庭や畑がなくても大丈夫! 屋内栽培を便利にするガーデニンググッズ3選

「庭がないとできない」「世話が面倒くさそう」といったイメージのガーデニング。実は、ホームセンターで道具や水をあげるだけで育つ栽培キットなどが揃っており、手軽に始められる。今回は、栽培の手助けをしてくれる便利なアイテムを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

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土いじりなし! で育てられる快適栽培グッズ3選

太陽光が届かない部屋でも植物をしっかり育成

富士倉

植物育成クリップランプ8W KY-08-SC

実売価格2980円

温室のような湿度の高い場所で使用できるクリップランプ。3色のLEDを組み合わせ、植物の育成に必要な波長を作り出す。IP65の防塵・防水に対応し、汚れたら水洗いも可能。

 

24時間対応のポンプで栽培養液を循環

協和

ホームハイポニカPLAABO

実売価格1万800円

30cm程度の草丈が低い野菜や観葉植物を水栽培できるアイテム。最大25株の苗を植えられる。植物工場で採用される、栽培槽(上段)と液肥槽(下段)を配した2段構造だ。

 

植物の成長を手助けする本格派の液体肥料

協和

ハイポニカ液体肥料 500mLセット

実売価格1280円

野菜、観葉植物、果樹、樹木など、あらゆる植物栽培に対応する液体肥料。成長に必要なミネラルや栄養を備える。水耕栽培や土耕栽培、容器栽培など栽培方法を問わず使用可能。

 

●本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって価格、取り扱い状況は変わる可能性があります

自宅でキノコや水草を育ててみよう! ホームセンターで始めるガーデニング

「庭がないとできない」「世話が面倒くさそう」といったイメージのガーデニング。実は、ホームセンターで道具や水をあげるだけで育つ栽培キットなどが揃っており、手軽に始められる。今回は、ビギナーでも手軽に始められるユニークな栽培セットを3つ紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

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自宅でキノコや水草が育てられる! おもしろ栽培キット

自宅でのガーデニングが人気ないま、ユニークでちょっと笑える栽培キットが密かに注目を集めている。収穫時のフォルムが異様なしいたけ栽培や、種から育てられる水草など、成長過程から楽しめるアイテムを3つピックアップした。

 

その1.成長過程も楽しめるしいたけ栽培

きのこ栽培キット

森産業

もりのしいたけ農園

実売価格1180円

おいしく、成長過程も楽しめるしいたけ栽培キット。ブロック(菌床)を取り出して軽くすすぎ、付属の栽培袋に入れて毎日霧吹きなどで濡らすと、1週間程度でしいたけが発生する。温度管理に気を付ければ、約2~3回の収穫が可能だ。

 

その2.種から発芽して一面に水草が生い茂る

水草栽培キット

杜若園芸

種から育てる水草の世界 グラス 大

実売価格6600円

水草を種から育てる栽培キット。ソイルを敷いて種をまけば、およそ1か月後には、まるで絨毯のような水草が広がる。独創的なガラス容器はハンドメイドだ。冬場はヒーターやエアコンをつけた部屋に置くと、より発芽がしやすい。

 

その3.水で育てるユニークなサボテン

サボテン栽培キット

planterior

アクアカクタス

実売価格1097円

水から生育できる、ユニークなサボテン。根の1cm程度を水に浸けると、1週間程度で新しい根が顔を出し、水に向かってニョキニョキと根を伸ばしていく様子を観察できる。陽の当たる場所に置き、週に1回程度の水換えをすればOKだ。

 

●水やり/水換えの頻度、収穫日数、日当たりの表示は目安です

●本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって価格、取り扱い状況は変わる可能性があります

プロが選ぶ“じっくり育てたい”作物3選! ホームセンターで始めるガーデニング

「庭がないとできない」「世話が面倒くさそう」といったイメージのガーデニング。実は、ホームセンターで道具や水をあげるだけで育つ栽培キットなどが揃っており、手軽に始められる。今回は、ホームセンターで購入できるガーデニング中級者にオススメな作物3選を紹介!

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

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宮崎さんオススメの作物【中級者編】

収穫までに長い時間がかかる作物など、腰を据えてしっかり取り組みたい人に向けたアイテムを紹介。手塩にかけて育てた作物の収穫時期には、達成感が待っている!

 

その1.耐病性を備え手がかからない新品種の小カブ

サカタのタネ

甘み耐病時なしカブ 二刀

実売価格398円

病害に強く、安定して作れる新品種のカブ。実は照りのある美しい白肌で、収穫後に起こりやすい中身の変色もない。す入り(実にできる空間)が遅く、柔らかくて甘味が強いのが特徴。冬にまけば春先に収穫ができる。

 

[栽培の目安]

水やり:3〜4日/週

収穫日数:50日

日当たり:日なた

 

宮崎’sメモ

収穫は早採りを意識 失敗はほぼゼロ

「真夏と真冬以外の時期なら、一年中種がまけます。葉も食べられるので、間引きした葉を試しに味わってみてもいいでしょう。カブの収穫は早採りだと失敗が少ないです」

育てやすさ ★★★

 

その2.酒の肴に合う柔らかく甘い大粒のそらまめ

アタリヤ農園

河内 一寸そらまめ

実売価格305円

豆の大きさが一寸(約3cm)と、「そらまめ」のなかで最大粒の大阪伝統種。耐寒性や耐病性に優れているため栽培しやすく、ずっしりとした3粒さやの収穫が期待できる。大粒で柔らかく甘さもあり、酒のつまみにピッタリ!

 

[栽培の目安]

水やり:4~5日/週

収穫日数:210日

日当たり:日なた

 

宮崎’sメモ

種まきでは深く埋めず土をかぶせる程度に

「種まきのコツは、種にある黒い筋を下に向けて種の8割くらいが隠れるまで土に埋めること。種をまいた日だけ水を与えれば、約1週間以内に芽が出てきます」

育てやすさ ★★★

 

その3.採れたては特筆して風味がよく美味なつるなしエンドウ

サカタのタネ

つるなしエンドウホルンスナック

実売価格320円

独特の風味とパリッとした食感がクセになるエンドウ。寒さや湿度に強く、生育旺盛なので自宅でも育てやすい。長さ7.5cm、幅1.5cmぐらいが収穫目安。特に採れたては際立って風味が良く、塩茹でだけでも絶品だ。

 

[栽培の目安]

水やり:4~5日/週

収穫日数:150日

日当たり:日なた

 

宮崎’sメモ

ベランダで育てるならつるなしタイプ

「つるありタイプと異なり長いつるが伸びないので、ベランダでもコンパクトに育てられます。1品種でサヤエンドウとグリーンピースの2つの野菜を味わえるおトク感が◎」

育てやすさ ★★★

 

もっと本格的に始める! なら「シェア畑」がオススメ

首都圏を中心に100か所以上で展開する、畑のレンタルサービス。種、苗、肥料、農具まで完備しているので、手ぶらで通える。夏は新じゃがのカレーパーティ、冬は芋煮会など季節ごとのイベントも充実しており、子ども連れの家族からも大好評を博している。

川崎多摩

●アクセス:南武線・宿河原駅から徒歩7分●月額:6700円/3平方メートル、9400円/10平方メートル、1万6000円/25平方メートル、2万6000円/50平方メートル

 

↑経験豊富な菜園アドバイザーが在籍し、サポートを受けられる。定期的に講習会も開催されており、初心者も利用しやすい

 

●水やり/水換えの頻度、収穫日数、日当たりの表示は目安です

●本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって価格、取り扱い状況は変わる可能性があります

プロが選ぶ“初心者にオススメ”な作物7選! ホームセンターで始めるガーデニング

「庭がないとできない」「世話が面倒くさそう」といったイメージのガーデニング。実は、ホームセンターで道具や水をあげるだけで育つ栽培キットなどが揃っており、手軽に始められる。今回は、ガーデニング初心者にオススメな作物7選を紹介!

