「AIカメラ」の凄い効果が判明! 安全運転するっきゃない!!

英国では2024年にスピード違反で捕まった人の数が、過去3年間で過去最高となりました。その数は急上昇しているそうです。その理由は、AIカメラです。

↑今まで以上によく見られています。

 

同国で2024年に発行されたスピード違反の通知は330万件以上。2022年は290万件だったので、14%も増加していることになります。

 

これだけスピード違反が増えているのは、2021年にAIカメラが導入されたから。道路に設置されたAIカメラは、制限速度を超えて運転しているクルマを見つけると、クルマのメーカーとモデルを判別。車内の映像も押さえているそうです。

 

これによって、道路に警察が待ち構えて制限速度以上で走るクルマを捕まえるアナログ式のパトロールに比べて、ずっと多くのスピード違反者を見つけ出しているのです。

 

AIカメラはスピード違反だけでなく、シートベルトを着用していないドライバーや、携帯電話を使いながら運転しているドライバーも検出可能で、それらの違反者の数もきっと増えているに違いありません。

 

そんなAIカメラの存在は疎ましがられるかと思いきや、英国のある調査では、ドライバーの約3分の1はAIカメラによって道路が安全になると答えています。意識的にスピードの出し過ぎに注意したり、シートベルトの着用を気にしたり、運転中の携帯電話の使用を控えたり、AIカメラがこれらの行為の抑止力になっている可能性があるでしょう。

 

ちなみに、日本でもAIカメラの導入は一部の地域で行われていて、例えば福井県では県内に60弱のAIカメラが設置され、大雪のときに立ち往生しているクルマをいち早く見つけ出すシステムの運用が進められています。

 

英国でもAIカメラが設置されているのは、まだ一部の地域のみ。今後、AIカメラが全土で展開されれば、交通違反の切符を受け取る人はさらに増えるかもしれませんが、それによって道路がより安全になっていけば、多くの人に歓迎されていくのではないでしょうか?

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Speeding fines surge as AI cameras catch thousands of drivers. March 13 2025

 

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お笑いをうつ病に処方したら効果は? 英国がまじめに試験導入

思いっきり笑って、病気も医療費も吹き飛ばせ! そんな試みが英国で国会議員の支援を受けて始まりました。

↑嫌なことは笑い飛ばせ

 

「コメディ・オン・プリスクリプション(コメディの処方箋)」と名付けられたこのプロジェクトは、同国のテクノロジー企業、クレイク・ヘルスが立ち上げました。主に孤独になって社会から孤立しているような人々に、コメディショーやイベントなどで気軽にコメディを楽しんでもらえる場をつくり、支援していこうというものです。

 

英国の国民保険医療制度「NHS」によると、イングランドでは2023年と2024年に870万人もの人々が抗うつ薬を服用し、2022年と2023年と比較すると2.1%の増加となりました。

 

同国の国立医療技術評価機構のガイドラインは、軽度のうつ病患者に対して、本人の希望がない限り、抗うつ薬を日常的に提供するべきではないと提示しています。しかし、うつ病には抗うつ薬以外の治療法がほとんどないため、実際には抗うつ薬を服用するケースが多くなってしまうのかもしれません。

 

そこで、コメディ・オン・プリスクリプションの出番です。コメディは、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを減少させ、意欲を沸き起こすドーパミンを生成し、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンなどを放出させると言われています。

 

クレイクを立ち上げたジャクソンさんは、「コメディショーを1回見たり、コメディアンから笑いを誘う方法を子どもたちに教えてもらったりするだけで、その効果は24時間続く。間違いなく抗うつ薬よりいい」と話しています。

 

また、クレイクはこの試みにおいて、地域の精神疾患による費用をどれだけ削減できるかを見ていくそう。いずれは、コメディ業界や地域社会、政府などを巻き込んで、この取り組みが英国中に広がることを目指しています。

 

笑うと元気になることは、きっと誰もが経験して知っている事実でしょう。日本でも医療費の増加が問題になっており、「笑って元気になる」方法が治療法の選択肢として検討されてもいいかもしれませんね。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Is laughter the best medicine? Comedy shows could be prescribed for people on antidepressants to curb NHS costs. February 20 2025

英の「Googleマップ」に便利な新機能! もう駐車に困らない!?

出先で駐車場にクルマを止めようと思ったら、満車だった……。そんなよくありそうな場面を、定番の地図アプリを活用することで回避できるようになるかもしれません。英国で新たな取り組みが始まっています。

↑駐車場を探して確保できる

 

つい最近、英国でGoogle マップに追加されたのが、駐車場を事前に予約できる機能。Googleマップで近くの駐車場を検索し、そのまま自分の駐車スペースを確保できるから、「行ってみたら空いていなかった」という場面を避けられるのです。

 

この機能は、英国で展開している駐車場検索アプリ「JustPark」と連携したもの。JustParkは、地図上に利用可能な駐車場が駐車料金とともに表示され、そのまま予約も支払いもできるサービスです。

 

日本の都市部と同じように、英国でも街の中心部は駐車場の数が少なく、クルマで出かけた場合に駐車できるスペースを見つけるのに苦労するそう。そこで、Googleマップで現在地や目的地までの経路を確認しながら、近隣の駐車場を探してそのまま予約できれば、クルマでのお出かけがよりスマートになりそうです。

 

JustParkは英国のみのサービスのため、今回のGoogleマップの機能は英国限定となりますが、日本でも同様のサービスがあれば、Googleマップで駐車場予約を行うことも可能になるかもしれません。

 

【主な参考記事】

The Sun. GOOG TO GO! Brit drivers can BOOK parking in Google Maps for first time ever so you’ll never be stuck circling without a space again. February 19 2025

「世界最小レゴ」の記録が更新! 心臓の鼓動が邪魔になるほどのサイズとは?

1mmの100分の2。人の白血球とほぼ同じ大きさという「世界最小のレゴ」が誕生しました。作ったのは、英国で「ミクロアーティスト」と名乗る人物です。

↑狂気の沙汰というほど小さなレゴができた(画像提供/Nik/Unsplash)

 

世界でおなじみのブロック「レゴ」は、数cm程度の大きさ。それなのに、通常サイズのレゴから、目に見えないほどのレゴが作られたのです。光学顕微鏡で計測されたサイズは、0.021845mm x 0.025170mm。これまであった世界最小レゴのギネス記録と比べて、4分の1の小ささなのだとか。

 

この極小レゴを作ったのは、デビッド・A・リンドンさん。もともとエンジニアとしてのバックグランドがあり、航空電子工学の技術者として働いてきたキャリアの持ち主です。

 

現在はミクロアーティストという肩書で、糸を通す針の穴に、ピカチュウやスヌーピーなどのキャラクター、動物などのモチーフを作った作品をつくり、自身のSNSで紹介しています。

 

でも、そんな極小サイズのものづくりを行うプロにとっても、今回のチャレンジは「狂気の沙汰だと思う」とリンドンさん。なにせ、自分の指を伝わる心臓の鼓動だけでも大きな動きになってしまうため、作業は夜間の静かな時間に実施。「ゆっくりと呼吸して、心臓の鼓動の合間に作業するように訓練した」と語っています。顕微鏡を使わないと目に見えない大きさでの作業は「肉体的にも、精神的にも、厳しいもの」だったそうです。

 

しかし、そんな彼の集中力と努力でできあがったレゴは、ギネス世界記録から「世界最小のレゴ」と認められ、見事、ギネス世界記録保持者となったのです。

 

彼は「チャレンジすることが大好きで、訓練も大好き。私の作品を初めて見た人の顔に浮かぶ、驚きの表情が大好き」と語っています。

 

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【主な参考記事】

New York Post. ‘Micro artist’ creates world’s tiniest Lego block — the size of a human blood cell: ‘It blows your mind’. February 20 2025

David A Lindon.

給油ノズルは細菌だらけ!? 英ガソリンスタンドの調査で衝撃が走る

キッチンの排水口やトイレの床などは、どうしても細菌が増えやすい場所。そんな細菌スポットに追加されそうなのが、ガソリンスタンドの給油ノズルかもしれません。英国で行われた調査で衝撃的な結果が出ました。

↑手はきれいですか?(画像提供/Erik Mclean/Unsplash)

 

この調査を行ったのは、同国で廃車やクルマの修理を行うNational Scrap Carという企業。同社はロンドン、ノッティンガム、マンチェスターで4店のガソリンスタンドを対象に、給油ノズルや支払機などの給油機周辺と、ガソリンスタンドに併設された店舗のドアノブについて、綿棒を使ってどのような細菌が検出されるかを調べました。

 

回収された綿棒のサンプルを検査した結果、全4店で私たちの健康に害をもたらす細菌が七つ検出されたのです。検出された主な細菌は大腸菌、ウェルシュ菌、緑膿菌、サルモネラ菌、腸球菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌。いずれも人間や動物の胃腸で見つかる菌であることから、この結果は、ガソリンスタンドが人間や動物の糞便によって汚染されている可能性が高いということを示唆しているのです。

 

4店のガソリンスタンドのうち1店では、特にゴキブリの糞便からよく見られるという緑膿菌の数値が非常に高かったそう。清潔なトイレなら緑膿菌は100CFU/平方センチメートル未満であるところ、1720CFU/平方センチメートルという数値だったのだとか。

 

とても衝撃的な結果ですが、考えてみれば、運転中に食べ物を食べるという場面はきっと少なくないはず。食べ物をつまんだ手でハンドルを握り、ガソリンスタンドに立ち寄る……。そんな行動を想像すれば、ガソリンスタンドの給油機や支払機に細菌が付着していても、不思議ではないのかもしれません。

 

ちなみに、今回調査を行った4店のガソリンスタンドのうち、交通量が最も多いロンドンのガソリンスタンドが、検出された細菌数が最も少なかったそう。これは、電気自動車が増えてガソリンスタンドを使わないクルマが増えたことや、ガソリン価格が安い郊外のガソリンスタンドを利用する人が多い可能性が考えられるようです。交通量が多い都市のガソリンスタンドが必ずしも汚いとは言い切れません。

 

また、今回の結果が日本のガソリンスタンドに当てはまるかどうかも、はっきりとは分からないでしょう。それでも、細菌が気になるというドライバーは、ガソリンスタンドに立ち寄ったら、手洗いする習慣を身につけたほうがいいかもしれませんね。

 

【主な参考記事】

This is Money. Traces of FAECES found on petrol pumps across Britain in revolting investigation. February 5 2025

動物園で泊まるのがトレンドになる!? 新たな楽しみ方とは

朝目覚めるとすぐに、窓のむこうに動物たちの姿を眺められる……。そんな動物好きにたまらないロッジが英国にオープンしました。動物園の敷地内にあるロッジで、すでに予約が殺到しています。

↑目が覚めたら、きっとこんな光景

 

そのロッジができたのは、同国で大型動物園として知られるチェスター動物園。「ザ・リザーブ」と名付けられた宿泊施設で、2人用から6人用までのロッジが全部で51棟あります。

 

例えば、「ジラフロッジ(キリンロッジ)」があるのは、キリンのエリアのすぐ横。ロッジには大型のバルコニーが付いていて、キリンのエサ台もあり、エサを食べるキリンを間近で観察できるのです。

 

その他にも、園内の湖のすぐ横にある「レイクサイドロッジ」や、園内の眺めがいい「ルックアウトロッジ」などもあり、いずれも従来のホテルとはまったく異なる体験をできるのです。

 

さらに宿泊者向けに複数のパッケージも用意されていて、開園時間外や夜間に動物たちの様子をガイドとともにまわるツアーがあるほか、VIPパッケージでは、朝に寝ているキリンたちを起こす体験もできます。

 

世界的に見れば、宿泊施設がある動物園はいくつか存在しますが、それでもまだまだ珍しいこの施設。最低料金が1泊775ポンド(約14万6000円※)という高額にもかかわらず、オープンから1週間足らずで予約が550件を超え、すでに予約でいっぱいになっている日もあるそうです。
※1ポンド=約188円で換算(2025年2月7日現在)

 

サバンナに滞在しているか、飼育員の気分になれそうな、この動物園でのステイ。観光旅行という枠を超えて、注目されそうです。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Revealed: You can now stay the night at Chester Zoo in a luxury lodge and wake up next to the animals – but it doesn’t come cheap, with stays costing from £775 per night. February 5 2025

Chester Zoo. Welcome to The Reserve

英スーパーが便利性を追求したら裏目に…。客が罪悪感を抱いてしまう理由とは?

AIカメラが設置され、レジでの清算が不要な英ロンドンのAIスーパー。便利である一方、「万引きしている気分になる……」と、客の意見が分かれています。

↑なんだか気持ち悪い…

 

英国で多数の店舗を展開するアルディは2022年1月、ロンドンに「アルディ SHOP&GO」をオープンしました。店にはレジがなく、商品をスキャンしたり、お金を払ったりせず買い物できるのが特徴です。

 

この仕組みを可能にしているのが、専用アプリとAIカメラの存在。客はあらかじめ、アルディの専用アプリをダウンロードして、クレジットカードなどの登録を済ませておきます。そしてアプリのQRコードをスキャンして、店に入ります。

 

店内では、購入したい商品を直接自分のバッグに入れてOK。設置されたAIカメラがこの様子を監視しており、何の商品をバッグに入れたかを検知して、後日登録されたクレジットカードで精算されるのです。

 

購入をやめた商品は、バッグから商品棚に戻してよく、もし後日レシートで間違いがわかったら、購入後28日以内ならアプリから返金を求められるようになっています。

 

レジの列に並んだり、現金を用意したりするストレスがないため便利という意見がある一方、「この仕組みは気に入らない」という考えもあるようです。「(本当に正しく清算されるか)信用がならない」「自分のクレジットカードに簡単にアクセスできる」というようにセキュリティ面で不安を覚える人も少なくない模様。

 

同様のレジ清算不要の店舗を展開するアマゾンでも、当初の計画とは裏腹に、このような店舗の拡大はあまり進んでいません。もしかすると、「万引きしているみたいな気分」にさせるこの仕組み自体が、まだ人々には心理的に受け入れられないのかもしれません。

 

【主な参考記事】

The Sun. SMARTER SHOPPING I was so excited when the first AI Aldi opened on my street – it’s much quicker as there’s NO tills or self-checkout. February 5 2025

「お尻みたいな飛行機」が初仕事に向けて準備中! 機内は高級ホテル!?

「空飛ぶお尻」と表現される大きく膨らんだボディが特徴的な航空機。飛行機と飛行船のハイブリッドとも言える、世界最大の大型航空機を利用した観光旅行が企画されているのをご存知ですか?

↑大きなお尻が空を飛ぶ(画像提供/Hybrid Air Vehicles Airlander/YouTube)

 

この航空機は、英国のハイブリッド・エア・ビークルズが手がける「エアランダー10」。全長92mの機体はディーゼルエンジンのプロペラを搭載。浮力を得るためにヘリウムガスも充填され、時速130kmで飛行します。

 

5日間以上の飛行が可能なエアランダー10は、従来の航空機と同じように滑走路に着陸するだけでなく、野原や海など、ほぼあらゆる地面に着陸できるそうです。

 

内部は、専用バスルーム付きのベッドルームのほか、航空機ならコックピットにあたる機体前方エリアは、眺望の開けたラウンジにもなっており、高級ホテルの一室がそのまま空を飛んでいるとでもいう感じでしょうか。

 

そんな空飛ぶお尻の初の仕事はスペインで行われる予定で、北極圏行きの観光旅行計画も予定されています。

 

エアランダー10は、2016年に初飛行を成功させ、現在は複数の航空機を量産させる段階に来ており、英国にある工場では、毎年24台を生産する予定とのこと。

 

ただし、2度目の試験飛行で、負傷者は出なかったものの野原に突っ込んでしまい、それ以来、着陸時にコックピットを守るための巨大なエアバッグのようなものが追加されています。それでも、この航空機は従来の航空機と比べて二酸化炭素排出量を低く抑えられるとも言われており、空の新しい乗り物として活用される可能性を秘めています。

 

2029年までに人を乗せて上空を飛ぶことになるかもしれないエアランダー10の行方に、注目が集まっています。

 

【主な参考記事】

The Sun. BUM FLY WITH ME World’s biggest aircraft dubbed the ‘flying bum’ FINALLY has date for takeoff with Spain and Arctic blimp trips lined up. January 27 2025

英国で最も人気がある「クルマの色」は何? 7年連続不動の1位は…

2024年に英国で登録された新車の色を調査したところ、地味な色が断トツで人気であることがわかりました。英国で好まれるクルマの色は何色なのでしょうか?

↑人気の色の秘密は…

 

英国自動車工業会の統計結果によると、2024年に登録されたクルマの色の人気順位は次の通りになりました。

  • 1位 グレー(27.8%)
  • 2位 黒(21.7%)
  • 3位 青(14.9%)
  • 4位 白(14.9%)
  • 5位 赤(7.0%)
  • 6位 シルバー(6.3%)
  • 7位 緑(3.5%)
  • 8位 黄(0.6%)
  • 9位 オレンジ(0.6%)
  • 10位 ブロンズ(0.3%)  ※( )は市場に占める割合

 

1位だったのは、グレー。7年連続で首位をキープしたうえ、2023年より6.7%も増加していました。2位の黒と並ぶと、かなり無難な色が人気である印象を受けるかもしれません。しかし、2024年は白の人気が2023年より7.2%もダウンして4位に後退。代わりに青が3位に躍り出ました。青がトップ3に入ったのは、2010年以来初めてのこと。

 

グレーが一番人気である理由は、長期的に見て経済的なメリットをもたらす可能性が高いと見ているから。新車購入では多くの人がローンを組みますが、月々の返済額の計算には、中古市場でのニーズやクルマの残存価格が考慮されます。中古市場でもニーズがあり、価値が落ちにくい色なら、月々の返済額が少なく抑えられ、逆に人気のない色のクルマの場合は、返済額が上がる傾向にあるのです。

 

英国で2024年に最も売れたフォードのプーマでは、グレーが最も売れたそう。2位以下のキアのスポーテージ、日産のキャシュカイとジュークでもグレーが一番人気でした。つまり、無難なグレーを選べば、毎月のローン返済額を抑えられて、将来、クルマを売る場合も価格が比較的に落ちにくいということです。

 

ちなみに、不人気だった色は、ピンク、マルーン色(深い赤色)、ターコイズの3色でした。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Most popular colours for new cars revealed – with one noughties shade bouncing back…. January 18 2025

クルマの中で食べちゃダメ! 海外の専門家が警告する理由とは?

信号待ちの間におにぎりを一口頬張ったり、テイクアウトした料理を家まで待てずに食べたり……。きっと多くの人がクルマの中で食事をするでしょう。しかし海外では、ある医療の専門家が「クルマの中では食べるべきではない」と主張しています。

↑おいしいけど、やめておけ

 

この専門家が懸念しているのは、衛生面のリスク。車内で何かを食べると、どうしてもこぼれたり、クズが散らかったりするもの。そのままにすると、細菌が増え、カビが生え、害虫が寄ってくる可能性が出てきます。

 

一般的な車内の温度は約4~60℃の範囲。これは、サルモネラ菌やリステリア菌などが増殖するのに最適な温度と合致するというのです。

 

実際、英チェスター大学の教授が行った車内の細菌数に関する調査で、運転席、ギアのレバー、ダッシュボード、ハンドルにかなりの細菌が付着していたことがわかりました。また、車内で見つかった細菌数が最も多かった場所はトランクで、およそ1500種類もの細菌が確認されています。

 

移動の時間に食事も済ませられれば一石二鳥ですが、衛生面を考えると避けたほうがいいようです。この医師は「もし、どうしても車内で食事をしなければならないなら、クルマを徹底的に掃除するように」と呼びかけています。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Doctors reveal the disgusting reason you should NEVER eat in your car. January 14 2025

時代遅れなんて何のその! ランドローバーの旧型「ディフェンダー」にコレクターはいくら払うのか?

すでに生産が終了したものは、価値が大きく下がる場合と、うなぎのぼりになる場合があります。今回は後者の例を紹介しましょう。2016年に生産終了となったランドローバーの旧型「ディフェンダー」は、今日売ろうとすると、とんでもない価格がつくようです。

↑旧ディフェンダーは英国の至宝(画像提供/Abhinand Venugopal/Unsplash)

 

英国の高級SUVブランドの一つであるランドローバー。その代表的なモデルのディフェンダーは、これまでに英国の警察や軍で幅広く使われ、同国のアイコン的存在として王室や多くの著名人が愛用してきました。しかし、同ブランドの再建の一環で2016年に生産が終了となったのです(2019年に新型ディフェンダーが登場)。

 

しかし、その前年の2015年、200台ものディフェンダーを購入した男性がいました。この人物は、特注の改造ディフェンダーを専門とする企業を創業しており、その200台は「秘密のバンカー」に保管しているのだとか。

 

購入から10年が経ち、今では「ディフェンダーを購入したい」と22万ポンド(約4200万円※)を提示する顧客もいるのだそうです。

※1ポンド=約191円で換算(2025年1月16日現在)

 

ディフェンダーが生産終了となったのは2016年1月。だからこそ、2016年に登録されたディフェンダーは最後の生産ラインにあったクルマとしてコレクションの価値が特に高いようです。

 

【ディフェンダーが2016年に生産終了となったときのニュース動画】

【主な参考記事】

 

The Sun. ROVER & OUT I own 200 Land Rover Defenders & keep them all in ‘secret bunker’ – now I’m being offered huge sum to sell just one. January 14 2025

ホテルランキングで272位から5位に急上昇! 英ホテルの経営者が取り入れた戦略とは?

ホテルの売り上げに大きく影響するゲストの評価。英ロンドンのあるホテルに、旅行サイトのホテルランキングで272位から5位まで順位を大きく上げた、凄腕女性ホテルマネージャーがいます。ゲストからの高い評価を得た戦略とは?

↑ゲストのフィードバックがすべてを変えた(画像提供/Nik Lanús/Unsplash)

 

「ロイヤル ランカスター ロンドン」は、ロンドン中心部にある、客室数411室の中規模ホテルです。サリー・ベックさんがホテルマネージャーに就任した2013年、5つ星ホテルという悪くない評価がされていました。

 

しかし、旅行サイト「トリップアドバイザー」のロンドンでのランキングでは272位と、5つ星ホテルとしてはかなり低い順位に付けていたのです。「朝食の席が少ない」「エアコンの音がうるさい」「チェックインに行列ができている」などの苦情が多く寄せられていたといいます。

 

そこから順位をどうやって5位まで上げたのか? 「ゲストの評価はビジネスの生命線であると固く信じている」というサリーさんが行ったという戦略をご紹介しましょう。

 

まずは、「本日のゲスト」という新しいコンセプトの導入。誕生日、記念日、卒業式など、特別な一日にホテルを訪れたゲストを一人選び、スタッフから期待以上に甘やかしておもてなしするのです。

 

また「非難する文化」を禁止し、「ネガティブで建設的なフィードバック」は記録して議論することに。さらに、ゲストの出発時にはちょっとしたプレゼントを贈るなど、スタッフの裁量で「自分が好むようにゲストに対応する」仕組みも設けられました。

 

そんな取り組みが功を奏し、リピーターが飛躍的に増加。スイートルームの利用や法人利用なども増えていったそうです。また、ゲストの問題をスタッフが解決して、素晴らしいレビューの書き込みがあると、それによってスタッフのモチベーションやプライドアップにもつながる……というように好循環が生まれていったそうです。

 

2018年に改装工事を行うなど、ハード面での改良を行ったことはもちろんですが、やはり心あたたかなホスピタリティが、人々を魅了していったようです。

 

同ホテルでは2024年、ゲストのレビューによって選ぶ、トリップアドバイザーの「トラベラーズチョイス・ベストテン・オブ・ベスト」ホテルアワードの一つに選ばれています。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. I’m a hotel manager in London – here’s how I moved the property up the Tripadvisor ranking from 272nd to FIFTH. December 21 2024

「超加工食品」を30年間食べ続けたらどうなる? AIがギョッとするほどリアルに予測

冴えない顔色に、うつろな目と真っ黒なクマ。顔には吹き出物ができていて、腹は大きく膨れ上がり、両脚は腫れて傷さえできている。マイケルと名付けられたこの人物とは一体……?

↑こんな食生活を続けると…

 

ぎょっとする見た目のマイケルは、AIが生成した画像(下)。食材配達サービスのGoustoが、不健康な食生活を続けたときにどのような影響があるかを調査。そのなかで、超加工食品を食べ続けた、30年後の平均的な英国人男性の姿を描いたのです。

↑AIが生成したマイケル(画像提供/Daily Mail)

 

超加工食品とは、加工の程度が非常に高い食品のことで、ジャンクフードと呼ばれる食べ物やソーセージ、菓子パン、スナック菓子、シリアル、清涼飲料水などが当てはまります。これらには保存性を高めるために、保存料などの添加物が多く使われており、超加工食品を多く摂取している人は死亡率が高いという研究結果が出るなど、私たちの健康にさまざまな影響を及ぼすことが指摘されているのです。

 

しかし、超加工食品はすでに私たちの生活には溢れており、英国メディアの報道では、平均的な大人の食事では57%を、子どもの食事ではさらに高く66%を占めているというのです。

 

Goustoが行った調査では、英国人のおよそ3分の2は超加工食品の影響を認識していないが、4分の3は「健康的な食事をしたいが、時間やお金がない」と答えています。

 

「よりヘルシーな食生活を」と思っていても、現実的にはお金がかかるし、手間もかかってしまう……。そんな現実から、ついつい手軽なものに手を伸ばしてしまうかもしれません。しかし、そんな食事を続けていたら、知らず知らずのうちに、AIが予想した身体になってしまうでしょう。

 

健康のためにも、いつでも自分のルックスに自信を持てるためにも、できるところから「超加工食品を少しでも減らす」努力をしていなかいといけないようです。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Horrific AI images reveal what men will look like in 30 years due to an ultra-processed food diet. January 7 2025

英の動物園が動物の数を調査。日本の動物園にも関係する理由とは?

英国のロンドン動物園で、園内にいる動物の数をカウントする調査が始まりました。ライオンやトラ、ゴリラなど動物園でおなじみの大型動物から、鳥類、爬虫類、無脊椎動物まで、1万点以上のすべての生き物が対象です。

↑私は数えてくれたかな?

