新たなハードウェア製品も発表される可能性も。2019年のWWDCではMac ProやPro Display XDRがお披露目された(発売は年末)前例があります。

 

Source: Apple

iPhone本体を使えるサブスクリプション、月額4300円から? 2022年末に発表か

先週、アップルがiPhoneなどのハードウェア製品を使えるサブスクリプション(定額支払いサービス)プログラムを検討しており、2022年末から2023年初めに発表するとの噂話がありました。これは大手金融機関モルガン・スタンレーのアナリストが今後の株価を占う材料として真剣に検討するなど、すでに噂の域を超えつつあります。

 

その続報として、それぞれのモデルの月額料金はいくらか、という具体的な予想が伝えられています。

 

今回も発信源は、アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者です。すでにアップルは(米国では)iPhoneを24回分割払いで利用できる「iPhoneアップグレードプログラム」を実施していますが、そちらは支払いが終わればiPhoneは自分のもの。それに対して噂のサブスクはレンタルに近く、所有権が移ることはないと思われます。

 

そしてiPhoneアップグレードプログラムは月額35.33ドル(iPhone 13の場合)からですが、Gurman氏はサブスクが事実上はレンタルに過ぎないことから、もう少し安くなると考えています。そうした計算から、最新iPhoneの各モデルにつき、どの程度の費用が掛かるかが予想されています。

 

  • iPhone 13:月額35ドル(約4300円)
  • iPhone 13 Pro:月額45ドル(約5500円)
  • iPhone 13 Pro Max:月額50ドル (約6100円)

 

なぜアップルがサブスクを計画しているのか。それは当然ながら、より多くの収益を得ることだと推測されています。米CNBCは2019年に、投資家がアップルにiPhoneをサブスク方式で販売することを望んでいると報じていましたが、そこでも定期的な収益を得ることができるためとされていました。

 

平均的なアップル製品ユーザーは3年ごとにiPhoneを買い替え、約825ドルを出費しているとの調査結果もありました。これに対して、もし「iPhone 13が月額35ドルでリース」が本当だとすれば、3年間で1260ドルも支払うことになります。さらにユーザーが新機種に乗り換えた場合、アップルは中古端末を販売し、さらに収益を上げられるというわけです。

 

一方で、消費者にとっては、大きな金額を前払いせず、気軽に新機種にアップグレードできるメリットもあるはず。iPhoneを買う以上のお金があれば、アップルの株を買っておくのもいいかもしれません。

Source:Bloomberg
via:PhoneArena

あなたにも「内なるスティーブ・ジョブズ」がいる。ジョブズのビジネス術を理解するための8つのメソッド

初めて手にしたアップル社製品。それは人それぞれだと思う。筆者の場合は、2010年に購入した第4世代iPod Shuffleだった。アップルデビューは、自分でも驚くくらい遅い。仕事関係ではMacを使っている人たちが多いが、初めて触ったPCがwindowsだった筆者は、なんとなく乗り換えないままここまで来ている。

 

 

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茂木健一郎氏のアップル愛あふれるひと言

そんな筆者がiPhone 5sを手にしたのは、こちらも遅ればせながら3年前だった。Macと違って、iPhoneは4のあたりから欲しくて欲しくて仕方がなかった。プライベートの旅行や仕事で時々訪れたアメリカのデパートには、必ずと言っていいほどアップル製品の自動販売機が置かれていた。いつか必ず手に入れると決めてから、かなりの時間が経ってしまった。

 

だから、マイファースト・iPhoneを手にした時のインパクトは人並み以上だったに違いない。docomoのお店の窓口のお姉さんも、筆者に真新しい箱を手渡し、開けさせてくれた。理由を尋ねると、その儀式的な瞬間にこだわりたい人が多いのだという。

 

話が前後するが、スティーブ・ジョブズが亡くなった直後に追悼番組が放送されていた。この番組にゲストとして出演していた茂木健一郎氏が語った言葉が、とても印象的だった。

 

「アルゴリズムの優劣がコンピューティングでは決してなくて、エクスペリエンス全体がコンピューティングだと思う」

 

そしてポケットからiPhoneを取り出し、「これがコンピューティングだ」とおっしゃった。このひと言が、筆者のiPhoneへのパッションをさらにかき立てることになったのだ。

