FCCLの電子ペーパー「クアデルノ」カラーモデル登場! ビジネスや音楽シーンでの利便性アップ

富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は、電子ペーパー「QUADERNO(以下、クアデルノ)」の新モデル、カラーモデルを11月19日より予約受付を開始し、11月22日に発売します。

 

記事のポイント

カラー表示に対応したことで、情報整理、強調といったさまざまな意味づけを色でできるようになりました。約6mmと薄い筐体ですが、大学ノート約20万冊相当のPDFが入るので、参考書や重い資料を持って移動する必要がなくなります。学習、ビジネスシーンでの活躍はもちろん、音楽をたしなんでいて、譜面に文字を書きこむ人にとってもうれしい進化では。

 

薄さは約6mm、A5モデルで約261g、A4モデルで約368gと、持ち運びやすさはそのままに、カラーでの表示に対応しています。

 

8色のカラーパレットは、シンプルなラインナップ。色分けの際、用途に応じた色を直感的に選べます。また、初期カラーをメインペンとハイライトで分けることで、各ペンの機能が瞬時にわかる仕様です。

 

カラー表示に対応したことで、ビジネスや音楽シーンにおける利便性が大幅にアップ。例えば、重要なポイントや情報を強調すれば記憶に残りやすくなりますし、簡単なスケッチや色分けをすることで、学習内容を視覚化して、理解を深められます。

 

クアデルノとクラウドを連携させるサービス「My Note Cloud」を利用すると、OCR(光学文字認識)機能の全文検索で、カラーで書き込んだ手書きノートやPDFドキュメントの中から、キーワード検索によって必要な情報を探せます。検索は日本語と英語に対応。

 

ビジネスシーンにおける情報整理やアイデア出しの際にも活躍します。グラフなどのデータ閲覧も、カラーによってよりわかりやすくなり、スケジュール管理やPDFへの書き込みの際などにも、色分けによる意味づけが可能に。

 

軽量ボディながら、長時間駆動も実現。USB Power Delivery充電器接続時、またはFMVの電源オフUSB充電機能使用時は、約2.5時間のフル充電で最長約2週間使用できるため、出張などに持参する際もバッテリー切れの心配がありません。

 

音楽演奏者にとっても、大きな利点が。カラー化されたことで、楽譜への赤入れやポイントの書き込みが容易になり、演奏時の重要なポイントを視覚的に整理できます。

 

また、BLE(Bluetooth Low Energy)に対応したことにより、利用できるBluetoothフッドペダルの機種が拡しています。 

 

新機能「お気に入り登録」により、使用頻度の高いノートをお気に入りに登録し、すぐにアクセスできるようになったのもうれしいポイントです。

 

富士通クライアントコンピューティング
電子ペーパー「QUADERNO」
価格:オープン

【5月6日まで】春の「ことはじめ」を応援! アマギフなど豪華賞品が当たるキャンペーン、クアデルノ公式インスタで開催中

富士通クライアントコンピューティングは、Instagramの「QUADERNO(クアデルノ)」公式アカウントにて、「クアデルノ 春の“はじめま賞”キャンペーン 第1弾 新生活応援編」を開催しています。

 

同キャンペーンではビジネス環境を新たにしたい人や、今まで触れてこなかった趣味を始めたい人など、「ことはじめ」シーズンにちなみ、ビジネスやプライベートなど、様々なシーンの「はじめま賞」を用意。

 

 

抽選で、「Amazonギフトカード5,000円分」が25名、「クアデルノ(A5)+カバーのセット」が1名、「ルンバ i2」が1名、「Google Fitbit luxe」が1名、「Panasonic 衣類スチーマー」が1名に当たります。

 

応募は、クアデルノ公式アカウント(@fujitsu_quaderno)をフォローし、対象の投稿(https://www.instagram.com/p/C6DmdIlSbrJ/)を「いいね!」するだけで完了します。

 

 

また、対象投稿へコメントを書き込んだり、対象投稿をストーリーズでシェアすると、当選確率がアップするとのこと。

 

キャンペーンは2回に分けて行なわれ、第1弾の応募締切は5月6日23時59分まで。第2弾の開催は5月10日を予定しています(第1弾・第2弾両方へのエントリーも可能)。

【FCCLが取り組むSDGs】価値観が多様な時代にも“人に寄り添う”メイドインジャパンだからできるものづくりを

2030年までの達成目標が掲げられたSDGs。日本でも各企業が達成に向けて、さまざまな取り組みを行っています。今回は、FMVやクアデルノなどPC・タブレットの開発・製造、販売を手掛ける富士通クライアントコンピューティング株式会社(以下、FCCL)の取り組みをご紹介します。

FCCLは2016年に富士通の100%子会社として事業を分社化。2018年にはレノボ・ジャパン合同会社と富士通とのジョイントベンチャーとなりました。約689gの14.0型ワイド 世界最軽量モバイルノートPC「FMV LIFEBOOK UH-X/H1」(※1)をはじめとしたメイドインジャパンだからできるPCの開発・製造、販売しています。

 

FCCLの代表取締役社長である大隈健史さんと執行役員常務の広末庸治さんに、サステナブルな取り組みやこれからのFCCLについて取材しました。

(※1)14.0型ワイド液晶搭載ノートPCとして世界最軽量。2023年1月24日現在、FCCL調べ。

 

一台のPCができるまでに約1年! エシカル視点で行うPC製造とは?

__はじめに御社の創業経緯と事業内容について教えてください。

 

大隈「当社は2016年に富士通株式会社の100%子会社として、富士通のPC部門が独立する形で設立され、2018年にはPC出荷台数世界No.1(※2)のレノボと富士通のジョイントベンチャーとして新たなスタートを切りました。事業内容としては、ノートPCやタブレットなどあらゆるクライアントコンピューティングに関わる製品の製造から販売までを手がけています」

(※2)2023年Q1、Canalys調べ。

 

↑富士通クライアントコンピューティング株式会社 代表取締役社長 大隈 健史 千葉県出身。早稲田大学大学院理工学研究科を卒業後、McKinsey&Companyで日本支社・フランクフルト支社に在籍し、8年間コンサルティングに従事。その後、Lenovo Groupに転じ、香港・東京・シンガポールにて、9年間にわたりアジア・日本における法人向け販売・マーケティングの要職を歴任。2021年4月より富士通クライアントコンピューティングの代表取締役社長に就任

 

__クライアントコンピューティングとはどのような意味なのでしょうか?

 

大隈「私たちは『クライアントコンピューティング』という言葉を、お客さまに寄り添って情報処理や処理能力を提供することと考えています。私たちが取り扱う主な製品はPCですが、今後PCのありかたはどんどん変わっていくでしょう。お客さまに求められているコンピューティングを日々進化させながら、価値ある商品を創出し続ける、それが使命だと思っています」

 

__初歩的な質問になってしまうのですが、一台のPCが市場に出るまでの流れを教えていただけますか?

 

大隈「すべては商品企画から始まります。商品のコンセプトが決まり次第、調達(部品の仕入れ)がスタートします。その後、試作機を作って検討を重ね、調達した部品を工場に集め製造し、市場へと流通させます。製品によってそのスピードはまちまちですが、平均すると一台のPCが店頭に並ぶまで1年ほどかかりますね」

 

__1年も……なんだか毎日使うPCが愛おしく感じます。

 

大隈「そう言っていただけると私たちもうれしいです(笑)。PCは、いわばスケールビジネス。売れば売るだけ売り上げになりますが、社会的な面を考えると『安く仕入れて安く売る』ことが必ずしも正解ではないと私たちは考えています。大切なのは、その製品が安全・安心であり、ユーザーの皆様が安心して使えるということ。そのためにはどんな部品を使うのか、調達の段階から環境に配慮した部品を選ぶことが求められます。弊社では、さまざまなサプライヤーさんと協業し、その企業がどんな状況下で製造しているかを把握する“グリーン調達”に取り組んでいます。お客様に安心してPCを使っていただくためにも、当社の製品を信頼していただけるためにも徹底した確認を行っているのです」

 

会社にとって「当たり前の責任」を果たすことが、社会貢献になる

__グリーン調達は私たちが安心してPCを使うために必要なものだったのですね。持続可能な社会の実現のために、PCを利用する一個人としてできることには、どんなことがあるのでしょうか?

 

広末「FCCLのPCをご購入いただいた方でしたら、ぜひPCリサイクルをご活用ください。使わなくなったFCCLのPCを当社が無料回収し、再資源化する取り組みです。回収後には、まずPCに残っている情報を破棄するため、HDDなどを粉砕・溶解しデータ処理します。その後、金や銅といった再資源化可能な部品を取り出し、金属やプラスチックなどもペレット化し再利用しています。これは、自社工場だけでできるものではなく、外部の企業と連携しながら実施している取り組みです」

 

↑富士通クライアントコンピューティング株式会社 執行役員常務 広末 庸治 神奈川県出身。東京電機大学工学部Ⅰ部電子工学科を卒業。1999年より富士通で13年間パソコン・ディスプレイなどの企画・開発に携わる。その後、ドイツのFujitsu Technology Solutions GmbHに赴任し、4年間にわたりデスクトップパソコン製品開発の現地責任者として従事。2017年より富士通クライアントコンピューティングに転じ、2022年より執行役員常務/CTOに就任

 

__製品を作るだけでなく、使わなくなったPCの再資源化もメーカーさんが実施しているとは知りませんでした。どのようなリサイクル素材を活用しているのでしょうか?

 

大隈「1999年から当社製品にはボディの一部に再生プラスチックを採用しています。さらに、2022年に発売したFMV『CHシリーズ』では、海洋廃棄物から再生したプラスチックを製品の一部に採用しました。またPC以外の部分では、梱包時に用いるプラスチックの緩衝材を紙素材に切り替える取り組みも行っています。PCは、ある意味存在しているだけで環境負荷をかけてしまう製品でもあります。しかし、現代の私たちの生活には欠かせません。だからこそ、社会とのバランスをとりながら環境保全に対する課題感を持って取り組んでいきたいです」

 

__存在しているだけで環境負荷をかけているというのは、あらゆる製造業にも言えると思います。何か消費者として取り組めることはないのでしょうか?

 

広末「破棄やリサイクルだけでなく、修理をすることで1日でも長くPCを使い続けることかと思います。当社の製品は、他社製品に比べユーザーの皆様に長く使っていただけているデータも出ています。これは、国内製造にこだわっているからこそ。修理拠点も多く設けることができ、お客さまの色々なニーズに柔軟に対応しています」

 

会議における紙資料の無駄を省くために生まれた「クアデルノ」

__電子ペーパー「クアデルノ」は、個人のペーパーレス化にもぴったりな商品ですよね。どのようなきっかけで生まれた製品なのでしょうか?

↑QUADERNO A5 (Gen. 2)/FMVDP51 4万9800円(税込/富士通 WEB MARTの価格) https://www.fmworld.net/digital-paper/top.html

 

広末「当初はビジネスパーソン向けに開発した製品だったんです。弊社では紙の文化が根強く、資料を印刷、配布し、機密事項が書かれたものはすべて回収してシュレッダーにかける……、この流れが一般的でした。これは準備も会議後にも多くの手間が発生します。同じような課題を抱えた企業も多かったので、『ペーパーレス』で会議の無駄を省きたい思いから企画しました。またPCやクラウド上でもノート管理をすることで、紙のメモ帳のように物理的に失くすリスクも避けられます。サステナブルな上に、ユーザーメリットもある製品としてアップデートを続けています」

 

__法人向けツールとして開発が始まったんですね。現在は、個人向けツールとしても人気ですし、『文房具総選挙2022』でも人気を集めた商品でした。

実は文房具総選挙2022「最も欲しい文房具」第1位!「クアデルノ」がもうひとつの“No.1”に輝けた理由

 

大隈「いざ発売してみると学生の受験勉強に使っていただける機会も多いとわかりました。それならば学習面の機能をアップデートしようと、今年新たに暗記機能を追加。学生の試験勉強や、ビジネスパーソンの資格の勉強にも活用できるよう、機能を強化しています。製品自体を新しくするのではなく、ユーザーの声を踏まえてファームアップさせられるのも、『クアデルノ』の一つの特長でしょう」

 

寄り添われる人にとって、好ましい寄り添い方を

 

__御社のサイトでは「人に寄り添う」がキーワードとしてよく出てきています。改めてFCCLさんが掲げる「人に寄り添う」に込められた意味を教えてください。

 

大隈「この言葉は、私が社長に就任する以前から大切にされていたものです。PCを使っていない人も使っている人も、また子供から高齢者まで、どんな人にも寄り添いデジタルの裾野を広げていきたいと考えています。例えば、PC操作に不慣れな方には『ふくまろ』のような柔らかいキャラクターを使ったアシスト機能でより便利な生活ができるように、学生さんであればオンライン会議で使える『Umore(ユーモア)』という顔補正サービスで忙しい日常に寄り添います。もちろん、ハイスペックなPCが欲しい、デザインが素敵なPCが欲しい、環境にやさしいPCが欲しいなど、どんな方にとってもあまねく寄り添えることを目指しています」

 

価値観がどんどん多様化している時代なので、お客さまのニーズに合わせてデジタルの裾野を広げるということですね。今後はどのようなことに取り組んでいきたいと考えていますか?

