IWGP王者オカダ・カズチカが「なるほど」連発! バス釣り未経験者も納得できる「やさしいルアー講座 in 琵琶湖」

新日本プロレス×GetNavi Web オカダ・カズチカ選手が琵琶湖でのバス釣りに挑む!

現IWGPヘビー級チャンピオンであるオカダ・カズチカ選手のバス釣り好きはますます熱を帯び、ついには自らのシグネチャー・ルアー「サンデームーン・レインメーカーver.」が発売されるに至った。そんなオカダ・カズチカ選手のもとに、「サンデームーン」を手がけた「アカシブランド」の代表、明石光正さんから琵琶湖での釣りのお誘いが!  こうして関西でのシリーズの合間になんとかスケジュールをねじ込んだオカダ選手の琵琶湖への初挑戦が実現した。前編では強風に苦しめられ、釣果ゼロという結果に終わったが、今回は南湖から北湖へと移動して大物を狙う!

 

PROFILE

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オカダ・カズチカ

愛知県安城市出身、1987年11月8日生まれ。新日本プロレス所属。身長191cm、体重107kg。「レインメーカー」の異名を持つ現IWGPヘビー級チャンピオン。華麗なるドロップキックを得意とし、フィニッシュホールドとしてレインメーカーを持つ。趣味はルアーフィッシングで、フェラーリ好きとしても知られている。

オカダ選手のTwitterはコチラ

 

ガイドをしてくれたのはこの人!

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明石光正(あかし・みつまさ)さん

幼い頃からの釣り好きが高じ、ハンドメイドルアーの「アカシブランド」を立ち上げたのは、1997年のこと。近畿地方を中心に多くのルアービルダーが名乗りを上げた当時においてもユニークな造形と丁寧なルアー作りは大きな話題を呼び、頭角を現す。その後、ハンドメイドルアーだけでなく、オリジナルロッドやプラスチック製の量産型ルアー、さらには、他のルアーメーカーとのコラボレーション製品なども製作。ボディのシェイプ、パーツ選択、塗装、そして生み出されるアクションと、細部にまで魂の込められたその製品は実績も高いものばかりで、多くの釣り人から高い支持を受けている。また、「トップdeガイドサービス」を中心に、琵琶湖を舞台にトップウォータールアーでバスを釣る楽しさを広める活動も精力的に展開中。

 

南湖と北湖の違いとは……?

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午前中に実績のある南湖を攻めたものの、魚からの反応が得られなかったため、急遽、北湖へと移動した一行。

 

明石さんによると、北湖は南湖に比べるとこの日のような南風の影響を受けにくく、「まだマシ」な状況であることが多いという。特にそういうエリアを選んでくれていることもあり、確かに移動した先は、先ほどの南湖の東岸よりも、水面に立つ波も穏やかだ。

 

明石 本当は南湖でどうにかして釣りたかったんですよね。

 

オカダ 南湖のほうが釣れるんですか?

 

明石 「サンデームーン・レインメーカーver.」はどちらかというと虫を模していて、水面を掻き回してアクションをするタイプですよね。ほかにもダブルスイッシャー(前後にプロペラがついたタイプ)みたいなルアーで、ジャッ、ジャッと水しぶきを上げるようなアクションを試してもらいましたが、こういうタイプのルアーは、ウィード(水草が水中に茂っているポイント)が伸びている南湖のほうが向いているんです。

 

オカダ なるほど。ということは、北湖だと違うタイプのルアーのほうが有効なんですね。

 

明石 北湖は水面までウィードが伸びているようなところが少ないんですね。それと北湖のバスは小魚を主に補食しています。だから水面にボイル(大きな魚に下から追われた小魚が、水面まで逃げてバシャバシャと逃げている様子)が見られるような状況でないと、なかなかトップで釣るのは難しいですし、「サンデームーン」のようなルアーはあまり向きません。

 

オカダ となると、ここではどんなルアーを投げるんですか?

 

明石 小さめのペンシルベイト(鉛筆を思わせる細長いハードルアー)を使ってみましょう。水面で右、左、と首を振らせるように泳がせて魚を誘います。

↑ペンシルベイト↑ペンシルベイト

 

こうしてペンシルベイトを中心とした釣りへと移行した2人。

 

オカダ 水面で飛び跳ねる小さい魚はなんですか?

 

明石 ハス(※)の幼魚ですね。南湖だとブルーギルも多いので、バスはそれを食べることもありますが、今の季節、特に北湖のバスはハスを食べていますね。この群れを追って移動するバスもいます。

※琵琶湖淀川水系、三方湖に生息する淡水魚

↑ボートに飛び込んできたハス↑ボートに飛び込んできたハス

 

オカダ なるほど、ハスの群れがいるところがバス釣りではひとつの狙い目になるんですね。

 

明石 ただ、ハスの群れは移動が速いんです。だから昨日釣れたからといって、その場所で今日も釣れるとは限りません。群れに付いているバスは群れといっしょに移動してしまうんです。

 

オカダ 難しいですね。

 

こんな会話を交わしながら、2人はキャストを続ける。期待を込めてときおり「サンデームーン・レインメーカーver.」も投げてみるが、いずれのルアーにも反応はなかった。

 

明石さんオススメのうどん店で作戦会議!

こうして午前の釣りは不発のまま終了してしまった。昼食はマリーナからほど近い場所にある「小麦屋」というどん店へ。近畿地方ならではの薄い色のつゆに入った柔らかめのうどんが絶品だった。

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午前の釣りを振り返りつつ、会話はバス釣りのシーズンの話へ。

 

オカダ トップウォーター・ルアーだといつごろまで釣れるものですか?  やっぱり寒くなると釣りづらいですよね?

 

明石 僕は寒いのが苦手なので10月いっぱいでガイドサービスを終えてしまうんですが、11月くらいまではふつうに釣れますね。釣りの業界では毎年2月から日本の各地でフィッシングショーをはじめとしていろんなイベントが開かれるんですよ。11月からはそれに向けてルアー製作に集中します。

 

オカダ 春先はお忙しいんですね。でも春は釣りにいい季節ですよね?

