【中年名車図鑑】フランス某ベストセラーカーも真似た!? マンガにもなった絵心を誘う軽自動車

ホンダは1974年のライフを最後に、軽乗用車の生産を取りやめていた。しかし、1980年代前半には軽ボンバン(ボンネットバン)を中心に市場での軽自動車の人気が復活。ホンダも再度このカテゴリーへの参入を画策し、1985年に新世代の軽自動車を発売した――。今回は革新的なパッケージングとスタイリングで脚光を浴びた初代トゥデイ(1985~1998年)で一席。

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【Vol.43 初代ホンダ・トゥデイ】

1985年8月、本田技研工業の新しい本社社屋“ホンダ青山ビル”が東京都港区南青山に竣工した。新時代を迎えた同社は、さっそく翌9月に新型車を発表する。約11年ぶりのHONDAブランドの軽乗用車となる「トゥデイ」(JW1)のデビューだ。

 

■軽自動車の人気が高まった背景

ホンダのエントリーカーは1970年代後半がシビック、1980年代前半はシティがその役割を担っていた。一方、80年代初頭から中盤にかけて、日本の自動車市場では軽ボンバンを中心とする軽自動車の販売台数が飛躍的に伸びていく。1980年には100万台を突破して約106万台を記録し、1984年には約149万台にまで達していた。第2次オイルショックに端を発する軽自動車の見直し風潮、そしてセカンドカー需要の伸長などが、販売台数増加の主要因である。この傾向をコンパクトカー造りに長けたホンダが見逃すはずがない。シティのデビューが一段落したころから、軽乗用車の本格的な開発に着手しはじめた。

 

■異例のロングホイールベースで広い室内空間を実現

当時は、第二次オイルショックのなか軽自動車が見直されはじめた時期。トゥデイはその軽自動車需要を見越して開発された当時は、第二次オイルショックのなか軽自動車が見直されはじめた時期。トゥデイはその軽自動車需要を見越して開発された

 

デビューしたトゥデイを見て、業界関係者は驚いた。AA型シティのトールボーイスタイルとは正反対、さらに既存の軽乗用車よりもずっと低い全高(1315mm)を採用してきたのである。しかも、ホイールベースが2330mmと軽自動車としては非常に長かった。これらのプロポーションが実現できた要因は、新開発のシャシーやメカニズムにあった。フロアパン前部はサイドシル一体成形の“バスタブ型”を採用。さらにEH型545cc直列2気筒OHCエンジン(31ps/4.4kg・m)と組み合わせるギアボックスをクランク軸と一直線上に置き、そのうえでデフを真下に配置した。集積型のシャシーとコンパクトな動力源――これらを具現化したからこそ、フロントタイヤを目一杯前方に配置することができ、最大限の室内前後スペースを構築できたのである。

 

室内に入ると、その独特の雰囲気に引きつけられる。低いノーズのラインとほぼ一直線上につながる大きく傾斜したAピラー、そのAピラーに沿う広大な面積のフロントガラス、レーシングカーのような大きな1本アームのワイパーなど、すべてがオリジナリティにあふれていた。ステアリングやインパネ、シートのデザイン、インテリアカラーも非常に凝っており、全体的にカジュアルでお洒落なムードが漂っていた。

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インテリアは傾斜したAピラー、大きなフロントガラスによって個性的な雰囲気を演出。シートデザイン、カラーリングも凝っていたインテリアは傾斜したAピラー、大きなフロントガラスによって個性的な雰囲気を演出。シートデザイン、カラーリングも凝っていた

 

セカンドカー・ユーザーが多いことも想定して、トゥデイは維持費の安い4ナンバーの軽ボンバン(フロントにボンネットを配した商用登録のハッチバックスタイル軽自動車)として設定される。5ナンバー仕様が登場したのは、1988年2月発表のマイナーチェンジ時だった(発売は同年3月)。このときはE05A型547cc直列3気筒OHC12Vエンジン(PGM-FI 仕様のMTが42ps/4.6kg・m、同ATが42ps/4.7kg・m)の採用、5速MTと3速ATの設定(従来バンは4速MTと2速AT)、角目ヘッドランプの装着、電動サンルーフの装備などもニュースとなった。

 

ホンダ独自のコンセプトを満載した初代トゥデイだったが、一部のファンからは熱烈な支持を集めたものの、販売成績は大成功とまでは至らなかった。室内高の低さや可愛すぎるルックス、スポーツ仕様の未設定などが、当時のユーザーの購入欲をあまりそそらなかった要因だ。最終的に乗用モデルは新規格への移行(1990年2月。搭載エンジンはE07A型656 cc直列3気筒OHC12V)を経て、1993年1月に第2世代へとモデルチェンジ。商用モデルはトゥデイPROとして継続販売され、また1994年9月には快適装備を組み込んだトゥデイ・ハミングを設定して、1998年10月に軽自動車の規格改定が行われる直前まで販売を続けたのである。

 

一方、この初代トゥデイの概念構成に非常に近いコンパクトカーが1992年にフランスでデビューする。車名は「ルノー・トゥインゴ」。ルノーの開発陣がトゥデイを参考にしたかどうかは明言されていないが、車両コンセプトやデザインアプローチが近いことは確かだった。トゥインゴはその後10年以上、ルノー車のボトムラインを支える重要なモデルとして位置づけられる。もし初代トゥデイの輸出仕様があったなら……本田技研工業の世界戦略車として予想以上の大ヒットを記録していたかもしれない。

 

■イメージキャラクターには当時の人気女性タレントを起用

ところで、初代トゥデイはクルマ自体のインパクトも強かったが、イメージキャラクターでも大注目を浴びた。起用されたのは当時売り出し中だった今井美樹さん。同時期に出演した味噌汁のCMを覚えている人も多いだろう。トゥデイではCMやポスターのほかに、カタログでもキュートなルックスを披露した。ちなみに、2代目トゥデイでは当時“3M”と呼ばれたアイドルの一角、牧瀬里穂さんがイメージキャラクターに起用される。一方、3Mのうちの宮沢りえさんはダイハツ・オプティ、観月ありささんは三菱パジェロ・ミニのイメージキャラクターを務めた。

 

トピックをもうひとつ。初代トゥデイはコミックの世界でも引っ張りだこで、藤島康介さん作の『逮捕しちゃうぞ』やヘッドギア企画(コミック版の作者はゆうきまさみさん)の『機動警察パトレイバー』でのミニパト仕様を筆頭に、多くの漫画に起用される。それだけ初代トゥデイのスタイリングが魅力的で、絵心を誘ったのだ。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

クルーズトレインの成功で注目される「国内周遊型クルーズ船」の可能性

鉄道の世界では今年、2つの豪華寝台列車が注目を集めた。JR東日本が5月から走らせている「TRAIN SUITE四季島(トレインスイートしきしま)」と、JR西日本が6月から運行している「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」だ。

出典:株式会社せとうちホールディングスHP出典:株式会社せとうちホールディングスHP

 

最低でも約30万円、最高では100万円以上という料金なので、筆者のような庶民には縁のなさそうな列車ではあるけれど、審査委員を務めているグッドデザイン賞にどちらも応募してきたおかげで、審査の過程で見せてもらうことはできた。その結果、四季島はグッドデザイン金賞、瑞風はグッドデザイン・ベスト100を受賞した。

 

10両編成なのに定員はわずか30数人。もっとも豪華なスイートルームは1両占有で、車内には沿線の工芸品をちりばめるなど、贅を尽くした作りに圧倒された。四季島は和モダン、瑞風はアールデコと、対照的な方向性でデザインされたことも、個性の競演ということで好感を抱いた。

 

ところで2つの豪華寝台列車はクルーズトレインと呼ばれることが多い。クルーズトレインという言葉は、ひと足先に2013年から走り始めたJR九州のななつ星in九州の登場時に与えられたものだ。今年3月にこのコラムで豪華寝台列車を取り上げた際には、クルーズトレインという言葉の生みの親はJR九州会長の唐池恒二氏であることを紹介した。唐池氏が長い間食堂部門に携わっていたことが、観光地を巡りながら土地の食を楽しむスタイルを生み出したのではないかという考えも付け加えた。

 

実は唐池氏、これ以外に船舶事業も経験している。クルーズという言葉は船の分野でよく使われてきた。こちらもまた庶民には縁のない乗り物であるが、世界一周を筆頭に、時間とお金を贅沢に使って世界各地の港に立ち寄り、再び出発地に戻ってくる周遊型が一般的だ。

 

クルーズトレインも瑞風の一部を除き、起点と終点が同じだ。従来の列車では、ななつ星も参考にしたというヨーロッパのオリエントエクスプレスを含めて、A地点からB地点への移動だった。あえて鉄道で周遊という企画を立ち上げたJR九州は、会長の船舶事業の経験も関係しているかもしれない。

 

ともあれ3つの豪華寝台列車はどれも好調。それに影響されたわけではないだろうが、船の分野でも国内の観光地を巡るクルーズ船が運行を始めた。

 

■日本ならではのデザインとサービスをたずさえ、瀬戸内を巡る

坂の街として有名な広島県尾道に本拠を置く、造船業を母体とする常石グループのせとうちホールディングスが4月、イシガニの尾道での方言であるガンツウ(guntû)を名に冠した客船を瀬戸内海で運航すると発表。10月17日に就航した。船の製造は常石造船、運航会社はせとうちクルーズと、いずれもグループ企業が担当している。

 

尾道にあるベラビスタマリーナを拠点として、1泊2日から3泊4日までのスケジュールで瀬戸内海を周遊。昼は瀬戸内ならではの風景を楽しんでもらい、夜は沖合で錨泊(びょうはく)する。

出典:株式会社せとうちホールディングスHP出典:株式会社せとうちホールディングスHP

 

旅館を思わせる切妻屋根が独特の客船は建築家の堀部安嗣氏がデザイン。客室は4タイプ19室で、室料は1室2名利用の場合1泊40~100万円となる。食事も充実しており、メインダイニングは東京原宿の老舗割烹「重よし」、寿司は兵庫県「淡路島 亙(のぶ)」、和菓子は奈良県「樫舎(かしや)」が監修しているという。

出典:株式会社せとうちホールディングスHP出典:株式会社せとうちホールディングスHP

 

陸上ではなく海上を周遊することを除けば、ななつ星や四季島、瑞風といった豪華寝台列車のおもてなしに似ている。でもクルーズの本家は船なのだし、どちらが先かという議論は止めておこう。

出典:株式会社せとうちホールディングスHP出典:株式会社せとうちホールディングスHP

 

瀬戸内海は波の少ない内海としては日本最大規模であり、クルーズ船の航行には最適な場所と言える。逆に太平洋や日本海などの外海になると、個人的には船酔いが気になる。でも夜間は錨泊というスタイルを取るなら大丈夫かなとも思う。日本は四方を海に囲まれた国でもあるわけで、国内周遊型のクルーズ船はクルーズトレイン以上に多彩な展開が可能ではないだろうか。

 

【著者プロフィール】

モビリティジャーナリスト・森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。

THINK MOBILITY:http://mobility.blog.jp/

チャリティに出品されるローマ法王のウラカン、その詳細は?

ランボルギーニは11月15日、1台限定の特別仕様のウラカンRWDを披露した。この車両はオークションにかけられ、その収益をフランシスコ法王に寄贈するためである。

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法王に寄贈されたウラカンRWDは、バチカンへのオマージュを題材に、ミラノのリップタイド社のアイディアを得て企画。ランボルギーニのカスタマイズ部門であるアドペルソナムが手がけ、バチカン市国の旗の色に敬意を表して、「Bianco Monocerus」(ホワイト系)をベースに、ウラカンのシルエットに沿って「Giallo Tiberino」(ゴールド系)ストライプがあしらわれている。

 

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贈呈セレモニーでは、フランシスコ法王とアウトモビリ・ランボルギーニのステファノ・ ドメニカリCEOの出席の下、バチカン市国で開催された。

 

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なお、オークションによる収益は法王から以下の慈善事業に贈られる。

 

・法王が関係する財団「Aid to the Church in Need」の後援の下で進められているニネベ平原の再建。このプロジェクトは、キリスト教徒がイラクのニネベ平原に戻れるよう、住宅や公的施設、教会の再建を目的としている。

 

・人身売買等の被害を受けた女性を支援する「ヨハネ23世コミュニティ」によるPope Francis Houseプロジェクト。2018年に、コミュニティ創設者オレステ・ベンツィ神父の10周忌と同コミュニティ創設50周年を迎えるにあたっての寄付となる。

 

・おもにアフリカで、支援を必要とする女性と子供たちに重点を置いて何年も活動を続けてきたイタリアの団体、マルコ・ランツェッタ博士率いる「GICAM」と「Friends for Central Africa」。

 

 

 

この手もアリ? BMW i8ロードスターの発表前アピール

11月14日、BMWは発表を間近に控えた「BMW i8ロードスター」の最終テストの模様を写真と動画で公開した。

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ドイツのライプツィヒ工場で最終プロトタイプ車両のテストが行われているBMW i8のオープンモデルは、コンパクトEVの「BMW i3」、プラグインハイブリッドスポーツの「BMW i8」に続く第3の「BMW i」モデルとして、2018年にデビューする予定だ。

 

このモデルのスペックは未発表だが、欧州複合モードのハイブリッド燃費で47.6km/L、CO2排出量で48g/kmとなることが発表され、プラグインハイブリッドモデルとしての高い資質をうかがわせる。

 

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この手のティザーは、完成車の一部分などを露出する場合が多いが、BMWはテスト中の模様を公開。これにより品質面での高さをアピールする狙いも透けて見える。いずれにせよ、i8ロードスターのデビューに期待は高まるばかりである。

 

 

 

NNGが開発した車載サイバーセキュリティ戦略とは?

昨年、イスラエルのサイバーセキュリティ企業「Arilou(アリルー)」を傘下に納めた、車載ソフトウェアのグローバルサプライヤーである「NNG(エヌエヌジー)」は、新たなサイバーセキュリティ技術の強化を目的とした「NNGサイバーセキュリティ部門」を設立。去る11月13日(月)に、コネクテッドカーの時代の到来にともなう新たな戦略についての説明会を東京都内のホテルで行った。

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ハンガリーを本拠地とするNNG社の代表作、「iGOナビゲーション・ソフトウェア」は、全世界で2000万台以上の機器に搭載され、34以上の自動車ブランドに供給されている。NNG Navigations代表取締役である池田平輔氏によれば、スマートフォンも含めた自動車のコネクテッド化は日本が世界市場をリードしているとのこと。

ハンガリーを本拠地とするNNG社の代表作、「iGOナビゲーション・ソフトウェア」は、全世界で2000万台以上の機器に搭載され、34以上の自動車ブランドに供給されている。NNG Navigations代表取締役である池田平輔氏によれば、スマートフォンも含めた自動車のコネクテッド化は日本が世界市場をリードしているとのこと。

 

NNGグループ傘下となったアリルー社CEOのジブ・レビ(Ziv Levi)氏は、「すべてのクルマがハッカーの標的になる可能性があり、当社のソリューションはハッカーに最も広く使用される手段に対して、効果的に、かつ、永久的に排除します。言い換えれば、悪質なハッキングからクルマを保護するワクチンを発見したと言えます。この予防策となるテクノロジーを採用することで、OEM各社は自社のクルマをハッカーの攻撃から守ることが出来るようになります」とコメント。

NNGグループ傘下となったアリルー社CEOのジブ・レビ(Ziv Levi)氏は、「すべてのクルマがハッカーの標的になる可能性があり、当社のソリューションはハッカーに最も広く使用される手段に対して、効果的に、かつ、永久的に排除します。言い換えれば、悪質なハッキングからクルマを保護するワクチンを発見したと言えます。この予防策となるテクノロジーを採用することで、OEM各社は自社のクルマをハッカーの攻撃から守ることが出来るようになります」とコメント。

 

ハッカーが車載システムの攻撃のために最も頻繁に使用する「なりすまし攻撃」は、クルマが電子制御ユニット(ECU) からの正式なコマンドだと誤認識するような、不正なコマンドを送信すること。新たに導入された不正送信阻止システム (PIPS)は、 ECU間のCANバス上のコンテンツやコンテキストの分析だけではなく、その情報ソースまで分析できる業界初のソリューションで、悪意のあるメッセージを効果的かつ正確に傍受できる。波形のような信号の物理的な特徴をリアルタイムで分析し、有効性を検出することで不正なメッセージが届く前にPIPSが脅威をブロックして車載ECUの安全性を確保する仕組みだ。しかもこのPIPSはCANバス上で接続可能なので、単体ですべての車載ネットワークを網羅することができるとのこと。

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日本より日本っぽい?アメリカで日本車が愛され過ぎる理由

年に一度、仕事と三世代家族旅行を兼ねてアメリカに3週間ほど行っている。滞在先は主にロサンゼルスやラスベガス、サンフランシスコを中心とする西海岸だ。アメリカに取材旅行へ出かけるようになって二十数年経っているが、当時から日本車の多さに驚いていた。近年はさらに日本車率が高くなっているように思う。

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■ロサンゼルス郊外のとあるTARGETの駐車場でびっくり

TARGETとは大きなスーパーマーケットで生鮮食料品以外、家電から飲料、衣類、バッグ、小物、化粧品、ドラッグストアなどが中心のお店だ。いつも泊まるホテルの近くにあるので、滞在中はたびたび訪れるのだが、こちらの駐車場に停まっている車の車種を改めて確認してみてびっくり…ほとんどが日本車である。日本車以外を探す方が難しい。

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写真をご覧いただければわかる通り、日本車以外は10台中1-2台あるかないか?である。街を走っていても、視界に入る車がすべて日本車ということも珍しくない。やはり、ホンダ、トヨタ、日産が多いが、近年アメリカで爆発的な人気となっているスバルやマツダ、三菱も良く見かける。

 

そこで車好きの息子がひとこと

「日本より日本車が多いじゃん」

 

う…、ほ、ほんとだ。確かにそうだ!今までなぜこの事実に気づかなかったんだろう。とくに、港区、世田谷区、目黒区、横浜市青葉区など輸入車率が高い地域の紀伊国屋やナショナル麻布マーケット、自由が丘ガーデンなどの高級スーパーの駐車場と比べたら、圧倒的にカリフォルニアのスーパーの駐車場の方が日本車率高し!コストコの駐車場でもきっとそうだ。トランプ大統領はこの事実を知っているんだろうか?以前、トランプ氏は「日本はもっとアメリカ車を買え!」と言っていたけど、アメリカ人でさえ自国の車より日本の車を選んでいるのだ。

 

■2016年の乗用車販売台数ランキング1-5位はすべて日本車!

では、実際、アメリカではどれくらいの日本車が販売されているのだろうか?2016年の車名別販売台数ランキングを見てみよう。

 

★2016年 米国乗用車車名別販売台数ランキング

1位 トヨタ カムリ (388,618台)

2位 ホンダ シビック (366,927台)

3位 トヨタ カローラ (360,483台)

4位 ホンダ アコード (345,225台)

5位 日産 アルティマ (307,380台)

 

1~5位まで見事に日本車が並んでいる。ちなみにカムリは、15年間連続で乗用車販売台数ナンバーワンを記録している。乗用車だけではない。SUVにおいても1位はホンダCR-V、2位トヨタRAV4、3位日産ローグ、4位フォードエスケープ、5位フォード エクスプローラーと5位までのランキング中、上位3車種は日本車なのである。

 

■日本車はなぜこんなにも愛されるのか?

