大型ウッドデッキ&ガーデン家具再生プロジェクトに密着! 和信ペイント×ハンディ・クラウン直伝 塗装テクニック9

経年変化で色あせたウッドデッキが、和信ペイントの塗料「クレオパワー」で、きれいに生まれ変わった!

塗料メーカーの和信ペイントと塗装用具メーカーのハンディ・クラウンがタッグを組んで、「道の駅・アグリパークゆめすぎと」(埼玉県杉戸町)に設置された大型ウッドデッキやガーデン家具を生まれ変わらせると聞いて、DIY誌「dopa」編集部が密着取材を敢行。その道のプロが行なっている、塗装の基本から知られざるテクニックまでをご紹介する。

使った塗料はこちら

屋外木部をしっかりガード!「クレオパワー」

ウッドデッキと枕木アプローチに使用した、防腐・防虫・防カビ・防蟻・防藻性能に優れた和信ペイントの木材保護塗料。厳選した薬剤・樹脂・顔料の組み合わせによって、木材を保護することができる。水性タイプなので臭いが少なく安全で、乾燥も早い(20℃で約2時間)のが特徴。カラーはライトオーク、ライトウォルナット、ウォルナット、ブラウン、けやき、クリヤーの6色(3.2㎏は3色のみ)。今回はブラウンを使った。サイズと価格は、0.7㎏ 1480円、1.6㎏ 2580円、3.2㎏ 4480円、14㎏ 10780円(いずれも税込)

 

半造膜タイプの木材保護塗料「ガードラックアクア」

フェンスやガーデン家具に使用した。防虫・防腐・防カビ・撥水効果に優れた、鮮やかな色に仕上がる塗料

 

総勢14名のチームワークに感動!

塗装は総勢14名が2日間にわたって行った。使った塗料「クレオパワー」は、防腐・防虫・防カビ・防蟻・防藻性能も高く、湿気や紫外線などによる劣化の激しい屋外木部に適した塗料。水性塗料で臭いも少なく、安全な塗料として定評がある。下地処理から1度塗り、2度塗りと進むごとに、きれいに生まれ変わっていくデッキと、そのチームワークに感動すら覚えた。プロの技で生まれ変わったデッキは、道の駅に訪れる人たちの憩いの場になること間違いなしだ。

それにしても、和信ペイントとハンディ・クラウンという塗装のプロフェッショナルから教わる知識やテクニックは、目からウロコの連続だった。優れた塗料の性能をしっかりと活かすためにも、読者の皆さんにはご紹介した塗装テクニックをぜひマスターしてほしい。

 

塗料選びのポイント

造膜タイプ塗料の経年変化に注意!

かつて造膜タイプの塗料を塗っていた箇所は一部、スポンジ状に腐ってしまっていた

ペンキのような造膜タイプの塗料を塗ったにも関わらず木部が腐ってしまった、という読者も多いかもしれない。その理由は、塗膜が劣化してできたひびやはがれ、ビスの頭などから水が浸透し、逆に塗膜があるためにその水分が木部から抜けずに腐ってしまうためだ。造膜タイプの塗料にはそのようなケースがあることも留意して塗料をチョイスしたい。

 

テクニック1
下地処理は念入りに

仕上がりを左右するのが下地作り。見た目はもちろん、塗料の持つ性能を発揮させ、木部を長持ちさせることができるのでしっかりと。

下地処理で使ったハンディ・クラウンの道具。ワイヤーブラシやハンドパットのほか、サンダーなどの工具も場所に応じて使い分けた
下地に塗ってある塗料はスクレーパーなどでこそぎ落とす
ブラシやスクレーパーで削り落としたらウエスで粉を拭くこと
デッキや階段には高圧洗浄機を使った

テクニック2
養生が完成度を決める!

美しい仕上がりにするには養生は必須。ほかのアイテムへの塗料の飛散も防ごう。

養生で使った道具。はさみはマスカー用
ハンディ・クラウンのマスカー用のはさみは、スパッとビニールも切ることができ、かつ左手でもカットできる優れもの
すき間もマスキングテープでしっかりと養生

 

テクニック3
ハケの準備は怠らずに!

案外忘れがちなのはハケの準備。塗料をつける前に後れ毛をしっかりと取ろう。

指でハケをはじくように。後れ毛がしっかりと取れる
サンドペーパーで毛先をなでつけるのもおすすめ。番手は240番程度
今回使用したハンディ・クラウンの塗装道具一式。塗装箇所に応じて使い分けた

 

テクニック4
塗料はよく混ぜる!

塗料の色の成分である顔料は比重が水より重いため沈殿している。そのため、最初によく振って撹拌することが必須だ。

顔料がしっかりと混ざるように、上下左右に大きく振る
注ぎ口のない丸型の塗料缶は、ガムテープや養生テープなどを使って写真のように注ぎ口を作るのがおすすめ。これだとフタの縁に塗料が残らず、フタが塗料で固まることも防ぐことができる
写真のように三角の頂点部分から注ぐ

 

テクニック5
ハケの持ち方は鉛筆握りで!

塗りをストレスなく効率よく行うコツは、ハケを鉛筆を握るようにすること。塗る方向に合わせてハケ先を回転させるのがポイント。

ハケの正しい持ち方。鉛筆を握るように人差し指と中指に挟むように
上から下へ塗る時のハケの向き
上から塗ったハケを指先でクルリと回転させて下から上へと塗っていく
横へ塗る時は写真のような持ち手に。人差し指と中指の間で、塗る方向に合わせて向きを変える

 

テクニック6
最初は塗りづらいところから!

塗りはじめは、角や下側、すき間など塗りづらいところから塗るのが基本。仕上がりに差が出る塗りの基本だ。

塗料をつけるのはハケの長さの7,8割程度。余分な塗料は落としてから塗りはじめる
塗りづらいフェンスの手すりの下側から塗りはじめた
鋭角になった角も最初のうちに塗っておく
ガーデンチェアもひっくり返して裏側から塗る

テクニック7
ハケの特性を活かして効率アップ!

広い面、狭い面など、塗る箇所に応じてハケを使いこなして、スムーズにかつ効率的に塗っていこう。

デッキなど広い面はコテバケを使った。柄をつけることで腰の負担をなくし作業性もアップする
コテバケは後ろにゆっくりと引きながら塗っていくと、均一にきれいに塗ることができる
すき間や下側の塗装には、柄を自由に曲げることができるベンダーが便利
ハンディ・クラウンの防虫防腐用のハケ。固く弾力のある豚毛と化繊の混交で塗料の乗りもいい
枕木の塗装は、防虫防腐剤用の毛先の固いハケを。凸凹にしっかりと塗ることができる

テクニック8
2度塗りが基本!

塗料の性能をしっかりと引き出し、長持ちさせるには2度塗りが基本。ムラなくきれいな仕上がりに。

ウッドデッキの下地処理をしたところ
塗料(クレオパワー)を1度塗りしたところ
塗料(クレオパワー)を2度塗りしたところ。ムラなくきれいに仕上がった!

 

ガーデンテーブルを下地処理したところ
ガーデンテーブルを塗料(ガードラックアクア)で1度塗りしたところ。ガードラックアクアは、1度塗りで十分、発色よくきれいに仕上がる塗料のため、1度塗りで完了

 

テクニック9
後始末もスマートに!

余った塗料は正しい処理を。また、ハケをきれいにして繰り返し使えるようにしよう。

余った塗料は新聞紙でふき取り処分する。塗料缶に戻すのはゴミなど不純物が混ざってしまうため避ける
水性塗料を使ったハケは、まずは水でよく洗う
よく洗ったハケを水につけておくと、翌日には、写真のようにハケの根本などに残った塗料が流れてきれいになっている
ハケを乾かすには、クセがつかないように毛先を上にすること

再塗装プロジェクト、大成功!

総勢14名による塗装が完了!ビフォーアフターの写真をとくとご覧あれ!

ウッドデッキ&階段(塗料は「クレオパワー」使用)

Berore
After

階段&アプローチ(塗料は「クレオパワー」使用)

Before
After

フェンス(塗料は「ガードラックアクア」使用)

Before
After

ガーデンテーブル&チェア(塗料は「ガードラックアクア」使用)

Before
After

 

プロジェクトに参加した和信ペイントとハンディ・クラウンのメンバー。2度塗りしてきれいによみがえったデッキで「大成功!」

「クレオパワー」の〝パワー″を実際に見てみよう!

今回、プロジェクトの現場となった「道の駅・アグリパークゆめすぎと」(埼玉県杉戸町)には、デッキのほかにも和信ペイントの「クレオパワー」で生まれ変わったアイテムが盛りだくさん。「アグリパークゆめすぎと」で、『クレオパワー』の実力に、実際に触れてみてはいかがだろうか。

 

和信ペイントの様々な塗料を試すことができるイベントがあります!

2024年8月29日(木)~31日(土)(29日は一般方は入場できません)

幕張メッセで行われる「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2024」。

このイベントでは、和信ペイントのブースで、様々な塗料を試したり、手作り体験ができます。

カフェトレイやウッドキーフォルダー、ヨーヨーやコマ作りなど、手作りを楽しむことができるワークショップやプレゼント企画も盛りだくさん。詳しくは以下のサイトでご確認を!

https://www.washin-paint.co.jp/

●和信ペイント株式会社ブース:6 ホール 6B17

●ショーに関しての詳しい内容、来場者事前登録などは「第 60 回 JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2024」公式ホームページをご覧ください。https://diy-show.com/

家族みんなが笑顔になる!菜園つき広々ウッドデッキ/最高の居場所があるガーデンファイル(11)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

10回目となる今回はプロが作る最高の居場所を紹介!

 

<記事内ギャラリー>

 

File11 家族が集まるウッドデッキは菜園付き

デッキの全景。写真左の路地が車が入れないほど狭いため、「駐車場が作れないなら菜園デッキに!」というのが施工のきっかけだとか

 

デッキでくつろぐOさん一家と友人たち。「育てて、収穫して、食べる」という自然のサイクルがデッキの居心地をワンランク引き上げる

 

<DATA>
主要デッキ材…国産杉+木材防護保持剤仕上げ
デッキ面積…約60㎡
主な設備…菜園、芝+ブランコ、パーゴラ、ガーデンキッチン

 

某県で蜜ロウワックスや木材を販売するOさんは、自宅のデッキを「育てる、収穫する、食べるアウトリビング」をコンセプトに友人に設計を依頼。地元大工さんに施工をオーダーし、菜園あり、レンガかまどありの、家族や仲間が集まる憩いのデッキ空間を手に入れた。

施工だが、はじめに菜園と芝部分、かまどのレンガを積んで、それぞれの位置を決定。その後、デッキの束柱を立てて作業は進行。デッキの材料には自ら販売するオリジナルデッキ材を使用した。娘のために自宅ベランダデッキとフェンスをつなぐパーゴラにはブランコを設置。デッキの一部に穴をあけさまざまな植栽を設置しているところは、自然を愛するOさんならでは。フェンスはR状に丸めて設置し、柔らかなイメージを演出しているのも落ち着く空間作りに一役買っている。

休日には家族や友人とともにデッキでバーベキューや流しそうめんを楽しむというOさん一家。〝デッキ×菜園〟という素敵な組み合わせは、今日もみんなを笑顔にしている。

 

夜間のデッキはライトアップされ、昼とはまた違った表情を見せる。夕食時に室内から眺めるのも楽しみのひとつ。 また、ベランダとフェンスをまたぐパーゴラにはブランコを設置。子どもたちが喜ぶアイデアを組み込むのも忘れない

 

白菜、長ネギ、大根…デッキの小さな菜園でもこんなに立派な野菜が収穫できます

 

ほっかほかの焼き芋など、レンガを積み上げて作ったかまどで季節の野菜を楽しむ

取材協力◎小川耕太郎∞百合子社/写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

開閉式の壁と落葉樹で快適空間を演出したウッドデッキをご覧あれ!/最高の居場所があるガーデンファイル(10)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

10回目となる今回はプロが作る最高の居場所を紹介!

 

<記事内ギャラリー>

 

File10 ウッドデッキを生かすのは、開閉式の壁と落葉樹!

3面は母屋に囲まれ、残す1面は引き戸を閉めて、四方を囲ったプライベート感たっぷりのデッキ。落葉樹のヒメシャラが葉を落とす冬、空からデッキ全体に光が届く

 

2階からデッキを眺める。鴨居の上端にはガルバリウムを張っている

 

<DATA>
主要デッキ材…防腐処理済みSPF
デッキ面積…約16㎡
主な設備…開閉式の壁(引き戸)、落葉樹

 

これぞ、住宅地で本当に活躍するウッドデッキの形だ。3面を母屋に囲まれた庭にデッキを作り、唯一、周囲に向かって開け放たれた面には、引き戸を装備。人目が気になる時間帯には引き戸を閉じ、気にならないときは開ける。いわば開閉式の壁を設けることで、住宅地でも常に落ち着いて過ごせるガーデンリビングとなる。

確かにここで紹介する例は、3面を母屋に囲まれた庭だから可能なデザインだが、そうでなくても、デッキの隅に新たに柱を立て、その柱までの間に引き戸を設けるなどすれば、近い状態に仕上げられそうだ。

四方を囲ったプライベート感重視のデッキでは、空とのつながりが、より強く意識される。そして、空との関係性を絶妙に調節してくれるのが、落葉樹だ。夏には葉を茂らせ、厳しい陽射しをさえぎる天然のパラソルとなり、冬には葉を落とし、暖かな陽射しをデッキに通す。

「デッキだけじゃなくて、家の中も夏は涼しくなるし、冬は暖かくなるんです」

と、十数年にわたり落葉樹の恩恵を受けてきた住人も、太鼓判を押した。

 

引き戸を全開にした状態。人目が気にならないときは、こうしておくと開放感が高まる

 

外から見た引き戸全開状態

 

外から見た引き戸全閉状態。1枚の幅約1.4×高さ約2.2mの戸が3枚連なる

 

ヒメシャラが伸びる部分はデッキを切り欠いている。木の生長に合わせて、切り欠きを広げてきたそう

 

壁から壁へと渡された鴨居。内部には、3枚の戸の吊り戸車が転がるため、3本のレールが通る

 

敷居のレール。この中を、戸の底につけた戸車が転がる

 

全開状態のとき、戸はこのように収まる

 

夏のデッキ。茂る葉が影を作る

 

取材協力◎グリーンギャラリーガーデンズ/写真◎福島章公

*掲載データは2013年2月時のものです。

遊具にもベッドにもなるウッドデッキを作りました!/最高の居場所があるガーデンファイル(7)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File07 物干し場から遊具やベッド…使い方無限大のデッキ

デッキと向かい合う場所にレンガのバーベキュー炉が作られている

 

<DATA>
製作者…Hさん(50歳)・公務員
DIY歴…11年
製作費用…50万円
製作期間…2年6カ月

 

掘りごたつ風に使えるスペース

 

使わないときはテーブルを畳んでおく

 

建築時に、業者に作ってもらったウッドデッキが、高い割に〝自分でできそう〟と感じさせるものだった。そのとき、HさんのやってみたいDIYリストにウッドデッキが加わった。

数年を経て、奥さんから洗濯物干し場の日当たりがイマイチと相談を受ける。土地を買い増したし、物干し付きのデッキを作るぞ!と一念発起。物干しだけでなく、家族や仲間とバーベキューなどで使えるようなデッキを目指し、パソコンに向かってデザイン&設計を練った。

完成後に手がかからない作品に仕上げるべく木材はサイプレス、金具類はステンレスを選択。さらに、丈夫に仕上げるをモットーにDIYし、大引きはコンクリート基礎に2cm厚のプラスチック板を載せ固定。木材が地面に接しないよう風通しをよくし、湿気対策を図っている。また、柱と梁の組み立て、根太と床板の接合にのみビスやボルトを使い、その他はホゾ組みで組み立てた。再塗装や縦格子の交換などが簡単にできるようにフェンスもホゾで組み立てている。

昼は物干し台、夕方は子供たちのジャングルジムになることもあるデッキ。休日はバーベキュー会場になったり、Hさんの昼寝用スペースになったりと、庭に欠かせないものになっている。

 

フェンスは縦格子パネルの補修ができるように取り外せるようになっている

 

骨組みができあがった状態。組み立て前にオイルステインで2度塗りした

 

子どもたちにとって、段差のあるデッキはジャングルジムのような存在

写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(5)屋根張り~壁つけ編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

*step3~4・基礎と束柱の設置編はコチラ!

*step5~6・床板~桁の設置編はコチラ!

