テレビ好調のハイセンス、今度はエアコンで本気出す! 高コスパかつ「日本基準」の3モデルで白物家電に本格参入

ハイセンスといえば、テレビ事業で世界トップクラスのシェアを誇る総合家電メーカー。2024年におけるテレビ出荷台数では世界2位、同年の「100V型以上のテレビの出荷台数」に限れば、世界1位となっています。

 

同社はテレビにとどまらず、実はエアコン事業もグローバルで展開しており、160を超える国・地域にて、年間1300万台以上を販売しています。そのハイセンスが2025年、グローバルでの実績と技術力を踏まえつつ、日本における白物家電事業を本格始動し、日本独自のニーズに対応した製品開発とマーケティングに力を入れるとのこと。その第1弾としてエアコン3モデルを4月中旬に発売します。

↑ハイセンスジャパンが2025年に発売するエアコンの新モデル。

 

本社ショールームにて行われたメディア向け内覧会では、お掃除機能を搭載した「Mシリーズ」、ベーシックモデルの「Sシリーズ」、そしてスポットエアコンの3機種がおひろめされました。

↑フィルターお掃除機能を搭載し、清潔さを保つ「Mシリーズ」。

 

↑「Sシリーズ」ブラックモデル。

 

テレビ事業の知見を活かし、世界基準×日本品質のエアコンを提案

内覧会冒頭、ハイセンスジャパン・山本 一人 副社長が挨拶に立ちました。日本のエアコン市場は国内メーカー12社による約900万台(年間販売台数)である点を踏まえ、「我々は世界全体で、これより多く作って販売しているところが非常に強み」と語り、その実績に自信を見せました。

 

同社のテレビは、「上位モデルだけではなく、ミドルクラスや下位モデルも『非常に画質が高い』と評価を頂いている」と山本副社長。ハイセンスであれば他社と同じ予算でワンランク上のテレビが買えるコストパフォーマンスの良さが武器であるようです。テレビ事業を通じて培ってきた知見を活かし、エアコンにおいてもコストパフォーマンスを高めてより魅力的な製品を提案したいと意気込みます。

↑ハイセンスジャパン・山本 一人 副社長

 

もう一つのカギが、「日本基準の品質」。JRDという日本のR&Dセンター(研究開発センター)を神奈川県川崎市で立ち上げ、冷蔵庫や洗濯機、エアコンについて、日本のユーザーのための製品設計と要素開発を行ってるとのこと。外気温が50℃になっても安全に動作するかどうかといった耐久性や安全性の確認はもちろん、静音性や省エネ性など、日本ならではのニーズに応えるための試行錯誤が日々重ねられているそうです。

↑エアコン事業でも、テレビ事業での成功例を踏襲しています。

 

「どっちも解凍洗浄」など省エネにも貢献する清潔機能が充実

ユーザーの手に届けやすくするために、コスパは欠かせない要素であるのは当然としつつ、「それだけだと、もっとコスパが良いものが出てきたときにとって代わられてしまう」として製品の魅力を語ったのは、同社商品管理部の本堂 仁彦さん。エアコン3モデルについて「清潔性」「利便性」「品質へのこだわり」という3つのコンセプトに基づいて生み出したと説明し、製品への自信をにじませました。

↑ハイセンスジャパン・商品管理部の本堂 仁彦さん。

 

「清潔性」を担保する代表的な機能として、ルームエアコン「Mシリーズ」「Sシリーズ」いずれにも搭載されているのが、「どっちも解凍洗浄」。室内機と室外機の熱交換器を-19℃に冷やし、凍らせた後に一気に溶かして汚れを洗い流す仕組みです。内覧会でデモ運転を見ることができました。霜が降りたように熱交換器が徐々に真っ白になり、あっという間に解凍されるのがよくわかります。

↑「どっちも解凍洗浄」の早回し動画。約12分のうちに、エアコン内部の熱交換器部分を凍らせて溶かし、汚れを一気に洗い流します。

 

表面についた汚れをサッと水で洗い流せる抗菌はっ水フィルターも搭載。フィルター樹脂にはっ水素材を練り込んでおり、デモではこぼした水滴が即座に球状になって転がるほどのはっ水性能を見せていました。また、SIAA(抗菌製品技術協議会)認証済の無機系銀抗菌加工により、雑菌の繁殖を抑制。こちらもMシリーズとSシリーズ、いずれにも備わっている機能です。

↑サッと水洗いできる抗菌撥水フィルター。撥水加工されているので、コップの水をこぼすと球状になって転がりました。

 

そのほか、上位モデルのMシリーズではプレフィルターのホコリを自動で掃除し、溜まったホコリも簡単に捨てられる「フィルターお掃除機能」、冷房や除湿運転後のエアコン内部を乾燥させてカビやニオイの発生を抑制する「内部クリーン」機能、室内熱交換器のプレコート剤にニオイを吸着しにくいもの(潤滑親水コーティング)を採用するなど、随所に工夫が凝らされています。

 

なお、「どっちも解凍洗浄」と「フィルターお掃除機能」は電気代のカットにも貢献するとのこと。定期的に作動させることで、年間の無駄な電気代を約15%削減するといいます。

↑フィルターの汚れを自動で掃除する「フィルターお掃除機能」の仕組み。フィルターを巻き取って表面のホコリをブラシでかき取ります。その際の運転音もわずか23dBと小さいのも特徴。

 

リモコンに「体感温度センサー」を搭載して利便性も向上

ただし、自動で清潔性を保つ機能はあっても、ダストボックスやフィルターはどうしても人力で着脱し、ゴミを捨てたり汚れを洗ったりする必要があります。その点、Mシリーズならカバーを外し、ストッパーを外して引き出す程度でOK。着脱の仕方がわかりやすいので、ついお手入れを先送りにしてしまう……なんてことも少なくなるはず。

↑フィルターやダストボックスを感覚的に着脱できる、わかりやすい構造。ダストボックスを外す作業は片手で済むので、女性でもお手入れしやすいです。

 

↑ダストボックスは十分な容量で、10年分のゴミを溜めておけます。「今年はゴミを捨て忘れてた!」ということがあっても安心です。

 

このほか、風の向きを上下左右に連続的に自動スイングさせて部屋の温度を均一に保つ「立体気流」を搭載。スマートフォンのアプリでエアコンのON・OFF切り替えや詳細な操作が可能な「Wi-Fi機能」、バックライトや蓄光ボタンの搭載により高齢者でも使いやすいリモンコンなどを採用しており、利便性を向上させています。

 

また、リモコンに「体感温度センサー」を搭載するのも特徴。一般的なエアコンは室内機の中に温度センターがついています。温かい空気は上部に溜まりやすいため、「エアコン付近は温かいが、ベッドで眠っている人は寒い」といったズレが起きることも。ただMシリーズなら、体感温度センサー付きリモコンをユーザーが手元に置いておけるので、「自動的により体感温度に近い温度コントロールをしてくれます」と本堂さん。通年で頼れる機能ですね。

 

「Mシリーズ」製品概要

型番 畳数のめやす 店頭想定売価
HA-M22HE5-W 6畳 10万円前後
HA-M28HE5-W 10畳 12万円前後
HA-M40H2E5-W 14畳 14万円前後

 

ベーシックモデルでは貴重なブラックカラーを用意

基本性能を押さえつつ、価格も抑えたベーシックモデルであるSシリーズは下記のような特徴があります。

  • どっちも解凍洗浄:Mシリーズ同様、室内機と室外機の熱交換器を凍結洗浄
  • 内部クリーン:冷房・除湿運転後の内部を乾燥させる
  • 抗菌撥水フィルター:雑菌の繁殖を抑制する、汚れが落ちやすい清潔なフィルター
  • パワフル冷暖:6段階での風量調節が可能
  • 立体気流:上下左右自動スイングで、部屋の温度を均一に保つ
  • リモコン:0.5℃単位での温度設定、入/切タイマー、おやすみモード、ECOモード、バックライト&蓄光ボタンを搭載

 

特筆すべきは、Sシリーズに「ブラックモデル」があること。本堂さんによると、「例えば炊飯器などは今、2台に1台が黒が売れていて、白ばかりではなく、選択肢として黒が入ってきている」とのこと。今回のように、求めやすいベーシックモデルの価格帯でブラックカラーを展開した点も、他社ではなかなか例を見ない試みだといいます。なお、Sシリーズの標準機(ホワイト)にはついていない、「Wi-Fi機能」を搭載しているのも見逃せないポイントです。

↑モノトーンの部屋にもマッチする「Sシリーズ」ブラックモデル。

 

↑エアコン本体のみならず、リモコンもブラックカラーです。

 

「Sシリーズ」製品概要

型番 畳数のめやす 店頭想定売価
HA-S22H-W 6畳 8万円前後
HA-S25H-W 8畳 9万円前後
HA-S28H-W 10畳 10万円前後
HA-S40H2-W 14畳 12万円前後

 

「Sシリーズ」ブラックモデル製品概要

型番 畳数のめやす 店頭想定売価
HA-S22H-B 6畳 9万円前後
HA-S28H-B 10畳 11万円前後
HA-S40H2-B 14畳 13万円前後

 

自力でカンタンに取り付けられるスポットエアコン

エアコンが取り付けられない場所を快適にしたいというニーズに応える、パワフルでコンパクトなスポットエアコンも登場。エネルギー効率が良い冷媒「R32」を採用し、環境に配慮しています。「R32」は、従来の冷媒(R410A)と比べて地球温暖化係数が3分の1程度と小さいのが特徴です。

↑キャスター付きで移動も簡単なスポットエアコン「HPAC-22H」。

 

また、いろいろな長さに対応できる窓パネル(60~154センチ)を採用しているため、施工業者に依頼しなくても、購入したその日のうちに自力で簡単に取り付けられるそう。厳しさが増す昨今の日本の夏は、エアコンが一日使えないだけでも死活問題。買ってすぐ使えるのはありがたいですね。

↑スポットエアコンがあれば、設置工事が難しい場所も快適にできます。

 

スポットエアコン製品概要

型番 店頭想定売価
HPAC-22H 4万5000円前後

 

パーツにこだわり、専用ラインを設けて日本基準の品質を実現

これら製品を形作る「品質へのこだわり」について、本堂氏が説明しました。まず、製品には信頼できる日系メーカー製の部品を数多く採用していること。さらに、製造現場では、「優秀な作業者しか携われない日本専用ラインを設け、配管と配管を繋ぐはんだ付け(ロウ付け)作業を熟練者が担当している」とのこと。ガス漏れや傷の有無、部品やラベルに誤りがないかといった確認はAIで行い、人の目では見落としかねないような部分まで精密にチェックしているといいます。

↑電子膨張弁は鷺宮製、ファンモータはNIDEC(日本電産)製など、日系メーカー製造の部品を多数採用。

 

また、世界の各認定機関の認証を獲得している試験室を用いて、品質確認試験を実施。例えば、電気・電子機器が電磁波によって誤動作しないか確認する「EMC試験」内での雷サージ試験基準において、グローバルだと2KVのところを日本向けエアコンの場合は6.5KVに厳しくし、3倍以上の電圧に耐えられるかどうかを確かめているのだとか。

↑日本冷凍空調工業会の研究所でのテストも実施し、日本の性能基準の達成を確認しました。

 

また、同社は全国に300拠点ほどの出張修理サービスネットワークを構築し、問い合わせを365日受け付けています。この体制は、同社前社長である李 文麗氏が継続的な投資を重ねて築き上げたそう。

 

「海外は壊れたら交換という文化がありますが、日本の場合はそういうことで信用されるのが難しい、と李 前社長がずっと言っていました。また、エアコンは壊れてもすぐには交換が難しく、止まるとまずいということで、品質を上げないといけない。そのうえでいざという時にはやはり、いち早く対応できる体制を整えていかないといけません」(山本副社長)

↑全国にサポート体制を築き、「約14年かけ、ハイセンスは日本になじんできた」と山本副社長

 

エアコン3モデルの発売を皮切りに、5月には大型冷蔵庫・洗濯機の発売やテレビCMの展開も予定しているというハイセンス。山本副社長は、24年からアンバサダーに起用している横浜流星さんの活躍に触れ、「我々もあやかって、一緒に成長していきたい」と意欲をにじませていました。同社はFIFAクラブワールドカップ2025の公式パートナーシップに就任し、横浜DeNAベイスターズとのスポンサーシップ契約を締結するなど、スポーツイベント支援を通じた認知拡大にも努めていくそうです。

 

日本の白物家電市場への本格参入を明言し、エアコン3モデルを投入してきたハイセンス。日本の厳しいユーザーの目を意識して清潔機能や利便性を充実させ、品質を高めてきた点にその本気度がうかがえます。サービスネットワークがしっかりと構築されている点も安心で、これから日本の白物家電市場での存在感が増すことは間違いありません。ユーザーとしても、高品質・高コスパな選択肢が増えるのはうれしいところ。今後の展開にも注目です。

【家電大賞】快適と省エネを両立した高性能エアコンに賞賛! 2つのセンサーと2つのファンで 1人ひとりを快適にする最新「霧ヶ峰」

提供:三菱電機

「家電大賞」は、モノ・トレンド情報誌「GetNavi」および同ウェブメディア「GetNavi web」と、家電と暮らしの情報サイト「家電 Watch」による年に1度の総合家電アワード。今年で10回目となった2024年発売のノミネート家電200製品のなかから、読者の投票(投票期間は2024年11月22日~2025年1月6日)により、グランプリと部門賞(特別賞含む全27部門)が決定した。霧ヶ峰 FZシリーズ (2025年度モデル)がパートナー賞を受賞。今回は、投票者の声とともに受賞モデルの魅力を紹介する!

 

快適さをそのままに、省エネ運転できる高性能エアコンに賞賛の声が相次ぐ!

三菱電機
霧ヶ峰 FZシリーズ (2025年度モデル)
オープン価格

人の気持ちを測って空気を整える(※1)独自の空調システム「エモコテック(※2)」を搭載し、風あたりの好みに合わせて温度調整することで省エネ性がアップ。新湿度制御により、設定温度到達後の湿度の上昇も抑える。

【SPEC】MSZ-FZ4025S ●畳数の目安:冷房11〜17畳(18〜28㎡)、暖房11〜14畳(18〜23㎡)●期間消費電力量:1022kWh●省エネ基準達成率(2027年度目標):112%●低温暖房能力(外気温2℃の時):8.5kW●サイズ:W890×H285×D358㎜(室内機)

 

【投票者コメント】

「エアコン自ら周囲を感知する能力もここまで進化したのかと驚かされます。デザインも斬新。そしてエコ」

「夏は28度でとても涼しく過ごせて、省エネになっていると思います。冬もあっという間に暖まるし快適です」

「主要な部品が取り外しできるので隅々までお掃除ができて楽ちん。次回の買換えも霧ヶ峰にします」

 

高い省エネ性能とAI&センサー技術が好評

家庭用ルームエアコンのブランドとしては最長である、58周年を迎えた三菱電機の「霧ヶ峰」。全モデルを国内で生産しており、シリーズ全体の累計生産数は4400万台を超える。〝霧ヶ峰高原の心地良い風を家庭に届けたい〟というコンセプトのもと進化を続けてきた同シリーズは、半世紀以上続くその歴史のなかで様々な技術革新を実現してきた。

 

特に力を注いできたもののひとつが、省エネ性能の向上である。大型のW字型熱交換器を搭載し、プロペラファン構造で送風効率を高めて一気に温度を変えるFZシリーズは、7年連続で省エネ性能日本一(※3)を獲得している。

↑運転停止後、エアコン内に到達したホコリやペットの毛などの汚れを自動で掃除。エアフィルターを清潔に保つ

 

AIとセンサーの技術も、業界をリード。FZ、Zシリーズに搭載されている、赤外線を活用して温度を探知するセンサー「ムーブアイ」にAIが加わった「ムーブアイmirA.I.+」と、人の感情を数値化して読み取るバイタルセンサー「エモコアイ」が先進的だ。いずれも独自開発のセンサーで、部屋にいる人の温度・湿度の感じ方と心の動きを見極め、それぞれに適切な気流を届けることができるのだ。

 

また、外気温や日射量の変化による室内の温度変化を予測して、先回りして室温を調整する機能も備わっている。このような革新的且つ挑戦的な技術開発が高く評価され、今回の投票者からも高い信頼を得ている。

 

【POINT 01】全容量帯で7年連続省エネNo.1!(※3)2027年度省エネ基準を先んじてクリア!

エアコンの構造をいちから見直すことで、FZシリーズは優れた快適性と省エネ性を実現。壁掛けタイプのエアコンの空調システムは従来、内部にラインフローファン(細長い板状の羽根が筒状に配置された換気扇)を採用しているものが多いが、FZシリーズでは扇風機のようなプロペラファンを2つ搭載。それぞれが独立駆動するプロペラファンが下へ効率的に風を届け、W字型に配置された熱交換器の温度を一気に変化させる。

 

この独自構造により省エネ性能が格段にアップし、全容量帯で7年連続省エネナンバーワンを達成。省エネ法に基づく2027年度を目標年度とする新たな省エネ基準「APF(通年エネルギー消費効率)」を、2年も先じてクリアしている。

 

【POINT 02】2つのセンサーを搭載! AIが温度とキモチを見つめて快適な空気を整える

温度を見通す高精度赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.+」と人の感情を推定するバイタルセンサー「エモコアイ」を組み合わせた空調制御システム「エモコテック」(※2)を搭載。「ムーブアイmirA.I.+」は人の動きや状態、室内の形状・広さなどから温度変化を検知し、独自のAI指標で“暑い”・“寒い”という人の温度の感じ方を見分ける(※4)。さらに、温風・冷風が接する床や家具の温度変化から空気の流れを推測し、自動で風を調節してくれる優れものだ。

 

本体内部に搭載された「エモコアイ」は人の脈を非接触で計測し、脈から感情を推定・数値化することによって温度や気流を制御。このダブルのセンサーにより、体感温度や湿度だけでなく人の気持ちまで察して、家族全員がくつろぎやすい空調環境を実現する。

 

【POINT 03】2つのファンで2つの温度の気流を作りだし、暑がりさんも寒がりさんも快適!

個々の温度の感じ方を「ムーブアイmirA.I.+」が見極め、左右独立駆動の2つのプロペラファンが風を吹き分け。冬の場合、暑がりな人へは弱い風を、寒がりな人へは強い風を……と、的確に吹き分けてくれる。手前と奥で温度の感じ方が異なるL字型の部屋でも2つのプロペラファンが大活躍。ファンの回転数をそれぞれで変化させて強風と弱風を同時に作り、それぞれのエリアにぴったりな気流を届けることができるのだ。

 

吹出し口のフラップも左右に分かれており、それぞれが独立稼働。2カ所同時に最適な風を届ける。さらに、暑いと感じている人、寒いと感じている人それぞれの温冷感に寄り添って、自動で「風あて」と「風よけ」の切り替えが可能だ。

 

↑L字型の部屋は冬の場合、左右同じ風だと奥が冷えがちになる。FZシリーズなら右側だけ風を強くし、奥まで暖気が届く

 

人気バラエティ「ガリベンチャーV」でも 「センサーがスゴ過ぎる!」と話題に

テレビ朝日 毎週水曜 深夜0時15分 ※一部地域を除く −

【Check!】TVerで配信中! 2025年3月24日〜4月23日(期間限定)

小峠CEOは「エモコアイ」のユーザーの“脈”をセンサーで計測し、脈から感情を推定・数値化することで温度や気流を制御する機能にビックリ! また、エアコンは一般的に丸みを帯びたデザインが多いが、霧ヶ峰 FZシリーズ(2025年度モデル)のスクエアなデザインが「スッキリしてカッコいい!」と小峠CEO、シロちゃんともに好評だった。

「脈まで感知できるとは驚き!」CEO 小峠英二(バイきんぐ)
「デザインもステキ♪」社員 電脳少女シロ

 

※1:人の脈を非接触で計測することで脈から人の感情を推定し、温度や気流を制御。使用条件などにより効果は異なり、個人差がある。※2:emoco-tech(エモコテック)、emotion conditioning technologyを略した三菱電機の造語。※3:国内家庭用エアコン、2019〜2025年度、4.0〜9.0kWの各クラスにおける、FZシリーズ。2025年度:期間消費電力量 MSZ-FZ4025S:1,022kWh、MSZ-FZ5625S:1,605kWh、MSZ-FZ6325S:1,833kWh、MSZ-FZ7125S:2,202kWh、MSZ-FZ8025S:2,609kWh、MSZ-FZ9025S:3,040kWh(2025年3月12日現在)。 ※4:当社独自の指標で暑い・寒いという温度の感じ方を見分けます。体質を見分けるわけではありません。

 

三菱電機「霧ヶ峰 FZシリーズ (2025年度モデル)」を詳しく知りたい方はコチラ

フィルター自動清掃やIoT機能を搭載!ハイアールのハイグレードエアコン「MXシリーズ」

ハイアール ジャパン セールスは、ルームエアコン「huu」の2025年ハイグレードモデル「MXシリーズ」を3月1日から販売します。

記事のポイント

フィルターや室内・室外機の内部自動清掃が可能なハイグレードエアコン。スマホアプリや音声アシスタント連携もあり、便利に利用できそうです。

 

自動お掃除機能やIoT機能を搭載した、ハイグレードモデル。室内機・室外機を内部洗浄する「Wフリーズ洗浄」や、24時間の運転毎、運転停止後に約8分間、自動でホコリを除去する「フィルター自動お掃除」、菌やウイルスをイオンで浄化し花粉やPM2.5も抑制する「プラズマ空清」など、便利さと清潔さにフォーカスした機能が揃っています。

 

また、使用環境やライフスタイルに合わせた自動運転機能「AI快適自動」や「AIエコ」も搭載。無線LAN通信機能も標準搭載しており、スマホアプリ連携や音声アシスタントとの連携が可能です。こうしたIoT機能を搭載するエアコンは同社初の試みとのこと。

 

ラインナップは、単相100Vモデルが「JAA-MX225A」(定格冷房能力2.2kW)、「JAA-MX255A」(定格冷房能力2.5kW)、「JAA-MX285A」(定格冷房能力2.8kW)の3機種で、単相200Vモデルが「JAA-MX405A2」(定格冷房能力4.0kW)の1機種。価格は10万円前後(税込)~。

 

なお、フィルターの自動清掃機能やIoT機能を備えていないスタンダードモデル「CSシリーズ」も同時発売となります。そちらは販売価格7万円前後(税込)~。

 

ハイアール ジャパン セールス
JAA-MX225A
販売価格:10万円前後(税込)

節電も湿度コントロールも。ダイキンのルームエアコン「うるさらX(Rシリーズ)」

ダイキンは9月26日、節電機能に湿度コントロールの新制御を搭載したルームエアコン「うるさらX(Rシリーズ)」の各モデルを発表しました。11月1日から販売を開始します。

 

記事のポイント

家庭での節電ニーズが高まる昨今、節電状態で快適に稼働してくれるルームエアコンは需要が高そうです。乾燥が気になる冬場に向けて、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

↑温度だけでなく湿度もしっかりコントロール。節電しつつ、快適な自動運転を実現します

 

安定運転時の消費電力量を削減する「節電自動」に「うるる加湿」「さらら除湿」の技術を組み合わせた、新たな「節電自動」を搭載。夏場は「節電除湿冷房」、冬場は「節電加湿暖房」と使い分けることで、消費電力量を抑えながら室内が不快にならないよう、温度と湿度をコントロールできるとしています。

 

節電運転により不快に感じやすい環境になった場合は、節電運転を解除して快適性に配慮した運転に切り替えて湿度を安定させたのち、再度、節電運転に入るように制御するとのこと。

 

また、アプリと連動して帰宅前にエアコンを起動する「おかえり運転」に、温度と湿度の設定機能を搭載。アプリで好みの温度と湿度を予め設定しておけば、帰宅後すぐに快適な室内環境を実現できるとしています。

↑アプリと連携する「おかえり運転」でも湿度コントロールが可能に

 

ラインナップは、単相100Vモデルが「AN225ARS-W」(適用畳数6畳)、「AN255ARS-W」(適用畳数8畳)、「AN285ARS-W」(適用畳数10畳)、「AN365ARS-W」(適用畳数12畳)、「AN405ARS-W」(適用畳数14畳)の5機種。単相200Vモデルが「AN405ARP-W」(適用畳数14畳)、「AN565ARP-W」(適用畳数18畳)、「AN635ARP-W」(適用畳数20畳)、「AN715ARP-W」(適用畳数23畳)、「AN805ARP-W」(適用畳数26畳)、「AN905ARP-W」(適用畳数29畳)の6機種で、計11機種。

 

価格はいずれもオープン。

夏物の衣替え・エアコン掃除・製氷器洗浄…“夏じまい”のコツを家事アドバイザーが解説

記録的な猛暑が続いた夏も、暑さのピークが過ぎ去り、秋の訪れを感じるようになりました。過ごしやすくなってきたこの時期に、夏に活躍した衣類やエアコンなどのアイテムを手入れして、次の季節を心地よく迎える準備をしましょう。

 

家事アドバイザーの矢野きくのさんに、夏服の衣替えからエアコンや冷蔵庫の掃除まで“夏じまい”のポイントについてお話を伺います。

 

 

涼しくなってきた今こそ「夏じまい」のチャンス

夏の終わりに行う掃除や片づけ、いわゆる“夏じまい”には、さまざまなメリットがあります。「ワンシーズンお世話になったものをきれいに片づけて保管することで、来年の夏まで清潔で使いやすい状態を保つことができます」と矢野さん。

 

「とくに気温も湿度も高い夏は、汗や皮脂など、目に見えない汚れも蓄積しやすい季節です。こうした汚れをそのままにしてしまうと、カビや変色の原因になります。夏の間フル稼働だったエアコンのメンテナンスや、衣替えに向けて夏服のしまい洗いをしておくことで、汚れの蓄積を防ぐことができます」(家事アドバイザー・矢野きくのさん、以下同)

 

次のシーズンに向けて生活環境を整えておくと、年末年始の大掃除や来年の夏の支度も少しラクになるはず。住環境を整えるためにも、過ごしやすくなってきたこの時期に一度家中のメンテナンスや整理整頓をしておきましょう。

 

衣替えは、ただ洗って仕舞うだけじゃない
衣類や寝具が長持ちする「しまい洗い」のコツ

肌寒くなり、夏服や夏用寝具が必要なくなってきたら、冬服への衣替えを始めます。夏物の衣類や寝具を収納するときは、以下のポイントを押さえておきましょう。

 

衣替えの3つのポイント

1.衣替えは「晴れ」の日に行う
「衣替えはかならず湿気が少ない晴れの日に行ってください。湿気が多い日や雨の日に収納してしまうと、収納する際に湿気を含んでしまい、カビの原因になりかねません。どうしても晴れの日に行うのが難しい場合は、除湿機やエアコンの除湿機能などを使って、できる限り湿気を取り除いてから収納してください」

 

2.「つけ置き洗い」で目に見えない汚れを落とす
「衣類や寝具の汚れは目に見えるものだけではありません。汗や皮脂などは一見わかりにくい部分に染み込んでいるため、蓄積した汚れを放置していると、カビやシミ、臭いの原因に繋がります。衣替えの前は通常の洗濯の前に、酸素系漂白剤でつけ置き洗いをするようにしましょう」

 

3.収納する前にしっかり「乾燥」させる
「湿気を含んだままの衣類や寝具も、雑菌が繁殖する原因に。生乾き状態での収納は絶対にやめましょう。しっかり風通しをして、完全に乾燥させた状態で収納してください」

 

大切な服や寝具を傷めず、いつまでもきれいに使うためには、収納前にしっかりとケアをしておくことが重要です。衣替えのタイミングで、不要な衣類を選別して処分するのも良いでしょう。

 

アイテム別のお手入れ方法

帽子やサンダル、日傘、レジャーグッズなど、夏に活躍したアイテムも、収納する前にしっかりとメンテナンスをしましょう。とくに帽子やサンダルは、汗の分泌量が多い頭皮や足裏に直接触れるため、目に見えない部分にも汗や皮脂が染み込んでいます。カビやシミのもとになるので、衣替えのタイミングで汚れを落としておきましょう。

 

・帽子
「型崩れを防ぐため、帽子のサイズに合うザルに被せてからタオルで全体を包み、洗濯ネットに入れて洗濯機で洗います。洗濯ネットが大きい場合は、帽子のサイズに合わせて結んでください。干すときも、ザルに被せたまま干すと形を保つことができます」

 

・サンダル
「サンダルはボディソープや洗濯洗剤をつけた歯ブラシで目立つ汚れを擦り落とした後、酸素系漂白剤に30分から1時間つけ置きします。つけ置き後は真水で洗い流し、日陰で乾燥させます」

 

・日傘
「洗える素材であれば、浴室でボディソープや洗濯洗剤を使って全体を洗い、洗剤が残らないようしっかり洗い流します。乾かすときは傘を開いた状態で陰干します。骨の部分がさびないように、干す前に布で水滴を拭き取っておくと良いでしょう」

 

・ビーチグッズ
お出かけが増える夏、海やプールに行ったという方も多いはず。水着や浮き輪などのビーチグッズは、使用後は海水やプールの塩素、砂汚れなどを水道水で洗い流してから手入れします。

 

「水着は他の衣類と同様、酸素系漂白剤で漬け置きしてから洗濯します。浮き輪やビーチボールなどは、もし目立つ汚れがある場合は、ボディソープや洗濯洗剤を使って洗い、水でしっかりと洗い流してから乾かします。乾燥させる際は、直射日光に当てると傷みやすいため、必ず風通しの良い場所で陰干ししてください」

 

なお、素材によっては、自宅での洗濯やつけ置き洗いが難しい場合もあります。その場合は、濡れタオルを使って手入れします。

 

「よく絞った濡れタオルで、ポンポンと叩くようにして汚れを取り、日陰でしっかり乾かします。ただし、この夏頻繁に使っていた場合は、取り切れない汗や皮脂が残ってしまうので、来年の夏に向けてクリーニングに出すことも検討してください」

 

外からは見えない汚れがたくさん
暖房シーズンに向けてエアコンをメンテ

猛暑日が続いたこの夏、毎日エアコンを点けっぱなしで過ごしていて、なかなか内部のお手入れができなかったという方も多いのではないでしょうか。ワンシーズン酷使したエアコンも、「夏じまい」をして休ませてあげましょう。

 

残暑が和らぎ、エアコンがなくても過ごしやすい気温になってきたら、掃除を行います。冬になると再び活躍することになるので、念入りにメンテナンスをしておくことが大切です。

 

エアコン掃除の手順

1.エアコン本体上部のホコリを落とす
「内部の掃除に取り掛かる前に、まずは本体上部に溜まったホコリを落とします。ホコリをそのままにしておくと、エアコンの内部にホコリが入ってしまうので、はたきやハンディモップ、掃除機などを使ってしっかり掃除しておきましょう」

 

2.フィルターを取り外して掃除する
「エアコン本体のカバーを開けてフィルターを取り外し、網目に詰まったホコリを掃除機などで落とします。その後、台所用の中性洗剤などを使って汚れを落とし、風通しの良い日陰で乾かします。フィルターが目詰まりしているとカビが発生しやすくなりますし、冷暖房の効果が下がり、無駄な電力を消費してしまいます。できればシーズン中も、2週間に1回はフィルターを掃除したいですね」

 

3.ルーバーの汚れを拭き取る
「ルーバーとは、エアコンの吹き出し口に付いている、風向き調整用の羽のことです。フィルターを乾かしている間に、手の届く範囲でルーバーの表面についた汚れを拭き取ります。奥の方は掃除が難しいので、汚れが気になる場合は業者に依頼しましょう」

 

4.送風運転をする
「フィルターの乾燥が終わったら元の位置に戻し、半日以上送風運転をします。冷房や除湿機能を使うと、内部で結露が溜まり、カビの原因になってしまうので、エアコンを掃除してすぐの使用は避けた方が良いです。溜まっている水滴を取り除くためにも、掃除の後は送風運転にするか、一番低い温度で暖房運転をしてください」

 

エアコンのメンテナンス後は、次のシーズンまで使用を控えて休ませましょう。本格的な暖房シーズンが始まる前には、一度暖房が正常に機能するかどうか、試運転を行うことをおすすめします。

 

開封済みのものに注意!
夏の食材たちの在庫整理

麦茶や素麺、冷や麦など、夏の代名詞ともいえる食材たちも、少し涼しくなってきたころになると余りがち。冷蔵庫や棚を整理して、食材類の片づけや掃除をしましょう。

 

「食材には賞味期限があるので、開封してしまったものはできる限り早く消費してしまうことが大切です。麺つゆなどは料理の味付けなどにも使い道がありますが、素麺や冷や麦は湿気の影響を受けやすく、カビやすい食材です。開封後のものは湿気に触れないようチャック付きの袋に保存して、夏のうちに食べきっておきましょう」

 

冷蔵庫の整理や掃除をするタイミングで、チェックしておきたいのが自動製氷機です。実は製氷機の内部は本来、定期的な掃除が必要です。氷を使う機会も多かった夏。涼しくなり、氷をあまり使わなくなったタイミングで掃除をしておきましょう。

 

「100円ショップやホームセンターなどで販売されている洗浄剤を使うと非常に便利です。洗浄剤を給水タンクに入れてセットして、氷を作って捨てるだけで製氷機内部の洗浄ができます」

 


「洗浄剤には食紅が入っているため、洗浄中に作られた氷には色が付きます。製氷を繰り返し、氷の色が透明になったら完了。わかりやすく簡単ですよね」

 

次の季節へ、気持ちもリフレッシュ
夏じまいをしてスムーズに次の季節に移行を

夏の終わりに行いたい掃除には、普段のお掃除に加えてチェックしておきたいポイントが2つあるそう。

 

「ソファーやカーペットには汗が染み込んでいる可能性があります。軽く湿らせた雑巾で拭き掃除をし、その後しっかりと乾かしておきましょう。また、夏の間は網戸を開けていることが多いため、汚れが目立ちます。網戸もこの時期に念入りに掃除すると良いでしょう」

 

このように、『夏じまい』で丁寧にメンテナンスをしておくことで、心身も生活環境もすっきりした状態で次の季節に移行することができます。「少し手間がかかるように思えるかもしれませんが、劣化した服の買い替えや電気代の高騰を防ぐことができるので、結果的に節約にもつながるんですよ」と矢野さんは話します。

 

「夏じまい」は、単なる掃除や片づけを超えて、次の季節を快適に過ごすための大切なステップです。夏の汚れをしっかり落とし、清々しい気持ちで新しい季節を迎えましょう。

 

Profile


家事アドバイザー / 矢野きくの

家事の時短や効率化、家庭でできるSDGsを中心に、テレビ、ラジオ、雑誌などのメディア出演、コラムの連載、講演セミナー講師などで活動。会社員時代にキャリアカウンセラー、家電PCメーカーでのテクニカルサポートを経験し、自身の経験をもとに時間とお金を効率よく使う暮らし方を提案している。
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人の気持ちを測るエアコンがさらに進化!省エネ性を向上した新「霧ヶ峰」4シリーズ

三菱電機は、ルームエアコン「霧ヶ峰」の新製品全4シリーズ、計30機種を10月4日に発売します。新製品は人の気持ちを測って空気を整える(※1)世界初(※2)の空調「エモコテック(※3)」を進化させ、風あたりの好みに合わせた温度調節を実施することで省エネ性を向上。新たな湿度制御により設定温度到達後に湿度の上昇を抑えることで快適性も向上させたといいます。

 

三菱電機は、生活者のウェルビーイングに貢献するために、「エモコテック」を搭載した2023年度モデル「Zシリーズ」を2023年2月に発売しました。今回、「エモコテック」をさらに進化させ、快適な体感温度を維持しつつ必要に応じた温度補正を行い、消費電力を抑えた運転を行うことで、さらなる省エネ性の向上(※4)を実現。

 

また、新たな湿度制御の搭載により、設定温度到達後の安定運転時に発生する湿度上昇を抑制し、温度と湿度のバランスを維持することで快適性の向上を実現。特に、安定運転時間が長い傾向にあるZEH(※5)を含む高気密・高断熱住宅において、より効果が期待できます。

 

さらに、「Zシリーズ」では、サーキュラーエコノミーの実現に向けた自己循環リサイクルへの取り組みとして、再生プラスチック材の利用量を従来比最大37.2%(※6)増加したとのこと。

 

新製品の特徴①

世界初の空調「エモコテック」の進化により、省エネ性が向上

今回、気流が体感温度に与える変化や風あたりの好みを考慮して最適な運転を判断するアルゴリズムが進化し、気流調節に加えて温度調節にも対応。「エモコアイ」が在室者の脈を計測・解析、快・不快の感情を推定し、風あたりが快適と感じ、冷暖房を弱めても快適性を維持できると判断した場合に、温度を調節し消費電力を抑えた運転を実施することで省エネ性を向上するといいます。

 

「エモコテック」について

「エモコテック」は、室温や人の温冷感などを検知して最適な空調を実現する赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.+」と、非接触で人の脈を計測して独自のアルゴリズムにより人の感情を推定するバイタルセンサー「エモコアイ」を組み合わせた独自の空調制御のこと。「エモコアイ」が在室者の脈を計測・解析し、快・不快の感情を推定。家族の団らんシーンや在宅勤務・学習シーンなど選択された生活シーン(※7)に合わせて気持ちを測って空気を整えます。

 

新製品の特徴②

新たな湿度制御で、高気密・高断熱住宅における快適性と省エネ性を向上

新たな湿度制御の搭載により、設定温度到達後、部屋の冷やし過ぎを抑えるためコンプレッサーを停止させる安定運転時に、エアコン内部の結露した水分が空気中に戻ることで発生する湿度上昇を抑制。室内機のファン制御を最適化し、快適な湿度帯を保つことが可能とのこと。

 

外気温の影響が少なく、安定運転の時間が長い傾向にあるZEHを含む高気密・高断熱住宅においても快適性の向上に貢献します。

 

また、安定運転時に湿度上昇を抑えることで、再度コンプレッサーを立ち上げて運転する際の消費電力を抑制し、省エネ性の向上にも貢献。(※8)

 

新製品の特徴③

【Zシリーズ】再生プラスチック材の利用量を従来比最大37.2%増加させ、サーキュラーエコノミーの実現に貢献

ハイパーサイクルシステムズ(※9)の使用済み家電製品のリサイクル工程から発生する破砕混合プラスチックを、グリーンサイクルシステムズ(※9)にて高度選別。回収した高純度プラスチックを原料とする再生プラスチック材を採用しました。

 

また、意匠面に配慮しつつ、従来の「ダストボックス」に加え「はずせるフィルターおそうじメカ」の保持部品での再生プラスチック材の利用を拡充。これにより、利用量を最大37.2%(※6)増加させ、サーキュラーエコノミーの実現に貢献するといいます。

 

そのほかの特徴「霧ヶ峰REMOTE」を家電統合アプリ「MyMU(マイエムユー)」内に統合

エアコンのスマートフォンアプリ「霧ヶ峰REMOTE」をWebアプリ化し、「MyMU(マイエムユー)アプリ(※10)」内に統合。「霧ヶ峰REMOTE」の熱画像表示、換気アシストなどの各種機能を「MyMU(マイエムユー)アプリ」に統合することで、利便性を向上したといいます。

 

※1 人の脈を非接触で計測することで脈から人の感情を推定し、温度や気流を制御。使用条件などにより効果は異なり、個人差があります
※2 空調機器において。室内にいる人の脈を非接触で計測することで、脈から人の感情を推定し、温度や気流を制御する技術。2023年2月17日発売。三菱電機調べ
※3 emoco-tech(エモコテック)、emotion conditioning technologyを略した三菱電機の造語
※4 MSZ-ZW4025S。当社環境試験室(14畳)において、外気温:冷房35℃/暖房7℃・設定温度:冷房28℃/暖房23℃で、風あたりが快適と感じ冷暖房を弱めても快適性を維持できると「エモコアイ」が判断した場合と、従来制御とでそれぞれ1時間安定運転した場合の消費電力量比較。気流感「強」が快適と「エモコアイ」が推定した場合:冷房498Wh/暖房655Wh、従来制御:冷房536Wh/暖房676Wh。使用環境により効果は異なります
※5 net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称
※6 2025年度モデル「Zシリーズ」において。自己循環リサイクル材の資源再利用指標(JIS C 9911(2014)電気・電子機器の資源再利用指標などの算定および表示の方法)に基づく。算定単位:エアコン室内機、資源再利用指数:従来14.0%、今回19.2%(最大)、資源再利用質量:従来1.
1kg、今回1.6kg(最大)。調達の状況によって再生プラスチック材の利用率は変動する場合があります※7 家族団らんシーンはリモコンの「A.I.自動」ボタンで「おまかせ A.I.自動」運転を選択、在宅勤務・学習シーンではリモコンの「セレクト」ボタンで「フレッシュモード」に切り替える必要があります
※8 MSZ-FZ6325S・ZW4025S。三菱電機環境試験室(20畳:FZシリーズ/14畳:Zシリーズ)において、外気温31℃・外気湿度60%・設定温度28℃で安定時1時間運転した場合。体感「入」・「冷房」・風速「自動」設定時。従来制御:84Wh(FZシリーズ)/84Wh(Zシリーズ)、新湿度制御:74Wh(FZシリーズ)/79Wh(Zシリーズ)の消費電力量比較。使用環境により、効果を発揮できない場合があります
※9 三菱電機グループ会社
※10 三菱電機のIoTライフソリューションプラットフォーム「Linova(リノバ)」と接続し、家電や住設機器、センサーを連携させたソリューションの提供を目的とした三菱電機家電統合アプリ

 

三菱電機 三菱ルームエアコン「霧ヶ峰」

ダクト不要はうれしい! サンコーより「コンプレッサー式『排熱が熱くないスポットクーラー』」発売

サンコーは「コンプレッサー式『排熱が熱くないスポットクーラー』」を8月7日に発売。価格は 2万9800円 (税込)。

本製品は水冷式を採用しダクトレスで快適に使えるスポットクーラーエアコン。通常のエアコンと同様にコンプレッサーを搭載。周囲温度より約12度低い冷たい風を送風します(※1)。本体内部の熱交換器を水で冷却する水冷方式を採用し、排熱温度を下げることを実現しました。

※1 環境条件:35℃/40% 風量:強 運転モード:冷風 ダクトレス機能使用時 送風口より10mm

水冷はあらかじめ水タンクに水をセットし、冷風モードで動作します。風量は強、弱、自動の3段階。冷風、除湿、送風、おやすみモードを搭載しています。水を入れずに使うことも可能で、排熱を窓から逃がすダクトが付属します。

 

<製品特長>

■排熱を気にせずどこでも気軽に使えるスポットクーラー
■コンプレッサー方式で周囲温度から約-12度の冷たい風が出る
■タンク内の水で熱交換器を冷やす水冷式を採用しダクトレスで使える
■風量強・弱・自動の3段階
■水タンクに水を入れなくても使える
■除湿機能搭載
■徐々に冷風を弱めるお休みモード搭載
■リモコン付属

 

 

 

センサーとイオンが「デュアル仕様」で快適・清潔! 三菱重工「ビーバーエアコン」2024年モデルがデビュー

三菱重工サーマルシステムズから、家庭用ルームエアコン「ビーバーエアコン」の2024年モデル5シリーズ計31機種が4月1日に発売されます。快適性、清潔性と高APF(Annual Performance Factor:通年エネルギー消費効率)を備え、省エネ性にすぐれた同社最高級モデルのSシリーズ9機種、寒冷地での使用を想定した暖房強化型モデルSKシリーズ4機種、フィルター自動清掃機能を搭載した高機能モデルのRシリーズ6機種、標準モデルのTシリーズ7機種、Tシリーズにスマートフォン操作機能を標準搭載したTWFシリーズ5機種をラインナップ。

新製品の特徴は、以下の通りです。

デュアルセンサーとデュアルイオンの採用で快適性、清潔性を追求【S・SKシリーズ】

(1)デュアルセンサー(人感センサー+サーマルセンサー)が生み出す快適環境
人の動きを検知する人感センサーと、人の位置および壁・床温度の変化を検知するサーマルセンサーを搭載。検知した情報をもとにAIが自動で快適・省エネに導く「AI自動快適運転」のほか、風向を自動調整する「新おまかせセンサー気流」と「風あて・風よけ運転」を備えています。

 

(2)デュアルイオン(さわやかイオン+アクアオゾン)が生み出す清潔環境
マイナスイオンを放出し、ウイルス、細菌、カビ菌の増殖を抑制する「さわやかイオン運転」に加え、室内機内部にイオンとオゾンを充満させ、ニオイや汚れの原因菌の増殖を抑制する「アクアオゾンクリーン運転」、加熱乾燥させることでカビ菌の増殖を抑制する「アクアオゾン加熱運転」を装備。

 

寒冷地で高い暖房能力を実現【SKシリーズ】

外温条件からコンプレッサを予熱して、暖房の立ち上がり時間を短縮する「ホットスタンバイ機能」と、ホットガスバイパス方式のデフロスト(霜取り)運転制御を採用。ホットガスバイパス方式のデフロスト運転制御により、室内側に流れる高温のガスの一部を室外機に流すことで室内温度の低下を抑えます。

 

スマートフォン連携を標準搭載【R・TWFシリーズ】

別売の無線LANインターフェイスを高機能モデル(Rシリーズ)と標準モデル(TWFシリーズ)にも内蔵し、外観はそのままに、スマートフォンからの操作が可能に。別売のスマートスピーカーと連携することで、発話によるエアコン操作や運転状況の確認もできます。

冬の電気代高騰に対抗!賃貸住宅でも可能な節電しながら防寒するアイデア

2024年2月頃までの冬季の気温は、エルニーニョ現象の影響で例年よりもやや高めの予想。それでもここへきて、日本海側でまとまった降雪があるなど寒さへの備えは必要です。そんななかで、エアコンやオイルヒーターを取り入れていると、年々高くなる電気代が気になるでしょう。 今後の光熱費の状況や、手軽に実践できて節約にもつながる防寒アイデアを、節約アドバイザーの和田由貴さんに教えていただきました。

 

節約・節電のためにどう見直せばいい?プロが教える、エコな電気の使い方10

 

今後の暖房代は高くなる?
まずは光熱費の動向をチェック

年々値上がりを続ける電気代のことを考えると、暖房の使用をためらってしまいそうです。今後もやはり値上がり傾向は続くのでしょうか? まずは暖房代を含む光熱費全体の動向をうかがいました。

 

「2023年12月時点で、火力発電の燃料となるLNG(液化天然ガス)などの燃料費は高くなっている状況です。これを受け、暖房代を含む光熱費として私たち生活者が支払う『燃料費調整額』も2024年1月から値上がりする予定となっています。そのため、光熱費も現在の水準よりやや高くなる見込みです

 

 

「燃料費が上昇する原因として、社会情勢の影響が挙げられます。日本は資源国ではないので、発電のために使用するLNGや石油などの燃料を輸入に頼っています。そのため、円安が続いたり、戦争などで国際情勢が不安定になったりすると、燃料の輸入価格が高騰します。また、コロナ禍の影響で停滞していた経済が動き出し、電力需要が高まっていることも燃料費が上昇する要因になっています。

 

なお、現在私たちが支払っている電気代・都市ガス代などの光熱費は、政府が行う事業である『激変緩和措置』が適用されており、直接的な料金負担が軽減されています。しかし、激変緩和措置は2024年4月使用分までの適用となるため、春以降も光熱費は確実に値上がりすると見たほうがよいでしょう」(節約アドバイザー・和田由貴さん、以下同)

 

過ごしやすさは「温湿度計」で確認!
冬の室内の適切な環境とは?

今後の暖房代も残念ながら上昇傾向にあると考え、エアコンなどの暖房器具の使い方を、あらためて意識する必要があります。そのためにも、冬場の快適な室内環境の目安を知っておきたいところ。どのような状態の室内だと過ごしやすくなるのでしょうか?

 

「環境省が示している基準では、『暖房時の室温は20℃が目安』とされています。そのため、暖房器具を20℃に設定するのではなく、室内の温度計を目安にして、暖房器具の設定温度を調整する必要があります」

 

さらに、暖かさを感じるためには、湿度の設定も大きく関係するそうです。

 

湿度が20%違うと、体感温度が4℃も変わります。冬は湿度が低いため、最適な室温にしても寒く感じてしまいます。そのため、冬場の室内は温度とともに、大体40~60%を目安に湿度を保つことも重要です。暖房器具と同様に、加湿器の設定ではなく、室内の湿度計を確認して加湿量を調整しましょう」

 

もし、部屋に温度計や湿度計がない場合は、温度と湿度がどちらも測れる温湿度計を室内に置いておくと、暖房器具や加湿器を調整しやすくなりますね。

 

100均グッズでも対策可能!
節電できるお手軽防寒アイデアを紹介

過ごしやすい室内環境にしたくても、日当たりが悪い、隙間風が通りやすいといった部屋に住んでいると、暖房器具を使っても部屋が暖かくならない可能性がありそうです。そこで和田さんから、賃貸でも手軽にできる、暖房効率を高めるための防寒アイデアを教えていただきました。

 

・窓際からくる冷気は、丈の長いカーテンで防ぐ!

和田さんによると、部屋が寒くなる原因は『窓際が寒いこと』にあるといいます。持ち家であれば、断熱性能の高い複層サッシや、寒さが伝わりにくい樹脂サッシに変えて、冷気を遮断する方法もあります。一方、賃貸の場合はどのように対策できるのでしょうか? 「部屋が寒くなる原因として、カーテンと床の間に隙間があることが考えられます。冷たい空気は下に流れていくため、窓の下から冷気が侵入し、床が冷えてしまいます。また、暖房で暖められた空気は天井に流れますので、部屋の上下で寒暖差ができてしまうのも暖房効率が悪くなる原因になります。そのため、床に引きずるくらい長い厚手のカーテンで、窓から流れてくる冷気の侵入を防ぎ、部屋の中で寒暖差を作らないようにすることが重要です」

 

 

とはいえ、カーテンの買い替えをするとなると、少し値が張ってしまいます。そこで活用したいのは、100円ショップなどで安価に売っている、カフェカーテンやシャワーカーテンです。

 

「部屋のカーテンが厚手でない場合は、シャワーカーテンを普通のカーテンの裏に重ねて、カーテンフックに取り付けてみるとよいでしょう。シャワーカーテンを、普通のカーテンの後ろに1枚追加するだけでも、外からの冷気が伝わりづらくなります。

 

カーテンの長さが足らず、アジャスターなどで調整しても床まで届かない時には、丈が短いカフェカーテンを普通のカーテンの裾に貼り付け、丈を付け足す方法もあります。両面テープで貼り付ければ、冬が終わったらすぐに外せますよ」 また、窓ガラスに直接断熱シートを貼ったり、窓枠にウレタンの断熱パネルを取り付けるといった方法も有効。いずれも100円ショップやホームセンターで販売されているので、手頃な値段で簡単に対策できます。

 

・断熱シートで床から暖かく

窓から伝わった冷気は下に流れていくため、床全体が冷たくなってしまいます。ラグやホットカーペットを敷くだけでも床の冷たさを軽減できますが、その下に「断熱シート」を敷くことで、さらに効果的な防寒対策が期待できるそうです。

 

「ウレタンの上にアルミが貼られた断熱シートは、100円ショップやホームセンターなどでも販売されています。ラグやホットカーペットの下に敷くだけで保温性が高まり、熱が床面に逃げるのをかなり防いでくれます」 また、ホットカーペットの下に断熱シートを敷いた場合、低めの設定温度でも十分に暖かくなるとのこと。設定温度を低くすれば、それだけ消費電力も低くなるので、電気代の節約にもつながりそうです。

 

お手入れや使い分けでも効果抜群
エアコンや加湿器を上手に使い、節電を

部屋の対策だけでなく、暖房器具などの使い方にも節電のアイデアはあります。

 

・エアコンフィルターをこまめに掃除する

 

暖房器具としてエアコンを使っている場合、定期的にフィルター掃除をする必要があります。このお手入れの頻度も電気代に大きく影響します。

 

「エアコンフィルターを1年間まったく掃除しない場合と、こまめに掃除した場合で比較すると、25%くらい電気代が違います。とくに、冬場は厚手の衣服や毛布などで使用される、ふわふわとした素材が舞い上がりやすいので、エアコンフィルターが目詰まりしやすくなります。そのため、暖房を多用する今のシーズンは、2週間に1回くらいのペースでフィルターの掃除をするとよいでしょう」

 

カビや埃を飛散させない! 掃除のプロが教えるエアコンのセルフクリーニング

 

・エアコンを適切なタイミングで運転する

また、エアコンを使うシーズンになると、「電源をつけたままにしたほうがよい」「外出するときには消したほうがよい」など、使い方についてさまざまな情報が飛び交います。そこで、あらためてエアコンの適切な使い方をお聞きしました。

 

「エアコンは、電源を入れてから設定温度に到達するまでの時間が、一番消費電力が多く、電気代が高くなります。家で過ごす時間が長くなる時には、設定温度を控えめにして、電源を入れたままにしておくと電気代を抑えられますよ。ただ、30分以上外出するときには、一度消したほうがいいですね」

 

加えて、風量の設定も迷うところです。電気代を気にして、あえて微風に設定するという考え方もありそうですが、実際はどうなのでしょうか?

 

エアコンの風量設定は『自動』にするのが一番よいと言われています。弱い風量の設定のままにしていると、設定温度に至るまで時間が掛かるうえに、電力を消費し続けるので、かえって電気代が高くなってしまう可能性があります」

 

・加湿器の加湿方式ごとの特性を理解する

暖かく快適に過ごすためには湿度を保つことも重要とうかがいました。そこで加湿器の出番ですが、加湿器にも種類ごとに特性があり、使う場所にも向き・不向きがあるといいます。加湿器は主に3種類ありますが、それぞれ教えていただきましょう。

 

 

・スチーム式
「水を沸騰させて気化させるため、加湿量が非常に多く、一気に湿度を上げられるのが特徴です。ただし、水を加熱させる分、電力を多く消費するため、電気代は高くなります」

 

・超音波式
「水を超音波で振動させて噴霧し、部屋を加湿するのが特徴です。加熱しない分電気代は安いのですが、加湿できる範囲が狭いので、仕事部屋のようなパーソナルな場所で使うのがよさそうです」

 

・気化式
「フィルターに水を吸わせ、風を当てて自然に気化させる方式で加湿します。加湿量は少ないものの、室内の湿度に応じて加湿量を調整し、安定した湿度を保つことができるので、リビングなど長い時間を過ごす場所に置いておくとベストです。また、電気代が非常に安いのもポイントです」

 

また、スチーム式と気化式、スチーム式と超音波式といった、2種類の加湿方法を併せ持つハイブリット加湿器なども登場しています。場所や過ごし方などを踏まえて加湿器を選べば、効率よく湿度対策もできそうです。

 

・暖房器具を適材適所で使い分ける

エアコン以外にも、持ち運びしやすい電気ストーブなどのコンパクトな暖房器具もあります。また、最近ではモバイルバッテリーで暖かくなる電気ひざ掛けや、ヒーターを内蔵した電熱ベストなど、便利な防寒アイテムが多数登場しています。

 

モバイルバッテリーから給電できるUSB給電式の電気ショールなら、場所を問わず使用できそう。小泉成器(コイズミ)「USBショールブランケット」8,800円(税込)

 

「一人のときと、家族でいるときとで、暖房の使い方は違うと思います。部屋に一人でいるときには、自分だけが暖まれるように電気ひざ掛けを使用する。家族でいるときには、エアコンで部屋を一気に暖める。お手洗いや洗面所など、ピンポイントな場所で短時間だけ使いたいときは、すぐに暖まる電気ストーブを使う。このように、それぞれの暖房器具の特性をよく知って、適材適所でアイテムを使い分けることも大切です」

 

 

暖房器具や防寒アイテムを用途や場所に応じて使い分けることで、電気代を抑えつつ効果的に防寒できますね。

 

 

無理なく実践できる防寒アイデアで、今年の冬は上手に節約しながら、暖かく快適に過ごしてみませんか。

 

 

Profile

節約アドバイザー / 和田由貴

消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。環境カウンセラーや省エネルギー普及指導員でもあり、2007年には環境大臣より「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R推進マイスター)」に委嘱されるなど、環境問題にも精通する。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。著書に、「即実践! 即効果! 節約のプロがおしえる家計防衛術」(辰巳出版)、「月3万円貯まるムダなし生活術」(永岡書店)、「快適エコのライフスタイル 冬の省エネ生活」(NHK出版)、「めざせ!ごみゼロマスター」シリーズ(WAVE出版)など多数。

栃木といえば「日立のエアコン」。空気清浄機能を磨いたフラグシップ機は何がすごい?

日立ジョンソンコントロールズ空調は、2023年10月末から、家庭用ルームエアコンの最新・最上位機種「白くまくん」プレミアムXシリーズを発売しています。同機の特徴は、集塵スピードを従来機種比で2倍にアップさせ、熱交換器を凍らせて部屋の匂いを吸着する凍結脱臭クリーナーを搭載、空気の質を向上させる機能を大きく進化させていることです。

↑「白くまくん」プレミアムXシリーズ

 

この機種を生産している同社の栃木事業所では、発売にあわせて出荷式などのセレモニーが行われました。最新モデルの魅力と、セレモニーの模様をレポートします。

 

集塵スピード、脱臭能力が大幅アップし、省エネにも配慮

「白くまくん」プレミアムXシリーズが着目したのは、空気の質。快適な温度環境を提供するのが従来からのエアコンの役割ですが、近年空気質への注目が高まっていることを受け、開発の方針を決めたといいます。

 

本機が搭載する、空気質向上のための目玉機能は2つ。集塵スピードが従来機の2倍になった「パワフルPremiumプラズマ空清」と、部屋の臭いを霜によって除去する国内唯一の技術「凍結脱臭クリーナー」です。

 

パワフルPremiumプラズマ空清は、ほこりだけでなく、浮遊カビや菌、ウイルス、花粉などの除去効果も持ちます。プラズマイオン発生器から放出されたイオンで空気中の汚れを捕まえ、エアコンの内部に大きく広がる熱交換器を集塵フィルターのように用いることで、捕集力を高めています。そのパワーは、家具の裏やカーテンの裏など、エアコンの風の届きにくいところに隠れたカビまで対策できるほど。集めた汚れは熱交換器を冷やして発生させた霜にまとめ、それを溶かした水と一緒に屋外へ排出します。

↑煙が充満した部屋を、エアコンの空気清浄機能で浄化するデモ映像。写真はエアコン運転開始から3分ほど経った時点です。明らかな濃度の差があることがわかります

 

↑室内機内部の熱交換器。凍結洗浄時は、これを冷却して霜を発生させます

 

熱交換器の霜は、空気中の臭いも捕まえます。ペットのトイレ臭や体臭なども大量の霜で吸着するこの技術が、2023年9月14日時点で国内唯一となる脱臭機能・凍結脱臭クリーナーです。凍結脱臭を30分行うことによる臭いの除去率は、ペットのトイレ臭なら90%、靴・靴下の臭いなら91.1%、体臭なら85.7%と高水準。熱交換器が脱臭フィルターの役割を果たすため、定期的なメンテナンスも必要ありません。

↑工場内で生産され、積み重ねられた熱交換器。薄い金属の板が積み重ねられたこの部品は、非常に広い表面積を持ちます

 

また本機は、空気だけでなく、エアコンの内部もキレイに保ちます。同社のエアコンは、従来から内部のファンを掃除する「ファンお掃除ロボ」を搭載していましたが、最新モデルではお掃除の際にファン自体を加熱する機能を追加。これにより、ファンに付着したほこりだけでなく、油汚れも熱で溶かして落とせるようになりました。落とした汚れは、排水トレーなどを通して屋外へ放出されます。

↑ファンお掃除ロボの解説パネル。パネルの下にあるエアコンは熱交換器が取り外されており、ファンが露出しています

 

高い機能性を実現しつつ、省エネ性にも配慮しました。本機には、対応する部屋の広さ別に10機種がラインナップされていますが、そのうち9機種で、2027年度を目標年度とする最新の省エネ基準をクリア。機能・省エネ性の両面で、最新・最上位機種の名に恥じない性能を誇っています。

↑内部の洗浄能力を磨くことで、省エネ性を向上させています(左パネル)

 

8代目白くまくんが広報部長に就任!

本機を生産する栃木事業所で11月7日に行われた出荷式では、日立のエアコンのイメージキャラクターとして活躍する白くまくんが、広報部長に就任することが発表されました。白くまくんが誕生したのは1975年で、いまから50年近くも前。デザインは代々変わり、現在の白くまくんは8代目になります。長く愛され続けているキャラクターであり、日立のエアコンといえば白くまくんと表現しても過言ではありません。

 

出荷式に登壇した、日立ジョンソンコントロールズ空調のバイスプレジデント兼日本・アジア地域ゼネラルマネージャーの泉田金太郎さんによると「私が広報部長をやるよりよっぽどよい」。今後は、エアコンをPRする様々なイベントに、白くまくんが登場するそうです。

↑広報部長就任の辞令を手渡された白くまくんは、かわいらしいコミカルな動きで喜びを表現しました。左は笑顔あふれる泉田さん

 

出荷式は地元密着。地元の幼稚園児による演奏も

事業所に併設された体育館で行われた出荷式は、地元密着の色が強いものでした。式典には、事業所が位置する栃木市大平町の商工会議所副会長や、栃木市の産業振興部長が登壇。地元の幼稚園児による楽曲の演奏も披露され、多くの保護者たちが観覧に訪れました。

↑テープカットの様子。同社関係者のほか、セレモニーにゲストとして参加したタレントのゆうちゃみさん、栃木市産業振興部長の櫻井 茂さんらがハサミを手にしました

 

↑大型トラックに積み上げられたエアコン。泉田さんとゆうちゃみさんによる号令で、トラックは出発していきました

 

地元密着の成果は、意外なところにも。なんと、栃木市のふるさと納税の返礼品にエアコンが選ばれているのです。ふるさと納税の返礼品になるのは、その自治体の名産品。つまり、日立のエアコンが市の名産品であることを、栃木市自身が認めているということになります。栃木といえば日立のエアコン。フラグシップモデルである「白くまくん」プレミアムXシリーズは、それを象徴する製品です。

電気代7%削減はデカい! 三菱電機「霧ヶ峰」上位モデルが省エネ性能を強化

エアコンは高価な家電ですが、そのぶん高機能モデルには各メーカーが特徴的な機能を搭載しています。そして、三菱電機のエアコン「霧ヶ峰」の特徴的機能といえば、昨年モデルより登場した「エモコテック」。これは、エアコンが室内にいる人間の脈波を計測し、人間の「気持ち」に合わせてエアコンを制御するというSFのような機能です。

 

「人の気持ち」がわかると何が便利になる?

