キッチン機能をコンパクトに“収納”!外遊びで大活躍のオモシロ便利ボックス!/ガーデン収納DIY大作戦!(番外編3)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

File05/アメリカンテイストのトタン物置はコチラ

File06&07/こだわりのサイクルガレージはコチラ

File08/アンティーク風の物置自転車小屋はコチラ

File09~11/庭に調和するナチュラルデザインの物置3例はコチラ

File12/庭の角にぴったりなペンタゴン物置はコチラ

File13~15/多彩なアイデア物置3連発はコチラ

File16~17/ガーデンを彩る薪小屋&出窓下をいかすアイデア物置2連発はコチラ

番外編1/スチール製物置のリメイク術はコチラ

番外編2/玄関ポーチの自転車収納実践リポートはコチラ

 

キッチン機能をコンパクトに“収納”!
外遊びで大活躍のオモシロ便利ボックス

テーブル天板の逆面にはカセットガスコンロを装備

 

使わないときは幅28.5×奥行36×高さ70cmのボックス状態

 

ガスコンロ、テーブル、食器、調理器具を完備したキッチンが出現!

 

潮干狩りや釣りで食材を手に入れたら、その場で調理して味わいたい!と作ったFさんの「キャリーキッチン」。一般的なガーデン収納とはちょっと違うけど、この見事な収納ぶりに魅せられて、番外編としてご紹介。

なんといってもカセットガスコンロ、テーブル、食器、調理器具など必要な装備を、約28.5×36×70cmのボックスに収めちゃったことに拍手を送りたい。これなら手軽に車に積めるし、キャスターをつけてあるから人力での運搬もラク。さらにキッチン状態への展開も、撤収も、すばやくできて実用性は十分とのこと。

軽量・コンパクトに仕上げるために、すべて木材を使うのではなくアルミを用いるなど、よく考えられた素材使いにも注目だ。

Fさんいわく「地球上に商品として存在しない物、自分が必要とする条件を十分に満たす物を作るのは楽しい」。そう、まさにそれがDIYの醍醐味ですよね!

 

<DATA>
製作者◎Fさん(47歳・DIY歴20年)
製作期間…10日
製作費用…6000~8000円

 

キャスター付きだから人力での運搬も楽チンだ

 

引き出しのスライド機構はアルミチャンネルとボルトを組み合わせて自作

 

引き出しの側板は、軽量化のためアルミアングルを使用

 

ただの箱がキッチンに変身するまで

*掲載データは2013年10月時のものです。

ガーデンを彩る薪小屋&出窓下をいかすアイデア物置2連発!/ガーデン収納DIY大作戦!(10)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

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File16 居心地イイ作業場つき!ナチュラルガーデンを彩る薪収納小屋

完成から日が経ち、草花に囲まれてすっかり庭に溶け込む薪小屋。Tさん夫妻が居るのが作業場

 

幅が広い小屋なので、バランスを考えると奥行もそれなりに欲しいと、薪が3列並ぶほどのサイズに。とはいえ、3列並べても真ん中の薪は出し入れしにくいので、そこには自作タンパーなどをしまってある

 

桁の上には長尺の資材を収納。あきスペースを徹底的に活用するのは基本中のキホン!

 

<DATA>
製作者…Tさん
DIY歴…10年
製作期間…14日
製作費用…約10万円
作品サイズ…幅5700×奥行1500×高さ2900mm

 

薪ストーブ生活の必需品といえば薪収納小屋。ストーブをよく使うほど、広いスペースの薪置き場を整え、薪を乾燥させつつ備蓄しなければならない。Tさんの薪小屋のこだわりは、ガーデニング作業などに使える作業場をつけ加えたことと、単なる薪置き場に終わらせないデザインだ。

作業場は、奥さんがガーデニング作業をしたり、Tさんが室内でできないDIY作業(レンガの切断など)をするのに重宝。照明、コンセントを装備しているので、夜でも作業できるし、コード式電動工具が手軽に使用できる。これは電気工事士の資格を持つTさんの強み。

デザインの決め手は、屋根の形状。両端の棟を突き出させたり、作業場部分のみ大きく張り出させたりと、ひと手間ふた手間をかけてスタイリッシュに仕上げている。また、キシラデコールのタンネングリーンによるカラーリングもイイ感じ。奥さんが手をかけるナチュラルガーデンの隅に立つ薪小屋は、景観の一部としても重要な役割を果たしているのだ。

 

あとは作業場を残すのみの、完成直前の状態。小屋全体の構造がわかりやすい。骨組みはSPF2×4材、床と屋根の下地には合板を使用している。屋根材はアスファルトシングル(Tさん撮影)

 

作業場の隅には長尺のガーデニング道具を収納

 

フックなど、ホームセンターで入手した収納用品を活用している

 

手作りの建物に、市販品をうまく採り入れているのがナイス

 

柱は4×4材ではなく、2×4材を2本抱き合わせたもの

 

骨組みの接合には金具を多用している

 

方杖のデザインもこだわりのポイント

 

作業台ではドライフラワー作りの最中。台の左手にコンセントがついている

 

File17 出窓下をスマートに活かすピッタリ収納庫

骨組みは家を建てたときに余ったSPF2×4材、ドア枠は1×4材、各面にはOSB(12mm厚)を使用。収納庫の下にはレンガを敷いている

 

上段にはスプレー缶などが並ぶ。なお上段の高さは280mm、下段の高さは499mm

 

下段の扉をあけると、こんな感じ。内側にはドアのすき間をふさぐための角材を留め、コーキングをしている。最初はなかったが、降雨時に浸水するため追加したそう

 

<DATA>
製作者…Sさん(39歳)
DIY歴…3年
製作期間…3日
製作費用…約6000円
作品サイズ…幅1960×奥行440×高さ850mm

 

ガーデン収納を作るにあたり、出窓下のデッドスペースに目をつけたSさん。違和感なくスマートに仕上がるように、スペースにピッタリはまる収納庫を作った。庫内は上下2段に仕切り、上にはスプレー缶などを、下には刈払い機を収納。かなり横長になる開口部には、上開き式の扉をつけたが、使い勝手はなかなかいいそう。さてさて、あなたの家の出窓の下、あきっぱなしになってませんか?

 

刈払い機は持ち手だけのために全幅が広がっていて、まともに収めようとすると無駄なスペースができる。そこでSさんが思いついたユニークなアイデアが、持ち手だけを上段に突き出させるというもの。上段の棚板にすき間をあけ、持ち手を下から通すというシンプルな構造だが、これは有効!

 

*掲載データは2013年10月時のものです。

多機能なアイデア物置の製作事例3連発!/ガーデン収納DIY大作戦!(9)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

File05/アメリカンテイストのトタン物置はコチラ

File06&07/こだわりのサイクルガレージはコチラ

File08/アンティーク風の物置自転車小屋はコチラ

File09~11/庭に調和するナチュラルデザインの物置3例はコチラ

File12/庭の角にぴったりなペンタゴン物置はコチラ

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File13 物置と薪ストッカーが一体化した多機能カーポート!

母屋の壁面を利用し作ったカーポート。このカーポート右側の支柱を利用し、物置と薪ストッカーを製作

<DATA>
製作者…Uさん(31歳)
DIY歴…2年
製作期間…約3カ月
製作費用…約25万円
作品サイズ…幅7500×奥行5000×高さ3000mm

 

屋根付きの車庫が欲しいな~、せっかくだから物置もつけちゃって~、そうだそうだ、薪ストーブ用のストッカーも欲しい!」とUさんのDIYカーポート計画は加速。結果、これらすべての条件を満たしたDIYらしいカーポートがこちら。肝心の物置と薪ストッカーはカーポートの支柱を利用し、ここに2×材の桟を通し、スギ板を張ることで空間を仕切ればOK。簡単な方法ですぐに収納スペースが作れちゃうのだ。同じようなカーポートを持っている人であれば、簡単にアップグレード可能。ぜひチャレンジを!

 

「右も左も薪・薪・薪ッ!」という具合に薪が並ぶ大容量の薪ストッカー×2台。雨の日も濡れずにストーブの薪が取りに行けると奥さんも大満足

 

薪ストッカーと隣接する場所にも壁を張り、簡易的な物置スペースを製作。カーポートのフレームを利用しL字の棚を作り、電動工具やガーデニングツールを収納している

 

File14 既存の屋根を利用した和風モダンな物置小屋

引き戸に使われた障子と窓の部分の格子が和風の雰囲気を引き立てる。屋根の先端上部に見えるのが既存のテラス屋根。これがパーゴラのように立っているのを利用し、物置に増築したというわけだ

 

奥行4500mmの物置は物を入れても広々している。今後は木工室や趣味部屋に改造するかも?とKさん

 

<DATA>
Kさん(36歳)
DIY歴…2年
製作期間…約1週間
製作費用…約20万円(テラス屋根含む)
作品サイズ…幅2500×奥行4500×高さ2800mm

 

大きなサイズの物置をすべて自分の手で作るのはひと苦労、そんな人にはこちらがオススメ。Kさんは新築の家の勝手口上部にテラス屋根の取り付けを業者にオーダー。この屋根の支柱を木材で巻き、3面にスギの羽目板で壁を取り付ければ…ハイ、物置のできあがり! これなら屋根の雨漏りなど素人には難しいポイントを気にすることなく、DIYを楽しめるというわけだ。物置の顔となる正面入口には廃材の障子を引き戸に使用。和洋折衷なデザインもグー!

 

小屋背面。壁にはスギの羽目板を使用。明かり取りの窓には透明の波板を取り付けた

 

引き戸の障子は下部にキャスターをつけ、2×材で作ったレールの上を走らせている。これもすぐに真似できる簡単アイデア

 

File15 バックヤードを収納空間に!勝手口を利用した狭小物置

物置と家の関係がわかる1枚。家の裏庭というデッドスペースを見事、収納スペースに変身させた

 

勝手口を出れば、物置にすぐにアクセス可能。こちらの入口は引き戸になっている

 

バックヤード側には開き戸を設置。家側、庭側の両方からアクセスできるので便利

<DATA>
Iさん(41歳)
DIY歴…10年
製作期間…約1カ月
製作費用…約14万円
作品サイズ…幅3865×奥行1080×高さ3650mm

 

家のバックヤードを利用して作ったアイデア狭小物置。屋根のかかった家の勝手口からアクセスできるので、雨の日でも出入りOK。庭側にもドアがついているので、通り抜けもできて、使い勝手は抜群! また物置の高さを3650mmと高くすることで、勝手口の屋根との統一感を演出するとともに、ロフト棚を製作し、狭いながらも収納容量を稼いでいるところも見逃せない。物置内部は2×材とシェルフリンクスを使った棚も設置。さながらミニ工房のような雰囲気の物置となった。

 

物置内部には2×材とシェルフリンクスを使い、電動工具の収納棚を設置。ちょっとした作業なら棚の天板を作業台にするのもあり

 

もともと面積の少ない狭小サイズのため、屋根を高くしてロフトを製作。ここにアウトドアツールなどを収納している

*写真◎佐藤弘樹、製作者提供

*掲載データは2013年10月時のものです。

実践リポート・玄関ポーチの自転車収納をDIYでスマート化計画!

一家5人分の自転車が玄関ポーチを占拠するさまに辟易。

べつに誰に頼まれたわけでもないのに、突如ひとり勇み立ったDIY父ちゃんによる気まぐれチャレンジのドキュメント…。

 

Before

5台の自転車がぎゅうぎゅうに並ぶ玄関ポーチ。身動きしづらく、雑然としたさまが家族の精神に影を落とす…?

 

ドアが完全には開かない…

 

After

大人の自転車は宙吊り&縦置きで、床スペースを節約。子どもの自転車は自力で容易に動かせるよう床置きに。これで皆の心もスッキリでしょ!

 

余裕で全開!

 

<使用資材>

材の種類 長さ(mm) 数量 使用部位
SPF 2×4材 1820 4 棚支柱、宙吊り横架材
3040 1 棚支柱、宙吊りフック
SPF 1×4材 1820 10 棚板、宙吊りフック
SPF 1×1材 1820 3 棚受け、縦置きハンドル受け
相じゃくりスギ板(12×105mm) 2000 5 棚側板、ドア
1000 11 棚ドア
ヒノキ(9×30mm) 910 5 棚ドア横桟
水性屋外木部用塗料(1.6L) 1 全体
柱脚用金具 2 棚支柱
フェンスブラケット金具 1 宙吊り横架材
蝶番 4 棚ドア
取っ手 4 棚ドア
キャッチ 4 棚ドア
アンカープラグ(3.5×40mmビス) 2 棚支柱、縦置き後輪止め
胴クギ(19mm) 80 棚ドア
胴クギ(32mm) 60 棚側板
シリコンシーラント 1 各部
木工用接着剤 1 各部
丸棒(9mm径) 910 1 宙吊り横架材など
鉄アングル(30×30mm) 200以上 1 縦置き後輪止め
ビス(25スリム/41/65スリム/75/120mm) 適宜 各部

 

<使用道具>

丸ノコ、スチールカッター、インパクトドライバー(ドライバー1番&2番/ドライバー2番ロング/3mm径/3.5mm径/4.5mm径/9mm径/モルタル用5mm径ロング/モルタル用6mm径/鉄工用4mm径ドリルビット)、ノコギリ(アサリあり/なし)、カナヅチ、ノミ、コーキングガン、サンドペーパー、サシガネ、メジャー、水平器、ハケ、脚立

 

玄関ポーチ収納の改善で家族の精神的健康を…

ふと気づけば子どもが増えていた、ではマズいが、子どもの自転車ってのは、まさにそんな感じだ。

3人の子の成長に連れ1台ずつ増えていき、いつの間にか、わが家の玄関ポーチは一家5人分の自転車が占領。ドアが半開しかしない状態になっていた。

…なんて、いつの間にかも何も、当然、5台目のチャリがやってきた時点でドアが開かないことは判明していたのだが、決定的な不都合もないため見て見ぬ振りを決め込み、この状態で数カ月を過ごしてきたのだ。

しかし、こんな有り様、よくないに決まっている。決定的な不都合はないが、明らかに毎度毎度ちょっぴり不都合だし、重い荷物を持って出入りするときなど完全にイライラしていたもの。そうだ、わが家の揉め事のいくつかは、この玄関が原因に違いない。DIYerたるもの、ここはDIY収納術を駆使して玄関ポーチ事情を改善し、一家の精神的健康を取り戻さなければ…。

 

plan1 頭上壁面に棚を作る

既存のミニ物置の内容物が十分に収まる棚を頭上壁面に作り、ミニ物置分の床スペースをものにする!

 

壁裏の柱はハズしたようで意外とハズしていない

限られた敷地面積を有効活用するには、空中スペースを無駄なく使うのが常套手段だ。そこで目をつけたのが、もともと置いてあったミニ物置。これを頭上にリフトアップできれば、子どもの自転車1台分ほどの床面積があく。

というわけで、まずは既存の物置と同等か、それ以上の容量を持つ棚を空中に作ることに。しばらく逡巡したのちに選んだ方法は壁面利用。母屋の外壁に穴をあけることになるため躊躇したが、玄関ポーチの屋根が深く、台風でも雨は製作予定場所まで吹き込まないようなので決断。もちろん、それでもコーキングは念入りに行なうべきだろう。

ちなみに、壁面に穴をあけることなく4本の脚をつけてリフトアップすることも検討したが、収納物がけっこう重いことを考えると危険だし、脚が自転車収納の邪魔になりそうなので廃案となった。

さて、写真で説明するとおりの手順で行なった壁面棚作りだが、ハイライトは、序盤ながら、やはり外壁への下穴あけだった。壁の裏側に通っている家の柱に、棚の支柱をガッチリとビス留めしないと、重い収納物に耐えられない。だから下穴は、きっちり柱の位置にあけなければならない。失敗して壁に余計な穴をあければ、その分、浸水のリスクが増すから、絶対に避けたいところだ。

と、重要性を肝に銘じつつ挑戦した最初の下穴あけ。モルタル用ドリルがシュイーンとやや高い音を立てながら壁を削っていく。最初は探り探りだったため少し時間がかかったが、そのうちモルタル層を突き抜けたらしく、不意に手応えが軽くなった。

…ん? 手応えが軽くなっちゃまずいよね。それはつまり、裏に柱が通ってないってことじゃないの? あ、もしかして、もう少し右だったかなぁ? えー、いきなり失敗? 壁に余計な穴あけちゃったよー。

すっかりうろたえてしまった愚かなDIYerは、なぜかもう少し右に柱があると思い込み、発作的にドリルを突き立てる。力づくで失敗を取り消そうとするかのように、今度はアッという間にモルタル層を突き破ると、手応えは軽くなるどころかまったく無になり、回転するドリルに巻き取られるように断熱材のグラスウールが噴出して、ギョエェーッ!

そう、これこそが正しい失敗の姿だった。思い返せば、最初の下穴のときは手応えが軽くなってから赤茶色の粉が飛散していた。あれは柱が削れている証だったのだ。なるほど、相手がモルタルから木に変わると、あんなにドリルの手応えが軽くなるのね。これから同じ作業を行なう皆さん、そういうことです。断熱材ではなく木屑らしきものが飛び出してきたら、成功、you winですので、どうかうろたえないように。

こうして正真正銘の余計な穴をあけてしまったわけだが、この穴は、他の下穴以上にたっぷりとコーキング剤を注入してふさいだことは、言うまでもない。

壁面棚のわきに残る失敗の跡…

 

plan2 自転車収納を作る

既存の柱の間に横架材を渡し、フックをつけて自転車を掛ける宙吊り収納と、後輪とハンドルを簡易に固定して、自転車を縦に保持する縦置き収納を作る!

 

子どもに自転車宙吊りは無理、と彼女は言った

物置のリフトアップが完了したら、いよいよ自転車収納の計画を練る。これが楽しい。どんなふうにチャリをレイアウトしてやろうか。もちろん、コンセプトは空中利用だ。あっちにこのチャリを宙吊りして…その下にもう1台吊るせるかな? いや、子どものチャリなら、横に2台並べて吊るせるかも? うーん、やっぱり子どものチャリは立てて3台並べるか? チャリを立てるだけでも、けっこう床面積の節約になるからな。ねーねー、どー思う?

すっかり無邪気になってしまったボクの質問に、ヨメは凍てつくようなオーラで答える。

「子どもが自力で自転車を持ち上げて吊るすなんて無理でしょ。自転車を立てるのだって多分きついよ。私だって、いちいち重い自転車を持ち上げて吊るしたくなんかないし。てかムリ」

…なんたることだ。どんな不幸を経験すれば、この非協力的な態度がとれる? ちょっと考えてみ。そんなにダメ出しばかりしてたら、全然おもしろくない、極めて地味で当たり前な光景に仕上がってしまうでしょ。そんな地味なザマじゃ、『dopa』に載せても読者の目は引かないでしょ。あっちの空中にもこっちの空中にも、チャリが面白おかしくディスプレイされてる奇抜な画が欲しいのよ。

「でも、現実的に使えないもの作って雑誌に載せても、誰もそんなの作らないんだから、全然意味ないじゃん」

…なんたることだ。こんなところでDIY雑誌編集者にとって根源的な問いを投げかけられるとは。常日頃、誌面のインパクトと実用度至上主義の狭間で揺れているボクは、これですっかり弱ってしまい、気づけば、自分の自転車のみ宙吊り、ヨメの自転車はせめてもの縦置き、子どもの自転車はすべて床置きという、ほどよく実用的な玄関ポーチ自転車収納にまとめ上げていた。…この仕上がり、あなたはどう評価しますか? とりあえず、ドアは余裕で全開できるようになったし、わが家の玄関ポーチ収納事情は、すっかり改善されたと言っちゃってよさそうなんですが…。

製作・文・写真◎豊田D作

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2013年10月時のものです。

庭の角に物置を設置するなら五角形で作るのが最適解!/ガーデン収納DIY大作戦!(8)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

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File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

File05/アメリカンテイストのトタン物置はコチラ

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File12 庭のコーナーにすっぽりはまるペンタゴンシェッド!

電動工具、作業台、アウトドアツール、手作りスモーカー…趣味の道具がこれでもかと詰め込まれたペンタゴンシェッド

 

物置の設置場所の様子。庭のコーナーにジャストフィット、ドアの開閉もスムーズ。五角形というフォルムを最大限に生かしている

 

小屋外観。使用した材はウエスタンレッドシダーと合板。小屋の雰囲気が重くならないようダミーの窓を取りつけた。写真では見えないが屋根にはアスファルトシングルを使用

このようにそれぞれの柱を丸ノコで切り欠くことにより、見事五角形の躯体を作り上げた(右:柱A、左:柱B)

 

<DATA>
製作者…Nさん(52歳)
DIY歴…3年
製作期間…約1カ月
製作費用…約10万円
作品サイズ…幅1350×奥行1350×高さ2300mm

 

庭のスペース効率化とユニークなデザインを両立したのがNさんの物置。五角形のフォルムは、庭のコーナーにフィットするだけでなく、入口(ドア)へのアクセスがスムーズで使いやすいという点もポイント。

物置内には電動工具やアウトドアツールを収納。ドア裏にはメッシュネットを取りつけ、作業用グローブやドリルビットなどを引っかけて収納している。二段ある棚の中段は電動工具置き場。きれいに工具が並んだその姿から「見せる収納?」と思いきや、斜めに固定した板は蝶番で取りつけてあるため開閉可能。裏側にはキャリアバッグ等を収めている。

小屋の骨組みはウエスタンレッドシダーを組み上げて製作。外観をできるだけシンプルにするため、各柱に切り欠きを入れ、壁の化粧板を収めている(前述イラスト参照)。軽やかな感じを演出するためダミーの窓を取りつけるのも忘れない。

というわけで文句なしの物置は毎日大活躍。しかし、その完成度の高さからか「サウナですか?」と聞かれてしまうのが悩みどころだとか(笑)。

 

物置内には棚を二段取りつけ、中段は電動工具置き場に。この電動工具置き場、ちょっとした工夫が…

↓↓↓

電動工具を飾り立てた板は実は蝶番で固定されていて開閉が可能。裏側にも収納あり!

 

物置のスペースを取るソーホースは小屋の壁裏に桟をつけ、ここにひっかけて収納

 

同じく物置の場所を取るトロフネは自作の一輪車台に収納し、壁に立てかけている。実用性もばっちり

 

製作途中の1枚。五角形の躯体の形がよくわかる。屋根のフレームは現物合わせで角度切りしていったそうだが、これが一番苦労したとか

*掲載データは2013年10月時のものです。

庭に調和するナチュラルデザインの物置3連発!/ガーデン収納DIY大作戦!(7)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

File05/アメリカンテイストのトタン物置はコチラ

File06&07/こだわりのサイクルガレージはコチラ

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番外編1/スチール製物置のリメイク術はコチラ

 

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File09 使用場所別に扉をつけた使い勝手のいい物置

アカマツの角材とスギ板を使って作られた物置。よく見ると、扉がいくつもあるのがわかる

 

左が長物収納。右が小物&資源ゴミ収納。使いやすいよう各扉が独立して開くように工夫がしてある

 

<DATA>
製作者…Hさん(59歳)
DIY歴…20年
製作期間…約1カ月
製作費用…約1万5000円
作品サイズ…幅990×奥行450×高さ1960mm

 

一見してわかるとおり、ドアのたくさんついた物置は、スコップやホウキ、農業資材などの長尺物と資源ゴミなどがきれいに整理できるよう設計された作品。左が長物、右上部が小物、右下部が資源ゴミを収納できるようになっている。なお右側の棚板は取り外し可能なので、両スペースを長物収納に使用する、なんて使い方もOK。

躯体の角材にはほぼすべてホゾ加工や切り欠き加工を施し、見える部分にはクギを使わないという徹底したこだわりぶりも◎。

 

作品の各部品を荷造り用の結束ベルトで固定して組み立て。万力やクランプで固定するより手軽で低コストで済むのだとか

 

物置の支柱下部にはアジャスターボルトを固定。高さ調整が簡単な上、がたつき防止にも一役買っている

 

File10 傷んだミニ収納庫を活用してモアベターな物置を製作

ルーバー下のスギ板を横張りした部分が、新たに作り足したところ。高さが、古い収納庫の倍以上になっている

 

内部を見れば、側板と背板の上部&天井に古い収納庫を再利用していることがよくわかる。アカマツ角材の柱で高さを延ばし、長尺のガーデニング道具もバッチリ収納。棚板は、ホームセンターの「端材詰め放題」サービスでゲットした材だそう

 

<DATA>
製作者…Mさん(51歳)
DIY歴…5年
製作期間…3日
製作費用…約3000円
作品サイズ…幅800×奥行500×高さ2000mm

 

もともと使っていた背の低い収納庫が傷んでしまい、新たな物置の製作を決意したMさん。とはいえ、側板や正面板はまだまだ使えそうなので、再利用することに。さらに、せっかくだから「長尺のガーデニング道具が収まるサイズ」という奥さんの要望にも応え、高さ約2mにサイズアップ。全体を鮮やかな色で塗装したら、なんともポップでキュートな物置ができあがった。もちろん、願いが叶った奥さんの評価は上々だ。

 

ルーバー状の側板の利点は、引っ掛け収納ができること。Mさんの物置ではフック付きの容器を掛けて小物を整理している

 

ドアには中空ポリカの固定窓をつけた。窓枠には壊れたパラソルの骨を活用!

 

File11 ナチュラルガーデンと調和する白いアンティークシェッド

バラに囲まれた庭にひっそりとたたずむアンティークテイストの物置。コンセプトは「バラと小屋」。庭のオブジェとしての存在感もばっちり

 

物置の外壁にも四角いボックスを作り付け、飾り棚に使用。スコップなども壁に取りつけたフックに収納している

 

<DATA>
製作者…Iさん(46歳)
DIY歴…14年
製作期間…約3カ月
製作費用…約4万円
作品サイズ…幅1550×奥行1000×高さ2000mm

 

庭に溶け込むような雰囲気の物置を作るため、1×4材に水性塗料のチョコレートブラウンとホワイトベージュを重ね塗りし、これを壁に使用。蝶番などの細かいパーツもこだわりチョイスなのはいわずもがな。

物置内部は「見せる収納」をコンセプトに、ガーデン雑貨のお店の陳列をイメージしていろいろなサイズの棚を手作りして設置。ただ雑然と物を詰め込むのではなく、オブジェのように見せているあたりはさすが女性DIYer。毎年開催するオープンガーデンのゲストからも大好評というのも頷けます!

 

小屋作りの余り材で様々なサイズの棚を設置。「見せる収納」をコンセプトに小さな雑貨屋さんの陳列をイメージしながら棚などの大きさ、数、配置を考えたそう

 

物置を上から見た様子。見た目重視で作った結果、屋根にも1×4材を横張りにして使用。痛んだら張り替える予定だとか

*掲載データは2013年10月時のものです。

アンティーク風の物置兼自転車小屋が家族の収納スペース!/ガーデン収納DIY大作戦!(6)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

File05/アメリカンテイストのトタン物置はコチラ

File06&07/こだわりのサイクルガレージはコチラ

番外編1/スチール製物置のリメイク術はコチラ

 

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File08 パーゴラが家族みんなの収納スペースに!
アンティーク風物置兼自転車置き場

「水平の確認は手触りと目見当で行ないました!」という豪快なAさん

 

道路の外から物置を見た様子

 

物置内部。フレームを利用し、2×材で棚板を設置。庭仕事の道具や木工道具、バドミントンのネットなど子どもたちのおもちゃが収納されている

 

<DATA>
製作者…Aさん(37歳)
DIY歴…4年
製作期間…約半年
製作費用…約7万円
作品サイズ…幅3000×奥行3000×高さ2800mm
*物置は幅1500×奥行1500×高さ2500mm

 

 

元々、母屋の脇に大きな片流れ式のパーゴラを作ったのが事の始まり。完成したパーゴラを見た現場監督の奥さんが「ここに物置を追加して」と一言。「えぇ~、それ今言っちゃう~!?」と苦笑いしながらも指示にしたがい、物置や棚板を追加。「どうせなら子供たちの自転車も置けるようにしよう」とアイデアを盛り込んだ結果、物置と自転車置き場、野外作業場を兼ねる多目的スペースが完成。

物置小屋は既設のパーゴラの屋根の勾配に合わせ、現物合わせで2×材をカットし、躯体を組み立てた。アンティーク風の外壁は下から順に、合板(12mm厚)、ラス網、細かく砕いた発砲スチロールを混ぜた下地用のセメント、通常のセメントを塗布。ここに造形を施し、ペンキを塗って仕上げている。

パーゴラの垂木にはスギ板を横に並べて固定。シダーシェイクをイメージした屋根に仕上げた。母屋側のパーゴラ支柱の間には端材で受けを固定し、棚板を設置し、奥さんが家庭菜園で使用するガーデニングツールを収納することにより、パーゴラ下の空間を余すことなく活用している。

 

母屋側のパーゴラ支柱の間には受けを取り付けて棚板を設置。上下左右に方杖を入れ、強度もしっかり取っている

 

棚板の受けを母屋いっぱいまでの長さで取り付けることにより、支柱と母屋の間にあいたデッドスペースを解消。より幅広の道具も置けるように工夫してある

 

物置前の自転車置き場スペース。自転車のタイヤが当たり、プライマーが剥がれ、下地のレンガが顔をのぞかせたところをイメージ。造形にはペインティングナイフや千枚通しなどを使うといいという

 

モルタル造形で仕上げたアンティーク風の物置。横に取り付けられた1×材は、剥がれ落ちたモルタルを押さえているところをイメージした飾り兼補強材

 

物置の壁塗りはふたりの娘さんと楽しんだそう。「子どもがやるといい感じにラフになるんですよ」とAさん

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2013年10月時のものです。

自分仕様のこだわりサイクルガレージ2連発!/ガーデン収納DIY大作戦!(5)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

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File06 たっぷり収納できる引き戸の自転車小屋

外壁の塗装には、塗料の代わりにシーリング剤(アイボリー)を使用。防水・色付けとともに独特の質感も生み出している

 

<DATA>
製作者…Sさん(39歳)
DIY歴…10年
製作期間…3週間
製作費用…15万円
作品サイズ…幅4000×奥行1800×高さ2500mm

 

5年ほど前に自転車置き場を製作したSさんだが、雨風がしのげずに自転車がすぐに傷んで古ぼけてしまうため、娘さんが自転車通学になるのを機に、新たに自転車小屋をDIY。子供たちの自転車のほかに、キャンプ道具や釣り道具をいっぺんに収納できる大きな小屋だ。

角の4本の柱が外から見えるように、また物置っぽさをなるべく出さないことをコンセプトに作られたこの作品は、座ぐりを多用し、コーススレッドのみで組み立てられている。もうひとつこだわったのは小屋のスライドドア。窓は切断したポリカーボネート(厚さ5mm)をホゾ組みした1×2材で囲った。その窓をあらかじめ切断・塗装したOSBにはめ込んだら、塗装した1×4材をOSBの縁に固定し、底にキャスターをつければドアが完成する。

ドアのレールは根太に床下面から10mm下げた位置に固定。上のレールはスペーサーを垂木で作り、その上に板を張ることでドアの前面を押さえている。

 

明かりがとれるように屋根はポリカーボネート波板を使用

 

ドア下のレール部分。2×材の両端に角材をコの字型になるように取り付けて、車輪を走らせている

 

内装はまだ仕上げ途中だそうだが、天井の梁を利用したロッドホルダーの収納、カーテンレールを利用した靴干し場など、細かな収納アイデアが見受けられる

 

File07 ガレージの軒下を活用した奥行6mの狭小自転車小屋

柱は防腐剤、扉は屋外用のステイン塗料のあとにオークションで集めた看板を張った。いい雰囲気に仕上がっている

 

奥行きを6mとったため2台の自転車と一緒に、長物の木材や脚立、テーブルソーなども収納できる。高さも十分で天井収納も可能。なお、奥側にも扉がつけられている

 

<DATA>
製作者…Iさん(43歳)
DIY歴…3年
製作期間…10日
製作費用…約2万円
作品サイズ…幅900×奥行6000×高さ2550mm

 

Iさんはもともと車2台にオートバイ2台が入る大きなガレージを保有しているが、自転車を出すためだけに、ガレージの電動シャッターを開け閉めするのがわずらわしくなったため、ガレージ横の軒下(幅約1m)に自転車置き場の製作を思いつく。

自転車小屋は、自宅に合わせて切妻屋根に木製板張り調をイメージしたガレージを損なわないようにデザイン。地面は防草シートの上に砂利が敷き詰められているので、穴を掘らずに枕木を基礎&根太の代わりとして使っている。

 

支柱はウッドデッキ用の金具を使い枕木に固定。床板は廃材で、枕木は知人から譲り受けたものを使った

 

柱や垂木の固定にも金具が使われている。なお、ガレージの壁にはビス打ちされていない

*掲載データは2013年10月時のものです。

アメリカンテイストのトタン波板製物置を手作り!/ガーデン収納DIY大作戦!(4)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

番外編1/スチール製物置のリメイク術はコチラ

 

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File05 2×4工法によるアメリカンテイストのサイクルガレージ

ドアは塗装した2×4材で枠組みを作り、外壁と同じトタンをはめ込んで、斜めにカットした2×4材を入れて上からビスで固定

 

手前に見えるのが以前作ったというキットガレージ。その奥に、カーポート、今回の自転車小屋と並んでいる

 

外壁に使用したトタンは、波形が大きいものをチョイス。普通のトタンよりも少し分厚いためグラインダーで切断するのに苦労したそう

 

<DATA>
製作者…Uさん(37歳)
DIY歴…12年
製作期間…4日
製作費用…約12万円
作品サイズ…幅1800×奥行3600×高さ2500mm

 

家族の自転車+キャンプ道具を収納できる物置として作ったUさんの作品がこちら。子どもたちが将来バイクに興味を持ったら、バイクガレージとして使えそうな、世田谷ベース風のアメリカンな小屋に仕上げたのがポイントだ!

この小屋は、材の加工にかかる手間と出てくる廃材を減らすために、900×1800mmのコンパネを基本サイズ(小屋の幅はコンパネ2枚、奥行はコンパネ4枚分)としている。設計図は描かずに製作したが、以前2×4工法で製作したキットガレージのノウハウが生かされ、施工自体はとくに問題なく進められたそう。基礎は羽子板つきブロックを6つ置き、土台には防腐剤塗装済の角材を使用。床板は張らず、整地した砂利を地面にしている。外壁はコンパネの上から防水シートで全体を覆い、トタン波板を張り付けた。

家族からは「ええやん」の一言だけで終わってしまったが、近所の人には「どこのメーカーのキット?」「いくらしたの?」との声。そんな質問をしてしまうのも、この出来栄えを見れば納得です!