*step7~8・垂木と桁の続き~桟と幕板の設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step9 屋根を張る

骨組みの上に屋根を張っていく。屋根材はいろいろあるが、ここでは中空ポリカを使用する。

アクリル板や標準タイプのポリカーボネート板など、平板状の屋根材なら、同様の手順で施工すればいい。

なお、波板状の屋根材を使用する場合は、骨組みに横桟を追加する必要がある(後述参照)。

 

屋根上の作業は合板に乗って行なう
合板などを敷き、その上に乗って作業すれば中空ポリカを傷めない

 

下列と上列が重なる部分をコーキングする
下列の中空ポリカに、桟に沿ってコーキングを施してから、上列を重ねる。下列と上列の重ね幅は200mmほどが目安

 

中空ポリカの継ぎ目をコーキングして上にアルミ板を張る

 

さらに防水に念を入れたい場合は、雨押さえを使う手もアリ

雨漏り対策を万全にしておきたいという場合には、雨押さえを追加してみては。雨押さえは、本来、戸袋や土台の上に雨が回り込むのを防ぐ資材だが、今回のケースでは家の壁と屋根材の接点のカバーとして、効果を発揮する。

 

やっぱり定番は捨てがたい!?
波板を屋根材に選ぶなら…

自作屋根や簡易的な屋根で使われる屋根材といえば、もっともポピュラーなのが波板。なんといっても安価なのが魅力だ。材質は塩ビ、ポリカーボネート、トタン、ガルバリウムなど、いろいろ選べる。

前述で触れたように、波板を屋根材に選ぶなら、骨組みに横桟を追加する必要がある。波板がたわむのを抑えるため、横方向にこまめにクギを打たなければならないからだ。

また、波板の場合は、形状的に、平板よりも壁との接点をコーキングするのが難しい。接点の上に2×4材などをかぶせ、その材と壁との接点をコーキングするなどして雨漏り対策をしよう。前述で紹介した雨押さえをつけるのも有効だ。

Step1 垂木の上に横桟を接合する

Step2 波板を張る

 

波板ミニカタログ

ひとくちに波板といってもいろんな種類があり、見た目も性能もさまざまだ。

 

Step10 壁をつける

最後に、あらかじめ立てておいた壁用の支柱と屋根の支柱に1×4材などを張り、簡易な壁とすれば、適度なプライベート感を得られるし、空間を演出するための素材としても使える。

さらに、壁をつけることで構造物全体の強度が上がるというのも重要な点だ。

高い位置まですき間なく板材を張っていけば、まさに壁のようになるし、低めにしたり、板と板の間にすき間を空けたりすれば、壁というよりもフェンスと呼ぶほうがふさわしくなる。そのあたりは、周囲の環境も踏まえてプライベート感と開放感のバランスを考慮したり、デザイン的な好みを反映させたりして決めるといいだろう。

壁をつけ終わったら、いよいよ完成。これからこの空間をどのようにアレンジするかは、オーナーのセンス次第だ。

壁アレンジ術ウォッチング

「さて、完成した半野外空間をどのようにアレンジしようか。とりあえずテーブルとチェアを持ち出して、照明を吊るして…」と、アイデアはいろいろ広がるに違いないが、そこで忘れちゃいけないのが壁。ぜひ壁を上手に活用して、居心地バツグンの空間を作ろう。というわけで、壁のアレンジ例を少しだけご紹介。

 

  • とにかく飾る
植物もオブジェも照明もプレートも、とにかくお気に入りのアイテムを飾りまくって、眺めているだけでうれしくなるような壁にする。板のすき間を少しあけ、そこにフックを引っ掛けているのがポイント

 

  • 棚をつける
柱を切り欠いて板を収め、棚を作る。プランターや小物を並べたり、ミニテーブル代わりに使ったり。もちろん切り欠きが難しければ、棚受けを使ってもいいし、ビスを斜め打ちして固定してもいい。同様の方法で、ベンチを作ることもできるだろう

 

  • キッチンをつける
壁を背板代わりにして、側板、前板、天板をつければ、作りつけの箱ができあがる。これだけでも収納や作業台として使えるが、さらに給排水の配管をして、天板に蛇口とシンクをつければ、キッチンの完成だ。ここまでやれば、もう無敵!?

 

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(4)垂木と桁の続き~桟と幕板の設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

*step3~4・基礎と束柱の設置編はコチラ!

*step5~6・床板~桁の設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step7 垂木と桁をつける

桁に垂木を接合する。もちろんビスの斜め打ちなどで接合する方法もあるが、ここではできるだけ簡単に強固な接合を行なうため、シンプソン金具を使った接合を紹介する。

シンプソン金具は2×材用の接合金具。さまざまな接合箇所に対応するよう、いろんな形状のものがラインナップされている。ウェブサイトの他、一部ホームセンターなどで入手可能だ。

垂木の長さは、柱側の桁より適度に張り出すように設定しよう。 垂木をつけてから、柱の内側の面に桁をつける。

<家側の桁と垂木の接合手順>

<柱側の桁と垂木の接合手順>

 

Step8 桟と幕板をつける

垂木の間に、屋根を張るための桟をつける。屋根材の継ぎ目になる位置に、垂木の間隔に合わせてカットした2×4材を接合していく。続いて、垂木の先端に幕板を接合する。これで屋根の骨組みの完成だ。

<桟の接合方法>

 

ちょっとハイレベル!切り欠きを使って屋根の骨組みを作る

各接合箇所に切り欠きを使えば、金具なしでも頑丈な骨組みが作れる。すっきりとして見栄えもいい。ただし、やはりそれなりに手間がかかるし、きれいに仕上げるにはある程度ウデも必要だ。匠の骨組みを目指して、挑戦してみよう。

Step1 垂木を接合する位置に合わせて家側の桁を切り欠く
Step2 垂木を接合する位置に合わせて柱側の桁を切り欠く
Step3 桟を接合する位置に合わせて垂木を切り欠く
Step4 各部材を組み、接合部をビスで留める

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(3)床板~桁の設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

*step3~4・基礎と束柱の設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step5 床板を張る

根太に床板を張る。

屋根のないデッキの場合は、デッキ上に雨がたまるのを防ぐため、わずかに間隔を空けながら張っていくが、今回は屋根つきという前提なので、間隔を空けなくても問題ない。もし間隔を空ける場合は、3~5mm程度がいい。それより広いと、ものを落としたり、子どもが指をひっかけたりするおそれがある。

柱と干渉する部分は、ジグソーやノコギリ、ノミなどを使って切り欠いて収めよう。

柱と干渉する部分の切り欠き方

 

床板は根太に沿ってビスで留める

端から1枚ずつ張っていく場合は、根太の位置を確認しながらビスを打てる。一方、あらかじめ全体的に床板を並べてしまい、チョークラインで根太の位置を墨つけして、一気に張っていくという方法もある。

先端の針を材の端にさし、糸を張った状態で持ち上げてはじくと、材に直線を墨つけできる

 

材が反っている場合はバールで矯正する

長さのあるSPF材は反りが激しいものも少なくない。その場合はバールを使い、テコの原理で反りを矯正しながら張っていく。

バールを使って板を寄せる

 

まず平らなデッキを作って後から柱を立ててもOK!
~または既存のデッキに屋根&壁をつける方法~

今回のモデルケースでは屋根や壁を支える柱を基礎石の上に直接立てているが、ひとまず平らなデッキを作って、その床の上に柱を立てる方法もある。柱と床面を金具で接合する方法だ。

この方法なら、柱の長さを計算する必要も、床板を切り欠く必要もなくなる。

また、既存のデッキに屋根や壁をつけることも可能になる。

というわけで、編集部がホームセンターなどで見つけた、柱の接合に使える金具を紹介。

 

パーゴラ支柱用金具。まず金具をビスで床面に固定し、金具に柱を固定する。90mm角用と75mm角用がある

 

フェンス後付け用金具。90mm角用。コーナー用とセンター用がある

 

バフクローム巾広金折れ。鉄製の補強金物。写真のように4個使い、柱を立てられる

 

Step6 桁をつける

柱と家の壁に桁をつける。桁の長さは、両端の柱より少し外に出るように設計するといいだろう。

まず、柱の外側の面に、柱と上端をそろえて桁を1本つける。

続いて、家の壁に桁をつける。屋根に雨流れの勾配をつけるため、柱につけた桁より高い位置につける必要がある。勾配は2%(1mにつき2cm上がる)~3%(同3cm上がる)以上あったほうがいいが、正確に測る必要はない。ちなみに、勾配が大きいほうが雨流れはよくなり、勾配が小さいほうが屋根張りの作業がしやすい。見た目の好みも判断材料にして、適当な高さにつけるといい。

ただし、垂木は、家側では桁と同じ高さに設置し、柱側では桁の上に載せるため、両方の桁の高さの差が、そのまま屋根の高低差にはならないことに注意しよう。

このあと柱の内側の面にも桁を1本つけるが、これは垂木を載せてから現物合わせで行なう。

防水のためにコーキングする

家の壁にビスを打つ場合は、そのためにあいた穴のわずかなすき間から水が浸入し、家の構造材を腐らせるおそれもあるので、コーキングしておきたい。ビスを打つ前に下穴をあけ、そこにコーキング(シーリング)剤を注入してからビスを打つと、ビスにコーキング剤がからんで密閉される。続いて、桁と壁の接点をコーキングしておけば万全だろう。

 

コーキング剤はカートリッジで販売されているので、コーキングガンという専用注入器にセットして使う。ガンの引き金を引くとコーキング剤が出る

 

 

壁の裏の柱を見つける方法

家の壁に桁をつけるには、柱がどこに立っているのかを知る必要がある。方法はいくつかあるが、どの方法が有効かは住宅の構造などによっても異なる。複数の方法を組み合わせて調べるのもいいだろう。柱の位置が1カ所わかれば、そこから455mmの間隔で隣の柱が立っていることが多いので、それを目安に見当をつけるといい。もし間違って柱のない場所に穴をあけてしまったときは、きちんとコーキングしてふさいでおこう。

 

方法1 下地センサーなどを使う

柱までの距離が短いはずなので、掃き出し窓近くの内壁側で柱の位置を知り、それを外壁に反映させればいいだろう。壁面に針を突き刺して柱を探す器具もあり、こちらはセンサーよりも安価だ。

下地センサー。壁面で徐々に横にずらしていくと、柱がある位置で点灯する
下地探し。柱がない場所では、針が突き刺さり、先端パーツが最後まで縮む。針が柱に当たると、そこで先端パーツの縮みが止まる。先端パーツの目盛りによって、壁から柱までの距離がわかる

 

方法2 掃き出し窓を手がかりにする

掃き出し窓の両わきには、大抵、柱が立っているはずなので、それを頼りに柱の位置を特定する。同様の方法として、室内のコンセントを手がかりにする方法もある。コンセントも左右のどちらかが柱に固定されていることが多い。

ここでは掃き出し窓のわきに柱があることを示すために下地センサーを使用しているが、掃き出し窓を手がかりに柱の位置の見当をつけるなら、特別な器具は必要ない

 

方法3 外壁のビス頭やクギ頭の位置を手がかりにする

サイディングなどを留めているビスやクギの頭が見えているところに、柱があることも多い。ただし、柱ではなく、サイディング用の下地材にビスやクギを打っていることもあるので、絶対ではない。

外壁材を留めているクギの頭が見える。この奥に柱がある可能性は高い

 

家の外壁に穴をあけたくない場合は……柱の上に桁を載せる

屋根つきデッキは欲しいけど、家の壁に穴をあけたりビスを打ったりするのには抵抗がある…。そんな場合は、家の壁側にも柱を立てて、その上に桁を載せるといい。

桁には柱と同じ4×4材を使い、接合金具やビスなどを使って柱に接合。柱と桁の間には、やはり4×4材を使って方杖と呼ばれる斜めの補強材を入れる。

続いて、桁の上に垂木を載せて屋根材を張り、屋根材と壁の接点をコーキングする。

桁を家の壁に直接留める方法に比べて、家の壁と屋根を密着させづらくなるため雨が漏る可能性は増すが、半野外である以上、いずれにせよ強雨の際の吹き込みなどは避けられない。多少の雨漏りは許容するのも現実的な選択といえるだろう。

むしろ、それ以上に見落としてはならないのが、桁を家の壁に留める方法に比べて、構造物全体の強度が落ちるということだ。この方法で製作するなら、ぜひとも頑丈な壁やフェンスをつけるなどして、柱の強度を高めたい。

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(2)基礎と束柱の設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step3 四隅に基礎石と柱・束柱を設置する

根太の四隅の下に穴を掘り、砕石を入れて突き固め、羽子板つき基礎石を設置して、柱・束柱を立てる。

穴は広めに掘っておくと、柱・束柱が垂直になるよう調整する際に、基礎石を動かしやすい。砕石を突き固めるには、タンパーを使うと作業しやすい。

家から遠いほうの2本の柱の長さは、屋根の高さを基に決める。この2本の柱と上端がそろうように桁をつけ、その上に垂木を載せ、その上に屋根を張るから、思い描く屋根の高さから垂木の厚さを差し引けば、床面から上の柱の高さとなる。それに基礎石から床面までの高さを加えれば、必要な柱の長さをはじき出せる。

家側の柱のうち一方は、壁を張る際の支柱にするため、思い描く壁の高さに、基礎石から床面までの高さを加えれば、必要な長さがわかる。

家側のもう一方の束柱は、上に床板を張るので、根太の上端より10mm程度低くなるよう長さを決める。

 

 

羽子板つき基礎石と柱・束柱の設置手順

タンパーは自作も可能

地面や砕石を突き固めるために使う道具、タンパー。もちろん市販品は効果抜群だが、枕木など重量のあるものに持ち手として垂木などをつけた自作品でも代用できる。

自作のタンパー

 

市販のタンパー

 

柱の長さ=床面から上の高さ(自分で設定)+基礎石から床面の高さ(実測)

床面から上の高さは、自分が設定した屋根の高さや壁の高さから計算できる。基礎石から床面の高さは、実際に基礎石から根太の上端までの高さを測り、さらに床板の厚さを加えたもの。これらを合わせれば、必要な柱の長さとなる。

たとえば、屋根の高さが2200mm、屋根の下の垂木の厚さが89mm、床板の厚さが38mm、基礎石から根太上端までの高さが175㎜とすると、(2200ー89)+38+175=2324で、柱の長さは2324mmとなる。

基礎石から根太上端までの高さは、1カ所ごとに測る

 

Step4 すべての基礎石と柱・束柱を設置する

四隅以外の位置に基礎石(コンクリート平板)と柱・束柱を設置する。

束柱の間隔は600~1200mmが目安なので、それに合わせてまんべんなく配置する。

束柱の長さは、1カ所ごとに基礎石から根太上端までの高さを測り、それより10mmほど短くする。

なお、桁をつける2本の柱と同一線上に、壁の支柱となる柱を1本立てておく。

基礎石(コンクリート平板)と束柱の設置手順

 

ゆっくりコツコツ派はこちら!
根太を1本ずつ設置して土台を完成させる方法

ここまで紹介してきた土台作りの方法は、まず根太を組んで、一気に全体の水平を出すという、いわば力技。早さは抜群だが、デッキの面積が巨大な場合や人員が少ない場合には、やりづらいかもしれない。

そこで、土台作りの方法をもうひとつ紹介しておこう。根太を1本ずつ設置していくので、少人数でコツコツ作業するには適した方法といえる。最初に施工する家側の列だけ先に基礎石と束柱を設置するが、あとはやはり根太を基準にして基礎石と柱・束柱を設置していく。

なお、この方法では、最初に設置する列のみ、すべて羽子板つき基礎石を使用したほうが作業しやすいだろう。

 

Step1 家側の列に基礎石と束柱を設置後、根太を水平に仮留めして墨つけする

Step2 根太と束柱をいったんはずし、墨線に合わせて接合する

Step3 再び束柱を基礎石に固定、長い柱と基礎石を設置する

Step4 2本目の根太を水平に仮留めする

Step5 2本目の根太に柱・束柱と基礎石を設置する

Step6 同様にして残りの根太を組み、柱・束柱と基礎石を設置する

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(1)根太の仮設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step1 根太(床の下地)を組む

まず、床=デッキを作る。

デッキを作るというと、地面の整地から始めて基礎→束柱→根太というように、下から上へと作業を進めなければならないと考えるかもしれない。しかし、もともと水平ではない地面の上に水平なデッキを作るには、この手順では非常に手間がかかる。

それより、先に根太を組んで、設計した高さに水平に仮置きし、それに合わせて束柱と基礎を設置したほうが、作業が早い。

そのため、最初に行なう作業は根太を組むことだ。

デッキの面積にもよるが、組み上がった根太を運ぶため、人員が4人いると申し分ない。

 

 

コーススレッドの基礎知識

コーススレッドはビスの一種で、ネジ山のピッチが比較的大きく、締め込みやすいのが特長。今回のモデルケースにおける接合作業は、特記のない限り、コーススレッドを、ドライバービットを装着したインパクトドライバーで締め込んで行なうのが作業性がよく、おすすめだ。