 

大隈「FCCLは、富士通とレノボのジョイントベンチャーとしてビジネスを加速させるために、日本に根ざし、企画から生産、サポートまで一貫した国内ブランドであるという誇りとプライドを持って進めていきたいです。SDGsの取り組みについても、HP上で工場でのCO2や水資源の使用量の公表を始めました。今まで“当たり前”と思って公表していなかったことも、どんどん発信して取り組みを見える化していきたいですね」

 

製品を1日でも長く使う。消費者として取り組めるSDGsは、とても身近なことなのかもしれませんね。FCCLはメイドインジャパンだからこそ、1日でも長く使えるサポート体制もばっちり! 今あるPCを大切に使い続けようと感じた取材でした。人だけでなく、環境にも寄り添っているFCCL。今後もGetNavi webで情報を発信していきます。

 

GetNavi webを運営するワン・パブリッシングでは、「誰一人取り残さない」社会の実現に向けてさまざまな活動に取り組んでいます。コーポレートサイトでは、事業活動を支えるステークホルダー、パートナー企業様のSDGs活動を取材しています。こちらのページも併せてご覧ください。

https://one-publishing.co.jp/sdgs

学習がはかどる新機能「暗記モード」追加! 電子ペーパー「クアデルノ」本体ソフトウェアのアップデート提供開始

富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は、電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」本体ソフトウェアのアップデートを、12月20日より提供開始しています。アップデート対象機種は「QUADERNO A5 (Gen. 2)」「QUADERNO A4 (Gen. 2)」。

 

新機能として、暗記したいところを自由に隠すことができる「暗記モード」を追加。オリジナル単語帳の作成だけでなく、取り込んだテキストや、クアデルノで作成した授業ノートをそのまま暗記学習に活用することもできます。

 

そのほか、ページをめくるときに、スワイプした指を画面から離さずに止めることで、連続してページをめくることができるようになりました。

 

スリープ画面を3つのモードから選択することが可能です。「標準」では購入時に設定されていたスリープ画面(QUADERNOのロゴ画像)に設定され、「選択したページ」では、お気に入りのイラストや画像など、クアデルノ内のドキュメントの任意のページをスリープ画面に設定できます。「スリープ前の画面」では、スリープ直前にクアデルノに表示されていた画面を設定できるので、スリープモードでバッテリーを節約しながら、長時間同じ画面を表示し続けることができます。

 

また、2022年3月より「βテスト」という形で公開していたアップデータ社の「My Note Cloud」が、12月15日に正式リリースとなりました。My Note Cloudクアデルノとクラウドを連携するWebサービスで、クアデルノに書き込んだノートを自動的にクラウドへ保存したり、クラウドに保存されたノートをPCやスマートフォンで見ることができます。

実は文房具総選挙2022「最も欲しい文房具」第1位!「クアデルノ」がもうひとつの“No.1”に輝けた理由

仕事や勉強がはかどる機能をもった文房具の年間No.1を投票で決める「文房具総選挙 」。今年、大賞は逃したものの話題を集めた商品がある。それが、富士通クライアントコンピューティングの電子ペーパー端末「QUADERNO(クアデルノ)Gen.2」。投票イベントで、来場者から「最も欲しい文房具」の第1位に選ばれた魅力を、今回は掘り下げてみたい。

富士通クライアントコンピューティング「QUADERNO(クアデルノ)Gen.2」

本物の紙とペンのような書き心地を叶える電子ペーパー。2021年に発売された第2世代は筆圧感知に対応し、より自由な手書き表現が可能になった。

 

いま最もホットな「SDGs文房具」部門で第2位を受賞!

「文房具総選挙2022」では、2021年度に発売された100点の高機能文房具がノミネート。前年の約2倍の人が投票に参加するなど盛り上がり、熾烈な戦いが繰り広げられた。

 

「クアデルノ」は、昨今話題のSDGs的視点をもつ文房具が選出された「SDGs文房具」部門にノミネート。大量のメモや書類が一台にまとまり、ペーパーレスを推進できる点が、SDGs文房具にふさわしいと選出された。もちろん大前提として、デジタルツールでありながら、本物の紙とペンのような書き心地を実現しているという点で、文房具としても高く評価されている。

 

1か月間の投票受付を経て、結果、同部門の第2位を受賞! ちなみに部門第1位のスカパーJSATの「海のクレヨン」は、大賞受賞商品。いかに本部門が激戦だったことがわかるだろう。

 

来場者が実際に試して選んだ「最も欲しい文房具」第1位に!

しかも「クアデルノ」が成し遂げた快挙は、実はもうひとつある。イベント参加者が選ぶ「最も欲しい文房具」第1位だった、ということ。

 

4月24日にイオンスタイル新浦安店で開催した投票イベントには、入場制限がかかるほど多くの文房具ファンが来場。彼らが実際にタッチアンドトライした結果、「最も欲しい文房具」として最も多く名前を挙げたのが「クアデルノ」だったのだ。では来場者たちの声をもとに、「最も欲しい」と感じる理由を探っていこう。

 

「持っていたくなるカッコよさ!」(コージーさん・38歳)

↑約5.9mm(A5サイズの場合)と圧倒的に薄く、重量も約261g(A5サイズの場合)と一般的なサイズのリンゴよりも軽い

 

薄くスタイリッシュなデザインは、スーツはもちろんカジュアルな服装にも馴染み、職種を問わず取り入れやすい。もちろんオフシーンにもマッチ。さらに驚くほど軽いので、立ったまま長時間メモを取っても疲れ知らずだ。

 

「初めて触ったが、思った以上に紙のような感触だった」(RYOUさん・29歳)

↑「Wacomデジタイザ」を搭載したバッテリーレスのペン。筆記機能はこのペンのペン先のみに反応するため、片手を添えたり、ペンを握る手の側面が画面に触れたりしても誤動作がない

 

液晶の表面に施されたざらつきが、適度な筆記抵抗を生み、本物の紙とペンのような書き心地を実現。一般的なタブレット端末のように、ペン先がツルツルと滑ったり、カツカツと音が鳴ったりしないため、手書きデジタルツールに移行したときに感じる違和感はほぼゼロだ。

 

↑スタイラスの後端のテールスイッチと、軸側面にあるサイドボタンには、消しゴムやマーカーなどの機能を割り当てられる

 

「書き心地が気持ちよかった。書き方で線の出方が変わるのもいい」(まっちゃさん・年令不明)

↑適度な筆記抵抗のおかげで、ペンが滑りすぎず、紙に書いたときと同じ自分らしい字を書ける

 

4096段階の筆圧感知に対応し、ペンの種類で万年筆、もしくは筆ペンを選んだ場合、はね・はらいも表現可能。また、本体設定で自身の書きグセを設定すれば、ペン先と筆記線の位置がより高精度で一致する。

 

↑上からボールペン、万年筆、筆ペン、マーカー。ちなみにクアデルノの画面上ではすべて文字色は黒だが、黒、赤、青、白、マーカーは赤、黄色、青、緑の任意の色で記録されている

 

「保存も検索もできて非常に便利」(まさがきさん・32歳)

↑検索の仕方もさまざま。メモや書類の全体像を確認したくなったら、画面上でピンチイン。16ページぶんのサムネールが一覧表示され、目的のページを簡単に探せる

 

読み込んだ書類へのメモやノートページへの書き込みも、すべて自動保存。パッとメモを取り、サッとカバンにしまって持ち運べ、必要になったらスリープモードを解除し、すぐ書き始められる。そんな機動力の高さも魅力だ。

 

↑ほかにも、デジタルギアならではの機能も満載。PCアプリのスクリーンキャプチャー機能を使うと、「クアデルノ」に書き込む様子がリアルタイム、かつカラーでPCに表示される。zoomなどのウェブ会議システムで画面共有すれば、オンラインホワイトボードとしても活躍

 

↑スマホアプリ「QUADERNO Mobile App」があれば、PCがない場面でもデータの出し入れが可能に。外出先でも、書類を取り込んで書き込みをし、誰かにシェアという一連の操作を簡単に行える

 

「書き心地が紙のようにいい。でも紙ではない点がエコでさらにいい」(リンリンさん・17歳)

↑E Inkディスプレイを搭載し、液晶ディスプレイより消費電力が少ない点でもエコ。ほぼ電力が消費されないためスリープ状態にするだけでOKで、フル充電すれば最長で2週間利用できる

 

テレワークの増加とともに、自宅に仕事の書類が増えて困っている人も多いのではないだろうか。「クアデルノ」は、薄型軽量ボディにもかかわらず、約1万ものPDFファイルを保存可能。それにより、膨大な紙書類やメモが「クアデルノ」一台にまとまり、ペーパーレスを促進できる。

 

「ペーパーレスなんて、まさにSDGs!」(ひまわりさん・52歳)
「一番仕事が“はかどる”と思った」(ポン太さん・40歳)

書類やメモが一台に集約できることで、紙の使用量に加え、散らばりがちな書類やメモを探す手間も紛失するリスクもカットでき、仕事効率はぐんとアップ。まさにSDGs文房具であり、はかどり文房具である。

 

ユーザーが待っていたクラウドサービスが登場!

そんな「クアデルノ」は、強みの一つであるモバイル性をさらにパワーアップする機能を獲得。そのクラウドサービス「My Note Cloud」にも触れておきたい。

 

「My Note Cloud」は「クアデルノ」をクラウドと連携させるサービスだ。現在β版が公開中の同サービスを活用すると、「クアデルノ」で書いた手書きメモをクラウドに保存し、PCやスマホで閲覧できる。逆にPCやインターネット上のPDFファイルを「クアデルノ」に取り込むことも可能。また、「クアデルノ」を買い替えたときは「My Note Cloud」でデータの移行ができるから安心だ。

 

そもそも「クアデルノ」には約22GBと十分な使用可能領域を持つメモリが搭載されており、大量のファイルのなかにはうっかり消去しては困る大事なメモも含まれているはず。本サービスを使えば、クラウドにバックアップしたり、ブラウザ上で簡単にドキュメントを管理できるようになるのだ。

 

「My Note Cloud」は近日、正式にサービス開始予定。β版でアカウント登録した人には、正式サービス移行時に特典も用意されているというので、「クアデルノ」を持っているなら登録しない手はないだろう。

 

また、「My Note Cloud」の面白いところは、サービスが短期間でどんどんアップデートしていること。「ユーザーフォーラム」というユーザーが気軽に意見を発信できる投稿フォームが用意されており、開発者へ要望を直接届けることができるのも魅力だ。それをもとに、β期間中は1ペースで機能がアップデートされている。

 

最新のアップデートではユーザーから寄せられたプチストレスを解消

実は6月28日にも新機能が加わったので、最後に少しだけご紹介する。

 

・ホームメニューからWi-Fiのオンオフ操作が可能に

↑これまで本体設定の画面に遷移しなければできなかったWi-Fiのオンオフが、ホームボタンを押すだけで操作可能に。Wi-Fi機能を気軽にオンオフできることで、バッテリー消費をより抑えられる

 

・充電中でもバッテリー残量を把握できる

これまで本体の充電中は、「チャージ」の文字が表示され、どのぐらい充電できているのかがわからなかったが、充電中でもバッテリー残量が表示されるように

 

・上下スワイプでE Inkディスプレイ特有の残像をリセット

↑E Inkディスプレイ自体の仕様により、消し跡や前ページの残像が残ることがあるが、画面を上下方向にスワイプし、手軽に消せるようになった

 

・任意のフォルダに新規ノートを作成できる

↑これまで「クアデルノ」本体上で新たにノートを作成した場合、データは自動で「Note」フォルダ内に保存されていたが、今回から任意のフォルダ内に保存できるように。これにより後からPCアプリでデータの保存先を修正する手間が不要になった

 

・「クアデルノ」本体を買い替えたときのデータ移行がスムーズ

↑専用のPCアプリ上で、「クアデルノ」内のデータのバックアップを取れるように。「クアデルノ」を買い替えたときに、旧「クアデルノ」のデータをスムーズに移行させられる

 

大手メーカーとは思えないユーザーボイスの反映力で今後の展開にも期待大

正直、今回のアップデートを、やや地味だなと感じる人もいるかもしれない。ただ、ちょっとした不便の蓄積が、使いにくさを生み、やがて使うこと自体が面倒になるのは本末転倒だ。

 

そんなユーザーの不便を解消するためにも、富士通クライアントコンピューティングでは、社内の「クアデルノ」チームがTwitterを中心にSNSに届くユーザーのリプライやDMをチェックしたり、エゴサーチをすることで、ユーザーの声を漏れなくキャッチしているという。ツイートの内容が気になるときは、公式アカウント自らユーザーの方に質問をし、更なるヒアリングをすることも。そんな前のめりの姿勢が、日々のアップデートに生かされているのだ。

 

商品の魅力はもちろん、いまより少しでも商品を良くしていこうという、ブランドチームの熱量の高さをお分かりいただけただろうか。もちろん、現時点での書き心地および機能性の高さは「最も欲しい文房具」1位に選ばれたとおり、文房具好きのお墨付き。現在は、家電量販店でも商品を試せるので、まずは、「クアデルノ」ならではの“いつまでも書いていたくなる書き心地”を試してほしい。

 

 

文/フクノシマショーコ 撮影/湯浅立志

デジアナ文房具だからできる! ペーパーレスでも「QUADERNO(クアデルノ)」で手書きLife

QUADERNO(クアデルノ)」は、データの複製や共有がしやすいというデジタルの良さと、直感的に文字を書き込んだり図示したりしやすいアナログの良さを両立したアイテムだ。昨年発売の新モデルでは、手書きの表現力がさらに向上。ペーパーレス下でも“手書きLife”をより充実させられる!

 

【今回紹介する製品】

QUADERNO(クアデルノ)メモもスケジュールも薄さ約5.9mm・約261g(※1)で完結!

文房具総選挙2022
「SDGs文房具」部門ノミネート中!

富士通クライアントコンピューティング
QUADERNO(Gen.2)

オープン価格

快適な書き心地で人気の電子ペーパーの第2世代モデル。ワコム社のデジタイザを新搭載し、より思い通りの線が書けるようになった。サイズはA5とA4がある。

※1:A5サイズの場合

↑薄型軽量ながらも上質な革の質感を再現した専用カバー(参考価格7980円/A5、8980円/A4)。ペンホルダーとカードサイズのポケットを備える
↑筆記具ブランド「LA MY」とコラボしたペン(参考価格6600円)もラインナップ。考え抜かれたフォルムが、握った瞬間手に馴染み快適に文字を書ける

 

高精度な筆圧感知に対応しより自由な表現が可能に

「クアデルノ」は、“画面がツルツルして書きにくい”、“持ち運ぶには重い”といった従来の手書きデジタルデバイスの弱点を克服したアイテム。ざらつきのある画面が本物の紙とペンのような筆記感を生み、アナログからデジタルへの違和感のない移行を可能にする。さらに、カバンに入れていることを忘れるほどの極薄・軽量ボディには、約1万ものファイル(※2)を保存できる。つまり、大量の資料やノートが1か所にまとまり、ペーパーレスを推進できるサステナブルツールでもあるのだ。

加えて見逃せないのが、新モデルで4096段階の筆圧感知に対応した点だ。抑揚のある線や“はね・はらい”の表現が可能になり、ペンの色も従来の黒、青、赤に白をプラス、マーカーは青に加え赤、黄、緑もラインナップ(※3)。より自由な表現が可能になった。ここでは、そんな表現力の高さを生かした活用術を、ビジネスはもちろん学習、趣味用途まで、幅広く紹介する。

※2:1ファイルあたり約2.2MBのPDFファイルの場合 ※3:「クアデルノ」上ではグレースケール表示

↑PCの印刷機能を使えば、簡単にデータを取り込める。ワードやエクセル、画像など、PDF以外のデータを取り込むときに便利だ

 

【活用術1:スケジュール管理】

公式HPで専用のスケジューラーを配布中。月や日付をタップすると、マンスリー・ウィークリー・デイリーをシームレスに移動できるのはデジタルならでは。

 

【活用術2:オンラインホワイトボード】

PCアプリの「スクリーンキャプチャー」機能を使うと、本機への書き込みをリアルタイムでPCに投影できる。オンライン会議で画面共有をすればホワイトボードとしても活躍。

 