 

明石 そうですね。スポーニングといって、バスは浅場で産卵行動に入るので、それに絡んで岸近くで大きいバスが釣れます。逆に冬は深場に落ちてしまうんで、メタルジグと呼ばれる金属のルアーを沈めて釣る人が増えますね。まあ、僕はやりませんが。

 

オカダ トップの釣りにおけるベストシーズンはいつごろなんですか?

 

明石 6月末から7月くらいですね。スポーニングで落ちた体力も回復してきて、釣りやすくなります。ただ、いずれにせよ「サンデームーン・レインメーカーver.」みたいなルアーは、本当は琵琶湖よりも、野池やダム湖の岸際のような場所のほうが向いているんですよ。

 

オカダ 「サンデームーン」が虫系だからですか?

20171128-s2 (16)↑オカダ選手がプロデュースし、明石さんが製作を担当した「サンデームーン・レインメーカーver.」

 

明石 木や草が水面まで覆い被さったような、オーバーハングと呼ばれるような岸際の場所だと、木から落ちてきたセミなどの虫を食べているので、そうですね、虫系のルアーで釣りやすい状況になります。

 

オカダ 勉強になります!

 

魚からの反応はないがオカダ選手は貪欲に知識を吸収

20171128-s2-(3-4)↑フィールドの状況を僚船の森口さんと確認する明石さん

 

こうして楽しい昼食のひとときを終えた後は、作戦会議を経て再び湖上へ。しかし吹きすさぶ風は午前よりも強くなり、その影響が少ない場所を選んでマリーナ周辺を皮切りに、東へ西へと大移動を繰り返した。どれも過去に実績のあるポイントばかりではあったものの、魚からの反応はない。ルアーを投げつつも、オカダ選手は明石さんからさまざまな情報を吸収していった。

 

オカダ お昼を食べながらもうかがいましたけど、琵琶湖の季節ごとのパターンをもう少し教えてください。

 

明石 琵琶湖は南端で瀬田川、下流は淀川と呼ばれる川へと流れ出していますが、そこにある堰で季節ごとに水位が調整されているんですよ。台風や長雨で増水する秋は最低で基準となる水位よりマイナス30センチ、逆に、岸際で魚が産卵するような時期は、プラス30センチくらいと、けっこう増減するんです。

 

オカダ 初めて知りました!  こんなに大きいのに、ダムみたいですね!

 

明石 理屈はいっしょですね。バス自身の産卵もありますが、水位の上昇にあわせてほかの魚も岸際に生えたアシなどに産卵したり、浅場に入ってくるので、その季節は岸際をずっと狙っていく、トップウォーターらしい釣りが楽しめますね。

 

オカダ なるほど! そして暖かくなってウィードが茂ると、狙い目も沖合に移っていくわけですね!

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明石 その通りです。水温が上がってくると、水面まで伸びたウィードに、切れて漂うウィードがさらに絡まったりして「この上歩けるんとちゃうか?」というくらいの状態になるんですよ。そういうところは水面下に日陰が出来ますよね。

 

オカダ あ、そこがバスの隠れ場所になるんですね!?

 

明石 そうなんです。日中は僕らだってまぶしいじゃないですか。だから、今日みたいに晴れて太陽が照りつける日ほど、ウィードが水面に顔を出すくらいに茂っているところがいいんです。

 

オカダ選手、ルアー選択のキモを学ぶ!

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オカダ ウィード以外に狙い目はありますか?

 

明石 取水塔みたいな人工物ですね。でもトップウォーター・ルアー(水面に浮き、そこでアクションして魚を誘うルアー)で狙うなら、琵琶湖の場合、人工物のそばのウィードとか、やっぱりウィードが中心になりますね。

 

オカダ どういう場所を狙うべきか、だいぶわかってきました。ルアーの使い分けについても教えてください!

 

明石 今日みたいに風があって波立っているようなときは、糸を結ぶ部分がカップ状になっていてそこで水を受けるポッパーと言われるタイプのものとか、午前中も投げたダブルスイッシャー(前後にプロペラがついたもの)みたいな、アピール力の強いものが基本になりますね。ペンシルベイトにしても大きめだったり、太めだったり、シルエットがはっきりしているものがいいですね。

↑ポッパー↑ポッパー

 

↑ダブルスイッシャー↑ダブルスイッシャー

 

オカダ 波立っている状況でも魚に気づいてもらえるようなルアーを選ぶといいんですね。

 

明石 もうひとつは、エサや水中の状況で変えていくパターンですね。ウィードで魚の視界が遮られるような状況だと、ルアーで魚を騙しやすいんですよ。だから、水面までウィードが伸びているような場所であれば、わりにどんなルアーでも釣りやすい状況になります。でも、ウィードの先端が水面から離れたり、北湖のようにウィードの密度がまばらになった状況だとなかなか魚を騙せません。そんなときは、そこでエサとなっている小魚により近いルアーを選ぶほうが、釣果は上がります。

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オカダ なるほど! だから今はペンシルベイトを中心に投げているんですね!

 

明石 同じブラックバスが相手の釣りではありますけど、どういう状態でいる魚を狙うかによって、選ぶルアーが変わっていきます。南湖でブルーギルをメインに食べているようなバスを釣るときは、ブルーギルを意識したルアーを使うわけです。

 

オカダ じゃあ、ブルーギルにそっくりなルアーを選べばいいんですか?

↑ブルーギルを模したルアーの例↑ブルーギルを模したルアーの例

 

明石 別にカタチがブルーギルに似ている必要はありません。ダブルスイッシャーでも、ポッパーでも、ブルーギルを演出できるルアーはいっぱいあるんです。ルアーを動かしたときの水のヨレ方であったり、立てる水音だったり、何かしらの要素でブルーギルを意識させればいいんです。

 

オカダ わかりました。これも勉強になります!

 

明石 魚だったり、虫だったり、ブラックバスはいろいろなものを食べるので、いろいろなタイプのルアーで釣れますね。これがたとえばシーバスになると、水面近くにいる魚ばかりを食べているので、「サンデームーン」みたいなルアーではなかなか釣れません(笑)。

 

トップウォーターでの釣りは、アクションも大事

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オカダ エサや状況でルアーを選んでいくことはすごく大事なんですね!

 

明石 ルアーそのものを変えるだけじゃなくて、動かし方も重要です。ひとつのルアーでも、ゆっくりリールを巻いていくとき、ロッドを大きく動かしたときでアクションが変わりますよね?

