いまこの仏車にAttention! オシャレで機能も十分なモデルをプロがピックアップ

オシャレで機能的、燃費性能や安全運転支援技術も進化しているフランス車のなかでも、特にオススメのモデルをプロが「エレガントなフレンチ」「小粋なフレンチ」の視点でピックアップ。ピュアスポーツとして名高いアルピーヌも紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【その1】ルノー

私が選びました!

モビリティジャーナリスト
森口将之さん
これまで所有した愛車の3分の2がフランス車。渡仏経験も多く、クルマ以外のモビリティにも詳しい。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

納得の完成度を誇る欧州ナンバー1SUV

キャプチャー

309万円〜389万円(税込)

キャプチャーは2021年に欧州で一番売れたSUV。躍動感あふれるスタイリング、上質で使いやすいインテリア、ルノーらしく自然で安定した走りが人気の理由だろう。日本の道路事情に合ったコンパクトなサイズもうれしい。

SPEC【E-TECH ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4230×1795×1590mm●車両重量:1420kg●パワーユニット:1597cc4気筒DOHC+モーター●最大出力:94PS[49PS]/5600rpm●最大トルク:15.1kg-m[20.9kg-m]/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

↑コンパクトSUVながら広いラゲッジスペースを確保。後席使用時でも536L、リアシートを倒せば最大1235Lにまで拡大する

 

↑E-TECH HYBRIDはエンジン側に4速、モーター側に2速のギアを搭載。計12通りの組み合わせでシームレスな変速を実現する

 

↑360度カメラを搭載し、真上から見下ろしたような映像をスクリーンに表示してくれる。ギアをリバースに入れると自動で起動する

 

[ココにAttention!] F1技術を注いだハイブリッドも登場

ハイブリッド仕様が最近追加。F1のノウハウを注入したE-TECH HYBRIDは、輸入車SUVナンバー1の燃費をマークしつつ、ハイブリッドらしからぬダイレクトな走りも魅力。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

トゥインゴ

225万円〜254万円(税込)

3代目でリアエンジンに変身したベーシックルノー。5ナンバーに収まるサイズ、驚きの小回り性能、独特のハンドリングなど、国産コンパクトとはひと味違った魅力がいっぱいだ。

 

↑エンジンはリアラゲッジ下に効率良く配置。リアエンジンの採用でタイヤを車両の四隅に配置でき、後席の足元空間にも余裕が生まれる

 

↑シンプルにまとめられた運転席まわり。電子制御6速ATと0.9L3気筒ターボエンジンの組み合わせで、力強い走りを実現している

 

↑インテンス MTには5速マニュアルトランスミッションを採用。1.0Lの自然吸気エンジンとの組み合わせで、小気味良く操ることが可能

 

[ココにAttention!] 往年の名車がモチーフ!

キュートなのに存在感あるスタイリングは、1970〜80年代に活躍したミッドシップのラリーカー、5ターボがモチーフ。それをベーシックカーに反映する発想がまたスゴい。

 

【その2】プジョー

私が選びました!

モータージャーナリスト
飯田裕子さん
自動車メーカー在職中に培ったレースや仕事経験を生かしつつ、カーライフの“質”や“楽しさ”を提案する。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

デザインで選びたくなるプジョープライドを体現

508SW

598万9000円〜704万3000円(税込)

プジョーのフラッグシップ508のステーションワゴン。機能的なワゴンをデザインで選びたくなるようなスタイルに磨きをかけ、上質さや快適性、ドライバビリティが高められた。3タイプのパワーチョイスには新たにPHEVが加わった。

SPEC【GT BlueHDi】●全長×全幅×全高:4790×1860×1420mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1997cc4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最大出力:177PS/3750rpm●最大トルク:40.7kg-m/2000rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L

 

↑伸びやかなフォルムの前後にはLEDライトを採用し、最新のプジョーらしさを上質さとともに表現。デザインで選ぶ人がいても納得

 

↑期待以上の機能美をプジョーらしく象徴するラゲッジ。スクエアでフラットなスペースは先代を上回る収納量530〜1780Lを誇る

 

[ココにAttention!] 燃費性能に優れるディーゼルは優秀

3種類のパワーソースが揃う。特に快適指数も高く燃費にも優れるディーゼルの力強く扱いやすい動力と、しなやかなドライブフィールが、美しい508SWの行動意欲をかき立てる。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

208

284万5000円〜460万2000円(税込)

コンパクトカー作りの名手プジョーが、ブランドの特徴を凝縮し、若々しくスポーティな走りやデザインを体現。独創的かつ最先端の「3D i-Cockpit」の機能性にも注目したい。

 

[ココにAttention!] EVもガソリン車も走りを楽しめる!

208をピュアEVで楽しめる時代に突入。一方、国産コンパクトと競合するピュアガソリン車のプジョーらしい走りも、優れたパッケージやデザインと並んで捨てがたい魅力だ。

 

【その3】シトロエン

私が選びました!

自動車・環境ジャーナリスト
川端由美さん
エンジニアから自動車専門誌の編集記者を経て、フリーのジャーナリストに。エコとテックを専門に追う。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

広大な空間を持つMPVながらエレガントな雰囲気はキープ

ベルランゴ

367万6000円〜404万5000円(税込)

広大な室内空間を持つクルマで家族と一緒に出かけたいけれど、所帯じみて見えるのは避けたい。いや、むしろ、エレガントに乗りこなしたい! という人にオススメ。フランス車らしいエレガントなデザインに目を奪われる。

SPEC【SHINE BlueHDi】●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm●車両重量:1630kg●パワーユニット:1498cc4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最大出力:130PS/3750rpm●最大トルク:30.6kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:18.1km/L

 

↑収納スペースが豊富なのがベルランゴの特徴。天井部にも収納スペースが用意され、小物を効率良くまとめて置いておけるのが◎

 

↑コラボ企画で生まれた車中泊用純正アクセサリー。リアシートを倒しエクステンションバーを伸ばすと、フラットなベッドに早変わり

 

[ココにAttention!] 3列シートモデルの登場に期待したい!