【活用術3:資料閲覧&ノートテイク、オンライン学習にも!】

「サイドノート」機能を使うと、取り込んだ資料に紐づいた手書きノートが作成され、2画面表示される。ノートファイルは資料と同じフォルダ内に自動保存されるため、ファイルを探す手間が省ける。

 

【活用術4:写真への書き込み】

取り込んだ画像に手書きで文字やイラストを書けば、手作り感のあるメッセージカードが完成。作成したカードは印刷するだけでなく、スマホアプリを使って、LINEなどで送るのもオススメだ。

↑黒など濃い色のペンを塗った上に、白いペンで文字を書き込むこともできる

 

【活用術5:PDFデータの手書き修正】

白ペンは、濃い背景の上に文字を書くだけでなく、修正ペンとしても活躍。修正に手間がかかるPDF(背景色が白の場合)も、白ペンで塗り潰せば簡単に修正できる。

 

【活用術6:グラフィックレコーディングやイラスト制作】

筆圧に応じて太さが変わるペンを使えるように。表現の幅が広がり文字以外も描きやすくなった。

↑上からボールペン、万年筆、筆ペン、マーカー。万年筆と筆ペンでは筆圧も感知できる

 

【活用術7:用途に合わせてテンプレートを自由に選択】

横罫や方眼、無地など、一台で様々なテンプレートが使え、ノートを複数冊持ち歩く必要がない。自作したオリジナルのテンプレートを登録することも可能だ。

↑公式HPで配布している原稿用紙(左)とToDo リスト(右)

【文房具総選挙2022】サステナブル素材やユニバーサルデザインで時代を先取る「SDGs文房具」13点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ“はかどり文房具”の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2022」がスタートしました。ここでは【トレンド部門】「SDGs文房具」部門にノミネートされた13商品を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

 

【「SDGs文房具」部門】

文房具の分野でも、脱プラや森林保全、ペーパーレスなどに貢献できる、SDGsに配慮したアイテムが続々と登場。左利きでも使えるといった多様性にも配慮するなど、企業努力が光るアイテムたちに光を当てました。

 

No.88

スカパーJSAT
海のクレヨン
2420円

衛星画像を元に、世界12か所の海から抽出した色を揃えるクレヨン。色名は付けず、海の場所を示す緯度経度を記している。売上の一部は、色のひとつに選ばれているキリバス共和国に寄付される。

 

No.89

オート
紙スーパークリップ
418円

重量比の51%以上が紙で構成されており、紙として処理できるクリップ。燃やしても黒煙を発さず、ダイオキシン等の有害物質が発生しない。鉛筆や油性ペンで書き込める。32個入り。

 

No.90

BIC
クリスタル オリジナルファイン0.8㎜
110円

「オレンジBIC」の名前で親しまれ、惜しまれながらも昨年廃盤になったボールペン「オレンジEC」の後継モデル。従来品の約1.75倍となる約3.5kmも筆記できる。フランスのエコラベルを取得。

 

No.91

三菱鉛筆
ジェットストリーム 長持ちリフィル
143円

リフィルのチューブを薄くすることで、プラスチック使用量を通常品の約30%減量しながらも、インク量を約70%増量。通常品と同じ形状で互換性も保持している。紙製パッケージを採用。

 

No.92

セメダイン
スーパーXナチュラ
オープン価格

環境負荷が少ないバイオマス原料を50%使った接着剤。プラスチックや金属など、異素材の接合にも使える接着性と耐久性を誇る。熱や水に強く屋外での使用も可能だ。

 

No.93

レイメイ藤井
ダ・ヴィンチ竹紙リフィル
385円(ポケットサイズ)、440円(聖書サイズ、A5サイズ)

国産竹が原料の手帳リフィル。強度があるため、消せるボールペンで書き消ししても表面がダメージを受けにくい。国産竹を消費することで、里山や生物多様性の保全に貢献している。

 

No.94

ナカバヤシ
w/U A5スリム ペーパーリングノート
572円

樹脂を含まない100%紙製の綴じ具と用紙を採用。廃棄時に綴じ具を外す必要がない。中ページはきれいに記入しやすい2.5㎜方眼罫。各ページにタイトル欄とチェックリストを設けている。

 

No.95

ナカバヤシ
w/U A4紙製ファイル
605円

100%紙製のA4ファイル。水に強い撥水性のあるレインガード紙を使っており、水濡れから中身を守れる。紙製のため、ファイルに直接タイトルを書き込むことが可能だ。5枚入り。

 

No.96

富士通クライアントコンピューティング
QUADERNO(Gen.2)
オープン価格

本物の紙とペンのような書き心地の電子ペーパーの2021年モデル。筆圧を感知できるようになり、より自由な手書き表現が可能になった。1台に紙資料がまとまり、ペーパーレスに貢献できる。

 

No.97

キングジム
ブギーボード BB-15
6600円

繰り返し書き消しできる電子メモパッドのインテリアモデル。背面の磁石で金属面に貼り付けたり、市販のネジで壁にかけたりできる。本体に付属のペンの磁石部分を近づけると画面が消える。

 

No.98

ペノン
PENON
1200円(メガネペン)、1300円(ネクタイペン)、
1400円(フラッグペン)

伐採した量以上の植林が約束された、森林認証の木で作られたボールペン。替芯(2本入り/250円)のパッケージが返信用封筒になっており、使用済みの芯を送ると無料でリサイクルされる。

 

No.99

レイメイ藤井
ペンカット
770円

スリムで軽量なハンドル収納式のペン型はさみが、両利き手対応に進化。ワンタッチで切り替えられる「左右切り替えレバー」を搭載している。左右どちらの利き手にも対応する両刃仕上げだ。

 

No.100

ヒサゴ
メモがかけるポリぱっくん
1078円

ポリ袋を挟んでこするだけで、袋の口を開けられるオープナー。ボールペンで書き込んでも消しゴムで消せる素材で、買い物リストとしても使える。磁石付きで、冷蔵庫などに貼り付け可能だ。

 

※価格はすべて税込で表示しています。

トレンドと機能で分類した8部門・100商品!

2013年に始まった「文房具総選挙」は今回で記念すべき10回目。ノミネートされた文房具のラインナップに、その年の世相が見える!? 2021年度のはかどり文房具をフィーチャーした「文房具総選挙2022」は最新の傾向を反映した「トレンド部門」3部門と、機能によって分類した5部門の、合計8部門。部門によってボリュームの差があるものの、およそ10数商品ずつが選出され、合計100もの商品がノミネートされました。

 

【トレンド部門】
在宅・ハイブリッドワークがはかどる文房具&環境整備アイテム 部門

在宅ワーク用ツールは、2021年度も引き続きホットなジャンル。今年は机上だけでなく、仕事環境を整備するインテリア寄りのアイテムまで選出しました。 15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/716263/

 

【トレンド部門】
キッズの学習がはかどる文房具 部門

子ども向けの学習情報ポータルサイト「学研キッズネット」とコラボした本部門。新しい教育方針を反映し、PCやタブレットと併用できる文房具も登場し始めています。15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717396/

 

【トレンド部門】
SDGs文房具 部門

文房具の分野でも、脱プラや森林保全、ペーパーレスなどに貢献できる、SDGsに配慮したアイテムが続々と登場。左利きでも使えるといった多様性にも配慮するなど、企業努力が光るアイテムたちに光を当てました。13商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717444/

 

【機能部門】
書く 部門

「サラサ」や「ジェットストリーム」、「ボールサイン」など、人気シリーズの新モデルが多数登場。ノミネート商品が最多の16点という、激戦部門でもあります。16商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717119/

 

【機能部門】
記録する 部門

最新のクリップボードや狭いデスクでも広げやすいノート、メモ帳を中心に選出。ルーズリーフの利便性を高めるアイテムにも注目です。11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717178/

 

【機能部門】
収納する 部門

例年はペンケースのノミネートが目立つ部門ですが、今年はドキュメントファイルが豊富に揃いました。小物を一緒に持ち運べる書類ファイルにも注目です。12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717298/

 

【機能部門】
切る・貼る・綴じる 部門

開梱用カッターや瞬間接着剤など、ホームセンターに並ぶタフな文房具が多数登場。一方で、持ち運びやすいコンパクトな文房具も選出されています。10商品がノミネート。https://getnavi.jp/stationery/717325/

 

【機能部門】
印をつける・捺す 部門

ハンコ関連商品に名品が多数登場し、部門名を「分類する・印をつける」から「印をつける・捺す」に刷新。もちろん、付箋やタグにも良品が揃っています。
https://getnavi.jp/stationery/717346/

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

https://forms.gle/8fX4AHXHcWbvg7h66

アタマの中に秒で没入! 超多忙な編集者が電子ペーパー端末「クアデルノ」を使い続ける10の理由

いかに能率的に動くか——。私たちは、そんなスピード感が求められた時代に生きている。一方で、じっくりと自分に向き合い、アイデアを練る時間はないがしろにされがちだ。 特に、作業の中心にPCを据えた環境では効率だけが優先され、“オリジナリティ”は失われやすい。

 

そんな状況に一石を投じるアイデアを、フリーの編集者である木庭將さんが教えてくれた。打開策は“手書き”にあるという。木庭さんが手書きのために現在愛用するのはノートやペンではなく、意外にもデジタルガジェット。電子ペーパー端末「クアデルノ」だ。数年来愛用してきた同氏が実感する、デジタル端末で手書きを行う魅力やメリット、「クアデルノ」の活用法について、10のポイントに沿って紹介していこう。

 

文具編集者/木庭 將(きにわ・まさし) さん

書籍の企画・編集ユニット「choudo」を運営。多くの文房具本を編集していることから“文具編集者”の異名を持つ。直近で手がけた『はじめてのガラスペン』(武田健/実務教育出版)が発売を控えるほか、文具・手帳関連のイベントや、売り場のプロデュースも手がけるなど、多様な案件を同時進行させている。「クアデルノ」は初代モデルの発売当初から愛用中。

 

↑写真は、以前メインで使用していたノートとシャープペンシル。文具編集者と呼ばれる木庭さんだけあって、紙の手帳やノートの活用術もお手のものだが、仕事上、PCやタブレットデバイスも当然扱う。一方、クアデルノを活用するようになった動機は、手書きの作業の質を高めるためだった

 

富士通クライアントコンピューティング
電子ペーパー端末「QUADERNO(クアデルノ)」A5(Gen. 2)

E Ink社のフレキシブル電子ペーパーを採用した端末。2018年末に初代モデルが発売。2021年7月には、第2世代である「Gen.2」シリーズ(写真)が発売された。ディスプレイが10.3インチのA5サイズと、13.3インチのA4サイズの2モデルを展開する。

 

1.手書きによってとことん思考と向き合える

そもそも、キーボード入力ではなく手書きを選択する意味とは何だろうか? 木庭さんは、オリジナリティのある仕事を望むなら、手書きというアプローチがカギになると話す。

 

木庭さん「PCやスマホだけで作業すると、物事を考えるための“枠組み”が固まってしまいがちです。ブラウザやSNSなどから、気づかないうちにアイデアのコピーアンドペーストをしてしまい兼ねませんから。自身のアイデアと向き合い、“自分のフィルター”を通してアウトプットする場として、手書きという手段は適しているんです」

 

↑木庭さんがアイデア出しをする際には、「クアデルノ」を使ってマインドマッピングを行うなどしながら、とことん自身と“ブレスト”するという

 

木庭さん「文章の推敲をするなど、もちろんPCの方がやりやすい作業もあります。でも、図を使って立体的に考えたい場合には、手書きの方が良いアイデアがまとまりやすいんです」

 

2.無限にページを増やしながらアイデアを書き出せる

一方、手書きに紙とペンを使う場合は、デメリットもあるという。

 

木庭さん「電子ノートの最もわかりやすい強みは、“いくらでも自由に書き込める”ということですよね。紙のノートだとどうしても、罫線などのフォーマットやページ残数とかを気にしなくてはいけませんから。そういうストレスをなくした状態で手書きに向き合えるのは、大きな魅力だと思います」

 

↑木庭さんが、仕事の打ち合わせ中にクアデルノでとったメモ。ページ数を気にすることなく、雑記帳のように何でも書きこんでおくという

 

3.書いた情報を後から検索できる

デジタルならではのメリットは、機能の面でもさまざまだ。紙のノートでは、どんどん書き込んだはいいが、そのメモがあとで見つけられなくなるとう失敗の経験は誰にでもあるだろう。しかしデジタルなら検索性にも優れる上、「クアデルノ」では所定のマークを書き込むだけで、あとから検索が楽になる機能がついている。

 

木庭さん「『クアデルノ』は、書いたあとにアイデアを見返しやすいのが気に入っています。例えば、あとでチェックしたい重要な箇所に“☆”(星マーク)を書いておくんです。すると、検索機能を使ってすぐにその箇所を呼び出し、確認できるんですよ」

 

↑確かに、木庭さんのメモにはところどころ☆マークが。☆がついたページをまとめて一覧できる機能も便利だ

 

4.書いた文字のデリートや移動、コピーも楽々

書いた文字をタッチで消したり、必要な範囲をまとめてコピーアンドペースト操作をしたり、そのまま移動させたりできるのも、デジタルならでは。「クアデルノ」のスタイラスペンは、サイドボタンやテールスイッチの操作によって、ペンツールを“消しゴム”に変えられるようになっている。

 

木庭さん「紙のノートやペンだと、書いたものを消すのには時間がかかるし、シャープペンや鉛筆では消しゴムのカスも出て散らかってしまい、思考が途切れてしまいますよね。書きながらアイデアを取捨選択して推敲するという視点では、デジタルが最適だと思います」

 

↑木庭さんは、雑誌や書籍の設計図ともいえるデザインスケッチを作成する作業過程でも、「クアデルノ」を活用している。ページの入れ替えも、範囲を指定し移動するだけと簡単。ちなみにこのテンプレートは自作。好みのテンプレを追加できるのも、「クアデルノ」独自のメリットだ

 

5.筆圧感知によって文字から読み取る“情報”が増える

「クアデルノ」は従来、デジタルペーパー特有の紙のようなザラザラしたディスプレイと、スタイラスにはシャープペンのように徐々に先端が削れていく芯を採用していることから、紙に書くような筆致が得られる。さらに新モデルでは、スタイラスペンの筆圧感知対応によって、文字のハネ・ハライも再現されるようになり、手書きの文字に抑揚が加わった、と木庭さんは話す。

 

木庭さん「文字を書く時に筆圧も反映されるようになったことで、文字が持つ情報量が増えました。例えば会社勤めの人ならば、資料に対して上長がコメントを書きこんだときに、怒っているのか? あるいは、ギャグで言っているのか? など(笑)、PDFにテキストを打ちこんだだけじゃ伝わらなかったニュアンスも、伝わるようになったと思います」

 