 

屋根材はアスファルトシングル。屋根下には透明の中空板(ポリカプラダン)をつけて明かり取りに

 

看板はパソコンで普通用紙にプリントした文字を、カッターで切り抜いて型紙を製作し…

 

型紙をあてて、アルミ板の上からラッカー系のスプレー塗料を吹き付けた。取り付けはカラーを挟んだ長めのボルトを貫通させて中から留めた

 

内装はいたってシンプル。奥側には棚を作り、上はアウトドア用品、下はタイヤ収納として使用。両側面の柱には2×4材をつけ、簡易的な棚や一輪車の収納などに使っている。天井部分も長物収納として活用

 

電池式のセンサーライトをつけ、夜間の出し入れも可能に。100円ショップで購入

*掲載データは2013年10月時のものです。

味気ないスチール製の物置を変身させるアレンジ術/ガーデン収納DIY大作戦!(番外編1)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

 

引き戸のみを付け替えちゃった! 味気ない物置を変身させるアレンジ術を公開

コレが……

物置の元の姿。よくある味気ないスチール製の物置だった

こうなる!

ウッディなオリジナルドアをつけることにより、庭に馴染むようになった物置。ドアのサイズは1枚当たり幅700×厚さ24×長さ1820mm

 

<DATA>
製作者…Nさん(67歳・DIY歴30年)
製作期間…3週間
製作費用…4000~5000円

 

どこの家でも見かけるスチール製の物置。dopa読者であれば「こいつ味気なくて、なんかつまんないんだよな~」と思っている人も多いはず。捨てるにはちょっと手間がかかるしもったいない、だけどこのままはなんとなく嫌。

だったら一部分を改造して庭に馴染ませちゃうってのはどうでしょう! 物置からドア部分のみを取り外し、自作のドアに付け替えたのがNさん。ビフォー・アフターを見ればわかるとおり、既存のドアを付け替えるだけで、こんなに雰囲気が変わっちゃうのは驚き。

Nさんがドアに使用した主要資材は、12mm厚と16mm厚のスギ板の廃材。これらをはぎ合わせながら進めていくドア作りのテクニック、公開しちゃいます!

 

*掲載データは2013年10月時のものです。

モルタル造形の南仏風物置を作りました!/ガーデン収納DIY大作戦!(3)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

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File04 壁を作るのは2面だけ!? 駐車場の擁壁を利用した物置小屋

駐車場を囲う擁壁を利用して作られたモルタル造形の小屋。物置には見えない完成度

 

内部の収納棚の様子。擁壁にコンクリートビスで棚受けを取りつけ、棚に。擁壁上に取りつけたミニパネルの構造もよくわかる

 

<物置DATA>
製作者…Sさん(55歳)
DIY歴…8年
製作期間…約1カ月
製作費用…約10万円
作品サイズ…幅3800×奥行1800×高さ2600mm

 

ヨーロッパの片田舎で老夫婦が素朴な暮らしを営む、ついそんな想像が頭をよぎるSさんの物置小屋。「背面はどうなっているのかな~」と裏に回ろうとするも壁に当たって進めない…。そう、これはコンクリートブロックの擁壁を利用して作られた簡単施工の物置なのだ!

土留めのための擁壁がコの字に建つ駐車場スペースに目をつけたSさん。この擁壁を物置の背面と左側面に利用。L字にコンクリートブロックを並べて布基礎を作り、残る正面と右側面に2×材を使った壁パネルを立ち上げることにより、大幅に時間と費用を短縮して小屋を作ることに成功した。

内部の擁壁部分には直接棚受けを取りつけ、棚を製作。車のパーツや工具を収納している。なお背面と左壁面の擁壁の上部には2×材で小さなパネルを作り、屋根の垂木や合板を受けている。

小屋の外壁は造形用のセメントを用い、南仏の片田舎をイメージしながら、セメントを彫り出し着色していった。ちなみに壁の下地は合板。ここにルーフィングを張り、ラス網、骨材の混ざった下地のモルタル、造形用モルタルを塗り重ねていった。同じく造形で作られたフェイクの煙突も素敵な仕上がり。しかし、この小屋、のちのち取り壊す予定だという。

「次は手抜きせず、ここに本格的なガレージを作りたいね。車4台収納でロフトつき。ロフトはホビースペースで決まり!」とSさん。南仏風のガレージが姿を現すのもそう遠くなさそうだ。

 

背面から物置を見ると擁壁を利用しているのがよくわかる

 

屋根にはフェイクの煙突が。こちらもモルタル造形

 

入口ドア部分。鉄のフラットバーをカットし叩いてエイジングした後、蝶番と接続。味のあるドア飾りに仕上げた

 

小屋内部から煙突を見た様子。真っすぐに伸びた2×4材が煙突のフレームになっている。小窓はアクリル板を使用

 

Sさんがこれまで作った物置小屋グラフィティ

電動工具を収納した物置。すべて南仏風×モルタル造形仕上げ

 

こちらは奥さんのガーデニングツールを収納している物置

 

これがSさん処女作の物置

 

小屋風物置

 

プロパンガスと灯油が収納されている

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2013年10月時のものです。

かわいらしいデザインの個性的な物置小屋2連発!/ガーデン収納DIY大作戦!(2)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

 

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File02 童話の世界から飛び出したかわいいメルヘンシェッド

童話に出てくるような白壁の建物をイメージしたというメルヘンな物置小屋。物置にするのがもったいないくらいの出来栄え

 

物置内部は1×材で作った棚を設置。奥にはドア枠のようなユニークな形の補強材を入れ、その左右上部に板材を載せ、収納棚として利用

 

<物置DATA>
製作者…Nさん(42歳)
DIY歴…6年
製作期間…約1カ月
製作費用…約30万円
作品サイズ…幅2600×奥行3600×高さ3000mm

 

最初はゴミ集積所として利用するつもりだったという信じられないエピソードを持った作品がこちら。完成した小屋を前に家族は「もったいない!」と大反対! そんなわけでかわい~い物置が生まれたというわけ。

童話に出てくる小屋をイメージし、窓やドアなどの建具に曲線を導入。壁の下地にはラスカットボードを使い、漆喰の壁塗りで仕上げている。漆喰の経年変化によるクラックに備え、ラスカットボードの継ぎ目には木の皮のついた飾り材を固定。この飾り材がメルヘンチックなデザインに一役買っている。

漆喰塗り完了後、雨により汚れが落ちるという光触媒塗料を塗り、外壁のメンテナンス性の向上を高めているところもポイント高し!

 

塗り壁仕上げの物置を作るため、壁の下地にはラスカットボードを使用

 

壁に使用したのはセンプラム。スペイン産大理石粉末入りの漆喰材。10mm以上の厚みで塗れるので、ダイナミックな表情付けもOK

 

こちらがセンプラム

 

File03 個性的なガーデンシェッドはステンドグラス風の窓がポイント

躯体には2×材と90mm角の角材を使用。なるべくビスを使用せず、ホゾで組み上げて製作。正面の看板は糸のこで文字を切り抜いて作った

 

室内にはベンチとミニテーブルがあり。道具を並べて収納に使うもよし、庭仕事の合間にひと休憩するもよし。こんな物置の使い方もありです

 

<物置DATA>
製作者…Sさん(26歳)
DIY歴…3年
製作期間…約1カ月半
製作費用…約5万円
作品サイズ…幅1200×奥行1200×高さ1900mm

 

『北の国から』の五郎さんよろしく、自宅のラベンダー畑に個性的なガーデンツールシェッドを作ったのは北海道のSさん。

まず目を引くのが、小屋の3面に取りつけられたステンドグラス…いやいや、実はこれ、ポリカーボネイトの平板なんです! グラスデコというクラフト用の塗料を使い、ポリカ平板に直接イラストを描けば、即席のステンドグラスが完成。

ドアをあければ、小屋のフレームを利用したベンチとミニテーブルも完備。ガーデンツールを収納するだけでなく、庭仕事中、一息つける休憩スペースにもなるというわけだ。一度座ったら思わずゆっくりしちゃいそう。

 

グラスデコを使えば、アクリル板やポリカ平板もステンドグラスのように変身!

 

物置左側面には出窓あり。屋根に生えたキノコは廃材を使ったチェンソーアート作品

 

物置背面。矢印のような個性的なシェイプが印象的

*掲載データは2013年10月時のものです。

野外工房として大活躍のデッキ&パーゴラ付き物置をご覧あれ!/ガーデン収納DIY大作戦!(1)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

 

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File01 デッキ&パーゴラつき物置はアイデア満載の野外工房!

物置の扉をあけ、作業台と収納棚をセットすれば、庭が即席の工房に変身! 少ないスペースでもここまでできる!

 

小屋の躯体、デッキ&パーゴラには2×材を使用。床と壁には3×6(サブロク)板の合板を使用し、材を切らないで済むように設計した

 

小屋側面の様子。塗り壁部分は合板にラス網を張り、骨材が混ざった軽量モルタルを2回塗りし、水性塗料を塗って仕上げている

 

<物置DATA>
製作者…Sさん(51歳)
DIY歴…15年
製作期間…約5カ月
製作費用…約5万円
作品サイズ…幅1820×奥行1950×高さ2400mm(デッキ含む)

 

黄色い塗り壁仕上げの物置の前を作業スペースに、木工作業に没頭するのは、普段は飲食店の店主として腕を振るうSさん。週に一度の休みを利用し、コツコツと物置作りを続けること5カ月、ついに理想の物置を完成させた。

製作の際、心掛けたのは「材を無駄なく使う」こと。床と壁はそれぞれ3×6(サブロク)板の合板1枚、背面の壁は3×6板の合板2枚…と使用する材料に合わせて物置のサイズが決定。材をカットする回数が減り、2×材も1820mmのものをそのまま使えるなど合理的。

物置を使う際はすぐに作業ができるようにと物置と同サイズのデッキを併設。物置内部には自作のキャスター付き収納台と卓上丸ノコ&集じん機を据え置いた作業台を収納。収納台に入れるツールボックスの規格をすべて同じものにそろえることで、使用頻度や目的によって、箱ごと入れ替えができるように工夫されている。物置の扉をあけて、デッキ上に収納棚、作業台をセットすれば、庭が即席の野外工房に変身しちゃうのだ!

物置のサイズといい、簡単ですぐに真似できる実用的なアイデアといい、Sさん、お見事です!

 

右扉内側は吊り下げ収納スペース。ドア枠に直接ビスを打ち、引っかけて工具を収納。ワイヤーネットを取り付ければフックもかけられるので便利

 

左扉内側。ドア枠にドリルで穴をあけ、ドライバーやカナヅチを収納。下部には端材の合板で棚を取り付け、自分で調色した塗料などを収納している

 

ツールボックスには中身がわかるようマーキングしておくのが基本。箱の中に何が入っているか一発でわかるので、作業が手間取らずに済む

 

キャスターのついた移動式収納台。収納するツールボックスの規格を合わせておけば、使用目的によって箱ごと入れ替えができるのでおすすめ!

 

こちらは合板で作った収納台

 

ツールボックスの中もきっちり仕分けて整理整頓。コンビニのアイスコーヒーのカップが役立っているとか

 

収納台の側面には2×材のサイズ表をペタッと。これが意外と便利なんです

 

屋根材にはオンデュリンをチョイス。南欧風の塗り壁と相性ばっちり

 

 

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2013年10月時のものです。

自分で作る、理想の収納!11/8発売の『dopa(ドゥーパ!)』151号の中身はこんな感じ!

DIYライフマガジン『dopa(ドゥーパ!)』2022年12月号が、11月8日(火)に発売!

特集は「棚作りバイブル」「DIYで手に入れる理想の物置」の2本立て。

基本から裏ワザまで、収納棚作りのすべてを網羅した完全保存版です。

 

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・特集は「棚作りバイブル」

「棚を作れれば、家を作れる」という金言があるように、棚作りはDIYのきっかけになり、その楽しさを知る入口となる一番身近なターゲットだ。本特集ではそんな「棚を作ること」に徹底フォーカス。棚作りにおける設計の基本から各種テクニック、使用金物からトラブル・失敗例を交え、機能的な棚の作り方を徹底解剖する。dopaだからこそできる、dopaしかできない、収納DIY辞典をご覧あれ!

 

プロに詳しい手順を教わる、収納棚の作り方

今回のdopaの収納特集はいつにも増して超実践的! 特集の冒頭を飾るのは「棚板の留め方 23種」。側板に棚板を留める、壁に棚板を留める、可動棚を作る、組み立て式の棚を作る、の4パートに分けて、さまざまな棚板の留め方を徹底解説。さらには引き出し作りに特化した企画や、収納扉のパターンと金具の組み合わせを紹介するガイドも。これを読めば、自分ぴったりの収納棚が作れること、間違いなし!

 

アイデアフルな収納実例集も必見!

単に物をしまうだけでなく、自身の環境や目的に合わせてデザインや構造にこだわった、アイデアフルな実例が大集合。既製品では絶対にあり得えない、ユニークかつシンデレラフィットなDIY収納棚の実例をドドッと紹介します。

 

第2特集 DIYで手に入れる、理想の物置!

雑多なガーデンツールの収納はもちろん、隣家の目隠しや庭のフォーカルポイントになる物置。そんな物置だから、サイズもデザインも自分好みに作るのが成功の秘訣。本特集では自身の環境に合わせて作られたユニークな物置作品の紹介に加え、DIY系ライターによる丸太と軸組工法で作る物置作りのリポートを掲載。我が家にぴったりの物置を手に入れるのはDIYが正解!

 

バラエティあふれる連載にも注目!

車中泊や旅を楽しむための軽バンカスタム、トリマー&ルーター木工、さらにはレザーソーイングやグリーンウッドワークなど、さまざまなジャンルのもの作りの魅力を個性あふれる作家とともにお届けします。その他、自給自足の田舎暮らしエッセイなど読み物も充実。

半野外空間でコーヒータイムを楽しむパーゴラつきミニデッキをDIYで作ってみた!

ガーデニング作業の合間の一杯のコーヒータイム。

スツールに腰掛け、ガーデニングプランを立てながら、ゆったりと過ごす時間。

できれば風が頬をかすめる半野外な空間がベストだ。

独りで庭を眺めながら、ほっとひと息つく。

男のそんな思いに感応し、DIYで作る「庭カフェ」を提案。その作り方を解説しよう。

 

庭作業のブレイクタイムにこんな場所があったらやすらぐよね~?

 

夜はランタンを灯して、1日を振り返る…なんていい感じです

 

 

<使用材料一覧>

木材 2×4材、2×8材、4×4材、1×6材、サネ加工のスギ壁板、枕木(1200mm)、垂木
金物…コーススレッド(75/65/38mm)、細ビス(45mm)、鉄筋(10mm径)、傘クギ、スジカイ、ワイヤーメッシュ(2.6mm径)
石材…羽子板つき沓石、アンティークレンガ
塗料…油性ステイン、水性ステイン
その他…ポリカ波板、砂、珪砂

 

<主な使用道工具>

インパクトドライバー(ドライバービット/木工&金工ドリルビット)、トリマー、丸ノコ、スライド丸ノコ、ディスクグラインダー、ノコギリ、カナヅチ、カンナ、ノミ、水平器、丸ノコガイド、留めスコヤ、メジャー、番線カッター、ラジオペンチ、石工ハンマー、目地ゴテ、ガスバーナー、ハケ、ペール缶、脚立、養生シート

 

DIY POINT1 基本的な骨組みとデッキ部を作る

現状は、不定形のやや狭い場所。ここに屋根つきパーゴラ状のオーバーヘッドとデッキ&レンガペイビングの床、さらに壁をつけて、半分野外の部屋的空間を作る。まず、土台と基本的な骨組みを作る。

 

DIY POINT2 屋根を張る

ここではクリアのポリカーボネイト波板を屋根材として張ったが、垂木の密度を増やしてそのままにするのもよし、夏はよしずをかけたり、ツル性の植物を這わせたりして、天然の日陰にしても面白い。

 

DIY POINT3 アンティークなレンガでミニペイビング

床の手前右側はアンティークレンガをペイビングした。まずエッジ部分をやや深く掘り込み、レンガを立てて並べてエッジングとし、内側は地面をならしたあと、砂を敷きながらぴったりと敷いた。ハンパ部分はカットして調整。モルタルはまったく使っていない。

 

DIY POINT4 壁・棚・デスクを作る

板材を使った壁張りは、横使いでもいいし、縦使いでもいいのだが、ここではサネ加工したスギ板をすき間なくぴったりと合わせて縦に張っていった。ただし、上側の壁は採光のため、すき間をあけた。また壁張りの前に、その下地作りを兼ねて、横桟や棚板、さらに折りたたみ式のデスクを取りつけた。

 

DIY POINT5 枕木ウォールを立て、メキシカンタイルを張る

この空間にアクセントをつけるために、古い枕木を2本、右側に立てることにした。段違いに立て、変化をつけると同時に、メキシカンタイルをはめ込んで遊び心をアピールすることにした。

 

デスクの天板にもメキシカンタイルを張ってみた!

枕木と同様、今度はデスクの天板にもメキシカンタイルを埋め込むことに。今度は3枚のタイルを横に並べて張ってみた。

一度天板をはずし、トリマーで掘り込んだあと、ノミできれいに掘り込みを仕上げ 、やはりマルチ接着剤でタイルをはめ込んで接着した。いい感じです

 

DIY POINT6 押し開き窓を作る

正面から見て左の壁はすでに塞がっているが、これを開口し、押し開き式の窓をつける。3mm厚のアクリル板をはめ込んだ窓は、2×6材を割いたものを枠板とし、ストレートビットをつけたトリマーで溝加工したものだ。

 

DIY POINT7 鉄筋でランタンハンガーを作る

変哲のない鉄筋がノスタルジックな小物に変わる。ディスクグラインダーで適当な長さにカットしたあと、焚き火やガスバーナーで先端部を炙り、真っ赤になったところを石工ハンマーで叩いて、できるだけ平たくする。ここに上下に穴あけしたあと(金工用ドリルビット使用)、柱にビス留めすれば、いい感じのランタンハンガーになる。

 

DIY POINT8 エイジング塗装する

主な組み付けが終わった時点で塗装に入る。選んだのはキシラデコールの油性ステイン(エボニ)と水性ステイン(ワイス)。壁やデスク等のメイン箇所にエボニを塗り、デッキと窓枠、それにスツールをワイスで塗った。ただし、デッキ、窓枠、スツールはワイスを塗る前に、ガスバーナーで焼きムラを作り、その上にワイスを塗った。これでオシャレなエイジング塗装となるのだ。

 

ビギナー向きの簡単スツールを作ってみよう

1×6材2枚を並べた座板を2×4材の受けと脚で支える超簡単スツール。接合はすべてビスによる突き付けで、まさにビギナー向けの木工作品だが、簡単なエイジング塗装のアイデアで素晴らしい作品に変身する。

 

オシャレなワイヤーネットをつけてみよう

コンクリート補修用のワイヤーメッシュを加工し、両側に板材を取り付けて壁に取り付けるといろいろな小物を引っ掛けられるネットになる。

 

これで完成!

壁収納を利用して、いろいろなガーデンアイテムを収納するのに便利。デスクにはパソコンやクッキングストーブをおいてひと休み空間を楽しめる

写真◎佐藤弘樹/製作◎アポロ佐藤

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2013年2月時のものです。

dopa編集部が実践!塗り壁のキュートな物置を作ってみた!/後編

dopa本誌でこれまで何度かお届けしている物置作り完全リポート。

今回のテーマは、木の壁とはまた違う温かい表情が特徴的な塗り壁だ。

物置とはいえ、その佇まいに心惹かれる、キュートな庭の構造物となるだろう。

作り方は意外とカンタン。DIYで味わい深い作品をモノにできること請け合い!

 

*道具や資材、床作り~壁の骨組みの作りなどを解説した前編はコチラ

 

意外とカンタン!

 

物置の構造図面

 

作業の流れ
  1. 床を作る
  2. 壁の骨組みを作る
  3. 屋根を張る
  4. 壁を張り、各部を仕上げる
  5. 外壁材を塗る
  6. 外壁を塗装する

 

Step3 屋根を張る

 

POINT02 相欠き加工は意外と簡単

2本の材の接合部を半分ずつ切り欠いて組み合わせる相欠き。高精度に仕上げるのは難しいが、今回の使用箇所はそれほどシビアに精度を求められるものではないので、ビギナーも十分に対応可能だ。

 

Step4 壁を張り、各部を仕上げる

 

POINT03 丸ノコできれいに窓抜き加工する

小さい窓抜き加工ならジグソーを使ってもいいが、今回のように大きい場合は丸ノコが向いている。長い直線カットが必要になるので、直線ガイドを使うと仕上がりの差は歴然。というわけで、直線ガイドの自作方法から紹介しよう。

<直線ガイドの作り方>

<窓抜き加工の手順>

 

Step5 外壁材を塗る

 

POINT04 セメント+軽量発泡骨材で施工しやすく、味のある仕上がり

今回の塗り壁のポイントは、セメントに砂を混ぜたモルタルではなく、軽量発泡骨材を混ぜたものを使うこと。この発泡スチロールを細かく砕いたような骨材を混ぜれば、モルタルに比べ軽くて粘りがあるからDIYでも施工しやすく、骨材が大きいから厚塗りも容易。また、均一に近い塗り厚ながら細かい凹凸があるから、モコモコとした温もりのある表情に仕上げやすいのだ。

 

POINT05 壁塗りの必需品、コテ板は自作でOK

左官バケツやトロフネで塗り材を練ったら、適度な分量をコテ板に載せ、そのコテ板を片手で持ちながらコテ塗りをするのが基本。コテ板は市販されているが、合板の端材などで簡単に作れるので自作がオススメ。なお、コテはさまざまな種類があり、プロは各種使い分けるが、使用回数の少ないDIYでは金属ゴテが1本あればOK。長さ180~210mm程度のものが扱いやすい。

 

Step6 外壁を塗装する

 

POINT06 水性塗料を水で薄めると塗りやすさ劇的アップ!

軽量発泡骨材を混ぜたセメントを塗った壁面は、凹凸があり、窪み部分には塗料が入り込みにくいので、水性塗料を水で少し薄め、サラサラの状態にするとスムーズにまんべんなく塗れる。また、広い面をローラーで塗り、端部をハケで塗るのが基本だが、とくに塗料が入りにくい窪みには、ハケで突くように塗ったり、筆で塗ったりすると、きれいに塗ることができる。

 

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2013年10月時のものです。

dopa編集部が実践!塗り壁のキュートな物置を作ってみた!/前編

dopa本誌でこれまで何度かお届けしている物置作り完全リポート。

今回のテーマは、木の壁とはまた違う温かい表情が特徴的な塗り壁だ。

物置とはいえ、その佇まいに心惹かれる、キュートな庭の構造物となるだろう。

作り方は意外とカンタン。DIYで味わい深い作品をモノにできること請け合い!

 

意外とカンタン!

 

物置の構造図面

 

使用した木材
材の種類 サイズ(mm) 使用部位
SPF 2×4材 1820 5 床・正面骨組み
SPF 4×4材 910 1 束柱
SPF 1×4材 1820 3 ドア骨組み
SPF 1×1材 1820 3 戸当たり
ホワイトウッド30×40mm材 1820 25 正面・側面・背面・屋根骨組み
針葉樹合板(9mm厚) 910×1820 2 床、屋根下地、軒天
ラワン合板(5.5mm厚) 910×1820 1 ドア
ウエスタンレッドシダー 2×6材 約700 1

 

その他の材料

基礎…羽子板つき基礎石4個、砂利(20㎏)1袋、インスタントモルタル(25㎏)1袋

屋根…ルーフィング、屋根材(オンデュビラタイル)4枚、棟カバー(オンデュリン)1枚、オンデュリン専用クギキャップ

壁…ラスカット(7.5×910×1820mm)4枚、下端起こし、シリコンシーラント、マスキングテープ、マスカー、セメント(25㎏)2袋、軽量発泡骨材2袋、発泡スチロール(10mm厚)、セメント壁用シーラー1L、セメント壁用塗料1L、タイル接着剤、タイル、タイル目地材

その他・全体…屋外木部用水性塗料1.6L、丸棒(9mm径)、蝶番、掛け金、ステープル、ビス(19/35スリム/41/65スリム/75mm)

 

材料費の目安

4万5000~5万円

 

使用した道具

丸ノコ、インパクトドライバー(ドライバー1番&2番/3.2mm径ドリル/3.5mm径ドリル/9mm径ドリルビット)、ディスクグラインダー(多羽根ディスク)、ノコギリ、ノミ、カナヅチ、タッカー、角度定規、クランプ、カッター、サンドペーパー、サシガネ、メジャー、水平器、脚立、スコップ、自作タンパー、電動かくはん機、トロフネ、練りクワ、コテ、コテ板、左官バケツ、コーキングガン、ローラー、ハケ、筆、塗料用バケット、ゴムベラ、ウエス、ブルーシート

 

作業の流れ
  1. 床を作る
  2. 壁の骨組みを作る
  3. 屋根を張る
  4. 壁を張り、各部を仕上げる
  5. 外壁材を塗る
  6. 外壁を塗装する

 

Step1 床を作る

 

Step2 壁の骨組みを作る

 

POINT01 勾配は現物合わせ。角度定規があると便利

屋根に雨流れの勾配をつけるため、壁の骨組みの上端に勾配をつける。角度は任意。今回は正面と背面に150mmの高低差をつけることにした。高低差を決めたら、実際に材を配置して、現物合わせで角度を墨つけ。その墨線に合わせて角度を設定した角度定規をガイドにすれば、すべての材を同じ角度でカットできる。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2013年10月時のものです。

家族みんなが笑顔になる!菜園つき広々ウッドデッキ/最高の居場所があるガーデンファイル(11)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

10回目となる今回はプロが作る最高の居場所を紹介!

 

<記事内ギャラリー>

 

File11 家族が集まるウッドデッキは菜園付き

デッキの全景。写真左の路地が車が入れないほど狭いため、「駐車場が作れないなら菜園デッキに!」というのが施工のきっかけだとか

 

デッキでくつろぐOさん一家と友人たち。「育てて、収穫して、食べる」という自然のサイクルがデッキの居心地をワンランク引き上げる

 

<DATA>
主要デッキ材…国産杉+木材防護保持剤仕上げ
デッキ面積…約60㎡
主な設備…菜園、芝+ブランコ、パーゴラ、ガーデンキッチン

 

某県で蜜ロウワックスや木材を販売するOさんは、自宅のデッキを「育てる、収穫する、食べるアウトリビング」をコンセプトに友人に設計を依頼。地元大工さんに施工をオーダーし、菜園あり、レンガかまどありの、家族や仲間が集まる憩いのデッキ空間を手に入れた。

施工だが、はじめに菜園と芝部分、かまどのレンガを積んで、それぞれの位置を決定。その後、デッキの束柱を立てて作業は進行。デッキの材料には自ら販売するオリジナルデッキ材を使用した。娘のために自宅ベランダデッキとフェンスをつなぐパーゴラにはブランコを設置。デッキの一部に穴をあけさまざまな植栽を設置しているところは、自然を愛するOさんならでは。フェンスはR状に丸めて設置し、柔らかなイメージを演出しているのも落ち着く空間作りに一役買っている。

休日には家族や友人とともにデッキでバーベキューや流しそうめんを楽しむというOさん一家。〝デッキ×菜園〟という素敵な組み合わせは、今日もみんなを笑顔にしている。

 

夜間のデッキはライトアップされ、昼とはまた違った表情を見せる。夕食時に室内から眺めるのも楽しみのひとつ。 また、ベランダとフェンスをまたぐパーゴラにはブランコを設置。子どもたちが喜ぶアイデアを組み込むのも忘れない

 

白菜、長ネギ、大根…デッキの小さな菜園でもこんなに立派な野菜が収穫できます

 

ほっかほかの焼き芋など、レンガを積み上げて作ったかまどで季節の野菜を楽しむ

取材協力◎小川耕太郎∞百合子社/写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

開閉式の壁と落葉樹で快適空間を演出したウッドデッキをご覧あれ!/最高の居場所があるガーデンファイル(10)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

10回目となる今回はプロが作る最高の居場所を紹介!

 

<記事内ギャラリー>

 

File10 ウッドデッキを生かすのは、開閉式の壁と落葉樹!

3面は母屋に囲まれ、残す1面は引き戸を閉めて、四方を囲ったプライベート感たっぷりのデッキ。落葉樹のヒメシャラが葉を落とす冬、空からデッキ全体に光が届く

 

2階からデッキを眺める。鴨居の上端にはガルバリウムを張っている

 

<DATA>
主要デッキ材…防腐処理済みSPF
デッキ面積…約16㎡
主な設備…開閉式の壁(引き戸)、落葉樹

 

これぞ、住宅地で本当に活躍するウッドデッキの形だ。3面を母屋に囲まれた庭にデッキを作り、唯一、周囲に向かって開け放たれた面には、引き戸を装備。人目が気になる時間帯には引き戸を閉じ、気にならないときは開ける。いわば開閉式の壁を設けることで、住宅地でも常に落ち着いて過ごせるガーデンリビングとなる。

確かにここで紹介する例は、3面を母屋に囲まれた庭だから可能なデザインだが、そうでなくても、デッキの隅に新たに柱を立て、その柱までの間に引き戸を設けるなどすれば、近い状態に仕上げられそうだ。

四方を囲ったプライベート感重視のデッキでは、空とのつながりが、より強く意識される。そして、空との関係性を絶妙に調節してくれるのが、落葉樹だ。夏には葉を茂らせ、厳しい陽射しをさえぎる天然のパラソルとなり、冬には葉を落とし、暖かな陽射しをデッキに通す。

「デッキだけじゃなくて、家の中も夏は涼しくなるし、冬は暖かくなるんです」

と、十数年にわたり落葉樹の恩恵を受けてきた住人も、太鼓判を押した。

 

引き戸を全開にした状態。人目が気にならないときは、こうしておくと開放感が高まる

 

外から見た引き戸全開状態

 

外から見た引き戸全閉状態。1枚の幅約1.4×高さ約2.2mの戸が3枚連なる

 

ヒメシャラが伸びる部分はデッキを切り欠いている。木の生長に合わせて、切り欠きを広げてきたそう

 

壁から壁へと渡された鴨居。内部には、3枚の戸の吊り戸車が転がるため、3本のレールが通る

 

敷居のレール。この中を、戸の底につけた戸車が転がる

 

全開状態のとき、戸はこのように収まる

 

夏のデッキ。茂る葉が影を作る

 

取材協力◎グリーンギャラリーガーデンズ/写真◎福島章公

*掲載データは2013年2月時のものです。

ツリーハウス下に多目的空間&ベンチつきパーゴラを作った!/最高の居場所があるガーデンファイル(9)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File09 ツリーハウス下に着目!遊べる多目的空間が出現

ツリーハウスの下部は仲間たちの集合場所。野外工房であり、男たちのバカ話が繰り広げられるプライベートスペース

 

ツリーハウスは5本の広葉樹の木で支えている。1階部分にはトイレ、2階の室内には薪ストーブを完備

 

<DATA>
製作者…Iさん(47歳・不動産業)
DIY歴…15年
製作費用…約150万円(トイレ別)
製作期間…約1カ月

 

ツリーハウス下の広場からにぎやかな笑い声が響く。ここは千葉県の山里に広がるとある会員制の分譲地。この敷地を管理するIさんをはじめ、トムソーヤのような冒険心を持った大人が集まるDIYフィールドだ。

ここでのポイントは敷地内に作ったツリーハウスの下部のスペースを有効活用した点。小屋を支える土台を利用し、頭上に電源を設置。スペース中心に位置したホストツリーには五角形のテーブルを取り付け、野外工房兼バーベキューも楽しめる憩いの空間を作り上げた。

さらに注目すべきは、ツリーハウス2階のベランダデッキから乗り出すプライベート・ターザンロープ! 特注のロープと金具を使い、ワイヤーに引っ掛け滑り落ちていく男たちの顔は子供そのもの。男たちの秘密基地作りにかける情熱は、いくつになっても変わらないのだ!

 

ツリーハウスを支えるホストツリーの1本には、上に登れるよう板材で足場を固定。見張り台をイメージ

 

頭上には電源を設置。電動工具も使用できる野外工房にもなる

 

ホストツリーの1本には、合板で作ったアングルを支えに利用した五角形のテーブルを設置

 

ツリーハウス2階から伸びるワイヤーにロープと特注の滑車を取り付けて、プライベートのターザンロープを実現っ!

 

File10 ベンチつきパーゴラでバーベキューが100倍楽しくなった!

バーベキュー炉とベンチつきパーゴラのあるL型スペースがKさん家のくつろぎスポット。バーベキュー炉裏のアイアンバーはキッチンツールをハンギングするためのもの

 

<DATA>
製作者…Kさん(54歳・公務員)
DIY歴…5年
製作費用…4万2484円
製作期間…1週間

 

バーベキュー炉を便利に活用するために作ったベンチつきパーゴラ。パーゴラは屋根と柱をそれぞれ組み立てた状態で、設置場所に運んで製作。ベンチはバーベキュー炉に干渉するのを避けるため、座板を斜めにカットした。

 

ベンチ正面。座板を斜めに切っているのがわかる。背板受けの取り付け位置が悪く、脚が飛び出している点はよく考えてDIYする必要があったかなと感じているそうだ

 

パーゴラベンチ製作前の写真。バーベキュー炉は花壇の基礎コンクリート上に作った

 

写真◎福島章公、製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

野菜&花畑の中に八角形ガゼボを建てました/最高の居場所があるガーデンファイル(8)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File08 野菜&花畑の中の八角ガゼボはガーデニング好きが集う社交場

補修を楽に行なえるように青い腰板は取り外し可能にしている

 

<DATA>
製作者…Sさん(75歳)
DIY歴…12年
製作費用…約12万円
製作期間…2年

 

 

Sさんは奥さんが経営する喫茶店の近くで家庭菜園を楽しんでいた。しかし、年を追うごとに畑仕事が辛くなり、また育てた野菜を余らせてしまうことも……。

畑を減らす案として、思い付いたのが土地を〝小屋で埋める〟だった。薪ストーブを使う喫茶店のための薪小屋作りを手始めに、資材や道具置き場などを製作。「休憩スペースも欲しいな~」と奥さんにリクエストされ、八角形のガゼボを作ることに。

凍結防止のため、深さ約50cmの穴を掘り、砂利を転圧し、その上に基礎石を置いた。根太が集中する中心部は八角形の基礎石を作り、安定するようにしている。

土台と柱は知人から安価で購入した角材を使用。屋根の垂木と柱はDIYでホゾ加工して組み立てた。

屋根は柱だけで支える予定だったが、屋根材を載せてみると、軽く押しただけでグラッと揺れた。これはマズイと土建業の知人に相談し、鋼板製の補強材を作ってもらい取り付けると、頑丈な造りになった。

完成後、奥さんがガーデニングにハマり始め、今では土地の4割が花畑になっているのだとか。ガーデニングや畑の休憩所から、奥さんのガーデニング仲間の社交場としても大活躍している!

