「オリオンビール」は本土のビールと何が違う?オリオンの社長が語る「こだわり」

前回までの記事では沖縄旅行のトレンドを満喫できるスポットとして「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」と「オリオンホテル那覇」に加えて、オリオンビールの工場「オリオンハッピーパーク」を紹介しました。

 

今回の取材ではオリオンビールの社長インタビューも叶いました。まずは、オリオンビールならではの味わい特徴について。本土のビールとはどう違うのでしょうか?

↑中央がオリオンビールの村野 一社長、右がオリオンホテルの柳内和子社長(当時)。左はオリオンビールのビール商品開発部、大城 敬一郎課長

 

沖縄の大自然と島人がつくる自慢のビール

「やんばる(沖縄本島北部の自然が多く残されている山原エリア)の水をはじめ、素材はできるだけメイドイン沖縄で造るという、いわゆるテロワールの魅力が第一。加えて、沖縄の方々に愛される味わいになっていることも大きなポイントです。これはつくり手にも地元出身の人間が多く、特有の食文化や味覚嗜好を肌感覚で知っているからこそできることではないかなと思いますね」(村野社長)

↑すべてのオリオンビールは、名護の工場から全国へ。飲食店用のケグ(ステンレスの樽)も空になったらここへ戻り、再び充填され海を渡ります

 

そのうえで、今年リニューアルした「オリオン ザ・ドラフト」の開発時には、1万5000人あまりの沖縄県民に市場調査を実施。島人ファーストだからこそ、“ワッター自慢のオリオンビール”だといえるでしょう。(「ワッター」=沖縄方言で「私たち」の意味)

↑「まさに“ワッター自慢”だからこそ、本土のお客様にも飲んでいただけたら。これからは首都圏でも、さらにタッチポイントを増やしていきますよ!」と村野社長

 

「この特別感は、本土の方々にとっても大きな価値であると自負しています。南国ならではの美しい景色、大自然と琉球文化が生み出した美味しい沖縄料理、踊りが大好きであたたかな人間性などなど。そういった沖縄らしさを、私たちのビールを飲んでいただくことによって感じ、『沖縄に行きたいなぁ』『まるで沖縄にいるみたいだなぁ』って思っていただけたら嬉しいです」(村野社長)

↑今年のゴールデンウィークに渋谷で開催された、「秒で沖縄に行けるバー by Orion」。宮古島の「与那覇前浜ビーチ」を再現したイベントが、ドリンク1杯付き入場無料で行われました

 

モトブでリラックス。市内でリフレッシュを!

「オリオンホテル那覇にスイングカランを導入したのも、自慢のオリオンビールでより特別な体験をしていただきたいという想いからです」と話すのは、柳内社長(当時)。

↑「スイングカラン」は昭和初~中期のビアホールで主流だった、日本独自のタップ。ビールの通る管が太く過度な炭酸が液体に溶け込まないため苦味がやさしく、まろやかな飲み口とのど越しの良さを楽しめるのが特徴です

 

「お客様はきっと、最高のオリオンビールを期待されていらっしゃると思うんですね。そこで私たちは様々な試行錯誤を繰り返し、採用したのが注ぎ方によって美味しさに磨きが増すスイングカランでした。ぜひ飲み比べなども試していただきたいです」(柳内社長/当時)

↑柳内社長(当時)はこれまで、様々なホテルの支配人や役員を歴任してきたスペシャリスト

 

オリオンビールの新しいブランドスローガンは、“しぜんと、しぜんに。”。オリオンホテルが手掛ける2つのホテルも、それぞれ立地や周囲の自然環境が異なるからこそ、そのロケーションに最適な過ごし方を提案したいと柳内社長(当時)は話します。

↑2024年4月にリニューアルした「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」。那覇空港からクルマで約100分の本部(モトブ)町にあり、「沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館」に隣接

 

「美しい海や緑がすぐそばにある『オリオンホテル モトブ リゾート&スパ』では、ゆっくりくつろぐなかで自然に癒されていただきたい。一方、にぎやかな国際通りに面した『オリオンホテル 那覇』は、街の活気とともにリフレッシュいただけるホテルでありたいと思っています」(柳内社長/当時)

↑「オリオンホテル 那覇」は2023年11月にリニューアル。市のメインストリート「国際通り」沿いにあり、アクセスは那覇空港からゆいレールで16分(最寄りの牧志駅徒歩3分)

 

インタビューの最後に村野社長は、「地元企業の私たちが、ホテルとビールでお客様をお迎えすることで沖縄と本土の方々の橋渡し役となり、日本をより元気にできたらと思っています」と意気込みを語ってくれました。