かつて、日本車が売れている理由といえば、「燃費がよい」「安い」「壊れない」というやや消極的なものだった。しかし、近年は少しその様相が変わってきている。積極的に日本車を選ぶユーザーが増えているのだ。

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例えば新型カムリは、米国では2017年1月に発表され、同年6月頃から生産・販売が開始された。カムリの革新的なデザインの変更は日本でも大きな衝撃を持って伝えられた。

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おじさんセダンから一気に、カッコいいスポーツセダンに変貌を遂げたカムリだが、この変貌ぶりは、米国のユーザーにとっても同様の衝撃だったようだ。

 

ロサンゼルス近郊ガーデナ市にあるトヨタディーラー「SOUTH BAY TOYOTA」でインターネット販売の責任者ジェイ・ソリアーノ氏に話を聞いてみた…。

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「今回のカムリは非常にアグレッシブなスタイルになった。エクステリアにもインテリアにもスポーティな要素がたくさんある。新顔カムリの広告が流れ始めると、多くのユーザーがデポジット(予約金)を入れ始めた。その斬新なスタイルを見て『新しいカムリを買わなくては!』という思いが沸き上がってきたという。カムリはとても人気のある車だが、これまで、そのデザインにスポーティなイメージをアピールする要素は皆無だったが、今回は違う。とくに好評なのはリアクオーター、リヤコンビランプ周りのデザインで、レクサスのような印象を与えるというのがその理由の一つだ」

 

カムリだけではない、2位のシビックもアメリカの道路でたびたび見かけたが、文句なしのカッコよさである。日本車がデザインで選ばれることはもはや特別なことではない模様。もちろんアフターサービスの良さ、パーツ供給の速さも「愛される理由」の一つだ。

 

■アメリカ人にとって日本車とはどんな存在か?

私たち日本人は、国産車と輸入車を明確に区別する。たとえ国産車と価格やサイズの面で競合するような輸入車であっても、「外車=特別な車、金持ち車」というイメージはなかなか覆られない。故障をしても、車検の費用が高くても「外車だから仕方ない」と思うだろう。「外車」は手洗い洗車代を高く設定しているガソリンスタンドも少なくない。数が少ないので(約9%)それもしょうがないのだろうけれど。

 

ではアメリカにおける日本車はどうか?日本車に乗るアメリカ人は、日本車をどう思っているのだろうか?

 

「もちろん日本車ユーザーはそれが日本由来のブランドだということは知っている。しかし、トヨタもホンダも30年以上、米国で多くの車を販売している。乗る側にも『外国車』という感覚はもはやほとんどないはず。アメリカ人の生活や自動車文化にしっかり定着し、根付いている。アメリカの一部になっている」(サウスベイ・トヨタ ジェイ・ソリアーノ氏)

 

なるほど…そこまで定着しているならば、もはや「外国車」「輸入車」という感覚はないだろう。実際、カムリなど、米国で生産されている車も多い。

 

日本車はこれからもアメリカで愛され続けるだろう。いや、アメリカならずとも、世界の多くの国々で新車はもちろん日本から輸出された中古車も30万キロ、50万キロという走行距離をモノともせず異国の地で人々の生活に欠かせないアシとなって頼られている。日本車ってやっぱり凄い。そして愛され上手だ。

 

【著者プロフィール】

自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子

 

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

【中年スーパーカー図鑑】市場から一刻も早い販売を期待された、流麗なV12ミッドシップモデル

1960年代前半のスーパースポーツは、フロントにエンジンを置き、長いドライブシャフトを介してリアを駆動する、いわゆるFRレイアウトが定番だった。そこに、ミッドシップ方式でエンジンを積んでリアを駆動する、MRレイアウトの新世代スーパーカーが1966年に登場する――。今回はランボルギーニの第3弾ロードカーで、著名な闘牛飼育家に由来する車名を冠した「ミウラ(MIURA)」の話題で一席。

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【Vol.6 ランボルギーニ・ミウラ】

1965年に開催されたトリノ・ショーにおいて、新興のスポーツカーメーカーであるアウトモービリ・フェルッチオ・ランボルギーニS.p.A.は、「TP400」と称するシャシーとエンジンの試作モデルを公開する。その姿を見て、来場者は驚いた。エンジンがミッドシップ方式で搭載されていたのだ。当時のスーパースポーツはフロントエンジン・リアドライブのFRレイアウトが定番。そこに、大きなV12エンジンを横置きでミッドシップ配置し、ギアボックスとデフはその後方に設定し、このパワーユニットを鋼板を溶接したファブリケート構造のシャシーフレームに載せていたのである。ダラーラが次世代ランボルギーニ車のために開発していたベアシャシーを、フェルッチオが話題集めのために急遽出品したものだったが、その注目度は満点。カジノに遊びにきていたお金持ちのスポーツカー好きなどが、大挙してこのシャシー&エンジンの素性を尋ねた。一方、V12ミッドシップ車=プロトタイプスポーツと捉えた自動車マスコミからは、「ついにランボルギーニがレース参戦か」と評された。

 

■革新的なミッドシップV12スポーツカーの登場

前後端を支点とする跳ね上げ式のカウルはミウラの特徴のひとつ。ミッドシップに横置きでV12ユニットを積む前後端を支点とする跳ね上げ式のカウルはミウラの特徴のひとつ。ミッドシップに横置きでV12ユニットを積む

 

TP400のベアシャシーとエンジンはその後改良が施され、組み合わせる鋼板製ボディにも応力を持たせるセミモノコック構造を創出。そして、1966年開催のジュネーブ・ショーにおいて「ミウラ」の車名でワールドプレミアを果たす。スペインの有名な闘牛飼育家に由来するMIURAの車名を冠したベルリネッタ(クーペ)ボディの新型スーパースポーツは、当初、量産車として想定していなかった。フェルッチオとしては会社のイメージアップと販売促進につながればいいと考え、生産しても30台程度で済ます予定だったのである。しかし、市場の反応は予想以上に良く、受注も増える。

 

同時に、一刻も早い販売を顧客から要請された。ちなみに、プロトタイプのミウラを見て一部の自動車マスコミからは落胆の声があがる。GTのキャラクターに特化した内外装の演出が、TP400時でのレース参戦の予想に反していたからだ。そもそもフェルッチオとしては、レースカーに仕立てるつもりは端からなかったのだが……。

 

ミウラの顧客ニーズを鑑みたフェルッチオは、大まかなセッティングを決めた段階で生産に移し、1967年より「ミウラP400」として販売する。車名のPはPosteriore=後方でエンジンの搭載位置、400はエンジン排気量を意味していた。

厚めのパッドで覆ったインパネに独立タイプの速度計&回転計と6連補助メーターを装備厚めのパッドで覆ったインパネに独立タイプの速度計&回転計と6連補助メーターを装備

 

ミウラP400の車両デザインはカロッツェリア・ベルトーネのチーフデザイナーであるマルチェロ・ガンディーニが、またボディの製作はベルトーネの工場が担当する。エクステリアはエレガントな造形とエアロダイナミクスを両立させた流麗なフォルムで構成。前後端を支点とする跳ね上げ式のカウルや点灯時に前方に持ち上がるポップアップ式ヘッドライト、ルーバー付きのリアウィンドウなども人目を惹いた。ボディサイズは全長4360×全幅1760×全高1055mm、ホイールベース2500mmに設定する。内装のアレンジにも工夫が凝らされ、厚めのパッドで覆ったインパネに独立タイプの速度計&回転計と6連補助メーター、バケットタイプの2座シートなどを配してスポーティかつ華やかに演出。GTカーとしての積載性の向上を狙って、リアセクションにはトランクルームを設置した。

 

ミッドシップに横置き搭載するエンジンは60度V型の3929cc・12気筒DOHCユニットで、燃料供給装置にはウェーバー製トリプルチョークキャブレター×4を組み合わせる。圧縮比は9.8:1に設定し、350hp/7000rpmの最高出力と37.5kg/5100rpmの最大トルクを発生した。トランスミッションはフルシンクロの5速MTで、パワートレインをコンパクトに収める目的で潤滑系をエンジンと共用化する。懸架機構には前後ダブルウィッシュボーン式を採用。操舵機構にはラック&ピニオン式を組み込んだ。公表された車両重量は980kgで、前後重量配分は44:56。最高速度はクラストップの300km/hを謳っていた。

 

■P400S、P400SVへと進化

1968年12月には発展版の「P400S」が登場。最高出力370hp/7700rpm、最大トルク39.0kg/5500rpm1968年12月には発展版の「P400S」が登場。最高出力370hp/7700rpm、最大トルク39.0kg/5500rpm

 

早々にユーザーの手元に届けられたミウラ。しかし、その完成度は決して高くなかった。エンジンパワーや最高速度はカタログ数値よりもずっと低く、高速安定性もいまひとつ。コーナリング時には唐突な挙動変化を起こすこともあった。また、遮熱および遮音対策も不足していたため、コクピットのドライバーは熱さやノイズに耐えなければならなかった。

 

エレガントなスタイリングに反して、荒々しさが目立つパフォーマンス――。この評判は、生産を重ねるごとに改良されていく。実施された項目は、シャシー鋼板の肉厚アップ、サスペンションのアライメント変更、取付剛性の強化など多岐に渡った。そして、1968年12月には発展版の「P400S」の販売をスタート。Sはイタリア語の“Spinto”の略で、直訳では“劇的な盛り上がりのあること”、ミウラでは“(従来よりも)レベルが上がる”を意味していた。エンジンはインテークポートの拡大や圧縮比のアップ(10.5)などによって最高出力を370hp/7700rpm、最大トルクを39.0kg/5500rpmへとアップ。足回りのセッティングも変更し、安定性をより向上させる。また、外装ではウィンドフレームおよびヘッドライトリムのクローム化などを、内装ではインパネの形状変更や空調システムの改良などを実施した。

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1971年のジュネーブ・ショーで発表された「P400SV」。“Sprint Veloce”の略称だ。メカニズムの刷新とともにヘッドライト周囲の“睫毛”を廃止1971年のジュネーブ・ショーで発表された「P400SV」。“Sprint Veloce”の略称だ。メカニズムの刷新とともにヘッドライト周囲の“睫毛”を廃止

 

1971年開催のジュネーブ・ショーでは、いっそうの完成度を高めた「P400SV」が発表される。“Sprint Veloce”の略称をつけた進化版のミウラは、サスペンションアームの一部変更や60扁平タイヤの装着、リアの9Jホイール化およびフェンダーのワイド化などによってスタビリティ性能を向上。搭載エンジンは吸気バルブの拡大やカムシャフトの変更、圧縮比の引き上げ(10.7)などによって最高出力が385hp/7850rpm、最大トルクが40.7kg/5750rpmにまでアップする。外観上では、ヘッドライト周囲のグリル(通称“睫毛”)の廃止やフロントグリル形状の刷新、リアコンビネーションランプへの後退灯の組み込みなどを行った。

 

ほかにも、試作スパイダーモデルの「ILZRO」やその発展型の「Zn75」などが造られたミウラ・シリーズは、最終的に1973年10月に生産を終了する。生み出された台数は、750台ほどだった。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

 

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

サイバーナビとラーメン店めぐりが相性最高なワケ――サニーデイ・サービス田中 貴と行くラーメン珍道中

年間600杯以上ものラーメンを食べるミュージシャンとして知られる、サニーデイ・サービスのベーシスト、田中 貴さん。GetNavi本誌でも連載「ラーメン狂走曲」が人気を博していますが、今回は田中さんのオススメ店を、パイオニア カロッツェリアの「サイバーナビ」を搭載したクルマでハシゴするという番外編ムービーをお届けします!

 

ラーメン店へのアプローチにサイバーナビは欠かせない!

そもそもなぜラーメン店めぐりにサイバーナビが必須なのでしょうか。入り組んだ住宅地にあったり、クルマでないとたどり着けないような場所にあったりと、おいしいラーメン店へのアプローチに限って苦労することが多いもの。

 

サイバーナビが渋滞などを回避して最適かつ最短ルートで案内してくれるから、分かりにくい場所にあるラーメン店にもスムーズに、時間をかけずに到着できます。しかもミュージッククルーズチャンネルをはじめとした色々なエンタメ機能が充実しているから、たとえ目的地が遠かったとしてもサイバーナビはその移動時間すら楽しくなってしまいます。

 

同乗したのは「旨いラーメンが食べたい!」といきり立つ、GetNaviの松井謙介統括編集長とグルメ&ラーメン連載担当の鈴木翔子編集部員。道中では渋滞に巻き込まれそうになったり、駐車場が見つからないのでは? という問題に直面しそうになったりしますが、その都度サイバーナビのスーパールート探索や駐車場満空情報で解決。そしてサイバーナビがクルマの中をエンタテインメント空間に変えてくれるから目的地までのドライブが最高に盛り上がります。それでは田中さんの熱いラーメン解説とともに、ぜひムービーをご覧ください!

 

●今回の登場人物

田中 貴さん

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ロックバンド、サニーデイ・サービスのベーシスト。無類のラーメン好きとして知られ、TVや雑誌などでそのマニアぶりを発揮中。本誌連載「ラーメン狂走曲」も大好評!

 

松井謙介 

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GetNavi統括編集長。さまざまな魅せ方でデジタル製品の魅力を伝える現在のGetNaviスタイルを築きあげる。もちろんラーメン好き。スープを飲み干すか否かはお腹の出方と相談

 

鈴木翔子

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GetNavi編集部グルメ&ラーメン担当。本誌連載「ラーメン狂走曲」担当編集者として田中さんに同行し立派なラーメンジャンキーに成長。今回もラーメンロケと聞いて仕事そっちのけで参戦

 

ラーメン珍道中ムービー 前編

 

ラーメン珍道中ムービー 後編

 

先進のナビ能力とドライブサポートはもちろん、移動中のエンタテインメントもバッチリ!

さて、楽しいラーメン店めぐりはムービーで確認してもらったとして、ここではサイバーナビの優れたポイントを、松井統括編集長とラーメン担当編集部員・鈴木が解説します。

 

パイオニア

カロッツェリア サイバーナビ

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正確な自車位置精度や最適なルート案内など、先進のナビ能力を持つサイバーナビ。安全運転支援やセキュリティなどでドライブの安全安心をサポートする 「マルチドライブアシストユニット」を搭載するモデルもあります。ハイレゾ音源再生に対応するなど音質面もハイクオリティ。画面サイズは8V型、7V型、7V型ワイド、機能や付属品に応じて8モデルがラインアップし、「車種専用大画面10V 型サイバーナビ」も7車種あります。今回お世話になったのは、日産セレナ専用10V型大画面のサイバーナビ。デザインや音のチューニングもセレナ専用設計です。

 

[ココがすごい01] ハイレゾ音源対応の高音質再生

松井:まず音質がすばらしい! 高音質の代名詞、ハイレゾ音源再生に対応。徹底した音源解析を元にハイレゾ音源のクオリティを活かしきり、より臨場感のある高音質での再生を可能にしているよ。

 

鈴木:たしかに音、すごくいいですね。後ろのシートでもとても臨場感があってビックリです!

 

松井:しかもそれだけじゃなく、CDや圧縮音源などをハイレゾに近づける「マスターサウンドリバイブ」も搭載している。

 

鈴木:それって、自分が普段よく聴いているCDなどもハイレゾっぽく聴けるってことですか?

 

松井:その通り。CD音源や圧縮音源を再生するときにサイバーナビでモードを選ぶだけでカンタンにハイレゾ相当で楽しめちゃうわけ。

 

鈴木:サラッと説明しましたけど、それってものすごい技術じゃないですか!? いきなり今日イチのビックリです。

20171106_08_02↑サイバーナビのハイレゾ音源の音質の良さに思わず笑みが漏れる田中さん。サニーデイ・サービスのハイレゾ音源を再生し、自らの曲を口ずさみます

 

[ココがすごい02]  進化したミュージッククルーズチャンネル

松井:サイバーナビは音質がいいだけじゃなく、「ミュージッククルーズチャンネル」という膨大な楽曲をドライブシーンに合わせてチャンネルをレコメンドしてくれる音楽ストリーミングサービスが楽しめるんだ。

 

鈴木:自分で選曲せずにお任せでもいいんですか?

 

松井:そう。特に注目すべきは「ライブレコメンド」だね。これは目的地や季節、走行中の時間や場所などに応じてチャンネルを提案する機能で、ドライブシー ンに合わせて最適な音楽を再生してくれるの。

 

鈴木:わぁすごい。知らない名曲に移動中に出会えるチャンスが次々あるわけですね。あ、カラオケもできたりするんですか?

 

松井:もちろん、ボーカルだけをカットして曲を流すこともできるから、みんなでカラオケを楽しむこともできる。クルマでの移動が楽しくなっちゃうよね。

 

鈴木:本当、今日はノリノリで盛り上がりましたもんね~!

20171106_15↑ミュージッククルーズチャンネルは、膨大な楽曲から、ドライブのシチュエーションや好みに応じてチャンネルをレコメンドしてくれます。ちなみにスマホ単体でも使えます

 

[ココがすごい03]  充実のリアエンタテインメント

松井:サイバーナビの「リアクルーズモード」も快適。サイバーナビに別売りのフリップダウンモニターやプライベートモニターを接続すれば、前席後席で同じAV ソースをリンクさせる「フロントリンクモード」はもちろん、後席だけ独立したAVソースを楽しむことがことができる「リアセパレートモード」が選べるよ。

 

鈴木:みんなで盛り上がってもいいし、ドライバーには申し訳ないけど……後席だけで感動の映画を楽しんだりもできるんですね。

 

松井:そう、それぞれのドライブのシチュエーションに合わせてみんなが極上のエンタテインメントを堪能できるわけだね。

20171106_14↑10.1V型のプライベートモニターなら外部入力がついているからスマホをつないで動画や写真、ゲームだって大画面で楽しめる! って3件目のラーメン店を検討中の田中さん。えー! まだ食べるんですか!?

 

[ココがすごい04]  当然ナビ能力は最高!

松井:もちろん基本となるナビ性能も最高。ルート探索はカーナビ本体内で処理されるのが一般的だったけど、サイバーナビの「スーパールート探索」は、カーナビ本体では不可能なリアルタイムな交通情報や、長年蓄積された交通情報を含む膨大なデータを専用サーバー上で演算し、最適なルートを提示してくれるんだよ。

 

鈴木:サイバーナビのナビゲーションってそんなことになってるんですか! だから時間優先、料金優先だけでなく、安くてもできるだけ早く着きたい、といった現実的なルートも案内してくれるんですね。

 

松井:そういうこと。それに「駐車場満空情報」も便利だよね。タイムズや三井のリパークなどと連携してリアルタイム情報を取得、同時に照合するから、まさに自分のクルマが今停められる駐車場を探すことができるわけだ。

 

鈴木:おかげでラーメン屋さん周辺の狭い商店街でもスムーズに駐車できましたね! ラーメン店には駐車場がないこともありますから、こういう機能は本当に助かります!

20171106_10↑今回は「距離が短く」、「早く到着」して「安くて」「ECO」なルートをチョイス

 

ラーメン店に限らず、店舗めぐりにはサイバーナビ

ラーメン店めぐりに大活躍のサイバーナビでしたが、もちろんラーメン店に限らず、これから行ってみたい、気になっているお店を探す際も大活躍間違いなしです。ルートをナビするだけでなく、行きも帰りもクルマの移動そのものを楽しくナビゲートしてくれる頼れる存在――それがサイバーナビなのです。

20171106_02↑サイバーナビなら、初めて行くラーメン屋でもスムーズに到着でき、移動中も楽しく、しかも美味しいラーメンを思う存分堪能できるのです!

