マツダ新型「CX-60」に試乗! 期待のラージアーキテクチャー第一弾の実力はいかに?

マツダはかねてよりラージ商品群の登場を示唆していましたが、ついにその第一弾が姿を現しました。それが縦置きエンジン+後輪駆動の新プラットフォームを採用した「CX-60」です。今回はその主力となる3.3L直6ディーゼルターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた「XDハイブリッド」の試乗レポートをお届けします。

 

【今回紹介するクルマ】

マツダ/CX-60

※試乗グレード:XD-HYBRID Premium Modern

価格:299万2000円~626万4500円(税込)

↑マツダが「ラージ商品群」と呼ぶSUVの第1弾モデル「CX-60」

 

全4タイプのパワーユニットから3.3L直6ディーゼルターボが登場

CX-60は新開発された、マツダのラージアーキテクチャーを採用する新世代プラットフォームです。そのラインナップはとても幅広く、パワーユニットは全4タイプ、グレードは8タイプを用意し、すべてが組み合わせ可能ではないものの、多彩なニーズに応えられるラインナップになっています。

↑直6ディーゼルターボを搭載した「CX-60」の「プレミアムモダン」。リアバンパーコーナーパーツのボディおよびその下のエグゾーストガーニッシュに採用しているメタルの質感がスポーティさを感じさせる

 

中でもパワーユニットは、48Vマイルドハイブリッド機構を組み合わせた3.3L直6ディーゼルターボ核として、よりカジュアルな2.5L直4ガソリン、3.3L直6ディーゼルを用意。さらに2.5L直4ガソリンにプラグインハイブリッドを組み合わせたものも遅れて登場します。そのため、価格も299万円から626万円と倍以上の価格差を生まれるラインナップとなりました。

↑新開発3.3L直6ディーゼルターボを縦置きにし、駆動方式はFR。48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた

 

つまり、CX-60は、これまでのCX-5から乗り換える人にも対応するだけでなく、新たにプレミアなユーザー層も取り込んでいく。そんなラインナップ構成となりました。

 

そんな中で試乗した3.3L直6ディーゼルターボの「XDハイブリッド」のグレードは、「エクスクルーシブスポーツ」と「エクスクルーシブモダン」、「プレミアムスポーツ」と「プレミアムモダン」の4タイプ。価格はエクスクルーシブスポーツとエクスクルーシブモダンが505万4500円(税込)、プレミアムスポーツとプレミアムモダンが547万2500円(税込)です。

 

試乗したプレミアムスポーツとプレミアムモダンの違いは、前者は全体に黒を基調としたスポーティな雰囲気を演出したものに対し、後者がメッキ類を多用し内装もホワイトを基本としたラグジュアリーな雰囲気にしたもので、あくまでデザインコンセプトの違いとなっています。

 

スタイリッシュなプロポーションに高品質なインテリア

CX-60を前にして感じた印象は、とてもスタイリッシュであることです。フロントは極端に短いオーバーハングを持ったロングノーズとなっていて、ボディサイドも波打つような筋肉質を感じさせる見事なプロポーション。全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mmの大きめのボディサイズだからこそ実現できたデザインと言えるかもしれません。

 

インテリアの仕上がりにも相当こだわったようです。マツダによれば“マツダ車史上最上”としており、それだけCX-60がかつてないプレミアムゾーンを狙っていることは容易に推察できます。手に触れられるすべてがソフトパッドに覆われ、見た目にも触れた印象でも欧州車のハイグレードモデルと比べてまったく引けをとりません。個人的には、もはやそれを超えたといっても差し支えないと思っています。

↑プレミアムモダンのインテリア。欧州車のハイグレードモデルを超える高品質ぶりは満足度が高い

 

↑プレミアムスポーツのタン仕様はオプションとして用意されている

 

↑プレミアムモダンの前席。前席にはヒーターとベンチレーター機能が備わる

 

↑プレミアムモダンの後席。ピュアホワイトのナッパレザーにチタン色のアクセントラインが入る

 

中でも印象的なのが左右のシートに挟まれた中央のコンソールです。全体に高い位置にあり、それが否応なくCX-60がFR車であることを訴えています。しかも幅が広くその存在感は抜群です。左右両開きのコンソールボックスも深さこそないものの、幅が広い分だけ少しかさばるモノも対応できるでしょう。内部にはUSB-C端子が2つ備わっており、スマホの映像を映し出すのに使うHDMI端子もここにありました。

↑シフトノブ操作は一見スタンダードに見えるが、パーキングだけは右にシフトして使う

 

↑後席用に用意されたUSB-C端子とAC100W/150Wのコンセント

 

↑12.3インチのディスプレイを採用したマツダコネクト採用。スマホで設定した目的地の転送もできる。地図データは3年間無料更新付き

 

↑カウルサイドのウーファーボックス容量を4.8Lに拡大。プレミアムモダン、プレミアムスポーツはボーズ仕様が標準となる

 

一般道では突き上げ感を感じるも、高速での安定性は抜群

試乗は御殿場を起点に東名高速と、乙女峠を抜けた箱根界隈の峠道で試してみました。まず試乗会場から東名高速へと進むと、8速ATが小気味よくステップアップして速度を上げていきます。このトランスミッションは、スタート用クラッチに湿式多板ユニットを組み合わせたトルコンレスという特徴的な構造を採用していますが、従来のATと比べても違和感はまったくありません。その上、低負荷領域をモーターでアシストしているため、発進時の動きはとても身軽で、とても2t近いボディを動かしているとは思えないほどです。

 

高速での走行は車重の重さも手伝ってか、どっしりとした安定感があります。ICからICまでの一区間でしかありませんでしたが、走り始めに感じたコツコツとした突き上げ感も速度が上がるにつれて収まっていき、ステアリングの直進性の良さとも相まって気持ちの良いクルージングを楽しむことができました。

 

ただ、乙女峠方面に進むと再び突き上げの大きさが気になるようになりました。一般道にありがちな路面の凹凸をそのまま伝え、時にそれが大きめに感じるときがあったのです。一方でコーナリングのトレース性は極めて高く、狙った方向へ確実にハンドリングしてくれます。車体のブレも最小限に抑えられているようで、安定したポジションで峠道を右から左へとハンドルを切ることができたのです。ブレーキのタッチも良好で、少しハイスピードでコーナーに入っても不安感はほとんどなく通過できました。

 

試乗したグレードの価格帯は500万円を超えており、一般的に言っても十分にプレミアムカーの領域にあると思います。クルマとしての造りこそ、それに見合うものを持っていました。高速での走りはともかく、一般道での突き上げ感はもう少しいなしてくれる気遣いが欲しかったようにも思います。とはいえ、パワーユニットが多岐にわたるCX-60では、組み合わせによってまた違った印象を与えてくれるかもしれません。

↑CX-60には「ドライバー異常時対応システム(DEA)」を採用。このSOSボタンを押すか、エアバッグの作動で自動対応できる

 

直6ディーゼル+FRを気軽に楽しみたいなら「XD」もオススメ

そこで別のグレードを選んだ場合を考えてみました。その結果、直6ディーゼルを搭載したもっとも身近なグレードが「XD」であることがわかりました。2WDの価格は323万9500円(税込)。アダプティブヘッドランプやパワーシートといったプレミアムな装備はないものの、18インチアルミホイールは装備されます。写真で見る限り、見た目にもそれほど見劣り感がないのもいいと思います。手軽に直6ディーゼル+FRの基本スペックを楽しむのに「XD」はピッタリのグレードかもしれません。

 

SPEC【XD-HYBRID Premium Modern】●全長×全幅×全高:4740×1890×1685㎜●車両重量:1940㎏●パワーユニット:3283㏄水冷直列6気筒DOHCターボエンジン●最高出力:エンジン254PS/3750rpm[モーター16.3PS/900rpm]●最大トルク:エンジン550Nm/1500〜2400rpm[モーター15.3PS/200rpm]●WLTCモード燃費:21.1㎞/L

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

イーロン・マスクCEO、テスラの株式総額はアップルを超えられる! と豪語

電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスクCEOは、自社の時価総額がいずれアップルを超えられるとの見通しを豪語しました。

↑テスラ

 

10月19日(米現地時間)、テスラは2022年第3四半期決算を発表。その売上高は過去最高を記録したものの、市場予想を下回っています。同社はここ数か月、株価が苦戦を強いられており、今回の決算もその助けにはならなかったようです。

 

そのためか決算発表後、マスクCEOはアナリスト向け電話会見で自らマイクを握り、投資家を安心させようとする姿勢を鮮明にしました。そこでは取締役会で議論した結果、50~100億ドルの自社株買いを進めることで意見が一致したと発表されたしだいです。

 

自社株買いプログラムは、企業が市場価格で自社株を購入すること。一般的には「自社株が割安だ」と考えていることを示すポーズであり、株価を押し上げるために行われます。まだ計画は決まっていないと述べられているものの、近々に自社株買いを始めるようです。

 

その発表後に飛び出したのが、「テスラの価値がアップルを超えられる」発言です。自社の時価総額につきマスク氏は「少し前の決算説明会で、私は『テスラが当時約7000億ドルの価値があったアップルよりも時価総額が高くなるかもしれないと思う』と述べました」とコメント。

 

さらに「私は今、アップルの現在の時価総額をはるかに超えることができると思っています。テスラがアップルとサウジアラムコを合わせた以上の価値を持つようになる道筋を考えているのです」と述べた格好です。

 

ちなみに10月21日時点でのテスラ時価総額は約6500億ドル。そしてアップルは2兆3000億ドル、サウジアラムコは2兆ドル程度の価値があり、合計で4兆3000億ドルといったところ。ざっとテスラを7倍ほど成長させる必要がありそうです。

 

さてマスクCEOの発言に戻ると、たとえ不況のもとでも、テスラは来年も「相当なキャッシュ」を生み出せると強調しています。それゆえ自社株買いプログラムを始めるのは理に叶っている――というのがマスク理論です。

 

テスラには人型ロボット「オプティマス」という切り札もあります。何年後にマネタイズできるのかは不明ですが、いつの日かiPhone以上にテスラロボを街で見かけるようになるのかもしれません。

 

Source:Electrek

特徴的な走りのハイブリッド車に試乗! ルノー「アルカナ E-TECH」とホンダ「シビック e:HEV」独自の魅力に迫る

気になる新車を一気乗り! ハイブリッド車は高い燃費性能など経済性のメリットに注目が集まるが、今回の「NEW VEHICLE REPORT」で紹介するルノー・アルカナ E-TECHとホンダ・シビック e:HEVは、走りのキャラクターも特徴的。かつてはF1でしのぎを削っていた両ブランド最新作の、その独自の魅力は何か?

※こちらは「GetNavi」 2022年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】F1譲りのハイブリッド技術で独自の走りが楽しめる!

【ハイブリッド】

ルノー

アルカナ E-TECHハイブリッド

SPEC●全長×全幅×全高:4570×1820×1580mm●車両重量:1470kg●総排気量:1597cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:94[49/20]PS/5600rpm●最大トルク:15.1[20.9/5.1]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

ドグミッションの採用でダイレクトな走りを実現

F1では速さ、市販車では燃費が追求されるハイブリッド技術だが、高度なエネルギー制御が要求される点は同じ。ルノーによれば、E-TECHにはF1で得られたノウハウが惜しみなく投入されている。また、機構面で要注目なのは、トランスミッションに同じくモータースポーツではお馴染みの、ドグミッション(※)を組み合わせていること。軽量&コンパクトで高効率化にも有効な反面、快適性に難があるため市販車では敬遠されてきた構造だが、E-TECHでは電気モーターを駆使してシフトショックなどを排除。ATらしい洗練された変速を実現した。

※:通常のマニュアルミッション(シンクロミッション)と違ってクラッチを切らずにシフトアップ&ダウンが可能になるシステム。シフトチェンジの速さが魅力で、モータースポーツではよく使われている。デメリットには、シフトショックが大きい、音が大きいなどがある

 

その走りはアクセル操作に対するダイレクトな反応が印象的で、スポーティと評しても差し支えない軽快な身のこなしだ。カタログ上では若干控えめな燃費も、実際には市街地で20km/L近く、高速では23km/L以上をマーク。国産勢とはひと味違う個性派ハイブリッド車として、魅力的な選択肢であることは間違いない。

 

[Point 1]最新モデルらしいインターフェイス

画像化されたメーターや、7インチタッチスクリーンが備わるセンター部など、インパネ回りはハイブリッドらしい作り。運転支援系の装備も充実している。

 

[Point 2]SUVらしい使い勝手

室内は前後席ともに十分な広さ。前席にはシートヒーターも装備される。荷室容量もフランス車らしく、通常時で480Lと余裕たっぷりだ。

 

[Point 3]E-TECHは選択肢が拡大中

走りは意外なほどスポーティな味付け。アルカナはE-TECH仕様(429万円)のみだが、日本向けルノー車ではすでにルーテシアにも設定済み。

 

[Point 4]E-TECHは軽量&コンパクト

E-TECHは、1.6Lガソリン+2モーターにドグミッションを組み合わせ、本格派ハイブリッドながら軽量&コンパクト化を実現。幅広い車種に対応している。

 

 

【その2】実感するのは“デジタル時代のスポーティ”!

【ハイブリッド】

ホンダ

シビック e:HEV

SPEC●全長×全幅×全高:4550×1800×1415mm●車両重量:1460kg●総排気量:1993cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:141[184]PS/6000[5000〜6000]rpm●最大トルク:18.6[32.1]kg-m/4500[0〜2000]rpm●WLTCモード燃費:24.2km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

センスの良さを感じさせる「音」と「視覚」のチューニング

昨年、先行発売されたガソリン仕様もスポーティな味付けで話題を呼んだシビックだが、新たに追加されたe:HEVも乗る人を楽しませるハイブリッド車に仕上げられている。その構成は、2Lガソリンエンジン+2モーター内蔵電気式CVTという組み合わせで、カタログ上の燃費は24.2km/L。その大柄なボディサイズを思えば、最新エコカーに相応しい“少食”ぶりを実現している。

 

だが、その真価は積極的に操った際のほうが実感しやすい。まず、効率最優先のハイブリッド車ではエンジンの情緒など二の次というのが相場だが、2L直噴ユニットは回そうという気にさせる仕上がり。これには車内のスピーカーから軽快感などを演出する音を付加するASC(アクティブサウンドコントロール)、加減速時の見え方まで吟味したパワーメーターの貢献度も高い。お見事なのは、それらの演出が単なる“ガソリン車風”ではなく、適度なデジタルテイストに調律されていること。

 

それを受け止めるシャーシも、積極的な走りに応える仕上がりだ。入力に対して正確に反応する操縦性、堅牢なボディはスポーティなセダンとして通用する水準にある。その点では、経済性と趣味性を両立したいオトナのクルマ好きにも狙い目な1台と言えそうだ。

 

[Point 1]電動車らしさは視覚面で演出

インパネ回りは、ガソリン車のタコメーター風にも動くパワーメーター、センターディスプレイのパワーフロー表示。ハイブリッドらしさを演出する。

 

[Point 2]スポーティにして実用的な仕立て

室内の使い勝手は、ハイブリッド版でもガソリン仕様と同等。前後席は、ミドル級セダンとして十分に実用的な広さ。荷室容量は後席を使用する通常時でも404Lを確保する。

 

[Point 3]e:HEVの主張は最小限

まもなく発売されるスポーツ仕様、タイプRは専用ボディを採用するが、e:HEVの外観は基本的にガソリン仕様と同じ。モノグレードで価格は394万200円。

 

[Point 4]高効率ぶりは最強レベル

2L直噴エンジンは、新長期規制に対応する環境性能の高さと一層の高効率化、静粛性の向上など、全方位的に進化している。最大熱効率は41%に達する。

 

文/小野泰治 撮影/市 健治、宮越孝政

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

ホンダ「シビック e:HEV」で“デジタル時代のスポーティ”を実感する!

気になる新車を一気乗り! ハイブリッド車は高い燃費性能など経済性のメリットに注目が集まる。今回の「NEW VEHICLE REPORT」ではホンダ・シビック e:HEVを紹介。走りのキャラクターも特徴的な魅力に迫る。

※こちらは「GetNavi」 2022年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

実感するのは“デジタル時代のスポーティ”!

【ハイブリッド】

ホンダ

シビック e:HEV

SPEC●全長×全幅×全高:4550×1800×1415mm●車両重量:1460kg●総排気量:1993cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:141[184]PS/6000[5000〜6000]rpm●最大トルク:18.6[32.1]kg-m/4500[0〜2000]rpm●WLTCモード燃費:24.2km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

センスの良さを感じさせる「音」と「視覚」のチューニング

昨年、先行発売されたガソリン仕様もスポーティな味付けで話題を呼んだシビックだが、新たに追加されたe:HEVも乗る人を楽しませるハイブリッド車に仕上げられている。その構成は、2Lガソリンエンジン+2モーター内蔵電気式CVTという組み合わせで、カタログ上の燃費は24.2km/L。その大柄なボディサイズを思えば、最新エコカーに相応しい“少食”ぶりを実現している。

 

だが、その真価は積極的に操った際のほうが実感しやすい。まず、効率最優先のハイブリッド車ではエンジンの情緒など二の次というのが相場だが、2L直噴ユニットは回そうという気にさせる仕上がり。これには車内のスピーカーから軽快感などを演出する音を付加するASC(アクティブサウンドコントロール)、加減速時の見え方まで吟味したパワーメーターの貢献度も高い。お見事なのは、それらの演出が単なる“ガソリン車風”ではなく、適度なデジタルテイストに調律されていること。

 

それを受け止めるシャーシも、積極的な走りに応える仕上がりだ。入力に対して正確に反応する操縦性、堅牢なボディはスポーティなセダンとして通用する水準にある。その点では、経済性と趣味性を両立したいオトナのクルマ好きにも狙い目な1台と言えそうだ。

 

[Point 1]電動車らしさは視覚面で演出

インパネ回りは、ガソリン車のタコメーター風にも動くパワーメーター、センターディスプレイのパワーフロー表示。ハイブリッドらしさを演出する。

 

[Point 2]スポーティにして実用的な仕立て

室内の使い勝手は、ハイブリッド版でもガソリン仕様と同等。前後席は、ミドル級セダンとして十分に実用的な広さ。荷室容量は後席を使用する通常時でも404Lを確保する。

 

[Point 3]e:HEVの主張は最小限

まもなく発売されるスポーツ仕様、タイプRは専用ボディを採用するが、e:HEVの外観は基本的にガソリン仕様と同じ。モノグレードで価格は394万200円。

 

[Point 4]高効率ぶりは最強レベル

2L直噴エンジンは、新長期規制に対応する環境性能の高さと一層の高効率化、静粛性の向上など、全方位的に進化している。最大熱効率は41%に達する。

 

文/小野泰治 撮影/市 健治、宮越孝政

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

ルノー「アルカナ E-TECH」はF1譲りのハイブリッド技術で独自の走りを実現!

気になる新車を一気乗り! ハイブリッド車は高い燃費性能など経済性のメリットに注目が集まる。今回の「NEW VEHICLE REPORT」ではルノー・アルカナ E-TECHを紹介。その独自の魅力は何か?

※こちらは「GetNavi」 2022年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

F1譲りのハイブリッド技術で独自の走りが楽しめる!

【ハイブリッド】

ルノー

アルカナ E-TECHハイブリッド

SPEC●全長×全幅×全高:4570×1820×1580mm●車両重量:1470kg●総排気量:1597cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:94[49/20]PS/5600rpm●最大トルク:15.1[20.9/5.1]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

ドグミッションの採用でダイレクトな走りを実現

F1では速さ、市販車では燃費が追求されるハイブリッド技術だが、高度なエネルギー制御が要求される点は同じ。ルノーによれば、E-TECHにはF1で得られたノウハウが惜しみなく投入されている。また、機構面で要注目なのは、トランスミッションに同じくモータースポーツではお馴染みの、ドグミッション(※)を組み合わせていること。軽量&コンパクトで高効率化にも有効な反面、快適性に難があるため市販車では敬遠されてきた構造だが、E-TECHでは電気モーターを駆使してシフトショックなどを排除。ATらしい洗練された変速を実現した。

※:通常のマニュアルミッション(シンクロミッション)と違ってクラッチを切らずにシフトアップ&ダウンが可能になるシステム。シフトチェンジの速さが魅力で、モータースポーツではよく使われている。デメリットには、シフトショックが大きい、音が大きいなどがある

 

その走りはアクセル操作に対するダイレクトな反応が印象的で、スポーティと評しても差し支えない軽快な身のこなしだ。カタログ上では若干控えめな燃費も、実際には市街地で20km/L近く、高速では23km/L以上をマーク。国産勢とはひと味違う個性派ハイブリッド車として、魅力的な選択肢であることは間違いない。

 

[Point 1]最新モデルらしいインターフェイス

画像化されたメーターや、7インチタッチスクリーンが備わるセンター部など、インパネ回りはハイブリッドらしい作り。運転支援系の装備も充実している。

 

[Point 2]SUVらしい使い勝手

室内は前後席ともに十分な広さ。前席にはシートヒーターも装備される。荷室容量もフランス車らしく、通常時で480Lと余裕たっぷりだ。

 

[Point 3]E-TECHは選択肢が拡大中

走りは意外なほどスポーティな味付け。アルカナはE-TECH仕様(429万円)のみだが、日本向けルノー車ではすでにルーテシアにも設定済み。

 

[Point 4]E-TECHは軽量&コンパクト

E-TECHは、1.6Lガソリン+2モーターにドグミッションを組み合わせ、本格派ハイブリッドながら軽量&コンパクト化を実現。幅広い車種に対応している。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

見た目のインパクト最大級! 日本ではレアなピックアップトラックのジープ「グラディエーター」はどう?

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は日本に導入されること自体が珍しい、アメリカン・ピックアップトラックのグラディエーターの実力を探る!

※こちらは「GetNavi」 2022年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感、クルマを評論する際に重要視するように。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわる。

 

【今月のGODカー】ジープ/グラディエーター

SPEC【ルビコン】●全長×全幅×全高:5600×1930×1850mm●車両重量:2280kg●パワーユニット:3.6LV型6気筒エンジン●最高出力:284PS(209kW)/6400rpm●最大トルク:35.4kg-m(347Nm)/4100rpm●WLTCモード燃費:非公表

920万円(税込)

 

無敵のデカさに快適な走りを兼備

安ド「殿! このクルマ、ものすごくデカいですね!」

 

永福「うむ。デカいな」

 

安ド「全長5.6m! コレって世界最大ですか?」

 

永福「世界最大ではないが、日本で普通に買える乗用車のなかでは、2番目くらいに長い」

 

安ド「最も長いのは!?」

 

永福「ロールスロイスの旗艦、ファントムが約6m。それに次ぐ長さだ」

 

安ド「トヨタの新型ランドクルーザーよりかなり長いですよね」

 

永福「ランドクルーザーは約5m。レクサスLXでも5.1m。グラディエーターの圧勝だ」

 

安ド「敵はロールスロイスだけですね!」

 

永福「全高はこちらのほうが20cm高いから、ロールスも見下ろせる。グラディエーターは無敵だ」

 

安ド「無敵なんですね! しかも実際に運転すると、意外と長さは気になりませんでした!」

 

永福「同感だ。住宅街ではもっと苦労するかと思ったが」

 

安ド「ただ駐車すると、前が枠からはみ出しまくってビックリしました!」

 

永福「一般的なコインパーキングは、全長5mまでの設定。60cm飛び出すからな」

 

安ド「このクルマ、ベースはジープ・ラングラーですよね?」

 

永福「ラングラーの4ドアバージョン、アンリミテッドをベースに、ピックアップトラックに仕立ててある」

 

安ド「このキャラクターはすごく好きですが、顔が完全にラングラーなのに、胴体が長すぎて、ちょっとバランスが悪くないですか?」

 

永福「そこが良いのだ。一見ラングラーだが、横から見ると異様に長くて、誰もが『何だコレ!?』とビックリする。アメリカン・ピックアップトラックにはもっとデカいモデルもあるが、グラディエーターはバランスが悪いから、見た目のインパクトは最大級だ」

 

安ド「なるほど! さすが深い考察です」

 

永福「それより驚いたのは、走りが実に快適なことだ」

 

安ド「快適ですか!」

 

永福「ラングラーは本格的なオフロード4WD。乗り心地は固く、高速道路では直進性が悪くてアタリマエだが、現行型はそこが大幅に改善された。このグラディエーターは、ボディが長いぶん、さらに乗り心地も直進性も良い」

 

安ド「重いわりには加速も良いですね!」

 

永福「燃費も7km/Lくらい走るし、価格は920万円。決してそれほど高くない。周囲へのインパクトを考えたら、ものすごくお買い得なクルマだ」

 

安ド「僕にはオーナー像が想像できないんですが、サーフィンやオフロードバイクをやるお金持ち層なんでしょうか? 船を乗せられるほど荷台は大きくないですし」

 

永福「荷台は必ずしも使う必要はない。そんなことより目立つことが重要なのだ!」

 

【GOD PARTS 1】パワーユニット

悪路を乗り越えるパワフルなエンジン

搭載エンジンのラインナップは3.6LV型6気筒DOHCのみ。284馬力、347Nmで、様々な悪路で力を発揮してくれます。オーナーが必要とするかどうかはともかくアイドリングストップ機能まで備えていて、エコ時代にも対応しています。

 

【GOD PARTS 2】各種オフロードスイッチ

あらゆる悪路に対応するオフロード機能を多数装備

インパネの下部にはオフロード車ならではのボタンが集約されています。あらゆる悪路に合わせてそれぞれを上手に走り切るためのシステムが搭載されていますが、素人では使い切れません。オフロードの世界は深い沼なのです。

 

【GOD PARTS 3】ディスプレイ

愛車の走行状況が目に見えて安心!

ボディの傾きやサスストロークなど、オフロードを走るうえで便利なパフォーマンスデータは、すべてディスプレイで確認できます。昔はこういった情報は追加メーターに表示していたんですが、デジタル時代ですね。

 

【GOD PARTS 4】マッド&テレインタイヤ

固くて頑丈な仕様で凸凹道も乗り切れる

17インチのシブいツヤ消しホイールには、ブロックパターンがサイドにまで配置された、剛性が高く丈夫な構造のタイヤが装着されています。なお、スペアタイヤについてはラングラーのようにボディ後方には付いていません。

 

【GOD PARTS 5】シフトセレクター

とにかく太いたくましさの権化!

ATは8速で、基本的にはラングラーの最強グレード「ルビコン」と同じですが、とにかく握りが太くて男らしいです。横に並ぶトランスファー(副変速機)レバーは、4WDを2WDにしたりロックしたりするためのもので、こっちもぶっとい!

 

【GOD PARTS 6】グリル&ヘッドライト

真正面から見たら見分けがつかない!?

ラングラーと同じ顔です。世界的にもお馴染みの好感度の高いデザインです。7本のグリル(セブンスロットグリル)と丸いヘッドライトはジープブランドの象徴となっていて、機能的にはゴツいクルマなのにほっこりします。

 

【GOD PARTS 7】バンパー

前にも後ろにも大きく突き出て衝撃を吸収

左右のフェンダー(タイヤ上方の囲み)はもとより、前後のバンパーもかなり突き出ています。実際に運転してみると、これが運転席からほとんど見えず(笑)、前方を何かに寄せる際は注意が必要です。リアには牽引用のフックが飛び出しています。

 

【GOD PARTS 8】外ヒンジ

ラフなつくりがカッコ良さをアップする!

ラングラーをはじめ、オフロード車ではこのようにヒンジ(可動部位の接続部)が外側に付いていることが多いです。機械としてシンプルな構造にした結果ではありますが、無骨な雰囲気が出て非常にカッコ良くなります。

 

【GOD PARTS 9】リアシート

長くはなったけど4人が快適に乗れる構造に!

ピックアップトラックは古来より2シーターが主流でしたが、現代では後席を追加した4人乗りモデルも増えています。その影響で全長は長くなりますが、内部の後席スペースは十分広く、後席の下には収納まで備えています。

 

【これぞ感動の細部だ!】荷台

何を載せるか? 使い方はオーナー次第!

日本では希少なピックアップトラックですが、北米では各ブランドでラインナップされるほど人気があります。ジープとしては26年ぶりの展開となりましたが、ベースとなっているのは新型ラングラーです。荷台のサイズは奥行きが1531mm、幅は最長部で1442mmで、高さもしっかり取られていて大容量。日本人オーナーたちがこの荷台をどう使うのか興味深いところです。

 

撮影/我妻慶一

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

シトロエン「C5 X」はステキなフランス車。しかし走りには“シトロエンらしさ”を感じられなかった

これまで世界を驚愕させるようなデザインやサスペンションシステムを生み出してきたフランスのシトロエン。同ブランドの新たなフラッグシップモデルは、流行りのクロスオーバーSUV風デザインで登場した。今年ついに日本へ上陸してきたこのアバンギャルドなニューモデルの魅力とは?

 

【今回紹介するクルマ】

シトロエン/C5 X

※試乗グレード:SHINE PACK

価格:484万円~636万円(税込)

 

C5 X初対面の感想は「げえっ、カッコいい!」

シトロエンの新たなフラッグシップ、「C5 X」。私は、2015年に生産を終了したシトロエン「C5」のオーナーだっただけに、その後継とも言うべきモデルの復活には、ひとかたならぬ思いがある。しかも私はつい最近、C5 Xの兄弟車にあたるプジョー「508」(現行型の中古車)を買ったばかりだ。つまりC5 Xは、ダブルで注目せざるをえない新型車だったのだ!

 

まずそのスタイルを見て、「げえっ、カッコいい!」と思った。「げえっ」というのは、プジョー508を買ったばかりの自分にとって、「げえっ」だったということ。

 

C5 Xのデザインは、5ドアハッチバックとSUVの融合ともいうべきクロスオーバースタイル。スポーティでエレガントな5ドアハッチバックの車高を少しだけ持ち上げ、フェンダーガードで武装してSUV風味を加えると、伝統的なヨーロピアンなカッコよさに、今どきっぽいイケイケ感が付け加えられる。われら中高年は基本的に保守的だが、微妙に今どき感を漂わせたいという思いもある。C5 Xのエクステリアは、そこにドンピシャだ。

↑10月1日に登場したばかりのC5 X。フロントフェイスには、新世代シトロエンを象徴するV字型シグネチャーライトを採用

 

この手法は、新型「クラウン クロスオーバー」でも用いられている。いま話題のクラウン クロスオーバーは、C5 Xにかなりソックリ。ちなみにC5 Xは約1年前に本国で発表されているので、クラウン クロスオーバーより少しだけ先に出ている。

 

対する我がプジョー508は、完全なる5ドアハッチバック。完全に伝統的な、ある意味昔っぽいスカし感に満ちていて、中高年の美意識のど真ん中を突いているが、今どき感はあまりない。じゃ、C5 Xと508のデザイン対決、どっちが勝ちなのか? と問われれば、客観的にはC5 Xの僅差勝ち、主観的には508の僅差勝ちだ。とにかくどっちもカッコいいし、正体不明の高級感がある。

 

本邦ではフランス車は絶対的に少数派。車種を認識できる人が限られるぶん、レア感やツウ感のある正体不明感を満喫できるのだ。これは、国産車やドイツ車では味わえない感覚で、クセになる。フランス車を買う人は、なによりもスタイリングを優先する。国産車を買う人は信頼性を、ドイツ車を買う人はメカニズムを優先するが、フランス車の購入層にとって最も重要なのはスタイリングだ。正直、メカなんかどうでもいいというくらい、スタイリングを重視する。C5 Xのデザインは、いかにもシトロエンらしいオシャレさやアバンギャルドさが漂っていて、それだけで「買い」だ。

↑4色のボディカラーをラインナップ。写真のカラーは大人の渋さ漂う「グリ アマゾニトゥ」

 

フランス車を買う人は、インテリアも重視する。シートに座っているだけでオシャレ感を味わえなければ、フランス車を買った意味が薄くなる。ただし、高級感にはこだわらない。TシャツにGパンでひと味違うオシャレさを演出するパリジャンの世界を好むのだ(?)。

 

その伝で言うと、C5 Xのインテリアは実にちょうどいい。シブい色調の車内は、それほど質感の高くないオシャレ感に満ちている。かつてシトロエンと言えば、1本スポークステアリングなど奇抜な演出が定番だったが、近年のシトロエンは奇抜さよりも、親しみやすさを重視している。シトロエンファンとしては、まずまず納得の仕上がりだ。

↑木目調デコラティブパネルを採用した水平基調のコックピット。センターコンソール上部にはそのデザインと鮮やかなコントラストをなす12インチデジタルタッチスクリーンを配置。Apple CarPlay/Google Android Autoに対応するスマホと連携し、スマホアプリやコンテンツをシームレスに楽しむこともできる

 

↑ラゲッジルームの積載容量は通常時で545L。リアバックレストを倒せば、最大1640Lの広大なスペースが生まれる

 

エンジンは常に脇役で、ある意味、普通に走ればそれでいい

試乗したのは、ガソリンエンジンの1.6Lターボ仕様。もはやPSAグループの超定番エンジンで、可もなく不可もなく加速する。私が乗っていたC5と基本的には同じエンジンで、パワーは156psから180psに強化されているものの、加速感にほとんど差はなく、「ごく普通に走る」と言うしかない。シトロエンにとってエンジンは常に脇役で、ある意味、普通に走ればそれでいいのである。

 

それより重要なのは乗り心地だ。シトロエンと言えば、オイルとガスを使って魔法のじゅうたんのような乗り心地を実現していた「ハイドロニューマチックサスペンション」の伝統がある。先代型C5は、その最後のハイドロシトロエンだったが、コストが合わなくなり絶滅。このC5 Xには、その伝統を受け継ぐ形で「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)」なるダンパーシステムが搭載されている。

 

その乗り心地はというと、まだ新車で機械的なアタリが付いていないのか、あまりフンワリ感はなく、ごく普通のサスペンションという印象だった。どちらかというとスポーティで引き締まった印象で、コーナリングが得意。シトロエンらしさは感じられない。むしろ私のプジョー508のほうが、フワッと当たりがソフトなくらいだ。

↑リアコンビネーションランプはサイドまで回り込むような大胆なV字型デザインで、その存在を鮮烈に印象づける。SHINE PACKには、スライディングガラスサンルーフを装備

 

↑車速やナビゲーションのルート、ドライバーアシスト機能の作動状況など、運転に必要な情報をメーター上部のフロントウィンドウに投影する

 

ちなみにだが、C5 Xのリアサスはトーションビーム方式なのに対して、508はより高価なマルチリンク方式+電子制御ダンパーを採用している。兄弟車とはいっても、サスペンション的には微妙に508のほうが上位なのだ(軽い勝利感)。

 

ただ、同じPHCを積んだSUVのシトロエン「C5エアクロスSUV」は、フワッフワの綿アメのような乗り心地だったので、C5 Xも、車体の走行距離が延びれば、もうちょっとフワフワしてくる可能性もあるだろう。それに期待したい。

 

クラウン クロスオーバーが話題の今、そのソックリさんとも言うべきシトロエンC5 Xは、「似てるけど違うんだぜ」と主張できる、実にステキなフランス車だ。これに乗れば、周囲のクルマ好きから一目置かれることは間違いない。

 

SPEC【SHINE PACK】●全長×全幅×全高:4805×1865×1490㎜●車両重量:1520㎏●パワーユニット:1598㏄直列4気筒ターボエンジン●最高出力:180PS/5500rpm●最大トルク:250Nm/1650rpm●WLTCモード燃費:─㎞/L

 

 

撮影/池之平昌信

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

マツダ「CX-5」クリーンディーゼルは、プレミアムブランドのラグジュアリーモデルに乗った時のような万能感

発売から5年が経過した現行型CX-5だが、今も刷新され続け、商品力を高めている。今回は同車のクリーンディーゼルエンジン搭載モデルに試乗して、このクルマの存在意義と価値について改めて考えてみた。

 

【今回紹介するクルマ】

マツダ/CX-5

※試乗グレード:XD Sports Appearance

価格:290万9500円~407万5500円(税込)

 

クロスオーバーSUVとしてカテゴリー全体を成熟

昨今、クラウンにもフェラーリにもSUV(のような)モデルが誕生し、いつの頃からかSUVは、ブームからスタンダードな存在となった。そもそもトラックから派生した悪路を走れるクロスカントリーモデルが、乗り心地が乗用車並みに改善されてSUVと呼ばれるようになり、街の風景にも似合うスタイリングをまとって、2000年代以降に世界的なブームとなったのである。

 

日本でのターニングポイントは90年代だ。1994年のトヨタ「RAV4」のヒットでシティSUV人気に火がつき、1997年のトヨタ「ハリアー」がアウトドアをしない一般層にも好評を得たことなどが、SUVカテゴリーの過渡期を担った。そして、高級感と都会的な雰囲気を高めたクロスオーバーSUVとしてカテゴリー全体を成熟させたのが、2012年に発売されたマツダの初代「CX-5」だ。

 

初代モデルは、当時話題になった「SKYACTIVE(スカイアクティブ)」技術の全面的採用車ということで、燃費性能や走行性能の良さに注目が集まった。実際、クリーンディーゼルエンジン搭載車でリッター15km(実燃費)程度の数値は出せたし、同時期のSUVと比べてコーナリング時の挙動も高速道路走行時も安定感が高かったものだ。

 

そんなCX-5が2代目へモデルチェンジしたのが2017年2月。この頃になると日本でもSUVの販売台数は急増していたが、現行型となる2代目CX-5は、キープコンセプトながら全方向で進化を果たした。その後、毎年のように商品改良されて性能や魅力を高めてきたが、登場後約5年が経過した2021年11月、さらに大幅改良がなされている。

 

まず目につくのはデザインだ。CX-5は今やマツダのグローバル販売台数の約三分の一を占める基幹車種ということで、同ブランドを象徴するようなデザインでなくてはならない。そもそも2代目モデルになった時点で、海外のプレミアムブランドに勝るとも劣らない独自のプレミアム感を備えていた“魂動”デザインが、さらに進化している。

↑ドライバーとクルマの関係を、まるで愛馬と心を通わせるかのように、エモーショナルなもの。そのための造形を追い求めつづけるのが、マツダの「魂動デザイン」

 

フロントバンパー、およびグリルまわりの形状はスッキリして、より上質で凛とした雰囲気が感じられる。まるでギリシャ彫刻のような、美しさと躍動感に満ちた表現に仕上げられている。今回の改良ではなく、現行型になった時からそうだが、CX-5のデザインは国産SUV市場においてもう一歩足りなかったファッション性のようなものを獲得しており、そういった部分ではジャガーやBMWなど欧州プレミアムブランドのSUVに肩を並べるものがある。

↑またボディカラーは全8色。試乗車はソウルレッドクリスタルメタリックだった

 

今回、インテリアに変更点はなかったようだが、もとから洗練されているデザインが好印象だ。シンプルながら大人っぽい雰囲気で、運転姿勢のまま各操作部までしっかり手が届いて操作性が高い。このクルマは外から見ると大きく見えるが、実際にシートに座ってみるとそれほど車体が大きいと感じられず、このあたりは運転のしやすさにも繋がっている。さらに、サスペンションの改良もあってか比較的長い時間運転しても疲れは少なかった。

↑ダッシュボードの低い位置に水平基調のラインを作る最新流行を取り入れ、手が触れる部分の素材に柔らかいものを使用

 

↑座面には人間が不快に感じる振動だけをカットする性質を持ったウレタンを採用し、より快適な座り心地を実現

 

運動性能はシャープな印象で、その操作感は自然!

今回、新たなドライブモード「Mi-DRIVE(ミードライブ)」の採用で対応できる走行シーンを広げているが、ベースの運動性能はシャープな印象で、その操作感は自然である。こんな風に曲がりたいと思ってステアリングを操作すれば、思い通りに曲がってくれる感じだ。乗り心地に関しては、高速域でも低速域でも快適で、現行型登場時と比べて向上しているようだった。これらの感覚はあらゆる部分が作り込まれている証拠であり、まるでプレミアムブランドのラグジュアリーモデルに乗った時のような、万能感さえ感じられる。

 

また、今回試乗したのは2.2Lのクリーンディーゼルエンジン搭載車で、パワーユニットに関して改良点はなかったようだが、相変わらずスムーズでパワフルな加速感が魅力的だ。それでいて燃料代が安いという恩恵にもあずかれるのだからありがたいかぎりである。また、エンジンではなくボディ側の改良によるものだと思われるが、静粛性も向上している。つまり、目をギラギラさせて運転しなくても、ちょっと乗っただけでその良さが感じられるところが、このクルマの走りの魅力でもある。

↑CX-5はクリーンディーゼルエンジンとガソリンエンジンから選べる

 

そして現代のクルマにとって欠かせないのが安全性能だ。搭載される先進安全技術「i-ACTIVESENSE(アイアクティブセンス)」では、ミリ派レーダーとカメラを用いて衝突回避のサポートや被害軽減を図っている。当然のようにクルーズコントロールは全車速対応だし、歩行者や交通標識の検知、認識機能も備えている。そして今回、アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)が改良され、LEDを20分割化したことで、夜間の視認性を高めていることも紹介しておこう。

↑225/55R19 99Vタイヤ&19×7Jインチアルミホイール(ブラックメタリック塗装)を履く

 

今回はクリーンディーゼルモデルに乗ったが、以前乗らせてもらったガソリンモデルも決して悪くなかった印象がある。このエンジンの違いで価格が約30万円ほど違ってくるので、どちらを選ぶかは各家庭の財務担当者とよく相談してほしい。ミドルサイズのSUVを買おうと思っていて、輸入車のような洗練されたデザインのクルマに乗りたいけど予算的に不安な人にとっては、今も最注目のモデルである。さらに、国産車の信頼性の高さというおまけも付いてくる。

↑定員乗車時もゴルフバッグ4つが入る大容量を確保。フロアボードは上下段にセットが可能です。荷室高:フロアボード上段セット時約750mm /フロアボード下段セット時約790mm×荷室幅:約1450mm×荷室長:約950mm

 

SPEC【XD Sports Appearance】●全長×全幅×全高:4575×1845×1690㎜●車両重量:1650㎏●パワーユニット:2188㏄直列4気筒ディーゼルターボエンジン●最高出力:200PS/4000rpm●最大トルク:450Nm/2000rpm●WLTCモード燃費:17.4㎞/L

 

撮影/木村博道 文/安藤修也

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

ヴァレオ発、「シトロエン・アミ」のチューンナップ版に試乗したら想像以上に楽しかった!

フランスの自動車部品サプライヤー「Valeo(ヴァレオ)」が、48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載した電動小型モビリティの試作車『48Vライト eシティーカー』を開発。この度、この試作車に試乗する機会を得ました。その試乗レポートをお届けします。

 

最高速度は100km/h! その実力はベース車を遙かに超える

ヴァレオが48Vライト eシティーカーを日本初公開したのは、今年5月に開催された「人とくるまのテクノロジー展2022」でのことでした。ベースとなっているのは、フランスで量産されているステランティスの低速モビリティ「シトロエン・アミ」で、そこに搭載されていた駆動システムに変更を加えたものとなっています。

 

この駆動システムに採用されているのは、48VのBSG(ベルト駆動式スターター&発電機)をベースに開発されたもの。そのため、電気自動車(EV)のスタイルを採るとはいえ、本格的な走りを発揮するのではなく、あくまで最高速度を45km/hに抑えて、14歳以上であれば免許なしでも運転できる欧州の「L6/L7」カテゴリーに収まる車両向けに開発されたと言えます。

↑『48Vライト eシティーカー』に搭載されたヴァレオ製「48V eAccess」

 

しかし、シトロエン・アミに搭載されたeAccessの能力は、まだ十分に発揮されたものではありませんでした。ヴァレオはこのシステムをそのままチューンナップすることで、最高出力をベース車の6kWから10.5kWに引き上げ、最高速度は45km/hから100km/hへと大幅にアップさせることに成功したのです。この日は、このパワーを体験できる状態での試乗となりました。

 

一方、ボディそのものはシトロエン・アミそのまま。全長2410×全幅1390×全高1520mmで、前後左右のボディパネルはまったく同じ部品を使ったシンメトリーデザインを採用して車体の低コスト化を実現。その割にタイヤ径は155/65R14と大きめで、ここから受ける印象はどこか玩具のようでもあります。それがアクセルを踏み込むと一変! 想像を超える力強い走りを見せてくれたのです。

↑ボディはステランティスの低速モビリティ「シトロエン・アミ」そのもの。前後左右共通のデザインがユニーク。ちなみにホワイト塗装の方が前

 

↑48Vライト eシティーカーの運転席周り。動作状態を把握するためのスマートフォンが追加されている。それ以外の仕様はオリジナルのままだ

 

軽量なボディゆえにパワーアシストがなくても操作は楽々

最高出力が10.5kWといえば14馬力程度に相当します。これが仮にガソリンエンジンだったとしたら、トルクが出るまでに一定回転数までの上昇が必要となります。しかし、そこは電動車、低速域から力強いパワーを発揮。このパワー感はノンターボの軽自動車をはるかに超えていると感じたほどでした。しかもまったくパワーアシストがない状態で走るものだから、路面からの反応もリニアに伝わってきます。これがまた走りに面白さを加えてくれたのです。

↑想像以上に楽しい走りを見せてくれた48Vライト eシティーカー

 

パワーアシストがない? これだけを聞けば市街地では使いにくそうにも思えますが、駆動ユニットがeAccessだけなので車体はきわめて軽く、それだけにアシストなしで操舵しても特に負担が大きくなることはないのです。ブレーキに関しても市街地走行レベルなら特に問題はないレベルにあったと言えるでしょう。また、遮音が一切ないことからロードノイズはダイレクトに入ってきますが、電動車であるがゆえにエンジン音はなし。電子音が若干入ってきますが、それほど気になるものではありませんでした。

 

ただ、空調がデフロスタぐらいしか備わっていないのは、日本で扱うにはかなり厳しそうです。日本の夏は高温多湿で、冬になれば気温が低くなってきます。夏は窓を開けて走行すれば何とかなるかもしれませんが、冬はおそらくしんしんと冷えてくると思います。しかも窓を閉めきっていれば窓は曇ってきます。だからこそデフロスタが付いているのですが、仮にこの車両が販売するとなれば空調ぐらいは欲しいところでしょう。

 

とはいえ、このクルマが目指すのはそこではありません。あくまで48Vシステムを採用することで超小型モビリティとしての可能性を模索したモデルなのです。

↑48V eAccessは、48VのBSG(ベルト駆動式スターター&発電機)をベースに開発された

 

48Vシステムなら、軽トラのEV化にもメリット大

この日はもう一台の実験車両にも試乗することができました。それはスズキの軽トラック「キャリィ」をベースに、群馬大学「次世代モビリティ社会実装研究センター(CRANTS)」とヴァレオの日本チームがコンバージョンEVとして共同制作した『EV軽トラック』です。こちらはヴァレオの48V電動アクスル「48V eDrive」を、前後の車軸上に1機ずつ配置した4WDとなっており、それぞれの最高出力は15kW(20PS相当)となっています。

↑軽トラのコンバージョンEV『EV軽トラック』(左)と『48Vライト eシティーカー』(右)

 

この「48V eDrive」はすでに48Vマイルドハイブリッドで採用されたもので、ヴァレオによればシステムとしての信頼性も高く、量産にも向いているとしています。また、ベース車の電動パワーステアリングをそのまま踏襲し、ブレーキのサーボアシストも搭載するなど、こちらは市販を意識した仕様となっているのも注目点です。

↑EV軽トラックのインテリア。ヴァレオカラーで統一されていた

 

試乗してみると意外にも走行音はきわめて静か。加速感は48Vライト eシティーカー以上の力強さがあり、この走りを踏まえ、ヴァレオでは軽トラックの電動化を提案できることが確認できたとしています。特に軽トラックであれば航続距離の長さを気にする必要もないわけで、それでいて駆動システムを一体化できることで軽量化や低価格化も期待できることになります。そうした面で需要は確実にあるとみているわけです。

↑背後から押し出されるような4WDならではの力強い走りを見せたEV軽トラック

 

一時は一世を風靡した48Vマイルドハイブリッドは、完全EVの流れを受けてすっかり影を潜めていた感がありました。ところがどっこい、今回の試乗を通して低速限定のより身近なモビリティとしての用途があることをヴァレオは改めて世に示したというわけです。日本でも超小型モビリティとして導入されれば、電動車の普及により拍車がかかるのではないでしょうか。

↑EV軽トラックは、48Vシステムで作動するラストワンマイルを意識して開発された

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

従来のハイブリッド車の概念を超えた!ホンダ11代目「シビック」の爽快な走りを体験

シビックが誕生して50年。6MTをラインナップに揃えるなど、スポーティな走りが改めて注目されるホンダ『シビック』に、ハイブリッドシステム「e:HEV」が追加されました。コンセプトは“爽快スポーツe:HEV”。進化したシビックの新時代の走りを体験してきました。

 

【今回紹介するクルマ】

ホンダ/シビック

※試乗グレード:e:HEV

価格:319万円~394万200円(税込)

↑“爽快スポーツe:HEV”としてデビューした11代目シビック。新開発2リッター4気筒直噴エンジンを踏み合わせたe:HEVとした

 

環境にも優しく、走りにも優れた新世代「e:HEV」

シビックが誕生したのは1972年、ホンダの4輪車の中で最も長い歴史を持ちます。この年は世界的に大気汚染が重要課題となった時期とも重なり、自動車メーカーはその対応が求められていました。特に米国で施行された排出ガス規制(いわゆる)「マスキー法」への対応は世界でもっとも厳しく、それに対応できないメーカーが続出したのです。

 

そんな中でホンダはこれをクリアするCVCCエンジンを開発。環境に取り組むメーカーとして一躍注目を浴びるようになりました。その上で人を中心に考えたパッケージングや走り、省エネルギーを高次元で両立させたことでビジネスとしても成功を収めることになります。以来、シビックはその意味で「市民」に広く浸透し、歴代のシリーズ販売台数は2700万台にも及びます。これは名実ともに日本を代表する自動車の一つといっても過言ではないでしょう。

 

11代目となる現行シビックは2021年9月に登場しました。日本市場にはハッチバックのみの投入となりましたが、フロントからリアエンドまで流れるようなデザインは、走りを一段と意識させるアグレッシブさに富んだものとなっていました。特に最初に投入されたターボ付き1.5リッター・ガソリン車は、そのデザインから受ける期待を裏切らないスポーティな走りを見せ、シビック本来の姿を取り戻したことを強く印象づけるものでした。

 

そして2022年6月、その走りに環境性能も高めたホンダ独自の「e:HEV」がラインナップに追加されたのです。このシステムに組み合わされるエンジンは新開発の2リッター直4直噴ユニットで、ここには燃料をシリンダー内に直接噴射する直噴システムを新たに採用。燃料を無駄なく燃焼させることが可能となり、従来型e:HEV用2.0Lエンジンを上回る高トルク化と、エンジンモードでの走行可能領域拡大を実現したのです。

↑シリーズパラレス型ハイブリッドとした新型シビック「e:HEV」

 

↑日本市場にはハッチバック型のみが展開される

 

このエンジンは、燃焼の高効率化も図られ、その数値は世界トップレベルの約41%もの熱効率を実現。同時に燃料の直噴化によってトルクと燃費性能を向上させています。

 

ハイブリッド方式は、発電用、駆動用の2つのモーターを備えるものです。街中などの低速域ではエンジンが発電用モーターの原動力としてその役割を果たし、高速域になるとエンジンと車輪が直結して駆動するよう切り替わります。つまり、ハイブリッド方式を状況に応じて最適な切り替えを行うシリーズパラレス式としたのです。

 

ここまでのスペックから推察して、最初は「結局、新型シビックは燃費重視の環境車なの?」と想像しました。しかし、それは走って的外れだったことがすぐにわかりました。試乗コースとして設定されたのは八ヶ岳周辺のワインでイングロード。新型シビックはそこで想像以上に爽快で楽しい走りを見せてくれたのです。

 

小気味よいステップ感で従来のHEVとは明らかな違いを実感

アクセルを軽く踏むと、それだけで力強いトルクを伴いながらスムーズにクルマを前へ走らせます。そしてアクセルをグッと踏み込むと動きは一変。エンジンの回転が先行するハイブリッド車らしさはまったく感じられず、まるで変速機でもあるかのような小気味よいステップ感を伝えながらグイグイ加速していったのです。特に興味深いのはこのステップ感で、実はこの効果はエンジン制御によって生み出されていました。

 

ホンダはこれまでもe:HEVでハイブリッド特有の、エンジンの回転が先行する違和感を抑えてきました。シビックに搭載した新エンジンでは、高回転までエンジンを回した際、燃料と点火を一旦カットし、回転が落ちたところで再びエンジンを回し始める新機構を採用。この制御をすることで、むしろターボ付き1.5リッター・ガソリン車よりもメリハリのある動作を実現することになったのです。ここにシビック本来のスポーティさを“復権”しようとする開発陣の意気込みが伝わってきますね。

↑パワーユニットは新開発の2リッター直4直噴エンジンを組み合わせた「e:HEV」とした

 

半端ない静粛レベルにも驚きました。実はフロントスピーカーからはノイズと逆位相の音を出すノイズキャンセラーが組み込まれており、これが走行中のノイズを聞こえにくくしているのです。しかも、スポーツモードにするとアクティブサウンドコントロールが作動して、パワーの高まりと共に電子音を発生させます。その効果も自然で嫌みがない。このあたりのチューニングもスポーティさを志すシビックらしい仕掛けとも言えるでしょう。

 

ステアリング制御は電動パワーステアリング(EPS)によるもので、適度な重さを伴いながら切っただけ曲がっていく感じ。これも自然で扱いやすいものです。ステアリングにはパドルレバーが装着され、マイナス側を操作することで回生ブレーキも段階的に高まり、その減速Gもわかりやすく表現されていました。この機能は特にワインディングではメリットを実感すると思います。

↑シビック「e:HEV」にはハイブリッド車系に採用する電気式無段変速機が組み合わされる

 

試乗当日は雨にたたられましたが、ほどよく固められた足回りとの相性も良く、ワインディングを気持ち良く駆け抜けることができました。若干、段差を乗り越えたときのバタツキ感が気になりましたが、それでもハイブリッド化による重量増が効いているのか、ガソリン車よりも突き上げ感はしっかり抑えられているように思いました。

 

広々とした視界と安全性にも寄与するHMIが使いやすい

インテリアは、低いフロントフードとあいまって広々とした視界を生み、爽快な気分にさせてくれる仕様です。聞けば、Aピラーの位置を50mmほど後ろへ下げたことで水平視界がグッと広がったんだそうです。近年はADASとしても交差点で歩行者を含むセンシングが重視されていますが、こうした車体設計から安全性が高める姿勢は評価したいと思います。

 

ダッシュボードには広がり感を強調するパンチングメタルのエアコンアウトレットを採用しています。これはクリーンな見え方と優れた配風性能を両立させた新開発のフィン構造を内蔵したもので、空調の最適化も同時に図っているとのこと。車内は長時間にわたって過ごすことも少なからずあるわけで、こうした配慮も新型シビックの爽快さを実感できるポイントの一つと言えるでしょう。

↑低いダッシュボードと後ろへ50mmずらしたAピラーとも相まって広々とした視界を実現した

 

また、ホンダのHMIの考え方である「直感操作・瞬間認知」を追求し、10.2インチのフルグラフィックメーターを採用しました。メーターの左半分にオーディオなどのインフォテインメントの情報を、右半分にはHonda SENSINGやナビなどの運転支援情報などをそれぞれ表示します。ステアリングスイッチの位置と同様の左右配置とすることで、直観的な操作を可能としているのが特徴です。

↑運転席シートは余裕のあるサイズで長時間座っていても疲れにくそうだ

 

↑ニースペースに余裕があり、後席も大人がゆっくり座れる。運転席シートにシートバックポケットがないのは残念

 

↑後席はシートバックの高さにも余裕があり、大人二人がゆったりとくつろげる

 

さらに新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュール「Honda CONNECT(ホンダコネクト)」も搭載します。スマホでドアロック解除やエンジン始動を含む「ホンダ・デジタルキー」などが利用できるコネクテッドサービス「ホンダ トータルケア プレミアム」にも対応しました。ガソリン車のEXとe:HEVには「BOSEプレミアムサウンドシステム」が搭載されているのも見逃せません。

↑サブウーファーを含む全12スピーカーを組み合わせるBOSEプレミアムサウンドシステム

 

試乗したシビックe:HEVは、従来のハイブリッド車の概念を根底から覆すクルマとして仕上がりました。その手法は少し人工的ではありますが、乗ってみればそのコンセプトを裏切らない爽快さを実感させてくれるはず。11代目シビックはスペック以上に、期待を裏切らないクルマに仕上がっていたと断言できます。ぜひ、試乗してみることをおすすめします。

 

SPEC【e:HEV】●全長×全幅×全高:4550×1800×1415mm●車両重量:1460kg●パワーユニット:2.0L直4 DOHC 16バルブ●最高出力:104kW[141PS]/6000rpm(135kW[184PS]/5000〜6000rpm)●最大トルク:182N・m[18.6kgf・m]/4500rpm(315N・m[32.1kgf・m]/0〜2000rpm)●WLTCモード燃費:24.2km/L

※()内は電動機(モーター)の数値。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

ドイツのカーシェアリングは「乗り捨て型」が75%! もはや都会暮らしには不可欠の存在に

カーシェアリングがクルマ大国のドイツで普及しています。同国の都市部の至る所でカーシェアが見られるようになり、2022年には過去最高のユーザー登録数を記録。いまやカーシェアリングはドイツの都市生活に不可欠と言えるほど広がっていますが、なぜこのような現象が起きているのでしょうか? その背景には「乗り捨て型システム」があるようです。

 

乗り捨てが75%

↑ドイツのカーシェアの主流は乗り捨て型

 

 日本のカーシェアリングでは、インターネットでクルマを予約し、サービス提供会社によって決められたステーションに行って乗り始め、利用後は出発したステーションに返却するのが一般的。いわゆる「乗り捨て」は原則できません。しかし、ドイツには主に「乗り捨て」を提供する業者が複数あります。このシステムは「フリーフローティング・カーシェアリング」と呼ばれており、ベルリンやミュンヘン、デュッセルドルフなどの大都市を含めて34都市で展開されています。

 

ドイツのカーシェリング市場には「ShareNow」「Miles」「Sixtshare」「WeShare」という主要プロバイダーがおり、この4社が国内市場の上位を占めていますが、今回はその中からShareNowを取り上げて、フリーフローティングカーシェアリングのサービス内容と利用方法を見てみましょう(以下)。

 

・24時間年中無休で利用可能

・月額料金はなく、利用代金は1分あたり0.09ユーロ(約12.4円※)から(※1ユーロ=約138円で換算)

・利用は数分でも数日でもOK

・事前に予約すれば指定の場所までお届け
・パソコンやスマートフォンのアプリを使用して好きな車種やクラスを選択

・アプリで希望の場所や現在位置から近くにあるクルマを探して乗車

(前の使用者が乗り捨てた場所に取りに行って使用することもあり)

・ガソリン代、保険料、メンテナンスは一切不要

・利用後は同じ市内であれば路上など駐車エリアに乗り捨て可能

(駐車禁止の標識がある場所以外は基本的に路上駐車が可能なうえ無料駐車スペースもあり)

・公営駐車場やデパート、空港の専用駐車場にも乗り捨て可能

・駐車料金は無料

 

ユーザーが駐車料金を支払わずに有料駐車場に停められるシステムが実現した理由は、プロバイダーが各自治体と直接連携したから。かつてはユーザーやプロバイダーが駐車料金を支払う必要があったのですが、環境や交通量の面から少しでも自家用車の保有を減らしたいと考えた自治体がカーシェアリングを推奨するようになったのです。その取り組みは、多くのユーザーを獲得することにつながりました。

 

2012年に導入されたフリーフローティングシステムは、当初こそ“乗り捨て不可”のステーションベースシステムの割合には及ばなかったものの、2014年頃から人気が急上昇。2021年にはカーシェアリング市場全体の約75%を占めるようになりました。

 

新たな通勤手段

↑クルマの所有は少なくなる

 

コロナ禍の影響について言えば、少なくとも最初の数か月はカーシェアリングプロバイダーも打撃を受けました。特に国を挙げて大規模なロックダウンを実施した時期は、外出自体に規制がかかり、ドイツカーシェアリング連邦協会の統計によると予約数と車両使用率が大幅に減少したそう。

 

しかし、規制が緩和されるのに伴って需要は回復し、2021年からカーシェリング市場は急速に伸びるようになりました。マスク着用規制や感染の可能性がある電車やバスの利用は現在でもやはり敬遠されがち。そのような状況もあって、乗り捨てできる便利なカーシェアリングが通勤手段として選ばれ、ユーザー急増につながったと見られています。

 

カーシェアリング連邦協会のデータによれば、2022年1月時点で前年比18%増の約340万人がカーシェアのサービスに登録しており、車両台数も同15.2%増とのこと。カーシェアが新たな交通手段になりつつあります。

 

エコなゼロミッションカーの導入も人気の理由

↑電気自動車に乗るならカーシェア

 

 ドイツのカーシェアリングプロバイダーは、CO2などを排出しないゼロエミッションカーの導入に積極的です。次世代エコカーと呼ばれるバッテリー式電気自動車とプラグインハイブリッド車は、2022年1月時点のカーリング市場において23.3%を占めました。その中でも、バッテリー式電気自動車がほぼ中心的に利用されています。

 

エコ意識が高いドイツでは、CO2を排出するという観点からクルマを運転すること自体に抵抗感を持つ人もいるほど。電気自動車は高額なので簡単に手が届きませんが、カーシェアリングならばゼロミッションカーを気軽に借りることが可能。この意味で、ドイツでカーシェアリングの人気が上昇していることは納得できます。

 

このように、乗り捨て型カーシェリングには、ユーザーの利便性だけでなく、環境負荷を低減できるという大きなメリットがあります。今後多くの国や地域でさらに普及していくことで、エネルギー不足や地球温暖化など世界が抱える重要な課題の改善につながる糸口になるかもしれません。

 

執筆者/ドレーゼン 志穂

軽トラ×荷台ボックスをセットでレンタルできるダイハツ「Nibako」に期待するもの

ダイハツは同社の軽トラックと荷台に設置可能な荷箱をセットで、移動販売事業者などにレンタルする「Nibako(ニバコ)」のサービスを開始しました。開始当初の対象地域は東京・埼玉・千葉・京都の4都府県で、対象も事業者に限られますが、将来的にはワーケーションなどへの対応も視野に入れているとのことで期待が高まります。

 

手軽に移動販売が始められる

レンタルの料金は車両(軽トラック)込みで、1日プランが1万3200円〜、1か月プランは6万6000円〜(ともに税込)。購入すると250〜500万円程度が必要とされる移動販売車なので、この料金はかなりリーズナブル。新しいライフスタイルの広がりとともに、店舗を持たず移動販売などを行いたいというニーズも増えているようですが、初期費用を抑えて開業できそうです。

↑同社の「ハイゼット トラック」に荷台のボックスがセットされた状態で貸し出される

 

「Nibako」のボックスは左右と後方の3方向が開ける構造となっており、小物類や食器類の物販から、衣料品、生花、野菜、お菓子など、さまざまな業種での利用が可能。ただし、キッチンカーとしての利用はできないので、調理しての営業販売には対応していません。貸し出しは同社の販売会社を通して行われ、販売会社の店舗にて毎回整備した上で貸し出されるという安心感も大きなメリットです。

↑左右のほか、後方の3面が開く構造を採用。ボックスのサイズは長さ1710×高さ1190×幅1300mm

 

↑側面はガルウィングのように開く形状で様々な業種での利用に対応する

 

「Nibako」には専用のWebサイトも用意され、出店に適した場所などの情報提供や、事業者同士がつながるコミュニケーションサービスなどが利用可能です。出店情報もWebサイトに掲載されるので、消費者に通知する機能も備えています。Webサイトは利用料無料で登録できるのもうれしいところ。

↑「Nibako」サービスの利用イメージ

 

↑単なるレンタルサービスではなく、事業者と消費者など人と人のつながりを作り出すのが「Nibako」の狙い

 

ワーケーションや車中泊などへの活用も広がる!?