 

鋼板製の補強材。8本の垂木にガチっと取り付けられている

 

柱が倒れないようにヒモで仮留めしている。柱の先端部は屋根の傾斜に合わせて角度切りしている。基礎石もSさんのDIY。型枠を作り、モルタルを流して作った

 

DIYや畑仕事中は愛犬の居場所になる

 

写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

遊具にもベッドにもなるウッドデッキを作りました!/最高の居場所があるガーデンファイル(7)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File07 物干し場から遊具やベッド…使い方無限大のデッキ

デッキと向かい合う場所にレンガのバーベキュー炉が作られている

 

<DATA>
製作者…Hさん(50歳)・公務員
DIY歴…11年
製作費用…50万円
製作期間…2年6カ月

 

掘りごたつ風に使えるスペース

 

使わないときはテーブルを畳んでおく

 

建築時に、業者に作ってもらったウッドデッキが、高い割に〝自分でできそう〟と感じさせるものだった。そのとき、HさんのやってみたいDIYリストにウッドデッキが加わった。

数年を経て、奥さんから洗濯物干し場の日当たりがイマイチと相談を受ける。土地を買い増したし、物干し付きのデッキを作るぞ!と一念発起。物干しだけでなく、家族や仲間とバーベキューなどで使えるようなデッキを目指し、パソコンに向かってデザイン&設計を練った。

完成後に手がかからない作品に仕上げるべく木材はサイプレス、金具類はステンレスを選択。さらに、丈夫に仕上げるをモットーにDIYし、大引きはコンクリート基礎に2cm厚のプラスチック板を載せ固定。木材が地面に接しないよう風通しをよくし、湿気対策を図っている。また、柱と梁の組み立て、根太と床板の接合にのみビスやボルトを使い、その他はホゾ組みで組み立てた。再塗装や縦格子の交換などが簡単にできるようにフェンスもホゾで組み立てている。

昼は物干し台、夕方は子供たちのジャングルジムになることもあるデッキ。休日はバーベキュー会場になったり、Hさんの昼寝用スペースになったりと、庭に欠かせないものになっている。

 

フェンスは縦格子パネルの補修ができるように取り外せるようになっている

 

骨組みができあがった状態。組み立て前にオイルステインで2度塗りした

 

子どもたちにとって、段差のあるデッキはジャングルジムのような存在

写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

リビング先に作ったサンルームは年中快適!/最高の居場所があるガーデンファイル(6)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File06 一年を通して快適なのはリビング先のサンルーム

夏は屋根の下にシェードを掛け、外のパーゴラにグリーンカーテンを絡ませれば、サンルームも母屋の室内もずいぶん涼しくなるそう

 

外壁は上部がウエスタンレッドシダーのサイディング、下部が張りレンガ。サンルーム完成後、前にパーゴラ&テラスを作ったため、庭と室内が段階的につながる印象となった

 

<DATA>
製作者…Mさん(65歳)
DIY歴…5年
製作費用…約40万円(サンルームのみ)
製作期間…約4カ月(サンルームのみ)

 

南向きのリビングルームに面した庭に、何を作るか? Mさんの結論は、サンルーム。冬も暖かいだろうし、愛犬にもうれしい居場所になるに違いない、というわけだ。

基礎は、周縁部にコンクリートブロックを並べた布基礎。「この基礎作りがいちばん大変だった」とMさんが振り返る。なぜなら、ブロックが水平でないと、床や壁の水平と垂直がずれてしまう。つまり、すべてがまさに台ナシになってしまうから。これは、なかなか神経を使う。根気を要する。やはり何度かやり直したというMさんの「いやぁ、水平の重要性を実感しましたねぇ」という言葉が、説得力とともに哀愁を帯びる。

屋根はポリカーボネイト板。2×4材の垂木に傘クギで固定し、コーキング剤ですき間を埋めた。垂木は、桁の切り欠きにはめ込み、その桁は、母屋の鉄骨にボルト留めした板に固定。つまり、サンルームの屋根は母屋の躯体とつながっており、強度的には申し分ないはず。

透明の屋根に加え、掃き出し窓と5つの縦滑り出し窓を備えるのは、もちろん採光のため。これにより、サンルームらしい開放感を得ることになる。窓は、防水性を重視して市販のアルミ製を選んだそう。縦滑り出し窓は、壁の骨組みに、窓に合わせた枠をつけるだけなので手間がかからなかったが、掃き出し窓のレールを床面とそろえるのは、これまた根気のいる作業になったのだとか。

 

内壁は、上部が母屋のリフォームで余った壁紙。下部はウエスタンレッドシダーのサイディング。製作途中に、一部をニッチにするアイデアが浮かんだとのこと

 

母屋の戸袋に合わせて壁を切り欠いた。細かいすき間はスポンジを詰めてふさいでいる

 

屋根材は3mm厚のポリカーボネイト板。スポンジ付きの傘クギで留めている

 

母屋側の上部。母屋の鉄骨にボルト留めした板に、桁を接合。桁の切り欠きに垂木をはめている

 

床材は木目調タイルカーペット。本物の木の質感によく似ているが、樹脂製で掃除がラク。愛犬が出入りして汚れたり濡れたりすることが多くなるだろうと、これを選んだ

 

サンルームは愛犬にも最高の居場所!

愛犬ロンも喜ぶだろうと、サンルームにカーペット敷きの彼の居場所を作ってあげたMさんだが、「完成以後、もともとあった庭の犬小屋にまったく戻らない。ここまでとは…」と苦笑い。

 

両開き用のバネ蝶番を駆使して製作

 

内外どちらからでも押せる犬用ドアを作ったが、ロンが自ら外に出ることはほとんどないという…

 

愛犬のロン

写真◎清水良太郎

*掲載データは2013年2月時のものです。

ひとりでDIYに励むお父さん応援企画!/ひとりDIYに役立つ素敵なテクニック集・その2

「ちょっとココ押さえてて」、「そっちもう少し持ち上げて」…、そんなことを気軽に頼める相方がおらず、切ない思いに駆られたことがあるDIYerは少なくないはずだ。

運がよければ、ものわかりのいい優しい奥さんや子供が手伝ってくれるかもしれないが、それだって、それぞれに予定もあるし、機嫌の良し悪しもあるし…。

ならばDIYerよ、ひとりでも不自由なく作業を楽しめる術を身につけようではないか!

まず知るべきは、クランプだ。そして、同士たちが編み出したテクニックだ。

これで、ひとりDIYがますます愉快になること間違いなしだ~!

*クランプの種類と使い方編はコチラ

*万力の種類と使い方編はコチラ

*F型クランプの自作編はコチラ

*現場で活かせるクランプ使用例9連発編はコチラ

*ひとりDIYに役立つ素敵なテクニック集・その1はコチラ

 

みんなが実践する裏ワザ、集めました!
ひとりDIYに役立つ素敵なテクニック集

ひとりDIYをサポートしてくれるのはクランプだけじゃない!

身近にあるアノ道具やコノ資材も、使い方次第で便利アイテムに変身!

全国のひとりDIYerよ、知恵で勝負だ! じゃんじゃん応用すべし!

 

9、二丁インパクトで素早く下穴あけ&ビス留め

ハードウッドや竹、金属などをビス留めするなら、先に下穴をあける必要がある。大量にビス留めする場合、これがかなりメンドクサイ。ふたりいれば、ひとりが下穴あけ、ひとりがビス留めと分担してスピーディーに進むのに…というところだが、ひとりでもインパクトドライバーまたはドライバードリルを2台用意し、それぞれに下穴用ドリルビット、ドライバービットをつけて使い分ければとても効率的。また、下穴あけ専用と割り切って安価なドライバードリルを購入するのもナイスアイデア。

 

10、重い枕木も一輪車ならラクラク運べる

一輪車で運べるのは、砂や砂利など、荷台の内部に収まるものだけじゃない。長い枕木だって、いったん載せてしまえばラクに運べちゃう。重い枕木をひとりで抱えて運ぶのは至難の業ですからね!

11、重い材は輪に引っ掛けて高所に上げる

ふたつのカーポートの間に屋根を作って、超幅広のカーポートを作ったFさん。どうやって重い梁などを高所に上げ、固定したのか? その答えは、「針金の輪」でした。

 

12、鉄筋や丸棒の保持は端材を切り欠けばOK

鉄筋にドリルで穴をあけるときは万力に固定するといいが、万力がなくても大丈夫。適当な端材をV字に切り欠き、そこに鉄筋をはめれば転がって逃げることがない。

 

13、丸太の保持は豪快にカスガイで

自然木の形状をそのままデザインに取り入れる「曲がり木工」が得意なYさん。チェンソーで丸太を割くときには、転がらないようカスガイでガッチリ保持。割き終わったら、カナヅチで軽く叩いてカスガイをはずすだけ。作品同様、作り方もワイルド~。

 

14、足を3つ目の手に!? 曲線の墨つけテク

材の端を曲線にカットするために、サシガネをたわませて墨つけ。しかし2本の手でたわませていたら、墨つけできない。そんなときは、足でサシガネを保持!

 

15、ドアをつけるときはバールで保持

ドアをつけるとき、上下左右に多少のすき間を作っておかないと、うまく開閉しない。とはいえ、ひとりでドアを持ち上げながら蝶番をビス留めするのは超タイヘン。そこで活躍するのがバール。バールの端をドアの下に差し込み、もう一方の端を足で踏んでテコの原理で持ち上げておけば、両手が使えるのでビス留め作業も問題なし!

 

16、ストレスなしで桟を裏からビス留めする方法

1×4材を数枚並べ、3本の横桟を留めてドアを作る。その場合、裏からビスを打つほうがしっかり接合できるし、見た目もスマート。そこで、平らな場所に横桟を3本並べ、その上に1×4材を並べてビスを打つことになるが、そのままだと必ずといっていいほど作業中に横桟がズレてしまい、イライライライラ…。そんなときは、合板を作業台にして、そこに横桟を仮留めしてしまえば、ズレることなくサクサク作業が進むのだ。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年4月時のものです。

ひとりでDIYに励むお父さん応援企画!/ひとりDIYに役立つ素敵なテクニック集・その1

「ちょっとココ押さえてて」、「そっちもう少し持ち上げて」…、そんなことを気軽に頼める相方がおらず、切ない思いに駆られたことがあるDIYerは少なくないはずだ。

運がよければ、ものわかりのいい優しい奥さんや子供が手伝ってくれるかもしれないが、それだって、それぞれに予定もあるし、機嫌の良し悪しもあるし…。

ならばDIYerよ、ひとりでも不自由なく作業を楽しめる術を身につけようではないか!

まず知るべきは、クランプだ。そして、同士たちが編み出したテクニックだ。

これで、ひとりDIYがますます愉快になること間違いなしだ~!

*クランプの種類と使い方編はコチラ

*万力の種類と使い方編はコチラ

*F型クランプの自作編はコチラ

*現場で活かせるクランプ使用例9連発編はコチラ

 

 

みんなが実践する裏ワザ、集めました!
ひとりDIYに役立つ素敵なテクニック集

ひとりDIYをサポートしてくれるのはクランプだけじゃない!

身近にあるアノ道具やコノ資材も、使い方次第で便利アイテムに変身!

全国のひとりDIYerよ、知恵で勝負だ! じゃんじゃん応用すべし!

 

1、長材をビスの仮打ちで支える

長い横材を留めるとき、ひとりで水平を保持しながらビスを打つのは難しい。そんなときは材の下端に合わせてビスを仮打ちし、その上に材を載せれば問題解決!

 

2、長材の片端をジャッキで支える

ガレージの外壁を丸太の半割りで仕上げた千葉県のYさん。この半割り材の長さが約3.5mあって、ひとりで水平に保持するのが大変。そこで山口さんが思いついたのが、片端をジャッキで支える方法。なるほど、これなら微妙な調整にも都合よさそう。

 

3、長材の両端を端材の仮留めで支える

小屋を作っていた編集部メンバーが、垂木の木口に3mの幕板をビス留めしたいが、ひとりではどうしても水平に保持できず、思いついた策。両端の垂木の下面に端材を留め、その上に幕板を載せれば、ラクに正確なビス留めが可能に!

 

4、結束バンドをコーナークランプに

宅配物を梱包していた結束バンドは、そのままコーナークランプとして利用可能。巻いて締めただけではどうしてもすき間ができるから、端材をクサビにしてテンションをかければ、簡易コーナークランプの完成だ。

 

5、自作クサビで材を保持

材を上に突き付けてビス留めしたいときなど、片手で材を正確に突き付けながらビスを打つのが難しい。そんなときは材の下にクサビを入れて、材を固定してしまえば作業がラク! クサビは端材を適当に斜めにカットすれば作れるから、とてもお手軽。

 

6、自作つっかい棒で材を保持

壁に蝶番を介して折りたたみ式の作業台をつけるときに、自作つっかい棒で材を支え、蝶番をビス留め。自作つっかい棒は、床から材までの寸法にあわせて端材をカットすればできあがり。床や地面からの高さがさほどない範囲なら、さまざまな場面で使えそうなテクニック。

 

7、両面テープで仮留めして正確にビス留め

ビス留めする際に、あらかじめ両面テープで固定しておくと、材がズレる心配がなく、とてもラクに正確にビス留めできる。とくに、繊細さを要求される小さい材の接合には有効。ガレージ6142の白井さんは、棚作りで、棚受けのアルミアングルを側板に留めるときに、このテクニックを使ってました~。

 

8、あらかじめ仮打ちで素早くビス留め

ビス留めの際、材を突き合わせてからビスを打ち始めると、ビスの先端が滑ったりして手間取るうちに材がズレてイライラ……。材を保持してくれる人がいないひとりDIYではよくあるパターンだ。プロの作業でよく目にするのが、あらかじめビスの先端を材に打ち込んでから、接合箇所に突き合わせる方法。これなら素早くビス留めできるから、材の保持が大幅にラクに!

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年4月時のものです。

コーヒブレイクに最適な庭を眺めるカフェカート/最高の居場所があるガーデンファイル(5)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File05 ガーデン観賞の合間にカフェカート前でコーヒーブレイク!

カーテンやエンジェルなどで装飾されたカフェカート。デザインのキュートさもあって、オープンガーデン時の注目度ナンバー1の作品

 

<DATA>
製作者…Hさん(51歳)・パート
DIY歴…10年
製作費用…約3万円
製作期間…6日

 

知人の庭で見たカフェカートにひと目ぼれ。「自分の家でオープンガーデンをするときに、こんな作品からコーヒーを提供できたらステキだな」と思ったHさんは、迷わずDIYを決意。過去にウッドデッキやパーゴラなどを作ったことがあり、ご主人から〝棟梁〟と呼ばれるほど。自然に本作も自分で作ろうと思ったそうだ。

おしゃれ&庭に似合うようにと作品をデザイン。形は屋根の曲線カットがかわいらしいカントリー風ながら、濃いグリーンでペイントし落ち着いた雰囲気に仕上がっている。全体サイズは設置場所の母屋とパーゴラのスペースに合うようにし、カウンターテーブルなど内部の設えは自分にピッタリ合うようにした。

資材は、補修することも考慮し、手に入れやすく、安価な2×4材と1×4材を選んだ。2×4材で骨組みを作り、1×4材を張っていき、内側に棚やカウンターを作り付ける。最後に、1×4材で作った屋根を載せた。

オープンガーデンでは、カフェカート&パーゴラのある一角が休憩スペースになる。観賞の合間の客人をコーヒーでおもてなしする重要なアイテムなのだ。

 

カート内部。側面の横桟をトレー立てなどに活用している。作業台はIHヒーター、コーヒーサーバーを置いてもゆとりのあるサイズ

 

オープンガーデン時は、パーゴラの下にガーデンテーブル&チェアを置く

 

横桟に取り付けた棚。3段あり、コップや食材などをたっぷり置いておける。使わないときは、アクリル板をはめたドアを閉めておく

写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

風除け&暑さ対策は万全!春夏秋冬ゆったりできるお庭/最高の居場所があるガーデンファイル(4)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

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後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

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File04 ベンチの風除け&暑さ対策は万全! 春夏秋冬ゆったりできます

木々の緑にアーバーベンチのホワイトペイントがよく映える。小屋組みは40mm角材で作り、1×4材の幕板を張った

 

<DATA>
製作者…Aさん(74歳)
DIY歴…14年
製作費用…約2万円
製作期間…1週間

白と茶のコントラストが美しいアーバーベンチ。Aさんは、腰掛けとしての実用面と、庭の表情を豊かにする演出面からこの作品を製作しようと思ったそうだ。

デザインはテレビで見たイングリッシュガーデンの構造物やガーデニング好きの息子さん夫婦の意見を参考に固めていった。

側板のパネルを作り、横桟と座板受けを組み立て、座板と背板を張り、小屋組みを載せれば完成する。しかし、設置場所が、風の通り道になっており、強風が吹くこともある。作品を置くだけでは倒れてしまうため、コンクリート土間の地面に埋めたアングルに側板パネルを固定。また、背板は間隔をあけながら板材を張り、くり抜き窓も作って、風が抜けていくような造りに仕上げた。

資材も無駄なく使うことを心がけ、背板を高さ120cm、座板を長さ60cmにし、180cmの1×4材できっちりおさまる設計になっている。

できあがったときは、家族みんなが希望どおりに仕上がっていると喜んだそう。植木鉢やランタンで作品を飾り、使うときはベンチにクッションを置いてゆったりくつろぐ。ランタンに火を灯し、ナイトガーデンを楽しむこともあるとか。家族が思い思いに活用できるかけがえのない場所になっている。

 

側板に作った窓。植木鉢が置けるように、棚板は1×8材を使用

 

夏は日差し除け&暑さ対策のため、小屋組み(屋根部分)に合板を張った

 

地面に立てたアングル。このアングルに側板のパネルを固定する

写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

女性DIYer必見!四季の庭を眺めるパーゴラ&ベンチを作りました!/最高の居場所があるガーデンファイル(3)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

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File03 パーゴラ&ベンチは私の特等席♪ 四季の庭を眺めて愛でる空間作り

ガーデニング専門店、フローラ黒田園芸にあったバス停をモチーフにした作品がモデルのパーゴラ&ベンチ。左側には収納箱を設置。仕上げの塗装には、水性塗料のアースホワイトを水に薄め、木目が出るように塗布している。幅3200×奥行850×高さ2100mm

 

新緑の季節にベンチに座って眺める庭の風景。癒されるぅ~

 

<DATA>
製作者…Nさん・会社員
DIY歴…3年
製作費用…約3万円
製作期間…約1週間

 

ここでは男性だけでなく、奥様DIYerに必見の庭をご紹介! ガーデニングが大好きなNさんは、自宅のリフォームをきっかけにエクステリア作りを始めた女性DIYer。〝植物の映えるカントリーガーデン〟をコンセプトに作品を作り続ける、そんな彼女の記念すべき初DIY作品がこのパーゴラ&ベンチ。庭の四季を楽しめるビューポイントに作った、Nさんだけの特等席だ。

面白いのは材料のセレクト方法。DIYerにおなじみの2×4材をあまり利用せず、スギ板を多用。理由は材の厚みが適度なボリュームで、その質感がナチュラルだからだとか。とはいえ支柱など構造材には90mm角のスギ角材を使用するなど、作品の見栄えと強度のバランスの取り方の上手さは女性ならではのセンス。

「好きなものに囲まれた空間にしたい」と、パーゴラ支柱と横板の間を利用したニッチ収納や棚板をL字金具で取り付け、花の寄せ植えやアンティーク調の小物できれいにまとめているのもポイント。地面はレンガをペイビングして仕上げるなど、仕事ぶりは男性顔負け。

「おうちでくつろぐのは当たり前。自分の作ったもので、庭の解放感と緑の癒しを感じるのは最高の贅沢です♪」

んん~かわいくって力持ち!というわけでDIYにもウーマンパワーが炸裂中です!

 

このゲートがL字の庭の入り口。写真左部分がパーゴラ&ベンチになる。5月、ゲートの周りはバラが咲き乱れる

 

パーゴラの屋根材にはポリカ波板を使用。構造材と背板のフェンス部分の間に、ボックス式の棚を作って、植栽をセット

 

90mm角の支柱のすき間を利用したニッチ収納。ガーデニングの小物や植物の肥料を瓶につめて収納

 

DIY仲間の友人が作ったという、Nさんの庭のミニチュア。ミニチュアを庭のオブジェとして作品にしちゃうのもひとつのアイデア

 

パーゴラの左側には庭道具をしまう収納箱をセット。下部は風が抜けるよう底上げされ、基礎のコンクリートブロックに載っている

 

収納箱上部のフェンスには、L字金具を使って棚板を固定。何気なく置かれたオブジェが絵になります

写真◎田里弐裸衣、製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

くつろぎガーデンカフェを廃材で製作しました!/最高の居場所があるガーデンファイル(2)

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FIle02 廃材で作ったガーデンカフェでくつろぎティータイム

ほぼすべてが廃材でできたガーデンカフェ。サイズ幅4000×奥行2400×高さ2600mm。製作者のSさんはこの作品でホームセンターコメリの第9回DIYコンテストでリフォーム・リサイクル部門賞を受賞

 

<DATA>
製作者…Sさん・自営業
DIY歴…2年
製作費用…約4万円
製作期間…約半年

 

戸、スノコ、ラティス、積荷用パレット、あぜ用波板、ピアノ椅子…ありとあらゆる廃材が集まって作られた不思議な佇まいの小屋。この小屋の中でお母さんと楽しくお茶を飲んでいるのは、製作者のSさん。作品の設置場所は自宅とは別の300㎡の開けた土地だ。

「はじめは小屋にしようなんて思ってなかったんです。母のガーデニングの休憩スペースが作れたらなって」

小さなもの作りをしたことはあるものの、大きな構造物を作ったことがなかったSさん。悩んだ末、「これならひとりでできるかも?」と単管パイプをつなげてフレームにして、そこにポリカ波板の屋根を載せた。いわば屋根付きのパーゴラの完成だ。脚立を使って、すべてひとりで組み上げられた。これが自信になった。

その後、工務店から出る廃材などをもらいうけ、少しずつ少しずつ作業は進んでいった。「このラティスはあの壁に使えるかも、このスノコは扉になるよね」そんな調子でパズルを組み合わせるように小屋がその姿を現していく。設計図なんてない。試行錯誤を重ねていく過程のもの作りの楽しさに夢中になった。四面の壁を白く塗装したら、雰囲気が一変。廃材が小屋に生まれ変わった瞬間だった。

「今はワークハウス兼レストハウスですが、いつかここでカフェを開きたいと思ってるんです」とお茶を片手に小屋内で明るく談笑するSさん親子。素敵な手作りカフェができるのは、きっとそう遠くない。

 

手作りカフェの室内でお茶を片手に庭話に花を咲かすSさん親子。まわりの壁はスノコやラティスなどすべて廃材

 

小屋側面。その場で試行錯誤を繰り返し、材料を継ぎ合わせて作った小屋は、正確なだけの建物にはない、不思議な暖かみを感じる

 

壊れたオーブントースターを白くペイントしたオブジェ。空間の雰囲気に見事ハマっている

 

小屋のコーナー壁面には棚を取り付け、植物をセッティング。緑が落ち着いた空間を演出する

 

最初は単管パイプのフレームにポリカ波板の屋根が載っているだけの状態だった。ここを囲うように廃材で壁を取り付けていった

 

小屋を支えるのは単管パイプのフレーム。ホームセンターで販売されていた3mと2.5mの規格サイズを切らずに利用した

 

入り口にあるのは廃材のスノコを使って作ったスライド式ドア。下部にキャスターを取り付けた

 

キャスターが走るのはホゾ加工が施された廃材。見事な廃材利用アイデア!

 

小屋の左手を作業スペースに。端材や流木の収納には廃材のリンゴ箱を使用

 

作業台では趣味のトールペイントやデコパージュのテクニックを駆使
したウエルカムボードを製作。ウェブで販売もしているそう

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2013年2月時のものです。

多肉植物を愛でるためのデッキつき小屋を作っちゃいました/最高の居場所があるガーデンファイル(1)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

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File01 既存のシンクを利用してデッキつきプランターハウスを製作

西部劇×サーフィンという一見矛盾しそうなふたつのテイストが見事に混ざり合ったプランターハウス。休日は庭にお気に入りの道具を引っ張り出して、自宅でアウトドア気分を満喫

 

小屋内部。壁とシンクまで伸びる作業台は幅を合わせたさまざまな材を張って仕上げている。足元には瓦を粉砕したチップをまいた

 

<DATA>
製作者…Sさん(41歳)・大工
DIY歴…21年
製作費用…約3万円
製作期間…約10日

 

「いや~、毎日なにか作ってますよね~」

多肉植物を片手にゆる~く語るのはSさん。日々、大工として腕を振い、休日は波乗りとDIYに精を出す、根っからのもの作り好きだ。

そんなSさんは、自宅の庭の片隅にある古くなり使われなくなった野菜洗い用のシンクに着目。これをなんとかできないものかとシンクを取り囲むようにして、小屋を製作。何もなかった庭を、見事くつろぎ空間に変身させた。

小屋のイメージは、西部劇に出てくるバー。クリント・イーストウッドがバネ式のドアをバン!と開けば、中にいるゴロツキたちから睨まれる…まさにあれだ。そんなウエスタンなイメージに加え、サーファーらしいセンスで施工、装飾がなされているのがSさんの小屋の特徴。

2面が開放されたオープンなデザインで、内壁はさまざまな種類、サイズの廃材を、あえて厚みをそろえず縦張りにして仕上げている。一見、ランダムに張っているように見えるが、同じ列には幅を合わせた材を張り、壁全体のリズムが崩れないように計算されている。ラフでいてスマートな壁張りテクニックだ。

小屋内側は既存のシンクを取り囲むように収納棚や作業台を設置。棚にはスコップなど小さなガーデニングツールからランタンやバーナーなどのアウトドアツールが収納され、いるだけで落ち着く、好きなものに囲まれた空間を作り上げた。

「好きなだけ多肉植物を触ったら、コーヒーを淹れて、ボーッとする。夜には椅子を出して星を眺める。のんびりできる場所があるって、最高ですよね~」

 

デッキ側の壁に取り付けられた窓は廃材を利用。一部ガラスが割れていたので取り外し、網戸に張り替えて利用した

 

大小さまざまなサイズのプランターもDIY。「意外とバランスいい鉢を作るのって、難しいんですよね~」とSさん

 

屋根材にはアスファルトシングルを使用。余ったものを使ったのでツートンカラーに

 

屋根材と下地になる合板との間には、L字に折った板金を挟み込んでいる。雨が回り込まないための工夫

 

ウエスタンデザインの切り込み部分は裏から別の材をあてて固定している

 

正面の壁材にはジグソーで切り込みを入れ、ウエスタンな意匠を施した

 

小屋を側面から見る。小屋背面の支柱に長尺の2×4材を取り付け、西部劇風看板のフレームに利用

 

シンク上の収納棚には照明を設置。手元が明るく細かな作業もOK

 

基礎石と支柱の間にはゴムパッキンを挟み込み、材の腐食を防止

 

こんな小屋も作ってます!

仕事で家を作り、庭に小屋を作るだけでは飽き足らず、さらに近くの土地にスモールハウスを作ってしまったSさん。こちらは外がすべて見渡せるような大きな窓が特徴的。内壁は得意技のランダムの材を縦張りにして仕上げている。使い道はまだ未定だそうだが、内部を飾りつけたらミニ雑貨屋でも開けそう。

入り口に小さなデッキのついたスモールハウス。小屋の側面に取り付けられた大きな窓が特徴的

 

内壁はさまざまな材の幅を合わせた縦張り仕上げ。壁まで雰囲気のあるインテリアになるDIYテクニック

 

写真◎佐藤弘樹、田里 弐裸衣

*掲載データは2013年2月時にものです。

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(5)屋根張り~壁つけ編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

*step3~4・基礎と束柱の設置編はコチラ!

*step5~6・床板~桁の設置編はコチラ!

*step7~8・垂木と桁の続き~桟と幕板の設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step9 屋根を張る

骨組みの上に屋根を張っていく。屋根材はいろいろあるが、ここでは中空ポリカを使用する。

アクリル板や標準タイプのポリカーボネート板など、平板状の屋根材なら、同様の手順で施工すればいい。

なお、波板状の屋根材を使用する場合は、骨組みに横桟を追加する必要がある(後述参照)。

 

屋根上の作業は合板に乗って行なう
合板などを敷き、その上に乗って作業すれば中空ポリカを傷めない

 

下列と上列が重なる部分をコーキングする
下列の中空ポリカに、桟に沿ってコーキングを施してから、上列を重ねる。下列と上列の重ね幅は200mmほどが目安

 

中空ポリカの継ぎ目をコーキングして上にアルミ板を張る

 

さらに防水に念を入れたい場合は、雨押さえを使う手もアリ

雨漏り対策を万全にしておきたいという場合には、雨押さえを追加してみては。雨押さえは、本来、戸袋や土台の上に雨が回り込むのを防ぐ資材だが、今回のケースでは家の壁と屋根材の接点のカバーとして、効果を発揮する。

 

やっぱり定番は捨てがたい!?
波板を屋根材に選ぶなら…

自作屋根や簡易的な屋根で使われる屋根材といえば、もっともポピュラーなのが波板。なんといっても安価なのが魅力だ。材質は塩ビ、ポリカーボネート、トタン、ガルバリウムなど、いろいろ選べる。

前述で触れたように、波板を屋根材に選ぶなら、骨組みに横桟を追加する必要がある。波板がたわむのを抑えるため、横方向にこまめにクギを打たなければならないからだ。

また、波板の場合は、形状的に、平板よりも壁との接点をコーキングするのが難しい。接点の上に2×4材などをかぶせ、その材と壁との接点をコーキングするなどして雨漏り対策をしよう。前述で紹介した雨押さえをつけるのも有効だ。

Step1 垂木の上に横桟を接合する

Step2 波板を張る

 

波板ミニカタログ

ひとくちに波板といってもいろんな種類があり、見た目も性能もさまざまだ。

 

Step10 壁をつける

最後に、あらかじめ立てておいた壁用の支柱と屋根の支柱に1×4材などを張り、簡易な壁とすれば、適度なプライベート感を得られるし、空間を演出するための素材としても使える。

さらに、壁をつけることで構造物全体の強度が上がるというのも重要な点だ。

高い位置まですき間なく板材を張っていけば、まさに壁のようになるし、低めにしたり、板と板の間にすき間を空けたりすれば、壁というよりもフェンスと呼ぶほうがふさわしくなる。そのあたりは、周囲の環境も踏まえてプライベート感と開放感のバランスを考慮したり、デザイン的な好みを反映させたりして決めるといいだろう。

壁をつけ終わったら、いよいよ完成。これからこの空間をどのようにアレンジするかは、オーナーのセンス次第だ。

壁アレンジ術ウォッチング

「さて、完成した半野外空間をどのようにアレンジしようか。とりあえずテーブルとチェアを持ち出して、照明を吊るして…」と、アイデアはいろいろ広がるに違いないが、そこで忘れちゃいけないのが壁。ぜひ壁を上手に活用して、居心地バツグンの空間を作ろう。というわけで、壁のアレンジ例を少しだけご紹介。

 

  • とにかく飾る
植物もオブジェも照明もプレートも、とにかくお気に入りのアイテムを飾りまくって、眺めているだけでうれしくなるような壁にする。板のすき間を少しあけ、そこにフックを引っ掛けているのがポイント

 

  • 棚をつける
柱を切り欠いて板を収め、棚を作る。プランターや小物を並べたり、ミニテーブル代わりに使ったり。もちろん切り欠きが難しければ、棚受けを使ってもいいし、ビスを斜め打ちして固定してもいい。同様の方法で、ベンチを作ることもできるだろう

 

  • キッチンをつける
壁を背板代わりにして、側板、前板、天板をつければ、作りつけの箱ができあがる。これだけでも収納や作業台として使えるが、さらに給排水の配管をして、天板に蛇口とシンクをつければ、キッチンの完成だ。ここまでやれば、もう無敵!?

 

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(4)垂木と桁の続き~桟と幕板の設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

*step3~4・基礎と束柱の設置編はコチラ!

