「KFC」をテーマに結婚式を挙げたシンガポールのカップル、米国は不思議そうに見ていた…

人生の一大イベントである結婚式は、ディズニーファンならディズニーランドで、鉄道ファンなら電車を貸切って行いたいと思うでしょう。ケンタッキーフライドチキン(KFC)好きなら、もちろん結婚式でもKFCに囲まれたい……。そんな熱い思いを形にして「夢が叶った!」と興奮気味にFacebookに投稿したシンガポール人カップルがいます。

↑カーネルおじさんも喜んでいるはず

 

シンガポール在住のレイン・ル・ウォンさん(32歳)は、KFCが大好きな女性です。そこで自身の結婚式でも、招待客への料理にはKFCのフライドチキンを大量に用意しました。会場のあちこちに、赤の「KFC」のロゴや、赤いラインが入ったおなじみのカップなどをディスプレイしたのです。

 

極めつけは、新婦のウォンさんが手にしたフライドチキンのブーケ。花に6個ほどの大きめのフライドチキンが刺さったブーケが用意され、ウォンサンはそれを手にして満足そうな表情を見せています。


しかも、この依頼を受けた地元のKFCのマネージャーは、依頼者のウォンさんが、歩くことが難しく車椅子を使っていることを知り、シンプルなお祝いの言葉を贈る以上のことをしたいと決意。ジンジャースパイシーチキンサンドを再現した巨大なチェアと、写真撮影用の背景に使えるボードもプレゼントしたそうです。

 

これにウォンさんは感激。動画では、フライドチキンのブーケを参加者に“ブーケトス”をして楽しんていたとか。

 

米国発のKFCがシンガポールに上陸したのは1977年。もう45年以上もの歴史があり、人々の間ではおなじみのファストフードとして親しまれているのでしょう。しかしその一方、今回の出来事を不思議そうに見ているのが米国人です。このニュースを報じたNew York Post紙のXの投稿には肯定的な意見があるものの、「私もKFCが好きだけど、この結婚式はちょっとやり過ぎかも……」というようなコメントもあります。

 

ちなみに、今回のウェディングの料理にかかったコストは2300ドル(約34万円※)で、KFCが負担してくれたそうです。新郎新婦に幸あれ。

※1ドル=約147.7円で換算(2023年12月1日現在)

 

【主な参考記事】

New York Post. I had the KFC-themed wedding of my dreams — with a fried chicken bouquet and all. November 29 2023

The Starits Times. From bouquet to buffet: Couple serve up KFC-themed wedding. November 29 2023

「究極のカルチャーショック!」米国人がシンガポールで驚いたこととは?

すりや置き引きが当たり前に起こる国の人からすれば、高価なものが誰からも奪われずに置いてある光景は、驚異に映るのかもしれません。シンガポールを旅行したある米国人が、「シンガポールでの究極のカルチャーショックだった」と表現して、SNSで話題となったのは、高級自転車が路上に立てかけられているシーンでした。

↑安全性で米国のはるか先を行くシンガポール

 

ニック・ウィッカ―さんが自身のXに投稿したのは、シンガポールの道端での写真。テイクアウト専門店のカウンターの近くに、2台の自転車が置かれています。これは、LVMH傘下のイタリアの自転車ブランド「ピナレロ」のドグマF12。1台1万5000ドル(約225万円※)もするのだそうです。

※1ドル=約150円で換算(2023年11月2日現在)

 

この自転車の所有者は、このテイクアウト店で注文して近くで食事をとっているのかもしれませんが、米国ではすぐに誰かに目をつけられて、自転車を奪われそうなもの。そんなことから、ニックさんは米国とシンガポールの治安の違いを目の当たりにしたのでしょう。

 

この投稿の閲覧数は111万回以上になり、5400以上のいいねがつき、大きな反響を呼んでいるのです。「米国人を驚かせる、“先進国”でよくあることだ」「どこでもこれがスタンダードであるべき」「私たちの国でも同じことができるはず」などのコメントが寄せられ、人々の社会的なマナーや秩序の良さに改めて感嘆した人が多かったようです。

 

ザ・エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる「世界の都市安全性指数2021」によると、シンガポールの安全性指数は、1位のコペンハーゲン、2位のトロントに次いで、世界第3位。特に犯罪率でのスコアは、東京と大阪に次いでシンガポールが高かったと評価されています。つまり、シンガポールは日本と同様に、安全性が高い都市のようなのです。

 

治安がよく、安全な場所は、旅行者にとってもメリットが大きいもの。そんな面でもシンガポールは魅力的な都市の1つといえそうです。

 