↑沖縄には千ベロ(1000円でベロベロに酔える店)の名店もあまた。例えば、オリオンビール含むお酒3杯と、選べるおつまみ1品を1000円で楽しめる、なんて超おトクな一軒も

 

インバウンド消費額が過去最高を記録し、ますます観光立国としての国際的な存在感を高めている日本。2025年に「ジャングリア」の開業も控える沖縄は、最注目エリアのひとつです。いっそうの過熱で旅行費が高くなる前の今年こそ、訪れる観光地といえるでしょう。

 

※本稿の情報は、2024年4月取材時点のものです

オリオンビールの工場はビール体験が濃い!「オリオンハッピーパーク」は旅程に組み込むべき

前回の記事では沖縄旅行のトレンドを満喫できる「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」と「オリオンホテル那覇」を詳細に紹介しました。両施設とも「オリオン」の名が付くだけあり、「オリオンビール」が所有しているホテルになります。で、あればオリオンビールの工場にも行ってみたいという人もいるはずでしょう。

 

今回は、「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」からはクルマで約40分、那覇空港からは約75分の場所にある、オリオンビールの工場「オリオンハッピーパーク」を紹介。事前予約すれば見学もできます。オリオンビールにどっぷり浸かりたい人は、こちらの体験レポートをご参考ください!

↑「オリオンハッピーパーク」の正面入口。館内のショップは予約不要で利用できます。水、木曜日定休

 

最後に試飲が楽しめる約60分の工場見学

「オリオンハッピーパーク」は敷地面積約5万6475平方メートルと、東京ドーム約1個強の広さがある巨大な施設。正面入口のすぐ先に受付があり、入場料は18歳以上500円(7~17歳200円、6歳以下無料)となります。

↑エントランスには、創業時に使用していた仕込み釜のオブジェが

 

広大とはいえ、見学は各工程を巡りやすいコースに仕立てられており、施設内をガッツリ歩き回るようなことはありません。所要時間は約60分(見学35分、ギャラリー見学含む。試飲20分)と、気軽で楽しめる内容となっています。

↑原材料からビールを造り、ボトリングされるまでの8工程を、ガイドさんの案内で順に追って回ります

 

製造工程見学の前には、貴重な資料などが展示されたギャラリーがお出迎え。まずはここで、歴史の奥深さを感じましょう。

↑年表や当時の写真とともに並べられた、ビールびんや缶のディスプレイ

 

オリオンビールは1957(昭和32)年5月、戦後の混乱がまだ収まりきらない沖縄で生まれました。見学は、こうした歴史を学べるギャラリーからスタート。歴代パッケージや昭和40年代の「まちやぐぁ(小売店)」を再現した実物大オブジェ、当時の新聞広告などがあり、「オリオンビール」という名の由来も詳しく学べます。

↑「まちやぐぁ」のオブジェ

 

きわめてリアルな工場体験がここにある

そして見学は、原材料のコーナーからスタート。醸造におけるオリオンビールならではの特徴が、地元産の素材を積極的に使うこと。やんばる(沖縄本島北部の自然が多く残されている山原エリア)の良質な水のほか、一部に県産大麦や米などを使っており、こうした原材料を実際に見ながら学べます。

↑写真中央付近に見える、円錐型のケースに入っているのが県産米。品種は企業秘密でしたが、酒米ではなく食用米とのこと

 

筆者は職業柄、様々なビール工場見学を取材してきましたが、醸造工程をかなり近い距離で見学させてもらえるのが「オリオンハッピーパーク」の魅力のひとつだと感じました。実際に造っているので場所によっては40℃近い高温の部屋もあるのですが、それがリアルでむしろイイ!

↑発酵前の麦汁をろ過する巨大なロイタータン。麦殻などを取り除き、ビールの元となる麦汁を造り上げます

 

工場の巨大さは、途中であらわれる発酵タンクと貯酒タンクからも一目瞭然。例えば発酵タンクは直径約5メートル、高さ約19メートルものサイズで、190キロリットルのビールが入っています。その量は、1人が毎日350ミリリットル缶を1本ずつ飲んでも、タンク1本ぶんが空になるまで1500年かかる計算。

 

ちなみに、オリオンビールの夏のイベントでコザ(沖縄市)と石垣、宮古で開催される「オリオンビアフェスト」では、コザ開催の2日間でこのタンク2本ぶんが空になるほど多くの人が来場するそうです。

↑写真手前に見えるタテ長の円柱が発酵タンク

 