*step5~6・床板~桁の設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step7 垂木と桁をつける

桁に垂木を接合する。もちろんビスの斜め打ちなどで接合する方法もあるが、ここではできるだけ簡単に強固な接合を行なうため、シンプソン金具を使った接合を紹介する。

シンプソン金具は2×材用の接合金具。さまざまな接合箇所に対応するよう、いろんな形状のものがラインナップされている。ウェブサイトの他、一部ホームセンターなどで入手可能だ。

垂木の長さは、柱側の桁より適度に張り出すように設定しよう。 垂木をつけてから、柱の内側の面に桁をつける。

<家側の桁と垂木の接合手順>

<柱側の桁と垂木の接合手順>

 

Step8 桟と幕板をつける

垂木の間に、屋根を張るための桟をつける。屋根材の継ぎ目になる位置に、垂木の間隔に合わせてカットした2×4材を接合していく。続いて、垂木の先端に幕板を接合する。これで屋根の骨組みの完成だ。

<桟の接合方法>

 

ちょっとハイレベル!切り欠きを使って屋根の骨組みを作る

各接合箇所に切り欠きを使えば、金具なしでも頑丈な骨組みが作れる。すっきりとして見栄えもいい。ただし、やはりそれなりに手間がかかるし、きれいに仕上げるにはある程度ウデも必要だ。匠の骨組みを目指して、挑戦してみよう。

Step1 垂木を接合する位置に合わせて家側の桁を切り欠く
Step2 垂木を接合する位置に合わせて柱側の桁を切り欠く
Step3 桟を接合する位置に合わせて垂木を切り欠く
Step4 各部材を組み、接合部をビスで留める

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(3)床板~桁の設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

*step3~4・基礎と束柱の設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step5 床板を張る

根太に床板を張る。

屋根のないデッキの場合は、デッキ上に雨がたまるのを防ぐため、わずかに間隔を空けながら張っていくが、今回は屋根つきという前提なので、間隔を空けなくても問題ない。もし間隔を空ける場合は、3~5mm程度がいい。それより広いと、ものを落としたり、子どもが指をひっかけたりするおそれがある。

柱と干渉する部分は、ジグソーやノコギリ、ノミなどを使って切り欠いて収めよう。

柱と干渉する部分の切り欠き方

 

床板は根太に沿ってビスで留める

端から1枚ずつ張っていく場合は、根太の位置を確認しながらビスを打てる。一方、あらかじめ全体的に床板を並べてしまい、チョークラインで根太の位置を墨つけして、一気に張っていくという方法もある。

先端の針を材の端にさし、糸を張った状態で持ち上げてはじくと、材に直線を墨つけできる

 

材が反っている場合はバールで矯正する

長さのあるSPF材は反りが激しいものも少なくない。その場合はバールを使い、テコの原理で反りを矯正しながら張っていく。

バールを使って板を寄せる

 

まず平らなデッキを作って後から柱を立ててもOK!
~または既存のデッキに屋根&壁をつける方法~

今回のモデルケースでは屋根や壁を支える柱を基礎石の上に直接立てているが、ひとまず平らなデッキを作って、その床の上に柱を立てる方法もある。柱と床面を金具で接合する方法だ。

この方法なら、柱の長さを計算する必要も、床板を切り欠く必要もなくなる。

また、既存のデッキに屋根や壁をつけることも可能になる。

というわけで、編集部がホームセンターなどで見つけた、柱の接合に使える金具を紹介。

 

パーゴラ支柱用金具。まず金具をビスで床面に固定し、金具に柱を固定する。90mm角用と75mm角用がある

 

フェンス後付け用金具。90mm角用。コーナー用とセンター用がある

 

バフクローム巾広金折れ。鉄製の補強金物。写真のように4個使い、柱を立てられる

 

Step6 桁をつける

柱と家の壁に桁をつける。桁の長さは、両端の柱より少し外に出るように設計するといいだろう。

まず、柱の外側の面に、柱と上端をそろえて桁を1本つける。

続いて、家の壁に桁をつける。屋根に雨流れの勾配をつけるため、柱につけた桁より高い位置につける必要がある。勾配は2%(1mにつき2cm上がる)~3%(同3cm上がる)以上あったほうがいいが、正確に測る必要はない。ちなみに、勾配が大きいほうが雨流れはよくなり、勾配が小さいほうが屋根張りの作業がしやすい。見た目の好みも判断材料にして、適当な高さにつけるといい。

ただし、垂木は、家側では桁と同じ高さに設置し、柱側では桁の上に載せるため、両方の桁の高さの差が、そのまま屋根の高低差にはならないことに注意しよう。

このあと柱の内側の面にも桁を1本つけるが、これは垂木を載せてから現物合わせで行なう。

防水のためにコーキングする

家の壁にビスを打つ場合は、そのためにあいた穴のわずかなすき間から水が浸入し、家の構造材を腐らせるおそれもあるので、コーキングしておきたい。ビスを打つ前に下穴をあけ、そこにコーキング(シーリング)剤を注入してからビスを打つと、ビスにコーキング剤がからんで密閉される。続いて、桁と壁の接点をコーキングしておけば万全だろう。

 

コーキング剤はカートリッジで販売されているので、コーキングガンという専用注入器にセットして使う。ガンの引き金を引くとコーキング剤が出る

 

 

壁の裏の柱を見つける方法

家の壁に桁をつけるには、柱がどこに立っているのかを知る必要がある。方法はいくつかあるが、どの方法が有効かは住宅の構造などによっても異なる。複数の方法を組み合わせて調べるのもいいだろう。柱の位置が1カ所わかれば、そこから455mmの間隔で隣の柱が立っていることが多いので、それを目安に見当をつけるといい。もし間違って柱のない場所に穴をあけてしまったときは、きちんとコーキングしてふさいでおこう。

 

方法1 下地センサーなどを使う

柱までの距離が短いはずなので、掃き出し窓近くの内壁側で柱の位置を知り、それを外壁に反映させればいいだろう。壁面に針を突き刺して柱を探す器具もあり、こちらはセンサーよりも安価だ。

下地センサー。壁面で徐々に横にずらしていくと、柱がある位置で点灯する
下地探し。柱がない場所では、針が突き刺さり、先端パーツが最後まで縮む。針が柱に当たると、そこで先端パーツの縮みが止まる。先端パーツの目盛りによって、壁から柱までの距離がわかる

 

方法2 掃き出し窓を手がかりにする

掃き出し窓の両わきには、大抵、柱が立っているはずなので、それを頼りに柱の位置を特定する。同様の方法として、室内のコンセントを手がかりにする方法もある。コンセントも左右のどちらかが柱に固定されていることが多い。

ここでは掃き出し窓のわきに柱があることを示すために下地センサーを使用しているが、掃き出し窓を手がかりに柱の位置の見当をつけるなら、特別な器具は必要ない

 

方法3 外壁のビス頭やクギ頭の位置を手がかりにする

サイディングなどを留めているビスやクギの頭が見えているところに、柱があることも多い。ただし、柱ではなく、サイディング用の下地材にビスやクギを打っていることもあるので、絶対ではない。

外壁材を留めているクギの頭が見える。この奥に柱がある可能性は高い

 

家の外壁に穴をあけたくない場合は……柱の上に桁を載せる

屋根つきデッキは欲しいけど、家の壁に穴をあけたりビスを打ったりするのには抵抗がある…。そんな場合は、家の壁側にも柱を立てて、その上に桁を載せるといい。

桁には柱と同じ4×4材を使い、接合金具やビスなどを使って柱に接合。柱と桁の間には、やはり4×4材を使って方杖と呼ばれる斜めの補強材を入れる。

続いて、桁の上に垂木を載せて屋根材を張り、屋根材と壁の接点をコーキングする。

桁を家の壁に直接留める方法に比べて、家の壁と屋根を密着させづらくなるため雨が漏る可能性は増すが、半野外である以上、いずれにせよ強雨の際の吹き込みなどは避けられない。多少の雨漏りは許容するのも現実的な選択といえるだろう。

むしろ、それ以上に見落としてはならないのが、桁を家の壁に留める方法に比べて、構造物全体の強度が落ちるということだ。この方法で製作するなら、ぜひとも頑丈な壁やフェンスをつけるなどして、柱の強度を高めたい。

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(2)基礎と束柱の設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step3 四隅に基礎石と柱・束柱を設置する

根太の四隅の下に穴を掘り、砕石を入れて突き固め、羽子板つき基礎石を設置して、柱・束柱を立てる。

穴は広めに掘っておくと、柱・束柱が垂直になるよう調整する際に、基礎石を動かしやすい。砕石を突き固めるには、タンパーを使うと作業しやすい。

家から遠いほうの2本の柱の長さは、屋根の高さを基に決める。この2本の柱と上端がそろうように桁をつけ、その上に垂木を載せ、その上に屋根を張るから、思い描く屋根の高さから垂木の厚さを差し引けば、床面から上の柱の高さとなる。それに基礎石から床面までの高さを加えれば、必要な柱の長さをはじき出せる。

家側の柱のうち一方は、壁を張る際の支柱にするため、思い描く壁の高さに、基礎石から床面までの高さを加えれば、必要な長さがわかる。

家側のもう一方の束柱は、上に床板を張るので、根太の上端より10mm程度低くなるよう長さを決める。

 

 

羽子板つき基礎石と柱・束柱の設置手順

タンパーは自作も可能

地面や砕石を突き固めるために使う道具、タンパー。もちろん市販品は効果抜群だが、枕木など重量のあるものに持ち手として垂木などをつけた自作品でも代用できる。

自作のタンパー

 

市販のタンパー

 

柱の長さ=床面から上の高さ(自分で設定)+基礎石から床面の高さ(実測)

床面から上の高さは、自分が設定した屋根の高さや壁の高さから計算できる。基礎石から床面の高さは、実際に基礎石から根太の上端までの高さを測り、さらに床板の厚さを加えたもの。これらを合わせれば、必要な柱の長さとなる。

たとえば、屋根の高さが2200mm、屋根の下の垂木の厚さが89mm、床板の厚さが38mm、基礎石から根太上端までの高さが175㎜とすると、(2200ー89)+38+175=2324で、柱の長さは2324mmとなる。

基礎石から根太上端までの高さは、1カ所ごとに測る

 

Step4 すべての基礎石と柱・束柱を設置する

四隅以外の位置に基礎石(コンクリート平板)と柱・束柱を設置する。

束柱の間隔は600~1200mmが目安なので、それに合わせてまんべんなく配置する。

束柱の長さは、1カ所ごとに基礎石から根太上端までの高さを測り、それより10mmほど短くする。

なお、桁をつける2本の柱と同一線上に、壁の支柱となる柱を1本立てておく。

基礎石(コンクリート平板)と束柱の設置手順

 

ゆっくりコツコツ派はこちら!
根太を1本ずつ設置して土台を完成させる方法

ここまで紹介してきた土台作りの方法は、まず根太を組んで、一気に全体の水平を出すという、いわば力技。早さは抜群だが、デッキの面積が巨大な場合や人員が少ない場合には、やりづらいかもしれない。

そこで、土台作りの方法をもうひとつ紹介しておこう。根太を1本ずつ設置していくので、少人数でコツコツ作業するには適した方法といえる。最初に施工する家側の列だけ先に基礎石と束柱を設置するが、あとはやはり根太を基準にして基礎石と柱・束柱を設置していく。

なお、この方法では、最初に設置する列のみ、すべて羽子板つき基礎石を使用したほうが作業しやすいだろう。

 

Step1 家側の列に基礎石と束柱を設置後、根太を水平に仮留めして墨つけする

Step2 根太と束柱をいったんはずし、墨線に合わせて接合する

Step3 再び束柱を基礎石に固定、長い柱と基礎石を設置する

Step4 2本目の根太を水平に仮留めする

Step5 2本目の根太に柱・束柱と基礎石を設置する

Step6 同様にして残りの根太を組み、柱・束柱と基礎石を設置する

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

気分はインディアン!誰でも簡単に作れる!ティピーの製作を実践!/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(実践編)

ティピー=インディアン・テントは、庭やキャンプ地などで、わんぱくキッズの人気DIYアイテム。

今回は、ホームセンターで簡単に手に入る素材を使った、誰でも簡単に、しかもリーズナブルな予算でできる作り方を紹介してみよう。

 

 

用意する材料

  • 防炎シート(白色、半径175cmの半円形が型取りできる、1.8×5mサイズのものを用意。ホームセンターで2,500円程度で入手可能)
  • 荷造りひも(ハトメに入る細めのロープならなんでもOK。白いシートに映える派手めの色がおすすめ。今回は青色を用意)
  • 両面ハトメ(12㎜径、適宜。大手ホームセンターで入手可能)
  • 竹(細めのもの、長さ250㎝程度のものを6本用意)
  • クレパス(オイルクレパス。ビニールシートに楽しい絵を描けるものならなんでもOK)
  • テント用ペグ(7〜8本。なければ、木の枝で代用可)

 

用意する道具

  • ハトメパンチ(12mm径用)
  • 皮ポンチ(12mm径)
  • ハサミ(またはカッター)
  • ノコギリ(できれば竹用がベスト)
  • メジャー
  • ハンマー(ペグ打ち用。なければ石などで代用可)

 

 

ティピーの作り方手順

 

ハトメは簡単に作れます!

ハトメ=鳩目とは、靴や服、ブルーシートなどにある、ヒモを通す、環状の金具のついた穴のことだ。実は、このハトメ、今回、防炎シートの縁にいくつも作ったように、専用ツールとハトメの材料さえあれば、誰でも簡単に作れるのだ。

用意するのは、「ハトメパンチ」と呼ばれる専用工具と「皮ポンチ」と呼ばれる皮細工用の道具。それにハトメの材料となるアルミ製の金物。すべて大手ホームセンターなどで入手可能の品物だ。なお、今回は12mm径のものを使ったが、より小さな径のものも用意されている。なお、今回使用したハトメパンチは1000円くらい、皮ポンチは350円、ハトメ用金具は100セットで800円くらいで入手できる。

 

いよいよ組み立て開始!

まず、240cmほどにカットした6本の竹をこのように立てて骨組みを作る。ロープで束ねる位置は、シートの長さに合わせて決めること

 

シートをかぶせ、シートの端を地面にペグでしっかりと固定する。ハトメの穴にペグをいれてハンマーで打ち込むだけ。ぐるりと6〜7カ所くらいでいいだろう

 

扉の両側は長めのロープを使うと、飾りにも見える

 

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2009年6月時のものです。

製作協力◎サム・リード(ガーデンデザイナー、ルネッサン荘所属)
衣装製作◎さやか・リード(服飾デザイナー)
写真◎伊勢和人、編集部

アスレチック遊具のようなお城小屋を作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(6)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File06 アスレチック遊具のような小屋で一国一城の主になった気分♪

高床式の小屋は高さ5mもある。幅2.6×奥行4m の1階デッキ部分は、ぐるりと1周できるように作られた。壁に使われた材は、キットハウスの梱包材のパレットを使っている

 

床下の電線用ドラムがミニ迷路で、4、5歳の子どもが遊べるサイズ。小屋の周囲に落ち葉を敷きつめ、クッションにしている

 

<DATA>
製作者…Sさん(53歳・オートキャンプ場オーナー)
DIY歴…15年
作った期間…40日間
作った費用…10万円

 

15年ほど前からキャンプ場のオーナーを務めるSさん。昨年、キャンプ場に来る子どもたちが〝楽しく遊べる城〟のようなもの作りたいと考え、高床式の小屋を製作した。

「キャンプ場なので自然の中で遊ぶのが当然なんだけど、遊べる建物があってもいいだろうと思ったんです」(Sさん)

使用資材は、防腐処理済み材や廃材など。また、ツリーハウスのようにするため、敷地に生えていた4mほどのスギの丸太を大黒柱に使っている。作業は、この大黒柱の設置からはじめ、デッキ、展望台、デッキ上に小屋と製作していく。もっとも苦労したのが、大黒柱の設置だった。重機を使用しながら作業をしたが、ひとりで行なったため、なかなか垂直にならず、苦戦を強いられたという。

高床式の小屋は40日ほどで完成した。ロッククライミングを楽しめる壁、ミニ迷路など子どもが楽しめる仕掛けでいっぱいだ。一国一城の主になりきり、ひとり占めする子もいるとか。製作のきっかけ通り「子どもが楽しめる城」になっている。

 

中央のランプは夜になると点灯する。展望台から屋根に出てしまう猛者がいたため、緑のネットを張った

 

子どもたちは器用にロッククライミングの壁をよじ登っていく。壁の手足をかけるホールドは、2×4材の端材を使用している。サイズは、幅1.8×高さ2.7m

 

1階小屋内部に作られたロープを使えば、電線用ドラムのミニ迷路まで降りられる

 

1階デッキ部分につながる梯子は、DIYシリーズ『我が家に手作りガーデンハウス』(学研刊)を参考に作った

 

ドラム缶を使った基礎

高床式の小屋製作で、唯一コンクリートを使用したのが、この丸太の柱の設置。子ども向けの建物なので、頑丈な作りにするため、柱の基礎にドラム缶を使用している。丸太をドラム缶に差しこみ、コンクリートを流し入れて固めた。ドラム缶は地中に3分の2程度埋められている。

がっちりとした作りが印象的なドラム缶の基礎。コンクリートのトッピングに使われたビー玉や粘土の型抜きがかわいい

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎冨士井明史

ジャングルジムのように遊べる2段ウッドデッキを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(5)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

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作品File05 がんばって登った達成感を味わえる2段デッキ

1段目のデッキ下の空洞で、洞穴探検を楽しめる。80cm出っ張って作られたデッキテラスの支柱は、2本の2×4材を使用した

 

<DATA>
製作者…Oさん(65歳・自営業)
DIY歴…35年
作った期間…2週間
作った費用…約10万円

 

水道局の跡地に作られたさぎ沼なごみ保育園は、水道局の名残である高さ2mほどの塀を門柱に使っている。

週に1度、園で木工教室などを開く大前武さんは、その門柱を隠すデッキテラスをDIYしたいと考えた。

「製作にあたり、園長から〝できるだけ登りにくいデッキ〟を提案され、階段がないものにしました」(Oさん)

園庭に高さがある箱を置き、子供たちが登る様子を確認する。60cmからはじめて、最終的に登るのに手こずっていた90cmに決めた。そして、2×材を縦、横とも90cmのユニットにしてサイコロ状に組みあわせてデッキを製作する。

完成したデッキは2段デッキ。2段目に上がると高さ約2mの世界だ。子供たちは、がんばらないと見られない風景を楽しんでいる。

 

門柱の幅は約2m。門柱の上部は巨大なプランターになっている

 

デッキテラスにはプランタースペースが作られた。蔓科の植物が、植えられており、夏場は日陰が作られる。デッキの広さは幅5.4×奥行3.6m、デッキ材は防腐処理済み材

 

45度の角度切り

2段デッキは、どの面からも木口を出さないように製作された。そこで、2×材のユニット部分は、ユニット同士が接する面すべてに45度の角度切りがされている。この加工によって、どこから見ても同じ形になり、デザイン性も保たれた。また、「縦横の方向性がなく、子どもの引っかかりが少ないかも」と、Oさん。

きれいに角度切りされた接合面。1段目床下は、空洞になっている

*掲載データは2009年6月時のものです。

思い出のカシの木に多機能ツリーハウスを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(3)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

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作品File03 思い出のカシノキに作ったジイジのツリーハウス

孫たちのために作ったツリーハウス。床の高さ2.5m。床下にブランコや鉄棒をつけた。まだ1歳半になる孫娘さんだが、ツリーハウスに登るのが大好き。ひとりで登ってしまうというから驚く

 

材料は丸太の端材、2×材の端材などを駆使し、ほとんど費用はかかっていない

 

ツリーデッキの上にこんなかわいい家ができた。屋根は樹皮を葺いたもの。孫娘さんも中に入ってご機嫌

 

<DATA>
製作者…栗田宏武さん(55歳・ログビルダー)
DIY歴…物心ついたころから
作った期間…2日
作った費用…0円(端材利用のため)

 

わが国のチェンソーカービングの第1人者でもある栗田宏武さんが、自宅の敷地内に作ったツリーハウスはブランコと鉄棒がついた多機能ツリーハウスだ。

「僕が子どものころ、ここに縁台があってよく遊んでいた。この思い出のカシノキに孫たちが集まって遊んでほしかった」(栗田さん)

材料は庭に転がっていた丸太の端材や2×材。お金はほとんどかかっていない。2本の大きなカシノキとモチノキの周囲に柱を立て、地上高2.5m、床面積6畳ほどもある不定形のツリーデッキを立ち上げ、そこに梯子をかけ、樹皮の屋根のついたかわいいミニミニハウスをのせた。

木の幹や大きな枝があたるところは、デッキの床をくり抜き、樹を傷つけることはまったくない「地球にやさしいツリーハウス」だ。

現在、孫は小学校5年生、1年生のふたりの男の子、それに1歳半になる女の子の計3人。ジイジからの贈り物を思う存分楽しんでいる。栗田さんがそうであったように、大きなカシノキの下で遊んだツリーハウスの記憶は、3人の孫たちの大切な宝物になるに違いない。ジイジがくれた夏の日の鮮やかな記憶……。

 

床下の様子。基礎柱は方杖で補強されている。根太の位置も樹の位置によりバラバラなのがわかる

 

床は樹の幹や枝を避けて、くり抜かれている

 

樹の幹にやさしいロープフェンス

ツリーデッキの端に張られたフェンス代わりのロープは、よく見ると入り組んだ樹の枝や幹に繋がれており、風に揺られてふらふらと動く。ロープが枝といっしょに動くことによって、ロープにテンションがかからず、樹木を傷めないですむそうだ。これってグッドアイデア? なお、ロープは網の目にようになっているので、ロープが動くことで、孫たちが危なくなることもないのだとか。

太いロープを網の目のように枝に巻きつけてフェンス代わりにしている。ロープのそばにある豚のログカービング作品は栗田さんの作品

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎冨士井明史

庭にプライベート砂場&雨でも楽しめるエアホッケー台を作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(2)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

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作品File02 砂場とエアホッケーを作ってくれた自慢のパパ!

平板と耐火レンガで作られた砂場。Tさんの愛娘は、幼稚園から帰ってきても、自分の家に砂場があるためとても喜んでいる

 

使用しないときは、木枠に金網を張り、砂に落ち葉や猫のフンが入らないようにしている

 

<DATA>
製作者…Sさん(33歳・整備業)
DIY歴…8年
作った期間…約2週間
作った費用…1万円

 

Sさんは、5歳の娘さんと10カ月の息子さんのパパである。砂遊びが好きな娘さんのために、自宅の庭に砂場を製作したのが2008年3月のこと。これには、娘さんも大喜びしていた。

しかし、砂場製作後の雨が降ったある日、「娘の友達が遊びに来ていたんですが、暇そうにしていたんです」(Sさん)。そんな姿を見て、〝雨の日も楽しく遊べるもの〟を作らなければと思い立ち、同年5月にエアホッケーをDIYした。

資材には、枠板に1×6材、天板と底板に針葉樹合板を使用した。ラケットが滑るように、天板の針葉樹合板の上にアクリル板をのせている。エアは、天板と底板の間に高さ5cmの空間を作り、シロッコファン(送風機)で送風し、天板にあけた穴から出る風量でパック(玉)が浮く仕組みだ。

これで、どんな天気でも、友達と楽しく遊べるようになった娘さんは、「お父さんが作ったんだよ!」と、友達に自慢しているのだとか。こんなことを言われたら、うれしくて作りすぎてしまいそうだ。

 

底板と天板の間に5cmの空間を作り、シロッコファンで送風できるようにしている。これで、パック(玉)が浮く。「どういう作りなのかをよく聞かれるので、側板の両端までトリマーを走らせました」と、Sさん

 

エアホッケーで遊ぶSさん親子。シロッコファンは、ファンコイルの熱で火傷しないようにボックスで囲っている。内部が視認できるように、天板はアクリル板を使った

 

ボックス内で熱がこもり、コイルが焼損しないように、チューブでコイルにエアブローさせている。チューブは、ステー材がなかったため、アクリル天板にチューブ径の穴を2カ所あけ、穴に通して固定した

 

シロッコファンの送風口の形状にあわせて、側板に穴をあけ、はめあわせて止める

 

まだまだある! 子どものためのDIY作品!

子どもの日に、娘さんにプレゼントした折りたたみ式のストラックアウト。娘さんが数日で飽きてしまい、今は親戚のもとにある。資材は、フレームに30mm角アングル鋼材、的に振動吸収ゴム、ずれ止めに強力マグネットを使用。2枚のフレームをボルトで固定して、開閉させる。フレームに切り欠きを数箇所いれて、組立てたときの角度を微調整できるようにした。

2枚同時落としができる、ストラックアウトの引受人。ソフトボールクラブに所属している

 

たたんだときにボルトが邪魔にならないように、接地部分は切り欠きを大きく取っている。写真奥の2本のアングルは、フレームの支柱

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎篠永智

みんなの手を借りてツリーハウスを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(1)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File01 園長先生、パパと子どもたち、皆で作った木の上の遊び空間

根太は、木の枝にあたらないように斜めに張られている。写真右の縄梯子は、板材とロープをボルトで止めて作ったもの。子供たちは、竹のスベリ棒から慣れた手つきで降りてくる

 

枝が食い込んでいるため、右側の小屋の壁を張らずにいる。小屋はいずれログハウス風に仕上げたいそう

 

<DATA>
製作者…Kさん(51歳・幼稚園園長)
DIY歴…16年
作った期間…1日
作った費用…5万円

 

2009年の3月に新調したのツリーハウスは、設置場所である幼稚園の園長先生・KさんがDIYした。金子さんにとっては、2棟目の作品にあたる。2001年にも、同じイチョウの木の上にツリーハウスを作っていたが、そのツリーハウスの傷みが激しくなり、園児の父母の協力を得て作り直すことに。

ツリーハウス作り経験者のKさんをリーダーに、2×材を使ってDIYスタート。木の上に作るから、当然足場なんてない。水平とりに苦労しながら大引きの受け木を4つ枝に取りつける。そこに、大引きを置き、根太、床板、小屋の順に施工していった。木材への塗装は、園児たちが行なったのだそう。

完成したツリーハウスは、ロープと木の幹を使って登り、竹のスベリ棒で下りる。2階もあるし、ハンモックもついているのだ。すべり台やブランコなどの定番遊具以上に、子どもたちの「楽しい」を触発させる唯一無二の遊具になっている。

 

2階部分はデッキのみで、2001年に作られたもの。広さは1階部分が約10㎡、2階部分は約3㎡

 

ハンモックには、2階のデッキから入る。使われたネットはゴルフ練習用のもの

 

誰もが登れるわけじゃない!?

1940年代ころヨーロッパで広まった「自分の責任で自由に遊ぶ」を信条にした子どもの遊び場。ツリーハウスはこの信条のもと、あえて簡単に登れないように作られた。地上約3mの位置にデッキ部分があり、大人でも勇気がないと登れない。「自力で登れるようになった子は、自分で考えて降りてきます」とKさん。子どもたちにとってツリーハウス登頂が、卒園までの目標になっているのだそう。

だいたいの子どもたちが年長クラスになると、登れるようになる。登れずに卒園した子が「登れたよ!」と報告に来ることも

 

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎小山修司

外メシが楽しめるガーデンキッチン付きウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(6)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case06 外での食事を気軽に楽しめる!ガーデンキッチンがあるウッドデッキ

タープをつけたデッキ。写真左は物置兼自転車置き場

 

施主のNさんと奥さん。家族だけでバーベキューを楽しむときは、写真のようにバーベキュー台&ガーデンシンク前の掘りごたつ式ベンチに集う

 

ここでは屋根つきウッドデッキではないが、個性的なアイデアが光るウッドデッキを紹介する。

Nさんの自宅は山を切り開いた住宅地。土地の性質で、赤土や粘土が多かった。そのため、雨が降ると庭がぐちゃぐちゃになってしまう。また、夏になれば、抜いたそばから雑草が生え、穴を掘ると石がゴロゴロ出てくるかなり酷い状態だった。そこで、家族みんなで楽しく過ごせる庭を作ろうと、NさんはウッドデッキDIYに着手する。

「予算もDIYの知識もない中で始めたので、まず庭全体のデザインを考えるのに苦労しました」とNさん。本誌を読み、ホームセンターに通い詰め、DIYの知識を少しずつ得ながら作業にあたり、6カ月かけてデッキを作り上げた。製作費は25万円ほど。

完成したデッキは、リビングの延長になるように、デッキとリビングの段差をできるだけなくし、スリッパのままで出られるようにした。広さ約17㎡のデッキ上にはあえて、テーブル&チェアを置かず、小学6年生と5年生のお子さんふたりが側転の練習をしたり、夏にビニールプールを出して遊べるようにしている。また、ガーデンキッチンをデッキ横に設け、気軽に外で食事を楽しめるような作りになっている。

「みんなで集まってバーベキューをしたり、天気のいい日に昼寝をしたりして過ごしています。蚊に刺されますけどね(笑)」(Nさん)

Nさん家のウッドデッキは、家族が集え、子供が活発に遊ぶことができ、さらに大人のくつろぎ空間にもなる。シチュエーションに合わせて、いろいろな表情を見せる外リビングだ。

 

コンクリートブロックで作ったガーデンキッチン

コンクリートブロックで作り、ベルアートという塗り壁材で化粧を施したバーベキュー台とガーデンシンクがついたガーデンキッチン。アクセントとして、レンガを使い、おしゃれに仕上げている。本体に鉄板を取りつけ、焼き網は鉄板上に置いている。ガーデンシンクは、デッキ側とテラス側で使えるようにした。

 

床が掘りごたつ式ベンチになる

ガーデンキッチン前の床の一部が取りはずし可能になっている。取りはずした床は座面にして掘りごたつ式ベンチとして使用する。家族でバーベキューをするときはチェアやテーブルを用意しなくてもこのベンチだけで十分!

 

デッキ材は樹脂製を活用

Nさんがデッキ材に使用したのは樹脂製の人工デッキ材で、サンワカンパニーの「デッキアルト」というもの。耐久性とメンテナンスを考えて利用を決めたそうだが、「なんと言っても木材より安かったんです(笑)」とNさん。

 

鋼製床束と手作り基礎石

デッキ土台の基礎石は合板で作った型枠にコンクリートを流して製作したもの。根太にはC型鋼を使っている。製作手順は、C型鋼に鋼製床束を固定し、並べてコンクリートで束を固定。コンクリートが硬化したところで、C型鋼のレベルを調整して、土台部分を完成させた。

 

取り出し簡単! プランターカバー

ウッドデッキのステップと一体化したプランターカバー。側板と上部板を蝶番でつないでいるため、上部板は開閉式。上部板をパカッと開けると、カバー内に入れたプランターをラクに取り出せる。

 

プライバシーを守る背が高い塀

塀本体は、端太角材を柱に使い、サイディングボードを張り、塗り壁材(ベルアート)を塗って仕上げた。塀上部は、隣家に圧迫感を与えないように、ポリカーボネートを使用している。塀は高さ202cmある(塀本体部の高さは137cm)。

 

デッキ上は土足厳禁!

リビングの一部ととらえているため、室内リビングからデッキへスリッパで何気なく出られるようにデッキ上は原則土足厳禁にしている。デッキを囲うタイル敷きペイビングスペースが土足スペースだ。

写真◎竹内美治

*記事内の小さな写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2011年2月時のものです。

野外囲炉裏つきの個性的なウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(5)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case05 ウッドデッキの床板を開くと野外囲炉裏が登場する面白ギミック!

庭の中心に作られた異形のウッドデッキ。アオハダ、ソヨゴ、西洋シャクナゲ、モミジなど雑木との相性も抜群。自然をうまく取り入れる方法も庭づくりの参考にしたい

 

ウッドデッキは野外囲炉裏にチェンジ!

 

ここでは屋根つきウッドデッキではないが、個性的なアイデアが光るウッドデッキを紹介する。

静かな住宅街にあるS邸。門から一歩踏み出すと、モダンかつ和風テイストの独特な空間が広がっている。

Sさんは自宅を新築する際、庭の施工もプロにオーダーしようとネット上で検索。すると雰囲気のいい庭とウッドデッキを発見。ビビッときたSさんはすぐ施工を依頼。それが今回S邸の庭を施工した木村グリーンガーデナーとの出会いだった。

庭のデザイン・施工を担当した木村博明氏は「若い夫婦と小さな子供が楽しく遊べる庭をイメージして作りました」と語る。

なにより目を引くのは庭の中央に位置する異形のウッドデッキ。実はこれ囲炉裏が組み込まれたデッキなのだ。

「囲炉裏まわりの材料は枕木、囲炉裏のフタはウエスタンレッドシダー、外側は椎の木を使って作ったBBQのできるウッドデッキです。」(木村氏)

デッキ中央のフタを四方に開けば、中にはレンガ積みの火床が出現する。このギミックには子供だけでなく、大人も目を輝かせるだろう。

デッキの右側には、ちょっとした洗い物に便利なガーデンシンクも取りつけた。子供が足を洗えるようにとシンクの右側にも蛇口がついているという細やかな配慮がうれしい。

「人が集まってワイワイとパーティーするのに最適。わざわざキャンプに行かなくなりました。庭でアウトドアを楽しめますから」(施主のSさん)

 

枕木囲炉裏のフタは開閉式!オープン時は座椅子に早変わり

デッキの中心にあるフタを四方に開くと、中から現れるのはレンガを積み上げて作られた火床! フタになっているウエスタンレッドシダーは開けば座椅子になるというデッキアイデアに思わず唸る。通常は普通のウッドデッキとして使用し、家族や友人との集まりには、野外BBQパーティーができるという楽しくておいしいウッドデッキ。花びらが開いたようなデザインも面白い。

 

枕木のアプローチはデッキへの道しるべ

母屋と囲炉裏デッキの間には枕木のアプローチを設置。母屋からウッドデッキへ自然に足が進むようにデザインされている。御影石や枕木の流れを感じさせる配置は、いわばデッキへの道しるべ。

 

照明はプランターとビー玉を使ってオシャレに仕上げる

ガーデンシンクの上部にはデッキを照らす照明が設置されている。照明は素焼きのプランターにビー玉を埋め込んだものをカバーに使用。夜の使用時はビー玉からほのかな明かりが輝く仕組み。ホームセンターで手軽に手に入るアイテムを使ったアイデアガーデンライトだ。

 

ガーデンパーティーに必須のシンクはウッドデッキ脇に配置

囲炉裏テーブル=週末は家族とBBQパーティー三昧、ということでデッキ横にはレンガ積みのガーデンシンク兼収納ボックスを設置。ここで野菜を洗ったり、食材の準備をしてすぐにBBQができるというわけだ。このガーデンシンクがあるだけでデッキが立派なガーデンキッチンになる。シンクの横にも蛇口がついているので、小さな子供やペットの足洗い場としても使える点も見逃せない。

 

母屋からあえてデッキを離して作った理由

通常、ウッドデッキというと母屋に直結して作られるという例が多いが、このデッキは完全に母屋から独立している。「デッキから庭を眺めるのも面白いけど、デッキから母屋を眺めるのも新しいかなぁと思って」と木村さん。デッキを作る位置で庭の印象が大きく変わる。あなただったら庭のどこにデッキを作る?

 

フェンスは互い違いに組むだけで雰囲気がバツグンにUP

丸太を支柱にして、1×4材の横板を編み込むように交互に取りつけたガーデンフェンス。手軽に作れて、庭に雰囲気の出るビギナーにオススメのアイデアフェンスだ。

 

デッキ基礎は床束&基礎パッキンで補強

デッキ基礎の一部にはレンガと鋼製床束を使って、補強を施すと同時にデッキの高さをそろえるよう調整。また束柱と束石との間に基礎パッキンを入れて、腐食対策も行なっている。プロのデッキを長持ちさせるテクニックは見逃せない。

写真◎佐藤弘樹/施工◎木村グリーンガーデナー

*記事内の小さな写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2011年2月時のものです。

日差し対策にタープを張った快適なウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(4)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case04 日差し対策にタープを張って快適な簡易屋根つきデッキ!