昨年まではプレミアムモデル「Zシリーズ」にのみ搭載されていたエモコテックですが、発表されたばかりの24年モデルではZシリーズのほか、次世代プレミアムモデルである「FZシリーズ」、暖房強化モデルの「ZDシリーズ」と「FDシリーズ」の全4モデルに搭載されます。そこで、ここではエモコテックにできることと、4モデルの違い、そしてエモコテック以外の新機能について解説します。

↑三菱電機が開催した関係者向け展示会「暮らしと設備の総合展」に展示されていた新モデル。左からFDシリーズ、FZシリーズ、ZDシリーズ、Zシリーズ

エモコテックとは霧ヶ峰のセンサー機能のひとつ。バイタルセンサーと呼ばれる「エモコアイ」が、微弱な電波を発することで血管の動きをとらえて室内にいる人の脈波を検知。この脈のゆらぎ方を解析することで人が感じる「快」や「不快」、そして脳の活動量まで推定します。エモコテック搭載モデルのエアコンは、このエモコアイと、室内の温度分布がわかる赤外線センサー「ムーブアイ」を併用することで、さまざまな動きを自動化できるのです。

↑エモコテック搭載のZシリーズ。写真右側に見えるセンサーは「ムーブアイ」。エモコアイは外からは見えない位置に内蔵されています

 

たとえば「A.I.自動(くつろぎ)」設定時は、エアコンの風が人に当たっている状態で「不快」と感じていたら、自動的に風を避ける制御が可能。また、勉強や仕事などの集中したいタイミングで利用する「フレッシュモード」では、エモコアイが脳の活動量をチェック。眠くなるなどで活動量が低下したら、わざと人に風を吹きつけて刺激をあたえてくれます。

↑エアコンの動きを可視化したエモコテック体験コーナー。集中して説明を聞いていると脳の「活動レベル」値がどんどん上がります

 

4モデルの違いは「風」と「暖房強化」

今回エモコテックは4モデルに搭載されましたが、それぞれの違いはなんでしょうか? まず、昨年から引き続きエモコテックを搭載している「Zシリーズ」は多機能なプレミアムモデル。エモコテックだけではなく、エアコンが住宅性能を学習したり、人の手先の温度変化などから「暑がり」「寒がり」までを見分ける「ムーブアイmirA.I.+」というセンシング機能などを搭載しています。

↑プレミアムモデルのZシリーズ

 

一方「ZDシリーズ」はこれらの機能に加えて暖房機能を強化した「ズバ暖」モデル。エアコンは外気温が寒すぎると暖房性能が発揮できないことがありますが、ズバ暖霧ヶ峰なら外気温が-20℃でも吹き出し口の温度を約55℃まで上げられます。

 

「FZシリーズ」もZシリーズと同じく「ムーブアイmirA.I.+」機能などを取り入れた多機能モデル。そして「FDシリーズ」はズバ暖を搭載した暖房強化モデルになります。

↑スタイリッシュな鋭角デザインを採用している次世代プレミアムモデルのFZシリーズ。FDシリーズも外観はほぼ同じです

 

FZシリーズとFDシリーズは、送風ファンに「プロペラファン」を採用しているのが最大の特徴です。一般的なエアコンは、長い筒を横にしたような形の「シロッコファン」で風を生み出しますが、FZ/FDシリーズは扇風機の羽根のようなプロペラファンを2つ内蔵しています。このため、FZシリーズはひとつのエアコンで強い風と弱い風を同時に生み出すことが可能。センサーのムーブアイと組み合わせることで「寒がりさんには弱い風を当て、暑がりさんには強い風を送る」といった送風が可能になるのです。

↑FZ/FDシリーズに内蔵されているプロペラファン。一般的なシロッコファンより省エネ効率も良いため、FZシリーズは省エネ性能の高さも特徴のひとつです

 

省エネが性能アップし、ズバ暖モデルも快適に進化

エモコテックのラインナップが増えた以外にも進化点があります。それが省エネ性能の強化です。霧ヶ峰のプレミアムモデルはそもそも省エネ性能が高いシリーズですが、新ZシリーズとFZシリーズは新「エコスタート」機能を搭載することでで省エネ性能がさらにアップしています。

 

「エアコンは立ち上げ時に一番電気を消費する」と言われていますが、これは起動時にフルパワーで室内温度を快適にしようとするため。なかでも問題になるのが、スタート時に勢いよく運転することで「設定温度に達したのに設定温度より部屋を冷やして(温めて)しまう」というオーバーシュート現象です。

 

そこで、エコスタートではエアコンが過去に使用したデータから家の断熱性能や気密性、広さなどを判断し、設定温度ピッタリになるようにエアコンを制御。これにより従来モデルより冷房なら約8%、暖房は約7%の省エネを実現できるそうです。

↑新旧制御の違いを表したグラフ。新制御で消費電力が抑えられています

 

さらに、従来までは暖房時に「室外機に霜が付いているかどうか」にかかわらず約90分ごとに3分前後の霜取り運転を行っていました。新モデルでは霜が付着しているかをモニタリングすることで、最大600分間霜取り運転なしで連続して暖房することが可能になりました(Z/FZシリーズ)。

 

また、暖房強化モデルであるFD/ZDシリーズは、従来から搭載している「デュアルオンデフロスト回路」を強化。一般的なエアコンは霜取り運転中は暖房が一時的に止まってしまいます。しかし「デュアルオンデフロスト回路」搭載のズバ暖モデルは、熱交換器の半分を霜取り運転し、残りを暖房に利用することで霜取り運転中も暖房を継続できるのです。

 

昨年モデルまではデュアルオンデフロスト回路使用時の霜取り運転中の吹き出し口温度は46℃でしたが、新モデルでは最高温度を50℃まで引き上げています。

↑霜取り運転中のエアコン。左がデュアルオンデフロスト回路非搭載のZシリーズ、右がデュアルオンデフロスト回路搭載のZDシリーズ。吹き出し口温度がかなり違うのがわかります

「ピンポイントで賢い吹き分け」は三菱ならでは

霧ヶ峰シリーズの高機能モデルは、そもそも機能性の高いエアコンです。高機能赤外線温度センサーで人の手先や足先の温度を見分けて「暑がり」や「寒がり」を見分けて吹き分けたり、室温に影響を与える窓に優先的に風を送ることで効率的に空調調整したりと、センサーを駆使した賢い運転にとくに定評があります。

 

一方で、ここ数年、国内エアコンは「センサーを駆使した吹き分け」をするタイプよりも「部屋全体を快適に空調する」タイプが増えています。

 

そんななかエモコテックやムーブアイmirA.I.+を搭載した霧ヶ峰シリーズは貴重な選択肢。必要な場所に必要な温度の風をピンポイントに送ることで、部屋全体を均一に空調するより高い省エネ性能が期待できるメリットもあります。電気代が高騰しているいま「快適性」と「省エネ」を両立できるのはうれしいポイントですね。

リビング・寝室を快適に冷やす家電といえば? プロが推す熱中症対策アイテム4選 

室内での熱中症を防ぐためには、冷房機器が欠かせない。しかし、涼しさが得られる一方で、風が当たって不快だったり、部屋の空気がこもったりといった問題も。最近はそんなデメリットを解消した製品が増えている。そこで本記事では、家電ライターの平島憲一郎さんが厳選した熱中症対策にうってつけの家電をシーン別に4種紹介しよう。

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました

家電ライター 平島憲一郎さん

雑誌やウェブメディアなどで執筆活動を行う。空調家電のレビュー記事を多数手掛けており、製品評価では特に使い勝手を重視する。

 

【シーン1 リビング】

人の体温と脈を非接触で計測し室温や風向きを快適に調節!

三菱電機
霧ヶ峰 Zシリーズ MSZ-ZW4023S-W
実売価格30万7210円

バイタルセンサー「エコモアイ」を新搭載。赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.+」と組み合わせ、人の体温や脈から “くつろぎ” や “シャキッ” といった感情を推定し、温度や気流を制御する。

 

↑「エコモアイ」が人の脈を非接触で計測し、脈の揺らぎ方から快・不快の感情を推定。不快と判断すると、風よけ運転などで空気を整える

 

ココが心強い!

人の気分まで察して空調する技術に脱帽!

人の脈から感情を確かめて、快適空調する技術がスゴい! 暑がりの人と寒がりの人それぞれに快適な風を吹き分け、省エネかつ家族全員快適に過ごせます。

 

蝶の羽根を応用した独自機構でムラが少なく心地良い風を届ける

シャープ
プラズマクラスター扇風機 ハイポジション・ リビングファン PJ-R3DS
実売価格2万9890円

アサギマダラ蝶の羽根のくびれ、羽ばたくときのうねりを応用した、同社独自の「ネイチャーウイング」を採用。ムラの少ない滑らかな風が快適性を高め、ダルさや手足の冷えすぎを抑制する。

 

↑「衣類消臭モード」を搭載。洗濯物の部屋干し時に気になる生乾きのイヤなニオイを、プラズマクラスターがスポット消臭する

 

ココが心強い!

風当たりと運転音に “上質” を感じる扇風機

本機の風は風質が柔らかで音も静か。風量切替32段階で、ズバリ自分好みの風が選べます。プラズマクラスターでニオイを抑えて部屋干しできるのも便利です。

 

【シーン2 寝室】

寝室や子ども部屋でも冷やしながら換気できる!

ダイキン工業
うるさらmini Mシリーズ AN223AMS-W
実売価格20万1300円

寝室や子ども部屋などに適したコンパクトモデル。給気換気機能を搭載し、夏は冷房・除湿、冬は暖房・加湿を同時に行える。目標湿度も設定でき、個室でも快適な環境作りが可能だ。

 

↑屋外の新鮮な空気を取り込み、エアコンの熱交換器で適温にして室内に届ける。給気換気のみで運転できる「連続換気運転」も用意

 

ココが心強い!

ベッドルーム生活を重視する人にピッタリ!

6畳モデルながら換気機能やストリーマ空気清浄など最上級機能が満載。ワンルームの生活やベッドルームでの時間を充実させたい人に文句なくオススメです。

 

エアコンと併用して冷房を効率化! 分解できてお手入れも簡単

YAMAZEN
洗えるサーキュレーター YAS-AFKW15
実売価格4980円

風量は3段階で、左右のスイング運転に対応。上下の風向きは、手動で最大90度調節できる。エアコンの冷気・暖気の循環や、洗濯物の部屋干し時間の短縮など、1年中活躍する。

 

↑前面ガード、羽根、背面ガードは、工具不要で簡単に取り外し可能。それぞれ水で丸洗いできるので、いつでも清潔に使い続けられる

 

ココが心強い!

面倒な羽根とカバーの掃除がラクで大助かり!

サーキュレーターの羽根やカバーについた汚れは掃除が本当に面倒。それを工具なしで分解・水洗いできて超助かります。価格がお手ごろなのもまたうれしい!

夏が来る前に! エアコンの使い始めにやっておきたいことと正しい掃除・お手入れ方法とは?

 

まもなく夏本番。久しぶりにエアコンの電源を入れると、何やら鼻をつくニオイが。原因は、室内機内部に発生したカビです。室内機内部に蓄積したホコリや水分を栄養源にカビが発生し、前面パネルを開けてみると、カビの黒い斑点がびっしり、なんて経験をしたことがある人も多いはず。では、どのように対策すればいいのでしょうか?

 

毎年、Twitterでエアコンについて注意喚起していることもあり、今回はシャープのエアコン担当者に、夏が来る前にやっておきたいことを聞いてみました。そのアドバイスを参考にしながら、エアコンを使い始める際の注意点を確認していきましょう。

 

↑シャープのエアコン「R-Xシリーズ」。業界で唯一CO2センサーを搭載し、部屋のCO2濃度を検知することで、換気のサポートをしてくれるモデルです

 

本格的に暑くなったときにエアコンを動かし始めたら「遅い」

ジメジメとした、うだるような暑さが続く日本の夏。暑さが本格的になり、慌ててエアコンの電源を入れる人は多いはずですが、残念ながら、これは「対応が遅い」と言わざるを得ません。エアコンメーカー各社では、暑さが本格的になる前に「試運転」を行ない、正常に運転するかどうか、確認することを推奨しています。気温が上昇すると、エアコンを使用する家庭が増加し、問い合わせが集中するため、試運転の時点で不具合が発生した場合でも、混雑によりすぐに修理の対応ができないケースが多いためです。

 

エアコンは、いまや熱中症対策に不可欠な存在となっているので、必要なときに使用できないという事態は避けたいところでしょう。そのための試運転は、設定温度を18度に設定し、冷房運転を約10分間行なうのが基本。下記の点を確認します。

  • 電源が正常に入るか
  • リモコンは反応するか
  • 冷風が正常に出るか
  • 異臭・異音はしないか
  • ランプ点滅やエラー番号表示がないか
  • 水漏れがないか

 

確認すべきは基本的な部分であり、何か特別な作業が必要になるわけではありません。夏がやってくる前に、週末のお休みや連休を使って確認しておきましょう。

↑シャープのサイトから。試運転の際には、ブレーカーが「入」になっているか、コンセントにホコリが溜まっていないか、部品・パーツが正しく取り付けられているかも確認しておきたいところ

 

試運転の前に室内機のお手入れが重要、ただし注意点も

試運転の前にチェックするべきことをシャープのエアコン担当者に問い合わせたところ、「日常生活の中で舞い上がったホコリなどがエアコンのフィルターに蓄積する場合があります。それにより、夏場にエアコンを使い始めた際に、エアコンが効きにくくなることがありますので、シーズンを迎える前に、1度フィルターのメンテナンスをおすすめいたします」とのこと。

 

室内機のお手入れできる部分は、前面パネルや吹き出し口、ダストボックス、エアフィルター、掃除アシストブラシなど。前面パネルやエアフィルターといった、取り外して水洗いできるパーツもありますが、室内機の心臓部とも言える熱交換器をはじめ、ユーザー自身ではお手入れできない部分もあるので注意が必要です。

 

エアコンの分解や、電装部に水や洗浄スプレーをかけると、故障の原因となることがあり、「取扱説明書でご案内している箇所以外は、お客様ご自身でお手入れしないようにお願いいたします」とシャープ担当者は説明します。「すべて自分の手でキレイにしたい」というユーザーも少なくないと思いますが、お手入れはホコリの拭き取り掃除などに留めておき、本格的な内部洗浄は、メーカーサポートや、専門のクリーニング業者に依頼したほうがよさそうです。

↑シャープのサイトから。吹き出し口のフラップやルーバーに付着したホコリはユーザー自身でお手入れできます。一方で市販のエアコン洗浄スプレーなどは電装部にかかってしまう場合などがあるため、メーカーからは推奨されていません

 

↑エアコンクリーニングは専門業者であればOK。各メーカーもエアコンクリーニングのサービスを提供しています。たとえばシャープの場合、クリーニングを1台申し込むと1万4300円(税込)からです

 

最新機種に買い替えも手、夏が来る前に備えるのがポイント

最新のエアコンには、フィルターの自動掃除機能やエアコン内部のカビやホコリを抑制する機能、パーツを簡単に取り外せてお手入れできる清潔構造などが付与されており、お手入れの省力化は年々進んでいます。エアコンの清潔性が気になる人は、そうした最新の製品に買い替えるのも有効な手段でしょう。

 

もちろん、最新のエアコンを導入したからといって、ホコリの付着やカビの発生を100%防げるわけではなく、定期的なお手入れや、シーズン前の試運転が重要であることには変わりません。

↑シャープのサイトから。フィルターの自動掃除機能はもちろん、最新のエアコンにはさまざまな清潔機能が搭載。ひと昔前の製品に比べて、最新のエアコンが「汚れにくい」仕様となっているのは間違いないです

 

シーズン前に、前面パネルやフラップ、ルーバーに付着したホコリを落とし、試運転を実施し、場合によっては、専門のクリーニング業者に本格的な内部洗浄を依頼する。時間のある週末などにこれだけ済ませておけば、いざ夏本番となったときに、安心してエアコンを使用できます。蒸し暑い夏を快適に過ごすためにも、今の時期から備えておくことが肝要です。

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

プロが太鼓判をおすエアコンのエントリーモデルはコレだ!

空調家電はまず適応畳数を意識するが、そのうえで求める機能を吟味することが重要だ。今回は空調家電のプロが「コレなら選んで間違いナシで、しかもおトク!」と太鼓判を押すエアコンを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2023年1月号に掲載された記事を再編集したものです

 

私が選びました

家電ライター

近藤克己さん

生活家電を中心に執筆する家電&デジタルライター。“オジさん目線”を意識した製品レビューが好評だ。

 

エアコン内部と部屋の空気をナノイー技術で清潔に保つ

パナソニック

エオリア EXシリーズ

実売価格17万7340円(14畳/2022年モデル)

ナノイーX技術を用いて冷暖房時には空気中の様々な有害物質を抑制し、エアコン内部も清潔にキープ。フィルターのホコリを自動で捕集するお掃除ロボットも装備する。パーシャル制御を駆使し、室温を下げ過ぎない快適除湿モードを新搭載。

SPEC●適用畳数:暖房11~14畳、冷房11~17畳●定格消費電力:1340W●期間消費電力:1455kWh●温度設定:0.5℃刻み●気流:ワイド、スイング●能力:暖房5.0kW、冷房4.0kW●サイズ:W798×H295×D239mm

 

温度や湿度管理のみならず空気の質にまでこだわる

同社独自の新ナノイーXを採用するというだけでも、エオリアシリーズを選ぶ理由となる。エアコン内部をクリーンに保ちつつ、冷暖房では部屋の空気中に浮遊する菌・ウイルス、さらに家具やカーテン等に付着する菌・ウイルスの抑制に効果を発揮するのだ。

 

エントリーのEXシリーズは足元にパワフルな温風を届ける足元暖房や、室温を下げずに除湿を続ける快適除湿を搭載。適度な冷暖房機能でどの季節も快適に使える。

 

上位機のLXシリーズには給気換気、排気換気のほか給水不要の加湿機能も加わるなど、部屋の中で長時間快適に過ごせる機能が満載。エアコンを使用しても、窓を開けて換気するたびに寒くなる・暑くなるという不快さに悩まされていた人にピッタリだ。

 

エアコンはエントリーモデルでもココは譲れない!

<Point 1>エアコン内部を清潔に保つ自動掃除機能や抗菌作用

エアコン内部は夏場に冷房運転をして放置しておくとアッという間にカビだらけに。部屋で過ごす人の健康のためにも、内部を清潔に保ち菌の増加を抑制する機能が欲しい。

 

<Point 2>冷房や除湿運転時などに必要以上に体を冷やすのはNG

特に季節の変わり目などに運転するときには、エアコンの風が直接体に当たらない送風性能が望ましい。また、湿度を下げる際にも、なるべく室温は一定に保てると良い。

↑マットな質感の本体にはLEDランプを搭載。タイマー運転や、自動運転の「AI快適」など、運転中のモードがひと目で確認できる

 

<ココが上位モデル級>オールシーズン快適で清潔な空調をサポート

「新ナノイーXはエアコン内部でカビが増えるのを防ぎ、部屋のニオイも除去。湿度の制御技術の進化で、『室温が設定温度に達したのに湿度が高くて不快』という事態を防げます。足元に温風を届ける足元暖房もあり、1年じゅう快適です」(近藤さん)

 

上位モデルはコレ!

パナソニック

エオリア LXシリーズ

実売価格36万5200円(14畳/2023年モデル)

冷暖房中に室温を保ったまま新鮮な外気を取り込める給気換気に加え、不快な空気を排出する排気換気を搭載。毎日の暖房開始時間をAIが学習し、スイッチオンですぐに温風を吹き出す「すぐでる暖房」がこれからの季節に重宝する。

 

機能の差早わかり!

栃木から生まれるこだわりの1台。日立が新型「白くまくん」に込める想い

日立のエアコン、白くまくん。1975年に日立のルームエアコンの総称として採用されたこの名は、現在に至るまで使われ続けており、日本人にとってはもはやおなじみだ。2022年末、その白くまくんに新シリーズが登場した。それがルームエアコン Xシリーズだ。同シリーズは、熱交換器・排水トレーの凍結洗浄機能やファンお掃除ロボなど、独自の機構を備えたフラグシップモデルである。それを製造している日立の栃木工場を取材した。

↑ルームエアコン Xシリーズの出荷式。トラックに積まれたエアコンの前で笑顔を見せる日立のスタッフ&白くまくん

 

空気清浄機能に徹底してこだわったフラグシップモデル

↑日立のルームエアコン Xシリーズ

 

まずは、Xシリーズの特徴から書いていこう。日立のスタッフによれば、同シリーズの特徴は「お部屋の空気を清潔に保つことに何よりこだわっている」という。

エアコンの内部では、部屋の空気が絶え間なく通り過ぎる。その風にはホコリのほか、カビ、細菌、PM2.5など人間に有害な物質も紛れ込んでいるわけだが、Xシリーズはそれをエアコンの内部で発生させたイオンの力で吸着し、凍結洗浄によって洗い流す。

↑エアコン内部の熱交換器。薄い金属の板が並んでおり、ここに空気中の汚れが多く付着する

 

凍結洗浄というのは、エアコンの熱交換器を一気に冷やすことで霜を発生させ、そこに集めた水分によって汚れを洗い流すというもの。その排水は屋外に流されるため、つまりは部屋の空気の汚れだけを吸着して、家の外へ出してくれるというわけだ。なお本機は、排水が流れる排水トレーや室外機の熱交換器にも、凍結洗浄機能を搭載している。

↑凍結洗浄機能で熱交換器に霜を付着させた状態。凍結洗浄を完了させるには2時間ほどかかるが、人が室内にいないタイミングを自動で見計らって行うという

 

ちなみに、凍結洗浄を行う前には、加温して油汚れを溶かして落ちやすくする機能もついている。ほかにも、家庭では難しいファンの掃除を自動で行ってくれるロボットが内蔵されているなど、部屋の空気質を向上させる機能を多く備えている。コロナ禍で部屋の空気を綺麗にしたいというニーズが高まっているいま、日立が満を持して送り出すエアコンが、このXシリーズといえよう。

↑ファン(写真中央の黒い部品)を自動で掃除してくれる機能も内蔵されている

 

温湿度の観点から同シリーズを見てみると、湿度の制御に注力している。湿度が高いと空気中のカビが増えやすくなってしまう。そこで同シリーズは、「おまかせ・空清」モードを選択するだけで、1年中を通して部屋の湿度が50%を下回るように制御し、カビの繁殖を抑える機能を搭載した。

 

除湿方式は、室温を快適に保ちつつ除湿を行う再熱除湿なので、除湿運転時も部屋が冷えたりすることはない。「おまかせ・空清」モードを選択するだけで、冷房・暖房・除湿の各モードを使い分けて、1年を通じて快適な温湿度と綺麗な空気を作り続けてくれる。

↑Xシリーズの除湿性能のデモ。エアコンの下にあるヒーター式加湿器で強力に加湿しているが、結露はせず、横に干しているTシャツも乾いたまま

 

↑Xシリーズのリモコン。黄色いボタンが「おまかせ・空清」だ

 

戦中に設立された、長い歴史を誇る栃木工場

Xシリーズを製造しているのが、日立ジョンソンコントロールズ空調の栃木工場だ。栃木工場の設立は、1945年の1月。日立の創業者・小平浪平の出身地が栃木であり、「栃木に何らかの記念を残したい」という想いから、この地に工場を建てたという。同工場では1952年にエアコンの製造を開始し、いまに至るまでずっと、エアコンを作り続けてきた。一部、海外で生産している製品こそあるが、日立のエアコンといえば栃木なのだ。

↑栃木工場の第5工場。エアコン需要の高まりを受けて、1969年に稼働を開始した

 

同社がメイドインジャパンを推すのには理由がある。まずは国内の顧客の声をすぐに吸い上げ、製品開発に反映できること。そして、素早く顧客に届けられることだ。エアコンは夏と冬の繁忙期に販売が集中するアイテムである。そのため、製造してから時間を置かず、日本中の顧客へ届けられるメリットは大きい。ちなみに、海外生産では製品の受注から納品まで1ヶ月ほどの時間を要するが、国産であれば6日程度で済むという。さらに最近では、世界的な物流の混乱や円安により、国内生産の優位性がさらに上がった。

↑室内機の組み立てをおこなっているところ。エアコンの組み立てには、手作業でないと行えない工程がある。ちなみに、現場に新たに入ったスタッフは、作業工程を把握するのに1週間、習熟に1ヶ月かかるそうだ

 

「エアコンはインフラ」だ。日立が考えるエアコンの未来像

日立ジョンソンコントロールズ空調で、日本アジア地域の責任者を務める泉田金太郎さんは「エアコンはインフラだ」と語る。近年は地球温暖化の影響か寒暖差が激しく、特に猛暑には、多くの人が毎年のように悩まされている。そんな状況下で、エアコンは一種のインフラなのだ。

 

同じ家電でも、たとえばテレビは、必ずしも1室に1台置く必要はない。だがエアコンは違う。それゆえ同社は、エアコンの需要が長い目で見て増えていくと見込んでいる。おまけにコロナ禍で、空気清浄機能のニーズは確実にアップした。Xシリーズは、同社がエアコンの未来を思い描いて作った渾身の一台なのだ。

↑Xシリーズに込めた想いを語る、日立ジョンソンコントロールズ空調の泉田金太郎さん

 

「霧ヶ峰エアコン」の新製品は人の感情まで察知して空調するらしい。

三菱電機は、ルームエアコン「霧ヶ峰」の新製品として、非接触で高精度に人の脈波を計測・解析し感情を推定するバイタルセンサー「エモコアイ」を搭載し、さらに赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.+(ミライプラス)」を組み合わせ、「エモコテック」を実現した「Zシリーズ」12機種を2023年2月より発売します。価格はオープン価格となっています。

三菱電機の調査では、在宅ワーク時、リビングで仕事をしている人が約6割もいることが判明。リビングはくつろぐ場所以外にも、仕事をする場所など使用用途が多様化しているといいます。本製品は、そんな新しい生活様式とその変化に対応するため、生活シーンごとの気持ちに合わせて空気を整える新しい空調が必要と考え開発されたそう。

 

人の感情を推定する「エモコテック」

新搭載された「エモコアイ」は、非接触で高精度に人の脈波を計測し、独自のアルゴリズムにより人の感情を推定して数値で見える化するバイタルセンサーです。室温や体感温度などを検知し空調を整える赤外線センサー「ムーブアイ mirA.I.+」と組み合わせることで、くつろぎやすい空間や集中しやすい空間など、気持ちに合わせた空気にする「エモコテック」を実現。

↑「エモコアイ」のバイタルセンサーにより、脈拍と集中度を計測

 

集中したいときには、リモコンの「フレッシュモード」を選択。室温を少し下げて運転し、集中しやすい室内環境を創出します。同時に、「エモコアイ」がユーザーの脈波を計測・解析し集中度を推定。集中力が低下してい ると判断すると、自動で優しい風をあてることで、集中を促す仕組みだそうです。

 

また、別売の「換気ユニット」を取り付けることで、換気機能(排気)の追加が可能になります。「ムーブアイ mirA.I.+」が検知した在室人数に応じて換気量を自動で最適化し、さらに「エモコテック」の「フレッシュモード」との併用で、室内の CO2を排出。集中力が持続しやすい室内環境づくりに貢献します。

空気清浄機能と別売りユニットで本格換気が可能になった日立「白くまくん プレミアムXシリーズ」登場

日立ジョンソンコントロールズ空調は、ルームエアコンの新モデル「白くまくんプレミアムXシリーズ」全11機種の発表会を開催。11月末より販売を開始する。価格はオープンプライスだ。

↑ルームエアコン「白くまくんプレミアムXシリーズ」

 

発表会には日立ジョンソンコントロールズ空調の泉田金太郎氏が登壇し、70年前の1952年に日本初となるウィンドウ型ルームエアコンを日立が開発したことから、日本のルームエアコンの歴史が始まったことを紹介。

 

「これからのルームエアコンは、快適空間を提供する製品からデジタル技術を活用してみなさまの暮らしを支える、社会インフラに進化していくものと考えて、製品の開発を進めている。白くまくんはみなさまの健康に直結する空気や環境の質を向上させるソリューションと、デジタルサービスの提供で社会に貢献することを目指していきたいと考えています」(泉田氏)と意気込みを語った。

↑日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 ヴァイスプレジデント兼 日本・アジア地域ゼネラルマネージャー泉田金太郎氏

 

新プラズマイオン発生機と新除湿制御でカビの繁殖を抑制

新モデルの一番の特徴は、新たに搭載された部屋の隅のカビまで抑制できる「Premiumプラズマ空清」機能だ。これは部屋の浮遊カビをパワフルに抑制する空気清浄機能に、除湿制御機能を加えることによって、カーテンや家具などに隠れたカビまで抑制できる機能。国内家庭用エアコンでは国内唯一だという。

↑新搭載の幅33cmのワイドなプラズマイオン発生機

 

従来の吹き出し口からイオンを放出する電極に加えて、新たに吸い込み口に配置した4つの電極からプラズマイオンをワイドに放出する大型のプラズマイオン発生器を搭載。熱交換器についた、浮遊カビ、菌、ウイルスを従来の「プラズマイオン空清」の約2倍のスピードで抑制することができる。

↑「Premiumプラズマ空清」の効果により、 浮遊カビ菌や浮遊菌、浮遊ウイルスを約2倍のスピードで抑制できる

 

さらに、熱交換器についた汚れは従来モデルより搭載する「凍結洗浄 除菌ヒートプラス」機能で自動洗浄が可能。この機能は、最大56℃まで熱交換器を温めて油汚れまで剥がし、マイナス15℃で凍らせて屋外に洗い流す仕組みだ。同様に排水トレーの自動お掃除(凍結洗浄)機能も搭載している。

↑新除湿制御では、季節に合わせた制御が行われるため、一年中、室内の付着カビ菌の抑制ができる

 

「プラス換気ユニット」は別売りで追加する仕組み

「白くまくんプレミアムXシリーズ」のもう一つの特徴が、換気機能である「プラス換気ユニット」(別売り)が取り付けられることだ。

 

コロナ禍においてエアコンの換気機能が注目を集めた。しかし、大規模マンションなどでは部屋に24時間換気システムが配置されているケースもあるため、あえて別売りにすることで、「必要な人だけ取り付けられるようにオプションにした」(泉田氏)という。

↑室内機の右側面に取り付ける「プラス換気ユニット」

 

「プラス換気ユニット」はエアコンとの連動運転に対応し、室内機に内蔵されている人感センサーが換気量を自動調整。また、冷房開始時に室内の熱い空気を吐き出して冷房の立ち上がりをよくする排熱運転機能なども備えている。

 

日立ジョンソンコントロールズ空調では窓開け換気で課題となる、花粉や排気ガスなどの汚れた空気、雨や虫を入れたくない場合や、音漏れなどのプライバシーの問題がある場合に、エアコンの換気機能があれば解決できるとして、今回オプションで提案したそうだ。

エアコン28℃設定と併用で乗り切る! 暑さ対策のと節電におすすめのパーソナル冷却家電&グッズ

例年にも増して、厳しい暑さが続きます。電気代高騰の懸念や政府による節電の呼びかけを受け、省エネに努めながらも健康的に過ごすには、エアコンとひんやりアイテムとの併用が効果的。エアコンで部屋を冷やし、グッズで自分やその周辺を集中的に冷やす———節約アドバイザーの丸山晴美さんに、そのコツとおすすめグッズを教えていただきました。

 

まずはおさえておくべき、
かしこいエアコン運転のコツ 5

最初に、夏の暮らしに欠かせなくなっているエアコン(クーラー)を、できるだけ省エネで稼働させるポイントを5つ紹介しましょう。

 

「エアコンの設定温度を1℃上げると、電気代は約10%の節約になります。住環境や人によっても快適な室温は変わりますが、設定温度を今より1℃上げて、扇風機やサーキュレーターを併用して過ごしてみてはいかがでしょうか? 推奨される室温は28℃ですが、私の場合、エアコンの設定温度を29℃にして、扇風機を併用しています。

エアコンを付けてしばらくして室温が下がったら、風量を弱設定に変えるということも意識してみてください。自動運転よりも、弱設定の方が、消費電力は減ることもありますが、常に弱設定にすると反対に冷房効率が悪くなることもあるので、上手に使い分けましょう。

また、エアコンのフィルターが汚れているのも、消費電力がかさむ要因です。2週間に1度はエアコンのフィルターのホコリを除去するお手入れをしましょう。掃除機で吸う程度なので、5分もあれば済みます。

忘れがちなのが、室外機の日除け対策。室外機に直射日光が当たり、周りの温度が高いと、室外機からの熱の排出がしにくくなるので、冷房効率が下がり消費電力も増えてしまいます。室外機に直射日光が当たらないように、パネルを設置するなど日陰を作る工夫をしましょう」(節約アドバイザー・丸山晴美さん、以下同)

 

おさえておきたいエアコンの節電方法5

1.エアコンの設定温度は、快適温度よりも+1度を心がける
2.エアコン使用時は必ず、扇風機やサーキュレーターを併用する
3.エアコンのフィルターのホコリは2週間に1度のペースで掃除する
4.部屋が冷えてきたら、エアコンの風量は弱設定に切り替える
5.室外機の日除け対策をする

 

買い足し不要!
身近なものでできる冷却テクニック4

エアコンの節電を意識した上で、次に取り入れたいのは、家にあるものでできるお手軽な冷却方法です。ちょっとしたことですが、やるのとやらないのでは、大きな差が出るはずです。

 

1.「水で濡らしたタオル」で帰宅後の熱を拭き取る

暑い時期は、水で濡らして軽く絞ったタオルをチャック付きビニール袋に入れて冷蔵庫と冷凍庫に常備しておきましょう。

 

「寝起きや帰宅時の蒸し暑さをなんとかしたいとき、すぐにエアコンを付けて、強風で部屋の温度を下げようとしていませんか? エアコンをつける前に、一度、換気をするように心がけましょう。これをするだけでも、部屋にこもっている熱を逃してくれ、冷房効率を上げてくれます。このとき、部屋の換気をしつつ、冷却効果の高い手首や首、ひじの内側やひざの裏側、こめかみなど、血管と皮膚が近い部分を冷やすと効率よくクールダウンができます」

 

2.「冷凍ペットボトル」に風を当てて、湿度も下げる“冷風扇”に

部屋の湿度を下げて、冷風も作り出す画期的なエコ対策がこちら。

 

「2Lのペットボトルに8割ほど水を入れて凍らせます。ペットボトルの表面から水が出るので、必ずお皿やボウルなどの少し深めの容器に凍ったペットボトルを置きましょう。後ろから扇風機の風を当てると、ひんやりとした冷たい風になりますよ。ペットボトルから結露が出るので、部屋の湿度も下げてくれます。寝苦しいけれど、エアコンを付けっぱなしで寝たくないとき、この方法で扇風機を使えば、寝苦しさが軽減できます」

 

3.「遮光カーテン」で熱伝導を妨げ、夏は涼しく冬は暖かく

窓から入ってくる熱伝導を防ぎ、エアコンの効きを上げてくれるのが遮光カーテンです。

 

「夏に屋外から入り込む熱エネルギーの約70%が窓からだと言われています。西日が当たる部屋は特に、在宅する日中も遮光カーテンを引いて、窓から入る熱をシャットダウンするように心がけましょう。朝、出社するときに遮光カーテンを閉めるとことを意識するだけでも、外気からの熱の侵入を減らすことができます」

 

4.夕方以降に、ベランダや玄関へ「打ち水」を

お風呂の残り湯でもできて、涼しさと掃除効果が得られる打ち水。

 

「打ち水は、日本の古き良き習慣です。玄関やベランダのアスファルトやコンクリートにこもった蓄熱を減らすことができ、打ち水をした部分を通る風の温度も低くなるので、室内に入ってくる熱気が減らせます。ただし、打ち水をする時間帯には注意。太陽が照り付けている日中に行うと、蒸気が上がり、余計に蒸し暑くなってしまいます。日が落ちかけた夕方に、植物の水やりついでにお風呂の残り湯で行うといいでしょう」

 

グッズをプラスして快適に!
自分の周りを効果的に冷やす冷却グッズ 6

自分自身の体感温度が下がれば、快適に過ごせます。効果的にクールダウンができるマイ・クーラーアイテムもチェックしておきましょう。

 

お風呂や化粧水に加えればひんやり爽快な「ハッカ油」

北見ハッカ通商「ハッカ油ボトル(中栓付属)」20ml 1080円

薬局や雑貨店などで手に入るハッカ油。こちらが肌の表面に触れると、ひんやり効果が得られます。使い方は、お風呂に数滴たらすだけでOK。「スーッとするので、湯上がりのほてりが鎮められます。ただし、あまり入れ過ぎると寒さを感じたり、肌荒れの原因になったりするので、数滴にしましょう。わたしは手作り化粧水を使っているのですが、化粧水の中にも数滴加えて、入浴後の肌ケアに使うと、スーッとした清涼感が得られます」

 

・電気を使わずひんやりをキープする「ネッククーラー」

SUO「クールリング M」3520円

冷蔵庫や冷凍庫で冷やしたものを首にかければ、熱を効率よく下げてひんやり快適にしてくれるのが、ネッククーラー。「植物由来の冷却素材で、28度以下の室温で自然に凍結するクールリングです。冷蔵庫で約15〜20分、または冷凍庫で約10分冷やせば、使用から60分くらいまでは体感温度を−3℃に保てます。カラバリが豊富なので、お気に入りのデザインを見つけるのも楽しい。18度で自然凍結するシリーズもあり、こちらはアイシングに使えます」

 

・お出かけ時のクールダウンには水でぬらす「冷感タオル」

白元アース「アイスノン 極冷えタオル」1078円

水にぬらしてひんやりするタオルは、外出時のクールダウンに最適です。「生地にテイジンの接触冷感素材“COOLSENSOR EX”を採用し、触れるとひんやりする接触冷感が得られます。さらに、タオルに水を含ませて、水滴が垂れてこない程度に絞り、広げて数回振ることで生地がより冷たくなります。紫外線遮断率約95%のUVカット機能が付いているので、首元周りの日焼け予防にも効果的。洗濯をしてくり返し使えます」

 

・テレワークスペースに! 家中どこでも使える「ポータブルクーラー」

シロカ「除湿機能付きポータブルクーラー」参考価格3万9800円

ポータブルクーラーとは持ち運びできるコンパクトなクーラーであり、スポットを冷やしたいときに便利。「室外機が必要なタイプもありますが、コンパクトな室外機不要なタイプは片手で持ち運びができるし、自分の周辺だけを効率的に冷やせます。除湿機能が搭載されているので、梅雨の室内干しの洗濯物乾燥や冬の結露対策などにもなり、一年中活躍シーンがあります」

 

・深部体温の上昇を効率的に下げる、充電式の「ハンディクーラー」

エレス「アイクール ポルタ」3278円

凍ったペットボトルや保冷剤を当てた時のような役割をしてくれる、音を気にせずに使えるクールダウンアイテム。「手のひらにすっぽりと収まる形状で片面には、約15℃に冷える冷却プレートが付いています。冷却プレートを当てて手のひらにある静脈と動脈をつなぐ血管を冷やせば、体の中心の深部体温の上昇が、首元の太い血管を冷やすことでも血液の温度上昇が抑えられます。無音な上に、軽量でコンパクトなので、いつでもどこでもサッと取り出して使える手軽さも魅力です」

 

・部屋着に取り入れたい! 汗を吸い取る「ステテコ風ボトム」

ユニクロ「コットンリラコ ショートタイプ」990円

体の熱や汗を吸い取り、肌の表面をサラッとしてくれるステテコのような素材が、部屋着にはぴったり。「ユニクロのリラコは、ステテコを参考にして生み出したアイテムだと言われています。わたしにとって、夏の部屋着としてリラコは必需品になっています。薄手で軽くて涼しい、汗をよく吸い取ってくれる素材を着るだけでも、クールダウン効果は高くなります。ほかにも冷感素材の肌着やシーツを取り入れるのもいいですね」

 

※商品の価格はすべて10%消費税込みです。

 

クールダウン効果のあるアイテムを買い足したり、家にあるものを上手に活用したりすることで、マイ・クーラーアイテムは増やせるもの。取り入れやすいテクニックやアイテムから実践して、エコにつながる涼しさを手に入れましょう。

 

【プロフィール】

節約アドバイザー / 丸山晴美

節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナーの資格を持つ。分かりやすく、楽しく、賢く節約するをモットーにテレビや雑誌などのメディアで活躍中。『節約家計ノート2023』(東京新聞)10月発売予定、共著『50代から知っておきたい!年金不安、解消します』(幻冬舎)、『1年で100万円貯まるすっきりお片づけ生活』(宝島社)ほか、書著多数。
HP= https://www.maruyama-harumi.com/index.html

アイリスの「ポータブルクーラー」を使い倒して判明! 持ち運び可能なエアコンはこう使うべし

猛暑、酷暑と言われるようになって久しい、日本の夏。陽が落ちると涼しくなっていた昭和中頃と違い、エアコンが生活、もっと言えば生きることに必要不可欠になった。しかし、部屋や場所によっては設置できない場合がある。筆者が原稿を書いている仕事部屋もそのひとつ。賃貸マンションのため、共有スペースの通路には室外機を置けないのだ。なので、猛暑な近頃はエアコンがある他の部屋に移動してコソコソと原稿書きに勤しむのが恒例になっている。

 

そんな筆者が気になっていたのがポータブルクーラー。アイリスオーヤマが今年4月に発売したばかりの「ポータブルクーラーIPA-2203G」のレビューを任せられることになったので、使い倒してみた様子をお届けしたい。

↑アイリスオーヤマ「ポータブルクーラーIPA-2203G」●実売価格7万3180円(税込)●サイズ:高さ700×幅286×奥行き320mm ●質量:22kg ●冷風適用畳数:4.5〜7畳 ●消費電力:755/870W

 

8時間の使用でも電気代は約176円

さっそく届いた製品を開梱すると、大型の空気清浄機を思わせる佇まいで、白を基調としたデザインはどんな部屋にもマッチするシンプルなもの。消費電力は755/870Wとコーヒーメーカーや電気ストーブ、ハロゲンヒーター、乾燥機付き洗濯機と同等のもので、電気代は現在のレート(27円/kWh)で換算すると1時間の使用で約22円となる。部屋で仕事をする時間を8時間と考えれば176円の計算となり、セブン・イレブンのコーヒー(L)を買うのと同じくらいの出費になる計算だ。

 

本機を簡単に説明すると、本体前面の吹き出し口から涼しい空気を送り出し、後部の排出口から熱を含んだ空気を逃す仕組みだ。エアコンの室内機と室外機を一つのボディにまとめた、オールインワンスタイルと言える。熱の排出には、付属の143mmの蛇腹式排気ダクトに接続。付属する専用の窓パネルセットを使って窓にダクトを取り付けられる。

 

設置自体は簡単で、窓パネルを窓枠に設置して、排気ダクトを接続すれば完了。今回、筆者の家では家具配置の関係で窓枠パネルを設置することはできなかったが、アイリスオーヤマの公式動画を見ながら作業すればラクに作業ができるだろう。

筆者と同様に窓枠に設置しない場合でも、ポータブル式なので排出される熱気を逃がすことができれば、部屋間を移動して使用することができる。ただし、後述するが排熱する場所には注意が必要だ。

 

熱気がこもりやすいホームジムに置いてみた

手始めに、コロナ禍での体力不足を解消するためにホームジム化をしたリビングで、本機を試してみた。リモコンが同梱されているので、ダンベル運動の最中に本体に近寄る面倒がなく、手元で操作できるのはありがたい。

↑リビングの一角に作ったホームジムがヒンヤリ

 

↑排気ダクトを隣の部屋に伸ばし排熱した

 

↑操作パネルには電源、温度調整、風量調整(弱/中/強/自動)、モード切り替え(冷風/除湿/送風)、おやすみ運転の各ボタン、温度設定とタイマーの表示窓が設けられている。操作は簡単で直感的に扱える親切な設計

 

本体と電源を接続し、設定温度を25℃にしてスイッチをON。本体前面にある吹き出し口から、タイムラグなく涼しい風が吹き出して来る。風の温度を図ってみると設定温度通りとなり、部屋の温度がグングンと下がってくるのが分かる。

↑設定温度ぴったりの冷風が出ている

 

↑普通のエアコンとは違い、トレーニングをするベンチの真横に置けるため、ダイレクトに涼しさが味わえるのが大きな利点だ

 

風向きはルーバーを装備した送風口で調整。ルーバーの向きは水平方向から上に向けて調整でき、熱が溜まりやすい上部に対して効率的に送風するように設計されている。

 

元の室温や部屋の大きさ、熱の溜まり具合によって異なるとは思うが、スイッチを入れてから1時間ほどで6畳の室温を25℃へと下げることができた。気になるのは、排熱をしている部屋の具合だ。隣の部屋へと伸ばした排気ダクトの排気温度を計ってみると、ダクト周辺では40℃を記録。排気の熱が溜まった部屋は猛烈な暑さとなり、説明書の通りダクトを使って熱せられた空気を外に放出しなければならないことを実感させられた。

↑狭い室内への排熱はオススメしない

 

ポータブル製品は野外で使ってこそ真価を発揮する!

今回、家の中以外でもポータブルの機動性を活かした実験を行ってみた。それは、ガレージでの使用である。

 

筆者は若い頃、自動車の板金塗装工場で働いていたことがあり、そこには「スポットクーラー」と呼ばれる、ポータブルクーラーに似た冷却機器が置いてあった。このスポットクーラーはダクトホースで冷気をスポット(狭い範囲)で当てるクーラーで、IPA-2203Gも同じように使用できるのではないかと考えたのだ。

 

友人のガレージに本機を持ち込み試してみた結果、業務用スポットクーラーほどの冷却能力はないものの、背中に当たる風は十分に涼しく快適であった。冷風適用畳数が4.5畳〜7畳なので、一般家庭のガレージであればガレージ全体を冷やしてくれるクーラーとして大活躍することは間違いない。また、同製品には除湿機能が搭載されているので、クラシックカーや年式を経たクルマのコンディション維持も快適にできそうだ。

 

本機は質量が22㎏なので長時間の持ち運びには労力が必要だが、脚部にキャスターが付いているので短い距離の移動なら問題ない。基本的には室内での使用を想定されたモデルだが、電源を使用できるキャンプサイト、または大容量のポータブル電源が用意できればアウトドアシーンでも活用できるだろう。また、キャンピングカーでの車中泊用クーラーとしても利用することができる。

 

その場合、窓やハッチに手を加えて排気ダクトを外へと出す手間が必要になるが、車中泊での寝苦しさを一掃してくれるはずだ。お手軽で涼しいアウトドア気分を楽しむのなら、人気のベランピングや庭キャンでの使用もオススメできる。夏休みの思い出作りとして子どもたちとエアコンの効いたテントでキャンプ気分を楽しむのも悪くない。

節電には待機電力からチェック! プロが教える電気代節約術10

2021年の秋から、電気料金が継続的に値上がりしています。今、手元に来ている明細は、エアコン使用前のもの。梅雨が明けて本格的な夏日を迎えている中、さらに請求金額が上がることは必至です。とはいえ、熱中症対策やペットのためにも涼しい環境の確保は欠かせません。そこで、無理なく今日から行える消費電力抑制テクを、住生活ジャーナリストの藤原千秋さんに教えていただきました。

 

まずすべきこと。節電マインドを育むために
家計簿には使用電力量もメモする!

具体的な節約術に入る前に、光熱費の変動に対する感度を上げておくことが大切だという藤原さん。

 

「電気代やガス代などの光熱費は、契約している会社や地域によって、請求月の間隔にばらつきがあります。ちなみにわが家の場合は、電気とガスを東京ガスの契約で一括にまとめているのですが、使用月から請求月の間には3ヵ月のズレがあります。つまり、真夏を迎えた今の時期に支払う電気代は、エアコンを全く使用しなかった春のもの。8月の猛暑日に使った電気代の請求がくるのは、11月くらい。忘れた頃に請求書が来るので、電気代の節約意識にスイッチが入りにくいのが盲点になります。

そこで、今後のためにおすすめしたいのが、ガスや電気の明細が届いたら、使用期間と使用量(kWh)と金額を家計簿にメモすること。これをしておくと、どの月にどれくらいの使用量だったのか、また、単価の変動にも意識が向くようになります。家計簿にメモしなくても、ガスや電気の使用量に関する明細をファイルにまとめて、前年比を比較するのもいいでしょう」(住生活ジャーナリスト・藤原千秋さん、以下同)

 

必要ないものはカット!
なんとなく使っている待機電力をチェック

出典:エネマネX(スマートブルー株式会社)「経済産業省および電力会社各社資料より作成」

 

電力の効率的な利用による省エネに関する取り組みを発信している「エネマネ」の調査によると、燃料費調整単価は、2021年3月から急激に上昇していることがわかっています。

「わが家は5人家族なのですが、この1年で使用電力量は少し下がっているにもかかわらず、請求金額は年間で3万円以上、増えています。この電気代、今後も高止まりする可能性が高いと言われているので、節電対策は真剣に取り組んでいきたいところです」

 

必要ないものや優先度の低いものは?
待機電力の減らし方

※資源エネルギー庁 平成24年度待機時消費電力調査より ※ガス温水器はガス給湯付きふろがまを含む

 

資源エネルギー庁が公開している資料によると、待機電力量の高いTOP10は上記の通り。

 

「ガス温水器って意外ですよね。キッチンや浴室など、使用場所が多い上にコンセントから抜けるものではないので、ここは仕方がないところ。見直せるのは、テレビやレコーダー、温水洗浄便座あたりでしょうか。電子レンジやオーブンレンジも節電エコタップに繋げて、こまめにスイッチをオフにすれば、待機電力が節電できます」

 

ゲーム感覚で取り組みたい!
電気代節約術10

ここからは、藤原さんおすすめの具体的な電気代節約テクを10個、紹介していきましょう。

 

1.契約アンペアの見直し

契約アンペアは電気代の基本料金を左右します。まずはここをチェックしてみましょう。

 

「契約アンペア(略称A)とは、同時に使える電力の上限です。10〜60Aの中で7段階に分かれていますが、アンペア数が倍になると基本料金も倍になります。ひとり暮らしや夫婦世帯ならば30〜40Aが平均ですが、低めに設定し、電子レンジとドライヤーは一緒に使わないなどの工夫をすれば、電気代の節約が可能です。なんとなく契約している方は、本当にそのアンペアが必要なのかどうか、一度、チェックしてみましょう」

 

2.エアコンの同時使用台数を決める

この時期、欠かせない存在のエアコン。少しでも電気代の節約になる使い方になる心がけとは?

 

「真夏の間は、ペットがいる家庭では留守にする時間帯でもエアコンをつけっぱなしにする必要があると思います。そこは必要経費ですよね。とはいえ、いくつか節電ポイントはあります。その一つが、同時に付ける台数を決めること。お子さんが2人いるからといって、それぞれの部屋でひとり1台のエアコンを付けるのではなく、日中はリビングに集う、寝るときはどこか1台のエアコンを付けて、サーキュレーターで冷風を広範囲に循環させる、という方法もあります。真夏の間は、寝る部屋を1カ所にまとめられる家庭もありそうですね。電気代を節約するという目的を主にするならば、生活スタイルを多少変えることも検討してみるといいでしょう」

 

【関連記事】節約アドバイザーが解説する、エアコン(冷房)のお得な使い方

 

3.エアコン+サーキュレーターのセットで使う

エアコンの設定温度は電気代に大きく影響します。

 

「エアコンの温度を1度上げると約10%の節電になると言われています。温度を上げて強風にするだけでも、涼しさは上がりますし、サーキュレーターを併用すれば、冷気を部屋中に効果的に広げることができます。エアコンの設定温度をいつもより2度上げて強風設定にする。そして、サーキュレーターを併用するのはいかがでしょうか」

 

【関連記事】一年中快適空間に。エアコンの上手な使いこなし方

 

4.テレビの主電源を切る

最近はほとんどテレビを見ていないにもかかわらず、なんとなく主電源をつけっぱなしにしている方は少なくないはず。

 

「テレビ離れをしているのであれば、主電源は消しましょう。もし、朝や夜など、一定のテレビを見る習慣があるのであれば、電源タップをかませて、そのスイッチを切ることで待機電力が発生しないようにするのもポイントです。HDDレコーダーで週間録画をしている場合でも、レコーダーのみの電源を入れておけばOK!」

 

5.温水洗浄便座をオフにする

テレビと同様、温水洗浄便座もなんとなくつけっぱなしにしている家電のひとつ。

 

「エアコン使用で電気代の上がる季節にコストカットするという意味では、ここはオフにしたいところ。便座がひんやりするのは嫌ならば、貼り付けるタイプのシートを取り入れてもいいですね。どうしても温水洗浄をしないと気が済まないという家族がいる場合は、使うときのみ電源を入れてもらうというのも手です。生活する上で優先順位の低い家電といえるので、節約のためにオフするというのは一つの選択肢ではないでしょうか」

 

6.朝の5時〜8時は換気タイムに

部屋の換気は、快適な住環境を保つために大切なこと。

 

「夏場は起きてすぐにエアコンを付けている方もいるかもしれませんが、比較的涼しい早朝から数時間は、しっかりと換気をする時間と決めてしまうといいでしょう。ちょっと大胆な方法にはなりますが、自宅にいる中でどうしても暑さが気になる場合は、着ている服の上から霧吹きで水をかけるといいですよ。

お風呂掃除をしているときに、まちがってシャワーの水をかぶってしまったことがあるのですが、夏だしすぐ乾くと思って、そのまましばらく過ごしていたら、寒いくらいに涼しさを感じました(笑)。その体験をヒントにしたテクニックです。ペットにも水の霧吹きなどで体を少し濡らしてあげながら、体感温度を下げて朝の数時間を過ごしてみませんか」

 

【関連記事】“空調のプロ”ダイキンに聞く、「換気」の正解

7.洗濯乾燥機の使用を減らす

家事の時短アイテムとして洗濯乾燥機を使用している方は、エアコン使用分の節電対策として、洗濯物を干すようにしてもいいかもしれませんね、という藤原さん。

 

「洗濯乾燥機は時短に貢献してくれる便利家電ですが、電気代がかかる存在でもあります。夏は数時間で洗濯物が乾くので、ここは節電ポイントにしたいところです。干す作業をカットして乾燥機に頼ってきた方ならば、最初はバスタオルだけでも干してみると、乾燥機の負担をグンと減らせます。厚手のバスタオルは特に乾きにくいので、これだけでも節電効果は大きいはず。また、例えば7分あれば4人家族分くらいの洗濯物は干せるので、好きな曲2 曲分とか、音声メディアを聞きながらなどの工夫をしながら、節電のために乾燥機の使用を減らしてみることをおすすめします」

 

8.日中はカーテンを閉める

暑い時期だからこそ意識したいのが、カーテンによる断熱。

 

「日中はカーテンを開けて明るくしておくのが常識だと考えてしまいがちですが、夏場は日の光が差し込むほどに部屋の温度が上がってしまうので、断熱のためには日中もカーテンを閉めておくことをおすすめします。自宅でお仕事をする方でも、遮光カーテンでない限りは暗電気をつけなくても十分に過ごせると思います。もともと日中は不在にする方ならば、明るさを気にする必要はありませんね」

 

9.つけっぱなし電源を総点検する

ムダな待機電力は思わぬところにあるもの。

 

「充電が満たされているのに電源につなぎっぱなしのパソコン、スマホ、タブレット。ほとんど使っていないスマートスピーカー。ほかにも、なんとなく電源につなぎっぱなしのものは意外とあります。一度、自宅の中のコンセントを総点検してみましょう。節電タップを取り入れることで、ほんのひと手間でスイッチをオフできるものが見つかるはずです。電気使用量のかさむ夏場の節電のために、しばらくは使用を控えられる家電もありそうです。電気代が上がっている今、優先順位の低いものを思いきってやめるという選択肢も検討してみましょう」

 

10.オフシーズンはエアコンのブレーカーを切る

エアコン専用のブレーカーを切れば、待機電力カットに。「エアコンは夏と冬しか使わないもの。使用季節以外はコンセントを外しておくようにすると待機電力がカットできますが、もう一つ、心がけたいのがエアコン専用のブレーカーをオフにすること。使わない電源は元から切ることを習慣にすると、節電につながります」

 

この季節の電気代節約といえば、やはり、エアコンの消費電力が一番のポイント。冷却ジェルマットで首や手首を冷やしたり、こまめに水風呂に入ったり、冷却インナーを着たり、スイカなどの体を冷やす食べ物を摂ったりすることも節電効果につながります。なんとなく付けっぱなしにしていた待機電力の見直しとともに、暑さ対策の工夫ができるといいですね。

 

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【プロフィール】

住生活ジャーナリスト / 藤原千秋

住宅メーカーで勤務の後、2001年から、オールアバウト「住まいを考える」サイトガイドに就任、住宅関係専業のライターとして活動。プライベートでは三児の母。自身も子どもも花粉症やアレルギーに悩まされ、花粉対策の試行錯誤を続けてきた経験あり。ラジオや新聞、雑誌などで活躍するほか、『忙しい人の人生が整う 家事の習慣』(西東社)の共同監修、『人生をピカピカに 夢をかなえる掃除の習慣』(朝日新聞出版)の監修を務める。

見て見ぬふりして、冷房使い始めてない?「エアコンのメンテナンス」 今からでも遅くない、最低でもやっておくべきこと

連日、猛烈な暑さが続く日本。突然やってきた本格的な夏に「もう耐えられない!」と、例年よりも早い時期にエアコンのスイッチをオンにした方も多いのでは?

 

しかし、エアコン本体のメンテナンスや試運転チェックを行わずに、そのまま夏の間稼働させていると「急に動かなくなった」「冷気が出なくなった」などの故障や不具合に発展してしまう可能性が……猛暑日ですら当たり前になりつつあるなか、エアコンなしで過ごすなんて、考えるだけでもゾッとしちゃいますよね?

 

そこでGetNavi webでは、エアコンを始めとした季節家電のメンテナンス術をパナソニック・エアマイスターの福田風子さんに取材! 3回に分けてお届けします。

 

第1回目は、夏が終わるまでエアコンを快適に稼働させておくために必要な「エアコン・メンテナンス術」。忙しい人でも実践できる”最低限これだけは!”というお掃除のポイントを伝授してもらいましたよ。

 

パナソニック エアーマイスター 福田 風子

国内空調マーケティングセンター エアコンマーケティング部所属。自宅に異なる3機種のエアコンを設置し、機能の違いや風の違いを感じ分ける。スマホを使って家中のエアコンを遠隔操作したり、時にはカビの発生したエアコンを自ら入手・分解して調べるなど担当の枠を超えてちょっとしたエアコンマニア。

 

メンテナンスをサボると、こんなデメリットが……

――エアコンのメンテナンスや掃除をせずに使用した場合のデメリットはありますか?

 

福田:1年間お掃除せずにそのまま使用することが良くないのは、皆さんなんとなくわかると思うのですが、特に清掃が必要な部分が「フィルター」なんです。実は、フィルターを掃除するか否かで消費電力が25%も変わるんですよ。

 

――夏季の電気代で25%となると、なかなか痛手な金額です……

 

福田:夏場に冷房の温度を1℃上げるだけでも約10~13%の省エネになると言われています。しかし、なるべく設定温度を高めにして電気代を抑えようとしても、フィルターが汚れていたら意味がないんですよね。

↑エアコンのお手入れについて語る、エアーマイスターの福田さん

 

――それに、汚れた空気が排出されていたら人体への影響もありますよね?

 

福田:そうですね。フィルターに溜まっているホコリはカビの栄養源になるので、気温が高く湿度も高い夏場はカビ菌にとって快適な環境。ホコリを取り除くだけでも、カビの発生を抑えることができます。

 

――フィルターの掃除をするだけでも、いろいろとメリットがあるんですね。

 

福田:忙しい方は、フィルターのホコリをサッと落とすだけでも効果があるので、ぜひ実践してほしいですね。クリーニング業者に依頼ができない状況でも、自分でできることを少しでもやっておくことが大切なんです。

 

さっそく、エアコン・メンテナンスをスタート!

① 重要! 電源プラグをチェック

まずは、エアコンの電源プラグ付近にホコリが溜まっていないかチェックします。エアコン用のコンセントは壁の高い位置にあることから、長期間プラグを差しっぱなしで過ごしてしまうことが多いですよね。しかし、差し込んだままにしておくとプラグとコンセントの隙間にホコリが溜まり、そのホコリが空気中の湿気を吸収することで、漏電し発火してしまう危険があるんだそう。「トラッキング現象といいます。湿度が高いと発生しやすいので、メンテナンス時に電源プラグを抜いたら、同時に乾いた布でホコリを拭きとっておいでください。」(福田)

 

② 前面パネルを取り外す

エアコンの前面パネルをパカッと外す。この時に、中に溜まっているホコリが舞ったり床に散ってしまうことがあるので、必要であれば新聞紙を敷いたり、付近の家具を覆ったりして対策を。

 

③ フィルターを外して、ホコリを取り除く

フィルターに溜まったホコリを取る。この際、掃除機を使って吸い取るのがオススメ。忙しい時は、写真のように積もっているホコリをハンディモップなどでサッと取り払うだけで完了。「もし、カビが生えてしまっている場合は、胞子をまき散らさないようにそっと浴室などに運び、洗い落とすといいですよ」(福田)

 

④ 汚れがひどい場合は、つけ置き洗いに

キッチンから出た油汚れが付着していたり、たばこのヤニの臭いや汚れが染みついている場合は、水で薄めた市販の中性洗剤でつけ置き洗いするのがベター。その後、よく洗い流し、直射日光やドライヤー乾燥は避けて、十分に乾かしましょう。「汚れの具合にもよりますが、1時間も漬けておけば充分です」(福田)

 

⑤ ダストボックスも定期メンテナンスを

↑ダストボックスの位置はメーカーによって異なるので、カバーを開けて確認してみましょう

 

自動掃除機能とダストボックスがあるエアコンは、フィルターに付いたホコリをブラシで自動的にかき取り、ダストボックスに溜めます。が、集めたほこりがダストボックスに溜まっていくので、定期的なお手入れをしないとホコリがギッシリに。フィルターと同様、ボックス内のホコリを掃除機で吸い込むと良いでしょう。

↑隙間掃除に使えるモップなどを活用しても良い

 

⑥ ボディやルーバーのホコリをふき取る

↑ルーバー部分も拭く

 

エアコンのボディやルーバー(羽板)部分などは、気づかないうちにホコリが溜まりやすい場所。固く絞った水拭き雑巾などでふき取ると良いでしょう。ただ、パネルの素材によっては傷つきやすい場合もあるので、マイクロファイバー素材のクロスなど柔らかい生地の雑巾を使うのがオススメ。空気を排出している送風路は、カビが生えてしまうことも多いので定期的にチェックして拭き取り掃除しよう。

 

取材時は説明を受けながらも、15分程度で作業は完了。慣れない人でもこのくらい手早く掃除できてしまうほど、簡単なお手入れ作業です。

 

メンテナンス後も、キレイな状態をキープするには?

