「自分仕様」と「台湾」がキーワード! 2018年大ヒット間違いなしの文房具4選

2017年後半には、握り心地を選べるペンや、低価格で作れるオーダーメイド手帳などが登場。2018年はよりニッチな好みを反映できる商品が生まれそうです。また、SNSや個人出店型ECショップの充実により、日本でも台湾文房具を目にする機会が増加。台湾へ文房具店巡りをしに行ったり、ネット通販で商品を購入したりするファンも増えており、注目が高まっています。ここでは、2018年にヒットが予想される文房具を5つ紹介!

 

【その1】握り心地と書き味を自分ぴったりにセレクトできる「コクヨ エラベルノ」

<グリップ部>

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〈シルキー油性部〉

〈エアリーゲル部〉

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ボディとインクを組み合わせて自分好みにカスタマイズできるボールペン。インクの色やボール径に加えて、グリップの太さやインクの種類まで選べるのが新しいです。手の大きさや握り方、書き心地の好みに合った一本を作れます。油性かゲルの2タイプ。ボール径は0.5㎜と0.7㎜、4色(油性は3色のみ)から選択可能。108円(ボディ)、108円(インク)

 

【その2】中身を専用オーダーできる手帳「キヤノンITソリューションズ ネットde手帳工房」

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注文サイトからレイアウトや色、フォントなどを選び、自分に必要なページだけを収録した手帳を作ることができるサービス。見本のページ以外にも、自作したフォーマットやイラストを取り込むこともできます。5400円(送料込)。

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誕生日や記念日が入ったスケジュールページを作ることも可能。5月スタートなど、開始日も自由に設定できます。

 

【その3】日本で正式に購入できる台湾の人気文房具ブランド「ハイタイド TOOLS to LIVEBY

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旅行ガイドでよく取り上げられる台湾のセレクト文房具ショップ。2016年より日本の文房具メーカーハイタイドが販売代理店となり、国内の直営店やオンラインショップで正規購入が可能になりました。このように日本で公式発売されるブランドが今後増えそう。

【その4】日本未発売の人気台湾文房具メーカー「知音文創」

ユニークなデザインの付せんが多い「i-Marker」や、台湾らしい柄のマスキングテープ「Funtape」などのブランドを展開しています。台湾土産に人気!

 

【アジア最大のデザイナーズマーケットでの購入がオススメ】

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台湾発の個人出店型ECサービス「pinkoi」。2015年に日本語対応しており、台湾人デザイナーの商品を探すのに最適。アジア最大級の品揃えを誇ります。

 

【その5】人気手帳ブランドから1冊で5年分書ける日記が登場「ほぼ日 ほぼ日5年手帳」

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「ほぼ日」から初の連用手帳が登場。2018年から5年分を記録できる。12月1日に発売しすぐに売り切れ、現在2018年3月上旬以降出荷分の注文を受け付けています(12月28日時点)。4104円。

 

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左ページは5年分の西暦と日付、曜日が入っていて、5年分の今日を一度に見渡せます。右はフリースペース。

 

なんて常識破りな! コクヨのボールペン「エラベルノ」は軸もインクも字幅も好き勝手に選べるの

【きだてたく文房具レビュー】ボディもリフィルも好き勝手に選べるボールペン

 

文具店の店頭でボールペンを買う時、初めて見るペンならひとまず手にとって試し書きをする、ということはあるだろう。で、その時に「あー、ちょっとなー、こうじゃないんだよー」と感じたことはないだろうか?

 

例えば「惜しいなー。もうちょっと軸が太かったらバッチリなんだよな」とか。逆に「あと少し軸が細い方が手に合うんだけど……」ということもあるだろう。もしくは、軸はバッチリ握りやすいのに書き味がちょっとハマらない、という場合もあるはずだ。

 

筆記具の好みは人それぞれ。このような、文房具好きなら誰もが一度は感じたことがあるだろう、ボールペンの「ちょっと違う」問題に対してコクヨが出したのは、「じゃあ、軸とリフィル(芯)を好きなように選んで組み合わせたらいいじゃん?」という、ごもっともにして大胆なアンサーである。

↑コクヨ「エラベルノ」軸(左から太・標準・細)各108円/リフィル(油性・ゲル)各108円↑コクヨ「エラベルノ」軸(左から太・標準・細)各108円/リフィル(油性・ゲル)各108円

 

コクヨ「エラベルノ」は、まず軸をグリップ径3タイプ(太・標準・細)×2色(スモーク・クリア)からチョイス。次にインク2種(シルキー油性・エアリーゲル)×リフィルのボール径2タイプ(0.5㎜・0.7㎜)×インク色3/4色(油/黒・赤・青、ゲル/黒・赤・青・ブルーブラック)を選んで軸にセットし、最終的に自分好みの1本を購入できる、店頭カスタム式のボールペンだ。