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

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宮崎さんオススメの作物【初心者編】

菜園に必要な道具がすべて梱包されている栽培キットや、部屋や手が汚れずに水だけで育成できるセットなど、ビギナーでも始めやすいアイテムをラインナップ。届いた日からから始められる。

 

その1.手や部屋を汚さず水だけで簡単に栽培

アタリヤ農園

水耕栽培セット かいわれスプラウト

実売価格547円

高栄養価で注目を集めているかいわれスプラウトを水だけで簡単に栽培。専用の容器と3回分の種子が付属する。毎日の水換えが必要だが、15~25℃の室温で約7日にて収穫可能。土を使わないので手や部屋を汚さずにできるのも便利。

 

[栽培の目安]

水換え:7日/週

収穫日数:7日

日当たり:日陰

 

宮崎’sメモ

容易に育てられるが雑菌の繁殖には注意

「手軽にできる栽培セットですが、雑菌が原因となるカビの発生には注意が必要。水を交換するときに容器が汚れていたら、容器ごと洗って雑菌の繁殖を予防しましょう」

育てやすさ ★★★★★

 

その2.気持ちをリフレッシュする爽やかな香りのミント

尚香園

スペアミント

実売価格308円

気持ちをリフレッシュできる、やさしい香りが特徴のスペアミント。収穫後はそのまま食べられる。購入時は茎が太く、元気な葉を付けた苗を選ぶのが望ましい。根が伸びて、周りの植物を駆逐してしまうこともあるので庭植え時には注意を。

 

[栽培の目安]

水やり:1~2日/週

収穫日数:15日ごと

日当たり:半日陰

 

宮崎’sメモ

ハーブティーやスイーツに活躍

「ハーブティーや、アイスなどのスイーツに使えます。栽培が非常にラクな品種で、生命力が強いため増えすぎて困るほど。植え替えて育てるのであれば、プランターがオススメです」

育てやすさ ★★★★★

 

その3.ゴマの風味が香る万能なルッコラ

サカタのタネ

ルッコラ(ロケット)

実売価格206円

ピリッとした辛みとゴマの風味が香るルッコラ。約3週間で育った若い葉はベビーリーフとしてサラダや生ハムのピザなどの料理に活用できる。生育したら必要な量だけ摘み取ることで、長期間に渡って収穫を楽しめる。

 

[栽培の目安]

水やり:2~3日/週

収穫日数:60日

日当たり:日なた

 

宮崎’sメモ

一年中収穫ができる!

「種まきの時期によっては一年中収穫が可能。晩秋〜冬に植えるとゆっくり育ち、葉が15cmくらいの長さになったら収穫の目安です。イタリア料理のほか、サラダの葉物としても大活躍!」

育てやすさ ★★★★

 

その4.料理の彩りとして活躍するラディッシュを簡単栽培

アタリヤ農園

菜園セット ラディッシュ

実売価格547円

和名「二十日大根」として古くから親しまれ、様々な料理の彩りとして使える名脇役。種をはじめ、プランター、トレー、土、肥料がセットされている。付属のプランターに種をまき、水やりなどをするだけで約30日で収穫可能だ。

 

[栽培の目安]

水やり:3〜4日/週

収穫日数:30日

日当たり:日なた

 

宮崎’sメモ

間引きを怠らないことが大切

「芽が狭い間隔で生えてきたら生育が悪い芽を抜いて、間引きをするのがポイント。5cm程度の等間隔で並んでいるのが理想ですね。秋冬の栽培だと収穫まで2か月ほどかかることも」

育てやすさ ★★★★

 

その5.飲み物やスイーツが爽快なミントフレーバーに

サントリー

本気野菜Ready To Harvest モヒートミント

実売価格547円

カクテルのモヒートでお馴染みの清涼感たっぷりなハーブ。摘みたての葉をちぎって、水や炭酸などの飲み物、スイーツ、料理に入れるだけでフレッシュな香りを贅沢に楽しめる。鉢に植え替えれば持続的に収穫もしやすい。

 

[栽培の目安]

水やり:1〜2日/週

収穫日数:15日ごと

日当たり:日なた

 

宮崎’sメモ

風通しの良い窓際なら室内でも育てられる

「爽やかな香りがするモヒートミント。日当たりが良すぎると葉焼けするので、真夏などは半日陰で風通しの良い場所が好適。ベランダや窓際の室内でも育てやすいです」

育てやすさ ★★★★★

 

その6.強い芳香を持つ肉厚のバジル

サントリー

本気野菜Ready To Harvest スイートバジル

実売価格547円

肉厚で味が濃く、香り高い品種を厳選して採用。間延びしてきたら、半分の草丈に刈り込みを入れるだけで香り良く芽吹く。キッチンの近くに置いておけば、料理にアクセントを加えたいときに、必要なぶんだけすぐに収穫できる。

 

[栽培の目安]

水やり:3〜4日/週

収穫日数:15日ごと

日当たり:日なた

 

宮崎’sメモ

料理に添えて食卓に華やかさを提供

「気温が10℃を下回ると枯れてしまうので、寒い季節は室内で育てましょう。パスタソースやカプレーゼに使ったり、スイーツに添えたりするだけで、オシャレに仕上がります」

育てやすさ ★★★★

 

その7.ほぼ1年中栽培できる改良日本ほうれん草

サカタのタネ

改良日本ほうれん草

実売価格206円

暑さや寒さに強いため季節問わず栽培しやすい。生育旺盛でがっちりと育ち、葉の色も鮮やかなほうれん草に。収穫の約1週間前から水やりを控えると品質が向上。草丈20~25cmを目安に収穫し、茹でて冷凍すれば、長く保存できる。

 

[栽培の目安]

水やり:3〜4日/週

収穫日数:60日

日当たり:日なた

 

宮崎’sメモ

寒い冬に育てれば甘みが増す

「ほうれん草は耐寒性に優れる野菜。霜が降りるような寒い時期に育てると、赤くて太い根のほうれん草が採れます。根の部分も甘くておいしいので、ぜひ食べてみてください!」

育てやすさ ★★★★

 

●水やり/水換えの頻度、収穫日数、日当たりの表示は目安です

●本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって価格、取り扱い状況は変わる可能性があります

ガーデニングで知っておきたい基本のキ! 3つのポイントをプロが解説

「庭がないとできない」「世話が面倒くさそう」といったイメージのガーデニング。実は、ホームセンターで道具や水をあげるだけで育つ栽培キットなどが揃っており、手軽に始められる。今回は、ガーデニングを始めるうえで知っておきたい3つの基礎知識を紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

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知っておくべき! ガーデニングの3つの基礎知識

その1.日当たりと水と肥料 3つの要素を適切に

植物が元気に育つ要素は、「日当たり」「水」「肥料」の3つ。植物ごとに好む環境条件が異なるので要注意。例えばミニトマトの場合は、夏野菜なので日当たりが良い場所に置き、水や肥料をたっぷりあげればスクスクと育つ。

 

その2.見えない根も気遣いこまめに排水する

土に隠れている根も大切。植木鉢の底に水が溜まっていると根が腐ってしまうので、底には鉢底石を入れること。また、植木鉢の下に受け皿を敷くときは、水が溜まったらこまめに捨てるようにしよう。

 

その3.害虫や病気の対策に農薬の使用が有効

植物を育てていると、葉の裏面にハダニが寄生して、葉の栄養分を吸い取り、生育に被害が生じることも。カビやウイルスなどの微生物が原因で様々な病気にかかる恐れもある。農薬は適宜使用することが重要だ!