↑「クアデルノ(Gen.2)」では、最新のE Inkパネル「E Ink Carta 1250」が搭載され、「ワコムデジタイザ」を利用したスタイラスペンのプロトコルも電磁誘導方式(EMR)を使う「Wacom EMR」へと変わった。ユーザーにとってうれしいのは、ペンの充電を行う手間がなくなり、4096段階の筆圧感知に対応したことだ

 

↑UI上で選択できるペンツールの種類も増えており、より手書き感を味わえるようになった

 

6.カラーのタブレットPCでは賄えないメリットがある

普段の業務では、iPadなどタブレットPCも欠かせないという木庭さん。とはいえ「クアデルノ」が用途で重複することはなく、それぞれに独立した魅力を感じているそうだ。

 

木庭さん「雑誌の校正では、画面上でカラーで確認する必要があるので、タブレットも使います。でも、ペンの書き味がツルツルしすぎていて、僕にとって手書きの延長線上にあるものではないんです。また、ディスプレイが常にカラー表示だと、思考があちこちに飛んでしまいがちです。一方、『クアデルノ』はデジタルペーパーだからこそ、思考に集中できるのが良いですね。そういう意味でタブレットとは役割が全く違っていて、僕にとっては、メモツールの延長にある存在です。手書き用の“画材”はいくつあっても良いんですよ」

 

7.情報共有のためのデータ連携もスムーズ

ウェブブラウジングに非対応の「クアデルノ」は、データの共有をPCやスマホを介して行う。木庭さんは、デザイナーやチームのスタッフとノートを共有する際、PC経由で送信するという。

 

木庭さん「一部のデータは最終的にPDFに出力して、PC経由でデザイナーなどに渡します。ちなみに、『クアデルノ』本体のディスプレイには反映されませんが、ペンの色を黒以外に青か赤も選べるようになりました。私は、写真の要素を青、文章要素を赤、と使い分けていますが、あとでPDFで出力した際にも見やすくなって助かっています」

 

↑「クアデルノ」で書いた内容は、PDFとしてPCに出力できる。デバイスとの接続については、有線のほか、Wi-FiまたはBluetoothによる無線接続にも対応。NFC対応のスマホなら、スマホとのWi-Fi接続も容易だ

 

8.紙の資料を読み込みブラッシュアップする際にも活躍

「クアデルノ」はスキャナで読み込んだ資料もPDFとして取り込める。

 

木庭さん「組織で運用する場合には、他の人のアイデアや書類を添削するのに非常に便利だと思います。データならすぐに複数メンバーで共有できますし、手書きなら直感的に行えるので、資料のブラッシュアップを効率的にできるのではないでしょうか」

 

なみに、クアデルノにはセキュリティ機能も備わっており、パスワードを設定できるので、組織運用で秘匿性の高いデータを運搬する際にも安心だ。

 

↑PCに加え、スキャナともスムーズに連携。紙の書類はスキャナを通じて取り込める。とくに「ScanSnap」シリーズと好相性だ。※ScanSnapダイレクト連携の対応機種に関する最新情報は、公式ウェブサイトをご確認ください

 

働き方が多様化した昨今では、場所を問わずに紙の作業が行える“ペーパーレスツール”として心強いアイテムとなるだろう。また、大量のプリント用紙を必要としない点でもエコだといえる。

“エコ性能”が評価され、クアデルノは現在「文房具総選挙2022」のSDGS文房具部門にノミネートされている。

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9.USB Type-Cで同期も充電もよりシームレス

「クアデルノ(Gen.2)」では、プロセッサーが強化されたほか、ストレージも従来の倍の32GB(使用可能領域は約22GB以上)へと強化されたこともポイントだ。また、インターフェースがUSB Type-Cになったことで、最新のノートPCなどとの接続もスムーズに。

 

木庭さん「ことあるごとにPCに接続してデータを同期するのが、習慣になっています。ほぼケーブルで繋ぐだけで手軽にバックアップと充電を行えるので、日々の管理も簡単です」

 

↑クアデルノ(Gen.2)はUSB Type-Cポートを備えるので、最新のノートPCやスマートフォンなどとケーブル類を共通化できることも魅力だ

 

接続に使うアプリは、PC向けに「QUADERNO PC App」(macOS・Windows両対応)、スマートフォン向けに「QUADERNO Mobile App」(iOS・Android両対応)が用意されている。周辺環境はさほど気にせずに導入できるだろう。

 

10.軽く薄く、高耐久で機動力が高い

「クアデルノ」にはA4サイズとA5サイズがあるが、機動力を重視する場合には、コンパクトなA5サイズがオススメだ。

 

木庭さん「A5サイズのクアデルノは261gと、かなり軽いんです。“SUBWAYのサンドイッチ”くらいの感覚かな(笑)。僕のようにいつでも取り出して書き込む手帳的な使い方を想定するなら、よりコンパクトなA5サイズの方が、機動力で優れているので適していると思います。外に出て人と打ち合わせをしたりする機会にも、小回りが効くのが良いですよ。バッテリー持ちで困ったこともありません」

 

↑タブレットPCのように画面割れを気にしなくてよく、気を遣いすぎることなくバッグなどに入れておけるのもメリット、と木庭さんは付け加える

 

キーボード入力で硬直化した思考を手書きで取り戻すリハビリツール

数年来、日常的に「クアデルノ」を使ってきた木庭さんは、その魅力についてこうまとめる。

 

木庭さん「デジタルデバイスの運用に慣れてしまった人にとって、いくら手書きに価値があるとわかっても、いきなり紙で手書きをしよう、というのはなかなか難しいものです。手書きは手間もかかりますから。でも、クアデルノならそういった障壁を解消してくれるんです。PCやスマホから“手書きに帰ってくる”ための場所としてはぴったりじゃないでしょうか」

 

日々慌ただしく仕事をこなすビジネスパーソンにとって、「クアデルノ」という先行投資が、“自分らしさ”や“オリジナリティ”を取り戻すためのキーになるかもしれない。

 

富士通クライアントコンピューティング「QUADERNO(クアデルノ)」

クアデルノは現在「文房具総選挙2022」のSDGS文房具部門にノミネート中!

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取材・文/井上晃 写真/湯浅立志(Y2)
撮影協力/UTUWA

アップデートでペン機能を拡充! 筆圧感知でさらにリアルな“紙”に近づいた「クアデルノ」

富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は、電子ペーパー「QUADERNO(以下クアデルノ)」の本体ソフトウェア機能のアップデートを、10月12日より開始しました。アップデート対象機種は、「QUADERNO A5 (Gen. 2) FMVDP51」「QUADERNO A4 (Gen. 2) FMVDP41」です。

 

アップデートではペン種の追加と筆圧対応(万年筆、筆ペン)が行われ、5種類のペン(ボールペン、万年筆、筆ペン、マーカー、ハイライト)が使えるようになりました。本物の紙とペンのような、はね・はらいなど繊細な表現が可能となり、筆圧をダイナミックに反映し、文字やイラストでも、表現に深みや奥行きを出すことができます。同製品は、紙のような使い心地で、アナログの良さを活かすことにこだわっていましたが、筆圧感知が追加されたことで、よりリアルな紙の体験に近づいています。

 

また、これまでハイライトは、テキストの上にしか引くことができず、利用用途が制限されていましたが、「手書きの上にマーカーを引きたい」や「グラフなどの図表の上にもマーカーを引きたい」などといったユーザからの要望があり、新しく赤・黄・青・緑の4色のマーカーとハイライトが使えるようになりました。ボールペン、万年筆、筆ペンの3種に新色の白色も増え、色のバリエーションも豊かになり、スケジュールやノートにも自由にマーカーを使って楽しむことができます。ペンの色に白が追加されたことによって、PDFを簡単に手書きで修正したり、まるで印刷された紙を修正ペンで消すかのような、白色のペンの使い方もできるようになりました。

↑左:PCやスマホ上の表示/右:クアデルノ上の表示

 

ペンツールパネルも進化し、消しゴムやハイライトへの切り替え、色・太さ等を1タップで切り替えることが可能。ペンや色が増えても、複雑な設定は必要なく、簡単にペンの設定を選ぶことができます。

アイデアがどんどん湧きデルノ! ペンの追従性と反応速度が向上した「クアデルノ」

“いま”爆売れ中のモノを「デジタル」からセレクト。識者陣がヒットの背景を解説する。消費者ニーズに“ビッタビタ”な“ゴン攻め”商品の数々、知らないとマジでヤバいです!! 今回は「クアデルノ」を紹介。

※こちらは「GetNavi」2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

アイデアがどんどん湧きデルノ!

ペンの追従性と反応速度が向上しサクサク動いてスイスイ書ける

スタイラスペンにワコム社の技術を新搭載し書き味が向上!

【電子ペーパー】2021年7月発売

富士通クライアントコンピューティング

クアデルノ

実売価格4万9800円(A5)、6万9800円(A4)

本物の紙とペンのような使い心地と、軽量・薄型ボディで人気の電子ペーパーの新モデル。ワコム社製デジタイザと最新のE Inkディスプレイを新搭載し、より滑らかな書き味と画面の見やすさを実現した。反応速度は約20%以上、保存容量は約2倍にアップ。

 

LAMYとコラボしたスタイラスペンもラインナップ!

↑ドイツを代表する筆記具メーカー・LAMYとコラボした「ラミースタイラスペン(6600円)」も登場。本体にマッチするグラファイトカラーだ

 

↑新モデルではペンの充電が不要に。サイドボタンとテールスイッチには、文字色の切り替えや消しゴムなど5つの機能から好きなものを割り当てられる

 

↑テールスイッチに消しゴムを設定すれば、シャープペンと同じ動作で筆跡を消せる。スイッチは押し込み式で、意図せず触れたときに誤作動が起きにくい

 

【トレンドのツボ】初月販売数は前モデルの約7倍、レビュー動画の再生回数1万超え

初月の売り上げは、2018年に発売した前モデルの同時期の約7倍を記録。発売後すぐに公開されたガジェット系YouTuberによるレビュー動画は、再生回数1万以上、高評価も150件超えと、注目度の高さがうかがえる。

文具ソムリエール

菅 未里さん

テレビや雑誌、ウェブなどで文房具の魅力を発信し、関連著作も多数。「クアデルノ」は前モデルから愛用している。

 

テレワーク時の手書き需要と目にやさしい画面でヒット

テレワークの普及とペーパーレス化の推進で、手書きデバイスへの注目が高まっている。なかでも7月に登場した「クアデルノ」の新モデルは、一時欠品になるほど人気だ。

「書き心地が向上し、前モデル以上に“紙感”が増しました。ペンの追従速度が上がっているので、斜めの線も滑らかですし、拡大しなくても細かく書き込めます。テレワーク中のメモや取り込んだ書類への書き込みを快適に行えますね」(菅さん)

また、旧モデルからだが、バックライトのないディスプレイを搭載し、目にやさしい点も見逃せない。

「在宅時間の増加とともに、動画やSNSを見るなど、スマホやPCを眺める時間が増えた人は多いでしょう。それにより、メモをとるときやアイデアを練るときくらいは、目にやさしい端末を使いたいと思う人が増えたはず。本来は紙のノートがその役割を担いますが、共有や保管のしやすさを重視するならデジタル機器が使いやすい。本機はそんなニーズにもマッチしているのだと思います」(菅さん)

 

【手書き派の編集部員がお試し!】思いつきをタイムラグなく書き出せて思考を妨げない

本誌文房具担当

鈴木翔子

 

「前モデルでは直線以外の線が少しガタつき、普段の自分の字とは違うなぁと感じていたのですが、新モデルは自分の字そのもの! 曲線の多いひらがなも自然です。また、反応速度が上がったことで、手書きをしながらの思考がスムーズに。頭の中をタイムラグなくアウトプットできます」

完成度が高かった初代機をどう超えたのか? 新「クアデルノ」の魅力をCOO竹田弘康さんに直撃

なかなか収束の気配を見せない新型コロナウイルスは、良くも悪くもビジネスの在り方を変えた。世界経済へのマイナス打撃は枚挙にいとまがないが、「これって結構いいんじゃないか?」というプラスの影響もあった。それは、「加速度的な働き方改革の実現」だ。テレワークやオンラインミーティングが一般的になるなど、世の中の仕事環境がある意味強制的にアップデートされたといえるだろう。

 

きっとこれはワクチンが浸透してコロナ禍が収まったのちも、継続される「働き方のニュースタンダード」になるはずだ。顔を突き合わせての会議や満員電車での通勤、究極的には物理的なオフィス空間など、本当に必要だったのかとビジネスパーソン全員が「当たり前」を疑い、より働きやすい世の中の実現へ、手探りで進んでいるのが現状だ。

 

パソコンの企画・開発を主業とする富士通クライアントコンピューティング(以下FCCL)も、ほかの企業同様に、大きく働き方を変えた。だが、FCCLで「クアデルノ」事業を推進するCOO竹田弘康副社長は、まだ現状に満足していないという。

 

「働き方は変わりつつあります。だが、もう一つの理想がある。私はオフィスから紙をなくしたいのです」

 

それを実現しうるツールが、電子ペーパーの新「クアデルノ」だ。2018年末より日本市場デビューを果たした電子ペーパーの第二世代機がついに発売される。果たしてどこが変わったのか。本当に真のペーパーレス時代を叶える乾坤一擲の一撃となりうるのか。

 

竹田弘康副社長に、その意気込みと将来のビジョンをうかがった。

 

――FCCLにおけるコア・コンピタンスは、いうまでもなく「パソコン」だと思います。そのなかで、ある意味キーボードと相容れないツールである「クアデルノ」の立ち位置・役割はどんなものでしょうか。

「おっしゃるとおり、働き方改革に連なり、デジタル・トランスフォーメーションが急速に進むなかで、FCCLのパソコンは市場にとってより重要な位置に置かれています。仕事のやり方がデジタライズしていくなかで、パソコンはとても大きな役割を担っていますが、一方で、ビジネスパーソンの方は、より自分に身近で、感覚的に扱えるツールで仕事をしたい場合がたくさんあると考えています。弊社でも会議などにはみんなパソコンを持って参加するのが当然になりましたが、多くのメンバーは紙のノートも持ってきます。これはやはり、『ちょっとしたメモは手書きで残したい』『手で書くことでアイデアが生まれる』ということだと思うのです。『クアデルノ』は、そんな思考・感覚のアウトプットをサポートするツールであり、パソコンとは役割が違うものと考えています」

 

――竹田さんご自身も「クアデルノ」を愛用されているとのことですが、会議や打ち合わせの在り方に変化はありましたか?