厚さが38mmの2×4材、2×6材を使ったデッキ作りでは、材の厚さの2倍に近い65mm、75mm程度のものを使うといい。壁材に厚さ19mmの1×4材を使うなら、38mm程度のものが適している。材質はメッキを施した鉄が一般的。予算に余裕があれば、ステンレス製が錆びにくくていい。

上から75mmステンレス、75mmユニクロメッキ、65mmユニクロメッキ、38mmユニクロメッキのコーススレッド

 

木材の基礎知識

木材は、インチ単位で規格化された2×材が使いやすい。1×4材は木口(断面)が約19×89mm、2×4材は38×89mm、2×6材は38×140mm、4×4材は89×89mm。モデルケースでは、根太、床板、桁に2×6材、垂木、桟、幕板に2×4材、柱、束柱に4×4材、壁に1×4材を使用している。

樹種については、SPFがもっとも安価で、大抵のホームセンターで販売されていて入手しやすい。やわらかく加工しやすいのも利点だ。ただし、耐久性は低いので、最初にしっかりと塗装するのはもちろん、定期的に再塗装してできるだけ長持ちさせたい。束柱や根太など地面に近い部分には、あらかじめ防腐処理が施されたものを使うのもいいだろう。

SPFより耐久性が高いウエスタンレッドシダーも、加工性がいいソフトウッドで、デッキ材として定番だ。

塗装不要なほどに耐久性が高いのが、サイプレス、ウリン、イペ、セランガンバツーなどのハードウッド。2×規格ではないが、デッキ材としてそれに近いサイズで販売されている。硬いため、加工しづらい面もあり、ビスを打つにはあらかじめ下穴をあける必要がある。

また、最近では上記以外の樹種や人工デッキ材なども目立つようになり、選択肢が広がっている。

 

SPFの2×材の木口。他に1×6材(木口サイズ約19×140mm)、2×8材(38×184mm)、2×10材(38×235mm)などさまざまなサイズがある

 

Step2 根太を仮置きする

組んだ根太を、設置場所に仮置きする。

基礎石やコンクリートブロックなどを下に置いて、根太を仕上がりの高さに持ち上げる。その際、根太の上に床板の厚さが加わることを計算に入れておくこと。

根太がほぼ思い通りの高さになったら、次は水平になるよう調整する。根太の上に水平器を置いてチェックしながら、端材で作ったクサビを根太の下にはさんで微調整していく。

なお、この作業の後、根太の四隅の下に穴を掘って基礎石を設置するので、ここでは四隅付近には基礎石やコンクリートブロックを置かずに空けておく。

根太の高さを決める際は床板の厚さが加わることを忘れずに

床面の高さは、掃き出し窓の水切りの下にちょうど収まるぐらいか、それよりやや低く設定するのが一般的。

 

塗装の基礎知識

SPF材を使う場合は、必ず塗装して耐久性を高めよう。

使用する塗料は、「木部」および「屋外用」と表記されているもの。その中で、水性か油性か、そしてステイン系かペンキ系かを選ぶことになる。それぞれ、どちらを選んでも問題ないので、好みを生かせばいい。

水性は溶剤が水で、油性は溶剤がシンナー、アルコールなどの油性のもの。扱いが手軽なのは水性だ。

ステイン系は木材に浸透し、内側から木を保護する。一方、ペンキ系は木材の表面に塗膜を作り、表面で木を保護する。そのため、見た目でも、ステイン系は木目を生かし、ペンキ系は木目を隠すという違いが出る。

塗装のタイミングは、完成後だと、ちょっとしたすき間や隅など塗りにくい部分ができる。その上、色を塗り分けるとなるとマスキングが必要になるなど手間が増える。組み立て作業に入る前に、材を作業台に並べて一気に塗ってしまうほうが効率がいいだろう。ただし2度塗りをする場合は、製作前と完成後に1回ずつ塗るのが一般的だ。

 

組み立て前に、作業台に材を並べて一気に塗装する。ハケで塗る他、ウエスで拭き込むようにして塗り広げるのも有効な方法

 

塗装した材を切断した場合は、あらためて木口を塗装する

 

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

ジャングルジムのように遊べる2段ウッドデッキを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(5)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File05 がんばって登った達成感を味わえる2段デッキ

1段目のデッキ下の空洞で、洞穴探検を楽しめる。80cm出っ張って作られたデッキテラスの支柱は、2本の2×4材を使用した

 

<DATA>
製作者…Oさん(65歳・自営業)
DIY歴…35年
作った期間…2週間
作った費用…約10万円

 

水道局の跡地に作られたさぎ沼なごみ保育園は、水道局の名残である高さ2mほどの塀を門柱に使っている。

週に1度、園で木工教室などを開く大前武さんは、その門柱を隠すデッキテラスをDIYしたいと考えた。

「製作にあたり、園長から〝できるだけ登りにくいデッキ〟を提案され、階段がないものにしました」(Oさん)

園庭に高さがある箱を置き、子供たちが登る様子を確認する。60cmからはじめて、最終的に登るのに手こずっていた90cmに決めた。そして、2×材を縦、横とも90cmのユニットにしてサイコロ状に組みあわせてデッキを製作する。

完成したデッキは2段デッキ。2段目に上がると高さ約2mの世界だ。子供たちは、がんばらないと見られない風景を楽しんでいる。

 

門柱の幅は約2m。門柱の上部は巨大なプランターになっている

 

デッキテラスにはプランタースペースが作られた。蔓科の植物が、植えられており、夏場は日陰が作られる。デッキの広さは幅5.4×奥行3.6m、デッキ材は防腐処理済み材

 

45度の角度切り

2段デッキは、どの面からも木口を出さないように製作された。そこで、2×材のユニット部分は、ユニット同士が接する面すべてに45度の角度切りがされている。この加工によって、どこから見ても同じ形になり、デザイン性も保たれた。また、「縦横の方向性がなく、子どもの引っかかりが少ないかも」と、Oさん。

きれいに角度切りされた接合面。1段目床下は、空洞になっている

*掲載データは2009年6月時のものです。

外メシが楽しめるガーデンキッチン付きウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(6)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case06 外での食事を気軽に楽しめる!ガーデンキッチンがあるウッドデッキ

タープをつけたデッキ。写真左は物置兼自転車置き場

 

施主のNさんと奥さん。家族だけでバーベキューを楽しむときは、写真のようにバーベキュー台&ガーデンシンク前の掘りごたつ式ベンチに集う

 

ここでは屋根つきウッドデッキではないが、個性的なアイデアが光るウッドデッキを紹介する。

Nさんの自宅は山を切り開いた住宅地。土地の性質で、赤土や粘土が多かった。そのため、雨が降ると庭がぐちゃぐちゃになってしまう。また、夏になれば、抜いたそばから雑草が生え、穴を掘ると石がゴロゴロ出てくるかなり酷い状態だった。そこで、家族みんなで楽しく過ごせる庭を作ろうと、NさんはウッドデッキDIYに着手する。

「予算もDIYの知識もない中で始めたので、まず庭全体のデザインを考えるのに苦労しました」とNさん。本誌を読み、ホームセンターに通い詰め、DIYの知識を少しずつ得ながら作業にあたり、6カ月かけてデッキを作り上げた。製作費は25万円ほど。

完成したデッキは、リビングの延長になるように、デッキとリビングの段差をできるだけなくし、スリッパのままで出られるようにした。広さ約17㎡のデッキ上にはあえて、テーブル&チェアを置かず、小学6年生と5年生のお子さんふたりが側転の練習をしたり、夏にビニールプールを出して遊べるようにしている。また、ガーデンキッチンをデッキ横に設け、気軽に外で食事を楽しめるような作りになっている。

「みんなで集まってバーベキューをしたり、天気のいい日に昼寝をしたりして過ごしています。蚊に刺されますけどね(笑)」(Nさん)

Nさん家のウッドデッキは、家族が集え、子供が活発に遊ぶことができ、さらに大人のくつろぎ空間にもなる。シチュエーションに合わせて、いろいろな表情を見せる外リビングだ。

 

コンクリートブロックで作ったガーデンキッチン

コンクリートブロックで作り、ベルアートという塗り壁材で化粧を施したバーベキュー台とガーデンシンクがついたガーデンキッチン。アクセントとして、レンガを使い、おしゃれに仕上げている。本体に鉄板を取りつけ、焼き網は鉄板上に置いている。ガーデンシンクは、デッキ側とテラス側で使えるようにした。

 

床が掘りごたつ式ベンチになる

ガーデンキッチン前の床の一部が取りはずし可能になっている。取りはずした床は座面にして掘りごたつ式ベンチとして使用する。家族でバーベキューをするときはチェアやテーブルを用意しなくてもこのベンチだけで十分!

 

デッキ材は樹脂製を活用

Nさんがデッキ材に使用したのは樹脂製の人工デッキ材で、サンワカンパニーの「デッキアルト」というもの。耐久性とメンテナンスを考えて利用を決めたそうだが、「なんと言っても木材より安かったんです(笑)」とNさん。

 

鋼製床束と手作り基礎石

デッキ土台の基礎石は合板で作った型枠にコンクリートを流して製作したもの。根太にはC型鋼を使っている。製作手順は、C型鋼に鋼製床束を固定し、並べてコンクリートで束を固定。コンクリートが硬化したところで、C型鋼のレベルを調整して、土台部分を完成させた。

 

取り出し簡単! プランターカバー

ウッドデッキのステップと一体化したプランターカバー。側板と上部板を蝶番でつないでいるため、上部板は開閉式。上部板をパカッと開けると、カバー内に入れたプランターをラクに取り出せる。

 

プライバシーを守る背が高い塀

塀本体は、端太角材を柱に使い、サイディングボードを張り、塗り壁材(ベルアート)を塗って仕上げた。塀上部は、隣家に圧迫感を与えないように、ポリカーボネートを使用している。塀は高さ202cmある(塀本体部の高さは137cm)。

 

デッキ上は土足厳禁!

リビングの一部ととらえているため、室内リビングからデッキへスリッパで何気なく出られるようにデッキ上は原則土足厳禁にしている。デッキを囲うタイル敷きペイビングスペースが土足スペースだ。

写真◎竹内美治

*記事内の小さな写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2011年2月時のものです。

野外囲炉裏つきの個性的なウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(5)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

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Case05 ウッドデッキの床板を開くと野外囲炉裏が登場する面白ギミック!

庭の中心に作られた異形のウッドデッキ。アオハダ、ソヨゴ、西洋シャクナゲ、モミジなど雑木との相性も抜群。自然をうまく取り入れる方法も庭づくりの参考にしたい

 

ウッドデッキは野外囲炉裏にチェンジ!

 

ここでは屋根つきウッドデッキではないが、個性的なアイデアが光るウッドデッキを紹介する。

静かな住宅街にあるS邸。門から一歩踏み出すと、モダンかつ和風テイストの独特な空間が広がっている。

Sさんは自宅を新築する際、庭の施工もプロにオーダーしようとネット上で検索。すると雰囲気のいい庭とウッドデッキを発見。ビビッときたSさんはすぐ施工を依頼。それが今回S邸の庭を施工した木村グリーンガーデナーとの出会いだった。

庭のデザイン・施工を担当した木村博明氏は「若い夫婦と小さな子供が楽しく遊べる庭をイメージして作りました」と語る。

なにより目を引くのは庭の中央に位置する異形のウッドデッキ。実はこれ囲炉裏が組み込まれたデッキなのだ。

「囲炉裏まわりの材料は枕木、囲炉裏のフタはウエスタンレッドシダー、外側は椎の木を使って作ったBBQのできるウッドデッキです。」(木村氏)

デッキ中央のフタを四方に開けば、中にはレンガ積みの火床が出現する。このギミックには子供だけでなく、大人も目を輝かせるだろう。

デッキの右側には、ちょっとした洗い物に便利なガーデンシンクも取りつけた。子供が足を洗えるようにとシンクの右側にも蛇口がついているという細やかな配慮がうれしい。

「人が集まってワイワイとパーティーするのに最適。わざわざキャンプに行かなくなりました。庭でアウトドアを楽しめますから」(施主のSさん)

 

枕木囲炉裏のフタは開閉式!オープン時は座椅子に早変わり

デッキの中心にあるフタを四方に開くと、中から現れるのはレンガを積み上げて作られた火床! フタになっているウエスタンレッドシダーは開けば座椅子になるというデッキアイデアに思わず唸る。通常は普通のウッドデッキとして使用し、家族や友人との集まりには、野外BBQパーティーができるという楽しくておいしいウッドデッキ。花びらが開いたようなデザインも面白い。

 

枕木のアプローチはデッキへの道しるべ

母屋と囲炉裏デッキの間には枕木のアプローチを設置。母屋からウッドデッキへ自然に足が進むようにデザインされている。御影石や枕木の流れを感じさせる配置は、いわばデッキへの道しるべ。

 

照明はプランターとビー玉を使ってオシャレに仕上げる

ガーデンシンクの上部にはデッキを照らす照明が設置されている。照明は素焼きのプランターにビー玉を埋め込んだものをカバーに使用。夜の使用時はビー玉からほのかな明かりが輝く仕組み。ホームセンターで手軽に手に入るアイテムを使ったアイデアガーデンライトだ。

 

ガーデンパーティーに必須のシンクはウッドデッキ脇に配置

囲炉裏テーブル=週末は家族とBBQパーティー三昧、ということでデッキ横にはレンガ積みのガーデンシンク兼収納ボックスを設置。ここで野菜を洗ったり、食材の準備をしてすぐにBBQができるというわけだ。このガーデンシンクがあるだけでデッキが立派なガーデンキッチンになる。シンクの横にも蛇口がついているので、小さな子供やペットの足洗い場としても使える点も見逃せない。

 

母屋からあえてデッキを離して作った理由

通常、ウッドデッキというと母屋に直結して作られるという例が多いが、このデッキは完全に母屋から独立している。「デッキから庭を眺めるのも面白いけど、デッキから母屋を眺めるのも新しいかなぁと思って」と木村さん。デッキを作る位置で庭の印象が大きく変わる。あなただったら庭のどこにデッキを作る?

 

フェンスは互い違いに組むだけで雰囲気がバツグンにUP

丸太を支柱にして、1×4材の横板を編み込むように交互に取りつけたガーデンフェンス。手軽に作れて、庭に雰囲気の出るビギナーにオススメのアイデアフェンスだ。

 

デッキ基礎は床束&基礎パッキンで補強

デッキ基礎の一部にはレンガと鋼製床束を使って、補強を施すと同時にデッキの高さをそろえるよう調整。また束柱と束石との間に基礎パッキンを入れて、腐食対策も行なっている。プロのデッキを長持ちさせるテクニックは見逃せない。

写真◎佐藤弘樹/施工◎木村グリーンガーデナー

*記事内の小さな写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2011年2月時のものです。

日差し対策にタープを張った快適なウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(4)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

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Case04 日差し対策にタープを張って快適な簡易屋根つきデッキ!