 

この調査は毎年行われており、動物園の係員が担当の動物の数を数えていきます。ロンドン動物園のSNSでも、その様子を動画で紹介しており、紙とペンを持った飼育員に「何しているの?」というように、ちょっかいを出している動物もいます。

 

この調査の目的は、絶滅危惧種の繁殖プログラムの管理に役立てること。調査結果は「ZIMS Species360」と呼ばれるデータベースを介して、世界中の動物園に共有されるのです。例えば、ロンドン動物園では2024年、ゴリラの赤ちゃん2頭が誕生したので、世界のゴリラの個体数は2頭増えたというような情報です。このようにして、世界の動物の増減について把握し、絶滅危惧種の管理に活用されるのです。

 

さらに、毎年行っている調査のため、ある種の数が増えれば、どの親から生まれた子なのかということも、ある程度見えてきます。そうすることで、「どんなふうに繁殖しているか多くの情報が得られる」と言われています。

 

ただし、ライオンやキリンのような大型動物なら数のカウントは簡単ですが、小さな生き物になると、なかなかそうもいかないでしょう。ちなみにミツバチについては、数のカウントが難しいため、ミツバチの群はまとめて1匹として数えることにしているそうです。

 

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【主な参考記事】

Daily Mail. London Zoo’s residents are counted in their annual stocktake, including 2 baby gorillas. January 4 2025

London Zoo. London Zoo Annual Stocktake returns. January 3 2025

英で有名な「サメの家」が強制閉鎖へ。問題はサメではなかった

「シャークハウス」のニックネームで親しまれている建物が英国にあります。屋根に巨大なサメが垂直に突き刺さったようなデザインで、十分すぎるほどインパクトがあります。

↑絶体絶命のシャークハウス(画像提供/SWNS/YouTube)

 

この建物は、オックスフォードにある2階建ての物件。以前は住民の居住用物件として利用されていて、約5年前にAirbnbで短期貸し出しを始めました。最大10人の宿泊が可能で、2泊で最大2537ドル(約40万円※)となかなかの価格ですが、利用者のスコアは5点満点中4.86点と高く、評判は上々です。

※1ドル=約156円で換算(2024年12月19日現在)

 

オックスフォードを訪れた観光客が、「ジョーズが突き刺さったビル」を一目見ようと、観光スポットとしてここに立ち寄るというのもうなずけるでしょう。

 

しかし、この建物はいわくつき。現在のオーナーであるハンソン・ハインさんの父、ビルさんが1986年に、オックスフォード市から公式の建築許可を得ずに、このサメの彫刻を作ってしまったのだとか。

 

建設から2年後に、市は過去にさかのぼって建築計画許可を出すことを拒否したのですが、当時の環境大臣が介入して、この建物をそのまま残すことが認められたそう。そしてビルさんが亡くなり、約5年前から短期貸し出し物件に変更して営業しているのです。

 

ただし、オックスフォード市はこの建物がAirbnbの宿泊先になったことに対して市民から苦情が寄せられたとして、強制的な閉鎖を求めたのです。この地域にはAirbnbが800軒近くあり、地元住民のための物件が少ないのだとか。そこで、同市は計画について承認を受けることなく、短期賃貸事業に変更した物件について強制措置を講じると述べています。

 

シャークハウスのオーナーのハンソン・ハインさんは、近隣住民から苦情は受けておらず、この決定を激しく非難。興味のある人には「可能なうちに来てほしい」と呼びかけています。オックスフォード市が決めた閉鎖の期限は2025年3月11日です。

 

【主な参考記事】

New York Post. Airbnb with huge shark plunging into roof faces closure after official backlash: ‘Come while you can’. December 16 2024

英で「ギネスビール」が不足! 原因は飲み過ぎ!?

アイルランドを代表する黒ビールの「ギネス」が、隣国の英国で不足する事態に陥っています。

↑英国が飲み過ぎた

 

ギネスビールの樽が底をついた店があったり、まもなく在庫がなくなるという店があったり、英国全土でギネスビールが品切れになるパブが続出。あるパブの経営者は、50リットル入りの樽12個分のギネスビールを毎週仕入れているところ、最近では1個分しか仕入れられなかったと話しています。

 

これだけギネスビールが不足した原因は何か? ギネスを保有する英酒造企業のディアジオによると、「並外れた消費者の需要があった」から。飲食業界の調査会社のデータによると、樽販売されたギネスビールの量が7月から10月にかけて20%以上増加したそうです。

 

寒い日が続いたことが消費量の増加を後押ししたようですが、もう一つ要因があります。ギネスビールはラグビーファンの間でとても人気が高く、11月にラグビーの国際試合が4週間続いたため、試合を観戦しながらギネスビールを飲む人によって、ますます消費量が増加したのかもしれません。

 

この事態を受けて、ディアジオ社ではイングランド、ウェールズ、スコットランドのパブでギネスの配給量を制限しました。その結果、「別のビール2杯を飲まないと、ギネスビールを注文できない」といったルールを作る店が出るなど、各店は在庫不足に悩まされているようです。

 

思う存分ギネスを味わえないこの年末年始は、英国のギネスファンにとってほろ苦いホリデーになっているかもしれません。2025年に需要が落ち着き、この状態が改善されることを祈りましょう。

 

【主な参考記事】

The Sun. BEER WE GO Pubs run dry of Guinness and some place limits on pints as shortage hits boozers. December 17 2024

あら大変! 12月に英国で増える「病気」とは?

クリスマスに大晦日と、イベントが盛りだくさんの12月。この時期、英国では仮病で仕事を休む人がかなりの数いる……。そんな、笑っちゃうけれど納得できてしまう事実が判明しました。

↑仕事どころじゃない

 

英国で働く成人2000人に行われた調査で、実際は病気や風邪になっていないにもかかわらず、12月に病欠すると答えた人は、ほぼ50%に上りました。

 

アンケート調査の対象者が「予定外の欠勤となる事柄」として挙げたのが、クリスマスパーティ、友人や家族とのお祝い、スポーツイベントなどでした。しかも、仮病で休む確率が最も高い日は、予想通りの結果かもしれませんが、クリスマスの12月25日でした。

 

この調査は、「病欠証明書サービス」を立ち上げたファイヤーボールという企業が行いました。国中が熱狂するという、12月15日開始のダーツの世界選手権を前に、同社がプロフェッショナル・ダーツ・コーポレーションと提携して、そんなサービスを始めるそう。どうやら「事前に休暇を取り損ねたけれど、ダーツの試合を見たいから仕事を休みたい」という人に、病欠証明書を発行してくれるというサービスのようです。

 

2024年のクリスマスは水曜日にあたり、ダーツの世界選手権などのスポーツイベントも重なっていることから、多くの人が仕事を休む方法を模索するのかもしれません。

 

ちなみに、元気だけれど病欠しようとする人の80%が自分で会社に電話をかけ、そのうち59%が「病気っぽい声で話す」と答えています。

 

【主な参考記事】

The Sun. The 3 reasons Brits will pull a ‘fake sickie’ this December – and when they’re most likely to do it. December 11 2024

英が「Bマーク」をクルマに導入! どんな意味でしょう?

クルマに付けるために英国で配布が始まったという「Bマーク」。日本では「若葉マーク」や「もみじマーク」がありますが、このBマークには別の意味があるのです。

↑緊張してた?

 

英国では、免許取得前の教習生は「Learner(学習者)」を意味する「L」のマークを、免許を取得したばかりの人は「Probationary(見習い中)」を意味する「P」をクルマに貼ります。

 

これらにならって、今回生まれたのがBマーク。これは「Bad parking」の略であり、つまり「駐車が下手な人」を意味するのです。

 

実はこのBマークは、政府が作ったものではなく、中古車査定サイトのScrap Car Comparisonが提案したもの。同社は、1391人のドライバーに行った調査で、駐車に苦手意識を持っている人が多くいることがわかり、このマークを考案したそう。

 

その調査によると、ドライバーの6人に1人が「駐車にストレスや不安を感じた経験がある」と答え、およそ3分の1は「横に他のクルマが止まっている所に駐車するより、両側が空いている駐車スペースを探す」と回答しているのです。

 

こんな意見を受けて、Scrap Car ComparisonではBマークを希望者に無料で提供。Bマークを付けて、駐車が苦手な人が運転していることを周囲に知らせることで、ドライバーを落ち着かせる狙いがあるそう。

 

しかし、このマークに反発する声も生まれており、道路の安全に関する団体は「駐車が下手なことで注目されるより、駐車のトレーニングを受けるべきだ」と指摘しています。

 

17歳から24歳の若者で、免許を取得したばかりのドライバーの約75%が「もっと指導を受けたほうがいい」と回答しているように、多くの人が駐車に限らず「もっと運転技術を習いたい」と思っているのかもしれません。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Backlash at new B plate stunt for drivers to warn they’re terrible at one type of manoeuvre. December 10 2024

ローマ時代の硬貨が1368枚も英で見つかる! 過去最大規模の価値は…

英国のウスター西部で2023年末、ローマ時代の硬貨が1368枚見つかりました。ローマ時代の硬貨として過去最大の規模になるそう。最近、この出来事が欧米のメディアを賑わせています。

↑ローマ時代の硬貨が大量に出てきた!

 

硬貨のほとんどはローマでつくられた銀貨で、紀元前157年からネロの治世(紀元後54年から68年まで)のものだそう。

 

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで英国考古学の講師を務めるマレー博士は、「私が見たなかで最も奇跡的なものだ」とコメント。

 

ローマ軍に家畜や穀物を供給し、金を稼いでいた地元の裕福な農民のものではないか、と推測する専門家もいます。彼らの話によれば、これだけの枚数の硬貨は当時、かなりの金額であったはずとのこと。

 

ちなみに今回見つかった硬貨の価値は、10万ポンド(約1900万円※)以上になると言われています。

※1ポンド=約190円で換算(2024年12月5日現在)

 

【主な参考記事】

New York Post. Largest collection of Roman coins ever found called ‘the most miraculous’ discovery in ‘the last 100 years’. December 2 2024

BBC. Hoard of Roman coins found during building work. December 2 2024

英の灯台が132年前のボトルメールを発見! まさか同じことをしていたなんて…

英・スコットランドの人里離れた半島にある灯台。その壁にガラス瓶が埋め込まれており、中に残されたメッセージを読むと、132年のときを超えた偶然があったのです……。

↑132年前のメッセージとは?

 

アイリッシュ海を見下ろすコルスウォール灯台。1817年に建てられた建物で、先日、改修工事が始まりました。そこで壁の修理にあたっていた作業員が、壁の中にガラス瓶が埋め込まれているのに気づいたのです。

 

取り出してみると、中には手書きのメッセージが書かれたメモが入っており、作業員たちはドリルを使ってコルクを開け、それを慎重に出してみました。

 

驚くことに、そのメッセージは、132年前の1892年にこの灯台の改修作業を行っていた作業員が残したものだったのです。改修作業が終わった旨と改修に携わった作業員たちの名前が記されていました。

 

つまり、今まさに灯台の改修を行っているのと同じように、132年前に改修していた作業員たちがそのことをメモとして残していたのです。

 

現在の灯台守を務めるミラーさんは、このメッセージを瓶から取り出すときに「手が震えた」と言い、さらに残されたメッセージの内容を知り「昔の同僚に会ったような感じがして、とても興奮した」と語っています。

 

現在、このメッセージは灯台を管理する事務所で保管されていますが、改修工事が終わったら、132年前の作業に携わった人たちと同じように、自分たちのメッセージを加えて瓶に入れ、同じように壁に戻す予定だそうです。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Message in a bottle from 1892 is discovered hidden inside the walls of a Scottish lighthouse – complete with a fascinating handwritten message. November 27 2024

LEDライトをオーロラと間違えた英女性、素直に謝ったら幸運の女神が微笑んだ

「オーロラを見た!」と思ったら、近くの農園のLEDライトだった。そんな勘違いをしてしまった英国の女性が、ひょんなことから、本物のオーロラを見る旅をプレゼントされました。

↑本物のオーロラが見れるなんて…

 

同国で清掃員として働くハリソンさん(56歳)は10月、地元で撮った美しい写真を共有するFacebookのグループページに、ある写真を投稿しました。それは、サフォーク州の上空で午前5時15分の早朝に現れたオーロラ。上空を神秘的な光が覆う様子から、彼女は自然がつくりだす発光現象と思ったのでしょう。

 

しかし、実はこれは近くのトマト農園で使われているLEDライトの明かりだったことが後から判明。確かに英国でオーロラが観測されることはありますが、この写真を撮影した場所を地図で確認すると、ハリソンさんが撮ったものはトマト農園の光で間違いないとわかったのです。

 

ハリソンさんが素直に間違いを認めたところ、この投稿を見た英国の眼鏡店「スペックセイバーズ」が、彼女に本物のオーロラを見る旅をプレゼントすることにしたのです。

 

そんなハリソンさんは「素晴らしかった!多くの人がやりたいことリストにオーロラを挙げているけれど、私は無料で体験させてもらった。とても幸運です」と話しています。

 

本物のオーロラを自分の目で確かめたハリソンさんは、もう二度と人工の光をオーロラと間違うことはないでしょう。

 

【主な参考記事】

Mirror. Specsavers takes woman on trip of a lifetime after she confuses tomato factory for world wonder. November 12 2024

英の92歳が自作「モビリティカー」を披露! 着想はどこから?

遊園地の乗り物にでもありそうな、おしゃれでレトロなモビリティカー。時速約13kmで走行可能なこの乗り物は、英国に住む92歳のおじいさんの手作りの作品です。

↑自作「チキ・チキ・バン・バン」に乗るヴィンさん(画像提供/SWNS/YouTube)

 

ヴィン・ウォードマンさん(92歳)は、英シュロップシャー州で暮らす元鉄道員。自宅の小屋で1日8時間こもって、3か月の時間をかけてできあがったのが、ヴィンさんお手製のモビリティカーです。

 

この作品のベースとなったのは、1968年に公開された映画『チキ・チキ・バン・バン』。英国の作家、イアン・フレミングの童話をもとにしたもので、発明家のポッツと、ボロボロだけれどファンタジーの冒険に連れ出してくれる魔法のクルマが登場するストーリーです。ヴィンさんがインスピレーションを得て手がけたのは、その映画に出てくる「チキ・チキ・バン・バン」と名付けられたクルマのレプリカ。

 

ごみ捨て場で見つけた車いすの車輪をベースに、eBayで購入したスクーターや、チャリティショップで買った額縁などをフロントガラスとして取り付けました。材料として使ったのは、ガラクタ品や安価なものばかりのため、かかったお金は全部で400ドル(約6万3000円※)にも満たないといいます。まさに同映画に出てくるおんぼろカーかもしれませんが、夢やロマンがギュッと詰まった乗り物です。

※1ドル=約156円で換算(2024年11月15日現在)

 

これまでも、さまざまな模型を作ってきたというヴィンさん。ときには、朝8時から午後4時まで夢中になって、模型作りに勤しんできたそう。「ペースメーカーを装着しているけれど、小屋で1日過ごしても気分は悪くない」と話していますが、92歳になったいまは「このチキ・チキ・バン・バンが最後の作品になると思う」と話しています。

 

【主な参考記事】
New York Post. Great-grandfather builds Chitty Chitty Bang Bang mobility scooter. November 13 2024

スマート家電がまさかスパイ活動!? 英消費者団体が調査

自宅で使っている身近な家電が会話を盗聴している。そんなドキッとする可能性が、英国の消費者団体による調査で明らかになりました。

↑家電がスパイ活動?

 

英消費者団体のWhich?は、同国で販売されている家電製品によるプライバシー侵害の可能性について調査しました。その結果、テストを行ったノンフライヤーの3製品が、連携するアプリによってユーザーの位置情報を把握したり、携帯電話で音声録音の許可を求めていたりしたのです。

 

例えば、ある中国メーカーのノンフライヤーは、同社のアプリと連携して使用できますが、そのアプリは世界的なSNSのトラッカーとつながっており、明確な理由もなく、音声の録音許可をユーザーに求める仕様になっていました。集められた個人情報は中国のサーバーに送信されているといいます。

 

また、韓国のある家電大手メーカーの製品については、洗濯機に連携したアプリで、氏名、生年月日、メール、電話番号、現在地など、多くのユーザーの情報を聞き出す設定になっていたそう。

 

スマホと連携させて、より便利に使えるスマート家電が増えています。しかしスマホとの連携には、メーカー側がスマホに入っている個人情報を入手しやすくなっているという側面があります。メーカー側はあくまでも、「個人情報を共有する必要はなく、ユーザーは自分で設定できる」と主張していますが、Which?は各種のデータ収集が何に使われるのか分からず、透明性がないと指摘しています。

 

Which?では、家電による音声の録音を防ぐには、音声アシスタントの使用をやめ、マイクは使うときだけオンにするといった対策を講じることをすすめています。

 

自宅にある家電が、知らないうちに自分のプライバシーを侵害しているかもしれない。そんな可能性をしっかり理解して、自分のプライバシーを守る意識を高く持っておく必要があるかもしれません。

 

【主な参考記事】

New York Post. Here’s how to tell if your air fryer is spying on you: ‘This is often done’. November 6 2024

Which? Why is my air fryer spying on me? Which? reveals the smart devices gathering your data – and where they send it. November 5 2024

飛行機の座席は右側と左側で広さが異なる! 英消費者団体が大発見

飛行機の座席の広さは、右側と左側で少し違う。英国の消費者団体の調査で明らかになった、そんな意外な事実を紹介しましょう。

↑座席の広さは同じではない

 

英消費者団体のWhich?は、ライアンエアー、イージージェットなどの航空会社の座席配置について調査を行いました。

 

その結果、飛行機の前方の座席については、右側にある座席(D、E、Fの座席)は、左側の座席(A、B、Cの座席)よりも、約1.3cm広い場合があることがわかったのです。

 

これは、一部の飛行機で機体の片側に有料の座席列を追加したため、機体前方で収納エリアを取り除いた経緯があることと関係しているのだそう。

 

たった1.3cmの差ですが、スペースが限られた機内の座席ですから、若干の余裕が生まれるかもしれません。

 

搭乗する飛行機の座席を調べる方法

この座席の広さの違いは、航空会社や機体の種類によっても違うもの。Which?では、それを調べる方法として以下を紹介しています。

 

1: 機体の種類をリサーチ

航空会社のウェブサイトで利用する機体の種類を調べましょう。「Google Flights」に目的地と出発日などを入力して調べることもできます。

 

2: AeroLopaでチェック

機体の座席配置を調べられる「AeroLopa」で、利用する航空会社と機体を選ぶと、座席の「2列目~15列目のABC席」は29インチ、「3列目~15列目のDEF席」は29.5インチ、という具合に、各座席のサイズが掲載されています。JAL、ANAなどの日本の航空会社の情報も載っているので、参考にできるでしょう。

 

少しでもゆとりのある座席を選びたいという方は、次回のフライトを利用するときに、この方法を使ってみてはいかがでしょうか?

 

【主な参考記事】

Daily Mail. What airlines don’t tell you: How sitting on the RIGHT can get you more legroom (including with Ryanair and easyJet). October 28 2024

Which? Little-known hack to get a better seat with Ryanair and easyJet. October 23 2024

「騒音を撒き散らすクルマ」を自動で検出!? 英が導入したサウンドカメラとは?

大音量で音楽をかけながら走るクルマ。エンジンに手を加えて排気音が騒々しいクルマ。そんな騒音を撒き散らすクルマを検出するサウンドカメラが、英国の道路に試験導入されています。

↑静かに運転したほうが身のため

 

英国の4か所に試験的に設置されているのが、騒音を発生させている車両を検出するサウンドカメラです。周囲のノイズやエンジン音と区別しながら、一定の制限を超えた音を発生しているクルマがあると、それを自動的に検出するオーディオセンサーが搭載されています。自動ナンバープレート認識システムも装備されており、それによってリアルタイムで警察に報告するのです。

 

このシステムにより、すでに26人のドライバーに運転免許の減点や罰金を科す通告を行ったそう。

 

このカメラが導入されたノーフォーク州では、これまでもクルマの騒音による苦情があったとのこと。騒音は、心臓発作や脳卒中、認知症などの原因になり得ることがわかっていて、夜間であれば人々の睡眠を妨げることになります。

 

騒音を立てるクルマは、自宅の近くを走行したとしても、通り過ぎるだけであれば、警察に通報して捕まえるのがなかなか難しいものでしょう。でも、こんなカメラで検出し、ナンバープレートから所有者を割り出し、注意勧告や罰金を科せられるなら、そんな迷惑なクルマを減らすことにつながっていくかもしれません。

 

【主な参考記事】

The Sun. Sneaky new ‘sound cameras’ to catch noisy drivers blasting music & revving engines too loudly are launched. October 29 2024

英で「マイクロパブ」がブーム! 狭小でも増加する理由とは?

お酒を飲みながら人々と語り合い交流する文化がある英国。そこで大切なのが、パブの存在です。老若男女が集う広いパブもあるなか、最近は店舗が極小サイズの「マイクロパブ」が増えており、その数は500軒以上にもなります。

↑パブは死なない

 

ロンドンのハマースミスにある「ザ・ダブ」というパブは、「英国で最も小さなバー」としてギネス世界記録に認定された店。かつてコーヒーハウスだった場所で、店舗の大きさは1.2×2.1×0.25mと驚きの狭さです。

 

いま同国で増えているのが、ここまで極小ではなくても、席数が10席以下の小さなマイクロパブ。コロナ禍で厳しい逆風を受けた飲食業界ですが、英国のマイクロパブに限っては、閉店する店が出るどころか数が増え続けているそう。

 

というのも、「飲んだり食べたりしながら人々と交流したい」ニーズと、感染のリスクを小さくしたいという衛生面のことを考えると、限られた人しか入れない小さなマイクロパブはうってつけの場所。これまでのパブよりも、ぐっと親密でコミュニティを重視する人々のベストなスポットと認識されているようです。

 

店内をすべて見渡せる小ささが、人々に安心感や居心地の良さを与えているのでしょう。街の一画に自分のお気に入りを見つける楽しさもありそうです。

 

もし英国を訪れることがあるなら、従来のにぎやかなパブもいいけれど、こんなマイクロパブもチェックしてみてはどうでしょうか?

 

【主な参考記事】

Mirror. Micropub boom sweeps the UK as beer lovers hunt for the best ‘tiny’ hidden gems. October 21 2024

Z世代で人気の「卵料理」は何? 目玉焼きがまさかの時代遅れに…

目玉焼き、スクランブルエッグ、ハムとチーズ入りオムレツ。朝食の卵料理として定番中の定番ばかりですが、もしこれらを食べていたら「時代遅れ」と思われているかもしれません。どうやら、世代によって卵料理に対する概念が変わってきているようです。

↑そのうち朝食から消える?

 

日本人は卵好きですが、英国人も卵が大好き。英国の約2000人を対象に行われた卵料理に関するアンケートで、英国人は平均で週に5個の卵を食べていることがわかりました。しかも、ベビーブーマーは週に平均4個だったのに対して、Z世代は平均6個と、若い世代のほうが卵をよく食べているのです。

 

しかし、Z世代が実際に好んでいる卵料理は、目玉焼きやスクランブルエッグといった、いわゆる卵料理の王道とは違うことも明らかになったのです。

 

Z世代に人気の朝食の卵料理

  • 1位 ポーチドエッグ(61%)
  • 2位 つぶしたアボカドとポーチドエッグ(20%)
  • 2位 朝食用ブリトー(20%)
  • 2位 オムレツ(20%)
  • 5位 ほうれん草入りエッグホワイトフリッタータ(18%)
  • 6位 シャクシューカ(トルコ風卵料理、13%)
  • 7位 チョリソー&卵入りロティ(13%)

 

卵の定番料理であるポーチドエッグが1位に、オムレツが2位に入っているものの、それ以外は少し手のこんだ、おしゃれな料理ばかり。アンケート回答者の10人に1人は「朝食の卵料理を写真に撮ってSNSに投稿するのが好き」と答えており、22%が「TikTokとInstagramが新しい卵料理を試すきっかけになった」と答えていることからも、よりビジュアルのいい卵料理が好まれているのかもしれません。

 

また、Z世代の32%が「目玉焼きサンドイッチ」を時代遅れであると回答。「スクランブルエッグ」や「ハムチーズオムレツ」も2割弱が「時代遅れな料理」だと答えていました。

 

目玉焼きやスクランブルエッグは、不変の卵料理と思われていたかもしれませんが、もう数十年も経てば、もしかしたら朝食のメニューから消えていくことになるのかもしれません……。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Gen Z shun fried and boiled eggs as younger people opt for fancier options – but HOW do you like them cooked?. October 10 2024

英国に一風変わった高級レストランが誕生! その理由は…

9月11日にロンドンでオープンした1軒のレストランは、ミシュランスターシェフが手がける店。しかし、世界に数多あるミシュランレストランと一線を画すのは、ここで働く従業員の多くが元ホームレスだからです。

↑ホームキッチンのスタッフ(画像提供/インスタグラム)

 

「ホームキッチン」と名付けられたこの店は、シェフのアダム・シモンズさんが手がける店。このシェフはミシュランの星を獲得した、英国を代表するシェフの一人です。「ホームキッチン」で提供する料理はコーススタイルで、いわゆる高級レストランの部類に入るでしょう。そして、この店を支える従業員のうち15人は、元ホームレスなのです。

 

シモンズさんは華々しいキャリアを築いてきた裏側で、「路上生活ではなかったけれど、それに近かったことがある」と、自身にも苦難の道があったことを明かしています。彼は家族が受け入れてくれたから大丈夫だったものの、そうではない人も多いと指摘。そのため、ホームレスになった人の立ち直る一歩を支援するため、このレストランをオープンしたのです。

↑シェフのアダム・シモンズさん(画像提供/インスタグラム)

 

従業員の中には、最近刑務所から出所した人がいたり、将来は自分の店を持ちたい人がいたりするそう。シモンズさんは、従業員に各種のトレーニングを提供して、調理のことなどを指導。「彼らが成長して活躍する姿を見ることがすべて」と話しています。

 

シモンズさんはロンドンだけでなく、英国のブライトンや米国のサンフランシスコにも同様の店をオープンする予定。愛にあふれたシモンズさんの店は注目を集めることになりそうです。

 

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【主な参考記事】

Independent. Inside the world’s first fine-dining restaurant staffed entirely by homeless people. September 23 2024

英国の4人に1人が「AI音声詐欺」の標的に。回避方法は?

音声認識アプリ、チャットボット、AI家電など、ますます身近になるAI。ただし、技術が進歩するほど、悪用される懸念も高まっています。

↑話している相手は誰?