「そうですね。私はもちろんFCCLの役員陣は全員クアデルノを使っているのですが、いまはもう皆、手放せなくなっています。会議や打ち合わせの本質は、『コミュニケーション』ですよね。人と人の間にパソコンを挟んでの対話も珍しくなくなりましたが、話をしながらキーボードを打つというのはやはり対話に集中していない印象になってしまい、場合によってはコミュニケーションの質を下げることにも繋がりうる。その意味で、顔を見ながら書き込めるノートツールの役割は大きいものがあると考えます。ただ、紙のツールにはデメリットもあるのです。環境問題に加え、情報のセキュリティ面での脆弱性が高い。リモートワークが当たり前の時代、自宅やカフェで仕事をする際、情報が詰まった紙のノートなどを持ち歩くのは大変にリスクが大きいと思います」

 

↑インタビューはFCCLのオフィスのプレゼンルームで実施。こうした場所でも、紙資料などが配られるケースは激減しているという

 

――資源を無駄にしない、情報漏洩リスクを制御できる、という二点で、デジタルツールである利点が大きい、ということですね。

「その通りです。また『クアデルノ』は、パソコンを否定するようなものではなく、一緒に使うことを前提として設計されています。PDFファイルを自在に行き来させられますし、手書きの文字を自動で同期保存させることもできます。手書きメモを加えた資料を、パソコンからメールで送付、もしくはクラウドにアップ、というようなことが簡単に行える。手書きのフィーリングを残したまま、デジタルガジェットとしての実力も高い。いわば、『手書きの思考過程』と『パソコンでのアウトプット』を橋渡しするようなツールであると考えています」

 

――2020年から発生した新型コロナウイルス禍が、「クアデルノ」のビジネスに影響を与えた、というようなことはありますか?

「やはり新型コロナウイルスは、『ペーパーレス化』を加速させたと感じています。人が集まる会議は少なくなりテレワークが進むにつれ、パソコンを使った仕事が基本となり、弊社でも会議などで紙資料を配るシーンはほとんどなくなりました。とはいえ、日本の企業においてもテレワーク化が進行したとはいえ、その浸透度はまだ2~3割程度かと感じます。これからもペーパーレス化はまだまだ進むはず。それはすなわち、電子ペーパーにとって、大きな市場性が創出されうる、といえます」

 

――では、2年半ぶりの刷新となった、ニューモデルのことをお聞きします。率直に、新モデルのセールスポイントはどこになりますか?

「まず、コントラストの向上による見やすさの改善、各種操作に対するレスポンスの良化など、基本性能のアップがベースになります。しかし、進化点としてもっともわかりやすいのは『新型ペン』の採用です。ペンが使いやすいかどうかの基準には、大きく3つのポイントがあります。ひとつは『レイテンシ(筆記遅延)』、そして『書き味(摩擦性)』、最後が『視差(ペン先と線のズレ)』です。この3点をアナログの紙とペンの感覚にいかに近づけるかが課題なわけですが、新モデルでは、文教用タブレットで長くご一緒しているワコムさんとタッグを組みました。その最大のポイントが『ワコム デジタイザ』の新搭載です。これにより、素早く、そしてなめらかな線を自在に描けるようになったのです」

 

↑新モデルのタグラインは「A part of your brain」。「アウトプットに至るまでの『思考過程』をサポートするツールだと考えています」(竹田さん)

 

――具体的に、初代モデルとどのような違いが出るのでしょうか。

「初代機は、書きやすさを大きく左右する『視差』を初期設定でチューニングしていたのですが、これだと『クアデルノ』を反対に回転させて描くと、視差がより大きくなるような課題があったのです。実際の紙とペンでは、そのようなことありえませんよね? この改善のためにどうしてもデジタイザが必要でした。加えて、斜めの線もガタつくことなくまっすぐ描けるようになりました。初号機でも、文字は十分きれいに書けました。しかし新モデルでは、図や簡単なイラストなどもストレスなく描けるようになっています。初代が国語のノートだとしたら新モデルは理科のノートに進化した、と想像してもらうとわかりやすいかもしれませんね」

 

――この新「スタイラスペン」は、もう一つ大きな進化ポイントとして、充電が不要になりましたね。

「初号機ユーザーから、その点のリクエストはいただいておりました。やはりペンが人の思考と『クアデルノ』をつなぐポイントであるので、今回は、書き味、使い勝手、ユーザーインターフェイスに相当こだわりましたね。また、こだわりという意味では、新モデルではオプション品として、ドイツの人気筆記具ブランドLAMYさんとのコラボペンも発売します。さらには、リッチな質感を持つ専用カバーもA4、A5それぞれ各2色ご用意しました。これはいわば、『クアデルノ』に機能以上の価値を感じてほしいという思いが込められています。我々が扱っているパソコンは、あくまでツールであり、機能以上の価値を与えづらい。しかし『クアデルノ』は、ペンやカバーで個人の『嗜好性』を満たすことができるはずです。今回はまずLAMYさんとのコラボですが、その先の広がりもちろんイメージしています。電子ペーパーユーザーのなかには、『自分らしいデジタルのペンを持ちたい』と思いを馳せている人が、きっと多いと思います」

 

↑「LAMYさんには、いまの『クアデルノ』にもっともマッチするブランドとしてパートナーになっていただきました。この独特のスタイルに憧れるユーザーはたくさんいると信じています」(竹田さん)

 

――「価格」や「機能」の価値に加え、「感性」へ訴えかける価値も、新モデルでは得られるということですね。反響が楽しみですが、さらにその先、電子ペーパーの未来を竹田副社長はどう見据えていらっしゃいますか。

「元々は、ビジネスユースのペーパーレス化がターゲットの原点だったのですが、初号機は『個人ユース』で新しい発見も多くありました。お母さんがお子さんの勉強ドリルに活用している、という声もいただきましたし、音楽をやっている方が、『楽譜』を『クアデルノ』に入れて持ち運ぶという需要も想像以上にありました。また、私個人も木工家具づくりが趣味なのですが、家具のデザインが思い浮かぶとすぐにラフスケッチを描いておくようになりました。自分自身も仕事以外で『クアデルノ』を使い出しているわけです。すなわち、『書く・読む』という視点だけでも、このように多彩なニーズが広がっています。私たちは、『クアデルノ』単体でネットにつなぐなど、多機能化していく方向は考えていません。掘り下げるべきは『書く・読む』。特に『ペンで書く』という作業に、さらなる深みを与えようと、いま開発を進めています。現時点で詳しくは言えませんが、今回の新モデルは、ファームアップなどで、その点を徐々に進化させていきたい。『書く』という作業が、人の感情を表現できるほど『深さ』を手に入れたとき、はじめて『筆記』のデジタル・トランスフォーメーションが達成されると信じています。ご期待ください」

 

↑竹田副社長が自作したという「クアデルノ」のディスプレイスタンド。ナラ材を切り出し、ロゴを刻印した本格仕様。こちらの販売もFCCLには期待したい

 

富士通クライアントコンピューティング株式会社

執行役員副社長/COO

竹田弘康さん

 

【商品情報】

QUADERNO(Gen.2)

A5サイズ FMVDP51

A4サイズ FMVDP41

ともにオープン価格

 

本物の紙とペンのような「書きやすさ」と「読みやすさ」を実現した、超軽量・薄型電子ペーパーのニューモデル。膨大な資料の取り込み・閲覧、手書きメモやPDFへの書き込みなどが行えるうえ、手書きメモのコピー&ペーストや検索機能などを備え、アナログの良さとデジタルの利便性を両立している。新モデルは「書きやすさ」「読みやすさ」が向上し、さらにそのスマートなルックスも進化しました。『クアデルノ』と一緒に使えるアクセサリーも拡充し、より快適なペーパーレスライフを実現する。

 

公式サイト:https://www.fmworld.net/digital-paper/top.html

ECサイト:https://www.fujitsu-webmart.com/pc/webmart/ui3211.jsp#item

 

撮影/村田 卓

第二世代になった「クアデルノ」はどう進化した? 商品企画担当の「こだわり」

ノートパソコンやタブレットではなく、紙に向かってじっくりと思考したいーーそう考えるビジネスパーソンに絶大な支持を得ている電子デバイスをご存じですか?それは富士通クライアントコンピューティングの電子ペーパー、「QUADERNO(クアデルノ)」です。

↑電子ペーパー「QUADERNO (Gen. 2)」(左がA4サイズ、右がA5サイズ)

 

クアデルノは2018年12月に販売を開始、その薄さと軽さ、そして書き心地の良さが評価され、ビジネスパーソンが手帳の代わりとして使い始めました。その後ソフトのアップデートを経つつ、その使い勝手の良さからビジネス用途以外にも使われるようになり、勉強やイラストのラフ書き、リモート会議中のメモ書きへと活用シーンが拡がっています。

 

そのクアデルノが2021年6月にハードウェアを一新し、大きな進化を遂げました。生まれ変わった「QUADERNO (Gen. 2)」の魅力と開発にあたっての指針について、コンシューマ事業本部 マーケティング支援統括部 松下季氏、小池泰弘氏に話を伺いました。

↑小池泰弘氏(左)、松下季氏(右)

 

純増パーツの重さを開発とデザイナーがカバー

新クアデルノのもっとも大きな進化は、ワコムのデジタイザを搭載したこと。これにより、ペンで書く際のレイテンシー(遅延)が改善され約30%スピードアップ。さらに、専用ペンがバッテリレスになり、充電をする必要がなくなりました。

 

「デジタイザにより、曲線や斜め線が従来よりもなめらかに書けるようになりました。さらに垂直気味に書いても、寝かせ気味に書いても傾きを検知して補正をかけるため、本体を縦・横どちらにしても、どの方向から書いてもなめらかに書くことができます。これにより、旧モデルでは必要だった右利き、左利きの設定も不要になりました」(松下氏)

↑旧モデルより線がなめらかに。また、本体が縦・横どちらでも

 

デジタイザによるメリットの一方で、苦労した点も。

 

「デジタイザを搭載したことで単純にパーツが増えたため、重さや厚さもその分増えてしまいそうでした。しかし、クアデルノの良さは薄くて軽いこと。ユーザーの皆さんからも薄さと軽さは維持してほしいという要望が寄せられていましたので、開発に無理をお願いして何とか軽さを維持するように頑張ってもらいました。デザイナーにも、持ったときに薄さを感じるようにエッジを工夫してもらうなど、薄さと軽さにはこだわっています」(松下氏)

↑商品企画を担当した松下氏

 

その結果、厚みに関しては旧モデルと比較してA4サイズが約0.2mm薄くなっており、A5サイズは同じ厚みを維持。重さは、A4が約18g、A5が約10g重くなっていますが、本来は50gほど重くなってしまうところを最小限に抑えたとのこと。さらに、アクセサリーを軽量化することで、ペンとカバー、そしてクアデルノを足したときの総量は約100g軽くなっているそうです。

↑アクセサリーを付けた総量は軽くなった

 

クアデルノらしい機能のみを選択

クアデルノはメモを取る、または取り込んだPDFにメモを上書きするなど、ビジネスシーンでよく使われていましたが、ユーザー層が拡大するにつれて、プライベートでも利用もされることが増えたそう。今後もビジネスパーソンがメインターゲットではあるものの、英語を学ぶ人や資格を取りたい人、ペーパーレスで自宅やシェアオフィスを行き来するテレワーカー、サスティナブルな生活を送りたい20~30代女性にも訴求してきたいそうです。

 

となると、タブレットのように機能を拡充していくことがユーザーの要望になりそうですが、調査ではそういった声は挙がってこなかったとのこと。

 

「クアデルノのユーザーはビジネスにもプライベートにも意欲的で、最新ガジェットにも強い人が多い。でも、クアデルノに余計なことをしてくれるなという要望が多いんです。カメラはスマホにあるし、メールはタブレットで読めます。商品企画としては、新モデルでいかに使いやすく進化させ、お客様のニーズに応えるかというところが非常に難しかったですね。将来のアップデートまで見据えて、何度も議論を重ねました」(松下氏)

↑第2世代を開発するにあたり、どのように進化させるか、ユーザーの声をもとに議論を重ねたそう

 

新クアデルノでは、ラフデザインや綺麗な文字を書くことなど、通常の文具と同じような感性で扱えるデバイスとなっています。凝ったイラストは、紙やパソコン、タブレットに担当してもらうと割り切ることで、棲み分けにもなると考えているそうです。

 

ペンとディスプレイも進化

ワコムのデジタイザが搭載されたことで、専用ペンがバッテリレスになりました。これにより、ペンを充電する必要がなくなり、うっかり充電を忘れて書けなくなった、ということもなくなります。さらに、従来のサイドボタンに加え、ペンの頭部分にテールスイッチが追加され、それぞれに消しゴムや範囲選択など好みの機能を割り当てて使うことができます。

 

「従来の専用ペンはテールの部分は蓋だったんですが、消しゴムと勘違いしてひっくり返す人が多かったんです。そこで、テール部分に消しゴムなどの機能を割り当てられるようにしました。私はクアデルノに走り書きしたものを、あとで範囲選択して位置を入れ替え、思考を整理するといった使い方をしています」(松下氏)

↑新しくなった専用ペンは2か所にボタンがあるので、より効率的に作業できる

 

ここで旧モデルと新モデルを並べて試し書きをさせて頂いたところ、新モデルは旧モデルよりも反応が速く、かなり書き心地が良くなっていると感じました。バッテリレスになったことでペンも軽くなっており、図や文字もさらさらと書けます。紙に書いているような感覚がより強くなっていると感じました。

↑新しいクアデルノはペンへの追従性が高くなり、より紙に書いているような感覚が強くなっている

 

また、「読む」についても進化しました。プロセッサが進化したことにより、反応速度が約20%アップ、E Inkディスプレイも最新となったことでコントラストがアップしました。また、メモリ容量も約2倍(22GB)になり、ノート約20万冊相当が格納できます。

 

「ノートのサムネイルを表示させることもできるようになったので、直感的に欲しい情報を探せるようになりました」と松下さん。旧機種ではファイル名で探すしかありませんでした。細かなUIの改善も嬉しいですね。

 

今後も使い方が拡がるアップデートをしていく

クアデルノは文房具としての面白みもあります。普段持ち歩くものだから、やはりおしゃれなカバーは着けたいところ。新しいクアデルノでは、A4/A5サイズのそれぞれにベージュとネイビーの2色の専用カバーがアクセサリとして同時発売されます。旧モデルでは、カバーを付けるとあまりにも重くなるためA4サイズは専用カバーが用意されませんでしたが、今回は大幅な軽量化に成功したため、A4サイズでもカバーが販売されます。

 

また、ペンには1930年創業のドイツ文具メーカー「LAMY」とのコラボである「LAMYスタイラスペン」も発売されます。試用させていただきましたが、握ったときの感触が非常によく、私は筆圧が強い方なので、本当のペンで書くときのように力を入れられました。標準のペンだと少し細すぎると感じる人にオススメです。ただ、こちらは機能を割り当てられるボタンはサイドボタンのみ。贈答用に購入されることも考えて、箱にもこだわったそうです。

↑「LAMY」とのコラボである「LAMYスタイラスペン」

 

進化し続けるクアデルノ

ハードウェアの大きなアップデート、そして機能面でもきっちりクアデルノらしさを維持した今回のモデルチェンジですが、今後はどのように進化していくのでしょうか。

↑今後もアップデートを続けていくと語る小池氏

 

「これまでクアデルノは2回アップデートをしてきましたが、スキャナーからダイレクトに取り込めるなどの進化をしてきました。クアデルノ自体の進化というよりも、連携によって使い方が拡がるようなアップデートをしていけたらいいなと思います。」(小池氏)

 

新クアデルノには、本体のみでソフトウェアアップデートができる機能が用意されていますが、これには「今後も継続してアップデートをしていきますというメッセージを込めています」と松下氏。進化したばかりのクアデルノですが、長いお付き合いができそうですね。

 

新クアデルノの予約はすでに開始されています。発売は7月8日。実売想定価格はA5サイズが4万9800円、A4サイズが6万9800円(いずれも税込)となります。製品の詳細なスペックについては、発表会の記事もチェックしてみて下さい。

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

LAMYとのコラボペンも登場! 新型「クアデルノ」は爆速&快感なクリエイティブマシンに進化!