小柄なボディながら、オシャレな内外装と、大人5人がくつろげる室内空間と広大な荷室を両立。全長4.4mのコンパクトさは維持しつつ、3列シート7人乗りの「XL」も年内発売予定だ。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

C3

265万8000円〜291万3000円(税込)

フランス車のなかでも、特にアヴァンギャルドで、お国柄が色濃いシトロエン。そのエスプリは、末っ子のC3でも存分に味わえる。小型車でも、細部まで妥協がない。

 

[ココにAttention!] 個性的なカラーと扱いやすさがイイ

個性的なボディカラーに、ルーフとドアミラーをツートーンでコーディネートすることもできる。全長4m未満と街なかで扱いやすいボディサイズだが、後席にも十分に大人が座れる。

 

PICK UP!

航続距離70kmでも欧州で爆売れ! 「アミ」はシトロエンのマイクロEV

シトロエンの超小型EV「アミ」。フランスでは普通免許が不要で、原付のような位置付けだ。220Vの電圧で約3時間で充電可能で、航続距離は70km。残念ながら日本未発売だが、パリの街では目立つ存在になりつつある。

 

【その4】ディーエス オートモビル

私が選びました!

モータージャーナリスト
岡本幸一郎さん
1968年生まれ。フランス車ではプジョー205GTIの所有歴がある。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

パリで育まれた感性が光るDSのフラッグシップSUV

DS 7 CROSSBACK E-TENSE 4×4

754万1000円(税込)

プレミアムブランドとしてシトロエンから独立したDSが初めてイチから開発したモデル。パリ生まれの優美な内外装デザインに最新のテクノロジーを融合した高級SUVで、E-TENSEはリアを強力なモーターで駆動するプラグインハイブリッド車だ。

SPEC●全長×全幅×全高:4590×1895×1635mm●車両重量:1940kg●パワーユニット:1598cc4気筒DOHC+ターボ+モーター●最大出力:200PS[110(前)112PS(後)]/6000rpm●最大トルク:30.6kg-m[32.6(前)16.9(後)kg-m]/3000rpm●WLTCモード燃費(ハイブリッド燃料消費率):14.0km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

↑エンジンを始動するとエレガントなデザインのB.R.M社製の高級アナログ時計がダッシュボード上に現れる。自動時刻修正機能も搭載

 

↑高級腕時計に用いられる高度な技法“クル・ド・パリ”を採用したセンターコンソール。多数のピラミッドが連なっているように見える

 

[ココにAttention!] 路面状態を認識し足回りを最適化

これから通過する路面の凹凸をフロントカメラで認識して足まわりのダンパーを最適に電子制御する「DSアクティブスキャンサスペンション」を搭載。乗り心地は極めて快適だ。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

DS 4 TROCADERO PureTech

398万円〜(税込)

年頭に開催された国際自動車フェスティバルでは、”世界で最も美しいクルマ”を意味する「Most Beautiful Car of the Year」を受賞。最廉価版なら400万円を切る価格にも注目。

 

[ココにAttention!] デザインも良いが走りもスポーティ!

受賞実績でも明らかなとおりデザインが素晴らしいのは言うまでもないが、走りも素晴らしい。新世代プラットフォームによる走りは快適性とスポーティさを見事に両立している。

 

【TOPIC】ピュアスポーツとして名高いフランス車が「アルピーヌ」だ

私が解説します!

モータージャーナリスト
清水草一さん
1962年東京生まれの自動車ライター。これまで50台以上の自家用車を購入している。

軽量ボディと適度なパワーで思い通りに操れるのが魅力

1960年代から70年代にかけて、リアエンジン・リアドライブレイアウトの軽量ボディでラリー界を席巻したのがアルピーヌA110。あの伝説のマシンが、40年の歳月を経て現代によみがえった。それがアルピーヌA110であり、そのパワーアップ版がA110Sだ。

 

現在のアルピーヌは、ルノーブランドのひとつ。新型アルピーヌは、エンジンを車体中央に横置きするミッドシップレイアウトに変更されている。いわゆる「スーパーカーレイアウト」だ。

 

フェラーリやランボルギーニなど、現代のスーパーカーはあまりにも大きく、パワフルになりすぎていて、性能を使い切ることが難しいが、アルピーヌは軽量コンパクトでパワーも適度。純粋に走りを楽しむことができるモデルだ。

 

最適パフォーマンスが光る“手ごろなスーパーカー”!

アルピーヌ

A110 S

897万円(税込)

1100kgしかない軽量ボディに252馬力の1.8L4気筒ターボエンジンを搭載し、2017年、アルピーヌA110の名で40年ぶりの復活を遂げた。A110Sは最高出力が300PSに増強された、よりスポーツ色が強いバージョンだ。

SPEC●全長×全幅×全高:4205×1800×1250mm●車両重量:1110kg●パワーユニット:1798cc4気筒DOHC+ターボ●最大出力:300PS/6300rpm●最大トルク:34.6kg-m/2400rpm●WLTCモード燃費:14.1km/L

 

↑3種類のドライブモードから選択可能。ステアリング右下の赤いボタンを押すと、即座にスポーツモードとなり、走りがスポーティに

 

↑アルピーヌA110は軽さが命。ボディの骨格はオールアルミ製だ。1100kgという車両重量は、コンパクトカー並みの軽さを誇る

 

↑車両底面にフタをしてフラットにすることで、空気をスムーズに流し、高速域ではダウンフォースを発生させている

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

「ベルランゴ」は広大な空間を持つMPVながらエレガントな雰囲気はキープ【いまこの仏車にAttention!】

オシャレで機能的、燃費性能や安全運転支援技術も進化しているフランス車のなかでも、特にオススメのモデルをプロが「エレガントなフレンチ」「小粋なフレンチ」の視点でピックアップ。今回はシトロエンを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

CITROEN(シトロエン)

私が選びました!