――フィルターのお手入れはどのくらいの頻度で行えばいいのでしょうか?

 

福田:できれば、2週間に一度くらいはチェックしてほしいですね。夏場は連続で稼働させていることも多いので、ホコリが溜まりやすい。気づいたときに、ちょこっとでもお掃除してもらえたらいいな、と思います。

 

――ちなみに、エアコン自体の機能できれいな状態を保つ方法はありますか?

 

福田:今のエアコンですと「内部クリーン機能」というモードがついていることが多いので、ぜひ活用してほしいですね。これは、加熱乾燥やイオンなどを内部に充満させてカビの発生を抑制する機能のことです。実は、冷房や除湿の使用後は内部に結露水が発生して湿気が多い状態になり、カビが繁殖しやすいんですよ。

――なるほど。常に設定しておいた方が良い機能ですね。

 

福田:そうなんです。でも製品の出荷時に設定されていなかったり、エアコンを使い終わったら毎回お客様自身でオンにしないといけない場合が多いんです。機能に気づかず、全く活用されていないケースも……(笑)。あとは、エアコンの電源をオフにしたあとに自動で内部クリーン運転が始まるので、「アレ? 電源切れてない? 」ともう一度オフを押して、内部クリーン機能を停止させてしまっている方もよくいらっしゃいますね。

 

――それはもったいない……!

 

福田:ですから、ご自宅のエアコンの機能と設定を一度確認して頂くと良いかと思います。もし、内部クリーン機能がないエアコンの場合は、冷房や除湿運転の後に送風を3時間以上運転し、乾燥させるといいです。送風であれば3時間運転しても電気代は約1円ほどですので、エアコン内部はしっかり乾燥させることをおすすめします。ぜひ実践してみてください。

 

――さっそくやってみます。ありがとうございました!

 

次回はエアコンの室外機のメンテ術をお届けします。

 

まとめ/kitsune 撮影/鈴木謙介

冷房キンキンが苦手ならポータブルクーラーはどう? 酷暑の今夏はシロカ「除湿機能付きモデル」の追加がおすすめ

暑がりチームと寒がりチームが混在している4人家族の我が家。エアコンがフル稼働する夏は、設定温度や風向き、風量で意見が食い違うんです。でも結局、暑がりさんに合わせることになるので、エアコンの冷気が苦手な寒がりチームは、いつもと座る位置を変えたり、長袖を着てみたり……。かといって、暑がりさん専用小型扇風機をつけると、意外と風がまわりに散って、寒がりさんにはツライ。両チームが心地よく過ごすべく、暑がりさんにピンポイントで冷気を送れるものはないか? と探していたところ、見つけました! シロカの除湿機能付きポータブルクーラー SY-D151(実売価格3万9800円・税込)です。持ち運びが可能で、吹き出し口が細め! これはいいのでは? ということでレビューしてみました。

↑シロカの除湿機能付きポータブルクーラー SY-D151。本体サイズは約W22×D22×H41.4cm、質量は約7.2kg(本体のみの場合6.5kg)。電源コードの長さ1.8m。運転音54dB、消費電力約160W、風量は73m3/h。2時間、4時間、6時間のオフタイマーあり。除湿機能4.4L/日(タンク容量:1L)

 

インテリアとしてもいい感じ

個人的に、シロカの家電ってシンプルで好きなんです。このポータブルクーラーも、すっきりとしたフォルムで、操作パネルのデザインもおしゃれ。タッチパネルなので、軽く触れるだけで操作できて、とってもスマートです。アーチ状の金属の持ち手には薄いゴム製のカバーがかかっていて、収納はできない仕組み。持ち手も含めてデザインされていることで、洗練された印象を与えるのかも。

↑本体上部の操作パネル。ブラックのパネルに液晶で文字が浮かび上がります。配列もおしゃれ

 

風向きを決めるルーバーは上下にのみ動き、吹き出し口にちょこんとついたつまみで手動で調整。ルーバーの可動域はあまり広くないけれど、そこはポータブルと割り切りましょう。台座を用意したり、テーブルの上に載せたりすれば、顔に直で冷風を浴びることも可能。夏のお風呂上りなんかは最高ですよね。

 

排熱ダクトホースをうまく使えばかなり快適

取扱説明書によると、本機は「部屋全体を冷房することはできません」とのこと。その理由は、本体の中にコンプレッサーが入っていて、排気口から温風が出るから。冷風が出ているすぐ後ろから温風が出ているわけですから、部屋全体を冷やすことは難しいということですね。そのために、付属品として排熱用のダクトホースがついていて、できるだけ本体から遠くに温風を排気できるようになっています。なるほど!

↑付属品は、ダクトホース、ダクトホースを本体に取り付けるためのアダプター、ホースの先にはめる吹き出し口カバーの3点セット

 

↑ダクトホースはジャバラ状に縮められているので、アダプターを装着する際は両端のジャバラを少し広げ、反時計回りにねじ込みます。これ、広げないで作業すると永遠に回り続けるので要注意!

 

背面に接続するダクトホースは最短で約30cm、最大に伸ばすと1mになります。ジャバラなので、曲げるのも自由自在。これなら、排気口の向きを冷やしたい部屋の外に向けられるのがいいですね! 我が家では、窓を少しだけ開けておいて、カーテンの向こう側にホースの先を設置してみました。こうすると、冷房でキンキンに冷えるのは嫌だけど、冷風は感じたいというわがままに対応してくれる感じ。窓の外に排気せず、最大限にダクトホースを伸ばして使用するだけでも、温風が漂ってくる感じはなく、部屋全体がなんとな~くひんやりします。

 

冷え方としては、首振り機能がない、冷風の出る扇風機といった感じでしょうか。エアコンほど強力ではないので、すぐに部屋全体がしっかり冷える感じはないけれど、肌にまとわりつく暑さが取れて快適でした。なので、通常のエアコンを使わず、単独で使えばキンキンの冷房が苦手な寒がりチームには最適かも。もちろん、通常のエアコンをつけた状況下で、さらに冷房を強化したい暑がりチームにも使えます

↑排熱ダクトホースを室外に向けて、温風を逃がしてあげるとさらに快適

 

除湿機能で洗濯物がよく乾く!

本機は除湿機能付きということで、雨の日の洗濯物にも活用してみました。除湿モードを使えば、湿度が下がる=湿気が飛ぶ→洗濯物が乾きやすくなる、というわけです! 除湿モードは40%・50%・60%の3段階。湿度の高い日は50%や60%だと、ややモワッとするので、ほぼ40%で稼働。室内干しの洗濯物から50cmほど離れた場所に置くと、風量2で洗濯物がほんの少しゆらゆらする感じです。薄手のTシャツやタオルなどは、4時間くらいで、あらかた乾いてびっくり! デニムやバスタオルはさすがに浴室乾燥機での仕上げが必要でしたが、それでも、いつもより短時間で乾いてくれてうれしいです。

 

なお、本機には除湿した水分をためておく排水タンクが内蔵されています。市販のゴムホースを使って常時排水することも可能なようですが、我が家の場合は、本機をあちこちに移動して使いたいので、排水タンクで対応しました。水を捨てる時は、タンク上部の角にある排水用の三角のフタを持ち上げて、タンクを傾ければOK。排水タンクは容量1Lで満水だと意外と重いですが、片手でも作業は可能です。

↑水を捨てるときは引き出し状になっている排水タンクをまーっすぐ引き抜けば、満水時でも水はこぼれません。ただ、排熱ダクトの真下にあるので、ホースがちょっと邪魔でした

 

↑タンク上部の角にある三角のフタを持ち上げて水を捨てます

 

↑今回は使用しませんでしたが、排水で市販のゴムホースを使う場合はここに装着します

 

取扱説明書には、部屋の温度35℃、湿度40%の環境で使用すると5~6時間で満水になる、とありました。我が家では、雨天の洗濯物の乾燥メインで使用した場合で4時間、湿度高めの夏日の時で6時間くらい、気温は25℃以下だけど、ちょっと蒸すなぁという日に7時間くらいで満水になりました。なお、満水になるとアラームが鳴って自動停止するので、水があふれる心配はありません。

↑満水時、アラームと共にマークが赤く点灯し、自動停止します

 

↑お手入れは左右のフィルターのホコリを掃除機などでキレイにするだけです。簡単に外れるので、手間いらず

 

家じゅうどこでも持ち運べる手軽さがgood

ところで、夏場にドライヤーを使うとき、温風で汗ばんだりして、せっかくお風呂で汗流してきたのに! なんてことありませんか。そこで今回は洗面所に本機を持って行き、排気ダクトホースを廊下に向けて、冷風モード、風量1でスイッチオン。涼みながらドライヤーをかけると、これがまた気持ちいい! さらに、キッチンでも試してみたところ、こちらもgood。料理しているときはキッチンにエアコンの冷気が届かず、夏場には汗だくになることもあるんですが、本機があれば快適です!

↑洗面所でドライヤーとともに使用すると快適でした!

 

なお、先述の通り、こちらは部屋全体を冷やすために作られている製品ではないので、エアコンで部屋全体をゆる~く冷房して、本機でピンポイントで冷やす、という使い方がよさそう。市販のワットモニターで計測したところ、電気代は1日24時間換算で23~30円とそこそこかかります。なので、長時間つけっぱなしにせず、暑さが気になる時間帯だけ使うのがいいでしょう。

 

一方で、気になったのが運転音。取説に書いてある音の目安、54dBというのは、換気扇の音やエアコンの室外機と同じくらいなので、それなりの音がします。なので、本機を使用するときはテレビの音量をちょっと上げる必要がありました。とはいえ、寝室での使用で眠れないほどの騒音ではなかったです。あとは重さ。約7kgとちょっとずっしりきますが、片手で持って運べる程度なので、苦になるほどではありません。

 

今夏は厳しい暑さが予想されていることもあり、本機が活躍する機会は多いはず。除湿機能で湿気を取りつつ洗濯物の乾燥をサポートしたい方、ちょっとだけ涼しくしたい方、風弱めが好きな方、そして、我が家のように暑がりさんと寒がりさんとが両方いるご家庭には、大いにおすすめしたいところです。

 

仕組みから知ろう!「換気ができるエアコン」が話題の理由と注目の最新モデル

観測史上初めて、都心で6月に2日連続の猛暑日を記録するなど、夏の暑さはエスカレート。気象庁の発表によれば2022年の夏も、北日本から沖縄・奄美まで日本全国的に平均気温より高い見込みだそう。そんな暑い夏に立ち向かうには、高性能のエアコンが欠かせません。ところが、電機メーカー各社が発売するエアコンは年々多機能になっており、選ぶのが難しくなっているのが現実。そんな中、コロナ禍の影響でいま“換気機能付きエアコン”が注目されているのです。

新型コロナウイルス感染症の蔓延を機に、対応するメーカーも増加傾向。消費者も急速に「換気」を重要視するようになっています。そこで今回は、エアコンの基本的な仕組みとともに、換気機能付きエアコンについて、家電ライターのコヤマタカヒロさんに解説していただきました。

 

知っておきたい、エアコンの基本の仕組みとは?

私たちの生活にとって、なくてはならないものとなったエアコン。エアコンとはそもそも、どのような仕組みで動いているのでしょうか?

 

「エアコンは、室内機と室外機がセットになっており、このふたつがパイプでつながっています。室内機の中にも室外機の中にも“熱交換器”があり、冷房の場合、室外機で冷やされた“冷媒”=ガスが室内機に送られ、熱交換器を冷やします。そこを室内機のファンが取り込んだ室内の空気が通ることで冷たい風が出てくる仕組みです。室外機には熱くなった冷媒が戻され、大きなファンで熱風を放出して再び冷やされるというわけです。

つまりエアコンは外の空気を取り込んだりするわけではなく、部屋にある空気を冷たくしたり、温かくしたりしているのです」(家電ライター・コヤマタカヒロさん、以下同)

さらに「部屋の中の空気を常に循環させているということは、フレッシュな空気が循環するわけではないため部屋の中の二酸化酸素濃度が高まっていくということ。部屋の二酸化酸素濃度については、新型コロナウイルス感染症の影響で話題になりましたが、少し前まではエアコンの換気ができるかどうかについては重視されることはありませんでした」

 

そこへ、新型コロナウイルス感染症が蔓延しはじめ、部屋の中の二酸化酸素濃度が高まるとリスクが増えることが話題になり、換気機能への消費者のニーズが高まったというわけです。

 

換気機能付きエアコンの始まりと、イチオシモデル

もちろん換気機能は、どのエアコンにもついているわけではありません。新型コロナウイルス蔓延を機に、この機能に注目が高まりましたが、そもそもいつから販売されていたのでしょうか?

 

「これまでも、換気機能付きエアコンを販売していたメーカーはありました。僕の記憶だと、シャープのエアコンでは換気機能付きエアコンは10年以上前から販売されていました(※1996年に冷房・暖房・除湿・加湿・換気のついた『5空』エアコンがシャープから販売)。現在では、ダイキンはもちろん、ハイセンスやパナソニックなども換気機能付きエアコンを発表しています。ダイキンに加えて、パナソニックも、換気しながら加湿も除湿もする商品を昨年発売し、話題となりました」

 

新型コロナウイルス蔓延を機に、換気機能付きエアコンに各社が力を入れ始めています。今年注目の換気機能つきエアコンのなかから、コヤマさんにおすすめのモデルを教えていただきました。

 

・AIが人の存在を感知する

パナソニック「Eolia LXシリーズ」
オープン価格 / パナソニック

「どの性能を重視するかはもちろん好みによって選び方はもちろん変わりますが、私は風が直接当たることがとても苦手なので、できる限り風が当たらないものを選びます。そういう意味では、パナソニックのエオリアがおすすめです。換気機能はもちろんですが、AIが人の存在を感知し、風を直接当てないなど部屋で過ごすときの快適さを追求した商品です」

ナノイーXも搭載しており、カビや花粉、PM2.5など空気中のさまざまな有害物質を抑制し、空気を清潔に保てるのも魅力。家庭用エアコンのシェア首位を走ってきたパナソニックの誇るべきモデルです。

 

・給水なしで加湿ができる

ダイキン「うるさらX」
オープン価格 / ダイキン工業

「もう1台はダイキンの『うるさら』という商品です。家庭用エアコンでトップシェアを誇るメーカーであり、信頼性も高いです。換気機能はもちろん搭載、『うるさら』という名前が表す通り、加湿と除湿もできるモデルです。

除湿はほとんどのエアコンについている機能ですが、除湿量も季節や暮らしに応じて制御ができる業界初の除湿制御つき。また、もうひとつの特徴は給水なしで加湿ができること。外から取り込んだ空気中から水分のみを取り出して、加湿に利用する仕組みです。ちなみに換気機能はないのですが、ダイキンの『スゴ暖』シリーズは、寒冷地モデルも充実。昔はエアコンが必要なかった地域も、今は気温変化の影響などでエアコンを利用する人が増えています。除湿機能、空気清浄機能などはついており、注目しています」

 

・お手頃プライスで機能充分

ハイセンス「Gシリーズ」
オープン価格 / ハイセンスジャパン

価格を少し抑えつつも換気機能がついたものを希望するという場合は、ハイセンスのGシリーズもおすすめです。Wi-Fiや熱交換器の解凍洗浄機能など機能も充分。ぜひ検討してみてください」

換気機能つきエアコンはまだまだラインナップは限られています。しかし、換気機能がなくとも、デザインが優れていたり、人感センサーにこだわっていたりなど、エアコンの機能は年々さまざまになっています。ぜひ自分の好みやニーズに合わせて選びたいですね。

 

今後のエアコンの進化の行方と選び方は?

基本の冷暖房機能のほか、換気機能をはじめ多機能を極めてきたエアコンですが、今後はどんな進化を遂げるのか、コヤマさんに聞いてみました。

 

「どんどん“空気の質を高めよう”という動きになるのではと見ています。これまでのエアコンは温度管理がメイン。ですので、加湿や除湿するには加湿器や除湿器、空気清浄するには空気清浄機も併用するなどが必要でした。しかし、今後はエアコン1台ですべてができる、オールインワンがどんどん増えていくと思っています」

 

ですが、多機能すぎると選び方も複雑になり難しくなってくることも考えられます。そういった場合、どのような点に注目して選べばいいのでしょうか?

 

「どこの部屋で使うかによっても選び方は変わります。例えば、リビングは最上位のエアコンにするけど、寝室はそこまで多機能じゃなくてもいいなどの考え方もあります。また、冷房は基本的にはエアコンでしか機能がカバーできませんが、暖房はストーブやヒーターなど代用できるものがいくつもあります。ですので、ほかの暖房器具を使うからエアコンの暖房機能は使わない、という場合は、冷房機能だけがついた一番安価なものでもいいなど、自分のニーズを理解したうえでセレクトしてみてください」

 

猛暑下、エアコンの賢い使い方は?

電気代の上昇が著しい昨今ですが、夏はエアコンが必須です。だからこそ、できるだけ効率のいい使い方をしたいですよね。最後に、コヤマさんはどのようにエアコンを使っているのか、その秘訣を教えていただきました。

 

「エアコンで電気代がもっともかかるのは温度を上げ下げするとき。ですので、決して瞬間的なハイパワーでエアコンを使わないことがキーです。例えば室温25度をキープしたいと思ったら、短時間のお出かけ時にはエアコンを切らないほうがいいのです。一度止めて室温が30度まで上がってしまうと、また25度に下げるエネルギーが必要になるからです。つまり、電気代がもったいないから暑くてたまらなくなるギリギリまで我慢しよう、というのはNG。日中気温が上がることがわかっているのであれば、朝方の涼しい時間からつけて、室温を一定にキープしておくといいでしょう。

また、空気が動いていると涼しさを感じやすいので、エアコンと同時に扇風機やサーキュレーターなどで空気を回すと、設定温度以上に体感温度は涼しくなりますのでおすすめです」

 

【関連記事】節約アドバイザーが解説する、エアコン(冷房)のお得な使い方

 

エアコンの仕組みを正しく理解してうまく使いながら、自分にあったエアコンをゲットして猛暑の夏も健康に過ごしましょう。

 

【プロフィール】

家電ライター / コヤマタカヒロ

1973年生まれのデジタル&家電ライター。大学在学中にファッション誌でライターデビュー。その後、25年以上デジタルガジェット、白物家電を専門分野として執筆活動を展開。家電の情報サイト「カデスタ」も運営。調理家電のテストと撮影のための空間「コヤマキッチン」を用意。執筆以外に企業のコンサルティングやアドバイザーなども務める。

 

エアコンなのに給気や排気、加湿までできる! いま買うべき「最新家電の傑作」エアコン編

昨今のライフスタイルに適した生活家電の注目のアイテムを、家電に精通するプロがレコメンド。新商品のなかでも、後世に残る“傑作”を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです

 

一年を通して快適な空間を実現!外気を取り入れられる希少モデル

【エアコン】

ダイキン

うるさらX Rシリーズ

実売価格32万9460円(AN40ZRS-W/14畳)

換気・除湿機能が進化した、2022年の新モデル。エアコン使用時に窓を閉め切ると室内の空気がこもりがちだが、換気機能で快適に。結露水を用いた内部洗浄機能や、フィルターの自動掃除機能を備え、衛生的で手入れもラク。

SPEC●適用畳数:暖房11〜14畳/冷房11〜17畳●期間消費電力量:1201kWh/年●能力:暖房5.0kW/冷房4.0kW●配管長:10m(チャージレス10m)●サイズ/質量:W798×H295×D370mm/16kg

 

ダイキンは毎シーズン高性能なエアコンを複数モデル展開しているが、石井さんが特に注目したのは「うるさらX」だ。

 

「外の空気を取り入れていると勘違いされがちですが、一般的なエアコンは部屋の空気を循環しているだけです。本機は屋外から新鮮な空気を取り込み、運転しながら給気換気が行える数少ないエアコン。部屋干しによる湿気や料理のニオイなどが気になったときは、リモコン操作で排気換気運転に切り換えられます。また、室外機から外気中の水分を取り込んで、加湿してくれる機能も便利。乾燥がヒドい日はこれだけで十分とは言えませんが、無給水でずっと使えて、乾燥を抑えられるのはうれしいです。給気や排気、加湿までできるので、いつの季節も快適な空気環境に保つことができます。さらには、人の在室、床や壁の温度、過去の運転内容などから判断し、自動運転してくれるのが頼もしい。冬は垂直気流、夏はサーキュレーション気流と、季節と気流にも配慮し、風を感じにくい快適空間を演出。エアコンの風が苦手、という人にはありがたい配慮です」

↑夏場には、室内の熱気や湿気を排出する運転で爽快。冷房運転開始時に外気温より室内の温度が高い場合は、自動で排気を開始する

 

↑給水不要の加湿機能も踏襲。室外機に搭載された加湿ユニットが屋外の空気から水分を取り出すので、水を補給することなく部屋の加湿ができる

家電プロレビュアー

石井和美さん

白物家電や日用品の鋭いレビューが持ち味。レビューのためだけの一戸建て「家電ラボ」を開設する本格派だ。

 

 

ニトリのエアコンに14畳タイプ登場! 広い部屋対応でも9万円代と手頃価格

ニトリは、熱交換器の掃除機能を室内機と室外機の両方に搭載し、より広い部屋に対応した14畳タイプのエアコンを、4月11日より発売しました。価格は9万9900円(税込)となっています。

 

ファミリー層向けの広い部屋にも対応できるエアコン

同社のエアコンは、6畳タイプと10畳タイプのラインナップでしたが、より広い部屋で使えるエアコンが欲しいというユーザーの声から、14畳対応のタイプを新たに加えたそうです。本製品は、熱交換器のお掃除機能を、室内機だけではなく新たに室外機にも搭載。ニオイやカビの原因となるほこりや油汚れを、マイナス19℃で凍らせて一気に流す氷解洗浄機能により、嫌な臭いを軽減します。

 

また、スマホの専用アプリと連携すれば、外出先から電源のON/OFFを行ったり、帰宅時間に合わせて室温設定をしたりすることが可能です。吹き出し口に設置されたアロマパッドは、好きな香りを楽しめるという、ユニークな機能となっています。

↑ユニークなアイディアの「アロマパッド」

ほったらかし調理家電からメタバースまで。2022年の「家電」トレンド10

ライフスタイルの変化ととともに、移り変わる消費者ニーズ。そしてそれに応えるように、年々進化を続けているアイテムのひとつが家電です。機能面の向上はもちろんのこと、リビングに馴染むデザインを取り入れたり、お店の味を楽しめるミールキットと調理家電を連携させたり。さまざまな角度から私たちのくらしをサポートするべく進化しています。

 

2022年、家電はどのような進化を遂げるのか? アイテム情報雑誌『GetNavi』の編集長として、そんな昨今の家電事情をウォッチしている川内一史編集長に、10個のトレンドキーワードに分けて解説していただきます。

 

1.高機能ほったらかし調理家電

在宅時間の増加により、食材を入れてスイッチを押すだけで本格的な料理が完成する自動調理家電が、ぐんと販売数を伸ばしています。川内さんによると、自動調理、すなわち“ほったらかし”でも料理が完成する調理家電は、第三次ブームに突入しているそうです。

 

「ほったらかし調理家電の第一次ブームは、2013-14年。象印マホービンの自動圧力IH鍋が市場を開拓し、シャープの『ホットクック』がそれを拡大させました。第二次ブームは、コロナ禍の在宅時間増加で市場が盛り上がった2020年です。そしてその盛り上がりを受け、いま各メーカーが改良機種を続々と発売し第三次ブームを迎えています。自動調理機能が強化されているだけでなく、小型化させたりデザイン性を高めたりと各社独自の付加価値が付いています」(GetNavi編集長・川内一史さん、以下同)

象印マホービン「STAN.自動調理なべ EL-KA23」

実勢価格3万3000円(税込)

自動調理なべのメインユーザーである30〜40代が求める「利便性」に特化させるため、加圧機能を排除することで低価格を実現。内蔵しているホーロー鍋は鍋単体で直火にかけることも可能。専用のフタをかぶせれば、料理ごと冷蔵庫に入れられます。

通常の調理のほか、食材と調味料を入れたジッパー付き食品保存袋を鍋に入れて調理する「パック調理」も可能です。

 

シャープ「水なし自動調理鍋『ヘルシオ ホットクック』」

KN-HW24G(2.4L/2人~6人用)実勢価格7万7000円(税込)
KN-HW16G(1.6Lタイプ/2人~4人用)実勢価格6万6000円(税込)

独自のかきまぜ機能の最大回転スピードが約2倍にアップ。加熱時以外でもかきまぜ機能を使えるようになり、ポテトサラダやコロッケの具を作るときのじゃがいもを茹でてから潰すまでの工程や、オープンオムレツを作るときの卵を溶いて焼き上げる工程なども自動でできるように。さらに、AIoT機能も強化。テーマごとにメニューを登録できる「クックリスト」機能や、ユーザーごとにおすすめメニューを提案する「使いこなし応援」機能が追加され、メニュー選びに悩んだときにも重宝します。容量はそのままにサイズが小さくなったのもポイント。

 

シロカ「おうちシェフPRO SP-2DM251」

実勢価格1万5800円(税込)

独自の「スマートプレッシャー技術」を新採用し、業界最高クラスの高圧力を実現。食材のおいしさを最大限に引き出しながらも、自動減圧により調理時間が短縮されました。圧力調理、無水調理、蒸し調理、炊飯、スロー調理、温め直しに加え、低温調理や炒め、発酵、好みの温度に設定する温度調理といった10通りの調理が可能に。「かしこい予約プログラム」を使うと、予約調理のスタート後すぐに加熱が始まり、菌の繁殖しにくい温度が維持されるので、食材が傷みやすい時期の長時間予約も安心です。

 

2.食材キット×調理家電

“おうちごはん”にこだわる家庭が増えるなか、プロの味を自宅で再現できる「食材キット」と「調理家電」のコラボサービスが注目を集めています。

 

「2021年6月にパナソニックが始めた調理家電のレンタルと食材配送サービスを掛け合わせたサブスク『Foodable』が計画比3倍のヒットを記録。シャープのヘルシオとホットクック専用の食材宅配サービス『ヘルシオデリ』もコロナ以降登録者数が大幅に増え6万人を突破しています。ユーザーとメーカーが直接つながる、新しい家電のあり方を感じますね」

 

パナソニック「foodable」

全コース月額3980円(税込・送料込)※画像はおうちでグランピング燻製コース

同社の新品家電をレンタルしながら食材のデリバリーを楽しめるサービス。「スモーク&ロースター」×燻製用食材、「オーブントースター ビストロ」×冷凍パン・パン生地セットなど、9種類のコースから選べます(各コース最低利用期間あり)。

 

シャープ「ヘルシオデリ」

同社のウォーターオーブン「ヘルシオ」と自動調理鍋「水なし自動調理鍋『ホットクック』」専用の料理キット宅配サービス。届いた食材と調味料のセットを対応家電に入れてボタンを押すだけで、本格的な料理が完成する手軽さで人気です。名店監修のメニューも多数。

※販売メニューは随時変わるため、写真のメニューの取り扱いが終了している場合もあります。

 

3.部屋なじみホットプレート

家族で食卓を囲んで調理から食事まで楽しめる、いわば“団らん家電”とも呼べるホットプレート。2020年には、「ホットプレートごはん」がクックパッドの「食トレンド大賞」を受賞するなど、ここ数年人気を集めています。利用頻度の増加とともに、使ったあと見える場所に置いたままにしても気にならないデザインのものが増えています。

 

「昨年登場しクラウドファンディングで話題になったアビエンの『マジックグリル』は、3mmというプレートの薄さや油がほとんどいらない、丸洗いできるなどの機能性が注目されていましたが、ホットプレートに見えないスタイリッシュなデザインも話題でした。使用頻度が増えれば、使うたびに戸棚の奥にしまうのは面倒くさいと感じるのは当然ですよね。ホットプレート料理のブームを受け、見える場所に置いても気にならない、おしゃれなデザインの製品が増えています」

 

エレコム「HOT DISH」

2万1780円(税込)

耐久性と熱伝導性に優れた焼きプレートと、プレートを均一に加熱できるIHクッキングヒーター、フタがセットになったお皿のような佇まいのIHホットプレート。プレートに適度な深さがあり、焼き・炒め調理だけでなく茹で・煮込み・蒸し調理にも対応します。

サイズはひとりぶんの料理にピッタリ。好きな温度に調整でき、クッキングヒーターを低温にしたまま食事をすれば、最後のひと口まで温かい状態をキープできます。

 

4.お手軽本格ティータイム家電

自宅で仕事をする人が増えたことで、コーヒーマシンを導入する人が増えるなど、仕事中や休憩タイムのお供として、飲み物にこだわる人が増えています。それを受け、コーヒー以外の飲料用家電にも面白い製品が登場しているそうです。

 

「自宅で淹れるのが難しい本格的な抹茶を手軽に楽しめるマシンや、湯沸かしとお茶の抽出の両方ができる電気ケトルなど、ティータイムを気軽に楽しめるアイテムが登場しています。これまで飲料用家電市場はコーヒーを淹れるための商品か炭酸メーカーが主でしたが、多様化を迎えている気がしますね」

 

World Matcha「Cuzen Matcha」

3万3000円(税込)

本体に専用の茶葉をセットしてボタンを押すだけで、挽き立て&淹れ立ての抹茶が完成。ストレートだけでなく抹茶ラテや抹茶トニックなども楽しめます。茶葉を本体内で粉砕するため、粉が飛び散らず片付けも楽チン。専用リーフは有機JAS認証を受けた100%オーガニックの茶葉のみを使用しています。

 

ティファール「テイエール 1.5L」

実勢価格1万4100円(税込)

取り外し可能な茶漉しに緑茶や紅茶などの茶葉を入れて、ティーポットとしても使える電気ケトル。沸かしたお湯をティーポットに移すという手間を省けます。紅茶を淹れたあとにフルーツを加えて煮出し、フルーツティーを作ることも可能。飲み物に合わせて温度を7段階に設定できるのもポイントです。

 

5.マイスペック調理家電

多機能な家電が増える一方で、結局使いこなせていないという声も少なくないそう。それを受け注目を集めているのが、機能をしぼったシンプルな家電です。

 

「最近は、家電の高性能化と並行して、単機能モデルに回帰する動きも感じられます。その流れを汲み、基本機能のみを搭載し、購入後にアプリなどから必要な機能だけを追加できる調理家電が登場しています。“フルスペックよりもマイスペック”がコンセプトで、この流れは調理家電以外にも広がっていきそうです」

 

パナソニック「IoT対応オーブンレンジ『ビストロ』NE-UBS5A」

実勢価格6万5000円(税込)

レンジとオーブンの基本機能を搭載し、付属品は角皿(オーブン皿)のみ。必要に応じて焼き物や揚げ物ができる「グリル皿」や蒸し料理ができる「スチームポット」を買い足し、専用アプリから機能をアップデートすると、対応できる調理法を増やせます。アプリで興味のあるキーワードを選択すると、自分に合ったメニューを提案してもらうことも可能です。

 

パナソニック「IoT対応IHジャー炊飯器『ライス&クッカー』SR-UNX101」

実勢価格4万5000円

スープや煮込み料理などを作れる、自動調理鍋にもなる炊飯器。強力な泡の熱対流でふっくらおいしいご飯を炊く「おどり炊き」にも対応。

食材をセットして専用アプリからレシピを送信すれば、食材の温度変化を検知し、適切な時間や火力で調理をしてくれます。

 

6.インテリア家電

家で過ごす時間が増えたことで、以前よりも部屋の居心地の良さを大切にする人が増えました。ソファの座り心地や照明の明るさ、室温や湿度など、居心地を左右する要素は数多ありますが、目に入る風景をどうコーディネートするかも大切な要素です。家具や家電の使い心地はもちろん、“目に入る風景”も居心地の良さを極める要素のひとつ。それにより、“部屋になじむかどうか”を家電選びの基準の一つにする人が増えています。

 

「家具を選ぶときと同じように、家電にもデザイン性を求める人が増え、家電然とした製品よりも部屋になじむ見た目の家電が人気を集めています。なかにはパッと見ただけでは家電には見えないものも。家電込みで部屋の見た目をコーディネートする時代が来ていると言えそうです。また、コーディネートという点では、テレビの“定位置=壁際”という定説を崩し、室内コーディネートの自由度を高めてくれるテレビも注目ですよ」

 

日立「Chiiil」

7万6780円(税込)※GREENFUNDINGにて3月27日までクラウドファンディング中

キッチン以外の部屋に置いたり複数台を組み合わせたりと好みに合わせて自在に使える小型冷蔵庫。インテリアショップACTUSとコラボレーションし、あらゆるテイストの部屋に合うようカラバリを10色も揃えます。3段階に調整できる冷蔵温度に加え、セラー温度(約8℃、約12℃、約16℃)にも対応。

 

ブルーエア「Blueair DustMagnet」

実勢価格6万2700円(税込)~

ボディにファブリックをあしらった空気清浄機。同社初の「DustMagnetテクノロジー」を採用し、独自の気流と帯電されたプレフィルター、2か所の吸引口の組み合わせにより、空気中の汚れを効率的に除去できます。天面が小物を置くサイドテーブルとして使えるのもポイント。家具のような丸脚を備えています。

 

パナソニック「レイアウトフリーテレビ ビエラ TH-43LF1」

実勢価格24万4200円

キャスター付きスタンドを備えたモニター部と、2TB HDD内蔵のチューナー部を分離させることで、設置の自由度を高めた43V型液晶テレビ。“テレビを置く位置から決める”“テレビは壁際に置く”という、リビングの家具レイアウトを考える際の大前提を覆したことに注目です。チューナー部からモニター部への映像伝送は無線ながらも安定しており、4K映像にも対応。

 

7.自動ゴミ収集ドック搭載ロボット掃除機

掃除に割く時間を減らしてくれる、室内を自動できれいに保ってくれるという点で人気のロボット掃除機。もはや現代の三種の神器のひとつともいえる普及ぶりですが、構造上ダストボックスが小さく、スティック掃除機やキャニスター掃除機に比べてゴミ捨て頻度が高いという弱点がありました。しかし最近では、そんな弱点を覆すタイプが主流になってきているそう。

 

「掃除が終わったあとに本体に溜まったゴミを、自動で回収するゴミ収集ドックを備えたモデルが主流になっています。これにより、大半のモデルはゴミ捨て頻度が2か月に1回で済むようになりました。面白いのは、スティック掃除機でも本体とは別にダストボックスを備えたモデルが登場していること。自動ゴミ収集ドックが掃除機市場全体の常識になる日が来るかもしれません」

 

アイロボット「ルンバ i3+」

実勢価格7万9800円(税込)

掃除終了後に本体内のゴミをクリーンベース(自動ゴミ収集機)内の紙パックに自動で排出。間取り学習機能をカットするなどして、8万円切りという価格を実現しています。独自のゴム性のデュアルアクションブラシとパワーリフト吸引で、大きなゴミからハウスダスト、ペットの毛まで逃さずキャッチ。

 

エコバックス「DEEBOT T9+」

実勢価格12万9800円

最大60日ぶんのゴミを収集可能な自動ゴミ収集機を搭載。3000Paのパワフル吸引と振動式水拭きを同時に行えます。業界で初めて芳香剤を内蔵し、掃除をしながら部屋全体を贅沢な香りで包み込める機能を搭載しました。

 

ロボロック「Roborock S7+」

実勢価格12万9800円(税込)※ヤマダデンキ独占販売

世界有数のロボット掃除機メーカー「ロボロック」の吸引&水拭き対応モデル。最大毎分3000回の高速振動モップと従来機の2倍の加重で、こびりついた汚れも力強く拭き取ります。自動ゴミ収集が紙パック式とサイクロン式の2通りから選べるのも特徴。

 

パナソニック「セパレート型コードレススティック掃除機 パワーコードレス MC-NS10K」

実勢価格6万5000円

ダストボックスを本体からセパレートさせた新発想のスティック掃除機。掃除後のゴミがクリーンドックに収集されるので、スティック本体のゴミ捨てが不要になりました。ダストボックスがないぶん、本体は軽くてスリム。掃除機がけをよりスムーズに行えます。

 

8.換気機能付きエアコン

新型コロナウイルスの感染拡大により、定期的な換気の重要性は多くの人が知ることとなりました。そんな換気作業をエアコンが担えるようになってきています。

 

「エアコンの2022年モデルは、換気機能を備えた製品が豊富です。元々換気機能付きモデルを出していたダイキンにおいては、上位モデルまで登場しています。これらの製品により、窓を開けて外気を取り込まなくても室内の空気が入れ替わるようになるので、冬の換気で寒い思いをする必要がなくなりますよ」

 

ダイキン「うるさらX( Rシリーズ)」

実勢価格26万1800円(6畳程度用・税込)

従来の給気換気に加え、排気換気機能を新搭載。新鮮な空気を取り込みながら冷暖房できるだけでなく、夏は熱気を排出しながら冷房したり、部屋干しの湿気を排出したりできます。室内機には抗ウイルス作用のある集塵フィルターを採用。

 

パナソニック「Eolia LXシリーズ」

実勢価格34万1000円(6畳用・税込)

室外機に「換気・除加湿」ユニットを新搭載。冷暖房しながらの換気が可能なほか、外気水分で加湿する「吸水レス加湿」も行えます。冷暖房を行わずに換気だけを行うモードも搭載。新「ナノイーX」で室内空気の清潔さも維持できます。

 

9.骨伝導ヘッドセット

オンライン会議が一般化し、マイク付きのイヤホンやヘッドセットを使う機会が増えた人は多いでしょう。しかし、オフィスなど人がいる場所で耳を塞ぐタイプのイヤホンやヘッドセットを使うと、周りの音が聞こえず周囲の状況を把握しにくくなるのが難点です。その悩みを克服できるアイテムとして、骨伝導ヘッドセットが今後注目を集めると川内さんは言います。

 

「骨伝導イヤホンは骨を通して脳に音を届けるため、耳を塞がずに使えるタイプが主流で、周囲の音がシャットダウンされません。また、数年前の出始めのころよりも格段に音が良くなっているので、オンライン会議での相手の声もしっかり聞き取れます。これなら社内で装着しているときに、上司や同僚に声をかけられたり電話が鳴ったりしても気が付けます」

 

Shokz「OpenComm」

1万9998円(税込)

Qualcomm 3024チップと第7世代の骨伝導技術で、人間の声に最適な中高域の周波数をクリアに聞き取れるようにしたオープンイヤー型のヘッドセット。フルチタン製なので、軽量ながらもしっかりとした装着感です。DSPノイズキャンセリング機能付きのブームマイクは、口元から6cmの巨Rで声をしっかりキャッチ。

 

10.メタバース用デバイス

昨年のFacebookの「Meta(メタ)」への社名変更により一躍注目ワードに躍り出た「メタバース」。自分のアバター(分身)を作って自由に活動できる仮想空間のことで、ウェブに続く新しいインターネットの世界を生み出す試みとして注目されています。

 

「メタバースは開発と基盤の整備に長い時間がかかるので、いきなり大きく盛り上がるかわけではなく、5年、10年とかけて進化していくものです。ただ、ゲームや3Dでのチャット、オンライン会議などを通じて体験できるようになってきています。実際にそれらのサービスを利用できるVR用の機器が続々と登場しているので、せっかくならいまから少しずつ触れていき、メタバースが作り上げられていく過程を楽しむのがオススメです」

 

Meta「Meta Quest2」(256G)

4万9280円(税込)

世界トップシェアの完全ワイヤレスのオールインワン型VRヘッドセット。Facebook改めMetaが本気で資金と技術者を投入し、機能も日々アップデートしています。従来機から処理速度は2倍、解像度は1.5倍に向上。

内蔵スピーカーが全方位からの迫力あるサウンドを奏で、まるで映画館にいるかのような臨場感と、これまでにない没入感を体験できます。

 

 

HTC NIPPON「VIVE Flow」

5万9990円

マインドフルネスな生活のために作られた超軽量小型VRグラス。VR機器としては一際軽く、メガネのようにかけられます。映像視聴やゲーム、リラクゼーションに対応。ブルーライトフィルターを搭載し、就寝前にも使いやすい点が魅力です。スマホがコントローラー代わり。

 

※価格はすべて10%消費税込み。実勢価格はすべて編集部調べによるものです。

 

【プロフィール】

雑誌『GetNavi』編集長 / 川内一史

アイテム情報雑誌「GetNavi」の編集長。2012年より同誌の編集に携わり、2020年より編集長に就任。専門はオーディオ・ビジュアルだが、各編集部員が持ち寄るネタを全てチェックしているため、オールジャンルのトレンドにも精通。最近は「家事ヤロウ」(テレビ朝日)、「ラヴィット」(TBS)など地上波テレビの情報番組にも出演多数。

体温の「理想のV字カーブ」をサポート!「快眠環境運転」搭載のパナソニック寝室用エアコン「Eolia sleep」

パナソニックは、温度環境を整えることで快眠を手助けする寝室専用エアコン「Eolia sleep (エオリア スリープ)PXシリーズ」を2022年1月下旬より発売します。6~10畳用の3機種があり、実売予想価格は16万3000〜19万3000円前後(税込)となっています。

 

「快眠環境運転」で体温のV字カーブをサポート

同社の調査によると、新型コロナウィルス感染症が拡大した辺りから、枕やマットレスなど寝具に関する検索が急増。スリープテック市場が拡大したとのこと。一方で、現在の睡眠に満足している割合は少なく、何かしらの不満を抱いている人が8割強いることが判明しました。そのような背景から、エアコンで睡眠をサポートするために開発されたのが、「Eolia sleep PXシリーズ」です。

 

本製品は、付属のベッドサイドセンサーを枕元に設置して使用することで、睡眠中の温度を快適に制御します。快眠の条件は、入眠から覚醒までに深部体温が緩やかなV字カーブを描くこと。エアコン本体のセンサーが入眠を検知すると、深部体温のカーブを実現するために寝室の温度を抑制する「快眠環境運転」を開始。入眠直後は温度を低くし、アラームで設定した起床時間に向かって徐々に温度を上げていく、というのが一連の温度抑制です。同社の実験では、快眠環境運転により、季節ごとに異なる起床時の寒い・暑いが解消され、夜中に目が覚めることも減ったという結果が出ているそうです。

↑ベッドサイドセンサー(幅70×奥行70×高さ25mm)

 

↑理想の深部体温は緩やかなV字カーブ。。本製品はこれをサポートする温度制御を行います

 

↑「エオリア スリープ」の快眠環境運転のエアコン温度変化

 

「Eolia sleep」アプリとスマートフォンを連携させると、上記のアラーム設定や睡眠のスコアを測ることが可能。また、就寝時・睡眠中の温度環境のフィードバックをするとデータがクラウドに蓄積され、次回のエアコン運転時に反映されます。そのほか、電気代がアプリ上で確認でき、照明やスピーカーなどのスマート家電とも連動できるので、寝室を丸ごと快眠環境に整えることができます。

↑「Eolia sleep」アプリでは「おやすみスコア」や睡眠時間などが確認可能

 

独自の微粒子イオン「ナノイーX」を放出するデバイスも搭載されています。睡眠中の呼気やさまざまな匂いを脱臭するだけでなく、エアコン内部のカビまで除菌。衛生的に使用できます。

狙った窓に風を吹かせて換気をアシスト! 三菱電機の霧ヶ峰「FZ・Zシリーズ」は換気忖度がスゴイ

左:霧ヶ峰「Zシリーズ」(ピュアホワイト)、右:霧ヶ峰「FZシリーズ」 (ピュアホワイト)

 

三菱電機は、ルームエアコン「霧ヶ峰」の新製品として、「FZシリーズ」と「Zシリーズ」計18機種を11月1日より発売します。

 

設定した排気窓に向け、気流を吹かせて換気をアシスト

今回の「FZ・Zシリーズ」では、換気タイミングをAIが判断してお知らせする「換気ガイド」機能を「霧ヶ峰REMOTE」アプリに追加。リモコンから離れた場所にいても、手元のスマートフォンで通知を確認できます。

 

さらに、「霧ヶ峰REMOTE」アプリに搭載されている「A.I.換気アシスト」機能では、事前にアプリに表示される室内の熱画像を確認しながら、タッチ操作で換気の排出口の窓を設定できます。これにより、自動でエアコンの気流を設定した排出口の窓に向け、換気を補助することに加え、室内の空気をかき回し、隅などに滞留する空気まで換気できます。

 

また、独自のIoTライフソリューションプラットフォーム「Linova(リノバ)」を活用することで、業界で初めてルームエアコンとロスナイセントラル換気システムの連携運転(スマートe-FloTM)を実現。エアコンのセンサーで検知した在室人数に応じて換気風量を自動調整するなど、両機器の運転情報を連動させることで、室内の快適性を維持しながら十分な換気風量を確保します。

 

さらに、水分に高電圧をかけて帯電させた微粒子「ピュアミスト」が、室内の空気に含まれる菌・ウイルス・カビ菌・花粉の活動を抑制。ピュアミストは粒子の細かいナノレベルのミストのため、乾燥が気になる冬場でも、肌や髪を保湿します。

 

このほか、センサーとAIによる室温変化先読み運転を行い、安定運転時の消費電力を従来品比約13%低減できるなど、快適性と省エネを両立しています。

 

FZシリーズは11月1日より、Zシリーズは12月上旬より順次販売が開始されます。本体色はそれぞれピュアホワイト、Zシリーズは加えてブラウンとなっています。

 

霧ヶ峰ルームエアコン 市場想定価格(税別)

FZシリーズ:34万8000円~46万8000円(4.0kW~9.0kW)

Zシリーズ:23万8000円~41万8000円(2.2kW~9.0kW)

シャープからエアコン9機種が登場! 空気清浄機と連携したウイルス捕集機能も

シャープは、独自の空気清浄技術「プラズマクラスターNEXT」と、冷房中の湿度をコントロールできる「匠の冷房」機能を搭載したエアコン「Xシリーズ」9機種を発売すると発表しました。

 

「匠の冷房」が冷房運転時の温度の上下動を抑える

 

本シリーズは、プラズマクラスターNEXTに加えて、冷房中の湿度をコントロールすることで、温度の上下を抑える「匠の冷房」を搭載します。これは、冷房中に室温を下げすぎないようファンをコントロールしながら、湿度の上昇を抑えるシャープ独自の技術です。

 

一般的にエアコンの冷房運転は、室温が設定温度に到達すると運転を一時停止し、設定温度よりも室温を下げないような制御を行います。シャープの研究によると、湿度が高い状態にあると、冷房一時停止中の温度上昇が早くなるとわかったそうです。そこで、本シリーズでは匠の冷房を搭載することで、温度の上下が少ない、より快適な冷房空間を作れるようになりました。

 

加湿空気清浄機と連動し、ウイルス飛沫粒子を捕らえる

 

また、本シリーズは、エアコンと加湿空気清浄機の連携制御により、ウイルス飛沫粒子を効率良く捕集する機能に業界で初めて対応しました。AIoT対応エアコンと加湿空気清浄機を「COCORO HOME」アプリに登録し、エアコンと空気清浄機の設置場所を設定すれば、エアコンと空気清浄機の風量・風向の連携制御が可能となり、1時間おきにウイルス飛沫粒子の捕集に最適な気流を作り出します。

 

この連携制御機能に関し、ウイルス飛沫粒子解析の専門家である京都工芸繊維大学の山川勝史教授の協力のもと、シミュレーションを行った結果、設定可能なそれぞれの設置場所において、連携制御させない場合と比べウイルス飛沫粒子の捕集数が平均約1.5倍に向上することも確認したそうです。また、空気清浄機との連携は、暖房運転時に部屋が効率よく温まるようにする「サーキュレーション連動」でも力を発揮します。

 

連携制御機能に対応する空気清浄機は、KI-NP100/NX75/NS70、KI-LP100/LX75/LS70の各機種となります。

 

シャープのエアコン「Xシリーズ」の発売日は10月29日。また、税込みの市場想定価格は下記の通りです。

 

AY-P80X2 /40万円前後
AY-P71X2 /38万円前後
AY-P63X2 /36万円前後
AY-P56X2 /34万円前後
AY-P40X2 /31万円前後
AY-P36X  /30万円前後
AY-P28X  /29万円前後
AY-P25X  /28万円前後
AY-P22X  /27万円前後

「ノクリア」史上最強の暖房能力! 寒冷地向けのZNシリーズが発売

富士通ゼネラルは、ノクリア史上最強の暖房能力を実現したとうたう、寒冷地向けの暖房強化エアコン「ゴク暖 ノクリア」ZNシリーズを、11月6日から発売すると発表しました。

 

業界トップクラスの暖房能力と省エネ性

本機は、外気温2℃時、暖房能力9.4kWと業界トップクラスの高い暖房能力を発揮し、外気温が低い時もしっかりと室内を暖めます。一方で、期間消費電力量は1081kWhで、高い省エネ性能も兼ね備えました。

 

素早く暖を作る機能も備えています。「あったかアップ」機能と「ハイパワー運転」で、外気温マイナス15℃時でも、最高約60℃の高温風で足元温度を最高約40℃まで強力に暖めます。外気温が氷点下の環境や寒い朝、帰宅直後のリビングルームなどでも しっかりと暖気を感じることができます。

 

また、外気温と室外機熱交換器の温度を約1秒に1回間隔できめ細かく確認し、霜取り運転の除霜時間を33%短縮することにも成功しました。

 

空気浄化や冷房にもこだわり

空気清浄機能である「ノクリア・クリーンシステム」を拡充。カビ菌や細菌を除去する富士通ゼネラル独自の「熱交換器加熱除菌」機能や「プラズマ空清」機能に加え、新たに室内機のフィルターにウイルス抑制作用があるコーティングを施した「ウイルカット・フィルター」を採用。近年高まっている、清潔・除菌ニーズへの対応を強化しました。

 

寒冷地向けモデルの本機ですが、冷房にもしっかりこだわっています。本機では、室温を保ちながら除湿する「再熱除湿」と冷房運転中に温度が設定温度になる前に再熱除湿に切り替える「さらさら冷房」を新たに搭載しました。寒冷地域における夏場の気温上昇により高まる冷房需要にも応える商品です。

↑DNシリーズ

 

なお、ZNシリーズよりコンパクトで、優れた設置性が特徴のDNシリーズも、ZNシリーズと同日の11月6日から発売を開始します。

 

ZNシリーズは8〜23畳向けの全6機種、DNシリーズは6〜18畳対応の全5機種。価格はすべてオープン価格となっています。

エアコン(冷房)の最終結論!自動運転がいい?買い換えるべき?節約アドバイザーが解説する電気代を抑えながら効率運転する方法

年々、夏の暑さは増すばかり。熱中症を回避するためにも、日中はもちろん寝るときにも、エアコンをつけている人は多いのではないでしょうか。でも、一日中冷房運転状態が続くと、気になるのはやはりその電気代。設定温度を上げたりこまめに消したり、節電には気を遣っていても、実際のところ効果があるのでしょうか? 節約アドバイザーの和田由貴さんに、効果的なエアコンの使い方と、エアコンに関する“思い込み”の正誤を教えていただきました。

 

夏の冷房、やっぱり電気代がかさむ?

今年も高温多湿の日が続き、東京では平熱を超える気温になる日も。冷房なしでは、命の危険を感じることさえあります。つけっぱなしにしなくてはならないエアコンの電気代は気になりますが、節約アドバイザーの和田由貴さんが最初に伝えておきたいと力を込めるのは、「無理な我慢をしないでほしい」ということ。

 

「節約や節電を心がけることは、お財布にも環境にもやさしい取り組みですが、それよりも大切なのは、エアコンをつけるのを我慢しないことです。特に夏場は体調にも大きく関わることですから、節約のしすぎには十分注意しましょう。そもそもエアコンは、室温と設定温度に差がある方が電気代は高くなるので、冷房よりも冬につける暖房運転の方が電気代は高いのです。また、冷房はつけても7〜9月くらいの2か月ほど。暖房は11〜3月ごろまでと、長い間つけなくてはなりません。なぜか夏の方がすごくお金がかかると思われていることが多いのですが、そんなことはないんですよ」(節約アドバイザー・和田由貴さん、以下同)

 

例)
冷房 夏の室温30℃ 冷房の設定温度27℃ 差は3℃
暖房 冬の室温10℃ 暖房の設定温度25℃ 差は15℃
※もとの室温と設定温度との気温差が大きいほど、電気代がかかる

 

節約アドバイザーがおすすめする
効果的なエアコンの使い方10

エアコンは、使い方によって体感温度が大きく変わります。室温が適温になっても、体感温度が下がらないと設定温度を下げたくなりますよね。

 

「冷房は、設定温度を1℃上げるだけで消費電力量が10%節約できるといわれていますから、できるだけ設定温度はぎりぎり高いところに設定したいもの。同じ28℃設定でも湿度が低いと涼しく感じ、湿度が高くなると体感温度は上がってしまうので暑いと感じます。扇風機を併用したり、窓から入ってくる輻射熱対策をしたりして、設定温度が高くても過ごしやすいと感じるようにすることが、電気代の節約になります」

 

1. 輻射熱で室内が暑くならないよう窓の外によしずなどを使う

部屋が暑くなる大きな原因のひとつは、窓に当たる太陽光の輻射熱。夏場、窓を触ってみるとわかりますが、かなりの熱さになりますよね。窓から直接室内に入ってくる太陽光も問題ですが、輻射熱が部屋を暑くする原因にもなり、いくら冷房を強くしても部屋の中が冷えていかない……ということになってしまうのです。

 

「カーテンをひいて窓の内側に対策をする方は多いのですが、それよりも窓の外側に対策するのがより効果的です。ひさしやよしず、グリーンカーテンなどでもいいですし、窓に貼るタイプのフィルムでもいいので、窓に日が当たらない対策をしてみましょう」

 

2. 室外機に日陰を作る

室内には気を配れますが、室外機にはなかなか目が向かないもの。でも実は、室外機の環境によっても冷房の効き目に差が出るのです。

 

「室内機と室外機はパイプで繋がっていて、その中を“冷媒”と呼ばれるガスが循環しています。この冷媒が室内の熱を運び、室外機にある熱交換器で熱を排出する、というのがエアコンの仕組みなのですが、直射日光が当たっていると十分に冷却することができず余計な電力を使ってしまいます。とはいえ室外機を独断で動かしたり全体を覆ってしまったりすると、故障してしまうこともあるので、今室外機が日陰にないという方は、室外機用の日除けパネルなども売られていますので取り入れてみましょう。木の板を室外機の上に一枚乗せておくだけでも、日光の当たり方は違います。少しでも室外機が熱くならないように対策してみてください」

 

3. 風量や風向きは自動設定にする

外から帰ってきて部屋が暑いとつい風量を強くしていたり、風量を弱くした方が何となく節電になりそうと思って微風などに設定しているという場合は、ぜひ「自動設定」にしてみてください。

 

「エアコンは、素早く設定温度まで部屋を冷やすように運転を始めます。風量を弱くしていると部屋が冷えるまでの時間が長くかかり、逆に余計な電力を消費してしまうことがあるのです。風量を“自動”に設定にしておけば、最初は強風で部屋を一気に冷やし、部屋が涼しくなれば自動的に風量を控えてくれるので、効率の良い運転になるのです。風向きも、どこに風を届ければ部屋全体が効率よく冷えるのかを考えて、エアコンが自動的に調整しているので、風向きも自動に設定しておくのがおすすめです」

 

4. 扇風機やサーキュレーターで室内の温度ムラをなくす

冷房をつけるとどうも足元だけ寒い……という経験はありませんか? これは、冷たい空気が重たいので下に流れてしまうからです。

 

「エアコンは部屋の上の方についていますから、足元が冷えていても部屋の上部が温かいと、どんどん冷やそうとして活発に動いてしまいます。部屋の中に温度ムラができないよう、扇風機やサーキュレーターで風を回してみましょう。風が流れることで体感温度も下がり、設定温度の下げすぎも防げます

ちなみに風向きを“自動”に設定しておくと、冷房をつけたとき羽根が上向きになり、暖房は羽根が下向きになります。これは冷房の風はなるべく部屋の遠くまで届くようにし、暖房の風はなるべく下を温められるようにと考えられているからです。冷房の風が落ちてくるエアコンの向かいが冷気溜まりになりますから、そこに扇風機を置くといいでしょう」

 

5. 室外機のお手入れをする

室外機を覗いてみると、裏側や側面に薄い羽根のような金属板があります。これが熱の交換を行うフィンで、ここに埃や汚れが溜まっていると、消費電力量が上がってしまう可能性があるのです。

 

「フィンの間に風が通ることで熱を排出しているのですが、フィンの隙間が汚れで詰まっていると十分に冷却ができず、動作効率が落ちて余計な電力がかかります。室外機のフィンの掃除はシーズンごとにはしておきましょう。ただし、フィンは薄いアルミ製なので、余分な力を加えると変形してしまうことがあります。掃除をする際は柔らかいブラシなどを使い、できるだけ力を入れないように注意して扱いましょう」

 

6. 寝室も窓開けやカーテンで対策する

普段いる部屋は対策をしっかり施していても、日中はいない寝室のカーテンは開けっぱなし……ということはありませんか?

 

「日中こもった熱が夕方になっても放出できず、いざ寝るときになっても部屋が涼しくならない、ということがあります。寝室のカーテンを閉じたり窓を開けたりして、部屋の中が暑くならないよう対策することが大切です。もちろんよしずなどを使って輻射熱対策もしておきましょう。日中そうしておくだけで、夜寝るときに冷房を使いすぎることなく、部屋を冷やすことができるのです」

 

7. エアコンの掃除は清掃のプロに頼む

シーズンが始まる時期に、フィルターの掃除や見えるところの埃や汚れの手入れなどは、自分で行う必要があります。それ以外にも、2〜3年に一度はプロに頼んで掃除してもらいましょう。

 

「エアコン内部を掃除できるスプレーが売られていますが、汚れがひどい場合は奥に汚れを押し込んでしまうことがあるのでおすすめしません。これがカビの原因になったり、汚れによってドレンホースが詰まったりして、室内機から水漏れをする可能性もあります。内部の掃除は必ずプロに頼みましょう。メンテナンスを怠らずに使えば、エアコン自体の寿命も変わってきますよ」

 

8. 送風運転で汚れをつきにくくする

内部や羽根、フィルターに汚れがついていると、エアコンの消費電力が上がってしまうので、なるべく汚れないように使うのも大切です。

 

「カビや汚れの原因のひとつは、冷房を使ったあとエアコン内部に湿気が溜まってしまうからなんですね。そこからカビが繁殖するので、冷房を消す前に送風運転を5分ほどしてから消すといいでしょう。送風運転は常温の風を出す運転なので、湿気を取ることができます。上位機種には自動でこの動作をしてくれるものもあります」

 

9. 室外機の周りに打ち水をする

室外機がうまく内部の空気を冷やせるように、室外機の周囲には打ち水をしましょう。

 

「日中は水をまいてもすぐにお湯になってしまうので、朝か夕方の暑すぎない時間帯に水をまいて、室外機周辺が少しでも涼しくなるようにしましょう。室外機は外に置くものですから、雨が振っても壊れないよう防水設計はされています。ただし、強い水圧で内部を洗ったり、下から水をかけたり、通常の雨では考えられないような水のかかり方をすると、故障してしまうことがありますから注意しましょう」

 

10. こまめにつけたり消したりしない

「エアコンをこまめに消すことが節電につながる」と思っているなら、ぜひ今日からあらためましょう。はじめにも書きましたが、エアコンは室内温度と設定温度の差があればあるほど、消費電力がかかるものです。

 

「28℃設定にしておいて『あー、涼しくなった』とエアコンを切るとしましょう。窓は閉まっていますから、部屋の温度はふたたびぐんぐん上がって行きますよね。体感温度が上がり、ちょっと暑いなと思ってもう我慢できない、というときにまた冷房を入れるとなると、そこからまた冷房ががんばらなくてはならないので、電力を費やしてしまうのです。それよりはずっとつけておき、設定温度から少し上がった時点で、また設定温度に戻るよう自動的に冷房運転が始まる方が節電になります

 

巷では、エアコンの使い方に関するさまざまな“ノウハウ”がささやかれています。次のページでは引き続き、節約アドバイザーの和田さんに、こうした半ば“常識”になっている節約術の真相を聞きました。

エアコン節約術のその常識、ホントですか!?