 

ガーデニング初心者は上記の3点に注意して植物を育ててみましょう。

 

ビギナーのための“三種の神器”はコレ! ホームセンターで始めるガーデニング

「庭がないとできない」「世話が面倒くさそう」といったイメージのガーデニング。実は、ホームセンターで道具や水をあげるだけで育つ栽培キットなどが揃っており、手軽に始められる。今回は初心者にオススメな3つのアイテムを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

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まずはコレだけあればOK! ビギナーのための“三種の神器”

1.ペットボトルをセットするだけで給水できる「大容量プランター」

ベストコ

給水式プランター650型

実売価格1230円

ペットボトルをセットするだけで給水可能なプランター。毎日の水やりの手間を軽減でき、ちょっとした外泊も安心だ。約7.5Lの水溜めトレーを搭載し、残水量がひと目でわかる。容量は約30Lで、3~4株の野菜苗に最適。

 

2.袋の状態でトマト栽培ができる便利な「培養土」

プロトリーフ

KAGOME そのまま育てるトマトの土

実売価格1380円

根腐れしにくいように配合された培養土。底部に穴をあけ、袋を開封してトマト苗を植えるだけで育てられる。追肥なしでミニトマトを5房ほど収穫可能。使用後は、家庭の燃えるゴミとして捨てられる手軽さがうれしい。

 

3.弱った土に混ぜるだけで元気な土に復活する「再生材」

コメリ

古い土を再生する培養土 5L

実売価格458円

植物を育てた後の土に混ぜるだけで元気な土に再生。混ぜてすぐに植え付けができ、時間や手間がかからずベランダなどのガーデニングに使いやすい。樹皮を原料とするバーク堆肥配合で、長期間の土壌改良効果が望める。

 

●水やり/水換えの頻度、収穫日数、日当たりの表示は目安です

●本記事に掲載している商品の価格は2021年11月16日時点のものです。店舗や時期によって価格、取り扱い状況は変わる可能性があります

初心者はまずこの3つを買おう! ホームセンターで始めるガーデニング

「庭がないとできない」「世話が面倒くさそう」といったイメージのガーデニング。実は、ホームセンターで道具や水をあげるだけで育つ栽培キットなどが揃っており、手軽に始められる。ここでは農業のプロに、寒い季節でも育てられるアイテムを、難易度別に紹介してもらう。

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

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家庭菜園の初心者やプロの需要に応えるのがホムセン

コロナ禍により外出が難しくなったことで、2020年の春に自宅でできるガーデニングが注目を集めました。植物を育てることで長いおうち時間の閉塞的な気持ちをリフレッシュできると、現在も人気です。畑を借りて本格的に菜園を始める人も増えています。

 

ガーデニングをするときは、ホームセンターが心強い味方。土をはじめ、肥料、種、苗、ジョウロ、手袋などの道具をすべて揃えられます。農家さんも愛用するほどの本格的な品揃えですが、初心者向けのアイテムも充実しています。

 

とはいえ豊富な品揃えから何を選べば良いのか、初心者には判断しにくいものです。そこで、自宅でガーデニングを始める際にオススメしたいアイテムを3つ紹介。

1.大容量プランター

2.軽くて捨てやすい土

3.堆肥配合の再生材(土に混ぜて使用する土壌改良材)

これらは植物の成育を手助けしてくれて、失敗も減らせます。

 

さあ、道具が決まったら好きな野菜やハーブを選んで、ガーデニングを初めてみましょう!

 

座りながら寄せ植え作業ができるガーデンテーブル兼作業台/DO IT!手作りガーデン【5】

スライド式のテーブルを広げると内部にガーデン作業バットがあり、そこで植え替え作業などをできるようにした。スライドテーブル自体をきれいに保持しておけるのがポイント。さらにバタフライテーブルつきなので、大勢でガーデンパーティーを楽しめるようになっている。

直線切り&突きつけだけで作れる!初めてのDIYにおすすめ

「ガーデンテーブルにもなり、ガーデニング作業台にも使える」をコンセプトにデザインしたガーデンテーブル兼作業台。天板はスライド式で内部に植え替え作業などができるスペースを作った。作業用の台には料理で使われるアルミ製の角バットを使用。角バットなら作業後に水洗いできてテーブル本体をきれいなままにしておける。

また、大人数でガーデンパーティーを楽しめるようにテーブル本体に延長用となるバタフライテーブルを取りつけた。

木材のカットは直線カットのみ。丸ノコを使えばあっという間に木取りができてしまうはず。組み立ても超シンプルで、ビスによる突きつけのみなのでDIYビギナーでもチャレンジしやすい。少し難しいのはバタフライテーブルの取り付け。スムーズに開閉できるかを確認しながら行なうとよい。また、スライド式テーブルがスムーズに開閉できるように、脚部に固定する天板はスライド式テーブルのサイズに合わせず、少しゆとりを持って取りつけるといい。

天板と脚部で塗料を白とグレーで塗り分けたのもポイント。庭のアクセントにもなり、植物との相性もいい色味になっている。今回は作業の都合上、組み立て後に塗装を行なったが塗膜により少々厚みが出て、スライドテーブルの開閉に支障をきたす可能性がある。塗装をしてから組み立てるのがおすすめだ。

スライドテーブルをあけた状態。作業スペースが450×485mmあるのでバーベキューコンロを置いてみた。バーベキューコンロはキャプテンスタッグのカルネ角型水冷バーベキューコンロ

 

【構造図】*単位はmm

【使用資材】

材の種類 サイズ 数量 使用部位
2×4材 785 2 幕板
700 4
1×4材 900 2 天板
825 6 バタフライテーブルの天板
785 2 スライド式テーブルのレール
630 2 幕板
605 6 棚板
550 2 バタフライテーブルの天板受け
530 5 作業バット受け
525 2 スライド式テーブルの受け
450 10 スライド式テーブルの天板
2×2材 785 2 棚受け
700 2 バタフライテーブルの脚
445 2 天板受け

 

【使用資材】
アルミ角バット、ステンレスJ型フック(2個)、32mm鉄横長蝶番、51mm鉄横長蝶番、キャッチャー、塗料(アクア エクステエナメル 0.7L缶/ホワイト)、(サドリンクラシック 0.7L缶/グレーアンバー)、ビス(65mm)、スリムビス(50mm、45mm、32mm、25mm)

材料費…約1万円

【主な使用道具】
ンパクトドライバー、スライド丸ノコ、サンドペーパー、養生テープ(マスキングテープ)、ハケ、塗料カップ、鉛筆

 