施工主のKさんの奥さんと愛犬さくらちゃん。ガーデニング用の日よけを桁に取りつけ、タープに使う

 

しっとりと落ち着いた雰囲気のK邸のウッドデッキ

 

業者に依頼して行なった自宅リフォームがきっかけで、Kさん(51歳)がDIYしたウッドデッキ。リフォーム中に出た廃材(ヒノキの角材や床柱など)を捨てるのがもったいないと感じ、「ウッドデッキでも作れたらいいなぁと思ったんです」(Kさん)。

また、リフォーム完了と同時に飼うことになった犬が、デッキ作りへ拍車をかけた。犬は運動大好きなボーダーコリーの「さくら」。「犬小屋はもちろん、さくらのために(庭に)遊べるスペースを確保したい!」 と思ったのだとか。

DIYほぼ未経験だったKさんにとって、本誌がDIYの助けになった。「偶然、書店で知って、図書館でバックナンバーを読みあさりました。作業の手順や製作方法、いろいろな実例作品からアイデアを収拾しました(笑)」(Kさん)。そして、アレもコレも取りいれたいと考える内に、「どうせなら庭をまっさらな状態にして一から作ってみよう」と思い至る。

作業は、まず庭の植木の伐採から始め、整地を行ない、ウッドデッキのシンボルツリーとなる紅葉を植えた。そして、コンクリートを打ち、ウッドデッキ製作を行なう。ウッドデッキはおなじみの手法で作られた。

完成したウッドデッキは、犬小屋と一体化しており、愛犬はデッキで自由に遊べる。また、デッキは南向きにあって日差しが強く、日常的にタープを設置。簡単な屋根つきデッキという趣がある。「大きな部屋がひとつ増えた感じかな」というKさん。よく晴れた日にお昼ごはんを食べたり、お茶を飲んだり、昼寝をしたりとデッキライフを満喫しているそうだ。犬も人も楽しめる場所になっている。

 

いろんな収納システムを兼ねた犬小屋

愛犬さくらちゃんの犬小屋は、バイクガレージとウッドデッキの間に作られている。使われた資材は、ヒノキ材や廃材など。犬小屋上がKさんの道具収納棚になっている。サイズは幅110×奥行き75×高さ170cm。また、側板には飾り棚スペースが作られており、おしゃれな雰囲気だ。

 

カウンター&スツール

犬小屋横に作られたフェンス上はカウンターテーブルになっている。お茶のみスペースとして重宝しているそうだ。手作りのスツール2脚は背もたれ部が緩やかな曲線で仕上げられている。

カウンターテーブル天板はキハダを使用

 

タープを使って簡単な屋根に

南向きにあるデッキは日差しが強いため、普段からタープを張って日陰を作り過ごしやすい空間にしている。タープは桁に固定させた。桁は相欠き加工されている。

タープ用の桁の右側の柱は、フェンスとベンチ型室外機カバーの柱も兼ねている

 

シンボルツリーと格子のフェンスで和風モダンテイスト

KさんがDIYでいちばん初めに手をつけたシンボルツリーの紅葉。木製の格子フェンスの見た目も手伝って和風モダンな雰囲気になっている。

 

デッキフェンスと合体したベンチの室外機カバー

キハダとヒノキ材、廃材を利用して作られたベンチ型の室外機カバーは、重厚感のあるつくりが印象的。デッキフェンス支柱をベンチの脚部に利用しているユニークな作品だ。

 

廃材利用のフェンス支柱

カウンターテーブル下のデッキフェンスの支柱には、自宅リフォーム工事で出た廃材(床柱)を利用した。木の凸凹した質感が面白く、また、和風な雰囲気を与えている。

写真◎清水良太郎

*掲載データは2011年2月時のものです。

ヨーロッパの街並みをイメージさせるモコモコしたピザ窯のポイントは?/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(8)

Case08 モコモコッとした質感のモルタルに緩やかなアールの相性が抜群

ヨーロッパの街並みをイメージさせるような淡い山吹色のピザ窯。窯口の扉や化粧板にまでアールが取り入れられた柔らかいデザインが特徴。

山吹色のモルタルが塗られた窯は随所にアールを取り入れた柔らかいデザイン

 

<記事内ギャラリー>

 

<Aさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型基本タイプ
  • 窯のサイズ
    W1200×D1300×H1400mm
  • 使用した主な素材
    耐火レンガ約90個、コンクリートブロック、コンクリート平板、2×材、1×材、耐火コンクリート(アサヒキャスター)、鉄筋(10㎜径)、モルタル、カラーモルタル、砂、化粧砂利など
  • 製作費用
    約12万円
  • 製作期間
    実働14日間
  • 窯製作のきっかけ
    フェンスやペイビングだけの庭ではさびしい。また子供が大きくなった今、石窯があればみんなで楽しくピザパーティーができていいなと思っていた
  • 窯設計までの経緯
    ピザ窯を作ろうと思ったもののなにもわからないので、石窯づくりの本を3冊買いそろえ、通勤時に読みふけった
  • 窯の特長・ポイント
    材料をほとんど切らずに済むサイズに窯を設計したこと。保温のためピザ窯全体をモルタルで塗装したことなど
  • 土台
    基礎の50mm厚のモルタルの上にコンクリートブロックを4段積み上げた。土台の正面には2×材でドア枠、1×材でドアを取り付け、中を薪の保管庫にしている
  • 屋根
    なし
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    燃焼室が大きく窯がなかなか暖まらない。今回は2×材で窯口の扉を作ったが、次回は両開きの鉄扉をつけたい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    DIYで出た端材や親戚の持つ敷地の間伐材などを利用している。調達先をもっと開拓したいと考え中
  • 使用時に出る煙についての注意
    煙はやはり心配。朝早く、夜遅くの使用は控えるようにしている
  • 窯まわりに欲しい設備
    料理の調理ができるような野外キッチン
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    生地作りはいとこ夫婦にお願いしているが、はやく自分でも作れるようになりたい…
  • ピザ窯の魅力
    「わいわいがやがや」人がどこからか集まってくるところ

 

 

背面もきれいにモルタルが塗られている。基礎の周りには化粧砂利が敷かれ、すっきりした印象

 

右側に薪や端材を収納。左側には棚を取り付け、トングやピールなどピザ作りに必要な道具を収納している

*掲載データは2011年8月時のものです。

草刈り達人になろう!刈り払い機の正しい使い方、教えます/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(22)

「夏は雑草との闘いである」。これが菜園ライフや里山暮らしをする人の一致する意見だ。太陽の熱射を受け、ムシムシする空気の中で、刈り払い機を持ち、長袖&長ズボン姿で伸び盛る草に挑む。これが実にツライ。でも、草刈りが終わった後、ひとッ風呂浴びて飲む冷えたビールって、実にカンドー的!

 

 

【記事内ギャラリー】

 

「田舎」と呼ばれている地域では、刈り払い機(草刈り機)の常備が当たり前だ。農家では「一家に1台」どころじゃない。「ひとり1台」のケースだって珍しくないのだ。千葉県いすみ市の里山にあるドゥーパ!のガーデンスタジオも例外ではない。2サイクルのエンジン式と電動式バッテリータイプの2種類の刈り払い機を用意しており、夏が近づくと、とにかく草刈りに追われる。人気はやはりバッテリータイプだ。スイッチひとつで始動するし、軽くて取り回しが楽で静か。ただし、バッテリーが20分ほどでなくなるから、充電する時間帯が必要で、これを休憩時間にしている。

これに対してエンジン式は、ポンピングで燃料を送り込んだり、チョーキングしたり、スターターを引っ張ったりして、始動までにするべき手続きがいろいろある。パワフルだがうるさいし、振動も大きい。やや重い。排気ガスも充満する。ただし中には、エンジン式にこだわる人もいる。聞くと「あの振動とピーキーな2サイクル音がいいのだ」という。確かに、エンジン式刈り払い機で草刈りに集中していると、つい夢中になっちゃって、最後に気持ち悪くなるなんてこともあった。実は、これはかなりヤバイ状態なのだ。独立行政法人「国民センター」によると、刈り払い機の作業中の事故は、60歳代が最も多く、次いで70歳代、50歳代とか。事故の内容も、「刈り刃のキックバックで指を切断」「軍手が絡まり、巻き込まれて指を切断」「刈り刃の回転による飛散物が目に混入」「転倒して刈り刃が身体に接触」など、実にさまざまだ。

そこで、夏の草刈りシーズンを控えた今、気をつけたい草刈り作業をまとめてみた。

 

 

服装について

前述の写真を参照すること。頭のてっぺんからつま先まで油断禁物。刈り払い機の刈り刃による事故のほか、スズメバチへの対策も怠ってはいけない。また、草むらに入るときはマムシに注意すること。

 

作業時間

1日2時間以内、連続30分以内、休憩5~10分を基本にしよう。振動障害予防のためもあるし、熱中症対策にもなる。疲労による事故も防げる。

 

刈り刃に接触する事故対策

キックバックを避けるために、刈り刃の左右往復刈りを避けること。右から左に振りながら、刈り刃の先端から左側の3分の1の部分を使って刈ること。刈り刃の先端から右側の3分の1の部分が障害物にあたるとキックバックを起こしやすい(上写真参照)。できれば、切り株や岩、狭い場所などがある場所では、刈り刃が障害物にあたってもキックバックしにくい、ナイロンコードに変えたほうがいい。ベテランの中には、草などが絡むのを嫌がって、飛散防止カバーをはずす人がいるが、これは飛散物の事故の原因にもなるのでやめること。

 

刈り払い機(草刈り機)と刈り刃の種類と一般的な特徴

 

刈り払い機の草刈り、スペシャル情報

これ、おすすめ!斜面の草刈りで大活躍の「土手歩き」

一度やった人ならわかるはずだが、急斜面での草刈りはけっこう辛い。足元が不安定で、滑ったり、足が痛くなったり、体勢を立て直すために各所に力が入り、疲労の度合いもハンパじゃない。そこで使ってみたのが「土手歩き」という斜面専用草刈りスパイクだ。靴を載せるとほぼ水平になるように、角度をつけた鉄板を組み入れたもので、斜面でも足首を曲げずに作業できる。20~45度位までの斜面に対応でき、靴の脱着も簡単。本誌が実際に試した結果、ホントに楽だし、安全に作業できることがわかった。(イーハトーブ合同会社

これが「土手歩き」(左足用)。山側にスパイクが2本ついていて、地面をしっかりとらえる。靴を履いたまま、下駄の上に載せるようにして固定するだけ

 

谷川の足に「土手歩き」を装着して斜面の草刈り作業をする。驚くほど楽だった。斜面を平行に歩き、山側から刈り降ろしながら進むのが基本

 

肩掛けベルトを2点吊りベルトにすると作業が楽になる

これも「土手歩き」を考案した同社のアイデア。刈り払い機を1点で吊っている肩掛けベルトに1mほどのロープを結んで延長し、ハンドルとシャフトの交差位置に縛って2点吊りベルトにすると、刈り払い機がより自由に動かせ、作業が楽になるとか。一度試す価値あり?

 

チップソーの目立てで切れ味をアップ!

あまり聞いたことはないが、古いチップソーは、ダイヤモンド砥石をつけたディスクグラインダーで目立てすれば、驚くほど切れ味がよくなるそうだ。コツは砥石をほんの1秒くらいずつ、チップソーのチップの「逃げ面」と「すくい面」にあてることらしい。強くあてると削りすぎでチップソーの寿命が短くなってしまうとか。

 

刈った草を「まとめながら」刈る

刈り刃を右から左へ動かして刈り進むとき、左端で刃先を少し左側に倒してやると、刈った草がそこにまとまるので、刈り跡がきれいになるばかりか、あとで刈った草を集めるときに都合がいい。地域住民総出で行なう村道の草刈り作業のときは、これであなたはヒーロー?

左側で少し刃を傾けて、刈った草を寄せておく。これポイントです

 

文・写真◎脇野修平/取材協力◎金綱良行

参考文献/農家が教えるラクラク草刈り・草取り術(農文協刊)

*掲載データは2015年4月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

DIYで楽しむアウトドアリビング&ピザ窯・パン窯特集!『ドゥーパ!』2022年8月号(149号)の中身を紹介

日本で唯一のDIY雑誌の最新号「ドゥーパ!2022年10月号」(発行:株式会社キャンプ)が7月8日に発売!

 

 

【記事内ギャラリー】

 

第1特集は「ウッドデッキから始める、僕らの野外基地作り」

「ウッドデッキ作りがアウトドアリビングを実現する第一歩」をテーマに、小さな庭に作るささやかな(でも最高な)くつろぎ空間から、子どもの頃の夢想をそのまま実現したような、憧れの野外基地とその作り方を紹介。冒険心をくすぐる大人の秘密基地が大集合!

 

 

編集部のDIY実践リポートは、今も続くウッドショックの中、その存在感を増してきた人工木を使ったウッドデッキ作りと、継ぎ手を駆使した方形屋根のガゼボ作りの模様をお届け。板葺き仕上げのリゾートライクな“離れ”的くつろぎ空間の作り方をご覧ください。

 

 

ブーム真っただ中のサウナや開放感満点の露天風呂は、野外基地との相性抜群。極上の癒し空間を手に入れたDIYerとその作品を紹介します。さらに前項の製作リポートで紹介したデッキ&ガゼボを編集部が自ら露天風呂化! ポイントはもちろん、失敗やトラブルも包み隠さず公開した、汗と涙のDIYドキュメントをお楽しみください。

 

 

第2特集は「手作りピザ窯・パン窯のある暮らし」

3例の自作薪窯とその活用法をとおし、ピザ窯・パン窯のある暮らしの魅力を伝える本特集。材料や構造の違うそれぞれの窯の特徴から、ピザだけではない窯料理のアイデアまで、ドゥーパ!らしく細部まで掘り下げて紹介。ぜひじっくりとご覧のうえ、あなたも口福な熱中時間を愉しんでください。

 

 

バラエティあふれる連載にも注目!

車中泊や旅を楽しむための軽バンカスタム、トリマー&ルーター木工、さらにはレザーソーイングやグリーンウッドワークなど、さまざまなジャンルのもの作りの魅力を個性あふれる作家とともにお届けします。その他、自給自足の田舎暮らしエッセイなど読み物も充実。こちらもぜひお楽しみください!

 

※本書内、P058に掲載いたしました「屋根下地の構造図」上に、画像解像度が低い旨の指示文が残ったまま掲載したことを確認いたしました。読者の皆様、関係各位にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げますとともに、ここに訂正させていただきます。

 

[商品概要]
ドゥーパ! 22年8月号(NO.149)
著者:ドゥーパ!編集部
定価:1,100円(税込)
発売日:2022年7月8日
判型:A4変形

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プライベート感と開放感を両立!屋根&フェンスつきウッドデッキの作り方をチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(3)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case03 プライベート感と開放感を両立させる屋根&フェンスの絶妙なサイズ

ベランダが、ウッドデッキと屋根、フェンスにより、居心地のいい“部屋”となった。骨組みにはサイプレス、床材にはささくれにくいイタウバを使用。ナチュラルな雰囲気になるよう、あえて無塗装とした

 

リビングルームから続く半野外空間は使い勝手がよく、使用頻度はとても高いという

 

H邸では、ベランダにウッドデッキと屋根、フェンスを設けることで、プライベート感が増し、リビングルームを延長したかのような空間となった。

屋根はベランダ全体ではなく必要十分な面積のみを覆い、フェンスは目隠しとして機能する最小限の高さに抑えたため、心地いい開放感が保たれているのが、この空間の特長。周囲の環境に合わせながら、どのようにプライベート感と開放感のバランスをとるかが、半野外空間作りのポイントになると思われるが、その点、このベランダはちょうどいい。

完成前から、まさにリビングルームのように日常的に使える空間をイメージしていたという施主は、イメージ通りの生活が送れていると満足げ。

「サンルームにするという案も一瞬浮かんだけど、やっぱり風が通る空間、空気が動く空間がいいなと思って、こうなりました。思ったとおり、最高の居場所になりましたね」

天気のいい日、デッキの上で愛犬たちがくつろぐ姿を見るのも幸せだという。

 

オーニング利用で開閉式の屋根に

屋根は、日差しや小雨を遮りたいときには閉じ、青空を感じたいときには開けられるよう、オーニングをつけた。選んだのはドイツのメーカー、マルキルックス製。収納部分が丸くスマートなのが気に入ったそう。防水仕様だが、できるだけ長持ちさせたくて、そこそこの雨のときはたたむようにしているとのこと。

屋根を全開にすると、いわばパーゴラの状態になる

 

ベランダを横から見た状態。垂木の上にオーニングのフレームが載っている

 

ハンドルを回してオーニングを開け閉めする。所要時間はほんの数秒

 

外壁にビスを打たずに桁と垂木を組む

上のオーニングの説明写真で、屋根とフェンスの全体の骨組みの様子がわかるが、家の壁側に組んだ柱と桁は、壁には接合していない。柱を自立させ、その上に桁を載せているのだ。さらに桁の上に垂木を載せ、垂木の上にオーニングを載せている。雨が漏れるのは覚悟の上で、外壁にビスを打つのは避けたいという施主の要望に応えた構造だ。なお、壁に接合していないため、柱まわりの骨組みを頑丈にしてある点にも注目したい。

柱と桁はホゾ組みの上、ビス留めしてある。垂木は45mmほどザボリして、90mmビスで桁に固定。オーニングのフレームは垂木にステンレスのコーチボルトで留めている

 

できるだけ開放感のある骨組みに

ちょっと変わった骨組みのデザインは、強度を確保しつつ、オーニングをたたんだときに最大限の開放感を得られるよう考えたもの。真ん中付近の垂木の間隔を広くして、先端の2本の横桟を省いたことで、狙いどおりの仕上がりに。

中央先端付近が、とても“抜けのいい”骨組みデザイン

 

便利に使い分け!たためるフェンス

通常は、目隠しとして機能する高さに設定したフェンス。その一部を、ラッチと蝶番を使って下向きにたためるようにしているのが面白い。大きな荷物をベランダから運ぶことを想定したアイデアだそうだが、気が向いたときだけフェンスをたたんで外の様子を感じられるというのも便利に違いない。

通常の状態。たためる部分は、上部にラッチ、下端に蝶番がついている

 

たためる部分は2分割しているので、2段階でたためる。片方だけたたんだ状態

 

両方たたむと開放感はかなり増す

 

S字フックが大活躍

居心地のいい空間にするには、好みの演出を施したいもの。H邸では、その演出にS字フックが大活躍だ。屋根の骨組みやフェンスにフックをかけて、プランターなどを吊るしている。2本のフックの間にバーを渡して布をかけた日よけも、この空間には欠かせないアイテムだとか。

フェンスには、雑貨店で見つけた額縁風のプランター置き

 

日よけの布は、夏にはもっと大きくて厚く、アジアンな柄のものに変わるそう

 

邪魔にならない小さなテーブル

フェンスの一部に、少し広めの板をつければ、それだけでテーブルのできあがり。これぐらいのサイズなら、あまり邪魔にならないわりに、グラスやコーヒーカップ、読みかけの本などを置くには十分で、使い勝手がいい。

柱と板を相欠きして作ったミニテーブル

施工◎リーベワークス/写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年2月時のものです。

焼き室は独立式!ほぼ廃材で作られたピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(7)

Case07 廃材で作ったピザ窯は焼き室が独立式

自宅の解体や仕事で出た廃材をコツコツ集めて作ったピザ窯は、焼き室が独立した設計。燃焼室で焚いた火が焼き室全体を暖めて、こんがりとピザを焼く。

周囲に積み上げられた自然石や吊り下げられたランタンが秘密基地のような雰囲気を思わせる。右上にあるのは手作りスモーカー

 

<記事内ギャラリー>

 

<Oさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W550×D750×H1050mm
  • 使用した主な素材
    普通レンガ約140個、断熱レンガ6個、耐火コンクリート(アサヒキャスター)、モルタル、砂、砂利、鉄板、特注した鉄扉、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約5万円
  • 製作期間
    実働20日間
  • 窯製作のきっかけ
    新婚旅行で訪れたイタリアで食べたピザの味が忘れられず。お金はあまりかけず、あるものを使ってピザ窯を作りたいと思っていた
  • 窯設計までの経緯
    本にはなかなか自分の思うような連続燃焼式窯がなく、以前の『ドゥーパ!』を参考にして作った。レンガは「いつかなにか作るときのために」と中古レンガをもらってためていた
  • 窯の特長・ポイント
    焼き室は下段の燃焼室とはつながっておらず独立式で、煙が入ってこない。使用時の保温力を高めるために窯の周りに自然石を積み上げている
  • 土台
    地面を50mm掘ってコンクリートを打設し、その上に中古レンガ&鉄板を設置
  • 屋根
    燃えにくい6尺の平トタン2枚を使い、片流れ屋根にした。煙突が熱を持つので、屋根との接合部分は陶器のトイを使って煙突を囲い、雨漏り防止に耐熱パテを使用した
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    窯使用時、天井部の耐火コンクリート(アサヒキャスター)がかなり熱を持ってしまう。次はもっと厚く塗るか、違う方法を考えたい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    自分の家を解体した際の廃材を敷地内においていて、ピザ窯や薪ストーブに使っている
  • 使用時に出る煙についての注意
    隣家とは距離があるので、心配していない。初めは洗濯物に煙の匂いがついたので、煙突を継ぎ足した
  • 窯まわりに欲しい設備
    ピザ窯の右上側に燻製ボックスを作ったが、ピザ窯の保温を兼ねたものに改良したい
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    シンプルなトッピングのほうが窯で焼いた生地の味を楽しめると思う
  • ピザ窯の魅力
    ピザ窯の火入れをして、煙突から煙を出すだけで癒される。自分で作ったピザ窯で焼きたてのピザが食べられるだけで大満足

 

 

焼き室は独立した箱なので、燃焼室の煙は入ってこず、ピザやパンが煙り臭くならない

 

窯を雨から守る屋根にはトタンを使用。防火のため煙突には陶器のトイを巻いている

 

トタンとの接合部分には雨漏り防止のため耐熱パテを使用した

*掲載データは2011年8月時のものです。

夏休み目前!猛暑に備えた「涼を創るカーテン作り」(2)/竹&単管パイプのサウンドカーテン編

いよいよ夏本番、じっとしていても暑い日本の夏がやってきた。じっとしていても暑いなら、むしろ体を動かして涼しさを呼び込むグッズを手作りしてしまおう。そこで、「カーテン」をキーワードに編集部員が五感で涼むカーテンのDIYにトライ。どんな作品ができたのか?

 

作品2 風が心やすらぐ癒しの音を奏でるサウンドカーテンを作る

 

暑い夏を乗りきるには「癒しの音しかないでしょ!」と息巻くのは編集部設楽。縁側に座り、セミの鳴き声と涼しげなウインドベル(つまり風鈴)の音に耳を傾け、かき氷を食べる……これしかない!

作ったウインドベルの種類はふたつ。ひとつは銀色に輝くボディがUFOを連想させる単管パイプを使ったもの。もうひとつはその乾いた音から懐かしさを感じさせる竹を使ったバンブーベルだ。

まずUFO風ウインドベルだが、パイプをしっかり挟みこんで固定する土台を、適当な端材で作るのがポイント。ディスクグラインダーでパイプを切断する際、パイプがきっちり固定されていないと非常に危険だ。またキックバックにも気をつけること。切断の際は火花が飛び散るのでエプロンなどで対策をしっかりしたい。

サウンド的な工夫としては、切断した単管パイプ内部にいらないボルトやナットをたこ糸で仕込んだ。これでベルが風で揺れたとき、内側からも涼しげな音がする。

バンブーウインドベルは、作り方の基本はUFO風ウインドベルと一緒。あまり太くない竹を選ぶと作品がスマートな感じになる。また和風の雰囲気を出すため、ここではたこ糸ではなく、麻ひもを使用した。

材料に特殊なものがなく、作り方も簡単。まさに親子で作る夏休みの自由研究に持ってこい! ペイントするとより楽しめるのでみんなでワイワイ作ってほしい。

 

<使用した材料>

青竹(外径30×長さ1500mm程度)2本、単管パイプ(外径25×2500mm程度)1本、角材(200×300×1000mm)1本、ステンレスのボウル(170mm径)、たこ糸・麻ひも適宣、ボルト・ナット・ワッシャー適宣

 

<使用した道具>

ディスクグラインダー(金属用切断砥石装備)、電動ドリル(3mm径の鉄鋼用ドリルビット装備)、クランプ、竹切りノコギリ、ノコギリ、カッター、マーカー、その他やすりなど

 

<UFO風ウインドベルの作業手順>

 

<バンブーウインドベルの作業手順>

写真◎伊勢和人/作◎ナマステ設楽

夏休み目前!猛暑に備えた「涼を創るカーテン作り」(1)/竹のウォーターカーテン編

いよいよ夏本番、じっとしていても暑い日本の夏がやってきた。じっとしていても暑いなら、むしろ体を動かして涼しさを呼び込むグッズを手作りしてしまおう。そこで、「カーテン」をキーワードに編集部員が五感で涼むカーテンのDIYにトライ。どんな作品ができたのか?

 

作品1 庭に渓流の涼しさを呼びこむウォーターカーテンを作る

 

流れる水の周囲は涼しい。そこで小宮は考えた。山道で渓流の側を歩くときに感じる、自然な涼しさをDIYで再現しようと。それがこの作品のテーマ。

材料は編集長宅の端材ボックスにあった40mm径程度の竹、長さは1200mm程度のもの。ここに細かい穴をあけ、節を抜いてホースを差しこみ、水を流せば岩肌を流れ落ちる白糸の滝といった趣となるのだ。

ポイントは竹にあける穴のサイズと、ホースと竹筒との接合方法。

竹にあける穴は、接合部から離れるほど大きくすると水の流れは均一になる。竹筒の長さを大体3等分して、ホースに近い3分の1の穴は2mm径、真ん中の3分の1は2.5mm径の穴、ホースから一番遠い端の3分の1は3mm径の穴をあけている。物体の内部にかかる水圧はどの方向にも均一なはずなので、穴の大きさは均一でいいはずなのだが、たぶんどこかで水が漏れるかしていたのだろう。ホース接合部より離れるにしたがって穴を大きく調整したほうが水の流れは均一になった。

また接合部は思いがけず水圧がかかるようなので、節を抜く径を正確に加工して、ねじこみ式のバルブなどを使ってがっちり取りつければ、作品としての完成度は増すだろう。

半日でできる工作なので、興味のある方はぜひ作ってみてください。うまくいくと気持ちいいですよ。

 

<使用した材料>

青竹(40mm径×長さ1200mm程度)1本、透明ホース(内15mm径×5m、使用する蛇口径にあわせる)1本、ビニールテープ1巻、ペットボトル用給水キャップ(給水くん)1個、麻ひも適宜、接着剤(木とゴムに対応するタイプ)

 

<使用した道具>

竹がまわらず置ける台または木工万力やクランプ、インパクトドライバー、2mm/2.5mm/3mmドリルビット(鉄工用)、鉄筋または全ネジを1m程度、竹切りノコギリ、ノコギリ、カナヅチ、クギシメ、メジャー、チョークライン、マーカーペン

 

<製作手順>

写真◎伊勢和人/作◎ビッグマン小宮

ポリカ屋根とシンクを備えたウッドデッキリビングの作り方をチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(2)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case02 ポリカ屋根とシンクを備えた一家のユーティリティースペース

骨組みにサイプレス、床材にセランガンバツーを使用した屋根つきウッドデッキ。奥に流し台が見える。ポリカ屋根が明るい光を通す、開放的な空間だ

 

柱の上に桁を載せ、桁の上に垂木を載せている。柱と桁はホゾ組みで接合し、桁と垂木は金具を介して接合。スジカイ型のフェンスが構造物全体の強度を高めている

 

家の周囲の半分ほどをウッドデッキで囲んだA邸。比較的幅が狭いデッキが廊下のようにL字型に続き、突きあたり部分に約2.5×3.2mのスペースがある。このスペースがポリカーボネートの屋根を備えた、全天候型のデッキリビングとなっている。

屋根をつけたのは、スポーツに明け暮れる息子さんたちの大量の洗濯物を、天候にかかわらずに干せる場所にしたかったから。

さらに、ここで靴が洗えればなおよしと、流し台も装備することになった。

そんなわけで、そもそも、毎日の家事をスムーズに行なえるよう設計されたウッドデッキなのだが、完成後の活躍ぶりは、もちろんそれだけにとどまらない。

昼は奥様の友人を招いてフラワーアレンジメントを楽しみ、夜はワインパーティーを楽しみ、休日は息子さんたちの友人が集まってバーベキューを楽しみ…と、家族や来客とともに楽しい時間を過ごす場として、欠かせないデッキリビングとなったのだ。

屋根があるから多少の雨なら影響ないし、流し台があるからその場で食器などを洗える。その横に作業台代わりになる収納ボックスがあるのも便利だ。こんな快適で機能的な空間、友人たちもほっとかないだろう。

 

廊下のように長く続くデッキの突きあたりに、屋根つきの半野外空間がある

 

ポリカ屋根の継ぎ目はサイプレスの桟でカバー

屋根材は厚さ3mmのポリカーボネート。透明だから開放感があり、光を通すため洗濯物の乾きも速い。ポリカ板の継ぎ目は、455mm間隔で並べた垂木の上にあり、その上にサイプレスの角材をかぶせてビスで固定。ポリカは温度の変化によって伸縮するため、継ぎ目には3〜4mmのすき間を空けているという。なお、約3mある屋根の奥行きに合わせた特注サイズのポリカ板を使っているため、縦向きには継ぐ必要がなく、横桟は不要となっている。

家の壁との接点にもサイプレスの桟をかぶせ、さらに桟と壁の接点をコーキングしている

 

敷地を目一杯使うための垂木デザイン

敷地いっぱいにデッキを作り、そのデッキを完全に屋根で覆いたい。しかしもちろん、垂木を隣家の敷地に張り出させるわけにはいかないし、さらにいえばデッキ屋根からの雨だれを隣家に落とすわけにもいかない。というわけで、垂木の先端が独特のデザインとなった。

垂木先端の上部を切り欠き、そこに雨どいを収めた。切り欠くことを考慮して、垂木には175mmと幅広の材を使用

 

垂木は桁からはみ出ない長さに設計。L字型の金具を介して桁に接合している

 

イタウバで作った物干し竿差し

ドリルで穴をあけたイタウバの板材を、柱に差し込んで接合した物干し竿差し。A邸では、屋根つきデッキ作りのきっかけが洗濯干し場にするためだから、重要な設備だ。

イタウバは、ひびが入りにくいのが特長のハードウッド

 

立水栓もデッキ材でコーディネート

屋根つきのスペースからは少し離れたデッキ上にある立水栓を、デッキにも使用するサイプレスでカバーし、空間全体の統一感を高めている。

細部へのこだわりが空間全体の印象に影響を及ぼすことは珍しくない

 

収納を兼ねる流し台

デッキの端に備えた流し台は、サイプレスで作ったボックスの天板にシンクと蛇口を取りつけたもの。ボックスの中には給排水の配管があるだけだから、収納庫としても使える。流し台の横には、やはりサイプレスで作った収納ボックスがあり、そのフタは作業台代わりにもなる。

水道と別に雨どいの水が、このシンクに流れ込むようになっている

 

流し台下の収納庫は、デッキリビングで使う道具類をしまうのに便利

 

ヒモを持って開閉する収納ボックスのフタは、頑丈な作りで、作業台代わりになる

 

靴干し専用台まで完備

こちらもイタウバを使った靴干し台。靴を引っ掛けやすい形状にカットし、面取りしたイタウバの板材を、柱にビス留めしている。

デザイン的なアクセントにもなっている

 

何かと便利な作りつけベンチ

幅広の板材と柱を、このように相欠きで接合すれば、作りつけベンチとなる。大人数が集まったときに重宝するのはもちろん、テーブルや作業台代わりにも使えて便利だ。プランターなどを並べる飾り棚にするという手もある。

骨組み全体の補強材としての役割も果たしている

 

ネコの巣にしないために…

デッキの床面が比較的高い位置にあり、デッキ下がゆったりとしているため、そこが野良ネコの巣にならないように、板材を縦張りしてふさいでいる。同様の心配がある人は参考にしてみては?

これにより、デッキの強度も上がることになる

 

施工◎リーベワークス/写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年2月時のものです。

ウッドデッキの洗浄と再塗装のコツを徹底解説!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(13)

出来たてのころはぴかぴかだった自慢のウッドデッキも、2~3年経過すると塗料も抜けて、がさがさになるし、つやも消えてしまう。そんなときは洗浄と再塗装でリフレッシュ。

 

ウッドデッキの洗浄のコツ

洗浄には、クオファームの木部専用洗浄剤ウッドリバイバーを使用した。この洗剤は木部の変色、汚れや水垢、カビ、日焼けを洗浄するエクステリア専用の洗浄剤。

作業はウッドデッキ上に椅子やテーブル、植木鉢などがあれば、それらをすべてどかして、ウッドデッキ上に何も置かれていない状態にして掃き掃除。土ぼこりや枯れ葉など完全に掃き出してしまう。

掃き掃除が終ったら、ウッドデッキ全面に水をまいて、軽くブラシで洗浄する。ここまでが前段階。

ウッドリバイバーをバケツにあけたら、ブラシにウッドリバイバーをつけて本洗い。ごしごし擦れば、泡だってくるので、ウッドデッキ全面が泡だらけになるように、十分な量のウッドリバイバーを使って洗浄する。ウッドリバイバー1Lで約10平米が洗浄できる。

洗剤で洗浄したら、大量の水で洗剤分をよく洗い流す。泡が見えなくなるまで洗い流す。これで洗浄は完了だ。

 

ウッドデッキの再塗装のコツ

再塗装の前には洗浄したウッドデッキを完全に乾かすことが大切。洗浄から一晩置いて、デッキ面が完全に乾いてから再塗装に取り掛かる。

ウッドデッキの再塗装で一番気をつけることは、塗る色の選択。ウッドデッキに使われるオイルステインは浸透性の塗料なので、塗り重ねるたびに色は濃く黒くなっていく。ちょうど色つきのセロハン紙を重ねていくと、どんな色を重ねても濃く黒く見えるようになるのと同じだ。なるべく同じ色味で再塗装したい場合はナチュラルやクリヤーといった色味の薄いカラーを選ぶ。今回使ったインウッドというステイン塗料ではナチュラル色というもっとも色味の薄いタイプを使用している。それでも若干色は濃くなる。

ウッドデッキ面の乾燥を確認したら、後は再塗装するだけ。面の塗装がほとんどなので、ハケはローラーバケが使いやすい。ローラーバケには長い柄をつけて、あまり腰を曲げずに作業できるようにすると、体も楽だし、塗るスピードもアップする。

塗装に使用したオイルステインはアメリカ製のインウッド。粘度が低く塗りやすく、1度塗りで十分に染み込み、乾けば抜群の撥水性を見せる絶妙のブレンドオイルを使い、ホルムアルデヒド放散なしのフォースター認定も受けている。使用者の評価も高いオイルステインだ。

作業は、塗料がびちゃびちゃしないように、ウッドデッキ面を拭くように塗っていく。塗料が乾くまで塗装面には乗れないので、事前に塗るコースを考えて、必ず脱出できるコースを決めてから作業にかかること。全体が均等に塗りあがったら塗装作業は完了。道具を片付けて、乾燥に一昼夜待てば、よみがえったウッドデッキを堪能できる。

*掲載データは2012年2月時のものです。

寒冷地でもへっちゃら!基礎深さ550mmのガッチリ基礎ピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(6)

Case06 寒冷地仕様のピザ窯はなんと基礎の深さが550mm!

凍てつく北国の地盤の凍結深度にあわせた基礎は深さ550mmでガッチリ施工。燃焼室は江別産レンガと耐火レンガの二重構造で、ピザをこんがり焼き上げる!