 

オカダ ロッドの動かし方でも変わりますね。ペンシルベイトを左右に首を振らせるように動かす、いわゆるドッグウォークも、慣れるまでは少し難しかったです。

 

明石 トップウォーター・ルアーでは、ペンシルベイトに限らず、ねちねちと左右に首を振らせる動きはアクションの基本となります。ルアーをどう動かすかで、ブルーギルにもアユにもエビにもなるんですよ。今日は「ジュボッ」と大きく波をたてるように動かしましたけど、あれはバスみたいな魚の補食音を演出してるんです。

 

オカダ 別の魚か何かを食べていて、エサが近くにあると思わせるんですね?

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明石 そうですそうです! でも、霞ヶ浦のような場所のアシ際で細かくターンさせて小さなしぶきを上げることで、ダブルスイッシャーはエビにもなるんです。プロペラが立てる飛沫が、エビが逃げるときに上げるものとそっくりなんですよ。エビを食べているようなバスには、それがめっちゃ効きます。

 

オカダ なるほど! スゴい!

 

明石 つまり、どんなエサに変身できるか、その種類が多いルアーこそが、いろんな状況に対応できる「むっちゃ釣れるルアー」ってことになるんですね、きっと。

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オカダ 水中を想像しながらワームを動かすのもおもしろいですけれど、トップはその動きがすべて釣り人から見えるのがいいですよね。しかも、いつ魚が出るか、ドキドキします! 明石さんに教えていただいていろんな動かし方を試していますけど、音や飛沫の立て方にちゃんと意味があるということがわかって、おもしろいです!

 

そんな会話を続けながらも、アシに囲まれた小さな川の流れ込みなど、さまざまなポイントで諦めることなくルアーを投げ続けた2人。夕刻のタイムアップ寸前、ポッパーをチェイスしてくる魚影を発見し、一気にテンションが上がった瞬間を迎えはしたものの、残念ながらこの日、トップウォーター・ルアーへ飛びつく魚はいなかった……。

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オカダ選手、来年のシーズンへ向けてリベンジを誓う!?

明石 今日は残念でしたね。せっかく来ていただいて、なんとか釣ってもらいたかったんですが……。

 

オカダ 大津で新日本プロレスの大会もあるんですよ!  会場のすぐ目の前が琵琶湖なんです。そのときにも時間があれば、ルアーを投げるつもりです!

 

明石 どうせならバスボートで会場入りしましょうか?(笑)

 

オカダ バス釣りの大会みたいに、トレーラーで牽引されたボートの上に乗って入場…というのもいいかもしれませんね!(笑)

 

明石 でも冗談抜きに、また琵琶湖にリベンジしに来てください!

 

オカダ はい、こちらこそぜひお願いします!  東京に戻ってからも、今日教わったことを活かして、トップウォーター・ルアーでの釣りを続けるつもりです。 「サンデームーン・レインメーカーver.」で釣ったら、写真を撮ってご報告しますね!

 

明石 吉報をお待ちしています!

 

前回、霞ヶ浦水系で川村光大郎さんの教えを受けて、バス釣りにますますのめり込んだオカダ・カズチカ選手。今回の琵琶湖釣行では釣れはしなかったものの、自然の中で起こるさまざまな知識や技術を学んだことで、また一歩、ランカーバスへの階段を昇ったようだ。オカダ選手が琵琶湖での釣果を報告する日は、そう遠くはないだろう。

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明石光正さんのルアーブランド「アカシブランド」のHPはコチラ

撮影協力:GEEZER  http://www.geezer.co.jp/

 

【オカダ選手プロデュースのルアー情報】

アカシブランド

サンデームーン・レインメーカーver.

akashi_catalog

オカダ・カズチカの趣味の一つでもあるバスフィッシング。バス釣り好きが高じて、ついに本人プロデュースのスペシャルルアーが誕生しました。制作するのは、琵琶湖のトップウォータースタイルを牽引してきた伝説のハンドメイドルアー工房「アカシブランド」。ベースモデルとなるのは、スローリトリーブから超高速リトリーブまで対応出来る絶妙のバランスを持つ名ルアー「サンデームーン」です。回収時にもボディが回転しにくく非常に扱いやすい三日月型のクローラーベイトとなっています。

 

オカダ・カズチカ本人がはじめてランカーバスを釣った際に使用していたルアーにちなんでいます。ウッドの削りだしから、全行程をひとつひとつすべて手作業で仕上げた逸品。特に、オカダ選手の入場コスチュームをインスパイアしたペイントは、黒いチェックパターンや細かなラメ入り意匠は、すべて手作業で仕上げており、ルアーを越えた工芸品に近い仕上がりとなっています。

 

バス用のルアーとして実戦使用が可能であるのはもちろん、オカダ選手がこのルアーに込めた、釣りへの熱い思いをアクセサリやディスプレイとしてお手元に置いておくのはいかがでしょうか。ハンドメイドゆえ大量生産ができず、生産本数100本限りの限定品です。

価格:1万3600円(税込・送料込)/100本限定販売・シリアルナンバー入り

公式ショップはコチラ

楽天市場店はコチラ

 

【大会情報】

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WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム

2018年1月4日(木)@東京ドーム
OPEN 15:30/START 17:00

特設サイトはコチラ

毎年恒例、国内最大のプロレス興行 イッテンヨン東京ドーム大会の開催が今年も決定! メインカードは、王者のオカダ・カズチカに『G1 CLIMAX 27』覇者の内藤哲也が挑戦するIWGPヘビー級選手権。

 

東京ドームにおけるオカダvs内藤戦といえば、2014年1月4日にもIWGPヘビー級選手権が実現しているが、当時行われた“ファン投票”によって中邑真輔vs棚橋弘至のIWGPインターコンチネンタル選手権に敗れて、実質的なセミファイナルに降格した経緯がある。

 

そこから、4年。
両国のメイン終了後に、内藤が「2018年1月4日東京ドーム大会のメインイベント、IWGPヘビー級選手権試合は、オカダ・カズチカvs内藤哲也でよろしいでしょうか?」とファンにアピールすると大歓声が巻き起こったように、新日本プロレスの雌雄を決する両者による“ビッグカード”となって、オカダvs内藤によるタイトル戦が再び激突する。

 

オカダは昨年6月に大阪城ホールで内藤からIWGPヘビー王座を奪還して以来、なんと破竹の8連続防衛を記録中。どの試合でも壮絶な好勝負を残してきた“超人”オカダにとって、“最大の挑戦者”となる内藤をどう迎え撃つのか?