今年度は事業導入のトライアル期として、150台を用意する予定とのことですが、来年度は1000台、2025年度には3500台の導入を目指します。当初は軽トラックとのセットになりますが、今後は「Nibako」単体での貸し出しや、移動販売タイプにとどまらない多様なタイプを導入予定とか。将来的にはワーケーションに対応したタイプなども導入したいとのことで、期待が高まります。

↑今後のサービスの展開スケジュール。多様なタイプの導入も検討されている

 

個人的に期待したいのは、ワーケーションだけでなく車中泊などにも利用可能になること。軽トラックの荷台に、車中泊できるタイプのボックスを搭載した「軽トラハウス」や「モバイルハウス」と呼ばれる車両は、実は車中泊ユーザーの中でも人気が高く、自作するユーザーもかなりの数存在します。キャンピングカーの中でも軽自動車をベースとする軽キャンパーは人気が高いですが、さらに導入費用が安く、ボックスを降ろせば普通の軽トラックとして車検にも対応できるのが魅力です。

↑筆者が過去に取材した「軽トラハウス」。ユーザーが自作することが多く、費用が抑えられる上、自分好みの仕様にできるのが人気の理由

 

車中泊仕様については、軽トラックの350kgという積載重量の関係から、どこまでの装備を備えることができるかなど検討課題としながらも、ダイハツでも検討はしているとのことで期待が高まります。個人的にはボックスのみのシンプル仕様のほうが、キャンプ用品などを活用して自分仕様にできるのではないかと思います。

 

モビリティを利用して暮らしを豊かにする「コトづくり」を目指してスタートしたという「Nibako」のサービス。今後の展開に期待したいところです。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

【保存版】20周年を迎えた「コペン」歴代25台を振り返ったら分かったこと

2022年6月、ダイハツのコペンが生誕20周年を迎えた。「軽自動車+オープンカー」という極めて強い個性が与えられ、最も身近なオープンモデルとして高い人気を獲得。6月に発表した20周年アニバーサリーモデル(限定1000台)はわずか5日で完売するなど、多くのファンに愛される一台だ。

 

本記事ではコペンの歴代主要モデル&グレード25台を紹介。コンセプトカーや派生モデルも数多くピックアップ。ちなみに、コンセプトカーや派生モデルは20周年記念公式サイトでもあまり紹介していないので、本記事オリジナル。モータージャーナリストとしてコペンを長年追いかけてきた岡本幸一郎さんの振り返りインプレとともにお届けしていこう。

 

【その1/最新コペン】COPEN 20th Anniversary Edition(2022年6月)

まずは直近のコペンに触れてから、過去に遡っていこう。本車は20周年を迎えて直営拠点「Copen Local Base Kamakura」でお披露目となった限定1000台のアニバーサリーモデル。人気モデル「セロ」をベースにMOMO製の本革巻ステアリングや本革巻シフトノブ、ロゴ入りの本革シート、自発光式の3眼メーターなどが与えられ、スポーティさと贅沢さを融合した仕上がりとなる。先述の通り、発表からわずか5日で受注分の受付を終了。価格は224万4000円〜(税込)となっていた。

 

↑ヘッドレストにはエンボス加工でCopenのロゴが刻まれている。上質な本革を使用。ファクトリーで丁寧に縫製され、ホールド性に優れたスポーツシートは圧巻だ

 

↑随所に配される記念プレートは匠の手により炭や砥石で磨き上げた金型から生まれており、芸術品といっても良い作り込みだ

【モータージャーナリストの目線】

「セロをベースに激シブ路線で来ました! お約束のBBSも履いているし、各部がアイボリーでコーディネートされたコクピットも魅力的な雰囲気があります。フロントのエンブレムがコペンの『C』ではなくダイハツの『D』となっているほか、リアにも初代を復刻した『Copen』ロゴを配するなどの演出も心憎い」(岡本さん)

 

【COPEN20周年スペシャルサイトはこちら

 

【初代コンセプトモデル~初代モデル編】

コペンは1999年にコンセプトモデルが初出展され、2002年に販売を開始。初代モデルは2012年まで生産が続けられ、10年にわたり愛され続けた。初代を象徴するのはやはり、ヘッドライト。まん丸ライトにコンパクトなボディで、単なるクルマを超えた存在感を醸していた。初代モデルは周年タイミングで特別仕様車が登場するというパターンが多く、プレミアムな装備が毎回与えられた。

 

【その2】第33回東京モーターショー参考出品「KOPEN」(1999年10月)

↑写真は「ル・ボラン」1999年12月号より

コンセプトモデルとして初めて登場したコペン。本段階では名称は「COPEN」ではなく、「KOPEN」と名付けられており、以降もコペンはコンセプトモデル段階では「K」が使われている。本モデルでは前後ダブルウィシュボーンが採用されていた。

 

【その3】第35回東京モーターショー参考出品「COPEN」(2001年10月)

↑写真は「ル・ボラン」2001年12月号より

市販化を前提とした参考出品モデル。電動格納式のアルミ製ハードトップを装備した、キャビンフォワードのボリューム感溢れる2シーターデザインが大きな特徴だ。パワーユニットにはレスポンス重視のターボチャージャー付きツインカム4気筒エンジンを採用。

 

【2002〜2012/初代モデル】

【その4】COPEN(初代/2002年6月)

初代コペンはコンセプトモデルとほぼ同じデザインで登場。電動開閉式ルーフの「アクティブトップ」と、脱着できる軽量な樹脂ルーフの「ディタッチャブルトップ」の2タイプを設定。専用チューニングを施したツインカム4気筒16バルブターボエンジンを採用することでパワフルかつスポーティな走りを披露する。

【モータージャーナリストの目線】

初代モデルの第一印象はデザインの良さに尽きる。軽自動車という制約が厳しい枠のなかでもバランスが良くオープンにしてもクローズにしても絵になるデザインは秀逸であり、唯一無二の存在感をアピールしていた。「小さく、軽く、速い」コペンは閉塞感に満ちていた当時の自動車業界にとって、一筋の光明であったことは間違いない。(岡本さん)

【その5】COPEN 1ST ANNIVERSARY EDITION(2003年7月)

コペンの発売1周年を記念した初の特別仕様車。アクティブトップを採用したモデルをベースに、上品なタンカラーのレザーシート(シートヒーター付)やドアトリム、MOMO製のウッド&レザーステアリングを採用。プレミアムな雰囲気が漂う。

 

【その6】COPEN 2nd ANNIVERSARY EDITION(2004年6月)

発売2周年を記念した特別仕様車。アクティブトップ仕様をベースにレカロシートやMOMO製の本革巻ステアリングを装備するほか、室内はモダンなレッドとブラックへと変更。ヘッドライトはディスチャージ式となった。ボディ色には既存の7色に加え、スチールグレーメタリックとシャンパンメタリックオパールの2色を追加。

 

【その7】COPEN ULTIMATE EDITION(2006年6月)

アクティブトップをベースにビルシュタイン製のショックアブソーバーやBBS製の15インチアルミホイールを採用。アルカンターラ素材を使用したオレンジとブラックのレカロシート、MOMO製のステアリングなど走る喜び、操る喜びを磨き上げている。

 

【その8】COPEN ULTIMATE EDITION II MEMORIAL(2007年9月)

ダイハツの創業100周年を記念した特別仕様車。人気のアクティブトップをベースにブラックメッキフロントグリルやクリアクリスタルリアコンビランプ、専用エンブレム、ホワイトメーターを装備。そのほかにも、BBS製の15インチアルミホイール、レカロシート、MOMO製ステアリングを装備するなど盛りだくさんの内容が特徴だ。

 

【その9】COPEN ULTIMATE EDITION S(2010年8月)

ユーザーがアルカンターラ素材のレカロシート(キャメル)または本革製スポーツシート(ブラック)、MOMO製の本革ステアリングまたはウッドステアリングから自由にチョイスすることができ、選ぶ悦びまで味わうことができる一台。そのほかの装備はアルティメットに準じる。

 

【その10】COPEN 10TH ANNIVERSARY EDITION(2012年4月)

2012年8月末の生産終了に伴い登場した記念モデル。アクティブトップをベースに10周年を記念したロゴとシリアルナンバーを刻んだアルミスカッフプレートカバーを装備。ほかにもブラックメッキフロントグリルや本革製スポーツシートを採用するなどプレミアムな仕様となる。

 

【モータージャーナリストの目線】

特徴的なフロントグリルとBBS製のホイールの相性が良く、インテリアは小さな高級オープンカーの風情が漂う。走りに関しては高性能な「S」系でなくてもハードな印象を受けたが、10年という歳月により熟成が進むことで角が取れたしなやかさを身に付けていた。より快適にオープンエアドライブが楽しめるようになっていたのを今でも覚えている。(岡本さん)

 

【COPEN20周年スペシャルサイトはこちら

【2代目コンセプトモデル~2代目モデル編】

2011年の東京モーターショーに出展され、大きな話題を呼んだコペンの次世代モデル「D-X」。2013年の東京モーターショーでは3台のコンセプトモデルを披露し、手応えを掴んだダイハツ陣営は2014年の6月、2世代目コペンを世に送り出す。COPENに込められた意味は「Community of OPEN car life」となり、その第一弾モデルとしてローブが発売され、同年にエクスプレイ、翌2015年にはセロを追加している。

 

【その11/12】KOPEN Future included Rmz/Xmz(2013年11月)

↑KOPEN Future included Rmz
↑KOPEN Future included Xmz

外装パネルをカバーケースのように自由に着せ替えられる、新たな発想をデザインした2台のコンセプトモデル。Rmzはエモーショナルな独創性を前面に押し出し、Xmzは異素材感覚で組み合わせたボディがタフさを強調。この発想が後の「ドレスフォーメーション」へとつながり、コペンの可能性を広げることとなる。

 

【その13/14/15】KOPEN FUTURE INCLUDED 「RM1」「RM2」「XM1」(2014年1月)

↑KOPEN future included Rm1
↑KOPEN future included Rm2
↑KOPEN future included Xm1

ダイハツは2014年の東京オートサロンに3台のコンセプトモデルを出展。量産型に近い「Rm1」、レーシングスタイルへとモディファイされた「Rm2」、そしてカーキ色のボディに異素材を思わせる質感を表現した「Xm1」は次世代を担う実験的な車両であった。また、コンセプトモデルである「Xmz」の名称を一般から募集するなど、大きな話題を提供した。

 

【2014‐2022/2世代目モデル】

【その16】COPEN Robe(2014年6月)

2世代目へと進化を遂げたコペンで初めて登場したのが「ローブ」。【その17】で紹介する「エクスプレイ」とともに内外装脱着構造の「ドレスフォーメーション」を採用する。また2代目モデルからは、生産ラインが見学できる工場として大阪府池田市にあるダイハツ本社の工場内に「コペンファクトリー」を新設。乗って楽しむだけでなく、見て楽しむ環境を構築した。

【モータージャーナリストの目線】

初代モデルとはデザインが大きく変わったが、後にセロが加わったことで新旧コペンファンが共存できるようになった。エクスプレイを含めて3つの個性が揃ったことで、コペンの存在感がより際立ったことは間違いない。時代のニーズで3気筒になったエンジンのパワフルさは格段に向上。ハンドリングの良さも好感が持てる。(岡本さん)

【その17】COPEN XPLAY(2014年11月)

一般公募によってネーミングされたエクスプレイ。2世代目コペンを飾る2つ目の意匠として登場したモデルは、ローブと骨格、足回りが同一ながらダイナミックな外観デザインを採用。内装は大胆なクロスフレームとなり、開発コンセプトであるタフ&アグレッシブを表現する。

 

【その18】COPEN Robe S(2014年12月)

初代モデルの「アルティメットエディション」と同様の位置づけとなるローブS。ローブをベースとしながらもビルシュタイン製のショックアブソーバーやレカロシート、MOMO製の革巻ステアリングなどを与えることでスポーツ性を高めたモデルに仕上がっている。

 

【その19】COPEN Cero(2015年6月)

2世代目コペンの3つ目の意匠となるセロ。初代コペンのイメージを踏襲したスタイルは流れるような雫を思わせる一体感のあるデザインとなり、親しみやすさと躍動感が融合する。内装は水平基調のストレートフレームのインパネを採用。同じタイミングで、エクスプレイの高性能版「COPEN XPLAY S」も登場した。

 

【その20】COPEN Cero S(2015年12月)

セロをベースに高い操縦安定性とフラットな乗り心地を追求した特別な一台。ビルシュタイン製のショックアブソーバー、スエード調レカロシート、MOMO製の本革巻ステアリング、マニュアル感覚のシフト操作を可能としたパドルシフトを標準装備。

 

【その21】COPEN Robe SHOOTING BRAKE CONCEPT(2016年1月)

東京オートサロン2016に出展されたコンセプトカーの中で注目を集めたのが、ローブをベースに製作されたシューティングブレーク。クール&ジェントルをデザインテーマにラゲッジを拡大し、伸びやかなキャビンデザインが大きな特徴となる。このタイミングでは【その23】で紹介するクーペ版のコンセプト「COPEN Cero COUPE CONCEPT」も出展。

 

【その22】COPEN Robe typeA(2016年4月)

ドレスフォーメーションの新たな提案として樹脂外板パーツの塗り分けにより個性的な外観をまとった特別仕様をローブ、ローブSにオプションとして設定。また、インテリアカラーの選択肢を広げることで選べる楽しさを拡充した。

 

【その23】COPEN Coupe(2019年1月)

東京オートサロン2016に出展されたコンセプトカーを商品化したモデル。セロをベースにCFRP製のハードルーフを装着したクーペスタイルはルーフからトランク、リアエンドまでが一体となった流麗なデザインが大きな特徴となる。

 

【その24】COPEN GR SPORT(2019年10月)

第4のモデルとして登場したGRスポーツは東京オートサロン2019に出展されたコンセプトカーを市販化したもので、TOYOTA GAZOO Racingの理念を基に開発。ボディ剛性の向上や足回りのチューニング、個性的なフロントバンパー、レカロシートなどを装備する。

【モータージャーナリストの目線】

クルマに乗って“楽しい”と感じる要素には、大きく分けて2つある。ひとつは“速さ”。絶対的な動力性能は、それだけで“楽しい”と感じさせてくれる。もうひとつが“意のまま”に動いてくれること。そのためにはクルマが小さくて軽いほうが有利。そしてコペンはその両面をもともと無理することなく身につけているクルマだ。本モデルは軽自動車で最強クラスの、64PSで92Nmのターボエンジンを搭載し、車両重量は800kg台半ばなので瞬発力も加速の伸びもあり、7000rpm付近までよく回る。足まわりの味付けも、スパルタンな雰囲気のS系とは異質の、しなやかさを極めることで、より意のままの走りを深く味わえるようにチューニングされている。

さらにGR SPORTは、BBS、レカロ、MOMOらメジャーなブランドのアイテムをふんだんに装備。カーボン柄のパネルを配した内外装など、所有する満足感とともに、乗るたびにコンプリートカーらしい特別感を味わうことができるだろう。

【その25】COPEN スパイダーVer.(2021年1月)

バーチャルオートサロン 2021で出展された一台。フロントウインドウが短く、古き佳きイタリアンピュアスポーツを連想されるデザインが特徴だ。オープン機構をなくすことで、ベースモデルより約100kgも軽量化されている。

 

【COPEN20周年スペシャルサイトはこちら

 

【まとめ】

本企画では車両の変遷をメインに迫ったが、コペンの魅力は車両だけにとどまらない。2014年にはコペン専用の工場である「コペンファクトリー(※)」を設立。ラインでの製造工程や検査過程など、コペンが生まれる姿を間近で見学できるようになった。

※:現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため見学は休止中

 

同年にはオーナー、非オーナーに関わらず利用できる直営拠点「Copen Local Base Kamakura」をオープン。2022年6月に惜しまれながらも閉店となったが「クルマがそばにある日常」を提案し、多くのファンから愛されたスポットになっていた。

 

またコペンのオーナーイベントである「LOVE SKY PROJECT」は複数回開催され、星空の鑑賞会やサーキットを使ったスポーツ走行など、盛りだくさんの内容で参加者を楽しませてくれた。実際に編集部でも愛知県蒲郡市のスパ西浦モーターパークで開催されたイベントを取材。181台のコペンとオーナーたちが集まり、その熱量は真夏のサーキットを越えるアツさであった。

 

コペンというクルマを介して人と人が繋がることで、コペンの楽しさは倍増する。コペンを中心に開催されるイベントや施設に共通していることはメーカーとファンの距離、ファン同士の距離、オーナーとコペンの距離のいずれもが近くて密接だと言うこと。コペンの周りにはコミュニケーションが発生し、刺激が生まれる。ありふれた言葉になってしまうが、「コペンは人生を豊かにしてくれる相棒」であり、新しい場所、新しい出逢いを届けてくれるナビゲーターでもあるのだ。

 

こんな感じでまとめてしまうと2世代目モデルも生産が終わってしまうようなニュアンスになってしまうが、それは杞憂である。ダイハツはコペン生誕20周年を機にこれからもコペンを作り続けて行くと力強く宣言をしてくれた。これからもコペンが提示してくれる世界をGetNavi webでは追いかけて行く。

【COPEN20周年スペシャルサイトはこちら

ASEANの新たな自動車王国を目指し、インドネシアがEVの拠点化を狙う……

2022年11月にインドネシア・バリ島で開催される20か国・地域首脳会議(G20サミット)をきっかけにして、インドネシア政府が電気自動車(BEV)の普及策を積極的に進めています。同年8月11日~21日まで開催されたガイキンド・インドネシア国際モーターショー2022(GIIAS 2022)では、それに合わせた出展が数多く見ることができました。

↑11月開催の「G20」サミットで活躍することが決まった『Air EV』

 

G20サミット開催を契機としてBEV振興策を策定

インドネシアはこれまでASEAN市場最大の自動車市場を持ちながら、輸出となるとタイの後塵を拝してきました。つまり、内需と輸出を合わせた自動車生産でインドネシアは、タイを超えることができずにおり、それはインドネシアにとって悲願でもあったのです。

 

そこで、それを達成するために白羽の矢が立てられたのがBEVです。タイもBEV普及策を進めていますが、もちろん現状では本格的な動きには至っていません。そこでインドネシア政府は、G20をきっかけにBEV振興策を進め、一気にその立場を優位に進めようと考えたのです。

 

これまでインドネシアはBEVを輸入に頼ってきましたが、政府としてはこれを国産化してASEAN各国へ輸出することで、BEVにおける自動車王国の座を獲得しようと考えたわけです。インドネシア工業省が発表したロードマップでその構想は明らかにされました。2035年に四輪車全体の生産台数を400万台とする一方で、BEVはなんと100万台とする目標を掲げたのです。

 

日本車の牙城を突き崩すべく中韓勢がBEVで一気に攻勢

こうした動きをいち早くキャッチアップしたのが中韓勢でした。中国のウーリン(上海通用五菱)は今回のGIIAS 2022で、中国で大ヒットした小型BEV『宏光miniEV』のハイグレード版『Air EV』をインドネシア国内で生産し、今後ASEAN各国へ輸出していくことを発表しました。

↑中国国内で大ヒットした小型EV『宏光miniEV』をベースに、国際基準に合わせたエアバッグやESCなど安全性を高めたハイグレード版『Air EV』がワールドプレミア

 

↑上位グレードの“ロングレンジ”では、リアバンパーにパーキングセンサーとカメラを装備。イモビライザーや防犯用アラームも標準装備した

 

↑『Air EV』の上位グレード“ロングレンジ”のインテリア。10.25インチのディスプレイを備え、電子ミラーや、リモート式エアコン、電動パーキングブレーキも装備する

 

韓国ヒュンダイも、日本でも発売して話題を呼んでいる『IONIQ(アイオニック) 5』をインドネシア国内で生産することを発表しています。

↑インドネシア国内で生産されるヒュンダイのBEV『IONIQ 5』。ボンネット上のサインはインドネシア大統領ジョコ・ウィドド氏のもの。この車両はG20サミットで使われることが決まっている

 

↑『IONIQ 5』のパワートレーンとバッテリー。ヒュンダイはLGエナジーと協業して2024年からインドネシア国内でバッテリーを生産する計画

 

まさに両社ともインドネシア政府が目指す構想にいち早く乗り、「今こそインドネシアの市場シェア95%を超える日本車の牙城を打ち崩すチャンス到来」と、一気に攻勢をかけてきたのです。

↑ヒュンダイ傘下のKIAが出展したコンパクトハッチのBEVが『ニーロEV』。最大出力203PS/最大トルク255Nmを発揮する

 

↑KIAのBEVのグローバルEVプラットフォーム「E-GMP」を組み込んだ最初のモデル。58kWhと77.4kWhの2種類のバッテリーが選べる

 

↑中国DFSKが発表した『MINI-EV』。中国で大ヒットしたウーリンの『宏光miniEV』と瓜二つのデザインで、スペックもほぼ同等。左ハンドルのまま参考展示していた

 

↑商用車EVとしてDFSKが出展した『GELORA-E』。多人数乗車のタクシーサービスなどの利用を想定する

 

↑中国MGが発表した1トン・ピックアップのBEV『EXTENDER』。上海汽車集団(SIAC)の『Mazus』をベースにEV化した

 

こうした動きに対し、日本メーカーの動きは鈍いようです。その理由はインドネシアにおけるBEVに対する実需はまだ低いと見ているからです。昨年、インドネシアで販売されたBEVは700台足らず。しかも、急速充電器はインドネシア国内全体で267台のみ(22年2月現在、PLN調べ)。220Vの家庭用電源も大半が契約容量が少なく普通充電すらままならない状況です。

 

そうした状況を鑑みれば、充電を必要としないハイブリッド車(HEV)を普及させて、低炭素社会に向けてアプローチした方が理に適っているとみているのです。これはインドネシア政府が低炭素化に対してHEVを含めた電動車一般も含めていることも背景にあります。

 

ただ、インドネシアの自動車事情通によれば「こうした日本メーカーの考え方にインドネシア政府は快く思っていない。HEV車の生産基地はライバルのタイが大半で、結局、インドネシアでHEVを販売するのは敵に塩を送るようなもの。自国のプラスにはならないと考えている」ようなのです。

ダイハツがインドネシアに最適化したBEVを独自開発

では、この状況に日本メーカーはどう立ち向かうのでしょうか。現状では前述したように、BEVもHEVもタイからの輸入で対応する考えですが、こうした中でインドネシア政府の要請に応じて立ち上がったのがダイハツです。

 

ダイハツはGIIAS 2022において、BEVのコンセプトカー『AYLA(アイラ) BEV』を発表したのです。現地のアストラ・ダイハツ・モーター(ADM)のR&Dセンターが独自に開発したもので、詳細なスペックは明かされていないものの、バッテリー容量や価格についてインドネシア国内の事情を踏まえた開発が進められているとのこと。

↑現地のアストラ・ダイハツ・モーター(ADM)のR&Dセンターが独自に開発したBEVコンセプト『AYLA EV』。バンパーから下をBEVらしいグリルレスとした

 

ADMの原田雅人マーケティングディレクターは、AYLA BEVの開発について、「日本のダイハツのサポートを受けながら、インドネシアに適したBEVは何なのかを考えつつ研究開発した」と述べ、パーツの現調達率を現地化8~9割とすることで、インドネシア政府のLCEV(Low Carbon Emission Vehicle)に合わせて開発を進めていくとしました。

↑AYLA EVは、インドネシア政府が要望するLCEV(Low Carbon Emission Vehicle)に合わせた仕様で開発される

 

↑ドアミラーも電子式として、近未来感を演出していた

 

原田氏は「BEVを(インドネシア国内で)普及させるには、インフラの整備はもちろん、急速充電の規格についても大きな課題がある」としながらも、「中韓勢がBEVをフックに環境貢献を旗印にしたシェア拡大を目指す動きはとても脅威に感じている。日系メーカーが一丸となって対抗していく」とも話しました。

↑日本以外で初公開されたシリーズ方式HEV『ロッキー e-SMART』。スペックは日本仕様と基本的に共通だという

 

レクサスとトヨタのBEVは!?

レクサスは新型『RX』、トヨタは『bZ4X』をメインに『プリウスPHV』や『カローラクロスHEV』を紹介していました。

↑レクサスのプレスカンファレンスで発表された5世代目となるレクサスのミディアムラグジュアリーSUV『RX』。2021年は49%のシェアを獲得した

 

↑5世代目となるレクサスのミディアムラグジュアリーSUV『RX』。電動化技術を活かした4WDシステム「DIRECT4」を採用する

 

↑会場で最も目を惹いたのがEVコンセプト『LF-Zエレクトリファイド』。“次世代のレクサス”として進むべき将来のイメージと進化の方向性を示した

 

↑G20 サミットの主要車両の一台として選ばれたレクサスのSUV『UX300e』。インドネシア国内でHEV『UX250h』を発売することも決定した

 

↑BEV『bZ4X』をインドネシア国内でも発売を予定。具体的な時期は未定だ

 

↑日本ではお馴染みの『プリウスPHV』もインドネシアで初めて発売。当初は配車サービス会社向けとなる予定

 

↑G20サミットに採用される超小型モビリティ『C+pod』。北スマトラ州トバ湖では観光客向けに貸し出す実証実験も進めている

 

BEVをフックに中韓勢がこのまま勢いを増していくのか、あるいは日本勢が実績のあるHEVで今のシェアを維持して“日本車王国”を維持していくのか。その動向には今後しばらくは目が離せそうにありません

↑ちなみに欧州勢BEVの中で人気が一際高かったのがポルシェ『Taycan(タイカン)』。現地価格は28億5000万インドネシアルピア(日本円:2625万円相当)

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

モータースポーツの歴史を彩った、懐かしの名車に会える! ホテルと融合した「富士モータースポーツミュージアム」

Withコロナがすっかり定着し、新しいライフスタイルが生まれゆくなか、さて、2022年下半期はどうなっていく……? これから流行る「ヒット確定モノ」を、各ジャンルのプロたちに断言してもらった。今回は憧れのレーシングカー約40台を展示するミュージアム「富士モータースポーツミュージアム」を紹介。

※こちらは「GetNavi」2022年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【富士モータースポーツミュージアム】情熱に彩られたモータースポーツの歴史を辿る

 

モノ知りインフルエンサー

トラベルライター

吉原 徹さん

ライター/編集者として、国内外の旅とアウトドアを主なテーマに活動。そろそろ海外取材にも行きたい!

 

世界のラリーや耐久レースで活躍した憧れのレーシングカーが揃い踏み(吉原)

【ミュージアム】

2022年10月オープン

富士モータースポーツミュージアム

同時開業のホテルと融合した空間に、世界のメーカーが手がけた歴代のレーシングカー約40台を展示。各時代を象徴する名車を鑑賞しながら、約130年にわたるモータースポーツの歴史に触れられる。

(住)静岡県駿東郡小山町大御神645

 

↑サーキットに隣接する「富士スピードウェイホテル」も同時開業。一部の客室からはレース観戦もできる

 

↑レーシングカーのほか、技術展示も予定。3階のカフェからは富士スピードウェイの最終コーナーを見られる

 

ヒットアナリティクス

クルマ好きの聖地となる一大リゾートへと進化中!

10月7日開業予定のミュージアムやホテルは、国際サーキット場の富士スピードウェイを中核とする「富士モータースポーツフォレスト」プロジェクトの一環。来年以降もレーシングチームガレージ、レストラン等の商業施設がオープン予定で、さらに注目が集まるだろう。

パイオニアの車載デバイス「NP1」の新機能「コエ替え」をいち早く体験!

パイオニアが今年3月発売したドライビングパートナー『NP1』の進化が止まりません。今年5月に実施された最初のアップデートではAmazonの音声アシスタント「Alexa」に対応して機能を大幅にアップし、それ以降も定期的にアップデートを繰り返しており、今後の進化にはいっそう期待がかかります。

 

そんな中、5月に続く大型アップデートとして、9月29日に好みの音声でアナウンスするようになる「コエ替え」を実現することが発表されました。コエ替えとは一体どんな機能なのか。提供される前に、テストバージョンを体験してきました。

↑パイオニアのドライビングパートナー『NP1』

 

声優「悠木碧」の生声によるサプライズメッセージも予定

NP1は、常に通信でつながることで、クラウド型ドライブレコーダーやスマート音声ナビ、Wi-Fiスポット機能といった多彩な機能を実現するAI搭載通信型のオールインワン車載器として登場しました。通信によるアップデート(OTA)が定期的に行えるようになり、使い勝手やサービスといった様々な領域で進化し続けられることが最大のポイントとなっています。

 

9月29日に実施されるアップデートでは、NP1のインターフェースである音声を好みで着せ替えられる「コエ替え」が可能となります。これはコエステーション(コエステ)と呼ばれるプラットフォームを採用することで実現可能となったもので、音声をAIが学習し、それをもとに電子合成音として生成することができます。その音声は高品質で自然なイントネーションを特徴としており、まさにNP1ならではのメリットを活かしたアップデートとなっているのです。

 

そのNP1が発する音声の選択肢として新たに追加されるのは、女性の「明るい声」と男性の「落ち着いた声」の2種類で、それ以外にアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目まどか役などで知られる声優 悠木碧さんのコエ「かわいらしい声」「やさしい声」の全2種も追加されます。これにより9月29日以降からは、既存の音声にプラスして全6種類から好みのコエを選べるようになるのです。

↑9月29日にアップデートで「コエ」に採用された声優 悠木碧さん。アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』では鹿目まどか役

 

こうした機能を追加する理由についてパイオニアは、「スマホの画面を着せ替えるのと同じ感覚で音声を切り替えて使うというもので、アニメキャラ人気に伴って声優への関心が高まっていることを受けて実施することにした」とのこと。音声がインターフェースの基軸となっているNP1だけに、コエ替えで使い勝手にどんなメリットをもたらすかは大いに気になるところです。

 

さて、ここからは実際にコエ替えを体験してみます。NP1を活用するためのアプリ「My NP1」のアイコンをタップしてメインメニューを開くと、そこにはアップデートによって追加された「コエ替え」のアイコンがあるのでそこをタップ。次の画面では「コエ替え」に関する様々なメッセージや、設定中の声が表示されています。

↑「My NP1」のメインメニュー。左上に「コエ替え」のアイコンが新たに追加されている

 

設定できる音声は「いつものコエ」と「安心サポートのコエ」の2種類。今回は「いつものコエ」をデフォルトの音声から、新たに追加された音声を変更することにします。

↑「コエ替え」のメインメニュー。ここでは過去に配信された音声メッセージをチェックできる

 

「いつものコエ」として設定できる音声の一覧には、女性の「明るい声」と男性の「落ち着いた声」の2種類のほか、悠木碧さんのコエ「かわいらしい声」「やさしい声」の全2種も追加されています。各アイコンの“▶”ボタンを押すと、音声を確認することも可能です。そして、気に入った音声を選んだらこれで設定は終了です。NP1を動作させると設定し直した音声に切り替わってました。

↑“いつものコエ”として選択できるリスト画面。今後、この種類は増えていく予定になっている

 

この音声はドライブの途中で切り替えることも可能で、その時に気分に合わせて違った音声でNP1を楽しむのもいいですね。パイオニアでは今後もこの音声を追加していくとしており、その中には俳優など別のカテゴリーの著名人を起用することも検討しているそうです。また、個人的にお付き合いしている人とか、子どもの声とかに切り替えることはできないかパイオニアに訊ねてみたところ、「技術的には可能なので、今後の検討課題にしたい」と話していました。

 

ドライブはどうしても単調になりがちです。それが長く続けば飽きてしまうどころか、場合によっては眠気が襲ってくることさえあります。“コエ替え”という、ちょっと違いを演出することで、それが刺激となってくれるはず。コエ替えには、そんないつもと違うドライブが楽しめるようになる非日常が体験できるのです。

↑今までの「コエ」に、より自然な「コエ」が追加され、好みに合わせて6種類から選べるようになります

 

↑「コエ替え」は、スマホを介して車外の人とリアルタイムで情報共有ができる「ドライブコール」にも反映される

 

今回のアップデートでは、これとは別に9月29日から2023年1月1日までの期間で、悠木碧さんのコエを選んでいるときは本人からのメッセージが週1回、生声を録音したサプライズメッセージが3回届けられる予定。こうしたサプライズを随時楽しめるのもNP1ならではの世界です。そんなNP1が今後どう進化していくのか、とても楽しみになりました。

↑ドライブ中でも「コエ替え」は簡単に行えるので、気分に応じた音声で楽しめるのも良い点

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

先進技術を搭載しつつ日常使いも重視! 日産の軽EV「SAKURA」

Withコロナがすっかり定着し、新しいライフスタイルが生まれゆくなか、さて、2022年下半期はどうなっていく……? これから流行る「ヒット確定モノ」を、各ジャンルのプロたちに断言してもらった。今回は6月に発売した日産の軽EV「SAKURA」を紹介する。

※こちらは「GetNavi」2022年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【SAKURA】先進技術を搭載しつつ、日常使いも重視した注目の軽EV

 

モノ知りインフルエンサー

本誌乗り物担当

上岡 篤

クルマだけでなく鉄道や飛行機(旅客機)好き。久しぶりに運航するANAのホノルル線、A380に乗りたい!

 

セカンドカーのニーズを取り込み早くも2万台の受注を突破(上岡)

【軽EV】

2022年6月発売

日産

SAKURA

239万9100円~294万300円

日産が開発し三菱が生産する同車は先進的な内外装を備え、最新世代のEVであることを強調。180kmという航続距離は、軽ユーザーの半数以上の走行距離が1日30km以下という調査も含めて決定したという。ガソリン車からの買い替えに加えて“2台目需要”にも応える。

 

↑先進安全装備も充実。自動的に車間を維持し、ハンドル操作も支援する「プロパイロット」を「G」に標準装備する

 

↑内外装には和モダンといえる要素も採用。日本伝統の水引からインスピレーションを受けたアルミホイールの意匠もそのひとつだ

 

↑9インチのナビモニター、7インチのメーターディスプレイを水平配置することで、先進性を強調。「G」にはカッパー加飾を備える

 

ヒットアナリティクス

期待が高い軽への導入で受注数は想定以上に

EVはこれまで航続距離アップが各社の狙いだったが、SAKURAは軽自動車規格ならではの航続距離に割り切ったことがプラスに。補助金を加味すれば「EVってこんな価格で買えるの?」という割安感も大きな魅力だ。都市部だけではなく地方でも普及する要素は大!

輸入車としてはお得ですこと! ルノー「ルーテシア E-TECH ハイブリッド」

ルノーがハイブリッドに本気だ。ハイブリッド王国ともいえる日本でこれまで輸入車がフルハイブリッドを販売してこなかったなか、2022年になると、アルカナを市場投入し、続けてルーテシア、キャプチャーと発売。提携関係にある日産の「e-POWER」とも異なる、独自のハイブリッドシステム「E-TECH(Eテック)」とはどんなシステムか、ルノーの勝算とは?

 

【今回紹介するクルマ】

ルノー/ルーテシア

※試乗グレード:E-TECH ハイブリッド

価格:266万9000円~344万円(税込)

 

ハイブリッド王国日本への挑戦!?

ガソリン価格が高騰している。執筆時点ではピーク時よりやや下がっているが、政府は石油元売り各社に、リッターあたり40円もの補助金を出して価格を抑えている。つまり補助金がなければ、レギュラーでリッター200円を超えているのだ!

 

ここまでガソリンが高くなると、やっぱり燃費のいいクルマに乗りたくなりませんか? EVならガソリンとは無縁だけど、値段が高いし、補助金の予算が尽きそうだし、充電が心配だし、まだちょっと早い気がする。結局、大本命はハイブリッドってことになる。

 

日本はハイブリッド王国だ。国産各メーカーは、こぞってハイブリッド技術を競っている。これほどまでにハイブリッドカーが普及している国はない。実際のところ、ハイブリッドカーの燃費は感動的だ。「ヤリスハイブリッド」なんて、ヘタすりゃ40km/Lを叩き出す。ほとんどスーパーカブじゃないか!

 

対する海外メーカーは、ハイブリッドを飛ばしてEV化を進めている。ハイブリッド技術では日本車に勝てっこないと踏んでの、政治的な思惑もあるだろう。これまで登場した輸入ハイブリッドカーは、どれもこれも中途半端なマイルドハイブリッドで、値段が高いわりに、燃費の向上をほとんど実感できなかった。ハイブリッドカーを買うなら日本車に限る! それはもうクルマ業界における絶対前提。輸入車で低燃費を狙うなら、ディーゼルターボ一択だった。

 

そんななかルノーは、今頃になって、輸入車初のガソリンフルハイブリッドを開発したのだから驚くじゃないか。正直、半信半疑だった。EV化に突き進んでいる欧州のメーカーが、なぜいまさらフルハイブリッドを出したのか? 日本のハイブリッドに敵うとでも思ってるのか? ルノーは狂ったのか!?

 

乗り味では日本製ハイブリッドを上回っている部分もある

ルノーは狂ってなかった。それどころか本気だった。ルノーが「いまさら」開発した「E-TECHハイブリッド」は、燃費で日本製ハイブリッドに迫りつつ、乗り味では日本製ハイブリッドを上回っている部分もあったのだ! これには本当に驚いた。

 

ルノーのハイブリッドは、まずSUVの「アルカナ」に搭載されて登場し、続いて「ルーテシア」にも採用された。アルカナはどこか不思議なプロポーションをしたSUVで、ルックスにはあまり惹かれなかったけれど、ルーテシアはいかにもフランス車的な、スタイリッシュなコンパクトハッチバック。価格も手頃で、ガソリンモデルも十分魅力的だったけれど、ハイブリッドはもっとよかった!

 

ルーテシアのサイズは、トヨタ「アクア」や日産「ノート」とほぼ同じ。つまりルーテシアハイブリッドは、国産ハイブリッド勢の本丸とガチでぶつかるわけで、比較のし甲斐がある。では、ルーテシアハイブリッドの何がいいのか? 一言でいえば、走りのダイレクト感があるってことだ。

↑クーペのようなフォルムを実現

 

たとえばトヨタのハイブリッドシステムは、究極の効率を目指した結果、エンジンとモーターが混然一体となり、無段変速でヌエ的に加減速するので、ダイレクト感が全然ない。ところがルノーのEテックハイブリッドは、エンジン側に4段のギア、モーター側に2段のギアを持ち、それらを組み合わせて変速しつつ走る。ギアチェンジは、100%ダイレクトな「ドッグクラッチ」を使っているので、アクセルと車輪は常に直結されており、トヨタのハイブリッドのような「モワ~」と滑るフィーリングがない。

↑シフトをBモードに入れると強力な回生ブレーキが発生し、クリーピング速度まで事実上のワンペダルドライブが可能となる

 

効率では、さすがにトヨタのハイブリッドシステムには及ばない。アクアが30km/L近く走るところを、ルーテシアハイブリッドは20km/L強というところだ。加えてルーテシアハイブリッドは、輸入車なのでハイオク指定。純粋にガソリン代を比べれば、アクア対ルーテシアハイブリッドの勝負は、アクアの完勝である。

 

ただ、高速道路の巡航に関しては、この勝負、きわめて僅差になる。高速道路を一定速度で走る場合、通常のガソリンエンジンやディーゼルエンジンでもかなりの低燃費で走れるので、ハイブリッドのアドバンテージは小さくなり、逆にダイレクト感のなさが「運転していてつまらない」と思わせる。

 

ところがE-TECH ハイブリッドは、常に直結なので、普通のガソリン車のようにダイレクトに走ってくれる。そこからアクセルを踏み込むと、パワフルなモーターが加速を強力にアシスト。結果、ガソリン車よりも燃費がいいのはもちろん、アクアにも肉薄。ノートを上回るのだ!

↑メインモーターであるE-モーターとHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)という2基のエレクトリックモーターと、1.6L 4気筒自然吸気エンジンで構成

 

ノートに積まれる日産のハイブリッドシステム「e-POWER」は、エンジンを発電機役に専念させ、モーターの加速のみで走るから、ダイレクト感は100%。つまり一般道での加減速に関しては、「E-TECH ハイブリッド」よりもさらにダイレクトで楽しいのだが、これまた高速巡行を苦手としている。モーターにギアがないため、高速域ではモーターが過回転気味になり、摩擦抵抗が増大。徐々に元気がなくなり、燃費も悪化してしまう。

 

つまりE-TECH ハイブリッドは、ハイスピードでの高速巡行が多いヨーロッパ向けに開発された、地消地産型ハイブリッドシステムだったのだ!

 

ルーテシアハイブリッドは、一般道では国産ハイブリッドとそれほど遜色ない低燃費で走りつつ、ダイレクト感はトヨタ製ハイブリッドより上。高速巡行では完全にリードする。日本でも、ロングドライブの多いユーザーにはうってつけだ。

 

加えて、見た目もインテリアも、さすがおフランス車。サイズがデカくなる一方の輸入車ながら、ルーテシアの全幅は1725mmで、アクアよりは広いけどノートオーラよりちょっと狭く、取り回しがラクチン。室内の広さもごく普通に実用的だ。これで329万円からというお値段は、国産車よりは高いけど、輸入車としてはかなりお安いのではないだろうか!

↑フランス人が日常使いの心地良さを大切にして作ったという室内空間。いたってシンプルだ

 

↑前席には寒い冬に体を温めてくれるシートヒーター機能付き。ヘッドレストは、後方からの視界に配慮した薄型のデザインを採用

 

SPEC【E-TECH ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4075×1725×1470㎜●車両重量:1310㎏●パワーユニット:1597㏄直列4気筒エンジン+電気モーター●エンジン最高出力:91PS/5600rpm●エンジン最大トルク:144Nm/3200rpm●メインモーター最高出力:49PS/1677-6000rpm●メインモーター最大トルク:205N・m/200-1677rpm●サブモーター最高出力:20PS/2865-1万rpm●サブモーター最大トルク:50N・m/200-2865rpm●WLTCモード燃費:25.2㎞/L

 

撮影/茂呂幸正

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

ホンダ新型「ステップワゴン」、最大の魅力は時代に異を唱えるシンプルデザイン

ミニバンブームが終焉したといわれるなか、2Lクラスのミドルサイズミニバンの間では、いまだに熾烈な争いが続いている。かつてのようなカクカク系シンプルデザインを取り戻した新型「ステップワゴン」のクルマとしての実力はどれだけ向上しているのか、ハイブリッドモデルについてレポートしていこう。

 

【今回紹介するクルマ】

ホンダ/ステップワゴン

※試乗グレード:e:HEV スパーダ プレミアムライン

価格:299万8600円~384万6700円(税込)

 

ユーザーの心を掴んだ新型ステップワゴン

ステップワゴンといえば、新型で6代目となる、日本における老舗的存在のミニバンだ。1996年に初代モデルがヒットして以来、ミニバンブームを牽引する存在だったが、ここ10年ほどは、トヨタ「ノア/ヴォクシー」や日産「セレナ」に対して、販売面で苦戦していた。

 

「フリード」や「シエンタ」などのコンパクトライン、「アルファード」や「オデッセイ」などのプレミアムラインの間に挟まる形で、2Lクラスのミドルラインは、日本のミニバンの王道ともいえる。そして、このカテゴリーの覇権を握るべく、日本を代表する3大メーカーが、それぞれ製品の実力を磨き続け、切磋琢磨してきたわけだ。

 

そんな状況下で、2021年末から早めにスタイリングを(ティザー広告で)公開して、ユーザーの心を掴んだのが新型ステップワゴンである。2022年5月に発売されると、発売から約1ヶ月での初期受注台数は2万7000台。これは、先代型(2015年)の約1万5000台、先々代型(2009年)の約1万8000台を超える数字となった。

 

まず新型のスタイリングが公開されて、最初に目についたのは、初代、2代目モデルのような角張ったデザインへの回帰であった。現在、流行りのツリ目でもなく、ギラギラ光る大型グリルのオラオラ顔でもない。まるで白物家電のような、シンプルで飽きのこないルックスは、見た人にクリーンな印象を与える、現在のミニバンにおいて白眉の出来だ。

↑先代ではボディ全長が4690mmだったのに対し、4800~4830mmにまで拡大。全幅も拡大しており、全車が3ナンバーになった

 

リアもコンビランプを細く縦型にするなど、このあたりも初代モデルへの回帰といえる。シンプルで親しみやすいという意味でいえば、コンパクトカーの「フィット」にも通じる雰囲気もあり、デザインの捉え方は人によって様々だが、筆者は心地よささえ感じられた。

 

また、このシンプル系デザインも、グレードによって二種類のスタイルに分類される。まずは新グレード「AIR(エアー)」。よりシンプルさが強調されていて、無印良品のようなデザインが好きな人におすすめだ。一方、「SPADA(スパーダ)」は、2代目モデルから受け継ぐ、ある意味、ステップワゴンにとっては伝統になりつつあるグレード。メッキパーツなどを施したチョイ悪な雰囲気と豪華な装備を特徴としている。

↑スパーダのフロントフェイス。ダーククロームに仕上げたシャープなメッキパーツによって、上質でありながら品格ある佇まいだ

 

インテリアもクリーンな印象のデザインにまとめられているが、ダッシュボード上にファブリック素材が使われている。ただそれがしつこくない程度にうまく配置され、スッキリした印象。ドライブ中、視界のなかにこの素材が見えているとなんだか心地いいから不思議である。スッキリ派の人にとっては、最近の他のホンダ車と同じくドライブスイッチが採用されて、シフトノブが存在しないことも好ましいに違いない。

↑室内はブラックを基調に仕上げられている。リビングのような柔らかく落ち着いた雰囲気

 

↑「P」「R」「N」「D」と独立した押しボタン式のシフトセレクター。マットな質感の樹脂パーツも室内に落ち着きをもたらしている

 

↑ダッシュボード上にスエード調の表皮。ココも落ち着いた雰囲気を演出するポイントなのでしょう

 

なんてったって燃費がいいことが嬉しい!

パワーユニットは、2Lエンジンベースのハイブリッドと1.5Lガソリンターボモデルの2種類から選ぶことができる。今回試乗させてもらったのはハイブリッドモデルで、ホンダ独自の2モーターを用いた「e:HEV」ハイブリッドシステムが搭載されている。ガソリンにモーターのアシストが加わるので、低回転域から力強く加速してくれて不足感がない。重心が高いミニバンにしてはコーナーでも安定しているし、なんと言っても燃費がいいことが嬉しい。

 

↑パワーユニットは最高出力145PSの2リッター直4エンジンに同184PSの駆動用モーターを組み合わせた「e:HEV」

 

ミニバンならではのポイントである3列目シートはどうかというと、従来型より着座位置が高く設定されているため、視界がよく、3列目着座時の閉塞感があまり感じられない。シート自体も厚めのクッションで座り心地も悪くない。とはいえ、3列目シートは常時使用しないユーザーがほとんどであるため、収納方法が重要となるが、これもまた優秀。背もたれを前方に倒せばそのまま2アクションで床下収納できる容易さを備えている。

↑3列目シート格納時荷室幅、約1195mm

 

前述のように「3列目シートは1年に数回しか使わない」ユーザーが多くなっていることから、重要視されるのが2列目シート。新型では、780mmの前後ロングスライドに加えて、左右にもスライドできるキャンプテンシートをラインナップ。2列目に座る家族の快適性が高まるというのは、ミニバンを選ぶファミリー志向のユーザーにとって嬉しいことである。

↑座面などメイン部に「ファブテクト」、サイド部に「プライムスムース」を用いたコンビシートを採用。このプライムムースは、しっとりとした質感を持つ合皮で、汚れやシワに強い機能性の高さが魅力だ

 

なお、先代型で目玉装備だった「わくわくゲート(左右上下2方向開きのバックドア)」は残念ながら廃止されてしまった。これがあるから先代型ステップワゴンを選んだという人もいるだろうが、コストなどさまざまな問題があったのだろう。その分、というわけではないが、パワーテールゲートはメモリー機能付きで、開度(開く角度)を任意に調節できるようになった。開けた時に指定した位置で止めることができるので、自宅駐車場のサイズや形状に合わせた開け方できる。

↑パワーテールゲート。開閉操作はスマートキーまたはテールゲートのスイッチから

 

ミニバンとしての使い勝手や広さに関してはどのクルマも横並びになり、ミニバンとしての強烈な魅力は発揮しにくくなったなか、新型ステップワゴン最大の魅力は時代に異を唱えるシンプルデザインだった。ステップワゴン発売の数か月前に新型ノア/ヴォクシーが発売され、今年度内には新型セレナの登場も噂される。自分のライフスタイルに最も合うデザインはどれか、競合車と比較して選び出したい。

 

SPEC【e:HEV スパーダ プレミアムライン】●全長×全幅×全高:4830×1750×1845㎜●車両重量:1840㎏●パワーユニット:1993㏄直列4気筒エンジン●最高出力:145PS/6200rpm●最大トルク:175Nm/3500rpm●WLTCモード燃費:19.5㎞/L

 

撮影/茂呂幸正 文/安藤修也

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

中国発のEV、BYD「ATTO 3 」その実力を正式販売を前に一足早く体験した

国を挙げて電気自動車(EV)を推進する中国。その中国を代表するEVメーカーがBYDです。元々はバッテリー専業メーカーでしたが、その電池事業で培ったノウハウを活かして2008年からは量産型プラグインハイブリッド車を発売。その後、大型バスやタクシーなどの商用車両でもEVを発売し、今や世界屈指のEVメーカーに成長しました。

 

そして今回、ついに3台の乗用車EV「ATTO 3(アットスリー)」、「SEAL(シール)」、「DOLPHIN(ドルフィン)」を日本国内で発売すると発表。第一弾となるのが2023年1月に投入予定のe-SUV、ATTO 3です。すでに豪州、シンガポールでは発表済みで、それに続いて日本で発売が決まりました。今回は一足早く、すでに発表済みの豪州仕様に試乗。そのレポートをお届けします。

↑中国のEVメーカーBYDの日本法人であるBYDジャパンが7月21日に日本乗用車市場への参入を発表。左から上級セダンの「SEAL」、「ATTO 3」、コンパクトの「DOLPHIN」

 

2025年までに、日本国内に100店舗のディーラー網を予定

ATTO 3が中国でデビューしたのは2022年2月と最近のことです。EV専用プラットフォーム「e-Platform3.0」を独自開発し、バッテリーには安全で耐久性が高いとされるリン酸鉄バッテリーを採用。高い安全性を保ちながら、フラットな床面がもたらす広い車内空間と、440Lもの荷室容量を実現しています。BYDジャパンによれば、バッテリー容量は58.56kWhで、航続距離は485km (WLTC 値)を達成。日本仕様ではもちろん急速充電「CHAdeMO(チャデモ)」にも対応するとのことです。

↑BYDジャパンが日本市場第一弾として、2023年1月に発売予定のe-SUV、ATTO 3。写真は豪州仕様

 

驚いたのが日本における販売網です。BYDジャパンは、なんと2025年までに100店舗を日本全国に展開するというのです。先日、日本への再参入を果たした韓国のヒョンデは、ネット販売を基本としましたが、それとは真逆の戦略を取ったのです。一方で、価格は仕様が決まっていないことから未定とのことでした。ただ、BYDジャパンでは「様々なボディタイプのEVを手に届きやすい価格で展開する」方針とのことで、その価格設定には大いに期待して待ちたいところです。

 

さて、実車を前にすると、写真で見た印象よりも斬新さにあふれているのがわかります。サイドビューは波打つような膨らみを持たせ、それが面で抑揚のある変化を伝えてくるデザインです。このプレスラインの巧みさに感心していると、この金型を製作しているのは2020年にBYDが傘下に収めた群馬県にあるタテバヤシモールディングということでした。つまり、このプレスラインの実現には“メイド・イン・ジャパン”の技術力が背景にあったわけです。

↑ボディサイズは、全長4455mm×全幅1875mm×全高1615mmとやや幅は広め。しかし、SUVらしい程良いサイズ感で日本の道路事情にもマッチしそうな印象

 

遊び心にあふれた車内に心がつい躍ってしまいそうになる

車内に入ると今まで見てきたクルマとは違う斬新さにあふれていました。エアコン吹き出し口まわりやシフトレバーなど、いたるところにトレーニング器具のようなデザインが見られ、斬新かつユニークな造形。コンソール上のシフトノブはダンベルをモチーフにしたもので、ベンチレーターのリング上のデザインもフィットネスジムの雰囲気をそのまま再現しているかのようです。

↑内装はフィットネスジムをイメージしたとのことで、爽やかな色使いが印象的

 

↑たっぷりとしたサイズのパワー機構付き前席シート

 

↑フラットなフロアにより後席スペースも余裕がある

 

個人的に惹かれたのはオーディオ用スピーカーでした。ドア上部にはドアノブを一体化したミッドレンジスピーカーを組み込み、ドア下部のウーファーユニットから収納スペースにはベースの弦をイメージしたゴム製ワイヤーも張られていたのです。しかも、この弦を弾くと、なんと“ボロロン”と音が鳴るではありませんか。この遊び心いっぱいの雰囲気にはつい誰もが心躍ってしまうはずです。

↑上にあるのがドアハンドルと一体化されたミッドレンジスピーカー、下のウーファーから張られた3本のゴム製バンドが個性的。メーカー側の遊び心があふれています

 

↑SUVとして充分スペースを確保したカーゴルーム。フロアの高さは2段階

 

そんな思いを抱きながら公道へと走らせました。アクセルを踏み込むと、電動車らしい力強い加速で車体を軽々とスタートさせました。しかも、その加速力はどこまでもエンドレスでつながっていくようで、急激なトルクの立ち上がりもなく自然なフィールが好印象です。

 

道路の段差もキレイにいなし、ショックをしっかりと吸収しているのがわかります。これはe-Platform3.0による高い剛性が貢献しているものと推察され、速度を上げていってもフラットな乗り心地が変わることはありませんでした。特にEVらしい静粛性は素晴らしく、明らかにこの高剛性がメリットをもたらしているのだと実感。

↑ATTO 3に試乗中の筆者。東京・お台場界隈の一般道で試乗した

 

全体に小さめなインターフェースは要改善

ステアリングはやや緩慢な印象でしたが、それも少し走っているうちに慣れてしまう程度のものです。操舵感は全体に軽めで、ボディの見切りの良さとも相まって、駐車を含む市街地での運転は楽に行えるのではないかと思いました。一方で、EVならではの回生ブレーキも備えていますが、レベルを強弱で切り替えても効果の違いはあまり感じられず。ドライブモードもエコ、ノーマル、スポーツと3種類ありましたが、これもスポーツで若干ペダルの反応が良くなったか?と思う程度でした。

↑ダンベルをモチーフにデザインしたシフトノブ。右ハンドル車なのに、ハザードスイッチが左側にあるのが残念

 

そして、全体として小さめなものが多いインターフェースも気になるところ。速度やバッテリー状態を示すメーターはステアリングの奥に見えるレイアウトで、しかもセンターにある12.8インチのディスプレイに比べるとかなりコンパクトです。操作スイッチの位置もわかりにくく、運転中に視認しにくさを感じさせました。また、センターにあるディスプレイは、タテに回転する機構が付いていましたが、これもほぼタブレットが鎮座している印象で、決して見やすいとはいえないものでした。

↑ステアリング奥に配置されるメーターディスプレイ。サイズはやや小さめだ

 

↑タテ表示も可能な12.8インチのセンターディスプレイ。表示文字が小さめで、指の置き場所もないことから操作性は今ひとつ

 

とはいえ、EVとしての仕上がりの良さは、「さすが手慣れているな」と実感できるものでした。立ち上がりから力強い走りと静粛性は、EVへの期待を充分に満足させるものです。デザインも洗練されていて、一昔前の中国車のイメージはまったくないと断言していいでしょう。今回はインフォテイメント系のローカライズが間に合っていなかったとのことですが、こうした部分も含め、日本仕様として登場する日を期待したいと思います。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

百CAR繚乱のEV市場で桜咲く!「日産サクラ」は大人が本気で欲しくなる軽EVだった

2022年で創刊40周年を迎えた、押しも押されぬモノ誌の決定版「モノ・マガジン」と、創刊23年目を迎えたピチピチの“新卒世代”「ゲットナビ」とのコラボ連載。今回は、話題の軽EV・日産のサクラに試乗してきました!