 

そんなケースの一つが、AI音声生成による詐欺事件。先日発表された調査で、英国の4人に1人以上がすでに詐欺の標的になったことがわかりました。

 

AI音声生成は、わずか数秒程度の短時間の音声ファイルがあれば、その人物とそっくりの音声を作れるというもの。これを悪用する犯人は、SNSなどインターネット上にアップロードされた動画、ボイスメールから、その人物に似せた音声を作ります。そして、その人物や家族の住所を特定し、電話をかけたり音声メッセージを送りつけたりして、事故の賠償や家賃の支払いを理由に金銭を要求するという手口です。

 

英スターリング銀行が3000人を対象に行った調査結果によると、過去1年間に少なくとも1回、AI音声生成詐欺のターゲットにされた経験があると答えた人は、全体の28%もいることがわかったのです。

 

別の調査でも、英国の平均的な成人は、過去1年間に5回も詐欺の標的になっていることが明らかになっています。

 

AI音声詐欺を回避する方法

AI音声生成を活用した巧妙な詐欺の手口に引っ掛からないためには、どうしたらいいでしょうか? スターリング銀行が紹介したのが、家族で共通のパスワードか合言葉を作ることです。

 

電話などで、家族や友だちを名乗った人物が金銭を求めてくるとき、そのパスワードや合言葉を聞き出して、相手が本当に家族や友だちなのかを確認するという方法です。

 

また、AIが作った音声は、ロボットのような話し方をしていたり、不自然な間があったりすることが考えられるため、そんな違和感をすぐに察知できるといいかもしれません。

 

そして、日々SNSにアップロードしている自分や家族の動画がAI音声詐欺に利用されている可能性があることを自覚しておいたほうがよさそうです。

 

【主な参考記事】

This is Money. Millions could be caught out by little-known AI voice imitation scam – and one major bank warns 28% of Britons have already been targeted. September 18 2024

ビデオ通話の次は何?「手をつなぐ」技術を英大学が研究中

海を越えた異国の人とも、ビデオ電話を通して顔を見ながらリアルタイムで話ができるようになった今日。次は遠く離れた人と‟手をつなげる”ようになるかもしれません。

↑距離は関係なくなる?

 

このデバイスを開発しているのは、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのサラ・アバド博士率いるチーム。彼らがいま研究しているのが、指先に装着するデバイスです。複数のエリアで速度や強さの異なる振動を4本の指先に伝えて、リアルな触感を再現するというものです。

 

皮膚は私たちの身体にある大きな器官の一つで、質感や形など、さまざまな情報を与えてくれます。

 

サラ博士は「残念ながら、ビデオ通話には障壁があります。社会的な絆を築くためには触れ合いが必要ですが、ビデオ通話ではそれができない」と、人と人とが触れ合うことの重要性について指摘しています。

 

そこで、指先のデバイスでいずれ、遠隔であっても人と人とが手を握っている感覚を伝えられることを目指しているのです。

 

この技術が実現すれば、遠距離恋愛中のカップルがお互いの手を触れ合う感覚を味わったり、遠く離れた地で最期のときを迎える家族に手を添えたりできるでしょう。また、医療現場では、医師が遠隔で健康な組織とがん組織を区別するのに利用することも考えられるといいます。

 

いまでこそテレビ電話が当たり前になりましたが、数十年前にはきっと夢のような話だったはず。それを実現したように、将来は遠く離れた人とデバイスを通して触れ合うことだってかなうかもしれません。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. How you may soon be able to hold hands with a loved one who lives thousands of miles away – through a new soft fingertip device. September 12 2024

舌が麻痺するほど「危ないビール」が英にあった! アルコール度数は…

ボトルには「WARNING(警告)」のラベル付き。火を吹く黒いドラゴンが描かれ、危険な雰囲気をぷんぷん漂わせているビールがスコットランドにあります。

↑危険な匂いがぷんぷん漂う(画像提供/BEITHIR FIRE/インスタグラム)

 

その名も「BEITHIR FIRE(ベーヒアル・ファイヤー)」。「ベーヒアル」とは、スコットランドに伝わる、毒針を持つという伝説上の未確認生物で、ドラゴンのような生き物のこと。そんな怪しい生き物が火を吹くという恐ろしい飲み物は、スコットランドの88 Breweryが生み出す「世界一アルコール度数が強いビール」をうたう1本です。

 

2か月の醸造期間を経て作られるエールビールに、スコットランドのスピリッツをブレンドして発酵。3度のろ過で不純物を取り除いて、できあがります。

 

アルコール度数は脅威の75%。通常のビールはアルコール度数が3~5%、焼酎でも20~25%なので、このビールが恐ろしいほどアルコール度数が高いことがわかるでしょう。そのため、「一度に35ml以上飲まないように」という警告文が、ボトルのラベルに大きく書かれているのです。

 

味わいについて、88 Breweryのウェブサイトでは、「口の中が熱くなり、最初の刺激の後は、ドライフルーツとスモーキーな味がして、麦芽大麦のような後味が続く」と紹介しています。実際に飲んだ人からは「燃えるような味わいがする。舌が麻痺してきた」などのコメントがあり、ボトルに描かれたドラゴンのように火を吹いたように口が熱くなって、味わいを確かめている余裕はないのかもしれません。

 

もともと海外向けの業者からリクエストを受けて特別に作ったというこのビール。その後、どこからかその情報が洩れて、いつの間にか英国や海外から注文を受けるようになったそうです。お酒好きの方はチャレンジャーしてみてはどうでしょう?

 

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【主な参考記事】

Daily Mail. Revealed: The ‘world’s strongest beer’ is brewed in Scotland, costs £45 a bottle… and left one drinker with a ‘numb tongue’. So would YOU try it? September 3 2024

英国が「リハビリロボット」を開発! 患者の動きを読み取る仕組みとは?

「今日のエクササイズをはじめましょう」と、病院のリハビリルームで患者に呼びかけるのは、理学療法士だけではなくなるかもしれません。脳卒中のような脳にダメージを受けた人のリハビリをサポートする最新のロボットをご紹介しましょう。

↑リハビリを指導するロボット(画像提供//YouTube)

 

患者のリハビリには、理学療法士が立ち会うのが一般的です。しかし、英国の国立ロボット博物館のヒューマン・ロボット・インタラクションチームは、理学療法士が立ち会わなくても患者のリハビリを行えることを目的としたヘッドセットを開発しました。

 

このヘッドセットは、装着した患者の脳波を読み取って、患者の身体の動きを把握するというもの。患者はロボットの声と動きにあわせて身体を動かし、ロボットは患者がその通りに身体を動かせるかどうかを検知するのです。

 

ロボットは高さ数十cmほどの小ささですが、その点だけを除けば、スポーツジムでインストラクターが参加者にレッスンしているのとほぼ同じ。ロボットが理学療法士の代わりになって、患者のリハビリをサポートするのです。

 

ちなみに、ロボットは患者のニーズや認知能力、運動ペースにあわせて、個別でリハビリをサポートできるとのこと。まさに、理学療法士によるパーソナルトレーニングといった感じです。

 

急性脳卒中や脳損傷を受けた人の約8割は、肩、肘、手首、指などに障害を受けているというデータがあるそう。そのような患者が病気になる前の生活に戻るためにはリハビリが不可欠。ロボットの導入が役に立つかもしれません。

 

【主な参考記事】

Yahoo!News. Brainwave-reading robots help guide rehab for stroke survivors. August 28 2024

当選金1億円が570万円になったけど…。英国に不幸にならない宝くじがあった

1億円の宝くじに見事当選! でも当選した英国の女性が手にしたのは、たったの570万円でした。一体なにが起きたのでしょうか?

↑宝くじで不幸にならない知恵

 

ランカシャー州にある町、ダーウェンで暮らすエマさんは、先日宝くじに当選しました。当選金額は54万ポンド(約1億円※)です。しかし、この当選金を彼女は17人と山分けしなければなりませんでした。

※1ポンド=約191円で換算(2024年8月23日現在)

 

その理由は、この宝くじが「ストリート・プライズ」というものだったから。自分が住んでいる地域の郵便番号がそのまま宝くじの番号になるシステムで、当選した郵便番号で宝くじを購入した人全員が当選金を山分けするのです。そのため、エマさんを含めて18人で山分けして、1人あたり3万ポンド(約570万円)が分配されたのです。

 

当選金が18分の1になってしまったけれど、エマさんは「3万ポンドを誰かがくれるなんて、毎日あるようなことじゃない」と素直に喜んでいる様子。同じように当選金を分けた住民たちもこぞって喜びを爆発させ、エマさんの自宅前の通りを通行止めにして祝賀パーティを開いたそうです。

 

「この地域は本当にいいところで、勝利を共有できてうれしい」と話しているエマさん。大金を独り占めして周囲から妬まれるようなことがあるより、みんなで当選金をわかちあうほうがずっと平和でいいものかもしれません。

 

【主な参考記事】

The Sun. LOTTO LUCK I split £540k lottery jackpot with SEVENTEEN of my neighbours – we all look out for each other… it’s unbelievable. August 21 2024

ドリンク1杯でカフェに滞在できるのは何分まで? 欧米人の答えは…

カフェにパソコンを持ち込んで仕事をするとき、ドリンクを注文しただけで長居するのは気が引けるもの。では、ドリンク1杯で滞在できるボーダーラインはどのくらいなのでしょうか?

↑マナーが問われる

 

英国でエチケットの専門家として知られるウィリアム・ハンソンさんは、さまざまなエチケットについてSNSで紹介しています。最近、TikTokで再生回数が100万回以上とバズった投稿は、カフェでどのくらい滞在できるかという内容でした。

 

「特に決まったルールはない」と語ったウィリアムさん。ただし、「目安としては、コーヒー1杯につき45分が限界だと思います」と紹介しています。「カフェは社交的な場であり、職場の延長ではないことを忘れないでください」とまとめています。

 

この動画の内容を紹介した英メディアのDaily Mailでは、オンライン上で早速読者投票を実施。45分というウィリアムさんの意見に賛成するかどうか、読者に意見を求めています。1000件弱集まった回答を見ると、「ウィリアムさんの45分以内の意見に同意する」に72%の票が集まっています。しかし、「誰かに言われるまで」(12%)や「1時間」(11%)という意見も。さすがに「2時間」と答えた人は5%とわずかでした。

 

ウィリアムさんの見解や読者の反応を踏まえると、ドリンク1杯でカフェに滞在できる時間は45分とするのが妥当のようです。ちなみに、ウィリアムさんによると「45分」というボーダーラインは、仕事せずにカフェでお茶するときも適用されるそう。また、ドリンク1杯のほかに、軽食などを購入した場合に延ばせる時間はせいぜい「20分」とのこと。

 

日本でもカフェで仕事をするときは、45分を滞在時間の目安としてみてもいいかもしれません。もちろん店が混んているときは、他の客に配慮することもお忘れなく。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Etiquette guru reveals the EXACT amount of time you can work on your laptop in a cafe without ordering a coffee – and how much extra on the clock buying food gets you. August 17 2024

英の廃墟で探検家が目にした「最も恐ろしい」光景とは?

都会の中にある廃墟や奇妙な場所を訪れる都市探検家。英国で活動する2人の都市探検家は先日、驚くべき場所を訪れました。「これまで訪れた中で最も怖い所だった」というそこには、異様な光景が広がっていました。

↑廃墟の中には異様な光景が…

 

ミッチ・ジョンソンとジェイク・パーは、親友でありながら一緒に都市探検家として活動しています。そんな2人が訪れたのは、マンチェスターから6時間半離れた、スコットランドのセルカークという地。お目当ての場所はここにある1軒の廃屋です。

 

中に入ってみると、家の至る所にぬいぐるみが山のように積み込まれ、部屋中を覆っているのです。その数は何千体、何万体にも及ぶかもしれません。キッチンも寝室も、どの部屋も大量のぬいぐるみだらけ。家の中にごみが山積みになった「ごみ屋敷」ならぬ、「ぬいぐるみ屋敷」の状態です。

↑ぬいぐるみだらけ(画像提供/Dogtooth Media/YouTube)

 

ホコリをかぶり、クモの巣もある、この異様な光景に、ジョンソンは「室内の空気が湿っているように感じた。そして、ぬいぐるみの中に誰かがいるかどうかわからなかったし、誰かに監視されているような気がして、とにかく早く外に出たかった」と語っています。

 

この家には、かつて女性が暮らしていて、夫が亡くなった後これらのぬいぐるみを集め出したのだとか。

 

これまで、精神病院をはじめ、さまざまな恐ろしい場所にも訪れてきたという2人。しかし「ここは異様な空気に満ちていて、今までで一番恐ろしい場所だった」と語っています。

 

【主な参考記事】

New York Post. I’m an urban explorer — this abandoned house of dolls is the scariest place I’ve ever seen. August 8 2024

サメの食生活を実験した英男性、1日で体重は何キロ増えた?

1日のカロリー摂取量が4万キロカロリーになるというイタチザメ。そんなサメの食生活を自ら身体を張って体現したアスリートが英国にいます。はたして、その結果は……?

↑サメの食生活を試したロス・エドグレイ(画像提供/インスタグラム)

 

ロス・エドグレイ(38歳)は、英国のウルトラ・マラソン・スイマー。約2800kmの遠泳を達成するなど、鍛え上げられた身体を武器に、さまざまなことにチャレンジしてきました。そんなロスさんが最近、ドキュメンタリー番組の中で挑戦状を叩きつけたのが、サメでした。

 

これまで地球では5度の大量絶滅が起き、大半の生物が地球から姿を消しました。しかし、サメはそんな危機を生き延びた生物の一つ。サメは大量のエサを体内に取り込むと、肝臓に脂肪として蓄えることができ、それによって何か月も食べずに移動することができるそう。

 

「断食が流行っていますが、サメの原始的な断食と食事から、私たち人間は多くを学べると思う」と、ロスさんはこの対決を思いついたときのことを話しています。

 

食事を摂取しない「飢餓状態」と、一気に大量の食事をとる「大量摂取」。そんなイタチザメの食生活を再現するために、ロスさんはまず英ラフバラー大学の加熱室で24時間の断食を決行。「空腹で眠れず、水分と電解質が不足して身体が痙攣し始めた」と言うほどつらかったというロスさん。その後、「大量摂取」の時間に突入しました。

 

ロスさんが口にしたのは、3000キロカロリー分のスポーツドリンクとスムージー、1個3000キロカロリーのチーズケーキ2個。加えて、ピザ、ハンバーガー、フルイングリッシュブレックファスト2食、カスタード(牛乳に卵や砂糖を加えて固めたもの)7リットルなど、合計4万1103キロカロリーを摂取したのです。

 

結果として、24時間の断食で減った体重は元に戻り、10kgも増えました。一度に4万キロカロリーもの大量の食事を摂取することで、消化器系への影響が心配されていましたが、そのような影響はなかったそうです。

 

ロスさんいわく「大量のカレーなどを食べたら影響が出ていたかもしれない。しかし、断食で体力を消耗していたので、食べたものが全て消化された」のだとか。

 

サメの食生活は驚くようなものですが、それ以上にこれを体現してしまったロスさんの身体にも驚かされる内容だった今回のチャレンジ。一般の方は、簡単に真似しないほうがよさそうです。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Man vs Shark: British adventurer, Ross Edgley, attempts to mimic the diet of a tiger shark by consuming a whopping 41,103 calories in 48 hours (and he claims it was surprisingly easy!). July 20 2024

隣人とのトラブルで木が半分に! まさかの観光名所になったのはなぜ?

よくある隣人同士のトラブルが原因で、英国にある普通の木がちょっとした観光名所になっています。こんもりと茂った葉っぱの部分が、見事に半分だけ切られてしまっているのです。

↑どうしてこんなことに?(画像提供/SWNS/YouTube)

 

英国のシェフィールド郊外にあるこの木が、無様にも半分に切られてしまったのは、2021年のことでした。木はちょうど2棟の戸建て住宅の間に植えられていたのですが、片方の住民が、鳥が木に巣を作り、たくさんのフンを落とすと怒っていたそう。そんなことから、両家がこの木をめぐって言い争うことに。

 

抗争は1年にもおよび、最終的に鳥のフンに怒っていた側の住民が、自分の家に面している側の木の半分を切り落とすことになったのだそうです。

 

この木は今でも半分に切られたままで、この木を見にくる人までいるとのこと。そのためか、Googleマップでは観光名所としてタグ付けされ、訪問した人はレビューを残しています。

 

また、この地域のGoogleストリートビューでは10年前に撮影された画像が使われているため、半分に切られる前の木が映っているそうです。

 

ある訪問者は、レビューに「遠くから出かけてまで見るほどのものではないが、近くにいたら見てみる価値がある」と表現しています。

 

【主な参考記事】

New York Post. Bizarre half-cut tree from neighbor dispute becomes an unlikely tourist attraction thanks to Google reviews. June 26 2024

英の少年が「26.2cmの冷凍ポテト」を発見! ギネス記録になるか?

身近な冷凍食品にひょんな‟お宝“が紛れているものなのか……。

↑その中に世界一長いポテトフライがあるかも…

 

英国の9歳の男の子が、世界一長いかもしれない冷凍ポテトを発見し、ギネス世界記録に連絡を取っています。

 

オリバー君はある日、母のドナさんの夕飯づくりを手伝っていまいた。冷凍のポテトフライをフライヤーに入れて調理しようとしたところ、そのなかに異常な長さのポテトフライを1本見つけたそう。その1本だけがトーテムポールのように立ち上がって、フライヤーのふたを閉めることができなったと言います。

 

オリバー君がその1本をつまみ出して定規で長さを計ってみると、26.2cmもあったそう。あまりの長さのため、2本のポテトがくっついたのかと思いよく見てみましたが、間違いなく1本でした。

 

オリバー君は、世界一長い冷凍ポテトになるかもしれないこのポテトを、まだ食べずに冷凍庫で大切に保管しているそう。「あまりにも貴重だから、絶対に食べられない」と手をつけずにいるオリバー君は、家族と一緒に、このポテトが世界一であることを証明するために、ギネス世界記録に連絡を取っているそうです。

 

【主な参考記事】

Mirror. Boy, 9, finds world’s longest chip in bag of frozen McCain fries. June 13 2024

突然動けなくなった子犬を救え! 英の医師が3Dプリンターで作った医療器具とは?

生後6か月で手足が弱ってしまい、身体を動かすことができなくなってしまった子犬。そんな子犬が再び元気に歩き回れるようになったのは、3Dプリントを使った最新技術のおかげでした。

↑3Dプリントのおかげで再び歩けるようになったアーサー(画像提供/New York Post/X)

 

英・チェシャー州で暮らすナタリーさんは、「アーサー」と名付けたコッカプーの子犬を飼っています。しかしアーサーは生後6か月のときに、突然悲鳴のような鳴き声をあげて床に倒れてしまいました。アーサーは激しく息を切らし、そのまま身体を動かすことができなくなってしまったのです。

 

ナタリーさんがすぐに地元の動物病院に連れていったところ、アーサーの脊椎の一部がつながっておらず、それによって手足の機能が失われてしまったことが判明。

 

アーサーの手術は4時間に及びました。獣医は脊椎を固定させるために、3Dプリントで作ったネジと外科手術で使われるセメントを埋め込みました。

 

アーサーは手術から3日後の退院時に尻尾を振っていたそう。その後もアーサーは腹部から頭まで装具を付けていた一方、ナタリーさんの24時間体制のケアが始まりました。そのかいもあってか、3か月が経つと、アーサーは少しずつ歩けるようになったというのです。

 

この手術を行った獣医は、手術を受ける前のアーサーの状態について「非常に深刻だった」と話しています。しかし3Dプリント技術の発展で、この複雑な手術の精度が向上し、今回のアーサーの手術の成功にもつながったようです。

 

【主な参考記事】

New York Post. Paralyzed puppy able to walk again thanks to 3D printed spine. June 12 2024

度肝を抜く価格でした。「世界最大のウォッカ」が英で誕生

ロンドンのスタンステッド空港に登場した巨大なボトル。男性の背よりも高い、この大きなボトルは、先日ギネス世界記録に認定された「世界最大のウォッカボトル」です。空港に展示された後はオークションにかけられるといい、入札価格が度肝を抜く価格でした。

↑ギネス記録に認定された世界最大のウォッカ(画像提供/Au Vodka/インスタグラム)

 

このウォッカボトルは、英国で高品質のウォッカを作る「AUウォッカ」というブランドが手掛けたもの。高級感あふれるゴールドのボトルに「Au」のロゴが刻印されていて、ラグジュアリーな雰囲気がいっぱい。2015年に設立され、いまでは欧州で認知度が広がり、これから米国の発売も決まっているのだとか。

 

そんな勢いに乗っているウォッカブランドが、同ブランドを象徴するゴールドのボドルをそのまま巨大にして、世界記録を打ち立ててしまったのです。

 

ボトルの高さは、210cm。5500ショット分のウォッカが入っています。

 

6月24日まで展示された後はオークションに出品するそうですが、入札価格は15万ポンド(約3000万円※)〜。「AUウォッカ」好きの人にも、お酒好きの人にも、そしてゴールド好きの人にも注目されそうな、このウォッカ。その行方にまた注目が集まりそうです。

※1ポンド=約200円で換算(2024年5月30日現在)

 

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【主な参考記事】

Need To Know. AU selling world’s biggest bottle of vodka – with bids starting at £150,000. May 28 2024

Au VODKA

英でフライドポテトを落としたら鳥が食べた。そしたら4万円の罰金ってどういうこと?

英国の海辺で、食べていたマクドナルドのフライドポテトを落としたところ、200ポンド(約4万円※)の罰金を科せられた……。そんな不運な女性がいます。一体なぜ?

※1ポンド=約199円で換算(2024年5月24日現在)

↑砂浜での食事には要注意

 

ロンドンの南東に位置する、ケント州シアーネス。ジャクリーン・クラークさん(34歳)は先日、仕事終わりに夫とマクドナルドのドライブスルーに寄り、防波堤のすぐそばにクルマを止めて、マクドナルドで買ったフライドポテトを食べることにしました。しかし、ジャクリーンさんはポテトチップスを食べたとき、数枚を落としてしまったのです。

 

すると、全身黒づくめの男性が突如現れ、写真を撮影。落としたフライドポテトをカモメが食べたことから、その男性は「フライドポテトをそんなことに使うのは認められていない。200ポンドの罰金を科す」と主張しました。この地域では、鳥にエサをやることを禁止しており、この男性は現地の環境局の職員で、彼女の行いがそれに該当すると見たようです。

 

ジャクリーンさんは「フライドポテトを数本落としただけで、カモメがそれを食べてしまった」と説明したのですが、その男性はジャクリーンさんが説明することさえも避けたというのです。「200ポンドもの罰金を払う余裕はないです。どうしたらいいですか?」とジャクリーンさんが尋ねても、その男性は「それは自分の問題ではない」と答えただけだったと言います。

 

その後、ジャクリーンさん宅には罰金200ポンドを告げる通知書が届きましたが、彼女は「私たちは、食べ終わったら、包装紙なども全て持ち帰りました。彼らは間違った人をターゲットにしているとしか思えない」と話し、この罰金について不服を訴えています。

 

【主な参考記事】

Mirror. Mum fined £200 after dropping McDonald’s chips by seafront – despite seagull gorging on them. May 22 2024

日本語のまま通じる! 英国人が大好物な日本定番の食べ物とは?

英国では、どこのスーパーマーケットでもわさび味の豆やピーナッツ「Wasabi peanuts・peas(わさピー)」が販売されています。英国人はわさびのピリッとした味がお気に入りで、健康的かつビールのおつまみにも最適と評判。英国の「わさピー」を紹介しましょう。

 

英国人のわさび愛

↑わさピーは英国でも定番のおつまみ

 

わさピーはもともと日本でも定番の豆菓子から広まり、現在はピーナッツをコーティングした商品も売られています。英国人は豆が大好きでグリーンピースやベイクドビーンズなどは英国の伝統料理に欠かせませんが、手軽なスナックとしても好まれているようです。

 

さらに、英国の代表的な伝統料理のローストビーフには、定番のホースラディッシュ(西洋わさび)を使ったソースが添えられています。この風味豊かなソースは家庭での手づくりはもちろんのこと、さまざまなメーカーから発売され、昔から英国人の食卓で親しまれてきました。わさび味は英国人にとって、子どもの頃からなじみ深いものなのです。

↑英国で長年親しまれている西洋わさびソース

 

また、英国人は好奇心が旺盛で、近年では日本文化や日本食への憧れや注目度がますます過熱しています。「わさび」という日本語のままのネーミングはエスニックなイメージがあり、英国人の心を捉えているようです。

 

広がるわさびブーム

ピリッとしたわさび味が好まれるのは、わさピーだけではありません。

 

英大手スーパーマーケットのテスコでは、オリジナル商品の「ローストビーフ&西洋わさび」味のポテトチップスを発売。ローストビーフと西洋わさびの風味がマッチしビールのおつまみに最適などと、SNSのコメントでも好評です。

↑テスコオリジナル商品「ローストビーフ&西洋わさび」味ポテトチップス

 

わさびブームはさらに広がっていて、別の大手スーパーマーケット「リドル」が最近開催した日本食ウィークでは、わさびを取り入れた多くの商品をラインナップ。わさびクリームチーズや固形チーズ、わさび風味のハム、わさび味アイスなどさまざまな商品がそろっていて、わさびの人気を改めて実感しました。

 

このように英国でわさピーの人気が定着している背景には、英国人の異国情緒や新しい味に対する好奇心と、昔からのなじみ深い味への安心感との融合があるようです。

 

人気にあやかり英国国内ではわさび栽培を始める企業も登場するなど、わさびブームはこれからも続きそうです。

 

筆者・撮影/ukihaddy

家族のために仕事を捨てた英夫婦、「ヨット暮らし」で手に入れたのは…

仕事に多忙な毎日で、子どもとたちと向き合う時間がない……。そんな悩みを抱えていた英国人夫婦が、思い切って退職。二人の子どもと共にヨット暮らしをスタートさせ、「これ以上の幸せはない」と充実した日々を送っています。

↑リスクを取ったら家族の絆が深まった

 

ローラさんとロスさん夫婦は、仕事に忙しい毎日を送っていました。「週50時間以上働き、発育期の子どもたちの時間も自分たちの目の前から消え去り、多くのものを失っていると感じた」と話しています。

 

生活のために働かなければならないものの、子どもや家族との時間を犠牲にすることなのか……? きっと、そんな思いに駆られたのでしょう。そこでローラさんとロスさんは、思い切った決断を行いました。

 

二人とも仕事を辞め、住んでいた自宅を担保にローンを組み、以前からチェックしていたというヨットを12万5000ドル(約1940万円※)で購入。子どもたちと一緒に乗り込み、ギリシャの島々をめぐりなら、家族4人で新たな生活をスタートさせたのです。

※1ドル=約156円で換算(2024年5月10日現在)

 

子どもの一人は、通学せずにオンラインで学習できるホームスクーリングを利用して勉強している一方、もう一人はオンラインのバーチャル中学で、世界中から集まる同世代の子どもたちと交流しているそうです。

 

家族4人が常に同じヨットで暮らすという新たな毎日について「こんなに幸せなことはない」と話しているローさんとロスさん。海の状態や日々の天候によって、航海中には予期せぬことも頻繁に起こるもの。「カメレオンのように計画を変えて行動しなければならないし、ワークライフバランスを保つのは難しい」と語っていますが、自然のなすがままに生きることは、メンタルヘルスにも良い影響を与えているようです。

 

ヨットには、太陽光発電やリチウムイオン電池、浄水器などが搭載され、光熱費がかからず、自給自足に近い暮らしを送れるとのこと。自然のなかで家族で協力しあいながら暮らす日々は、何にも代えがたい貴重な経験になるのかも。「私たちの関係は信じられないほど深まり、お互いへのリスペクトも強くなった」と話しています。

 

現在、この家族はエーゲ海にあるミコノス島という島に停泊し、ギリシャの居住権を取得することを考えているそうです。

 

【主な参考記事】

New York Post. We quit the 9-to-5 grind to live on a $125K yacht in Greece with our kids — it’s a dream come true. May 26 2024

スマホの「文字の打ち方」で世代がバレる! 5つのパターンとは?