 

一方の内藤は、昨年6月のIWGPヘビーから陥落以降は、IWGPインターコンチネンタル王座を保持していたものの、常にIWGPヘビーを意識した発言を繰り返しており、今回は待望の再挑戦となる。因縁の両者による、因縁の舞台での再激突。新日本プロレスの流れを左右する大注目の一戦となりそうだ。

天気は大荒れもテンションMAX! バス・フィッシング愛が止まらないIWGP王者、憧れの琵琶湖に初アタック

新日本プロレス×GetNavi Web オカダ・カズチカ選手が琵琶湖でのバス釣りに挑む!

現IWGPヘビー級チャンピオンであるオカダ・カズチカ選手のバス釣り好きはますます熱を帯び、ついには自らのシグネチャー・ルアー「サンデームーン・レインメーカーver.」が発売されるに至った。

 

そんなオカダ・カズチカ選手のもとに、「サンデームーン」を手がけた「アカシブランド」の代表、明石光正さんからバスボートでの釣りのお誘いが!  関西でのシリーズの合間になんとかスケジュールをねじ込み、オカダ選手の琵琶湖初挑戦が実現したのだ。実はオカダ選手、琵琶湖が初めてなら、バスボートに乗るのも初めて。ついでに「トップウォータールアー限定の釣り」も初めてと、初挑戦尽くし。完全アウェー感の漂う釣行は、いったいどんな展開に……!?

 

PROFILE

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オカダ・カズチカ

愛知県安城市出身、1987年11月8日生まれ。新日本プロレス所属。身長191cm、体重107kg。「レインメーカー」の異名を持つ現IWGPヘビー級チャンピオン。華麗なるドロップキックを得意とし、フィニッシュホールドとしてレインメーカーを持つ。趣味はルアーフィッシングで、フェラーリ好きとしても知られている。

オカダ選手のTwitterはコチラ

 

ガイドをしてくれたのはこの人!

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明石光正(あかし・みつまさ)さん(左)

幼い頃からの釣り好きが高じ、ハンドメイドルアーの「アカシブランド」を立ち上げたのは、1997年のこと。近畿地方を中心に多くのルアービルダーが名乗りを上げた当時においてもユニークな造形と丁寧なルアー作りは大きな話題を呼び、頭角を現す。その後、ハンドメイドルアーだけでなく、オリジナルロッドやプラスチック製の量産型ルアー、さらには、他のルアーメーカーとのコラボレーション製品なども製作。ボディのシェイプ、パーツ選択、塗装、そして生み出されるアクションと、細部にまで魂の込められたその製品は実績も高いものばかりで、多くの釣り人から高い支持を受けている。また、「トップdeガイドサービス」を中心に、琵琶湖を舞台にトップウォーター・ルアーでバスを釣る楽しさを広める活動も精力的に展開中。

 

今夏の霞ヶ浦水系で釣具ブランド「ボトムアップ」の代表である川村光大郎(かわむら・こうたろう)さんにレクチャーを受け、劇的に釣果がアップしたというオカダ・カズチカ選手。最近では少しでも時間が空けば水辺へと向かい、また、同じユニットに所属する、外国人のロッキー・ロメロ選手を連れ出すなど、多いときには週に3〜4日も釣りをしていることがあるという。

 

そんなオカダ選手の胸中では、明石さんと交わしたひとつの約束がずっと大きな位置を占めていた。「『サンデームーン・レインメーカーver.』が発売されたら、ぜひこれを使っていっしょに琵琶湖でバスを釣りましょう」…

 

そう、オカダ選手はもう何か月ものあいだ、明石さんのガイドで「サンデームーン・レインメーカーver.」を投げ、琵琶湖バスを釣る日を心待ちにしていたのだ。

 

そして9月も終わろうとしていた某日、新日本プロレスの試合で近畿を訪れたオカダ選手と、ランカーバスの季節で多忙な明石さんのスケジュールが奇跡的に合致。ついに2人による琵琶湖釣行は実現することになった。

 

 いよいよ釣行当日!  ここで琵琶湖について簡単にガイド

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前泊、とはいえ、オカダ選手が宿へと到着したのは日付が変わった午前2時ごろ。それから3時間ほどしか寝てないはずなのに、早朝5時にホテルのロビーに元気いっぱいな姿で現れた。

 

オカダ とにかく楽しみです! バスアングラーにとっての憧れである琵琶湖で、それもバスボートに乗って釣りができるんですから、眠いなんて言ってられません!

 

——でも今日はかなり風が強いみたいですね。琵琶湖は湖とはいえ、海みたいなものなので、けっこう荒れるかも…… 荒れたときの琵琶湖は恐いですよ。

 

オカダ 明石さんが「出船できる」と判断されるなら、問題ありません!

 

さすが防衛を重ね続けるIWGPヘビー級王者、気持ちも強い。さて、ここで、改めて琵琶湖について説明しておこう。

 

言うまでもなく、琵琶湖は日本最大の面積、そして貯水量を誇る、日本一の湖。意外と知られていないことだが、誕生してから400万年以上が経過する「古代湖」としても世界有数の規模を誇る。そのため、ビワコオオナマズやホンモロコといった固有種のほか、ビワマスやニゴロブナなどの固有亜種も生息している。また、近江八幡市沖島町に属する琵琶湖最大の島、沖島は「架橋されていない淡水湖に浮かぶ島としては、世界で唯一の有人島」でもある。

↑2009年に琵琶湖で釣り上げられ世界記録に認定された73.5cmのバス↑2009年に琵琶湖で釣り上げられ世界記録に認定された73.5cmのバス

 

なお、ブラックバスの一種でより大型化するといわれる「フロリダバス」が移入された歴史があり、それに起因するのか、近年になって世界記録クラスのビッグバスが相次いで釣り上げられ、バスアングラーがもっとも熱い視線を向ける釣場のひとつとなっている。オカダ選手が興奮するのも、無理はない。

 

 強風吹き荒れる琵琶湖へ、明石さんとともにいざ出船!!