↑サクラの車内で仲良くパチリ。(右がモノ・マガジン編集長の前田賢紀さん、左が筆者・GetNavi編集長の川内一史)

過去のコラボ記事はこちら

 

二つの目で見ればピントが合う! ゲットナビ×モノ・マガジンの「ヒット」スコープ

– Target 6.日産「サクラ」–

↑日産「SAKURA(サクラ)」

 

いま、日産が元気なんです

日産自動車は、2021年度決算で3年ぶりに営業利益が黒字化(2473億円)。22年度も話題の新車を続々とリリースしており、いま元気のある自動車メーカーです。行っちゃえNISSANってことで、神奈川県横浜市にある日産自動車本社へ。筆者は初めて同社を訪問したのですが、巨大ショールームというか、もはや日産ミュージアム。夏休み真っただ中だったため、家族連れで訪れている人たちが多く見られました。

↑大人気のSUVエクストレイルは7月にフルモデルチェンジして4代目が登場。発売から約1か月で受注1万7000台と大ヒット中です(筆者撮影)

 

↑憧れのスポーツカーGT-Rの2022年モデル。1083万円~という憧れ価格ですが、とにかくカッコイイ!(筆者撮影)

 

↑広い室内が魅力で、社用車としてだけでなくキャンパーからも人気のキャラバン。21年のマイナーチェンジで「NV350」の型番はなくなりました(筆者撮影)

 

と、思わずテンションが上がってしまいましたが、今回の取材対象はコチラ! 軽EVのSAKURA(サクラ)です。6月に販売がスタートし、8月7日時点で受注台数は累計2万5000台と好調な滑り出しとなっています。

日産本社の周辺は浜風&ビル風がスゴい。頭皮ごと持っていかれるかと思いました

 

EV市場でも「技術の日産」は健在!

日産好調の“原動力”のひとつとして、EV(電気自動車)が挙げられるでしょう。同社は元々電気モーター技術に優れているメーカーで、2010年に初の量産型ピュアEVとなるリーフを発売すると、今年に入ってアリア、サクラを立て続けにリリース。国産EV市場をけん引しています。また、ガソリンを燃料にして電気モーターを駆動させる独自のパワートレイン「e-POWER」も好評。世界的にCO2排出削減が推進される現在のクルマ市場においても、「技術の日産」は健在なのです。

↑取材に協力していただいた、日産の日本マーケティング本部のサクラ担当、近藤啓子さん(右から2番目)と中島有紀さん(左から2番目)

 

試乗させてもらう前に、まずはサクラの“ガワ”をチェック。車体は同社の軽ハイトワゴンデイズをベースにしており、コンパクトながらもボリュームを感じられます。また、四季をイメージした2トーンの4色を含む全15色をラインナップし、選ぶ楽しみがあるのもうれしいところ。動力は20kWhのバッテリーで、最高出力47kW、最大トルク195Nmと余裕の走りを実現。航続距離は最大180km(WLTCモード)と安心感があります。価格は233万3100円~294万300円で、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金を活用した場合の実質購入価格は約178万円となります*1(すべて税込)。

↑日産の中島さんイチオシのシーズンズカラー。手前から、ホワイトパール/チタニウムグレー(冬)、ブロッサムピンク/ブラック(春)、ソルベブルー/チタニウムグレー(夏)、暁-アカツキ-サンライズカッパー/ブラック(秋)。今回は「秋」カラーに試乗させてもらいました(写真提供/日産)

 

↑軽のコンパクトなボディに、こんなにも大きいバッテリーが床下に積んであるなんて! レイアウト技術の高さも日産のウリです

 

↑充電ポートは、一般的なガソリン車の給油口と同じく右後部に。約8時間*2で満充電となる普通充電と、約40分*3で80%まで充電できる急速充電の2口を備えています。フタを開けるとライトが点灯し、夜間でも快適に充電可能

 

↑コンパクトですが背が高いので、室内は思っていた以上に余裕アリ。必要以上にオジサンがひしめき合わずに済みます

 

↑恒例(?)のWオジサンによる荷室チェック。車中泊は厳しいかもしれませんが、後席を倒せば軽く横になれそうです

 

↑インパネまわりはシンプルで表示は見やすいです。筆者はシフトレバーの操作感に少し戸惑ったものの、すぐに慣れました

 

↑インテリアは和の意匠を取り入れた落ち着いたデザイン。インテリアの随所に桜をあしらう遊び心もあります

 

筆者のEV初体験。怖いほど滑らかで静かでした

実は筆者、EV初体験。なんか……緊張する! おっかなびっくりアクセルを踏んでスタートします。予想はしていましたが、ガソリン車と比べてとにかく静か。そして、予想以上に軽い! 思ったよりもスーッと伸びていくので、最初はちょっと怖かったです。

 

発進・加減速・停車をアクセルペダルだけで行える日産の独自システム「e-Pedal Step」も初体験。これがめちゃめちゃ楽チンで、特にストップ&ゴーの多い市街地での走行と相性バツグンでした。アクセル/ブレーキの踏み間違えによる事故も起こりにくくなるはずですし、これは本当にイイですね。

 

試乗のハイライトは、おむすびを落としたらいつまでも転がっていきそうな急勾配の上り坂。アクセルを思い切り踏んでもまったく苦しそうな感じを見せず、スイスイと登れます。軽とは思えないほど余裕たっぷりの走りを楽しめました。

↑緊張のEVデビュー。もしいま事故ったらやっぱり日産出禁になるかなーとか考えながら走っていたので、横浜の美しい街並みを覚えていません

 

続いてハイウェイへ。ここでは、高速道路単一車線での運転支援技術「プロパイロット」を体験します。ハンドル右のボタンを押すと、プロパイロットモードに突入。ハンドルから手を離すことはできませんが、車線や前車の位置をリアルタイムで検知しながら、ハンドル操作を支援してくれます。これも楽チンな機能です。

↑ハンドルを握ったままでプロパイロットボタンをスイッチオン。運転状況がグラフィックで表示されるのでわかりやすいです。試しにハンドルから手を離そうとすると、激しく警告されますから、これは安心!

 

試乗のフィナーレを飾るのは、「プロパイロット パーキング」。これは、駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御するシステムで、軽自動車としては初めての搭載となりました。駐車場に入ってからボタンを押すと、カメラで空きスペースを検知。駐車位置が決まったら、画面に表示された「駐車開始」をタップし、ボタンを押し続けるだけで、自動で駐車してくれるという、まさに未来の機能なんです。

 

空きスペースの検知は地面の白線などを参照しているとのことで、疑い深いオジサンとしてはこの精度をどこまで信用して良いのかというのが少し引っ掛かっておりますが、何にせよスゴい技術であることは間違いないですね。

↑駐車場に来たらまずボタンを押して、空きスペースをセンシング。「駐車開始」をタップすれば自動で駐車が始まります。このステアリングの躍動感を見よ!

 

まずはカーシェアリングでお試しできちゃう

当初は、EVは正直まだ買う時期じゃないかな、と思っていました。基本性能も使い勝手も、もう少し成熟したらようやく選択肢に入ってくる。そんなイメージだったんですが、実際に乗ってみたら全然そんなことなかったです。バッテリー性能や充電環境の整備についてはのびしろが大きいと思いますが、このサクラに関していえば、乗用車としてのクオリティは抜群。実質200万円以下で買えるなら、普通に欲しいです。

 

とはいえ、さすがに衝動買いできるほど金銭的な余裕も家庭内で地位もない……という私のような人に朗報! 日産が手掛ける、EV、e-POWERの車両を中心としたカーシェアリングサービス「e-シェアモビ」で、早くもサクラが導入されたとのこと。サクラを利用できるステーションはまだ限られていますが、奇跡的に筆者の近所で導入されていたので、今度行ってみることにします!

 

*1補助金には申請期限があります。申請額が予算額に達した場合は受付終了となりますのでご注意ください。
*2 バッテリー温度約25℃、バッテリー残量警告灯が点灯した時点から満充電までの目安時間となります。
*3 バッテリー温度が約25℃、バッテリー残量警告灯が点灯した時点から、充電量80%までのおおよその時間。特に急速充電の場合、夏季・冬季には充電時間が長くなる場合があります。

 

モノ・マガジン前田編集長のレポートはこちら→https://www.monomagazine.com/52196/

 

 

写真/青木健格(WPP)

やっぱり安心感ある! 「スイフトスポーツ」は欧州車に近い走りのコンパクトハッチバック

スズキの「スイフトスポーツ」といえば、国産車では希少となったMT(マニュアル・トランスミッション)車を設定するコンパクトハッチバック。すでに登場から5年が経過しようとしている同車だが、今改めて乗ってみて感じた魅力を綴る。

 

【今回紹介するクルマ】

スズキ/スイフトスポーツ

※試乗グレード:6MT(全方位モニター用カメラパッケージ装着車)

価格:187万4400円~214万1700円(税込)

 

とりあえずこいつを選んどきゃ間違いない!

さまざまな国産コンパクトスポーツが存在するなか、評論家筋でいつの時代も評価が高いのがスイフトスポーツだ。ライバルはトヨタ「ヤリス(ヴィッツ)」や日産「ノート」、ホンダ「フィット」、マツダ「デミオ」などのスポーツグレードになるが、クルマ選びに悩んだ際、スイフトスポーツには「とりあえずこいつを選んどきゃ間違いない!」という安心感がある。

 

それは、グローバルで販売されて高い評価を得ていること、4モデルが約20年に渡って販売されてきた歴史と伝統があること、モータースポーツに参戦していたことなどからも容易にわかるが、やはり一番の理由は、「運転が楽しい」ことに尽きる。世界中のさまざまなクルマに試乗してきた評論家陣から話を聞けば、最も欧州車に近い走りを味わえるのがスイフトスポーツなのである。

 

デザインはどうか。基本的にはスイフトをベースに、おしゃれにというよりは迫力ある雰囲気に仕立てられている。フロントまわりでは、大口径のグリルやバンパーまわりのラインが強調されていて躍動感を感じさせる。サイドからリアにかけてはブラックのアンダースポイラーが精悍さを表現し、リアディフューザーとデュアルエキゾーストパイプは、リアまわりの存在感を高めている。

↑スイフトの美点であった、Cピラー(サイドウインドウとリアウインドウの間の柱)のブラックパーツのデザイン処理はしっかりと活かされている

 

↑切削加工とブラック塗装を施した新意匠アルミホイール、シルバー塗装の新意匠アルミホイールがそれぞれ対象グレードに採用

 

今回の試乗車のボディカラーは「チャンピオンイエロー4」だったが、イエローは歴代モデルでも中心となってきた同車のイメージカラーだ。「夏は虫が寄ってきて困る」というオーナーの話も聞いたことはあるが(笑)、やはりポルシェやフェラーリにしても、RX-7にしても、イエローはスポーティなクルマによく似合う。街を走るイエローのスイフトスポーツを見たら、クルマに興味のある人ならきっと見入ってしまうはずだ。

↑レッドからブラックへとグラデーションのカラーリングがまさにエキゾチックジャパン!

 

↑荷室容量は5名乗車時で265L

 

まるでスポーツクーペのような感覚で曲がれる!

搭載されるエンジンは、1.4L直噴ターボの「ブースタージェットエンジン」。名称だけでもカッコいいが(笑)、実力もしっかりともなっている。低回転域からターボエンジンらしからぬ高トルク(力強さ)を発揮し、2000~3000回転くらいまでエンジンを回せば、1.4Lとは思えないほどパワフルで余裕のある走りを味わえる。アクセルを踏み込めばリニアに反応して鋭い加速をみせ、1t以下という軽量なボディを、まるで後方から蹴っ飛ばしたかのように押し出してくれる。

↑1.4L直列4気筒ターボエンジン。最高出力140ps、最大トルク23.4kgmで先代のNAエンジンからターボ化とハイオク化で大幅なトルクアップを果たしている

 

このクルマの一番の特徴でもあり、賞賛に値する部分といえば、やはり走りがいいこと。まずコーナーでは、全高が高めのコンパクトカーとは思えないほど路面にビシッと張り付き、まるでスポーツクーペのような感覚で曲がれる。また、「HEARTECT(ハーテクト)」と呼ばれるプラットフォーム、つまりクルマの骨格は、剛性が高く、非常にしっかりしている。ベースのスイフトと比較すると、やはりサスペンションは硬めだが、決して乗り心地は悪くない。

↑スイフトスポーツはやっぱり走っていて楽しい!

 

さらに、MTの操作感がしっかりしていて、スコッスコッと気持ちよく変速できる。このあたりも欧州車らしい味付けだ。フロントシートは、スイフトスポーツ専用デザインになっていて、速い速度でコーナーなどに侵入した際にGで身体が持っていかれそうになっても、しっかり支えてくれる構造になっている。

↑セミバケット形状のフロントシート。背中が当たる部分には“Sport”というロゴが刻まれています。シートスライドは前後に10mmずつ24段階の240mm、運転席シートリフターは上下に60mm調整でき、ドライバーの体格や好みに合わせたきめ細かい設定が可能

 

なお、2020年5月には改良が施され、後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能、リアパーキングセンサーなど、車庫入れなどちょっとした動作の際にやってしまいがちなうっかりミスを助けてくれる機能が追加された(5速MT車を除く)。また、アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)やブラインドスポットモニター(車線変更サポート付き)なども全グレードに標準搭載されるなど、安全性能も高められている。これなら、中年になってキビキビ走るスポーツカーに対して不安を抱いているような人であっても安心だ。

 

グレードを選ぶにあたって一番好ましいのはMTモデルだが、家族も運転するとなると、MTはNG……という人も多いだろう。しかし6速ATモデルも(MTの操作感を抜きにすれば)十分気持ちよさを味わえて、街中をストレスなく走ることができる。見た目がちょっとスポーティ過ぎる感もあるが、5ドアハッチバックなので実用性は十分だ。残念ながら3ナンバーでハイオク仕様となっていてランニングコストはすこしかかるが、それほど燃費が悪いわけでもない。幼児などを抱えていて実用性がないと困るが、時には本格的なスポーティ性能を味わいたい。そんなユーザーにベストな選択となる。

↑左側にタコメーター、右側にはスピードメーター。中央にはマルチインフォメーションディスプレイを搭載

 

↑ずっと握っていたくなる6速MTのシフトノブ

 

SPEC【2WD・6MT】●全長×全幅×全高:3890×1735×1500㎜●車両重量:970㎏●パワーユニット:1371㏄直列4気筒直噴ターボ●最高出力:140PS/5500rpm●最大トルク:230Nm/2500-3500rpm●WLTCモード燃費:17.6㎞/L

 

撮影/茂呂幸正 文/安藤修也

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

防災の日をきっかけに「アウトランダーPHEV」で備える災害対策、6つの観点。

 

9月1日は防災の日。GetNavi webでも日ごろから防災に役立つグッズを紹介していますが、今回はもう少し広い視野に立った対策を提案。たとえばクルマ。移動手段として欠かせない存在であるのに加え、近年では被災した際の備えとしても注目されています。

 

特に、プラグインハイブリッド車(PHEV)は外部から充電できることに加えて、ガソリンエンジンで発電することもでき、被災時でも大容量の電力を確保することが可能。避難生活を変えてくれる可能性があります。本記事では、その最有力候補である三菱自動車の「アウトランダーPHEV」にフォーカス。同車の「防災力」を紐解いていきましょう。

 

【今回紹介する車両】

2021年度PHEV販売台数ナンバーワン&オンリーワンモデル

↑Pグレード(7人乗り)、Gグレード(5/7人乗り)、Mグレード(5人乗り)の4タイプを用意。写真はPグレード

三菱自動車

アウトランダーPHEV

2013年に登場したクロスオーバーSUV「アウトランダーPHEV」は、昨年12月にフルモデルチェンジ。2021年度の販売台数は6267台となり、PHEVの車名別販売台数で1位を獲得しています(※1)。また、「P」と「G」グレードは3列シート7人乗りが設定され、パッケージングでも国産PHEVでオンリーワンの仕様が特徴。

※1:2021年4月~2022年3月 一般社団法人日本自動車販売協会連合会調べ

 

同車は20kWh駆動用バッテリーを搭載。燃料満タンからのエンジン発電で合計約100kWhの電力を外部機器に 最大1500W(100V AC電源)まで給電できます。これがどれだけ大容量なのかというと、近年、大人気のポータブル電源のバッテリー容量が2kWh前後(AC出力1500Wの機種の場合)で、100kWh÷2kWhで50個分に相当。なお、ポータブル電源の売れ筋である500Whモデル(最大同時出力600〜800W前後)と比較した場合は、なんと約200個分に相当します。

 

また、スマホアプリ「MITSUBISHI CONNECT」と連携してエアコンの遠隔操作ができるなど、IoTデバイスとしての性格も持ち併せています。

 

【アウトランダーPHEVの公式サイトでは本記事では

あまり紹介していない実写の画像が沢山! 詳細はコチラ

 

被災時の負担・ストレスを低減させる6つの能力

それでは、アウトランダーPHEVのバッテリーがどれだけ被災時の生活の支えになるか、6項目をチェックしていきましょう。

 

【その1】暑さ(寒さ)対策

まずは暑さ(寒さ)対策。被災したのが夏だった場合、停電時でも車内エアコンがエンジンをかけずに使える(※2)ので、身近な避難スペースになります。アウトランダーPHEVは3列シート7人乗りグレードが設定されるだけあり、人がゆったりと寝られるスペースを後席&荷室に確保。車内で過ごすことで昼夜の熱中症を防げます。

 

もちろん、バッテリーに貯めた電力で自宅の家電を動かすことも可能です。エアコンは最大約172時間(※3/消費電力目安は下部に記載)、扇風機は24時間回し続けても最大約160日以上動く計算です。エンジンをかけて発電せずとも給電できる仕組みなのも便利。さらに、アウトランダーPHEVの場合、そもそもバッテリー容量自体が大きいので給電できる時間が長い、という点もメリットになります。

 

また、冬の災害時にもエアコンで部屋を暖めて暖がとれることは大地震後の火災対策に有効ですし、余震の恐れがなければ石油ファンヒーターを動かせることもメリットです。さらに就寝時のスポット暖房として電気毛布を活用できるのも電気が使えればこそ。

 

特にファンヒーターやー電気毛布は暖房家電としては消費電力が少なく、灯油の備蓄があれば石油ファンヒーターなら24時間稼働し続けても最大約80日以上、電気毛布なら最大約120日ほど使え、寒さにこごえるリスクを減らせます。

※2:エンジン始動をしない暖房はヒートポンプ式エアコン装着車のみ
※3:【各家電の消費電力目安】●エアコン:580W(立ち上がり時に1400W前後の電力を消費するうえ、運転状態により消費電力が変動するためあくまで目安)●扇風機:25W●石油ファンヒーター:50〜200W(点火初期に400W前後の電力を使用するためあくまで目安)●電気毛布:35W

 

【その2】スマホの充電対策

スマホをメインにしたデバイスの充電を担保してくれるのもアウトランダーPHEVの頼もしいところ。平均的なスマホのバッテリー容量を約3000mAh(≒11.1Wh)、変換ロスを考慮して満充電に5000mAh(18.5Wh)必要だと考慮しても、単純に計算で最大約5400回以上の充電が可能です。

 

インパネには USB端子が搭載されているほか、フロアコンソール背面、ラゲッジルーム運転席側に電源コンセントを設置。ノートPCやタブレットのようなバッテリー容量が大きめなデバイスはAC式電源器を使って充電すると素早く充電ができます。上記イラストでは、スマホはインパネから給電、タブレットはフロアコンソール背面からAC式充電器で給電する使用方法を想定してみました。

 

被災時の情報収集や安否確認以外にも、夜間のライトとして使用したり、気分が沈まないようにBGMを流したりと、スマホは用途多彩なため充電を気にせず使えると安心感が違います。

 

なお、アウトランダーPHEVのバッテリーは、エンジン発電による充電時間は停車中チャージモードで約95分(満充電付近/非常時ということでアイドリングによる充電を想定)。夜間にエンジンをかけて稼働すると、不用心かつ近隣迷惑になることもあるので、夕方までに車両に貯めた電気で夜を過ごすのがいいでしょう。

 

【その3】最新情報収集対策

ラジオは災害時のライフラインのひとつ。スマホアプリでラジオを聞く場合はインターネットが通じていなければならず、長期停電などが生じ携帯基地局がダウンしているとラジオも聞けなくなります。アウトランダーPHEVにはAM/FMラジオと地上デジタルTVチューナーを標準装備しており、報道機関の情報を取得できます

 

夜間など自宅で過ごす際は充電式のラジオやランタンを室内で使い、日中など活動している時間帯は車両のラジオから情報を得るといった使い分けも可能です。

 

【その1】で紹介したように、自宅に電気を引き込めば停電時でも自宅でテレビが見られます(アンテナが故障していないことが前提)。二次災害や余震が危惧される際には、すぐに情報を確認できますし、テレビ自体が明かりの役割も果たしてくれます

 

広域の災害情報などはテレビで取得するのが分かりやすいですし、あるいは自宅のDVD・BDプレイヤーで映像コンテンツを楽しんだり、ゲーム機で遊んだりすることも可能になります。非常時でも平時と変わらないコンテンツに触れることで、心の安定を保つ心理的効果もあるとされています。災害時は周りで何が起こっているのか把握できず、孤独になりがち。情報が不安感を取り除いてくれるのです。

 

【コラムその1】自治体との災害時協力協定

三菱自動車では災害時にPHEVを貸し出す、災害時協力協定「DENDOコミュニティサポートプログラム」を全国200以上の自治体と締結。地域ディーラーが災害が起きたエリアにPHEVを貸し出す体制を整えています。災害時にPHEVを自治体へ貸与し活用した例もあり、人々の生活を支える存在になっています。

 

【三菱自動車では「災害にも強い三菱のPHEV」と題したサイトコンテンツを

公開しています。詳細はコチラ

 

【その4】食事・調理対策

被災時にアウトランダーPHEVが活躍するのは、「住」関連だけではありません。「食」でも力を発揮します。停電時でも電子レンジや炊飯器、電気ケトルといった消費電力の大きい調理家電が使えるのがメリット。電子レンジなら最大約67時間、炊飯器なら最大約70回、電気ケトルは最大約80時間使用可能になります(※4)。カセットコンロでお湯を沸かせば、レトルトやインスタント食品を食べることはできますが、アウトランダーPHEVがあればより安全に温かい食事をとれて、心を落ち着かせることができます。

 

「ホームベーカリー」を使うというのもひとつのアイデア。コロナ禍で大ヒットした家電で、自宅に持っているという人も多いと思います。災害時でも焼きたてのパンを食べられるのは、他の家電以上に喜びや安心感を与えてくれるでしょう。バターや牛乳なしで作れるレシピもあります。

 

また、自宅の冷蔵庫をそのまま稼働させ続けることも可能ですし、十分に冷やされた冷蔵庫は真夏であっても数時間程度停止しても冷気を保ちますので、電子レンジや炊飯器など消費電力の大きな家電を使う際は冷蔵庫を止めても大丈夫です。さらに人気上昇中のポータブル式の冷蔵庫なら、消費電力を気にせずに食材や飲み物を冷やしておくことができます。消費電力45Wのポータブル冷蔵庫なら使用可能時間は最大約2200時間(※4)となっています。

 

電気は災害による停電が発生しても、比較的復旧の早いインフラと見込まれています。しかし災害の規模が大きい場合や、局地的に復旧が遅れる場合は停電が長期化することも想定されるため、家庭における防災対策においては、最大で7日間程度の停電を見込んだ準備が必要となります。カセットコンロなどを準備するのもひとつの方法ですが、電気そのものを準備することができるならば、それが一番手軽かつ便利な対策となります。

 

アウトランダーPHEVは、AC1500W給電で平均的な家庭が1日で使う用電力(約10kWh)をまるごと最大約10日間賄うことができます(※5)。といっても災害が起こるタイミングによっては、発電するためのガソリンが足りないという状況に陥ることも……。家族の安全と健康を第一にしながら、どこに電力を使って生活するか、普段から頭のなかでシミュレーションしておくのがいいでしょう。

※4:【各家電の消費電力目安】●電子レンジ:1500W(30Lクラス)●炊飯器(5.5合炊飯時):1300W(1回の使用を1時間と想定)●電気ケトル:1250W ●ポータブル冷蔵庫:45W
※5:供給可能電力量は三菱自動車試算による

 

【その5】衛生&消毒対策

アウトランダーPHEVがあれば洗濯機も最大約500時間と十分に使うことができます(洗濯時/※6)。しかし、断水してしまうと家庭用洗濯機で洗濯するのは困難になります。こういった場合は、市販のポータブル洗濯機を用意しておけば少量の水でタオルやシャツが洗え、汗をかく夏場の衛生対策にもなります。

 

水を消費する家電でいうと、外付けの食洗機も優秀。少量の水で食器類をきれいにできるため、断水などで使用できる水が限られているケースで活躍します。(最大約130時間使用可能/※6)

 

また、地震で自宅内の食器や棚のモノが割れて散乱してしまった場合、掃除機で吸い込めば安全に生活できる状態に戻せますし、床の衛生状態もきれいに保てます。最近主流のコードレス式スティック掃除機の場合、30分程度でバッテリーが切れてしまうため、アウトランダーPHEVがあることで何度も使用することが可能です。

 

加えて、衛生面でいうと「消毒」も電気があると安心して行えます。消毒用の熱湯は電気ケトルで手軽に作れますし、乳児がいる家庭では電子レンジに哺乳瓶ケースと水を入れての熱湯消毒が可能。これは一般的ではないかもしれないですが、近年は深型のホットプレートが人気を博しており、電子レンジが故障した場合でもホットプレートで熱湯を作っての消毒も選択肢として考えられます。

※6:【各家電の消費電力目安】●洗濯機(ドラム式):200W(洗濯時)。なお、乾燥は1300W程度の電力を消費するため最大約71時間程度●ポータブル洗濯機:10W●食器洗い乾燥機:770Wh●ホットプレート:650W(小型・深底タイプ)●掃除機:1000W(強モード時)

 

【その6】自宅避難対策全般

最後は、バッテリーによる直接的な電気の恩恵ではないものの、災害時に想定されるケースをもとにアウトランダーPHEVの幅広い災害対策用途を紹介。

 

まず、大地震による津波や地震火災、台風や大雨による水害や土砂災害、火山の噴火など、自宅に留まると命に危険が生じる恐れのある場合は、迷わず「避難場所」へ逃げることが重要です。早期避難であれば自動車を使って移動しても構いません。一方、命を守った後に最寄りの「避難所」へ移動するかどうかは各家庭の判断にゆだねられます。

 

避難所はホテルや宿泊施設ではないため、基本的に環境はよくありません。物資は潤沢ではなく、夏の暑さと冬の寒さ、床の硬さ、集団生活による感染症リスクの増大や盗難を含むトラブルの発生、プライバシー確保の困難さなど、様々な問題を秘めています。

 

特に、家族に乳幼児や子ども、妊婦、高齢者、要介護者、障がい者、そしてペットなどがいる場合、避難所での共同生活は困難です。さらに近年の災害では、高齢者が避難生活により体調を崩し、最悪の場合は命を落とす「災害関連死」による被害も急増しています。避難所へ行かずに生活をできる準備があることは安心につながります。

 

そのため近年においては、車中泊などを実施したり、自宅が無事であり二次災害の恐れもない場合は、できるだけ自宅に留まる「在宅避難」という選択肢もあります。

 

アウトランダーPHEVなら、大人2人が横になる十分なスペースがあり、小さなお子さんであれば親子3人が同時に横になれます。また、自宅の照明への電源供給も容易なため、自宅が真っ暗で怖がってしまうこともありません。自分自身はもちろん、家族の精神的な不安を和らげてくれる選択肢を提供してくれます。

 

【コラムその2】「V2H」でさらにアウトランダーPHEVの力を引き出せる

アウトランダーPHEVはAC電源コンセントから最大1500Wを給電できますが、これ以上に大きな電力を家庭に一度に供給する方法も。それが「Vehicle to Home」を略した「V2H」。V2H機器を利用した場合は電力変換ロスが少なくなるため、最大で一般家庭12日分の電力を供給可能。より長期の災害対策を施すことができます。

*7:供給可能電力量は三菱自動車試算による(一般家庭での一日当たりの使用電力量を約10kWh / 日として算出、V2H機器等の変換効率は含みません)。住宅との接続にはV2H機器が必要です。V2H機器に接続している場合、エンジン始動による発電はできません。エンジンでの発電を行う場合は、V2H機器との接続を終了してください。V2H機器については、営業スタッフまたは各V2H機器取扱メーカーにおたずねください。

 

【まとめ】

ここまでは給電を中心とした利点に着目してきましたが、クルマとしての性能にも簡単に触れてまとめに入っていきます。

 

アウトランダーPHEVはツインモーター4WDに加えて、4輪の駆動力・制動力を最適に制御するS-AWC(Super All Wheel Control)を採用。走っては快適、路面状態の悪い場所でも安心して走行できるのが特徴です。

 

安心という意味では、先進支援機能も充実。衝突軽減ブレーキシステムや高速道路 同一車線運転支援機能マイパイロットなど、今の時代に必須のサポート機能を全グレードに標準装備しています。

 

ちなみにアウトランダーPHEVではなく、クロスオーバーSUV「エクリプス クロス」という選択肢もあります。スタイリッシュなクーペフォルムと機動力を融合させたクロスオーバーで、アウトランダーPHEV同様S-AWC やAC1500Wコンセントを装備し、V2Hにも対応。

 

ここまでで、アウトランダーPHEVの多岐にわたる活用術を通して、個々のグッズを揃える「点」の災害対策ではなく、体系的に災害に備える「面」の対策が施せることがお伝えできたかと思います。

 

防災の日をきっかけに、一度ライフラインが止まったときの生活を試してみてはいかがでしょうか。自宅の電気が使えなくなったら、生活にどのような支障が出るのか……。それを知っておくだけでも災害に対する心構えになります。そして、電気がないことで起きる支障の多くの部分はアウトランダーPHEVによって対策可能。大変心強い存在といえるでしょう。

 

【三菱自動車の公式サイトでは三菱のPHEVの歴史や詳細が

わかるコンテンツが充実! 詳しくはコチラ

 

まとめ/卯月 鮎、イラスト/tomoya、監修/高荷 智也(合同会社ソナエルワークス/備え・防災・BCP策定アドバイザー)

人気のMPV市場に中韓勢が挑む。インドネシアの最新自動車事情

インドネシア最大のモーターショー「ガイキンド・インドネシア国際オートショー2022(GIIAS 2022)」が8月11日より21日まで、ジャカルタ市郊外のインドネシア・コンベンションセンター(ICE)で開催されました。

 

これまでインドネシアで圧倒的シェアを誇ってきた日本車。その中心が3列シートのMPV(マルチ・パーパス・ビークル)です。そのMPVを通して感じたインドネシアの自動車市場をレポートします。

↑GIIAS 2022は、ジャカルタ郊外のICE(Indonesia Convention Exhibition)で開催された

 

 

中国「ウーリン」、韓国「ヒョンデ」が相次いで新型MPVを投入

インドネシアは東南アジア屈指の人口2.7億人を抱え、急速な経済成長と共に将来への期待はきわめて大きい国の一つです。そうした状況に日本の自動車メーカーはいち早く着目し、工場建設などの投資も積極的に行ってきました。その結果、インドネシアにおける日本車のシェアは9割を大きく超え、インドネシアは世界で最も多くの日本車が走る国となったのです。

↑GIIAS 2022の会場内風景。プレスデーの8月11日撮影。最も大きなスペースはトヨタだったが、ヒュンダイもそれに匹敵するスペースを確保していた

 

しかし、その状況はここ数年、大きく変化し始めています。中国と韓国勢による進出が影響を及ぼし、ジリジリと日本車のシェアが下がり始めているのです。数年前まで日本車のシェアは95%を超えていましたが、昨年は94%台に下がっています。

 

特にその存在が目立っているのが中国車で、中でもウーリン(五菱)は2021年で前年比3.9倍もの販売実績を上げ、シェアを単独で2.9%にまで高めています。これは3列シートのMPVをリーズナブルな価格で発売したことがインドネシアで受け入れられたとみられています。

↑多彩な車種展開で多くの来場者を集めていたウーリンのブース

 

 

日本勢は先行して新型車を相次いで投入して中韓勢を迎え撃つ

そうした流れに今回のGIIAS 2022では、新たな動きが加わりました。韓国ヒュンダイ(現地読み/日本では「ヒョンデ」)がこのMPV市場に新型車「スターゲイザー」を投入してきたのです。しかも、すべての部品を輸入するノックダウン生産ではなく、現地部品を調達して現地工場で生産する方法に変更し、“インドネシア国産車”としてアセアン各国に輸出する計画を示したのです。

↑ブース内を横断する超巨大なスクリーンで圧倒的存在感を見せたヒュンダイのブース

 

もちろん、迎え撃つ日本メーカーも黙ってはいません。両社合わせて5割を超えるシェアを握るトヨタとダイハツは、昨年11月、FF(前輪駆動)化したMPVとしてトヨタ「アバンザ」/ダイハツ「セニア」を発表。三菱も久しぶりの大ヒットとなった「エクスパンダー」をマイナーチェンジするなど、迎撃態勢はすっかり整ったようにも見えます。

↑マイナーチェンジした「エクスパンダー」「エクスパンダー クロス」のプレスカンファレンス

 

しかし、ヒュンダイの動きはインドネシア国内では好意的に見られているのは確かなようで、インドネシアの自動車事情通によれば「今までとは勢いがまるで違います。中国車を見ても以前と比べて品質は格段に向上していますし、何よりカッコ良いクルマに憧れるインドネシアの人たちにとって、スターゲイザーはかなり脅威になるでしょう」と話していました。

 

1990年代に一度MPV市場に参入して撤退した苦い経験を持つヒュンダイにとって、「今度こそ!」という思いが強いのは間違いないでしょう。インドネシアにおけるMPVは中国勢や日本勢を巻き込み、今後しばらくは熾烈な戦いが繰り広げられそうです。

 

 

ヒュンダイ「スターゲイザー」

ヒュンダイのスターゲイザーは、「スリーク・ワン・ボックス」と名付けられたワンモーションフォルムのスタイリッシュなデザインがポイント。ボディサイズはインドネシアで人気が高い三菱エクスパンダーとほぼ拮抗します。特に横一文字のデイライトを配したワイド感たっぷりのフロントフェイスは近未来感たっぷりのデザインで、MPVとしての存在感をさらに高めていました。

↑横一文字のデイライトを配したワイド感たっぷりのフロントフェイスは近未来を感じさせるデザインとなった

 

パワートレインは1.5L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載し、最高出力115PS/6300rpm、最大トルク143.8Nm/4500rpmを発揮。トランスミッションは無段変速式CVTの「IVT」と6速MTが選択できます。

↑左右にまたがるLEDと個性的なリアコンビランプの組み合わせで、“H”をイメージ

 

インテリアは使い勝手の良さを感じさせる水平基調のインストルメントパネルで、インフォテイメント系としてはコネクティッドサービス「ヒョンデ・ブルーリンク」に対応した8インチディスプレイオーディオを設定。これを使うことで、スマートフォンからドアロックの解錠・施錠、エンジンスタート/ストップなどが可能となります。

↑二つの大型液晶ディスプレイを中心に斬新なデザインで構成されるインテリア

 

ウーリン(上海通用五菱汽車)「コンフェロS」

コンフェロSは2017年のGIIASで発表された3列シートのMPVで、ウーリンがインドネシア国内でシェアを伸ばす原動力となりました。全長4530×全幅1691×全高1730mmという手頃なサイズのボディで、2720mmのホイールベースによって3列シートを成立させています。

↑インドネシアでウーリンのシェアを2.9%まで拡大する原動力となったコンフェロS

 

搭載エンジンは直列4気筒1.5LのデュアルVVT付DOHCで、最大出力107PS/最大トルク142Nmの動力性能を発生。トランスミッションは5速MTと組み合わせます。注目は駆動方式がFR方式を採用し、車体をフレームボディとしたことです。これは商用車ベースで設計されていることが背景にあります

↑駆動方式がFRということもあり、車高は高めとなっているコンフェロS

 

インフォテイメントシステムはBluetoothやミラーリンク機能に対応した8インチディスプレイを備え、サンルーフ、リアカメラ、電動パーキングブレーキを備えるなど、仕様的に不満が出ないよう設計されています。これが手頃な価格で買えることが人気を呼ぶ大きな理由になっているようです。

↑コンフェロSのインテリア。オーソドックスながら使いやすい環境を実現した

 

 

三菱「エクスパンダー クロス」

エクスパンダーは2017年のGIIASで公開された3列シートのMPV。「エクスパンダー クロス」は、その最上位モデルとして2019年にデビューしました。今回のマイナーチェンジでは車体前後を一新してSUVらしい力強さをアピール。さらに電動パーキングブレーキを標準装備し、前左右輪の制動力を調整して旋回性を高めるアクティブ・ヨー・コントロール(AYC)などの採用で走行時の安心感や乗り心地の向上をもたらしました。

↑車体前後のデザインを一新してSUVらしい力強さをアピールしたエクスパンダー クロス

 

リア周りはテールゲートをより立体的な形状とし、LED化した水平基調のリアコンビランプによってワイドで安定感のあるデザインとしています。アルミホイールには2トーン切削光輝仕上げの17インチを採用し、前後のスキッドプレートおよびドアガーニッシュのグレー塗装とのコーディネートと相まって、立体感あるスポーティさの表現に貢献しています。

↑より上質なイメージに変貌した新型エクスパンダー クロス

 

インテリアでは、水平基調の「ホリゾンタルアクシス」コンセプトのインストルメントパネルに、大径の4本スポークステアリングを新採用。メーターを8インチのカラー液晶として視認性の向上を図り、ステアリングホイールの操作スイッチから平均燃費や瞬間燃費などの運転情報や、AYCの作動状態などをメーター内で確認できるとのことです。

↑ステアリングから多彩なコントロールを可能西、電動パーキングブレーキも新採用

 

 

トヨタ「アバンザ」/ダイハツ「セニア」

「アバンザ」と「セニア」は、トヨタ自動車とダイハツ工業が共同開発した7人乗り小型ミニバンです。インドネシアで生産が行われてきた3列シートのMPVで、2021年11月に3代目が発表されました。インドネシアにおけるDNGA採用の第2弾に位置付けられ、アバンザにとって歴代初のFFとなったのも大きなトピックです。トヨタ・アバンザは、インドネシアで大ヒットを遂げている三菱・エクスパンダーを意識した造りとなっており、フロントにはシャープなLEDヘッドライトと大きく開口されたグリルを採用することで存在感をアピール。

↑昨年11月、歴代初のFF化を実現した3代目として登場したトヨタ・アバンザ

 

↑ダイハツが参考出品した「セニア・スポーツ」。トヨタ・アバンザと兄弟車の関係にある

 

リアはスクエアな形状にリアコンビランプとリフレクターを隅に配置することで、ワイド感あふれるデザインを印象付けています。

↑搭載エンジンは先代に引き続き、1.3Lと1.5Lガソリンをラインナップした

 

ボディサイズは全長4395mm×全幅1730mm×全高1665mmと先代よりも少し大きく、それに伴って室内長は160mm拡大することとなりました。パワートレインは1.3L直列4気筒ガソリンと1.5L直列4気筒ガソリンをラインナップ。トランスミッションには5MTに加えて「D-CVT」を組み合わせます。

↑実用性を重視したインテリア。トランスミッションは5MT以外にD-CVTも追加した

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

スバル「レヴォーグ」。これだけ速くて快適で気持ちいい実用車など、他にあるのか?

2021年11月、スバル「レヴォーグ」にハイパフォーマンスモデル“STI Sport R”が追加された。新開発の2.4L直噴ターボエンジンを搭載する同モデルは、スバルのフラッグシップスポーツ「WRX STI」と共通点があるのか? 同ブランド内での立ち位置と走行性能の真価を探る。

 

【今回紹介するクルマ】

スバル/レヴォーグ

※試乗グレード:STI Sport R

価格:310万2000円~477万4000円(税込)

 

まずはスポーツモデルWRX STIについて語ろう

スバルのスポーツモデルの頂点に君臨するのは、WRX STI(インプレッサWRX STIを含む)である。伝統の水平対向ターボエンジンに6速マニュアルトランスミッションを組み合わせ、サスペンション、ブレーキ、空力など、あらゆる面で究極の走りを目指したモデルだ。内外のマニアの間では絶対的な人気を誇ってきた。

 

ところが、2021年に登場した新型WRXには、その「STI」がなく、今後も出ないらしい。世界中のスバルファンが、「なんてこった!」と頭を抱えている。WRX STIは世界的に人気があるだけに、マニアックなスポーツモデルにもかかわらず、かなり台数が出る。そのわりに燃費が非常に悪く、世界中の燃費規制に引っかかる。エンジン(EJ20型)の基本設計も古く、排ガス規制もキビシイ。これ以上の延命は不可能だったようだ。

 

その代わりと言っては何だが、以前からあったWRXのAT(正確にはCVT=無段変速)バージョンであるS4には、これまでの2.0Lターボエンジンに代わって2.4Lターボエンジンが搭載され、CVTもスポーティな新型に更新された。

 

ただ、スペックを見ると、この2.4Lターボエンジン、以前の2.0Lターボエンジンより、馬力もトルクも低い。旧S4が300馬力/400Nmだったのに対して、新型は275馬力/375Nm。常に最高の走りを目指してきたWRXが、スペックダウンするってどういうことだ? 排気量を拡大したっていうのに信じられない! 堕落だ!

 

そのように思っていたが、実際に乗ってみて仰天した。この新型S4、めちゃめちゃパワルフなのである! どう考えても旧型より速い! いや、少なくとも速く感じる! 加えて、新開発されたCVT「スバルパフォーマンストランスミッション」が物凄くイイ! 普通に流していてもCVT特有の空回り感はまったくなく、ダイレクトな加速が楽しめるが、ひとたびスポーツ+モードに入れれば、自動的に8速ステップ変速に切り替わり、他のあらゆる変速機もかなわないほど、恐ろしく素早いシフトチェンジを行う。

 

実はこのシフトチェンジ、疑似的なもので、実際にはCVTのレシオを瞬間的に切り替えているにすぎないが、乗ったイメージはまるでF1マシン! 「クワーン、クワーン、クワーン」と快音を奏でながら、ウルトラ超速シフトアップを繰り返し、切れ目のない超絶加速をブチかましてくれる(ように感じる)。エンジンスペックは旧型より落ちているのに不思議だが、とにかく新型S4は、素晴らしく気持ちいいスポーツセダンだ。MTにこだわるマニアには物足りないかもしれないが、私は気持ちよければそれでいい。新型S4、最高だぜ!

 

が、新型S4にも欠点がある。それは、中高年にはサスペンションがハードすぎることだ。サスペンションのモード切替を「コンフォート」にしておけば問題ないが、「ノーマル」や「スポーツ」はあまりにも固すぎてツライ。つまりサスペンションだけ「コンフォート」に切り替えれば済む話だが、おっさんになると、それが面倒くさくなってくる。

 

スバルパフォーマンストランスミッションの超絶レスポンス

ところが! 同じエンジン/ミッションを積む、2代目レヴォーグ「STI Sport R」は、サスペンションが断然ソフトだという。レヴォーグのノーマルモデルは、1.8Lターボの177馬力。この「STI Sport R」は、新型S4と同じ2.4Lターボを積むが、サスペンションは基本的にノーマルモデルと同じらしい。気持ちよければそれでいいおっさんには、そっちのほうがいいかもしれない……。

 

実際乗って見ると、予想通りだった。エンジン/ミッションは超絶パワフル/超絶レスポンスのままだが、サスペンションはぐっとふんわりソフトなのだ。「うおおおお、これはイイ!」

 

今やWRX S4は、スバルのスポーツモデルの頂点。サスペンションをハードに固めて、サーキットでしっかりタイムが出るようにセッティングする必要がある。公道での快適性は二の次でも仕方ない。

 

しかしレヴォーグは違う。ステーションワゴンであるレヴォーグは、あくまで公道を快適に速く走るための実用車。サスペンションをむやみに固める必要はないから、あらゆるモードで快適な乗り心地を確保しつつ、2.4Lターボのスーパーパワーと、スバルパフォーマンストランスミッションの超絶レスポンスが味わえるのだ!

↑275PS、375Nmの圧倒的なパフォーマンスを発揮する新開発の2.4L直噴ターボエンジン。さらに、2.4Lエンジンに合わせて開発したスバルパフォーマンストランスミッションを搭載

 

欠点は、燃費が悪いことである。高速道路をゆっくり流しても、10km/Lを超えるのは難しい。日常使いで7km/Lくらい。しかもガソリンはハイオク指定。お財布には決して優しくない。しかし、それがなんだと言うのだ! これだけ速くて快適で気持ちいい実用車など、他にあるだろうか? お値段477万円。高いと言えば高いが、中身を考えればむしろ安いっ! コイツに乗っていれば、BMWの「M」やメルセデスの「AMG」に挑まれても怖くないぜ。

↑張り出しが強調された前後フェンダーが特徴。足回りはZF製の電子制御ダンパーを装備し、路面の状態や車体の動きをセンシングして、リアルタイムで減衰力を可変制御する

 

↑C字型のランプの意匠や六角形の“ヘキサゴングリル”

 

↑C字型のテールランプが目を引くリア

 

↑内装色はブラックとボルドーのツートン。そして思わずデカっと言ってしまいそうな11.6インチ大面積の縦型センターディスプレイ。ここではエアコンやナビの操作、車両の細かな設定などを行える

 

↑ドライブモードセレクトの操作画面。これは「STI Sport」系のグレードに備わる。「GT」「GT-H」系のグレードには、パワートレインの制御のみを切り替えられる「SI-DRIVE」が装備される

 

↑従来モデルより足元スペースが広くなったリアシート。座面長も18mm拡大し、USB電源は2口設けられている

 

SPEC【STI Sport R】●全長×全幅×全高:4755×1795×1500㎜●車両重量:1630㎏●パワーユニット:2387㏄水平対向4気筒直噴ターボ●最高出力:275PS/5600rpm●最大トルク:375Nm/2000-4800rpm●WLTCモード燃費:11.0㎞/L

 

撮影/阿部昌也

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

フランス政府、電気自動車を月額1万4000円でリースできる制度を準備中!

フランス政府が月額100ユーロ(約1万4000円)で電気自動車(以下、EV)をリースできる、新たなEV補助金制度の準備をしていることが明らかとなりました。

↑EVを月額100ユーロでリースできる予定

 

米Bloombergによると、ガブリエル・アタル行動・公会計大臣は、週末に現地のLCIニュースチャンネルでこの計画を発表したそうです。アタル氏は「多くのフランス人にとって(EVは)非常に高価であることは承知している」と述べ、政府がこの施策をどれだけ早く実行できるかを考えていると付け加えたとのことです。

 

8月末現在、フランスでは4万7000ユーロ以下のEVであれば、最大6,000ユーロの補助金を受けられます。また政府の下取り制度を使えば、古いガソリン車も買い取ってもらえる手厚さ。これほど優遇されているものの、2022年1~7月にフランスで売れた新車のうち、EVの割合は12%に過ぎませんでした。

 

その点では北欧諸国がはるかに先を行っており、たとえば昨年のノルウェーでは、バッテリーだけで走るEVとハイブリッド車が新車販売の3分の2近くを占めていました。北欧ではガソリン車にかかる数々の税金がEVでは免除される制度(車両購入税や付加価値税、道路使用税など)が、この普及を後押ししているといわれます。

 

今回の発言に先立ち、仏マクロン大統領は「補助金があってもEVは多くの人にとって手が届かない」との批判を受けて、低所得者向けの国営リース制度を約束していたとのこと。ようやく、その公約が実現されるメドが立ったようです。

 

このリース政策は、ルノーSAやフォルクスワーゲンAGなど、欧州自動車メーカーを後押しすることも意識されているようです。日本でも国内のEVメーカーを育てつつ、より多くの人々がEVを利用できる制度の整備が求められるのかもしれません。

 

Source:BNN Bloomberg
via:Engadget

ピュアEVとミニバンそれぞれの魅力を実感できる! ヒョンデ「アイオニック5」とホンダの新型ステップワゴンに試乗

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」でピックアップするのは、「ヒュンダイ」改め「ヒョンデ」のピュアEVとなるアイオニック5と、いよいよ発売が開始されたホンダの新型ステップワゴン。続々と登場する本格EVと、日本の主軸ファミリーカーでもあるミニバンの最新作だ。その実力やいかに?

※こちらは「GetNavi」 2022年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】ピュアEVの魅力がダイレクトに実感できる!

EV

ヒョンデ

アイオニック5

SPEC【ラウンジ】●全長×全幅×全高:4635×1890×1645mm●車両重量:1990kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:72.6kWh●最高出力:217PS/4400〜9000rpm●最大トルク:35.7kg-m/0〜4200rpm●一充電最大航続距離(WLTCモード):618km

 

見た目でも中身でも「電気」の魅力をアピール

乗用車市場では12年ぶりの復活となるヒョンデが日本向けに用意したモデルは、このアイオニック5とFCV(燃料電池車)のネッソ。いずれも環境性能が高いモデルで、販売もオンラインのみという導入手法に注目が集まっている。主力は当然ながら前者だ。

 

その内外装は、SUV風の仕立てが主流となるEVのなかでも実に個性的。大柄なハッチバック的な外観は電動モデルらしさがダイレクトに表現され、内装もクルマというより最新家電のような風情だ。その一方、室内の広さを筆頭とする使い勝手も申し分ない。

 

今回は2WDに試乗したが、走りでも最新のEVらしさが実感できる。アクセル操作に対する鋭いレスポンスや日常域での力強さ、静粛性の高さは電気モーターならではの魅力で、それを受け止めるシャーシもフラットな乗り心地を筆頭として良好。最大で600kmオーバーの航続距離まで考慮すれば、有力な最新EVの選択肢のひとつであることは間違いない。

 

[Point 1]室内と荷室は広々

大柄のボディとあって前後席の空間は余裕たっぷり。前席にはオットマンも備わる。荷室容量はリアだけで527Lを確保し、フロントにも57Lの荷室を用意する。

 

[Point 2]テーマは「パラメトリックピクセル」

ハッチバックのボディ形態ながら、まるでコンセプトカーのような大胆なデザインで独自性を強調。2WDの電気モーターはリアに搭載し、駆動方式はRRとなる。

 

[Point 3]プレーンでワイド感を強調する作り

インパネ回りはシンプルなデザインで、家電的な親しみやすさも感じさせる。シフト操作はステアリングコラムに付けられたダイヤルで行う。

 

[Point 4]電源供給機能も充実

後席下の中央には、AC100Vコンセントを装備。給電機能はこれだけではなく、普通充電のソケットにアダプターを装着すれば外でも電気製品が使用できる。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

アイオニック5: 電気モーター/2WD/479万円

アイオニック5 ボヤージュ:電気モーター/2WD/519万円

アイオニック5 ラウンジ:電気モーター/2WD/549万円

アイオニック5 ラウンジAWD: 電気モーター×2/4WD/589万円

 

 

【その2】その持ち味はミニバンの本質を突いた作り

ミニバン

ホンダ

ステップワゴン

SPEC【エア(e:HEV)】●全長×全幅×全高:4800×1750×1840mm●車両重量:1810kg●総排気量:1993cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:145[184]PS/6200[5000〜6000]rpm●最大トルク:17.8[32.1]kg-m/3500[0〜2000]rpm●WLTCモード燃費:20.0km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

2、3列目シートの快適性が大幅に進化!

6代目ステップワゴンは、先代から全長と全幅を拡大。これまで「5ナンバー級」と呼ばれてきたミドルサイズの国産ミニバンのなかでは大柄になったが、その効果は室内に入ると誰でも実感できる。キャプテンシート版の2列目は、実に780mmというロングスライド機構を搭載。ライバル車を凌ぐ広さを実現している。

 

また、使わない際は簡単操作で床下に収まる3列目も、居住性の高さは現実のサイズ以上。新型では先代より遮音性が高められたこともあって、居心地の良さは予想以上だ。さらに付け加えると、2、3列目は着座位置を前席より高めて、クルマ酔いしにくい良好な視界を実現。つまり、すべての座席で快適性を高めるべく入念なアップデートが施されているわけだ。

 

パワーユニットは、1.5Lのガソリンターボと、2Lガソリン+2モーターによるハイブリッドという2本立て。前者で4WDが選べることも含め、構成そのものは先代と変わらないが、当然中身は進化している。1.5Lターボでは必要にして十分な速さと自然なレスポンスを、ハイブリッドでは電気駆動らしい静粛性を実感できる。また、操縦性も背の高いミニバンらしからぬ水準なので、走りも相応に楽しみたいというお父さんにも積極的にオススメできる。

 

[Point 1]キーワードは“視界の良さ”

運転支援系の装備が充実したフロントシートまわりは、こちらも視界の良さを追求。2人掛けとなる2列目のキャプテンシートは前後だけでなく左右にもスライド。スパーダではオットマンも装備する(2列目は3人掛けのベンチシートも選択可能)。

 

[Point 2]グレードは3タイプとシンプル

グレードは先代からの続投となるスパーダ(写真)と、それをベースとして高級感を演出するプレミアムライン。そして内外装をシンプルに仕立てたエアの3タイプが用意される。

 

[Point 3]見た目同様に走りもナチュラル

1.5Lターボは、CVTミッション特有の悪癖を抑え込みつつ必要十分な動力性能を実現。ハイブリッドは、電気駆動モデルらしい静粛性の高さが魅力だ。

 

[Point 4]荷室の使い勝手は依然ライバルを上回る

片手でも行える簡単操作で床下に格納できる3列目の「マジックシート」は先代から踏襲。3列目使用時は、左写真のようにシート後方に実用的な空間が出現する。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/ミッション/税込価格)

エア:1.5L+ターボ、2.0L+電気モーター/2WD、4WD(※)/CVT、電気式無段変速/299万8600円(324万600円)[338万2500円]

スパーダ:1.5L+ターボ、2.0L+電気モーター/2WD、4WD(※)/CVT、電気式無段変速/325万7100円(347万7100円)[364万1000円]

スパーダプレミアムライン:1.5L+ターボ、2.0L+電気モーター/2WD、4WD(※)/CVT、電気式無段変速/346万2800円(365万3100円)[384万6700円]

※:e-HEVは2WDのみ ●( )内は4WD、[ ]内はe-HEVの価格

 

文/小野泰治 撮影/神村 聖、宮門秀行

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

ホンダの新型ステップワゴンはミニバンの本質をさらに追及した快適さ

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」でピックアップするのは、いよいよ発売が開始されたホンダの新型ステップワゴン。その実力やいかに?

※こちらは「GetNavi」 2022年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

その持ち味はミニバンの本質を突いた作り

ミニバン

ホンダ

ステップワゴン

SPEC【エア(e:HEV)】●全長×全幅×全高:4800×1750×1840mm●車両重量:1810kg●総排気量:1993cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:145[184]PS/6200[5000〜6000]rpm●最大トルク:17.8[32.1]kg-m/3500[0〜2000]rpm●WLTCモード燃費:20.0km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

2、3列目シートの快適性が大幅に進化!