施工主のKさんの奥さんと愛犬さくらちゃん。ガーデニング用の日よけを桁に取りつけ、タープに使う

 

しっとりと落ち着いた雰囲気のK邸のウッドデッキ

 

業者に依頼して行なった自宅リフォームがきっかけで、Kさん(51歳)がDIYしたウッドデッキ。リフォーム中に出た廃材(ヒノキの角材や床柱など)を捨てるのがもったいないと感じ、「ウッドデッキでも作れたらいいなぁと思ったんです」(Kさん)。

また、リフォーム完了と同時に飼うことになった犬が、デッキ作りへ拍車をかけた。犬は運動大好きなボーダーコリーの「さくら」。「犬小屋はもちろん、さくらのために(庭に)遊べるスペースを確保したい!」 と思ったのだとか。

DIYほぼ未経験だったKさんにとって、本誌がDIYの助けになった。「偶然、書店で知って、図書館でバックナンバーを読みあさりました。作業の手順や製作方法、いろいろな実例作品からアイデアを収拾しました(笑)」(Kさん)。そして、アレもコレも取りいれたいと考える内に、「どうせなら庭をまっさらな状態にして一から作ってみよう」と思い至る。

作業は、まず庭の植木の伐採から始め、整地を行ない、ウッドデッキのシンボルツリーとなる紅葉を植えた。そして、コンクリートを打ち、ウッドデッキ製作を行なう。ウッドデッキはおなじみの手法で作られた。

完成したウッドデッキは、犬小屋と一体化しており、愛犬はデッキで自由に遊べる。また、デッキは南向きにあって日差しが強く、日常的にタープを設置。簡単な屋根つきデッキという趣がある。「大きな部屋がひとつ増えた感じかな」というKさん。よく晴れた日にお昼ごはんを食べたり、お茶を飲んだり、昼寝をしたりとデッキライフを満喫しているそうだ。犬も人も楽しめる場所になっている。

 

いろんな収納システムを兼ねた犬小屋

愛犬さくらちゃんの犬小屋は、バイクガレージとウッドデッキの間に作られている。使われた資材は、ヒノキ材や廃材など。犬小屋上がKさんの道具収納棚になっている。サイズは幅110×奥行き75×高さ170cm。また、側板には飾り棚スペースが作られており、おしゃれな雰囲気だ。

 

カウンター&スツール

犬小屋横に作られたフェンス上はカウンターテーブルになっている。お茶のみスペースとして重宝しているそうだ。手作りのスツール2脚は背もたれ部が緩やかな曲線で仕上げられている。

カウンターテーブル天板はキハダを使用

 

タープを使って簡単な屋根に

南向きにあるデッキは日差しが強いため、普段からタープを張って日陰を作り過ごしやすい空間にしている。タープは桁に固定させた。桁は相欠き加工されている。

タープ用の桁の右側の柱は、フェンスとベンチ型室外機カバーの柱も兼ねている

 

シンボルツリーと格子のフェンスで和風モダンテイスト

KさんがDIYでいちばん初めに手をつけたシンボルツリーの紅葉。木製の格子フェンスの見た目も手伝って和風モダンな雰囲気になっている。

 

デッキフェンスと合体したベンチの室外機カバー

キハダとヒノキ材、廃材を利用して作られたベンチ型の室外機カバーは、重厚感のあるつくりが印象的。デッキフェンス支柱をベンチの脚部に利用しているユニークな作品だ。

 

廃材利用のフェンス支柱

カウンターテーブル下のデッキフェンスの支柱には、自宅リフォーム工事で出た廃材(床柱)を利用した。木の凸凹した質感が面白く、また、和風な雰囲気を与えている。

写真◎清水良太郎

*掲載データは2011年2月時のものです。

DIYで楽しむアウトドアリビング&ピザ窯・パン窯特集!『ドゥーパ!』2022年8月号(149号)の中身を紹介

日本で唯一のDIY雑誌の最新号「ドゥーパ!2022年10月号」(発行:株式会社キャンプ)が7月8日に発売!

 

 

【記事内ギャラリー】

 

第1特集は「ウッドデッキから始める、僕らの野外基地作り」

「ウッドデッキ作りがアウトドアリビングを実現する第一歩」をテーマに、小さな庭に作るささやかな(でも最高な)くつろぎ空間から、子どもの頃の夢想をそのまま実現したような、憧れの野外基地とその作り方を紹介。冒険心をくすぐる大人の秘密基地が大集合!

 

 

編集部のDIY実践リポートは、今も続くウッドショックの中、その存在感を増してきた人工木を使ったウッドデッキ作りと、継ぎ手を駆使した方形屋根のガゼボ作りの模様をお届け。板葺き仕上げのリゾートライクな“離れ”的くつろぎ空間の作り方をご覧ください。

 

 

ブーム真っただ中のサウナや開放感満点の露天風呂は、野外基地との相性抜群。極上の癒し空間を手に入れたDIYerとその作品を紹介します。さらに前項の製作リポートで紹介したデッキ&ガゼボを編集部が自ら露天風呂化! ポイントはもちろん、失敗やトラブルも包み隠さず公開した、汗と涙のDIYドキュメントをお楽しみください。

 

 

第2特集は「手作りピザ窯・パン窯のある暮らし」

3例の自作薪窯とその活用法をとおし、ピザ窯・パン窯のある暮らしの魅力を伝える本特集。材料や構造の違うそれぞれの窯の特徴から、ピザだけではない窯料理のアイデアまで、ドゥーパ!らしく細部まで掘り下げて紹介。ぜひじっくりとご覧のうえ、あなたも口福な熱中時間を愉しんでください。

 

 

バラエティあふれる連載にも注目!

車中泊や旅を楽しむための軽バンカスタム、トリマー&ルーター木工、さらにはレザーソーイングやグリーンウッドワークなど、さまざまなジャンルのもの作りの魅力を個性あふれる作家とともにお届けします。その他、自給自足の田舎暮らしエッセイなど読み物も充実。こちらもぜひお楽しみください!

 

※本書内、P058に掲載いたしました「屋根下地の構造図」上に、画像解像度が低い旨の指示文が残ったまま掲載したことを確認いたしました。読者の皆様、関係各位にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げますとともに、ここに訂正させていただきます。

 

[商品概要]
ドゥーパ! 22年8月号(NO.149)
著者:ドゥーパ!編集部
定価:1,100円(税込)
発売日:2022年7月8日
判型:A4変形

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プライベート感と開放感を両立!屋根&フェンスつきウッドデッキの作り方をチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(3)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case03 プライベート感と開放感を両立させる屋根&フェンスの絶妙なサイズ

ベランダが、ウッドデッキと屋根、フェンスにより、居心地のいい“部屋”となった。骨組みにはサイプレス、床材にはささくれにくいイタウバを使用。ナチュラルな雰囲気になるよう、あえて無塗装とした

 

リビングルームから続く半野外空間は使い勝手がよく、使用頻度はとても高いという

 

H邸では、ベランダにウッドデッキと屋根、フェンスを設けることで、プライベート感が増し、リビングルームを延長したかのような空間となった。

屋根はベランダ全体ではなく必要十分な面積のみを覆い、フェンスは目隠しとして機能する最小限の高さに抑えたため、心地いい開放感が保たれているのが、この空間の特長。周囲の環境に合わせながら、どのようにプライベート感と開放感のバランスをとるかが、半野外空間作りのポイントになると思われるが、その点、このベランダはちょうどいい。

完成前から、まさにリビングルームのように日常的に使える空間をイメージしていたという施主は、イメージ通りの生活が送れていると満足げ。

「サンルームにするという案も一瞬浮かんだけど、やっぱり風が通る空間、空気が動く空間がいいなと思って、こうなりました。思ったとおり、最高の居場所になりましたね」

天気のいい日、デッキの上で愛犬たちがくつろぐ姿を見るのも幸せだという。

 

オーニング利用で開閉式の屋根に

屋根は、日差しや小雨を遮りたいときには閉じ、青空を感じたいときには開けられるよう、オーニングをつけた。選んだのはドイツのメーカー、マルキルックス製。収納部分が丸くスマートなのが気に入ったそう。防水仕様だが、できるだけ長持ちさせたくて、そこそこの雨のときはたたむようにしているとのこと。

屋根を全開にすると、いわばパーゴラの状態になる

 

ベランダを横から見た状態。垂木の上にオーニングのフレームが載っている

 

ハンドルを回してオーニングを開け閉めする。所要時間はほんの数秒

 

外壁にビスを打たずに桁と垂木を組む

上のオーニングの説明写真で、屋根とフェンスの全体の骨組みの様子がわかるが、家の壁側に組んだ柱と桁は、壁には接合していない。柱を自立させ、その上に桁を載せているのだ。さらに桁の上に垂木を載せ、垂木の上にオーニングを載せている。雨が漏れるのは覚悟の上で、外壁にビスを打つのは避けたいという施主の要望に応えた構造だ。なお、壁に接合していないため、柱まわりの骨組みを頑丈にしてある点にも注目したい。

柱と桁はホゾ組みの上、ビス留めしてある。垂木は45mmほどザボリして、90mmビスで桁に固定。オーニングのフレームは垂木にステンレスのコーチボルトで留めている

 

できるだけ開放感のある骨組みに

ちょっと変わった骨組みのデザインは、強度を確保しつつ、オーニングをたたんだときに最大限の開放感を得られるよう考えたもの。真ん中付近の垂木の間隔を広くして、先端の2本の横桟を省いたことで、狙いどおりの仕上がりに。

中央先端付近が、とても“抜けのいい”骨組みデザイン

 

便利に使い分け!たためるフェンス

通常は、目隠しとして機能する高さに設定したフェンス。その一部を、ラッチと蝶番を使って下向きにたためるようにしているのが面白い。大きな荷物をベランダから運ぶことを想定したアイデアだそうだが、気が向いたときだけフェンスをたたんで外の様子を感じられるというのも便利に違いない。

通常の状態。たためる部分は、上部にラッチ、下端に蝶番がついている

 

たためる部分は2分割しているので、2段階でたためる。片方だけたたんだ状態

 

両方たたむと開放感はかなり増す

 

S字フックが大活躍

居心地のいい空間にするには、好みの演出を施したいもの。H邸では、その演出にS字フックが大活躍だ。屋根の骨組みやフェンスにフックをかけて、プランターなどを吊るしている。2本のフックの間にバーを渡して布をかけた日よけも、この空間には欠かせないアイテムだとか。

フェンスには、雑貨店で見つけた額縁風のプランター置き

 

日よけの布は、夏にはもっと大きくて厚く、アジアンな柄のものに変わるそう

 

邪魔にならない小さなテーブル

フェンスの一部に、少し広めの板をつければ、それだけでテーブルのできあがり。これぐらいのサイズなら、あまり邪魔にならないわりに、グラスやコーヒーカップ、読みかけの本などを置くには十分で、使い勝手がいい。

柱と板を相欠きして作ったミニテーブル

施工◎リーベワークス/写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年2月時のものです。

ポリカ屋根とシンクを備えたウッドデッキリビングの作り方をチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(2)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case02 ポリカ屋根とシンクを備えた一家のユーティリティースペース

骨組みにサイプレス、床材にセランガンバツーを使用した屋根つきウッドデッキ。奥に流し台が見える。ポリカ屋根が明るい光を通す、開放的な空間だ

 

柱の上に桁を載せ、桁の上に垂木を載せている。柱と桁はホゾ組みで接合し、桁と垂木は金具を介して接合。スジカイ型のフェンスが構造物全体の強度を高めている

 

家の周囲の半分ほどをウッドデッキで囲んだA邸。比較的幅が狭いデッキが廊下のようにL字型に続き、突きあたり部分に約2.5×3.2mのスペースがある。このスペースがポリカーボネートの屋根を備えた、全天候型のデッキリビングとなっている。

屋根をつけたのは、スポーツに明け暮れる息子さんたちの大量の洗濯物を、天候にかかわらずに干せる場所にしたかったから。

さらに、ここで靴が洗えればなおよしと、流し台も装備することになった。

そんなわけで、そもそも、毎日の家事をスムーズに行なえるよう設計されたウッドデッキなのだが、完成後の活躍ぶりは、もちろんそれだけにとどまらない。

昼は奥様の友人を招いてフラワーアレンジメントを楽しみ、夜はワインパーティーを楽しみ、休日は息子さんたちの友人が集まってバーベキューを楽しみ…と、家族や来客とともに楽しい時間を過ごす場として、欠かせないデッキリビングとなったのだ。

屋根があるから多少の雨なら影響ないし、流し台があるからその場で食器などを洗える。その横に作業台代わりになる収納ボックスがあるのも便利だ。こんな快適で機能的な空間、友人たちもほっとかないだろう。

 

廊下のように長く続くデッキの突きあたりに、屋根つきの半野外空間がある

 

ポリカ屋根の継ぎ目はサイプレスの桟でカバー

屋根材は厚さ3mmのポリカーボネート。透明だから開放感があり、光を通すため洗濯物の乾きも速い。ポリカ板の継ぎ目は、455mm間隔で並べた垂木の上にあり、その上にサイプレスの角材をかぶせてビスで固定。ポリカは温度の変化によって伸縮するため、継ぎ目には3〜4mmのすき間を空けているという。なお、約3mある屋根の奥行きに合わせた特注サイズのポリカ板を使っているため、縦向きには継ぐ必要がなく、横桟は不要となっている。

家の壁との接点にもサイプレスの桟をかぶせ、さらに桟と壁の接点をコーキングしている

 

敷地を目一杯使うための垂木デザイン

敷地いっぱいにデッキを作り、そのデッキを完全に屋根で覆いたい。しかしもちろん、垂木を隣家の敷地に張り出させるわけにはいかないし、さらにいえばデッキ屋根からの雨だれを隣家に落とすわけにもいかない。というわけで、垂木の先端が独特のデザインとなった。

垂木先端の上部を切り欠き、そこに雨どいを収めた。切り欠くことを考慮して、垂木には175mmと幅広の材を使用

 

垂木は桁からはみ出ない長さに設計。L字型の金具を介して桁に接合している

 

イタウバで作った物干し竿差し

ドリルで穴をあけたイタウバの板材を、柱に差し込んで接合した物干し竿差し。A邸では、屋根つきデッキ作りのきっかけが洗濯干し場にするためだから、重要な設備だ。

イタウバは、ひびが入りにくいのが特長のハードウッド

 

立水栓もデッキ材でコーディネート

屋根つきのスペースからは少し離れたデッキ上にある立水栓を、デッキにも使用するサイプレスでカバーし、空間全体の統一感を高めている。

細部へのこだわりが空間全体の印象に影響を及ぼすことは珍しくない

 

収納を兼ねる流し台

デッキの端に備えた流し台は、サイプレスで作ったボックスの天板にシンクと蛇口を取りつけたもの。ボックスの中には給排水の配管があるだけだから、収納庫としても使える。流し台の横には、やはりサイプレスで作った収納ボックスがあり、そのフタは作業台代わりにもなる。

水道と別に雨どいの水が、このシンクに流れ込むようになっている

 

流し台下の収納庫は、デッキリビングで使う道具類をしまうのに便利

 

ヒモを持って開閉する収納ボックスのフタは、頑丈な作りで、作業台代わりになる

 

靴干し専用台まで完備

こちらもイタウバを使った靴干し台。靴を引っ掛けやすい形状にカットし、面取りしたイタウバの板材を、柱にビス留めしている。

デザイン的なアクセントにもなっている

 

何かと便利な作りつけベンチ

幅広の板材と柱を、このように相欠きで接合すれば、作りつけベンチとなる。大人数が集まったときに重宝するのはもちろん、テーブルや作業台代わりにも使えて便利だ。プランターなどを並べる飾り棚にするという手もある。

骨組み全体の補強材としての役割も果たしている

 

ネコの巣にしないために…

デッキの床面が比較的高い位置にあり、デッキ下がゆったりとしているため、そこが野良ネコの巣にならないように、板材を縦張りしてふさいでいる。同様の心配がある人は参考にしてみては?

これにより、デッキの強度も上がることになる

 

施工◎リーベワークス/写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年2月時のものです。

ウッドデッキの洗浄と再塗装のコツを徹底解説!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(13)

出来たてのころはぴかぴかだった自慢のウッドデッキも、2~3年経過すると塗料も抜けて、がさがさになるし、つやも消えてしまう。そんなときは洗浄と再塗装でリフレッシュ。

 

ウッドデッキの洗浄のコツ

洗浄には、クオファームの木部専用洗浄剤ウッドリバイバーを使用した。この洗剤は木部の変色、汚れや水垢、カビ、日焼けを洗浄するエクステリア専用の洗浄剤。

作業はウッドデッキ上に椅子やテーブル、植木鉢などがあれば、それらをすべてどかして、ウッドデッキ上に何も置かれていない状態にして掃き掃除。土ぼこりや枯れ葉など完全に掃き出してしまう。

掃き掃除が終ったら、ウッドデッキ全面に水をまいて、軽くブラシで洗浄する。ここまでが前段階。

ウッドリバイバーをバケツにあけたら、ブラシにウッドリバイバーをつけて本洗い。ごしごし擦れば、泡だってくるので、ウッドデッキ全面が泡だらけになるように、十分な量のウッドリバイバーを使って洗浄する。ウッドリバイバー1Lで約10平米が洗浄できる。

洗剤で洗浄したら、大量の水で洗剤分をよく洗い流す。泡が見えなくなるまで洗い流す。これで洗浄は完了だ。

 

ウッドデッキの再塗装のコツ

再塗装の前には洗浄したウッドデッキを完全に乾かすことが大切。洗浄から一晩置いて、デッキ面が完全に乾いてから再塗装に取り掛かる。

ウッドデッキの再塗装で一番気をつけることは、塗る色の選択。ウッドデッキに使われるオイルステインは浸透性の塗料なので、塗り重ねるたびに色は濃く黒くなっていく。ちょうど色つきのセロハン紙を重ねていくと、どんな色を重ねても濃く黒く見えるようになるのと同じだ。なるべく同じ色味で再塗装したい場合はナチュラルやクリヤーといった色味の薄いカラーを選ぶ。今回使ったインウッドというステイン塗料ではナチュラル色というもっとも色味の薄いタイプを使用している。それでも若干色は濃くなる。

ウッドデッキ面の乾燥を確認したら、後は再塗装するだけ。面の塗装がほとんどなので、ハケはローラーバケが使いやすい。ローラーバケには長い柄をつけて、あまり腰を曲げずに作業できるようにすると、体も楽だし、塗るスピードもアップする。