 

[今回訪問したラーメン店]

中華そば 四つ葉

埼玉県比企郡川島町伊草298

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車が必須の立地にありながら、行列が絶えない人気店。写真は数種の地鶏の旨味を生かした「四つ葉そば」780円。

※埼玉県川島町の寿司店・宝船。同店に隣接する姉妹店が噂の名店が「中華そば  四つ葉」です。クルマで行く際は、「宝船」で検索してください

 

一福

東京都渋谷区本町2-17-14

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創業は1990年で、「ミシュランガイド東京2017」に掲載された超名店。写真は名物の「味噌らぁめん」730円。

 

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トヨタがコネクティッドカー向けの自動車保険を開発

11月8日、トヨタ自動車とあいおいニッセイ同和損害保険は、トヨタが展開するコネクティッドカー(トヨタが定める走行データが取得できるナビを搭載しており、かつインターネットの接続機能を有する車両)の一部を対象に、テレマティクス技術で取得した走行データに基づき、毎月の安全運転の度合いを保険料に反映。基本保険料と運転分保険料からなるトータル保険料のうち、最大で運転分保険料の80%を割引く、日本国内初となる運転挙動反映型テレマティクス保険を共同で開発したことを発表した。

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「運転特性による割引」のほか、『楽しむ』『得する』『見守る』をコンセプトとしたさまざまなサービスも提供していくとのことで、販売開始は2018年1月15日(保険責任開始は2018年4月)の予定だ。

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商品名は「トヨタつながるクルマの保険プラン(トヨタ販売店)」や「G-Link 連動自動車保険(レクサス販売店)」で、対象車両はトヨタのコネクティッドカーのうち、当方が定める走行データが取得できる車両(レクサス車含む)で、トヨタ車では2018年夏頃以降に発売予定の「クラウン」より順次拡大。レクサス車では2018年1月以降販売の新車全車対象(HS・LC を除く。既販車も一部対象車あり)となる。

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トヨタのコネクティッドカーは、クルマに関するさまざまな情報を車載通信機のDCM(データコミュニケーションモジュール)を通じてトヨタスマートセンターに自動送信している。あいおいニッセイ同和損保では、この車両運行情報を活用することでトヨタならではの新しいサービスを提供する。

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これまでの自動車保険は、「事故を起こしたユーザー」に安心を届けることがサービスの主眼だったが、あいおいニッセイ同和損保では、テレマティクス技術を活用したサービスを提供することで「事故を起こさないユーザー」にも付加価値(予防安全)を提供していくことを目指すとのこと。ユーザーひとりひとりの運転状況に応じた「安全運転診断サービス」をタイムリーに提供することで、ドライバーに安全運転を促し、交通事故を未然に防いでいく方針だ。

 

 

マニアックなフィアット・パンダ4×4再び! ただし……

FCAジャパンは、フィアット・パンダの4輪駆動モデルである「パンダ4×4(フォーバイフォー)」を、11月8日より100台限定で発売した。税込車両価格は251万6400円である。

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この限定車は、過去にも限定発売された経緯があるが、この度、約2年ぶりに発売されることになった。

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タスカン・グリーンにペイントされるエクステリアは、標準モデルのEasyに比べて全高が65mmアップしているほか、バンパーはスキッドプレードが装着された専用品となり、悪路での走破性を高めている。15インチアルミホイールのカラーも専用だ。

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チタングレーのインストルメントパネルを備えるインテリアでは、ダークグレーとグリーンを組み合わせたシートが特徴的。パンダ4×4独自の世界観が表現されている。

 

 

 

電動アシスト自転車は“主婦”のもの?――BOSCHが提案する次世代ユニットが日本人のライフスタイルを変える

電気の力でモーターを動かし、軽くこぐだけでスイスイ進む電動アシスト自転車。日本でも、パナソニックやブリヂストン、ヤマハ発動機などさまざまなメーカーから発売されています。

 

日本における電動アシスト自転車のメインターゲットは、お子さんを乗せたり買い物で重い荷物を運んだりすることが多い主婦向けというイメージ。日常生活を便利にしてくれる、実用的な「道具」という印象です。しかし、自転車が盛んなヨーロッパなどでは、少し電動アシスト自転車の位置づけは異なるようです。

 

先日、ヨーロッパでの電動アシスト自転車市場を牽引するBOSCH(ボッシュ)が、各自転車メーカーとタッグを組み日本の電動アシスト自転車市場への参入を発表しました。このBOSCHの参入により、日本の電動アシスト自転車シーンはどのように変わっていくのでしょうか。

↑発表会に登壇したBOSCHの代表取締役社長、クラウス・メーダー氏。自転車のヘルメットをかぶってくるなどおちゃめな一面も↑発表会に登壇したBOSCHの代表取締役社長、クラウス・メーダー氏。自転車のヘルメットをかぶってくるなどおちゃめな一面も

 

2.5時間の充電で最大100kmまで走れる

BOSCHは、ドイツを本拠地とする自動車部品や電動工具などを扱うメーカー。自動車に詳しい人やDIYが好きな人なら、一度はその名を聞いたことはあるのではないでしょうか。BOSCHは、ヨーロッパの電動アシスト自転車市場において高いシェアを誇っており、満を持して日本の市場にも参入することとなりました。

↑電動アシスト自転車の市場は年々拡大している。ヨーロッパでの市場が一番大きい。日本はアメリカ・カナダよりも普及している↑電動アシスト自転車の市場は年々拡大しており、ヨーロッパでの市場がもっとも大きい。日本はアメリカ・カナダよりも普及している

 

とはいっても、BOSCHが電動アシスト自転車(eBike)そのものを作っているわけではありません。電動アシスト自転車の肝である、ユニットの開発・販売を行っているのです。日本市場においても、パートナーとなる各自転車メーカーと提携し、ユニットを提供する形での参入となります。

 

BOSCHが提供しているシステムは、ドライブユニット、ディスプレイ、バッテリー、充電器、そして販売店向けのサービスツールです。これらが、各メーカーの自転車に組み込まれ販売されます。

↑ペダル部に搭載されているのがドライブユニット↑ペダル部に搭載されているのがドライブユニット

 

↑ユニットのなかにはモーターが搭載されている↑ユニットのなかにはモーターが搭載されている

 

↑ディスプレイには走行中にさまざまな情報が表示される↑ディスプレイには走行中にさまざまな情報が表示される

 

BOSCHによれば、ヨーロッパにおける電動アシスト自転車の市場は、以下の4つに大別されるということ。

●「ライフスタイル」……レジャー、旅行、通勤など
●「コミューター」……ショッピング、通勤、旅行など
●「ファミリー」……旅行、ショッピング、通勤など
●「スポーツ」……エクササイズ、旅行、通勤など

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そのような市場に合わせ、BOSCHではドライブユニットの出力やバッテリー容量などでいくつかの製品群をラインナップしています。そのなかから、日本に投入されるのが「Active Line Plus」です。これは、平坦な舗装路や緩やかな坂道を想定したライン。通勤通学や買い物などの日常利用向けです。バッテリーの容量は300Wh。2.5時間で満充電となる高速充電に対応。最大航続距離は100kmとなっています。

↑BOSCHは4種類の電動アシストユニットを販売しているが、日本に投入するのは「Active Line Plus」となる↑BOSCHは用途の異なる4種類の電動アシストユニットを販売しているが、日本に投入するのは日常生活向けの「Active Line Plus」となる

 

たとえば、通勤や通学で片道5kmの距離を毎日走るとしたら、1週間に1回ほど充電すればいいという計算。充電自体はバッテリーを外して、家のコンセントで行えるので簡単です。

↑↑バッテリーは300Wh。家庭用のコンセントから充電できる↑バッテリーは300Wh。家庭用のコンセントから充電できる

 

日本でも、都心に勤務するビジネスマンを中心に自転車通勤が流行しましたが、夏場などは汗をかいてしまい、就業前に着替えなくてはならないという声も多く、やめてしまった人も多いとのこと。しかし、電動アシスト自転車ならば、こぐ力は通常の自転車に比べはるかに負担が軽いため、夏場でも汗をかかずに通勤通学ができるそうです。

 

ユニットだけではなくサポート体制も丸ごと提供

今回のBOSCHに日本参入は、単に電動アシスト自転車ユニットを販売するだけではありません。販売店向けに「Bosch eBike Systems」という診断ツールを提供したり、同社の電動アシスト自転車を販売するためのトレーニング講習なども支援します。これらは、サービスパートナーである株式会社インターテックを通じ、販売店向けへの電話ホットラインや、補修部品の一括供給、トラブルや故障への対応などを行います。

 

BOSCHでは、製品だけではなくサポートまでを提供することで、販売店は安心してBOSCH製品を販売することができるようになり、ユーザーもわからないことや修理などを気軽に店舗や販売員に相談できるようになると説明。それだけ日本の市場を重要視しているということなのでしょう。

 

ペダルに足を置くだけで軽快に走行

さて、BOSCHのユニットを搭載した電動アシスト自転車の試乗体験会では、実際にActive Line Plusを搭載した自転車に乗ることができました。

↑筆者が試乗したのはこの白い車体の自転車↑筆者が試乗したのはこの白い車体の自転車

 

最初に感じたのは、ペダルがとても軽いこと。極端にいえば、足を置いただけで走り出すといった感じです。坂道もほとんど負荷を感じることなく登ることができるので、これなら通勤通学で汗をかくこともないでしょう。もちろん、平坦な道ではペダルをこぐたびに、通常の自転車とは違う加速を味わえます。

 

ディスプレイには、航続距離や現在のスピード、バッテリー残量などが表示されます。また、左ハンドルにあるスイッチで走行モードを切り替えることも可能。一番消費電力が少ないEcoモードでも、十分アシストの力を感じられます。よりスピードを出したいというときは、TourモードやSportモードにすれば、自転車の爽快感を味わえます。

↑ディスプレには速度や航続距離などの必要な情報が表示される。表示や走行モードの切り替えはハンドル左側のスイッチで行う↑ディスプレには速度や航続距離などの必要な情報が表示される。表示や走行モードの切り替えはハンドル左側のスイッチで行う

 

一番スピードの出るTurboモードは、日本の規制上時速24km以上は出ないようになっているため、すぐにエンジンブレーキがかかるような感じになります。加速したいときなどに使うのがいいでしょう。

 

BOSCHユニット搭載自転車は約20万円から

今回のBOSCHの日本市場参入にあたり、4社のブランドから新製品となる電動アシスト自転車が発売されます。

【corratec】

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E-POWER X VERT 650B
2018年2月頃販売予定
予価40万円前後

MTBのシャーシをベースに、Active Line Plusに合わせて設計。フレームは軽量かつ剛性を高めた独自の「FUSION TUBE EDGE」を採用しています。

 

【tern】

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VEKTRON
2018年3月頃販売予定
29万8000円(税別)

「都市生活での快適な移動手段」というコンセプトを掲げる同ブランドのVEKTRONは、工具不要で折りたためるのが最大の特徴。折りたたんだ状態で移動させることもできる。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA↑独自の機構でスライドさせるように折りたためる

 

【TREK】

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VERVE+
2018年1月販売予定
21万3000円(税別)

アメリカ最大の総合バイクブランドであるTREKからは、通勤通学や買い物などを想定し、乗り心地や安定性なども考慮された新ラインナップが登場。

 

【BIANCHI】

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Lucca-E
2018年5月以降販売予定
278000円(税別)

同ブランド人気の「PISA FLAT」シリーズをベースに、Active Line Plusに最適化した自転車。BIANCHIらしさはそのままに、電動アシスト自転車の快適さを味わえる。

 

いずれの自転車も、既存の自転車にユニットを付けただけではなく、Active Line Plusに合わせて新たに設計されています。タイヤが太く、安定性が高い車種が多いのは、電動アシストがあるためタイヤを細くして負荷を軽くする必要がないため。タイヤを太くすることで安定性が増し、より快適に走行することができます。

 

もっと遠くへ行ってみたいと思わせる電動アシスト自転車

今回の発表会や試乗体験会を通じて感じたことは、BOSCHの日本参入により、日本での電動アシスト自転車のポジションが変わるかもしれないということ。これまでの日本の電動アシスト自転車は、子どもを乗せても軽く走れることや、坂道も楽に登れるといった、実用的な面が重視されていました。

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しかし、BOSCHのActive Line Plusを搭載した自転車を体験してみると、少し考え方が変わりました。なにしろ、ペダルを漕ぐ力がわずかでいいのです。要は、自転車の運転で一番の負担となる「ペダルを漕ぐ」という作業がとても楽になるわけです。そうなると、もっと遠くへ行きたい、もっと長く運転したいという気持ちになりました。

 

そう、純粋に「自転車を運転したい」という気持ちが沸いてきたのです。これからの電動アシスト自転車は、「辛い作業を楽にする」ためのものではなく、「より自転車を楽しくする」という方向性の製品が増えてくるでしょう。より快適に、より遠くへ。自転車が単なる移動手段ではなく、私たちの行動範囲や興味の範囲を広げてくれる乗り物になっていくことでしょう。

 

BOSCHの提案する電動アシスト自転車は、国内メーカーのものに比べるとやや価格が高めですが、普及するにつれて手に届きやすくなっていくでしょう。電動アシスト自転車がごく当たり前の乗り物になったとき、私たちの生活がどのように変わるのか、期待が膨らみます。

 

ZFジャパンが自動運転に向けた先端技術を日本初公開

2015年にセンサーや安全技術を得意とする米TRWオートモーティブ社を統合し、グローバルなメガサプライヤーの仲間入りを果たしたZF(ゼットエフ)AGの日本法人となるZFジャパンが、国内の大手自動車メーカー向け試乗会「Vision Zero Days Japan」を初開催。静岡県の富士スピードウェイおよび東名高速道路において、自動料金決済システム「Car eWallet」を組み込んだ電気自動車(EV)のプロトタイプや先端運転支援システム(ADAS)搭載のデモカーを使って同社の最新技術および製品を披露した。

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開発パートナーであるIBM社のブロックチェーン技術を応用した「Car eWallet」は、車両のユーザー情報を安全に維持・管理し、有料道路や駐車場などさまざまな電子決済が可能に。さらにパブリック・クラウドサービス・プラットフォームを活用して、将来的にはカーシェアリング、給油や充電、配達サービスなどの料金支払いを行うネットワークの構築も進める。9月のフランクフルト・モーターショーで世界初公開されたこのプロトタイプ車両は、今回がドイツ国外での初披露目となる。

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運転支援システムを搭載したデモカーは、ZF製カメラとレーダーの検知により、一般的な車間距離の保持や車線維持機能に加え高速道路上における分流(一部自動でのインターチェンジ流出)機能も搭載。ADASおよび自動運転機能に関しては、欧州と中国、アメリカおよび神奈川県横浜市の「ジャパン・テックセンター」が連携して開発を進めており、2018年より自動車メーカーの要望に応じたソリューションを提供していくとのことだ。

ランボルギーニがMITとのコラボでドリームカーを製作?

11月7日、ランボルギーニはMIT(マサチューセッツ工科大学)の化学物質学科と機械工学科のふたつの研究所とのパートナーシップによって、ランボルギーニの将来像を示すエレクトリック・ハイパーカーのコンセプト「Lamborghini of the Terzo Millennio」を発表した。

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このEVハイパーカーコンセプトの技術的な注目点のひとつに、エネルギー貯蔵システムとしてスーパーキャパシタを用いることが挙げられる。スーパーキャパシタは、電気二重層キャパシタの総称。有機電解液とアルミや炭素を原料とした簡単な構造となっており、一般的な電池のように重金属を用いないため環境負荷が少ないだけでなく、充放電時のエネルギーロスも少なく、電池では不可能な瞬時の充放電が可能。寿命はとても長く、一般的な電池の100倍程度になるといわれている。

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これをエネルギー源に、4つのホイールそれぞれに電気モーターを組み込んだ4輪駆動を採用。4輪それぞれを個別にトルク制御する。

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技術的なチャレンジはそれだけでなはい。ランボルギーニがこれまでも積極的に取り組んできたカーボンファイバー技術を、このコンプトで発展させる狙いもある。新たな取り組みとして「自己回復」の概念に基づき、治癒化学物質を利用することでボディが自ら監視・修復する機能を盛り込んだ。これによりカーボンファイバーに生じる亀裂・損傷の危険を減少させられるので、カーボンファイバーの使用パートをさらに増やすことができる。つまりさらなるボディの軽量化が可能になるというわけだ。

 

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ボディのスタイリングは、これまで培ってきた空気力学を応用したまったく新しいアーキテクチャーで、鍛造コンポジット技術をベースにしたモノコックシャシーと組み合わせたもの。デザイン面での特徴として、前後のライトのY字型モチーフが挙げられる。

 

 

 

 

三菱エクリプス クロスがユーロNCAPで5つ星を獲得!

三菱自動車は11月9日、新型コンパクトSUV「エクリプス クロス」が、欧州の新車を対象に安全性能を厳しい試験条件で総合評価する「ユーロNCAP(European New Car Assessment Program)」において、最高評価となる5つ★を獲得したことを発表した。

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 ユーロNCAPの安全性試験で5つ★を獲得するには、「成人乗員保護性能」で80%以上、「子供乗員保護性能」で75%以上、「歩行者保護性能」で60%以上、「安全補助装置」で50%以上という4項目のパーセンテージをすべてクリアしなければならない。

 

新型エクリプス クロスのテストモデルは1.5リッターエンジンを搭載する2WD仕様だったのだが、「成人乗員保護性能」で97%、「子供乗員保護性能」で78%、「歩行者保護性能」で80%、「安全補助装置」で71%という評価を得て、4項目すべての条件をクリア。見事5つ★獲得となった。

 

エクリプス クロスは、衝突時のエネルギー吸収とキャビンの変形抑制を両立させた衝突安全強化ボディ「RISE」に加え、小柄な乗員に対しても高い乗員保護性能を実現するよう設計したシートベルトと7つのSRSエアバッグの採用により、成人乗員保護の項目においてスモールオフロードクラスでトップレベルとなる97%を獲得。さらに、子供の乗員保護の項目においても高い評価を獲得した。

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また、デザインを重視したクーペSUVながら、ヘッドライトやバンパー等の車両先端部分の衝撃吸収性を高め、エンジンフード下に十分なスペースを設けることで高い歩行者保護性能を確保。歩行者保護の項目においても同クラストップレベルとなる80%を獲得している。

 

さらに、衝突被害軽減ブレーキシステム「FCM(Forward Collision Mitigation System)」により、市街地での一般的な走行速度を考慮したユーロNCAP試験条件ですべて衝突を回避した。

 

エクリプス クロスは、2017年10月3日より欧州に向け量産車の出荷を開始。今後、豪州、北米、日本など約80カ国で展開される計画で、今年度の出荷は約5万台が予定されている。

 

 

BMWがM4に続きM3にも高性能版の「CS」を用意!