6代目ステップワゴンは、先代から全長と全幅を拡大。これまで「5ナンバー級」と呼ばれてきたミドルサイズの国産ミニバンのなかでは大柄になったが、その効果は室内に入ると誰でも実感できる。キャプテンシート版の2列目は、実に780mmというロングスライド機構を搭載。ライバル車を凌ぐ広さを実現している。

 

また、使わない際は簡単操作で床下に収まる3列目も、居住性の高さは現実のサイズ以上。新型では先代より遮音性が高められたこともあって、居心地の良さは予想以上だ。さらに付け加えると、2、3列目は着座位置を前席より高めて、クルマ酔いしにくい良好な視界を実現。つまり、すべての座席で快適性を高めるべく入念なアップデートが施されているわけだ。

 

パワーユニットは、1.5Lのガソリンターボと、2Lガソリン+2モーターによるハイブリッドという2本立て。前者で4WDが選べることも含め、構成そのものは先代と変わらないが、当然中身は進化している。1.5Lターボでは必要にして十分な速さと自然なレスポンスを、ハイブリッドでは電気駆動らしい静粛性を実感できる。また、操縦性も背の高いミニバンらしからぬ水準なので、走りも相応に楽しみたいというお父さんにも積極的にオススメできる。

 

[Point 1]キーワードは“視界の良さ”

運転支援系の装備が充実したフロントシートまわりは、こちらも視界の良さを追求。2人掛けとなる2列目のキャプテンシートは前後だけでなく左右にもスライド。スパーダではオットマンも装備する(2列目は3人掛けのベンチシートも選択可能)。

 

[Point 2]グレードは3タイプとシンプル

グレードは先代からの続投となるスパーダ(写真)と、それをベースとして高級感を演出するプレミアムライン。そして内外装をシンプルに仕立てたエアの3タイプが用意される。

 

[Point 3]見た目同様に走りもナチュラル

1.5Lターボは、CVTミッション特有の悪癖を抑え込みつつ必要十分な動力性能を実現。ハイブリッドは、電気駆動モデルらしい静粛性の高さが魅力だ。

 

[Point 4]荷室の使い勝手は依然ライバルを上回る

片手でも行える簡単操作で床下に格納できる3列目の「マジックシート」は先代から踏襲。3列目使用時は、左写真のようにシート後方に実用的な空間が出現する。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/ミッション/税込価格)

エア:1.5L+ターボ、2.0L+電気モーター/2WD、4WD(※)/CVT、電気式無段変速/299万8600円(324万600円)[338万2500円]

スパーダ:1.5L+ターボ、2.0L+電気モーター/2WD、4WD(※)/CVT、電気式無段変速/325万7100円(347万7100円)[364万1000円]

スパーダプレミアムライン:1.5L+ターボ、2.0L+電気モーター/2WD、4WD(※)/CVT、電気式無段変速/346万2800円(365万3100円)[384万6700円]

※:e-HEVは2WDのみ ●( )内は4WD、[ ]内はe-HEVの価格

 

文/小野泰治 撮影/神村 聖、宮門秀行

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

ピュアEVの魅力がダイレクトに実感! ヒョンデ「アイオニック5」

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」でピックアップするのは、「ヒュンダイ」改め「ヒョンデ」のピュアEVとなるアイオニック5。続々と登場する本格EVの最新作だ。その実力やいかに?

※こちらは「GetNavi」 2022年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ピュアEVの魅力がダイレクトに実感できる!

EV

ヒョンデ

アイオニック5

SPEC【ラウンジ】●全長×全幅×全高:4635×1890×1645mm●車両重量:1990kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:72.6kWh●最高出力:217PS/4400〜9000rpm●最大トルク:35.7kg-m/0〜4200rpm●一充電最大航続距離(WLTCモード):618km

 

見た目でも中身でも「電気」の魅力をアピール

乗用車市場では12年ぶりの復活となるヒョンデが日本向けに用意したモデルは、このアイオニック5とFCV(燃料電池車)のネッソ。いずれも環境性能が高いモデルで、販売もオンラインのみという導入手法に注目が集まっている。主力は当然ながら前者だ。

 

その内外装は、SUV風の仕立てが主流となるEVのなかでも実に個性的。大柄なハッチバック的な外観は電動モデルらしさがダイレクトに表現され、内装もクルマというより最新家電のような風情だ。その一方、室内の広さを筆頭とする使い勝手も申し分ない。

 

今回は2WDに試乗したが、走りでも最新のEVらしさが実感できる。アクセル操作に対する鋭いレスポンスや日常域での力強さ、静粛性の高さは電気モーターならではの魅力で、それを受け止めるシャーシもフラットな乗り心地を筆頭として良好。最大で600kmオーバーの航続距離まで考慮すれば、有力な最新EVの選択肢のひとつであることは間違いない。

 

[Point 1]室内と荷室は広々

大柄のボディとあって前後席の空間は余裕たっぷり。前席にはオットマンも備わる。荷室容量はリアだけで527Lを確保し、フロントにも57Lの荷室を用意する。

 

[Point 2]テーマは「パラメトリックピクセル」

ハッチバックのボディ形態ながら、まるでコンセプトカーのような大胆なデザインで独自性を強調。2WDの電気モーターはリアに搭載し、駆動方式はRRとなる。

 

[Point 3]プレーンでワイド感を強調する作り

インパネ回りはシンプルなデザインで、家電的な親しみやすさも感じさせる。シフト操作はステアリングコラムに付けられたダイヤルで行う。

 

[Point 4]電源供給機能も充実

後席下の中央には、AC100Vコンセントを装備。給電機能はこれだけではなく、普通充電のソケットにアダプターを装着すれば外でも電気製品が使用できる。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

アイオニック5: 電気モーター/2WD/479万円

アイオニック5 ボヤージュ:電気モーター/2WD/519万円

アイオニック5 ラウンジ:電気モーター/2WD/549万円

アイオニック5 ラウンジAWD: 電気モーター×2/4WD/589万円

 

文/小野泰治 撮影/神村 聖、宮門秀行

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

“神は細部に宿る”を体現! レクサス「IS」の現行型は最高峰の走りを味わえる

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回はGetNavi本誌連載200回目を記念して、この企画のタイトルに忠実な、懐かしのモデル(の現行型)をピックアップする!

※こちらは「GetNavi」 2022年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感、クルマを評論する際に重要視するように。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわる。

 

【今月のGODカー】レクサス/IS

SPEC【IS300“F SPORT”】●全長×全幅×全高:4710×1840×1435mm●車両重量:1570kg●パワーユニット:2.0L直列4気筒ターボエンジン●最高出力:245PS(180kW)/5200〜5800rpm●最大トルク:35.7kg-m(350Nm)/1650〜4400rpm●WLTCモード燃費:12.2km

480万〜650万円(税込)

 

ドイツ御三家にも勝る走りの質感を実現

安ド「殿! 今回は記念すべき、連載第200回です!」

 

永福「なんと第200回とな」

 

安ド「月刊誌で200回ということは、16年以上ってことです!」

 

永福「そんなに続けさせていただけるとは、感謝しかないのう」

 

安ド「連載第1回のクルマは何だったか覚えてますか?」

 

永福「まったく覚えておらぬ」

 

安ド「ホンダのシビックハイブリッドでした!」

 

永福「そうか。ちょうどいまのシビックにもハイブリッドが出たな」

 

安ド「はい。せっかくなので第200回を新型シビックハイブリッドでやりたかったんですが、ちょっと間に合わなくて(笑)。第3回で取り上げたレクサスISの現行型を借りてきました!」

 

永福「第3回か……。若干中途半端な気もするが、まあいい」

 

安ド「現行型のレクサスISが発表されたのは、もう9年も前ですが、2年前に大きなマイナーチェンジを受けてます!」

 

永福「うむ。新型と言っても良いくらいの、大掛かりなマイナーチェンジだった」

 

安ド「16年半前、殿は初代ISを、『目立たない細部の作りや仕上げにこだわりまくった、謙譲精神の高級車。つまり“神は細部に宿る”を地で行った、この連載のために作られたようなクルマだ』と書かれていますが、現行型もまさにそんな気がします!」

 

永福「謙譲精神がついに花開き、素晴らしいクルマになったぞ」

 

安ド「レクサスISのライバルはBMWの3シリーズやメルセデス・ベンツのCクラスですが、それらと比べても、なんだかデザインがワイド&ローに見えます!」

 

永福「2年前のビッグマイナーチェンジで、ボディが幅広く見えるデザインを採用したからな」

 

安ド「スピンドルグリルはともかくとして、全体のプロポーションでスポーティさを演出しててカッコ良いです!」

 

永福「スピンドルグリルもカッコ良いではないか」

 

安ド「僕はちょっと苦手でして……」

 

永福「ブランド統一デザインであるスピンドルグリルの採用によって、レクサスのイメージはグッと強力になった。アイコンとして大成功しておる」

 

安ド「走りもとても良くなっていてビックリしました!」

 

永福「とにかくシャーシが素晴らしい。走りの質感は、BMWやメルセデスにも勝っている」

 

安ド「ええっ! BMWオーナーの殿がそこまで評価するとは!」

 

永福「ついにレクサスがドイツ御三家に勝ったのだ! 日本人として誇らしいぞ」

 

安ド「第200回が日本人としておめでたい内容になって良かったです! しかしマイチェンとは思えない変更点の多さのなかで、内装のエアコン吹き出し口の形まで変えていたのは驚きました」

 

永福「まさに“神は細部に宿る”だな」

 

【GOD PARTS 1】リアスポイラー

薄くて小さくても空気をコントロール

今回の取材車両には、ISでは珍しいリアスポイラーが付いていましたが、とても薄くて小さくてかわいかったです。なお、トランク部分の厚みのある弧の形状を実現するために、“寄絞り工法”という世界初の技術が使われているそうです。

 

【GOD PARTS 2】エアコン

指を上下させて感覚的に温度を調節

エアコンまわりのデザインは現行型が登場したころから特に変化はありませんが、左右のバーに指を触れて上下させることで温度設定を変更します。この感覚的な操作方法はいまでも新鮮で、他社に普及しないのが不思議なくらいです。

 

【GOD PARTS 3】ディスプレイ

細かな変更点もレクサス流のおもてなし

インパネのディスプレイは大型化がトレンドですが、ISもマイチェンで大型化……と思いきや、従来と同じサイズ(10.3インチ)なんだとか。ただしタッチパネル化にともない、取り付け位置を手前側に移動させていると。芸が細かい!

 

【GOD PARTS 4】サイドミラー

大人しいイメージを払拭する色使い

ミラーは黒/シルバー/赤の3色に彩られていてイエメンの国旗みたいです。黒とシルバーは基本で、下側が車体色という設定になっているようですが、地味になりがちなセダンタイプでも、ちょっとした色使いで華やかになる好例です。

 

【GOD PARTS 5】プレミアムサラウンドシステム

静かな室内で映える高級オーディオ

その筋では有名な「マークレビンソン」社のオーディオシステムが搭載されています。元々レクサス車は車内が静かなので、音の素晴らしさもより深く体感できます。あとリアシート後方のスピーカーがデカくてビックリしました。

 

【GOD PARTS 6】サイドライン

ボディラインもしっかり強調

マイチェンとは思えないくらい、ボディ全体に変化が見られる最新型ISですが、リアタイヤ前方の斜めのラインも強調されています。初期モデルではちょこんと申し訳なさそうだった持ち上がりが、ビシッとリアドアにまで踏み込んでいます。

 

【GOD PARTS 7】スピンドルグリル

顔を埋め尽くしそうなほどの大きさ

グリルとは車体前面の黒い部分の空気吸入口のことで、レクサス車では糸巻き型をしているのが特徴になっています。2020年のマイナーチェンジでISのグリルの面積は拡大されていて、もはや地面とつながりそうな勢いです。

 

【GOD PARTS 8】パワーユニット

心臓部を好みで選べるという贅沢

さほど台数が出なくなったいまでも、パワーユニットは3種類ラインナップされています。今回のIS300は2.0L直4ターボ、IS350は3.5LV6のブルジョア仕様。IS300hは2.5L直4エンジン+モーターのハイブリッドで、時代に合わせた仕様です。

 

【GOD PARTS 9】フロント&リアランプ

ナイフみたいに尖った形状

左がフロント、右がリアのランプですが、どちらも非常に鋭利な形状です。手で持ったらナイフのように武器として使えそうなほど鋭いです。内部のLEDランプは、しっかりレクサスの「L」字型になっていて、アピール力がスゴイですね。

 

【これぞ感動の細部だ!】足まわり

数々の改良で高められた走りの質感

実際に乗ってみるとため息が出るほど素晴らしい走りを味わえますが、それを実現するために細かな改良が加えられています。たとえばアルミホイールは、ボルト締め方式のハブを使うことで集結力強化&質量低減を実現していますし、サスペンションは微小な動きに対しても減衰力を発揮する「スウィングバルブショックアブソーバー」を搭載。ブレーキフィーリングまで見直されています。

撮影/我妻慶一

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

ターボも加わり、走りの魅力を増したダイハツ新型「ムーヴ キャンバス」試乗

ダイハツの「ムーヴ キャンバス」といえば、ポップなツートンカラーとスライド式の両側ドアを備え、親子での共用を視野に開発されたモデル。どちらかというと女性ユーザーの多い車種でしたが、今回のモデルチェンジでは従来のイメージを踏襲する「ストライプス」に加えて、単色の「セオリー」が追加に。新たにターボエンジンも選べるようになり、ドライブを楽しむクルマ好きの目線で見ても魅力的なクルマに仕上がっています。

 

【今回紹介するクルマ】

ダイハツ/ムーヴ キャンバス

※試乗車:セオリーGターボ(2WD)/ストライプスG(2WD)

価格:149万6000円〜179万3000円(税込)

↑ソリッドカラーの「セオリー」はシックな見た目となり、選択の幅が広がった。全7色

 

ツートンカラーとモノトーンボディの2本立てに

2代目となる新型ムーヴ キャンバスが大きく変わったのはモノトーンカラーでシックな外装の「セオリー」が追加されたこと。従来のイメージを踏襲するツートンカラーは「ストライプス」と名付けられ、イメージの異なる2種類がラインナップされることになりました。

↑ツートンカラーの「ストライプス」は従来のイメージを踏襲。丸みを帯びたデザインもそのままだ。全8色

 

↑リアのナンバープレート装着位置がバンパーまで下げられたことでスッキリした見た目に

 

両者のイメージは、外観だけでなく内装にも反映されています。「セオリー」のほうは、シートもストライプ以外はモノトーンでまとめられ、ダッシュボードもシックなカラーリング。フルファブリックのシートは、ソファのような座り心地を実現しています。

↑「セオリー」のシートはモノトーンで、おとなしめのカラー

 

↑「セオリー」のダッシュボードはツートンカラーだが、シックなイメージになっている

 

↑「ストライプス」のシートは明るめのツートンカラーで、ダッシュボードもイメージは共通

 

ドライブを快適にする装備も充実しています。近年、軽自動車でも増えている大画面のナビは9インチのものをメーカーオプションとして用意。ホットドリンクを良い温度でキープしてくれる保温機能付きの「ホッとカップホルダー」も軽自動車としては初採用しています。電動パーキングブレーキや、オートブレーキホールド機能も採用されました。

↑メーカーオプションの9インチスマホ連携ディスプレイオーディオ。10インチのメモリーナビも選べる

 

↑寒い季節に飲み物の温度を約42℃に保ってくれる「ホッとカップホルダー」を装備

 

↑電動パーキングブレーキを採用し、シートヒーターも装備している

 

ユーティリティの高さも魅力の1つ。両側パワースライドドアにはウェルカムオープン機能が新設定され、降⾞時にインパネのスイッチで予約しておけば、乗⾞時に電⼦カードキーを持ってクルマに近づくだけで、パワースライドドアが⾃動で解錠しオープン。両⼿がふさがっている時でも、キーを取り出すことなくスムーズに乗り込むことができます。後席に乗り込む際だけでなく、買い物の荷物を積み込むときに両手がふさがっている際にも重宝します。

 

従来から好評の後席の「置きラクボックス」も踏襲。シートアレンジやラゲッジの拡張機能も豊富で、コンパクトながら使い勝手は抜群です。さらに、運転席と助⼿席の背⾯についた「シートバックユーティリティフック」にリュックなどの荷物を、サッと掛けられます。ユーザーへのちょっとした心遣いが満載ですね。

↑後席の下に配置され、荷物を気軽に置ける「置きラクボックス」は、荷物を固定しやすいバスケットモードも備える

 

↑開口部の大きなスライドドアから望む車室内は、シートアレンジも豊富でリラックス空間に仕立てられる

 

↑リアシートを倒せばラゲッジスペースを拡大可能。車体から想像するよりはるかに広い

 

↑「ラゲージアンダーボックス」も備えていて、高さのある荷物や傘などを入れるのに便利

 

クルマ好きも満足できる動力性能

パワートレインにターボが追加されたのも、今回の注目点。車体にもDNGA(Daihatsu New Global Architecture)が展開され、約50kgの軽量化も果たしており、走りにも期待が高まります。

↑「Gターボ」グレードに搭載されるインタークーラー付きターボエンジンは64PS/6400rpmを発揮

 

「セオリー」に採用される本革巻のステアリングを握り、少し大きめにアクセルを踏み込むとかなり元気のいい加速感が味わえます。大きめの2眼メーターのタコメーターが俊敏に動き、気分も高揚。車体や足回りも剛性感があって、昔の軽自動車しか知らない人は驚くことでしょう。クルマ好きが乗っても、十分に満足できる走りを実現しています。

↑ステアリングだけでなくシフトノブも本革。足回りも頼りないところはなく、走りを楽しめる

 

↑ターボエンジンの動力性能は十分以上。登り坂や高速道路でもパワー不足を感じることはないはず

 

もちろん、衝突回避支援や駐車支援などの予防安全機能「スマートアシスト」も装備していて、ドライブの安心感や快適性を高めています。免許を取ったばかりの初心者が運転しても不安を覚えることはないはず。親子での共用だけでなく、クルマ好きが選んでも不満を感じることはないだろうと思えます。シックで落ち着いた印象を与えるセオリー、初代の持つかわいらしさを継承しているセオリー。どちらを選びますか?

 

【SPEC(Gターボ(2WD)[G(2WD)]】●全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm●車両重量:900kg[880kg]●パワーユニット:658cc水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ●最高出力:64PS/6400rpm[52PS/6900rpm]●最大トルク:100N・m/3600rpm[60N・m/3600rpm]●燃料消費率(WLTCモード):22.4km/L[22.9km/L]

 

撮影/松川 忍

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

「テスラの自動運転技術は人をはねない」ことを自分の子どもでテストした動画、YouTubeに削除される

今月初め、テスラのEV(電気自動車)「Model 3」で自動運転技術のFSD(Full Self-Driving)を使い、路上に置いた子どもの背丈のマネキンにぶつかるかどうか試したところ、3回のテストで3回とも衝突した上に、そのまま加速した動画が衝撃を呼んでいました。ほか、子どもを模したダミーを紐で引っ張り道路を横断するシチュエーションを再現したところ、こちらも減速も回避もせずはね飛ばす結果となっています

↑自動運転は危険? 安全?

 

これらの検証結果に対して、テスラ車のFSDは安全だと主張する人物が、自分の子どもをクルマの前に立たせてテストした動画を公開したところ、YouTubeが削除することになったと報じられています。

 

テスラに投資しているタッド・パーク氏(資産管理会社Volt EquityのCEO)は、自分の子どもをクルマの前に立たせてFSDベータ版による自動運転をテストした「テスラのFDSベータは本当に子どもを轢くのか?」と題された動画をYouTubeに公開しました。どれだけFDSが素晴らしいか、それを鮮やかに示す方法と思われたようです。

 

しかしYouTubeは「未成年が危険な活動に参加する様子を映したコンテンツや、未成年に危険な活動を促すコンテンツ」「危険なスタント、挑戦、イタズラなど、怪我につながる可能性がある有害な状況に未成年を置く」ことを許可しないと強調し、動画を取り下げたしだいです。

 

米CNBCの取材に対して、パーク氏はモデル3を時速8マイル(約13km)で走らせて「クルマが子どもを認識した」と述べています。さらにWhole Mars CatalogのYouTubeチャンネルでは、「だから子どもを検知してくれる自信はあるし、ハンドルも握っているからいつでもブレーキをかけられる」とも語っています。

 

8月14日に投稿されたパーク氏の動画は、削除される前に6万回も再生されることになりました。またツイッターへの投稿は一部残っており、まだ見ることができます。

 

 

この件に関しては、米国家道路交通安全局(NHTSA)もクルマのテストに子どもを巻き込まないように警告を発しています。「誰も自分や他人の命を危険にさらして、自動車技術の性能を試してはいけません」「消費者は独自のテストシナリオを作ろうとしたり、実際の人間、特に子供を自動車技術の性能テストに使ったりしてはならない」とも付け加えています

 

テスラの自動運転技術は危険すぎるとして反対運動が起きており、子どもサイズのダミーを轢くという広告も出ていることから、テスラ車を愛する人やテスラに投資している人々がそれにブレーキを掛けようとしている面もあるようです。そうした大人の利害のために、子どもの命を危険に晒さないよう願いたいところです。

 

 

Source:CNBC

トヨタ製BEVの先陣を切る「bZ4X」。試乗でわかった高い完成度

トヨタは2021年12月、東京・お台場で合計16モデルものBEV(電気自動車)を一気に公開して大きな注目を浴びました。それまで“BEVには消極的”と言われていたトヨタがここで反転攻勢に転じたのです。bZ4Xはそんな中で、まさにトヨタの歴史にも残るエポックメイキングカーとして登場しました。

 

ただ、発売を発表して間もなく、ハブボルトの不具合によって、リコールと出荷停止という誰もが予想していなかった事態に陥ってしまいました。今のところ、販売再開の見通しは立っておらず、発表したばかりの16代目クラウンが販売延期となったのも同じハブを使っていることではないかと言われています。

 

しかし、bZ4Xを公道試乗すると、初のBEVとは思えない高い完成度にはビックリ!トヨタの電動技術がハイレベルな領域にあることを実感させられたのです。今回はそんなbZ4Xの試乗レポートをお届けしたいと思います。

 

【今回紹介するクルマ】

トヨタ/bZ4X

※試乗車:Z(4WD)

KINTO月額利用料合計:869万7480円(税込)※CEV補助金飲み適用の場合、申込金77万円は含まれておりません

 

安定したデザインと広い車内をもたらしたロングホイールベース

試乗したルートは、軽井沢から東京都内までの約200kmの道のり。一般道と高速道を交えて走行し、途中、充電スタンドでの急速充電も行い、その際の使い勝手も検証しました。bZ4Xはラインナップを「Z」のワングレードとしており、今回試乗したのはその4WDです。なお、bZ4Xはトヨタのサブスク「KINTO」での提供のみとなっています。

 

bZ4Xのデザインテイストは最近のトヨタ車に共通するものですが、それでも冷却のための空気取り入れが必要ないBEVらしく、フロントグリルの高さを最小限にとどめるなど、独自の雰囲気を醸し出しています。ボディ寸法は全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mmで、ホイールベースは2850mm。トヨタのSUVである「RAV4」よりもかなり大きいサイズとなりました。

 

特にホイールベースを長くしてタイヤを可能な限り四隅に配置したデザインは、接地性・走破性の高さを表現しつつもスタイリッシュなプロポーションを表現。これがゆったりとした安定感のあるデザインも生み出したと言えるでしょう。

↑フロントグリルを最小化した独特のデザインを持ち、電動車らしいロングホイールベースで安定感のあるデザインを生み出した(写真はいずれも2WD)

 

パワートレーン系は、FWDモデルがフロントに150kWの出力を誇るモーターを搭載するのに対し、4WDモデルはフロント/リア共に80kWのツインモーターを搭載します。搭載したバッテリー(リチウムイオン)は71.4kW/hとし、航続距離はWLTCモードでFWDが500km前後、4WDが460km前後としています。特にこの駆動用バッテリーについては10年後も90%の電池容量維持率を目指したロングライフ設計となっているのも大きな特徴です。

↑試乗した4WDのフル充電時での航続距離は、カタログスペックで460km前後

 

低いダッシュボードとパノラマルーフが開放的な空間を生み出す

車内に入ると、全体に低くしたダッシュボードと、大開口部を持つパノラマルーフが開放的な空間をもたらしていることを実感できます。メーターは視認性を重視するために、ステアリングの上側越しの奥にレイアウトする「トップマウントメーター」をトヨタで初めて採用。これは運転中の視線移動を可能な限り減らせる効果があります。

↑低いダッシュボードにより、広い室内空間を実現している。インパネの運転席側吹き出し口から室内へ放出され、車室内を快適な空気環境に導く「ナノイー X」を搭載(写真はFWD)

 

↑ステアリングの上側越しにメータを配置して、ヘッドアップディスプレイに匹敵する視認しやすさを実現した(写真はFWD)

 

↑12.3インチディスプレイを備えたナビゲーション&オーディオシステム。T-Connectのオプションサービス「コネクティッドナビ」に対応

 

一方で、センターコンソールは中央部に左右を分けるコンソールが配置された一般的なデザインとなっています。最上段には大型ディスプレイを配置し、そこからエアコンの操作パネル、ベンチレーターの吹き出し口、シフトノブがレイアウトされます。ダッシュボードには落ち着いた室内を演出するようにファブリック貼りとなっていました。

↑センターコンソールには、今どきの装備らしく、USB type-Cが装備されていた。一方、音楽再生用としてのUSB端子はスマホの充電スペースに配置された

 

↑オーディオはサブウーファーを含む9つのスピーカー「JBLプレミアムサウンドシステム」

 

室内はとにかく広い! の一言です。特に後席は前席とのレッグスペースがゆったりとしていて、脚を組んで乗車するのも楽々。若干、フロアが高めにはなっており、後席ヒップポイントとの段差が少なめであるのが気になりますが、レッグスペースの余裕がこれを充分カバーしてくれています。ラゲッジスペースもフロアが高めであることはあっても、かさばるものも問題なく収納できる十分な容量がありました。

↑広々とした室内空間を持ちながら、ガソリン車から乗り換えても違和感がない実用性。後席は脚を組めるほどの広いレッグスペースを確保した(写真はいずれもFWD)

 

↑ラゲージスペースはフロアが少し高めだが、かさばるものも収められる十分な容積を確保。幅最小967/最大1288×長さ985×高さ757mm(写真はFWD)

 

ストレスなくスーッと加速するジェントルかつ強力な加速

↑FFモデルはフロントに150kWの出力を誇るモーターを搭載。4WDモデルはフロント/リア共に80kWのツインモーターを搭載する

 

いよいよ試乗のスタートです。起動スイッチを押してシステムを立ち上げると、メーター上に「READY」のマークが表れ走行可能となりました。ここで戸惑ったのがダイヤル式のシフトノブです。ただ、それは最初だけでした。「P」から「D」に切り替えるときは、ブレーキを踏んで右回し、「R」にするときはその逆、左に回転させます。「P」にするときはダイヤル上にある「P」を押せばOK。とてもシンプルで使い始めるとすぐに慣れました。

 

走り始めるととてもスムーズかつ静かであることが伝わってきました。よくBEVではモーターによる低速トルクの強さが強調されますが、bZ4Xはそういった感覚とは異なり、ストレスなくスーッと速度を上げていく感じです。しかもBEVらしい加速が欲しいときはアクセルを強めに踏めば強大なトルクが一気に放たれ、鋭い加速フィールとなって現れます。ただ、これもひたすらジェントルな中で行われ、そこが他のBEVとの大きな違いと言えるでしょう。

 

4WDモデルには、スバルが開発した「Xモード」と言われるドライビングモードが装備されていました。これは主に雪道やぬかるんだ道でのコンディションに適合させたもので、時速40km/h以下でしか作動しません。一般道での利用というより、オフロードを走行するときに使うべきモードと思って良いと思います。

 

ガソリン車から乗り換えても違和感なく使える「回生ブースト」

↑高い完成度に驚かされたトヨタの第一弾となるBEV「bZ4X」

 

ハンドリング操作に対するクルマの動きはとてもスムーズに感じました。低重心と高剛性のシャーシとも相まって、意のままにコントロールできたのです。しかも快適。フロアの剛性が高いこともあって、路面からの遮音もしっかりとしていて、ざらついたコンクリート路面を走ってもその感じがほとんど伝わってこないです。この快適度はBEVの中でもトップクラスにあり、それはレクサスの高級セダンをも凌駕していると言っても過言ではないでしょう。

 

ブレーキング時もどんなタイミングで踏んでも、安定して確実に止まる感じで安心感がありました。万一の急減速に対してもスムーズに反応するし、「回生ブースト」と呼ばれる回生ブレーキも適度な減速Gで、これならガソリン車から乗り換えても違和感はないのではないかと思います。

 

ただ、ペダル一つでコントロールしようとすると物足りなさを感じるかもしれません。「回生ブースト」をONしても効果はそれほど高いものではなかったからです。スバル「ソルテラ」に装備されていて、より細かく回生Gを制御できるパドルシフトがないのも残念に思いましたね。

 

とはいえ、bZ4XはBEVとしてもきわめて高い完成度を発揮しているのは間違いありません。それでいてデザイン性や使い勝手においてもガソリン車から乗り換えても違和感なく使えるのが、いかにもトヨタらしい造り込みをしていると言えます。

 

その昔、トヨタはクルマ作りにおいて決して外さない完成度の高さを誇ってきましたが、このBEVの第一弾となるbZ4Xにもその精神は脈々と引き継がれていることが実感できます。トヨタのBEV戦略の先陣として、その完成度の高さをまずは評価したいと思います。

 

SPEC【Z(4WD)】●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm●車両重量:2010kg●モーター:フロント・リヤ交流同期電動機●最大出力:フロント・リヤ80+80kW/109+109PS●最大トルク:フロント・リヤ169+169N・m/17.2+17.2kgf・m●WLTCモード一充電走行距離:540km[487km]●WLTCモード交流電力量消費率:134Wh/km[148Wh/km]

※[]内は235/50R20タイヤ&20×7.5Jアルミホイールを装着した場合の数値

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

輸入クーペらしい2台! BMW「2シリーズ・クーペ」とボルボ「C40リチャージ」を試乗レポート

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」はBMWの新型2シリーズ・クーペとボルボのピュアEVクーペとなるC40リチャージを取り上げる。前者はBMWの伝統を守るコンパクト、後者はSUVとのクロスオーバーという違いはあるが、いずれも輸入車のクーペらしさを感じられるモデルだ。

※こちらは「GetNavi」 2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】4WDでも後輪駆動のBMWらしさを満喫!

クーペ

BMW

2シリーズ・クーペ

SPEC【M240i xDriveクーペ】●全長×全幅×全高:4560×1825×1405mm●車両重量:1710kg●総排気量:2997cc●パワーユニット:直列6気筒DOHC+ターボ●最高出力:387PS/5800rpm●最大トルク:51.0kg-m/1800〜5000rpm●WLTCモード燃費:10.9km/L

 

パワフルかつ爽快な伝統の操縦性は健在!

他の2シリーズとは異なり、引き続き伝統の後輪駆動レイアウトをベースとする2ドアクーペが登場。先代と比較すればボディは特に前後方向が拡大されているが、それでも現行BMWのなかでは最もコンパクトな後輪駆動モデルというポジションを保持している。

 

日本向けのパワーユニットは、4気筒2Lガソリンターボと3L直列6気筒ガソリンターボの2タイプ。トランスミッションはいずれも8速ATとなるが、駆動方式は2Lが後輪駆動なのに対し、3Lは4WDを組み合わせているのが先代モデルとの大きな違いだ。

 

今回はその最上級グレードとなるM240iに試乗したが、4WDとはいえ後輪駆動的なハンドリングを披露する点はいかにもBMW。現状先代モデルに用意されたMTの設定はないが、単にパワフルなだけではなく、吹け上がりに爽快さを感じられる6気筒ともども、伝統的なBMWらしい操縦性を味わうには、まさにうってつけの1台に仕上げられている。

 

[Point 1]伝統的なクーペのスタイルを継承

他の2シリーズはFF駆動を基本とした骨格を採用するが、この2ドアクーペのみエンジンを縦置きにするFRベースの骨格を採用。結果としてスタイリングはよりクーペらしさが強調されることに。

 

[Point 2]室内は兄貴ぶんの4シリーズ譲り

FRベースの基本骨格を採用するため、室内の作りも他の2シリーズとは別物。兄貴ぶんにあたる4シリーズに近い仕立てとなる。乗車定員は後席が2人掛けとなる4名だ。

 

[Point 3]クーペとしての実用性は上々

荷室容量はグレードを問わず通常時で390Lを確保。ドイツメーカーのクーペらしく、コンパクト級といえども実用性はハイレベルだ。

 

[Point 4]パワーユニットは2タイプ

日本仕様のエンジンは、これもBMWらしい直列6気筒の3Lターボ(写真)と4気筒2Lターボの2本立て。ミッションは、いずれも8速ATを組み合わせている。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

220iクーペ・スタンダード: 2.0L+ターボ/2WD/8速AT/508万円

220iクーペ・スポーツ:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/550万円

M240i xDriveクーペ:3.0L+ターボ/4WD/8速AT/758万円

 

 

【その2】ピュアEVでも走りはスポーティなクーペ級!

BEV

ボルボ

C40リチャージ

SPEC【ツインモーター】●全長×全幅×全高:4440×1875×1595mm●車両重量:2160kg●パワーユニット:電気モーター(交流同期電動機)×2●バッテリー総電力量:78kWh●最高出力:408PS/4350〜13900rpm●最大トルク:67.3kg-m/0〜4350rpm●一充電走行距離(WLTCモード):485km

 

EVらしい刺激も味わえる初の日本向けボルボEV

C40リチャージは、日本向けのボルボでは初となるピュアEV。ベースはコンパクトSUVのXC40だが、その外観はグラスエリアをコンパクトにまとめ、クーペとSUVのクロスオーバーモデルに仕立てられている。とはいえ室内や荷室回りの空間はSUVとしても十分に通用する広さを確保。車内を明るく演出するサンルーフが装備されることもあって、大人が後席に座る場合でも狭いと感じるようなことはない。

 

また、最新のボルボらしく室内はレザーフリーとして再生素材を積極採用するなど、環境にも配慮した作り。プレミアムなモデルらしい高級感を演出しつつ、高い社会性も兼ね備えている。

 

ピュアEVのパワートレインは、前輪を駆動するシングルモーター仕様と、後輪にもモーターを配したツインモーターの2種。今回の試乗車は後者だったが、その走りはスポーティなクーペ風の見た目に違わない刺激に満ちていた。最新のEVでは、エンジン車から乗り換えた際の違和感を排除する狙いからアクセル操作に対する反応を穏やかにしたものもあるが、C40リチャージは電気モーターの力強さをダイレクトに表現。EVが退屈なクルマではない、ということを実感するにはピッタリな1台に仕上げられている。

 

[Point 1]クーペボディはEV専用

クロスオーバーモデルとなるC40は、グラスエリアをタイトに仕上げてクーペらしさを演出。搭載するパワーユニットはEVのみ。7月にはXC40(コンパクトSUV)のピュアEV版もオンライン購入サイトがオープン。

 

[Point 2]室内はサステナブルな作り

Androidベースのインフォテインメントを標準搭載。サンルーフを装備して、開放感ある室内を実現した。レザーフリーで、再生素材のカーペットを採用するなど、環境にも配慮。

 

[Point 3]使い勝手はSUV級

荷室容量は通常時でも413L。最大で1205Lに拡大するなど、使い勝手はSUVとして満足できる水準。またフロントフード下にも収納スペースが備わる。

 

[Point 4]充電プラグは2か所

急速充電(写真)、普通充電プラグはボディ左側の2か所。パワートレインは前輪を駆動するシングルモーターと後輪にもモーターが備わるツインの2種類を用意。

 

 [ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/税込価格)

プラス・シングルモーター:電気モーター/2WD/599万円

アルティメート・ツインモーター:電気モーター×2/4WD/699万円

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

EVらしい刺激も味わえる初の日本向けボルボEV「C40リチャージ」

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」はBMWの新型2シリーズ・クーペとボルボのピュアEVクーペとなるC40リチャージを取り上げる。前者はBMWの伝統を守るコンパクト、後者はSUVとのクロスオーバーという違いはあるが、いずれも輸入車のクーペらしさを感じられるモデルだ。

※こちらは「GetNavi」 2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ピュアEVでも走りはスポーティなクーペ級!

BEV

ボルボ

C40リチャージ

SPEC【ツインモーター】●全長×全幅×全高:4440×1875×1595mm●車両重量:2160kg●パワーユニット:電気モーター(交流同期電動機)×2●バッテリー総電力量:78kWh●最高出力:408PS/4350〜13900rpm●最大トルク:67.3kg-m/0〜4350rpm●一充電走行距離(WLTCモード):485km

 

EVらしい刺激も味わえる初の日本向けボルボEV

C40リチャージは、日本向けのボルボでは初となるピュアEV。ベースはコンパクトSUVのXC40だが、その外観はグラスエリアをコンパクトにまとめ、クーペとSUVのクロスオーバーモデルに仕立てられている。とはいえ室内や荷室回りの空間はSUVとしても十分に通用する広さを確保。車内を明るく演出するサンルーフが装備されることもあって、大人が後席に座る場合でも狭いと感じるようなことはない。

 

また、最新のボルボらしく室内はレザーフリーとして再生素材を積極採用するなど、環境にも配慮した作り。プレミアムなモデルらしい高級感を演出しつつ、高い社会性も兼ね備えている。

 

ピュアEVのパワートレインは、前輪を駆動するシングルモーター仕様と、後輪にもモーターを配したツインモーターの2種。今回の試乗車は後者だったが、その走りはスポーティなクーペ風の見た目に違わない刺激に満ちていた。最新のEVでは、エンジン車から乗り換えた際の違和感を排除する狙いからアクセル操作に対する反応を穏やかにしたものもあるが、C40リチャージは電気モーターの力強さをダイレクトに表現。EVが退屈なクルマではない、ということを実感するにはピッタリな1台に仕上げられている。

 

[Point 1]クーペボディはEV専用

クロスオーバーモデルとなるC40は、グラスエリアをタイトに仕上げてクーペらしさを演出。搭載するパワーユニットはEVのみ。7月にはXC40(コンパクトSUV)のピュアEV版もオンライン購入サイトがオープン。

 

[Point 2]室内はサステナブルな作り

Androidベースのインフォテインメントを標準搭載。サンルーフを装備して、開放感ある室内を実現した。レザーフリーで、再生素材のカーペットを採用するなど、環境にも配慮。

 

[Point 3]使い勝手はSUV級

荷室容量は通常時でも413L。最大で1205Lに拡大するなど、使い勝手はSUVとして満足できる水準。またフロントフード下にも収納スペースが備わる。

 

[Point 4]充電プラグは2か所

急速充電(写真)、普通充電プラグはボディ左側の2か所。パワートレインは前輪を駆動するシングルモーターと後輪にもモーターが備わるツインの2種類を用意。

 

 [ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/税込価格)

プラス・シングルモーター:電気モーター/2WD/599万円

アルティメート・ツインモーター:電気モーター×2/4WD/699万円

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

パワフルかつ爽快な伝統の操縦性は健在! BMW「2シリーズ・クーペ」

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」はBMWの新型2シリーズ・クーペとボルボのピュアEVクーペとなるC40リチャージを取り上げる。前者はBMWの伝統を守るコンパクト、後者はSUVとのクロスオーバーという違いはあるが、いずれも輸入車のクーペらしさを感じられるモデルだ。

※こちらは「GetNavi」 2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

4WDでも後輪駆動のBMWらしさを満喫!

クーペ

BMW

2シリーズ・クーペ

SPEC【M240i xDriveクーペ】●全長×全幅×全高:4560×1825×1405mm●車両重量:1710kg●総排気量:2997cc●パワーユニット:直列6気筒DOHC+ターボ●最高出力:387PS/5800rpm●最大トルク:51.0kg-m/1800〜5000rpm●WLTCモード燃費:10.9km/L

 

パワフルかつ爽快な伝統の操縦性は健在!

他の2シリーズとは異なり、引き続き伝統の後輪駆動レイアウトをベースとする2ドアクーペが登場。先代と比較すればボディは特に前後方向が拡大されているが、それでも現行BMWのなかでは最もコンパクトな後輪駆動モデルというポジションを保持している。

 

日本向けのパワーユニットは、4気筒2Lガソリンターボと3L直列6気筒ガソリンターボの2タイプ。トランスミッションはいずれも8速ATとなるが、駆動方式は2Lが後輪駆動なのに対し、3Lは4WDを組み合わせているのが先代モデルとの大きな違いだ。

 

今回はその最上級グレードとなるM240iに試乗したが、4WDとはいえ後輪駆動的なハンドリングを披露する点はいかにもBMW。現状先代モデルに用意されたMTの設定はないが、単にパワフルなだけではなく、吹け上がりに爽快さを感じられる6気筒ともども、伝統的なBMWらしい操縦性を味わうには、まさにうってつけの1台に仕上げられている。

 

[Point 1]伝統的なクーペのスタイルを継承

他の2シリーズはFF駆動を基本とした骨格を採用するが、この2ドアクーペのみエンジンを縦置きにするFRベースの骨格を採用。結果としてスタイリングはよりクーペらしさが強調されることに。

 

[Point 2]室内は兄貴ぶんの4シリーズ譲り

FRベースの基本骨格を採用するため、室内の作りも他の2シリーズとは別物。兄貴ぶんにあたる4シリーズに近い仕立てとなる。乗車定員は後席が2人掛けとなる4名だ。

 

[Point 3]クーペとしての実用性は上々

荷室容量はグレードを問わず通常時で390Lを確保。ドイツメーカーのクーペらしく、コンパクト級といえども実用性はハイレベルだ。

 

[Point 4]パワーユニットは2タイプ

日本仕様のエンジンは、これもBMWらしい直列6気筒の3Lターボ(写真)と4気筒2Lターボの2本立て。ミッションは、いずれも8速ATを組み合わせている。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

220iクーペ・スタンダード: 2.0L+ターボ/2WD/8速AT/508万円

220iクーペ・スポーツ:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/550万円

M240i xDriveクーペ:3.0L+ターボ/4WD/8速AT/758万円

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

独自開発のハイブリットシステムが驚異的! ルノーの新型SUV「アルカナ」を分析

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、ルノーの新型SUVを取り上げる。欧州では珍しいフルハイブリッドカー完成度の高さにオドロキ!?

※こちらは「GetNavi」 2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感し、クルマを評論する際に重要視するように。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわる。

 

【今月のGODカー】ルノー/アルカナ

SPEC【R.S.ライン E-TECH HYBRID】●全長×全幅×全高:4570×1820×1580mm●車両重量:1470kg●パワーユニット:1.6L直列4気筒エンジン+2モーター●エンジン最高出力:94PS(69kW)/5600rpm●エンジン最大トルク:20.9kg-m(148Nm)/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

429万円(税込)

 

グイグイ力強い走りと低燃費を兼備した“神秘的”な1台

安ド「殿! 今回はルノーの『アルカナ』というクルマです!」

 

永福「不思議な名前だな」

 

安ド「ホントに“あるのかな”って感じですね!」

 

永福「ラテン語で“神秘”という意味だそうだ」

 

安ド「どうりで神秘的なデザインだと思いました! クーペ風のSUVですが、これってカッコ良いんでしょうか?」

 

永福「欧州では、このテのデザインがいま人気らしい」

 

安ド「そうなんですね! しかもアルカナは、ヨーロッパ初のフルハイブリッド『Eテックハイブリッド』を採用しているんですね!」

 

永福「てっきり日産eパワーのルノー版かと思ったら、ルノーの独自開発と聞いて驚いた」

 

安ド「そ、そうなんですか!?」

 

永福「ルノーは日産eパワーの採用も検討してテストしたが、欧州で当たり前の130km/hでの高速巡行時ではパワーも燃費も物足りないということで、あえて独自開発したそうだ」

 

安ド「そうなんですか! 確かにフルハイブリッドなのに、エンジンでグイグイ走る感じでした!」

 

永福「エンジン側には4段のギアがあり、アクセルを踏み込むと自動的にシフトダウンするからな。しかしグイグイ走る感じは、そこに加わるモーターのトルクだろう」

 

安ド「そうなんですか? これはあまり燃費を気にしないセッティングなんでしょうか」

 

永福「とんでもない。WLTC燃費は日産のキックスeパワーをやや上回っている。実際、テキトーに走って19km/Lくらいはいくぞ」

 

安ド「日本製ハイブリッドより上なんてビックリですね! トランスミッションが複雑な構造らしいですが、そのおかげですか?」

 

永福「たぶんそれもあるな。ドッグクラッチを使っているから、滑りロスはゼロ。ドッグクラッチは通常レーシングカーに使うもので、ギアをつなぐ際には『ガツン!』というショックがあるが、回転を自動的に完全に同調させているので、実にスムーズだ」

 

安ド「これまた神秘的ですね!」

 

永福「説明を聞かなければ、なにをどうしているかサッパリわからんが、とにかく驚くほど良く走る」

 

安ド「それにしても、なぜルノーはいまになって、ハイブリッドを作ったんでしょう」

 

永福「ルノーはディーゼルエンジンの新規開発をやめたので、当面はその代わりだそうだ。たしかにアルカナはディーゼルターボに引けを取らない加速だし、燃費も驚くほど良い」

 

安ド「でもヨーロッパは、近いうち全部EVになるんですよね?」

 

永福「その予定だが、バッテリーの供給不足などで、それが予定通りに進まなかった場合の保険の意味合いもあるだろう」

 

安ド「ますます神秘的ですね!」

 

永福「EV化は政治的な決定。つまりこのクルマは、宮廷政治の副産物だな」

 

安ド「良い副産物ですね!」

 

【GOD PARTS 1】カーボンパネル

スポーティさと質感の高さが同居

スポーティなイメージの強いカーボンパネルがインパネ横一面に採用されていて、走りの雰囲気を高めてくれます。さらに同パネルの上段には赤いラインが、下段には光るラインが引かれていて、質感の高さも強調されています。

 

【GOD PARTS 2】トランスミッション

マニアックな技術は世界最高峰のF1譲り

ルノー独自のフルハイブリッド車には専用システムが必要ということで、F1でも使用される軽量&コンパクトな「ドッグクラッチ」が採用されています。これにより唯一無二のトランスミッションに仕上げられました。

 

【GOD PARTS 3】フロントブレード

フロントのイメージはフォーミュラカー!

40年以上もの長きにわたってF1に参戦してきたメーカーだけに(現在は「アルピーヌ」ブランドで参戦中)、アルカナにもF1のイメージが受け継がれています。下部グリル内のブレード板はまるでF1のフロントウイングです。

 

【GOD PARTS 4】ステアリング

スポーツモデルの証を小さくアピール

日本車だと右側が多いですが、運転支援装置のスイッチ類はステアリング左側にゴソッとまとめられています。下部にある黄色い2つの菱形は、ルノーのスポーティモデルの証で「R.S.(ルノー・スポール)」のロゴマークです。

 

【GOD PARTS 5】シートベルト

気持ちを高めてくれる赤いライン入り

日本仕様はまだワングレードしか設定のないアルカナですが、内装の各所に赤いラインが入っていてスポーティムードは抜群です。シートはもちろん、シートベルトにまで赤いラインが入っているのは珍しく、カッコ良いですね。

 

【GOD PARTS 6】インパネ

運転席を中心に考えられたスポーティな作り

コンパクトカーを主力とするルノーですが、クルマの味付けはスポーティなことが多いです。アルカナのインパネも、全体を引いて見てみるとちょっとだけ右傾化していて、しっかりとドライバー中心の設計がなされています。

 

【GOD PARTS 7】バックドア

開口部が広くて大きな荷物も積みやすい

荷室はトランクではなく、室内スペースと繋がっているハッチバック構造ですが、ルーフ部分が長いため、バックドアもかなり長くなっています。開口部が広いので、大きな荷物を積み込みやすいという利点があります。

 

【GOD PARTS 8】ルーフライン

トレンドを意識しつつ独自性もあり

弧を描くようになだらかなルーフラインはいまやSUVのトレンドですが、アルカナは後端がストンと下へ落ちるデザインになっていてオリジナリティに溢れています。左右に張り出したフェンダーはSUVらしい力強さを感じさせます。

 

【GOD PARTS 9】デジタルメーター

美しくも神秘的なビジュアル

ドライバーの目の前に備え付けられた10.2インチのメーターは、近年のトレンド通りフルデジタル式になっています。走行中の各種情報とともに、中央には地平線に向かって走る自車の美しいグラフィックが表示されています。

 

【これぞ感動の細部だ!】ハイブリッドシステム

まさかの独自設計で優れた燃費と走りを両立!

2030年までに販売車の9割を電動化すると発表済みのルノーによるフルハイブリッドシステム「E-TECH HYBRID」です。日産を傘下に収める同社ですから「e-POWER」を使うのかと思いきや、独自でシステムを開発しました。1.6Lの自然吸気エンジンに2つのモーターが組み合わされ、巧みな動力の使い分けで力強い走りと低燃費を共存させています。

 

撮影/我妻慶一

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

軽自動車の領域を超えた走りと居心地の良さに脱帽!三菱「eKクロス EV」試乗レポート

電気自動車(BEV)が相次いで市場に登場するなか、より身近な存在となる軽BEVが日産と三菱によって共同開発されました。それが日産「サクラ」と三菱「eKクロス EV」です。サクラは日産の新モデルとして、eKクロス EVはそれまでのeKクロスの派生モデルとしての位置付けです。ここでは、そのeKクロス EVの試乗ポートをお届けします。

 

【今回紹介するクルマ】

三菱/eKクロス EV

※試乗車:P

価格:239万8000円〜293万2600円(税込)

↑三菱「eKクロス EV」の最上位グレード「P」。外観はガソリン車のeKクロスとほぼ同一だが、よく見るとフロントグリルがガソリン車と違って網目になっていない

 

新型軽EVは「eKクロス」の派生モデルとしてラインナップ

今回、試乗したのは最上位グレードの「P」です。その実車を前にして感じるのは、フロントグリルやエンブレムに多少の違いはあるものの、外観はガソリンエンジン車とほぼ同一であるということです。サクラがウインドウやアウターミラー以外をすべて新設計にしたのに対し、eKクロス EVはちょっと見ただけではEVとは気付かないほどです。

 

これについて三菱の開発担当者は、「これはSUVをメインにラインアップしている三菱らしいアイデンティティで臨んだ結果」と話します。アウトランダーやデリカなどで培った三菱らしいデザインが好まれている今、そのデザインをあえて主張することでファンの心をつかもうというわけです。その意味で、新たなEVとして位置付けたサクラとはそもそものコンセプトが基本的に違っています。

 

ところで、eKクロス EVとガソリン車はどう見分ければいいのでしょう。最も簡単なのは運転席側のリアフェンダーにある充電用ソケットの有無です。すれ違うときにこの切れ込みがあればeKクロス EV、なければガソリン車です。これなら簡単に見分けられますね。

↑運転席側リアフェンダーにある充電ソケット。上が普通充電用、下がチャデモ方式の急速充電用

 

そんなeKクロス EVですが、その人気は急速が高まっています。三菱自動車によれば、7月3日までになんと4559台を受注。三菱の販売店は全国に550店舗(21年3月現在)ありますが、なんと1店舗当たり8.3台もの受注を獲得しているのです。しかも千葉県内の某販売店を取材すると「受注の半数は他社ユーザー」と話しており、まさにeKクロス EVは三菱のシェア拡大に大きく貢献していると言って間違いないでしょう。

 

ekクロス EVは2つのグレードがラインアップされました。標準グレードが「G」で、価格は239万8000円。フル装備の上級グレードが「P」で、価格は293万2600円。なかでも注目なのが標準グレードの「G」で、補助金55万円を差し引いて考えれば、実質1848000円となります。補助金は登録(軽の場合は届け出)してからの支払いとなりますが、これによって軽自動車の枠内でEVが買えるようになったとも言えるわけです。

 

セカンドカーとして位置付け、バッテリー容量は20kWhに

では、この価格はどうやって実現したのでしょうか。そのポイントは搭載バッテリーの容量にあります。BEVの航続距離はバッテリーの容量で大きく左右されますが、このバッテリーは高価で、容量を増やせば自ずと車両価格は高くなってしまいます。そこでサクラとeKクロス EVのような新型軽EVでは、この容量を20kWhとしました。これはBEVで先駆けた日産「リーフ」標準仕様が40kWhですから、そのちょうど半分に相当します。

 

リーフはこの容量で322kmの航続距離を実現していますが、対する新型軽EVは180kmにとどまりました。単純に半分になっていないのは車体重量が軽いことが幸いしているのだと思います。とはいえ、エアコンを使って走行すれば実質120~30km程度となってしまうでしょう。はたしてこの航続距離で不足はないのでしょうか。

 

確かにファーストカーとして使うには、この航続距離ではどう見ても役不足であるのは確かです。しかもBEVは充電するのに時間を要します。ガソリン車のように数分で満タンにできるわけではないのです。

↑普通充電中のeKクロス EV

 

そこで、新型軽EVはいずれもファーストカーではなく、セカンドカーとして割り切った使い方を提案しています。バッテリー容量を20kWhとしたことで航続距離は短くなりましたが、三菱によれば、軽自動車やコンパクトカーユーザーの約8割は1日あたりの走行距離が50km以下とのことで、大半のユーザーは2日間以上充電せずに走行できる計算になります。

 

しかもバッテリーの容量が小さければ、それは満充電までの所要時間が短くて済むということもあります。たとえば、セカンドカーとして近所での買い物や送迎を50km程度こなし、夜間は自宅で充電するという使い方を想定すれば、むしろこの少ない容量がメリットをもたらすというわけ。通勤先に充電スポットが用意されていれば、出社している間に充電をしておくという手もあるでしょう。ただ、昨今の電力供給ひっ迫を考えると夜間での充電が望ましいのかもしれません。

 

軽自動車の領域をはるかに超える上質さとトルクフルな走り

そんな使い方を思い描きつつ、eKクロス EVに乗り込みました。運転席に座って真っ先に感心したのは、フロアにバッテリーを搭載している感じが一切なかったことです。乗降性も自然で、ガソリン車のeKクロスと比べてもほとんど違いはありません。さらに後席も十分なスペースを確保しており、大人4人が乗車しても楽に過ごせそうです。

↑オプションの「プレミアムインテリアパッケージ」。インパネはEV専用のフル液晶。9インチ大画面のスマートフォン連携ナビゲーションが装備される

 

これを実現した背景として三菱の開発担当者は、「eKクロスの開発時に、バッテリーを搭載することも想定していた」ことを明かしてくれました。なるほど、だからこそ、BEVとしても優れたパッケージングを実現できていたんですね。

↑プレミアムインテリアパッケージのシートは、ダブルステッチで高級感たっぷりの仕様となる

 

↑「プレミアムインテリアパッケージ」のリアシート。ダブルステッチが施されるのはフロントと同様。大人二人がゆったり過ごせるスペースがある

 

内装はダッシュボードにソフトパッドが貼られ、スイッチ一つひとつにまで質感があります。軽自動車特有の室内幅の狭さを除けば、もはや軽自動車とは思えない上質さを感じるほどです。車載ナビも「アウトランダー」などと基本機能が同様なもので、スマホ連携やSOSコールにも対応した先進性に富んだシステムとなっています(“G”ではオプション)。

↑プレミアムインテリアパッケージでは、ダッシュボードの表面にタッチが心地よいソフトパッドが奢られる

 

↑シフトノブの右側真ん中には、回生ブレーキを利用してワンペダルでアクセルワークがコントロールできる「イノベーティブ・オペレーションモード」が備わる

 

いよいよ公道へと繰り出します。踏み込んだ瞬間、その力強さが半端ないことに気付きました。それもそのはず、最高出力こそ軽自動車の自主規制に合わせて47kW(64PS)にとどまっていますが、規制がない最大トルクはなんと195Nm(19.9kg-m)! これは軽自動車ならターボ付エンジン車の約2倍に相当します。しかも、これがスタート当初から発揮されるのです。この力強い走りは、もはや軽自動車の領域を遙かに超えているとみて間違いありません。実力としていえば2.5L車ぐらいのレベルはあるのではないでしょうか。

↑モーター系のユニットはボンネット内に収まる。モーターには「アウトランダーPHEV」のリアモーターと同一のものが使われている

 

フロアに搭載したバッテリーの効果もあり、乗り心地は常に上質です。BEVだから静粛性も極めて高く、オーディオを楽しむ人にとってもうれしい空間となることでしょう。カーブでは若干ロールがきつめに出ますが、シートがたっぷりとしたサイズで背もたれが包み込む形状なので、コーナリング中もしっかり身体を支えてくれて不安はありません。これなら、たとえ長く乗っても疲れにくいのではないかとも思いました。

↑フロア下に納められた20kWhのリチウムイオン電池(奥の白いユニット)。スペック上の航続距離は180kmを実現した

 

路面からの突き上げ感は低速域で少し強めに出ますが、それも不快な印象はまったくありません。とにかく、軽自動車でここまで仕上がったことにBEVならではのメリットを感じないではいられませんでした。

↑カーゴルーム下には付属の充電ケーブルを収納できる

 

おすすめグレードは「G」。これに適宜オプションを加えるのがベスト

最後に購入することを前提に、標準グレードの「G」と上級グレードの「P」、どちらが良いのかを考えてみたいと思います。

 

「P」は前述したように。スマホ連携カーナビやSOSコール、ステアリングヒーターなどを装備したフル装備モデルです。そのため、価格は293万2600円と300万円に迫る金額となります。ただ、これでも先行車に自動的に追従して走行するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)である「マイパイロット」は“先進安全快適パッケージ(PKG3)”としてオプションになります。走りの良さや車内の居心地の良さを考えると、ちょっと贅沢してみたくなりますが、考えてみるとそれを享受できるほどバッテリーの容量はないのも事実です。

↑ドライバーの運転操作を支援するためのシステム「マイパイロット」は、ステアリング右側のスイッチで設定する

 

↑マイパイロット設定中のインパネ内の表示。車線も認識してステアリングの制御も行う

 

これを踏まえると、あえて「P」よりも下位グレードの「G」を選び、そこに“寒冷地パッケージ(PKG6)”を装備して、ステアリングヒーターや前席シートヒーター(座面)、電動格納式ヒーテッドドアミラー、リアヒーターダクトを追加。さらにカーナビが欲しければ、ディーラーオプションの手軽な機種を組み合わせることで価格も抑えられます。この組み合わせで補助金を考慮すれば200万円前後に収まるはずです。これなら軽自動車の予算ギリギリで収まり、この「G」こそがeKクロス EVのコンセプトに叶った最良の選択になるのではないかと思いました。

↑「P」に標準装備される「スマートフォン連携ナビゲーション(9インチ)」。「G」でも“先進快適ナビパッケージ(PKG2)”のセットオプションとして装着できる

 

↑デジタルルームミラーは「P」、「G」ともにオプションとなる

 

↑「SOSコール」は、「P」に標準装備。「G」ではマイパイロットを含めたセットオプション“先進快適ナビパッケージ(PKG2)”として用意された

 

↑「マイパイロット パーキング」はACCと組み合わせたセットオプション“先進安全快適パッケージ(PKG3)”で装着できる

 

SPEC【P】●全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm●車両重量:1080kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:20kWh●最高出力:47PS/2302〜10455rpm●最大トルク:195N・m/0〜2302rpm●一充電最大航続距離(WLTCモード):180km

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

国産タイヤの約1/3で安っ!生活費増の救いになるコスパ最強タイヤ「ミネルバ」は買って&乗って安心な一品

ベルギー生まれのタイヤブランド『MINERVA(ミネルバ)』。日本ではあまり馴染みがありませんが、実はヨーロッパやアジアを中心に50か国以上で展開されるグローバルなブランドです。今回はそのなかからスタンダードなタイヤ「F205(エフニーマルゴ)」を選び、試乗レポートをお届けしたいと思います。ミネルバは物価上昇中の日本において、クルマ好きの生活費増の救世主となるのでしょうか。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

 

 

スタンダードタイヤ・ミネルバ「F205」ってどんなタイヤ?