自動車・環境ジャーナリスト
川端由美さん
エンジニアから自動車専門誌の編集記者を経て、フリーのジャーナリストに。エコとテックを専門に追う。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

ベルランゴ

367万6000円〜404万5000円(税込)

広大な室内空間を持つクルマで家族と一緒に出かけたいけれど、所帯じみて見えるのは避けたい。いや、むしろ、エレガントに乗りこなしたい! という人にオススメ。フランス車らしいエレガントなデザインに目を奪われる。

SPEC【SHINE BlueHDi】●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm●車両重量:1630kg●パワーユニット:1498cc4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最大出力:130PS/3750rpm●最大トルク:30.6kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:18.1km/L

 

↑収納スペースが豊富なのがベルランゴの特徴。天井部にも収納スペースが用意され、小物を効率良くまとめて置いておけるのが◎

 

↑コラボ企画で生まれた車中泊用純正アクセサリー。リアシートを倒しエクステンションバーを伸ばすと、フラットなベッドに早変わり

 

[ココにAttention!] 3列シートモデルの登場に期待したい!

小柄なボディながら、オシャレな内外装と、大人5人がくつろげる室内空間と広大な荷室を両立。全長4.4mのコンパクトさは維持しつつ、3列シート7人乗りの「XL」も年内発売予定だ。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

C3

265万8000円〜291万3000円(税込)

フランス車のなかでも、特にアヴァンギャルドで、お国柄が色濃いシトロエン。そのエスプリは、末っ子のC3でも存分に味わえる。小型車でも、細部まで妥協がない。

 

[ココにAttention!] 個性的なカラーと扱いやすさがイイ

個性的なボディカラーに、ルーフとドアミラーをツートーンでコーディネートすることもできる。全長4m未満と街なかで扱いやすいボディサイズだが、後席にも十分に大人が座れる。

 

PICK UP!

航続距離70kmでも欧州で爆売れ! 「アミ」はシトロエンのマイクロEV

シトロエンの超小型EV「アミ」。フランスでは普通免許が不要で、原付のような位置付けだ。220Vの電圧で約3時間で充電可能で、航続距離は70km。残念ながら日本未発売だが、パリの街では目立つ存在になりつつある。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

オシャレさと力強さを兼ね備えた仏車をフィーチャー!! いま注目の“トレビアン”な4社の真実に迫る

いまフランス車の評価が高まっている。美しく、エッジの効いたデザインはもちろん、フランス人の合理主義が生み出す使い勝手の良さも魅力のひとつ。ハイブリッドやEVだって豊富に揃う。世界で最もトレビアンなクルマなのだ!

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

 

アナタの知らない仏車

世界的にも評価が高まる同国車の真実に迫る!

オシャレなイメージが先行しているフランス車は、それぞれのメーカーの魅力が語られないことも多い。意外と知られていない真実を解明すべく、フランス車が大好きで、フランス車に精通するモビリティジャーナリストが解説する。

 

私が解説します!

モビリティジャーナリスト
森口将之さん
これまで所有した愛車の3分の2がフランス車。渡仏経験も多く、クルマ以外のモビリティにも詳しい。

 

【その1】フランス車にはどんなメーカーがある?

RENAULT/ルノー

センスの良さが光る生活のパートナー

1898年にパリ近郊で創業したルノーは、第二次世界大戦後しばらく国営企業だった。いまもフランス政府が日産とともに筆頭株主。それもあって生活に根付いた実用車が中心だ。しかしデザインは洗練されていて、センスの良いデザイン雑貨を思わせる。F1に熱心なのも特徴。

 

PEUGEOT/プジョー

ライオンの強さと切れ味良い走り

プジョーは1889年にクルマ作りを始める前から金属製品を手掛けていた。エンブレムのライオンは強さや切れ味を表現すべく、そのころから使われている。本拠地はドイツ国境に近いアルザス地方。そのためかフレンチ風味は濃厚ではなく、切れ味良い走りがウリだ。

 

CITROEN/シトロエン

独創と快適へのこだわりはピカイチ

1919年にクルマ作りを始めたシトロエンは、欧州でいち早く大量生産を実現し、前輪駆動の量産車を送り出すなど、昔から革新的。ハイドロニューマチックに象徴される乗り心地へのこだわりも特徴で、個性的なデザインと併せて、フランス車の象徴と言われることが多い。

 

DS AUTOMOBILES/DS オートモビル

パリの先鋭と洗練が息づくプレミアム

最初はシトロエンのなかのプレミアムラインという位置づけだったが、人気の高まりによって2015年に独立。パリの先鋭と洗練、匠の技をクルマに織り込んだプレミアムブランドで、モータースポーツではブランド設立直後からフォーミュラEに参戦している。

 

【その2】個性あふれるデザインにインテリアも独創的

いわゆる「沈没船ジョーク」で、船長が日本人には「皆さんはもう飛び込みましたよ」と言うが、フランス人には「決して飛び込まないでください」と言えば逆に飛び込むといわれる。フランス車のデザインが個性的なのは、ここに理由がある。つまり人と違う発想を評価するのだ。でも結果としてのデザインは使いやすく心地良い。それを知ってさらに好きになっていく。

↑スタイリッシュなモデルが多いDS オートモビル。なかでもDS 4はオートモービル国際審査委員会主催の第37回フェスティバルにおいて、最も美しいクルマに選出された

 

↑DS 9はDS オートモビルのフラッグシップモデル。シートには最上級の一枚革を巧みな技法で仕上げた、ウォッチストラップデザインのナッパレザーが使われている

 

【その3】ミニバンではなく「MPV(マルチパーパスビークル)」と呼ぶ理由は?