11月8日、BMWはM3の高性能モデルとなる「BMW M3 CS」を本国で発表した。受注開始は2018年1月からで、生産台数は1200台に限定される見通しだ。

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「CS」と言えば、今年4月にひと足先に「M4 CS」がデビューを果たしているが、このモデルは1988年に登場したE30型M3エボリューションに端を発するMスペシャルエディションの血統を受け継ぐモデルとなる。

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搭載される3リッター直6ターボエンジンは、M4 CS用と同様に、460ps/600Nmを発揮。標準モデルのM3に搭載されるものと比べ、プラス10psのエクストラを得ている。デュアルクラッチの7速M DCTを組み合わせ、0-100km/h加速はM4 CSと同じ3.9秒でこなす性能が与えられた。ちなみに最高速は280km/hでリミッターが作動する。

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アダプティブMサスペンションやアクティブMディファレンシャルを標準装備する点、フロント265/35R19、リヤ285/30R20サイズのミシュラン・パイロットスポーツカップ2タイヤを装着する点もM4 CSと同様だ。

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エクステリアでは3セクションに分けられた大型エアインテークを持つフロントエプロンやフロントスプリッター、リアディフューザーなどが専用タイプとなり、特別なモデルであることを主張。シルバーとブラックの2トーンカラーが用いられたインテリアではアルカンターラが多用されているほか、Harman Kardon製サラウンドサウンドシステムなどを標準で装備する。

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メルセデス・ベンツGクラスがグランドフィナーレに向け特別仕様を発表

ダイムラーはこのほど、現行型のGクラスの生産がフィナーレを迎える段階に入ったことを発表するとともに、3モデルの特別限定モデルを発表した。3モデルの合計発売台数は、現行型Gクラスの開発コードにちなんだ463台である。

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ボディをデジーノ・モカブラック・メタリックに塗装する「G350dリミテッドエディション」はブラッシュドアルミのインサートが目を引く。

 

19インチのアルミホイールはAMGの5スポークデザインで、チタニウムグレーに塗装される。サンルーフは標準装備だ。インテリアではサドルブラウンのデジーノ・ナッパレザーシートやAMGパフォーマンスステアリングが装備され、独特の雰囲気が演出されている。

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タフなオフローダーのキャラクターを一層強調させているのが「G350dプロフェッショナル・リミテッドエディション」だ。プロテクショングリルやスチール製バンパー、マッドフラップ、ルーフラックを含むプロフェッシナルオフロードパッケージの採用が特徴的で、ボディカラーはチャイナブルーとなる。インテリアではチェック柄をあしらったファブリックシートが特色となる。

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デジーノ・プラチナマグノにペイントされる「G500リミテッドエディション」は、フロントグリルやスペアタイヤカバーなどがマグネットブラックに塗装され、シックなイメージ。内装はホワイトのステッチを施すブラックのデジーノ・ナッパレザーシートや、AMGパフォーマンスステアリング、ピアノラッカートリムによって外装とコーディーネイトされている。

 

いずれのモデルも、センターコンソールにデビュー年となる1979年を示す専用のエンブレムが刻印される。

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関西圏では抽選対象にも! 自動車ナンバー「8008」が人気急上昇している意外な理由

愛車のナンバープレートに好きな番号を選んで付けられる…今ではすっかり当たり前になった「ナンバー選択の自由」だが希望番号の人気ランキングが公表されているのをご存じだろうか? このランキングは、社団法人全国自動車標板協議会が毎年公表しているもので、最新のランキング(2017年発表)は以下のようになっている。

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★3ナンバー車の人気番号

1位 1
2位 8
3位 3
4位 8888
5位 5
6位 1122
7位 7
8位 11
9位 8008
10位 55

 

★5ナンバー車の人気番号

1位 2525
2位 1122
3位 1
4位 8
5位 1188
6位 3
7位 8888
8位 123
9位 1010
10位 1001

 

★軽自動車の人気ナンバー

1位 2525
2位 1
3位 3
4位 1122
5位 5
6位 8008
7位 8
8位 11
9位 77
10位 8888

 

なんと!5ナンバー車と軽自動車の総合1位は「2525」(ニコニコ)であった。3ナンバー車の1位は「…1」。確かに、「2525」ナンバーは良く見かける。3ナンバー車ではランク入りしていないのも興味深い。3ナンバー車に笑顔より威厳(?)を求めるのかも……。一桁ナンバーでは全車種通じてやはり1番人気は「…1」で、8や3が上位に来ている。不思議なのは、8は「末広がり」の意味で人気が高いにしても、他の1桁番号はすべて奇数である。1の次はなぜ、2ではなく3なのだろうか。ちなみに2、4、6の偶数一桁番号は横浜や、神戸、名古屋など登録台数が多いところでは抽選対象の番号になっている。

 

■地域別の人気番号が興味深い

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希望番号には1,7、1111、2020、8888など全国統一で抽選対象となっている番号が15種類あり、以下がその番号である。

 

1、7、8、88、333、555、777、888、1111、2019、2020、3333、5555、7777、8888

 

また、これら以外に地域別に抽選対象となっている番号もあり、これらはほとんどが一桁の数字やぞろ目の数字である。これ以外の4桁の数字で近年、関西圏を中心に人気が高まっているのが8008という数字だ。

 

ちなみに、8008が抽選対象となった地域とその導入時期は以下の通り。

 

2008年5月から大阪・神戸

2011年5月から横浜・名古屋・京都・和泉

2013年5月から品川・なにわ

2014年6月から岐阜

2016年6月から姫路・奈良

2017年7月から滋賀

 

抽選対象となるということは、その地域で希望者が増えているということ。8008は圧倒的に東京以西の関西圏に多い。また、最新のデータによると宮城・仙台・福島・郡山・平泉・長岡・長野・松本・諏訪・金沢・世田谷・成田・越谷など、5ナンバー車においては全国20以上の地域で「8008」が人気ランキング10位以内に入っているので、そのうち抽選対象となる可能性も大きい。

 

■「8008」とはなにを意味するのか?

8008というこの数字、左右対称となることからミラーナンバーと呼ばれることもある。また、縁起が良いとされる8に、円満を意味する○(まる)、また8を横にすれば∞(無限)の意味もある。縁結びの意味もあるとか。しかし、色々調べているうちに、「新説」に出くわした。それは思いもよらぬ理由だった。

 

「ホントは8888を付けたいけど、抽選でなかなか当たらず8008で妥協した」

 

という妥協系のほか、

 

「8888をつける車は主張しすぎる傾向にある場合が多い。気を付けないといけないナンバーの一つで、女性が運転する際にはとくに、近寄ったらダメだと関西では言われています。なので、8008の車は縁起の良い8をつけたいけど、そこまで主張したくない。控えめな関西人特有のキャラから生まれた人気番号なのでは?」

 

と、筆者の友人(関西在住の数名)が口をそろえて言うのである。言われてみると確かにそんな感じがしてきた。実際8008は関西方面で圧倒的な人気を誇っている。また、3ナンバー車に8888が多いのに対して、軽自動車では8008のほうが8888より多いのもなんとなくうなずける。車に8008を付けている皆さん、あなたが8008を選んだ理由はなんですか?

 

【著者プロフィール】

加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

ヤナセのグループ会社が福祉車両の販売に参入。プレミアム感あふれるバリアフリー車両の年内提供開始を目指す

高齢化が進む日本において、福祉車両(バリアフリー車両)の需要増加は一段と高まると見られている。新型車のデビューに合わせた福祉車両の設定は、国内メーカーは当たり前となってきており、その開発体制も強化し、より使い勝手がよく、優れた仕上がりの福祉車両が次々と登場してきている。

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輸入車も今後は利用者の要求に合った福祉車両の設定が必要となってくるはずだが、そんなニーズに応えるべく、輸入車販売最大手のヤナセのグループ会社、ヤナセオートシステムズが福祉車両分野への参入を発表。全国のヤナセディーラーで販売を拡充する考えだ。

Fiorella社(イタリア)製車いす用リフト Autoadapt社(スウェーデン)製回転昇降シート

 

ひと口に福祉車両といっても車いす用リフト装備車や回転乗降シート車などその改造ノウハウは多岐におよぶ。そうした技術的な面や顧客ニーズへの対応では専門企業であるオフィス清水との提携でクオリティを確保し、改造に関しては板金塗装部門も持つヤナセ・オートシステムズが担当。また、公的な助成や優遇税制などの情報もユーザーに提供できるように体制を整え、質の高いサービスを提供していくことになる。

 

多くの輸入車ブランドを扱うヤナセの積極的な取り組みにより、プレミアムブランドならではの福祉車両の提供が可能となるはずで、そのラインナップに期待するユーザーも少なくないはずだろう。

 

ヤナセオートシステムズは、福祉車両コンセプト「バリアフリーな輸入車で、車のある人生をもっと長く」を掲げ、年内の事業開始を目指す。

子供の車内置き去りを防ぐシステムも含め、ユーロNCAPが’25年に向けて新たなロードマップを示す

新型車の安全性能がどんどん高まっていく中で、それを評価する側も次々と新たなハードルを設定。衝突時のキャビンを守るボディ構造や、サイド&カーテンエアバッグ装備は当然となり(もちろんまだ未装備のクルマもあるが)、さらに衝突被害軽減ブレーキに代表される先進安全装備も「装着されていないクルマは評価の価値なし」といい切る評価組織も出てきている。

自動車安全性向上計画の優先順位を設定した「ロードマップ2025」。ロードマップの中では、今後の自動運転技術にも注目している。

 

その先端をいくのが欧州のユーロNCAPとアメリカのIIHS(全米道路安全保険協会)だが、ここにきてユーロNCAPが新たな方向性として「ロードマップ2025」を公表。同機構の20周年に合わせてのプランだが、その内容は多岐におよび、自動車メーカーはもちろん、IIHSや日本の自動車アセスメント(JNCAP)などへ影響をおよぼすことになりそうだ。
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そこに示された今後評価が必要となる次世代安全機能を挙げていくと、「居眠り運転などを防ぐ運転者監視システム」、「緊急自動ステアリング」、「後退時や交差点で有効な衝突被害軽減ブレーキ」、「他車やインフラなどと通信して危険を防ぐV2X(車車間・路車間通信)」、「追突時のムチ打ち被害軽減の強化」、「歩行者および自転車保護性能の進化」、「事故時の救出性の確保」、「車内置き去りの検出」など。たしかにどれもクルマに起因する危険の除去には欠かせないもので、’25年までにすべて実現させるのが理想としている。

 

ユーロNCAPはこうした次世代安全機能を評価するシステムを随時導入し、自動車メーカーなどに装備化をうながしていく考えだが、「V2X」などは道路側のインフラ整備を待たなければならない面もあり、評価は簡単ではない。一方で日本の現状から見ていくと、歩行者保護性能の進化はもちろん、ニュースで目にすることの多い「車内置き去り」への対応は注目に値する。

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ユーロNCAPのロードマップでは最後に置かれているが、日本では車内への子供置き去りによる熱中症事故のニュースが後を絶たず、最近では幼稚園や保育園の送迎バス内での置き去りも報じられている。また、被害者は幼児・子供だけでなく高齢者や身体障害者におよぶ可能性も高く、いち早い対応が迫られる部分でもある。車内にカメラを設置して子供などの存在を確認し、危険な状態を感知してクルマの所有者や緊急サービスセンターへ通知がいくシステムはすでに実用化されており、ユーロNCAPはその評価を想定しているが、日本でもスマートフォンを活用した車内チェックシステムの構築は難しくないはず。JNCAPでも装着を推奨するなどの取り組みが望まれるところだ。

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先進安全機能の標準装備化は、コスト増=車両価格上昇がついて回るだけに悩ましい面もあるが、この多岐におよぶユーロNCAPのロードマップ提示を参考に、日本でもできるところから導入の検討を望みたいところ。交通事故の犠牲者を減らしていくことはもちろん重要だが、車内置き去りなどクルマにまつわる悲劇を全体的に減らす視点も欠かせない。また、このユーロNCAPの提示したロードマップが今後、欧州の新型車開発にどう反映されていくのか、そのあたりにも注目したいところだ。

【中年名車図鑑】格好は奇抜だが走りは…絶版後に再評価された小型スペシャルティ

好景気を謳歌する1980年代終盤の日本。トヨタ自動車は豊富な開発資金を背景に、新しい小型スペシャルティを鋭意企画する。若者のさまざまな嗜好を捉え、目一杯に詰め込んだその1台は、1990年3月に市場デビューを果たした――。今回は「日常生活の枠を超えた胸を躍らせるような体感」を狙いに開発された小型スペシャルティカーのセラ(1990~1995年)で一席。

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【Vol.40 トヨタ・セラ】

東京の晴海で開催される最後の年になった1987年の第27回東京モーターショー。後にバブルといわれる好景気を背景に、各自動車メーカーは華やかな演出と渾身の新型車を精力的に披露した。そのなかでトヨタ自動車は、斬新なFF小型スペシャルティのコンセプトカーを雛壇に乗せる。車名は「AXV-Ⅱ」。ガラスを多用したラウンディッシュなボディにガルウィングドアを装着したそのスタイリングは、“小型車クラスのスーパーカー”として来場者の熱い視線を集めた。

 

■新しいFF小型スペシャルティの提案

ルーフ部まで回りこむガルウィングドアとサイドガラス、大きな3次曲面リアガラスを組み込んだパノラミックハッチが特徴的ルーフ部まで回りこむガルウィングドアとサイドガラス、大きな3次曲面リアガラスを組み込んだパノラミックハッチが特徴的

 

コンセプトカーの企画内容を市販モデルに活かすトヨタの方針は、このAXV-Ⅱでもきちっと貫かれることになる。ショーの後、開発陣は早速市販化に向けての部品選定に乗り出した。プラットフォームについては開発の途中だった4代目スターレット用をベースとすることに決定。被せるボディはコンセプトカーの具現化を目指し、ルーフ部にまで回りこむガルウィングドアとサイドガラス、そして大きな3次曲面リアガラスを組み込んだパノラミックハッチを採用した。ドアの操作性やボディ剛性、さらに安全性といった項目も重視し、幾度となくテストを繰り返す。ガラス自体の遮熱性にもこだわった。また、全体のフォルムは曲面基調で構成し、スポーティなスタイリングに仕立てる。ボディサイズは全長3860×全幅1650×全高1265mm/ホイールベース2300mmとコンパクトに設定した。

 

横置き搭載するエンジンについては、スターレット用の4E-FE型1.3lユニットをそのまま流用するわけにはいかなかった。ガルウィングドアの剛性確保やガラス面を多用した結果、ボディが重くなってしまったのだ。外観はスタイリッシュでスポーティなのに、加速は悪い――。トータルでの高性能を重視するトヨタにとって、これは見過ごせないポイントだった。開発陣は鋭意、改良に着手し、4E-FE型の排気量アップを計画する。通常ならボアアップで対処するところだが、エンジニアが選んだ手法はロングストローク化(77.4mm→87.0mm)だった。低中速トルクを厚くしやすい、ブロック剛性を有効に確保できる、といった理由がピストン行程にこだわった理由である。新たに開発されたエンジンは5E-FHE型と名づけられ、1496cc直列4気筒DOHC16Vの第2世代ハイメカツインカムからは110ps/13.5kg・mのパワー&トルクが絞り出された。

 

■豪華でオリジナリティ性の高い装備群を採用

ベースグレードの5速MT車で160万円と、チャレンジングな価格設定だった。若者に乗ってほしいという開発陣の想いが伝わってくるベースグレードの5速MT車で160万円と、チャレンジングな価格設定だった。若者に乗ってほしいという開発陣の想いが伝わってくる

 

1990年3月、トヨタの新しい小型スペシャルティカーが満を持してデビューする。車名はフランス語のetre(~である)の未来形で、「未来に向けて羽ばたく夢のあるクルマ」の意を込めて「セラ(SERA)」と名乗った。

 

EXY10の型式をつけて市場に放たれたセラの注目ポイントは、軽飛行機のキャノピーを思わせるグラッシーキャビンやドア操作力温度補償ステーを組み込んだガルウィングドアだけではなかった。乗車定員4名のインテリアでは室内ルーフの形状やトリムに合わせて音響解析し、最適配置のスピーカーとオーディオユニットを装着したスーパーライブサウンドシステムや造形美豊かな専用アレンジの内装パーツなどを装備。エクステリアでは新開発のカラフルなボディカラー(全6色)やプロジェクターヘッドビーム等が話題を呼ぶ。ちなみに、イメージカラーのグリニッシュイエローマイカメタリックを纏った仕様は、曲面基調のスタイリングや羽のように開閉するガルウィングドアから、“コガネムシ”“カナブン”といったニックネームがついた。

 

これだけの豪華&専用装備を実現しながら、セラの車両価格は非常にリーズナブルだった。ベースグレードの5速MT車で160万円、最上級のスーパーライブサウンド付き4速AT車でも188万1000円に抑える(いずれも東京標準価格)。渾身の小型スペシャルティカーをひとりでも多くの若者に楽しんでほしい――開発陣のそんな願いが、この価格設定には込められていたのだ。

 

■特異なキャラクターは生産中止後に再評価

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20171110_suzuki8航空機のガラスキャノピーを連想させる開放感あふれるインテリア。反面、夏場の温度上昇が問題となった

 

“未知への翼”のキャッチコピーを冠して華々しくデビューしたセラ。しかし、販売成績は予想外に伸び悩む。当時の若者は高性能のスポーツモデルやハイソカー、クロカン4WDなどに興味を抱くユーザーが多く、格好は奇抜だが走りは平凡だったセラにあまり触手が動かなかったのだ。また、真夏に走行した際の室内の過度な温度上昇なども、ウィークポイントとして指摘された。

 

販売の打開策として開発陣は、セラに細かな改良を施していく。1991年5月にはボディカラーの見直しや新シート表地の採用、熱線反射金属薄膜コーティング付きドアガラスの設定などを実施。1992年6月には再びボディカラーを見直し、同時に電気式ドアロックの標準装備化などを敢行する。1993年12月には新冷媒エアコンの採用やリア3点式シートベルトの標準装備化などを行った。

 

さまざまな改良を加えて完成度をアップさせていったセラ。しかし、販売成績は改善しなかった。さらにバブル景気も崩壊し、トヨタは業績回復のために不採算車種の整理を余儀なくされる。そして1995年12月、ついにセラの生産は中止となった。

 

絶版車となってしまったセラだが、そのユニークで特異なキャラクターは後に再評価され、結果的に中古車市場で熱い支持を受け続ける。トヨタのチャレンジングな小型スペシャルティカーは、その車名にふさわしい存在価値を生産中止後に誇示したのだ。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

トヨタとマツダにデンソーも加わりEV戦略の新会社を設立し、各ブランドにふさわしいEVの開発を進める

資本提携により次世代車の開発や米国での合弁生産など、幅広い提携に踏み切ったトヨタ自動車とマツダが、第1弾ともいえる協業に着手する。その内容は大方の予想どおり電気自動車(EV)の開発・生産に向けたもので、国内サプライヤー最大手のデンソーも参画。3社連合で世界的なEVシフトに対応する構えだ。

欧米メーカーがEV開発に経営資源を集中させる中、3社連合によりEV開発の体制を整え、全方位で次世代車の開発をスピードアップさせるのが狙いだ。

 

3社は共同出資で新会社「EV C.A.Spirit株式会社」を設立。資本金は1000万円と立ち上がりの規模はそう大きくなく、出資率もトヨタが90%、マツダが5%、デンソーが5%とトヨタ主導で、代表取締役にはトヨタ副社長の寺師茂樹氏が就任。本拠は名古屋のミッドランドスクエア内に置かれ、社員は各社から出向するエンジニア主体の40人程度とされている。

 

英国やフランスの政府がEVシフトを宣言し、中国がEV優遇政策を進め、アメリカでもカリフォルニア州がEV比率を高める政策を打ち出しているが、一方でいまだ世界におけるEVの販売比率は1%以下に過ぎない。とはいえ、今後EVの販売台数が増えていくのは確実で、今から手を売っておかないと競争に出遅れる可能性は高い。今回の3社連合もそうした将来を見据えたもので、お互いの開発技術や生産技術を出し合いながら、エンジニア同士の交流を図っておこうというものだ。

 

また、現時点では3社の協業ながら、他のメーカーやサプライヤーの参画も可能なオープンな体制を目指しており、トヨタの子会社のダイハツはもちろん、資本系列のあるスバルが加わってくる可能性は高い。当面は互いに出資した「EV C.A.Spirit」がEVに関する技術開発を手がけ、そこにトヨタとマツダが開発委託をする形となるが、同社がノウハウを蓄積しながら他メーカーの委託を受けるという形も考えられる。

 

機構が比較的単純なEVは、家電のような画一化に陥る恐れがあるとされており、それを防いで付加価値を持続するにも、それぞれのメーカーが持つ見識やセンスは欠かせない。独自にEVブランドを立ち上げている欧州メーカーに対し、トヨタ、マツダ連合がどんな具体策を出してくるのか!? 次の動きに期待したい。

 

 

 

ジャガーがフォーミュラEのサポートレースとして、EVのワンメイクレース10戦を開催

フォーミュラEシリーズにワークスチームとして参戦し、レース普及にひと役かっているジャガーが、さらにイベントを盛り上げるべくサポートレースを計画。’18年発売予定のジャガー初の電気自動車(EV)、I-PACEによるワンメイクレースシリーズ「ジャガーI-PACE eトロフィー」を2018年シーズン(2018年秋から2019年秋)から立ち上げると発表した。

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I-PACEというとクロスオーバーSUVのはずで、レースにはちょっと向いていない気もするが、ワンメイクレースの予想イラストを見ると車高を下げていけばクーペタイプのレースカーとしても通用することがわかる。そういえばトヨタもC-HRのレース仕様車を作ってニュルブルクリンク24時間レースでクラス3位を獲得しており、クロスオーバー車のレースも難しいことではなさそうだ。