巷では、エアコンの使い方に関するさまざまな“ノウハウ”がささやかれています。引き続き、節約アドバイザーの和田さんに、こうした半ば“常識”になっている節約術の真相を聞きました。

 

Q1. 除湿(ドライ)運転は冷房よりも電気代が安い?
A1. △ そうとも言い切れません。

「一般的なエアコンの除湿運転は、弱冷房除湿と呼ばれる除湿運転で、名前の通り弱い冷房とほぼ同じです。電気代は控えめですが、除湿できる量も冷房より少なくなります。また、上位機種などに搭載されている再熱除湿の場合、部屋は冷えませんが、冷房より電気代が高くなることがあるのです。暑いときに室温を下げて湿気を取りたい場合には、冷房運転が最適。節電を考えるのであれば、冷房運転で設定温度を控えめにしましょう。除湿は梅雨時などの湿気が気になるときや、冬の結露が気になるときなどに使うのがおすすめです」(節約アドバイザー・和田由貴さん、以下同)

 

Q2. 寝るときは冷房のタイマー設定がオススメ?
A2. × おすすめしません。

「就寝してからの数時間は冷房をつけておき、しばらくしたら消える設定をしている方は、暑くて起きてしまったりしていませんか? 冷房をつけて寝るということは、窓も閉め切っていますよね。寝苦しくて目が覚めるほどまで室温が上がってから再度エアコンをつけると、電力もかなりかかりますし、睡眠の妨げにもなります。睡眠中に熱中症になることもありますので、部屋を閉め切って冷房をつけるのであれば、設定温度を高めにして朝までつけっぱなしにするか、タイマー設定するなら明け方の涼しい時間まではつけておくようにしましょう」

 

Q3. コンセントはプラグから抜いた方がいい?
A3. × 抜かないでください。

「シーズンが終わり、もうしばらく使わないというときは抜いても構いませんが、数日の旅行などでコンセントを抜くのはやめてください。エアコンは電源を切ったあとも、数時間は冷媒が循環するなど目には見えない運転をしていることがあります。途中でプラグを抜いてしまうと故障の原因になることがあるので、抜かないでおきましょう。シーズンオフにプラグを抜きたい場合は、電源を切って一日経ってからにします。また、使いはじめも、コンセントを差して半日ほどしてから電源を入れるようにしましょう」

 

Q4. 換気してからエアコンをつけるといいってホント?
A4. ○ その通りです。

「部屋の中に熱い空気がこもったまま冷房をつけると、室温と設定温度の差が大きくなり、消費電力量も上がります。帰ってきたら一度窓を開けて熱い空気を逃し、そこから冷房をつけると、効果的でしょう。窓が2か所以上あれば、どちらも窓を開けて扇風機を外に向けてつけ、部屋の空気を逃します。窓がひとつしかない場合は、窓を少し開けて換気扇をつけてもいいですよ」

 

Q5. やっぱり最新機種が一番の省エネ?
A5. △ そうとも言い切れません。

「エアコンの省エネ性能は、ここ10年くらいは、それほど大きく変わっていません。20年以上前の製品などと比較すると飛躍的に進化していますが、ここ数年くらいの製品であれば十分省エネ性は優れているといえるでしょう。ただ、最新機種はAIや各種センサーの搭載で、よりきめ細かい節電ができるようにはなってきています」

 

Q6. 冷房や除湿運転より、自動運転が一番いい?
A6. × お好みの温度に設定した方がいいでしょう。

「冷房と暖房、除湿のほかに“自動”という運転の方法がありますよね。これは今の温度から判断してエアコンが自動的に運転や設定温度を決めるというものです。リモコンが壊れてしまったときや紛失したときのために、本体だけで自動運転の電源を入れることができるようになっていて、救済措置のひとつとも言えます。状況に応じて勝手に切り替えてくれるので便利な一方、機種によってはかなり設定温度が低くなっているものもあります。風量や風向は自動がおすすめですが、運転は自動ではなく、冷房で設定温度を控えめにする方がおすすめです」

 

 

電気代を気にしながら過ごすのも大切ですが、気にしすぎるあまり体調を崩したり快適な眠りが妨げられたりしては本末転倒。我慢するのではなく、室外機の掃除や輻射熱対策などで消費電力量を下げる努力をしてみましょう。

 

【プロフィール】

節約アドバイザー / 和田由貴

消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。環境カウンセラーや省エネルギー普及指導員でもあり、2007年には環境大臣より「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R推進マイスター)」に委嘱されるなど、環境問題にも精通する。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。著書に、『超かんたん!はじめてのスマホ決済』(扶桑社)、『月3万円貯まるムダなし生活術』(永岡書店)、『快適エコのライフスタイル 冬の省エネ生活』(NHK出版)、『めざせ!ごみゼロマスター』シリーズ(WAVE出版)など多数。

http://wada-yuki.com/

 

キッチンや脱衣所が涼しい、工事不要で置けるコンパクトクーラー

山善は冷風・送風・ドライの3機能を搭載した「コンパクトクーラー YEC-L03」を6月上旬から発売すると発表。実勢価格は4万前後で、全国の家電量販店やホームセンター、および山善が運営する「くらしのeショップ」などで販売します。

 

コンパクトクーラー YEC-L03は、料理中のキッチンやお風呂上がりの脱衣所など、狭い空間にも設置しやすいコンパクト設計モデル。本体サイズは幅250×奥行200×高さ475mmで、重量は約11kgとなっています。

 

また、工事不要で設置可能なため、エアコンのない部屋やスペースでも、コンセントがあれば使用できます。

 

運転モードは-7度の風を送り出す冷風、部屋干しする洗濯物の乾きを早める際などに使える送風、除湿しながら弱い冷風を送り出すドライの3モード。冷風の風量は強と弱の2段階、送風の風量は強・中・弱の3段階で、ドライには風量設定がありません。また、切りタイマーも搭載しており、1時間/2時間/4時間/8時間の中から設定できます。

 

このほか、本体に搭載されたスイングボタンを押すことで、上下60度に動くルーバーを搭載しています。

 

なお、コンパクトクーラー用排熱ダクトも合わせて発売します。コンパクトクーラー YEC-L03本体の排熱ダクト用継手に取り付け、排熱ダクトを部屋の外に延ばして排熱できます。こちらの実勢価格は3000円前後です。

アイリスオーヤマなら「空気清浄機能付きエアコン」に手が届くかも!? 部屋の空気と内部をキレイに保つ新モデルをチェック

アイリスオーヤマはこのほど、エアコンの新製品「airwill(エアウィル)内部清潔エアコン GFシリーズ」を発表しました。5月24日発売で、参考価格は定格能力2.2kWタイプ(IAF-2205GF)が9万8780円(税込、以下同)、3.6kWタイプ(IAF-3605GF)が15万1800円、4.0kWタイプ(IAF-4005GF)が17万3800円となります。

↑airwill GFシリーズ 。外形寸法は、室内機が幅798×奥行き350×高さ295mm、室外機が幅745×奥行き300×高さ555mm。なお、GFシリーズは、フィルター自動清掃機能や無線LAN、音声コントロール、センサー運転など他の付加機能は搭載しません

 

高性能フィルターを搭載し、吸い込んだ空気の汚れをキャッチ

GFシリーズの特徴は、空気清浄機能を搭載していること。本体内部の熱交換器の上面と前面に独自開発の高性能フィルターを搭載し、吸い込んだ室内の空気に含まれる汚れをキャッチします。一般的なエアコンは、目の粗いメッシュタイプのプレフィルターのみのため、大きめのホコリしか除去できませんが、GFシリーズでは高い集じん能力を持つ高性能フィルターにより、ウイルスやカビ菌、花粉、PM2.5等の微細な汚れもキャッチするとしています。

↑熱交換器を覆うように高性能フィルターを設置し、取り込む空気すべてを浄化します

 

↑高性能フィルターにより、ウイルス・カビ菌ともに約30分で99%以上を除去するとしています

 

↑従来のプレフィルターも高性能フィルターを覆うように搭載しています。天面フィルターを外すとプレフィルターも一緒についてくるので両者を切り離し、プレフィルターは従来どおりシーズンごとに掃除します。プレフィルターは水洗い可。高性能フィルターは掃除不要で水洗いはできません

 

冷暖房の能力を損なわないよう、フィルターの表面積を「深さ」で補う

高性能フィルターはHEPAフィルターではありませんが、同社では「HEPAフィルターに準じる性能」としています。というのも、空気清浄フィルターは目が細かければ細かいほど集じん能力が高まり、より微細な物質を除去できますが、その分、空気が流れにくくなります。エアコンに搭載する場合、冷房・暖房の能力を高めようとすると大きなパワーが必要となり電気代が上がってしまうことになりかねません。そこで同社は、フィルターの折り込みを深くすることで表面積を稼ぎ、空気の流れを妨げることなく集じん能力を高めました。なお、フィルターは交換方式で、同社では3年をめどに交換することを推奨(交換用フィルターは別売)。

↑フィルターのプリーツを深くすることで表面積を稼ぎ、集じん能力を高めました

 

↑前面フィルター(高性能フィルター)は前面カバーを開いて取り外します。3年毎の交換が必要

 

↑赤外線を使ったデモ映像にて高性能フィルターの能力をアピール

 

↑カラーパウダーを使った実験でも、フィルター非搭載モデル(左)は熱交換器に真っ赤な粉末が付着していますが、GFシリーズ(右)はきれいなままです

 

また、冷房を10分以上使用した場合、運転をオフにすると自動的に温風10分間→送風10分間の運転を行ってエアコン内部を乾燥させ、結露によるカビの繁殖を防止します。取り込む空気をフィルターで浄化することに加え、エアコン内部もクリーンに保つことで、部屋に吹き出す空気もきれいなままキープできます。

 

空清のみのモードや「おやすみモード」も搭載

運転モードは、自動・冷房・暖房・除湿・空清の5モード。空清モードはいわゆる送風モードですが、前述のように空気を吸い込む面の全体がフィルターに覆われているため、冷暖房せずに単に風を送るだけで空気清浄が可能なことから、空清モードと名付けられました。さらに、冷房・暖房運転時には「おやすみモード」も設定可能。就寝始めの時間帯は設定温度通りに運転し、運転開始1時間頃から冷房時は徐々に温度を上げ、暖房時は徐々に温度を下げて冷やしすぎ・暖めすぎによる不快感を抑えるといいます。

↑リモコンには「空清」ボタンも用意しており、「空清」単独運転も可能です

 

本機の登場で空清付きエアコンの選択肢が広がった

製品ラインナップの充実とともに、アイリスオーヤマは独自の取り付け工事ネットワークの構築も実現しています。毎年、7月から8月上旬までの期間はエアコン販売のピークとなり、取り付け工事を依頼しても1~2週間待たされるのは当たり前で、長いときには1か月待ちとなることも。そこで、同社は既存の配送網を活用することで独自の施工ネットワークを構築し、自社ECサイト(アイリスプラザ)および一部のホームセンターで購入したユーザー向けに、取り付け工事サービスを提供します。

 

昨年、国内の空気清浄機市場は1.5倍増となりました。新型コロナウイルスのまん延により、室内の空気の質が改めて注目された結果。空気清浄機能や換気機能を搭載したエアコンは既に存在しており、こちらも販売台数を伸ばしています。しかしそれはフラッグシップが中心で、高価なモデルがほとんど。今回、ここにアイリスオーヤマが加わったことで、価格面での選択肢が広がりました。今年の夏もまた、猛暑が予想されていることもあり、買い替えや買い足しを予定している方は、本機も含めて早めに検討してみてはいかがでしょうか。

 

アイリスオーヤマなら「空気清浄機能付きエアコン」に手が届くかも!? 部屋の空気と内部をキレイに保つ新モデルをチェック

アイリスオーヤマはこのほど、エアコンの新製品「airwill(エアウィル)内部清潔エアコン GFシリーズ」を発表しました。5月24日発売で、参考価格は定格能力2.2kWタイプ(IAF-2205GF)が9万8780円(税込、以下同)、3.6kWタイプ(IAF-3605GF)が15万1800円、4.0kWタイプ(IAF-4005GF)が17万3800円となります。

↑airwill GFシリーズ 。外形寸法は、室内機が幅798×奥行き350×高さ295mm、室外機が幅745×奥行き300×高さ555mm。なお、GFシリーズは、フィルター自動清掃機能や無線LAN、音声コントロール、センサー運転など他の付加機能は搭載しません

 

高性能フィルターを搭載し、吸い込んだ空気の汚れをキャッチ

GFシリーズの特徴は、空気清浄機能を搭載していること。本体内部の熱交換器の上面と前面に独自開発の高性能フィルターを搭載し、吸い込んだ室内の空気に含まれる汚れをキャッチします。一般的なエアコンは、目の粗いメッシュタイプのプレフィルターのみのため、大きめのホコリしか除去できませんが、GFシリーズでは高い集じん能力を持つ高性能フィルターにより、ウイルスやカビ菌、花粉、PM2.5等の微細な汚れもキャッチするとしています。

↑熱交換器を覆うように高性能フィルターを設置し、取り込む空気すべてを浄化します

 

↑高性能フィルターにより、ウイルス・カビ菌ともに約30分で99%以上を除去するとしています

 

↑従来のプレフィルターも高性能フィルターを覆うように搭載しています。天面フィルターを外すとプレフィルターも一緒についてくるので両者を切り離し、プレフィルターは従来どおりシーズンごとに掃除します。プレフィルターは水洗い可。高性能フィルターは掃除不要で水洗いはできません

 

冷暖房の能力を損なわないよう、フィルターの表面積を「深さ」で補う

高性能フィルターはHEPAフィルターではありませんが、同社では「HEPAフィルターに準じる性能」としています。というのも、空気清浄フィルターは目が細かければ細かいほど集じん能力が高まり、より微細な物質を除去できますが、その分、空気が流れにくくなります。エアコンに搭載する場合、冷房・暖房の能力を高めようとすると大きなパワーが必要となり電気代が上がってしまうことになりかねません。そこで同社は、フィルターの折り込みを深くすることで表面積を稼ぎ、空気の流れを妨げることなく集じん能力を高めました。なお、フィルターは交換方式で、同社では3年をめどに交換することを推奨(交換用フィルターは別売)。

↑フィルターのプリーツを深くすることで表面積を稼ぎ、集じん能力を高めました

 

↑前面フィルター(高性能フィルター)は前面カバーを開いて取り外します。3年毎の交換が必要

 

↑赤外線を使ったデモ映像にて高性能フィルターの能力をアピール

 

↑カラーパウダーを使った実験でも、フィルター非搭載モデル(左)は熱交換器に真っ赤な粉末が付着していますが、GFシリーズ(右)はきれいなままです

 

また、冷房を10分以上使用した場合、運転をオフにすると自動的に温風10分間→送風10分間の運転を行ってエアコン内部を乾燥させ、結露によるカビの繁殖を防止します。取り込む空気をフィルターで浄化することに加え、エアコン内部もクリーンに保つことで、部屋に吹き出す空気もきれいなままキープできます。

 

空清のみのモードや「おやすみモード」も搭載

運転モードは、自動・冷房・暖房・除湿・空清の5モード。空清モードはいわゆる送風モードですが、前述のように空気を吸い込む面の全体がフィルターに覆われているため、冷暖房せずに単に風を送るだけで空気清浄が可能なことから、空清モードと名付けられました。さらに、冷房・暖房運転時には「おやすみモード」も設定可能。就寝始めの時間帯は設定温度通りに運転し、運転開始1時間頃から冷房時は徐々に温度を上げ、暖房時は徐々に温度を下げて冷やしすぎ・暖めすぎによる不快感を抑えるといいます。

↑リモコンには「空清」ボタンも用意しており、「空清」単独運転も可能です

 

本機の登場で空清付きエアコンの選択肢が広がった

製品ラインナップの充実とともに、アイリスオーヤマは独自の取り付け工事ネットワークの構築も実現しています。毎年、7月から8月上旬までの期間はエアコン販売のピークとなり、取り付け工事を依頼しても1~2週間待たされるのは当たり前で、長いときには1か月待ちとなることも。そこで、同社は既存の配送網を活用することで独自の施工ネットワークを構築し、自社ECサイト(アイリスプラザ)および一部のホームセンターで購入したユーザー向けに、取り付け工事サービスを提供します。

 

昨年、国内の空気清浄機市場は1.5倍増となりました。新型コロナウイルスのまん延により、室内の空気の質が改めて注目された結果。空気清浄機能や換気機能を搭載したエアコンは既に存在しており、こちらも販売台数を伸ばしています。しかしそれはフラッグシップが中心で、高価なモデルがほとんど。今回、ここにアイリスオーヤマが加わったことで、価格面での選択肢が広がりました。今年の夏もまた、猛暑が予想されていることもあり、買い替えや買い足しを予定している方は、本機も含めて早めに検討してみてはいかがでしょうか。

 

10倍×2倍が2台…最新エアコンと加湿空清の連動で「ナノイー」濃度のインフレがえらいことに

パナソニックには「ナノイー」という、同社製品で幅広く使われている微粒子イオンがあります。同イオンは近年、格段の進化を遂げており、それに伴って同社の家電も性能が向上。さらに、同社は家電を単体で使うのではなく連携して使うことで、室内環境をより快適にする機能を高めています。キーワードとなるのは「10倍×2倍が2台」で、今回の「2台」とはエアコンと加湿空気清浄機のこと。両者を自動で連動させることで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか? 以下、詳しくみていきましょう。

 

菌の水素を抜き取って抑制する微粒子イオン「ナノイー」を搭載

まずはパナソニックのルームエアコン「エオリア」の新製品から紹介していきましょう。「エオリア」は「健康で快適な空気と暮らそう。」というコンセプトのもと開発された製品。新製品の「エオリア」Xシリーズは、独自の「ナノイーX」を搭載し、部屋の空気の質やエアコン内部の清潔性にこだわっています。

↑ルームエアコン「エオリア」Xシリーズは11月21日発売。容量は2.2kWから9.0kWで、実売価格は28万3800~44万8800円

 

パナソニック独自の「ナノイー」とは、空気中の水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズの微粒子イオンのこと。さまざま物質に作用しやすいOHラジカルを含んでいる点が特徴です。OHラジカルは、水分子(H2O)から水素を1つ奪ったもの。とても不安定なので、安定するために、菌などとくっついて菌から水素(H)を抜き取り、水(H2O)に戻りたがります。一方、菌などは水素が抜き取られるので抑制されるというわけ。

 

なお、OHラジカルは単独だと空気中ですぐに消えてしまいますが、「ナノイー」の場合は水に包んで放出するので、広く遠くまで行き渡るという特性を持っています。

↑「ナノイー」は、ナノサイズの水のカプセルに多くのOHラジカルを包み込んだ状態になっています

 

最もOHラジカルの量が多いのは「高濃度の『ナノイーX』」

では、「ナノイーX」の菌の抑制効果を示す実験の模様を見てみましょう。下の写真をみてください。透明な樹脂製のプレート2枚に菌のスタンプをして、片方を「ナノイーX」がある環境に置いてしばらく放置します。左が「ナノイーX」を当てた環境で、43秒経過したところ、スタンプが薄れてきている(菌が抑制されている)のがわかりますね。

↑ブラックライトで菌のスタンプ(ツノがついたバイキンマーク)が光る仕組みです

 

↑ナノイーを当てた方は(左)薄れてきていますが、放置しただけのスタンプ(右)は形がはっきり残っています

 

パナソニックではOHラジカルの量で「ナノイー」「ナノイーX」「高濃度の『ナノイーX』」というように名前をつけており、OHラジカルの量は、「ナノイー」の10倍が「ナノイーX」、さらに「ナノイーX」の2倍が「高濃度の『ナノイーX』」となっていて、OHラジカルの濃度によって、脱臭や有害物質の分解スピードなどに違いが出てきます。「エオリア」Xシリーズに搭載されているのは最もOHラジカルの量が多い「高濃度の『ナノイーX』」です。

↑OHラジカルの量によって名前が異なります

 

↑「ナノイーX」で実証されている効果。カビや菌、ウイルスをはじめ、ニオイや花粉など空気の困りごとの助けになります

 

高濃度の「ナノイーX」を搭載し、立体的な気流を作り出す加湿空気清浄機

この、高濃度の「ナノイーX」を搭載したのが、新製品の加湿空気清浄機 F-VXT90(実売価格10万4230円)です。

↑加湿空気清浄機 F-VXT90。11月2日発売。空気清浄適用畳数は~40畳、加湿適量床面積は~24畳/~15畳(プレハブ洋室/木造和室)、加湿量は300~870ml/時間。外形寸法は約H640×W398×D287mm、質量は約11.7kg

 

F-VXT90は、開口部と2枚のルーバー形状を見直した「3Dフロー花粉撃退気流」を採用。立体的な気流を作り出し、効率よく部屋全体に気流を循環させます。これにより、床上30cm付近にたまりやすい花粉をパワフルに吸引するとのこと。なんと従来品よりも約1.5倍多く集じんするというので、花粉が気になる人にはうれしいですね。

↑新製品では中央付近の吸引効率がアップしています

 

アプリを活用した「うるおい暖房」でエアコンと空気清浄機が連動する

今回の新製品の「エオリア」XシリーズとF-VXT90は、IoT連携で連動運転できる機能を備えています。その名も「うるおい暖房」。

 

冬は暖房を使うと乾燥が気になりますが、専用の「エオリアアプリ」で「うるおい暖房」を選択すると、エアコン暖房に合わせてF-VXT90の電源が入り、加湿運転を自動で開始します。ちなみに、すでにF-VXT90の電源が入っている場合でも、リモコンから「暖房」を作動させると、F-VXT90が加湿モードで運転を開始します。

↑専用アプリでエアコンと空気清浄機との連動運転「うるおい暖房」を設定できます

 

これならいちいち自分で加湿器のモードを切り替えなくていいので簡単ですし、誰がスイッチを入れても自動で加湿運転ができます。「加湿を忘れてた!」なんてこともないので、いつでも快適ですね。

 

しかも、空気清浄機とエアコンを一緒に使うとダブルで高濃度「ナノイーX」を発生させるので、花粉やニオイの抑制スピードもアップするとのこと。これはうれしい!

↑高濃度の「ナノイーX」を搭載したエオリアと加湿空気清浄機をダブルで使うと、花粉抑制スピードや脱臭スピードがアップします

 

ちなみに、パナソニックによれば暖房運転をする際、暖かい空気が上にたまりますが、そこでエアコンと空気清浄機を対面に設置すると、より気流が効率良く循環するとのこと。両者を持っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

↑エアコンと空気清浄機の置き方にも気をつけましょう

 

なお、空気清浄機にも「ミルエア」アプリという専用アプリを用意しており、自分だけの運転モードが設定できる「わたし流運転」を備えました。

 

これは、花粉、ハウスダスト、PM2.5、ニオイ、湿度、運転音の気になる度合いを入力することで、ユーザーの悩みにあった運転モードを設定できるというもの。しかも、1週間後には通知が届き、設定内容を見直して更新できるため、使っていくうちに自分好みにカスタマイズできるとのこと。「わたし流運転」は4件登録できるので、季節ごとに設定を変えるなど、使い分けができそうです。

 

排熱を再利用した「新・エネチャージシステム」で冷房時の省エネを実現

最後に、面白い機能として、ルームエアコン「エオリア」Xシリーズの「新・エネチャージシステム」にも触れておきましょう。パナソニックのエオリアは2011年から、運転中に排出された熱エネルギーをチャージ(蓄熱)して暖房エネルギーとして有効活用する「エネチャージシステム」を搭載しています。これにより、霜取り運転中にも暖房が止まらない暖房を実現してきました。

 

今回は、新たに回路構造を変更し、これまで活用されていなかった熱エネルギーを冷房時にも有効活用。設定温度をキープしながら除湿をし続ける「快湿制御」運転を実現し、ジメジメしない快適な冷房を実現。運転のON/OFFを繰り返さないので、約10%省エネになるといいます。さらに、室外機の進化で、冷房立ち上げスピードも15%アップしたとのこと。

 

省エネ性や快適性を高め、「高濃度の『ナノイーX』」も搭載する「エオリア」Xシリーズ。空気清浄機と連携して加湿する機能も実用的です。ウイルス対策の面からも空気が気になる時期だけに、この冬はぜひ注目してみてください。

↑これまでの「エネチャージシステム」。霜取り運転時にも、暖房がとまらないのは「エネチャージシステム」のおかげ

 

↑「エネチャージシステム」を夏の冷房にも活用します

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

ついに「運転オン/オフ全自動」のエアコンが出た! AI機能が進化した三菱電機「霧ヶ峰」の上位モデル

三菱電機は、ルームエアコン「霧ヶ峰」の上位モデル「FZシリーズ」と「Zシリーズ」の新製品を発売します。左右独立駆動プロペラファンを採用した「FZシリーズ」は、発売日が10月30日で、実売価格は税抜31万8000円~41万8000円前後。一般的なクロスフローファン(ラインフローファン)を採用した「Zシリーズ」の発売日は12月上旬で、実売価格は同24万8000円~38万8000円前後です。

↑FZシリーズ

 

↑Zシリーズ

 

AIを活用して自動でオン/オフ

本機は、室内の清潔性や快適性を高める独自の空気清浄機能と清潔技術を搭載。帯電させた水の微粒子「ピュアミスト」を放出し、室内の空気中に含まれる菌、ウイルス、カビ菌、花粉の活動を抑制することで、室内の空気清浄と脱臭に貢献します。

↑スチームよりはるかに小さな微粒子「ピュアミスト」を放出し、空気中に含まれる菌、ウイルス、カビ菌、花粉の活動を抑制します

 

ムダの少ない換気タイミングをAIが判断し、お知らせする機能「換気ガイド」も新たに搭載しました。例えば、冷房時は外気温の上昇に伴い空調負荷が高くなるため、冷房を強めた後の換気ではなく、冷房を強める前に換気をするなど、空調の無駄を抑制する最適なタイミングを通知します。

↑リモコンのA.I.ナビボタンを押すことで、換気のタイミングが確認できます

 

このほか、独自の清潔技術「ハイブリッドナノコーティング」と「デュアルバリアマテリアル」をエアコン内部のファンやフラップに採用。さらに、エアフィルターもウイルスを抑制する「清潔 V フィルター」を新搭載することで、風の通り道すべての清潔性を維持します。

 

おまかせで快適さをキープする自動運転技術の高さも魅力。AI技術と高性能赤外線センサーを搭載した「ムーブアイ mirA.I.+(ミライプラス)」が、住宅性能や外気温の影響を学習・分析し、室内の温度と湿度の変化を先読みして自動で運転を切り替えます。また、運転を停止しても快適性を維持できるとAIが判断した場合には、運転を自動でオフ(スタンバイ)し、運転が必要と判断した場合は運転を自動でオンする機能を業界で初めて搭載し、快適性と省エネ性を両立したとのこと。

↑夏の場合は、先読みして冷房、除湿、送風などを自動で切り替え、環境に応じてオンとオフ(スタンバイ)も自動で切り替えます

 

アプリ連携もグレードアップ。スマートフォン向け専用アプリ「霧ヶ峰 REMOTE(リモート)」では、「サーモでみまもり」機能で室内温度の高低を熱画像で確認できます。今回は業界で初めて、この画面上の熱画像を確認しながら気流を届けたい場所をタッチすることで、気流の方向を調整できるようになりました(「タッチ気流」機能)。これにより、リモコン操作による気流調整のストレスが減り、換気扇や窓に向かって気流を届ける換気をアシストするなど、効率的な換気が可能になります。

↑「タッチ気流」の操作イメージ

 

清潔性と快適性、省エネ性を高めた「霧ヶ峰」の「FZシリーズ」と「Zシリーズ」。コロナ禍でおうち時間が増えたいま、室内環境の充実はいままで以上に重要になってきます。ぜひ注目してみてください。

ついに「運転オン/オフ全自動」のエアコンが出た! AI機能が進化した三菱電機「霧ヶ峰」の上位モデル

三菱電機は、ルームエアコン「霧ヶ峰」の上位モデル「FZシリーズ」と「Zシリーズ」の新製品を発売します。左右独立駆動プロペラファンを採用した「FZシリーズ」は、発売日が10月30日で、実売価格は税抜31万8000円~41万8000円前後。一般的なクロスフローファン(ラインフローファン)を採用した「Zシリーズ」の発売日は12月上旬で、実売価格は同24万8000円~38万8000円前後です。

↑FZシリーズ

 

↑Zシリーズ

 

AIを活用して自動でオン/オフ

本機は、室内の清潔性や快適性を高める独自の空気清浄機能と清潔技術を搭載。帯電させた水の微粒子「ピュアミスト」を放出し、室内の空気中に含まれる菌、ウイルス、カビ菌、花粉の活動を抑制することで、室内の空気清浄と脱臭に貢献します。

↑スチームよりはるかに小さな微粒子「ピュアミスト」を放出し、空気中に含まれる菌、ウイルス、カビ菌、花粉の活動を抑制します

 

ムダの少ない換気タイミングをAIが判断し、お知らせする機能「換気ガイド」も新たに搭載しました。例えば、冷房時は外気温の上昇に伴い空調負荷が高くなるため、冷房を強めた後の換気ではなく、冷房を強める前に換気をするなど、空調の無駄を抑制する最適なタイミングを通知します。

↑リモコンのA.I.ナビボタンを押すことで、換気のタイミングが確認できます

 

このほか、独自の清潔技術「ハイブリッドナノコーティング」と「デュアルバリアマテリアル」をエアコン内部のファンやフラップに採用。さらに、エアフィルターもウイルスを抑制する「清潔 V フィルター」を新搭載することで、風の通り道すべての清潔性を維持します。

 

おまかせで快適さをキープする自動運転技術の高さも魅力。AI技術と高性能赤外線センサーを搭載した「ムーブアイ mirA.I.+(ミライプラス)」が、住宅性能や外気温の影響を学習・分析し、室内の温度と湿度の変化を先読みして自動で運転を切り替えます。また、運転を停止しても快適性を維持できるとAIが判断した場合には、運転を自動でオフ(スタンバイ)し、運転が必要と判断した場合は運転を自動でオンする機能を業界で初めて搭載し、快適性と省エネ性を両立したとのこと。

↑夏の場合は、先読みして冷房、除湿、送風などを自動で切り替え、環境に応じてオンとオフ(スタンバイ)も自動で切り替えます

 

アプリ連携もグレードアップ。スマートフォン向け専用アプリ「霧ヶ峰 REMOTE(リモート)」では、「サーモでみまもり」機能で室内温度の高低を熱画像で確認できます。今回は業界で初めて、この画面上の熱画像を確認しながら気流を届けたい場所をタッチすることで、気流の方向を調整できるようになりました(「タッチ気流」機能)。これにより、リモコン操作による気流調整のストレスが減り、換気扇や窓に向かって気流を届ける換気をアシストするなど、効率的な換気が可能になります。

↑「タッチ気流」の操作イメージ

 

清潔性と快適性、省エネ性を高めた「霧ヶ峰」の「FZシリーズ」と「Zシリーズ」。コロナ禍でおうち時間が増えたいま、室内環境の充実はいままで以上に重要になってきます。ぜひ注目してみてください。

ついに「運転オン/オフ全自動」のエアコンが出た! AI機能が進化した三菱電機「霧ヶ峰」の上位モデル

三菱電機は、ルームエアコン「霧ヶ峰」の上位モデル「FZシリーズ」と「Zシリーズ」の新製品を発売します。左右独立駆動プロペラファンを採用した「FZシリーズ」は、発売日が10月30日で、実売価格は税抜31万8000円~41万8000円前後。一般的なクロスフローファン(ラインフローファン)を採用した「Zシリーズ」の発売日は12月上旬で、実売価格は同24万8000円~38万8000円前後です。

↑FZシリーズ

 

↑Zシリーズ

 

AIを活用して自動でオン/オフ

本機は、室内の清潔性や快適性を高める独自の空気清浄機能と清潔技術を搭載。帯電させた水の微粒子「ピュアミスト」を放出し、室内の空気中に含まれる菌、ウイルス、カビ菌、花粉の活動を抑制することで、室内の空気清浄と脱臭に貢献します。

↑スチームよりはるかに小さな微粒子「ピュアミスト」を放出し、空気中に含まれる菌、ウイルス、カビ菌、花粉の活動を抑制します

 

ムダの少ない換気タイミングをAIが判断し、お知らせする機能「換気ガイド」も新たに搭載しました。例えば、冷房時は外気温の上昇に伴い空調負荷が高くなるため、冷房を強めた後の換気ではなく、冷房を強める前に換気をするなど、空調の無駄を抑制する最適なタイミングを通知します。

↑リモコンのA.I.ナビボタンを押すことで、換気のタイミングが確認できます

 

このほか、独自の清潔技術「ハイブリッドナノコーティング」と「デュアルバリアマテリアル」をエアコン内部のファンやフラップに採用。さらに、エアフィルターもウイルスを抑制する「清潔 V フィルター」を新搭載することで、風の通り道すべての清潔性を維持します。

 

おまかせで快適さをキープする自動運転技術の高さも魅力。AI技術と高性能赤外線センサーを搭載した「ムーブアイ mirA.I.+(ミライプラス)」が、住宅性能や外気温の影響を学習・分析し、室内の温度と湿度の変化を先読みして自動で運転を切り替えます。また、運転を停止しても快適性を維持できるとAIが判断した場合には、運転を自動でオフ(スタンバイ)し、運転が必要と判断した場合は運転を自動でオンする機能を業界で初めて搭載し、快適性と省エネ性を両立したとのこと。

↑夏の場合は、先読みして冷房、除湿、送風などを自動で切り替え、環境に応じてオンとオフ(スタンバイ)も自動で切り替えます

 

アプリ連携もグレードアップ。スマートフォン向け専用アプリ「霧ヶ峰 REMOTE(リモート)」では、「サーモでみまもり」機能で室内温度の高低を熱画像で確認できます。今回は業界で初めて、この画面上の熱画像を確認しながら気流を届けたい場所をタッチすることで、気流の方向を調整できるようになりました(「タッチ気流」機能)。これにより、リモコン操作による気流調整のストレスが減り、換気扇や窓に向かって気流を届ける換気をアシストするなど、効率的な換気が可能になります。

↑「タッチ気流」の操作イメージ

 

清潔性と快適性、省エネ性を高めた「霧ヶ峰」の「FZシリーズ」と「Zシリーズ」。コロナ禍でおうち時間が増えたいま、室内環境の充実はいままで以上に重要になってきます。ぜひ注目してみてください。

文字通りの「逆転の発想」が突破口に! 日立エアコン「白くまくん」が自動おそうじ「最後の牙城」をついに攻略

エアコンはホコリとの戦い。内部にたまったホコリが湿気を含み、それがカビの温床となってあのクサ~い風が吹き出す原因となるのです。いくら空気清浄機を使ったとしても、エアコンから部屋中にカビの菌をばらまいているのであれば意味がない……。そのため、メーカー各社は近年、エアコン内部もクリーンに保つ機能の開発に取り組んでいます。

 

いち早く内部の清潔性に取り組んできた日立「白くまくん」

なかでも、内部の清潔性にこだわってきたのが日立ジョンソンコントロールズ空調の「白くまくん」シリーズです。2000年には、ユーザーが自分でフィルターや熱交換器を掃除しやすいよう「クリーン全開パネル」を搭載。2006年にはエアコン内部のカビを防止するためプラスチック部分にステンレスフイルムを貼り付けるとともに、フィルターの自動清掃ロボットを搭載した「ステンレス・クリーンシステム」を採用。

 

そして昨年2017年の10月、ホコリ・カビの温床である熱交換器を自動でお掃除する「凍結洗浄」を開発・搭載しました。

↑日立の大きな特徴が、ステンレス・クリーン システム。昨年にはついに「凍結洗浄」という画期的なシステムを導入して業界の度肝を抜きました

 

ついに最後の牙城「ファン」の自動掃除に成功!

↑「最後に残っていたファンの自動洗浄に成功した」と日立ジョンソンコントロールズ空調の飯塚COO

 

「しかし、最後に(掃除できないものが)1つだけ残っていたのです。それがファン」と、日立ジョンソンコントロールズ空調の飯塚愼一COO。エアコンに空気を取り込み、冷風・暖風を放出する役目を持つファンは熱交換器の内側に位置するため手が届かず、ユーザーが自分で掃除できない場所です。

 

その最後の牙城ともいうべきファンの自動掃除に、とうとう日立は成功したのです。「これがクリーンの最終形。ファンを自動掃除することでエアコン内部がすべてきれいになる」と飯塚COOは胸を張りました。

↑日立の調査によると、ファンの汚れを気にしている人はなんと59%。目に見えないところだけに不安が高まっているようです

 

↑実際にファンは汚れています。2年間使用したエアコンのファンが発表会場に展示してありましたが、たった2年でこんなにもホコリだらけ

 

ファンを掃除するロボットの設置スペースがないのが課題だった

しかし、この「ファンの自動掃除」の実現にはいくつものハードルがあったそうです。そもそもファンと熱交換器の間隔は狭く、その隙間にファンのホコリを取り、取ったホコリを集め、捨てる、という一連の行程をこなす機械を搭載しなければなりません。さらにはそれらの機器をクリーンに保つシステムも必要。しかし、フィルターに搭載しているような自動お掃除ロボットを組み込むスペースなんてありはしない……。

 

「逆転の発想と、凍結洗浄を進化させた新しい機構、『凍結洗浄 ファンロボ』で解決しました」(飯塚COO)。

 

「逆転の発想」とは何か、「凍結洗浄 ファンロボ」とは何か、開発の経緯を以下で見ていきましょう。

↑狭いエアコン内部でホコリを取って/集めて/捨てて/お手入れするという難しい課題が立ちはだかりました

 

↑課題を克服したのが「凍結洗浄 ファンロボ」

 

掃除するのは、ファンの先端のみでいいことが判明

まず、同社はファンにホコリが付着するメカニズムを解析してみることにしました。ファンを回すと、羽に沿って空気が流れていくのですが、その時、羽の先端に流速がゼロになる淀みが生まれます。そこにホコリが流れてくるとそのまま付着して堆積していき、先端以外は流速が速いのでホコリが付着しません。つまり、ファンの先端だけをきれいに保つ仕組みがあればよいことが分かったのです。

↑ファンのホコリは先端にだけつくことが分かったので、先端だけブラシで掻き取ればよいのです

 

ブラシを設置し、ファンを逆回転させたのが逆転の発想

そこで、ファンと熱交換器との隙間に、ファンの先端を掃除する可動ブラシを設置しました。次に、ブラシが掻き取ったホコリを集める方法ですが、ここからが逆転の発想です。そのままファンを回してしまうと、掻き取ったホコリは風と一緒に室内に排出されてしまいます。これこそ、避けるべき最悪の事態ですね。

 

そこで、ファン掃除のときには「ファンを逆回転させる」ことにしたのです。これにより、ホコリはエアコン内部に吹き飛び、ファンを取り囲む熱交換器に付着するか、その下にある水受け皿に落ちます。

↑ブラシで掻き取ったファン先端のホコリは、ファンの逆回転で巻き起こった風で熱交換器と水受け皿に飛ばされます

 

熱交換器に飛ばしたホコリは「凍結洗浄」で一気に落とす

その後、可動ブラシは熱交換器側に動き、熱交換器と接触。そのタイミングで凍結洗浄を始めると、熱交換器のホコリ、ファンから飛んできたホコリ、可動ブラシ先端についたホコリ・汚れが凍結し、一気に解凍することで洗い流され、ドレン水として屋外に排出されます。これが「凍結洗浄 ファンロボ」の仕組み。洗浄後はしっかり乾燥させるので、ファンおよび熱交換器にホコリ・汚れが再付着することはありません。

↑ファン掃除のあと、ブラシは反転して熱交換器にくっつき、熱交換器と一緒に凍結。解凍した水で熱交換器とファンブラシの汚れを一気に洗い落とします

 

↑熱交換器が凍結した様子。約30分で全面に霜が付き真っ白になっています

 

【動画】

「凍結洗浄」の解凍した水で汚れを洗い流す様子。霜を一気に解凍することで、霜が水となって滴り落ち、ホコリと汚れを一緒に洗い流します。

 

凍結洗浄は自動で行われるのがうれしい

なお、ブラシがファンを掃除する時間はわずか5秒程度。基本的に、その後の熱交換器の凍結には約30分、解凍・乾燥に約30分かかります。凍結洗浄は約42~84時間おきで自動で行われ、独自のセンシングデバイス「くらしカメラAI」により、部屋に人がいない時間帯を見計らって洗浄します。

 

また、「くらしカメラAI」がエアコンとキッチンが近いことを認識すると、エアコン内部の油汚れが多くなると判断し、自動で凍結を2回繰り返し、念入りに汚れを落とします。お掃除のタイミングや頻度もエアコン任せでいいなんてうれしいですね。

そんな「凍結洗浄 ファンロボ」を搭載した「白くまくん Xシリーズ」は10月末の発売。市場想定価格は、冷房能力2.2kWモデルが25万円前後、2.8kWモデルが27万円前後、4.0kWモデルが30万円前後、5.6kWモデルが32万円前後など(いずれも税別)。

 

フィルターお掃除ロボット搭載のエアコンを購入したことで、エアコン内部が全てキレイになったと思っているユーザーは多いはず。しかし、フィルターをかいくぐったホコリはエアコン内部に侵入し、ファンや熱交換器に付着してカビの温床となります。専門業者による定期的なエアコン洗浄が推奨されていますが、白くまくんの新Xシリーズはその手間を大幅に省いてくれそうですね。

世界初の自動運転エアコンが登場! 湿度まで察して動ける新「霧ヶ峰」は「最高の執事」だ

三菱電機のエアコン「霧ヶ峰」といえば、同社が持つ独自の赤外線センサー「ムーブアイ」で有名。特に上位機種には、AI技術を搭載した赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.」を搭載し、360°部屋の隅々までセンシング。床や壁からの輻射熱や、窓からの日射熱などを検知・分析し、外気温などの変化により、部屋にいる一人ひとりに起こる少し先の体感温度変化を予測します。

↑ムーブアイが進化し、部屋に死角を作らず、センシングします

 

部屋に居るのが大人か子どもかを見分け、それぞれの暑さ寒さの感じ方の違いも見分けたうえで、気流の角度や風量を調節するといいますから、不便を感じる前に察してサーブする、まさに「有能な執事」そのものなわけです。そして今回、同社はさらに湿度までも察してコントロールする新製品を発表しました。以下で詳しく見ていきましょう。

↑今回発表されたハイエンドモデルのFZシリーズ。左右2つのプロペラファンを独立駆動させる「パーソナルツインフロー」を搭載し、一人ひとりに最適な風を送ります

 

↑Zシリーズ。パーソナルツインフローは搭載していません

 

エアコンまかせで勝手に最適な環境をキープ

今回発表したモデルはハイエンドモデルの「FZシリーズ」と「Zシリーズ」。発売はともに11月1日で、価格はFZシリーズが32万8000円~44万8000円前後(税抜)、Zシリーズが21万8000円~39万8000円前後(税抜)。両シリーズは、先述の「ムーブアイmirA.I.」に加え、世界初の機能「おまかせA.I.自動」を搭載。こちらは住宅によって異なる「顕熱(温度)負荷」、「潜熱(湿度)負荷」まで分析し、少し先の部屋の温度と湿度の変化を予測。最適な運転モードや気流に自動で切り替える機能です。

↑住宅の環境や天候、部屋の広さなど、使用環境によって最適な温度、湿度を判断し、運転内容を変えます

 

ボタン切り替えが不要で、省エネにも効果あり

例えば、温度はそのままに、湿度だけを下げたい場合とき。従来の冷房であれば、設定温度に達すると、冷房と同時に除湿も抑えてしまい、温度が低くても湿気でムシムシする場合もありました。しかし、「おまかせA.I.自動」なら、AIが判断して自動で湿度を下げる運転だけに切り替えてくれるので、常に快適な状態がキープされるわけです。なお、温度・湿度がこのままでもOKと予測した場合は、送風のみに切り替えるなど、賢く運転してくれます。

 

さらに、いまどんな運転をしているか、リモコンを見れば一目瞭然。「A.I.ナビ」機能により、「少し先のしつど(湿度)のバランスを予測し除湿に切り替えました」「外気・日射・住宅の性能から体感温度の下降を予測! 早めに控えめな運転にしました」など、理由とともにリモコンに表示してくれます。こうした「見える化」機能の搭載も、満足度のアップに貢献することでしょう。

 

なお、操作は基本的に「A.I.自動」ボタンを押すだけでOK。つまり、ボタンひとつ押しておくだけで、エアコンが勝手に最適な状態を保ってくれるわけです。デジタルカメラで言う「インテリジェントオート(※)」が搭載されたようなものですね。

※インテリジェントオート…被写体の撮影状況を自動で認識し、最適な設定で撮影してくれるデジタルカメラの機能

↑表示がわかりやすいFZシリーズ、Zシリーズのリモコン。一番押しやすい中央部には、「A.I.自動」と「停止」のボタンを配置しています

 

↑大きな液晶ディスプレイには、現在の運転状況や機能の説明などが表示されます

 

なお、この機能は、省エネにもメリットあり。室温や湿度が上がってから対応する従来の後追い運転では、必要以上の負担が強いられてしまうため、消費電力も高くなってしまいます。その点、「おまかせA.I.自動」なら、先読みして今後必要なぶんだけ運転するので、ユーザーは快適なままエネルギーも節約できるというわけです。

↑会場にあったプロジェクションマッピングを使ったデモ。部屋の温度が上がってから対応する後追い運転では、一度上がった気温を下げるまでにタイムラグが生じ、不快な時間が発生してしまいます

 

↑おまかせA.I.自動を使った先読み運転であれば、温度が上がることを見越し、運転するので、いつでも快適な温度が保てます

 

無線LANアダプターで、スマートスピーカーでの音声操作も可能

冷房の機能も強化しています。本機は、屋外気温が46℃でも冷房運転ができることを保証する「STRONG冷房」を実現。日本の歴代最高気温は先日、2018年7月23日に記録した熊谷の41.1℃で、いままでの保証温度43℃でも大丈夫そうですが、四方をコンクリートで囲まれた場所では観測気温以上の温度になることも。46℃までの対応はありがたいところですね。

 

さらに、別売の無線LANアダプターを導入すれば、スマートスピーカーによる音声操作が実現します。とはいえ、「おまかせA.I.自動」によって、エアコン操作の頻度が激減すると思うので、これらの連携もそこまで必要ないかもしれませんが……便利であることは間違いありません。また、無線LANアダプターで、スマホによる遠隔操作にも対応。これからの季節、帰宅前に運転させておけば、暖かい部屋に帰れる幸せが味わえますね。

 

従来の温度変化の予測に加え、湿度も察して賢く運転してくれ、拡張性も楽しみな新「FZシリーズ」と「Zシリーズ」。もう、エアコンは一切操作しなくていい……本機はそんな未来の姿を見せてくれた気がします。

↑外気温度が46℃まで冷房運転時保証温度が引き上げられました。今後、ますます夏の気温が高くなっても安心です

 

訓練の方法から違う! エアコンのダイキン「滋賀製作所」が世界をリードする理由

ダイキン工業の空調事業は、右肩上がりで成長を続けています。今回は、おもに住宅用空調機や給湯器を生産している「滋賀製作所」を訪ね、独自のエアコンを高品質・高効率で生産するモノづくりの現場を目の当たりにしました。

 

<ダイキンのエアコン>

risora(リソラ)

エアコンでは珍しく、7色のカラーから選ぶことができる「risora(リソラ)」。ダイキン工業の製品は選択肢が多いです。

 

うるさら7

無給水加湿機能を搭載した「うるさら7」。高価格ではありますが、ダイキン工業独自の機能で売れています。

 

ダイキン工業の「うるさら7」は、給水なしで加湿できる無給水加湿機能を搭載。指名買いされるほど人気が高いエアコンです。最近ではカラバリが豊富な薄型エアコン「risora(リソラ)」なども展開。インテリア空間に合わせて選べるのが実に珍しいです。

 

そんな“攻めている”ダイキン工業は、小ロット生産にも素早く対応。短納期で高品質な製品を実現しています。売上高は右肩上がりで、特に海外で拡大し続けており、地域密着型商品の現地開発を行っています。空調のグローバル拠点は生産拠点で80拠点以上と増え続けていますが、そんな拠点をリードするマザー工場の役割を果たしているのが日本の工場。多品種混合生産に対応するため、徹底的にムダをなくし、生産力を上げる努力が続けられています。滋賀製作所では、そういった「モノづくり力」を強化。商品の多様化と減産にも対応できる体制となっています。

 

工場内ではリードタイムを短縮。生産の計画サイクルを早めて需要変動に即応できる体制を整えています。実際に中を見ると、実に細やかな工夫が満載!! シンプルな設備や装置を自作して生産現場に適用する「からくり改善」が徹底され、作業者の体格や習熟度に合わせて的確に作業できるようになっています。熟練の技が必要な作業では、IoTを駆使し、短期間でマスターできるように工夫がなされていました。ムダの排除と小さな改善の積み重ねが、グローバル全体での品質を底上げしているのです。

 

体感訓練

↑新入社員は現場入りの前に「道場」と呼ばれるところで体感訓練を行います。ルールを破るとケガにつながるため、丁寧に指導されます

 

熟練者との比較

↑左右と上の3方向から撮影・録画。マイスター(熟練者)の動画と比較しながら弱点を探ります

 

動作のデータ化

↑人の動きをデータ化し、点数評価を行います。従来は習得までに3か月かかっていましたが、2か月まで短縮できました。最終的には1.5か月を目指します

 

からくり改善

↑作業者が取りやすいように、道具が入っている箱の角度が変わります。こうした「からくり改善」で身体の動きにムダがなくなり、ネジなどの部品を落とすこともなくなりました

 

ロウ付け

↑溶接の一種である「ロウ付け」は高い技術力が必要とされるため、IoTで習熟期間を短縮。工場の一画に訓練できる場所があります

 

板金加工

↑板金加工プレスライン。加工された板金は様々な形のため、都度、搬送機の交換が必要でしたが、改善を行って20分から8分17秒に短縮
↑滋賀製作所の敷地は約25.6万㎡。従業員は派遣社員を含めて約2000人で、年間生産台数は約116万台となっています

 

文・撮影/石井和美

毎日フル稼働のエアコン、使いっぱなしになってない? プロが教える簡単エアコン掃除術

例年以上の猛暑で、エアコンなしでは生活できず、毎日のように冷房をフル稼働。そのせいか、夏を迎える前にお掃除をしたのに、もうエアコンの嫌なニオイが気になる……。

 

たしかご近所の尾崎さんは、エアコンクリーニングに定評がある、ハウスクリーニング会社「おそうじ本舗」に勤めていたはず! エアコンの正しいお手入れについて、教えてもらおう!

参ったなぁ……と、いつも困っている「参田家(まいたけ)」の面々。きょうはお父さんが、なにやら困っているようです。

 

参田家の人々とは……
maitake_family
ちょっと気弱なお父さん、元気でしっかり者のお母さん、もうすぐ小学生の娘、甘えん坊の赤ちゃん、家族を見守るオスの柴犬の4人と1匹家族。年中困ったことが発生しては、宅配便で届いた便利グッズや、ご近所の専門家からの回覧板に書かれたハウツー、知り合いの著名なお客さんに頼って解決策を伝授してもらい、日々を乗り切っている。
https://maita-ke.com/about/

 

家庭でのエアコン掃除の方法を教えて!

comment-father
お父さん「エアコンなしでは過ごせない毎日が続いてますね。フル稼働させているせいか、夏前に掃除をしたのに、ニオイやホコリが気になります……。エアコン掃除って、どのくらいの頻度でするべきなのでしょうか?」

 


尾崎さん「ニオイの主な原因はカビ。内部に溜まったホコリにカビが生え、嫌なニオイが発生します。このニオイを防ぐには、こまめなお手入れが必要です。毎日エアコンを使用する時期なら1週間に一度、あまり使用しない時期にも月2回のお手入れが理想的ですね」

 

comment-father
お父さん「そうなんですか! 前に掃除をしたのは1カ月以上も前だったなぁ。ニオイが発生するのも当然ですね……」

 


尾崎さん「ニオイの発生だけでなく、エアコンのフィルターが汚れていると、電気代にも影響が出ます。風の通り道がふさがれてしまい、通常より多くの電力が必要になるのです。さらにフィルターのホコリを放置していると、エアコンの内部にまでカビが繁殖し、エアコンの効きが悪くなってしまうんですよ

 

comment-father
お父さん「電気代がかかる上に、冷房の効きまで悪くなるなんて! でも、エアコンの掃除って、本当に面倒ですよね。妻に『週末ちゃんと掃除してね』って頼まれたんですが、面倒なんですよ……」

 


尾崎さん「いえいえ! 日常的なお手入れは、とっても簡単ですよ! エアコンの吹き出し口であるルーバーと、吸い込み口であるフィルターを水拭きする程度で構いません。水拭きで汚れが落ちない場合には、食器用の中性洗剤を水で薄めて使用しましょう」

 

comment-father
お父さん「えっ! たったそれだけでいいんですか? それならこまめにできそうです!」

 


尾崎さん「また、エアコンの使用後は内部に湿気がこもった状態。スイッチをオフにする前に、送風運転に切り替えましょう。湿気が除去され、カビの繁殖を防げますよ!」

 

comment-father
お父さん「なるほど、こまめな掃除を習慣化して、送風で防カビ対策! これなら簡単だし、習慣化できそうです! ちなみに、本格的にお手入れしたいときはどうすればいいのでしょうか?」

 


尾崎さん「エアコンを無理に解体すると故障の原因になり、水漏れやショートによって火災が発生する恐れもあります。ですので、ご家庭ではフィルターやパネルのお掃除にとどめましょう。手順としては、まずフィルター表面の汚れを掃除機で吸って、大体のホコリを除去してから外します。外したら、浴室のシャワーで水洗いし、しっかり乾かせば完了です! 同じ要領で、空気清浄機や浴室の乾燥機のフィルターもお掃除できますよ!」

 

comment-father
お父さん「たしかに、素人の僕がいろいろやってエアコンを壊してしまったら、家族からブーイングの嵐ですね……。ちなみに、エアコンクリーニングのプロに頼むと、どのようなお手入れをしてくれるのでしょうか?」

 


尾崎さん「独自に開発した除菌効果のある洗剤と、専用の高圧洗浄機を使用し、徹底的に内部を水洗いします。さらに、10リットル以上の水で丁寧にすすぎ、最後には防カビ剤で仕上げるので、きれいな状態を長持ちさせることが可能です。ご家庭のお掃除では手の届かない内部まで洗浄できるため、エアコンの風量がアップしますよ! 」

 

comment-father
お父さん「さすがプロの仕事! これまでお掃除をサボってきた分、うちのエアコンにも汚れが溜まっていそうだから、一度プロのクリーニングを頼んでみようかなぁ」

 


尾崎さん「徹底的な洗浄によって、嫌なニオイが防げますし、冷房効率が上がることから、電気代の節約にもつながると言われています。クリーニング終了後には、きれいな状態を保つための家庭でのお手入れ方法もお伝えしているので、参考にしていただけるはずです」

 

comment-father
お父さん「エアコン掃除のプロから直々に、お手入れ方法を学べるんですね! こまめなお手入れを習慣化することはもちろん、一度、プロのクリーニングを依頼してみよう! 尾崎さん、今日はどうもありがとうございました。さっそく今週末にエアコンフィルターを掃除して、妻と娘にいいところを見せようと思います! 」

 

簡単にできるエアコンフィルター掃除

①フィルターはエアコンに設置された状態で、ホコリをできるだけ掃除機で吸い込む。こうすることでフィルターを外したときにホコリが舞い上がるのを防げる。
①フィルターはエアコンに設置された状態で、ホコリをできるだけ掃除機で吸い込む。こうすることでフィルターを外したときにホコリが舞い上がるのを防げる

 

②エアコン本体からフィルターを外すときは、残ったホコリが舞い上がらないようゆっくり丁寧に外し、ホコリの飛び散りや故障を予防
②エアコン本体からフィルターを外すときは、残ったホコリが舞い上がらないようゆっくり丁寧に外し、ホコリの飛び散りや故障を予防

 

③浴室のシャワーで水洗い。表面から水圧をかけると、フィルターの網の目にホコリが詰まってしまうため、裏面から当てるのがポイント
③浴室のシャワーで水洗い。表面から水圧をかけると、フィルターの網の目にホコリが詰まってしまうため、裏面から当てるのがポイント

 

④フィルターをよくすすぎ、乾いたタオルで挟むようにして、水分を取り除く。しっかり乾いたら、エアコンに戻して終了。天日干しはフィルターの劣化になるためNG
④フィルターをよくすすぎ、乾いたタオルで挟むようにして、水分を取り除く。しっかり乾いたら、エアコンに戻して終了。天日干しはフィルターの劣化になるためNG

 

【まとめ】

冷房の効き目や電気代にも影響

面倒な気持ちが勝ってしまい、おろそかにしていたエアコン掃除……。こまめにお手入れすることで、嫌なニオイが防げるだけでなく、エアコンの効きや電気代にも影響するなんて! フィルターをお風呂場で洗うとき、水圧だけでは取れない汚れは、柔らかなブラシに水で薄めた食器用の中性洗剤をつけて優しくこするといいらしい。よし、うちのエアコンもキレイにしてこの夏を乗り切るぞ!

 

教えてくれたのは……

「おそうじ本舗」商品・サービス開発責任者/尾崎真さん

おそうじ本舗加盟店のスーパーバイザー職を経て、商品・サービス開発責任者に就任。多くの洗剤や機材メーカーとの人脈を持ち、最先端の洗浄技術に精通。テレビや雑誌、新聞をはじめとしたメディアにも登場し、専門的なプロの技や家庭でできるお掃除方法を紹介する。
https://www.osoujihonpo.com/

 

日々の「参った!」というお悩みを5分で解決!「参田家(まいたけ)のおうち手帖」

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残暑に心折れた方、10万円台のエアコンはどう? 主要6メーカー、買うべきコンパクトモデルはコレ!

8月も末だというのに、まだまだ暑いですね。この暑さは9月中旬まで続くとのこと。いままで、個室への設置を見送っていた方、「まだ暑さが続くのか……」と心が折れることも多いのでは。そこで今回は、家電のプロ・戸井田園子さん監修による、主要6メーカーのエアコンを紹介する連載から、10万円台のモデルをピックアップ。どれもコンパクトなモデルなので、個室への設置にぴったりです。この機会に、導入してみてはいかがでしょうか。

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

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雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

メーカーその1 ダイキン

「ストリーマ」で清潔さを保つシンプル&コンパクトなシリーズ

Eシリーズ AN40VEP(※200V)

実売価格14万2000円

限られたスペースにすっきり設置できるコンパクトなベーシックモデル。風を直接的に体に当てない「風ないス運転」により、夏は冷風をより上向きに吹き出し、冬は温風を足元へ吹き下ろします。フィルターの自動掃除機能は非搭載ですが、ダイキン独自の「ストリーマ内部クリーン」で、熱交換器や気流の通路にプラズマ放電の一種「ストリーマ」を照射してエアコン内部のカビやニオイを抑制。フィルターで捕らえた物質にストリーマを照射する「ストリーマ空気清浄」機能も搭載されています。

APF…Annual Performance Factorの略で、1年間、規格に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなります。

 

Eシリーズ 戸井田さんのレコメンド

ベーシックな冷暖房機能はしっかり搭載

「室内外の温度に応じて、暖房・ドライ・冷房3つの運転モードを自動でセレクトする『自動運転』あり。0.5℃単位で温度をコントロールできる『PIT制御』や、すばやく暖房する『ヒートブースト制御』も搭載しています。下位シリーズとはいえ、ベーシックな冷暖房機能は万全ですね。幅770mmのコンパクトな室内機で、半間幅も余裕で収まる横幅も特徴。室外機も3.6kW以下は幅675mmとコンパクトです(4.0kWは795mm)。

↑室内機は幅770mmのコンパクト設計(画像出典:ダイキン公式サイト)

 

フィルター自動掃除機能は非搭載ですが、エアコン内部・フィルターも独自のストリーマで清潔をキープ。熱交換器フィンには親水性に優れた2層コートを採用し、汚れを浮かせて洗い流せるので、上位機種と同等とはいきませんが、お手入れはラクな仕様になっています。ただし、省エネ性能は価格なりのレベルなので、短時間での使用を想定した部屋に設置するのがオススメですね」(戸井田さん)

 

メーカーその2 三菱電機

実績のある「ムーブアイ」を搭載し、価格を抑えた

霧ケ峰 Lシリーズ

MSZ-L4018S

実売価格18万8000円

赤外線センサー「ムーブアイ」を搭載したコンパクトモデル。上位機種FZシリーズとZシリーズの未来の体感温度を予測するAI機能は省かれていますが、センサーが体感温度や人の位置を感知し、冷やしすぎない快適な冷房が可能です。左右のフラップを別々に動かし、2か所を同時に吹き分ける「ビッグWフラップ」を搭載。また「スマート除湿」は、風速を「自動」に設定すると、ファンの回転数を制御しながら除湿し、部屋が寒くなりにくい効果があります。汚れがつきにくい「ハイブリッドナノコーティング」はファンのみに実装。前面パネルやフラップなど、外観パーツは取外しが可能で掃除がしやすい「はずせるボディ」です。

 

Lシリーズ 戸井田さんのレコメンド

コンパクトながらリビングに必要な機能を搭載

「長年の実績がある赤外線センサー『ムーブアイ』搭載モデル。2か所吹き分け可能で、『フィルターおそうじメカ』『はずせるボディ』は、このグレードまでの搭載です。リビングに必要な機能なので、最低限このグレードを選びたいところ。本シリーズの特徴は高さ250mmのコンパクトさ。設置寸法も295mmあれば大丈夫なので、窓上にしか設置できない条件でも問題ありません。夏はエアコンと送風を組み合わせる『ハイブリッド運転』(特許)、冬は暖房とサーキュレーター運転を交互に行う『サーキュレーターモード』があるのも便利です。ただし、本体価格は安いものの、上位機種のFZシリーズやZシリーズと比べると電気代がかかるので、常にエアコンを使うという方は上位モデルを選んだほうがよさそうです」(戸井田さん)

↑Lシリーズの「ムーブアイ」のイメージ。床や壁などの温度から体感温度を測り、人の位置も見て冷やしすぎない、 あたためすぎない快適な空調を実現します(画像出典:三菱電機公式サイト)

 

メーカーその3 パナソニック

「フィルターお掃除ロボット」搭載でも奥行きはコンパクト!