塗装に使用したオイルステインはアメリカ製のインウッド。粘度が低く塗りやすく、1度塗りで十分に染み込み、乾けば抜群の撥水性を見せる絶妙のブレンドオイルを使い、ホルムアルデヒド放散なしのフォースター認定も受けている。使用者の評価も高いオイルステインだ。

作業は、塗料がびちゃびちゃしないように、ウッドデッキ面を拭くように塗っていく。塗料が乾くまで塗装面には乗れないので、事前に塗るコースを考えて、必ず脱出できるコースを決めてから作業にかかること。全体が均等に塗りあがったら塗装作業は完了。道具を片付けて、乾燥に一昼夜待てば、よみがえったウッドデッキを堪能できる。

*掲載データは2012年2月時のものです。

おしゃれで快適!エンターテインメント・デッキリビングで半野外空間を楽しむ/全天候型快適デッキを作ろう(1)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case01 おしゃれで快適!ベテランDIYerの
エンターテインメント・デッキリビングで半野外空間を楽しむ

広い庭全体を見渡せるデッキに、パーゴラ+オーニングとおしゃれなコンサバトリーを作った。愛犬もここがお気に入りの場所

 

パーゴラは2×6材を組んで作った。母屋やコンサバトリーとのマッチングもいい

 

写真ではわかりにくいが、オーニングの両サイドのパーゴラの垂木に洗濯用の棒を取りつけ、オーニングの骨組みを前後にスライドさせるようにしている。オーニングがスム-スに開閉できるようにするためだ

 

Yさん自作のコンサバトリー。コンサバトリーは、18世紀のイギリスで、南から持ち込んだフルーツの保存場所として発達したが、本来の温室の役目とともに、ガーデンリビング空間としての機能を持つようになった。Y邸では、観葉植物を置いてあるほか、昼寝やお茶を楽しむ場所になっている。ガラス張りの開放的な空間が素晴らしい。床はテラコッタ敷き

 

デッキ上の半野外空間は、屋根をつけ、壁をつけることで実現する。

ベテランDIYerのYさんは、ボイド缶を使って基礎石まで作ったというセルフビルドのウッドデッキ上に、ナバホホワイトカラーのおしゃれなコンサバトリーを作った。友人からもらったサイディングとペアガラスつきのアルミサッシで覆ってある。総予算80万円、施工期間1カ月という労作だ。その隣りには、2×材で組んだパーゴラとオーニングがある。オーニングはインターネットで購入したもので、手動で巻き取りができるタイプ。

コンサバトリーは、本来の使い方である植物の温室としてのほかに、寒い日の昼寝や奥さまとのコーヒーブレイクなどで大活躍。友人が訪ねてきたときには、オーニング下でのランチも楽しみだ。もちろん全天候型。芝生の庭に出て、自慢の石窯で焼いたピザをご馳走することも多いが、雨の日や日差しの強い日は、デッキがリビングルームになる。

 

 

階段デッキの縁にパイプを設置、そこにパラソルを差し込んで日陰を作る。これもアイデアだ

 

取りはずしできる階段デッキ

コンサバトリーの前の階段デッキは取りはずしが可能

 

このように簡単に動かせる

 

デッキの下は長尺物の収納場所になっている

 

デッキ下の布基礎はもちろん、ボイド管を使って円筒形の基礎石も自作した(写真:Yさん)

 

デッキ上のサウナ小屋

家のサイドまで続く回廊のようなデッキを進むと母屋と同じサイディングを使った小さな小屋に行きつく。これも完全手作りというサウナ小屋だ

 

内装に無垢のレッドウッドを使い、薪ストーブを使った本格的な作りで、数人が一度に入れる広さを持っている。Yさんはほぼ毎日入っている

 

芝生用パラソルスタンド

芝生をできるだけ傷めたくないので、ピンポイントで地面に受けのパイプを差し込み、パラソルを立てている

 

こんなパイプを溶接して自作した

 

物干し棒スタンド

物干し台のコンクリートの土台が嫌いなので、土台をはずし、サドルバンドでデッキフェンスに固定した。ここにもこだわりが見られる

 

庭の奥にガーデンシェッド、その隣りにパン窯、その隣りに薪ストッカーを作った。これは以前、本誌でも紹介した。このコーナーも青天井のガーデンリビング空間だ

写真◎佐藤弘樹/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2011年2月時のものです。

 

趣向を凝らした庭づくりのアイデアが大集合!ガーデンコンテスト作品実例集

庭に居場所がある悦び
~第29回全国都市緑化フェアTOKYO &
第10回日比谷公園ガーデニングショー2012 ガーデンコンテストより~

 

緑に囲まれた中に現れるガーデン書斎。使い古されたロッカー、自然木を脚にしたテーブル、鉄筋に吊された工事用ライト。こんなところで本を読みふけってみたい。『俺の庭~Life Garden』(株式会社八廣園 協力:ものつくり大学)

 

去る2012年9月29日~10月28日、第29回全国都市緑化フェアTOKYO(同時開催、第10回日比谷公園ガーデニングショー2012)が開催された。

東京のさまざまな場所で展示やイベントが行なわれる中、日比谷公園会場ではガーデンコンテスト応募作品が集結。1作品のサイズは幅6×奥行4m、もしくは幅3×奥行2m。限られたスペースに考え抜かれたアイデアを詰め込んだ小さな庭が、園内に所狭しと並んだ。

作品によりテーマはさまざま。大人の隠れ家、ヨーロピアンガーデン、アーバンリゾート、モダンジャパニーズ…ここではその一部をご覧頂こう。

趣向を凝らしたアイデアは、きっとあなたのDIYスピリットを刺激するはずだ。

 

遊ぶ

男はいつだって子どもだ。誰にも邪魔されず、好きなことに夢中でいたい。

 

自転車、カメラ、山の地図…開放感あふれるデッキ&パーゴラのアウトリビングに趣味のアイテムが並ぶさまから、男のにやける顔が目に浮かぶ。『大人の秘密基地』(株式会社小田急ランドフローラ)

 

サイクリングウェアは、サイクルパーツブランドGRUNGEのハンドルに吊して収納。ささやかな男のこだわり

 

壁に取り付けた額縁に、植栽や旅の思い出を飾る。次はどんなものがここを彩るのだろう?

 

心躍らせる焚き火の灯りを半円のベンチに座って、ゆっくり眺める。『TAKIBI ~夜長の集い~』(Lau gardenplanning × HLC)

 

 

洗練

アーバンリゾートテイストの庭。自然の癒しと都会的なスマートさは共存可能だ。

 

庭のコーナーに設置したベンチの周りを、石積みと木材の高さの違う花壇が囲む。まさにモダンなアウトリビング。『森の心地よさと暮らす、新しい庭のかたち「里庭スタイル」(住友林業緑化株式会社)

 

緑と限りなく近く、不思議とプライベート感のある空間。デッキ中央は池が眺められるような工夫を施した

 

乱形石を積んだウォールに古材を渡せば、ガーデンカフェのできあがり。『アーバンリゾート ~緑に囲まれたプライベートカフェ~』(大里樹苗造園株式会社 協力:シークレットガーデン)

 

池に浮かぶデッキ+スケルトン状の箱。中でも外でもない不思議な空間を演出。『invisible forest』(MORB:ガーデン三葉/守谷造園/GREFICA)

 

 

和の安らぎ

心落ち着く和風のしつらえに、新しい風を吹き込む。

 

丸太を並べたデッキと白い化粧砂利の組み合わせは、まるで風流な水の流れを感じさせる。『多摩産材による和(やわらぎ)の庭』(株式会社多摩ニュータウンサービス・楢原・ナカオ)

 

パーゴラの下には、一枚板のテーブルと御座。石と木材が自然に溶け込んだ和風モダンな作品。『温故知新』(リガーデンのGREEN ART)

 

竹を効果的に使用した囲炉裏デッキ。きっと昔の日本人はこんなところで句を詠んだに違いない。『逍・遥・遊』(株式会社柳島寿々喜園)

 

 

アイデア

作者のセンスと創意工夫が作品のオリジナリティーを生む。

 

庭のフェンスがこんな形だったら面白いかも。北欧のおもちゃのようでもある。枝部分を収納に使うのもあり。『Wooden toy』(株式会社矢藤園)

 

ステンシルシートを使ってカスタムするだけで、自分らしい庭の雰囲気を演出。『俺の庭~Life Garden』(前述参照)

 

木材と竹をサンドイッチする形で、異素材をミックスしたフェンス。『一の庭』(八王子造園業組合青年部)

 

廃タイヤに塗装を施し、プランターとして利用。『リサークルガーデン』((協)東京造園倶楽部青年部 (有)笹隈造園 (有)木下農園)

 

和風壁面緑化がコンセプトの作品。庭の仕切りにつる植物を這わせたウォールを設置。『翠色の襖(すいしょくのふすま)』(箱根植木株式会社)

 

実はこのウォール、一部が扉になっていて襖のようにスライドする。庭の奥行きが広がる意外性とその先にも広がる緑に驚く

 

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2013年2月時のものです。

作品をがっちり支える!基礎材のいろいろ・後編/ドゥーパ!資材館(12)

前回に引き続き、ウッドデッキ、小屋、フェンス、ガレージ&カーポートなどあらゆる作品の基礎を固めるための資材の数々を紹介。地味でごつい見た目のものばかりだが、作品をがっちりと支える重要な資材だ。

 

一般的な基礎石以外で作る独立基礎

湿気や雨水による土台の腐食防止、上部構造の水平維持ができれば、ほかの資材でも独立基礎材として使うことが可能。たとえばコンクリートブロックやコンクリート平板といった資材があてはまる。また、全体の水平が取れるなら自然石を流用するという手もある。

本来基礎材でない資材を基礎として使用する場合は、設置する方向に注意したい。たとえばコンクリートブロックを使用する場合は、上部からの重量に対して本来の強度が保障されるように空洞が上下に向くように使うことが大切。横倒しにして使うと、上からの圧力に対して強度が足りず、時間の経過と共に割れたり、崩れたりする可能性がある。また、高さが低い基礎材の場合、上部構造に湿気が及ぶおそれがあるので、基礎石の上に載る束柱を高くするなど考慮が必要だ。

 

<専用品の代わりに使える主な資材>

 

単管支柱台

上面に単管パイプを立てるための丸い穴があいた資材。ガードレールの設置にも使われ、形状的には束石の一種といえる

 

スライドブロック

上面の溝にボルトナットをかませ、看板などを固定できるようにしたコンクリート資材。室外機の土台としてよく使われている。長さがあるので基礎としても安定がいい

 

コンクリート平板

本来は道路の舗装、庭のステップストーン(踏み石)として使われる平板。60mm厚のものが一般的。ウッドデッキなどで、高さを抑えたいときに利用できる
基礎パッキンや鋼製束など(後述参照)とセットで使われることが多い

 

重量ブロック

JIS規格のコンクリートブロックの中で圧縮に対して最も強度がある。穴のなかにコンクリートを充填して、アンカーボルトなどを埋め込むことができる。写真は190×390×150mm幅のタイプ

 

コンクリート角材

歩道のエッジなどに使われるコンクリート製の角材。地先ブロックとも呼ばれる。写真は100×120×500mmのタイプ。長さがあるので基礎としても安定がいい

 

プラスチック製角杭

樹脂でできた角杭。ビスが効くので、腐らない掘っ立ての独立基礎として使用できる

 

フェンスブロック

本来はフェンスの柱を支えるためのブロック。上面にあけた穴は奥に行くほど狭くなるようにテーパーがついている。柱が止まったところで、柱の周囲にモルタルを打てば柱をしっかり固定できる

 

基礎石を自作してみよう!

製作費を抑えるために、基礎石自体を自作するという選択もある。簡単な方法はペール缶などにコンクリートを打てばそのまま基礎石として使える。もう少しスマートに作るなら木枠を組んでそこにコンクリートを打ち、コンクリートが固まったら木枠を取りはずせばOKだ。ここでは、厚めのボール紙でできたボイド管を使う基礎石作りを紹介。

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コンクリート土間の基礎

カーポートなどある程度の広さを持ったコンクリート土間を作る場合は、砕石を敷き込んで突き固めたあと、ワイヤーメッシュを配してからコンクリートを打つ。コンクリートは固さは十分だが、たわみに対する粘りがない。そのためワイヤーメッシュを入れずに作ると、車の重量が集中した部分が簡単に割れてしまう。

作業上のポイントは、コンクリートの厚みの中間部分にワイヤーメッシュを設置すること。スペーサーを利用してワイヤーメッシュを浮かしてコンクリートを打つようにしよう。また、平らにコンクリートをならすためには、一般的な左官コテでは小さいので、地面をならすトンボや土間ゴテと呼ばれる大型のコテなどを使うと効率よく作業できる。

 

<コンクリート土間で使う主な資材>

 

ワイヤーメッシュ

コンクリート土間のひび割れ防止に使用。6mm径や10mm径の鉄筋を150mm角の格子状に組んだ1×2mのものが一般的

 

鋼製束

腐食の心配がない鋼板製の束。高さの調節が可能。受け部分に大引きを取りつける

 

滑り止め加工用ゴム型

傾斜したコンクリート面に乾く前に押しつけて、滑り止めのくぼみをつける硬質ゴム製の型

 

プラスチック製スペーサー

高さ60mmと40mmで使い分けられる樹脂製のスペーサー

 

調整束柱

マルチポストとも呼ばれている。傾斜に合わせて高さの調整ができるのが便利

 

コンクリート土間の作り方

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*掲載データは2017年6月時のものです。

作品をがっちり支える!基礎材のいろいろ・前編/ドゥーパ!資材館(11)

今回紹介するのはウッドデッキ、小屋、フェンス、ガレージ&カーポートなどあらゆる作品の基礎を固めるための資材の数々。地味でごつい見た目のものばかりだが、作品をがっちりと支える重要な資材だ。

 

基礎作りにおける5つの「基礎知識」

1、作品の水平を保ったまま支えてくれるのが基礎の役割

設置されたエクステリア作品の水平を保ち、傾いたり沈んだりすることなく安全に上部を支える下部構造の構成部分のことを基礎と呼ぶ。基礎には、上に載る上部構造の重量を受け止め、長期間地面に接していても腐ったり変形したりすることのないよう、丈夫で耐久性のある材料が使われている。今回はDIYで作る小屋や物置、ウッドデッキ、ガレージ&カーポート、フェンスなどの基礎として使われ、ホームセンターで購入できる資材を中心に紹介している。

 

2、ウッドデッキや小屋作りでは独立基礎がベター

本格的な住宅では、敷地全体に鉄筋コンクリートの基礎をめぐらす、耐震性能が高いベタ基礎が採用されることが多い。DIYで作る小屋やウッドデッキなどは、束石を床下部分に並べ、必要に応じて立てた束柱の上に、大引きや根太が載る「独立基礎」のほうが施工は容易でコストも抑えられるのでおすすめ。

束石を配置し、その上に束柱を立て根太とつないだ設置例。独立基礎の典型的な構造だ

 

ピンコロの基礎に直接根太を置いて支持する独立基礎の設置例。根太の交差部分にもピンコロが配された頑丈な構造

 

3、柔らかい地面や大きな作品の基礎には砕石も併用する

基礎の設置で基本となるのは、地面の状態に応じた設置場所の調整だ。しっかり固められた状態の地面に小型の物置やエクステリア作品など比較的軽量なものを設置する場合は、地面の上に直に基礎材を設置してもいい。畑地のような柔らかい土地や、3坪以上ある小屋やウッドデッキでは、基礎材の設置部分の下に基礎材よりひと回り広く
50mm以上の厚さで水平に砕石を敷き詰め、基礎の沈み込みを防止する。作品に応じて、適格な基礎の選択とプランニングをすることが大切だ。

 

4、車庫の基礎は鉄筋入りコンクリート土間でがっちり作る

1トンほどの重さのある車が載るガレージやカーポートの基礎は、重量に対して十分な強度を持たせる必要があるため、コンクリート土間が最適だ。コンクリート土間は6~12mm径の鉄筋を井桁に組んだワイヤーメッシュを、100mm程度の厚さのコンクリートの中間部分に張り巡らせて作る。

上部構造の面積全体をカバーするベタ基礎の例。外縁の立ち上がり部分をコンクリートブロックで作っている

 

5、既設のコンクリート土間を利用する手もある

もともとあるコンクリート敷きのテラスなどの上にウッドデッキや小屋を建てる場合は、金属や強化プラスチック製の基礎材を利用するのも便利だ。なかには高さの調整が自由に行なえるのもあり(鋼製束など)、その場合は既存のコンクリートテラスにつけられた雨勾配による高低差にも対応できる。

テラスの上に基礎パッキンを敷き、その上に束柱を立てて土台を作った例

 

独立基礎

独立基礎は上部構造をしっかり水平に支えるとともに、本体部分の木部が地面に直接触れないように地面からある程度持ち上げて、地面の湿気や雨の跳ねかえりを避け、風通しをよく保つ役目も担っている。