レースシリーズはフォーミュラEの開催に合わせて世界を転戦し、2018/2019年は10戦を予定。最大20台の出走を想定しており、フォーミュラE参戦を目指す若いドライバーの登竜門として参加者を募るという。マシン製作はジャガー・ランドローバー社のスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)が担当するだけに、そのパフォーマンスにも期待がかかる。日産がリーフをベースに製作したレーシングカーもかなりの性能を誇っていたが、高性能車作りでは定評のあるSVOが、I-PACEをどんなマシンに仕上げてくるか期待は大きい。

エキゾーストノートのないEVレースは、速度では内燃機関のマシンに負けていないものの迫力に欠ける点は否めない。だが、多くのメーカーが世界耐久選手権(WEC)や世界ラリー選手権(WRC)からフォーミュラEへシフトしていく現状を見ると、EVによるツーリングカーレースやラリーが開催されるのもそう先のことではないと思われる。フォーミュラカーもいいが、やはりハコのレースやラリーがないとモータースポーツは盛り上がらない。I-PACEのワンメイクレースがその端緒を開くことになるのか。来年の開幕が楽しみだ。

 

 

アマゾンが開発したAI音声サービス「アレクサ」をBMWとミニに搭載し、音声のやりとりで利便性を向上

日本でも2017年中の国内展開がアナウンスされたアレクサ(Alexa)。アマゾンが提供するこの音声会話サービスはクラウドを活用して対話方式で設定や案内ができる機能で、アップルが実用化しているSiriなどと似た機能を持つ。カーナビの音声ガイドにはピッタリのシステムだが、ここにきてBMWグループがこのアレクサをBMW車とミニに搭載すると発表。車内での音声コマンド活用の幅が広がることになる。

 

アレクサの活用例として、音声コマンドにより、上映映画のスケジュールを調べたり、プレイリストを呼び出したり、目的地の天気を調べたりすることが可能。↑アレクサの活用例として、音声コマンドにより、上映映画のスケジュールを調べたり、プレイリストを呼び出したり、目的地の天気を調べたりすることが可能

 

アレクサの活用例として、音声コマンドにより、上映映画のスケジュールを調べたり、プレイリストを呼び出したり、目的地の天気を調べたりすることが可能。

 

人工知能(AI)を活用したアレクサは、従来のカーナビの音声ガイドを超えた機能を持ち、車両状態を確認できるリモートサービスなどに加え、ショッピングやエンターテインメント機能も充実。BMWは2018年半ばにはドイツ、英国、米国でサービスを開始し、専用SIMカードを備えることで接続用スマートフォンなども不要だという。日本でのサービス開始はアナウンスされていないが、アマゾンが日本でのアレクサ導入を表明したということは日本語対応も進んでいるはずで、意外と早い時期に導入される可能性もある。

車両のコネクテッドサービスはより多コンテンツ化、複雑化が進んでおり、スムーズに使うには音声対話によるサービスが欠かせない。メルセデスもメルセデスmeでアレクサ導入を表明しており、今後はこうした音声対話サービスの使い勝手が重要なファクターとなってくる。まずは誰もが抵抗なく使えるサービスとなってくれることを期待したい。

 

 

 

サプライヤーの巨人、ボッシュがもたらす2輪車の未来とは?

ドイツの大手サプライヤー、ボッシュは11月6日、イタリア・ミラノで11月7日に開幕する国際2輪車ショー「EICMA2017」の出展概要を発表した。

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2輪車は現在、世界的に需要が大きく高まっている。2021年までに2輪車の世界生産は1億6000万台を超えると予想されている。その需要に応えていくために、作り手側はより多くのことを実現していく必要が迫られている。そんななか、ボッシュでは将来の2輪車に向けた技術をアピールする。

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コネクティビティの分野では、インテリジェントに接続されたオンボードシステム「コネクティビティコントロールユニット」が挙げられる。他の車両との通信を可能にし、すべての情報がつながっているライダーやクルマに伝達されるものだ。この装置はまた、車両安定性などを監視し、必要に応じて適切な処置によって車両の安全性を高める役割を果たす。さらに盗難の被害に遭った際には、位置情報を特定することも可能だ。

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安全運転支援システムでは、2輪車専用に開発されたABSやMSC(モーターサイクル・スタビリティ・コントロール)が挙げられる。このABSはこれまでのものに比べて30%小さく、45%軽くなっており、250ccまでの小型2輪車にも対応。走行中の車体の傾斜度合いを検出することによって前後輪の制動力を個別に分配する。この装備によって、ライダーは妥協せずに車両のダイナミクス性が味わえるとともに、事故のリスクを低減できる。

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「eBike ABS」は、世界で初めてABS(アンチロックブレーキシステム)を搭載した電動自転車。オートバイで培ったABSシステムを活用し、前輪ABSと後輪リフト機能の組み合わせにより安定性が向上。市街地からトレッキングまで、幅広いシーンで高い安全性をサポートする。

 

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都市のモビリティ向けとなる、軽2輪用の電動パワートレインシステムにも注目だ。3kWまでのパワーレンジと4kW以上のパワーレンジのモーターを備えたインハブドライブシステムは、モーターやコントロールユニット、バッテリー、充電器、ディスプレイ、アプリで構成。軽量なモビリティのための柔軟で多彩なシステムを提供する。

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ニュル最速SUV、ステルヴィオ・クワドリフォリオが発売開始!

フィアット・クライスラー・オートモビルズは11月2日、アルファロメオの新型SUV「ステルヴィオ」のトップパフォーマンスバージョンである「ステルヴィオ・クワドリフォリオ」の販売を欧州で開始したと発表。イタリア本国での車両本体価格は9万5000ユーロ(約1256万円)からとなっている。

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アルファロメオ初のSUVとして誕生したステルヴィオ。ボディサイズは全長4702×全幅1955×全高1681mm。最上級モデルのクワドリフォリオは、510ps/600Nmを発揮する2.9リッターV6ツインターボと8速ATを搭載し、4WDシステムは走行状況に応じて前後駆動力配分を0:100〜50:50%に可変する「Q4」を採用。

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その加速性能は、3.8秒の0-100km/h加速と283km/hの最高速を実現。ニュルブルクリンク北コースのラップタイプは7分51秒7をマークし、市販SUVでは最速と言われている。

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官能的で筋肉質なデザインを持つエクステリアには、カーボンファイバーやレザー、アルカンターラを用いることによってスポーティでプレミアムな雰囲気を色濃く発散するインテリアを組み合わせ、アルファロメオの新世代モデルを実感させる仕上がりとなっている。

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インフォテイメントシステム「アルファ コネクト3D」は、8.8インチディスプレイを組み合わせ、Apple CarPlaやAndroid Autoに対応する。

 

2018年には日本にも上陸を果たすステルヴィオ。注目SUVの1台であることは間違いない。

 

 

 

Lexus GS Fを精密に再現した1/18スケールのプレミアムなミニカーが登場!

本格的RC(ラジオコントロール)モデルや高品質なミニカーといったホビー製品の製造・販売を手掛けるトップメーカー・京商は、新旧の“日本の名車”をモチーフとしたレジン製ミニカーブランド「samurai」シリーズの新商品として、1/18スケールのレクサス GS Fを発売した。

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「samurai」は、同社が満を持して送り出す、1/12および1/18スケールのレジン製プレミアムミニカーのシリーズ。“日本の名車”をテーマに、美しいボディラインや高品質な塗装など、その商品を見た人すべてが「実車と錯覚した」と感じてしまう、まるで工芸品のような仕上がりが魅力だ。

 

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エモーショナルな『F』の世界を1/18スケール(全長:273mm/全幅:103mm/全高:80mm)に凝縮した姿は、まさに実車そのもの。特徴的なスピンドルグリルやエアダクト、『F』の意匠でもある4連のエキゾーストディフューザーなど、ベースとなったGSとは似て非なる、GS Fならではエクステリアはもちろん、インテリアに至るまで忠実に再現されており、実車同様、所有する歓びを感じさせてくれる。

ボディカラーは、ヒートブルーコントラストレイヤリング(600台限定)とグラファイトブラックガラスフレーク(400台限定)という2色での展開。実車オーナーはもちろん、レクサスファンならぜひとも手にしたい1000台限定生産モデルだ。

 

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● Samurai 1/18スケール Lexus GS F 1万5000円(税別)

 

 

レクサスのそのほかのモデルもミニカーでラインナップ!

「Samurai」シリーズでは、上で紹介したGS Fに加え、IS350 F SPORTやRX200t F SPORTといったモデルも用意されている。

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京商

● Samurai 1/18スケール Lexus IS350 F SPORT 1万5000円(税別)

 

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京商

● Samurai 1/18スケール Lexus RX200t F SPORT 1万5000円(税別)

 

また京商では、レクサスのさまざまなモデルを「Samurai」以外のミニカーシリーズでもラインナップ。中でも1/43スケールのダイキャストミニカーは、手頃な価格設定と多彩な車種&カラー展開が魅力で、大人のコレクションアイテムとしてもピッタリだ。

京商

●KYOSHO ORIGINAL 1/43スケールダイキャストモデル 各5800円(税別)

 

 

 

★お問い合わせ

京商株式会社

〒243-0034 神奈川県厚木市船子153

お客様相談室 046-229-4115

月曜〜金曜(祝祭日を除く)13時〜19時

http://dc.kyosho.com/ja/

 

 

 

アストンマーティンでは世界最大級の販売拠点が東京にオープン!

アストンマーティンは、世界最大級のブランドセンター「アストンマーティン東京」を、11月1日に東京・青山にオープンしたことを発表した。

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同社初のグローバルブランドセンターとして誕生したアストンマーティン東京は3階建て。敷地面積は1000平方メートルにおよぶ。ここには8台の車両を展示するショールームだけでなく、「アストンマーティン青山ハウス」(11月21日オープン)を併設し、ヘリテージモデルの展示やブランドに関連するアートやエンターテイメント、各ショップを備え、アストンマーティンの世界観が表現されている。

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開所式では、アストンマーティン英国本社からアンディ・パーマーCEOが駆けつけるとともに、このブランドセンターを運営するスカイグループの笠井成人社長が出席。カスタマーにとって最高のサービスだけでなく、最高の製品、そして最高の贅沢な経験を提供する方針を発表した。

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ザ・ハウス・オブ・アストンマーティン

所在地:東京都港区北青山1-2-3

電話:03-5410-0070

 

 

SUVのレジェンド、ジープ・ラングラーの新型が間もなくデビュー!

FCAグループは10月31日、ジープの本格クロスカントリーSUVである「ジープ・ラングラー」をフルモデルチェンジし、11月29日に開幕するロサンゼルス・ショーで初公開すると発表。ワールドプレミアに先駆けて、3枚の写真とティザー動画を公開した。

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公開された写真は4ドアの「アンリミテッド」と2ドア仕様の高性能版「ルビコン」。ジープブランドのアイコンである7スロットグリルや円形ヘッドライトといったディテール、そしてラングラーならではの無骨なフォルムは継承されながらも、洗練性を感じさせる最新世代モデルにふさわしいアピアランスを備えている。

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ジープ・ラングラーは1987年に初代(YJ)が誕生。1996年に2代目(TJ)、そして2007年に現行の3代目(JK)と生まれ変わってきた。まもなくデビューする新型は、10年ぶりの全面改良となる4代目ということになる。

 

 

 

XXプログラムの最新版、フェラーリFXX-K Evoが公開!

フェラーリは10月29日、同社が毎年開催するレースシーズンの最後を飾る恒例のイベント「フィナーリ・モンディアーリ」において、サーキット専用車であるXXプログラム車両の最新モデルとなる「フェラーリFXX-K Evo」を発表した。

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フェラーリのXXプログラムとは、フェラーリでレースを行うための部門「コルセ・クリエンティ」によるサーキット専用車の開発プログラム。フェラーリのカスタマーがサーキットをドライブすることで得るデータを将来の市販車開発に活用するのが主目的で、これまでにFXXや599XX、FXX-Kといったモデルが発表されてきた。

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FXX-K EvoにはFXXおよび599XXのEvo仕様と同様に、フォーミュラ1をはじめ、GT3、GTE、そしてワンメイク選手権専用のChallengeなど、フェラーリがさまざまなサーキットレースで培ってきた革新的なコンセプトが惜しみなく注がれている。フェラーリのフォーミュラ 1での経験をベースとした革新的なカーボンファイバーコンポーネントの製造技術を導入することで、固定式リアウイングをはじめとした新デバイスを装備したにもかかわらず、現行FXX-Kよりもさらなる軽量化に成功している。

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ダウンフォース係数は従来比で23%向上。これは、ベースとなるロードゴーイングカー比で75%増に匹敵するもの。速度200km/hで発生するダウンフォースは 640kg、最高速度域では830kgを超えるに至っている。ダウンフォースの向上は、リアに装備したツインプロファイル(2枚翼)の固定ウイングが大きく貢献。この新デバイスは、アクティブ・リアスポイラーとシームレスに効果を発揮するよう開発されている。

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一方、リアバンパーのデザインも、新しい気流構造に合わせて改良された。リア・ホイールアーチ後方のバイパス・エアベントは拡大され、ホイールからの後流を確実に引き抜くことで、このエリアの乱流を効果的に処理する。さらに、パフォーマンスの向上に伴い、FXX-K Evo には新型フロントブレーキ・エアインテークが装備された。ただし、ドラッグの増加を避けるため、開口部の幅を広げることなく効率的になるよう吸気系全体の見直しが図られている。

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パワートレインは、6.2リッターV12エンジンとモーターを組み合わせるHY-KERSシステムで、システムトータルで1050ps/900Nmを発揮する。

 

5000kmにおよぶ開発テスト、そして1万5000kmの信頼性テストを経て、FXX-K Evoは2018/2019シーズンのXXプログラムでの主力となる。このシーズンは、3月から10月までの間に、サーキット走行が9回予定されている。

 

 

 

ランボルギーニ日本上陸50周年記念「Lamborghini Day 2017」を東京で開催

日本に初めて「ランボルギーニ400GT」が輸入されてから50周年を迎えたメモリアルイヤーイベント、「Lamborghini Day 2017」が去る10月20日(金)に東京・港区芝公園の東京プリンスホテルを会場に開催された。

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本イベントにはアウトモビリ・ランボルギーニCEOのステファノ・ドメニカリやジョルジョ・スタラーチェ駐日イタリア大使が出席。秋フランクフルトモーターショーでワールドプレミアとなった、Aventador S Roadster(アヴェンタドールSロードスター)がアジアデビューを飾った。しかも、同会場でサプライズ披露されたのは、日本向の限定車「Aventador S Roadster 50th Anniversary Japan」である。

 

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これは日本文化の五大元素(水・地・火・風・空)にそれぞれ着想を得た色や仕上げが施され、ワンオフで5台限定生産されたスペシャルモデル(税抜6800万円/5台とも完売)である。今回の東京で初披露された「水」モデルは、10人のアドペルソナムのスペシャリストが170時間かけて実現した青が黒に変化していく塗装が施され、フロントガラスのフレームには剝き出しのカーボンファイバーが使用されている。

内装にはNero Adeの黒レザーとNero Cosmusの黒アルカンターラを使用。漢字の「竹」をイメージさせるシートとハードトップの刺繍が特徴的で、ステッチの色は外装に合わせ、6人のアドペルソナムのスペシャリストが100時間かけて陰影とグラデーションを再現。ボディと同じカラーとグラデのスタート&ストップボタンのカバー、モデル名の由来である五大元素の漢字が描かれたリアのヒートシールド中央のカーボンファイバー製六角形プレート、そしてドライバー席側のフロントピラーの下には「Opera Unica(ワンオフ)」のプレートが取り付けられる。

 

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さらに、クラシックカーとは別に、パーティーへは100台以上のランボルギーニが イベントへ集まり、その中からアヴェンタドールやウラカン、ガヤルドなど70台を超えるランボルギーニが東京の中心部である東京タワー・銀座・桜田門周辺のパレードランに参加し、イベントに華を添えた。

 

 

 

「R」の技術を投入したメルセデスAMG GT Cが発売

557psのV8ツインターボ搭載

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メルセデス・ベンツ日本は、メルセデスAMG GTシリーズに新たなモデルとなる「メルセデスAMG GT C」を設定し、10月25日より予約注文受付を開始した。価格は2219万円で、2018年上半期より順次デリバリーが始まる。

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1027_Mercedes-AMG-GT-C_01AMG GT Cは従来のGT SとGT Rの間を埋めるもので、GT Rの技術を取り入れたエクスクルーシブなモデル。搭載エンジンは他のGTと同様M178の4リッターV8ツインターボで、557ps/680Nmのアウトプットを引き出す。AMGスピードシフトDCTによって後輪を駆動し、0-100km/h加速を3.7秒でこなす性能が与えられた。

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ルックスの面では、GT Rと同様に15本の垂直フィンで構成するAMGパナメリカーナグリルの採用が目を引く。また、スタンダードモデルのAMG GT比で57mm拡大されたリアトレッドにより、トラクション性能が向上。より高いコーナリング速度が可能となっている。また、随所にあしらわれるクロームパーツはGT Cならではのアピアランスを作り出している。

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GT Rと同様にAMGリア・アクスルステアリングが標準装備されている点も、このモデルの特色である。

 

今回、このGT Cの発表を機に、AMG設立50周年を記念した限定車「メルセデスAMG GT Cエディション50」が12台販売されることも発表された。こちらも標準モデルのGT Cと同時に予約受注がスタートしている。価格は2290万円。外装色はデジーノ・カシミアホワイトマグノまたはデジーノ・グラファイトグレーマグノが用意され、内装色はシルバーパール/ブラック。ブラックアクセントの入る専用デザインのヘッドライトや、専用のバッジ&AMGパフォーマンスステアリング、ブラッククロームペイントのクロススポーク鍛造アルミホイール(フロント19インチ/リヤ20インチ)といった特別アイテムが装備される。

新しいBMW M5は乗用車系Mモデル初の4WDに!