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そして一行は明石さんの待つ「ビワコワニヨットクラブ」へ。

 

オカダ おはようございます!  今日はよろしくお願いします!

 

明石 おはようございます。今日は風がキツいらしいんですよね。それと、一昨日くらいから気温が下がっていて……。いきなりこんなことを言うのも気が引けるんですけど、今日はちょっと厳しいかもしれませんよ?

 

オカダ いえ! 初めての琵琶湖で、明石さんと、それも自分のシグネチャー・ルアーを使って釣りができるというだけで、今日は特別な、記念すべき1日ですから! 悔いのないように投げ倒します!

 

明石 ちなみに僕のガイドで釣りをしていただくからには、今日はトップ・オンリーでいきますからね。

 

「トップ」とは、「トップウォーター・ルアー」、つまり、水面に浮き、そこでアクションして魚を誘うルアーを意味する。「サンデームーン・レインメーカーver.」は“ノイジー”と呼ばれる、水面で騒がしいアクションを見せて魚を誘う、トップウォーター・ルアーのひとつ。手前に引くと左右に広がった羽根が水を受け、ルアーは身をよじり、クロールで泳ぐ水泳選手のような動きを見せるのだ。

20171128-s2 (16)↑オカダ選手がプロデュースし、明石さんが製作を担当した「サンデームーン・レインメーカーver.」

 

水面のエサを捕食するということは、鳥や動物などの天敵に襲われる可能性も激増するため、魚にとっては非常にリスクの高い行為だ。そのぶん、トップウォーター・ルアーでの釣りにはある種の難しさが生じる。季節や天候、気温、水温、そして魚の活性など、さまざまな条件にマッチした釣りをするには、やはり水中でアクションする、沈むルアーも使えたほうが有利なのだ。

 

しかし、魚が水柱を上げ、ルアーを食うその瞬間を目にできるトップウォーターでの釣りは、中毒性が高い。バス釣りを嗜む人たちのなかには、明石さんのように「トップウォーター・ルアーしか使わない」という、水面至上主義を貫く人が少なくないのだ。

 

オカダ トップ・オンリーですね。はい!  望むところです!  できれば「サンデームーン・レインメーカーver.」で釣りたいですね!

 

初めて見る琵琶湖の風景、初めて乗るバスボート、そして初めてのトップウォーター・ルアー・オンリーでの釣り。リフトによって水面へと下ろされる明石さんの船を見つめるオカダ選手の目は好奇心いっぱいの子供のよう。初めて尽くしの釣りに、オカダ選手の気合いは十分! こうして明石さんとオカダ選手の乗ったボートは、朝日きらめく琵琶湖へと滑り出していった。

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まずはマリーナ周辺で1匹、のはずが……!?

出船後、エンジンをかけて大きく移動、かと思いきや、ボートは岸沿いにゆっくりと流していく。さっそくの釣り開始だ。

 

明石 まずはこのマリーナ周辺の岸際で釣っていきます。

 

オカダ ここはいいポイントなんですか?

 

明石 朝イチは小魚がボイルしていることが多くて、有望なんです。ご存じかもしれませんが、ボイルとはエサになる小魚が、バスなんかに追われて水面で跳ねているような状態ですね。

 

オカダ まさにトップウォーター・ルアー向きのシチュエーションなんですね。

 

明石 はい。この時間帯に1匹釣りたいですね!
実は明石さん、この前日もまた同様の厳しい状況ではあったものの、ガイドサービスでなんとか1匹、かなり大きなバスを釣り上げていた。

 

——昨日も風が強くて気温、水温が低く、厳しい状況だったみたいですが、釣果が出ていましたね。

 

明石 なんとか1匹……。

 

オカダ それはこの場所で釣ったんですか?

 

明石 こことはまた別の場所です。思うに、昨日釣れたのは時間帯がひとつのカギだったんじゃないかと。なので、ベストな時間にそこに行くとして、まずはここで1匹釣っていきましょう!

 

オカダ はい!

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ボートからの釣りが初めてであるオカダ選手に、明石さんはキャストのコツや狙い方、ルアーへのアクションの付け方などのアドバイスを交えつつ、2人とも、「サンデームーン・レインメーカーver.」を中心に、トップウォーター・ルアーを投げ続ける……が、不発。魚の反応がまったくないために、南湖へと大きく移動することになった。

 

昨日釣れたポイントへと希望を託し……!?

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周囲235キロメートルにも及ぶ、日本最大の湖、琵琶湖。地形的にもっとも狭まった部分には、東西方向に琵琶湖大橋が架かり、そこから北は北湖、南は南湖と呼ばれている。北湖と南湖では水質や環境が大きく違い、周辺で暮らす人の数も、南から北に行くほど少なくなっていく。

 

北湖の西南に位置する和邇のマリーナを出たボートは、琵琶湖大橋をくぐり、南湖へと向かった。予報では北西の風とのことだったが、実際に吹いているのは南風。しかし、時間とともに、少しずつ強くなっていった。

 

やがてボートを減速させた明石さん。しかし、その表情が渋い。

 

明石 ここがいつも僕が釣りをするポイントです。ここはあまり南風の影響を受けないんですが、ちょっと先行者でいっぱいですね。

 

見れば平日だというのに、数隻のボートが浮かんでいる。そこで、再びの移動。次善の策として、「名鉄の導水管」と呼ばれる構造物のある周辺へ。しかし、ここでもかなり粘ったものの、魚の反応が得られない……。

 

明石 そろそろ8時ですね。だんだん日も高くなってきたので、昨日釣れたポイントへ移動します。

 

オカダ いよいよですね!

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ここまで魚からの反応は得られていないものの、オカダ選手のテンションはまったく落ちる気配がない。実はオカダ選手、初めて「ランカーサイズ」と言われる大きなバスを釣ったのが、トップウォーター・ルアー。それもやはり「サンデームーン・レインメーカーver.」と同じように、2枚の羽根が水を受けてアクションをするタイプなのだ。そのときの興奮が、シグネチャー・ルアーの製作につながり、この日のテンションを支えていた。

 

…が、しかし。

 

直前まで釣りをしていた場所の対岸、つまり東岸寄りの沖合、期待したポイントへ到着するも、かなりの強風が吹いていた。

 

明石 ちょっと風が強くて難しいですね。

 

オカダ こんな沖合で釣りをするんですか?