文末の句点(。)や絵文字の使い方によって世代がわかるなどと言われますが、そもそもスマホに文字を打つときの入力スタイルでも世代がバレてしまっているかもしれません。

↑この文字の打ち方は…

 

英国のあるインフルエンサーが先日TikTokに投稿した1本の動画が、再生回数は270万回、コメント数は8000件近くと、ちょっとした話題になっています。その内容はスマホの文字の打ち方で「世代がわかる」というもの。

 

彼は、自分の周りにいるさまざまな年代の人がスマホに文字を打つ様子を観察したところ、世代によって入力方法にパターンがあることに気づいたそう。それは次のようなもの。

 

  1. スマホを片手で持ち、スマホを持っている方の親指1本を使って、画面をスワイプするように画面上ですべらせて文字を打つ→ミレニアル世代
  2. 上記1を高速で行う→Z世代
  3. スマホを両手で持ち、左右の親指2本を使って文字を打つ→10代〜20代半ば(30代半ばも当てはまる場合も)
  4. スマホを片手で持ち、スマホを持っている手の親指と、スマホを持っていない方の手の人差し指を使って文字を打つ→50代
  5. スマホを片手で持ち、スマホを持っていない方の手の人差し指1本だけで文字を打つ→65歳以上

 

ミレニアル世代とZ世代は片手でスマホを持ち、親指1本だけで入力するのが特徴。そこに人差し指を加わると、世代が上がっていくそう。また、若い世代ほど、スワイプするように指をなめらかに動かすけれど、世代が上になるほど、ボタンをひとつひとつ押すように入力しているそう。

 

これはあくまでも彼が周囲の人を観察して見つけ出した傾向ですが、あてはまっている部分はあるかもしれませんね。周囲のスマホの使い方に注目してみてはどうでしょうか?

 

【主な参考記事】

Daily Mail. How people text on their phones reveals if you’re Gen Z, Millennial or Boomer. May 7 2024

貝殻を持ち帰ったら環境破壊!? 英国の砂浜にも厳しいルールがあった…

海に行ったら、貝殻を拾って思い出に持ち帰ることがあるかもしれません。でも、英国の一部の砂浜では、それだけで罰金が科せられる可能性があるのです。

↑持って帰ろうとすると大変なことに…

 

同国には海辺の町が99あり、砂浜の数は1000以上になるそう。そして、そのほとんどの砂浜で5月から9月末までの期間、さまざまなルールが設けられます。

 

例えば、英国北西部のカンブリアの砂浜で禁止されるのが、貝殻や砂、小石を持ち帰ること。地元の海岸保護法に基づいて、違反した人には最高で1000ポンド(約20万円※)の罰金が科せられるそうです。

※1ポンド=約195.7円で換算(2024年5月2日現在)

 

その理由は、環境を破壊する可能性があるから。現地の議員は「小石や貝殻は浸食から守り、生き物の生息地にもなります。だから、それらを持ち帰ることは、環境を破壊することにつながる可能性があるのです」と語っています。

 

このほかにも、犬を砂浜に連れていくことを禁止したり、バーベキューやキャンプを禁止したり、ごみ捨てを禁止したり、さまざまなルールがあります。

 

日本の海岸でも、地域によって独自のルールを作っていることもあるでしょう。地域の人々に迷惑をかけないためにも、出かけるときはそのようなルールがないか事前にチェックしておくことが必要かもしれません。

 

【主な参考記事】

ITV. Up to £1000 fine for taking pebbles from beaches as council tries to protect the environment. April 30 2024

The Sun. SANDS BAD Strict beach ban rules to restart next month affecting hundreds of seasides across the UK. April 21 2024

英KFC、「バーベキューの香水」を販売! 評論家も予想外の香りとは?

バーベキューで肉が香ばしく焼ける匂いは、食欲をそそり、思わず目を閉じてその香りを身体いっぱいに吸い込みたくなりませんか? 英国のケンタッキー・フライド・チキンが発表した香水は、そんな香りを彷彿させる物なのかもしれません。

その香水の名前は、「KFC No 11 EAU DE BBQ」。黒いボトルに赤のラインが入ったシックなボトルは、高級フレグランスといった雰囲気。英国のある評論家が「ボトル下部のKFCのロゴがなかったら、高級なフレグランスと思っただろう」と言ったように、ファストフード店が手掛けたものとは思えないデザインです。

 

気になる中身は、ネーミングの通り、バーベキューのときのようなスモーキーな香り。とは言っても、肉をグリルで焼いたときの“肉っぽい”香りではないよう。上述の評論家はこんな風に話しています。

 

「当初、近所の人がグリルで料理しているときに嗅ぐような、典型的なバーベキューの匂いを再現したものだと思っていた。でも、予想よりもっとムスクのようで魅惑的な香りだ」

 

そんなわけで、この香水はすでに第1弾の販売で完売。5月上旬に第2弾の販売が予定されているそうです。この香水は100ml入りで、価格は11ポンド(約2100円※)。収益の100%がKFC財団に寄付され、若者のための活動などに使われるそうです。

※1ポンド=約194円で換算(2024年5月1日現在)

 

【主な参考記事】

New York Post. KFC debuts BBQ perfume that will leave you ‘tipsy with hunger’. April 29 2024

KFC. KFC No 11 EAU DE BBQ.

野菜の皮や残り物が豪華料理に! 英ヒルトンで「廃棄ゼロメニュー」が期間限定で登場

世界に展開する高級ホテルブランドのヒルトン。そこで出される料理に、まさか残り物が使われているなんて、誰も想像しないでしょう。でも現在、英国の4つの主要なヒルトンホテルが、廃棄を出さないメニューという新しい試みにチャレンジしているのです。

↑英ヒルトンの廃棄ゼロメニュー(画像提供/tasteofhilton/インスタグラム)

 

例えば、野菜の皮、魚の内臓、熟れすぎた果物、ビュッフェの残りもの。これらは従来では廃棄されてきました。しかし、国連環境計画(UNEP)の報告書によると、世界では毎年10億トンもの食べ物が廃棄され、そのうちの約4分の1は、食品サービス産業で生まれているとのこと。

 

ヒルトングループでは、そんな食料廃棄の実態に目を向け、廃棄物をできるだけ出さない試みを行うことにしたのです。そこで、英国にある4つのフラッグシップホテルで期間限定で導入されたのが、「ゼロウェイスト(廃棄ゼロ)」メニュー。

 

ソースに仕立てたり、発酵させたり。ヒルトンが「nose-to-nail(鼻から爪まで)」や「root-to-shoot(根っこから芽まで)」と表現する、一流ホテルのテクニックを駆使して、これまでは廃棄していたものを上手に活用して、美しい料理に仕上げています。知らなければ、廃棄されるものを使っているなんて誰も思わず、おいしく食べ進めそうです。

 

この料理は、各ホテルによってメニューが若干異なりますが、5〜7品とドリンク付きで1人40ポンド(約7800円※)。英国の高級ホテルで提供される料理としては、比較的低価格に抑えられているのは、廃棄される食べ物を材料に活用していることのほか、この料理を多くの人に味わってもらいたいという狙いがあるのかもしれません。

 

今後は同様の取り組みを行うホテルを拡大していきたいというヒルトングループ。人口増加にともない、食料不足が懸念されている将来は、こんな廃棄ゼロの料理を作るレストランが増えていくかもしれません。

 

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【主な参考記事】

Business Traveller. Hilton trials zero waste menus at four UK hotels. April 24 2024

英夫婦が自宅を改修。土の中から出てきた陶器に秘宝が眠っていた!

誰の自宅であっても、もしかするとどこかにとんでもないお宝が隠されているかも……。自宅のコテージから古い金貨と銀貨を見つけ出した英国のご夫婦をご紹介しましょう。

↑大昔の硬貨が出た!

 

ド―セット州サウスポートに住む、ロバートさんとベッキーさん夫婦。二人は自宅のコテージの改修を行うことにしました。つるはしを使って、むきだしになった土を掘っていたところ、陶器が出てきたそう。そして、その中身を見ると大量の硬貨が入っていたのです。

 

その数、1000枚以上。硬貨には日付が彫られているものがあり、判読できるものを探してみると、400〜500年以上も前でした。「とんでもないお宝ではないか!?」と思った夫妻は、専門家に連絡。その結果、16世紀から17世紀の金貨と銀貨であることがわかったのです。

 

大英博物館によると、1642年から1651年に起きたイングランド内戦で、当時の人々は財産を安全に保管しようと考えたのではないかということ。つまり、このコテージで見つかった金貨と銀貨は、そのときに所有していた人物が土の中に隠したものなのかもしれません。

 

この夫婦は、見つかった金貨と銀貨をオークションにかけることに。1000枚以上ある硬貨のなかで、チャールズ1世が描かれた金貨は2000ポンド(約39万円※)の価値があるといわれていましたが、実際は5000ポンド(約97万円)で落札。結果、全部で6万ポンド(約1100万円)になったのでした。

※1ポンド=約194.6円で換算(2024年4月26日現在)

 

コテージの改修にも費用がかかっているこの夫婦。予期せぬうれしい収入は、住宅ローンの返済にまわすことを考えているそうです。

 

【主な参考記事】

BBC. South Poorton: Historical coins found under floor sell for £60,000. April 23 2024

カラオケを超える体験が待っている! 英で話題の「絶叫療法ホテル」とは?

「深呼吸して……空を見上げて……そして叫んでください」。ウェブサイトでそんなメッセージをのせているのが、英国の湖水地方にある「アーマスウェイト・ホール・ホテル&スパ」。このホテルの売りの一つが絶叫療法です。

↑叫ぶと吹っ切れる

 

400エーカーと、東京ドーム34個分以上にも相当する広大な森林を有するこのホテル。街の騒音から離れ、豊かな自然に囲まれているこの地は、心身を休めたいという人にもってこいの環境が整えられています。

 

自然の中で瞑想する森林浴や、星空の下での月光浴などの多彩なウェルネスプログラムの中に、珍しいメニューとしてあるのが「スクリーム・セラピー(絶叫療法)」です。

 

このメニューの説明には、「絶叫療法は、響きわたる叫び声を通して、鬱積した感情を解放し浄化させる方法として、落ち着きや安心感をもたらす治療でよく行われています」と書かれています。

 

言葉では言い表せないような蓄積したイライラやモヤモヤを、思いっきり叫ぶことで外に吐き出そうというわけ。しかも木々が生い茂る中で大声で叫べば、さらにスッキリして心が浄化される気持ちになりそうです。

 

「カラオケやクルマの中で声を張り上げて歌うと、なんだかスッキリした」という経験のある方は少なくないでしょう。日本からこのホテルまで行くのは簡単ではありませんが、もしストレスが溜まっていると感じたら、セルフ絶叫療法をこっそり行うといいかもしれません。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. The hotel with something to shout about: Lake District property offers guests the chance to release pent-up emotions – through SCREAM therapy. April 17 2024

Armathwaite Hall Hotel and Spa. Escape Scream Therapy Half Day Package

従来の450万倍!「インターネット回線速度」の世界新記録が誕生

ネットサーフィンしたり、動画を見たりするとき、画面がサクサクと表示されずイライラした経験は、きっと誰もがあるはず。でも、未来のインターネットの速度は、今より驚くほど速くなるかもしれません。その証とも言えるのが、国際研究チームが先日実現した、インターネット回線速度の世界新記録達成です。

↑もっとサクサクに

 

この世界最高速度を実現したのは、英国のアストン大学の研究者をはじめとした、国際的な研究チーム。現在、同国のインターネット回線速度は平均69.4Mbps。これに対して、標準的な光ファイバーを用いて、301Tbpsという世界最高速度を実現したのです。「Tbps(テラbps)」は「Mbps(メガbps)」の100万倍にあたるので、今回の速度は、現在の一般的な速度のおよそ450万倍にもなるのです。

 

この速さだと、映画やテレビ番組などのストリーミングコンテンツに関するあらゆる情報がまとめられたサイト「インターネット・ムービー・データベース」にリストされている全ての映画をダウンロードしても、わずか1分しかかからないというのです。

 

これほどの速さを実現できたのは、これまでの光ファイバーシステムでは使用されていなかった新しい波長帯域を利用するデバイスの開発に成功したから。光ファイバー通信で使われるレーザーは、波長によって「Cバンド」「Lバンド」などと名前が付けられています。今回はCバンドとLバンドに加えて、EバンドとSバンドを追加したそう。

 

世界中の人々にとって欠かせないインターネット。今回の研究を行ったアストン大学の教授は、「より高速で、より信頼性の高いインターネット回線のためには、進歩する光ファイバー技術が重要な役割を果たしている」と述べています。このような技術の躍進が、きっと将来のインターネット環境を支えてくれるのでしょう。

 

【主な参考記事】

Independent. New world record for internet speed is 4.5 million times faster than broadband. March 27 2024

英国初! 探検家が到達した「世界の海で陸から一番遠い地点」とは?

「ポイント・ネモ」をご存知ですか? 日本語では「到達不能極」とも言われており、人工衛星などが捨てられる場所です。

↑さあ、どこでしょう?

 

英国の探検家クリス・ブラウンさん(62歳)は息子とともに3月12日、チリのプエルトモントからヨットで出発。3月20日に、目的地である「ポイント・ネモ」に到達し、ここに達した最初の英国人となりました。

↑ポイント・ネモに到着!(画像提供/chrisbrownexplores/インスタグラム)

 

ポイント・ネモとは、世界中の海で陸地から最も離れた地点のこと。南太平洋にあるポイント・ネモは、どの陸地からも遠いことから「到達不能極」ともいわれているのです。

 

具体的には、ニュージーランドとアルゼンチン、南極大陸の中間あたりにあるポイント。最も近い陸地は2688km離れた、ピトケアン諸島のデューシー島という無人島。人が暮らしている最も近い陸地は、ニュージーランドのウェリントンとチリのコンセプシオンで、どちらも4000km以上離れています。

↑ポイント・ネモの位置(画像提供/National Oceanic and Atmospheric Administration

 

ポイント・ネモの存在は、測量技術者が楕円形になっている地球の形状を考慮して、各陸地までの距離を計算してはじめて、1992年に知られることになりました。

 

そしてこの地は、人が生活する陸地から最も離れていることから、人工衛星を落下させる場としても利用されています。役目を終えた人工衛星や燃料タンクといった、いわゆる宇宙ごみは、宇宙から大気圏に突入するときに、大部分が燃えてしまうのですが、残った破片は海に落下するそう。

 

ポイント・ネモ周辺はそんな宇宙ごみの墓場にも選ばれており、これまでに260個以上の宇宙ごみがこの地域の海底には眠っているといわれています。

 

ちなみに、冒頭で紹介した探検家のクリスさんは、2023年に行方不明となったタイタニック見学潜水艇ツアーの参加を断ったという人物。そんな強運の持ち主は、今回のポイント・ネモ到達成功を経て、今後は地球上の到達不能な8つの極地到達の目標を目指しています。

 

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【主な参考記事】

Daily Mail. The mission to Earth’s watery graveyard: British explorer will attempt to reach Point Nemo – a remote area 2,000 miles north of Antarctica that is ‘unseen by man’. March 19 2024

英夫婦が自宅をリフォーム、床下にとんでもない物が…

自宅の床下に“何か”が隠され、知らないうちにその上を歩き回って生活を送っていたとしたら……? そんな体験をした英国人一家をご紹介しましょう。自宅の床下から見つかったのは、深さ6.7mの井戸でした。

↑床下に何かがあるなんて夢にも思わなかった

 

カンブリア州ファーネスで暮らすワトソンさん一家は、3部屋の寝室がある自宅を増築することにしました。業者がリフォームの工事を開始し、自宅の基礎部分を掘削していると、石でできた板のようなものを発見。ハンマーで叩くと中は空洞で、破片が落ちると水の音が聞こえたというのです。さらにその板を壊していくと、現れたのはレンガでできた立派な井戸でした。

↑見つかった井戸(Louise Watson/South West News Service)

 

このことを夫のデービッドから聞いたときについて、妻のルイーズさんはこう話しています。「仕事中に夫から電話があり、『工事中に何かが見つかった』と言われました。パニックになって『え、死体? 爆弾?』と聞いたら、夫は『違う、井戸だ』と言ったんです」

 

この家は、デービッドさんが幼い頃から30年近く家族とともに住んできた場所。ルイーズさんと11歳の息子とも、もう10年暮らしています。それなのに、デービッドさん一家の誰一人として、この井戸の存在を知らなかったというのです。

 

カメラを使って井戸の内部を調べてみると、井戸の深さは6.7mで、底には透き通ったきれいな水がありました。近くに水が流れこむような小川はないのですが、もともとこの地域は農地だったため、100年近く前に農民が使っていたのではないかと推測されます。

 

デービッドさんとルイーズさん夫妻は、この井戸水を生活水として使うことも考えましたが、それには6000ドル(約88万円※)もかかることから断念。代わりに井戸の上にガラスの板をはめて、おしゃれなインテリアの一環として活かすことにしました。

※1ドル=約147.8円で換算(2024年3月14日現在)

 

井戸というと、映画『リング』では貞子が登場し、映画『羊たちの沈黙』では女性たちが監禁された場所。そんな意味で恐怖の象徴とも言える井戸ですが、幸運なことにこの夫婦はホラー映画はあまり見ないため、「そんなことは気にならない」と話しているそうです。

 

【主な参考記事】

New York Post.Family shocked after discovering ‘mystery’ 20-foot well beneath their home. March 12 2024

英レストランで「朝食のスクランブルエッグ」がどえらい価格になっていた!

パンデミックをきっかけに始まった世界的なインフレ。なかでも、インフレがひどい国の筆頭に上がるのが英国です。最近では、朝食の料金が1万円を超える店が首都ロンドンにあると話題になっています。

↑驚きの価格

 

驚きの価格で朝食を提供しているというのが、ロンドンの高級住宅地、メイフェアにある「HIDE」という名前のレストラン。スクランブルエッグにトーストが添えられた朝食メニューの料金が、58ポンド(約1万1000円※)。オレンジジュースをプラスするなら、9ポンド(約1700円)を追加することになります。

※1ポンド=約188円で換算(2024年2月9日現在)

 

実はこの店、2023年では朝食が32ポンド(約6000円)でした。このときも「朝食なのに高い!」と話題に上がったのです。今回は、それから1年しか経たない間に、いつのまにか価格がさらに上がっていることで、人々に驚きをもたらしました。

 

HIDEはミシュランの星付きレストランであるため、料理のおいしさは折り紙付き。細部まで行き届いたサービスが提供されるでしょう。それにしても、あまりにも高すぎる料金に賛否両論の声が上がっていますが、レストラン側を擁護するコメントも目につきます。

 

「これはスタンダードだ」と言う人や、「ぜひ試してほしい」と周りにおすすめする人も。「高額だが、その経験に対してお金を払う」なんて声もあります。

 

食材も光熱費も人件費も全てが爆上がりしている英国では、レストランの値段だって上がるのは当然でしょう。高いと言われる料金であっても、客足が絶えないのは、レストランの雰囲気など食事を通した体験すべてをトータルで考えて「価値がある」とみなす人がいることの表れかもしれません。

 

【主な参考記事】

Need to Know. London restaurant shock: scrambled eggs on toast sells for unbelievable £58!. February 7 2024

ロンドンの人たちは超冷たい? 米国人の投稿に英国人が猛反論

海外に行くと、自分の国と比べて良いところも悪いところも目につくもの。では、米国と英国を比べると、どんなことがわかるでしょうか? 約63万人のフォロワーを持ち、現在は英国で生活を送る米国人インフルエンサーの投稿が話題を呼んでいます。

↑バスでサンキューは言わない?

 

オーロラ・ロフトンさんは米・バージニア州出身で、以前はニューヨークに住んでいた人物。2年前に英国に移住し、米英の違いにたびたび戸惑っているといいます。

 

そんな彼女がTikTokで明かした、ロンドンの嫌いなところは、人が親切ではないこと。米国では、知らない人同士であっても、誰かとすれ違ったら「おはよう」と声をかけたり、微笑みあったりするのが一般的。でも、ロンドンでは「バスを降りるときに運転手に『サンキュー』と言うと、周りからおかしな人のように見られる」のだとか。オーロラさんいわく、ロンドンの人は「非常に個人主義的」なのだそうです。

 

でも、そんなロンドン生活に慣れてしまった彼女。スイスにいる家族のもとを訪れたとき、道で人から「こんにちは」と声をかけられて、「オーマイガッド!」と驚いてしまったと話しています。

 

ただ、オーロラさんはロンドンの魅力について、「欲しいものをなんでも届けてくれる最高の都市」と語っています。「これほど多様性があり、緑もあって、各地にアクセスしやすい都市を私は知りません。ロンドンに匹敵するような都市はないです」

 

彼女の意見を報じた記事に対して、「ロンドンでもバスの運転手にサンキューと言ってる」なんて声も少なくない模様。また、ニューヨークに住んでいる英国人は「ロンドンでもニューヨークでも、私はバスの運転手にありがとうと言ってる」と反論しています。

 

オーロラさんの意見は、あくまでも彼女の主観。そんな意見もあるのだと、参考程度に聞いてみてはどうでしょう?

 

【主な参考記事】

Daily Mail. I’m an American living in Britain – here’s the difference between Londoners and New Yorkers. February 4 2024

気候変動で下痢が世界的に大流行する? 英の科学者が警鐘

世界中に脅威をもたらした新型コロナウイルス。それと同じように、下痢や腹痛が大流行するかもしれない……。最近、科学者がそんな警鐘を鳴らしています。

↑ヤバいかも…

 

英・サリー大学の研究チームは、「カンピロバクター」と呼ばれる細菌と気候変動の関連性について研究を行いました。この細菌はカンピロバクター感染症を引き起こし、世界保健機関(WHO)によると、世界の下痢性疾患の主な原因4つのうちの1つに当たるそうです。

 

同研究チームはイングランドとウェールズで過去20年間に発生した、約100万件のカンピロバクター感染症のデータを分析。感染症が発症した時期の天気との比較を行ったのです。その結果、気温が5℃上昇するごとに、発症件数が急激に増加していることが判明。また、湿度が75~80%でも感染が増え、日中の長さとも関連性があることを見つけたのです。

 

この理由についてはまだ不明ですが、今回の結果からいえることは、温暖化が進むと、カンピロバクターが世界的に流行する可能性があるということ。WHOの発表で、2023年は世界の平均気温が観測史上最も暑い年だったことが明らかになっていますが、今後、気温がさらに上昇していけば、カンピロバクターのような病原菌がまん延しやすくなる可能性も考えられます。

 

同研究チームは、気温が高くなるとカンピロバクターの発症が増える原因を突き止めたいと話しています。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Climate change could spark diarrhoea outbreaks: Experts warn deadly food poisoning bug will spread more quickly amid rising temperatures. January 18 2024

家を買えないなら…。勇敢な行動に出た英の若者をSNSが称賛

ある程度の年齢になると、「一人暮らしを始めたい」という思いが芽生えてくるもの。ただ、厳しいインフレで物価が上がっている英国では、不動産価格も高騰し、「買えない」「借りられない」人が増えているのだとか。そんな中、自宅のガレージを自ら改造して、立派なワンルームを作り上げた若者が現れました。

↑ガレージを住居に改造したルイス・タッターソールさん

 

その人物は、ルイス・タッターソールさん(18歳)。彼はガレージ改造の工程を自身のTikTokで紹介しましたが、投稿してからたった2日間で再生回数が310万回を突破。いまでは380万回以上に達し、大きな話題になっているのです。

 

まず、ルイスさんはガレージの古い屋根を外し、新しいアーチ型の屋根を付けました。ガレージの入口部分には、下半分にレンガを重ね、上半分を窓に。そして床には、配管工と電気工事士に依頼してパイプやワイヤーを通し、断熱材も入れ、おしゃれなウッドフローリングの床に仕上げました。

↑部屋の中も見事な出来

 

できあがった内部は、少し広めのワンルームマンションといった雰囲気。ソファと壁面収納式のベッドを設置し、その反対側の壁には収納棚を設けて、収納力も申し分なさそう。さらに一画には、ミニサイズのキッチンを設け、冷蔵庫やオーブンなどを完備。また、清潔感あるトイレとシャワーブースもあり、生活するには十分の設備が整っているようです。

 

18歳の若者がほぼ自分の力だけで、ここまで立派な住居を作り上げたことに、多くの人が驚いたことでしょう。ルイスさんのTikTokには「素晴らしい!」「最高の仕事ぶり」「月500ポンド(約9万4000円※)で貸し出せるよ」といったコメントが数多く寄せられています。

※1ポンド=約188.5円で換算(2024年1月19日現在)

 

ちなみに、彼の両親が「全部自分でやるなら、材料費は出す」と言ってくれたおかげで、ルイスさん自身は自分でお金を払うことはほとんどなかったのだとか。

 

自ら手を動かし“自分の城”を作り上げた彼にとって、この経験は大きな自信につながっていきそうです。

@lewistattersall._ Garage project part 2 ✅ #newroof #joiner #joinery #18yearold #dewalt #project #garageconversion #construction ♬ Talibans – Byron Messia

 

【主な参考記事】

The Sun. I’m 18 & turned my parent’s garage into a flat – it didn’t cost me much & people are ‘so impressed’ with the result. January 17 2024

英農家が友人と畑で金貨を発見! 一人で見つけていたら、いくら手にしていた?