ビー・エム・ダブリューは10月24日、新型5シリーズ・セダンのトップパフォーマンスモデル「BMW M5」の受注を開始した。税込車両本体価格は1703万円で、2018年4月以降に順次デリバリーを開始する。

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6代目を数える新型M5は、Mモデルのセダンで初めてM専用4輪駆動システム「M xDrive」を搭載。約30年にわたる歴史のなかで守り続けてきたサーキットトラックで発揮される高水準の運動性能へのこだわりはそのままに、さまざまな路面状況で最大限のトラクション性能をサポートすることが可能となった。2WDモードも設定され、ユーザーは任意に選択することができる。

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エンジンは新開発のターボチャージャーを採用することによって、600ps/750Nmを引き出す4.4リッターV8ターボ。8速Mステップトロニック・トランスミッションと組み合わされ、0-100km/h加速を3.4秒でこなす加速性能を実現した。エンジン特性は、基本設定に加え、スポーツやスポーツ・プラスのモードが設定され、レスポンスを段階的に早めることが可能だ。

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存在感のあるフロントのエアインテークが特徴的なエクステリアは、現行型5 シリーズの一員でありながら独特のアピアランスを持つ。ボディ前後に貼られたM5バッジはもちろんのこと、CFRP(カーボンファイバー強化ブラスチック)製のルーフや、アルミニウム製エンジンフードなど、軽量化と高剛性化を両立させたディテールが高性能モデルらしい。リアディフューザーのデザインも従来型から刷新されている。

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新型M5は部分自動運転を可能とした運転支援システムの採用もニュースだ。ドライビング・アシスト・プラスを呼ぶこのシステムは、「ステアリング&レーン・コントロール・アシスト」や「アクティブ・サイド・コリジョン・プロテクション」、「後車追突警告」など、先進の安全運転サポート機能が盛り込まれている。

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ビー・エム・ダブリューでは、新型M5の発売を記念して、限定車「BMW M5ファースト・エディション」を発表。10月24日より、5台限定で販売。税込車両本体価格は1864万円だ。この限定車は、マット仕上げが施されたフローズン・ダーク・レッド・メタリックのボディカラーを採用しているほか、キドニー・グリルなどがハイグロス・シャドウにペイントされる。内装はレッドステッチを施すスモーク・ホワイトのフル・レザー・シートが特徴。Mスポーツ・エグゾースト・システムの標準搭載もこの限定車ならではの特色となっている。

【中年スーパーカー図鑑】40年ぶりに日本の納屋で発見され2億円超で落札! 今なお根強い人気を誇る「デイトナ」

今年の9月になって、1台のスーパーカーの車名が自動車界およびマスコミ界を賑わわせた。フェラーリが1968年に発表した365GTB/4だ。このクルマのプロトタイプスポーツで、レース参戦用にアルミ合金製ボディを纏ったモデルが5台製作されたのだが、このうちの1台は公道走行が可能だった。長年、希少なアルミボディのロードバージョンはその行方が不明だったが、何と日本の納屋で眠っていたことが発覚。これがサザビーズのオークションに掛けられ、180万7000ユーロ(約2億3000万円)で落札されたのである。今回はいまなお高い人気を誇り、折に触れて話題を提供する“デイトナ”こと365GTB/4で一席。

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【Vol.6 フェラーリ365GTB/4】

1968年開催のパリ・サロンにおいて、フェラーリは新世代のスーパースポーツを発表する。それまでの275GTB/4の実質的な後継を担う「365GTB/4」が雛壇に上がったのだ。車名は従来のフェラーリ車の慣例に則り、365が12気筒エンジンの単室容量(cc)、GTがグランツーリスモ、Bがベルリネッタ(クーペ)、4がカムシャフト本数(V12の片側バンクに2本ずつ、計4本でDOHCヘッドを構成)を意味していた。

 

365GTB/4の基本骨格は、楕円チューブをメインとした鋼管スペースフレームに、カロッツェリア・ピニンファリーナのレオナルド・フィオラヴァンティがデザイン、スカリエッティが製作したスチールと一部アルミによるボディを組み合わせる。ホイールベースは275GTB/4と同寸の2400mmに設定。懸架機構は前後ともにダブルウィッシュボーン/コイル+スタビライザーで構成する。制動機構にはボナルディ製サーボの4輪ベンチレーテッドディスクブレーキを組み込み、タイヤ&ホイールには200×15G70または215/70VR15+センターロック軽合金製ホイールを装着した。

 

■究極のフェラーリ製FRベルリネッタの登場

FRらしいロングノーズに短めのテールセクション。4灯式のヘッドランプが特徴的だったFRらしいロングノーズに短めのテールセクション。4灯式のヘッドランプが特徴的だった

 

フロントに搭載するエンジンはボア×ストロークを81.0×71.0mmとした4390cc・V型12気筒DOHCユニットで、燃料供給装置にはウェバー40DCN20キャブレターを6連装。圧縮比は8.8:1に設定し、352hp/7500rpmの最高出力と44.0kg・m/5500rpmの最大トルクを発生した。オイル供給の安定化を狙って、潤滑方式にはドライサンプを採用する。組み合わせるトランスミッションには、フルシンクロの5速MTをセット。前部のエンジン/クラッチと後部のギアボックス/ファイナルは太いトルクチューブで結ばれ、シングルユニットとして4カ所でマウントする、いわゆるトランスアクスルに仕立てる。公表された性能は最高速度が280km/h、0→1000m加速が24秒と、超一級のパフォーマンスを誇った。

 

エクステリアに関しては、FRレイアウトらしいロングノーズに流れるようなルーフライン、短めのテールセクションで基本プロポーションを構成。4灯式のヘッドランプは初期型がアクリル樹脂のプレクシグラスで覆った固定タイプで、1970年より米国の安全基準に合致したリトラクタブル式に順次切り替わった。ボディサイズは全長4425×全幅1760×全高1245mm、トレッド前1440×後1425mmと、従来の275GTB/4よりひと回り大きくなる。車重も同車より重い1280kgとなった。2座レイアウトのインテリアについては、大小のVEGLIA製メーターをすべてナセル内にまとめたシンプルかつスポーティなインパネに、ゲートできちっと仕切った変速レバー基部、3本スポークのステアリングホイール、ハンモック構造で良好な座り心地を実現したバケットシートなどを装備。トランスアクスルを採用する割にはセンタートンネルが幅広かったことも、365GTB/4の特徴だった。

ハンモック構造のバケットシートは座り心地良好だったハンモック構造のバケットシートは座り心地良好だった

 

1969年開催のフランクフルト・ショーでは、365GTB/4のスパイダーボディ(365GTS/4)が発表される。ソフトトップが収まるトランクリッド部を改良し、Aピラーやコクピット周囲を補強したスパイダーは、とくにアメリカ市場で高い人気を獲得した。また、同年開催のパリ・サロンではカロッツェリア・ピニンファリーナが新しい365GTB/4のスタイルを提案する。ボディと別色のAピラーおよびルーフにロールバー風のステンレスの飾り帯を組み合わせ、ファスナーで開閉できるビニール製リアウィンドウを備えた365GTB/4クーペ・スペチアーレ(Coupe Speciale)だ。スーパースポーツのエクステリアに新たな方向性を示した力作は、残念ながら市販化には至らなかったものの、プロトタイプに続いてカロッツェリア・ピニンファリーナ自らがボディをたたき出した稀有な365GTB/4として、今なおファンが語り継ぐスペシャルモデルに昇華している。

 

■レースでも輝かしい戦績を残す

公表された最高速度は280km/h、0→1000m加速が24秒。超一級のパフォーマンスを誇った公表された最高速度は280km/h、0→1000m加速が24秒。超一級のパフォーマンスを誇った

 

レース部門と市販車部門が並列していた時代のフェラーリが開発した最後の12気筒グランツーリスモである365GTB/4“デイトナ”。1968年から1973年にかけての生産台数は、ベルリネッタとスパイダー合わせて1406台だった。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

東京モーターショー2017|プジョーとDS、シトロエンのフレンチ3ブランドはニューモデルを披露

プジョーは308がジャパンプレミアとして発表(と同時に発売開始)されたほか、ヨーロッパ各国で2017カーオブザイヤーを獲得した5008や3008といったミニバン、SUVモデルを中心に展示。

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プジョー308
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308GTiには270psの出力を誇る1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを用意。そのほかにも1.2リッター直列3気筒ガソリンエンジンや1.6リッターと2リッターをラインナップする4気筒クリーンディーゼルなど豊富なバリエーションが揃う。

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2014年に創設されたDSオートモビルズからはDS 7 クロスバックが東京モーターショーで日本向けにアンヴェール。さらにラグジュアリーブランドらしくDSオーナーに対してのホスピタリティサービスである「DS ONLY YOU」も日本国内への導入もアナウンスされた。

 

DS 7 クロスバック
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カメラセンサーで自車の5~20m前方の路面状況をスキャンし、その情報を元にダンパーを4輪それぞれに電子制御する「DS ACTIVE SCAN SUSPENSION」を搭載。

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一方、新たなブランドシグネチャー「INSPIRED BY YOU」を掲げたシトロエンは、西展示棟アトリウム会場で個性的なデザインと快適性を兼ね備えたCITROEN GRAND C4 PICASSOとC3を披露。

 

シトロエンC3
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オンボードカメラが搭載され風景などを写真やムービーとして撮影し、スマートフォンを介してシェアできるシトロエン・コネクテッドカムを搭載。自動車としては世界初の装備となっている。

 

(レポート:山中知之)

簡単にわかるブリヂストン「BLIZZAK VRX2 」解説! スタッドレスの王者、最新作の出来は?

タイヤの世界では早くもスタッドレスのシーズンに突入です。今回は、装着率が16年連続ナンバーワン(札幌市、旭川市、青森市、盛岡市、秋田市の5都市において。期間は2017年1〜2月)のブリヂストン「ブリザック」の最新作をレポートします。

 

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ブリヂストン

BLIZZAK VRX2

9018円〜9万504円

SPEC●タイヤサイズ:135/80R12 68Q〜245/40R20 95Qの109サイズ

 

「非対称サイド形状」で安心の走りを実現

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ふらつきを軽減し、高い直進安定性と応答性を発揮。氷雪路だけでなくドライ路面にも強さを発揮します。

 

「アクティブ発泡ゴム2」を生かす「非対称パタン」

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ブロック剛性の向上やラグ溝の増加などにより接地性を高めました。力強くグリップします。

独自の発泡ゴムやパターンの進化により接地性を向上

クルマの先進安全技術の普及が進んでいるのは非常に喜ばしいこと。ただし、最終的にクルマの走りを左右するのはタイヤであることには違いありません。特に、冬道ではタイヤへの依存度が高くなることはいうまでもありません。

 

そんななか、1988年の誕生以来、氷上に強いスタッドレスタイヤの第一人者BLIZZAKが、さらなるスペックアップを遂げました。最新モデルでは、同社史上最高の性能を実現しているといいます。

114_06_実画↑氷上のトラクションが増し旋回速度が10%強も向上。旋回中も横に逃げず前へ前へと進んでいきます。車速を高めたときのコントロール性も高くなっています。(写真は非発泡ゴムタイヤ)

 

 

氷上でのダントツの制御性と、それを発揮し続けるために、こだわったのは“接地”。氷上で滑る原因である水膜を、最新版の発泡ゴムがより効果的に除水。タイヤパターンの進化により、グリップ力の向上を図っています。

114_05_実画↑氷上ブレーキは10%短縮され、スラロームでの印象も別物。ブレーキの踏み始めから減速感があります。剛性向上により操舵に対する応答遅れも小さくなっています。

 

これにより、もともと競合製品をリードしていた氷上性能が、さらなる高みへと達しています。この性能は運転して即座に体感できるほど明らかで、新旧の差は決して小さくありません。これからの季節に頼もしい逸品です。

 

 

【車種別インプレ】

輸入車:高性能4WD車の潜在能力を引き出す

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運動性能の高いクルマとの相性もバッチリです。コントロール性に優れ、スポーティな走りを楽しめます。

 

ミニバン:ふらつきを抑えた快適で安定した走り

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重心の高いミニバンでもコーナリング時に腰砕けになることがないです。不安なくドライブできます。

 

軽自動車:圧雪とは思えない意のままの走り

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軽いクルマでは雪上グリップや剛性に余裕があります。舗装路を夏タイヤで走るのと近い感覚で走れます。

 

東京モーターショー2017|FCVやEVスポーツ、AI搭載のコンセプトなど、次世代の交通環境を見据えるトヨタ

トヨタは、燃料電池バスの「SORA」をはじめ、FCVの美点を最大限に引き出した「Fine-Comfort Ride」、LPGハイブリッドの「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」といった、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた公共交通機関および乗用車のありかたを提案。さらには、人工知能を搭載して新たな交通手段のツールとなる「Concept-愛i」シリーズなど、次世代の交通環境の核となる技術をイメージできる提案を行った。

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SORA
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2018年から市販が予定されているトヨタのFCバスの「SORA」。モーター駆動による変速ショックのないスムースな加速や、バス停へ自動で近接する機能、全方位の安全確認システムなどを搭載。車イスやベビーカーの搭乗を意識した室内デザインや、外部への電力供給システムなども備える。環境都市に向けた、乗りに行きたくなるバスが登場する。

 

JPN TAXI/Fine-Comfort Ride

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Concept-愛i

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人工知能を搭載し、乗員とより密接なコミュニケーションを図るConcept-愛iシリーズだ。ドライバーを中心に、個性やクセなどを学習し、体調などを含めた情報を察知し、さまざまな提案を行ってくれるもの。クルマ側がドライバーを見守り、必要な時は運転支援や自動運転などにシフトしてサポートする。ドライバーの感情や嗜好に合わせて会話を誘導するなど、新たなツールとなる。2020年頃には、機能の一部を公道実証実験される見込みだ。

 

もちろん走りの楽しさを目指すべく、次世代スポーツモデルをマットブラックのボディで具現化した「GR HV SPORTS concept」をワールドプレミア披露。一方で、20年ぶりのモデルチェンジが予定されている最上級ショーファーモデルの「センチュリー」や、コネクティッド技術を投入してIoT社会に対応する「新型クラウン」のコンセプトモデルなど、近未来に市場に投入されるモデルを公開している。

 

GR HV SPORTS concept

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EVでスポーツモデルに挑んだコンセプトカー。トヨタはWECにハイブリッドレーシングマシンの「TS050 HYBRID」で挑んでいるが、その技術を市販化に結びつけている。バッテリーの搭載位置の最適化や、マニュアルシフト化でタイムラグを感じさせないなど、実際にテスト走行を重ねてフィーリングの熟成なども行っているとか。GR86と共通のパーツを使うなど、GRブランドの牽引役を担う可能性もありそうだ。

 

センチュリー
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20年ぶりのモデルチェンジが確定している「センチュリー」は、日本の最先端技術を結集させたショーファーモデル。スムースで快適な居住空間を実現させるために、より繊細なコントロールが可能となる動力特性に仕上げられている。一方で、最先端の安全技術を余すところなく搭載。快適で安全なモデルに仕上げられている。後席の居住性には最大限の配慮が施され、フラットで乗降性のいいフロア形状とし、吸音材や遮音性の高いガラスを採用してトップクラスの静粛性を実現。シートは、ソファと同様のスプリングを採用したクッションを採り入れている。

 

クラウン・コンセプト

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「CROWN Concept」は、「走行性能の追求」と「コネクティッド技術の進化」を追求したモデルだ。嘗めるように走り、目線のぶれないフラットな乗り心地、そして意のままに操れる運動性能を実現。信号の情報やクルマ同士とつながる「ITS Connect」や、ETCゲートからETCゲートまでを自動運転する機能なども搭載。コネクティッドカーならではのリモート技術を活かし、モビリティサービスの進化も提供していくという。市販化は2018年の夏頃の予定。

 

(レポート:田草川弘之)

東京モーターショー2017|BMWは「ストーリー・オブ・ラグジュアリー」でグローバル市場でのさらなる成長を狙う!

2017年も第四4半期を迎え、BMWグループの全世界における販売台数は180万台を越えて+3.7%の上昇を達成、BMWブランドの日本国内での成長率は+3.2%と年々伸びている。プレスカンファレンスに登壇したビー・エム・ダブリュー株式会社のペーター・クロンシュナーブル代表取締役社長は、数多くの重要で魅力的なニューモデルを導入してラインナップを拡充し続けてきたことが好調の理由とコメント。続けて、アジア・プレミアとして次世代BMWラインナップを担う5モデルを披露した。

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コンセプト8シリーズ
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Z8やi8といったラグジュアリーかつエモーショナルでスポーティなクルマにだけ与えられる「8」を冠した、8シリーズ・クーペを示唆したコンセプトモデル。新デザインのキドニーグリルや低くワイドなカーボン製シェルをはじめ、情報伝達能力を追求して円形のアナログメーターをリデザインしたメーターディスプレイなどすべてが未来的。

 

まずアンベールされたのが、サーキットでの厳密なテストを繰り返し公道用に改良を重ねることで、これまでにないラグジュアリーな装いながら、レーシング・マシンと同等のパフォーマンスを発揮するというコンセプト 8 シリーズ。そして、あらゆる点において未来的で新しいBMWを予感させる、流麗でエモーショナルなデザインを纏ったオープン2シーター・スポーツカーのコンセプト Z4だ。

 

コンセプトZ4

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ロー&ワイドを強調したスタイリングやミニマムな操作系でドライビングに集中できる環境が構築されたコックピットが独創的。ドライビングの歓びを満喫する運転席と優雅な走りを楽しむナビシートは異なるカラーだ。解放感を追求しサイドウインドーがないのがコンセプト・モデルらしい。

 

そして、0→100㎞/h加速3.4秒を実現したという最新世代Mモデルの新型M5。新しいラインナップとしては、5シリーズ・グランツーリスモの後継にあたる、6シリーズ・グランツーリスモとフルモデルチェンジを経て3代目にシフトしたSAVモデルのX3など。いずれも「駈けぬける歓び」がコアバリューに据えられておりブランドのさらなる躍進の原動力になるに違いない。

 

M5
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4.4リッターV型8気筒ツインターボエンジン(最高出力600ps/最大トルク750Nm)に、新型8速Mステップトロニック・トランスミッションとフルタイム4WDのM xDriveを組み合わせることで0→100km/h加速3.4秒を実現。ルーフをCFRP製にエンジンフードをアルミ製とするなど軽量化も徹底。

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(レポート:太田 輝)

東京モーターショー2017|メルセデスの未来図はEVとAIを融合させた「EQ」を2022年までに10モデル投入

2017年度におけるこれまでの販売台数は前年同期より12%アップし、9月には単月販売台数として55ヶ月連続で過去最高を記録しているメルセデス・ベンツ。日本では2013年から4年連続で過去最高を更新し続けているという。そうした優位な立場を将来にわたり維持するためにダイムラー社が立てた戦略が「CASE」だ。「コネクト」「自動運転」「シェア&サービス」「電気自動車」の4つの技術を組み合わせ持続可能なモビリティを提供していくのが狙いである。その一環として立ち上げられたのが「Electric Intelligence」という意味も込められた電気自動車専門となるEQというブランド。

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コンセプト EQA
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コンパクト・クラスのパワフルなEV。前後アクスル間のフロア下にマウントされた高効率リチウムイオンバッテリーは拡張が可能だ。駆動システムにはふたつの電気モーターを使用し、バッテリーを拡張すればシステム出力は200kW以上まで高められる。電気モーターを前後アクスルそれぞれに搭載した4輪駆動で、0→100㎞/h加速は約5秒、前後トルクを可変配分して航続距離は約400㎞だ。

 

AMG プロジェクト・ワン
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アジア・プレミアとなるAMG プロジェクト・ワンは2シーターのスーパースポーツ・モデル。最新のフォーミュラー1ハイブリッドテクノロジーをほぼそのまま採り入れたというスペックは、最高出力1000ps以上、最高速度350㎞/hというモンスターぶりだ。パワートレインはターボエンジン1基と電気モーター4基で構成されており、電気モーターはひとつがターボチャージャーに組み込まれ、もうひとつはエンジンに内蔵、残りのふたつが前輪を駆動する。

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すでに着実に進められている電化のアプローチには、すべてのセグメントに電気自動車をラインナップすることも含まれており、また2022年までに10モデル以上の電気自動車を発売する予定だ。電気自動車には一般的なBEV(バッテリーEV)だけでなく燃料補給が短時間で可能なうえ連続航続距離が長い燃料電池車も織り込まれている。今回のショーでは燃料電池車としてGLC F-CELLが、BEVとしてコンセプト EQAがアジア・プレミアとなった。

 

GLC F-CELL
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GLC F-CELLは最高出力200ps、最大トルク350Nmの電気モーターにより走行する燃料電池車。特筆すべきは容量4.4㎏の水素タンクのほかに総容量13.8kWhのリチウムイオンバッテリーも搭載されておりハイブリッド/燃料電池/バッテリー/チャージの4つのモードを自由に選択して走ることができる点にある。連続航続距離は437㎞となり、これにリチウムイオン電池のみで走行するEV航続距離49㎞が加わる。

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(レポート:太田 輝)

【東京モータショー2017】現在のポルシェを象徴するカイエンの3代目がアジアプレミア。最強のスポーツツーリスモも登場!

いまや、日本における911を筆頭とする2ドアモデルの販売比率は4割程度というポルシェ。世界的に見れば英国と並び健闘している方だというが、もはやビジネス面の主力はカイエンやマカンなどの4ドアモデルに移行している。

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そんな事情と、最新モデルであることを反映して今回のポルシェブースで主役を張っていたのは3代目カイエン、そしてパナメーラ・ターボS Eハイブリッド・スポーツツーリスモだった。

 

 

カイエン

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東京モーターショーがアジアプレミアとなった新型カイエン。マカンに続き、タイヤは前後で異なるサイズが標準となった。発売は2018年半ばというが価格はすでに発表済み(9,760,000~18,550,000円)

 

 

パナメーラ スポーツツーリスモ

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パナメーラ同様、フラッグシップモデルとしてスポーツツーリスモにターボS E-ハイブリッドが追加。こちらはジャパンプレミアで、価格は29,073,000円と発表されている。

 

プレスカンファレンス翌日のメインステージ上にはスポーツツーリスモに並んでパナメーラのPHVモデルが追加。もちろん、マニアがポルシェの「本業」と考えるスポーツモデルも展示されていたが、リニューアルされた911GT3が裏手にひっそりと展示されていたあたりにポルシェの現在(いま)を感じずにいられない。

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【東京モータショー2017】現在のポルシェを象徴するカイエンの3代目がアジアプレミア。最強のスポーツツーリスモも登場!