ボトリングはパッケージに応じて、びん詰、樽詰、缶詰となり、工場が稼働しているときは実際の様子を見学。稼働していないときは映像で見ることができます。それぞれが目にも止まらぬ速さで流れ、つまりは日々たくさんのオリオンビールが飲まれているということ。

↑ものスゴいスピードで回っているのがフィラー。この円形のマシンで、ビールを充てんしていきます

 

実際に、どれほどの量を製造しているかわかるのが、缶詰の見学ラインに設えられたオブジェです。ここには1200本もの缶がズラリと並び、この量をわずか1分で詰めているのだそう。なお、ビール製造能力は年間で7万2000キロリットルとなり、缶は1時間で7万2000本を製造できます(びんは1万9200本、樽は700本/各1時間)。

↑たったの1分で1200本ぶんが完成

 

オリオンビールではサステナブルにも力を入れており、ビール製造で発生する年間約5200トンの排出物は、100%リサイクル。例えば、ホップやモルトの麦芽粕は飼料や堆肥として使用されています。

↑麦芽粕。「モルトフィールド」とも呼ばれます

 

特にこの麦芽粕は、沖縄のブランド黒毛和牛「もとぶ牛」の飼料としても活用。近年では琉球大学が中心となって研究を進めている、完全陸上養殖の「琉大ミーバイ」の餌にも同じ麦芽粕が利用されています。ちなみにミーバイとは、沖縄の方言でハタの俗称とされる高級地魚のこと。この「琉大ミーバイ」はオリオンホテルで提供もされています。

↑「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」が、メニュー開発に取り組む料理の一例。「琉大ミーバイのオリーブオイル焼き プッタネスカソース」(手前)と「琉大ミーバイのフリット アイオリソース」(奥)

 

最後はできたてビールで至福の乾杯を!

ラストに用意されているのはお待ちかねの試飲。工場できたてのビールやソフトドリンクをひとり計2杯まで楽しめます。

↑超フレッシュなビールを、注ぎ上手なスタッフのサーブで。また、「オリオンビール」のビール酵母を使ったスナック「オキナワビアナッツ」も付いてきます

 

ビールの1杯目は「オリオン ザ・ドラフト」で、アリ乾杯!(「アリ」=沖縄方言で「それ」や「ほれ」の意味)。2杯目は「75ビール」や「オリオン ザ・プレミアム」、缶チューハイなどを選べます。至福の一杯とともに、工場見学を振り返りましょう。

↑この日のラインナップ

 

試飲スペースの隣にあるショップでは、オリオンブランドのオリジナルグッズのほか、多彩なお土産も盛りだくさん。近年はオリオンビールのロゴ入りTシャツが若者世代を中心に大人気となっていますが、ここはある種公式ショップなので、その種類やバリエ―ションも豊富。なかにはレアものがあるかもしれません。

↑Tシャツはもちろんエプロンやベースボールキャップなど、様々なグッズが並びます

 

ショップに隣接する「ビアレストランやんばるの森」は、6月14日にリニューアルしたばかり。工場できたての新鮮なビールを飲むだけでも貴重な体験なので、フラッと訪れてみてはいかがでしょうか!

 

【PLACE DATA】

オリオンハッピーパーク

住所:沖縄県名護市東江2-2-1

受付時間:9:00~17:00(要事前予約。空きがあれば当日参加も可能)

「ビアレストランやんばるの森」営業時間:11:00~17:00(L.O.16:45)

休館日:水、木曜日

アクセス:那覇空港からクルマで約75分

2つの「オリオンホテル」に大注目。沖縄の最新トレンド全部入りで、もちろんビールが旨い!

円安によって海外旅行がためらわれる一方、アツいのが国内旅行。それでも非日常なリゾート感を楽しみたいなら、行き先は沖縄一択でしょう。

 

2025年には本島北部に新テーマパーク「ジャングリア」が開業予定で、ますます注目が高まること必至。今回はそんな沖縄旅行を最高潮に盛り上げてくれるであろう、トレンド色満点の「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」と新生「オリオンホテル那覇」を紹介します。

↑まず訪れたのは、那覇空港からクルマで約100分の本部(モトブ)町にある「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」。「沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館」に隣接しており、青い海の向こうには伊江島(いえじま)が

 

今春進化したリゾートホテルが超快適!