「畑や農場から古い金貨が見つかった」という話は、世界各地でちらほらと耳にするエピソードです。今回ご紹介する英国の農場主もそんな一人。30年以上前に財宝を発見していたそうですが、その価値は今日で7億円以上。しかし、全額を手にできなかったといいます。一体その理由とは……?

↑山分けはちょっぴり複雑?

 

英国南東部にあるサフォーク州。ここで農場を経営するピーター・ワットリングさんは1992年のある日、畑で作業中にハンマーを落とし、草むらのなかでそれを見失ってしまいました。探してもなかなかハンマーが見つからず、金属探知機を持っている友人のエリックに電話して、彼に助けを求めたのです。

 

エリックが金属探知機を使いハンマーを探していると、ハンマーの代わりに見つけたのが、銀製のスプーンや金貨、宝石だったのです。

 

英国の法律では、このような発見があったときに当局に通報することが義務付けられているそう。そこで2人は当局に連絡し、地元の考古学ユニットのチームが改めて埋蔵物の発掘を行い、金貨や宝石などを彫り出したのです。

 

驚きなのはその価値。発見当時は推定175万ポンド(約3億3000万円※)で、この2人はその分の金銭的報酬を手に入れたそうですが、現在の物価なら7億4000万円近くになる可能性があると報じられています。

※1ポンド=約188.4円で換算(2024年1月19日現在)

 

ピーターさんは法律に従って、きちんと報告したため、この価値と同等のお金を受け取ったのだとか。しかし、友人のエリックがいなければこの発見はなかったことから、2人は山分けすることになるのだそうです。

 

ハンマーを失くしたことと、金属探知機を持っている友人がいたこと。その2つのラッキーが重なって見つかった今回のお宝。ピーターさんは、そんな幸運に感謝しているのではないでしょうか?

 

【主な参考記事】

The Sun. I found $2.4 million of gold coins in my farm looking for my lost hammer – but I had to split the fortune with my pal. January 17 2024

物置の様子がおかしい。不審に思った英国人が暗視カメラで捉えたのは…

冷蔵庫や物置の裏、屋根裏などを好んで、巣をつくるネズミ。どこからか集めてきた布や紙などで、巣をつくります。そんなネズミの中には、集めてきた物をきれいに置きたがるタイプがいるのかもしれません。

↑真夜中の物置で何が起きているのか?

 

英ウェールズの町、ビルス・ウェルズに暮らすロドニー・ホルブルックさん(75歳)は、自宅の庭の物置に置かれた物が、朝になるときれいに片付けられていることに気付きました。

 

洗濯ばさみ、コルク、ボルトなどが、朝になると作業台の箱の上に整然と置かれていたというのです。そんな状態が2か月近く続き、ホルブルックさんは毎日のように困惑していました。

 

そこで、ついにこの謎を解き明かすために、暗視カメラを設置。すると、そこに写った犯人は、ネズミだったのです。

↑あなたでしたか!

 

ネズミは散らかった物を口にくわえて台の上に運び、きれいに片付けています。まるで整理整頓が大好きだといわんばかりの様子……。

 

専門家によると、このネズミはおそらく巣をつくろうとしていたとのこと。

 

自分が散らかしたままにしても、朝になるときれいに片付いているなら、ネズミと共存するのも悪くないかもしれませんね。

 

【主な参考記事】

USA Today. Homeowner’s mysterious overnight visitor is a mouse that tidies his shed. January 10 2024

英夫婦が新居で不気味なスーツケースを発見! 中から出てきたのは…

新しく購入した自宅に、謎のスーツケースが見つかったとしたら……。そんな恐怖に対面したという英国人女性が現れました。彼女がTikTokに投稿した動画が200万回以上も再生され、話題となっているのは、そのスーツケースの中身がさらに恐ろしかったからです。

↑なぜ壁の奥にスーツケースが…

 

この女性が夫と購入したという家は、1966年築。2階にある寝室のクローゼットを開けると、奥の壁にはさらに小さな扉のようなものが見え、しっかりと板で固定されています。その板を外して扉を開けると、屋根との隙間に大人が入り込めないようなわずかな空間があり、その奥に銀色のスーツケースが置かれているのが見えたのです。

 

スーツケースを引っ張りだして開けると、中には一回り小さなスーツケースが入っており、さらにそれを開けると、中には青い目をした女の子の人形が一体入っていたのです。ホラー映画のようなストーリーの展開には、ビックリ。人形がスーツケース内部のベルトにしっかり固定されるように入っていたところも不気味です。

 

建てられてから60年以上の歴史がある、この家。以前住んでいた人が置いていったのか、それとも意図的に隠していったのか……?

 

もしかしたら「死体が入っていた」なんてこともあり得たかもしれません。投稿者は、ひどいニオイがなく、ハエもいなかったことから、「死体が入っていたとは思わなかった」そうです。

↑スーツケースの中にあった一体の人形

 

この動画を見た人からは、「このシーンを見たことがある。ホラー映画の始まり!」「幽霊なのか、呪われた人形である可能性がある。だって閉じ込められていたのだから」「家を売って! 二重に閉じ込められていたのには、理由があるはず」などと、投稿者を心配する声があふれています。

 

しかし、この動画について紹介したメディアのコメント欄には「100%フェイクでしょ!」「作り話」という投稿も。SNSを投稿する人の中には、フォロワーを増やしたり注目を集めたりするために、行き過ぎた演出をする人もいるもの。この動画の真偽は不明ですが、もしかしたら捏造されたものなのかもしれません。

 

【主な参考記事】
New York Post. Homeowner terrified after opening old suitcase found in secret crawl space: ‘A horror movie’. January 10 2024

英国で世界最小のキツネ「フェネック」を飼う人が急増! 専門家が心配することとは?

最近、英国ではキツネをペットとして飼う人が増えています。しかも、ただのキツネではなく、「世界最小のキツネ」と呼ばれる種類です。

↑ねえ、フェネック、英国の天気を知ってる?

 

フェネックは、サハラ砂漠で生息するキツネ。大きな耳とふわふわのしっぽを持ち、体長は30~40cm程度と小型で、「世界で最も小さなキツネ」といわれています。

 

英国では、このフェネックを輸入してペットとして飼うことが認められています。かわいらしい見た目に加えて、人懐っこくて、しつけも可能なことから、犬や猫に代わるペットとして飼い始める人が増えているのだそうです。

 

しかし専門家は、この事態について警鐘を鳴らしています。というのも、フェネックはもともとサハラ砂漠で生息している動物なので、高い気温の中で砂の上で生活することに慣れていて、穴を掘ることが好きなのだそう。

 

そのため、彼らを健康的かつ幸せにするには、環境が全く異なる英国の家庭は向いていないというのです。フェネックを快適に生活できるようにするためには、温かい気温を維持するほか、エサにも非常にコストがかかるそう。

 

また、本来は最大で10匹の仲間と群れで生活するのに、単体で生活するかのように1匹だけで販売されるのも不自然なこと。おまけに、正しく飼育しないと、飼い主に牙をむいて襲う危険な動物になる可能性もあると、専門家は指摘しています。

 

フェネックを輸出する世界最大の国はスーダンで、これまで輸出されたフェネックは2359匹。中国や米国をはじめ、世界の国々に渡っているそうです。

 

「見た目がかわいい」「小さくてちょうどいい」など、人間の都合だけで売買される動物たちは、本当に幸せなのかどうか? 改めて考えるべきなのかもしれません。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Forget dogs, now Britons are importing FOXES as pets: Fennec foxes from the Sahara entice people with their ‘cute’ ears and fluffy tails – but experts warn they make TERRIBLE pets and can even attack owners. December 6 2023

「オタクの絵文字」に異議あり! 英少年がアップルに変更を要請

世界に3000種以上もあるといわれる絵文字。そのなかで「オタク」を表す絵文字に異議を唱える10歳の少年が英国にいます。その主張は……?

↑怒り心頭のテディ・コトル君(画像提供/The Project/YouTube)

 

英・オックスフォードシャーに暮らす、テディ・コトル君。彼は、オタクの絵文字を早急に変更する必要があるとし、学校の周辺で署名活動を開始しました。

 

テディ君によれば、メガネをかけて前歯が出ているオタクの絵文字が、「メガネをかけた人に対して誤った印象を与えている」とのこと。自身がメガネをかけているため、「この絵文字は、私を悲しくさせ、怒りを感じさせる。世界中の何千人もの人も同じように不快に感じる」と話しているのです。

 

テディ君が署名活動を始めたきっかけは、自身が感じた怒りを学校の先生に伝えたことでした。いとことメールでやりとりする中で、オタクの絵文字の存在を知ったテディ君は怒りを感じ、それを先生に話したそうです。そして先生は、署名活動を行うことを提案。学校周辺での署名活動と、オンラインでの署名活動を始めることを手伝ってくれたそうです。

 

先生は「テディの探求心と、彼が信じることのために闘うという事実が好き」と話し、アップルに対する請願書には「オタクの絵文字は、世界中のメガネをかけている人に対して不快をもたらし屈辱的である」と書いているそうです。

 

テディ君は、オタクの絵文字がプリントされた紙を、両手で思いっきり破り、代わりにメガネをかけてやさしく微笑むスマイルの絵文字を提案しています。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Bespectacled boy, 10, starts petition calling for Apple to change its ‘horrible’, stereotypical nerd emoji. November 29 2023

必見!「まん丸の虹」を英警察が激写

私たちがふだん目にしている虹は、ごく一部だけ。その全景は半円ではなく、円です。そんな虹を見たことがある人はきっと少ないでしょう。しかし最近、円を描いたレアな虹を英国の警察がカメラに収めてくれました。

↑こんな虹は見たことがない!(画像提供/NPAS South West & Wales Region/X)

 

英国の南西・ウェールズ地区の国家警察航空局は、警察のヘリコプターから撮ったという一枚の写真をXに投稿しました。それは、7色の虹が丸く円を描いている様子。パッと見ただけでは、何の写真かわからないかもしれませんが、確かに円の縁は私たちがよく知っている虹のように、7色に輝いており、それがきれいな円を描いていることが分かります。

 

そう、虹は半円でもなく、きれいな円を描いているものなのです。虹はそもそも、空気中に水滴があるとき、太陽とは反対側に現れます。ほとんどの場合、地平線によって視界が遮られるため、地上から見るときは虹の一部しか見えないのです。でも、今回のようにヘリコプターなどで上空にいると、こんな風に完全なまるい円の虹を見ることもあるのだそう。

 

とはいえ、めったに出会えない「まん丸の虹」。この写真の投稿には「常識ではありえないことだ!!」と驚きのコメントが寄せられています。

 

パソコンやスマホの画面越しですが、こんなレアな虹を見れたあなたも、きっと幸運な世界の一人。今日はラッキーなことが訪れるかもしれませんね。

 

【主な参考記事】

News.com.au. Rare photo of full circle rainbow captured from police helicopter. November 8 2023

「英国一孤独な羊」が見つかる。崖の下で2年間も…

本来なら群れをつくり、仲間たちと一緒に行動する羊。それなのに2年もの間、1匹だけで暮らす羊が英国で見つかりました。「英国一孤独な羊」は、どうして1匹だけで生活するようになったのでしょうか?

↑誰か助けて

 

英国在住のターナーさんは2021年、スコットランドのハイランド地方を旅行で訪れました。バリントアという小さな町から、海岸沿いをカヌーで進んでいたところ、1匹の羊を見つけたのです。

 

そこは険しい崖が続き、人間はもちろんのこと、動物も限られたものしか生息できそうにない場所。このときターナーさんは、「この羊は崖を登って仲間たちのもとに戻るのだろう」と考えていたそうです。

 

しかし、それから2年後に彼女が再び同じ場所を訪れカヌーに出ると、驚くことにその羊はまだ1匹だけでいたのです。羊はターナーさんたちの存在に気づくと、近くの岩場まで駆け寄って鳴き声をあげ、カヌーが進むと、岩から岩へ飛び移り、追いかけるように鳴いていたそうです。

 

おそらく、この羊は崖の上に仲間と一緒に来た際、誤ってそこから転落してしまったのでしょう。そして孤独なまま、少なくとも2年はここで生き続けているようなのです。

 

ターナーさんによると、2年前に見かけたときに比べて羊の毛が伸び、そのせいか、身体全体が大きく見えたそうです。

 

取り残されてしまった羊について、「心が引き裂かれる思い」と話したターナーさん。この羊を救出するために、彼女はドローンを飛ばして、協力してくれる人を呼びかけているそうです。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Is this the loneliest sheep in Britain? Drones are sent in to check on animal left stranded on a cliffside beach in the Scottish Highlands for TWO years. October 26 2023

お菓子しか食べられなかった英少年、意外な方法で「偏食」を改善

お菓子以外の食事を与えると、叫んだり吐き気をもよおしたり……。そんな反応を見せ続けていた子どもが、お菓子以外の食べ物を食べられるようになった方法は、催眠術によるものでした。

↑どうすれば止められるのか…

 

英国のイプスウィッチで暮らすロッコ君(8歳)。普段、彼が食べている物はポテトチップス、チョコレートバー、チョコレートソースだけ。母親が、野菜やチキンナゲットなどの食べ物を与えようとしても、叫んで拒否して、吐き気を感じることすらあるそう。

 

そんなロッコ君は、ただ単に好き嫌いの激しい子どもというわけではなく、回避・制限性食物摂取症(ARFID)を患っているようなのです。ARFIDは摂食障害の1つですが、拒食症、過食症とは異なり、極端な偏食を見せ、時には食べ物に対して恐怖を起こす可能性もあるそう。

 

また、ARFIDは4歳頃までに症状が出てくる傾向があるといいます。ロッコ君の場合も、食べ物の好き嫌いは離乳食を食べ始めた頃から見られ、クラッカー、ビスケット、チョコレートなどのお菓子ばかりを食べていたそうです。

 

そしてロッコ君が、栄養士や心理学者などと会い、ARFIDという症状を知り、彼がそれにあてはまること可能性が高いことが判明したというのです。

 

ロッコ君は、摂食障害の治療を専門に行う催眠療法士のセッションを数回受け、ホウレンソウ、リンゴ、ナシを食べたそう。そして今では、お菓子以外の10種類以上の食べ物を食べられるようになりました。

 

子どもでも大人でも、スナック菓子ばかりの食生活を送る人は少なくありませんが、そんな人の中にはロッコ君のような症状を持っている人もいるかもしれません。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. ‘Fussy’ boy, 8, who lived on chocolate bars, Nutella and Pringles and cried if given chicken nuggets can finally eat normally after being hypnotised. October 17 2023

なぜスポーツブランドは「文房具」を売る? 英単語を調べたら意外な発想があった

アディダス、プーマ、ミズノなど、日本ではスポーツブランドの文房具が販売されています。同じような文房具は海外でも見られますが、よくよく考えてみると、「なぜスポーツメーカーが文房具を販売するのか?」と疑問が湧きます。実は意外と面白い組み合わせかもしれません。

↑良いコンビ?

 

そう考えるようになったきっかけは、あるおかしな出来事。最近、英国で大手スポーツ用品小売業者の「スポーツダイレクト」が、一部の文房具キットで「文房具」のつづりが誤ったまま店頭で販売されていることが分かりました(以下の通り)。

 

【誤】STATIONARY
【正】STATIONERY

 

このスペルミスは珍しいことではありません。オックスフォード英語大辞典(OED)では、この2語は間違えやすいので用法に気をつけてと言われています。ちなみに、OEDによるそれぞれの意味は……

 

【Stationary】動かなかったり変わらなかったりする状態(例:the lorry crashed into a stationary car. トラックが、止まっているクルマに突っ込んだ)
【Stationery】執筆に必要な紙などの道具

 

このように意味や用法が違うので、スペルミスは英国人にさぞおかしく見えたことでしょう。SNSでは「スポーツダイレクトの社員は学校で勉強しなおしたほうがいい」とか「”Stationary”か”Stationery”のどちらが正しいか分からなかったから、スポーツダイレクトは両方使うことにしたんだろう」と揶揄されたようです。

↑痛恨のスペルミス(画像提供/Daily Mail)

 

しかし調べてみると、実はこの2語には共通点がありました。それは語源が同じこと。

 

それぞれの用語の起源をたどると、どちらもラテン語の”stationarius”に辿り着きます。この言葉は、”stationery”の歴史では「行商人と違い常設の店舗を持つ商人」を指すのに対して、”stationary”のほうでは「駐屯地」を意味するなどの違いがあるようですが、もっとさかのぼると、どちらも”station”に行き着きました。”station”はもともと「(動かないで)じっと立つ」という意味です(American Heritage Dictionary)。

 

文房具は持ち運ぶ物とそうでない物に分けることができそうですが、部屋を見ると、ただそこにじっとある(立っている)文房具がありますよね。ノート、鉛筆、万年筆、定規、鉛筆削り……。誰かに使われても、しばらくしたら元の場所に戻ってきて、次に使われる機会を静かに待つ。その佇まいを美しく感じることもあるかもしれません。動かない状態のほうが文も書きやすい。

 

英語の文房具の根本には「動かない」という要素がありそうですが、そこに誰かが正反対の要素(「動く」)を持つスポーツを結び付けた。これは面白い発想です。文房や書斎といった部屋に運動は似合いませんが、スポーツブランドの文房具は「静」と「動」をうまく1つにまとめたようにも思えます。スポーツブランドのロゴがあるだけで、文房具やそれを使う人に運動の感じが漂うようになりますよね。

 

編集という観点から見ると、そんなデザインだからこそ、スポーツブランドの文房具は世の中に受け入れられたのではないかと思います。でも、それをやって良いブランドと、やらないほうが良いブランドがあるのでしょう。スポーツダイレクトを日本で知る人はあまりいないかもしれませんが、英国でさえ同社に好意的な見方をしている人の割合は、ナイキやアディダスのそれに及びません。同社のスペルミス事件について、ある人はこうコメントしています。

 

たぶんスポーツダイレクトは、この商品がずっと(売れずに)棚の上にあるだろうから、”stationary”のままにしたんじゃないかしら? だって一体、誰がこの会社の文房具を買うっていうの?

 

文房具の語源通り、スポーツ・ダイレクトの文房具キットは、じっと動かないまま棚に残りそうです。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Sports Direct mocked for glaring spelling mistake on stationery set for kids. October 10 2023

どうやって猛暑を乗り切った? 英国の答えは日本人でも驚く家電だった…

ある日、英国のニュースを見ていたら、エアコンに関する記事を見つけました。そのリードが実に興味をそそるもので、思わず読んでしまいました。

↑今年の夏も暑かった…

 

「そのときのことは今でもよく覚えている。奥さんとの会話で最も短いやり取りの1つだった。去年、ある夏の暑い夜、私たちはベッドで本を読んでいた。7月の猛暑日で夜も汗が止まらない。ベッドの横にある温度計を見ると、気温は29.8℃。『エアコンを買うべきかな?』と奥さんに聞くと、『そうしましょう』と二つ返事」

 

こんな冒頭文で始まる家電の記事なのですが、英国のこの夫婦(夫がその記事の著者)はどんなエアコンを買ったのでしょうか?

 

日本の一般的な家庭でよく見るエアコンを買ったのかな……と思いきや、答えはポータブルクーラーの「Meaco MC Series 12000」(約8万円※)。日本ではあまり聞いたことがない空調メーカーの製品かもしれませんが、英国人の発想は日本人と違いますね。
※1ポンド=約182円で換算(2023年10月10日現在)

 

日本でもポータブルクーラー(ポータブルエアコンとも呼ばれる)は販売されています。日本のある家電量販店のサイトは、その機能や魅力をこう表しています。「職場の自分のデスクに置いたり、夏のアウトドアに持って行ったりするのに便利なアイテム」「室外機がなくても使用できる」

 

確かに日本ではこのように使われると思われますが、英国の場合、ポータブルエアコンは部屋全体を涼しく(もしくは暖かく)するために使われるようです(構造や性能の違いは割愛させていただきます)。日本人が広い空間を涼しくしようと思ったら、ポータブルではないエアコンの購入を検討するのが一般的だと思いますが(エアコンが嫌いな人を除く)、英国人は必ずしもそう考えないようです。

 

近年、英国や欧州の夏はこれまでにないほど暑くなっているのに、どうしてこの夫婦はポータブルエアコンだけで猛暑を乗り切ろうと思ったのでしょうか?

 

この夫婦は、1年にわずか3週間程度しか使わないであろう物に数百ポンドを費やすのはぜいたく過ぎると考え、ポータブルエアコンでさえ買うのを躊躇していたそうです。

 

でも、他にも理由はあるはず。この夫婦の1年間使ってみた感想を見てみましょう。

 

著者の結論は、ポータブルエアコンは期待していたほどの冷房効果は得られないけど、買ったことに後悔はしておらず、それなしで猛暑を過ごせるとは思えない。

 

そう述べたあと、著者は「このポータブルクーラーを絶対に買うべきではない理由」と「絶対に買うべき理由」をそれぞれ詳しく挙げています。

 

絶対に買うべきではない理由
・環境に良くない
・電気代が高くなる
・効率的に部屋を涼しくしない(日本のエアコンのように本体にパイプが付いていて、壁に穴を開けて外に暖かい空気を排出する仕組み。しかし、涼しくしたい部屋に暖かい空気が入り込んでしまうとか)
・ポータブルという割には、大きくて、重たくて、扱いにくく、見苦しく、うるさい
・水のタンクを空にしないといけない
・小さな部屋でしか機能しない

 

絶対に買うべき理由
・欠点も多いけど、確かに部屋は涼しくなる
・それほど高くはない買い物(安いものもあるし、シーズン終了後には価格が落ちる)
・思っている以上によく使う(著者は数週間しか使わないと思っていたけど、結果的には数可決も使用)
・持ち運びづらいけど、異なる部屋で使用できる
・手動で電源をオン/オフにする必要がない(アプリで運転を予約することも可)
・多用途(暖房や除湿機として使うことも可)

 

絶対に買うべきではない理由に注目すると、その中で見苦しさが指摘されています。なるほど。もしかしたら英国人は費用と同じくらいエアコンの見た目(形)も気になるのではないか?

 

そう思って調べてみると、欧米のエアコンには窓型もありました。文字通り窓辺に設置するエアコンですが、これについては「ugly(見苦しい、不快)」という評判が目につきます。また、イタリアの家庭では、エアコンの普及率が50%程度のようで、そこには古い家には設置できないという理由がありますが、「美しくない物は隠す」というイタリア人の美的感覚を考慮すれば、デザインを理由にエアコンの導入に抵抗感を持つ人がいても不思議ではありません(室外機は部屋の内側から目に見えない外壁の上に設置するのが一般的)。このような理由で、どうやって見栄えの悪いエアコンや室外機を隠すかに頭を悩ませている人も少なくない模様。

電気代を節約できそう! イタリア人のエアコンを使わずに「猛暑を乗り切る」シンプルな方法

 

日本人にとっても窓にエアコンを設置することは必ずしも美しくないかもしれませんが、このように見ると、英国(ひいては欧米)と日本では「エアコン観」が違うことが分かります。熱波に襲われている近年の英国は、携帯扇風機といった日本の小さな暑さ対策に注目するようになりました。エアコンを小さくして持ち運べるようにしたポータブルエアコンは、英国が日本から導き出した答えの1つなのかもしれませんが、「来年の夏はもっと大きなエアコンを使ってみては?」と思ってしまいます。

 

【主な参考記事】

Mirror. Are portable air conditioning units worth it? Here’s why you should and shouldn’t buy one. September 7 2023

初の「AIオーブン」が英で登場! 3分で最高のステーキを作るのに酷評される理由は?

AIを搭載したグリル。英国のスタートアップが初めて開発したもので、わずか90秒で「完ぺきなステーキ」を調理できるとうたっています。AIを搭載することで、どんなことが可能になるのでしょうか?

↑本当に完ぺき?

 

オーストリアのスーパーでは、植物性原料を使い3Dプリントした「ビーガンサーモン」が販売され、イスラエルの企業は実験室で作られた3Dプリントの培養肉を開発するなど、進歩が目覚ましい近年の食品業界。そんななか届いたのが、今回のAI搭載型グリル「Perfecta」のニュースです。

 

これは、英・アストン大学工学部の卒業生が立ち上げたスタートアップが開発したもの。焼き過ぎて表面が乾燥してしまうことが多く、調理時間も長いという、従来のステーキの調理法に不満を感じていたことから、開発が始まったといいます。

 

ステーキを焼くときは肉から落ちた脂によって、庫内に煙が広がり、それによって肉が乾燥することから、「Perfecta」では、トースターでパンを焼くように肉を垂直に固定して焼きます。

↑ステーキを垂直に焼く

 

そして、このグリルの最大の特徴は「NeuralFire」と呼ばれるAIを搭載していること。機械のセンサーが、肉の厚みや大きさ、脂肪の量などを読み取り、あらかじめ登録した好みの調理法に合わせて最適な調理を実現するというのです。さらに、従来のガスバーナーでは、260~316℃程度の温度にしかなりませんが、最大900℃まで達するという赤外線バーナーを採用したことで、なんと90秒でステーキをベストな状態に焼き上げるというのです。

 

もちろん、鶏肉や魚、ピザなどの調理もできるPerfectaは、ステーキ好きの人にとって理想的なグリルと思えます。英国ではすでに予約可能で、2024年第3四半期には発売予定といいますが、価格はなんと3500ドル(約52万円※)です。

※1ドル=約148.5円で換算(2023年10月5日現在)

 

あまりにも高価なため、このニュースを読んだ人からは「そんな無駄な金があるなら、まともなステーキレストランに行く」「私は自分でステーキを完ぺきに調理できる」「ガスグリルを使うよ」「“AI”を付けるブームにのっているだけ」など、否定的なコメントがたくさん。機能に対して価格が見合っていないと思う人が多いようです。

 

仮にAIを搭載していたとしても、もう少し手ごろな価格でなければ、広く使われることは難しいのかもしれません。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Raising the steaks! World’s first AI-powered grill promises to cook the perfect steak in just 90 seconds – but it has an eye-watering $3,500 price tag. October 3 2023

2023年冬の「電気代に要注意の家電」は何? 英国が警告

物価高に苦しむ英国。暑かった夏が終わったばかりですが、冬がやってくれば光熱費の出費はさらに増えると見られています。では、同国の専門家は、どの家電が特に電気代を上げると警告しているのでしょうか? 英の大衆紙「エクスプレス」が要注意の家電を5種類取り上げ、対策を紹介しています。

↑どれが家計にはヤバそう?