いまや、日本における911を筆頭とする2ドアモデルの販売比率は4割程度というポルシェ。世界的に見れば英国と並び健闘している方だというが、もはやビジネス面の主力はカイエンやマカンなどの4ドアモデルに移行している。

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そんな事情と、最新モデルであることを反映して今回のポルシェブースで主役を張っていたのは3代目カイエン、そしてパナメーラ・ターボS Eハイブリッド・スポーツツーリスモだった。

 

 

カイエン

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東京モーターショーがアジアプレミアとなった新型カイエン。マカンに続き、タイヤは前後で異なるサイズが標準となった。発売は2018年半ばというが価格はすでに発表済み(9,760,000~18,550,000円)

 

 

パナメーラ スポーツツーリスモ

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パナメーラ同様、フラッグシップモデルとしてスポーツツーリスモにターボS E-ハイブリッドが追加。こちらはジャパンプレミアで、価格は29,073,000円と発表されている。

 

プレスカンファレンス翌日のメインステージ上にはスポーツツーリスモに並んでパナメーラのPHVモデルが追加。もちろん、マニアがポルシェの「本業」と考えるスポーツモデルも展示されていたが、リニューアルされた911GT3が裏手にひっそりと展示されていたあたりにポルシェの現在(いま)を感じずにいられない。

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【東京モータショー2017】スバルの新世代スポーツセダン「SUBARU VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」を世界初公開!

世界初公開された「SUBARU VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」は、次世代スポーツセダンのデザインスタディモデル。低く構えたクーペルックのフォルムが目を惹くだけでなく、進化型アイサイトやレーダー、高精度GPSなどによる高度運転支援技術も示している。

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VIZIV PERFORMANCE CONCEPT

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SUBARUの走りを示す意匠は、「DYNAMIC×SOLID」というデザイン哲学に基づくもので、バンパーやフェンダー、ルーフなどの随所にカーボン素材を使用。次世代型アイサイトをはじめ、レーダーや高精細地図などにより究極の安全として事故ゼロを目指す技術の搭載も示している。

 

プレスカンファレンスで吉永泰之社長は、アイサイトの開発において地球何周分もしてきたことから生まれたという「安心・安全」、そして「走る愉しさ」を強調。SUBARU車オーナーは、その魅力をとことん使い倒す方が多いそうで、キャンプなどのアウトドアやスキーなどのアクティビティなどで愛用されているという。さらに、アメリカでは、98%の人が10年以上同じSUBARU車を乗り続けているという例を提示。こうしたファンの声に応えるべく「安心・安全」、「走る愉しさ」をさらに磨く姿勢を示していた。

 

IMPREZA FUTURE SPORT CONCEPT

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「STI」とは違う世界観を目指したという「SUBARU IMPREZA FUTURE SPORT CONCEPT」。最新のスポーツギアをまとったオシャレなランナーのイメージが反映されているという。なお、市販限定車の「WRX STI S208」と同じデザイナーが外観のデザインを担当している。

 

そのほかのコンセプトカーでは、インプレッサスポーツをベースに、STIとは違ったスポーティテイストを表現し、都会的な雰囲気も漂う「IMPREZA FUTURE SPORT CONCEPT」、XVに専用オフロードタイヤやホイールアーチにタフな印象をもたらすクラッディングが施された「XV FUN ADVENTURE CONCEPT」を披露している。

 

XV FUN ADVENTURE CONCEPT

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都会にも映えるスタイリッシュなフォルムと、高い悪路走破性を備えたXVをさらに強調したコンセプトカー。冒険心や遊び心を表現するため、ルーフにテントを積載した。内装はデニム調のファブリックシートによりラギッド感を演出している。

 

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【東京モーターショー2017】「すぐそこにある」最新が揃う堅実さは、まさにフォルクスワーゲンならでは!

出展車両の9台中、実に8台がジャパンプレミアとなるフォルクスワーゲンだが、そのラインナップは実に堅実。売っていない、あるいは売る予定のないクルマは1台も存在せず、唯一近未来的なのはVR(仮想現実)、あるいはAR(拡張現実)を駆使したインタラクティブな展示コーナーぐらいのもの。

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ブースの主役は往年の名車、「タイプ2」のオマージュ的キャラクターのI.D BUZZだが、このコンセプトカーも2022年の市販化がアナウンスされている。

 

 

I.D BUZZ

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20171101_hayashi_LV_04↑2022年の市販化が決定しているフルEVのミニバンで、航続距離は600㎞以上という実用性の高さが魅力。発売時期から察せられる通り、運転支援システムも完全自動運転レベルになるとか。その外観は往年のミニバス「タイプ2」を彷彿とさせる仕上がり

 

すでに商品化されている展示モデルにも見どころは多い。今回の準主役は最近日本でも発売されたアルテオンだが、要注目株はやはり新型ポロと走り好きにはたまらないup! GTIだろう。いずれも2018年にはリリースされる予定だ。

 

 

ポロ

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20171101_hayashi_LV_06↑欧州Bセグメントのベンチマークとして君臨してきたポロの最新バージョン。ゴルフと同じく、MQBと名付けられたフォルクスワーゲン入魂の基本骨格を採用。ボディは先代より大きくなったが車重は逆に軽くなった

 

 

アルテオン

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20171101_hayashi_LV_08↑かつてはパサートCC、後に単にCCと名乗った4ドアクーペの実質的な後継モデル。外観はクーペテイストながら、ワゴンに匹敵する使い勝手を実現している点も魅力のひとつで運転支援システムも充実。日本には280㎰を発揮する2ℓターボ+4WD仕様が導入。価格は5,490,000~5,990,000円

 

 

up! GTI

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20171101_hayashi_LV_10↑フォルクスワーゲンではルポGTI以来となるスモールクラスのスポーツモデル。115㎰と200Nmを発揮する1ℓ3気筒ターボに6速MTを組み合わせ最高速は197㎞/hをマーク。その車重は本国仕様で1トンを切る997㎏

 

 

パサート・ヴァリアントTDI

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‘18年初頭の導入が決定したパサートのディーゼルモデル。搭載するのは2ℓターボで、日本仕様はEGR、尿素SCR、DPFを標準で装備するという。そのキャラクターを思えば、待望の正式導入といえるだろう。↑‘18年初頭の導入が決定したパサートのディーゼルモデル。搭載するのは2ℓターボで、日本仕様はEGR、尿素SCR、DPFを標準で装備するという。そのキャラクターを思えば、待望の正式導入といえるだろう

 

 

eゴルフ

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日本でもすでに受注開始となっているゴルフ初のフルEV。200Vの普通充電とチャデモの急速充電に対応。35.8kWhの総電力量を持つリチウムイオン電池を搭載し、最大の航続距離は301㎞という。モーターの出力とトルクはそれぞれ136㎰と290Nm。価格は4,990,000円。↑日本でもすでに受注開始となっているゴルフ初のフルEV。200Vの普通充電とチャデモの急速充電に対応。35.8kWhの総電力量を持つリチウムイオン電池を搭載し、最大の航続距離は301㎞という。モーターの出力とトルクはそれぞれ136㎰と290Nm。価格は4,990,000円

 

 

 

【今週末まで!】ビッグサイトまで会いに行きたい! 東京モーターショー2017を彩るコンパニオンギャラリー【後編】

自動車業界最大の展示イベント「東京モーターショー2017」が10月28日より一般公開され、11月5日まで開催中(東京ビッグサイト)。ワールドプレミアやジャパンプレミアといった車両が展示され、ややバブルの香りを残すイベントだけに、各ブースを彩るコンパニオンもじつに華やかだ。前編では、自動車メーカーのコンパニオンを紹介したが、後編ではパーツメーカーや車体メーカーのブースのコンパニオンを紹介しよう。

デンソー デンソー 日立 KYB 日本特殊陶業 日本特殊陶業 日本特殊陶業 アルパイン エクセディ エクセディ エクセディ カルソニックカンセイ クラリオン クラリオン ケーヒン ケーヒン スタンレー電気 テイ・エス・テック データシステム トヨタ車体 トヨタ車体 パイオニア パイオニア パイオニア 住友ゴム工業 住友ゴム工業 東海理化 東海理化 東海理化 八千代工業 八千代工業

【東京モーターショー2017】日産自動車のクロスオーバーEVコンセプト「IMx」は航続可能距離600km!! 700NmでGT-Rを超える

完成車検査の一部を無資格者が行っていた問題で、ダニエレ・スキラッチ副社長の謝罪から幕を開けた日産自動車のプレスカンファレンス。しかし、ブースはEVを中心とした最新技術の見本市といったところで、世界初公開されたクロスオーバーEVコンセプトの「NISSAN IMx」を中心に、新型リーフの「LEAF NISMO Concept」、「セレナ e-POWER」といった初公開モデルが脇を固め、強みである電動化技術を全面的に押し出している。

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NISSAN_IMx

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2020年代はじめのEVはこうありたいという想いが込められた「NISSAN_IMx」はEV専用プラットフォームを採用し、前後ツインモーターにより4輪を駆動。航続可能距離600㎞超、出力は160kW+160kW、最大トルクは700Nmを想定。「和」の雰囲気が漂う内装は、自動運転時代の空間のあり方を提案している。↑2020年代はじめのEVはこうありたいという想いが込められた「NISSAN_IMx」はEV専用プラットフォームを採用し、前後ツインモーターにより4輪を駆動。航続可能距離600㎞超、出力は160kW+160kW、最大トルクは700Nmを想定。「和」の雰囲気が漂う内装は、自動運転時代の空間のあり方を提案している

 

 

LEAF NISMO Concept

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専用デザインをまとう「LEAF NISMO Concept」は、Cd値を維持しながらリフト量を低減し、空力向上を実現。専用サスペンションやタイヤなどに加えて、速度域を問わず瞬発力の高い加速フィールを引き出せる専用チューニングコンピューターも搭載する。↑専用デザインをまとう「LEAF NISMO Concept」は、Cd値を維持しながらリフト量を低減し、空力向上を実現。専用サスペンションやタイヤなどに加えて、速度域を問わず瞬発力の高い加速フィールを引き出せる専用チューニングコンピューターも搭載する

 

 

セレナe-POWER

「セレナe-POWER」は、室内や荷室の広さ、使い勝手の良さはそのままに、100%EV走行でありながらエンジンを発電機として使うことで航続可能距離の不安を払拭。外観ではグリルに「e-POWER」の象徴であるブルーのアクセントが施され、専用LEDテールランプや専用バッヂが「e-POWER」である主張する。発売は2018年春の予定。↑「セレナe-POWER」は、室内や荷室の広さ、使い勝手の良さはそのままに、100%EV走行でありながらエンジンを発電機として使うことで航続可能距離の不安を払拭。外観ではグリルに「e-POWER」の象徴であるブルーのアクセントが施され、専用LEDテールランプや専用バッヂが「e-POWER」である主張する。発売は2018年春の予定

 

さらに、2018年の第5シーズンから日系自動車メーカーとして初となるフォーミュラE参戦も表明した。累計走行距離が35億㎞に達しているリーフなどの知見を生かし、同社の電動化技術を活かしながら、走る実験場としてさらなる知見の集積を狙う構えだ。

 

また、電動化とともに注力している自動運転技術では、2020年以降の実用化を目指し、最新世代の「プロパイロット」を搭載した実験車両での公道を開始したと表明している。

 

 

 

【雑談で使える】ギネスにも掲載! 「2階建て新幹線」の意外と知らないひみつの数々

本連載では、新幹線にまつわるうんちくや豆知識を動画形式で紹介。これまで東海道・山陽新幹線や山陽・九州新幹線などを取り上げてきましたが、今回は、上越新幹線「Maxとき」「Maxたにがわ」のE4系電車を紹介します。同新幹線といえば2階建て車両としてお馴染み。2階建てが功を奏してギネス記録の認定も持っています。詳細は下記の動画をご覧ください。

 

↑【雑談で使える】ギネスにも掲載! 「2階建て新幹線」の意外と知らないひみつの数々

 

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【東京モーターショー2017】ルノーF1参戦40周年を記念し、メガーヌR.S.(ルノースポール)を中心にスポーツモデルを全面に打ち出す!!

ブース奥の壁面に展示されたルノーのF1マシンの横には、F1参戦40周年を記念したロゴが配されている。1977年の初参戦からエンジン提供のみを含めて12回のコンストラクターズチャンピオンに輝いたルノー。今回は、ルノースポール(R.S.)を中心としたスポーツモデルのみが並んでいる。技術面では直結していなくてもF1参戦の情熱が各車に注がれていて、それが表現されたのが今回の展示だという。

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また、ルノーは、フランス語を使ったボディカラーと、フランスらしい色にこだわっているのも特徴で、ブース全体を見渡すとほかにはないカラフルな展示で心が浮き立ってくるはずだ。

 

メガーヌR.S.

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20171031_hayashi_LV_03↑新型メガーヌR.S.は、新型ルノー メガーヌ GTよりもフェンダーを拡幅し、フロントが60㎜、リアが45㎜ワイドになっている。タイヤは245/35R19サイズのブリヂストン・ポテンザS001を装着し、専用アルミホイールからはブレンボ製のレッドキャリパーがのぞく。専用ボディカラーの「オランジュ トニック」で、光の当り方により見え方がガラリと変わる。マフラーの出口はスクエアな形状で、センター出しにより存在感を強調する

 

最大の注目は、先のフランクフルトモーターショーで初公開された新型メガーヌR.S.で、モーターショー前に発表されたばかりのメガーヌGT/スポーツ・ツアラーGTとともに出展されている。年間5000台超とまだシェアは大きくはないが、毎年業績を伸ばしているだけに、看板モデルのカングーなしでも存在感を抱かせるブースになっている。

 

メガーヌGT

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トゥインゴ GT

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【東京モータショー2017】EVとSUVという強みを活かした「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」

1917年に日本初となる量産乗用車の「三菱A型」を製作した三菱重工業時代を含めてではあるが、今年で100周年を迎えた三菱自動車。益子修CEOは、先に発表された2019年度までの中期計画「DRIVE FOR GROWTH」について触れ、ルノー・日産アライアンスのスケールメリットを最大限活かし、EVや自動運転などに積極投資すると改めて表明。中期計画の第1歩となるのが今年度中に日本での発売がアナウンスされている新型SUVのエクリプスクロスで、今回は初めて右ハンドルの日本仕様が出展されている。

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次の100年に向けて「三菱自動車をリニューアルする」と表現したのは、引き続き登壇した山下光彦副社長。SUVやEV、PHEVといった同社の強みに磨きを掛けるとしている。市販間近のエクリプスクロスとともに披露されたコンセプトEVの「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」は、フロントに1、リアに2つのモーターを配置し、得意とする4WD制御により、EVでも三菱らしい旋回性の高さを実現するという。新たな時代の「EVエボ」には、AIも搭載され、今後のクルマ作りが提示されている。

 

MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT

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フロントマスクの特徴である「ダイナミックシールド」をよりスポーティに仕立て、高めの地上高やロア部を内側に絞り込むことによりSUVらしさを強調。内装は宙に浮いたようなフローティング式のインパネと小型のメータークラスターが特徴。ディスプレイには、ボンネットに隠れて見えない地面や前輪の動きまで表示される。フロントに1つ、リアに2モーターの新開発「デュアルモーターAYC」を採用し、高い旋回性能を実現。

 

エクリプスクロス

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エクリプスクロスの日本仕様は今回が初公開。サイズは全長4405×全幅1805×全高1685㎜で、RVRとアウトランダーの中間をカバーする。パワートレーンは新開発の1.5リットル直噴ガソリンターボと8ATの組み合わせで、2.4リットルのNAエンジン並のトルクと高い燃費性能を両立するという。プラットフォームはアウトランダーと共通なので将来のPHEVの設定も期待される。操作系では新たにタッチパネルコントローラーが採用される。

 

 

 

【東京モーターショー2017】マツダからは「魁 CONCEPT」と「VISION COUPE」のふたつのコンセプトカーが初披露

「『走る歓び』でクルマを愛する人に人生の輝きを提供する」をブーステーマに掲げたマツダからはふたつのコンセプトカーがアンヴェールされた。

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ガソリンエンジンの新しい形とも言えるSKYACTIV-Xと次世代の車両構造技術を融合した「マツダ魁CONCEPT」が世界初公開。マツダが次世代のクルマ造りを具現化したコンパクト・ハッチバックだ。そして、将来のデザインビジョンを示した「MAZDA VISION COUPE」はマツダらしいエレガントな佇まいを醸し出す。

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また、発売日が12月14日とアナウンスされている3列シートのクロスオーバーSUVであるCX-8も展示されていた。

 

ガソリンエンジンならではの伸びの良さと燃費やトルク・レスポンスに優れたディーゼルエンジンの特徴を融合させたSKYACTIV-X。SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition)というマツダ独自の燃焼方式によって、ガソリンエンジンで圧縮着火を制御する技術の実用化に初めて目処をつけた。そのメカニズムは、まず既存のガソリンエンジンより燃料の薄い混合気を圧縮し、その後スパークプラグで膨張火球炎を作りシリンダー内の混合気をさらに圧縮。すると混合気が急速かつ同時多発的に燃焼する。この火花点火と圧縮着火のシームレスな切り替えで圧縮着火の成立範囲を大幅に拡大できたことで動力性能と環境性能を妥協なく両立している。

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魁CONCEPT

20171030_hayashi_LV_08↑SKYACTIV-Xだけでなく、次世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」も採用することで洗練された走行性能の実現も目指すハッチバックモデルとなっている

 

VISION COUPE

20171030_hayashi_LV_09↑エレガントで上質なスタイルを伸びやかな4ドアクーペとしまとめた「VISION COUPE」。さらに、シンプルなフォルムながらマシンとしての性能の高さを感じさせるシルエットだ

 

 

電動化技術だけでなく内燃機関のブラッシュアップによって、それぞれを適材適所で展開するマルチソリューションが地球環境に対するマツダの回答だろう。

 

 

 

【まだ間に合う!】ビッグサイトまで会いに行きたい! 東京モーターショー2017を彩るコンパニオンギャラリー【前編】

自動車業界最大の展示イベント「東京モーターショー2017」が10月28日より一般公開され、11月5日まで開催中(東京ビッグサイト)。ワールドプレミアやジャパンプレミアといった車両が展示され、ややバブルの香りを残すイベントだけに、各ブースを彩るコンパニオンもじつに華やかだ。まずは第1弾、自動車メーカーのコンパニオンを紹介しよう。

アウディ BMW BMW BMW BMW シトロエン シトロエン シトロエン ダイハツ ダイハツ ダイハツ DSオートモービルズ ホンダ ホンダ ホンダ ホンダ ホンダ いすゞ いすゞ レクサス レクサス マツダ メルセデス メルセデス メルセデス 日産 プジョー プジョー プジョー プジョー ポルシェ ポルシェ ポルシェ スバル スバル スズキ スズキ トヨタ フォルクスワーゲン フォルクスワーゲン フォルクスワーゲン フォルクスワーゲン フォルクスワーゲン フォルクスワーゲン 三菱ふそう

【東京モーターショー2017】最新の自動運転技術に加え、ドライビングプレジャーが際立つ「アウディスポーツ」モデルも充実!