富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は、電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」の新モデルを7月8日に発売します。予約は本日6月22日より受付開始。実売予想価格はA5サイズが4万9800円前後、A5サイズが6万9800円前後。

↑A4サイズとA5サイズの2モデルをラインナップ

 

クアデルノは、本物の紙とペンのような“書きやすさ”と“読みやすさ”を実現した、超軽量・薄型電子ペーパー。データ化された資料を取り込んで閲覧したり、付属のスタイラスペンでメモなどを書き込むことが可能。手書きメモのコピー&ペーストや検索機能などを備え、アナログの良さとデジタルの利便性を両立しています。

 

新モデルでは、従来の「紙のように読める・書ける」という特徴はそのままに、基本スペックを大幅にアップ。CPUの性能が上がったことにより反応速度が約20%向上し、ページ送りやドキュメントの切り替えなど、よりスムーズな操作感を実現しました。さらに、最新のE inkディスプレイによりコントラストが向上したほか、保存ファイルをサムネイル表示する新UIの採用により検索性もアップしています。

↑CPUの性能が上がり、反応速度もアップ。より快適に使うことができます

 

↑最新のE inkディスプレイ採用によりコントラストが上がり、くっきり表示して読みやすくなりました

 

↑新UI(右)ではファイルがサムネイル表示され検索性がアップ

 

また、新たに「ワコム デジタイザ」を搭載したことにより、スタイラスペンのレイテンシ(遅延)が改善され、追従速度が約30%アップ。縦・横・斜めのどの方向から書き込んでもしっかり補正がかかるため、本体をななめにしてもなめらかでゆがみのない線が描けるようになりました。これにより右利き・左利きなど利き手の設定も不要になっています。

↑ペンのレイテンシを改善し、追従速度が約30%向上

 

↑曲線や斜線などもよりなめらかに書けるようになっています

 

従来モデルからの大きな変更点としては、付属のデジタルペンがバッテリレス仕様になったことも見逃せません。従来モデルでは本体とは別にペンを充電する必要がありましたが、新モデルでは充電不要で書き込むことができるようになりました。

↑付属のスタイラスペンがバッテリレスに。充電不要で書くことができます

 

さらに、スタイラスペンはサイドボタンとテールスイッチが備わっており、それぞれに赤ペン・消しゴム・ハイライト・範囲選択・拡大の5つの機能を自由に割り当てることができます。

 

ペンの設定をすばやく切り替えられるペンツールパネルも搭載しており、消しゴムやハイライトへの切り替えや色・太さを1タップで切り替えることができます。ペンツールパネルは常時表示が可能で、上下左右好きな場所に移動できます。

 

本体のストレージも従来モデルの2倍となる32GB(使用可能領域:約22GB以上)にアップグレードされ、従来比約2倍のノート約20万冊相当分が保存可能になりました。

 

アクセサリとして、ネイビーとベージュの2色から選べるカバーを用意。A4/A5用の2種類をラインナップしています。

↑カバーはベージュとネイビーの2色展開。サイズもA4/A5それぞれ用意されます

 

また、ドイツの筆記具メーカー「LAMY」とのコラボレーションにより、スタイリッシュな「ラミースタイラスペン」を新たにラインナップ。高級感のあるデザインで、自分用だけでなくギフトとしても最適なアイテムとなっています。

↑LAMYとコラボしたペンもオプションで用意されます

 

良質な思考時間を提供するツールとして進化

6月22日にオンラインで開催された新製品発表会には、同社の竹田弘康副社長と高嶋敏久執行役員が登壇し、クアデルノの開発コンセプトなどを説明しました。

↑オンライン発表会に登壇した高嶋敏久執行役員(左)と竹田弘康副社長(中央)

 

竹田副社長によると、クアデルノが開発された背景には「オフィスから紙をなくしたい」という思いがあったとのこと。昨今企業に求められる情報セキュリティや環境課題の観点から、紙の書類の利用をやめてデジタル化を進めるメリットがあるとし、デジタルならではの利便性とアナログの良さを両立させるデバイスとしてクアデルノが開発されました。

↑開発の原点にあったのは「オフィスから紙をなくしたい」という思いだったそう

 

初代クアデルノは2018年12月に発売され、当初はビジネスシーンでの使用を想定していたそうですが、ユーザー層が拡大するにつれ、趣味や習い事などプライベートでも活用されることが増えてきたとのこと。

↑当初ターゲットとしていたビジネスパーソンから、徐々にユーザー層が広がっていったそう

 

そして、発売から2年半のあいだにユーザーから得たフィードバックをもとに、カラー化やカメラ搭載、ブラウザ機能などの多機能化に進むのではなく、「書きやすさ・読みやすさ」「手軽に持ち運べる軽さ・薄さ」といったクアデルノの本質を追求することを目指し、今回の新モデルが誕生したとのこと。

↑多機能化するのではなく、クアデルノならではの良さを追求する方向で開発が進められました

 

ペンを手に取り、書きながら考えることで生まれる「良質な思考時間の提供」という新しいコンセプトのもとで進化を遂げた新クアデルノは、ビジネスだけでなく様々な場面で使えるパートナーになってくれそうです。

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

iPad Air 4はPC代わりの仕事用途に耐えられるか?

iPad Air 4は、iPad Pro向けの周辺機器も利用可能で、トラックパッドを用いた操作などが快適に行える。そんな新型iPadは、仕事にも生かせるのだろうか? 今回は、同クラスの様々な機器と比較してみた。

※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が検証します

フリーエディター

有馬真一

スマホはSIMフリーモデルを中心にチェックする。5G対応製品が想定していたよりも安かったため5Gへ移行を検討中。

 

A14 Bionicチップ搭載で処理性能がUP

Apple

iPad Air 4

6万9080円〜

iPad Proと同サイズの10.9インチディスプレイを採用した新型iPad Air。最新のA14 Bionicを搭載する。第2世代Apple PencilやMagic Keyboardといった、Proシリーズのアクセサリーを使用可能だ。

SPEC ●OS:iPadOS 14 ●CPU:A14 Bionic ●ストレージ:64/256GB ●ディスプレイ:10.9インチ(2360×1640ドット)●サイズ/質量:W178.5×H247.6×D6.1mm/約458g

 

Appleが設計した64bitの最新プロセッサーを搭載。6基のコア構成にすることで、高性能コアを4基用いたiPad Proに迫る処理能力を実現。リアルタイムの音楽ミキシングなども軽くこなす。

 

仕事に使いやすいアクセサリーも充実!

Apple Pencil(第2世代)

1万5950円

ピクセル単位の描画に対応したApple Pencilの第2世代。iPad側面に磁石で装着して充電する。

 

Magic Keyboard

3万4980円

新型のMagic Keyboardも使用可能。トラックパッドを備えており、よりPCのような操作性に。

 

vs

 

【Case 1】U-10万 2 in 1 Chromebook

Chrome OSを搭載するChromebookは多様なモデルが登場している。着脱式2 in 1タイプのIdeaPad Duetは、タッチ対応のモニターが分離し、タブレット感覚でも使用可能だ。

レノボ

IdeaPad Duet Chromebook

4万841円

Chrome OSは起動の早さも魅力。本機は、iPadより手ごろな価格だ。

 

【Case 2】Surface Go 2

iPadのライバル・Surfaceも要検討。Surface Go 2は、高解像度の10.5インチ液晶を搭載した最廉価モデル。別売のキーボードカバーやペンと合わせれば操作感はiPadと同様だ。

マイクロソフト

Surface Go 2

6万5780円

Windows OSを搭載する点が最大の魅力。PCと同様の環境で作業ができる。

 

【Case 3】U-10万円PC+板タブレット

PCに板タブレットを追加すれば、iPadと同じようにペン入力を活用できる。今回は、PCと板タブレットを合わせて、iPad Air 4と似た価格帯になるように製品を選出した。

HP

14s-dk 1000

5万5000円

Ryzenプロセッサーを搭載する14型機。USB Type-Cを備えるなど、拡張性も◎。

 

ワコム

Wacom Intuos Small

1万4080円

ペン入力の入門に最適な小型の板タブレット。Bluetooth接続にも対応している。

 

【その1】コスパ勝負

キーボードやペンまで一式購入した場合にかかるコストを調査。さらに、Performance Testを用いて各機のベンチマークスコアも計測した。これらを総合的に考慮して順位を付けた。

 

ノートPCと板タブのセットはバランスが良好

価格だけで見るなら着脱式キーボードが同梱のIdeaPad Duetは圧倒的に安いが、性能ではやや不利。一方で、iPadとSurface Go 2は、どちらもキーボードが別売だが、その価格に大きな差がある。iPadのMagic Keyboardは3万4980円で、1万6940円のSurface Goの「タイプ カバー」の倍以上。やはりApple製品はアクセサリーが高い。総合的な性能とコスパのバランスでは、HPの「14s-dk 1000」が非常に優秀だった。

CPUベンチマークスコア(※) 合計価格
iPad Air 4 1592 12万110円
U-10万円 2 in 1 Chromebook 1479 4万841円
Surface Go 2 1619 9万5700円
U-10万円PC+板タブレット 4227 6万7100円

※:PassMark SOFTWAREの「Performance Test」アプリを用いて計測したスコア

ペンやキーボードを考慮すると、iPadもSurfaceもやや高価。ノートPC+板タブの組み合わせは、ペン入力の操作性にクセがあるが、コスパは優秀だった。

 

【その2】携帯性勝負

実際の使用時に近づけるべく、本体に着脱式キーボードと専用ペンを加えた合計の質量を計測して比較した。目安としては、1500gを超えると持ち運ぶ際に重さを感じがちといえる。

 

新型iPad Airは本体の質量は軽かったが……

本体質量だとiPad Air は約458gであるのに対して、Surface Go 2は約544gとやや重い。だが、iPadのMagic Keyboardは600gとかなり重く、Surface Go 2が用いる「タイプ カバー」はわずか245gしかない。実際に持ち歩く一式では、Surfaceが最優秀。次点はIdeaPad Duetとなっている。

 

↑iPad Air 4はフラットなデザインも特徴。GetNaviよりも小さく、収納性は良好だ

 

合計の質量 備考
iPad Air 4 約1079g Magic Keyboardは600gと重め。とはいえ、合計質量で考えても、最新のMacBook Airなどよりは軽い。
U-10万円 2 in 1 Chromebook 約935g キーボードとスタンドは合計で470g。ただし、スタンドの磁石がつく本体側に重心が偏り、重く感じる。
Surface Go 2 約814g カバーと一体化したキーボードは250gと超軽量。だが、タッチパッドの左右クリックが誤反応しがち。
U-10万円PC+板タブレット 約1580g Wacom Intuos Smallは230gと軽く、接続もBluetoothならワイヤレス。とはいえ、やはり携帯はしにくい。

キーボードなしの単体での軽さは、新型iPad Airが圧勝だった。ペン入力は使うもののキーボードがなくても問題ないのであれば、iPad Airがオススメとなる。

 

【その3】作業効率勝負

仕事用マシンとして使用するなら必須のOfficeソフトの対応状況を調査。そのうえで、定型の文章を打って、キーボードの感触をチェックした。また、通信速度の平均値も調べた。

 

CPU性能と通信形式の差がDL速度の差につながった

Officeは全機種で使用可能だが、iPadとChromeのアプリは機能に制限アリ。着脱式キーボードの打鍵感はいずれも良好で、文字配置に違いはあるものの慣れの範疇だ。ダウンロード速度は3回試行した平均を比較。結果、IEEE 802.11gの通信までしか対応していなかったノートPCが最下位に。

 

↑IdeaPad Duet Chromebookのキーボード。深さが1.2mm以上あり、十分優秀

 

マイクロソフトOfficeとの互換性 キーボードの打感 1GBファイルのDL速度
iPad Air 4 △(制限あり) 2分13秒
U-10万円 2 in 1 Chromebook △(制限あり) 2分41秒
Surface Go 2 5分24秒
U-10万円PC+板タブレット 5分42秒

iPadは、Excelがマクロに非対応なので、同機能が必要な人は注意。とはいえ、通信速度が他機種よりも断トツで早く、ストレスなく作業できる点で1位とした。

 

【その4】ペン入力のしやすさ勝負

タブレットとしての使用感を決定づけるスタイラスペンの使用感の差を検証。手書きで線を引くだけでなく、ペンでアイコンをポインティングした場合などの操作感も検証した。

 

使いこなしに慣れが必要も精緻な入力は板タブが一番

IdeaPad Duetを除き、どの機種のペンも機能や色の切り替えを登録できるサイドボタンを装備していた。筆圧検知も4096段階で共通。板タブは傾き検知こそ非対応だが、タッチ操作への追従性ではトップだと感じた。ただし、操作性はクセがあり、習熟が必要。その点、iPadは初心者も使いやすい。

 

↑板タブの入力位置はモニターの同じ位置とリンクする。この感覚に慣れが必要

 

サイドボタン 感圧検知 傾き検知 使用感
iPad Air 4 4096段階 ペン先の滑る感覚が◎。ペンの平らな部分はサイドボタンだ。
U-10万円 2 in 1 Chromebook × × × 専用ペンはなく、指操作が主。タッチ操作はあくまで補助か。
Surface Go 2 4096段階 ペンの裏が自動的に消しゴムに割り当てられているのが◎。
U-10万円PC+板タブレット 4096段階 × プラスチックのペン先で、鉛筆のような書き心地だった。