 

明石 ここはウィード、つまり水草が水中に茂っているポイントなんです。さっきのように、岸際を狙うことももちろんありますが、琵琶湖の釣りは、こうしたウィードを中心に組み立てていくのが基本なんです。いまの時期は水位が下がり気味で岸際が釣りづらいのと、そういう場所は釣り人がたくさん入るので魚がスレて釣りづらいんですよね。

 

オカダ なるほど!

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明石 沖合のウィードは新たな魚が入って来やすいこともあって、ウィードを狙うなら、岸際より沖合を狙うほうが有望ですね。

 

オカダ バスはウィードの間に潜んでいるんですか?

 

明石 そうですね。そこから水面近くを泳ぐ小魚とか、水面に落ちてきた虫なんかを狙っていますね。

 

水面まで伸びたウィードエリアめがけてキャストを続けるが、あまりの風に投げづらいうえ、やはり魚からの反応はなかった。その状況に、明石さんは南湖をあきらめ、北湖への移動を決断する──。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA <後編へ続く>

撮影協力:GEEZER  http://www.geezer.co.jp/

 

【オカダ選手プロデュースのルアー情報】

アカシブランド

サンデームーン・レインメーカーver.

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オカダ・カズチカの趣味の一つでもあるバスフィッシング。バス釣り好きが高じて、ついに本人プロデュースのスペシャルルアーが誕生しました。制作するのは、琵琶湖のトップウォータースタイルを牽引してきた伝説のハンドメイドルアー工房「アカシブランド」。ベースモデルとなるのは、スローリトリーブから超高速リトリーブまで対応出来る絶妙のバランスを持つ名ルアー「サンデームーン」です。回収時にもボディが回転しにくく非常に扱いやすい三日月型のクローラーベイトとなっています。

 

オカダ・カズチカ本人がはじめてランカーバスを釣った際に使用していたルアーにちなんでいます。ウッドの削りだしから、全行程をひとつひとつすべて手作業で仕上げた逸品。特に、オカダ選手の入場コスチュームをインスパイアしたペイントは、黒いチェックパターンや細かなラメ入り意匠は、すべて手作業で仕上げており、ルアーを越えた工芸品に近い仕上がりとなっています。

 

バス用のルアーとして実戦使用が可能であるのはもちろん、オカダ選手がこのルアーに込めた、釣りへの熱い思いをアクセサリやディスプレイとしてお手元に置いておくのはいかがでしょうか。ハンドメイドゆえ大量生産ができず、生産本数100本限りの限定品です。

価格:1万3600円(税込・送料込)/100本限定販売・シリアルナンバー入り

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【大会情報】

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WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム

2018年1月4日(木)@東京ドーム
OPEN 15:30/START 17:00

特設サイトはコチラ

毎年恒例、国内最大のプロレス興行 イッテンヨン東京ドーム大会の開催が今年も決定! メインカードは、王者のオカダ・カズチカに『G1 CLIMAX 27』覇者の内藤哲也が挑戦するIWGPヘビー級選手権。

 

東京ドームにおけるオカダvs内藤戦といえば、2014年1月4日にもIWGPヘビー級選手権が実現しているが、当時行われた“ファン投票”によって中邑真輔vs棚橋弘至のIWGPインターコンチネンタル選手権に敗れて、実質的なセミファイナルに降格した経緯がある。

 

そこから、4年。
両国のメイン終了後に、内藤が「2018年1月4日東京ドーム大会のメインイベント、IWGPヘビー級選手権試合は、オカダ・カズチカvs内藤哲也でよろしいでしょうか?」とファンにアピールすると大歓声が巻き起こったように、新日本プロレスの雌雄を決する両者による“ビッグカード”となって、オカダvs内藤によるタイトル戦が再び激突する。

 

オカダは昨年6月に大阪城ホールで内藤からIWGPヘビー王座を奪還して以来、なんと破竹の8連続防衛を記録中。どの試合でも壮絶な好勝負を残してきた“超人”オカダにとって、“最大の挑戦者”となる内藤をどう迎え撃つのか?

 

一方の内藤は、昨年6月のIWGPヘビーから陥落以降は、IWGPインターコンチネンタル王座を保持していたものの、常にIWGPヘビーを意識した発言を繰り返しており、今回は待望の再挑戦となる。因縁の両者による、因縁の舞台での再激突。新日本プロレスの流れを左右する大注目の一戦となりそうだ。

プロレスラー内藤哲也「カラ回りの人」から「人気沸騰」に至ったワケ「リスクを考えなくなった瞬間、流れが変わった」

内藤哲也選手は、新日本プロレスでいま大ブレイク中のプロレスラー。新日本のトップスター、棚橋弘至選手と対戦した際も、棚橋コールをかき消すほどの大声援を集めるまでに成長。リーダーを務めるユニット、「LOS INGOBERNABLES de JAPON」(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)はプロレスファンの絶大な支持を集めており、試合後に観客と行う「デ・ハポン」の大合唱は、その日、もっとも盛り上がるポイントのひとつとなりました。

 

同ユニットのグッズもバカ売れで、その勢いは、かつて大ブームを巻き起こしたユニット「nWo」に匹敵すると言われるほど。内藤選手自身、8月の「G1 CLIMAX 27」で優勝し、新日本プロレス最大のイベント、1月4日の東京ドーム大会で、IWGPヘビー級王座に挑戦することも決定しています。

↑挑戦権利書を手にする内藤選手↑挑戦権利書を手にする内藤選手

 

と、いま人気絶頂の内藤選手ですが、11月5日放映のアメトーク「プロレス大好き芸人」でも触れられていた通り、かつてベビーフェイス(※)だったころはブーイングの嵐だったそう。それがいま、なぜこれほどまでに人気を集めるに至ったのでしょうか。1.4東京ドーム大会への意気込みとともに、本人にじっくり聞いていきましょう!