 

イタリアン・トリコロールカラーのモザイクタイルが張られたTさんのピザ窯

 

<記事内ギャラリー>

 

<Tさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W900㎜×D900㎜×H1240mm *煙突除く
  • 使用した主な素材
    耐火レンガ93個、外装用レンガ(北海道・江別産レンガ)116個、コンクリートブロック40個、モザイクタイル、耐火コンクリート(アサヒキャスター)4袋、砂利、砂、乾燥砂、セメント、鉄筋、ワイヤーメッシュ、温度計、特注したスチール扉、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約13万円
  • 製作期間
    実働35日間
  • 窯製作のきっかけ
    もともとダンボールとアルミホイルを使った簡易ピザ窯を作るほどのピザ好き。自分で生地から練ってピザを食べること、子供が喜ぶことが嬉しかった
  • 窯設計までの経緯
    『ドゥーパ!』を参考に、連続燃焼・二重構造の窯にこだわり、レンガ・石窯のヒントを探しに図書館へ。ウエブ上の作品もチェック
  • 窯の特長・ポイント
    二重構造の焼き室&燃焼室。スチール建具工場に製作を頼んだ本格的なスチール扉(耐熱硝子付き、耐熱塗料を塗装)。窯正面にはイタリアン風のモザイクタイルを張りつけた
  • 土台
    北海道は凍結深度が深いため、基礎深さを550mmとり、砂利(200mm厚)とワイヤーメッシュ入りのコンクリート(70mm厚)を打設。その上に鉄筋入りのコンクリートブロックを4段積み上げている
  • 屋根
    屋根なしのため、不使用時はブルーシートで覆っている
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    上部焼き室の空間の高さを下げ、熱効率を高め、上部からの輻射熱を出したい。扉の高さも少し低くして、あけた時に熱を逃がさないようにする
  • 使用する薪の種類・調達方法
    ウェブショップにて皮なしのケヤキを調達
  • 使用時に出る煙についての注意
    近隣が共同住宅の為、ほとんど炭(安価なマングローブ炭と火持ちのいいオガ炭を混合)を使用。窓をあけない春先と晩秋のみ薪を使用している
  • 窯まわりに欲しい設備
    物置。炭、薪、ピール、火かき棒などなど収納スペースがほしい
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    パン生地はとにかくよく練ること。伸びる生地づくりがポイント。ピザを焼いた余熱で、塩コショウでもんだ豚モモ肉をローストするのもオススメ
  • ピザ窯の魅力
    暇な休日、家族や知人の集まる日は大活躍。みんなでワイワイ食べる幸せを感じる

 

 

窯本体の外装は江別レンガで覆われている。内部は耐火レンガの二重構造

 

お隣さんに迷惑がかからないよう、窯使用時はほとんど炭を使用。窓をあけなくて済む春先と晩秋のみ薪を使用している

 

煙突に取り付けるダンパー部分の型枠を製作

 

耐火コンクリート(アサヒキャスター)を流し込んでダンパーのできあがり

 

アサヒキャスターで作った火床(80mm厚)。上部凸部分の両脇から燃焼室の熱気が上に上がってくる仕組み

 

レンガを積む時は均等な目地幅と水平を出すために、アルミのコノ字棒(高さ10mm)を使用

 

*掲載データは2011年8月時のものです。

おしゃれで快適!エンターテインメント・デッキリビングで半野外空間を楽しむ/全天候型快適デッキを作ろう(1)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case01 おしゃれで快適!ベテランDIYerの
エンターテインメント・デッキリビングで半野外空間を楽しむ

広い庭全体を見渡せるデッキに、パーゴラ+オーニングとおしゃれなコンサバトリーを作った。愛犬もここがお気に入りの場所

 

パーゴラは2×6材を組んで作った。母屋やコンサバトリーとのマッチングもいい

 

写真ではわかりにくいが、オーニングの両サイドのパーゴラの垂木に洗濯用の棒を取りつけ、オーニングの骨組みを前後にスライドさせるようにしている。オーニングがスム-スに開閉できるようにするためだ

 

Yさん自作のコンサバトリー。コンサバトリーは、18世紀のイギリスで、南から持ち込んだフルーツの保存場所として発達したが、本来の温室の役目とともに、ガーデンリビング空間としての機能を持つようになった。Y邸では、観葉植物を置いてあるほか、昼寝やお茶を楽しむ場所になっている。ガラス張りの開放的な空間が素晴らしい。床はテラコッタ敷き

 

デッキ上の半野外空間は、屋根をつけ、壁をつけることで実現する。

ベテランDIYerのYさんは、ボイド缶を使って基礎石まで作ったというセルフビルドのウッドデッキ上に、ナバホホワイトカラーのおしゃれなコンサバトリーを作った。友人からもらったサイディングとペアガラスつきのアルミサッシで覆ってある。総予算80万円、施工期間1カ月という労作だ。その隣りには、2×材で組んだパーゴラとオーニングがある。オーニングはインターネットで購入したもので、手動で巻き取りができるタイプ。

コンサバトリーは、本来の使い方である植物の温室としてのほかに、寒い日の昼寝や奥さまとのコーヒーブレイクなどで大活躍。友人が訪ねてきたときには、オーニング下でのランチも楽しみだ。もちろん全天候型。芝生の庭に出て、自慢の石窯で焼いたピザをご馳走することも多いが、雨の日や日差しの強い日は、デッキがリビングルームになる。

 

 

階段デッキの縁にパイプを設置、そこにパラソルを差し込んで日陰を作る。これもアイデアだ

 

取りはずしできる階段デッキ

コンサバトリーの前の階段デッキは取りはずしが可能

 

このように簡単に動かせる

 

デッキの下は長尺物の収納場所になっている

 

デッキ下の布基礎はもちろん、ボイド管を使って円筒形の基礎石も自作した(写真:Yさん)

 

デッキ上のサウナ小屋

家のサイドまで続く回廊のようなデッキを進むと母屋と同じサイディングを使った小さな小屋に行きつく。これも完全手作りというサウナ小屋だ

 

内装に無垢のレッドウッドを使い、薪ストーブを使った本格的な作りで、数人が一度に入れる広さを持っている。Yさんはほぼ毎日入っている

 

芝生用パラソルスタンド

芝生をできるだけ傷めたくないので、ピンポイントで地面に受けのパイプを差し込み、パラソルを立てている

 

こんなパイプを溶接して自作した

 

物干し棒スタンド

物干し台のコンクリートの土台が嫌いなので、土台をはずし、サドルバンドでデッキフェンスに固定した。ここにもこだわりが見られる

 

庭の奥にガーデンシェッド、その隣りにパン窯、その隣りに薪ストッカーを作った。これは以前、本誌でも紹介した。このコーナーも青天井のガーデンリビング空間だ

写真◎佐藤弘樹/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2011年2月時のものです。

 

着脱可能な屋根つき!プチブリックで彩ったドーム型ピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(5)

Case05 プチブリックを飾りつけたピザ窯は取りはずし可能な屋根つき!

スタイリッシュな外見にこだわったピザ窯は、燃焼室のレンガをひとつずつ削って積み上げ、ドーム型の窯に仕上げた力作。副燃焼室ではスモーク料理も楽しめる。

 

プチブリックで化粧されたかわいらしいピザ窯。無骨で男っぽいデザインはあえて避けたそう

 

<記事内ギャラリー>

 

<Tさんの窯データ>

  • 窯の種類
    ドーム型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W1140×D1095×H1690mm
  • 使用した主な素材
    焼き過ぎ煉瓦128個、フランス煉瓦65個、耐火レンガ(SK32)50個、耐火レンガY2(扇形)/6個、同Y3(扇形)/7個、プチブリック260個、コンクリート平板(60×990×200mm)1枚、同(60×990×300mm)3枚、大谷石(60×300×900㎜)3枚、モルタル、砕石、砂など
  • 製作費用
    約8万円
  • 製作期間
    実働7日間
  • 窯製作のきっかけ
    食べ物までがスピード優先になってしまったこの時代に、これと対極の「面倒がかかるが心を込められる食べ物」を作りたいという気持ちがあった。また、石積みのアーチに憧れていた
  • 窯設計までの経緯
    まず本を買って勉強。大きさ、構造を決め、一度はアーチ型でピザ窯を設計。しかし大谷石の送料が意外に高く、ドーム型にすると内部の容積が少なくでき、大型の大谷石を使わないでできるとわかり、設計をやり直した
  • 窯の特長・ポイント
    燃料の節約のためには、内部の容積を小さくするのが有効なので、最低限の大きさで設計。焼き床兼火床の下部に副燃焼室を作り、取り除いたオキ火を置くスペースとした。窯口、副燃焼室のフタは大谷石で作り、なるべくすき間のないようにしてスモーク料理にも対応できる仕組みにした
  • 土台
    焼き過ぎレンガを11段積み上げ、コンクリート平板を設置
  • 屋根
    ひとりで取り外しができる屋根を製作。骨組みは2×4材を半分にカット。屋根材はポリカーボネイトの波板。接合部はビスケット・ジョイントとコーススレッドで固定した
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    窯床の大谷石の両側に膨張スペースを残すべきだった。燃焼時に大谷石が膨張して窯を押し広げるので、煙突の開口部に簡単にクラックが入り、煙突はさっそくやり直しに…
  • 使用する薪の種類・調達方法
    以前は薪屋さんで調達。昨年冬は薪の原木をもらい、チェンソーと斧で小割りした。樹種にはこだわらず、広葉樹であればなんでもOK
  • 使用時に出る煙についての注意
    隣は留守が多く、一声かける程度。煙は温度が上がってしまえばそんなには出ないので特に気にしていない
  • 窯まわりに欲しい設備
    屋外用の小さなテーブル
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    ピザは見る見るうちに焼き上がるので、目を離さずにこまめに回してやればたいていうまく焼ける。裏側を適度に焦がすために溶岩のプレートを使用している
  • ピザ窯の魅力
    「原始的なゆったり感」。懐かしさのようなものを感じる。人間は炎が好きなのだと思う

 

 

ピザ窯本体を覆うような小さな屋根を、2×材とポリカーボネイトの波板で製作。ひとりで取り外し可能

 

ピザ窯背面。レンガがきれいにドーム状に積まれているのがわかる。お見事!

 

窯口のフタとダンパーには60mm厚の大谷石を使用

 

ちょうどアルファベットのCをどんどん小さくするようにして、ドーム型の窯を作っていった

 

溶岩石に乗せて焼いたピザは裏側もほどよくこんがり焼ける

 

*掲載データは2011年8月時のものです。

幅1400mmのビックサイズ!三部屋構造の重厚なピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(4)

Case04 幅1400mmの重厚なピザ窯は灰落ち室、燃焼室、焼き室の三部屋構造

高さ1750mmのピザ窯の中身はなんと三部屋にわかれた構造。屋根のアーチ部分にはモザイクタイルと貝殻を埋め込んで夕陽と海岸の波をイメージ。

 

外側に普通レンガ、内側に耐火レンガを積んだ重厚な雰囲気のピザ窯。それもそのはず幅1400×高さ1750mmのビッグサイズ

 

<記事内ギャラリー>

 

<Aさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W1400×D1200×H1750mm
  • 使用した主な素材
    普通レンガ約300個、自然石20個、耐火レンガ約140個、コンクリートブロック、大理石、耐火モルタル、セメント、砂、モザイクタイル、貝殻やサンゴのかけら、鉄筋、鋼板、鋼管(15mm径)、鉄工所に特注した扉、ステンレス製煙突(100mm径)など
  • 製作費用
    約9万円
  • 製作期間
    実働25日間
  • 窯製作のきっかけ
    自分の干支が寅で昨年は年男。この年に記念になるものを作ろうと思い、妻のリクエストのピザ窯を作ることに。ちなみに妻は当時、パン教室に通っていた
  • 窯設計までの経緯
    インターネットや雑誌で石窯に関する記事を読みこんで、独自に設計。もともと仕事柄、建築士の資格を持っており、設計はさほど難しくなかった。扉と煙突のダンパーは鉄工所にオーダーした
  • 窯の特長・ポイント
    灰落ち室、燃焼室、焼き室の三部屋構造。燃焼室、焼き室の内側に耐火レンガ、外側に普通レンガを積み、壁厚を200mm以上とって保温性を高めている。屋根のアーチ部分はモザイクタイルで夕陽と海岸の波をイメージ。故郷である種子島の貝やサンゴのかけらも埋め込んだ
  • 土台
    鉄筋入りのコンクリートの上に、コンクリートブロックを積み上げ、表面を自然石で化粧
  • 屋根
    作業小屋の2階デッキの下に石窯を製作。煙突は外に出るように取り付けた
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    耐火モルタルの取り扱いが難しい。次回は焼き室にスモーク食材を吊るせるようバーを設置したい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    薪は家の周りの木を切っているが、広葉樹が火持ちがよくススも出ないように思える。しっかり乾燥させれば煙があまり出ません
  • 使用時に出る煙についての注意
    自宅が民家から離れた山の中にあるので心配していない
  • 窯まわりに欲しい設備
    やっぱり調理台
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    生地に好きな具をたくさんのせて、焼きたてのピザの味を楽しむこと!
  • ピザ窯の魅力
    自然の火で食べ物ができあがる楽しさ、スモークされた味の深みが最高

 

 

ピザ窯の上部側面にはモザイクタイルで夕陽と海岸の波をイメージ。Aさんの故郷である種子島の貝やサンゴのかけらも埋め込んだそう

 

ピザ窯の設置箇所は窯が雨ざらしにならない作業小屋の2階デッキの下。煙突は外に出るように取り付けた

 

窯の土台は自然石とコンクリートブロック。基礎はしっかり鉄筋を入れたコンクリートで固めた

 

火床部分の中心には200×300mmの穴があけられ、使用し終わった灰を下に落とせる仕組みになっている

 

*掲載データは2011年8月時のものです。

窯に五右衛門風呂を使用!ワイルドな双子ピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(3)

Case03 五右衛門風呂を窯に使ったワイルドなピザ窯ツインズ

倉庫に眠っていた五右衛門風呂が驚きの変貌を遂げた!ラフでワイルドな男らしいピザ窯は、材料にほとんどレンガを使わない個性的な構造。

 

右側が1号機、左側が2号機。ピザ窯の雨よけ屋根は、足場材とビニールハウスのL型フレームを用いて骨組みを作り、上部にトタンを2枚かけて製作した

 

<記事内ギャラリー>

 

<Wさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型基本タイプ
  • 窯のサイズ
    W900㎜×D900㎜×H1650mm
  • 使用した主な素材
    1号機…五右衛門風呂、普通レンガ、鉄工所から譲ってもらった鉄骨のアングル、鉄板(4mm厚)2枚、溶岩石(600×600mm)、御影石(20mm厚)、ジョイント敷き材、ガーデニング用のウォール材、セメント、砂、温度計、ステンレス製煙突、など
    2号機…五右衛門風呂、普通レンガ、オーストラリアレンガ、スギの丸太、クリの丸太、エルペット(ビニールハウスの骨組み)、植木鉢観賞用のコンクリート平板(32mm厚)、砕いた瓦、御影石(20mm厚)、ジョイント敷き材、ガーデニング用のウォール材、セメント、砂など
  • 製作費用
    約2万円(窯ひとつにつき)
  • 製作期間
    実働7日間
  • 窯製作のきっかけ
    元々バーベキューが好きで家族で楽しんでいた。妻が野菜ソムリエ、娘がイタリアンレストランのコックであることも影響あり
  • 窯設計までの経緯
    ディズニーシーのピザ窯から近所に住んでいるシェフが作った石窯まで、4~5件を実際に見てまわり研究した
  • 窯の特長・ポイント
    昔、民宿を営業していたことから使われていない五右衛門風呂がふたつあり、この廃材を使って、ピザ窯を作っていること
  • 土台
    1号機…鉄工所から引き取った脚状の鉄骨
    2号機…スギの丸太とエルペット(ビニールハウスの骨組み)を接合したもの
  • 屋根
    骨組みに足場材とエルペット、屋根材にトタンを使用して組み立てた
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    1号機を作る際、五右衛門風呂の周囲をジョイント敷き材で覆ったがモルタルがやや少なかった。2号機のときはよりモルタルを多く塗って、窯の保温性を高めた
  • 使用する薪の種類・調達方法
    友人の大工からもらう端材や、庭の雑木を刈ったものを使用
  • 使用時に出る煙についての注意
    自宅が民家から離れているので心配していない
  • 窯まわりに欲しい設備
    バジルやローズマリーの鉢植えなどを近くに置いて育てておくと、採れたてのトッピングができる
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    なんでもかんでもトッピングするのではなく、具材をシンプルにまとめるのがおいしいピザを作るコツ
  • ピザ窯の魅力
    もともとバーベキューが好きだったが、ピザ窯を作るようになってからさらに仲間との集いが増えた。庭でピザパーティーができるって珍しいからね

 

 

五右衛門風呂の窯の表面は、ガーデニングで使うアールのついたウォール材とネットでつながったジョイント敷き材をモルタルで張り付けて仕上げた

 

1号機の背部。煙突を取り付けた部分は一度ひび割れてしまったのでモルタルで修復

 

2号機には煙突はつけず、もともと排水用にあいていた穴を残した

 

窯口が幅350×高さ300mmと広いので、ダッチオーブン料理もOK!

 

鶏のもも肉もこのとおり、ジュ~シ~に焼けちゃう♪

写真◎冨士井明史

*掲載データは2011年8月時のものです。

長い煙突で煙をしっかり吸い上げる!大谷石を使ったピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(2)

Case02 本体に大谷石を使用した窯は長い煙突で煙をしっかり吸い上げる

土台に化粧ブロック、火床兼焼き床には溶鉱炉で使われていたという耐火レンガを使用。窯口に扉は固定せず、横にスライドさせて窯内の空気量を調節する。

 

本体に大谷石を使用したアーチ型のピザ窯。ピザ窯はみんなで楽しむ場所作りにもってこいだと製作者のIさんは語る

 

<記事内ギャラリー>

 

<Iさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型基本タイプ
  • 窯のサイズ
    W900×D1200×H1470mm
  • 使用した主な素材
    大谷石(W300×D900×H150mm)約13個、中古の耐火レンガ、化粧ブロック、コンクリート平板、鉄筋、モルタル、耐火モルタル、砂、L字型アングル、鉄板(450mm角、3mm厚)、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約5万円
  • 製作期間
    約2カ月間
  • 窯製作のきっかけ
    千葉県に土地を購入し、みんなでもの作りをして遊べる場所を作っている。初めはそば打ちなどもやっていたが、ピザのほうが生地をのばしたり、具をトッピングしたりとイベント性が高く、老若男女で楽しめるため
  • 窯設計までの経緯
    伊豆のペンションに行ったり、東京・恵比寿でピザ屋をやっていた人を訪ねたり、実際に色んな種類の窯を見て研究した
  • 窯の特長・ポイント
    窯本体には大谷石を使用。ディスクグラインダーで適宜カットしながら窯を組み上げていった。窯口の扉はあえて観音開きはさけ、横にスライドできるようにしてある
  • 土台
    基礎はモルタル(100mm厚)+鉄筋。その上に化粧ブロックを積み上げた
  • 屋根
    屋根は見栄えが悪くなるからつけていない。使わないときはゴムマットをかけて雨よけとしている
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    窯口の高さをもう少し上の位置に設計すれば、ピザが焼きやすかったかも。また窯内部が広すぎた。次にピザ窯を作るのであれば土台の高さを上げ、焼き室はもう少しコンパクトにしたい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    もの作りで出た端材(防腐剤や塗料が塗装されたものはのぞく)など。マツやスギなど匂いの出る樹種はさけている
  • 使用時に出る煙についての注意
    近隣に家がないので問題なし。煙突の長さを長くとり、煙をきちんと吸い上げるようにし、薪を完全燃焼させるのがポイント
  • 窯まわりに欲しい設備
    すぐ近くにスモーカーとカマドをDIY。調理テーブルもあるので、今は特になし
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    温度チェック。230~250℃の間に窯の温度を保つと、ピザが香ばしくパリッと焼ける
  • ピザ窯の魅力
    ピザを作る楽しさ、焼く楽しさ、食べる楽しさ。子供にも女性にも楽しんでもらえる

 

 

ピザ窯側面。窯のまわりに組まれた木枠は煙突をしっかり支えるための補強。ここにフックをつけてピザピールやトングを収納している

 

大谷石の上にアーチ状に並んだレンガは、ひとつひとつディスクグラインダーでY字型に加工した

 

窯口の扉は、窯口の前に3mm厚の鉄板をレールがわりに敷き、扉を横にスライドさせる仕組み

 

ピールや火かき棒も鉄筋と鉄板、L字アングルを使った手作り

 

窯上部アーチ部分のレンガの目地などには耐火モルタルを使用。「扱いが難しくなかなかうまくいかなかった」とIさん

 

煙突の長さが薪を完全燃焼させるポイント。全長が1800mmある窯の煙突からは白い煙が出ない

 

Iさんのオススメピザはおもちをトッピングした和風ピザ! 色んな食材を組み合わせるのもピザ作りの楽しみのひとつ

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年8月時のものです。

ガーデンシンク併設の本格仕様ピザ窯をガレージ内に製作!/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(1))

Case01 ガレージがパーティー会場に変身!ガーデンシンク併設の本格仕様

ガレージに設置したピザ窯の背面は、スギ板でアイボリーカラーの壁を製作。空間を含めてデザインされた、リラックス&ナチュラルテイストなピザ窯だ。

 

ピザ窯と同時にガレージ壁、ガーデンシンクもDIY。見事にオシャレでおいしい空間を演出

 

<記事内ギャラリー一覧>

 

<Sさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W800×D800×H1200mm
  • 使用した主な素材
    耐火レンガ約100個、ブリックヤードレンガ約25個、コンクリートブロック24個、鉄筋(10mm径)2m、モルタル、耐火モルタル、砂、L型アングル2m、耐火ボード、鉄板(0.3mm厚、2mm厚)、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約4万円
  • 製作期間
    約3カ月間
  • 窯製作のきっかけ
    庭のレンガ積みを検討中にネットでピザ窯の記事を発見。一目ぼれした
  • 窯設計までの経緯
    経験者のHPを参考に、可能な限りローコストで作れる窯の設計を目指した
  • 窯の特長・ポイント
    施工場所がガレージであること。焼き室の全方位から輻射熱効果でピザを焼くために、焼き床は耐火コンクリートではなく、すべて耐火レンガを使用。L字型のアングルを並べて、その上に耐火レンガを並べていった。(アングルの上に置くレンガの溝はジグソーで加工)
  • 土台
    コンクリートブロックを積み上げ、手作りのコンクリート平板(鉄筋入り)を設置
  • 屋根
    ピザ窯をガレージに設置にしてあるので不要
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    燃焼室、焼き室ともに容積が大きくなりすぎてしまい、冬場は窯が暖まるまでに時間がかかる
  • 使用する薪の種類・調達方法
    DIY端材。窯が暖まってからは流木(カシ、ナラ、クヌギ)など。堅い木は火のもちがいい
  • 使用時に出る煙についての注意
    近くの民家に風呂を薪で炊くところがあり、それに混じって甘えさせてもらっている
  • 窯まわりに欲しい設備
    調理台とシンクは取り付け済みでパーティーの際はかなり便利。欲しいのはハウス栽培の畑。ピザを焼き、自分の畑で採った野菜やハーブをトッピングしたらなんと贅沢なことか!
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    オーブンで焼くときよりも、ほんの少し固めの生地にすると焼き上がりがもっちもちに
  • ピザ窯の魅力
    子どもに火の魅力を伝えられること

 

 

ガーデンシンクの脇には折りたためるテーブルがつく。本体はブロックを積み上げ、天板には2×6材、流し台に鉢を使用

 

ピザ窯の側面には、「La vita e piacevole e lo spende=人生楽しく過ごす」とメッセージが込められている

 

燃焼室扉は、0.3mmのうす~い鉄板を耐火ボードに張り付けている。椅子の座板に布を張り付けるように折り返して釘で固定した

 

ピザ窯が接する壁部分は窯に合わせてコンパネをくり抜き、窯とコンパネのすき間を4cmぐらい空けて、すき間に耐火モルタルを塗り、その上に、ラス網+白セメント(耐火煉瓦粉塵混入)を塗布した

 

ガレージの外から見たピザ窯背面。現在はコンクリートブロックを積んだだけの構造だが、今後きれいに仕上げていく予定

 

ダンパーは耐火レンガにステンレス板を取り付けて作ったオリジナル

 

写真◎清水良太郎

*掲載データは2011年8月時のものです。

梅雨のシーズンに備える!雨どいのトラブル予防術を伝授/暮らしに生かすDIYメンテナンス(11)

今回は、どこの住宅にもあり、目立たないけれどトラブルを起こすと面倒な、雨ドイ(雨樋)のメンテナンスがテーマ。簡単なメンテナンスが、手に負えないトラブルを予防する。

 

雨ドイの構造と掃除方法

<雨ドイの基本構造例>

軒先に設置され、屋根の雨水を受けて、まとめて排水するのが雨ドイ。

雨ドイは、年に一度程度、落ち葉の季節が終わったころに、軽く掃除をしてやるだけで、トラブルを未然に防ぐことができ、雨ドイ全体の寿命を延ばしてやることができる。取り付けてから5年以上、何もしていないという場合は、ぜひ、目で見て状態を確認してみたい。

掃除自体は、軒トイに溜まった枯れ葉や塵をホウキで払い、縦ドイの内部を、イラストのような、長い針金の端に雑巾をつけた手作りの掃除用具を使って掃除するだけと、いたって簡単な作業だが、雨ドイは軒先という高所にあるため、ハシゴをかけて作業することになる。このためハシゴを掛け間違えて、肝心の雨ドイ自体を壊してしまったり、作業する人が、ハシゴ上でバランスを崩して落下してケガするということも心配だ。安全には十分気をつけて、個人の責任において慎重に作業したい。

雨ドイは耐候性の高い樹脂で作られているが、屋外で使われる樹脂の宿命で、10年を過ぎれば、劣化が進み、接合部分にヒビが入ったり、割れることもある。全体の強度が落ちてくれば、高温や、雪の重みに耐えられずゆがんだり、ごみが溜まって雨水の重みで金具が曲がる、錆びるなどのトラブルが起きる。

雨ドイは細かいパーツに分かれているので、こうしたトラブルが単発で起きているものなら、パーツ単体の交換で対応できる。雨ドイのパーツは円筒の樹脂タイプのものなら、メーカーごとにサイズが規格化されているので、補修する雨ドイの径を正確に測定するか、補修部分を取り外して現物合わせで確認すれば、間違いはない。

<縦ドイの掃除例>

 

縦ドイの割れのメンテナンス

物をぶつけて縦ドイがひび割れることは、確率の高いトラブルだ。大きな割れの場合は縦継ぎ手を使って、割れた縦ドイ部分を交換することになる。雨水がしみ出る程度のヒビの場合は、雨ドイ用補修テープ(雨ドイの色に合わせて何色かバリエーションがある)を縦ドイに巻いて補修すればいい。

<ひび割れの補修例1>

<ひび割れの補修例2>

 

軒トイの交換方法

例えば、軒トイが垂れ下がって、雨がジャブジャブあふれてしまうなら、トイ受け金具とトイ受け金具の間で軒トイを切り取り、新しい軒トイを、軒継ぎ手を使って取り付ければいい。軒トイ、軒継ぎ手は、ホームセンターの雨ドイ売り場で売っている雨ドイ用接着剤で固定する。

<軒トイの交換例>

 

集水器の詰まりのメンテナンス

雨水の詰まりが起こりやすいのは、集水器の部分。ここは、いくつかの軒トイが集まる部分なので、詰まりやすい。詰まるものは、枯れ葉が土ぼこりや飛び砂と混ざって固まったものが多いようだ。風で飛ばされてきたレジ袋が詰まっていたという例もある。

イラストのような棒に、太さ2mm程度の腰のある針金(針金を曲げたハンガーなど)を取り付けた棒で、集水器の上から、詰まった部分を突きまわすと、詰まりを取ることができる。土ぼこりがふやける、雨の降っているとき作業すると有効だ。

 

取り付ける箇所の木部の補修方法

古い木造家屋の場合、雨ドイのトイ受け金具は、イラストの金具のように、軒の垂木や、鼻隠しに、直接打ち込む金具で取り付けられていることがある。トイが破損して、雨水が漏れ、金具を伝わって、金具を錆びさせた上、伝わった水分が木部分を腐らせてしまうというトラブルがある。日本家屋の場合、トイの打ち込まれた部分が、家を支える主要な柱構造の部分でなければ、腐った部分を切り取って、材を継ぎ足し、新しい金具と取り換え、トイの破損部分を差し替えるという日曜大工の作業で補修することができる。

<取り付け木部の補修例>

イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2011年8月時のものです。

ピザ窯作りのスタンダードな作り方を大公開!/ピザ窯・パン窯の作り方web上講座・後編

ピザ窯・パン窯を作る前に“知っておきたいこと”を解説した記事はコチラ

 

「これがピザ窯作りのスタンダードな手順です」(K県Mさんの場合)

手作りによるピザ窯の製作は、難しいともいえるし、簡単だともいえる。なぜか。手順をしっかりと踏めばピザ窯は誰でも簡単にできる。これは間違いがない。

しかし、だからといって、そこで美味しいピザやパンが焼けるかというとその保証はない。

最終的には偶然も支配するという火加減や熱加減になるわけで、そのあたりがピザ窯の奥の深さに通じるということなのだろう。

ここで紹介したいのがK県在住のDIYer、Mさんのケース。二層式ピザ窯を作った彼の記録を中心に見ながら、基本的な手順を説明してみよう。

 

手順1 土台を作る

窯を支える土台作りが最初の手順。基本的には現場を掘り下げ、砕石や砂利を打ち、地盤を固めてから土台を積んでいく。土台を薪のストック場所として使いたい場合はブロックを周りに積み、空間を作っておくといいだろう。そうじゃない場合は、ブロック、コンクリート、石材、自然石などを積み、場合によっては土や砂、ガラなどを詰めて土台を作る。予定している窯のサイズよりも大きめに作りたい。窯の重量がハンパじゃないので、がっちり作ること。ブロック積みは鉄筋を入れるほうがベター。

 

手順2 火床(燃焼室)を作る

土台の上に火床を作る。ここは直接薪を燃やすところなので耐火性が要求されるので、耐火レンガや大谷石、前述のアサヒキャスターなどが使われる。まず、土台の上に頑丈な板(コンクリート平板や石材、頑丈な角材など)を載せ、その上に耐火性資材を載せて火床にするというケースが多い。

 

手順3 窯の壁積みを始める

いよいよ窯作りスタート。火床の両サイドと後に耐火レンガを積み始める。接着材は素人には手に負えない耐火モルタルではなく、アサヒキャスターを使うほうが安心。蓄熱性を高めたいならば、レンガをダブルに積んで壁を厚くすればいい。耐火レンガの外側がそれほど高温にならないので、通常のレンガを積んでいる例も多い。

05 耐火レンガを積んだ。内側にいくつかのレンガが飛び出しているのは、この上に後述の焼き床を載せるため。レンガの接着はアサヒキャスターで行なった

 

手順4 焼き床を作る

二層式(連続燃焼式)では、窯の中段に焼き床が必要になる。焼き床は耐火性が要求されるので、大谷石や耐火レンガ、アサヒキャスターなどを使用する。アサヒキャスターによる焼き床作りは、型に流し込んで固めて作るという方法がスタンダードだ。流し込んでから24時間後にはカチンカチンに固まっている。これを焼き床として中段に載せる。

 

手順5 窯の壁積みと天井、煙突を作る

耐火レンガやアサヒキャスターを使って、窯をドーム状、あるいはかまぼこ型にするときは「型」が必要だ。ドーム状にするときには、砂を山のように盛ってその上にアサヒキャスターを流すという手法もあるが、一般的なのはやはりベニヤ板などで型を作る方法。型に沿ってレンガを積み、並べていく。レンガをかまぼこ型に並べて積んでいくにはくさびをうまく挟んでいくのがポイントだ。なお、目地材はやはりアサヒキャスターがおすすめ。

 

手順6 窯口の扉を作る

窯口が大きすぎると温度が上がらなくなるので、レンガを加工し、アサヒキャスターをうまく使って、窯口を適当な広さまでふさぐ。扉は鉄製の立派なものじゃなくても実用上何の差し支えもない。燃えにくい堅木を窯口の形に加工し、ピザ窯使用時のみに窯口を塞いでもいい。多少焦げるが、これが嫌だという人は、内側に防火効果のあるケイカル板や石こうボードを張ってもいい。もし、鉄板の加工や溶接に挑戦したいという人がいれば、鉄製の扉を作ってもいい。

 

*掲載データは2010年6月時のものです。

ピザ窯・パン窯を作る前に知っておきたいことを徹底解説/ピザ窯・パン窯の作り方web上講座・前編

その1 ピザ窯・パン窯の構造って、どうなっているの?

いろいろな言い方がある。石窯、パン窯、ピザ窯…。基本的にはみんな同じだ。石で作ったパン窯やピザ窯は石窯だし、レンガを多用したピザ窯やパン窯もある。ピザを作ればピザ窯だし、パンを作ればパン窯。とにかくみんな同じ。重要なことは、輻射熱(余熱)=遠赤外線を利用して調理できるから、料理がうまいということ。だから、みんな庭に窯を作りたがる。とりあえず、そう考えてよろしい。

で、どんな仕組み=構造になっているかだが、これも驚くほどシンプルだ。

 

まず、図Aを見てほしいのだが、火床=薪を燃やすところがあって、熱を蓄えるところがある。さらに、蓄えた熱は外に逃げないように断熱する。これが基本。燃やした薪をどかし、濡れ雑巾などできれいにして、そこにピザ生地を置けば、美味しいピザやパンが焼けるというわけ。

それからもうひとつ。今度は図Bを見てほしいのだが、これが二層式とも連続燃焼式とも呼ばれるもので、火床とピザ生地を置くところ(焼き床)が別になっている方式で、煙を抜く煙突があるのが一般的だ。この方式だと、ピザ生地を置いたまま、連続して薪を投入し、燃やし続けることができるというわけ。

この発展形として、これまで紹介した実例のように扉をつけたり、窯の形をドーム状にしたり、かまぼこ状にしたり、外観をおしゃれに仕上げたり、雨対策に屋根をつけたり、いろいろなバリエーションがあるが、手作りのピザ窯の場合、このふたつの方式を頭に入れて事に臨めばいいだろう。

また、窯口の形状もいろいろで、正面から見て半円形であったり、台形であったりするが、少なくとも、ピザを出し入れするときに使うピールと呼ばれるヘラが自由に出入りできるだけの大きさがほしい。

 

その2 どこにどんな素材を使ったらいいの?

両横綱は耐火レンガと大谷石

ピザ窯作りで、まず最初に悩むのが素材選びだ。とくに熱のかかる火床(燃焼室)や焼き床、窯内部の素材は、ピザ窯そのものの性能に関わるのでとても重要だ。

要するに、ピザやパンを焼く温度(約200〜300℃)の耐熱性を持ち、しかもある程度の蓄熱性のある素材ということになるのだが、さまざまな手作り窯の実例を見てみると、メイン資材としては耐火レンガと大谷石が両横綱といえそうだ。どちらも熱に強く、加工もしやすいというのが理由だ。耐火レンガは、ホームセンターやウエブ通販での入手が簡単だが、大谷石は近年、ホームセンターでの流通が少なくなり、ウエブ通販が主流となりつつあるようだ。また近年、関東での大手ホームセンターで売り出したイタリアからの輸入石「タフ・ステンストーン」も耐熱性が高く、大谷石と同様の使い方ができそうだ。

また、粘土も比較的ポピュラーなピザ窯の素材だ。比較的蓄熱性も高く、成形もしやすいので、窯の外壁などによく使われる。ただし、雨に弱く、崩れる場合もあるので、屋外に作る場合、窯を雨から守る屋根組みが必要になる。

フランス産の耐火レンガ。ふぞろいの焦げ跡がいい味になっている。 220×105×54mm、約198円

 

JIS規格の刻印が入っている耐火レンガ。約227×110×60mm、約128円

 

タフ・ステンストーン。イタリアからの輸入石。熱に強く、軽く、加工しやすい。370×200×110mmの基本が約480円、370×110×110mmが約380円

 

ピザ窯作りの救世主は、アサヒキャスター?あるいはSic棚板?