【主な参考記事】

New York Post. American tourist shocked to see $15,000 bike left safe, unattended on Singapore street. October 31 2023

The Economist Intelligence Unit. Safe Cities Index 2021

飛行機のドリンクホルダーに手を突っ込んでみたら、まさかの事態に…

飛行機や新幹線などの乗り物についているドリンクホルダー。その輪っかの部分に、なぜか手を突っ込み、取れなくなった乗客が海外で現れました。

↑変なことを思い付いたぞ

 

シンガポール航空のホーチミン行きの飛行機に乗り込んだ、シンガポール人のアブラハム・デ・ローレさん(29歳)。飛行機に乗っておよそ1時間が過ぎると、彼は何を血迷ったのか、座席の前にあるドリンクホルダーに自分の手を突っ込んだのです。

 

すると、手が抜けなくなる事態に……。

 

彼いわく、「ドリンクホルダーに自分の手が入るかどうか試してみようと思った」のだそう。しかし、彼の思惑に反して、手がホルダーにハマってしまったのです。

↑ヤバい!

 

この間抜けな事態を、隣に座った友人がさっそく動画で撮影。恥ずかしい姿に、男性は友人に小声で「CAを呼ぶな!」と言っているのですが、たまたま通りかかったのか、1人のCAが男性の手元に気づくと、思わず笑ってしまっています。

 

手伝おうと手を差し伸べるCAに対して、滑りをよくして手を抜こうと考えたアブラハムさんは「バターをください!」と頼むのですが、「ああ、バターはありません……」と言われる始末。

@kdarshen Indeed a great way to fly #singaporeairlines #flysq #agreatwaytofly #bestie ♬ bunyi asal – haa

結局、手のひらの角度を変えたり、あれやこれやと10分ほど格闘し、最後は力任せに手を引き抜き、無事にドリンクホルダー地獄から抜け出すことができたのです。

 

私たちは突然、変なことを思いついて「やってみよう!」という衝動にかられますが、ドリンクホルダーにだけは手を入れてはいけないようです。

@kdarshen Replying to @Hungry Bangladeshi Aunty the update you guys were waiting for #bestie #singaporeairlines #flysq #agreatwaytofly ♬ original sound – Darshen

 

【主な参考記事】

Yahoo! News. Curious man gets his hand gets stuck in airplane cup holder mid-flight to Vietnam. October 3 2023

ご近所がまるでスーパー…。シンガポールで「共同購入」を巡り悪夢のトラブル発生

シンガポールで、共同購入を巡る近隣トラブルが話題になっています。

↑共同購入の人たちは幸せ、私はイライラ

 

50代の女性のゴーさんは、2019年にフラット(集合住宅)に引っ越しました。その前からすでにご近所の人は共同購入の事業を行なっていたそう。

 

引越し当初はこのことが気にならなかったそうですが、2023年に入ると、この隣人が共同購入で取り扱う量が急増。1日に3〜4回、業者やお客が来るようになり、それが週に4〜5日も起きるようになりました。ある日には、隣人の家に40人近くも作業のために集まっていたそう。知らない人が家の近くで待っているのは、気持ちの良いことではありません。

 

平穏な生活を望んでいたゴーさんですが、現実は悪夢。通路では荷物が山積みにされ、ドタバタした作業の音が朝から晩(ときには夜遅くにお客が荷物を受け取りに来ることも)まで聞こえており、もはや我慢の限界。「『私はスーパーの隣に住んでいるのか』と本当に思っていました」と心境を話しています。

 

商品を集団で一括して注文して受け取る購入形態の共同購入は、日本でも以前から存在していますが(代表例は生協)、シンガポールではコロナ禍でその人気が高まりました。近隣同士の交流を図るだけでなく、小さな業者を助けるために、同国政府も支援するようになったそうです。

 

しかし、ゴーさんはそんな世の中のトレンドにうんざり。役所に相談した彼女は、そこの勧めで防犯カメラを自宅に設置。隣人の活動を映像で記録し、それを証拠にして行政に苦情を訴えたところ、隣人は静かになり、やがて姿が見えなくなったそうです。

 

静かな生活を取り戻したゴーさん。「家は倉庫や配送拠点になるべきではない」と述べています。隣人が少しでも気遣いができていたら、世間を騒がせることはなかったかもしれません。

 

【出典】
CNA. ‘Thought I was staying next to a supermarket’: When group buying becomes a neighbour’s nightmare. June 5 2023