 

1: 洗濯乾燥機

エネルギーの専門家によると、現在の英国では洗濯乾燥機を1回使用したときの平均消費電力量は4.5キロワットアワーで、月平均では52.25キロワットアワーとされています。「このように洗濯乾燥機の消費電力は馬鹿にならないので、できるだけ服は外に干すようにしてエネルギーとお金を節約しましょう」と専門家は述べています。

 

2: 食洗機

英国における食洗機の平均使用電力量は3.6キロワットアワーとされています。「使えば使うほど電気代は増えていくものなので、お皿の量が一杯になったときに回すようにしたり設定をエコにしたりして節約しましょう」と専門家はアドバイス。一般的に、エコ設定は通常モードより少ない水を使うので、費用を減らすことにつながるはずと言われています。

 

3: 冷蔵庫

英国では冷凍室付き冷蔵庫を“a fridge freezer”と呼びますが、このタイプの冷蔵庫の1日の平均消費電力量は1.9キロワットアワーと英国の専門家は見ています。出費を抑えるためには、冷凍庫から余計な氷を定期的に取り除いたりドアの開け閉めを極力減らしたりすることが大切。少し温かい食べ物は、冷蔵庫内の温度を乱すので、きちんと冷ましてから冷蔵庫にしまいましょうと専門家は助言しています。

 

4: 洗濯機

英国の洗濯機は1回使うと平均して2.1キロワットアワーの電力を消費しています。使用量を減らしたりエコ設定を使ったりすることはもちろん、予洗いは使わないほうがいいと言われています。服などについた汚れを落とすには、温水ではなく水で十分とも。

 

5: オーブン

英国のガスオーブンの平均消費電力量は1.5キロワットアワーで、電気オーブンの場合は0.87キロワットアワー。使用しないときは完全に電源を切り、必要な場合のみ予熱をするようにと言われています。

 

こうして見ると、英国人も家電の電気代を気にしていることが見えてきます。雨の多い英国で「冬でも洗濯物は極力外で干すべき」と言われているあたりに事態の深刻さが表れていますが、今年は再び暖冬となるのでしょうか? 多くの人がエルニーニョ現象の影響を気にしています。

 

【出典】
Express. Five home appliances ‘draining your wallet’ this winter – how to ‘save money’ on bills. September 27 2023

株価上昇でウハウハ! ベッカム共同所有の「eスポーツ」企業が大手メディアと放映権契約

eスポーツの成長をサポートしているサッカーの元イングランド代表デビッド・ベッカム。同氏はeスポーツ企業の共同オーナーとなっていますが、最近、その株価が上昇したと英国のメディアなどで報じられました。eスポーツはビジネスとして巨大化しつつあるようです。

↑ベッカムもウハウハ?

 

ベッカム氏は2020年にギルドeスポーツ社への投資を始め、同社の共同オーナーになりました。「新たなスタンダードを作るというビジョンを持ち、将来に向けてeスポーツの選手たちをサポートする」とベッカム氏は意気込みを述べていました(ロイター通信)。

 

ロンドンに本社を構えるギルドeスポーツは2019年9月に設立。『FIFA』や『ロケットリーグ』で競うプロのチームやアカデミーを運営する同社は、eスポーツ企業として初めてロンドン証券取引所に上場。株主にはベッカム氏のほか、著名投資家のジョージ・ソロス氏のファミリーオフィス「ソロス・ファンド・マネジメント」が含まれているとされています。

 

2022年にギルドeスポーツは、欧州の大手メディア企業のスカイ・グループとスポンサー契約を結びましたが、最近、ギルドeスポーツはテレビ番組のストリーミング配信を行う同グループのSky Glassを公式テレビパートナーとして選出。この契約によってギルドeスポーツは数年にわたって放映権収入を得ると見られます。

 

このニュースでギルドeスポーツの株価は約11%上昇。市場価値は4700万ポンド(約86億円※)となり、ベッカム氏が4%近く保有する株の価値は18万5000ポンド(約3400万円)に増えたと報じられています。
※1ポンド=約183円で換算(2023年9月12日現在)

 

eスポーツの放映権ビジネスは世界的に大きくなりつつあるようですが、このフィールドでもベッカム氏は、現役時代と変わらずにキープレイヤーの1人であるようです。

 

【出典】
This is Money. David Beckham-backed online gaming group Guild Esports seals Sky TV deal. September 11 2023

過去数十年で最大規模の「ネッシー捜索計画」、8月下旬に実施へ。ボランティアも募集

いまから90年ほど前に、スコットランドのネス湖で目撃されたという未確認生物「ネッシー」。これまでも目撃談が報じられ、恐竜の生き残りではないかなど、さまざまな噂が飛び交ってきました。そんなネッシーを探すため、8月下旬に、ここ数十年間で最大規模となる捜索が行われます。

↑いつか必ず見つけてやる…

 

ネッシーの目撃情報が増えたのは、1930年代までさかのぼります。ネス湖にあったドラムナドロキット・ホテルの支配人が見たというもので、「water beast(水獣)」と呼ばれてきました。それ以来、科学者も巻き込んで捜索や研究が行われてきましたが、いまだにその存在は謎に包まれています。

 

そこで、現地にあるネス湖エキシビジョンセンターでは、8月26日と27日に、1972年以来となる大規模捜索を実施する予定です。

 

これまで使われたことのない測量機器が用いられるほか、ドローンによる赤外線カメラで上空からサーモ映像を撮影し、水面の異常などを確認する予定。また、水中でのネッシーの鳴き声をキャッチするため、水中の音響を検出する機械も使われるということです。

 

このような操作内容に伴い、水面の変化を観察するためのボランティアが募集されています。集まったボランティアには、当日の朝に注意点や記録方法などの説明が行われ、午後にはその日の変化などを振り返る報告会が行われるそうです。

 

ボランティア応募フォームは、英語のほか、フランス語、イタリア語などの複数の言語で用意されています。日本語での応募フォームはありませんが、ネッシー好きの方は応募を検討してみては?

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Can YOU find Nessie? Largest search for Loch Ness Monster in decades will begin later this month with volunteers wanted to help with huge surface water survey. Aug 3 2023

The Loch Ness Center

英航空会社で珍事! 機内食を提供できず、助けを求めたのは…

飛行機で出される機内食は、旅の楽しみの1つかもしれません。長距離フライトならなおさらですが、最近、ロングフライトの便で、「カーネルおじさん」でおなじみの「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」のチキンが振る舞われるというハプニングが発生しました。

↑“非常食”として提供したのは…

 

その航空会社は、英国を拠点とするブリティッシュ・エアウェイズ。バハマの南東にあるタークス・カイコス諸島からロンドンまでを結ぶ、およそ12時間の長距離路線でこの珍事が起きたのです。

 

その理由は、機内食の冷蔵保存ができていなかったから。機内食は普段通りに用意されていたものの、乗客への提供ができないと判断され廃棄することになったそうです。乗客には早々に「機内食の提供は最小限になる」とアナンスされていたとのこと。

 

そして、経由地であるバハマの首都・ナッソーに立ち寄った際、地元のKFCから調達されたという乗客分のフライドチキンが積み込まれ、機内の乗客に配ったというのです。

 

この珍しい便に乗り合わせた乗客が投稿したSNSによると、客室乗務員がケンタッキーフライドチキンの大きなバケツとトングを手に、乗客にフライドチキンを配っていたのだとか。

 

ただし、急遽調達できたフライドチキンの数に限りがあったのか、乗客1人に配られたのはわずか1ピースだけ。目的地に到着した際に軽食用の食事券が配られたそうです。

 

機内食を楽しみに乗り込んだ乗客にとっては物足りないフライトになったのかもしれませんが、KFCファンにとっては思いがけない幸運だったかもしれません。

 

【主な参考記事】

People. Airline Passengers Were Served KFC After the Plane’s Catering Went Bad: ‘We Had to Wing It’. July 26 2023

英国で「和食器」が静かなブーム。一流シェフやレストランを魅了する理由とは?

英国のヨークシャーは、森や丘など多くの自然に囲まれ、歴史ある小さな街が点在する英国らしいエリア。そこでいま、日本の和食器が静かに人気を集めています。大量生産された安価な陶器をたくさん持つことに疲れた英国人が、和食器に出会い、その美しさに共鳴。和食器を通じて「質の良い物を長く使い続けることが豊かな暮らしをつくる」というメッセージを発信しています。

↑英国人に響く美しさ

 

英国の食器には歴史があります。17世紀から陶器生産が始まり、ウェッジウッド、ミントンなどの有名ブランドが生まれました。英国の人々は陶器を愛してきましたが、その人気に便乗して陶器産業が繁栄した結果、とめどなく量産されるようになりました。

 

ヨークシャーで食器を扱っている「メイド・イン・ジャパン・テーブルウェア(MIJT)」のオーナーであるロージーとフィリップは、陶器産業から大量生産される食器にうんざりしていました。「品質が低くて退屈」と思っていたからです。そして、二人は「忙しい現代社会において日々の食事はもっと丁寧に味わうべき」との思いから、一つひとつ心を込めて作られる和食器に魅力を感じるようになり、そのシンプルさや美しさ、機能性にほれ込んだのです。

 

MIJTが取り扱う製品のほとんどは、岐阜県にある家族経営の窯で作られています。この家族は周りにある山などの自然からインスピレーションを得て、何世代にもわたって釉薬(ゆうやく)や器の形を改良してきたそう。

 

その窯で生まれる食器は輪郭や模様、質感などが少し不均一ですが、不完全さの中に美しさを見つけるという日本の「わび・さび」の考え方を取り入れています。シンプルで実用的な形状は、毎日の暮らしに寄り添い、食べ物を美しく見せ、まるで芸術作品のようだとMIJTのサイトで紹介されています。

 

求められるライフスタイルと調和

↑ヨークシャーには食器のお店が多い

 

同社は小売りだけでなく卸売りも手がけていて、国内の一流シェフやレストラン経営者の間でも人気があります。和食器は日本からヨークシャーの倉庫に送られ、英国全土に発送されているそうです。

 

大量生産・大量消費の時代が過ぎて「作る責任・使う責任」が求められる現在、英国では「上質な品を長く使い続け、丁寧に暮らす」というライフスタイルが支持されています。日本の陶芸家が作る和食器に共鳴する英国人が増えているのも、不思議ではないかもしれません。

 

熱波に襲われる英国が目を付けた「日本の小さなイノベーション」とは?

近年、欧米は熱波に襲われています。そんな中、英国メディアが日本の発明に注目。それは「ファンジャケット」です。

↑もっと小さいものがあります

 

英・ガーディアン紙は7月25日付の記事で日本の暑さ対策についてテクノロジーを中心に説明。ファン(扇風機)ジャケットについて同紙の東京特派員は「今年の夏、日本でぜひとも必要なジャケットは、後ろ側の下部に扇風機を2台取り付けているものだ」と述べています。

 

日本がファンジャケットを必要とするのは今に始まったことではありません。同記事ではジャケットの歴史を元ソニーのエンジニア・市ヶ谷弘司さんが1990年代後半に発明した「空調服」まで遡っています。2015年にはマキタが同社初のファンジャケットを発売。今日ではファンジャケットが十分なほど市場に出回っているといい、日本が開発したもう一つの暑さ対策イノベーションとして、ガーディアン紙はソニーのウェアラブルクーラー「REON POCKET」を取り上げています。

 

この記事に対する外国人の反応はさまざま。Twitterでは「素晴らしい」「この暑さが続けば、自分にも(ファンジャケとが)必要になるかもしれない」というコメントもあれば、「#Brave New World」とディストピア(?)のように捉える人もいます。一方で「ばかげている」という声もあり、より多くのバッテリーが使われ、ファン自体が熱を生み出すうえ、重い物を余計に持ち歩くようなものだと見えるようです。

 

しかし、扇風機やクーラーをここまで小さくする日本の技術や発想(例えば、空調服のコンセプトは空間全体ではなく身体だけを冷やすこと)は、海外ではあまり見られないでしょう。異常気象に直面する欧米においてエアコンの需要が伸びている中、日本の小さな技術への注目度も高まるかもしれません。

 

【出典】

The Guardian. The fan jacket: the Japanese innovation keeping workers cool in extreme heat. July 25 2023

狭い空間を生かすのが絶妙!「日本の布団」に英国が大注目

住宅価格と住宅ローン金利の急速な上昇や慢性的な住宅不足により、最近の英国人は狭い空間での暮らしを強いられています。そこで注目を集めているのが、小さなスペースでも豊かな暮らしを実現できる日本の家具。なかでも丸めて収納可能な寝具の「FUTON(布団)」が大人気です。

↑日本的ライフスタイルを広げるFUTON

 

英国のファミリー向け住宅は3〜4寝室がある家が人気で、ゲストルームを作れることが理想的とされます。しかし、最近は住宅価格やローン金利が高騰し、大きな家どころか住宅購入自体が難しくなっています。

 

それでも住宅を探す人は増え続けているため、一軒家を分割譲渡した物件やシェアハウスが増え、省スペースのタワーマンションの建設も加速。暮らしのスペースはどんどん狭くなっていると言えるでしょう。

 

狭い空間を最大限に生かす

そのような状況で注目されているのが、日本でよく見られる場所を取らない省スペース家具です。

 

1980年に英国で設立されたFuton Companyは、40年以上にわたって国内に高品質の布団や家具を提供。小さな場所を生かした日本の家具デザインに影響を受け、省スペースでの暮らし方を提案する店舗「FUTON」を展開し、革新的な商品を幅広く取り扱っています。

 

例えば「BED IN A BAG」は、丸めて収納ができる布団。日本では布団を畳んで収納するのは当たり前ですが、ベッド文化が定着している英国ではとても画期的なアイデアなのです。

 

また、畳や木で作られた和スタイルのパーテーションを利用し、部屋を仕切ってさまざまな用途に使うことを提案しています。

 

さらに、玄関周りの家具が充実しているのも大きなポイント。英国は土足文化のため、基本的に玄関に靴箱などの収納がありません。同社ではチェストや棚を置くことで、玄関の小さなスペースでも最大限に生かすように推奨しています。

 

FUTONの店舗を訪れていた現地の客は、「畳める布団はゲスト用にも使えるかもしれない」「タタミや木のぬくもりのおかげで小さなスペースでもリラックスできそう」など、商品に共感していました。英国の住宅難は今後も続く見通しのため、狭い空間を利用できる日本の家具や布団はより注目されていきそうです。

 

節約・時短・おしゃれ! ついに「魚の缶詰」が英国人のハートをつかむ

インフレが続き、西ヨーロッパで最も食品価格が上昇している英国。そんな状況でもグルメを楽しもうと、お手ごろ価格の魚の缶詰を木製ボードにおしゃれに並べるメニューがトレンドになっています。日本人と比べると英国人は魚をそれほど食べませんが、魚の缶詰に何が起きているのでしょうか?

↑こんなに素晴らしい食べ物だったとは…

 

日本の場合、缶詰は災害時など非常用のストックや酒の肴として買われることが多いと思います。ただ、地震の心配があまりない英国では、パンデミックによる長期ロックダウンが起こるまで、非常用に缶詰をストックする習慣はほぼありませんでした。

 

朝食メニューに使われるベイクドビーンズ、サラダに使うツナ、パスタに使うトマトなどの缶詰以外はどのように使えばよいのか分からない英国人も多く、缶詰自体がやや“ダサい”と見られていました。この20年間でグルメ志向が高まったとされる英国において、缶詰はやや忘れ去られた存在になっていたと言えます。

 

しかし2023年に入り、米国で誕生した簡単タパス風メニュー「#魚の缶詰でデートナイト」がトレンドとなって英国に上陸。お手ごろ価格の魚の缶詰を開け、そのままボードに置き、パンやピクルスを添えるだけで、SNS映えするメニューに大変身ということで、一躍話題になりました。

 

英国において、魚の缶詰はTikTokで広く知られるようになり、その後に新聞が取り上げたことで3月~4月頃に大きな話題になりました。アイデア一つで魚缶のイメージがガラリと変わるという驚きとともに、食品や外食費の値上がりに頭を抱えていた人々の心をつかんだのです。

 

物価高が長引いていることもあり、外食せずとも自宅で「節約・時短・おしゃれ」を実践できるということで、このトレンドは今も続いています。

 

また、英国人は陽光溢れるスペインやポルトガルなど、地中海地方への旅行が大好き。魚の缶詰ボードは休暇先で味わったタパスのようなおつまみ系料理に似ており、そのイメージを簡単に再現できるのも人気の一因のようです。これまで家飲みのおつまみはナッツやポテトチップスのような乾き物がメインでしたが、魚の缶詰の登場でバリエーションが広がったと言えるでしょう。

↑イメチェンしています(筆者撮影)

 

このトレンドを反映してか、かつては地味だったスーパーの魚の缶詰のデザインも、人気イラストレーターの手によっておしゃれにイメージチェンジ。デリにも魅力的なビジュアルの缶詰が増えています。

 

ハム、ソーセージ、パテなど肉の加工肉をボードに盛り合わせたフランスの「シャルキュトリー・ボード」にならい、「シーキュトリー(海のシャルキュトリー)」や「魚の缶詰シャルキュトリー」といった新語も生まれました。パンデミック期に保存食として再評価された缶詰ですが、しばらく進化は止まらないようです。

 

執筆/ネモ・ロバーツ

「ゴールデンレトリバー」誕生155周年! どんどん独特になる人間との関係

7月10日、数百匹のゴールデンレトリバーが世界中から英国のスコットランドに集まり、同犬種の誕生155周年を祝いました。参加者は米国、カナダ、ニュージーランド、日本を含む12か国から駆けつけたとのこと。

↑世の中はかなり変わった

 

ゴールデンレトリバーは1868年、スコットランド北部のグレンアフリックにあるグイシャカンハウス(Guisachan House)で狩猟犬として生まれました。レトリバーは「射止めた獲物をくわえて戻るように訓練されたイヌ」という意味。ブラッド・ハウンドと金色の毛色を持つ犬種を混血してつくられたとされています(参考:ブリタニカ国際大百科事典)。

 

The Scotsmanの記事(2023年6月23日付け)によると、英国における犬の人気ランキングは以下の通り。

1: ラブラドールレトリバー
2: フレンチブルドッグ
3: コッカースパニエル
4: ブルドッグ
5: ダックスフンド
6: イングリッシュスプリンガースパニエル
7: ゴールデンレトリバー
8: ジャーマンシェパード
9: スタッフォードシャーブルテリア
10: パグ

 

ゴールデンレトリバーは7位ですが、人気のある大型犬であることは間違いないでしょう。

 

155年の間に変わったことといえば、人間のペットに対する見方が挙げられるかもしれません。YouGovが2022年に行なった調査によると、犬を飼っている英国人1012人のうち自分を「オーナー(Owner)」と考えている人は最多の48%でした。次に多かったのが「親(ペアレント)」で37%。「親友(Best friend)」は28%で、「友達(Friend)」は19%。「Master(マスター)」は8%でした。YouGovのデータジャーナリストは、近年では親という考え方が増えている一方(特に犬を飼っている30代で顕著)、マスターはすっかり廃れたようだと述べています。

 

日本と同じように、英国でもペットの家族化が進行しているのかもしれません。人間と動物の交流を研究するある文化人類学者によれば、私たちは、人間の子どもやペットであれ、感覚のある他者を育てるために進化してきたとのこと。子どもの代わりにペットを飼う夫婦が増えたように、今日では「誰を・いつ育てるのか?」はかなり自由に考えることができます。これまで人類の歴史において、人間は全く異なる種の動物ではなく、人間自身の子どもを育てることに力を入れてきましたが、昨今では歴史的に「独特な」ことが起きているようです。

 

【主な参考記事】

UPI. Hundreds of golden retrievers gather in Scotland for breed’s anniversary. July 14 2023

The Scotsman. Britain’s Most Popular Dogs: Here are the 24 most popular breeds of dog according to the UK Kennel Club – from Frenchie to loving Labrador. June 23 2023

YouGov. Cat mums and dog dads: around one in three consider themselves their pet’s “parent”. May 6 2022

Shelly Volsche. New research suggests cat and dog ‘moms’ and ‘dads’ really are parenting their pets – here’s the evolutionary explanation why. The Conversation. October 28 2021

妻が家族を養ったら夫はどう思う? 英の調査で男の本音が明らかに

日本では、結婚している世帯の多くは共働きです。昨今ではワークライフバランスが奨励され、家事や育児を積極的にするパパが増えていますが、もし夫(男性)が働かなくなったらと考えてみてください。「妻(女性)が働き、夫が家庭」になった場合、この夫婦はどれくらい幸せになるのでしょうか? 英・バース大学で社会政策を教えるヘレン・コワレウスカ准教授が調べました。

↑本来なら俺が…

 

同准教授は、欧州9か国で生産年齢層の4万2000人を対象にアンケート調査を行い、自分の生活満足度を0〜10の10段階で評価してもらいました(0が最低、10が最高)。すると、多くの参加者が5〜8と回答したとのこと。

 

しかし、よく見てみると男女差が明らかになりました。まず男性の場合、妻だけが働いていると、失業中の夫の生活満足度は5.86でした。逆に自分だけが働いていると、夫の満足度は7.16に上がったのです。

 

一方、女性の場合、夫だけが働いてると、失業中の妻の生活満足度は6.33。逆に、自分だけが働いていると妻の満足度は7.10になりました。

 

これは「妻が働き、失業中の夫は家庭」という夫婦関係においては、男性のほうが精神的に参ってしまうことを示しています。この傾向はドイツで顕著だったようですが、英国やアイルランド、スペイン、フィンランドを含めて欧州全体で見られたとのこと。失業中の男性には、仕事に出かける妻を見送ることなどは耐えきれないため、「妻も働かなければ良い」とさえ思ってしまうそうです(実際、夫婦ともに失業している場合のほうが、男性の生活満足度は高くなるとのこと)。妻だけが働いている場合、仕事のない夫の満足度は最低になってしまうようです。

 

多くの国で、家族を養うことは、男性意識の中心を占めており、男性らしさや理想的なパパ像と密接につながっているとコワレウスカ准教授は述べています。失業している場合、男性にとっては世間の目もつらく、孤独感に苛まれ、メンタルヘルスに不調をきたします。そんな夫をそばで見ている妻にとっても、これはこたえます。

 

世界各国で中間層が没落している中、このようなジェンダー規範は、失業を乗り越えようとする夫婦の妨げになるとコワレウスカ准教授は論じています。「家族を養うこと」と「男性らしさ」の関係を断ち切ることは容易ではありませんが、この問題に挑み続けることが依然として不可欠であると同教授は強く主張しています。いつか男性は「家族を養う」という役割から解放されるのでしょうか?

 

【出典】
Helen Kowalewska. Couples in which the woman is the only earner report lower life satisfaction – new research. The Conversation. July 4 2023

妻が家族を養ったら夫はどう思う? 英の調査で男の本音が明らかに

日本では、結婚している世帯の多くは共働きです。昨今ではワークライフバランスが奨励され、家事や育児を積極的にするパパが増えていますが、もし夫(男性)が働かなくなったらと考えてみてください。「妻(女性)が働き、夫が家庭」になった場合、この夫婦はどれくらい幸せになるのでしょうか? 英・バース大学で社会政策を教えるヘレン・コワレウスカ准教授が調べました。

↑本来なら俺が…

 

同准教授は、欧州9か国で生産年齢層の4万2000人を対象にアンケート調査を行い、自分の生活満足度を0〜10の10段階で評価してもらいました(0が最低、10が最高)。すると、多くの参加者が5〜8と回答したとのこと。

 

しかし、よく見てみると男女差が明らかになりました。まず男性の場合、妻だけが働いていると、失業中の夫の生活満足度は5.86でした。逆に自分だけが働いていると、夫の満足度は7.16に上がったのです。

 

一方、女性の場合、夫だけが働いてると、失業中の妻の生活満足度は6.33。逆に、自分だけが働いていると妻の満足度は7.10になりました。

 

これは「妻が働き、失業中の夫は家庭」という夫婦関係においては、男性のほうが精神的に参ってしまうことを示しています。この傾向はドイツで顕著だったようですが、英国やアイルランド、スペイン、フィンランドを含めて欧州全体で見られたとのこと。失業中の男性には、仕事に出かける妻を見送ることなどは耐えきれないため、「妻も働かなければ良い」とさえ思ってしまうそうです(実際、夫婦ともに失業している場合のほうが、男性の生活満足度は高くなるとのこと)。妻だけが働いている場合、仕事のない夫の満足度は最低になってしまうようです。

 

多くの国で、家族を養うことは、男性意識の中心を占めており、男性らしさや理想的なパパ像と密接につながっているとコワレウスカ准教授は述べています。失業している場合、男性にとっては世間の目もつらく、孤独感に苛まれ、メンタルヘルスに不調をきたします。そんな夫をそばで見ている妻にとっても、これはこたえます。

 

世界各国で中間層が没落している中、このようなジェンダー規範は、失業を乗り越えようとする夫婦の妨げになるとコワレウスカ准教授は論じています。「家族を養うこと」と「男性らしさ」の関係を断ち切ることは容易ではありませんが、この問題に挑み続けることが依然として不可欠であると同教授は強く主張しています。いつか男性は「家族を養う」という役割から解放されるのでしょうか?