STEP1 脚部を作る

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

STEP2 スライド式テーブルの天板を作る

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STEP3 バタフライテーブルの天板を作る

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STEP4 脚部に天板を組み立てる

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STEP5 塗装する

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バタフライテーブル&スライドテーブルが閉じているとコンパクト

 

バタフライテーブルだけを広げて使ってもいい

 

側面から見た様子

 

スライドテーブルは2×2材の天板受けを持ってスライドさせる。好みで取っ手をつけると引き出しやすい

 

キャッチャーから脚をはずしてバタフライテーブルの脚を立てる

写真◎田里弐裸衣、ドゥーパ!編集部

 

アポロ佐藤 Aporo Satoh

北海道生まれ。カントリーフィーリングにあふれたガーデン作品を得意とするガーデンエクステリアプランナー。千葉県茂原市でウッドワークアポロを主宰。趣味でパンクバンドのボーカルを担当。2児のパパ。

キッチンが家庭菜園に! 秋冬でもベビーリーフやスプラウトで楽しむ「ハーブ」栽培

自分で育てたハーブを摘んで、その日の料理に使う。そんな暮らしに憧れたことはありませんか? 家にいる時間が長くなるこれからの季節はなおさら、料理にもこだわりたいところ。でも、室内での植物栽培は光や水の加減が難しく、なかなかうまくいかないことも多いのです。

 

今回は、そんなキッチンハーブの上手な育て方と、冬に向かうこれからの季節でも種を撒けるハーブの種について、グリーンフィールドプロジェクトの代表・松崎英さんに教えていただきました。

 

秋冬に撒くハーブはベビーリーフとして活用する!

一般的に植物は、春夏に芽を増やしてぐんぐんと生育していくもの。気温が下がる秋冬は、どんな植物でも成長スピードが遅く、ハーブ栽培にもコツが必要です。

 

「春夏に芽を出すものであれば、数個の種を撒いて元気に伸びた一株を大事に大きく育てていきます。一株だけ育てても、成長にスピードがあるので、収穫して食べたらすぐにまた次の葉が生えてくる……というサイクルがうまくいくんですよね。

 

一方、秋冬はどうしても温度(気温)と光(日光)が足りなくなるので、成長が緩やかになり、うまく育てられなかったりします。ただ、9月から10月の初旬にかけての、まだ20度ほどの暖かい日が続く時期であれば、寒くなっても耐えられるくらいの大きさに成長させることができるでしょう。10月中旬以降で寒さが感じられるようになってからは、発芽しても成長が遅いために耐寒性が弱い品種の場合は育たずに終わってしまう可能性がありますが、そのような環境の中でもハーブをベビーリーフとして収穫する方法であれば育てやすく、食べる楽しみも味わえます」(グリーンフィールドプロジクト代表・松崎英さん、以下同)

 

・ベビーリーフとは……
芽が出てから10〜30日ほどの、まさに“葉っぱの赤ちゃん”のこと。やわらかく栄養価も高いとされ、葉物野菜ではルッコラ、ホウレンソウ、ミズナなどが多く出回り、サラダにもよく使われます。

 

↑ベビーリーフとして楽しめるハーブはさまざま。松崎さんが販売しているオーガニックシードを見せていただきました

 

「いろいろありますが、イタリアンパセリ、レモンバーム、コリアンダー(パクチー)、バジルなどが、ベビーリーフとして収穫し楽しめるハーブです。まだ若くて柔らかい葉を収穫し、サラダに入れたりスープに散らしたり、レモンバームはハーブティーとして楽しむこともできます。ほかに、ビオラやカレンジュラは食用花として活用できるので、サラダにのせたり、ゼリーやケーキなどの飾りにしたりしても華やかです。芽が出るまでは日陰で育て、芽が出たら、窓際など光が入ってくる暖房の風があまり当たらないところで育ててください

 

※写真は、春に種を撒いて育てたウィンターサボリー

 

「ウィンターサボリーやタイムなどは、ローズマリーのようにしっかり育つと茎が細枝のようになっていき、とても丈夫で育てやすいハーブです。ウィンターサボリーは聞き馴染みがない植物かもしれませんが、煮込み料理ととても相性がよく、使い勝手のいい植物です。酢やオイルに漬け込んでおき、ドレッシングにするのもおすすめ。この2種類なら、秋に撒いても比較的元気に育ちやすいと思います」

 

小型のポットにハーブの種を撒く方法

実際に、ポットにハーブの種を植えるところを見せていただきましょう。キッチンなど家の中のちょっとしたスペースに置けるものというと、小型のポットになります。

 

「準備するのは、3.5号のポットとハーブ用の土です。ポットは、大きいほど植物がのびのびと育つことができるので、本来は置き場の許す限り大きなポットやプランターに撒いてほしいのですが、キッチンに置けるサイズとなると、現実的にはこのくらいの大きさでしょうか。土は、安価なものも売っていますが、やはり生育状態には違いが出る可能性があるので、園芸センターなどで『ハーブ用』と書かれた土を買いましょう。粘土質でないフワフワした土なので、水はけがよく、根腐れする心配がありません」

 

今回使った種は、コリアンダー(パクチー)です。一般的にコリアンダーの種は、芽が出るまでに1週間から10日ほどかかり、けっして発芽が早い品種ではありません。しかし、グリーンフィールドプロジェクトのベビーリーフ用のコリアンダーの種は、56日で芽が出るように種の一部を半分に割って(スプリット)販売しています。

↑コリアンダー(パクチー)の種は小さな球状をしていますが、グリーンフィールドプロジェクトのものは半球に割れています

 

「種を買ってみて丸いままのものだったら、ちょっと割ってみてから植えたり、ひと晩水に漬けておいて、殻を柔らかくしてから植えるという方法もあります」

 

【植え方】

1. ポットに土を入れる

まずはポットの8割くらいを目安に、土を入れていきます。「このとき、土をぎゅうぎゅう押して詰めてしまうと、せっかくフワフワだった土が硬くなり、水や風の通りを悪くしてしまうんです。でも、あまりにスカスカになってしまうのもよくないので、手で軽く押さえていきます」

 

2. 表面を平らにならす

土が入ったら、表面を軽く撫でて土を平らにならしていきます。「このときも押しつけてしまわないように行いましょう。土に根がするすると伸びていきやすいように、適度な密度にしていきます」

 

3. 水を入れる

ここで一度水を入れて土全体を湿らせます。「ポットの下から水が滴るので、水を入れたらいったん鉢を持ち上げてしっかり水を切ります。土が乾燥していると水を弾いてしまい、少し水をあげたくらいでは全体に行き渡らないこともあります。下から水が抜けるのをきちんと確認できるまで、水をあげましょう。また、このまま受け皿に置いてしまうと、お皿の中に水が溜まってしまうので、きちんと水切りしてから置きます」

 

4. 種を撒く

土の上に、種を撒いていきましょう。指の腹にいくつか持って、指をひねるようにして種を置いていきます。「このポットのサイズなら20〜30粒くらいは撒くことができます。密集しないよう、広げて撒いていきます」

 

5. 種に土をかぶせる

種の上から土をかぶせていきます。深さはあまりなく、種が見えなくなればOK。「土に指で穴を開けて種を入れていく方法もあるのですが、種の数が多いときにはこちらの方法の方が、上手に撒くことができます。土をかぶせたらまたそっと平らにならし、もう一度表土を湿らせる程度に水をかけておきます」

 