※ベビーフェイス…善玉レスラーのこと。ヒール(悪役)に対応する存在。

 

PROFILE

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内藤哲也(ないとう・てつや)

1982年6月22日生まれ、東京都足立区出身。身長180cm、体重102kg。00年より5年間、アニマル浜口ジムにて基礎を学ぶ。05年、新日本プロレス公開入門テストに合格し、06年に宇和野貴史戦でデビュー。08年、裕次郎(現:高橋裕二郎)とNO LIMITを結成。第22代IWGP Jr.タッグ王者に就く。その後はヘビー級に転向し、10年にIWGPタッグ王者。12年には右膝前十字靱帯断裂の大ケガを負い、長期欠場を余儀なくされる。13年「G1 CLIMAX 23」にてG1初優勝を果たすも、ファン投票の結果、翌年の1.4東京ドーム大会メインイベンターの座を明け渡す屈辱を味わう。15年5月のメキシコ遠征の際、現地でラ・ソンブラやルーシュらのユニット“LOS INGOBERNABLES”(ロス・インゴベルナブレス)に加入。メキシコから帰国後の同年11月、ユニット“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”を結成する。17年8月、東京・両国国技館大会「G1 CLIMAX 27」優勝決定戦で、ケニー・オメガを撃破。4年ぶり2度目の優勝を果たし、18年1.4東京ドーム大会メインイベントでのIWGPヘビー級王座挑戦権を獲得。宿敵のオカダ・カズチカに挑む。得意技は「デスティーノ」。決めゼリフは「トランキーロ」。

内藤選手のツイッターはコチラ

 

メキシコに行くまでは自分の人気の無さを実感していた

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――現在、圧倒的な支持を得ている内藤選手ですが、ここ1年の人気の高まりはご自身でも感じますか?

 

内藤 それは感じますね。会場でも、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのグッズを身につけてるお客様が、全国どこの会場に行っても多いですし。いま、新日本プロレスで入場時に、名前のコールが起きるのは僕だけです。それが東京だけじゃなくて、地方に行っても起こるんです。だから「支持されてるんだな」というのは毎試合、感じています。

 

――人気に火が付いたと実感されたのはいつ頃ですか?

 

内藤 僕の転機はメキシコでロス・インゴベルナブレスというユニットに加入した2015年5月ですね。それまでは自分でいうのもなんですけど、まあ人気がなかった(笑)。

 

――当時、ご自身でも実感されていたんですか?

 

内藤 感じていました。元々、棚橋(弘至)選手、中邑(真輔)選手がいて、次は内藤だと言われていた時代があって、僕もそうなると思ってたんです。でも2012年の1月、オカダ(・カズチカ)が帰国して、一気に抜かれてしまった。そこから2015年までの3年間は、この状況がどうしたら覆えせるのか、自分でもわからないまま、なんとなくプロレスをしていた時期ですね。

↑第65代IWGPヘビー級王者、オカダ・カズチカ選手  ©新日本プロレス↑現IWGPヘビー級王者、オカダ・カズチカ選手  ©新日本プロレス

 

ファンの反応を気にしすぎてカラ回りする悪循環に陥る

――2014年の1.4東京ドーム大会では、ファン投票によるメインイベンター降格という悔しさも味わいました。そんななか、2015年にメキシコへ行かれたんですよね。

 

内藤 思い悩んでメキシコに渡ったんです。向こうで当時、すごく勢いのあった「ロス・インゴベルナブレス」というユニットに誘われて。彼らがやっていたプロレスは、まわりの目を一切気にせず、自分たちが表現したいことをそのままリング上で表現するというスタイル。そのイキイキとした姿を見たときに、「せっかく海外に来たんだし、自分もまわりを気にせず、やりたいプロレスを表現してみよう」と思ったんです。

 

――それまでは、やりたいプロレスができていなかったんですか?

 

内藤 僕はずっと、まわりの目を気にしながらプロレスをしていました。「いま、これが求められてるから、こうしたらウケるだろう」と考えて、動きやマイクパフォーマンスをやっていました。お客様ありきというか、いつもお客様の反応を気にしながらプロレスをした結果、逆にウケないという悪循環に陥ってたんです。

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――気持ちだけがカラ回りしていて、お客さんがついてこなかったというか……。

 

内藤 はい。それがメキシコで、彼らに混ざって気にせずにやってみたら、歓声も起きるし、ブーイングも起きる。そこにすごく充実感を感じて。

 

――ちなみに、内藤選手がよく口にする「トランキーロ」も、現地の経験からきているんですよね。

 

内藤 そうなんです。メキシコで彼らのスタイルに合わせて試合したときに、とにかく楽しくて楽しくて。僕がどんどん前に出ていっちゃうんで、仲間に「内藤、トランキーロ!」ってよく言われてて。「落ち着いて」とか、「冷静に」という意味の言葉なんですけどね。その言葉が頭にずっと残っていて、日本に帰ってきてから、ぽろっと出たのが始まりなんです。

 

メキシコで掴んだプロレスを貫いたらビックリするぐらい伝わった

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――なるほど。「トランキーロ」は、「プロレスが楽しくてたまらない」という経験から生まれた言葉なんですね。

 

内藤 はい。僕はメキシコでプロレスの楽しさを再認識して、「これをメキシコだけで終わせるのはもったいない」と思ったんです。「これを日本でもやってみよう。伝わらなかったら、もうプロレスラーとして終わるかも知れないけど、試してみよう」という覚悟で帰国しました。

 

――日本に戻って来られてからは、メキシコで掴んだやり方を日本で貫いたんですか。

 

内藤 はい。やりたいようにやって、思っていることを言うことにしました。そうすると、ビックリするぐらい伝わったんです。いままで僕の思いなんか、ぜんぜん伝わらなかったのに。「表現の仕方、伝え方をちょっと変えただけで、こんなにも反応が違うのか」と思いました。15年の6月に帰ってきて、その年の10月に両国で棚橋選手と戦ったころからお客様の反応も変わった。そのあと、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを結成して、そこからですね。日本で「プロレスが楽しいな」と感じるようになったのは。

↑ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバー。後方左からSANADA選手、BUSHI選手、EVIL選手、手前左から髙橋ヒロム選手、内藤選手 ©新日本プロレス↑ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのメンバー。後方左からSANADA選手、BUSHI選手、EVIL選手、手前左から髙橋ヒロム選手、内藤選手 ©新日本プロレス

 

「手のひら返しかよ!」ファンを「お客様」と呼ぶ複雑な心境とは?

――ちなみに、内藤選手はいつもインタビューなどでファンを「お客様」と呼びますよね。それはどうしてなんですか?