↑エラベルノの店頭ディスプレイ。軸別・インク別にきちんと試筆サンプルが用意されている↑エラベルノの店頭ディスプレイ。軸別・インク別にきちんと試筆サンプルが用意されている

 

例えば、筆圧が弱めの人なら、グリップは「太」の方がしっかり力をかけられるので持ちやすい(色は自由に)。でインクは、筆圧をかけなくても濃いめの線が書ける「エアリーゲル」の「0.7㎜」に……という感じで組み合わせていく。

 

店頭には各組み合わせの試筆用ペンが揃えられているので、ここで自分の好みをあれこれ検討すればOKだ。

↑リフィルの入れ替えは、通常のボールペンと同じ手順↑リフィルの入れ替えは、通常のボールペンと同じ手順

 

エラベルノの面白いところは、この軸とリフィルの組み合わせ次第で、まったく違った性格のペンが生まれてしまうところだろう。これまでも、多色ペンなどで自分好みのリフィルを入れてカスタムすることはあったが、ここまで極端な変わりようは感じたことがない。

 

太さは細グリップの最も細い部分で直径約10.7㎜。対して太グリップの最も太い部分が直径約13.2㎜。この差、たかだか2.5㎜と侮るなかれ。実際に書き比べてみると、ペン先端への力のかかり具合がまったく違うのだ。

↑ふっくらとグリップ中央が膨らんだ太グリップと、中央がすぼんだ細グリップ。握り心地や力の入り加減がまったく違う↑ふっくらとグリップ中央が膨らんだ太グリップと、中央がすぼんだ細グリップ。握り心地や力の入り加減がまったく違う

 

同じリフィルを使っていても、太いグリップで力を乗せて書くのと細いグリップでコントロールして書くのでは、書き味が驚くほどに変わってくる。もちろんどちらが良いかは個人の好みだが、その好みの差が自分でハッキリ認識できるぐらいのレベルで別物になるのが面白い。

↑グリップの削がれた平面に指を乗せるだけで、驚くほどホールドが安定する↑グリップの削がれた平面に指を乗せるだけで、驚くほどホールドが安定する

 

3種とも共通なのは、一部を削ぎ落としたような“Dグリップ”を採用していること。その削ぎ落とした面に人差し指を乗せることで、すべすべなグリップの割に、しっかりとしたホールド感が得られるようになっている。

 

手汗をかくため、滑りやすいグリップに日頃は憎しみすら感じている筆者だが、このグリップはかなり好感が持てた。

 

さらに差が出るのが、リフィルのタイプ。

 

「エアリーゲル」は、確かに“エアリー”と言えるほどタッチが軽いサラサラのゲルインクだが、それより特徴的なのが、インクの発色の良さ。黒は本当に驚くほどがっつりと黒々しており、書いた字が読みやすい。

↑インクたっぷりで黒々とした筆跡のエアリーゲル↑インクたっぷりで黒々とした筆跡のエアリーゲル

 

ボール径で言うと、0.5㎜は軽さを感じつつもコントロール性が良く、字が下手な人でも丁寧に書きやすい。0.7㎜になると軽さの印象が強くなるが、それ以上にズバッと黒くて太い線が書けるのがとても楽しい。

 

「シルキー油性」は、完全にぬるぬるに振り切った低粘度油性インク。体感としては、低粘度油性の代表である三菱鉛筆の「ジェットストリーム」よりも、さらにぬるぬるとした印象だ。

↑低粘度油性インクの中でも、トップクラスの滑らかさを感じるシルキー油性↑低粘度油性インクの中でも、トップクラスの滑らかさを感じるシルキー油性

 

0.5㎜だと、この滑りを使ってスパッとシャープな線が気持ち良く書ける感じ。ただ0.7㎜になると、もうなめらかすぎてペン先がどこに行くのか分からないほど。なめらか系が好きな低粘度油性ファンでも評価が分かれそうなレベルである。

↑軸の中ほどに空いた穴から、リフィルの種類が確認できる。「G/05」ならゲルの0.5㎜ということ↑軸の中ほどに空いた穴から、リフィルの種類が確認できる。「G/05」ならゲルの0.5㎜ということ

 

筆者の個人的な好みでいうと、丁寧に書きたい時は「細グリップにエアリーゲルの0.5㎜」、議事録や取材メモを取るなど速度優先は「太か標準グリップに0.7のエアリーゲル」というチョイスだろうか。

 

自分の作業に最適なペンを見つけ出す楽しみを味わうためにも、できれば店頭で納得いくまで試し書きをして、ベストな組み合わせを見つけて欲しい。というか、できれば軸を太さ別で3本と、リフィル全種(油性・ゲルと、0.5㎜・0.7㎜の組み合わせ)でまとめ買いして、自宅でじっくり書き比べて遊ぶのが一番楽しいと思う。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。