 

【出典】
Helen Kowalewska. Couples in which the woman is the only earner report lower life satisfaction – new research. The Conversation. July 4 2023

コロナ禍で一番大変だったのはどの世代? 英の調査でぎょっとする事実が発覚

ポストコロナの日本。現在、小さな子どもたちの間で、新型コロナウイルスを含む、さまざまなウイルスが流行していますが、時間が経つにつれ、コロナ禍は過去の物になりつつあります。「一体あれは何だったのか?」と当時を振り返る人もいるかもしれませんが、世界はコロナ禍についてどう考えているのでしょうか? 英国のデータを見てみましょう。

↑街から人が消えたときもあった…

 

ロックダウン(都市封鎖や行動規制)が日本より早く終わった英国では、YouGovが6001人の英国の成人を対象にパンデミック期間についてアンケート調査を行い、6月下旬に結果を公表しました。

 

【世論調査:振り返ってコロナ禍はどうだった?】

↑ Very Hard(とてもつらかった)、Fairly hard(なかなかつらった)、Not very hard(あまりつらくなかった)、Not hard at all(全然つらくなかった)、Don’t know(分からない)。(画像提供/YouGov)

 

ネガティブに捉えている人が多く、「とてもつらかった」と「なかなかつらかった」を合わせると53%に上ります。しかし反対の意見も少なくなく、「あまりつらくなかった」と「全然つらくなかった」を合わせると43%になります。

 

もう少し細かく見てみると、さまざまなことが浮かんできます。年齢層別に見てみると、全体的な傾向はそのまま当てはまりますが、いくつか特筆すべき点があります。「なかなかつらかった」という答えが最も多かった年齢層は65歳以上でしたが、「とてもつらかった」という回答が最も多かったのは25~49歳でした。

 

また、「全然つらくなかった」という回答は、18~24歳では8%だったのに対して、50~64歳ではその倍の16%になりました。逆に「なかなかつらかった」という回答は、18~24歳で39%だった一方、50~65歳では36%に少しだけ下がっています。後者は「全然つらくなかった」という回答でも最多の16%になりました。もしかしたら、この年齢層では少し余裕がある人が多いのかもしれません。

 

男女別に見てみると、「つらくなかった」という回答が総じて多かったのは男性。反対に「つらかった」という回答は女性のほうにより多く見られました。「なかなかつらかった」と「とてもつらかった」を見てみると、この差が顕著に表れています。

 

【男女別に見た場合】

↑「なかなかつらかった」と答えた人は男性が34%だったのに対して女性は41%、「とてもつらかった」の場合は男性が13%、女性は17%になる(画像提供/YouGov)

 

コロナ禍は過去の物になりつつあるとは言え、この英国のデータは、日本にも通じるさまざまな問題をあぶり出しています。

 

【出典】
YouGov. In retrospect, how hard would you say you found the COVID‑19 pandemic period? June 21 2023

エルトン・ジョンだけじゃない。30代からでもあり得る「声の老化」とは?

先日、英国で大規模野外音楽フェスティバルのグランストンベリー・フェスティバルが開催されました。最も大きな注目を集めた出演者の一人は、エルトン・ジョン。76歳でヘッドライナーを務め、同イベント史上最大の700万人以上がBBC(英国放送協会)で視聴したとされていますが、彼の演奏を見たある解剖学の教授は、その声が以前とかなり変わったことに気付いたそう。年を取ると、なぜ人の声は変わるのでしょうか?

↑年を取り、声が変わっても歌い続けるエルトン・ジョン

 

英・ランカスター大学のアダム・テイラー教授は、声の変化は老化とライフスタイルに関係していると言います。

 

まず、他の身体の部分と同じように声帯も年を取ります。年を取ると、喉頭(さまざまな軟骨に覆われており、内側に声帯がある)が硬くなっていき、軟骨というよりむしろ骨みたいになるとのこと。この変化に気づかない人も少なくないそうです、男性の場合、早ければ30代に始まると言います。

 

また、声帯を動かす筋肉も加齢とともに衰え始め、声帯を支える靭帯や組織は弾力がなくなり、喉頭と同じように硬くなるそう。発声器官ではその他の筋肉も同様に衰え、喉頭は衰えていくと言います。

 

人の声が変わる理由は、加齢だけではありません。ライフスタイルも関係しています。例えば、喫煙と飲酒は声帯の局部に炎症を起こし、粘液の分泌を増やすと同時に粘膜の表面がかなり乾いてしまうとのこと。

 

一部の薬も声を変えてしまいます。喉頭炎を抑えるための吸入ステロイド薬や筋肉弛緩剤、血液希釈薬などをテイラー教授は挙げています。

 

その一方、仕事で喉を使い過ぎることも声にとっては負担。歌手だけでなく、先生やインストラクターなど職業柄よく発声する人は気をつけたほうが良いそうです。

 

どうやって声を守る?

老化は防ぎようがないものの、できるだけ声を「若く」保つためには、エクササイズを続けることが役に立つとのこと。毎日、歌を歌ったり、声に出して本を読んでみたり。このような運動を続けることで、声の質や声帯の衰えを遅らせることは十分できるみたいです。

 

普段の生活では、できるだけいつも声帯を潤し、たばこやお酒の量を減らすことが大切。このような心掛けで、私たちが年を取っても、エルトン・ジョンみたいに歌っていられるかもしれません。

 

【出典】

Adam Taylor. Why our voices change as we get older. The Conversation. June 29 2023

ただの水かと思いきや…。英国が驚いた魔法の水筒「エア・アップ」とは?

ただの水道水なのに、まるで清涼飲料水を飲んでいるような感覚を味わえる――。そんな体験ができる水筒「エア・アップ(air up)」が英国の子どもや若い世代の間で大人気です。一体どんな仕組みなのでしょうか?

 

だまされたと思って…

↑英国と欧州で話題沸騰のエア・アップ

 

エア・アップは水に味をつけるわけではありません。その仕組みは脳を騙すこと。香りを嗅ぐことで、あたかも味を感じているかのように脳を錯覚させているのです。香りがするフレーバーポッドを飲み口に取り付けることにより、香りが脳に働きかける効果を利用して味覚を感じさせるのです。

 

私たちの脳は味覚だけでなく、嗅覚からも食べ物や飲み物の情報を受け取っています。香り付きの気泡が水と一緒に口に入って鼻腔にも伝わることで、香りが「味」として感じられるのです。

 

理屈は簡単に聞こえますが、実際に製品化した例はあまりないかもしれません。このアイデアを考案したのはドイツの学生2人が始めたスタートアップ企業で、現在エア・アップの人気は英国だけでなく欧州大陸にも拡大。さらに世界的飲料メーカーのペプシコからの資金調達や、ハリウッド俳優で投資家としても知られるアシュトン・カッチャー氏の支援も受けて、米国にも進出しています。

 

香りは約30種類

↑さまざまな「味」が楽しめる

 

従来の清涼飲料水は砂糖やカロリーが気になりますが、エア・アップならば水だけでヘルシーなうえ、さまざまな「味」を楽しみながら水分補給が可能。専用のフレーバーポッドにはパイナップルやチェリーなどのフルーツ系から、アイスコーヒーやアイスティー、コーラまで約30種類の味が揃っています。

 

友人同士でフレーバーポッドを交換したり、水筒やストラップ、飲み口を好みの色にカスタマイズしオリジナルボトルを作ったりできるのも人気の理由。目隠しをして水の「味」を当てるTikTok投稿も人気。若い世代には清涼飲料水に頼らず楽しく水分補給できる水筒としてエキサイティングに映っているようです。

 

価格はフレーバーポッド2個付きのチャコールグレーボトルが29.99ポンド(約5500円※)で、他のカラーボトルは各34.99ポンド(約6420円)。別購入するフレーバーポッドの価格は味によって異なり、安くても3個入りで約4.99ポンド(約920円)となります。

※1ポンド=約183.4円で換算(2023年6月28日現在)

 

欧米では麦茶や緑茶のような冷たい無糖飲料を飲む習慣がほぼなく、清涼飲料水以外では水道水やミネラルウォーターが中心です。ただ、水ばかりでは飽きてしまうと感じる人も多く、エア・アップ人気は今後も広がることが予想されます。

 

執筆/ネモ・ロバーツ

 

競技発祥200周年のラグビー。英国でどれくらい人気がある?

ラグビーは競技発祥200周年を迎えています。このスポーツが生まれた英国の名門パブリックスクールのラグビー校では、6月24日に記念イベントが開かれましたが、現代の英国でラグビーはどれくらい人気があるのでしょうか?

↑母国のラグビー人気は?

 

世論調査などを行うYouGov社は「英国人が過去1年間にどのスポーツをしたか?」を2019年から毎年調査しています。1962~2015人の成人がアンケートに答えているとのこと。

 

そして、その一番新しいデータ(2022年9月)を見てみると、ラグビーをした人はたった1%。フットボール(サッカー)は10%、テニスとゴルフは5%、クリケットは2%となっています(なお、他のスポーツと答えた人は7%いた一方、「該当なし」という回答が76%でした)。

 

視点を変えて、「見るスポーツ」としてラグビーを見た場合、その人気は少し高まり、テニスやクリケットと並んで17%となりました(最新のデータは2022年9月)。しかし、フットボールの人気はその倍に及びます(38%)。

 

英国で大多数に愛されているとは言いづらいラグビーですが、近年の日本ではラグビーW杯が開催されたうえ、英国のパブリックスクール(ラグビー校を含む)が続々と開校しています。多くの近代スポーツが学校から生まれて普及していった歴史を踏まえると、日本におけるラグビーの人気に変化が生まれるかもしれません。

 

「フィアット」がカラー戦略を変更! 英国に衝撃が走る

イタリアの自動車メーカー・フィアット(FIAT)が最近、カラー戦略を変更しました。それに強い反応を示したのが英国メディア。なぜかといえば、ある色がなくなってしまうからです。

↑英国は寂しがる…

 

それはグレー。英・デイリー・メール紙によれば、フィアットはこの色を使ってクルマを生産することを止めたとのこと。その理由について、同社はグレーが「イタリアの文化」を体現していないからと伝えているそうです。

 

フィアットはブランドとしてこれから「喜び・色・楽観主義」の3つの価値観を強く打ち出していきたいそうですが、デイリー・メール紙は、この戦略は英国ではうまく行かないと述べています。なぜなら、近年の英国で販売されているクルマの中でグレーは一番人気がある色だから。同紙に掲載されている、2022年の英国におけるクルマの人気色ランキングを見てみると、グレーが25.7%で1位。2位は黒(20.1%)、3位が白(16.7%)。黒と白の人気は前年と比べたら少し下がった一方、グレーは0.9%増えています。

 

果たして、フィアットの決断は吉と出るか凶と出るか。楽観主義が試されます。

 

【出典】

Daily Mail. Fiat has stopped making cars in one particular colour because it doesn’t ‘embody the Italian way of life’ – but the decision could hammer UK sales. June 26 2023

 

 

 

まるでサメじゃないか…。海外の美容歯科で失敗した英国人モデルの嘆き

美容整形や植毛など、自国で行うと高額の料金がかかるけれど、海外に行けば格安でできるものがあります。しかし、安さにつられると思わぬ落とし穴があることも……。

↑痛すぎる…

 

海外で歯科治療したら、「歯がボロボロになって、逆に高額の治療費がかかることになった」と涙を流す、ある英国人男性のエピソードをご紹介しましょう。

 

マンチェスター出身のアック・ジェームズさん、22歳。彼は、モデルとして仕事をしていたことから、カメラ写りをよくしようと、歯の治療を行うことを決めました。しかし、英国での治療費は高額で、手に届かなかったため、トルコのイスタンブールで治療を受けることにしたのです。

 

アックさんが2022年9月に受けたのは、歯の表面を薄く削って、薄い“付け歯”をつけるラミネートべニア加工。費用は3000ポンド(約55万円※)でした。当初は、白く輝く歯を手に入れて大満足だったのですが、治療からおよそ8か月経った2023年5月頃、異変が現れたのです。

※1ポンド=約182円(2023年6月23日現在)

 

デンタルフロスをすると、歯茎から出血が起こり、ひどい口臭が出るように。慌てたアックさんは、マンチェスターの緊急医を訪ね、口の中に膿瘍ができて感染症にかかっていると診断されました。

 

白くきれいな歯はもう跡形もなく、先端が細くなったサメの歯のよう。「ホラー映画に出てくるようだ。診断した歯科医に『自分の歯はめちゃめちゃ』と言われた」とアックさんは涙を流して嘆いています。

 

この治療のために必要と言われた金額は、なんと2万ポンド(約360万円)。彼が最初に治療を受けたイスタンブールのクリニックでは、およそ4分の1にあたる4500ポンド(約82万円)を提示されたため、彼は再びイスタンブールにわたってラミネートべニアを除去するそうです。

 

海外にある医療・美容機関のすべてが悪いわけではないはず。しかし、アックさんは「海外に行く前に、よく調べるように!」と人々に警告しています。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. I paid £3,000 to get my teeth done in Turkey, now I look like a shark. June 21 2023

米の富豪がドッグシッター探し。前代未聞の給料に応募殺到

英国で珍しい求人募集が話題となっています。米国のお金持ちの家族が、ペットの犬2匹の世話をするドッグシッターを探しており、給料は1年間で12万7000ドル(約1800万円※)。勤務地はロンドンの高級住宅街とあり、地元メディアが騒然としています。
※1ドル=約142円で換算(2023年6月21日現在)

↑ロンドンの絶景を眺める余裕はあるだろうか?

 

どんな仕事なのでしょうか? 応募条件には「ずばぬけたペットケアの技術と犬2匹へのきめ細かな気配り」とあるそう。具体的な仕事内容には、他の家の犬と遊ぶ手配を整えたり、エサの管理をしたり、獣医を予約したり、健康管理をしたりすることが含まれています。犬の栄養管理に関しても完ぺきな知識が求められており、それを基にそれぞれの犬に合った運動メニューを作るとのこと。採用されたドッグシッターは、この家族と一緒にロンドンの住宅で暮らし、この家族が旅行するときは、行き先がどこであろうが、ペットと一緒に必ず同行しなければなりません。

 

この仕事はかなりハードでしょう。ロンドンの人材企業でこの求人を担当する人は、今回の給料について「この業界では前代未聞」と述べています。しかし、ワークライフバランスは保証されていない模様。採用されたドッグシッターは全てにおいてこの仕事を優先し、プライベートは諦めなければならないと言われています。

 

それでも、現在の応募数はすでに300~400に上るそう。この人材会社は6月中に最適な人材を見つけたい考えです。

 

【出典】
Daily Mail. The paw-fect job? American billionaire family is hiring a ‘full-time dog nanny’ who’ll be paid $127,000 a year to pamper their two privileged pooches. June 20 2023

英国で「生け花」がブーム! イングリッシュガーデンと何が違う?

5月下旬に開催された「マンチェスターフラワーフェスティバル」では、生け花のワークショップが大盛況でした。英国では現在、生け花が日本の代表的な文化としてブームになりつつあります。どうして英国で生け花が好まれるのでしょうか?

↑現代を象徴する日本文化

 

生け花は花を飾るだけではなく、草木の美しさや植物そのもの、ありのままの自然を表現しようとする独特のスタイルとして英国で注目を集めています。

 

西洋のフラワーアレンジメントは花をメインとし、緑を添えることで華やかさを演出するというのが主なスタイル。一方で日本の生け花は花だけではなく、草木の美しさを表現することを大切にしています。曲がった茎でも枯れかけた花でも、“わび・さび”として美を見い出します。

 

ワークショップに参加した英国人のフォトグラファーは、「英国であまり見かけないアレンジメントの色合いに惹かれた」とコメント。他の参加者も「独特で個性的なデザイン」「花や植物そのままの形を生かしていて、自然からのメッセージを感じる」と語っていました。

↑マンチェスターフラワーフェスティバルの様子

 

英国では、人の手を加え過ぎずにありのままの自然を生かす「イングリッシュガーデン」が愛されています。そのような国民性から、生け花が英国の草花愛好家に受け入れられたのも不思議ではありません。

 

生け花はできるだけ少ない花数や草木で、空間も上手に使って美を表現します。さらに、花の数が少なくても構わないうえ、スポンジではなく花を刺して繰り返し使える剣山を用いる点が「エコ」に通じるとことも英国で受け入れられている理由です。

 

人々が大量生産や大量消費に疑問を感じ、サステナブル意識が高まっている現代社会において、華美から離れ、質素な形で心の美しさを表現することができる生け花。そこから学ぶ日本文化の精神的な価値に、若者を含めて英国人は注目しています。

 

非日常体験は確実! 地中419m「世界一深い場所にあるホテル」が英国に誕生

「世界一標高が高い場所にあるホテル」や「世界一大きなホテル」など、「〇〇なホテル」は数多くあります。先日、英国にオープンしたのが、「世界一深い地中にあるホテル」。客室があるのは、地上から1375フィート(約419メートル)の位置です。

↑他のホテルでは味わえない深さ

 

ホテルは、その名も「ザ・ディープ・スリープ・ホテル」。英国南西部ウェールズにあるスノードニアの山に作られました。ヴィクトリア時代に鉱山だった所です。

 

ホテルがあるのは地中約419mの位置。そのため、ホテルにたどり着くまでが一苦労。トロッコのレールや古い階段が残る暗い地下道をひたすら進んでいかなければなりません。地下水で足元が濡れたり、ときにはロープに捕まったりして、気分はまるで洞窟探検。そんな道のりを進んでたどりついた先に、少し開けた空間があり、そこに小さなログハウスのような客室が5つ作られているのです。

 

客室の中は、こじんまりとしたログハウスといった雰囲気。地中深くのごつごつとした岩場をそのまま活かしたベッドルームの部屋もあります。

 

気になる価格は、プライベートキャビンタイプが1泊2名で350ポンド(約6万1300円※)、洞窟を活かした部屋タイプは1泊2名で550ポンド(約9万6300円)。宿泊できるのは、土曜日と日曜日の週末に限られます。

※1ポンド=約175円で換算(2023年6月9日現在)

 

豪華な客室があるとは言い難いこのホテル。地中深くに泊まるということはもちろん、ホテルに到着するまでの道のりを含めて、非日常を体験できるスポットと言えるかもしれません。

 

このホテルに行くためには、ライト付きのヘルメット、長靴などの万全の装備が必要ですので、ご注意ください。

 

【主な参考記事】

Metro. World’s deepest hotel opens in the UK, with beds 1,375 feet below the earth’s surface. June 7 2023

奈落の底へ落ちる究極の恐怖!「暗闇バンジージャンプ」がスコットランドで大人気

勇気を出してジャンプすれば、とてつもない爽快感を楽しめるバンジージャンプ。その上を行くスリルを味わいたい人に昨今評判となっているのが、夜間に行う暗闇バンジージャンプです。

↑暗闇に放り出される恐怖(画像提供/Highland Fling Bungee)

 

このバンジージャンプを行っているのは、スコットランドのパースシャーにある「Highland Fling Bungee」(HFB)。高さ40mのガリー橋にジャンプ台が設置され、およそ30m~35mの高さを一瞬で落下します。落下速度は時速80km以上になるそう。

 

通常は明るい日中に行われるバンジージャンプですが、寒過ぎずにちょうど良い気候になるという10月〜3月の限られた日にだけ、周囲が真っ暗になる午後6時から10時までに「ブラックアウト・バンジー」が行われているのです。「ブラックアウト」とは「真っ暗」の意味で、文字通り暗闇の中のバンジージャンプです。

 

このアトラクションを行っているHFBでは、新しいスリリングを提供するために、このブラックアウト・バンジーを始めたそう。地面や周囲が見える昼間のジャンプとは違い、暗闇では何も見えず、自分がどこに向かっているのか、どこまで落ちるのか、わからなくなるのだとか。だからこそ、昼間のジャンプに比べて何倍にも恐怖が増すそうです。

 

奈落の底に突き落とされるような究極の恐怖を味わえる、このブラックアウト・バンジージャンプ。年に数回しか行われないそうですが、ヨーロッパでは唯一暗闇でのバンジージャンプを楽しめる場所ということもあり、チケットはいつも完売しているそうです。

 

ブラックアウト・バンジージャンプの料金は、一人94ポンド(約1万6900円※)。バンジージャンプにハマってしまった人や、たまらない恐怖感を味わいたい人などはチェックしてみてはいかがでしょうか(YouTubeショートはこちら)?

※1ポンド=約179.3円で換算(2023年6月16日現在)

 

【主な参考記事】

Daily Mail. The double-decker airplane seat is back. Here’s what it looks like now. June 14 2023 

どうして現金ではダメなの? キャッシュレス化した英国の12歳が語る新時代のお金感覚

世界各国でキャッシュレス化が進む中、10代の子どもたちがお金に対してどのような感覚を持っているのか気になりますよね。英国メディアが6月8日(現地時間)に掲載した記事の中で、12歳のアリシア・ランバートさんが現金よりカードのほうが良いと述べています。どうしてそう思うのでしょうか?

↑断然こっちでしょ

 

指紋認証決済を導入する学校

ランバートさんは学校で昼食を買うとき、現金を使いません。英国では多くの場所でカード決済しかできなくなっていますが、学校の中にはその先を行く所もあるそう。それが生体認証決済です。

 

ランバートさんが通う学校はその一つ。同校の制度では生徒の指紋と名前が紐づけられ、親がお金を振り込みます。利用制限は1日に5ポンド(約875円※)まで。親は子どもが何に・いくら使ったのかを確認することが可能。学校以外の場所でこのシステムは使用することができません。
※1ポンド=約175円で換算(2023年6月9日現在)

 

それでも、これがすごく便利。「指紋は家に忘れることがないから、学校で困らない」とランバートさんは言います。

 

監視というより管理

ランバートさんは12歳の誕生日を迎えた後に銀行で口座を開き、デビットカードを使い始めました。9か月間使ってみた結果、お金を管理するうえで、デビットカードは現金よりも簡単かつ安全だと考えるようになりました。

 

その理由の一つが、少し高価な物を買うとき、現金を持ち歩くより、銀行口座に預金しておくほうが安全だから。カードが盗まれた場合でも、カードの利用停止、再発行、身に覚えのない引き落としがあった場合には補償の手続きが簡単。現金が盗まれたら、そう簡単にお金を取り戻すことはできません。

 

さらに、ランバートさんは現金の場合、レシートをきちんと管理しない限り、どこで・いつ・何に・いくらお金を使ったのかを把握することは難しいと言います。それに対して、デビットカードはアプリで残金や支出、入金などの記録を簡単にチェックできると述べています。

 

プライバシーを重視する人にとっては、まさにこの点が現金の良さであると同時にデジタル決済の怖さなのですが、ランバードさんの世代の感覚は違うようです。

 

現金拒否

ランバートさんは現金で苦い経験もしたそう。ロンドンのウェンブリー・スタジアムに女子サッカーのFA杯決勝戦を観戦しに行ったとき、たまたまデビットカードを家に忘れてしまったそう。しかし、パパがお小遣いを現金で多めに持たせてくれたので「大丈夫」と思っていたら、あることに気が付きました。

 

ウェンブリースタジアムは完全にキャッシュレス化していた!

 

せっかく現金を使おうと思ったのに、現金で支払うことが全くできない。このときの経験がランバートさんをさらにカード派にしたようです。

 

主にデビットカードと現金を比べながら、前者の長所ばかりを取り上げているのがこの記事の弱点ですが、キャッシュレス化した子どもの感覚がよくわかります。きっと頭を悩ませている親は少なくないでしょう。

 

【出典】
This is MONEY. I’d rather not have cash (and the one time I relied on it I couldn’t spend it): A school student on why her generation prefers cards – and the best kids accounts. June 8 2023

消費者の20%がボイコット。英で「シュリンクフレーション」との戦いがヒートアップ

商品の販売価格はそのままで、内容量が収縮していく「シュリンクフレーション」。日本でもこの経済現象は見られますが、英国では消費者の間で、シュリンクフレーションした商品への静かなボイコット運動が起きているようです。

↑中身だけ減った気がしたら、立ち上がれ!

 

英国ではシュリンクフレーションが続出している模様。例えば、同国を代表するマクビティのダイジェスティブビスケットは内容量が400gから360gに減りましたが、販売価格は変わらないそう(日本では同製品をアマゾンで購入することが可能で、価格は(2枚X6袋)X12個で4291円(税込)となっており、1個あたり358円と記載されています〔2023年6月7日現在〕)。ほかにもプリングルスが200gから185gに減ったと言われています。

 

ロンドンに拠点を置くバークレイズ銀行が調べたところ、ビスケットやポテトチップスなどで起きるこの現象に英国の消費者の3分の2は気付いていると言われています。さらに、消費者の20%はシュリンクフレーションした商品に見切りをつけ、代わりにまとめ買いをしたり、比較的お手ごろ価格で入手できる自社ブランド商品を買ったりしているようです。

 

この行動が「ボイコット」と表現されていますが、実際に消費者は暴力的な運動を起こしておらず、静かに戦っている様子。このようにシュリンクフレーションに抵抗することで、英国の消費者は製造業者に考え直すよう求めています。

 

スーパーに行って、いままでより中身が少なくなった商品を見つけたら、「気のせいかな……私の手が大きくなっただけ?」とは思わず、「中身が少なくなった商品にもっとお金を払うなんてマジでうんざり」と思え、とThe Guardianはユーモアを交えて言っています。世界各国で消費者とシュリンクフレーションの戦いは続きそうです。

 

【参考記事】

The Guardian. Shrinkflation boycotts: have you joined the uprising against downsizing?. 2023 June 6

Yahoo Finance UK. Shrinkflation and stagflation: What are they and how could they affect your finances. 2023 June 6

2年間、毎月27万円がタダでもらえると人間はどうなる? 英がベーシックインカムの実験を計画

これから英国のイングランドで初のベーシックインカム(※1)の実験が行われる可能性があり、賛否を呼んでいます。

※1: ベーシックインカムとは、国民に最低限度の生活を保障するために、無条件かつ定期的に現金を給付する政策(参考:現代カタカナ語辞典)

↑賛否両論のベーシックインカム

 

シンクタンクのAutonomyが計画しているこの実験では、30人の参加者に2年間、毎月1600ポンド(約27万7000円※2)が「タダ」で支払われます。参加者は全く働かなくてよく、仕事を探したり、働く意欲を見せたりする必要もありません。研究者は、このお金が参加者の生活や心身の健康にどのような影響を与えるかを観察する予定。
※2: 1ポンド=約173円で換算(2023年6月7日現在)

 

この実験に賛否両論が巻き起こりました。賛成の人たちはベーシックインカムのさまざまな長所を挙げます。貧困の撲滅につながったり、より多くの子どもたちが教育を受けることができるようになったり、犯罪を減らしたり。Autonomyの関係者は「ベーシックインカムには複雑な福祉制度を簡素化し、英国の貧困問題と戦う武器になり得る」と言います。

 

しかし、反対意見も少なくありません。この仕組みを維持するには莫大な費用がかかるという指摘もあれば、受給者はお酒やたばこなどにお金を無駄遣いするという声もあります。また、ベーシックインカムの金額はみんな同じとされていますが、受給者の住んでいる所は異なります。そのため、高級なエリアに住んでいる人にとってはメリットが少ないとも。

 

Autonomyはそのような短所を認めつつ、定期的な所得があることで、受給者はお金の使い方について長期的に考えるようになり、快楽消費は減ると見ています。

 

同シンクタンクでリサーチディレクターを務めるウィル・ストロング氏は「気候変動や破壊的技術、これから起きる産業革命を考慮すると、私たちはこれから何らかの形でベーシックインカムが必要になる」と述べています。

 

この実験が実施されて成功すれば、英国政府はどんどん大きくなりそうですが、その代償も気になるところです。

 

【主な参考】

This is MONEY. Sit around, do nothing… and get paid £1,600 a month! Universal income benefits trial will see people rake in cash for doing zilch. 2023 June 5

『Mr. ビーン』が怒った! アトキンソン氏が「EV」に騙されたと思う理由は?