 

内藤 メキシコに行く以前はいつもブーイングを受けてたんですけど、それが15年の10月ごろからいきなり歓声に変わったんです。だから、最初は「手のひら返しかよ!」と思いました(笑)。そういう皮肉も込めて「お客様」と言い始めたんです。でも、それだけじゃないのもわかっていて。僕も昔からプロレスファンでしたから、「いい試合を作り上げるのは、リング上のレスラーだけではムリだ」ということを知っています。プロレスの雰囲気は会場に来ていただいている方、全員で作るものだと思うので、その感謝の意味も込めて。皮肉半分、感謝の気持ち半分で、「お客様」と言うようにしているんです。

 

――内藤選手といえば、会社批判だったり、オーナー批判だったりと、歯に衣着せない発言も注目されていますが、メキシコのロス・インゴベルナブレスもそういった部分があるんですか?

 

内藤 いいえ。その辺りは、僕のオリジナルですね。

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――振り返ってみると、ご自身でも「言い過ぎたかな」と思うこともありますか?

 

内藤 結構、ギリギリでしたね(笑)。でも、思ってることをため込んでもしょうがないですから。言ってよかったと思うし、そのときの自分があったから、いま、これだけの支持につながっているのかな、と。

 

――とはいえ、物事をはっきり言うことって、なかなか難しいですよね。上の人に睨まれるかもしれないし、言ったからには責任を持ってやらなきゃいけない、とか……。その辺りはいかがでしょうか?

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内藤 もちろんリスクはあるんですけど、思っているだけじゃ、なにも伝わらないですからね。「踏み出す勇気」こそ、共感してもらえるいちばんの方法だと思うんです。口に出したり、行動で示さないと。迷っている人には、「伝えたいならリスクは恐れずに踏み出せよ」と言いたいです。

 

――内藤選手はそうすることで変わることができた、と……。

 

内藤 そうですね。僕もそれまでは自分の本音をさらけ出せず、リスクを考えながら動いていました。だからやることなすこと全部ダメだったんですが、最後の最後の賭けでうまく流れを掴むことができた。リスクを考えなくなった瞬間、流れが変わったんです。

 

オカダ選手には「焦らせてみろよ」と言いたい

――さて、新日本プロレス最大のイベント、1.4東京ドーム大会が近づいてきました。対戦相手であるIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ選手についてはどんな印象をお持ちですか?

 

内藤 僕は一度、IWGPヘビー級王座を巻きましたけど、彼はもう1年以上、ベルトを巻き続けているわけで。偶然で防衛できるほど簡単なベルトではないので、力がある選手なのは間違いない。でも、かつて、オカダ・カズチカは、僕にとって、どうしたら彼と並べられるのか、考えても考えても答えが出ないほど巨大な存在だった。それが今は、彼の姿を見てもなにも焦らなくなってしまった。彼が小さくなったのか、僕が大きくなったのかわかりませんが。ムリだとは思うんですけど、かつての僕が焦らされたオカダ・カズチカが、1月4日、僕の前に立っていてくれたらうれしいですね。

20171129-s2-(10)↑オカダ・カズチカ選手(左)と内藤選手による1.4東京ドーム大会の記者会見 ©新日本プロレス

 

――「焦んなよ」ではなく「焦らせてみろよ」というわけですね(笑)。ちなみに、これまで内藤選手は、インターコンチネンタル王座のベルトを破壊するなど、ベルトを雑に扱うイメージがあるんですが、IWGPヘビー級王座のベルトを奪取できたら、どのように扱いますか?

 

内藤 …逆に、僕がベルトを取ったらどうすると思いますか?

 

――うーん、どうでしょう……。やっぱり今回も雑に扱うような気が…いや、意外に大切にするかもしれないし……。

 

内藤 そう、それ! いまの時間ですよ! その「考える時間」がプロレスファンにとって最も楽しい時間であり、最も贅沢な時間ですよね。1月4日までまだ時間がありますから、それまで「内藤がベルトを取ったら、どうするんだろう?」ってことを予想しながら楽しんでほしいです。その答えは、もちろん…「トランキーロ! あっせんなよ」

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メキシコ遠征を機に、周囲を気にせず、リスクを恐れないことで人生が変わったという内藤選手。1.4東京ドーム大会では、ついに夢に見たメインイベンターを務めます。きっとこの大舞台でも、やりたい放題の試合を見せてくれるはず。みなさんもぜひ「お客様」として参加し、内藤選手とともに、忘れられない試合を作ってみてはいかがでしょう。

撮影/黒飛光樹(TK.c)

 

【内藤選手がメインを務める試合情報はコチラ】

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WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム

2018年1月4日(木)@東京ドーム
OPEN 15:30/START 17:00

特設サイトはコチラ

毎年恒例、国内最大のプロレス興行 イッテンヨン東京ドーム大会の開催が今年も決定! メインカードは、王者のオカダ・カズチカに『G1 CLIMAX 27』覇者の内藤哲也が挑戦するIWGPヘビー級選手権。

 

東京ドームにおけるオカダvs内藤戦といえば、2014年1月4日にもIWGPヘビー級選手権が実現しているが、当時行われた“ファン投票”によって中邑真輔vs棚橋弘至のIWGPインターコンチネンタル選手権に敗れて、実質的なセミファイナルに降格した経緯がある。

 

そこから、4年。
両国のメイン終了後に、内藤が「2018年1月4日東京ドーム大会のメインイベント、IWGPヘビー級選手権試合は、オカダ・カズチカvs内藤哲也でよろしいでしょうか?」とファンにアピールすると大歓声が巻き起こったように、新日本プロレスの雌雄を決する両者による“ビッグカード”となって、オカダvs内藤によるタイトル戦が再び激突する。

 

オカダは昨年6月に大阪城ホールで内藤からIWGPヘビー王座を奪還して以来、なんと破竹の8連続防衛を記録中。どの試合でも壮絶な好勝負を残してきた“超人”オカダにとって、“最大の挑戦者”となる内藤をどう迎え撃つのか?

 

一方の内藤は、昨年6月のIWGPヘビーから陥落以降は、IWGPインターコンチネンタル王座を保持していたものの、常にIWGPヘビーを意識した発言を繰り返しており、今回は待望の再挑戦となる。因縁の両者による、因縁の舞台での再激突。新日本プロレスの流れを左右する大注目の一戦となりそうだ。