発芽するまでは日陰に、発芽したら日光が当たる窓際などの場所に置き、日々観察してみましょう。「芽が出るまで、スプリットされたものなら5日ほどかかります。植物を育てはじめたときは、うれしくてつい水をたくさんあげてしまうのですが、表面を触ってみて湿っていたら水は控えます。完全に表土が乾いていると感じたら、最初にあげたときのようにたっぷり水を入れ、下から滴り落ちる水をしっかり切って、受け皿に戻します」

 

「ベビーリーフでも、このくらい大きなプランターで育てると、植物はより快適に根をのばすことができるので、場所があるならぜひ、大きい土地で育ててあげてください。このくらいの大きさだと、サラダとしてしっかり満足できる量を育てることができます。ハーブを一株しっかり育てたいなら、直径30cmほどで深さ20cmくらいのプランターで栽培するのがいいでしょう」

 

一方、葉物を育てるのはなんだか難しそう、土を家の中に持ち込みたくない……という人におすすめなのが、スプラウトです。

もっと手軽にキッチン栽培を楽しむなら「スプラウト」がおすすめ

一方、葉物を育てるのはなんだか難しそう、土を家の中に持ち込みたくない……という人におすすめなのは、スプラウトの種を撒くこと。

 

・スプラウトとは……
種や豆種を食用に発芽させた新芽。撒いて2日ほどで芽が出はじめ、1週間〜10日で食べられるくらいのサイズに成長します。

 

「スプラウトは水耕栽培でも育てられ、とても簡単な上、栄養価の高い野菜としても知られています。土に触りたくない方や、家に土を持ち込みたくない方にもおすすめです。季節を問わずに育てられますが、夏場の高温多湿期は腐りやすいので、秋冬には特におすすめです。こちらは赤ラディッシュの種ですが、スプラウトにもいろんな種類があって、お料理の香りや味づけにもってこいのものもあるんですよ」


【有機種子・固定種】赤ラディッシュ(スプラウト)
314円+税(15g

 

もうひとつ見せていただいたのは、ガーリックチャイブのスプラウト。一般には、「ロックチャイブ」という名前で売られています。ヒョロヒョロとした容姿なのですが、1本食べただけでガーリックの強い香りが口中に広がるくらい、しっかりとした味と香りがあります。


【有機種子・固定種】ガーリックチャイブ(スプラウト)
314円+税(3.5g)

 

水耕栽培の専用ポットも販売されています。これさえあれば、あとは種を変えていくだけでさまざまな種類・味のスプラウトを楽しめます。


おうちでベジ~スプラウト栽培専用容器~
361円+税
※写真右の種は付属しない

「バジルやディル、コリアンダー(パクチー)などもスプラウトで育てられるので、料理の仕上げに飾ると本当においしいですよ。なかでもいちばんよく売れているのは、ブロッコリースプラウトです。栄養価が高いという認知もされていて、サラダに混ぜたり料理に和えたりして使っていただいています。ほかにも、胡椒草やルッコラ、ケール、チアシードなどもスプラウトで育てられます。秋冬なら、一日一度か二度水を変えればいいだけなので、本当に手軽です」

 

料理のアクセントに、豆のスプラウトにもチャレンジ!

こちらはハーブではありませんが、“栽培”というほどの日数もかからず、2〜3日ですぐ収穫し食べられる豆の栽培キットも。青えんどう豆やレンズ豆に水をあげて栽培し、発芽した豆をいただきます。

 

「何か育てて食べるという経験をしてみたい方や、小さいお子さんにも楽しんでいただけます。発芽させることでギャバが格段に増え栄養が豊富なので、日々の食生活に栄養不足を感じている方にもおすすめですよ。こちらは初日に豆を浸水させるだけで、あとは毎日豆を水で洗って置いておくだけ。発芽したら食べられます」


左:発芽豆栽培キット~選べる5タイプ(緑豆、フェヌグリーク、レンズ豆、ひよこ豆、青えんどう豆)
1226円+税(専用ジャーと豆1種がセット)
右:クリムゾンレッドレンズ豆(スプラウト)【有機種子】
663円+税(120g)

 

種から選び、自分で育てていただく楽しさを、ぜひ体験してみてください。

 

【プロフィール】

グリーンフィールドプロジェクト 代表 / 松崎 英

アメリカの大学で経済学を学び、卒業後は外資系金融機関に勤務。メキシコ駐在時代にフェアトレードや有機農産物などに関心を持ち、2009年には農業分野への転身を決意。友人が経営する熊本県天草市の種苗店で働きはじめる。ヨーロッパの有機種子の情報を入手したことが大きな転機となり、2012年に有機種子販売会社を設立。日本初で唯一のヨーロッパ有機認証を取得した有機種子の輸入・販売会社となる。持続可能な農業の実現のために有機種子の販売に注力しているほか、日本の在来種を継承することを目的とした「SAVE THE SEEDプロジェクト」を立ち上げた。

 

ゴーヤやアサガオならまだ間に合う!? 今年の猛暑を「緑のカーテン」でエコで涼しく――『緑のカーテンのつくり方』

2018年6月29日。関東甲信越地方の梅雨明けが発表された。昨年より7日、平年より22日も早いというタイミングは、1951年の観測開始から史上初の6月の梅雨明けということになった。うっとうしさを感じる間もなく夏本番に突入してしまったわけだ。

 

この日の午前中から“史上最速”が最新のバズワードになり、瞬間最大風速的と感じられた勢いもまったく衰えを見せなかった。そして昼頃、JR渋谷駅前付近を歩いていた筆者は、ビルの屋上に表示された32という気温を示す数字を見てもたいして驚かなかった。体感温度が36度くらいに思えたからだ。

 

今年の夏は暑くて長い

史上最速の梅雨明け宣言から遡ること4日。6月25日に出された気象庁の3か月予報では、9月まで全国的に暑くなるという可能性が示されていた。1か月ずつ詳しく見ていくと、以下のようになる。6月28日の予報では、7月は平年より気温が高く、特に初めが平年より暑いという見込みだった。梅雨明け宣言後の気温を考えても、これはずばり的中といっていいだろう。

 

8月は全国的に平年並みか平年よりも高い気温という予報が出されている。9月もまったく同じ傾向になるようだ。

 

筆者は夏が大好きなので、いくら暑くなってもいいと思っている。アスファルトから立ち上る熱気で頭がぼうっとするくらいになっても、体が動かないように感じられる冬の寒さを思えば、はるかにいい。ただ、自宅の作業環境や電気代を考えると、暑い夏への期待も速度が落ちる。

 

 

夏好きの暑がり

実は筆者、夏が大好きなのに暑がりなのだ。8月に入る頃には、決して大げさではなく24時間エアコンをフル稼働させてしまう。外に出るときは温度差でクラクラするくらいキンキンに冷やした空気のなかで仕事をしている。夜寝るときも、「ちょっと冷やし過ぎかな」なんて思いながら毛布にくるまるのが好きなのだ。

 

ネガティブな自覚が一切ないので、夏はこういうライフスタイルを貫いている。でもときどき、「さすがに毒かもしれない」と思うことがある。そうは思うのだが、具体的な代替案は一切浮かばない。いや、これまでは浮かんだことがなかった、と言っておく。

 

この原稿で紹介したいのは、筆者のような典型的エアコン依存型サマーライフから脱却するための、アナログでエコなアイデア満載の一冊だ。一時期さかんに言われていた“ロハス”という言葉がフラッシュバックする。