エオリア EXシリーズ

CS-EX408C2(※200V)

実売価格14万6800円

奥行き239mmとコンパクトなモデル。フィルターについたホコリをかき取って自動で配管穴から屋外に排出する「フィルターお掃除ロボット」もしっかり搭載。熱交換器の汚れをはじく「ホコリレスコーティング」や空気の汚れに応じて可動する「アクティブクリーンフィルター」は省かれていますが、「ナノイーX」での機内の除菌やカビの抑制は可能です。ナノイーXによる空気清浄機能はないものの、空気がエアコンを通過する度に0.3μmの粒子を80%以上キャッチする「クリーンフィルター」を内蔵し、空気の汚れをキャッチ。心地よいリズムの気流を作り出す「1/f ゆらぎ気流」も搭載しています。

 

EXシリーズ 戸井田さんのレコメンド

「こちらは上から4番目のグレードです。フィルターお掃除ロボットの自動排出方式を搭載しているのに、設置性が良いのがウリ。これより下のグレードは、ダストボックスに集めたホコリを手動で捨てる方式になります。人がいるかいないかを見分けて省エネ運転をする『不在省エネ』や『オートオフ機能』、部屋の特性を学習する『おへや学習機能』、『日射センサー』などはしっかり搭載しており、省エネと快適性をソフト面でカバーしています。

↑フィルターお掃除ロボットの仕組み。かき取ったホコリは配管穴から自動排出します(画像出典:パナソニック公式サイト)

 

ただ、最上位と比べると消費電力が多いので、長時間使う部屋よりは短時間使う部屋にオススメ。また、本体価格が抑えられている割に、オートセーブやオートオフ機能があるので、出入りの激しい小さなお子さんが居るリビングに使うのもオススメです。別売の無線アダプターをつければスマホによる遠隔操作もできるので、自己管理がまだ難しいお子さんがお留守番するときも安心ですね」(戸井田さん)

 

メーカーその4 東芝

「プラズマ空清」と熱交換器の汚れを洗い流す機能を搭載

大清快 E-Pシリーズ

RAS-E405P 

実売価格12万9800円

上位機種と同じく、東芝独自の空気清浄機能「プラズマ空清」を搭載したコンパクトモデル。PM0.1レベルの微細な粒子も集めて帯電し、熱交換機に吸着して屋外に排出します。フィルターの自動お掃除機能はありませんが、除湿や冷房時に発生した水が熱交換器の汚れを洗い流す「マジック洗浄熱交換器」を搭載。運転停止後、プラズマ乾燥で送風路内のイヤなニオイも脱臭します。水平から足元まで風向をコントロールする「クルッとルーバー」で部屋の隅々まで風を届けます。

 

↑上下左右同時にスイングする「クルッとルーバー」を搭載(画像出典:東芝公式サイト)

 

E-Pシリーズ 戸井田さんのレコメンド

少しでも安く、使用頻度が低い部屋に設置したい人に

「こちらも、高さ250mm幅790mmのコンパクトサイズ。コンプレッサーや気流制御は、ひとつ上のE-Rシリーズと同等で、APFも変わりません。除湿に関しても同等。違いは掃除機能と省エネ運転関係で、フィルターの自動お掃除は非搭載ですが、熱交換器の汚れを自動で洗浄して屋外へ排出したり、送風路のニオイを脱臭したりする機能はあります。

 

また、センサーは『人サーチセンサー』がなくなり、『明るさ〔日あたり〕サーチセンサー』のみ。人がいない時、セーブ運転や自動オフにはなりませんが、部屋に入る日照を感知して、冷暖房の運転を調整してくれます。

 

基本性能はひとつ上のE-Rシリーズと同等なので、少しでも安くエアコンを調達したい人にオススメ。ただ、フィルター掃除や『ecoモード』などはなくなるので、自己管理が前提となります。日常的に頻繁に使う部屋よりは、使用頻度が低い予備部屋や客間などに設置したいところ。手入れの手間やムダな電気代がかからずにすむでしょう」(戸井田さん)

 

メーカーその5 富士通ゼネラル

清潔維持機能を重視したコンパクトなモデル

ノクリア Dシリーズ

AS-D40H

実売価格15万1200円

「デュアルブラスター」はありませんが、「熱交換器加熱除菌」を搭載したコンパクトモデル。スリムながら「フィルター自動おそうじ」もあり、清潔維持機能が重視されています。電気集じん方式の「プラズマ空清」の搭載により、0.3~2.5μmの粒子を88%キャッチして、部屋の空気を浄化してくれます。また、人感センサー「不在ECO」で人の有無を検知して、ひかえめ運転への切り替えやオン・オフを自動的に行い、節電をサポート。

 

Dシリーズ 戸井田さんのレコメンド

この価格帯で清潔機能が充実しているのはうれしい

「このクラスではかなりハイスペックでコスパが高いモデル。2018年モデルの目玉機能『熱交換器加熱除菌』を搭載するほか、『プラズマ空清』『フィルター自動おそうじ』などもあり、清潔機能は十分。お手入れが気になる人にはうれしいところですが、暖房を快適にする機能は少なくなるので、冷房メインの部屋で使うといいでしょう。

 

センサーは『人感センサー』のみになりますが、人がいなくなると節電運転に切り替えてくれるので省エネ。一年中適切な運転をセレクトしてくれる『毎日快適モード』もあります。上位機種で搭載する本体両側のサイドファン『デュアルブラスター』がないぶん、すっきりした見た目になっているのは、デザインにこだわる人にとっては魅力ですね。本体の高さが250mmで、高さ295mm(上部38mm・下部7mm)あれば設置できるスリム設計がウリ。パネルデザインもスッキリコンパクトで、狭い部屋でも圧迫感なく収まります。もうひとつ下にCシリーズもありますが、価格差があまりないでこちらがオススメ」(戸井田さん)

↑窓上のスペースにも収まる、コンパクトでスッキリしたボディが魅力(画像出典:富士通ゼネラル公式サイト)

メーカーその6 日立

「凍結洗浄」「フィルター自動お掃除」を省略して価格を抑えた

白くまくん Dシリーズ

RAS-D40H2

実売価格11万3400円

「凍結洗浄」を搭載しないベーシックモデル。フィルターの自動お掃除機能はありませんが、通風路、フラップ、フィルターにステンレスを採用した日立独自の「ステンレス・クリーン」仕様で、エアコン内の菌や汚れを抑制します。また、日差しを感知する「くらしセンサー」で日差しの変化を見分け、「ecoこれっきり」ボタンを押すだけで曇りや夜になると控えめ運転に切り替わります。除湿は弱冷房方式で、吹き出す風の量をコントロールして肌寒さを抑える「ソフト除湿」となっています。

 

Dシリーズ 戸井田さんのレコメンド

「くらしセンサー」で日差しの変化を見分けて、省エネ・快適な運転を行う

「『凍結洗浄』や『フィルター自動お掃除』などの清潔維持機能を省き、必要最低限の機能に絞ったベーシックモデルです。センサーは、温度・湿度のほか日差しを見る『くらしセンサー』を搭載。日差しの変化を見分けて、省エネ・快適な運転を行います。切りタイマーをセットしていても、室温が上がると再運転する『みはっておやすみ』タイマーも搭載。室内機が小さく、狭いスペースにも収まるので、設置スペースの狭い部屋に向いています。

 

ほとんどの機能を省略して価格を優先しているので、予備室や使用頻度の少ない部屋向き。内部の清潔機能が最小限ということもあって、汚れが発生しやすい部屋やタバコを吸う人が使う部屋などは避けた方が無難でしょう」(戸井田さん)

↑室内機がコンパクトなので、少ないスペースで設置できます(画像出典:日立公式サイト)

 

肉より味噌! 女医に教わる夏バテ・冷えバテの原因と解消法

最近、なんだか体がだるいし、食欲もない……。夏バテしている気がするけれど、冷房の効いた室内で過ごす時間が多いし、原因がわからないんだよなぁ……。そういえば、近所に引っ越してきた石原さんは、テレビにも出演しているお医者さんだっけ! 石原さんに聞けば、夏バテの原因も解消法も、分かりやすく教えてもらえそう。さっそく我が家にお招きして、相談しよう!

参ったなぁ……と、いつも困っている「参田家(まいたけ)」の面々。きょうはお父さんが、なにやら困っているようです。

参田家の人々とは……
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ちょっと気弱なお父さん、元気でしっかり者のお母さん、もうすぐ小学生の娘、甘えん坊の赤ちゃん、家族を見守るオスの柴犬の4人と1匹家族。年中困ったことが発生しては、宅配便で届いた便利グッズや、ご近所の専門家からの回覧板に書かれたハウツー、知り合いの著名なお客さんに頼って解決策を伝授してもらい、日々を乗り切っている。
https://maita-ke.com/about/

 

夏バテの症状や原因、解消法も教えて!

comment-father
お父さん「最近、なんだか体調が良くないんです。だるさを感じるし、食欲もわかなくて。これってもしかして、夏バテでしょうか?」

 


石原さん「その症状、夏バテの可能性が大いにありますね。全身のだるさや疲労感、食欲不振は、夏バテの代表的な症状です。なかなか寝付けず、寝不足になることも少なくありません」

 

comment-father
お父さん「確かに最近、寝付きも悪い気がする……。そもそも夏バテって、何が原因で起こるんですか? 夏の暑さによって、体が悲鳴を上げている状態とか……?」

 


石原さん「現代人の夏バテは、外気の暑さと冷房の効いた屋内の気温差による、自律神経の乱れが原因のことが多いんです。夏バテというより、もはや“冷えバテ”と言ってもいいくらい! 冷房が効いた室内で冷たい飲み物ばかり飲み、体は冷え冷え。それが一歩、外に出れば、汗が噴き出すほどの暑さです。この気温差に体温調節がうまくできなくなり、自律神経が乱れてしまうんですよ」

 

comment-father
お父さん「“自律神経の乱れ”だなんて、なんだか怖いフレーズですね……。体の中では、いったい何が起こっているんですか?」

 


石原さん「自律神経とは、自分の意思とは無関係に働き、体のあらゆる器官を司る神経の総称です。この自律神経、興奮状態のときに優位に働く交感神経と、リラックス状態のときに優位に働く副交感神経の2つがあり、置かれた状況に応じて、どちらかが活発に働きます。それがあまりに激しい気温差により、2つのバランスが乱れてしまうんですね。お話ししたように、自律神経は、体のあらゆる器官を司っています。この自律神経が乱れてしまうため、内臓の不調からだるさや食欲不振といった症状が現れるんですよ」

 

comment-father
お父さん「冷房の効いた屋内と、とっても暑い屋外の気温差に、体がパニックを起こしてしまっているということですね! とは言っても、冷房なしに真夏を過ごすのは難しいですよ……。この夏バテ、どうしたら治るのでしょうか?」

 


石原さん「もちろん、冷房は使ってください! この暑さです、冷房なしでは熱中症になりかねません。冷房を適切に使いながら、体を冷やさない工夫が大切です。まず、暑いからといってシャワーだけで済まさず、バスタイムには、しっかり湯船に浸かるようにしましょう。湯船は38度程度のぬるま湯に設定し、ゆっくり浸かることが大切です。すると体が温まるのと同時に、乱れていた自律神経もリラックスできるんですよ」

 

comment-father
お父さん「確かに最近、シャワーで済ませることが多かった気がする。きちんと湯船で温まり、心も体もリラックスすることが大事なんですね! 」

 


石原さん「自律神経の乱れを解消するには、良質な睡眠をとることも大切です。冷房なしでは眠れない熱帯夜には、タイマーを設定しないのも、ひとつの手。冷房が自動停止した後、暑さから目を覚ましてしまっては、体の疲れが取れません。そのため、長袖長ズボンのパジャマを着用し、きちんとお布団を掛け、冷房をつけたまま寝る! 体のことを思えば、私は、この方法をオススメします」

 

comment-father
お父さん「タイマーを設定して眠りについたものの、途中で起きて、また冷房を付ける……。それも思い当たります(苦笑)。今夜からは温かい格好をして、冷房をつけたまま寝るようにしてみます!」

 


石原さん「ぜひ、試してみてください。さらに夏バテのときは、胃腸も疲弊しています。『夏バテにはスタミナ! お肉を食べなきゃ!』と思う方もいますが、肉類はエネルギーの源であるタンパク質が豊富な一方、消化の悪い食品でもあるので、夏バテのときには控えましょう。反対にオススメなのは、お味噌ですね!」

 

comment-father
お父さん「お味噌なら、我が家にもあります! でも最近、暑さを理由に、お味噌汁なしで食事を済ませていたかも……」

 


石原さん「お味噌汁は面倒だとしても、野菜のディップとしてお味噌を添えるくらいなら、簡単ですよ。お味噌は発酵食品ですから、消化を助ける酵素が豊富。さらに疲労回復に効果のあるアミノ酸も多く含まれ、たくさん汗をかいた後に取りたい、塩分も摂取できます。そして、薬味を上手に使うこともポイント。薬味として使いやすい大根も、ショウガも梅干しも、消化を助けてくれる食品です! このように食事、睡眠、バスタイムに、こういったポイントをおさえておけば、夏バテが癒えるだけでなく、夏バテしにくい体が作れますよ」

 

comment-father
お父さん「なるほど! ディップや薬味として添えるくらいなら、僕でもできそうです! 石原さんに教えてもらったことを毎日の生活に取り入れ、夏バテが解消した後も、日常的に続けるようにします。今日はありがとうございました。まだまだ暑い日が続くけれど、お互い、元気に過ごしましょう!」

 

【まとめ】

現代人の夏バテは、むしろ“冷えバテ”!

夏バテの原因が、単に暑さではなく、屋外の暑さと冷房の効いた室内の温度差にあると知り、目からウロコ! 特に「現代人の夏バテは、もはや“冷えバテ”」という言葉は、肝に銘じなきゃいけないなぁ。石原さんに教えてもらった、湯船にゆっくり浸かること、良質な睡眠を取ること、消化を助ける食材を取り入れることを心掛けて、この夏を元気に乗り越えよう!

 

教えてくれたのは……

イシハラクリニック副院長/ヒポクラティック・サナトリウム副施設長・石原新菜さん

漢方医学、自然療法、食事療法をベースに、種々の病気の治療にあたり、プライベートでは二児の母。クリニックでの診察のほか、分かりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、講演・テレビ・ラジオ・執筆活動と幅広く活躍。13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』(アスコム)をはじめとした著書も多数。
https://www.ninaishihara.com/

 

日々の「参った!」というお悩みを5分で解決!「参田家(まいたけ)のおうち手帖」

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寝苦しいのは湿気のせいだった! 猛暑の夏を快適に眠るための方法とは?

蒸し暑い熱帯夜が続くこの季節、冷房でなるべく寝室を冷やそうとすると、妻に「寒くて眠れない!」と文句を言われるんだよなぁ……。結局、妻が設定した冷房温度で眠っているけれど、毎日寝苦しくて……。

そうだ、東京西川に勤めているご近所の杉原桃菜さんは、快眠サポートのプロフェッショナルとして活躍している「スリープマスター」だったな。暑がりの僕が、妻と同室でぐっすり眠るためのアドバイスをもらいに行こう!

参ったなぁ……と、いつも困っている「参田家(まいたけ)」の面々。きょうはお父さんが、なにやら困っているようです。

参田家の人々とは……
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ちょっと気弱なお父さん、元気でしっかり者のお母さん、もうすぐ小学生の娘、甘えん坊の赤ちゃん、家族を見守るオスの柴犬の4人と1匹家族。年中困ったことが発生しては、宅配便で届いた便利グッズや、ご近所の専門家からの回覧板に書かれたハウツー、知り合いの著名なお客さんに頼って解決策を伝授してもらい、日々を乗り切っている。
https://maita-ke.com/about/

 

体感温度が違う家族が、同室で快眠できるコツは?

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お父さん「眠るときに冷房の設定温度を下げると、寒いって妻や娘から怒られちゃうんですよ。28℃設定にしているんだけど、なかなか涼しく感じられなくって……」

 


杉原さん「冷房の効き目を感じづらいのは、室内の湿度が高いことが原因かもしれませんね。眠るときに湿気が多いと、寝苦しいと感じやすくなるんですよ。それに、かいた汗も蒸発しにくくなってしまいます。なので家に帰ったら、まずは5〜10分ほど部屋を換気するといいですよ。このとき、湿気の溜まりやすいクローゼットや押入れの中、ベッドの下の収納などを開けて換気してあげると、エアコンをつけたときの冷却効率が上がるんです! 」

 

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お父さん「へ〜。それなら、エアコンのドライモードや除湿機を活用しても良さそうですね! 冷房をつけて眠るときは、やっぱりタイマーを使うのがいいんですか?」

 


杉原さん「タイマー機能を使うのは問題ないですが、タイマーが切れたあと室内の温度が上がるせいで目が覚めてしまうほか、お年寄りは熱中症で体調を崩してしまう可能性もあるんです。適正温度と言われる25度に設定し、夜中は冷房をオンにしたまま眠るのもよいです。ただし体が冷え過ぎてしまうのを防ぐため、風が直接体に当たらないように工夫しましょう。扇風機の風を壁にあてて部屋の空気を循環させると、快適に眠ることができますよ。また、眠るときはきちんとパジャマを着用することも大切です」

 

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お父さん「パジャマかぁ……。妻や娘はちゃんと着ているみたいだけど、僕は暑くてついついタンクトップで寝ちゃったりするんですよね〜」

 


杉原さん「体にかいた汗が蒸発しないまま冷気が当たると、寝冷えの原因となるので、注意が必要ですね。風邪をひきやすくなりますし、起きたときの倦怠感にもつながります。また、眠る際は寝返りがしやすいように、ゆったりしたサイズのパジャマを着ることがおすすめですよ。できれば袖があるデザインで、吸水性が良い綿やシルクなどの天然素材のものを選んでくださいね」

 

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お父さん「へえ……。パジャマって眠るときのことをきちんと考えて作られているんですね! 冷房が苦手な寒がりの妻とは寝室が同じなんだけど、ふたりとも快眠できる方法はあったりするのでしょうか? 」

 


杉原さん「筋肉量が男性より少ない女性は、体内で熱を作り出す力が弱いので、どうしても温度の感じ方に差が生まれてしまうんですよ。なので、それぞれの体感温度に合わせた寝具で寝てみてはいかがでしょうか?例えば、男性は接触冷感のもの、女性は麻など肌触りの良い掛け布団など、素材を変えてみるのもおすすめです」

 

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お父さん「実は、接触冷感の寝具は前から欲しいと思っていたんですよ!」

 


杉原さん「それなら東京西川・COOL TOUCHシリーズの『クールパッドシーツ』や『ピローパッド』はいかがですか? 通気性が良く接触冷感性が高い素材で作られているので、触れた部分の熱をすばやく逃してくれるんです。寝返りを打つことを想定し、体を冷やしすぎない温度を保てるので、体に負担をかけずに爽やかに眠ることができますよ。取り外しも簡単ですし、乾きやすいのでお洗濯もラクチンです」

 

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お父さん「洗濯がラクなのは妻も喜んでくれそうだし、これで少しは寝苦しさも改善されそうですね!」

 


杉原さん「あと、東京西川の「ねむりの相談所」に行って、「寝室チェックシステム」を体験するのもおすすめです」

「温度や湿度はもちろん、照度や騒音レベルなどを感知する計測器を3〜5日枕元に置いて眠り、その計測器を店舗に持っていくだけで、寝室の環境が睡眠に適しているかどうかを調べられるんですよ。例えば参田さんがお悩みの室温も、就寝中にエアコンをつけているせいで温度や湿度が低くなっているなど、お悩みを解決する糸口を見つけることができます。もちろん、そのデータを元に、最適な快眠環境にするためのアドバイスもしてもらえますよ」

 

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お父さん「寝室が睡眠に適しているかを簡単に調べることができるなんて、驚きです! さっそくお店に行って、『寝室チェックシステム』を体験しなくっちゃ!」

 

まとめ

環境と寝具を見直して、快眠を目指そう!

早速、COOL TOUCHシリーズの「クールパッドシーツ」と「ピローパッド」を使ってみたら、触るとひんやりしているし、気持ちよく眠れたなぁ。これは夏場は手放せないな! 「寝室チェックシステム」は、小さい計測器で温度や湿度の推移まで記録されていてびっくり。自宅の寝室を今の季節の適正な室温と湿度と比較すると、改善が必要みたい……。家族みんながぐっすり眠れる環境を作らなくっちゃ!

 

教えてくれたのは……

東京西川・スリープマスター/杉原桃菜さん
社内の専門講習を通し、最新の睡眠科学や睡眠生理学、寝具などの知識を習得した「スリープマスター」。さまざまなアプローチで快眠へのサポートを行う眠りのプロフェッショナル。
https://www.nemuri-soudan.jp/

 

【商品情報】

写真左:東京西川「COOL TOUCHシリーズ ピローパッド」価格4320〜
写真右:東京西川「COOL TOUCHシリーズ クールパッドシーツ」価格:1万800〜
https://www.nishikawasangyo.co.jp/brands/cooltouch/items/

 

日々の「参った!」というお悩みを5分で解決!「参田家(まいたけ)のおうち手帖」

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【2018年版】最新エアコン メーカー別家電のプロのおすすめモデル徹底比較

エアコンを買い替えるなら、設置工事が混みあう前のいまの時期に選んでおくべき。それはわかっているけれど、どのモデルを選べばいいのかわからない……。そんな人のために、各種メーカーの最新機種をまとめてみました。家電のプロ・戸井田園子さんのオススメモデルもご紹介。各モデルは、電気代から機能の有無まで表組みで比較しています。ぜひ参考にしてみてください!

 

目次

 

 


「ダイキン」のエアコン、値段が違うと何が違う? 価格帯別オススメ3モデルを家電のプロが徹底比較


ダイキン エアコン

「部屋全体をムラなく均一な温度にする」がポリシー

「ダイキンは世界売上No.1の空調メーカー。確かな技術があり、基本性能が高いと評判です。外気温が低くても高くてもしっかり冷暖房してくれる、タフな室外機も大きなウリ。一方、他社に比べてセンサー技術にはあまり力を入れておらず、あくまで『部屋全体をムラなく均一な温度にする』というのが、ダイキンエアコンのポリシーです。人がいなくなると省エネ運転を行うオートセーブ機能やオートオフ機能は、上位機種以外にはないのも特徴。また、ラインナップは各グレードごとに個性があるというより、『グレードが下がるごとに確実に機能を減らして価格を下げる』というわかりやすい構成になっています。なお、全シリーズで、古い同社製エアコンの冷媒配管をそのまま利用することが可能(※)。露出配管であれは取り替えも手間ではないですが、隠蔽配管ならば助かる仕様です」

記事詳細:https://getnavi.jp/homeappliances/263030/

 

 


三菱電機のエアコン「霧ケ峰」価格の差はどこに出る? オススメ3機種を家電のプロが徹底比較!


三菱電機のエアコン「霧ケ峰」

三菱電機は、現在の家庭用エアコンで初めて、筒型のファン「ラインフローファン」を搭載。現在の壁掛けエアコンの雛形を作った老舗メーカーです。2015年には、世界で初めて左右独立駆動する新型ファン「パーソナルツインフロー」を開発し、エアコンの新世代を切り開きました。また、早くからセンサーを搭載しており、蓄積したセンシング技術の高さにも定評アリ。それらの技術でひとりひとりに適した温度で吹き分け、個人の快適性を重視した空調を得意としています。なお、三菱電機の4.0kWタイプは200Vのみなので、設置に際し電源工事が必要になる可能性があるので注意しましょう。

記事詳細:https://getnavi.jp/homeappliances/262447/

 

 


パナソニックのエアコン「エオリア」値段が違うとココが違う! 家電のプロがオススメ3モデルを徹底比較


パナソニックのエアコン「エオリア」

プラスαの機能が充実し、使い勝手がいいのがメリット

「他社に比べて価格がややリーズナブルに設定され、家電量販店で高いシェアを誇っているのがパナソニック。全7グレードが用意され、幅広いラインナップでニーズに合ったモデルが選択できます。独自の微粒子イオン『ナノイー』での除菌・消臭機能や、『フィルターお掃除ロボット』を早くから搭載し、清潔性の維持にも力を入れてきました。重電メーカーと違ってパナソニックは家電メーカーだけに、使い勝手やプラスαの機能(ナノイーや『おやすみナビ』アプリなど)など、ソフトの提案に力を入れているのが特徴。一方で世界初、温度帯の異なる2つの冷風・温風を作る『ダブル温度熱交換器』や、室外機の蓄熱槽に排熱を蓄えて活用する『エネチャージシステム』など、基礎技術の開発にも積極的です」

記事詳細:https://getnavi.jp/homeappliances/264148/

 

 


日立のエアコン「白くまくん」値段が違うと何が違う? 家電のプロがオススメ3モデルを徹底比較


日立のエアコン「白くまくん」

「凍結洗浄」を新開発し、清潔性に磨きをかけた

「日立のエアコンは、『白くまくん』の愛称でおなじみ。寒冷地仕様を除くと全5シリーズあり、選びやすいバリエーションとなっています。室内機の内部にステンレスを採用した独自の『ステンレス・クリーン システム』で清潔性の高さには定評アリ。今季はさらに、熱交換器を凍らせてから一気に溶かして汚れを洗い流す『凍結洗浄』を開発。最下位モデルを除く4シリーズに搭載し、ますます清潔性を高めてきました。

記事詳細:https://getnavi.jp/homeappliances/273695/

 

 


東芝エアコン「大清快」価格が違うと何が違う? 家電のプロがオススメ3モデルを徹底比較!


東芝エアコン「大清快」

電機集じん方式の空気清浄機を搭載し、キレイなフォルムも魅力

「他メーカーに比べて、シリーズが少なく、選択肢があまりないのが惜しい。ただし東芝のエアコンは、しっかりした空気清浄機能が搭載されているのがウリで、エアコンで全シリーズ空気清浄機能の具体的なスペックが表記できるのは東芝のみ。全シリーズに搭載されている『プラズマ空清』は、プラズマ放電で汚れを帯電させて熱交換器に吸着させる『電気集じん方式』なので、空気清浄用のフィルターが不要、かつ交換の手間やコストもかかりません。空気清浄機を床に一台置く必要がなく、そのぶん部屋が広く使えるのもメリットです。


記事詳細:https://getnavi.jp/homeappliances/271941/

 

 


富士通ゼネラルのエアコン「ノクリア」値段が違うと何が違う? 家電のプロがオススメ3モデルを徹底比較


富士通ゼネラルのエアコン「ノクリア」

室内温度のムラをなくし、清潔機能でも一歩先行く

「冷暖房ともに室内温度のムラをなくし、快適にするのが富士通ゼネラルのポリシー。風を感じにくい穏やかな冷暖房はとても心地がいいもので、両サイドにファンを搭載した『デュアルブラスター』はそれを具現化するための象徴的な機構です。また、部屋の温度・湿度を計測し独自のアルゴリズムで分析して、季節と室温に応じて冷房・送風・除湿・暖房の切り替えを自動で行う『毎日快適モード』を全シリーズに搭載。これにより、運転モードの切り替えを気にせず生活でき、『一年中つけたままにする』という、一歩踏み込んだ新しい提案をしています。


記事詳細:https://getnavi.jp/homeappliances/273303/

 

 


「エアコンを買うなら、・・・・・・こうあってほしい!」と、みなさんエアコンに期待することはたくさんあると思います。安くて、省エネ、フィルター自動洗浄、抗菌、防カビ、大きさやデザイン性など、期待する点をあげればきりがありません。でも「どれを買えばいいの!?」「メーカーごとでどう違うの!?」「私の期待に応えてくれるモデルはどれ!?」と悩みもつきません。
せっかく高いお金を出して買うのだから、しっかり吟味して期待に応えてくれるエアコンを、ぜひ見つけてくださいね!

 

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【2018年】エアコン主要6メーカー「価格帯別オススメモデル」全18機を総まとめ

いよいよ本格的な夏がやってきました! より快適な空間を手に入れ、電気代を節約するためには、最新のエアコンに買い換えたいところ。とはいえ、どのメーカーのどんなモデルを買ったらいいかわからない……。エアコンは高い買い物だけに、失敗したくないし……。そんな方のために当サイトでは、家電のプロ・戸井田園子さんにお願いし、6回にわたってエアコンのガイド記事を掲載。6つの主要メーカーの特徴をガイドしてもらうとともに、各メーカーごとに3つの価格帯でオススメモデルを選んでもらいました。今回はこれらの記事の総集編。スペックや機能を比較した表組みを参照しながら、じっくり検討してみてください!

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

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雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

【まずは重要なスペックの見方をチェック!】

「APF」が高いほど省エネ性能が高い

「適用畳数」の読み方は、「冷房11~17畳」という場合だと、木造住宅で11畳(左の数値)、鉄筋住宅で17畳(右の数値)に適しているという意味になります。11~17畳の範囲で使えるというわけではないので、ご注意ください。また、夏場を前にしたエアコン選びで見落としがちなのが、暖房の能力。暖房の適用畳数は冷房よりも小さいため、冷房の適用畳数が部屋のギリギリのモデルを購入してしまうと、夏場はいいが冬場はなかなか暖まりにくいといった事態になります。暖房の適用畳数は余裕をもって選びましょう。

 

「APF」とはAnnual Performance Factorの略で、1年間、JIS(日本工業規格)に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなるので、予算内でこの数値がなるべく大きいものを選びましょう。なお、APFは普及価格モデルだと4.0~5.0台、最上位モデルだと7.0台になります。APFとよく似た数値として、「期間消費電力量」があります。こちらは年間を通じてエアコンを使用したとき、消費する電力量の目安のこと。JISが定めた一定の条件をもとに試算したもので、数値が低いほど電気代がかからないことになります。

 

寒冷地では「低温暖房能力」も要チェック

kWで表される「能力」とは、単位時間当たりに室内から取り除くエネルギー、または室内に与える熱エネルギーのこと。この数値が大きいほど広い部屋に対応します。今回はリビングで使われることが多い14畳用を想定し、冷房能力4.0kWのモデルを紹介しています。

 

「省エネ基準達成率」は、省エネルギー法が定めるAPFの基準値(目標値)をどれくらいクリアしているかを示すもの。ただし、冷房能力とサイズによって目標値が違うので、純粋に省エネ性能を比較するならAPFの数値を確認すべき。「低温暖房能力」はその名の通り、低温時の能力の目安。JISが定めた条件下(室内20度、室外2度)での能力を示し、数値が高いほど優秀です。寒冷地の方は注目したいポイントです。

↑下位モデルのスペックの例。APFは4.9、期間消費電力量は1544kWhです

 

↑上位モデルのスペックの例。期間消費電力量、APF、低温暖房能力(「外気温2℃時の暖房能力」と表記)など、すべてが下位モデルを大きく上回っています

 

メーカーその1 ダイキン

ダイキンのエアコンの特徴とは?

「部屋全体をムラなく均一な温度にする」がポリシー

「ダイキンは世界売上No.1の空調メーカー。確かな技術があり、基本性能が高いと評判です。外気温が低くても高くてもしっかり冷暖房してくれる、タフな室外機も大きなウリ。一方、他社に比べてセンサー技術にはあまり力を入れておらず、あくまで『部屋全体をムラなく均一な温度にする』というのが、ダイキンエアコンのポリシーです。人がいなくなると省エネ運転を行うオートセーブ機能やオートオフ機能は、上位機種以外にはないのも特徴。また、ラインナップは各グレードごとに個性があるというより、『グレードが下がるごとに確実に機能を減らして価格を下げる』というわかりやすい構成になっています。なお、全シリーズで、古い同社製エアコンの冷媒配管をそのまま利用することが可能(※)。露出配管であれは取り替えも手間ではないですが、隠蔽配管ならば助かる仕様です」(戸井田さん)

※Rシリーズの加湿ホースは流用不可

 

【ダイキンのオススメその1 ハイエンドモデル

無給水の「うるる加湿」や高度な気流制御で快適空間を実現

Rシリーズ うるさら7

AN40VRP(※200V)

実売価格24万2000円

他のシリーズにはない、無給水で加湿ができる「うるる加湿」を搭載した最上位シリーズ。暖房時には空気中の水分をエアコンが取り込み、自動で加湿してくれます。「さらら除湿」は除湿した冷風を室内の温まった空気と一緒に送風する機能。消費電力も少なく、寒くなりにくい除湿方法です。また、上位機種だけの、冷房時は天井に沿って冷風を回す「サーキュレーション気流」と、窓からの熱でできた温度ムラをセンサーが検知すると床付近に冷気を送る「垂直気流」で部屋の温度ムラも抑えます。年間電気代は他グレードのシリーズと比べてかなり割安です。

※実売価格は編集部調べ。年間電気代は1kWhあたり27円で計算(以下同)

 

うるさら7(Rシリーズ) 戸井田さんのレコメンド

基本性能が高く、清潔性や操作性を高める機能が豊富

「『R』シリーズは、無給水加湿『うるる加湿』を搭載する唯一のモデルです。4.0kWクラスなら、1時間あたり750mℓの加湿量があり、本格的な加湿能力です。速暖性を向上した『ヒートブースト制御』、湿度を下げることで素早く涼しくする『クールブースト制御』、寒くならないハイブリッド方式の『さらら除湿』など、冷房・暖房・除湿の性能は非常に高いものがあります。

↑「うるる加湿」は外の空気中の水分をエアコンが取り込んで、室内を加湿。加湿量は4.0kWクラスで750mℓ/hを誇っています(画像出典:ダイキン公式サイト)

 

また、上位シリーズに搭載されている音声ガイド機能は、リモコンで操作した内容やオススメの運転モードを音声で知らせてくれる便利な機能。エアコン内部の清潔性を保つ機能では、冷房・除湿で発生した水と一緒に汚れを洗い流す『セルフウォッシュ熱交換器』が採用され、下位クラスより高性能です。高温・高湿になると、音声で知らせて自動で冷房運転を開始する『高温パトロール』モードもあるので、高齢者や子どもだけのときも安心です」(戸井田さん)

 

【ダイキンのオススメその2 中位モデル

「さらら除湿」と「プレミアム冷房」で夏が快適に過ごせる

Fシリーズ AN40VFP

実売価格22万4845円

Rシリーズ、Aシリーズ、Sシリーズに次ぐ中位モデル。最上位の「R」シリーズと同様、「ヒートブースト制御」「クールブースト制御」と、設定温度到達後も温度と湿度をコントロールしてくれる「プレミアム冷房」を搭載したモデル。無給水の「うるる加湿」は省かれていますが、夏場に力を発揮する「さらら除湿」は搭載されています。「セルフウォッシュ熱交換機」は非搭載なものの、自動的にフィルターのホコリをブラッシングする「フィルター自動お掃除」機能でフィルターの目づまりを抑えます。ただし、APF(通年エネルギー消費効率)や年間電気代は、下位の「E」シリーズに近い数値となっています。

 

Fシリーズ 戸井田さんのレコメンド

体に風を当てない快適空調がポイント

「冷房時は、気流を天井に向けて持ち上げる『天井気流』で、エアコンの風が体に直接当たりにくく快適。暖房時は、気流を切り替える『暖気かくはん運転』で天井にたまった暖気をかくはんしてくれます。風をあてずに快適空調を実現する『立体気流』もあって、部屋をムラなく均一の温度にするというダイキンのポリシーはしっかり守られています。

↑「天井気流」イメージ。気流は、約5m先まで天井に沿って奥へ広がり、エアコンの風を直接身体に感じにくくなっています(画像出典:ダイキン公式サイト)

 

なお、『プレミアム冷房』や、室温に近づけて除湿する『さらら除湿』はこのグレードまでの機能。ダイキンの魅力であるタフな室外機も採用されていて、冷房・暖房・除湿の基本性能は申し分なく網羅されています。『R』シリーズにはある『垂直気流』や『サーキュレーション気流』は非搭載なので、暖房時はサーキュレーターなどの空気をかくはんするアイテムを追加すると、より快適性が増すと思います」(戸井田さん)

 

【ダイキンのオススメその3 普及モデル

「ストリーマ」で清潔さを保つシンプル&コンパクトなシリーズ

Eシリーズ AN40VEP(※200V)

実売価格14万2000円

限られたスペースにすっきり設置できるコンパクトなベーシックモデル。風を直接的に体に当てない「風ないス運転」により、夏は冷風をより上向きに吹き出し、冬は温風を足元へ吹き下ろします。フィルターの自動掃除機能は非搭載ですが、ダイキン独自の「ストリーマ内部クリーン」で、熱交換器や気流の通路にプラズマ放電の一種「ストリーマ」を照射してエアコン内部のカビやニオイを抑制。フィルターで捕らえた物質にストリーマを照射する「ストリーマ空気清浄」機能も、他シリーズと同様に搭載されています。

 

Eシリーズ 戸井田さんのレコメンド

ベーシックな冷暖房機能はしっかり搭載

「室内外の温度に応じて、暖房・ドライ・冷房3つの運転モードを自動でセレクトする『自動運転』あり。0.5℃単位で温度をコントロールできる『PIT制御』や、すばやく暖房する『ヒートブースト制御』も搭載しています。下位シリーズとはいえ、ベーシックな冷暖房機能は万全ですね。幅770mmのコンパクトな室内機で、半間幅も余裕で収まる横幅も特徴。室外機も3.6kW以下は幅675mmとコンパクトです(4.0kWは795mm)。

↑室内機は幅770mmのコンパクト設計(画像出典:ダイキン公式サイト)

 

フィルター自動掃除機能は非搭載ですが、エアコン内部・フィルターも独自のストリーマで清潔をキープ。熱交換器フィンには親水性に優れた2層コートを採用し、汚れを浮かせて洗い流せるので、上位機種と同等とはいきませんが、お手入れはラクな仕様になっています。ただし、省エネ性能は価格なりのレベルなので、短時間での使用を想定した部屋に設置するのがオススメですね」(戸井田さん)

 

<総括>

Fシリーズは冷房メインに最適で、Eシリーズは設置性でメリットあり

「『R』シリーズは、冷暖房の基本性能、室外機の性能、清潔維持機能など、ダイキン最高峰の仕様です。特に気流制御が優秀なので、エアコンの風が直接当たるのが苦手な人にオススメです。4.0kWは100Vと200V仕様がありますが、200V仕様の方が省エネ性能が高いので、電源の問題がなければ200Vがいいでしょう。

 

『F』シリーズは、最上位シリーズから『うるる加湿』と『垂直気流』を省いた中位モデルです。冷暖房の基本となるコンプレッサーの制御や室外機の性能はほぼ一緒。上位クラスに比べると付加機能が少なく、APF(通年エネルギー消費効率)もやや低くなくなります。しかし、夏に活躍する除湿機能や冷房機能は最上位クラスとほぼ同レベル。エアコンの使用は夏場がメインという人には最適な仕様といえるでしょう。

 

一方、『E』シリーズは、快適性能を高める最新機能がほぼ削られていますが、基本性能が高いダイキンエアコンが4.0kWクラスなら15万円以下で手に入るのが大きな魅力。室内機もコンバクトなので、設置スペースが限られている場合や、留守の時間が多く、リビングで長時間過ごすことは少ないという生活スタイルなら、おトク感がありますね」(戸井田さん)

 

メーカーその2 三菱電機

【三菱電機のエアコンの特徴とは?】

「三菱電機は、現在の家庭用エアコンで初めて、筒型のファン『ラインフローファン』を搭載。現在の壁掛けエアコンの雛形を作った老舗メーカーです。2015年には、世界で初めて左右独立駆動する新型ファン『パーソナルツインフロー』を開発し、エアコンの新世代を切り開きました。また、早くからセンサーを搭載しており、蓄積したセンシング技術の高さにも定評アリ。それらの技術でひとりひとりに適した温度で吹き分け、個人の快適性を重視した空調を得意としています。なお、三菱電機の4.0kWタイプは200Vのみなので、設置に際し電源工事が必要になる可能性があるので注意しましょう」(戸井田さん)

 

【三菱電機のオススメその1 ハイエンドモデル

2つのプロペラファンと「ムーブアイmirA.I.」がひとりひとりを快適に!

霧ケ峰 FZシリーズ

MSZ-FZ4018S

実売価格27万8000円

センサーとAIを活用して少し未来の体感温度を予測する「ムーブアイmirA.I.」が、快適な室温を保つプレミアムモデル。2つのプロペラファンがそれぞれ駆動する独自の機構「パーソナルツインフロー」が、ひとりひとりの温度の感じ方に合わせて気流の強弱と方向を細かくコントロールしてくれます。除湿運転時の「プレミアム除湿」は弱冷房方式ながら、2つのファンを制御することで室温低下を抑え、寒くなりにくい除湿を実現。APF(通年エネルギー消費効率)は「7.8」と他のシリーズに比べ優秀で、年間電気代も抑えられています。また、「ピュアミスト」を放出する機能を持ち、菌・ウイルス・カビ菌・花粉の活動の抑制、脱臭・保湿効果も期待できます。

 

FZシリーズ 戸井田さんのレコメンド

センサー、ファン、清潔機能も万全のハイスペックモデル

「ほかにはない独自の内部構造を持った、最先端のシリーズです。従来の筒型ファン(ラインフローファン)を止め、ふたつのプロペラファンを採用したダブルファン仕様『パーソナルツインフロー』が特徴。左右それぞれに違う温度帯(暖房時体感温度差 約5℃)の風を送り出せるため、ひとりひとりの快適さが追求できるのがメリットです。また『ムーブアイmirA.I.』による、未来を予想しての『先読み運転』もお見事。『フィルターおそうじメカ』搭載かつ、掃除がしにくいエアコン内部には汚れがつきにくい『ハイブリッドナノコーティング』を施し、カビの発生を抑制する『カビクリーンシャワー』『はずせるボディ』(特許)など、清潔維持対策も万全です! すっきりしたパネルでデザイン性も高く、デザイン・機能ともにまさにハイスペックモデルといえます」(戸井田さん)

↑左右独立駆動のファンで、1人ひとりの温度の感じ方の差や変化にあわせて、気流の強弱と方向を細かくコントロール(画像出典:三菱電機公式サイト)

 

「これだけ最先端のセンシング技術が搭載されているからには、『自動』運転での使用が最適。『ムーブアイmirA.I.』に学習機能もあるため、エアコンの能力を信じて、しばらく使い続けることがポイントです。ただ、ダブルファンという構造上奥行きがあるので、設置スペースの確認は忘れずに!」(戸井田さん)

 

三菱電機のオススメその2 ハイスペックモデル

ダブルファンはないが、最上位シリーズと機能はほぼ同等のスペック

霧ケ峰 Zシリーズ

MSZ-ZW4018S

実売価格24万8000円

「FZ」シリーズと同じく「ムーブアイmirA.I.」を搭載したハイスペックモデル。2つのプロペラファン「パーソナルツインフロー」は省いていますが、体温変化を感知して「自動風あて・風よけ」によって室内の2人を同時に快適にしてくれます。除湿機能としては、「さらっと除湿冷房」を搭載。「冷房」と室温の下がらない「再熱除湿」を自動で切り替えて、除湿していても寒くならず、快適な温度に保ってくれます。「フィルターおそうじメカ」や「ハイブリッドナノコーティング」など清潔機能は「FZ」シリーズと同クラス。


 

Zシリーズ 戸井田さんのレコメンド

エアコンにお任せでOKの十分な機能

「ラインナップ順ではFZシリーズに次ぐ第2グレードに当たります。内部構造は従来のタイプですが、デザイン面を除けば、機能面は最上位とほぼ同等。人の体感温度を予測して先回り運転する画期的な『ムーブアイmirA.I.』も搭載しています。また、FZシリーズと同様、タッチパネルリモコンを採用し、必要最低限の操作で快適運転ができるので高齢者でも迷いません。リモコンのメニューからは細かな設定も可能。FZシリーズもそうですが、高性能なセンサー機能を活かすために、基本的に『自動』運転がオススメ。好みに合わせた設定もできるので、カスタマイズしたい人は最初にリモコンでいろいろ試してみるのがいいでしょう」(戸井田さん)

↑ムーブアイmirA.Iは身体の温度を0.1℃単位でチェックし、個人の体感温度を予測します(画像出典:三菱電機公式サイト)

 

三菱電機のオススメその3 コンパクトモデル

実績のある「ムーブアイ」を搭載し、価格を抑えたコンパクトモデル

霧ケ峰 Lシリーズ

MSZ-L4018S

実売価格18万8000円

赤外線センサー「ムーブアイ」を搭載したコンパクトモデル。FZシリーズとZシリーズの未来の体感温度を予測するAI機能は省かれていますが、センサーが体感温度や人の位置を感知し、冷やしすぎない快適な冷房が可能です。左右のフラップを別々に動かし、2か所を同時に吹き分ける「ビッグWフラップ」を搭載。また「スマート除湿」は、風速を「自動」に設定すると、ファンの回転数を制御しながら除湿し、部屋が寒くなりにくい効果があります。「ハイブリッドナノコーティング」はファンのみに実装。前面パネルやフラップなど、外観パーツは取外しが可能で掃除がしやすい「はずせるボディ」です。

 

Lシリーズ 戸井田さんのレコメンド

コンパクトながらリビングに必要な機能を搭載

「長年の実績がある赤外線センサー『ムーブアイ』搭載モデル。2か所吹き分け可能で、『フィルターおそうじメカ』『はずせるボディ』は、このグレードまでの搭載です。リビングに必要な機能なので、最低限このグレードを選びたいところ。本シリーズの特徴は高さ250mmのコンパクトさ。設置寸法も295mmあれば大丈夫なので、窓上にしか設置できない条件でも問題ありません。夏はエアコンと送風を組み合わせる『ハイブリッド運転』(特許)、冬は暖房とサーキュレーター運転を交互に行う『サーキュレーターモード』があるのも便利です。ただし、本体価格は安いものの、FZシリーズやZシリーズと比べると電気代がかかるので、常にエアコンを使うという方は上位モデルを選んだほうがよさそうです」(戸井田さん)

↑Lシリーズの「ムーブアイ」のイメージ。床や壁などの温度から体感温度を測り、人の位置も見て冷やしすぎない、 あたためすぎない快適な空調を実現します(画像出典:三菱電機公式サイト)

 

<総括>

価格を抑えて快適性を重視するならZシリーズが狙い目

「3シリーズの違いを簡単にまとめますと、FZシリーズは、基本性能(省エネ性)・機能・デザイン、すべてが最新・最上のハイスペックモデル。省エネも快適性も見た目も重視したいという人向きです。暑さ寒さの感じ方が違う複数の人が一緒に過ごす部屋には最適ですね。本シリーズは4.0kWタイプ以上しかないので、14畳越えの大きい部屋のみ対応しています。

 

一方、Zシリーズは、最新機能は網羅していますが、基本性能(吹き分け機能)とデザインがやや落ちます。とはいっても、『パーソナルツインフロー』は搭載しないものの、機能はFZとほぼ変わらないので、価格を抑えて快適性を重視したい人にはこちらが狙い目です。

 

コンパクトモデルのLシリーズは、本体価格がお手ごろ。ただし、上位モデルに比べて省エネ性・機能性で劣るのがネックです。1日中使うことが想定されるライフスタイルなら、少しムリをしても上位クラスを選んだほうが、10年使った場合はおトクになる場合も。とはいえ、三菱電機独自の『ムーブアイ』『ハイブリッド運転』を搭載し、『フィルターおそうじメカ』搭載など、清潔性が担保されているのはメリットです。このあたりをしっかり検討して選んでください!」(戸井田さん)

 

メーカーその3 パナソニック

【パナソニックのエアコンの特徴とは?】

プラスαの機能が充実し、使い勝手がいいのがメリット

「他社に比べて価格がややリーズナブルに設定され、家電量販店で高いシェアを誇っているのがパナソニック。全7グレードが用意され、幅広いラインナップでニーズに合ったモデルが選択できます。独自の微粒子イオン『ナノイー』での除菌・消臭機能や、『フィルターお掃除ロボット』を早くから搭載し、清潔性の維持にも力を入れてきました。重電メーカーと違ってパナソニックは家電メーカーだけに、使い勝手やプラスαの機能(ナノイーや『おやすみナビ』アプリなど)など、ソフトの提案に力を入れているのが特徴。一方で世界初、温度帯の異なる2つの冷風・温風を作る『ダブル温度熱交換器』や、室外機の蓄熱槽に排熱を蓄えて活用する『エネチャージシステム』など、基礎技術の開発にも積極的です」(戸井田さん)

 

【パナソニックのオススメその1 ハイエンドモデル】

高効率のスクロールコンプレッサーで省エネ性は抜群

エオリア WXシリーズ

CS-WX408C2(※200V)

実売価格26万3700円

コンプレッサーに高効率な「スクロール方式」を採用し、省エネ性能を強化した最上位モデル。APF(通年エネルギー消費効率)は7.7と高い数値を誇ります。さらに、「新・ひとものセンサー」で「ひと」と「もの」を高精度で見分け、「暑い」「寒い」の感じ方(温冷感)まで解析。「ダブル温度熱交換器」で2つの異なる温度の風を同時に作り、個人の温冷感に応じて吹き分けます。部屋の断熱性を解析して最適な運転を行う「おへや学習機能」などを備え、きめ細かく節電します。また、ナノイー濃度が従来の10倍になった微粒子イオン「ナノイーX」や、空気の汚れに応じて可動する新搭載の「アクティブクリーンフィルター」で部屋の空気を清潔にする空気清浄機能も充実しています。

※実売価格は編集部調べ。年間電気代は1kWhあたり27円で計算(以下同)

 

WXシリーズ 戸井田さんのレコメンド

動くフィルターで空気清浄機としても使える!

「空気の汚れを感知して、空気清浄フィルターが自動で動く『アクティブクリーンフィルター』がユニーク! エネルギー効率を重視し、空気の汚れがある時だけ密度の高い高性能フィルターが出てくるので、省エネ性を維持しつつ空気を浄化することができます。4.0kWの200V仕様なら20畳相当をカバーできますよ。空気清浄機として単独運転もできるので、わざわざ空気清浄機を置きたくないという人にもオススメ。2018年モデルから無線LAN内蔵になり、『エオリアアプリ』をダウンロードすればすぐにスマホで遠隔操作が可能になりました。

↑アクティブクリーンフィルターの仕組み。空気が汚れに応じてフィルターが可動します(画像出典:パナソニック公式サイト)

 

また、室温と湿度のバランスを考えた『快適除湿モード』、弱冷房で除湿する『冷房除湿モード』のほか、ナノイーXで脱臭しながら除湿する『衣類乾燥モード』を搭載と、除湿機能が充実しているのが魅力。その他、熱交換器の『ホコリレスコーティング』が、オンリーワン。フィン表面だけでなく切断面までしっかりコーティングを施すことで汚れをはじく仕上げです。耐塩害仕様で、海岸近くのエリアでも大丈夫。北海道・東北電力推薦の『あったかエアコン』になっているほど暖房性能も高く、寒い地域の人にも安心です!」(戸井田さん)

 

【パナソニックのオススメその2 セカンドモデル】

省エネ性能以外の機能は最上位と同レベル!

エオリア Xシリーズ

CS-X408C2(※200V)

実売価格25万1600円

省エネ性能が高い「スクロールコンプレッサー」を採用していない(※)以外は、最上位のWXシリーズと同等の機能を搭載。「ナノイーX」と「内部クリーン」運転でエアフィルターを除菌する「オートクリーンシステム」、熱交換機表面(フィン切断面)にもコーティングした「ホコリレスコーティング」「フィルターお掃除ロボット」などで機内を清潔に保ちます。APF(通年エネルギー消費効率)は、200Vの「CS-X408C2」を選べば「WX」シリーズとあまり変わりませんが、100Vの「CS-X408C」の場合、APFは6.3とややダウン。その結果、年間の電気代目安も5000円ほど高くなっています。

※Xシリーズでは、5.6kW(18畳用)以上でスクロールコンプレッサーを搭載

 

Xシリーズ 戸井田さんのレコメンド

最先端の機能がありながら本体価格はお得!

「セカンドグレードに当たりますが、目玉機能である『アクティブクリーンフィルター』『ナノイーX』をはじめ、『ダブル温度熱交換器』や無線LAN内蔵、除湿機能、センサーなど、最上位WXと機能は一緒です。違いはAPFが下がる点。最先端の機能を少しでもおトクな価格で試したい人向けです。能力のバリエーションが幅広く用意されており、6畳用~29畳用まで10種類と豊富に用意しているのも強みです(WXシリーズは14畳用以上のみ6種類)。WX同様、空気清浄機を置かずに済むのでそのぶん費用も浮き、空気清浄機の置き場所も必要なくリビングを広々と活用できます。グッドデザイン賞を受賞した『Jコンセプトシリーズ』のエアコンなので、インテリアにこだわりたい人にもオススメ」(戸井田さん)

↑ダブル温度熱交換器の仕組み。センサーが個々の人の「暑い」「寒い」の感じ方を見分け、フラップで2つの温度の風を混ぜずに独立して吹き分けることで、複数の人を同時に快適にします

 

【パナソニックのオススメその3 コンパクトモデル】

「フィルターお掃除ロボット」搭載でも奥行きはコンパクト!

エオリア EXシリーズ

CS-EX408C2(※200V)

実売価格14万6800円

奥行き239mmとコンパクトなモデル。フィルターについたホコリをかき取って自動で配管穴から屋外に排出する「フィルターお掃除ロボット」もしっかり搭載。「ホコリレスコーティング」や「アクティブクリーンフィルター」は省かれていますが、「ナノイーX」での機内の除菌やカビの抑制は可能です。ナノイーXによる空気清浄機能はないものの、空気がエアコンを通過する度に0.3μmの粒子を80%以上キャッチする「クリーンフィルター」を内蔵し、空気の汚れをキャッチ。心地よいリズムの気流を作り出す「1/f ゆらぎ気流」も搭載しています。

 

EXシリーズ 戸井田さんのレコメンド

「こちらは上から4番目のグレードです。フィルターお掃除ロボットの自動排出方式搭載なのに、設置性が良いのがウリ。これより下のグレードは、ダストボックスに集めたホコリを手動で捨てる方式になります。人がいるかいないかを見分けて省エネ運転をする『不在省エネ』や『オートオフ機能』、部屋の特性を学習する『おへや学習機能』、『日射センサー』などはしっかり搭載しており、省エネと快適性をソフト面でカバーしています。

↑フィルターお掃除ロボットの仕組み。かき取ったホコリは配管穴から自動排出します(画像出典:パナソニック公式サイト)

 

ただ、最上位と比べると消費電力が多いので、長時間使う部屋よりは短時間使う部屋にオススメ。また、本体価格が抑えられている割に、オートセーブやオートオフ機能があるので、出入りの激しい小さなお子さんが居るリビングに使うのもオススメです。別売の無線アダプターをつければスマホによる遠隔操作もできるので、自己管理がまだ難しいお子さんがお留守番するときも安心ですね」(戸井田さん)

 

総括

Xは高性能でWXよりコンパクト。EXはエアコンをスッキリ見せたい人に

「WXシリーズは、省エネ性能を強化し、パナソニックの技術を詰め込んだ『全部のせ』タイプ。冷暖房の性能も高く、エアコン内部の清掃機能や空気清浄機能も高性能です。アプリで様々な操作が可能ですし、最先端のエアコンライフを楽しむならこのモデルでしょう。200V仕様は寸法フリータイプで本体幅899mmとやや大きめということもあり、電源や取り付け位置のレイアウト確認も忘れずに。なお、4.0kW(冷房14畳用)以上の大きさのみの展開なので、これより小さい部屋の場合はXシリーズをチェックしましょう。

 

Xシリーズは、性能・機能は最上位モデルと基本的には一緒。こちらもWXシリーズ同様、北海道・東北電力推薦の『あったかエアコン』で暖房性能が高いです。室内機の幅が799mmの寸法規定サイズになるため、そのぶん最上位のWXよりAPFが落ちますが、半間幅(約91cm)のスペースで高性能のエアコンをつけたい場合に最適です。リビングにも使える14畳用は100Vと200Vの仕様があり、200VのほうがAPF7.2と優秀。200Vでも本体価格はほぼ変わらないので、電源工事をしてでも200Vの方がオススメです。100Vか200Vかの確認は、エアコン専用コンセントの表示を確認するか、エアコン専用コンセントの穴の数(100Vは2つ、200Vは3つ)で判断してください。

↑200Vのコンセントの穴の形状は、スペック表にも表示されています(赤い円で囲んだ部分)。同じ形状か否か、しっかりチェックしましょう

 

EXシリーズは、全体的に性能は下がりますが、冷暖房の基本能力は搭載しており、日々の使いやすさを重視したタイプです。奥行きがコンパクトなので、エアコンをできるだけすっきり収めたい人にオススメ。お掃除ロボット搭載で清潔性も維持もしやすいです。4.0kW(14畳用)以上は200Vなので電源の確認を!」(戸井田さん)

 

メーカーその4 東芝

【東芝のエアコンの特徴とは?】

電機集じん方式の空気清浄機を搭載し、キレイなフォルムも魅力

「他メーカーに比べて、シリーズが少なく、選択肢があまりないのが惜しい。ただし東芝のエアコンは、しっかりした空気清浄機能が搭載されているのがウリで、エアコンで全シリーズ空気清浄機能の具体的なスペックが表記できるのは東芝のみ。全シリーズに搭載されている『プラズマ空清』は、プラズマ放電で汚れを帯電させて熱交換器に吸着させる『電気集じん方式』なので、空気清浄用のフィルターが不要、かつ交換の手間やコストもかかりません。空気清浄機を床に一台置く必要がなく、そのぶん部屋が広く使えるのもメリットです。

 

また、デザインエアコンと言えるほどの特別仕様ではないですが、室内機のキレイなフォルムは高評価。両サイドを包むように巻き込んでいる前面パネルが、すっきりとした印象を与えてくれます」(戸井田さん)

東芝のオススメその1 ハイエンドモデル

空気清浄機能の適用範囲が広く、「エナジーセーブコンプレッサー」で省エネ性能も高い

大清快 E-DRシリーズ

RAS-E405DR

実売価格21万8000円

省エネ性能が高い最上位モデル。必要な能力に応じてシリンダーを切り替える、東芝独自の「エナジーセーブコンプレッサー」を搭載。「節電」ボタンを押せば、扇風機並みの省電力45Wで運転が可能です。「プラズマ空清」は、4.0kWで適用床面積15畳と他モデルに比べてパワフル。また「Wビッグルーバー」を搭載し、二間続きの部屋でも隅々まで風が行き渡ります。寒くなりにくい「おすすめ除湿」を搭載するほか、「衣類乾燥」モードを選べば4kgの洗濯物が3時間で乾燥できます。

※200V電源の機種は適用畳数20畳。実売価格は編集部調べ。年間電気代は1kWhあたり27円で計算(以下同)

 

E-DRシリーズ 戸井田さんのレコメンド

好みの気流が選べるうえ、長時間使うほどオトク!

「すべての機能が搭載されているフルスペックの最上位モデル。東芝独自の『エナジーセーブコンプレッサー』が採用されている唯一のモデルで、コンプレッサーのシリンダーが2つあり、フル稼働の時は2シリンダーを動かし、安定してくると1シリンダーだけ動かすことで少ない電力で運転できます。『プラズマ空清』に加え、『空質センサー』で得た情報をわかりやすく表示する『エアモニター』があるのもこのシリーズのみ。空質センサーが空気の汚れを感知するとランプがオレンジ色に、キレイになると青色に光り、状況が一目でわかります。

↑エナジーセーブコンプレッサーの仕組み。設定温度に近づくと2シリンダー運転から1シリンダー運転に切り替えて、エネルギーを節約します(画像出典:東芝公式サイト)

 

『Wビッグルーバー』でワイドかつロングに気流が届き、リモコンの『スイング』ボタンで『上下』『左右』『上下左右同時』の3つのモードが選べます。さらに、状況に応じて『風よけ』『風あて』『ワイド』『スポット』の4つの気流が選べる『快適気流』もあり。さらに、暖房はあらかじめ時刻を予約しておくと、それまでに室外機・室内機がスタンバイ状態になり、スイッチを入れると30秒で温風が出る『秒速ダッシュ暖房』が便利です。

 

最近の住宅は高気密・高断熱になっているだけに、温度が安定したときに電力が少なくてすむ『エナジーセーブコンプレッサー』の技術が活きてきます。ですから本機の場合、少しの外出(冷房1時間・暖房30分目安)でオンオフするのはやめて、ずっとつけたままにするのがオススメ。長時間エアコンを使う人ほど、電気代がおトクになりますよ!」(戸井田さん)

↑E-DRシリーズの設置例

 

東芝のオススメその2 中位モデル

フィルター自動お掃除機能を搭載し、センサーによる省エネ運転が充実

大清快 E-Rシリーズ

RAS-E405R

実売価格13万9800円

上位機種同様、「プラズマ空清」を搭載。最上位機種と同様、「楽ダストボックス」「フィルター自動お掃除」を搭載し、お掃除・清潔機能が充実しています。「楽ダストボックス」はフィルター自動お掃除でたまったホコリを掃除機で吸えるのが便利です。「ecoモード」では「人サーチセンサー」「明るさ〔日あたり〕サーチセンサー」により省エネ運転を実施。「人サーチセンサー」で不在が30分続くと自動で能力を抑え、1時間で運転を停止します。

※1:18畳用のRAS-E566Rのプラズマ空清の適用畳数は18畳 ※2:18畳用のRAS-E566RのみWビッグルーバーを搭載

 

E-Rシリーズ 戸井田さんのレコメンド

基本性能は最上位に劣るが、コンパクトサイズとメンテ性能が魅力

「4.0kWまでの機種なら、高さ250mm幅790mmとコンパクトサイズなので、狭い窓上にも収まります。また『フィルター自動お掃除』と、この機能で溜まったホコリを吸い取ることができる『楽ダストボックス』があるのは、このグレードまで。清潔性を重視する人にオススメです。

↑「楽ダストボックス」の吸引イメージ。フィルター自動お掃除で溜まったホコリを専用のお掃除ノズル(付属)を使って、掃除機で吸引できます(画像出典:東芝公式サイト)

 

センサーは、『人サーチセンサー』と『明るさ〔日あたり〕サーチセンサー』の2つ(最上位も同じ)。『ecoモード』やボタンひとつで省電力運転を行う『節電運転』など、節電機能も上位機種と同等です。ただし、『エアモニター』『Wビッグルーバー』『快適気流』は非搭載(※)。APFは4.9と、基本性能は上位機種に比べるとやや落ちます。

※18畳用のRAS-E566RのみWビッグルーバーを搭載

 

共働きなどで日中エアコンはあまり使わないが、省スペースで設置しつつ、メンテナンスの手間は省きたいという人にオススメ。下位モデルと本体価格は大きく変わらないので、お手入れをエアコンにお任せしたいなら、ぜひこちらを選ぶべき」(戸井田さん)

 

【東芝のオススメその3 コンパクトモデル】

「プラズマ空清」と熱交換器の汚れを洗い流す機能を搭載

大清快 E-Pシリーズ

RAS-E405P 

実売価格12万9800円

上位機種と同じく、東芝独自の「プラズマ空清」を搭載したコンパクトモデル。PM0.1レベルの微細な粒子も集めて帯電し、熱交換機に吸着して屋外に排出します。フィルターの自動お掃除機能はありませんが、除湿や冷房時に発生した水が熱交換器の汚れを洗い流す「マジック洗浄熱交換器」を搭載。運転停止後、プラズマ乾燥で送風路内のイヤなニオイも脱臭します。水平から足元まで風向をコントロールする「クルッとルーバー」で部屋の隅々まで風を届けます。

 

↑上下左右同時にスイングする「クルッとルーバー」を搭載(画像出典:東芝公式サイト)

 

E-Pシリーズ 戸井田さんのレコメンド

少しでも安く、使用頻度が低い部屋に設置したい人に

「こちらも、高さ250mm幅790mmのコンパクトサイズ。コンプレッサーや気流制御は、ひとつ上のE-Rシリーズと同等で、APFも変わりません。除湿に関しても同等。違いは掃除機能と省エネ運転関係で、フィルターの自動お掃除と『楽ダストボックス』は非搭載ですが、熱交換器の汚れを自動で洗浄して屋外へ排出したり、送風路のニオイを脱臭したりする機能は残っています。

 

また、センサーは『人サーチセンサー』がなくなり、『明るさ〔日あたり〕サーチセンサー』のみ。人がいない時、セーブ運転や自動オフにはなりませんが、部屋に入る日照を感知して、冷暖房の運転を調整してくれます。

 

基本性能はひとつ上のE-Rシリーズと同等なので、少しでも安くエアコンを調達したい人にオススメ。ただ、フィルター掃除や『ecoモード』などはなくなるので、自己管理が前提となります。日常的に頻繁に使う部屋よりは、使用頻度が低い予備部屋や客間などに設置したいところ。手入れの手間やムダな電気代がかからずにすむでしょう」(戸井田さん)

 

総括

価格を抑えるなら清潔機能をカバーするE-Rシリーズがオススメ

※1:200V電源の機種は適用畳数20畳 ※2:18畳用のRAS-E566Rのプラズマ空清の適用畳数は18畳 ※3:18畳用のRAS-E566RのみWビッグルーバーを搭載

 

「E-DRシリーズは、すべての機能が搭載されているフルスペックモデル。独自のコンプレッサーを搭載し、基本性能が高いのが最大のウリです。在室時間が長いリビングや寝室などにオススメ。6畳(2.2kW)~26畳(8.0kW)まで全ラインナップが揃っているので、どんな大きさの部屋でも選べるのもこのグレードの特徴です。14畳(4.0kW)は100V(品番:RAS-E405DR)と200V(品番:RAS-E406DR)があり、200Vの方がAPFが高いので、より省エネ性能を求めるなら200Vで計画を!