タイヤを選ぶとき、グリップの高さを重視したスポーツタイヤにするか、乗り心地を優先したコンフォートタイヤにするかは結構迷います。というのも、ハンドル操作のキレを求めてスポーツタイヤを選ぶと、逆に乗り心地はあまり期待できそうにありません。一方でコンフォートタイヤを選ぶと乗り心地は良くてもハンドリングに甘さが出るのではないか。そんな不安がどうしても付きまとうからです。

 

そんななかでF205は、スタンダードタイヤとしながらも、左右非対称のトレッドパターンを採用したことによる高い排水性と静粛性を発揮するタイヤとして開発されました。スポーツ性とコンフォート性のどちらにも究極なまで高い性能を発揮するわけではありませんが、日常使いでは納得いくパフォーマンスを発揮してくれるタイヤというわけです。

↑ミネルバ「F205」。サイズは16インチ〜20インチまでラインナップ

 

↑F205は独自の左右非対称トレッドパターンを採用したことで高い排水性と静粛性を発揮する

 

しかも、その価格が驚くほど安い! なんと国産タイヤと比べるとおよそ1/3! 原油高騰が続くなかでタイヤの価格は上昇し続けており、そんななかでのこの価格は大きな魅力です。

↑ハンドルの応答も良好で、峠道でも俊敏なハンドリングで一体感のある走りが楽しめたF205

 

ミネルバは世界中で、年間300万本以上も売れている

ミネルバは元々、ベルギーの自動車メーカーとしてスタートした歴史を持っています。1902年から1938年にかけて、著名な俳優や政治家向けの高級車を製造し、その品質はロールスロイスに匹敵するとまで言われていたようです。また、価格がリーズナブルだったこともあり、多くの一般ユーザーからの支持を集めたとも言われています。現在では年間300万本以上を販売する世界的ブランドへ成長しています。

 

それでは、どれだけコスパが良いのか代表的な国産車で比べてみましょう。比較してみたのはトヨタ「ヤリス」、トヨタ「プリウス」、ホンダ「ヴェゼル」。そして、筆者の愛車トヨタ「CH-R」の国産タイヤでです。下記の表を見比べてみると、一目瞭然でミネルバのタイヤシリーズの方がお得です。

 

これまでCH-Rが履いていたのは、純正で装着されていたタイヤでした。ハイグリップタイヤということで、当初から若干乗り心地は硬めで、走行ノイズも若干大きめでしたが、グリップ力は頼もしさを感じるほどでした。ただ、使っているうちに摩耗が進み、乗り心地に粗さを感じるようになってきていました。

 

そんななかでミネルバF205へ交換したのです。装着した見た目の印象は、トレッド面にしても両者とも大きく変わりはない印象です。とはいえ、国産タイヤとの圧倒的な価格差は、それを超える魅力がミネルバにはあると考えていいでしょう。

 

実際に乗ってわかったミネルバの実力をレポート

CH-RにミネルバF205を装着後、走り出すと当たりが出てなかったためか、いきなりゴロゴロとしたノイズが車内に伝わってきました。ただ、それは1kmほど走るとすぐに消え、その後は乗り心地の良さと静粛性に高さにビックリしました。特に実感したのは応答性の良さです。ハンドルを切ったときのトレース性はとても高く、「スタンダード」なタイヤとは思えないハイレベルな感触が得られたのです。

↑交差点を曲がるときでもミネルバF205は、高いトレース性で思い通りのコースを走らせてくれた

 

↑雨の中での走行も体験したが、ウェット面でのグリップ力も充分に高く安心して走行できた

 

乗り心地も想像以上に良かったと思いました。以前履いていたのが純正のハイグリップタイヤで、若干摩耗が進んでいたこともありましたが、それをはるかに超える快適な乗り心地だったのです。しかも静か。高速道路に入ってもノイズレベルは充分に抑えられていて、継ぎ目でのショックもかなり小さめ。これならロングドライブでも疲れはかなり低減されそうだと実感しました。

↑高速道路では静粛性が光った。速度域を上げていっても変化が少なく、継ぎ目への処理も巧みに対応

 

常識を覆す、しっかりとした実力を備えている

ミネルバF205が驚くほど安いタイヤであると聞き、せっかくのハイグリップタイヤをスタンダードなグレードに替えてもいいんだろうか? との不安もありました。

 

しかし、装着後は予想を超える乗り心地の良さと静粛性が快適な走行フィールをもたらしてくれたのです。特に感心しているのが道路の継ぎ目の処理。継ぎ目が多い首都高速も走ってみましたが、小気味よく振動をいなしてくれます。これには驚きました。グリップ力も充分に高い様子で、ウェット路面でも不安なく走行できたのは高く評価していいと思います。

 

純正タイヤはハイグリップタイプだったこともあり、ワインディングのみならず、ドライブでちょっとでもスポーティな走行フィールを楽しむのに好都合でした。ミネルバは普段のクルマの使用用途が街乗り主体、子どもの送り迎えや買い物がメインで、家計費を少しでも抑えたいというマインドが強まっている人には選択肢として十分な存在です。

 

そして、この実力が国産タイヤの約1/3の価格で手に入るのですからビックリですよね。よく「価格相応」という言葉がありますが、少なくともミネルバF205はそんな常識を覆すしっかりとした実力を備えていると思って間違いありません。タイヤサイズがマッチすれば、ぜひ検討してみることをオススメします。

 

 

撮影/松川 忍

日産「アリア」、リーフに続く日産の本格ピュアEVは新しさも満点!

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」で取り上げるのはピュアEV。リーフに続く待望の本格派となる日産「アリア」だ。早くからピュアEV市場に進出していたメーカーの最新作だけに、その完成度の高さが光る。

※こちらは「GetNavi」 2022年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

洗練されたモーター制御にはリーフのノウハウが生きる

EV

日産

アリア

SPEC【B6】●全長×全幅×全高:4595×1850×1655mm●車両重量:1920kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:66kWh●最高出力:218PS/5950〜13000rpm●最大トルク:30.6kg-m/0〜4392rpm●一充電最大航続距離(WLTCモード):470km

 

 

2020年7月の発表から発売されるまで2年近くかかったので、ずいぶんと待たされた感がある。だがそのデザイン、特にインテリアの仕立ての良さやタッチ式パネルの使い勝手&先進感に触れると、待った甲斐があったと実感できた。世界に先駆けて発売した量産EVの「リーフ」は、雰囲気としてはエンジン車の延長線上を抜け切らなかった。しかし10年以上の経験を経て生まれてきた日産EV第2弾の「アリア」は、テスラ的なガジェット感、新しさが感じられるモデルとなっている。

 

実際に走行すると、量販EVの経験が色濃く反映されている。電気モーターが静かで滑らかで、トルクが太いことはすべてのEVに共通するところだが、アリアのそれは洗練度が抜きん出ている。アクセルを踏み込んで加速していくときに、力強いが粗っぽくガツンとした加速を感じることはなく、常に滑らかさが伴っている。制御技術が優れている証だ。

 

その一方、乗り心地はスムーズさに欠けるきらいがある。サスペンションの動きがぎこちなく、少々フワフワしているのだ。プラットフォームは新世代でポテンシャルは高いはずなので、これが本来の実力とは信じがたい。初期モデル特有の現象だけに、今後改善されていくことを期待したい。

 

[Point 1] エクステリアはクーペSUV風

リアピラーを大きく傾斜させ、SUVとクーペのクロスオーバー的な風情を演出する外観。発表から発売まで時間を要したが、新鮮味は少しも薄れていない。

 

[Point 2] 最新トレンドにもマッチした仕立て

シンプルにしてハイテクなイメージを演出するインテリアは、最新のピュアEVに相応しい完成度。もちろん、メーターはすべてデジタル化され、スイッチ類もタッチパネルが主体となっている。

 

[Point 3] 室内は和のテイストを採用

クーペ的な外観ながら、室内は前後席ともに十分な広さを確保。日本の和のテイストを採り入れた仕立てで、ピュアEVらしい静けさも強調される。

 

[Point 4] ユーティリティもハイレベル

SUVとのクロスオーバーモデルらしく、ラゲッジスペースも実用的な広さが確保されている。細部に至る使い勝手もハイレベルだ。

 

[Point 5] より航続距離が長い仕様も

ベーシックなB6グレードは総電力量66kWhのバッテリーを搭載。より航続距離の長い91kWh仕様も間もなくリリースされる予定だ。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

B6:電気モーター/2WD/539万円

B6リミテッド:電気モーター/2WD/660万円

B9リミテッド:電気モーター/2WD/740万800円

B6 e-4ORCEリミテッド:電気モーター×2/4WD/720万600円

B9 e-4ORCEリミテッド:電気モーター×2/4WD/790万200円

 

文/石井昌道 撮影/望月浩彦

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

静粛性と力強さは究極の域に達したBMW「iX」

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」で取り上げるピュアEV。新世代BMWを象徴する「iX」。早くからピュアEV市場に進出していたメーカーの最新作だけに、いずれもその完成度の高さが光る。

※こちらは「GetNavi」 2022年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

早くからEVを手掛けてきたBMWの真骨頂的モデル

EV

BMW

iX

SPEC【xDrive50】●全長×全幅×全高:4955×1965×1695mm●車両重量:2530kg●パワーユニット:電気モーター×2●バッテリー総電力量:111.5kWh●最高出力(システムトータル):523PS●最大トルク(システムトータル):64.2kg-m●一充電最大航続距離(WLTCモード):650km

 

 

欧州の自動車メーカーは日本以上に電動化に注力しているが、なかでも早くから本格的に取り組んできたのがBMWだ。スポーティなイメージが強いブランドながら、2014年にはF1から撤退してまで、電動車ブランドの“i”を立ち上げ「i3」を発売。EVであってもBMWらしさを大切にするべく、量産車として初めて車体の大部分にカーボンファイバーを採用するなど、軽量化に取り組んだ。

 

その経験を踏まえてEV専用車の第2弾として送り出されたのが「iX」。フラッグシップでもあり、これ以上ないほどに気合いが入った開発を経て生まれたモデルだ。静かで滑らか、そして力強いのがEVの特徴だが、iXではそれが究極まで磨き上げられている。外界と切り離されているかのような静けさには、ショックを受けるほど。早くからEVを送り出してきたメーカーが本気を出すとここまでのレベルになるのか驚く。ライバルにとっては高いハードルになることは間違いない。

 

[Point 1] 静粛性と航続距離はピカイチ

プレミアムブランドのBMWらしく静粛性の高い走りが自慢。日本仕様はベーシックな40と最大航続距離650kmを実現する50(写真)に加え、まもなくスポーツ性を高めたM仕様もリリース予定だ。

 

[Point 2] ラグジュアリーかつ先進的!

ステアリングが自動運転時代を見据えた形状となるなど、随所で新しさをアピールするインテリア。BMW独自の操作系、iDriveも従来とは別モノ。もちろん高級感の演出にも余念はない。

 

[Point 3] SUV的な用途にも対応する広さを実現

荷室容量は、後席を使用する通常時でも500Lを確保。クロスオーバーモデルながら、SUVの用途としても十分な使い勝手を誇る。

 

[Point 4] 日本の充電規格にも完全適合する

普通充電と高速充電用のポートは1か所にまとめられる。一充電あたりの航続距離は、上級グレードではトップクラスだ。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

xDrive40:電気モーター×2/4WD/1070万円

xDrive50:電気モーター×2/4WD/1280万円

M60:電気モーター×2/4WD/未定

 

文/石井昌道 撮影/岡村昌宏(CROSSOVER)

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

2022年上半期メガヒット! 使い勝手がとことん進化したミニバンの絶対王者「ノア/ヴォクシー」

早いもので、2022年ももう折り返し!!ここでは、上半期に売れたモノ・話題になったコトを大きく「家電・デジタル」「レジャー・乗り物」「日用品」「フード」「エンタメ」にカテゴリ分けして総ざらいしていこう。……さて、アナタは全部ご存知ですか!?

※こちらは「GetNavi」 2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ノア/ヴォクシー

 

発売から4か月で約15万台を受注!使い勝手がとことん進化したミニバンの絶対王者

日本の狭い駐車場や道路事情にマッチするミニバンの新型ノア/ヴォクシーが売れている。発売後約4か月で約15万台という驚異的な数の受注を獲得したワケを探る。

 

トヨタ

ノア

267万円〜389万円

ノアは2つのフロントマスクを設定する。「エアロモデル」(上写真)は、メッキグリルがサイドまで続く大開口により押し出し感を強調したのが特徴。「ノーマルモデル」は、メッキグリルを抑えたスマートな顔つきになるのが違いだ。

SPEC【ハイブリッドS-Z 2WD】●全長×全幅×全高:4695×1730×1895mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒+モーター●最高出力:98PS(72kW)[95PS(70kW)]/5200rpm●最大トルク:14.5kg-m(142Nm)[18.9kg-m(185Nm)]/3600rpm●WLTCモード燃費:23.0km/ℓ
●[ ]内は電気モーターの数値

 

トヨタ

ヴォクシー

309万円〜396万円

開発責任者によれば、ヴォクシーは先進・独走をテーマに新しいミニバンのスタイルにチャレンジしたという。新型はカスタム系らしく派手な顔つきを好むニーズに応え、迫力ある大開口グリルが特徴だ。

 

↑クリアレンズと左右のテールランプをつなぐ2本のメッキラインを配置。赤いテールランプのノアと異なる印象だ

 

狭い場所でも出し入れが可能

自動駐車機能にアプリから遠隔操作できるリモート機能も搭載。並列、縦列駐車に対応する。操作できるのは免許を持っている人のみ。

 

 

「ハイテク+からくり」でかゆいところに手が届く

最新のハイブリッドシステムに加えて、“歩行者の横断”“飛び出してくるかもしれない”などのリスクを先読みする「プロアクティブドライビングアシスト」を搭載し、満を持して登場。従来、先進技術や装備は高級車から採用されてきたが、レクサスに続きトヨタブランド初の機能を満載している。とはいえシビアな普及価格帯だけに、コストがあまりかからない“からくり”を使った装備を用意。電動パワースライドドアに連動する「ユニバーサルステップ」や、リアゲートを任意の位置に手で停止できる「フリーストップバックドア」もからくり仕掛けになっている。

最新デジタルとアナログ技術の融合は、日本のモノ通リを象徴している。価格と使い勝手の高さのユーザーメリットは絶大だ。

 

【ヒットの裏付け】 値引きなしでも爆売れし納期待ちは最短でも半年

両モデル併せて発売1か月で約7万台を受注というスタートダッシュを決めた。月間販売目標台数はノアが8100台、ヴォクシーが5400台なので、5倍強の受注を獲得したことに。なお、某販売店で聞いたところノアのハイブリッド仕様が特に人気で、納車は1年近くになりそうとのこと。

3月: 1万4737台

4月: 1万404台

5月: 4877台

データ出典:日本自動車販売協会連合会

 

便利・快適・安心をより向上させる装備がファミリー層を中心に好評を博す

≪座り心地が快適でウォークスルーも可能な7人乗りが圧倒的に人気≫

2列目がキャプテンシートとなる7人乗りが人気。座り心地が良く、3列目へのウォークスルーも可能で乗降性に優れている。

 

≪2列目シートはワンアクションで745mmものスライドを実現≫

先代はロングスライドさせる際、一度横スライドで中央に寄せる必要があった。新型は中央に寄せなくても745mmのスライドを実現。

 

≪ボディ両サイドにスイッチを搭載し任意の位置で停止させられる≫

開閉スイッチをボディ両サイドに移動したことで、開ける際にぶつからないよう注意する必要がなくなった。任意の位置で停止も可能。

 

 

トヨタ担当者に聞いたノア/ヴォクシーの“深イイ”話

トヨタ車体株式会社開発本部領域長

黒柳輝治さん

1989年入社。以来ミニバンの設計に携わる。新型ノア/ヴォクシーでは製品企画を担当している。

 

──発売以来絶好調と聞いていますが、率直な感想は?

 

黒柳 ありがとうございます。先代の良さを継承しつつ、お客様の声を聞きミニバンの便利さを大幅に進化させたことが支持されてうれしいです。

 

──前モデルも人気でしたが、新型で最も重視した点は?

 

黒柳 新型モデルは使い勝手、快適性の進化に加え、ミニバン初のGA-Cプラットフォーム採用による走りや、最新の先進装備など、ファミリー向けミニバンに求められる便利・快適・安心を重視。徹底的に追求しました。

 

──パワーバックドアの開閉スイッチやフリーストップバックドアが好評です。これらは使い勝手の良さを高めるのにどのくらい寄与している?

 

黒柳 ミニバンのバックドアは開口が大きく利便性が高い一方で、狭い場所では開けられないなど使い勝手の悪さがありました。任意で開口位置を設定できる機能を採用することで、その点を大きく改善しています。

 

──先進装備の「プロアクティブドライビングアシスト」やリモート機能付の「アドバンスパーク」を採用した意味とは?

 

黒柳 先進の安全性能技術をファミリー向けのミニバンで採用することにより、多くのご家族が走行時や駐車の際に安心してお乗りいただくことができます。このような機能をぜひ使用していただきたいと思っております。

 

──新型はどんな方の感性に響いてほしい? またこんな風に使ってもらいたいというオススメは?

 

黒柳 家族や仲間との時間を大切にする方に乗っていただけたらと思います。ショッピングやキャンプなどのレジャーだけでなく、その過程のドライブもイベントとして楽しんで、乗る皆さんが笑顔になってほしいですね。

 

 

【ミニバンの絶対王者「ノア」HISTORY】

2001

セミキャブオーバーでFRだったタウンエース時代からFF化された初代。乗降性と快適性が大幅に向上した。

 

2007

ワンタッチで折りたたみ、跳ね上げまでできる3列目のワンタッチスペースアップシートを世界で初採用した。

 

2014

クラス初のフルハイブリッドを設定。高級志向の兄弟車エスクァイアも追加され、3モデルで絶大な人気を誇った。

 

<このミニバンもヒット確実!>

ホンダ

STEP WGN

299万8600円〜384万6700円

初代、2代目をオマージュしたシンプルかつスクエアな外観が目を惹く。後方に行くほどシートの位置が高くなるシアターレイアウトで前方視界が広く、どの席に座っても快適だ。

キャンプでの「くう・のむ・あそぶ」をEV×家電で堪能! 初心者キャンプがはかどる家電を紹介

キャンプ場ではBBQやコーヒーを楽しんだり、夜には真っ暗闇のなかで映画を鑑賞したりするのも醍醐味のひとつだ。給電ができるEVに家電を載せて出掛ければ電源も安心。アウトドア初心者でも手軽に調理やシアターを体験できる。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がセッティングしました!

テクニカルライター

湯浅顕人さん

アウトドア&ガジェット好きのライター。生粋のデジタル派で、記録から執筆までほとんどの作業をスマホやPC上で行う。

 

 

大出力EVと家電のタッグでBBQ準備でさえワンタッチ

アウトドアアクティビティに慣れているキャンパーならいざ知らず、初心者にとって屋外での調理はハードルが高い。必要な調理器具を綿密に準備しなくてはならず、何か忘れ物をしたときなどに臨機応変な対応も難しい。

 

そこでオススメなのが、EVに家電を満載するスタイル。最大出力1500Wのハイブリッドカーならたいていの家電が使用可能だ。コーヒーメーカーは豆から挽けるミル内蔵モデルがキャンプらしさを味わえて最適。ケトルやフードプロセッサーは、2Way以上で使える製品だと様々な調理の下準備に活用できて効率がアップする。食材と飲み物を冷やす小型冷蔵庫が必須になるので、容量や冷却性能で選択を。BBQグリルも電気式なら、炭の用意から火起こし、片付けまでの手間もかからない。

 

食事が済み、夜になったら都会の喧騒を忘れる極上のシアタータイム。バッグにスッと収納できるコンパクトなプロジェクターなら荷物にもならない。これらのEV×家電を駆使して、ラクチンアウトドアライフを楽しみ尽くそう。

 

 

【その1】最大1500Wの大出力で様々な家電に給電可能

三菱

アウトランダーPHEV

462万1100円〜532万700円(税込)

クロスオーバーSUV「アウトランダー」のプラグインハイブリッドモデル。通常充電約7.5時間で満充電が完了、EV走行換算距離は最大83kmを誇る。「AC電源口がフロアコンソール背面とラゲッジルームにあり便利です」(湯浅さん)

 

↑AC100V電源の最大出力は1500W。一般的なコーヒーメーカーやホットプレートなど消費電力の大きい家電も問題なく使用できる

 

【その2】片手サイズで携帯しやすく多彩なコンテンツを満喫

アンカー・ジャパン

Nebula Capsule II

5万9800円(税込)

Android TV 9.0を搭載し、多彩なコンテンツを楽しめるモバイルプロジェクター。8Wのスピーカードライバーが迫力のサウンドを鳴らす。「オートフォーカス機能と台形補正機能を備え、手動での面倒な調節も不要です」(湯浅さん)

SPEC●投影解像度:1280×720ドット●輝度:200ANSIルーメン●動画再生時間:約3時間(Wi-Fi利用時は約2.5時間)●サイズ/質量:約φ80×H150mm/約740g

 

↑500mL缶よりコンパクトサイズながら、最大100インチの投影が可能。バッグのポケットなどに収納して持ち運べ、荷物にならない

 

【その3】ミルを内蔵しワンタッチで挽きたてが完成

シロカ

全自動コーヒーメーカー カフェばこ SC-A371

実売価格1万8700円(税込)

豆と水を投入すれば、あとはワンタッチでドリップまで完了するコンパクトなコーヒーメーカー。蒸らし工程で豆本来の旨みを引き出す。「洗って繰り返し使えるステンレスフィルターは、豆の油分まで抽出できます」(湯浅さん)

SPEC●定格消費電力:600W●抽出方式:ドリップ式●最大使用水量:0.55L●保温機能:30分●コード長:約1.2m●サイズ/質量:約W162×H264×D280mm/2.7kg

 

↑アウトドアに映えるステンレス製サーバーを採用。ブラックカラーの本体と相まって、シックで馴染みやすいデザインも魅力だ

 

【その4】5通りの調理に活用できる折り畳みタイプ

ヤザワ

折り畳み式ケトル&ポット TVR69WH2

実売価格4980円(税込)

湯沸かしのほか、蒸す・炊く・茹でる・煮込む、の調理にも活用できる電気ケトル兼ポット。サーモスタットを搭載し、過熱時は自動で電源がオフになるため安心だ。「電圧切り替えスイッチを備え、海外でも使えます」(湯浅さん)

SPEC●定格消費電力:500W(100V)●定格電圧:100~120V/220~240V●容量:約920mL●火力:弱/強●コード長:約75cm●サイズ/質量:約W175×H170×D175mm/660g

 

↑シリコン製の本体には蛇腹構造を採り入れ、コンパクトに折りたためる。折りたたんだ状態のサイズは約W175×H95×D175mm

 

【その5】サラダもミンチも素早く用意できるスマートな1台

ラッセルホブス

4ブレードミニチョッパー 7820JP

実売価格8790円(税込)

スタイリッシュなガラスボウルが特徴的な、イギリスの家電ブランドの小型フードプロセッサー。生クリームのホイップ用に「クリームディスク」が付属しお菓子作りもサポート。「2層4枚刃を搭載し面倒な下ごしらえもスピーディに」(湯浅さん)

SPEC●定格消費電力:300W●最大内容量:0.5L●回転数:約3000〜4500回転/分●コード長:1.7m●サイズ/質量:W185×H220×D155mm/1.7kg

 

↑操作はスイッチを押すだけ。硬いナッツや肉のミンチに使える「HIGH」と、フルーツや卵に最適な「LOW」の2段階で調整できる

 

【その6】2Lペットボトルも収容できる20L大容量モデル

アイリスオーヤマ

ポータブル冷蔵冷凍庫20L IPD-2A-B

実売価格2万7630円(税込)

−20℃から20℃まで温度設定できる小型冷蔵冷凍庫。クルマのバッテリーの電圧が下がったのを検知すると自動で運転を停止し、バッテリー上がりを防ぐ。「DC電源は12Vと24V両対応で、普通車でも大型車でも車載用に活躍」(湯浅さん)

SPEC●定格消費電力:45W(急速モード)、30W(節電モード)●電源:交流100V、直流12/24V●庫内容積:約20L●サイズ/質量:W600×H320×D320mm/10kg

 

↑シンプルで使いやすい操作パネル。USB給電ポート1基を備え、アウトドアシーンでスマホの充電が必要になったときなどに重宝する

 

【その7】スイッチオンでOK! 面倒な準備不要な電気式BBQを実現

ロゴス

LOGOS CHEF BBQ エレグリル

実売価格3万1700円(税込)

スイッチひとつで手軽にBBQが楽しめる電気式グリル。プレートは波型のゾーンとフラットなゾーンに分かれており、中央部の溝が余分な油をキャッチ。「上蓋が付いているので蒸し焼きができ、ホコリが気になる人も安心」(湯浅さん)

SPEC●定格消費電力:1250W●調理面高さ:約83cm●コード長:約3.7m●サイズ/質量:約W860×H950×D565mm(展開時)、W100×H390×D565mm(収納時)/11kg

 

↑収納に便利な折りたたみ式。キャスター搭載で、通常は負担になりがちな持ち運び時もゴロゴロと片手で引いてラクに移動できる

 

●屋外では使用できない機器は、バンガローなどでの使用推奨。また、天候や温度・湿度などの環境によっては屋外での使用に適さない製品もある

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

たとえキャンプ場の駐車場でも快適ワークが可能に! インカーワークの必携ギア

せっかくアウトドアに出かけても、外せないオンライン会議やメールへの対応が必要なときがある。そんなとき、車内で自宅に近い作業環境を再現すればワークスペースを確保できる。快適なインカーワークに必携のギアをガジェット通に聞いた。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がセッティングしました!

テクニカルライター

湯浅顕人さん

アウトドア&ガジェット好きのライター。生粋のデジタル派で、記録から執筆までほとんどの作業をスマホやPC上で行う。

 

 

折りたたみ式家具などを活用しクルマの“オフィス化”を実現

多様化する働き方のひとつとして「インカーワーク」が注目度上昇中。出先でやむを得ず、といった場面だけでなく、「余計なモノがなくて集中できる」「窓を閉めれば即座に自分だけの静かな空間を形成できる」などの理由から取り入れる人もいる。適切なアイテムを配して車内の“オフィス化”を進めれば、キャンプ場でもパフォーマンスを落とさずに快適ワークが可能だ。

 

まず用意するべきは、事故や災害の際も重宝するポータブル電源。ACやUSB出力ポート数は要チェックだ。テーブルは高さ調節できて車載時に邪魔にならないモノを。角度調節できる座椅子があれば、長時間ワークの負担を軽減できる。また、ライトとスマホホルダーは多少不安定な場所でもしっかりと固定できるものをセレクト。オンライン会議の際は、ハンズフリー&オープンイヤーで会話がしやすいネックススピーカーがオススメだ。

 

 

【その1】大容量のポケットを備え収納ラックとしても秀逸

DOD

グッドラックテーブル

1万3800円(税込)

44〜80.5cmの間で4段階の高さ調節ができる折りたたみ式テーブル。脚部もすべて本体内部に折りたたんで収納でき、約6cmの薄さになるため持ち運びやすい。「キャンプギアなどを載せられる車載収納ラックとしても活用できます」(湯浅さん)

 

[ディティールCheck]

ファスナーを開けると大容量ポケットが出現。車載時は荷崩れしにくい収納スペースに、使用時は小物入れにと便利だ。

 

【その2】3通りの設置方法で場所を選ばず使える

サンワ

クリップ式LEDデスクライト 800-LED039

2980円(サンワダイレクト限定販売/税込)

スタンド・マグネット・クリップの3通りで設置できるLEDライト。タッチセンサー式スイッチを搭載し、調光・調色それぞれ3段階の切り替えができる。「満充電で約4時間点灯し、約250gと軽いので外出先での使用に最適です」(湯浅さん)

 

[ディティールCheck]

リング型ライトは顔を明快に映せて会議でも好印象に。フレキシブルアームを採用し手元や顔など必要な場所を照らせる。

 

【その3】強力な磁石と吸盤でスマホをしっかり固定

Celly

GHOST SUPER FLEX

3980円(税込)

イタリア発のスマホアクセサリーブランドが展開する車載用スマホホルダー。ダッシュボードをはじめ平らで滑らかな面に設置できる吸盤式だ。「強力なマグネットを6個内蔵し、不安定な車内でもスマホをしっかりとホールドしてくれます」(湯浅さん)

 

[ディティールCheck]

自在なフレキシブルアームの先端は360度回転可能。スマホを任意の位置に、タテ・ヨコ好みの向きで保持できる。

 

【その4】口元近くにマイクを備えオンライン会議に最適

パナソニック

ワイヤレスネックスピーカーシステム SC-WN10

実売価格1万6280円(税込)

BluetoothでスマホやPCと、専用の送信機を介すればテレビとも接続できる、首掛けタイプのワイヤレススピーカー。IPX4相当の防滴仕様で水回りで使用できる。「口元近くにマイクを搭載しているのでオンライン会議での会話も快適です」(湯浅さん)

 

[ディティールCheck]

質量約108gながら専用スピーカーユニットが広帯域のサウンドを再現。さらに、「快聴音」機能で人の声を強調できる。

 

【その5】非常時にも活躍するパワフルな小型電源

SmartTap

PowerArQ mini 2

3万8500円(税込)

9万6000mAh/307.2Whの大容量と高出力を誇るポータブル電源。AC100Vコンセント×2、USB Type-A端子×2、USB Type-C端子とDCシガーソケットを1基ずつ備える。充電時間は約5時間。「小型&大容量で非常時も心強いです」(湯浅さん)

 

[ディティールCheck]

本体天面のロゴ部分にスマホを置いてワイヤレス充電が可能。最大15W(iPhoneは最大7.5W)の急速充電だ。

 

【その6】頭部は14段階で調整できラクな角度で快適作業

ニトリ

首リクライニング座椅子(NウィンDGY)

3990円(税込)

ブロック状の背もたれクッションを採用したフィット感抜群の座椅子。背もたれは6段階リクライニングでき、折りたたみ状態なら持ち運びや収納も容易だ。「角度調節により、リラックスした姿勢でテレビ視聴やテレワークを行えます」(湯浅さん)

 

[ディティールCheck]

お手ごろ価格ながら頭部リクライニングは14段階で調節可能。インカーワークでもラクな姿勢を維持できて疲れにくい。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

新時代を感じさせるホイールアーチ! SUVっぽさもあるスポーツモデルSUBARU「WRX S4」を検証

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、SUBARUの象徴的なスポーツモデル「WRX S4」に装着されたホイールアーチについて語った。

※こちらは「GetNavi」 2022年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感、クルマを評論する際に重要視するように。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわる。

 

【今月のGODカー】スバル/WRX S4

SPEC【STI Sport R EX】●全長×全幅×全高:4670×1825×1465mm●車両重量:1600kg●パワーユニット:2.4L水平対向4気筒直噴ターボ●最高出力:275PS(202kW)/5600rpm●最大トルク:38.2kg-m(375Nm)/2000〜4800rpm●WLTCモード燃費:10.8km/L

400万4000円〜477万4000円(税込)

 

ドライブモードの変更で猛烈に刺激的な走りに激変!

安ド「殿! 殿はスポーツセダンがお好きですよね」

 

永福「オッサンだからな」

 

安ド「この新型WRX S4は、スポーツセダンなのにSUV風のホイールアーチがあしらわれていて、なんだか新しいです!」

 

永福「これは新しいのだろうか」

 

安ド「新しいと思います!」

 

永福「このような樹脂製のホイールアーチは、最低地上高の高い、悪路走破性に優れるクルマ用という固定観念があるのだが、このクルマは違う」

 

安ド「高くないんですか?」

 

永福「135mmしかない。BMW3シリーズより5mm低いぞ」

 

安ド「そうだったんですか! コレが付いているから、少し高いのかなと思ってました!」

 

永福「私にはナンチャッテSUVに見える」

 

安ド「個人的にはイケてると思ったんですが……。フロントからサイド、リアまで黒い樹脂パーツで囲ってあって、それがエアロパーツっぽい形状をしているので」

 

永福「SUBARUらしいと言えばらしいのだが」

 

安ド「走りはどうでしたか。ノーマルモードだとなんだかもっさりした印象でしたが……」

 

永福「このクルマは、同社得意のドライブモードセレクトが可能で、走りを5種類から選べる。コンフォートやノーマルだと落ち着いた高級セダンの趣だが、スポーツやスポーツ+にすると、これぞスポーツセダンという走りに激変する。特にスポーツ+は猛烈に刺激的だ」

 

安ド「フェラーリやランボルギーニを乗り継いでいる殿にとっても、猛烈に刺激的ですか!」

 

永福「うむ。アクセルレスポンスが凄まじくシャープになり、ちょっとアクセルを踏むだけで背中を蹴飛ばされたように加速する。しかもCVTが自動的にステップ変速になって、エンジンの回転変化を存分に楽しめるのだ」

 

安ド「そんなに刺激的だったんですか!」

 

永福「ただ、同時にサスペンションも非常にハードになって、オッサンには乗り心地がツラい」

 

安ド「それは残念ですね……」

 

永福「だが心配はいらない。そのためにインディビデュアルモードが用意されている」

 

安ド「そ、それは?」

 

永福「エンジンやサスペンションなど6項目を個別に設定して、好みの走りをアレンジできるのだ。私はスポーツ+をベースに、サスペンションだけコンフォートにしてみたが、これぞ理想のスポーツセダン! という走りになった」

 

安ド「そうだったんですね!」

 

永福「エンジンが2.4Lターボになり、低速からトルクたっぷりなのもオッサン好みだ」

 

安ド「ただ、燃費はイマイチですね。いまどきWLTCモード10.8km/Lというのは……」

 

永福「オッサンもガソリンエンジンも、余命は長くない。いまのうちに乗っておきたいクルマだぞ」

 

【GOD PARTS 1】空力テクスチャー

六角形模様で空気の流れを整える

フロントバンパーからボディサイド、リアバンパーまで、黒い樹脂パーツが車体下部を囲むように取り付けられていますが、よく見ると「ヘキサゴン(六角形)」模様になっていて、これが車体表面の空気の流れを整えてくれるそうです。

 

【GOD PARTS 2】エアインテーク

キャラを強調する空気取り入れ口

ボンネット上にはエンジンルームへ空気を取り入れるための穴が空いています。これが、鋭い目つきのヘッドライトやSUBARU特有の「ヘキサゴングリル」などと相まって、スポーティでアグレッシブなキャラクターを際立たせています。

 

【GOD PARTS 3】インフォメーションディスプレイ

大型タッチパネルで設定をまとめて操作

インパネデザインは車体を共有化する「レヴォーグ」と基本的に同形状で、11.6インチの大型センターディスプレイが採用されています。カーナビ、車両情報、エンタメ、エアコンなど各種設定を、タブレットのようにタッチして操作できます。

 

【GOD PARTS 4】トランスミッション

MTのような感覚で操作できるCVT

これまでの「スポーツリニアトロニック」から名称が変更され、「スバルパフォーマンストランスミッション」となりました。スポーツ+モードでは、CVTながらまるで8速MTのようなスポーティな変速レスポンスを味わうことができます。

 

【GOD PARTS 5】水平対向エンジン

全領域でパワフルかつ加速感が気持ち良い

先代型より排気量が0.4L拡大されて2.4Lになったことで、低い回転域から力強いトルクが発揮されます。さらにターボということで伸びやかな加速感も得られるので、幅広い回転領域でエンジンの魅力を楽しむことができます。

 

【GOD PARTS 6】トランク

日常を犠牲にしない高い実用性を確保

走りのパフォーマンスに優れたモデルながら、4ドアセダンということで日常生活での使い勝手にもしっかりこだわっています。トランクはベビーカーやゴルフバッグが入るよう、幅も奥行きもスペースがたっぷり確保されています。

 

【GOD PARTS 7】レカロシート

高品質な設計と素材で身体をサポート

撮影車両には、上位グレードにオプション設定される「RECARO(レカロ)」社製シートが搭載されていました。RECAROのシートは人間工学に基づいて開発されており、ホールド性、安全性、快適性が高い評価を受けています。表面素材にはウルトラスエードが採用されていて、肌触りも抜群でした。

 

【GOD PARTS 8】アイサイトX

さらに強力になった運転支援システム

SUBARUといえば運転支援システム「アイサイト」ですが、WRX S4の上位グレードには、新世代の「アイサイトX」が搭載されています。新型ステレオカメラは認識力を高め、衝突回避のサポート領域を拡大、運転支援を高度化しています。

 

【GOD PARTS 9】リアスポイラー

印象をガラリと変えた後方の羽の有無

歴代WRXといえば巨大なリアウイングを想像しがちですが、新型ではトランクの後端がニュイっと持ち上がっているだけ。本当にこれだけでダウンフォースが発生するのかどうかは、超高速域で走らせたドライバーのみぞ知ることです。

 

【これぞ感動の細部だ!】ホイールアーチ

SUVのような黒いフチはスポーツモデルにマッチする?

黒い樹脂製のホイールアーチはSUVっぽいアイテムですが、新型WRXはスポーツセダンでも採用されて、新時代のスポーツモデル像を演出しています。SUBARUはラリーイメージの強いブランドなので似合っているかもしれません。形状はカクカクしていて塊感みたいものも感じられます。なお、フロントの空気排出口は穴が空いていますが、リアはダミーでした。

 

撮影/我妻慶一

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

サイバートラック開発で忙しいテスラ、保有ビットコインを75%も売却

米テスラを率いるイーロン・マスク氏は、開発をすすめる電動ピックアップ「サイバートラック(Cybertruck)」が2023年半ばにも納車できるとの見通しを明かしました。一方、同社は保有していたビットコインの75%の売却も明かしています。

 

サイバートラックはまるで屋根のような傾斜したルーフが特徴の、電動ピックアップです。2019年に正式発表されたものの、その納車時期は度々延期されてきました。またマスク氏は以前、その巨大なワイパーのデザインに関する懸念に触れたこともあります。

 

同氏によれば、現時点ではサイバートラックの量産時期は未定だとしています。

 

一方でテスラは昨年、15億ドル(約2000億円)分のビットコインを購入。さらに、支払い方法としてもビットコインを受け付けると発表しました。しかしビットコイン支払いは、その直後に撤回されています。

 

そしてテスラは今回のビットコインの売却により、9億3600万ドル(約1300億円)の現金を調達。これにより、今期は22億6000万ドル(約3100億円)の利益を計上できるとしています。また同社は、現在の残りの「デジタル資産」は2億1800万ドル(約300億円)だと表明しています。

 

以前には「(ビットコインの取り扱いについて)ポンピングはするかもしれないが、ダンピングはしない」と語ったマスク氏。今後も継続的に仮想通貨への関わりを続けるのか、注目が集まります。

 

Source: The Verge 1, 2

もうすぐテスラ車でSteamゲームが遊べる? イーロン・マスクがTwitterで予告

最近ではツイッター社の買収(と撤退希望)でおなじみのイーロン・マスク氏ですが、本来は米EV(電気自動車)メーカー・テスラのCEOです。そのテスラ車につき、マスク氏がSteamゲームがもうすぐ遊べるようになると示唆しています。

↑もうすぐテスラ車でSteamゲームが遊べる?

 

マスク氏はツイートへの返信で「(テスラ車と)Steamの統合を進めている」と述べ、おそらく来月にはデモを見せられるとの趣旨を述べています。

すでにテスラ車では内蔵の「テスラアーケード」を通じて「Cuphead」などが提供され、昨年末にはシリーズ第1作目の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」がプレイ可能となっています。また「Beach Buggy Racing 2」など、テスラ車のハンドルとアクセル/ブレーキペダルでプレイできるレーシングゲームもあったりします。

今のところSteamのデジタルショップで提供されるのか、より統合が進んでユーザーは車に座ったままゲームを買ったり遊んだりできるのか、サポートされないSteamタイトルがあるかどうかは不明です。

 

マスク氏は、新型のModel SとXのゲーム性能は「PS5レベルと同等」と述べていました。さらに、それらで「Cyberpunk 2077」等が遊べると約束していました が、未だに実行に移されていません。しかし、Steamと統合を進めていくなかで、いずれ約束が守られる可能性もありそうです。

 

今年2月にマスク氏は、「Steamゲームをテスラ車で動かす一般的なケースと特定のタイトルを比べながら作業している」とツイートしていました。つまりマスク氏はAAAタイトルを1つずつ移植するのではなく、Steamを通じて遊べることを目指していると思われます。

 

テスラ社は昨年、運転中にも遊べるゲームがあることが判明して非難が殺到していました。さらにNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)からの批判を受けてこの機能を封印していましたが、Steamゲームについても厳しく監視されることになりそうです。

 

Source:Elon Musk(Twitter)
via:The Verge

アウトドアでの便利さに“惚れ”るクルマを深“掘り”! キャンプの相棒5選

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。ここでは専門家を魅了する5台のモデルを解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

選ぶならアウトドアで活躍する機能性と個性を重視

猛威を振るうコロナ禍の影響もあり、野外で楽しめる開放的なキャンプが爆発的なブームを迎えている。週末のキャンプ場が満員御礼の状態になっているいま、ほかのキャンパーとはひと味違うクルマを選ぶことで個性を主張するのもオススメだ。

 

しかし、形ばかりのクルマでは意味を成さず、スタイルに伴う性能を備えていなければならない。オートキャンプや車中泊での利便性、遊び道具を満載できる積載性能、悪路の走破力などアウトドアならではの使い勝手は欠かせない。そして、キャンプという非日常だけでなく、日々の暮らしで使える快適性を合わせ持った二面性を備えたクルマを選ぶことも重要なポイントだ。

 

尖り過ぎない実用性と快適性、そしてキャンプ使用で威力を発揮してくれる個性的なクルマ選びこそが、快適なキャンプには大切だ。それに適した5モデルを紹介しよう。

 

 

「現代アウトドアにピッタリなパワーソース」に“ホレ”る

【その1】家電も使える未来のクルマ電気の力でキャンプを満喫

三菱

アウトランダー PHEV

462万1100円〜532万700円

存在感を示すアウトランダー PHEVは、その名の通り、プラグインハイブリッドのメリットを生かした1台だ。バッテリーからは最大1500Wの電気がアウトップットでき、家庭用の電気調理器や暖房器具の使用を可能とする。

SPEC【P】●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm●車両重量:2110kg●パワーユニット:2359cc直列4気筒+ツインモーター●最高出力:133[116/136]PS/5000rpm●最大トルク:19.9[26.0/19.9]kg-m/4300rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L●EV走行換算距離:83km

●[ ]内は電気モーター(前/後)の数値

 

↑フロアコンソールとラゲッジルームの2か所にACコンセントを備え、最大1500Wの電力を供給。ホットプレートや暖房器具も使える

 

↑4輪の駆動力、制動力を最適にコントロールするS-AWC。ツインモーターをと呼ばれる4WD機能が快適かつ安全な走行性能を提供

 

↑開口部の段差をなくした広大なラゲッジスペース。多彩なシートアレンジを可能とし、フラットにすることで荷物を満載できる

 

[ココに“ホレ”た!] 自然にもやさしいPHEVは万一の災害時でも実力発揮

災害時にも威力を発揮するのが大きな魅力。ガソリンが満タン状態なら通常の家庭で、エンジンで発電しながらV2H機器を介して約12日間分の電気を供給可能です!(並木さん)

 

 

「走破性と醸し出す雰囲気」に“ホレ”る

【その2】質実剛健な新型ラングラーでアウトドアの王道を突き進め

ジープ

ラングラー アンリミテッド

704万円〜743万円

2018年にJKからJLへと進化を遂げたものの、ラングラーとしての基本スタイルは踏襲。操縦性、安定性、質感を向上させることで先代モデルの不満を解消している。日常と非日常の楽しさを両立できる憧れの存在だ。

SPEC【RUBICON】●全長×全幅×全高:4870×1895×1850mm●パワーユニット:3604ccV型6気筒●最高出力:284PS(209kw)/6400rpm●最大トルク:35.4kg-m(347Nm)/4100rpm●WLTCモード燃費:8.0km/L

 

↑約800mmの奥行きを持つスクエアなラゲッジは荷物を積みやすい。セカンドシートを倒せば2000Lへと容量を拡大できる

 

↑独立したラダーフレームは負荷にも強く、悪路を走行するジープらしい設計。ボディ自体の耐久性も高くなりライフスパンが長くなる

 

[ココに“ホレ”た!] 年式を経ても味が出て一生付き合える良き相棒

ジープのイメージを踏襲し、時代や年式に左右されることなく乗り続けることができるロングライフは大きな魅力。4WDの走破性能が安心感を提供してくれます。(並木さん)

 

 

「フランス車らしい優雅さ」に“ホレ”る

【その3】キャンプをバカンスに変えるフランス生まれの人気モデル

シトロエン

ベルランゴ

335万8000円〜374万9000円

キュートなスタイルと実用的な室内アレンジを融合させた、フランスのエスプリが漂う一台。「マルチアクティビティビークル」をコンセプトに誕生したモデルだけに、アウトドアでの使い勝手はパーフェクトと言える。

SPEC【SHINE XTR PACK】●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm●パワーユニット:1498cc直列4気筒ディーゼル+ターボ●最高出力:130PS(96kw)/3750rpm●最大トルク:30.5kg-m(300Nm)/1750rpm●WLTCモード燃費:18.0km/L

 

↑約90cmの奥行きを誇るラゲッジ。床下にリヤシートを収納すれば1.7mの長尺モノも収納でき、容量は最大2126Lまで拡大する

 

↑エアチュープ構造のフレームを付属のポンプで膨らませる純正タープを用意。完成サイズはW2500×H1800×D2500mmとなる

 

[ココに“ホレ”た!] フランスは商用車もシャレオツであります!

フルゴネットという商用車をベースに開発され使い勝手は良好。「モジェット」と呼ばれるパノラミックガラスルーフとストレージを一体化した開放的なルーフは絶品です。(並木さん)

 

 

「カスタマイズ性の高さ」に“ホレ”る

【その4】商用車ながらも快適性は抜群でカスタムベースとしても最適!

トヨタ

プロボックス

149万1000円〜201万4000円

アウトドアフリークの間でただいま人気急上昇中なのが、商用ベースの本車。リフトアップキットやキャリアなどのカスタムパーツが続々とリリースされ、手を加えることで精悍なアウトドア仕様へとモディファイ可能だ。

SPEC【F・ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4245×1690×1525mm●車両重量:1160kg●パワーユニット:1496cc直列4気筒+モーター●最高出力:74[61]PS/4800rpm●最大トルク:11.3[17.2]kg-m/3600〜4400rpm●WLTCモード燃費:22.6km/L

 

↑商用車として生産されたモデルだけに開口部も広く積載能力は高い。シンプルなラゲッジルームはフラットで、DIYにも最適な設計

 

↑カスタムのトレンドはアウトドアに似合う武骨なスタイル。バンパーガードや大型のパイプ製キャリア、リフトアップに加えマットな塗装を施すことも

 

[ココに“ホレ”た!] 商用バンを大変身させる絶妙なカスタムセンス!

キャンプでの実用性を考えれば商用車の選択もアリ。乗り心地の悪さは新型モデルでは解消されました。カスタマイズすれば快適なアウトドア仕様へ変身します!(並木さん)

 

 

「経済性と遊びゴコロ」に“ホレ”る

【その5】必要最低限とは呼ばせない軽バン王者の底力を知る!

ホンダ

N-VAN

127万6000円〜187万2200円

人気の軽バンとしてアウトドアマンたちからの信頼度は抜群。低床プラットフォーム助手席側のBピラーをなくしたことで利便性を拡大した。仕事に遊びに活躍してくれるモデルだ。

SPEC【+STYLE FUN・ターボ】●全長×全幅×全高:3395×1475×1960mm●パワーユニット:658cc直列3気筒+ターボ●最高出力:64PS(47kw)/6000rpm●最大トルク:10.6kg-m(104Nm)/2600rpm●WLTCモード燃費:18.8km/L

 

↑アレンジが多彩なシートは運転席以外のすべてに荷物が積める。テールゲートから助手席までフラットに設計された室内は使いやすさに優れる

 

↑フルフラットにできる車内は車中泊に最適。社外パーツも豊富で自分らしいスタイルへとカスタムする楽しさを持つ。コスパは抜群だ

 

[ココに“ホレ”た!] キャンプに最適な構造はオリジナリティが光る!

高い経済性と唯一無二のオリジナリティが光る傑作モデル。キャンプや釣り、サーフィンなどのソト遊びをサポートする“秘密基地”的な雰囲気が男心を刺激します。(並木さん)

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

100万円以上の節電効果も。「複数台EV」の効率充電を可能にする「Charge-ment」とは?

日本政府は2030年までに温室効果をもたらす二酸化炭素(CO2)排出量を46%削減する目標を掲げている。そのためには、化石燃料の使用抑制が不可欠だ。

 

身近な脱化石燃料ツールとして挙げられるのが電気自動車(EV)。だが、EVの普及に向けての課題は多く、そのひとつが充電問題だ。この記事で紹介するのは、その課題を解決すべく開発されたソリューション「Charge-ment(チャージメント)」。EVの充電を効率化し、ピーク時の電気使用量抑制などの効果をもたらすという。

 

EVを多数運用する拠点の電力コストを抑える方法

パナソニック エレクトリックワークス社(以下、EW社)が開発した「Charge-ment」は、複数台のEVを同時運用する施設向けの充電インフラソリューションだ。EVを営業車・公用車として利用する企業・公的機関や、カーシェア施設などを、主な導入先として想定している。

↑Charge-mentのロゴ。地球をやさしく包むような輪を模している

 

複数台のEVを充電する施設では、ピーク時の電力使用量が多くなるため、それに従って電気料金、つまり充電コストが大きくなってしまう。ピーク時の電力使用量が大きくなってしまうと、電力契約の基本料金が大きく跳ね上がってしまうからだ。それをどのようにして防ぐのか。Charge-mentの仕組みを紹介しよう。

 

↑一時帰社、帰社のタイミングでは充電台数が増え、使用する電力が増えてしまう

たとえば、10台のEVを運用している拠点があるとする。この拠点での電力使用量がピークに達するのは、無論、10台のEVを駐車し、それらに最大出力で充電を行なっているときである。しかし、10台同時に最大出力での充電を行いさえしなければ、つまり、多数のEV停車時に限って、1台ごとの充電速度を抑制すれば、ピーク時の電力使用量を下げられるのだ。

 

Charge-mentは、多回路エネルギーモニターと連携したクラウドを通して、そのコントロールを自動で行う。どの程度出力を抑えるかは、利用者がオンライン・リアルタイムで調整できるほか、EW社側でも効率化のためのコンサルティングをしてくれるので、EVの運用に支障がでないようにしながら、電力コストを極力抑えられるという仕組みだ。

 

↑Charge-mentを活用して、ピーク時の消費電力を抑制するイメージグラフ。消費電力を、夜間に配分することで、ピーク電力を抑制している

 

EVを10台運用する拠点では、年間で120万円のコスト削減に

Charge-mentによるコスト削減率は大きい。たとえば10台のEVを運用し、それぞれが1日100kmの走行を行う拠点(低圧電力契約)の場合、年間コストはCharge-ment未導入時と比べて、年間約25%、金額にして120万円も節約できるという。(金額の計算は、2022年5月の電気料金をもとに試算)しかも、拠点のEV運用台数が増えれば、そのコスト削減率はさらに大きくなるそうだ。

 

なおCharge-mentは、クラウドと通信するゲートウェイ1つあたり、EV32台までの充電管理に対応している。33台以上のEVを運用する拠点の場合、ゲートウェイを増やして対応することになる。

 

現状では営業車や公用車を運用する拠点への導入が主であるため、一般消費者への恩恵は薄いと思われるかもしれない。だが、企業や自治体の業績は、最終的には消費者に影響してくる。また、カーシェア施設にこれが普及すれば、EVカーシェアの利用料抑制にも一役買うだろう。ましてや、この夏ではピーク電力消費量抑制が社会的なテーマとなっている。その点でも、Charge-mentは社会的意義のあるソリューションといえるだろう。

↑Charge-mentのデモンストレーションが行われている充電ステーション。ステーション上部に、充電中であることを示すChargeのランプが点っている

 

↑使用電源の上限に達している場合、電源に接続しても充電が抑制される。手前の白い車は、電源につながっているものの、全体の使用電源の上限に達しているために充電が行われていない。そのため、Chargeのランプも未点灯だ

 

コスト削減効果を見える化し、運用状況の変化にもスピード対応

Charge-mentには、コスト削減以外の効果もある。それが、EW社による導入後の運用管理によるさらなる効率化アシストと、充電状態やコスト、CO2の削減率の見える化だ。

↑Charge-mentの運用画面。充電状況が一目でわかる

 

Charge-ment導入前にもEW社による運用やコスト削減効果のシミュレーションは行われるが、実際に運用を始めたあとにも、EVの利用状況に応じてさらなる効率化を提案してくれる。そのため導入後に、クルマの利用が増える、減る、という事態が起きてもすぐ対応できるというわけだ。EW社は全国に拠点があるので、運用に問題が起きた場合でもスピード対応をしてもらえる点でも安心感が大きい。

 

Charge-mentのサービス開始は2022年10月と発表されている。また、2030年度までに売上規模を14倍に拡大する目標を掲げているそうだ。

 

EVの普及だけでは、地球温暖化抑止への力は限られている。それでも、毎年のように暑さの記録が更新されるような強烈な猛暑が、少しでも緩和されてほしいと祈ってやまない。Charge-mentは、そのための、小さいながらも確かな、希望の光といえよう。

必要最低限とは呼ばせない軽バン王者の底力を知る!

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。本稿では専門家を魅了するホンダ「N-VAN」を解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

「経済性と遊びゴコロ」に“ホレ”る

ホンダ

N-VAN

127万6000円〜187万2200円

人気の軽バンとしてアウトドアマンたちからの信頼度は抜群。低床プラットフォーム助手席側のBピラーをなくしたことで利便性を拡大した。仕事に遊びに活躍してくれるモデルだ。

SPEC【+STYLE FUN・ターボ】●全長×全幅×全高:3395×1475×1960mm●パワーユニット:658cc直列3気筒+ターボ●最高出力:64PS(47kw)/6000rpm●最大トルク:10.6kg-m(104Nm)/2600rpm●WLTCモード燃費:18.8km/L

 

↑アレンジが多彩なシートは運転席以外のすべてに荷物が積める。テールゲートから助手席までフラットに設計された室内は使いやすさに優れる

 

↑フルフラットにできる車内は車中泊に最適。社外パーツも豊富で自分らしいスタイルへとカスタムする楽しさを持つ。コスパは抜群だ

 

[ココに“ホレ”た!] キャンプに最適な構造はオリジナリティが光る!

高い経済性と唯一無二のオリジナリティが光る傑作モデル。キャンプや釣り、サーフィンなどのソト遊びをサポートする“秘密基地”的な雰囲気が男心を刺激します。(並木さん)

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

商用車ながらも快適性は抜群でカスタムベースとしても最適!

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。本稿では専門家を魅了するトヨタ「プロボックス」を解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

「カスタマイズ性の高さ」に“ホレ”る

トヨタ

プロボックス

149万1000円〜201万4000円

アウトドアフリークの間でただいま人気急上昇中なのが、商用ベースの本車。リフトアップキットやキャリアなどのカスタムパーツが続々とリリースされ、手を加えることで精悍なアウトドア仕様へとモディファイ可能だ。

SPEC【F・ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4245×1690×1525mm●車両重量:1160kg●パワーユニット:1496cc直列4気筒+モーター●最高出力:74[61]PS/4800rpm●最大トルク:11.3[17.2]kg-m/3600〜4400rpm●WLTCモード燃費:22.6km/L

 

↑商用車として生産されたモデルだけに開口部も広く積載能力は高い。シンプルなラゲッジルームはフラットで、DIYにも最適な設計

 

↑カスタムのトレンドはアウトドアに似合う武骨なスタイル。バンパーガードや大型のパイプ製キャリア、リフトアップに加えマットな塗装を施すことも

 

[ココに“ホレ”た!] 商用バンを大変身させる絶妙なカスタムセンス!