このため独立基礎材はコンクリート製の角型をしたものが大半で、単純なサイコロ型をしたものはピンコロ、上すぼまりの台形をしたものは束石や沓石などと呼ばれている。束石や沓石は上面にホゾ穴があるもの、羽子板が立っているもの、ボルト穴のあいたもの、2×材を差し込める溝があるものなど実に種類豊富だ。

DIYの小屋作り程度の規模であれば、とくにどれを選んだほうがいいという制約はなく、製作するもののデザインや好みに合ったもの、購入する店舗の在庫や価格との兼ね合いを考えて選ぶといい。

 

<主な独立基礎>

 

沓石

「くついし」と呼ばれる基本的な基礎石。上面の各辺が9cm、12cm、15cmなどのサイズがある。上面にあいた穴はホゾ穴で、束柱の底面にホゾを作りここに差し込む

 

羽子板付き沓石

上面に羽子板ボルトが埋めてあるタイプの沓石。上に載る束柱を羽子板にビスやボルトで固定することができる。DIYでは多く使われるタイプ

 

2×4用束石

上面センターの穴には4×4材、側面の溝には各種2×材を差し込むことができる。ウッドデッキの基礎として使われることが多い

 

ピンコロ

コンクリートをサイコロ状に固めたシンプルな基礎材。サイズは150×150mm程度が多い。束柱や根太を固定することはできないが、価格的にはリーズナブル

 

多目的ピンコロ

ボルトを打てるナットが埋め込まれ、ホゾ穴のついたピンコロ。ナットサイズに合わせて羽子板ボルトやアイボルトを固定して使うことができる

 

独立基礎材の使い方

基礎が置かれる地面をある程度平らにならし、各基礎石(束石)の設置場所を決めてから、一度基礎石をはずし、基礎石よりひと回り広く50mm以上掘り込む。穴の底をよく突き固めたら砕石を充填し、砕石が動かないように突き固めて、コンクリートを打ち、その上に基礎石を配置する。並べた基礎石が互いに水平になっているか確認し、最後に土で埋め戻せば作業完了だ。

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

*掲載データは2017年6月時のものです。

身近なDIY素材、波板のいろいろ/ドゥーパ!資材館【6】

屋根材や外壁などの資材として使われる波板は、実に多くのバリエーションがあり、軽くて、加工もしやすいということから、DIY素材としては、身近なものになっている。

 

金属系素材の波板

DIYの素材として身近な波板は、素材が樹脂系と金属系に分けられ、物置や小屋、ガレージの簡易な屋根や外壁の素材として使われることが多い。金属系の波板なら、薄鋼板に亜鉛メッキしたトタンがポピュラー。このトタンにカラー焼き付け塗装したカラートタンは塗装の分耐久性は高くなる。エクステリア関係で話題に上がるガルバリウム鋼板の波板は薄鋼板に亜鉛とアルミ、少量のケイ素がメッキされた製品で、独特な結晶質の表面を呈するのが特徴。20年以上の耐久性を持ち、一般住宅の建材としても十分に使うことができる性能を持っている。その分価格も6尺サイズで1枚1800円程度はする。

※波板の一般的規格
幅(共通)655㎜
ピッチ(共通)約32㎜
実寸(呼び寸法)
長さ 1515㎜ (5尺)
1820㎜ (6尺)
2120㎜ (7尺)
2420㎜ (8尺)
2730㎜ (9尺)
3030㎜(10尺)
3640㎜(12尺)

 

ガルバリウム角波
一般の建築にも使われる高性能な屋根材。写真は6尺、厚さ0.5mm、参考価格1858円。

 

カラートタン波板
焼き付け塗装して耐久性を上げたトタン波板。写真は6尺、厚さ0.25mm、参考価格610円。

 

樹脂系素材の波板

最もスタンダードな波板と呼べるのが、塩ビ波板で価格も安く定型の6尺サイズで1枚600円見当。惜しみなく使えるが、耐候性はそれほど高くない。特に熱にあたると劣化が進みやすい。スタンダードな塩ビ波板は仮設用と考えておけばいいだろう。同じ塩ビでも、硬質塩ビ波板なら、耐久性は向上するが、価格も若干高くなる。塩ビ波板を使うのであれば、ガラスネットと呼ばれるガラス繊維を挟み込んだタイプがもっとも耐久性が高い。

樹脂系の波板で耐久性が高いのがポリカーボネート製の波板。有機ガラスとも呼ばれ、透明度はガラスよりも高く、耐衝撃性は一般のガラスの250倍といわれ、ジェット戦闘機のキャノピー、機動隊のヘルメットシールドにも使われる。屋根のスカイライトなどに使えば、室内を明るくすることができる。ポリカーボネート波板には表裏の指定があるので、作業時には、張ってあるラベルで確認する。6尺サイズで1200円程度だ。

 

発泡ポリカ波板
ポリカーボネートの発泡材で作られた波板。緑、赤、灰色など。写真は6尺、厚さ1.6mm、参考価格1315円。

 

ポリカ波板
樹脂系の波板では1番性能が高いポリカーボネート製。6尺、参考価格1210円。

 

ガラスネット強化波板
細かなガラス繊維のネットを塩ビ波板で挟み込んでいる。3尺、参考価格665円。

 

オンデュリン・クラシックシート
アスファルトシングル系の波板型屋根仕上げ材。940×2000mm、参考価格1980円。

 

波板の切断加工

スタンダードな規格なら、波板は厚さが0.7mmしかないので、加工は簡単にできる。丸ノコを使う場合はトタンの切断では金属切断用のチップソーを取り付け(ガルバリウムの場合はガルバ専用チップソーもある)、樹脂系の波板では樹脂切断用のチップソーを装着するのが一般的なセオリーだが、経験上数枚のカットなら木工用のチップソーでも切断できる。この場合、切断深さは最低必要な深さに設定して、波板の下には捨て板を敷いて作業する。電動工具で切断作業するときは必ずゴーグルをして、目を保護するようにしたい。ハサミで切る場合は波板切りバサミという専用のハサミもあるが、金切りバサミがあれば切ることができる。金属の波板の場合は切断面にバリが出て、手を切る場合があるので、心配なら手袋をして作業する。

 

金切りバサミがあれば波板を切ることができる。用心のために革手袋があるとより安全

 

丸ノコでガルバリウム鋼板の波板を切っているところ。チップソーを専用品にすればストレスなしで切断できる。屋外の作業では写真のようなコードレスの丸ノコが使いやすい

 

丸ノコ用の切断砥石。波板程度の厚みなら金属も樹脂も切断できる。価格も手ごろだ

 

金属切断用チップソーの例。金属の大きな抵抗に対抗する強化されたソーチップがついている

 

樹脂切断用のチップソーの例。バリや割れを防ぐ小さなソーチップのモデル

 

切断砥石を装着したグラインダーで金属板を切断する。盛大な火花が出るが熱くはない

 

波板のクギ打ち

傘クギなど波板固定用の各種クギを使って、波板を打ち留める場合は、あらかじめ建物の骨組みにクギを受ける桟を固定して、波板の位置を決めたら、この桟でクギを受けるように打っていく。普通カナヅチで打てば、ほとんど下穴は必要ないが、ちょっと硬すぎて打ちにくいならば、ドリルでクギ径よりほんの少し大きい下穴をあけてから打てばいい。クギ打ちの間隔は原則4~5山間隔で、山の部分に打ち留める。波板を並べて張る場合は、山が2.5山ずつ重なるように張る。山の流れ方向に並べて張る場合は、8㎝程度重なるようにして、傾斜の下側から張り始め、先に張った波板に重なるように上側の波板を張る。雨流れが波板の内側に漏れないようにするためだ。重なった部分には必ずクギ打ちして、強風ではためかないようにしておく。

 

カラートタンクギ。カラートタンと同じ色で塗装されたトタンクギ。クギ頭が少し広くなっている

 

プラスチック連結傘クギ。1本ずつばらして使う。傘があらかじめ山にかぶさるデザインになっている。軸がスクリュー状なので、とても抜けにくい。

 

亜鉛メッキされたスポンジ付き連結傘クギ。スポンジが山にフィットして雨が漏りにくい

 

写真奥に向けて高くなる屋根の例。奥の波板の前端部が手前の波板にかぶさっている。また半透明部分ではクギを受ける左右方向に渡された桟が透けて見えている

 

屋根張りの手順例

実際にガルバリウム鋼板の波板を使った片流れの屋根張りの手順を紹介する。

屋根部分に垂木を渡したら、波板を打ち留める桟を垂木と直角の方向に固定する。作例では垂木の両端と、真ん中に合計3本の桟を渡してそこにクギを打つように組み立てている。波板の切断は金切りバサミを使用している。写真では波板の下に角材を置いて、地面から持ち上げて作業している。こうすると切断中、すき間があるのでハサミが使いやすい。打ち留めにはメッキされたスポンジ付き連結傘クギを使っている。

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

*掲載データは2016年10月時のものです。

デッキチェアの再塗装/暮らしに生かすDIYメンテナンス【3】

デッキチェアはウッドデッキやガーデンリビングに欠かせないエクステリア家具。今回は木製の作品を例に、研磨〜再塗装を実践する。

 

ばらせるパーツはばらしてから研磨する

今回はデッキチェアを例にして、エクステリアで使う木製家具類の再塗装を実践。このチェアは屋根はないが木陰になるウッドデッキに、あまり使われることなく雨ざらしにされていたもの。木陰に置きっぱなしというのが汚れやすいポイント。公園のベンチなども木陰のもののほうが汚れている。樹液や落ち葉、湿気などの影響が大きいからだ。

本体を掃除して現在の状態をチェック。汚れはひどいが木部そのものには損傷はない。高圧洗浄機で洗って、乾燥したら再塗装という方法もあるが、それだけだと、古い塗装の上に再塗装となり塗装が厚くなって見た目がよろしくない。そこで塗装を全部はいで木地を出し再塗装という方法にする。これだとスッキリスマートな仕上がりになる。

取り外せるパーツは外してしまう。これで削り残しと塗り残しを防ぐことができる。

研摩にはオービタルサンダーを使用した。オービタルサンダーでも60番のサンドペーパーを使えば、スピーディーに汚れごと塗装をはがすことができる。オービタルサンダーは市販のサンドペーパーを3等分したものを装着して使うので、専用のサンディングパッドを用意する必要もなく、コスト的にも使いやすい。60番のサンドペーパーを5枚使ったとしても250円程度で済む。

研磨作業は、塗装されているところ、表面、裏面、側面とやり残しがないように木地面が出るまでていねいに作業する。作業は隅から始めて、広い面に進んでいく。工具の入らない部分は手でサンドペーパーを掛ける。本体の研磨が済んだら、取り外したパーツも研磨する。

 

1度目の塗装は薄く広く塗る

研磨が済んだら塗装する。今回は見えるところは2度塗り、見えない部分は1度塗りとする。塗料は油性のステイン、ハケは50mmのスジカイバケ。忘れてならないのはプラスチックの手袋。ステインはサラサラした塗料なので軍手では染みて汚れる。塗料はよくかくはんして、ハケの3分の1程度に取り、ハケは立て目にしてハケ目をそろえて薄く塗り広げる。塗り始めは隅から開始。木口や木端など塗り残しのないように気を配りながら塗装する。全体の塗装が済んだら各面を点検して、塗り忘れをチェック。乾けば作業は終了だ。

再塗装前はこの汚れ様

 

研摩に使うオービタルサンダー、使用する60番サンドペーパー、パーツ分解用のスパナなど

 

使い捨てタイプのプラスチックやビニールの手袋。塗装の重要なアイテム

 

【デッキチェアの汚れ落とし研磨】*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

【デッキチェアの再塗装】*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

庭&野外空間の活用術「ウッドデッキと野外基地」特集!『ドゥーパ!』2021年10月号(144号)発売

日本で唯一のDIY専門誌『ドゥーパ!2021年10月号』(発行:株式会社キャンプ/代表取締役社長:豊田大作)が9月8日に発売!

 

・第1特集は「自分で作るから大満足! ウッドデッキと野外基地」
特集のメインコンテンツは、編集部が提案する野外基地作り。定番のウッドデッキをはじめ、フォールディングテーブルにスタッキングチェアのセット、さらにはバーカウンター、アースオーブン(ピザ窯)、雨水タンク&シンクが一体化した渾身のアウトドアベース作りの模様をお楽しみください。実践的なテクニック&アイデアの数々、とくとご覧あれ!

 

実践リポートに続くDIY実例集は、みんなの手作り野外基地が大集合! 空中に浮かぶプールつきウッドデッキを皮切りに、ウッドデッキシアター、ガーデンバー、焚き火サークルに露天風呂、さらにツリーハウスまで! 男たちはもちろん、家族や仲間もワクワクさせるアウトドアリビングの魅力満載でお届けします。

 

 

・第2特集は「軽トラ・軽バンDIY快適化計画」
本格的なキャンピングカーもいいけれど、DIYで遊ぶならやっぱり軽トラ・軽バンがアツい! 車中泊ならぬ車中憩をテーマにしたバンや、走って飲んで宿泊できるモバイルワインバーなど、ユニークなDIY車両をラインナップ。ワンポイントアイデア集も充実の内容で、読んだら今すぐ「遊べる軽」を作りたくなること間違いなし!

 

・バラエティあふれる連載にも注目!
溶接を駆使したアイアンDIY、トリマー&ルーター木工、さらにはレザーソーイングやグリーンウッドワークなど、さまざまなジャンルのもの作りの魅力を個性あふれる作家とともにお届けします。その他、自給自足の田舎暮らしエッセイやDIYにまつわる法律相談など読み物も充実。こちらもお見逃しなく!

 

【書籍概要】

著者:ドゥーパ!編集部

定価:1100円(税込)

発売日:2021年9月8日

判型:A4変形

ガーデニング王に学ぶ!ウッドデッキの教科書【5】~フェンス、ベンチ、ステップの製作~

シンプルなウッドデッキ作りをベースに、作り方の基本を学ぶ本企画。最後はデッキにあると便利な、フェンス、ベンチ、ステップと+αの機能の作り方を伝授!

今回製作したフェンス&ベンチつきのデッキ。広さは幅5400×奥行2790mm。これを例に製作手順を解説する

 

ウッドデッキのフェンス

フェンスは思わぬ荷重がかかる部分。基礎から支柱を立ち上げて強度があるものを作ろう。

 

フェンスはあらかじめ仕上がり高さを決めて作る

フェンスはデザイン的に楽しめる部分だが、もたれかかったり、子どもが遊ぶことがあったり、意外と力がかかるところなので十分な強度を持つ構造にしたい。

第1回の記事の構造図のように基礎からフェンスの支柱を立ち上げるのがベストだ。基礎からフェンス支柱を立ち上げるときはフェンスの仕上がり高さをあらかじめ決めておくこと。

今回、製作したウッドデッキではベーシックにフェンスの板を横張りした。

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フェンス支柱は施工後にカットしてもOK

フェンスの高さが定まらないときは長めに切り出した支柱を基礎から立ち上げるといい。床板施工後にバランスを見て、好みの高さに切断する。切断するときは丸ノコやノコギリを使う。

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ウッドデッキのベンチ

ウッドデッキにベンチを作りつけておくと新たに椅子を準備しなくてすみ、スペースを有効活用できる。

 

ベンチを作りつけることでフェンスの強度がアップする

ウッドデッキにベンチが作られていると、新たに椅子を置かずにすみ、スペースを有効活用できる。フェンスがあるならその支柱を利用してベンチを作るのがおすすめ。フェンスを背もたれに利用できるし、フェンスの強度もアップするので一石二鳥だ。ウッドデッキ作りにチャレンジするならもうひと踏ん張りして、ぜひベンチを製作してみよう。

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デッキ完成後にフェンスなどを作るときは支柱固定金具が有効

ウッドデッキ完成後にやっぱりフェンスを作りたい、となったときは支柱固定金具を使うといい。デッキ床面に支柱固定金具を接合し、そこに柱を立てるだけ。

支柱固定金具。ホームセンターや通販サイトなどで1000円前後で売られている

 

ウッドデッキのステップ

一般的な住宅の掃き出し窓に合わせてウッドデッキを作ると、1、2段程度のステップが必要になる。

 

ステップを作って庭からの出入りも快適に

一般的な住宅の掃き出し窓の前にウッドデッキを製作すると高さは約500mmになる。庭からデッキに出入りするときはステップが必要だ。ステップの段差(蹴上げ)の目安は150mm程度なので、1、2段のステップになる。

DIYで作るならデッキにステップを組み込んだデザイン(デッキと同じ要領でステップを作れる)か側板に踏み板をつけた側桁階段がおすすめ。今回製作したウッドデッキではデッキに組み込むことにした。

【根太伏せ図】*単位はmm

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DIY向きのステップ側桁階段

側桁階段はシンプルな作りでDIYしやすいステップ。側板には2×10材など幅が広い材を使用する。デッキ本体に側板を合わせて、適切な角度を割り出し、側板をカットする。そこに踏み板受けと踏み板を接合していけばできあがり。

腐食予防のため、側板の下にはレンガや石材などを敷いておくこと

写真◎佐藤弘樹、福島章公/イラスト◎丸山孝広

木村博明 Hiroaki Kimura

今回のウッドデッキのデザイン・施工を担当したのは木村グリーンガーデナーの代表(写真左)。SOU・SOUのウェアを身にまとって作業するおしゃれな庭師。モダン和風なガーデン施工に定評がある。「TVチャンピオン 極」(テレビ東京系)のガーデニング王決定戦で優勝。写真右は蔭山さん。親方である木村さんの指示を受け、テキパキと木材の切断、接合を担当。

ガーデニング王に学ぶ!ウッドデッキの教科書【4】~床張り~

シンプルなウッドデッキ作りをベースに、作り方の基本を学ぶ本企画。今回は、ウッドデッキ作りで最も楽しい床張り作業を解説!