ビール好きならぜひ泊まりたいこのホテル。オリオンビール傘下のオリオンホテルが運営しており、至福の一杯を楽しめるのはもちろん、館内外に多彩な体験がちりばめられています。なんといっても、開業10周年を記念して2024年4月11日にリニューアルしているので、内外観にもコンテンツにもフレッシュな息吹が満載。

↑全室がオーシャンフロントで、絶景を一望。内外にタイプの異なる3つのプールがあり、クラブウイング(スイートルーム)宿泊者専用のインフィニティプールはより贅沢な設えに

 

目玉のひとつが「THE ORION BEER BAR(オリオンビアバー)」。同じ北部にある名護の工場から届く新鮮なビールは格別であるうえ、工場内の小規模設備で醸造されたホテル限定のクラフトビール「オリオン ザ・クラフト」も楽しめます。また、現代では珍しい「スイングカラン」のビアタップで「オリオン ザ・ドラフト」を提供しているのも魅力。

↑14~18時と20~23時(LO22時半)は定番「オリオン ザ・ドラフト」のウェルカムサービス(通常サーバー)が。なお「オリオン ザ・クラフト」は、市販の「75(ナゴ)ビール」とは異なる独自の味が3種類揃っています

 

オリオンビールは若い旅行客のトレンドカルチャーになっていることをご存知でしょうか。その軸となっているのがTシャツで、「デザインがイケてる」「バリエーションが豊富」「友人とおそろコーデが楽しめる」「自撮りで“沖縄に来てます感”を出せる」などの理由で大ヒット。そんな激アツグッズを探すなら、ぜひ館内の「Orion Official Storeモトブ(オリオン オフィシャルストア モトブ)」へ。

↑一番人気の定番ロゴTはもちろん、デザインや素材などバリエーションは豊富。Tシャツ以外のグッズや、これまた人気の「チャムス」(ブービーバードがシンボルのアウトドアブランド)コラボTなどもあります

 

客室におけるここならではのポイントは、備え付けの冷蔵庫に「オリオン ザ・プレミアム」が入っていること。こちらは限られた数量しか出荷していない希少なビールで、しかも無料で飲めるという嬉しすぎる特典(クラブウイング全室、オーシャンウイングのプレミアムフロア宿泊特典)!

↑「オリオン ザ・プレミアム」は、オリオンビールが沖縄に自生する植物から発見した「沖縄酵母OB-001」を使用。フルーティな香りと豊かなコク、苦味を抑えたまろやかな味が特徴です

 

筆者が泊まったのは、通常客室棟「オーシャンウイング」の最上階(12階)に新設されたプレミアムフロアの「オーシャンプレミアムツイン」。地元の海をイメージしたラグや、沖縄名産の植物・月桃(ゲットウ)を用いたインテリアなどが印象的でした。

↑「オーシャンプレミアムツイン」。50平米と広々しており、最大3~4名で宿泊できます

 

個人的にユニークさを感じた新設の部屋が「オーシャンプレミアムキッズ」。未就学児がいるファミリー向けのテーマルームとなっており、ヤドカリのイラストが描かれたキュートなデザインが特徴です。室内には絵本や子ども用の踏み台なども。なお、テーマルームはほかにも、全4室の「オーシャンキッズ」があります。

↑「オーシャンプレミアムキッズ」室内。「オーシャンキッズ」にはイルカ、ジンベエザメ、ウミガメ、チンアナゴ仕様があります

 

食の見どころはビールだけにあらず、料理も強化されいっそう魅力的に。例えばメインダイニングには、新たにイタリアンレストラン「ristorante GLAUCO(リストランテ グラウコ)」がオープン。

↑グラウコ(GLAUCO)とはイタリア語で紺碧(こんぺき)の意味。ホテル目の前に広がるモトブの海から着想されました

 

「リストランテ グラウコ」のオープニングヘッドシェフには、世界各地で腕を振るってきた「Food design by HIDEAKI NAGAYA」代表の長屋英章さんを招へい。琉球伝統の医食同源思想「クスイムン」に基づき、北部やんばる(山原)の地産池消と、オリオンビールとの好相性を考えた料理を提供します。

↑手前が、麦芽粕を餌に琉球大学が陸上養殖に取り組む高級地魚「琉大ミーバイ」を使った「琉大ミーバイのオリーブオイル焼き プッタネスカソース」。奥が「琉大ミーバイのフリット アイオリソース」

 

例えば、近海で採れた魚介類、在来種の金武(キン)アグー豚、沖縄県産野菜やフルーツなどの食材はもちろん、島味噌や黒糖といった調味料も地域と連携。

 

朝食はオリジナルのセットメニュー、ランチは大きな窯で職人が焼き上げるピッツァやパスタ、ディナーはオリオンビール工場の麦芽粕などを飼料に育てられた、県産黒毛和牛「もとぶ牛」を使用したメニューなどの美食が用意されます。