耐火セメントや耐火モルタルと呼ばれるものが市販されているが、これらはDIY向きではないというのが多くのプロ職人の意見だ。これらの多くは通常のセメントやモルタルのように水を加えても常温では硬化せず、かなり高度の熱を加えてはじめて硬化するという特性を持っているため、扱いが非常に難しいのだ。そこで、本誌編集部がおすすめするのが、「築炉業界のインスタントセメント」とも呼ばれる「アサヒキャスター」という耐火コンクリート資材だ。1300~1500℃に耐える強固な耐火性能を持ち、耐火レンガの目地材として、流し込んで作る焼き床の資材として、もちろん、ピザ窯の壁、天井にも使えるし、BBQ炉や囲炉裏、暖炉、陶芸窯などにも使える。なによりも扱いが簡単で、通常のセメントのように水を加えて練るだけ。24時間後にはカチンカチンに固まっている。さらに入手も楽だ。

アサヒキャスターには、いくつかの種類があるが、メーカーがDIY向きということですすめているのが「アサヒキャスターCA‐13T」という製品。原則として一般店頭での扱いはなく、すべて代金引き換えの通販による購入となる。(発売元:AGCセラミックス

また、本誌に寄せられた情報によれば、陶磁器の焼成に使うSic棚板=カーボランダム棚板と呼ばれる人工鉱物(炭素とケイ素の結合物)が焼き床の素材として使われていることがあるという。熱伝導率も非常に高く、遠赤外線放射も高いといわれる。価格的にはたとえば600×600×14mmで、約1万6400円(編集部調べ)と、やや高いが、使用感はいいという。興味のある人は「陶磁器焼成用棚板」で検索してチェックしてみることをおすすめしたい。

アサヒキャスターCA-13T。1袋25㎏入り。1袋分に水を加えて流し込むと、590×480×45mmのコンクリート板ができ、これを焼き床にすることも多い

 

大谷石。栃木県の大谷町付近で採掘される軽石凝灰岩の1種。熱に強く柔らかいので加工しやすい。外壁材として利用されている。等級によって価格はバラバラだが、2級クラスで、約450×150×90mmで1500円前後が目安(編集部調べ)

 

陶磁器を焼成するSic棚板=カーボランダム棚板を焼き床にしている例(H邸の例)

 

耐火レンガにもグレードがあるのだ

耐火レンガにもいろいろなグレードがある。なにも刻印されていないノーブランドのアンティーク品もあるが、通常は、耐火レンガのグレードは、JIS規格により、レンガに刻印されている番号で表される。例えば、よく出回っている「SK32」は1350℃までの耐火性能、「SK34」は1400℃まで、「SK38」が1560℃までの耐火性能を表している。

「SK32」の刻印がある国産の耐火レンガ。1350℃までの耐火性能がある

 

熱のかからない部分は好みの資材好みのデザインで…
以前、本誌が作ったピザ窯。土台はブロック積みで、センプラムで仕上げた

 

全面レンガを積み上げた本格的なパン窯(岩手県大船渡市寿限無の会の手作り作品)

 

Wさんが長野の別荘に作ったピザ窯。ドーム状の窯の表面には地元で調達した小さな丸石と粘土が盛られている。また、粘土は雨に弱いので屋根が架けられている

 

ブロックを積み上げて作ったパン窯。窯部分のみ耐火レンガを使っている。扉は縞鋼板を加工して作った(Wさんの手作り作品)

 

火床に鉄板を使うというケースもまれにみるが、熱による変形や膨張を考えると避けたほうが無難。ただし、縞鋼板や厚めの鉄板を窯口の扉(蓋)に使っているケースはよく見かける。その場合でも、内側にはケイカル板や石こうボード、アサヒキャスターなどを入れて、鉄板が過熱するのを防ぐことが多い。

その他、熱のあまりかからない部分には、施主の好みや事情によって、さまざまな素材が使われている。たとえば土台などは、窯の重量を支えることが重要なわけで、よく見るのは重量ブロックを積むという方法だが、他にも枕木や自然石、平板コンクリート、木材などが使われる。

さらに、土台の化粧や熱のあまりかからない窯の表面などはさらに自由度が増す。市販の壁塗り材や粘土、細かい自然石や乱張り石、貝殻など、好みの素材、好みのデザインで、ピザ窯のある庭作りを楽しんでほしい。

 

ピザ窯の土台は、重量ブロックで作ることが多い。3段積み程度で鉄筋入りが前提。頑丈にするために空洞部にガラやモルタルを詰めることもある

 

枕木は、ピザ窯の土台にも使える。写真は、防虫・防腐処理されたACQ枕木。180×100mm角で、長さ600mmが約980円、長さ900mmが約1480円、長さ1200mmが約1980円

 

新品枕木。防腐加工済みで、200×140mm角で、長さ900mmが約2380円、長さ1200mmが約2980円、長さ2100mmが約4980円

 

スペイン産の大理石粉末入り塗り壁剤、センプラム。ガーデンウオールなどに使われ、エキゾチックなテイストを作り出す。ピザ窯作りではブロックなどで作った土台の化粧などに最適

*掲載データは2010年6月時のものです。

実践!モルタル造形3つのテクニック/枕木ドア&錆びたポストの壁の造形編

ここからは実際にモルタル造形が作られていく過程とそのノウハウを紹介する。プラスターからレンガがのぞく壁、乱積みされた自然石の壁、枕木ドア&錆びたポスト、代表的な3パターンを製作。

*まずはこちらをチェック。モルタル造形の基礎知識編はコチラ

*テクニック1「レンガ&プラスター壁の造形」はコチラ
*テクニック2「乱積みされた自然石風の壁の造形」はコチラ

 

テクニック3 枕木ドア&錆びたポストの壁

 

各作業の共通の流れ

<モルタル造形>

  1. ギルトセメントをかくはんする
  2. ギルトセメントを薄く(5mm厚)圧着させる
  3. 造形用にギルトセメントを15mm程度塗り重ねる
  4. 作りたいものの形をレイアウトする
  5. デザインを元にカービングする

<エイジング塗装>

  1. 表面を清掃し、シーラーを塗る
  2. ベースとなる色の塗装
  3. ダークな色で全体に陰影を与える
  4. 乾いたハケと塗料で素材感を出す
  5. 全体の色調の調整
  6. クリア塗装で仕上げ

 

下準備

ギルトセメントと水をあわせて、よく混ぜ合わせる。目安は1袋に対し、5L

 

左官ひしゃくやコテ板にのせてダレない程度に水の量を調節しよう

 

モルタル造形の作業手順

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

エイジング塗装の作業手順

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2012年12月時ものです。

実践!モルタル造形3つのテクニック/乱積みされた自然石風の壁の造形編

ここからは実際にモルタル造形が作られていく過程とそのノウハウを紹介する。プラスターからレンガがのぞく壁、乱積みされた自然石の壁、枕木ドア&錆びたポスト、代表的な3パターンを製作。

*まずはこちらをチェック。モルタル造形の基礎知識編はコチラ

*テクニック1「レンガ&プラスター壁の造形」はコチラ

 

テクニック2 乱積みされた自然石風の壁

 

各作業の共通の流れ

<モルタル造形>

  1. ギルトセメントをかくはんする
  2. ギルトセメントを薄く(5mm厚)圧着させる
  3. 造形用にギルトセメントを15mm程度塗り重ねる
  4. 作りたいものの形をレイアウトする
  5. デザインを元にカービングする

<エイジング塗装>

  1. 表面を清掃し、シーラーを塗る
  2. ベースとなる色の塗装
  3. ダークな色で全体に陰影を与える
  4. 乾いたハケと塗料で素材感を出す
  5. 全体の色調の調整
  6. クリア塗装で仕上げ

 

下準備

ギルトセメントと水をあわせて、よく混ぜ合わせる。目安は1袋に対し、5L

 

左官ひしゃくやコテ板にのせてダレない程度に水の量を調節しよう

 

モルタル造形の作業手順

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エイジング塗装の作業手順

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写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2012年12月時ものです。

実践!モルタル造形3つのテクニック/レンガ&プラスター壁の造形編

ここからは実際にモルタル造形が作られていく過程とそのノウハウを紹介する。プラスターからレンガがのぞく壁、乱積みされた自然石の壁、枕木ドア&錆びたポスト、代表的な3パターンを製作。

*まずはこちらをチェック。モルタル造形の基礎知識編はコチラ

 

テクニック1 レンガ&プラスター壁

 

各作業の共通の流れ

<モルタル造形>

  1. ギルトセメントをかくはんする
  2. ギルトセメントを薄く(5mm厚)圧着させる
  3. 造形用にギルトセメントを15mm程度塗り重ねる
  4. 作りたいものの形をレイアウトする
  5. デザインを元にカービングする

<エイジング塗装>

  1. 表面を清掃し、シーラーを塗る
  2. ベースとなる色の塗装
  3. ダークな色で全体に陰影を与える
  4. 乾いたハケと塗料で素材感を出す
  5. 全体の色調の調整
  6. クリア塗装で仕上げ

 

下準備

ギルトセメントと水をあわせて、よく混ぜ合わせる。目安は1袋に対し、5L

 

左官ひしゃくやコテ板にのせてダレない程度に水の量を調節しよう

 

モルタル造形の作業手順

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エイジング塗装の作業手順

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2012年12月時ものです。

モルタル造形テクニック・これだけは知っておきたい!基礎知識編

中世ヨーロッパの石積みの街並み、ロンドンのようなレンガ造りの建物……。そんな外国の風景や理想のイメージを形にできるモルタル造形の世界。実はDIYでも十分製作可能である、そのノウハウをここに紹介する。

 

モルタル造形ってどんなもの?

造形用の特殊なモルタルを用いて、自然石や大木などの自然素材から、レンガや枕木、鉄扉といった人工的な素材の形を彫りだし、塗料で着色していく技法のこと。まるで中世ヨーロッパの石積みの壁や経年変化が起こった味のある枕木などを造形することができる。テーマパークや店舗の内外装などに用いられているので、誰でも一度は目にしたことがあるはず。主に床面から壁を造形する。DIYであればフェンスやゲート、小屋の壁などをターゲットにするのがオススメ。

こちらはDIYerが作った自転車小屋。外、内ともに壁面に造形用モルタルと珪砂を混ぜたモルタルを用い、アンティーク風に仕上げている。(埼玉県/H邸)

 

壁から屋根にいたるまですべてモルタル造形で作られた小屋。イギリス・コッツウォルズをイメージ。(埼玉県/ミズムラデザイン)

 

ガレージ扉の壁面と屋根、それに続く門扉にモルタル造形を用いた例。このように瓦なども造形できる。(奈良県/T邸)

 

どんな材料を使うの?

ギルトセメントというモルタル造形を行なうために開発されたプレミックスモルタルを使用する。ダレずに厚塗りができ、表面をしっかり削り取ることができるので、ダイナミックでシャープな造形が可能。また硬化反応が緩やかなため、時間をかけた造形ができるのが特長だ。その種類も豊富で、色が白く着色が容易で明るい仕上げになる「TS1-W」、擬岩や彫刻など細かな造形に向いた「レリーフ」などのさまざまなタイプをラインナップ。

写真はTS1-W。25㎏入りで定価3960円。20mm厚で約1平米の範囲を塗ることが可能。なお、販売元のギルトバンクではモルタル造形用の塗料、道具も購入することができる

株式会社ギルドバンク

 

通常のモルタルに比べて粘性があり、ダレない。使用しているのはTS1-W

 

必要な道具は?

モルタル造形の作業工程は、モルタルを作りたいものに造形する作業とそれを本物のように着色していくエイジング塗装の作業のふたつに分かれる。まず造形に必要になるのは、大小のコテや千枚通し、刷毛跡をつけるブラシなど。塗装に必要なのは、大小の刷毛と色を伸ばすためのウエス、霧吹きなど。塗料はホームセンターに売っている水性塗料を使用するので、誰でも簡単に道具をそろえることができるはずだ。

造形に使用する道具。左から時計回りに、ブラシ、刷毛、コテ板、カービング用のポイントツール、千枚通し、中塗りゴテなど

 

大量のモルタルを練るにはかくはん機は必須。その他、トロフネや左官バケツも用意しておくといいだろう

 

塗装に使用する道具。左から時計回りに、パレット(合板の端材)、海綿、ウエス、ビニール手袋、塗料カップ、バケツ、霧吹き、各種刷毛など

 

使用する塗料は通常の水性塗料でOK。写真のように何色かカップに出しておくと、調色しやすい。絵の具を混ぜる要領で自然に近い色を作ろう

 

下地はどうなっているの?

モルタル造形を作る前の下地は、作品によりさまざま。小屋壁に塗る場合、合板に防水シートを張り、ラス網、珪砂や砕いた発泡スチロールを混ぜた下地用のモルタルの上に、ギルトセメントを塗ることになる。既設のコンクリートブロックの上から造形する場合は、高圧洗浄機などで表面をきれいにした後、下地用のモルタルにガラスメッシュをふせ込めばOK。その他、スタイロフォームを下地にすれば、好きな形を切り出すことも可能だ。

枕木を造形した作品。このように庭のアクセントになる小物を作ることも可能。なおこれは塗装前の状態

 

裏返すと下地の発泡スチロールが見える。スタイロフォームや発泡スチロールを好きな形に切り出して、ラス網を張れば、軽くて見栄えのある枕木や自然石を作ることができる

 

屋根の瓦を製作中の1枚。防水シートを張った下地の上に、瓦の形にカットしたスタイロフォームを並べ、ラス網をかけた後、下地用のモルタルを塗っている。(奈良県/T邸)

 

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2012年12月時ものです。

自作の窯で本格ナポリピッツァを焼こう!(2)赤レンガ+キャスタブルドーム窯の作り方

ナポリピッツァの特徴は、ふっくら膨らんだ縁の部分。そのコルニチョーネ(イタリア語で額縁の意味)と呼ばれる縁の食感や、シンプルなトッピングゆえに堪能できる生地の風味など、本格ナポリピッツァならではの美味を家庭で味わうために作ったふたつの窯を紹介。

*Case1「タイル張りが美しい耐火レンガのドーム窯」の作り方はコチラ

 

Case2 赤レンガで覆ったキャスタブルのドーム窯

田んぼに囲まれた開放的な庭に窯を製作。土台のコンクリートブロックの塗装は、イタリア国旗に使われる赤、白、緑の各色を少しダークにアレンジしたもの

 

ドーム形の窯のまわりに赤レンガを積み上げた。土台サイズは幅約1450×奥行約1600×高さ約1000mm。窯の高さは約710mm。窯口のサイズは幅約500mm、高さ約210mm(最高部)

 

プレヒート中、保温のために窯口にフタをする。フタは知人が3mm厚の縞鋼板などを使って手作りしたもの

 

2種類のピザピールをネット通販で購入。皿が大きく、短いほうはピザを窯に入れるときに使用。もう一方は薪を入れるときや、窯の中でピザを動かすときに使う

 

Mさんもまた、前回のIさん同様、ナポリピッツァに魅了されて窯を自作。重厚な窯が木陰にたたずむさまは、本場ナポリの片田舎の風景のようで、眺めているだけでビールがおいしくなりそう。さらにテーブルにはこだわりのナポリピッツァが並ぶわけだから、それはもうたまらない。Mさんは、続くときには毎週のように、ここで家族や友人に本格ナポリピッツァを提供するという。

窯はもともと、キャスタブルで成形したドーム部分がむき出しの状態だったが、それでは断熱性が低く高温を保ちにくいため、周囲を赤レンガで囲み、すき間にパーライトを充填して長時間活用できる窯にグレードアップした。ドームのサイズは内径約1000mmと大きめ。前日から薪を燃やし、この大きな窯をしっかりと温めておいて、1分~1分半ですばやく焼き上げるのがMさんのナポリピッツァだ。

生地作りにもこだわりが見られる。使用する小麦粉とビール酵母はナポリ製、生地をこねるのは本場ナポリピッツァでも使われるスパイラルミキサーという具合。

「最初はナポリピッツァが好きなだけだったんですけど、自分で焼くようになってどんどんハマっちゃって、いろいろこだわるようになりました」

そう語るMさん、実は今、ナポリピッツァの店を開く計画を立てているのだとか。窯の自作から始まった新たな楽しみが、さらに大きく広がろうとしている。

 

Mさんの窯の構造図(側面) *単位はmm

<DATA>
製作者…Mさん(51歳/会社員)
材料費…約12万円
主な使用資材…
耐火レンガ66個、耐火キャスタブル10袋、赤レンガ約150個、パーライト450ℓ、コンクリートブロック、土のう袋、セメント、砂、砕石、割栗石

 

Mさんのおすすめ、チキンとレンコンのピザ

 

手前はマルゲリータにブロッコリーとシラスをトッピング。奥はオイルサーディンやルッコラが載る

 

Mさんちの窯作りダイジェスト

<土台を作る>

<ドーム窯を作る>

<断熱層を増設する>

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Mさんちのピザ焼き実況中継

<窯の準備>

<ピザの準備>

<ピザを焼く>

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写真◎門馬央典(製作中カットは製作者提供)

*掲載データは2016年6月時のものです。

これなら住宅街でもOK!炭火で楽しむ窯焼きピザ窯の作り方

はじめは二層式の窯を作り、薪を焚いてピザを焼いていたFさんだが、住宅街ゆえに煙の行き先が気になって、落ち着いて楽しめない…。そこで、せっかく作った窯を解体することを決意。炭火でピザが焼ける単層ドーム型の窯に作り直したことで、心おきなく窯焼きピザの味を堪能できるようになったというわけ。

 

窯のサイズは内径約600mm、外径約900mm、内高約370mm、外高約480mm。窯口は幅約450mm、高さ約230mm(最高部)

 

 

<DATA>
製作者…Fさん(57歳/公務員/埼玉県東松山市)
材料費…約1万円(既存の土台、炉床を除く)
製作日数…約10日
主な使用資材…
耐火レンガ約80個(既存の炉床を含む)、耐火キャスタブル、花壇用石材、割れタイル、コンクリートボンド、コンクリート平板、コンクリートブロック、鉄筋、モルタル、セメント、砂、砕石、ゴロタ石

 

しばらく雨ざらしにしていたら、窯のタイルの目地がヒビ割れたので屋根をつけた。屋根の下地には、不要になったベッドの床のスノコがそのまま使えた。屋根材はオンデュビラタイル

 

壁面はかわいく装飾

 

製作者のFさんいわく、炭火でピザを焼くためのポイントは、窯をあまり大きくしないこと。そして、ブロワーで風を送り続けて火勢を強く保つこと。

「最初はドライヤーを使ってたんですが、ピザを焼くまでに3時間ぐらいかかって大変でした。で、ブロワーならどうだろうと、ホームセンターで3000円程度のものを買って使ったら、1/3の時間でピザが焼けるようになったんです」

煙が出ない窯のおかげで、近隣に気を遣うことなく、息子さん夫婦、娘さん夫婦とのピザパーティーを楽しめるようになったFさん。みんなから“窯じい”と呼ばれるのも、まんざらでもなさそうだ。

 

 

Fさんちの窯作りダイジェスト

<窯を作り直す>

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Iさんちのピザ焼き実況中継

<窯の準備>

<ピザを焼く>

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*掲載データは2016年6月時のものです。

自作の窯で本格ナポリピッツァを焼こう!(1)タイル張りのドーム窯の作り方

ナポリピッツァの特徴は、ふっくら膨らんだ縁の部分。そのコルニチョーネ(イタリア語で額縁の意味)と呼ばれる縁の食感や、シンプルなトッピングゆえに堪能できる生地の風味など、本格ナポリピッツァならではの美味を家庭で味わうために作ったふたつの窯を紹介。

 

Case1 タイル張りが美しい耐火レンガのドーム窯

窯口のアーチの上に煙突をつけた伊藤さんの窯。内径は約800mm、外径は約1000mm、高さは外寸約530mm。左にバーベキュー炉を併設している

 

タイル張りでおしゃれに仕上げた。吸水率が低く、野外での使用に適した磁器質タイルを使っている

 

ピザピールは親せきの手作り。ステンレスの板とパイプを溶接したもの。木製グリップの上半分がスライドするので、柄の好きな部分を握れる

 

料理が趣味のIさんは、イタリア料理を学ぶために本場に1カ月滞在するほどの凝り性。そのときに食べたナポリピッツァの味が忘れられず、自分で焼けるようになりたいと、ピザ窯の自作を思い立った。

窯の形は、多くのピザ店が使っている単層ドーム型。サイズは、販売されている窯を参考に決めた。窯を温める時間を短縮できるよう、天井を少し低くして、真円ではなく楕円状にしている。

こだわりは、タイル張り。10mm角の磁器質タイルを約1万5000枚使って、青空に映える美しいデザインに仕上げた。イメージは地中海の太陽。その中にある「HORNO de GIRASOL」という言葉は、スペイン語でヒマワリ(太陽の花)を意味するそう。

窯作りと並行して、おいしいナポリピッツァを焼くための研究にも勤しんだIさん。気になるピザ店があれば遠方であろうと訪れ、窯が見える席に座ってプロの焼き方を見学。ピザ焼き職人に直接話を聞くこともあったとか。

窯の完成後は、親戚や友人が集まってのピザパーティーが恒例行事に。最初のころは生地作りや窯の温め方がうまくいかないこともあったが、最近では安定的に満足いくナポリピッツァを焼けるようになってきた。ただ、それでも試行錯誤は終わらない。毎回、前回よりさらにうまく焼くために考えを巡らすことこそ楽しいのだと、窯の中を見つめるIさんの精彩に満ちた表情が語っている。

 

<DATA>
製作者…Iさん(50歳/会社員)
材料費…約20万円(バーベキュー炉含む)
製作日数…約35日(バーベキュー炉含む)
主な使用資材…
耐火レンガ204個(基本=58個、Y1=5個、Y2=79個、Y3=37個、半丁=25個)、耐火キャスタブル2袋、耐火接着剤、コンクリート平板、コンクリートブロック、大理石、モザイクタイル、外壁用人工石材、薪ストーブ用煙突、セメント、砂、砕石

 

定番メニューのマルゲリータ。コルニチョーネ(縁)がふっくら膨らんでいるのがナポリピッツァの特徴

 

トマトとガーリックスライスのマリナーラに、自ら燻製したベーコンもトッピング

 

こちらはモッツァレラ、ゴルゴンゾーラ、アメリカンクリーム、パルミジャーノの4種のチーズを載せたクワトロフォルマッジ

 

Iさんちの窯作りダイジェスト

<土台を作る>

<耐火レンガで窯を組み立てる>

<タイルで装飾する>

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Iさんちのピザ焼き実況中継

<窯の準備>

<ピザの準備>

<ピザを焼く>

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写真◎門馬央典(製作中カットは製作者提供)

趣向を凝らした庭づくりのアイデアが大集合!ガーデンコンテスト作品実例集

庭に居場所がある悦び
~第29回全国都市緑化フェアTOKYO &
第10回日比谷公園ガーデニングショー2012 ガーデンコンテストより~

 

緑に囲まれた中に現れるガーデン書斎。使い古されたロッカー、自然木を脚にしたテーブル、鉄筋に吊された工事用ライト。こんなところで本を読みふけってみたい。『俺の庭~Life Garden』(株式会社八廣園 協力:ものつくり大学)

 

去る2012年9月29日~10月28日、第29回全国都市緑化フェアTOKYO(同時開催、第10回日比谷公園ガーデニングショー2012)が開催された。

東京のさまざまな場所で展示やイベントが行なわれる中、日比谷公園会場ではガーデンコンテスト応募作品が集結。1作品のサイズは幅6×奥行4m、もしくは幅3×奥行2m。限られたスペースに考え抜かれたアイデアを詰め込んだ小さな庭が、園内に所狭しと並んだ。

作品によりテーマはさまざま。大人の隠れ家、ヨーロピアンガーデン、アーバンリゾート、モダンジャパニーズ…ここではその一部をご覧頂こう。

趣向を凝らしたアイデアは、きっとあなたのDIYスピリットを刺激するはずだ。

 

遊ぶ

男はいつだって子どもだ。誰にも邪魔されず、好きなことに夢中でいたい。

 

自転車、カメラ、山の地図…開放感あふれるデッキ&パーゴラのアウトリビングに趣味のアイテムが並ぶさまから、男のにやける顔が目に浮かぶ。『大人の秘密基地』(株式会社小田急ランドフローラ)

 

サイクリングウェアは、サイクルパーツブランドGRUNGEのハンドルに吊して収納。ささやかな男のこだわり

 

壁に取り付けた額縁に、植栽や旅の思い出を飾る。次はどんなものがここを彩るのだろう?

 

心躍らせる焚き火の灯りを半円のベンチに座って、ゆっくり眺める。『TAKIBI ~夜長の集い~』(Lau gardenplanning × HLC)

 

 

洗練

アーバンリゾートテイストの庭。自然の癒しと都会的なスマートさは共存可能だ。

 

庭のコーナーに設置したベンチの周りを、石積みと木材の高さの違う花壇が囲む。まさにモダンなアウトリビング。『森の心地よさと暮らす、新しい庭のかたち「里庭スタイル」(住友林業緑化株式会社)

 

緑と限りなく近く、不思議とプライベート感のある空間。デッキ中央は池が眺められるような工夫を施した

 

乱形石を積んだウォールに古材を渡せば、ガーデンカフェのできあがり。『アーバンリゾート ~緑に囲まれたプライベートカフェ~』(大里樹苗造園株式会社 協力:シークレットガーデン)

 

池に浮かぶデッキ+スケルトン状の箱。中でも外でもない不思議な空間を演出。『invisible forest』(MORB:ガーデン三葉/守谷造園/GREFICA)

 

 

和の安らぎ

心落ち着く和風のしつらえに、新しい風を吹き込む。

 

丸太を並べたデッキと白い化粧砂利の組み合わせは、まるで風流な水の流れを感じさせる。『多摩産材による和(やわらぎ)の庭』(株式会社多摩ニュータウンサービス・楢原・ナカオ)

 

パーゴラの下には、一枚板のテーブルと御座。石と木材が自然に溶け込んだ和風モダンな作品。『温故知新』(リガーデンのGREEN ART)

 

竹を効果的に使用した囲炉裏デッキ。きっと昔の日本人はこんなところで句を詠んだに違いない。『逍・遥・遊』(株式会社柳島寿々喜園)

 

 

アイデア

作者のセンスと創意工夫が作品のオリジナリティーを生む。

 

庭のフェンスがこんな形だったら面白いかも。北欧のおもちゃのようでもある。枝部分を収納に使うのもあり。『Wooden toy』(株式会社矢藤園)

 

ステンシルシートを使ってカスタムするだけで、自分らしい庭の雰囲気を演出。『俺の庭~Life Garden』(前述参照)

 

木材と竹をサンドイッチする形で、異素材をミックスしたフェンス。『一の庭』(八王子造園業組合青年部)

 

廃タイヤに塗装を施し、プランターとして利用。『リサークルガーデン』((協)東京造園倶楽部青年部 (有)笹隈造園 (有)木下農園)

 

和風壁面緑化がコンセプトの作品。庭の仕切りにつる植物を這わせたウォールを設置。『翠色の襖(すいしょくのふすま)』(箱根植木株式会社)

 

実はこのウォール、一部が扉になっていて襖のようにスライドする。庭の奥行きが広がる意外性とその先にも広がる緑に驚く

 

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2013年2月時のものです。

建具に使う金具の種類と選び方を解説!・後編/ドゥーパ!資材館(15)

今回は、建具の開け閉めの動きを支える蝶番以外の金具類を用途別に紹介。デザインのバリエーションを知り、各パーツをうまく使いこなすことができれば、建具作りの幅がうんと広がるはず。

戸締り、角度保持のための金具を紹介した前編はコチラ

 

開閉するために手を掛ける金具

ドアの開閉に欠かせないのが取っ手やノブなどの金具類。指を引っかけるためだけのシンプルなものから、ロック機能を組み合わせた複雑なものまでと種類は豊富。エクステリア用には、鉄製の黒塗りで素朴なデザインのものが多い。

 

エクステリア向きの取っ手

■ラッチ一体型の取っ手

取っ手にラッチを組み合わせたモデル。取っ手側のボタンを押すと、テコの原理で裏側のレバーが持ち上がりロックを解除する

 

■回転取っ手

主に床下収納のフタ部分に取りつける。取っ手を上下に回転させることができ、使わないときは取っ手が床面とツライチに収納される

 

■ネームプレート

ネームプレートを差し込める窓がついた取っ手。フォルダーケースや書類棚に使うと内容物の検索が簡単にできる

 

■大型取っ手

大きく、厚みのある取っ手。開閉に力のいる大きなドアや引き出しに使う。作品に威厳のある雰囲気を持たせることもできる

 

インテリア向きの取っ手

■ハンドル

エクステリア用よりも少しサイズが小さい取っ手。デザインや材質のバリエーションが豊富。建具の裏側からネジ留めするタイプは表面からビスが見えないため見た目がいい

 

■ツマミ


指でつまんで開け閉めする金具。ハンドル同様、デザインはかなり豊富にそろう。中心を押すとツマミの手がかりが引っ込んだり飛び出したりするプッシュ式なんてのもある

 

 

スムーズに開閉するための金具

ゲートや引き戸をスムーズに開閉するために使うのが戸車と呼ばれる金具。扉の場所、大きさ、重さによって使う戸車のサイズを選ぼう。扉が大きくなるにしたがって戸車も大きなサイズを使うと、スムーズに動かすことができる。

 

■丸戸車用レール

上面に丸みのついた専用レール。真ちゅう製、鉄製などがある。頭が引っかからないように小さなクギで固定する

 

■丸戸車

車輪の形状が丸く凹んだタイプ。丸みのついたレールの上を走らせる

 

■V戸車

車輪の形状が山型になっているタイプ。V字の溝が彫られたレールの上を走らせる

 

■平戸車

レールは使わず、敷居の溝を走らせるタイプ。車輪の形状がフラットになっている

 

■重量戸車

車輪の直径が50mm以上ある大型の戸車。高耐久のステンレス枠、ボールベアリング内蔵で、重量物の開閉が可能になっている

 

戸車は扉の底面に内蔵して取りつけるのが基本。戸車にはレールに載せて使うタイプと、敷居に掘った溝を走るタイプがあるので、施工方法に合わせて選択しよう

 

■吊り戸車

扉の上部に固定し、鴨居に取りつけたレールを走らせるタイプ。車輪は耐摩耗性、静音性にすぐれたジュラコン製が多い

 

 

*掲載データは2017年10月時のものです。

建具に使う金具の種類と選び方を解説!・前編/ドゥーパ!資材館(14)

今回は、建具の開け閉めの動きを支える蝶番以外の金具類を用途別に紹介。デザインのバリエーションを知り、各パーツをうまく使いこなすことができれば、建具作りの幅がうんと広がるはず。

 

戸締りに使う留め金具

主にガーデンハウスやフェンス、物置のドアや扉、窓をロックするために使う留め金具。現在は雰囲気のあるデザインでエクステリア作品によく似合う製品も多い。

 

ラッチ

オートキャッチラッチの取りつけ例。ロックした状態で、本体に南京錠を掛けて施錠できる

 

■オートキャッチラッチ

ドアの戸締りとしてよく使われる、オーソドックスな形をしたラッチ。鉄棒がラッチ本体のロックを押し上げながら進み、鉄棒が進み切るとロックが落ちて固定される

 

■ゲートラッチ

オートキャッチラッチの簡易型ともいえるモデル。南京錠を掛けることができる

 

■ステンレスキャッチ

住宅のトイレや勝手口などに使われるオーソドックスなモデル

 

■ストレートオートヌリラッチ

プッシュボタンでロックを解除できるモデル。「ヌリ」とは塗装済みだということを指す

 

掛け金

打ち掛け型の使用例。窓同士を室内から留めたり、物置のドアを留めるためなどあらゆる場所で使われている

 

■ダム掛け金

帯金具の別タイプ。南京錠を掛けてロックすることができ、取りつけるビスが帯の下に隠れるので防犯上も有利だ

 

■帯金具

倉庫、物置、納戸などの施錠などに使われてきた掛け金の一種。ロックするつまみの部分に南京錠を掛けて施錠できる

 

■打ち掛け型

昔から多用途に利用されてきたタイプ。価格も手頃で使いやすい

 

キャッチ

マグネットキャッチの使用例。ラッチや掛け金とは違い、表面に金具が見えないので、作品がスマートなデザインに仕上がる。磁気を嫌う電化製品を置く家具には、ローラーキャッチかプッシュキャッチを使おう

 

■プッシュキャッチ

扉を押すとスプリングの作動によってロックが解除される、プッシュ解除機能を持たせたタイプ

 

■ローラーキャッチ

2個のローラーに扉側に取りつけた突起が挟まって保持するタイプ

 

■マグネットキャッチ

磁石の力で保持するタイプ。黒い箱状のマグネット部を本体に取りつけ、小さな鉄板の方を扉に取りつけて使う

 

アオリ止め

■真鍮アオリ止め

もっとも一般的なタイプのアオリ止め。簡易的な止め金物として使えて価格も手頃。軸が長いタイプもあり、軽量の扉ならこれで保持することができる

 

■ウエスタンアオリ止め

各パーツが太めに作られた丈夫なタイプ。エクステリア作品向け。これなら重量のあるゲートの止め金物としても使うことができる

 

落とし

窓枠の内側にストレートヌリラッチを取りつけた例。軸棒をキャッチする金具は窓枠に取りつけ、縦横両方向で使うことができる

 

■ストレートヌリラッチ

ヌリ(保護用の塗装)済みの落とし。取りつけ方に応じて選べる2タイプのキャッチが用意されている

 

■丸落とし

落としのバリエーションのひとつで、曲げ軸を使ったタイプ。簡易的な扉の固定に便利だ

 

■貫抜

ドアの左右につける金具。木材などを通してドアが開かないようにする

 

一定の角度で保持するための金具

窓や折りたたみ作業台の天板などを展開する際、任意の角度で保持しておきたいときに使うのが、ステーという金具。耐候性のあるモデルは少ないので、雨に濡れる心配がない箇所に利用するのがいいだろう。下記以外にも、丸棒がスライドする回転式、少ない力で開け閉めできるトルクステー(ダンパー)などもある。

 

■折りたたみステー

一般的なタイプのステー。横開き用、上開き用があり、さまざまなサイズ・デザインがラインナップされている。材の側面に取りつけて使う

 

■ソフトダウンステー

重量に応じてゆっくりと折れ曲がるステー。押し開き式の窓に使うのに最適。窓を蝶番で固定したら、ソフトダウンステーを折りたたんだ状態で取りつけよう

*掲載データは2017年10月時のものです。

編集部が実践!移動式の2ウェイ室外機カバーの作り方

ガーデニングによし、BBQパーティーでも大活躍!