 

E-Rシリーズは、基本性能はやや落ちるものの、清潔機能と省エネ機能はカバーされているモデルです。最上位と比べると、電気代は1年間で8000円強の差があり、また空気清浄能力も落ちるので、在宅率が低い家庭向き。コンパクトサイズを活かして、設置条件が厳しい場所の選択肢として有効です。ラインナップは18畳まで5機種で、12畳(3.6kW)はありません。また、5.6kWの18畳タイプ(品番:RAS-E566R)は高さが250mmではなくなる(293mmになる)ので、設置寸法で選ぶ場合は注意して下さい。

 

E-Pシリーズは、基本性能はひとつ上のE-Rシリーズと一緒。ラインナップは6畳(2.2kW)~14畳(4.0kW)までの4機種で、12畳(3.6kW)はなし。清潔機能や省エネ機能もシンプルなので、エアコンの使用頻度が少ない部屋向きです。ひとつ上のE-Rシリーズと実売価格で大きな差がないなら、E-Rシリーズのほうがオススメです!」(戸井田さん)

↑E-Rシリーズの設置例

 

メーカーその5 富士通ゼネラル

【富士通ゼネラルのエアコンの特徴とは?】

室内温度のムラをなくし、清潔機能でも一歩先行く

「冷暖房ともに室内温度のムラをなくし、快適にするのが富士通ゼネラルのポリシー。風を感じにくい穏やかな冷暖房はとても心地がいいもので、両サイドにファンを搭載した『デュアルブラスター』はそれを具現化するための象徴的な機構です。また、部屋の温度・湿度を計測し独自のアルゴリズムで分析して、季節と室温に応じて冷房・送風・除湿・暖房の切り替えを自動で行う『毎日快適モード』を全シリーズに搭載。これにより、運転モードの切り替えを気にせず生活でき、『一年中つけたままにする』という、一歩踏み込んだ新しい提案をしています。

 

清潔機能においても、同社は積極的な提案をしてきました。『フィルター自動おそうじ』機能を、業界で初めて開発したのは同社。さらに2018年モデルのXシリーズには、業界初の『熱交換器加熱除菌』を搭載。熱交換器のフィンとフィンの隙間に水分が残るとカビの原因となりますが、その水分を55℃以上に加熱してお湯にすることでカビ菌・細菌を除去できます。日立の『凍結洗浄』もそうですが、エアコン内部の清潔機能が今後のトレンドになりそうです」(戸井田さん)

 

【富士通ゼネラルのオススメその1 プレミアムモデル】

「熱交換器加熱除菌」「メタルハイコート」で内部は常に清潔!

ノクリア Xシリーズ

AS-X40H2

実売価格24万6460円

冷房や除湿で発生した水を加熱して、カビ菌・細菌などを除去する業界初の新提案「熱交換器加熱除菌」を搭載したプレミアムモデル。冷風・温風が吹き出すセンターファンをチタン化合物などでコーティングした「メタルハイコート」でホコリの付着も防止します。本体両側に設置されたサイドファン「デュアルブラスター」も特徴。本体センターからの「冷暖気流」とともに、温度と速さの違う2種類の気流を生み出して制御することで(ハイブリッド気流)、部屋全体の空気をムラなく快適にします。

↑加熱除菌運転の効果のイメージ(画像出典:富士通ゼネラル公式サイト)

 

※実売価格は編集部調べ。年間電気代は1kWhあたり27円で計算(以下同)

 

Xシリーズ 戸井田さんのレコメンド

「デュアルブラスター」が温度ムラを減らし、清潔機能も充実

「本体両サイドについているファン『デュアルブラスター』が他メーカーにはない機能。冷房時は下に落ちやすい冷気を両サイドのファンから吹き出す風で持ち上げ、また、風を人に当てて涼感をアップさせることも可能です。暖房時は天井に昇りがちな暖気を両サイドのファンから吹き出す風で押さえつけ、暖気を床全体に広げるので、足元がしっかり温まり、顔だけが温まってぼーっとすることがなくなります。冷気だまり・暖気だまりができやすい大きな部屋や、長時間エアコンを使うと風が気になるという人にオススメです。部屋全体の温度を均一にするので、家事で四六時中動いていたり、子どもが常に動き回っていたり……といった家庭には最適ですね。

↑冷房(左)では、室内機の左右に搭載した「デュアルブラスター」の室温気流が冷気を持ち上げ、遠くまで運んで部屋中をムラなく涼しく。また、暖房時(右)は床付近を這うように遠くへ暖気が行き届きます(画像出典:富士通ゼネラル公式サイト)

 

また、深夜の暖房運転は静音運転に自動で切り替えるなど、AI(人工知能)が分析・判断して最適な運転を行う『ノクリアセレクト』を搭載。このほか、エアコン任せで自動で最適な運転を行う『おまかせノクリア』では、全シリーズ標準の『毎日快適』モードに加え、X、XS、Zの上位モデルのみ搭載する『毎日みまもり』モードも用意しています。こちらは夏は31度以上・冬は15度以下になると自動運転を開始してくれるので、体感温度が鈍くなりがちな高齢者の見守りとしても活用できます。

 

清潔機能は、他のグレートにもある『熱交換器加熱除菌』『フィルター自動おそうじ』のほか、『メタルハイコート』と、電気集じんで室内の空気もキレイにする『プラズマ空清』が搭載されるなど、機能が充実しています。除湿は寒くならない再熱除湿、あるいは弱冷房除湿と、いずれかを好みに合わせて選べるので便利です」(戸井田さん)

 

【富士通ゼネラルのオススメその2 セカンドモデル】

「デュアルブラスター」搭載ながら「熱交換器加熱除菌」などを省略

ノクリア XSシリーズ

AS-XS40H

実売価格18万6840円

「デュアルブラスター」を搭載したスタンダードモデル。2種類の気流で室温を制御する「ハイブリッド気流」で、冷房時は気流を攪拌し、やわらかな風を部屋中に行き渡らせます。「熱交換器加熱除菌」は非搭載なものの、「フィルター自動おそうじ」は搭載。室温、リモコン付近、床温度の3点を計測する「3D温度センサー」を活用して運転を制御し、暖めすぎ・冷やしすぎのムダを抑制します。あらかじめ室温を上げて、霜取り運転中も暖かさをキープする「ホットキープ除霜」も搭載。

 

XSシリーズ 戸井田さんのレコメンド

デュアルブラスター搭載かつ設置スペースも少なくて済む!

「簡単に言うと『デュアルブラスター』は搭載しながら、『熱交換器加熱除菌』『プラズマ空清』などを省略し、価格を手ごろにしたモデルです。Xシリーズに比べ清潔機能と低温暖房能力が落ちますが、先述の『おまかせノクリア』や『ノクリアセレクト』といった便利機能やリモコンなどは最上位モデルと一緒です。除湿は再熱除湿はなく弱冷房除湿方式。温度が下がる『ソフトクール除湿』と、寒くなりにくい『ひかえめ除湿』の2モードから選べます。『デュアルブラスター』による温度ムラのない冷暖房が実現できるので、快適性重視の部屋で使うのがオススメ。『毎日快適』モードにすれば、ムダなく最適運転をしてくれます。子どもだけで過ごすときや、季節の変わり目で運転モードに悩むときなどにぜひ活用して下さい。

 

上位機種と同様、抗菌・防カビコーティングを施した『ハイドロフィリック熱交換器』となっていますが、エアコン内部の清潔機能は『フィルター自動おそうじ』のみ。Xシリーズに比べて清潔機能は大きく省かれているので、汚れやすいキッチン近くではなく、比較的汚れにくい子ども部屋や寝室で使うのがいいでしょう。6.3kW(20畳用)・7.1kW(23畳用)でも幅786mmとコンパクトなので、設置できるスペースが半間(約91cm)しかない部屋にも取り付けられます」(戸井田さん)

↑「ハイドロフィリック熱交換器」イメージ。冷房時と除湿時に発生した水で、熱交換器を自動で洗浄します(画像出典:富士通ゼネラル公式サイト)

 

【富士通ゼネラルのオススメその3 ベーシックモデル】

清潔維持機能を重視したコンパクトなモデル

ノクリア Dシリーズ

AS-D40H

実売価格15万1200円

「デュアルブラスター」はありませんが、「熱交換器加熱除菌」を搭載したコンパクトモデル。スリムながら「フィルター自動おそうじ」もあり、清潔維持機能が重視されています。電気集じん方式の「プラズマ空清」の搭載により、0.3~2.5μmの粒子を88%キャッチして、部屋の空気を浄化してくれます。また、人感センサー「不在ECO」で人の有無を検知して、ひかえめ運転への切り替えやオン・オフを自動的に行い、節電をサポート。

 

Dシリーズ 戸井田さんのレコメンド

この価格帯で清潔機能が充実しているのはうれしい

「このクラスではかなりハイスペックでコスパが高いモデル。2018年モデルの目玉機能『熱交換器加熱除菌』を搭載するほか、『プラズマ空清』『フィルター自動おそうじ』などもあり、清潔機能は十分。お手入れが気になる人にはうれしいところですが、暖房を快適にする機能は少なくなるので、冷房メインの部屋で使うといいでしょう。

 

センサーは『人感センサー』のみになりますが、人がいなくなると節電運転に切り替えてくれるので省エネ。一年中適切な運転をセレクトしてくれる『毎日快適モード』もあります。両サイドの『デュアルブラスター』がないぶん、すっきりとした見た目になっているのはデザイン面にこだわる人にとっては魅力ですね。本体の高さが250mmで、高さ295mm(上部38mm・下部7mm)あれば設置できるスリム設計がウリ。パネルデザインもスッキリコンパクトで、狭い部屋でも圧迫感なく収まります。もうひとつ下にCシリーズもありますが、価格差があまりないでこちらがオススメ」(戸井田さん)

↑窓上のスペースにも収まる、コンパクトでスッキリしたボディが魅力(画像出典:富士通ゼネラル公式サイト)

 

総括

「デュアルブラスター」「熱交換器加熱除菌」の有無で選択を!

「Xシリーズは『デュアルブラスター』に加え、清潔機能も便利機能もすべて搭載するフルスペックモデル。室温を均一に保つ冷暖房がしっかり実現されているので、エアコンの風が苦手という人も満足できます。両サイドにファンがありますが、5.6kW(18畳用)までは横幅が786mmに収まっています。それを超えると横幅が大きくなるので(20畳用のAS-X63H2だと幅898mm)、設置スペースにご注意を。

 

なお、停止時の姿は、以前のモデルよりもかなりスッキリしましたが、運転時は両サイドの『デュアルブラスター』が動くためメカニックな印象。『カッコいい』と感じる人と『ゴツい』と感じる人と、好みが分かれるデザインなので、動いた状態を見て判断することをオススメします。

 

XSシリーズは、清潔維持機能と暖房の快適機能が省かれているほか、APFも最上位機種に比べて低く、年間の電気代はXシリーズと比べて6000円強高くなります。清潔性を維持する機能が少ないため、エアコン内部のお手入れは定期的に業者に頼むつもりで購入をしたほうがいいでしょう。本シリーズは、とにかく風があたる冷暖房が苦手で、風をダイレクトに感じにくい『デュアルブラスター』をお手ごろに手に入れたいという人に最適です。

 

Dシリーズはデュアルブラスター非搭載ですが、清潔維持機能が充実しているモデル。冷暖房の快適性より、お手入れの手間を省くことを重視する人向き。スリムタイプなので、設置スペースに制約がある場合にも合っています。なお、ラインナップは2.2kW(6畳)~5.6kW(18畳)までなので、大きい部屋はXSまたはXシリーズで検討を!」(戸井田さん)

 

メーカーその6 日立

【日立のエアコンの特徴とは?】

「凍結洗浄」を新開発し、清潔性に磨きをかけた

「日立のエアコンは、『白くまくん』の愛称でおなじみ。寒冷地仕様を除くと全5シリーズあり、選びやすいバリエーションとなっています。室内機の内部にステンレスを採用した独自の『ステンレス・クリーン システム』で清潔性の高さには定評アリ。今季はさらに、熱交換器を凍らせてから一気に溶かして汚れを洗い流す『凍結洗浄』を開発。最下位モデルを除く4シリーズに搭載し、ますます清潔性を高めてきました。

 

近年、室内の状況をセンシングするために各社さまざまなセンサーを搭載していますが、画像によってセンシングするのは日立のみ。また、基本性能であるエネルギー効率が高いのも特徴です。高さや奥行きが小さいモデルも積極的に展開し、設置性が良い点も見逃せません」(戸井田さん)

 

【日立のオススメその1 ハイエンドモデル】

「くらしカメラAI」で幅広いデータを把握し、適した空調を行う

白くまくん Xシリーズ

RAS-X40H2

実売価格24万9130円

「くらしカメラ AI」と「凍結洗浄Premium」を搭載した最上位モデル。30万画素のセンサーを採用した画像カメラ、温度カメラや近赤外線LED技術を搭載した「くらしカメラ AI」で室内をセンシング。在室人数や時間、一人ひとりの体感温度までを把握し、高精度な空調制御を可能にしました。天井の温度を検知して天井から伝わる熱を抑える間接冷房「プレミアム天井気流」も備えています。また、熱交換器を凍らせて汚れを洗い流す「凍結洗浄」は、本シリーズでは「凍結洗浄Premium」に。「くらしカメラ AI」でエアコン内部の汚れ方を予測して自動で2回洗浄するなど、清潔性をキープする能力も高いです。ホコリなどを帯電させてフィルターで捕集する「ステンレスイオン空清」も採用。

※実売価格は編集部調べ。年間電気代は1kWhあたり27円で計算(以下同)

 

Xシリーズ 戸井田さんのレコメンド

基本性能が高く内部クリーン機能が優秀

「最上位のプレミアムモデルです。APF7.7と基本性能が高く、幅800mm以下のコンパクトサイズながら優秀な省エネ性能を達成しています。エアコンを長時間使う生活スタイルであれば、よりメリットを感じるはず。『くらしカメラ AI』は、温度・湿度に加え、人の識別・在室時間・活動量・間取り・家具や窓の位置など、多数の情報を把握し、快適かつ省エネな運転をしてくれます。ただ、中央部分にカメラやセンサーがあり、運転時は全面パネルが開いて、フラップも6枚可動するのでややゴチャゴチャした見た目に。すっきりしたインテリアにしたい人は、運転時の姿を確認してください。

 

『カラッと除湿』は、寒くならずに除湿ができる再熱除湿を採用。室温が低くてもしっかり除湿ができるので、梅雨時や秋口も快適です。また、起きる時刻に合わせて温度と湿度をコントロールする新『快眠』モードや、タイマー時間が経過して運転停止した後も、室温の上昇や寝返りの頻度を見て、自動で再運転を行う『みはっておやすみ』タイマーなど、快眠のための機能が充実しているのもうれしいところです。

 

なお、ウリである『凍結洗浄』は、『くらしカメラ AI』により部屋の状況を認識して、汚れがひどくなる前に自動洗浄をするのがこのシリーズの特徴。エアコン内部を清潔に保つ機能は、他社より完成度が高いと感じます。そのため、調理時の油煙がつきやすいLDKなどに設置するのもオススメですね」(戸井田さん)

↑「くらしカメラ AI 」には、近赤外線LED技術や画像カメラ、温度カメラなど多数のセンシング機器を搭載(画像出典:日立公式サイト)

 

【日立のオススメその2 スタンダードモデル】

白くまくん E・ELシリーズ

RAS-E40H2

実売価格20万3040円

一部機能は省かれているものの、「凍結洗浄」と「くらしカメラ F」を搭載

「凍結洗浄Standard」と「くらしカメラ F」を搭載したスタンダードモデル。熱交換器を凍らせて自動で洗浄する「凍結洗浄」は、汚れを予測して洗浄する機能はありませんが、基本的な機能は最上位機種と同等です。「くらしカメラ F」は温度カメラ、湿度カメラなどは省かれていますが、画像で室内の状況を認識して人のいるエリアだけに風を送るなど温度や風向、風量をコントロールしてくれます。上位機種と同様、人がいなくなると1時間で運転を自動停止する「オートオフ」や「風よけエリアセレクト」機能も搭載されています。

 

E・ELシリーズ 戸井田さんのレコメンド

清潔性は優秀で、複数の人が居ても効率よく運転

「最上位シリーズと同様に『凍結洗浄』を搭載していて、不在時の自動洗浄のほか、タイマーでの洗浄の設定もできます。これより下のグレードでは『凍結洗浄』のタイマー設定はできません。フィルター自動掃除機能のほか、内部は『ステンレス・クリーン システム』で汚れがつきにくいのがメリット。汚れが多い環境で使うなら、タイマーで定期的に洗浄すると、汚れがたまらず清潔に使えます。

 

家具の位置や形状を検知し、気流の通り道を見つけて送風する機能は省略。フラップも6枚ではなくなりますが、人の位置と足もと、人数、活動量、日差しなどを認識して、温度・風向・風量をコントロールしてくれるので、複数の人がくつろぐ空間でも効率よく運転してくれます。冷やしすぎない冷房『涼快』や寒くならない再熱方式の『カラッと除湿』搭載で冷房機能は快適。寝返りの感知はありませんが、温度を見張って暑くなると再運転してくれる『みはっておやすみ』タイマーは搭載されています」(戸井田さん)

↑「凍結洗浄」の仕組み。熱交換器を急速冷却。大量の霜をつけて一気に溶かし、汚れを洗い流したのちに乾燥させます(画像出典:日立公式サイト)

 

【日立のオススメその3 ベーシックモデル】

「凍結洗浄」「フィルター自動お掃除」を省略して価格を抑えた

白くまくん Dシリーズ

RAS-D40H2

実売価格11万3400円

「凍結洗浄」を搭載しないベーシックモデル。フィルターの自動お掃除機能はありませんが、通風路、フラップ、フィルターにステンレスを採用した日立独自の「ステンレス・クリーン」仕様で、エアコン内の菌や汚れを抑制します。また、日差しを感知する「くらしセンサー」で日差しの変化を見分け、「ecoこれっきり」ボタンを押すだけで曇りや夜になると控えめ運転に切り替わります。除湿は弱冷房方式で、吹き出す風の量をコントロールして肌寒さを抑える「ソフト除湿」となっています。

 

Dシリーズ 戸井田さんのレコメンド

「『凍結洗浄』や『フィルター自動お掃除』などの清潔維持機能を省き、必要最低限の機能に絞ったベーシックモデルです。センサーは、温度・湿度のほか日差しを見る『くらしセンサー』を搭載。日差しの変化を見分けて、省エネ・快適な運転を行います。切りタイマーをセットしていても、室温が上がると再運転する『みはっておやすみ』タイマーは本シリーズにも搭載。室内機が小さく、狭いスペースにも収まるので、設置スペースの狭い部屋に向いています。

 

ほとんどの機能を省略して価格を優先しているので、予備室や使用頻度の少ない部屋向き。内部の清潔機能が最小限ということもあって、汚れが発生しやすい部屋やタバコを吸う人が使う部屋などは避けた方が無難でしょう」(戸井田さん)

↑室内機がコンパクトなので、少ないスペースで設置できます(画像出典:日立公式サイト)

 

総括

日立のウリの機能を網羅したいならE・ELシリーズも狙い目

「Xシリーズは基本性能が高く、多彩な機能を搭載。まさに日立の技術を結集したプレミアムなモデルです。6畳(2.2kW)~29畳(9.0kW)まで、幅広いラインナップを用意。また、3.6kW(12畳)には珍しく100Vと200Vがあります。200Vのほうが年間の電気代が2500円ほど安くなるので、電源に問題がなければ、200Vタイプがおすすめです。なお、他メーカーと比べて、最上位のXシリーズとそれ以下のシリーズとの機能差が大きいのも特徴。Xシリーズだと年間の電気代も1万円以上安くなる計算です。快適性も省エネ性も差がつくので、予算が許すならXシリーズがオススメ。

 

E・ELシリーズは『凍結洗浄』搭載のスタンダードモデル。価格を抑えつつ、日立のウリの機能を網羅したいならこちらです。ただ、最上位Xシリーズとの差はかなりあるので、欲しい機能が落ちていないか、しっかり確認を! また、ひとつ下のW・WLシリーズは室内機がコンパクトな設計になっていますが、価格差はあまりないので、設置寸法に制約がない場合はE・ELシリーズがオススメです。

 

Dシリーズはもっとも廉価なベーシックモデル。といってもAPFや低温時暖房能力など、冷暖房の基本性能は悪い数値ではありません。付加機能は必要最低限で、快適性能も重視されていませんが、そこは割り切って『とりあえず冷暖房が欲しい』という部屋であれば問題なし。ラインナップは5.6kW(18畳)までなのでご注意を」(戸井田さん)

 

【2018年版】日立のエアコン「白くまくん」値段が違うと何が違う? 家電のプロがオススメ3モデルを徹底比較

エアコンを買い替えるなら、設置工事が混みあう前のいまの時期に選んでおくべき。それはわかっているけれど、どのモデルを選べばいいのかわからない……。そんな人のために、今回は清潔機能やセンシング機能に定評のある日立の「白くまくん」をご紹介。家電のプロ・戸井田園子さんにお願いし、3つの価格帯ごとにオススメの3モデルを選んでもらいました。各モデルは、電気代から機能の有無まで表組みで比較しています。ぜひ参考にしてみてください!

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

20170629reese_1-3

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

【日立のエアコンの特徴とは?】

「凍結洗浄」を新開発し、清潔性に磨きをかけた

「日立のエアコンは、『白くまくん』の愛称でおなじみ。寒冷地仕様を除くと全5シリーズあり、選びやすいバリエーションとなっています。室内機の内部にステンレスを採用した独自の『ステンレス・クリーン システム』で清潔性の高さには定評アリ。今季はさらに、熱交換器を凍らせてから一気に溶かして汚れを洗い流す『凍結洗浄』を開発。最下位モデルを除く4シリーズに搭載し、ますます清潔性を高めてきました。

 

近年、室内の状況をセンシングするために各社さまざまなセンサーを搭載していますが、画像によってセンシングするのは日立のみ。また、基本性能であるエネルギー効率が高いのも特徴です。高さや奥行きが小さいモデルも積極的に展開し、設置性が良い点も見逃せません」(戸井田さん)

 

【スペックの見方】

「APF」が高いほど省エネ性能が高い

「適用畳数」の読み方は、「冷房11~17畳」という場合だと、木造住宅で11畳(左の数値)、鉄筋住宅で17畳(右の数値)に適しているという意味になります。11~17畳の範囲で使えるというわけではないので、ご注意ください。また、夏場を前にしたエアコン選びで見落としがちなのが、暖房の能力。暖房の適用畳数は冷房よりも小さいため、冷房の適用畳数が部屋のギリギリのモデルを購入してしまうと、夏場はいいが冬場はなかなか暖まりにくいといった事態になります。暖房の適用畳数は余裕をもって選びましょう。

 

「APF」とはAnnual Performance Factorの略で、1年間、JIS(日本工業規格)に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなるので、予算内でこの数値がなるべく大きいものを選びましょう。なお、APFは普及価格モデルだと4.0~5.0台、最上位モデルだと7.0台になります。APFとよく似た数値として、「期間消費電力量」があります。こちらは年間を通じてエアコンを使用したとき、消費する電力量の目安のこと。JISが定めた一定の条件をもとに試算したもので、数値が低いほど電気代がかからないことになります。

 

寒冷地では「低温暖房能力」も要チェック

kWで表される「能力」とは、単位時間当たりに室内から取り除くエネルギー、または室内に与える熱エネルギーのこと。この数値が大きいほど広い部屋に対応します。今回はリビングで使われることが多い14畳用を想定し、冷房能力4.0kWのモデルを紹介しています。

 

「省エネ基準達成率」は、省エネルギー法が定めるAPFの基準値(目標値)をどれくらいクリアしているかを示すもの。ただし、冷房能力とサイズによって目標値が違うので、純粋に省エネ性能を比較するならAPFの数値を確認すべき。「低温暖房能力」はその名の通り、低温時の能力の目安。JISが定めた条件下(室内20度、室外2度)での能力を示し、数値が高いほど優秀です。寒冷地の方は注目したいポイントです。

↑下位モデルのスペックの例。APFは4.9、期間消費電力量は1544kWhです

 

↑上位モデルのスペックの例。期間消費電力量、APF、低温暖房能力(「外気温2℃時の暖房能力」と表記)など、すべてが下位モデルを大きく上回っています

 

【日立のオススメその1 ハイエンドモデル】

「くらしカメラAI」で幅広いデータを把握し、適した空調を行う

白くまくん Xシリーズ

RAS-X40H2

実売価格24万9130円

「くらしカメラ AI」と「凍結洗浄Premium」を搭載した最上位モデル。30万画素のセンサーを採用した画像カメラ、温度カメラや近赤外線LED技術を搭載した「くらしカメラ AI」で室内をセンシング。在室人数や時間、一人ひとりの体感温度までを把握し、高精度な空調制御を可能にしました。天井の温度を検知して天井から伝わる熱を抑える間接冷房「プレミアム天井気流」も備えています。また、熱交換器を凍らせて汚れを洗い流す「凍結洗浄」は、本シリーズでは「凍結洗浄Premium」に。「くらしカメラ AI」でエアコン内部の汚れ方を予測して自動で2回洗浄するなど、清潔性をキープする能力も高いです。ホコリなどを帯電させてフィルターで捕集する「ステンレスイオン空清」も採用。

※実売価格は編集部調べ。年間電気代は1kWhあたり27円で計算(以下同)

 

Xシリーズ 戸井田さんのレコメンド

基本性能が高く内部クリーン機能が優秀

「最上位のプレミアムモデルです。APF7.7と基本性能が高く、幅800mm以下のコンパクトサイズながら優秀な省エネ性能を達成しています。エアコンを長時間使う生活スタイルであれば、よりメリットを感じるはず。『くらしカメラ AI』は、温度・湿度に加え、人の識別・在室時間・活動量・間取り・家具や窓の位置など、多数の情報を把握し、快適かつ省エネな運転をしてくれます。ただ、中央部分にカメラやセンサーがあり、運転時は全面パネルが開いて、フラップも6枚可動するのでややゴチャゴチャした見た目に。すっきりしたインテリアにしたい人は、運転時の姿を確認してください。

 

『カラッと除湿』は、寒くならずに除湿ができる再熱除湿を採用。室温が低くてもしっかり除湿ができるので、梅雨時や秋口も快適です。また、起きる時刻に合わせて温度と湿度をコントロールする新『快眠』モードや、タイマー時間が経過して運転停止した後も、室温の上昇や寝返りの頻度を見て、自動で再運転を行う『みはっておやすみ』タイマーなど、快眠のための機能が充実しているのもうれしいところです。

 

なお、ウリである『凍結洗浄』は、『くらしカメラ AI』により部屋の状況を認識して、汚れがひどくなる前に自動洗浄をするのがこのシリーズの特徴。エアコン内部を清潔に保つ機能は、他社より完成度が高いと感じます。そのため、調理時の油煙がつきやすいLDKなどに設置するのもオススメですね」(戸井田さん)

↑「くらしカメラ AI 」には、近赤外線LED技術や画像カメラ、温度カメラなど多数のセンシング機器を搭載(画像出典:日立公式サイト)

 

【日立のオススメその2 スタンダードモデル】

白くまくん E・ELシリーズ

RAS-E40H2

実売価格20万3040円

一部機能は省かれているものの、「凍結洗浄」と「くらしカメラ F」を搭載

「凍結洗浄Standard」と「くらしカメラ F」を搭載したスタンダードモデル。熱交換器を凍らせて自動で洗浄する「凍結洗浄」は、汚れを予測して洗浄する機能はありませんが、基本的な機能は最上位機種と同等です。「くらしカメラ F」は温度カメラ、湿度カメラなどは省かれていますが、画像で室内の状況を認識して人のいるエリアだけに風を送るなど温度や風向、風量をコントロールしてくれます。上位機種と同様、人がいなくなると1時間で運転を自動停止する「オートオフ」や「風よけエリアセレクト」機能も搭載されています。

 

E・ELシリーズ 戸井田さんのレコメンド

清潔性は優秀で、複数の人が居ても効率よく運転

「最上位シリーズと同様に『凍結洗浄』を搭載していて、不在時の自動洗浄のほか、タイマーでの洗浄の設定もできます。これより下のグレードでは『凍結洗浄』のタイマー設定はできません。フィルター自動掃除機能のほか、内部は『ステンレス・クリーン システム』で汚れがつきにくいのがメリット。汚れが多い環境で使うなら、タイマーで定期的に洗浄すると、汚れがたまらず清潔に使えます。

 

家具の位置や形状を検知し、気流の通り道を見つけて送風する機能は省略。フラップも6枚ではなくなりますが、人の位置と足もと、人数、活動量、日差しなどを認識して、温度・風向・風量をコントロールしてくれるので、複数の人がくつろぐ空間でも効率よく運転してくれます。冷やしすぎない冷房『涼快』や寒くならない再熱方式の『カラッと除湿』搭載で冷房機能は快適。寝返りの感知はありませんが、温度を見張って暑くなると再運転してくれる『みはっておやすみ』タイマーは搭載されています」(戸井田さん)

↑「凍結洗浄」の仕組み。熱交換器を急速冷却。大量の霜をつけて一気に溶かし、汚れを洗い流したのちに乾燥させます(画像出典:日立公式サイト)

 

【日立のオススメその3 ベーシックモデル】

「凍結洗浄」「フィルター自動お掃除」を省略して価格を抑えた

白くまくん Dシリーズ

RAS-D40H2

実売価格11万3400円

「凍結洗浄」を搭載しないベーシックモデル。フィルターの自動お掃除機能はありませんが、通風路、フラップ、フィルターにステンレスを採用した日立独自の「ステンレス・クリーン」仕様で、エアコン内の菌や汚れを抑制します。また、日差しを感知する「くらしセンサー」で日差しの変化を見分け、「ecoこれっきり」ボタンを押すだけで曇りや夜になると控えめ運転に切り替わります。除湿は弱冷房方式で、吹き出す風の量をコントロールして肌寒さを抑える「ソフト除湿」となっています。

 

Dシリーズ 戸井田さんのレコメンド

「『凍結洗浄』や『フィルター自動お掃除』などの清潔維持機能を省き、必要最低限の機能に絞ったベーシックモデルです。センサーは、温度・湿度のほか日差しを見る『くらしセンサー』を搭載。日差しの変化を見分けて、省エネ・快適な運転を行います。切りタイマーをセットしていても、室温が上がると再運転する『みはっておやすみ』タイマーは本シリーズにも搭載。室内機が小さく、狭いスペースにも収まるので、設置スペースの狭い部屋に向いています。

 

ほとんどの機能を省略して価格を優先しているので、予備室や使用頻度の少ない部屋向き。内部の清潔機能が最小限ということもあって、汚れが発生しやすい部屋やタバコを吸う人が使う部屋などは避けた方が無難でしょう」(戸井田さん)

↑室内機がコンパクトなので、少ないスペースで設置できます(画像出典:日立公式サイト)

 

総括

日立のウリの機能を網羅したいならE・ELシリーズも狙い目

「Xシリーズは基本性能が高く、多彩な機能を搭載。まさに日立の技術を結集したプレミアムなモデルです。6畳(2.2kW)~29畳(9.0kW)まで、幅広いラインナップを用意。また、3.6kW(12畳)には珍しく100Vと200Vがあります。200Vのほうが年間の電気代が2500円ほど安くなるので、電源に問題がなければ、200Vタイプがおすすめです。なお、他メーカーと比べて、最上位のXシリーズとそれ以下のシリーズとの機能差が大きいのも特徴。Xシリーズだと年間の電気代も1万円以上安くなる計算です。快適性も省エネ性も差がつくので、予算が許すならXシリーズがオススメ。

 

E・ELシリーズは『凍結洗浄』搭載のスタンダードモデル。価格を抑えつつ、日立のウリの機能を網羅したいならこちらです。ただ、最上位Xシリーズとの差はかなりあるので、欲しい機能が落ちていないか、しっかり確認を! また、ひとつ下のW・WLシリーズは室内機がコンパクトな設計になっていますが、価格差はあまりないので、設置寸法に制約がない場合はE・ELシリーズがオススメです。

 

Dシリーズはもっとも廉価なベーシックモデル。といってもAPFや低温時暖房能力など、冷暖房の基本性能は悪い数値ではありません。付加機能は必要最低限で、快適性能も重視されていませんが、そこは割り切って『とりあえず冷暖房が欲しい』という部屋であれば問題なし。ラインナップは5.6kW(18畳)までなのでご注意を」(戸井田さん)

 

【2018年版】富士通ゼネラルのエアコン「ノクリア」値段が違うと何が違う? 家電のプロがオススメ3モデルを徹底比較

エアコンを買い替えるなら、設置工事が混みあう前のいまの時期に選んでおくべき。それはわかっているけれど、どのモデルを選べばいいのかわからない……。そんな人のために、今回は快適性と清潔性で定評のある富士通ゼネラルの「ノクリア」を紹介。家電のプロ・戸井田園子さんにお願いし、3つの価格帯ごとにオススメの3モデルを選んでもらいました。各モデルは、電気代から機能の有無まで表組みで比較しています。ぜひ参考にしてみてください!

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

20170629reese_1-3

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

【富士通ゼネラルのエアコンの特徴とは?】

室内温度のムラをなくし、清潔機能でも一歩先行く

「冷暖房ともに室内温度のムラをなくし、快適にするのが富士通ゼネラルのポリシー。風を感じにくい穏やかな冷暖房はとても心地がいいもので、両サイドにファンを搭載した『デュアルブラスター』はそれを具現化するための象徴的な機構です。また、部屋の温度・湿度を計測し独自のアルゴリズムで分析して、季節と室温に応じて冷房・送風・除湿・暖房の切り替えを自動で行う『毎日快適モード』を全シリーズに搭載。これにより、運転モードの切り替えを気にせず生活でき、『一年中つけたままにする』という、一歩踏み込んだ新しい提案をしています。

 

清潔機能においても、同社は積極的な提案をしてきました。『フィルター自動おそうじ』機能を、業界で初めて開発したのは同社。さらに2018年モデルのXシリーズには、業界初の『熱交換器加熱除菌』を搭載。熱交換器のフィンとフィンの隙間に水分が残るとカビの原因となりますが、その水分を55℃以上に加熱してお湯にすることでカビ菌・細菌を除去できます。日立の『凍結洗浄』もそうですが、エアコン内部の清潔機能が今後のトレンドになりそうです」(戸井田さん)

 

【スペックの見方】

「APF」が高いほど省エネ性能が高い

「適用畳数」の読み方は、「冷房11~17畳」という場合だと、木造住宅で11畳(左の数値)、鉄筋住宅で17畳(右の数値)に適しているという意味になります。11~17畳の範囲で使えるというわけではないので、ご注意ください。また、夏場を前にしたエアコン選びで見落としがちなのが、暖房の能力。暖房の適用畳数は冷房よりも小さいため、冷房の適用畳数が部屋のギリギリのモデルを購入してしまうと、夏場はいいが冬場はなかなか暖まりにくいといった事態になります。暖房の適用畳数は余裕をもって選びましょう。

 

「APF」とはAnnual Performance Factorの略で、1年間、規格に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなるので、予算内でこの数値がなるべく大きいものを選びましょう。なお、APFは普及価格モデルだと4.0~5.0台、最上位モデルだと7.0台になります。APFとよく似た数値として、「期間消費電力量」があります。こちらは年間を通じてエアコンを使用したとき、消費する電力量の目安のこと。JISが定めた一定の条件をもとに試算したもので、数値が低いほど電気代がかからないことになります。

 

寒冷地では「低温暖房能力」も要チェック

kWで表される「能力」とは、単位時間当たりに室内から取り除くエネルギー、または室内に与える熱エネルギーのこと。この数値が大きいほど広い部屋に対応します。今回はリビングで使われることが多い14畳用を想定し、冷房能力4.0kWのモデルを紹介しています。

 

「省エネ基準達成率」は、JIS(日本工業規格)が定めるAPFの基準値(目標値)をどれくらいクリアしているかを示すもの。ただし、冷房能力とサイズによって目標値が違うので、純粋に省エネ性能を比較するならAPFの数値を確認すべき。「低温暖房能力」はその名の通り、低温時の能力の目安。JISが定めた条件下(室内20度、室外2度)での能力を示し、数値が高いほど優秀です。暖房を重視する方は注目したいポイントです。

↑下位モデルのスペックの例。APFは4.9、期間消費電力量は1544kWhです

 

↑上位モデルのスペックの例。期間消費電力量、APF、低温暖房能力(「外気温2℃時の暖房能力」と表記)など、すべてが下位モデルを大きく上回っています

 

【富士通ゼネラルのオススメその1 プレミアムモデル】

「熱交換器加熱除菌」「メタルハイコート」で内部は常に清潔!

ノクリア Xシリーズ

AS-X40H2

実売価格24万6460円

冷房や除湿で発生した水を加熱して、カビ菌・細菌などを除去する業界初の新提案「熱交換器加熱除菌」を搭載したプレミアムモデル。冷風・温風が吹き出すセンターファンをチタン化合物などでコーティングした「メタルハイコート」でホコリの付着も防止します。本体両側に設置されたサイドファン「デュアルブラスター」も特徴。本体センターからの「冷暖気流」とともに、温度と速さの違う2種類の気流を生み出して制御することで(ハイブリッド気流)、部屋全体の空気をムラなく快適にします。

↑加熱除菌運転の効果のイメージ(画像出典:富士通ゼネラル公式サイト)

 

※実売価格は編集部調べ。年間電気代は1kWhあたり27円で計算(以下同)

 

Xシリーズ 戸井田さんのレコメンド

「デュアルブラスター」が温度ムラを減らし、清潔機能も充実

「本体両サイドについているファン『デュアルブラスター』が他メーカーにはない機能。冷房時は下に落ちやすい冷気を両サイドのファンから吹き出す風で持ち上げ、また、風を人に当てて涼感をアップさせることも可能です。暖房時は天井に昇りがちな暖気を両サイドのファンから吹き出す風で押さえつけ、暖気を床全体に広げるので、足元がしっかり温まり、顔だけが温まってぼーっとすることがなくなります。冷気だまり・暖気だまりができやすい大きな部屋や、長時間エアコンを使うと風が気になるという人にオススメです。部屋全体の温度を均一にするので、家事で四六時中動いていたり、子どもが常に動き回っていたり……といった家庭には最適ですね。

↑冷房(左)では、室内機の左右に搭載した「デュアルブラスター」の室温気流が冷気を持ち上げ、遠くまで運んで部屋中をムラなく涼しく。また、暖房時(右)は床付近を這うように遠くへ暖気が行き届きます(画像出典:富士通ゼネラル公式サイト)

 

また、深夜の暖房運転は静音運転に自動で切り替えるなど、AI(人工知能)が分析・判断して最適な運転を行う『ノクリアセレクト』を搭載。このほか、エアコン任せで自動で最適な運転を行う『おまかせノクリア』では、全シリーズ標準の『毎日快適』モードに加え、X、XS、Zの上位モデルのみ搭載する『毎日みまもり』モードも用意しています。こちらは夏は31度以上・冬は15度以下になると自動運転を開始してくれるので、体感温度が鈍くなりがちな高齢者の見守りとしても活用できます。

 

清潔機能は、他のグレートにもある『熱交換器加熱除菌』『フィルター自動おそうじ』のほか、『メタルハイコート』と、電気集じんで室内の空気もキレイにする『プラズマ空清』が搭載されるなど、機能が充実しています。除湿は寒くならない再熱除湿、あるいは弱冷房除湿と、いずれかを好みに合わせて選べるので便利です」(戸井田さん)

 

【富士通ゼネラルのオススメその2 セカンドモデル】

「デュアルブラスター」搭載ながら「熱交換器加熱除菌」などを省略

ノクリア XSシリーズ

AS-XS40H

実売価格18万6840円

「デュアルブラスター」を搭載したスタンダードモデル。2種類の気流で室温を制御する「ハイブリッド気流」で、冷房時は気流を攪拌し、やわらかな風を部屋中に行き渡らせます。「熱交換器加熱除菌」は非搭載なものの、「フィルター自動おそうじ」は搭載。室温、リモコン付近、床温度の3点を計測する「3D温度センサー」を活用して運転を制御し、暖めすぎ・冷やしすぎのムダを抑制します。あらかじめ室温を上げて、霜取り運転中も暖かさをキープする「ホットキープ除霜」も搭載。

 

XSシリーズ 戸井田さんのレコメンド

デュアルブラスター搭載かつ設置スペースも少なくて済む!

「簡単に言うと『デュアルブラスター』は搭載しながら、『熱交換器加熱除菌』『プラズマ空清』などを省略し、価格を手ごろにしたモデルです。Xシリーズに比べ清潔機能と低温暖房能力が落ちますが、先述の『おまかせノクリア』や『ノクリアセレクト』といった便利機能やリモコンなどは最上位モデルと一緒です。除湿は再熱除湿はなく弱冷房除湿方式。温度が下がる『ソフトクール除湿』と、寒くなりにくい『ひかえめ除湿』の2モードから選べます。『デュアルブラスター』による温度ムラのない冷暖房が実現できるので、快適性重視の部屋で使うのがオススメ。『毎日快適』モードにすれば、ムダなく最適運転をしてくれます。子どもだけで過ごすときや、季節の変わり目で運転モードに悩むときなどにぜひ活用して下さい。

 

上位機種と同様、抗菌・防カビコーティングを施した『ハイドロフィリック熱交換器』となっていますが、エアコン内部の清潔機能は『フィルター自動おそうじ』のみ。Xシリーズに比べて清潔機能は大きく省かれているので、汚れやすいキッチン近くではなく、比較的汚れにくい子ども部屋や寝室で使うのがいいでしょう。6.3kW(20畳用)・7.1kW(23畳用)でも幅786mmとコンパクトなので、設置できるスペースが半間(約91cm)しかない部屋にも取り付けられます」(戸井田さん)

↑「ハイドロフィリック熱交換器」イメージ。冷房時と除湿時に発生した水で、熱交換器を自動で洗浄します(画像出典:富士通ゼネラル公式サイト)

 

【富士通ゼネラルのオススメその3 ベーシックモデル】

清潔維持機能を重視したコンパクトなモデル

ノクリア Dシリーズ

AS-D40H

実売価格15万1200円

「デュアルブラスター」はありませんが、「熱交換器加熱除菌」を搭載したコンパクトモデル。スリムながら「フィルター自動おそうじ」もあり、清潔維持機能が重視されています。電気集じん方式の「プラズマ空清」の搭載により、0.3~2.5μmの粒子を88%キャッチして、部屋の空気を浄化してくれます。また、人感センサー「不在ECO」で人の有無を検知して、ひかえめ運転への切り替えやオン・オフを自動的に行い、節電をサポート。

 

Dシリーズ 戸井田さんのレコメンド

この価格帯で清潔機能が充実しているのはうれしい

「このクラスではかなりハイスペックでコスパが高いモデル。2018年モデルの目玉機能『熱交換器加熱除菌』を搭載するほか、『プラズマ空清』『フィルター自動おそうじ』などもあり、清潔機能は十分。お手入れが気になる人にはうれしいところですが、暖房を快適にする機能は少なくなるので、冷房メインの部屋で使うといいでしょう。

 

センサーは『人感センサー』のみになりますが、人がいなくなると節電運転に切り替えてくれるので省エネ。一年中適切な運転をセレクトしてくれる『毎日快適モード』もあります。両サイドの『デュアルブラスター』がないぶん、すっきりとした見た目になっているのはデザイン面にこだわる人にとっては魅力ですね。本体の高さが250mmで、高さ295mm(上部38mm・下部7mm)あれば設置できるスリム設計がウリ。パネルデザインもスッキリコンパクトで、狭い部屋でも圧迫感なく収まります。もうひとつ下にCシリーズもありますが、価格差があまりないでこちらがオススメ」(戸井田さん)

↑窓上のスペースにも収まる、コンパクトでスッキリしたボディが魅力(画像出典:富士通ゼネラル公式サイト)

 

総括

「デュアルブラスター」「熱交換器加熱除菌」の有無で選択を!

「Xシリーズは『デュアルブラスター』に加え、清潔機能も便利機能もすべて搭載するフルスペックモデル。室温を均一に保つ冷暖房がしっかり実現されているので、エアコンの風が苦手という人も満足できます。両サイドにファンがありますが、5.6kW(18畳用)までは横幅が786mmに収まっています。それを超えると横幅が大きくなるので(20畳用のAS-X63H2だと幅898mm)、設置スペースにご注意を。

 

なお、停止時の姿は、以前のモデルよりもかなりスッキリしましたが、運転時は両サイドの『デュアルブラスター』が動くためメカニックな印象。『カッコいい』と感じる人と『ゴツい』と感じる人と、好みが分かれるデザインなので、動いた状態を見て判断することをオススメします。

 

XSシリーズは、清潔維持機能と暖房の快適機能が省かれているほか、APFも最上位機種に比べて低く、年間の電気代はXシリーズと比べて6000円強高くなります。清潔性を維持する機能が少ないため、エアコン内部のお手入れは定期的に業者に頼むつもりで購入をしたほうがいいでしょう。本シリーズは、とにかく風があたる冷暖房が苦手で、風をダイレクトに感じにくい『デュアルブラスター』をお手ごろに手に入れたいという人に最適です。

 

Dシリーズはデュアルブラスター非搭載ですが、清潔維持機能が充実しているモデル。冷暖房の快適性より、お手入れの手間を省くことを重視する人向き。スリムタイプなので、設置スペースに制約がある場合にも合っています。なお、ラインナップは2.2kW(6畳)~5.6kW(18畳)までなので、大きい部屋はXSまたはXシリーズで検討を!」(戸井田さん)

【2018年版】東芝エアコン「大清快」価格が違うと何が違う? 家電のプロがオススメ3モデルを徹底比較!

エアコンを買い替えるなら、設置工事が混みあう前に選んでおきたい。でも、どのモデルを選べばいいのかわからない……。そんな人のために、今回は空気清浄機能「プラズマ空清」をはじめ、独自技術が光る東芝の「大清快」をご紹介。家電のプロ・戸井田園子さんが3つの価格帯ごとにオススメモデルを選び、詳しくガイドしていきます。各モデルは、表組みで機能を徹底比較していますので、ぜひ参考にしてみてください!

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

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雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

【東芝のエアコンの特徴とは?】

電機集じん方式の空気清浄機を搭載し、キレイなフォルムも魅力

「他メーカーに比べて、シリーズが少なく、選択肢があまりないのが惜しい。ただし東芝のエアコンは、しっかりした空気清浄機能が搭載されているのがウリで、エアコンで全シリーズ空気清浄機能の具体的なスペックが表記できるのは東芝のみ。全シリーズに搭載されている『プラズマ空清』は、プラズマ放電で汚れを帯電させて熱交換器に吸着させる『電気集じん方式』なので、空気清浄用のフィルターが不要、かつ交換の手間やコストもかかりません。空気清浄機を床に一台置く必要がなく、そのぶん部屋が広く使えるのもメリットです。

 

また、デザインエアコンと言えるほどの特別仕様ではないですが、室内機のキレイなフォルムは高評価。両サイドを包むように巻き込んでいる前面パネルが、すっきりとした印象を与えてくれます」(戸井田さん)

 

【スペックの見方】

「APF」が高いほど省エネ性能が高い

「適用畳数」の読み方は、「冷房11~17畳」という場合だと、木造住宅で11畳(左の数値)、鉄筋住宅で17畳(右の数値)に適しているという意味になります。11~17畳の範囲で使えるというわけではないので、ご注意ください。また、夏場を前にしたエアコン選びで見落としがちなのが、暖房の能力。暖房の適用畳数は冷房よりも小さいため、冷房の適用畳数が部屋のギリギリのモデルを購入してしまうと、夏場はいいが冬場はなかなか暖まりにくいといった事態になります。暖房の適用畳数は余裕をもって選びましょう。

 

「APF」とはAnnual Performance Factorの略で、1年間、規格に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなるので、予算内でこの数値がなるべく大きいものを選びましょう。なお、APFの目安は普及価格モデルだと4~5点台、最上位モデルだと7点台になります。APFとよく似た数値として、「期間消費電力量」があります。こちらは年間を通じてエアコンを使用したとき、消費する電力量の目安のこと。JISが定めた一定の条件をもとに試算したもので、数値が低いほど電気代がかからないことになります。

 

寒冷地では「低温暖房能力」も要チェック

kWで表される「能力」とは、単位時間当たりに室内から取り除くエネルギー、または室内に与える熱エネルギーのこと。この数値が大きいほど広い部屋に対応します。今回はリビングで使われることが多い14畳用を想定し、冷房能力4.0kWのモデルを紹介しています。

 

「省エネ基準達成率」は、JIS(日本工業規格)が定めるAPFの基準値(目標値)をどれくらいクリアしているかを示すもの。ただし、冷房能力とサイズによって目標値が違うので、純粋に省エネ性能を比較するならAPFの数値を確認すべき。「低温暖房能力」はその名の通り、低温時の能力の目安。JISが定めた条件下(室内20度、室外2度)での能力を示し、数値が高いほど優秀です。寒冷地の方は注目したいポイントです。

↑下位モデルのスペックの例。APFは4.9、期間消費電力量は1544kWhです

 

↑上位モデルのスペックの例。期間消費電力量、APF、低温暖房能力(「外気温2℃時の暖房能力」と表記)など、すべてが下位モデルを大きく上回っています

 

東芝のオススメその1 ハイエンドモデル

空気清浄機能の適用範囲が広く、「エナジーセーブコンプレッサー」で省エネ性能も高い

大清快 E-DRシリーズ

RAS-E405DR

実売価格21万8000円

省エネ性能が高い最上位モデル。必要な能力に応じてシリンダーを切り替える、東芝独自の「エナジーセーブコンプレッサー」を搭載。「節電」ボタンを押せば、扇風機並みの省電力45Wで運転が可能です。「プラズマ空清」は、4.0kWで適用床面積15畳と他モデルに比べてパワフル。また「Wビッグルーバー」を搭載し、二間続きの部屋でも隅々まで風が行き渡ります。寒くなりにくい「おすすめ除湿」を搭載するほか、「衣類乾燥」モードを選べば4kgの洗濯物が3時間で乾燥できます。

※200V電源の機種は適用畳数20畳。実売価格は編集部調べ。年間電気代は1kWhあたり27円で計算(以下同)

 

E-DRシリーズ 戸井田さんのレコメンド

好みの気流が選べるうえ、長時間使うほどオトク!

「すべての機能が搭載されているフルスペックの最上位モデル。東芝独自の『エナジーセーブコンプレッサー』が採用されている唯一のモデルで、コンプレッサーのシリンダーが2つあり、フル稼働の時は2シリンダーを動かし、安定してくると1シリンダーだけ動かすことで少ない電力で運転できます。『プラズマ空清』に加え、『空質センサー』で得た情報をわかりやすく表示する『エアモニター』があるのもこのシリーズのみ。空質センサーが空気の汚れを感知するとランプがオレンジ色に、キレイになると青色に光り、状況が一目でわかります。

↑エナジーセーブコンプレッサーの仕組み。設定温度に近づくと2シリンダー運転から1シリンダー運転に切り替えて、エネルギーを節約します(画像出典:東芝公式サイト)

 

『Wビッグルーバー』でワイドかつロングに気流が届き、リモコンの『スイング』ボタンで『上下』『左右』『上下左右同時』の3つのモードが選べます。さらに、状況に応じて『風よけ』『風あて』『ワイド』『スポット』の4つの気流が選べる『快適気流』もあり。さらに、暖房はあらかじめ時刻を予約しておくと、それまでに室外機・室内機がスタンバイ状態になり、スイッチを入れると30秒で温風が出る『秒速ダッシュ暖房』が便利です。

 

最近の住宅は高気密・高断熱になっているだけに、温度が安定したときに電力が少なくてすむ『エナジーセーブコンプレッサー』の技術が活きてきます。ですから本機の場合、少しの外出(冷房1時間・暖房30分目安)でオンオフするのはやめて、ずっとつけたままにするのがオススメ。長時間エアコンを使う人ほど、電気代がおトクになりますよ!」(戸井田さん)

↑E-DRシリーズの設置例

 

東芝のオススメその2 中位モデル

フィルター自動お掃除機能を搭載し、センサーによる省エネ運転が充実

大清快 E-Rシリーズ

RAS-E405R

実売価格13万9800円

上位機種同様、「プラズマ空清」を搭載。最上位機種と同様、「楽ダストボックス」「フィルター自動お掃除」を搭載し、お掃除・清潔機能が充実しています。「楽ダストボックス」はフィルター自動お掃除でたまったホコリを掃除機で吸えるのが便利です。「ecoモード」では「人サーチセンサー」「明るさ〔日あたり〕サーチセンサー」により省エネ運転を実施。「人サーチセンサー」で不在が30分続くと自動で能力を抑え、1時間で運転を停止します。

※1:18畳用のRAS-E566Rのプラズマ空清の適用畳数は18畳 ※2:18畳用のRAS-E566RのみWビッグルーバーを搭載

 

E-Rシリーズ 戸井田さんのレコメンド

基本性能は最上位に劣るが、コンパクトサイズとメンテ性能が魅力

「4.0kWまでの機種なら、高さ250mm幅790mmとコンパクトサイズなので、狭い窓上にも収まります。また『フィルター自動お掃除』と、この機能で溜まったホコリを吸い取ることができる『楽ダストボックス』があるのは、このグレードまで。清潔性を重視する人にオススメです。

↑「楽ダストボックス」の吸引イメージ。フィルター自動お掃除で溜まったホコリを専用のお掃除ノズル(付属)を使って、掃除機で吸引できます(画像出典:東芝公式サイト)

 

センサーは、『人サーチセンサー』と『明るさ〔日あたり〕サーチセンサー』の2つ(最上位も同じ)。『ecoモード』やボタンひとつで省電力運転を行う『節電運転』など、節電機能も上位機種と同等です。ただし、『エアモニター』『Wビッグルーバー』『快適気流』は非搭載(※)。APFは4.9と、基本性能は上位機種に比べるとやや落ちます。

※18畳用のRAS-E566RのみWビッグルーバーを搭載

 

共働きなどで日中エアコンはあまり使わないが、省スペースで設置しつつ、メンテナンスの手間は省きたいという人にオススメ。下位モデルと本体価格は大きく変わらないので、お手入れをエアコンにお任せしたいなら、ぜひこちらを選ぶべき」(戸井田さん)

 

【東芝のオススメその3 コンパクトモデル】

「プラズマ空清」と熱交換器の汚れを洗い流す機能を搭載

大清快 E-Pシリーズ

RAS-E405P 

実売価格12万9800円

上位機種と同じく、東芝独自の「プラズマ空清」を搭載したコンパクトモデル。PM0.1レベルの微細な粒子も集めて帯電し、熱交換機に吸着して屋外に排出します。フィルターの自動お掃除機能はありませんが、除湿や冷房時に発生した水が熱交換器の汚れを洗い流す「マジック洗浄熱交換器」を搭載。運転停止後、プラズマ乾燥で送風路内のイヤなニオイも脱臭します。水平から足元まで風向をコントロールする「クルッとルーバー」で部屋の隅々まで風を届けます。

 

↑上下左右同時にスイングする「クルッとルーバー」を搭載(画像出典:東芝公式サイト)

 

E-Pシリーズ 戸井田さんのレコメンド

少しでも安く、使用頻度が低い部屋に設置したい人に

「こちらも、高さ250mm幅790mmのコンパクトサイズ。コンプレッサーや気流制御は、ひとつ上のE-Rシリーズと同等で、APFも変わりません。除湿に関しても同等。違いは掃除機能と省エネ運転関係で、フィルターの自動お掃除と『楽ダストボックス』は非搭載ですが、熱交換器の汚れを自動で洗浄して屋外へ排出したり、送風路のニオイを脱臭したりする機能は残っています。

 

また、センサーは『人サーチセンサー』がなくなり、『明るさ〔日あたり〕サーチセンサー』のみ。人がいない時、セーブ運転や自動オフにはなりませんが、部屋に入る日照を感知して、冷暖房の運転を調整してくれます。

 

基本性能はひとつ上のE-Rシリーズと同等なので、少しでも安くエアコンを調達したい人にオススメ。ただ、フィルター掃除や『ecoモード』などはなくなるので、自己管理が前提となります。日常的に頻繁に使う部屋よりは、使用頻度が低い予備部屋や客間などに設置したいところ。手入れの手間やムダな電気代がかからずにすむでしょう」(戸井田さん)

 

総括

価格を抑えるなら清潔機能をカバーするE-Rシリーズがオススメ

※1:200V電源の機種は適用畳数20畳 ※2:18畳用のRAS-E566Rのプラズマ空清の適用畳数は18畳 ※3:18畳用のRAS-E566RのみWビッグルーバーを搭載

 

「E-DRシリーズは、すべての機能が搭載されているフルスペックモデル。独自のコンプレッサーを搭載し、基本性能が高いのが最大のウリです。在室時間が長いリビングや寝室などにオススメ。6畳(2.2kW)~26畳(8.0kW)まで全ラインナップが揃っているので、どんな大きさの部屋でも選べるのもこのグレードの特徴です。14畳(4.0kW)は100V(品番:RAS-E405DR)と200V(品番:RAS-E406DR)があり、200Vの方がAPFが高いので、より省エネ性能を求めるなら200Vで計画を!

 

E-Rシリーズは、基本性能はやや落ちるものの、清潔機能と省エネ機能はカバーされているモデルです。最上位と比べると、電気代は1年間で8000円強の差があり、また空気清浄能力も落ちるので、在宅率が低い家庭向き。コンパクトサイズを活かして、設置条件が厳しい場所の選択肢として有効です。ラインナップは18畳まで5機種で、12畳(3.6kW)はありません。また、5.6kWの18畳タイプ(品番:RAS-E566R)は高さが250mmではなくなる(293mmになる)ので、設置寸法で選ぶ場合は注意して下さい。

 

E-Pシリーズは、基本性能はひとつ上のE-Rシリーズと一緒。ラインナップは6畳(2.2kW)~14畳(4.0kW)までの4機種で、12畳(3.6kW)はなし。清潔機能や省エネ機能もシンプルなので、エアコンの使用頻度が少ない部屋向きです。ひとつ上のE-Rシリーズと実売価格で大きな差がないなら、E-Rシリーズのほうがオススメです!」(戸井田さん)

↑E-Rシリーズの設置例

「気流制御」「省エネ」機能とも「5」のエアコンはコレだ! 家電のプロが最新3モデルを4項目で徹底チェック

最近のエアコンは特に、各社でアピールポイントがそれぞれ異なるため、部屋や目的に合わせて吟味したいところ。気流制御機能と省エネ性、メンテナンスのしやすさ、独自機能などを総合的にチェックして選びましょう。今回は、家電コーディネーターの戸井田園子さんが、「気流制御機能」「省エネ性能」「お掃除性能」「独自機能」の4つの項目でチェック。それぞれ5段階で採点したので、ぜひ参考にしてみてください!

 

【チェックした人】

家電コーディネーター

戸井田園子さん

テレビや雑誌、Webなど幅広い媒体で活躍しています。

 

デザイン性・気流制御など様々な特徴を持つ機種が登場

最近のエアコンは、気流制御が向上し、ますます快適に。多くの機種に新しいセンサー技術や吹き分け技術が搭載されています。デザインのブラッシュアップも顕著。今回はこれらの流れを踏まえつつ、4項目で吟味。気流制御の先進性では、体感温度を予測する三菱電機の「ムーブアイmirA.I.」が抜群だと家電コーディネーターの戸井田園子さんは語ります。

 

「複数の人の体感温度を検知できて優秀。冷暖房と送風を交互に運転する機能で省エネかつ快適です」

 

省エネ性では独自の2シリンダーで運転制御する東芝も優秀。本格的な空気清浄機能もユニークです。一方、デザイン面ではダイキンのrisoraがスタイリッシュ。

 

「7色展開でインテリアに合ったモデルが選べます」(戸井田さん)

 

【その1】最新の「ムーブアイ」が少し先の体感温度を予測し先回り冷暖房

三菱電機

霧ヶ峰 FZシリーズ

実売価格32万1840

(MSZ-FZ4018S-W/14畳)

先進のAI技術で少し先の体感温度を予測するモデル。新型コンプレッサーがハイパワー運転と安定運転時の両方で高効率運転を行います。運転停止中も室温が28℃以上になると冷房を開始する機能を搭載。【冷房能力:4.0kW】【低温時暖房能力:8.5kW】【期間消費電力量:970kWh】【サイズ/質量(室内機):W890×H285×D358mm/22.0kg】

↑センサーが住宅性能、外気温や日射熱など熱源の影響を検知。室温が変わる前に各人の体感温度を先読みし冷暖房を行います
↑家族ごとの温度の感じ方の差に合わせて左右独立駆動のファンで気流の強さと方向を細かく制御。暖房時足元温度差最大5℃で、暑がりも寒がりも快適です

 

【戸井田さんのJUDGE!】

気流制御機能:☆×5

省エネ性能:☆×5

お掃除性能:☆×4

独自機能:☆×4.5

気流制御やセンサーの技術力が圧倒的!