キャンプでの実用性を考えれば商用車の選択もアリ。乗り心地の悪さは新型モデルでは解消されました。カスタマイズすれば快適なアウトドア仕様へ変身します!(並木さん)

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

 

スバルならではの走りへのこだわりを実感!スバル「ソルテラ」試乗記

スバル初の電気自動車(BEV)スバル「ソルテラ」がいよいよ市場に登場しました。トヨタの「bZ4X」と同じe-TNGA思想をベースにしながらも、生粋のスバルファンを念頭に置いて開発されただけあって、試乗してみるとソルテラからは意外なほどbZ4Xとの違いを実感できました。走りにこだわりを見せたソルテラの試乗レポートをお届けします。

 

【今回紹介するクルマ】

スバル/ソルテラ

※試乗車:ET-SS(AWD)

価格:594万円〜682万円(税込)

 

魅惑的なスタイリッシュなデザイン

ソルテラを前にすると、エクステリアからして姉妹車であるbZ4Xとの違いを明確に示していることがわかります。ソルテラのボディサイズは全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mmで、SUVとしては低めのクーペ風の流麗なルーフラインをもっています。Aピラーやリヤウインドウはまるでスポーツカーのような傾斜があり、そのスタイリッシュなデザインにはつい惹かれてしまうほどです。

↑写真はET-HS(AWD)。ボディカラーはツートンを含め、全10色から選べる

 

ソルテラならではのデザインも随所に見ることができます。フロントマスクをスバルの基本モチーフに倣った六角形とし、ヘッドランプもデイライト部分をC字型形状として違いを強調。リアコンビランプもC字型意匠とすることでスバルならではのデザインの統一性を図っています。細かなところでは、充電ポートがあるフタを、bZ4Xが「ELECTRIC」としたのに対し、ソルテラは「EV」として違いを見せています。

↑スバルのアイデンティを示すC字型デイライト

 

↑EV用充電ポートのフタには「EV」のロゴマーク。急速充電と普通充電に対応する

 

インテリアはデザインも含め、基本的にbZ4Xと共通の部分が多くなっています。ダッシュボードは独特の風合いを伝えるファブリック製であることや、航空機のコックピットを彷彿させる12.3インチの液晶パネルによるメーターもほぼ同じデザインです。それでも、オーディオのブランドをbZ4Xが「JBL」としたのに対し、ソルテラは他のスバル車と同様に「ハーマンカードン」を採用しています。シートヒーターの作動範囲に若干変更を加えるなど、このあたりからもスバルらしいアイデンティティを感じさせます。

↑12.3インチディスプレイを備えたナビゲーション&オーディオシステム

 

↑リヤシートバックを前に倒せば広々とした空間。カーゴルームは最大441L(ET-SSは最大452L)と、SUVらしく広々としたスペースを確保している

 

↑他のスバル車と同様にオーディオブランドには「ハーマンカードン」が採用された。写真はカーゴルームに設置されたサブウーファー

 

また、ソルテラにはbZ4Xにはないパドルシフトも備えられました。さらにソルテラは最低地上高が210mmと高めとしています。これは、BEVであってもスバルらしい悪路走破性を確保することが重視されたからなのです。これは後述する雪上での試乗で実感することができました。

↑ 運転機周り。ステアリングには回生ブレーキを細かく調整できるパドルシフトが備わる

 

そして、ソルテラとbZ4Xの最も大きな違い、それは販売方法です。実はbZ4Xはトヨタが運営するサブスクリプションサービス「KINTO」でのみしか買えませんが、ソルテラは他のスバル車と同様、普通にクルマとして購入できます。残価設定ローンを組むことはもちろん、現金でスパッと支払うことも可能です。これは想定する販売台数の違いもあるでしょうが、BEVの販売で慎重を期するトヨタの姿勢がここに現れたのではないでしょうか。
 

雪道、公道で試乗した感想

ソルテラのプロトタイプに最初に試乗したのは、正式な発表を前にした2月のことでした。場所は一面の積雪で覆われた群馬サイクルスポーツセンターで、この時は除雪もままならない雪深い中での試乗会となったのです。本来なら寒さに弱いBEV向けとしてこの場所は適切ではないはずです。それにも関わらずこの悪環境が選ばれたのは、BEVであってもしっかり対応できるソルテラの走りを体験して欲しかったという思惑があったのに他なりません。

↑ ET-HS(AWD)。駆動用リチウムイオン電池の総電力量は71.4kWh

 

ソルテラはEV専用プラットフォームが採用されています。フロア下には71.4kWhの大容量リチウムイオンバッテリーが搭載され、そこから生み出される航続距離はFFで530km前後、AWDで460km前後となっています。そして、雪の中で試乗したのはソルテラのAWDでした。前後に80kW/168.5Nmの出力するモーターを配置し、計160kW/337Nmを発揮します。参考までにFF車は150kW/266Nmのモーターが前輪側に配置されます。

 

スペックからすると、さぞかし強力な加速フィールが体感できるかと想像しましたが、意外にも穏やかです。FF車があることから前輪駆動をメインにしているのかと思いきやそうではなく、後輪駆動をメインとした走りとなっていました。アクセルを踏むと後ろから押し出される感覚が伝わってきます。しかし、穏やかな加速ゆえに雪上でも不安感はまるでなし。むしろ、滑りやすい状況下でもコントロールしやすく安定感があり、「これぞスバルのEVなのか!」と思わせるに充分でした。

↑AWDシステムとして、前輪/後輪をそれぞれ80kWのモーターを個別に駆動する新システムを採用した

 

さらにソルテラにはbZ4Xにはないパドルシフトがあります。これはブレーキ回生の強さを変えるためのものとして搭載されましたが、特にデリケートな雪上路では、下り坂でもフットブレーキを使わずに回生を使って減速できるメリットがあります。bZ4Xにも「Sペダルドライブ」が装備されていますが、きめ細かなコントロールとなればソルテラのパドルシフトに軍配が上がると言っていいでしょう。

↑シフトスイッチは押して回すタイプ。操作スイッチの右上には回生ブレーキとして使うSペダルドライブのスイッチがある

 

次にソルテラに試乗したのはそれから4か月が経った6月。今度は一般道と高速道を含めた公道で試乗しました。

↑埼玉県長瀞から都心に向けて少し長めの試乗

 

シートに改めて座ってみると、その着座位置が若干高めであることに気付きます。これはフロアにバッテリーを搭載したことによるものですが、SUVとして考えればこのアイポイントの高さが前方視界の広さをもたらし、これが走行中の安心感も生み出してくれています。メーターはステアリング越しの奥に見通せる仕掛けで、最小限の視線移動で走行情報が得られるというもの。これはこれで近未来的ではありますが、一方で表示内容は意外にも普通で、もう少しハイテク感を伝えて欲しかったようにも思いました。

↑ET-HS(AWD)。ブルーステッチのタン本革シートが標準で備わる

 

↑リアシートにもシートヒーターが備わる。後席の足元には、足を伸ばしてくつろげるほどのスペースが広がっている

 

↑リアシートのヒートスイッチは3段階で調整が可能。スマホなどの充電はUSB-Cタイプ

 

スタート直後にステアリングを切ると軽過ぎず、程良い重さの操舵力が伝わってきました。235/50R20(ET-HS(AWD)の場合)サイズのタイヤを履き、ショックオブソーバーの減衰力を強めにセッティングしているにもかかわらず、低速走行中の道路の段差も上手に丸められており、乗り心地は十分に納得できるレベルです。また、遮音性の高さも優れ、高速道路に入るとその静けさはいっそう際立つことになりました。

 

一方で、加速はBEVにありがちな強烈な加速感はありません。しかし、一般道から高速道までどの領域でも俊敏に反応するのはまさにBEVならではの魅力です。ガソリンエンジン車と比較するのも変な話ですが、トルク感からすればあきらかに3Lを超える大排気量車に匹敵するレベルにあると思いました。重心の低さはコーナリングでも高い接地性を発揮し、しかもステアリングを切ったときの回頭性も良好。パドルシフトによるきめ細かな回生は峠道で程良い減速を発揮し、コントロールがとてもしやすいのが印象的でした。

 

もう少し電動車らしさが欲しかった

ソルテラを試乗して実感したのは、これまでのBEVと比べて走りが電動車然としていないことです。強力な加速感もなければ、回生による強い減速Gもなく、ひたすらマイルドに抑えられていたのです。これならガソリン車から乗り換えても違和感はほとんど感じないで済むでしょう。

 

ただ、モーターの制御次第でもっと電動車らしさを発揮できたはずです。開発陣の話では「ガソリン車からの乗り換えユーザーを想定すると、より自然に体感できる制御の方が適切」と考えたということでした。つまり、ソルテラは意識して電動車らしさを打ち消して開発が行われていたのです。

 

たしかにクルマとしての特性が急激に変化すれば、ユーザーは違和感を感じるかも知れません。ただ、個人的にはスバル初のBEVであるわけで、それならばもっと電動車ならではの特徴を活かしたセッティングでも良かったのではないかとも思いました。クルマとしての仕上がりが素晴らしかっただけに、その辺りは残念に思いました。今後、第二弾、第三弾と次期モデルが登場するに従い、そうした特徴がより前面に出てくるのかもしれません。今後の進化に期待したいですね。

 

SPEC【ET-HS(AWD)】●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm●車両重量:2030kg●モーター:フロント・リヤ交流同期電動機●最大出力:フロント・リヤ80kW/4535-12500rpm●最大トルク:フロント・リヤ169N・m/0-4535rpm●WLTCモード一充電走行距離:487km●WLTCモード交流電力量消費率:148Wh/km

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

走るだけで悪路をデータ化! テスラ車両に道路のスキャン機能が配信される

↑Mike Mareen/Shutterstock.com

 

米テスラの電気自動車に、道路をスキャンし穴などを見つける機能の配信が開始されたと、海外テックメディアのElectrekが報じています。

 

もともと、テスラを率いるイーロン・マスク氏は「将来、テスラのオートパイロット機能は道路の穴を発見し、それを記録して回避するミニマップを作成できるようになる」と語ったことがあります。今回の新機能は、それが部分的に実現したことになります。

 

新しいソフトウェアアップデートに含まれる新機能「Tesla Adaptive Suspension」では、テスラの車両が道路の穴をスキャンし、それにあわせてサスペンションを調整することで、車両へのダメージを回避することができます。機能は新型の「モデルS」や「モデルX」のような、アダプティブ・サスペンションを搭載した車種で利用可能です。

 

さらにリリースノートによれば、「テスラ車両が生成した大まかな道路地図データを車両がダウンロードし、利用状況に応じてさまざまな場所で利用する可能性がある」としています。つまり悪路の情報は、テスラ車両が道路を走行すればするほど、より洗練されていくことが期待されるのです。

 

現時点ではこの悪路のスキャン機能はサスペンションの動作にしか反映されませんが、将来的にはオートパイロットや完全自動運転(FSD)にて、穴などを回避できるようになるかもしれません。ネットワークの力でますます賢くなる、テスラ車の今後の発展に期待です。

 

Source: Electrek

キャンプをバカンスに変えるフランス生まれの人気モデル

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。本稿では専門家を魅了するシトロエン「ベルランゴ」を解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

「フランス車らしい優雅さ」に“ホレ”る

シトロエン

ベルランゴ

335万8000円〜374万9000円

キュートなスタイルと実用的な室内アレンジを融合させた、フランスのエスプリが漂う一台。「マルチアクティビティビークル」をコンセプトに誕生したモデルだけに、アウトドアでの使い勝手はパーフェクトと言える。

SPEC【SHINE XTR PACK】●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm●パワーユニット:1498cc直列4気筒ディーゼル+ターボ●最高出力:130PS(96kw)/3750rpm●最大トルク:30.5kg-m(300Nm)/1750rpm●WLTCモード燃費:18.0km/L

 

↑約90cmの奥行きを誇るラゲッジ。床下にリヤシートを収納すれば1.7mの長尺モノも収納でき、容量は最大2126Lまで拡大する

 

↑エアチュープ構造のフレームを付属のポンプで膨らませる純正タープを用意。完成サイズはW2500×H1800×D2500mmとなる

 

[ココに“ホレ”た!] フランスは商用車もシャレオツであります!

フルゴネットという商用車をベースに開発され使い勝手は良好。「モジェット」と呼ばれるパノラミックガラスルーフとストレージを一体化した開放的なルーフは絶品です。(並木さん)

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

質実剛健な新型ラングラーでアウトドアの王道を突き進め

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。本稿では専門家を魅了するジープ「ラングラー アンリミテッド」を解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

「走破性と醸し出す雰囲気」に“ホレ”る

ジープ

ラングラー アンリミテッド

704万円〜743万円

2018年にJKからJLへと進化を遂げたものの、ラングラーとしての基本スタイルは踏襲。操縦性、安定性、質感を向上させることで先代モデルの不満を解消している。日常と非日常の楽しさを両立できる憧れの存在だ。

SPEC【RUBICON】●全長×全幅×全高:4870×1895×1850mm●パワーユニット:3604ccV型6気筒●最高出力:284PS(209kw)/6400rpm●最大トルク:35.4kg-m(347Nm)/4100rpm●WLTCモード燃費:8.0km/L

 

↑約800mmの奥行きを持つスクエアなラゲッジは荷物を積みやすい。セカンドシートを倒せば2000Lへと容量を拡大できる

 

↑独立したラダーフレームは負荷にも強く、悪路を走行するジープらしい設計。ボディ自体の耐久性も高くなりライフスパンが長くなる

 

[ココに“ホレ”た!] 年式を経ても味が出て一生付き合える良き相棒

ジープのイメージを踏襲し、時代や年式に左右されることなく乗り続けることができるロングライフは大きな魅力。4WDの走破性能が安心感を提供してくれます。(並木さん)

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

家電も使える未来のクルマ電気の力でキャンプを満喫

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。本稿では専門家を魅了する三菱「アウトランダーPHEV」を解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

選ぶならアウトドアで活躍する機能性と個性を重視

猛威を振るうコロナ禍の影響もあり、野外で楽しめる開放的なキャンプが爆発的なブームを迎えている。週末のキャンプ場が満員御礼の状態になっているいま、ほかのキャンパーとはひと味違うクルマを選ぶことで個性を主張するのもオススメだ。

 

しかし、形ばかりのクルマでは意味を成さず、スタイルに伴う性能を備えていなければならない。オートキャンプや車中泊での利便性、遊び道具を満載できる積載性能、悪路の走破力などアウトドアならではの使い勝手は欠かせない。そして、キャンプという非日常だけでなく、日々の暮らしで使える快適性を合わせ持った二面性を備えたクルマを選ぶことも重要なポイントだ。

 

尖り過ぎない実用性と快適性、そしてキャンプ使用で威力を発揮してくれる個性的なクルマ選びこそが、快適なキャンプには大切だ。それに適したモデルを紹介しよう。

 

「現代アウトドアにピッタリなパワーソース」に“ホレ”る

三菱

アウトランダー PHEV

462万1100円〜532万700円

存在感を示すアウトランダー PHEVは、その名の通り、プラグインハイブリッドのメリットを生かした1台だ。バッテリーからは最大1500Wの電気がアウトップットでき、家庭用の電気調理器や暖房器具の使用を可能とする。

SPEC【P】●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm●車両重量:2110kg●パワーユニット:2359cc直列4気筒+ツインモーター●最高出力:133[116/136]PS/5000rpm●最大トルク:19.9[26.0/19.9]kg-m/4300rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L●EV走行換算距離:83km

●[ ]内は電気モーター(前/後)の数値

 

↑フロアコンソールとラゲッジルームの2か所にACコンセントを備え、最大1500Wの電力を供給。ホットプレートや暖房器具も使える

 

↑4輪の駆動力、制動力を最適にコントロールするS-AWC。ツインモーターをと呼ばれる4WD機能が快適かつ安全な走行性能を提供

 

↑開口部の段差をなくした広大なラゲッジスペース。多彩なシートアレンジを可能とし、フラットにすることで荷物を満載できる

 

[ココに“ホレ”た!] 自然にもやさしいPHEVは万一の災害時でも実力発揮

災害時にも威力を発揮するのが大きな魅力。ガソリンが満タン状態なら通常の家庭で、エンジンで発電しながらV2H機器を介して約12日間分の電気を供給可能です!(並木さん)

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

ファミリーキャンプで快適に遊べるクルマはどっちだ!? ミニバン両雄徹底解剖

4〜5人が多いファミリーキャンプは当然荷物も多くなる。そんなとき便利なのはやはりミニバンだ。今年モデルチェンジしたミニバンの代表的モデルを、父親モータージャーナリストがキャンプ目線でチェックした。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がチェックします!

モータージャーナリスト

岡本幸一郎さん

幼い男女二児の父。あらゆるカテゴリーの新型車を幅広く網羅する気鋭の日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

【エントリーNo.1】シンプルなデザインに回帰! 進化したe:HEVにも期待

ホンダ

ステップワゴン

299万8600円〜384万6700円(税込)

誕生から25周年を迎えた今年フルモデルチェンジ。初代のデザインをオマージュした直線的でシンプルなデザインが印象的だ。ホンダ独自のセンタータンクレイアウトから生まれる車内高は圧倒的で、大きな荷物も載せやすい。

●スペックは未発表(4月13日現在)

 

乗り物酔いを起こしにくいインテリアに要注目

ステップワゴンは新型も先代までの「スパーダ」は継続。新たに「エアー」というモデルも加わった。

 

質感が高められたインテリアは、水平基調でノイズレスなデザインとすることで視野を安定させ、乗り物酔いを起こしにくくするという新しい着眼点で設計されている。実は我が家も4歳の娘が乗り物酔いしやすいので、どれぐらい効果があるのか大いに気になるところ。より心おきなく遠出できるようになるなら願ってもないことだ。

 

使い勝手では、出先で広い車内を自在にアレンジできるのがありがたい。従来型で話題となった独自の「わくわくゲート」の採用は見送られたが、床下格納式の3列目シートは踏襲している。このほうが格納したとき側面がスッキリするので、大きくて背の高い荷物を積みやすいというメリットもある。

 

走りについても、進化したe:HEVが遠出でも真価を発揮してくれることに期待したい。

 

[Point 1] 乗員が自由に居場所を選べるシートアレンジ

1列目から3列目まで、それぞれに求められる機能に対応する柔軟なアレンジが可能。広くフラットなスペースを作り出すこともできる。

 

[Point 2] 3列目の乗員にもより快適な居住性を提供

着座位置を高めるとともに、目障りにならないよう前方のシートやヘッドレストの形状を工夫。後席からの開放的な視界を実現している。

 

[Point 3] 床下格納式ならではの便利な使い方ができる

3列目シートを分割して床下に格納可能。格納すると床下は使えなくなるが、側面が空くので背の高い荷物を端に寄せて積むことができる。

 

[Point 4] 右席75mm、左席115mmの中寄せスライドが可能に

2列目シートは左右にもスライド可能。内側と外側で前後スライド量を変えたことで、どの位置でもロングスライドできるようになっている。

 

岡本’s CHECK!

素直になったデザインはより多くの人に受けそう

従来型も完成度は高かったが、クセのあるデザインが賛否両論だった。新型はより多くの人に受け入れられそうなデザインになったので、販売も伸びるはず。本誌発売直後に予定されている試乗の機会が楽しみだ。

※:未試乗なので予想値

 

 

【エントリーNo.2】コンセプトをキープしながら中身を全面的に刷新

トヨタ

ノア

267万円〜389万円(税込)

7人乗り、8人乗りを設定する人気のミニバン。モーターとバッテリーの高効率化を実現した新世代ハイブリッドの設定をはじめ、スマホアプリで駐車を遠隔操作できる機能や、車内Wi-Fiなどの先進装備を満載している。

SPEC【S-Z(ハイブリッド・2WD)】●全長×全幅×全高:4695×1730×1895mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒+電気モーター●最高出力:98PS/5200rpm●最大トルク:14.5kg-m /3600rpm●WLTCモード燃費:23.0km/L

 

最先端技術を積極的に導入し誰にでも使いやすく配慮

新型ノアは全面的に刷新。プラットフォームにTNGAが採用され、ハイブリッドシステムも新しくなり、走行性能が大きく向上した。待望のE-Fourを選べるのも、未舗装路を走る機会のあるハイブリッド派にとって朗報だ。

 

さらに先進運転支援装備もこれ以上ないほど充実した。一定条件下でのハンズオフ走行を可能とした「アドバンスドドライブ」もノアの目玉だ。遠出する際にもドライバーの負荷を軽減してくれる。

 

使い勝手においても、よくぞここまで配慮したものだと感心する。3列目シートはワンタッチで跳ね上げられるようになったほか、バックドアには任意の角度で保持できるよう進化。パワーバックドア装着車ではスイッチをドアではなく車体両側の後端に設置したおかげで、より使いやすくなった。キャンプに出かけて大きな道具を積み下ろしする際などに、ありがたみを実感できるはずだ。

 

[Point 1] ボディ骨格の最適化で広い室内空間を実現

左右のCピラー間距離が従来に比べて75mmも拡大した。1400mmを超える室内高と相まって、室内空間は広々としており開放感バツグンだ。

 

[Point 2] 運転席からの視界は良好でストレスフリー

ピラーやダッシュボードまわりの形状の工夫で運転席からの視界は非常に良好。インテリアの質感や各部の使い勝手も大きく向上している。

 

[Point 3] 2列目シートのために快適装備をクラス初採用

2WDの7人乗りの2列目キャプテンシートにオットマン機構とシートヒーターを採用。超ロングスライド機構はより使いやすく進化。

 

[Point 4] インフォテインメント系やハイテク装備も大幅進化

スマホ操作で駐車および出庫できるリモート機能をハイブリッド車に設定。狭い枠に駐車したいときでも車外から操作できる。

 

岡本’s CHECK!

人が乗降しやすく荷物の積載もラクラク

パワースライドドア設定車は助手席側のユニバーサルステップを搭載。子どもや高齢者でも乗降しやすい。室内高は最大1405mmを実現し、背の高い荷物も積みやすく、キャンプなどで多くなる荷物にも十分対応する。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

360度ドラレコの“あの弱点”を克服! 3カメラ搭載の高解像度ドラレコ「DC4000R」

昨今のライフスタイルに適した生活家電や、トレンドのデジタルガジェット・AV機器など注目のアイテムを、各ジャンルに精通するプロがレコメンド。いま何を買うべきか、迷った際の指針にしてほしい!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ドラレコは360度+αがオススメ

煽り運転トラブルがメディアで取りざたされて以来、関心が高まっているのがドライブレコーダー(以下、ドラレコ)。カーITジャーナリストの会田さんは、従来の360度タイプの弱点を克服したモデルに注目している。

 

360度ドラレコの弱点を克服し映像収集能力で比肩するものなし

カーメイト

ダクション 360D DC4000R

実売価格5万5550円

全天周360度カメラを含む3カメラを搭載したドライブレコーダー。フロントにはオンセミ製、リアカメラにはソニー製の高性能センサーを採用し、夜間撮影も鮮明だ。別売りのオプションと接続すれば駐車中も最大48時間監視でき、トラブル時も安心。

SPEC●モニターサイズ:2.7インチ●撮影画角(フロント/360/リア):水平96×垂直50度、対角119度/水平360×垂直190度/水平131×垂直75度、対角155度●STARVIS:搭載
(リア)●サイズ/質量:W122×H92×D47mm/206g(メイン)

 

私が激推しします!

カーITジャーナリスト

会田 肇さん

自動車雑誌の編集を経てフリーに。カーナビやドライブレコーダーのほか、自動運転技術などにも詳しい。

「高画質な360度ドラレコとして誕生した同シリーズの、第3世代モデル。従来の360度カメラでは解像度不足がネックでしたが、本機は全天周カメラに加え、画角を狭めたフロントカメラが先行車のナンバー読み取り精度を補強します。360度ドラレコの弱点を徹底的に排除して完成させており、信頼性は抜群。映像データの収集能力では、コレの右に出るものはない、とさえ思えます。画質も素晴らしく、走行中の状況を漏れなく捉えます。もしものときの安心につながる各種機能も充実。GPSの位置情報記録機能を備え、データの信頼性を担保します。後から明るさ調整やぼかし処理が行えるPCビューワーも、正確な状況把握を助けます」(会田さん)

 

↑必要十分な2.7インチの液晶を搭載。操作ボタンを4つに絞り、幅広い年代が直感的に操作できるよう配慮した

 

↑役割の異なる3つのカメラが全域をカバー。車両の前後はナンバープレートまでも高画質で記録し、車内や側面は全天周カメラが切れ目なく録画する

 

コンセプトをキープしながら中身を全面的に刷新したトヨタ新型「ノア」

4〜5人が多いファミリーキャンプは当然荷物も多くなる。そんなとき便利なのはやはりミニバンだ。今年モデルチェンジしたミニバンの代表的モデルのひとつトヨタ「ノア」を、父親モータージャーナリストがキャンプ目線でチェックした。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がチェックします!

モータージャーナリスト

岡本幸一郎さん

幼い男女二児の父。あらゆるカテゴリーの新型車を幅広く網羅する気鋭の日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

最先端技術を積極的に導入し誰にでも使いやすく配慮

トヨタ

ノア

267万円〜389万円(税込)

7人乗り、8人乗りを設定する人気のミニバン。モーターとバッテリーの高効率化を実現した新世代ハイブリッドの設定をはじめ、スマホアプリで駐車を遠隔操作できる機能や、車内Wi-Fiなどの先進装備を満載している。

SPEC【S-Z(ハイブリッド・2WD)】●全長×全幅×全高:4695×1730×1895mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒+電気モーター●最高出力:98PS/5200rpm●最大トルク:14.5kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:23.0km/L

 

新型ノアは全面的に刷新。プラットフォームにTNGAが採用され、ハイブリッドシステムも新しくなり、走行性能が大きく向上した。待望のE-Fourを選べるのも、未舗装路を走る機会のあるハイブリッド派にとって朗報だ。

 

さらに先進運転支援装備もこれ以上ないほど充実した。一定条件下でのハンズオフ走行を可能とした「アドバンスドドライブ」もノアの目玉だ。遠出する際にもドライバーの負荷を軽減してくれる。

 

使い勝手においても、よくぞここまで配慮したものだと感心する。3列目シートはワンタッチで跳ね上げられるようになったほか、バックドアには任意の角度で保持できるよう進化。パワーバックドア装着車ではスイッチをドアではなく車体両側の後端に設置したおかげで、より使いやすくなった。キャンプに出かけて大きな道具を積み下ろしする際などに、ありがたみを実感できるはずだ。

 

[Point 1] ボディ骨格の最適化で広い室内空間を実現

左右のCピラー間距離が従来に比べて75mmも拡大した。1400mmを超える室内高と相まって、室内空間は広々としており開放感バツグンだ。

 

[Point 2] 運転席からの視界は良好でストレスフリー

ピラーやダッシュボードまわりの形状の工夫で運転席からの視界は非常に良好。インテリアの質感や各部の使い勝手も大きく向上している。

 

[Point 3] 2列目シートのために快適装備をクラス初採用

2WDの7人乗りの2列目キャプテンシートにオットマン機構とシートヒーターを採用。超ロングスライド機構はより使いやすく進化。

 

[Point 4] インフォテインメント系やハイテク装備も大幅進化

スマホ操作で駐車および出庫できるリモート機能をハイブリッド車に設定。狭い枠に駐車したいときでも車外から操作できる。

 

岡本’s CHECK!

人が乗降しやすく荷物の積載もラクラク

パワースライドドア設定車は助手席側のユニバーサルステップを搭載。子どもや高齢者でも乗降しやすい。室内高は最大1405mmを実現し、背の高い荷物も積みやすく、キャンプなどで多くなる荷物にも十分対応する。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

ホンダ「ステップ ワゴン」はシンプルなデザインに回帰! 進化したe:HEVにも期待

4〜5人が多いファミリーキャンプは当然荷物も多くなる。そんなとき便利なのはやはりミニバンだ。今年モデルチェンジしたミニバンの代表的モデルのひとつホンダ「ステップ ワゴン」を、父親モータージャーナリストがキャンプ目線でチェックした。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がチェックします!

モータージャーナリスト

岡本幸一郎さん

幼い男女二児の父。あらゆるカテゴリーの新型車を幅広く網羅する気鋭の日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

乗り物酔いを起こしにくいインテリアに要注目

ホンダ

ステップ ワゴン

299万8600円〜384万6700円(税込)

誕生から25周年を迎えた今年フルモデルチェンジ。初代のデザインをオマージュした直線的でシンプルなデザインが印象的だ。ホンダ独自のセンタータンクレイアウトから生まれる車内高は圧倒的で、大きな荷物も載せやすい。

●スペックは未発表(4月13日現在)

 

ステップ ワゴンは新型も先代までの「スパーダ」を継続。新たに「エアー」というモデルも加わった。

 

質感が高められたインテリアは、水平基調でノイズレスなデザインとすることで視野を安定させ、乗り物酔いを起こしにくくするという新しい着眼点で設計されている。実は我が家も4歳の娘が乗り物酔いしやすいので、どれぐらい効果があるのか大いに気になるところ。より心おきなく遠出できるようになるなら願ってもないことだ。

 

使い勝手では、出先で広い車内を自在にアレンジできるのがありがたい。従来型で話題となった独自の「わくわくゲート」の採用は見送られたが、床下格納式の3列目シートは踏襲している。このほうが格納したとき側面がスッキリするので、大きくて背の高い荷物を積みやすいというメリットもある。

 

走りについても、進化したe:HEVが遠出でも真価を発揮してくれることに期待したい。

 

[Point 1] 乗員が自由に居場所を選べるシートアレンジ

1列目から3列目まで、それぞれに求められる機能に対応する柔軟なアレンジが可能。広くフラットなスペースを作り出すこともできる。

 

[Point 2] 3列目の乗員にもより快適な居住性を提供

着座位置を高めるとともに、目障りにならないよう前方のシートやヘッドレストの形状を工夫。後席からの開放的な視界を実現している。

 

[Point 3] 床下格納式ならではの便利な使い方ができる

3列目シートを分割して床下に格納可能。格納すると床下は使えなくなるが、側面が空くので背の高い荷物を端に寄せて積むことができる。

 

[Point 4] 右席75mm、左席115mmの中寄せスライドが可能に

2列目シートは左右にもスライド可能。内側と外側で前後スライド量を変えたことで、どの位置でもロングスライドできるようになっている。

 

岡本’s CHECK!

素直になったデザインはより多くの人に受けそう

従来型も完成度は高かったが、クセのあるデザインが賛否両論だった。新型はより多くの人に受け入れられそうなデザインになったので、販売も伸びるはず。本誌発売直後に予定されている試乗の機会が楽しみだ。

※:未試乗なので予想値

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

「アウトドアでもインドアライフ」を実現!? 移動も宿泊も自由自在なキャンピングカーの魅力をオーナーに聞いた

キャンピングカーが活況だ。思い立ったときに、どこにでも出かけられる。そして好きな場所で車中泊できるのが大きな魅力だ。キャンピングカーを購入し、アウトドアライフを満喫しているオーナーに話を聞いた。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

Owner’s Profile

高山健司さん

会社勤務のかたわら、犬の足が空中に浮いている状態を撮影する「飛行犬写真家」として活動。関東地方を中心に飛行犬の撮影会を実施している。焦点距離300mm、f2.8が愛用レンズ。

 

↑愛犬がイキイキと走り、空中に浮いている写真を撮影する飛行犬撮影会を実施中。開催予定は公式HPに掲載されているのでぜひご参加を! http://www.hikoken-tochigi.com/

 

すぐに出かけられてアウトドアでも“インドアライフ”を楽しめる!

日本特種ボディー

Be-Cam 1.5tモデル SAKURA

いすゞエルフをベース車両として、居住空間を積載したキャンピングカー。高山さんが購入当時は積載量1.5tだったが、現在では積載量2tのモデルのみになっている。購入時の価格は約1000万円。「愛犬たち(れあちゃん、11か月、写真左/レイちゃん、5か月、写真右)もキャンピングカーがお気に入りです」(高山さん)

 

↑「運転もしやすいですよ!」(高山さん)

 

外でBBQを楽しんだあとはクルマに戻りインドアライフ

学生時代にバイクでツーリングをしていたときから、キャンピングカーに憧れていた高山さんがキャンピングカーを購入したきっかけは、犬を飼い始めたこと。愛犬と色々な場所へ旅をしたかったという。

 

「この時期(3月下旬に取材)でもクルマに犬を置いていくとなると窓を開けておかなくちゃならない。購入した理由としては、人も犬も快適に過ごせる移動空間が欲しかったからです」(高山さん)

 

キャンピングカー、さらにトラックをベースとして居住空間を積載する“キャブコン”タイプにグレードアップ。普段と変わらない生活が送りたいと考えたためだ。

 

「以前はトヨタ・ハイエースの後部にベッドを設置して旅をしていたのですが、やはり自由度はキャブコンタイプのほうが上。いまでは外でBBQを楽しんだあと、このクルマに戻って普通にインドアライフを送れる。人も犬もゆっくり過ごせます」(高山さん)

 

キャンピングカーの魅力を聞いた。

 

「思い立ったときに出かけて、好きな場所に行ける。途中で行き先変更も自由。停められるスペースさえあれば、車中泊だってできます。GWや夏休みには北海道や九州にも行きます。犬と一緒に安心して長旅に出かけられるのもキャンピングカーがあるから。もっと旅を楽しみたいですね」(高山さん)

 

 

高山さんこだわりのポイントはココ!

[Point 1] 家庭用エアコン装備で夏も冬も快適空間!

入口上に取り付けられたエアコンは家庭用のもの。人も犬も車内で快適に過ごすためには欠かせない存在だという。電子レンジやテレビも備え、自宅と変わらない生活が送れる。

 

[Point 2] バッテリーは鉛からリチウムイオンに換装

高山さんが特にこだわったのが使用電力を賄うバッテリー。リチウムイオンに交換したことで、丸2日エンジンをかけなくてもエアコンが運転できるそうだ。費用は50万円弱。

 

[Point 3] 敷いたまま収納できるバンクベッドは特注品

もうひとつのこだわりがベッド。通常は運転する際に敷いていた布団を片付けてベッドを収納しなければならないが、オーダーして布団を敷いたままでも跳ね上げればOKな仕様に。

 

[Point 4] 荷物が多いとき活躍するリアキャリアを用意

飛行犬撮影会実施時や、長期のドライブの際に取り付けるリアキャリア。夫婦と愛犬2頭なので車内に余裕はあるが、それでも収まらなければ雨に濡れても平気なアイテムを積載する。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

同じSUVでも性能は対照的! ジープ「グランドチェロキー L」、トヨタ「bZ4X」の乗り味を検証

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」でピックアップするのは、プレミアムSUVの草分け的存在であるジープ「グランドチェロキー」の新型と、トヨタ初の本格ピュアEVとなる「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」のプロトタイプ。どちらもカテゴリー的にはSUVに分類できるが、その中身はパワーユニットと同じく対照的だ。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】3列シート採用で一層“使える”高級SUVに!

SUV

ジープ

グランドチェロキー L

SPEC【サミットリザーブ】●全長×全幅×全高:5200×1980×1795mm●車両重量:2250kg●パワーユニット:3604ccV型6気筒DOHC●最高出力:286PS/6400rpm●最大トルク:35.1kg-m/4000rpm●WLTCモード燃費:非公表

 

注目の3列目シートは大人でも十分の広さを確保

日本でのジープ販売は、このところずっと右肩上がり。その旗艦であるグランドチェロキーが、10年ぶりにモデルチェンジした。導入されたのは、新設定となる3列シート仕様の「L」だ。その外観は、存在感があり堂々たるもの。また、上質な素材や数々の豪華装備が投入された室内も高級SUVとしてひと際目を引く出来栄えだ。

 

気になるサードシートは、広いとは言えないまでも成人男性でも座れるスペースを確保。高めに設定された着座位置もあって見晴らしも良い。さらに大柄な車体の恩恵で、3列目使用時でも結構な量の荷物が積める点も助かる点だ。

 

いまや貴重な自然吸気の3.6LV6ガソリンエンジンは扱いやすく、上質な吹け上がりを披露。ジープらしく悪路走行をアシストする装備も満載している。これまでが安かったためか、新型は価格がグッと高くなった印象を受けるが、中身はそれ以上に充実。なおかつ高級SUVとして洗練されたことは強調しておきたい。

 

[Point 1]ATセレクターにはジープ初の機構を採用

ATセレクターには、ジープ初となるダイヤル式のロータリーセレクトを採用。上質な仕立てとなる室内は、新しさの演出も十分だ。セカンドシートは写真の2人掛けのほか(サミットリザーブ)、3人掛けも選べる(リミテッド)。

 

[Point 2]走りは扱いやすく、なおかつ上質

日本仕様のパワーユニットは、いまのとろ3.6LのV6ガソリンのみ。全長が5mを超える堂々たるボディとの組み合わせながら、必要十分な動力性能を発揮し、上質感を披露してくれる。

 

[Point 3]サイズに相応しい大容量を確保

荷室は、3列目シート使用時でも実用的な広さを確保。写真は3列目をたたんだ状態だが、2列目までたためば容量は最大で2400Lまで拡大する。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

リミテッド:3.6L/4WD/8速AT/788万円

サミットリザーブ:3.6L/4WD/8速AT/999万円

 

 

【その2】その性能は、すでにピュアEVの最前線!

プロトタイプ

トヨタ

bZ4X

SPEC【4WD】●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm●車両重量:2005kg〜●パワーユニット:電気モーター(交流同期電動機)×2●バッテリー総電力量:71.4kWh●最高出力:218㎰(システムトータル)●一充電最大航続距離:460km前後

 

4WDモデルでは緻密な駆動制御も実感できる!

bZ4Xは、間もなく日本でもリリースが始まる(※)トヨタ初の本格ピュアEVだ。ボディはRAV4より全長が長く、若干ながら幅広く、そして背が低いという適度なボリューム。ご覧のように、外観はSUVらしさとクーペ的な風情がミックスされたスタイリッシュな仕上がりとなっている。

 

EVとしてのパワートレインは、フロントモーターのみの2WDと、リアにもコンパクトなモーターを追加した4WDの2種。組み合わせるリチウムイオンバッテリーは、総電力量71.4kWhで1充電当たりの最大航続距離は460km前後。つまり、最新のピュアEVらしく実用性は十分というわけだ。

 

今回はサーキット限定の試乗だったが、走りはナチュラル志向の味付けであることが確認できた。もちろん、静粛性の高さや加速の滑らかさ、そして強固なボディの剛性感といったEVらしい美点はしっかり実感できるが、それ以上に印象的だったのはアクセル操作に対する反応が自然に仕上げられていること。加えて、前後の駆動配分を緻密に制御する4WDモデルでは、車重を意識させない操舵性の良さも好印象だった。製品としての完成度はすでにハイレベルだ。新作が相次ぐEV界にあって、リリースが楽しみなモデルであることは間違いない。

※:5月12日より申込受付を開始した。法人の場合は法人専用リースでの提供、個人契約の場合はサブスク(フルサービスリース)の「KINTO」での提供となる

 

[Point 1]「ステアバイワイヤ」を採用

ステアリングとタイヤが機械的に繋がらない、完全電子制御の「ステアバイワイヤ」はステアリング形状(下写真)にも注目。日本でも、発売以降に追加設定の予定とか(当初は中国向けのみ)。

 

[Point 2]すべての座席で平等な居心地を実現?

バッテリーを床下に収める関係上、着座位置に対して床面が高い感もあるが広さ自体は前後席ともに十分以上。全席に同じ価値を等しく提供する空間に仕上げた、とはトヨタの弁。

 

[Point 3]外観はSUVらしさとクーペテイストが融合

外観はSUVの力強さとクーペのスポーティなテイストが融合した仕立て。兄弟車となるスバル・ソルテラとは、フロントマスクを中心とした細部のデザインで差別化が図られる。

 

[Point 4]SUVに期待される実用性も確保する

グラスエリアをコンパクトにまとめたボディ形状ながら、ラゲッジスペースは床面の広さがそれをフォロー。SUVとして満足できる使い勝手が実現している。

 

[Point 5]システム出力は2WDと4WDでほぼ同等

システム出力は、フロントモーターのみの2WDが204PS。リアにもモーターを積む4WDは218PSと極端な差はないが、車重は後者が85kg重いのが特徴だ。

 

文/岡本幸一郎、小野泰治 撮影/郡 大二郎、宮越隆政

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

おめでとう「コペン」! 上質がキーワードの20周年記念特別仕様車を発表!!

ダイハツの軽オープンスポーツカー「COPEN(コペン)」は、2022年6月で2002年の初代「コペン」発売から20年を迎えました。それを記念して「コペン20周年記念特別仕様車」が登場。2022年9月に発売予定です。

↑コペン20周年記念特別仕様車(COPEN 20th Anniversary Edition)

 

みんなに愛されて20周年!

初代「コペン」は、誰もが気軽に楽しめる本格的オープン・スポーツカーとして開発され、ユニークな外観デザインや電動開閉式ルーフ(アクティブトップ)などの高い商品性と「持つ悦び、操る楽しさ」という新しい価値観が好評で、今もなお幅広いユーザーに愛されています。

 

2014年に発売した2代目では、コペンの象徴ともいえる電動式開閉ルーフは継承しつつ、新骨格構造 「D-Frame」、内外装着脱構造「DRESS―FORMATION」の採用により「感動の走行性能」と「自分らしさを表現できるクルマ」を実現しました。「Robe(ローブ)」、「XPLAY(エクスプレイ)」に加え、2015年に「Cero(セロ)」、2019年には第4のモデルとして「GR SPORT(ジーアール スポーツ)」を発売してきました。

 

コペン20周年記念特別仕様車は、丸目のヘッドランプが初代を想起させる「セロ」をベースに、全8色のボディカラーを用意。トランスミッションは5MTとCVTが選べます。

↑写真の「ブリティッシュグリーンマイカ」はヨーロッパ車を思わせるカラーリング

 

1台1台職人が手作りでつくりあげるコペンの上質さを際立たせる特別装備として、本革製のスポーツシートを採用。自然の中で美しく映える、アイボリーの内装色とシートのコーディネートに加え、20周年の記念エンブレムとシリアルナンバー入りのスカッフプレートで特別感を演出しています

↑アイボリーホワイトの上質な本革シート

 

このほかにも、MOMO製本革巻きステアリング、本革巻きシフトノブ、アイボリーインパネガーニッシュ、3眼メーターなどの専用内装や、外装にもブラック加飾のヘッドランプ、メッキアウターハンドルなど、特別感を高める装備を採用。気になる実車は6月26日まで「コペンローカルベース鎌倉」にて展示中。

↑スポーティな味付けをプラスするMOMO製本革巻きステアリング

 

↑初代コペンのロゴマークを使用

 

今回、20周年を記念して2代目として初となるTVCMの放映を開始するとともに、スペシャルサイトにて、これまでのコペンの歩みと特別仕様車の情報を公開します。この20周年記念特別仕様車は、1000台限定生産で、2022年6月20日より全国一斉に先行受注を開始。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

トヨタ「bZ4X」の性能は、すでにピュアEVの最前線!

今回は、トヨタ初の本格ピュアEVとなる「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」のプロトタイプ。ミドルサイズのSUV型BEVの中身はどうなのでしょうか。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

4WDモデルでは緻密な駆動制御も実感できる!

プロトタイプ

トヨタ

bZ4X

SPEC【4WD】●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm●車両重量:2005kg〜●パワーユニット:電気モーター(交流同期電動機)×2●バッテリー総電力量:71.4kWh●最高出力:218㎰(システムトータル)●一充電最大航続距離:460km前後

 

bZ4Xは、間もなく日本でもリリースが始まる(※)トヨタ初の本格ピュアEVだ。ボディはRAV4より全長が長く、若干ながら幅広く、そして背が低いという適度なボリューム。ご覧のように、外観はSUVらしさとクーペ的な風情がミックスされたスタイリッシュな仕上がりとなっている。

 

EVとしてのパワートレインは、フロントモーターのみの2WDと、リアにもコンパクトなモーターを追加した4WDの2種。組み合わせるリチウムイオンバッテリーは、総電力量71.4kWhで1充電当たりの最大航続距離は460km前後。つまり、最新のピュアEVらしく実用性は十分というわけだ。

 

今回はサーキット限定の試乗だったが、走りはナチュラル志向の味付けであることが確認できた。もちろん、静粛性の高さや加速の滑らかさ、そして強固なボディの剛性感といったEVらしい美点はしっかり実感できるが、それ以上に印象的だったのはアクセル操作に対する反応が自然に仕上げられていること。加えて、前後の駆動配分を緻密に制御する4WDモデルでは、車重を意識させない操舵性の良さも好印象だった。製品としての完成度はすでにハイレベルだ。新作が相次ぐEV界にあって、リリースが楽しみなモデルであることは間違いない。

※:5月12日より申込受付を開始した。法人の場合は法人専用リースでの提供、個人契約の場合はサブスク(フルサービスリース)の「KINTO」での提供となる

 

[Point 1]「ステアバイワイヤ」を採用

ステアリングとタイヤが機械的に繋がらない、完全電子制御の「ステアバイワイヤ」はステアリング形状(下写真)にも注目。日本でも、発売以降に追加設定の予定とか(当初は中国向けのみ)。

 

[Point 2]すべての座席で平等な居心地を実現?

バッテリーを床下に収める関係上、着座位置に対して床面が高い感もあるが広さ自体は前後席ともに十分以上。全席に同じ価値を等しく提供する空間に仕上げた、とはトヨタの弁。

 

[Point 3]外観はSUVらしさとクーペテイストが融合

外観はSUVの力強さとクーペのスポーティなテイストが融合した仕立て。兄弟車となるスバル・ソルテラとは、フロントマスクを中心とした細部のデザインで差別化が図られる。

 

[Point 4]SUVに期待される実用性も確保する

グラスエリアをコンパクトにまとめたボディ形状ながら、ラゲッジスペースは床面の広さがそれをフォロー。SUVとして満足できる使い勝手が実現している。

 

[Point 5]システム出力は2WDと4WDでほぼ同等

システム出力は、フロントモーターのみの2WDが204PS。リアにもモーターを積む4WDは218PSと極端な差はないが、車重は後者が85kg重いのが特徴だ。

 

文/小野泰治 撮影/宮越隆政

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

3列シート採用で一層“使える”高級SUV、ジープ「グランドチェロキー L」!

今回は、プレミアムSUVの草分け的存在であるジープ・グランドチェロキーの新型に試乗。10年ぶりにモデルチェンジし、最大のポイントの3列シートSUVはいかに!?

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

注目の3列目シートは大人でも十分の広さを確保

SUV

ジープ

グランドチェロキー L

SPEC【サミットリザーブ】●全長×全幅×全高:5200×1980×1795mm●車両重量:2250kg●パワーユニット:3604ccV型6気筒DOHC●最高出力:286PS/6400rpm●最大トルク:35.1kg-m/4000rpm●WLTCモード燃費:非公表

 

日本でのジープ販売は、このところずっと右肩上がり。その旗艦であるグランドチェロキーが、10年ぶりにモデルチェンジした。導入されたのは、新設定となる3列シート仕様の「L」だ。その外観は、存在感があり堂々たるもの。また、上質な素材や数々の豪華装備が投入された室内も高級SUVとしてひと際目を引く出来栄えだ。

 

気になるサードシートは、広いとは言えないまでも成人男性でも座れるスペースを確保。高めに設定された着座位置もあって見晴らしも良い。さらに大柄な車体の恩恵で、3列目使用時でも結構な量の荷物が積める点も助かる点だ。

 

いまや貴重な自然吸気の3.6LV6ガソリンエンジンは扱いやすく、上質な吹け上がりを披露。ジープらしく悪路走行をアシストする装備も満載している。これまでが安かったためか、新型は価格がグッと高くなった印象を受けるが、中身はそれ以上に充実。なおかつ高級SUVとして洗練されたことは強調しておきたい。

 

[Point 1]ATセレクターにはジープ初の機構を採用

ATセレクターには、ジープ初となるダイヤル式のロータリーセレクトを採用。上質な仕立てとなる室内は、新しさの演出も十分だ。セカンドシートは写真の2人掛けのほか(サミットリザーブ)、3人掛けも選べる(リミテッド)。

 

[Point 2]走りは扱いやすく、なおかつ上質

日本仕様のパワーユニットは、いまのとろ3.6LのV6ガソリンのみ。全長が5mを超える堂々たるボディとの組み合わせながら、必要十分な動力性能を発揮し、上質感を披露してくれる。

 

[Point 3]サイズに相応しい大容量を確保

荷室は、3列目シート使用時でも実用的な広さを確保。写真は3列目をたたんだ状態だが、2列目までたためば容量は最大で2400Lまで拡大する。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

リミテッド:3.6L/4WD/8速AT/788万円

サミットリザーブ:3.6L/4WD/8速AT/999万円

 

文/岡本幸一郎 撮影/郡 大二郎

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

フロントグリルのようなパーツに仕掛けアリ! BMWのEVフラッグシップモデル「iX」を細部までチェック

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、古くからEVを販売してきたBMWが昨年末に発売したEVのフラッグシップモデル、iXを取り上げる。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】BMW/iX

SPEC【xDrive50】●全長×全幅×全高:4955×1965×1695mm●車両重量:2530kg●パワーユニット:モーター●最高出力:313PS(230kW)/8000rpm●最大トルク:40.7kg-m/5000rpm●WLTCモード一充電走行距離:650km

1070万円〜1280万円(税込)

 

世界最大級のバッテリーを搭載したゴージャスな1台だが、電費の伸びはイマイチ

安ド「殿! BMWの最新のEVを借りてきました! iX xDrive50です!」

 

永福「バッテリー容量111.5kWh。世界最大級だな」

 

安ド「世界最大級ですか! だから航続可能距離が650kmもあるんですね!」

 

永福「そのはずだが、私が200kmほど試乗した計算では、航続距離は450kmくらいという計算になった」

 

安ド「えっ!」

 

永福「それもバッテリーを使い切っての話だから、実質的には400kmくらいだ」

 

安ド「ずいぶん差がありますね!」

 

永福「あまりにも大きなバッテリーを積んでいるので、車両重量が2.5tに達しているのも原因だろう。加えて空気抵抗が大きいSUVタイプなので、高速巡行でも電費が伸びなかった」

 

安ド「エアコンを使ったからでしょうか?」

 

永福「私もそう思って消してみたが、考えてみたらこんなゼイタクなクルマに乗っていて、エアコンをケチるというのはどうなのかと思い直し、使うことにした」

 

安ド「言われてみれば……」

 

永福「世界最大級のバッテリーを積んだ、1300万円もするEVだ。エアコンをケチったりする必要がないように、というコンセプトのはずだろう」

 

安ド「豪邸に住んでいて電気代を節約するのは違和感がありますね!」

 

永福「つまり、豪邸という時点で、エコではないのだ」

 

安ド「言われてみれば……」

 

永福「こういうゴージャスなEVにも、エコだエコだと言って補助金を出すのはいかがなものか」

 

安ド「同感です! 補助金は僕のような貧乏人に出してほしいです!」

 

永福「お前が貧乏なのは浪費癖が原因だろう」

 

安ド「その通りです!」

 

永福「テスラのモデル3ロングレンジAWDなら、バッテリー容量79.5kWhで、もうちょっと長い距離を走れるぞ」

 

安ド「電費が良いんですね!」

 

永福「車両重量は1.8t。空気抵抗も小さいからな。テスラ モデル3がEVとして世界一売れている理由がよくわかる。しかもテスラは、世界じゅうに独自の充電ネットワークを設置している」

 

安ド「BMWはやってないんですか?」

 

永福「BMWディーラーにすら、急速充電器がほとんどない。これから整備するのかもしれないが、現状、国産メーカーのディーラーで充電しなければならない」

 

安ド「でも、このクルマで日産や三菱のディーラーに乗り付ければ、威張れそうですね!」

 

永福「私が三菱のディーラーで充電したときは、ほとんど無視だった。一方、レクサスのディーラーは大歓迎してくれた」

 

安ド「……なんとなく想像が付きます!」

 

永福「想像以上だった」

 

【GOD PARTS 1】ディスプレイ

ゆるやかな曲線を描く超大型ディスプレイ

インパネには「カーブド・ディスプレイ」と呼ばれる横長の曲面ディスプレイがあるだけで、開放感にあふれています。全情報がこのディスプレイに表示される仕組みですが、庶民としては、故障時の修理費用が高そうと考えてしまいます。

 

【GOD PARTS 2】センターコンソール

木目と組み合わされたキラキラ系コントローラー

「フローティング・センターコンソール」と呼ばれる運転席と助手席の間にあるひじ置き先端部に、操作スイッチが集中しています。BMWおなじみのiDriveコントローラーなどはクリスタル仕立てで、木目との奇妙な組み合わせが不思議です。

 

【GOD PARTS 3】リアシート

足元もフラットなゆったり快適空間

SUVらしく後席スペースは広く、赤茶色の上質な本革が採用されていて、豪華な空間になっています。BMWといえばFR(フロントエンジン・リア駆動)で足元に膨らみがあったものですが、iXにはそれもないので足元もゆったりしています。

 

【GOD PARTS 4】クリスタルフィニッシュ

キラキラ系のデザインアイコン

シート位置の調整つまみがドアに付いており、ここにもクリスタルのパーツが採用されています。運転者が決まっていれば頻繁に操作する部分ではないので、見栄え重視の設計なのでしょう。好みかどうかは別ですが……。

 

【GOD PARTS 5】ドアボタン

ワンボタンで開くが隠しドアノブもあり

ドアは未来のクルマっぽく、ボタンで開ける電子式になっています。押すと「ガチャッ」と少し開くので、あとは普通のクルマと同じようにドアを押して開けます。一度やってみれば怖いことはないのですが、電気が切れたときのことを考えてか(?)、ドアの下のほうには隠しドアノブも付いています。

 

【GOD PARTS 6】ゴールド加飾

豪華な雰囲気をさらに演出

ステアリングやインパネ中央の水平ラインなど、あちこちにゴールドのパネルが採用されています。ゴールドといえば高級感を演出する手法かもしれませんが、なんだか従来のBMWのイメージとは違うような気もします。

 

【GOD PARTS 7】カーボン素材

重量を下げるための軽量素材

大型バッテリーを搭載すると車体が重くなってしまいますが、iXではボディ素材に軽量かつ高剛性なカーボン素材を採用して軽量化を狙っているようです。バッテリーの重量を考えると焼け石に水でしょうけど。

 

【GOD PARTS 8】充電シーン

短時間で充電できる急速充電器が欲しい

EVに乗っていて一番気になるのは、出かけた先に急速充電器があるか否か。日産や三菱などのディーラーには置いてあることが多いのですが、BMWディーラーにはまだほとんど急速充電器は置いてないようです。インフラは重要ですね。

 

【GOD PARTS 9】ラゲッジスペース

広くて奥行きもあるので様々なシーンで活躍

最新SUVらしく大きなスペースが確保されていて、日常使用だけでなく、休日のアウトドアでも活躍することでしょう。ただハッチを開けた際、両脇に大きめな面積のボディ断面がむき出しになります。ココは未来っぽくありません。

 

【これぞ感動の細部だ!】キドニー・グリル

グリルのようでグリルでない

グリルは本来、エンジンルームへ空気を送るためにありますが、このiXのグリルには穴がありません。BMWのデザインアイコンである2つの大型グリルのように見せて、実はクリアパーツの裏側にはカメラやレーダーなど、センサー系メカニズムを搭載しているのです。さらにこの部分にはヒーター機能もあって、雪などでセンサー機能が妨げられないようになっています。

 

撮影/我妻慶一

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

どれもハイレベルな完成度! ボディタイプの異なる新車3モデルに試し乗り

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」でピックアップするのはトヨタの新型「ノア/ヴォクシー」とBMWのピュアEVである「iX3」、そして新型フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」の3モデル。ミニバンにSUV、ハッチバックとボディタイプは異なるが、どれも人気モデルだけに完成度はハイレベルだ。

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】まさに横綱相撲! 使い勝手は究極の域に到達

SUV

トヨタ

ノア/ヴォクシー

SPEC【ヴォクシーS-Z(ハイブリッド2WD)】●全長×全幅×全高:4695×1730×1895mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:98[95]PS/5200rpm●最大トルク:14.5[18.9]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:23.0km/L

●[ ]内は電気モーターの数値

 

走りの面でオススメなのは最新世代のハイブリッド仕様

新型ノア/ヴォクシーは基本骨格を一新し、運転支援システムも最新モデルに相応しい充実ぶりを誇る。だが、実車に接してとりわけ印象的だったのは使い勝手に配慮した作り込みの徹底ぶりだ。パノラミックと表現したくなる前席の視界の良さや、電動スライドドアに装備できる機械式サイドステップ、そして開口位置を選べるバックドアなど、実用性に優れた細やかな配慮はもはや究極の域。ノアとヴォクシーでは前後の造形でキャラクターを差別化しているが、見た目の洗練度も先代より着実に進化している。

 

パワーユニットは、最新世代となるハイブリッドと2Lガソリンの2本立て。その動力性能は後者でも不足はないが、走らせて楽しいのは間違いなく前者だ。絶対的な力強さに加え、アクセル操作に対する自然な反応は先代より引き締まった足回りにもピッタリ。ハイブリッドは装備まで考慮すると事実上の値下げとなり、コスパの面でも絶対にオススメだ。

 

[Point 1] 先進装備と実用度はトップレベル

視界の良さが特徴のインパネ回りは運転支援システムや使い勝手もハイレベル。2列目シートは3人掛け仕様も設定された。電動スライドドアの助手席側には機械式サイドステップも装備できる。

 

[Point 2] ヴォクシーはノアよりもアグレッシブ

外観がノアよりアグレッシブになるヴォクシーは、基本的なグレード構成もS-ZとS-Gの2種に絞られる。価格はノアの同グレードよりも若干高めの設定だ。

 

[Point 3] 荷室の使い勝手も向上

バックドアの開口位置を選べる(電動と機械式の2タイプ)荷室は容量、形状ともに申し分ない。3列目シートの格納操作も先代より容易になったのはうれしい。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

X:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/267万円、(286万8000円)[305万円、(327万円)]

G:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/297万円(316万8000円)[332万円(354万円)]

Z:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/324万円(343万8000円)[359万円(381万円)]

S-G:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/304万円(323万8000円)[339万円(361万円)]

S-Z:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/332万円(351万8000円)[367万円(389万円)]

●[ ]内はハイブリッド車、( )内は4WD(E-Four)の価格

 

【その2】スポーティでありながら貫禄も旗艦級!

 

【その2】ピュアEVでも伝統的なBMWらしさが楽しめる!

EV

BMW

iX3

SPEC●全長×全幅×全高:4740×1890×1670mm●車両重量:2200kg●パワーユニット:交流電気モーター●最高出力:286PS/6000rpm●最大トルク:40.8kg-m/0〜4500rpm●WLTCモード最大航続距離:508km

 

走りの性能は最新EVに相応しいレベルを確保!