ミニバンという言葉はアメリカ発祥。実際、日本はもちろんフランスでも「ミニ」ではないし「バン」でもない。なのでマルチパーパスビークルという呼び名はむしろしっくりくる。背は高いものの2列シートが多いので、多用途に使えるという部分を強調しているのかもしれない。人生は楽しむものという彼らの考え方が、クルマの呼び方にも反映されている気もする。

↑プジョーのMPVであるリフター。1.5LBlueHDiディーゼルエンジンは130PS/3750rpmの高いパフォーマンスを発揮する。大容量の荷物を積載してもパワフルな走りを実現

 

↑リフターのラゲッジルームは5人乗車時で約597L。ラゲッジトレイを外してリアシートを折りたためば、最大で約2126Lに拡大する。荷室開口部は低く、荷物も載せやすい

 

【その4】使い勝手は抜群! 最新車は操作性も向上

世界で初めてハッチバックを発表し、欧州でいち早く3列シートの乗用車を送り出すなど、フランス車は昔から使い勝手へのこだわりは強かった。フランスならではの独創性から生まれた装備も多く、プジョー、シトロエン、DSに使われているスライド式ATセレクターレバーは代表例だ。加えて最近は日本車などを研究して、運転席まわりの小物入れが充実している。

↑ルノー・ルーテシアはコンパクトハッチバックながら荷室容量は391L(E-TECH HYBRIDは300L)と十分なサイズ。後席シート背面は6:4分割可倒式で長尺物の積載も可能

 

↑プジョー・208のガソリンモデルには、指先だけでシフト操作ができるトグルタイプのオートマチックセレクターを採用。よりストレスフリーなドライビングを実現している

 

【その5】長距離ドライブ時こそわかる乗り心地の良さ

フランスはバカンスの国として知られる。夏になれば家族みんなで遠くに出かけてゆったり過ごすシーンが思い浮かぶ。だからなのか、ロングランを快適に過ごすことができる乗り心地には、並々ならぬこだわりがある。いまでもシトロエンやDSでは、シートやサスペンションに独自の技術を投入。「魔法の絨毯」と言われる移動の快感を、現代に受け継いでいる。

↑シトロエンのC4。ショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーを組み込むことで、従来のシステムでは吸収しきれなかったショックを抑制し、フラットライドを実現する

 

↑C4に備わるシトロエン独自のアドバンストコンフォートシート。表面には15mmの厚さがある特別なフォームを採用する。身体を柔らかく包み込み、ホールド性も両立している

 

【その6】燃費性能も向上してEVモデルにも積極的

フランス車は昔から小型車が多く、エンジンも小さめで経済志向だった。現在日本で販売されている量産フランス車の排気量は最大でも2Lだ。最近は電動化が進み、プジョー、シトロエン、DSでは電気自動車やプラグインハイブリッド、ルノーではフルハイブリッドが登場。経済的な車格のおかげもあって、輸入車でトップレベルの環境性能をマークしている。

↑ルノー・ルーテシアに加わったE-TECH HYBRIDは、輸入車で唯一のフルハイブリッドモデル。ハイブリッド燃料消費率は、輸入車でNo.1となる25.2km/Lを誇る

 

↑プジョーはフランス車のなかでも特にEVに積極的なメーカー。現在日本で購入できる9モデルのうち、7モデルでガソリン、ディーゼル車とともにEVをラインナップしている

 

【その7】安全運転支援技術も国産車並みのレベルに

少し前までは「安全性」がフランス車のウィークポイントだったが、いまは多くのモデルがアダプティブクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキ、360度カメラなどを標準装備。国産車と比較検討できるレベルになった。それ以前から備えていた高水準の直進安定性や乗り心地などを含めて考えれば、長距離を安全快適に乗れるクルマへアップデートされたと言えるだろう。

↑最近のプジョー車で採用されているのが「3D i-Cockpit」。ドライブ中の情報を3Dで表示する3Dデジタルヘッドアップインストルメントパネルは、表示形式のカスタマイズも可能

 

↑ルノーは日産、三菱とのアライアンスを生かした先進装備が特徴。360度カメラのほか、駐車可能なスペースを検出して自動でステアリングを操作するパーキングアシストも搭載

 

 

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シトロエン「C5 X」はステキなフランス車。しかし走りには“シトロエンらしさ”を感じられなかった

これまで世界を驚愕させるようなデザインやサスペンションシステムを生み出してきたフランスのシトロエン。同ブランドの新たなフラッグシップモデルは、流行りのクロスオーバーSUV風デザインで登場した。今年ついに日本へ上陸してきたこのアバンギャルドなニューモデルの魅力とは?

 

【今回紹介するクルマ】

シトロエン/C5 X

※試乗グレード:SHINE PACK

価格:484万円~636万円(税込)

 

C5 X初対面の感想は「げえっ、カッコいい!」

シトロエンの新たなフラッグシップ、「C5 X」。私は、2015年に生産を終了したシトロエン「C5」のオーナーだっただけに、その後継とも言うべきモデルの復活には、ひとかたならぬ思いがある。しかも私はつい最近、C5 Xの兄弟車にあたるプジョー「508」(現行型の中古車)を買ったばかりだ。つまりC5 Xは、ダブルで注目せざるをえない新型車だったのだ!

