題字/片桐 仁
ガンプラを好きすぎる片桐仁が、その魅力を伝える本連載。今回のテーマは、お父さんが娘をガンプラ好きに誘導するために一緒に作るべきガンプラです!
今回紹介するのは、HGBF 1/144 すーぱーふみな。アニメ「ガンダムビルドファイターズ」シリーズの2作目「ガンダムビルドファイターズトライ」に登場する“ガンプラ”のキットです。このシリーズは改造したガンプラを使ってバトルする、いうならば「プラモ狂四郎」の現代版のような作品。ちなみにシリーズ第1作の最終話では、プラモ狂四郎に出ていたパーフェクトガンダムが登場しています。
ガンダムビルドファイターズシリーズ関連のガンプラが面白いのは、“作中に出てきたガンプラをガンプラ化している”というところなんです。で、このすーぱーふみなは、ヒロインのホシノ・フミナへ一方的な好意を抱く、浪速の天才モデラーがコンテスト出展用に製作したプラモ作品。フミナがバトルで使用するパワードジムカーディガンと、フミナ本人が一体化したマニアの妄想が具現化したようなビジュアルが特徴ですね。
こちらがパワードジムカーディガン。このプラモとヒロインのホシノ・フミナを合体させたのが今回のキットです。 HGBF 1/144 パワードジムカーディガン 1,944円
で、商品化されたこの「HGBF 1/144すーぱーふみな」は、バンダイの技術力を全力で注いでアニメに出てきたプラモを再現したキットなんですが、特に頭部の造形のこだわりなんかは完全にどうかしてるレベル。
細い眉が顔と別パーツだったり、眼球がクリアパーツを上からはめ込む仕様だったり、ポニーテールが可動してなびく髪を表現できたり、カチューシャが軟式素材になってたりと芸が細かい!
このサイズなのに眉毛が別パーツ! 塗装を一切せずにシールとプラパーツの組み合わせで、ここまでの顔を作れちゃうとは!
左の内部パーツを右の顔パーツにはめ込んで、あと瞳にクリアパーツをはめれば完成
武器類はHGBF 1/144パワードジムカーディガンのものが流用されているとか、自作キット感があるのも面白いですよね。足部分は、だいぶ小さくなってますが、まんまパワードジムカーディガンのアンクルアーマーを再現してます。
アンクルアーマーはまさにパワードジムカーディガン!
このキットがヒットして以降、“女性型ガンプラ”通称「ガンプラコスヒロインズ」は人気のシリーズになりました。アーマーが着脱式で、脱いだアーマーがSDガンダムに変形するという、説明してると、自分でも何を言ってるのかよくわかんなくなる「ういにんぐふみな」や、ギャンの盾を持った「はいぱーギャン子」というギャン好き女子とギャンを合体させたキットなど、新作がどんどん登場してるんです。最近はさらに顔の造形が進化したキットがたくさん発売されていますね。
女性らしい体の曲線の造形も完璧。塗装なしでこの完成度の高さ
で、今回のテーマ。うちの息子たちはプラモ大好きで、下の子なんて幼稚園の頃からすでにひとりでガンプラを作ってましたけど、これが女のコだったら、なかなかそうはいかないはず。そもそもロボットに興味がない子も多いですからね。でも、このプラモであれば、少女アニメのキャラっぽいし、他のMSと比べると断然、女児にも魅力的なはず。
まずはこのキットから入って、次はセーラー服を着てハイヒールを履いてるけど顔はガンダムっていう『機動武闘伝Gガンダム』に出てきたノーベルガンダムを作る。で、そのあとは女性っぽさを感じさせる造形のキュベレイやハンマ・ハンマと、徐々に移行していけば、あんなに嫌がってた娘も、気付けばグフやゲルググもカワイイ! って言っちゃうようなガンプラ女子になってるはずです!
装備を外すと干渉が減り、さらにグリグリ動くので、いろんなポーズがかっちり決まります