「業界初のダブルファン構造や、体感温度を予測して先回り運転するセンサー技術が見事。エアコン吹き出し口が中まで取り外しやすく、メンテナンスしやすいのもうれしい」(戸井田)

 

【その2】適用20畳の強力な空気清浄機能搭載で室内空気を通年浄化

東芝

大清快 E-DRシリーズ

実売価格30万450円(RAS-E406DR(W)/14畳)

PM0.1レベルの汚れも除去する強力な空気清浄機能を搭載。高性能コンプレッサーで冷やしすぎや温めすぎを抑えた快適空調を行います。エアコン内部自動掃除機能や抗菌の送風ファンなども採用し清潔性が高いです。【冷房能力:4.0kW】【低温時暖房能力:8.3kW】【期間消費電力量:1097kWh】【サイズ/質量(室内機):W798×H293×D352mm/17kg】

↑フィルター自動掃除したホコリは「楽ダストボックス」に。本体付属の掃除ノズルを掃除機に装着すれば、溜まったホコリを簡単に吸えます

 

↑微粒子をプラズマ空清ユニットで帯電させ、熱交換器に吸着。熱交換器は特殊コーティングしており、微粒子を除湿・冷房時に発生した水で洗い流します

 

【戸井田さんのJUDGE!】

気流制御機能:☆×4

省エネ性能:☆×4.5

お掃除性能:☆×4.5

独自機能:☆×4

室内空気と本体内部のキレイさは随一

「専用機レベルの空清機能搭載は東芝だけ。フィルター掃除後のホコリを掃除機で吸える機能も独創的。運転のON/OFFが少ない2シリンダー運転で省エネ性も高いです」(戸井田)

 

【その3】インテリアになじむ極薄スマートボディに多くの快適機能を搭載

ダイキン

Sシリーズ  risora(リソラ)

実売価格22万4850円(AN40VSP-W/14畳)

業界最薄の奥行き185㎜で、前面パネルの高級な質感がインテリアになじみます。設定温度到達後に温度と湿度を制御して、快適空間を維持する「プレミアム冷房」など、最上位機種譲りの機能を搭載。【冷房能力:4.0kW】【低温時暖房能力:5.5kW】【期間消費電力量:1513kWh】【サイズ/質量(室内機):W798×H295×D185mm/10kg】

↑専用アプリをスマホにダウンロードしエアコンを登録。屋外から運転ON/OFFやモード切替、温度・湿度調整が手軽に行えます

 

↑湾曲した2枚の吹出し羽根で気流を上に持ち上げ。冷房時は風を天井に沿わせることで人に直接当てず、身体にやさしい空調を行えます

 

【戸井田さんのJUDGE!】

気流制御機能:☆×4

省エネ性能:☆×3.5

お掃除性能:☆×3

独自機能:☆×5

デザイン性重視だが基本性能は不安なし

「薄型かつ前面パネルの高級感で、インテリア性を強く打ち出しているエアコン。カラバリが豊富なのも特徴です。もちろん、基本的な冷暖房能力や気流制御技術も不安なし」(戸井田)

【2018年版】パナソニックのエアコン「エオリア」値段が違うとココが違う! 家電のプロがオススメ3モデルを徹底比較

エアコンを買い替えるなら、設置工事が混みあう前のいまの時期に選んでおくべき。それはわかっているけれど、どのモデルを選べばいいのかわからない……。そんな人のために、今回は機能が豊富で、使いやすさに定評のあるパナソニックの「エオリア」をご紹介。家電のプロ・戸井田園子さんにお願いし、3つの価格帯ごとにオススメの3モデルを選んでもらいました。各モデルは、電気代から機能の有無まで表組みで比較しています。ぜひ参考にしてみてください!

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

20170629reese_1-3

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

【パナソニックのエアコンの特徴とは?】

プラスαの機能が充実し、使い勝手がいいのがメリット

「他社に比べて価格がややリーズナブルに設定され、家電量販店で高いシェアを誇っているのがパナソニック。全7グレードが用意され、幅広いラインナップでニーズに合ったモデルが選択できます。独自の微粒子イオン『ナノイー』での除菌・消臭機能や、『フィルターお掃除ロボット』を早くから搭載し、清潔性の維持にも力を入れてきました。重電メーカーと違ってパナソニックは家電メーカーだけに、使い勝手やプラスαの機能(ナノイーや『おやすみナビ』アプリなど)など、ソフトの提案に力を入れているのが特徴。一方で世界初、温度帯の異なる2つの冷風・温風を作る『ダブル温度熱交換器』や、室外機の蓄熱槽に排熱を蓄えて活用する『エネチャージシステム』など、基礎技術の開発にも積極的です」(戸井田さん)

 

【スペックの見方】

「APF」が高いほど省エネ性能が高い

「適用畳数」の読み方は、「冷房11~17畳」という場合だと、木造住宅で11畳(左の数値)、鉄筋住宅で17畳(右の数値)に適しているという意味になります。11~17畳の範囲で使えるというわけではないので、ご注意ください。また、夏場を前にしたエアコン選びで見落としがちなのが、暖房の能力。暖房の適用畳数は冷房よりも小さいため、冷房の適応畳数が部屋のギリギリのモデルを購入してしまうと、夏場はいいが冬場はなかなか暖まりにくいといった事態になります。暖房の適応畳数は余裕をもって選びましょう。

 

「APF」とはAnnual Performance Factorの略で、1年間、規格に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなるので、予算内でこの数値がなるべく大きいものを選びましょう。なお、APFは普及価格モデルだと4~5点台、最上位モデルだと7点台になります。APFとよく似た数値として、「期間消費電力量」があります。こちらは年間を通じてエアコンを使用したとき、消費する電力量の目安のこと。JISが定めた一定の条件をもとに試算したもので、数値が低いほど電気代がかからないことになります。

 

寒冷地では「低温暖房能力」も要チェック

kWで表される「能力」とは、単位時間当たりに室内から取り除くエネルギー、または室内に与える熱エネルギーのこと。この数値が大きいほど広い部屋に対応します。今回はリビングで使われることが多い14畳用を想定し、冷房能力4.0kWのモデルを紹介しています。

 

「省エネ基準達成率」は、JIS(日本工業規格)が定めるAPFの基準値(目標値)をどれくらいクリアしているかを示すもの。ただし、冷房能力とサイズによって目標値が違うので、純粋に省エネ性能を比較するならAPFの数値を確認すべき。「低温暖房能力」はその名の通り、低温時の能力の目安。JISが定めた条件下(室内20度、室外2度)での能力を示し、数値が高いほど優秀です。寒冷地の方は注目したいポイントです。

↑下位モデルのスペックの例。APFは4.9、期間消費電力量は1544kWhです
↑上位モデルのスペックの例。期間消費電力量、APF、低温暖房能力(「外気温2℃時の暖房能力」と表記)など、すべてが下位モデルを大きく上回っています

 

【パナソニックのオススメその1 ハイエンドモデル】

高効率のスクロールコンプレッサーで省エネ性は抜群

エオリア WXシリーズ

CS-WX408C2(※200V)

実売価格26万3700円

コンプレッサーに高効率な「スクロール方式」を採用し、省エネ性能を強化した最上位モデル。APF(通年エネルギー消費効率)は7.7と高い数値を誇ります。さらに、「新・ひとものセンサー」で「ひと」と「もの」を高精度で見分け、「暑い」「寒い」の感じ方(温冷感)まで解析。「ダブル温度熱交換器」で2つの異なる温度の風を同時に作り、個人の温冷感に応じて吹き分けます。部屋の断熱性を解析して最適な運転を行う「おへや学習機能」などを備え、きめ細かく節電します。また、ナノイー濃度が従来の10倍になった微粒子イオン「ナノイーX」や、空気の汚れに応じて可動する新搭載の「アクティブクリーンフィルター」で部屋の空気を清潔にする空気清浄機能も充実しています。

※実売価格は編集部調べ。年間電気代は1kWhあたり27円で計算(以下同)

 

WXシリーズ 戸井田さんのレコメンド

動くフィルターで空気清浄機としても使える!

「空気の汚れを感知して、空気清浄フィルターが自動で動く『アクティブクリーンフィルター』がユニーク! エネルギー効率を重視し、空気の汚れがある時だけ密度の高い高性能フィルターが出てくるので、省エネ性を維持しつつ空気を浄化することができます。4.0kWの200V仕様なら20畳相当をカバーできますよ。空気清浄機として単独運転もできるので、わざわざ空気清浄機を置きたくないという人にもオススメ。2018年モデルから無線LAN内蔵になり、『エオリアアプリ』をダウンロードすればすぐにスマホで遠隔操作が可能になりました。

↑アクティブクリーンフィルターの仕組み。空気が汚れに応じてフィルターが可動します(画像出典:パナソニック公式サイト)

 

また、室温と湿度のバランスを考えた『快適除湿モード』、弱冷房で除湿する『冷房除湿モード』のほか、ナノイーXで脱臭しながら除湿する『衣類乾燥モード』を搭載と、除湿機能が充実しているのが魅力。その他、熱交換器の『ホコリレスコーティング』が、オンリーワン。フィン表面だけでなく切断面までしっかりコーティングを施すことで汚れをはじく仕上げです。耐塩害仕様で、海岸近くのエリアでも大丈夫。北海道・東北電力推薦の『あったかエアコン』になっているほど暖房性能も高く、寒い地域の人にも安心です!」(戸井田さん)

 

【パナソニックのオススメその2 セカンドモデル】

省エネ性能以外の機能は最上位と同レベル!

エオリア Xシリーズ

CS-X408C2(※200V)

実売価格25万1600円

省エネ性能が高い「スクロールコンプレッサー」を採用していない(※)以外は、最上位のWXシリーズと同等の機能を搭載。「ナノイーX」と「内部クリーン」運転でエアフィルターを除菌する「オートクリーンシステム」、熱交換機表面(フィン切断面)にもコーティングした「ホコリレスコーティング」「フィルターお掃除ロボット」などで機内を清潔に保ちます。APF(通年エネルギー消費効率)は、200Vの「CS-X408C2」を選べば「WX」シリーズとあまり変わりませんが、100Vの「CS-X408C」の場合、APFは6.3とややダウン。その結果、年間の電気代目安も5000円ほど高くなっています。

※Xシリーズでは、5.6kW(18畳用)以上でスクロールコンプレッサーを搭載

 

Xシリーズ 戸井田さんのレコメンド

最先端の機能がありながら本体価格はお得!

「セカンドグレードに当たりますが、目玉機能である『アクティブクリーンフィルター』『ナノイーX』をはじめ、『ダブル温度熱交換器』や無線LAN内蔵、除湿機能、センサーなど、最上位WXと機能は一緒です。違いはAPFが下がる点。最先端の機能を少しでもおトクな価格で試したい人向けです。能力のバリエーションが幅広く用意されており、6畳用~29畳用まで10種類と豊富に用意しているのも強みです(WXシリーズは14畳用以上のみ6種類)。WX同様、空気清浄機を置かずに済むのでそのぶん費用も浮き、空気清浄機の置き場所も必要なくリビングを広々と活用できます。グッドデザイン賞を受賞した『Jコンセプトシリーズ』のエアコンなので、インテリアにこだわりたい人にもオススメ」(戸井田さん)

↑ダブル温度熱交換器の仕組み。センサーが個々の人の「暑い」「寒い」の感じ方を見分け、フラップで2つの温度の風を混ぜずに独立して吹き分けることで、複数の人を同時に快適にします

 

【パナソニックのオススメその3 コンパクトモデル】

「フィルターお掃除ロボット」搭載でも奥行きはコンパクト!

EXシリーズ

CS-EX408C2(※200V)

実売価格14万6800円

奥行き239mmとコンパクトなモデル。フィルターについたホコリをかき取って自動で配管穴から屋外に排出する「フィルターお掃除ロボット」もしっかり搭載。「ホコリレスコーティング」や「アクティブクリーンフィルター」は省かれていますが、「ナノイーX」での機内の除菌やカビの抑制は可能です。ナノイーXによる空気清浄機能はないものの、空気がエアコンを通過する度に0.3μmの粒子を80%以上キャッチする「クリーンフィルター」を内蔵し、空気の汚れをキャッチ。心地よいリズムの気流を作り出す「1/f ゆらぎ気流」も搭載しています。

 

EXシリーズ 戸井田さんのレコメンド

「こちらは上から4番目のグレードです。フィルターお掃除ロボットの自動排出方式搭載なのに、設置性が良いのがウリ。これより下のグレードは、ダストボックスに集めたホコリを手動で捨てる方式になります。人がいるかいないかを見分けて省エネ運転をする『不在省エネ』や『オートオフ機能』、部屋の特性を学習する『おへや学習機能』、『日射センサー』などはしっかり搭載しており、省エネと快適性をソフト面でカバーしています。

↑フィルターお掃除ロボットの仕組み。かき取ったホコリは配管穴から自動排出します(画像出典:パナソニック公式サイト)

 

ただ、最上位と比べると消費電力が多いので、長時間使う部屋よりは短時間使う部屋にオススメ。また、本体価格が抑えられている割に、オートセーブやオートオフ機能があるので、出入りの激しい小さなお子さんが居るリビングに使うのもオススメです。別売の無線アダプターをつければスマホによる遠隔操作もできるので、自己管理がまだ難しいお子さんがお留守番するときも安心ですね」(戸井田さん)

 

総括

Xは高性能でWXよりコンパクト。EXはエアコンをスッキリ見せたい人に

「WXシリーズは、省エネ性能を強化し、パナソニックの技術を詰め込んだ『全部のせ』タイプ。冷暖房の性能も高く、エアコン内部の清掃機能や空気清浄機能も高性能です。アプリで様々な操作が可能ですし、最先端のエアコンライフを楽しむならこのモデルでしょう。200V仕様は寸法フリータイプで本体幅899mmとやや大きめということもあり、電源や取り付け位置のレイアウト確認も忘れずに。なお、4.0kW(冷房14畳用)以上の大きさのみの展開なので、これより小さい部屋の場合はXシリーズをチェックしましょう。

 

Xシリーズは、性能・機能は最上位モデルと基本的には一緒。こちらもWXシリーズ同様、北海道・東北電力推薦の『あったかエアコン』で暖房性能が高いです。室内機の幅が799mmの寸法規定サイズになるため、そのぶん最上位のWXよりAPFが落ちますが、半間幅(約91cm)のスペースで高性能のエアコンをつけたい場合に最適です。リビングにも使える14畳用は100Vと200Vの仕様があり、200VのほうがAPF7.2と優秀。200Vでも本体価格はほぼ変わらないので、電源工事をしてでも200Vの方がオススメです。100Vか200Vかの確認は、エアコン専用コンセントの表示を確認するか、エアコン専用コンセントの穴の数(100Vは2つ、200Vは3つ)で判断してください。

↑200Vのコンセントの穴の形状は、スペック表にも表示されています(赤い円で囲んだ部分)。同じ形状か否か、しっかりチェックしましょう

 

EXシリーズは、全体的に性能は下がりますが、冷暖房の基本能力は搭載しており、日々の使いやすさを重視したタイプです。奥行きがコンパクトなので、エアコンをできるだけすっきり収めたい人にオススメ。お掃除ロボット搭載で清潔性も維持もしやすいです。4.0kW(14畳用)以上は200Vなので電源の確認を!」(戸井田さん)

 

【2018年版】三菱電機のエアコン「霧ケ峰」価格の差はどこに出る? オススメ3機種を家電のプロが徹底比較!

本格的な夏場になってしまうと、設置工事が順番待ちとなり、もっとも必要なときにエアコンがない……なんてことも。エアコンを買い替えるなら、いまのうちに選んでおきたいところです。そこで今回は、業界を代表するロングセラーとして知られ、機能に定評のある三菱電機「霧ヶ峰」ブランドをピックアップ。家電のプロ・戸井田園子さんにお願いし、3つの価格帯別で、リビングユースに最適なオススメ3モデルを選んでもらいました。紹介する3モデルは電気代から機能の有無まで、表組みでわかりやすく比較しているので、ぜひ参考にしてみてください!

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

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雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

【三菱電機のエアコンの特徴とは?】

三菱電機は、現在の家庭用エアコンで初めて、筒型のファン「ラインフローファン」を搭載。現在の壁掛けエアコンの雛形を作った老舗メーカーです。2015年には、世界で初めて左右独立駆動する新型ファン「パーソナルツインフロー」を開発し、エアコンの新世代を切り開きました。また、早くからセンサーを搭載しており、蓄積したセンシング技術の高さにも定評アリ。それらの技術でひとりひとりに適した温度で吹き分け、個人の快適性を重視した空調を得意としています。なお、三菱電機の4.0kWタイプは200Vのみなので、設置に際し電源工事が必要になる可能性があるので注意しましょう。

 

その1 ハイエンドモデル

2つのプロペラファンと「ムーブアイmirA.I.」がひとりひとりを快適に!

FZシリーズ MSZ-FZ4018S

実売価格24万9900円

センサーとAIを活用して少し未来の体感温度を予測する「ムーブアイmirA.I.」が、快適な室温を保つプレミアムモデル。2つのプロペラファンがそれぞれ駆動する独自の機構「パーソナルツインフロー」が、ひとりひとりの温度の感じ方に合わせて気流の強弱と方向を細かくコントロールしてくれます。除湿運転時の「プレミアム除湿」は弱冷房方式ながら、2つのファンを制御することで室温低下を抑え、寒くなりにくい除湿を実現。APF(通年エネルギー消費効率)は「7.8」と他のシリーズに比べ優秀で、年間電気代も抑えられています。また、「ピュアミスト」を放出する機能を持ち、菌・ウイルス・カビ菌・花粉の活動の抑制、脱臭・保湿効果も期待できます。

 

FZシリーズ 戸井田さんのレコメンド

センサー、ファン、清潔機能も万全のハイスペックモデル

「ほかにはない独自の内部構造を持った、最先端のシリーズです。従来の筒型ファン(ラインフローファン)を止め、ふたつのプロペラファンを採用したダブルファン仕様『パーソナルツインフロー』が特徴。左右それぞれに違う温度帯(暖房時体感温度差 約5℃)の風を送り出せるため、ひとりひとりの快適さが追求できるのがメリットです。また『ムーブアイmirA.I.』による、未来を予想しての『先読み運転』もお見事。『フィルターおそうじメカ』搭載かつ、掃除がしにくいエアコン内部には汚れがつきにくい『ハイブリッドナノコーティング』を施し、カビの発生を抑制する『カビクリーンシャワー』『はずせるボディ』(特許)など、清潔維持対策も万全です! すっきりしたパネルでデザイン性も高く、デザイン・機能ともにまさにハイスペックモデルといえます」(戸井田さん)

↑左右独立駆動のファンで、1人ひとりの温度の感じ方の差や変化にあわせて、気流の強弱と方向を細かくコントロール(画像出典:三菱電機公式サイト)

 

「これだけ最先端のセンシング技術が搭載されているからには、『自動』運転での使用が最適。『ムーブアイmirA.I.』に学習機能もあるため、エアコンの能力を信じて、しばらく使い続けることがポイントです。ただ、ダブルファンという構造上奥行きがあるので、設置スペースの確認は忘れずに!」(戸井田さん)

 

その2 ハイスペックモデル

ダブルファンはないが、最上位シリーズと機能はほぼ同等のスペック

Zシリーズ MSZ-ZW4018S

実売価格18万7300円

「FZ」シリーズと同じく「ムーブアイmirA.I.」を搭載したハイスペックモデル。2つのプロペラファン「パーソナルツインフロー」は省いていますが、体温変化を感知して「自動風あて・風よけ」によって室内の2人を同時に快適にしてくれます。除湿機能としては、「さらっと除湿冷房」を搭載。「冷房」と室温の下がらない「再熱除湿」を自動で切り替えて、除湿していても寒くならず、快適な温度に保ってくれます。「フィルターおそうじメカ」や「ハイブリッドナノコーティング」など清潔機能は「FZ」シリーズと同クラス。

 

Zシリーズ 戸井田さんのレコメンド

エアコンにお任せでOKの十分な機能

「ラインナップ順ではFZシリーズに次ぐ第2グレードに当たります。内部構造は従来のタイプですが、デザイン面を除けば、機能面は最上位とほぼ同等。人の体感温度を予測して先回り運転する画期的な『ムーブアイmirA.I.』も搭載しています。また、FZシリーズと同様、タッチパネルリモコンを採用し、必要最低限の操作で快適運転ができるので高齢者でも迷いません。リモコンのメニューからは細かな設定も可能。FZシリーズもそうですが、高性能なセンサー機能を活かすために、基本的に『自動』運転がオススメ。好みに合わせた設定もできるので、カスタマイズしたい人は最初にリモコンでいろいろ試してみるのがいいでしょう」(戸井田さん)

↑ムーブアイmirA.Iは身体の温度を0.1℃単位でチェックし、個人の体感温度を予測します(画像出典:三菱電機公式サイト)

 

その3 コンパクトモデル

実績のある「ムーブアイ」を搭載し、価格を抑えたコンパクトモデル

Lシリーズ MSZ-L4018S

実売価格15万2000円

赤外線センサー「ムーブアイ」を搭載したコンパクトモデル。FZシリーズとZシリーズの未来の体感温度を予測するAI機能は省かれていますが、センサーが体感温度や人の位置を感知し、冷やしすぎない快適な冷房が可能です。左右のフラップを別々に動かし、2か所を同時に吹き分ける「ビッグWフラップ」を搭載。また「スマート除湿」は、風速を「自動」に設定すると、ファンの回転数を制御しながら除湿し、部屋が寒くなりにくい効果があります。「ハイブリッドナノコーティング」はファンのみに実装。前面パネルやフラップなど、外観パーツは取外しが可能で掃除がしやすい「はずせるボディ」です。

 

Lシリーズ 戸井田さんのレコメンド

コンパクトながらリビングに必要な機能を搭載

「長年の実績がある赤外線センサー『ムーブアイ』搭載モデル。2か所吹き分け可能で、『フィルターおそうじメカ』『はずせるボディ』は、このグレードまでの搭載です。リビングに必要な機能なので、最低限このグレードを選びたいところ。本シリーズの特徴は高さ250mmのコンパクトさ。設置寸法も295mmあれば大丈夫なので、窓上にしか設置できない条件でも問題ありません。夏はエアコンと送風を組み合わせる『ハイブリッド運転』(特許)、冬は暖房とサーキュレーター運転を交互に行う『サーキュレーターモード』があるのも便利です。ただし、本体価格は安いものの、FZシリーズやZシリーズと比べると電気代がかかるので、常にエアコンを使うという方は上位モデルを選んだほうがよさそうです」(戸井田さん)

↑Lシリーズの「ムーブアイ」のイメージ。床や壁などの温度から体感温度を測り、人の位置も見て冷やしすぎない、 あたためすぎない快適な空調を実現します(画像出典:三菱電機公式サイト)

 

<総括>

価格を抑えて快適性を重視するならZシリーズが狙い目

「3シリーズの違いを簡単にまとめますと、FZシリーズは、基本性能(省エネ性)・機能・デザイン、すべてが最新・最上のハイスペックモデル。省エネも快適性も見た目も重視したいという人向きです。暑さ寒さの感じ方が違う複数の人が一緒に過ごす部屋には最適ですね。本シリーズは4.0kWタイプ以上しかないので、14畳越えの大きい部屋のみ対応しています。

 

一方、Zシリーズは、最新機能は網羅していますが、基本性能(吹き分け機能)とデザインがやや落ちます。とはいっても、『パーソナルツインフロー』は搭載しないものの、機能はFZとほぼ変わらないので、価格を抑えて快適性を重視したい人にはこちらが狙い目です。

 

コンパクトモデルのLシリーズは、本体価格がお手ごろ。ただし、上位モデルに比べて省エネ性・機能性で劣るのがネックです。1日中使うことが想定されるライフスタイルなら、少しムリをしても上位クラスを選んだほうが、10年使った場合はおトクになる場合も。とはいえ、三菱電機独自の『ムーブアイ』『ハイブリッド運転』を搭載し、『フィルターおそうじメカ』搭載など、清潔性が担保されているのはメリットです。このあたりをしっかり検討して選んでください!」(戸井田さん)

【2018年版】「ダイキン」のエアコン、値段が違うと何が違う? 価格帯別オススメ3モデルを家電のプロが徹底比較

エアコンを買い替えるなら、設置工事が混みあう前のいまの時期に選んでおくべき。それはわかっているけれど、どのモデルを選べばいいのか、よくわからない……。そんな人のために、今回は技術力で定評のある世界的な空調メーカー、ダイキンの製品をご紹介。家電のプロ・戸井田園子さんにお願いし、3つの価格帯ごとにオススメの3モデルを選んでもらいました。各モデルは、電気代から機能の有無まで表組みで比較していますので、ぜひ参考にしてみてください!

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

20170629reese_1-3

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

ダイキンのエアコンの特徴とは?

「部屋全体をムラなく均一な温度にする」がポリシー

「ダイキンは世界シェアNo.1の空調専業メーカー。確かな技術があり、基本性能が高いと評判です。外気温が低くても高くてもしっかり冷暖房してくれる、タフな室外機も大きなウリ。一方、他社に比べてセンサー技術にはあまり力を入れておらず、あくまで『部屋全体をムラなく均一な温度にする』というのが、ダイキンエアコンのポリシーです。人がいなくなると省エネ運転を行うオートセーブ機能やオートオフ機能は、上位機種以外にはないのも特徴。また、ラインナップは各グレードごとに個性があるというより、『グレードが下がるごとに確実に機能を減らして価格を下げる』というわかりやすい構成になっています。なお、全シリーズ共通で、古い同社製のエアコンの配管をそのまま利用することが可能。露出配管であれは取り替えも手間ではないですが、隠蔽配管ならば助かる仕様です」(戸井田さん)

 

【スペックの見方】

「APF」が高いほど省エネ性能が高い

「適用畳数」の読み方は、「冷房11~17畳」という場合だと、木造住宅で11畳(左の数値)、鉄筋住宅で17畳(右の数値)に適しているという意味になります。11~17畳の範囲で使えるというわけではないので、ご注意ください。また、夏場を前にしたエアコン選びで見落としがちなのが、暖房の能力。暖房の適用畳数は冷房よりも小さいため、冷房の適応畳数が部屋のギリギリのモデルを購入してしまうと、夏場はいいが冬場はなかなか暖まりにくいといった事態になります。暖房の適応畳数は余裕をもって選びましょう。

 

「APF」とはAnnual Performance Factorの略で、1年間、規格に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなるので、予算内でこの数値がなるべく大きいものを選びましょう。なお、APFは普及価格モデルだと4~5点台、最上位モデルだと7点台になります。APFとよく似た数値として、「期間消費電力量」があります。こちらは年間を通じてエアコンを使用したとき、消費する電力量の目安のこと。JISが定めた一定の条件をもとに試算したもので、数値が低いほど電気代がかからないことになります。

 

寒冷地では「低温暖房能力」も要チェック

kWで表される「能力」とは、単位時間当たりに室内から取り除くエネルギー、または室内に与える熱エネルギーのこと。この数値が大きいほど広い部屋に対応します。今回はリビングで使われることが多い14畳用を想定し、冷房能力4.0kWのモデルを紹介しています。

 

「省エネ基準達成率」は、JIS(日本工業規格)が定めるAPFの基準値(目標値)をどれくらいクリアしているかを示すもの。ただし、冷房能力とサイズによって目標値が違うので、純粋に省エネ性能を比較するならAPFの数値を確認すべき。「低温暖房能力」はその名の通り、低温時の能力の目安。JISが定めた条件下(室内20度、室外2度)での能力を示し、数値が高いほど優秀です。寒冷地の方は注目したいポイントです。

↑下位モデルのスペックの例。APFは4.9、期間消費電力量は1544kWhです

 

↑上位モデルのスペックの例。期間消費電力量、APF、低温暖房能力(「外気温2℃時の暖房能力」と表記)など、すべてが下位モデルを大きく上回っています

 

【ダイキンのオススメその1 ハイエンドモデル

無給水の「うるる加湿」や高度な気流制御で快適空間を実現

Rシリーズ うるさら7

AN40VRP(※200V)

実売価格24万2000円

他のシリーズにはない、無給水で加湿ができる「うるる加湿」を搭載した最上位シリーズ。暖房時には空気中の水分をエアコンが取り込み、自動で加湿してくれます。「さらら除湿」は除湿した冷風を室内の温まった空気と一緒に送風する機能。消費電力も少なく、寒くなりにくい除湿方法です。また、上位機種だけの、冷房時は天井に沿って冷風を回す「サーキュレーション気流」と、窓からの熱でできた温度ムラをセンサーが検知すると床付近に冷気を送る「垂直気流」で部屋の温度ムラも抑えます。年間電気代は他グレードのシリーズと比べてかなり割安です。

※実売価格は編集部調べ。年間電気代は1kWhあたり27円で計算(以下同)

 

うるさら7(Rシリーズ) 戸井田さんのレコメンド

基本性能が高く、清潔性や操作性を高める機能が豊富

「『R』シリーズは、無給水加湿『うるる加湿』を搭載する唯一のモデルです。4.0kWクラスなら、1時間あたり800mℓの加湿量があり、本格的な加湿能力です。速暖性を向上した『ヒートブースト制御』、湿度を下げることで素早く涼しくする『クールブースト制御』、寒くならないハイブリッド方式の『さらら除湿』など、冷房・暖房・除湿の性能は非常に高いものがあります。

↑「うるる加湿」は外の空気中の水分をエアコンが取り込んで、室内を加湿。加湿量は4.0kWクラスで800mℓ/hを誇っています(画像出典:ダイキン公式サイト)

 

また、上位シリーズに搭載されている音声ガイド機能は、リモコンで操作した内容やオススメの運転モードを音声で知らせてくれる便利な機能。エアコン内部の清潔性を保つ機能では、冷房・除湿で発生した水と一緒に汚れを洗い流す『セルフウォッシュ熱交換器』が採用され、下位クラスより高性能です。高温・高湿になると、音声で知らせて自動で冷房運転を開始する『高温パトロール』モードもあるので、高齢者や子どもだけのときも安心です」(戸井田さん)

 

【ダイキンのオススメその2 中位モデル

「さらら除湿」と「プレミアム冷房」で夏が快適に過ごせる

Fシリーズ AN40VFP

実売価格22万4845円

Rシリーズ、Aシリーズ、Sシリーズに次ぐ中位モデル。最上位の「R」シリーズと同様、「ヒートブースト制御」「クールブースト制御」と、設定温度到達後も温度と湿度をコントロールしてくれる「プレミアム冷房」を搭載したモデル。無給水の「うるる加湿」は省かれていますが、夏場に力を発揮する「さらら除湿」は搭載されています。「セルフウォッシュ熱交換機」は非搭載なものの、自動的にフィルターのホコリをブラッシングする「フィルター自動お掃除」機能でフィルターの目づまりを抑えます。ただし、APF(通年エネルギー消費効率)や年間電気代は、下位の「E」シリーズに近い数値となっています。

 

Fシリーズ 戸井田さんのレコメンド

体に風を当てない快適空調がポイント

「冷房時は、気流を天井に向けて持ち上げる『天井気流』で、エアコンの風が体に直接当たりにくく快適。暖房時は、気流を切り替える『暖気かくはん運転』で天井にたまった暖気をかくはんしてくれます。風をあてずに快適空調を実現する『立体気流』もあって、部屋をムラなく均一の温度にするというダイキンのポリシーはしっかり守られています。

↑「天井気流」イメージ。気流は、約5m先まで天井に沿って奥へ広がり、エアコンの風を直接身体に感じにくくなっています(画像出典:ダイキン公式サイト)

 

なお、『プレミアム冷房』や、室温に近づけて除湿する『さらら除湿』はこのグレードまでの機能。ダイキンの魅力であるタフな室外機も採用されていて、冷房・暖房・除湿の基本性能は申し分なく網羅されています。『R』シリーズにはある『垂直気流』や『サーキュレーション気流』は非搭載なので、暖房時はサーキュレーターなどの空気をかくはんするアイテムを追加すると、より快適性が増すと思います」(戸井田さん)

 

【ダイキンのオススメその3 普及モデル

「ストリーマ」で清潔さを保つシンプル&コンパクトなシリーズ

Eシリーズ AN40VEP(※200V)

実売価格14万2000円

限られたスペースにすっきり設置できるコンパクトなベーシックモデル。風を直接的に体に当てない「風ないス運転」により、夏は冷風をより上向きに吹き出し、冬は温風を足元へ吹き下ろします。フィルターの自動掃除機能は非搭載ですが、ダイキン独自の「ストリーマ内部クリーン」で、熱交換器や気流の通路にプラズマ放電の一種「ストリーマ」を照射してエアコン内部のカビやニオイを抑制。フィルターで捕らえた物質にストリーマを照射する「ストリーマ空気清浄」機能も、他シリーズと同様に搭載されています。

 

Eシリーズ 戸井田さんのレコメンド

ベーシックな冷暖房機能はしっかり搭載

「室内外の温度に応じて、暖房・ドライ・冷房3つの運転モードを自動でセレクトする『自動運転』あり。0.5℃単位で温度をコントロールできる『PIT制御』や、すばやく暖房する『ヒートブースト制御』も搭載しています。下位シリーズとはいえ、ベーシックな冷暖房機能は万全ですね。幅770mmのコンパクトな室内機で、半間幅も余裕で収まる横幅も特徴。室外機も3.6kW以下は幅675mmとコンパクトです(4.0kWは795mm)。

↑室内機は幅770mmのコンパクト設計(画像出典:ダイキン公式サイト)

 

フィルター自動掃除機能は非搭載ですが、エアコン内部・フィルターも独自のストリーマで清潔をキープ。熱交換器フィンには親水性に優れた2層コートを採用し、汚れを浮かせて洗い流せるので、上位機種と同等とはいきませんが、お手入れはラクな仕様になっています。ただし、省エネ性能は価格なりのレベルなので、短時間での使用を想定した部屋に設置するのがオススメですね」(戸井田さん)

 

<総括>

Fシリーズは冷房メインに最適で、Eシリーズは設置性でメリットあり

「『R』シリーズは、冷暖房の基本性能、室外機の性能、清潔維持機能など、ダイキン最高峰の仕様です。特に気流制御が優秀なので、エアコンの風が直接当たるのが苦手な人にオススメです。4.0kWは100Vと200V仕様がありますが、200V仕様の方が省エネ性能が高いので、電源の問題がなければ200Vがいいでしょう。

 

『F』シリーズは、最上位シリーズから『うるる加湿』と『垂直気流』を省いた中位モデルです。冷暖房の基本となるコンプレッサーの制御や室外機の性能はほぼ一緒。上位クラスに比べると付加機能が少なく、APF(通年エネルギー消費効率)もやや低くなくなります。しかし、夏に活躍する除湿機能や冷房機能は最上位クラスとほぼ同レベル。エアコンの使用は夏場がメインという人には最適な仕様といえるでしょう。

 

一方、『E』シリーズは、快適性能を高める最新機能がほぼ削られていますが、基本性能が高いダイキンエアコンが4.0kWクラスなら15万円以下で手に入るのが大きな魅力。室内機もコンバクトなので、設置スペースが限られている場合や、留守の時間が多く、リビングで長時間過ごすことは少ないという生活スタイルなら、おトク感がありますね」(戸井田さん)

 

【2018年エアコンガイドまとめ】買うべきモノが見えてくる! 家電のプロに聞いた「賢い選び方&おすすめモデル15選」

本格的な夏場になってしまうと、販売店に注文が殺到して設置工事が順番待ちとなり、エアコンの価格も高騰。エアコンを買い替えるならいまがチャンスです。ただ、どうやって選べばいいか、わからない…そんな人のために、GetNavi webでは、家電のプロ・戸井田園子さんにお願いし、エアコンのガイド記事を3回にわたって公開してきました。各記事のテーマはそれぞれ「リビング向け・機能性重視モデル」「リビング向け・デザイン重視モデル」「個室向け・買い足し用モデル」。今回は、この3本の記事をまとめましたので、ぜひ一気にチェックしてみてください。ご自身がどんなモデルを求めているのか、はっきりわかるはずですよ!

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

20170629reese_1-3

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

【その1「リビング向け・機能性重視モデル」の選び方&おすすめモデル5選】

リビングのエアコン選びで注意すべきポイントは?

価格の安さだけを追わず、センサー機能の良いモノを選んで!

「リビングのエアコンの場合、価格の安さだけを優先しすぎるのはNG。ハイエンドクラスか、そのひとつ下のクラスまでで選んでほしいです。なぜなら安価なモデルを選ぶと、センシング能力や吹き分け機能が劣ってくるため、複数の人の快適を維持しにくくなります。快適性が損なわれることで、複数の人が無闇に温度変更したりON/OFFしたりするようになると、電気代がかさむ羽目に。その意味では、ある程度本体に投資した方が、使い初めてからストレスがたまらず、節約につながる可能性が高いです。特に、センサー機能が良いものを選んでほしい。センサーが良いと、温度を一定に保つ精度が高くなる=快適かつ省エネにつながります。

もうひとつ注目したいのが、清潔性を維持する機能。最近の家は、リビング・ダイニング・キッチンが一部屋になっているLDKが多いうえ、キッチンが対面かつ吊り戸棚や下り壁がない、オープンな空間構成も多いです。必然的にリビングにも調理の湯気や煙が回りやすくなり、エアコンの内部も汚れやすくなります。だからこそ、フィルターの自動お掃除だけでなく、フィンや熱交換器など、内部の汚れがつきにくい仕様のものを選びたいところ。『自動お掃除』といっても、フィルターだけのものもあるので、カタログなどでしっかりと確認を!」(戸井田さん)

 

リビング向け・機能性重視モデルその1

人工知能が“ちょっと未来”の体感温度を先読み!

三菱電機

霧ヶ峰 Zシリーズ

MSZ-ZW4018S

実売価格18万9800円

高精度赤外線センサーと人工知能が連携する「ムーブアイ mirA.I.(ミライ)」搭載で、ひとりひとりの“ちょっと未来”の温度の感じ方を予測して「先読み運転」をするハイスペックモデル。「ハイブリッド運転」モード時は、暑い昼間は冷房、涼しい朝は「爽風」(消費電力最小15W)というように自動で切り替わり、「エアコン」と「扇風機」のいいとこどりで快適性と省エネを両立します。

●サイズ/質量:W799×D385×H295mm/17kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF(後述):7.0●省エネ基準達成率:142%

 

家電のプロのレコメンド!

「人の体感温度を予測して先回り運転する『ムーブアイmirA.I』が画期的です! 複数の人がいても、ひとりひとりの体感温度を考慮してくれるのでファミリー向き。最上位のFZシリーズとほぼ変わらないスペックですが、FZに比べるとデザインがノーマルな仕上げとなっているぶん、価格はおトクになっています。また、『フィルターおそうじメカ』を取り外せる新構造で、中まで掃除しやすく清潔に維持できます」(戸井田さん)

 

【ココもポイント!】

「APF」の数値と「適用畳数」を吟味しよう!

APFとはAnnual Performance Factorの略で、1年間、規格に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなるので、予算内でこの数値がなるべく大きいものを選びましょう。なお、APFは普及価格モデルだと4~5点台、最上位モデルだと7点台になります。

 

また、スペックの適用畳数の読み方は、「冷房11~17畳」という場合だと、木造住宅で11畳(左の数値)、鉄筋住宅で17畳(右の数値)に適しているという意味になります。11~17畳の範囲で使えるというわけではないので、ご注意ください。また、夏場を前にしたエアコン選びで見落としがちなのが、暖房の能力。暖房の適用畳数は冷房よりも小さいため、冷房の適応畳数が部屋のギリギリのモデルを購入してしまうと、夏場はいいが冬場はなかなか暖まりにくいといった事態になります。暖房の適応畳数は余裕をもって選びましょう。

↑スペックの例。適用畳数とAPFに注目してみましょう

 

リビング向け・機能性重視モデルその2

冷暖房開始時の“ブースト”で一気に快適な室内に

ダイキン

うるさら7 Rシリーズ

AN40VRS-W

実売価格31万820円

ダイキン最上位「Rシリーズ」のモデル。エアコンの基本性能を最大限に引き出す「ブースト制御」を行い、これまで以上に素早く快適環境を実現します。冷房時の「クールブースト」制御では、快適な湿度への到達時間が従来比40%も短縮しました。天井に沿って大風量で吹き出す「サーキュレーション気流」や、設定温度到達後も除湿を行う「デシクル制御」、0.5℃単位で温度をコントロールする「ピット制御」などで心地よい冷房環境が保てます。

●サイズ/質量:W798×D370×H295mm/15kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:6.3●省エネ基準達成率:128%

家電のプロのレコメンド!

「空気中の水分をエアコンが取り込んで加湿する『無給水加湿』ができる唯一のシリーズなので、少々お高くてもこちらがおすすめ。気流を制御して、部屋全体をムラなく均一に冷暖房するタイプで、風が当たるのが嫌いな人でも快適に過ごせます。ダイキンは基本性能に確かな実力があり、気象条件が厳しいエリアの人には特にオススメしたいですね」(戸井田さん)

 

リビング向け・機能性重視モデルその3

左右に付いた可動式ファンが2種類の気流を生み出す

富士通ゼネラル

ノクリアXS

AS-XS40H

実売価格18万6840円

最上位機種で好評だった、本体両横の可動式サイドファン「デュアルブラスター」を搭載したモデル。吹き出し口の角度が変わるデュアルブラスターで、温度と速さの違う2種類の気流「ハイブリッド気流」を生み出し、部屋全体をムラなく快適にします。また、AI機能「ノクリアセレクト」によって、深夜の暖房運転は静音運転に自動で切り替わるなど、AIが分析・判断して使用環境に応じた最適な運転を行います。

●サイズ/質量:W786×D378×H293mm/17kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:5.6●省エネ基準達成率:114%

家電のプロのレコメンド!

「両サイドについた扇風機のようなファンが特徴の『デュアルブラスター』にコンパクトタイプが登場しました。これまではファンがある分、横幅が大きかったですが、このXSシリーズは全機種が横幅786mmになり設置性がアップしています。部屋の温度・湿度を計測し、独自のアルゴリズムで分析して最適な運転を行う『毎日快適モード』も搭載。子どもだけの時も、季節の変わり目も、この機能をONにしておけば、無駄なく運転してくれて安心・快適です!」(戸井田さん)

 

リビング向け・機能性重視モデルその4

空気の汚れに応じて動く「アクティブクリーンフィルター」を搭載!

パナソニック

エオリア Xシリーズ

CS-X408C2-W

実売価格25万3000円

独自の「アクティブクリーンフィルター」と、ナノメートルレベルの凹凸表面処理を施した新開発の「ホコリレスコーティング」で、部屋の空気環境の清潔性と快適性を向上させた「Xシリーズ」の新モデル。20畳相当の高い集じん能力を持つ可動式「アクティブクリーンフィルター」は、PM2.5や浮遊ウイルス、花粉までしっかり除去します。また無線LANを内蔵し、スマホから遠隔操作はもちろん、部屋の空気清浄効果を確認することも可能です。

●サイズ/質量:W799×D385×H295mm/16kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:7.2●省エネ基準達成率:146%

家電のプロのレコメンド!

「2018年度モデルは、空気が汚い時だけフィルターが出てきて空気清浄効果を高める『アクティブクリーンフィルター』が目玉です。空気が汚れていないときは、エネルギー効率を重視して密度の高いフィルターは格納されるという仕組みが画期的でユニーク! 空気清浄機を置かずに済むので、そのぶん費用も浮きますし、リビングが少しでも広く使えるのはうれしいですね。空気の浄化効果と脱臭効果が高い『ナノイーX』も搭載されているなどメリット満載。価格がややお高くても、家族が長時間過ごすリビングには、ぜひオススメしたいです」(戸井田さん)

 

リビング向け・機能性重視モデルその5

熱交換器を凍らせて一気に洗浄する「凍結洗浄」を新搭載

日立

白くまくん Eシリーズ

RAS-E40H2

実売予想価格21万3840円

手入れのしにくい熱交換器の洗浄を、年間通して定期的に行う「凍結洗浄」を搭載。エアコン内部の熱交換器を自動で凍らせて一気に溶かし、ニオイの一因となるホコリや油汚れを洗い流せます。通風路、フラップ、フィルターに除菌効果があるステンレスを採用した日立独自の「ステンレス・クリーン システム」と合わせて、高い清潔性が特徴です。

●サイズ/質量:W798×D323×H295mm/重量13kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:5.3●省エネ基準達成率:108%

家電のプロのレコメンド!

「内部の汚れを落とす『凍結洗浄』が、2018年モデルから搭載されています。最上位モデルのような汚れに応じて洗い方をコントロールする機能はないですが、不在時の自動洗浄のほか、タイマー洗浄も可能です。エアコン内部がステンレス製なので汚れがつきにくく、キッチンが同じ空間にあるLDKにオススメ。また、人の数、居場所、動きなどをセンシングする『くらしカメラ F』の搭載により、温度・風向・風量をコントロールしてくれるので、部屋にいる全員が快適に過ごせます」(戸井田さん)

 

【その2「リビング向け・デザイン重視モデル」の選び方&おすすめモデル5選】

デザイン重視のエアコン選びで注意すべきポイントは?

冷暖房の能力と設置環境をしっかりチェック!

「デザイン重視モデルの場合、冷暖房の能力の展開が少ないものもあるので要注意。設置したい部屋に見合った能力があるか最初に確認を! また、こうしたデザイン重視のモデルは、薄型のフォルムを採用した手前、『自動フィルターお掃除機能』を諦めている場合があります。その場合は、日々のメンテナンスが自分で管理できるのか、しっかりと吟味して判断してください。

 

もうひとつ、デザイン重視モデルのイメージ画像は、壁の中心に設置している場合が多いです。これは、余白がある状態で設置すると美しく見えるデザインになっているから。実際に設置する場所が天井や壁ギリギリだと、イメージ通りにならないこともあるので、設置環境には注意してください!」(戸井田さん)

画像出典:三菱電機「霧ヶ峰FLシリーズ」製品紹介ページ

 

リビング向け・デザイン重視モデルその1

光を受けて華やかに輝く、ソリッドなデザイン

三菱電機

霧ヶ峰 FLシリーズ

MSZ-FL4018S

実売価格21万200円

2016年度の「グッドデザイン賞 グッドデザイン・ベスト100」にも輝いた「FLシリーズ」。正面から吹き出し口が見えない端正なフォルムでインテリアとも調和します。透明パネルとその裏面のヘアライン加工で表面を美しく仕上げ、光が当たる角度によって多彩な表情を生み出します。新色「オニキスブラック」、深みのあるメタリック調の「ボルドーレッド」、きらめくパール調の「パウダースノウ」の3種類のカラバリを展開。

●サイズ/質量:W890×D233×H307mm/17kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:6.7●省エネ基準達成率:111%

家電のプロのレコメンド!

「発売当初は、これまでにないデザイン性が大きく話題になったシリーズです。シンプルかつシャープなフォルムと、素材感や仕上げにこだわったパネルは美しいのひとこと! 三菱のメイン機能である赤外線センサー『ムーブアイ極』や、冷暖房と送風を組み合わせる『ハイブリッド運転』、不在時はセーブ運転から自動オフになる『スマートSTOP』など、基本的な性能は網羅。ただし、薄型にしたためフィルター自動掃除機能は非搭載です。とはいえ、内部のメカに特殊なコーティングがしてあり汚れがつきにくく、フラップも外せるのでお手入れはしやすいです」(戸井田さん)

 

リビング向け・デザイン重視モデルその2

機能とデザイン、どちらも兼ね備えたハイスペックモデル

三菱電機

霧ヶ峰 FZシリーズ

MSZ-FZ4018S

実売価格25万4000円

「霧ヶ峰」のプレミアムモデル。高精度赤外線センサーとAIの連携で、少し未来の体感温度を予測する、世界初の「ムーブアイmirA.I.(ミライ)」を搭載します。「先読み運転」設定時には、左右独立駆動のファン「パーソナルツインフロー」が部屋にいるひとりひとりの温度の感じ方に合わせて、気流の強弱と方向を細かくコントロール。また、「プレミアム除湿」は、2つのファンの動きを制御することで寒くなりにくい快適な除湿を実現しています。

●サイズ/質量:W890×D358×H285mm/22kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:7.8●省エネ基準達成率:130%

家電のプロのレコメンド!

「FLシリーズと同様、シャープですっきりしたパネルを採用し、デザイン性は高いです。外見だけではなく、内部の構造も他にはない最先端のデザインモデル。従来の筒型ファンではなく、左右独立したふたつのプロペラファンを搭載し、それぞれに違う温度帯(最大5度差)の風を送り出すことができます。エアコン内部はハイブリッドナノコーティングが施され、カビの発生を抑制するモードやフィルター自動掃除など、清潔性も万全。デザイン・最先端技術の双方が揃ったハイスペックモデルです!」(戸井田さん)

 

リビング向け・デザイン重視モデルその3

7色のカラバリ展開で、部屋の雰囲気とピッタリのカラーが選べる

ダイキン

risora(リソラ)

AN40VSP-W

実売価格23万5440円

壁から突き出たエアコンの圧迫感をなくすため、185㎜という業界最薄を実現したスタイリッシュな新モデル。前面パネルは表面加飾でマット質感やツヤ感を実現しています。カラバリは「ラインホワイト」「グレイッシュブラウンメタリック」のほか、綾織りの質感を表現した受注生産の「ツイルゴールド」など全7色。ダイキンの最上位機種「うるさら7」と同じく、温度と湿度を制御し続ける「プレミアム冷房」を搭載し、心地よさも追求しています。

●サイズ/質量:W798×D185×H295mm/10kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:5.0●省エネ基準達成率:102%

家電のプロのレコメンド!

「ダイキンがこの3月に発売した、カラバリが豊富なインテリアエアコンです。7色展開で、部屋のインテリアイメージに合わせてコーディネートしやすいのがポイント! 実は、かなり前に三洋電機が似たような製品を発売し、インテリア関係者の間では大いに話題になりましたが、当時は省エネや快適性重視の流れに負けて消えてしまいました。今回、売れ行きが好調ならば、ようやく時代が追いついたといえそうです。もちろん、ダイキンらしく基本性能に不安はなし。フィルターの自動お掃除機能は非搭載ですが、有害物質を分解する技術『ストリーマ』で内部を清潔に保つとともに、フィルターで捕らえた物質にストリーマを照射し、気流を清潔に保つ機能があります」(戸井田さん)

 

リビング向け・デザイン重視モデルその4

空気清浄機能を持ち、丸みのある前面パネルも美しい

東芝

大清快 E-Rシリーズ

RAS-E405R

実売価格16万2000円

強力な空気清浄機能「プラズマ空清」を備えた「E-Rシリーズ」の新モデル。プラズマ空清ユニットが吸い込んだ汚れを帯電させて熱交換器に吸着し、屋外に排出することで、空気中に浮遊する花粉やカビ、PM2.5を99%除去します。さらにPM0.1レベルの微細な粒子も90分間で90%以上除去できるようになりました。前面パネルは落ち着いた質感のマット調。フィルター自動お掃除で取れたホコリは「楽ダストボックス」にたまり、掃除機で3か月に1度吸えばいいので手入れが簡単です。

●サイズ/質量:W790×D255×H250mm/11kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:4.9●省エネ基準達成率:100%

家電のプロのレコメンド!

「個人的には、スタンダードなエアコンの中では、東芝の『大清快』が一番キレイなデザインだと思います。両サイドを包むように巻き込んでいる前面パネルがすっきりとした印象。特別尖ったデザインではないですが、さりげなく完成度が高いのが良いですね。なかでもオススメは自動フィルター掃除機能が搭載されているセカンドラインの『E-Rシリーズ』。空気清浄機と呼べるレベルのしっかりした空気清浄機能が搭載されているのがウリ。また、本機はふたつのシリンダーを持ち、パワーがそれほど必要ないときはひとつだけ動作させるなど、省エネなのもポイントです。ちなみに、すべてのグレードで同じデザインなので、予算に応じてどれを選んでもデザイン面では問題ありません」(戸井田さん)

 

リビング向け・デザイン重視モデルその5

ヨーロッパの美意識が生んだ、インテリアの一部となる新スタイル

ダイキン

UXシリーズ

C40RTUXV-W

実売価格7万1195円(室内機のみの価格)

「ダイキンヨーロッパ」が工業デザイナーAlexander Schlag(アレキサンダー・シュラッグ)氏と共同でデザインしたモデル。ヨーロッパでは主流スタイルとなっている、室外機ひとつに複数の室内機を接続するハウジングエアコンです。室外機がひとつで済むため、住宅の外観も損ないません。室内機は風の流れをイメージして曲面を基調とした前面パネルを採用。左右両端の厚みを129mmに抑え壁との一体感を演出しています。飛行機のフラップのように前面パネルがスライドして、気流の吹き出し口が登場するなど、動きのクオリティにもこだわっています。

●サイズ/質量:W998×D212×H303mm/11kg(室内機)

家電のプロのレコメンド!

「いままでにない流れるようなフォルムのデザインが画期的! 壁掛けタイプですが、ハウジングエアコンなので単体で設置することは難しく、新築時やリフォーム時に導入するのがオススメ。特にインテリアデザインにこだわって家を新築する際は、ぜひ検討してほしいモデルです」(戸井田さん)

 

【その3「個室向け・買い足し用モデル」の選び方&おすすめモデル5選】

買い足し用エアコンを選ぶときのポイントは?

付加機能が削られていてもOKかよく吟味を!

「目的は買い足しなので、価格面のメリットを重視してOK。廉価モデルの場合、エネルギー効率(APF※)や低温時の暖房能力など、基本性能が悪くなることもあるので、スペックが低くなりすぎないよう確認を! 最上位は8畳だとAPF7.0前後なのに対し、廉価モデルは5.8くらいが相場になっています。期間消費電力量にすると100~50kWhくらいの差があり、電気代だと年間2700~1350円くらいの差に。ですから、使用頻度が高い部屋なら10年使うことを前提に、電気代も考慮して上のグレードを検討するほうが良い場合もあります。

また、廉価モデルは基本性能がそこまで落ちていなくても、付加機能がぐっと削られている場合が多い傾向があります。特に、内部の自動掃除機能はほぼ非搭載、搭載していてもフィルターのみという可能性が大なので、それでも良いかしっかり検討を。不在時自動オフなどの機能がない場合もあり、子ども部屋に使うとき、つけ消しの管理が任せられない場合があるので、こちらもよく吟味してください!」(戸井田さん)

 

個室向け・買い足し用モデルその1

スマホで遠隔操作して帰宅時には快適な温度に!

アイリスオーヤマ

ルームエアコン Wi-Fi・人感搭載シリーズ

IRW-2817C

実売価格7万5384円

アイリスオーヤマが大型白物家電事業への参入第一弾として2017年に発売し、話題となったエアコン。無線LANを内蔵しているため、スマホでの遠隔操作が簡単にできるのが特徴。帰宅途中にスマホでエアコンの電源をオンにしておけば、家に帰ったときに快適な温度で迎えてくれます。睡眠モードは温度設定を1時間ごとに変更可能など、アプリで生活リズムに合わせた細やかな設定も可能。人の動きを検知する人感センサー搭載で、人がいない時は自動で省エネ運転をしてくれます。

●サイズ/質量:W795×D230×H250mm/9.5kg(室内機)●適応畳数:冷房8~12畳、暖房8~10畳●定格能力:冷房2.8kW、暖房3.6kW●APF:5.8●省エネ基準達成率:100%

家電のプロのレコメンド!

「無線LAN内蔵モデルで、しかも廉価ということで昨年発売以来注目のモデルです。そろそろ発売後1年が経過しますが、2018年にモデルチェンジの予定はなく、今後も現行モデルとして継続販売。価格面でもおトク感があります。人感センサーも搭載されていて、不在時はセーブ運転に切り替わります。オートオフにはなりませんが、付けっ放しだとわかれば外から遠隔操作もできるので、オフにならないのは妥当な仕様ですね。エアコン内部の清潔維持機能がないのが惜しいですが、この価格では十分な機能があるといえます」(戸井田さん)

 

個室向け・買い足し用モデルその2

清潔性の維持機能が充実し、「プラズマ空清」を搭載

富士通ゼネラル

nocria(ノクリア) Dシリーズ AS-D25H

実売価格10万5100円

熱交換器を加熱して除菌する業界初の「熱交換器(アルミフィン)加熱除菌」が搭載されたスリムモデル。熱交換器を55℃以上に加熱するため、付着したカビ菌や細菌に効果があります。部屋の空気を清潔にする「プラズマ空清」は、0.3~2.5μmの粒子を88%キャッチ。しかもフィルター方式ではない電気集じん方式のため、高い集じん力が持続します。本体の高さは250mmとスリムで、窓上の狭い空間にも納まる設置性の高いモデルです。

●サイズ/質量:W777×D319×H250mm/12kg(室内機)●適応畳数:冷房7~10畳、暖房6~8畳●定格能力:冷房2.5kW、暖房2.8kW●APF:5.8●省エネ基準達成率:100%

家電のプロのレコメンド!

「ひとつ下のCシリーズと比べても価格差はないので、こちらがオススメです。『熱交換加熱除菌』に加えて、抗カビ・抗菌コーティングされた『ハイドロフィリック熱交換器』なので汚れもつきにくくなっています。フィルター自動おそうじ機能や人感センサーを利用した自動セーブ・自動オフ機能も搭載。一年中適切な運転をセレクトしてくれる『毎日快適モード』も便利ですね。このクラスではかなりの高スペックで、コスパが高いモデルです」(戸井田さん)

 

個室向け・買い足し用モデルその3

高濃度プラズマクラスターが部屋の空気と本体内部をキレイに!

シャープ

H-Dシリーズ AY-H25D

実売価格11万4400円

高濃度のプラズマクラスターを発生させる空気浄化技術「プラズマクラスター25000」搭載モデル。冷暖房を使わない時期でも、プラズマクラスターを単独運転することで空気をキレイにできます。「部屋干しモード」は、部屋干しのイヤなニオイを抑えつつ、暖房と除湿を効率よく組み合わせて、2時間の運転で約4kgの洗濯物を乾かせます。リモコンのカレンダー情報と外気温の変化で季節を判定し、エアコンが自動で適切な運転を選んでくれる機能もあるので、手間なく省エネができます。

●サイズ/質量:W770×D254×H260mm/9kg(室内機)●適応畳数:冷房7~10畳、暖房6~8畳●定格能力:冷房2.5kW、暖房2.8kW●APF:5.8●省エネ基準達成率:100%

家電のプロのレコメンド!

「ひとつ下のグレードと1万円程度の差なので、こちらのモデルがオススメ! フィルター自動おそうじ機能は非搭載、かつルーバーを取り外しての丸洗いもできませんが、シャープ独自の空気浄化機能のプラズマクラスターが搭載されていて、冷暖房を使わないときもプラズマクラスター発生機として単独運転ができます。また『パトロール』機能は、エアコン停止中でもカビが発生しやすい環境になると、自動的にプラズマクラスターを放出。同時にエアコン内部にもプラズマクラスターを満たし、送風ファンにカビが発生しにくい環境にしてくれます。熱交換器にも『親水性コート』が施されていて汚れが落ちやすいなど、清潔さをキープする環境はまずまず整っています」(戸井田さん)

 

個室向け・買い足し用モデルその4

大風量と、一瞬で快適な温度に近づける「ワープ運転」が魅力

三菱重工

ビーバーエアコンTWシリーズ

SRK25TW

実売価格8万6172円

三菱重工ならではの、ジェットエンジンの翼形状設計に使われる技術を応用した「JET BODY」が特色のモデル。ファンと熱交換器の配置や吹き出し口の道筋を最適化することで、電力を抑えながらも、大風量の風を部屋の隅々まで行き渡らせます。吹き出し温度約6℃と強力な冷風を吹き出す「ワープ運転」は、今すぐ涼しくなりたいときに効果的。また、2018年度モデルから伊藤園の茶殻をリサイクルした茶殻樹脂をフィルターホルダーに配合し、資源の有効活用にも取り組んでいます。

●サイズ/質量:W798×D280×H250mm/10kg(室内機)●適応畳数:冷房8畳●定格能力:冷房2.5kW●APF:6.0

家電のプロのレコメンド!

「本体の高さは250mmで、窓上にも設置可能なコンパクトタイプです。フィルター自動おそうじ機能は非搭載ですが、酵素と尿素の力でフィルターに吸着した汚れ(アレル物質)を抑制する『バイオクリア運転』や、運転停止後に自動的にエアコン内部を乾燥させてカビの成長を抑制する『内部クリーン運転』など、清潔維持機能はあります。不在時セーブやオートオフ機能はなく、省エネ機能に関してはやや惜しい。エアコンの周辺を設定温度にすばやく近づけて、15分で元の運転に戻る『ワープ運転』は、お風呂上がりや帰宅直後などに便利です」(戸井田さん)

 

個室向け・買い足し用モデルその5

基本機能の冷房・暖房・除湿に特化したシンプルなエアコン

コロナ

Nシリーズ CSH-N2518R

実売価格6万9800円

冷房・暖房・除湿が簡単操作で行える、基本機能に特化した日本製モデル。ワイドで心地よい気流をつくる「ビッグルーバー」を搭載。室内機内部を乾燥させ清潔に保つ「内部乾燥モード」は、運転停止後や冷房シーズン終了時に便利です。また、エアコン本体前面パネルは簡単に取り外して丸洗いも可能。室内熱交換器に溜まったニオイをドレン水で封じ込める「ニオイカット制御」によって、冷房開始時のイヤなニオイも抑えます。

●サイズ/質量:W795×D235×H290mm/9.5kg(室内機)●適応畳数:冷房7~10畳、暖房6~8畳●定格能力:冷房2.5kW、暖房2.8kW●AFP:5.8●省エネ基準達成率:100%

家電のプロのレコメンド!

「冷房・暖房・除湿の基本性能があればOKという人向けの、超シンプルタイプです。シンプルといっても、運転停止後やシーズン終わりに、内部(熱交換器、通風路、送風ファン、ルーバー等)を乾燥して清潔に維持できる機能は搭載されています。自動フィルターおそうじ機能は非搭載なものの、フィルターは抗菌・防カビフィルターになっているのは安心。省エネモードやオートオフ機能はなく、フィルターのおそうじも必要なので、自己管理をするのが前提のモデルですね」(戸井田さん)

個室に導入したい「安・良エアコン」といえば? 家電のプロがすすめる8畳用「買い足しモデル」5選

エアコンは、リビングでのメイン使用ばかりでなく、書斎や子ども部屋など、「新たに個室に導入したい」という「買い足し」需要も多いはず。そんなとき、「そこまでのスペックを求めないから、安いモデルがいい」と思う方も多いでしょう。そこで今回は、家電のプロ、戸井田園子さんにお願いし、買い足し用モデルを選ぶ際の注意点とともに、買い足しにぴったりな8畳用のオススメ5モデルを教えてもらいました!

 

私が教えます!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

20170629reese_1-3

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

買い足し用エアコンを選ぶときのポイントは?

付加機能が削られていてもOKかよく吟味を!

「目的は買い足しなので、価格面のメリットを重視してOK。廉価モデルの場合、エネルギー効率(APF※)や低温時の暖房能力など、基本性能が悪くなることもあるので、スペックが低くなりすぎないよう確認を! 最上位は8畳だとAPF7.0前後なのに対し、廉価モデルは5.8くらいが相場になっています。期間消費電力量にすると100~50kWhくらいの差があり、電気代だと年間2700~1350円くらいの差に。ですから、使用頻度が高い部屋なら10年使うことを前提に、電気代も考慮して上のグレードを検討するほうが良い場合もあります。

また、廉価モデルは基本性能がそこまで落ちていなくても、付加機能がぐっと削られている場合が多い傾向があります。特に、内部の自動掃除機能はほぼ非搭載、搭載していてもフィルターのみという可能性が大なので、それでも良いかしっかり検討を。不在時自動オフなどの機能がない場合もあり、子ども部屋に使うとき、つけ消しの管理が任せられない場合があるので、こちらもよく吟味してください!」(戸井田さん)

※APF……Annual Performance Factorの略で、1年間、規格に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなるので、予算内でこの数値がなるべく大きいものを選びましょう。なお、APFは普及価格モデルだと4~5点台、最上位モデルだと7点台になります

 

その1

スマホで遠隔操作して帰宅時には快適な温度に!