↑「もとぶ牛脛(スネ)肉の赤ワイン煮 ホイップポテトと温野菜」。沖縄の食材はもちろん、環境にやさしい食材を活用したこの地でしか出合えない料理など、サステナブルな食材を使ったメニューの開発に取り組んでいます

 

↑アグー豚のソーセージを使った「ピッツァ バンビーナ」。オリオンビールは今年からフルーツワインの製造にも力を入れており、運が良ければマリアージュが楽しめます

 

ロケーションの特徴としては「沖縄美ら海水族館」に隣接するほか、沖縄屈指の観光地として有名な「備瀬のフクギ並木」の集落にも徒歩数分で行けます。別世界に迷い込んだような雰囲気はここならでは。散歩がてらにもぜひ。

↑樹齢数百年のフクギの木が並ぶ、緑のトンネルが随所に。南国調の古民家があったり、島ラッキョウの格安路地販売があったり、見どころはたくさん

 

市街地でビアトリップするなら新生「オリオンホテル那覇」へ

沖縄へは行くけど、泊まるのは那覇市内という人もいるでしょう。そこでオススメなのが、もうひとつの新生宿「オリオンホテル 那覇」です。市のメインストリート「国際通り」沿いにあって、那覇空港からゆいレールで16分(最寄りの牧志駅徒歩3分)。ここもまた、ビール好き垂涎の魅力に満ち満ちています。

↑「オリオンホテル 那覇」。「Orion official Store 那覇」と、「ワインショップ・エノテカ オリオンホテル 那覇店」が併設されています

 

同館は1975年に「ホテル西武オリオン」として開業し、その後「ホテルロイヤルオリオン」を経て、2023年の11月20日に施設名を含めて刷新。こちらにもファミリー向け客室が備えられ、宿泊特典のビールもセット。オリオンビール、オリオンの缶チューハイが各1本ほか、目玉となるTHE ORION BEER DINING(オリオンビアダイニング)」での1ドリンクビアサービス(ソフトドリンクも可)も付いてきます。

↑筆者が利用したのは「オリオンモダンツイン」。ビールもチューハイも、冷えてます!

 

↑「オリオン ビアダイニング」は宿泊者以外も利用可能。オリオンホテル限定の「オリオン ザ・クラフト」も用意されています

 

「オリオン ビアダイニング」の魅力も、「スイングカラン」をはじめとするここだけの絶品ビール体験にあり、飲ませてもらいました。「スイングカラン」は昭和初~中期のビアホールで主流だった、日本独自のタップ。ビールの通る管が太く過度な炭酸が液体に溶け込まないため苦味がやさしく、まろやかな飲み口とのど越しの良さを楽しめるのが特徴です。

↑「スイングカラン」は技術が試されるタップ。東京にある有名なビアホールレストランで、注ぎ方のレクチャーを受けたそう

 

当然料理もハイクオリティ。ディナーは県産牛やアグー豚、シーフード、野菜など、沖縄各地から届く旬の恵みを生かしたグリルスタイルがメインとなり、一例を紹介しましょう。

↑コース内の一皿「グリルミートコンボ」。オーストラリア産グラスフェッド牛テンダーロイン、やんばるハーブ鶏 ケイジャン風味、島豚軟骨ソーキ葱味噌焼き、ラムケバブ、アグー豚ソーセージの盛り合わせ

 

↑「オリオン ザ・クラフト」は1杯1200円。左からペールエール、IPA、ヴァイツェン

 

単品おつまみで注目なのは、久米島の海洋深層水で育てられた真ガキのメニュー。陸上養殖に成功し、厳しい規定の検査をクリアしたカキは希少性の高さもポイントです。

↑「フレッシュオイスター 島ラッキョウヴィネガーと沖縄県産グリーンレモン」1500円。ヴァイツェンや、辛口の白ワインがよく合います

 

また宿泊者の朝食には、一日の活力をチャージできる色鮮やかなビタミンブレックファストが。昼は一般客も利用可能で、県産の肉や魚からエネルギーをもらえるパワーランチが提供されます。

↑朝食は選べるメインにモーニングブッフェ付き。このメインは「島豆腐と地野菜入り自家製スパイスカレー 季節のミックス野菜と沖縄県産うっちんライス」

 

ここまでオリオンビールを楽しめるならぜひ工場に行きたいという人もいるはず。次回の記事では、「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」から約40分で行けるビール工場「オリオンハッピーパーク」について紹介していきましょう。