 

 

ジョブズが残した言葉

「図解」スティーブ・ジョブズ全仕事』(桑原晃弥・著/学研プラス・刊)は、「はじめに」の前に記された印象的な言葉から始まる。

 

次にどんな夢を描けるか。それがいつも重要だ。

 

あんなに小さな音楽プレーヤー、そしてあんなに使いやすいスマートフォンが作られた過程にいくつもあるに違いない要所には、夢のかけらがきらめいているのだろう。ユーザーは、日々製品を使っていく中でそのきらめきを感じることができるからこそ、ますますアップル製品に愛着が湧く。茂木先生のあの番組でのひと言も、そういうことだったんじゃないだろうか。

 

もちろん筆者も、毎日手に取るiPhone7を通じて同じことを感じている。

 

 

あなたの中のジョブズ的な部分

映画を見ても伝記本を読んでも、スティーブ・ジョブズという人はエキセントリックな天才というイメージで描かれることが圧倒的に多い。本書は、こうしたイメージに疑問を感じ取ろうとするところから出発する。

 

「スティーブ・ジョブズはすごい人物だが、その下で働くのは大変そうだね」 「彼は天才だ。学んだり、真似したりする対象ではない」――ジョブズに関心がある人の多くが口にする言葉だ。でも、それは本当だろうか。

『「図解」スティーブ・ジョブス全仕事』より引用

 

そして著者の桑原さんは、次のようなジョブズ像をあえて示す。

 

天才というより、平凡だが夢を持った若者が挫折をくり返しながら円熟していく成長物語の主人公というべきではないだろうか。天才というなら、困難の中で自己実現を果たす生き方の天才というのが正解だ。だから、私たち自身の規範にできるし、学んだり、真似したりすることもできる。というのが私の考えである。

『「図解」スティーブ・ジョブズ全仕事』より引用

 

誰の内側にもジョブズ的な部分がある、ということなのだろう。

 

 

8つのメソッド

本書は、以下のように8つのメソッドに分けた構成になっている。

 

1. 問題解決の新しい道を開いた――挑戦力のメソッド

2. 「ノー」を発想の中心に置いた――貫徹力のメソッド

3. チャンスのつくり方を変えた――逆境力のメソッド

4. プレゼンテーションを劇場化した――説得力のメソッド

5. 世界的ヒットでライフスタイルを変えた――独創力のメソッド

6. チームづくりの常識を変えた――人材力のメソッド

7. イノベーションを戦略に高めた――改革力のメソッド

8. 大きなビジョンを身近に引き寄せた――情熱力のメソッド

 

このように考えると、スティーブ・ジョブズはつくづくメソドロジーの人なのだと思う。はてなキーワードによれば、メソドロジーは、「能力を伝授するために体系づけた方法論」と定義されている。

 

そして、天才と呼ばれることが多かった自分が宿す能力を多くの人たちに伝授することを通じて、数々のヒット商品を形にしていったのではないだろうか。

 

 

ジョブズという多面体クリスタル

ジョブズの名前を聞いて、ほとんどの人がスタイリッシュなプレゼンテーションを最初に思い浮かべるだろう。でもそれは、スティーブ・ジョブズという多面体クリスタルのような存在の一面にすぎない。

 

ドラマチックなプレゼンテーションは氷山の一角であって、それを実現させるための数限りないメソドロジーが広がっていたのだろう。そういったジョブズらしさをイラストと共に味わっていくという本書のコンセプトは、中学生にも大企業のエグゼクティブにも同じように伝わりやすいに違いない。

 

すべての根底にあったのは、夢だったのかもしれない。ただそれは、思い描くだけのものでは決してなかった。きちんと計画し、多くのメソドロジーを通じて実現されるべきものだったのだ。

 

【著書紹介】

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図解 スティーブ・ジョブズ全仕事

著者:桑原晃弥
出版社:学研プラス

2011年10月に逝去したアップル社の天才CEO スティーブ・ジョブズがその生涯に成し遂げた業績と手法を詳細図解で徹底検証。イノベーション、チームマネジメント、プレゼン、交渉術…彼のビジネスメソッドのすべてがわかる決定版!

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