今回製作したフェンス&ベンチつきのデッキ。広さは幅5400×奥行2790mm。これを例に製作手順を解説する

 

ウッドデッキの床

目に見えて完成に近づいていく床張り作業はデッキ作りの中でいちばん楽しい時間だ。

 

ビス留め位置をそろえると見栄えよく仕上がる

土台が完成したら床板を張っていく。土台でしっかり水平が出ているので、多少ねじれや反りのある材でも押したり引いたりしながら張ると、きれいに接合できる。

また、床板は基本的に木表(年輪の外側)を上にするが、木肌の美しさを優先して木裏(年輪の内側)を上にしてもよい。

床板を張るときは、デッキ上に雨水がたまらないようにしたり、通気性を良くするためにわずかにすき間をあけて張るのが原則。すき間が広すぎると物を落とす恐れがあるので3〜5mm程度がよい。すき間がまちまちだと見栄えが悪いのでスペーサーを利用するのがおすすめだ。

なお、床板をビス留めするときはビス留め位置をそろえること。そうすることで見た目にも美しく仕上がる。

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丸ノコで床板を割く

施工場所の都合で、床板をそのまま張れない場合がある。そんなときは平行定規をつけた丸ノコで板を割くといい。

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床板張りパターンのいろいろ

ウッドデッキは床板の張り方次第で個性的に仕上げることができる。ここでは根太の配置とともに、いくつかの床張りパターンを紹介したい。想定サイズは、1800×1200mmとした。想定使用木材は床板と根太が2×6材、束柱が4×4材。

写真◎佐藤弘樹、福島章公/イラスト◎丸山孝広

木村博明 Hiroaki Kimura

今回のウッドデッキのデザイン・施工を担当したのは木村グリーンガーデナーの代表(写真左)。SOU・SOUのウェアを身にまとって作業するおしゃれな庭師。モダン和風なガーデン施工に定評がある。「TVチャンピオン 極」(テレビ東京系)のガーデニング王決定戦で優勝。写真右は蔭山さん。親方である木村さんの指示を受け、テキパキと木材の切断、接合を担当。

ガーデニング王に学ぶ!ウッドデッキの教科書【3】~整地&土台の施工~

シンプルなウッドデッキ作りをベースに、作り方の基本を学ぶ本企画。第3回目は、ウッドデッキ作りで最も重要な土台部分の施工のポイントを伝授!

今回製作したフェンス&ベンチつきのデッキ。広さは幅5400×奥行2790mm。これを例に製作手順を解説する

 

ウッドデッキの整地

施工場所にある障害物を取り除いて地面を整える。施工前にこの作業をすませておくとスムーズにウッドデッキ製作を進められる。

 

石や雑草などを取り除き、施工現場を整える

整地はしっかりやっておきたい。一見、地面には何もなさそうに見えても、いざ基礎石を置こうとしたら大きな石が隠れていたなんてこともある。施工前の準備として、石や雑草などの障害物を取り除く作業はやっておきたい。障害物がなくなったのを確認したら地面を平らにならしておく。同時に施工現場の周囲をスッキリさせて資材置き場と作業スペースを確保しておこう。

施工の邪魔になる大きな雑草はすべて抜く。石などの障害物があったら避ける

 

障害物を取り除いたらジョレンで地面を平らにならす

 

床下の雑草をシャットアウトする防草シートの敷き方

日当たりの良い場所にウッドデッキを作ると、床のすき間からニョキニョキと雑草が顔を出すなんてことがある。そんな雑草予防のために防草シートを敷いておきたい。デッキ床下は床の張り替え作業などをしない限りチェックできない部分なので、防草シートは耐久性が高く、しっかりと雑草を予防する不織布タイプを選ぼう。

使用した防草シートはカインズホームの雑草ブロックシート。1×10mで2480円ほど。左は別売りの押さえピン。10個入りで498円ほど

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ウッドデッキの土台

デッキ作りで一番重要な土台作り。窓の前に立てた束柱を基準に根太を設置した。大きさやデザインを問わずに使える基本的な施工方法だ。

 

掃き出し窓前に立てた束柱を基準に根太を設置していく

土台作りはウッドデッキ作りで一番大事な作業。時間をたっぷり使って慎重に進めたい。

今回のデッキ作りでは母屋の掃き出し窓前に立てた束柱を基準に根太を設置する方法をとった。両端に根太を設置して水糸を張り、その水糸を基準に内側の根太を設置する。なお、根太の高さはできあがり高さから床板厚を引いたもの。

根太の設置方法は次のとおり。基準となる掃き出し窓前の束柱に根太を仮留めし、水平を確認しながら庭側の束柱の必要な高さを測る。基礎石に束柱を立てたら再度水平をチェックして根太を接合する。この繰り返しで土台ができあがっていく。

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地盤が弱いときは砕石を敷く

なお、地盤が弱く不安定な場所に施工する場合は、基礎石を設置する箇所に穴を掘り、砕石を敷き、地面をしっかりと突き固めるといい。これだけで丈夫な地盤になる。

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根太には真っすぐな材を使う

ウッドデッキでは安定した土台を作ることが一番大切。土台には反りやねじれのないいちばん真っすぐな木材を使用すること。反りやねじれがあるものは床板に使用する。床板は土台に接合することで、多少のゆがみが矯正される。

木口から木材を見て反りやねじれがないか確認する

 

何人ぐらいで作業するとよいのか?

作業人数については少なくとも3人。できれば4人欲しいところだ。というのも長い木材を接合するときなど、ふたりで材を支え、ひとりがインパクトドライバーでビスを打つというかたちを取れるからだ。4人いれば部材の切断作業に集中できる「切り出し要員」をつくれる。切り出し要員がいると作業効率が格段にアップする。

ウッドデッキ作りはこのように長い材を接合することがある。材を支える人員がいると作業しやすい

 

小面積のウッドデッキに最適!根太を先に組む土台作り

先に根太を組んでしまう土台の作り方は小面積デッキに最適な方法だ。根太を組んだら基礎石の上に仮置きし、束柱を立てていく。通常のデッキ作りよりスピーディーに作業できる。根太枠を持ち上げて仮置きするため、この方法で作るときも作業人員は3名程度欲しい。

写真◎佐藤弘樹、福島章公/イラスト◎丸山孝広

木村博明 Hiroaki Kimura

今回のウッドデッキのデザイン・施工を担当したのは木村グリーンガーデナーの代表(写真左)。SOU・SOUのウェアを身にまとって作業するおしゃれな庭師。モダン和風なガーデン施工に定評がある。「TVチャンピオン 極」(テレビ東京系)のガーデニング王決定戦で優勝。写真右は蔭山さん。親方である木村さんの指示を受け、テキパキと木材の切断、接合を担当。

ガーデニング王に学ぶ!ウッドデッキの教科書【2】~道具&資材の準備と塗装~

シンプルなウッドデッキ作りをベースに、作り方の基本を学ぶ本企画。第2回目となる今回は、ウッドデッキ作りに必要な道具や資材、木材の塗装など、施工前の準備の仕方を伝授します!

フェンス&ベンチつきのデッキ。広さは幅5400×奥行2790mm

 

ウッドデッキの道具

必要な道具がそろっていることがデッキ作り成功の秘訣。「デッキ作り必携道具表」を参照し、道具を準備しよう。

 

ウッドデッキの資材

ウッドデッキ作りで使用する主な材料は木材、基礎資材、金物、塗料の4つ。木材だけでも場所を取るので保管場所を確保しておこう。

 

資材は予算と相談しながらベストなものをセレクトしよう

ウッドデッキは基礎資材も、木材(デッキ材)も種類が豊富にあるのでセレクトがけっこう大変だ。

特にデッキ材は国産材、ウエスタンレッドシダー、人工木材、ハードウッド、SPF材など多種多様。ホームセンターや通販サイトなどを物色し、予算と相談しながら使用木材を決めるといいだろう。なお、樹種によって多少のばらつきがあるが、デッキ材の多くが2×材と似たサイズで製材されている。ただし、使用する材を決めたらデッキ材の寸法(厚さ×幅×長さ)をしっかりとチェックしておきたい。

金物はビスやクギなどのこと。DIYではインパクトドライバーで作業できるビスがベスト。少し割高になるが、サビに強いステンレス製のビスを選ぼう。

基礎資材である基礎石もいろいろなものがある。DIYなら手頃な価格帯で購入可能なピンコロタイプを選ぶのがおすすめだ。

 

デッキ材を買うなら通販サイトが便利

通販サイトの魅力はなんといっても資材を自宅まで届けてくれること。また、商品のバリエーションが豊富なのもポイント高し。ホームセンターに出回らない樹種がそろっていたり、店舗に置けない長尺ものの取り扱いもある。

ウッディロバート
ウエスタンレッドシダー専門店。さまざまなサイズのウエスタンレッドシダーがそろっている。

木工ランド
ウエスタンレッドシダーやイペ、ウリンなどのデッキ材からウォルナットやメープルなどの家具向けの材までそろう。

リーベ
ウリンやサイプレスなどの海外産の木材から人工木材まで幅広くデッキ材を扱っている。

 

ウッドデッキの塗装

塗装はSPF材など耐久性の低い木材を使用するときに必須の作業。塗装作業は乾燥時間を考慮するのが大切だ。

 

塗装は組み立て前と完成後に1回ずつ

耐久性に不安のある木材でウッドデッキを製作する場合は必ず塗装すること。塗装するタイミングは、組み立てる前と完成後にそれぞれ1回ずつ。

なお、床板の裏など組み立ててしまうと塗装できない箇所もあるので、組み立て前の塗装は2度塗りして木材の耐久性を高めたい。

塗料は屋外木部タイプを選ぶ。水性、油性とある。水性は扱いやすく、油性は耐久性が高め。それぞれ長所があるので好みで選ぼう。

塗装の補助ツール。ソーホースブラケットを使って作ったウマ。作業するときは地面が汚れないようにブルーシートを敷く

 

組み立て前にウマなどに木材を並べて一気に塗装すると効率的

 

写真◎佐藤弘樹、福島章公/イラスト◎丸山孝広

木村博明 Hiroaki Kimura

今回のウッドデッキのデザイン・施工を担当したのは木村グリーンガーデナーの代表(写真左)。SOU・SOUのウェアを身にまとって作業するおしゃれな庭師。モダン和風なガーデン施工に定評がある。「TVチャンピオン 極」(テレビ東京系)のガーデニング王決定戦で優勝。写真右は蔭山さん。親方である木村さんの指示を受け、テキパキと木材の切断、接合を担当。

ガーデニング王に学ぶ!ウッドデッキの教科書【1】~構造を知りプランを立てる~

シンプルなウッドデッキ作りをベースに、作り方の基本を学ぶ本企画。まずは今回製作したウッドデッキを例に基本構造と各部の名称、プランニングの立て方などを知ろう。

フェンス&ベンチつきのデッキ。広さは幅5400×奥行2790mm

 

ウッドデッキの構造図

【ウッドデッキ作りに用意した主な資材】

材の種類 数量 使用部位
スギ板(20×140×4000mm) 5 フェンス
スギ板(40×140×4000mm) 45 根太、床、ベンチ(座板、補強材)
スギ角材(90×90×4000mm) 4 束柱、支柱、ベンチ(脚)
羽子板つきピンコロ 8 基礎石
ピンコロ(小) 17 基礎石

材料費の目安…30~40万円 *木材、基礎資材、金物なども含む

【大引が必須のウッドデッキもある】
ウッドデッキの床が地面から高い場合や、土台の強度に不安がある場合は根太を支えるために大引(おおびき)を追加する。大引は束柱に取りつける。根太は大引の上に載り、直角に交わる(イラスト参照)。

 

ウッドデッキのフローチャート

塗装が必須な木材を使用したケースのウッドデッキ作りの標準的な流れを紹介する。デッキ作りの肝は「土台作り」。じっくりと土台作りに取り組めるようにスケジューリングしよう。

1、イメージを固める
ラフスケッチを描いてデザインやサイズ、作りつけたい設備などを決めるといい。

2、設計図を描く
設計には設計図を描くだけで木取りも算出してくれる「caDIY3D×(キャディスリーディークロス)」というPCソフトの利用がおすすめ!

3、資材を調達する
資材保管用のブルーシートの準備を忘れずに!

4、施工予定地を整地する
防草シートは整地のタイミングで敷くといい。

5、木材を塗装する
塗装作業を省ける耐久性の高い木材をチョイスするのも手。

6、土台を作る
土台に使用する木材は反りやねじれの少ない木材を選ぶ。

7、床板を張る
ビスの位置をそろえて見栄えよくする。

8、ステップを作る
デッキの高さに合わせて階段の段数を決める。

9、フェンスなどを作る
パーゴラやベンチなどもこの段階で作る。

10、全体を塗装する
2度目の塗装。耐久性の低い木材で製作する場合は必須の作業。

 

ウッドデッキのプランニング

製作するデッキのイメージが固まったら設計をする。束柱や根太の間隔、デッキの高さを念頭に置き、フェンスやパーゴラなどの設備を作るかを決めるといい。

 

1、床板の並べ方を決め土台のプランを立てる

製作するデッキのサイズが確定したら床板の並べ方を決める。床板は根太に対して直角に取りつけるのが基本になるので床板を縦に並べるか、横に並べるかで根太の向きが定まり、基礎(束柱&基礎石)の位置を決められるようになる。

基礎は四隅から位置を決めて、その間に配する基礎の間隔を決めていく。根太に2×6材、束柱に4×4材を使うときの束柱の間隔の目安は600~1200mm。根太の間隔は600~900mmが目安。

施工前の現場の状態をチェックする。地面の固さ、排水枡、室外機などの位置も確認しておきたい

 

2、デッキやフェンスの高さを決める

ウッドデッキは母屋の掃き出し窓前に作ることが多い。そのため、デッキの高さは掃き出し窓に合わせて作るのが一般的。イラストのように掃き出し窓のサッシの水切り下にデッキの床材をもぐらせるように取りつけると見栄えがいい。

フェンス(パーゴラも含む)の支柱は基礎から立ち上げたほうが頑丈に作れる。設置する場合は設計の段階で仕上がりの高さを決めておこう。フェンスはデッキ床上1000mm程度が一般的な高さといわれている。

写真◎佐藤弘樹、福島章公/イラスト◎丸山孝広

木村博明 Hiroaki Kimura

今回のウッドデッキのデザイン・施工を担当したのは木村グリーンガーデナーの代表(写真左)。SOU・SOUのウェアを身にまとって作業するおしゃれな庭師。モダン和風なガーデン施工に定評がある。「TVチャンピオン 極」(テレビ東京系)のガーデニング王決定戦で優勝。写真右は蔭山さん。親方である木村さんの指示を受け、テキパキと木材の切断、接合を担当。

暑いぞ、おい!DIYで自宅の庭にプールを作ろう!~実例編~

全身の肌をじりじりと焼き尽くすような、強い日差しが降り注ぐ季節がやってきました。そんな猛暑を乗り切るには水浴びするのが一番。今年の夏は自宅の庭で、DIYでプール開きをしてみませんか?夏休み中の子どもたちも喜ぶこと間違いなし!