 

 

見た目にも鮮やかな緑のカーテン

緑のカーテンのつくり方』(学研パブリッシング・編/学研プラス・刊)のテーマは、夏の強い日差しをさえぎる“緑のカーテン”を自分の手でいちから作っていくことだ。ちなみに、いわゆるガーデニングは筆者の得意ジャンルではない。それに筆者は、鉢植えの観葉植物をかいがいしく世話するタイプでもない。でも、この緑のカーテンにはなぜか強く心惹かれる。「はじめに」に記されている文章を読んでみよう。

 

夏の厳しい日差しも、緑のカーテンで窓を覆えば、室内に差し込んでくる様子が木漏れ日のよう。まるで森の中にいるような心地さえ感じられます。そんな緑のカーテンは、植物が持つ本来の力を借りて、暑い夏をできるだけ涼しく過ごす、日本古来の知恵。

(『緑のカーテンのつくり方』より引用)

 

筆者のような初心者は、ゴーヤやアサガオ、そしてヘチマなんかが比較的始めやすいようだ。

 

 

効果も抜群

そもそも緑のカーテンにはどんな効果があるのか。本書では以下の4点が挙げられている。

 

・葉っぱで日差しをカット

・蒸散作用で気温を下げる

・きれいな酸素で新鮮な空気

・省エネでエコ!

 

見た目に涼しげなだけじゃない。つるが伸びて葉が茂り、それがカーテンとなって直射日光を遮り、目隠しにもなる。葉っぱの蒸散作用によって、緑のカーテンを通る風が涼しく感じられ、光合成で周囲の空気が浄化される。

 

日差しがやわらげられて気温が下がり、新鮮な空気に包まれれば、自然とエアコンを使う頻度も下がるというきわめてヘルシーな循環が生まれるのだ。

 

 

実用的アートとして趣味にしたい

ハウツー本としての作りも、実に親切だ。フローチャート的にまとめられた「緑のカーテンの栽培の流れとポイント」は、カーテンに使う植物のライフサイクルと作業の詳細が併せて表記されているので、全体的なプロセスがひと目で把握できる。

 

種や苗、培養土と肥料、そしてコンテナ、ネットと支柱の選び方も実践的。目的に応じてピンポイントな選び方ができるだろう。必要なものが揃ったことを確認した上で、先に紹介した「緑のカーテンの栽培の流れとポイント」に沿って実際の作業にとりかかることができる。

 

緑のカーテンという概念が優れているのは、好きな植物を使って好きなスケールのものを作ることができるところだ。一軒家に住んでいてもマンションに住んでいても、スケールの違いこそあれ、まったく同じコンセプトで作っていける。

 

ゴーヤやアサガオなら今年の夏もまだ間に合うかもしれない。今年はテスト期間として、来年は完成度の高い緑のカーテンを作れる気がしている。作って育てるプロセスを楽しめる実用的なアートの形態であることはまちがいない。筆者としては、趣味と呼びたい。

 

ガーデニングではなく“カーテニング”をきわめる気持ちを固めながら、来年の夏も今年みたいに暑くなることを今から祈っている。

 

 

【書籍紹介】

緑のカーテンのつくり方

著者:学研パブリッシング(編)
発行:学研プラス

アサガオやゴーヤなどのつる性植物をブランド状に育てるグリーンカーテン。電気を使わずに真夏の室内を涼しく保つ、ナチュラルでエコな園芸技術を、イラストと写真で解説したハウツーと、利用できる花や野菜の詳しいカタログで構成した入門書です。

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週末農園やレジャー農園が人気。露地栽培から始める家庭菜園のススメ

現代の集合住宅では、庭がないケースがほとんど。そのため、庭先で野菜を育てたくてもできない、そんな人が多いのではないでしょうか。

 

とはいえ、ベランダで手軽にできるプランター菜園では、栄養たっぷりで大ぶりの野菜は育ちにくいもの。せっかく野菜づくりに取り組むなら、太陽の恵みがたっぷり注がれる露地栽培にチャレンジしてみませんか?

 

そこで注目したいのが、レンタル農園や区民農園、あるいは週末農園、レジャー農園などと呼ばれている菜園です。また、“クラインガルテン”と呼ばれる小さな別荘付きの農園も、根強い人気があります。自分で野菜を育てることで、無農薬や減農薬野菜を作れるのはもちろん、自然と触れ合うことが、心と体の癒しやリフレッシュにもつながるとされており、人気を後押ししているのです。

↑編集部スタッフがレンタルしている区民農園。例えばこちらは1区画が15㎡で年額4800円(2年契約)と破格。他方、都内には手厚いサービス込みで3㎡・月額1万円程度、という超高級ファームも!

 

↑首都圏と関西地区の貸し農園情報をまとめてチェック、申し込みまでできる「シェア畑」。こういった情報サイトを活用してみると便利です

 

では早速、そういった菜園で野菜作りをする際のポイントを紹介しましょう。

 

おいしい野菜作りは土作りから

「初めてのテラスガーデニング」編でもお伝えしましたが、第一に大切なのは、土作り。野菜の露地栽培ならなおさらです。

 

野菜苗を購入し、そのまま植えれば野菜がたっぷり収穫できる! そんな風に思っている人も少なくないようですが、ただ野菜苗を購入して植えるだけでは、おいしい野菜は作ることはできません。畑の土の状態にも左右されますが、「有機質肥料」(Organic fertilizer)と呼ばれる植物や動物由来の肥料を土に混ぜ込むことで、微生物の活性が促され、良い土になるとされています。ここで言う“良い土”とは、ほどよく空気が含まれ水はけがよく、さらに養分がある土のこと。とはいえ、この有機質肥料は微生物の力で分解されてはじめて、土にパワーを与えるものなので、植え付け寸前に施すのではなく、多くの場合は植え付けの1カ月から2カ月前に土に混ぜ込み、畑の準備をすることに使われます。

 

ちなみに、畑の準備では石灰をまくと良いと聞いたことがある人もいるかと思いますが、これは土の消毒と畑の酸度調整のため。ただまけばいいわけではなく、土の酸度を測定(測定液やpH計を使って測る)してから、その分量を決めることをおすすめします。

↑美味しい野菜を育てるポイントは土作りが一番。腐葉土などをたっぷり土に混ぜ込みましょう

 

時間に余裕があるなら肥料のことは考えず、まずは雑草を抜き、しっかり土を耕すことからスタートしましょう。

 

土を耕す場合には、表面だけではなく最低でも深さ30㎝ぐらいまではしっかりと。できれば、上のほうにあった土を、下の土と入れ替えるようにする気持ちで耕し、土を1-2日天日に干してから、元肥(もとごえ)を混ぜてから畝(うね)にするといいでしょう。

↑しっかりと耕し、水はけしやすいよう高く畝を作る

 

畑の管理は除草がキホン

土作りの上で大事なのが除草。ようは、草むしりです。とくに、タネから育てている場合や、植え付けてすぐのポット苗の場合は要注意。雑草のほうが成長が早いため、土の養分をとられてしまうだけでなく、日当たりも悪くなってしまい成長が阻害されてしまうのです。そのため、見つけたら雑草は早めに抜くようにしてください。

 

これは、区民農園やレンタル農園の場合は、雑草が大きく成長し花を咲かせ、タネをつけてしまうと、ご自身の畑だけでなく他の人たちの畑にも影響を及ぼすので、こまめにケアを。だからと言って、売られている除草剤を使ってしまうと、せっかく植えた野菜などの苗まで枯らしてしまうので注意が必要です。除草はあまりしたくない……そんな人は、畝に黒ビニールをかける“マルチング”を行ってから植えるといいでしょう。

↑メンテナンスを怠り、雑草が生えてしまった家庭菜園。見た目も美しくなくなるので雑草は引き抜くようにしましょう

 

↑マルチングされた畝。こうすることで、雑草の防除になります。地温を高めることもできるので、作物はすくすくと育ちます

 

効果的な肥料の使い方とは?