すでにフォトデビューしているA7スポーツバックのワールドプレミア……といったサプライズこそなかったものの、アウディのブースは先進性を売りにするプレミアムブランドらしいコンテンツが魅力的。目玉はやはり、2018年の導入が予定されている新型A8。レベル3の自動運転をいち早くアピール、全モデルにマイルドハイブリッド機構を組み合わせることでEV化への流れも予感させる出来栄えだ。そんな新型A8の先進性を補強するのがエレーヌとQ8スポーツコンセプトだが、特に後者は過去に魅力的なSUVのコンセプトカーを輩出しているアウディらしい完成度を誇る。

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また、スポーツ性が高いモデルの展示が手厚い点も今回のアウディブースは特長的といえるだろう。日本初公開のRS4アバントやRS5に加え、上陸間もないS Q5やR8スパイダーなど、ショーに相応しい華のある布陣となっている。

 

A8

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20171030_hayashi_LV_11↑市販車最先端の自動運転機能に加え、今後主流になるであろう48V電源システムを採用していることでも話題を呼んだアウディの旗艦。新しさと高級感を両立するインテリアの出来栄えも要注目のポイント

 

エレーヌ・コンセプト

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20171030_hayashi_LV_13↑’17年5月に公開されたeトロン・スポーツバックをベースとして、アウディAIハイウェイパイロットを筆頭とする自動運転技術を盛り込んだコンセプトカー。パワートレインは3つのモーターを駆使したフルEVのクワトロだ

 

Q8スポーツ・コンセプト

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20171030_hayashi_LV_15↑アウディの新型SUVを予感させるコンセプトモデルで、そのパワートレインにはマイルドハイブリッドシステムと電動コンプレッサー(ターボ)を搭載。275㎞/hの最高速度と1200㎞を超える航続距離を実現している

 

Q7 eトロン・クワトロ

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20171030_hayashi_LV_17↑日本や中国など、アジア市場向けに専用開発されたQ7のプラグインHV。約50㎞のEV走行を可能としつつ、100㎞走行当たりの燃料消費が2.5リットルという低燃費を実現。その一方、0〜100㎞/h加速は5.9秒という俊足ぶりも自慢のモデルだ

 

 

 

【中年名車図鑑】「かっとび」「韋駄天」「辛口」…さまざまなキャッチを冠したFFハッチバック

コンパクトカーのFF化の流れに抗い、FRの駆動システムで販売され続けたKP61型系スターレットは、1984年になるとついにFFレイアウトに刷新した3代目のEP71型系へと切り替わる――。今回は“かっとび”や“韋駄天”のキャッチフレーズで人気を集めた第3世代のスターレット(1984~1989年)で一席。

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【Vol.38 3代目 トヨタ・スターレット】

トヨタ自動車のエントリーカーに位置する“小さな星”ことスターレットは、続々とFF(フロントエンジン・フロントドライブ)化するコンパクトカー群のなかにあって、FR(フロントエンジン・リアドライブ)の駆動レイアウトを貫いていた。メカニズムの信頼性や開発スタッフの豊富な経験値などがFRを踏襲してきた理由だったのだが、1980年代が進むとパッケージ効率に優れる2ボックスのFFコンパクトカーが人気を集めるようになり、FRのままでは市場の多様化に対応しきれなくなっていた。こうした市場の動きを鑑みたトヨタの開発陣は、次期型スターレットのFF化を決断する。開発テーマは新時代をリードする“ハイコンパクト&スポーティ”の創出。これを具現化するために、プラットフォームからシャシー、ボディ、エンジンなど、すべてを新規に開発する方針を打ち出した。

 

■“ハイコンパクト&スポーティ”をテーマにエントリーカーを全面改良

3代目は“かっとびスターレット”のキャッチフレーズで登場した。3ドアと5ドアの2タイプのボディ構成。スポーツグレードには「12VALVE」のステッカーを装備する。3代目は“かっとびスターレット”のキャッチフレーズで登場した。3ドアと5ドアの2タイプのボディ構成。スポーツグレードには「12VALVE」のステッカーを装備する。

 

FF化した3代目スターレットは、EP71の型式をつけて1984年10月に市場デビューを果たす。キャッチフレーズは“かっとびスターレット”。スポーティで軽快な走りが楽しめる新世代コンパクトカーに仕立てたことを、この刺激的な言葉に込めていた。ボディタイプは3ドアハッチバックと5ドアハッチバックの2タイプを設定。グレード展開は3ドアにスポーティ系のSiリミテッド/Si/Riと上級および標準仕様のXLリセ/XL/DX/DX-A/STDを、5ドアにスポーティ系のSiと上級および標準仕様のSE/XLリセ/XL/DX/DX-Aを、バンモデル(3ドアハッチバック)にCD-L/CD/CSをラインアップした。ちなみに、3代目スターレットはCMでも注目を集める。藤山一郎が歌う『丘を越えて』をBGMに、アメリカの伝説的な喜劇俳優のバスター・キートンが出演した映画シーンを絡ませてスターレットの躍動的な走りを見せる映像は、“かっとび”ぶりが見事に表現されていた。

 

車両デザインについては空力特性に優れたオーバルフラッシュフォルムとワイドトレッドを基本に、端正かつ親しみやすい2ボックススタイルを構築。スポーティグレードにはエアロパーツ類やサイドマッドガード、テープストライプなどを装備する。ボディサイズは従来比でホイールベースが同寸法(2300mm)ながら55~120mm短く(3700mm)、55mm幅広く(1590mm)なった。FF化によって広さが増したインテリアは、余裕のある居住空間を確保するとともに質感をアップ。また、スポーティグレードの前席にはホールド性の良い新開発シートを、女性向け仕様のリセにはカーブスライド式ドライバーズシートを装着した。

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20171027_suzuki7FF化したことで居住スペースの快適性は大幅に向上。スポーツグレードのフロントシートはホールド性に優れていた。

 

搭載エンジンにはOHCクロスフローやデュアルインテークの3バルブ(吸気バルブ×2/排気バルブ×1)、ツインスキッシュ型の燃焼室といった新技術を組み込んだ新設計のレーザー2E-12VALVEユニットの3タイプを設定する。スポーティグレードにはEFI-D(電子制御燃料噴射装置)およびマイコン制御方式のTCCSをセットした2E-ELU型1295cc直列4気筒OHC12Vエンジン(93ps/11.3kg・m)を搭載。上級および標準仕様には2E-LU型1295cc直列4気筒OHC12Vエンジン(81ps/11.0kg・m)を採用し、燃費志向ユニットとしてパーシャルリーンシステム付き(76ps/10.7kg・m。10モード走行燃費23.0km/l)を設定する。バンには2E-LJ型1295cc直列4気筒OHC12Vエンジン(81ps/11.0kg・m)を積み込んだ。組み合わせるトランスミッションには、2E-ELU型ユニットに5速MT、2E-LU型ユニットに5速MT/4速MT/3速AT、2E-LJ型ユニットに4速MTをセット。懸架機構は新世代のPEGASUSサスペンションで、フロントにL型ロアアームを配したマアクファーソンストラット式を、リアにトレーリングツイストビーム式を採用する。操舵機構はラック&ピニオン式で、スポーティグレードにはクイックなギア比を、SEおよびリセにはエンジン回転数感応型パワーステアリングを導入。スポーティグレードの足回りには、前ベンチレーテッドディスクブレーキや60扁平タイヤなどを奢っていた。

 

■“韋駄天ターボ”の登場でさらに人気がアップ

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スターレットの人気を決定づけたターボモデル。キャッチフレーズは“韋駄天ターボ”。写真のターボSとターボRを用意する。スターレットの人気を決定づけたターボモデル。キャッチフレーズは“韋駄天ターボ”。写真のターボSとターボRを用意する。

 

デビュー当初から好調なセールスを続けたかっとびスターレットは、1986年1月になるとその人気をさらに高めるスポーツモデルを追加する。2E-ELU型ユニットにインタークーラー付きターボチャージャーを組み込んだ2E-TELU型1295cc直列4気筒OHC12Vターボエンジンを搭載するターボS/ターボRだ。キャッチフレーズは“韋駄天ターボ”。過給圧が2段階に切り替えられる2モード・ターボシステムを採用し、パワー&トルクは標準モードで105ps/15.2kg・m、ローモードで91ps/13.4kg・mを発生した。また、外装には大型ルーフエンドスポイラー等のエアロパーツやINTERCOOLER turboデカールなどを、足回りにはストラット頂部パフォーマンスロッドや強化ダンパー&コイルスプリングなどをセット。ターボSには5速MTのほかに2ウェイOD付4速ATを用意した。

 

1986年12月にはマイナーチェンジを行い、内外装の一部変更とともに1N型1453cc直列4気筒OHCディーゼルエンジン(55ps/9.3kg・m)搭載車のNP70型を追加する。1987年12月になると再度のマイナーチェンジを実施。ターボモデルはエンジンのセッティング変更によって最高出力が標準モード110ps/ローモード97psにまでアップし、同時にグリル一体フォグランプやリアツインスポイラーなどを装備してホットハッチ感を引き上げる。また、キャッチフレーズは“辛口ターボ”に刷新された。さらに、1988年4月にはキャンバストップ仕様を追加。キャッチフレーズは辛口ターボとの対比で“甘口キャンバストップ”と称した。そして、1989年12月になってフルモデルチェンジが行われ、第4世代のEP82/NP80型“青春のスターレット”に移行したのである。

 

ところで、3代目スターレットは車歴を通してモータースポーツで活躍したモデルでもあった。ベース車は自然吸気のRiと過給器付きのターボR。参加カテゴリーは多岐に渡り、ラリーやダートラ、ジムカーナ、サーキットレースなどで活用される。また、TRD(Toyota Racing Development)の企画開催によるワンメイクレースも行われた。当時のモータースポーツ界では、「FFの基本を覚えるなら、まずK10(マーチ)かEP71(スターレット)に乗れ!」というのが定説だったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる!日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。

パーキングメーターの“規制時間外”は駐禁になる場合とならない場合がある?

リーズナブルに短時間の駐車が可能なパーキングメーターは筆者も良く利用する。とくに、中央区、渋谷区など30分500~600円、時には30分1000円!という超高額の民間駐車場が多いエリアでは60分300円のパーキングメーターは非常にありがたい存在だ。また、霞が関近辺の官庁街では民間の駐車場を見つけるのが困難でパーキングメーターだけというエリアもある。このような場所では60分ごとに車を移動させて300円を追加しながらでも使っている。

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さて、パーキングメーターを使っていてよく思うのは時間外はどうなるのか?ということ。つまり、パーキングメーターが作動していない時間に停めると駐車禁止になるのか?ならないのか?ということである。

 

■作動時間以外は、「本来の規制に戻る」

パーキングメーターが作動時間外の扱いについては、これまで何度か警察にも聞いたことがある。答えは決まってこの内容…

 

パーキングメーターの作動時間以外は、通常の道路の規制に戻る。元の道路が駐車禁止であればパーキングメーターの枠が設置されてあっても、そこに停めれば駐車禁止になる。

 

警視庁の公式サイト「パーキング・メーター等に関するFAQ」にもこのように書いてある。

 

Q:パーキング・メーター等が動いていない時間には駐車できますか?

A:駐車できる場所と駐車できない場所がありますので、駐車禁止標識の有無や道路標示を確認してください。

例えば、「時間制限駐車区間」の標識のほかに、「駐車禁止」の標識が併設されている場合は、その時間帯について駐車することはできません。

 

ということだ。それはまあわかるとして、気になるのはその場所が駐車禁止かどうか?確認しづらい場合があるということだ。筆者の友人には、「駐車禁止」の標識がなかったので、作動時間以外にパーキングメーターの枠内に停めていたら、駐車違反になってしまったという者もいる。で、あとで確認したら実際その道路は駐車禁止になっていて標識も設置されていたが、その標識は友人が停めたパーキングメーターから200~300m離れた場所にあり、確認できなかった、ということなのである。

 

■その道路が駐禁かどうか?道路の始まりと終わりの標識を確認

パーキングメーターの近くに駐車禁止の標識がある場合はすぐ確認できるが、友人のケースのように数百メートル離れた場所に標識がある場合はホントにわかりにくい。で、筆者は警視庁駐車対策課の担当者に「もっとわかりやすく表示されないものでしょうか?パーキングメーターそのものに表示するとか…」と言ってみたら、

 

「パーキングメーターというのは、積極的に駐車を促進する場所ではないのです。本来は駐車できない場所だけども、近辺に民間の駐車場がないなど不便な場所にその道路を走る交通の支障にならないことを十分考慮して設置しているのです。時間外に停めて駐禁になるかどうかはご自身で確認をしてください。見えなかった、遠かったからわからなかったという理由で駐車違反が取り消されることもありません」

 

との回答だった……。なるほどねー、積極的に駐車を促す場所ではない、ってことらしい。

 

ちなみに、駐車禁止及び駐停車禁止の標識は、道路の始まりと終わり(つまり交差点から次の交差点まで)に原則として設置されているとのこと。皆さんお気をつけください。

 

■怖いのは、「区域内全域指定」

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市街地などは、道路の始まりと終わりの交差点にそれぞれ駐禁の標識を設置せず、「区域内全域駐車禁止指定」になっている場合がある。つまり「その区域内はすべて駐車禁止」という意味。「その区域とはどの区域なのか?」を確認すればいいのだが、その標識がどこにあるのか?探すのも大変そうだ……。

 

また、注意すべきは、時間外に停めても駐禁にならないパーキングメーターの場合も、交差点から5メートル以内など駐車禁止エリアの駐車は枠内に停めていたとしても駐禁になるので要注意!

 

【著者プロフィール】

加藤久美子

山口県生まれ 学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。

ヤマハ電動アシスト自転車登場から24年。いま、海外ブランドが日本市場に本格参入する理由とは

ヤマハ発動機が世界に先駆けて電動アシスト自転車を発売したのは1993年のこと。トヨタ自動車のハイブリッド車プリウスのデビューより4年早かった。あれから24年。いまではママチャリと呼ばれるファミリー向けを中心に、日本のモビリティシーンに欠かせない存在になっている電動アシスト自転車に、今年新たな動きがいくつか起こっている。

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出典:ヤマハ発動機 電動アシスト自転車 PAS/YPJ ホームページ

 

まず3月、台湾の電動アシスト自転車ブランドのひとつで、我が国にも数年前から輸入されている台湾のBESV(ベスビー)が日本法人を設立して本格参入すると発表。そして9月には自動車業界のサプライヤーとして有名なドイツのボッシュが、自身が開発した電動アシストユニットの装着車両を展開していくとアナウンスしたのだ。

 

ヤマハは電動アシスト自転車を発売後まもなく、欧州への輸出も開始した。しかし当時はさっぱり売れず、約10年後に撤退することになった。すると直後から現地のメーカーが電動アシスト自転車を送り出す。欧州お得意の手のひら返しだ。しかし当時の欧州のユーザーには理解されず、芽が出なかった。

 

そんな中で着実に普及していったジャンルがある。自転車タクシーだ。この分野のパイオニアであるドイツのベロタクシーが生まれたのは1997年。登場時期から考えてヤマハの技術を参考にした可能性が高い。日本では2002年に走り始めており、いまでは観光地などで、三角形の車体を持つ前1・後2輪の電動アシスト式自転車タクシーを良く見かけるようになった。

 

その後自家用の自転車にも電動アシストの波が訪れ、多くのブランドが生まれた。最初に紹介したBESVもそのひとつ。そして同じ頃、ボッシュが後付けタイプの電動アシストユニットを市場に送り出した。いまでは70以上のブランドが同社のユニットを使っているという。

 

■日本と海外ではアシスト量が違う?

電動アシスト自転車には基準がある。日本の場合、車速10km/h未満では人力1に対して最大2のモーターアシストが許されているが、そこから上は速度を上げるにつれアシスト量が減り、24km/hでゼロになる。欧州や米国にもレベルは異なるが同じようなルールはある。

 

つまりBESVやボッシュは日本の基準に合わせて電動アシストのチューニングをして輸入している。自動車の排出ガス規制や騒音規制に似た状況だ。そこまでして海外の車両が、電動アシスト自転車大国と言える日本にやってくるようになったのは、デザインの力が大きい。

 

日本メーカーの電動アシスト自転車は、ママチャリに代表される実用車が中心だ。最近はスポーツタイプも出しているけれど、存在を知らないという人も多いし、洗練されたフレームと他車種と共通のバッテリーや駆動系のマッチングがイマイチという声もある。

 

その点輸入車は、BESVがそうであるようにスポーティでファッショナブルなフォルムが中心。バッテリーや駆動系は車体と一体化されていてスタイリッシュだ。そのぶん価格は高めだけれど、ボッシュを含めて「Premium e-Bike」と称して付加価値で勝負する。そう、彼らは電動アシスト自転車などという長くて冴えない名前は使わない。e-Bikeというネーミングを作り出してアピールしている。こういうセンスはさすがという他ない。

 

ただ海外のe-Bikeがクールだからといって、個人輸入して乗ることは控えていただきたい。前に書いたように電動アシスト自転車の基準は日本と外国で異なる。アシストのレベルが基準を超える場合は原付扱いとなるので、ナンバープレートを取得しヘルメットを着用して運転しなければならない。中国で普及している電動自転車、つまりペダルを漕がなくても電気で走る自転車も同じ。東京でもヘルメットを被らず、ナンバープレートを付けず、なのにペダルを漕がずに電動で走行する自転車をたまに見かけることがあるが、これは立派な交通違反だ。

 

【著者プロフィール】

森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。

THINK MOBILITY:http://mobility.blog.jp/

東京モーターショー2017は、10月28日(土)から一般公開がスタート!

ピュアなクルマ好きはもちろんのこと、最先端技術にアンテナを張るなら必見といえる、2年に一度の楽しみである国際自動車ショーが、いよいよ10月28日の土曜日から東京ビッグサイトで一般公開される。

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20171027_hayashi_LV_02↑メインエントランスとなる中央ゲートに近い西展示棟では、TOKYO CONNECTED LAB 2017といった体感ゾーンやトミカコーナー、アトリウムにはソニー・インタラクティブエンタテインメントがグランツーリスモSPORTの体験ブースを出展

 

遡ること半世紀以上前、東京の日比谷公園で行なわれた「全日本自動車ショウ」は、当時の庶民が恋い焦がれた乗用車が間近に見られる貴重な機会だったという。その後、高度経済成長の兆しが見えた1964年、晴海で開催された第11回から現在の「東京モーターショー」へと呼称を変えて、マイカーブームの火付け役となった。

東展示棟には国内外メーカーのコンセプトカーや日本初公開となる最新モデルを多数展示。各ブランドのイメージやモデルのコンセプトを表現した演出にも注目したい。↑東展示棟には国内外メーカーのコンセプトカーや日本初公開となる最新モデルを多数展示。各ブランドのイメージやモデルのコンセプトを表現した演出にも注目したい

 

市場のグローバル化にともない東京・晴海から千葉の幕張へと会場を移して、ますますビッグスケールな国際イベントへと成長を遂げ、2011年の第42回にはかつての晴海見本市会場を彷彿とさせる、お台場エリアの東京ビッグサイトへと舞い戻った。そしてこの2017年は、第45回目となる東京モーターショーが開催される年。国内外ブランドの魅力的な最新モデルたちはもちろん、持続可能なモビリティに向けた開発スタディが、続々と市販モデル化されている事実には驚かされるだろう。

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しかも、今開催ではそこからさらに先を見据えた最先端テクノロジーの結晶が披露されるはず。パフォーマンスと環境性能を両立させたスポーツカーや洗練度と航続距離が改善された電気自動車、快適なドライブを約束するインターフェイスに自動運転技術など、われわれクルマ好きをワクワクさせてくれる9日間がはじまるのだ。
青海エリアでの試乗体験プログラムやシンポジウム、ジャーナリストによるガイドツアーなど、充実したコンテンツも期待大。もちろん来場は公共交通機関にて(りんかい線「国際展示場」駅下車徒歩約7分/ゆりかもめ「国際展示場正門」駅下車徒歩約3分/路線バス、空港バス、水上バスほか)、くれぐれも千葉の幕張に向かわぬようご注意を。

 

http://www.tokyo-motorshow.com/