 

まずそのスタイルを見て、「げえっ、カッコいい!」と思った。「げえっ」というのは、プジョー508を買ったばかりの自分にとって、「げえっ」だったということ。

 

C5 Xのデザインは、5ドアハッチバックとSUVの融合ともいうべきクロスオーバースタイル。スポーティでエレガントな5ドアハッチバックの車高を少しだけ持ち上げ、フェンダーガードで武装してSUV風味を加えると、伝統的なヨーロピアンなカッコよさに、今どきっぽいイケイケ感が付け加えられる。われら中高年は基本的に保守的だが、微妙に今どき感を漂わせたいという思いもある。C5 Xのエクステリアは、そこにドンピシャだ。

↑10月1日に登場したばかりのC5 X。フロントフェイスには、新世代シトロエンを象徴するV字型シグネチャーライトを採用

 

この手法は、新型「クラウン クロスオーバー」でも用いられている。いま話題のクラウン クロスオーバーは、C5 Xにかなりソックリ。ちなみにC5 Xは約1年前に本国で発表されているので、クラウン クロスオーバーより少しだけ先に出ている。

 

対する我がプジョー508は、完全なる5ドアハッチバック。完全に伝統的な、ある意味昔っぽいスカし感に満ちていて、中高年の美意識のど真ん中を突いているが、今どき感はあまりない。じゃ、C5 Xと508のデザイン対決、どっちが勝ちなのか? と問われれば、客観的にはC5 Xの僅差勝ち、主観的には508の僅差勝ちだ。とにかくどっちもカッコいいし、正体不明の高級感がある。

 

本邦ではフランス車は絶対的に少数派。車種を認識できる人が限られるぶん、レア感やツウ感のある正体不明感を満喫できるのだ。これは、国産車やドイツ車では味わえない感覚で、クセになる。フランス車を買う人は、なによりもスタイリングを優先する。国産車を買う人は信頼性を、ドイツ車を買う人はメカニズムを優先するが、フランス車の購入層にとって最も重要なのはスタイリングだ。正直、メカなんかどうでもいいというくらい、スタイリングを重視する。C5 Xのデザインは、いかにもシトロエンらしいオシャレさやアバンギャルドさが漂っていて、それだけで「買い」だ。

↑4色のボディカラーをラインナップ。写真のカラーは大人の渋さ漂う「グリ アマゾニトゥ」

 

フランス車を買う人は、インテリアも重視する。シートに座っているだけでオシャレ感を味わえなければ、フランス車を買った意味が薄くなる。ただし、高級感にはこだわらない。TシャツにGパンでひと味違うオシャレさを演出するパリジャンの世界を好むのだ(?)。

 

その伝で言うと、C5 Xのインテリアは実にちょうどいい。シブい色調の車内は、それほど質感の高くないオシャレ感に満ちている。かつてシトロエンと言えば、1本スポークステアリングなど奇抜な演出が定番だったが、近年のシトロエンは奇抜さよりも、親しみやすさを重視している。シトロエンファンとしては、まずまず納得の仕上がりだ。

↑木目調デコラティブパネルを採用した水平基調のコックピット。センターコンソール上部にはそのデザインと鮮やかなコントラストをなす12インチデジタルタッチスクリーンを配置。Apple CarPlay/Google Android Autoに対応するスマホと連携し、スマホアプリやコンテンツをシームレスに楽しむこともできる

 

↑ラゲッジルームの積載容量は通常時で545L。リアバックレストを倒せば、最大1640Lの広大なスペースが生まれる

 

エンジンは常に脇役で、ある意味、普通に走ればそれでいい

試乗したのは、ガソリンエンジンの1.6Lターボ仕様。もはやPSAグループの超定番エンジンで、可もなく不可もなく加速する。私が乗っていたC5と基本的には同じエンジンで、パワーは156psから180psに強化されているものの、加速感にほとんど差はなく、「ごく普通に走る」と言うしかない。シトロエンにとってエンジンは常に脇役で、ある意味、普通に走ればそれでいいのである。

 

それより重要なのは乗り心地だ。シトロエンと言えば、オイルとガスを使って魔法のじゅうたんのような乗り心地を実現していた「ハイドロニューマチックサスペンション」の伝統がある。先代型C5は、その最後のハイドロシトロエンだったが、コストが合わなくなり絶滅。このC5 Xには、その伝統を受け継ぐ形で「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)」なるダンパーシステムが搭載されている。

 

その乗り心地はというと、まだ新車で機械的なアタリが付いていないのか、あまりフンワリ感はなく、ごく普通のサスペンションという印象だった。どちらかというとスポーティで引き締まった印象で、コーナリングが得意。シトロエンらしさは感じられない。むしろ私のプジョー508のほうが、フワッと当たりがソフトなくらいだ。

↑リアコンビネーションランプはサイドまで回り込むような大胆なV字型デザインで、その存在を鮮烈に印象づける。SHINE PACKには、スライディングガラスサンルーフを装備

 

↑車速やナビゲーションのルート、ドライバーアシスト機能の作動状況など、運転に必要な情報をメーター上部のフロントウィンドウに投影する

 

ちなみにだが、C5 Xのリアサスはトーションビーム方式なのに対して、508はより高価なマルチリンク方式+電子制御ダンパーを採用している。兄弟車とはいっても、サスペンション的には微妙に508のほうが上位なのだ(軽い勝利感)。

 

ただ、同じPHCを積んだSUVのシトロエン「C5エアクロスSUV」は、フワッフワの綿アメのような乗り心地だったので、C5 Xも、車体の走行距離が延びれば、もうちょっとフワフワしてくる可能性もあるだろう。それに期待したい。