ほぼ同時期に上陸したBMWの最新ピュアEVでも、iXと比較すれば伝統的なBMWらしさが色濃いのがiX3。そのベースはSUVのX3で、内外装には随所に独自デザインを採用するが、一見する限りEVであることは意識させない。電気モーターはリアに搭載。組み合わせるバッテリーの総電力量は80kWhで、満充電時の最大航続距離は508km。最新のEVらしく高い数値となっている。

 

その走りは、見た目のイメージ通りだ。EVならではの静かさや滑らかな加速を実感させる一方、アクセル操作の反応やスポーティな身のこなしはBMWの伝統に通じる味付け。普段の生活においてEVを楽しみたい、というニーズにはピッタリの1台だ。

 

[Point 1] 内装はX3に準じたスポーティな仕立て

外観と同じく、内装も基本的な作りはX3と変わらない。BMWの内燃機関各車に通じるスポーティなテイストが持ち味となっている。

 

[Point 2] 外観は随所が独自の造形に

外観はMスポーツ仕様ということでスポーティ。随所にブルーのアクセントが入り、EVであることを主張する。税込価格は862万円。

 

[Point 3] 荷室は通常時510Lと十分な広さを確保

エンジンモデルのX3比には若干劣るが、荷室容量は通常時でも510Lと十分な広さ。後席をたたんだ最大時は1560Lまで拡大する。

 

 

【その3】軽快で力強い走りは伝統の旗艦ならでは

ハッチバック

フォルクスワーゲン

ゴルフ GTI

SPEC●全長×全幅×全高:4295×1790×1465mm●車両重量:1430kg●パワーユニット:1984cc直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:245PS/5000〜6500rpm●最大トルク:37.7kg-m/1600〜4300rpm●WLTCモード燃費:12.8km/L

 

積極的に操る魅力を備えた万能スポーツハッチバック

単に高性能というだけではなく、ゴルフのイメージリーダー的存在でもあったGTIが最新世代へとスイッチ。ベースとなる8代目はマイルドハイブリッドの投入でも話題を呼んだが、GTIは引き続きハイスペックな2Lのガソリンターボを搭載。駆動方式も先代と同じくFF方式を踏襲する。

 

その走りは、もちろんGTIの称号に相応しいレベルにある。2Lターボは、パワフルなだけではなく全域での扱いやすさを両立。トラクション性能にも優れるだけに、積極的に操る場面では能力を使い切る喜びも見出せる。また、先代比では身のこなしが一層軽快な点も持ち味のひとつ。快適性も上々とあって“万能なハッチバック”としての魅力度は高い。

 

[Point 1] 新しさと伝統が融合する

室内はメーターのグラフィックなどが専用仕立てとなるほか、伝統的なチェックのシート柄などでGTIらしさを演出。装備も充実している。

 

[Point 2] 走りはパワフルで軽快

GTIは“押し”の強いフロントマスクに加え、リアゲート中央の車名ロゴが「GOLF」ではなくなる(税込466万円)。軽快かつパワフルな走りが楽しめる。

 

[Point 3] パワーユニットは歴代でも最強レベル

一部例外を除けば、搭載する2Lガソリンターボのアウトプットは歴代GTIでも最強レベル。速さに加え、フレキシビリティの高さも魅力。

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎、市 健治

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

あおり運転を逃さない! カロッツェリア新型ドラレコ「VREC-DZ800DC」のこだわりを解説

今やドライブレコーダーは安心安全なドライブに欠かせない装備となりました。特に社会問題化しているあおり運転の頻発は、多くのドライバーにその必要性を実感させているようです。そんな中、カロッツェリアからその対策を施した、前後2カメラ型ドライブレコーダーユニット「VREC-DZ800DC」が登場しました。

 

ナイトサイトによって車監視能力を大幅にアップ

まずお伝えしておきたいことは、「VREC-DZ800DC」が開発陣のドライブレコーダーに対する徹底したこだわりから生まれたということです。イメージセンサーは、前後とも約200万画素の高画素「STARVIS」技術を搭載したソニー製CMOSセンサーを採用し、夜間での高感度・高画質に記録できる「ナイトサイト」にも対応しています。これにより、昼夜を問わず走行中の映像を鮮明に記録できるものとしています。

↑カロッツェリア「VREC-DZ800DC」。本体サイズ:W106.1×H78×D46.7mm /2ndカメラ:W63.2×H37.1×D31.6mm

 

【昼間撮影】

↑カロッツェリア「VREC-DZ800DC」で前後を捉えた映像。後続車も鮮明に捉えているのがわかる

 

【夜間撮影】

↑フロントは夜間でも白飛びの発生を最小限にとどめ、リアはスモークガラス越しでも鮮明な撮影を実現している

 

このナイトサイト機能をフル活用しているのが駐車監視機能です。たとえば街灯が一つしかないような薄暗い駐車場でも鮮明に記録できるので、車上荒らしなどのトラブル発生にもしっかりと対応してくれます。

 

駐車中の監視は、エンジン停止後最大40分間は検知前20秒と検知後20秒間を記録。駐車監視機能をONにすれば24時間365日、常にクルマを監視し続けるモードとなります(記録時間は検知後1分間/3分間/5分間から選択可能)。もちろん、バッテリー電圧を常に監視しながら作動するので、この使用によってバッテリーが上がってしまう心配もありません。

↑駐車中の監視もカロッツェリア「VREC-DZ800DC」が得意とするところ。二つの駐車監視モードを備えた

 

また、監視中は作動中であることを示すLEDランプが点灯するので、車上荒らしなどの抑止効果としても期待できます。ここからもドライブレコーダーで愛車を守ろうとする開発陣の想いが伝わってきますね。

 

検知能力アップの決め手は独自のアルゴリズム

カメラの画角にもこだわりを感じました。フロントは画角を広げた水平130°とし、リアはあえて少し狭い112°としています。これは撮影で捉えられる映像を目的に応じて最適化しているため。たとえば、前方の撮影では左右からの動きを広範囲に捉えられるようにし、一方で後方は主として後続車を大きめに映し出せるようにしたのです。

↑カロッツェリア「VREC-DZ800DC」のリアカメラ。後方車を捉えやすくするため、フロントよりも若干画角を狭めている

 

そして、本機が本領を発揮するのが「後方車両接近検知機能」です。これは、社会問題化しているあおり運転対策として新たに搭載された機能で、新開発の画像認識技術によって可能となったものです。そのポイントは検知タイミングを走行速度や周囲の環境によって最適化する独自のアルゴリズムを採用した点にあります。

 
今までの後方車検知は、多くが一定の距離に車両が後方から近づいてくると自動的に作動するというものでした。しかし、人間にとって煽られている感覚は速度や昼夜などで違ってきます。つまり、一定の距離で検知した場合、状況によっては煽られてもいないのに検知したり、場合によってはその逆もあるわけです。「VREC-DZ800DC」の開発陣はそこに着目したのです。

 

具体的には、走行している速度を踏まえつつ、一般道ならより近い距離まで近づいた時に検知し、高速道路なら少し離れた状況下でも近づいてくるクルマを検知します。一方、周囲の環境に対しては、明るい昼間ならより近い距離で、夜なら少し離れた距離でも検知するといった具合です。開発者によれば、この検知タイミングはこれらの状況の変化に対してバリアブルに対応できると言います。もちろん、この検知がフロントカメラにも反映されているのは言うまでもありません。

↑後方車両検知イメージ。速度域で検知タイミングを変化させる独自のアルゴリズムを採用した

 

警報と記録を確実に繰り返す安定した動作を確認

ただ、説明だけでは本当の効果はわかりません。そこでこの機能の効果を試すため、閉じられた専用エリアで安全を確かめて体験会が実施されました。先行車に乗車し、走行中に後方車が急接近することで、検知がどのタイミング行われるのかを体験するのです。

 

速度は40km/hをやや上回る程度。そこに後続車が近づいてきました。ほぼルームミラーいっぱいになったというところでVREC-DZ800DCは“ピロン”というアラート音を発し、同時に画面には赤の地色に白抜きで「後方注意!」の警告を表示。警告に合わせて、通常録画されていた映像とは別に、“イベント録画”として別フォルダに自動保存されることになります。ですので、上書きされる心配もありません。この機能で感心したのは、何度繰り返しても確実にこの記録を行っていたことです。

↑カロッツェリア「VREC-DZ800DC」の「後方車両接近検知機能」が作動した状態。アラーム音が鳴ると同時に表示される

 

↑時速40kmで走行中にこの位置まで迫られるとかなり怖い。「VREC-DZ800DC」はこうした状況を確実に映像として自動記録する

 

しかも、その検知タイミングは速度域で後続車を撮影するタイミングをしっかりと捉えています。後続車が近づいてくるのに対して恐怖を感じるのは人によってまちまちで、それは速度域や昼夜によっても違います。つまり、それに対応して開発したのが、走行速度や距離、周囲の明るさに柔軟に対応する、“人の感覚”に近いアルゴリズムでした。その上でドライバーの感覚に合った設定が選択できるようにしたのがこの機能なのです。

↑体験会ではこのぐらいの間隔にまで近づき、あおり運転を再現した

 

Wi-Fi接続機能を搭載してスマホ上で映像チェックが可能

パイオニアによれば「100%の検知を保証しているわけではありません」としながらも、「その検知精度を高めるために検知アルゴリズムを徹底的に検証しました」と話し、その精度には相当に自信がある様子。この効果によってあおり運転の被害が少しでも減ることを願いたいですね。

 

それとVREC-DZ800DCにはWi-Fi接続機能が装備されています。これは専用アプリをダウンロードしたスマホとWi-Fi接続することで、スマホ側から録画した映像の確認や、本体の設定が可能になるというものです。これは液晶モニターが2インチにとどまるVREC-DZ800DCにとって、映像のチェックや各種設定で大きなメリットを生み出します。特にトラブルが生じた際に第三者へ映像を送信しておけば、いざという時の安心にもつながるわけです。

↑スマホとWi-Fi連携することで、映像の確認以外に「後方車両接近検知設定」をはじめ、詳細な設定がスマホ上で行える

 

本体はフロントガラスに直付けするタイプとすることでガラスの反射が映像に映り込むことも抑えています。これもドライブレコーダーを隅々まで知り尽くしたカロッツェリアならではの究極のスタイル。VREC-DZ800DCはそんなこだわりから生まれたドライブレコーダーといえるでしょう。

↑「VREC-DZ800DC」はフロントガラスに直付けすることで、吊り下げるタイプよりも前方視界を広く取れるメリットもある

 

画質にも優れた入門機「VREC-DH301D」もラインナップ

これとは別にカロッツェリアでは、ドライブレコーダーの入門機として「VREC-DH301D」もラインナップしました。このモデルは画質にも優れたと好評だった「VREC-DH300D」の後継機で、フロント/リアカメラ共ソニー製CMOSセンサー「STARVIS」を採用し、フロントカメラには約370万画素の高画素タイプを採用。レンズもF1.4とすることで、昼夜を問わず、鮮明な記録を実現しているのがポイントです。ピアノブラックとマットを組み合わせた格好良さも個人的には魅力だと思っています。

↑カロッツェリア「VREC-DH301D」。本体サイズ:W90.5×H101.9×D36mm /リアカメラ:W58.9×H25.1×D31.5mm

 

VREC-DZ800DCは6月発売予定で、店頭予想価格は税込3万4000円前後。VREC-DH301Dは7月発売予定で、同じく店頭予想価格は2万8000円前後となっています。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

軽快で力強い走りは伝統の旗艦フォルクスワーゲン・ゴルフならでは

気になる新車を一気乗り! 今回は8代目「フォルクスワーゲン・ゴルフ」に、早くも伝統のスポーツモデル「GTI」が追加設定されたので紹介します。

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

積極的に操る魅力を備えた万能スポーツハッチバック

ハッチバック

フォルクスワーゲン

ゴルフ GTI

SPEC●全長×全幅×全高:4295×1790×1465mm●車両重量:1430kg●パワーユニット:1984cc直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:245PS/5000〜6500rpm●最大トルク:37.7kg-m/1600〜4300rpm●WLTCモード燃費:12.8km/L

 

単に高性能というだけではなく、ゴルフのイメージリーダー的存在でもあったGTIが最新世代へとスイッチ。ベースとなる8代目はマイルドハイブリッドの投入でも話題を呼んだが、GTIは引き続きハイスペックな2Lのガソリンターボを搭載。駆動方式も先代と同じくFF方式を踏襲する。

 

その走りは、もちろんGTIの称号に相応しいレベルにある。2Lターボは、パワフルなだけではなく全域での扱いやすさを両立。トラクション性能にも優れるだけに、積極的に操る場面では能力を使い切る喜びも見出せる。また、先代比では身のこなしが一層軽快な点も持ち味のひとつ。快適性も上々とあって“万能なハッチバック”としての魅力度は高い。

 

[Point 1] 新しさと伝統が融合する

室内はメーターのグラフィックなどが専用仕立てとなるほか、伝統的なチェックのシート柄などでGTIらしさを演出。装備も充実している。

 

[Point 2] 走りはパワフルで軽快

GTIは“押し”の強いフロントマスクに加え、リアゲート中央の車名ロゴが「GOLF」ではなくなる(税込466万円)。軽快かつパワフルな走りが楽しめる。

 

[Point 3] パワーユニットは歴代でも最強レベル

一部例外を除けば、搭載する2Lガソリンターボのアウトプットは歴代GTIでも最強レベル。速さに加え、フレキシビリティの高さも魅力。

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

ピュアEVでも伝統的なBMWらしさが楽しめる!

気になる新車を一気乗り! 今回はオフロードでの優れた走破性に加え、俊敏なスポーツ走行も可能としたBMWの電気自動車SUVである「iX3」を紹介します。

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

走りの性能は最新EVに相応しいレベルを確保!

EV

BMW

iX3

SPEC●全長×全幅×全高:4740×1890×1670mm●車両重量:2200kg●パワーユニット:交流電気モーター●最高出力:286PS/6000rpm●最大トルク:40.8kg-m/0〜4500rpm●WLTCモード最大航続距離:508km

 

ほぼ同時期に上陸したBMWの最新ピュアEVでも、iXと比較すれば伝統的なBMWらしさが色濃いのがiX3。そのベースはSUVのX3で、内外装には随所に独自デザインを採用するが、一見する限りEVであることは意識させない。電気モーターはリアに搭載。組み合わせるバッテリーの総電力量は80kWhで、満充電時の最大航続距離は508km。最新のEVらしく高い数値となっている。

 

その走りは、見た目のイメージ通りだ。EVならではの静かさや滑らかな加速を実感させる一方、アクセル操作の反応やスポーティな身のこなしはBMWの伝統に通じる味付け。普段の生活においてEVを楽しみたい、というニーズにはピッタリの1台だ。

 

[Point 1] 内装はX3に準じたスポーティな仕立て

外観と同じく、内装も基本的な作りはX3と変わらない。BMWの内燃機関各車に通じるスポーティなテイストが持ち味となっている。

 

[Point 2] 外観は随所が独自の造形に

外観はMスポーツ仕様ということでスポーティ。随所にブルーのアクセントが入り、EVであることを主張する。税込価格は862万円。

 

[Point 3] 荷室は通常時510Lと十分な広さを確保

エンジンモデルのX3比には若干劣るが、荷室容量は通常時でも510Lと十分な広さ。後席をたたんだ最大時は1560Lまで拡大する。

 

文/小野泰治 撮影/市 健治

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示します)】

まさに横綱相撲! 新型ノア/ヴォクシーの使い勝手は究極の域に到達

気になる新車を一気乗り! 今回は今年1月にフルモデルチェンジを果たし、4代目に進化したトヨタの大人気ミニバンである「ノア/ヴォクシー」を紹介します。

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

走りの面でオススメなのは最新世代のハイブリッド仕様

SUV

トヨタ

ノア/ヴォクシー

SPEC【ヴォクシーS-Z(ハイブリッド2WD)】●全長×全幅×全高:4695×1730×1895mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:98[95]PS/5200rpm●最大トルク:14.5[18.9]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:23.0km/L

●[ ]内は電気モーターの数値

新型ノア/ヴォクシーは基本骨格を一新し、運転支援システムも最新モデルに相応しい充実ぶりを誇る。だが、実車に接してとりわけ印象的だったのは使い勝手に配慮した作り込みの徹底ぶりだ。パノラミックと表現したくなる前席の視界の良さや、電動スライドドアに装備できる機械式サイドステップ、そして開口位置を選べるバックドアなど、実用性に優れた細やかな配慮はもはや究極の域。ノアとヴォクシーでは前後の造形でキャラクターを差別化しているが、見た目の洗練度も先代より着実に進化している。

 

パワーユニットは、最新世代となるハイブリッドと2Lガソリンの2本立て。その動力性能は後者でも不足はないが、走らせて楽しいのは間違いなく前者だ。絶対的な力強さに加え、アクセル操作に対する自然な反応は先代より引き締まった足回りにもピッタリ。ハイブリッドは装備まで考慮すると事実上の値下げとなり、コスパの面でも絶対にオススメだ。

 

[Point 1] 先進装備と実用度はトップレベル

視界の良さが特徴のインパネ回りは運転支援システムや使い勝手もハイレベル。2列目シートは3人掛け仕様も設定された。電動スライドドアの助手席側には機械式サイドステップも装備できる。

 

[Point 2] ヴォクシーはノアよりもアグレッシブ

外観がノアよりアグレッシブになるヴォクシーは、基本的なグレード構成もS-ZとS-Gの2種に絞られる。価格はノアの同グレードよりも若干高めの設定だ。

 

[Point 3] 荷室の使い勝手も向上

バックドアの開口位置を選べる(電動と機械式の2タイプ)荷室は容量、形状ともに申し分ない。3列目シートの格納操作も先代より容易になったのはうれしい。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

X:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/267万円(286万8000円)[305万円(327万円)]

G:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/297万円(316万8000円)[332万円(354万円)]

Z:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/324万円(343万8000円)[359万円(381万円)]

S-G:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/304万円(323万8000円)[339万円(361万円)]

S-Z:2L、1.8L+電気モーター/2WD、4WD/CVT、電気式無段変速/332万円(351万8000円)[367万円(389万円)]

●[ ]内はハイブリッド車、( )内は4WD(E-Four)の価格

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

バブル期に爆発的人気を獲得したジープ・チェロキーの「グランド」はどう? デカいアメ車の魅力に迫る

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、フルモデルチェンジしたばかりのジープのフラッグシップモデルを、バブル期のチェロキーと比較する!?

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】ジープ/グランドチェロキー

 

SPEC【L リミテッド】●全長×全幅×全高:5200×1980×1815mm●車両重量:2170kg●パワーユニット:3.6LV型6気筒エンジン●最高出力:286PS(210kW)/6400rpm●最大トルク:344Nm/4000rpm●WLTCモード燃費:非公表

788万円〜999万円(税込)

 

ラングラーにお株を奪われたが、デカさと美しさが共存する秀逸なデザイン

安ド「殿! ジープの大型SUV、グランドチェロキーが新型になったとのことで借りてきました!」

 

永福「うむ」

 

安ド「車名に『グランド』が付くだけに、さすがにデカいですね!」

 

永福「思えば『グランド』が付かないチェロキーは、バブル期、女子に大人気であった」

 

安ド「そ……そう言えばそうでしたね!」

 

永福「どんなクルマが好き? と聞かれたときに、女性の5割はチェロキー! と答えたものだ」

 

安ド「それはオーバーでは……」

 

永福「そのチェロキーに代わって、現在大人気となっているのが、超本格派オフローダーのジープ・ラングラーだ」

 

安ド「グランドチェロキーじゃないのですね!」

 

永福「世の中、なぜか本物志向が強まっておる。ジムニーやランクル同様、ラングラーが大人気で、多くの女子が『カッコ良いわ〜』と言っておる」

 

安ド「確かにラングラーはカッコ良いですが、このグランドチェロキーもカッコ良いと思います!」

 

永福「サイズはデカいが、デザインは非常にシンプルで美しい。どこか、かつてのチェロキー的だ」

 

安ド「バブル期に流行ったチェロキーは、もっと小さかったですよね?」

 

永福「2ドアモデルだと、全長はわずか4.2m、全幅1.72m。いまのSUVで言えばホンダのヴェゼルより小さかった」

 

安ド「グランドチェロキーは全長5.2m、全幅はほぼ2mです!」

 

永福「まさにアメリカンサイズだ」

 

安ド「でも、デカいだけあって、3列目シートがあるのがうれしいです!」

 

永福「安ドのパジェロと同じだな」

 

安ド「僕がパジェロを選んだのは、デカくて威張れる3列シート車だったからなんですが、このグランドチェロキーくらいデカいクルマを自由自在にコロがせたら、たぶんモテると思います!」

 

永福「腹が出ていてもか?」

 

安ド「腹が出ていないころにこのクルマに乗っていれば、モテた自信があります!」

 

永福「たしかに、細かいことにこだわらない、デカい男という雰囲気をヒシヒシと感じる」

 

安ド「雄大なわりに、細かいつくりもしっかりとしていますよね」

 

永福「うむ。実にしっかりしておる。自動ブレーキ系をはじめ、必要な装備はすべて付いているし、デカくて重いわりに加速も良い」

 

安ド「エンジンもすごくデカいのかと思ったら、排気量は3.6Lなんですね!」

 

永福「しかもノンターボでこのトルクだ。アメ車の技術をナメたらいかんな。ただ、新型グラチェロは何かが足りない」

 

安ド「何が足りませんか?」

 

永福「すべてが自然にデカいだけで、ラングラーのような特別感がないのだ。身長2mのヒラ社員という感じだろうか」

 

安ド「確かに惜しい感じですね!」

 

【GOD PARTS 1】3列目シート

ボディが大きいゆえにしっかり使えるサイズ

グランドチェロキーとしては初採用となった3列目シートは、ボディサイズの大きさもあってそれなりに大きく、広いスペースが割かれています。前方に折りたたむことで、ラゲッジスペースとして活用することも可能です。

 

【GOD PARTS 2】ステアリング

大きくてもしっかり正確なフィーリングがウリ

大きなボディに合う大きめのステアリングですが、運転してみるとしっかりしたフィーリングが感じられて、正確に反応してくれます。シフト変速をするパドルも付いていますが、手が小さな人だと指が届かないかもしれません。

 

【GOD PARTS 3】逆スラントノーズ

上部が突き出た形状はレジェンドへのオマージュ

1960年代の「ワゴニア」というモデルでは、逆スラントノーズ、つまり上部が長く突き出て、下部が手前に引いた形状が採用されていました。新型グラチェロにもそのデザインが継承され、趣のある顔つきに仕上がっています。

 

【GOD PARTS 4】ロータリーシフトセレクター

シフトレバーをなくした新たな操作部を採用

シフト選択はダイヤル式となり、ついにシフトレバーが姿を消しました。とはいえ、AT車なら運転中はほぼシフトチェンジしませんから、すぐに慣れることでしょう。周囲には走行モード切り替えスイッチなども付いてます。

 

【GOD PARTS 5】2列目シート

リクライニングできるくつろぎ仕様

取材した「L リミテッド」グレードの2列目は3人乗れるので、定員は全席で7人になっています(上位グレードの2列目はセパレート型で乗車定員は6人)。またリクライニングもできるので、身体の大きな人でもくつろげます。

 

【GOD PARTS 6】メーター

小さくするとなんだかかわいい

メーターはデジタル液晶画面を採用しており、アナログ感は皆無。表示は5種類に変化させることができて、スピード/回転計を小さくすることもできます。ボディの大きさを考えると、なんだかかわいく感じます。

 

【GOD PARTS 7】エンジン

重量級ボディを支えるパワー系

大きなボンネットの下に搭載される3.6LV6エンジンは、先代モデルからの改良型。パワフルで重量級のボディをいともたやすく加速させます。今回の取材車は下位グレードとなる「リミテッド」でしたが、エンジンに差異はありません。

 

【GOD PARTS 8】セブンスロットグリル

ジープの伝統が息づくデザイン

縦に長い7本のグリルは、ジープブランドの伝統です。軍用車時代はもう少し本数が多いモデルもあったようですが、戦後になってからは多くのモデルでこの象徴的グリルが採用されています。歴史の重みでクルマの魅力は増しますね。

 

【GOD PARTS 9】レギュラーガソリン仕様

レギュラー仕様がうれしいブランド

エコが叫ばれる昨今、さらにガソリン価格の高騰も続いていて、ますます低燃費車がもてはやされています。大型車はボディが重く燃費性能も良くないですが、ジープブランドは輸入車ながら多くのモデルがレギュラー指定になっています。

 

【これぞ感動の細部だ!】USBソケット

前から後ろまできちんと用意された充電口

1列目から3列目まで各シートごとに2つずつUSBポートが装備されています。しかもそれぞれUSB Type-Aだけでなく、USB Type-C用の差し込み口まであります。ドライブをしていて乗員が全員同時に充電をする光景は想像しにくいですが、充電に対する充実度は、さすがスマホ大国! さすがアメリカ! という印象です。

 

撮影/我妻慶一

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

カスタムカーの祭典「東京オートサロン」で躍動! アウトドア人気を象徴するキャンピングカーの新型モデル6選

昨今のアウトドアやキャンプ人気もあり、キャンピングカーが大人気。「東京オートサロン 2022」でも数多くの新型モデルが展示されていた。これを駆って出かけたくなり、そして泊まりたくなる魅力を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】軽キャンパーのド定番カーエブリィをリフトアップして迫力増!

ドキ商会

NORTH HUNTER “Survivor”

398万円(税込)~

蛍光色をベースとした黄色“ノース・イエロー”を採用。雪道の走行にも耐える、強度を高めた前後のFRPバンパーを採用するなど、東北地方のショップならではの着眼点が目を引く。ハードカーゴ製のキャリアとラダーを搭載し、ルーフ上も最大限に使える工夫も盛り込まれている。ヘッドライトとLEDフォグランプの輝きで精悍さもアップ。

 

↑スズキ・エブリィの広い車内を生かした居室空間。ベッドキット(16万5000円)を敷いてフロントシートを倒せば、大人でもゆったり就寝可能だ

 

↑軽自動車規格の車高2mを越えない範囲でリフトアップさせる、4WDサービスドパック車高調サスペンション。最大3インチまでアップ可能だ

 

【その2】ジムニーの顔をエブリィに装着したその名も“ジムリィ”

T-STYLE AUTO SALES

ジムリィ

133万4300円(税込)~

エブリィ ワゴン/バンのボディにジムニーのフェイス(もちろんスズキ純正パーツ!)を取り付けたうえ、ボンネットの形状も変更しているというこだわりの1台。展示車両はキャンパー仕様で、シートカバー同様のカラーバリエーションが揃ったアンティークベッドキットを搭載する。大人2人がゆったりと寝られる空間だ。

 

↑オプションで用意されているアンティークシートカバーを装着して、趣を感じられる車内空間に。カラーバリエーションは6種類から選ぶことができる

 

↑屋根上にはルーフテントを装着可能。内側サイズはW1300×D2000mmなので、大人2人がゆったり就寝できる。展示車両はボディと同色にペイントされていた

 

↑アンティークベッドキットのほかに、サイドキャビネットを取り付けた車内。引き出しに天面カバーを取り付ければ、テーブルとして使えるのがポイントだ

 

【その3】通気性が高いうえ耐久性にも優れオールシーズン対応

スーリー

Thule Tenpui Explorer Kukenam 3ルーフトップテント

39万6000円(税込)

最大積載荷重75kg以上のクルマに取り付けることができるテント。すべての季節に対応する、紫外線とカビへの耐久性に優れた高品質素材を使用した。周囲のメッシュパネルにより十分な換気を行えるうえ、レインフライを取り外してすべてのパネルを開くことで、さらに通気性を向上できる。カラーはヘイズグレーとオリーブグリーンの2色が揃う。

 

↑収容可能人数は3名だが、2名で余裕ある使い方をするのが大人のキャンパー流。快適な6.5cm厚の高密度マットレスが付属するので、快適に寝ることができる

 

【その4】クルマに連結するだけでマイスペースがあっという間に出現!

CROSS LX

カー+リビングポップアップテント

5万5000円(税込)

デイキャンプや車中泊の際、クルマの後部に取り付けるだけでマイスペースができあがるテント。通気性が高いものの虫の侵入を防げる3面ファスナー付メッシュスクリーンを備える。収納したときのサイズは直径900mm、厚さ100mmとコンパクトで、約8kgの重さなので手軽に運搬可能。設営もひとりで行えるので、ソロキャンパーにオススメのテントだ。

 

↑設営サイズは幅、奥行、高さともに2000mmなので広く使える。チェア1脚と小型のテーブル1台を置く程度なら余裕のサイズだ

 

↑クルマのリアゲートを利用しテントと連結。リアゲートに被せたあとフライシートを被せ、ルーフポールを設置してクルマに固定する

 

【その5】卓越した走破性を誇るデリカD:5を生かしたオシャレキャンパー

M Climb/Weed

デリカD:5 WARLOCK

446万5000円(税込)~

トヨタのハイラックスサーフや三菱・デリカD:5のカスタムを得意とするショップのキャンパー。オリジナルのカラーの一部を残し、インナー部分に塗装を施すことでリーズナブルな価格でカラーチェンジを実現する。「D:5」の文字を大きく象ったフロントグリルが印象的だ。大人2人、子ども2人で就寝可能なテントのSKYCAMPを搭載している。

 

↑大型のボートを積載したスタイル。標準で用意されるカラーは5色。写真のカラーはアーミーグリーンだが、好みの色でボディカラーチェンジをすることもできる

 

【その6】マルチに使えるベルランゴがスマートなキャンパーに変身!

ホワイトハウス キャンパー

ベルランゴ ソレイユ

367万7500円(税込)~

多彩な使い方ができるマルチバン、シトロエン・ベルランゴがベース。余裕ある室内空間を生かし、収納性と利便性を兼ね備えたうえ着脱可能なW1170×D1800mmのフラットベッドを設置。自由にレイアウトでき、5人乗車も可能になることで、街乗りも車中泊でも便利に使える。簡単に操作できるポップアップルーフテントの設置にも対応。

 

↑ベッドの幅は1170mmと広く使いやすい。プライバシー保護のため、すべての窓に車両専用の遮光シェードを装着できるので、着替えや車中泊の際も安心だ

 

↑ルーフをポップアップさせればロフト空間が登場。ベッドサイズはW1100×D1900mmなので、大人2人がゆったりと横になれるベッドスペースになる

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンがEV化して復活! あのガルウィングドアも受け継ぐ

米デロリアン・モーター・カンパニー(DeLorean Motor Company)は、次世代EV(電気自動車)「アルファ5」の写真を公開しました。

DeLorean Motor Company

 

このアルファ5はデロリアンの名前をEVとして復活させつつ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(以下「BTTF」)で有名な『DMC-12』をモチーフとしたもの。おなじみガルウイングドアを備えながら、最高時速250kmに約2.99秒で達するそうです。これは、BTTF版デロリアンがタイムスリップするのに必要な時速88マイル(約142km)までに4.35秒かかる計算です。

 

もともとのデロリアン社は1982年に倒産しており、今や存在していません。その設備や社名の権利を譲り受けた会社が同じ名前を名乗り、今なおDMC-12のオーナーに交換部品を供給し続けているしだいです(1台丸ごと新車を組み立てることも可能)。

 

つまり現在のデロリアン・モーター・カンパニーは元の会社と無関係ですが、今年2月に意味ありげなティザー動画を公開し(下記)、4月にはDMC-12に着想を得た新型EVを開発中であることを発表していたしだいです。

 

アルファ5は100kWhのバッテリーを搭載し、最高時速は250km、1回の充電でおよそ483kmの航続ができるとのこと。これらのスペックは「ベース」モデルだと示唆されていますが、他のモデルや価格については何一つ語られていません。

 

新生デロリアンはガルウィングドアや傾斜したデザインなど先代モデルから引き継ぎつつも、角ばっていたボディラインは滑らかな曲面が主体となったほか、座席も2つから4つへと増やされています。車体はフォルクスワーゲン傘下のデザインチーム、イタルデザインと共同開発されており、大胆にアレンジされながらもDMC-12の面影を残す未来バージョンとなっているようです。

 

デロリアン社は、8月に米国で開催される「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」(毎年恒例の自動車事前イベント)でアルファ5の実車を公開する予定とのことです。タイムスリップを実演しそうにありませんが、颯爽と走る姿を見ることを楽しみにしたいところです。

 

Source:DeLorean Motor Company
via:The Verge

マルチに使える「ベルランゴ」がスマートなキャンパーに変身!

昨今のアウトドアやキャンプ人気もあり、キャンピングカーが大人気。「東京オートサロン 2022」でも数多くの新型モデルが展示されていた。今回は、オリジナルキャンピングカーを販売するホワイトハウス キャンパーのポップアップルーフを装備したシトロエン「ベルランゴ」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ホワイトハウス キャンパー/ベルランゴ ソレイユ

367万7500円(税込)~

多彩な使い方ができるマルチバン、シトロエン・ベルランゴがベース。余裕ある室内空間を生かし、収納性と利便性を兼ね備えたうえ着脱可能なW1170×D1800mmのフラットベッドを設置。自由にレイアウトでき、5人乗車も可能になることで、街乗りも車中泊でも便利に使える。簡単に操作できるポップアップルーフテントの設置にも対応。

 

↑ベッドの幅は1170mmと広く使いやすい。プライバシー保護のため、すべての窓に車両専用の遮光シェードを装着できるので、着替えや車中泊の際も安心だ

 

↑ルーフをポップアップさせればロフト空間が登場。ベッドサイズはW1100×D1900mmなので、大人2人がゆったりと横になれるベッドスペースになる

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

卓越した走破性を誇る「デリカD:5」を生かしたオシャレキャンパー

昨今のアウトドアやキャンプ人気もあり、キャンピングカーが大人気。「東京オートサロン 2022」でも数多くの新型モデルが展示されていた。今回は、トヨタ車を中心としたカスタム・ユーズド&新車コンプリートを提案してきたM Climb/Weed(エムクライム/ウィード)の「デリカD:5」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

M Climb/Weed/デリカD:5 WARLOCK

446万5000円(税込)~

トヨタのハイラックスサーフや三菱・デリカD:5のカスタムを得意とするショップのキャンパー。オリジナルのカラーの一部を残し、インナー部分に塗装を施すことでリーズナブルな価格でカラーチェンジを実現する。「D:5」の文字を大きく象ったフロントグリルが印象的だ。大人2人、子ども2人で就寝可能なテントのSKYCAMPを搭載している。

 

↑大型のボートを積載したスタイル。標準で用意されるカラーは5色。写真のカラーはアーミーグリーンだが、好みの色でボディカラーチェンジをすることもできる

 

クルマに連結するだけでマイスペースがあっという間に出現!

昨今のアウトドアやキャンプ人気もあり、キャンピングカーが大人気。「東京オートサロン 2022」でも数多くの新型モデルが展示されていた。今回はサーフボックス、シエンタアウトドアスタイルなどを展開しているCROSS LXブランドの新製品「カー+リビング ポップアップテント」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

CROSS LX/カー+リビングポップアップテント

5万5000円(税込)

デイキャンプや車中泊の際、クルマの後部に取り付けるだけでマイスペースができあがるテント。通気性が高いものの虫の侵入を防げる3面ファスナー付メッシュスクリーンを備える。収納したときのサイズは直径900mm、厚さ100mmとコンパクトで、約8kgの重さなので手軽に運搬可能。設営もひとりで行えるので、ソロキャンパーにオススメのテントだ。

 

↑設営サイズは幅、奥行、高さともに2000mmなので広く使える。チェア1脚と小型のテーブル1台を置く程度なら余裕のサイズだ

 

↑クルマのリアゲートを利用しテントと連結。リアゲートに被せたあとフライシートを被せ、ルーフポールを設置してクルマに固定する

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

通気性が高いうえ耐久性にも優れオールシーズン対応のルーフトップテント

昨今のアウトドアやキャンプ人気もあり、キャンピングカーが大人気。「東京オートサロン 2022」でも数多くの新型モデルが展示されていた。今回はスーリーのルーフトップテント「スーリー テプイ エクスプローラー クケナム 3」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

スーリー/Thule Tenpui Explorer Kukenam 3 ルーフトップテント

39万6000円(税込)

最大積載荷重75kg以上のクルマに取り付けることができるテント。すべての季節に対応する、紫外線とカビへの耐久性に優れた高品質素材を使用した。周囲のメッシュパネルにより十分な換気を行えるうえ、レインフライを取り外してすべてのパネルを開くことで、さらに通気性を向上できる。カラーはヘイズグレーとオリーブグリーンの2色が揃う。

 

↑収容可能人数は3名だが、2名で余裕ある使い方をするのが大人のキャンパー流。快適な6.5cm厚の高密度マットレスが付属するので、快適に寝ることができる

 

ジムニーの顔をエブリィに装着したその名も“ジムリィ”!

昨今のアウトドアやキャンプ人気もあり、キャンピングカーが大人気。「東京オートサロン 2022」でも数多くの新型モデルが展示されていた。今回は神奈川県・T-STYLE AUTO SALESのエブリィ ワゴン/バンベースの「ジムリィ」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

T-STYLE AUTO SALES/ジムリィ

133万4300円(税込)~

エブリィ ワゴン/バンのボディにジムニーのフェイス(もちろんスズキ純正パーツ!)を取り付けたうえ、ボンネットの形状も変更しているというこだわりの1台。展示車両はキャンパー仕様で、シートカバー同様のカラーバリエーションが揃ったアンティークベッドキットを搭載する。大人2人がゆったりと寝られる空間だ。

 

↑オプションで用意されているアンティークシートカバーを装着して、趣を感じられる車内空間に。カラーバリエーションは6種類から選ぶことができる

 

↑屋根上にはルーフテントを装着可能。内側サイズはW1300×D2000mmなので、大人2人がゆったり就寝できる。展示車両はボディと同色にペイントされていた

 

↑アンティークベッドキットのほかに、サイドキャビネットを取り付けた車内。引き出しに天面カバーを取り付ければ、テーブルとして使えるのがポイントだ

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

軽キャンパーのド定番カー「エブリィ」をリフトアップして迫力増!

昨今のアウトドアやキャンプ人気もあり、キャンピングカーが大人気。「東京オートサロン 2022」でも数多くの新型モデルが展示されていた。今回は青森県・ドキ商会のエブリィベース「NORTH HUNTER“Survivor”」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ドキ商会/NORTH HUNTER “Survivor”

398万円(税込)~

蛍光色をベースとした黄色“ノース・イエロー”を採用。雪道の走行にも耐える、強度を高めた前後のFRPバンパーを採用するなど、東北地方のショップならではの着眼点が目を引く。ハードカーゴ製のキャリアとラダーを搭載し、ルーフ上も最大限に使える工夫も盛り込まれている。ヘッドライトとLEDフォグランプの輝きで精悍さもアップ。

 

↑軽自動車規格の車高2mを越えない範囲でリフトアップさせる、4WDサービスドパック車高調サスペンション。最大3インチまでアップ可能だ

 

↑スズキ・エブリィの広い車内を生かした居室空間。ベッドキット(16万5000円)を敷いてフロントシートを倒せば、大人でもゆったり就寝可能だ

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

世界で1台だけの相棒! キャンパー仕様“ジムリィ”のオーナーがカスタムカーの魅力を語る

エクステリアに凝る。インテリアに力を入れる……。こだわればこだわるほど世界でひとつのカスタムカーができあがっていく。愛車のカスタムへのこだわりとポイントを、ジムリィに乗るオーナーが語ってくれた。

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

Owner’s Profile

ジムリィオーナー

形部敏士(ぎょうぶ さとし)さん

ジムリィとハイエース好き。ハイエースのローダウンとは反対に、ジムリィはリフトアップに。イカつかわいいジムリィはソロキャンプの相棒です!

 

フェイスチェンジとリフトアップでカスタム感倍増!

カスタムカー

“ジムリィ”

「東京オートサロン 2022」でも展示されたジムリィにひと目惚れしてカスタムしたクルマはスズキ・エブリィがベース。インテリアはキャンパー仕様にしてルーフテントも取り付けた。総額は約500万円。

ココがこだわり!

ルーフテントは大人2人就寝OKで気軽に車中泊!

悪路走行時に役立つワークライトを装着

★ジムニーのマスクで商用車感ナシ!

★リフトアップで迫力マシマシ!

ホイールはボディと同色にペイント

★フロントガードもジムニー用を装着!

 

“こうしたい”という思いを十分に伝えることが大切

「エブリィはキャンパー仲間でも人気のモデルですが、商用車っぽいフロントマスクがどうしても受け入れられませんでした。でも展示会でジムリィを見て、コレだ! と思いましたね」

 

と語るのはオーナーの形部敏士さん。一番のこだわりは、スズキ・ジムニー用のフロントフェイスキットを取り付けたフロントマスク。ジムニー用の専用フロントガードも取り付け、ジムニーらしさを増したのが気に入っているという。

 

さらにリフトアップして車高を上げ、アウトドア色を強めるブロックタイヤを装着するなど、迫力あるカスタムカーに仕上がった。

 

「頻繁に出かけるわけではないですが、キャンピング仕様にするのもアリかなと思い、ベッドキットを取り付けました。収納力が高いので重宝しています」(形部さん)

 

カスタム時に大切なことは何か。

 

「私はジムリィが絶対だったので、T-STYLE AUTO SALESさんに相談したのですが、自分の思いを余すことなく伝えることです。このパーツより別のパーツのほうが合うというアドバイスもしてくれます」(形部さん)

 

最後に、カスタムの楽しさは。

 

「カスタムって、いわば自己満足。でもそれで良いと思います。自分が納得できるカスタムができれば、それが最高ですから」(形部さん)

 

 

【Point 1】ルーフにはテントを取り付けてキャンパー仕様にチェンジ!

↑ルーフにはグラヴィス製のルーフテントを装着。大人2人が寝られる広さだ。ボディと同色にしたくて、グレーにペイントしたというこだわりようだ

 

↑室内にはベッドキットを装着。エブリィは車内への張り出しが少ないのでスペースを有効活用できる。サイドキャビネットがさらに収納力を高める

 

↑ベッドキットは収納力も高い。引き出しにはキャンプで使うランタンなどの小道具を収納でき、天面カバーを取り付ければテーブルとして活用可能だ

 

【Point 2】ココだけ見るとまるでジムニー!

↑ジムニーのフェイスキットを装着し、専用のフロントガードも取り付けた。フォグランプのカバーがかわいさを増して、女性のウケも良いという

 

【Point 3】リアもジムリィオリジナル

↑リアバンパーも同様にジムリィリアバンパーを装着。ジムニーのテールバンパーを装着できるように製作した

 

【Point 4】コイルスプリングでリフトアップ

↑アウトクラスカーズ4インチアップキットでリフトアップ。リフトアップで迫力を増すとともに鮮やかさも演出

 

【Point 5】ブロックタイヤでゴツさ増し!

↑タイヤはマキシス製のブロックタイヤを装着してオフローダー調に。ホイールはゴールドのモノをボディと同色にペイントするほどこだわっている

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

パイオニアの「NP1」がアップデートし、音声操作で音楽やニュースの再生を楽しめる!

今年2月、パイオニアから音声と通信による画期的な車載システム「NP1」が登場し、大きな注目を集めたのは記憶に新しいと思います。そのNP1のもう一つの特徴が通信によって随時アップデートし、機能を進化させていくことです。その待望の第1回目が5月18日に行われることになりました。その詳細をお伝えしましょう。

↑“会話するドライビングパートナー”「NP1」。音声コマンドを認識しているときはスピーカー部が白く光る。写真は車内側

 

アップデートによって機能を常に最先端へと進化

電動化に自動運転など、自動車を取り巻く環境は今、劇的なまでに変化を遂げようとしています。そうした中、カーナビやドライブレコーダー機能を音声で使いこなす画期的な車載システムとして、パイオニアからこの2月に登場したのが、“会話するドライビングパートナー”NP1です。

↑車外前方から見たNP1。カメラ部はドラレコとして使用。上下を反転させることで左/右側のいずれでも取り付けに対応できる

 

NP1では、従来のカーナビのようにディスプレイを備えず、様々な操作を音声によって行うことを基本としています。そのため、たとえばカーナビの目的地設定やルート案内、ドライブレコーダーの任意記録もすべて音声で行います。これにより、ドライバーは前方から視線をそらすことなく安全に操作できます。

↑NP1は少し大きめのドライブレコーダーといったサイズ。ミニバンやSUVならサイズはほとんど気にならない

 

そして、NP1はこれらの基本機能に加え、新たな機能の追加についてもアップデートできるという特徴も備えました。この機能こそNP1の先進性を表す大きなポイントとなっているのです。NP1本体には通信機能を備え、機能アップはすべてOTA(Over-The-Air)で行われます。つまり、常に最新の状態で車載機能を使えることが、NP1ならではの魅力となっているのです。

 

実はNP1が発表された時点で、アップデートは定期的に行われることが発表されていました。その第一弾として公表されていたのが『Amazon Alexa(以下:アレクサ)』への対応です。そして5月18日、第1回目となるアップデートが実施されることとなり、待望のアレクサへの対応を果たすこととなりました。

 

聴きたい音楽をアーティスト名や楽曲名から簡単検索

では、アレクサへの対応により、NP1はどんな進化を遂げるのでしょうか。よく使われるものとしては、音楽再生やニュース、天気予報などが挙げられます。音楽ならあらかじめBluetooth経由でカーオーディオと接続しておくことで、聴きたい曲がカーオーディオの迫力あるサウンドで楽しめるようになります。特にAmazon Primeの契約をしておけば約200万曲のコンテンツから聴きたい楽曲が音声で呼び出せるようになるのは大きな魅力です。

↑NP1を通じてAmazonが提供する音声アシスタント「アレクサ」の利用が可能となります

 

使い方はとても簡単です。たとえば聴きたいアーティストがあるとしましょう。その時はアレクサとのウェイクアップワードの後に、「(アーティスト名)の曲をかけて」「(アーティスト名)の曲を聴きたい」と発すれば、自動的に対象アーティストの楽曲が絞り込まれて再生されます。

 

他にも「80年代のJ-POPが聴きたい」「朝に合う曲をかけて」「おすすめのプレイリストをかけて」といったコマンドにも対応しています。これらは特に定型のコマンドがあるわけではなく、思いついたまま曲をリクエストすれば、ほとんど認識して対応してくれます。今までのように車内にCDなどを持ち込むことなく、好きなアーティストの楽曲をとことん楽しめるなんて、これを体験したらほとんどの人がNP1を手放せなくなることでしょう。

 

天気予報では「(対象地)の天気は?」「今週の天気は?」とコマンドを発するだけ。リンクしたスマホに保存してあるスケジュールも「明日の予定を教えて」と告げればすぐに応えてくれます。クルマを長時間運転していて「単調でつまらないなぁ」と思ったら、世間話として「今日は何の日?」とか、謎かけなどを話しかけて反応を見るのも面白いでしょう。他にもアマゾンならではの買い物にも対応しているのも見逃せません。

 

NP1を使いこなすなら「Amazon Prime」加入がおすすめ

ただ、これらのサービスをフルに楽しむには「Amazon Prime」の加入がオススメです。年額4900円、月額500円(いずれも税込)の費用がかかりますが、アマゾンで買い物したときの「お急ぎ便」が利用できるほか、Prime Video対象の映画・TV番組が見放題になり、音楽も200万曲が聴き放題となるメリットがあります。NP1ユーザーなら加入しておいて損はないはずです。

 

今回のアップデートはアレクサへの対応だけにとどまりません。ナビ機能としては、進行方向や車線に応じた検索が可能となり、高速道路入口などの検索もできるようになりました。ドライブレコーダーでは車内側カメラの画質が自然な色合いに改善されるそうです。また、NP1と連携して使うスマホアプリ「My NP1」のユーザーインターフェースも改善が図られるとのことです。

↑NP1の様々な機能を司るのがスマホアプリ「My NP1」。今回のアップデートでインターフェースの改善が測られている(写真は旧バージョン)

 

さらに6月上旬には、NP1独自で天気予報が可能となるほか、現在の時刻や場所が確認できるようになります。また、ナビ機能としては渋滞情報を問い合わせができるようになるだけでなく、トンネル内での位置情報更新が可能となって案内が継続できるようになるとのこと。このアップデートも大きな魅力となりそうですね。

↑My NP1の「ドライブコール」を使えば、相手が直接道案内してもらえたりもする(写真は旧バージョン)

 

次回の大型アップデートは夏を予定。この時の進化にも期待しましょう。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

一番売れている軽よりもお買い得!? フルオプションで138万円のスズキ「アルト」の魅力に迫る

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、軽自動車「アルト」の新型モデルを取り上げる。大人気のハイトワゴンとは一線を画すアルトの魅力とは?

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】スズキ/アルト

SPEC【HYBRID X・2WD】●全長×全幅×全高:3395×1475×1525mm●車両重量:710kg●パワーユニット:657cc直列4気筒●最高出力:49PS(36kW)/6500rpm●最大トルク:58Nm/5000rpm●WLTCモード燃費:27.7km/L

94万3800円〜137万9400円(税込)

 

控え目の車両重量に申し分ないエンジンを備え軽やかな走り

安ド「殿! 今回は殿の希望で、新型アルトを借りてきました!」

 

永福「アルトは軽自動車の原点。軽くて走りっぷりが良いな」

 

安ド「本当に走りが軽やかでビックリしました!」

 

永福「先代モデルはもっと軽かったが、新型はマイルドハイブリッドが搭載されたので、出足の良さは先代モデルをしのいでいる」

 

安ド「価格も安いですね!」

 

永福「今回の試乗車は上級モデルのハイブリッドX。アルトとしては価格が高い部類だが、それでも126万円くらいなので、最近のクルマとしてはかなり安い」

 

安ド「軽でも総額200万円は当たり前になっていますから、126万円は安いです!」

 

永福「オプションを含めても138万円。その値段でこれだけ走行性能が高くて、装備もほとんど何でも付いている」

 

安ド「全方位モニターが付いていたのには感動しました。こういうクルマって、女性が乗ることが多いでしょうから、すごく便利だと思います!」

 

永福「軽は女性ユーザーが7割と言われるが、アルトの場合、男性の割合が高い気がするぞ」

 

安ド「えっ、なぜ?」

 

永福「営業車として使われることが多いからだ。個人ユーザーはもっと大きい軽を選んでいる」

 

安ド「……考えてみれば、一番売れてる軽は、ハイトワゴンのホンダ・N-BOXですもんね」

 

永福「N-BOXの車両重量は約1t。アルトは約700kg。300kgも軽くてエンジン性能はほぼ同じだから、アルトのほうが軽やかに走るのは当然だ。価格も断然安い。どう考えてもアルトのほうがお買い得だが、多くの人はN-BOXを買っている」

 

安ド「なぜでしょう?」

 

永福「少しでも広い家に住みたいのと同じく、人は少しでも広いクルマが欲しいのだ。軽の場合、床面積は同じだから、広いといっても天井が高いだけだが」

 

安ド「天井が高いと、確かに高級な感じはしますね! ホテルのロビーみたいに」

 

永福「合理的に考えればアルトだが、心情的に考えるとN-BOXになるのだな」

 

安ド「デザインはどうでしょう。キープコンセプトすぎて、クルマに詳しい人じゃないと、先代モデルと見分けがつかないのでは?」

 

永福「デザインは先代モデルのほうが圧倒的に優れていた。なにしろ先代モデルは、アウディでチーフデザイナーを務めた和田 智氏が関わっている」

 

安ド「でも、似てませんか?」

 

永福「ヘッドライトの形状は多少似ているが、それ以外はまるで違う。安ドよ、お前の目は節穴か!」

 

安ド「ヒェ〜、申し訳ありません!」

 

永福「しかし多くの人には、新型のほうが立派に見えるかもしれぬ。新型は天井が5cm高いからな」

 

安ド「やっぱり天井の高さなんですね!」

 

【GOD PARTS 1】フロアコンソールトレー

よく使うティッシュを手元に置いておきたい

運転席横の足元には大きめの小物入れが設置されています。スマホのような小さな物を置いておくと走行中のGで動いてしまいそうですが、ボックスティッシュならピッタリのサイズ。手を伸ばせばそこにティッシュ! って便利です。

 

【GOD PARTS 2】デュアルカメラ

2つのカメラで障害物をキャッチ!

予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が全車標準搭載されています。前方の障害物を検知して、警告、およびブレーキ踏力をアシストするブレーキサポート機能は、2つのカメラを駆使して夜間の歩行者も検知できるそうです。

 

【GOD PARTS 3】ツートーンカラー

少しでもオシャレさを向上させたい

社用車として購入されることが多いため、白、黒、シルバー系のボディカラーが売れ筋になるでしょう。しかし、レッド、ブルー、ブラウン、ベージュの4色に関しては、ルーフがホワイトのツートーンカラーが選べて、“仕事のクルマ”感が一気に薄れます。

 

【GOD PARTS 4】ヘッドライト

同じような形だけど実は進化

先代モデルではもう少し角が尖っていましたが、外側に向かって広がる長方形という形状は変えずに、角が丸くなりました。なお、上位グレードはHIDランプ、その他はハロゲンランプを使用していて、内部構造まで異なります。

 

【GOD PARTS 5】軽量ボディ

軽さが生み出すキビキビした走り

軽量ボディの恩恵で、ドライビングがとにかく軽快。アクセルペダルの操作に応じて、キビキビ走ります。カーマニアの心情的には、この新型ベースでハイパフォーマンスモデルの「アルトワークス」を作っていただきたいものです。

 

【GOD PARTS 6】全方位モニター表示

4つのカメラが死界をなくす!

車両の前後左右に4つのカメラが搭載されており、クルマの周囲の様々な方向をディスプレイで確認することができます。車両前方、後方、左側のほか、真上から見たような映像や、写真のような3Dビューまで表示可能です。

 

【GOD PARTS 7】インパネ

1クラス上の上質感!

パッと見、軽自動車には見えないほど質感の高いデザインです。コンパクトカーと比べてもチープさは感じられません。ポケットやトレー、小物入れなど収納スペースが充実していて、使い勝手が良いのも特徴です。

 

【GOD PARTS 8】ヘッドアップディスプレイ

前方からせり出す透明パネル

エンジンをかけると、運転席前方のサンダーバードの格納庫のような部分が開き、速度や燃費等の情報を表示する透明な板、ヘッドアップディスプレイがせり上がってきます。標識認識機能もあり、制限速度もすぐわかります。

 

【GOD PARTS 9】USB電源ソケット

多過ぎて損をすることはなし!

撮影車には、ディスプレイ接続用のほか、インパネまわりに3つのUSB電源ソケットが装備されていました。乗車している全員が一斉にスマホの充電をするようなことはなかなかないと思いますが、多いに越したことはありません。

 

【これぞ感動の細部だ!】シートヒーター

寒い時期に重宝するあったか装備

シートの表面が温かくなるシートヒーター機能が運転席にも助手席にも付いていて、寒い時期にはありがたいです。最上位グレード(HYBRID X)は全車に、その他グレードも4WD車にはすべて標準搭載されています。スイッチを入れてから1分もしないうちに温かくなってくるので、かなり実用性が高いです。

 

撮影/我妻慶一

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

ウーバー、米国で自動運転車を使ったフードデリバリーサービスを開始

Uber Eatsは16日(米現地時間)、米ロサンゼルスで自動運転車を使った食品デリバリーサービスを2つ始めたと報じられています。

Serve Robotics

 

1つは昨年12月に発表された、自動運転技術の企業Motional社の車両を使ったサービス。もう1つはUber傘下のPostmatesからスピンアウトした宅配会社Serve Robotics社との提携によるものです。

 

どちらのサービスも規模が限られており、クリエーション・オーガニック・カフェ(ロサンゼルス西部に展開するオーガニック・チェーン店)など、ほんの数店舗が対象とされています。Serve社はウエスト・ハリウッドで短距離の配達を、Motional社はサンタモニカで長距離の配達を担当するそうです。

 

Uberの広報担当者は米TechCrunchに「我々はこの2つの試験運用から、お客さまが実際に何を求めているか、店舗が本当は何を望んでおり、配達にとって何が理にかなっているかを学ぶことができるでしょうと語っています。

 

それぞれ2つのサービスは料金事情が違っているそうです。Serveの配達は有料化する一方で、Motionalのサービスは同社がカリフォルニア州での自動運転車の営業許可を取っていないため、無料とされるそうです。

 

またMotionalの場合は完全に自動運転というわけでもなく「お客様に便利でシームレスな体験を提供するため」、受け渡し場所に近づくと(同乗している)人間のオペレーターが操作する、と広報担当者は述べています。

 

そしてServeのロボット車はほとんど自律で走行するものの、道路を横断するときなど特定の場合には、やはり人間のオペレーターがリモコン操作すると説明されています。

 

さらに特定のテスト地域では、顧客が自動運転車による配達を選ぶことができ、人間による配達と同じく追跡できるとのことです。そして食品が届いたら、顧客はパスコードで車両のロックを解除し、クーラーや後部座席から取り出せると述べられています。

 

Uber Eatsはお店の近くに配達員がいないときは注文ができないこともありますが、自動運転車がテスト段階を超えて広く採用されれば、そうした事態も減っていくのかもしれません。その一方で、配達員の方々の仕事がなくならないかも心配されそうです。

 

Source:TechCrunch
via:Engadget

メーカー直系カスタムカーは完成度が抜群! 個性的な4ブランドを紹介

クルマ好きにとって愛車を自分流に仕立てることはひとつのテーマだ。アフターパーツメーカーも数多くあるけれど、それならばいっそのことメーカー直系のカスタムカーはいかが? 個性的な4つのブランドをここに紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

クルマにピッタリ合った完成度の高さが魅力

その昔、クルマのオプションはアルミホイールやフォグランプが大半だったころ、メーカーが直接カスタマイズしたクルマはショーモデルや競技車両がほとんどだった。レースではワークス、市販はアフターパーツと線引きされていたのだ。それが最近ではメーカー直系のチューニングパーツやコンプリートカーが購入可能になった。メーカー直系ということはメーカークオリティが保たれているということ。アフターパーツながらも品質保証がつくモノもあり、新車購入時にオーダーすれば納車時には希望のスタイルになっている。

 

メーカー直系のカスタムカーは大きなアドバンテージがある。例えばベース車両の開発段階から積極的に関われるため様々なテストデータなどを入手でき、クルマに合ったパーツが開発可能という点だ。またそのパーツは単体でもディーラーで購入可能。ベース車を知り尽くしているからこそ、バツグンの完成度を誇るカスタムカーが手に入るのだ。

↑メーカー直系カスタムのメリットは納車時には“完成”していること。オリジナルのシルエットを崩さないのも魅力だ

 

【その1】RALLIART

ラリーアート from 三菱

ラリーアートは三菱自動車のワークスチーム。同社のモータースポーツ活動を支えるブランドで、ギャラン、ランエボでのWRC、パジェロでのパリダカなどラリーやレースで大活躍した。

 

そんなモータースポーツのイメージを受け継ぎながら、自分らしい走りスタイリングを求めるユーザーにワクワク感を届けるべく、純正アクセサリーの販売を展開していくという。またモータースポーツへの参戦も再度検討するというから期待大である。

 

[History] 活動休止を経て復活したラリーアートに注目!