『Mr. ビーン』や『ジョニー・イングリッシュ』といったコメディ作品で世界的に知られるイギリス人俳優のローワン・アトキンソン氏が、「電気自動車(EV)に騙されたと思い始めている」と英ガーディアン紙で論じています。

↑EVにしてやられた「Mr. ビーン」

 

学生時代に電子工学を専攻していたアトキンソン氏は、『Mr. ビーン』では小さいクルマの「ミニ」に乗っていますが、私生活では高級車をたくさん所有していると言われており、クルマは大好きな様子。そんな同氏はEVにもいち早く乗り始め、大好きになったそうですが、最近その熱が冷めてきたとのこと。

 

その理由の一つ目は、EVは世間で言われているほど環境に良くないから。アトキンソン氏はVolvoのデータを使いながら、EVを生産する過程で排出される温室効果ガスの量はガソリン車より70%多いと述べています。その原因はリチウムイオン電池にあり、これがかなり重い。この電池を作るためにはたくさんのレアアースやエネルギーが必要なのに、大体10年しか持たないと説明しています。

 

同じように耐久性への視点から、同氏はクルマを巡る社会的な問題を指摘。クルマの販売は「ファストファッション」化し、もはや私たちは新車を購入しても、リース契約を結んでも、3年足らずでクルマを手放すようになった。しかし、現代のクルマは30年も走ることができるのだから、このような天然資源の無駄遣いは許し難いとアトキンソン氏は怒っているようです。

 

このような理由で、アトキンソン氏はEVに少し騙されたと感じるようになったわけですが、EVの開発をやめるべきとは言っていません。自動車業界の環境問題への取り組みについては、ほかにも検討すべき方法があると言いたいわけです。

 

そこで、アトキンソン氏は「合成燃料(石油代替燃料)」の開発を進めるべきだと提案。「環境問題におけるガソリン車の問題点はガソリンであって、エンジンその物ではない」と同氏は考えており、その観点から、まだまだ役に立つ従来のクルマをできるだけ長く生かすためには、水素を含めた合成燃料の開発を進めることが大切だと論じているのです。

 

EVは世間でイメージされているほど環境に良いわけではないのだから、従来のクルマをもっと長く大切に使っていこうよ、というアトキンソン氏の考え方には納得できますよね。しかし、大英帝国勲章を受章しているこの大物俳優は、EVのもう一つの特徴である自動運転については言及していません。最近では、テスラのイーロン・マスクCEOが、同車の自動運転技術には、もうすぐ「ChatGPT」のような時が来ると述べていますが、自動運転でさえ環境にあまり良くないという見方は以前から存在しています。Mr. ビーンだったら古いミニに乗り続けているかもしれません。

 

【主な出典】

Rowan Atkinson. I love electric vehicles – and was an early adopter. But increasingly I feel duped. The Guardian. June 3 2023.

イギリスの列車の顔はなぜ黄色い? 知られざるイギリスの鉄道事情と日本との違い

日本から1万キロ近く西に位置し、ヨーロッパ本土から離れた島国、イギリス。世界初の公共鉄道であるストックトン・アンド・ダーリングトン鉄道が1825年に開業した「鉄道発祥の地」として広く知られている。そんなイギリスの現在の鉄道は果たしてどのようなものなのか。本記事では、日本の「常識」や「当たり前」から外れた意外なイギリス鉄道事情を紹介していく。

20180221_y-koba7 (1)↑日本の車両メーカーもイギリスの市場に参入している。写真は次世代都市間高速列車として導入が決まった日立レール・ヨーロッパが製造するClass 800。日本で設計されたことに敬意を表し「あずま」という愛称がつけられた。

 

1.似て非なるイギリスと日本の「鉄道民営化」

日本の鉄道は主にJRと私鉄の民営会社が運営しており、イギリスでも複数の民営会社が「National Rail (ナショナル・レール)」という総称の元で列車を運行している。JRは1987年に国鉄から分割民営化されて発足したが、イギリスも同様に1994年頃にイギリス国鉄(British Rail、ブリティッシュ・レール)が分割民営化された。

 

日本ではJRが車両、線路、駅を保有し乗務員や駅員を雇う「上下一体」の民営化がされた一方、イギリスでは「上下分離」方式が採用された。簡潔に説明すると、線路や駅などの鉄道インフラは国有機関である「Network Rail (ネットワーク・レール)」が保有し、列車の運行は鉄道運行会社が行う。

20180221_y-koba7 (1)↑イギリスの上下分離方式と日本の上下一体方式の簡単な図

 

しかし鉄道運行会社も日本のJRや私鉄のような半永続的なものではなく、イギリスの運輸省が定期的に列車の運行権の入札を行う。更に車両は鉄道運行会社が所有しているわけではなく、別の鉄道保有会社からリースして運行する形となっている。

 

鉄道運行会社も民営会社とはいえイギリス運輸省からの干渉が多く、利益が見込める路線を運行する場合はその一部を運輸省に収める義務がある。一方、地方の赤字路線を多く運行する場合は運輸省からの助成金が授与される。イギリスと日本の鉄道が同じく「民営化」されたとしてもそこには大きな違いがある。

20180221_y-koba7 (2)↑イギリスの列車運行には日本の企業も参入している。オランダ国鉄の子会社「アベリオ」と結託し、JR東日本と三井物産がロンドンとイングランド中部の路線で列車を運行する「ウェスト・ミッドランズ・トレインズ」を運営する。写真は同社所属のClass 350

 

2.現地人も把握困難なイギリスの複雑怪奇な運賃制度

日本では運賃が距離別制度となっており、JRも私鉄も基本的には何円払えば何キロ先の駅まで乗車が可能、という形式だ。しかしイギリスは運賃制度が異なり、駅間同士の運賃がそれぞれ設定されている。

 

ナショナル・レールの駅が2500駅近くあることから、その切符の総数は単純計算で300万種類を超える。傾向として移動距離が長くなるに連れて切符の値段も高くなるが、同距離間の駅の運賃を比べてみるとかなりの差が見られることも少なくない。これは路線の需要が価格設定に反映されているため、使用率の高い路線ほど高く、閑散路線ほど安い傾向にあるためだ。

20180221_y-koba7 (3)↑ナショナル・レールの切符は独特なオレンジと黄緑色の配色ですぐに判別できる。左下の矢印のマークは「ダブルアロー」と呼ばれ、イギリスでの鉄道のシンボルになっている。

 

これに加えて同じ駅間同士の切符でも運賃が複数設定されている。基本的には1日中使用できる「Anytime(エニータイム)」、ラッシュ時以外の閑散期に使用できる「Off-Peak(オフピーク)」、そして事前購入し乗車列車が指定される「Advance(アドバンス)」運賃が存在する。オフピーク運賃はエニータイムの半額近くだったり、アドバンスに至ってはエニータイムと比べて9割引になったりと、うまく駆使すれば非常にお得に列車に乗れる。

 

さらに時間制限が設けられた格安の「Super Off-Peak(スーパー・オフピーク)」運賃や、列車指定がないアドバンス運賃も存在したり、オフピークの往復と片道切符がほぼ同額だったりとイギリスの運賃制度の理解は困難を極める。

 

ほかにも日本の運賃制度と異なる点として、イギリスの豊富な割引制度が挙げられる。まず5歳以下の子どもは運賃不要で、15歳以下は子ども運賃扱いとなり半額となる。そして大きな割引要素となるのは「Railcard(レールカード)」システム。様々な条件を満たせば、年間£30(約4500円)払うだけでほとんどの運賃が1/3割引となる。

 

例えば16歳から25歳の人を対象としている「16-25 Railcard」(学生である必要はない)や、60歳以上の方を対象とした「Senior Railcard(シニア・レールカード)」、さらに家族連れ向けの「Family & Friends Railcard(ファミリー・アンド・フレンズ・レールカード)」なども存在する(この場合、子ども運賃は6割引となる)。

 

イギリスのエニータイム運賃は日本と同距離のものと比べると割高だが、このように豊富な割引制度を駆使すれば非常にお得に列車に乗ることができる。

 

また、列車遅延時の切符払い戻しの制度でもイギリスと日本に違いが出てくる。JRでは2時間以上の遅延で特急券のみの払い戻しが行われる。一方イギリスでは「Delay Repay(ディレイ・リペイ)」という払い戻し制度があり、これに加盟している列車運行会社を利用した場合、30分の遅延で片道運賃の半額、60分で全額払い戻しとなる(往復券の場合は30分で1/4、60分で半額、120分以上で全額払い戻し)。

20180221_y-koba7 (4)↑イギリスでは列車遅延時の払い戻し制度が充実している。写真は「ハル・トレインズ」の車両。ロンドンとイングランド北東の都市ハルを結ぶ列車運行会社だが、2017年度の定時率は最下位だった

 

この制度では遅延の原因の分別はなく、鉄道会社の責任の範囲外のものでも払い戻しが適用される。なお鉄道運行会社によってはディレイ・リペイに加盟していない会社もあり、15分の遅延から払い戻しが可能なところもある。一見、素晴らしい制度に思えるが、これが運賃値上げを助長している要因の1つであり鉄道利用者の間では賛否両論だ。

 

3.日本では当たり前の「列車種別」がイギリスにはない!?

日本ではJRにも私鉄にも「普通」、「快速」、「特急」や一部鉄道会社でしか見かけない珍しい列車種別が見られるが、イギリスでは列車種別の概念がほとんどない。もちろんすべての駅に止まる各駅停車タイプや主要駅にしか止まらない速達タイプの列車は存在するが、駅の発車案内板を見上げると、行先、停車駅や列車運行会社は表示されるものの種別にあたる情報はない。

20180221_y-koba7 (5)↑ロンドンのターミナル駅のロンドン・ユーストン駅の発車案内板。停車駅や発車時間は表示してあるものの、種別に相当するものは見当たらない

 

駅員の口頭での案内で「fast service(速達タイプ列車)」や「stopping service(各停タイプ列車)」などの表現はたまに使用されるものの、鉄道会社が公式に種別を案内しているのはロンドン地下鉄のメトロポリタン線の「fast(快速に相当)」と「semi-fast(区間快速に相当)」くらいだ。

20180221_y-koba7 (6)↑イギリスで数少ない種別表示があるロンドン地下鉄のメトロポリタン線の発車案内板。「All Stations(オール・ステイションズ)」は各駅停車、「semi-fast(セミ・ファスト)」は区間快速を意味する

 

列車運行会社によっては往年の伝統列車の名前を特定の列車につけることがある。例えばエディンバラ05:40発のロンドン行列車は「フライング・スコッツマン」の愛称がついているが、これも種別ではなく列車運行会社の遊び心と言える。

 

 

4.日本と異なる列車の内装とサービス――クロスシートや一等車の食事提供

日本の都市圏の通勤車両では乗客を最大限に載せるため進行方向の向きとは直角に座るロングシートが基本だ。地方のローカル列車でもロングシート車両が走る路線も少なくない。対してイギリスでは鉄道車両はごく一部を除いて進行方向と同じ向きに座るクロスシートが採用されている。しかし日本のように転換はできず固定なので進行方向によって座席の向きを変更することはできない。運悪く進行方向と逆向きの座席にしか座れなかった場合は我慢するしかない。

20180221_y-koba7 (7)↑着席率を増やすためイギリスの近郊・通勤列車で広く見られる固定式の2+3列クロスシート。長距離列車は普通車が2+2列、一等車が1+2列配置となっている

 

イギリスではラッシュ時の混雑が日本ほどひどくないのと、列車は座席を提供する交通機関という認識が強いため、座席数が確保できるようにクロスシートが採用されている。日本より狭い車幅に3+2列配置の座席を設置することもあり、かなり窮屈だが座席数を最大限に増やした仕様となっている。ナショナル・レールでは最近になってロンドン近郊の通勤車両にロングシートが登場したが、それ以外はすべてクロスシート車両だ。

 

ハード面だけでなく、ソフト面でもイギリスは日本とおおいにに異なる。特にイギリスでは一等席のサービスが充実している。内容は鉄道運行会社によって差はあるが、長距離都市間列車を運行するところだと列車乗車前に駅のファースト・クラス・ラウンジが使用できる。ここでは飲み物や軽食が提供され、一服することができる。乗車後は一等席のアテンダントからウェルカム・ドリンクと食事がなんと無料で提供される。しかし中距離列車や通勤列車の一等席では上記のようなサービスは一切ないので注意が必要だ。

20180221_y-koba7 (8)↑長距離列車が発着する一部主要駅では一等席の乗客が使用できるラウンジが開設されている。お品書きは駅によって異なるが飲み物とスナックが無料で提供される。写真はロンドン・パディントン駅のラウンジ

 

一部列車では食堂車サービスがあり、普通席の乗客でも追加料金を払えば車内で暖かい食事が食べられる。多くの長距離列車ではビュッフェがあり、カートによる車内販売も実施される。2両編成の気動車で運行される地方のローカル列車でも車内販売が行われることがあり、少々割高だが長い間乗っていても食事や飲み物に困ることはない。

20180221_y-koba7 (9)↑長距離列車の一等席では無料で食事が提供される。写真はヴァージン・トレインズの平日の軽食メニュー。ワインやビールなどのアルコール類も飲むことができる

 

ほかに大きく日本と異なるのは指定席。日本では基本的に指定席と自由席が分かれているが、イギリスではそれらが混在している。座席指定をせずに乗車した場合は座ろうとした座席がすでに予約済かどうかを確認するのが吉だ。座席指定料金は無料なので、混雑が予想される列車に乗る場合は事前に予約するのがいいだろう。しかしこのおかげで使用されない座席指定が多いのも事実だ。

20180221_y-koba7 (10)↑旧型車両では座席が予約されているかどうかはいまだに紙の予約札で示される。より新しい車両では座席上のLED表示で行われる

 

5.イギリスの列車の顔はなぜ黄色い? イギリス独特の鉄道車両の仕組みやインフラ

イギリスで頻繁に列車に乗った人はあることに気がつくかもしれない。それはほとんどの列車の顔が黄色いことだ。これは蒸気機関車が廃止され気動車やディーゼル機関車が導入された際に、蒸気機関車より静かなことから保線員と列車の接触事故が多発した。これを防ぐために接近する列車の視認性を向上させるように顔を黄色い警戒色で塗ったのが現代にも受け継がれているためだ。しかし最近になり一定の明るさのヘッドライトを装備した車両は前面の黄色い警戒色が免除されるようにルールが改訂されたため、これから登場するイギリスの新車は顔が黄色くないものも出てくるだろう。

20180221_y-koba7 (11)↑ナショナル・レールの線区で走る車両は基本的に顔が黄色い警戒色で塗られている。イギリスの鉄道車両の独特なチャームポイントでもある

 

列車の動く仕組みに関してもイギリスや日本で大きな相違点がある。例えば電車のモーターを台車の枠に取り付けて車輪を回す「吊り掛け駆動方式」を採用する電車は路面電車など一部の車両にしか見られなくなってしまったが、イギリスでは本線を時速160キロで走行する車両に採用されている。

20180221_y-koba7 (12)↑写真のClass 321は最高時速160キロで走行可能な吊り掛け駆動電車の一例だ

 

ほかにも電車を動かす電気を車輪が乗るレールに平行して設置された第三のレールから集める第三軌条方式というのがあるが、日本では主に低速の地下鉄路線などでしか使用されていない。一方イギリスではロンドン近郊とイングランド南東地方の路線で広く使用されており、最高時速160キロまで対応している。このようにイギリスは昔鉄道先進国だった故、様々な鉄道技術の試行錯誤を行った結果、独特なシステムができあがり、現在でも継承されている。

20180221_y-koba7 (13)↑ロンドン南部近郊とイングランド南東部の路線は多くが第三軌条方式で電化されており、写真のような複々線の幹線も珍しくない

 

日本ではとうの昔に廃止されたものもイギリスではいまだに現役だ。日本の現役車両はみな自動ドアだが、イギリスの一部車両では手動ドアのままの車両が多く残っている。駅に停車したら窓を開け、腕を外に出して外側のハンドルを使ってドアを開ける仕組みとなっており、初めて乗る乗客には難しい操作だ。

20180221_y-koba7 (14)↑写真のマーク3客車はイギリスでいまだに現役の手動ドアを使用する客車の1つ

 

ほかにも、日本ではもう廃止されてしまった腕木式信号機もイギリスでは現役だ。これらは20世紀の後半にイギリスの鉄道が運輸省により冷遇されて設備や車両更新の資金が足りなかった影響で現在でもしぶとく残っている。

20180221_y-koba7 (15)↑現役の腕木式信号機と新型電車が対照的な画を作る。写真はリトルハンプトン駅の出発信号機

 

しかしイギリスの列車に乗っていてまず気づくのはその速度だろう。日本のJRの在来線は基本的に最高時速130キロで、京成電鉄のスカイライナーのみが最高時速160キロで走行するが、イギリスでは在来線の最高速度が時速200キロとなっている。これはイギリスの在来線の線路幅がJRより大きく、安定して高速走行ができるおかげだ。在来線の時速200キロ運転は欧米では珍しくはないが、イギリスの特異的な面はこれの大部分がディーゼル列車で行われること。幹線の電化が他国より遅れたことにより高速ディーゼル列車が多数登場し、世界的に見ても時速200キロで営業運転を行うディーゼル列車が体験できる国はイギリスだけだ。

20180221_y-koba7 (16)↑1976年より最高時速200キロで運転しているディーゼル列車のHST。イギリス国鉄時代のフラッグシップ列車であり、現在は新型車両に置き換えられつつある

 

6.古き良き時代と鉄道旅を現代に伝える、イギリスの保存鉄道

イギリスでは昔から古い車両、特に蒸気機関車の保存活動が盛んだ。日本でも大井川鐵道や真岡鐵道、一部のJR路線で蒸気機関車が走るがイギリスではその規模が違う。ナショナル・レールとは別に廃線を転用した保存鉄道が全国各地に散らばっており、蒸気機関車や旧型客車、さらには旧型気動車やディーゼル機関車も大量に動態保存されている。主に春から秋にかけて営業し、定期的に「gala(ガーラ)」という祭典が開催され、ゲスト機関車を招待したり、運行列車を大幅に増発させたりして乗客を呼び込む。列車だけでなく駅舎や乗務員の制服なども20世紀初頭のものに統一して鉄道文化を保存している場所も多く、訪問すればまるでタイムスリップしたかのようだ。

20180221_y-koba7 (17)↑イギリス全土にある保存鉄道では春から秋にかけて毎日のように保存された車両で列車が運行される。写真はペイントン・アンド・ダートマス蒸気鉄道のSL列車

 

保存鉄道のほかにも頻繁に蒸気機関車が本線を走る臨時列車も運行される。日本では山口線や肥薩線などの地方ローカル線でしか運転されないが、イギリスでは営業列車が頻繁に行き交う大幹線で運転され、大都市のターミナル駅に蒸気機関車が入線する。12両以上の客車を牽引しながら時速120キロで走行する蒸気機関車には圧倒される。

60103 hauled the Scarborough Flyer organised by the Railway Touring Company from Scarborough (0810) to London King's Cross (1521) via Lincoln and Spalding. Seen here at London King's Cross.↑日本に限らずイギリスでも蒸気機関車は一般人の目を引く人気者。ロンドン・キングズ・クロス駅に到着した「フライング・スコッツマン」を一目見ようと人がホームに押し寄せる

 

ヨーロッパ大陸と離れ、独自の進化を遂げていったイギリス。日本の鉄道と比較すると対象的な面が多く、イギリスを訪問した際には鉄道旅でその違いを楽しんでいただきたい。

平均床面積が日本より狭いイギリスから学ぶ、こじんまりした家で優雅に暮らすための3つの基準

もうだいぶ前のことですが、EC(ヨーロッパ共同体)の報告書に「日本人は兎小屋のような狭い家に住みながら、必死で働く国民である」といった記述があり、物議をかもしたことがあります。非公式の報告とはいえ、日本人を侮蔑する報道に黙ってはいられないと息巻く人も多かったはずです。

 

私もその記事を読んだとき、「いくらなんでも、兎小屋は言い過ぎでしょ? 日本は国土が狭いんだから、仕方が無いじゃないのさ。大きなお屋敷に住むヨーロッパ人と比較して、あれこれ言わないで欲しいもんだ」と、ふてくされながら思ったのですが、実はこれ、なんと誤訳だったそうです。

37275054 - empty apartment with a couple and packing boxes / 3d rendering

 

 

兎小屋を卑下することはありません

ここで言う「兎小屋」とは、フランス語で「Cage a lepins」を逐語訳したからこうなったものの、本来は「都市型集合住宅」を意味するのだそうです。
日本人は都市型集合住宅で暮らし、せっせと働いてきました。

 

私も団地形式の社宅で育ち、父は朝から晩まで働いていましたが、それを恥と思ったことはありません。かと言って、得意にも思っていませんでした。そういうものだと思っていたのです。

 

日本の居住面積は他国に比べて狭いと思ってもいました。こちらもそういうものだと信じていました。ところが、それは間違いだったようです。

 

いくつかの統計によると、1軒あたりの平均床面積は1位はアメリカと、これは思った通りです。日本はといえば、5位にランクイン。特に狭いわけはありません。日本を「兎小屋に住んでひたすら働く国民」と考えたフランスは、なんと7位。私がお城のような家に住んでいると考えていたイギリスにいたっては、さらに低い8位というではありませんか!

 

私が考えているほど、日本の家屋は狭くはなかったようです。

 

こじんまりした家で豊かに暮らすのがイギリス流

イギリス流 小さな家の贅沢な工夫』(井形慶子・著/KADOKAWA/中経出版・刊)には、住居を大切にするイギリス人達の生活が、日本人の著者の視点で綴られています。こじんまりしたイギリスの住宅で賢く暮らそうとする知恵が披露されていて、そこに学ぼうとする思いが満載です。

 

著者の井形慶子さんは、イギリスの暮らしをテーマにした雑誌「mr.partner」を出版する傍ら、イギリスに関するエッセイを数多く執筆してきました。イギリスの住宅事情についても、実際にリフォームを手がけるなど、現地の事情にも精通しています。そんな彼女も言っています。

 

2017年、イギリス住宅の平均床面積は76㎡と日本の95㎡より、はるかに小さく、先進国で世界最小と報じられました

(『イギリス流 小さな家の贅沢な工夫』より抜粋)

 

 

賢く暮らすために

彼女は50才のとき、自らイギリスにフラットを購入しました。それも、ロンドンに。築120年の住宅で、広さは58㎡。小さな寝室が2つある2LDKだといいますから、決して広くはありません。

 

ところが、狭さを感じることなく暮らしているというのです。3~4人のスタッフが長期滞在しても、問題ないというのですから驚きです。是非、その知恵を教えていただきたいと思うのは私だけではないはずです。

 

 

家に対する3つの考え方

日本の住まいというと、常にもう一部屋あったらという不満と共に存在しているような気がしてなりません。そして、とにかく物を捨てて、片付けなくてはという焦りもあります。
少なくとも、私はそうなのです。面目ないですが…。

 

けれども、著者はイギリスで家を持ったことで、次の3つが大事だと気づいたといいます。

 

①家はレイアウトが良ければコンパクトでいい
②家はロケーションが良ければ古くてもいい
③家は広さより眺望

 

この3つを日本で活かすことができれば、快適さを取り戻すことがができるのでしょうか?

 

理想の住まいは自分の手で作ることができる?

上の3項目を胸に、改めて、今暮らしている神戸の家を眺めてみました。すると、私は不満を持ってばかりいて、せっかくの家を台無しにしていたのではないかという反省でしょんぼりしてしまいました。

 

私が住んでいるマンションは、レイアウトは細切れの部屋が多いものの、住み心地は悪くはありません。裏には山が迫っていて、窓からは清涼な空気が流れこんできます。けれども、コンビニに歩いていくこともできます。山の中腹に建っていますから、眺望は抜群です。

 

それなのに私は満足していませんでした。積みあげられた本やDVDと共に生活しているからです。窓を開けるときも、詰まれた書類や本が邪魔で仕方がありません。けれども、これは家には何の罪もないのです。

 

もしかしたら、私は自分の手で、自分の部屋を台無しにしていただけなのかもしれません。もちろん、ここはイギリスではありませんから、イギリスではこうだからの考えに100パーセント従うことはできません。けれども、住宅事情のよくないロンドンでも快適な暮らしができるのですから、私にだってできると考えるだけで、私の家への見方が変わってきたのは確かです。

 

 

リフォームで手に入れるイングリッシュドリーム

著者は若い頃から、リフォームによって住まいを快適に変身ささせてきました。リフォームについても、独特の意見を持っています。

 

たとえば、アメリカンドリームならぬ、イングリッシュドリームは、リフォームによって手に入るというのです。新しい家を買うアメリカに比べ、イギリスでは、古くぼろぼろになった家をリフォームすることによって、あり得ないような高値の家に変身させる人もいるといいます。

 

リフォームによるイングリッシュドリーム――。私がこれまで考えたこともなかった夢の叶え方だといえましょう。日本でも最近、田舎の空き家が問題になっていますから、耐震の問題などをクリアすれば、古い家で快適な暮らしを送ることが可能となるかもしれません。

 

 

イギリス人のイギリス人によるイギリスの暮らし

『イギリス流 小さな家の贅沢な工夫』には、家づくりに関するヒントが満載されています。もう本当に、ぎゅうぎゅうに書いてあります。著者の情熱がほとばしっているようです。

 

加えて、実際に家を辛抱強くリフォームしたイギリス人の具体例が豊富な写真で示されています。ああ、こんな方法もあるのね? 素敵な家具が一つあれば、満足できるわけ? 本には遮音効果があるなんて! と、次々と新しい知識を得ることもできます。

 

自分なりの工夫をこらした家でくつろぐこと。これがこの世の幸せなのかもしれません。もっと自分の家を大切にしなくてはと、心底思うようになった私です。

 

【著書紹介】

2000005618032

 

イギリス流 小さな家の贅沢な工夫

著者:井形慶子
出版社:KADOKAWA/中経出版

ヨーロッパで一番小さな家に住む英国人(平均床面積70平米台)に学ぶ家がもっと心地良くなるインテリア&リフォーム。少ないお金で心地良い家を手に入れるには? 年収300万円でも持てる味わいある家。土日で完成! 小さな空間の整え方。都心部に住むなら断然庭付き1Fマンションがお得?! 家がもっと心地良くなるインテリア&リフォーム。

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