 

クラウン クロスオーバーが話題の今、そのソックリさんとも言うべきシトロエンC5 Xは、「似てるけど違うんだぜ」と主張できる、実にステキなフランス車だ。これに乗れば、周囲のクルマ好きから一目置かれることは間違いない。

 

SPEC【SHINE PACK】●全長×全幅×全高:4805×1865×1490㎜●車両重量:1520㎏●パワーユニット:1598㏄直列4気筒ターボエンジン●最高出力:180PS/5500rpm●最大トルク:250Nm/1650rpm●WLTCモード燃費:─㎞/L

 

 

撮影/池之平昌信

 

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アウトドアでの便利さに“惚れ”るクルマを深“掘り”! キャンプの相棒5選

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。ここでは専門家を魅了する5台のモデルを解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

選ぶならアウトドアで活躍する機能性と個性を重視

猛威を振るうコロナ禍の影響もあり、野外で楽しめる開放的なキャンプが爆発的なブームを迎えている。週末のキャンプ場が満員御礼の状態になっているいま、ほかのキャンパーとはひと味違うクルマを選ぶことで個性を主張するのもオススメだ。

 

しかし、形ばかりのクルマでは意味を成さず、スタイルに伴う性能を備えていなければならない。オートキャンプや車中泊での利便性、遊び道具を満載できる積載性能、悪路の走破力などアウトドアならではの使い勝手は欠かせない。そして、キャンプという非日常だけでなく、日々の暮らしで使える快適性を合わせ持った二面性を備えたクルマを選ぶことも重要なポイントだ。

 

尖り過ぎない実用性と快適性、そしてキャンプ使用で威力を発揮してくれる個性的なクルマ選びこそが、快適なキャンプには大切だ。それに適した5モデルを紹介しよう。

 

 

「現代アウトドアにピッタリなパワーソース」に“ホレ”る

【その1】家電も使える未来のクルマ電気の力でキャンプを満喫

三菱

アウトランダー PHEV

462万1100円〜532万700円

存在感を示すアウトランダー PHEVは、その名の通り、プラグインハイブリッドのメリットを生かした1台だ。バッテリーからは最大1500Wの電気がアウトップットでき、家庭用の電気調理器や暖房器具の使用を可能とする。

SPEC【P】●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm●車両重量:2110kg●パワーユニット:2359cc直列4気筒+ツインモーター●最高出力:133[116/136]PS/5000rpm●最大トルク:19.9[26.0/19.9]kg-m/4300rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L●EV走行換算距離:83km

●[ ]内は電気モーター(前/後)の数値

 

↑フロアコンソールとラゲッジルームの2か所にACコンセントを備え、最大1500Wの電力を供給。ホットプレートや暖房器具も使える

 

↑4輪の駆動力、制動力を最適にコントロールするS-AWC。ツインモーターをと呼ばれる4WD機能が快適かつ安全な走行性能を提供

 

↑開口部の段差をなくした広大なラゲッジスペース。多彩なシートアレンジを可能とし、フラットにすることで荷物を満載できる

 

[ココに“ホレ”た!] 自然にもやさしいPHEVは万一の災害時でも実力発揮

災害時にも威力を発揮するのが大きな魅力。ガソリンが満タン状態なら通常の家庭で、エンジンで発電しながらV2H機器を介して約12日間分の電気を供給可能です!(並木さん)

 

 

「走破性と醸し出す雰囲気」に“ホレ”る

【その2】質実剛健な新型ラングラーでアウトドアの王道を突き進め

ジープ

ラングラー アンリミテッド

704万円〜743万円

2018年にJKからJLへと進化を遂げたものの、ラングラーとしての基本スタイルは踏襲。操縦性、安定性、質感を向上させることで先代モデルの不満を解消している。日常と非日常の楽しさを両立できる憧れの存在だ。

SPEC【RUBICON】●全長×全幅×全高:4870×1895×1850mm●パワーユニット:3604ccV型6気筒●最高出力:284PS(209kw)/6400rpm●最大トルク:35.4kg-m(347Nm)/4100rpm●WLTCモード燃費:8.0km/L

 

↑約800mmの奥行きを持つスクエアなラゲッジは荷物を積みやすい。セカンドシートを倒せば2000Lへと容量を拡大できる

 

↑独立したラダーフレームは負荷にも強く、悪路を走行するジープらしい設計。ボディ自体の耐久性も高くなりライフスパンが長くなる

 

[ココに“ホレ”た!] 年式を経ても味が出て一生付き合える良き相棒

ジープのイメージを踏襲し、時代や年式に左右されることなく乗り続けることができるロングライフは大きな魅力。4WDの走破性能が安心感を提供してくれます。(並木さん)

 

 

「フランス車らしい優雅さ」に“ホレ”る

【その3】キャンプをバカンスに変えるフランス生まれの人気モデル

シトロエン

ベルランゴ

335万8000円〜374万9000円

キュートなスタイルと実用的な室内アレンジを融合させた、フランスのエスプリが漂う一台。「マルチアクティビティビークル」をコンセプトに誕生したモデルだけに、アウトドアでの使い勝手はパーフェクトと言える。

SPEC【SHINE XTR PACK】●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm●パワーユニット:1498cc直列4気筒ディーゼル+ターボ●最高出力:130PS(96kw)/3750rpm●最大トルク:30.5kg-m(300Nm)/1750rpm●WLTCモード燃費:18.0km/L

 

↑約90cmの奥行きを誇るラゲッジ。床下にリヤシートを収納すれば1.7mの長尺モノも収納でき、容量は最大2126Lまで拡大する

 

↑エアチュープ構造のフレームを付属のポンプで膨らませる純正タープを用意。完成サイズはW2500×H1800×D2500mmとなる

 

[ココに“ホレ”た!] フランスは商用車もシャレオツであります!