アイリスオーヤマ

ルームエアコン Wi-Fi・人感搭載シリーズ

IRW-2817C

実売価格7万5384円

アイリスオーヤマが大型白物家電事業への参入第一弾として2017年に発売し、話題となったエアコン。無線LANを内蔵しているため、スマホでの遠隔操作が簡単にできるのが特徴。帰宅途中にスマホでエアコンの電源をオンにしておけば、家に帰ったときに快適な温度で迎えてくれます。睡眠モードは温度設定を1時間ごとに変更可能など、アプリで生活リズムに合わせた細やかな設定も可能。人の動きを検知する人感センサー搭載で、人がいない時は自動で省エネ運転をしてくれます。

●サイズ/質量:W795×D230×H250mm/9.5kg(室内機)●適応畳数:冷房8~12畳、暖房8~10畳●定格能力:冷房2.8kW、暖房3.6kW●APF:5.8●省エネ基準達成率:100%

家電のプロのレコメンド!

「無線LAN内蔵モデルで、しかも廉価ということで昨年発売以来注目のモデルです。そろそろ発売後1年が経過しますが、2018年にモデルチェンジの予定はなく、今後も現行モデルとして継続販売。価格面でもおトク感があります。人感センサーも搭載されていて、不在時はセーブ運転に切り替わります。オートオフにはなりませんが、付けっ放しだとわかれば外から遠隔操作もできるので、オフにならないのは妥当な仕様ですね。エアコン内部の清潔維持機能がないのが惜しいですが、この価格では十分な機能があるといえます」(戸井田さん)

 

その2

清潔性の維持機能が充実し、「プラズマ空清」を搭載

富士通ゼネラル

nocria(ノクリア) Dシリーズ AS-D25H

実売価格10万5100円

熱交換器を加熱して除菌する業界初の「熱交換器(アルミフィン)加熱除菌」が搭載されたスリムモデル。熱交換器を55℃以上に加熱するため、付着したカビ菌や細菌に効果があります。部屋の空気を清潔にする「プラズマ空清」は、0.3~2.5μmの粒子を88%キャッチ。しかもフィルター方式ではない電気集じん方式のため、高い集じん力が持続します。本体の高さは250mmとスリムで、窓上の狭い空間にも納まる設置性の高いモデルです。

●サイズ/質量:W777×D319×H250mm/12kg(室内機)●適応畳数:冷房7~10畳、暖房6~8畳●定格能力:冷房2.5kW、暖房2.8kW●APF:5.8●省エネ基準達成率:100%

家電のプロのレコメンド!

「ひとつ下のCシリーズと比べても価格差はないので、こちらがオススメです。『熱交換加熱除菌』に加えて、抗カビ・抗菌コーティングされた『ハイドロフィリック熱交換器』なので汚れもつきにくくなっています。フィルター自動おそうじ機能や人感センサーを利用した自動セーブ・自動オフ機能も搭載。一年中適切な運転をセレクトしてくれる『毎日快適モード』も便利ですね。このクラスではかなりの高スペックで、コスパが高いモデルです」(戸井田さん)

 

その3

高濃度プラズマクラスターが部屋の空気と本体内部をキレイに!

シャープ

H-Dシリーズ AY-H25D

実売価格11万4400円

高濃度のプラズマクラスターを発生させる空気浄化技術「プラズマクラスター25000」搭載モデル。冷暖房を使わない時期でも、プラズマクラスターを単独運転することで空気をキレイにできます。「部屋干しモード」は、部屋干しのイヤなニオイを抑えつつ、暖房と除湿を効率よく組み合わせて、2時間の運転で約4kgの洗濯物を乾かせます。リモコンのカレンダー情報と外気温の変化で季節を判定し、エアコンが自動で適切な運転を選んでくれる機能もあるので、手間なく省エネができます。

●サイズ/質量:W770×D254×H260mm/9kg(室内機)●適応畳数:冷房7~10畳、暖房6~8畳●定格能力:冷房2.5kW、暖房2.8kW●APF:5.8●省エネ基準達成率:100%

家電のプロのレコメンド!

「ひとつ下のグレードと1万円程度の差なので、こちらのモデルがオススメ! フィルター自動おそうじ機能は非搭載、かつルーバーを取り外しての丸洗いもできませんが、シャープ独自の空気浄化機能のプラズマクラスターが搭載されていて、冷暖房を使わないときもプラズマクラスター発生機として単独運転ができます。また『パトロール』機能は、エアコン停止中でもカビが発生しやすい環境になると、自動的にプラズマクラスターを放出。同時にエアコン内部にもプラズマクラスターを満たし、送風ファンにカビが発生しにくい環境にしてくれます。熱交換器にも『親水性コート』が施されていて汚れが落ちやすいなど、清潔さをキープする環境はまずまず整っています」(戸井田さん)

 

その4

大風量と、一瞬で快適な温度に近づける「ワープ運転」が魅力

三菱重工

ビーバーエアコンTWシリーズ

SRK25TW

実売価格8万6172円

三菱重工ならではの、ジェットエンジンの翼形状設計に使われる技術を応用した「JET BODY」が特色のモデル。ファンと熱交換器の配置や吹き出し口の道筋を最適化することで、電力を抑えながらも、大風量の風を部屋の隅々まで行き渡らせます。吹き出し温度約6℃と強力な冷風を吹き出す「ワープ運転」は、今すぐ涼しくなりたいときに効果的。また、2018年度モデルから伊藤園の茶殻をリサイクルした茶殻樹脂をフィルターホルダーに配合し、資源の有効活用にも取り組んでいます。

●サイズ/質量:W798×D280×H250mm/10kg(室内機)●適応畳数:冷房8畳●定格能力:冷房2.5kW●APF:6.0

家電のプロのレコメンド!

「本体の高さは250mmで、窓上にも設置可能なコンパクトタイプです。フィルター自動おそうじ機能は非搭載ですが、酵素と尿素の力でフィルターに吸着した汚れ(アレル物質)を抑制する『バイオクリア運転』や、運転停止後に自動的にエアコン内部を乾燥させてカビの成長を抑制する『内部クリーン運転』など、清潔維持機能はあります。不在時セーブやオートオフ機能はなく、省エネ機能に関してはやや惜しい。エアコンの周辺を設定温度にすばやく近づけて、15分で元の運転に戻る『ワープ運転』は、お風呂上がりや帰宅直後などに便利です」(戸井田さん)

 

その5

基本機能の冷房・暖房・除湿に特化したシンプルなエアコン

コロナ

Nシリーズ CSH-N2518R

実売価格6万9800円

冷房・暖房・除湿が簡単操作で行える、基本機能に特化した日本製モデル。ワイドで心地よい気流をつくる「ビッグルーバー」を搭載。室内機内部を乾燥させ清潔に保つ「内部乾燥モード」は、運転停止後や冷房シーズン終了時に便利です。また、エアコン本体前面パネルは簡単に取り外して丸洗いも可能。室内熱交換器に溜まったニオイをドレン水で封じ込める「ニオイカット制御」によって、冷房開始時のイヤなニオイも抑えます。

●サイズ/質量:W795×D235×H290mm/9.5kg(室内機)●適応畳数:冷房7~10畳、暖房6~8畳●定格能力:冷房2.5kW、暖房2.8kW●AFP:5.8●省エネ基準達成率:100%

家電のプロのレコメンド!

「冷房・暖房・除湿の基本性能があればOKという人向けの、超シンプルタイプです。シンプルといっても、運転停止後やシーズン終わりに、内部(熱交換器、通風路、送風ファン、ルーバー等)を乾燥して清潔に維持できる機能は搭載されています。自動フィルターおそうじ機能は非搭載なものの、フィルターは抗菌・防カビフィルターになっているのは安心。省エネモードやオートオフ機能はなく、フィルターのおそうじも必要なので、自己管理をするのが前提のモデルですね」(戸井田さん)

 

このクラスはコンパクトで、省スペースで設置できるのが多いのも特徴です。今回紹介したモデルで初期費用を抑えつつ、快適な夏を送ってください!

「エアコン=白いハコ」はもう古い! 理想の部屋を作る「デザイン重視モデル5選」を家電のプロが伝授

エアコンは常に目に入るものだけに、家具と同様、デザイン性が重要になってきます。近年は、部屋の統一感を重視するユーザーのニーズを受け、従来のような「白いハコ」を脱し、フォルムや色、質感にこだわったモデルも増加中。そこで今回は、家電のプロ、戸井田園子さんにデザイン重視モデルを選ぶ注意点を教えてもらうとともに、14畳程度のリビングユースのモデル(4.0kWクラス)を想定し、オススメ5モデルを選んでいただきました!

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

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雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

デザイン重視のエアコン選びで注意すべきポイントは?

冷暖房の能力と設置環境をしっかりチェック!

「デザイン重視モデルの場合、冷暖房の能力の展開が少ないものもあるので要注意。設置したい部屋に見合った能力があるか最初に確認を! また、こうしたデザイン重視のモデルは、薄型のフォルムを採用した手前、『自動フィルターお掃除機能』を諦めている場合があります。その場合は、日々のメンテナンスが自分で管理できるのか、しっかりと吟味して判断してください。

 

もうひとつ、デザイン重視モデルのイメージ画像は、壁の中心に設置している場合が多いです。これは、余白がある状態で設置すると美しく見えるデザインになっているから。実際に設置する場所が天井や壁ギリギリだと、イメージ通りにならないこともあるので、設置環境には注意してください!」(戸井田さん)

画像出典:三菱電機「霧ヶ峰FLシリーズ」製品紹介ページ

 

その1

光を受けて華やかに輝く、ソリッドなデザイン

三菱電機

霧ヶ峰 FLシリーズ

MSZ-FL4018S

実売価格21万200円

2016年度の「グッドデザイン賞 グッドデザイン・ベスト100」にも輝いた「FLシリーズ」。正面から吹き出し口が見えない端正なフォルムでインテリアとも調和します。透明パネルとその裏面のヘアライン加工で表面を美しく仕上げ、光が当たる角度によって多彩な表情を生み出します。新色「オニキスブラック」、深みのあるメタリック調の「ボルドーレッド」、きらめくパール調の「パウダースノウ」の3種類のカラバリを展開。

●サイズ/質量:W890×D233×H307mm/17kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF(※):6.7●省エネ基準達成率:111%

家電のプロのレコメンド!

「発売当初は、これまでにないデザイン性が大きく話題になったシリーズです。シンプルかつシャープなフォルムと、素材感や仕上げにこだわったパネルは美しいのひとこと! 三菱のメイン機能である赤外線センサー『ムーブアイ極』や、冷暖房と送風を組み合わせる『ハイブリッド運転』、不在時はセーブ運転から自動オフになる『スマートSTOP』など、基本的な性能は網羅。ただし、薄型にしたためフィルター自動掃除機能は非搭載です。とはいえ、内部のメカに特殊なコーティングがしてあり汚れがつきにくく、フラップも外せるのでお手入れはしやすいです」(戸井田さん)

 

※APF……Annual Performance Factorの略で、1年間、規格に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなるので、予算内でこの数値がなるべく大きいものを選びましょう。なお、APFは普及価格モデルだと4~5点台、最上位モデルだと7点台になります

 

その2

機能とデザイン、どちらも兼ね備えたハイスペックモデル

三菱電機

霧ヶ峰 FZシリーズ

MSZ-FZ4018S

実売価格25万4000円

「霧ヶ峰」のプレミアムモデル。高精度赤外線センサーとAIの連携で、少し未来の体感温度を予測する、世界初の「ムーブアイmirA.I.(ミライ)」を搭載します。「先読み運転」設定時には、左右独立駆動のファン「パーソナルツインフロー」が部屋にいるひとりひとりの温度の感じ方に合わせて、気流の強弱と方向を細かくコントロール。また、「プレミアム除湿」は、2つのファンの動きを制御することで寒くなりにくい快適な除湿を実現しています。

●サイズ/質量:W890×D358×H285mm/22kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:7.8●省エネ基準達成率:130%

家電のプロのレコメンド!

「FLシリーズと同様、シャープですっきりしたパネルを採用し、デザイン性は高いです。外見だけではなく、内部の構造も他にはない最先端のデザインモデル。従来の筒型ファンではなく、左右独立したふたつのプロペラファンを搭載し、それぞれに違う温度帯(最大5度差)の風を送り出すことができます。エアコン内部はハイブリッドナノコーティングが施され、カビの発生を抑制するモードやフィルター自動掃除など、清潔性も万全。デザイン・最先端技術の双方が揃ったハイスペックモデルです!」(戸井田さん)

 

その3

7色のカラバリ展開で、部屋の雰囲気とピッタリのカラーが選べる

ダイキン

risora(リソラ)

AN40VSP-W

実売価格23万5440円

壁から突き出たエアコンの圧迫感をなくすため、185㎜という業界最薄を実現したスタイリッシュな新モデル。前面パネルは表面加飾でマット質感やツヤ感を実現しています。カラバリは「ラインホワイト」「グレイッシュブラウンメタリック」のほか、綾織りの質感を表現した受注生産の「ツイルゴールド」など全7色。ダイキンの最上位機種「うるさら7」と同じく、温度と湿度を制御し続ける「プレミアム冷房」を搭載し、心地よさも追求しています。

●サイズ/質量:W798×D185×H295mm/10kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:5.0●省エネ基準達成率:102%

家電のプロのレコメンド!

「ダイキンがこの3月に発売した、カラバリが豊富なインテリアエアコンです。7色展開で、部屋のインテリアイメージに合わせてコーディネートしやすいのがポイント! 実は、かなり前に三洋電機が似たような製品を発売し、インテリア関係者の間では大いに話題になりましたが、当時は省エネや快適性重視の流れに負けて消えてしまいました。今回、売れ行きが好調ならば、ようやく時代が追いついたといえそうです。もちろん、ダイキンらしく基本性能に不安はなし。フィルターの自動お掃除機能は非搭載ですが、有害物質を分解する技術『ストリーマ』で内部を清潔に保つとともに、フィルターで捕らえた物質にストリーマを照射し、気流を清潔に保つ機能があります」(戸井田さん)

 

その4

空気清浄機能を持ち、丸みのある前面パネルも美しい

東芝

大清快 E-Rシリーズ

RAS-E405R

実売価格16万2000円

強力な空気清浄機能「プラズマ空清」を備えた「E-Rシリーズ」の新モデル。プラズマ空清ユニットが吸い込んだ汚れを帯電させて熱交換器に吸着し、屋外に排出することで、空気中に浮遊する花粉やカビ、PM2.5を99%除去します。さらにPM0.1レベルの微細な粒子も90分間で90%以上除去できるようになりました。前面パネルは落ち着いた質感のマット調。フィルター自動お掃除で取れたホコリは「楽ダストボックス」にたまり、掃除機で3か月に1度吸えばいいので手入れが簡単です。

●サイズ/質量:W790×D255×H250mm/11kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:4.9●省エネ基準達成率:100%

家電のプロのレコメンド!

「個人的には、スタンダードなエアコンの中では、東芝の『大清快』が一番キレイなデザインだと思います。両サイドを包むように巻き込んでいる前面パネルがすっきりとした印象。特別尖ったデザインではないですが、さりげなく完成度が高いのが良いですね。なかでもオススメは自動フィルター掃除機能が搭載されているセカンドラインの『E-Rシリーズ』。空気清浄機と呼べるレベルのしっかりした空気清浄機能が搭載されているのがウリ。また、本機はふたつのシリンダーを持ち、パワーがそれほど必要ないときはひとつだけ動作させるなど、省エネなのもポイントです。ちなみに、すべてのグレードで同じデザインなので、予算に応じてどれを選んでもデザイン面では問題ありません」(戸井田さん)

 

その5

ヨーロッパの美意識が生んだ、インテリアの一部となる新スタイル

ダイキン

UXシリーズ

C40RTUXV-W

実売価格7万1195円(室内機のみの価格)

「ダイキンヨーロッパ」が工業デザイナーAlexander Schlag(アレキサンダー・シュラッグ)氏と共同でデザインしたモデル。ヨーロッパでは主流スタイルとなっている、室外機ひとつに複数の室内機を接続するハウジングエアコンです。室外機がひとつで済むため、住宅の外観も損ないません。室内機は風の流れをイメージして曲面を基調とした前面パネルを採用。左右両端の厚みを129mmに抑え壁との一体感を演出しています。飛行機のフラップのように前面パネルがスライドして、気流の吹き出し口が登場するなど、動きのクオリティにもこだわっています。

●サイズ/質量:W998×D212×H303mm/11kg(室内機)

家電のプロのレコメンド!

「いままでにない流れるようなフォルムのデザインが画期的! 壁掛けタイプですが、ハウジングエアコンなので単体で設置することは難しく、新築時やリフォーム時に導入するのがオススメ。特にインテリアデザインにこだわって家を新築する際は、ぜひ検討してほしいモデルです」(戸井田さん)

 

インテリアにマッチする上質なデザインのモデルを選べば、それだけで心地よく生活できるはず。カラバリが選べるモデルがあるのもうれしいですね。個人の状態を感知して吹き分けるモデル、空気清浄機能付きのモデルなど、家庭に必要な機能も合わせてじっくり吟味してみてください!

エアコンは「センサーと清潔性」が重要です! 家電のプロに聞くリビング用モデルの選び方&オススメ5選

気温が25℃を超える日も増えてきて、いよいよ夏の足音が聞こえてきました。リビングのエアコンの買い替えを検討している方は、設置の注文が込み合う前にぜひ購入しておきたいところです。ところが、何を基準にどうやって選べばいいのか、わからないという人も多いはず。本稿では、家電のプロ、戸井田園子さんに選び方のポイントとともに、14畳程度のリビングで一般的な4.0kWクラスのオススメ5モデルを教えてもらいます。

 

教えてくれるのはこの人!

家電コーディネーター

戸井田園子さん

20170629reese_1-3

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

リビングのエアコン選びで注意すべきポイントは?

価格の安さだけを追わず、センサー機能の良いモノを選んで!

「リビングのエアコンの場合、価格の安さだけを優先しすぎるのはNG。ハイエンドクラスか、そのひとつ下のクラスまでで選んでほしいです。なぜなら安価なモデルを選ぶと、センシング能力や吹き分け機能が劣ってくるため、複数の人の快適を維持しにくくなります。快適性が損なわれることで、複数の人が無闇に温度変更したりON/OFFしたりするようになると、電気代がかさむ羽目に。その意味では、ある程度本体に投資した方が、使い初めてからストレスがたまらず、節約につながる可能性が高いです。特に、センサー機能が良いものを選んでほしい。センサーが良いと、温度を一定に保つ精度が高くなる=快適かつ省エネにつながります。

もうひとつ注目したいのが、清潔性を維持する機能。最近の家は、リビング・ダイニング・キッチンが一部屋になっているLDKが多いうえ、キッチンが対面かつ吊り戸棚や下り壁がない、オープンな空間構成も多いです。必然的にリビングにも調理の湯気や煙が回りやすくなり、エアコンの内部も汚れやすくなります。だからこそ、フィルターの自動お掃除だけでなく、フィンや熱交換器など、内部の汚れがつきにくい仕様のものを選びたいところ。『自動お掃除』といっても、フィルターだけのものもあるので、カタログなどでしっかりと確認を!」(戸井田さん)

 

その1

人工知能が“ちょっと未来”の体感温度を先読み!

三菱電機

霧ヶ峰 Zシリーズ

MSZ-ZW4018S

実売価格18万9800円

高精度赤外線センサーと人工知能が連携する「ムーブアイ mirA.I.(ミライ)」搭載で、ひとりひとりの“ちょっと未来”の温度の感じ方を予測して「先読み運転」をするハイスペックモデル。「ハイブリッド運転」モード時は、暑い昼間は冷房、涼しい朝は「爽風」(消費電力最小15W)というように自動で切り替わり、「エアコン」と「扇風機」のいいとこどりで快適性と省エネを両立します。

●サイズ/質量:W799×D385×H295mm/17kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF(※):7.0●省エネ基準達成率:142%

 

家電のプロのレコメンド!

「人の体感温度を予測して先回り運転する『ムーブアイmirA.I』が画期的です! 複数の人がいても、ひとりひとりの体感温度を考慮してくれるのでファミリー向き。最上位のFZシリーズとほぼ変わらないスペックですが、FZに比べるとデザインがノーマルな仕上げとなっているぶん、価格はおトクになっています。また、『フィルターおそうじメカ』を取り外せる新構造で、中まで掃除しやすく清潔に維持できます」(戸井田さん)

※APF……Annual Performance Factorの略で、1年間、規格に定められた環境下で運転した場合のエネルギー消費効率のこと。数値が大きいほど冷房・暖房時の消費電力量が少なくなるので、予算内でこの数値がなるべく大きいものを選びましょう。なお、APFは普及価格モデルだと4~5点台、最上位モデルだと7点台になります

 

その2

冷暖房開始時の“ブースト”で一気に快適な室内に

ダイキン

うるさら7 Rシリーズ

AN40VRS-W

実売価格31万820円

ダイキン最上位「Rシリーズ」のモデル。エアコンの基本性能を最大限に引き出す「ブースト制御」を行い、これまで以上に素早く快適環境を実現します。冷房時の「クールブースト」制御では、快適な湿度への到達時間が従来比40%も短縮しました。天井に沿って大風量で吹き出す「サーキュレーション気流」や、設定温度到達後も除湿を行う「デシクル制御」、0.5℃単位で温度をコントロールする「ピット制御」などで心地よい冷房環境が保てます。

●サイズ/質量:W798×D370×H295mm/15kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:6.3●省エネ基準達成率:128%

家電のプロのレコメンド!

「空気中の水分をエアコンが取り込んで加湿する『無給水加湿』ができる唯一のシリーズなので、少々お高くてもこちらがおすすめ。気流を制御して、部屋全体をムラなく均一に冷暖房するタイプで、風が当たるのが嫌いな人でも快適に過ごせます。ダイキンは基本性能に確かな実力があり、気象条件が厳しいエリアの人には特にオススメしたいですね」(戸井田さん)

その3

左右に付いた可動式ファンが2種類の気流を生み出す

富士通ゼネラル

ノクリアXS

AS-XS40H

実売価格18万6840円

最上位機種で好評だった、本体両横の可動式サイドファン「デュアルブラスター」を搭載したモデル。吹き出し口の角度が変わるデュアルブラスターで、温度と速さの違う2種類の気流「ハイブリッド気流」を生み出し、部屋全体をムラなく快適にします。また、AI機能「ノクリアセレクト」によって、深夜の暖房運転は静音運転に自動で切り替わるなど、AIが分析・判断して使用環境に応じた最適な運転を行います。

●サイズ/質量:W786×D378×H293mm/17kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:5.6●省エネ基準達成率:114%

家電のプロのレコメンド!

「両サイドについた扇風機のようなファンが特徴の『デュアルブラスター』にコンパクトタイプが登場しました。これまではファンがある分、横幅が大きかったですが、このXSシリーズは全機種が横幅786mmになり設置性がアップしています。部屋の温度・湿度を計測し、独自のアルゴリズムで分析して最適な運転を行う『毎日快適モード』も搭載。子どもだけの時も、季節の変わり目も、この機能をONにしておけば、無駄なく運転してくれて安心・快適です!」(戸井田さん)

 

その4

空気の汚れに応じて動く「アクティブクリーンフィルター」を搭載!

パナソニック

エオリア Xシリーズ

CS-X408C2-W

実売価格25万3000円

独自の「アクティブクリーンフィルター」と、ナノメートルレベルの凹凸表面処理を施した新開発の「ホコリレスコーティング」で、部屋の空気環境の清潔性と快適性を向上させた「Xシリーズ」の新モデル。20畳相当の高い集じん能力を持つ可動式「アクティブクリーンフィルター」は、PM2.5や浮遊ウイルス、花粉までしっかり除去します。また無線LANを内蔵し、スマホから遠隔操作はもちろん、部屋の空気清浄効果を確認することも可能です。

●サイズ/質量:W799×D385×H295mm/16kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:7.2●省エネ基準達成率:146%

家電のプロのレコメンド!

「2018年度モデルは、空気が汚い時だけフィルターが出てきて空気清浄効果を高める『アクティブクリーンフィルター』が目玉です。空気が汚れていないときは、エネルギー効率を重視して密度の高いフィルターは格納されるという仕組みが画期的でユニーク! 空気清浄機を置かずに済むので、そのぶん費用も浮きますし、リビングが少しでも広く使えるのはうれしいですね。空気の浄化効果と脱臭効果が高い『ナノイーX』も搭載されているなどメリット満載。価格がややお高くても、家族が長時間過ごすリビングには、ぜひオススメしたいです」(戸井田さん)

 

その5

熱交換器を凍らせて一気に洗浄する「凍結洗浄」を新搭載

日立

白くまくん Eシリーズ

RAS-E40H2

実売予想価格21万3840円

手入れのしにくい熱交換器の洗浄を、年間通して定期的に行う「凍結洗浄」を搭載。エアコン内部の熱交換器を自動で凍らせて一気に溶かし、ニオイの一因となるホコリや油汚れを洗い流せます。通風路、フラップ、フィルターに除菌効果があるステンレスを採用した日立独自の「ステンレス・クリーン システム」と合わせて、高い清潔性が特徴です。

●サイズ/質量:W798×D323×H295mm/重量13kg(室内機)●適応畳数:冷房11~17畳、暖房11~14畳●定格能力:冷房4.0kW、暖房5.0kW●APF:5.3●省エネ基準達成率:108%

家電のプロのレコメンド!

「内部の汚れを落とす『凍結洗浄』が、2018年モデルから搭載されています。最上位モデルのような汚れに応じて洗い方をコントロールする機能はないですが、不在時の自動洗浄のほか、タイマー洗浄も可能です。エアコン内部がステンレス製なので汚れがつきにくく、キッチンが同じ空間にあるLDKにオススメ。また、人の数、居場所、動きなどをセンシングする『くらしカメラ F』の搭載により、温度・風向・風量をコントロールしてくれるので、部屋にいる全員が快適に過ごせます」(戸井田さん)

 

リビングは一家だんらんの中心となる大事な場所。家族の健康を守るためにも、エアコンを上手に使って快適に保ちたいですよね。センサー機能と清潔性を保つ機能に注目して、後悔のないモデルを選びましょう!

エアコンは白くてデカイだけじゃない! ダイキンが「空調の見本市」で示した新たな価値

もはや日常生活の必需品となっているエアコン。家庭だけではなく商業施設やオフィス、乗り物など、ありとあらゆるところに設置され、私たちに快適な空間を提供してくれる、とても重要な家電です。最近では、冷房や暖房といった機能だけではなく、湿度調整機能や空気清浄機能、人感センサーの搭載などなど、多機能化が進んでいます。

そんなエアコン業界をリードするメーカー、ダイキン工業の新商品のエアコンをチェックするため、千葉・幕張メッセで開催された「ヒーバック&アール ジャパン2018」へ行って参りました。その模様をレポートします。

 

例年の1.5倍! 広いブースに最新空調設備が盛りだくさん

ヒーバック&アール ジャパンは、冷凍・空調機器業界の専門見本市。2年に1度の開催で、今年で第40回を迎えました。

 

ダイキン工業のブースは、例年の1.5倍の広さとなっており、業務用から家庭用まで、さまざまな同社の空調設備を6つのゾーンで展示しています。広い展示スペースの「住宅ゾーン」に展示されていたのが、家庭用エアコンの新製品「risora」と「ココタス」です。まずはこの2製品から見ていきましょう。

 

業界最薄&7色展開のスタイリッシュエアコン「risora」

risoraは、デザイン性を重視したエアコンです。最近のエアコンは多機能になる代わりに本体の厚みが増し、部屋のなかでどうしても存在感が出すぎてしまうという傾向にあります。

しかしrisoraは、業界最薄の185mm。また、エアコンでは珍しい7色展開となっています。これにより、部屋の雰囲気を壊さず溶け込むエアコンとなっています。

 

展示ブースでは、部屋の壁を再現したパネルにrisoraが取り付けられていました。和風な雰囲気にはグレイッシュブラウンメタリック、おしゃれでポップな雰囲気にはブラックウッドというように、インテリア感覚でエアコンを選ぶことができます。

↑深みのあるブラウン系のカラバリ、グレイッシュブラウンメタリックの設置例

 

↑黒い本体に木のリアルな質感が映えるブラックウッドの設置例

 

もちろん、機能も充実。快適な温度と湿度をキープする「プレミアム冷房」や、天井や床に沿わせて風を吹き出す気流コントロール技術の搭載、ストリーマによるエアコン内の清浄機能など、コンパクトボディに機能が凝縮されています。発売は3月30日からということですが、昨年9月の発表以来、多くの問い合わせがあるとのこと。いままでは「エアコンといえば白」といったイメージでしたが、7色展開のrisoraならば、機能+カラーで選択肢が増え、選ぶ楽しさが広がります。

 

なお、展示ブースではコンパニオンの方が自撮り棒にセットしたスマホを持っていました。近づいてみると……。参考出品の「risora ARアプリ」のデモを行っていたようです。

↑設置イメージが確認できるアプリ

 

ARの技術を使い、カメラで写している空間や、アプリ内で用意された空間にrisoraをバーチャルで取り付けることができ、取り付け後のイメージを再現。あらかじめ設置イメージがわかるのはうれしいですね。どうやら販売店向けのアプリのようですが、一般向けにも公開してほしいですね。

また、risoraをAmazon Echoで動作させるデモンストレーションも行われていました。今後普及するであろうスマートホームへの準備も万端のようです。

 

家のあちこちに取り付けて家全体を快適にできる小型エアコン「ココタス」

家庭用エアコンのもうひとつの新製品が小空間マルチカセット形室内機「ココタス」です。こちらは2月27日から発売開始。通常の家庭用エアコンとは異なり、壁への埋め込み型で小型(W460×D380×H175mm)なのが特徴です。

小型なので、これまでエアコンの設置が難しかったスペースへ取り付けることが可能。たとえばキッチンや浴室の脱衣所、トイレ、階段、廊下、玄関などに取り付けることで、家全体を快適な空間にすることができるようになります。室外機1台でココタスやrisora、床暖房ユニットなど室内機が3台まで接続できるのもうれしい点。その他、リビングに大きな家庭用エアコンを1台設置する代わりに、ココタスを2台設置して必要に応じて1台だけ稼働させるようにすれば、省エネにもつながりそうです。

 

同社では家庭用として販売していますが、店舗などからの需要もあるとのこと。ココタスの登場により、新しいエアコンの用途が生まれつつあるようです。

↑ココタスの設置イメージ

 

2つの新製品、risoraとココタスについて、同社の常務執行役員の舩田 聡氏は「通常の新商品に比べて違った評価があり、好感触です。私たちよりユーザーの方々がいろいろと使い方などを検討してくれています。これからは、使い方をメーカーが決めるのではなく、お客様と育てていくことが重要だと思っています」と語りました。

 

エアコンを始めとした空調機器は、性能こそ年々アップしていますが、商品としてのおもしろさがあるかというと、やや疑問が残ります。しかし、risoraやココタスといった製品は、ユーザーが使い方を楽しみながら考える「余白」があります。これは、これまでの空調機器とは大きく異なる部分。今回のダイキンの2製品を通じて、エアコンの新しい方向性が示されたのではないでしょうか。

 

社員のアイデアから生まれたプロトタイプも展示

ちなみに、現在同社では、6000名の社員からアイデアを募り、おもしろいと思ったアイデアを形にするという試みを行っているとのこと。そのなかから生まれたプロトタイプも展示されていました。

risoraをベースにしたものは、アロマオイルのカセットがセットできるものや、新しい色展開、そして壁紙とrisoraを同デザインにするといったアイデアがありました。女性社員の意見が反映されているようです。

上の写真はエアコンと一緒に動作させるサーキュレーターと、ストリーマ付きの空気清浄機です。3Dプリンタで制作されているとのこと。思いついたらすぐに作ってみるというスピード感が、これからのダイキン製品を変えるかもしれません。

 

お手入れは吸い取るだけ!? 「PM0.1」すら除去する空清付きエアコン「大清快」が登場

東芝ライフスタイルは、空気清浄機能「プラズマ空清」付きのルームエアコン「大清快」から、最上位機種のDRシリーズを2月上旬に発売します。こちらは国内家庭用ルームエアコンでは業界で初めて、PM0.1レベルの微細な粒子(0.09~0.11μm)を除去することが確認されました。実売予想価格は21万~35万円前後(税抜)。

 

PM0.1を90%以上除去することを確認し、お掃除機能も充実!

↑DRシリーズ↑「大清快」DRシリーズ

 

同シリーズは、空気清浄機能「プラズマ空清」を備えているのが大きなウリ。室内機に搭載されたプラズマ空清ユニットが、吸い込んだ汚れ物質を帯電させ、熱交換器に吸着させることで、空気中に浮遊する花粉やカビ、PM2.5を99%除去。さらに今回、PM0.1レベルの微細な粒子(0.09~0.11μm)も90分間で90%以上除去することも確認しています。また、タバコの煙や細菌、ウイルスなどの微細な粒子までも集じんするので、エアコンからはいつでもきれいな空気が吹き出します。

 

なお、「プラズマ空清」は、冷房・暖房との併用はもちろん、空気清浄だけの単独運転も可能。エアコンを運転しない時期を含め、一年を通して室内の空気をキレイに保つことができます。

↑「プラズマ空清」イメージ↑青く見える部分がプラズマ空清ユニット。中央の金属部分が「マジック洗浄熱交換器」(後述)

 

同シリーズは清潔性も大きな特徴。室内機に搭載された自動お掃除機能により、エアフィルターの両面を自動でお掃除します。また、特殊樹脂コーティングされた「マジック洗浄熱交換器」を採用し、除湿・冷房時に発生する水で汚れを洗い流します。汚れはそのまま屋外に排出されるため、面倒な熱交換器のお手入れが不要なのもうれしいポイント。

 

前面パネルには、ホコリや汚れの付着を抑える帯電防止加工を施し、室内機の内部だけでなく、外部もキレイで清潔に保つことができます。運転停止後はセルフクリーン運転で送風経路のいやなニオイを脱臭するうえ、付着菌も減少し、カビの発生やホコリの付着も抑制。また、内部のダストボックスに溜まったホコリは、付属のお掃除ノズルを使用して、掃除機で簡単に吸い取ることができます。ダストボックスの取り外しや、フィルターの掃除は不要。

↑フィルターの自動お掃除機能で取ったホコリは、室内機の内部のダストボックスに溜まります。付属のお掃除ノズルを使用すれば、ダストボックスに溜まったホコリを掃除機で直接吸い取ることができます↑フィルターの自動お掃除機能で取ったホコリは、室内機の内部のダストボックスに溜まります。付属のお掃除ノズルを使用すれば、ダストボックスに溜まったホコリを掃除機で直接吸い取ることができます

 

また、40℃の温風が出るまでわずか30秒と、短時間で暖かさが広がる「秒速ダッシュ暖房」と、25mまで風が届くパワフル気流、生活シーンに合わせてお好みの気流(風あて/風よけ)が選べる「快適気流」を搭載するなど、エアコン本来の機能も優秀です。「空気清浄機を置きたいが、置く場所がない…」「エアコンの手入れの手間を減らしたい」という方には、まさにうってつけのモデル。新生活のパートナーとして、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

↑設置イメージ↑設置イメージ

 

画期的すぎて、展示されたのは素材だけ…!?「掃除の摩擦」でフィルターが復活する「空気清浄デバイス」を三菱電機が新開発

「換気装置のフィルターのメンテナンスの手間を軽減し、交換の期間も飛躍的に延ばせる仕組みを開発した」と、三菱電機が発表しました。今回、三菱電機が開発を発表したのは、世界初の「摩擦帯電方式」による新しい空気清浄デバイス。外気と室内の空気を入れ替える換気空調システムに装着するものです。オフィスや集合住宅での導入を想定しており、事業化は2020年度を目標としています。

 

エアコンにも応用可能な新開発の空気清浄デバイスを発表

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エアコンや空気清浄機は外気との換気は行わないこともあり、空気清浄デバイスと言っても、三菱電機製の家庭用エアコンや空気清浄機にすぐに搭載される機能にはなりません。ただ、原理としてはエアコンや空気清浄機のフィルターにも応用可能な内容。10年間のメンテナンスフリーを謳っているため、家庭用製品への転用も自ずと期待してしまうところです。それでは、新開発の「摩擦帯電方式空気清浄デバイス」が従来と何が異なり、どのようにしてメンテナンスフリーを実現するのか? 以下で詳しく見ていきましょう。

 

換気装置の外側に設置すれば、フィルター交換の頻度が激減!

そもそも換気装置に搭載されているフィルターは、外気を取り込む際に大気中に含まれる汚れを除去するために使われます。一般の家庭で「換気」というと、室内の淀んだ空気を新鮮な外気と入れ替えるイメージがありますよね。しかし、昨今は花粉、塵埃(※)、PM2.5など、都市部の大気にはダストが多く含まれるため、外気を取り込む際にフィルターを通すことでエアコンなどの空調機器の省エネ性を維持しているのです。

※塵埃(じんあい)……チリとホコリのこと

 

今回、三菱電機が新開発した「摩擦帯電方式空気清浄デバイス」は、このフィルターの外側(外気側)に設置し、フィルターの負荷を軽減することで、通常2年に一回は必要なフィルターのお手入れや交換を、10年に一回に低減できるというものになります。

↑摩擦帯電方式空気清浄デバイスの構成例↑摩擦帯電方式空気清浄デバイスの構成例

 

自動清掃の摩擦で捕集板に静電気を補給する

摩擦帯電方式空気清浄デバイスの最も外側には、マイナスに帯電するプラスチック製の捕集板が設けられています。外気中のダストの多くはプラスに帯電しており、室内に取り込む際に捕集板に付着します。捕集板をすり抜けるプラス帯電していないダストは数が少ないため、フィルターが汚れにくくなるという仕組みです。

 

捕集板に付着したダストは、定期的に不織布で作ったブラシが自動清掃し、ダストをダストボックスに集めます。この自動清掃の際に、捕集板とブラシの摩擦によって捕集板に静電気が発生し、捕集板が再帯電するようになっています。

 

この仕組みにより、世界保健機関の環境基準であるPM2.5濃度10μg/㎥以下を達成。捕集板の捕集性能は低下することなく、10年間メンテナンスフリーで使えるとしています。なお、ダストボックスのゴミ捨て頻度も10年に一回の目安です。

↑不織布ブラシが自動清掃する際に摩擦を起こし、再帯電することでダストを捕集し続ける原理↑不織布ブラシが自動清掃する際に摩擦を起こし、再帯電することでダストを捕集し続ける原理

 

メンテナンスの手間を減らし、高気密・高断熱住宅に貢献

三菱電機 先端技術総合研究所 所長の水落隆司氏は、「経済産業省が音頭を取って進める、ZEH/ZEB(ゼロ・エネルギー・ハウス/ゼロ・エネルギー・ビル)市場の規模拡大により、オフィスやマンションの高気密・高断熱化が進んでおり、『換気』が社会的な重要性を増しています。新開発した摩擦帯電方式空気清浄デバイスを利用することで、少ないメンテナンスで空気のきれいな空間が提供しやすくなります」と、ZEH/ZEB化に貢献できるシステムであると力説しました。

↑三菱電機 先端技術総合研究所 所長の水落隆司氏↑三菱電機 先端技術総合研究所 所長の水落隆司氏

 

また、同研究所 環境システム技術部長の古川誠司氏は、「集じん原理を従来の放電による帯電から、非放電の摩擦による帯電に切り替えることで、デバイスの経時劣化が飛躍的に減少しました。火災リスクの極小化と、オゾンや窒化酸化物の発生の抑制が図れるほか、高い安全性も実現。メンテナンスの手間や費用も軽減できます」と語りました。

↑三菱電機 先端技術総合研究所 環境システム技術部長 古川 誠司氏↑三菱電機 先端技術総合研究所 環境システム技術部長 古川 誠司氏

 

↑従来と比較して、安全性や省メンテナンス性に優れているとしています↑従来と比較して、安全性や省メンテナンス性に優れているとしています

 

まずは中国市場でフィールド試験を実施

まずは北京などPM2.5が深刻な中国市場で、約1700か所の三菱電機の換気空調システムに搭載してフィールド試験を実施。2020年度の事業化を目指すとのこと。なお、今回の発表会ではデバイスの実物は展示されず、捕集板や不織布ブラシも素材のみの展示となっていました。1ユニットの外形寸法はW300×D300×H250mmと公表していますが、実物も写真もないので、まだその姿を見ることはできません。2020年度の事業化ということもあり、プロトタイプを一般公開するには未だ早いと判断したのでしょう。

↑捕集板の素材となるプラスチックとブラシの素材となる不織布↑今回展示された素材。捕集板の素材のプラスチックとブラシの素材となる不織布です

 

開発に際しては、「ダストの捕集率などの検証がもっとも大変で、時間が掛かりました」と古川氏。この発表にこぎつけるまでに、古川氏を中心に5年ほどの時間が掛かったそう。システムとしての価格は未定ですが、10年ぶんのHEPAフィルター交換のコストよりは安価に提供できる見通し。小型化できれば、家庭用のエアコン等への搭載も可能性はあるとのことでした。フィルターの交換やお手入れの手間を軽減する本システムが、エアコンや空気清浄機にも搭載される日が楽しみですね。

【家電大賞2017】エアコン部門は清潔性がトレンド! あの「価格破壊メーカー」の業界初参入も話題に

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GetNaviと白物家電専門ニュースサイト「家電Watch」による年に1度の家電アワード「家電大賞」が今年も開催!

 

このアワードは、掃除機や炊飯器、家事家電身だしなみ家電など全14部門、119アイテムのなかから「2017年のベスト家電大賞とそれぞれの部門賞を選出します。選出方法はみなさまの投票のみ! 専門家や編集部の票は一切なく、読者が考えるベストなものを決めましょう、という趣旨になっています。

 

家電大賞にノミネートされた119アイテムは、以下のページにまとめてありますが、今後は部門ごとに注目製品などを詳しく紹介していきます。

家電大賞2017の投票開始! 2017年のBest of 白物家電の栄誉は果たして……?」
http://getnavi.jp/homeappliances/201102/

 

清潔性に配慮したモデルが目立ち、初参入メーカーも注目を集めた

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今回は、エアコン部門を紹介。ダイキンは空調機器メーカーらしく、空間そのものを快適にする機能が充実。ダイキン工業 うるさら7 Rシリーズは、人に風が当たりにくい気流制御のほか、乾燥しやすい冬にうれしい暖房時の「無給水加湿」運転を搭載しています。また、暖房時の「ヒートブースト」制御では、設定温度への到達時間を約20%短縮し、冷房時の「クールブースト」制御では、夏場の不快感の要因となる湿気を素早く除去。帰宅したばかりの不快な室内も、快適な空間へとスピーディに変えてくれます。

 

また、今年は、清潔性にこだわるモデルが多く見られました。パナソニック エオリア WXシリーズは、「暑い」と感じている人、「寒い」と感じている人、それぞれに応じた温風を同時に送るとともに、脱臭効果などが期待できる微粒子イオン「ナノイーX」と空気の汚れを集じんする「アクティブクリーンフィルター」を搭載。富士通ゼネラル ノクリア Xシリーズは、左右に備えられたサイドファン「デュアルブラスター」で気流を快適にコントロールするとともに、熱交換器を清潔に保つ「加熱除菌」を搭載し、雑菌やカビ菌を除去し、気流の清潔さをキープします。日立 ステンレス・クリーン 白くまくんプレミアム Xシリーズは、熱交換器に付着したホコリやカビ、油汚れを自動で洗い流す「凍結洗浄」を搭載。 また、フラップやフィルターに、除菌効果があるステンレスを採用してエアコン内部の清潔さを保ちます。

↑熱交換機↑熱交換機の例

 

得意のセンサー技術に磨きをかけた新モデルも登場しました。三菱電機 霧ヶ峰 FZシリーズは、部屋の温度状況を360°センシングする赤外線センサー「ムーブアイ mirA.I.」を新搭載。取得したデータから、AI(人口知能)がユーザーの少し先の体感温度の変化を予測し、これに応じた「先読み運転」で、快適性と省エネ性の向上を実現します。

 

そんななか、異色を放つのがアイリスオーヤマ ルームエアコン IRW-2817C/IRW-2217C。こちらはアイリスオーヤマがエアコン初参入を果たしたモデル。IRW-2817Cは実売価格7万円台、IRW-2217Cにいたっては5万円台という驚異的な価格を実現しながら、無線LANを搭載しWi-Fiに対応。スマホでの遠隔操作が行えます。

 

エアコン部門にノミネートされた6製品は以下のとおり。アワードに投票してもらうと、豪華賞品が当たることもあるのでぜひ参加ください!

「豪華賞品が当たる家電大賞2017への応募はこちら」
https://cgi2.impress.co.jp/watch/kaden/kadentaisho2017/form.html

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ダイキン工業 うるさら7 Rシリーズ(左) 従来の無給水加湿機能に加え、冷暖房開始時の新制御を採用。設定温度に素早く到達する。

パナソニック エオリア WXシリーズ(右) 高密度のビッグフィルター搭載で20畳相当の高い集じん力を実現。アプリからも操作可能だ。

 

 

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富士通ゼネラル ノクリア Xシリーズ(左) 業界初の熱交換器加熱除菌機能を搭載。エアコンから送り出される気流を清潔にする。

三菱電機 霧ヶ峰 FZシリーズ(右) 世界初のAI搭載先読み運転エアコン。外気温や日射熱から未来の体感温度を予測する。

 

 

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日立 ステンレス・クリーン 白くまくんプレミアム Xシリーズ(左) 凍結洗浄機能を搭載。エアコン内部の熱交換器を凍らせて一気に溶かし、汚れを洗い流す。

アイリスオーヤマ ルームエアコン IRW-2817C/IRW-2217C(右) 無線LANを内蔵。外出先からアプリで室温を確認し、あらかじめ快適な室温にしておける。

 

「豪華賞品が当たる家電大賞2017への応募はこちら」
https://cgi2.impress.co.jp/watch/kaden/kadentaisho2017/form.html

 

どこまで濃くなるのか? プラクラ濃度が「NEXT」に突入したシャープ新エアコン&空清の驚くべき効果

冬は暖かく夏は涼しく、ムシムシもカサカサもせず、嫌なニオイもしない、静電気でパチっとくることもない、空気のきれいな部屋。一年中、そんな部屋に住んでいたら、家から出たくなくなってしまうかもしれませんね。シャープがこの冬提案する「プラズマクラスターエアコン Xシリーズ」と「プラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-HP100」は、そんな快適な室内を実現する新技術「プラズマクラスターNEXT」(※)を搭載しています。

※プラズマクラスター……+と-のプラズマクラスターイオンを発生させ、放出するシャープの独自技術。浮遊カビ菌の除菌、浮遊ウイルス・菌の作用を抑えるほか、静電気の抑制、消臭などの効果を持っています。一部では略して「プラクラ」と呼ばれることも

20171201-s2 (1)↑プラズマクラスターエアコン Xシリーズ(写真上)とプラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-HP100(写真手前)

 

新たなユニットを搭載し、プラズマクラスターの濃度を倍増

プラズマクラスターエアコン Xシリーズは、この「プラズマクラスターNEXT」を搭載したのが、一番のポイント。風の吹き出し口の中央付近に、最新のイオン発生ユニットを搭載。このユニットには高濃度プラズマクラスターイオンを発生させる電極部が2つ備わっており、送風にプラズマクラスターが乗って、部屋の隅々まで充満する仕組み。冷暖房はもちろん、プラズマクラスターを室内に送るだけの運転も可能です。

20171201-s2 (2)↑プラズマクラスターエアコン Xシリーズ。検知した人のいるエリアに合わせて、風向・風量を自動制御。独自の「エアロダイナミックフォルム」によって、暖房時は人のいるエリアの足もとにしっかりと温風を送ります

 

なお、プラズマクラスターは自然界にあるのと同じ、プラスとマイナスのイオンによって空気を浄化しており、濃度が高いほど効果が得られます。新しい「プラズマクラスターNEXT」はプラズマクラスター濃度が1㎥あたり約5万個以上を実現。従来の「プラズマクラスター25000」は約2万5000個、「プラズマクラスター7000」は約7000個の濃度なので、一気に従来の倍の濃度まで高めることに成功しています。

↑プラズマクラスターユニットの変遷↑プラズマクラスターイオン発生ユニットの変遷。「プラズマクラスターNEXT」は、新開発の第10世代のユニット(右上)を採用しています

 

「感性アナライザ」でプラズマクラスターの新たな効果を実証

 

20171201-s2 (6)↑「ストレスがたまりにくい環境をつくる」「集中を維持しやすい環境をつくる」というプラズマクラスターの新たな効果を実証

 

「イヤイヤ、倍って言われても見えないし、本当に効き目なんてあるの?」

 

…そんな疑問はごもっとも。そこで、シャープでは「科学的に空気のキレイさを実証したい」との考えから、世界各国の第三者機関や大学の研究室などに調査を依頼して、プラズマクラスターの効果についてエビデンスを集めています。今回、プラズマクラスターNEXTをリリースするに当たり、慶應義塾大学の満倉靖恵准教授の協力を仰ぎました。

 

満倉准教授は、生体信号や音声、画像などから必要な情報を抽出する研究に従事しており、脳波を計測する「感性アナライザ」を開発。頭部に装着することで、人が緊張したりリラックスする無意識の感性の動きを計測できるようにしました。

 

今回、この装置を使って実証実験したところ、室内に入ったときのストレス度合いの低減、計算問題中の集中度合いの向上が見られたと言います。受験勉強中の学生のいる家庭など、これは気になる結果ですね。

 

また、別の実験データによれば、プラズマクラスターNEXTはプラズマクラスター25000に比べ、タバコの付着臭を取る消臭スピードが約1.3倍、静電気を抑える除電スピードが約4.5倍。プラズマクラスター7000と比べるとそれぞれ約2.6倍と約9倍にパワーアップ。さらにニオイの元となるニオイ原因菌の除去にも効果があることが判明しているといいます。

↑↑プラズマクラスター濃度が高まったことで、さまざまな効果がパワーアップ

 

空気清浄機には不在時に集中的に稼動する「効果実感モード」を搭載

エアコンと同時に発表された加湿空気清浄機のKI-HP100にも、同様のプラズマクラスターNEXTを搭載しています。また、本機はデザインを一新したのも特徴。操作パネルを天面に配置し、現在選択できる操作が光ってタッチ操作ができるようになっています。

20171201-s2 (7)↑加湿空気清浄機 KI-HP100

 

ユニークなのは、前面のWi-Fiアイコンの左に搭載している人感センサーを利用した「効果実感モード」です。これまた、疑問が湧くネーミングですが、こちらは人の不在時にプラズマクラスターを集中的に放出し、帰宅時には消費電力、および運転音を抑えた運転に切り替えることで、帰宅時にキレイな空気が実感できるモード。花粉の季節でも、部屋に入れば「空気がキレイ!」と実感できるというわけ。

20171201-s2 (8)↑「効果実感モード」では雲に矢印がついたようなアイコンが点灯

 

テントウムシの羽根の形を模して風力をアップ

KI-HP100では、送風ファンの羽根形状を変更して風量の向上も図っています。シャープと言えば、自然界の技術を家電に応用するネイチャーテクノロジーでも知られています。

 

これまでも、アホウドリやトンボ、イルカやキノコなど、様々な動植物の構造が手本になった技術を開発してきましたが、今回の「新ネイチャーファン」は、テントウムシの前羽根の形状を応用。膨らんだ形状が空気の圧力差で揚力を生み、より早く高く上空へ飛んでいく力に着目し、新たなファンに採用したそうです。毎度よく見つけてくるものだと感心してしまいますね。

20171201-s2 (9)↑テントウムシの羽根形状を応用した「新ネイチャーファン」により、風量が約9%アップ。高濃度イオンを本体から強く押し出します

 

発表会の会場には新しいネイチャーファンと、従来のネイチャーファンが展示されていました。羽根の形状をよく見比べると1枚ごとの厚さが違うのがよく分かります。この変更で風量は約9%アップしたそうです。

↑新ネイチャーファン(左)と従来のネイチャーファン(右) ↑新ネイチャーファン(左)と従来のネイチャーファン(右)。よく見ると、新ネイチャーファンの羽根は内側の厚みが違います

 

同社クラウドサービスとAmazon Echoにも対応

今回のエアコンのXシリーズと加湿空気清浄機のKI-HP100は、無線LANに標準対応するのも特徴のひとつ。同社クラウドサービス「COCORO AIR」に接続すれば、人工知能がユーザーの使い方や好みを学習して、運転を自動で切り替えたり、状況に応じた使い方を音声でアドバイスしたり、スマートフォンアプリを通じて消耗品の交換時期を知らせたりしてくれます。

 

このほか、音声アシスタントサービス「Alexa」を搭載するスマートスピーカー「Amazon Echo」への対応も紹介されました。エアコンは12月以降発売の無線LAN内蔵モデル、空気清浄機は9月以降発売のAIoT(※)対応モデルで対応します。Amazon Echoを通じて音声で機能の操作や設定の確認などができ、エアコンは電源ON/OFF、風量・風向・室温の設定変更、現在の設定の確認などに対応。加湿空気清浄機は電源ON/OFF、モード変更、湿度の確認、現在の設定の確認などに対応します。

※AIoT…人口知能=AIと、モノのインターネット化=IoTを組み合わせたシャープの造語

20171201-s2 (11)↑中央の筒状のアイテムがスマートスピーカー「Amazon Echo」

 

エアコン、加湿空気清浄機とも、プラズマクラスターで空気を浄化し、リラックスしやすく集中力が増す環境が作れるのは魅力。さらに、両機ともに導入すると「エアコンの暖房ONで加湿空気清浄機が加湿運転を自動スタート」などの連携も可能になっています。新築や引っ越しで家電を一新する家庭などはぜひ注目したいですね。

 

プラズマクラスターエアコン
Xシリーズ(6、8、10、12、14、18、20、23、26畳用)
●発売:2018年1月25日●実売想定価格:23万~37万円(税別)●室内機サイズ(全機共通):W798×D370×H295mm●室外機サイズ(全機共通):W800×D300×H630mm

 

プラズマクラスター加湿空気清浄機
KI-HP100
●発売:2018年1月25日●実売想定価格:13万円(税別)●サイズ/重量:W427×D371×H738mm/約17kg●空気清浄適用床面積:46畳(76㎡)まで●プラズマクラスター適用床面積の目安:約23畳(約38㎡)

開発者が「未完成なデザイン」と認めるエアコンって? 色・質感が違う7つのパネルに込めたダイキンの意図

2017年10月31日、ダイキン工業が壁掛形ルームエアコンrisora(リソラ)の説明会を開催しました。「risora」は9月28日に発表されたミドルクラスの壁掛形ルームエアコン。「risora」とは、空気と空間の“心地よさ”をテーマに、暮らしに溶け込むデザインを目指して生み出されたデザイン性の高いエアコンです。

 

「未完成なデザイン」との言葉の裏に見える意図とは?

↑壁掛形ルームエアコン「risora(リソラ)」↑壁掛形ルームエアコン「risora(リソラ)」。その名は、理想の「ri」と、空間の「sora」に由来します

 

発売は2018年3月の発売を予定。大手家電量販店では2.2 kWから3.6kWまでのラインホワイト、グレイッシュブラウンメタリックの2種が販売されます(残りの5色は住宅設備向け)。6畳用が13万円前後、14畳は20万円前後、23畳用は28万円前後となる予定で、2018年度で5万台の販売を目指すとのこと。

 

この説明会では本機が「未完成なデザイン」と紹介される場面がありました。未完成のものを売るのか? と疑問に思う方も多いと存じますが、その言葉は同社のデザイン意図を端的に表したものでもありました。その点も含め、5つのポイントに焦点を当てて、詳しく見ていきましょう。

 

【その1 デザインコンセプト】

risoraのデザインは次世代のスタンダードになりうる

↑コンセプターの坂井直樹氏↑コンセプターの坂井直樹氏

 

説明会の冒頭、コンセプターであり株式会社Water Design 代表取締役の坂井直樹氏が登壇して、「空気や空間におけるデザインの役割とは」として、デザインについての考え方を語りました。

 

坂井直樹氏は日産自動車「Be-1」の開発に関わってフューチャーレトロブームの創出をしたり、auの外部デザインディレクターを務めたりと、多方面で活躍。ダイキン工業では、デザイングループの顧問を務めています。

 

自身の過去のデザインの実績を紹介しつつ、「デザインというと、いまだに装飾性やライフスタイルとして語られることが多いですが、コンセプターとしてもっと社会的な機能に注目しています。デザインはローコスト・ハイリターンの経営資源なので、経営者自身がデザインの価値を理解していると、会社は強いブランドを作ることができます」とデザインの価値を説明。

 

「世の中にリリースされたときは変わったデザインだと言われても、それがその後のスタンダードになることは多い」として、今回のrisoraも「エアコンのイノベーションであり、次のスタンダードになりうる」と語りました。

↑坂井氏のデザイン実績紹介ムービーから。risoraも次世代のエアコンの原型になるか↑坂井氏のデザイン実績紹介ムービーから。risoraも次世代のエアコンの原型になるか

 

【その2 デザイン哲学】

「未完成」だからこそ設置されて初めてデザインが完成する

↑関 康一郎氏↑関 康一郎氏

 

続いて登壇したテクノロジー・イノベーションセンター 先端デザイングループリーダー 主任技師・関 康一郎氏は、ダイキンのデザインのフィロソフィ(哲学)について説明しました。

 

ダイキンでは、「空気をデザインすることができたら、生活が変わっていくのではないか」という仮説のもとに、「見えない空気を、愛されるものにする」をデザインのフィロソフィとしているといいます。

 

そして坂井氏とタッグを組む経緯として「グローバルで勝てるダイキンのデザイン」という目標があり、そのなかから誕生したのが「risora」であると説明。「一見すると未完成のデザインですが、未完成でよしとするデザイン。未完成だからこそ暮らしに溶け込みます。『さまざまな個性を持つお客様の空間に収まって、初めてデザインが完成するエアコン』というコンセプトで進めています」と語ってくれました。関氏によれば、欧州北米を中心にグローバルでも発売するとのこと。

合わせる壁紙選びがしたくなるソライロ↑合わせる壁紙選びがしたくなるソライロ

 

【その3 カラーリング】

「いかに暮らすか」を突き詰めたらこの7色が生まれた

最後は「risora」のデザインを担当したテクノロジー・イノベーションセンター 先端デザイングループ 中森大樹氏と、設計を担当した同センター 空調生産本部 商品開発グループ 石川詩織氏により、デザインの経緯を説明とデザイン性と機能性を両立するために苦労した点が紹介されました。

↑中森大樹氏↑中森大樹氏

 

デザインを担当した中森氏は「スペックで選ばれてしまうものを、インテリアや家具、空間作りを担うアイテムのひとつとしてデザインしました」といいます。

↑丸みを帯びたフォルムと細部にわたるデザインで、やわらかい印象を与えます↑丸みを帯びたフォルムと細部にわたるデザインで、やわらかい印象を与えます

 

「risora」には7色のパネルにはぞれぞれコンセプトが設けられています。ラインホワイトは「爽やかな質感」、グレイッシュブラウンメタリックは「空間に深みを与える」、ファブリックホワイトは「空間にやさしくたたずむ」、ブラックウッドは「空間を引き締める」、ツイルゴールドは「光で魅せる」、ソライロは「窓のある暮らし」、フォレストグリーンは「緑とともに過ごす」といった具合です。

 

中森氏によれば、これらは「色のバリエーション展開ではない」とのこと。「いかに暮らすかという体験価値を検討した結果、生まれた7色なんです」と説明しました。

↑ツイルゴールドのパネル↑ツイルゴールドのパネル

 

↑7つのバリエーションによって、空間に溶け込ませる、あるいは空間のアクセントにするといった使い方が可能↑7つのバリエーションによって、空間に溶け込ませる、あるいは空間のアクセントにするといった使い方が可能

 

↑動作中のブラックウッド。極めて落ちついた印象を与えます↑動作中のブラックウッド。極めて落ちついた印象を与えます

 

【その4 テクノロジー】

デザイン性と機能性の両立のため苦心した3つのポイント

↑石川詩織氏↑石川詩織氏

 

本機では、最上位機種「うるさら7」で好評の機能を搭載。 冷房時は天井を沿わせるとともに、暖房時は温風を壁と床を沿わせて風速を抑えることで、人に当たりにくい気流制御を実現しています。また、設計を担当した石川氏は、デザイン性と機能性を両立するために苦労した点として、「人に当てない気流を実現するフラップの形状」「気流を細かく制御するサブフラップの形状」「ファンの設計」の3つを紹介。

 

いずれもコンパクト化を目指すがゆえの苦労でしたが、フラップ(上下の風向きを調節する羽根)は薄さを実現しながら断熱性を確保し、サブフラップには飛行機の羽根に使われている技術をエアコンで初めて採用。ファンには羽根に切り込みを入れて空気抵抗を低減し、美しく静かなエアコンを完成させました。

↑「冷気が触れる部分の樹脂の肉厚を0.5mmまで薄くする必要があった」(石川氏)というコアンダフラップ↑「冷気が触れる部分の樹脂の肉厚を0.5mmまで薄くする必要があった」(石川氏)と語るコアンダフラップ

 

【その5 先進性】

オプションの無線LANで操作もスマートに

今回の「risora」の各カラバリは、色だけでなく質感も変えており、合わせるインテリアによって大きく表情を変えるのが特徴です。3年前から開発構想があったとのことですが、省エネ化とコンパクト化を同時に実現する技術がそろったのがこのタイミングだった模様。「risora」はダイキンのエアコンのイメージを大きく変えるシリーズとなりそうです。

↑フォレストグリーン。現在のインテリアのトレンドとしては、 白ベースやナチュラルカラーが多いとのことですが、ダイキンでは次のトレンドカラーをフォレストグリーンと見ているようです↑フォレストグリーン。現在のインテリアのトレンドとしては、 白ベースやナチュラルカラーが多いとのことですが、ダイキンでは次のトレンドカラーをフォレストグリーンと見ているようです

 

なお、本機は無線LAN接続アダプターがオプションで内蔵でき(無線LAN接続アダプターは別売)、スマートフォンのアプリからも制御可能になっています。将来的にはスマートスピーカーとの連携も視野に入れているといいます。美しい空間の構築のみならず、その空間の中でのスマートな操作も「risora」の目指す美しさのひとつといえるでしょう。

↑これまでの無線LAN接続アダプターは、このように壁に露出していましたが、risoraは内蔵できます↑これまでの無線LAN接続アダプターは、このように壁に露出していましたが、本機はオプションで内蔵できます

 

↑無線LAN接続アダプターを使用すると、このようにスマートフォンからも操作できるようになります(写真は同社の他モデルを使用したイメージ)↑無線LAN接続アダプターを使用すると、このようにスマートフォンからも操作できるようになります(写真は同社の他モデルを使用したデモ)