野菜に限らず、植物を育てるには肥料がたっぷり必要だと思い込んでいる人が少なくないようです。しかし、肥料の与えすぎは禁物です。

 

とくに、植物がダメージを受けているから肥料で回復させようと濃度の濃いものをたっぷり与えてしまうと、逆効果になってしまいます。これは人間でも、体力が弱っているときに栄養があるからと濃い栄養ドリンクを飲むと、かえって具合が悪くなるのと同じ。植物の場合は濃い肥料を与えると根の状況を悪くし、最悪の場合は根を枯らしてしまうこともあるからです。そのため、野菜に限らずどんな植物であっても、肥料はやや少なめに与えるのが上手に育てるコツなのです。肥料は植えた植物の栄養と考えるよりも、植えている土に含まれる養分が植物の成長に伴って不足した分を補うもの、と考えるほうがいいかもしれません。

 

肥料を与えるタイミングには、3段階があることを知っておくといいでしょう。

・「元肥」:植え付けの時
・「花肥(はなごえ)」:花が咲いた時
・「お礼肥」:実を収穫した時

 

また、植物を育てる時に、大切な三大肥料を覚えておいてください。

・チッソ(N):葉にはたらきかける
・リン酸(P):花と実にはたらきかける
・カリ(K):根にはたらきかける

 

そのため元肥にはカリとチッソ、花肥え、お礼肥えにはリン酸系肥料を与えることをおすすめします。

 

肥料選びは、ホームセンターやガーデンショップで。超初心者の場合は薄めずにそのまま与えることができる液肥、またはばらまくタイプのものを選ぶとよいでしょう。最近は、育てる植物別の肥料が販売されているので、どれがいいのかわからない場合は、とりあえず植えている野菜に合わせて購入するのが一番です。肥料の与え方は、肥料のパッケージに分量やタイミングが書いてありますので自己判断ではなく、正しい使い方で与えることで上手に育てることができます。

 

使いたくない……でも知っておきたい農薬のこと

せっかく自分で育てるのだから「農薬は絶対に使いたくない!」と考える人も少なくないでしょう。ただ、農薬とは虫を殺すだけではなく、“農業で使われるクスリ”のことを言います。また、家庭用農薬と農家などのプロが使う農薬とは区別されています。最近では、農薬の中には自然由来のものもあるため、すべての農薬を毛嫌いするのではなく、必要に応じて使うことをおすすめします。

 

とくに、春に植え夏から秋にかけて収穫する野菜の多くは、葉を食べる害虫、液を吸う害虫などの被害も受けやすいので、害虫が発生したら、手で採るか、それとも農薬を散布するかのいずれかの方法が必要になります。害虫は植えられている植物に被害を与えるだけでなく、病気の媒介もする可能性があるので、自宅の菜園やベランダ菜園などなら放置しても許されますが、共同で楽しんでいる農園スペースでは防除はもちろんですが、他の人に迷惑をかけないためにも駆除も大切です。農薬にも色々な種類がありますが、超初心者の場合にはホームセンター等で売られている家庭用農薬の中で“そのまま使える“タイプを選ぶと良いでしょう。害虫や病気の種類がわからない場合などは、殺菌・殺虫剤タイプを。使用方法や保管方法は農薬によって異なるため、かならず使用説明書に目を通してから使うようにしましょう。

↑植木市などでズラリと売られている農薬。さまざまな種類があるので、お店の人にまずは相談を

 

どんな野菜を育てる?

どんなものを育てたらいいの? とよく聞かれますが、育てたいものを育てるのが一番です。ただし、植物によっては同じ場所で何度も続けて育てると、土のダメージが回復しないため、上手に育たない“連作障害”を起こすことがあります。そのため、区民農園などでは前にどんなものを植えていたのかをリサーチしてから、違う種類のものを植えることをおすすめします。

 

また、農薬をあまり使いたくない人は、育て野菜の“コンパニオンプランツ”を探して植えるといいでしょう。コンパニオンプランツの多くは、ネギやニラ、ハーブ類など匂いの強いものになります。その他、畑を管理する人の性格などに合わせ、水やりの回数が多い、少ないなどで植えるものを決めたりしてもいいでしょう。

 

ただ、どんなものを植えるにしても、植え付け間隔がありますので、植えたい!育てたい!植物について調べてから植え付けるようにしましょう。ツルを伸ばして成長するものは、支柱たてネットを貼る作業があったり、あまりに大きく広がるものなどは区民農園やレンタル農園では場所によっては育てられないものもあるので注意を。

↑ホームセンターなどには植え付け適期の野菜苗がズラリと並ぶ。植えて見たいもの、育てみたいものを探してみましょう。(撮影協力/農産物直売所 なのはな)

 

ここまでは、おもに露地栽培について説明してきましたが、おいしい野菜は育てたいけれどやっぱりスペースが確保できない! という場合のために、省スペースでできる栽培方法についても説明しておきましょう。

 

菜園スペースなしでOK! 超ズボラな袋植えコンテナ栽培

ベランダなどで栽培するとなると、コンテナ栽培が思いつきますが、プランターや鉢の種類によって植物が上手に育てられなかった、という話はよくあります。そこで、おすすめしたいのが“袋植え”です。培養土の袋に直接野菜を植えて、育てることができるのです。袋を見せたくない人は、麻袋をかぶせることでカバーできます。

 

もちろん、袋は縦、横、あるいは平置きなど育てる植物の形状に合わせて置いて使うことができます。植物を植え込む時には、袋に直接穴を開けて植えるので、袋がマルチングの役割にもなるので植物の成長を早めることができます。ちなみに、縦置きの袋ではイチゴ、ジャガイモ、ダイコン、サツマイモ、ミニトマトなどの野菜はもちろん、グラジオラス、ユリなど通常のプランターではやや背が高くなりすぎ、転倒しやすい植物も育てることもできます。

↑麻袋の中に、培養土の袋を入れ、上部を切ります。穴を開けたい人は底部分に開けてもOK

 

胴の部分を麻紐などで結んでもよい。上部に野菜苗を植え付けます。植え付け後はたっぷり水を与えます。培養土をそのまま使うので、肥料の必要もありません

 

以上の知識を踏まえて、さっそく夏野菜から、栽培を楽しんでみてください。

 

【プロフィール】
園芸研究家・グリーンアドバイザー / ふじえりこ

監修&執筆に『ベランダ菜園 おいしい野菜づくりのポイント70 (メイツ出版)』、『とびきりおいしい野菜の作り方』他多数。エバーグリーン(http://evergreeninc.site/evergreenpost/)にて、ご神木やお家レシピを紹介。東京都北区の植木市にて緑の相談員歴20年以上。現在はハリネズミと一緒にハーブを中心に、多肉植物を栽培中。

 