「ハラルフード」の市場価値は最大19兆円! アジア諸国で和食のハラル需要が拡大

現在、世界人口のおよそ4分の1を占めるイスラム教徒(ムスリム)。イスラム教の食べ物は、神によって食べることが禁じられている食べ物の「ハラム」(代表例は豚肉とアルコール)と、許されている「ハラル」(例:野菜、果物、穀物、魚介類)に大きく分けられますが、最近ムスリムの間で注目を集めているハラルフードといえば、和食・日本食です。ムスリムが多いアジア諸国などで、ハラルの焼き肉や寿司のニーズが少しずつ高まっています。

 

市場が拡大するハラルフード

ムスリム人口の増加でハラルフード市場も拡大

 

ここ数年、ハラルフードは国際機関のOIC(イスラム協力機構)加盟国を中心に市場価値が上がってきました。統計プラットフォームのStatistaによれば、2021年におけるインドネシアのハラルフードの市場価値は1467億ドル(約19兆円※)で、バングラデシュは1251億ドル(約16兆円)相当とのこと。また、OIC諸国のハラルフードの輸入総額は2000億ドル(約26兆円)と推定されています。

※1ドル=約131円で換算(2023年3月27日現在)

 

インドネシアはムスリムが世界で最も多い国で、その数はおよそ2億3000万人。その後にインド、パキスタン、バングラデシュが続いており、ムスリム人口が多い国ではその分ハラルフードの需要もあるようです。

 

大人気の国内ハラル和食店

ムスリム客の行列ができる「寳龍総本店」

 

和食は世界中で認知度が高く、ムスリムからも好まれています。一般的に外国人の間で人気が高い和食・日本食といえば、ラーメンや焼き肉、寿司などがありますが、日本にはそれらのハラル版を提供しているレストランが既に存在しており、長蛇の列になっていることがよくあります。

 

例えば、北海道の札幌にあるラーメン店「寳龍(ほうりゅう)総本店」は、豚肉やアルコール不使用のハラル対応味噌ラーメンを提供。札幌ラーメンを食べたいムスリム客でほぼいつも満員です。

 

一方、大阪の難波にはハラル焼き肉が食べ放題の「ぜろはち難波OCAT本店」があり、ハラルの焼き肉店は他にもあるものの、同店は珍しく食べ放題であるため、ムスリムの間でとても人気です。

 

海外にも少しずつ広がる

海外に再び目を転じると、ハラルの和食レストランは現在のところ海外諸国にそれほど多く存在していません。しかし貴重な存在だからこそ、ハラルの和食レストランはムスリムから重宝されています。

 

2021年から2022年にかけてアラブ首長国連邦で行われたドバイ国際博覧会(万博)では、回転寿司チェーンの「スシロー」が6か月間の期間限定で初出店しました。初となるハラル対応メニューを開発したこともあって、平日でも3時間待ちの列ができるほど繁盛し、合計17万5000人を超えるお客が来店したそうです。

 

同店は、アルコールが含まれている通常の醤油やうなぎのタレを使用せず、代わりにそれらを現地調達するなどしてハラルの回転寿司を実現させました。この万博での盛況ぶりを見て、今後はアジア圏を中心に海外の店舗を増やしていく計画のようです。

 

アジア圏の中では、既にハラル和食が広がりを見せている国もあります。

 

シンガポールのボートキーにある「Ronin(以前の店名は「Gaijin」)」というハラル和食レストランは、2022年4月にオープン。Facebookなどのソーシャルメディアで絶賛され、予約枠がすぐに埋まってしまうほど人気があります。ハラル対応の焼き鳥や焼き肉を提供するほか、ビーツとひよこ豆のペーストを添えたタコ焼きや、塩漬溶き卵の汁を添えた餃子など、和食とそれ以外の料理を融合させたものもあります。本格的な和食体験をしてもらうために、店内には伝統的な障子や座敷なども取り入れられました。

 

また、同じくシンガポールで屋台2店舗を展開している「Abang Curry」は、比較的手ごろな価格で提供するハラルの和風カレー店。日本のカレーをシンガポール風にアレンジし、米の代わりに麺を選ぶことも可能。メインに付くソースも3種類から選べ、カレーパンなどのスナックも販売しています。

Abang Curryのハラル和食カレー

 

このように、ハラル対応の和食の人気は今後さらに伸びていく可能性があります。イスラム教徒が多いアジア諸国などには、まだ本格的なハラル和食レストランが少ないため、メニューなどの工夫次第で、高いニーズが見込めるかもしれません。

 

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