フルゴネットという商用車をベースに開発され使い勝手は良好。「モジェット」と呼ばれるパノラミックガラスルーフとストレージを一体化した開放的なルーフは絶品です。(並木さん)

 

 

「カスタマイズ性の高さ」に“ホレ”る

【その4】商用車ながらも快適性は抜群でカスタムベースとしても最適!

トヨタ

プロボックス

149万1000円〜201万4000円

アウトドアフリークの間でただいま人気急上昇中なのが、商用ベースの本車。リフトアップキットやキャリアなどのカスタムパーツが続々とリリースされ、手を加えることで精悍なアウトドア仕様へとモディファイ可能だ。

SPEC【F・ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4245×1690×1525mm●車両重量:1160kg●パワーユニット:1496cc直列4気筒+モーター●最高出力:74[61]PS/4800rpm●最大トルク:11.3[17.2]kg-m/3600〜4400rpm●WLTCモード燃費:22.6km/L

 

↑商用車として生産されたモデルだけに開口部も広く積載能力は高い。シンプルなラゲッジルームはフラットで、DIYにも最適な設計

 

↑カスタムのトレンドはアウトドアに似合う武骨なスタイル。バンパーガードや大型のパイプ製キャリア、リフトアップに加えマットな塗装を施すことも

 

[ココに“ホレ”た!] 商用バンを大変身させる絶妙なカスタムセンス!

キャンプでの実用性を考えれば商用車の選択もアリ。乗り心地の悪さは新型モデルでは解消されました。カスタマイズすれば快適なアウトドア仕様へ変身します!(並木さん)

 

 

「経済性と遊びゴコロ」に“ホレ”る

【その5】必要最低限とは呼ばせない軽バン王者の底力を知る!

ホンダ

N-VAN

127万6000円〜187万2200円

人気の軽バンとしてアウトドアマンたちからの信頼度は抜群。低床プラットフォーム助手席側のBピラーをなくしたことで利便性を拡大した。仕事に遊びに活躍してくれるモデルだ。

SPEC【+STYLE FUN・ターボ】●全長×全幅×全高:3395×1475×1960mm●パワーユニット:658cc直列3気筒+ターボ●最高出力:64PS(47kw)/6000rpm●最大トルク:10.6kg-m(104Nm)/2600rpm●WLTCモード燃費:18.8km/L

 

↑アレンジが多彩なシートは運転席以外のすべてに荷物が積める。テールゲートから助手席までフラットに設計された室内は使いやすさに優れる

 

↑フルフラットにできる車内は車中泊に最適。社外パーツも豊富で自分らしいスタイルへとカスタムする楽しさを持つ。コスパは抜群だ

 

[ココに“ホレ”た!] キャンプに最適な構造はオリジナリティが光る!

高い経済性と唯一無二のオリジナリティが光る傑作モデル。キャンプや釣り、サーフィンなどのソト遊びをサポートする“秘密基地”的な雰囲気が男心を刺激します。(並木さん)

 

 

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キャンプをバカンスに変えるフランス生まれの人気モデル

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。本稿では専門家を魅了するシトロエン「ベルランゴ」を解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

「フランス車らしい優雅さ」に“ホレ”る

シトロエン

ベルランゴ

335万8000円〜374万9000円

キュートなスタイルと実用的な室内アレンジを融合させた、フランスのエスプリが漂う一台。「マルチアクティビティビークル」をコンセプトに誕生したモデルだけに、アウトドアでの使い勝手はパーフェクトと言える。

SPEC【SHINE XTR PACK】●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm●パワーユニット:1498cc直列4気筒ディーゼル+ターボ●最高出力:130PS(96kw)/3750rpm●最大トルク:30.5kg-m(300Nm)/1750rpm●WLTCモード燃費:18.0km/L

 

↑約90cmの奥行きを誇るラゲッジ。床下にリヤシートを収納すれば1.7mの長尺モノも収納でき、容量は最大2126Lまで拡大する

 

↑エアチュープ構造のフレームを付属のポンプで膨らませる純正タープを用意。完成サイズはW2500×H1800×D2500mmとなる

 

[ココに“ホレ”た!] フランスは商用車もシャレオツであります!

フルゴネットという商用車をベースに開発され使い勝手は良好。「モジェット」と呼ばれるパノラミックガラスルーフとストレージを一体化した開放的なルーフは絶品です。(並木さん)

 

 

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シトロエンのブランド広告キャンペーンは気合十分!

シトロエンは4月3日より、新しいブランド広告キャンペーンの展開を開始、動画を公開した。このキャンペーンでは、「シトロエンのモビリティに対するビジョンは、人々の自由への欲求から生まれる」というメッセージを訴求するものだ。

 

 

シトロエンの広告は、旧くからユニークなものが多かった。代表例としては、創業90周年のとき、パリのエッフェル塔に「CITROEN」のネオンサインを点灯させたビジュアルを展開していたことが挙げられる。

 

今回のキャンペーンで公開された動画は、シトロエンのブランドシグネチャーである「CITROEN INSPIRED BY YOU」のコンセプトのもと、同ブランドが長年にわたって人々の生活に根ざしたクルマづくりをし、それぞれの世代のモビリティのニーズをインスピレーションの源としてきたことが表現されている。

 

 

動画ではさまざまな時代、それぞれの異なるシトロエンモデルが登場。自由を求めるヒッチハイカーの物語が描かれている。動画のモデルは2CV(1949-1990)をはじめ、タイプH(1947-1981)、メアリ(1968-1988)、CX(1974-1991)、ヴィザGTi(1978-1988)、C3エアクロス(2017-)、そして最新型のC4カクタスと続き、最後にはシトロエンが体現する未来像として、2017年のパリ・モーターショーで披露されたコンセプトカーのCエクスペリエンスが登場する。

 

 

1919年の創業から現在に至るまでの99年、一貫して人々の生活に寄り添ってきたシトロエンブランド。今回のキャンペーンでは、それが改めて強調された。

 

 

いきなりですが、このクルマ、知ってます?