安価な板タブには傾き検知機能がなく、イラストなどではやや使いにくい。しかし、写真のレタッチやPDFへの手書きコメントの付与などは十分快適に行えた。

 

<より描き心地を求めるなら、液タブであれば高精度かつ直感的に使える>

手元のディスプレイ上に直接書き込める液晶タブレットなら、板タブのように画面と手元の動きを体に染み込ませなくても作業可能。メモをとるだけなら、電子ペーパーという手段もオススメだ。

 

富士通クライアントコンピューティング

QUADERNO A5サイズ

3万9800円

膨大な資料を持ち運び、取り出して書くことに特化した電子ペーパー。一度の充電で約3週間も駆動するスタミナが魅力。鉛筆のような書き心地を実現したペンが付属し、メモには最適だ。

 

ワコム

Wacom One 液晶ペンタブレット 13

4万2900円

充電不要のスタイラスペン「Wacom One Pen」が付属する、13.3型液晶を採用したペンタブレット。60度までの傾き検知に対応し、自然な書き心地となっている。最大表示色は1677万色だ。

「ペーパーレス化」が進むリモートワーク時代に、世界最軽量ノートPCと電子ペーパーのペアが生み出すメリット

2020年初頭の新型コロナウイルス感染拡大以降、日本中、いや世界中でビジネスマンのワーキングスタイルが大きく変化しています。中でも特に大きな変化とされているのが都市部を中心に加速している在宅勤務、リモートワークの普及です。しかし、きちんとした準備期間を取れない緊急避難的な移行だったこともあり、結果として生産性が大きく落ち込んでしまったという声も多く聞かれるようになりました。

 

その原因はいくつも考えられますが、大きな理由の1つにビジネスツールの問題があると考える人は少なくありません。Web会議やドキュメントのデジタル化など、新しいワークスタイルのメリットを最大限に引き出すには、やはり最新のデジタルデバイスが必要なのです。

 

そこでここでは、最新の働き方事情に詳しい事業戦略家・山口豪志さんに富士通クライアントコンピューティングの誇る世界最軽量(※)モバイルノートPC FMV「LIFEBOOK UH-X/E3」と、電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」を試用していただき、それによって実現する、今、最も新しい働き方について語っていただきました。

※:13.3型ワイド液晶搭載ノートPCとして世界最軽量。2020年10月1日時点、 富士通クライアントコンピューティング調べ

↑本企画で山口さんに試用いただいたLIFEBOOK UH-X/E3とクアデルノ。クアデルノは、A5サイズ(10.5型)とA4サイズ(13.3型)をラインナップしており写真はA5サイズだ

 

■お話を聞いた人

事業戦略家

山口豪志(やまぐちごうし)

「スタートアップ成長請負人」としてベンチャー企業を中心に30社以上の企業経営に参画する事業戦略家。クックパッド株式会社、ランサーズ株式会社といった国内有数の急成長企業の創成期を社員として支えた後、2015年5月に株式会社54を創業し、独立。

 

LIFEBOOK UH-X/E3は、高性能プロセッサーやスタミナバッテリー、充実したインターフェイスなど、最新PCに求められるスペックを妥協することなく、重量約634gという驚異的な軽量化に成功した、「世界最軽量」の13.3型モバイルノートPC。

 

対してクアデルノは、オフィスのペーパーレス化を推進する薄型軽量の電子ペーパーデバイスです。16階調のグレースケール電子ペーパーによって、文字や図をくっきり表示。内蔵メモリに約1万件のPDFドキュメントを保存でき、付属のスタイラスペンを使った書き込みも可能とした、デジタルで「紙」の使い勝手を追求したコンセプトとなっています。

 

世界最軽量のノートPCとデバイス1つで資料をまとめる電子ノート、この2つのペアで最新の働き方をどうこなしていくのか詳しく伺いたいと思います。

 

 

 

リモートワークはもう「今だけ」の働き方ではなくなっている

――まずは改めて、現在、国内の働き方がどう変わったか、特に山口さんの目から見てどのような変化があったのかを聞かせてください。

 

山口:まず、皆さん、出勤をしなくなりましたよね。元々、スタートアップでは新型コロナウイルス感染拡大以前からそうした傾向があったのですが、大企業でも在宅勤務へのシフトが加速しています。そして、その結果、働く時間帯に関しても大きな変化がありました。

 

――残業しなくなった、あるいはダラダラと遅くまで仕事する人が増えたということですか?

 

山口:いや、働く時間ではなく、時間帯ですね。たとえば、今、私がよくやり取りをしている育児中のお母さんは子どもが寝ている早朝や深夜に働いているらしく、よく明け方とかにわーっと問い合わせへの返信メールが届きます。

 

――なるほど、個人の事情で働けるようになったという側面もあるんですね。

 

山口:企業側もそうした働き方を容認するようになっているようです。また、最近ではオフィスの規模を半分以下にして、恒久的に在宅ベースで事業をやっていこうというところが増えました。私の周りだともう7、8割くらいがそんな感じです。

 

――在宅勤務、リモートワークはもう「今だけ」の話ではなくなっているのですね。そうした環境の変化のほか、具体的な仕事のスタイルの部分で変わっていることはありますか?

 

山口:印刷した書類を見る機会が圧倒的に減りましたね。私は、さまざまな企業の創立やその後の運営に関わっているため、毎月、各社で売上の数字を確認するという仕事があるのですが、これまでは会議室に集まって、席の前に置かれた印刷済みの決算書類を役員みんなでチェックして、ディスカッションして1時間くらいで解散という流れでした。ところが今はこれがWeb会議でやられるようになり、書類も全てPDF化されています。

 

――期せずしてペーパーレス化が進んだ、と。

 

山口:そうですね。それは(環境問題的には)良かったなと思う反面、PCの狭い画面でWeb会議の画面とPDFを並べて表示するのがけっこう大変で……(苦笑)。あまりに画面がゴチャゴチャしてしまって、数字の変化に気がつきにくくなるなど、不便を覚えるようになりました。

 

――山口さんは、現在、それをどのように解決しているのですか?

 

山口:自宅では早くからセカンドディスプレイを使うようにしています。ただ、それでも紙のように書き込める環境は再現できないので、さてどうしようかと考えていたところで、クアデルノを使う機会をいただきました。なので、実はけっこう興味があったんですよ(笑)。

 

クアデルノを使うことで向上した「フィードバックの質」

――山口さんがクアデルノをどのように活用されているか、もう少し具体的に教えてください。実際、どれくらいの書類に目を通しているんですか?

 

山口:忙しい時期は、最大で22社の書類に目を通すということがありました(笑)。ページ数にすると合計で300ページくらいでしょうか。

 

――それはすごいですね……。それをPCからクアデルノで見るようにして、どうなりましたか?

 

山口:はっきりとフィードバックの質が上がったと感じています。これまでは会議室で配られた書類は持ち帰っていたのですが、クアデルノなら、ディスカッション時に書き込みしたものを先方にPDFという形で送って共有できるので、伝えたいことを漏れがなく伝えられるようになりました。

↑会議中にすぐPDFファイルに書き込み保存できるのは、まさに紙そのものの使い勝手を実現している

 

――その都度、口答で言われても漏れてしまいがちなので、書き込みされたものをすぐにもらえるというのはうれしいですね。そのほか、山口さんのビジネススタイルでクアデルノが役に立ったことはありますか?

 

山口:企業から送られてくるドキュメントを確認するのに使っています。例えば分厚い契約書をPCの画面で一気に読むのは大変なので、一度、クアデルノに転送して、気になるところに書き込みを入れて、最後にPCできちんと確認するということをしました。電子ペーパー自体の読みやすさもありますが、PCやタブレットと違って、作業中にメールが届いたりしないので、「読む」という作業に集中できます。クアデルノには機能が制限されていることで目的化しやすいというメリットもあるように感じました。

↑委任状などの書類に直筆サインをする時にも役立っている

 

あと、今回、企画書をまとめるのにクアデルノを使ってみたのですが、これも思いのほか便利でした。これまではコピー機から抜き取った用紙やノートにフラッシュアイデアをがーっと書き殴り思いつきをまとめていたのですが、紙やノートだと使い終わったあとに捨てたり、どこかにいってしまうんですよ。

 

――それ、わかります(笑)。クアデルノだと内蔵メモリに最大1万件ほどのPDFを保存しておけるので、そうした問題はおきませんね。

 

山口:書いたものをいつでも見直せるのは助かります。そして、何よりそうしたアイデアのメモを共有しやすいのが良かったです。実は思い返してみると紙やノートでやっていた頃って、全然、共有していなかったな、と。今までは、そうしてまとまったアイデアを誰かに伝えるとき、メモ書きの内容をメールの文面などに改めて編集していたのですが、それだと伝わるのは結論だけで、アイデアが発散していくプロセスが抜け落ちてしまっていたんですよね。

 

――ああ、なるほど!

↑アイデアメモを日付順で俯瞰して閲覧できるのも、クアデルノのメリット

 

山口:今回、メモそのものを共有できるようになったことで、その発散のプロセスに相手のフィードバックが来るようになったのが、これまでにない体験でした。現状は、私だけがクアデルノを使っている状況ですが、今後、みんながクアデルノを使っていくようになると、アイデアの広がり方がさらに面白くなっていきそうですね。

 

 

リモートワーク生活でも軽いノートPCには価値がある!

――続いて、LIFEBOOK UH-X/E3についても、山口さんの感想を聞かせてください。いかがでしたか?

 

山口:初めて手に持ったとき、その軽さに驚きました、これはすごい(笑)。

 

――重量約634gというのは図抜けた軽さですよね。でも、在宅勤務が増えた昨今ではそうしたメリットは感じにくくなっているかもしれませんね。

 

山口:いや、そんなことはないですよ。私もそうですが、自宅での作業時でも移動は多いですし、昨今は家の中に引きこもっているのがつらくて喫茶店で……という人も増えていると聞きます。私も、最近、子どもの付き合いで図書館に行くことが増えています。そうしたちょっとした移動にこの軽さはメリットと感じるのではないでしょうか。

 

――ちなみに、山口さんは外に出るとき、どういったものを持っていくのですか?

 

山口:私は、新型コロナウイルス感染拡大の前から、割と荷物は減らしたい派で、荷物は最低限に絞り混んでいます。それこそリュックについても少しでも軽いものを探して使っているくらいで。

 

――そうすると、この約634gという軽量ボディは気に入っていただけそうですね。

 

山口:そうですね。リュックに入れたときもはっきり違いがわかりましたよ。実は最近、ノートPCよりもさらに軽いタブレットで作業できないかと思っていたのですが、タブレットと同程度の軽さのLIFEBOOK UH-X/E3なら、キーボードも付いているしこちらの方が使いやすいですね。あと、このマシンは立ち上がりが速いことも気に入っています。今回は、その軽さと速さに驚かされました。

 

――パフォーマンスはいかがでしたか?

 

山口:全く問題ありません。ちょっと古いノートPCだと、Web会議で背景をボカすような処理を使うととたんに表示がガタガタになってしまうのですが、LIFEBOOK UH-X/E3ではそんなことは一切なく、スムーズに利用できました。そして、Web会議と言えば、カメラにシャッターが付いているのがすばらしい。これ、私の周りの人たちは皆困っていて、使わないときはシールを貼ってカメラを隠している人もいるくらいですから(笑)。

↑webカメラは、上部のつまみをスライドすることで物理的に閉じることができる安心の設計

 

↑LIFEBOOK UH-X/E3はCPUにインテル第11世代のプロセッサー、Core i7-1165G7(最大4.70GHz)を採用。あらゆるビジネス用途に機敏に対応する処理速度を実現する

 

アイデアをまとめる仕事をしている人に試してほしい

――最後に、クアデルノやLIFEBOOK UH-X/E3のような最新デジタルデバイスを使うことで変わる働き方について、山口さんがどのような可能性を感じたのかお話しいだけますか?

 

山口:先ほどもお話したように、リモートワークの普及でペーパーレス化が進んでいるのですが、結果的にプリンターのニーズがまだあるということが分かってしまったな、と。ただ、そこで自宅にプリンターを買うのではなく、クアデルノに出力するという方法があるんじゃないかと感じました。電子ペーパーは紙の代替になり得ますし、紙にないデジタルならではの便利さもたくさんあります。

 

これまでPCでやっていたことを、一旦クアデルノでワンクッションおいて、やってみたりすると、アウトプットの質が変わるんじゃないかという気がしています。特に企画職、プランナーといった、アイデアをまとめる仕事をしている人には試してみていただきたいですね。

 

山口豪志さんに聞いた、クアデルノとLIFEBOOK UH-X/E3のポイントまとめ

<クアデルノ>

・Web会議中など、PC上では一括して読みにくい書類も大きく読める

・インターネット機能がなくメールが届いたりしないので、書類を「読む」ことに集中できる

・ドキュメントにスムーズに書き込みしやすい

・アイデアをまとめたメモを経過含めて共有しやすい

<LIFEBOOK UH-X/E3>

・自宅作業時の細かな移動でも手軽に持ち運べる

・タブレット相当の携帯しやすさによって、どこでもパソコンの多彩な機能・パフォーマンスを使える

・パフォーマンス、セキュリティ面に配慮が十分で、幅広いシチュエーションに対応できる

 

 

 

 

撮影/篠田麦也

 

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世界最軽量モバイルPC「UH-X」と「QUADERNO(クアデルノ)」で仕事環境が激変! 新しい働き方をレポート

第11世代のインテル(R) Core(TM) i7-1165G7 プロセッサーを搭載し、世界最軽量の約634g(※)という軽さを実現した新「UH-X」が登場した。本機は、目に優しく、バッテリー性能に優れた電子ペーパー「クアデルノ」と一緒に持ち歩いても、その重さは1㎏以下。このコンビネーションが仕事を変える!

※:13.3型ワイド液晶搭載ノートPCとして世界最軽量。2020年9月1日時点、富士通クライアントコンピューティング調べ

 

世界最軽量ボディにパワフルCPUを搭載

富士通クライアントコンピューティング

FMV「LIFEBOOK UH-X/E3」

実売予想価格22万円前後

狭ベゼル化や、フットプリントの縮小、部材の見直しなどを実施することで、約634gという世界最軽量ボディを実現したモバイルノート。グラフィック性能が大幅に向上した第11世代Core i7プロセッサーを搭載する。

SPEC●OS:Windows10 Pro●CPU:インテル(R) Core(TM) i7-1165G7 プロセッサー●メモリ:8GB●ストレージ:約1TB SSD●バッテリー駆動時間:約11時間●サイズ/質量:約W307×H15.5×D197mm /約634g

★商品の詳細はコチラ!