あるときはガーデニング用シェルフ&作業台、またあるときは野外パーティー用の移動式ワゴンというふたつの顔を持った便利なヤツ。これが本誌スタッフが考案したオリジナル室外機カバーだ。難しい技術一切無しのビギナー向けだから、どんどん真似してもらっちゃったり、進化させてくれちゃってもOK。日本中の庭を楽しくしたいですから!

 

プランニング

単に室外機を隠すだけでなく、より積極的に利用できるものをということで考えたのが、普段は「ガーデニングの作業台」だが、休日にデッキなどで食事をするときに「移動式ワゴン」のような利用ができるという2ウェイの室外機カバー。脚にキャスターを取り付けるのと、天板を折りたたみ式にして広くできるというのがポイントだ。

材料は安価で軽いSPF 材を使い、接合は基本的にビス留めによる突き合わせ、最後に好みの色で塗装するというビギナー向けの内容になっている。プラスαとして、棚やトレリス調の背板をつけてみたが、他にもワゴンとして使うときの「取っ手」や「引き出し式の収納」などがあると便利かもしれない。

 

サイズを決めて骨組みを作る

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棚板や天板を取りつける

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ルーバー部分を取りつける

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背の格子板を取りつける

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ワイヤーを使って折りたたみ式の天板にする

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キャスターを取りつける

脚の底にキャスターを取り付ける。ここも小さな下穴をあけてからネジ留めしたほうが安全。なおキャスターはストッパーつきのものを使用すること

 

塗装する

ここではキシラデコールのワイズを塗装した(木目が見えるステイン塗装)

 

完成!デッキ上におしゃれな家具が増えたって思っちゃいました!

 

さっそく室外機に合わせてみる。ばっちりでした。このぐらい余裕のサイズにしたほうが引き出しやすい

 

折りたたみ天板を上げれば使いやすい作業台になる!

 

キャスターがあれば、出し入れがかんたん!

*掲載データは2014年8月時のものです。

アイデア満載のDIY室外機カバーを拝見!(6)/アイアン風&イングリッシュガーデンに合う室外機カバー

初心者向けのDIY定番作品と侮るなかれ!DIYだから実現できた個性あふれる室外機カバーたちを紹介。こんな室外機カバーならウチにも欲しい…!

 

Case11 パネルと漆喰塗りでスタイリッシュに仕上げた!

一見、アイアン製にも見えるパネルがアクセントになっている

 

<DATA>
Jさん(44歳・主婦)
DIY歴…1年ほど
製作日数…3日
製作費用…5000円

 

なんでも手作りするのが好きな主婦DIYerが、ベランダDIYの一環として手掛けた室外機カバー。

前面右側に取り付けた、木製のデザインパネルを使うところから構想を練り、サブロク合板を無駄なく切り出して枠を製作。枠はベランダの雰囲気に合わせて漆喰塗りで仕上げた。吹き出し口は、室外機からの風が外側に流れるようにルーバーの向きを調整している。

パネルの穴の大きさがちょうどよく、通気性を損なわず目隠しすることにも成功したいい例だ。

 

前面のルーバーだけは、パネルに合わせて黒のつや消し塗料で塗装

 

ベランダの様子。床は石畳調のポリエチレン製シートで、もともと敷いてあった防水シートを隠している

 

シートが届かない床は、砂利とレンガを敷いてペイビング

 

Case12 庭の景観に合わせて計4種類ものカバーを作った“室外機カバーマニア”に直撃!

森の中をイメージした中司邸の庭。パーゴラの下にはバーベキュー台がある

 

Nさん(37歳・会社員)
DIY歴…約4年
製作日数…1日
製作費用…4000円(1個)

 

庭先のパーゴラ製作の際に、外からの景観を大事にするために室外機カバーを作ることにしたNさんは「すべて同じだと面白みがない!」と感じ、それぞれ形の異なる4パターンのカバーを作りあげた!

形状は室外機上の空間をうまく活用するために、ガーデニングの植木鉢などを置けるスペースを完備。色は当初、アジアンテイストな庭にしようとオーク色にしていたが、緑に囲まれたイングリッシュガーデン風の明るい雰囲気になるように白に塗り替えた。「室外機カバーも庭の雰囲気を決める大事な要素のひとつ」だと考えており、いつでも作り替えることができるように、極力簡単な構造にすることを心がけたそうだ。

今後は、ピザ窯、和室の前にミニ庭園、サイクルガレージ、メインツリーの周りにベンチなど、作りたいものはいろいろとあるが、仕事が多忙でなかなか取り掛かれないのが最近の悩みなんだとか。

 

1作目となるシンプルな構造のカバー。白に塗り替える前の状態

 

室外機の2倍ほど横に伸びたカバー。レンガの上に置いてあるだけなので移動もラク

 

高さがあるカバー。ガーデニング用品などを置いているそう

 

天板に石材を使用したカバー。前面はルーバーになっている

*掲載データは2014年8月時のものです。

アイデア満載のDIY室外機カバーを拝見!(5)/水車小屋風&パーゴラつきキッチンの室外機カバー

初心者向けのDIY定番作品と侮るなかれ!DIYだから実現できた個性あふれる室外機カバーたちを紹介。こんな室外機カバーならウチにも欲しい…!

 

Case09 田園風景に似合う水車小屋が室外機カバーとして現代に蘇る!?

カバーには所々、適度にすき間があけられている

 

<DATA>
Iさん(63歳・病院職員)
DIY歴…約10年
製作日数…約5日
製作費用…約1800円

 

勤務先の病院に室外機を設置することになったが、築山庭園の雰囲気に合わず、庭のイメージ回復のために水車小屋で覆うことに。吹き出し口はルーバーで、カバーは地面と接していないので見た目以上に通気性がよく、三角屋根は木材の上に茅を敷いて茅葺き屋根風にした。作製後は小屋に対して水車が小さく感じたので、小屋と水車のバランスを再検討中。屋根部分も完全な茅葺き屋根にできないか研究しているそうだ。

 

室外機がある庭の雰囲気によく似合っている

 

真横から。水車も回転できる本格的な作り

 

Case10 もはや室外機カバーの概念を超えたパーゴラ&ガーデンキッチン

正面。パーゴラ側面も完全には覆っていないので風通しもいい

 

<DATA>
Mさん夫妻(夫57歳・会社員、妻56歳・主婦)
DIY歴…約10年
製作日数…約6日
製作費用…約10万円

 

自宅の広々とした庭でガーデニングを楽しむMさんが、室外機の目隠し&作業台が欲しいと、ご主人にリクエスト。植物の植え替えなどで便利に使えるようにガーデンキッチン風にしようと、リサイクルショップをはしごして見つけたステンレスシンク(3000円の激安品!)を室外機の横に組み込み、幅広なカバーを作りあげた。その後、屋根をつけたほうが母屋とのバランスがとれると思い、パーゴラをつけて今のような形に。

ガーデンライトなどのお気に入りのアイテムを飾り、パーゴラには蔓植物を這わせることで、室外機の前が、庭にいる時間をますます楽しめる空間に大変身!

 

ラティスの奥に室外機が隠れており、その左横にシンクを設置。天板が広いので、使い勝手はかなりよさそう

 

シンク下には収納スペース。室外機前面も濡れた雑巾などをかけられる鉄棒がついている

 

側面にはデザインの異なるフェンスが。屋根材はオンデュビラタイルを使用。屋根が見えるように急こう配にした

*掲載データは2014年8月時のものです。

アイデア満載のDIY室外機カバーを拝見!(4)/飾り棚付き&漆喰塗りの室外機カバー

初心者向けのDIY定番作品と侮るなかれ!DIYだから実現できた個性あふれる室外機カバーたちを紹介。こんな室外機カバーならウチにも欲しい…!

 

Case07 デッドスペースを限界まで活用した飾り棚付きのおしゃれなカバー

パーゴラには屋根としてポリカーボネイトを張った

 

<DATA>
Mさんの夫(53歳・団体職員)
DIY歴…約10年
製作日数…3日
製作費用…約1万2000円

 

小さな庭を有効活用したく、室外機の上に飾り棚が欲しいというMさんの要望に応えて、DIY好きの旦那さんが手掛けた作品のひとつ。あいたスペースをできるだけ活用できるようにと、母屋壁にある配電盤の高さまで立てた。柱や棚受けはホゾ継ぎで組まれ、資材は針葉樹のなかでは堅い部類に入る赤褐色の米マツを使用したので耐久性も◎。以前、デッキ上に建てたパーゴラ付きの庭カフェ空間にもマッチした、ナチュラルな雰囲気の飾り棚の完成にMさんも大満足!

 

飾り棚にはお気に入りの雑貨が並ぶ

 

柱を立てた様子

 

高さに変化を加えた3つの棚ができあがった

 

棚受けも背板にホゾ組みで取り付けた

 

case08 漆喰塗りで室外機の高級感がアップ!さらに表面温度が約30℃もダウン!

使用した漆喰は、ドゥーパ!本誌でもおなじみの「うま~くヌレール」

 

<DATA>
Nさん(40歳・ライター)
DIY歴…20年
製作日数…約3時間
製作費用…1800円

 

熱性などに優れた漆喰を、なんと室外機に直接塗り付け、省エネにつなげた例。Nさんの実測によると、夏の太陽熱を浴び続け、手で触るとヤケドしてしまうほど熱かった室外機の表面が、約30℃も下がったそう(後述写真参照)。エアコンの使用電力も25%以上削減できているというから驚きだ。その可愛らしい見た目からご近所さんも興味津々で、無機質な室外機が今では愛着が湧くほど、お気に入りの存在に!

 

飾りに使ったガラスや貝殻は、接着剤を使って固定

 

気温27.2℃の屋外に設置された室外機の表面温度は55.4℃

 

施工後は表面温度が25℃までに下がった!

*掲載データは2014年8月時のものです。

竹害解消にひと役!階段アプローチに竹フェンスを作る/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(11)

よく手入れされている竹林は美しいが、放置された竹林は見苦しいばかりじゃなく、樹木の生態系を脅かす竹害として大きな問題になっている。そこで、もし、竹を使ったフェンス作りがポピュラーになれば、竹害対策に悩む里山ライフの一助になるんじゃないかと立ち上がったのだが……!?

 

 

やっぱり和テイスト……!?

房総のいすみ市にあるドゥーパ!のガーデンスタジオは山間の傾斜地にある。入口が階段になっていて、片側は地面がむき出しの切り通し、夏には雑草が伸び放題。もちろん、あまり見栄えがよくない。そこで、竹を使ったフェンスを作ることにした。冬の時期、竹は水分が少なくて、伐採後に虫がつきにくいとか。その竹は敷地内にふんだんにある。敷地内にある竹は、孟宗竹に比べて折れにくく、テーパーの少ない真竹であるのもフェンス作りにはちょうどいい。それになんといっても竹を利用することで竹林の整備にもなるし、他の樹木の保護にもなる。

ただし、竹を使ったフェンスは、どうやっても伝統的な和のイメージがつきまとうので、洋風の庭を目指す場合、デザインが難しい。がんばってもアジア風で、洋にはなりにくい。これをなんとかしたいと、いろいろ考えてみたが、やっぱり無理。そこでせめて少しでもモダンなデザインを心がけたのだが…。

まず、90mm角の柱を立て、その間に、4~6分割して細めに割いた真竹をすき間を作らずに、縦張り&横張りを併用して張っていった。幅広の笠木をかぶせ、下縁には垂木を取り付けた。こうしてできあがった竹フェンス。う~む、やっぱり和テイストか。柱や笠木は黒く塗装したが、思い切って白かブルーグレイにすればよかったとも思ったが、正直、その勇気がなかった。

 

手入れのされていない竹林。樹木の生態系の破壊にも通じる竹害は全国的に広がっている。竹フェンスはそのささやかな解決法…?

 

<真竹フェンス作りの手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

竹挽きノコはすごい!

竹林に入って竹を切るのが、けっこう大変。切るのは簡単だが、樹木が密集していて、枝がかりするのでまず倒れてこない。そこで真下に引っぱり、適当な長さでカット、また引っぱってカットというふうに、だるま落としの要領で引っぱり出すしかなかった。カットは荒めの剪定ノコと竹挽きノコを用意したが、圧倒的に竹挽きノコのほうが楽だった。竹挽きノコはエライ!

岡田金属工業所製の竹挽きノコが大活躍した。想像以上の切れ味

 

乱張り石のペイビングと固まる土で、階段の修復を

当初は予定になかった階段の再構築もやらざるを得なかった。実は、ここ数年、土留めの板だけで踏ん張ってきた土の階段だったのだが、よく見ると左右に土が崩れ、土留めの板そのものも腐りかけている。当然できあがった竹フェンスとのバランスも悪い。そこで、資材置き場をひっくり返して発見した乱張り石、固まる土、板材、杭、砂、砂利、セメントなどを駆使し、できるだけお金をかけないアプローチ階段作りに挑んだ。

まず、適当な板材を探し出して塗装し、各段の土留めの板を補強。これまでは正面だけだったのを左右にも入れて「コの字型」の土留め板とした。続いて砂利を敷き、点圧したあと、モルタルを使って乱張り石を敷いたのだが、圧倒的に量が足りず、仕方がないので各段の端に少しずつ集めて敷き、「これはデザインなのだ」と無理やり思い込むことにした。乱張り石のない、残った部分は、いろいろな色やメーカーの固まる土をごちゃまぜにしてぶちまけ、平らにならし、乱張り石の目地を埋めた。そのあとに水をまいて終了。真竹の伐採から階段ペイビングまで、ほぼひとりで5日間の作業だった。

 

<階段の修復の手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2015年12月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

薪ストーブを利用したカンタン野外囲炉裏・田舎の庭で気兼ねなく火と遊ぶ!

陽の落ちた庭で、酒を片手に揺れる火をじっと見つめる。至福のひととき

 

<DATA>
Iさん(61歳・菜園家)
DIY歴…4年
製作期間…約2週間(ピザ窯)/約5日(焼却炉)/約1日(ストーブ)
製作費用…約5万9000円(ピザ窯)/約1万9000円(焼却炉)/約7000円(ストーブ)

 

 

出版社を早期退職し、週のうち5日ほど秩父に通い田舎暮らしを送るIさん。会社員時代からDIYと自給自足への憧れがあったIさんは、敷地内には約300平米の畑を開墾し、50種類の野菜を栽培中。庭で自由に火を楽しめる田舎ならではの環境を満喫している。

まず注目したいのは、あえて庭にセットした薪ストーブ。使用したのは価格約4000円と安価な時計型のタイプで、この両脇に鉄筋3本を針金で束ねた三又を設置。ここに物干し竿を固定して、お手製の自在鉤を吊るせば、ハイ、野外囲炉裏のできあがり。ダッチオーブンを吊るせば調理もできる上、設置場所を自由に移動できるのでなんとも便利な火遊び場になるのだ!

 

薪ストーブ
時計型薪ストーブを庭に出して焚き火を楽しむ。切り出した丸太の椅子が炎を囲む

 

 

自在鉤は麻縄と桜の木の板で自作したもの。ドゥーパ!の連載記事を参考にしたそう

 

物干し竿を支える三又は、鉄筋3本を針金で束ねた簡単なもの

 

薪ストーブの熾き火で焼いた焼き芋はほくほく♪ 自分の畑で採れた野菜を頂く幸せ

 

庭の後方には手作りの焼却炉もDIY。端材はもちろん、作物の残渣を燃やすために製作したそう。コンクリートブロックを積み上げて、表面をモルタルで化粧した姿はどこか和風の雰囲気が漂う。今後はここで籾殻燻炭を作って、畑の土壌改良に使う予定と大活躍の様子だ。さらには、みんなが盛り上がるピザ窯も製作済み。

というわけで、Iさんの庭では、今日も夕闇にオレンジ色の火が静かに揺らめいている。「秋から冬の初めは暖房にもなるし、なにより火を見ながら飲む酒がうまい。至福のひとときってやつです」。炎に照らされたIさんは、目尻の下がったなんとも幸せそうな表情を見せた。

 

ピザ窯
ピザ窯はスクエア型の二層式。本体の焼き床から下は赤レンガ、焼き床から上は耐火レンガを使用

 

もともとはバーベキュー炉だったものをピザ窯に改良した。写真はバーベキュー炉だった頃の様子

 

ピザ窯の載る基礎部分はしっかりとレンガでペイビング

 

遠赤外線でこんがりと焼き上がるピザの味は格別

 

焼却炉
庭に溶け込む焼却炉を製作。コンクリートブロックにモルタルを塗り、上から白く塗装。サイズは幅820×奥行850×高さ1010mm。*焼却炉の使用規則は各自治体により異なります

 

 

焼却炉天板はアサヒキャスターを使って自作した。コーナーに1×4材をあて、民芸調のデザインに

 

灰かき口も設置。中の焼き床は耐火レンガとグレーチングで構成されている。*イラスト参照

 

基礎はしっかりとモルタルで固め、強度を出すため四隅には鉄筋をセット。ここにコンクリートブロックを積んでいった

 

写真◎佐藤弘樹/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2012年12月時のものです。

自然素材で作られたスーパーオーブン・森とかまどが一体化した森の中のシステムキッチン

不思議なフォルムのアースオーブンは窯とかまどの一体型。材料のほとんどは自然素材で、資源を無駄にしないアイデアが詰まっている

 

<DATA>
Uさん(62歳、宿泊業)
DIY歴…30年
製作期間…約1年
製作費用…約11万円

 

 

窯本体は粘土で基本の形を作り、その上から藁を混ぜた粘土を塗り重ねた二層で形成。丸みを帯びた有機的なデザインは、生命力を感じさせる

 

横から見たアースオーブン。粘土で作るためレンガなどに比べ、デザインの自由度が高い。家を背負って歩くスローなライフスタイルの象徴=かたつむりをイメージし、粘土を張りつけていった

 

まるで縄文時代の土器を思わせる、丸みを帯びた不思議なフォルムの窯。これは安曇野でパーマカルチャー塾を主宰するUさんとその仲間たちが作った、その名もアースオーブン(土窯)。ほぼ地元の自然素材を利用して作ったこの窯は、見た目のインパクトだけでなく、森のシステムキッチンともいえる多彩な機能を持った驚きの作品だ。

粘土で作られたメイン窯ではピザはもちろん、パンやダッチオーブンを使った調理が可能。窯右側は2口のかまどになっており、羽釜を載せれば炊き立てご飯や蒸し料理を楽しめる。さらに煙突の上にペール缶で作った燻製器を設置すれば、調理の際に出た煙で燻製までできちゃうのだ。しかし驚くなかれ。これだけで終わらないのがUさんたちのすごいところ!

煙突内部には銅のコイルを設置し、窯背面に設置したペール缶の雨水タンクとホースで連結。これにより、コイルに蓄えられたオーブン使用時の余熱がホースを伝って雨水タンクを温め、お湯を作る温水器が完成。

さらに窯の煙突横からは雨ドイを利用した長い煙突を回し、冷えた煙から木酢液を抽出。草屋根からろ過されて集まった雨水は、窯の側面に作った流しから利用可能…とまったく無駄がない。

「人が集い、資源が回り、火も回る。色んなものが循環していくから、みんなで“ぐるぐるぐりる”と名づけました」(Uさん)

人と自然が調和して、輪になって踊るように素敵なハーモニーを生み出す。そんな大地の窯が完成した。

 

窯の背面は鍋や窯などを設置する棚。屋根を支える丸太の柱は、チェンソーを使って切り出して、自ら皮むきしたものを使用。各パーツは軸組み工法で組み立てた

 

棚に収納された使い込まれた調理器具。下のバケツは薪や炭の火消しツボとして利用

 

草屋根は合板の上にルーフィングを張り、モルタルと自然石で枠を積み、仕上げに土を入れた。屋根に植えてあるのはハーブやカモミール、苺など

 

窯の煙突横から雨ドイで別の煙突を引き、煙を冷やして木酢液を取る仕組み

 

オーブン脇には雨水を溜める樽を設置。雨水は草屋根を通って、ろ過されたものがストックされる

 

ここまで見せちゃう!これがアースオーブンの製作過程だ!

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2012年12月時のものです。

アイデア満載のDIY室外機カバーを拝見!(3)/竹垣風&三角形の室外機カバー

初心者向けのDIY定番作品と侮るなかれ!DIYだから実現できた個性あふれる室外機カバーたちを紹介。こんな室外機カバーならウチにも欲しい…!

 

Case05 小さな竹垣風カバーは見た目もよくて強度もバツグン!

製作から年月が経ったので、青々しさはなくなったがいい味が出ている

 

<DATA>
Yさん(54歳・会社員)
DIY歴…10年
製作日数…1週間
製作費用…約3200円

 

既製品のカバーが華奢で、デザイン的にも気に入ったものがないため、山から切り出した竹を使って自作した例がこちら。作り方はまず、塗装済みの1×4材で枠を製作。前面と側面は、清水垣風にするため縦に細い竹を結束バンドで固定してから、太めの竹を横にしてシュロ縄で固定。天板は井戸蓋風に竹を組み、枠内にはめ込めんでいる。市販のカバーに比べて頑丈で見た目もよく仕上がったことに満足したYさんは、今では全3台の室外機にこのカバーをつけているそうだ。

 

製作途中の様子。枠はクギとL字金具、前面と側面の竹は結束バンドで留めた

 

Case06 角に設置された室外機の目隠しは三角形にすることで解決!

カバーを上から見た様子。三角形になっているのがわかる

 

<DATA>
Yさん(34歳・会社員)
DIY歴…約2年
製作日数…約2週間
製作費用…約2万5000円

 

自宅のお庭改造の一環として、飾り棚付きの背の高いカバーを作ることを決意。しかし、室外機が母屋の角にピッタリと設置されているために、壁とのすき間がほとんどなく、柱を立てたりすき間に板を挟んだりすることができない…。そこで知恵をしぼって導きだした答えが、柱は3点だけ立て、三角形にするというものだった。ルーバーは既成品を使い、さらにパーゴラ風の屋根をプラス。こうして何とか、念願だった植物をディスプレイできるカバーを手にすることができた。

 

製作途中。既製品のルーバーは上向きに設置。どこかで耳にした「室外機の温風で近くの植物を傷めずに済む」という話を参考にしたそうだ

 

下地の塗装。天板、飾り棚は茶色、それ以外にはブルーグリーンを使用

 

乾燥後、白色の塗料で上塗りし、ヤスリがけ&少量のオイルでエイジング加工を施してアンティーク風に

*掲載データは2014年8月時のものです。

アイデア満載のDIY室外機カバーを拝見!(2)/2段重ね&太陽光発電付き室外機カバー

初心者向けのDIY定番作品と侮るなかれ!DIYだから実現できた個性あふれる室外機カバーたちを紹介。こんな室外機カバーならウチにも欲しい…!

 

Case03 2段重ねの室外機を隠すナチュラルテイストのカバー

カバーの中心には棚をつけた。屋根は奥から手前に100mmほどの傾斜がついている

 

<DATA>
Kさん(木工作家)
DIY歴…13年
製作日数…2日
製作費用…約4000円

 

庭作りをしていて2年ほど前から製作者の頭を悩ましていたのが、自身の高さほどにもなる2段に重なった室外機。その存在感を弱めるため、植物などで隠していたが、限界がきたためについにカバー作りに着手。普段はハンドメイドでさまざまなアイテムを作っているため、組み立て自体は問題なかったが、ここまで大きいものはあまり製作しないため、図面作りとペンキ塗りが大変だったそうだ。

 

製作前の庭の様子。室外機がそびえ立っている

 

Case04 植物スタンドに太陽光発電もつけたよくばり室外機カバー!

カバーはカントリー調にすることでナチュラル感を演出。日向きなどもしっかりと計算されている

 

<DATA>
Oさん(40代・プログラマー)
DIY歴…4年
製作日数…約3カ月
製作費用…約2万8000円

 

当初は、室外機の見た目の改善&エアコンの効率化アップが狙いだったが、よくばりなOさんは、プランタースタンドにソーラー発電システムといった機能を追加。製作は主に夜間に行ない、ソーラーシステムの構築やカバー構造の構想に1年、設計1カ月、組み立てに2カ月をかけた力作だ。組み立てではなるべくビスが見えないように打ち込んでおり、吹き出し口にはワイヤーネットを使用。なお、貯めた電力は、庭の外灯の点灯用として利用しているようだ。

 

チャージコントローラやバッテリーはカバーの中に収納

 

使用した太陽光パネル(単結晶・30W)

 

庭に設置している外灯。夜になると自動で点灯する

*掲載データは2014年8月時のものです。

DIY用のキャスター&タイヤの種類と選び方を解説!・後編/ドゥーパ!資材館(14)

木工を中心にいろいろな家具作りに取り組んでいると、ふと「この家具を自由に動かせると便利だろうなあ」と思うことがあるはず。そんな思いを簡単に実現してくれるのが、キャスターの活用だ。

選び方や機能性を解説した前編はコチラ

 

キャスターの材質とプレートの種類

キャスターの車輪にはさまざまな材質が使われており、材質によって耐久性、走破性、デザインなどが異なる。使われている材質は、ゴム、ナイロン、プラスチック、空気入りタイヤ、金属などが一般的。どれが最高のものということは難しく、転がる場所に対するキャスターの直径の選択と、作品のデザインとの兼ね合いで選べばいいだろう。価格も相当の差があるので、ホームセンターで実物を確認・検討しよう。実際にキャスターの陳列棚をじっくり見ていくと、いろいろなアイデアが出てくるはず。

また、キャスターの取りつけ方法も選択のポイントになる。普通の木工作品であれば、ネジ穴が4カ所ついたプレート型(台座・面付け形)が一般的。接地する部分が細い脚などの場合は、ねじ込み式や差し込み式など、取りつける面に差し込み穴の加工が必要なタイプを選択する必要もあるだろう。

 

知っておくとトクをする!? キャスターにまつわる3つの豆知識

キャスターの固定は確実に行なう

たとえばプレート型のキャスターの場合は、プレートの四隅にビス穴があけられているので、必ず四隅すべてをビスで固定する。ビスを減らして固定すると、そこに荷重が集中して破損の原因になる。また、ビス穴が皿取りされている場合は皿頭のビス、皿取りされていない場合はナベ頭のビスで固定するのが原則だ。

インパクトドライバーなどを使い、しっかりと確実に固定する

 

デザインを優先したインテリア用キャスター

比較的軽量な作品のキャスターにはボールキャスターを使う手もある。ボールキャスターは車輪が金属や樹脂の玉でできており、大きなボールベアリングのようなデザインをしているのが特徴だ。また、ボールキャスターは円形のターンテーブルを下から支えるなど、使用方向に上向き、下向きタイプがある。購入時は耐荷重だけでなく使用方向にも注意しておきたい。

ボールキャスター。ひとつのボールベアリングのようなデザイン

 

固定用のクギがついたタイプのボールキャスター。ごく軽量な作品の支持に使いたい

 

キャスターの動きをストップするアイテム

ストッパーのついていないキャスターを定位置に置いておきたいという場合には、キャスターの下に置く専用のストッパーを活用しよう。ストッパーは滑りにくい材質で作られており、車輪の下に置いて使えば、キャスターが勝手に動かないようにすることができる。

これはキャストップという商品。くぼみの中に車輪を置けば簡単にキャスターを固定できる

*掲載データは2017年8月時のものです。

DIY用のキャスター&タイヤの種類と選び方を解説!・前編/ドゥーパ!資材館(13)

木工を中心にいろいろな家具作りに取り組んでいると、ふと「この家具を自由に動かせると便利だろうなあ」と思うことがあるはず。そんな思いを簡単に実現してくれるのが、キャスターの活用だ。

 

キャスターの働きと選び方

ほとんどの家具は面で床に接していて、大きな家具になると大人ひとりで動かすことは難しい。そこでキャスターの登場だ。作品の底面にキャスターを取りつければ、誰でも簡単に押したり引いたりすることができるようになり、利便性が大幅にアップする。

ひと口にキャスターと言っても直径・形・機能など種類が豊富で、自分で作った家具にキャスターを取りつけようと思ったとき、どれを選べばいいのか迷うことが多い。キャスター選びの簡単なポイントは、キャスターが転がる場所の状態に合わせて車輪のサイズを選ぶといいだろう。

たとえば、室内のフローリングの上で使うなら、キャスターの直径が35mm以上あればスムーズに動かすことができる。ウッドデッキのようなラフな床面では直径60mm以上、ガーデンの締まった土の上だと直径100mm以上あると動かしやすい。

ガーデン作業用のカート。土の上を移動するために直径220mmの大型空気タイヤを採用している

 

キャスター付きのキッチンカート。スムーズなフローリングの上で使用するため、35~50mmのキャスターが最適。さらに、外からキャスターが見えにくくなるようにデザインしている

 

ウッドデッキや締まった土の上で使うために作られたガーデンキッチンワゴン。ラフなコンディションに対応するため、100mm以上のキャスターを採用している。状況によっては空気タイヤの採用を考えてもいい例

 

キッチンで使うことを想定したキャスター付き分別カート。こちらもフローリング上での使用が前提のため、デザインをそこなわない程度の小型サイズを取りつけている

 

キャスターのタイプとストッパー機能

キャスターには車輪が前後にしか動かない固定タイプ、台座にベアリングがついて360度方向を変えることができる自在タイプがある。普通の家具にはキャスターを4個つけるが、4個すべてを固定タイプにすると、前後にしか動かせない。自在に動かしたいときは4個を自在タイプにすればいい。自動車のように進行方向をコントロールしやすくするなら進行方向前側の2輪を自在タイプに、後側の2輪を固定タイプにする。作品と使用場面に応じてチョイスしよう。

また、それぞれキャスターにはストッパー付きのバリエーションもあり、車輪近くにあるレバーの操作でブレーキを掛けておくことができる、4輪のうち2輪をストッパー付きにしておくと作品の位置を確実に固定でききる。

キャスターの組み合わせ例。進行方向に自在タイプのキャスターを選び、ひとつはストッパー付きを選択。進行方向後ろ側は固定タイプを選ぶのが一般的だ

 

前述のガーデンキッチンワゴンへのキャスターの取りつけ方。写真左側が進行方向で、前側ふたつは自在タイプ(片方はストッパー付き)。写真右側の後部のキャスターは固定タイプにして、移動をコントロールしやすくしている

*掲載データは2017年8月時のものです。

アイデア満載の室外機カバーを拝見!(1)/収納スペースばっちり&スタンド付き室外機カバー

初心者向けのDIY定番作品と侮るなかれ!DIYだから実現できた個性あふれる室外機カバーたちを紹介。こんな室外機カバーならウチにも欲しい…!

 

Case01 吹き出し口を丸く切り抜き収納スペースも完備の3階建てカバー

片流れ屋根の物置のようにも見える室外機カバー。表面には防腐剤を塗っている

 

<DATA>
Iさん(62歳・会社経営)
DIY歴…16年
製作日数…1日
製作費用…約2000円

 

キャンプやツーリングが趣味で、日頃からDIYでバイクをカスタマイズしているIさんが製作した室外機カバー。高さは室外機本体の2倍ほどあり、上部2段は収納スペースになっている。資材は主に知り合いの大工さんからもらった端材を使用。吹き出し口を塞がないよう、カバー前面は吹き出し口に合わせながらジグソーで丸く切り抜いたので、まさにこの室外機のための専用カバーのような素敵なデザインに仕上がった。

 

屋根を開くと収納スペースが出現。庭の手入れ用具などを納めている

 

カバーの屋根は余っていたフロア材を使った

 

前面の取っ手を引くと現れる2階部分の収納スペース。掃除用品などをしまっている

 

配管にあたる部分を切り欠き、カバーを母屋の壁と密着させている

 

Case02 できるだけ幅を小さくした植物ディスプレイ用のツイン式カバー

左の室外機背面には母屋の窓があるため、右のカバーよりも背板が低くなっている

 

<DATA>
Tさん(ブリーダー)
DIY歴…不明
製作日数…3日
製作費用…約1万円

 

Tさんの自宅にある室外機は2台横に並んでおり、市販のカバーをそのまま置いてしまうと脇の通路が狭くなってしまうので、角材と1×4材でぴったりサイズのカバーを製作。背板は高くし、観葉植物などを置ける棚をつけた。なお、背板はカバーとガッチリ固定すると重くなって取りはずしが大変なので、L字金具で1カ所だけ固定している。

 

できるだけカバーの幅が小さくなるように側板は丸くカットし、室外機の出っ張りと出幅を合わせた

 

*掲載データは2014年8月時のものです。

トタンひさしの再塗装にトライ!/暮らしに生かすDIYメンテナンス【6】

屋根が瓦やスレートでも、ひさしはトタンという家は多い。新築時にはしっかり塗装されていても、5年から10年で塗装の効果が弱まるという。サビで穴のあく前に再塗装する。

 

きれいな塗装のコツはていねいな下準備!

ひさしの再塗装作業では、基本的に脚立上での作業になるので、脚立を設置する地面がしっかり安定しているかを確認すること。

塗装する部分は平滑できれいであれば、塗装自体は誰でも簡単にきれいに塗れるもの。塗装前の下準備を念入りにしておくことが、きれいな塗装のポイントだ。

古い塗装やサビを落とすには、スクレーパー、真ちゅうブラシ、電動サンダーなどの道具を使う。広い部分は電動サンダーやスクレーパー。狭い部分には真ちゅうブラシが使いやすい。削ったり、研磨する作業が済んだら、ウエスできれいにぬぐっておく。

塗らない範囲を汚さないためのマスキングもていねいに、徹底的に張り巡らしておく。今回のようにローラーバケを使う場合は、ローラーバケの長さも考慮してマスキングしておかないと塗装しなくていい壁部分に塗料がついてしまうので、よく観察してていねいにマスキングする。

塗装は、塗料をしっかりかくはんして開始する。ハケ塗りの場合、塗料は少なめに取り、ハケは立てて塗る。とくに垂直部分は厚塗りせず、塗料が垂れないように塗る。ローラーバケはまんべんなく塗料を取ったら、よくしごいて取り過ぎた塗料を落としてから塗装する。

ポイントは本塗装の前に、トタンの素地まで出た部分を、ハケを使って拾い塗りしておくこと。下ごしらえをしっかりしておけば、本塗装は簡単。ローラーブラシを使い均一を心がけて塗れば、誰でも失敗なく塗装できるはずだ。

アサヒペン水性シリコンアクリルトタン用3Lを使用。酸性雨、酸性雪、排気ガス、塩害に強い超耐久塗料

 

再塗装には塗装道具以外に、古く浮き上がったり、はがれかけた塗装や、サビを落とすための道具も必要になる。写真は右からローラーバケつぎ柄、シーリングガンと変性シリコン充てん材、サンドペーパー、スクレーパー、ローラーバケ、ワイヤーブラシ、水性トタン用ハケ、マスカー、マスキングテープ、トタン用塗料、バケット型ローラートレイ

 

数十年は経ったと思われるひさし部分。全体に塗装部分の劣化がはっきりと見てとれる

 

Step1 下準備

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

Step2 塗装

*掲載データは2016年10月時のものです。