日本の漫画はアフリカでも人気!「コミコン・アフリカ」が3年ぶりにリアル開催

2022年9月下旬、南アフリカのヨハネスブルグで、アフリカ大陸最大のマンガイベント「コミコン・アフリカ(Comic Con Africa)」が開催。大勢のマンガ好き、ゲーマー、コスプレーヤーが集まり、新型コロナウイルスのパンデミック以降、3年ぶりとなる同イベントは大盛況で幕を閉じました。マンガやアニメはアフリカでも巨大なポップカルチャーになりつつあります。

大盛況!(画像提供/Comic Con Africa)

 

「コミコン・アフリカ」が初めてアフリカで開催されたのは2018年のこと。米国・ニューヨーク最大のポップカルチャーイベント「NYコミコン」やシアトルで開催される「エメラルドシティ・コミコン」などを手掛ける企業リードポップが主催し、コミックやマンガのコンテンツを制作する企業、出版社、インフルエンサーなどを招き、地元のマンガファンとの交流を楽しむイベントとして始まりました。

 

もともとアフリカでは、日本の漫画とアメコミ(アメリカのマンガ)が高い人気を集めており、アフリカと世界を結ぶ場所として南アフリカが開催地に選ばれたのです。2018年の初回は、イベント開幕前にチケットが完売。その成功から、翌年の2019年には大手スポンサーがついて会場も大きくなり、アフリカ各国や世界中から多くの来場者を集めるイベントに成長しました。

 

その後、2020年はパンデミックでオンラインイベントに移行。翌年は中止になりましたが、2022年は3年ぶりのリアルイベントの開催とあって、これまでよりもさらに大きな会場が選ばれました。7万5000人を収容できるヨハネスブルグ・エクスポセンターを舞台に、4日間にわたり、マンガ、映画、ゲーム、コスプレなどのファンが集い、アフリカで過去最大のイベントとなったのです。参加したコスプレーヤーの中には、マーベルやセーラームーン、ハリー・ポッター、鬼滅の刃のキャラクターの装いをしている人たちがいました。

 

【コミコン・アフリカ2022の初日の様子】

 

アフリカ人にとってのマンガ・アニメ・コスプレは何を意味するのでしょうか? ヨハネスブルグに暮らし、今回のコミコン・アフリカに参加した女性のコスプレーヤーは、SF映画『アバター』に登場する、神秘の星パンドラの先住民ナヴィ族のネイティリを装い、「私にとってネイティリは、とてもパワフルで自分の村や部族のために戦うアフリカの女性です」と自分に重ねながら話しています。

 

また、12年間、映画のコスチュームデザイナーとして働いてきた人が自身もコスプレを楽しむようになり、今回のイベントに参加したというケースも見られました。アフリカでもマンガやアニメ、コスプレといったポップカルチャーの人気はとても高く、日本やアメリカが生み出す作品を見て育ったクリエイターたちが業界を引っ張りながら、着実にその文化が人々の間に根付いていっているようです。

 

2022年の開催では、ファン同士や業界関係者のコミュニケーションに満足感を覚えた参加者が多かったようです。実際、現地のコミックアーティストからは「オンラインでの開催となった2年間を取り戻したような感じだった」「とても楽しんだ」という声がありました。

 

締め切り前の停電は痛すぎる

一方、コミコン・アフリカに参加したコミックアーティストの中には、マンガやコミック、アニメがアフリカでさらに発展するうえでの課題を指摘する人もいます。ヨハネスブルク在住でマーベルなどのコミック作品を描くジェイソン・マスターズさんは「私たちはデジタルで仕事をしています。タブレットも持っているから、停電になっても数時間程度なら仕事を続けられます。でも、締め切り前に停電になったときはつらかった!」と、テクノロジー系メディア・Glitchedのインタビューに回答。安定的な電力供給を可能にするインフラの整備が求められているようです。

 

インターネットが発達してSNSが身近になった今日、個人が自分の作品をSNSに投稿するなどして広く世界に紹介することが簡単にできるようになっています。それをきっかけに新しいコミュニティが生まれたり、新しいアーティストの発掘につながったりする可能性が増えているのです。コミコン・アフリカでは、現地のアーティストが自分の作品を紹介できるプラットフォームの構築も検討しているそうで、コミコンの盛り上がりの後押しを受けて、この業界の新しい発展が期待されています。

 

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「XR・メタバース」への期待値、日本の22%に対し途上国は倍以上

AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などを含めたXR(クロスリアリティ)と現実世界が融合した世界を指す「メタバース」。2021年10月にFacebookが社名をMetaに変更したことで、世界中でメタバースの注目度が上がりましたが、2022年5月に発表された調査『How the World Sees the Metaverse and Extended Reality』で、メタバースへの関心は途上国・新興国で最も高いことがわかりました。

新興国・途上国で期待大

 

フランスの大手市場調査企業・イプソスは、世界経済フォーラムの依頼を受け、2022年4月〜5月に29か国で計2万1000人以上の成人を対象にXRとメタバースに対する意識を調査。XRを前向きに捉えている人の割合は中国で78%、インドで75%、ペルーで74%、サウジアラビアで71%となりました。対照的に先進国ではXRへの期待が低く、肯定的な意見を持っている人の割合は、日本が先進国で最低の22%、イギリスは26%、カナダは30%、ドイツとフランスは31%、アメリカは42%となり、新興国や途上国と顕著な差が見られます(下記のグラフ〔英語〕を参照。カーソルを合わせると各国の割合が表示される)。

 

 

メタバースへの関心についても同じような傾向が見られます。トルコやインド、中国、韓国といった新興国では3分の2以上の人がメタバースについてよく知っていると回答したのに対して、フランスやドイツ、ベルギー、オランダといった先進国では、その割合が3分の1以下になりました。

 

このような違いが現れた理由には、デジタル通貨が関係している模様。XRやメタバースはブロックチェーン技術によって支えられています。ブロックチェーンやフィンテックなどを専門とするメディアのCointelegraphによると、ブロックチェーンは、インフレーションや通貨価値の下落といった問題を抱える新興国・途上国で人気を高めており、このような国々では暗号通貨を購入する人が先進国より多いとのこと。この視点から考えれば、「経済的に苦しい生活をどうにかしたい」と願う人たちがXRやメタバースに大きな期待を寄せていると理解することができるでしょう。

 

教育やビジネス、エンタメ・ゲーム、ヘルスケア、デジタル資産の取引など、幅広い分野を劇的に変えるとされるXRやメタバース。世界の大手IT企業がこの分野で切磋琢磨しており、今後も市場規模は拡大していく見込みです。日本国内においても多くの企業が同分野に進出していますが、海外市場に目を向ける際は、XRやメタバースへの期待が高い新興国・途上国に注目すると良いかもしれません。

 

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