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庭がなくても問題なし! コンテナだけでできる初めてのテラスガーデニング

ガーデニングは、庭がなくちゃ楽しめない。そんな風に思っていませんか? 集合住宅に暮らす人が増えているほか、一軒家であっても庭がなく、スペースを駐車場に割いてしまっている家は少なくありません。実はそういった環境でも、ガーデニングは楽しめるんです。

 

そこで、今回は庭がなくてもコンテナ(鉢やプランター)を使えば楽しめる、ガーデングのコツを紹介しましょう。

コンテナを使うなら、まずは土にこだわること

プランターをはじめとするコンテナ栽培で大切なのは、実はなにはなくとも“土選び”。そこで、まず知っておきたいのが、植物と土の関係です。

 

草花、野菜、果樹をはじめとする植物は、当たり前のことですが、生き物です。そのため、太陽の光で光合成を行うことによって、体内のエネルギーに変え成長していきます。その成長を助けるのが、土に含まれるさまざまな栄養素や微生物の力なのです。自然環境の中では、植物は根を伸ばして栄養を得られますが、コンテナ栽培では土を選ぶことが重要になるのです。

 

培養土を使ってすくすくと育てる

とはいえ、初心者はどんな土を使えばいいのか頭を悩ませることに。そこでおすすめしたいのが“培養土”です。

 

培養土とは、いろいろな土を作っている会社が、育てる植物に合わせて「赤玉土」「黒土」といった土に、植えた植物がスクスクと育つよう工夫して肥料を混ぜ込み作った土のこと。小麦粉にベーキングパウダーなどを混ぜて作られ、そのまま水や牛乳などを加えるだけで手軽にホットケーキを焼ける、ホットケーキミックスのようなものと考えればわかりやすいですね。

 

そのため、培養土には育てる植物に合わせてさまざまな種類が販売されています。コンテナで、自分がどんな植物を育てたいのかを考えて購入を。ガーデニングショップやガーデンセンターでは、「培養土」と書かれたものもありますが、草花の土、観葉植物の土、多肉植物の土、ハーブの土、野菜の土、バラの土、イチゴの土、ブルーベリーの土……と育てる植物名別に細分化され、販売されています。

 

これらの土の大きな違いは、水はけはもちろんですが、実や花を楽しむ土はリン酸系肥料、葉を楽しむものはチッソ系肥料、地下部に実がなるジャガイモなどの肥料にはカリ肥料が多めに配合されていること。そのため、培養土を使って育てる場合は、肥料を通常よりやや少なめを意識して与えるといいのです。

↑培養土は、赤玉や黒土などを中心に各種の土を混ぜ合わせて作られて土のこと。育てる植物に合わせて配合されているものも多く、手軽に取り入れられます。(撮影協力/滝野川種苗)

 

コンテナ選びが空間演出のポイント

なにを植えよう? と考える前に、まずはベランダや玄関先をどのように演出したいのかをイメージし、それに合わせてコンテナを探してみましょう。園芸の世界では、プランターをはじめ、植物を植え込む容器のことをその総称して「コンテナ」と呼びます。人が入ることができるほど大型のものから、小指の先よりももっと小さなものまで、サイズや形状、素材もさまざま。また、床に置くだけでなく、壁にかけたり、上から吊り下げたりすることができるものなどもラインナップしています。

 

集合住宅などの玄関先に置く場合は、自宅以外の周囲の住まいへの配慮も大切です。あまり大きなものを置いて通行の邪魔にならないようにしましょう。また、ベランダや屋上などにコンテナを置く場合には、どのくらいの荷重にまでその場所が耐えられるのかを考えることも大切です。植物のことばかりに気を取られてしまうあまりにベランダの床が落ちてしまったという事例も少なからずありますのでご注意を! また、吊り下げ(ハンギング)型のものは、風などによる落下にも注意したいものです。

↑コンテナとは、プランターを含む鉢の総称として使われる言葉で、多種多様

 

シンプルに飾りたいなら同系色を選ぼう

玄関先をシンプルにまとめたい! ならば、同じコンテナに植えて並べることです。形状だけでなく、カラーも揃えることで統一感を出せます。また、植える植物も同種に揃えるといいでしょう。ついついガーデニングにハマってしまうと、いろいろな種類の植物をひとつのコンテナにたくさん植えこんでしまいたくなりますが、初心者ならそこはグッと我慢して。

 

どうしてもいろいろ植えてみたいなら、花の種類を変えるなら同系色を、または同じ花の品種をいろいろと植え込んで、色を変えるといった植え方をおすすめします。

↑ホームセンターなどに行けば、季節を彩る美しい草花に出会えます。(撮影協力/農産物直売所 なのはな)

 

ナチュラルに楽しみたいなら素材はプラスチック以外を

ナチュラルな印象になるのは、テラコッタや木製タイプの、プラスチック以外の素材。プラ鉢などに木をイメージしたプリントのものでもかまいません。もちろん、自分で木材を購入し手作りしてもOK。その場合は、ニスやペンキでコーティングを。

 

草花を上手に寄せ植えするには?

植物の中でも、“宿根草(しゅっこんそう)”や“多年草(たねんそう)”と呼ばれるものを上手に配することで、植え替え回数を少なくすることもできます。植え方は置き場によって異なりますが、端に寄せて置くなら、後ろに背の高い植物を、手前に背の低い植物を配するボーダーがいいでしょう。ただし、大型のものはそれなりに土の量も使うのでベランダに置く場合は、必ずベランダの荷重を確認してから。

 

また寄せ植えをすることで、さらに草花を美しく飾ることができます。そこで、実際に草花の寄せ植えを作ってみましょう。用意するものは、好みのコンテナと草花、培養土、鉢底の網になります。

 

今回は、青と白の花を使った夏向きのコンテナを紹介しましょう。

 

Step1
鉢を平らで、床などが汚れても良い場所に置きます。これは、作業をする上で大切なことです。床を汚したくない場合は新聞紙を敷きましょう。

 

Step2
鉢底の網を使って、鉢の穴をふさぎます。これは、鉢から土がこぼれないようにするだけでなく、鉢底から害虫などの侵入を防ぐ役割もあります。

 

Step3
土を入れる前に、植物を仮置きしてバランスを見るようにします。今回使用の植物は、デルフィニュウム(ミントブルー)、ローダンセダム、ワスレナグサの3種類。

 

Step4
土を少し入れ、植物を植えます。植物を鉢から抜く時は、優しくそっと抜きます。

 

Step5
中央に背の高いデルフィニュウムを植えます。次にワスレナグサを周囲に植えます。

 

Step6
ワスレナグサを植えたら、最後にローゼンセダムを植えれば完成です。土は押し込まないようにしましょう。最後に、鉢底から水が出るまでたっぷり水を与えます。

 

次編では、「初めての家庭菜園」をテーマに初心者のための野菜づくりのコツを紹介します。

 

【プロフィール】
園芸研究家・グリーンアドバイザー / ふじえりこ
監修&執筆に『ベランダ菜園 おいしい野菜づくりのポイント70 (メイツ出版)』、『とびきりおいしい野菜の作り方』他多数。エバーグリーン(http://evergreeninc.site/evergreenpost/)にて、ご神木やお家レシピを紹介。東京都北区の植木市にて緑の相談員歴20年以上。現在はハリネズミと一緒にハーブを中心に、多肉植物を栽培中。

 

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