いきなりですが、シトロエン・ベルランゴっていうクルマ、御存知ですか? いやいや、日本には正規輸入されていないので、御存知なくても仕方ありませんね。実はこのクルマ、フランス本国ではルノー・カングーのライバルにあたるレジャー・アクティヴィティ・ヴィークルなのです。シトロエンのラインナップの中では、C3に次いで2番目に売れてるモデルなのだそうです。このベルランゴ、ここへ来て3代目へと生まれ変わりました。

 

ベルランゴ、打倒カングーなるか!?

 

 

 

大きなトピックとして挙げられるのは、まずフェイスが現在のシトロエン顔になったこと。意外やミニバンにも似合ってません? そしてC4カクタスのように空気のカプセルで車体を守るエアバンプが採用されたこと。カングーより120mm長く20mm幅広な標準ボディのほか、それより350mm長いロング版が用意されたこと。3列目のシートを持つ仕様も用意されたこと。シートを倒すと標準版で775リットル、ロング版で1050リットル、倒せるシートを全て倒すと4000リットルの荷室空間が生まれ、標準版では2.7m、ロング版では3.05mの長物を積めること。収納スペースが28個も用意されていること……と、使い勝手は大幅アップ、なのです

 

 

プラットフォームはプジョー3008やC4ピカソと同じ“EMP2”をベースに開発されていて、エンジンは110〜130psの1.2リッター・ガソリンと75〜130psの1.5リッター・ディーゼルがラインナップされています。走りももちろんですけど、シトロエンですから乗り心地も期待できそうです。

 

 

このベルランゴ、日本へ導入されるかどうかは何ともいえないのですけど、でもこれ、実用性は高そうだし、何より独特だけど行き過ぎてないスタイリングが結構魅力的で、意外や日本でもウケるんじゃないかな? なんて思うのです。プジョー・シトロエン・ジャポンの皆さん、どうかこのクルマの導入、検討してみてくださいねー。

 

 

“オチ”もお見事? シトロエンC4カクタスのCM

シトロエンはこのほど、新型「C4カクタス」の広告キャンペーンをスタートさせ、欧州を中心に30カ国で放映されるTVCMを公開した。

 

 

 

公開されたCMでは、新型C4カクタスに採用されたプログレッシブ・ハイドローリック・クッションというサスペンションの特徴がコミカルに表現されている。

 

 

ある朝、父親はC4カクタスで子供達を学校まで送り、その後、仕事場へと向かうのだが、彼はクルマに乗り込む前に、何かを忘れてしまい……。ストーリーは是非、動画でお確かめを。

 

 

 

シトロエンの名作、2CVが70周年を迎える

往年の名車「シトロエン2CV」が今年、70周年を迎える。これを祝して、シトロエンは2月7日から11日までパリで開催するクラシックカーの祭典「レトロモビル」において、1939年製の「2CVタイプA」や1976年製の「2CVスペシャルエディション」を出品する。

 

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シトロエン2CVは1948年のパリ・モーターショーで初披露された。当時のフランス第16代大統領ヴァンサン・オリオールとともに登場。
前輪駆動、ソフト・ロングトラベル・サスペンション、空冷2気筒エンジンなど、当時としては画期的な技術が用いられたほか、ユニークなスタリングも特徴で、瞬く間に人気者に。1990年までの42年間で累計生産台数は510万台にのぼった。

 

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さらに今年のレトロモビルでは、1968年の誕生から50周年を迎える「メアリ」も出品。同ブランド最新の作である「C3エアクロス」とともに、シトロエンブースに展示されている。

 

 

 

東京モーターショー2017|プジョーとDS、シトロエンのフレンチ3ブランドはニューモデルを披露

プジョーは308がジャパンプレミアとして発表(と同時に発売開始)されたほか、ヨーロッパ各国で2017カーオブザイヤーを獲得した5008や3008といったミニバン、SUVモデルを中心に展示。

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プジョー308
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308GTiには270psの出力を誇る1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを用意。そのほかにも1.2リッター直列3気筒ガソリンエンジンや1.6リッターと2リッターをラインナップする4気筒クリーンディーゼルなど豊富なバリエーションが揃う。

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2014年に創設されたDSオートモビルズからはDS 7 クロスバックが東京モーターショーで日本向けにアンヴェール。さらにラグジュアリーブランドらしくDSオーナーに対してのホスピタリティサービスである「DS ONLY YOU」も日本国内への導入もアナウンスされた。

 

DS 7 クロスバック
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カメラセンサーで自車の5~20m前方の路面状況をスキャンし、その情報を元にダンパーを4輪それぞれに電子制御する「DS ACTIVE SCAN SUSPENSION」を搭載。

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一方、新たなブランドシグネチャー「INSPIRED BY YOU」を掲げたシトロエンは、西展示棟アトリウム会場で個性的なデザインと快適性を兼ね備えたCITROEN GRAND C4 PICASSOとC3を披露。

 

シトロエンC3
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オンボードカメラが搭載され風景などを写真やムービーとして撮影し、スマートフォンを介してシェアできるシトロエン・コネクテッドカムを搭載。自動車としては世界初の装備となっている。

 

(レポート:山中知之)