 

↑天板には新たにカーボン素材を採用。発表時は世界最軽量だった前機種の約698gから約64gという大幅な軽量化を実現している

 

↑キーピッチ約19mmのフルサイズで、ストロークも約1.5mmと十分な深さを確保したキーボード。独立配置のカーソルキーも快適だ

 

↑USB Type-C端子とUSBType-A端子は各2基を搭載。端子類はキーボードの両脇に、左右に分けてバランス良く配置されている

 

↑ディスプレイ上部の狭いベゼル幅にウェブカメラを搭載。しかも、物理的なシャッターを備えており、突然のテレビ会議でも安心だ

 

膨大な資料を手軽に持ち歩き、直感的に書き込みできる!

 

富士通クライアントコンピューティング

QUADERNO(クアデルノ)

実売価格3万9800円(A5)、5万9800円(A4)

紙のような書き味を実現した薄さ約5.9mmの電子ペーパー。A5サイズで約251g、A4サイズで約350gという軽さを誇る。1回の充電で最長約3週間の利用が可能(※)で、内蔵メモリに約1万ファイルのPDFを保管できる(ファイルあたり約1MBとした場合)。

SPEC●ディスプレイ:10.3型1404×1872ドット(A5)、13.3型1650×2200ドット(A4)●内蔵メモリ:約16GB●対応無線LAN:IEEE 802.11a/b/g/n/ac●充電時間:約5.5時間●サイズ/質量:約W174.2×H243.5×D5.9mm/約251g(A5)、約W224×H302.6×D5.9mm/約350g(A4)

※:Wi-Fi機能およびBluetooth(R)機能オフの状態で、PDFドキュメントを1日60分間/30ページを閲覧し、閲覧中にペンによる書き込みを計1分間行った場合(使用時以外、本体はスリープモードに入れる)

★商品の詳細はコチラ!

 

↑ペン先にフェルトを使用した書き味の秀逸な専用ペン。消しゴムボタンとハイライトボタンを備え、手元で機能を切り替えられる

 

↑書き手の癖に合わせてペン先の位置を調整可能で、 違和感なく線を引ける。バックライトのないディスプレイなので目も疲れにくい

 

<QUADERNO×新UH-Xは「だから」働き方改革に強い!>

資料にペンで直接、直感的に書込める!

在宅勤務時は、なるべくペーパーレスで済ませたいもの。そんなとき、PDFに直接書き込めるクアデルノがあれば、印刷やスキャンといった手間ナシで、PC単体ではやりにくいチェック作業やコメント付けなどを快適に行える。

 

↑クアデルノは16階調グレースケールだが、 データ上は「青/赤」または「黒/赤」の2色のペンの色を使用できる。太さなども選択可能だ

 

PCとの連携性に優れ、オールデジタル化も容易

PC用アプリ「Digital Paper PC App」を用いることで、UH-Xとクアデルノの連携性は格段に向上する。初期設定を済ませれば、PC内のフォルダとクアデルノの同期が可能で、データのやり取りも一瞬。スマホ用アプリも用意されている。

 

↑アプリを使って、クアデルノと同期したいPC内のフォルダを指定。するとフォルダ内のPDFを、クアデルノで自由に読み書き可能

 

大量の資料を収納可能でフリーアドレスに強い!

クアデルノの利点は「書く」ことだけではない。16GBのメモリを内蔵しており、PDF化した紙資料を大量に保管し、持ち歩けるのも大きなメリットだ。フリーアドレスのオフィスでも資料確認時などに重宝する。

 

↑クアデルノ上ではファイルをサムネイル表示やリスト表示などで管理可能。検索にも対応しており、大量のファイルも扱いやすい

 

【開発チームに聞く「新UH-Xのココを見て」】

「軽さ」の価値がますます高く

働き方改革により、PCを持ち運ぶ機会が増加。昨今では、PCを使うシーンも多様化し、軽さの価値はますます上がっていると考えています。新UH-Xでは、天板にカーボンを採用したほか、筐体サイズを縮小。さらにユニット類や基板類などのぜい肉をそぎ落とし、世界最軽量の更新を実現しました。また、新UH-Xではキーボードの打鍵時の自然な打ち抜き感や「押した感」、Enterキーの静音性などもさらに進化しています。

 

↑新UH-Xでは、ディスプレイまわりを狭額縁化。筐体サイズを低減することで、さらなる軽量化を果たした

 

 

★「UH-X」の詳細はコチラ!

★「QUADERNO(クアデルノ)」の詳細はコチラ!

 

撮影/高原マサキ(TK.c) イラスト/勝間田しげる

プリンター&スキャナーいらず! 在宅ワークで活用すべき“ペーパーレス”ガジェット&アプリ

“新しい生活様式”のなかで、座り心地の良いチェアやPCスタンド、モニターなどを購入し、自宅を仕事スペースとして構築し直した人も多いでしょう。とはいえ、オフィスレベルにまでは揃えられないアイテムがあるのも事実。例えば「プリンター」が、そのひとつかもしれません。

 

多くのオフィスに導入されている印刷複合機はスキャナー機能も搭載し、印刷だけでなく手書きデータの共有にも欠かせないツール。家庭用のプリンター複合機を導入したり、近所のコンビニのコピー機を使ったりするのも解決策のひとつですが、せっかくならデジタルツールを使いこなし、「ペーパーレス」にチャレンジしてはいかがでしょうか。モノトレンド情報誌『GetNavi』編集部でデジタルガジェットを担当する・森 有史さんに、オススメのツールやアプリ・サービスを教えてもらいました。

 

まずは手書きができるデジタルツールを手に入れよう

ビジネスの場で“紙”を使うおもな目的として、資料の閲覧、共有、手書きでの書き込み(記入)が挙げられますが、そのなかでPCではできないのが「手書きでの書き込み」です。そこでまず用意したいのは、手書きができるデジタルツール。

 

「手書きツールの代表格といえば、やっぱりiPadでしょう。iPadには4機種ありますが、オススメは“無印iPad”の愛称で親しまれる『iPad』です」(『GetNavi』デジタル担当・森 有史さん・以下同)

 

タブレットの代表「iPad」を購入するなら最安機種で十分

Apple「iPad(10.2インチ)」
3万8280円〜

名前からもわかるように、iPadのスタンダードモデル。容量は32GBと128GBから選べます。

「メモの作成や書類への書き込み、メールの送受信などに使用するなら、本機で十分。3万円台と手ごろな価格で購入できます。10月発売の新モデル(第8世代)は、2019年モデルよりもCPUが強化され、より高性能になりました。イラストの作成や凝った動画編集といった本格的なクリエイティブ作業以外に使うのであれば、過不足なく対応できます」

 

・iPad Pencilがあればよりスムーズに手書きできる

Apple「Apple Pencil」
1万1880円(第1世代/写真上)/1万5950円(第2世代/写真下)

iPad専用のデジタルペンシル。ピクセルレベルの精密さを持ち、思い通りに手書きができます。

「第1世代と第2世代の2モデルあり、iPadの機種によって対応するモデルが異なるので気を付けましょう。形と充電方法が異なりますが、書き心地はほぼ同じ。筆圧感知機能を搭載していて、アナログでの筆記のように、筆跡に濃淡や太さの変化も加えられます(アプリによる)」

 

↑「第1世代(iPad、2018年モデルのiPad air、iPad miniに対応)はペン後端のキャップを外し、中にあるLightning端子をiPadに挿し込んで充電します。第2世代(iPad pro、2020年モデルのiPad airに対応)はワイヤレス充電に対応しているので、iPad本体の側面にマグネットで取り付けるだけで充電できます」

 

・iPadの機種を選ばず使える! Apple Pencilのテクノロジーを採用したデジタルペンシル

Logicool「CRAYON」
9680円

2018年以降に発売したiPadシリーズであれば、機種を選ばずに使えるデジタルペンシル。Apple Pencil同様のテクノロジーが採用されていて、100種類以上のアプリに対応します。

「Apple Pencilには、iPadを買い換えたときに機種によっては、以前使っていたモデルが対応しないという可能性があります。また、家族で異なる機種を使っていた場合、併用できない可能性も。その点、本品ならどの機種でも使えます」

 

↑「ペアリングの設定が不要で、ペンの電源をONにするだけで書けるのが魅力です。フラットな形状なので、机から転がり落ちにくいのもポイント」

 

目に優しい電子ペーパー端末。ネットにつながらないことが逆にメリット!?

富士通クライアントコンピューティング「電子ペーパー『クアデルノ』」
3万9800円(A5サイズ)/5万9800円(A4サイズ)

手書きができるデジタルツールには、「電子ペーパー」という選択肢もあります。本機は画面にバックライトがついていないため、長時間使用しても目が疲れにくいのが特徴。デジタルノートやデジタル手帳として活用したり、書類を取り込んで書き込みをしたりできます。

「厚さ約5.9mm、重さ約251g(A5サイズ)、約350g(A4サイズ)と薄くて軽いので、iPadより持ち運びしやすいのもメリット。専用アプリを使いPCやスマホと連携させて、データの出し入れを行います。インターネットにつながらないので、ネットサーフィンやSNSなどの誘惑が少なく作業に集中できるのもポイントですね」

 

↑「静電容量方式タッチパネルと専用スタイラスペンの組み合わせで、本物の紙に書いたような書き心地を味わえます。ペンの色は黒・赤・青の3色。画面は白黒表示ですが、書き込んだデータをPCやスマホに書き出せばカラーになりますよ」

 

ここまでデジタルガジェットを見てきたところで、今度は森さんオススメのペーパーレスサポートアプリとウェブサービスを紹介します。

 

アプリやウェブサービスを活用すれば紙なしで仕事ができる

ここまでデジタルガジェットを見てきたところで、今度は森さんオススメのペーパーレスサポートアプリとウェブサービスを紹介します。

 

・スマホカメラが高性能スキャナーに早変わり!

Microsoft「Microsoft Office Lens」(iPhone・iPad・Androidに対応)
無料

スマホやタブレットのカメラ機能を使い、紙書類をデータ化できるアプリ。「紙の書類だけでなく、ホワイトボードや黒板に書いた文字も簡単にデータ化できます。OCR機能を搭載しているので、画像の中の単語を検索することもできます」

 

↑「傾き補正やトリミングといった自動画像処理機能を搭載しているため、真上から撮影できなくても問題ありません」

 

↑「このアプリの一番の特徴はMicrosoftアカウントと連携できること。デジタル化したデータをOneDriveやOneNoteなどのOfficeアプリに保存ができるので、PCにデータを共有するのも簡単です。もちろんスマホアプリからそのままメールに添付して送ったり、PDFとして保存したりすることもできますよ」

 

・回覧書類への捺印もPC上で完結

白舟書体「web認印」
無料
※PCのみに対応

ビジネスシーンでは認印を求められる機会も多くあります。そんなときに活躍するのが、ウェブ上で認印の印面データを作成できるサービスです。作りたい名字を入力して、書体・サイズ・色を選ぶだけ。日本の名字上位1万種類に対応しています。「電子印鑑や電子署名としては使えませんが、社内での回覧書類などへの認印として使うには十分です」

 

↑「書体は古印体、印相体の2種。サイズは10.5mm、12.0mm、13.5mmの3種、インクの色は朱、赤、紅の3色から選べます」

 

↑「完成した印面は別ウインドウに表示されるので、右クリックで画像保存するだけでOK。書類に画像として貼り付けて使います」

 

・PDFへの書き込みにも使えるファイル管理アプリ

Readdle「Documents by Readdle」
無料
※iPhone・iPadに対応

iPhone・iPad用のファイル管理アプリ。ドラッグ&ドロップでのファイルの移動や、zip圧縮・解凍などができ、PCのデスクトップ上で作業をするようにファイルを管理できます。「実はファイルの管理だけでなく、PDFへの注釈入れアプリとしても優秀。iPhoneやiPadで簡単に注釈を入れられます。私は雑誌の入稿や校正など編集作業を、ほぼこのアプリひとつで行っています」

 

↑「キーボードで打ち込んでも、デジタルペンで手書きしてもOK。メモを貼り付けることも可能です。また、AdobeのAcrobat Readerなど、他のPDFソフトで付けたメモを開いたり編集できたりするのも便利です」

 

↑「DropboxやGoogle ドライブ、Boxなど各種クラウドストレージとも連携し、データの共有も簡単。同じLANに繋がっているPCとデータのやり取りができる『Wi-Fi Transfar』機能も魅力ですね」

 

ペーパーレスを実現するには、複数のデジタルツールをうまく組み合わせるのが大切。それらの機能をフルに活用するには、もはやWi-Fi環境は必須です。最後に、大容量データのやりとりにもストレスフリーな、最新のWi-Fiサービスについて。

 

「Wi-Fi 6」を導入してプチストレスを解消

ペーパーレスを実現するには、複数のデジタルツールをうまく組み合わせるのが大切。それらの機能をフルに活用するには、もはやWi-Fi環境は必須でしょう。さらに最近ではオンライン会議なども増え、大容量データを扱う機会がグンと増えています。

「通信が遅いことで、知らないうちにプチストレスを感じている人は意外と多くいます。ちょうど今年の1月に、『5G』と同時に『Wi-Fi 6』がサービス開始になったので、通信環境を見直してはいかがでしょうか。Wi-Fi 6には、従来のWi-Fiに比べてスピードが早い、混雑に強い、省エネという3つのメリットがあります。今年はWi-Fi 6対応の機種が続々と登場しているので、仕事効率アップのためにも、ルーターの買い替えがオススメです」

 

スマホもPCもスイスイ繋がるからストレスフリー

バッファロー「WSR-5400AX6」
オープン価格(実売価格1万7200円)

高画質動画など大きなデータも安心して通信できるルーター。Wi-Fi 6にも対応しています。家全体にWi-Fiが行き渡るよう家の中心に置かれることを想定し、インテリアにも馴染むデザインを採用。

「ルーターを選ぶときは、スマホだけでなくPCでの通信も高速化したい場合、5GHzで160MHzに対応しているかを確認しましょう。本機はその基準を満たしているのと同時に、主要なiPv6サービスにもほぼ対応しています。遅延なくオンラインゲームをやりたい人も、本機なら問題なしです」

 

ペーパーレスは情報を簡単に共有できるだけでなく、ランニングコストが抑えられたり、自宅に紙書類が増えるのを防げたりと、メリットはたくさん。マクロな視点でいえば、環境保護にもつながります。最新のデジタルツールを駆使して、快適なペーパーレス環境を整えてはいかがでしょうか。

 

【プロフィール】

モノトレンド情報誌『GetNavi』ディレクター / 森 有史

創刊から20年超、デジタル機器など家電製品から自動車、食品にいたるまで、一貫してさまざまなモノに関する情報を提供してきた雑誌『GetNavi』で、ディレクターを務める。PCやスマホなどのデジタル機器からカメラ、ゲームまで幅広く担当する。在宅勤務導入によりほぼiPadのみで、雑誌の制作作業を行っている。