夏にだけ出現する孫のための大型木製プール

プール横には、はしごと飛び込み台(滑り止めシートつき)を併設

 

製作者profile
T・Kさん(70歳)/高知県/DIY歴40年

 

毎年夏に遊びに来る孫のために庭に設置しているという、T・Kさんお手製のプールは長さ5000×幅2500×深さ1000mmと超ビッグサイズ。これだけ大きいと、水の量と木枠にかかる水圧も相当なものになるため、木枠の周囲に骨組みを追加し、さらに木枠と地面を金具+ボルトで固定。強力な水圧にも耐えられるように設計した。なお、シートはビニールハウス用のビニールシートとブルーシートの2重構造になっている。

水は井戸水を使用しており、遊んでいるとき以外は水中ポンプで水を撹拌。排水は水中ポンプで半日かけて汲み出している

 

自宅屋根にワイヤーを張り、滑車を使った手作りロープスライダーもある

 

木枠の外側に骨組みを追加。さらにL字金具とボルトを使って木枠と地面(コンクリート)を固定している

 

これなら手軽に作れる!子ども用の六角形プール

普段は膝ぐらいの高さまで水を張って遊んでいる

 

製作者profile
NPO法人プレーパークせたがや(東京都世田谷区)
「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーとした子供向けの冒険遊び場“プレーパーク”を運営。
https://playpark.jp/

 

解体現場からもらってきた端材で作った六角形のプールは、2×材で組んだ骨組みに、半分に割いたコンパネを内側に張って製作。1辺につき2本の杭(2×材)を打ち込み、水を多く入れる際はさらに木枠の外周にロープをぐるりと巻きつけて補強するそうだ。

ブルーシートをかけていない状態。1辺1800㎜の六角形。小石などを踏んでも痛くないように床面にはゴザを敷いている
排水は木枠と地面の間のすき間から水を一気に出し、園内に掘った溝をつたって排出される

 

子どもたちに大人気!ウォータースライダーつきプール

斜面はコンパネ、エコパネル、アルミレジャーマット、フロアシートの4重構造

 

製作者profile
NPO法人プレーパークせたがや(東京都世田谷区)
「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーとした子供向けの冒険遊び場“プレーパーク”を運営。
https://playpark.jp/

 

プレーパーク(右下カコミ参照)内の数ある遊具の中でもとくに人気だったのが、この高さ2.5mのウォータースライダー(現在は解体)。使用資材は主に廃材の柱材や2×材で、たくさんの子供たちが一斉に乗って遊ぶため、耐久性と安全面にこだわった。傾斜は36度、斜面の幅を広げ(2700mm)、プールの床にはゆるやかな傾斜をつけたりと、試遊するたびに何回か改良を加えていき、この形に落ち着いたそう。

【ウォータースライダー側面図】*単位はmm。スジカイなどは省略

 

製作中の様子。斜面の横の階段は、根太を多めに入れて補強している。幅は700mm

 

プールつきのウッドデッキで庭がリゾート空間に大変身!

排水用の水中ポンプを噴水代わりにして遊ぶ阿部さん親子。給水は水道につないだホースで行ない、2時間弱で溜まる(水圧の弱い地下水を使用)

 

製作者profile
阿部勝利さん(47歳)/福井県/DIY歴8年

 

2010年7月に製作を思い立った阿部さんが、何がなんでもその夏のうちに1回は遊びたいという思いから急ピッチで作業を進め、トータル8日間で作りあげたのがこのプール付きウッドデッキ。手順は、掘った地面の底にコンクリートを敷き、ブロックを並べたら全体にモルタルを塗り付け。その後はモルタルに水色の水性ペンキを塗り、プールの縁に木枠をつけて、周囲にデッキを作りつけた。なお、地面の穴は約2.5m四方で深さは約60cm。なんと3日間かけてスコップを使って掘ったというから驚きだ!

 

【構造イメージ図】

プールの内寸は約1500×1500mm。深さ約450mm

 

排水は地下に浸透させるタイプだ

 

すべて排水させるのに4日ほどかかるので、水中ポンプで強制的に排水し、庭の芝生の水まきに使っている

 

普段はデッキの床と同じ構造のパーツでプールにフタを閉めている

 

プールに入るときは、キャスターをつけた板をフタの下に入れ、持ち上げながらずらしてプールの横に設置すれば高さがぴったり合う

 

*この記事のデータや内容は2016年8月時のものです。

暑いぞ、おい!DIYで自宅の庭にプールを作ろう!~プランニング編~

全身の肌をじりじりと焼き尽くすような、強い日差しが降り注ぐ季節がやってきました。そんな猛暑を乗り切るには水浴びするのが一番。今年の夏は自宅の庭で、DIYでプール開きをしてみませんか?夏休み中の子供たちも喜ぶこと間違いなし!

パターン1・日曜大工感覚で作る!解体も可能な木枠+シートタイプ

1、水圧に耐えられる構造にする
浴槽の構造は、角材や2×材などで骨組みを作り、合板で壁を取り付けるのが一般的。ここで注意しておきたいのは、水圧は水の深さが深いほど高くなり、思っているよりも水圧の力は強いということ。解体するのであればできるだけ簡単な構造にしておきたいが、壊れてしまっては元も子もないので、なるべく頑丈に作っておこう。

2、大きいシートで全体をすっぽり覆う
木枠のすき間からの水漏れを防ぐにはブルーシートなどを使う。シートはなるべく厚手のもので、サイズはプール全体を覆える大きさであればOK。さらに防水性にこだわるなら、池作りに使う防水シートを使う手もある。

3、杭などを立ててさらに補強する
底面に近いほうが水圧が高く、耐久性が不十分だと木枠の下部が広がって倒壊して水が溢れてしまう。倒壊を防ぐためには木枠の外側にあてがうように杭を立てたり、骨組みにスジカイを入れるなどしておくと安心だ。

 

パターン2・耐久性にこだわる!コンクリートでガッチリ固定タイプ

1、穴掘りは重機を使うのがおすすめ
シャベルで地道に手掘りするのも手だが、広くて深いプールを作りたいときや、地盤が固くて掘り進めることができないときはミニユンボを利用するといい。操作方法は建設機械レンタル店でもひと通り教えてくれるが、不安な人はメーカーの技能講習を受けるといい。自分の敷地内で乗るのであれば特別な免許はいらないので、ぜひトライしてみよう。

2、ブロック、砕石+ワイヤーメッシュを下地に使う
コンクリートで浴槽を作るタイプは耐久性の高さ、さらに地面の下に設置するのであれば水圧のことを考えなくてもいいのがメリット。よくガレージの基礎として用いられる、コンクリートブロック布基礎を地面の下に作るイメージで作れる。側面は鉄筋を入れながらブロックを積み、全体をコンクリートでカバー。底面には砕石を突き固めてワイヤーメッシュを張り、ベタ基礎にして耐久性をアップさせてもいい。

3、排水方法を決めておく
底面に排水口を作り、地下に配管をつないで排水するといった方法もあるが、底面に勾配をつけたりする手間を考えると、DIYでは水中ポンプなどを使って排水するのがベター。また、あまり水を入れ替えない使い方をする場合は、電動フィルター(ろ過機)の設置が必須になる。

4、最後にコンクリートの塗装もしておきたい
使うときだけ水を入れる場合でもコンクリートは劣化していくので、コンクリート用の塗料で多少なりとも防水対策を施しておく。ウレタン系のプール専用塗料は取り扱いが難しいため、DIYではあらかじめ防水剤を混ぜたりFRP樹脂などを使おう。

 

パターン3・いろいろ選べる!簡単施工で高品質なキットタイプ

1、市販のキットプールは種類が豊富!
家庭用の大型ビニールプールといえば、INTEX社(外国製)などが有名だ。その他の素材ではFRPや木製などがあり、形も長方形や円形などさまざま。次回は、DIYで設置できる組み立て式のプールを厳選して紹介していくので、チェックしておこう。

2、プールつきデッキにカスタマイズ
キットのプールをそのまま庭に置いて楽しむのもいいが、せっかくならばプールの周囲にウッドデッキを作って、リゾート感あふれる庭を演出してみよう。泳ぎ疲れたときの休憩所としても使うことができ、プールと床板の高さを合わせればハシゴやステップがなくてもプールに入ることができる。

3、穴を掘って埋め込んで設置してもOK
プールの大きさに合わせて穴を掘って整地し、地中に埋めて常設するのもひとつの方法。ビニール製のプールを設置する際は、土の重みで変形しないようにブロックで囲ったりしておくといい。

 

イラスト◎丸山孝弘

作品づくり成功への近道!2×材の選び方と使い方

ビギナーこそ2×材の特徴を知り、いい状態のものを使うことが大事。木材購入の秘訣4カ条をドゥーパ!編集部が伝授します!

 

成功の秘訣1 サイズを知る

2×4という名前は木口が2インチ、幅が4インチのサイズが由来となっているが、実寸法は異なっているため注意が必要。2×材の種類は多く、基本の2×4のほかに、幅が異なる2×6(ツーバイシックス)や、半分の厚さの1×材(ワンバイ材)、束柱によく使われる4×4(フォーバイフォー)などが日本では一般的に流通している。長さもいろいろあり、基本的にはフィートで表記されているので、覚えておくと設計する際に役立つ。おおよそのミリサイズは以下にまとめたのでチェックしてほしい。

【一般的な2×材のサイズ表】

材の種類 厚さ×幅サイズ
1×2材 19×38mm
1×3材 19×63mm
1×4材 19×89mm
1×6材 19×140mm
1×8材 19×184mm
1×10材 19×235mm
1×12材 19×286mm
2×4材 38×89mm
2×6材 38×140mm
2×8材 38×184mm
2×10材 38×235mm
4×4材 89×89mm

 

【ft(フィート)換算表】

3ft 914mm
4ft 1220mm
6ft 1830mm
8ft 2440mm
10ft 3048mm
12ft 3650mm

 

 

成功の秘訣2 樹種にもこだわってみる

2×材に採用されている代表的な樹種は「SPF」。これはスプルース(トウヒ)材、パイン(マツ)材、ファー(モミ)材が混在したもので、それぞれ性質が似通っているため一括して製材&出荷されている。売り場に置いていないホームセンターはほぼないといってもいいだろう。ショップによっては、違う樹種の2×材もあるので作品に合わせて使い分けるのも面白そうだ。

 

・ホームセンターで手に入りやすい樹種

SPF
美しい白い木肌を持った北米生まれの針葉樹。加工性がよく、切断もビス打ちも容易に行なえるのでDIY向き。屋外の湿気には弱いため塗装が必須。

ホワイトウッド
オウシュウトウヒとも呼ばれている。性質はSPFとほぼ同じだが、木が若いうちに製材されるので、SPFよりも節が少なかったり小さかったりするのが特徴。

 

・ひと味違う樹種や変わった種類の2×材と類似材
※表記価格は2019年4月取材時の参考価格になります。また、現在は取扱いを休止している場合があります

スギ国産材
主に宮崎県で生産される飫肥杉(おびすぎ)を使った2×4規格の木材。輸入材の2×4材と比べると、軽量で加工しやすいのが特徴。指定長さカットに対応。塗装品もあり。(WOODPRO)
2×4/38×89×1900mm/1240円(無塗装・税別)

 

ヒノキ国産材
木肌のよさと独特な香りで人気のヒノキの規格材。狂いが少なく、耐久性、耐水性が高いのが特徴。1×材、2×材と近いサイズ感覚で使うことができる(ジョイフル本田 千葉ニュータウン店)
桧特等AD材/20×85×2000mm/390円
桧特等AD材/40×85×2000mm/578円

 

防腐加工材
SPF材やレッドウッド材に防腐・防蟻剤を加圧注入し、耐久性を高くした木材。色目は緑色がかっている。腐りにくいため屋外使用に向いており、防腐塗料で塗装すればさらに耐久性がアップ(ジョイフル本田 千葉ニュータウン店)
1×4/19×89×1830mm/228円
2×4/38×89×1830mm/578円

 

ウエスタンレッドシダー
北米原産のヒノキ科の針葉樹。褐色の木肌に細かくてきれいな木目が魅力。狂いが少なく、均一で軽い材なので加工がしやすい。さらに腐朽にも強く、湿気が少ない低い場所なら無塗装でも耐久性が期待できる(ウッディロバート)
2×4節付/40×90×1820mm/1190円
2×4クリア/40×90×1820mm/3770円

 

インテリア2×4
パイン集成材を2×4サイズに加工し、塗装を施した木材。寸法安定性に優れ、反りや曲がりが発生しにくい。ディアウォールやラブリコなどの突っ張り金具の支柱として使うのに最適。カラーはクリアー、ホワイト、ライトブラウン、ダークブラウンの4色(ジョイフル本田 千葉ニュータウン店)
2×4/38×89×2440mm/2480円

 

イエローシーダー
北米原産ヒノキ科の針葉樹。淡い黄色と独特の香りが青森ヒバに近いことから、ベイヒバとも呼ばれている。完全KD材(人工乾燥)で、暴れが少なく耐久性も高い。乾燥後はプレーナーで磨きあげている(木工ランド)
2×4/40×90×1800mm/1200円

 

ホワイトオーク
北米産のブナ科の広葉樹。ウイスキーやワインの樽材によく使われている。色は淡黄白色。耐久性は高いが重厚で強靭な材なので、ビス打ちの際は下穴加工が必須(木工ランド)
1×4クリアー/19×89×1800mm/1900円

 

ツーバイ材棚板用
棚板をはめるため(大入れ継ぎ)の深さ11㎜の溝が彫られた2×4材。ディアウォールやラブリコなどの突っ張り金具の支柱として使うのに最適。1×材用(20mmの溝を彫ったもの)と2×材用(39mmの溝を彫ったもの)の2種類をラインナップ(オカモク)
1×材用/38×89×2440mm/2180円
2×材用/38×89×2440mm/2180円

成功の秘訣3 状態のいい材を見極める

とくにSPFは大量生産されていることもあり、どうしても状態の「いい材」と「悪い材」が出てきてしまう。店頭に並んでいるものがすべていい材というわけではないので、以下のチェックポイントを押さえて、購入前によく吟味しよう。状態のいい材を使えば、作品の仕上がりがよくなるのはもちろん、加工するのも楽になるため軽視できない。

 

・節の位置と状態をチェック

節とは、木の枝の跡を表す茶色い円形模様のこと。節は非常に堅く、カットするときに刃が通らなかったり、組み立てるときにビス打ちができなかったりする。節が少ないものを選び、避けながら木取りするのが基本。また、節の状態も確認しておこう。生き節(周りの繊維とかみ合った節)は問題ないが、死に節(凹凸やヒビがあったり、周囲が黒かったりする節)はすっぽりと抜け落ちることがある。幅広の材にはとくに表れやすい。

とくに木端にある節は見逃しやすく、写真のように欠けやすいので避けるのがベター

 

・反りやねじれをチェック

SPFは早く成長する針葉樹ということもあって、反りやねじれが出やすい。曲がったものをそのまま木取りして使うと寸法が狂ったり、収まらない原因となるので、1本1本確認してなるべく真っすぐなものを買うようにしよう。

 

反りやねじれは木材と目線を合わせ、木口側から見てチェックする

 

・仕上がりにこだわるなら木目の向きを気にしよう

木材は丸太からの取り方によって、大きく柾目板(まさめいた)と板目板のふたつに分けられる。さらに丸太の樹皮側を木表、中心側を木裏と呼び、これらは材の木口を見れば判別できる。とくに板目板は収縮すると木表側に反る性質があるので、家具作りなどでは木目の向きは重要だ。たとえば箱ものは木裏を外側、引き出しは木表を外側にして作るのが一般的。テーブルの天板は基本的にはきれいなほうの木表を表面に使うことが多いが、木目の好みなど場合によっては木裏を表面に出して使ってもいい。

 

 

成功の秘訣4 木取りの仕方を覚える

資材を購入したら、いよいよ必要な分だけ部材を切り出す「木取り」を行なう。一見簡単に見えるこの作業も、注意しておきたいポイントがいくつかある。とくに忘れがちなのは、材を切断するときに使うノコギリや丸ノコの刃の厚みを計算に入れること。たとえば「長さ1830mm材を半分にカットしたら、ちょうど915mm!」ということにはならない。なので、あらかじめ長さに余裕を持って設計しておくのが大切。

 

・必要寸法の長い材から先に取る

1本の材から複数の材を取りたいときは、まずサイズの長いほうから取るのが基本。短いものから取っていくと、最後に長い材が取れなくなってしまった……という事故を防げる。

このポイントを守れば、用意する資材の数や、最後に出る端材を減らせるメリットも

 

・カットに使う刃の厚みも考慮する

カットするために使う刃には数ミリの厚みがある。この厚みを考慮しながら余裕を持たせて設計していないと、木取りの際に足りない部分が生まれ、最終的にサイズの狂った作品ができあがってしまうこともあり得る。材はあとからカットしたり削ったりして減らすことはできても、増やすのは非常に難しく手間もかかるので注意したい。

刃の種類にもよるが丸ノコなら2mm前後が一般的。また、薄い刃のノコギリにもごくわずかな厚みが存在するので要注意

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●応募受付期間…2021年3月1日~10月31日のレシートが対象(応募締切は11月10日まで)
●問い合わせ先…和信ペイント
TEL:0480・48・2725
https://www.washin-paint.co.jp/