1984年に設立。三菱のモータースポーツ活動のブランドであり、自動車メーカーチームとして競技への参加や競技用部品の開発、ドライバーの支援などを行ってきた。2010年に活動を休止したが2021年、純正アクセサリーとして幅広いモデルへの展開で復活が発表された。

 

【イチオシモデル】復活ラリーアートのカスタマイズカーに注目!

アウトランダー RALLIART Style

パーツ価格未定

「昨年発売したアウトランダーのPグレードに、今春発売予定のラリーアート純正アクセサリーを装着した『ラリーアートスタイル』です。かつてのラリー活動からインスパイアした同ブランドを印象付ける、マッドフラップやサイドデカールで走りにかける情熱を表現。ブラックで統一されたホイールやルーフスポイラーとボディの赤いアクセントカラーで、スポーティなスタイルを提案しています!」(ラリーアート)

 

ラリーアートのコンセプトモデルが続々!

写真上はエクリプス クロス・ラリーアートスタイル。同ブランドの方程式に沿ったカラーリングやマッドフラップを装備。写真下はビジョン・ラリーアート・コンセプト。オンロードのイメージを強く出し、新しいラリーアートの可能性を表現する。

 

【その2】MODELLISTA

モデリスタ from トヨタ/レクサス

トヨタのメーカー直系カスタマイズブランド。イタリア語で“デザイナー”を意味するモデリスタの最大の特徴はそのデザイン。コンセプトは「Resonating Emotion~響感の創造~」で、感性に訴求するデザインだ。デザインをクルマと“響鳴”させて、新たな価値へと昇華させる。

 

ベース車の造形やデザインと対話して造られる同ブランドのエアロパーツは独創的なデザインが多い。また実用性重視のパーツも発売している。

 

[History] ユーザーの「もっと」に応える

“あなたの「もっと」に応えたい”をモットーにユーザーの願いを叶えるブランドとして1997年にスタート。設立当初は特別仕様のクルマ製造がメインだったが、2008年頃よりトヨタやレクサスなどのアフターパーツによるカスタムカーの製造がメインになった。

 

【イチオシモデル】躍動的で生命力のあるデザインがウリ!

ノア/ヴォクシー

パーツ価格3300円(税込)~26万4000円(税込)

「ノア、ヴォクシーともフロントフェイスに注目してください。ノーマルからガラリと印象が変化するパーツをリリースしています。またリアのイルミルーフスポイラーもオススメのパーツ。LEDライトがリアビューを先進的な雰囲気にドレスアップしているのがポイントです!」(モデリスタ)

 

↑東京オートサロン 2022で初披露されたモデリスタのノアとヴォクシー。メッキの加飾パーツがアクセントだ

 

【その3】AUTECH

オーテック from 日産

オーテックジャパンは日産グループ内の特装車メーカー。あの「西部警察」の劇中車を作っていた会社であり、生粋の技術者集団といわれる。初代社長はスカイラインの父として知られる桜井眞一郎氏だ。

 

カスタムカーブランドの「AUTECH」は同社のクラフトマンシップを継承しつつ、スポーティでありながらも高級感漂うスタイリングが特徴。ブランドアイコニックカラーは創業地である茅ヶ崎の海と空をイメージしたブルーだ。

 

[History] いまやNISMOも手がける名門

日産グループ内の特装車メーカーとして1986年に設立。当初はトラックなどの商用車中心だったが、のちに乗用車もラインナップ。いまも人気の「ハイウェイスター」は同社製が発祥。近年ではスポーツドライビング向けのNISMOシリーズの開発も行っている。

 

【イチオシモデル】高級感漂うスタイリングと細部までこだわったインテリアが自慢

ノート AUTECH CROSSOVER

253万7700円(税込)~279万6200円(税込)

「先進コンパクトであるノートをベースに、オーテックブランドのプレミアムスポーティなコンセプトとSUVの機能やスタイルを融合。内外装ともに専用品を盛り込んだオーテック仕様の、走りまでにもこだわった、すべてに上質感のあるコンパクトクロスオーバーモデルです!」(オーテック)

 

↑同社専用シートやウッド調のフィニッシャーなど上質さに定評がある。車内はクラスを超えた雰囲気を持つ

 

【その4】Modulo X

モデューロ X from ホンダ

ホンダの4輪車純正アクセサリーを手がけるホンダアクセスが作り上げたコンプリートカーブランドがモデューロ X。メインのコンセプトは、ホンダ車を知り尽くしたエンジニアが匠の技で熟成させたカスタムカー。開発アドバイザーはあの“ドリキン”こと土屋圭市氏だ。特にエアロ開発では実効空力を重視し、低速度域でも効果が感じられるエアロパーツを搭載。サスやホイールも専用に仕立てたもので、あらゆる路面環境でも高い接地感が魅力だ。

 

[History] アルミホイールのブランドとしてスタート

モデューロは、ホンダアクセスのアルミホイールブランドとして1994年に誕生。1990年代後半にはエアロパーツやサスペンションなどラインナップを拡大した。2013年にはHonda純正のコンプリートカーブランド、モデューロ Xシリーズがデビューした。

 

【イチオシモデル】空力効果のある“エアロ”と専用の足まわりで意のままに走れる

FIT e:HEV Modulo X

286万6600円(税込)

「FIT e:HEV Modulo Xは土屋圭市さんと開発担当者による徹底した走り込みによって完成しました。ビギナーから腕に覚えのある方までドライビングが楽しめる1台です。また年内発売を目指して、ヴェゼル e:HEVのモデューロ Xも開発中です。お楽しみに!」(モデューロ X)

 

↑パワートレインに手を加えず、エアロパーツ、ホイール、サスペンションで走りの質を高めることが信条だ

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

空力効果のある“エアロ”と専用の足まわりで意のままに走れる「モデューロ X」

クルマ好きにとって愛車を自分流に仕立てることはひとつのテーマだ。アフターパーツメーカーも数多くあるけれど、それならばいっそのことメーカー直系のカスタムカーはいかが? 本稿ではホンダの「モデューロX」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

Modulo X

モデューロ X from ホンダ

ホンダの4輪車純正アクセサリーを手がけるホンダアクセスが作り上げたコンプリートカーブランドがモデューロ X。メインのコンセプトは、ホンダ車を知り尽くしたエンジニアが匠の技で熟成させたカスタムカー。開発アドバイザーはあの“ドリキン”こと土屋圭市氏だ。特にエアロ開発では実効空力を重視し、低速度域でも効果が感じられるエアロパーツを搭載。サスやホイールも専用に仕立てたもので、あらゆる路面環境でも高い接地感が魅力だ。

[History] アルミホイールのブランドとしてスタート

モデューロは、ホンダアクセスのアルミホイールブランドとして1994年に誕生。1990年代後半にはエアロパーツやサスペンションなどラインナップを拡大した。2013年にはHonda純正のコンプリートカーブランド、モデューロ Xシリーズがデビューした。

 

【イチオシモデル】

FIT e:HEV Modulo X

286万6600円(税込)

「FIT e:HEV Modulo Xは土屋圭市さんと開発担当者による徹底した走り込みによって完成しました。ビギナーから腕に覚えのある方までドライビングが楽しめる1台です。また年内発売を目指して、『ヴェゼル e:HEV』のモデューロ Xも開発中です。お楽しみに!」(モデューロ X)

 

↑パワートレインに手を加えず、エアロパーツ、ホイール、サスペンションで走りの質を高めることが信条だ

 

危険な「あおり運転」を検知できる! カロッツェリア「VREC-DZ800DC」など、ドラレコ新モデル2種を発売

パイオニアは、2カメラタイプドライブレコーダーの新モデル「VREC-DZ800DC」「VREC-DH301D」を発売します。

 

VREC-DZ800DCは、前後の高画素数カメラ(各約200万画素)に、STARVIS技術搭載ソニー製CMOSセンサーを採用。夜間でも高感度・高画質に記録できる「ナイトサイト」に対応し、昼夜を問わず鮮明な映像を記録できます。6月発売予定で、実売価格は税込3万4000円前後。

↑VREC-DZ800DC

 

後方からのあおり運転を検知するとドライバーへ通知する「後方車両接近検知機能」を搭載し、未然にトラブルの回避が可能。新開発の画像認識技術による昼夜別々のアルゴリズムを用いて、高い認識率で検知・録画を行います。前方車両の急ブレーキや強引な割り込みなどで自車が急ブレーキをかけた場合に自動で記録する「急制動検知機能」も搭載。映像はイベントフォルダに記録され、上書きの心配もありません。

↑後方車両接近検知機能

 

↑急制動検知機能

 

駐車中の衝撃を検知すると、周囲の状況を記録。エンジン停止後最大40分間稼働する通常の「駐車監視機能」で検知前20秒間と検知後20秒間を記録し、その後は「駐車監視機能(セキュリティモード)」をオンにすると、24時間365日、常に車を監視できます。記録時間は検知後1分間、3分間、5分間から選択可能。次回乗車時に本体の画面表示と警告音でお知らせします。動作中にLEDインジケーターを点灯する設定も可能です。

↑駐車監視機能(セキュリティモード)

 

VREC-DH301Dは、前後の高画素数カメラ(フロントカメラ:約370万画素、リアカメラ:約200万画素)に、STARVIS技術搭載ソニー製CMOSセンサーを採用し、昼夜を問わず鮮明な映像を記録可能。7月発売予定で、実売価格は税込2万8000円前後。

↑VREC-DH301D

 

録画映像や操作画面が見やすい、3.0インチの大画面液晶モニターを搭載。操作ボタンを側面・上部に配置し、コンパクトでスッキリしたデザインが特徴。分かりやすさや使いやすさにこだわった操作ガイド表示や、SDメモリーカードの状態を検知し異常がある場合に知らせる警告機能など、様々な安心・サポート機能も搭載しています。

↑操作ガイド

将来の「アップルカー」は充電プラグを自動で位置合わせ?アップルの特許取得が明らかに

現在EV(電気自動車)のほとんどは、ドライバー本人が手動で充電ケーブルを差し込む必要があります。しかしアップルが、開発中と噂される自動運転EV「アップルカー」向けと思しき「自動で充電プラグの位置合わせをしてくれる」特許を取得したことが明らかとなりました。

 

米特許商標庁が承認した「パッシブアライメント機構を備えた充電ステーション」(改訂版)では、ドライバーが駐車してすぐに充電を始められるような工学的システムを提案しています。

 

この特許の中心となるのは、車両本体のソケットに差し込むめる充電プラグを備えた充電ステーションです。このプラグはスライド式のロッドに取り付けられており、垂直および水平方向に移動できるものです。

Apple/USPTO

 

EV側のソケットの高さはメーカーや車種が同じでも、積載重量やタイヤの空気圧などで変わる可能性もあり、それに合わせてプラグ側が動くというわけです。

 

そして運転中のEV側では、充電ステーションに近づくと充電ソケットのカバーを上に開くしくみが備わることになります。ドライバーや自動運転車は、充電ステーションとうまく接続できるよう、車両をできるだけ近づけなければなりません。

 

この特許では、その努力を最小限に抑えるしくみも提案されています。すなわち充電プラグが繋げられる範囲まで近づけば、その後はほぼ自動的に調整できるとのことです。スライ式ドロッドにより充電プラグが動かせることで、車両を近づけすぎてもプラグを押し戻すことができ、車体にぶつかるダメージを最小に抑えられるというものです。

 

またアップルカー側のフラップ(パタパタ開閉するもの)が開いて充電プラグをソケット内に収まるようにしたり、壊れやすい充電プラグを保護するため上部に強い衝撃を吸収するプレートを配置したりと、故障対策にもかなりの注意が払われています。

Apple/USPTO

 

さらに適切に接続しやすくするため、ソケットの周りが漏斗のようになってプラグを充電コネクタに誘導したりするしくみもあり。また結合が外れないよう磁石を使うことも提案されており、iPhoneをワイヤレス充電するとき位置合わせに磁石を使うMagSafeに近い発想といえます。

 

アップルは毎週のように数多くの特許を出願しており、実際に製品化されるものは一部に過ぎません。今回の特許も「アップル社内で研究されている」以上の事実を裏付けておらず、仮にアップルカーが発売されたとしても採用される保証はどこにもないでしょう。

 

とはいえ、アップルカーの充電関連らしき特許は、これまでにも何回か出願されています。今回の特許出願も2020年に取得された特許の改良版であり、それだけアップルが真剣に検討している可能性も窺えます。先日も「声で指示すれば、行き先や駐車場所まで自動的に決めてくれる」特許出願が見つかっていましたが、夢のアップルカーが実現する日を楽しみにしたいところです。

 

Source:USPTO

via:AppleInsider

テスラ車にCarPlayを(ラズパイを使って)力尽くで導入するソフトウェアが公開される

米テスラ製の電気自動車ではアップルのCarPlayが利用できず、車のオーナーらが強く要望しても叶えられる気配がありません。そのため、誰もがテスラ車で(Raspberry Piを経由して)CarPlayを導入できるソフトウェアを公開した人物が現れました。

 

ポーランドの開発者Michal Gapinski※氏は今年初め、自らのTesla Model 3にCarPlayを導入できた(車本体のタッチパネルを使って操作)ことを報告していました。

 

 

さらに約半年かけて、他の人も使えるソフトウェア「Tesla Android」のアルファ版をGithubに初公開。

 

 

この回避策は、LTEモデムとWi-Fi機能を持つRasberry Piを使い、Androidベースのカスタムファームウェアを実行させ、さらにマイクロHDMI-HDMIケーブルとイーサネットケーブルを使ってテスラ車に繋いでいます。つまりRasberry Pi側から出力したCarPlayのインターフェースを車載ブラウザに表示させ、マップやApple Musicなどのアップル製アプリを使えるようにしたわけです。システムは走行中でも動作し、テスラのステアリングホイールにあるメディアボタンで操作もできるそうです。

 

Gapinski氏は、最新アルファ版の主な狙いはユーザビリティ(使いやすさ)にあると語っています。「このプロジェクトが拡大し、テスラコミュニティで人気を勝ちえるためには、レスポンスのよいAndroid体験を提供する必要があります」とのこと。そうでなければユーザーは使ってくれないため、と説明しています。

 

現時点では機材の用意もインストールも簡単とは言えませんが、いずれ「ほんの数分で導入できるものに簡素化し、コストと参入障壁の両方を減らす」ことを目指すと述べられています。

 

2020年にはテスラがApple Musicのサポートを検討している手がかりも見つかっていましたが、結局は実現していません。テスラCEOのイーロン・マスク氏も、CarPlayを搭載して欲しいとの要望をスルーしているようでもあり、テスラ車のオーナーは自力で望みを叶えるしかなさそうです。

 

Source:Michal Gapinski(Twitter)
via:MacRumors

 

※Michallはストローク付き、Gapinskiのnはアキュートアクセント付きが正式な表記です

「オーテック」は高級感漂うスタイリングと細部までこだわったインテリアが自慢

クルマ好きにとって愛車を自分流に仕立てることはひとつのテーマだ。アフターパーツメーカーも数多くあるけれど、それならばいっそのことメーカー直系のカスタムカーはいかが? 本稿では日産の「オーテック」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

AUTECH

オーテック from 日産

オーテックジャパンは日産グループ内の特装車メーカー。あの「西部警察」の劇中車を作っていた会社であり、生粋の技術者集団といわれる。初代社長はスカイラインの父として知られる桜井眞一郎氏だ。

 

カスタムカーブランドの「AUTECH」は同社のクラフトマンシップを継承しつつ、スポーティでありながらも高級感漂うスタイリングが特徴。ブランドアイコニックカラーは創業地である茅ヶ崎の海と空をイメージしたブルーだ。

[History] いまやNISMOも手がける名門

日産グループ内の特装車メーカーとして1986年に設立。当初はトラックなどの商用車中心だったが、のちに乗用車もラインナップ。いまも人気の「ハイウェイスター」は同社製が発祥。近年ではスポーツドライビング向けのNISMOシリーズの開発も行っている。

 

【イチオシモデル】

ノート AUTECH CROSSOVER

253万7700円~279万6200円(税込)

「先進コンパクトであるノートをベースに、オーテックブランドのプレミアムスポーティなコンセプトとSUVの機能やスタイルを融合。内外装ともに専用品を盛り込んだオーテック仕様の、走りまでにもこだわった、すべてに上質感のあるコンパクトクロスオーバーモデルです!」(オーテック)

 

↑同社専用シートやウッド調のフィニッシャーなど上質さに定評がある。車内はクラスを超えた雰囲気を持つ

 

GW前に開通! 新東名「伊勢原大山IC〜新秦野IC間」を通り初めした注目のクルマとは?

2022年のゴールデンウィークも終了。クルマで遠方へ出かけた人も多いのでは? 先立つ4月16日には、新東名高速道路 伊勢原大山IC~新秦野IC間が開通しました。

 

当日は開通式も執り行われ、厳重な感染対策の下、400人もの関係者が参列。さらに、高速道路やこの区間に関わる“働くクルマ”約60台が集結する、大規模な祝典となりました。今回は、そんな晴れの日を盛り上げた“ヒーロー”にスポットを当てるほか、同区間に導入された最新技術も紹介していきます。

 

「新東名」と「東名」って何が違う?

その前に、新東名高速道路「伊勢原IC〜秦野IC間」の開通によって何が変わるのか、これから首都圏と中部圏はどのようにつながっていくのかを解説します。

首都圏と中部圏を移動する際、「上で行くか? 下で行くか?」と東名 or 新東名で悩んだ経験もあるはず。まずは、東名と新東名の違いから紹介しましょう。

 

東名高速道路は、東京IC(インターチェンジ)〜小牧ICまでの347キロメートルを結んでいます。1969年に全線が開通し、そこから50年以上も“現役”。最近だと、テレビCMなどで「東名リニューアル工事を実施しています」と耳にすることも多いはず。

 

一方の新東名高速道路は、海老名南JCT(ジャンクション)〜豊田東JCTの約253キロメートルを結んでいます。2012年に御殿場JCT〜浜松いなさJCTまでが開通し、今回新たに 伊勢原IC〜新秦野IC間が開通したことによって、全体の9割となる228キロメートルが走行可能になりました。とはいえ、まだ全線開通していないため、途中の区間を使ったことがあるという人がほとんどでしょう。

 

「東名があるのに、どうして新東名を作ったの?」と思うかもしれませんが、2つの路線があることで、目的地へのよりスムーズな走行が可能になりました。また日本の首都圏をつなぐ主要な物流ルートのため、安全かつスムーズに走行が求められます。実際、新東名が開通以降、渋滞が約7割減少したとのデータも! より安心・安全、快適でスムーズな走行ができるように新東名が作られたんですね。

 

そのため東名と新東名、2つの高速道路の全線開通は、スムーズな物流が可能になるだけでなく、防災や緊急医療、地域経済の活性化まで、様々な業界から多くの期待が寄せられています。今回で全体の9割となる部分が開通したということで、多くのメディアも注目していました。

 

残すは、新秦野IC〜新御殿場JCT

式典の様子はYouTubeでも生中継され、Withコロナ時代を感じさせる、ハイブリッド形式での開通式となりました。

 

黒岩祐治神奈川県知事やNEXCO中日本 代表取締役社長の宮池克人氏などのお歴々が祝辞を述べる一方、来賓の方々から、未開通の新秦野IC〜新御殿場JCTについても言及されることがありました。トンネル工事中、一部に脆弱な地質が見つかったことから、現在工事が難航しているとのこと。無事全線が開通できるよう、工事に従事する作業員の安全、そして地域住民や環境にも配慮しながら進めていただきたいですね。

↑来賓の挨拶が終わると、地元の秦野曽屋高校、伊勢原高校、伊志田高校のブラスバンドの生演奏とともに「鋏入れとくす玉開披」が実施

 

高速道路に関わる働くクルマと、地域と関連の深い“クルマ”が通り初め! 注目は?

ここからは、式典の目玉と言ってもいいでしょう! 通り初めパレードが行われました。橋の上には、地元のファミリーや大きなカメラを持った“ギャラリー”が。全60台もの働くクルマが走行するということで、一般からの注目度も高かったようです。

↑跨道橋もできたて! 地域住民がつめかけ、パレードを見守った

 

まず注目を集めたのは、黄色い車体でおなじみの、高速道路で働くクルマ。といえば、パトロールや路面清掃を行う車両をすぐにイメージできるでしょう。今回は、NEXCO 中日本ハイウェイ・メンテナンス東名が開発した新型路面清掃車が登場。

↑2021年10月から圏央道に試行導入されている「NEXCO 中日本ハイウェイ・メンテナンス東名 新型路面清掃車」。本格稼働が期待される

 

↑前方の吸引装置からゴミを吸い上げ、車両後方のタンクに集積する。高速道路上に散乱する小石やペットボトルなどの回収に活躍

 

これまで高速道路に落下したゴミがあるとその都度、作業員が車両から降りて拾っていたのですが、この新車両では、前方にある強力なバキュームによって回収できるように! 作業の省力化と作業員の安全性の向上が期待されます。働くクルマも進化し続けているんですね。

 

日本の一般道路を初走行!

そしてもうひとつ、注目の“クルマ”が参戦しました。先導車に続き、パレードの先頭を務めたのは、見覚えのある流線形のボディ! GetNavi webでは何度か取材してお馴染みの、東海大学のソーラーカー「東海チャレンジャー号」です。

↑開通区間の近くにキャンパスがある東海大学から、ソーラーカーチームの最新マシンが参戦

 

太陽のエネルギーのみで最高時速90kmで爆走、オーストラリア大陸の約3000kmを縦断する世界最高峰のレース「BRIDGESTONE World Solar Challenge(BWSC)」で総合優勝2回、準優勝2回の好成績を収めてきた名門チーム。

 

【関連記事】大学生が世界最高峰の大会に挑む! 東海大学ソーラーカーチームの強さの秘密

 

↑ボディの先端に「祝 開通」のステッカーが貼られた特別仕様で参加

 

「今回開通した区間は東海大学の地元。近隣の多くの方々に走行する姿をお見せすることができ、嬉しかったです。パレードでは、一般の車と一緒に走行するため、1か月以上前から現地の下見や車両整備、当日のメンバーの動きなどを念入りにNEXCO中日本様と打ち合わせしてきました。それでも当日は、走り始める瞬間からゴールするまで常に緊張しましたね」

 

とは、今年度から学生代表を任されている東海大学工学研究科 修士1年の宇都一郎さん。実際に走行した感覚は「オーストラリアの広大な大地を走行している感覚に似ていた」とのこと。タイヤが細く、風の影響も大きく受けるソーラーカーでも静かに走行できたのは、新東名ならではかもしれませんね。

 

日本では高速道路を含む一般道路での走行が許可されていないため、貴重なシーンとなりました。

↑東海大学ソーラーカーチームは世界でも一目置かれる存在

 

東海大学ソーラーカーチームは、国内大会のほか、前出のBWSC2023年大会での総合優勝を目指し、日々鍛錬を重ねています。

 

【関連記事】敵は風と気温とカンガルー!? ソーラーカーとソーラーカーレースの驚くべき7つの真実

 

 

トンネル内にプロジェクションマッピング!? 走りやすさにこだわった新東名の新技術

さて、我々もパレードを追いかけて通り染めさせてもらいました。するとそこかしこで目にしたのが、走行時の安全性や快適性などを高める、最新技術の数々です。

 

トンネルの中をしばらく走行していると現れたのは、プロジェクションマッピング技術を活用した案内表示。

↑文字は投影しているため、必要に応じて文面の変更が可能だ

 

↑投影するプロジェクションマッピングの機器

 

一見、塗装によるものにも見えるのですが、非常電話脇にある機械から映し出されています。長いトンネル内での漫然運転防止や非常時の設備として活用されるとのこと。

 

他にも、山沿いで霧が発生しやすい区間には、1メートル程度の低い位置に照明が設置。これは視界の確保だけでなく、生息するホタルなど周辺の自然環境にも配慮したもの。ドライバーだけでなく動物や昆虫、植物にもやさしい道路になっているんですね。

↑照明が下部に設置されている

 

↑排水性に長けた最新の舗装を採用

 

実際に走行してみて、新東名の緩やかなカーブや緩やかな勾配を体感することができました。また、普段何気なく走っている道路も、細かい部分に注目してみると、最新技術によって安全が確保されていることがわかります。

 

全線開通に向け工事が進む新東名高速道路。仕事でプライベートで、これから走る機会がある人は、安全運転で快適なドライブを!

 

撮影/湯浅立志 取材・文/つるたちかこ、GetNavi web編集部

「モデリスタ」は躍動的で生命力のあるデザインがウリ!

クルマ好きにとって愛車を自分流に仕立てることはひとつのテーマだ。アフターパーツメーカーも数多くあるけれど、それならばいっそのことメーカー直系のカスタムカーはいかが? 本稿ではトヨタ/レクサス車のカスタマイズブランド「モデリスタ」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

MODELLISTA

モデリスタ from トヨタ/レクサス

トヨタのメーカー直系カスタマイズブランド。イタリア語で“デザイナー”を意味するモデリスタの最大の特徴はそのデザイン。コンセプトは「Resonating Emotion~響感の創造~」で、感性に訴求するデザインだ。デザインをクルマと“響鳴”させて、新たな価値へと昇華させる。

 

ベース車の造形やデザインと対話して造られる同ブランドのエアロパーツは独創的なデザインが多い。また実用性重視のパーツも発売している。

[History] ユーザーの「もっと」に応える

“あなたの「もっと」に応えたい”をモットーにユーザーの願いを叶えるブランドとして1997年にスタート。設立当初は特別仕様のクルマ製造がメインだったが、2008年頃よりトヨタやレクサスなどのアフターパーツによるカスタムカーの製造がメインになった。

 

【イチオシモデル】躍動的で生命力のあるデザインがウリ!

ノア/ヴォクシー

パーツ価格3300円~26万4000円(税込)

「ノア、ヴォクシーともフロントフェイスに注目してください。ノーマルからガラリと印象が変化するパーツをリリースしています。またリアのイルミルーフスポイラーもオススメのパーツ。LEDライトがリアビューを先進的な雰囲気にドレスアップしているのがポイントです!」(モデリスタ)

 

↑東京オートサロン 2022で初披露されたモデリスタのノアとヴォクシー。メッキの加飾パーツがアクセントだ

 

復活ラリーアートのカスタマイズカーに注目!

クルマ好きにとって愛車を自分流に仕立てることはひとつのテーマだ。アフターパーツメーカーも数多くあるけれど、それならばいっそのことメーカー直系のカスタムカーはいかが? 本稿では三菱自動車の「ラリーアート」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

クルマにピッタリ合った完成度の高さが魅力

その昔、クルマのオプションはアルミホイールやフォグランプが大半だったころ、メーカーが直接カスタマイズしたクルマはショーモデルや競技車両がほとんどだった。レースではワークス、市販はアフターパーツと線引きされていたのだ。それが最近ではメーカー直系のチューニングパーツやコンプリートカーが購入可能になった。メーカー直系ということはメーカークオリティが保たれているということ。アフターパーツながらも品質保証がつくモノもあり、新車購入時にオーダーすれば納車時には希望のスタイルになっている。

 

メーカー直系のカスタムカーは大きなアドバンテージがある。例えばベース車両の開発段階から積極的に関われるため様々なテストデータなどを入手でき、クルマに合ったパーツが開発可能という点だ。またそのパーツは単体でもディーラーで購入可能。ベース車を知り尽くしているからこそ、バツグンの完成度を誇るカスタムカーが手に入るのだ。

↑メーカー直系カスタムのメリットは納車時には“完成”していること。オリジナルのシルエットを崩さないのも魅力だ

 

RALLIART

ラリーアート from 三菱

ラリーアートは三菱自動車のワークスチーム。同社のモータースポーツ活動を支えるブランドで、ギャラン、ランエボでのWRC、パジェロでのパリダカなどラリーやレースで大活躍した。

 

そんなモータースポーツのイメージを受け継ぎながら、自分らしい走りスタイリングを求めるユーザーにワクワク感を届けるべく、純正アクセサリーの販売を展開していくという。またモータースポーツへの参戦も再度検討するというから期待大である。

 

[History] 活動休止を経て復活したラリーアートに注目!

1984年に設立。三菱のモータースポーツ活動のブランドであり、自動車メーカーチームとして競技への参加や競技用部品の開発、ドライバーの支援などを行ってきた。2010年に活動を休止したが2021年、純正アクセサリーとして幅広いモデルへの展開で復活が発表された。

 

【イチオシモデル】

アウトランダー RALLIART Style

パーツ価格未定

「昨年発売したアウトランダーのPグレードに、今春発売予定のラリーアート純正アクセサリーを装着した『ラリーアートスタイル』です。かつてのラリー活動からインスパイアした同ブランドを印象付ける、マッドフラップやサイドデカールで走りにかける情熱を表現。ブラックで統一されたホイールやルーフスポイラーとボディの赤いアクセントカラーで、スポーティなスタイルを提案しています!」(ラリーアート)

 

ラリーアートのコンセプトモデルが続々!

写真上はエクリプス クロス・ラリーアートスタイル。同ブランドの方程式に沿ったカラーリングやマッドフラップを装備。写真下はビジョン・ラリーアート・コンセプト。オンロードのイメージを強く出し、新しいラリーアートの可能性を表現する。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

アップルが元フォードのベテラン幹部を採用したウワサ。「アップルカー」の開発が加速?

アップルが、米フォード・モーターで長年にわたり安全対策や車両設計を率いていたベテラン幹部を採用したと報じられています。同社が開発中と噂される自動運転EV(電気自動車)、通称「アップルカー」のプロジェクトが大きく加速するのかもしれません。

 

米Bloombergは情報筋の話として、アップルがデジ・ウィカシェビッチ(Desi Ujkashevic)氏を自動車プロジェクトで採用したと伝えています。

 

ウィカシェビッチ氏はフォードに30年以上も勤務し、多くの車種において内装および外装、シャーシや電機部品のエンジニアリングを統括したことがあり、新たなEV開発にも関わっていたそうです。最近では自動車安全エンジニアリングのグローバルディレクターを務めていたとのこと。

 

1991年にウィカシェビッチ氏がフォードに入社してから出世街道を歩んできたことは、フォードの公式サイトにも詳しく説明されています。Bloombergによると、具体的にはフォード・エスケープやエクスプローラー、フィエスタやフォーカスの開発にも関わったそうです。

 

こうした経歴から、ウィカシェビッチ氏は「アップルカー」開発に役立つ豊富な専門知識を持っており、安全システムの開発に貢献する可能性がうかがえます。以前Bloombergは、アップルが「アップルカー」をテスラやWaymoの車より安全にしようと考えており、運転システムの不調にそなえてバックアップシステム搭載を検討していると伝えていました

 

アップルが自動運転EV開発計画「Project Titan」を社内で進めていることは公然の秘密であり、ここ数年、フォードをはじめとする自動車会社から何度も人材を採用してきました。ただしプロジェクトのリーダーが交代することも度々で、最近も有名アナリストMing-Chi Kuo氏は開発チームが「一時的に」解散したと述べていたことがあります。

 

そんななかでアップルは2025年までの発売を目指しながらも、実際には2028年までずれ込む可能性も指摘されています。むやみに開発を急ぐよりも、より安全なアップルカーを実現するためにも「徐行運転」が望ましいかもしれません。

Source:Bloomberg
via:MacRumors

ドイツの代表的な自動車メーカーからBMW「グランクーペ」、メルセデス・ベンツ「Cクラス」の新車をレポート!

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」は、ドイツの代表的メーカーであるBMWとメルセデス・ベンツそれぞれの新作をピックアップする。4シリーズ・グランクーペの2代目は、スタイリッシュな外観と実用性を兼ね備えた1台。新型Cクラスは全方位的に進化した総合力の高さが魅力だ。

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】新生グランクーペは万能なモデルに進化!

4ドアクーペ

BMW

4シリーズ・グランクーペ

SPEC【M440i xDrive】●全長×全幅×全高:4783×1852×1442mm●車両重量:1900kg●総排気量:2997cc●エンジン形式:直列6気筒DOHC+ターボ●最高出力:374PS/5500〜6500rpm●最大トルク:51.0kg-m/1900〜5000rpm●WLTCモード燃費:10.8km/L

 

実用性とデザイン性、走りの3拍子が揃う万能モデル!

4シリーズのなかでは、実用性の高さも魅力のグランクーペが新型へとチェンジした。クーペを名乗るだけに、外観は変わらずスタイリッシュ。2ドア版と同じくBMW伝統のキドニーグリルが縦長のデザインになった効果もあって、フロントマスクは先代よりも押しが強まったのが印象的だ。

 

一方、4ドアということで後席の使い勝手などは3シリーズあたりと変わらない。荷室も十分な広さが確保されるので、ワゴン的な用途にも適するという先代の美点もしっかり受け継がれている。

 

現状、日本仕様のエンジンは2L4気筒と3L6気筒のガソリンターボという2種類。今回は後者に試乗したが、動力性能はさすがに強力だった。駆動が4WDとなるだけに安定性も高く、路面環境を問わず積極的に走らせられる。先代より格段に骨格の剛性感が向上したことも魅力のひとつ。新型は実用性とスタイリング、さらにスポーツ性も上々という万能な1台に仕上げられていた。

 

[Point 1]クーペでも実用性はセダン級

インパネ回りのデザインや装備は2ドアの4シリーズと基本的に同じ。運転支援系の機能は、もちろんトップレベル。クーペながら、後席の広さなどはセダンと同等の水準となる。

 

[Point 2]先代よりも存在感の強い造形に

繊細な風情だった先代と比較すると、新型の外観は骨太で存在感の強さを強調する仕立てに変化。一方ドアハンドルなどはフリップ式に変更して、スマートさも演出している。

 

[Point 3]使い勝手はワゴンと同等

荷室容量は、後席を使用する通常時でも470Lを確保。後席を完全に畳めば1290Lにまで拡大でき、ワゴン的な用途にも十分使える。

 

[Point 4]現状はガソリン仕様のみ

すでにEV版であるi4の先行予約も始まっているが、現状はガソリン仕様の2種のみ。3Lターボは直列6気筒らしい質感の高さも魅力だ。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/価格)

420i:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/632万円(税込)

420i Mスポーツ:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/673万円(税込)

M440i xDrive:3.0L+ターボ/4WD/8速AT/1005万円(税込)

 

 

【その2】スポーティでありながら貫禄も旗艦級!

セダン

メルセデス・ベンツ

Cクラス

SPEC【C200アバンギャルド】●全長×全幅×全高:4755×1820×1435mm●車両重量:1660kg●総排気量:1494cc●エンジン形式:直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:204PS/5800〜6100rpm●最大トルク:30.6kg-m/1800〜4000rpm●WLTCモード燃費:14.5km/L

 

新しいパワートレインは痛快な吹き上がりが魅力的!

旗艦のSクラスと見まがうような外観ながら、ボンネットのパワードームなどの細部でスポーティさも独自に演出するのが新型Cクラス。大きな画面を2つ並べたインパネは、とりわけ若い世代に強い訴求力を持つに違いない。充実した先進装備はもちろん、ホイールベースの拡大やパッケージングの改善が効いて、車内空間の余裕は先代より向上している。

 

走りもなかなか鮮烈だ。クイックレシオのステアリングや最大で2.5度の後輪操舵機構を備えたAMGラインは、タイトターンでの回頭性が驚くほど高く、引き締まった足まわりと相まってスポーティな性格を強調している。

 

動力性能もより強力になった。エンジンとモーターの出力が共に向上したC200の新しいパワートレインは、俊敏なレスポンスと痛快な吹き上がりを両立していて走る楽しさも十分。スムーズなエンジン再始動もマイルドハイブリッドならではの利点だ。

 

先代と同じく豊かな低速トルクと経済性を兼ね備えたディーゼルが選べるほか、新型ではクロスオーバーモデルのオールテレインが初めて選べるようになったこともトピックだ。先代と比べて価格がだいぶ高くなったように感じられるが、中身はそれ以上に充実していることは間違いない。

 

[Point 1]先進装備の充実ぶりはSクラス級

11.9インチのセンターディスプレイなど、Sクラスを彷彿させる室内。生体認証システムやARナビゲーションなどの先進装備も充実していた。先代より室内空間も拡大した。

 

[Point 2]後輪操舵などの採用で俊敏な操縦性を実現

クイックなステアリングレシオや後輪操舵の採用などで、走りはスポーティなキャラクターに仕上げられている。その一方、外観は旗艦のSクラスに通じる存在感を獲得。

 

[Point 3]ミドル級セダンらしい広さ

先代から拡大されていた荷室容量は455Lと、数値的にもミドル級のセダンとして十分な広さが確保。ただし、ボディ形状の関係から開口部の大きさは若干ながら控えめだ。

 

[Point 4]ガソリン仕様は着実に進化

現状のガソリン仕様は、先代と同じく1.5L4気筒+電気モーターのマイルドハイブリッドだが中身はアップデート。エンジンはこのほかに2Lクリーンディーゼルも用意されている。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/価格)

C200アバンギャルド:1.5L+ターボ/2WD/9速AT/651万円(税込)

C200 4MATICアバンギャルド:1.5L+ターボ/4WD/9速AT/ 681万円(税込)

C220dアバンギャルド:2.0Lディーゼル+ターボ/2WD/9速AT/ 679万円(税込)

 

文/小野泰治、岡本幸一郎 撮影/郡 大二郎

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

スポーティでありながら貫禄も旗艦級のメルセデス・ベンツ新型Cクラス!

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」は、メルセデス・ベンツの新作をピックアップする。新型Cクラスは全方位的に進化した総合力の高さが魅力だ。

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

新しいパワートレインは痛快な吹き上がりが魅力的!

セダン

メルセデス・ベンツ

Cクラス

SPEC【C200アバンギャルド】●全長×全幅×全高:4755×1820×1435mm●車両重量:1660kg●総排気量:1494cc●エンジン形式:直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:204PS/5800〜6100rpm●最大トルク:30.6kg-m/1800〜4000rpm●WLTCモード燃費:14.5km/L

 

旗艦のSクラスと見まがうような外観ながら、ボンネットのパワードームなどの細部でスポーティさも独自に演出するのが新型Cクラス。大きな画面を2つ並べたインパネは、とりわけ若い世代に強い訴求力を持つに違いない。充実した先進装備はもちろん、ホイールベースの拡大やパッケージングの改善が効いて、車内空間の余裕は先代より向上している。

 

走りもなかなか鮮烈だ。クイックレシオのステアリングや最大で2.5度の後輪操舵機構を備えたAMGラインは、タイトターンでの回頭性が驚くほど高く、引き締まった足まわりと相まってスポーティな性格を強調している。

 

動力性能もより強力になった。エンジンとモーターの出力が共に向上したC200の新しいパワートレインは、俊敏なレスポンスと痛快な吹き上がりを両立していて走る楽しさも十分。スムーズなエンジン再始動もマイルドハイブリッドならではの利点だ。

 

先代と同じく豊かな低速トルクと経済性を兼ね備えたディーゼルが選べるほか、新型ではクロスオーバーモデルのオールテレインが初めて選べるようになったこともトピックだ。先代と比べて価格がだいぶ高くなったように感じられるが、中身はそれ以上に充実していることは間違いない。

 

【Point 1】先進装備の充実ぶりはSクラス級

11.9インチのセンターディスプレイなど、Sクラスを彷彿させる室内。生体認証システムやARナビゲーションなどの先進装備も充実していた。先代より室内空間も拡大した。

 

【Point 2】後輪操舵などの採用で俊敏な操縦性を実現

クイックなステアリングレシオや後輪操舵の採用などで、走りはスポーティなキャラクターに仕上げられている。その一方、外観は旗艦のSクラスに通じる存在感を獲得。

 

【Point 3】ミドル級セダンらしい広さ

先代から拡大されていた荷室容量は455Lと、数値的にもミドル級のセダンとして十分な広さが確保。ただし、ボディ形状の関係から開口部の大きさは若干ながら控えめだ。

 

【Point 4】ガソリン仕様は着実に進化

現状のガソリン仕様は、先代と同じく1.5L4気筒+電気モーターのマイルドハイブリッドだが中身はアップデート。エンジンはこのほかに2Lクリーンディーゼルも用意されている。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/価格)

C200アバンギャルド:1.5L+ターボ/2WD/9速AT/651万円(税込)

C200 4MATICアバンギャルド:1.5L+ターボ/4WD/9速AT/ 681万円(税込)

C220dアバンギャルド:2.0Lディーゼル+ターボ/2WD/9速AT/ 679万円(税込)

 

文/岡本幸一郎 撮影/郡 大二郎

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

BMW4シリーズ新生グランクーペは万能なモデルに進化!

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」は、ドイツの代表的メーカーであるBMWの新作をピックアップする。4シリーズ・グランクーペの2代目は、スタイリッシュな外観と実用性を兼ね備えた1台だ。

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

実用性とデザイン性、走りの3拍子が揃う万能モデル!

4ドアクーペ

BMW

4シリーズ・グランクーペ

SPEC【M440i xDrive】●全長×全幅×全高:4783×1852×1442mm●車両重量:1900kg●総排気量:2997cc●エンジン形式:直列6気筒DOHC+ターボ●最高出力:374PS/5500〜6500rpm●最大トルク:51.0kg-m/1900〜5000rpm●WLTCモード燃費:10.8km/L

 

4シリーズのなかでは、実用性の高さも魅力のグランクーペが新型へとチェンジした。クーペを名乗るだけに、外観は変わらずスタイリッシュ。2ドア版と同じくBMW伝統のキドニーグリルが縦長のデザインになった効果もあって、フロントマスクは先代よりも押しが強まったのが印象的だ。

 

一方、4ドアということで後席の使い勝手などは3シリーズあたりと変わらない。荷室も十分な広さが確保されるので、ワゴン的な用途にも適するという先代の美点もしっかり受け継がれている。

 

現状、日本仕様のエンジンは2L4気筒と3L6気筒のガソリンターボという2種類。今回は後者に試乗したが、動力性能はさすがに強力だった。駆動が4WDとなるだけに安定性も高く、路面環境を問わず積極的に走らせられる。先代より格段に骨格の剛性感が向上したことも魅力のひとつ。新型は実用性とスタイリング、さらにスポーツ性も上々という万能な1台に仕上げられていた。

 

【Point 1】クーペでも実用性はセダン級

インパネ回りのデザインや装備は2ドアの4シリーズと基本的に同じ。運転支援系の機能は、もちろんトップレベル。クーペながら、後席の広さなどはセダンと同等の水準となる。

 

【Point 2】先代よりも存在感の強い造形に

繊細な風情だった先代と比較すると、新型の外観は骨太で存在感の強さを強調する仕立てに変化。一方ドアハンドルなどはフリップ式に変更して、スマートさも演出している。

 

【Point 3】使い勝手はワゴンと同等

荷室容量は、後席を使用する通常時でも470Lを確保。後席を完全に畳めば1290Lにまで拡大でき、ワゴン的な用途にも十分使える。

 

【Point 4】現状はガソリン仕様のみ

すでにEV版であるi4の先行予約も始まっているが、現状はガソリン仕様の2種のみ。3Lターボは直列6気筒らしい質感の高さも魅力だ。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/価格)

420i:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/632万円(税込)

420i Mスポーツ:2.0L+ターボ/2WD/8速AT/673万円(税込)

M440i xDrive:3.0L+ターボ/4WD/8速AT/1005万円(税込)

 

文/小野泰治 撮影/郡 大二郎

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

斬新な顔立ちで、いざ勝負! レクサス初のBEV「RZ」が初公開

トヨタ自動車はレクサスブランドとして初となるバッテリーEV(BEV)車両の「RZ」を世界初公開しました。

↑レクサス初のBEVが登場(画像提供/トヨタ自動車)

 

トヨタ自動車における高級車ブランドのレクサスでは、2005年に投入されたハイブリッドカー「RX400h」以来、電動化が推進されてきたものの、BEVの発表は今回が初めて。トヨタでは2030年までにすべてのカテゴリーでBEVのフルラインナップを提供し、2035年にはグローバルでBEV100%を目指すとしています。

 

RZでは車体デザインとして、これまでレクサスの象徴だったフロントの「スピンドルグリル」を廃止し、「スピンドルボディ」を採用。トヨタによれば、これは「内燃機関の冷却などの必要がないBEVの機能的な進化や更なる空力性能向上を目指した」ものとのこと。

↑未来的な運転席(画像提供/トヨタ自動車)

 

またRZは、進化したステアリング制御とステアバイワイヤをLEXUSで初めて採用。約±150°のステアリング操舵角により、交差点やUターン、車庫入れ、ワインディングなどでもステアリングを持ち替える必要がありません。

 

一方、駆動システムには四輪駆動の「DIRECT4」と、高出力モーター「eAxle」を導入。加えて、レクサス初となるBEV専用プラットフォーム(e-TNGA)を搭載しています。モーター出力はフロントが150kWで、リアが80kW。バッテリー容量は71.4kWhで、航続距離は約450kmとなっています。

 

スマートフォンに専用アプリをインストールすれば、それをスマートデジタルキーとして利用し、ドアのロックやアンロック、エンジンスタートができます。またOTAアップデートにより、車両には常に最新のソフトウェアが導入されます。

↑欧米の高級BEVといざ勝負!(画像提供/トヨタ自動車)

 

RZは2022年の冬以降に発売予定で、価格は未発表。EVで先行する他社の高級ブランドに、レクサスがどこまで対抗できるのかに注目です。

 

太陽光×カーシェアはじまる!広島に登場した「世界初」のソーラーカーポートの正体

脱炭素化が急務な昨今、再生可能エネルギーが注目を集めています。その代表格のひとつが太陽光発電。太陽光発電といえば、家屋や工場などの屋根にパネルを設置するイメージが強いかもしれません。しかし今回紹介するのは、駐車場の屋根で発電を行い、電気自動車を充電するソーラーカーポートです。

 

日本ではまだそれほど馴染みのないソーラーカーですが、これを普及させるための実証実験が広島県で始まっています。世界初の取り組みも行われているという、その現地を取材しました。

 

太陽のエネルギーだけで車を走らせる「完全自立型」ソーラーカーポート

↑広島県に新たに登場した「完全自立型ソーラーカーポート」。広島県立広島産業会館の駐車場に設置されています。車種は、左からMAZDA MX-30 EV MODEL、日産リーフです。日産リーフから運用を始め、調整が済み次第MAZDA MX-30も加わる予定

 

今回紹介する新型ソーラーカーポートのポイントは2つあります。それが「完全自立型」「EVシェアリングサービスとの連携」です。この2つを兼ね備えるソーラーカーポートは、世界でも初となります。

 

●「完全自立型」ソーラーカーポートとは

従来のソーラーカーポートでは、太陽光だけで十分な発電量が得られない場合などのために、通常電源との接続がされていました。つまり、そこに駐車されている自動車の電源は、100%太陽光由来のものではない可能性がある、ということです。しかし、完全自立型ソーラーカーポートは通常電源に接続しておらず、電力供給の観点で文字通り「自立」しています。まだ設置されたばかりで、実証実験段階ではありますが、再生可能エネルギー普及の確実な一歩となる試みといえます。

 

●EVシェアリングサービスとの連携

すでに、普及しているカーシェアリングサービス。これと同様に電気自動車をシェアするのが、EVシェアリングサービスです。今回登場した完全自立型ソーラーカーポートは中国電力が提供するEVシェアリングサービス「eeV」と連携し、広島県の公用車として活用するほか、地域住民への貸し出しも行います。

 

↑ソーラーカーポート正面の表示板には、現在の発電量などがリアルタイムに表示されます

 

完全自立型かつ、EVシェアリングサービスと連携したソーラーカーポート設置が実現した裏には、3つの企業の連携と、広島県の熱意がありました。その企業とは、中国電力、パナソニック、AZAPA。広島県を含む4者の役割は、おおまかに下記の通りとなっています。

 

  • 広島県:実施場所の提供、EVシェアリングの法人利用、EV普及のための政策面での支援
  • 中国電力:今回の試みの中核。実証実験の企画・運用、EVシェアリングサービス「eeV」の提供
  • パナソニック:ソーラーカーポートの開発・提供
  • AZAPA:通常電源から自立した状態での蓄電・制御システム、可搬型蓄電池システムの開発、自動車以外のモビリティをソーラーカーポートに対応させるための検討
↑ソーラーカーポートのオープン式典には、広島県の湯崎知事、中国電力の清水社長が参加。テープカットも行われました。両者の力の入れようが感じられます

 

↑AZAPAが開発した、ソーラーカーポート併設の可搬式バッテリー。これのおかげで、自動車以外のモビリティにもソーラー電源を活用できます

 

EVシェアリングで、地域住民もソーラーカーのレンタルが可能に!

今回設置されたソーラーカーポートには3台ぶんの駐車スペースがありますが、運用されるソーラーカーは日産・リーフ1台。今後、2台目として、MAZDA MX-30 EV MODELもそこに加わる予定です。平日には広島県が自治体の公用車として利用するほか、民間企業・中電工も法人利用をすることになっています。

 

しかし、法人としての利用が行われるのは平日のみ。つまり、休日の利用枠が空くことになります。そこで今回の実証実験では、休日の利用枠を地域の住民向けに開放することになりました。一般開放は5月以降とのことですが、EVシェアリングアプリ「eeV」から予約が可能になる予定です。

 

住民向け利用枠の価格は、15分220円と一般的なカーシェアリングと同程度に設定されています。利用枠が設けられるのは土日祝日のみではありますが、枠が空いている限り、長時間のレンタルが可能です。ただし、設置されている車はハイブリッド車ではないため、バッテリーが切れた場合の給油はできません。今回の実証実験で使用される日産・リーフは、バッテリー容量40kWhのフル充電で約400kmの走行ができますが、長距離を走る場合は注意が必要です。

↑駐車スペースの後部下には、15分220円の表示があります

 

また、今回のソーラーカーポートには、8機の可搬式バッテリーも装備されています。1機ごとの充電容量はソーラーカーと比べると小さいですが、こちらは電動自転車や電動キックボードなどの小型モビリティへの利用を主に想定したものです。

↑可搬式バッテリーで動く電動自転車。ただし、今回の実証実験場には設置されません

 

5年間の実証実験中にも、ソーラーカーポートを増設する見込みアリ

今回のプロジェクトは、脱炭素化に熱心な中国電力が同様の試みを進める広島県に声をかけ、そこから6か月で形になったといいます。実証実験の期間は5年間ですが、パナソニックの担当者によれば、その間にも試行錯誤を続けながら、ソーラーカーポートの増設などの普及活動を続けていく見込みだそうです。

 

地球温暖化防止だけでなく、化石燃料の価格高騰への対応策という意味でも普及が待たれる太陽光エネルギー。その活用の一形態として、一般住民でも利用しやすいEVシェアリングサービスがさらに普及することに期待しましょう。

 

【現地アクセス情報】

広島県立広島産業会館

広島県広島市南区比治山本町12-18

【ゲットナビ的】永久不滅のマスターピース!! フィアット「 500(チンクエチェント)」にクローズアップ

本稿では「コレ押さえときゃ間違いない!!」的ブランドと、そのアイコニックなモデルをフィーチャー。生まれては姿を消していく商品が多いなかで、世代を超えて愛され、文化的価値さえ備えた一流のクルマ、フィアット・「500」にクローズアップしました。

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

フィアット 500(チンクエチェント)

DATA

初代モデル発売 1936年
累計販売台数 約630万台(推定)
現行ラインナップ数 5モデル(うち2モデルはアバルト)

 

柔らかなシルエットとキビキビした走りで80年以上も愛されるイタリアの名車

フィアット

500 チンクエチェント

221万円(税込)〜

大ヒットした2代目500のデビューから半世紀後の、2007年に登場した現行モデル。デザインは往年のモデルをオマージュしたもの。16年にマイナーチェンジして現在に至る。221万円〜という身近な価格設定も人気の理由だ。

SPEC【500 1.2 CULT】●全長×全幅×全高:3570×1625×1515mm●車両重量:990kg●パワーユニット:1240cc直列4気筒SOHC●最高出力:69PS/5500rpm●最大トルク:10.4kg-m/3300rpm●WLTCモード燃費:18.0km/L

 

進歩とは無関係なクルマ だからこそ不老不死なのだ

現行の3代目フィアット500は、登場からすでに15年も経つが、まったく年を取らない。なぜなら、もともと不老不死の仙人みたいに、浮世離れしたクルマだからだ。

 

初代、そして2代目のフィアット500は、イタリアのモータリゼーションを支えた最小限の大衆車だったが、現行モデルは、ある意味最大限の趣味グルマ。後席や荷室の狭さを見ればわかるように、最初から実用性をかなり無視したレトロ感あふれるモデルで、一種の愛玩物と言える。テクノロジーの進歩とも無関係。逆に2気筒エンジン+ターボなどという、現代では考えられない古臭〜い(失礼!)メカニズムも採用して、それが逆に濃い味わいになっている。

 

フィアット500は、欧米ではすでに新型のEVモデルが発売されているが、現行のガソリンモデルはこのままガソリン車が製造禁止となるまで生産され、終了後も長くアイコンとして愛されるだろう。まさにタイムレスな名車だ。

↑2016年のマイナーチェンジでライト周りやバンパー形状が変更された。変わったことが気づきにくいボディシルエットはさすがだ

 

↑コンパクトカーとはいえそこは現代のクルマ。通常サイズで185ℓの容量を持つラゲッジルームは後席を倒すことで550Lになる

 

↑丸いライトは2代目500のイメージを色濃く受け継いだパーツ。トップモデルはバイキセノンヘッドライトを装備する

 

↑シンプルなインパネデザイン。パネル色はボディと同じ色で統一される。スマホ接続対応の7インチモニターは標準装備だ

 

↑500に用意されたエンジンは1.2Lの4気筒と0.9Lの2気筒ツインエアエンジン+ターボ(写真)の2種。特に後者は現行モデルの主力ユニットになり、カタログ燃費19.2km/Lを誇る

 

 

80年を超える歴史のなかで大きなモデルチェンジは2回だけ!

500の歴史は1936年から始まり、現在に至るまで大きなモデルチェンジはたったの2回。長きに渡って愛されているタイムレスギアだ。

 

【初代】トポリーノの愛称で親しまれた超小型車

航空機部門が設計を担当し、当時世界最小の量産車として1936年にデビュー。13PSのエンジンは85km/hの最高速を誇った。トポリーノ(ハツカネズミ)の愛称はあまりにも有名だ。

 

【2代目】2代目にチェンジしてお馴染みのスタイルに

500の前に新型を意味する「ヌォーヴァ(NUOVA)」を枕詞のようにつけた2代目。4人乗車できるようにRR方式を採用。1957〜77年の間に367万8000台が生産された。

 

 

カブリオレから超スポーツモデルまで好みのチンクエチェントが選べる

人気のフィアット500はその派生モデルも往年のヌォーヴァのデザインがモチーフ。爽快なドライブを楽しめるカブリオレからスポーティなモデルまで選択の幅は広い。

 

走行時の開放感はピカイチ!

500C

285万円(税込)〜

王道のカブリオレモデル。昔の500と違いエンジン音を逃がすためのキャンバストップではないので安心だ。Cピラーを残しているので走行中でも開閉が可能。リアガラスを残したりフルオープンにしたりと好みで選べる。

 

ブランド初のクロスオーバーSUV

500X

320万円(税込)〜

2014年に発表されたフィアット初のコンパクトクロスオーバーSUV。19年にマイナーチェンジされた。同じFCAグループ(現ステランティス)のジープ・レネゲードと兄弟車になり、500XはFFのみの展開になった。

 

外見は似ているが走りは別モノの超スポーツモデル

アバルト 595

320万円(税込)〜

500ベースのホットモデルがアバルトだ。アバルトは創始者の名前で、サソリのロゴは創始者の星座に由来する。トップエンドモデルには最高出力180PSを発揮する1.4ℓターボを搭載。愛らしいシルエットと熱い走りのギャップに、ファンは心をときめかせるのだ。

 

 

チンクエチェントは映画のなかでも活躍!

個性的なスタイリングは映画でも大活躍。ただの小道具ではなく、作品の世界を演出する“役者”として、実写でもアニメでも存在感たっぷりだ。

 

ローマの休日

(C) 1953, 2020 Paramount Pictures.

アン王女(オードリー・ヘプバーン)のお忍び旅を、グレゴリー・ペック扮する新聞記者と結託してスクープ撮影しようとするカメラマンのクルマとして登場。

 

ローマの休日

デジタル・リマスター版ブルーレイ・コレクターズ・エディション<初回生産限定>

5280円(税込)

 

ルパン三世 カリオストロの城

原作:モンキー・パンチ (C) TMS

ストーリー序盤の見せ場でもあるクラリスを助けるためのカーチェイスシーンをはじめ、全編に登場。ルパンが乗る黄色い500がもはや役者として登場する名作だ。

 

ルパン三世

カリオストロの城(4K ULTRA HD)

8580円(税込)

 

ニュー・シネマ・パラダイス

(C) 1989 CristaldiFilm

ボロボロのトポリーノでシチリアの山道をドライブしていたら故障してしまうシーンが有名。青年時代のトトと恋人エレナとの青春の日々を傍らから演出する。

 

ニュー・シネマ・パラダイス

好評配信中

 

 

チンクエチェントをもっと楽しめる博物館がある!

愛知県名古屋市にはチンクエチェント博物館がある。そのテーマはチンクエチェント(以下500)のなかでも2代目、ヌォーヴァ500を文化的な遺産として保護、保存すること。また500を所有する喜びも感じられるよう、博物館プロデュースの車両販売も行っている。近年では500をEVにした500evを発売したことでも話題になった。

↑初代モデルや貴重なコレクターズモデルが展示される。必見は籐編みシートの500。これは濡れた水着で座れるようにしたものだ

 

↑博物館がプロデュースする500の完成度はもはや新車並。しかも日本での走行環境に配慮してメカニカルな部分までこだわっている

 

チンクエチェント博物館

住所:愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14-10
TEL:052-871-6464
営業時間:10:00〜18:00(月曜休)

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】